くにさくロゴ
1976/05/24 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
姉妹サイト
 
1976/05/24 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

#1
第080回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十二年二月四日(金曜日)委
員会において、設置することに決した。
五月十三日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      愛知 和男君    大石 千八君
      後藤田正晴君    砂田 重民君
      丹羽 久章君    野田  毅君
      毛利 松平君    山崎武三郎君
      佐藤 観樹君    沢田  広君
      村山 喜一君    坂口  力君
      宮地 正介君    永末 英一君
      荒木  宏君    小林 正巳君
五月十三日
 野田毅君が委員長の指名で、小委員長に選任さ
 れた。
―――――――――――――――――――――
昭和五十二年五月二十四日(火曜日)
    午前十時六分開議
 出席小委員
   小委員長 野田  毅君
      愛知 和男君    大石 千八君
      後藤田正晴君    毛利 松平君
      佐藤 観樹君    村山 喜一君
      坂口  力君    宮地 正介君
      永末 英一君    荒木  宏君
      永原  稔君
 出席政府委員
        経済企画庁調整
        局審議官    岡島 和男君
        大蔵省証券局長 安井  誠君
        大蔵省銀行局長 後藤 達太君
        大蔵省国際金融
        局次長     北田 栄作君
 小委員外の出席者
        大蔵委員長   小渕 恵三君
        大 蔵 委 員 原田  憲君
        経済研究所次長 降矢 憲一君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 小委員小林正巳君同月十八日委員辞任につき、
 その補欠として永原稔君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員荒木宏君同月二十日委員辞任につき、そ
 の補欠として荒木宏君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員永原稔君同日小委員辞任につき、その補
 欠として小林正巳君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融及び証券に関する件
     ――――◇―――――
#2
○野田小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 このたび、私が金融及び証券に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 金融及び証券に関する件について調査を進めます。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
#3
○村山(喜)小委員 私は、まずきょうは、先般とられました公定歩合の引き下げに伴いまして預貯金金利の引き下げが行われました関係から、その問題についての質問を先にいたしたいと思うのでございます。
 家計部門から企業部門に資金が集まったものが貸し付けをされるという形の中で、政府が財政の措置だけではなくて金融面からの景気対策という立場で公定歩合操作に基づいた金利の変動を政策的に行うという政策手段は認めるといたしましても、その結果がどういうような経済効果をもたらすのかということは当然想定をして、それに対応する手だてを講じていらっしゃるものだと思うのでございます。
 そこで、最近における企業に対する貸付金が総額の中で百二十七兆程度だ、こういうふうに私たちは把握をしておるつもりでございますが、その百二十七兆というものは間違いないかどうか、まずお答えをいただきたいと思います。
#4
○後藤(達)政府委員 企業に対する貸付金をどの金融機関の範囲でとらえますかというとらえ方はいろいろあろうかと思いますけれども、主要なる金融機関の範囲でとらえましておよそ先生の御指摘のような数字に相なっていると存じます。
#5
○村山(喜)小委員 そういたしますと、公定歩合が一・五、通算いたしまして下がったということは、過去の追随率を調べてみますと大体その半分だということでございますが、最近の金融機関の利ざやは非常に厳しくなって、経営環境というものは困難な状況にあることも事実でございますから、この追随率を過去の長短合わせました平均値でいくならば大体〇・六ないし七%ということになるのだろうと思うのですが、今回のこういう措置によりましてどれだけの貸出金利の低下を予想していらっしゃるのか、また期待をしていらっしゃるのか、その見通しについて説明を願いたい。
#6
○後藤(達)政府委員 公定歩合操作に伴います市中金利の追随の仕方につきましては、過去の金利操作の例などを見ましても、平均しましたところは先生の御指摘のように五割あるいは六割という追随をいたしておりますが、その所要の期間等も半年ぐらいの場合もあり、あるいは一年ぐらいの場合もございます等々、そのときの金融情勢によっていろいろ異なってまいっております。したがいまして、具体的にどの程度ということを断定的に申し上げられる分析はございませんけれども、今回の金融情勢等を考えてみますると、量的にはすでに御案内のようにかなり緩和をいたしてまいっておりまして、金融機関も、市中の資金需要が鎮静をいたしておるものでございますから、やはり貸出面には相当積極的な姿勢をとっておるわけでございます。したがいまして、そういうサイドの金融機関のいわば適正なる競争と申しますか、そういう競争という雰囲気を通じまして、金利面でもかなりの追随が期待できるのではないか。特に金融機関の種類によりまして、利ざやの関係等々いろいろ異なっておりますから、種類によってはいろいろなことがあろうかと思います。過去の例でございますと、普通銀行の場合に五、六割の追随をいたしておる。それから、中小金融機関の場合には三割とかあるいは三割弱というような追随をいたしてまいっております。
 しかしながら、こういう金融の量的な緩和を背景といたしまして、また景気が鎮静をしておりまして、企業から金融機関に対する利下げの要請というのは大変厳しいものがございます。それにこたえていかなければならないという立場に金融機関はございますから、従来以上の追随をするものと思います。また、特に今回定期預金の引き下げも行ったことでございますから、もちろんそのコスト軽減は、挙げて企業の金利負担軽減に振り向けるようにという要請を私どもいたしておる次第でございます。ただ、第二回目の引き下げが四月の十八日に行われた直後でございまして、まだ一月ほどなものでございますから、まだ具体的な数字にはなっておりませんけれども、従来の例と比べてみまして、手形の切りかえが大体三カ月ぐらいかかるものでございますから、はっきりした数字には出ませんけれども、一月ぐらいの動向を見ましても、従来以上に追随をしていくような雰囲気がうかがわれておりますので、効果はかなり期待できるのではないか、こういうふうに考えております。
#7
○村山(喜)小委員 そこで、従来以上、一・五ですから、仮に半分と見たら〇・七ないし〇・八、そういうような数字になるだろうと思うのですが、実は倉成経済企画庁長官が、この金利の低下措置によってGNPの実質成長率に示す影響の割合というのは一%程度のものが期待できるという話をされましたので、私は、百九十二兆のGNPの中で、金利のそういう低下に伴うものが約一兆程度であろうということから計算をいたしましたら、それだけではどうも不十分だ、金利の引き下げに伴う分だけでは措置は不十分だということで疑問に思っていましたが、後ほどそれは金利の低下に伴う分だけではなくて、公共事業の早期発注等に伴うもの等も含めて実質一%程度の期待が持てるのではないかという説明でございました。
    〔小委員長退席、大石小委員長代理着席〕
 そこで、ことしはロンドン会議の結果でも、福田総理は六・七%はどんなことがあってもやり抜くのだ、こういうような話でございました。その当時においては、経済計画をつくりましたときには、公定歩合の一・五%の下げというのは計算の外にあったわけでございますから、今度は一・五%によって一%の実質成長率に対する寄与率があるとするならば、そういうような意味からは計算の基礎が狂ってきているのだと私は思うのですが、とりあえず、この金利引き下げに伴う措置等を織り込んだGNPに対する影響の度合い、寄与率がどういうふうになるということを経済企画庁では算出をしていらっしゃるのか、その説明を願いたいと思います。
#8
○岡島政府委員 先生に非常に初歩的なことから申し上げて大変恐縮でございますけれども、経済政策の効果というものを計量する場合には、通常マクロモデルを用いて計算をするということになるわけでございますが、マクロモデルと申しますのは、御承知と思いますが、組み立て方によりまして計算結果が大変異なってまいるわけであります。また、実際の計算に当たりましてどういう前提条件を置くかということによっても、計算の結果がかなり違ってくるということは、当然考えられることでございます。
 それで、経済政策の効果というものを計算しますといろいろな答えがあり得るという前提でお聞きいただきたいわけでございますけれども、経済企画庁で研究用のものも含めまして幾つかモデルがございますが、そういうものの一つの研究所にございますモデルを用いて計算をいたしますと、先ほど先生が申されましたように、公定歩合だけではなくて公共事業の上期集中というようなことなども織り込んだ前提を置きました計算の結果によりまして、名目、実質ともGNPの一%程度の需要創出効果があるというような結果が出てまいったわけでございます。
 長官が先生と御一緒しました景気討論会では、この試算の結果を引用して説明されたというふうにきのうも実は長官に伺ったわけでございますが、長官もモデルではという限定をつけて話されたというふうに承っております。これはあくまでも研究分析的なものとして御理解をいただきたいわけでございます。
 そのモデルのどういう前提を置いたかというような点につきましては、また研究所の方から質疑に応じまして御説明をしていただくことにいたしまして、経済見通しの方は、六・七%という数字でございますが、これは実は「経済見通しと経済運営の基本的態度」という閣議了解がございますけれども、この閣議了解の中を読みますと、六・七%というものは、いろいろな政策を適切にとるということによりまして、あるべきと申しますか、望ましい姿というのを見通したということになっているわけでございます。したがいまして、経済見通しの六・七%というものと、先生が先ほど申されました、あるいは企画庁長官が申されました研究分析用のモデルを使って試算したものというのは、実は全く別のものということでございまして、今回の一連の景気対策によりまして、六・七%の成長というものが一層確実になったということは、非常にはっきり申し上げられるわけでございますけれども、その六・七%というものと試算に基づく一%というものとは、ちょっと性質が違うので、同じ次元で論ずることはできないものじゃないかというふうに私どもは見ている次第でございます。
#9
○村山(喜)小委員 そのモデル計算ですが、その中身は、公定歩合の引き下げに伴って、民間の企業活動が貸出金利の低下に伴って盛んになってくるというファクター、その要素が幾らになるのか。それから、公共事業等の早期発注によるウエートはどういうウエートを占めるのか。その実質一%の内訳はどうなりますか。
#10
○降矢説明員 お答え申し上げます。
 若干技術的なことにわたりますが、需要項目別にどういうふうな変化があるかということを読みます前提が多少ややこしいので、その点を先にお断り申しましてから、数字を申し上げたいと思います。
 政策効果を普通シミュレーションでいたします場合には、その変化の分だけで最終的にたとえばGNPがどう変化するかというふうな差分方式というふうなことで、その変化分だけを読むという方式をまず一番気楽に使うわけでございます。そういうふうなときには、その差分自体がいまお話しのGNPで一%、つまりこれは厳密には〇・九三ということでございますが、これには〇・一前後の幅がございますので、一%程度と長官は申したわけでございます。一%程度にもそのぐらいの幅がございますので、それをさらに内訳を見まして、たとえば公定歩合にかかるものだけで幾ら、それから公共事業にかかるものだけで幾ら、こう分けてまいりますと〇・三とか五とか、非常に小さい数字になりますので、その誤差範囲を入れますと、申し上げる数字の内訳はかなり大まかな、大味なものになりますけれども、そういうことを御承知の上でお聞きいただきたい。
 私どもは公共事業と公定歩合と両方の効果を合わせて、合計一%弱、こう言っておりますけれども、公定歩合の方は主として企業活動に刺激を与えるという点の影響、それから政府支出の公共事業の方は現在の作業等を通じまして徐々に企業活動に影響するというようなことで、影響の仕方が違うわけでございますから、たとえばここのところ一年だけの影響を見るという場合と、それからやや長期に効果が総合的に全部出尽くした上で見るという場合とではまた違うという問題もございます。しかし、私どもがいま使っておりますモデルは短期の予測ないしは政策効果の検討用でございまして、二年先までは読むのはちょっと誤差、精度の問題で問題があるということで、実は今回お出ししております数字も一年程度のもので仮に見ておる、こういうことでございます。したがいまして、厳密にこの効果が総合的に一巡するということになりますと、公定歩合ないしは公共事業では多少やはりまた読み方も違ってくるというややこしい点もございます。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、それだけの前提を置きまして、先ほど申しました全体の効果が〇・九三ということでございますが、公定歩合だけでは〇・三ないし四、残りが公共事業と減税等々全部でございます。したがいまして、公定歩合ではその総合的な効果の三分の一強ないし半分以下という程度だということでございます。
#11
○村山(喜)小委員 わかりました。大体私が〇・五以下であろうというふうに思っておりましたが、〇・三ないし〇・四というモデル計算であるようでございます。それには、その貸出金利が下がりまして企業が設備投資なり在庫投資なりそういうようなものに対する資金需要がこれからふえてくるということを予測されて、その効果をこういう計量計算方式で出されたものだろうと思うのですが、この貸出金利の追随率が公定歩合の半分程度ということで想定をして、企業活動の全体をどういうふうにとらえて、その〇・三ないし〇・四という数字をお出しになったのか、その算出の方法は、非常にマクロ的な話で結構ですが、ちょっと説明願いたい。
#12
○降矢説明員 モデルの計算は実は過去の十年ないし十数年の間に経済の相互の関連がどのように動いてきたかということを計数関係で整合的にとらえたものでございますから、過去における企業ないしは市場のビヘービアがある程度前提になっている、その程度が持続するであろう、またその期間に変化した構造的な条件の変化もその変化のテンポ程度は続くであろうというような、つまり延長的発想が強いわけでございます。したがいまして、いま申しましたような効果は、過去におきまして金利が下がったときに投資に影響し、それで最終的にGNPに影響した程度というものを延長して読んだ、こういうふうにお考えいただいてよろしいかと思います。モデルの場合には金利と企業活動とGNPだけに限定いたしませんで、それがたとえば消費にも貿易にもいろいろなところに波及いたしまして、はね返り分全部収束さしたものでございますので、その収束の仕方が過去と今日で、影響度、波及の度合いというようなものが違ってまいりますと厳密には違うおそれもあるわけでございますので、そういう点で先ほども申しましたようにある程度の誤差の範囲で読まなければならないと考えております。
#13
○村山(喜)小委員 そこで、これは後藤局長にお尋ねいたしますが、従来住宅ローンの場合には長期のプライムレートが九・二%であった時代は九%ということで、都市銀行あたりは住宅ローンに対する貸出政策というものを定めて、そのニーズにこたえるような態度をとっておった。今回は長期の場合のその引き下げ率が〇・八だということでプライムレートが八・四になりましたね。ところが、今度は住宅ローンの場合は九%から〇・八を引くのではなくて、〇・六を引いて、そしてプライムレートと同じように八・四ということになったわけです。もちろん、すでに貸し付けを受けた者に対する連動性をどうするかという問題は今後に残っておるようでございますが、従来プライムレートよりも〇・二は低かった住宅ローンの金利が、今度はそれと同じようにせざるを得ないという背景にはどういうようなものがあるのですか。それと、都市銀行のような経営状態がわりあいコストが低いところにおいてもそうですか、地銀なりあるいは相銀なり信金なりの住宅ローンに対する金利政策というものは今後どういうふうに進めようとお考えになっているのか、その点についてあわせて説明を願いたい。
#14
○後藤(達)政府委員 住宅ローンにつきましては、いま先生の御指摘のような金利の変更をそれぞれの銀行がとることに相なったわけでございますが、それに至りました、おっしゃるように従来とやや形が変わっております点のその考え方でございますが、主要な点が二点あろうかと存じます。
 従来、住宅ローンのこういう非常に長期の貸し付けにつきましては、市中の金利変動によりまして余り動かさないでまいったように承知をいたしております。したがいまして、長期プライムレートが非常に上がりましたときも、あるいは若干それから変更いたしましたときも、余り動かさないでまいりました。その結果、一つには先ごろまでプライムレートが九・二であるところに、住宅ローンが九でございます。ただ、そこで起こってまいりました、この感ぜられております問題は、長期プライムレートの適用先はいわば大口の、長期と申しましても二十年とか三十年ではなくて数年というようなものが主体のレート、その標準のレートでございます。これに比べまして、住宅ローンの場合には小口であり、また期間も非常に長い。これは金利体系的には従来から問題が感ぜられておったところでございます。そういう点が一つ。
 それからもう一つは、今回はこういう金利引き下げ措置で全体の金利水準を下げたいということでございますので、住宅ローンにつきましても、既往貸し出しの金利につきましてもやはり公平の点なども頭に置きまして下げる方向で目下関係者鋭意検討をいたしておるわけでございます。したがいまして、そこらを総合勘案をいたしまして、新規の貸し出しをプライムレートと合わせた、こういうことになっておりますが、なお既貸しにつきまして引き下げるべく、そのやり方等、大変技術的な点もございますので検討いたしておりますが、なるべく早くこれも実施をいたしたい、こういうことで、新規貸しについてはこういう姿に相なったわけでございます。
 また、ただいま先生御指摘のこの金利の水準は、普通銀行の大半、都市銀行、地方銀行の大半につきましての標準的なレートでございまして、中小金融機関等におきましては商品の形がいろいろ異なっております。しかし、そういうところにつきましてもこの普通銀行にならいましてそれぞれ下げる努力をいたしております。また、既往貸し出しにつきましても下げる検討をそれぞれいたしておりまして、いずれも中小金融機関の場合にはコストの関係等々もございまして普通銀行よりは若干高目にならざるを得ないのでございますけれども、下げる努力を大変要請をいたしております。ただ信用金庫等におきましては、住宅ローンの貸し出しに占めるウエートがかなり高いところもございまして、三割あるいは四割というようなところも出ております。したがいまして、こういうところにつきましては経営上の観点からいろいろ当該金庫等におきまして検討されておると思いますが、引き下げの努力の方向につきましては、私ども極力下げていただくようにお願いをいたしておるところでございます。
#15
○村山(喜)小委員 それでけさあたりの新聞で見てみますると、住宅ローンの、これは都市銀行、地方銀行、相銀まで入った数字で出ておるようでございますが、一月−三月期の期末残高、三月末の残高が九兆五千四百五十二億、全体の貸し出しの一六・三%という数字が出ております。信金の場合でも、これは一二・五%を占めているというきわめて高い数字が出ているわけでございますが、いま説明がありましたその既往の貸し付け分とにらみ合わせて、均衡のとれた措置をとるということの意味からプライムレートと同じようにしたというお話でございますが、そうなると既往の貸し付け分については大体どの程度下げて均衡をとるという考え方をお持ちなんですか。
#16
○後藤(達)政府委員 これは金融機関によりまして多少考え方の違いはあろうかと存じますけれども、ただいま一番標準的に議論されておりますのは、普通銀行の場合に既往の貸し出しの九%で貸したものにつきまして〇・三ポイントぐらいを頭に置いてどういうことに相なるかを検討しておるように承知いたしております。
 それで、住宅ローンは最近は非常に急増をいたしておりますので、九%あるいは中小金融機関等はもうちょっと高いところでございますが、そのあたりの従来の貸し出しというのが貸し出しの額の中では大体半分以上を占めておるようでございます。これに対しますコストの方は、それぞれ親元その他の金融機関からプライムレートあるいはプライムレートプラス〇・二、三ポイントで借りておりますが、その方のコストダウンの関係がやはり長期で借りております関係で若干時間がかかる。大体数年のタームで借りておるようでございます。そこら辺は、変動制のところもございますけれども大体固定制が多うございますので、コストの低下に時間がかかるというような要素も頭に入れてみますと、新規の下げ幅の半分程度というところが一応標準的な姿になるのではないかということで検討いたしておる次第でございます。
#17
○村山(喜)小委員 わかりましたが、貸出約定金利が信用金庫の場合に九・一五八%、都銀で七・九〇二%、地銀で八・二一〇%、相銀で八・七二七%、これは三月末の平均約定金利だろうと思うのですが、そうなってきますと、都市銀行はそういうようなニーズにこたえられる経営の余力があるとしても、もう利ざやが縮小をしている中小の金融機関の場合にはなかなかそれはむずかしいのではなかろうかと思われるのですが、いま後藤局長の御説明では、大体〇・八下がったその半分程度は努力目標として指導をしていくというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
#18
○後藤(達)政府委員 私、半分と申し上げましたのは、新規の住宅ローンの下げ幅の半分程度、つまり〇・三ぐらいを実は頭に置いて申し上げた次第でございますが、いずれにしてもおっしゃるような方向でございます。
 ただ、貸出金利をどうするかにつきましては、基本的にはそれぞれの銀行が自主的に定めるというたてまえでございまして、普通銀行等につきましては事情がよく似通っておるものでございますから結果的にいずれも似たような姿に相なっておると存じますけれども、相互銀行、信用金庫あるいは地方銀行の一部等につきましては、それぞれ現在でも九%ではなくて、もうちょっと高い金利で貸し出しをいたしております。これは今後そのシェアがどの程度に変化していくかということと特に中小金融機関の場合関係があるわけでございますが、しかし今回は預金金利が定期まで含めまして引き下げる、こういう措置がとられたわけでございますが、特に定期預金金利のウエートの高い中小金融機関のコストに与える影響は普通銀行の場合よりは若干多いところを考えていいのじゃないか。そうすると、下げる幅自体、水準自体はなかなか同じにまいらないと思いますが、下げる幅の方はほぼ同じ程度を期待してもいいのではなかろうかということで、下げる努力をするようにお願いをいたしておる、こういう現状でございます。
#19
○村山(喜)小委員 話題を変えますが、最近、安宅産業の倒産とまではいきませんが吸収合併というような問題で、アメリカ安宅の不良債権の問題をめぐりまして、住友銀行が手持ちの有価証券を売却してこの穴埋めをしなければならない、貸倒引当金だけではどうにも措置ができないというような状態のものが新聞等で報道をされておるようでございます。それは単に住友銀行だけではなくて、ほかにも相当なそういうもう取り立て不能というような状態に陥っている中で貸倒引当金を取り崩さなければならないという銀行もあるように聞いておるわけでございます。そこで、これは対内投資と対外投資に分けまして、対外投資の上からそういうような破綻が来たというものと、それから土地等が大変上昇をしていく中で、企業に対して金融機関から土地投機の資金として貸し出しされたものが八兆円ないし十兆円ある。そういう不良在庫を抱えて、その資産勘定の中には、そういうような不動産物件があっても、それが売却ができないために金利だけがかさんで、年間数千億の金利負担を生じているというような問題等から、その企業がどうにもならなくなっていって、整理をしなければならないというような、過去における不良な貸し付け状態の整理の中から生まれてくるものと両面あるだろうと思うのですが、現状はどういうふうにそういうのがなっているのか。また、整理の方向は、金融機関の健全性というものの立場に立ってどのような指導をなさっていらっしゃるのか。その点について最近の事情を説明願っておきたいと思います。
#20
○後藤(達)政府委員 銀行の資産内容の一番根幹に触れる御質疑でございますので、具体的な数字等余り細かいことは差し控えさしていただきたいと存じますが、大勢について申し上げますれば、まず私ども銀行に検査に参っておりまして、そこで資産内容の査定をするのが検査の主要なる仕事に相なっております。そういうところを通じまして、具体的にただいま御指摘のような点等を検査いたしておるわけでございます。その結果につきまして、ちょっと数字は遠慮さしていただきたと思うのですが、大勢を申し上げますれば、やはり四十六、七年、過剰流動性と言われた時代あるいはその後の狂乱物価時代等々を通じまして、銀行の融資のあり方等には、いま考えてみますれば反省を要する点があったということが、現実の検査結果にもあらわれておるように思います。したがいまして、私ども貸し出しその他の資産を検査いたしまして、それにつきまして、今後債権管理等に注意を要するものから償却をしなければならないものまでを、分類資産と申しまして、分類のマークをいたしております。その総資産に対する割合を分類率と申しまして注目をいたしておるのでございますが、その分類率自体がやや上昇しておるということは御指摘のとおりでございます。
 その中身がどういうものであるかということでございますが、まずいま御指摘の土地の関係の融資についての問題は、やはりその中の一つの要素でございます。ただ分類の中に、非常に技術的なことで恐縮でございますが、二分類、三分類、四分類という分類を私どもいたしております。四分類と申しますのが、もう回収不可能という償却を要するもの。三分類と申しますのが、一部回収不可能である。二分類と申しますのが、どうもなかなか回収には時間がかかる、時間はかかるけれども元本のロスはいまのところ見込まれない、こういうものでございます。
    〔大石小委員長代理退席、小委員長着席〕
土地関係の融資につきましては、その中で問題のあるもので四分類になるというものはまずほとんどございません。ただ二分類になるものはかなりふえている。したがいまして、そういうものが銀行の資産の固定化の一部になっておる、これは事実でございます。ただ、土地の融資の問題につきましては、なかなか融資関係その他だけで対処できるという性質のものではないと存じます。ただ、そうかと申しまして、そこで非常に強力なる回収を図るということも、こういう経済情勢の中でいかがかということで、それに対しましてはじみちに、しかしよく債権管理を注目をしてまいるように、こういう指示をいたしておるわけでございます。
 それから海外関係でございますが、海外関係では、一昨年ごろから既往の投資等につきまして、外国におきます企業がやはり石油ショックの影響を受けた関係等もございまして、御指摘の安宅のケースなどもその代表的な一例かと存じますけれども、海外での投融資の関係で償却を要するものが出てまいっております。ただ、非常に大きいとかなんとかいうことは現在までのところはございませんけれども、しかし石油ショックの影響というのは海外でもかなり大きかったということが形にあらわれております。
 この点につきましては、銀行、特に為替公認銀行である都市銀行、長期信用銀行等々の海外業務のウエートというのが、ことにこの二、三年かなり高くなってまいっております。数年前は、合わせましてまだ国内業務の一%にもならないぐらいでございましたが、最近では一割ぐらいの規模に拡大をしてまいっておりまして、経済の国際化の進展でこういう方面での業務の拡大はこれからも予想されるところでございますが、それだけに、海外での与信活動に伴いますリスクの回避につきましては、従来以上に相当慎重な注意をしてやっていただかなければいけないのではないかという感じがいたしておりまして、そういう審査の充実あるいは情報の収集等につきましては、より一層配慮をするようにという角度から、検査行政を通じまして一般的にも個別的にも指導をしてまいる、こういうことにいたしております。
#21
○村山(喜)小委員 そこで、北田国際金融局次長もお見えでございますが、最近アメリカの民間の金融機関が発展途上国やあるいは東欧諸国に対しまして貸し付けました資金が、約五百億ドルとか言われておるようでございます。全体では二千億ドルぐらいの焦げつきが全世界では発生をして、取り立てが不能だというような状態の中で、この債権関係をどういうふうに有効に管理するかということから、IMFあたりで、そういうような民間の貸した債権の関係を保全をしようというような動き等があるように聞くのでございますが、日本のそういうような関係の、危険の負担率等を織り込んだ海外投資等の現況の上からは、余りそういうような危険性はないのではないかということが言われておるようでございますけれども、そういうような国際的な金融の動向に対して、どういうような方向で指導をしようとしていらっしゃるのか、非常に大きな問題でございますが、説明を願っておきたいと思うのです。
#22
○北田政府委員 ただいまお話がございました開発途上国の債務の問題でございますが、ただいま二千億の焦げつきがあるというふうなお話をちょっと伺ったのですが、これは正確な数字というのは私どもないのでございます。私の承知しておりますところでは、世銀が年次報告で発表いたしました数字で、一九七四年末の開発途上国の債務の残高が千五百十四億ドルであるというふうに言っておりまして、また一九七六年末の数字につきましては、いろいろのところで調査が行われておりますが、たとえばモルガン・ギャランティー社の調査によりますと、債務残高が千八百億ドルぐらいであろうというような数字がございます。これは焦げつきではございませんで、全体の債務の額と私は承知いたしております。
 それから、そういった債務累積に対しまして、石油ショック以来の国際収支の非常に大きな不均衡というようなことがございます。これに対していかに対処するかということがいろいろ問題でございまして、先般IMFにおきましても、そういった赤字累積をファイナンスするためにIMFの機能をもっと拡充すべきではないかというような意見が出ておりまして、いろいろ検討されておることは御指摘のとおりでございますが、ただこれはIMFと民間と合体して何か制度をつくるというようなお話かと伺いましたが、私はそういったような動きがあるということは承知していないのでございます。
 IMFの方でそういった国際収支の不均衡に対して融資するため、ウィッチフェーン構想というようなことが言われておりますが、これは産油国とかあるいは先進国の強い国等から資金を拠出いたしまして、これをそういった大幅な国際収支の赤字国にファイナンスをしようということでございます。これはIMFがいろいろ各国の経済状況等を審査して、その経済運営についてもいろいろの条件をつけまして融資をするというような意味において、非常に意味があると考える次第でございますが、それはIMF自体の融資でございまして、IMF自身の融資であるわけでございます。ただ、そういったIMFの融資によりまして各国の経済が好転をし、経済の再建が軌道に乗れば、それに応じて民間の融資等も円滑に行われるであろうというようなことは言えるかと考える次第でございます。
 わが国の為替銀行のそういった対外貸し付けでございますが、ただいま銀行局長からお話がございましたとおりでございますけれども、為替銀行の中長期現地貸し付けにつきましては、昭和四十九年のユーロ市場の問題がございましたときからは原則的に禁止をするという措置をとっておりましたのでございますが、昨年十一月に状況が好転いたしましたので一部緩和をいたしております。現在におきましては金融機関におきましても相当慎重に対処をいたしておりまして、われわれもそういったことにつきましては十分資料を収集し、案件の内容を審査して慎重に対処するように指導をしておるところでございます。
#23
○村山(喜)小委員 私が懸念をいたしますのは、IMFのファイナンスの問題はそれはIMF自体がそのような措置をとってやることで、やり方としては正しいと思うのですが、問題は民間の金融機関が貸し付けたものが、どうも非石油発展途上国を初め東欧諸国、共産圏も含めての問題でございますが、期限が来てもなかなか払えない、焦げついておるというようなことが世上言われておりまして、それを何らかの形で代位弁済をするような動きが強まるのではないだろうかという報道等もあるものですから、そういうような動きに対してはわが国としてはどういう態度をおとりになるのか。やはりみずからの責任でその問題については処理をすべきであると私は考えるものですから、その点を明確にしておいていただきたいというのが第一点でございます。
 それから、時間の関係がございますのでもう一回もとに返りますが、今回の預貯金の金利引き下げに伴います福祉定期預金の問題ですね。これは前回が八十六万人ということで、預金総額においては三千百億円、それの一割と七・七五%の差額の二・二五%でございますから、七十億は金融機関の負担で措置がされた。今回は一%でございますから、大体その割合で金額が伸びない、八十六万人程度だというふうに考えまするならば、三十四億程度の負担にとどまってくるのではないだろうかと思われるのでございますが、該当者が五百万人もおるというような状況の中で、それについてはどのような措置をこれからおとりになるのか、この点についても説明を願っておきたいのでございます。
#24
○後藤(達)政府委員 最初に福祉定期について私からお答えを申し上げたいと思います。
 福祉定期につきまして前回と違いました点は、いま御指摘の金利の点でございます。ただ、やり方で若干違いますのは、前回は新しい預金をつくる人に対しまして一〇%といういわば特別の商品を設けたわけでございますが、今回は、趣旨も激変を緩和をいたしたい、ことにそういう弱者と申しましてはなにでございますが、そういう方々に対します金利については一挙に引き下げることをとめたい、こういうことで従来から預金のあるものの書きかえられたものにつきましても、実質的には旧金利が適用されるように実は考えておる次第でございます。したがいまして、そう従来ほどの手続がなくても均てんし得る、こう考えますので、その利用される人の範囲というのもかなり広がるのではないか、こういうふうに私は考えております。
 それから、前回はやはりそういう新しい預金のできましたことについてのPRが不足である、こういう批判を当時ちょうだいをいたしておりますが、そういう点についても各金融機関の窓口等におきましてそういう点の抜かりがないように、前回の例なども頭に置いて措置するようにということを要請いたしておる次第でございます。
 それから、ただいま御指摘の海外の投融資の関係等につきましては、おっしゃいますように基本的に銀行が自己の責任においてこれに対処するということはもう当然の前提であろうと思います。そういう意味合いにおきまして銀行が与信活動を行うにつきまして、やはりみずからよく審査をし、情報を集め、いろいろ問題が起こらないように、しかも、なおかつ日本経済の要請にこたえるような与信活動を行う、こういう意味におきまして銀行の与信につきましての配慮は従来以上に注意をしなければいけない、こういうふうに考えております。そういう点の注意はなお一層してもらいたい、こう要請をしておる次第でございます。
#25
○北田政府委員 私の先ほどの御説明、あるいは舌足らずであったかもわかりませんが、IMFが国際収支不均衡に対処いたしまして融資の活動強化をいたそうとしておりますのは、決してそういった民間金融機関の融資の肩がわり等をするということではございませんで、われわれもそういったようなことの誤解を受けるようなことのないように十分やる必要があるというふうに考えておるところでございます。
#26
○村山(喜)小委員 ちょっとこれだけは後藤局長に確認をしておきますが、今回は激変緩和だから手続なしでももとの金利の適用ができるように指導をする、こういうことでございますが、該当者の場合には、何かそういうような申し出をしただけで、証明書類でも出せば前回とは違って簡単に措置がとれるということになっておるわけですか。
#27
○後藤(達)政府委員 非常に手続的な点でございますが、まだ期限の来ない預金につきましては、これは旧金利が適用されることは当然でございます。期限が来ました場合に書きかえということをいたします。前回は預金を新たにするというときに初めて一割の金利を適用いたしました。つまり新しい貯蓄ということに着目いたしまして、したがいまして書きかえというのはだめだという原則でこの前は対処いたしております。今回は、書きかえをしても、該当者であるという御証明はしていただかないといけません。書きかえをした場合にも旧金利が適用される、実質的にはこういうことに相なるというふうに考えておる次第でございます。
#28
○村山(喜)小委員 預貯金の金利が連動して下げられることによりまして貸出金利がそれだけ担保されるという形になっておりますから、勢い公定歩合に対する追随率も過去の平均よりも高まることを期待して執行に当たられるだろうと思うのですが、その中で最近の金融機関の利ざやの縮小、預金量がなかなか集まって来ない。直接金融の証券市場に資金が相当流れていく。それだけ金利選好性の資産運用というものが定着をしていくというような状態の中で非常にむずかしい問題が背後に出てきているように思うのです。そうなってくると、経営努力というものが必要になってくると思うのですが、その中で最近はいろいろな不良貸し付けをめぐる問題等が新聞に載らない日はないように、中小の金融機関等でも発生をしているようでございます。利ざやが縮小していく中でそういうような大きな穴があくことは、それを埋めるためには並み大抵の努力では償えないような状態に立ち至るということを考えてみますると、やはりこれは金融機関の審査能力というものにも関係があるだろうと思いますが、もう少し金融行政の上からそういうものに対する的確な指導をおやりいただいて、できるだけ金利を切り下げて社会的な経費といいますか、そういうようなものが少ない形の中で金融というものは処理をされるべきだと私は思うのですが、そういうような面から御努力をお願い申し上げておきたいと思うのです。
 これで終わりますが、何かお答えがあれば……。
#29
○後藤(達)政府委員 先生の御指摘のとおりだと私は存じます。こういう情勢下におきましては、金融機関がいまおっしゃいましたような不良貸し付けと申しますか、あるいは不祥事件に伴うロスと申しますか、そういう無用のロスを起こさないように一層注意するというのは非常に大事なことであります。したがいまして、審査関係、あるいは内部事務管理によるそういうロスの防止というところは特に注意をいたさせたい。これは一般的にばかりではなく、検査等を通じまして具体的な指導もより一層充実してまいりたい、こういうように考えております。
#30
○野田小委員長 荒木宏君。
#31
○荒木小委員 銀行局長に初め一言だけお尋ねしましてお引き取りいただいて結構でございます。
 つい先日も週休二日制小委員会のときに、金融機関の職場の労働基準法違反について、一般の産業よりも違反率が高いと特別の指摘を受けているということを申し上げたばかりであります。その後調査いたしましたところ、本年三月一日から十二日までの十日間のうち、清水銀行本店外国為替部でコンピューター導入に伴う時間外労働がありました。女子行員が六名、深夜十二時まで勤務を命じられた。その間合計二十九時間の時間外労働があった。再々こうした件を指摘しまして是正方を求め、たしか局長も、前に金融関係全体の違反数字が全産業よりも高くて特別の調査をやったということを申し上げたときに、それは知らなかった、早速適切な措置をとるという趣旨の答弁をしていただいたのですけれども、依然としてこういったことが後を絶たないということで、一つはこの件についても早速調査をしていただいて、事実であれば再びかかることのないように厳重な示達を要望したい。
 なお、あわせて委員会の都度こうしたことを申し上げなければならぬ。一般的に申し上げてなかなか事が解決しない。やむなく特定の職場の名前を挙げて対策を求める。余り個別の事例を提起するのはいかがかと思われるのでありますが、非常に繰り返し繰り返し行われておりますので、ひとつ効果のある措置をぜひお考えいただきたい。そういった旨の注意あるいは一般的な連絡は、恐らく従来からも努力を重ねていただいておると思うのですが、そういう経過を踏まえて格段の実効ある措置の検討をぜひお願いしたいと思うのです。御答弁をいただきたい。
    〔小委員長退席、大石小委員長代理着席〕
#32
○後藤(達)政府委員 当委員会におきまして、先生から実は私も何度かにわたりましていろいろ御指摘をいただいておりますことを本当に残念に存じます。ただいま御指摘のケースにつきましては、具体的に調査をいたしたいと存じますが、基本的にはかねがね申し上げておりますように、こういう問題は労働省等が積極的に指導していただくということが基本であろうかと思いますけれども、私どももその労働省の指導が徹底をいたしますように、おっしゃいますような効果的方法ということをさらに研究をさせていただきまして、なるべくこういう御指摘を今後余り受けないように努力をいたしたいと思います。
#33
○荒木小委員 なお、先日の週休二日制小委員会で申し上げたのですが、太陽神戸銀行の土曜日午後三時からの、集金業務ではなくて勧誘業務ですね、行員を一斉に内勤の人も含めて勧誘に行かせるというやり方、これも週休二日の問題が特に小委員会まで設けられて論議をされておるときでありますから、事実関係の調査、それから週休二日制実施の方向に沿うような適切な措置をあわせて要望しておきたいと思います。
#34
○後藤(達)政府委員 前回小委員会におきまして御指摘の点につきましては、全銀協が申し合わせに関する角度から具体的な調査をされるように伺っておりますが、その結果等も伺いまして、私どものやるべき点等を検討いたしましてしかるべき対処をいたしたいと思います。
#35
○荒木小委員 銀行局長さん、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。
 証券局長にお尋ねいたしますが、証券業界の二重構造と申しますか、小規模あるいは零細規模の証券業者の経営は決して楽ではない。ところが四大証券は世間の不況をよそに大変な収益を上げておる。これは本年三月の中間決算でもそのことが明らかになっております。先日の新聞報道では「4大証券稼ぎまくる」ということで、野村証券が三月中間決算で百七十九億、日興証券が百二十四億、大和が七十億、山一五十八億、こうした、世間の不況をよそにして大変な高収益を上げたということが報ぜられておりますが、株式の売買手数料のシェアでも、四社合計で、五十年の四月から八月まで見ますと、たしか四七%、約半分であります。東証の中に占めておりますシェアが、株式売買で野村一五%、これは筆頭でありますが、日興一三%、大和、山一いずれも約一〇%、もう御案内のとおりであります。私は、業界によってこれは一概に言えぬと思うのですけれども、大体不況だということになれば、程度の差はあっても業界ぐるみで浮き沈みというのが、間々世のならいでありますが、どうしてこんなに四大証券あるいは一部中堅証券が好成績で、そのほかの小規模証券は経営が苦しいのか、なぜこんなに格差がひどいのか。特に野村証券がリーダーシップでありますが、これは分野別に見ましても、たとえば証券貯蓄の場合にはシェアが五七%、財形貯蓄で四九%、大体もう半分あるいは半分以上一社が全部ひっさらっている。財形の場合なんか御案内のように、単に証券会社だけじゃなくて、信託もあれば銀行もあれば、ほかにいろいろあるわけなんですけれども、どうして一社だけでこの全市場の半分以上もとれるんだろうか、この辺について、その原因をどう見ていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#36
○安井政府委員 ただいま御指摘ございました三月の仮決算でございますが、御承知のように仮の決算でございますので、私どもいろいろ算定その他の議論はあろうかと思います。ただ、これも先生十分御承知のように、かつて昭和四十年前後の証券不況のときには、証券会社というのはなべて非常な赤字に苦しんだわけでございます。その後それぞれの証券会社が体質の強化に努めまして、やっと最近のような状態に立ち直ってきたというのが現状だろうと思います。いろいろそれぞれの証券会社ごとに、たとえばいま御指摘になりました野村証券では、むしろ株式の売買よりも、ある意味では債券の売買、債券の方に力を入れ、たとえば国債等につきましても、非常に証券貯蓄というような形での営業分野、新しい営業分野の拡大に努めていることは事実であります。
 ただ、先生の御指摘のように、それでは中小と四社との間の格差がますます開いていっているではないかという御指摘ではございますけれども、私どものところで見ておりますと、ちょうど免許制が施行になりました四十三年の九月期と確定決算のございます一番新しい五十一年九月期とを比べてみますと、株式売買高では、全体のシェアのうち、四十三年九月期には四社の占めますウエートが五二%程度であったわけであります。これが五十一年九月期には四五%程度にむしろ下がっているわけであります。他方、私どもの部内の監理関係で恐縮でありますけれども、中小証券と言っております。いわば本省所管の二十六社を除きました二百九社というものの財務局監理会社というものを見てみますと、これは四十三年九月期には二四・二%でございました株式のシェアが、五十一年九月期には二七・七%と、かえってふえているわけであります。また、純財産額で見てみましても、四十三年九月期と五十一年九月期との比較をいたしますと、この財務局監理会社の方は三四四・六%、つまり三・四倍にふえているわけでありますが、こちらの本省所管の中でも、四社のふえる率には及びませんけれども、二十二社、その次の本省所管しております会社の三〇三・八%を上回っているということであります。
 もちろん先生の御指摘は、恐らく全般的な議論ではなくて、個々の中小証券の中には、収益を上げ得ないで相当赤字に苦しんでいる会社もあるではないかという御指摘であろうかと思うのでありますけれども、それはそれぞれの証券会社が、小さい証券会社は小さい証券会社なりに経営努力を、その地域に即して細かいサービスをしているわけでありまして、収益を上げている会社もあれば、収益を上げ切れない会社もある、こういう状況にあるのかなという感じを私どもとしては持っているわけでございます。
#37
○荒木小委員 私はマクロの話を申し上げておるのでありまして、ある特定の小規模業者の話を代弁しているわけじゃ決してありません。
 数字のお話がありましたが、まあ、少しの率、パーセントの数字の動きは、これは経済、証券業界、動いておるわけでありますからありますけれども、全体として見て、四大証券はいずれも足並みをそろえて高収益、新聞報道では「稼ぎまくると、こう言っているわけであります。しかし、私どもがそれぞれ職場や店頭で聞いてみますと、決して小規模業者の経営者もあるいは従業員の人たちもかせぎまくるといったような印象は持っていないですね。頭打ち、横ばいというのですか、全体として。どうしてそういうことがあるんだろうか。いま局長言われたように、債券部門に比重を移したからといって、そんなに格差がはっきり目に見えた形でずっと継続的にますます開くような形が続くのだろうか、何か、たとえば四大証券、特にトップリーダーと言われる野村のやり方に問題があるのではないか。いままで大蔵省の証券行政として、この野村証券の商いのやり方について特に問題だと思われたことはなかったですか、警告を発せられるような事例はいままでなかったですか。
#38
○安井政府委員 個別の証券会社のことは別といたしまして、私ども、御承知のようにこの検査を、その証券会社の営業姿勢等については特に投資者保護の観点から常に見ておるわけでございまして、この検査の際に、それぞれの証券会社が必ずしも、たとえばお客の管理であるとか、お客の管理と申しますのは、信用取引をなさるお客に対しては、相当な資力を持った方でなければいかぬ、しかも、それらの方々には必ず保証金を積んでもらわなければいかぬ、いわゆる適合性の原則というようなことも言っておるわけでありますが、そういう取引をなさる方に必ずしもそうでない方を引き入れてみたり、あるいは取引のときに、俗に言う回転売買と申しますか、一つの株式をお勧めして、またそれを売ることを勧め、さらに次の株式を買ってもらうというような取引をしているケースなどを発見いたしますと、それは検査の際に相当強く指摘をし、反省も求めているわけであります。これは大証券の中にもございますし、また中小証券の中にもございます。それぞれその度合いに応じまして指摘をし、改善方を強く要望する。しかも、検査実績というものは常に記録があるわけでありまして、前回の検査に対して今回どのような改善が行われたかというようなことも事細かく見た上で指摘をしているわけでございます。
#39
○荒木小委員 私は、個々のそれぞれのやり方について非違はなかったかというふうなお尋ねをしておるんじゃないのです。数ある従業員の中に、それはそれぞれ各社によっていろんな人がおるとは思いますが、いわゆる一つの商品で半分以上もひとり占めにするようなことが普通のやり方でできるのだろうか、いわゆる野村商法と言われるものについて問題はないか、こう言っておるのであります。
 私、数年ほど調べてみますと、こういうことをやっておるのですね。
    〔大石小委員長代理退席、小委員長着席〕
これは、財形作戦でありますが、口座づくりのポイントと称して全社一斉にやらせておるのであります。新しいノーハウ、つまり古いやり方はだめだ、新しいノーハウだと言って、これは稲刈り作戦と名づけております。一本釣りじゃなくて、トロール船方式で行こうというのです。そして、たとえば学校の職場に例をとりますと、まず準備行為としては、校長、教頭さん、こういう核になる人にねらいを定めてみやげを持参する、そして、これは決して単なる財形ではありません、県が実施する財形で、通達が来ておりますでしょう、こうやるわけですね。つまり、権威づけといいますか。そうしておいて、とにかくポイントは職員会議を開かせることだ、学校の場合でありますからね。十分でもいいから職員会議を開いてください。なかなか渋っておれば、ほかの学校でもやってもらった、こう言いなさい。全部の学校を回らなければならぬからとてももう一遍来れぬかもしれません、いろいろなことを言って職員会議を臨時に開かせる。その準備行為をやりまして、その上で、先生方が寄ってくる前に、机の上に全部ボールペンと申込書を配っちゃう。そして、全部の先生が集まられたところで、私はもう二度と来れませんということをまず最初に言った上で、ほかでもこんなにたくさん申し込みをしてもらったのですと言って申し込みの束をちらつかせてぱらぱら見せなさい、もしすでにもらった申込書の数が少なければ、新しい、書いてないやつでもいいから、ばさっと束にして、さも書いてあるようにしてちらつかせなさい、こう言うわけです。そして、渋っている人には、金額は後でよろしい、とにかく名前と住所だけ書いてくださいということで、時間は五分か十分ぐらいの間に畳みかける。そして、中には組合関係だとか、少し込み入った質問をする人があれば、それは軽く聞き流して取り合わない。こういう新しいノーハウ、稲刈り作戦というのをやりまして、愛媛県の例では、従来の古い一本釣りで一五%であったのが四一・九%になった。特に過疎地で、余り情報流通が行き届いていないところでは必ず成功する、職員会議を招集させるのが決め手だ、こういうふうに言っておるのでありますが、局長は、こういうやり方が本社の方から新しいノーハウとして通達されて、そのもとに行動がやられておるということを御存じだったのでしょうか。これを容認しておられるのですか。
#40
○安井政府委員 正直に申しまして、個別の会社の個別の営業方針についてまで、私ども特に報告があるわけでございませんし、存じていないわけでございますけれども、財形貯蓄というのは、先生に申し上げるまでもございませんけれども、この委員会でも御審議いただきました税制上の優遇措置も加わっているものであります。先生に申し上げるのははなはだ恐縮なのでありますけれども、私どもとして考えておりますのは、家計からの貯蓄が流れるのが預貯金であり、貸付信託であり、あるいは証券であり、あるいは株式である、保険であるという形で家計からの貯蓄の選択が行われるわけであります。
 日本の場合にこれを見てみますと、昭和五十年の統計でありますけれども、預貯金関係、特に定期性預金に家計の貯蓄の約五割が行っているわけであります。これに対しまして、株式を含めました有価証券に対しましては一一・六%程度であります。その中で、公社債が約七%でありますが、この程度の比率しか占めていないのであります。ところが、アメリカの場合にこれを調べてみますと、定期性預金というのは三一・九%でありまして、有価証券の方が三六・八%を占めているわけであります。定期性預金が日本の五〇%に対しまして約三〇%超、有価証券の方は一一%に対しまして三六%と、非常なウエートを持っておるわけであります。
 これも先生に申し上げるのは恐縮でありますけれども、やはり所得がふえるにつれて、より安全確実な貯蓄からより有利な貯蓄へというふうに流れていくのが私は筋だと思いますし、また、それによって個人の金融資産の形成が行われるのは非常に望ましいことだと思っておるわけであります。財形貯蓄というのはその意味では、所得がふえるにつれてそういう形での個人の財産形成を進めていくということの点においては、勧め方が強制的になったりあるいはお勧めするときに事実でないことを述べたりするようなことは、これは決してやってはいかぬことでありますけれども、財形貯蓄が証券の形でふえて個人の金融資産がふえてくるということはむしろ私どもとしては望ましいことだと思っておるわけであります。財形貯蓄だけではありませんけれども、たとえば個人が国債を購入いたしますときにも、これも税法上マル優のほかにマル特という枠があるわけでありまして、これを大手の証券会社がやっておりますやり方は、そのマル特の中へ毎月五千円であるとかあるいは一万円という金を累積投資という形で集めて、それをまとめて国債を買って最も有利な方法で運用を図っていこうというやり方、これも新しい貯蓄のやり方だと思いますけれども、私どもとしてはそれは方法としては望ましい、やり方の細かいことは別でありますけれども、行き過ぎがあればもちろんこれは直さなければいけませんけれども、望ましいと思っておるわけであります。
 特に、御指摘がございました財形貯蓄についてむしろ私どもが心配しておりますのは、御承知のように財形貯蓄の中で住宅財形というのが最近非常にふえているのでありますけれども、証券会社の場合に非常に残念なことに証券会社自身が融資機能を持たないものでありますから、財形貯蓄が始まりましたときはむしろ証券会社のウエートが高かったのでありますが、住宅ローンとの関連がないために最近ではむしろ信託銀行であるとかあるいは都市銀行の方のウエートが財形貯蓄についてはふえているというのが現状でございます。
#41
○荒木小委員 ずいぶんたくさんの御答弁をいただいたのですが、私は財形貯蓄がよろしくないということは一言も言ってないのです。当委員会における質疑を通してでも、労働者の財産形成についての政府の配慮あるいは補助といったようなことについては全体としてコンセンサスになっているわけであります。ただ、それをいま言ったようなやり方でひとり占めにするのがいいか、これを聞いているのですよ。おみやげをどんどん持っていって、そして質問が出ても、うるさければ聞き流す。勤務時間中に職員会議を開いてください、こう言って、まだ申し込んでもらってもいない申込書を束にしてちらつかせて、短い間に、さあ皆さん、野村へそろって来てください、つまりそういう心理をかき立てるというやり方、そして稲刈りで全部自分のところへ取り込んでしまうというやり方がいいのか。これは財形貯蓄を一つの例として言っているわけです。
 おみやげ作戦というのがありまして、ずいぶんの品目が並んでいるのですよ、一々申し上げませんが。ビール券、レジャーセット、その他十品目以上並んでおりますが、これは民間企業の場合なら商売のことですから、まだあるいはまあまあということがあるかもしれません。これは個々の企業ごとに何を持っていったというのがありますけれども、官公庁へ行くのにビール券やレジャーセットを持っていくというのはいいのですか。商売のことですから線引きはいろいろあると思うのですけれども、そういうやり方でもって結果としますと、ここにありますが、まず大蔵省、皆さんのところでしょう、野村証券が一番たくさん集めている。これはここへどういう品物を持っていって、どなたが受け取られたか、それはこれからのことですがね。科学技術庁、農林省、通産省、自治省、全部ありますよ。全部野村がトップですよ。全部おみやげ品を持っていっている。金額からしますとそうそうあれだから目に角立てるほどのことではないかもしれませんけれども、そういうやり方で野村が五〇%以上、財形貯蓄を扱う業者が数あるのにそれを占めてしまうということをちっとも構わぬのだ、それは差し支えないんだ、こうおっしゃるのかどうか、それを伺っているのです。
#42
○安井政府委員 先ほど申し上げましたように、個別の会社の個々の営業のやり方、特に財形貯蓄についていま先生の御指摘の事実関係を私ども存じておりません。それが行き過ぎであるとすれば、行き過ぎを調べた上でこの是正をしなければいかぬかと思いますけれども、いまのような新しい形での個人の財産形成をするのは、やはり勧誘という形をとらない限り貯蓄というのはなかなか行われないわけでありますから、その方法について先生は問題があるという御指摘だろうと思いますけれども、そういういろいろな営業上のやり方、商売のやり方をそれぞれの会社が考えながらやっていくということ自身は決して責めるべきことでも何でもない。問題は、先生も御指摘のようにどの程度の行き過ぎが現実にあったかということであり、またその財形貯蓄に加入した投資者がそれによって非常に迷惑を受けているのか、あるいは先ほど申し上げましたように、強制的にやったとかあるいは事実に反することを投資者が教えられたとか、そういった問題があるかどうかというところに問題があるのかなという感じがいたします。
#43
○荒木小委員 証券取引審議会で、過当な投資誘引のやり方については論議になったんじゃないですか。私がいま申し上げているのは、そういうやり方によって市場独占、つまりそういうやり方で全市場を制覇する、こうはっきりと言っているのですよ。そういうことがやられておるとすればというふうな他人事みたいにおっしゃるけれども、全部野村の本社から出した資料にあるのです。事実に基づいてそういうことがあったと申し上げているのです。そうだとすれば、それを調べて行き過ぎておるとすれば是正する必要はないのですか。大蔵省の皆さんのところにビール券やレジャーセットを持ってきて、そして役職員が受け取って、それじゃ野村が先にやりなさい。それでいいのかと言っているのです。本当にそのことの利用者のメリットというか、そういう商品知識を、正確に的確に公正に勧誘拡大をしていくというのが本来の姿でしょう。どうも先ほどからの局長の御答弁を伺っていると、そんなことはいいんだというふうに受けとめるのですよ。いいならいいとひとつはっきり言ってください。問題があると言うんなら、はっきり資料に基づいて提起しているのですから、調査をして明確に報告をしていただきたい、こう思うのです。
#44
○安井政府委員 先ほど申し上げましたように、事実関係については私どもまだ確認をいたしておりませんので……(荒木小委員「だから調べてくださいと言っている」と呼ぶ)それは、行き過ぎであれば調査をいたしまして是正いたしますということは先ほど申し上げたとおりでございます。たとえば私ども大蔵省におるわけでありますけれども、大蔵省に現に野村証券から別に財形貯蓄の勧誘を受けたこともございませんし、またビール券などをもらったという話も聞かないものでありますから、すべてにわたってそういうことが現に行われておるかどうかという関係は調べてみなければどうも御返事のしようがないなということを私は申し上げているわけでございます。
#45
○荒木小委員 調べて返事をするのですかしないのですか。
#46
○安井政府委員 先生のただいまの御指摘がございました以上は調査をいたします。
#47
○荒木小委員 財形貯蓄だけでなくて株式の売買を勧めますね。そのときにこういうとこを言っているのです。これから株は上がりますよ。上がる理由はいろいろありますね。その中に、個人の場合は累進課税だ、しかし法人の税制は累進課税は考えられない、比例税制だ、だから企業の蓄積はますます増大する。したがって株価は上がるから、これは安定成長下における株価上昇の大きな誘因です。これはセールスポイントだ、こう言うのですが、こういう勧誘の仕方は正確なんですか。
#48
○安井政府委員 先生がそういう資料をお待ちでいらっしゃるわけでありますから恐らく事実だろうと思いますが、私どもそのような、たとえば物の経済見通しがどの程度の見通しか、今後もつかということは、投資者の一つの判断の材料として与えるのはそれ自身誤りだとは思わないわけであります。ただ少なくとも個別の株式につきまして、この株式は必ず価格が上がるから購入をしなさい、売った方が得であるというような勧め方というのは、明らかに私どもが営業姿勢について守っていただくよう指示しております通達に反するわけでございますけれども、それまた、一般論としての議論と個別の議論と少し分けて私ども検討してみなければ何ともお答えのしようがないわけであります。
#49
○荒木小委員 経済情勢の見方はいろいろあると思うのです。ただ、その情勢の見方という前に制度や仕組み自体が当然是認できることなのかどうか、比例税制だから内部留保はどんどん増大していきますということは、これは間違いないことなんですか、そういう言い方をして、だから株価が上がるんですということは。一方、今度は社内の社員教育用のがあるのですよ。これは内部留保をどう見ているか。企業規模で限度がある、こう言っているのですよ。だから自分のところの従業員には、内部留保は限度がありますよ。これは当然でしょう。
 私は、内部留保がどんどん無限にふえていくというようなことは普通じゃ考えられないと思うのです、経済変動があるのですから、企業規模によって違うのですから。そのときの情勢でそれぞれ変化があるのは当然なんです。ところがこのセールスポイントの方では、比例税制だから内部留保はふえて株価が上がる、こう言うのです、これでセールスをやりなさい。比例税制というのは当分変わらぬでしょう。われわれは法人税の累進課税を言っておりますけれども、しかし政府の方針としては比例税制でいくと言っているじゃないですか。だとしたら、比例税制が続く限りは内部留保は増大し続ける、株価は上がり続ける、こう言うのですが、そういう説明の仕方は、これは顧客を惑わすことになりはしないですか。
#50
○安井政府委員 具体的なお尋ねでございますので、どうも調査をしてからでなければお答えをしかねますけれども、比例税制だから内部留保がふえるというのは、どうも何か考えてみればおかしな話でありまして、むしろ累進税制であれば規模の小さい企業の方が留保はふえるわけでありましょうし、それから比例税制であれば、小さな企業の場合にかえって留保がふえる要因が少ないということも言えるわけでありますし、どのような形で比例税制と内部留保とをくっつけたのかちょっと判断をいたしかねますので、調べた上でお答え申し上げたいと思います。
#51
○荒木小委員 そして、そういうやり方で広げていくその目標といいますか、株価の目標値というのをそれぞれ挙げております。たとえば、これはある時点の数字ですけれども、大成建設がある日終値が三百十八円、これを当面の目標値四百一円に持っていく。清水建設が三百十五円、これを四百二十四円に持っていく。株価の目標数字を全部挙げておるのですが、これは株価操縦の疑い、懸念ということは全く考えられないのですか。どのくらいになるだろうという見通しはそれぞれ立てると思うのです、まして専門家なんですから。しかし、どのくらいに持っていくかという目標値段を出して、しかも後で相場表を繰ってみれば大体その値段になっているというふうなやり方はどうなんでしょうか。
#52
○安井政府委員 証券取引法の五十条という規定がございまして「証券会社又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。」というふうに書いてございまして「有価証券の売買その他の取引に関連し、株式その他価格の変動する有価証券について、価格が騰貴し又は下落することの断定的判断を提供して勧誘する行為」、これはいけないということを言っているわけであります。それで、これはまた大変恐縮でありますけれども、先生のただいま御指摘になりました件が、どのような形で目標値ということを掲げているのか、その辺につきましても、調べた上でないといま何とも――少しおかしいではないかと言われますと、おかしいのかなという感じもしないわけではないのでありますけれども、調べた上でお答えさせていただきたいと思います。
#53
○荒木小委員 よく調べて報告してほしいと思うのです。
 その結果どうなっているかと言えば、株式の手数料収入が五〇%以上になっている。それから法人寄りの営業姿勢というのが批判をされておりますけれども、大型店舗の主要支店の法人のシェアというのがますますふえてきている。そして従業員に対してノルマを課している。しかも特定の顧客本位で株式売買というものをずっと強制するし、それを昇進に結びつけるものですから、わずかな客に集中をしていく。
 こういったことが指摘されておるのですが、最近野村証券がアメリカのマッケンジーに依頼をしまして経営分析をやらして、その報告書が出ているんです。そこにいまノルマが課せられている。従業員に対して、一日これだけで何ぼだということをはっきり指摘をしている。目標収益四十億を初めて立てまして、そして手数料の口銭の比率からして、一日出来高何ぼに持っていかなければならぬという数字をはっきり出している。それを今度は個人個人にノルマとして割り当てて半強制的にやらしておる。ノルマという言葉をマッケンジーの報告書ははっきり書いているんです。しかも大口に集中し、おまけに余剰人員が三三%あるから、この余剰人員をどうするかということが問題だということまで言っているわけです。
 こうした労働者へのノルマ強制をこのまま続けさせるのかどうかです。これは局長、まだごらんになってないかと思いますけれども、もしごらんになっているとすれば、前々からも論議になったところですから、ひとつもう一度検討していただいて、事実を調査をして報告をしていただきたいと思います。ノルマを課するということがそのまま許されるかどうか、これは現場のやり方のいかんにもありましょうけれども、しかし普通言われるノルマということは、これは審議会でも論議をされてきたところでありますし、一般にも指摘されたところですから、局長の御意見を伺っておきたいと思います。
#54
○安井政府委員 先生もただいま御指摘のように、私企業でありますから、私企業が営業をしていく上におきまして、何らかの形での目標値を定めて仕事をしていくというのは、ある意味では当然のことだろうと思います。ただそれが、まさに御指摘のように、それだけで評価をすることによって、その結果として、たとえばお客に無理な投資を勧めたりするようなことがあっては困るわけでありまして、昭和四十九年だったと思いますが、十二月の「投資者本位の営業姿勢の徹底について」という証券局長通達におきましても、「営業に関する成績評価を改善すること」ということを言っているわけでありまして、たとえば取扱高または手数料収入高のみを基準とすることは過当競争を生ずる。したがって、それ以外の質的な内容、営業基盤拡充への貢献度であるとか投資の勧誘態度であるとかあるいは事務処理の状況等をも勘案して、その成績評価を行っていくようにということを言っているわけでありまして、それは御指摘のように、少なくともそれだけで評価をすべきものではないということは言っておるわけでございます。
#55
○荒木小委員 それで、調査して報告するんですか、しないんですか。
#56
○安井政府委員 恐らくそれだけで評価はしてないと思いますけれども、調査はいたします。
#57
○荒木小委員 時間がなんでございますから、もう一問だけお許し願って終わりたいと思います。
 私は、言うまでもないことですが、別に社内で悉皆調査したわけでは決してありません。そのうちの一部あるいは資料でなり人でなり――しかし、これはそのままフリーパスというわけにはいかないんじゃないかということで、問題提起しておるわけでありますから、本来行政の衝に当たっておられる皆さんの方で万遺漏なきよう調査して報告をし明らかにしていただきたいと思うのですが、ただそうしたやり方がまかり通り、そしてそこへ大型ファンドだとかやれユニットだとかオープンだとか、いろいろな商品が次々と認可をされていく。なかなか小規模なところは、それだけの種々雑多な商品をうまく扱ってそれをこなして、どんどん商圏を広げていくだけの力がないということになりますと、やはり証券行政のあり方として効率化だとか集中とかいうことも一つの面はあるかもしれませんが、全体として見た場合に、そういったようなやり方で果たして証券取引審議会が言っているような是正が進むんだろうか。先般も各地域の取引所の責任者が寄られて、地方取引所問題が大分論議になり、一部の地方の代表からは相当きつい発言もあったように聞いておりますが、そういういま問題になっておる地盤沈下の問題もやはりこういうやり方を是正する、問題があれば厳しくたしなめていくというところに、一つのポイントがあるんじゃないかというふうに思うわけです。
 あわせて、いま選挙直前でありますが、特に大阪の証券業界では幾つかの証券会社で、本店から営業所への連絡袋に、自民党の今度予定候補と言われております藤井裕久さんという方の経歴書や後援会申込書を入れて配付をされる。それから店頭に申込書や経歴書が置かれて、従業員がそれの取り扱いをさせられる。こういったいわゆるぐるみ選挙と言われておりますが、そういうのが私は証券会社の名前はおきますけれども、一、二ならずやられておるということが報道されておりますが、そうしたこともあわせて一番近い委員会で調査の結果を、全部わからぬかもしれませんが、わかっておる限りいまのぐるみ問題も含めて、ひとつ御報告いただくということを要望して、質問を終わりたいと思います。
#58
○安井政府委員 ただいまいろいろ御指摘がございましたが、私どもといたしましては、要するに投資者本位の営業姿勢という形で、つまり証券関係を通じて直接金融の推進という立場から、家計への貯蓄がふえていくということは望ましいことだと考えているわけでございまして、それのやり方について行き過ぎ等があれば望ましくないわけでありますから、それはいま御指摘のような点を中心に調査した上でお答え申し上げたいと思います。
#59
○野田小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト