くにさくロゴ
1976/05/13 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 文教委員会文教行政の諸施策に関する小委員会 第3号
姉妹サイト
 
1976/05/13 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 文教委員会文教行政の諸施策に関する小委員会 第3号

#1
第080回国会 文教委員会文教行政の諸施策に関する小委員会 第3号
昭和五十二年五月十三日(金曜日)
    午前十時七分開議
 出席小委員
   小委員長 登坂重次郎君
      玉生 孝久君    塚原 俊平君
      小川 仁一君    水田  稔君
      伏屋 修治君    中野 寛成君
      山原健二郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 井内慶次郎君
 小委員外の出席者
        文教委員長   藤尾 正行君
        文 教 委 員 藤波 孝生君
        青少年対策本部
        参事官     石瀬  博君
        警察庁刑事局保
        安部少年課長  仁平 圀雄君
        文部省初等中等
        教育局審議官  奥田 真丈君
        文部省社会教育
        局青少年教育課
        長       柴沼  晉君
        文教委員会調査
        室長      大中臣信令君
    ―――――――――――――
五月十三日
 小委員木島喜兵衞君同日小委員辞任につき、そ
 の補欠として小川仁一君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員小川仁一君同日小委員辞任につき、その
 補欠として木島喜兵衞君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 文教行政の諸施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○登坂小委員長 これより文教行政の諸施策に関する小委員会を開会いたします。
 この際、前回の本小委員会において問題となりました国際学友会に係る留学生の日本語教育の問題について御報告申し上げます。
 日本学友会の日本語教育について、外務省と交渉の結果、学友会の内部の問題については本小委員会のあずかるところではございませんので、われわれといたしましては、速やかに外国の留学生に対する日本語教育の目的を果たしたいというのが本小委員会の各委員の要望でありましたので、外務省に交渉いたしまして、とりあえず日本語教育を早急に実施するように厳重に文教委員長と私とで申し入れました。その結果、外務省文化事業部長より、速やかに実施するように内部調整を行い、赤坂の旧日本大学の付属高校、日大三高を借り受けまして、そしてこれを修築いたしまして、五月十六日までに入学式を行い、十七日より授業を開始することを決定したという公文書の通知をいただきましたので、右、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
#3
○登坂小委員長 次に、文教行政の諸施策について調査を進めます。
 本日は、不良雑誌等の社会教育上、青少年に及ぼす悪影響にかんがみ、その自動販売機等による販売方法が社会的問題となっておるので、その現状について関係当局より説明を聴取し、その後御協議を願いたいと存じます。総理府青少年対策本部石瀬参事官。
#4
○石瀬説明員 総理府の方から御説明申し上げます。
 自動販売機によりまして、ポルノ雑誌が無差別に販売されている、青少年が非常に買いやすい形で売られているということにつきましては、私ども非常に憂慮すべき問題であるというふうに考えております。
 自動販売機による販売の実態についてでございますが、昨年末の日本自動販売機工業会の発表されました数字によりますと、全国で自動販売機というのは約三百十万台、そのうち雑誌、新聞関係の自動販売機というのは二万三千台というふうに伺っております。これは、雑誌と新聞を込みにした数字でございますので、雑誌のみの自動販売機ということになりますと、必ずしも正確な数字がつかめないわけでございますけれども、一万六、七千台とも一万三、四千台とも言われております。これは、普及台数ということで申し上げたわけでございまして、実際の設置台数ということになりますと、警察庁の方で詳細な御調査をなさっておられるので、後ほど御説明があろうかと思います。
 収納されております図書についてでございますが、昨年の九月、十月に東京都が物価調査員の方々にお願いいたしまして、都内の自動販売機について調査いたしましたところ、収納されております図書の四三・六%が青少年の健全育成上問題がある図書である、こういう調査結果になっておりますし、また本年一月同じように東京都内で行われました調査によりますと、九〇・五%の自動販売機が何らかの形で有害図書を販売している。これは、ポルノ雑誌等のみを専門で販売している自動販売機もあれば、そう問題のない図書とポルノ雑誌等を混売しているようなものもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、青少年の健全育成上問題があるという図書を販売している自動販売機というのが九〇・五%ある、こういうことを聞いております。
 実態上の問題点として、いろいろ考えられるわけでございますが、先ほど申し上げました東京都の調査では、図書を扱っております自動販売機の四分の一が一般の書店に併置されているということのようでございまして、その他が四分の三ということになっております。書店に併置されております自動販売機につきましては、雑誌協会加盟の各社の発行図書を扱っておりまして、内容も比較的よろしゅうございますし、自主規制のあり方というようなことにつきましても、おおむね理解しているということでございますが、一般の書店以外の場所に設置されている自動販売機につきましては、自動販売機専門の業者が発行するいわゆる俗悪本と言われるものを多く取り扱っておりまして、自主規制のあり方につきましても、よく理解してないというふうに言われております。一般の雑誌につきましては、発行日の関係で返本の問題があるわけでございます。利益率も比較的低いということでございますが、いわゆるポルノ雑誌等につきましては、必ずしも返本の問題がない、利益率も比較的高いということで、勢い自動販売機にはポルノ雑誌が集中的に扱われる、こういう形になろうと考えております。しかも、自動販売機による図書の流通販売ルートというのは、一般の図書に比較しまして、非常に複雑で、実態がつかみにくいという実情にございます。一般の図書の場合は出版社と読者との間に取次店とか書店がありまして、これはそれぞれ自主規制団体に加入しているわけでございますが、自動販売機の場合は、自主規制団体に加入しないディーラーというものが非常に多く介在しておりまして、それが自動販売機専門の出版業者あるいは販売業者と結びついているということで、非常に実態が複雑になっておるという状況でございます。
 こういうポルノ雑誌等の自動販売機による販売に対する取り組み方、本日、文部省、警察庁も御出席でございますけれども、私どもも関係の省庁とも十分に連絡をとりながら、また関係の団体とも連絡をとりながら、三つの方向でこの問題に対処しておるわけでございます。一つは住民の地域活動ということ、二つは業界の自主規制ということ、三つは都道府県の条例による規制ということでございます。
 逐次、御説明申し上げたいと思いますが、まず、住民の方々の地域活動につきましては、申し上げるまでもなく、自動販売機というのは、いわば地域に足がございます。地域内の居住者を介しまして、その地域内に設置されるということでございますから、地域活動に最もなじみやすい、地域活動によることが一番効果があるというふうに考えておりまして、私ども総理府といたしましても、地域活動の輪ができるだけ広がるようにということで青少年育成国民会議という関係団体もあるわけでございますが、そういったところと連絡をとりながら、地域活動を推し進めるように努力しているわけでございます。地域活動の具体的な進め方はいろいろ地域によって違いますけれども、たとえば、PTAのお母さん方が中心になりまして、自動販売機の実態調査をやる、その結果をもとに「町の皆様へ」といったようなチラシを地域の住民の方々にお配りして、住民の方々の関心を高める、同時にまた業者の方々に対して学校の周辺とか通学路には置かないようにしてほしいというような申し入れをいたしまして、その協力を得た事例もございますし、また地元町会とか商店会、婦人会あるいは防犯協会といったような地域組織が警察その他の関係機関の御指導、御支援をいただきまして、環境浄化モデル地区というようなものを設定いたしまして、ポルノ自販機の追放運動を盛り上げているというような事例もございます。
 先ほどちょっと申し上げました青少年育成国民会議、これは私たちの関係団体でございますが、実は三年前に環境問題専門委員会というものをその中につくりまして、青少年を取り巻く有害環境の浄化についてどう対処していくべきかということを検討してきたわけでございますが、昨今非常にポルノ雑誌の問題が大きく取り上げられてきましたので、昨年からは自動販売機によるポルノ雑誌の販売に限定いたしまして研究討議を進めてまいりました。私どもも国民会議と十分な連絡をとりながら、このほど地域活動の進め方についての手引き書というようなものを、ここに持ってきておるわけでございますが、つくりまして、これを各都道府県あるいは各都道府県の県民会議といったようなところにもお配りして地域活動がさらに盛り上がるようにしてまいりたいというように考えております。
 二番目は、業界の自主規制についてでございますが、出版物の自主規制につきましては、出版倫理協議会その他の自主規制団体がございまして、これまでも出版倫理綱領というようなものがつくられておるわけでございます。特に昭和四十年には自主規制の申し合わせと雑誌の取り次ぎについての自主規制の申し合わせというものが行われておりまして、後ほども申し上げますが、都道府県の青少年保護育成条例によりまして、知事が有害な図書として指定したそういう図書、それは過去連続して何回以上、あるいはまた過去一年間に何回以上というような図書につきましては、取り次ぎを原則としてしないというような自主規制の申し合わせ等も今日まで行われてきておるわけでございます。
 昨年来非常にこのポルノ雑誌の自動販売機の問題が大きく取り上げられましたものですから、十一月に全国雑誌自動販売協議会というような自主規制団体が新たに設けられておるわけでございます。出版社六社、機械メーカー六社、雑誌販売卸業者二十六社で昨年の十一月に組織されまして、この組織の中に出版倫理委員会というようなものを設けまして、自主規制の方針を打ち出しております。
 たとえば、内容的に見まして、青少年の性犯罪に結びつくような内容のもの、あるいはまたセックスそのものを取り扱うような内容のもの、そういったものは雑誌の内容として取り上げないというようなこと、あるいはまた販売方法につきましては、青少年向きの雑誌と成人向きの雑誌を混売しないようにしよう、あるいはまた学校の周辺とか通学路等にはそういった自動販売機は設置しないようにしようというようなことで、自主規制の申し合わせをしておるわけでございますが、何さまこの協議会は設立後非常に日が浅うございますし、加入業者も少なくて、必ずしも業界全般に大きな統制力を持っているというものではないわけでございます。私どもも大きな期待を寄せているわけではございませんが、せっかくこういう団体もできましたので、そういった団体とよく連絡をとりながら自主規制がさらに進むようにいたしたいというふうに考えております。
 実は総理府の方で毎年青少年育成国民会議とタイアップしながら、マスコミとの懇談会というものを行っておるわけでございますが、本年も二月の十七、十八日にこういう懇談会を開催いたしまして、初めて先ほど申し上げました全国雑誌自動販売協議会の事務局長も招きまして、自動販売機によるポルノ雑誌の販売の実態、問題点、自粛の要請等をやったわけでございます。来る五月三十日にも再度やる予定でおります。こういったことは総理府あるいは青少年育成国民会議の段階だけではなくして、各都道府県、市町村の段階においても行われているところでございます。
 第三番目は、都道府県の青少年保護育成条例による規制でございますが、現在三十六都道府県で青少年の保護育成に関する条例が定められております。大阪府を除きまして三十五都道県では有害図書の販売制限に関する規定を置いておるわけでございますが、その規定の内容は、知事が、青少年の性的感情を著しく刺激したりあるいは粗暴性を助長すると認める図書につきまして、青少年保護育成審議会といったようなところに意見を聞きまして、その意見をもとに有害図書として指定をする。大体年間九千件前後の指定が毎年行われているわけでございます。そういう指定されました図書につきましては販売をしてはならない、販売した者は処罰する、こういう仕組みの規定が置かれておるわけでございます。ただ、この規定につきましては、いわゆる店頭における対面販売を予想して規定された規定でございますので、自動販売機によるポルノ雑誌の販売に直ちに適用するかということになりますと、実務上なかなか困難な点もございます。そういったことで、最近自動販売機による有害図書の販売そのものを規制しようという動きが各府県に出てきておりまして、現在のところ六県そのような規定を置いております。新潟県、富山県、愛知県、三重県、奈良県、熊本県の六県でございます。規制の仕組みは二つございまして、一つは、先ほど申し上げました、知事が有害な図書として指定した図書については自動販売機に収納したり陳列してはならない、それに違反した者については処罰するというような規定の仕方と、いま一つは、知事が有害図書として指定した図書を自動販売機で販売している場合には、必要な勧告とか知事の措置命令、撤去せいというような措置命令、そういったものを知事が行う、それに対しましてなお命令に違反したような者は処罰するというふうな規定の仕方をしているようなところもございます。この自動販売機によるポルノ雑誌の販売そのものについての規制を、ただいま申し上げましたように六県やっておるわけでございますが、この規制の効果というのは相当に上がっているというふうに考えております。そういうふうに規定を取り込んでおりますけれども、実際に施行されておりますのは、奈良県が四月から、熊本県が五月からということで、その他はいずれも七月または十月、これから施行されるという段階でございますが、こういう規制が新たに加えられたということで新聞等で大きく取り上げられておるものでございますから、地域の住民の方々の関心も非常に高まっておりまして、施行前に地域活動とか自主規制というのが非常に盛り上がっている。まだ施行されないけれども、新聞でそういうことが出たということで、これはわれわれも考えなければいけないということで、場所を貸している方たちが自販機を設置している方に連絡をとりまして引き取ってもらうというような動きもございます。いずれにいたしましても、条例による規制というのは、住民の方々の地域活動とか自主規制を促したりあるいは支えたりする意味でも相当の効果があるというふうに私ども考えておりますので、他にも数県改正をいたしたいということで準備している県もございますので、よく連絡をとりながら必要な指導、助言をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 総理府からの説明は以上でございます。
#5
○登坂小委員長 次に、警察庁仁平少年課長。
#6
○仁平説明員 少年を取り巻く還境浄化につきましては、警察庁といたしましても、昨年五月少年課が新設されましたのを契機に、これを少年警察当面の運営重点といたしまして、目下積極的に推進しているところでございます。その活動の中で、ただいま問題になっております雑誌自動販売機は、重点対象の一つということで取り上げておるわけでございまして、法令に基づく取り締まりなり地域活動による撤去活動の促進等につきまして努力しているところでございます。
 まず雑誌自動販売機の実態についてでございますが、現在全国の警察が把握しております雑誌自動販売機の数は一万七百四十二台でございまして、昨年八月末現在における調査に比べますと、三千三百八十一台、四五・九%の増加ということになっております。また、これも全国の警察で把握しているところでございますが、雑誌自動販売機を所有しておる業者は四百六十七業者でございます。このうち、十台以上の雑誌自動販売機を所有しております業者は六十五ほどございまして、中には一業者でもって千六十五台という自動販売機を持っております。
 この雑誌自動販売機で販売されております雑誌の大半は、それ専門の業者が出版しているものでございまして、これらの雑誌は一冊約百五十円ぐらいから約七百円ぐらいでございまして、一冊の利潤は、四、五〇%から、多いのになりますと七〇%ぐらいあると言われております。なお、参考までに申し上げますと、通常の健全な週刊誌の利潤は約一〇%ぐらいだそうでございます。
 雑誌自動販売機業者の自主規制の状況につきましては、ただいま総理府の石瀬参事官の方からも説明がございましたが、昨年十一月に、自動販売機によって雑誌を販売する業者及び関連出版社等によりまして全国雑誌自動販売協議会というものを設置しておりまして、条例によって青少年に有害として指定されたものは収納しないとか、学校周辺や通学路には自動販売機を設置しないとか、マジックミラーを取りつけるとか、さらに出版倫理委員会を設置して、雑誌の表紙、内容等を規制していくとかいうような方針を打ち出しまして、徐々にではありますが実施されつつあるように見ております。しかし、この雑誌自動販売機の機械でございますが、これは一台約四十万から八十万円ぐらいする大変高価な機械でございますので、この減価償却のためには先ほど申し上げましたような利潤の高いポルノ雑誌を扱わなければ採算が合わないというところに、この種の自動販売機の本質的な問題があるというふうに私どもは見ております。
 次に、雑誌自動販売機に対する警察の取り締まり状況についてでございますが、これは当然のことでございますが、警察の基本方針といたしましては、第一には、法令に違反するものにつきましては厳しく取り締まるということ、第二には、法令には抵触しないけれども青少年の健全育成上有害と認められるものにつきましては、関係業界における自主的な改善が図られるように強く働きかけますとともに、関係機関、団体を初め、広く社会一般に対しましても問題を提起するということ、この二つを基本方針に対処しておるところでございまして、昨年七月以降現在までに、自動販売機によるポルノ雑誌販売事案につきましては、五件を刑法第百七十五条のわいせつ文書販売等の違反で検挙いたしまして、六千九百四十三部を押収しております。また、これも警察で集計いたしたところでございますが、昨年五月以降現在までに、婦人団体等の活動、地域活動によって撤去されました雑誌自動販売機の数は、千八百九十台に上っておるということでございます。
#7
○登坂小委員長 次に、柴沼文部省青少年教育課長。
#8
○柴沼説明員 先ほど来総理府、警察庁から御説明いただいておりますように、自動販売機がいわば野放しの状態で設置されて、そこでポルノ雑誌が売られ、これが心身の発達段階がいまだ未熟な青少年に非常に悪影響を与えておるということで、文部省としても大変憂慮しておる状況でございます。
 私どもとしましては、学校教育活動あるいは学校外の活動を通じて、青少年がこういうポルノ雑誌からの悪影響を受けないようにしていこうということでいろいろ努力をしてまいってきております。
 学校教育の面では理科とか保健とかそういう教科の指導、あるいは道徳、特別活動などの指導を通じて心身の発達段階に応じた性に関する科学的な知識を身につけさせる、そういうことで児童生徒が望ましい生活態度を身につけ、あるいは健全な異性観を持つように児童生徒の心身の発達を図ってまいりたい。それと同時に、生徒指導体制を一層強化していきたいというようなことで学校教育の方ではいろいろ努力をしております。
 それから、学校外の活動としては、先ほど警察庁のお話の中でも婦人団体の地域活動で自動販売機の撤去の件数等の御報告がございましたけれども、やはりこういう運動というのは地域ぐるみの活動でなければいけないということで、特に五十二年度からはPTAの地域活動促進費というような予算を計上しておりまして、PTAを核として地域ぐるみの体制をつくっていきたい。あるいはまた仲間づくり運動というものを、これも五十二年度から新規要求をいたしまして、これは総理府の青少年に対する意識調査などを見ますと、とかく青少年が孤独に悩みがちである、あるいはまた連帯感というものに非常に乏しいというような調査結果が出ておりますが、そういうようなことで、青少年たちがお互いに仲間をつくって相互に高め合っていくような運動というものを進めております。
 それからまた、青少年の情操を高めて、単なる取り締まりということではなくて、むしろ積極的にそういうポルノ雑誌等の悪影響を受けないような子供を育てていこうというようなことから、五十二年度の予算において、スポーツクラブの予算を新規に計上したり、青少年の芸術劇場とかこども芸術劇場とか、青少年団体の活動への補助を行っております。それと同時に、青少年教育施設というものを一層ふやしていって、青少年がそういう施設を使うというようなことによってそういう悪影響を受けないようにしてまいりたいと考えております。
 私ども文部省としては、いわば取り締まるというような立場にはございませんものですから、そういう学校の内外を通じての活動を通じて、こういうポルノ雑誌等が青少年に悪影響を与えないようにしてまいりたい、そういうことで総理府、警察庁ともたびたび会議等も持ちまして、何とかこういう現状を打開してまいりたい、そのように考えております。
 以上でございます。
#9
○登坂小委員長 以上で説明は終わりましたがただいまの説明について御質疑のあります方は御自由にひとつ……。
#10
○藤尾委員長 お手元に「「ポルノ」出版物の規制について――特に自動販売機による販売規制に関する討議資料」という衆議院法制局の書類をお回しを申し上げております。これは私ども、こういったものを論なく一掃いたしたいという考え方でおるわけでございますけれども、憲法によります出版の自由とか表現の自由とかいうようなものとの間にいろいろな抵触をする問題がございますし、こういった問題の法制的な根拠といいますものをはっきりさせていかなければならぬということで、衆議院法制局に相談をいたしまして研究をいたしていただきました結果がこの文書になって出てきておるわけでございます。
 これはお読みをいただきますと一目しておわかりいただけると思いますけれども、特に言論、出版の自由、憲法第二十一条といいますものが普通の憲法に保障する自由といいますものの中で特段に大きなウエートを持っておるという立場から、このポルノの規制という現象的な問題をとらえましても、ただ単に公共の福祉ということでこれの出版自体これを取り締まるということが、何がわいせつかということとの関連におきまして非常にむずかしい点がある、こういうことのようでございます。
 しかしながら、こういったことはそういったことにかかわりませずやらなければならない問題でございますので、どのようにしてやれるかという立場から考えてもらいましたのが第五番目の「自動販売機による「ポルノ」出版物の販売規制について」ということでございまして、とりあえず、これを自動販売機によって販売をいたしておるということは、これは書店におきます対面販売と違って、機械とだけ対面することによって売るわけでございますから、他人の目を意識しないでやれるということ、あるいは二十四時間これが作動しておる、昼夜の区別なくこれが販売、購入をしておるということ、絶えずこれが街頭で公開をされておって一般市民の購入意欲を刺激しやすいということ、こういった性格がただ単なる出版物の販売ということと一線を画する何らかの問題がある、こういうことでございまして、ポルノ出版物の全面的販売規制でなく自動販売機だけを取り締まるということで規制をするということであるならば、これはりっぱに、憲法との間の競合部分が非常に少なくてできるのではないかという憲法学者の解釈でございます。したがいまして、なおこれに伴っていろいろな法制的な問題が伴ってまいるということは十二分に考えられますけれども、この点は政治的に踏み切っていくということは必ずしも不可能ではないというのが衆議院法制局の憲法解釈でございまして、この点をひとつ当小委員会においてお取り上げをいただいて、思い切ってこの問題を御推進いただくということが私は非常に大切なことではないかと考えております。
 ただいま総理府あるいは警察庁、文部省のお話を承りましたけれども、これらについてそれぞれ対策を進めておられるような御説明でございました。しかしながら、その御説明があるにかかわりませず、まだ依然として町じゅうにこういったものがはんらんをし、あるいは警察庁の御報告によれば、それが短期間の間に四五%もふえておるというような実情のようでございますから、これは皆様方が御努力をいただいておるということと別に、その御努力が実っていないということを明確に示しておるわけであります。そういったことは私ども、今後の文教行政あるいは文教の環境浄化という問題に対して非常に困ったことだと考えるわけでございまして、あなた方がおできにならないのなら、これは私ども国会といたしまして、国民の名においてこういったものを絶滅をするというところに乗り出していかなければならぬ、かようにまで考えられます。
 私どもが取り上げておりますこの表題は何かきわめて小さなもののように考えられますけれども、そうでなくて、国民の健康な心身といいますものの育成に重大な影響を与えるものを取り除くということは非常に大きな文教上の要請であろう、かように考えます。したがいまして、この点はいままでのようなのんきな――まあそういうことを申し上げると、私どもはのんきにやっていない、そういうことをお答えになるかもしれませんけれども、そのようなことではとうてい許されない段階に来ておる、かように私は考えるわけでございます。たとえばいま総理府からお示しをいただいたようなPTAあるいは地域の皆様方にお配りをしておるというようなパンフレットにいたしましても、何部お刷りになったのか知りませんけれども、私どもそういったものにかつてお目にかかったことがないということでございます。予算上それが十二分に公開ができないということであるならば、直ちに私どもはその予算の増額をさして、そうして私ども、国内の一戸一戸にそれが配布できるようにそれぐらいの措置はとる意思を持っております。でございますから、そういった表面的な、やっておりますよというお役所仕事でなくて、それが本当に実態的効果を上げられますように本当の活動をやっていただきたい、かように考えておるわけでございます。
 特段と警察庁におかれましては、その取り締まりについてどうこうという非常に機微な点はございましょうけれども、ともかくもその自動販売機を一掃するというところまでおやりいただかぬと、私どもこの小委員会で小委員長初め皆様方が御苦労になっておられるその成果があらわれてこないわけでございますから、この点はしかとお考えをいただいて、どのような対策をしておるか、それがどうなっておるか。現にこことこことここはこういうふうにとれておりますというくらいのところをひとつ御報告ができるように御決意をいただきたい。警察庁の組織からいたしましても、津々浦々に至りますまで駐在所がございますし、またその警察官はそれぞれの地域を巡回をしておられるわけでございますから、そういったことが事実上法的な根拠さえ得ればできないということは言わせられないことだと私どもとしては思います。
 そういったこともお考えをいただいて、これは総理府におかれても腹を固めていただかなければいけませんし、あるいは文部省におかれましても、それが困ったことであるからこういうような対策をいたしておりますということでは相済まぬ、私はかように考えますので、はなはだ厳しいようなことを申し上げるようでございますけれども、腹をくくりてこういったものを一掃できるかできないかという勝負をひとつかけてもらいたいという気がいたします。よろしゅうございますか。お答えをちょうだいしたい。
#11
○登坂小委員長 それでは各出席者、警察庁、文部省、それから総理府関係の当局のいまのに対するお答えを願います。
#12
○石瀬説明員 総理府からお答えいたします。
 これまでも微力ではございましたが、できるだけの努力をしてまいったつもりでございますし、今後ともお話がありましたような方向で全力を尽くしたいと思います。
#13
○仁平説明員 警察庁といたしましては、先ほども申し上げましたように、昨年五月以来、環境浄化活動というものを当面の最運用重点にいたしまして取り組んでおるわけでございます。法令に違反する者についてはあらゆる法令を適用してすべて厳しく取り締まるということで対処しておるわけでございます。しかし、この法令による取り締まりには限界がございます。ですから可能な限りにおいて法令を有効に適用する、そして厳しく取り締まっていく、こういうことでございます。
 もう一つは、先ほども申し上げましたが、警察活動にも一定の限界がございますから、可能な範囲内において警察活動として対応する。すなわち、警察におきましては、先ほど先生からも御指摘ございましたように、その組織力からいたしまして、有害環境等の実態を最も知り得る立場にございます。したがいまして、少年非行の実態あるいはその非行に関連した社会環境、こういったものにつきまして警察で把握し得たものにつきましては、これを関係方面に対して情報提供する、問題を提起するということで、関係方面における活動がさらに一層積極的になるようにこれを促進するということで進めてまいりたいというふうに考えておりまして、この問題は法律によって一挙に取り締まってしまうというふうな性質のものではないと思うのです。やはり、国民の良識に基づきまして、あるいは一般的な合意に基づいて国民的な運動によって解決していくべき問題であろうというふうに考えておるわけでございまして、そのためには相当の時間もかかると思います。これは私どもがサボるということではございませんけれども、私どもとしてはこれを最重点に、社会環境がきれいになるように、当面は雑誌自動販売機が町から一掃されるようにということを目標にして、今後とも全力を挙げて取り組んでいくつもりでございます。しかし、多少の時間はかかるということは御了解いただきたいというふうに考えております。
#14
○柴沼説明員 文部省といたしましては、私ども取り締まるとかそういうような権限は一切ないわけでございまして、大変迂遠なようにお考えいただかれるかもしれませんですけれども、何とかして学校教育の面においては教科あるいは教科外の活動の指導を一層強めていきたいと思いますし、また生徒指導体制というものの充実強化に努めていく。それと同時に、学校外の活動で、五十二年度の予算では、幸いにさまざまな新規の予算が認められておりまして、そういう地域ぐるみの活動や何か、あるいは情操を高めるようなさまざまな施策がおかげさまで認められたというようなこともあって、そういう地域ぐるみの活動を通じ、あるいはそういうポルノ雑誌等に悪影響を受けないような青少年の健全育成を図ってまいりたい、そのように考えております。
#15
○藤尾委員長 そこで、いま私は申しおくれたわけでございますけれども、たとえば総理府の御報告のお話を承っておりますと、各都道府県でそういった条例をお決めになっておられるのが、四十七都道府県のうちの三十六都道府県であるとか。そうすると、あとの十一くらいは一体どうなっているのかということもございますし、あるいはそれが五月とか六月とか七月とかというところからいよいよ活動を始められるというような御報告もございましたけれども、そういったことを促進する意味で、できればこれは国会としてそのような意思表示を明確にして、都道府県に、そういうことを促進してはどうかということをやってもよろしいわけでございますから、そういったことをあなた方の方でどんどん進めていくために、国民との対話に国会といいまするものを十二分に御活用願うということが私は非常に必要だろうと思うのです。たとえば、この場におきましても、これから各小委員各位からいろいろな御質問も出ましょうけれども、そういったものも含めて、それが実効を上げられるように、いまだそういったものを施行していない都道府県に対しては、こういう条例をつくってはどうかということを私ども言うことはできるわけでございますから、そのように、たとえば何県と何県と何県はやっていないということであれば、それを公開するとか、あるいは現実に撤去をされた実例がどういうところでどういうようにあるということであるならば、それを公開するとかというようなことをおやりをいただかぬと、あなた方の頭の中だけで物事を考えておられましても、それは実効は上がっていかない。それをできるだけ広範にかつ強力に、速やかに効果を上げるということが目的でございますから、そのような御措置を願わなければならぬと思います。よろしゅうございますね。
#16
○登坂小委員長 あと各委員の方々、御意見をひとつお願いします。山原君。
#17
○山原小委員 いわゆる自動販売機を含めまして、退廃文化といいますか、ポルノ雑誌等の問題については、お話もありましたように、PTAあるいは婦人団体その他で問題にいたしおりますが、特に子供たちの非行との関係ですね。これがどういうつながりを持っているかということは、具体的に事例もかなり出ておるように思うのですが、そのことが一つと、それからもう一つは、憲法上の表現の自由といいますか、憲法第二十一条、それから営業権の憲法第二十二条の関係があって、なかなか大胆な発言ができない状態があるわけですね。しかし、私どもは去年の七月にこの問題をとらえまして、大胆な提起をして、替否両論、またずいぶんたたかれもしてきたわけですけれども、私どもの考え方としては、一つは、ポルノ論議をタブー視してはならぬという考えを持っています。当然この問題は論議すべき問題だと思っていますし、まして政治家がこの問題について言及することを避けるということは、決して正しいことではないのだという点で、この小委員会がこの問題をとらえましたことは意義のあることだと思っています。
 それからもう一つは、表現の自由の問題ですね。われわれ、表現の自由というのは、当然憲法上保障されたものとして尊重し、厳重に守っていかなければならない問題だと思っています。ただ、公共の福祉という名目のもとにこれが侵害されるということは許されないことであって、常に公共の福祉とかいうことのために自由が侵害をされてきた歴史というものを考えましたときに、表現の自由というものは当然断固として守っていくということと、文化の問題について相互批判をしていくという、この二つは決して相矛盾するものではない、こういう考え方に立っているわけです。
 それで今度の、特に自動販売機の問題を見てみますと、ただ強権でもってこれを一掃するという御意見もあるし、またもっと深部にわたって調査をしてみて、そして抑えるべき点もあるのではないか。たとえばある県の自動販売機を備えつけた本屋さんの例でございますけれども、この本屋さんはこう言うのです。「私達も困っている問題です。大手の図書の販売ルートを通して、毎週自動的にこういう雑誌がおりてくるので、返品すればこちらが送料を負担しなければならないし、売らずに置いておけばまるまる店が損をするしくみになっているので、今小売店組合で対策を話しあっていますが、もっと上の方で流通ルートをとめてもらわないと小売店だけを責められても困ってしまいます。当面うちでは昼間はひどい雑誌は抜いてかくしておき夜だけ入れるようにしています。」というような発言が、幾つか小売業者の中から出てくるわけですね。私は、大手の販売ルートを通じて、半ば強制的に抱き合わせでそういう雑誌が送り込まれ、そしてそれを拒否できないような状態に小売店が置かれているのではないかという点を指摘したいのです。これは一体どうなっておるか、それな状態に現実にあるのか。これは幾つかの書店からこういう意見が出ていますので、これなどは全く小売業者をいじめるばかりか、小売業者の本屋さんの意に沿わないことを強制してくるという点で、当然不当なこととして適切な指導をしてやめさすべきであるというふうに思います。
 それからもう一つ、非常に形を変えたかっこうで出てきている例ですが、これはある県の高等学校一年生に送りつけられてきた手紙です。この手紙を見ますと、最初どうしてその子供に――男の子ですけれども、その手紙が来たかというと、この子供があるとき、一度だけポルノ電話を利用したことがあるのだそうです。そのときに住所が判明をしたのか、そこへ婦人の名前で案内書が送り込まれるわけですね。
 その案内書の中には、これは私はファックスで焼きまして現物持ってきておりますけれども、かなり露骨な写真を相当数並べて、そしてこれは購入してもらいたい、しかも短期間に申し込んでもらいたい、そうでなければこちらの方は転々として店は移動しているのだ、だから前におくれた方は前のところに手紙を出しても間に合いませんから、期限におくれた方は改めて申し込みをしてくださいという婦人の手紙が、その高校一年生の子供に送りつけられているわけですね。たまたまその親が見つけて、それを私たちに見せてくれたわけですが、これは局どめでやっているわけです。
 それからしばらくしてまたその子供に、今度はもう少し長い文章が女の人の文字で、これは自筆ですが来ているわけです。それはとにかく、私の家には死んだ亭主がそういう写真類を集めている、その写真を買ってもらいたいということで、金額も入れまして、そして大阪のある純喫茶の写真まで入れて、ここへ申し込めば買えるのだということで、一度住所、氏名を手に入れますと、徹底的にその子供に対してこういうものが送りつけられて、逃げることができないように攻めてくるわけですね。こういう状態まであるわけです。
 これは私は、現物そのものはどういう状態であるか入手はしていませんけれども、カタログは持ってきておるわけですが、これなどは一体犯罪を構成しないのかどうか、そういった問題もあると思います。
 それから、特に婦人団体やPTAなどでやっておりますのは、自動販売機を全廃せよと言っても、いまの状態でできないかもしれないので、たとえば学校の子供たちの通学路からは姿を消してもらいたいとか、さまざまな要求が出ながら、皆それぞれ自分の地域の状態を調べて、この町には何台あるとかいうのを調べて、そしてそれぞれその店屋さんに行って何とかやめてもらいたいとかいうような自主的な運動が起こっているわけですね。これは大変大事なことであって、私はまず国民的な批判によってこれを解決していくということを勇気づけ、そしてそれを大きな運動にしていくということが大変必要だろうというふうに思うわけです。
 それからもう一つは、文部省の仕事としては、私は何といってもこういう状態が出てきたのは、高度経済成長政策の中で全く野方図な商業主義、また性というものを売り物にする、また婦人べっ視というような、あらゆるものから来たものであるわけですね。そういったことを考えますと、それでは日本の文化、芸術というのは一体どうなっておるのかということも考えなければならぬと思うのです。日本民族というのは長い伝統を持って、そして文化も芸術も持っているわけでして、そういうものがさらに継承され発展されていくというそのことに重点を置いて、そして退廃文化というものを排除していく、国民的力をつけていくということが必要だろうと思うのです。
 私はフランスへ行きましてパリで夜テレビをずうっとつけて四日間見たのですけれども、おもしろくないと言えばおもしろくないのですけれども、日本で行われておるような茶の間へいきなり裸が飛び込んでくるような事態は、私の短い経験でありますけれどもなかったのです。むしろフランス人はフランスで育った文化、芸術を愛していく、オペラやその他をみずからも楽しんでいくという空気がまだフランスには残っておるような気が私はしたのです。
 そんな点から考えますと、このままでいけば日本の文化、芸術というものが果たしてどういうような状態になっていくのか。人間の歴史で当然つくられていくべき高度な文化、芸術というものが国民的な基盤の上に成立していくのかどうか、そこまで脅かされるような状態があるのではないか。芸術活動などに対する援助とかあるいは演劇活動などに対する援助とかいうものに対して、それなりに相当の力を注いでいかなければならぬというふうに考えるわけです。ところがそういう面では、演劇をやるといってもいま物すごく高くなって、入場料も高いし入場税も高いということで、文化を享受することができない、子供たちが本当にすばらしい芸術を楽しむことができないような状態にますます置かれているというのが現在の実態ではないかと思うのです。ところが最近テレビの中に非常にすばらしい動画その他の漫画などが出てきますと、子供たちはそれもかじりつくように見ているわけです。子供たちも決して腐敗した文化を要求しているのではなくて、やはり健全なものをそれなりに要求しているわけで、そういう点でも私は文化、芸術といいますか、そういう国民の精神活動に対する援助あるいは政策というものをもっと抜本的に考えていかないといけない時期を迎えているのではないかというふうに思うのです。
 大体つづめまして三点ばかりのことを申し上げました。一つは、最初言いました大手販売ルートを通じての小売業に対する圧迫とかそういう押しつけ、それはどういう状態なのか、これは総理府でしょうか、警察庁でしょうか、お聞きしたいと思うのです。それからもう一つは、子供たちに対して送りつけてくるというそういうものは犯罪性を持っておるのかどうか、これは警察庁だと思います。三番目の文化、芸術の問題については文部省の方にお尋ねしたいと思います。
#18
○石瀬説明員 先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、ポルノ雑誌の販売流通ルートというのは非常に複雑になっておりまして、私どもも実態はしかと承知していないのが実情でございます。
 この点につきましては、近くマスコミ関係の方ともお会いすることにいたしておりますので、実情をよく聞きまして、もしそういうような事実があれば是正方申し入れる等のことをやってみたいと考えております。
#19
○藤尾委員長 マスコミなどということを簡単に大づかみに言っておられるけれども、そういったものはマスコミではないでしょう。幾らなんでもマスコミはそんなことはせぬのだから……。
#20
○石瀬説明員 言葉が不適切であったかと思いますけれども、出版関係の方々とお会いすることにいたしております。
#21
○藤尾委員長 だから出版関係の方々とお会いするにしても、そういった高度の出版関係の方々と低劣なやつを並べておいて、そうして低劣なやつがやっぱりこれはいかぬなという感じが出てくるようなそういうやり方をやられないと意味がないのではないですか。やりましたというだけではしょうがないでしょう。
#22
○仁平説明員 それでは、この出版業界の問題というのは警察の所管の問題ではございませんけれども、私の方でおおよそ把握しているところで御説明申し上げたいと思います。
 雑誌の自動販売機の関係は出版業者は普通の出版業者と違うのですね。いわばアングラ出版みたいなものが非常に多いわけです。したがいまして、そういったところで出版された雑誌は、通常の出版のように取次業者というところに入ってこないのですね。アングラ出版のようないわば雑誌の自動販売機用の雑誌は別に卸売業者がございましてそこに集まってくる。その卸売業者から雑誌自動販売機の業者に流すというルートになっておるようでございます。先ほど先生の御指摘になりましたのは、多分一般の取次店が小売店、書店に送付してくるルートで、このルートもあるわけでございます。通常はそれ専門の出版社がつくり、卸売業者がそれをまとめて雑誌の販売業者に卸すというのですが、普通の出版それから取次という経路に乗って、その取次店から小売店に入ってくるものもあるわけで、それを御指摘だと思うのですが、そういうふうなケースの場合に、小売店が取次店に対して返品をするということが可能かどうかということでございます。
 これは宮城県で現に小売店が取次の方に対してそういった低俗な出版物等は送ってくれるなということで拒否したという例はございます。しかし現実に取次業者の段階におきましては、出版社から送られてくる雑誌というものを内容について点検するということはしていないわけです。そのまま流しているというのが取次業者でございますので、その辺、小売店の方でこういう雑誌は要らないということを取次業者に申し入れましても、取次業者がそういうふうなチェックをして自後送らないということにはなかなかなりにくいような仕組みになっておるようでございます。
 これはお答えになるかどうかわかりません。私どもの把握している状況はそういうところでございます。
 それから、雑誌の自動販売機からポルノ雑誌等を購入して、それによって影響を受けた非行事例としてどういうものがあるかという御質問があったと思いますが、これにつきまして幾つか事例を持っておりますので、簡単に御説明申し上げます。
 昨年八月、都内の女子中学生五名ほどが、夏休み中に自動販売機からポルノ雑誌を数冊買い込みまして、これを回し読みしておるうちに、売春の記事に大変興味を持ちまして、遂には家出をし、新宿の盛り場などでポルノ雑誌に書いてある売春を実験するということで売春を行いまして、得た金で遊興飲食していたというふうな例がございます。
 これは昨年七月、これも都内の有職少年六名ほどが、不在中のアパートに不法に侵入いたしまして、雑誌自販機から購入したポルノ雑誌二、三十冊を読み回していたわけです。これは部屋に散乱しておったわけです。読み回しまして、男女が乱交したり、飲酒、喫煙あるいはシンナー等の乱用を繰り返したというような事案を補導したりしております。
 それからさらに、これも昨年十一月、都内の例ですが、男子高校生が学業成績が落ち込んだということでその憂さ晴らしに、自販機から購入したポルノ雑誌のヌード写真を見まして自分の欲望を満たしていたようでございますが、そのうちにそれだけでは物足らないということで女性の下着等を盗んでいたという事案等がございます。
 それから二番目には、このような有害雑誌等が非行にどういうふうな影響を与えておるか、非行要因になっておるような関係はどうなのだろうかということでございますけれども、一般に少年非行の要因というのは大変複雑でございまして、厳密に申し上げますと、素質と環境、生まれてから非行を犯すまでに至る間接触したもろもろの環境が複雑に影響しておるということでございます。そういうことで、厳密に言いますならば少年非行の要因というものは何かということはなかなかむずかしいわけでございますけれども、とりあえず非行の直接的な原因になったという関係でとらえてみますと、これは岡山県警が去年調査した結果ですけれども、昭和五十年中に岡山県下で補導いたしました刑法犯少年二千七百十四人につきまして、ポルノ雑誌とか、あと広告物とか放送とかあるわけですが、そういった有害環境に直接的な影響を受けて非行に走ったと認められる者はどのくらいあるかという調査をいたしましたところでは、二百三十七人、一〇・一%という結果が出ております。
 それから三つ目には、通信販売等が犯罪を構成する場合があるのかどうかという御質問であったと思いますが、仮にサンプル等が同封されておりまして、それがわいせつに該当するということであれば刑法百七十五条のわいせつ文書の頒布等の違反ということになりますし、またいかにもそれらしいものを送付するという誇大広告的な勧誘文書等が入っておるが実はそれほどでもないというような場合につきましては、虚偽広告ということで軽犯罪法の第一条三十四号の違反になります。そういうことで現在これらの法令を適用して該当事案については取り締まりを推進しておるわけでございますけれども、現に京都府警におきましては、つい先日この種の事案を軽犯罪法違反で検挙いたしまして広範囲に捜索し、関係文書等を押収しております。これは捜査の進展いかんによりましては刑法百七十五条のわいせつ文書頒布違反に持っていけるのではなかろうかというふうに考えております。
 以上でございます。
#23
○柴沼説明員 山原先生御指摘のとおり、文化、芸術活動を通じて青少年の情操を高めて青少年の健全育成を図ってまいりたいということを私ども考えておりまして、私どものやっている施策を御説明させていただきたいと思いますが、一つは昨年度からふるさと運動というのを始めております。これはふるさとに伝わる芸術、文化を学習したり継承したりする活動あるいはまた地域社会に奉仕する活動に補助を出してまいりたい、そういうことを考えております。それから先ほども申し上げましたけれども、特に先生御指摘のとおり現在青少年が芸術に恵まれないというようなことから青少年芸術劇場、こども芸術劇場というのを四億三千万円ほどの予算でございますが、五十二年度予算計上をしている。それからまたテレビが非常にさまざまな影響を及ぼしておるというようなことで、私ども直接のそういう規制なり取り締まりの立場にないわけでございますけれども、むしろ積極的に子供向けのテレビ用の優秀映画を製作するものに対しての奨励費とかあるいは教育テレビ放送の実施委託ということで「親の目、子の目」という番組を放映してもらっておりますけれども、これは年間、特に夏休み等で青少年の非行事例が多いというようなこともあって、夏休み向けの少年向けの特集などをこの年から考えたい。そういうようなことで芸術、文化を通しての健全育成を今後とも図ってまいりたい、そのように考えております。
#24
○小川(仁)小委員 これは大事な問題ですが、文部省の方で幾つかの予算をおとりになった、こういう言い方がありますけれども、実はこれはかなり社会構造の深層部から出てくるものでありますが、そういう社会構造を抜きにして考えた場合に、やはり一番の問題は子供に遊ぶ時間、逆に言うと健全な遊びをする時間、施設がないということが非常に大きな原因だと思うのです。聞いている範囲で言いますと、お母さんやお父さんは子供が自分の部屋に入って机に向かっていれば安心している。夜ちょっと疲れたから体操に行ってくるよなどと言って散歩に出かけたまま、そこで一冊買ってきてもう徹夜で読んでも、父兄の方はこれは子供が机に向かってまじめに勉強しているというふうな認識をしているといったような状態もあるわけで、一つは思い切った子供の遊び場所――遊び場所というと余り小さいものになってしまいますけれども、特に青少年を対象にした体育施設あるいはそういうものの指導、これはただ単にスポーツ少年団をつくったとかあるいは青少年団体に補助をやったとか、それだけではなしに、大きな施設とか設備を思い切って無料で開放していく、こういったような方向への具体的な指導がないか。一つの例で言いますと、国体というのがありますね。あれで各県にすばらしい施設、設備ができましたが、それを使用する場合には、もう県の教育委員会の指導下にありまして、子供たちが自由に入るなどということは不可能ですね。高校生が入ってそこで体育をすることも不可能です。許可を得て、こういうかっこうでしょう。ですから、一方では生活の周辺にいろいろな自分の体力あるいは遊びを集団的に行う場所がない。一方にすばらしい施設、設備がありながら、それは子供たちには絶対使えない。こういう状態で、文部省が持っている施設、設備あるいはあなた方が管理をし、指導をしている体育施設、設備というのが子供のものになっていない。ですから、どうなんですか、まず、体育関係の方がおられないと困るかもしれませんが、国体等でつくられた施設というふうなものを思い切って子供に開放する、そこの中でたとえば総理府の青少年対策本部の方が課外活動として指導しているような体育指導なり遊びなり、こういうふうなものを持たせるような方式というものを具体的に考えることはできないでしょうか。
#25
○柴沼説明員 直接担当の体育局の者がおりませんので、いま私国体の施設を開放できるかどうかということはお答えできませんけれども、小川先生御指摘のとおり、そういう場所の不足ということがございますものですから、特に学校の校庭を開放してもらおうということで、現在小中学校約三千校でしたかの校庭を開放してもらうような予算を組んでおります。
 ただ先生御指摘のように、ことに国体に限らずいろいろな青少年関係の施設というものは管理上の問題がございまして、時間が来ると終わってしまう。本当は青少年が一番使いたい夜間が使いにくいとか、そういうような問題点がいろいろございまして、私ども何とかそういう管理上の工夫をいろいろ図ってくれということでお願いは申し上げておるのでございますけれども、どうしてもそういう施設を維持管理する観点というものが強く出てきてしまってなかなか使いにくいという面がございます。
 そういう意味で、私どももこれからも何とかしてそういう施設を適当な時期に適切に使えるようにということを今後とも指導してまいりたい、そのように考えております。
#26
○小川(仁)小委員 もう一つ、学校の施設の話が出ましたが、たとえば小学校のプールですと全部の子供が使えますが、高校のプールになりますと水泳のクラブ活動の選手しか使えないわけです。というのが実態ですね。それから校庭にしても、スポーツ関係のクラブに入った子供以外は、いわゆる選手以外は使用することが不可能な状態です。ですからクラブ活動と選手制度の課題、あるいは特にさっき言った国体施設による施設の思い切った開放。管理といいますけれども、私もげたなんかはいて入っていくと直ちにどなりつけられる。げたはいて体育するのもおかしいですけれども。何か非常に妙な神経を使って、すばらしい施設として存在させておくことが体育施設の誇りであるような印象をもって存在さしている。いま子供たちに必要なことは、そういういまのようなポルノなり何かに一時的に勉強している中からひょいと引かれるような形ではなくて、思い切った集団的な遊びなり体育なりこういうものの施設を与えることが中心だと思いますから、これは文部省で体育施設を全部開放して、余り厳しいことを言わないで、そこで自由に子供たちが遊べるような状態に考えてみる方法はないでしょうか。かわりのものを与えなければ、やはりだめです。そういう考え方で質問しているわけです。これは青少年教育課長ではあるいは無理かもしれません。大変申しわけありません、私の方が無理な質問をしまして。
#27
○登坂小委員長 伏屋君。
#28
○伏屋小委員 いま小川委員の方からもいろいろと発言がございましたけれども、それに関連してでございますけれども、子供の健全育成のための施設というものはかなり広がっておるということも一面考えられるわけですが、いまお話がありましたように、何か実質的なものが軽視されまして、いわゆる形式的なものを重視するという日本の国民性といいますか、そういうものから優秀な施設ができれば、その優秀な施設をいつまでも保存していこう、こういうような考え方が先行しまして、子供の健全育成というものが後追いをしておる、こういうような事柄が余りにも多過ぎるということでございます。これはその施設の面ばかりでなくて、そのほかの面においてもそのことが言えるのではないか。いわゆるPTAの活動でそういう不良図書を追放しようという運動を文部省は指導しておる、こういうお話がございましたけれども、廃品回収を行いますと、かなりの不良図書が廃品の中に出てくるわけでございます。ということは、外に向けてのPTA活動も大事であるけれども、おのおのの家庭の中にそういうものがあるやなしやということについて厳格にチェックしていく、このような一家庭、一家庭のあり方が大きくPTAの活動として広がりを増してくるのではないか、そういう眼で自分の家庭内を見ていくならば、かなりの不良図書追放というものは推進されるのではないか。わが子がどのようなものを読んでおるかというようなことについても、絶えずそういう関心を家庭内の両親が持つならば、やはりこれはかなりの成果を上げるのではないか。
 それともう一つ、国民運動を起こしておると総理府の方がおっしゃいましたけれども、現在の青少年に向けての運動というよりも、このようなポルノとかいろいろ青少年の健全育成に対してのマイナス要素を追放するためには、むしろ成人者の意識を変革していくということが大事ではないか。だから、やはりそういう面からも成人者向けの国民運動というものをもっとより具体的にしてまいらなければならない。そういうことから考えるならば、いわゆるここに、資料の中にもありますように、新聞に単発的に出てくるようなポルノ雑誌の悪影響というものではなくて、もっとそれをシリーズ的なものにして、新聞社の方からそういうものに対するいろいろな啓発というものが必要ではないか、そういうことも考えるわけでございます。
 それからもう一つ、文部省の方では、いわゆるふるさと運動あるいは芸術劇場の運動等々挙げられましたけれども、いわゆる文教政策が整合性を持たなければならないということがいまほど必要なときはないと思います。そういう面からこの小委員会がつくられたことにおいては非常に高く評価されていいのではないか。先ほど山原先生からもおっしゃったとおりでございます。そういう面から文教政策のいわゆる整合性。子供が現在過酷な、過密な教育課程の中にはめ込まれておる、あるいは受験体制の中にはめ込まれておる、その中でそれから逃避するための安易な道として、こういうようなポルノ雑誌の乱読というようなことが出てくるのではないか。そういう面から言いましても、ただポルノ雑誌の追放ということだけに取り組んでみたところで、受験体制とかあるいは過密な教科課程というものの解決なくしてはこれはあり得ない、そういうことも考えられるわけでございます。
 そういう面からも、文部大臣のおっしゃるゆとりのある教育、そういうものも鋭意推進してまいらなければならないと思いますし、受験体制も、いまの受験体制を一日も早く解決していかなければ、いつまでたってもイタチごっこのような形になる、このようなことを考えるわけでございます。
 また、芸術劇場にいたしましても、都市中心型ではなくて、これをどのように国内的に芸術劇場的な運動を広げていくかという具体的なものも考えていただきたいと思います。
 それからもう一点は、通常出版物は利益率が一〇%である、けれどもポルノ雑誌においてはそれが非常に高い、七〇%の利益率を上げるというようなことにつきましても、同じ出版物がこのような利益率が違うということについて、これは公正な取引かどうなのかというようなことからも、公正取引上の問題からもこれは摘発できるルートがあるのではないか、このようなことも考えるのですが、その辺の御回答をお願いしたいと思います。
#29
○奥田説明員 学校教育関係で、いまの先生の御指摘いただきました点につきましてお答えしたいと思いますが、先ほども御説明いたしましたように、学校教育ではいろいろと生徒指導の充実策を一層進めていきたいと思っておりますが、いま先生御指摘の学校教育内容そのものもゆとりのあるものにしろ、こういう御指摘につきまして、現在学校教育の教育課程の基準でございます学習指導要領の改定作業を実施いたしておりますので、御指摘の点等は十分実現するようにその指導要領の改定の上で実現させていきたい、こう考えております。
#30
○伏屋小委員 公正取引の問題、それから国民運動の問題、これは総理府ですか。
#31
○石瀬説明員 公正取引の問題につきましては、ちょっと私どもの所管ではないように思いますが……。総理府でも、私は青少年対策本部の者でございますので、公正取引の問題につきましてはちょっと所管外だと思いますが、青少年育成国民運動につきましては、確かにお話がありましたとおりに成人者の意識というものをつくり上げていくということはまことにそのとおりであるというふうに私ども考えております。
 今年も、新しい予算で母と子の非行防止キャンペーンというのをやろうということで、先ほど申し上げました青少年育成国民会議とも連絡をとりつつあるわけでございますが、よく聞きますのは、何か悪いことを自分の子供がやってみて初めて、自分の子供がそんなことをやっていたかとか、そういう自分の子供の平常の生活態度、物の考え方についての認識が非常に乏しい。非行に走ってみて初めて大あわてをするというふうなこともございますものですから、ポルノに関しても同じことがあるかと思いますので、ひとつお母さん方の認識をまず深めて、御両親の方でひとつ健全な家庭をつくるような努力をしてもらおうと、家庭の日などというものを各府県では毎月第三土曜日にやっておりまして、親子が、団らんを通じて相互理解をするとかいうようなこともやったりしておるわけでございますけれども、ちょっとお答えにはならないかとは思いますけれども、そういった場を通じまして、お父さんやお母さん方の正しい生活態度、あるいはまた子供に対する正しい生活指導というようなものにつきましては、今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
#32
○仁平説明員 御指摘の中に、廃品回収等の中にも不良雑誌が大変多いという御指摘がございましたけれども、私どもの方の報告にも、廃品回収業をやっているところの少年が、家にあった回収されてきた廃品の雑誌で性非行に走ったというような事例がございまして、一般家庭内にこういった不良図書等が入り込んでいるというのは大変問題であるというふうに私どもは見ておるわけでございます。そのために、不良雑誌を家に持ち帰らないための白ポスト運動とか、これは大分前に一度盛んに進めた運動でございますけれども、最近またそういった活動も進めるように働きかけをしているわけでございます。
 それから、一般書店等に対しましても、成人コーナーというようなものを設けるようにお勧めしておるわけであります。やはりそこで少年等には売らないようにチェックするというふうなシステムも有効ではなかろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、少年非行と一番関係の深いのは家庭でございますので、やはり家庭における教育、しつけというものがもっと健全な方向へ進むならば、少年非行というのはもっと減ってくるのではないかというふうに思っておりますので、私どもとしても、どこまで家庭に働きかけできるか、大変むずかしい問題があるのですけれども、先ほど申し上げましたような問題点を広報するという方法によりまして訴えてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つ御指摘のございました点で、私どもも同感でございますが、この問題は子供の問題というよりも大人の問題である。ポルノ雑誌等が出回っておるというのは、まさに大人の営利主義に基づいているのだというふうに私ども受けとめておるわけでございます。直接ポルノ雑誌の問題ではございませんけれども、少年の福祉を害する大人の犯罪、たとえば暴力団というような取り締まりについては、さらに取り締まりを強化していきたいということで臨んでおります。
#33
○中野(寛)小委員 確かに憲法二十一条との関係もありますので、規制をすることについて大変むずかしい問題があると思うのです。いま中心としては、むしろ国民の皆さん、またPTA等を含めまして、各種団体等の協力を得ながら、国民運動的なものの盛り上げを図る方向で、この問題に取り組んでおられる。そのことは、私はやはり適切な方法だろうと思いまして、そのことにつきましては評価をしたいと思うのです。ただ、それをより効果の上がるものにするためには、きょうたまたま警察庁から、総理府から、そして文部省からということで、それぞれのこれらに関連をする御担当の方に御臨席をいただいているわけでありますが、そのほかに、たとえば厚生省等も関係する部門があろうかと思うのでありますが、そういう横の連絡というものがむしろきちんととられて、総合的かつ能率的にそういう運動を推進をしていく、また指導をしていくということがやはりなされなければいけないのではないだろうか。そういう意味で、総理府の中に青少年対策本部というのがある意味があるのではないかとも思いますけれども、そのことが大切なのではないかと私は思います。
 それから、先ほど来小川委員の方から触れられました各施設の問題でありますが、これにつきましても、たとえば文部省管轄の施設がある。そしてまた勤労青少年ホーム的な、全く文部省とは関係のない施設があります。そのほかに婦人の施設にいたしましても、婦人会館というふうなものがあったり、勤労婦人の家というふうなものがあったり、そういう社会教育的な施設というものは、それぞれの建てられた目的は別ではございますけれども、しかしそれを使って、国民の皆さんや子供たちが一つの目的を果たしていくためには、彼らはそれを一々区別をしてはいないと思うのです。そういう意味で、施設の面でも、運動を起こす面でも、そして国民の意識をより高めていくためにも、その連携プレーというものは大変必要なのではないかというふうに考えるわけです。
 それから、体制の問題にいたしましても、地方で言えば、教育委員会の中に青少年教育課というふうなものがある。そしてまた地方自治体の中の民生部、これは厚生省管轄になるのでしょうが、その中に青少年対策課というふうなものがある。そしてその中でお互いに、自分たちの仕事の分野はどこまでだみたいななわ張り根性が働いたり、それからちょっと熱心な職員がいて、これは青少年対策課の職員であって、より熱心に前向きに対策を講じていこう、子供たちと一緒に協力をしてやろうといたしますと、その部分については教育委員会青少年教育課の担当だというような話がしょっちゅう地方自治体の中では起こっているわけであります。すなわち、それはやはり国の段階で連携プレーというものが、統一のとれた指示というものがなされる必要があるのではないかというふうに思うわけでありまして、施設の問題、それから対策をやります人的なまた機構的な問題そのような問題につきまして、十分皆さんの横の連絡がとれているのかどうか。
 それから、今後そういう運動を起こしていくためにも、系統立ったといいますか、一つのまとまった住民の皆さん、国民の皆さんへのお願いの仕方というものがやはりある程度必要なのではないかと思うのでありますが、その辺についてはいかがなっておりますのでしょうか。
#34
○石瀬説明員 総理府の方からお答えをいたします。
 ポルノ雑誌の自動販売の問題に限らず、非行対策につきましては、関係各省庁、関係機関、関係団体がよく連携をしながら仕事をやるという必要性は、私どもも十分感じておりますし、そういう観点から、実は私どものところで非行対策関係省庁連絡会議というものを二月に一回ぐらいやってみたり、テーマがあれば毎月やってみたりというようなことでやっております。構成メンバーは、私どものほかに警察庁、法務省、最高検、文部省、厚生省、最高裁判所、こういうメンバーで随時連絡会議をやっておるわけでございます。
 特に、ポルノ雑誌の自動販売機による販売問題につきましては、非常にかかわりの多いところは、私どものほかに、警察庁、文部省というふうなところであると思いますので、五月の下旬にも各都道府県の代表者を招きまして、ポルノ雑誌の自動販売機による販売問題について、地方公共団体としていかに取り組んでいくべきかというようなことにつきまして、私どもが音頭を取りまして、活動の進め方の手引きといいますか指針というようなものを取りまとめてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。十県の担当者に集まってもらいまして、その際には、警察庁、文部省の担当の方にも御出席いただきまして、よりよく協議して、この活動が実効の上がるようなものにしたい、こういうように考えております。
 それを取りまとめた上で、さらに各府県にも流しますが、各府県それぞれ地域差がございまして、必ずしも私どもの取りまとめたものどおりにいくかどうか、地方公共団体の担当者の考え方もあると思いますし、地域の実情というものも相当違っておると思いますから、取り組み方についてはそれぞれバラエティーがあると思いますけれども、総理府としましても関係の機関、それから先ほど申し上げました青少年育成国民会議の担当者も呼びまして、国民運動としてそれをどう受けとめていくかということもあわせて、手引きといいますか指針というものを取りまとめたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 各都道府県につきましても、確かに青少年行政は関係するところが多いものでございますから、御指摘のありましたようなことは事実としてあると思います。私ども今後各府県にもそういった指導をよくやりまして、連携が十分にとれるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#35
○仁平説明員 総合的に取り組まなければならないという問題、まさに少年非行対策に限らず、少年問題すべてについてそうでなければならないというふうに私どもも考えておるわけでありまして、総合的調整機関である総理府を中心に、関係省庁とは十分連絡をとって現在も推進しておるわけでございます。
 警察としてこの有害環境に対して取り組む方針につきまして、先ほど二つの基本方針を申し上げましたが、さらに細かく申し上げますと、一つは、警察は組織力を十分に活用いたしまして、実態把握を徹底していこうということでございます。それからもう一つは、法令に違反するものについては取り締まる、これは先ほど申し上げました。三つ目は、業界に対する自粛を働きかけていこうということで、出版関係業界等につきましては警察におきましても直接働きかけをしておるわけでございます。それから四つ目には、関係行政機関に対して問題提起をする、いろいろな資料等を提供するということをやっております。五つ目には、これも先ほどから問題になっております地域活動促進に協力していく。警察が余り表面に立ちますことはある意味では好ましくないという面もあるわけでございますので、警察としては知っている情報を提供して地域活動のお手伝いをするということで進めておるわけでございます。
 それから最後には、これも先生方から御指摘があるのですけれども、広報活動、これについても、地方の警察あるいは県あるいは教育委員会というようなところが連名で、少年を取り巻く環境を浄化しようとかというふうなポスターを相当出しておるわけでございます。去年七月にも、これは警察サイドでございますけれども、全国の警察を挙げて少年をめぐる環境浄化活動強化月間というものを実施いたしまして、相当盛り上がりがあったと思っておりますが、本年も七月を予定しておりまして、関係機関と十分連絡をとって、協力してこの問題をさらに推進していきたいということで、七月月間を実施する予定でございます。
#36
○柴沼説明員 文部省管轄の施設と他の施設との関連もまことに重要なことだと思います。全体的な関連につきましては、総理府が青少年問題審議会等を通じまして連関を図っていただくということになっておりますが、私どもも昨年から青少年教育施設の整備に関する協力者会議というようなものを設けまして、これは文部省サイドからいかに他省所管の施設との関連を図るかということでいろいろと検討をしてもらっております。
 それから、これも昨年から私ども所管のオリンピック記念青少年教育総合センターなどを使いまして、厚生省所管の児童館とかあるいは労働省所管の勤労青少年ホームなどに呼びかけまして全体会を持ってみましたのですが、幸い青少年ホームや児童館から大変な協力を得ることができまして、どういうふうに今後連関を図っていくかというような会議を持つことができましたので、そういうものを根城に、だんだんと関連を図って、青少年が使いやすいようにしていきたい、そういうことを考えております。
 それから、御指摘のとおり、県の教育委員会に青少年関係の課がある場合と知事部局に青少年関係の部課が置かれている場合があるということでございまして、私どもが招集して青少年関係の会議をやるときには、知事部局の方の青少年関係の部局からも出てきてもらって、いろいろと議論を進めております。いずれにしても、こういう関連を進めるということは幾らやってもやり過ぎることはないと思いますし、今後とも一層御指摘のとおり進めてまいりたいと思っております。
#37
○藤尾委員長 それから、今度は総理府にひとつお考えいただきたいのですが、このポルノ雑誌などは相手が非常にアングラ的であって、しかも小さいものですから、なかなかむずかしい点があると私は思うのです。しかし、テレビのピンク映画というようなことになりますと、相手も少数ですし、でかいのに決まっているのです。しかもそれに対して金を出しておるスポンサーなどというのはすぐにわかるのですから、そういった非常に少数でかつ広範、しかもこちらがやれば非常に効果が上がり得るような対象というものがあるわけですから、こういったものに、相手がでかいから手が出せないなんということではとてもじゃない、だめなので、そういったことを勇敢に取り上げていただかなければならないし、お役人さんがそれができないということであれば、国民の名をもってわれわれ国会がそれをやらなければならない、私はそう思うのですね。そして問題を投ずるということ自体が大きな反響を呼ぶことであって、それが憲法第二十一条に関連する表現の自由に抵触するか否かというような論議が、ある段階では起こることが望ましいと私は思っておるわけです。そういうことに余りびくびくせずに、思い切ったことをおやりをいただくことをぜひお願いをいたしたいと思うのです。よろしゅうございますか。
#38
○塚原小委員 いままでいろいろな御意見があったのですけれども、私はこの青少年の年齢を経験した時期が一番近いと思うのです。確かに諸施設をつくるとか、数多くのことですばらしいことだと思うのですけれども、私もずっとクラブ活動で野球を一生懸命中学校、高校とやっておりました。でも、そういうことで時間をつぶして一つのことに一生懸命になるということと性というものは全く別のものなのですよね。私の経験からいきますと、何しろまず知りたいというのが第一だったわけです。まず最初に興味を持ちましたのが、国会の場でなになんですけれども、いわゆる友だち同士の会話の中で、おれ、きのうの夜、のりが出たよという会話があったわけですね。中学のときです。それはいわゆる夢精のことを皆さんおっしゃっていたのだと思うのですけれども、そんなのは当時わかりませんから、何としてもそれを知りたかった。それを知るためにいろいろなものをこっそり――どうせまともな会話の中ではなかったですから、変なものなのだろうということで、いろいろな本を一生懸命手に入れよう、手に入れようと思ったが、当時は幸いにしてそれほどアブノーマルなものがございませんでしたから、結局わからずじまいだった。
 その次に興味を持ちましたのが、映画で「光る海」というのがありまして、私は十七になるのにまだ大人のしるしというものがないのだというようなことを和泉雅子かなんかが言ったのですよね。それがどういうことだかわからない。それも知りたくて、これも一生懸命あっちこっち読みあさったという経験があるのですけれども、やはり最初の性との出会いというものが非常に私は大切だと思うのです。それですから、そのときの出会いがアブノーマルな出会いになったときには、これは大変だと思うのです。
 ですから、いま問題になっているポルノの出版物というのは、これは全く――この前私、こういうことがあるということもちょっとお聞きしたもので、自動販売機で買ってみたのですけれども、これはもう異常以外の何ものでもないですよね。いわゆる暴行している写真をあっちこっちに出してみたり、縛りつけているところを出してみたり、ろうそくでろうをたらしているところを出してみたり、もう異常以外の何ものでもない。こんなもので最初に出会った子供はめちゃくちゃになってしまうと思うのです。
 ですから、無論こういうものを徹底的に取り締まる、そのためには何としてもこれは早急にやっていただかなければならないことですけれども、それより以上に私は、子供が興味を持ったときにそれを解決してやる、正常な性との出会いというものが大変に必要だと思うのです。
 ですから、言わんとする最終的なものは、学校における性教育ということ、あるいは友だちに相談できない、親に相談できないというものも、親よりも、私が子供のころは先生の方を信用しておりましたから、先生というものが何らかの形で解決をしてあげなくちゃいけないと思うのです。そのためには年齢幾つからどういうことを教えればいいのかというようなことは、これは私なんかわかりませんし、優秀な心理学者の先生がたくさんいらっしゃると思いますので、児童心理学の先生なんか、たくさんのスタッフをもってこういうことをやっていただきたいのですけれども、こういうことに対して、文部省は性教育ということについてどういうふうにお考えになっているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#39
○奥田説明員 学校教育での性教育の必要性あるいは重要性については御指摘のとおりでございまして、私ども、学校教育においてもいわゆる性教育の適切な実施ということについては、従来からいろいろと施策を立ててきたわけでございますが、基本的には一つの性に関する正しい知識をまず持たせる、それから、その知識に基づいて正しい生活態度、特に異性に対する異性観というようなものを身につけさせて、そういう身についたものでもって今度は正しい行動、実践をさせるというのが学校教育のねらっているところでございます。
 そこで、小学校や中学校におきましては、子供たちの発達段階で違いがございますし、また生活環境等も違うわけでございますが、学校において、たとえば理科の指導あるいは保健体育科の保健の指導等においては、スライドを使ったり、あるいは指導資料をつくってそれを生徒に持たせたりしまして、時間を特設して性教育を行うというようなことをやっております。それからまた、そのほかの異性観ないしはいわゆる道徳的な問題、こういう問題は道徳の時間等を通じて指導もするわけでございますが、さらに個別には教科外の活動の時間がございます。そういう時間を学級指導と呼んでおりますが、そういう時間を使いまして、一人一人の子供についてのきめの細かい指導、こういうこともやってきております。
 そういうことを実施するに当たりまして一番大切なのは、やはり学校の教師のあり方でございまして、その意味において学校の先生方にも指導力をつけるということで、文部省の方からは学校の教師向けにいろいろな指導資料を作成して刊行し、配布しております。私どもは生徒指導資料と言っておりますが、たとえば思春期における児童生徒の性に関する諸問題についてどういうような指導をしたらいいかということを理論の面から、あるいは指導方法の面から、あるいは指導の実践事例、こういうものを紹介して一冊の冊子にしまして、それを全国の学校に配布して、各先生方が、生徒指導担当と言われる先生方が特に中心になって指導していただくようにしておるわけでございます。
 それから、研究学校、いわゆる性教育を進めていくに当たってどういうような指導のあり方が望ましいかというような形の研究学校も指定しております。これは文部省段階の指定もございますし、各府県の教育委員会の段階での指定もあるわけでございます。
 それから教師に、特に生徒指導主事というものが各学校で置かれるようにいわゆる教職員組織の法的な整備もやりましたし、さらに生徒指導主事の資質能力を高めるために生徒指導主事だけを集めまして講習会を実施しております。これは全国的にやります場合と各府県段階でやります場合とございますが、その中で特にこの性の問題あるいは非行の問題あるいは生徒指導技術、カウンセリングの技術、こういうような問題を特に取り上げて、先生方の資質向上講習会、研修会というものも実施しておるような状況でございます。
 以上のような形で現在までもいわゆる性教育については小学校高学年段階から中学校、高等学校にわたりましていろいろやってきておるわけでございますが、本日御指摘のような問題点等につきましては、さらに一層今後充実するように配慮をしていきたい、こう考えております。
#40
○登坂小委員長 それでは、大変有益な委員会となりましたが、この取り扱いについてはいかがいたしましょうか。各先生方の御意見を簡単にお聞きして、今後の取り扱い、まとめ方をひとつ御協議いただければ……。
 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#41
○登坂小委員長 速記を始めてください。
 いろいろ御協議いただきありがとうございました。
 次回は、公報をもってお知らせすることといたしまして、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト