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1976/04/14 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第12号
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1976/04/14 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 商工委員会 第12号

#1
第080回国会 商工委員会 第12号
昭和五十二年四月十四日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 野呂 恭一君
   理事 中島源太郎君 理事 橋口  隆君
   理事 武藤 嘉文君 理事 山崎  拓君
   理事 上坂  昇君 理事 佐野  進君
   理事 松本 忠助君
      青木 正久君    鹿野 道彦君
      粕谷  茂君    藏内 修治君
      佐々木義武君    辻  英雄君
      中西 啓介君    楢橋  進君
      西銘 順治君    林  義郎君
      渡辺 秀央君    板川 正吾君
      加藤 清二君    後藤  茂君
      清水  勇君    中村 重光君
      長田 武士君    玉城 栄一君
      西中  清君    宮田 早苗君
      工藤  晃君    安田 純治君
      大成 正雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      藤田 正明君
 出席政府委員
        内閣審議官   大橋 宗夫君
        総理府総務副長
        官       村田敬次郎君
        公正取引委員会
        委員長     澤田  悌君
        公正取引委員会
        事務局長    後藤 英輔君
        通商産業政務次
        官       松永  光君
 委員外の出席者
        議     員 多賀谷真稔君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  安倍晋太郎君     田中 正巳君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第七二
 号)
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(多賀谷真稔君外八
 名提出、衆法第二八号)
     ――――◇―――――
#2
○野呂委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び多賀谷真稔君外八名提出、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び日本共産党・革新共同四派共同提案に係る私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、政府及び提出者より順次提案理由の説明を聴取いたします。藤田総理府総務長官。
    ―――――――――――――
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○藤田国務大臣 ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 独占禁止法については、昭和二十八年以来実質的な改正は行われておりません。この間のわが国経済は、競争の中に生かされた民間経済の活力に支えられ、目覚ましい発展を遂げてまいりました。しかしながら、最近における経済を取り巻く環境は著しく変化しており、わが国経済は従来のような高度成長を期待することはできず、安定成長に向かって大きく変貌を遂げようとしております。このような環境のもとで今後のわが国経済の一層の発展を図るためには、情勢の変化に適応し、国民の理解の得られるルールを確立して、公正かつ自由な競争を促進し、自由経済に新しい活力を与えることが必要となったのであります。このような背景のもとに今回政府は独占禁止法を改正しようとするものであります。
 この法律案は、以上の観点から、不当な取引制限等について課徴金の納付を命ずる制度及び独占的状態が生じた場合における競争回復のための措置に関する制度を新設するほか、会社の株式の保有の制限、違反行為に対する排除措置等を強化する等により、公正かつ自由な競争を促進しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明いたします。
 第一に、不当な取引制限等について課徴金を国庫に納付することを命ずる制度を新設することとしております。これは、いわゆる違法カルテルの発生の状況等にかんがみ、禁止規定の実効性を確保するための行政上の措置として、違法カルテルにより得られた経済上の利得について、その納付を命じようとするものであります。課徴金の額は、違反行為の実行期間における売上額に業種に応じ一定の率を乗じて得た額の二分の一に相当する金額とし、二十万円未満の場合はその納付を命じないこととしております。
 第二に、独占的状態が生じた場合における競争回復のための措置に関する制度を新設することとしております。すなわち、一定の規模以上の事業分野において、一定の市場構造があり、価格、利益等の面での弊害があらわれているという独占的状態があるときは、競争を回復させるための最後の手段として、営業の一部の譲渡その他必要な措置を命ずることができることとしております。これは、競争を経済運営の基本に置こうとするものであります。なお、この措置の重要性等にかんがみ、その要件、手続等につき配慮を加えております。
 第三に、大規模な会社及び金融会社の株式の保有の制限を強化することとしております。すなわち、大規模な会社に対しては、その資本の額または純資産の額を超えて他の会社の株式を保有してはならないようにするとともに、金融会社に対しては、他の会社の株式を保有することができる限度を現行よりも厳しくすることといたしております。なお、規制を強化するに当たっては、株式保有制限に国策的見地等からの例外を設けることとするほか、証券市場や中小企業への影響等を考慮して所要の経過措置を置くこととしております。
 第四に、高度に寡占的な業種における価格の同調的引き上げについて、その理由の報告を求めるとともに、その概要を国会に報告する制度を新設することといたしております。
 第五に、違反行為に対する排除措置の内容を強化することとしております。事業者や事業者団体の行う不当な取引制限に対して、単にその排除を求めるだけでなく、違反行為によって生じた影響を排除するためにとることとなる具体的措置の内容の届け出等を命ずることができるものとするほか、既往の違反行為に対する措置、不公正な取引方法に対する排除措置についても、その強化を図っております。
 第六に、審判における公正の確保と被審人の防御権尊重の観点から、手続に関する規定を整備することとしております。すなわち、事件の審査に関与したことのある審判官に当該事件の審判手続を行わせてはならないこと、審判官に審判手続を行わせた場合には被審人が公正取引委員会に直接陳述する機会を与えるべきこと、審決における事実の認定は審判手続において取り調べた証拠によるべきこと等を法律上明確にするとともに、審決取り消し訴訟において、審判手続で提出できなかったことにつき重大な過失がないことを理由とする新証拠の申し出をすることができるものとしております。
 このほか、違反事実についての報告者に対する通知に関する規定を設けることとするとともに、罰則その他の規定につき所要の整備を図ることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#4
○野呂委員長 次に、提出者多賀谷真稔君。
    ―――――――――――――
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○多賀谷議員 日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同の共同提出に係る私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
 御承知のとおり、さきの第七十五回国会においては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律について衆議院において慎重な審議を行い、その結果、政府提出の改正案について全会一致をもって修正議決したのであります。しかし、参議院においては提案理由の説明が行われただけで審査未了となったのであります。
 言うまでもなく、今日独占禁止法を改正するゆえんは、最近の著しい経済環境の変化に対応して今後のわが国経済の一層の発展を図るためには、情勢の変化に適応した国民の理解を得られるルールを確立して、不当な市場支配力を排除し、公正かつ自由な競争を促進する必要があるからであります。このような認識は大筋において各党に共通するところであり、この観点から、より有効適切な内容のものとするため、五党一致により四点の修正を加えたのであります。
 以下、その内容を、今国会における政府提出改正案との関連に言及しながら申し上げます。
 修正の第一は、不当な取引制限における違反行為に対する排除措置について、当該行為の影響を排除するために企業によってなされる具体的措置の内容の届け出及び実施状況の報告に関する規定を削除する一方、公正取引委員会が違反行為の影響を排除するために必要な措置を命ずることができる旨を明確にし、排除措置の徹底を図ったのであります。今回の政府案は、削除された規定を復活して、今日まですでに実施されている排除措置をも制限するおそれのある内容に変質しているのであります。
 修正の第二は、独占的状態の排除措置について、審決前における主務大臣との協議に関する規定を削除し、公正取引委員会の職権行使の独立性を確保したのでありますが、今回の政府案は、独占的状態の有無についての判断まで主務大臣の意見の影響を受ける規定になっており、委員会の権限の独立性に重大な疑問を残すものとなっております。
 修正の第三は、価格の同調的値上げに対して、その報告の徴収等に関する規定を削除し、公正取引委員会の調査権に対する制約を除いたのでありますが、今回の政府案は、ほぼ同内容を復活し、改めて問題を振り出しに戻しているのであります。
 修正の第四は、課徴金において、算定基準を製造業について四%とし、減額措置に関する規定を削除したのでありますが、この点は今回の政府案においても取り入れられております。
 なお、今回の政府案においては審判並びに訴訟の手続について幾つかの改正がなされ、その中には公正取引委員会の権限を制約する規定が織り込まれているのであります。
 以上、修正の内容と今回の政府案との対比を申し上げました。
 政府は、当然、今国会に五党一致の修正により衆議院を通過したものと同一内容の独占禁止法改正案を提出すべきであり、これこそまさに議会政治の本旨に沿うゆえんであります。それにもかかわらず政府は新たに五党一致の修正案より後退した内容を含む独占禁止法改正案を提出したことはまことに遺憾と言わざるを得ません。
 四党共同提出にかかる本法律案は、さきの第七十五回国会における政府提出の独占禁止法改正案について五党一致をもって修正したものと全く同一内容のものであります。さきの国会における衆議院通過の経緯にかんがみ、速やかに全会一致をもって御可決下さるようお願いいたします。
#6
○野呂委員長 以上で両案についての提案理由の説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る十九日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時四十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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