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1976/04/19 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 内閣委員会 第12号
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1976/04/19 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 内閣委員会 第12号

#1
第080回国会 内閣委員会 第12号
昭和五十二年四月十九日(火曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 正示啓次郎君
   理事 木野 晴夫君 理事 近藤 鉄雄君
   理事 竹中 修一君 理事 塚田  徹君
   理事 木原  実君 理事 長谷川正三君
   理事 鈴切 康雄君 理事 受田 新吉君
      逢沢 英雄君    宇野  亨君
      関谷 勝嗣君    中馬 辰猪君
      塚原 俊平君    中村 弘海君
      湊  徹郎君    上田 卓三君
      上原 康助君    大出  俊君
      栗林 三郎君    栂野 泰二君
      矢山 有作君    安井 吉典君
      新井 彬之君    市川 雄一君
      柴田 睦夫君    甘利  正君
      中川 秀直君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 海部 俊樹君
        厚 生 大 臣 渡辺美智雄君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      園田  直君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      西村 英一君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 三原 朝雄君
 出席政府委員
        行政管理庁長官
        官房審議官   加地 夏雄君
        行政管理庁行政
        管理局長    辻  敬一君
        行政管理庁行政
        監察局長    川島 鉄雄君
        防衛庁長官官房
        長       亘理  彰君
        防衛施設庁長官 斎藤 一郎君
        防衛施設庁総務
        部長      銅崎 富司君
        防衛施設庁施設
        部長      高島 正一君
        防衛施設庁労務
        部長      古賀 速雄君
        文部政務次官  唐沢俊二郎君
        文部大臣官房長 井内慶次郎君
        文部省社会教育
        局長      吉里 邦夫君
        厚生大臣官房長 山下 眞臣君
        厚生省公衆衛生
        局長      佐分利輝彦君
        厚生省環境衛生
        局長      松浦十四郎君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部長 国川 建二君
        厚生省医務局長 石丸 隆治君
        厚生省薬務局長 上村  一君
        厚生省社会局長 曾根田郁夫君
        厚生省保険局長 八木 哲夫君
        厚生省年金局長 木暮 保成君
        社会保険庁医療
        保険部長    岡田 達雄君
        社会保険庁年金
        保険部長    大和田 潔君
 委員外の出席者
        議     員 安井 吉典君
        行政管理庁行政
        監察局監察官  佐々木富夫君
        文部省大学局医
        学教育課長   五十嵐耕一君
        資源エネルギー
        庁石油部開発課
        長       箕輪  哲君
        自治省財政局公
        営企業第二課長 田井 順之君
        会計検査院事務
        総局第五局長  東島 駿治君
        内閣委員会調査
        室長      長倉 司郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
 辞任         補欠選任
  塚原 俊平君     川崎 秀二君
  大内 啓伍君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 秀二君     塚原 俊平君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  栗林 三郎君     大出  俊君
  中川 秀直君     甘利  正君
同日
 辞任         補欠選任
  大出  俊君     上原 康助君
  甘利  正君     中川 秀直君
同日
 辞任         補欠選任
  上原 康助君     栗林 三郎君
    ―――――――――――――
四月十五日
 旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係
 る恩給法の特例に関する法律案(片岡勝治君外
 三名提出、参法第一三号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月十五日
 旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係
 る恩給法の特例に関する法律案(片岡勝治外三
 名提出、参法第一三号)(予)
は撤回された。
    ―――――――――――――
四月十八日
 旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係
 る恩給法の特例に関する法律案(片岡勝治君外
 五名提出、参法第一四号)(予)
同月十五日
 軍嘱託の旧特務機関員に恩給給付に関する請願
 (広沢直樹君紹介)(第三一六六号)
 同(大内啓伍君紹介)(第三二九七号)
 同外一件(鳥居一雄君紹介)(第三二九八号)
 扶助料及び遺族年金の改善に関する請願(野田
 毅君紹介)(第三一六七号)
同月十八日
 救護看護婦に対する恩給法適用に関する請願(
 坪川信三君紹介)(第三三九〇号)
 扶助料及び遺族年金の改善に関する請願(瀬野
 栄次郎君紹介)(第三四一一号)
 軍嘱託の旧特務機関員に恩給給付に関する請願
 外二件(曽祢益君紹介)(第三四一二号)
 同(稲富稜人君紹介)(第三四八二号)
 同(大内啓伍君紹介)(第三四八三号)
 同外一件(中川秀直君紹介)(第三四八四号)
 同(中野寛成君紹介)(第三四八五号)
 同外一件(中村正雄君紹介)(第三四八六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 委員派遣承認申請に関する件
 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措
 置法案(内閣提出第四号)
 沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の
 土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別
 措置法案(安井吉典君外二名提出、衆法第六
 号)文部省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一六号)
 厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一八号)
     ――――◇―――――
#2
○正示委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案及び安井吉典君外二名提出の沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を求めます。三原防衛庁長官。
    ―――――――――――――
 沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○三原国務大臣 ただいま議題となりました沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、沖繩県の区域内の駐留軍用地、自衛隊用地及び復帰後駐留軍から返還された土地の大部分につきましては、前大戦による土地の公簿、公図の焼失、戦争と米軍の基地建設に伴う土地の形質変更等により、一筆ごとの土地の位置境界が現地に即して確認できない状況にあります。
 このような状況が駐留軍用地等に多く残っている原因は、これらの土地が駐留軍等の施設内にあり、または施設内にあったため、特にその位置境界の明確化が困難であったことによるものでありますが、このような状況は、相続や売買の際に必要となる土地の分合筆や駐留軍から返還された土地の利用等の面で、沖繩県民の経済的活動に著しい支障を与えております。
 一方、沖繩県の区域内において駐留軍または自衛隊の用に供している土地の使用につきましては、その所有者との合意によることを原則としております。しかしながら、どうしてもこの合意を得ることができない土地につきましては、現在、やむを得ず、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律に基づき暫定使用しているところでありますが、同法によれば、この暫定使用の期限は昭和五十二年五月十四日までとなっております。
 そこで、右の法律に基づき現在使用している土地について見ますと、この土地は、沖繩の復帰以後国が土地所有者とのたび重なる契約折衝等の努力を払ってきた結果、当初よりも大幅に減少し、昭和五十二年三月一日現在、要契約件数二万八千三百三十八件のうち四百四十八件、要契約面積約百七十七平方キロメートルのうち約二十一平方キロメートルを残すのみとなっております。
 政府は、この土地につきまして、今後も引き続き契約折衝等の努力を払ってまいる所存でありますが、このような努力を払っても、なお、昭和五十二年五月十五日以後引き続き駐留軍または自衛隊の用に供する必要がありながら、その所有者との合意に基づく使用の権原を取得できない土地が若干残るものと予想されます。
 このような場合、現行の法制度におきましては、駐留軍用地の使用に関する特別措置法または土地収用法に定める手続により使用することとされておりますが、さきに述べました位置境界が現地に即して確認できない土地につきましては、使用しようとする土地を現地に即して特定できないため、これらの法律による使用について、所要の手続をとることができません。
 以上述べました沖繩県の区域内の駐留軍用地等の大部分の土地の位置境界が現地に即して明らかでない実情にかんがみ、その位置境界の明確化のための措置を定めるとともに、現に駐留軍または自衛隊の用に供している沖繩県の区域内の土地で昭和五十二年五月十五日以後引き続きこれらの用に供すべきものの使用について特例を定める必要があると考え、この法律案を提出した次第であります。
 以下この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 駐留軍用地等に存する一筆ごとの土地の位置境界の明確化のための措置といたしましては、第一に、那覇防衛施設局長は、土地の位置境界を明らかにするために参考となる物証等を記載した地図の作製、この地図及び写真等の一般への閲覧及び関係所有者の代表者に対する交付、関係所有者の協議が円滑に行われるために必要な援助、図上確認を行った関係所有者に対する現地立ち会いの通知等を行うことにより、関係所有者が行う一筆ごとの土地の位置境界の確認についてその推進援助を行うこととしております。
 第二に、関係所有者が一筆ごとの土地の位置境界を確認したときは、那覇防衛施設局長は、国土調査法の地籍調査に準ずる調査及び測量を行うこととしております。
 第三に、政府は、駐留軍用地等の区域内における各筆の土地の位置境界の明確化のための措置が早期にかつ適切に行われるよう所要の施策を講ずるように努めるものとすることとされております。
 次に、昭和五十二年五月十五日以後引き続き駐留軍または自衛隊の用に供すべき土地の使用の特例といたしましては、第一に、使用の特例が適用される土地は、昭和五十二年五月十五日以後も引き続き駐留軍または自衛隊の用に供する必要があること、これらの用に供することが適正かつ合理的であること及びその位置境界が明らかでないため駐留軍用地の使用に関する特別措置法または土地収用法に定める手続がとれないことのすべての要件を備えている土地であることとしております。
 第二に、昭和五十二年五月十五日前に、内閣総理大臣による使用の認定の告示があったときは、国は、その告示に定められた区域内の土地で、その所有者との合意により使用の権原を取得できないものを、同日から、その土地の位置境界が確認された後直ちにとるべき必要な手続の結果が得られる等一定の事由が生ずるまでの間、使用することができることとしており、この告示に至るまでの手続といたしまして、特に、利害関係人の意見書の提出、防衛施設中央審議会への諮問等権利者の保護に配意しつつ、位置境界が明らかでないという土地の特殊性に応じた一定の手続を定めることとしております。
 第三に、国は、毎年度、使用によって通常生ずる損失を、近傍類地の地代及び借賃等を考慮してその年度の開始時の価格によって算定した額により、土地所有者等に対し、補償しなければならないこととするとともに、その土地を駐留軍または自衛隊の用に供する必要がなくなるかまたはその土地を使用できなくなったときは、遅滞なく、その所有者に返還し、原状回復等を行わなければならないこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○正示委員長 次に、安井吉典君。
    ―――――――――――――
 沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○安井議員 私は日本社会党、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となりました沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案につき、提案の理由とその概要を御説明申し上げます。
 昭和四十七年、アメリカから沖繩の施政権が返還されてからすでに五年が経過しようとしていますが、われわれは、まず、沖繩問題についての基本的認識を明らかにしておかなければなりません。
 沖繩県民は、本土の国民に、絶えず幾つかの問いかけをしているのであります。
 かつての島津藩の沖繩征服や明治政府の琉球処分にまではさかのぼらないとしても、太平洋戦争で本土も原爆を初め空襲を受けたが、なぜ沖繩だけが、米軍の上陸による凄惨な陸上戦闘で二十数万人の犠牲者を出し、米軍にじゅうりんされ、土地が強奪されなければならなかったのか。
 二十年八月、戦争は終わり本土には復興のつち音が響き始めたが、沖繩は米軍が居座ったままであり、その後本土は経済成長路線をどんどん進むのに、なぜ沖繩だけは、全島を軍事基地化され、何と二十七年間も米軍施政権下に放置されなければならなかったのか。
 四十七年五月十五日、沖繩返還条約は発効し祖国復帰はできたが、公用地暫定使用法で土地は取り上げられたままで、米軍基地はなくなるどころか、朝鮮戦争やベトナム戦争の後方基地として強化され、沖繩の経済開発や社会開発を阻害し続けてきており、この狭い沖繩だけに全国の基地の五三%が集中し、沖繩に基地があるというよりも、基地の中に沖繩があるという状況を、なぜ沖繩県民だけが耐えていかなければならなかったのか。
 復帰とともに沖繩振興開発十カ年計画が立てられ、海洋博を初め特別な公共投資が行われてきたとはいうが、いま計画の中折れ地点で達成できたのは人口の増加だけであり、相変わらずの物価高、本土の三倍半の失業率、医療、社会福祉、教育施設などあらゆる分野の立ちおくれ、産業経済の後進性は少しも解決できない。沖繩県民にとって、祖国復帰とは果たして何であったのか。
 このような沖繩の厳しい現実は、挙げて今日までの自民党政治の責任であります。そして、この際、政府も国会も、この百万県民の深刻にして切実な問いかけに、誠意をもって、現実の政治の中でこたえていかなければなりません。
 われわれは、このような基本的な認識と理解の上に立ち、沖繩の戦争後遺症の最大のものの一つである地籍不明土地をどうするかという問題と取り組んでいることを、ここに明らかにしておきたいのであります。
 沖繩においては、戦争による大量破壊、武力による土地取り上げ、そして三十年に近い軍事基地建設で、田畑はつぶされ、山林は削られ、住宅は撤去され、土地の形質は変わり、位置境界は不明となった上、戦火で土地の公簿と公図も焼失してしまっています。
 軍用地が返還されても、どこがだれの土地か境界がわからず、広大な土地が荒れほうだいになっているところがあるかと思えば、米軍により市街地全部が立ち退かされ、そこが軍用地とされたが、その後返還され新しい市街地が形成されたものの、新市街と旧市街で道路も住宅敷地も全部食い違い、トラブルの絶えないところもあり、返還された軍用地で跡地が利用されているものはわずか五・三%にすぎない現状であります。土地の売買、相続、借金の担保等、日常生活のすべてに支障を来しております。
 しかも政府は、県民の要求や国会でのしばしばの指摘にもかかわらず、地籍問題に対する取り組みはきわめて不熱心で、現在防衛施設庁と沖繩開発庁が進めつつある作業は、手法はまちまちで遅々として進まず、地籍明確化の特別立法を考慮するわけでもなく、問題を回避してきた政府の怠慢と無責任を強く指摘せざるを得ません。
 先ほどの防衛庁長官の御説明で、政府提出の新法案は地籍解決のためのもののように言われましたが、私には決してそうとは思えないのであります。
 五年前の復帰の時点において、政府・自民党は、違憲立法という野党の非難を退け、公用地暫定使用法を強行成立させ、米軍が銃剣とブルドーザーにより取り上げ使用していた土地を、復帰後もそのまま米軍と自衛隊に提供する暫定措置を講じてまいりましたが、政府側の強制にもかかわらず借地契約を拒否している反戦地主がなお五百人近くもおり、公用地暫定使用法に対する違憲訴訟も提起され、現在公判中であります。その暫定期間経過後も反戦地主の土地財産を引き続き取り上げておくために立案されたのがほかならぬ政府の基地確保立法であり、現在の暫定使用法の沖繩差別、強い違憲性をそのまま引き継ぐものと言わねばなりません。
 すなわち、新法案は、地籍の明確化をうたい文句としてはいるが、これは県民の要求を逆手にとり、地籍が明らかとなるまで半永久的に反戦地主の土地を取り上げ、米軍と自衛隊の基地を確保することを本質とするものにほかなりません。
 かつ、この法案によっては、沖繩の地籍問題の早急な解決はできないと思うのであります。なぜならば、復帰前返還地や非軍用地の地籍の解決が最もむずかしいのに、政府案は、これらは沖繩開発庁の担当で防衛庁には関係がないとして対象から外しているのであります。また、地籍明確化の手法は、関係地主の集団協議に任せるやり方でありますが、一人からでも異議が出れば協議は成立せず、訴訟にでもなれば長期間解決がおくれるのであり、このような政府の責任逃れのやり方では、地籍問題の解決は百年河清を待つに等しいと思うのであります。
 沖繩県当局は、沖繩開発庁から復帰前の地籍明確化作業を預けられ、地籍問題対策協議会と担当部門を設け、真剣な取り組みをしてまいりました。その具体的な実験の結果から、沖繩県における境界不明地域に係る地籍明確化のための土地調査に関する法律案要綱が作成され、昨年十月、県民世論を背景に立法化を要請してまいりましたので、私たちは、これを基礎に三党の意見をも加え法制化の作業を進め、政府案に対する代案というよりも、むしろ沖繩における県民生活の最も基底的な問題の解決のための法案として、ここに提出の運びとなったものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案につきまして御説明申し上げます。
 まず第一は、沖繩県における位置境界明確化作業の実施主体とその手続についてでありますが、さきの提案理由でも申し上げましたように必要経費を含め、国の責任で実施することといたしております。国が実施主体となることを基本に、沖繩開発庁長官は、位置境界不明地域の指定等を行うとともに沖繩位置境界不明土地審査調整会議の議を経て位置境界明確化作業計画を策定し、五年間で本法律の目的が達せられるよう年度計画を定めることといたしております。
 第二は、位置境界不明地域内の土地に係る行為の規制についてであります。沖繩開発庁長官による位置境界不明地域の指定の公示があった日の翌日より、国土調査法に基づき内閣総理大臣から登記所に当該位置境界不明地域に係る国土調査の成果の写しが送付された日までの間、地目もしくは地積の変更もしくは是正、分筆もしくは合筆または滅失の登記を申請しようとする者は、沖繩開発庁長官の許可を受けなければならないことといたしております。
 第三は、沖繩位置境界不明土地審査調整会議の設置についてであります。本法律の権限に基づく諸事項の調査審議のほか、沖繩開発庁長官の諮問に応じ、位置境界不明地域に係る土地に関する問題について調査審議するため、委員十五人以内から成る沖繩位置境界不明土地審査調整会議を沖繩開発庁の付属機関として設置することといたしております。
 第四は、位置境界明確化作業の実施についてであります。
 その一は、地図の策定等についてであります。
 沖繩開発庁長官は、位置境界明確化作業計画に基づき年度計画を策定したときは、位置境界不明地域に係る市町村の境界及び当該市町村の区域内の町または字の区域並びに位置境界不明地域に係る道路、河川、用排水路、墳墓、立木竹、石垣、井戸その他の参考なる物が現に存在し、または存在した場所を記載した地図を速やかに作製するとともに地図並びにこれに関する写真及び書面を一般の閲覧に供するとともに、その旨を公告することといたしております。
 この公告があった後、位置境界不明地域内の各筆の土地所有者の過半数の合意により関係所有者のうちから代表者を定め、この代表者に対し、地図等を交付することといたしております。
 その二は、位置境界の確認のための協議についてであります。
 以上の手続を経たのち、沖繩開発庁長官による必要な援助を受けつつ関係所有者による位置境界の確認のための協議を行い、当該区域内の全部または一部の位置境界が確認され、その協議内容が沖繩開発庁長官に通知されたならば、沖繩開発庁長官は、現地に即して確認するため、当該通知に係る所有者に対し、立ち会うべき期日、場所等を通知し、所有者立ち会いによって確認することといたしております。
 その三は、位置境界の確認の協議が不成立になった場合についてであります。
 沖繩開発庁長官は、位置境界の確認のための所有者間の協議が不成立となり、その旨通知があった場合には関係所有者に対し、期限を定め、再協議を求めることといたしております。
 その四は、位置境界の決定の申請についてであります。
 前述のような協議、あるいは再協議によってもなお位置境界が確認できなかった場合には、関係所有者の三分の二以上の同意を得て、関係所有者は、沖繩開発庁長官に対し、位置境界を決定するよう申請することができることとし、このような申請かあった場合には、沖繩開発庁長官は、関係所有者に対する公開聴問を行い、審査調整会議の議を経て申請土地の位置境界を決定することができることといたしております。
 その五は、沖繩開発庁長官による位置境界の決定に対する異議申し立てについてであります。
 沖繩開発庁長官による決定に対する異議申し立てに関する行政不服審査法第四十五条の期間は、当該決定の効力が生じた日の翌日から起算して三十日以内とするとともに訴願前置の原則から、審査調整会議の議を経た後でなければ裁判所に出訴できないこととしておりますことは申し上げるまでもありません。
 その六は、地籍調査に準ずる調査についてであります。
 沖繩開発庁長官は、位置境界が明らかとなった場合は、速やかに、地図及び簿冊を作製しなければなりませんが、その様式及び調査、測量は、国土調査法の規定を準用することといたしております。
 第五は、位置境界の明確化を促進するための措置についてであります。国または地方公共団体は、位置境界の明確化により、当該土地が、道路、港湾施設、河川管理施設、公園、緑地、広場、運動場その他公共の用に供する施設、その他国または地方公共団体が設置する施設で政令で定めるものの用に供されている等の場合、損失補償を行うものとし、地方公共団体が、この損失補償を行った場合は、国はその経費の全部を負担するものといたしております。
 またこの損失補償とは別に、国は、当該土地が、道として一般交通の用に供されていること、河川、海面または用排水路として一般公共の用に供されていること等の場合、損失補給金を支給することといたしております。
 第六は、権利の調整についてであります。位置境界が明確になったことに伴い、当該土地を建物その他の工作物の所有または耕作もしくは養畜のため使用している者が、権限を有していないことが明らかとなった場合にも、賃借権の優先的取得を保障する等所用の規定を整備いたしております。
 このほか、位置境界が明確になり、当該土地に所有者以外の者が建物等の工作物を放置している場合、土地所有者は、当該建物等の所有者に対し、買い取りを申し出ることができることとし、この買い取りの申し出に応じないときは、当該土地所有者は、沖繩開発庁長官に対し、時価で土地を買い取るよう請求することができることといたしております。
 以上が本法律案の概要でありますが、最後に返還土地の原状回復や地主が利用し得るまでの補償等については別途措置する必要があること、また本法案成立の際は憲法第九十五条の住民投票に付すべきであるとの考えを提案者が持っておりますことをここに申し添え、提案者を代表しての私の御説明を終わります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いします。(拍手)
#6
○正示委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#7
○正示委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出の沖繩県の区域内の駐留軍用地等に関する特別措置法案及び安井吉典君外二名提出の沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の土地の位置境界及び地籍の明確化に関する特別措置法案の両案について、沖繩県に委員を派遣し、審査の参考にいたしたいと存じます。
 つきましては、議長に対し委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、派遣の日時、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#10
○正示委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。
 農林水産委員会に付託されております領海法案について、農林水産委員会に対し連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時等は、委員長間で協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。
     ――――◇―――――
#12
○正示委員長 文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
#13
○大出委員 文部省設置法改正案そのものもいろいろありますけれども、実は、本来この委員会が議論すべきもの、言いかえれば、この委員会に提案をして法律改正を求めなければならないものを、皆さんがやみをやりまして、ごまかしまして、文教で扱っております国立学校等の法律の附則で、いわゆる総定員法ですね、総定員法は正式名称ではございませんけれども、これをちょっと直しておこうというかご抜けみたいなことを行管はよくやるので困るのです。前回二回、前科二犯でございまして、しかと念を押して、あなた方はそういうことをしないと約束をしたわけでありますが、人がかわるとすぐまた約束違反をする。したがいまして、実はきょうは総理にお出かけをいただいて、そのお答えいかんでは法律を通さない。国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を衆議院は通しましたが、手を合わせて頼むなんという人もいましたから、しようがないから参議院まで持っていきましたが、参議院の方では、これは連合審査を申し入れております、総定員法に関しては所管の委員会は内閣委員会がございますから。それを、この設置法の附則の方でこそっと直しておこうなんというよからぬたくらみを皆さんがおやりになるので許しがたい。定員管理というのものはそう簡単なものではない。したがって、お答えいかんでは、これは参議院の方とも話をしておりまして、何と言われても通さない。実はこういう話になっているわけであります。
 そこで、きょうは総理にお出かけいただきたかったのですが、園田さん、行管の長官おやりになったことございますか。
#14
○園田国務大臣 やったことございません。
#15
○大出委員 どうも素人官房長官相手に質問する気にならぬのですけれども、総理代理というのだからしようがないと思ってがまんしますがね。
 そこで、時間がありませんから簡単にお答えいただきたいのですが、国家行政組織法というのはいつ提案され、いつ決まったのですか。――時間がないから、そんなもの探しているなら、いいから座っていてください。
 ところで、国家行政組織法ができる前に、当時総司令部、GHQがございましたから、定員に関する暫定措置法がございました。これは御存じでございますか。
#16
○辻政府委員 国家行政組織に関する法律の制定施行までの暫定措置に関する法律というのがございましたことを承知いたしております。
#17
○大出委員 行政機関に置かれる職員の定員の設置又は増加の暫定措置等に関する法律、これが正式の名称で、ちょっと違いがありますので、議事録に残りますからはっきり申し上げておきますが、これが昭和二十三年十二月十八日、法律第二百四十七号ということです。これが暫定的にありまして、やがて国家行政組織法ができる。国家行政組織法は読んで字のとおりでございまして、国家行政組織の基本であります。これを離れて国家行政は成り立ちません。この基本の法律で定員に関しては法定をする、恒常的な職の定員というのは法律で定める。つまり定員の法定化ということであります。それが国家行政組織法で明確になることになっていました。したがって、この二つを踏まえて行政機関職員定員法が出てくるわけであります。これは何年でございますか。
#18
○辻政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、二十三年四月三十日から二十三年末までの法律でございまして、その後、大出委員の御指摘がございましたように、二十四年の一月から五月末まで、昭和二十三年法律二百四十七号ということになっております。それから、行政機関職員定員法は、昭和二十四年法律百二十六号でございまして、昭和二十四年六月一日から昭和三十六年三月三十一日まで施行されていたわけでございます。
#19
○大出委員 時間がありませんから省略をしますが、これは前の政府でありますけれども、責任継承の原則がございますから、この行政機関職員定員法を、国家行政組織法の改正、各省設置法の改正という形で細分化して決めたわけでありますが、これはいつでありますか。
#20
○辻政府委員 昭和三十六年四月一日から昭和四十四年三月三十一日までは、ただいま御指摘のように、国家行政組織法と各省設置法が施行されておりまして、定員に関しましては各省設置法で規定をいたしておったわけでございます。
#21
○大出委員 ここにございますが、国家行政組織法等の一部を改正する法律案、当時、小沢佐重喜さんが行管の長官の時代であります。ここで「さらに定員というものは、本来組織の規模を示す尺度であり、行政機関の規模は機構と職員の定員により規制されるべきものでありますから、従来のように定員のみを切り離して規定することは適当でない」そこで「各省庁等の必要とする具体的な定員については、従来規制の対象としていなかった特別職の職員をあわせて、それぞれ当該省庁等の設置法に規定するようにいたします」これが小沢佐重喜さんの提案理由であります。
 これはどういうことかといいますと、行政機関職員の定員にかかわる法律が別にある、国家行政組織法はこっちにある、こういうかっこうは間違いだったわけです。なぜならば、一つの行政機関の中でポスト――職というのはポストですけれども、仕事をするポスト、行政サービス上必要なポスト、職、その職の裏づけに人がいるわけであります。この職に一年以上いますというと、これを称して恒常的な職、これを定数というわけでございます。だから、機構というのがあって、そこに――仕事かなければ機構はないのですから、その一つ一つはポストである。そこに一年以上人がいる、これが恒常的な職。この職の定員というのは法律で決める。その法律が、別に定員法というものがあったんじゃ間違いだ、機構とうらはらの関係なんだから。したがって、各省の設置を決めている設置法の中で定数を決めるという提案をしたわけであります。政府がした。これについては各党満場一致で成立をしている。せっかく満場一致で成立をして、各省設置法で定数の増減を決めてきておりましたものを――その基本にあるのは、国家行政組織法で恒常的な職の定員というのは法律で決めると書いてあるからであります。国家行政組織法の十九条の一項であります。これをあなた方は、四十二年のときに旧来の物の考え方を百八十度変えて、戦後一貫して流れてきた定員管理方式をひっくり返して、いまのいわゆる総定員法というものを出してきた。このときにあなた方は一体何を基本にして総定員法をつくるとおっしゃったのか。基本となるべきものが三つ、四つございますけれども、お答え願いたい。
#22
○辻政府委員 機構と定員との関係につきましては、いろいろな考え方、御議論があるわけでございまして、ただいま御指摘になりましたように、定員管理の法制につきましてもいろいろと変遷を経ているわけでございます。ただ、機構と定員が密接な関連があることは申すまでもないわけでございますけれども、管理の態様と申しますか、あり方と申しますか、それはやや違う面もあるのではないかと思っているわけでございます。機構の方はどちらかと申しますと、より恒久的、永続的な管理になじむわけでございますし、定員の方はより弾力的、機動的な管理になじむのではないかというふうに考えているわけでございます。そういう考え方に立ちまして、いわゆる総定員法を御提案申し上げて成立をさせていただいたわけでございまして、総定員法の考え方は、御承知のとおり、国家公務員の総数の増加を抑制しながら、その中におきまして省庁はもとより、省庁間を超える定員の再配置を弾力的、機動的に行いまして、定員管理の適正を期してまいりたいという考え方に立ったものでございます。
#23
○大出委員 ここでいま一つ大きな問題が抜けておりますが、国家行政組織法の十九条というのをあなた方は削除した。問題の焦点はここにある。つまり行政の基本である国家行政組織法で、十九条で明確に、恒常的な職の定員というものは法律で決めることになっていた。これをあなた方は切った、削除をした。これは大変御都合主義、便宜主義。そうしておいて各省設置法から定数を全部おっ外した。かつて行政機関職員定員法というのは定員の法律だけある、機構と結びつかない、これは根本的に間違いだと提案した政府が、改めてまた定員法にした。つまり行政機関職員定員法に類似する定員のみの、わずか三条しかない法律をあなた方は出してきた。つまり法律で決めるとなっていた定数をいわゆる総定員法という形に切り離したのですね。だから法律で決めるという条文がおかしくなるから、国家行政組織法の十九条を切った、こういう理屈なんです。そのときに私は、佐藤総理の時代でございますけれども、法律で決める、こういうことになっていたのに国家行政組織法十九条を削るということになるとすると、根本的に定員管理の思想が違ってしまう。そこで念のために承りたいのだがということで、私が質問をして、この定員管理というのは対国民という意味で確かにサービス行政には違いないけれども、世の中複雑多岐にわたればサービス行政だから機構がふえる、ふえるが、国家財政との関係でどこでこれをコントロールするかということになるのだから、法定主義が正しいのだが、その基本原則はどこかにいくのかと言ったら、いかないと言う。総理は、総定員法というものはこれは法律だと言う。だから五十万何がしという総体の定員、これが上回るようなことのないようにしたいのだが、上回るということになれば法律改正を求めるのだから法定するんだ、こういう理屈だった。これが当時の総理の言い分でございまして、実は三国会これが通りませんで、さんざんもめたものでございますから、総裁室に行って、佐藤総理に私は直接お目にかかって長い話もした。いや大出さん、とにかく理論的にはあなたのおっしゃるとおりだ、私は理論の通らぬ一省一局削減というショック療法をやった、それでもなおかつ各省がふやそうとするので、しようがないからこういうやり方をするのだから、筋は通らぬがひとつがまんをしてくれ、そのかわり総定員の定数がふえるということになれば、これは国会に、所管の内閣委員会にかけてふやすことをお認めいただくという手続をとるのだからと、こういうことだった。ところがあなた方が今度出してきたやり方は、総定員法と言われるものはそのままにしておいて、片方の国立学校設置法の方で、附則で、総定員法の枠から、ナショナルプロジェクトなどと言って、つまりお医者さんの学校のない県等々については次々につくっていくのだということで、ナショナルプロジェクトだからこれを外すのだと言って向こうで外す。これは重大な約束違反で、しかもこの総定員法は三国会にわたり議論をして、最終的にあなた方は強行採決した。せっかく満場一致で通ってきていた旧来の定員管理の方式を根本的に変えた。だからどこの党も賛成しない、最後に強行採決をする、こういうことをやっておる。そのときの約束は、上回れば必ず総定員法の定数の頭をふやすという形の改正を委員会にお諮りをする、こう言っていた。やらない。これはどういう神経なんですか。まず承っておきたいのですがね。官房長官、あなたも長く歴代の内閣その他の有数の地位においでになったのですから、これは佐藤総理の約束なんですが、いかがでございますか。
#24
○辻政府委員 大臣から御答弁いただきます前に、私から経緯につきまして御説明させていただきます。
 総定員法の御審議の経過、あるいはまたかねて当委員会において大出委員から定員管理のあり方等につきまして御指摘をいただいておることは私ども十分に承知しておるわけでございまして、今回の特例をお願いするに当たりましてもいろいろな角度から検討いたしたわけでございます。総定員法のいわゆる枠との関係で問題を生じましたのは、国立大学の新設、まさにそのためのものでございまして、国立大学の新設は総定員法を四十四年に制定させていただきました当時には予想されなかった大きなプロジェクトでございますし、それから御承知のように医科大学を一校つくりますと、一校で九百八十五名、約千人に近い大幅な増員を必要とする、定員管理上特殊な問題であるわけでございます。またただいまの定員管理法制をながめてみますと、御承知のように別枠にしている例もあるわけでございます。そこで私どもといたしましては、総定員法の仕組みあるいは枠はそのままにいたしまして全体として守っていく。特別なものにつきまして特別扱いと申しますか、特例措置と申しますか、そういうことでお願いするのも一つの考え方ではなかろうかということにいたしまして、暫定措置といたしまして総定員法の別枠で御提案を申し上げた次第でございます。
#25
○西村国務大臣 大出さんの言うこと、まさに正論でございます。しかし、いまも政府委員から申しましたようにいろいろな事情があって総定員法ができました。今回の場合は、どうも大学設置で大変な人数が要るものだから、それは特別な措置をしなければ――それは総定員法を提出するのも一つの方法でございますが、今後どういうふうに大学のことで人数が入用になるかなかなかつかみにくいところもありまして、特別な例として、総定員法を守って行政の方の定員にしたわけでございます。しかし、これを将来長く続けていくというふうには私も思っていないわけでございまして、ある時期には総定員法の改正ということに取り組まなければならない時期があると私は思うような次第でございます。
#26
○大出委員 時間がありませんで、少しぎゅうぎゅう言わせようと思ったのですけれども、皆さんがどうも筋の通らぬことを百も承知でやっているという感じの御答弁だから、そこで念を押しておきますが、大変にふえると言うのだけれども、今度の国立学校で医学部その他つくっていくのですけれども、六年なんですね、医学部というのは、総計どのくらい人員が必要になるのですか。二万人ぐらいですか。
#27
○唐沢政府委員 ただいま計画いたしております医科大学、医学部、これが完全に整備されますと約二万ちょっと、二万三百くらいだと思います。
#28
○大出委員 二万人がちょっと多いからと西村さんおっしゃる。もっとも西村さんのは前置きがありまして、大出さんおっしゃっているのは正論だからとこう言っているのだから、私の言うことは正論だと先に認めちゃっているのだからけんかのしようがないのだけれども、だから経過も走り書きみたいに質問したのですが、経過から言えば筋が通らない。それはお認めなんです。その理由の中心は、大変数が多いからだ。幾らだと言ったら二万人だ。そんなことを言えば、四万三千人ふやしたのですよ、小沢佐重喜さんがこの提案をしたときは。この四万三千人の中心は何かと言うと、ちょうど各省庁でしきりに労働組合で言う非常勤の定員化闘争というのがほうはいと起こった。建設省にしても、林野庁にしても、郵政省にしても、やたら無性に――定数は各省設置法で決まっているものだからふやしにくい。ふやしにくいから次々非常勤職員でふやしっていった。べらぼうな数、同じ仕事をしていて、非常勤というのは夏の手当も、年末の手当もくれないのだから、べらぼうな話はない。大騒動が起こった。とうとうこの非常勤の定員化闘争を各官庁組合がやった結果として認めざるを得なくなった。得なくなったものだから、ここで各省設置法に分解をして、そこで非常勤の定員化をしていこう。ここに書いてあります。「定員外職員の定員化に伴う増四万七千六百九十三人を加えた七十五万六千五百六十五人とする。」正面からこれを改正してきている。いままでの歴史から言って、二万人ぐらいふえるのだったら、表から改正したってこれは一つもおかしくない。たくさんふえるから、だから総定員はそのままにしておいて、別の方でやみをやる、理屈は成り立たない。いま私が数字を挙げましたように、四万七千からの人をふやしてきた時期もある。つまり、こういう世相、世の中だから、しかもその定員がふえ過ぎることについての批判もあるから、不況ということも踏まえておるから、ここで公務員だけどうも総定員法の定数をふやす改正を所管の内閣委員会に出すとすると風当たりが強い。文教委員会に出せば、お互い文教だから、学校をつくることについて積極的に皆さんお考えなんだから、何とかかんとか、ごまかしごまかし通せるだろう。内閣委員会に出しているのじゃ、とてもじゃないが通らぬで、とりこになっちゃって、いろいろな問題と絡んじゃうから、特に主任手当だとかなんとかと絡んじゃうから、そこで主任手当の方をあきらめますとかなんとか言わなければ文部大臣乗り切れないから、しようがないから、こぞって文教の方へ出して、お互い学校の関係の方々多いから、総定員法の枠からおっ外れて学校ができるんだからというようなことで、そういう悪らつな考え方で定員管理ができますか。これじゃかご抜け詐欺みたいなものだ。ここにちゃんと書いてある、かご抜けだって。いいですか。これは行政監察週報というところに書いてある。何と書いてあるかといいますと、定員を食いそうなものは、この察便乗して総定員法の枠からおっ外そうという行管庁、文部省の高等芸術が創造した悪乗りだと言う。悪乗りで、かご抜けだと言う。この前の論文を見ると、かご抜けだと書いてある。かご抜けで悪乗りをやっちゃいけませんですよ。ナショナルプロゾェクトのお墨つきがあれば、総定員法の枠外とするということになるとすれば、総定員法はかご抜けだと言う。あなた方は行管と文部省と手を握って、かご抜けで悪乗りやっちゃいけませんですよ、これは。それじゃ国家行政は成り立たない、定員管理はできない。定員管理のあり方が現在三つも四つもこんなになっちゃっていたんじゃ、どうしようもないじゃないですか。二万人ふえるからといって悪乗りやかご抜けやっちゃいけませんですよ。はっきりしてください、西村さん。西村さんはきょう初めて行管庁長官じゃないんだから。いかがでございますか。
#29
○西村国務大臣 まあそういうごまかしをしようという気持ちはないのですよ。(大出委員「じゃ何で出さないのですか、所管の委員会じゃないか」と呼ぶ)いいえ、しかし、いま言ったような特殊の事情で今回は文部省の方にやりましたけれども、委員会としてもこれは合同でやればこの委員会にも当然かかるわけでありまして、私たちはごまかしでやろうなんていうことは考えておりません。今回の事情は特殊な事情でございましてあのようになったわけで、委員会として内閣委員会で合同でやれば当然これはそれがあたりまえなことなんですから、ごまかしというようなことはちょっと考えておりません。
#30
○大出委員 西村さん、あなたも長老西村さんらしくないことを言うじゃないですか。年が笑うですよ、そんなことを言ったら。だから私は理事の諸君にもお話をして、この委員会は合同審査をお願いをした。それは勘弁してくれと言って、一生懸命勘弁してくれ勘弁してくれと言いまくったのはどこのだれだ、そんなことを言えば。委員長、そこで横向いておられるけれども、与党の理事さんもおいでになるけれども、それだけは何とか勘弁してくれ、しかも文部大臣まで本人おでかけになって、とにかくそれだけは何とか勘弁してくれと、やたらそこらじゅう泣きまくられた。筋が通っているとお思いなら、そんなことはしない。長官一人そんなことを言うけれども、あなた国会運営を目の前に見ていてわからぬわけはないじゃないですか。そうでしょう。そういう言い方はいけませんですよ。だから率直に正論は、大出さんあなたの言っているのは正論だとおっしゃるのだから、お認めになっているからいいけれども、こういういいかげんなことをやられたんじゃ定員管理ができないから、きちっとしておかなければいかぬと思って、私は物を言っている。しかも、――時間がなくなりますから、もっともいつも官房長官や総理が出たとぎには時間を決めたって三十分や一時間延びるのは常のことなんだから、そんなことはどうでもいいけれども、内閣委員会の伝統みたいなものだから……。
 ところが、現行のいわゆる総定員法、一遍くらい正式名称を言っておかなければいけませんから言いますが、総定員法総定員法と言っておりますのは行政機関の職員の定員に関する法律、こう言うわけですが、通称総定員法、これを決めるときに、これは行管もいろいろなところに書いているのですよ。行管の書いたのもある。行管の諸君が方々に説明して書いたものに、五十万六千五百七十一人がいわゆる総定員法の定数です、この数を超える場合には法律改正をしなければならないことは言うまでもないと言っているのだ。行管が自分で言っている。定数を超えれば法律改正をしなければならぬことは言うまでもないと言っておきながら、定数を超えたのに言うまでもないことをやらないで、ほかの方でやみをやるというのは、これはいかぬじゃないですか。だから、やみだと言う。しかも五十万六千五百七十一人というのは、これは定員じゃないのですよ。定員じゃない。これ以上超えてはいけないという総定数の量局限度なんです。限度、歯どめなんです。これは定員じゃないのです。だから、この限度いっぱいの定員が決まっているわけじゃない、政令定員もあるけれども。そうでしょう。だから、そういうことをなさったのでは筋が通らぬので、この前は許認可の整理法の中に外国人登録法をこっそり全面改正するのを入れてきた、ついこの間、松澤行政管理庁長官のときに。私が質問を続けていったら、行管、法務省相談の上、全面撤回をされたでしょう。その前は、道路運送事業法その他をこれまた整理法にこっそり入れてきた。このときも、橋本登美三郎運輸大臣でございましたが、運輸委員会に引き取って向こうで議論することにした。この二回とも行管は、自今そういうこそくなことはしないということをお約束になっている。この責任を明らかにしていただきたいと私は思っている。そうでないと、うっかり文部省設置法にしても採決するわけにはいかない。しかも、あなたはいつまでもこのままにしておくつもりはないと言うが、では承りたいのだが、一体いつまでもと言うなら「当分の間」というのはいつまでですか。
#31
○西村国務大臣 いま医科大学のない県が全部どういうふうなことになっていくか知りませんが、それが計画され、また新しい構想の大学ができるというような計画もあるようでございますので、いつまでという期間は申し上げられませんが、おおよそ大学の定員にしても恒常的に考えられるというようなことになれば、そのときは定員法を改正しなければならぬ、こう思っておる次第でございまして、もちろん総定員法というのは最大限度でございますが、それはなるべくそれを守る。しょっちゅうそれを変えるということは、何だかいつも総定員法それ自身がふらふらするような気がいたしまして悪い影響を及ぼしますから、ある時期にはどうせ変えなければならぬ。「当分の間」というものはここでもって何年の何月と言うわけにはいきませんが、一応大学にしても、いまでも既設のものはやはり恒常的に変わりますが、それはいまやっておるわけですが、新しいものについてはこれがいつまでと言うわけにはいきませんが、安定するような状態になりますれば、そのときには定員法を変えなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
#32
○大出委員 これは文部省、行管、官房長官、皆さんに申し上げておきますが、こんなに無理して文部省設置法だの国立学校設置法を通してくれとおっしゃるなら、これはよもや主任手当を何とかしろとかちょうちんとかというのは言わぬだろうと思うのだけれども、まだつるしてあるんだから。何もかもむちゃくちゃなやつを全部やれと言ったって、これはそうはいかない。御無理をおっしゃるなら認めてもいいが、しかしその「当分の間」というものには歯どめがなければならぬ、そこのところは。くどいように言っておくが、こういう無理をしておいて、まだほかの方で、やれ人事院をおどかしてどうのこうのなんということはやめてもらいたい。文部省さんにお願いしておくのだが、海部さんじゃないからしょうがないけれども。
 そこで、先ほどの西村さんのおっしゃることで言うならば、つまりこの国立学校はナショナルプロジェクトであるから、二万人も一遍にふえるからと言う。一遍ということはないが、六年ですから徐々にふえるのですけれども。しかしこの中に歯学部が二つ入っているんですね。さらに二つ入る。これはナショナルプロジェクトじゃないんですよ。以前の大学、以後の大学で定員管理の方針が違っちゃうのです。しかも確かにこれは悪乗りなんだ。ナショナルプロジェクトに入っていないものまで乗っけたんだから、便乗なんだ。便乗、悪乗り。それでもまだ参議院に行って合同審査ということでとめようと思っているのだが、お認めをいただきたいという意思ならば、いまのお話もそうですけれども、それなら、こういう悪乗りは今後やるのかやらないのか。ナショナルプロジェクトとおっしゃっているのだから、それに限るのか限らないのか、悪乗りをおやめになるのかならないのか、それを含めて一日も早く、俗称総定員法という法律があるのだから、しかもこれは内閣委員会所管なんだから、合同審査申し入れろと言ったらお逃げになるようなぶざまなことにしないで、なぜ定員管理の正道に戻すということをお考えにならないのですか。速やかに検討して、総定員法という定員管理の本筋に戻すという努力をなさいますか、なさいませんか。これがポイントですから。防衛庁の三万ばかりの背広の方々についても、さきの荒木さんが行政管理庁長官で提案をされたこの総定員法のときに、事細かくいろいろなことが述べられ、出されておりますけれども、総定員法というところで、防衛庁の背広の方々についても歯どめの意味であえて総定員法の枠の中に置いておくのだということがはっきりしている。特別職だとかなんとかいう、ほかに定員管理をする歯どめのあるものは除外をするんだが、そうでないから、防衛庁の制服の方々は除外するが、背広の方は総定員法の中に入れておくとまで書いているし、しかも行政機関職員定員令というものをこの法律に基づいてつくっているわけでありますが、この定員令の中で文部省国立学校等の職員の定員についてもわざわざ定めたとここに書いてある。文部省の学校の定員についてもわざわざ定員令で、ほかに歯どめがないから、委任政令の形でここで定員を定めたと書いてある。そうでしょう。そこまで厳密にやってきて、定員法一本にしぼるたてまえを通している。それをあなた方、外されるのだから、定員管理ができなくなる。そういう意味でもとの正道にお戻しになる、そういう意味の御検討を願う、そのことをお約束をいただきたいのです。確かに長官の言うようにいつ幾日ということは求めておりません。それは不可能でしょう。ですから、速やかに正道に戻すべく御検討いただく、これは少なくとも総定員法と言われる法律がある限りは当然のことでございます。いかがでございますか。
#33
○唐沢政府委員 行政の簡素化、能率化の推進による定員の再配置によりまして、各省間の行政需要の消長に応じて弾力的な定員管理を行って、必要最小限の人員で円滑な行政を推進していくという定員法の趣旨は、先生おっしゃるように、私は今後も少しもゆるがせにできないと思うわけでございます。しかし、いま局長や長官の御答弁されましたように、今回のは、無医大県の解消とか歯学部の地域的な偏在を是正しろという社会的な非常に強い要請がおありになる、先生からも強い御指摘があったわけでございまして、これはあくまでも、病院を経営する――医学部ですと千名も要るというようなことで、非常に大きなプロジェクトであって、四十四年の総定員法の制定のときには予想されないことであったということで、あくまでも例外的だというような意味と、もう一つは、実際に医学部や医科大学を設置する場合には、国立学校設置法を毎年改正をするという形で御審議を願っておるわけですから、定員もそれと一緒に一体としてやらしていただきたいということでございまして、あくまでこういう新しい要請に基づく医科大学、医学部等の設置という大型のプロジェクトの続く限りということでございますので、その点は何とぞ御賢察をいただきたいと思う次第でございます。
#34
○大出委員 行政管理庁の長官にもう一遍承りたいのです。文部省というよりはこれは行政管理庁主導型で進めておられるわけですから、そういう意味ではっきりしていただきたいのですけれども、ナショナルプロジェクトという言い方をすると、厚生省の病院だってナショナルプロジェクトですよ。あるいは登記事務所なんかだってそうですよ。どんどんふえ過ぎていて全面的に考えなければいかぬというわけですから。あるいは成田空港だってそうですよ。あるいは二百海里の漁業専管水域だ云々だということになった場合の海上保安庁というようなものについても同じことが言える。だから、予測しなかったのだからといってそれらを次々にこの例にならったのでは、西村さんが冒頭に、総定員法というのは傷つけたくないと言った気持ちはどこかに行っちゃう、みんな抜けていってしまうのだから。そうでしょう。定員管理にならぬじゃないですか。国民の側から見たらわからぬじゃないですか。だからそういう意味で、速やかに正道に戻す措置を考えなければならない。例外ばかりつくってしまう結果になる、また便乗をすることになる、それは筋が通らない。だから、いつ幾日ということまでここで御確約願おうなどと思っていない。いないが、私が申し上げておることを正論だとお認めになる限りは、正道に戻すべく懸命に御検討いただかなければなりません。しかも行政改革は福田内閣が予算委員会で約束をされたのだから。いかがでございますか。
#35
○西村国務大臣 ナショナルプロジェクトという言い方が悪いのでしょう。これは、国立医科大学は大変な人数が要るからということで、ほかにいまあなたがおっしゃいましたようないろいろなプロジェクトがありますから、それが少人数で済めばもちろんそれを全部外す、そういうことはさせません。しかし、筋は筋として通さなければならぬということでございますから、これはいつとは言えませんが、十分にこの総定員法を守っていかなければならぬ、それを直すというようなことは私の方の任務でございますから、十分考えたいと思っております。
#36
○大出委員 とりあえずそういうお約束をいただいておきたいと思って物を申し上げたわけであります。
 次に、二、三分でありますけれども、ほかの委員会で突っ込んだ質問をしたいのでありますが、特殊法人あるいは公団、公社、事業団等、たくさんございまして、臨調答申以来、いままで十何年間この委員会で私議論をしてきたところであります。
 そこで、一つだけ承っておきたいのでありますが、石油開発公団というのがございます。これはまことにどうも困った公団でございまして、私が申し上げたいというのは、こういう特殊機関その他政府関係機関を一遍全部行管は洗い直す必要がある。われわれも洗い直す必要があると思っている。そういう点で承りたいのであります。通産省に承りますが、この石油開発公団というのはどのくらいの金を今日まで出資をしておりますか。出資団体が三十五くらいあるのでありますが、開発公団のパンフレット等によりますと、大きなことを言っています。総額、今日までに四千億円ですかね。四千億円というと並み大抵の金じゃない。開発費として千四百億円、したがって合計五千四百億円が投ぜられている。五千四百億もの金を投じて九つの油田を発見した、そして二千七百万キロリットルのわが国の手による石油を開発する、こうなっておる。これは全くうそでございまして、おんぼろの油田を買ったりいろいろなことをして金ばかりかけてやってまいりましたが、赤字だらけであります。発見された油田、こんなものは一つもない。会社が三十もできておる。わずか九つばかりおんぼろなものを見つけてきたのだけれども、それは供給量全体から見るとわずか二%にも満たない。名目だけ。こういうばかげたことになっておりますので、この石油開発公団、何のためにやっておるかさっぱりわからぬ。そこで通産省に、この三十五かそこらに出資した名称と企業別の出資金、その採算、一体どういうことになっておるのかということをおのおのの――もっとも油田を見つけていないところばかりなんだから。見つけたところは幾つもないのだから。そこの見つかっておるところについて、一体どのくらいの供給量があるのか、今後どうするつもりなのか、ここらをひとつ承りたい。資料を出していただきたい。
 それからもう一つ、この石油開発公団の中でたった一つと言っていいジャパン石油ですね。このジャパン石油というのは全くひどいことになっておりまして、もう少し詳しくそのうちに承りますけれども、大変な大赤字なんですね。今里広記氏がやっておったわけですね。中山素平氏が飛んで歩いたりしてやったのですが、これはべらぼうな赤字の累積でどうにもならない。海外石油開発とかいろいろな名前を変えてきましてジャパン石油までいったのだが、石油開発公団が出しておる出資のうちで三分の一、このジャパン石油が引き受けておるのですね。もらっておるのですね。そしてこれはあわせて承りたいんだが、会計検査院がついにこれを検査をなさったわけです、べらぼうな大赤字だから。千六百八十七億円もの借金がある。しかも決算書が会計検査院に出ているはずでありますが、この決算書の中から公的に出されている金で、どうも私からすれば不当な金がある。石油何とか疑獄とも言わなければならぬようなべらぼうな問題がある。したがいまして、まず最初に通産の方から、いま私が申し上げました三十幾つ、開発公団はどうなっているのか、その内訳は一体どういうことになって、先行きの見通しはどうなのか、会計検査院から検査をなさったかなさっておられないか、なさったとすれば、五十年度の決算書は入手されているはずだが、されているかいないか、されているとすれば、その結果として赤字借金はどのくらいあるのか、お答えいただきたい。そして、官房長官も含めまして行政管理庁長官も、この種の公団あるいは政府関係機関、特殊法人、事業団等々について、全部一遍見直す必要がある、こう思っているんですが、最後にそこらいかがでございましょう。
#37
○箕輪説明員 石油部長が御答弁申し上げる予定でございましたけれども、ほかの委員会に急速呼び出されましたので、私からお答えいたします。
 先ほど先生が冒頭におっしゃられました、どのぐらい公団から融資しておって、どのぐらいの企業があるかということでございますが、五十年度末で投融資残高が大体二千九百四十余億になります。それから対象企業は、石油開発企業だけで三十八社になります。先ほど四千億ということを仰せられましたですが、これは、民間資金などを含めた全体でございます。それから、どれくらい当たっているかということでございますけれども、先ほど先生がいろいろ数字を仰せられましたですが、九油田発見しているということは事実でございます。それの合計額というのは、五十一年で日本に持ち込んできております油が六百三十四万キロリットル、御指摘のとおり二%強でございます。ただ、そのほかに従来言われておりますのは、先生も仰せられましたが、買った油田ですとか、公団が発足以前に開発に成功した油などを含めますと、いわゆる自主開発原油というのは、現在二千六百万キロリットルぐらい日本に持ち込まれてきております。
 それから、資料につきましては、先生仰せられました項目につきまして、可能な限り御提出したいと思っております。
 それから、ジャパン石油開発でございますが、これにつきましては、現在日本に持ち込んでおります油と申しますのは、年度によって違いますけれども、八百万キロリットルから五百万キロリットル以上というのが、大体ここ数年の持ち込み量でございまして、ここにいろいろ赤字が累積しておると言われたのはそのとおりでございますが、これは御承知のとおり、いろいろ産油国の方で利権条件を変えてきたということのために、当初の目算が狂ったという事情もございます。これを今後どうするかということは、実はいろいろな方策があるわけでございますが、これにつきましては、決算書というのは当方はまだ入手していないかと存じますが、入手次第、これも御提出したいというふうに考えております。以上でございます。
#38
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 私ども、石油開発公団につきましては相当重点をもって検査しておりますが、先生御指摘のジャパン石油開発株式会社につきましては、私ども検査権限がございませんので、実は公団の検査の際に、出資金、融資金がどのように使われているか、そういう点は厳重に調べております。公団の出資金が三百七十五億という非常に大きな金額でもございますし、また融資金にしましても、千二百億以上の融資をしておりますので、検査上も非常に重要でございますので、公団検査の際に、いろいろの資料を見せてもらって検査しております。先ほどおっしゃいました決算書につきましても、公団検査の際に、公団で持っておられる決算書をわれわれ見せていただきまして、いろいろ批判をしておるわけでございます。
#39
○大出委員 通産省、おかしくはないですか。決算書はあなたの方は持ってないとおっしゃったでしょう。会計検査院は、公団検査の際に通産省が持っておるものを出してもらったと言うんですから、何で持ってないと言うんですか。
#40
○箕輪説明員 失礼いたしました。私が申し上げましたのは五十一年度の決算でございまして、五十年度のものは当然持っております。
#41
○大出委員 私は先ほど、五十年度とちゃんと念を押したじゃないですか。私は、五十一年度なんて言っていませんですよ。五十年度の決算書を入手しているはずだがと、私は言っているんだ。そうでしょう。これは田中清玄さん等がBP、ブリティッシュペトロリアムですか、これはむずかしいですな、舌が回らぬけれども、これ買ったんですから、お世話した方がある。物の資料には書いてある。どういう形か知らぬけれども、それなりの金の話までここに書いてある。これは決算書にあるんですよ。会計検査院いかがですか、二億何がしあるでしょう。
#42
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 われわれ担当者が検査に行った際、その金額については見せてもらっております。
#43
○大出委員 これでやめますが、念のためその金額をはっきり言っていただけませんか。二億幾らになりますか。
#44
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 実はその金額の性格でございますが、これは役務契約ということで、公団の融資、投資とは全然別の性格の金でございまして、私どもそれを調べておりますが、会社の一応の機密と申しますか、そういう意味でちょっとこの席では御報告することを差し控えさせていただきたいと思います。
#45
○大出委員 いま、ちょっと聞きにくいことをおっしゃったんですが、金にすると大体二億三千万です。これは現金です、と書かれています。この金の性格というのは、いま一番初めに何とおっしゃったんですか。
#46
○東島会計検査院説明員 お答えいたします。
 これはジャパン石油は発足をいたします前に、先ほどおっしゃったBP等との交渉とかあるいは情報収集、調査というような、そういう役務の契約でございまして、公団の出資と直接関係ございませんので、われわれとしてもそこまで関係ないということで、その性格、金額を聞いた段階で検査を打ち切っている次第でございます。
#47
○大出委員 だから、そこを一歩突っ込んで私が聞くと、おたくの方でさっきの答弁になって答弁申し上げにくい、この席ではということになるという性格のものなんですよ。で、私はいまの段階で、不正だとか不正でないということを言っているんじゃない。つまりそういう金が出ていることについて、この公団の性格上私はいろいろ問題があるというふうに思うから、そこのところを会計検査院が調べた以上は、触れるだけは触れておいてくれなきゃ困るということで申し上げたので、その性格がいいとか悪いとか言っているんじゃないですよ、いまの段階は。だから、それは改めていずれの機会にか別なところでやると申し上げている。
 通産省に承りたいんですが、というふうなことになっているのでいいとか悪いとかは別として、性格づけはもう少し細かくしてみますが、つまり石油開発公団というものが、これは財源というのは石油の輸入関税ですよね、石炭と石油に分けているんだから。だから、穴を掘っちゃって、それがドライホールで石油が出なくたって、これは返さぬでいいんだから。そういうことなんで、こういう公団をこのままチェックせずに置いといていいかという問題がある。会計検査院の方もうなずいておられるけれども、官房長官、先ほどの定員管理というのは、定員管理の大筋が一つあるんだから、おっ外れたことをやれば次々に便乗、悪乗りになっちゃって管理にならなくなる。それは対国民という意味で相済まぬことになるんだから、そこはもとに戻す努力を、いますぐにというのは無理でしょう。わからぬわけではないが、例外、例外となっていかぬように歯どめをして、大筋に戻すような努力をできるだけ早くお考えいただくというのが、行政改革ということについて積極的に進めると答えた福田内閣の責任だと私は思っているのですよ。
 そこのところとあわせて、公団、公社だとか事業団だとか特殊法人がたくさんあるんだが、ちょいちょい悪口が載るようにいろいろ問題がある。いまの石油開発公団一つ構えたって、これは会計検査院の方々だって困っているんだ、これ以上突っ込んで質問されたら答弁しようがないんだから。それじゃ困るので、なぜもう一遍全体を振り返ってみようとしないのか。この点はひとつ最後に、官房長官せっかくお出かけいただいたのだから、お答えいただきたい。
#48
○園田国務大臣 まず総定員法については、西村長官から仰せられたとおりでありますが、御承知のとおりに総定員法は行政管理庁が中心になって努力をして、五十二年度までには増加したものを差し引いても一万数千名の減にはなっているわけであります。予算のたびごとに各省から要求が出てきて、これを抑えるのにはいまの総定員法を口実にして抑えておるわけでありますが、しかし総定員法がいまや飽和状態になって、一カ所破られれば各所から破れるという状態にございますので、そういう無理をしながらいろんな無理が出てくる、その無理の中に例外が出てくる、例外が惰性になって、ややもすると脱法行為になってくる、こういうことでございます。
 そこで、いまの大学の問題も、当然これは予想されることでございますから、まず相談をしてから設置法と、こういくのが、おっしゃるとおりでございますけれども、いま無医大の県があちこちにあってその要望が強い。それは沖繩まで入れてあとまだ二、三県ございますので、なるべくそれを片づけて、じきに総定員法はさらにもう一遍検討して御相談もしたいということと、もう一つは、私が呼ばれてしばしば大出委員から御意見を承っております。内閣委員会に出てきたのは初めでありますが、いまの問題は手続上もやはり政府、文部省が反省を要する点がある。前もって相談をして、お願いをしてやらずに、出しておいてから無理に大学は必要だから通るだろうと追い込んできて、やむを得ず賛成しなければならぬというようなやり口は、今後やってはならぬ、官房長官からも今後よく注意をしたいと考えております。
 二番目の行政改革の問題で特殊法人の問題でありますが、これは総理からも私からも西村長官からもしばしば大出委員に直接または個人的にも御返答いたしておりますが、これは私も大出委員以上にいろいろな問題を検討いたしております。第一に公団というものの仕事の内容、財政の内容、人事の問題あるいは各省とのつながりというか癒着というか、これを整理しようと思うと、正直言って各省と相談しておっては断じてできません。
 そこで、これはおっしゃるとおり洗い直しをして、西村長官を中心にして各省とは相談しないで、やるべきものはやろう、こういう決意でございます。
 以上お答えをいたします。
#49
○大出委員 終わりますが、検査院に先ほど私が質問しておりますのは、何となく流れております世上のうわさは、開発公団をめぐるロッキード並みの石油疑獄なんというようなことを言われるのですよ。それは理解しがたい金が出ているからなんですよ。田中清玄さんがBPのおんぼろになった油田を世話した。回り回って、何もしていないんじゃかっこうがつかないからといって、ジャパン石油のように飛びついたのはいいけれども、赤字の累積で千何百億ものべらぼうな赤字になる、これは世話はないです。それは石油関税をそこにほうり込んで使っているんだから。そういうことでは筋が通らぬでしょう。だから、せっかくお調べになったんだから、その資料を可能な限りお出しいただきたいと私はお願いをします。検査院の言いにくい点がわからないわけじゃないけれども、それは可能な限りお知らせくださいよ。よろしゅうございますね。いかがですか。
#50
○正示委員長 続いて、新井彬之君。
#51
○新井委員 きょうは福田総理が出席していただくということでございましたが、どうしてもお忙しいということで官房長官が出席されたわけでございます。官房長官、これは非常に大事な問題でございまして、先ほどからお話が出ておりますように、福田内閣としても行政改革については全力を挙げて取り組むんだ、こういうぐあいに言われておるわけでございますし、先ほど行管の西村長官から筋ではないけれどもというお話がございましたけれども、その件についてもう少しお伺いをしておきたいと思うわけでございます。
 先ほどから総定員法というものがどうしてできたかということで経過のお話があったわけでございますが、ちょうど四十四年の総定員法のときにもいろいろと議論がされているわけでございます。その議論の内容はいろいろございますけれども、やはり先ほどもお話がありましたが、行政におきましては機構と人というものは、当然切っても切り離せない問題がある。したがって、いままで各省設置法におきましてその都度、そういうような仕事が必要であるのかどうか、そしてまたそれだけの人員が必要であるのかどうか、こういうようなことで審議をされてきたということであるわけであります。したがいまして、本来は定員管理の問題というものは、現在どういう仕事がどうしても必要なのかどうかということと、それからそれが何に必要なのかということが積み重なって総定員というものが出てこなければならぬ、こういうのが当然の筋でございます。
 したがいまして、行政改革をやるときの考え方と申しますものは、一つは行政の簡素化であるとかあるいは能率化を推進する、それから必要最小限度の人でやっているかということについては、これは非常に大事な問題だということになるわけでございますが、その仕事そのものに対して本当に必要であるかどうか、そしてそれだけの人が要るかどうかということを見きわめた上においては、定員というものはやはり年々変わるのではないかと私は思うわけでございます。
 したがいまして、今回の文部省の設置法の一部改正におきまして附則でそういうことをうたった。私自体にいたしましても、四十四年の暮れから衆議院に当選をさせていただいたわけでございますが、何とか医学部の設置をしなければいかぬということで文教委員会で再三にわたって私も主張してきた一人でございますし、当然いまの日本の国内の状況から見て、やはり医学部とか歯学部とかそういうものの充実はしなければいけない、こういうことで当然これは必要なものであるわけでございます。
 しかしながらそこにふえてくる定員というものの考え方、それは総定員法を変えて人数をふやすのか、あるいはまた附則にするのかということになりますと、総定員法の法律のたてまえ上からいきまして、やはり堂々と必要なものはこういうことで必要ですよと出してくることは当然でございますし、毎年変わるなら毎年出してくるのが当然だと思うのですけれども、その辺のところをいかがお考えでございますか、これは官房長官にお伺いしたいと思います。
#52
○西村国務大臣 それはいま言ったとおり、やり方としては、医科大学のためにふやさなければならぬものは総定員法を改正してやることが本筋だと私は言っておるのでございますが、しかしみだりに定員法というものを変えるということは、どうも定員法といわれたものに何かこう穴があいたようでいけないので、今回の場合は特別な事情によって便法をとったわけでございまして、いま申しましたように、これをずっと続けていこうということでなしに、ある時期に行きましては総定員法を直さなければならぬと考えておるわけでございます。
#53
○新井委員 総定員法をある場合に変えるというのではなしに、そういう附則なんかで定員を認めていった場合は、当然総定員法はなくなりますね、逆の考え方をすれば。これだけの総定員でございますよ、この総定員の中で仕事をやっていきますよということを、四十四年に上限を決められたわけですね。ところが、これは特殊な事情でございますと言っていった場合は、総定員法そのものの意義はなくなるでしょう。いかがですか。
#54
○西村国務大臣 それは特例でございますし、それだからといって総定員法がなくなるわけじゃないと思います。恒常的なものに対しては、その中でだんだん新しい需要がふえる場合は、やはり不必要な人員もできますから、それで再配置をやっていく。新しい需要がふえて、もう減員をしてもいいというような要請も起こりますから、それには最高限度の枠内で再配置をしていく。今回の場合は非常に人数が多いのでございまして、特別なことでございますから、総定員法というものがなくなるわけじゃないと私は思っております。
#55
○新井委員 私の話は、いまのようなやり方がだんだん伸びていくと内容的に総定員法が決められた意義がなくなってしまう、それはさっき官房長官も答弁されたとおりでございます。
 さっきの答弁の中でわからないところが一つございます。文部省が、人員がこれだけふえるということについては医学部だから絶対必要なのだろうというぐあいに言って押し込んできちゃった、だからこれはしようがない、認めざるを得なかったということでございますが、文部省もいろいろなことをやっておるし、厚生省もやっておる、各省いろいろなことをやっておる中で、定数に関してはこういうぐあいにふえてくるものであるなんということは当然そういう企画の段階でわかることだと私は思いますけれども、そういうことについては、官房長官、いかがですか。
#56
○園田国務大臣 予算編成ごとに各省の設置その他特殊法人の問題で議論になる点はその点でありまして、その場合に、時世の変化、社会環境の変化等によっていろいろ変わってくるわけでありますが、毎年これを変えておりますと総定員法の意味がないわけでありまして、行政管理庁長官はこれを盾にして各省の要求を抑えて、定員法の精神である少数精鋭主義、必要最小限度ということで抑えてきているわけであります。ところが、いまのようなやむを得ざるものも出てくるわけでありますが、やむを得ざるものがあるからといって年々総定員法を改正いたしておりますと、それを突破口にして、便乗していろいろ出てくる、こういう絡みもあって、抑えるだけ抑えて、ある時期が来たときに検討する、こういうふうに考えておるわけでございます。
#57
○新井委員 抑えるだけ抑えるというようなことでございましたが、さっきもお話がありましたように、結果的には非常勤の職員がふえてみたり、いろいろなところでしわ寄せがある。だから、職員の定数の必要性というのは、下から積み上げてきて定数にならなければいけないのであって、上から抑えて、それで五%削減しなさいということをどうしても各省平均にしてやるというようなことについては、やはり現実の仕事と機構、そういうもので内容的には合わない問題が出てくるのじゃないか。したがって、本来の趣旨というのは、各省の設置法が出てきたときに、四十四年以前に行われていたような形で審議しなければ、本当にそれが適正な定数であるかどうかということは判断できない。
 ところが、それを四十四年には強行採決ということでやってしまったわけでございまして、その中でいろいろなことがあったわけでございますが、これだって、いままさにその定数そのものがつぶれようとしている。これは、一つは、沖繩の復帰に伴っての職員の問題も特別の事情になっておりますし、これからもまた、二百海里時代を迎えれば保安庁をもっと充実しなければならぬ、これも特別の事情にしなければいけないとか、あるいは成田空港ができた、ここだって千名ぐらいの職員が必要であるとか、いろいろなことが出てくると、それをみんな特別特別ということでいけば、これはもう四十四年に佐藤総理が言われたあの趣旨は全然生かされなくなってしまうということであります。
 そういうわけで、この機会に当然、国立学校設置法の一部改正において、こういうことで定員増をいたしますと言って、総定員の増をこの内閣委員会に諮っていく、また来年も必要なら諮るというのが本当の筋だと私は思いますけれども、もう一度その点を確認しておきたいと思います。
#58
○西村国務大臣 普通の場合は、定員をふやすのも減すのも一様にはやっていないのです。それは平均でいま言っておるので、たとえば定員削減の場合も、今度は五十二年を起点として四カ年に三・二%減員をするといいますけれども、それは平均の問題でして、やはり仕事を見て各省と折衝して、減すところは減すわけです。また新しい増員の要求は各省からありますから、その場合も各省と打ち合わせをして増員をするわけです。その結果は、定員法によって最大限度の線がありますから、それを超さないように守っていくわけです。しかし、今回は、本当に定員の最高限度の枠内では振り回せないという場合が起こったのでございまして、これがずっと続きそうでございますから、それには、総定員法を年々歳々変えることよりも、特別な例として医科大学あるいは新構想の大学をつくるかもしれぬから、そういうものが一応安定したところで総定員法を変えようと諮っておるのでございまして、新井さんの言うことはよくわかるのですが、やみくもに平均にやっておるわけじゃ絶対にありません。
 しかし、各省の要求は、限度の枠がないというと、これは防ぎようがないわけでございまして、仕事と定員は裏表でございます。したがいまして、減す場合もふやす場合もやみくもには絶対にやっておりません。十分仕事を反映させてやっておる次第でございますから、今回は御了承を願いたいと思っております。
#59
○新井委員 長官の言うこともよくわかりますよ。わかるから、私は先ほどからそれを言っておるわけです。特に、さっきもお話が出たことでございますが、行政監察週報によりましても、悪乗りの便乗であるとか、そういうものまでひっくるめてやってしまうとか、そのようなこともあるわけでございます。とにかく、総定員法の四十四年のときの趣旨からいきまして、当然これからの行政は、いまだかつて思わなかったようなナショナルプロジェクトの問題だとか、いろいろあるわけでございますが、そういうことも考えられるわけでございますから、堂々と定員法を変更していかなければいけないというぐあいに思うわけでございます。
 そこでもう一つ、今度は逆のことをちょっとお伺いしておきたいと思いますが、いま国民の中で非常に重荷に感じておりますことは、やはり受験地獄という問題がありますね。この受験地獄という問題を解決するためには一体どのようなことをやられておるか、それにまた政府としてはどういうふうに考えておるのか、簡単で結構です、時間がありませんから。本来文部省はそんなことは専門でございますからあれですげれども、官房長官として、受験地獄ということはもう日本国どこへ行っても問題になっておるわけですから、これの解消というものについて一体どのように考えておるか、一遍お伺いしておきたいと思います。
#60
○園田国務大臣 受験地獄で若い子供さんたちの人生に暗い影を投げたりあるいは自殺事件が起こったりいたしております。そこで文部大臣はこの点を特に注意をして、受験地獄を解消するためにいろいろ方策を講じておりますので、この点を推進していきたいと考えております。
#61
○新井委員 いまいろいろと方策を講じておると言うのですけれども、年々この受験地獄というのは大変な問題になっているわけですね。
 そこで、今回文部省が一つの提案といたしまして放送大学を設置する、こういうぐあいに要求を出したわけでございますが、これは行政管理庁と大蔵省が特殊法人の新設は一切認めないということで見送りになっているわけでございます。受験地獄を何とか直す一つの方法としては、国立大協会で発表しておりますような試験制度の改革、そういうようなものがあるわけでございますが、基本的には、幾ら試験制度をある程度変えてみても、やはり受験者が非常に多いわけですね。ところが、とれる数というのはものすごく少ないわけでございます。したがって、どこまで勉強しても勉強の切りがない。これだけ勉強すればあなたは当然国立学校に入るだけの資格はありますよ、これだけの試験ができればこれは私立学校に入れますよというような基準でやっているのではなくて、競争をやっているわけでございますから、いつまでたっても競争というのは切りがないような状態になっているというのが現状じゃないかと思うわけでございます。したがいまして、医学部がたくさん設置されるということでございますが、これはお医者さんになりたい方あるいは歯科医師さんになりたい方が本当に少しでも入りやすくなって非常にいいことだと思いますけれども、基本的には国立の大学とか公立の大学というのをどんどんふやしていかなければいけない、こういうぐあいに思うわけです。
 その中で一番価値があるのがやはり放送大学という、これが費用的な問題から見ましても、あるいはまた定員の問題から見ましても、大きく受験地獄の解消の一助になるのではないかというぐあいに考えるわけでございますが、そういうような放送大学というものを一つつくるというときに、先ほど官房長官はまあいろいろの施策を講じておると言いますが、そういう問題についてどのようにお考えになっておるかお聞きしておきたいと思います。
#62
○園田国務大臣 新井委員仰せのとおりでありまして、放送大学もきわめてやるべきことだ、こう考えております。したがって、本年度の予算にはこれの設置まではいきませんでしたが、電波の割り当ての準備あるいは調査費、こういうもの等は配慮をいたしまして、文部省で考えている放送大学の設置に支障のないようにいたしたいと考えております。
#63
○新井委員 最後に、時間がありませんから最後にしておきますが、八月ごろには行政改革に大なたをふるうと、各省に対して相談するというようなことはないという決断的なお話がございましたが、福田内閣は行政改革を非常に旗頭に上げておるわけでございますが、官房長官として、そういう内容的なものについて、こういうことはやっていきたいのだということがありましたら、御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
#64
○園田国務大臣 ただいま八月までをめどにして行政管理庁長官の方でいろいろ検討、準備をされておりますので、内容的に私が申し上げるわけにはまいりませんけれども、特殊法人あるいは認可法人の監督をどうするか、あるいは地方自治体と中央政府との関係、どのように権利を分譲していくか、こういう点を含めて検討願っておるところでございます。
#65
○正示委員長 続いて、受田新吉君。
#66
○受田委員 園田さん、あなたは内閣法第九条にどういうことが書いてあるか御存じと思うのです。内閣の番頭でいらっしゃるわけです。内閣法第九条は「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。」という規定ですね。この内閣法第九条による、あらかじめ指定する国務大臣が内閣総理大臣の職務を行う。きょうはあなたは総理大臣にかわって答弁をされるわけなんです。官房長官の職務は「閣議事項の整理その他内閣の庶務、閣議に係る重要事項に関する総合調整その他」とこうありまして、あなたはきょうは総理にかわって出られたと私は判断するのでございまするが、第九条のいわゆる副総理との関係はどうなっておるか。
#67
○園田国務大臣 私は内閣法の第九条に基づく総理大臣代理として出席したわけではなくて、各省の政策調整の任になるのが官房長官の仕事でございます。
 なお、総理大臣と終始一緒でございますから、私が承ったことは、総理大臣に皆さんがおっしゃったことをそのまま御報告できるし、またそれが反映できる、こういう意味において官房長官が出てこい、こういうわけで出てきたわけでございます。
#68
○受田委員 前の内閣、三木内閣には福田さんが副総理であった。この第九条に指定する副総理であった。ここには西村さんがいらっしゃるのですが、西村さんはこの間、福田総理の海外御旅行のときはあなたは副総理だったのですか。日ごろは副総理ではない……。
#69
○西村国務大臣 きょうは副総理じゃございません。総理が海外出張したときには総理の代行をいたしたのでございまして、まだ副総理になった覚えはございません。
#70
○受田委員 そうしますと、現内閣にはこの内閣法第九条によるあらかじめ指定する国務大臣、総理大臣の職務代理をする、この人はいないのですね。これはどうして置かないのですか、園田さん。
#71
○園田国務大臣 おりません。また、海外旅行であるとかあるいは事故がある場合にはあらかじめ臨時代理を置くということはされておりますが、副総理としての指定はございません。
#72
○受田委員 現内閣は、この第九条に基づく代行者――あらかじめ指定するという国務大臣ですからね、あらかじめ指定していなければいけぬのです。「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣」というのがあるのです。そう書いてあるでしょう、園田さん。そうすると、欠けたときにやるのでなくして、そのとき、あらかじめ指定する国務大臣というのが臨時に内閣総理大臣の職務を行うと法律にあるのですから、あらかじめ指定する国務大臣がおらぬというのは内閣法第九条違反じゃないですか。
#73
○園田国務大臣 事故あるときまたは欠けたるときにその指定された大臣が総理大臣の職務を行うと、こう書いてありますが、副総理を置けという個条はございません。いままで慣例からいたしましても、副総理を入れなかった内閣はしばしばございます。
#74
○受田委員 そんな簡単なもので片づけられる問題でない。第九条は「その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。」とびしっと書いてある。ことができるではなくて「行う」と書いてあるのでございますが、「予め指定する国務大臣」がおるのが内閣法に忠実なやり方ではないですか。この内閣法を素直に読めば「予め指定する国務大臣」がおるべきではないですか。あなた、この文章を素直に読んでごらんなさい。
#75
○園田国務大臣 事故または欠けることを予想する場合には、あらかじめ臨時総理代理を指定されているわけでございまして、いまのところまだ健康も大丈夫でありますし、その他事故、欠ける場合のことも予想されませんので、あるいはまた内閣その他全般のことを考えて今後どのように指定されるかわかりませんけれども、いまのところは指定してございません。
#76
○受田委員 この法律を素直に読んだ場合の解釈です。あらかじめということは、副総理というものを置くのが普通である、これはそういう規定ですよ。
    〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
欠けたときにはあらかじめちゃんとそういうのがおらなければいかぬのです。だから、副総理を置くことは、国防会議にも副総理がおることになっているのですから、いまの内閣にそれを置くのが普通であって、置かない方が内閣法違反であるということです。
#77
○園田国務大臣 第九条には、事故のあるとき、または欠けたときには、あらかじめ指定する国務大臣が臨時に内閣総理大臣の職務を行うということであって、恒久的に指定しておけとか、あるいはそのたびごとに指定しておけとかということは規定してございませんので、副総理を指定しておかなければ内閣法違反であるとは解釈はいたしておりません。
#78
○受田委員 余りここで議論をしたくないのですが、あらかじめというのは、欠けたとき、死んだときに、あらかじめ指定する国務大臣がおらなければいかぬのです、これを見れば。死んだときに、そのときにだれがやるかを相談するのであれば、あらかじめじゃないでしょう。総理大臣が亡くなったときはあらかじめ指定する国務大臣とちゃんと書いてあるのだから、死んだ時点にあらかじめ指定する国務大臣がおるのがあたりまえです。
#79
○園田国務大臣 総理大臣が亡くなったときには、指名された総理大臣が亡くなったわけでありますから、その場合に代理で遂行するわけにはまいらぬと考えております。
#80
○受田委員 総理大臣が亡くなったときには、その次の内閣ができるまでの代理がおらなければいかぬのです。そうでしょう。次の内閣ができるまでは、総理大臣の職務をする人がおらなければいかぬ。亡くなったときには内閣は消えるのじゃないですよ。次の内閣ができるまで、総理大臣の指名があるまでは内閣は続くのですよ。そのときにはあらかじめ指定する国務大臣がやるのであって、たとえば福田さんが死んだ、その瞬間から福田内閣は消えた、そういうものじゃないのですよ。はっきりしておいてください。
#81
○園田国務大臣 余り縁起のいい話ではございませんけれども、もし亡くなられた場合には、それは総理大臣ではなくて、直ちに閣議を開いて次の総理ができるまでの職務を事務代行するだけでございますから、それは仮に副総理の指定がなくても閣議で処理はできると存じます。
#82
○受田委員 議論はここでおきますが、総理大臣の職務を行う大物、副総理の仕事をやられた西村さん、どちらが責任者かということにも関係するので、ちょっと触れたのです。
 ポイントに触れます。総定員法、行政機関職員定員法なるものは、これはときに各省別に消長があっても、総枠はこれだというふうに五十万ばかりの定員を決めてあるのです。ある省でふえるときもあれば、ある省で減るときもあるという、調整を十分考えた上の法律です。だから、文部省がふえるといえば他の省は減らして、そして、それを総枠で抑えていくというところに趣旨があるのであって、ある省がぽかっと出たらこれが崩れるというようなものではないのです。その本質を十分御理解しておるかどうか。そうであれば、文部省の枠がどんどんふえれば、他の省を減らして総枠で抑えればいいのであって、特例を設けて別枠をつくるというのは本則でないと思います。
    〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
#83
○園田国務大臣 仰せのとおり私も解釈いたしております。したがいまして、予算編成ごとに、増減は一方を抑え、一方をふやすということをやっておりますが、国立大学の場合には定員が多いものですからこういうことになったものだと考えております。
#84
○受田委員 そういう定員が多いからというような問題でなくして、多ければ多いなりに他の省を減らしていけばいい、総枠を抑えればいい。総枠が抑えられるような配慮をするのは総理大臣でないといかぬし、行管長官もなかなか威力が発揮できない、抑え切れない。抑えても抑えても下から盛り上がるとなれば、一番権力を持った人がぐっと抑えればいいのです。それは総理大臣しかできない。だから、今回の国会の冒頭にもわが党の佐々木副委員長なり参議院の木島君から、この問題は特に強く総理の決断でなければならぬことを提起した。その総理がいないということになると、これにかわる副総理というものがおるべきです。副総理を置かぬでもいいというところに現内閣の怠慢があるわけなんで、前の内閣には置いていたのですよ。福田副総理を置いて、総理にかわって答弁させた。いまの内閣には副総理がおらぬで、園田官房長官が副総理の面をしてここで御答弁になられる。これは私は筋違いだと思うのですがね。だから、総理の決断の表明をあなたがここでできるのかどうか。ただお伝えするというのであれば、代行の責任は非常に軽いものになる、こう思うのです。
#85
○園田国務大臣 私は決断はできませんけれども、総理大臣の信任を受けているということで、私が答弁をしたことは総理大臣がそのまま実行していただくという自信を持っております。
#86
○受田委員 そうすれば、定員法の枠を厳重に守っていくためには、ある省が人数がふえれば他を抑えていくということで、これを抑え切る決断が必要だ。このように国立学校設置法に便乗してちょこちょこと総定員法が差し繰られるような非常識なやり方というものは、筋の通った政治のあり方じゃない。総理の決断、指導力というものに欠ける。行政管理庁長官も手に負えぬから、こういうことで国立学校設置法の便乗を許しておる。行管もそこに敗退したわけです。そのときには総理大臣が最高責任者として措置をしていかなければならぬ。今後総理はその決断でやれるのかどうか。
 いま各委員の質問にもありましたが、どこかで頭をもたげれば、他を抑えていってバランスをとればいいのです。それが総定員法なんです。どこかがふえたら、もう始末がつかぬから別枠でこれを見逃していくということであれば、この行政機関職員定員法で、いままでばらばらで各省から出た定員要求をせっかく一本に抑えて政府の中で措置をさせようとした配慮は崩れるじゃないですか。これなら、抜本的にここでやる以外にはないことになる。総定員法の意義をもっと強く総理としてこれから断行することができるのかどうか。かわりであるからお伝えするという、単なる使者にすぎないのかどうか。
#87
○園田国務大臣 いま仰せられた筋はそのとおりでございまして、総理としては総定員法の枠を守りながら、一方がふえれば一方を抑える、これは当然やるべき決断であります。特別に起こった事態等は、行政管理庁長官と相談をして実行されるものと考えます。
#88
○受田委員 今度のこの改正案を出すときに、これを一緒に合計すると六百九十五人オーバーするからで、オーバーしない時点では文部省のと一緒にごちゃごちゃやってきたのです。オーバーの段階でやっとこれを踏み切ってきた。オーバーしなければ、ことしもこういうことをしなかった、そこに問題があるのです。だから、オーバーしないように抑え切る手がほかにもいろいろある、各省の節約をすることで。つまり、いままで厚生省とか文部省とかの定員の分がぐんぐんふえて、他を犠牲にしてきたのです。犠牲にしてきたのなら、それをそのまま踏襲して、総定員の枠だけはなぜ守ってくれないか。それに対して、枠を今後厳重に守るとお約束ができるかどうか、総理の決断を仰ぎたい。
#89
○園田国務大臣 定員法を守ることについては、受田委員がおっしゃった方針に従って今後もやる考えでございます。
#90
○受田委員 福田総理は、今国会の施政演説でも触れているのです。わが党の代表の質問にも答えている。
 時間が参ったそうでありますから、一つだけ。出先機関の整理、それから許可認可の整理、さらに特殊法人の整理、こういう四つの柱を立てておるのを八月までに実行できるとお約束できるのかどうか。特殊法人の整理も、東北開発株式会社など整理を約束しておりながらなまぬるい。思い切って八月までにそれを含めた整理が断行できるのかどうか。行管の意思を尊重して総理が決断を下すのかどうか。
#91
○西村国務大臣 行政改革につきましては、総理から指示を受けまして私がいまやっておる最中でございます。しかし、受田さん簡単に言いますけれども、これはやってみましてなかなか大変なんです。行政といいましても、行政機構あり、特殊法人あり、行政事務あり、出先機関あり、大変です。しかし、従来もやってきましたけれども、今度はもっと、やはり財政の硬直化のもとでございますし、世の中も変わりましたから、ひとつ思い切ってやろうと思っております。行政改革というと、総論は皆賛成なんですよ。しかし、各論に入るとなかなかそうはいかないのです。したがって、私か皆様方にお願いするのは――皆様方の了解を得なければ絶対にできないのです、皆法律事項になるのですから。われわれも強力にやるつもりですから、願わくは野党の方々も私を支持してくれるように、これは私からお願い申し上げるのですが、内閣としては十分これを強力に進めるつもりをいたしておりますから、ひとつお願いを申し上げます。
#92
○受田委員 終わります。
#93
○正示委員長 続いて、柴田睦夫君。
#94
○柴田(睦)委員 今回の国立学校設置法改正案というのは、十六の大学の定員内の職員を総定員法の枠外に置こうというものであって、これは、行政監理委員会の意見である「当面の行政管理上の諸問題について」、この意見が提出の根拠になっているわけですが、この行政監理委員会は、行政管理庁の定員、機構審査の方針や行政監察に関する方針などに係る事項を所掌して、行政機構管理の大元締めの位置を占めているわけです。そして、この委員会は委員長と六名の委員で構成されて、委員長には行政管理庁長官を充てること、こういうふうになっておりまして、いわば諮問をする方と答申をする方の責任者がそれぞれ同じであり、自問自答式の委員会ということになっているわけです。また、設置法で「委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。」こう規定しております。ところが、実際の運営では、長官に意見、答申を出すときには、同じ人であるという意味で委員長を除く六人委員で会議を開いて議決するというやり方、これは法律に違反した運営を行っていると思うのです。こうした法律違反の運営は、所管大臣が委員長を兼ねているということにそもそもの原因があるわけです。この点につきましてさきの決算委員会で私はお伺いしたのですが、このときは行管庁は、一見不合理ではあるが、閣議で委員長の意見を述べる必要があるから大臣を委員長に充てるのだとか、あるいは委員長に大臣を充てるかどうかは委員会の性格によるので、必ずしも悪いとは思わないとか、委員長に所管大臣を充ててはならないという法的根拠はない、こういうような答弁をされました。これでは法律違反の運営をしていても構わないという態度にもとれるわけですが、やっていることは法律に違反していることは明らかであるわけです。この自問自答式の委員会のあり方については所管大臣の隠れみのであるとかいう批判がなされ、臨時行政調査会の以前の行政改革で会長に所管大臣を充てないことということが勧告されておりまして、また、この三月四日の予算委員会でも、共産党の山原議員の質問に対して官房長官が、会長に所管大臣を充てないという方向で検討する、こういう答弁をされております。これは行政機構管理の番人とも言うべき行政監理委員会のあり方を、法律の改正ということになるわけですけれども、そこも含めて改めるかどうかということは、福田総理が言明されております行政改革を本気でやるかどうかということを示すいわばリトマス試験紙だという問題になると思うのです。そこで、きょうは総理大臣の名代としておいでになりました官房長官に、八月中をめどに行う行政改革案づくりの中でこの問題を検討されるのかどうか、その決意をお伺いしたいと思います。
#95
○園田国務大臣 委員会等の長に大臣がなることは必ずしも好ましいことではございませんが、根拠法で規定してあることもありますし、それから行政実施面について重点がある場合には大臣が長になっております。しかし、いずれにしても各種委員の長に大臣がなることは必ずしもいいことではございませんから、皆さんが納得いけるように、残るものは残る、やめるものはやめる、こういう検討を十分したいと考えております。
#96
○柴田(睦)委員 それでは今度は行政監理委員会の委員の兼職問題について質問します。
 委員の兼職問題については、昭和三十八年の九月二十日の「各種審議会委員等の人選について」という閣議口頭了解で「兼職の数は最高四とする。」ということを決めておりまして、この兼職の制限についての閣議了解事項は、ほかに三項目あるのですけれども、それとは違って例外を認めていないわけです。ところが、現実には、調べてみますと、兼職している数が五を超える者が各省庁の事務次官を含めますと数十名にも達しているわけです。この点について官房長官はさきの予算委員会で、問題は閣議の決定、了解事項であるから全部一遍洗い直しをいたします、こう約束されているわけです。ところが、行管庁の方を見てみますと、行政監理委員会について元内閣法制局長官であった林修三氏がなっているのですけれども、この林修三氏は五つの各種審議会の委員を兼職して、科学技術庁顧問など二つの公職を兼任しているという問題がありまして、これについて行管庁の方に尋ねますと、余人をもって充てられないからだとか、あるいは内閣官房の兼職承認を受けているという説明を行管庁の方でいたしました。閣議了解に違反することを内閣官房が承認するはずはないと思うのですけれども、例外を認めていない閣議了解事項について、内閣の庶務担当部局が勝手にその例外をつくるということはもちろん妥当でないわけです。そこで、行政機構の管理という重要な職務を担当しております行政監理委員会の委員の兼職はできる限り少なくすべきである、こうまで私は考えるのですが、この閣議了解にも反して審議会の委員を五つ兼職しているというような問題について、これも総理の代理として来られた官房長官の御意見を伺っておきます。
#97
○園田国務大臣 各種審議会の委員は各省から推薦してまいりますが、最終の決定は私でございます。そこで、この委員の数を四個以上やっている方は逐次整理するということは、しばしば質問も受けたし、御意見も承っております。私も答弁いたしております。したがって、ただいま検討して逐次これを整理しつつございます。余人にかえがたいと言えば、他の委員をやめてもらうか何か、閣議了解の線に厳正にやるべくただいま逐次作業を進めております。
#98
○正示委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#99
○正示委員長 この際、木野晴夫君から本案に対する修正案が提出されております。提出者から趣旨の説明を求めます。木野晴夫君。
    ―――――――――――――
 文部省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#100
○木野委員 ただいま議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略させていただき、その趣旨を申し上げますと、原案では、国立国際美術館の設置に関する改正規定は、昭和五十二年四月一日から施行することといたしておるのでありますが、すでにその日が経過しておりますので、これを公布の日から施行することと改めようとするものであります。よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#101
○正示委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#102
○正示委員長 修正案について別に発言の申し出もありません。
 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので直ちに採決に入ります。
 まず、木野晴夫君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#103
○正示委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#104
○正示委員長 起立総員。よって、本案は木野晴夫君提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。
 この際、海部文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。海部文部大臣。
#105
○海部国務大臣 ただいま文部省設置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重に御審議の結果御可決いただきまして、まことにありがとうございました。
 私といたしましても、本委員会における審議の内容を十分尊重いたしまして、婦人教育の充実、芸術文化の振興等、文部省に与えられた任務の遂行に全力を尽くしてまいる所存でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
#106
○正示委員長 なお、ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○正示委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#108
○正示委員長 この際、暫時休憩いたします。本会議散会後理事会を開会し、引き続き委員会を再開いたします。
    午後零時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十八分開議
#109
○正示委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井彬之君。
#110
○新井委員 厚生省の置かれております立場と申しますものは非常に大事な立場でございまして、厚生大臣初め皆様方が非常に御苦労なさっておられるということを承っておるわけでございます。それで、その中で一歩一歩解決をしていっている問題もございますけれども、まだまだおくれている問題が多々ございます。そういう中で若干の質問をさしていただきたいわけでございますが、今回のこの厚生省設置法の一部を改正する法律案で、新たに付属機関として国立循環器病センターを設置することを主な内容としての法案が提出をされたわけでございます。非常に結構なことだと思うわけでございますが、この問題におきましても非常におくれている。言ってみれば、本来、世界各国から比べましても、当然日本の国といたしましても厚生省がそういうものをもっと早く出してこなければいけなかった、遅きに失し過ぎたような感があるわけでございます。
 そこで、この提案理由の説明にもございますが「昭和五十年においておおよそ三十万人にも達し、国民総死亡の約四三%を占めるに至りました。」と非常に大きな問題になっているわけでございますが、これからこれらの研究とかいうことを始めるということで、国立循環器病センターができるわけでございますが、規模とか内容とかいうものにつきましてはまだまだ非常に弱小ではないか、こういうぐあいに思うわけでございます。その点はいかがお考えになっておられますか。
#111
○石丸政府委員 循環器病、特に脳卒中あるいは心臓のいろいろな疾患に対しまして、従来からそれぞれの医療機関において研究は行っておったわけでございますが、今回、研究と医療と研修、特に全国にそういった新しい医学を普及するために全国のお医者さんに研修をしてもらうということで、こういった三つの機能をあわせ持って一つのところにセンターをつくるということでございまして、そういった総合的な機能を持ったセンターをつくることは、先生御指摘のようにあるいは遅かったかもわからないわけでございますが、われわれといたしましては、こういった新しいセンターをつくるわけでございますので、鋭意りっぱなものをつくろうということで、従来からいろいろ検討してまいったわけでございまして、今後さらに充実したものをつくってまいりたいと考えておるところでございます。
#112
○新井委員 この根本的な医療対策ということにつきましてはいろいろ言われておるわけでございますが、その一つは医療のシステムをどう整備するか、こういう問題、もう一つは、ふえる一方の医療費の財源をどこに求めるか、こういうことが大事なことであるわけでございます。それからまた、別のもう一つの問題といたしましては、老人に対しては予防からリハビリテーションまでの一貫した医療体制をつくらなければならない、こういう御意見と、老人を地域ぐるみで世話するコミュニティーケアの考え方を普及させなければならない、こういうぐあいにあるわけでございますが、先ほどからお話がありましたこの循環器の問題につきましては、お年寄りの方については非常に多くの方が病気にかかっておられる。この循環器の疾患というのは、予防からリハビリテーションまでの包括医療が非常にふさわしいことであるというぐあいに言われているわけでございます。そういう中で、そういうような問題をどのように考えておられるか、お伺いをいたしておきたいと思います。
#113
○石丸政府委員 予防からリハビリまでを一貫して行うことはあらゆる疾病に必要でございますが、特に循環器病については、ただいま先生御指摘のように一番重要な点ではなかろうかと考えておるところでございます。それで、予防からリハビリまでの一貫した体系をどういうふうに組むかということでございますが、研究につきましてはこのセンター等を中心にして今後いろいろ研究を進めてまいりたいと思いますが、医療のシステムとして考えました場合には、特にわが国の場合、民間の医療機関との提携ということも必要かと考えるわけでございます。また、国立そのものにつきましても、あらゆる国立病院を機能的に運営することによってこういったシステムをつくりたいと考えておるところでございます。
 たとえば、現在行っている点を申し上げますと、東北地方におきまして、循環器、特に脳卒中等に対します対策といたしましては、国立仙台病院を発作時のとりあえずの急性期患者の医療に使っており、症状が固定いたしました後、いわゆるリハビリテーションの時期に至りますと、これを国立の宮城療養所に移しまして、そこでリハビリテーション医療を行うというような、国立病院相互の連携を考えまして一つのシステムをつくろうとしておるところでございまして、今後全国的にそういったシステムづくりに努力してまいりたいと考えております。
#114
○新井委員 国よりも先に、地方自治体であるとかあるいは患者さんをめんどうを見られておる国立病院であるとかいろいろなところで、そうしなければならぬということで、徐々にはそういうことも充実をしてきておるというぐあいには思いますが、まだまだ日本の国といたしましてはそういうことに対しての厚生省のバックアップというものが非常に弱かったということを感ずるわけであります。アメリカでは循環器系の病気が非常に多いわけでございますが、早くから各地に予防からリハビリテーションまで一貫してめんどうを見るストロークセンター、卒中専門病院というものを置いてありまして、運び込まれた患者の三割の方は助かる、それから退院する患者の七割は歩いて退院できるほどの成果を上げておる、こういうことであるわけであります。そういうわけで、今後循環器に関する病気がますます発展するような中にありまして、何とかこれももっと充実をして今後やっていっていただきたいということを初めにお願いいたしておきたいわけであります。
 それから次に、今回厚生大臣、厚生省の予算につきましてはいろいろのことで非常に努力をされたというふうにお伺いしているわけでございますが、その中で救急医療については、前年度が九億九千六百万円、ところがこれが六・七倍にふえて六十六億八千三百万円ということでございますね。それで、三カ年計画で全国の救急医療機関を整備する、こういうことで政府の救急医療整備構想が出ているわけでございますが、いままで救急医療の問題につきましては、地方公共団体がどうしようもなくていろいろのことをやっているわけでございます。その中で問題になりますことは、やはりお医者さんの確保であるとか、あるいはまた費用の配分であるとか、費用負担であるとか、そういうようなことについていままでにも非常に問題があったわけでございますが、実際問題、この程度の予算でそういうものが確立できるものかどうか、まず初めにお伺いをいたしてみたいと思います。
#115
○石丸政府委員 救急問題につきましては、それぞれの地域においてそれぞれの地域の実情に応じながらいろいろ努力をされたところでございますが、特に最近におきまして都市化現象が非常に急激に進んでまいりまして、そういった各地方自治体の努力のみではなかなかこういった社会的な変化に追いつかないというような、そういった実態になってまいったわけでございまして、そういった点、われわれといたしましてできるだけの援助をして救急医療の体系整備をやりたい、こういうふうに考えておるところでございまして、ただいま先生お述べになりましたような費用負担の問題等についてもいろいろな問題があろうかと思うわけでございます。
 医療は、救急医療を含めまして、やはりわが国は国民皆保険でございますので、診療報酬点数でこれを賄うということがたてまえではなかろうかと考えるわけでございますが、現在の診療報酬体系の中におきましては、この救急医療というものはなかなか採算がとりにくいというような点がございますので、そういった点、特に非常にたくさんの職員を待機させておかなければならないというような非常に特殊性がございますので、そういった特殊性によりまして生じます赤字に対しましてわれわれといたしまして助成をして、できるだけ救急医療体制の整備を強力に進めてまいりたいと考えております。
#116
○新井委員 救急医療の整備ということが三年間でうたわれておるわけでございますが、一般の国民の皆さんから見まして、北は北海道から南は沖繩まで、各所で夜間とかあるいは休日、祭日を問わず病気が起こる。その病気の内容におきましては別に医者にかからなくてもいいものもたくさんございますけれども、とにかくそのときに救急医療にかかれないために死亡しているという例もあるわけでございます。したがいまして、この三年間で整備をされるということは、やはり日本全国的に見まして、そういう状態になった場合、夜間あるいは祭日、休日に本当に、その地域その地域のやり方によって変わるわけでございましょうけれども、とにもかくにも医者の治療だけは受けられるということが完備するということになりますか。
#117
○石丸政府委員 今回われわれのつくりましたこの救急医療整備構想、これは三カ年計画で全国的に整備するという構想でございますが、この構想の中におきましては救急医療というものを三つの段階に分けて考えておるところでございまして、初期救急医療、第二次救急医療、第三次救急医療、こういった救急医療を総合的に体系立てて整備することが必要だというふうに考えておるところでございまして、こういったいろいろな設備そのものにつきましては三年計画で現在考え得る救急医療に必要な整備を行っていこうというふうに考えておるところでございます。
 それで、こういうふうに救急患者さんを受け入れる体制の方につきましてはただいま申し上げましたような方法で考えておるわけでございますが、この救急患者を運ぶ搬送の部門と患者さんを受け入れる病院の部門、この間の関係が従来必ずしもスムーズにいっていなかったわけでございまして、そこにこの患者を受け入れる医療機関を探すための時間的なロスというものが従来からあったわけでございまして、こういった点に対しまして、救急患者の搬送とこれを受ける一次、二次、三次の病院との間の体系が機能的に働くようにということを考えまして、三カ年で広域的な救急医療情報システムを整備する、この病院の整備と並行いたしまして医療情報システムを整備してまいりたいと考えておるところでございまして、こういった整備ができますと、現在問題になっているような救急医療のいろいろな問題が一応片がつくというふうに考えておるところでございます。
#118
○新井委員 そうしますと、私が初め申し上げましたように、とにかく日本全国どこの地域にありましても、これはどういう病気かわからない、大変だなというときには、何らかの方法で連絡をとればその連絡によって搬送が行われる、そしてきちっとした病院に運び込まれて、そこではちゃんとした一応の手当てを受けることができることになるということですね。
#119
○石丸政府委員 ただいま救急医療について申し上げたわけでございますが、先生御指摘のようにわが国は非常に南北に長い地域でございまして、いろいろな地域があるわけでございます。現に救急医療でなくても、普段の医療が受けられないいわゆる僻地というものもあるわけでございまして、そういった僻地に対します医療、これはまた別の僻地医療対策があるわけでございますが、僻地医療対策と救急医療対策、この二つの対策をあわせ行うことによってわが国の医療供給体制を整備したいと考えております。
#120
○新井委員 三年計画で、どちらにしましてもそういう僻地の対策と救急医療体制において日本全国どこにあっても大丈夫なんだ、こういうぐあいにいまの答弁で了解をいたします。
 そこで、これは東京都の例でございますが「四十八年七月から、医師会委託で休日診療開始。一次相当の開業医二百カ所、二次相当の病院百カ所で、病院は空ベッド三床を確保している。四十九年には日本医大、東邦大、武蔵野日赤の三病院を三次相当の救急医療センターに指定、今年から休日の夜間について一次(二十カ所)、二次(十五カ所)の診療体制を輪番制などで確立した。平日の夜間については、現状では未整備。それでも年間十二億千二百万円を都が支出している。」こういうぐあいに、東京都というのは非常に大きい都でございますから、ほかの市であるとか県とは比べ物にならないかわかりませんが、その中で国の支出というのは九億九千六百万円ということになっておるわけですが、それより非常に多額の費用というものが要っているわけですね。こういう問題についてはいかがお考えになりますか。
#121
○石丸政府委員 先生御指摘のように、東京都は非常に人口の集中地域でございまして、都市化の一番激しいところでございまして、そういった意味においては救急医療が一番必要な地域だというふうに考えられるわけでございます。
 そこで、先ほど御説明いたしましたところでございますが、この救急医療に必要とするいろんな費用をどういうふうに今後考えていくかという問題でございますが、ただいま先生御指摘のように、東京都の場合は人件費が高いというような問題もあろうかと思います。われわれの方は全国的な平均でいろいろ計算をいたしておりますが、そういった点さらに今後努力してまいりたいと考えております。
 ただ、東京都の場合、たとえば第三次救急としてただいま先生御指摘になりましたように三病院が現在指定されておるわけでございますが、国の方といたしましては全国的にこれを整備するということでございまして、東京都の第三次救急のうち日本医大の病院のみを国の補助対象にしている。これはいろいろ全国的な整備を行うという順序等もございまして、東京都はそういった中においても特に必要だということでいろいろ御努力をされておると考えるわけでございますが、今後われわれの方といたしましてもさらにそういった点の是正については努力いたしたいと考えております。
 ただ、救急医療につきましてもやはり社会保険診療報酬である程度収入があるわけでございまして、時間外の診療、休日夜間の診療等についてのいわゆる社会保険診療における加算については、さらに担当部局の方と連絡をとりましてそういった点からの改善も努力してまいりたいと考えておるところでございまして、両方をあわせましてこういった救急を引き受ける医療機関の赤字という問題に対処してまいりたいと考えております。
#122
○新井委員 東京都の場合はそういうことで何とかしなければいかぬということでやっておりますが、病人というのは確かにお医者さんをプールしておかなければいけないということがございまして、では何人整備したらいいかということがまた非常にむずかしい問題だろうということもあろうかと思います。しかしながら、場合によってはまだまだ少ないということは当然考えられるわけでございまして、それが今後どんなデータ的な問題が出てきて、それをもっと充実をしていかないと、さっき局長が言いましたように、なかなかいついかなるときでも救急医療体制というものができない場合が出てくるんではないかということが一つあるわけでございます。
 そこで、もう一つお伺いしますが、病院群の輪番制の運営費というのは厚生省の方では年間二千五百万円と計算をしておるわけでございますが、この二千五百万円ということを計算した根拠というのは何なのかお伺いしておきたいと思います。
#123
○石丸政府委員 これは平均的な第二次救急病院を考えたわけでございまして、これが必要とする経費からその診療に伴う収入を引きまして残りが二千五百万円という、こういう平均的な第二次救急病院の姿を、実はこれは理論計算でございまして、実態はまたいろいろ今後実態調査しながら補正をしてまいりたいと考えますが、われわれのところで、初年度でございますので一つの理論計算をいたしまして、こういった数字を出したわけでございます。
#124
○新井委員 そうしますと、たとえて言いますと浜松市の例でいきますと、四十九年五月から一次、二次の救急体制を整備しているわけですが、一次は市立の診療所に夜間救急室を設置する、医師会の協力で午後八時から午前零時まで二人、翌午前七時までは一人の医師が診察に当たっている。看護婦は三人、事務員一人も当直。第二次は病院群輪番制で、国立、公的、私立合わせて八病院が輪番で救急を担当する。担当病院は医師が二人、看護婦四人、その他四人の計十人を救急専従に当直させている。比較的大きい四病院は六日に一回、小さな四病院は十二日に一回救急担当日が回ってくる。それで浜松市の支出は、年間運営費として一次分が五千万円、二次分が四千三百万円。こういうことになっているわけでございます。
 そうしますと、今回のこの国の方の考え方は、国と都道府県あるいは市町村で三分の一ずつ負担をするということになっておりますね。そうすると、現実にそういうぐあいにお金が要った分についての三分の一というものを明確に計算して払われる、こういうことになるわけですか。
#125
○石丸政府委員 必要経費のうち特に人件費についていろんな問題があるわけでございます。もう先生御承知のように、病院の医師のみでは病院の輪番制にも対処できないわけでございまして、外からの応援の医師を頼むという体制をとらざるを得ないわけでございます。ただ夜間開業医の先生を頼みました場合に、開業医の先生の収入を時間割りでやったら非常に膨大な人件費になるわけでございますが、われわれの方の計算ではやはり公務員である医師の平均給与をもってこの人件費を計算いたしておるわけでございまして、そういった点、現実の必要とする経費との間にある程度の差は出てまいるわけでございます。そういった点につきまして、やはりこの救急医療につきまして御尽力願う場合には、公務員としての一つのそういった人件費の枠というようなもので御協力を願いたいというふうに考えておるわけでございまして、その点現実にかかった費用から診療収入を引いた――現実の姿とは人件費の面等ては少し違ってまいるというふうに考えております。
#126
○新井委員 そこら辺がちょっと問題になろうかと思うのでございますが、現実にはこれは地方公共団体が何とか救急病院を指定しなければいかぬ。そこで自治体としましては、これはもう何しろ動かしていかなければいけないわけでございますから、なるたけお願いをして安くする、そしていま局長が言われたように公務員の医師の給料に合うようにしていただきたいとか、いろいろな交渉というのは全力を挙げておやりになっていると思います。しかしながら、それをやりましてもなおかつ、現実にはこれだけ要りました、収入もありますでしょう、支出もありますでしょう、その中でこれだけのお金が要りますというのにかかわらず、それを決められた三分の一なら三分の一というものを明確に支払っていかなければ現実的にはできなくなる、こういう危倶があるわけでございますが、その点はいかがですか。
    〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
#127
○石丸政府委員 先ほども申し上げましたように、一番問題になるのは人件費でございまして、これは先生もその点はそのようにお考えだと思います。それで、われわれといたしましていろいろな予算を組む場合あるいは補助金を支出する場合におきまして、やはり一定の基準を設けまして、その基準内で精算せざるを得ないわけでございまして、この基準を無視いたしますとやはりだんだん高い方に移っていくのではないかというふうに考えるわけでございます。われわれといたしましてはできるだけ実態に近いようには努力いたしたいと思いますが、やはりある程度の基準で算定せざるを得ないというふうに考えております。
#128
○新井委員 そうしますと、国の基準どおりのスタッフを一病院で確保するとすれば人件費は年間幾らぐらいかかるということは、厚生省では見ておりますか。
#129
○石丸政府委員 これは年間でございませんで、先ほど先生御指摘のように地区によってその輪番に当たる日数が違うものでございますので、われわれの方では一日当たりの人件費の計算を行っておるわけでございます。医師が二万二千百円、看護婦が六千六百円、パラメディカル八千二百円、こういう計算になっておるところでございます。それで国の基準で申し上げますと、医師二名、看護婦三名、パラメディカル二名、こういうことでございまして、計八万四百円という計算になっております。
#130
○新井委員 それは一日のことでございますね。全国自治体の病院協議会の方々が試算をしますと、大体国の基準どおりのスタッフを確保したとしまして人件費は年間で一億三千万円ぐらいになるのじゃないか。これは医師は週三十六時間労働です。それから看護婦さんは月に八日夜勤をする。こういう実態に即しての試算が出ておりますが、こういうことからいきますと、赤字必至の第二次機関については、病院のグループだとか医師会などが協力してくれるのかどうかということについては非常にむずかしい問題があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。
#131
○石丸政府委員 第二次救急につきましては、ただいま先生御指摘の病院間の輪番制の体制と、それから医師会病院等を中心といたします共同利用型の病院と、それから病院間の診療科協定型、この三つの型をそれぞれの地域の実情に合った方法で採用してもらいたいということでわれわれ考えておるわけでございます。
 ただいま申し上げましたのは輪番制の単価でございまして、そういった点、実態とある程度離れた数字だというふうには考えておるわけでございます。特に医師会病院等につきましては、これはほとんどの医師が開業している人でございまして、それが必要に応じて当番制で出ていく、こういうことでございまして、その点実態的に必要とする経費とはあるいは違うかもわかりませんが、やはりそういった点、われわれといたしましては地域の住民の医療を確保するという使命から考えまして医師会等に御協力を願う、そういったふうに考えておるところでございます。
#132
○新井委員 先ほどからのデータからいきますと、どうしても経営がむずかしくなるということがございますね。それを何とか地方の住民の方々のためにやろうとすれば今度は自治体が赤字で泣かなければいかぬ、そういう救急センターをつくったために非常な超過負担になるというような心配も逆に出てくるわけでございますが、そういうことについてはいかがお考えになりますか。
#133
○石丸政府委員 われわれといたしましてはそういった超過負担ができるだけ少なく済むよう、また超過負担のないよう、今後ともその改善に努力してまいりたいと考えております。
#134
○新井委員 そうしますと、ここでまた越谷市立病院の例をお話しするわけでございますが「住民の医療不安を背景に、一自治体が七十八億円を投じて作った救命救急センターだ。八ベットにICUを備え付けるなど、高度医療機器も多い。順天堂大系の二十九人の医師が勤務し、救急部門の当直医は三人。昨年一月オープン以来一年で休日、夜間の患者は六千百七十三人。臨時手術も百六十六回にのぼり、市民の医療不安は全く解消した。近くの草加、春日部両市などからも重症患者が運ばれている。医療面では素晴らしい実績を残している同病院が、財政面では一転して重荷となる。越谷市は病院建設の支出が主原因で、昨年度までの実質赤字二十億八千万円。市の年間財政規模の一〇%だ。これを解消するため「学校と福祉施設以外は建てない」超緊縮財政をとっている。病院会計自身、今年度二十億円の赤字が予想されている。医師会との協定にしばられて一般外来患者を受け付けられない、産科、整形外科を設置できない、などの制約があるためだ。二十億円の赤字について、市は一般会計から補てんしない方針を決めている。今後同病院の運営が軌道に乗っても、最低年間十億円の赤字は避けられないとみられる。雪ダルマ式にふくれる病院赤字をどうするか」ということが出ているわけでございますが、これなんかは全く市民の要望にこたえまして、市長がそういうことでいいことだということでつくったわけですね。
    〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
しかし、実際の運営というのは、完備すればするほどよけいこういうような実態になっているというこういう実態、御存じでございますか。
#135
○石丸政府委員 ただいま先生御質問の越谷病院につきましては、実はあの院長はわれわれの先輩でございまして、もと厚生省にいた人でございまして、その実態等については、われわれいろいろ相談を受けておるところでございまして、やはりそういった実態があることはよく承知いたしておるところでございます。
 ただ、先生御指摘のように、この越谷病院の赤字というのはいろいろな原因が重なっておるわけでございまして、救急医療だけの問題ではないわけでございます。そういった意味におきまして、特に自治体病院なるがゆえにある程度採算を無視して運営をしている面もあるわけでございます。特にICU、CCUというような高度医療について、やはり地域の要望に応じてある程度の採算を無視しながら運営をせざるを得ないというそういう使命があるわけでございまして、この自治体病院あるいは公的病院等の公的使命によって生ずるいろいろな赤字問題につきましては、また別の点から、特に自治体病院、公的病院等の特殊診療部門助成費として、そういった公的使命を果たすために生ずる赤字についてはまた別の面からの助成を行っておるところでございまして、われわれといたしましては、そういったいろいろな制度を総合的に利用いたしまして、個々の病院の赤字解消に今後とも努力してまいりたいと考えております。
#136
○新井委員 自治体病院にしろ、また私立の病院にいたしましても、昼間の普通のときの診察よりもやはり救急医療というものの方があらゆる面でお金がかかるんじゃないか。したがいまして、普通の一般の病院でも確かに言われるようにいろいろな問題があって非常に赤字になっておる。これは基本的に直さなければいけないわけでございますが、それにも増して今度は赤字の要素の多いこういう救急病院というものを三年間で何とかやるんだと言われるから、それならなお一層そういう財源的な問題というのはきちっとやらなければいけないではないか、こういう観点に立って私はいままで質問をさしていただいたわけでございます。
 それで、厚生省の構想の救命救急センターというのは、先ほども日本医大というあれが出ましたが、規模におきましても、中身におきましても、それよりも非常に小さなものであるというようなこともあるわけですね。したがいまして、私は厚生大臣にお願いをしておきたいわけでございますが、この救急医療の問題については、確かにいままで努力はされてまいったこととは思います。特に本年度は目玉商品と言われますかね、そういうことで非常に厚生大臣が力を注いだ問題でございますが、これは先ほどから話をしておりますように、昼間普通にやっている病院ですらなかなか大変な状態の中で、この救急医療について完璧を期すということは、予算面も大変でございますし、また医師会等の協力も得て万事がうまくいかないとなかなかできないように思うわけでございますので、今後ともそういう問題についてはひとつ全力を挙げてやっていただきたいということで、ちょっと決意のほどをお聞かせ願って、この問題については終わりたいと思います。
#137
○渡辺国務大臣 新井委員から御指摘のようたいろいろな問題があろうかと存じます。したがいまして、厚生省としてもできるだけの工夫はいたしてみますが、まあしょせん試行錯誤的なところも、これは思いがけないような問題もあろうかと思いますので、やりながら、さらに充実改善の方向で努力をしてまいりたい、かように考えております。
#138
○新井委員 次に薬害の問題についてお伺いしておきたいと思います。
 キノホルムが原因のスモン病や、腎臓病治療薬クロロキンによる重い視力障害の副作用など、薬づけ医療の中での薬害が大きな社会問題となっているわけでございますが、厚生省の副作用情報が報道されておるわけでございますが、現在まで厚生省が把握している情報の実態を明らかにしていただきたいと思います。
#139
○上村政府委員 厚生省がまとめております副作用の情報源というのは幾つかあるわけでございます。一つは、大学病院でありますとか国立病院その他の総合病院から集めます、いわゆるモニター病院からの報告と、それから新しく承認しました医薬品については、三年間メーカーに副作用の報告を義務づけておる。それから、すでに承認をされて市販されている医薬品の中でそういう期限を過ぎたものにつきましても、メーカーから報告がある。それからWHOのモニタリングシステムに加入しておりましてWHOを通じて入ってくるものもあるわけでございます。
 それで、五十年度の数字でございますが、モニター病院から報告がありましたのが三百三十六件でございます。それから、さっき申し上げました新しく開発された医薬品の副作用報告というのが、症例報告が百二十二、頻度報告というのが百十、それから新しく開発されたもの以外の医薬品についての副作用報告というのが百九ございまして、五十年度一年間で、WHOの情報を除きますと約七百件ということになるわけでございます。
#140
○新井委員 いま、そういう報告があるということですね、いろいろなところから、ということをお伺いしたわけでございますが、薬物による重い肝障害や寝たきりになったりしたケースなども報告をされておるようでございますが、その実態はどのようになっておりますか。
#141
○上村政府委員 モニター病院から報告されますのは、未知あるいは重い副作用症例に重点を置いておるわけでございまして、いま申し上げました五十年度三百三十六というのは、いままで知られなかったか、あるいは重い副作用でございます。
#142
○新井委員 一部の報道によりますと、これは自主報告だけでございますが、死者が二年に二十四人出ているということが言われておりますね。当然これは薬害ということはあってあたりまえではないかと思うわけでございます。いろいろと研究をして、これは大丈夫だろうという中で、たとえて言いますとスモン病みたいなものが出ておりますね。いろいろなものが出てくる。そうしますと、何が原因であったかということは非常に大事な問題でございまして、飲み続けておる方に、これは当然医師を通じましても、あるいはまたほかの手段をもっても、とめなければいけないということは厚生省の責任だと思うわけですね。したがいまして、そういうただ重くなったというようなことだけの報告をとるなんということではこれはもう何にも役に立たないのじゃないかと思うわけでございます。
 たとえて言いますと、厚生省がこのデータをとり始めたのは十年前に全国の国立病院などを対象として、ほかにもたくさんありますが、そういうデータをとっておるわけでございます。わが国では年間約七十万件にも上る人工妊娠中絶手術というのが行われているということを聞いておるわけでございますが、この中で麻酔薬とかそういうようなものによってショック死をされるとか、いろいろなこともあるように聞いておりますけれども、そういうことについてはどのような報告になっておりますか。
#143
○上村政府委員 麻酔薬ないし造影剤によるショックというものにつきましては報告があるわけでございます。ただ、副作用モニターから集められました情報というのはいろいろな情報があるわけでございますので、それを専門家からなります副作用調査会というところでふるいにかけまして、その情報というものを医療機関にきちんと流すように私ども努力をしておるわけでございます。
#144
○新井委員 じゃ、そういうことがいろいろ報告が入ってきますね。入ってきた中で、今度はそれがこういう副作用がありますよということについて、その情報が的確に把握されて、今度はほかの方々に対する情報の徹底というものがちゃんとうまくいっているわけですか。そういう徹底の仕方のプロセスというのはどういうぐあいになっておりますか。
#145
○上村政府委員 検討いたしましたものに参考文献による解説なんかを加えまして、二つのやり方で医療関係者への伝達を図っておるわけでございます。
 一つは、昭和四十八年の二月からでございますが、二カ月ごとに医薬品副作用情報というものを発行いたしまして、モニター病院、モニター報告医あるいは都道府県、関係団体に送っておりますし、同時に、医学、薬学関係の専門誌にその情報を掲載して公開をしておるわけでございます。
 それから、昭和五十年三月からは、特に重要な副作用情報につきまして、厚生省で「厚生省医薬品情報」という表題で約十五万部、直接医療関係者へ伝達をするというやり方をしておるわけでございます。
 こういった役所自身が直接行います副作用情報の伝達のほかに、そういった薬をつくっております企業に対しまして、ダイレクトメールなりパンフレットあるいは添付文書によって副作用情報というものを医療関係者へ徹底させるように指導しておるところでございます。
#146
○新井委員 そこで、私は二つのことについてお話をしていきたいと思うのでございますが、まず先ほどモニターという問題がございまして、そういう副作用があった場合にはいろいろ報告をするようになっておりますが、これが国立病院の九十四と大学付属病院の百十五、公立病院の五十五、民間が百九十八、合計四百六十二のところから得ていると思います。しかしながら、実際の病院の数というのは八千二百九十四の病院で、七万三千百十四の診療所がありますし、それから三万二千五百六十五の歯科の診療所があるわけでございますが、これに対してたったの四百六十二の病院というのは、モニター制度をするにしても余りにも少な過ぎるのではないかということが一つ考えられるわけでございます。
 それからもう一つの問題は、確かにいま言われましたように、医薬品副作用情報というのは隔月で発刊しておるとか、日本医事新報という専門誌にも載せておるというようなことはわかっておるわけでございますが、そういう副作用がありますよという報告された症例の中で、早くから内外の研究者がこれは危ないんですよ、こういうことがありますよと言われているにもかかわらず、それが伝達がおくれたために医療の現場に到達されていない。したがって同じようなことが繰り返されておるということで、結果的には二年間で死者が二十四人も出たというようにも考えられるわけでございます。そういうわけでございますから、この伝達というものを極秘というのではなしに、やはりいけないものはいけないし、危ないものは危ないわけでございますから、もっと多くのモニター病院をつくるとともに、当然やはりそれが非常に大事な伝達として、皆がわかるような形で伝達機能をもう一遍考える必要があると思いますが、その点についてはいかがですか。
#147
○上村政府委員 まず第一点の副作用モニター病院の数の問題でございます。先ほどもお答え申し上げましたように、副作用に関します判断というのは各診療科にわたる専門的な検討が必要であろうというふうに考えておりますし、同時に臨床検査施設が十分ある、そういう観点から総合病院を主体にお願いをしておるわけでございます。そして、その制度発足をいたしましたときには全国の大学付属病院と国立病院だけでございましたけれども、昨年は秋に都道府県を通じましてモニター制度に参加する病院の希望を募ったところ、約百九十幾つかの病院が出てまいりましたので、それを追加して現在、先ほどお話しになりましたように四百六十二の病院をモニター病院に指定しておるわけでございます。ただ、こういったものはより広い範囲が望ましいということはお話のとおりでございますので、今後とも都道府県を通じまして参加希望のあった医療機関についてはモニター病院に追加指定をするというふうに充実を図ってまいりたいと思うわけでございます。
 それから、副作用モニターの報告の公開の問題でございますが、副作用の情報というのは、医師が投与する薬が大衆薬といいますよりも多うございます。したがいまして、そういったことについて、医師なりあるいは薬剤師が読む雑誌に載せるとか、あるいは直接医療機関に送るというふうなことをしておるわけでございます。
 それから、大衆薬の場合にどうするかという問題があるわけでございますが、いわゆる一般用の医薬品については、むしろその薬の添付文書に必要な注意を記載させて、一般の消費者の注意を喚起させるのが一番いいのじゃないかというふうに考えて、そういうふうな指導をしておるわけでございます。
 ただ、報告の原票そのものを公開する問題につきましては、これは一つは患者のプライバシーの問題もございますし、同時に、こういったモニター病院に対しましては原票をオープンにしないという約束で副作用の報告をお願いしておりますので、この制度を維持、発展させるために、原票そのものはやはり私どもの方で預かって、それを分析した結果を公表するという形をとるのがいいのじゃないかと思うわけでございます。
#148
○新井委員 実害をなくすためには、どこどこの病院でどういう患者さんがこういうことがあったということまでは発表する必要はないとは思いますが、こういう薬はこういうときにはこうなるんだということについては、それは周知徹底しなければいかぬ、こういうぐあいに私は思うわけでございます。
 そこで、今後ともそういう問題については事故のないように徹底していただくこととしまして、医薬品の副作用による健康被害の救済に関する法律を提出するような予定ということを聞いておったわけでございますが、これがそういうことであったならば提案をされるのかされないのか。されないとするならば、されなくなった理由は何でございますか。
#149
○上村政府委員 医薬品の副作用というものは、いかに安全対策を講じましても避けられない場合が多うございます。そういう観点に立ちまして、救済制度の検討をお願いいたしましたのが四十八年の六月でございます。その結論がまとまりましたのが去年の六月。そういうことで、直ちに検討に入っているわけでございますけれども、いろいろ問題がございまして、まだこの国会に出せるかどうか確定しておらない、そういう状況でございます。検討する問題が非常に多いということでございます。
#150
○新井委員 医薬品の副作用の問題については、専門家が徹底的に調査をするということとともに、これはこういう使い方をしたら大丈夫だというぐあいに厚生省が認可をした場合は、やはり当然それに伴っての被害者の保護というか、そのぐらいの確信と決意がなくてはならぬと思うのですがね。そういう意味においては、早くそういうものを出していただきたい、こういうぐあいに思うわけです。
 行政管理庁、きょうお越し願っていると思いますのでお伺いしますが、行管では昨年十月から十二月にかけて、医薬品等の規制に関する行政監察を行っていると思うわけでございますが、これはいつごろ発表されるのか、それで、いま言っているそういう概要というものが明確に出てくるのかどうか、お伺いをいたしておきたいと思います。
#151
○佐々木説明員 御説明いたします。
 いまお尋ねの件でございますが、昨年第三・四半期に、医薬品等の規制に関する行政監察というものを実施いたしまして、現在中央段階の調査及び取りまとめに入っております。
 現在のところ、大体夏ごろを目途にして作業を進めているところでございますが、その私どもの調査の範囲と申しますのは、一つには、再評価、国家検定等の実施状況あるいは副作用情報等の収集、伝達の実施状況、それから薬事監視一般、さらに、製造業者等でいろいろの自主規制を実施いたしておりますが、そういうものの実施状況といったものを範囲に現在取りまとめを進めておるところでございます。
#152
○新井委員 いまのような調査だと余り効果がないんじゃないかと思うわけですね。いま一般的に言われておりますことは、誇大宣伝による無効果な薬品のはんらんが出ておる。事実至るところで宣伝がすごいわけですから、効くと思ったりしていろいろ飲んでいるような現状がありますね。それからまた、そういうものによる副作用がどのように起こっているかというようなことも調査をしなければいけませんし、それらを多量に消化して収入を図って保険財政にも影響を及ぼす医薬問題等のこともありますし、あるいはまた薬事審議会のあり方などについても、やはりきちっとした行政監察というものが行われなければならぬ。それでなければ、医薬品等の規制に関する行政監察といいましても、そんな一部門のものだけではならぬ、こういうことがいろいろと報道をされたりしておるようなことでございますが、こういう問題についても勇断を持ってメスを入れて、そして国民の皆さん方の健康と安全を図るという形でやっていただきたい、こういうぐあいに思うわけでございます。
 厚生大臣、さっき質問しようと思ったのでございますが、おられなかったので……。
 いまお話があったと思いますが、医薬品の副作用による健康被害の救済に関する法律案というのが実は四十八年からいろいろと議論をされておるわけでございます。ところが、これは中身に非常にむずかしい問題がありまして、いろいろ審議をしているところだと思いますが、厚生省が、この薬についてはこういうような仕様でこういうふうにしたらよろしいということで認可して使っておる現状である以上は、そういう薬を使って被害を受けられた方というのは、これはやはり何らかの形で救済するということも当然のことではないか、こう思うわけでございまして、この法律案のいろいろの問題点は多々あろうと思いますけれども、それを早急に煮詰めて、法律として出していただきたいということをお願いいたしておきたい、このように思うわけでございます。
#153
○渡辺国務大臣 私も同意見でございまして、副作用に対する何らかの救済策はつくらなければならぬ、こう思っております。しかし、新井先生御承知のとおり、薬というのはみんな毒でございまして、みんな副作用があるのですよ。そのためにどこで線を引くかというようなことは、非常にむずかしい問題の一つでございます。結局、飲み過ぎたために、わかっておっても副作用が起きるというものをどうするのか、それから実際薬は、副作用の問題はこの程度のものはわかるということで発売をしても、何万人に一人か何千人に一人か特異体質の人がおって、それで副作用が出るというような場合もあるわけです。そういうようなことやいろいろむずかしい問題がございまして、それらの問題点についてまだ技術的になかなか結論が出せない、そういう点がおくれていることの一つの大きな理由でございますけれども、いずれにしても、副作用が出たら患者の方は困るわけですから、そこを、まず副作用の出ないような厳格な薬の審査をやること、それから医者は医者として、薬はみんな多かれ少なかれアスピリンでも何でも副作用を持っておるわけですから、患者に投与する場合は、医者は専門家なんですから、そういうところで薬を変えるとか、いろいろな医者としてやるべきことをみんなやってもらうというようなこと、そういうようなことも全部含めて、なるべく早く結論を出すように努力をしておるところでございます。
#154
○新井委員 余り時間がないのでもう一つだけ簡単に聞いておきたいと思うわけでございますが、厚生年金保険と船員保険を掛けている人が住宅を建てたい場合においては還元融資の制度があるわけでございますが、その還元融資を受ける人というのは、どういう資格の人が受けられるのか、お伺いしておきたいと思います。
#155
○木暮政府委員 ただいまお話のございました年金の融資でございますけれども、還元融資の一環としまして、被保険者の個人住宅の資金を貸し付けておりますけれども、被保険者で一定の被保険者期間のある人に貸し付けをいたしておる次第でございます。
#156
○新井委員 そうしますと、その借りるときにおいては、何らかの条件は別につきませんか。
#157
○木暮政府委員 年金の資金でございますので、ただいま実施いたしております方法は、事業主に貸し付けをいたしまして、事業主がこれを転貸するという方法をとっておる次第でございます。ただ、中小企業におきましては、職員の福利厚生等を担当する職員も必ずしもいないというようなこともございまして、そういう場合に事業主を通じて借りるということも不可能であろうということを考えまして、事業主の組織しているような団体あるいは被保険者の組織している団体あるいは一定の民法法人等にもその転貸の仕事をするということを認めておる次第でございます。
#158
○新井委員 そうしますと、今度は、被保険者の住宅の転貸をしておる、そういう団体が貸し付ける場合は何か条件がつきますか。
#159
○木暮政府委員 民法法人等が貸し付けをする場合でございますけれども、私どもの方で承認をした団体に限りましてそれを認めておるわけでございますが、それを承認する場合には、そういう年金融資の事業に理解を持っていただいておる団体であり、かつ、どうしても手数料等が要るわけでございますが、被保険者等の手数料が大きなものにならないというようなことを条件にして承認をいたしております。
#160
○新井委員 そうしますと、ほかの条件はつかない、こういうぐあいに了解するわけでございますが、実は岡山県友愛年金福祉協会という協会があるわけでございます。ここの協会も、いま局長から言われたようなことで転貸しをやっているわけでございますが、その場合の条件といたしましては、ここにパンフレットがございますが、申込先というのが「社団法人岡山県友愛年金福祉協会および末尾記載の各地区指定建設業者」ということになっておるわけです。貸付の方法というところにも「(1) 指定工務店と打合せして見積書をつくってもらって下さい。及び、所定の様式による借入申込書を建築完成の二−三ケ月前までに当協会又は指定建設業者の窓口に提出して下さい。」ということがございまして、指定建設業者一覧表というのがついているわけですね。この融資を受ける場合に、自分が好きな業者を選んで、そしてあとの条件さえ整えば、当然その借り入れができると思いますが、いかがですか。
#161
○木暮政府委員 先ほど申し上げましたように、年金の資金の転貸を受けるということには一般的な条件はございますけれども、その他の条件はないわけでございます。それで、先生のお話のございました岡山県の友愛年金福祉協会でございますが、調査をいたしましたところ、指定建設業者というような制度をとっております。この指定建設業者という制度をとりました理由でございますけれども、厚生年金の還元融資、年金事業団の還元融資の場合には、建築ができ上がった後、その建築を確認いたしまして資金の交付をするというようなことをやっておるわけでございます。実際民間ベースで建築が行われます場合には、着工のときに三割、あるいはむね上げのときに四割、あるいは竣工のときに三割というふうに建設業者に注文者から資金交付をするというようなことのようでございますが、先ほど申し上げましたように、年金事業団の場合には、建築が全部終わってから資金交付するというようなことでございますので、その間の事情をよく知っている建設業者というものがあれば、そのつなぎ資金の手当て等を被保険者がしなくて済むということがあるわけでございます。また、年金事業団から言いますと、建築されました建物を担保にとるわけでございまして、その見積書の価値がないというような場合には担保価値が不足するというようなことが起こりますので、そこら辺も確実な見積もりをする業者というようなことが望ましいわけでございまして、こういう指定建設業者という制度をとりますのは、被保険者にとりましても便宜の面があろうかと思います。
 ただ、どういう業者を使わなければ融資を受けられないという制限はないのでございますので、この業者を利用しなければ年金事業団の融資は受けられないということでは困るわけでございます。調査をいたしましたところ、昭和五十一年度におきまして、その友愛年金福祉協会で貸し付けをいたしましたのが二百六十二件ございますけれども、指定業者の取り扱いが四十件、指定業者でないものの取り扱いが二百二十二件でございますので、その点はこの建設業者指定制度でもって、被保険者が自分の好きな建築業者で建築するということが阻害されているというようなことはないのではないかと思っております。
#162
○新井委員 時間がないのでこれでやめますが、まだまだこの件についての問題はあるわけです。たとえて言いますと、テレビで流しておる内容等についても御調査願ったかと思いますが、全く指定業者でなければ受けられない。まあこの協会そのものは県か何かがやっているのだろうというような、非常なそういう反応を示しておるというようなことがございますし、それからこのパンフレットで見る限りは、だれでもやはり指定業者でなければできないなという感じがあるわけでございまして、とにかくだれでも、その厚生年金保険であるとかあるいはまた船員保険に入っている人が、まあ事故はあってはいけませんけれども、そういうきちっとした手続を踏めば、そういうことでないような形でこの運用が行われるようにお願いしたいと思うわけです。
 それからまた、この枠の割り当てなんというものは全然ないと言いますけれども、新聞等で枠の割り当てなんかが発表されておりますので、こういうことについてもお聞きをしたかったわけでございますし、また別には、差額ベッドの問題とかあるいは看護婦さんの養成の問題とかあったわけでございますけれども、時間が参りましたので、これはこの辺で終わりたいと思います。
#163
○正示委員長 続いて、柴田睦夫君。
#164
○柴田(睦)委員 今回の改正案は、国立循環器病センターを設置するというものであるわけですけれども、いまはこの循環器病が死亡率第一位を占めるという残念な結果になっているわけです。
 そこで、厚生省は昭和四十八年度からこの成人病対策の一環として循環器疾患等の検診事業を実施しているわけですが、最初にこの実績、予算額と執行額はどうなっているのか、それをお伺いします。
#165
○佐分利政府委員 循環器疾患対策はすでに四十四年度から行っておりましたけれども、これは特に脳卒中等の死亡率の高い県に対する特別対策でございました。全国の市町村を対象にして循環器疾患対策を始めましたのは四十八年度からでございます。確かに御指摘のように、四十八年度、四十九年度は実施率が余りよくございませんで、予算も不用額を出したのでございますけれども、五十一年度になりまして、この予算は約四億三千万円でございますが、ようやくこの制度も軌道に乗り、各市町村の協力も得られて、五十一年度には不用額が出ないというような状態になってまいりました。
 なお、循環器の健康診断を行いました国民の数は約二百四十万人でございますが、これは私どもが補助的対象にしております一般住民の中でこの健康診断をお受けになった方たちでございまして、そのほか工場、事業場等で循環器疾患の健康診断をお受けになった方を入れますと約六百万人の健康診断をしたものと考えております。
#166
○柴田(睦)委員 四十八年度から五十年度まで、当初予算に対して執行額が下回っていたということですが、この理由はどこにあったのですか。
#167
○佐分利政府委員 まず、この制度は法律に基づかない予算措置による制度でございました。こういう関係で、市町村とかあるいは住民に健康診断を行ったりあるいは受けたりというようなことが義務づけられてはいないわけでございます。また、全国の市町村が対象でございますので、やはり各町村の行財政の状況等もございまして、このような制度は、初年度から一〇〇%近い実施率を上げるということは、過去の経験から見ても不可能でございます。そのような関係から、だんだんと成績も上がり、普及してまいりまして、五十一年度には当初の目的どおりほぼ完全に実施できるようになったものでございます。
#168
○柴田(睦)委員 結局は予算措置などの関係で市町村の体制などが整備されないということのようですが、しかし、四十九年度を最高として、それから五十一年度まで予算額が減らされた。しかし五十一年度には一〇〇%執行したということであって、五十二年度の予算を見てみますと、四十九年度よりもまだ少ない。こういうことになりますと、執行の方では完全にできる状況にあるのに、予算が四十九年度よりもまだ少ないということでは、これは厚生省の姿勢が問題だ、対応策が不十分であるということにならないかと思うのですが、この予算から見てどうお考えですか。
#169
○佐分利政府委員 できるだけ早く一〇〇%の実施率を実現いたしまして、予算を完全に消化する、また、翌年度の予算を増額していくということが理想的でございますが、先ほど来申しておりますように、町村の行財政の関係からなかなかそう一気にはまいりません。そこでやはり前年とかあるいは前々年の実績を見ながら次年度の予算を編成していくわけでございまして、四十九年、五十年のころは、そのような前年、前々年の不用額の関係から、新年度の予算が若干減額されるということがございました。しかし、先般御決定をいただきました五十二年度の予算では、先生よく御存じのように、約八千万円予算がふえているわけでございます。
#170
○柴田(睦)委員 この検診事業はいまでは都道府県それから市町村でも非常に活発になってきていると見られるわけです。会社とか官庁なんかで四十歳以上の成人病の検診を行うと、大体百人のうち二十五人は高血圧である、こういう報告があるわけですけれども、そこから見ても、検診というのは非常に重要な意味を持つということが明らかであるわけです。
 私は千葉県の循環器検診実施の状況の資料を見たわけですけれども、千葉県の場合は県単事業で検診を実施しておりまして、この検診事業に対する国庫補助というのは非常に少ないものになっております。こういうふうになっているのは、結局検診補助対象が都道府県と指定都市に限られている、市町村に対する補助ということではない、こういうことが原因になると見られるわけですけれども、この検診事業を本格的に進めるために、補助対象を広げる、市町村に補助をする、そういうことが考えられなければならないと思うのですけれども、これについてはどうお考えですか。
#171
○佐分利政府委員 循環器疾患対策は、先ほども申し上げましたように、四十四年度から特別対策を始めておりますが、この補助金は市町村に対する補助でございます。国が三分の一、県が三分の一、地元の市町村が三分の一の負担でございます。ただ、がん対策につきましては、これは四十一年度から実施いたしておりますが、がんの検診そのものが循環器の検診に比べてかなり高度な技術を必要とするという関係から、がんについては補助対象先を都道府県といたして一おります。
#172
○柴田(睦)委員 今回のセンターの設置は循環器病の治療にとっては確かに前進であると考えるわけですけれども、問題は、有病率、死亡率とも非常に高いこの循環器病にとっては、早期発見、早期治療ということが何よりも大切であるというように考えます。
 昭和五十年度国保保健婦業務研究会シンポジウムがありまして、その中で千葉の中央保健所長の発言があるわけですけれども、読んでみますと、千葉県の「長南町も結核を少なくしようということで、町長を先頭に町ぐるみで実績をあげ、その後、成人病にとりくみ特にガン検診を熱心に行いました。国保保険料は大体どこでも赤字ですが、長南町は検診とか衛生面に取りくんだお陰で罹病率が高い医療をうける割合も少ないので黒字となり、そのお金をガン、精神病の患者に無料で治療させるようにまで発展させました。」こう述べているわけです。このとおりであればまさに早期発見、早期治療で国保財政も好転するという効果が上がるわけですが、今回の設置予算を見てみますと五十六億円、検診は先ほど言われましたように四億八千万、これが国庫補助ですから、国庫補助は非常に少ないものになるということで、循環器病の治療に大きな期待を持てないのじゃないかというように考えられます。そこで、センター設置とともに検診事業にも多くの資金を投入する、検診対象も拡大する、こういう方向で進めるべきであるというように考えているのですが、この点大臣の御見解を伺っておきます。
#173
○佐分利政府委員 御指摘のとおり、すべての循環器疾患対策費の中で予防対策費の占める割合は一〇%以下でございます。しかし、これは対象事業のもともとの性格にもよるのでございまして、たとえば御審議願っております国立の循環器センター、こういったものを整備するというようなハードウエアには非常に金がかかるわけでございます。そのほか、先ほども国保でお話が出ましたが、医療費の負担というのはさらに何倍もお金がかかるわけでございます。もともと予防対策費というものは、医療費だとかあるいはセンターの整備費に比べれば非常にわずかなものでいいという本来的な性格がございます。
 そのほかに、確かに御指摘のとおり早期発見、早期治療をやるということが大切でございまして、全国民に初めから高度の健康診断をすることが望ましいわけでございますが、それにはまずマンパワーの問題がございます。医師とか看護婦の問題がございますし、また医者の方も、現在の循環器疾患の技術内容を見ますと、一般のお医者さんではまだ無理な点がございまして、やはり循環器疾患の専門のお医者さんにやってもらいたいというような問題がございます。でございますから、たとえば心電図の測定を全国民にやりますと、あの心電計で測定をするのは簡単でございますが、それを判読する、診断するのは大変なことでございます。また、専門医の数も少のうございますし、心電図の診断ができるお医者さんもそれほど多くないわけでございます。そういう関係から、五十二年度の新たな計画では各県で三カ所、一地区は約三万五千人から四万人ぐらいの地区を考えておりますが、各県で三つの問題地区をまず選んでいただいて、全国で百四十一になりますが、そこでは心電図の測定もまた眼底の撮影もやるということを始めたわけでございますが、ただいま申し上げましたようなマンパワー等の問題もございますから、またあるいはコンピューター等を使えばもっと簡単にできるのかもしれませんから、そちらの方をさらに研究開発するというような努力もしながら、できるだけ早く全国の全市町村でできるだけ多くの方に初めから高級な健康診断をしたいものと考えております。
#174
○柴田(睦)委員 いまの見解も大臣の見解だというふうに理解して、次に腎臓病の人工透析治療についてお伺いしますが、国立病院においてこの人工透析治療をやる場合の看護婦の配置はどうなっているのか、これをちょっとお伺いします。
#175
○石丸政府委員 われわれが各国立病院に人員を配置いたしております基準でございますが、人工透析装置四台に対しまして看護婦一名、そのほかに医師一名が加わりますが、看護婦で申し上げますと四台に対して一名の看護婦を配置いたしております。
#176
○柴田(睦)委員 文部省来ていると思いますが、この文部省管轄下の大学病院における看護婦の配置、これはどうなっておりますか。
#177
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。
 文部省所管の国立大学付属病院におきましての看護婦の定員措置につきましては、個々のそういう実情に応じて積み上げていくものではございませんで、教育研究とあわせまして高度の診療を行うという観点から、病院として基本的に必要な看護婦のほか、医学部学生の臨床実習や医学研究に必要な看護婦の定員を措置しておりまして、そういう全体の枠の中で具体的な配置計画を個々の病院の実情に応じてやっているということでございます。
#178
○柴田(睦)委員 それに関連するわけですけれども、私のところに来ております要望を見てみますと、これは国立千葉大学医学部付属病院のことですが、「昭和四十四年以来、七年以上、千葉大学で透析をうけている腎臓病患者は、透析中、看護婦がいないため、万一の事故を考えると不安な毎日をおくっています。加えて透析中、週三回、家族が六時間つきそわざるを得ず、家族にも負担が増大しています。厚生省の所管下の他の国立病院の透析については、看護婦が配置され、透析中、家族ではなく、看護婦がつきそっています。大学病院が文部省下にあることによって、国立でも看護婦の配置に相違があっては不均等です。」ですから「国立千葉大学医学部附属病院の透析医療について、国の負担による看護婦を派遣して下さい。」こういう要望であるわけですが、ここに書いてあるような実情では、確かに安心した医療が受けられないのではないか。そこから見ますと、医師の配置ということになるとむずかしい問題があると思いますけれども、看護婦の配置は大学内で十分対処できるのではないかと思うのですけれども、この点は配置するように指導しているのか、そういう考えがあるのかどうか、文部省にお伺いします。
#179
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、私どもは大学の付属病院というものの性格上、看護婦の配置につきましては一般の病院に比べましてかなり手厚く配置しているというふうに考えております。ただいまの先生の御指摘の実態につきましては、私ども直接まだ聞いてございません。けれども、人間の命に非常に関係のあることでございますから、大学の病院当局と十分相談をしまして、先生の御趣旨を徹底するようにしたいというふうに考えております。
#180
○柴田(睦)委員 これは千葉大だけではなくて、全国的にも共通してくる問題だと思うのです。それで、同じ国立でありながら厚生省下と文部省下、これが現実に不均等になっているということであればこれはおかしいことであると思うわけで、そういう意味では医療審議会などで十分論議して、やはり同じように扱うべきである。文部省の大学局長、それから厚生省の医務局長もこの医療審議会に入っておられるわけですが、その医療審議会などで均衡がとれるように進めるべきだと思うのですが、この点厚生大臣いかがでしょうか。
#181
○渡辺国務大臣 医療審議会にそういう趣旨で十分検討させたい、かように存じます。
#182
○柴田(睦)委員 次に、やはり要望ですが、歯科医療の問題についての要望が来ております。読んでみますと「現在、重度障害児者は、歯科医療を思うように受けられず、歯の痛みをがまんしての毎日をおくっている者も少なくありません。治療を受けられないでいる者は、痛みで一層の情緒不安定におちいりあるいは食事を拒絶、なだめて食事をさせても丸のみするなど、更生、健康管理に大きな障害となっています。」だから「国立病院で、積極的に障害児者の歯科医療をひきうけて下さい。また、その為の体制(麻酔医の配置、看護婦の増員)を確保して下さい。」こういう内容であるわけです。
 千葉県で実態調査をしたのを見てみますと、公立法人施設入所者のうち治療を必要とする者が六三・六%ある、そのうち七一・一%が未治療者である。東京都では五十一年度と今年度で都立病院の三カ所で障害者の歯科医療を実施しているということであります。国立病院でも早急にこれらが実施できるようにすべきであると思うのですけれども、この点はどのようなお考えか、お伺いします。
#183
○石丸政府委員 この身障者あるいは身障児の歯科医療については、先生御指摘のように、これは国立病院のみでなく、あらゆる歯科医療機関においてそういった取り扱いがなされることが望ましいというふうに考えておるところです。国立病院の歯科部門というものは全体の歯科医療の中ではわりにウエートが小さいものでございますので、すべての医療機関で身障者あるいは身障児に対する歯科医療というものが十分行われるよう今後努力してまいりたいと思いますが、特に国立病院について申し上げますと、これは従来から一般患者と同じような取り扱いをしておるところでございますが、なお今後の問題といたしましては、あらかじめ収容施設等との連絡を密にいたしまして、特別の医療というもの、この個別のケースとして今後配慮してまいりたいと考えております。
#184
○柴田(睦)委員 それでは次に、水道問題についてお伺いいたします。
 現在、水道問題は全国的に重要な問題になっていることは言うまでもありませんが、水源の確保を初め水道料金などで特に問題が生じているわけです。特に現在水道の普及率が八七%に達しているという現状の中で、安い水を安定的に供給する、今後もそれを続けていくということが重要になっていると考えるのですが、水道問題に対する大臣の基本的な考え方をお伺いします。
#185
○渡辺国務大臣 御指摘のように水道は大変普及をいたしまして結構なことでございますが、水道から供給される水については、正常な水であるということ、それから十分に水が供給されるということ、それから低廉であるということ、これは水道法でも規定をしておるところでございます。したがって、法律に書いてあることですから、この目的が達せられるように今後ともいろいろな工夫をこらしていきたい、かように考えております。
#186
○柴田(睦)委員 「水道の未来像とそのアプローチ方策について」という生活環境審議会の答申があるわけです。その中に「水道は国民生活上不可欠の施設であるという認識のもとに、国および地方公共団体は、国民に等しく、均衡のとれた負担で、同質のサービスを受けられる状態を目標に、その生活に必要な水道水を確保供給するという方向を定め、これをナショナルミニマムとして確立すべきである。」こういう指摘があるわけですけれども、この点について厚生省はどういう努力をしてきているのかということをお聞きします。
#187
○国川政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生が申されましたように生活環境審議会から水道の未来像というものが答申されておるわけであります。考えてみますれば、水道がこのように普及してまいりましたのは特に昭和三十年代の後半に入ってからでございます。それまではともすれば水道事業というものは、一部の地域の人たちの特定の需要者を対象とした事業ということで歴史的に発展してきたわけでございます。ところが三十年代以降いわゆる都市化と申しますか都市への人口集中、増加等、あるいは水道用水の急激な需要増がございます。しかも生活水準も向上しておりますので、その答申にもございましたように、少なくとも生活に必要な水は必ず確保される、そういう状態で、なおかつただいま大臣から申し上げましたように正常な水を必要十分なだけ供給するという姿勢を貫き通すべきもの、こういうふうに考えておるわけでございます。普及率も九〇%に近い状態になっております。なお未普及の地域が残されているわけでございますが、今後水道行政の第一の目標といたしまして、そういう未普及地域の解消あるいは必要な水は必ず確保していくという姿勢を貫き通していきたい、このように考えておる次第でございます。
#188
○柴田(睦)委員 安い水をどう供給するのか、また水源を生活優先、飲み水に優先的に確保することということは、これはいまの差し迫った重要な問題になっているわけです。
 この点で具体例を挙げてお尋ねするのですけれども、それは北千葉広域水道の実例です。まずこの北千葉広域水道は千葉県と七市二町に水を供給するということになっているのですけれども、これは四十八年の三月と五十一年の四月にそれぞれ認可の申請が出ておりますけれども、当初の計画が変更された理由、これをまずお伺いします。
#189
○国川政府委員 北千葉広域水道企業団は千葉県を含めました一県八市一町の水道事業が集まりましたいわゆる一部事務組合でございます。これは四十八年の三月からいわゆる創設事業ということで設立されまして事業の認可が行われたわけでございますが、取水地点が変更になりまして、四十九年にその計画の変更の申請が出てまいりまして、やむを得ないと考えまして計画の変更が行われております。その内容は取水地点の変更でございます。
#190
○柴田(睦)委員 取水地点が変更するということですけれども、取水量や給水量は変わりませんし、北千葉導水路からの水をもらうことは従前から決まっているわけですから、取水口を変更するということは必要じゃないんじゃないかというように考えるのですけれども、どういう変更しなければならない理由があったのですか。
#191
○国川政府委員 水源は利根川水系の江戸川でございます。当初計画の地点につきましては、浄水場からできるだけ近い地点から取水したいということで、これは具体的には流山市でございますが、そこで予定いたしたわけでございます。その後利根川と江戸川を結びます流況調整河川工事としまして北千葉導水路等の計画が並行して進められておりまして、その取水計画につきまして細部を河川管理者と当該企業団と協議検討いたしました結果、当初の予定地点よりも下流で取水することが取水の安定上はなはだ好ましいということになりまして、下流に変更されたものと承知しております。
#192
○柴田(睦)委員 そうしますと、四十八年四月の段階では厚生省側と河川管理者である建設省側の間での十分な調整がなされていなかったということになるのか、そのように考えられるのですが、いかがでしょうか。
#193
○国川政府委員 通例、水道事業の認可の申請が行われました場合に私どもで最も関心を持って検討いたしますのは、いわゆる取水が確実であるかどうかという意味での水利権の取得の見通しの問題でございます。通例水利権の取得の見通しにつきまして建設省とは十分協議いたすわけでございますが、個々の取水地点につきましては建設省とは協議いたしておりません。もっぱらこれは申請者のサイドの要望を尊重いたしたわけでございます。
#194
○柴田(睦)委員 そうしますと、水道法の二十八条には認可の基準が書いてあるわけですけれども、その中の「当該水道用水供給事業の計画が確実かつ合理的であること」このことから見ますと、その取水地点についても十分な協議がなされなければならないものであり、これをしておらなければ認可が、言っては悪いけれども、いいかげんになされる、あいまいであるということになってしまうのじゃないかと思うのですけれども、この法律の関係ではどうでしょうか。
#195
○国川政府委員 その計画の確実ということがどこまで具体的な個々の時点についての話になるかということでございますけれども、用水供給事業の場合特に重要な点は、計画給水量、給水対象、あるいは浄水方法、水源の種別、もちろんその中に取水地点も入っておりますけれども、水道法で計画を検討いたします場合はいわゆる基本的な事項だと考えているわけでございます。具体的に工事を施行いたします場合には、一級河川でありましたならば当然建設省との工事に関する細部協議が必要になってくるわけでございまして、実施の段階は別途に細目の協議をいたすことになるわけでございます。そういう意味で、かつ事業そのものがかなり長期にわたっての事業になりますので、全体的な運営の見通し等を基準に基いて診断いたすわけでございます。そういう意味で、この江戸川の下流といいますか中流以下で取水するということについての見通しは、これは関係省庁の間で従来から、かねてから承知している段階でございますので、具体的な地点と申しますか、細目まではこの基準に反するということにはならないというように理解しているわけでございます。
#196
○柴田(睦)委員 私がこの問題を取り上げますのは、結局取水口の変更によって給水原価がえらくはね上がるという問題があるからです。これは最初のときは一立方メートル四十四円であったのが結局百十五円に上がるということがあるわけです。北千葉広域水道企業団の資料によりましても、それは時期が違うわけですから、全体計画として二・六倍になるわけですが、取水口の変更に伴って上がる事業費の上昇は、その分を見ると百九十九倍になるわけで、全体の計画の中でこの取水口の変更によって占める割合が三〇%になっているわけです。それで、こうはね上がっては給水原価がまた上がるということになるわけで、取水口と浄水場の分離によって導水管工事がむずかしくなって、またそこでも原価がはね上がるということになるわけです。だから認可のときに取水口の問題まできちんとしておかないと、後で高い水を飲まされるようになってしまうということになるのですけれども、こういう点はどう考えておられますか。
#197
○国川政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、当初の全体総事業費は約四百五十億ともくろんでスタートしたわけでございます。四十八年でございますので、その事業費の単価は四十七年度単価で試算したわけでございます。その後、御承知のようにいわゆる石油ショックの問題を受けました物価の値上がりというもの、これが実は大変大きく響いたわけでございまして、御承知のとおり四十七年と今日比較いたしますと、約二倍近い物価の上昇がございます。そういったこともございまして大幅に事業費がふえたわけでございます。
 なお、そのほか実施設計に入りました段階でパイプの、送水管の路線を変更した方がよりベターだというような場合等もございましたし、あるいは浄水施設の方法等についても若干検討を加えたというようなことがいろいろございまして、導水路の延長が長くなったということももちろんございますけれども、全体といたしまして給水原価が二倍以上になったわけでございます。それで私どもといたしましては、当然ではございますけれども、基本計画の段階でも事業費そのものはできるだけ正確なものを積算して、そうして計画を進めたい、事業着手に当たってそういうことを遺憾のないようにいたしたいというように考えております。
#198
○柴田(睦)委員 結局高い水を飲まされるということが問題であるわけですけれども、給水原価の上昇を抑えて安い水を供給するというためには、結局はいまの制度から言えば、国庫補助を大幅にふやさなければならないということが基本だと思うのです。北千葉広域水道の例をとっても、五十一年度は事業費二百三十三億に対して認可申請書の予定額、これは四十億円になるわけですが、実際には国庫補助はこの事業費の一〇%にしかならない二十三億円しか出ていないわけです。こういうことですから、安い水の供給は不可能になるわけで、地方公共団体や関係団体では、水道用水は下水道や工業用水に比べ補助率が法定化されていないためにこういうことになるのだと言っているのですけれども、政府としては、水道法に法定補助を組み入れる必要があると私は考えるのですが、政府、厚生大臣としてはどうお考えですか。
#199
○国川政府委員 水道に対します国庫の助成の問題でございますが、特に、私どもとしまして、上水道関係に対する国庫補助につきましては実は毎年予算の額の増額を図っているところでございます。特に、上水道に対する補助の中では、こういう広域水道と同時に、水源、ダムの建設費に対する助成というものを行っているわけでございます。五十二年度、本年度の予算におきましても、対前年度比三〇%増しの約四百億近い国庫補助を予定いたしているわけでございまして、なお、北千葉広域水道につきましては、五十二年度からいわゆる特定事業ということで、広域水道全体の補助率が一般的に四分の一でございますけれども、特に特例的にこれは三分の一に引き上げる。これは事業全体も大変大規模であるし、コストも非常に高いという観点からそういう措置をとる予定にいたしているわけでございます。
 私どもといたしましては、いわゆるできるだけ低廉なと申しますか、異常に高くなりますコストをできるだけ抑えていきたいという観点から、そのような補助を行っているわけでございまして、予算上の措置といたしまして今日進めているわけでございます。今後とも、その施策につきましては十分に進めてまいりたいというふうに考えております。
#200
○柴田(睦)委員 私は法定補助を取り入れなければなかなか前進しないということを言っておきたいと思います。
 補助が少ない実情の中で、結局、財源は起債に頼らざるを得ないというのが現状であるわけです。自治省の方にお伺いするのですが、水道事業に係る起債のうちで、政府債、公庫債それから縁故債、この比率は五十二年度は一体、おおよそどういう率になっているのか、お伺いします。
#201
○田井説明員 五十二年度の地方債計画における上水道事業債の資金区分で申し上げますと、総額は七千百五十億でございまして、このうち政府資金が二千三十億でして、二八・四%でございます。公営企業金融公庫資金が三千二百三十六億でございまして、四五・三%でございます。そのほか共済資金、市場公募債、縁故債等がございます。共済資金は百二億でして、一・四%、市場公募の方は七百四十億でして、一〇・三%、縁故資金が千四十二億の一四・六%、このようになっております。
#202
○柴田(睦)委員 そうしますと、大まかに言うと三対五対二というような、これが五十二年度の内容であるわけですが、振り返ってみますと、四十八年、四十九年、五十年、このころは政府債の方が五になっているわけです。利率からいっても政府債が一番低いわけで、そういうことから見ますと、政府債の割合がだんだん低くなってきて、縁故債との利率の差あるいは公庫債との利率の差そのものが事業の上にのしかかって一層高い水になってしまうという現状にあるわけです。この起債措置については、四十八年、四十九年当時やっていたように政府債の比率を高める、こういうことが必要であり、そのための努力をする必要がある、それによって安い水の給供ができる、そのために役立つと思うのですけれども、そういう政府債の率を高めるということについて大臣はどういう考えでおられるか、どういう対策をとられるか、お伺いして終わります。
#203
○渡辺国務大臣 御指摘のとおり、政府債の比率を高めていった方がやや有利になることは事実でございます。償還期限の問題でも二年ぐらい長い、それから約〇・五%ぐらい違いますかね。ですから、われわれとしてもできるだけ政府債をふやすように側面からやっておるわけでございますが、やはり国の財政事情が非常に窮屈になったことが反映をして政府債が減って私募債がふえたというのが結果論だろうと思います。今後とも政府債を少しでもふやしてもらうように努力をしてまいりたい、かように考えております。
#204
○柴田(睦)委員 事人間の水の問題ですから、大いにがんばってもらいたいと思います。終わります。
#205
○正示委員長 続いて、中川秀直君。
#206
○中川(秀)委員 なるべく簡潔に御質問いたします。
 まず、厚生省設置法の一部改正案、当委員会でいま審議をしているところでございますが、この循環器病センター、国民の健康を守る措置として大いに歓迎をするものであります。しかし、ここでひとつお伺いをしたいのは、この提案理由説明にもございますが、循環器病というのは死亡率の一位を占めるという大変な、国民にとって一番こわい病気でございますけれども、その循環器病と同じように、現在成人病のもう一つの大きな病気として腎臓病というものがございます。大臣、これはよく御存じだろうと思いますけれども、腎臓病について、今回これから設置をしようとするような循環器病センターのような施設が現在わが国にあるのか、どのような措置をとっておられるのか、簡単にお伺いをしたいと思います。
#207
○石丸政府委員 ただいま先生御質問の腎臓病のうち、特に腎不全対策としていろいろなことを従来から行っておるわけでございますが、現在、国立病院医療センターにおきまして腎疾患の病床を整備するとともに、その原因の解明、治療方法の確立に努めておるところでございます。
 それで、今後の問題でございますが、腎疾患に対しましては、治療の方向として二つの方向があるわけでございます。一つは人工透析の問題、一つは腎移植の問題でございまして、この二つの方向が非常に大きく分類できるものでございますので、われわれといたしましては、総合的な腎センターを設置するというよりは、むしろそれぞれの分野に応じて専門の施設をつくった方がいいというふうに考えておるところでございまして、たとえば人工透析についての研修センター的なものといたしましては国立の王子病院、腎移植のセンターといたしましては国立佐倉病院というふうな方向でやっておるわけでございまして、研究は国立病院の医療センターで行う、こういうふうに国立の医療機関の連携を保ちながら総合的に今後その対策を立ててまいりたいと考えております。
#208
○中川(秀)委員 いまの御答弁だとかなりやっているという印象になるのですが、私もささやかに厚生省で記者活動もしたので経験があるのですけれども、この循環器病だって、国立病院の医療センターあたりでは分類していろいろなことをおやりになっていたのです。今回これだけの、全部で幾らお金がかかっているのか、五十六億ですか五十二年度予算、これだけのことを循環器病についてはやるということになった。それだけの社会的ニーズがあるからおやりになるに決まっているのです。腎臓病だって同じなんです。この程度でやっていると言えるのですか。この循環器病センターと同じぐらいやっていると言えるのですか、いまの御答弁で。
#209
○石丸政府委員 金額的には、ただいま御質問のように、循環器疾患に対する研究対策費とそれから腎疾患に対する対策費、大分研究費の面では違うわけでございますが、先生御承知のように、特に人工透析等につきましてはすでに実行段階に入っておるわけでございまして、その人工透析の施設整備というようなことでは、むしろ患者さんの問題としては全国的にこれを整備することが必要だというふうに考えておるところでございまして、一カ所に集めてということになりますと、先生御指摘のように非常に格差があろうかと考えております。
#210
○中川(秀)委員 行政は公平でなければなりません。とりわけ人間の健康に関することですから、そういった措置は当然公平でなければいけないのでありますが、いま局長の御答弁にもございましたけれども、人工透析は確かにもう身近なところでやらなければならないことでございますから、一カ所にということはそれは無理だろうと思います。
 しかし、わが国において大変おくれているのは腎移植の方の研究あるいはそういった施設でございますね。特に、全国の腎臓病患者等でつくっている協議会は、腎臓バンクというものを大変強く要求しておられる。腎臓病患者は全国に三十万から五十万いると言われておりますけれども、欧米なんかの腎移植に比べると日本はまだ三十分の一だ、こう言われているわけでございまして、こうした大変な数に上る腎臓病患者に対して、腎移植の腎臓バンクですか、こういったことについてこれからどのような方向で、どのような御決意で臨まれるのか、ひとつお伺いしたいと思います。
 大臣にもひとつ、私がなぜこんな御質問を申し上げたかといいますと、先般、提案理由説明をなさっておりましたときに、私もかなり国なまりがございますが、大臣は栃木なまりが非常にあって、循環器病というのがみんな「じんかんき」病に聞こえるのです。そこで私は、腎臓病の人たち、これはもう大臣の言葉どおりそのまま聞いたら大変喜ぶんじゃないかと思って聞いたわけでございますが、ひとつ大いに、やや悪乗りをした言い方になりますけれども、腎臓病についてもこのようなことについて御努力を願いたい、こう思うのであります。ひとつお尋ねをしたいと思います。
#211
○渡辺国務大臣 中川さん御承知のとおり、昭和十年ごろは、一番死因で多いのは結核ですわね。その次は肺炎、それから胃腸炎、脳卒中、老衰という順序だったそうですが、最近は変わってきまして、一番多いのが脳卒中、その次はがん、それから心臓病、肺炎、それから事故というのが大体五つぐらいに入る。
 そこで、かんは世界一のかんセンター――私は厚生省の持っている中で一番の宝物はがんセンターだと思うのですよ。これは大体世界一のレベルに研究所なんかなっておるというので、こういうふうなことをつくって、西の方には「じんかんき」ではなくて循環器センターをこしらえて、これを西の方でやはり日本一のものにつくり上げていこうと始まったところなんです。
 したがって、今後、やはり病気で一番数多い死因になっておるというものから手がけたわけでありますから、これはこれで軌道に乗せる。腎臓の問題もこれは大変なことでございますので、せっかくの御指摘でもございますから、さらにこれは研究等を進めていくように努力をしてまいりたい、かように考えております。
#212
○石丸政府委員 方針につきましては、ただいま大臣が御答弁申し上げたような点でございますが、具体的に来年度どういう計画を持っているかということにつきまして事務的にお答え申し上げますと、先ほど申し上げましたように、国立佐倉病院を中心としてこの計画を進めたいというふうに考えておるところでございます。先生御指摘のように、腎移植はわが国では非常に例数が少ないわけでございます。外国に比べますと非常に少ないのでございますが、その主な原因として考えられることは、やはり提供者が少ないということでございます。わが国の腎移植の大部分は生体腎、すなわち生きた人から取っている、大体が親子関係でございますが、やはり今後これを進めるためには死体腎、死者の腎臓を利用するという、こういう方向に進まざるを得ないわけで、その際一つの大きな問題になりますのが拒絶反応というものでございまして、そういう検査体制を整えておく必要があろうかと思います。それで、あらかじめ腎提供希望者を登録いたしておきまして、生前にいろいろ検査をし、またその受け取ることを希望する患者さんの側の検査も同時に行っておきまして、生前すでにこの患者さんとこの提供者とがやれば拒絶反応が起きないというような検査を従前からやって、それを登録をしておくということが必要かと思うわけでございまして、そういう登録業務並びに検査業務を国立佐倉病院で行いたいというふうに考えております。
#213
○中川(秀)委員 ひとつ大臣の御決意のとおり、御努力を願いたいと思います。
 次に移りますが、やはり国民の健康を守るという観点から、私もそう予備知識があるわけではありませんけれども、検疫のことについてひとつお伺いをしたいと思います。
 わが国の検疫、ともすれば新聞等で拝見をするのは、国内に帰られて、あるいは日本に入ってきてから発病した、コレラの患者が出た、大あわてで入国の経路を調べたりしているということが往々にして見られるのでございますけれども、伝染病における潜伏期間、この潜伏期間で入ってくることについて、わが国の検疫体制はこれをチェックができるのかどうか。もしそれが不十分だとするならば、それについてどのような手だてをこれから講じていったらいいのか、ひとつこの点だけお伺いをしたいと思います。
#214
○佐分利政府委員 結論から申しますと、世界一流の水準でチェックをいたしております。
 具体的なやり方でございますが、伝染病の蔓延地区から帰ってまいりまして、実際にかかったおそれはあるけれどもまだ症状が出ていないという方については、ここにございます指示書、ホワイトカードを差し上げるわけでございます。十四日以内にもしも症状か出れば――症状か具体的に書いてありますが、最寄りの保健所だとか医療機関にかかってください、また一方、そのような指示を、その入国者が参ります都道府県知事に連絡をいたしております。
 またもう一つは、実際に病毒に汚染したという疑いはないけれども、非常に蔓延している地域から帰ってきた、したがって、もしかすると感染しているかもしれないという場合には、このようなイエローカードをお渡しするわけでございまして、これにはやはり、あなたは危険な地区から帰ってきたのだから、症状が出たらすぐ最寄りの保健所だとか医療機関に連絡するように、これは「あなたの健康のために」というイエローカードでございますが、こういうものをお渡しいたしております。一方、検疫所の方は、空港検疫も海港検疫も、そういう患者さんが一体国内でどこに行くか、どういうふうな行動をとるかというようなことを別のカードで持っております。これは日本とかアメリカがやっております世界最高の水準のチェック方式でございます。
#215
○中川(秀)委員 それは汚染地域から帰ってきた人には全員にその黄色のカードは渡すわけですか。
#216
○佐分利政府委員 汚染地域というのは、たとえばペストがインドネシアに流行していると申しますが、インドネシアの全域ではないわけでございます。インドネシアの一部の地域だということになりますので、そういった地域を通過した、停泊した、あるいは泊まったというような方々にはお渡しをするということでございます。
#217
○中川(秀)委員 わかりました。
 次に移ります。これまた若干細かい問題になりますけれども、食品衛生法のことについてひとつお伺いをしたいと思います。
 食品衛生法の食品衛生監視員制度というものがございますけれども、これによりますと、たとえばレストラン、飲食店あるいはその他魚肉練り製品製造業とか魚介類販売業とかあるいは牛乳屋さんだとかそういったところは年間十二回同じ店を監視し、指導しなければいけない、あるいは喫茶店、最近はやりのスナック等は年間六回あるいは清涼飲料水の製造業になりますと年間四回、氷雪製造業年間二回、おもちゃ年間一回、こういうふうになっている。ところが、どうなんでしょう、大変件数もふえている。そして製造業自体も大変大型化しているわけです。これの基準がつくられてから相当年数がたっているはずですが、一方で自治体からは、第一こんなに食品衛生監視員がいないではないか、同じ店を毎月一回なんというのはとてもできないではないか、現実にこの十分の一もようやれぬという声が大変強く出ている。法の方はこういう決まりがあって実態は全くできないという大変なギャップがここにはあるのでございますが、これについて厚生省のお考え方と今後の対処をひとつお伺いをしておきたいと思います。
#218
○松浦政府委員 ただいま先生御指摘のように、法律に基づきまして監視する回数というのは、レストラン等十二回というのは非常に多いわけでございます。これは一つの基準として示しておるわけでございまして、政令にもそのような書き方がしてあるわけでございますが、これを基準としてやるように、こういうことでございます。それが、平均しますと相当低いというのはおっしゃるとおりでございますが、私どもの指導としまして重点的にやるというのが一つと、それから、これはあくまでも一種の目標みたいな考え方であるわけでございまして、そういう意味で、たとえば特別牛乳の搾取処理業なんというものに対しては十二回やれというのを十・五回やっているとか、乳処理業は九・三回やっている、こういうふうにそれぞれ必要なものに実際には重点的にやっている。しかし、平均すれば、おっしゃるように非常に少ないということでございます。
 それで、今後どうするかということでございますが、いまのところ、これは努力目標ということで、やはり政令はそのまま残しておきまして、それで実際にやっているやり方としましては、食品衛生指導員という自主的な組織を現在各都道府県につくってもらっておるわけでございます。こういうところに補助金を現在出しております。昭和五十二年度におきましては約七千五百万の予算を計上してあるわけでございますが、この人数が全国でいま大体五万人ございます。こういった方々の活躍にうんと力を注ぎまして、そして自主的にやることに主力を注いでいく。もちろん食品衛生監視員の定員をふやすということも努力はするわけでございますが、これはおっしゃるとおりに非常にかけ離れておるわけでございますので、そういった自主的な活動ということに大いに期待していきたい、こういうふうに考えております。
#219
○中川(秀)委員 一つの基準であり目標であるとおっしゃいますけれども、その基準であり目標が実態的にはともかく、数字はあえて求めませんが、かなりかけ離れていることは事実なんです。かけ離れているのが当然のような感覚になって、やってもやらなくともいいのだという感じになっていくことが実はこわい。政令を一つ直すということはある意味では勇気の要ることかもしれませんが、しかし実態に即して、かつこれだけは少なくともやれというようなものをぴちっとお出しにならないと、食中毒というのは時に少ない年もあれば多い年もございますけれども、年々かなりの方々がお亡くなりになっていることも事実であります。私は行政というものはそういうぐあいに最低にこれだけはやれという一つのきちっとしたものを持っていかないと、大分時代もたっている政令でもございますし、基本的な御検討を加えていただいた方がいいのではないかという感じがするのであります。いま一度御見解を聞きたいと思います。
#220
○松浦政府委員 確かに先生御指摘のとおりでございます。ただ私ども非常に不安に思っておりますのは、この政令ができた当時と現在と食中毒の数はどうかといいますとやはり変わっていない。食中毒がうんと減ったという効果も上がっておりません。そこで政令を変えることによって逆にもっとルーズでもいいのじゃないかというふうな気が起きるのではないかという危倶も一方にはあるわけでございます。もう少し指導員の活躍をうんとやってもらうということをやりましてその成果を見ながら検討したい、こういうふうに考えます。
#221
○中川(秀)委員 一度大臣に御提案をしたいのですが、この環境はどの程度調査ができておって、その効果のほどはどのくらいで、最低これだけはやらなければいけないだろう、あるうはこういうケースの場合は特に重点的にやらなければいけないだろうというようなきちんとしたものをおつくりになった方がいいのではないか。めんどうくさいことを言いやがる、こう思っていただいては困るのでありますけれども、ひとつそろそろお考えいただいた方がいいのではないか、こう思いますが、大臣もしお考えがあったら、すぐやれということではありません、しかしそういう方向に向けていただきたい、こうお願いを申し上げておるわけで、ひとつお考えがあったら御答弁願いたいと思います。
#222
○渡辺国務大臣 あなたの指摘するように年間十二回と決めておいて三回ぐらいしか見ないのでは何のために十二回決めておくのだという議論が当然なんですよ。それでは四倍に監視員をふやせるかと言われたらとても言うべくしてそう簡単なわけにはいかない。これは昭和二十何年かの終戦直後にできたものですから、いまとはかなり時代も違う。しかしいま局長が言ったように、ともかく十二回とうるさく言っているのに、食中毒があるのに今度半分にして実態に合わせたらもっとたるまれてはかなわぬということも心理的にあるかもしらぬ。ですからそこらのところをよく考えて実態になるべく合ったような形で検討することも私はいいのではないかという気もしますが、余り専門的なことなので私がここでしゃべり過ぎて引っ込みがつかなくなっても困りますから、これはあなたの趣旨を体して事務当局とも検討してみたい、かように思います。
#223
○中川(秀)委員 御努力をお願い申し上げておきます。
 厚生省の行政の仕組みの問題になりますが、年金のことについてちょっとお伺いをしたい。
 十八日、昨日から社会保険庁業務課において年金相談センターというものが開設されました。いままで電話相談一日二千件処理していたのを三千件処理するのだ、こういうことでコンピューターを増強したり電話を新たに二十四台ですか設置をされたりすることになったということでありますけれども、これは国会の質疑でも何回も出ていることだそうですが、相も変わらず昨日電話をしたら話中である、電話がつながらないという人も実はおられる。いろいろお話を聞くと、一日に少なくとも五千件ぐらいは電話が入っているらしい。それに対してまだ三千件である、そういう実態だ、これは正しいのか正しくないのかも含めてお伺いをしたいのでありますけれども、そういうことだそうであります。年金のことについて後ほどまた詳しくお伺いしますが、自分の年金が幾らか計算ができる人はひょっとしたら厚生省の方にもいらっしゃらないかもしれないぐらい複雑な年金制度でございます。その中で特に差し迫った問題として、なかなか裁定がおりてこないけれども一体どうなんだろうか、これが聞きたいのは当然のことでありまして、私はこの相談センターをもっとより拡充をしなければいけないと思うのと、それから大臣も私も田舎者でございますが、いまどきは電話代がでらほうに高いのです。北海道や九州から一々高井戸に電話をしなければいけないなんということは実に不親切な話なんです。全国に社会保険事務所なんというのは二百数十カ所ある。そういう社会保険事務所にもこういった相談センターをぜひつくるべきだと御提案を申し上げたいのですが、この点一括して大臣のお気持ちも年金局のお立場もひとつお伺いをしておきたい、このように思います。
#224
○大和田政府委員 昨日業務課におきまして年金相談センターがオープンいたしました。これによりまして二十四台のビデオというものが備えられましてそこで相談を受け付けておるわけでありますが、従来相談をいたしておりましたビデオ、これを専門的に一カ所に集めまして集中いたしました相談、これができるように相なったわけでございます。先生五千件とおっしゃったわけでありますが、私どもの方としては三千件ぐらいだろうと思いますが、その電話の応対につきましてはかなり改善されたというふうに考えておるわけでございます。
 なお、後段の御質問、社会保険事務所においてもそうできるようにというお話でございますが、現在それにつきましては調査研究、具体案ができたというような段階でございます。
#225
○中川(秀)委員 最後のところをちょっとお伺いいたしますが、具体案ができたということですか、これからするということですか。
#226
○大和田政府委員 お答えいたします。
 この最後の問題につきましてこれはこういうことでございます。業務課、これを発展いたしましたところのデータセンター、これと先ほど先生御指摘ございました全国二百数十カ所の社会保険事務所、これをオンラインで結びまして社会保険事務所におきまして相談ができるあるいは裁定ができる、こういう構想を社会保険庁の案といたしまして私ども発表して現在関係方面と協議中である、こういう段階でございます。
#227
○中川(秀)委員 発表して関係方面と相談中という意味がよくわかりませんけれども、一つお願いを申し上げておきますが、年間三千件あるのか五千件あるのかだれにもわからないことでございます。かからないものまで何件かかってきたかというのはわかるはずがないのでありまして、ひとつたまには御自分でも相談センターへお電話してみたらよくおわかりになるのではないか、こう思いますが、発表していただくことについても、社会保険事務所の年金の相談はかなり効率的に受けますよということを一般の国民の方にもおわかりになるように、きちんと計画を立て御宣伝を願って、より身近なところでおわかりになるように御努力をしていただきたい、このように要望を申し上げておきます。よろしゅうございますね。
 それから、同じく年金の問題ですが、これは大臣の御専門だからお伺いします。余り細かい問題ではありません。大きな問題です。
 大臣の私的諮問機関、年金制度基本構想懇談会、もう一年前から発足をして、わが国の年金制度について抜本的な改革案を練っておられるということでございますが、ことしの秋ぐらいには意見書を出せるのではないか、あるいは出していただきたいという方向で進んでいるそうでございますけれども、大臣、一つお伺いをしたいのは、わが国の年金制度八つございますけれども、支給開始年齢もばらばら、内容もばらばら、あるいは掛金もばらばら、またその制度の意味づけもばらばら、大変何もかもばらばらであります。その一方で、大変財政赤字がもう現実のものになりつつある年金制度がある。いろいろな検討を加えなければいけないわけです。大臣としては、わが国の年金制度はかくあるべしというビジョンがあったら、この際お伺いをしておきたい。特に意見書がどういうことで出てくるか。白紙の立場で御審議を願っておるということだからそれはわかりませんが、たとえば財政赤字という大変な問題、それからばらばらのものを直さなければいけないという問題、問題点は大きく言ってしまえば二つある。たちまちわが国のいまの政治が取り組むべき、大臣として取り組むべき重点は、その二つある問題のうちのどちらにウエートをお感じになっておられるか、その点も含めてひとつ御見解をお伺いをしておきたいと思います。
#228
○渡辺国務大臣 これはどちらかと言われましても、関係のあるやつですから、こちらだというようにはなかなか言い切れないのですよ。もう時間がかかりますから私長話いたしませんが、あなたの指摘したとおりの状態で、一方赤字公債はいつまでも発行できない、これはもう二、三年でやめると総理大臣も予算委員会で言明をしているわけですから、国からどんどんどんどん持ち出すというわけにもいかない。したがって何らか工夫をしなければならぬ。御承知のとおり、ヨーロッパは六十五歳が大体年金の開始、ほとんどそうですな。フランスが女性が六十歳だそうですけれども。日本では五十五歳のところもあれば、六十歳のところもあれば、六十五歳もあるということで、みんな違うわけですよ。これはしかし雇用の問題とも関係のある話でございまして、雇用の問題なども含めて大きな一つの政治問題ですから、私が突然ここで思いつきをしゃべり出すということもいかがなものであるか。これはそれぞれの専門家にいま真剣に検討してもらっておるので、そういう中において皆さんの意見を聞きながら厚生省としては案をまとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 なお、先ほどの、各保険事務所でも窓口ですぐにわかるようにしたらとうだ――そうしたいと思っておるのですよ。これは金も莫大にかかることでもあります。したがって、ぜひとも持ち帰ったら、新自由クラブではそれは今度の参議院の選挙公約に挙げてもらっても結構でございますから、それは私はそう思っておるわけですから、ぜひとも御後援を賜りますようあわせて陳情申し上げます。
#229
○中川(秀)委員 それじゃ逆に御陳情申し上げますが、年金で一番やはり不公平感があるのは、もらい始める年齢なんですよね。金額もあるけれども、もらい始める年齢なんですよ。片や五十五歳、老齢福祉年金七十歳、しかも五十五歳の分はどこかというと、お役人だ。ここに一番の不公平感があるので、これはもう自民党の選挙公約に掲げていただいて結構ですから、ひとつ統一をする、支給開始年齢はみな同じにする、こういうことをひとつ大臣、いろいろここで思いつきを言ってはいけないとおっしゃるけれども、大臣も政治家ですから、ひとつその辺はもう大いにいまからぶちまくるぐらいのおつもりで、こういった不公平感を、社会福祉という基本的な部分ですから、なくすように御努力を願いたい、ひとつお願いを申し上げておきます。
 次いで、やはり大臣の御専門の問題をひとつお伺いしたいと思いますが、これは当然社会労働委員会でも御審議なさっているところで、詳しくはお伺いいたしませんけれども、私は今度の健保法改正案というものは、相当な赤字が出ているのを一遍に取り返す、ボーナス特別保険料を設けてやるんだ――これは幾ら何でもちょっとむちゃくちゃな議論だ、こう思っております。これは私の個人の意見です。
 そこで一つお伺いしたいのは、五十二年度千六百二億円という赤字を見込んでいると言いますが、これはすでにもう各種医療機関あるいは医師会からも要求が出ていますところの診療報酬の改定、医療費の引き上げ、これを見込んだ数字なのかどうかちょっとお尋ねをしたいと思います。
#230
○八木政府委員 診療報酬の改定は見込んでございません。
#231
○中川(秀)委員 となれば、話が全くこれはもう議論の外になってしまう。
 大臣、その点で一つお伺いをいたしますけれども、いま申し上げましたように、春闘もいま最中でありますけれども、各種医療機関あるいは医師会というところからも診療報酬引き上げ二けた、もう出ておるわけです。中医協、これはどうなさいますか。いつごろ開いて、どういうふうに審議なさる、大臣いまお考えがあったらお聞かせを願いたいと思います。
#232
○渡辺国務大臣 診療報酬の問題は目下考えておりません。これは健康保険法を何とかして通してもらいたいと精いっぱいでありまして、それ以外のことはとても、それが通らないような状態で診療報酬なんてとても言い出せる立場にございませんものですから、目下考えてございません。
#233
○中川(秀)委員 積算の千六百億からの赤字がこれから五十二年度の、それはもう大臣考えてないと言うのだからあえて言いませんけれども、少なくとも私は理解をしたいのは、この千六百億円の赤字解消のための法案が通らない限り、中医協も開かなければ、診療報酬の引き上げの要求にも応じない、こう理解してよろしゅうございますか。
#234
○渡辺国務大臣 必ずしも直結的に連動するというわけではございませんけれども、目下のところ診療報酬の問題は、まだ引き上げは考えておりません。
#235
○中川(秀)委員 それではいま一つお尋ねをしたいのは、昨年の三月末、歯科差額医療問題について答申がございました。差額は材料差額に限る、こういう答申であります。しかし一年になってなお実行に至っていないと私は理解をいたしますが、この問題についてはいかがでございますか。これはどのように御処理なさるのか。
#236
○八木政府委員 従来の経緯もございますので、私から御説明申し上げたいと思います。
 差額問題につきましては、御案内のように、従来保険で認められておらない特殊な金属を使った、金を使ったとか白金を使ったとかあるいはポーセレンとか金属床を使ったとかいう場合につきまして、一部保険で見、一部差額料金ということで見ておったわけでございます。その差額料金というのがある意味では慣行料金というようなことから非常に大きな額になってきて、特に高度経済成長時期には大きな額になり、社会的にも大きな問題になり、国民の批判を招いたというようなことであったわけでございます。そういうような意味で、この問題を解決しなければいかぬじゃないかということで、中医協の方で、厚生大臣の諮問がございまして御審議をお願いしておったわけでございます。ただいま先生からお話がございましたように、中医協の御答申、材料差額を基本とするという一つの方向というものが出されたわけでございます。中医協の答申が出ました際には、歯科医師会の委員の方は御欠席というような状況でその答申が出されたわけでございます。私どもといたしましても、歯科医療の正常化、国民医療の面で歯科の面を確保するという面からも、中医協の答申というものは一つの基本方向として尊重すべきものであるという考え方でございます。ただ、十年以上にわたった制度でございますし、一挙に材料差額にいくということにつきましてはいろいろな問題点もあろうかというようなことから、昨年の七月に、従来の通知は廃止いたしますとともに、この問題を実現するためには必要な条件整備が要るというようなことから、中医協で御審議をいただくということにいたします一方、歯科医師会におきましても、自粛料金ということで、目安料金というような形で、従来の料金に対します自粛の姿勢を示したというような実情でございます。昨年の八月以来十一月まで、必要な条件整備ということで、中医協で非常に精力的な御審議が行われたわけでございますけれども、なかなか関係者の間の御意見の一致に至らないというままで、昨年の十一月以降中医協が開かれていないわけでございます。その後、歯科医師会長もおかわりになる、あるいは歯科医師会長がかわったことによりまして、中医協の歯科医師代表の委員の方お二人が推薦されておらなかったというような状態であったわけでございますが、先般、空席になっておりました歯科医師会の代表の二名の方の御推薦もいただいたというようなことでございます。この問題、関係者間に非常にいろいろ御議論のあるところでございますが、何としましても歯科医療の正常化を図るということでございまして、この意味におきます関係者間の意見の調整というものにつきましてできるだけの努力を進めまして、この問題の早急な解決を図りたいというふうに考えておる次第でございます。
#237
○中川(秀)委員 早急な解決と言うが、当時答申が出たときにも早急な解決という御答弁がある。それがもう一年もたっておるわけでございます。百の議論よりもたった一つの実行が大事なんでございますから、ひとつ御努力を要望したいと思います。
 大臣、いまの問題もそうですが、あるいは今度の健保法改正案についての各野党の意見もそうですけれども、やはり医療制度の抜本改革を前提にしなければ、この矛盾は解決できない。これはもう与党だってみんな一致している認識です。その制度改革ができるまではやみくもに千六百億――その積算の根拠もいろいろな議論がある。大臣は医療費値上げとこの法案の成否は必ずしも直結的に結びつかないと含みのある御発言でしたけれども、そういう中で、今国会は御提案の改正案の中で抜本改革待ちの部分は削除をするぐらいのおつもりで修正なさる、そして抜本改革について一刻も早く結論を出す、こういうことにすべきだと私は思うのです。それでない限り、いま御提案になっていることだけで問題の解決に全部なるかと言ったら、私はならない点が多々あると思う。こういう論議は社労でもやっているし、予算委員会でもやっていると思いますけれども、いよいよ国会もあとわずかになってきた。この現時点で、大臣、私がいま御提案したような方向で抜本改革を急ぐ、それまでは抜本改革がらみの措置については今回は見送る、修正をする、こういうようなお考えがないかどうか、いま一度お尋ねをしたいと思う。
#238
○渡辺国務大臣 健康保険法については、私は提案者でございますので、ともかくあらゆる手だてを講じても通過をさして成立をさしていただきたい、こういうように考えておるわけでございます。医療制度の抜本改革の問題については、これもこのままおくわけにはまいりませんので、ぜひこれは与野党でも話し合いをして、私はコンセンサスが得られるのじゃないかという気がするのですがね。総論は賛成だが、各論になると意見が合わないようなことがいままで多かったのだけれども、いまやにっちもさっちもいかないという状態になってきておるので、野党の皆さん方とも私は極力話し合いをして、本当に国民のコンセンサスを得られるような医療制度の確立を図ってまいりたい、かように考えております。
#239
○中川(秀)委員 終わりますが、終わる前にもう一言だけ申し上げておきたいのは、提案者だからただひたすら成立を願っている、これは予算委員会の御答弁でもそうでした。よくお立場、わかります。しかし、提案者であっても、こういった伯仲国会の中で、いろいろな意見を聞いて、これは長期の問題にかかわることならは――当面措置すべき問題もある、われわれも全部反対だと言っているわけじゃないのです。その措置すべきものについて措置をして、抜本改革については早急に、五十三年度目途なんてのんびりしたことを――そのくらい時間がかかると言えば確かにそうだとうなずかなければならない点もありますけれども、しかし目途といって、それじゃ五十三年度に、その目途に案までつくっちゃうのか、あるいは五十三年度を目途として議論を積み上げていくということなのか、その辺は非常に望洋としてあいまいであると思うのですが、大臣、御答弁は要りませんけれども、たちまち全部を流してしまうということになれば問題はまたより顕在化するので、ひとつそういう状況を踏まえてその辺は柔軟にお考えをいただきたい、お願いを申し上げて私の質問を終わります。
#240
○正示委員長 次回は、来る二十六日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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