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1976/04/26 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第19号
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1976/04/26 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 地方行政委員会 第19号

#1
第080回国会 地方行政委員会 第19号
昭和五十二年四月二十六日(火曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 地崎宇三郎君
   理事 大西 正男君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 小川 省吾君
   理事 佐藤 敬治君 理事 小川新一郎君
   理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    井上  裕君
      石川 要三君    谷  洋一君
      中村喜四郎君    西田  司君
      与謝野 馨君    加藤 万吉君
      新村 勝雄君    細谷 治嘉君
      権藤 恒夫君    和田 一郎君
      三谷 秀治君    川合  武君
 出席政府委員
        自治省行政局公
        務員部長    石見 隆三君
 委員外の出席者
        自治省行政局公
        務員部福利課長 桑名 靖典君
        自治省行政局公
        務員部年金相談
        官       長谷川憲治君
        参  考  人
        (地方職員共済
        組合代表)   本禄 哲英君
        参  考  人
        (市町村職員共
        済組合連合会代
        表)      池田栄三郎君
        参  考  人
        (全日本自治団
        体労働組合書記
        長)      真柄 栄吉君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  川合  武君     永原  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  永原  稔君     菊池福治郎君
同日
 辞任         補欠選任
  菊池福治郎君     川合  武君
    ―――――――――――――
四月二十五日
 行政書士法中適用除外規定の追加新設に関する
 請願(山本悌二郎君紹介)(第三七五八号)
 行政書士法の改正に関する請願(愛野興一郎君
 紹介)(第三八〇九号)
 同(玉置一徳君紹介)(第三八九一号)
 行政書士法の一部改正反対に関する請願(小坂
 徳三郎君紹介)(第三八一〇号)
 同外一件(住栄作君紹介)(第三八一一号)
 同(楢橋進君紹介)(第三八一二号)
 同(山下元利君紹介)(第三八一三号)
 同(渡辺栄一君紹介)(第三八一四号)
 同(足立篤郎君紹介)(第三八八八号)
 同(小平忠君紹介)(第三八八九号)
 同(近藤鉄雄君紹介)(第三八九〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六五号)
     ――――◇―――――
#2
○地崎委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人から意見を聴取することにいたしております。
 ただいま御出席の参考人は、地方職員共済組合代表本禄哲英君、市町村職員共済組合連合会代表池田栄三郎君、全日本自治団体労働組合書記長真柄栄吉君の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の皆様には、御多用中のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 本案につきましては、それぞれのお立場から、忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、議事の順序は、初めに参考人の方々から御意見を約十五分程度お述べいただき、次に、委員諸君からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。
 それでは、まず本禄参考人からお願いいたします。
#3
○本禄参考人 地方公務員の福利厚生制度の基本となる共済制度につきましては、かねてから格段の御高配をわずらわしており、地方公務員の一人として、この機会にまずもって厚くお礼を申し上げたいと思います。
 私は、北海道職員として北海道総務部職員厚生課に勤務しまして、地方職員共済組合北海道支部の事務長の職を兼ねている者でございます。
 これから、地方職員共済組合が抱えております若干の問題につきまして、現場で共済事務に従事しております者の立場から意見を申し述べてみたいと存じます。
 私がこれから申し述べたいと思いますのは、大きく分けて二点でございますが、第一点は短期給付に関する問題でございます。短期給付の経理の現況あるいは北海道の事情等について申し上げたいと思います。
 第二点といたしましては、長期給付、いわゆる年金についてでございます。この長期給付に関しては、主に年金の官民格差あるいは支給年齢等その官民格差に関連した事項、そのほか、共済年金に関係しますいわゆる整理資源等につきまして触れてみたいと思います。第四番目には、特に遺族年金の実態について申し上げたいと思います。それから第五番目には、年金制度全般についての私見を申し述べてみたいと思います。
 以上について、以下申し述べてまいります。
 まず第一点の短期給付について申し上げます。
 短期給付は、共済組合員及びその家族に対して医療給付など、健康保険と同じような給付を行っておる事業でございます。その財源は、組合員の掛金と都道府県の負担金に依存しておりますが、この収入の基礎となる給与が近年伸びが鈍化し、その反面医療費の伸びは、いわゆる自然増分だけでも一〇%程度あり、さらに医学の進歩あるいは医療技術の進歩等と相まって医療費が急増する傾向にあります。したがいまして、この支出が収入を大きく上回っており、このため多額の累積赤字をもたらし、その経理内容は極度に悪化しておるのが現状でございます。
 私どもの北海道支部の状況について申し上げますと、短期経理の収支では、昭和五十年度約七億七千万円、五十一年度で七億二千万円と、それぞれ多額の赤字を出す結果となっております。他支部に比べまして、北海道支部には被扶養者の数が多いこと、あるいは寒冷地であるという特殊事情、その他北海道だけにあります冬季暖房料など、医療費が多くかかる特別な要素はありますが、何といっても一人当たり医療費を見ましても、最近三カ年間で約二倍にはね上がるという急増ぶりでございますので、これが赤字の最大の原因になっておるのでございます。
 このような状況下におきまして、支部といたしましては、組合員に対しましてよくこの実情を知らせ、またふだんの健康管理について指導啓蒙をし、あるいはまた受診のあり方についてPRを徹底するなどいろいろ努力をしております。また、医療費の支払い審査については、約三十五万件のレセプトがありますが、これを縦覧審査いたしまして、資格関係の確認とか、請求点数の計算誤りとか、重複請求等のチェックをするなど、いろいろな面で経営努力に意を尽くしております。また、このような状態でありますので、今後もさらに努力を重ねていく必要があると思います。
 地方職員共済組合においては、五十一年度に財源率を千分の七引き上げたのでありますが、赤字はなお増高しておる現状であります。この経営健全化のため適正な財源率について検討されるべきでありますが、それにいたしましても組合員の負担を考える場合、急激かつ大幅な財源率の引き上げは困難な現状にあります。
 以上のとおり、組合員負担の限度、最近における公務員給与の改定率あるいは医療費の急増等の現状からいたしまして、共済組合独自の力のみでこれを解決することは非常に困難でなかろうかと思います。したがいまして、診療報酬体系を含めた医療保険制度の問題について検討の要があると言われておりますが、当面、共済組合の短期給付事業に対しましても国庫負担の道が講ぜられますよう、この機会に御要望申し上げたいと存じます。
 以上で短期給付に関連しましては終わりたいと思います。
 次に、第二点目といたしまして、長期給付に関連する問題につきまして触れてみたいと思います。
 最近における共済年金の改定につきましては、現職公務員の給与改定に基づいて逐年改善がなされておりますが、今回御審議いただいておりますこの改正法案によりますと、今年度は四月分から改善が行われることとされておりますので、年金受給者にとりましてはまことに喜ばしいことと存ずるのであります。
 私どもが現場におきまして年金受給者と接触する場合に特に要望されますことは、年金のスライドの問題でありあるいはこの実施時期に関することであります。現在、現職公務員の給与改定の時期から見ますと、なお年金は一年分のおくれがあります。これを今後さらに短縮されますよう特にお願いを申し上げたいと思います。
 次に、最近議論されておりますいわゆる年金の官民格差について若干申し上げたいと思います。
 共済年金は、厚生年金に比較して非常に有利であると一般に言われておりますが、これに関連して私の若干の見解を述べさせていただきます。
 まず第一点は、年金の給付水準についてであります。
 昭和五十年度新規裁定分について、厚生年金と共済年金を平均額によりまして単純に比較してみますと、一・八倍くらいの差があると伝えられております。制度の成り立ちから相当に異なっておる二つのこの年金について、単にその給付額のみをもって比較することは必ずしも適当ではないのでないかと考えます。したがいまして、比較するのであれば、勤務年数の長短、また退職時の給与水準、さらに在職中本人が支払った保険料の額が多いか少ないか、このようないろいろな要素を考慮に入れなければ正確な比較にはならないと思います。
 そこで、まず在職年数と退職時の給与水準についてでありますが、道の場合を例にとってみますと、退職年金受給者の平均在職期間は三十一年となっております。厚生年金の平均額に対応する在職期間が明らかにされておりませんので、なかなか申し上げにくい点がありますが、厚生年金制度の発足が昭和十九年だと思います。とすれば、公務員年金に比較して遅く発足をしておる。このことから見ますと、厚生年金受給者の平均在職年数というものはおおよそ二十年からせいぜい二十五年ぐらいの平均になっておるかと想定されるのであります。したがいまして、このような在職年数に大きな差があることを考えれば、在職年数の長い公務員は退職時の給与もそれなりに高くなっておりますし、受ける共済年金額も厚生年金受給者に比べて多くなることは十分御理解いただけると思うのであります。また年金額は、年金受給者が過去に掛けた保険料に応じた額となるのは一般的に考えられることであります。
 次に、厚生年金受給者と共済年金受給者の在職中支払った保険料について申し上げてみますと、厚生年金の保険料は最近になってようやく共済の掛金率に近づいております。しかし、過去の経過を見ますと、保険料を比較しますと、昭和三十七年で地方職員共済は千分の四十四、厚生年金は千分の十七・五でございます。ですから、半分以下の掛金であった。その後もずっと経過いたしまして、ごく最近、昭和五十一年に至りましてやや地方共済の掛金にようやく近づいたというのが現状でございます。
 こういう点から考えますと、支払った保険料が非常に少ない額になっておりますので、年金の額に大きな影響を与えていると言わざるを得ないと思います。
 さらに、年金水準に関連して公務員年金の実態について若干触れてみたいと思います。
 道庁の退職者で、いわゆる二十数年勤務して退職する場合の平均的な例を取り上げてみますと、たとえば二十三年勤続の一般職員の例でございますが、その年金は約九十万円程度であります。中には二十年勤続の者でも五十万円以下という者もおります。そのほか、厚生年金と共済年金とを比較する場合には、厚生年金に加入しておる企業の規模がどんなものか、あるいは企業には独自の企業年金というものがありますが、その有無についても考慮に入れる必要があると思うのであります。
 以上、いわゆる年金水準を比較する場合に考慮されるべき重要な問題につきまして申し述べましたのですが、このほかに、いわゆる官民格差に関連して議論される問題として、支給開始年齢あるいは年金者の再就職の問題、再就職の場合の年金の一部停止の問題などがありますが、支給開始年齢については、道庁の場合で見ると平均五十九歳であり、厚生年金の支給年齢六十歳とはそう差異はありません。また、年金受給者の再就職については、大部分の職員にはその機会は必ずしも多いとは言えないと思います。たとえあったといたしましても、再就職先から受ける給与については年金額相当分を差し引いたものとなっているのが通例でないかと思います。
 このほか、次に共済年金の場合のいわゆる整理財源について触れてみたいと思いますが、いわゆる整理財源として法定の負担以外に共済年金には国の負担があるということをもって厚生年金に比較して有利でないか、こういう論議もありますが、共済年金は過去に積立金制度をとっていなかった恩給制度を引き継いでいるのでありますから、これに必要な費用を国が負担することは、この制度の引き継いだ経緯、あるいは公務員の期待権、あるいは既得権の尊重という観点からも必要な経過的措置でないかと理解されるのであります。
 以上、年金水準、特に最近論議されております年金の官民格差に関して申し述べましたが、意を十分尽くせませんが、以上で一応終わりたいと思います。
 次に、遺族年金について申し上げたいと思います。
 道庁の例で見ますと、遺族年金の平均額は五十八万円であります。特に最低保障額に該当する者が遺族年金受給者九百八十人の三五%に当たる三百四十人もいるというのが実態であります。このように、五十八万円という平均遺族年金額、さらに約三十万円の最低保障額を生活保護基準、札幌の場合ですと七十二万円となっておりますが、それと勘案してみましてもきわめて低い水準にあると思うのであります。
 せっかくでございますので、この機会に、共済年金に恩給を引き継いでおるという関係から、一遺族恩給受給者の手紙がございますので、要点だけちょっと申し上げますと、私は九十一歳の老齢に達しており、遺族料をいただけることはまことにありがたいことだと思います、恩給のスライドも、ぐっと上昇するならいいものの、少し上げるのでは老齢年金もいただけぬ哀れさです、いつまで生きておれるか不明ですが、つまらぬ計算のために泣いている老人のあることを忘れないでください、お願いします、ぜひお願いしたいことは、アップするのなら老齢年金も加味した恩給遺族料にしていただきたいことです、でないと九十一歳の老齢が泣きます、どうかお願いします。こういう九十一歳の恩給受給者ですが、この方はこの手紙を書いて三カ月後に死亡されたのでございますが、そういう低い水準にあるということがおわかりいただけると思います。
 地方公務員法でも年金は退職後の適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならないという規定もございます。やはり遺族の生活保障を考える場合は、ぜひ給付水準の引き上げが図られますようお願い申し上げたいと思います。
 最後に、公務員年金の支給開始年齢の引き上げについて、若干の私見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 いま、わが国は先進諸国に例が見られないような速さで高齢化社会へ進行しております。年金支給開始年齢が現状のままで推移するとするならば、北海道の例をとってみても年金受給者が急速に増加し、約十年後には掛金、負担金収入のすべてを年金給付に充てなければならない時代が到来するのであります。
 公務員の年金支給開始年齢五十五歳というのは、私の記憶では昭和初期の時代に設定されたものであります。当時の平均寿命が四十歳前後であったことを思いますと、現在のわが国の平均寿命は、成人男子で七十四歳と言われているのでありますから、今後いろいろな雇用条件等にも十分な配慮はもちろん必要でありますが、その配慮を加えつつ、支給開始年齢を時代の変化、社会構造の変革に対応したものにすべく、長期的視野に立って検討がなされるべきではないかと考えるのであります。
 以上で、私の意見を終わらせていただきたいと思いますが、最後に、地方公務員共済制度の発展のため、これまで御配慮を賜りましたことを深く感謝申し上げたいと思います。今後とも変わらぬ御高配を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 以上でもって、私の意見を終わらせていただきます。(拍手)
#4
○地崎委員長 次に、池田参考人にお願いいたします。
#5
○池田参考人 おはようございます。ただいま参考人として御指名いただきました奈良県桜井市長の池田でございます。私は現在、奈良県市町村職員共済組合の理事長でございますとともに、また市町村職員共済組合連合会の理事でもあります。
 まず最初に、衆議院地方行政委員会の諸先生方には日ごろ地方公務員共済制度の充実と発展のために党派を超えましたお立場からいろいろと御高配を賜っておりますことに対しまして、厚く御礼申し上げます。
 本日は、本委員会におきまして、地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして意見を申し述べる機会を得ましたことを大変光栄に存じますと同時に感謝申し上げる次第でございます。
 まず、共済制度の大きな柱の一つとなっております短期給付制度の問題について申し上げます。
 先生方もすでによく御案内のとおりに、最近におきまする医療費の急増はとどまるところを知らず、自然増加率だけを見ましても一二%を超えるという異常な事態と相なっておりまして、さらに老齢化社会への移行、国民所得の伸び率の鈍化と相まちまして、政府管掌健保を初めといたしまして、各種医療保険制度の財政状況は窮迫の一途をたどりまして、その保険財政の健保全化対策がいまや緊急な課題となっておりますことは御承知のとおりでございます。
 特に、私ども市町村職員共済組合は、地方公務員共済組合の中でも財政状況が悪化しておりまして、その影響度は顕著なものがあるわけでございまして、昭和五十一年度におきましては、全国で三十三組合が財源率の大幅な引き上げを余儀なくされまして、その掛金・負担率が千分の百を超える組合は五組合に及ぶという深刻な財政危機に至りました。
 また、私ども連合会といたしましては、このような各組合の急速な医療保険財政の窮状は、組合員の負担能力及び一昨年来からの深刻な経済不況化にありましての地方財政の現状から、これ以上の財政負担は限界を超えるものと判断いたしまして、昨年来から財政対策といたしまして国庫の導入と掛金の上限設定を緊急に措置いたされますよう国会並びに関係機関に強力に要望いたしました。また各組合の事業運営面におきましても、いち早くみずからの経営努力を内容といたしまする医療費増高対策要網に取り組みました結果、当面昭和五十一年度の財源率につきましては、法定給付だけで千分の百を超えます組合には、その超える部分につきまして特別の財政措置が講ぜられるようになりました。
 このような結果になりましたことにつきましては、現行制度のたてまえから一歩前進があったものでございまして、本委員会の諸先生方の格別の御配慮と自治省当局の御苦労に対しまして、私はこの席をおかりいたしまして、深甚の敬意と感謝の意を申し上げたいと存ずるわけでございます。
 なお、この医療費の増高傾向は、昭和五十二年度におきましてもさらに引き続いておりまして、昭和五十二年度におきましては、財源率が千分の百ないし百を超える組合を含めますと十組合にも及ぼうといたしておるわけでございます。
 私ども連合会といたしましては、このような厳しい情勢に対処いたしますために、全国八十七万余の組合員に対しまして、医療費増高対策の一環といたしましてのリーフレットの配布、あるいは組合員による制度改善のための署名運動の実施及びポスター等の作成配布を行いまして、組合員に医療費問題に対する適正な認識の向上と組合員の協力を強く呼びかけているところでございますが、今日の不自然な医療費増加傾向を招きました背景には、経済が高度成長から低成長となりました反面、近年におきまする人口構造の老齢化と疾病構造の変化あるいは医学、薬学の進歩によるものと言われておりますが、何と申しましてもその主要な原因は、厚生省もその矛盾を認めておりますように、患者が多くないと医業が成り立たない、あるいは医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない等の矛盾から生じているものでございまして、医療費支払い制度の適正化、医療機関の適正配置並びに薬事制度の改革など医療保険制度の抜本的な改革は、国民の健康と生命を守る上からもぜひとも解決しなければならない重大な問題でございます。
 なお、私どもはこの実行を期しますため、来月十八日には医療保険制度抜本改革推進全国大会を開催いたしまして、大会の決議をもちまして当日の午後、国会並びに政府関係諸機関に対しましての陳情を行うことと相なっておりますので、その節はどうぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 このように種々努力を傾倒しておりますが、私たち市町村共済の短期給付財政は、先ほど申し上げましたとおり、財政基礎がきわめて弱く、かつ深刻でございますので、医療保険制度の抜本改革が実現いたしますまでの間、国の健康保険を代行している共済組合に対しましても次の二つの点につきまして特に御要望いたし、お願いを申し上げる次第でございます。
 まず第一点は、医療の社会的公正の立場から適正な国庫補助の措置が講ぜられることでございます。
 さらに第二点といたしましては、掛金の上限につきましても現行の千分の五十をせめて千分の四十五に引き下げられることが当面の市町村共済組合の短期給付制度の存立とその財政危機とを救済する唯一の措置と考えられますので、何とぞ諸先生方の格別の御理解ある御高配を賜りたいものだと存ずる次第でございます。
 なお、医療保険制度抜本改革につきましては、諸先生方すでによく御案内のとおり、政府は、いまから十年前、つまり昭和四十二年当時、社会保障制度審議会並びに社会保険審議会の答申に基づきまして、医療保険の基本的見直しの検討項目を定めまして審議を開始したやに聞いておる次第でございますが、その後現在に至りますまで、この間昭和四十八年改正では家族給付率の七割、高額療養費制度の実施、さらには老人医療の無料化等、画期的な制度の前進はございましたものの、制度の基本的問題の論議の進展はなかったように仄聞いたしておる次第でございます。
 医療保険制度の基本的問題の改革には諸種の問題点が多くございまして、私どものはかり知れないものがありますことはある程度了承いたしておる次第でございますが、政府は、本国会に昭和五十二年度末に予想されます政管健保の累積赤字一千六百億円の解決策といたしまして、健康保険法の一部改正を提案されております。それを見まするに、初診時におきます一部負担及び入院時における一部負担の引き上げ、ボーナスからの特別保険料の徴収等々でありまして、これらの改正は、単に一時的な政管健保の赤字解消のための措置のようにしか考えられないわけでございます。
 さらに政府は、この改正法に連動いたしまして、昭和五十二年の秋を目途に医療保険制度の抜本改正に取り組むことといたしまして、厚生大臣の私的諮問機関であります社会保険審議会健保問題等懇談会におきまして検討を開始されているやに承っておりますが、ぜひとも諸先生方におかれましても、現状をよろしく御賢察の上、その実現が速やかに図られますよう、格段の御努力をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、共済制度におきますもう一つの大きな柱であります長期給付制度の問題でございますが、これにつきましては、次の五点にしぼって申し上げたいと存じます。
 まず第一点といたしましては、年金改定の実施時期についてでございます。
 今次改正といたしまして、現在提案されておりますいわゆる五十二年改定法におきまして、四月実施とされておりますが、なお現職公務員の給与ベアの実施時期より一年おくれているところでございまして、年金改定の実施時期につきましては、四十八年まで十月でありましたが、四十九年以降逐年一カ月ずつ繰り上げがなされまして、本年はさらに三カ月繰り上げられまして、四月実施と提案されておりますことは、非常にありがたいことであり、かつ望ましいことではございます。先生方並びに政府関係者にこの機会に深く感謝申し上げる次第でございます。
 しかしながら、四月実施に改善されたといたしましても、前年度の現職公務員給与のベア率にスライドしているのでございまして、年金額の実質的価値を十分に補完されているとは申せないわけでございまして、また、公務員給与のベアはさかのぼって従来から支給されているところからしましても、これに合わせて実施されますことが私たちの特に要望するところであります。
 年金受給者は、現職の公務員と違いまして、その絶対額が少なく、また他に全く収入の道がなく、毎年一〇%前後の消費者物価指数が上昇いたしまする今日、きわめて経済的な不安にかられておる次第であります。まして、たとえば、今次改定の約七%にいたしましても、その根拠となっておりますのは五十年度の物価の上昇等を総合勘案されたものによるものでございまして、物価上昇後一年以上の長期間にわたり年金の価値の是正がおくれますことは、今日の経済的情勢下においては、弱者にますます圧迫を加える結果と相なりまして、速やかに年金の改定の実施時期につきましても、公務員給与の改善の実施時期と合わせられますよう、年金受給者の深刻な問題としてお願いするものでございます。
 次に、第二点といたしましては、昭和五十年度におきます退職者の給与非適用者の特例措置について申し上げたいと存じます。
 五十二年度におきましては、地方公共団体の財政逼迫等によりまして、公共団体によりましては給与条例の改正を行いましてベアを行ったにもかかわりませず、その実施時期を四月に遡及適用することなく何カ月かおくれて適用したところがあるわけでございます。今次改正案によりますと、当該給与条例の改正の適用を受けることなく退職した者につきましても、当該公共団体のベアの適用があったものとして是正されるよう措置が講ぜられていることでございまして、まことに望ましいことでございます。このことは、さきの国会におきまして先生方からの御指摘もいただき、自治省当局の御尽力によりまして今次改正案に盛り込まれたことと存じますが、何とぞよろしく実現されますようお願い申し上げる次第でございます。
 この結果、市町村関係では給与改定を遡及しなかった団体が市では九十三、町村二百九十四ございまして、この非適用期間に退職した者で今次改正案により救済いたされます者は実に一千百七名でございます。この改善措置につきましては、よろしく御配慮のほど特にお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、第三点といたしましては、遺族年金の支給率の改善についてでございます。
 現行の遺族年金額は、退職年金額の二分の一と相なっておるわけでございまして、この二分一はいわば年金制度の発足でございます恩給制度以来のものでございまして、その後のわが国の各年金制度におきましてもこの二分の一の制度となっておりますが、二分の一でよいという根拠は全く見当たらないのでございまして、このことにつきましてはいままでもしばしば論議されてきたところでございまして、また当連合会といたしましても総会の決議等、事あるごとに改善の主張を強くいたしてきたところでもございます。また、ILO等百二号条約の「遺族給付」の項では、本人の生前に得ていた所得の四割を保障することを最低基準として定めているところでございます。退職年金の支給額は月額おおむね当市町村職員共済組合の場合、給料の二分の一程度でございます。したがいまして、退職年金受給者が死亡いたしますとその家族はさらにその二分の一と相なりまして、死亡当時の給料の実に四分の一の生活を余儀なくされるということに相なります。
 妻に対する遺族年金につきましては、四十八年にその子供の加給制度、さらには五十一年には寡婦の加算制度等も創設されたところではございますが、その額はきわめて少額でございまして、これらの問題を解決するには十分なものではございません。また、遺族年金の最低保障額は現在四十三万二千円でございますが、四十九年にいわゆる通年ルールが導入されだことによりまして、従来七割程度の最低保障適用者が五割程度に減少したとは申せ、依然として半数以上が最低保障の適用者と相なっておる次第でございます。これらの実情を考えまして、ILO条約の精神にのっとりまして、早急に遺族年金の水準を退職年金の八〇%まで引き上げていただきますよう、特にお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、第四点といたしましては、退職年次によります年金格差の是正について申し上げます。
 現在の共済年金制度の施行前の旧市町村共済法の年金及び旧恩給組合条例による年金は、現共済組合がその権利義務を承継し、支給いたしておるところでございますが、この旧制度の年金を初め、現在の共済年金におきまして退職年度の古い者ほど少額であり、格差が生じておるところでございます。
 この格差是正につきましては、四十八年におきましていわゆる四号アップが行われ、また今次改正におきましても旧制度の年金につきましては一号から三号のアップが提案されておる次第でございますが、この措置が行われたといたしましてもなお格差が是正されないことは明らかでございます。
 ちなみに、五十年度現在の金額でございますが、旧年金制度の平均退職年金額が約五十万円、新年金制度発足直後の三十八年度退職者の平均退職年金額が約七十七万円、四十六年度退職者の平均退職年金額が約九十六万円、四十八年度退職者の平均退職年金額が約百万円、五十年度退職者の平均退職年金額が約百十六万円と相なっておりまして、旧制度の年金と五十年度退職者との年金との格差は約二倍の開きが生じておるところでございます。毎年の年金額の改善率は、公務員給与のベア率と同率を用いられておりまして、その限りにおきましては格差は生じないことにも相なりますが、現実には、高度経済成長を踏まえまして、社会情勢による時代の要求からやはり現職者はいろいろな角度から給与の是正も行われてきておる次第でございまして、したがいまして、一たん退職してしまうとどうしても現職者との間に格差が生じてしまうわけでございまして、これを穴埋めしなければ現代の社会から取り残されてしまうことにも相なります。
 市町村の職員といたしましての在職年数も同じ、最終退職時の地位も同じでありましても、退職の時期によりまして年金額は異なる、この点に問題があるわけでございまして、退職後の適当な生活を保障いたしまする年金制度である以上、退職の年次によりまして不均衡が生じております年金額は早急に是正されるべきものと考える次第でございます。
 最後に第五点といたしましては、長期給付に要する費用の問題についてでございます。
 公的負担割合は、厚生年金と同程度に引き上げられますようしばしば要望してまいったところでございますが、共済年金は厚生年金と同程度まで引き上げ措置をしていただくよう特に強く御要望申し上げる次第でございます。
 以上、今回の改正法につきまして率直に私の愚見を申し上げた次第でございます。どうぞ、この意のあるところを御了承賜りまして、今後ともより一層共済制度の充実と発展のために格段の御高配、御検討を賜りますようお願い申し上げまして、意見の開陳を終わらせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手)
#6
○地崎委員長 次に、真柄参考人にお願いいたします。
#7
○真柄参考人 どうも皆さん御苦労さまです。日ごろ共済組合法の改定や、あるいはその運用についての附帯決議等で大変お世話になっていますが、この機会に改めて心からお礼を申し上げたいと思います。
 私は限られた時間内で、いまお二人の参考人からるる御意見がございました。共鳴、共感するところはほとんどでございますので、重複することを避ける意味におきまして、自治労の立場と申しますか、職員団体の立場で日ごろ考えています共済組合についての意見、含めて要望などをお話しさせていただきたいと思います。
 まず第一に短期経理の問題ですが、いまもるる申し述べられておりますが、率直に言ってこのまま医療費が増加傾向をたどっていくとするならば、本当にゆゆしい状態になるのではないか。これは単に職員の負担の限界というよりは、公的財政としても負担の限界というものをある意味で持つに至るのではないか。したがって、基本的といいますか、抜本的な歯どめを講ずるように思い切った措置というものを何かやはり決断していかなければいけないんじゃないだろうか。私は率直に言って、医療費増高の傾向というものは、確かに医療技術の発達やあるいは高度の専門技術的な傾向に伴う増加傾向はこれは必然だとは思いますけれども、やはり毎年中医協等で見られる医療費問題の取り扱いについてどうも政治的な要因の方が大き過ぎるのではないだろうか。端的な言い方を許していただくならば、やはり医師会の存在というものが、直接間接この医療費の増加要因として大変な比重を持っておるのではないだろうか。ここに思い切ったメスをふるっていかないと、いよいよどうにもならない状態になっていくのではないかということを率直に懸念いたします。
 したがいまして、私ども共済組合がいま遭遇しておる赤字の性格というものは、この限りにおいてはきわめて政治的、構造的なそういう要因によってなっている。ですから、赤字が出たから財源率でもってこれを埋め合わせるというそういう単純なる財源補てんではもうできなくなってきているのではないだろうか。
 地方職員共済組合の例をとっても、新年度の財政の見通しは二百億の赤字と言われております。私たち気の遠くなるような赤字なのでありますが、これが先生方のお力添えあるいは関係当局の努力、こういうものを要請をしながら、しかし現実的には自治体負担、組合員の掛金負担、両方あわせて大変どうにもならない状態で現状とどまっているわけであります。
 したがいまして、私は率直に言って、それならば具体的にどのようにやった方がいいのか、こういう点について、たとえばひとつ意見を申し上げたいと思うのですが、共済組合法の中で百三十一条に自治大臣は医療機関に対する立ち入り検査権というのを持っています。私の記憶によれば、この法律の条項は作用されたことがないのではないだろうか。もっと端的に言って、自治省は本年度七名の定数増をたしか先生方にもお願いをしていま参議院に回っているのではないかと思いますが、私はこういう機会に共済組合の、とりわけ医療費問題というものは、ある意味では地方財政ともかかわって非常にゆゆしい問題であるから、七名定数増員するなら、その一名だけでも法の百三十一条にいう医療の立ち入り検査権のために医師を採用するなどして、自治医科大学などもあるわけですから、やはり積極的な施策を関係当局自身がもっと進めていかないと、どうも歯どめがきかないままに、赤字が出たから財源率でもって金をさらに出さなければいけないという繰り返しになっていくのではないだろうか、こう思うところであります。
 同時に、共済組合は私は率直に言って、法令上は特殊法人ではありますけれども、準自治体だと考えていいと思うのであります。したがって、法律で期待をしておる単年度収支均衡の原則というものがもう実情に合わなくなってきている。としたならば、たとえば自治体の現在における再建計画あるいは自主再建計画の準用といいますか、それに準じて物を考えていく、すなわち複数年次でこの短期の赤字問題を処理をしていくという、そういう幅を持ったやり方でないと実情に合わなく、かつ、現実的な解決になっていかないのではないだろうか。私はそういう立場でかねがね意見を出しているところですが、幸いにして過年度の赤字の部分については二年もしくは三年度で清算することを自治省の方でも一応お認めになりました。しかし、新年度の見通しについては頑として単年度収支均衡の原則というものがうたわれているわけですから、われわれは思い半ばにしてまだ不満を感じているというのが率直なところであります。
 したがいまして、これらの問題、私は総体として基本的にこうあるべきだという問題と、現実的にはしかし共済組合はやはり私たち自身の共済制度でありますから、われわれ自身も出すべきものはやはり拠出をしてカバーしていく、こういう二段階の中で問題を解決していかなければいけないとは思いますが、とりわけいま申し上げたような観点で、今後機会あるごとに先生方の理解が得られれば私たち幸いだと思います。
 具体的に一つだけ補足をさせていただきますと、上限制限ということを言っています。財源率が、いま市町村共済のお話がありましたように、千分の百を超えておるのが全国的に十、そして千分の九十以上というものが全国的に二十七市町村共済にわたっていると私も理解をしています。国の健康保険法の定めによりますと、いわゆる標準報酬月額の千分の八十を超えた場合には一定の措置がなされるとなっておりますが、公務員の共済制度の現状は、本年度に関して言えば千分の百以上について一定の措置を考慮するということで、そこから問題が改善されていない、そういう事態があります。したがいまして、私たちはこういう問題についても今後相互の不合理な、何といいますか、希望といいますか要求といいますか、そういう意味ではなくして、合理的な意味で十分お聞きいただいて受けとめていただける筋合いだ、こういうふうに確信をしながら、今後また各先生方の御協力などもいただければ幸いに思っているところであります。
 時間の関係がございますもので先に行かしていただいて、長期の問題でありますが、新法が制定されて十五年たっています。特にこの間、私どもは現在の長期、五年ごとに財源率の再計算をするというシステム、すなわち積み立て制度については、これは給付の大幅な改善をするということとあわせて賦課方式に切りかえたらどうなんだろうということをかねがね言っているところであります。同時に、そういう方式に切りかえることによって、いま申し上げた給付の改善にあわせていわゆるスライド制というものも欧米並みに実現をすることになるのではないだろうか、こういうふうに考えているところであります。
 次に、スライド制の場合につきましても、現在は率直に言って物価スライド方式であります。私たちは賃金にスライドさせるべきではないだろうか。まあ、先生方御案内のとおり、ことしの春闘では総体的に賃上げの率は物価の上昇率にわずかに及ばない現状にあります。したがって私は、そういう立場から言えば物価スライドより賃金スライドの方がいいのだということは、高度成長の時代に賃上げがどんどん実現をした時代と違いまして、ある意味ではわれわれにとってはデメリットの主張になるのでありますが、しかし制度の運用としてはやはり物価から賃金にスライドさせていくというところを基本に踏まえて今後この種の問題の解決に当たるべきではないだろうか、こういうふうに考えている。
 もちろん、この長期の年金については、最近官民のいろいろなことが言われていますが、私たちとしては国庫負担をせめて民間厚生年金並みに引き上げてほしいと言っている。公務員の年金の国庫負担は一五%であります。民間の厚生年金は二〇%の国庫負担がすでに導入をされています。さらに私学共済等においては一八%というそういう実態にもあります。私たちは大変公務員に対するいろいろな御意見があることを承知ではありますけれども、やはり制度の均衡を見る限りにおいては、国庫負担についてもバランスというものが整えられてよろしいのではないかということを長期について考えるところであります。
 次に福祉の問題であります。私はこの機会に地方公務員法の四十二条において、職員の福利厚生についてはいわば使用者の責任でこれを賄うといいますか、運営をすると定められているこの公務員法四十二条が、制定以来今日まで何ら具体的に充足されることがないまま来ている。結果について言うならば、ほとんどが共済組合の保険福祉事業にゆだねられてきているという現状について、やはり基本的に見直していかなければいけないように思われます。したがいまして、現状における共済組合の福祉事業は、まさに本来使用主の責任において果たさるべき職員の福利厚生について共済制度が肩がわりをしているという実態は、これは何人も否定できない事実だと思うのであります。したがいまして、われわれは組合員自身の健康管理あるいはまた予防については使用主責任、同時に家族の健康管理、予防等は共済組合というふうに区分を設けながら、運営の中で区分を考えながらやっていくように切りかえていかないと、地方公務員法四十二条はいつまでたっても死文化したままということを言わざるを得ません。最近、自治省の方でも全国のたとえば道府県の互助会の実態調査などを始めまして、その意図するところがつまびらかではありませんが、あるいはそういうことを指向しているのではないかとも思われますが、この機会に一段とはずみをつけてこの問題の解明に当たっていただきたいというふうに思うところであります。
 同時にまた、官民における職員の厚生費の比較等を私たちなりに理解をいたしましても、たとえば県なりあるいは公立学校あるいは警察職員を含めて厚生費というのは民間に比べて三分の一程度に実態はなっています。警察だけは四千九百六十二円ということでやや民間に準じているような点もございますけれども、総体的にそういう点が考えられています。私は、福祉の面ではこの法律四十二条の趣旨を共済組合が肩がわりしておる実態について基本的に問題を訴えて、私の意見とさせていただきたいのであります。
 最後になりますが、管理運営の問題であります。私は、一つは民主的運営についてもっと保障させていただきたいと共済組合について考えています。現在の共済制度は、理念的には社会保障という観念を持ってはいますが、現実的には共済組合と称しているように社会保険制度的な実態を持っております。私なりに平たく言わしてもらえば、株式会社的な、そういう論理の上に当局側と職員側がそれぞれ拠出をし合って運営をしているというのが実態だと思うのであります。したがいまして、そうした意味から言うならば、共済組合自身が自主的な判断に基づく運営というものを基本に据えていくようにしていかなければいけない。言いかえるならば、政府の方、自治省の方からあれこれ言い過ぎない、こういうことが私は望ましいと思っています。
 一番最たる例は、率直に言って、たとえば地方職員共済組合、全国の県の職員の共済組合、これは歴代の理事長は、あたかも当然のごとく自治省の次官級の、まあ優秀な人でありましょうが、理事長人事としてなされている。私は、こういう天下り人事というものが通用している限りにおいては、共済組合自身が本当に自分の共済組合をもっとよくしていきたいというそういう意欲に疎外感を持たざるを得なくなるのではないか。いますぐどうのこうのと言う気持ちは私はありませんが、将来にわたって、たとえば知事の経験者を理事長に任用するなどしながら、やはり共済組合というのはあくまでも自主的な自前の組織であるということを運営の基本にしていくことが望ましいのではないだろうか。そうなると共済の運営は円滑化していくと私は思うのであります。
 たとえば掛金の値上げをしなければいけない、職員の立場から見れば一定のものはやはり出さなければいかぬという気持ちがあるけれども、もっと出せ出せというふうに自治省の方が言うと、彼らはやはり共済組合に対する支配権を持っておるのか、極端に言えばそういう気持ちにまで駆られて、まあぎくしゃくせぬでいいところもぎくしゃくしかねない、こういう点がありますが、私はこの点を第一点として、それから第二点は組織についてお考えを私はぜひいただきたいと思うのであります。
 たとえば三共済と言われるのに警察職員共済組合、公立学校職員共済組合、そして地方職員共済組合があります。これは運営審議会というそれぞれ主管大臣の任命する姿によって共済基本方針を定める、議会に準じた審議会を運営しているのであります。ところが市町村職員共済組合なり都市職員共済組合は、これは民主的な選挙によって代表を選んで議会を構成し、その議会の意思に基づいて共済組合を運営しているのであります。私がここで申し上げたいのは、なぜ同じ地方公務員でありながら、県の職員と市町村の職員、都市の職員でありながら、片方だけが議会制度を保障されないで運営審議会という制度に頼らざるを得ないのか。公務員の公平の原則からいっても、私は、共済制度の組織運営についてもこの機会にやはり見直していただく必要があるのではないか、こういうことをきわめて簡単な言い方ですが、総体として申し上げさせていただきます。
 最後になりますが、これは私の持論と言ったら大変恐縮な言い方になるのですが、私は地方職員という名前を変えた方がいいと思っておる。道府県職員共済組合と直した方が一層身近な共済組合になると思うのであります。地方職員という名前の冠し方は、歴史的な沿革は別にしましても、国の職員に対して派遣された地方の職員という発想にほかならない。ここに私はやはり自治省なり中央の地方職員に対する、いわゆる道府県職員に対する支配意識というものがあるのではないか。憲法九十二条でいう、地方自治の本旨に基づく自治体並びにその職員が共済組合を基本的に運営をしておるという、そういう一つ考え方についての不足の点があるのではないか、私はこう申し上げたいのであります。
 いずれにいたしましても、共済組合法ができまして十五年たちます。私は率直に言って、見直しの時期ではないだろうかと思っています。私も常々思うのですが、いまも民間と公務員とのいろんな関係が言われていますが、共済制度は非常に複雑であります。私どもが法律を読んでもわからぬようにできています。私は決して意地悪な言い方をするのではありませんけれども、知らしむべからずよらしむべしというような発想の上に、共済組合法が難解な用語によって陣立てされているのではないだろうか、そんなことを考える場合に、共済制度を一層国民の皆さんからも理解を仰ぎやすい――現実に共済組合員自身かこの法律を読んだってわからないのですから、こういうある意味ではばかげた案態というものについては、できるだけ組織の内外の人たちにわかりやすくするように大胆に私たちは努力をしながら、立法府の先生方にも、もしそんな機会があるとするならばぜひとも御理解をいただきたいものだ、こういうふうに申し上げるところであります。
 私なりに大変率直に、歯に衣を着せないで少し言い過ぎた点があるいはあったのかもわかりませんが、お許しをいただいて、この機会に、これまでの皆さん方の御理解、御協力に心から重ねてお礼を申し上げまして、私の意見とさせていただくところであります。ありがとうございました。(拍手)
#8
○地崎委員長 以上で参考人からの御意見の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○地崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
#10
○小川(省)委員 三人の参考人の方々には大変貴重な御意見をありがとうございました。
 逐次お伺いをいたしたいと思うのですが、まず本禄参考人さんにお尋ねをいたします。いろいろ短期なりあるいは長期についての御意見があったわけでありますが、第一線で業務を担当されておって、現行における改正すべき点あるいは矛盾点を恐らく強くお感じになっておられると思うのでありますが、今回の改正の中で、今回は恩給法を受けた改正が主でありますから余り問題点はないのですが、常々思っておられることで、改正をすべきならばこれこれしかじかの点は改正をすべきであるという点を恐らく参考人としてお持ちだろうと思うのですが、そういう点についてはいかがでございますか。それが一つ。
 あと一つは、官民格差のお話がございました。まさに御指摘のとおりです。社会労働委員会で問題が取り上げられて、ああいう形でマスコミに取り上げられましたから、これを反駁をするのは大変でありますけれども、共済組合法が発生以前の段階を抱えているわけですからああいう指摘をされるような状態が出かねないわけです。あの社労委員会における比較は、高級公務員あるいはまた校長等と比較をしているわけですから特に御指摘のような点があろうかと思うのですが、そういう点に立って具体的に共済組合としてこれに反論をしていく手だて、方法を講じなければ、いつまでたっても共済組合は追い込められたままなかなか反論ができない状態に置かれるわけです。そういう点についてどのような手だてを講じていかれようとしておられるのか、その二点についてお伺いをいたします。
#11
○本禄参考人 第一点の地方共済組合法に関連します改正すべき大きな問題点といいますと、先ほど来申し上げておりましたけれども、私どもが第一線で年金生活者との接触をする機会というのを年何回か、あるいは北海道ですと支庁ブロックごとに懇談会、相談会というものを開催しまして意見をお聞きする会をつくっております。そういう場合に、年金生活者の最大の関心は、やはり年金改定のおくれを公務員給与ベース改定に一致させてほしい、こういうのがまず共通した最大の問題であります。それからもう一つは、退職年次が古ければ古いほど低い年金という実態になっておりますので、そういうものを含めてやはり年金の最低保障額の引き上げというものについて強い関心がございます。それから、何と申しましても一番深刻な問題は、先ほど申しましたとおり遺族年金が年金の二分の一になる、こういうことでございます。これを、いつも例に出されるのですが、その地域における生活保護費あるいは標準生計費等と勘案いたしましても、たとえば札幌市で夫婦二人でありますと、生活保護基準でいきましても年間百万を超えるはずでございます。あるいは寡婦一人の場合でも七十二万円くらいになるはずでございます。そういうものとこの遺族年金の額を比較いたしますと、余りにも少な過ぎる、こういうことで切実な要望というものがあるのでございます。大きな点にしぼりますとその三点、年金生活者と接する機会を通じてその三点については特に要望があるのでございます。
 それからとかく論議をされております官民格差について、現実に給付額について見れば格差と言われるような数字になることはわかります。しかしながら、年金については長い歴史的経過があるのでありますから、もう少しそれぞれの年金の生い立ち、成り立ったときの目的、発想、いろいろなものを勘案いたしまして、しかももう少し精緻な要素を取り入れて検討した上でこの格差問題について議論をされるべきでないかと思います。それにも増して私が御意見を申し上げたいのは、官民格差という議論をするのも大事でございますけれども、低いものと高いものとの比較でなくて、むしろ日本における年金制度の総合的な底上げといいますか、そういうものについて真剣に議論がなされるべきでないかと思います。
 意を尽くしませんが、これで終わらせていただきます。
#12
○小川(省)委員 池田参考人にお伺いいたします。
 端的に二点伺いますが、上限率の問題でいわゆる千分の四十が現在千分の五十に等しいと言われているわけですが、四十五という御主張をなさいました。私ども委員会の中で常に主張しているわけでありますけれども、四十五の主張をなされた何か理論的な根拠がおありでしたらその点を伺いたい。
 それから次の点は、特に年金改定の実施時期の繰り上げの問題です。ことしから四月になったわけですが、やはり一年のおくれがあるわけです。実際の事務的な手続として、私ども主張しているわけですけれども、どういう方法をとって、一年の繰り上げを実施をさせるための手だてを講ずるかという点についてどのようにお考えか、お考えを承りたいと存じます。
#13
○池田参考人 小川先生の御質問に端的にお答えさせていただきます。
 まず第一点の上限率の四十五ということに対しましては、別段理論的な根拠というわけではございませんが、せめてその程度にひとつ上限のものを認めてもらいたいというのがわれわれの切実な要望でございます。
 それから第二番目の点につきましては、事務的な問題もございますので事務当局に十分ひとつ検討させまして、そういうことが実施されますならばひとつ事務的に余り混乱を来さないようにやらせていただきたい、このように考えておる次第でございますので、御了解いただきたいと思います。
#14
○小川(省)委員 私どもも参考人が言われたような点を実は委員会の中で主張をしているわけです。ところが、なかなか相手側を納得をせしむるような理論的裏づけが少ないものですから、共済組合連合会の中でそういう点を、私どもが主張をして、納得をできるような裏づけをぜひ出していただきたい、こういう点をお願いしておきます。
 それから真柄参考人に伺いたいわけですが、御説ごもっともで拝聴いたしたわけでありますが、特に共済組合の民主的運営の問題に触れられました。私どもよく聞くわけですが、実際にどういうぐあいに、特に地共済だろうと思うのですが、いわゆる理事者側を代表する数と組合員を代表する数が連合会の中では圧倒的に違うというようなこともお聞きをするわけであります。具体的に、民主的になっていない具体的な事例をもうちょっと挙げていただきたいというふうに思っています。
 それから医療費についての抜本的な改正について、私ども同感でありますし、そうしていかなければならぬというふうに思っていますが、いずれにしても、医療費が増高する、財源率を上げる、確かにどこかで歯どめをかけなければならぬわけでありますけれども、どういうふうに歯どめをかけていっていいのか、私ども実は迷っているわけでありますけれども、その辺についてのさらに突っ込んだお考え方があったら、もう少しお聞きをいたしたいと思います。
#15
○真柄参考人 共済の民主的運営ということでお話を申し上げたところでありますが、具体的事例で申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、まず制度の根幹としては、運営審議会と組合会の違いが、同じ地方公務員でありながらなぜ違うか、このことを前提にいたしまして、しかしなお運営審議会の運営を見ても、まだまだ私たちは満足すべき状態ではありません。本部の運営審議会は大体フィフティーフィフティーという構成になっています。全国各支部の運営審議会も逐次そういう傾向で満たされつつありますが、一部やはりいわゆる一号側と二号側の委員の選出に不均衡が見受けられ、残念でなりません。これは運営審議会の問題を通じてであります。
 さらに、役員会の構成というものが、本部の関係でありますが、これは率直に言って、職員側二名に対してそうでない側が七名、こういう市町村、都市職員共済組合の一対一の関係から律するならば、ちょっと想像もできないようなアンバランスの実態にある、こういう点であります。同時に、私さっき言いましたように、そうした一号、二号側という観点を基本に据えながらも、自治省から天下り人事という形でどんどん主要なポストに下がってきている。こういうことになってきますと、一体この共済組合というものは、だれによって、どこに向かうのかというような点について心配がある。同時に、この主要なポストに来る場合にも、率直に言って人事院の承認を受けてくると思うのですが、三年を期限としてやっています。ですから、せっかく複雑難解な共済制度に習熟をしたころになると、自治省人事の一環としてまた他にかわっていく、まことに私たちにとっては物足りない実態にある。簡単に具体例という御質問でございますから、以上申し上げさせていただきます。
 それから医療費の歯どめの策でございますが、具体的問題については私どももまだまだ検討しなければいけないとは思いますが、基本的にはやはり中医協等で審議される医療費の審議について、私たちは、もっと政治的な立場を乗り切って、もう経済環境は高度成長でないのでありますから、やはりいまの経済実態に見合う医療費の伸び、この鈍化なりあるいはまた停滞というものを求めたような政治的歯どめをまず第一に要望したいと思うのであります。
 それから第二に、われわれ自身の原因が政治的にやってくるわけでありますから、緊急避難的に共済組合の赤字の防止を図らなければいけないということで、末端の職員についてはレセプト審査を厳重にやるとかということでやって、不適切な医療支出の抑制には努めていますが、これは率直に言ってもう限界に来ているわけであります。したがいまして、こういう点については、医療費が全国的に見て地域的にアンバランスな姿で増加傾向を持っているというこの実態にもう少しメスを入れて、医療費の伸びの是正というものに問題解決の目を向けていく必要があるのではないか。
 最後に、共済組合はそういうわけでどんどん赤字がふえるわけですから、財源率の改定によって負担金、掛金率を上げさせられるわけであります。ある意味では上げることは当然だと私たちもわきまえたいのでありますが、これはやはり負担能力の限界というものがございます。したがいまして、私は基本的に言って、法律が期待している単年度収支均衡の原則というものは、いまの実態の中では少し通用しなくなっているのではないか。したがって、特例的には、たとえば長期の財源率が五年ごとに計算されますが、そうした意味の複数年次の財源率改定という求め方を特例的に行うことによって、年々医療費増高に伴う財源率改定、それに伴う、率直に言えば労使間のトラブル、こういうものをやはり防止するような行政的な見地からの思い切った運用方針というものもお考えいただく必要があるのではないだろうか。もちろん、共済組合は総合的運営をたてまえにしていますから、短期が赤字のときには一号資金の方、つまり年金の裏づけとなるべきそういう資金の積み立ての方からも、私は率直に言って、借り入れる措置なども運用上保証されてしかるべきなのではないか。しかし、私たちは年金制度を少なくとも原資の面で壊してはなりませんから、貸したものはやはり返す、こういう立場に立って、短期が赤字で医療機関に対する支出が困難になった場合には、暫定的にも一号資金から借り入れを受けて、そしてきちっとした計画年数でもってそれを返していく、このことが通常の自治体における再建計画もしくは自主再建に準じた共済組合自身の許されてしかるべき道ではないだろうか、こういうことを私たちとしては考えているわけでございます。
 以上、私が考えた点を申し上げただけで、もちろん、職員側が負担をまるまる増加すること抜きにやっていけるなどと毛頭考えておりません。われわれみずからの共済組合でありますから、相当の拠出については私たちも判断すべき点において判断をしながら、共済組合の運営に関与していかなければいけないと思っていることは言うまでもないことを申し添えてお答えにかえさせていただきたいと思います。
#16
○小川(省)委員 ありがとうございました。
#17
○地崎委員長 和田一郎君。
#18
○和田(一)委員 大変御苦労さまでございます。
 最初に本禄先生にお尋ねをいたしますけれども、先ほど先生は、最後の方に、年金開始年齢をいまのままにしておくと今後問題が残る、時期に対応した長期的な考えで改めるべきだというお話をされました。現在五十五歳から年金開始ということでございますけれども、ひとつ具体的な先生のお考えがございましたらお教え願いたいと思います。
#19
○本禄参考人 先ほど申し上げましたのは、私、年金問題の事務に携わりましたのがわずか二年半の経験でございます。しかも北海道庁にありまして、北海道職員にかかる年金事務に携わったわけでございますので、公務員全般についての認識は余り持っておりません。それで、北海道に限定して考えてみますと、昭和五十二年の段階で、いわゆる都道府県の負担金と組合員の掛金の合計額が八十七億、そういう収入になっております。それに対して現在の支出は、組合員に対する年金支出は五十七億となっております。でありますから、現段階におきましては、まだ掛金、負担金の収入が年金支出を相当上回っておりますので、これを積み立て財源として保留し、将来の年金財源として積み立てていくことが可能であります。こういう積み立てが可能な限り、将来の公務員の年金経理というものを考える場合に、それほど大きな問題はないと思いますけれども、北海道職員の年齢構成を見ましても非常に高齢化が進んでおる。現在平均年齢は四十歳か四十一歳になっております。これがどんどん高齢化が進みまして、恐らく七、八年後には四十四、五歳になろうかと思います。そういたしますと、それらの方が今後約十年間に相当数の退職者が出、しかも最近の公務員の勤務年数というのは非常に長くなっております。恩給時代ですとわずか十七年か二十年でやめていったのが多いと思いますが、現在ですと、やはり平均でいきましても三十一年勤めましてやめていく場合が多いわけでございまして、その方々がたくさんの人数がやめ、そして年金額も高いものになっておる。そういたしますと、私の試算では、現在のまま推移いたしますとすれば、少な目に見ても六十二年、今後約十年間で完全に組合員の掛けた掛金と道が負担する負担金との全額をこの掛金に入れなければならない。全く積み立てすることができなくなる。しかもそれ以降過ぎますと、掛金、負担金では足りなくて、どこかに財源を求めなければならぬ、こういう事態になっております。北海道の段階だけで考えましてもそうなっておりますので、やはりこの際、わが国の企業あるいは雇用関係あるいは欧米諸国における年金支給開始年齢、これが恐らく欧米先進国ではもう数十年前から六十五歳となっておるはずであります。でありますから、急速にこれに近づけるということは困難でありますので、相当長期の年月をかけて、計画的に雇用不安を起こさないようないろんな手段を講じながら、これを順次引き上げ、健全な年金あるいは安心して生活できる年金を支給できるような仕組みを考えるべきではないか、こう思います。先ほど申しましたように、やはり日本の国民の平均余命が、旧恩給時代の定めた五十五歳というときに考えますと、平均余命は四十歳前後であったかと思います。現在の成人の平均寿命が男子で七十四歳と言われておりますので、それらを勘案いたしまして、適正な支給開始年齢ということについて今後十分な検討がなされるべきじゃないか、こう考えます。
 以上で終わります。
#20
○和田(一)委員 それでは池田先生にお尋ねいたしますが、最近年金制度の一本化という議論が出てまいりました。ずいぶん、数種類ございますので、それぞれの長所、短所がございますけれども、とにかく国民皆年金という思想でございます。一本化と言っても簡単にできるわけではございません。いろいろな段階がございますが、いずれにいたしましても、そういう考え方に対して、先生の場合は市町村の方の共済でございますけれども、その御意見を伺いたいと思います。そして、本禄先生にはいわゆる地方職員共済の方のお考えとしてお考えを承りたいと思います。
#21
○池田参考人 和田先生の御質問にお答え申し上げたいと思うのでございますが、理想といたしましてはそういう姿が好ましいと私自身も考えておるわけでございますが、それぞれの制度のよって来たる遠因、それから近因、いろいろございまして、われわれの市町村職員共済におきましても恩給組合から共済組合に移行いたし、またそれが統一されて現在の市町村職員共済という一つの歴史的な経過がございます。そういう問題と、それから基本的な積立金の問題もございます。そういうもろもろの問題の整理、そういうものが、現在の医療保険制度におきましても抜本的な改正がなかなかなされないと同様な意味におきまして、われわれ前向きに検討して、理想としてはそういうことが望ましい、かように考えております。
 以上であります。
#22
○本禄参考人 数年前から年金について一本化とかあるいは基礎年金構想とかいうような議論が非常になされております。もちろん国民的立場からすれば理想的なことであるかもしれません。と思いますが、それぞれいまお話がありましたように、たとえば、私どもの地方職員共済組合の年金にいたしますと、当初の恩給制度から引き継いだ年金でございまして、厚生年金等と比べてみますと、厚生年金でありますと、いろいろな企業を渡り歩いて、そして社会保障的な立場で年金を給付する、こういう要素が非常に多いと思います。ところが地方職員共済組合の年金に関しては、恩給の思想が相当入ったものを引き継いでおりますので、まさに言うならば職域年金的な要素が非常に多い。それにもちろん社会保障的な要素もあります。あるいはまた、公務員の年金というのは、忠実に相当期間勤務した場合に年金を出すという発想がございますので、そういう職域的な年金的要素を含んでおりますので、もちろん将来の方向としては一本化ということがあり得るでございましょうが、しかし、やはりそれぞれの年金の生い立ち、目的等も十分勘案していただいて、もし一本化される場合であれば、そういう方向で進まれるべきじゃないか、このように考えております。
 以上で終わります。
#23
○和田(一)委員 それでは真柄先生にお尋ねいたしますが、先ほど真柄先生のお話の中で、非常にむずかしいというお話がございました。確かにむずかしくて、私もこの勉強が実は大変なんですけれども、先生の方で何か具体的な方法がおありだったらひとつお教え願いたいと思います。
 それから、あと一つですが、この共済組合の事務職員のことなんですけれども、とにかく専門的な分野でございまして、人事異動で、すぐはいさようならというわけで、ほかの人たちに交替するわけにはいかないので、ほとんど同じ人がやっておると聞いておるのです。少しも人事異動がない。励みがないというふうなこともあるわけです。その点についてのお考えを一つと、二つをお伺いいたします。
#24
○真柄参考人 共済組合法に限らず日本の法律というのはめんどうにできておると私は率直に思うのです。何かいい方法がないか、立法府の先生方に探していただきたいというのが率直な私の気持ちなんですが、それでもわかりにくいのですけれども、わかりやすい説明をくまなく行うとか、そういう意味のサービス精神みたいなのを法律の難解な本文とは別に徹底さすことによって、みずから共済組合に所属しながら自分の基本的法を理解しないという、こういう実態だけは逐次取り除いていく必要があるのじゃないかというふうに思います。法制局とかいろいろな専門の先生方も日本に多いとは思うのですが、そういう人たちに任せるとだんだんむずかしくなるのじゃないかと私は思いますので、むしろ立法府の先生方が簡明直截に、ああせいこうせいと言うことを基本に法律を直していただいて、その補足説明を専門家に任せるようなシステムにしたら、あるいはわかりやすくなるのじゃないか、私は個人的にはそう思います。
 それから、共済プロパーの職員の問題なんですが、確かに御指摘のとおり大変だと思います。まだ、共済の裁定事務等についてのいわゆるコンピューターによって裁定していくというシステムが完全に軌道に乗っていません。したがいまして、それぞれの職員の皆さんの経験、習熟に従って年金裁定をお願いをしているということからすれば、そこの年金裁定の職員を動かすと、かわりがいない。そうするといまの公務員社会の実態から言えば、人事の異動をしないと、給料体系から見ても、あるいは職員の格づけから見ても、端的に言えば出世をしないという問題点があることは私ども同感であります。したがってこういう問題については、たとえば単一の共済組合にありましては、全国的な人事異動の道などもある程度検討しながら、A県からB県に、B県からC県に動くというような道などもあるいは検討すべき素材ではないだろうか。そういうことと、コンピューター化を開発をして、全く機械に頼るという一つの時代の要請にどう現実的なマッチを図っていくかということは、それぞれ共済当局でも大変気を使っていらっしゃることではないかと思いますが、私の考えている所見だけ申し上げさせていただきました。
#25
○和田(一)委員 最後に一間でございますけれども、これは本禄参考人が代表して言っていただいて結構でございますが、積立金が三兆五千億ですか、それから単年度収支では、収入が一兆一千億、支出が五千三百億、現在ではこのようになっているようでございます。その運用方法について、実態は一体どうなっているかということをちょっとお教え願いたいと思います。
#26
○本禄参考人 私、地方共済の北海道支部の範囲内の事務でございまして、たとえば地方職員共済組合の全体の積立金がどうなって、どのような運用がなされているかについてはちょっと承知しておりませんので、お許しいただきたいと思います。
#27
○和田(一)委員 では、どなたか、池田先生は御存じですか。
#28
○池田参考人 私の方も、実はそれぞれの各都道府県で市町村職員共済独自の経理をやっておりまして、そして一応連合会は連合会としての長期等に対する若干の積み立てをいたしております。したがって、単位の共済の中での資金の運用ということに相なろうと思うのでございますが、最近におきましては、大体長期の方の積み立てに対しまして職員のいろいろな福祉、主として住宅、それからその他の貸付業務をいたしておりますが、現在では百の中で四十五が職員のための貸付経理に向けられているわけでございます。それから大体四十ぐらいは、一応有効にそれを回すために、市町村の起債に準じるものとか、あるいは信用、信託預金とか、そういうようなことできわめて堅実な運用をやらせていただく、そういう形で大体推移いたしております。
 以上、お答え申し上げます。
#29
○和田(一)委員 以上で終わります。
#30
○地崎委員長 三谷秀治君。
#31
○三谷委員 参考人の方にお尋ねします。どなたでも結構でございます。
 昨年の七月に自治省が発表しました退職年金受給者の生活実態調査結果というのがありますが、これによりますと、年金の支給額が月にしまして平均七万七千円になっております。そして年金受給者の一カ月間の生活費が十二万六千円になっております。六割程度しか年金額がないという状態でありますが、こういう状況の中で、退職年金受給者がどういう状態でお過ごしになっておりますのか、そういう生活実態等について御調査になっておればお知らせをいただきたいと思います。
#32
○地崎委員長 真柄参考人、いかがですか。
#33
○真柄参考人 僭越ですが、委員長の御指名がありましたので申し上げさせていただきたいと思います。
 いま三谷先生御指摘のとおりの実態を、私どもも承知しています。したがいまして、共済年金制度が本来期待をしておる老後の生活保障にはとうていあずかってないという結果が歴然としていますので、ほとんどの方々が第二の人生といいますか、何らかの職を得てその生活の維持に努めている実態ではないかと思います。私どもが直接承知をしている範囲で申し上げますと、自治体を離れまして、すなわち退職者になりましてもたとえば退職者組合を力を合わせて組織するなどして、先生方あるいは関係当局に老齢保障の実が上がるような陳情などもやっているやに直接承知をしている現状にあることを申し上げさせていただきたいと思っております。
#34
○三谷委員 そういう実態にあるにもかかわらず、先般来盛んにキャンペーンが行われておりますが、公務員共済年金が優遇されておるというふうなことが言われております。そこで私は整理資源の問題について御意見をお聞きしたいと思いますが、昭和三十四年十月の新年金制度の実施に伴いまして、四十万人を超える恩給公務員の過去の期間を全部通算して実施をすることになりまして、これらの人々に将来払うべき金額を整理資源として共済組合は引き継いで責任準備金に入れるということになったようでございます。ですから、これらの人々、つまり恩給公務員に将来支払うべき金額を共済組合が引き継いだわけでありますから、この責任準備金に将来支払うべき金額つまり恩給金額を入れなければ、昭和三十四年十月以降の恩給の支払いは一般組合員から徴収した掛金で支払う、こういうことになってくるわけでありますから、当然恩給公務員の納めてきました国庫納金といいますか、こういうものは全部共済組合に入れるのが当然である。ところが当局側は、この場合の整理資金の額を確定せずに、大蔵省と連合会が一年間の給付額の中で恩給期間に相当する額を翌年度の国の予算の中で処置をする、こういう修正実額負担方式をとりまして、これがいまいろいろ攻撃されている、宣伝されている一つの要因になっておるようでありますが、整理資源が法令上は追加費用と規定されたために、本来の追加費用と整理資源の問題とが混同されてしまっておるといううらみがあり、そこのところが国の負担が多いとか、官民格差があるとかいら宣伝の大きな根拠になっておるようでありますが、この点について御意見をお持ちであればお聞かせをいただきたいと思います。
 それからもう一つの問題は、これが施行されましてから二十年近くなりましたので、いわゆる恩給公務員という方々、この方ははなはだしく減少してきたと思いますけれども、その場合における整理資源に対する考え方、これも御教示を願いたいと思います。
#35
○本禄参考人 ただいま三谷先生からいわゆる整理資源に関してのお話がございましたが、私どもも全く同じように整理資源、地方公共団体については追加費用、こういうものについては国家公務員は昭和三十四年でございますか、地方公務員はそれから数年おくれておりますが、恩給制度を共済年金に組み入れていきまして、その場合に国が恩給の資金として積み立てをしておればもちろん問題はなかったと思いますが、その資金、いわゆる責任準備金がありませんでしたので、各共済組合に制度を引き継ぐと同時に、その資金を毎年国庫あるいは地方交付税上の措置として団体に措置する、こういうことでございますので、これを最近議論されるような官民格差の問題と混同して議論されますと誤解を生む原因になるかと思います。
 それで、私どもの北海道だけを見ましても、共済年金の年金給付全額の約六〇%は、いわゆる恩給期間に相当する部分の給付として交付しております。でありますから、現在、地方公務員の中で年金支給していますが、その六割は恩給分である。もちろん、これを国庫から負担しないとすれば、われわれ現在の組合員が全部負担しなければなりませんので、これはまた筋が通らない話ではないかと思います。
 それで今後の見通しでございますが、正確ではないかもしれませんが恐らく、この追加費用の部分を考えてみますと、昭和五十年段階で給付額に占める追加費用の割合は約六九%でございまして、だんだん恩給適用者というものが減っていきますので、これが昭和六十年になりますと半分になるかと、大体五〇%を占めると思います。昭和八十年になりますと、恐らく一五%台になるかと思います。それで、人間の寿命でございますからわかりませんが、百年になりますと恐らく、追加費用、その整理資源というものはほとんどゼロになるのではないかと考えております。
 以上でございます。
#36
○三谷委員 どうもありがとうございました。
 政府が四十八年に経済運営の指針として出したものでありますが、経済社会基本計画によりましても、社会保障の分野における資源配分がはなはだしく過少であることを指摘しております。そうして老人問題がきわめて重要な課題になってきたということが言われており、年金による所得の保障、医療等による健康の増進、必要な施設の整備等が重要であるとしております。これは政府の経済社会基本計画でありますが、この方針から見まして、今日の年金制度というものはもっと抜本的な改正をする必要がある。つまり完全な生活保障体制、このことが当然実施されるべきものだと思いますけれども、この抜本的な改善策の一つの方式としましての賦課方式、これについてどのような御見解でありますか、これをお尋ねしたいと思います。
#37
○池田参考人 この問題は非常にむずかしい問題であろうと思われるわけでございますが、一応最低保障制度というものの確立を見まして、その最低保障というものは一体幾らであるかという基準を決めまして、それに伴いまして一応それぞれの制度上の中でそれの賦課方式というものを勘案していくということ以外にないのではなかろうか、このように考えるわけでございます。
 以上、お答えになるかどうかわかりませんが考え方だけ申し上げました。
#38
○三谷委員 共済年金を生活保障費として考えました場合、刑罰者に対する一部控除だとか全額停止という処置、これは果たして妥当かどうかという疑問が出されておりますが、これについてはどうお考えでしょう。
#39
○真柄参考人 御質問の趣旨は法による給付の制限と理解をしてお答えを申し上げたいと思いますが、結論から申し上げまして、給付の制限については現在の法律が妥当を欠く面があるのではないか。たとえば行政処分等を受けたことに伴って制裁的にそれが共済年金の分野にまで及ぶということは合理性を欠く。同時に、その根拠は、ILO等国際的な基準の見合い、あるいはまたこれまで共済組合審議会等でいろいろな検討会を行ってきた経緯から見ても、一定の措置が検討さるべきである、こういう具体的な経過と言いますか、討議の過程があるやに私も記憶をしておりますので、給付の制限については一定の緩和と言いますか、見直しというものが当然必要ではないかというふうに考えています。
#40
○三谷委員 もう一つお尋ねします。先ほど申しました年金の給付額でありますが、これを生活保護の、生活扶助費の受給者と比べてみまして、果たしてどういう状態であるのか。七十歳なり七十五歳程度の年限でこれを比較した場合に、ほぼ同額であるという統計が政府の資料でも出ております。こういう実態について、生活保護法は別個の法律だから、別個の観点のものだから同一には論じられぬということを政府は言いますけれども、しかし、年金を掛け、二十数年間勤続された公務員の方の老後における生活保障費と生活保護者の扶助費というものがほとんど同一にすぎない、場合によっては生活扶助費の方が高いというような状態、こういう状態に対してどのような御見解をお持ちでしょう。
#41
○本禄参考人 私、北海道の場合の数字を手に持っておりますので申し上げますと、退職年金いわゆる共済年金を受給しておる者が二千七百人おります。その方々の一人当たり平均年金額が、大体平均在職年数が三十一年でございますが、それだけ長期間勤めまして約百三十万でございます。それが今度は遺族年金にまいりますと、現在約九百八十人おりますが、遺族年金生活者となりますと、一人当たり年額平均五十八万九千円となっております。これらの遺族年金受給者は、そういう五十八万九千円の年金を受けておりますが、それぞれ扶養者を持っております。持ってない方もいますが、大体一人当たり、世帯数が一・六一人ということになっております。でありますから、二人の方もいれば三人の方もいると思います。
 そういう年金額になっておるのに対しまして、札幌市の場合を考えますと、札幌市の生活保護基準をとりますと、たとえば七十歳以上の夫婦でありますと、夏の間は、一月九万四千円でございます。それから冬季間でありますと一カ月十万六千円。でありますから、七十歳の夫婦を例にとりますと、生活保護基準が百十万から百二十一万ということになるかと思います。でありますから、これと比較しましても、特に遺族年金の額が非常に低い、こういうふうなことが言えると思います。それで生活保護基準の方ですと、冬については暖房、石炭代が出ることになっておりますが、遺族年金その他退職年金ではそういうものはございませんので、現地にいますと、そういう年金者についても同じような暖房費の手当てをしてもらえないか、こういうような強い要望がございますので、つけ加えておきます。
#42
○三谷委員 どうもありがとうございました。大変参考になりました。
 終わります。
#43
○地崎委員長 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 次回は、来たる二十八日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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