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1976/04/20 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第17号
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1976/04/20 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第080回国会 地方行政委員会 第17号
昭和五十二年四月二十日(水曜日)
    午後一時十一分開議
 出席委員
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 木村武千代君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 小川 省吾君
   理事 佐藤 敬治君 理事 小川新一郎君
   理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    石川 要三君
      鹿野 道彦君    谷  洋一君
      渡海元三郎君    中村喜四郎君
      中村  直君    西田  司君
      葉梨 信行君    堀之内久男君
      渡辺 秀央君    岩垂寿喜男君
      加藤 万吉君    新村 勝雄君
      細谷 治嘉君    山田 芳治君
      権藤 恒夫君    斎藤  実君
      和田 一郎君    中井  洽君
      三谷 秀治君    川合  武君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 小川 平二君
 出席政府委員
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 妹尾 弘人君
        自治大臣官房審
        議官      石原 信雄君
        自治大臣官房審
        議官      塩田  章君
        自治省財政局長 首藤  堯君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  井上  裕君     渡辺 秀央君
  大西 正男君     葉梨 信行君
  与謝野 馨君     鹿野 道彦君
同日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     与謝野 馨君
  葉梨 信行君     大西 正男君
  渡辺 秀央君     井上  裕君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三四号)
     ――――◇―――――
#2
○地崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。斎藤実君。
#3
○斎藤(実)委員 私は、交付税法の審議のしんがりを受け持つ立場から、これまでの重複を避けまして、まず基本問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 地方財政、特に交付税をめぐる問題は本年の国政における最大の問題の一つでございまして、本委員会におきましても、野党委員が長時間にわたって真剣に論議をしてまいりました。今回のようなことは、かつてない長時間にわたる審議だと思います。これは地方財政の問題が緊急事態に直面していることのあらわれであると考えるわけでございまして、これまでの論議を通じて大臣の心境も大きく変わったのではないかというふうに私は考えるわけでございます。大臣は、本委員会の論議を通して、特に地方交付税制度の改革また税率の引き上げについてどのように受けとめておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
#4
○小川国務大臣 交付税率の引き上げにつきましては、今日まで繰り返して答弁を申し上げましたように、これが最も望ましいことであると考えておるわけでございますが、今日の状況のもとにおいては抜本的な改善を行うということははなはだ困難でもあり、また適当でもない、かような判断を持っておるわけでございます。
#5
○斎藤(実)委員 この問題については各委員から再三にわたって論議をされました。これ以上はお尋ねをいたしませんが、地方財政におけるこの地方交付税の制度の抜本的な改革あるいは税率の引き上げについては、これは地方財政を含めた問題としても、あるいは地方自治体、国民の大きな問題でございますので、ひとつ特段の政府の決断をお願いしたいと思います。
 さて、地方財政問題についてはあらゆる点にわたって各委員から質疑がございました。ほとんど出尽くした感じでございますので、私は今日の公営企業、特に地下鉄問題一本にしぼりましてお尋ねをいたしたいと思います。
 大臣の所信に対する私の質問の中でも公営企業についてお尋ねをいたしましたが、自治大臣としてこの公営企業についてこれからどう見直し、あるいは抜本的に改革をするのか、決意のほどをまずお尋ねしたいと思います。
#6
○小川国務大臣 公営企業は住民の日常生活に密着したサービスを行っておるわけでございまするから、この運営が健全になされまするために必要な資金の確保はもとより、あとう限りの配慮をしていかなければならない、かように考えております。
#7
○斎藤(実)委員 運輸省にお尋ねをいたします。
 地方財政の中で特に重大な危機に直面をしております公営交通事業の問題について伺いたいと思いますが、まず今日の社会経済情勢の中で総合的な交通体系の確立が私は絶対に必要だろうというふうに認識をしております。運輸省は総合交通体系についてはどのように考えておられるのか、まず最初にお尋ねをいたします。
#8
○妹尾政府委員 総合交通体系につきましては、運輸省といたしましては、官房の政策部門におきまして、陸海空にわたる作業を現在まで進めているところでございますけれども、先生お尋ねの地下鉄というものにつきましては、総合交通体系の中のいわゆる都市交通の重要な柱というふうに考えて、その整備を図っていく所存でございます。
#9
○斎藤(実)委員 都市交通の中で地下鉄が重要な位置を占めているということは私も同じような認識を持っているわけでございますが、私は、地域別あるいは広域的な交通の役割り、国と自治体及び民間などの基本方針が明確にされていないのではないかというふうに思うわけでございます。経済社会情勢の大きく変化をした今日、相当手直しをしなければならないと私は思うわけでございまして、都市交通体系の抜本的な改革が必要だと思うわけですが、いかがですか。
#10
○妹尾政府委員 都市交通施設の整備に地方自治体がどのような役割りを果たしていくべきか、そしてその施設整備の費用負担の割合において国あるいは地方公共団体あるいは運賃負担者、こういう者がどのような費用の分担をしていくべきかということにつきましては、最近における地下鉄における費用が非常に増大しているというようなことも考慮して今後検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#11
○斎藤(実)委員 検討を進めているということでございますが、具体的にどういう問題、諸点について検討されているのか、まず伺いたいと思います。
#12
○妹尾政府委員 先生御承知と思いますけれども、現在の地下鉄の補助方式は、施設費の六六%を国と地方公共団体で分担して整備するということで毎年予算化しているわけでございまして、昨年来、公営企業体の方でいまの負担割合では今後の地下鉄整備は経済的に非常に重大な問題になってくるというようなことでいろいろ御陳情があります。自治省の方からも昨年自治省独自の考え方で予算要求をされたということでございまして、本年度においてはその辺の問題も自治省あるいは建設省、そういった各省相談の上決めていきたい、このように考えております。
#13
○斎藤(実)委員 私、最初に自治省にお尋ねをいたしたいと思うのですが、今日の都市交通の現状を見た場合に、路面交通の確保並びに民間企業による輸送には限度が出てまいりました。特に地下鉄事業の重要性がますます増大しているわけでございまして、都市交通における地下高速鉄道事業の果たすべき役割りというものはきわめて重要になってまいりました。したがって、自治省は、地下鉄というものが果たすべき役割りあるいはその位置づけというものをどのように認識をされているのか、まず自治省からお伺いしたいと思います。
#14
○小川国務大臣 地下鉄は大都市におきまする基幹的な大量輸送手段としてその果たす役割りは、仰せのとおりきわめて大きいと考えております。したがいまして、今後も着実にその整備を図っていく必要がございます。資金の面はもとよりでございますが、いろいろな角度から十分な配慮をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 経営の改善につきましては、従来補助制度の改善を図るほか、あるいは省力化、機械化等合理化に努めてまいりましたが、合理化の不十分な点につきましてはさらにこれを徹底してまいる必要がございますし、最近における建設費の高騰という問題に対しましては、五十二年度におきまして建設費に対する公共助成のあり方はどうあるべきかという問題を含めまして、経営改善の方策について調査研究をする予定になっておりますので、その結果を待って対処していきたい、かように考えております。
#15
○斎藤(実)委員 大臣から地下鉄事業についてのきわめて前向きな積極的な御答弁がございました。聞くところによりますと、運輸省がこの地下鉄については非常に消極的だというふうに伺うわけでございますが、運輸省はこの地下鉄事業に対してどのように位置づけをされ、あるいは取り組むという姿勢があるのか、運輸省から御答弁をいただきたいと思います。
#16
○妹尾政府委員 ただいま運輸省が消極的だというお話がございましたけれども、別に消極とか積極とかいうことではございませんので、私どもとして必要なことはやっていきたい、このように考えております。
 ただ昨年の経緯は、運輸省としましては、地下鉄の補助制度あるいは今後の地下鉄の整備というものにつきまして、都市交通においては公営企業のほかに営団もございますし、それから一般の私鉄の都市交通への乗り入れの問題もありますし、その辺も総合的に勘案しながら、今後の都市交通の整備をいかに図っていくかということを検討していかねばならないということでございまして、もう少し時間をかしていただいて慎重に検討していただきたいというのが去年来の態度であったわけでございます。
#17
○斎藤(実)委員 私は公営地下鉄の事業の収支を見た場合に、非常に悪化をいたしております。昭和四十九年度の累積欠損金は千三百七十五億円、五十年度の累積欠損金は千五百七十一億円、毎年毎年ふえております。前年度に比べても百九十六億円、一四・三%の上昇になっておるわけでございまして、公営地下鉄事業の財政の健全化はきわめて重要でございます。なお、この抜本的な解決は緊急な問題でございまして、この経営の悪化あるいは累積欠損、これについて自治省、運輸省はどう対処をされる考えでおられるのか、まずお尋ねしたいと思います。
#18
○首藤政府委員 御指摘のように、地下鉄は都市交通の基幹をなしまして、今後の都市交通を確保していくためにどうしても確保しなければならぬ大事な事業だと思っております。しかもこの建設費は非常に高額な費用を要するわけでありまして、特にその本質上、都市の真ん中にトンネルを掘らなければならぬ、こういったような状況でございますので、運賃をもって完全に単純に建設費全部をペイをしていくということは本来不可能であろうと思っております。したがいまして、先生も御案内のように、従前から地下鉄の建設費に対しましては国の補助制度があるわけでございますけれども、ただいまも御指摘をいただきましたように、現在のこの補助制度が、建設費のますます高騰しております現状に対しまして完全に適正なもの、適当なものとまではなっていないのじゃないか、このように私ども考えておるわけであります。したがいまして、先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたが、五十二年いっぱいかかりましてこういった状況を運輸省等とも十分相談をして研究をいたしまして、こういった公費負担のあり方、こういうものの改善についても十分努力をしたい、そういうことを通じて地下鉄の経営の健全化に資していきたいと考えておるわけであります。
 もちろん、経常的な収支につきましては、地下鉄の経営体そのものの健全合理化の各種の方策、こういうことも当然でありますが、その国庫負担あるいは公費負担、こういうもののあり方についてもっと改善すべき問題点がある、このように私ども考えております。
#19
○妹尾政府委員 公営企業における地下鉄の経営が苦しいことは先刻承知いたしておりますが、先生御指摘の、その千三百億から千五百億に累積が上がったということの原因の大部分は、東京都営の赤字の増大というのが非常に大きいわけでございます。東京都営の場合におきましては、率直に申し上げましてこれは建設費の負担ということ以前の問題がございまして、現実にその経常の収入よりも人件費の方が高いというようなことで、建設費以前の問題がございます。したがいまして、公営企業のあり方というものを考えますときに、もちろん今後建設を進めてまいる場介の助成という問題も重要でございますが、それ以前の問題が非常に大きいということを御理解願いたいと思います。建設費の助成につきましては、先ほど申し上げましたように今年度その調査費もございますので、調査を進めていきたい、このように考えております。
#20
○斎藤(実)委員 地下鉄事業の赤字についてはいろいろ要因があるわけでございますが、経営の健全化、合理化だけでは私は問題は解決しないだろうと思うし、国の補助金なりそれらについて抜本的な改革が必要だろうと思う。
 そこで次に移りますが、今回も運輸省に都営あるいは営団地下鉄などの運賃値上げの申請がされているわけでございますが、地下鉄は普通運賃が四三%という大幅な値上げとなっているわけでございまして、当然この大幅な値上げをすれば物価へはね返ってまいりますし、国民生活に大きな影響を及ぼすことは必至でございまして、運輸省は運賃の値上げをいつから実施する方針なのか、私はこの値上げを再検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#21
○妹尾政府委員 運賃申請は現在運輸審議会において審議をされているところでございますので、認可の時期については現在まだ決まっていない、こういうことでございます。
#22
○斎藤(実)委員 公営企業の経営の健全化については、これはもう常に努力をしなければならないことは当然でございますが、しかし、現在の厳しい企業を取り巻く環境では、みずからの企業努力では限界がありまして、国の強力な財政措置の拡充を図る必要があると考えるわけでございまして、特に膨大な建設費を必要とする地下鉄については、現在の助成制度では私は無理だろうと思う。現在の助成制度はどうなっておりますか、お尋ねします。
#23
○塩田政府委員 お答えいたします。
 現在は総事業費につきまして、まず一〇%を当該地方団体が出資をします、その一〇%を差し引きまして、さらに一五%を諸掛り費として差し引きまして、残りにつきまして六六%方式といいますか、六六%を掛けて補助額を計算をするというやり方をとっております。そうしまして出ました金額を六年分割というやり方になっておりますので、実際の総建設費からいいますと五〇%強の実際の補助率、それから六年分割につきまして利子を見ておりませんので、さらにその利子を見たと仮定しますと四〇%強の補助率ということになっております。先ほどお話がございましたように、それを国と当該団体とが半々ずつ持つ、こういうやり方になっております。
#24
○斎藤(実)委員 運営費補助として六六%補助している、それが当該年度起債額に対しては翌年度から六年分割で二五・二五、しかし、これにはいま御答弁がありましたように利子が入っていない。地下鉄企業が五十年度決算では元利償還は九百十億円なんです。しかし、五十年度決算の利子だけでは四百六十八億円ということで、元利償還の半分以上が利子の支払いになっておる。これが非常に大きな経営を圧迫している原因になっていると私は思うわけです。この点についていかがですか。
#25
○塩田政府委員 お答えいたします。
 そのとおりでございますが、そういうこともございますので、先ほどから大臣、局長がお答え申し上げておりますとおり、今年度この公共助成のあり方をいかにすべきかという検討のその中の大きなテーマも、そういった利子にほとんどかかってくるという現在のやり方を、何か適当な方法はないものだろうか、そういうことも含めて大きな検討課題、こういうように考えております。
#26
○斎藤(実)委員 現在の助成措置は建設費の補助なのか、あるいは運営費補助なのか、これはどちらなんですか。
#27
○塩田政府委員 お答えいたします。
 現在は運営費の補助でございます。ただ、運営費の補助でございますが、先ほど御説明しましたように、建設費から一定のルールでもって積算をします。そして出てきたものを運営費の補助という形で、企業会計の方へ行きますと運営収支の方で受け入れる、資本収支の方で受け入れないという形をとっておりますので、お尋ねの点からいきますと運営費の補助ということになります。
#28
○斎藤(実)委員 運営費の補助といっても経常経費に対する補助でありまして、本質は建設工事に対する補助だというふうに認識するのが当然だろうと思う。ですから、これは資本費補助という考え方が最も適当だろうと私は思うのですが、いかがですか。
#29
○塩田政府委員 そこが一番の問題点でございまして、たとえば資本費補助ということになりますと、当然その分は繰り上げ償還をすべきではないかという議論もまた一方出てまいるわけでございます。そこで、それが果たして当該企業にとって有利なのかどうか、どちらがいいかというようなことも私ども一番大きな検討課題だろうというふうに思っておりまして、いまここで資本費補助にする方がいいというふうに断定するまでには至っておりません。
 実は、五十二年度の予算要求の過程におきましても、自治省としましてはそういう資本費補助にしてもらいたいという要求をした時期もございました。ございましたが、なお、先ほど申し上げました検討課題の中でさらに検討をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#30
○斎藤(実)委員 この点について運輸省、どう考えますか。
#31
○妹尾政府委員 資本費補助か運営費補助かということでございますが、先ほど自治省の方から御説明がありましたように、現在の制度は建設費というものを計算の基礎といたしまして分割して支払うということでございますので、受け入れの方ではこれを運営費ということで受け入れている、こういうことでございます。したがいまして、私どもとしてはどの程度の金額を出すのかということが問題であるということはございますが、資本費か運営費かという議論はそれほど重大には考えていないというのが運輸省の立場でございます。
#32
○斎藤(実)委員 先ほど、運輸省もこの地下鉄の累積赤字については重大な関心を持ってこの対策を考えておるというふうに言われておりますが、先ほど私が申し上げましたように、五十年度決算では元利の償還で九百十億、その半分以上が利子の支払いになっておるわけですね。そうであるならば、運営費といっても実際は建設費補助というふうに考えるのが妥当だと私は思うし、そうであれば、六年間にわたる分割補助ということで分割による利子負担については利子補給すべきではないか、これが私はこの地下鉄業の大きなポイントだろうと思うわけです。これについてどうですか。
#33
○塩田政府委員 私ども、この五十二年度の予算要求におきましてそういう利子補給という案も実は考えまして要求した時点もございましたが、いま申し上げましたように、そういうことも一切含めて今後の検討ということで考えておりまして、いまおっしゃいました問題もあわせて検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
#34
○斎藤(実)委員 どうも私はこの問題について納得をいたしかねるわけでございますが、それじゃ、この利子補給が出せないということであれば、一般土木工事と同じように、当該年度で一括補助金を出す、こういう考えもあると私は思う。運営費補助といっても、実際は建設費補助なんですね。分割で出しているわけでございまして、しかも利子補給はないという。私は、こういうような形態で補助金を出している例はほかの事業にあるのかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#35
○塩田政府委員 企業会計ではないと思います。公共下水道とかあるいは人口急増地帯の学校用地の取得等につきましては、取得そのもの、あるいは公共下水道の場合は建設そのものが起債でありまして、その補助金を年割りで交付するというのがございますが、企業会計ではございません。
#36
○斎藤(実)委員 地下鉄事業については、本来、巨額な建設の投資を必要とするわけでございまして、特に最近は深層工事、深いところを掘るというのがふえている、労務費の高騰あるいは用地費の上昇、建設費が非常に増大する傾向にあるわけでございまして、こうした建設費の増高に伴う資本費負担の累増は地下鉄の経営を非常に圧迫しておるわけでございます。地下鉄建設の必要性が生じているということは、道路の渋滞による大量輸送機関の行き詰まりを打開するためのものであるという答弁が先ほどありました。私もそうだと思います。したがって、地下鉄業の地下及び高架の構造物は建設費の七〇%を占めておるわけでございまして、この分は道路を新たにつくると同じ性格のものだろう、こう思います。したがって、この部分については、全額国で補助すべきだというふうにこの性格上私は考えるわけでございますが、運輸省、いかがですか。
#37
○妹尾政府委員 地下鉄施設というものが性格上道路のような公共施設であるのかどうかということにつきましては、現在は公共施設と考えてない、いわゆる営利資本施設、こういう言葉があるのかどうか存じませんけれども、そういうふうに考えているわけでありまして、いわゆる利子のついたお金を借りてきてそれを運賃で回収して返す、こういうことになっているわけでございます。地下鉄が道路交通の緩和とかそういったものに大きな役割りを果たすというようなことから、直ちにそれを公共施設と考えて道路施設と同じように公共負担をしていくということについては、それでは国鉄とかあるいは民営鉄道とかいうものはどう考えるのか、いろいろな問題が絡んでいるわけでございまして、いま早急に結論を出すということは困難かと思います。そういうことも含めまして検討してみたい、このように考えております。
#38
○斎藤(実)委員 次に、地下鉄建設の免許についてお伺いをいたしたいと思います。
 現在、地下鉄建設の免許申請を出している都市はどのくらいで、その内容についてはどうなっておりますか。
#39
○妹尾政府委員 現在申請中の路線は五件でございます。内容は、営団が三線、あと横浜市と札幌市、こういうことでございます。
#40
○斎藤(実)委員 いま運輸省の答弁の中で、札幌市が認可申請をしておるということで答弁がございましたが、札幌市では二年前から地下鉄建設の白石―厚別線の免許の申請を出しておるようでございますが、どういう状態になっておりますか。
#41
○妹尾政府委員 現在審査中でございます。札幌につきましては、札幌オリンピック以後、札幌市の地下鉄網の整備については相当な資金を投じまして進捗しておりまして、最近、工事も一段落したという状態でございますので、今後、いま出されております申請についてはこれから検討していきたい、このように考えております。
#42
○斎藤(実)委員 札幌市の場合、大量交通機関の輸送人員の割合は、公営交通である市営バス、地下鉄とで六九・八%を占めておりまして、全国的に見ても公営交通に依存する割合がきわめて高いわけでございまして、したがって札幌市の地下鉄は短期間で建設が行われておるわけでございます。南北線は十二・一キロが三年、東西線十キロが三年半、きわめて短期間で工事が行われております。また、自動出札等の大幅な省力化できわめて少ない人員でやっておりまして、経営が非常によいというふうに私は認識をしております。運輸省はこの札幌の地下鉄についてどう認識されておりますか、お伺いをしたいと思います。
#43
○妹尾政府委員 札幌の地下鉄がいわば公営企業の中の地下鉄営業の中では非常に優等生であるということは、われわれ強く認識いたしております。
#44
○斎藤(実)委員 さらに私が申し上げたいのは、札幌の場合、営業一キロ当たりの乗車人員が二万四千五百四十二人、それに対して職員数が三十九人、また、走行一キロ当たり資本費以外の費用が札幌市の場合は三百九十一円で、いずれも経営状態はよいというふうにいま答弁がございました。その上に、札幌市は累積降雪量が約五メートルでございまして、最低気温がマイナス十五度という積雪寒冷地帯ということで、十一月から翌四月までの約六カ月間、冬季間は幹線道路においても積雪のために道路が非常に狭くなる、あるいは路面凍結によって表定速度の低下等から、道路の容量が二〇%以上も失われるということで、路面交通機関の輸送力低下はきわめて大きい。したがって市民生活に与える影響はきわめて大きいし、他都市に見られない想像以上のものがあるわけでございまして、このような特殊事情を配慮すべきだと思うわけでございますが、運輸省いかがですか。
#45
○妹尾政府委員 札幌という町の特性からして、地下鉄施設というものが交通問題を解決するために効果が非常に大きいという状況はよく認識しております。それゆえに、私どもとしましては、札幌の地下鉄網の整備については相当の重点を置いていままでは整備してまいったというふうに思っております。
#46
○斎藤(実)委員 運輸省が札幌地下鉄について大変力を入れてこられたことについては私もよく承知をしております。特に私は運輸省に申し上げたいのは、東西線の延長部の沿線人口というものは約二十七万人でございまして、札幌市の副都心及び大規模住宅団地等の広域的な人口を加えますと五十万人以上というふうに言われておるわけでございまして、これは地元住民あるいは市議会も非常に熱心に早期建設を期待しておるわけでございます。部長からいま検討をするという答弁がありましたが、具体的に時期等についてお考えがあれば承りたいと思います。
#47
○妹尾政府委員 時期につきましては、運輸省としましては、免許は運輸審議会にかけて慎重に検討するというたてまえでございまして、いつごろできるというようなことは現在まだ申せない立場にございます。
 先ほど申しましたように、札幌の地下鉄の整備につきましては国としてもかなり重点的に図ってまいったわけでございますけれども、やはり非常にたくさんのお金がかかる事業でございますので、札幌市自身としても、施設整備についてある程度の常識的なテンホというものがあるのではないかということは御認識いただきたいと思うわけでございます。私どもとしては率直に申し上げますと、補助金の面では今年度の予算にももちろん入れておりませんし、ではいつやるかということについては、よく検討させていただきたいという以外ちょっとお答えできないということでございます。
#48
○斎藤(実)委員 この地下鉄の建設については札幌市では、この区間の延長を五十一年度に策定した新五カ年計画に最も重要な施策として取り上げているわけでございまして、そのために市民税、法人税割りについても超過課税を五十二年から五カ年にわたって実施をしておるわけでございます。私は、この積雪寒冷地だという特殊肝情、これらについてひとつ十分検討をされ、早急に免許を与えることが妥当だろうというふうに考えるわけですが、再度御答弁いただきたい。
#49
○妹尾政府委員 十分検討させていただきたいと思います。
#50
○斎藤(実)委員 終わりに地方財政の問題についてお尋ねをします。
 私どもは、地方財政の抜本的な改革という基本的な問題を解決しなければならないと考えておるわけでございまして、今日の地方財政の危機を乗り越えるためには政府及び自民党も乗れる対策ということから、交付税率の三・六%引き上げといって努力をしてまいりました。しかし政府・与党は、現在の与野党伯仲の現実を無視し、われわれの提案を取り入れようとせず、いままでの考えを依然として固執をしているわけでございまして、まことに遺憾なことでございます。これでは地方財政の改善の姿勢が全くうかがわれないし、また困るのは地方自治体であり、ひいては地域住民であると考えるわけでございます。政府は今後の地方財政に真剣に取り組んでいただきたいことは当然と思うわけでございますが、地方財政の確立について自治大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
#51
○小川国務大臣 今日の地方財政の状況はまことに憂慮にたえないものがあると存じます。かような状況に対処してまいりまするためには、いずれかの機会に抜本的な改正をしなければならないと信じておりますが、交付税の問題につきましては国、地方を通じての税財政制度の根本的な改正が行われまする際に、その一環として実現をすべきものと考えておりまするので、今日これを実行に移すことができないのをはなはだ残念に思っておりますが、そのような条件が整いました暁にはぜひ適当な税率の変更をしなければならない、このように考えておるわけでございます。
#52
○斎藤(実)委員 以上で私の質問を終わります。
#53
○地崎委員長 佐藤敬治君。
#54
○佐藤(敬)委員 大臣に御質問申し上げます。
 きのう私の方の野党の修正案について、できるだけ最高のレベルダウンをして現実的に対処していただくように申し上げて、きのう一晩お考えになってきょう御返事をひとついただく、こういうふうにお願いしておきましたが、いかがでしょうか。
#55
○小川国務大臣 五十二年度に政府がとります措置については、いままで繰り返し御批判をいただいてまいったわけでございます。今回その御批判が修正案という形で具体化したわけでございまして、昨日も何とか考え直すべしというまことに切々たるお勧めをいただいたわけでございます。私も一晩考えさしていただくという答弁を申し上げたわけでございます。いろいろと熟慮いたしたわけでございますが、御期待に添い得ないことをまことに残念に存じますと申し上げざるを得ないのでございます。
#56
○佐藤(敬)委員 私ども野党、従来の態度を変えまして、もう徹底した柔軟な態度をとって政府が順応できるように考えたつもりでありますが、それにもかかわらずがんとしてはねつける態度を非常に私どもは残念至極に存じます。どうかひとつ今後におきましては、きのうも申し上げましたとおり私どもも真剣に考えますので、政府もひとつ出したものはどこまでも通すというかたくなな態度でないように、柔軟に対応していただくようにお願いいたしまして、終わります。
#57
○地崎委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#58
○地崎委員長 では速記を始めて。
    ―――――――――――――
#59
○地崎委員長 この際、本案に対して、佐藤敬治君、小川新一郎君、山本悌二郎君、三谷秀治君及び川合武君から五党共同をもって修正案が提出されております。
 まず、修正案の提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤敬治君。
    ―――――――――――――
 地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#60
○佐藤(敬)委員 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 地方財政は、御承知のとおり本年度においても二兆七百億円という膨大な財源不足に見舞われ、三年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした深刻な危機に直面することとなったのは、引き続く不況とインフレに起因しているのでありますが、その根本的原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため自治体においては、過疎、過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。
 さらに重大なことは、地方財政危機を契機とする自民党政府の一連の政策によって、単に財政上の問題だけでなく地方自治そのものの危機をも迎えていることであります。
 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび自民党政府に要求してきたのでありますが、残念ながら今回の自民党政府の地方財政対策は、われわれの要求のみならず、地方六団体を初めとするすべての自治体関係者の要求をも踏みにじったものと断ぜざるを得ないのであります。
 二兆七百億円の財源不足額に対する今回の自民党政府の地方財政対策によりますと、地方交付税率三二%は依然として据え置かれたままになっており、財源不足額の実に四分の三が地方交付税特別会計の借り入れと建設地方債の増発によって措置されているのであります。昭和五十年度及び昭和五十一年度における膨大な借り入れと巨額な地方債の増発に加え、昭和五十二年度におけるこうした措置が、償還財源を全く保障することなく強行されるならば、地方財政の崩壊は火を見るよりも明らかであります。そればかりか地方交付税法第六条の三第二項に明らかに違反する今日の自民党政府の措置は、地方自治の発展を願う国民に対する重大な挑戦と言わなければなりません。
 今日、地方交付税制度の改革なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。
 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来、据え置かれてきた地方交付税率を現行の三二%から三六%に引き上げることといたしております。
 第二は、地方交付税率の引き上げに伴い五千百七十五億円の借り入れ措置は不要となるわけでありますから、九千四百億円の借入額を四千二百二十五億円に減額することといたしております。
 第三は、昭和五十三年度以降の地方交付税の総額を確保するため、昭和五十年度及び昭和五十一年度における借入額の元金償還については、昭和五十三年度以降、当該年度に償還する額に相当する額を臨時地方特例交付金として一般会計から繰り入れることといたしております。
 第四は、自治体の財源の充実強化を図るため、速やかに国・自治体間を通じて行財政全般にわたって抜本的検討を加え、その結果に基づき、国と自治体との間の財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講ずることといたしております。
 第五は、地方交付税の交付額は、自治体固有の財源であることにかんがみ、国税収納整理資金から交付税特別会計へ直接繰り入れることといたしております。なお、本規定は、昭和五十三年度から実施することといたしております。
 以上が本修正案の概要でありますが、本修正によって地方交付税の総額は、五百十二億六千万円増額することとなりますので、この増額分を一兆三百五十億円の建設地方債の発行予定額から減額すべきであることを表明し、私の提案理由の説明を終わりたいと存じます。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#61
○地崎委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
 修正案については別に発言の申し出もありません。
 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればこれを聴取いたします。小川自治大臣。
#62
○小川国務大臣 ただいまの地方交付税法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#63
○地崎委員長 これより原案及び修正案を一括して討論を行います。
 討論の申し出がありますので、これを許します。木村武千代君。
#64
○木村(武千代)委員 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提案の同法律案に対する修正案に反対の意見を表明するものであります。
 昭和五十二年度の地方財政対策におきましては、最近における地方財政の状況にかんがみ、国と同一の基調により景気の着実な回復に資することとし、住民生活充実の基盤となる公共事業等の推進及び社会福祉施策の充実等のため、地方財源の十分な確保を図ることとしております。すなわち、昭和五十二年度の地方財源の不足に対処するため、一 国の一般会計から臨時地方特例交付金として千五百五十七億円を交付税特別会計に繰り入れる。二 交付税特別会計において資金運用部資金から九千四百億円の借り入れを行う。三 地方財源の不足に対処するための建設地方債一兆三百五十億円を発行する等の措置を講ずるほか、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの八年間に、各年度に分けて総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしております。これらの措置は、現下の経済情勢においては適切な措置と考えられます。
 また、普通交付税の算定については、社会福祉施策の充実、教育水準の向上及び公共施設の計画的な整備に要する財源を措置しているほか、過密過疎対策、消防救急対策、防災対策等に要する経費を充実し、あわせて、財政対策債の発行が取りやめられたことに伴い包括算入に係る投資的経費を復元するとともに、昭和五十一年度の財源対策のため発行を許可された地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入することとしており、これらの措置は、地方財政の立場から見てきわめて適切な措置であると考えられます。
 しかしながら、今後、地域住民の福祉の充実、生活環境施設の整備等の諸施策を推進する上で、地方団体の果たすべき役割りがますます増大する一方、昭和五十三年度以降においても地方財政をめぐる諸条件は依然厳しいものと予想されておりますので、政府におきましては、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 また、国庫補助負担金については、超過負担の完全解消措置を含め、国庫補助負担基準の一層の改善合理化に努めるよう強く希望します。
 次に、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、これまでわが党としても十分に検討を重ねてきたところであります。特に国と地方間の事務並びにこれに伴う税財源の再配分について検討を要することは論を待たず、わが党といたしましても新しい経済環境のもとにおける地方行財政制度のあり方については地方財源を充実する方向で十分検討をしております。しかしながら、わが国経済が変動期にあり、また、最近の長期不況を反映して、国、地方とも巨額の構造的財源不足となっている時期に、国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げのみを行うことは適当でないと考え、反対の立場をとるものであります。
 以上をもって、政府提案の法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提案の修正案に反対の意見の表明を終わる次第でございます。(拍手)
#65
○地崎委員長 小川省吾君。
#66
○小川(省)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、修正案に賛成、政府原案に反対の立場から討論をいたします。
 地方財政は、ドルショック、オイルショックを経て、不況とインフレの長期化、地方行財政制度の根本的不備とが相まって慢性的な財源不足の状態にあり、かつてない深刻な危機に直面しております。
 政府は昭和五十年度、五十一年度と連続して借金依存、膨大な地方債に依存をして当面を糊塗してどうやら乗り切ってまいりました。この結果、地方自治体は膨大な借金を抱え、償還の始まる年度からの財政負担におののいているのが現状であります。それだけに従来の各自治大臣が言明をし、約束をしてまいったように、現在の地方財政危機打開のため地方税、交付税などの一般財源の安定的かつ十分の確保を図るための制度改正、税率の引き上げなど、抜本的改正が昭和五十二年度は必要だったはずであります。しかるに本年度の地方財政対策は前二年度の手法をまたまた採用して、借り入れと地方債で二兆七百億の財源不足を補い、法に明定をしたことによって制度改正に準ずる措置だと開き直っているわけであります。これは抜本的な対策、第六条の三の二に基づく措置でないことは、いかに強弁をしても、本委員会に招致をした参考人の言をかりるまでもなく、明白な事実でございます。
 私どもはこのような現状から、心ならずも税率の引き上げを最低限に抑えて、与党も自治省も応じ得るところの修正案として提出をしたわけでございます。予算が成立をした現状にあっても、五十二年度の補正の段階で調整をし得る変更であります。
 また、基本的に検討すべき課題として税財源の再配分を検討することもうたっておるわけであります。大蔵省に対して五%引き上げを自信を持って要求をした自治省として受け入れがたい修正案ではありません。自治大臣は、内閣を代表してその時期ではないと言明をいたしましたけれども、いまをおいていつ抜本的改正をやる時期がありましょうか。これでは六条の三分の二を発動する時期などとうてい参りません。また、自民党筋では引き上げ率が中途半端だというような御意見もあるようですが、最も常識的な、良識的な修正案に応じられないようで、委員会中心の国会審議の責任と、野党優位の本委員会の審議に忠実であり、真剣であるとはとうてい考えられません。理を踏まえて、地方団体の期待にこたえて修正案に賛成せられることを心から訴えます。大蔵省に対して自治省の非力を、国会の側から、委員会の側から穴をあけていかなければなりません。自治省独自で対応できないことを勘案をされて、ともに地方六団体等の期待に沿おうではありませんか。国会として地方財政の状況に対応できる道を打ち出していくことを自民党の諸君に重ねて訴え、修正案に賛成せられるよう強く要望をして、私の討論を終わります。(拍手)
#67
○地崎委員長 小川新一郎君。
#68
○小川(新)委員 私は公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成の討論を行います。
 以下、その主なる理由を申し述べます。
 不況とインフレの長期化及び地方行財政制度の構造的欠陥が重なって、いまや地方財政は昭和五十年度以来三年連続して二兆円以上もの巨額の財源不足を生じ、崩壊寸前の危機に直面しております。このような地方財政の実態に対し、地方交付税法六条の三の二項を発動し、制度の改正または交付税率の引き上げを行うことが当然であります。しかるに、交付税率の引き上げも行わず、交付税会計の借金のうち四千二百二十五億円を国の一般会計が負担することのみを法定化するという小手先の手段を使って、これが制度の改正なりとすることは、明らかに交付税法本来の趣旨を踏みにじるものであります。少なくとも五党修正案のごとく交付税率を四%引き上げるべきであり、後年度の地方財政の負担を軽くするためにも、その分だけ交付税特別会計が抱える借入金を減額すべきであります。
 また、昭和五十年以来の政府の地方財政対策は、地方債の増発と交付税会計の借り入れという借金財政の押しつけ以外の何物でもありません。このような借金の押しつけは、政府の経済政策の失敗を地方自治体に転嫁するものであり、来年度以降、莫大な額の返済を強いられることになるものであります。したがって、昭和五十年度及び五十一年度における借入額の元金償還については、五十三年度以降終わるまで、臨時地方特例交付金として一般会計より繰り入れるべきであります。
 次に、地方債についてでありますが、地方債F地方財政の弾力的運用という面から重要な役割りを持っております。公共施設の計画的整備の推進のための資金である地方債は、当然長期、低利の政府資金を充当すべきであります。しかし、政府資金が十分に措置されていない現状では、その消化は非常に困難であり、行政の停滞につながるものであります。しかるに、政府は何ら救済対策を講じようとしておりません。高い銀行金利と、さらに上積みの手数料などに泣かされている現行制度を改善するため、公営企業のみを対象とする公営企業金融公庫を、地方団体の普通会計債にも融資できる地方公共団体金融公庫に改組することが、今日の緊急課題であり、また長年の地方公共団体の悲願でもあります。したがって、わが党の提案している公営企業金融公庫法の一部改正案を早急に成立させることを強く望むものであります。
 次に、国庫補助金制度及び超過負担についてでありますが、地方公共団体は、その事務の大部分を占めるひもつきの補助金行政によって、自主的な財政運営が阻害されております。地方自治を財政面からコントロールする補助金行政は地方自治の本旨をゆがめるものであり、零細補助金の整理統合など、補助金行政全般にわたる抜本的見直しを行うべきでありますが、政府はこれに全く手をつけようとしておりません。
 また、この補助金行政に伴う超過負担は地方財政危機の大きな要因であり、超過負担の解消を困難にしている主要な原因は、超過負担に対する国と地方との認識が根本的に異なっていることであります。
 超過負担の解消を進めるには国と地方の考え方を統一することがまず第一であり、そのために、国と地方の代表者で構成する仮称超過負担調査会を設けるべきであります。この調査会で超過負担の実態を明らかにし、その対策を講ずるとともに、当面の措置として、これまでに生じた超過負担額を地方団体に交付すべきであります。
 以上、当面する課題について申し述べましたが、野党の議席数が与党を上回るという画期的な事実を与党の諸君も強く認識し、五党提出の修正案の趣旨に沿って、今後の地方財政の健全化に対し積極的に取り組むことを要求し、私の討論を終わります。(拍手)
#69
○地崎委員長 山本悌二郎君。
#70
○山本(悌)委員 私は、民社党を代表して、ただいま提案になりました日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同、新自由クラブの五党提出の修正案に賛成の立場から、討論を行います。
 地方自治体の財政危機が叫ばれて三年目を迎えているのでありますが、この地方財政の危機は、一時的な現象でなく、わが国の産業、経済、社会の大きな変貌に伴って、国と地方との行財政制度が地方住民の高度多様化していく要諦にこたえられなくなったことに起因しているのでありますから、臨時的、応急的な当面の対策で解決できるものではなく、抜本的な対策を必要とするわけであります。ここに今回の地方交付税法の改正の大きな意義がなければならないのであります。
 しかるに、政府改正案は当面の予算措置を事務的に処理するということにとどまっていて、それが三年間も続いているが、政府の地方財政の危機に対する認識と対策は全く欠如していると言わねばなりません。
 五党による本修正案の提出によって、ようやく抜本的改革に踏み切る芽が出てきたと言うことができると思うのであります。
 地方交付税は御承知のように地方の一般財源でありまして、税率の改定に当たっては、昭和四十一年度以降の新たな財政需要、地方債に振りかえた公共事業等の地方負担、あるいは国が地方を通じて実施してきた各種政策事業等を考慮して定めなければならないのであります。そうすればおよそ四〇%は必要になってくるのであります。
 しかしながら、地方財政も苦しいが、国の財政も楽でないという実情からすれば、現行制度のままで一挙に四〇%に引き上げれば国の財政に無理が生ずるわけでありますから、わが党の主張してきた三六%を法制化するということは、きわめて現実的な制度改革の措置であろうと思うのであります。(拍手)
 さらに加えて、昭和五十年度、五十一年度の地方自治体の借り入れに対する国の償還についても、もともと交付税として国が見るべき性格のものでありまして、国の一般会計で負担することは当然の措置であろうと思います。
 地方財政の危機に際して、地方は借金財政に追われ、公債費比率は五十三年度以降さらに増加してまいります。地方財政の確立というより、借金をいかにして返していくかということで、頭がいっぱいでありましょう。地方は地方として、財政確立の方策と取り組ませる余裕を与える必要があるのであります。
 今回の修正案が、地方一般財源の安定的確保を図る第一歩としての大きな意義を有するものであることを申し上げて、五党修正案に全面的に賛成をいたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#71
○地崎委員長 三谷秀治君。
#72
○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同、新自由クラブ、五党共同提案に係る地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府原案に反対の意見を述べます。(拍手)
 政府が見積もった控え目の数字によりましても、三年間連続して二兆円の財源不足という地方財政の危機的な状態が続いております。
 この地方財政危機は、自民党政府が六〇年代から推進してきた高度経済成長政策に地方財政を動員してきたこと、並びにこの政策破綻による経済不況の結果であることは明らかであります。
 政府は、この高度経済成長政策の破綻が明らかになりました昭和五十年度以降、経済が低成長時代に入ったとして、みずからの責任をたな上げしながら、自治体に対しては福祉水準の切り捨て、諸経費節減を強引に求めてきました。
 一方、地方自治体は、超過負担の解消、交付税率の引き上げなど、国の責任において実施できる措置を強く求めておりますが、政府は、財源問題を理由にして自治体の要求にこたえようとしていないのであります。
 経済の低成長時代が始まったというのでありますならば、大企業本位の税制、財政を根本的に見直して、これを財源として超過負担の解消、交付税率の引き上げ等を行うのが当然であります。
 ところが、政府は、高度経済成長の仕組みを温存するばかりか、これをもって景気回復のてこに使おうとさえしているのであります。
 地方自治体の交付税率の引き上げ要求は当然であり、わが党はこれを全面的に支持するものであります。問題は引き上げに要する財源をどうするかということでありますが、これは全く政府の行政上の責任、財政上の責任に属するものであって、自治体の関知し得ない事柄であります。
 自治省が、予算編成の段階でみずから五%の交付税率の引き上げを要求せざるを得なかったのも、地方財政の危機の深刻さを証明しております。ところが、政府が提出してきました本年度の地方財政対策というものは、相変わらずの借金財政の押しつけにとどまっております。
 政府は、今年度の財源不足額二兆七百億円の半額に相当する一兆三百五十億円については、交付税需要額から外して、これを特定財源である地方債へ振りかえる交付税制度の改悪を行っているだけでなく、他の半額について、一部の特例交付金を除きまして、三年連続の借り入れ措置を行い、地方自治体の交付税率引き上げ要求には、今年度においてもこたえていないのであります。
 交付税法は、地方財源不足に対しては税率の改定もしくは制度改正を規定しておりますが、政府の措置はこの法律の定めに違反するものであります。
 政府は、借入額のうち四千二百二十五億円の償還金を国が将来負担することを法定することをもって制度の改正であると称しておりますが、そしてこの額が交付税率の三・二%引き上げに相当すると強弁しておりますが、これは詭弁もはなはだしいものと言わざるを得ないのであります。
 法律の定める税率の引き上げもしくは制度改正の内容は、継続的、長期的な効果を持つ措置を意味しておるものであって、今回のような臨時の措置を制度改正と言うことはできません。
 わが党は、今回の政府の措置に反対の態度を表明し、法律の規定による交付税率の引き上げを強く求めるものでございます。
 次に、わが党を含む修正案について述べます。
 交付税率を四%引き上げて三六%とすることを主な内容とする本修正案は、政府原案に含まれております臨時特例交付金及び元利償還金を国が見るという借入金を合わせまして、五千百七十五億円が税率換算で見ますと三・六%の引き上げとなることを含めまして、合わせて本年度の実質交付税率を三九・六%に改定しようとするものであります。
 政府並びに自民党は、この野党修正を受け入れて、地方財政危機打開の一歩を踏み出されんことを期待して私の討論を終わります。(拍手)
#73
○地崎委員長 川合武君。
#74
○川合委員 私は、新自由クラブを代表して、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、同法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ五党共同提出の修正案に賛成の討論を行おうとするものであります。(拍手)
 いまの政治を見るとき、地方自治の重要性を疑う人はいないが、実際はむしろ中央集権的な傾向が強まりつつあると思います。地方交付税の姿を見ても、それは特定財源化しつつあり、交付税の本質を失おうとしております。いまの政治に求めるべきは、この中央統制を打ち破り、この際、国、地方団体それぞれの責任の分野を明らかにし、それに伴う財源の再配分を確立することであり、そのことにより初めて地方自治体は活力を得、個性ある地域社会がよみがえると思います。
 われわれは、このことを志します。
 したがって、今回五党共同提出の修正案に盛られた、速やかに、国、地方団体を通じて行財政全般にわたり基本的な検討を加え、その結果に基づき、国と地方団体との間の財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講ずるという規定は、まことに肝要であると思います。
 この内容は、本委員会でしばしば全会一致決議されました。しかし、政府の怠慢のため、いたずらにむなしく過ぎ、実現されずして今日に至りました。今回の政府原案を見ても、地方財政の基本問題には一切触れず、何ら地方財政を前進させようという努力の跡はなく、旧態依然としてただ収支を取りつくろうのに追われるのみであります。
 もとより地方財政の苦しみは今日の問題であり、われわれは地方自治の理想像を目指しつつ、当面の対応策を講じなければなりません。このことに関しても政府原案は交付税額絶対量不足の枠の中で公共事業を消化させようときゅうきゅうとし、複雑多岐な補正計数を操って世人の目を幻惑するものの、結局は自主財源を抑える結果となっているが、それは交付税額不足の前提を避けて通そうとするからでありましょう。これに対しわれわれの五党共同提出の修正案は、交付税率の引き上げ、すなわち正論を規定しようとするものです。
 さらに共同修正案は、地方交付税を国税収納整理資金から交付税特別会計へ直接繰り入れるよう規定しようといたします。もとより交付税は地方団体固有の財源であるにかかわらず、現行は一般会計を通して交付税特別会計へ繰り入れるという邪道の規定であります。このことは単なる事務手続の問題ではない。地方自治の哲学に関することです。久しきにわたり地方自治体が熱望し、自治省もまた主張し、しかも現行規定を改正しようが、しまいが、交付税の金額にはかかわりないのに、なぜ大蔵省が反対するか。それは国が地方行財政を統制しようとする考えと、まことの地方自治との思想の対立でもあると言えましょう。さればこそわれわれは地方自治確立のため今回この共同修正案でこのことを正そうとするのであります。
 われわれの五党共同修正案は、現状の地方財政を憂え、将来あるべき地方自治を指し示すものであります。
 以上、政府原案に反対し、五党共同修正案に賛成して、私の討論を終わります。(拍手)
#75
○地崎委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#76
○地崎委員長 これより採決いたします。
 まず佐藤敬治君外四名提出の修正案の採決をいたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#77
○地崎委員長 起立多数。よって、本修正案ば可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#78
○地崎委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案は可決いたしました。したがって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決されました法律案についての委員会報告書の作成等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#80
○地崎委員長 次回は、来る二十二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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