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1949/12/19 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 図書館運営委員会 第3号
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1949/12/19 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 図書館運営委員会 第3号

#1
第007回国会 図書館運営委員会 第3号
昭和二十四年十二月十九日(月曜日〕
    午後三時二十三分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 水谷  昇君
      尾関 義一君    木村 公平君
      千賀 康治君    多田  勇君
      渡部 義通君
 委員外の出席者
        国立国会図書館
        長       金森徳次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十五年度国立国会図書館予算に関する件
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長 これより会議を開きます。
 日程第一、昭和二十五年度国立国会図書館の予算に関する件を議題といたします。引続き質疑を行います。
#3
○渡部委員 この予算は各官庁支部の予算を統一的に含めている予算ですか。
#4
○金森國会図書館長 支部図書館の方は、これは各官庁の予算でまかなうことになつておりますから、この中には含んでおりません。
#5
○渡部委員 この委託費というものが新たに五十万円加えられているわけですが、この委託費というのは何か調査研究に関して他の研究調査団体とか、個人とかに委託する経費であるかどうか、お伺いいたします。
#6
○金森國会図書館長 今回のこの委託費の五十万円のうちの大部分の三十六万円は、文献摘録をする趣旨でございます。この前ちよつと申し上げたことがありましたが、日本で新しい学術上の研究論文等が出ましても、これが種種なる系統で出ておりますので、現実にどんなものが出ているかということを早わかりする方法がございません。それを摘録いたしまして、外国と歩調を合せて日本でこれを発行する。大体英文のものをもつくる予定をしております。その仕事が諸般の事情によりまして、やはり国立国会図書館がこれを担任するのが一番適当であろうということでやるのであります。しかしこれはそれをまとめ上げる仕事を図書館でいたしまして、個々の技術的な摘録はとてもできませんから、これを学術研究会議等のお力によつてやろう。そこに三十六万円出て参つたのであります。そのほかに十四万円ばかり、これは一般の立法急調査の方の調査のために、たとえば統計の委託をするとか、あるいは外国の特殊なものの飜訳を委託するとか、こういうことを予想しているわけであります。
#7
○渡部委員 つまりこの文献摘録というのは、既存の本について、国立図書館にのるものだけについてやられるわけですか。
#8
○金森國会図書館長 国立図書館にあるということ、まああるのが理論的であるかもしれませんが、そういうふうに考えておりません。新しできます学術的論文の方を摘録する。そうして最新の知識を国際的に交流させたいということでありまして、これは日本ばかりの希望から来ているのではなくて、外国の希望との調節から来ているわけであります。多分これは来年からの新規事業でありますけれども、学術団体の目ぼしいものの方で、自発的に御協力くださつてできろものと考えております。
#9
○渡部委員 その次の項目の備品費というものの中ですが、この中に図書購入費等が含まれているわけ下、すか。
#10
○金森國会図書館長 さようでございます。
#11
○渡部委員 そうすると次の備品費という四万円の方は、どういう内容になつておりますか。
#12
○金森國会図書館長 初めの備品費と申しまするのは、これは国立国会図書館の、いわば運営の面に現れて来るものであります。それから次の先の方に出て参りまする備品費は、国立国会図書館の営繕事務費という項の中の、一つの目になるのでありまして、目的が違つているわけでございます。これはまつたく営繕事務の範囲内においてのみやるものであります。
#13
○渡部委員 この最初の備品費の中で細目に行くと、どういうように分類され、その価格はどういうふうになるのですか。
#14
○金森國会図書館長 この備品費はさらにわけまして、備品購入費と図書購入費との二つにわかれまして、図書購入費の方がこの中で二十五年度におきましては千六百三十二万九千円余になるということに予定しております。
#15
○渡部委員 少し分散的になりましたが、この委託費の方は図書館においてしかるべき団体、または個人の方に委託されるのか、あるいはそれを可能とするような団体や個人の申込みによつて、図書館の審査の上委託されるのか、どうか。
#16
○金森國会図書館長 この文献摘録の方は新しい仕事でありまして、いろいろのまだ解決していない点がございます。と申しまするのは、これに関係をいたしまして学術会議、文部省、図書館、それから外国のいろいろな希望というものが接触して参りまして、そこでお話合いをした結果といたしまして、図書館がその文献摘録に関する事務をする。しかし具体的ないろいろな学術的な部分の担任はそれぞれ適当なところにお願いをするというような方向で、各部局と相談もしております。多分実行面から申しますならば実質は御相談をして、形は図書館から、たとえば学術研究会議の方に御依頼するというようなことになろうかと思つております。
#17
○早稻田委員長 ほかに御質疑はありませんか。
#18
○多田委員 建築関係でお伺いいたしたいのですが、国立国会図書館建築委員会法によりますと、「事務職員費、用合間費、旅費その他の費用等必要な経費については、国会の決議により、その必要と認められた金額を委員会の費用として充当されるものとする。」というように、建築についてのいろいろな準備、調査、設計等の費用は、国会の議決を経なければ使えないということに、はつきり規定されておるのでありますが、現在国会図書館におきまして、建築のためのいろいろな準備が進められておるということは、先般の委員会で館長から御説明のあつた通りでありますし、また国会図書館の内部におきましても、建築部という一つの機構を設けて、相当の人員をこれに充当して、建築の促進をはかつておられるという状態になつておるようであります。建築の促進をはかるために、館長が非常に努力されておる点については、私ども敬意を表しまするけれども、はつきり法律上その予算措置を講ずべきであるということが規定されておるにもかかわらず、国会の議決を経すに、建築のための費用を充当しておるということは、法の精神に反するとともに、その予算的措置が違法ではないかと私どもは考えるのでありますが、これに対する館長の考え方をお伺いいたします
#19
○金森國会図書館長 この建築委員会法の第四條は、私どもは当初特別な予算として、金をこれに該当するものとして出してもらいたいという希望を、大蔵省の方に交渉したことはございます。しかしながらいろいろな話の結果として、それは図書館の経費の中から一応差繰つて支弁すべきものである、こういつた話合いになりまして、その線でやつております。この第四條に「国会の議決により」ということになつておりまするのは、今までの考え方としては、一般の予算の議定の手続による、こういう意味であろうかと了解しておりました。謎いまして国会図書館の予算として議決をされておりますれば、その予算がこの場合建築委員会法の第四條の経費として当てはまつて来る、こういう解釈のもとに今までは進んでおつたのであります。
#20
○多田委員 国会図書館の予算の中から、建築のための予算を充当するという考え方で進まれて来ておるようでありますが、この建築委員会法ができました趣旨は、図書館の運営のための経費と、新たに図書館を建築するための経費との問に、画然とした線を引くべきであるという建前から、特にこの法律の中に、予算についてほ国会の議決を必要とするということが明示されておるのだろうと思うのであります。特別にこの法律の中に、こういつた條項が示されておるということから考えますれば、今館長か言われましたように、図書館の予算の中から、建築のための費用を充当しておるという行き方は、法律上から考えても違法の疑いがあるというように私どもは考えておるのであります、しかも図書館から委員会に出されました予算の説明、あるいは予算の構成等の内容におきましても、建築のためにどの程度の費用を使うというような、具体的な計画の仕方をとつてはおりませんし、しかも説明についても、この問題については全然触れていないという点からしますれば、図書館全般の運営のための予算として、私どもは議長にこれを勧告して参つたのであります。それにもかかわらず、その予算の中から建築のためのいろいろな諸経費が充当されておるということは、当然予算的措置として違法的な措置である、こう考えるのでありますが、それに対していま一度はつきりした御見解をお伺いいたしたいと思います。
#21
○金森國会図書館長 当初その点を考えましたことはございます。国立国会図書館の経費と建築委員会に必要なる経費というものは、別個の項目をもつて要求する方が筋が通るのではないか、こういう考え方をもつて大蔵当局と交渉をしたという歴史は持つておるのであります。しかしその実予算の増額をきらう一つの考え方との妥協の精神から、とにかく従前の国立国会図書館の経費の中から差繰つてやるということが妥当だという、関係者の了解に基きまして、そのままやつて来ておるのであります。この図書館建築委員会に関する経費は、結局何らかの形で一般の図書館の経費の各項目から支弁されておる実情になつております。それがはたして法律的にいかなる判断をすべきものであるかということは、一つの問題として残ると思いますけれども、今までの話合いでは、それでもつて差繰つてやることを希望せられておりましたから、従つてその線で来ておるのであります。
#22
○千賀委員 建築の問題でございますが、これは国会図書館であるという、その本質を明瞭に作用させるために、建築は建築の経費、運用は運用の経費ということで、およそ建築に関するものであるならば、国会議員の衆知を集めて、むだのない建築をやつて行こうということだと思います。そこで今その経費の中から企てられておる建築は、図書館館長の御説明でも、倉庫をときどき建てて行くということのようでありますが、これは今の予算措置で行けば経費でやつたんだから、この倉庫はむだになつてもさしあたりいいじやないかということに解釈がなるかもしれませんけれども、やはり国の経費を通して国会図書館の運行に必要な建築をするならば、たとい倉庫であろうとも、やはり将来むだにならずに、大国立国会図書館を設立されるときに、役に立つか立たないかというようなことまで、国会議員の衆知を集め、審議を経てやつた方が間違いがないと思います。今のままなら、これは館長が自分の経費でやつたのだから、たといあとでむだだつた、あるいは二重になつたというそしりを受けても、それは一向さしつかえないということになる。そういう議論も出て来ると思われる。やはりこれは衆知を集めてやつた方が間違いないと思うのでありますが、今までその御計画について、この図書飢委員長ないしは図書館委員に御相談なすつて、大体の御了解を得られたかどうか。この予算に関しまする委員会において、初めて御発表になつたのか、その点いかがですか。
#23
○金森國会図書館長 話が少しく混乱しておりまするが、図書館を運営するということの中には、書物も入りますし、必要な修練も入りまするし、また必要な倉庫を建設するということも入りまして、これは広い意味で図書館を運営する意味の中には、必要なる建物を獲得し、これを保持するということは、当然に含まれておるものと思つております。従つて読書室をこしらえるとか、あるいは書物を入れる書庫をこしらえるということは、一般の考え方に従いまして、図書館の通常の予算の中において支弁をしておる。これは各省もまた同じであろうと考えております。今問題になつておりますのは、そういう建築ということと直接関係のないものであります。これはまつたく建築の実務には関係をしないものでありまして、将来建築ができるときに、どういうふうな計画をなすべきかということの、まず下ごしらえをしておるところでありまして、今はまつたくその準備中のものであります。新しく図書館ができ上つて来る、新しく図書館を建築するということになりますと、これはまつたく別のものでありまして、そのときにどういうふうになりまするか、たとえば建設省によつてこれが建築せらるるという考え方も成立いたしましようし、あるいはまた特別なる予算ができて新図書館建築かできるということになり得るかとも思いまするけれども、今日なかなかその段階にはなつておりません。この図書館の建築委員会というものは、どの辺のところにつくつたらよいか、どの辺のところが国会との関係が、むらなく行くであろうかという知識を出すところの部門であるのであります。これが一般の意味の図書館の予算の中で支弁せられてしかるべきものであるか、それとも今までできておりまする図書館の予算の中で支弁をしてならぬものであるかということは、今おつしやいましたように、問題として現われる価値はあろうと思いますけれども、建築を現実にするということとは全然関係ございませんし、また金額も比較的わずかなものでありまして、実際から恥しますると、この委員会の委員は、五人ございますけれども、それは報酬を出さないということになつておりまして、ほんの一人だけ専門家に対しましての若干の金額を考慮しておるというくらいのことでありますし、あとは庁中雑費と少数の関係人件費というものでできておりまして、どうも大蔵省が特別の予算の項目を起すことを、いわば拒まれたということも、実情から言うとそんなに不思議なことでもない、こう思つておつたわけであります。
#24
○多田委員 予算的措置が、法律上、問題として取上けられるというお見込みがあるようなお話でございますが、少くとも法律の専門家であられる館長が、そういつた一つの不安を持ちながら、そういつた予算的な措置に同意を與えるということは、どうも常識上溝えられないことでございます。大蔵省は、こういつた違法的な措置と考えられるような予算的な措置をとることを、図書館側に要請したということでありますが、一体大蔵省のどういう立場の人、だれがこういうような要請をされたか、その責任者の名前を御報告願いたいと思います。
#25
○金森國会図書館長 これは私が、建築の委員会に関する経費を、図書館の経費から出すことに非常に疑いがある、こういうふうに思つたように仰せになりましたが、議論をすれば議論をするに値するであろうということを申し上げただけでありまして、私はそれが特に違法であるということは考えていなかつたのであります。なぜそう言わないで、特別に図書館建築委員会に関する予算を別個に要求したかと言えば、それはやはりこういう基本的なことを考えるのでありまするから、まとまつた予算をもらいたい、それがためには一つの項目の中における、やや大きな費目として要求した方が都合がいいと思つて要求をしたのであります。しかるに経費の増減をきらわれたのでありましよう。そういう特殊の費目を起すのではなくて、一般的な図書館の経費の中からこれを支弁することがいいのではないか。つまり図書館を新たに建築するについての計画をする経費というものは、国立国会図書館の一般的経費の中に入るものとして考えられ得るのだという前提のもとに、大蔵省がこれを拒まれたので、私は私の意見と特に食い違うところはないと思つてその道をとりました。そうしたらあてがはずれたと申しましようか、まとまつた、堂々たる正面からの費目を、ここにとることができなかつた、こういうわけであります。その当時大蔵省のだれと交渉したかということは、私は今ここではつきり名前を出すだけの知識を持つておりませんが、大体この予算の下相談というものは、大蔵省の主計局において行われているのでありますから、ます主計局の気持というふうに理解しております。但し私どもは責任を人に嫁して、みずからの口実としようということは考えておりません。問題としては、私がやはり矢面に立つて御答弁申し上げるということになろうかと思つております。
#26
○多田委員 大蔵省が法律上当然計上しなければならない予算を認めないで、しかもそれらの事務に要する経費を、図書館の費用の中から出させることを認めておるということは、大蔵省の考え方が私どもには了解できないのであります。もつと深く掘り下げて、大蔵省自体の考え方を聞くために、大蔵省がら御出席を願わなければならないと思いますが、時間的な関係がございますので、そこまで掘り下げて行くことは避けます。しかし今館長が言われましたように、建築をするための準備の委員会の予算を、正面切つてかつこうのつく程度のものをとつて行くことが必要だというようなお話でございましたけれども、とにかく図書館の内部において、人員はわずかかしれませんけれども、専門の職員を置いて、図書館の建築のための準備をされておるということは事実でございますので、これらの費用を大蔵省が了解の上で、予算に組み込まれたというのであれば、これだけの予算を切り離して、建築委員会の予算として別に出すべきであつた。大蔵省自体も、金額が足りないということであれば、当然別の予算の項目で出すことを承認したであろうということは、一応想像されるわけでありますが、これらの予算的措置が講ぜられずに、しかも図書館の予算の中から、委員会あるいは国会が知らぬ間に、建設のために予算が流用されておるということは、私どもとしては了承できにくいことであります。今後二十五年度の予算においても、こういつた考え方で進まれるのであるかどうか、もしそうであるとすれば、その金額はどの程度見込まれておるか、その点について御説明願いたいと思います。
#27
○金森國会図書館長 今仰せになりましたように、私自身は、図書館の建築計画を立てる経費は、図書館を運営する予算の中に、観念上含まれ得るものである。従つて従来図書館のために議決せられておる予算は、図書館の建築計画をするための経費として、議定せられておる予算の中に取入れて考えてもよろしい、こういう考えをもつて進んでおりました。その考え方は、実際はもつと大きく予算をいただくために、はつきりさせた方がいいということは考えておりましたけれども、しかしそれが実情うまく行かないで今日の姿になつておるということも申し上げました。従つて今回の予算もその線に沿いまして、建築委員会に関しまする経費は、図書館の一般の予算の中から出て来ておるのであります。しからばこの予算が一体どのくらい用いられておるのであるかということになりますると、従来はつきりその建築関係において必要であつた経費は、この五人の委員のうちのただ一人の専門委員の手当だけが、予算として特にこのために計上せられておりました。しかし来るべき予算におきましてはこの経費は、削られておるのであります。というのは、法律上のりくつから来るのでありますが、それはある公務員の兼務であつた。公務員法の考え方からいたしまして、本来本職つを持つておる公務員が、はかの委員会の委員であるということから、手当を出さないのが原則であるということで、それは削つてしまいました。そのほかの経費はどうであるかと言えば、結局庁舎の費用であります。どの部屋を使うとかいうのでありますけれども、庁舎の費用は全体の費用の中に入つておりまして、これも一年に一ぺんか二へん開くだけのものでありますから、そういう経費を区別して、電灯料幾らというような計算をすることは、事実不可能であると思つております。それからこれに関係いたしまして、若干のごく少数ではありまするけれども、書類をつくつたり、あるいは図面をこしらえたりしておる職員がございます。それはこの図書館の一般職員がこれに割当てられてしておるのでありまして、その経費を特別に計算したことはございません。これを計算するとすれば、現に関係しておる人数に、俸給その他の人件費を掛け合せてこしらえるということであろうと思います。そのほかの消耗品等も、これも使うといつてもほとんど紙若干というくらいのものでありまして、特別にとりたてて計算をすることは、かなり困難なものと考えております。
#28
○多田委員 ただいまの館長の御説明だと、図書館の一般運営費から建築に対する準備の費用を出してもいいだろうというような御見解のようでありますが、そうしますと委員会法の第四條に特に事務の職員費あるいは用品費その他の経費は、国会の議決によつてその必要と認められた金額を委員会の費用として充当されるものとするという條文と照し合せまして非常に矛盾かあるのではないかというように考えられますが、この第四條が設けられたその趣盲について、館長はどういうようにお考えになるか、いま一応館長の御見解を承りたい。
#29
○金森國会図書館長 国立国会図書館建築委員会法は。おそらく当初法律ができまするときに、予算的考慮を問いずして、いきなり法律ができたものと思うのであります。直接関係はしておりませんが、聞き及ぶところはそういふうになつております。そこで法律はできた。しからばこの法律を現実に、しかも確定的に効力を発生して、国立国会図書館法施行の日から、これを施行するということでありますから、予算も何もなくて、この法律ができたわけであります。そこで予算との関係を少くとも明らかにしておく必要がある。だからこの委員会の経費は国で定まつたところの予算から支弁さるべきである、こういうことを書くために、四條におきまして必要なる経費は、国会の議決により充当されるものとする、こういうことになつておると思うのであります。だから必要なる経費がいかにして国会の議決によつて充当せられるかは、具体的には書いておりません。そこで私どもは一般の予算を議決する方法として、これが議定せられるならばよろしいのである。従つて普通の予算の形でもつて国会に提出すればよろしい、こういう考えを持つておるのであります。そのときに建築委員会の経費が、当然国会図書館の経費の中に御念上含まれ得るかどうか、ここだけが特に注意を要する点であろうと思うのであります。これが今までの大蔵省との実際上の連繋は、図書館に関する経費であるがゆえに、図書館の経費の中に属する、こういうふうに扱われておる。私はそういうふうに考えております。そこで個々の議決ということは、予算による議決ということであつて、それがこのものについて、特別に議決せられるということは必要はない。予算なくして支出してはいかめ、こういう意味に了解しております。
#30
○多田委員 非常に苦しい御答弁で、あまり追究するのは何ですが、財源がすなわち予算ではないのであつて、予算をつくる以上は、その金がどういうふうに、こういうような用途に使われるかということが基本で予算ができるはずであります。従つて図書館を建築するための準備、すなわち建築委員会の事務の費用として予算を充当する場合には、その内容を明示して、国会において議決を求めるべきでだと私どもは考えておるのであります。図書館の予算が何億円だから、その何億円の予算はどういうように使つてもいいのだというように、ただいまの館長の御説明だとそういうような感じにとれるのでありますか、その点について今まで何ら建築の準備のために、これこれの予算を使うというような説明もなく、そういつた国会の議決もなしに図書館の予算を充当しておるという点について、いま一度それでさしつかえないかどうかお聞かせ願いたい。
#31
○木村(公)委員 ちよつと議事進行について……。はなはだ失礼ですが、館長の御答弁の前に、ちよつと多出君の御了解を得たいと思うのであります。私涜職のそしりを免れないのですが、欠席がちで卒然とお話を承つてもよくは了解をしかねるのでありますが、特に建築委員会の予算を、独立予算としておとりになることは、ひとり多田君の御希望のみならず館長の御希望でもあろうかと思うのであります。ところが現実問題として金がないし、節約を各方面から要求されるから――けだしこれは私の考え方でありますが、主計局あたりで館長にお願いをして、当然建築委員会の予算というものは図書館運営の予算でなく、独立的に他の予算として計上することが好ましいけども、金がない現段階である。ただちに建築する段階に入つておらぬ、いわゆる準備期間であるから、あるいは多少議論の余地もあるかもしれぬかもしれぬけれども、ひとまず建築委員会の費用は、図書館の経常費の中からまかなつてくれないか、そういうお話があつたのではないか。そんなことで、予算がないとすれば、ひとまず私の方も節約をしてそちらの方へまわしてもよろしいぐらいのことで、こういう結果になつたのであろうと思うのであります。法律上これをむずかしく議論をいたしますれば、御両者ともいろいろ言い分があろうかと思いますが、実際問題としては、やがてりつぱな図書館が建つ一つの準備の費用を、節約財源によつて――物件費、人件費どちらで節約なさるか知りませんが、良識的な方々ばかりでありますから、影響の少い方面から節約なさつて、将来の大成を期するというようなことだろうと私どもは想像しておりますので、この点について同僚議員であります多田委員にお願いいたしたいのでありますが、これをこれ以上議論をなさいますことは、結局あるいは水かけ論に終らぬとも限らぬ。あるいは黒白をつけ得るといたしましても、黒白ををつけたことが、結局国家のためにも、図書館のためにも、党のためにも、社会のためにも、必ずしもプラスになるとか、マイナスになるとかいう大きな問題ではないと思いますので、この辺で委員長の御了解を得て、委員長から多田委員にこの程度で、この問題に関する限りは質問というか、討論というか、打切られるようにおはからいを願いたいと思います。
#32
○早稻田委員長 ただいま木村委員からのお説まことにごもつともと思います。先ほど来多田委員のお説を拜聽いたしておりますと、これは法規の定むるところではつきりしておりまして、まことに当を得たお論のようにも考えますので、この予算に対しては、いずれ皆さんの総意によつて、強い勧告文をつけることになると存じますが、その場合勧告文にただいまのお説を挿入して、勧告する。こういうことで御了解をいただけませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○早稻田委員長 ありがとうございました。ほかに質疑はございませんか――別に質疑はないようでございますので、質疑を打切ります。
 昭和二十五年度国立国会図書館予算につきましてお諮りいたしますが、本予算は先はど申し上げたように、強い勧告書を付して原案の通り承認することにいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○渡部委員 強い勧告文というその内容が全然わかつていないのですが……。
#35
○早稻田委員長 あとで御相談いたします。
#36
○渡部委員 それがわからなければ、どんな含みのことか話がわからないではないですか。
#37
○木村(公)委員 勧告文の作成は、一応委員長でおまとめ願いまして、それを提議していただいてもけつこうかとも思いますし、もう一つの方法としては、多数の諸君の御意見がまとまりますれば、あげて委員長に勧告文をおまかせして、それを條件におまかせするということそれ自身を議決するという方法もあり得ると思いますが、この点についてはかつていただきたいと思います。
#38
○渡部委員 その内容によつてはそれでも私はいいと思うのです。しかしわれわれには何の意味で、どういうような内容を盛つた勧告をするのかということも全殊わかつていないのに、それを委員長におまかせするというようなことは、委員の職責上できないと思うのです。
#39
○早稻田委員長 ごもつともです。実はこの勧告文につきましては、あとで御相談をして決定したいと存じましたが、ここで私案をつくつておりますので、一ぺん読んでみますから、皆様から御叱正を頂戴いたしたいと思います。
   勧告書
 図書館運営委員会は、さきに国立国会図書館の経費増額の必要を勧告したが、昭和二十五年度予算要求書を検討するに、前年度に比較して何ら実質的更新のあとが見られない。よつて国立国会図書館法の定むるところにより次の事項を強く要請する。
 一、国立国会図書館経営の本旨を順次達成し得るよう、すみやかにその予算を大幅に増額する措置を講ぜられたい。
 二、国立国会図書館建設委員会に要する諸経費は図書館経常豊中より流用することなく、国立国会図書館建築委員会法に基き、別途予算措置を講ぜられたい。
  右勧告する。
 こういう文をつくつてみましたが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○早稻田委員長 それでは御異議がないようでございますので、ただいまの勧告書を付して、議長のもとに送付することに決定して御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○早稻田委員長 それではさよう決定いたします。
 次にお諮りいたしますが、日程第二は次会に延期し、本日はこの程度で散会をしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○早稻田委員長 異議なしと認めます。それではこれをもつて散会いたします。
    午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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