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1976/04/13 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 文教委員会 第9号
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1976/04/13 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 文教委員会 第9号

#1
第080回国会 文教委員会 第9号
昭和五十二年四月七日(木曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
      久保田円次君    田中 六助君
      玉生 孝久君    塚原 俊平君
      登坂重次郎君    水平 豊彦君
      森  喜朗君    渡部 恒三君
      木島喜平衞君    千葉千代世君
      水田  稔君    有島 重武君
      伏屋 修治君    中野 寛成君
      山原健二郎君    西岡 武夫君
 文教行政の諸施設に関する小
 委員長            登坂重次郎君
―――――――――――――――――――――
昭和五十二年四月十三日(水曜日)委員会におい
て、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
      玉生 孝久君    塚原 俊平君
      藤波 孝生君    水平 豊彦君
      森  喜朗君    木島喜兵衞君
      水田  稔君    伏屋 修治君
      中野 寛成君    山原健二郎君
      西岡 武夫君
 学校災害に関する小委員長   木島喜兵衞君
―――――――――――――――――――――
昭和五十二年四月十三日(水曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 藤尾 正行君
   理事 登坂重次郎君 理事 藤波 孝生君
   理事 木島喜兵衞君 理事 有島 重武君
   理事 曽祢  益君
      石川 要三君    石橋 一弥君
      久保田円次君    小島 静馬君
      玉生 孝久君    塚原 俊平君
      中村  靖君    長谷川 峻君
      水平 豊彦君    小川 仁一君
      千葉千代世君    中西 績介君
      中村 重光君    湯山  勇君
      池田 克也君    鍛冶  清君
      伏屋 修治君    中野 寛成君
      山原健二郎君    西岡 武夫君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 海部 俊樹君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 井内慶次郎君
        文部省管理局長 犬丸  直君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (私立学校教職
        員共済組合理事
        長)      加藤 一雄君
        参  考  人
        (私立学校教職
        員共済組合常務
        理事)     三浦 勇助君
        文教委員会調査
        室長      大中臣信令君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月五日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     津川 武一君
同日
 辞任         補欠選任
  津川 武一君     山原健二郎君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  田中 六助君     北川 石松君
  水田  稔君     中村 重光君
同日
 辞任         補欠選任
  北川 石松君     田中 六助君
  中村 重光君     水田  稔君
    ―――――――――――――
四月四日
 私学助成に関する請願(鍛冶清君紹介)(第二
 四七七号)
 同外二件(大出俊君紹介)(第二五一一号)
 同(鍛冶清君紹介)(第二五一二号)
 同(沢田広君紹介)(第二五一三号)
 同(柴田健治君紹介)(第二五一四号)
 同(渡部行雄君紹介)(第二五一五号)
 同(鍛冶清君紹介)(第二五六五号)
 原理運動による被害子弟の救済に関する請願(
 稲葉誠一君紹介)(第二五〇九号)
 同(島田琢郎君紹介)(第二五一〇号)
 私学の国庫助成等に関する請願(大原亨君紹
 介)(第二五九七号)
 私学の国庫助成に関する請願外一件(大原亨君
 紹介)(第二五九八号)
 同(北側義一君紹介)(第二五九九号)
同月八日
 学校図書館法の一部改正に関する請願(木島喜
 兵衛君紹介)(第二七〇二号)
 私学助成に関する請願(沢田広君紹介)(第二
 七五五号)
 義務教育諸学校等の建設事業費全額国庫負担等
 に関する請願(井上一成君紹介)(第二七五六
 号)
 学校災害補償法の制定に関する請願(椎名悦三
 郎君紹介)(第二八一六号)
 国立能楽堂の早期設立に関する請願(嶋崎譲君
 紹介)(第二八一七号)
 私学の国庫助成に関する請願外二件(大原亨君
 紹介)(第二八一八号)
同月十二日
 私学助成に関する請願(吉浦忠治君紹介)(第
 二八六二号)
 同(沢田広君紹介)(第三〇〇五号)
 私学の国庫助成に関する請願(大原亨君紹介)
 (第二八六三号)
 同(大原亨君紹介)(第三〇〇六号)
 同(永末英一君紹介)(第三〇〇七号)
 幼児教育の振興及び幼稚園教職員の待遇改善に
 関する請願外一件(有島重武君紹介)(第三〇
 〇〇号)
 同(小川仁一君紹介)(第三〇〇一号)
 同(中西績介君紹介)(第三〇〇二号)
 同(中野寛成君紹介)(第三〇〇三号)
 同(水田稔君紹介)(第三〇〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月一日
 教育行政の運営に関する陳情書(諫早市日の出
 町一九七三の四諫早卓次)(第一〇八号)
 公立文教施設整備費の国庫補助拡大等に関する
 陳情書(新潟県公立学校施設整備促進期成会長
 新潟県知事君健男外三名)(第一〇九号)
 養護教育の推進等に関する陳情書外一件(堺市
 議会議長正木良夫外一名)(第一一〇号)
 学校災害補償法の制定に関する陳情書外一件(
 和歌山県議会議長塙坂治郎五郎外一名)(第一
 一一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の
 件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
 済組合からの年金の額の改定に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出第六八号)
     ――――◇―――――
#2
○藤尾委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 本案について、本日の山原健二郎君の質疑に際し、参考人として、私立学校教職員共済組合理事長加藤一雄君及び常務理事三浦勇助君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○藤尾委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。湯山勇君。
#5
○湯山委員 まず局長にお尋ねいたしたいのですが、本委員会に出されておる改定は大きく分けて三項目ありまして、四月から七%のベースアップをする、それから最低保障額を引き上げる、それから標準報酬を最高最低を改定するということですが、それ以外に今年度から私学共済で改定になる部分、それはどういう点がありますか。
#6
○犬丸(直)政府委員 今回の法律案につきましては、その内容は先生いまおっしゃいましたように主なものは既裁定年金の引き上げ、それから既裁定年金の最低保障の引き上げでございますが、同時に標準給与の上限下限、これのアップがございます。
#7
○湯山委員 それはいま言いましたよ。
 短期の関係で、健康保険法が、いま政府が出しているものが成立すれば、当然これにも影響してくるというように理解しておりますが、その点はどうなっておりますか。
#8
○犬丸(直)政府委員 今回、政府から健康保険法、船員保険法の一部改正法律案が提出されております。その中で一部負担金の額の改定というものがございます。それで、その中で共済組合の組合員の負担することとなる一部負担金の額、これは健康保険法第四十三条ノ八の規定によります一部負担が準用されておりますので、結果、その健康保険法なり船員保険法の一部負担金が少し変わってまいります、その部分が、私学共済にも反射的に影響を及ぼすということはございます。
#9
○湯山委員 この際確かめておきたいのですけれども、その際、健康保険では俗に言うボーナス、賞与の二%が保険料としてとられるということになっておりますが、共済ではそういうことはないのですね。
#10
○犬丸(直)政府委員 その関係ではこちらの方には影響がないというように聞いております。
#11
○湯山委員 昭和二十八年にこの私学共済が国会で審議されました。当時はこれは文教委員会ではなくて、これを審議したのはいまの社労の前身である厚生委員会で審議したものです。実はちょうどたまたま私もそのとき厚生委員におりまして、厚生省側にはかなり難色がありました。にもかかわらず、それは私学の教職員の福利のため、そしてまた私学としていろいろ独自にやらなければならないこともあるということで賛成して今日に至ったわけですけれども、さて今度の改定で私学独自というものがありますか。
 ということをお尋ねするのは、いまの短期の一部負担金も健康保険の方でやって、それがそのままこちらの方へ移ってくる。それから恩給法、国家公務員、地方公務員と、いずれも同じようなことを、幾つの委員会になりますか、農林委員会も合わせれば四つぐらいの委員会で同じことをやることになるのではないかと思うのです。その点はいかがですか。
#12
○犬丸(直)政府委員 今回の改定全般的に申しますと、やはり一般の国共済、地方公務員共済組合に合わせました改定でございますけれども、私立共済独自のものといたしましては、例の四十九年度に新しく入ってきた切りかえ組合員のカットの部分につきまして、二〇%カットの部分をやめるというようなことが今回の改定の中の独自な部分ではなかろうかと思っております。
#13
○湯山委員 大臣、この法律直接ではありませんけれども、恩給改定に右へならえをして、こうして大体同じような内容が地方行政、内閣、ここ、農林と四カ所で審議されるのです。これはいかにも能率の悪いやり方で、どうせある部分がいまのように健康保険なり国家公務員に準じていくのならば、このあり方というのはひとつ考えてみていいのではないかということを私は感じておるのですが、この点ひとつお耳に入れておきたいと思います。
 それから第二は、そういうことであればあるだけに、そういう中においても私学のために何をどうしなければならないかということについてはもっと積極的に取り組む必要があるのではないか。そこで、短い時間でもありますし、それからベースアップはすでに言っておったように四月からという要求はずっとありました。これが今度減税に伴って四月からベース改定が行われるということですし、それから従来附帯決議で要求しておりました二〇%の国の補助、これも一八%に財源調整の一・七七、当年度改定分を率に直せば、これも〇・五くらいになるかと思います。そうすれば全部合わせれば二〇・二、三%ということで、これも意図とは違いますけれども、それに近いものになってきているというようなこと等々、それからこれは四月に改定が行われるということになれば私はもう来年五月へ戻るということはあり得ないというように信じておりますが、この点文部省はどう思っていらっしゃいますか。
#14
○犬丸(直)政府委員 いままでの経過を見まするとだんだん繰り上がってきたわけでございますので、私どもといたしましては、まだ来年のことでございますので、財政事情その他もいろいろ変わることもあろうかと思いますので予測はできませんが、繰り下がることはないように期待いたしたいと思っております。
#15
○湯山委員 これは大臣御存じのように、当初十月改定から九月、八月、七月、それから今度の場合は、政府の当初の案は六月からでした。しかし、いまのような減税との絡み合いで四月になったわけですから、そうすると、順序から言えば来年五月で出てきそうに思いますけれども、しかし一度四月へ来たものが五月へ返るということはあり得ない。局長の言われたように、期待しておるということですけれども、これはあり得ないと私は信じておりますし、そういうことがあっては大変だと思います。
 そこで、それはそういうことにして、特に私学に関係のある問題とこの法律に関連した問題をきょうはお尋ねしたいと思うのです。
 その一つは、私学については都道府県からの掛金に対する補助があります。これは地方財政計画で見込まれておりますし、交付税で交付されておりまして、大体千分の八に相当する額が補助として出されております。それによって、当然計算上は千分の八十二という掛金になるのが、長期において千分の八が補助で賄われますから残が千分の七十四、それを労使折半という形で見ますと各組合員の負担というものは千分の三十七という計算になっておりますが、これはそれでよろしゅうございますね。
#16
○犬丸(直)政府委員 私立学校というものが公教育に果たしている役割りにかんがみまして、各府県では先生御指摘のように昭和二十九年に私学共済法が発足して以来千分の八相当額を負担してきております。それで、その半分ずつが組合員側と法人側になるわけでございますが、そういったことで結果的には定款で決められております千分の四十一でございますけれども、補助が千分の四になりますので千分の三十七ということになっておるわけでございます。
#17
○湯山委員 そこでお尋ねしたいのは、完全に一〇〇%千分の三十七というのが実施されておるかどうかです。この点いかがですか。
#18
○犬丸(直)政府委員 最近地方財政の関係もございましてか若干の府県で、全面的でなくて、特に大学関係等につきましてその補助をしていないところがちらほら出てまいりました。そういう状況でございます。
#19
○湯山委員 そういう場合は各人の負担が千分の三十七を上回るということでしょうか。
#20
○犬丸(直)政府委員 結果的にはそういうことに相なると思います。
#21
○湯山委員 千分の三十七よりもたくさん掛けても給付の条件というものは変わりませんね。そうすると、同じ給付を受けるためにこの私学共済ではごく小部分ではあるにしても負担にそういう不均衡があるということはどう解釈したらいいか、文部省としてはどう考えておられますか。
#22
○犬丸(直)政府委員 これは私学共済発足以来続いておる府県の補助でございますから、すべての府県で出していただくようにお願いしたいと思いまして、私はいろいろな機会に府県に対してはやめないようにという指導をいたしております。
#23
○湯山委員 それにしても法のもとに平等でなくてはならないし、制度というものは平等でなければならないのに、一部の教職員は千分の三十七よりも多くの負担をしている、それでいてそれに対する給付の内容というものは全く同じであるというのは不公平ではないかということを感じますが、それはどうですか。
#24
○犬丸(直)政府委員 これは府県の方の考え方で、どういうお考えがあるのかわかりませんが、組合員の立場から見ますると、おっしゃるとおり府県によって違ってくる状況が出てくることはやむを得ないのではなかろうかと思います。
#25
○湯山委員 共済制度は国一本でやっておる、掛金においては府県において小部分であるにしてもばらつきがあるということは好ましい現象ではないと思います。そういうふうになる原因は地方財政の問題に原因しておる、こういうことですが、これはどうなのですか、私学助成の問題も同様に交付税でいって、都府県に任しておいたのではかなりばらつきがある。そこで、解釈はいろいろできますけれども、大枠はそうであるにしても、その中の一部を文部省が直接掌握して私学助成として出している、しかもその文部省が直接持っている額というものは順次かなり大幅に増額していっておる、こういう状態から考えてみますと、地方財政計画へ見込んで交付税でいくということになれば、結局はこれはもとは国から出ているということなのです。そう考えてみると、こういう煩瑣な手続を経ていまのように制度上おもしろくない現象が起こっている、こういうことですから、私は特にいま地方財政が窮迫しておる今日の状態においてはもうそういうものは地方からはいただかないで、むしろ国が一括してそれらも負担をするという方向へ持っていくことが妥当ではないか、こう考えますが、これはいかがですか。
#26
○犬丸(直)政府委員 国が直接補助をする部分につきましては、これは国の政策といたしまして、各府県通じて一律に補助いたしておるわけでございますけれども、やはり交付税と申しますものはたてまえ上地方の自主財源として付与する、地方行政の立場からして私学の存在意義というものを認めた上で補助するようにしむけていく、こういう制度でございますので、やはりそこにおのずから制度の趣旨が違いますので、これは交付税は交付税としての行き方があり、国は国としての行き方があるというものではなかろうかと考えております。
#27
○湯山委員 そのたてまえと乙の制度の正常な運営ということとはいま直ちに結びつかないと思うのです。交付税の制度というもの全体とそれとはてんびんにかからない。交付税にふさわしいものもあれば、交付税にふさわしくないというものもあって、私学の助成などはむしろ交付税の部分を少なくして、直接助成の分を多くしていく、これは私は正しいと思うのです。そうでないと、まだこのことがいろいろ影響しまして、私学助成の額の決定に当たっては共済の方へこれだけ出しておる、それも含めて私学助成はこれだけやっておるというように計算されて、そういうことから本来の私学助成というものが削られている、そういう例もあります。あるいはまた、これを出してもらうために、私学の法人なりあるいは校長さんたちがいろいろ頼みにいって、その見返りの条件をつけられている。その条件の中には非常に好ましくないものもないではない。そういうことも多分御存じと思いますけれども、そういうことを具体的にありましたらどうぞ。
#28
○犬丸(直)政府委員 地方から共済組合の補助が出ているためにどういうことが起こっておるか、その辺の事情につきましては私それほどつまびらかでございませんが、国の立場でやります補助につきましては、これは国の立場としての私学共済組合に対する助成の立場、ほかの公的年金との振り合い等もございまして決まっていくわけでございます。それに対して、プラスアルファといってはおかしいのでございますが、地方の立場としてもやはり地方の行政に役に立つ、私学の振興というものが役に立つし、私学共済組合の助成が役に立つという立場から地方から出しておるわけでございますので、やはりそこはそれを地方で出している分を国に吸い上げて国でやった方がいいのでないかということでは、少しないのではなかろうか。やはり地方の分は地方として負担していただきながら、しかしできるだけそういう格差がないようにする、県によっての違いがないように指導していく、こういう方向がいいのではなかろうかと私は考えておるわけでございます。
#29
○湯山委員 それは指導でできますか。
#30
○犬丸(直)政府委員 いままでも伝統的に続けてこられた助成でございますから、私どもはさらに強く勧奨をすればある程度是正ができるのではなかろうかと思っております。
#31
○湯山委員 制度ですから、ある程度というのではなくてきちっとしなければいけないと思うのです。局長御存じなければ申し上げますけれども、とにかくこれもあるからというので、本来の助成の分、これを少なくしたり、あるいは発表のときにそれとあわせて発表するというようなところもあります。それから、特に私学ですから政治活動は自由です。したがって、選挙などのときに推薦団体に無理に私学の団体の責任者が加えられたり、あるいはそのためにいろいろな文書の配布、そういうことをやらされたり、そういう事実があるのです。ないとは言えないでしょう、御存じなくても。
#32
○犬丸(直)政府委員 御指摘のとおり、私立学校の先生につきましては政治活動の規制というものはございませんが、しかし県で行います助成はあくまでもその県全体の教育の向上という立場からなされますので、その間の直接的な関連はあるべきではないし、あってはならないと思います。また、それは府県で行います私学助成全般の問題でございまして、この負担金の問題に限らないのではなかろうかと思っております。
#33
○湯山委員 局長、私学の大会へいらっしゃったことありますか。予算要求その他の大会がありますね。いらっしゃったことがありますか。
#34
○犬丸(直)政府委員 予算の時期に私学団体が催します会合に出ましたことはございます。
#35
○湯山委員 他のことは申しませんけれども、前の永井文部大臣はその雰囲気に対して、最大の抵抗ともいうべき発言をしています。それは、私は自民党員ではありません、けれども、というのであいさつされたことがあるのですが、これはお聞きになったことはありませんか。
#36
○犬丸(直)政府委員 私、あいにくそのごあいさつは聞いておりませんけれども……。
#37
○湯山委員 では、お帰りになって、今村局長から聞いてください。
 そういうことです、大臣。ですから単に国の補助のたてまえとかあるいはほかとのつり合いとかいうのでなくて、教育というのは教育基本法によって進められておるのです。私学であろうが、公立であろうが、それに何らかの障害、阻害があるということであれば、勇敢にそれを排除していくというのが私は文部省が私学免許を持っている意義だと思いますので、これはひとつ大いにその点を反省もしていただくし、御検討願いたいと思います。
 この問題はこれだけにします。しかし非常に重要な問題ですから、大臣もひとつ御配慮願います。
 次には、この法律に直接関係がある問題ではありませんけれども、従来私学振興団体が私学共済に入れてもらいたい、こういう希望が非常に強くてその検討がいろいろなされてまいりました。そして昭和四十六年、四十八年と、その他にもあるかもしれませんけれども、この委員会におきましても私学振興団体を私学共済に加えるようにという決議が行われております。四十六年のには、本法の「適用外にある私立学校の教職員ならびに私学振興を目的とする関係団体の職員に対し、すみやかに、同法を適用するため必要な措置を講ずる」というような決議でした。そこで適用されていない私立学校の教職員というのは大学でして、これはこの委員会の皆様の御努力で大分加入してまいりました。ほとんど加入したと言ってもいいのではないかという状態になりましたが、この私学振興団体の方はまだ一つも入っていない。これは私はいろいろ、ここでなぜ入れられないかというわけをお聞きしようとは思いません。というのは、そのことが十分論議されて、それでこういう決議になっておるので、これをなぜいままでほうっておいたかという、この問題を重視したいのです。それで局長の方でいろいろ理由をお挙げになるかもしれませんから、それは私の方で申し上げます。それはこの法律が私立学校教職員を対象にしておるということがもう唯一の理由です。しかしながら、この法律の目的には、第一条にこれは「もつて私立学校教育の振興に資することを目的とする。」ということで、大きな目的は私学振興にあるわけで、その私学振興の目的に合う団体という意味で加えてもらいたいというのが一つ。
 それから第二は、そうであってもなおかつ私立学校の教職員だけしか入れてないかというとそうではなくて、共済組合の職員は加入を認めております。第十四条におきまして、学校法人または組合から給与を受けているもの、これを簡単に表現するために、私学共済の組合員を含むという意味で「学校法人等」という「等」の中へこれを含めておって、まだ拡大の余地を残しています。それから「給与を受けるもの(以下「教職員等」という。)」これも等ということで教職員とはっきり限定はいたしておりません。つまり例外は認めておるのですね。これもそうですし、それから他の年金ということでいろいろ比較を言っておられますけれども、今度いただいた資料の四ページをごらんになりますと、船員保険、国家公務員共済、公共企業体職員、それから地方公務員、私学と農林漁業団体、こうなっておりますけれども、この中で公共企業体職員等と、これは等が入っています。それから地方公務員等と、これも等が入っています。地方公務員の場合は市長会の事務局とか町村会の事務局あるいは国保団体とか、やはり市町村職員、地方公務員だけじゃなくて、それに準ずるものを含んで等になっておる。これもおわかりのとおりです。
 それからその次に、今度は財源の問題ですけれども、国家公務員とか一般の地方公務員とかいうものは使用者側が、たとえば国家公務員の場合は国である、だから国は使用者側としての負担とそれから補助一八%を出せればそれも出すということですけれども、振興団体の方は折半負担の分は国や地方公共団体が出すわけではありません。だから、これとこれとはそういう点で違っている。
 さらに振興団体と共済との間にはかなり交流があります。たとえば各都道府県に私学協会がありまして、会長は大抵校長さんのような人ですからこれは当然私学年金に入っている。そこへ勤めている人というのは入れない。しかしそういう人は学校へも行ったり学校からこちらへ転勤したりいろいろありまして、現にいまの私学の中高連の事務局長の清水辛という人は共済からこれへ移っています。こういうかなり大幅な交流が行われるのに、年金が邪魔になって交流ができないというような事実もある。こういうことですし、それから農林年金等に至りましてはかなり幅広く入れておりまして、最近農林中金も入れましたし、それから必ずしも農林漁業団体ではない共済協会、中央畜産会、中央酪農会議、こういったようなものも入れている。農林年金はその資格要件になる法律を挙げていまして、この法律によってできておる団体ということになっておるのですが、いま申しましたようなものは「前項に掲げる法律に基づいて設立された法人とみなす。」こういう規定を加えて認めています。したがって私学共済だけが、いまのようなことを検討して当委員会でも二回にわたって附帯決議が行われたのに、今日までそれが放置されているということはまことに遺憾千万であり、この点に関しては、大学はいま申しましたように大体加入しましたが、むしろ文部省自体の怠慢ではないかというように考えます。その理由はいま申し上げたので十分ですから、なぜ今日までほっておいたか、これを伺いたいと思うのです。
#38
○犬丸(直)政府委員 私学関係団体を共済組合に加入させる措置をとらない理由でございますが、やはり基本は先生さっきもおっしゃいました私学共済組合制度自体が、法律のところにも書いてございますように、私立学校教職員の相互扶助事業を行って、その結果私学教育の振興に資するということでございますので、学校法人の職員ということが原則になっております。その例外として非常に限定的に特に共済組合の事務の円滑を期するために共済組合自体の職員を入れておる。こういう厳密な限定がついておりますので、例外があるのだからほかの例外もというお考えもあろうかと思いますけれども、しかし非常に限定し得る例外でございませんと、これは際限なくだんだん広がってくるということで非常に困難でございます。たとえば私学関係の団体の職員を入れるということになりますと、国立学校関係のいろいろな団体もございます。国大協とかそういう団体がございます。あるいは公立学校関係でも職員のいろいろな団体がございます。それからいろいろ研究団体というようなものもございます。そういったようなものも入れてもいいのではないかというような議論にとめどもなく広がっていく可能性があるということで、ほとんど不可能と思われるほど困難な事情がございますので、われわれ附帯決議の御趣旨はよくわかるのですけれども、実際問題としていままで手がついておらないという状況でございます。
#39
○湯山委員 大臣は、附帯決議については決議の趣旨を尊重してという答弁をなさいます。しかもいまのような論議をした末二回にわたって決議が行われている。だからいまのようなお答えならば、それはお答えになっていないわけです。それらのことは承知の上で、しかも特にその中でこれこれはいける、いけないというようなことを整理をしてやってくるのがあなたたちの役目であって、いまそれは際限がないからやらないのだというようなことを言うのは、これはまさに国会の決議の軽視と言わざるを得ない。ただ大臣が次々おかわりになるし、局長もおかわりになるし、それから第一この私学共済などというのは何だかもらったものの厄介な法律で、これは本当に力を入れてやっていない、こうしかとれないのです。この段階では議論をするのは余りふさわしくないことで、私はすでにいまのようなことを承知の上で、一度ならず二度まで当委員会で決議しているのですから、ひとつ来年度を目途にどういう団体は入れられる、どういう団体は無理だという振り分けをして、来年度から加入できるようにやるという決意があるかどうか、これは簡単なことですから、文部大臣いかがですか。余り事務局を気にしないで、この委員会がとにかく全会一致で二度決議しておるのです。しかもそれがいまのようなことで放置されておるのですから、ひとつ大臣の御決意を伺って、それが納得いけばもうそれで私はこの問題についての質問を終わりたいと思うのです。いかがですか。
#40
○藤尾委員長 ちょっと文部省に、お答えになる前に申し上げておきますが、ただいまの湯山委員の御発言によりますと、文部行政を担当をする当文教委員会におきまして決議をされ、そうして歴代大臣がこれに実行をするという趣旨のお約束をされた、そのことが文部省当局によって実行されていないという御質問でございます。私は事態きわめて重大だと思います。そのことを頭に置いて御答弁をいただきたい。
#41
○海部国務大臣 湯山先生の御質問の御趣旨は私もいま十分拝聴いたしましたし、委員長からの御注意もございますので、この問題は非常にいろいろ複雑なむずかしい問題をはらんでおると聞いてはおりますが、附帯決議の御趣旨ももちろん尊重していかなければならぬのは委員長に御注意を受けるまでもないことでございますから、何が可能なのか、何がどうしていけないのかということをもう一回きちんと検討をし直してみたい、こう思いますので、御了承いただきたいと思います。
#42
○湯山委員 委員長からあれだけお口添えいただいたのですから、委員長及び大臣を信頼して、いままでの十把一からげでどこまでいくかわからないというようなことではもう済まされまいと思います。ひとつ委員長及び大臣を信頼して、この質問はこれで打ち切ります。
 それから次にこれと関係がある問題で、これも法律とは直接関係ありませんけれども、私学の先生が、四十五年に法改正があって労働者災害補償保険法に加入しておりますが、この加入状態が非常に悪いと聞いております。それはどうなっておりますか。
#43
○犬丸(直)政府委員 法律上のたてまえで全員加入ということになっておりますけれども、その実態はまちまちであろうかと思っております。
#44
○湯山委員 数字的にもお聞きしたいのですが、時間の関係で省きます。とにかく法律のたてまえは全員加入であるものが、加入していない、その原因はどこにあるとお考えですか。
#45
○犬丸(直)政府委員 私立学校の先生の事故の状況から見て、一般の企業と同じ枠の中で保険制度の中へ加入していきますと、掛金率の関係からいって必ずしも有利でないのではなかろうか、こういう懸念であろうと思います。
 ただ、実際問題といたしまして、現在の掛金率は千分の四ということで一番低いところへ抑えてもらっております。
#46
○湯山委員 業種別では私立学校の先生は銀行員などと同じように千分の四で、一番低いところ、これはそうです。しかし、同じ教育基本法で同じように子供の教育に当たっておる公務員と比べますと、掛け金は十倍ぐらいになっておるのではないですか。いかがですか。
#47
○犬丸(直)政府委員 これは給付の内容は同じでございますけれども、掛金と申しましても、これは組合員は出しません。雇用者の方だけが出すわけでございますが、実績を見ますと、確かに国家公務員の場合よりもこちらの方が高いようでございます。
#48
○湯山委員 高いというだけではなくて、どんなに高いか、何倍ぐらいになっておるか。
#49
○犬丸(直)政府委員 国家公務員、地方公務員の場合に千分の〇・三でございますから、やはり十倍くらいということになりましょうか。
#50
○湯山委員 大臣、これも聞いておってください。
 同じ子供の教育に当たっておる、そうすれば労災事故も大体似たようなものです。それから件数も、私学で勤めておるからよけいけがをするとかいうことはありますまい。まあ、似たようなものです。ただ、そうやって同じ教育基本法による仕事をしていながら、労災の掛金になってまいりますと、私学は千分の四、国家公務員、地方公務員、これらはとにかく千分の〇・三程度。そうすると、今日私学の経営というのは楽ではありません、そんなのでは入れない、何とかしてくれというのは当然でしょう。大臣はどうお考えですか。
#51
○海部国務大臣 これは直感を申しますと、十倍近い開きがあるという乙とは、できたら何とかしなければならぬことだという気持ちはいたします。
#52
○湯山委員 とにかく近いのではないのです。十倍を超えておるのです。それで苦しいから、あれだけ私学助成というので大臣も骨を折っておる。それを、これを負担せいというのはどう考えても無理です。千分の四で私学の先生の数だけ持つといったら、大変な額ですよ。これは今年度、調査費か何か要求したのではありませんか。
#53
○犬丸(直)政府委員 調査費はいま認められておりませんが、私ども、この問題につきましては、労災保険の中で、その運用を私学により適切なようにするか、あるいはどうしても新しい別な制度が要るのかというようなことにつきまして検討は進めております。
#54
○湯山委員 当初、文部省では調査費を要求しようという話はなかったのですか。
#55
○犬丸(直)政府委員 そういうことも考えました。要求もいたしましたけれども……。
#56
○湯山委員 文部大臣、お聞きのようにこの制度の矛盾というものは文部省自体も認めておるのです。ただ、残念ながらどうも努力が足りなくて調査費も認められなかった。けれども、これは、やり方によればそんなに調査費が要るものではないです。どれだけ事故があるか、そしてどういう種類の事故があるか、それを公立と比べるとというだけのことですから。これを一般と比べるか、同種の公立学校の教員と比べるか、姿勢の問題です。ですから、これも来年度は何らかの解決方法をぜひひとつ示していただきたい、このように私は考えますが、大臣の御決意を伺いたいと思うのです。
#57
○海部国務大臣 その方向に向かって努力いたします。
#58
○湯山委員 大臣の御答弁に期待をかけまして、以上で質問を終わります。
#59
○藤尾委員長 伏屋修治君。
#60
○伏屋委員 この私立学校教職員共済組合法というものは教育基本法第六条の趣旨を踏まえて立法されたと聞いておるわけでございますが、現在、この共済組合の現況、加入学校数あるいは未加入学校数等がわかればお教えいただきたいと思います。
#61
○犬丸(直)政府委員 現在の加入学校数全体で、大学から幼稚園全体を含めまして一万一千五百二十八校でございます。組合員数が二十八万三千五百七十四人、それで現在の段階におきましては、未加入の学校は全部で五十九校ということになっております。
#62
○伏屋委員 未加入校の内訳はどのようになっておるのでしょうか。学校種別でも結構でございます。
#63
○犬丸(直)政府委員 学校種別に申し上げますと、大学が九校、短大が四校、高校十八校、中学校八校、小学校三校、幼稚園十校、各種学校七校、以上でございます。
#64
○伏屋委員 この共済法ができましてから、任意加入という形であったわけですが、非常に加入校が少なかった、そして文部省は鋭意全校加入という形で努力をされたと聞いております。しかし、現況においても、いまなお五十九校が未加入でございますが、いままで文部省としてはどのような加入促進の努力をされたのか、今後またそれを続けられる意思があるのかどうか。
 やはり私立学校共済組合法というものが教育基本法の先ほど申し上げた趣旨にのっとって設立されたとするならば、全私学が加入するのが当然であると私は考えておるわけでございますが、いままでどのような努力を続け、今後どのような努力を続けてまいるか、その辺をお聞きしたいと思います。
#65
○犬丸(直)政府委員 私立学校共済組合は、原則として学校法人であるものは全部加入するというたてまえになっております。
 ただし、発足いたしました昭和二十九年の段階で例外的に、いきなりそういう制度ができるわけでございますから、組合員によりましてはほかの制度の方が有利であるというようなこともございますので、附則でもって選択的に加入しないことを、適用除外校を認めたわけでございます。
 ただ、その後やはりたてまえとしては――したがいまして、新しくできました私立学校は全部加入しております。問題は、その未加入校がございますことにつきましては、できるだけ全私立学校がそろった方がいいということで、昭和四十八年に、その時期までに未加入校が約百七十一校ございました。ところが、こういうことであるのでこの際に加入するようにということで、議員提案の法律でもって新しく未加入校の加入ということが行われたわけでございます。
 その際には、十分趣旨を徹底いたしまして、昭和四十八年十月五日から十一月三十日までの間に加入したいものは申し出るようにということで、これはもういろいろな条件を示した上でその道を開いたわけでございます。したがいまして、それにもかかわらず現在まだ加入しておりません五十九校につきましては、やはり加入の意思がないものであろうかということで、一応四十八年の段階でこの加入問題は決着がついたというふうに私ども考えているわけでございます。
#66
○伏屋委員 四十八年で決着がついたということは、今後、加入促進に対する努力は続けないという意味にとってよろしいわけですか。
#67
○犬丸(直)政府委員 先ほどお話し申し上げましたように、新しくできる学校は当然加入になるわけでございますし、それで二十九年以来四十八年までの長い間の実際の運用があったあとで、やはり加入しないというふうに言っておられるので、この学校につきましては、今後特に加入を促進するような働きかけは必要でないのでなかろうか、そういうふうに考えております。
#68
○伏屋委員 その未加入校五十九校の未加入の主たる理由というのは一体何か、掌握してみえますか。
#69
○犬丸(直)政府委員 これは、加入するかしないか、加入しない理由はどうかということを私ども一々聞いておるわけではございませんので推測にすぎないわけでございますけれども、やはりそれぞれの学校の職員の自前でやっておられる、あるいはほかの組織でやっておられる共済制度というものとのバランスから見て、やはりそれはむしろ入らない方がいいのだというようなことが組合員の総意として出てきておるというようなことが理由なのではなかろうかというふうに思っております。
#70
○伏屋委員 また後ほどお尋ねしようと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、教育基本法の趣旨に基づくならば、やはりこれは促進の努力を続けてまいらなければならないと思います。
 先ほど湯山委員の方からの御質問もありましたような労務災害補償の身分、そういうものから考えていくならば、この共済組合法においては未加入校はその身分法を主張しておらないと思いますし、そういうことを一応自己否定しておるような形になって表面に出てきておるわけでございますが、一貫してその身分法というものを貫いていくとするならば、やはり全私学がそれに加入しなければならないのではないかと考えるわけでございますが、その辺はどうですか。
#71
○犬丸(直)政府委員 仮に新しい制度をつくるという段階に参りましたときに、この未加入校をどうするかという問題はあるいは起こるかとも思いますけれども、現行の制度のもとにおきましては、学校自体が十分考えた上で加入を希望しておらないという状況でございますので、それを無理に加入させるというようなことは、現在の段階では必要ではないというふうに考えております。
#72
○伏屋委員 またくどいようでございますが、これから後に質問いたしますけれども、いま現在、私学の学校職員の方には退職手当制度あるいは労務災害補償制度、こういうものはございません。というのは、何といいましても、共済組合法においては教職員という身分というものは基本法の趣旨にのっとってそれに加入しておる。しかし、退職手当制度とかあるいは労務災害補償法においては一般労働者並みの身分法で進められておるということから考えると、やはり今後退職手当制度あるいは労務災害補償制度創設に当たっては一貫性を持たせなければならない、教職員身分に対する一貫性が欠けておってはならないと思うのでありますが、そういう面において未加入校はその事情があるからやむを得ない、放置するということは、文部省自身がもうその身分法というものを二分的に考えている、このようにしか考えられないのですが、その辺、文部大臣はどういうお考えを持ってみえますか。
#73
○海部国務大臣 これは、せっかくこういう法律ができておるわけでありますから、同じ私学の教職員の人が同じようなレベルで、やはりいろいろな意味で保障されるということが望ましいことは、私もそうだと思います。
 それで、いろいろな努力をした結果未加入校があることも現実でございますが、これについては今日までのいろいろな経緯とかそれぞれの学校がやっておりまする制度とか、そういうものに関する当該学校所属教職員の意思とかいうものがあってこうなってきたのだろう、こう思いますが、今後とも御質問の御趣旨をとどめて研究は続けていきたいと思います。
#74
○伏屋委員 現在米加入校五十九校、その五十九校がそのような意思表示をしておるわけでございます、未加入の理由を挙げながら加入しないと。けれども、大方の私学の教職員はやはりその災害補償制度あるいは退職手当制度というものを強く望んでおられると思います。そうなってくると、そこで一番ひっかかりになるのは、いま申し上げたような身分法の取り扱い、これが問題になってくると思うわけでございますが、大方の要望に対してわずか五十九校の米加入校の存在があるがために退職手当制度とかあるいは労務災害補償制度のひっかかりになる、こういうふうになってきたときには大変な問題だと私は考えます。
 そういう面におきまして今後ともその未加入校に対して、いままでの経緯はさることながら、今後新たにどのような形でその加入促進を図られようとしておるのか。もう全然そういう加入促進を図ろうという意思はないのかどうか、あるいは図るとするならばどういう方法でやるかということについて、具体的にお話を聞かせていただきたいと思います。
#75
○犬丸(直)政府委員 労務災害補償制度及びその退職手当制度につきましては、これは非常に大きな問題でございまして、果たしてそういう私学共済と同じように私学関係者だけのそういう制度が必要であるかどうかということにつきましては、また、どういう形でそれをやったらいいかということにつきましては、これから非常に検討を要する課題でございます。
 ただ、その問題と私学共済の現在までの未加入校とは、あるいは実質的に裏でそういうような先生のおっしゃったようなことがあるのかもしれませんけれども、論理的には関係のないことでございますので、私ども、そういう意味において、将来の労災制度なり退職手当制度の研究のために、この五十九校に対して加入を勧奨するというような考え方はいまのところとっておらないわけでございます。それはそれで、そちらの制度につきましては今後の検討課題として検討を進めてまいりたいと思っております。
#76
○伏屋委員 またそれは後ほど触れたいと思いますが、本委員会におきまして毎回のごとく附帯決議として、短期給付に対する国庫補助あるいは長期給付の百分の十八を百分の二十にするという附帯決議がつけられておるわけでございますけれども、昭和四十四年以来その附帯決議に変わりはございません。もう何回となくその附帯決議はされてきたにもかかわらず一向にそれが実現の日の目を見ないということは一体どうなのか、私は非常にここに疑念を持つわけでございます。また、本委員会においても、その附帯決議をして、ただ附帯決議のための決議で終わらせるのか、あるいはそれを実現するのか、そこら辺の意思を聞きたいと思います。
#77
○犬丸(直)政府委員 短期給付の国庫補助につきましては、私どももできるだけ附帯決議の趣旨に沿ってその実現を図りたいということで、五十二年度予算においても予算要求をしたわけでございます。ただ、これは非常に波及するところが大きうございまして、他の公的年金制度との関係もございまして、いまだに認められておらないわけでございます。
 それで、なお私学共済だけの実情を申し上げますと、現在の段階で組合員の掛金率が千分の三十八、そうしますと、政管健保の三十九よりも低いというような状況でございます。しかも短期給付の経理の実情を見ますると、かなり黒字が出ておる、五十一年度の収支では、三十億円の黒字が出ておる、こういう状況がございますので、なかなか迫力がないと申しますか、非常にむずかしい状況にはなってきております。政府補助を実現するための基盤としてはむずかしい状況でございます。しかしながら、やはり政府補助ということは必要である。より組合員の福祉を向上するためにはよいことであるということは当然でございますので、今後ともまた検討を進めてまいりたいと思っております。
#78
○伏屋委員 その短期給付の国庫補助、あるいはその長期給付百分の十八を百分の二十に率をアップする、このことに対するその一番の障害点は一体何なんですか。短期給付についてはいま少しお聞きいたしましたけれども、長期給付についての障害点は。
#79
○犬丸(直)政府委員 長期給付につきましては、これはやはり他の公的年金制度とのバランスの問題であろうと思います。農林共済等との関係におきまして、やはり全体のバランスをとる必要がある。国全体としてのこういう公的年金制度のバランスをとるという立場から、なかなか認められないのではなかろうかと思います。私どもはさらに今後とも努力を進めたいと思っておるわけでございます。
#80
○伏屋委員 先ほど湯山委員もお話がございましたとおり、やはり附帯決議として決議されたことは、院の決議でもあるわけでございますので、その院の決議を尊重するという意味からも、今後とも強力な実現方の御努力をお願いしたいと思います。
 次に、退職手当制度について少しお尋ねしたいと思います。
 先ほど、教育基本法第六条の趣旨にのっとって身分法の問題を少し触れておきましたけれども、この退職手当制度というものが、現在私学教職員は雇用保険法の適用を受けておる。いわゆる身分の上から言うなれば、国公立学校職員というのは身分は国家公務員法あるいは教育基本法、教育公務員特例法あるいは公立学校教職員は地方公務員法というような形で身分が認められておりますが、私立学校の教職員の現状というものは、やはり労働基準法という形で、一般労働者という身分でしか認められておられないということから、退職手当制度は現在はないわけでございます。しかし、ことしの予算を見てみますと、その退職手当制度創設に関する国庫負担金、これが百四十四万ですか組まれておるわけでございますけれども、この調査費として組まれておるということは、いわゆる文部省が将来そのような身分法を確立することによって退職手当制度、そういうものを私学の教職員にも創設していこうという意図があると私は思います。そういう意図に沿って、今後何年をめどにそのような退職手当制度を創設しようとしておるのか、そして現在その創設に当たってのどのような調査を進めておるのか、この辺をお聞きしたいと思います。
#81
○犬丸(直)政府委員 この私学教職員の退職手当制度につきましては、私どもいわゆる前向きの姿勢で、五十一年度から調査費が認められまして、五十二年度は先生いま御指摘の百四十三万五千円というわずかな事務費でございますけれども、これをフルに活用いたしまして検討を進めてまいっておるわけでございます。
 ただ、その実態をいま調べてみますと、非常に複雑な事情があるようでございます。まず、大学と高等学校以下との関係でございますが、高等学校以下につきましては、ある程度各府県で退職金財団とか社団とかというようなものをつくっておりまして、ある程度その制度ができつつあります。ところが、大学、短大につきましてはそういうものは共通のものはなくて、個々の大学でやっておるような状況、それぞれの退職金の支給の状況とかあるいはその府県におきます財団、社団等の運営の状況等見ますると、いろいろな差異がございます。したがいまして、そういったものを全部調整をして統一的に制度をつくるという段階におきましては、かなり複雑な内容のものを整理していかなくてはなりません。そういったことで、いま私立大学関係者その他の方たちに集まっていただきまして、私ども加わりまして調査を進めておるわけでございますけれども、そういう状況で、まず現状を分析し、整理するということにいま力を注いでおりまして、いつごろからこれが実現の運びに至るだろうかというようなめどを現在立てる段階には至っておりません。
#82
○伏屋委員 具体的に現在の調査はどういう調査をしておられるわけですか。
#83
○犬丸(直)政府委員 五十一年度において行いました調査の中身は、私立学校における教職員の在職状況、離職状況の実態を把握するために、全学種の学校を対象にして調査票を送りまして、そして職員がどういう形で在職し、どういう形で離職していったかという実態の調査ということをまずやっておるわけでございます。
#84
○伏屋委員 在職、離職状況を調査を進められておると聞きましたけれども、それはどういう意図ですか。それは大きく言えば退職手当制度でございますが、目先の意図としてはどういう意図がございますか、そういう調査は。
#85
○犬丸(直)政府委員 そういう教職員がどういう形で在職し、何年間ぐらい勤めてどういうふうになってやめていくか、そのときの給与がどうであるかというようなことを把握いたしませんと、仮にそういう制度をつくった場合に、財源をどう計算したらいいのかということができないわけでございますので、まずその実態を把握しているわけでございます。
#86
○伏屋委員 現在その調査がどの辺まで進行しておるわけですか。
#87
○犬丸(直)政府委員 対象学校が一万一千百二十九校に対して、現在五千八百二十一校から調査票が出てきております。約半分、回収率五二%でございます。
 この回収しました調査票につきまして、これを整理し、分析している段階でございます。
#88
○伏屋委員 昭和五十一年の三月に前文部大臣の永井文部大臣に私学連合が、その退職手当制度についての具体的な意見と、それからその後に要望書を提出されたと聞いております。その要望書を私も見せていただきましたけれども、非常に具体的に各項目別に出ておるわけでございますが、文部省はその要望に対してどのようにお考えになり、文部省は文部省なりのそういうような具体的な要綱というようなものを考えておられるのかどうか。
#89
○犬丸(直)政府委員 この私学連合からの要望書は大変いろいろな考え方が盛り込まれておりまして、私どものいろいろな検討を資料の一つとしてこの内容につきましては十分に尊重してまいりたいと思っております。
#90
○伏屋委員 文部省としては私学連合のものに当てはまるような具体的な要綱というものはまだ作成の段階ではないということでございますか。
#91
○犬丸(直)政府委員 私どもとして、制度の要綱的なものは、現在の段階でまだそこまで到達いたしておりません。
#92
○伏屋委員 この退職手当法に対する私学教職員の方のお考えというものは非常に切なるものがあります。そういう面からも、本当に牛の歩みのようなそういうような調査でいつ退職手当制度ができるのやらわからない、このようなことでは、公の性質を持つ学校に勤める、全体の奉仕者である教職員の皆様方は、身分の上からも非常に不安な生活を送らなければならない。そういう面からも一日も早い退職手当制度というものの実現が望ましいと思います。いまのような現況、お話を聞いておりますと、退職手当制度創設がいつのことやら全然見当のつかないようなお答えでございますけれども、この辺は、教職員の身分法を確定する、統一するという意味においても一日も早い実現が必要だと思いますが、この辺のことについて大臣も深く認識をされまして、そして一日も早く創設に踏み切っていただきたいということで、大臣のお考えもお聞きしたいと思います。
#93
○海部国務大臣 御指摘の方向に向かって一日も早く実現するように努力いたします。
#94
○伏屋委員 重ねて大臣に一日も早い実現をお願いして、この問題を終わりたいと思います。
 次に、労務災害の問題についてでございますが、これも先ほど申し上げましたように、私学教職員の場合は労働者災害補償保険法の適用を受けておるわけでございまして、公務員のような形でのそういう補償法というものはございません。そういう面におきまして現在の身分法というものがその一つの大きなネックになっておると私は考えます。
 現在、その教職員の公務上災害の発生率がどれぐらいなのか、どのように掌握されてみえるか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
#95
○犬丸(直)政府委員 まことに申しわけありませんが、いまのところその資料を持っておりません。まさにそういったことを調べることを端緒にいたしましてこの問題について研究を進めようと思っている段階でございます。
#96
○伏屋委員 ここに、ある新聞の社説があるのですが、「待ってくれない災害」ということがございます。いっその災害が起こるか、これはだれにも予測できない問題でございます。それだけにその問題に対処するきめ細かいそういうことを考えるのが文部省当局ではないかと考えるわけでございます。そういう意味におきまして、現況をまだ把握してないということはいささか遺憾の気持ちでいっぱいでございます。一日も早くそういうものを掌握してまいらなければならないと思いますが、国公立の場合あるいは私学の場合の事故の発生率、そういうものを本当に調査する意思があるのかどうか。これが今後のそういう公務災害に関する一番大きな問題になってくると思いますので、その意思があるかどうか、どのようにして調査するのかということ。
#97
○犬丸(直)政府委員 災害の調査につきましては、ことし予算要求をしたようなことでございまして、もちろん予算は認められませんでしたけれども、何とか既定の予算の中でも手をつけたい、また来年度以降予算要求もしてまいりたいと考えております。
#98
○伏屋委員 予算要求したけれどもけられたからいたし方がない、これで済まされる問題では決してないと私は思います。そういう意味におきまして、どういうことでけられたのか、それに対してどう再度要求したのか、そこら辺の経緯を少し聞きたいと思います。
#99
○犬丸(直)政府委員 査定官の考え方はわかりませんけれども、これはいろいろな内容がございますので既定予算の中でやれるのではないかという考え方もあるかもしれません。その辺は、予算の査定の詳しい理由というのはなかなかむずかしいのでございますが、いずれにいたしましても、私どもは、とにかく実態を把握して、そしていまの労災保険制度の中でこれを改善した方がいいのか、あるいはどうしても別な制度が要るのか、その辺も含めて十分検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#100
○伏屋委員 先ほどの湯山委員の御質問にもありましたように、労働者災害補償保険法に加入が非常に低いわけでございます。というのは、掛金率が非常に高いところにある、そういうところから私学が保険に加入がされない。けれども事故は、災害は待ってくれない。そのような災害が起こった場合、私学教職員にそういうケースがあった場合には一体どのようになるのか。
#101
○犬丸(直)政府委員 現在は一応労災保険法の枠の中で、仮に加入してないところがあっても、起こればそれだけ掛金分を納めて給付を受けるということができるようになっております。
#102
○伏屋委員 ということは、事故があった場合には、労働基準法に基づいてその事故の内容を認定して、そしてその学校法人がその保険に加入しておろうとおるまいと、その事故に対する補償金というものを労働基準局の方で認定し、そしてそれを学校に要求していく、その時点で学校が保険に加入するということでございますか。
#103
○犬丸(直)政府委員 おっしゃるような状況になっておるようでございます。
#104
○伏屋委員 それは変則だと思いますね。いわゆる保険に入っておって、事故があって、認定されてやっていくというのが正常であるにもかかわらず、私学教職員に関しては変則的なことが通用しておるということは全くもって意外だと思います。そういう面におきましても、そういう労災の補償、そういうものを掛金率を下げて私学が労働者災害補償保険に加入しやすくするのか、あるいはそれよりも一般国公立教職員並みの災害補償制度を創設するのが先なのか、そこら辺が問題だと思いますが、どうでしょうか。
#105
○犬丸(直)政府委員 その点につきましては、現在の段階ではどちらがいいのかということを十分今後検討してまいりたいと思っております。
#106
○伏屋委員 これも一番のネックになるのはやはり身分法の問題だと思いますが、その身分法につきまして労働省と文部省との間に申し合わせ事項があるように聞いております。ございませんか。
#107
○犬丸(直)政府委員 ちょっとおっしゃいます身分法ということの意味がわかりませんが、そのような申し合わせはないように私承知しております。
#108
○伏屋委員 ここに、昭和四十三年三月の労働省と私学の取り交わした協定があるわけでございますが、この労働者災害補償保険法というのは原則は強制加入でございます。強制加入であるけれども、その掛金率の面からも、私学は大臣も御存じのとおり経理内容は非常に貧困でございます、そういうことからして、そのような掛金率の高い労働者災害補償保険には入れない、それを強制適用されるのは遺憾である、こういうことから労働省との話し合いがあったのではないか。それには文部省はその中の仲介はいたしておらないのかどうかということです。
#109
○犬丸(直)政府委員 私自身そういうことを知らなかったわけでございますが、関係者、担当の者もそういうことにつきましては介入しておらないということでございます。
#110
○伏屋委員 それによりますと、やはり強制加入というものが適用除外されておるということでございます。ということは、やはり労働省としましても、その事故の発生率の低さとかそういうこともございましょうけれども、事故発生率の低さということは教職員という一つの立場、そういうものを尊重してそういう形になっておるのではないかと私は考えるわけでございます。そういう意味におきましても、何としましても一番の問題は、先ほど申し上げましたように教育基本法の第六条の趣旨にのっとって一貫した身分法というものを適用する中で災害補償のことも考えていかなければならないと思いますし、また退職手当制度というものの創設も考えていかなければならない、このように私は強く思うわけでございます。そういう面におきまして、そのような教育基本法の精神、趣旨にのっとって、先ほど文部大臣もそのように努力をするという御返答でございましたけれども、さらにこのことについては一日も早く、事故が発生してからでは遅過ぎます、すべていままでの行政が事故の後、後を追っておるような現状でございますので、一日も早い災害補償制度の実現を強く文部大臣に要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#111
○藤尾委員長 山原健二郎君。
#112
○山原委員 短時間ですが、最初に私学共済の運営審議会について質問をいたします。
 運営審議会に一般組合員、教職員の声が反映できるようにすべきではないかという乙となんです。それで、財政負担の点からいいますと、三者構成ですから、組合員または学識経験者、そして理事者が三分の一、現在二十一名ですから七、七、七、こういう形で出るのが一番、財政負担の面から言えば当然ではないかというふうに考えておりますが、現在教職員、一般組合員が運営審議会に何名入っていますか。これは局長の方へ伺いましょうか。
#113
○犬丸(直)政府委員 いま先生お話しのように三者構成になっておりまして、全体が二十一名でございますから教職員が七名でございます。
#114
○山原委員 その七名、それはどういう形で選出をされているかですね。
#115
○犬丸(直)政府委員 その二十一名のうちの三分の一、七名は学識経験者でございますが、そのほかの組合員関係、法人関係につきましては私学団体の推薦を求めております。
#116
○山原委員 そこで、私学団体の推薦の仕方ですが、これは私学共済の理事長さんの方へ伺いたいのですが、どんなふうにやっていますか。実際、広範な、二十八万というお話がありましたが、二十八万に達する一般組合員の声が本当に反映できるような選出をされているかどうかですね。
#117
○犬丸(直)政府委員 私からお答えさしていただきたいと思いますが、現在七つの私学団体がございます。日本私立大学連盟、大学協会、それから大学懇話会、それから私立大学短大協会、それからいわゆる中高連の中学高等学校連合会、それから小学校連合会、日私幼の幼稚園の連合会、こういう七団体が全体で私学連合という連合体をつくっております。そこへ推薦を依頼するわけでございます。これらの団体はその法人のいわゆる役員側だけでなくて、いわゆる学長、校長以下の教職員も含む包括的な団体でございますので、そこからそれぞれ法人側と職員側の人を推薦していただく、こういう形をとっておるわけでございます。
#118
○山原委員 私は、それは形式としてはそういうあり方も正しいと思います。公立共済の場合は御承知のようにたとえば組合、日教組なども入っておりますし、県段階でも中央でも入っているわけでして、いわば教職員、一般組合員のいろいろな問題が出てきた場合に、それを取り上げるような組織にしておかないと、形式的には確かにそういう団体へ依頼をしたといっても、何といっても理事者側の息がかかったような形では民主的な運営というのはできないのではないか。その一つの証拠に、たとえば私学共済の法律三十六条、三十七条に書かれております審査会ですね、これは私学共済ができましてから何年たった後にできたのですか。
#119
○犬丸(直)政府委員 昭和四十三年八月一日に審査会が発足いたしております。
#120
○山原委員 私学共済はいつできたのですか。
#121
○犬丸(直)政府委員 昭和二十九年でございます。
#122
○山原委員 二十九年に私学共済ができて、その法律には三十六条、三十七条に審査会という制度、審査会というのは御承知のようにいわば苦情処理機関ですね、組合員の中から苦情が出てきた場合にその処理機関をつくる、それが十数年たってやっとできるという状態でしょう、そういうところに実際にこの一般組合員の意見が反映できないその閉鎖性、非民主的な運営があるのではないかという点で、むしろここへ、たとえば日教組私学部とかいろいろあります。これは三万何千という組合員を包括しておる組織です。そういう組織の代表が一人でも入れば、こんな問題があるのですよ、こういう苦情があるのですよ、だから審査会も活動も開始しなさいというようなかっこうで、私学共済そのものの運営がいわば民主的に組合員の声が反映できる状態になるのではないか、それがないから十数年たってやっと苦情処理機関が発足したということになっておるのではないか、そういう意味で私は当然その職員団体の代表も加えるべきだ、それは私大、全私協とかいろいろにお願いをしているけれども、これはやはり私学共済の民主的発展のために検討した方がいいと思うのですが、その点いかがですか。それは局長にお伺いして、またその点については理事長さんからも実際運営してみてどうかという点で伺いたいのです。
#123
○犬丸(直)政府委員 審査会が四十三年に至って設けられましたという理由でございますけれども、これはやはり発足当初のころは仕事の規模も小さくて、苦情処理に特別な機関をつくるというほどの必要もなかったのである、それがだんだん仕事が軌道に乗り、拡充してまいりますと、やはりそういうような処理機関が必要だというようなことで、四十三年に至って設けられた、このように聞いております。
 それから運営審議会の委員につきましては、私学団体に推薦を求める場合に十分それぞれの大学における職員なら職員、それから役員なら役員側それぞれにつきましては、十分代表し得る人を選ぶようにという指導は常日ごろやっております。それで、私立学校の職員団体あるいは組合等の状況につきましては非常にまちまちでございますので、やはりそういったことにつきまして総合的に判断するという意味におきまして私学団体に委嘱して、その辺の判断を適正にしてもらうという方針をとっておるわけでございまして、今後ともそういう方針で、ただ実際に人を推薦する場合についてはよく全体の総意を代表するような人を選ぶようにという指導はさらに続けてまいりたいと思っております。
#124
○加藤参考人 ただいま審査会の問題でお話がありましたが、私の方では直接人を選ぶ方の手順になっておりませんで、私学団体から推薦され、文部省から任命された人を受けておりますが、現在まで私、審査会の様子を詳細に見ておりますが、非常に公平に行われておるという現状でございまして、いまのところいささかも問題はない情勢であると申せます。
#125
○山原委員 公立共済の場合、日教組というような団体も入っておりますが、ちっともそれで不都合も生じていないのだし、しかもそれによってかなり会も持たれて、そしてその声が代表を通じて運営に反映をされるという経過をたどっていまして、全く不都合も何にもない。私学団体という形式を踏むことを私は否定しているわけではありませんけれども、私学の組織としてある団体に、しかも絶えず組合員の福利その他要求を実現するために努力をしておる会の代表が入って、それはプラスにこそなれ何にも困ることはないのに、たとえば日教組の私学部三万数千名というものを組織しておる声を組織的に反映できるようなそういう代表をなぜ入れないのか。私、どうしても文部省の態度が納得できないのですよ。その点、どうですか。
#126
○犬丸(直)政府委員 先ほども申し上げましたが、組合員の代表者にどういう人を選ぶかということにつきましては、やはりこれは総合的に判断してもらう方がいいと思いますので、そういう立場にございます私学団体の判断によって推薦をしてもらうようにしておるわけでございます。もちろんその場合に、十分に共済組合というものの趣旨を生かして、組合員の代表たるにふさわしい人を選ぶようにという一般的な指示はいたしておりますけれども、これをどういう組合からということまで指示をいたすということは差し控え、やはり私学団体の適正な判断を待っておるわけでございます。
#127
○山原委員 時間の関係でこれ以上申し上げませんけれども、私学団体の推薦の中に、理事が出ておるところの教職員を入れるとかというようなこともあるような気もするのですけれども、その辺まだ調べておりませんので一応おいておききす。
 もう一つは、いま湯山先生の方から質問がありました私学関係の団体所属に共済を適用する問題ですが、これはいま文部大臣が御答弁になりまして、いろいろ困難があるということは聞いておるけれども当然研究をしなければならぬという御答弁でございましたね。この点、局長に伺いますが、たとえば私学共済の職員の方は入っていますね。私学共済の仕事をしておる方は入っております。そうしますと、すべてがいかぬということではなくして、いろいろな関係はあるだろうし、困難な問題はあるだろうけれども、工夫の余地はあるのではないかというように私は思うのですが、その点、湯山先生の質問との関係で局長はどういうようにお考えになりますか、湯山先生の提案について。
#128
○犬丸(直)政府委員 共済組合の職員につきましては、これは共済事業の運営の円滑を期するためということで各共済組合共通に入っておるわけでございます。したがいまして、その点については明確には区分できるわけでございますけれども、私学団体の職員をということになりますと、これは私学共済だけの問題になってまいります。そうしますと、非常にほかの方に波及してくる。ほかの関係の共済組合でもいろいろそういったものがたくさんおる。その辺はどうしたら歯どめがきくのか、どういうことになるのかということで大変むずかしい。またいまの私学団体そのものの実情から見ましても大変むずかしいというふうに考えておるわけでございます。
#129
○山原委員 そうしますと、文部大臣は、困難なことはあっても大事な問題だから検討するというお考えを披瀝されているのですが、あなたの方は、全くもうはしにも棒にもかからぬという御答弁になるわけですね。工夫の仕方もないのか、あるいは検討をする余地も全くないという御答弁なのか、その辺、大臣との関係で私ははっきり聞いておかないと、毎年附帯決議がついて、しかもいつまでたっても全く前に進まないということではだめですからね。全く工夫の余地もないというふうにここではっきりと言い切られるのかどうか、その点伺いたいのです。
#130
○犬丸(直)政府委員 大臣もお答え申し上げましたとおりに、私どもももちろん検討はいたしたいと思いますが、大変むずかしいのではなかろうかという私の観測でございます。
 それから、なお、共済組合加入ということ以外に何か私学団体の職員について待遇をよくするとかなんとか、そういう面の工夫もないだろうか、そういうこともあわせて検討してまいりたいと思います。
#131
○山原委員 来年もまたこの問題が出てくるわけですから、それまでに相当検討をしていただいて、また場合によってはその検討の中間報告みたいなものもしていただいた方が、毎年この法案が出て最後の日にこういうふうに論議するよりもいいのではないかと私は思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それからもう一つは、いわゆる係争中の職員に対する共済制度の打ち切りの問題でございます。これはいままでもしばしば言ってまいりましたが、きょうは具体的な例を申し上げてお尋ねしたいと思います。
 栃木県の宇都宮女子商業においでになります若林直樹先生の例でございますが、去年の三月に解雇になっております。そしてその後、これは宇都宮地方裁判所だと思いますが、地裁におきまして昨年の八月に地位保全の仮処分が出まして、いわば学校側が敗訴しているわけであります。それから本年の三月に入りましてこの問題が地労委で論議され、地労委は三月に救済命令を出しております。これは地労委の方も、明らかに不当労働行為であるという点から出ておるわけですが、こうした場合、裁判所の判決も出、また地労委の裁定も出まして、救済命令が出ておるわけです。そして賃金も支払われておる。こういう場合には当然私学共済を当人に対して復活すべきだというふうに私は思うのです。その点についてどうなっているか、経過につきまして、また考え方について局長と理事長の方から、どういうふうに処理され、また指導されておるか、お伺いしたいのです。
#132
○犬丸(直)政府委員 先に私から、こういう問題につきましての文部省としての考え方をお話しいたしますが、解雇をめぐって係争中であるというようなことが間々起こるわけでございますが、そういった場合について共済組合の側としてその係争の中に入って判断をすることはなかなかむずかしゅうございます。したがいまして、裁判所に対する提訴などを行った場合にありましても、一応学校法人側からの資格喪失報告書、この人はもう首を切ったのだという報告書が来ましたときに一応それを受け付けて、受諾して組合員資格をなくするということをやります。しかしながら、その後はっきりいたしまして、仮処分の決定とかあるいは解雇取り消しの判決というようなことがありましてその効力が発生したときには、当然これはきかのぼってその資格喪失ということを取り消して組合員資格を継続する、こういうふうに運用するように私どもは指導いたしております。
#133
○三浦参考人 この件につきましては、五十一年の八月二十六日に宇都宮裁判所の仮処分が決定しております。それから五十二年の三月十日には労働委員会の取り消し命令が確定しておりますので、私どもの方の処理姿勢といたしましては、ただいま文部省の管理局長から申されたように、解雇によって組合員資格を喪失した者が後日裁判所の解雇無効の確定判決、身分保全の仮処分の決定または労働委員会の解雇無効の命令がありましたときは、学校からの届け出に基づきまして喪失時にさかのぼりまして組合員資格の回復をさせる取り扱いをしてまいっているわけでございます。
 本件につきましては、学校からの届け出さえありますれば資格回復は当然でございます。この件につきましていまだに学校の方からの届け出がないのでございまして、資格回復がなされていないのが現状でございます。したがいまして、本日以後できるだけ早く届け出をするように十分学校に対して指導してまいりたいと存じます。
#134
○山原委員 いまのお答えで結構でございますが、いま局長が言われましたように、前の清水局長のときも係争中の問題についての御答弁が一緒でございました。大体裁定が下り裁判が済めばこれは当然復活すべきだ、ただケース・バイ・ケースがあるのだということもつけ加えていますけれども、これくらい明確になってきますと、これはもう文部省としてもまた私学共済としても指導して――そこまでいじめることはないわけですからね。法的に敗北しておいて、なおかつ三者負担の財政負担の原則からいっても公平であるべきものを、そこまで届け出を出さないでいじめるというようなことはないでしょう。届け出自体も私は不公平だと思っておるのですよ。同じ財務負担をしておるものを一方の理事者側の届け出だけで生殺与奪の権を持つということ自体が私は不公平なあり方だと思いますけれども、しかし、いまの段階で届け出制がありますからそれを変えることはできないとしましても、これは指導の問題として当然加藤理事長さんからもまた文部省の方からも、こういうのは一つ一つ公平に解決をしてもらいたいと私は思いますので、その点はその成果を期待して見守っていきたいと思います。どうかその点ぜひ御努力を要請いたしたいと思います。
 最後に、付加給付の改善の問題でございますが、これは御承知のように公立共済と私学共済はずいぶん違うわけですね。たとえば付加給付は十一項目ありますね。その中で、たとえば育児手当金を見ますと、公立の場合が五千円、私立の場合が二千四百円となっています。それから埋葬料なんかにしましても、これは本人が亡くなった場合ですが、公立が一万五千円の私学共済が一万円と、こういうふうな差があるわけですね。それはおわかりだと思います。そうして掛金の方は短期給付で千分の三十と千分の三十八という、いわば掛け金は高くて給付が悪いということは、これは大変ぐあいがよくないわけでして、これは改善していくというお考えを持っておるかどうかお聞きしたいのです。
#135
○犬丸(直)政府委員 付加給付につきましては、現在の段階、大体文部共済と同じぐらいなところで、多少公立共済より御指摘のように劣っている点があろうかと思いますけれども、逐次改善に努めてきたわけでございまして、五十一年度には入院付加金、出産費付加金それから配偶者出産費付加金、こういったものを創設いたしまして、さらに五十二年度では二万円の結婚手当金、特に若い女の人たちは余り金を積み立てない、早くやめてしまいますので、二万円を、そういうものは新設いたしております。そういったことで、全体で十種類になろうかと思います。逐次努めていきたいと思っております。
#136
○山原委員 この付加給付についても逐次改善をされつつあるというふうに理解してよろしいわけですね。
 最後に、いただいた資料でありますが、私学共済と公立学校共済の受給者一人当たりの退職年金額というのをいただいておりますが、昭和五十年度末の調査ですが、私学共済が八十四万七千二百八十四円。その場合に公立学校共済が百二十九万五千三百六十一円、文部省共済で百三十八万五千二百六十八円という数字が出てまいります。そうしますと、退職給付もずいぶん違いが出てくるわけでして、ここに私学の給与が低いという最大の問題があるわけですね。そういう意味から考えましても、私学助成ということがやはり大事な問題として出てくると思いますが、その点はどういうふうに理解しておられますか。
#137
○犬丸(直)政府委員 先ほど前半でお示しの退職年金が少し私学共済の方が低いのではないかということでございますが、この数字ちょっと、とり方でもう少し多くなるという数字の計算の仕方もございますが、退職年金につきましては、やはり勤続年数とかそういったようなものが関係いたしますので、そういう関係で数字的にはちょっと低くなっておると思います。しかしベースは、制度自体は同じ国公立学校に準じた扱いをいたしております。
 それでなお、その他一般の私学助成につきまして、特に私立学校の教員の給与費等も含みました助成につきましては、これは先生御承知のとおり大変な努力をいたしておりまして、今年度は千六百五億円ということで大幅な増を見たわけでございますが、今後とも努力いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#138
○山原委員 これで終わります。
#139
○藤尾委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#140
○藤尾委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#141
○藤尾委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#142
○藤尾委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、藤波孝生君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。藤波孝生君。
#143
○藤波委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、ただいまの法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 私立学校教育の重要性と私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、政府は左記の事項について検討し、速やかにその実現を図るべきである。
    記
一 長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。
二 年金額改定のいわゆる自動スライド制については、給与スライドの導入を検討すること。
三 短期給付に要する費用について国庫補助の措置を講ずること。
四 地方財政の実情にかんがみ、長期給付掛金に対する都道府県補助を充実するため、必要な措置を講ずること。
五 私立学校教職員の退職手当制度及び職務上災害補償制度のあり方についてすみやかに検討を行うこと。
 右決議する。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の審査に際し十分御承知のことと存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようにお願い申し上げます。(拍手)
#144
○藤尾委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#145
○藤尾委員長 起立総員。よって、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議に対し、政府の所見を求めます。海部文部大臣。
#146
○海部国務大臣 ただいま御決議がありました事項につきましては、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#147
○藤尾委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#149
○藤尾委員長 この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。
 学校災害に関する調査のため小委員十一名より成る学校災害に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○藤尾委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、小委員に
     玉生 孝久君    塚原 俊平君
     藤波 孝生君    水平 豊彦君
     森  喜朗君    木島喜兵衞君
     水田  稔君    伏屋 修治君
     中野 寛成君    山原健二郎君
     西岡 武夫君
以上十一名の方々を指名いたします。
 なお、小委員長には木島喜兵衞君を指名いたします。
 なお、小委員、小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、来る二十日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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