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1976/05/20 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会金融機関の週休二日制に関する小委員会 第1号
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1976/05/20 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会金融機関の週休二日制に関する小委員会 第1号

#1
第080回国会 大蔵委員会金融機関の週休二日制に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十二年二月四日(金曜日)委
員会において、設置することに決した。
五月十三日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      池田 行彦君    佐野 嘉吉君
      林  大幹君    原田  憲君
      村上 茂利君    村山 達雄君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      伊藤  茂君    川崎 寛治君
      山田 耻目君    貝沼 次郎君
      坂口  力君    高橋 高望君
      荒木  宏君    小林 正巳君
五月十三日
 山下元利君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
    ―――――――――――――
昭和五十二年五月二十日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席小委員
   小委員長 山下 元利君
      林  大幹君    村上 茂利君
      山下 徳夫君    伊藤  茂君
      山田 耻目君    宮地 正介君
      高橋 高望君    荒木  宏君
      永原  稔君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房審
        議官      徳田 博美君
        大蔵省銀行局長 後藤 達太君
        国税庁徴収部長 安岡 正明君
 小委員外の出席者
        大蔵委員長   小渕 恵三君
        大 蔵 委 員 大石 千八君
        大 蔵 委 員 小泉純一郎君
        大 蔵 委 員 保岡 興治君
        大 蔵 委 員 佐藤 観樹君
        大 蔵 委 員 永末 英一君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   亀井 敬之君
        参  考  人
        (全国銀行協会
        連合会会長)  村本 周三君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
五月二十日
 小委員高橋高望君及び小林正巳君同月十八日委
 員辞任につき、その補欠として高橋高望君及び
 永原稔君が委員長の指名で小委員に選任され
 た。
同日
 小委員貝沼次郎君及び永原稔君同日小委員辞任
 につき、その補欠として宮地正介君及び小林正
 巳君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員宮地正介君同日小委員辞任につき、その
 補欠として貝沼次郎君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融機関の週休二日制に関する件
     ――――◇―――――
#2
○山下小委員長 これより金融機関の週休二日制に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 このたび、私が金融機関の週休二日制に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 金融機関の週休二日制に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として全国銀行協会連合会会長村本周三君が御出席になっております。
 村本参考人には御多用中のところ、本小委員会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田耻目君。
#3
○山田(耻)小委員 村本会長にはお忙しいところありがとうございました。
 きょうは、銀行法十八条の改正を軸とする金融機関の週休二日制の実施について、約二年にわたって審査を続けてきておりますが、その間、前会長なりまた村本さんにも、いろいろと具体的な施策というものをこの目的実施のために御努力いただいておることを承知をしておりますし、きょうはこの問題について、できるだけ問題点を整理して、これからなさねばならない点はどの点なのか、これをはっきりさせまして、その点についての一つの見通しを立てて、国民の皆さんの負託にこたえたい、こういうことで、かなり問題点を整理しながら詰めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 いま、私たちが受けています資料なり情報では、村本会長いわば全銀協会長として、前会長の中村さんを含めて、大変お骨折りをいただいて、五十年の二月には、週休二日については実施をしたい、その時期は五十一年度の上期である、こういうことに合意をなさって全国対応機関に御通知をなさった。そして今日の段階では、交代勤務を行わせながら土曜日を休むということを、交代週休二日制といいますか、そういう具体的な措置をとられて実施をなさっておるというふうに伺っておりますが、その点いかがでございましょうか。
#4
○村本参考人 ただいま山田先生から御指摘がございましたが、私ども銀行協会といたしましては、かなり前から週休二日制の問題については研究をいたしてまいりました。先生御指摘のとおり、五十年の二月には、銀行協会の中で社会的コンセンサスを得る努力を続けて、週休二日制を実施するように努力をしたいという意向を決定いたしました。そのときに時期のめどとしては、五十一年上期中には実施をいたしたい、かように考えていたわけでございます。かたがた、銀行従業員の労働条件の改善のために週休――大体、月のうち土曜日一回とそれからそのほかの土曜でない日に一回休日として与えるということを、大部分の銀行その他の金融機関でいたしながら、一方で完全週休二日制というものを目指して、コンセンサスづくりに努力をしてまいってきておるというのが現状でございます。
 そして昨年の十月、中村前会長が本小委員会において申し上げましたとおり、残念ながらその後の景気情勢の推移その他から考えて、五十一年上期中にすることはなかなかむずかしかろう。しかし、われわれとしてはやりたいという前向きの姿勢においては変わりはないのでございますという意味で、「銀行の週休二日制導入については、社会一般の理解、顧客の協力などが前提となるが、最近の客観情勢の推移を見る時、五十一年度上期中の実施は困難な情勢にあると言える。しかし、今後諸情勢の推移を踏まえ、銀行としては各金融団体相互間の業務面の連絡調整を図りながら、できる限り早期に実施できるよう引き続き努力していくこととする。」こういうふうな態度を公にいたしておる次第でございます。
#5
○山田(耻)小委員 十月に、五十一年上期実施をおっしゃったような事情で延期をなさった、これは私も聞いておりますが、現実にはこの種の問題というのは銀行法十八条というものが――そういう労使間の約束、すでに五十一年上期実施というものを対応機関に伝えていながら、中村会長はそういう延期を述べなくちゃならぬ。もちろんそういう事態は、国民とのコンセンサスということも、それの未成熟ということが理由にあったでしょうし、あるいは経済の不況がなかなか見通しが暗いということも背景にあったでしょう。しかし、いずれにしても労使間で相談をし、対応機関にまで指示を出したこの週休二日制の実施というものが、今日交代制で労働条件の緩和ということでとり行われておることの中間的措置、このことは何といっても十八条が土曜日休日という方向に法改正をされてしまえば、いまのような銀行関係諸事業者の混迷とか混乱とかは解決されるものだと思いますし、国民のコンセンサスも諸外国の例を見ましても、踏み切るときには若干の混迷はあるかと思いますけれども、これは直ちに正常な業務活動の中に溶け込んでいく。こういうことが調査の中にも見られておるわけですが、いまの銀行業務遂行上の混迷というのは、二転三転、理由が述べられておりますけれども、どうも中村会長としても、そして新会長のあなたとしても、十八条の改正がないからいけないんだ、こういうことを声を出して大きくは述べておられないのです。実際に客観的に見れば、銀行法十八条を改正して準備に入る場合と、十八条を残しておいて、当然土曜日は開業しておるのだという前提に立ちながらいまのような御配慮をなさるときの業務上のむずかしさ、これは私ははっきりしておると思います。その意味では一刻も早く十八条の改正をしてほしいという気持ちはあなたにも強くあると思うのですが、その点はいかがでございましょうか。
#6
○村本参考人 私どもはいま銀行の完全週休二日制というものを社会のコンセンサスを得ながら実施していきたいと申し上げておりますのは、いわば週休二日制というのは一つの世界の流れでございまして、先進国はほとんどそうなっておるわけでございます。私どもも、日本の労働条件の改善もできるだけこの世界の大勢に従っていくべきものであると考えております。ただ、日本全体の労働条件の改善が行われる中で、銀行というのはやはり関係するところ非常に大きな業界でございますから、銀行が先走ってやるということにはなかなか社会的コンセンサスが得られまい。しかしまた一方、われわれは銀行従業員を抱え、その労働条件の改善を図っていく立場から言えば、日本がそういう体制になっていく中で銀行だけおくれていくということはとても耐えられないところである。そういうふうな関係におきまして、私たちはそういう社会的コンセンサスができ上がることを望んでおるわけでございます。
 ただいま先生から銀行法十八条が改正になればやりいいんではないかという御指摘があったわけでございますが、私ども了解するところでは、どういうふうに改正になるのかという改正の仕方にも関係いたしますけれども、やはり賢明なる国会におきまして銀行法が改正される、そういうときは、銀行の週休二日についてのコンセンサスが社会的に得られたということで国会において改定が行われるのではなかろうか、さように考えておるわけでございます。
#7
○山田(耻)小委員 コンセンサスを得るという具体的なようで非常に抽象的な問題ですけれども、人間の心の中までのぞき込んで、一人一人に合意いたしますかどうですかということを聞くのもコンセンサスを得る一つの条件でしょうし、あるいは目安になっていくのでしょうが、そういうことは不可能なんです。だからいろいろと統計がとられておるのを見まして、銀行の週休二日をどう思うかというこのアンケート調査を見ましても、七三・四%が週休二日はよろしい。そして全体の週休二日と全産業の週休二日でございますが、ほぼ同じような数字が出ております。これは五十年度の労働省の調査でございますけれども、よくないというのが八・四、どちらとも言えないというのが一七・四、未回答が〇・七。こういたしますと、七三・四%が週休二日に踏み切ってくださいというアンケート調査が出れば、やはり国民の合意はこの段階で得られていると私は思うのですよ。だから残りの一七・四%の反対だという人たちを、もちろん情勢の中に同化してもらうように努めなければいけないと思うのです。しかしコンセンサスを得られるというのは、大勢がそうであるとするならば、こういう前提に立たなければいけないと思うのです。公務員の週休二日もいま試行期間に入っております。試行期間を若干程度延ばすという結論になる模様でありますけれども、この試行期間も、一つはやはりコンセンサスの得られる一つの道程としてつくられているのです。私は昨年十月、小委員会でも申し上げたのですが、公務員の試行期間を一応終わって実施に入るという判断が出たときには、当然コンセンサスは得られたものと公務員の場合は判断する、それはそうだろう、だから金融機関のコンセンサスも、やはりそのときと物差しを合わせたらどうなのか、こういうことも当時意見として述べておきまして、大勢としてはまあそれがコンセンサスの一つの物差しとして受けとめるのが常識であろう、こういう空気が強かったと思っています。だからいま村本会長のおっしゃるように、金融機関のコンセンサスというのは、窓口にお見えになるお客さんあるいはいろいろな取引関係の人たちに一々全部聞いて、そして了解を得られたときにコンセンサスが果たされたと見るということよりか、こういう一般的な物差しというものに準拠されて処置をなさるというコンセンサスの理解でいいのかどうか、この点をもう一度聞かせてください。
#8
○村本参考人 ただいま先生御指摘のとおり、確かにコンセンサスという言葉は、ある程度漠然としておるところがあることは事実でございます。昨年十月に中村前会長がお伺いいたしましたときも、先生からこの点について御質問を受けまして、平たく申せば、銀行が週休二日に踏み切ったとき、あっ、銀行も週休二日に踏み切るようになったか、そういうふうに皆さんが受け取っていただけるような社会的風潮ということが社会的コンセンサスでございますと御返答を申し上げたように聞いております。
 ただいま先生おっしゃいましたアンケート、私具体的に存じませんが、確かに私どももアンケートをとろうかと思っております。しかしアンケートは、先生には釈加に説法でございますが、設問の出し方、それからまたアンケートに応ずる人たちの層、そういうものでまた非常に違ってくるものでもございますから、金融機関は金融機関としてある程度のアンケートの努力をする。しかし自分たちのところのアンケートでこう出ております。だけではいくまい。やはり御当局側でもいろいろのアンケートの調査をされる、またいま先生がおっしゃったようなアンケートの調査も参考にして、そういうものを総合的に判断していくということが正しいのではないかと思っております。
 しかし、それではどうやってコンセンサスがそういうふうにできていくか、どの程度になったときいいと思うかという先生のお話でございますが、われわれといたしましては公務員が完全週休二日制になるという話がかなり現実性を帯びてくれば、これは銀行についてのコンセンサスにとっても非常に有力な材料でございましょうし、またこうして先生方がもう週休二日に踏み切るべきではないかというふうにいろいろお教えを賜っておりますことも、私どもはこういったコンセンサスづくりに、大変失礼ですが御協力をいただいておると申しましょうか、お力をかしていただいておるという意味で高く評価をしておる次第でございます。こういうふうないろいろなことが重なり合って、最初に申しました中村前会長の申し上げた、あっ、銀行もやっぱり週休二日になったか、御時勢だなと思っていただける、そういう日をわれわれは待望いたしておる次第でございます。
#9
○山田(耻)小委員 村本会長のおっしゃる気持ちは、何となく会長自身の週休二日に関する決意というものが少しあちらこちらを見ながら、それを薄くして述べておられるように思うのですよ。私が申し上げたのは、一つのコンセンスが得られたものとして踏み切る時期をどこに求めるのか。もちろん銀行独自でその調査もなさるだろうし、一般的なデータも参考になさるだろうし、しかし具体的に踏み切らなくちゃならぬ時期というのは、一応話題を共通の場で議論をしておる、もちろん第一部会から第四部会までありますけれども、この時間短縮、週休二日の問題の閣僚懇についても、やはり同じ土俵で議論をされておるやに見える公務員週休二日と軌を一にされるということがいろいろな意味でいいのじゃないか。だからそこに到達すれば、当然コンセンサスが得られたものと判断せざるを得ない。それがむしろ客観性があるだろうというふうに私は水を向けてお伺いしておるのですが、その時期について、そうだというふうなお考えはまずございませんでしょうか。
#10
○村本参考人 ただいまのお話、それでは公務員についての週休二日制が試行期間を終わってどういうふうになっておるかということがもう一つ具体的にあれなものですから私そういうふうに申し上げたのですが、先ほど申し上げましたように公務員が週休二日になるということはわれわれにとって非常に有力な援軍である、こういうふうに申し上げましたのは、先生の水を向けておられるのに心の中では十分お答えしておるつもりでございます。
#11
○山田(耻)小委員 その程度のお答しかむずかしいかと思いますが、いずれにいたしましてもこの問題は公務員の関係でも放置できませんから、内閣委員会でもずいぶん議論をしておるところです。試行期間が若干延びても、これを終えたら本施行に踏み切る、そのときにはいろいろと職種別に一つの条件も示されるものと思いますが、それは銀行法十八条に絡んでおる金融機関の週休二日とは一応くっついておるものではございませんから、それは私も明確にここで意見を述べ合うこともできないと思いますが、一つの時期としてはそこが有力な時期であるという判断はあなたも同意なさったわけですから、それはそういうふうに受けとめておきたいと思います。
 ただ問題は、公務員の週休二日というものが国民に与えるサービス低下という一つのデメリット部分、金融機関の土曜日休日ということが与えるデメリット部分、瞬間的にはあるとすればこれは同質のものではないのです。それは異質のものです。だから今日銀行で、試行期間ではないけれども振りかえ休日をお与えになっている。しかしその業務量は、当日やめるわけにいかないからだれかがかわってやっている。そこには熟練度、未熟練度が起こる。こういうことからサービス低下が起こる、ミスが起こる、そういうことでお客さんには余り評判よくない。このデメリット部分は、銀行従業員の労働条件の向上ということをあなたは第一に考えられた、国際的に見ても先進国七十カ国程度が完全に金融機関の週休二日に入っておる、そういう国際的な比較、国内的に労働者の労働条件向上、こういう二つの点をカバーして今日振りかえ休暇を与えておるとおっしゃっています。この立場は間違いないと思うのです。それは正当だと思います。しかしそれをやってみても、いまのようないわゆる勤務にふなれ、生ずるミス、サービス低下、こういうものが起こっておる。これをずっとたどっていきますと、原因はどこにあるのかといったら、やはり週休二日が中途半端に労働条件の向上ということを踏まえながら扱われておるところにこういう問題が起こるのですよ。だから私は、今日の銀行のサービス低下と言われておる問題あるいは銀行がもっと顧客に対して親切であってほしいという意見が出てくるのは、一日も早くすっきりした状態においてベテランの銀行員がすべて配置されるように、そういう状態をつくり上げていく以外にないと思うのです。その意味からも、今日の銀行に対する、金融機関に対するいろいろな国民の指弾というのは、やはりそこに中途半端な中から生まれてきておる行政上の批判だと思いますから、業務上の批判だと思いますから、これもひとつ早く十八条改正をして、完全週休二日に踏み切らなくてはならぬという一つの要素になると私は思うのです。
 それからさっき八十何%かと言いましたが、七三・四%ですね、週休二日を求めておる、残りが一七%ぐらいいやだと言っておる人がおると申しましたが、五十年の「金融通信」を見ますと、銀行の週休二日が踏み切られないために他の週休二日の足を引っ張っている、それは銀行なんだ、金融機関なんだ、こういう一つのデータも示されております。それから去年出しました朝日新聞の「銀行」というあの特集を見ましても、やはり今日の金融機関のサービス低下あるいは金融機関相互の過当競争によって生ずるサービス低下、こういうものの中にもその点が指摘をされております。
 私はこういう面から見ましても、それによって信用が失墜をしておるとは必ずしもイコールしませんけれども、一刻も早くこういうデメリットの部分については、やはり十八条改正をしてすっきりした週休二日、その中で正当な競争をなさる、こういう状態に育て上げていくということも、いまとっても必要じゃないかという気がするわけなんです。だからここで余りコンセンサス論、抽象論を言っていて、現実の中から起こる不満というものを増大させることは私はよろしくないという気が最近強くし始めているのです。その点については会長、いかがでございますか。
#12
○村本参考人 先生御指摘のとおり、私どもは国民に対するサービスの向上ということをわれわれの社会的責任の第一と考えておるわけでございます。したがいまして、われわれは土曜日につきましてもいろいろな方策を講じまして、いま先生がおっしゃったようなやはりベテランが休むとそこを埋め合わせる未熟練者ではだめではないかというお話がございましたが、私ども土曜日には、たとえば普通の日は外訪活動に従事しております。これはベテランでございます。それを窓口業務の応援に回すとか、あるいはそういう窓口業務等の経験があるけれどもいまでは本部に来ている者、そういう者を忙しいところに回すとかいうふうにいたしまして、いま先生から御指摘があったようなサービスの低下がないようにできるだけいたしておるつもりでございます。しかしいま先生御指摘のような欠点がさらにないか、完全なものにどうすればいいかという点について一生懸命なお努力を続けていきたいと思います。
 いま先生がおっしゃいましたように、しかし幾ら努力をしてもやはり週休二日制というものを完全に行わなければ一つの労働モラルといいますか、そういうふうな点からもうまくいかないんじゃないかというお話、これは確かにそういう面はあると思います。私どもはそういう意味で、完全週休二日制がいいと思っておるのでございますが、しかしまだなかなか一方でデメリットと申しますか、そうなれば利用ができなくなるのではないかという、さっきの一七%の方がどうかというようなことも考え合わせまして、なお社会的コンセンサスの形成のために努力をいたしておるわけでございます。先生のような御意見の方がふえていただければわれわれとしてはそういうコンセンサスが次第にでき上がっていくものと、先ほどの公務員制度と同じように多大の関心を持って見守っておる次第でございます。
#13
○山田(耻)小委員 時間がありませんから大蔵省に聞きたいと思いますが、もう一点だけお伺いしておきます。
 一九五三年ですから二十四年ばかり前に、ILO条約九十八号というのを日本も批准いたしました。これは労働者の基本権、なかんずく団体交渉権の保障でございます。労働組合というのは、当然労使が協議をしてまとまったことをそれぞれ協定を結んだり約束事を明らかにいたします。日本でも、労使の約束事、協定というのは、協定文になりますと民法上の拘束を受けます。そういうこともございまして、ある意味では権威があるわけです。そのILO条約九十八号というのは、労使間で交渉がまとまって得た結論は政府もそれを積極的に支持し、実行してやらなくちゃいけない、こういう性格のものなんです。
 私は、この問題と、あなた方が五十年二月に労使間で話がまとまって、対応機関の直接指導に入られたこの金融機関の週休二日については、大事にしてあげたいと思うのですね。それは、その結論を受けて五十年四月に、大平さんが大蔵大臣でしたが、委員会で私といろいろ議論をして、よくわかった、五十一年の上期に労使間協議で週休二日実施という方向がまとまっている、これを尊重して政府としては、一両年この問題解決に時間をかしてくれ、期待に沿うように努力をしたいということで、大分開店休業になっておりました閣僚懇が再開をされて、そこでこの議論がまた起こり始めてきたわけです。だから私も、政府の方が全然無関心で何もしていなかったとは思わないのです。
 ただ国際的に見ますと、今日ILOに参加をしておる世界の国々は百三十カ国を超えていると思います。そのうちで先進国が七十国、まあ七十国もないのですが、七十国近い国々が週休二日を実施しておる。世界の中で経済大国として知られておる日本が、いまだ週休二日に踏み切らずに、このようにもたもたしておるということを承知しているのです。しておるから、ILOでは九十八号条約に日本は忠実でない、そうして労働強化を行いながら経済大国としてのし上がったことについて尊敬をしない。それはやがて国際貿易にも影響してくることなんです。あるいはEC経済、アメリカ経済が日本に対していろいろ輸入制限を加えてくるという側面の一つには、長時間労働、低賃金と、いまは欧州と比較してそう低貨金と私は思っていませんけれども、確かに全体の労働者の所得総額から見たら、年金を含めてみたら、まだまだ低いのです。その背景にはやはりこうした長労働というものがあるし、具体的には週休二日すらやってないじゃないか、進んだところではもう週休三日に入っておる、こういう批判が側面にはあるのです。だから私は、村本さん自身に九十八号違反を犯すことになりますよともそれは言いません。言いませんけれども、そういう背景をこの問題は国際的に持っているんだと、こういう一つの認識をしていただければ、もうここらあたりでぼつぼつ銀行協会としても大蔵省に対して銀行法十八条を改正してください、もう限界に来ましたよという意味のことを私はもっと積極的に強く述べていただきたいものだということを最後にお願いをして、あなたへの質問は終わりたいと思います。
#14
○村本参考人 ただいま山田先生からいろいろ貴重な御意見を御開陳いただきまして、銀行協会が完全週休二日制のために努力しております背景は、まさに大筋においてただいま山田先生から御指摘があったとおりでございます。したがいまして、われわれもこれからそういうふうな方向でやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
 ただ、私ども自身のことでございますから、細かいことで一つだけ申し上げさせていただきますと、五十年の二月にできました合意というふうにおっしょいましたが、私どもの方では、あのとき銀行協会側がそういうふうに考え、そしてそれぞれの銀行からそれぞれの組合にも伝え、同じ意見であるなあということをお互いに認識したということで、すぐやろうという合意とは少し違いますので、その点、念のため申し上げさせていただきます。
#15
○山田(耻)小委員 それで銀行局長、大体現在の金融機関の実情はおわかりになったと思うし、業務指導なさっている実態も御理解できたと思いますが、一体ネックになっておる銀行法十八条、どのようにいまお考えになって取り扱いをなさっておるのか、その点について大蔵省の立場として御意見を聞かしてください。
#16
○後藤(達)政府委員 銀行の週休二日制の問題につきましては、ただいまもいろいろ広範の御議論がございましたように、大変影響するところが大きい問題かと存じております。したがいまして、実質的には金融機関が週休二日制をやることについての社会的コンセンサスの得られ方ということに帰着するのではないかと思います。
 それで、非常に具体的な十八条問題、こういうことに相なりますると、実は一昨年、私どもでも銀行法の改正問題ということで金融制度調査会に改めてお願いをいたしまして、全体の改正点についての御議論をただいまちょうだいいたしておるところでございますが、十八条の問題につきましても当初から非常に御議論のあったところでございますので、それはどういうふうに考えるのかというようなこともございました。私どもといたしましては、いま予定のスケジュールに従いまして審議を進めていただいておりますけれども、もしいろいろ社会的なコンセンサスその他、一般的にこの週休二日制問題についての議論の機が熟してくる、こういうことになりますれば、金融制度調査会におきましても、やはりその時期に照応いたしまして検討をお願いいたしたい、こういうふうに考えております。
 それから、実質的な問題につきましては、実は一昨年、山田先生を初めとされまして、本委員会で当時の大蔵大臣へのいろいろ御議論がございまして、大蔵大臣から御答弁がございました直後に、関係閣僚懇に大蔵大臣からなるべく早く結論を出してほしいという発議をされ、その後、第五部会におきまして具体的な検討を十何回続けてまいっております。それからまた、私どもとしましても、十八条問題及び実態問題を含めまして企画官にこれを専担いたさせまして、海外の事情調査その他の勉強をいたしております。また、社会的コンセンサスの得られ方につきまして、ただいま先生から一つのアンケートの数字等お示しをちょうだいいたしておりますが、そのあたりも勉強させていただきたいと存じますが、私どもとしましても、具体的な社会の意識を直接把握をいたしたいということで、具体的なやり方等ただいま勉強をいたしておるところでございます。
#17
○山田(耻)小委員 なかなか前進がないのですね。おっしゃっている、国民のコンセンサスが得られたならば、あるいは機が熟したならば、これは関連がございますけれども、銀行法の十八条の改正を発議をしてもよかろう、あなたのおっしゃっていることは一口に言えばこういうことです。コンセンサスが得られるならば、機が熟するならば、こういうことは一体どういう事態が起こったときにコンセンサスが得られたと判断なさるのですか。抽象論でなくて、具体的に一遍御指摘をいただきたいと思います。
#18
○後藤(達)政府委員 私の申し上げました趣旨は、先ほども御議論が出ておりましたように、たとえば先生御指摘のような公務員も週休二日制が具体化することは、大変具体的な、非常に有力なる一つのポイントであろうと思います。それから、こういう時期になってこういう現象があらわれればということがなかなか具体的に申し上げにくいのでございますけれども、しかし、世間の一般的な多くの方々が、銀行が土曜日に店を閉めて営業しなくなるということについて、それが当然である、こういう意識を持たれる、そして、その背後には取引関係その他でもう不便が大体起こらないという状態になっている、こういう事態だろうと存じます。現在、私どもも銀行協会と御相談をいたしまして、土曜日には手形の期日はないような取引慣行を確立してまいりたい、あるいは土曜日にはなるべく店頭が混雑しないようにお客さんに土曜日は避けていただくようにしたい、こういうようなことを銀行協会としていろいろ手を打ってきておられるわけでございますが、そういう実態等から総合的に判断をして大丈夫であるという判断が得られる時期、こういうことに相なろうかと存じております。
#19
○山田(耻)小委員 あなたの意見を集約的に言えば、公務員の週休二日が試行期間から本施行に入ったときが一つのコンセンサスの締めとして理解する時期だろうという立場を一般論で述べられておって、しかも具体的な銀行関係のコンセンサス、金融機関のコンセンサスを得られるというのは、土曜日というのが銀行が休業しても不便が起こらないような事態が起こることが望ましい、そのために銀行も業務指導をやっておるけれどもと、こういうお話でございますが、前者と後者ではこれの把握の仕方が非常にむずかしいのです。だから、土曜日閉店にしました場合には、それはなれるまでは、あるいは諸契約を結ばれる日にちがそこにはまっておれば、いろいろと不便を感じる方もいらっしゃると思うのですよ。しかし、それは今日まで銀行業務の中で業務指導をなさっておるから逐次外されていっておる。ただ、銀行は午前中が非常にいま忙しいということは、土曜日を休日にすれば、金曜日が忙しくなるのですよ。それは、外国の調査の結果を私見せてもらいましたけれども、だから金曜日なり木曜日なり適当な日に開店時間を延ばして業務をできるだけ吸収するように、それらの方法については銀行労使相互間でずいぶんと話ができる内容のものなのでありますから、そういう銀行の窓口のことまで余りここで頭に置きながらコンセンサスを得られる要件にいたしますと、私はなかなかこの問題の解決はむずかしいと思う。コンセンサスの度合というのを民主主義の目盛りから見たら私は大事だと思いますから、それは大切にしていきたいと思う。しかし、それも、いま言うふうに、それが本当に真実なコンセンサスで得られたものとして評価できるだろうかということについては、先ほど申し上げましたように「金融通信」とか朝日新聞の発行した書籍とかいうものを読んでいくと、むしろ銀行が週休二日に踏み切らないがためにかえって民間企業の足を取っ張っている、こういう評価も出てくるのですから、やはり公務員が本施行に入ったときには一応コンセンサスが得られたという判断に立たなければなかなかむずかしいのじゃないですかと私は言っているのです。
 それから、後藤さんのおっしゃっている気持ちの中ににじみ出ておるのは、経済というものがこういうふうに不況が続いておる、だからその中で銀行窓口を訪れる人たちの気持ちの中には、かなり早急に措置をしなくちゃならぬという焦りとか、あるいは処置しなければならぬものがだんだんふえてくる、そういうことがかえって銀行業務を土曜日を忙しくしておるのだから、ひとつその事態もおさまってこなければなかなか週休二日に銀行関係が入ることはむずかしいのじゃないか、こういう意味も言外に述べられておるように私は聞くわけです。
 だから、前者の場合については、いまの公務員の本施行をもってコンセンサスが得られたというふうにしないと、付帯する問題についてまで全部コンセンサスをということは不可能でしょう。後者の場合は、経済不況がここまで深刻になりましてもう三年です。大蔵省の考え方を見ても企画庁の考え方を見ても、中短期の経済見通しというものは、去年が五・七の実質成長、ことしは六七に置いていますが、日銀あたりの考え方でもことしの六・七というのはむずかしいかもしれぬといま言っています。中期計画全般を見ましても六%前後というところでしょう。昭和八十年ごろからかなり熱エネルギーが苦しくなってくる。そうして昭和の百年には熱エネルギーの転換をしなければどうにもならなくなってくる。そのころの経済成長を二%に求めているのじゃないですか。これからの経済安定というものは、この不景気になれるということも一つあるでしょう。経済構造を転換するということもあるでしょう。だから、いま三年間景気が浮揚しなかった、国民はいろいろ困っておる、そのことと銀行業務の週休二日とをすぐ結びつけてそこだけに問題をしわ寄せするというのは一体どんなものなんだろうか、むしろ経済について国なり担当省の国民への指導というものがうんとおくれていて、その経済不況という問題をいろいろなところに結びつけていろいろな新しい社会の変化、進行についてブレーキをかけておる、こういう気が私はしてなりません。だから、その点について銀行局長としては、私が一点に申し上げたように、公務員本施行のときをもって銀行法十八条改正の手直しができるようにぼつぼつ考え方を整理してもらって、関係閣僚懇談会なりにもその意向を出してもらって、そうして金融制度調査会あたりで十八条改正について御相談をいただく。せんだって内閣委員会で徳田さんが大出君の質問に答えて、銀行法十八条を抜き出して審議してもらうことは手続上間違っておりません、ただその発意をだれがするのか、それは閣僚懇談会の発意があればそういうことになるでしょうという手続が述べられておりました。その手続を述べたことは、すぐ十八条を金融制度調査会が取り上げて審議するということに結びつけるわけにはいかないのです。そういう手順を言っておられる。それは背景を踏まえての結論を求めればそういう手順もあるということなんです。だからここで、そういう手順論でなくて現在の情勢を踏まえて――銀行法十八条の改正は金融制度調査会にかかっているのですから、これは日銀法の改正を昭和四十年にかけたのですかね、だからその問題が非常におくれておりますから、いま村本さんがおっしゃったように銀行相互間の苦しみ、コンセンサスの得られ方をこのようにということで公務員本施行に求めて一応の納得を得てもらっておりますから、大蔵省も公務員の本施行と大体並行して銀行法十八条の手直しをする、そういう方向で閣僚懇にも大蔵大臣臨ましてもらって、そして金融制度調査会にもその方向で審議を願うように進めていく、こういう決意ぐらい、どうですか、固めていきたい、その方向で努力したいということの意見開陳ぐらいはもう述べてもらっていいんじゃないですかね。
#20
○後藤(達)政府委員 非常に広範な点の御指摘でございます。
 第一点の金融機関がほかの週休二日制の足を引っ張っておるのではないかという点、これはどっちが先かということは当然あり得ることだと存じます。諸外国の実施の例等を見ましてもいろいろな形があるように思います。しかしいずれにしましても、これは基本的にはやはりその全体を通じまして金融機関の完全週休二日制ということのコンセンサスの問題ではなかろうかと存じます。
 それからその実態的な問題としまして経済不況の問題を私どもはしばしば申し上げるのでございますが、そこは筋が違うのではないかという御指摘を受けたように存じます。しかしこれは理論的に必ずしもつながっているものではないかと存じますけれども、現実のコンセンサスを得るかどうかという問題といたしまして、現にただいまのところ特に小規模の企業におかれましては完全週休二日制が実施できておるところはきわめて少ない。つまり土曜日でも仕事をしなければいけない状態にある。これに対して銀行の方はその決済の機関といたしまして、決済を担当する、資金の流れを担当するというサービスを果たす義務を負っておりますから、そこを先に閉めるということはいろいろの問題をもたらすおそれがあるように思うわけでございます。したがいまして、そういう意味でそれが取引上も習熟してまいって当然だというコンセンサスを得たい、得た上で実施をするような段取りに進みたいというのが私のいまの考え方でございます。
 なお経済不況というのも、確かに成長率はこれからそう高くを望むべくもございませんし、望めないことだと思いますが、しかしそういう中での安定成長ということが景気観としても定着をしてくることはこれから大事なことではないかと思います。
 それからいまの十八条問題について具体的な審議の準備をすべきではないかという御指摘でございますが、御案内のように一昨年銀行法全体についての審議を金融制度調査会にお願いをいたしました。当然この銀行法十八条をどうするかという御議論もその審議過程で審議をしていただくことにすでに相なっております。
 先ごろ審議官が別な委員会で御答弁申し上げましたのは、ただいまのスケジュールではもうちょっとすると審議するスケジュールに入っておりますけれども、しかしもし一般的なコンセンサスなり基本的な考え方がまとまってきてこれを繰り上げざるを得ないときには繰り上げて審議することもあり得るということを御報告申し上げたと存じます。
 いずれにいたしましても、金融制度調査会において十八条問題をどうするかという御審議をいただくにつきましても、そこの結論をいただきますにはこの問題についての社会的コンセンサスがどう判断されるかということが一つのポイントになろうかと存じます。私どもとしましては、どういう時点で十八条問題の御審議をいただくにしましても、その準備としましての考え方の整理なり資料の準備なりは鋭意ただいまやっておる次第でございます。
#21
○山田(耻)小委員 一つも私の問いに対して答えてくれていないという気がするのです。五十一年の三月に金融制度調査会に対して全銀協から十八条をひとつ審議してくださいという申し入れがされていますね。そういうことは承知をなさっているのですか。五十一年三月の金融制度調査会の席に銀行協会の方から週休二日について十八条の改正を求める要望が強くなされているはずなんです。これは少なくとも金融を扱っていらっしゃる機関では、もうここまで来たら金融制度調査会で具体的にこの問題について検討願わなくちゃいけない、こういう気持ちがあるあらわれだと私は思っているのです。後藤さんがおっしゃるように今日の金融事情の中で、あるいは経済事情の中で、十八条の改正、土曜日閉店、こういうものは経済事情のペースから見たらコンセンサスはないでしょうと私は言うのです。中小企業は土曜日も働いておる。そのことに対して資金繰り等の関係があって銀行の窓が閉まっておるというのでは不便だろう、こういう認識に立てばコンセンサスは得られないと私は言うのですよ。だから少なくとも今日のコンセンサスを得られるという立場なら、経済事情の点を特に指摘をされるのだったら、これからの日本経済をもっと考えていかなくちゃいくまい。たとえばこの問題が銀行間で議論された昭和五十年以降、日銀のこの間の統計月報を見ますと、五十一年ですかね、手形交換高が七百兆に及んでいるのです。私は大変だと思うのです。それほど中小零細企業の人たちは確かに日本の不況の中で苦しんでおられるが、それは銀行が日曜日あけていたって同じことなんです、祭日も全部無休業にしたって同じことなんです、本質は日本の経済にあるのですから。そこを理由にして銀行法十八条を改正することをやめる、まだ時期じゃない、こういう議論をやっておったら、永久にだめだろうと私は言うのですよ。それは時代の進化に逆らっているやり方ですよ。
 だから公務員が本施行に入るときがチャンスですよ。この時期を逃がしたら大変なことになる。できなくなる。こういうことを結びつけて考えるときに、私はあなたに一つの決断を求めるのです。公務員の本施行のときには銀行法十八条の手直しもした方がよろしい、こういう判断に立って具体的な検討にもう入っていただきたい、こういうことを申し上げて、その検討の結論を閣僚懇を通して金融制度調査会で審議する、その審議順序がその時期になお四番目か五番目にいるようだったら、それを抜き出して一番に持っていきたいという流れを徳田さんは内閣委員会で述べられたのだと私は思う。それは簡単な手順だけで述べられたものとは思いませんからね。だからそういう一つの情勢を踏まえて、国民のコンセンサスはそこにしぼって求めていただいておいて、その時期には銀行法十八条の改正の手順をつける、その判断をいまからよく検討していただく、こういうことを申し上げておるので、何とかひとつそこは御承知いただけませんかね。
#22
○後藤(達)政府委員 先生のただいま御指摘の、公務員につきましての二日制の実施、こういうことが一つのポイントではないかという点は確かにおっしゃるとおりだと思います。具体的に申し上げましても、銀行の場合と政府の貯蓄機関である郵便局の場合とでは、同じような仕事をやり、かつネットでつながっておるわけでございまして、これが公務員ということになりますれば郵便局も同時にそういう状態が予想されるわけでございます。これは確かにおっしゃるように一つの完全実施をする非常に重要なるポイントであろうと私も存じます。したがいまして、そういうところに備えての準備を私どもとしてやるべきことは、御指摘のとおりだと存じます。
#23
○山田(耻)小委員 どうも歯切れが悪いので、結局公務員本施行のときが確かに一つの時期だと思う。これは御賛成いただいたわけですね。そういう時期が、大蔵省では公務員の週休二日というものは、金融機関の中では郵便局の貯金業務と関連があるので、当然貯金業務の方向も、十八条では拘束していないけれども公務員勤務で拘束しているから、そのことと同じということがベターであろう、こういう気持ちだと思うのですよ。それと同時に相銀、農協あるいは信用金庫等皆ありますから、こういうものに対して同じ一線上に並べるということも法律上、作業上大事なんですから、そういうこと等も含めて検討していただくことはもちろんですけれども、やはりネックになるのは銀行法十八条ですから、この十八条の改正もその本施行の時期を余り逃がさないように、距離を余り置かないように、ひとつ改正についての発議を金融制度調査会になさるようにいまから御用意いただけないかということを申し上げておるのです。前段はどうも賛成のようですけれども、後段まで含めて私の意見に、発議の用意もいまから検討してまいりたい、こういうことも御同意いただいたものと理解してよろしゅうございますか。
#24
○後藤(達)政府委員 先生御指摘の公務員についての本施行ということが、公務員についての完全週休二日制を本格的に実施すると、実はこう私は理解をしておるわけですが、その意味におきまして、おっしゃいますようにそれの時期に合わせて諸般の準備を進めるということは御指摘のとおりだと存じます。
 それから発議等のお話でございますが、すでに大蔵大臣からは金融制度調査会に銀行法全体の諮問を申し上げておりますので、その諮問の一環として審議をしていただく、こういうことに相なろうかと存じております。
#25
○山田(耻)小委員 どうもかみ合いませんね。銀行法の改正審議をお出しになっていることは私も承知しているのです。ところが、これは審議が非常に長く長くかかるのですね。それで十八条の項はいま四番目か五番目にあるのですよ。公務員施行というのが、たとえば本施行が来年秋となりましたら、そのときにまだ銀行法の十八条が三番目ぐらいにいたら、これをトップに持ってきて審議をされて御決定をいただく、銀行法の改正をいただく、こういうことの御用意なり準備に入っていただけますか、これが徳田さんが内閣委員会で言われた趣旨だと私は理解をしておるのだが、そうでよろしいですかと聞いておるのです。
#26
○後藤(達)政府委員 御指摘のとおりと私は考えます。
#27
○山田(耻)小委員 それでは大変長いことありがとうございました。
 いずれにしても、きょう私の質疑を通して得た結論は、銀行関係は、村本さんの方へ申し上げたように、コンセンサスを得られる時期は公務員の本施行の時期、それまでは現在おやりになっておるいろいろな試行期間的な銀行業務の労働条件向上のための措置について、若干国民から批判が出ておるだろうけれども、こういう問題点を克服しながら、ひとつその時期に向かって実施に踏み切っていただく。そうして大蔵省の方は、公務員本施行のときを境に銀行法十八条の改正もしていただいて、郵貯の関係、他の金融機関の関係の調整もそこでしていただいて、その時期を一応の目安として御努力を願うことをきょうはお答えいただいたというふうに理解して終わりたいと思います。ありがとうございました。
#28
○山下小委員長 村上茂利君。
#29
○村上(茂)小委員 私は、週休二日制実施につきまして、実は労働省におりまして、この実施方について研究した者の一人でございます。私、労働基準局長を五年三カ月やっておりましたので、週休二日制というものは、日本の経済発展、全般的な生活改善の中でできるだけこれを進めていかなくちゃいけないと思ったんですが、三つほど問題がございまして、一つは、日本の事業場の労働時間管理というのは非常にルーズだ。ペイされる労働というのはいつから始まるのか、門から入ったときか、あるいはタイムカードを押したときか、あるいは更衣室で着がえたときかという点が実にさまざまでございまして、労働時間管理が非常にルーズだということが明らかになってきました。これは週休制も要するに広い意味の労働時間管理なんです。そこで、もっと科学的な合理的な労働時間管理というものを徹底する必要があるということを痛感したのであります。それが一つ。
 もう一つは、労働基準法という法律が、もう一人でも雇っておったら全部に適用になるという、世界でも例のない立法なんです。外国ですと、工場法とか事務所法というので適用範囲が非常にはっきりしていますけれども、日本の場合は宗教団体でも政治団体でも全部適用になる、こういう法律ですからね。それで週休一日制も守ってない、守らせるのに非常に難儀をする状態があるものですから、週休二日制を法制化するというのは、これは非常にむずかしいということを痛感したわけであります。
 それで、進めるとしたらどうしたらよいか。結論は常識的だ、できるところからやる。これを行政指導でやる。しかも、たてまえとしては労使の自主的な交渉として、労働条件の改善、向上ですから自主的な交渉によって進めてもらう、これを期待したわけであります。もう七年ほど経過いたしましたが、そこで私どもが期待したのは、労働時間管理の科学的、合理的な条件というものを整備してもらう。また週休制を実施するにつきましても、完全二日制じゃなくて交代制で半舷上陸の週休二日制をやるというふうなことによりまして、だんだんならしていくという方向も考えたわけであります。その過程におきまして労使が十分話し合いまして、そういう体制をとるとすれば、業務をどういうふうにしてそれにフィットするように適合するように変えていくかとか、あるいは先ほど山田先生の質問の中にもありましたが、交代する場合に、なれてない人には再訓練をしなくちゃいけないとか、いろいろな業務管理、労働時間管理あるいは職業訓練を含んだ労務管理等について、労使がよく話し合って合理性をそこに求めながら進めていくということが望ましいと思ったんですが、いままで使用者側の銀行と労働組合との間に、二日制をやるんだという、そういう議論だけではなくて、内容的ないま申しましたような点につきましてお話し合いをどの程度にされておりますか、お伺いしたいのです。
#30
○村本参考人 ただいま先生御指摘のように、時間管理というのは、現在の銀行側のいわば業務効率化でも最も重点に考えて実施をいたしておるところでございまして、ただいま先生から、なかなか時間管理がうまくいっていないのではないかという御指摘をいただいたのでございますが、われわれとしては、できる限りやっておるつもりでございます。
 それから、いまの半舷上陸と申しますか、こういう方向を現在やっておるわけでございますが、これをもっと進めたらというお言葉でございましたが、私どもは、先ほど来御指摘がございましたような無理がどうしても半舷上陸には伴ってくる、したがって、現在の土曜日は月に一回休ませる、そのほかの日に一日休ませるという以上に、土曜日自体をもっと休みを多くして半舷上陸する、だんだん半舷の舷が大きくなりますと、時間管理といいますか、業務管理と申しますか、そういう点にむずかしさが出てきて、国民の皆様にかける御迷惑が大きくなるのではないかということを心配しておるわけでございます。
 したがいまして、最後に先生の御質問の、労使でどういうふうに土曜日の業務をやったらいいというふうに考えておるかというお話でございますが、これは、われわれの間では金融団体協議会あるいは金融団体の中の懇談会等でいろいろ研究しております。また、銀行の中でもそういう場合にはどういう措置をしたらよいのかということの研究もいたしておりまして、先般来われわれとしては、お取引先の皆様に、ひとつたとえば手形の期日は土曜日にならないようにお振り出しのときからよく御確認を願うわけにはいかないだろうか、あるいはできれば土曜日は営業時間も短いことだから余り集中して御来店いただかないようにできないだろうか、これはわれわれとしてはかなり思い切ったお願いとして踏み切ったつもりでございますが、そういうこともいたし、それからまたいろいろな機械の動き方についても組合側とも一緒にいろいろ研究をしながら準備を進めておるという段階でございます。
#31
○村上(茂)小委員 これはいろいろ問題がありまして、たとえば山田先生が週休二日にしたら月曜に事務が集中するから時間延長しなければならないだろう、そういう場合も考えられるという意味のお話がございましたが、そうすると、その面の時間管理も考えなければいかぬ、これは時間管理だけではなくて地域的な特殊性とかあるいはその銀行の支店の業務の種類、ここは手形割引がうんと多いところだとか、いろいろあると思います。だから、こういう問題を考えるときには、画一的ではなくて、できるだけそういう面をきめ細かに検討して対応できるのでなければ、幾ら審議会にかけまして法律問題として扱おうとしたって、非常に無理が出てきて、国民の期待に対する銀行業務の社会的機能が果たせないということになりますから、私はそこら辺を明らかにしていただきたい。
 特に私が申し上げたいのは、労働条件決定の原則というのは労使が自主的に決定する、労使が決定できないものは労働基準法のように最低条件を法定するとか、そういうたてまえなんでございまして、労使の自主的決定という、こういう基本原則は今後の日本の民主化――民主化と申しますと語弊がございますが、社会的な健全な発展のためにも労使の自主的決定という労働運動の基本原則は貫いていただきたい。何か問題がありますと大蔵省に駆け込んで、十八条があるからできないなんて、それに籍口して自主的な交渉をちゅうちょするとか、そういうことは私は避けてもらいたい、こう思うわけであります。そういう意味で、大蔵省当局も、余り監督官庁が監督的立場でいろいろな労使間の問題について口をはさむということは私は適当でないと思うのでございます。もしそれを、やあ通産だ、やあ運輸省だ、やあ建設省だと、監督官庁が労働条件の問題についてかれこれ口をはさむということになると、私は労使の自主的な決定という原則を侵すものだし、そして、労働条件というのは本当にきめの細かいものですよ、業務の実態に適合してきめ細かく決めなくちゃいけないものだというふうに考えておりますので、もし大蔵省が先鞭をつけますと、これは他省の問題があると思いますから、先ほど山田先生からもるる御質問ございましたけれども、一方においては法律の、銀行というものの社会的機能あるいは社会的責任というものは別に御検討いただく、あるいは一方においては労働条件というのは、窓口はそのままにしておいても、労働時間をどうするかとか、だれをどう休ますかということは労使が自主的に決定するのですから、その原則を踏み外さないように、ひとつ十分御注意願いたいということを御要望申し上げまして私の質問を終わります。
#32
○山下小委員長 宮地正介君。
#33
○宮地小委員 村本参考人には、大変御多忙の中、当委員会にお越しいただきまして、御苦労さまでございます。
 先ほど来から週休二日制の完全実施ということでるる議論があったと思うのでございますが、私は基本に戻して少しお伺いをしていきたいと思います。
 全銀協といたしましてもあるいは大蔵省としても、やはりコンセンサスづくりをしていくために最大の努力はしている、これについては理解ができるわけでございますが、ただ国民から見まして、まず一昨年の四月に当大蔵委員会において、この金融機関の週休二日制に関する集中審議の中で、先ほどもお話が出ましたけれども、当時の大平大蔵大臣が一つの約束といいますか、銀行労使の合意を尊重してこの一両年中に政府としての結論を出す、こういう発言をされたわけでございます。一両年といいますと本年の四月が目いっぱいであります。これに対する大臣の発言の重み、責任、これは国会という立法府における、まして大蔵大臣という政府の財政金融の中心を担う責任者の発言であります。これは決して軽んじてはならない。国民の立場から見れば、これはやはり公約不履行ではないか、どうしたんだ、こういう責めはあると思います。きょうは大臣がおりませんけれども、銀行局長として、結果的に不履行になっているこの現実というものに対してどのように御責任を感じておられるのか、まず伺いたいと思います。
#34
○後藤(達)政府委員 一昨年の四月、当時の大平大蔵大臣がお述べになりましたのは、非常に重要な問題であり、方向としてはそれは世界の大勢であろうと思う、しかし非常に問題は広範に及ぶ、そういうところから関係閣僚懇にお願いをいたしまして、そうして一両年中に結論を得ていただくようにお願いしたい、こういうふうに御答弁になったと承知をいたしております。その直後に大蔵大臣から閣僚懇にそういう御発言をいただきまして、そして具体的な検討をいたしますために、その閣僚懇の下の第五部会におきまして具体的な検討を進めてまいっておるわけでございます。
 ただ問題は、やはり先生も御指摘のように、社会的にそれが当然と感ぜられるかどうかというところが一番大事なところであろうかと思いますが、その後の経済社会情勢の推移等から考えますと、一般的なコンセンサスが得られる状態にはなかなかなってきておらないというのが現実であろうと思います。具体的な結論を出しますのに、そういうところをさらに踏まえて検討を進めてまいる必要があると思っておりまして、私どもその方向でいろいろ具体的な努力はいたしておりますが、なおまだ結論を得る状態に至っておらぬ、そういうのが現状でございます。したがいまして、今後も私どもとしては、その大臣の御発言の趣旨を踏まえまして、一層その具体的な準備と申しますか、検討を進めてまいるようにいたしたいと思っております。
#35
○宮地小委員 私は、その責任についてどのように感じておられるかという基本的姿勢といいますか、いまの御答弁のニュアンスからすれば、相当深刻に責任は感じておられるものと受けとめたいのでありますが、ただ、今回一度だけでないわけですね、この問題は。前にも、昭和四十八年の二月十三日の閣議におきましては、二年ないし三年後、すなわち昭和五十年あるいは五十一年の二月ごろには公務員の週休二日制までを含めて完全実施するという政府の閣議決定もあったわけです。これもやはり経済的変動が主因であるということで、国民の立場から見れば不履行にされてしまった。言うならば今回は同じようなケースで二度目というような感じを受けるわけです。
 もう一度伺いたいのですが、やはりこういうことを何度も何度もしておりますと、イソップ物語じゃありませんけれども、オオカミの物語になってしまう。これはまして大蔵委員会という立法府の中で大蔵大臣がおっしゃった。言うなれば逆に政治不信というような一つの現在の風潮の中に何か相似性というものを感じざるを得ない。私は、いま最も政治、行政府に大事なことは、約束したことは最大の努力をして国民の前にその公約を実現する、あるいはできなくても、このように具体的に最大の努力をしているのだというものを示し切っていく責任と自覚がなくてはならないと思うのです。
 そういう意味におきまして、銀行局長としてその責任をどういうふうに感じておられるか。また、なぜ不履行になってきたのか。また、この不履行に、言葉は皆さんの方から見れば厳しく聞こえるかもしれませんが、具体的に最大の努力というものをやっておるというなら、どういうふうに具体的に努力をしてこられたのか。国民にわかりやすく御答弁いただきたいと思います。
#36
○後藤(達)政府委員 この問題が先生の御指摘のように大分前からいろいろの場面で議論されてまいったことは承知をしておりますが、ただ、大変不幸なことに、最近の日本経済が石油ショックによる異常な物価の問題を体験いたしましたし、また最近では、いままでにないような経済の停滞ということを経験いたしておるわけでございまして、そういう世界経済の中での日本経済の非常に深刻なる悩みの局面ということに遭遇をいたしましたのが、やはりそのコンセンサスをいただくことができるかどうかという点で非常に重大な関係のあることではないかと私は存じます。したがいまして、そういう中でなかなか今日まで結論を得ていないことは、事務当局といたしましては大変残念ではございますけれども、私どもとしましては、閣僚懇のもとでの第五部会の検討というようなこともすでに十何回重ねてきて、諸般の検討を進めていただいております。また、私ども銀行局といたしましては、最近設けられました企画官をこの問題についての専担で勉強させるということに昨年からいたしまして、海外の状況の調査あるいはその他の勉強もいたさせておるわけでございます。
 それからまた、コンセンサスを得るというのは一体どういう形でどうなったらという御議論が先ほどもあったのでございますが、これは一口に申せば、総合的な判断だろうと思いますけれども、私どもといたしましても、直接一般経済界と申しますか、一般社会の御意向をアンケートというような形で具体的に承知をするという方法はどうしたらいいだろうかというふうなことの勉強もただいまいたしておるわけでございます。
 また、金融機関の週休二日制は、金融機関の従業員が週に二日休まれるということとはやや違った局面が当然あるわけでございます。金融機関が店を閉めるということに私どもは金融行政的に非常な関心を持っておるわけでございます。そういうことが経済取引に与えられる影響というのをミニマイズしてないと、なかなかコンセンサスは得がたい。したがって、そういうことが具体的に進められるようにということを銀行協会とも御相談して、協会の方で具体的な手を打っていっておられるというのが、大ざっぱに申し上げればただいままで私どものやってまいったことでございますが、その成果と申しますか、結果等も踏まえて、なお前向きの検討を進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#37
○宮地小委員 大蔵省としては、端的に言って十八条の改正に最大の努力をするということが、やはり大蔵省に与えられた一つの責任であろうと思うのですね。そういう意味から見まして、先ほどからも議論の中で出ましたけれども、結論としてお話がありまして、私は確認したいのですけれども、金融制度調査会において第一項目に、公務員の週休二日制の論議にめどがついたときに本当に民間の銀行の週休二日制完全実施、その大もとである十八条改正について繰り上げて審議をお願いするように当然強く要請をしていくと思いますが、また、すると同時に、そのようにめどを立てるという方向で間違いないのかどうか、私は確認したいと思うのです。
#38
○後藤(達)政府委員 先生の御指摘のように、公務員についても週休二日制が完全に実施できるという状況が参りますれば、恐らくは金融機関につきましても完全週休二日が実施できる環境と申しますか、そういうコンセンサスは非常に得やすい環境に相なるのではないかと存じます。公務員が休みます場合と銀行が店を閉めます場合の影響度等多少違いますから、若干問題の違いはあるかと思いますけれども、全体的なコンセンサスの得られる雰囲気としては、おっしゃるとおりだろうと思います。
 そこで十八条の改正問題というのは、非常に重要な問題ではございますが、ある意味では技術的なことでございまして、実質的にはいまお話のございましたような社会のコンセンサス、つまり銀行が店を閉めて、それを世間の方々がそれは当然である、また具体的な不便が起きない、こういうことでなければなかなか実施できないわけでございますから、審議をしていただきますタイミング等につきましては、それは特にゆっくりやらなくちゃいかぬというようなことは考えておりません。つまり、結論をいただきますのにそういう社会的なコンセンサスが得られる状態であるかどうかということが実質的には最も大事なところではないかと思います。私どもとしましては、先ほどから申し上げておりますように、そういう社会的なコンセンサスの得られ方の雰囲気を踏まえて、適当な時期に当然御審議をお願いしなければならぬ、こう考えております。
#39
○宮地小委員 そこで、社会的コンセンサスづくりということでございますが、村本参考人に伺いますけれども、現場の当局として、これはやはり一番消費者の皆さんの接点を預かっておる銀行協会でありますから、具体的にいままで消費者団体、中小企業団体に対してどのような働きかけ、またアプローチというものを行ってこられたのか、でき得れば消費者団体、中小企業団体の具体的名前を入れて御説明いただければありがたいと思います。
#40
○村本参考人 銀行協会といたしましては、直接国民の皆様と申しますか、その取引店においで願える皆様と申しますか、そういう方々に具体的に、たとえば手形期日を土曜日を避けていただくとか、土曜日の御来店はなるべく避けていただくとか、そういう趣旨のお願いを、その背景を説明いたしながら申し上げてきてはおりますが、特に中小企業団体あるいは消費者団体の方々とダイレクトには話していないと思います。
#41
○宮地小委員 銀行の店頭にポスターを張ったり、手形の決済日を土曜日を外すとか、そういう御努力は、銀行内部でできる努力は非常にやっておる、こういうことに対して私たちも敬意は表したいと思うのです。しかし、本気になってこの問題に取り組むのであれば、やはりもう一歩踏込みんで、主婦連だとか、あるいは中小企業の団体はたくさんあるわけです。協会もあるわけです。そういうところに対するアプローチ、働きかけというものもやはりそろそろやっていきませんと、ただコンセンサス、コンセンサスという言葉と話題は出ましても、いわゆるその推進となりますとなかなかできない。ましてや大蔵省としては景気のこういう不況期ということで、なかなか、かえって悪化したような感じを持っておるわけですね。私は、まずコンセンサスづくり、これは協会の方で本気になってやるのであれば、国民の多くの皆さんに――その中心は消費者団体であり、中小企業の団体であろうと思うのです。これに対する根回しといいますか、言うならば現代は根回しの時代とも言われているわけですから、それに対する積極的な働きかけ、自分の銀行の内部だけの小さな中での御努力、これだけではやはり現実に推進はできないのではないか、こう思うわけですね。今後そういう方向で具体的推進に、新会長さんですから、おやりになる御決意ありますかどうか、お伺いしたいと思うのです。
#42
○村本参考人 ただいま先生御指摘の点は、大変貴重な御意見と思って承りました。どういう団体が適当であるかは別問題といたしまして、全銀協といたしましても、なるべく広く、いままでのような接点をさらに広げて、そういうコンセンサスを得るために努力いたしたい所存でございます。
#43
○宮地小委員 いままでにどの程度コンセンサスづくりに協会として御努力されてきたのか、それを少し伺いたいと思います。
 さらに、国税庁などに税務の納税問題などの手続の問題など、そういうことで関係省庁にも要請をした、このように私たちは聞いておるわけでございますが、そういう事実はあるのでございましょうか。それもあわせてお伺いしたいと思います。
#44
○村本参考人 どこに、いつ、どういうふうに言ってそういうことをお願いしたのかというふうな御質問に対しては、いますぐこことここというふうに申し上げられないのは残念でございますが、いろいろな機会を求めて、私どもとしてはそういうふうにやってきたつもりでございます。ただ銀行協会としてそういうふうなコンセンサスづくりに努力してきたつもりではございますが、具体的に官庁に対して要望書を出したということはまだございません。
#45
○宮地小委員 私の方の資料などによりますと、各官庁に対して土曜日の各種収納業務の削減あるいは国税の納期期限、これが土曜日に当たるときには翌週の月曜日に納期限を延長する措置など、こういうことを全銀協としては要請しておる、こういうふうに私たちは伺っておるわけです。先ほどちょっと――まあ、新会長さんですから事務レベルの方との引き継ぎなどがまだいろいろむずかしい点もあったかと思いますが、この点についていかがでございましょうか。
#46
○村本参考人 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、先ほど私が申し上げましたのは、多少先生の御質問を取り違えまして、完全週休二日を直ちに実施してもらいたいという意味の陳情をしたことがあるのかというふうな御質問だったかと思って、そう申し上げたのでございますが、ただいま先生のおっしゃったようなことは、土曜日の業務をどうするか、それが広い意味で週休二日制実現のためのワンステップであるということで、お取引先の皆様方に手形の期日を外してもらうとか、土曜日の御来店を少なくしていただくとか、あるいは土曜日の集金は一層自粛するとか、そういう内部的な申し合わせ、それに基づいて外部へのお願いをしましたと同時に、御当局に対しましても、土曜日が税金の納入日に当たる場合には特例を設けていただくようにお願いをしてございます。これはそういう趣旨でいたしております。
#47
○宮地小委員 そういう趣旨で大蔵省なり国税庁に要請をしておる。要請をされた大蔵省なり国税庁の皆さんの方は、このような要請に対して現在どのように検討されておりますか、伺いたいと思います。
#48
○安岡政府委員 国税庁は四月の下旬ぐらいに検討方の協力要請をいただきまして、庁としての立場上、法制上の問題としてでなく、現実の問題といたしまして、郵便局なり税務署の窓口を開いております土曜日に銀行が仮に週休二日制を実施した場合に、現実にどのような問題が起きるかについての一応の検討はいたしております。
#49
○亀井説明員 ただいまの御要望は、全銀協から私どもも承っております。現在私ども内部で検討いたしておりますが、私どもといたしましては通則法の十条の二項というすでに御承知のがございますけれども、これで日曜日とかあるいは祝日、一般の休日に国税の納期限が当たります場合にはその翌日を納期限とする、こういうふうになってございます。ただ、これは民法のそういった規定にも準じまして、この日に休みであって、かつ取引が行われない、こういう慣行があります場合に適用をされる、国税についてもそれと同じような考え方になっておるというふうに考えておりますので、銀行の窓口が開かれておる、あるいは郵便局の窓口あるいは税務署の窓口が開かれております土曜日に国税の納期限がたまたま参りましても、それを月曜日に延ばす、こういうことを法律上するのは非常に困難ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#50
○宮地小委員 全銀協の皆さんについては、国民の接点におりますだけに、ぜひ積極的な根回しといいますか、コンセンサスづくりにもつと踏み込んで御努力をしていただきたい。このことを私は強くお願いしたいと思うのです。また、法律改正となれば、どうしてもこれは大蔵省が動きませんと、行政府と言っても法律をつくるエキスパートはやはり大蔵省でございますから、当然金融制度調査会あるいは閣僚懇、これに対する強い要請も全銀協からもぜひお願いをしていただきたいと思うわけです。
 そこで私は、時間もありませんので、最後に大蔵省にお伺いしたいのでございますが、問題はどうも大蔵省のニュアンスは、一つは経済環境としての景気の問題、もう一つはやはりコンセンサスといっても、国民の皆さんがああ、銀行もやったか、こういう環境という、何か漠然としておるわけですね。先ほども議論が出ているわけでございますけれども、この点については法改正をしていく、その段階においては何らかのめどというものをつくっていかなくてはならないと思うのです。一つのスケジュール的なものですね。先ほどもお話ありましたように、今後は日本経済というものは決して昔のような高度経済成長の時代はもう来ないと思います。安定経済成長の時代、低成長の時代、こういうふうになってくるわけでございますから、当然福祉社会という方向に構造的にも経済というものは変化をしていく。そうなりますと、果たして経済成長率が何%ぐらいの段階をまず経済環境の一つのめどにするのか。またコンセンサス、福田総理の言う協調と連帯といいますか、やはり何といっても根回しであろうと思うのです。この両面の努力をしていく。ましてや大平大蔵大臣の当時委員会におけるこういう発言もあったわけでございますし、決してそう遠い話にしてはならないと思う。そういう点について、まずどのような経済環境というようなものに一つのめどを考えておられるのか、これが一つ。
 もう一つは、大平大蔵大臣の当委員会におけるこのような公約を履行していく、そういうためにコンセンサスづくりをすると言うが、果たして時期的にどのあたりをめどに努力をされようと考えておられるのか。決して十年、二十年先ということではないと思う。そういう点についての局長さんとしての腹を少しお聞かせいただければありがたいと思います。
#51
○後藤(達)政府委員 大変むずかしい御指摘でございまして、私のお答えし得る能力を超えておるかとも存じますけれども、まず経済環境がどういう状態になったときを想定するかということでございますが、成長率で何%というようなことではないんだろうと私は思うのです。これからの経済成長が安定成長といわれておりますように、非常に落ちついた成長の姿が予想されておりますが、低成長ということと現在のような不況感ということとはまた別の話だろうと思います。私、個人的には、倒産が非常に高水準である、そして企業活動としてはこういう中で日曜も休まないくらい鋭意活動していかなければならない、こういう状況では日本経済全体としてなくなってくる、落ちついた経済運営の姿になってくるということが一つの想定される姿であろうと思います。
 そういう中で、社会的コンセンサスと申しますものは非常に抽象的な表現でございますけれども、一般的に言いまして、ただいま銀行に対しましてはサービスの向上という要請が社会的には非常に強いのでありまして、そういう中でしかし銀行としても土曜日に店を閉める。店を閉めるということは影響するところが非常に多いのでございますけれども、しかしそういう経済取引上の不便は皆様方が余りそう意に介しない、経済の運営が落ちつきを取り戻しまして、そういうように銀行が店を閉めても、これはむしろ当然だと受け取れる、こういう雰囲気ができてくる、そういう状態であろうと思います。
 では、それはいつごろ来るのかということでございますが、これはいまの週休二日制というのが先進国の大部分を含めて世界の大勢というようなことでございますから、おっしゃるような非常に長い先の話だとは私は存じませんけれども、しかし来年か再来年かというようなことをどうも具体的に申し上げる材料もございません。私どもとしてはただいまやっておりますような具体的な準備の努力と、それから金融機関としてはやはりそういう受け入れ体制ができるような努力をしておられますが、そういう進行状態、それに対します取引先の反応の状態というようなことを見定めまして、時期の見当をつけてまいる、こういうことではなかろうかと存じます。
#52
○宮地小委員 この問題が大変にむずかしいことは私たちも十分理解ができます。ただ、先ほどからお話が出ておりますように、私はやはり大臣の国会における発言の重み、これは尊重していかなくてはならない、立法府における発言が軽んじられていくようであっては秩序もないと思います。そういう意味で、その重い発言に対して大蔵省はぜひ最大の努力を示していただきたいと私は思います。また協会の皆さんも大変御苦労でありますけれども、この問題は消費者団体、中小企業の団体、そして従業員の職員の皆さんの労働条件の緩和、国際的経済環境の一つの流れ、こういう中でいかに調和をとるか、これが一番大事なポイントであります。この調和をとるための最大の努力というものは、現場を預かる銀行の当局の皆さんがやはり先頭になって、そのコンセンサスづくりの具体化をしていただきたい、このことを強く要請いたしまして質問を終わる次第でございます。ありがとうございました。
#53
○山下小委員長 高橋高望君。
#54
○高橋小委員 参考人、お昼の時間になっておるのでありますが、しばらく御容赦をお願いいたします。
 私、週休二日制の問題、過去先輩議員がいろいろと討論を重ねてこられたその議事録を読ましていただいたりあるいは御意見を承ってみると、考えるべき議論あるいは検討すべき議論というのは、もうほとんど出尽くしておると思うのです。問題はだれが踏ん切るか、いつ踏ん切るか、この問題だけにしぼられているように私には思える。というのは、製造業において週休二日制を採用しましたときにも、製造業一般で経営者の方はどうしても渋っていた。そしていろいろと週休二日制にすると経営的に圧迫がひどいということで、なかなか経営全体の意向としては前向きには取り組まなかった過去がございます。しかし現実に国際的な傾向から言って、踏み切らざるを得なかった。たまたま好況という問題もございましたけれども、とにかく国際的な傾向の中でこれを取り上げて、いま現実に製造業全体の週休二日によって経営が圧迫されたという事例は私は余り聞いていないのです。要は、思い切る、踏ん切るということ、この時期へ来ていると思いますが、まずこの辺について参考人の御意見を伺わせていただきたいと思います。
#55
○村本参考人 先生御指摘のとおり、製造業におきましても最初はためらいがちにと申しますか、そういうふうな進水の仕方であったかと思います。しかし、おっしゃるように、現在それによってそんなに大きな欠陥は出てきていないと思いますが、いままでに製造業におきまして週休二日制を採用してまいりました造船であるとかあるいは電機であるとかいうのは、また一面におきまして生産性の向上のはなはだ著しい産業であったことも事実でございますので、したがって先生御指摘のように、これまでのところはそういうことがあらわれていなかったということではなかろうかと思います。
 それでは、だれが踏ん切るか、いつ踏ん切るかという時期ではないかとおっしゃるわけでございますが、私どもも、先生方のお力添えも得てだんだんそういう時期に近づいてきつつあると思いますが、いますぐ全銀協が踏み切るあるいは踏み切るように具体的な行動をとる、その時期としてはまだ社会的コンセンサスを十分に得ていない、残念ながらそう申し上げる次第でございます。
#56
○高橋小委員 私は、決してお追従ではなしに、銀行でお働きの方々の勤務は、質といい量といい大変なものだと思います。いま、私たちの国のいろいろな産業の中でも、恐らくその時間も密度も最高の仕事をしていらっしゃる。現実には、従業員の採用のときなどに、昔と違って銀行は優先性というか優位性も恐らく失っているのじゃないか。ちょうど私ぐらいの年配の連中は、各支店の店長あるいは次長クラスと言われておるが、体調のふぐあいを訴える方も多い。また、大みそかの日も、それこそ紅白歌合戦が終わってから集金に歩く外回りの方もいらっしゃる。また、新しい団地ができれば、各銀行が競って新規得意先の開拓に歩く。私は、大変な労働量だと思います。現在の銀行の機構の中でも、若ければ若いほど週休二日制を本能的に望んでいらっしゃる。これはもう善悪を超越して認めざるを得ないのじゃないか。そうなると、社会的コンセンサスということで一歩下がらないで、むしろ取り組むことによって銀行のあり方を考える、そういう時期へ私は来ていると思う。これはもう、冒頭申し上げたとおり、議論の段階ではなしに御決意の段階で、社会的コンセンサスをおっしゃる時期はすでに過ぎているように私は思うのです。
 そういった意味で、私は、必ずしもILOを国内へ持ってきてどうのこうのという理論が一〇〇%正しいとは思いません。しかしながら、現実に仕事をしている銀行員の立場に立ったときには、週休二日制にしてあげてももう決して早過ぎないなという気はいたします。まず全銀協のお立場で、過去の銀行にお勤めの経験のおありの方も多いから踏み切れないところもあろうかと思いますけれども、そういう点でひとつ御配慮をしていただきたい。ちょうど私の年配の連中は、体調のふぐあいを訴えたり、それこそ神経性の胃の悪くなるような方も多いようでございますので、ひとつこの点について御配慮を願いたい、かようにまずお願い申し上げたいと思います。
 続けて伺いますが、いま皆様は、窓口の問題を比較的多くおっしゃっておられる。たとえば、いま銀行は、私の知っている範囲でも、月に二日は土曜日に何かの形で休みをとっていらっしゃる。週休二日ではなしに隔週二日を実際面でやっていらっしゃると思うのです。それに伴って事務的な面でマイナスがあるということも、昔流の銀行の経営者の方ですとお考えになるかもしれませんけれども、すでにこの二日間というものを取り入れていらっしゃる以上、これが三日になり四日になり、各週にきちっと固めるという意味の試行に入っていらっしゃると私は解釈するのですが、その辺はいかがでございますか。
#57
○村本参考人 ただいま先生から、銀行に働く従業員の労働の質について大変評価していただきまして、本当にありがとうございます。しかし、私ども、まだまだ至らぬところがあることを自覚しながら、一層そういうふうな御評価かいただけるように努力を続けていきたいと思います。
 ただ、いま、一週が二週になり、二週が三週になりということでやっていけるのではないかというお話でございますが、現在、銀行におきましては、土曜日の休みを月に一回、土曜日でない日の休みを月に一回ということで、日曜日、祭日のほかに休みが月に二回あるのだというふうに実施をいたしておるのでございまして、土曜日を隔週に休んでいるわけではございません。これは、土曜日を月に一回休ませるだけで、先ほど来御指摘もございましたように、それでサービスの質が落ちないように外訪員を回しましたり本部から応援に出したりする、そこがちょうど精いっぱいのところでございますので、私どもとしては、だんだん土曜日の仕事を少なくしていく、それに国民の皆様の御協力をいただけるようにお願いをしながらそうしていくということでいたしております。それが効果が上がれば、いまのところ月に一週だけ土曜日というのが、月に二週土曜日になるかと思いますが、現在の仕事の量では、先ほど来御指摘もございましたように、銀行の仕事は週休二日でもそうでなくても実はほとんど違わないのでございまして、かわりに金曜日が忙しくなるとか月曜日が忙しくなるというのが実情でございますから、現在のところでは月に一回が精いっぱいで、一回やっているのだから二回もできるだろうとおっしゃられても、仕事の方が減りませんと、私どもなかなかそういうふうにやれない。いまのところで精いっぱい努力している、これが現状でございます。
#58
○高橋小委員 なれということを期待して回数をふやしていくというのが、余り刺激的じゃない方法としてとかくとられる方法だと思いますので、御専門の立場でちょっと無理だとおっしゃると、それこそ私たちはそれ以上に立ち入ることは御無礼かと思います。ただ、試行という形で私たちは見たい。ですから、いま、まる一日やっていらっしゃるのを、発生してきたいろいろの問題点をつぶしていくという形の中で絶対日数をふやしていくようにお願い申し上げたいと思います。
 さらに、業務について私申し上げたいのですが、土曜日の業務でとかく問題なのは、私は四つ考えられる。一つは、五十年のちょうど夏ごろ、外訪集金活動の取りやめということを申し合わせをなさったかと思います。二番目に、手形期日等の回避をしよう、三番目に、公共料金の振替日を月曜日に繰り下げよう、四番目に、土曜日における取引の回避をしよう、こういうふうにお考えになられたのではないかと私は思います。前三つはそれぞれにすでにいろいろお考えがあり、また銀行局の方から外訪集金活動の取りやめに対しては何らかの意見があったということも私伺っております。しかし、四番目の土曜日における取引の回避、この中身は何をお考えになっていらっしゃいますか。
#59
○村本参考人 二番目に先生がお挙げになったのとダブりますが、手形の期日は土曜日を避けるということは、手形が土曜日に回ってこなくなりますから、土曜日の業務を避けることの一つだと思います。もう一つは、現在営業時間が短くて店頭が込みますので、いろいろ御不便をかけることもあるかと存じまして、なるべく御来店は、ほかの日に済む仕事でございましたらほかの日に済ましていただきたいということを、われわれいまお願いしておるところでございます。
#60
○高橋小委員 私がお伺いしたいのは、実は金利の問題なのです。土曜日における金利をどうなさるか。私は、自分たちの立場から申し上げれば、預金あるいは貸し出し両方の意味で金利の業務を停止すべきではないか、このように判断いたします。そういう立場からお尋ねをしたいと思うのです。
 土曜日において、このままいまの情勢で、あるいはいままでの御審議を伺っている中でも、仮に週休二日制を採用した場合には、まず貸出金利にしぼりたいのですが、貸出金利は、眠っていても金利をお取りになるという立場をとられますか。土曜日の仕事はおやりにならなくても、金利だけはお取りになるという立場をとられますか。
#61
○村本参考人 大変あれでございますが、現在の日曜日の扱いと同じと考えております。
#62
○高橋小委員 実は社会的なコンセンサスのいただけない一つの要素にその問題があるのですね。特に借りているお金の多い中小の立場に立ちますと、どうして休んでいるのに金利を取られるのか。日曜日は、まあまあ明治以来か江戸以来か知りませんけれども、休日でも金利を取られてもがまんしてきたけれども、またここでもう一日、みすみすわれわれは貸出金利を、約定金利を取られてしまう。大変失礼ですけれども、いま銀行がとかく実態以上に性悪説を流されている。もうけ過ぎているということをよく言われる。そういう点からいっても、土曜日の金利はこの際別途御配慮になる必要があるのではないか。それが社会的コンセンサスを得るための一つの手段になるのではないかと私は思いますが、会長、いかがでございますか。
#63
○村本参考人 先生はいま貸金金利にしぼって話をしたいとおっしゃったのでございますが、銀行としてはお貸出金もございますし、御預金もございます。そのどちらについても、日曜日について金利を払い、ちょうだいしております。土曜日がどういう形でなるかよくわかりませんのであれでございますが、金融の世界的な慣行から申しましても、いまの日曜日と同じように、御預金に対してもお貸出金に対してもお利息を払い、ちょうだいするということに、どうも金融技術上はならざるを得ないのではないかと考えております。
#64
○高橋小委員 銀行局長、この辺については発想の転換という立場から、行政的にはいかがでございますか。
#65
○後藤(達)政府委員 私も、いま協会長が御答弁されましたように、銀行の業務については、土曜日がいままでの日曜日と同じことになるということだと存じます。したがいまして、預金金利は当然銀行は払わなければならないし、貸出金利はしたがってちょうだいしなければならないことになるのではないかと存じます。
#66
○高橋小委員 私が申し上げるまでもなしに、貸出金利と預金金利との間で銀行の経営が成り立っていらっしゃると思う。そうであれば、この際、銀行のこのところの社会的な評価からいって、銀行はこうまでしてもお得意様に対してサービスをしますという意味で、休日の問題も含めて、少なくとも貸出金利については何かお考えになる時期が来ているのじゃないか。日曜日はすでに既得権化したと、失礼だけれども私はあえて申し上げます。今度新しくできる週休二日制の展開の中で、何かこの辺について御配慮がないか。また、そうすることが、再三申し上げるようですけれども、いままでの発想あるいは世界的な金融機関のあり方だという単なる割り切り方ではなしに、いまのこの国の中における金融機関の評価あるいは一般の皆さん方の見る目からいってもお考えになる時期が来ているし、また、その御配慮が関係当局から当然なされないと、社会的コンセンサスにならないで最後まで残るところがあるのじゃないかと私は恐れますが、銀行局長、その辺いかがでございますか。
#67
○後藤(達)政府委員 金融機関が店を閉める完全週休二日制というのが実施できる状態というのを想定いたしてみますると、社会的にそれが当然だと受け入れられる雰囲気であり、またそれが具体的には企業の方におかれても、つまり経済活動をしていらっしゃる方々も、大部分は土曜日は休むという社会的な雰囲気になっておる状態ではないかと存じます。したがいまして、一部サービス業等は少し違うと思いますけれども、大体いまの日曜の状態が土曜についても起こる、こういう状態ではなかろうかと存じますので、先ほど金利の扱いも同じではなかろうかと申し上げた次第でございます。
 ただ、金融機関の貸出金利の水準等につきましては、特に最近の経済情勢というようなこともございますから、これの金利負担を軽減いたしたいという御要請が大変強いことは私どもも承知をいたしております。今回の金利引き下げ措置等も、そういうことによりまして景気浮揚に貢献をいたしたいというところからとった措置でございますが、今回の措置に伴う貸出金利の実際の適用を下げてまいるという努力を金融機関としては当然していただかなければならないと存じます。つまり、そういう面におきましての金融機関のこれからの経営努力ということは私は大事だと思いますが、土曜日が休みになった場合にそれをどうするかということはやや別なと申しますか、もっと広い範囲での金融機関の努力を要請してまいりたいというふうに考えております。
#68
○高橋小委員 大変くどいのですけれども、私がお取り上げいただきたいのは、やはり中小業者に対する御配慮をまず第一に考えていただきたい。大手企業はそれぞれのお力もあることですし、またある意味においては、金融機関と意思の疎通が比較的しやすい環境もあると思う。ところが、中小の方はとにかく銀行へ行って金を貸していただくという立場でいきますから、その意味では、逆に言えば、何度も申し上げるようですけれども、土曜日休んで金利だけ取られちゃうのかという印象はぬぐい切れないと思うのですね。ですから、金融機関ということに対しては、逆に言えば行政のあり方として、この辺について特殊な配慮、ただ企業と一口に片づけないで、中小企業に対する配慮という立場から何らかの示唆をお願い申し上げたい、こう思うのです。企業と一口でお片づけいただくところに、ちょっとさびしいというか、御配慮のなさを感じるものですから、くどいのですが、重ねて銀行局長にその辺の御意向を承りたいと思うのです。
#69
○後藤(達)政府委員 週休二日制と結びつけてというところは、私もなかなかすぐアイデアがございませんけれども、中小企業に対する金融機関のいろいろな配慮という観点から申し上げますれば、先般の金利措置等も、これはプライムレートばかりではなくて、並み手形の方の最高限度も下げていただく、そして実際の適用金利にこれを極力均てんさせていただくということをお願いいたしております。
 また、特に中小金融専門の機関、相互銀行、信用金庫等につきましては、今回は定期預金の金利まで下げるという思い切った措置をとっておるわけでございますから、従来以上にそういう中小企業の方に対する実質金利の引き下げにつきまして努力をすることを強く要請いたしております。
 また同時に、歩積み両建て等の解消についても努力を要請いたしておるところでございまして、全般的に中小金融機関に対して、特にこういう経済情勢下その期待にこたえていく努力をしていただくようにお願いをしておるところでございます。
#70
○高橋小委員 限られた時間でございますので、最後にお願いになりますが、会長、どうぞひとつこの週休二日制に対しては、まず世界的な傾向の中での御判断、それからだれがいつ踏み切るかということにしばられてきている、そしてさらに、この問題には社会的コンセンサスが必要だと繰り返しおっしゃっておられる背景の中で、そういう声としての中小企業に対する配慮をお願い申し上げたい。そのお願いの中から逆に言えば社会的コンセンサスも出てくるのじゃないかと思いますので、重ねて御配慮をお願い申し上げて、私のお尋ねを終わらせていただきます。ありがとうございました。
#71
○山下小委員長 荒木宏君。
#72
○荒木小委員 参考人には大変御苦労さまでございます。
 時間の御予定がおありのように伺いましたので先にお尋ねいたしますが、最近の金融機関の土曜日の店頭の状況、それから職場の人手充足の問題。週休二日制の問題がだんだん進んでまいりまして、金融機関の職場はもとより、金融機関に見えるお客さをの方の都合などもあって、かえって土曜日に込んできているような話も聞くのですけれども、これの実情を概略初めにお伺いしたいと思います。
#73
○村本参考人 なかなか先生御要求のような完全な統計がとれていないのでございますが、私どもがやや抜き取り的に調べましたところでは、土曜日はやはり営業時間が短いものでございますから、一時間当たりの来店客密度は高くなっておるところが多うございます。多うございますと申し上げるのは、一番高くなっておりますのが住宅地の店舗、これは一時間当たりの来店が一・六倍ぐらいになっているのではないかと思います。それから、中小企業店舗という言葉もちょっと語弊があるかと思いますが、いわゆる昔からの商業地、こういうところにある店舗では一・五倍ぐらい、ターミナル店舗は、私どももう少し忙しくなるかと思いましたら、意外に少なくて一・二倍ぐらい、それから、都心部ではむしろ平日より暇であるというような状況でございます。
#74
○荒木小委員 いろいろな原因があると思うのですけれども、しかし、その大きな原因の一つに、一般の職場でも週休二日がだんだんふえていること、ことに、いま団地店舗の話がありましたけれども、この場合などはそういったことが一つの大きな原因ではないかというふうに思われるのです。
 他方、いまお答えいただけませんでしたが、職場の方では、金融機関で週休二日を進めていこうというので、不完全二日制といいますか、かえって人手が減ってきておるということですから、これは言うなれば、利用者の側、国民の側も、土曜日に大変多いと事務上の手違いも起こりやすいという面もありましょうし、また、待ち時間やその他の点でも不便がありましょうし、職場の方でも労働密度が強化される、そういった点で、いずれもこのしわ寄せが起こっているんじゃないか、私はこういうふうに思うのですね。
 そういう状態が長く続けば続くほど、つまり世間の週休二日がそれなりに進んでいく、金融機関の方はなかなかいかないということになると、むしろ矛盾がますます激しくなり、それが長期化していくというおそれが多分にあるのじゃないか。ヘビの生殺しという言い方が適当かどうか、表現はいろいろですけれども、そういった感じを持っておるわけなのです。そういうことになった原因、責任の問題、これは後におきまして、対策の点では、さればこそ土曜日の業務を少しでもほかへ振りかえようという努力をしていらっしゃると思うのですが、何ですか、土曜の午後の集金業務、これは自粛するようにということで一時を零時に繰り上げられたということも伺いましたのですが、勧誘行為の方ですね、利用者の要望にこたえて集金に行くということじゃなくて、今度は、相手がどう思われようと、預金してくださいと勧めに行く勧誘、あれは土曜日の午後も依然としてやられておる、私はこう聞いておるわけでございます。そうすると、幾ら集金の方だけなにしてみても、勧誘でビラやチラシを持って三時ごろから一斉にずっと回るということになりますと、これは職場の労働者、行員の皆さんの土曜日を休日にということから言えば逆のことでありますし、また土曜日は御遠慮願いたい、ほかへなんて言っておきながら、実は昼からどんどん預金してくださいということでビラを持っていらっしゃるということになると、これは何をしているかわかりはせぬということになると思うのです。太陽神戸銀行などは、土曜日の午後三時から、さあ、行きましょうということでやられておるということを私聞いておるのですが、これは会長の立場からも傘下の会員に、その点は重々是正をするような適切な措置をおとりいただくべしと思うのでございますが、御意見を伺いたいと思います。
#75
○村本参考人 先ほどもっとお答えすべきであったかと思いますが、先生御指摘のように、私ども、土曜日というものはただ漫然とやっておるわけではございませんで、片方に国民のニーズをどの程度に満足させるか、片方に、しかし銀行従業員に不当にしわが寄ってはならぬ、そこのバランスに非常に苦しんでおるわけでございます。現在、月に一回だけ土曜日を休ませる、それに対して外訪人員の繰り回しとか本部人員の繰り回しとかそういうことでサービスが低下しないようにできるだけ努力する、一方でお客様にも、土曜日は、もしおよろしかったら別の日にしていただく、こういうふうな努力をいたしておるつもりでございまして、その仕事を少なくする中に、先生御指摘のように集金業務の自粛ということも入っておるわけでございます。したがいまして、私ども土曜日は余り勧誘は行われていないと了解しておるのでございますが、土曜日の午後三時ということになりますとすでに時間外でもございますし、さあ、行こうというようなことはないと思うのでございますが、なお先生御指摘の実情も調べまして、私どもとしては行き過きのないように自粛していきたいと思います。
#76
○荒木小委員 これは会長、行き過ぎというようなものじゃないと思うのですね。つまり、その方向は是認される、ちょっと先に進んでいるのじゃなくて、逆でしょう。逆行しているわけです。土曜日のなにはやめていきましょうということを言っているのに、集金じゃなくて勧誘に出ていくといったら、これはまるであべこべのことですから、これは全銀協の方にも従業員組合の皆さんの方からすでに申し入れもしてあるということですから、その点はきちっとお調べいただいて、大体経営者のお立場から見ても足並みを乱すことになるわけでしょう、これは協会としてとられる最も厳しい措置をとって、なくするようにお約束をいただきたいと思うのです。
#77
○村本参考人 行き過きと申し上げるべきでしたか一歩前進、二歩後退と申し上げるべきでしたか、御指摘をいただきまして大変恐縮しておりますが、いずれにせよ、そういうことがないように努力していきたいと思います。
#78
○荒木小委員 私は、そうしたことの裏には、金融機関の経営者の皆さんに、労働条件を改善し法律を守っていくという面での姿勢がほかの業種に比べてもとかく問題があるのじゃないか、そういうふうに思うわけですが、たびたび本委員会でも論議になりましたけれども、労働省が五十年に一般調査をいたしまして、この定期調査の結果を見ましても、基準法違反の比率が業種別でほかに比べて金融機関は高い。それで昨年でしたか、金融機関に対して特別調査をやられましたね。結果は会長もお聞きいただいていると思いますが、千八十事業所を調査して、労働基準法違反で指摘を受けた事業所が六四%、六百九十一もあるということですね。ですからこれに対しては、特に週休二日ということを進めていく一つの背景対策として、この労働基準法違反をなくしていく。本来あるべからざることですから、そのための特別対策といいますか、あるいは特別対策をとる組織といいますか、組織的にも政策的にも全銀協としてひとつ格段の取り組みを要請したいと思うのです。この週休二日がだらだら延びて、そのために利用者それから職場に被害がどんどん増しておる、そこへ一般の労働基準法違反というのが他の業種に比べてもうんと高いとなりますと、生殺しの上にまたちくりちくりやっているということですから、これは全銀協として特別対策をとられるように御要請したいと思いますが、いかがでございますか。
#79
○村本参考人 個々の銀行でも当然なすべきことでございますから、個々の銀行でやる上に、全銀協がさらにどういう対策をとるべきが正しいか、先生の御意見をよく体しまして研究いたしたいと思います。
#80
○荒木小委員 これは古くして新しい問題でございまして、繰り返し繰り返しなにしておるのですけれども、ぜひ効果の出るようなことで御研究をいただきたい。要望しておきたいと思います。
 それから、なお週休二日の問題で、昭和四十七年三月七日全銀協で中間報告をお出しになっておりますけれども、この中で「世論の動向を適確に把握するとともに、他方世論を醸成する努力が必要である。例えば公正な世論調査の機関に依頼して、」調査を行うということも書いてございます。これはすでにもう五年になりますけれども、実施されましたか。
#81
○村本参考人 私、四十七年ごろからのことをつまびらかに存じておるわけではございませんが、協会としての世論調査はいたしておらないと思います。
#82
○荒木小委員 「世論を醸成する努力」つまり主体的に盛り上げていくんだということを指摘されておるわけですね。それの一環として自分で調査をやるかあるいは公正な機関に依頼してやるかということでおっしゃっておるわけで、すでに五年たってまだその一番出発点のことがやられてないということになりますと、これはかけ声倒れというそしりを免れぬという感じもするのです。この点もひとつ、新会長御就任早々でありますが、従来からもちろん協会の業務運営についてはいろいろ関与もされておると思いますので、従来の経過もここらあたりで振り返っていただいて、そしてやるべきことはきちっとやっていただく。この調査それから醸成努力もとよりでございますが、それに続いて「官公庁による本制度の実施がなくても、」銀行としてやっていくという趣旨のこともおっしゃっておるわけですから、少なくとも姿勢が後退したということにならないように、いろいろな情勢の変化がありますから外的条件はそれはわれわれもわからぬではありませんが、しかしその中でやはり一段とその努力を強めていただくことがどうしても必要だと思います。それが逆に五年前言っていることがまだやられてないということではどうだろうか。これは当然だと思いますね。個別のケースとしては調査、醸成努力ということですけれども、あわせて決意を伺っておきまして、時間の点もございますから、参考人に対する質疑はこれで終わらしていただきます。
#83
○村本参考人 ただいま先生御指摘の結論、大いに努力せねばならぬということについては私どもも全く同一意見でございまして、さよう努力いたしたいと思います。
 ただ最初の世論調査の件でございますが、多分先生のお手元にもあるのではなかろうかと思いますが、「公正な世論調査の機関に依頼して、国民全般の週休二日制の問題についての調査を行ない、結果をみた上で動くというのも一つの方法であろう。」こういうふうに書いておるわけでございます。私ども世論調査の仕方というのもなかなかむずかしい点が多々あるということを考えておりまして、金融機関が自主的に動いて調査をするとそれはわが田に水を引くような調査ではないか、先生もよく御承知のとおり調査の仕方というのはある程度誘導的な面もあるものでございますからそういうふうな意見もあって、ここに書いてある「一つの方法であろう。」としてなかなか具体化がむずかしかったのではなかろうかと思います。第二段の「官公庁による本制度の実施がなくても、」の後に「世論の動向がこれを受入れ、かつ産業界の支持がある場合は、」というふうに書いてございます。さようにわれわれも努力したいと考えております。結論としては先生のおっしゃったようにできるだけ努力していきたいと思っております。
#84
○山下小委員長 村本参考人には御多用のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
#85
○荒木小委員 銀行局長にお尋ねしますが、四十七年の一月に労働省から全銀協の方に話があって、経過を見ますとそのころ大蔵省の方にも労働省から金融機関の週休二日制について話があったということが記録にあるようであります。しかし今日までの推移は、いろいろな曲折はありましたけれども、要するにまだ実施を見ていない。そのために、いまお聞きいただいたように、今度は逆に土曜日の職場、店頭、地域の矛盾が深まっている面がある。そこで銀行法十八条の問題ですけれども、先ほど来の同僚委員の質疑ですと、コンセンサスができるといいますか、条件が成就したら十八条を抜き出して先発列車に仕立てるというような趣旨のお考えを伺ったのであります。それも一つの側面かもしれませんが、しかし同時に中途半端な状態にしておく、私先ほど生殺しと言いましたけれども、そういう状態を続けておくことが矛盾をだんだん深めていく、だとすれば、そこから脱却するためにも十八条を抜き出して先にやることが必要ではないか。だから公務員の本施行ということ、これは一つの機会だという御指摘もありました。私もそうだと思います。しかし同時にいままでの皆さんの御意見ですと、いや、公務員だけじゃない、ほかにも中小業者の問題がある、あるいは横並びの農協を初めとする異種金融機関の問題がある、いろいろなことが出てきておるわけです。それをコンセンサスというような入れ物にくくっておられるわけですけれども、私はそういうステップや時期はきちっととらえていかなければいかぬと思いますが、同時にいまの状態を放置することはできないのじゃないか。矛盾が深まっていく。だから早く十八条を先にやってくださいということは、特に公務員の本施行を待たずとも、やろうと思えばやれるのじゃないかという気がするのですが、どうですか。
#86
○後藤(達)政府委員 現在矛盾が深まっておる、こういう御指摘でございますが、現在の状態というのはやはり過渡期における一つの現象ではないかと理解をいたしております。金融機関におかれまして、労働条件の問題として実質的な週休二日と申しますか交代休日と申しますかそういうことが行われておる、一方企業において週休二日制が従前よりも多くなってきておるというところがあらわれではないかと理解いたしておりますが、ただそうかと申しまして、現在の状態で金融機関が店を締めて土曜日も全部休みにするというところへ飛躍するのは、他方いろいろ逆の、いま御指摘のような矛盾ではない逆の面の経済取引に与える諸般の影響というようなことが非常に懸念をされるわけでございまして、したがいまして、そういうところからなおコンセンサスを得るということがこの実施をする前提になるのではないか、こう考えておる次第でございます。
#87
○荒木小委員 時間の点がありますが、もう一、二問ほどお願いしたいと思います。
 局長、ちょっと御答弁がそれたように私は思うのです。過渡期の現象と、こうおっしゃるのですけれども、過渡期というのは終点があってその途中と、こういう意味でしょう。だけれども、終点は労使の間では五十一年上期中とあったし、それから大蔵大臣は一両年中ということで、もう五十二年四月で一応当初の終点というのは来ておるわけでしょう。だから、そこへ至るまでで過渡期というお話をおっしゃるのは、それはわからぬでもない。しかし、最初にこれが終点だといったところを過ぎていて、なお過渡期というのはいかがなものであろうか。
 また今度は逆に、いま矛盾がないとおっしゃらぬわけでしょう、矛盾があるということはお認めになっている。つまりワンステップ踏み出したがために生じた矛盾がある。その矛盾は過渡期だとおっしゃるなら、それはある程度限時的なものだと思うのですよ、途中なんだから。期間が短いとか、あるいはもういつまでというのはわかっているとか、そうであれば、これは過渡期における矛盾だとして認められる余地もあろうかと思うのですが、終点も決まっていない、本来の決めた終点は過ぎている、それで矛盾は生じている、しかもそれがだんだん深まっている。私は、これは過渡期だからということで済ませられない問題だと思うのです。
 今度はそういきますと一足飛びに、いや、じゃあと言うて、いますぐ本実施はできませんよ、こうおっしゃるのですが、ぼくはそう言ってないのです。それこそそれの道行きの一つとして十八条を取り出して先に論議をする、それができないかと、こう言っているわけです。もう一度先ほどの答弁をひとつそういう意味で、それを踏まえてお願いしたいのです。
#88
○後藤(達)政府委員 銀行法十八条自体の問題を論議するのは別に不可能とか不適当とかいうことではないかと存じます。私どもも金融制度調査会に銀行法全体の諮問を申し上げましたときに、当然十八条のことをしかるべき時点で御論議をいただきたいということをお願い申し上げております。
 そこで、ただ問題はどういう結論がちょうだいできるかということの実質論の方は、やはり社会的なコンセンサスの問題というのが御論議の非常に重要なポイントになるであろう、こういうふうに存じます。現在のところ私ども特に御審議の順序をおくらせるというつもりはございませんで、いまの予定に従いまして御審議をいただくことにいたしておりますが、しかし実質問題はむしろ実態判断の方、こういうことに相なるのではないか、こういうふうに考えております。
#89
○荒木小委員 もうこれで終わりますが、しかし審議の結論は、それは調査会で出すんじゃないですか。ですから、私が聞いておりますのは、その結論をいま局長からお伺いしたいと、こう言っているわけじゃないのです。いっその順番が回ってくるか、いまはっきりとわからぬと言うのでしょう。そしてまた一方、過渡期だということでは通らない問題があると、こう言っておるわけですから、銀行局として大蔵省としてこれは先に審議してくれという、その手順の問題はいますぐ言えるのじゃないですかと、こう言っているのですよ。
#90
○後藤(達)政府委員 ただいま金融制度調査会の御審議をいただく手順の方は、実は次回まで銀行の経営原則というようなことを御論議いただきまして、その次から銀行のサービス部門のあり方ということを御論議をいただく予定になっておりまして、その御論議の中では当然この週休二日制問題というのも御論議の対象にしていただくことになると存じております。
#91
○荒木小委員 これで最後にいたします。済みません。もう時間ですから、局長また後でなにしますけれども、十八条を先にやってくれ、いまやりかけたのはそれはあると思うのですが、十八条を先にやってくれというのはなぜ言えぬかというのですよ、いますぐ。これだけおくれています、これだけ要望も強いのです、だからこれをひとつ早くやってくださいということを諮問をした側の大蔵省から当然やはり言うべきじゃないか、私はそう言っているわけですよ。それをひとつ答弁いただくのと、それから前の委員会でアンケートと、それから定期報告の問題がありましたね。これは小渕委員長にもお願いして、そう計らうというふうに伺いましたので、月に一偏というのを私は言いたかったのですけれども、せめてこの週休二日の小委員会が開かれるときには、それまでの取り組みの経過それから前進した点をひとつ文書で委員会に御報告をしていただきたい、これは委員長も了解をされ、それから局長も、前の四月二十七日の委員会で、そうすると答弁しているのですから、この点ひとつ次回の小委員会が開かれるときにはきちっと報告をしてもらうということを約束していただいて、質問を終わりたいと思います。
#92
○後藤(達)政府委員 第一点の金融制度調査会での御議論でございますが、実は一昨年、最初に全体の諮問を申し上げましたときにも、ちょうど国会での御議論の直後でございまして、どういうふうに御議論をいただくかということを総会でお話が出ておりまして、これはやはりその後の情勢等を見ながら順序に従ってまいろう、しかし世の中、たとえば閣僚懇談会等で他の部門、公務員の問題その他いろいろ事情が変わってくるようなときには、またそのときにどういうふうにやるかを議論しよう、こういうお話が出ております。したがいまして、私どもとしてはその材料を整え、順序に従って御議論をいただくという考え方でおりまして、近くそのテーマに、たまたまそういう順序に相なっておる、こういうことでございます。
 それから、いまのやったことの経過等でございますが、この前、四月に先生から御指摘をいただきました後、特に具体的に申し上げますれば第五部会でその後法制問題等の検討をしていただいております。それからもう一つ、世間の意識動向を調査するという準備をしておると申し上げたのでございますが、その点につきまして予備的な調査をいたしまして、今度は本格的な調査をする具体的な準備をただいまいたしておるところでございます。なお次回、当小委員会が開かれましたときに、またその進行状況等を御報告申し上げたいと存じます。
#93
○荒木小委員 終わります。
#94
○山下小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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