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1976/05/24 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
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1976/05/24 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号

#1
第080回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十二年二月四日(金曜日)委
員会において、設置することに決した。
五月十三日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      池田 行彦君    大石 千八君
      鴨田 宗一君    後藤田正晴君
      丹羽 久章君    村上 茂利君
      村山 達雄君    保岡 興治君
      大島  弘君    川口 大助君
      只松 祐治君    貝沼 次郎君
      宮地 正介君    高橋 高望君
      荒木  宏君    永原  稔君
五月十三日
 保岡興治君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和五十二年五月二十四日(火曜日)
    午後一時十五分開議
 出席小委員
   小委員長 保岡 興治君
      大石 千八君    村上 茂利君
      大島  弘君    川口 大助君
      只松 祐治君    貝沼 次郎君
      荒木  宏君    小林 正巳君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房審
        議官      山内  宏君
        大蔵省主計局次
        長       松下 康雄君
        国税庁長官   田辺 博通君
        国税庁次長   山橋敬一郎君
        国税庁直税部長 谷口  昇君
 小委員外の出席者
        大 蔵 委 員 佐藤 観樹君
        経済企画庁総合
        計画局計画官  渡部 祐資君
        経済企画庁調査
        局審議官    出井 弘一君
        大蔵省主税局調
        査課長     佐藤 光夫君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   亀井 敬之君
        自治省財政局財
        政課長     関根 則之君
        自治省税務局市
        町村税課長   吉住 俊彦君
        参  考  人
        (税制調査会会
        長)      小倉 武一君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 小委員永原稔君同月十七日委員辞任につき、そ
 の補欠として小林正巳君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員高橋高望君同月十八日委員辞任につき、
 その補欠として高橋高望君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員荒木宏君同月二十日委員辞任につき、そ
 の補欠として荒木宏君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員小林正巳君同日小委員辞任につき、その
 補欠として永原稔君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制及び税の執行に関する件
     ――――◇―――――
#2
○保岡小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 先般、私が当税制及び税の執行に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として税制調査会会長小倉武一君が御出席になっております。
 小倉参考人には御多用中のところ本委員会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。只松祐治君。
#3
○只松小委員 どうも御苦労さまでございます。
 私たちが、この大蔵委員会でいろいろ税の問題について論議をいたします場合に、政府当局は、二言目には税調で審議をいたしました、あるいは税調でお諮りをいたしました、こういう言葉を使われたり、逃げの言葉にも使われておるのですが、それほど当委員会にとって税調の存在というのは大きいし、また実質上、国民にとりましても重要な存在になっておるわけでございます。
 そこで、今度税制小は初めてでございますので、若干税調のあり方についてひとつ会長の小倉さんに、あるいは直接あなたの責任ではないかと思いますけれども、一応会を代表された方でございますので、あり方等についてまずお伺いをしたいと思います。
 いつも言うのですが、私たちから見れば、多少偏ってはいないだろうか、もう少しやはり国民全般の声を聞く、あるいは税の内容から見るならば、直接税が七〇%、あるいはその中で給与所得税が六〇%近くを占める、こういう状況の中から見ていった場合に、税調審議委員の方々は、私は必ずしもそのまま税の内容を反映せよとまでは申しませんけれども、余りにも財界なり何なり偏った方々が多いのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、その税調の構成についてどういう御所見をお持ちであるか、お聞かせをいただきたい。
#4
○小倉参考人 税調の構成でございますが、これはいまお尋ねの中にございましたように、政府の方で任命なさるわけでございますので、これは名実ともにさようでございますので、私、特にこういう方針でこうなっておるのだというふうには申し上げにくいのですが、しかし、第三者的に観察しますと、いまお話にありましたように、多少、構成について適当を欠くのではないかというようなふうにごらんになる方もこれはあり得るのじゃないかと思います。実は私自身も余り税制について――余りじゃなくて、ほとんど税制についての見識が別にあるわけでもございませんし、税金は納めていますけれども、しかし、その税金の納め方だって自分自身もよくわからぬくらいなものでございますので、余り適当な委員としての資格があるとは思いませんけれども、ただしかし、直接の利害関係者等以外に、三十人の委員の中には若干の素人的な方が入っておった方がいいんだろうというふうな政府のおつもりでわれわれみたいな者も加わらされておるのではないかという気もいたします。ちょうどただいまの委員の任期はこの十月十日でございます。われわれの任命された時期と、社会、経済、政治の情勢も大分違っていますから、いまお話の点は、もしあるとすれば新しく政府が委員を任命されるときにお考えになるのだろう、こう思います。
#5
○只松小委員 まことに率直なお話でございまして、実は小委員会のあり方も余りこういうふうでなくて、円型にするかあるいは時間をぴしっと通常の委員会のように区切らないで関連質問その他を自由にさせていくような、もう少し自由な小委員会運営を私は行うべきだと思います。かつてはそういうことを行っておりました。だから、きょうは一応時間を区切ってありますからやむを得ないとして、今後の小委員会の運営に当たってはぜひひとつ小委員長の方でも相談をして配慮していっていただきたいと思います。お答えになる方もそういうことでひとつ気楽と言ってはなんでございますけれども、お互いに意見を交換する、こういう形でひとつ話を進めてまいりたいと思っております。
 そういうことで、余り専門家だけ集まっても、あるいはまた利害関係者だけ集まっても角突き合わせることにもなりますし、私なんかもそれほど税の専門家じゃないわけでございます。そういう意味で素人の方、特に会長やなんか運営をどうしていくかということが大事だと思いますので、私はあなたが不適当であるとかそういうことは全然言うつもりはございません。ただ構成全体としてもう少し納税に関連した構成にした方がいいのではないか。きょう大蔵大臣来ておりませんけれども、主税局の方でもひとつその点を十分配慮してもらいたいと思います。
 それに関連いたしまして、当然に、どういうふうな税調の運営を行っているか、ひとつ運営の中身を会長さんなりあるいは政府の方からお聞きをしたいと思います。
#6
○小倉参考人 運営の中身につきましてはだんだんと御質問によりましてお答えをいたしますけれども、私どもただいまのあれは非常に抽象的な諮問のもとに審議をしておるわけでございまして、こう言っては悪いですが、あってもなくても同じような、率直なことを申しますと諮問の言葉になっておるわけです。要するにことしも妥当する、来年も妥当するというような諮問の形になっておりますから、余り具体的な諮問ではないわけです。しかし時々に応じまして政府の考え方あるいは経済の状況が違いますから、年度年度の第一回の総会のときには大蔵大臣あるいは自治大臣がお見えになりまして、今回はこういうようなことをひとつ頭に置いて審議をしてもらいたいというような御要望といいますかごあいさつもございますので、いわば抽象的な一般的な諮問に対して各論的な説明が年度年度においてほぼあるというふうに考えていいのではないかと思います。そういうふうにあいさつがありますと、役所の方でたとえば来年度の税制改正についてはどういう問題があるか、一つは国会でどういうことが論議され、どういう要望があったか、あるいは一般の税に関係する諸団体等からどういう要望が出ておるかあるいはさらに各省からどういう要望が出ておるかというようなことも御披露になりまして、それを少し詰めまして問題を整理して、その問題の整理されたところで今度は総会で大まかな一わたりの議論を行うわけです。その後必要に応じまして小委員会でありますとか部会を開いて少し詰めていただく、その上でおおよその問題が煮詰まるあるいは方向が出てまいる。方向が出てまいると申しましても必ずしも一本の方向ではない場合もあるわけですが、それを総会に御披露する。総会でさらに御議論を経たところをまた部会なり、だんだんと月日が迫ってまいりますと起草小委員会、こういうふうなところでそれを詰めて一応の案ができますれば総会にお諮りして最後の答申の段階に入る、こういったのが従前からのおおよそのやり方でございます。
 最近で申しますと昭和五十年代前期経済計画が昨年できましたので、それに伴って財政収支試算も昨年国会に提出されるというふうなこともございましたので、そういうような経済計画、財政収支の試算を頭に置きながら、その説明を聞きながら、来年度をどうするということでなくて中期的な税制のあり方をどうしたらよろしいのかということについて昨年の春から秋にかけまして審議を重ねたわけでございます。できれば昨年の年内でもおおよその見当がつけばいいというふうに頭の片すみでは思いましたけれども、それは時間的に間に合いませんでしたので、一部会、二部会、それぞれ審議したところを中間報告として総会に報告をするということにいたしまして、その中間報告については国会の委員の先生方にも御配付になっていると思いますが、引き続きまして本年度の税制改正についていかにすべきやという審議に入ったわけであります。この審議の結果等についてもすでに御承知かと思いますが、以上のようなのが大体税調の審議のやり方と申しますか中身の概要でございます。
#7
○只松小委員 年間に、たとえばいまから十月までとするならば大体全体会議が何回、小委員会が何回開かれるか、会長さんでわからなければ事務当局の方でも結構ですからひとつ御答弁願います。
#8
○山内政府委員 ちょっといま手元に正確な数字がございませんので直ちに調べました上で御報告させていただきます。
#9
○只松小委員 後で細かい資料があればあれですが、おおよそで結構です。
#10
○山内政府委員 大ざっぱなことを申し上げますと、大体国会が終わりました直後あたりから審議をお始めいただきまして、夏八月は大体恒例として休暇で休んでおりますけれども、十二月の年度答申の時期まで含めますと、その間比較的審議の速度の緩いときには月に一、二回程度、それが忙がしくなってまいりますと毎週大体一回は開催をお願いいたしております。なお十二月末の年度答申の一番忙しい時期になってまいりますとほぼ連日十日前後にわたって御審議いただくということもございます。
#11
○只松小委員 運営に当たる事務当局は専属の人がいるのですか。いれば何名ぐらいでどういう働きをしておりますか。
#12
○山内政府委員 名目的にはこれは総理大臣の諮問機関でございますし、事務当局は総理府でございますが、実質的には租税の問題でございますので大蔵省主税局の総務課と自治省税務局府県税課とが分担をして庶務を行っております。これだけに専従している職員というのはございません。
#13
○只松小委員 これだけに専従している職員はいないのですね。私が一番最初簡単に申しましたように、討議をすると、税調にお諮りをしている、それから税調の諮問の結果を得てと、こういうことが議事録をごらんになりましても常に使われるわけですね。そして、いま概要をお聞きいたしますと、大体私は知ってはおるわけですけれども、委員の方は専門家でない方もおいでになることは当然でございますが、いわば抽象的な形から入る、逆に言うならば具体的な問題はほとんど大蔵当局から出されておる、こう言っていいだろうと思う。それから、その事務に至っては、いまお答えがあったように会長秘書もいなければ専属の者も一人もいないで、大蔵当局のいわば恣意のままにされておる、こういうことだと思うのですね。
 そうすると、いままで私は、これも常々思ったのですが、とにかく税調がそれだけの権限があり、それだけの重大なものであるならば、当然にそこにやはり専従の職員なり調査機能なり独自のものがあってしかるべきだ。日本の国会のあり方においてもそういうことがよく言われまして、アメリカあたりは、必要だ、私はこういうものを調査したいと言えば十人でも二十人でもスタッフが雇える、そして行政当局に対決できるというのがアメリカの議会制度であるわけです。ほかの各国でもそういうものはよく見られます。日本の場合にはそういうものはなくして、とにかく国会議員に働け働け、国会議員何しているのだ、政治家は何しているのだ、そう言っては何だけれどもマスコミは年がら年じゅうたたく。それはさておきましても、やはり税調が、いまお答えいただいたように、とにかく調査のスタッフが一人もいない、あるいは事務整理をするスタッフが独自の者が一人もいない、そういうことで、大蔵当局と、地方税制のときには自治省から出向いてくる、こういうふうな形でやっても、総理大臣の諮問機関として大蔵大臣と並び称され、あるいはその上に立つといいますか、独立の大きな権限を与えられながら実質はやはり大蔵省の隷属機関に化しておる、こういうことを言っても私は過言でないと思う。だから、ぜひひとつこの際、まあなくすれば別ですが、いまの状態でなくせやしないでしょう。また税調がりっぱになれば、その役目も私はあると思うのです。したがって、りっぱにしなければならないわけですから、少なくとも税調独自のスタッフを持つ、調査機構を持つ、少なくとも会長は会長直属の事務処理をする、そういう者を置くべきだと思います。それから、たとえば国会なら国会でこういう論議したのも大蔵省から報告を受けるのは当然でございますが、正しい報告をしているかどうか独自に議事録等をごらんになって見ていく、こういうことを必要とするのが独立した税調機関のあり方だと私は思うのです。
 いままで私たちも、その委員の構成については若干触れて論議したことがありますけれども、運営についてまで論議したことはございませんし、まして事務当局のあり方等についてまで触れたことは私もありません。いろいろなことで私このごろ考えて、どうもおかしいおかしいというようなことを考えてくる面が、後でもお聞きしますがいろいろあります。そういうことを突き詰めていけば、やはりこういう本質的なところに問題がある。ただ形式だけ税調委員をお願いして、そこの独自の機能というものは持っておらない。これが一つの大きな問題点だと思います。ぜひそういう意味で、独立の機能を果たす税調としての責任を果たしていく、そのためには当然スタッフを必要とするということ、小倉さんどういうふうにお考えになりますか、お聞かせをいただきたい。
 それから、それに伴って大蔵当局も、ただ単なる諮問機関、まあ、ますらお派出夫なんて言えば怒られて大変だろうと思いますけれども、派出夫的な存在ではなくて、やはり税調として独自の機能を発揮させる、そのためには大蔵当局はどういう態度をとるか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#14
○小倉参考人 ただいまの御質問というか御意見の点も多かったと思いますが、政府関係の諮問機関いろいろございますが、終戦直後は多少毛色の違ったものもあったかと思うのです。いまお話しのように、たとえば事務局のある、固有のスタッフのある審議会みたいなものがあったと思います。いまでも行政委員会になれば当然これは普通の行政庁から独立して固有の事務局があるわけですが、諮問機関でも何か終戦直後には一、二そういう例があったかと思いますが、どうも現在は恐らく政府の諮問機関あるいは建議機関は固有の事務局を持たないのが通例になっておりまして、それが当然のことで、あたりまえのことだというふうになっておるようでございます。
 しかし、つらつら考えてみますと、あるいはそうでなくとも、政府から完全に独立して、行政委員会みたいに完全に独立というわけにはまいらぬけれども、そういう意味においては政府に従属するのだけれども、しかしやはり固有のスタッフを持って、固有の意見を立てて、それに基づく立案をしてみるというような、そういったような審議会も多少あってもいいのじゃないかと私も思います。仮にそういうようなことをお認め願うと、税制調査会みたいなものはそういうことにある程度適するじゃないかという気もいたします。ただし、その運営が非常にむずかしくなると思います。主税局あるいは税務局、そういう大蔵、自治両省の事務スタッフというのは相当有力にあるわけですから、それと独立して固有の調査をし立案するということになると、今度は役所と税調との間の調整ということがちょっと骨の折れる仕事になる。現在、政府・与党の税調との間の調整というのは、私はどの程度苦労があるか推察はつきませんが、これは行政当局でやっておられるのですけれども、それにちょっと似たような、ちょっと似たと言っては悪いのですけれども多少一脈相通ずるような問題がまた別途に出てくるというおそれがあって、さてその辺をどう考えていいんだろうかと、突然の御意見なり御質問でございまするので、にわかに結論的なことは申せませんけれども、いまの御質問に関連してちょっと感じましたことを申し述べた次第であります。
#15
○山内政府委員 その前に先ほどの回数の点について御報告いたしますが、五十一年の六月から五十二年の一月までの間に大小取りまぜまして二十三回会合をお願いしております。(只松小委員「大小で二十三なら大は幾ら」と呼ぶ)総会が六回、それから合同部会が一回、第一部会が六回、第二部会が五回、臨時小委員会が五回でございます。
 それから、ただいまの御意見に関する問題でございますが、私どもが税制調査会に一番強く期待をいたしておりますのは、個別の技術的な問題点、あるいは執行に関連をいたします、ある意味で言えば玄人でなければなかなか議論がしづらい点、そういった点ではございませんで、やはり国民全体が税金、税制をいかにバランスのとれたものとして常に改善をしていくかということに関連をいたしまして、非常に高い意味でのバランスのとれた納税者としての感覚と申しますか、あるいは税制だけでなしに、それ以外の経済でありますとか政治でありますとか、そういった広い分野の知識を背景に控えたところの税制に対する物の見方とか、そういった点をいわば太い筆をもって描いていただくということがわれわれとしては一番期待をいたすところであります。そういう観点からいたしまして、先ほど委員からもちょっと御指摘がございましたが、われわれといたしましては、私どもなりに税制調査会のメンバーの構成も、それにふさわしいような形を常日ごろ検討、研究いたしてまいっているわけであります。
 試みに申しますと、先ほども御指摘ございましたけれども、定員三十名の委員の方々の中で、いわゆる産業界、そういった部面に籍を置いておられる方は二名でありまして、あとは金融とか証券とか、そういったいわゆる財界に属する方はそれ以外にございますけれども、大体その程度のものでございます。それから別途、学者でありますとかジャーナリストでありますとか、私どもが期待をいたしておりましたようなそういった御議論を願うにふさわしい方をお願いいたしておりますのもそういうことからきているわけでございますので、私どもといたしましては、そういった意味の調査会を形を変えまして、いわば税制に関して主税局なり税務局なりが研究、構成をいたしますのとまた全然別の立場から、同じようなスタンドポイントに立って機構を構成するということにつきましては、これはかなり慎重にやらなければならぬのではないかというふうに感じております。
#16
○只松小委員 大局は、大体のことはわかっているんだから、細かいことの答弁はいいですよ。
 基本的なあり方についていまお尋ねなり意見をしていって、さっきから言っているようにスタッフが一名もいないということで、そんなことは極端に言えば、言い方は悪いけれども、ロボットじゃないか。しかし、何かぼくらがここで討議すれば、二言目には税調に諮って、税調の答申を得てと、ばかの一つ覚えみたいに言うじゃないですか。じゃ、今後は、少なくとも私が質問したら、あなたたち、まともに受けて立ちなさい。いいですか。税調にお諮りして、税調の答申を得てと、経済やら高度のバランスのとれた意見程度を税調に求めるんだったら、私たちがこの委員会で質問するときはもろに大蔵当局が受けた答弁をしなさい、いいですか、いまみたいな答弁をするならば。これは大変税調を侮辱したことですよ。
 きょうは時間がありませんから、あしたも私はフリーでまた質問をやりますから、あした引き続いてあなたたちと討論してもいい。要するに、いままで私たちが理解している範囲内においては、税調には相当高度の意見が諮問されておる。同時に、具体的なものがやはり討議されておる。そして、税調が中心になって大蔵当局に提言をしている。こういうことがいままで伝えられている。ところが、いま聞きますと、実質上一人のスタッフもいない。ただ、会長が言われるように、いきなり調査能力まで全部を持ったスタッフをそろえるか、あるいは与党なり大蔵当局と連絡調整に当たる、そういう程度のスタッフから始めていくか。それは予算もありますし、人材もありますし、いろいろあるだろうけれども、とにかく一人もいないということは、これはけしからぬことですよ。私たちは秘書は国会で二人認められて、自分でもおったりなんかいろいろしておりますけれども、とにかく一人もいなければどうにもならないですよ。委員さんが出てきて、ただそこでおしゃべり、と言っては失礼だけれども、出された文書を見て多少の意見を出す、まとめる作業も何も全部ほかの者がする、どういうふうにまとめられたか何かは後で結果で見なければわからない、余り物も言えない、そういうことではこれは委員会としての体をなすものではないと思う。だからぜひひとつ、これは会長からも――一体どの程度のスタッフを置くかは、財政との関係もあります。しかしこれだけ大事な問題ですから、後で内容について若干入りますけれども、何と言ったっていまから税制以外に大変なことはないですよ。それを全部税調に諮ってやるとあなたは言っているのですからね。それにスタッフが一人もいない。そんなばかなことがどこの世の中に常識的にありますか。だからひとつ、ぜひ早急にスタッフを考えなさい。それが第一点。
 そういう状況の中でありますけれども、いまどんな問題を御論議なさっておるか。さっきもちょっとお触れになりましたけれども、昭和五十五年度には三十五兆円の税収を見込む一つの試案が出されました。そして赤字公債はなくしていきたい。私たちは赤字公債と建設公債の見分けなんかつかないということで、一番最初から言っておりますが、一応ともかく建設公債は出すけれども赤字公債は出さないというもとに、昭和五十五年に三十五兆円の税収を目標とした中期計画が少なくとも国会に提出をされた。これは大変なことで、昨年度の税収の十八兆円の約倍になるのですね。四年そこそこで倍の税負担を国民がしなければならないということになるのですが、どういう作業をおやりになっておるか、ひとつお聞かせをいただきたい。
#17
○小倉参考人 いまの財政収支の試算が国会に出されましたのはいつでしたか、三月三日でございましたか、実は、妙なことを申しますとしかられるかもしれませんが、税制調査会としてはその試算にはまだお目にかかっていないのです。お目にかかっていないというとおかしいですが、新聞で見たりあるいは個々には送付を願っておるのですけれども、税制調査会としてその説明をまとまってお聞きしたことは実はございませんのです。国会開会中ということもありますし、またちょうど本年度の税制改正を国会で審議を願っているさなかでもございまするので、税制調査会は開いておらないわけでございます。したがいまして、税調としてそこをどう考えるかということになると、ちょっとこれは、私、気分的にお話ししにくいのであります。
 しかし、その試算にあらわれましたような数字ですね。たとえば、お話のような三十五兆を超えるような税収が五十五年度でございますかに期待されるというか、そういうことでないと特例公債から脱却できないというようなことは、これは大変重大なことでございます。そこで、この試算も、税制調査会の今後の審議におきまして重要な一つの参考資料としていろいろのことを研究しなければならぬと思います。
 実は、この点はお話をすることもないと思いますが、昨年やはり似たような試算が出ておったわけです。昨年よりはもう一つ深刻な事態だということを今度の試算は示しておるようでありますが、昨年の試算に基づきまして先ほど申し上げましたような、もう一つは、五十年代前半の経済計画、それから昨年のこの財政収支試算、これを踏まえまして中期税制のあり方いかんということで、昨年約半年ばかりかかりまして審議をいたしたわけでございます。したがいまして、本年度仮に近く税制調査会が再開されますと、昨年の一部会、二部会で分担して審議を進めてまいりました経過と、さらにこの新しい財政収支試算、それにまた、本年度の税制改正等をめぐって国会でいろいろ御論議のあったところなどを踏まえて審議を進めるということになろうと思います。いずれにしましても、今後の財政をどう持っていくかという中での税収をどうするか、どう持っていくかということについて、非常にむずかしい、困難な問題が控えているということをあの試算は示しておる、こういうように私は理解しております。
#18
○山内政府委員 最初の御質問のことでありますが、先ほど私が専従をしておる職員は一名もございませんと申し上げましたが、これはいわゆる調査会の庶務を担当いたしております職員といたしまして、これだけに専従している職員はございませんと申し上げた次第でございます。したがいまして、これはもう釈迦に説法でありますけれども、主税局というのはせいぜい百名程度の比較的小さい局でございまして、この主税局におきまして、国税に関する税制を税制調査会に御議論願いますにつきましては、資料を整理いたしましたり、問題点を集約いたしましたり、あるいはわれわれの物の考え方を御説明いたしましたりということのために、税制調査会をやっていただいております期間におきましては、主税局のきわめて大きい精力をそれに割いて勉強さしていただいております。
 なお、そういう状態でございますので、国会開会中は、主税局といたしましては国会の方の御議論に対するお答えその他でかなりその精力を割かざるを得ませんので、その関係で国会中は大体税制調査会を開かないという慣例にしております。その関係もございまして、三月三日にお出しいたしましたものは調査会としてはまだ御議論をいただいておりません。
#19
○只松小委員 聞かぬことは言わぬでもいいし、主税局が手伝っているというそんなことは、あたりまえのことは知っているよ。調査会に専従が何人おるかということを聞いておるんだ。税調には一人もいないならいないでいいんだよ。だからあなた方に隷属していると言っているんじゃないの。大蔵の主税局に税調は隷属しているんだ、こう言っているんだよ。あなたたちがスタッフを割いてしておれば、あなたたちの言うとおりになっているんだから、そのことをぼくはついているんだよ。わかる。あなたは裏づけしているようなことを言っているんだよ、どろぼうしましたと。言葉は悪いけれども。
 話をもとに戻しまして、とにかくそういうふうで、多少去年おやりになったとしても、ことし新たに予算委員会――私がその質問をしたときには出されなかったのですが、大蔵大臣は当委員会に出さないで予算委員会に先に出した。そのために、私に対して大蔵大臣はわび証文を読み上げている。大蔵委員会に出さないで先に予算委員会に出したのは申しわけなかったと正式にここで坊大臣はわびをいたしたわけです。要するにことし新たにそういう資料が提出されたわけなんです。それを税調関係者は、中身はそこまで詰めていないだろうと思いますけれども、少なくとも会長さんぐらいまでにはこういう方針で行きたいというのは――時間がありませんからそこまでの論議はいたしませんが、一四%、名目一七、八%の経済成長をしておったときでも伸びないこの税の伸びというものがある。二二、三%、低いときでも一八%ぐらい、いまから三年間ぐらいは税収を伸ばしていかなければならない。このことは、いまの税体系でいきますと全く重税を課さなければならない。結果的には重税ですけれども、今度はいまの税体系と異なった税体系にしていかなければならない。これもいろいろ論議をしまして、法人税や消費税に移行せざるを得ないだろう。こういうことも大臣から答弁があったし、この委員会で論議をしている。したがって、それもまた税調に諮るというそのときの答弁もあったわけですが、国会の最中だから開いていないということですが、多少の連絡なりそういうことぐらいあってしかるべきだろうと思うのです。私が税調の会長なりを引き受けておれば、何だと言いたくなるだろうと思うのですよ。あとは作業で三十五兆円に見合う、三年間で約倍になるやつをつくりなさい、こうやったわけですからね。これはぼくは大変なことだと思うのですよ。そこで、どういう作業をお進めになっていますか、こういうことを聞いたのです。作業を進めていないということで、いまからどういう作業をお進めになる予定ですか、予定をお聞きしたい。
#20
○小倉参考人 作業といいますか、無論作業は当然伴うわけでございますけれども、六月中にでも税調を再開していただいて、先ほどの試算なりあるいは国会の論議なり等を御披露願って、作業の仕方あるいは進め方を税調として相談をするということになると思います。恐らく去年いたしました、一部会、二部会に分けまして、一部会が所得課税、二部会が資産課税、消費課税というふうに分担をして審議を進めましたけれども、その形を踏襲しまして、六月から七月、あるいは八月にかけて部会としての討議を進める、その際、所得税あるいは法人税あるいは一般消費税、さらには富裕税等々があるかと思いますが、そういうものについて一々考え方なり問題点を洗うための作業を役所の方で進めていただくとともに、方向づけを一部会、二部会を通じて出して、その上でおおよその問題点が煮詰まれば九月には総会を開いて議論の集約を図るというようなことに恐らく段取りとしてはなるのではないか。と申しますのは、先ほどちょっと申しましたように、税制調査会の委員の任期が十月十日でございますので、十月十日にある程度切りをつけておかないと、相当人がかわるとしますと、また新規まき直しということになりますと時間的なロスにもなるということでございますので、できれば現在の委員の任期中に中期税制の骨子というようなものは審議をするというのが税調としてはやむを得ないといいますか、望ましい行き方ではないか、こう思います。役所の方がどういう段取りで考えられるか、また別の御意見があるかもしれませんけれども、私としましてはただいまそういうような感じでおります。
#21
○只松小委員 私が申し上げるまでもなく政治情勢が御承知のように与野党伯仲している、そういう結果、異例とも言われる本委員会、予算委員会で給与所得税の大幅減税がありました。こういうところから見ても、来年、再来年、その後、一、二年、三年で給与所得税が大幅に引き上げられる、こういう状況はなかなかないだろう。そうすると、大きな税制としては法人税と消費税である、こういうことに当然なるのだろうと思います。法人税といえども財界がなかなか抵抗するだろうと思うのですね。そうすると、勢い消費税、俗に言われている付加価値税というようなものの新設ということが予測される、予見されるといいますか、移行せざるを得ないのじゃないか、常識的に考えまして。私たちはどうしてもそういうふうに考えざるを得ないわけです。そこまでの作業はもちろん進められておらないわけでございますけれども、そういうふうに私たちの感じとしてと申し上げているように、会長だからよけいに重要ですから、うかつに言えないかと思いますが、しかし、理論的に追っていってもそこに行きつかざるを得ないのではないか、感じだけではなくて。会長さんとしてどういうふうにお感じになりますか、そこいらの感触をお聞かせいただきたい。
#22
○小倉参考人 ただいまお尋ねの中にございましたように、所得税の増税というのはなかなかむずかしい、こういうことであれば法人税あるいは一般消費税だ。法人税についても、こういう企業の収益の状況、一部高収益を上げている企業もあるようでございますが、一般的に言うとなかなかそうでもないようでございますので、企業からそう税金をいただくというわけにもいかぬということになると、これは一般消費税ということになる。そこでとまればいいのですが、一般消費税になるとこれまた、さて、こういうときに一般的な消費税でもって税負担をお願いするというだけではちょっと済まないのではないか。また、そのこと自体もやはり問題が起こってくるということになると、また所得税に戻って、じゃ所得税でお願いしようか、こういう話になりかねない。現に昨年の税制調査会での一部会におきましても、大幅な増税といいますか、相当の増税をお願いしなければならぬときはやはり所得税ということになるのではないかというような御意見が、特にたしか学者の先生方を中心にしての御意見としてあった次第であります。無論これは一部の御意見でございますけれども。
 そこでただいまのところ、所得税、法人税、一般消費税と仮に三つの大きな税の項目で考えますと、どれに重点を置いてやっていくんだという感触は私どもとしてまだ実は得ておらないわけでございます。いろいろな御意見を拝聴し、また今後の経済の推移を見まして判断しなければならぬのではないか、かような感じでおります。
#23
○只松小委員 先ほど国会の論議の報告も受けるというお話がありましたが、私たちが一般の委員会において行っておる、たとえば私が男やもめという問題を出しました。主税局長は、十月までの間に税調に諮る、こういう答弁をしておるわけであります。政府から御連絡なくても新聞等に書いてくれましたから御存じだと思いますが、こういう国会で討論されたことというのはぜひひとつ、主として野党が提案するわけです、与党のとは異なります。したがって、大蔵当局から――そこいらにも私はスタッフの問題等も言っておるわけですが、大蔵当局が出してくる案だけではなくて、国会において論議いたしましたいわゆる国民の声を反映した、そういう問題についてもぜひひとつ取り上げてもらいたい。そして、減税なり新税の問題について実行していってもらいたい、こういうふうに思いますけれども、大体報告を受けているということでございますが、時間がございませんから、ひとつぜひお願いをして、次の問題と並行してお答えいただきたいと思います。
 また、そういう問題の中で、参考人で前の全銀協の会長、中村さんにおいでいただきました。そのときに、いままで全銀協あたりも利子あるいは配当課税というのは分離課税が正しい、こういうことを繰り返しおっしゃっていたわけなんですが、私との意見交換の中で、理論的には総合課税の方が正しい。これは大変にありがたい言葉といいますか、当然であるか知りませんが、おっしゃったわけです。いわば税制の場合、先ほどから申しますように約あと三年で倍くらいの重税を課していかなければならないというときの大前提は、そうでなくてもそうですか、何といいましても税の公平だと思うのです。
 ところが今残されている大きな問題として、あるいは基本的な問題として利子配当、この利子配当が分離されているために、その人の財産がとことんまで追及されていかない。どこかで必ずしり切れトンボになるのですね。全部が総合課税になりますと、このような隠匿財産というようなものはなくなってしまうのです。いま日本の税制の一番恥部とも言うべきものは利子と配当の分離課税にある。このことは理論上明らかである。理論上はやっとお認めになりました。だが、実際上はなかなか全部利子を税務署、国税局に通知したりなにかするのは容易じゃありません。確かにそれはそうだと思います。いろいろ技術上の問題はあると思いますが、この利子配当の問題あるいは世上騒がれております医師の課税の問題、こういう問題が幾つかまだ残っておると思うのですが、こういう問題については、今度は決着をおつけになる。大蔵大臣は決着をつけたい、こういうことも言っておるわけですが、大蔵省は別にいたしまして、税調の方としてこういう問題に対していかなるお考えをお持ちですか。
#24
○小倉参考人 お話しのように、いわゆる不公平税制あるいは租税特別措置の合理化といいますか、整理、これは税調としてもあるいは政府もそうだと思いますが、大方針でございます。まだいろいろなものが残っておるし、やり方も緩慢ではないかというおしかりを受けるかもしれませんが、役所としてもあるいは税調としても精いっぱいやっておるつもりではあるわけです。具体的なお話の利子の分離課税等につきましては、お話しのように総合課税に移行すべきだということについては大体大方の意見が一致していると思うのです。税調の中ではむろんですが、いまのお話しの全銀協の会長さん方も最近はそういうふうなことをおっしゃっておるらしいです。
 そこで、実際問題としてそれではどうしたら総合課税ができるのだろうかという、いわば実務的なことになるかと思うのです。これを実務的にこなすというのは、やり方によるのでしょうが、私も詳しく存じませんが、大変どうもむずかしいということを聞いているわけです。できるかできないか、当てずっぽうみたいなことを申しますと、とにかく一遍税金を納めてもらって、その上で返すものは、とりあえず利子は返すというようなことに考えてしまえば非常にうまくいくのじゃないかと思いますが、そういうことをする場合の手数は一体どれくらいかかるのか、これもちょっと見当がつきかねる点もありますし、あるいは納税者番号というような別の考え方もあるかと思いますが、これまたいろいろな問題点があるというわけで、恐らくこういう点の実務的なこなし方というのがこれからの税制改正についての一つのポイントになるかと存じます。
#25
○只松小委員 そうすると、理論的にはそういう不公平税制をなくしたい、できれば今年度から取りかかりたいということだと思いますが、よろしゅうございますか。後は実務的に主税局なり国税当局とどういうふうにするかということの検討をしたい、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#26
○小倉参考人 さようでございます。
#27
○只松小委員 それから、たとえば、私もいままで余り予測していない、皆さん方もあるいは考えておられないかと思いますが、脱税の大きなものに財団というものがあるわけです。たとえば、これもまたあした私は突っ込んでやろうと思うのですが、会長さんから意見だけちょっと聞いておきたいのですが、石橋さんの遺族が今度九十七億ぐらい遺産相続されたわけです。ところが三千六百万株の株をブリヂストンないし石橋財団に寄贈されました。これを時価に評価いたしますと、百九十七億ぐらい。七五%の課税をいたしますと、これが百四十七億ぐらいになる。いわゆる百四十七億の合法的な脱税が行われております。石橋さんとしては脱税したわけじゃありませんが、国民の側から見れば税収不足になったわけです。それだけではないのです。二重の脱税というのが行われる。以後ここから出てくる果実、配当その他の収益というものは、現金であれば利子、こういうものは全部財団に行ってしまうのですね。そこからも利益が取れないわけです。
 これがどれくらいあるかと言いますと、公益信託制度研究会の調査によりましても、財団法人が約八千あるわけです。学校法人や社会福祉などを含めますと総計二十万件。したがって、その金額たるやまさにはかり知れずというわけです。その上に財団法人というのは一定度以上の設備なり金額がないとだめです。わずかな人は、今度は公益信託というものをつくろうということで、いまこれが進められて、すでに審議の過程を終わっております。この公益信託の場合、現在は課税されておるわけです。課税された後のものを信託しているのです。これはいいと思うのです。したがって、今度いまの財団法人と同じように、百万や一千万や一億のわずかなものを寄付するものも全部免税措置をしてもらいたい。これは遺産相続もそうですか、生前贈与の場合もそうです。こういう運動がすでに起きているわけですね。当然にそのときも税金がかかりませんけれども、それから出る株の配当その他に対しても税金が取れない、こういうことになる。これは徴税面からするならば大きな遺漏が今後生じてくる。いわゆる資産関係で税金というものは極端に言うならば一銭も取れない、こう言ってもいい。税理士さんと相談しても、いままでは大法人や大金持ちでないとなかなか財団を許可しなかった。これも文部省だけで千五百、厚生省で三百二十六だったですか、都道府県や何かを合わせると、全部で財団約八千、さらに全体のものとして二十万件になる。この金額をひとつ、国税庁が把握しておるか、大蔵省が把握しておるか。私は資料としてこの総財産、それといま一つこれに生前贈与あるいは遺産相続を行った場合に得べかりし税額、私から言えば脱税額というものが幾らであるか、なかなか容易でないと思いますが、調査できる範囲の資料を提出いただきたい。もしこれができないとするならば、皆さん方行政当局はきわめて怠慢である、幾ら脱税されたかそれがわからない、そういうばかな話はない。われわれが年じゅう言うように、勤労者からは一〇〇%取り、あるいは中小零細企業からは苛斂誅求をする。例を挙げてもいいけれども、きょうは時間がないから挙げません。
 しかし、大法人のものはこうやって、単に生前贈与、遺産のとき、これの脱税を認めるだけでなくて、その後出てくるであろう配当や利子、こういうものも全部非課税措置をとっておる。そして安定株主というものがそこに生まれてきて、歴代日本の社会が何で封建制が根強いかと言うならば、出光は出光、あるいは西武は堤なら堤、東急は五島なら五島、全部そうやって歴代の人が――皆さん方の息子がいかに優秀であっても社長にはなれない、副社長どまり。全部社長は子々孫々に残していく。ここに日本の大きな資本主義の封建制というものを温存されておるわけだ。
 そのことはきょうはさておきまして、とにかく税収面から大きな脱漏というものがここに生まれてきておるし、今後も生まれる、こういうことが私もいろいろ勉強したら明らかになった。税調会長さん、ひとつこういう点に関しても、これはいままで取り上げられなかった、論議されなかった面ですけれども、私はこれは租税特別措置に匹敵する莫大な金というものがここから見出し得ると思うのですが、いかがお考えでございましょうか。
#28
○小倉参考人 お尋ねの中にございましたように、私ども――私どもと言っては語弊がありますが、実は財団の問題について、お話のような、当然納めるべき税金が納められないで済まされておるというようなことが多少ありましても、そう膨大なものだというふうには必ずしも思っていなかったわけですけれども、御質問にありますようなことだとすると、これは税調としてもある程度調べて審議する必要があるかと思います。無論財団の中には、同族的財団と言うと語弊がありますけれども、同族財団というようなものと、一般的な浄財を集めてやっていく財団、いろいろあると思いまして、一様にはいかぬと思いますが、その辺をどう仕分けするか、問題もあると思いますけれども、もし資料などございましたらひとつお示しを願って、私どもも勉強したい、こう思います。
#29
○只松小委員 まだ質問したいことがあるのですが、二時までで、開会がおくれましたので、どうぞ会長さん……。
#30
○山内政府委員 先ほどの資料の件でございますが、これまた委員には釈迦に説法でおしかりを受けるかもしれませんが、基本的に公益法人に関しましては、収益事業をいたしておりません限りは課税対象から外しております。そういう関係で、そういったものにつきまして、主税局または国税庁においてどの程度うまい資料がとれるかということについては、やや日にちがございませんわけでございますが、なおまた委員のいろいろなサゼスチョンをいただきながら、勉強させていただきたいと思います。
#31
○只松小委員 もし中途半端であいまいであるということであれば、私がかつて、土地の権利、これに対してほとんど課税されておらないじゃないか、土地の売買によっては課税は生じてきておる、しかし権利譲渡の場合は登記上出てこないから、あるいは裏金でやるから、ほとんど出ていない。これも植松君が所得税課長のときに私の提言によって土地台帳をつくりまして、それでそれは捕捉されたわけです。だから、あなたたちが努力さえすれば――それはいままでなかったわけですからね。国税当局には何もなかった。しかし、それはちゃんとつくれば、できるのです。これだって調査して把握すれば、そんなに大金持ちが年間何万人と死んでいるわけではない。そのくらいのことは、調査すれば、あなたたちの調査能力をもってすればすぐできるわけです。そういう中途半端な答弁をしないで、ちゃんとした資料を出しなさい。委員長、要求しておきます。
#32
○山内政府委員 御指摘はわかるような気がいたしますが、繰り返しになりますけれども、本来はこういう財団法人に対する監督権限はそれぞれ主務官庁がございますので、私どもといたしましてはやはり主務官庁と協力をいたしながらそういう調査をやらなければならないかと思います。その場合に各本省が監督権限を持っておりますものについては比較的早くわかるかと思いますが、地方団体に移譲している部分もございますので、その辺のところになりますとかなり時間がかかろうかというふうに考えますが、その辺さらにいろいろ御相談をさせていただきながら勉強してまいりたいと思います。
#33
○只松小委員 地方もあることはそのとおりでありまして、ひとつそういう人でも、今度は課税面から見れば確かに脱漏になっているわけです。今後、果実から生ずるものは脱漏になるわけですから、そういうものは一体どのくらいあるだろうという推定なり何かぐらいはしていいし、それから捕捉ぐらいはしなさいよ。そういうところの大きいところはしないでおいて、細かいところばかりいじくり回してするということはやめなさいよ。いまから一、二言いますけれども。
 そこで今度は細かいことに移りますけれども、青色申告会が非常に数が多くなってきている。そういう中で事業主報酬のみなし法人課税制度というのがあるわけで、来年で切れます。来年以降、ひとつ租税特別措置ではなくて本法に入れてもらいたい、こういう要望がたびたび出ておることはすでに御承知だと思いますが、それで、この中身は時間がありませんから詳しく言いませんが、一生懸命にやっているところはまた順調に伸びているのですね。もうどうせ五十三年でやめるのだからだめだと言って妨害が入ったり、ある政党あたりがほかのことでやったところは、していませんけれども、まじめにやっているところはやはりずっと伸びていますね。私は、した方がいいのではないかと思うのですが、そこいらまで行こうかと思ったけれども、会長さん、お帰りになりましたが、ずばり、主税当局、どういうふうにお考えですか。
#34
○山内政府委員 実はその点につきましてはまだ私どもとしても結論を得ておりません。ただ、この制度ができます際には、委員十分御承知と存じますけれども、いわゆるみなし法人制度を採用しようとする個人事業主と、それからそれに対しまして片やサラリーマン、片や法人格を持っておりますところの中小法人、その三者の負担のバランスをどういうふうな点で図るかということがこの制度のそもそもの問題点であろうかと思います。現在の制度を導入いたしました際も、従来はそのバランスを法人、個人という基本的な私法上の截然たる区別によって判別をしておりましたものを、法律的には個人でありながら実体は法人と同じような課税をするという意味でひとつ大きな線を踏み越えたわけでございますが、その踏み越えた踏み越え方が果たしてそれによって今後世の中においてサラリーマンとの間のバランスという意味からして十分に受けとめられるであろうかということを少し様子を見たいという意味で、暫定措置として五年間施行してきたわけでございます。これからまだほぼ一年近く検討期間があるわけでございますが、その間にもさらに検討いたしまして、そういった一般的な社会的な物の見方とのバランスにおきましてこの制度をいかように今後発展さしていくべきかということを検討してまいりたいというふうに考えます。
#35
○只松小委員 ぜひ、ひとつ前向きに御検討をお願いしておきたいと思います。
 それから、これを選択する場合の提出期限が十二月三十一日になっておりますね。まあ商売上、一番忙しいときなんですね。これはちょっとやはり酷だと思うんですね。これは三月十五日までにしてくれということの方が私は順当じゃないか。一般サラリーマンでも年末はちょっと気ぜわしいですよね。商売をやっている人が三十一日までに出すというのはちょっと無理のような気がするのですが、これはどうですか、三月十五日までに直らないですか。これは法律的には主税局だけれども、実施面としては、国税庁当局ですから、国税庁長官の方からもひとつお答えをいただきたい。
#36
○山内政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、この制度は、とにかく私法その他の観点から申しますれば、あくまでもまだ法人になっていない個人の企業に対して課税の面において法人になったと全く同じような形の態様を認めよう、このことはその負担の軽減とか加重とかということとはおよそ関係がございませんで、あくまでも個人企業のそういった意味でのいわば店と奥との経理の区分ということをしっかりやっていってそういった企業に対しての近代化を進めていこうという一つの政策に基づくものでございます。そういう意味合いからいたしまして、本来であれば非常に越えがたいそういう私法上のかきねを取っ外して法人並みの課税をいたしますわけでございますから、やはり形の上においてもきちっとした法人と同じようなシステムをとってもらいたいという感じがございます。そういう意味で、一つのフィクションに乗っかって、実際は支払わないかもしれないところの給与を支払ったというふうにみなすわけでございますから、そのみなし方を含めましての制度そのものの事情といいますのは、やはりその個人が法人化したと同じような意味合いでいついつから法人化いたしますということをはっきりいたしまして、その法人化をした後から初めて法人としての課税をいたすというのが理屈としてはどうも合っているような感じがいたします。
 ただ、そこまで厳しく言わなくてもどうか、こういうお話であろうかと思いますが、この辺のところはややマイナーの問題点でもあろうと思いますので、先ほど委員御指摘のように、制度全般を見直します際に含めて検討いたしたいとは思います。思いますが、ただつけ加えさせていただきますと、いま言いましたような趣旨でかなり厳格に法人になった時期というのを押さえないと、かなり乱に流れることによりましてサラリーマンの課税とのバランスをまた欠くようになってはいかぬという感じがいたします。
#37
○只松小委員 同じようなことで、事業主報酬を確定して途中で変更を認めないのですね。ただ、法人の場合は赤字になれば給料を下げたり、いろいろやりますけれども、個人の場合は赤字になっても売れ行きががたっとなっても何しても認めないのですね。これも実際上よっぽどじゃないと自分の給料を下げるというのは、脱税、節税なんというのは少ないと思うんですよ。あったとしてもごくわずかで、やはり本当に商売が行き詰まったということで――そうじゃなくても酒屋さんなんか、一人私のところへ言ってきて、何とかならないか、このごろは酒の売れ行きも余りよくないんだから、こう言う人もありました。酒屋で言うくらいですからほかの場合では、酒とかたばこはある程度コンスタント性を持っているわけですね。そのくらいですから、これもぼくは届け出てするんだったら認めるというようなことに、もう少しこういうものは幅を持たせたらいいと思うのですが、どうですか。これはむしろ主税局より国税庁長官の方だと思いますが、長官ひとつ。
#38
○山内政府委員 どうも私は渋いことばかり申すので、余り答弁の機会を与えていただけないような気もいたすのですけれども、これも先ほどから申しておりますようなことと関連をいたしまして、私どもとしてはできるだけ法人とバランスがとれるようにという趣旨でございます。法人の場合、よかれあしかれやはり人格が違うわけでございますから、その間における給与というものが比較的客観的にも判然といたすわけでありますが、みなし法人制度の場合は、その辺のところが非常に対外的にもわかりづらい、悪く考えれば妙な節税に利用されかねないという点もございますので、その辺も相勘案をいたしながら勉強させていただきたいと思います。
#39
○只松小委員 最後であれですが、勉強と言いますけれども、青申が発足してずっと百万を突破しないとき、木村さんは八十万以上ふやさない、減らそうとしたのですよ。そのときに私は、そんなことをしなさんな、そうじゃなくて、やはり納税の納は昔の奉納の納じゃなくて納得の納なんだから、自分で納得してこういうふうに出してきていれば、まあ子供でも五人に一人くらい身障者もおればいろいろおる。何十万人おれば、ちょっとはあなたから見れば脱税というか、節税をしたいやつもおる、だからむしろそれを進めなさいということで、それからずっと逆にいまふやしてきたわけですね。いまのこういう問題にすれば、日本のように中小零細企業の多いところでは、零細企業それから中小企業、大企業、こういうのを法人税にしたって私はするなら三段階にしろということを前から言っているのですが、二つにぴたっと――日本ぐらい百二、三十万も、実動百十万も法人があるところはないわけですから、本来から言えば法人税制のあり方そのものにも問題があるのですよ。だからそういう問題を全部、もうこれで終わりますからここで論議する時間がない、また別の機会に論議しますが、やはりそういう、理論上もありますけれども、日本の経済上の実態に見合った課税の仕方ということも当然に考えていかなければならない。
 それから日本のように十二月の暮れ、正月というものは忙しい。そういうときに中小企業者がどういう態度をとるか、どんなに忙しいかということを皆さん方が商店においでになれば一目でわかるわけですよ。そういうときに税務署へ持っていく。税務署へ行くというのは商売人がどれくらい頭痛がっているか、あなたたちは聞いてごらんなさいよ。あなたが大蔵省の役人だとか何も言わないで、すっと行って聞いてごらんなさいよ。いま警察官よりも税務署の方がおっかないのだから。それを出せというのは大変ですよ。文書一つ書く、文書をつくるのが大変です。やはりそういう社会的なことをあなたたちが頭に置いて徴税行政というものを考えた場合に、だからあなただけでなくて、田辺国税庁長官も徴税面の方からそういう点を把握するならばやはり考えてもらうべきだ、こういうことでひとつ国税庁長官の方にも考えてもらいたい、こういうことを言っておるわけです。
#40
○田辺政府委員 私ども税務の執行の面に携わる者といたしまして、いわゆる青色申告制度というものは、先生も御指摘のとおり、いわば申告納税制度をしっかりとやるためにはどうしても必要な基本でございまして、自分で相当の記帳能力を持ち自分で計算経理をする能力を持たないと、自分で所得を計算し自分で納税をすることは不可能に近いわけでございますから、おっしゃいますとおり、青色申告制度というものを設けて、それにはかなりの制度上の恩典を与えてその普及を図っている。われわれ執行に携わる者といたしましては、この普及指導、また記帳指導等に相当の力を傾けているつもりでございます。幸いにしてと申しますか、漸次この普及率も上がってまいっておりまして、個人の営庶業全体の納税者のうち半分以上は青色申告をなさっていらっしゃる、こういう状態でございます。ますますこれが普及することを願うわけでございますけれども、先ほど来御指摘のみなし法人課税もまさにこの青色申告制度の恩典の一つでございます。御指摘の点、いろいろとまた青色申告の普及指導に努めておる申告会というものの要望も私ども承っております。ただこれは制度上の問題でございますが、先ほど来主税局から答弁しておりますようにいろいろと検討するのにやぶさかでない、こういうことでございますから御了承願いたいと存じます。
#41
○只松小委員 終わります。
#42
○保岡小委員長 どうも御苦労さまでした。
 大島弘君。
#43
○大島小委員 本年度の日本経済の成長率は大体六・七%、いわゆる減速経済に入ったわけですけれども、五十三年、五十四年、五十五年の経済成長の見通しということは経企庁の方ではどういうふうに考えておりますか、お答え願いたいと思います。
#44
○渡部説明員 私ども経済企画庁の方ではただいま昭和五十年代前期経済計画というものを策定しておりまして、この計画は昭和五十一年度から五十五年度までの期間内のいろいろな諸指標につきまして目標を設定しておるものでございます。ただいまの成長率の問題でございますけれども、五十三年度から五十五年度ということにつきましては特に検討はいたしておりませんけれども、ただいま申し上げました経過期間中といたしまして大体実質六%強、こういう成長率を一応想定いたしております。ただいま五十二年度に入ったばかりでございますけれども、計画の初年度の五十一年度、あるいはこれからでございますが五十二年度の二年間に限って見ました場合には、成長率を想定しておりました成長の中身につきましては、当初の想定と必ずしも一致していない面もございますけれども、全体といたしましてはほぼ当初見込んでいたとおりであるというふうにいま評価しております。五十三年度以降につきましても、五十二年度の今後の景気の回復がそのまま順調に持続していけば、ほぼ経済計画で想定しておりますような六%強の成長が可能である、こういうふうに考えております。
#45
○大島小委員 そうすると、いままでの高度成長の時代ですと一〇%以上一二%、一三%成長したんだから、一国の経済が倍になるというのはもう十年足らずして倍になる、今後一国の経済が倍になるということになるならば大体二十年ないし三十年かかる、こういう理屈になるわけです。そういう経済情勢を踏まえて、中期財政収支試算では、五十三年から五十五年の税収の伸びを二三・七%と見ております。これは御承知のごとく、国債を抱いた財政じゃなくて国債に抱かれた財政から脱却するために、こういうふうに五十三年から五十五年の税収の伸びを二三・七%、租税弾性値一・八三。租税弾性値というのは、御承知のとおり名目GNPに対する租税負担率のことを言うのですが、この租税弾性値か一・八三。過去十年の高度成長の時代でこの租税弾性値が一・三五であった。こういうふうな減速経済を続けておりながら租税弾性値が一・八三と上がるという、この中期財政収支試算を書かれた大蔵当局はどういう意図であろうか。つまり一国の財政は子供の遊びじゃないんで、果たしてこういうところは可能なのであろうかどうか、この点にひとつ的をしぼってお答えを願いたい。
#46
○山内政府委員 まさにその点が御指摘のとおり中期財政試算の一番大きな問題点でございます。これは税収をいま御指摘のように五十五年度では三十五兆五千億余りというふうに中期財政収支試算の中に入れてございますが、これはそういう数字が下から積み上げて実現するであろうという見通しを持っておるわけではございません。これは再三当委員会においても御説明を申し上げておりますように、政策目標を所与の前提として立てまして、その政策目標を達成するためには税収としてこれだけのものを期待をいたさないと経済計画がうまくバランスが合っていかないという、いわば差額を表示した数字でございます。そのためにいま御指摘のように、これを仮に成長率との比較において弾性値として計算をいたしまするならば、逆算をして一・八三ということになるという結果を示しておるものでございます。
#47
○大島小委員 そうしたらこれは単なる作文だということですか。
#48
○山内政府委員 作文と申しますよりも、一つの国の財政のあり方としていろいろな前提を置いて数字を入れてみれば、一つの財政の姿はこういうふうなものである。したがいまして、前提をそのとおり実行いたしますためには、どうしても税収がここに落ちつく程度に何らかの検討を今後加えていかなければならぬという問題提起でございます。
#49
○大島小委員 そこで経企庁の方に伺いたいのですが、そういうふうに六%台の成長になっていくということは、そもそも日本経済がもう資源の制約とか世界環境、経済環境によってそういうふうにならざるを得ないのか。つまりイギリスやイタリア的な経済なのか、それとも実力がありながら客観的情勢によって減速経済をとっていかなくちゃならないのか。西ドイツやアメリカのように実質日本の経済に実力があるけれども、諸制約があるから減速経済をとらなくちゃならないのか。最初言ったように、イタリア的あるいはイギリス的にもうそもそも実力がないから減速経済をとらなくちゃならないのか、その辺のお考えを伺いたい。
#50
○渡部説明員 先ほど御説明いたしましたように、五十年代前期経済計画では期間中六%強の成長率を想定しておりますけれども、この成長率六%という目標を設定いたします際には、まず日本経済の成長力、たとえば労働でございますとか資本でございますとかそういった面から検討いたしまして、どの程度の成長力を持っているかというような検討をまずいたしまして、続きまして、御指摘のようなエネルギーでありますとか立地あるいは環境、こういったような制約条件、あるいは物価でございますとか国際収支でございますとかそういったような制約条件等もそれぞれ検討いたしまして、総合いたしまして、その中から今後日本経済としては、いろいろな大きな問題を残さないで比較的バランスのとれた成長を遂げていくためには、六%程度の成長が最も望ましいということで設定したものでございまして、六%の成長というのは、ただいま御指摘のような先進国の中ではやはり相当な高さの成長力である、こういうふうに考えております。
#51
○大島小委員 私もその意見に同調なんです。つまり潜在的に成長能力があるのだということです。一番簡単な例のハロッドのモデル方式でいきますとGC=S、Gというのは成長率、Cというのは資本係数。簡単に言えばG=S、これが貯蓄率だということだ。つまり日本の貯蓄率は圧倒的に高い。そして個人が貯金したものは信用組合なり銀行なり農協なりに行って、それが莫大な産業資金になっていく。いままでこういう経過をたどってきたわけでございますけれども、この貯蓄率が非常に高いということは言える。もう圧倒的に高い。日本人は百円もうけますと二十円台は貯蓄する、外国人は大体十円台しか貯蓄しないという統計もあらわれているのですが、しかしここで考えなくちゃならぬのは、なぜ日本で貯蓄率が高いのか、日本人が圧倒的にこの貯蓄率が高いのかということなんでございます。これはどういうことですか。
#52
○出井説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、わが国の貯蓄率は他の先進国と比べますと非常に高いわけでございます。ごく最近年次で申しましても、わが国は貯蓄率二四・九でございます。それに対しましてアメリカは六・六あるいは西ドイツは一四・七、同じくイギリスも一四・二というような高さでございまして、日本はずば抜けて高いわけでございます。
 この日本の貯蓄率が高いことというのにはいろいろな原因がございますが、たとえば貯蓄増強中央委員会の昨年の貯蓄に関する世論調査によりましてその貯蓄目的を聞きますと、病気や不時の災害の備えというのが八二%もございます。それから次いで子供の教育費や結婚資金というものが五四%ございますし、そのほか老後の生活のためが四二%、あるいは土地家屋の買い入れや家屋の新築あるいは増改築というのが三一%という目的を挙げておるわけでございます。これから見ますと確かに社会保障制度と関連があるということは否定できないのでございますけれども、しかしやはり日本人の生活態度と申しますか消費性向と申しますか、国民性の違いというのがございまして、一部の先生方はたとえば恥の文化というようなことで死に金を持つのだという心理的な要因も挙げるわけでございます。そういったいろいろな国民性の違いによりましてわが国の貯蓄率が高くなっているということは言えると思います。
 なお、石油ショック後におきまして、数年前から比べますと特に貯蓄率が上がったという現象はございます。
#53
○大島小委員 本年度予算の審議の過程で福田総理は、減税をすると貯蓄されてしまって景気刺激にならない、公共投資の方がずっと効力があるのだ、税調もこういう同じ意見を出しておるわけです。しかし、そもそもなぜ貯蓄しなくてはならないのかということまで深く立ち入って考える必要があろうと私は思うのです。
 先ほど言いましたように老後のため、万一に備えるというのが圧倒的に多い。これはなぜかと言うと、国民所得一人当たりが大体一流先進国並みでありながら、社会保障制度あるいは福祉政策はILOの最低基準にも達していないという日本の貧弱な福祉行政、これに起因するものだと思うわけでございます。
 しかし今後、国家資金の再配分ということで社会保障制度あるいは福祉政策というものが漸次見直されていくべきであり、またそうなって、現に若干ずつは貯蓄率は落ちているらしいのです。若干は落ちている。これは裏から言えば、それだけ社会保障制度――いわゆる万一に備える必要もない、老後に備える必要もないというふうな制度ならば貯蓄率はだんだん落ちていく。そうなると、貯蓄率がヨーロッパ並みに正常値に返った場合に、その減少分というのは国家あるいは他の法人にどうしても移っていかざるを得ないということになるわけです。
 そうした場合に、そもそも日本には減速経済下であるけれども潜在成長力があるのだ。しかも今後、社会保障制度や福祉政策をやっていくと貯蓄はだんだん減っていく。減っていく分だけ、その分が法人なりあるいは国家なりに移転されるということ。そうすると、もしいわゆる財政収支均衡をこの減速経済下でとるとすれば、増税ということは必要になってくるけれども、その増税というのは当然法人税の増強というふうにならなければならない、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。
#54
○出井説明員 先生のお話へのお答えでございますが、これは租税負担率それから先生御指摘のように社会保険の負担率、両方の負担率によりまして国際比較等をしてみますと、確かにわが国の場合は、社会保険の負担率というのは、五十年度におきましては国民所得統計ベースでわずか六%でございました。これに対しましてアメリカは九%、イギリスも九%、西ドイツは一七・七%あるいはフランスは二〇・八%というぐあいに非常に高いわけでございます。
 これに引きかえまして、今度は税及び税外負担率で見ますと、わが国は五十年度の場合で二〇・三%という低さでございます。これに対しまして、統計上アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、ともに歴年でございますが、四十九年で、アメリカが三〇・八、イギリスが三六・六、西ドイツが三四・〇、フランス二九・四ということで、税及び税外負担率は日本が非常に低いわけでございます。
 そういう税負担率の低さと社会保険料の負担率の低さというものから考えまして、あるいは逆に先進諸国の税及び社会保険の負担率の高さということで、今後社会保険の負担率がだんだん高まる、社会保障を充実していくということになりますと税の負担率も高くなる、こういう関連にあるものというふうに私の方は考えております。
#55
○大島小委員 いずれにしましても、減速経済ではあるけれども実質的な潜在成長能力はあるのだ。しかも今後、個人の貯蓄もいままでのようにいかなくなれば、その分は国なり法人なりに帰属していくのだ。したがって、ここで所得税の増税ということを先ほど税調の会長が言われたけれども、そういうものじゃなくて、やはり正論は法人税を増加する。特に大法人に対しては現在のままでいいのか。これはだれしも認める不公正税制ということが言われておる。
 そこで、残された時間も短いですから、こういうことにつきまして、私の考えと主税局の考えがどう一致するか、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思うわけです。
 一九四九年のシャウプ税制で、法人は擬制であり、個々の集合体であって、大抵の場合は政治的主張を発言する能力もない、こういう基本の上に立っておるわけです。果たして法人は擬制であり、政治的主張を述べる能力もないかどうか。ロッキードを初め日立製作、こういうのは個人の集まりなのかどうか。常識的に考えて、日立製作という会社が現に存在している、それが政治的主張を唱える能力がないのか、五十八万という株主の集まりなのかどうなのか。
 そういう法人擬制説をこの際払拭して、法人実在説――これは後ほど言いますけれども、大法人と小法人は違いますが、大法人については少なくとも実在説で割り切って受取配当金の益金不算入という――大企業が莫大なもうけをしている、大企業は受取配当金を持っても益金に算入されない。これは擬制説に立っているからなんでございますけれども、諸外国においてもこんな緩やかな制度はなくて、親子会社に限って限定的に認めるとかそういう制約をつけておる。こういうことで、原則的に法人は実在説をとってこの受取配当金の益金不算入という考えを改める必要があるのか、またそういう考え方はいけないのかどうかということを、簡単に結論だけお答えを願いたいと思います。
#56
○山内政府委員 法人の受取配当をいかに取り扱うかという問題につきましては、これは一つの租税政策上の問題であるとは思いますけれども、少なくとも先進国の諸立法を見ます限り、わが国と同様に益金不算入というのが基本的なルールになっておると思います。法人税という税目は、改めて申すまでもなくかなり国際的な性格を持っている税金でもございますので、今後さらにそういった経済情勢が進展をいたします中で、わが国だけが諸外国、特に主要諸外国と全く性格の異なった法人税制をとるというのは、必ずしも適当でないというふうに考えております。
#57
○大島小委員 EC諸国の域内ならいざ知らず、法人税自体に国際的連携というのはどの程度必要なのか私もよくわからない。
 続いて聞きますが、戦前においては額面超過金、額面超過益金、これはいわゆる課税益金に含めておった。最近は、これが全部資本取引として非課税になっている。資産評価益、これは売買の実現のときまで課税されない。こういう制度がいいのかどうか。つまり、資産評価益の益金不算入、額面超過金の益金不算入、この二つに限ってこういう制度を改める。これで潤っているのは主として大法人、これを改正する必要はないか。特に額面超過金は戦前においては益金に含めておった。必要があるか、ないか、ないならないで結構だ。
#58
○山内政府委員 それではまた御質問に従って理由は申し上げますけれども、いま御提案の点については、いずれも消極的でございます。
#59
○大島小委員 その消極的というのは、あなたの意見か、それとも大蔵省の意見か。
#60
○山内政府委員 御質問に従って審議官としてお答えをいたしているわけであります。
#61
○大島小委員 大蔵省の意見ではないということをここで確認します。
 さらにもう一つ、現在法人税は比例税率であるけれども、これを累進税率に直す考えがあるかどうか。法人税率というのは必ずしも比例税率でなくてもいいわけです。たとえばスイスにおきましては、いわゆる自己資本収益率制を採用して自己資本と所得との割合に応じて段階を区切っている、こういう実例もある。法人税について超過累進税率をかける意思があるのかどうか、かけることが非常に不都合なのかどうか。
#62
○山内政府委員 その点につきましては、先ほどから御議論になっております税制調査会においてもかなり掘り下げた議論を願っておりますが、基本的には消極的でございます。
#63
○大島小委員 あなたはすべて消極的になるのだな。こういう考え方はないですか。資本と経営が同じ小法人については擬制説をとる、その他の大法人については実在説をとる、こういう二段階的な考え方は、あるかないか、消極的かどうか。
#64
○山内政府委員 擬制説、実在説と申しますとやや語弊があると思いますが、いま御指摘の点は、小法人については何らかの形で配当について法人税と受取配当との調整をやれ、それから、大法人についてはそれをやらなくてもいいではないかということかと思います。そういう御議論でありますならば、これはかなり前から、税制調査会だけでなくて各方面で議論されております。いろいろな御議論がございますが、基本的には、税制といえども、たとえば商法とか民法とかそういった周辺の法律体系の上に乗っかって作動いたしておるものでございますので、やはりその辺のところが一番大きな問題点になっておるというように承知をいたしております。
#65
○大島小委員 もし累進税率をどうしてもとれないと言うのならば、資本と経営が同じ小法人については擬制説をとってもいいけれども、大法人については実在説をとるべきだ。その証拠に、実効税率と実質租税負担率、これが資本金百万円未満の小法人と大法人と比べると約八%も乖離しておる。これは不公正税制の最たるもので、こういう面にもあらわれてくるわけです。続いて、大企業に対する不公正税制について、時間がないから若干、簡単にお伺いしたいのですが、大企業の交際費に対して全額課税するつもりはありますかありませんか。交際費はそもそも損金性を有するものなのかどうか。
#66
○山内政府委員 基本的には、交際費といえども完全に損金性を有するものだと考えております。したがいまして、現在の税制は、あくまでも特別措置として、交際費についての一定割合を損金不算入という形に講じておるわけでございます。
#67
○大島小委員 次に、何回も出されたかもしれませんけれども、退職給与引当金、これは昭和四十九年では三兆七千億になっておるのですが、そのうちの約半分の、百億以上の大法人がこれだけ利益留保がありながら非課税扱いをされているということです。全従業員の二分の一が一斉に退職するというようなことは常識では考えられない。こういう大法人に莫大な特典を与えている退職給与引当金を改正する必要があるかどうか、少なくとも四分の一くらいに漸次改正していく必要があるかどうか、この点をお伺いします。
#68
○山内政府委員 これは、委員の御議論ではなくて世の中一般的な議論として、退職給与引当金の二分の一という点についてはやや議論の混乱があるかと考えます。私どもとしましては、別に、現在勤めておる人が直ちに半分やめることを前提にして二分の一という制限を設けておるわけではございません。例の二分の一はあくまでも、一定の在職年限を持つところの、現在勤めております職員の今後退職をするであろう見込みの構成を頭に置きまして、その頭に置いた構成に基づいて将来支払う必要の起こる退職金、それを現在価値に引き直した総計が、大ざっぱに言って自己都合退職金のほぼ二分の一に合うということから設けておる制度でございます。そういう意味で、重ねて申し上げますが、半分が退職したらとか四分の一が退職したらとかいう議論ではございません。
#69
○大島小委員 そういうことはわかっている。大法人が喜んで持つのがこの退職給与引当金、貸倒引当金。実際の貸し倒れ実額の何百倍もの引当金を損金に算入している。さらに、大法人が喜んでいるのは海外投資等損失準備金、公害防止準備金。そのほかに、原子力発電に対する準備金につきましては、私はこの前本会議で反対討論をやったのですが、要するに全部補助金として計上したらどうか。私は、そういうことは絶対いけないと思う。必要ならば、それは補助金として毎年予算委員会の査定を受けなさい。隠れたる補助金と言われたこういう措置法、これはまことにひきょう未練なことだと私は思うのです。
 たとえば公害防止準備金、これについて大企業は非常に喜んでおる。ところが、公害防止には汚染者負担の原則、公害をたれ流した企業はその企業の責任をもってそれを収拾しなければならないという世界的な原則があるのにかかわらず、なぜこういうものを隠れたる補助金で認めるのか。これは税の理論から言って果たして正しいのか。仮に正しいとしても、汚染者負担の原則から見てどう思うのか。さらに、原発につきましては、人命の尊重すらわからないようなものに対して実質的な補助金を与えるということをどう思うか。その一例として公害防止準備金について回答願いたいと思う。
#70
○山内政府委員 先ほどの御議論の中で、引当金と準備金と一緒に御議論いただきましたけれども、私どもはあくまでも、引当金は引当金、これは企業の正確な所得を把握するためにはどうしてもなくてはならない制度だと考えておりますし、その基本的な考え方は再三税制調査会においても全面的に御賛同いただいておるものでございます。ただ、御指摘のように、引き当ての態様そのものが現実に合っているかどうかということは随時検討してまいらなければならぬと思います。そういう意味で、私は、退職給与引当金については余りその余地はないように思いますけれども、貸倒引当金については過去かなりの縮減を行ってきたとおりでございます。
 それから、準備金の方につきましては、これは御指摘のとおり、あくまでも企業に対して何らかのメリットを与えながらある種の政策を行うために貸していこうという制度でございますから、それなりに税制プロパーの立場から見れば不公平にならざるを得ないわけでございます。そういう意味で、そういった租税特別措置につきましては、特に過去二、三年の間かなり整理をしてまいりましたことは、その程度の点はともかくとして、事実についてはお認めいただけるかと思うわけでございます。
 それから、御指摘の公害防止準備金でございますが、これにつきましても、御指摘に応じまして五十一年度の税制改正において繰入率を二分の一に引き下げるという措置を講じてございます。なお、公害防止準備金につきましては、われわれといたしましてもその仕組みについて若干の疑問を持っておりますので、今後引き続いて主務官庁とも十分打ち合わせをいたしながら、政策目的としてももう少し効率的な方法がないものかどうか、そういうものがなければ、これはいたずらに税制を混乱させるものでございますから、何らかの形でさらに整理を進めていくべきものであると考えております。
#71
○大島小委員 時間がないので結論を急ぎますが、いま私が申し上げたことは、要するに法人税増強という前提のもとに、果たして擬制説が正しいのか、実在説が正しいのか、小法人については擬制説か、あるいは大法人については実在説かあるいは累進税率をとったらどうか。あるいは受取配当金の益金不算入や資産評価益の益金不算入、額面超過金の益金不算入、それから大企業に対する準備金、引当金のいろいろな問題、こういうのは非常に大きな問題であるのですけれども、やはり税というのは公平でなくちゃいけない。これはアダム・スミスをまつまでもなく当然のことです。そうすると、主税局の方でむしろこういうことを積極的に税調へ全部持ち出してやってもらうということを私は期待して、最後に国税庁長官にお伺いしたい。
 過般ここで大蔵大臣にも私は要望したのですが、全国に五万の職員がある。彼らはいずれも会社にもスカウトされず税理士にもならず黙々として非常な重労働をやっている。しかも、中だるみ中間層が圧倒的に多い。年齢で言うと五十前後というのが多い。こういうことについて何らかの優遇官職、優遇措置を与えてもらいたいというのが国税労働組合の大部分を占める国税会議の要望なのです。毎年毎年若干ずつは認めておるわけですが、さしあたってまたことしの概算要求にもこの問題が出てきますが、これに対して長官の意見をお伺いしたい。
#72
○田辺政府委員 御指摘のように五万余の税務職員が非常に困難な税務行政に携わっておるわけでございまして、その職員の構成がいわゆる中高年層に、私はかつて逆さひょうたん型と申しましたが、大きく広がっておりまして、その下に続く三十代、その辺がまた極端に少ないという、私どもとしましては組織全体としての年齢構成、これはまた将来に問題を残していく基本的な問題を持っておるという点でございますが、この中高年層の職員は、戦後、あの財政困難な状況におきましてきわめて苛烈な環境のもとで相当大量に採用されまして働いてきた方々が現在に至っておるわけでございまして、大変頭の痛いことでありまして、特にこれらの方々の処遇については十分その努力に報いたいという気持ちでございまして、またそうしなければ税務機構全体の士気に関係する、こういう認識でございます。頭でっかちでございますから、純粋の機構上の問題としてはいろいろ問題がございます。ただそれを処遇するにふさわしい特別の官職、ポストというようなものを通じましてできるだけそういう処遇の改善を図りたいということが第一点であります。
 また、もう一つは、全体として給与のあり方そのものにつきまして、いわゆる一般の行政職に比較しまして、税務行政に携わっている者についてのいわゆる水準差と申しておりますが、給与の有利性というものをこれまでも人事院等に働きかけまして相当御理解を得ているわけでございますが、今後ともさらに努力をしてまいりたいと思っております。
#73
○大島小委員 大臣も同じことを答弁をされましたので、この優遇措置に対してはひとつぜひともよろしくお願いしたいということを申し上げまして、時間が来ましたので、質問を終わります。
#74
○保岡小委員長 荒木宏君。
#75
○荒木小委員 税の執行の小委員会でありますので、税務行政についてお尋ねしたいと思います。
 本年は六月、七月、いわゆる戻し税が行われることになっております。本委員会で立法の過程で相当な事務量が必要だ。国税庁の方からもたしか試算をしてその数字などを示していただいたと思うのですが、いよいよ実施の直前になりまして、その方にかなり手がとられる。一方、大体確定申告が終わりまして、事後調査、実調の時期に入るわけですが、これが本年の措置によってどの程度影響を受ける見通しなのか。職員の皆さん方からは労働強化になることは御遠慮願いたいという要望も聞いておるわけです。先ほど労働条件の話も出ておりましたけれども、その点負担をかけずにあの特別立法を円滑に実施をします、こういうことになりますと、普通考えますと、特段の新しい事務処理のスタッフがふえるわけじゃありませんから、例年の事後調査なり実調の方は勢い一工夫があるように普通考えられるのですけれども、どういうふうな見通しであるか、お伺いしたいと思います。
#76
○田辺政府委員 先般成立して施行されました昭和五十一年分所得税の特別減税、この作業は、御案内のとおり私ども執行の面に当たる者にとりまして相当の作業になるわけでございますが、これを法律どおり執行するということに当たりましてまず考えますのは、本来の通常のいわゆる業務、事務にできるだけ支障を与えないような方策をとるということでございます。
 それは結局時期的な問題がございます。適時に還付という事務を行わなければなりませんので、時期的な問題がございますので、その事務に忙殺される時期におきましては、普通の事務といいましても、後でできることと、そのときに処理しなければならないいわゆる必要事務といいますか、二つあるわけでございまして、その必須事務の方はこれは延ばすわけにはまいりませんから、それは一応やはりきちんとやっていく。それから後でやってもいいというものはこの時期を避けるように繰り延べるということでございます。もう一つの方法は、特別減税の事務を行うに当たりまして、作業の性格上アルバイトによりまして処理が可能な事務も、全部が全部ではございませんがございます。そのアルバイトで処理が可能な事務はできるだけアルバイトによって処理をしてもらう。
 大まかに申しますと、こういう二つの方法でやりたいと思っていますが、しかし、後に延ばした方も、平年でありましても後の時期には遊んでいるわけではございませんで、ちゃんとやっておるわけでありますから、そこにしわが寄るではないかという問題があります。その場合におきましても、後にやるべき仕事の中で、普通の年であればアルバイトまで採用しなくてもやれたというようなものも、ことしはやはりそういうしわ寄せがございますから、いわゆる戻し税というものの事務でなくても、ほかの事務でもできるだけアルバイトで処理をしてそのしわを延ばす、こういう方策でもってできるだけ一般通常業務に影響を与えないように努力をしたいと思っております。
#77
○荒木小委員 後に延ばす事務というものはどういうものですか。
#78
○谷口(昇)政府委員 まず固有の事務の方から申し上げますと、後に延ばす事務と、その反対に必須事務があるわけですが、六月の上旬には御承知のとおり予定納税事務というものがございます。この事務をどうしてもやらないといけませんので、これはやります。そのほか、特別減税のための一連の事務があるわけでございますが、お尋ねの、延ばしていいという事務と申しますのは、たとえば本来予定をしておりました台帳の整備とかという事務がありますが、そういう内部事務を、もともとは五、六月ごろやるのを八月以降に延ばすとか、あるいは一部、調査事務なども延ばしていいものは延ばしますが、しかしながら、基本的には、この事務をやる場合に挙署一体ということを私ども強く打ち出しておりまして、ひとり直税だけではなくて――直税の中でもこの事務に直接関係ない場合がございますが、そういう事務員も動員することによってできるだけ繰り延べ事務も少なくてすむようにと、いろいろなことを工夫はいたしておるわけであります。
#79
○荒木小委員 いずれにしてもアルバイトを採用するとか、つまり通常の税務行政と違った事態になるわけですから、なおのこと、円滑に進めるためにも納税者の協力、関係者の協力ということが必要だと思いますね。その一つとして、税理士会が行っております無料税務相談について国税局の方から、いろいろな調査に協力をしてほしい、こういう申し入れがありました。それに対して大阪税理士会の神戸支部では、いろいろ検討したけれどもお断りしたい、こういう決議をして、その旨を局の方に申し入れた。にもかかわらず三月一日、四日、税務署の方から、調査票を持って無料税務相談の現場に見えて、これに協力をせいということで調査票を配って、協力を強要されたということがありまして、その現物も、三月十六日の大蔵委員会に次長が出ておられましたから、この場でお渡ししたのでありますが、事実関係を調べて報告をする、こう伺ってすでに二カ月たっておるのですが、いまだに何の報告も聞いておらぬのです。
 私は直接、税理士さんの組織がそうしたことでお断りするということを決めて連絡をされたということを確認したわけなんですけれども、これはその後どうなっておりますか。また、なぜこうしたそのための小委員会が開かれるまで御返事がいただけないのか。円滑に進めるためにはやはり双方の意思疎通といいますか、そういうことが当然必要だと思います。ひとつ、その調査結果と、それから、なぜ今日まで連絡がなかったのか、この二つについて御返事いただきたいと思います。
#80
○山橋政府委員 お答えいたします。
 先般先生から、無料相談に当たっての相談票のお話がございまして、その場で初めて見たものでございますので、調査をいたして後刻御報告するというお答えをいたしたわけでございますが、最初に、その調査の結果どういうことであったかということについてお答え申し上げます。
 税理士会の無料相談の機会に、青色申告の勧奨及びその後の指導というものの参考資料にいたしますために相談票の作成を依頼いたしたことは確かにございます。これは税理士の任意の協力を求めるものでございまして、その様式、内容につきましても、署とそれぞれの部会、署単位に設けられました税理士会の部会とが協議をして定めることにいたしておったわけでございます。
 そこで大阪合同税理士会は当局の考え方を理解されまして、各支部、部会に協力するように指示をいたしました。また神戸支部以外の各支部におきましては、この点につきまして問題なく実施されたというふうに聞いておるところでございます。ただ大阪合同税理士会の神戸支部傘下の各部会におきましては、部会としては協力する旨の決定はされなかったようでございますけれども、この問題に関心を持って協力を申し出られました税理士も少なくなかったわけでございまして、署としては、相談に当たられますところの税理士に、個別に相談票の作成の依頼をいたしまして、御協力をいただいている向きもあるというのが実情でありまして、署がこれを一律に強制したというふうなことではなかったというふうに報告を受けておるわけでございます。なお相談票の様式につきましても、先日先生がお示しになりました様式を用いた署もございますし、また独自の様式を用いた署もあるようでございます。
 以上は、その相談票をめぐる大まかな実態でございますけれども、この前、調査をいたしまして御報告をいたしますというお話を申し上げましたが、私たちはこの実態を調べた後、実は御連絡を申し上げたわけであります。この件につきまして御報告をというふうな御連絡を申し上げまして、実は御連絡をお待ちしておったわけでございますけれども、その後御連絡がなかったものですから今日まで延引をいたしたわけでございまして、なお、私たちが中途におきましてもう一度実は御連絡を申し上げるべきであったかもしれませんけれども、その点、怠りましたことをおわび申し上げたいと思うわけでございます。
#81
○荒木小委員 御連絡をいただいておったとしますと、これは私の方のなにですから、これはもう一度調べてみますが、いずれにしても手順のことですから、もしそうした経過であるとしましたら、これはひとつ私も釈明をしておきたい。
 ただ事実関係は、いま支部の部会というお話がありましたが、支部としてお断りをするという決議を役員会でして、その旨を申し入れた、こういうことを確認しておりますが、いま次長のお話で、支部の各部会で協力をする旨の決議はなかった、こうおっしゃったのですが、ちょっとニュアンスが違うのですね。つまり何も意思表示がなかったのではなくして、意思決定をして申し入れた、こう言っておるわけですからね。その場合には御遠慮願うのが普通じゃないでしょうか。その点再度調査をして確認をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#82
○山橋政府委員 私たちは、部会として協力する旨の決定はされなかったというふうに実は報告を受けておるわけでございますが、ただいま先生のおっしゃるように部会の方で拒否の決議をされたということでございますれば、私たちの聞いております事実とちょっと違いますので、もう一度調査をいたしたいというふうに思っております。
#83
○荒木小委員 部会じゃないのです。支部です。そうしたいきさつがいろいろ取りざたをされましてどうもぐあいが悪いと言っておるのに、追っかぶせてみえるということがあり、逆に、協力をしたけれども、そのことが本来の趣旨からどうも逸脱をしたのではないかという疑いがまた一方で出てきておる、こういう報告があるのです。これは東成納税協会というところから各税理士さんにあてまして、あなたが関与しておる納税者はまだ青色申告をしていない、ひとつ青色申告をするようにぜひ勧めてほしい、こういう要望書が参りました。そこで神戸支部の方では、いま青色申告について、先ほど長官もお話ありましたけれども、そのことをできるだけ広めようという方針でされておることは重々承知をしておる。しかしまた青、白につきましてはいろいろな見方もありまして、一方また法律上のもちろん強制事項でもありませんし、納税者自身の判断、それから関与税理士の自己の専門的判断による助言によって決まるべきことではないかというふうなところから、直ちに御要望に沿いかねるという話になったわけですけれども、しかしそれにしてもこの納税者にこの税理士さんが関与しておるということがどうして納税協会にわかったんだろうか。これは税務署の方にわかることは十分考えられるわけですね。いろいろ問い合わせがあったらその旨報告もいたしますしね。あるいは申告書自体で判明することであります。それがしかし民間の団体にわかるということについては、どうも合点がいかないということで大阪合同税理士会神戸支部では五十一年十二月七日にこの東成納税協会にあてまして、一体どういう経過で個々の納税者の関与税理士名がわかったんでしょうか、こういうお尋ねを書面でしたわけです。同時に大阪合同税理士会に向けても、ひとつ調査をしてほしいという要望をいたしまして、その結果大阪合同税理士から本年の四月十五日付で回答が参りましたが、それによりますと、東成納税協会では未加入納税者の資料を整えている。その資料の中で税理士関与の未加入者が判明をした、関与税理士の名前もわかった、こう言うんですが、納税者のところに特段に納税協会から調査があったわけじゃなし、それからもちろん関与税理士の方からそうした協会にその旨の連絡をした覚えもなし。つまりわかるはずがないのに悉皆わかっている、だれそれはだれそれの税理士さんと。ですからわかるのは税務署だけだとすれば、そこから納税協会に資料としては出されたんではなかろうかという疑いがあるという結論になったわけです。
 私は、いろいろな見方がありますけれども、この一つの疑問といいますか推理は、あながち不合理で道に外れておるとも言いかねると思うのです。道は一つしかない。ほかは考えられない。そうだとすれば、そこから通報されたんではないかということなんですが、そうしたことはちっとも差し支えないんだ、税務署の方から民間の方にだれはどの税理士さんだ、どの税理士さんはだれそれを見ているということは知らせてもいいという御方針なのか、あるいはそうではなくて、それは諸般のなにから検討の余地がある、こういうお考えなのか、その点、大分文書のやりとりもあったようでございますので、ひとつ御見解を伺っておきたいと思います。
#84
○山橋政府委員 お答えいたします。
 ただいまの先生の東成の件につきましては、私たち実は初めて聞いた事実でございまして、実態関係全くつまびらかにしておりません。したがいまして、お話の件につきましては早速実態を調べましてどういう事情であったかということを明らかにいたしたいというふうに考えております。
 いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、青色申告の勧奨に当たりまして、いろいろな方法を第一線が考えながら知恵をしぼってやっていることは事実でございますけれども、その方法等につきましては、慎重にその方法について考えるべきであろうというふうに私たちは考えておりまして、その実態を究明した上でどのような方法であったかという点につきましては十分な検討を加えたいというふうに考えておるわけでございます。
#85
○荒木小委員 ちょっと委員長のお許しを得て書面の写しを渡しておきたいと思います。よろしゅうございますか――長官、それじゃこれを差し上げておきますので、ごらんいただきたいと思います。それで調査をしていただいて御報告願えばいいと思うのですが、先ほど言いました、そういう書面は税務署の方からどんどん渡していいものなのかどうか、その点のお考えはどうですか。もちろん全体のいろんな経過や状況の総合判断ということも一面あろうかと思うのです。しかしとどのつまり、渡していいかどうかという点についてどういうお考えですか。
#86
○山橋政府委員 先ほど先生お話しのように、全体どういう経緯でどういう事情のもとにそういうことが行われたかということを実はつまびらかにいたしませんと、事柄の結果だけの評価というのは非常にむずかしいかと思います。したがいまして、いま直ちにそのこと自体のよしあしというものを私たちが申し述べるということは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、なお総合的に、どういう経緯、どういう趣旨、どういう実態のもとにそういうことが行われたかということをつまびらかにした上でその判断をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#87
○荒木小委員 それでは、調査をされた結果にまつことにいたします。
 それにしても皆さんの方で青色奨励をなさるというのは前々からお考えも伺っておりますし、私もいろんな機会に耳にしており検討もいたしておりますが、かなりしつこいといいますか、まあ皆さんのお立場からすれば御熱心だということになるかもしれませんが、ここに一つ、ある税務署長さんからある税理士さんに来た書面があります。先ほど言いましたようなことで、これは考えもあることだからしばらくおいてほしい、こう言っておりますのに、重ねて青色を納税者、その当該の納税者に勧めてくれ、ぜひお願いしますということで、またぞろ書面が来ているんですよ。私は一般的な制度のたてまえだとか、それからそのことによる利害得失というのは、これはそれなりの制度を周知させるということですからPRの方法としてやられる場合もあろうかと思います。しかし特定のその個人に向けて特定の関与税理士に、本人の意向が明らかであるにかかわらず署長名で繰り返しこうしたことをするのはいかがであろうか。違法だとかどうだとかいうことは直ちに言いませんけれども、しかしやっぱり協力を得る、気持ちよくそうした行政をやっていく上ではちと考える余地があるんじゃないか、こう思いますが、これもひとつ書面を差し上げておきますから、あわせて検討していただくように要望したいと思うのです。
#88
○田辺政府委員 先ほどから只松委員にも御答弁いたしましたように、青色申告制度というものの普及に力を入れているわけであります。その理由はもう先ほど申し上げたとおりでございまして、先生も十分御認識であると思います。それは結局、青色申告をすればいまの制度ではかなりのいろいろな恩典といいますか、普通の白色申告の場合には認められないようなこともできるということがその勧誘の、何といいますか、いい点といいますか、を勧誘する。それに応じて、それにつれて個人の記帳能力、自己計算能力、経理の能力がつくということが究極の目的。それによって正確な自己申告と納税が行われるという考え方でございますが、まあ人間のことでございますから、どうもそれはあるいは熱心の余り行き過ぎたようなことがないとは申しません、言えないと思います。要は、いやがられては目的を達しないわけでございますから、こうすればこういういい点があるということを知らない、あるいはめんどくさいというようなことで、どうもまだなかなか青色申告に踏み切られないという方も相当いるわけでございまして、その点は税理さんの方にも十分また同様の御理解があるわけでありますから、申告納税制度の正確な税務の執行、正確な納税というようなことに同様な立場でもって御努力をいただく、こういうことであろうと思います。
 いま御指摘の手紙というようなことは具体的にどういう事情でございましたか、その辺のことをつまびらかにいたしませんのでにわかに何とも申し上げられませんけれども、要はいやがられないで喜んで青色申告をしてもらう、こういうことであろうと思います。
#89
○荒木小委員 現にいやがられておるわけですね、私のところへもいやだという話があったのですから。これはどうにもなりません。私は何も全部が全部そうだと言っているわけじゃないのですが、しかし専門家ですから制度のたてまえはよくわかっているわけですね。そこへこういう形でするということは、これは円滑な行政を逆に阻害することになりかねぬということで御注意申し上げておきたいと思いますので、十分その趣旨を含んで処置をお願いしたいと思うのです。
 一方、そうしたことがある反面、今度はある納税者が譲渡所得の申告に当たりまして、特別控除の適用が受けられるかどうか税務署の方に相談に行った。そうすると、居住用資産の譲渡所得の特別控除ということで、金額もそれから物件も全部話をして相談をしたところ、それは特別控除の対象になりますということであったので譲渡をした。ところが、一年半ほどたちまして税務署の方から、これは会計検査院で検査に引っかかったからどうも更正決定をしなければならぬ、こういうふうな話があり、更正処分を受けて、納得ができないというのでいま裁判になっている、こういうケースなんです。
 事件名その他は事前にちょっと申し上げておったのですが、大阪地方裁判所の昭和五十一年行(ウ)の五十六号というので、原告は河崎勝という人で、被告は堺税務署長ということになっております。長官、これはどういうものでしょうか。署員の方がそうした間違った指導、助言をしたというような場合に、その結果どうなるかというのは、これはいろいろな法律上の結論もありましょう。しかし少なくとも、どうしてそうなったか、経過を明らかにして納得を得るようにすべきじゃないか。これは申告書も税務署員が書いているんですよ。そのことは署長さん自身も認めておられるのですがね。相談に乗りますよということで誘いをかけて、相談に行って、そして言われるとおりしたら実はそれがだめだった。不動産業者に物件を売る話も声をかけておって、たまたまこの兄弟が、それじゃ同一条件で譲り受けようという話が出たのでそっちへ乗りかえたわけですが、物件も値段も条件は全部それと一緒です。そのときに特別控除の相談に行ったところがいまのようなことで、これは適用になります。そしてもしならなければそういう売買はしませんということもはっきり言っておったのですが、こういう結果になったということなんです。
 事の決着は、もうすでに法廷の問題になっておりますから、私はそれは必ずしもいまここでお伺いしようとは思いませんが、そういう場合の税務署なり署長さんのあり方として、協力を得る、信頼を深める、そして民主的な行政を進めるという立場からいけばどうあるべきものであろうか。これはだめですよと更正決定をぽんと打ってそれで済むものかどうか。先ほどの、青色申告をずいぶん熱心に、もういやがられるぐらいにやっておられるということと対比をしますと、こういう場合のたてまえと申しますか、それをひとつ責任者の方からお伺いをしたいと思うのです。
#90
○谷口(昇)政府委員 ただいま御質問のありました大阪地裁五十一行(ウ)五十六号事件の問題でございますけれども、先生のお話のとおり、本件事案は大阪地裁において係属中でございます。原告は訴状におきまして、御指導があったとしているわけでございます。それが指導であったかどうか、そこが本件訴訟を通じて明らかにされると私どもも思っておるわけですが、現時点において本訴の所見を述べますことはどうも好ましくないと私どもは考えておりますので、答弁は差し控えさせていただきたい、このように考えます。
#91
○荒木小委員 いや、本訴の所見を伺っているんじゃないのですよ。申告書を代筆したということははっきり認めているんでしょう。そのことを認めておるということは書面にもはっきり書いてあるんですよ。またこういう訴訟が続くということは、どちらにしたって余り好ましいことじゃないでしょう、信頼関係が破壊されているんですから。その場合に経過を調べて本人に説明をする、そういうことは必要ないのでしょうかね。本人が法律的なことは西も東もよくわからぬまま、しかも専門家の代理人もつけずに、大工さんが仕事を終えて、自分で初めて見る六法全書を夜遅くまでひねくり回しながら裁判までするというのはよくよくだと思うのですよ。そうならないような努力、あるいはそうなったとしても、その経過、いきさつを調べて説明をする努力ということは皆さん方の方ではできぬのでしょうか。私は裁判のことを伺っているんじゃないのですよ。税務行政の本筋といいますか、そこにそういう心やりというか思いやりというか心根というものがないのですかね。それを長官からお伺いをしたいと思うのです。
#92
○田辺政府委員 後の方で申し述べられました思いやりと申しますか、まあ納得のいく納税、これがまさにわれわれの日夜考えておるところでございまして、十分に納税者の立場に立っていろいろな措置を講ずるということでございます。いま御質問の点は訴訟になっているということでございまして、実は私、きょう初めてお聞きいたしましたが、恐らく双方で争いがあるので訴訟になっているのだと思いますが、私どももその経過を十分注視しながら実態もなるべく究明をしたい、こういう気持ちでございます。
#93
○荒木小委員 それで長官、もう一言ですけれども、そういう場になっておるわけですから、私は、解決はやはり一つのルールがあろうと思いますが、しかし同時に、いまの時点でも現地の署長さんの方で事実関係をよく調べていただいて、そして本人に、少なくとも責任者の方が得心のいくような経過の説明をされて、そこで事実関係がどうしても一致しないということが場合によってはあっても、これはやむを得ぬことかと思うのですよ。まあ、言うた、言わぬということになる場合もないじゃありませんからね。しかし、そうした手順が何にもないままで通知が来て、そして本人が経過を説明してほしいと言っても、それはもう決定があったとおりだということでは、これは信頼関係を十分全うする道ではないと思うのです。
 ですから、私、いまここでどういうことをやれという、そこまでは申しませんが、もう一度後追いでなにしていただいて、そういう信頼関係を回復するに適切な処置がとれないものかどうか、これはぜひ検討をしていただきたいと思うのです。長官のお考えはいま伺いましたから、個別案件の処理ですから担当の部長さんでも結構ですけれども、そういう意味での再検討ということを要望したいと思うのですが、それを伺って質問を終わります。
#94
○保岡小委員長 答弁必要ですね。
#95
○荒木小委員 はい、必要です。
#96
○谷口(昇)政府委員 先ほども申しましたように、本件の問題についてはただいま訴訟中でございますので、ちょっと答弁を差し控えさせていただきたい、このように考えております。
#97
○荒木小委員 そうですか。
 それでは終わります。
#98
○保岡小委員長 川口大助君。
#99
○川口小委員 小委員会でございますが、発言の機会がないようでありますので、この場でお尋ねするのが適切かどうかわからぬのでありますが、お伺いしたいと思います。
 特別減税をやったわけですが、それに伴いまして各種年金その他の二カ月の繰り上げ、これを実施したわけです。それに伴いまして、生活保護法による保護の基準制定というものを行っているわけです。内容はすでにおわかりだと思いますが、これは生活保護世帯の関係でありますから級地によって違いますが、一級地の場合は五千円、二級地四千五百円になっています。まことにこれは結構なことでありがたいのですが、ただ問題は、これの財源負担です。
 生活保護法によりますと、国が八割、地元が二割、こうなっておるのですが、今回のこの五千円、四千五百円は、つまり特別措置によって生じた事務だ、こういうことでありますと、当然地元の二割負担の分については何らかの形で財源補てんがなされるものと思うのでありますが、どういうものによってなされるか伺っておきたいと思います。
#100
○松下政府委員 ただいま御指摘のございました生活保護費の本年度の臨時措置でございますが、この措置は本年度におきます予算審議中の与野党の申し合わせ事項に従ってとられた措置でございます。与野党の申し合わせ事項の中の社会保障関係の部分につきましては、その基本は各種年金あるいは恩給につきまして毎年物価等の上昇に応じた給付の改善が行われるわけでございますけれども、この改善もそれぞれの制度の中で二カ月ずつ当初予算に比べて繰り上げを行うという措置であったわけでございます。
 御指摘の生活保護につきましては、これに準じた特例の措置を講ずるということになっておりまして、それは、生活保護につきましては単価の改定は御承知のように毎年の四月に改定をすることに予算上なっておりますから、さらにこれを二カ月繰り上げるということはないわけでございます。しかし、一方各種年金等についての改善、繰り上げ措置がございますので、これとのバランスを保ちます上から、おおむね生活保護費の単価の改善の二カ月分に当たる、それがいま御指摘の約五千円でございますけれども、それを特別に給付いたそうということでございます。したがいまして、これは制度のそれぞれの仕組みを前提としながら、その改善分についての追加の給付をいたすということでございまして、現在ある社会制度と別に何か一定額の費用を差し上げるということではなかったわけでございます。したがいまして、各種の年金につきましても、それぞれの年金制度によって国と使用者と本人の負担とか、そういう負担関係はそのままにしまして給付改善を行っているわけでございます。これは生活保護につきましても同様でございます。生活保護費でございますから、御指摘のように国が八割、地方が二割を負担して支給をいたすというたてまえは崩さないことになっているわけでございます。
 いまの御指摘のそれについての財源措置をどうするかということでございますけれども、今回の、いま例にお挙げになりました生活保護費の追加支給に必要な地方財政の負担額は約十億円と見積もられてございます。地方財政計画におきまして、一方では追加財政需要に対する資金として全体で計画上三千五百億円の引き当てを行っておりますけれども、この中で十分対処できる金額であると存じております。
#101
○川口小委員 そういう内容をぼくは伺っているわけじゃないわけです。生活保護法の従来のしきたりによって支給した、こう言われておりますが、しかし、今回の問題はやはり特別減税のための派生的な措置として生じた新たな事務じゃないか、こういうふうに私は思うのであります。したがって、この問題について、新たな事務に伴う財源措置というものはこれは市町村が負担せねばならないというふうになっているわけでありますから、この二割分についても当然負担すべきがしかるべきだと思うのであります、内容的には私は知っていますから説明がなくてもわかるのです。ただ、市町村に二割負担させるのはけしからぬじゃないか、こういうお尋ねをしているわけです。
#102
○松下政府委員 ただいまお答えいたしましたように、今回の社会保障関係の措置は、それぞれの制度の負担関係をそのままにいたしまして、改善分のおおむね二カ月をめどとしまして臨時の追加給付を行うということでございますので、今回の生活保護におきますところのこの追加の部分も、生活保護費以外の特別の給付金ではございませんで、臨時的とは申しましても、生活保護費自体を増額いたしたわけでございますので、新たな仕事と申しますよりは、現在の生活保護費が量的にそれだけ支給額がふえたということであると考えておる次第でございます。
#103
○川口小委員 それは少しこじつけじゃありませんか。大蔵省では、というわけでございますとおっしゃるかもしれませんが、地元の市町村にとってこれは全く新たな、意外な事務だというふうになるのでありまして、それじゃ、一体だれがどこで当然のものとしてそういうふうにお決めになっているわけですか。新たな事務でないというその根拠ですね。ただ、大蔵省の解釈だけですか、考えだけですか。そういう点がどうも明確でないので、地元の市町村ではその説明では納得できないと思うのです。
#104
○松下政府委員 今回の生活保護費の追加につきましては、これは生活保護法の規定に基づきまして、生活保護費について増額をするということでいま最初に御指摘のありました告示も出ているわけでございます。そういう点から申しましても、これは生活保護費自体でございまして、ただそれが決定されましたのは非常に短期間に追加の決定をみた次第でございます。その経緯は、国会におきますところの与野党の申し合わせ事項を踏まえて、社会保障制度におけるそれぞれの制度の特例的改善ということで対処いたしたわけでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
#105
○川口小委員 五十二年の五月二日に秋田県から県内の各福祉事務所に出された書面があるのです。その書面を読んでみますと、「なお、今回の措置は、昭和五十二年度において各種年金、手当等の改善が二ケ月繰上げて実施されることにかんがみ、これに見合う措置として行われるものであり、本年度限りの臨時的措置であります。」こう書いてあるのです。そうすると、これは全く臨時的な新しい事務だと解釈されるのが当然じゃないでしょうか。
#106
○松下政府委員 ただいまの御指摘の書面については私も承知いたしておりませんけれども、今回の追加支給が行われますその根拠は厚生省告示によるものでございまして、その厚生省告示は生活保護法に基づく告示でございますので、これは臨時的には相違ございませんけれども、臨時に生活保護費でないもの、一種特別の給付金を生活保護の受給者に差し上げるということでなしに、あくまでも本年の生活保護費を臨時的に追加いたしたということでございますので、その間の負担関係は本則に準じて行われるものであると考えておるわけでございます。
#107
○川口小委員 どうも水かけ論になるのですが、自治省からもお見えになっておりますから、自治省の見解をひとつお聞きしたいと思います。
#108
○関根説明員 ただいまの点につきましては、自治省といたしましても、事務の性質がやはり生活保護の一環としてなされるものであると解せざるを得ないと考えておる次第でございます。したがって国と地方公共団体との間の負担区分の原則でございます生活保護については地方が二割を持ちましょう、この原則を適用せざるを得ないと考えておる次第でございます。
#109
○川口小委員 そうしますと、書面を大蔵省は見ておらないと言いますけれども、こういう書面の発送に当たっては誤解のされないような書面でないと、各市町村では、あくまでも臨時的な事務なんだ、こういう理解を持っておられるようでありますから、これ以上申し上げましても平行線をたどるようですからやめますが、どうも最近における事務の問題と財源配分の問題、地方自治体では大変神経質になっているわけです。したがっていまのような疑問も出ておると思いますので、今後ひとつよろしくお願いするということでそれでは一応打ち切ります。県の方、市の方をもうちょっと調査の上で、いずれまた何かの機会にお尋ねすることがあるかもしれませんから、一応保留ということでこの問題は打ち切ります。
 次に、税の問題と、先ほど申し上げました事務の配分の問題、どうもなかなか理解できない点がありますのでお尋ねをするわけであります。
 大変初歩的なお尋ねですが、税というものは一体どういうことかということをまずお知らせいただきたいと思うのです。
#110
○佐藤説明員 税というのは一体何かという御質問でございます。通常法律学者などが税を定義する場合には、国が、特別の給付に対する反対給付としてではなくて、公的な欲求を充足するための資金を獲得する目的で法律の定めに基づいて私人に課する金銭的な給付である、大体こんなふうに定義されていることが多いわけでございます。そういう意味でございますので、特別の給付に対する反対給付、つまり手数料というようなものとは違う、あるいは一般的にいろいろな人に課されるということから見まして、特定の事業の経費をその事業に特別の関係のある人から一部負担してもらうような負担金とも異なる、こんなふうに税の概念を通常は定義されておるようでございます。
#111
○川口小委員 そうしますと、健康保険税というかっこうで、税という形で徴収しますね。これはどういうふうに解釈すればいいのですか、いまの説明から申しますと。
#112
○吉住説明員 国民健康保険税についてでございますが、御承知のように、保険税というかっこうで徴収している市町村それから保険料というかっこうで徴収している市町村両方ございます。この場合、税の定義についてはいま御説明がございましたけれども、では税と料とどう違うのかというお尋ねの趣旨であろうかと思います。
 これはいまの一般原則から申しますと多少特異な例でございまして、原則的には国民健康保険法におきましては保険料を徴収するというふうに書かれているわけでございます。しかしながら保険税を課している場合はこの限りでないというような書き方がしてございまして、国民健康保険のたてまえからいきますと、あくまで税というのは例外である、そういう法令上のたてまえにはなっているわけでございます。しかしながら現実問題といたしましては、国民健康保険税を適用する市町村の方が圧倒的に多いこと、これはもう御承知のとおりでございます。その場合には、税で取る以上は、あくまでこれはいまの定義にございますような租税でございます。しかしながら、国民健康保険に要する費用に充てるために保険税を取るものでございますから、一般的な租税とは違いまして、目的税ということになろうかと思います。そのような意味で、ただいまの租税の一般的な定義とは若干離れております。あるいは法律が税と料といずれをとるかは市町村の選択であるというふうに言っておりますので、その意味では料と税は本質的には非常に似通っておる、ただ法技術的にやはり税という性格を持ったものである、こういうふうに整理ができようかと思います。
#113
○川口小委員 さらにいま一つ、地方交付税という名前を使っていますね。かつてはこれは平衡交付金という形で扱ったこともあるのでありますが、この「税」の使い方が、いま御説明がありましたが、わかったようなわからないようなことで私もよく理解できないのです。何か「税」と使うと強制力がある、「料」と言うと何かもうちょっと軽く考えられるというふうなニュアンスも市民にとっては受けるのですよ。このように国税、いまの交付税、保険税というふうに考えてみると、先ほどの説明にありました税の概念とはちょっと意味が違ってくるのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#114
○吉住説明員 まず国民健康保険税でございますが、税と料とどう違うかといいますと、それはその法形式が違いますと、先生御承知のように、たとえば差し押さえしてそれを公売処分に付するといったような強制徴収をする場合には、一定の場合には税の方が優先する、料の方が劣後するといったような法律上の効果がございまして、その意味では違ってくるわけでございます。
#115
○川口小委員 時間も余りありませんので簡潔にいきますが、疑問だけ私並べてまいりまして、後で意見等申し上げます。
 次に、国税、県税、市町村税というふうな区別があるのですが、この区分はどういう根拠によってなされるのですか。色分けといいますか、なぜ固定資産税は市町村税になっているか、なぜ法人税は国税になっているか、こういう根拠をお知らせ願いたい。
#116
○佐藤説明員 形式的に申し上げますと、釈迦に説法のようなお話になるかもしれませんが、国が課するのが国税であり、都道府県が課するのが府県税であり、市町村が課するのが市町村民税であるわけでございますけれども、先生のお聞きになっているのはそういう意味ではないだろうと思います。これはいろいろな考え方が言われておりますけれども、概して国税としてふさわしいようなものは、その人の能力に応じて課税するような、たとえば個人的な所得税であるとかあるいは法人税というようなものを国税にする国が多いようでございます。それに対しまして応益的な課税と申しますか、能力に応じてと言うよりは地方政府も含めました政府のサービスの受益の程度に応じて税を支払う、これは先ほど申しましたような手数料というような意味での一対一の応益関係ではないわけでありまして、一般的な地方公共団体のサービスに対する負担という意味でございますけれども、そういった意味での固定資産税みたいなものは地方税に適するというようなことが通常は言われているようであります。
#117
○川口小委員 言われていることを聞いているのじゃないのです。どうして日本ではそういうものをそのような区別で区分したのかということを聞いているわけです。わからなければわからないでも結構です。
#118
○佐藤説明員 先ほども申し上げましたけれども、国の場合どういう税を国税として適当とするかというようなことは、先ほど申しましたような能力に応じてという基準のほかに、やはり税制の持っております経済を調整するような機能、これはどういたしましても地方政府ではできない事柄でございますので、そういう経済の景気調整というようなことも念頭に入れまして、国税というのをどういうふうに定めるかというふうに考えますと、先ほど申しました法人税でございますとか個人の所得税でございますとか、そういう広いタックスベース、課税標準を有するものを国税とするというような考え方。これに対しまして、地方の段階におきましては、もう少し住民の生活に密着したようなサービスの、広い意味での対価というようなものを中心に税制を組んでいくのが適当ではないかというような考え方に立っているんだろうと思います。
#119
○川口小委員 税の徴収費用ですが、国税、県税、市町村税、それぞれ徴収費用はどのくらいになっておりますか。
#120
○佐藤説明員 ただいま手元にございませんので、早速調べまして御報告したいと思います。ちょっとお待ちを願いたいと思います。
#121
○吉住説明員 都道府県におきましては、徴税比率が県によって違いますが、約三、四%、市町村におきましては約五、六%。なお、正確な数字は後ほど調べて申し上げます。
#122
○亀井説明員 国税につきましての徴税コストでございますけれども、税収を百円上げますに当たりまして一円八十銭、こういう数字が五十年度といたして出ております。(川口小委員「同じ率でやってください。一・八ということですか」と呼ぶ)失礼いたしました。同じことでございますが、一・八%、こういうことに相なります。
#123
○川口小委員 いまいろいろ税の区分ですか色分けについて御説明がございましたけれども、私の考えは、シャウプの税制改革の当時、新しい憲法、新しい自治法というものにのっとって、地方自治の本旨というものを生かしながら、つまり固有事務といいますか、そういうものを評価するために、やはりある程度事務の分量を考えた税の区分を考えたんじゃないか、こう思うのです。固定資産税のようなものはわりあい確定しておる財源でありまして、法人税などはどちらかというと景気の変動によって変動するという性格の、いわば不確定な財源、こういうことで、私は、シャウプの税制改革の際に、市町村自治というものを、その本旨を生かすためにそれに対する確定財源を付与したものじゃないか、こういうふうに理解をしているわけです。
 ところが、日本の経済が高度成長で意外に伸びました関係上、不確定財源と思った法人税、そういうものがむやみやたらにどんどんふえた、そのわりあいに市町村税の固定資産税の伸び率は低かった、ここに財源の不均衡というものが出てきたのじゃないか、私はこう思うのですが、いかがですか。私の考え方が間違っているんでしょうか。
#124
○亀井説明員 まず最初、国と地方の税源の問題というような御指摘がございました。
 確かに、高度成長期には、法人関係税といったような税目の伸びが高うございました。それに対しまして、固定資産税といったようなのが相対的に低かったということは事実でございます。しかしながら、また、最近におきましては、その事情が変わっておりまして、法人関係の税の落ち込みに対しまして、固定資産税等は着実に伸びておる、こういう事情にございます。
 国と地方の税の配分の問題というふうに御指摘をちょうだいいたしましたけれども、この問題につきましては、先生御指摘のように、国、地方の行政事務の配分のあり方といったような問題ともあわせまして、あるいはまた地方交付税とか地方譲与税、そういった問題とも総合的に勘案をいたしまして、慎重に検討をしていかなければならない。単純に税の充実というだけで問題はなかなか簡単にはいかないのではないか、かように考えておる次第でございます。
#125
○川口小委員 私はまだそこまで言ってないのです。私の言っているのは、つまり税の不均衡、いわゆる財源の不均衡というものがいろいろ言われておるのですね。そこで、いま私、国税、県税、市町村税というものはどうして区分されたか、こう言いましたら、明確な答弁はできなかったけれども、何か国税の場合は景気調整を含むような、そういうふうなものは国税にしたのだ、こういうようなお答え以外になかったわけです。そこで私は、そういう考え方もあろうけれども、いわゆる新しい憲法によって地方自治法というものが制定されて、地方自治団体というものは一つの人格として固有の事務を行わなければならないような状態になったときに、シャウプの税制改革によって、その時点においては、その事務を評価するような、いわゆる税の適正な配分というものはある程度あったのではないか、こう言っているわけです。しかしそれが日本の意外な経済成長によって、当時のシャウプの税制改革で考えた際の税の配分というものが狂ってきた、そういうのじゃないかと私はお尋ねをしているわけです。その私の考え方はどうかということをお尋ねしているわけです。
#126
○吉住説明員 昭和二十五、六年から最近までの長期的な推移をながめますと、市町村税の市町村の全歳入中に占める割合が長期的に低下してきていることは御指摘のとおりでございます。ただ、地方財政全体で見ますと、県の方はそれほどその比率が落ち込んでないあるいは若干上昇しているということでございますが、市町村につきましては、いま言ったように低下してきている。これは否定できない傾向であろうと思います。
 それにつきましては、これまた先生よく御承知のように、税源が地域に偏在しておりますと、一律に地方税を増強したといって、農村部分あるいは山村部分に均てんするとも限りませんので、これはやはり交付税のような財源調整をあわせ考えながら、市町村の税源充実ということは中期的、長期的に見まして自治省といたしましては努力していかなければならない問題である、こういうふうには理解をしているわけでございます。
#127
○川口小委員 ですから、一つの考えからすれば、いま伺いましたけれども、国税の場合は一・八%の徴収費用ですね。県税、市町村に行くに従って徴収費用がこれは多くなるわけです。したがって、最も効率的な徴収をして最も効率的な使用をするとなれば、場合によっては国税一本にまとめて、そして平衡交付金のようなものを非常に合理的に活用して、いま言ったとおり、同じ地域であっても過疎もあれば過密もある、都市もあれば農村もある、そういうふうなものを考えながら調整していくということを考えれば最もむだなく合理的な方法になるのですが、それはできないのですか。
#128
○吉住説明員 税の部分のみまずお答えを申し上げたいと思います。
 地方税を国税として取りましても、その税だけを見ますと、やはり同じだけの費用がかかるということは疑いないであろう。恐らくそうなるであろうということでございまして、それはどこがお取りになりましても、いま申しました比率はさほど変わりないのじゃないか、税の部分にのみ限ってお答えを申し上げますと、そのようなことでございます。
#129
○川口小委員 ということは、ちょっとわかりかねます。簡潔にひとつ要領よく……。
#130
○吉住説明員 たとえば所得税なら所得税を徴収します際に、いまかかっている費用は、だれが、どの機関がお取りになりましても同じ額だけはかかるであろう。だから、地方税を国税にしましても、全体としての徴税費用につきましては、もちろん簡素化あるいはいろいろな努力はあろうかと思いますけれども、大局的には余り変わりないのではないかというふうに考えております。
#131
○亀井説明員 先生の御指摘は、たとえば地方税を統一して国税で取ったらどうか、こういう御指摘であろうかと思います。そうすればなお効率がよろしいではないかという御指摘であったかと存じますが、確かにそういう効率の問題というものをこの問題で考える必要がある一方、また地方税のあり方、地方自治との問題といったような問題との関連をどう考えるか、こういうような問題も種々ございます。そういう意味でいろいろな御意見がありまして、いろいろな問題を考えていかなければならない、こういったふうに考えておるわけでございます。
#132
○川口小委員 何かどうもはっきりわかりませんが、いま国税の場合一・八の徴収費用だ、市町村税の場合五%だと言いますから、それじゃ安く上がる方でやった方がいいじゃないか、私はこう聞いたわけですが、いまのお答えはそれはどこで取っても同じなんだというふうになれば、逆に何も国税、県税、市町村税と分けなくて、市町村で全部徴収させることによって機構の改革もできるし、地方自治体を尊重するというふうな趣旨にもなる。それを無理に景気調整は国税だ、その他は市町村税だというふうにあえて局限をする考え方はどういうところから出ているかということについて、もっと明確にお答えをいただきたいと思うのです。
#133
○吉住説明員 言葉が足りませんで申しわけございませんでしたけれども、やはりシャウプ以来の市町村には独立財源ということには忠実でなければならないわけでございます。私、先ほど申し上げておしかりをいただきましたのは、徴税費用に関する限りそうだという意味でございまして、結局のところは地方税には地方税として適している性格というものがございます。先生が先ほど例示されましたような固定資産税、これは全国至るところの市町村に普遍的に存在しております。また捕捉もさほど困難ではございません。そういったような意味で、これは地方税、特に市町村税として非常に適格性があるというふうに私どもは判断しているわけでございます。したがいまして機械的に一律にどこかで一元的に徴収するということにすればどうかということにつきましては、それはそのようなことも頭の中では考えられるかもしれませんけれども、現実的には自治体である以上は自主的な課税源があってしかるべきでございますし、国としても同じように課税源があってしかるべきだ、どのようにその税源を配分していくかということでございます。その点につきましては、いま言いましたような地方税としての適格性を持つかというようなことを考えながら配分を行っていくことが妥当ではなかろうかというふうに考えております。
#134
○川口小委員 私のお尋ねの前提は、いまの税制の体制ではだめだ、また行政の運営の仕方でもだめだ、こういう前提に立って抜本的に考え直さなければならぬじゃないかという考えが、私の前提にあるわけです。しかし皆さんは現在の機構なり現在の制度を無視してしまうということはなかなかできないでしょう。またそれを論外にした答弁もできないかもしれぬのです。しかし、きょうは税の小委員会ということで、お互いにじっくり税の問題を考え合うというふうな機会じゃなかろうかと思うのです。ですからただ従来のしきたりや現在の制度にこだわった考え方ではどうも私も物足りないのです。これはなかなかむずかしいでしょうが、個人的見解ということになると委員会の答弁にはならぬかと思いますが、少なくとも現在皆さんがやっておって矛盾を感じておる、あるいは直さなければならないというふうな点があったとしたならば、そういう点も含めながらひとつ御答弁をしていただければ大変ありがたいと思うのであります。
 そこで、それでは角度を変えてお尋ねをいたしますが、「五十二年度の地方財政措置について」という自治省の事務次官から各省庁の事務次官に、これは通達になりますか、申し入れも行っているわけですね。この中でもうたっておるわけですが、「地方公共団体が、財政の健全性を確保しつつその使命を果していくためには、地方公共団体における行財政運営の改善、財源の充実等を図る必要があることはもちろんであります」というふうに言っているわけです。ところが、私は税制調査会というものの報告書を何回も読んでみましたが、内容はどちらかというと税の客体を把握する、あるいは新たな客体がないか、あるいはまた増額のものがないかという税の客体や税そのものについての議論は相当ありますが、本当に地方自治体の事務分量なりあるいはまた国の事務分量を考えた、そういう角度に立った税制調査会の審議がないように思うのですよ。ですから本当に行財政あるいは財源の問題について検討をなさるというのであれば、いま私が大変初歩的なようなお尋ねをいたしましたが、そういう原点に立ってこれを検討する必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
#135
○関根説明員 私から御答弁を申し上げることが適当であるかどうか、やや疑問なきにしもあらずでございますが、御指摘のように毎年各省に対しまして翌年度の各省の地方財政に関係のあります予算につきまして、自治省の立場から申し入れ、要望事項をお願いいたしておるわけでございます。その中に先生のおっしゃいますような基本的に事務配分の見直しも将来やっていかなければならぬし、それに見合った財源を十分地方団体に確保していかなければならぬ、こういう基本的な物の考え方に基づいて物を申しているわけでございますが、事務配分ということになりますと基本的に非常に重大な問題でございますので、地方制度調査会等におきましても基本的な事務配分の問題を従来から御検討いただき、何度も御答申をいただいているわけでございます。そういう線に即しまして、自治省としてはできるだけ早い機会に抜本的な事務配分の再検討といいますか、それに伴う財源の再配分、こういうようなものを実現の方向に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#136
○川口小委員 どうも時間が十分でないので、こういう問題をとことん私は意見を闘わせてみたいと思っておるのですが、どうもそういういとまがなくて残念です。
 先ほど私が申し上げましたように、たとえば厚生省の生活保護法の特別減税による負担の問題につきましても、やはり地方財政法二条二項にかかわる関連があるんじゃないかと私は思うのです。そういうふうに次から次へ事務の分量がどんどん地方に移譲されていくにもかかわらず、財源付与が適切でないというふうな問題が私はたくさんあると思うのですよ。現にいまお話ありました五十二年度の地方財源措置の中で、私は項目別に拾ってまいりました。各省に、いろいろこの点は改善しろ、この点は改善しろという要望書が出ておるのです。ですから、これは恐らく要望する問題のごく一部だと思うのですね。これ以外にまだたくさん市町村が財源を負担しておる問題があると思うのですが、当面五十二年度はこのぐらい解消してくれというのが自治省から各省に出したお願いだと思うのであります。ですから、少なくともこのぐらいの超過負担があるわけであります。どうにかしていまの地方自治というものの本質を本当に確立するためには、やはり勇気を持って事務と財源の適正配置というものをやらなければならぬと私は思う。考えています、考えていますと言ううちに日が暮れるということになりかねないのでありますし、ぜひひとつ早急に事務と財源の問題についての適正化に御努力願いたいということで先に進めざるを得ないのですが、あと十分ぐらいでありますので、そこで伺いますのは、自治省では市町村に対して再建団体の指定ということをやるわけですね。どういう状態になればこれをやるわけですか。
#137
○関根説明員 再建団体の指定ということがございますが、これは法律上正確に申しますと指定日の指定という形になるわけでございまして、その指定を行いますためには地方公共団体から指定の申請を議会の議決を経て自治大臣に出してまいりまして、その議決に基づく申請があって初めて自治大臣が指定をする、こういうことになるわけでございますが、内容的には再建法に規定がございますように、一定の額を赤字額が超えてまいりますと起債を起こすことができなくなるものですから、その率が都道府県では標準財政規模の五%、市町村では二〇%というふうに決まっております。通常再建団体の指定を地方団体が申し出てまいりますのは、いま申し上げました率をオーバーするような赤字を出した時点で出してくるというのが通常の例でございます。
#138
○川口小委員 そういう場合、どんな指導をなさるわけですか。
#139
○関根説明員 あくまでも財政の再建というのは自分のところの財政の立て直しの問題でございますので、現在の再建法も自主的にこれを進めるということを原則として制度が組み立てられているわけでございますので、私どもとしては相当大幅な赤字を出している団体が、その立て直しのために再建手続に乗って再建法の規定に基づきまして指定の申請をしてまいりましたときには、ほとんど例外なく指定をいたしております。
#140
○川口小委員 私の聞いているのは、その場合具体的にどういうように健全財政が確立できるような行政指導をなさるのかということです。
#141
○関根説明員 財政再建の内容、やり方の問題でございますが、これは当然のことながらその財政がどういう理由で破綻を来したかという、理由との兼ね合いの問題であろうかと思います。最近の例で申しますと、ごく一般的には人件費を初め物件費等の経常的な経費が非常にふくれ上がりまして財政硬直化が起こり、その結果として赤字が出たというのが、まあまあ大方の共通的な理由でございます。そういうものに対しては、当然のことながらできるだけ経常経費の切り詰めをやっていき、歳出の面でできるだけ節減を図っていく。もちろん歳入面でも、確保できる歳入についてはできるだけその充実確保を図っていくということは必要でございますが、主として歳出面に問題があって出てきた赤字については歳出面において赤字対策を起こしていかざるを得ない、こういう話になると思います。また最近の例で例外的には、ある特定の事業を単年度でぱっとやってしまいまして、その結果起債が非常に大きな金額になる。あるいは、やみ起債というようなものを起こしてやっておったのが後でばれまして、その結果決算収支上赤字として記載せざるを得ない、こういう事態になっております。こういうものはわりあい単発的な赤字でございますので、その事業そのものを何とか解消していくといいますか、その事業に伴って生じた赤字解消策を個別の問題としてとっていく、こういうことによって対処できるという場合もございます。
#142
○川口小委員 そこで、もう時間が幾らもないので、どうもいいところまでいかずにこれは打ち切りになるようで大変残念ですが、地方の場合はそのように自治省が非常に細かなところまで、場合によってはかゆいところに手が届くようなところまでいろいろ指導してくださる。地方から見れば、これは大変窮屈なぐらい御指導してくださるわけです。ところが一方国の場合には、これは国会の議決があるわけでありますが、実際そういう行政の指導をする個所はないわけでしょう。つまり大蔵省自体が心がけなければならぬということになるわけでしょう。ところがその大蔵省のたとえばことしの予算なんか見ましても、赤字だと言って赤字国債を発行する、償還の計画はというと一つの目安だ、こういうふうなことになっているわけですが、いまの御答弁の態度から、自治省からいまの国の予算の状態をごらんになってどういうふうにお考えになりますか。
#143
○関根説明員 ただいまの国、地方を通ずる財政の状況というのは、きわめて異例な状況になっておるというふうにわれわれとしてもつくづく考えておるわけでございまして、地方団体について申しますと今年度二兆七百億の財源不足が生じたわけでございますけれども、国にその額を当てはめますと大体八兆からの金額という見方もありますし、特例公債だけで言うと四兆五百億というような話にもなると思いますけれども、いずれにしろ大変な財政状況になっておるというふうに考えております。
#144
○川口小委員 どうも的確なお答えじゃないのですが、審議官もおりますが、私は大臣にも申し上げました。一生懸命やりました、こう言っておりますが、少なくとも財政を幾らか手がけた者から見れば、また自治省からいろいろ御指導を受けてきた体験を持った私どもから見ると、どうも大蔵省の予算編成が従来のしきたりをそのまま継承する、あるいはまた余りにも約束事が多いものですから、それを英断をもって切り捨てることができない。したがって、口ではおっしゃっているけれども、案外おざなりな予算だ、こういうふうに見られる節がずいぶんあるのです。ですから、私は社会党ですが、社会党とか自民党ということでなしに、いまのわれわれの日本というものを子孫に引き継いでいかねばならぬわけですから、財政の面につきましても国政の面につきましても、できるだけ正常な姿にして引き継いでいくという努力を惜しんではならぬと思うわけです。そういう意味で、先ほど申し上げたとおり、税制調査会はただ単なる客体の検討だけではなしに、事務の分量も考えた税の配分なりあるいは税の創設なり、そういうものもやっていただくし、大蔵省も、自治省的感覚と言うとちょっと語弊がありますが、少なくとも自治省が地方自治体を指導なさるがごとき感覚をお持ちになって、抜本的に行財政をひとつ検討していただきたいとお願いをいたしまして、時間になりましたからやめざるを得ないわけですが、どうか私の意のあるところをくみ取って、よろしく前向きな善処をお願いしたいと思います。
 終わります。
#145
○保岡小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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