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1976/04/21 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第20号
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1976/04/21 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第20号

#1
第080回国会 本会議 第20号
昭和五十二年四月二十一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  昭和五十二年四月二十一日
    午後一時開議
 第一 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関
    する法律案(内閣提出)
 第二 昭和五十一年分所得税の特別減税のため
    の臨時措置法案(大蔵委員長提出)
 第三 昭和五十一年分所得税の特別減税の実施
    のための財政処理の特別措置に関する法
    律案(内閣提出)
 第四 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関
    する法律の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第五 地方交付税法の一部を改正する法律案(
    内閣提出)
 第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内
    閣提出)
 第七 簡易生命保険法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
 第八 日本国とオーストラリアとの間の友好協
    力基本条約の締結について承認を求める
    の件
 第九 日本国とカナダとの間の文化協定の締結
    について承認を求めるの件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 昭和五十二年度の公債の発行の特例
  に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 昭和五十一年分所得税の特別減税の
  ための臨時措置法案(大蔵委員長提出)
 日程第三 昭和五十一年分所得税の特別減税の
  実施のための財政処理の特別措置に関する法
  律案(内閣提出)
 日程第四 国会議員の選挙等の執行経費の基準
  に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 日程第五 地方交付税法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第七 簡易生命保険法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第八 日本国とオーストラリアとの間の友
  好協力基本条約の締結について承認を求める
  の件
 日程第九 日本国とカナダとの間の文化協定の
  締結について承認を求めるの件
 海上衝突予防法案(内閣提出)
 原子力基本法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出)の趣旨説明及び質疑
 坊大蔵大臣の昭和五十年度決算の概要について
  の発言及び質疑
    午後一時七分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(保利茂君) 日程第一ないし第三の三案につきましては、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略することとし、三案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(大蔵委員長提出)
 日程第三 昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案(内閣提出)
#5
○議長(保利茂君) 日程第一、昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案、日程第二、昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、日程第三、昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。大蔵委員長小渕恵三君。
    ―――――――――――――
 昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案及び同報告書
 昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案
 昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小渕恵三君登壇〕
#6
○小渕恵三君 ただいま議題となりました三法律案について申し上げます。
 初めに、内閣提出、昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、昭和五十二年度の租税収入の動向等にかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、昭和五十二年度の特例措置として、財政法第四条第一項ただし書きの規定により公債を発行する場合のほか、一般会計において特例公債を発行することができることとしようとするもので、その内容を申し上げますと、
 まず第一に、昭和五十二年度の一般会計歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることといたしております。
 第二に、この法律に基づく公債の発行は、昭和五十二年度の出納整理期限である昭和五十三年五月三十一日までの間、行うことができることとし、同年四月一日以後に発行される特例公債に係る収入は、昭和五十二年度所属の歳入とすることといたしております。
 第三に、この法律に基づく公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その償還の計画を国会に提出しなければならないことといたしております。
 第四に、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は行わないものといたしております。
 本案につきましては、参考人を招致してその意見を聴取する等、慎重に審査を行い、財政支出の改善合理化と税制改正のあり方等特例公債依存の財政からの脱却のための方途、財政収支試算の性格と長期財政計画の導入の検討、国債の発行条件の弾力化等国債管理政策の見直しと公社債市場の整備育成、景気の動向とクラウディングアウトへの配慮等、国債の大量発行に伴う財政金融政策上の諸問題につき、論議が交わされましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 かくして、一昨十九日質疑を終了いたしましたところ、山下元利君外三名から、自由民主党の提案に係る修正案が提出されました。
 修正案の内容は、原案において「昭和五十二年四月一日」と定められている施行期日を「公布の日」に改めようとするものであります。
 次いで、原案及び修正案を一括して討論に入りましたところ、自由民主党を代表して小泉純一郎君からは賛成の旨の、日本社会党を代表して佐藤観樹君、公明党・国民会議を代表して坂口力君からは、それぞれ反対の旨の、民社党を代表して高橋高望君からは賛成の旨の、日本共産党・革新共同を代表して荒木宏君からは反対の旨の、新自由クラブを代表して永原稔君からは賛成の旨の意見が述べられました。
 次いで、以上の原案及び修正案について採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、全会一致の附帯決議が付せられましたことを申し添えまして、昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案についての報告を終わります。
 次に、大蔵委員長提出、昭和五十一年分所得税の特別減税のための臨時措置法案について申し上げます。
 当大蔵委員会におきましては、いわゆる昭和五十二年三千億減税についての六党合意事項に基づき、直ちに法案の作成に取りかかりましたが、特別減税を実施するためには、膨大な事務量と経費を必要とすること、特に民間の源泉徴収義務者に不時の出費を強いるなど種々の困難を伴うことが法案作成の過程において判明したのであります。
 これらの困難を解決するためには関係諸方面の多大な御協力を必要としますが、そのことを前提に本法案は成り立っております。
 かくて、本法案につきましては、昨二十日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提案いたしたものでありますが、その提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、最近における社会経済情勢に顧み、中小所得者の所得税負担を軽減する等のため、おおむね次のように昭和五十一年分の所得税を減額し、これを昭和五十二年において還付する措置を講じようとするものであります。
 すなわち、第一に、減税の対象となりますのは、昭和五十一年分の所得税であります。ただし、利子・配当所得の源泉分離課税に係る税額、割引債の償還差益の源泉分離課税に係る税額、附帯税等を含めないことといたしております。
 第二に、減税額は、本人六千円、控除対象配偶者または扶養親族一人につき三千円の額で計算した合計額とし、還付される額は昭和五十一年分所得税額を限度とすることといたしております。
 第三に、減税の方法でありますが、給与所得者については、転職した者、退職した者等特殊な者を除いて、原則として本年六月または七月に勤務先から還付することといたしております。その他の者、すなわち確定申告をした者等については税務署から還付することとしております。
 なお、昭和五十二年六月二日以後に昭和五十一年分所得税について確定申告書の提出、更正または決定などが行われる場合には、特別減税額を控除して税額を算出することとしております。
 第四に、特別減税を受けることができる者が死亡したときは、相続人がその権利を承継することとしております。
 第五に、特別減税額に係る国に対する請求権は、昭和五十二年六月二日以後に申告すべき者にあっては、昭和五十一年分の所得税につき更正または決定をすることができる日まで、その他の者にあっては、特別減税額に係る還付金を昭和五十一年分の所得税の還付金とみなして取り扱い、その請求をすることができる日から五年間行使することができることといたしております。
 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十二年度において約三千億円と見積もられるのでありますが、大蔵委員会におきましては、本案の提案を決定するに際しまして、政府の意見を求めましたところ、諸般の事情に照らしてやむを得ない旨の意見が開陳されました。
 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
 最後に、内閣提出、昭和五十一年分所得税の特別減税の実施のための財政処理の特別措置に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、ただいま趣旨説明をいたしました昭和五十一年分所得税の特別減税の実施による租税収入の減少を補うため、昭和五十一年度の一般会計歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例を定めるとともに、特別減税の財源を確保するのに必要な金額を限り、同年度の特例公債の発行残額の範囲内で、特例公債を発行することができることとしようとするもので、その内容を申し上げますと、
 まず第一に、財政法第六条第一項では、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌翌年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととしておりますが、昭和五十一年度の剰余金については、この規定は適用しないことといたしております。
 第二に、昭和五十一年度の特例公債について、その本年三月末における発行残額の範囲内で、特別減税の財源を確保するのに必要な金額を限り、本年五月三十一日までの間において、これを発行することができることとし、この公債に係る収入は昭和五十一年度所属の歳入とすることといたしております。
 本案につきましては、昨二十日坊大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、引き続き討論を行いましたところ、自由民主党を代表して愛知和男君からは賛成の旨の、日本社会党を代表して山田耻目君、公明党・国民会議を代表して貝沼次郎君、民社党を代表して永末英一君、日本共産党・革新共同を代表して荒木宏君からは、それぞれ反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、採決いたしました結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(保利茂君) 三案中、日程第一につき、討論の通告があります。これを許します。池端清一君。
    〔池端清一君登壇〕
#8
○池端清一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案に対し、反対の態度を表明し、討論を行うものであります。(拍手)
 本法案は、特例法とは言いながら、昨年、一昨年に引き続き大量の赤字国債の発行を意図するものであります。さきに成立を見ました昭和五十二年度予算でも明らかなように、五十二年度の国債発行高は史上最高の八兆四千八百億円、そのうち赤字国債は四兆五百億円にも達し、一般会計における国債依存度は、実に三割、二九・七%にも及んでいるのであります。このような完全に国債に抱かれたわが国財政の現状は、国際的に見ても、あるいはまたは平時わが国財政史上から見ても、まさに異常、異例な事態と言わなければなりません。
 このような異常、異例な状況をもたらしたものは一体何か。それは、単に石油ショックと、それに基づく不況にだけその原因を求めることはできないのであります。政府の諮問機関である財政制度審議会においても、「現下の財政の異常な状況は、単に近年の激しい経済変動の反映であるばかりでなく、高度経済成長を前提とした従来の財政運営の問題点が、この経済変動を契機に表面化したという側面をも併せ持っている。問題はこのような財政運営を転換することであり、これなくしては財政の真の健全化は到底実現できないものである」と述べておりますように、石油ショック以後の不況に際して、このような異常な赤字財政に転落し、その傷口をますます広げ、財政破綻を招いたものは、高度成長時代の経済体質を改め、福祉型の財政に軌道修正すべきであったにもかかわらず、依然として高度成長型の放漫財政をとり続けてきた自民党政府の経済、財政政策の失敗に起因するものであることは、論をまたないところであります。(拍手)
 私は、以下問題点を指摘し、その反対理由を明らかにするものであります。
 その第一は、国債の累積と国債費負担の問題であります。
 本年度予算の国債費は二兆三千五百億円にも上り、この額は生活保護費及び義務教育費国庫負担金の合計額にも匹敵する巨額なものとなっているのであります。さきに発表されました大蔵省の財政収支試算によれば、赤字国債から脱却するという昭和五十五年度末には、国債残高は実に五十五兆二千億円にも達し、国債費は歳出の一〇%を超え、国債収入の七割に相当する額が国債費、つまり、借金のうち七〇%が借金返済に充てられるという、きわめて深刻な事態が予測されているのであります。国債償還のために国債を発行するというとめどもない悪循環に陥り、財政硬直化を一層増大させることは、火を見るよりも明らかであります。
 しかも、このように国家国民にとってきわめて重要な問題が現実的に予見されているとき、すでに本院でも再三指摘されておりますように、償還財源の確保と償還計画の確立が緊急の課題となっているにもかかわらず、政府はその具体策を依然として国会と国民の前に提示しようとしていないその無責任な態度は、厳しく追及されなければなりません。(拍手)
 第二は、国債消化の問題であります。
 もともと、国債は、個人消化が原則であります。しかしながら、その実態は約九割が金融機関への割り当てで、最終的には日本銀行引き受けになっていることは、日銀及び政府の国債保有割合が、既発行額の五〇%以上を占めていることに端的にあらわれているのであります。最近、個人消化比率が一〇%を超えていると言われていますが、本来、市中消化とは個人消化中心でなければならないのであり、金融資産として魅力のある国債、そしてその重点は価値の保証でなければなりません。そのためには、何といってもインフレによる目減りをなくすることでありますが、政府にはその決意がなく、消化も依然として金融機関割り当ての御用金的思想の域にとどまっているのであります。これでは、インフレ放任の方針を採用していると言っても言い過ぎではないのであります。
 第三は、赤字財政脱却のための根本対策であります財源問題についてであります。
 利子・配当、土地税制など、資産所得者優遇の各種租税特別措置の抜本的な改廃が、今日ほど必要なときはないのでありますが、今回の税制改正でも明らかなように、大企業優遇、資産家優遇の不公平税制はなお温存されたままであります。利子・配当課税の強化を図って、高所得者から低所得者層への所得の再配分を実施することが、税制に課せられた機能であるにもかかわらず、その対策は中途半端なままお茶を濁しているというのが実態であります。また、貸し倒れの実態から余りにもかけ離れた金融機関の引当金繰り入れや、二兆円を超える交際費に対する課税等、法人課税にも速やかに是正すべき数多くの問題が存在しているのであります。
 格差と不公平をなくす社会を展望する時代に直面している今日、不公平税制の是正による財源確保は絶対に欠くことのできない、きわめて重要な柱であります。
 その第一段階として、いまや国民の間にほうはいとして高まっている公平な税制を確立することが当面最も緊急な課題であり、さらに進んで、公正な税制をつくるべき各種資産課税強化のための新税導入こそが必要でありますが、政府は、その第一段階すら実現しようとしていないのであります。いや、むしろ、このような不公平な税制を温存して、大衆課税である付加価値税の導入や福祉の切り捨てなど、国民大衆の犠牲によって赤字財政からの脱却を意図しているがごときは、断じてわれわれの容認することのできないものであります。(拍手)
 今日の破局的とも言うべきわが国財政の再建を図り、赤字財政を打開する道は、かねてよりわが党が主張してまいりましたように、税制と支出の両面にわたって大胆な財政改革を実現する以外に、その方途を見出すことはできないのであります。
 すなわち、その第一は、支出面での思い切った洗い直しが必要だということであります。いたずらに予算の伸びや全体に占めるシェアの大きさを競う傾向がある、こういう今日の日本のいわゆる増分主義が一つの惰性として定着し、予算の伸びを競い合うというのが今日の実情であります。このような風潮を大胆に打ち破り、支出面での全面的な洗い直しが急務であると指摘せざるを得ないのであります。
 第二は、不要不急部門の整理による行政改革の実施であります。特に、むだの典型とされている公団や特殊法人の整理は、ほとんど進んでいないというのが実態であります。五十二年度においても、わずかに電力用炭販売株式会社と八郎潟新農村建設事業団の廃止が行われるにすぎず、まだ数多くの冬眠公団や問題ある特殊法人が残っており、徹底的なメスを入れる段階に来ていると思うのであります。
 第三は、さきにも触れた税制面での不公平の是正であり、第四には、今日の中央集権的税制、財政構造を抜本的に転換し、地方財政重視の政策を確立する等の財政改革を断行することによってこそ、今日の財政危機は打開することができると思うのであります。
 最後に、福田総理に申し上げたい。
 いまは亡き高橋是清蔵相は、昭和初頭の長期不況を国債導入によって打開しようとしましたが、やがて一転して、国債の増大は悪性インフレの弊害をもたらすとして、国債漸減主義を打ち出し、ついには軍事費拡大を要求する軍部と相対立するところとなり、やがてそれがもとで、二・二六事件において非業の死を遂げるに至ったのであります。自来、わが国は、果てしないインフレと戦争への道を突っ走るのでありますが、わが国国債発行の歴史には、このような血で彩られた一面があったことを、私たちは決して忘れてはならないと思うのであります。(拍手)
 当時、福田総理は、健全財政堅持を主張して譲らず、大蔵省主計局の一事務官として、当時の状況を鮮烈に記憶にとどめられておられると思うのでありますが、この麻薬とも言うべき国債からの脱却を図らずんば、あなたの言われる日本丸は、そして国家国民は、きわめて重大にして危険なる事態に直面するであろうことを重ねて指摘をし、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
#9
○議長(保利茂君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#10
○議長(保利茂君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第四 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
#14
○議長(保利茂君) 日程第四、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長丹羽喬四郎君。
    ―――――――――――――
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔丹羽喬四郎君登壇〕
#15
○丹羽喬四郎君 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、公職選挙法改正に関する調査特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における公務員の給与の改定、賃金及び物価の変動並びに選挙事務の実情等を考慮し、国会議員の選挙等の執行について国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準を改定しようとするものであります。
 すなわち、投票所経費、選挙公報発行費及び選挙人名簿の抄本作成事務等の関係基準額を実情に即するよう引き上げようとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することにしております。
 本案は、去る二月十六日本特別委員会に付託され、三月二日小川自治大臣より提案理由の説明を聴取した後、慎重審議を行い、四月二十日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#18
○議長(保利茂君) 日程第五、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長地崎宇三郎君。
    ―――――――――――――
 地方交付税法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔地崎宇三郎君登壇〕
#19
○地崎宇三郎君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方財政の状況にかんがみ、
 第一に、地方交付税の総額の確保に資するため、昭和五十二年度分の地方交付税の総額に関する特例措置を講ずるとともに、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの間における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への臨時地方特例交付金の繰り入れに関する特例を設けることといたしております。
 第二に、社会福祉施策の充実、教育水準の向上及び公共施設の計画的な整備に要する財源を措置しているほか、過密過疎対策及び消防救急対策等に要する経費の充実を図るため、普通交付税の算定に用いる単位費用を改定することといたしております。
 本案は、三月一日本委員会に付託され、同月十五日小川自治大臣から提案理由の説明を聴取し、四月十三日には参考人の意見を聴取するなど、本案はもとより、地方財政全般にわたって熱心に審査を行いました。
 四月二十日本案に対する質疑を終了しましたところ、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの五党共同提案により、地方交付税率を四%引き上げて三六%とするとともに、昭和五十年度及び昭和五十一年度における地方交付税の借入額の元金償還については、昭和五十三年度以降、当該年度に償還する額に相当する額を臨時地方特例交付金として、一般会計より繰り入れるものとするほか、速やかに国・地方団体を通じて行財政全般にわたり抜本的検討を加え、財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講じ、あわせて、地方交付税の交付税特別会計への直接繰り入れ等を内容とする修正案が提出され、佐藤敬治君からその趣旨説明を聴取いたしました。
 次いで、討論を行いましたところ、自由民主党を代表して木村武千代君は、本案に賛成、修正案に反対、日本社会党を代表して小川省吾君、公明党・国民会議を代表して小川新一郎君、民社党を代表して山本悌二郎君、日本共産党・革新共同を代表して三谷秀治君及び新自由クラブを代表して川合武君は、それぞれ本案に反対、修正案に賛成の意見を述べられました。
 まず、修正案について採決の結果、賛成多数をもって可決され、次いで修正部分を除く原案について採決の結果、賛成多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(保利茂君) 討論の通告があります。順次これを許します。高村坂彦君。
    〔高村坂彦君登壇〕
#21
○高村坂彦君 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、委員長報告に係る同法律案に対する修正案に反対の意見を表明せんとするものであります。(拍手)
 昭和五十二年度の地方財政対策におきましては、最近における地方財政の状況にかんがみ、国と同一の基調により、景気の着実な回復に資することとし、住民生活充実の基盤となる公共事業等の推進、社会福祉施策の充実等のため、地方財源の十分な確保を図ることとしております。
 すなわち、昭和五十二年度の地方財源の不足に対処するため、一、国の一般会計から臨時地方特例交付金として一千五百五十七億円を交付税特別会計に繰り入れる、二、交付税特別会計において、資金運用部資金から九千四百億円の借り入れを行う、三、地方財源の不足に対処するための建設地方債一兆三百五十億円を発行する等の措置を講ずるほか、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、総額四千二百二十五億円の臨時地方特例交付金を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることといたしております。
 これらの措置は、現下の経済情勢においては適切な措置であるとともに、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に沿ったものであり、したがって、こうした措置等を内容とする政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成するものであります。(拍手)
 次に、委員長報告に係る修正案につきましては、自由民主党といたしましても、地方財政の現況にかんがみ、今後地方財源の拡充を図るため、地方行財政制度の抜本的改正について十分検討を重ねたところでありますが、わが国経済が変動期にあり、また、最近の長期不況を反映して、国、地方とも巨額の構造的財源不足となっている時期に、国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げのみを行うことは適当でないと考え、反対の立場をとるものであります。
 なお、地方自治体関係者も、現下の諸情勢にかんがみ、政府原案に理解を示しまして、本月十二日、地方関係六団体名をもちまして、「地方交付税法の一部を改正する法律案の早期成立に関する要望」が提出されたことは、関係各位の御承知のとおりであります。私も最近まで市長を務めており、地方自治体の立場から当然の態度と存じております。
 しかしながら、今後、地域住民の福祉の充実、生活環境施設の整備等の諸施策を推進する上で、地方団体の果たすべき役割りがますます増大する一方、昭和五十二年度以降においても、地方財政をめぐる諸条件は依然厳しいものと予想されておりますので、政府におかれましては、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。(拍手)
 以上をもちまして、政府提出の法律案に賛成、委員長報告に係る修正案に反対の意見の表明を終わります。(拍手)
#22
○議長(保利茂君) 佐藤敬治君。
    〔佐藤敬治君登壇〕
#23
○佐藤敬治君 いまや、地方財政最大のよりどころとなっております地方交付税の改正案について、昨日、地方行政委員会において、五党共同提案の修正案が絶対多数をもって、みごとに可決されました。(拍手)
 私はここに、日本社会党を代表して、政府原案に反対し、この修正案に対し心からなる賛成の討論を行うものであります。
 現在の地方財政を一口で言うならば、膨大なる借金財政であります。まさにそれはどこまでも際限なくふくらみ、いつパンクするかわからない危なっかしい真っ赤な風船であります。
 最近の地方債発行高を見ますと、五十年度から五十二年度までわずか三年の間に、実に十四兆五千億円を超える天文学的な数字となっております。このため、借金返済の公債費は急速に増加し、逆に地方財政は加速度的にその弾力性を失っていくのであります。ちなみに、自治省の示した地方財政収支試算によっても、五十五年度末の地方債残高は二十兆四千億円、公債費は実に三兆四百億円にも達しているのであります。
 こうした借金財政を救う道は、ただ一つしかございません。国と地方を通じての抜本的な財源の再配分を行い、地方の自主財源をふやしていくことであります。もし、急速な抜本改革がむずかしいならば、交付税率を引き上げて地方交付税を大幅に増額することしかございません。
 まさに地方自治体関係者は、長年この交付税率の引き上げに絶大なる期待を寄せてきたのであります。しかし、今回もまたその期待はみごとに裏切られ、再び国の公共事業の受け皿として膨大な借金を背負うことになったのであります。
 毎年毎年莫大なる不足を生じ、借金に借金を重ねてきた地方交付税は、いまや本来の使命である地方財政に対する保障機能も財源調整能力をも事実上失ったと言わざるを得ません。莫大なこの借入金の返済は年々歳々交付税総額に食い込み、交付税所要総額の確保はますますむずかしくなっていくのであります。
 このために、第十六次地方制度調査会起草委員会の報告では、地方交付税の所要総額が確保されるか否かは地方財政運営の死命を制すると言っても過言でない。そして、この地方交付税の所要総額を長期的に確保するために地方交付税法第六条三の二項があるとまで言い切っているのであります。
 交付税会計は五十年以来連続して二兆円を超す赤字を抱えてまいりましたが、五十二年度の場合、まさしくこの六条三の二項にぴたりと当てはまります。国は制度の改正ができないならば、法律の命ずるところによって交付税率を引き上げなければいけないのであります。(拍手)
 しかし、政府は、税率を引き上げるかわりに、俗に奇妙な借金と言われているごまかしの措置をとることによってみずから法律を犯したのであります。政府は、この措置を制度の改正であると強弁しておりますけれども、しょせんは一時しのぎの小細工にすぎません。このことは、去る四月の十三日、地方行政委員会に五人の参考人を招いてその意見をただしたけれども、今回の政府の措置が制度の改正であると言明した人はだだの一人もおらなかったのであります。(拍手)
 福田総理は、国と地方の財政は車の両輪だと言っております。そのこと自体には何らの異論はございません。しかし、国は一般会計のほかに財政投融資十二兆五千億円を抱え、財政、金融、産業、その他全般を支配する強力なる統一体であります。これに反して、地方は三千三百の団体に細分され、しかもそのうちの八三%は財政力指数〇・五というまことに悲惨な状態であります。同じ二十八兆円の財政規模であっても、国と地方とではその内容、質において大変な違いがあります。
 政府は、国も借金しているから地方も借金するのはあたりまえだ、こう言っております。しかし、これでは力の弱い地方団体はたちまち破産してしまいます。今回のこの奇妙な借金四千二百二十五億円も、国が借り入れて地方に交付し、せめて地方財政だけでも安定を図ることがより有効な金の使い方と言うべきではございませんか。
 私は、ここでいたずらに自民党・政府を攻撃するものではありません。しかし、国が立ち直るまで地方は待てということではなくて、こんな大変な財政の危機であるからこそ、いまこそ国と地方を通じての行財政のあり方を根本的に見直し、災いを福に転ずる絶好のチャンスとしなければならないと思います。構造から生じた危機は構造を改めなければ直らないからであります。
 先般、地方行政委員会で地方税法の政府原案が否決され、本会議で逆転可決されました。いままた、地方交付税法は原案が否決されました。そして修正案がみごとに可決されました。あるいはこの本会議で採決によって再び原案が生き返るようなハプニングがないとも限りません。
 思うに、逆転委員会では、委員会修正、本会議逆転可決というケースは今後も続々と起こってくることと思います。もしこういうような状態が繰り返し繰り返し行われるならば、委員会無用論が強くなって、委員会中心主義の現行議会制度はその根底を問われることになりましょう。(拍手)
 したがって、与野党伯仲時代の逆転委員会においては、委員会で可決を予想される修正案と本会議で逆転可決を予想される政府原案との調整が常に図られなければならないと思います。特に、野党一致の修正案については話し合いが行われるのは当然のことだと思います。(拍手)私は、その調整の役に当たるのが与党委員であると思います。政府と野党との間にあって、修正案と原案との調整を図ることが与党委員の新しい役割りであると思います。その責任はさらに大きくなったと言うべく、あえて与党の皆さんの活躍を御期待したい。
 特に、地方財政に関する諸法案は、否決すればそれでよいというものではありません。与野党を問わず地方財政確立のために心を砕いているのであるから、必ずや一致点を見出すことができるはずであります。
 私どもは、さきに五党で修正案をまとめ、非公式ではあるが与党に申し入れましたけれども、残念ながら応じてもらうことができませんでした。五十二年度予算は成立の直前である、三・六%の引き上げ率は中途半端である、目下税制を検討中であるというのがその理由であります。しからばお伺いするが、それでは来年度からの引き上げではどうか、自治省が大蔵省に申し入れた五%は半端ではないのか、あるいはまた税制の検討の結果も結論が出るまではまだまだ大変な時間がかかる等々のことを考えて、突き詰めていくならばあるいは一致点が見出されたかもしれないのに、ついに全面的な拒否に遭ってしまったのであります。
 本修正案はまことに現実的に柔軟、引き上げ率四%はほとんど政府の後押しであります。実質アップと政府が称する三・六%にほとんどそのままであります。政府がのみやすいように、最低の修正に私どもは応じようとしたのであります。
 さらに、中途半端だと言うけれども、待望の交付税率の引き上げは、地方団体にとってはかり知れないほどの励ましであり、支えであります。単に引き上げ率だけの問題ではない重大な意味を持っていることであります。
 以上述べましたように、野党のわれわれも従来と違って柔軟な態度で今回は臨んだのでありますが、自民党とその政府はどうしてこの提案を受け入れることができないのか、まことに残念のきわみであります。
 与野党伯仲国会の意味を正しく理解しないで、旧来の頑迷な態度をとり続けるならば、国会審議の停滞と地方財政の崩壊とは挙げて自民党とその政府の責任であると言わなければなりません。(拍手)
 願わくは、与党の諸君が活眼を開いて大悟一番修正案に賛成されるよう祈って、私の討論を終わります。(拍手)
#24
○議長(保利茂君) 和田一郎君。
    〔和田一郎君登壇〕
#25
○和田一郎君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブ提出の地方行政委員会修正案に賛成、政府原案に反対の討論を行います。(拍手)
 今日の地方財政の実態は、五十年度決算を見ても明らかなように、単年度収支で四十七全都道府県及び市町村の四割が赤字になるという、戦後三十年間の地方自治制度発足以来、未曽有の危機的事態に直面しております。
 このような状況のもとにおきましても、福祉や社会資本の充実強化を望む住民の声は高まるばかりであり、三割自治の地方財政の現状では、住民の要求にこたえることは、とうてい困難であります。
 言うまでもなく、今日の地方財政危機の根本原因は、地方行財政の構造的欠陥によるものであります。
 しかし、政府は、これまで行財政改革をしばしば言明してきたにもかかわらず、その改革を行わないばかりか、逆に、地方行財政の形骸化を進めてきたのであります。
 かくのごとき構造的欠陥と政府の怠慢に加え、不況とインフレの長期化によって、昭和五十年度以来、実に三年連続して二兆円以上もの巨額な地方財源不足を生じ、いまや現下最大の政治課題となっているのであります。
 政府は、二年連続して財源不足が続き、三年以降も財源不足が生ずるといった事態であれば、交付税法六条の三の二項を発動し、制度の改正または交付税率の引き上げを行うことを、これまで国会の場で再三約束してまいったのであります。
 しかるに、交付税法の政府原案によれば、五十二年度に見込まれる二兆七百億円の財源不足に対し、交付税率の引き上げを行わないばかりか、財源不足の二分の一を地方債に押しつけ、残りの二分の一の一兆三百五十億円の大部分を、これまた交付税会計に借金として押しつけているのであります。
 そして、この交付税会計の借金のうち、わずか四千二百二十五億円を国の一般会計が負担することを法定化するという、その場しのぎの臨時措置をもって苦し紛れに制度の改正であると強弁しているのであります。
 交付税率も引き上げず、制度改革も行わない、これでは、政府みずからが約束してきたことをほごにするばかりか、交付税法の趣旨を踏みにじるものであって、断じて認めるわけにはいかないのであります。
 今日の地方財政危機を打開するためには、地方行政委員会における修正案のごとく、最低限、交付税率を現行の三二%から三六%に引き上げるとともに、地方財政の後年度の負担を軽減するため、地方財政が抱えている借金を国の責任において一般会計から償還すべきであります。
 さらに、この際、五十二年度の地方財政対策の最大の焦点であった公営企業金融公庫の改組問題について申し述べます。
 地方債は、言うまでもなく、地方財政の弾力的運用という面から重要な役割りを担っております。公共施設の計画的整備を推進するための資金である地方債は、当然、長期、低利の政府資金を充当すべきでありますが、現状においては言うに足りない少額であります。
 このため、財政力の弱い地方公共団体は、地方債の消化がきわめて困難であり、高い金利に加えて、高い手数料を払わなければ融資が受けられないという現行地方債制度に泣かされております。
 しかるに、政府は、このような地方自治体の苦しい財政実情には目をつぶり、何ら対策を講じようとしておりません。
 地方債の円滑な消化を図るためには、公営企業のみを対象とする現在の公営企業金融公庫の資金を地方自治体の普通会計債にも融資できる地方公共団体金融公庫に改組することが、何よりも必要であります。それはまた、地方自治体の長年の悲願でもあります。したがって、わが党の提案しております公営企業金融公庫法の改正案を速やかに成立させることを強く望むものであります。(拍手)
 最後に、私は、次のことを強く訴えたい。
 今日の三割自治の地方行財政制度は、地方自治体の事務の大部分が超過負担を伴うひもつきの補助事業であり、これでは、地方自治の本旨が財政面から大きくゆがめられております。地方財政の危機は、地方自治の危機であります。山積している地方行財政の諸問題を解決するため、委員会修正案の趣旨に沿って、国、地方団体間における行財政の再検討を行い、地方行財政の抜本改革を断行すべきであります。これなくして真の地方自治の確立も、わが国の健全な民主主義の発展も絶対にあり得ません。
 以上、申し述べた理由により、政府原案に強く反対し、地方行政委員会修正案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(保利茂君) 中井洽君。
    〔中井洽君登壇〕
#27
○中井洽君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に関し、社会党、公明党・国民会議、民社党、共産党・革新共同、新自由クラブ五党の提出になる修正案に対し賛成、政府原案に反対の討論を行うものであります。(拍手)
 地方自治体の財政危機が叫ばれてから本年で三年目であります。今年度の地方財政は、二兆七百億円もの財源不足を来し、ついに三年連続二兆円を超える膨大な赤字となったのであります。しかも、五十三年度、五十四年度もこの傾向が続くというのであります。
 このような地方財政の危機は、一時的な現象でないことは言うまでもありません。日本の経済、社会の急激な変動に現行の行財政制度が全く対応できなくなっているからであります。いま、抜本的な行財政改革が行われない限り、地方自治は、危機どころか、破滅を迎えると言っても、言い過ぎではありません。
 こういった時期に出された政府原案は、残念ながら抜本的改革を行うどころか、単なる急場しのぎの対応策をとったものにすぎません。地方行財政改革に最も必要である交付税率の引き上げを行わず、かわりにつなぎの融資を行うという、単なる小手先の小細工にすぎないものであります。
 このような政府原案は、二年間財源不足が続き、三年以降も財源不足が生ずるといった事態であれば、地方交付税法第六条の三の第二項、すなわち、地方交付税率の改定が発動するという、昭和五十一年五月の国会における政府の答弁をみずから破るものであり、法律違反を行おうとするものであります。(拍手)また、「地方交付税率の引き上げ等を含め、地方行財政の抜本的改革を昭和五十二年度を目途にその実現を図る」という昨年の国会の附帯決議をも全く無視しているものであります。
 このように、政府原案は、法律違反、国会無視で、ただ当面の歳入と歳出のバランスさえとれればよいというものにすぎないのであります。これでは、ますます地方財政の危機を深めるものと言っても、言い過ぎではありません。
 今日の地方財政の構造的危機を救うには、政府が委員会でも答弁しているごとく、低成長下における財政構造の抜本的改革以外にあり得ないのであり、また、本年こそがそれを行うタイムリミットと言っても過言ではありません。
 その改革の最も基本的なものの一つに、地方六団体が政府・自民党に提出した緊急要望書に見られる四項目の改正があります。一つには交付税率の改正、二つには地方税の充実強化、三つには地方団体金融公庫の創設、四つ目は超過負担の解消であります。
 これらの要求は、保守、革新を問わず、地方団体の最も熱望するものであり、財政危機を乗り越え、多様化する住民の諸要求にこたえるための最低限の要望でもあります。
 政府原案は、超過負担の一部解消に努力しただけで、他の要求に一切こたえていないものであります。なぜこたえようとしないのか、全く理解に苦しむものであります。
 仄聞するところによりますと、自治省は、本年度の予算要求に際し、交付税率三七%アップ、地方団体金融公庫創設等を強く主張したというではありませんか。なぜこれらが政府内で取り入れられなかったのでしょうか。大蔵省が反対したからでしょうか。そして、妥協案として、最もまずい借金財政奨励の今回の政府原案が出されたのでしょうか。そうとするならば、地方自治、地方財政という国家行財政と独立したものが、まさに大蔵省という国の一行政機関によって踏みにじられたと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 私たちは、こういった状態を憂い、政府・自民党にかわって地方財政の危機を救うべく、今回の修正案を提出し、委員会で可決したのであります。この法案によってようやく抜本的改革に踏み切る芽が出てきたのであります。
 修正案の交付税率三六%の引き上げそれ自体は、決して満足のいくものではありません。現に社会党、公明党、共産党、新自由クラブの皆さんは、四〇%に引き上げを熱心に主張されたのであります。しかし、今日の苦しい国家財政の中において、一挙に四〇%に引き上げることは、国のもろもろの問題に影響し、無理を生ずることになります。さらに、地方団体の借り入れとして措置された財源不足は、本来、国が交付税として見るべき性格のものであり、今修正案のように一般会計で負担すべきものであります。
 野党全体がわが党の主張を聞き入れられ、今回の修正案を五党間でまとめられて委員会で成立したことは、責任野党本来の姿を実現したものであり、(拍手)与野党大伯仲の今国会における大ヒットであると考えます。また、福田内閣の目玉である「協調と連帯」を野党間で地でいったものであります。この案を成立させるとともに、与野党一致して、今後とも地方行財政の抜本的改革を進めることこそが本国会の使命であり、国民並びに地方団体すべての望むところであります。
 そういった意味から、自民党が、昨日の委員会、また本日の本会議で、この修正案並びに修正部分を除く政府原案に反対討論されたことは、まことに残念であります。委員会で可決されたこの修正案を本会議で否決しようとする自民党の態度に、大きな疑問を感じるものであります。
 なぜなら、自民党が絶対多数を誇った前国会までは、委員会で審議、可決したことを理由に、たびたび本会議で強行採決が繰り返されてきたことは周知の事実であります。しかるに、今国会においては、先日の地方税法の改定に見られるごとく、委員会で否決された原案を本会議で可決、また本日、本修正案を否定しようとする態度は、委員会中心主義の国会のルールを無視しようとするものであり、与野党伯仲の中でよりよい政治をつくり出そうとする新しい芽を摘み取ろうとするものであります。自民党ではやるにやれない修正を、野党が責任を持って行おうとする本修正案の成立を阻むことは、地方財政難の危機を自民党がお救いにならないという事実を国民の前に明らかにするものであります。
 真に地方財政の危機を憂い、地方自治の確立と地域住民の行政に向上をもたらすために、あえて自民党の皆さんの再考を促し、本修正案が満場一致で可決されることを切に要望いたすものであります。
 最後に、民社党は、たとえ本案が自民党の硬直した姿勢により否定されても、地方財政の抜本的改革のためにあくまで本修正案の趣旨を貫徹させる努力を今後とも続けてまいることをこの場でお誓いをいたしまして、私の五党修正案に対する賛成、政府原案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
#28
○議長(保利茂君) 三谷秀治君。
    〔三谷秀治君登壇〕
#29
○三谷秀治君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題になりました、委員会において修正議決された地方交付税法五野党修正案に賛成、政府原案に反対の討論を行います。(拍手)
 地方財政が三年連続して二兆円を超す不足額を生じ、まさに重大な危機的状況に陥っていることは、争うことのできない事実であります。この地方財政危機は、自民党政府が六〇年代から推進してきた高度経済成長政策に地方財政を動員してきたこと、並びにこの政策破綻によるインフレと不況の結果であることは明らかであります。
 政府は、この高度経済成長政策の破綻が明らかになった昭和五十年度以降、経済が低成長時代に入ったとして、みずからの責任をたな上げしながら、自治体に対しては、福祉水準の切り捨て、住民負担の強化を強引に求めてまいりました。一方、地方自治体は、超過負担の解消、交付税率の引き上げなど、国の責任において実施できる措置を強く求めてきましたが、政府は、財源問題を理由にして自治体の要求にこたえようとしていないのであります。
 高度経済成長から安定成長に転換するのであれば、高度成長のための税制、財政を根本的に見直して、これを財源として、超過負担の解消、交付税率の引き上げなど、地方財政の充実を図るのが当然であります。
 ところが、政府は、高度成長の仕組みを温存するばかりか、自治体と住民の犠牲において多額の地方債を増発し、大企業本位の景気対策に一層地方財政を組み込もうとしておるのであります。
 わが党は、住民の生活関連事業を進めることには賛成でありますが、地方財政を使って大企業本位の景気対策を行うことは、地方財政危機をますます深刻なものに追いやることになり、同意できないのであります。
 地方自治体の交付税率引き上げ要求は、当面する財政危機打開のためにも、また、自主財源の拡充、財政自主権の強化のためにも、きわめて正当な要求であります。自治省が、予算編成の段階でみずから五%の交付税率の引き上げを要求せざるを得なかったのも、このことの正当性と緊急性を示すものとなっております。
 ところが、政府が提出してきました本年度の地方財政対策は、地方財政の現状に対して何らの抜本的な改善を行わず、引き続いて借金によって急場を切り抜けるというこそくなものであり、地方財政の今後に一層の困難をもたらすものであります。
 政府は、今年度の財源不足額二兆七百億円の半額に相当する一兆三百五十億円については、交付税算入から外して、これを特定財源である地方債へ振りかえる交付税制度の実質的な改悪を行っているばかりでなく、他の半額についても、一部の特例交付金を除きまして、三年連続の借り入れ措置を行い、この三年間の借り入れだけでも三兆三千七百四十億に及ぼうとしておるのであります。これは、すべて地方自治体と住民に対して膨大な負担を強要するものにほかなりません。
 交付税法は、地方財源不足に際しては税率の改定もしくは制度改正を行うことを規定しておりますが、政府の措置は、この法律の規定に明らかに違反するものであります。
 政府は、借入額のうち四千二百二十五億円の償還金を国が将来負担することを法定することをもって制度の改正であると称し、この額が交付税率の三・二%引き上げに相当すると強弁しておりますが、これは詭弁もはなはだしいものであります。
 法律の定める税率の引き上げ、もしくは制度改正の内容は、継続的、長期的な効果を持つ措置を意味しておるものであって、今回のような臨時の措置を制度の改正と言うことはできないのであります。明らかに交付税法の規定に違反する欺瞞的な措置であり、とうていこれを認めることはできません。
 わが党は、今回の政府の措置に反対の態度を表明し、法律の規定による交付税率の引き上げを強く要求するものであります。
 次に、わが党を含む五野党の修正案について述べます。
 交付税率を四%引き上げ、三六%にすることを主な内容とする本修正案は、政府原案に含まれております臨時特例交付金及び元本償還金の政府負担分、計五千百七十五億円が税率換算で三・六%の引き上げとなることを含めまして、合わせて本年度の実質交付税率を三九・六%に改定しようとするものであります。地方団体がこぞって要求してきました税率四〇%には及びませんけれども、諸般の事情を考慮して、この修正案に賛成するものであります。
 政府並びに自民党は、委員会で多数で議決されたこの野党修正案を受け入れ、地方財政危機打開の一歩を踏み出されんことを心から期待して、私の討論を終わります。(拍手)
#30
○議長(保利茂君) 川合武君。
    〔川合武君登壇〕
#31
○川合武君 私は、新自由クラブを代表して、政府提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの五党共同提案に係る委員会修正に賛成の討論を行おうとするものであります。(拍手)
 今日の政治を見るとき、地方自治の重要性を多くの人々が唱えながら、実際には、むしろ中央集権的傾向が強まりつつあります。現行の交付税制度もまたその流れに影響されています。すなわち、地方自治体をして政府の施策を消化させようとし、しかも交付税総額に縛られ、結局は自主財源を狭めていき、いまや特定財源化する等、本来の地方交付税の生命は失われつつあります。
 今日の政治に求めるべきは、この中央統制を打ち破り、国、地方自治体、それぞれの行政責任の分野を明らかにし、それに伴い、交付税も含め、財源の再配分を確立することであり、そのことにより初めて地方自治体は活力を得、個性ある地域社会がよみがえると思います。新自由クラブはこのことを志します。したがって、委員会修正に盛られた「地方団体の財源の充実強化を図るため、速やかに、国・地方団体を通じて行財政全般にわたり基本的な検討を加え、その結果に基づき、国と地方団体との間の財源の再配分が実施されるよう必要な措置を講ずる」という規定はまことに意義深いものであると思います。
 思うに、このことが指摘されてから久しいにもかかわらず、政府の怠慢のため、いたずらに十年余検討を続けて、なお実現されず今日に至っております。
 今回の政府原案を見ても、景気変動にかこつけて地方財政の基本問題には一切触れず、地方財政の充実を図ろうとする努力の跡はなく、旧態依然として、ただ収支のつじつまを合わすのみと言えましょう。われわれの委員会修正でこの地方行財政の根幹を法定することは、国会の責務と思います。
 もとより、地方財政の苦しみは目下の問題であり、われわれはあるべき地方自治を目指しつつ、しかも当面の対応策を講じなければなりません。
 このことに関し、政府は、原案で地方自治体の財政需要にこたえ得ると言う。しかし、それは、複雑多岐な補正係数を操って世人の目を幻惑し、交付税絶対量不足を糊塗しようとするものと言わざるを得ません。これに対し、われわれの委員会修正は、交付税率の引き上げ、すなわち正論を規定しようとするものであります。
 さらに、委員会修正は、地方交付税を交付税特別会計へ直接繰り入れるよう規定します。もとより、交付税は、地方団体固有の財源であるにかかわらず、現行規定は、一たん一般会計を通してそれから交付税特別会計へ繰り入れるという邪道の規定であります。このことは、単なる事務手続の問題ではなく、地方自治の哲学に関することです。
 長らく地方自治体が熱望し、自治省も事あるごとに主張し、今国会の交付税法案審議の過程でも、この改正の希望を明言しています。そして、現行規定を改正しようがしまいが、交付税の金額にはかかわりないのに、なぜ大蔵省が反対するのか。それは、国が地方行財政を統制しようとする考えと、まことの地方自治との思想の対立でもあると言えましょう。ゆえに、この問題を放置することは、地方自治確立を妨げると思い、われわれは、この委員会修正でそれを正そうとするのであります。
 われわれは、今日の地方自治体とともに悩み、そして地方自治の理想像を目指しつつ、この委員会修正を行いました。これに反対せんとする人は、何をもってその反対の理由としようとするのか。全国の地方自治体、そして世論に背いてまで一部官僚に気がねするのであろうか。猛省を促しつつ、私の討論を終わります。(拍手)
#32
○議長(保利茂君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#33
○議長(保利茂君) これより採決に入ります。
 まず、本案の委員長報告に係る修正につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本案の委員長報告に係る修正に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#34
○議長(保利茂君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#35
○議長(保利茂君) 投票漏れはありませんか ――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#36
○議長(保利茂君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#37
○議長(保利茂君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五十四
  可とする者(白票)        二百十三
  否とする者(青票)       二百四十一
    〔拍手〕
#38
○議長(保利茂君) 右の結果、本案の委員長報告に係る修正は否決いたしました。
    ―――――――――――――
 地方交付税法の一部を改正する法律案の委員長報告に係る修正を可とする議員の氏名
      安島 友義君    安宅 常彦君
      阿部 昭吾君    阿部未喜男君
      井上  泉君    井上 一成君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稲葉 誠一君
      岩垂寿喜男君    上田 卓三君
      枝村 要作君    小川 国彦君
      小川 省吾君    小川 仁一君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大島  弘君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 哲児君
      岡田 春夫君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川口 大助君    川崎 寛治君
      川俣健二郎君    川本 敏美君
      河上 民雄君    木島喜兵衞君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保  等君    栗林 三郎君
      小林  進君    兒玉 末男君
      後藤  茂君    上坂  昇君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      沢田  広君    柴田 健治君
      渋沢 利久君    島田 琢郎君
      島本 虎三君    清水  勇君
      下平 正一君    新村 勝雄君
      新盛 辰雄君    鈴木  強君
      田口 一男君    田邊  誠君
      田畑政一郎君    多賀谷真稔君
      高沢 寅男君    高田 富之君
      竹内  猛君    武部  文君
      只松 祐治君    千葉千代世君
      土井たか子君    栂野 泰二君
      中西 績介君    中村  茂君
      中村 重光君    成田 知巳君
      西宮  弘君    野坂 浩賢君
      馬場猪太郎君    馬場  昇君
      原   茂君    日野 市朗君
      平林  剛君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    藤田 高敏君
      古川 喜一君    細谷 治嘉君
      松沢 俊昭君    松本 七郎君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      森井 忠良君    八百板 正君
      矢山 有作君    安井 吉典君
      山口 鶴男君    山田 耻目君
      山田 芳治君    山花 貞夫君
      山本 政弘君    湯山  勇君
      横路 孝弘君    横山 利秋君
      吉原 米治君    米田 東吾君
      渡部 行雄君    渡辺 三郎君
      渡辺 芳男君    浅井 美幸君
      有島 重武君    飯田 忠雄君
      池田 克也君    石田幸四郎君
      市川 雄一君    小川新一郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      長田 武士君    鍛冶  清君
      貝沼 次郎君    北側 義一君
      草川 昭三君    草野  威君
      古寺  宏君    権藤 恒夫君
      斎藤  実君    坂井 弘一君
      坂口  力君    鈴切 康雄君
      瀬野栄次郎君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    竹内 勝彦君
      武田 一夫君    谷口 是巨君
      玉城 栄一君    鳥居 一雄君
      中川 嘉美君    西中  清君
      長谷雄幸久君    林  孝矩君
      春田 重昭君    平石磨作太郎君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      伏屋 修治君    二見 伸明君
      古川 雅司君    正木 良明君
      松本 忠助君    宮井 泰良君
      宮地 正介君    矢野 絢也君
      薮仲 義彦君    山田 太郎君
      吉浦 忠治君    和田 一郎君
      渡部 一郎君    青山  丘君
      稲富 稜人君    河村  勝君
      神田  厚君    小宮 武喜君
      曾禰  益君    竹本 孫一君
      玉置 一徳君    中井  洽君
      中野 寛成君    中村 正雄君
      永末 英一君    西田 八郎君
      西村 章三君    宮田 早苗君
      山本悌二郎君    吉田 之久君
      和田 耕作君    渡辺 武三君
      渡辺  朗君    荒木  宏君
      浦井  洋君    工藤  晃君
      小林 政子君    瀬崎 博義君
      田中美智子君    寺前  巖君
      東中 光雄君    不破 哲三君
      藤原ひろ子君    正森 成二君
      松本 善明君    三谷 秀治君
      安田 純治君    山原健二郎君
      甘利  正君    大成 正雄君
      大原 一三君    川合  武君
      工藤  晃君    小林 正巳君
      田川 誠一君    中馬 弘毅君
      永原  稔君    西岡 武夫君
      依田  実君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 文男君    相沢 英之君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 正久君    天野 光晴君
      荒舩清十郎君    有馬 元治君
      井出一太郎君    井上  裕君
      伊東 正義君    伊藤宗一郎君
      池田 行彦君    石井  一君
      石川 要三君    石田 博英君
      石橋 一弥君    石原慎太郎君
      稲垣 実男君    稻葉  修君
      稻村佐近四郎君    稲村 利幸君
      今井  勇君    宇野 宗佑君
      宇野  亨君    上村千一郎君
      内田 常雄君    内海 英男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 千八君
      大塚 雄司君    大坪健一郎君
      大西 正男君    大野  明君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐沢俊二郎君    川崎 秀二君
      川田 正則君    瓦   力君
      木村 武雄君    木村武千代君
      木村 俊夫君    岸  信介君
      北川 石松君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      倉石 忠雄君    藏内 修治君
      小泉純一郎君    小坂善太郎君
      小坂徳三郎君    小島 静馬君
      小宮山重四郎君    後藤田正晴君
      河本 敏夫君    高村 坂彦君
      國場 幸昌君    近藤 鉄雄君
      左藤  恵君    佐藤  隆君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      佐野 嘉吉君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂本三十次君    笹山茂太郎君
      志賀  節君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 宜伸君
      白浜 仁吉君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    住  栄作君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      染谷  誠君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村  元君    高鳥  修君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷  洋一君    谷川 寛三君
      玉生 孝久君    玉沢徳一郎君
      地崎宇三郎君    津島 雄二君
      塚田  徹君    塚原 俊平君
      辻  英雄君    坪川 信三君
      戸井田三郎君    戸沢 政方君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      友納 武人君    中尾 栄一君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      中島  衛君    中曽根康弘君
      中西 啓介君    中野 四郎君
      中村喜四郎君    中村 弘海君
      中村  直君    中村  靖君
      中山 利生君    中山 正暉君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      楢橋  進君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      西田  司君    西村 英一君
      西銘 順治君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田  毅君
      野中 英二君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      萩原 幸雄君    橋口  隆君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    服部 安司君
      浜田 幸一君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林  大幹君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      平泉  渉君    廣瀬 正雄君
      福島 譲二君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      古井 喜實君    古屋  亨君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀之内久男君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田治一郎君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    松永  光君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三木 武夫君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水平 豊彦君
      湊  徹郎君    宮崎 茂一君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      向山 一人君    村上  勇君
      村上 茂利君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      森   清君    森  美秀君
      森  喜朗君    森下 元晴君
      森田 欽二君    森山 欽司君
      保岡 興治君    山口シヅエ君
      山崎  拓君    山崎武三郎君
      山崎平八郎君    山下 元利君
      山下 徳夫君    山田 久就君
      湯川  宏君    綿貫 民輔君
      渡部 恒三君    渡辺 栄一君
      渡辺 紘三君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君
    ―――――――――――――
#39
○議長(保利茂君) 次に、本案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#40
○議長(保利茂君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#41
○議長(保利茂君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#42
○議長(保利茂君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#43
○議長(保利茂君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五十六
  可とする者(白票)       二百四十一
    〔拍手〕
  否とする者(青票)        二百十五
    〔拍手〕
#44
○議長(保利茂君) 右の結果、地方交付税法の一部を改正する法律案は原案のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 地方交付税法の一部を改正する法律案の原案を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 文男君    相沢 英之君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 正久君    天野 光晴君
      荒舩清十郎君    有馬 元治君
      井出一太郎君    井上  裕君
      伊東 正義君    伊藤宗一郎君
      池田 行彦君    石井  一君
      石川 要三君    石田 博英君
      石橋 一弥君    石原慎太郎君
      稲垣 実男君    稻葉  修君
      稻村佐近四郎君    稲村 利幸君
      今井  勇君    宇野 宗佑君
      宇野  亨君    上村千一郎君
      内田 常雄君    内海 英男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 千八君
      大塚 雄司君    大坪健一郎君
      大西 正男君    大野  明君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐沢俊二郎君    川崎 秀二君
      川田 正則君    瓦   力君
      木村 武雄君    木村武千代君
      木村 俊夫君    岸  信介君
      北川 石松君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      倉石 忠雄君    藏内 修治君
      小泉純一郎君    小坂善太郎君
      小坂徳三郎君    小島 静馬君
      小宮山重四郎君    後藤田正晴君
      河本 敏夫君    高村 坂彦君
      國場 幸昌君    近藤 鉄雄君
      左藤  恵君    佐藤  隆君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      佐野 嘉吉君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂本三十次君    笹山茂太郎君
      志賀  節君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 宜伸君
      白浜 仁吉君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    住  栄作君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      染谷  誠君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村  元君    高鳥  修君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷  洋一君    谷川 寛三君
      玉生 孝久君    玉沢徳一郎君
      地崎宇三郎君    津島 雄二君
      塚田  徹君    塚原 俊平君
      辻  英雄君    坪川 信三君
      戸井田三郎君    戸沢 政方君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      友納 武人君    中尾 栄一君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      中島  衛君    中曽根康弘君
      中西 啓介君    中野 四郎君
      中村喜四郎君    中村 弘海君
      中村  直君    中村  靖君
      中山 利生君    中山 正暉君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      楢橋  進君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      西田  司君    西村 英一君
      西銘 順治君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田  毅君
      野中 英二君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      萩原 幸雄君    橋口  隆君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    服部 安司君
      浜田 幸一君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林  大幹君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      平泉  渉君    廣瀬 正雄君
      福島 譲二君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      古井 喜實君    古屋  亨君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀之内久男君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田治一郎君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    松永  光君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三木 武夫君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水平 豊彦君
      湊  徹郎君    宮崎 茂一君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      向山 一人君    村上  勇君
      村上 茂利君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      森   清君    森  美秀君
      森  喜朗君    森下 元晴君
      森田 欽二君    森山 欽司君
      保岡 興治君    山口シヅエ君
      山崎  拓君    山崎武三郎君
      山崎平八郎君    山下 元利君
      山下 徳夫君    山田 久就君
      湯川  宏君    綿貫 民輔君
      渡部 恒三君    渡辺 栄一君
      渡辺 紘三君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      安島 友義君    安宅 常彦君
      阿部 昭吾君    阿部未喜男君
      井上  泉君    井上 一成君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稲葉 誠一君
      岩垂寿喜男君    上田 卓三君
      枝村 要作君    小川 国彦君
      小川 省吾君    小川 仁一君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大島  弘君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 哲児君
      岡田 春夫君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川口 大助君    川崎 寛治君
      川俣健二郎君    川本 敏美君
      河上 民雄君    木島喜兵衞君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保  等君    栗林 三郎君
      小林  進君    兒玉 末男君
      後藤  茂君    上坂  昇君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      沢田  広君    柴田 健治君
      渋沢 利久君    島田 琢郎君
      島本 虎三君    清水  勇君
      下平 正一君    新村 勝雄君
      新盛 辰雄君    鈴木  強君
      田口 一男君    田邊  誠君
      田畑政一郎君    多賀谷真稔君
      高沢 寅男君    高田 富之君
      竹内  猛君    武部  文君
      只松 祐治君    千葉千代世君
      土井たか子君    栂野 泰二君
      中西 績介君    中村  茂君
      中村 重光君    成田 知巳君
      西宮  弘君    野坂 浩賢君
      馬場猪太郎君    馬場  昇君
      原   茂君    日野 市朗君
      平林  剛君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    藤田 高敏君
      古川 喜一君    細谷 治嘉君
      松沢 俊昭君    松本 七郎君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      森井 忠良君    八百板 正君
      矢山 有作君    安井 吉典君
      山口 鶴男君    山田 耻目君
      山田 芳治君    山花 貞夫君
      山本 政弘君    湯山  勇君
      横路 孝弘君    横山 利秋君
      吉原 米治君    米田 東吾君
      渡部 行雄君    渡辺 三郎君
      渡辺 芳男君    浅井 美幸君
      有島 重武君    飯田 忠雄君
      池田 克也君    石田幸四郎君
      市川 雄一君    小川新一郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      長田 武士君    鍛冶  清君
      貝沼 次郎君    北側 義一君
      草川 昭三君    草野  威君
      古寺  宏君    権藤 恒夫君
      斎藤  実君    坂井 弘一君
      坂口  力君    鈴切 康雄君
      瀬野栄次郎君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    竹内 勝彦君
      武田 一夫君    谷口 是巨君
      玉城 栄一君    鳥居 一雄君
      中川 嘉美君    西中  清君
      長谷雄幸久君    林  孝矩君
      春田 重昭君    平石磨作太郎君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      伏屋 修治君    二見 伸明君
      古川 雅司君    正木 良明君
      松本 忠助君    宮井 泰良君
      宮地 正介君    矢野 絢也君
      薮仲 義彦君    山田 太郎君
      吉浦 忠治君    和田 一郎君
      渡部 一郎君    青山  丘君
      稲富 稜人君    河村  勝君
      神田  厚君    小宮 武喜君
      曾禰  益君    竹本 孫一君
      中井  洽君    中野 寛成君
      中村 正雄君    永末 英一君
      西田 八郎君    西村 章三君
      宮田 早苗君    山本悌二郎君
      吉田 之久君    和田 耕作君
      渡辺 武三君    渡辺  朗君
      荒木  宏君    浦井  洋君
      工藤  晃君    小林 政子君
      瀬崎 博義君    田中美智子君
      寺前  巖君    東中 光雄君
      不破 哲三君    藤原ひろ子君
      正森 成二君    松本 善明君
      三谷 秀治君    安田 純治君
      山原健二郎君    甘利  正君
      伊藤 公介君    大成 正雄君
      大原 一三君    加地  和君
      川合  武君    工藤  晃君
      小林 正巳君    田川 誠一君
      中馬 弘毅君    永原  稔君
      西岡 武夫君    山口 敏夫君
      依田  実君
     ――――◇―――――
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第七 簡易生命保険法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
#45
○議長(保利茂君) 日程第六、郵便貯金法の一部を改正する法律案、日程第七、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長八百板正君。
    ―――――――――――――
 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び同報告書
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔八百板正君登壇〕
#46
○八百板正君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、郵便貯金の預金者の利益を増進し、あわせて貯蓄の増強に資するために、次の二点について改正しようとするものであります。
 第一点は、財産形成貯蓄契約に係る郵便貯金の別枠の総額制限額の引き上げであります。
 現在、租税特別措置法に規定する財産形成貯蓄非課税限度額五百万円の枠の中で、二百万円まで認められているものでありますが、郵便貯金の勤労者の財産形成にさらに一層寄与するものとするため、これを四百五十万円に引き上げようとするものであります。
 第二点は、通常郵便貯金の利子の計算の改善であります。
 現在、利子の計算を月割りとしておりますのを、日割りの計算に改めることとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日となっておりますが、通常郵便貯金の利子計算の改善については、昭和五十三年四月一日からといたしております。
 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額の引き上げなどを内容とするもので、その主な改正点は、次の三点であります。
 第一点は、保険金の最高制限額の引き上げなどであります。
 現在、保険金の最高制限額は、被保険者一人につき、定期保険及び特別養老保険については八百万円、その他の保険については五百万円に制限されていますが、財形貯蓄保険に係る保険金の最高制限額を除き、その制限額を一千万円に引き上げようとするものであります。
 同時に、財形貯蓄保険については、他の保険の最高制限額とは別枠とし、払い込み保険料総額が、被保険者一人につき、その非課税限度額を超えてはならないものとするものであります。
 第二点は、現在、定期保険の保険契約については、傷害特約のみを付することができるとされておりますのを、加入者に対する保障機能の充実を図るため、定期保険の保険契約についても、疾病傷害特約を付することができるようにするものであります。
 第三点は、簡易生命保険に加入しようとする者に対する保護を図るため、簡易生命保険約款の定めるところにより、その申し込みの撤回をすることができることとするものであります。
 なお、本案の施行期日は、昭和五十二年九月一日からとなっております。
 逓信委員会におきましては、去る二月二十六日両法律案の付託を受けまして、三月二十三日小宮山郵政大臣より両法律案の提案理由の説明を聴取し、慎重に審査したのでありますが、四月二十日質疑を終了し、両法律案につきましてそれぞれ採決した結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、両法律案に対して、それぞれ附帯決議を付したことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#47
○議長(保利茂君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第八 日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件
 日程第九 日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件
#49
○議長(保利茂君) 日程第八、日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件、日程第九、日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長竹内黎一君。
    ―――――――――――――
 日本国とオーストラリアとの間の友好協力基本条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 日本国とカナダとの間の文化協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔竹内黎一君登壇〕
#50
○竹内黎一君 ただいま議題となりました二件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、オーストラリアとの友好協力基本条約について申し上げます。
 政府は、かねてよりオーストラリアとの間に、広範な分野における友好及び協力の関係を一層促進するための包括的な条約の締結交渉を行ってまいりましたが、案文につき合意に達しましたので、昭和五十一年六月十六日東京において本条約に署名を行いました。
 本条約は、日豪両国間の理解を促進し、また相互に関心のある事項につき協力を発展させることにより、両国間の関係を拡大強化することを目的とし、公正かつ安定的な基礎の上に両国間の貿易の発展を図ること、出入国、滞在、居住、事業活動及び職業活動について、公正かつ公平で第三国との間で無差別な待遇を与えること等について規定しております。
 次に、カナダとの文化協定について申し上げます。
 わが国は、文化協定の締結について、カナダとの間に交渉を行ってまいりましたが、合意に達しましたので、昭和五十一年十月二十六日東京において本協定に署名を行いました。
 本協定の主な内容は、両国間に学者、学生、芸術家、その他文化的、教育的活動に従事する者の交換を助長し、また、自国において相手国の国民が修学し、研究できるように奨学金を与えるよう努力し、一方の国で与えられる学位、資格証書等が、他方の国でどの程度に認められるかを研究するとともに、教育機関での講義の創設、報道機関の間の協力、青少年及びスポーツ団体等の交換を奨励することによって、相手国の文化、生活様式の理解を容易にすること等について規定しております。
 以上二件は、三月二十三日外務委員会に付託され、二十五日鳩山外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いましたが、その詳細は会議録により御承知を願います。
 かくて、昨二十日質疑を終了し、採決を行いました結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#51
○議長(保利茂君) 両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#53
○瓦力君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、海上衝突予防法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#54
○議長(保利茂君) 瓦力君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 海上衝突予防法案(内閣提出)
#56
○議長(保利茂君) 海上衝突予防法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。交通安全対策特別委員長鈴切康雄君。
    ―――――――――――――
 海上衝突予防法案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鈴切康雄君登壇〕
#57
○鈴切康雄君 ただいま議題となりました海上衝突予防法案につきまして、交通安全対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の海上交通の実情に対処して、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約を実施するため、航法、灯火及び形象物並びに信号に関し必要な事項を定めようとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、船舶は、すべての手段により常時適切な見張りをしなければならないこと、
 第二に、船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとり、またはそのときの状況に適した距離で停止することができるよう、視界の状態等を考慮して、常時安全な速力で航行しなければならないこと、
 第三に、レーダーを使用している船舶は、長距離レーダーレンジによる走査、レーダープロッティング等の方法によりレーダーを適切に用いなければならないこと、
 第四に、狭い水道、政府間海事協議機関が採択した分離通航方式の設けられている水域等、特定の水域を航行する船舶は、特別な航法をしなければならないこと、
 次に、灯火及び形象物については、灯火の種類として引き船灯及び閃光灯を追加するほか、新たにエアクッション船、曳航されている物件等が表示すべき灯火及び形象物についての規定を設ける等、規定の整備を行うとともに、信号についても、新たに狭い水道における追い越し信号を定めるほか、所要の規定を整備すること、等であります。
 本案は、去る三月三十日本委員会に付託され、四月七日提案理由の説明を聴取し、同月十三日質疑に入るとともに、現地視察を行い、昨二十日質疑を終了、本日、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#58
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 原子力基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#60
○議長(保利茂君) 内閣提出、原子力基本法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣宇野宗佑君。
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕
#61
○国務大臣(宇野宗佑君) 原子力基本法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 資源の乏しいわが国において、将来にわたってエネルギーの安定的確保を図っていくためには、原子力発電を中心とする原子力の開発利用を強力に推進していくことが不可欠であります。
 このため、政府といたしましては、安全研究の推進、原子力安全局の設置など安全の確保に十分配慮しつつ、鋭意、原子力開発利用の推進に努めてきたところでありますが、必ずしも期待どおりの進展を見せていない状況にあります。
 このような状況を打開し、今後とも原子力開発利用を円滑に推進していくためには、原子力に対する国民の信頼を確保し、国民の理解と協力を得るために、さらに万全の努力を払うことが必要であります。
 このような考えから、原子力行政体制の基本的なあり方について検討するため、内閣総理大臣のもとに原子力行政懇談会を開催し、各界有識者の御意見を伺うとともに、内閣に原子力行政体制改革強化推進連絡会議を設け、鋭意検討を進めてきたところであります。
 その結果、原子力の安全の確保に万全を期しつつ、原子力に対する国民の十分な理解と協力を得るためには、安全の確保に関する事項を所掌する原子力安全委員会の設置及び安全規制行政の一貫化を図ることが必要であるとの結論を得ましたので、原子力基本法等の一部を改正する法律案を今国会に提出いたした次第であります。
 次に、この法律案の内容を述べさせていただきます。
 第一に、本法律案では、原子炉の設置等に関する安全規制等、原子力に係る安全の確保に関する事項を所掌する原子力安全委員会を設置することといたしております。
 第二に、本法律案は、行政機関における安全規制行政の一貫化を確保し、その責任体制を明確にする必要があることにかんがみ、実用発電用原子炉については通商産業大臣、実用舶用原子炉については運輸大臣、試験研究用原子炉及び研究開発段階にある原子炉については内閣総理大臣が、それぞれ一貫して原子炉の設置及び運転に関する規制を行うよう改めるとともに、これらの改正に伴う所要の規定の整備を行うものであります。
 以上が、原子力基本法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 原子力基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#62
○議長(保利茂君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。上坂昇君。
    〔上坂昇君登壇〕
#63
○上坂昇君 上坂であります。日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました原子力基本法等の一部改正案に関連する幾つかの問題について、総理並びに関係閣僚に対し質問をいたします。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
 まず、原子力発電の安全性についてであります。
 石油ショック以来、石油に取ってかわるものは原子力発電である、燃料の備蓄が容易で、クリーンな原子力に移行しなければ、経済成長はストップし、国民はもとの貧しい暮らしに戻らねばならない、エネルギー危機を救うものは原発の開発以外にはないとする政府、産業界の躍起の宣伝のもとで、小型炉による長年月の研究、実験の段階を省略いたしまして、原発の建設を一挙に実用化、巨大化へと、過疎地帯を中心として各地に進められてきたのであります。
 しかし、その反面、原発の建設と運転に対する住民の反対運動は大きな高まりを見せています。この反原発運動は、ひとりわが国だけでなく、世界の各国で急速に広がり、いずれも驚くほどの類似性と共通性を帯びているのであります。この実態を見詰め、よって来るゆえんを追及することなしに、エネルギー問題を口にすることは許されないと思うのであります。(拍手)
 原子力発電所は、科学技術のあらゆる分野の最も新しい知識と技術を総合した最も進んだ複合テクノロジーであり、二重、三重の安全装置の中で、事故の発生はもちろん、環境の汚染あるいは人体への被害もないということが、政府、電力業界によって説明されてきたのでありますが、これらの説明や保証は全く信用のできないものであることがいまや明らかにされつつあります。
 すなわち、沸騰水型か加圧水型かを問わず、運転中のほとんどの原発において次々と事故や故障が発生し、多くの欠陥が発見されているのであります。
 美浜原発一号、二号炉、高浜一号炉等の加圧水型原子炉では、蒸気発生器内細管の減肉現象と穴あきによる放射能漏れや燃料棒の曲がりあるいは破損が相次いで発生し、福島、敦賀の沸騰水型原子炉では、冷却水再循環パイプのひび割れ、そして、二重、三重という安全装置のかなめに当たる緊急冷却装置でのひび割れが発見され、ついに福島、島根の各一号炉におきましては、原子炉本体の給水ノズル部分にひび割れが発生するに至りまして、冷却材喪失という最も悲劇的な大事故を生起させる可能性を示したのであります。
 まさに、原子力発電所の工学的安全性は音を立てて崩れ去り、今日の日本の原子力技術はいまだ研究、実験の域を脱していないというわが党の指摘と主張の正しさが明らかにされているのであります。
 さらに、原発のたび重なる事故や故障は、頻繁な点検、修理作業を必要とし、このため、作業者の被曝はウナギ登りに増加し、大きな社会問題に発展をいたしております。さきにわが党が発表いたしました原発作業員、特に下請関係労働者の各原発における七十五名に及ぶ死亡の実態は、これを裏書きするものとして世間の耳目を集めております。
 こうして、生物学的、医学的安全性もまた、もろくも崩れつつあると言わざるを得ません。
 このような原発の安全性の崩壊をどうとらえておられるのか、原発設置の許可権を持つ総理にお伺いをいたしたいのであります。
 次に、今日、原子炉の安全性が社会的問題視され、原子炉設置の規制と安全審査の拡充強化が特に要請をされているとき、原子力安全委員会の設置を機として、内閣総理大臣の持つ原発設置の許可権を原子炉の型に応じて分散するという法改正が提案されたことは、まことに不可解なことであります。
 現在の原発設置の申請に対する取り扱いを見ると、総理大臣のもとでの科学技術庁と原子力委員会による安全審査は、抽象的な基礎的設計に関する書類上の審査のみに限られ、詳細設計、工事内容等の審査や機器の検査という肝心かなめの重要部分については、通産省と運輸省に任せてしまうもので、その欠陥が問題とされてきたところであります。したがって、その欠陥を正すためには、すべての必要な審査や検査が、総理大臣を頂点とし、科学技術庁長官、原子力委員会、そして新設される原子力安全委員会によって一元的に実施され、さらに、建設、試運転、改造工事の開始と完了はもとより、それ以後の実体的な検査、技術的な問題の点検についてまで、一貫した責任と権限が確保される体制を確立することが、いま最も必要だと思うのであります。
 にもかかわらず、本改正案は、これに逆行し、総理大臣の権限を試験炉だけにとどめ、特に住民と関係の深い実用炉については通産大臣に設置許可権を移すなどの措置は、一貫性を図るということに名をかりて、その実、原発の開発建設を電力会社がやりやすくなるという、いわば業界主導型の原子力行政を進めようとする意図にほかならない点を私は指摘せざるを得ないのでありますが、これらについて、総理及び科学技術庁長官の答弁を求めたいと思います。
 なお、原子力安全委員会の設置と引きかえに原子力委員会委員の数を減らしていること、また、三十名まで組織できる原子炉安全専門審査会を廃止しようとしていることはどのような観点に立つものでしょうか。この点について科学技術庁長官にお伺いをいたしたいのであります。
 私は、原子力安全委員会の新設と相まって、原子炉安全専門審査会をその下に置き、より拡充強化、そして民主化を図るべきであり、そのためには、原子力委員会、原子力安全委員会、そして原子炉安全専門審査会について、国会の議席数に比例して各党が推薦する専門家で構成する組織に改めることを提案をいたしたいのであります。(拍手)この提案に対する科学技術庁長官の見解をお示しいただきたいと思うのであります。
 次に、原子力発電所のスケールアップに伴う経済性の問題についてお伺いをいたします。
 原発は、発電コストに占める設備維持費などを含めた固定費の比率が七五%から八〇%と言われております。それほど建設、設備に金がかかるのであります。それをスケールアップによって補おうとするのが、安全性を無視した急速な巨大原発の建設と集中化であります。しかし、インフレの進行はこのメリットを失わせつつあると思うのであります。
 現在、営業運転に入っている先発原子力発電所十三基の平均建設費は一キロワット当たり九万二千円だったと言われておりますが、目下建設中の八基につきましては十五万二千円であり、準備中の四基に至っては二十五万円になるだろうとさえ言われているのであります。今後百万キロワットの原発を建設するには実に二千五百億円、さらにインフレが進めば三千億円にもなるという大変な金額が予想されているのであります。このような莫大な資金をかけてつくっても、原発の電力料は高くなることはないと言うのでありましょうか。
 原発の燃料は、その経営の中での割合は小さいものでありますが、それでもウラン価格は、昭和五十年におきまして、それまで一ポンド当たり八ドルであったものが、一挙に二十六ドルと三倍に値上がりし、濃縮料金にいたしましても、四十七年に分離作業当たり三十六ドルであったものが、現在、契約方法によっては六十一ドルから六十九ドルに値上がりしているのであります。ウランの値上がりは、さらにメジャーの買い占めでまだまだ続くものと見られております。
 アメリカAECの統計によりますと、原発の平均設備利用率は約五七%で、運転期間が長くなるにつれて次第に悪化し、運転開始後七年以上経過すると三八%に低下するとされております。わが国の原発も、これを裏書きするように、BWR型で六年目二六・五%、PWR型で四六・一%であり、七年目に入った今年一月では、両型平均で実に三五%に低下をいたしているのであります。
 個々の例をとってみますと、美浜一号炉は二年間完全ストップ、福島一号炉も一年間稼働していないのであります。これでは採算のとれるはずがありません。普通の工場なら文句なしに倒産であります。倒産しないのは、公共性に名をかりて電気料金の値上げを国民に押しつけているからであります。(拍手)
 次に、原子力発電所が計画どおり運転ができたかったとしたときに発生する問題が、大別して二つございます。
 一つは、原子力発電がエネルギー全体に占める比重が大きくなったとき稼働しないとしたならば、それは新しいエネルギー危機、パニックを招くことであります。いつ停電するかわからないのでは、家庭生活は言うまでもなく、産業活動に大きな影響をもたらし、経済活動は全く不安定なものになるでありましょう。
 二つ目は、原発の建設に投下された多額の資本に見合う発電が行われなければ、その損失はだれかに転嫁されるということであります。
 設備利用率が低くなること、すなわち停止期間が長いということは、大量の放射能の被曝を避けるため作業員が事故個所に長くとどまることができないため、欠陥部分の発見にいたしましても、修理にいたしましても、非常に時間がかかるからであります。作業員は、大量被曝防止のため、次々に交代しなければなりません。その結果は、労務費の異常な増大となってあらわれるのであります。
 このように、いまや、どの面から検討いたしましても、石油より安い原発ということは夢物語になりつつあります。(拍手)
 このような経済神話の破綻に際しても、なお原発を有利としてこの建設を進めるお考えなのか、通産大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
 次に、核燃料サイクルの問題でございますが、昭和五十一年五月に資源エネルギー庁がまとめました昭和七十年に至る二十年間の原発開発計画によりますと、昭和六十年に四千九百万キロワット、原発で四十二基以上、七十年で一億二千九百万キロワット、百二十二基に達するのであります。
 元来、原発は、ウラン探鉱、加工、濃縮、成型加工、発電、再処理、廃棄物処分という、いわゆる核燃料サイクルの各段階が整合性をもって総合的に確立されなければならない性質のものであります。
 ところが、現実にはウラン確保から濃縮までは海外依存、成型加工だけは国内処理でございますが、ダウンストリームと言われる再処理と廃棄物処分については、どこがどのような形で担当するのか、全く具体性がございません。
 特に、緊急の課題とされている使用済み核燃料の再処理体制については、アメリカの新エネルギー政策の影響も重なって、ますます見込みが立たなくなりつつあります。
 通産省計画で仮に原発開発が進むとすれば、各電力会社の原発から出る使用済み核燃料の量は、昭和五十年の年間ベースで五十トンであったものが、六十年には七百トン、七十年には実に三千トンに達するのであります。
 このような再処理需要に対し、応じ得る体制は全く確立されておりません。動燃事業団が東海村に建設中の再処理工場の能力は年間二百十トンしかなく、それもアメリカのプルトニウム凍結により、本年七月の運転開始は不可能との見方も出ているのであります。
 現在、各国においても軽水炉燃料用の商業用再処理工場は一基も動いておりませんから、海外依存も目算が立たないのであります。
 このような状況の中で、使用済み核燃料棒の処置をどうされるのか、科学技術庁長官にお答えをいただきたいのであります。
 さらに、今回原子炉等規制法の第四十四条を改正いたしまして、民間会社に再処理事業を行わせるという閣議決定がなされたと聞いておりますが、原発より一層危険な再処理事業を、原子力発電所において逐次その技術、品質管理体制にその未熟さと欠陥をさらけ出している民間電力会社に任せるならば、どのような事態を招くかはもはや想像にかたくありません。まさに無謀のそしりを免れないと思うのであります。
 原子力発電所にしろ、再処理事業にしろ、むしろ国家管理ないしはより強力な国家規制のもとに置くことが肝要ではないかと考えるのでありますが、これについては総理の見解をお示しいただきたいと思うのであります。(拍手)
 次に、年々増加の一途をたどる放射能廃棄物処分の問題でありますが、最近、科学技術庁は、低レベルの廃棄物をドラムかんに詰めて海洋投棄を行う方針を決めたと伝えられておりますが、領海十二海里、また二百海里経済水域あるいは漁業専管水域の設定が日程に上っているとき、まことに重大な問題であります。一体どこにこの廃棄物を捨てようとするのか、二百海里内の水域かあるいは公海か、公海とすれば国際的合意をどうするのか、これらについて科学技術庁長官の明快な答弁を求めます。(拍手)
 最後に、エネルギー政策について申し上げます。
 今日、エネルギー危機が叫ばれております。それは南北問題か、資源ナショナリズムの問題か、あるいはまたアメリカの世界戦略なのか、いずれも真実性を持っていると思うのであります。ところが、日本にとってエネルギー危機というのは、日本みずからがつくり出したものであることを私たちは銘記しなければなりません。
 わが国は、高度成長期において徹底的な産業合理化を行い、その合理化により国際競争力を上げる上でその推進力としたのが、石炭から石油へのエネルギー転換であったのであります。
 戦後の復興期の中心となった石炭産業は、昭和三十六年には五千六百万トンの生産を上げたのであります。しかしながら、三井三池炭鉱の合理化、首切りの強行以来、政府は石油をエネルギー政策の中心に据えて、石炭の切り捨て政策を無残にも推進してまいったのであります。
 今日、わが国のエネルギー危機を云々するならば、海外依存度を九〇%近くまで高めてしまった政策にあり、高度成長をにしきの御旗として国内資源を捨て去り、国際経済にアニマルぶりを発揮してきた日本の多国籍企業と、それを擁護してきた自民党政府の責任であります。今日、わが国の地下には、理論可採炭量二百億トンの石炭が眠っているのであります。
 私は、いま進められている原発開発政策が虚像に過ぎないものではないかという立場に立ちまして、質問を展開をしてまいりました。いまや、原子力志向のエネルギー政策の見直しないしは転換を図るべき時期に来ていると思うのでありますが、いかがでしょうか、総理並びに通産大臣のお答えをいただきたいと存じます。
 端的に申し上げまして、安全性の確立がなく、経済性もない今日の日本の原子力技術は、いまだ研究段階にあることを示すものであり、原子力発電所、原子力船、さらに再処理工場の建設、改修、運転を当分の間凍結をし、真に安全性を確立するための研究、実験、技術開発をこそ推進すべきであると私は考えるのでありますが、これについて総理の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#64
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 上坂さんのお話を聞いておりますと、どうも原子力発電を停止すべしというような御意見でありますが、これは私は世界の大勢に反すると思うのです。やはりいま石油にかわる有効なエネルギー源と言えば、当面はもう原子力しかない。特に石油資源をほとんど持たないというわが国とすると、この原子力発電を全力を挙げて開発していくのだ、これ以外にわが国の生きる道はないと思うのです。
 そういう意味におきまして、私は、上坂さんが御指摘されるように安全性、このことはどうしたって気をつけなければならぬ、また、安全性に保証があるというような状態でなければならぬ、こういうことで、安全性の確保につきましては全力を尽くしておるということは御承知のとおりであります。また、特に人命の保護、被曝者というものが出ないような被曝管理、このことにつきまして格別の配慮をしておるということは御承知のとおりであります。
 また、今回の政府の案によれば、再処理事業等を一民間事業にやらせる、それは逆に国家管理でやらなければならぬというような御意見でございまするけれども、これは、民間の電力会社等にやらしてもいい条件がもうすでに整っておるのです。しかも指定制である。その指定制のもとに厳重な国の監視の目が光る、こういう状態でありますので、何もかにも国家管理でなければならぬというふうには考えません。
 それから、総合エネルギー政策の中の一環としてこの問題を論ぜよ、すべての問題を論ぜよ、総合エネルギー政策こそが必要である、これは私もそのとおりに考えます。エネルギー源の多様化を図らなければならぬ、これはもう当然のことでありまするが、さらばといって、この多様化の中で原子力発電を除外するというわけにはまいらぬ。この問題を放置いたしますると、これは五年――まあ十年でしょう、十年ぐらい先へ行って、大変ほぞをかむという深刻な事態に当面をする、かように考えておる次第でございます。
 なおまた、同じような考え方から、上坂さんはどうもこの原子力発電というものは当分の間凍結したらどうだ、こういうような意見でありまするけれども、これは凍結するわけにはまいりません。安全性の確保には、もとより十分の努力をしなければなりませんけれども、さらばといって一歩も推進を緩めてはならぬ。これはもう本当に戦前のような生活に戻ることができれば、そんなこともできるでしょう。そうはいかぬです。やはり国民は、毎年毎年われわれの生活が伸びていくことを期待しておるのです。そういうような要望にこたえるためには、どうしても代替エネルギー源としての原子力を度外視することはできない、かようにお答え申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#65
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 ただいま、いろいろの御意見がございましたが、わが国のエネルギーの現状は、内蔵いたしておりまする天然資源あるいはまた水力等を勘案いたしましても、高度の日本民族のあるいはその発展、繁栄を担うにはとうてい足りないことは御承知のとおりであります。
 さような意味におきまして、原子力発電の開発は、わが国にとりましては、エネルギーの安定確保のためにきわめて重要でございまして、今後ともにその安全の確保と環境の保全に万全を期しながら、その開発を強力に推進してまいる所存でございます。
 なおまた、原子力発電の経済性の問題につきましては、ただいまいろいろと仰せられました稼働率の問題でありますとか、あるいはまた燃料価格の実勢等を前提といたしますれば、石油火力発電に対しまする優位性は決して失われておらない、かように存ずる次第でありまして、今後の開発の促進並びにさらにエネルギーの全般的な、総合的な判断のもとにこれを推進してまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕
#66
○国務大臣(宇野宗佑君) お答えいたします。
 原子力行政は安全を第一義といたしておりますので、そうした基盤で御答弁申し上げたいと存じます。
 第一番目は、原子炉設置の許可権が今回の法案によって分散されるが、それよりも現状の方がよいのではないかという仰せでございますが、御承知のとおり、今日までは原子炉設置の許可権は総理大臣にございました。しかし、それ以降の許可に関しましては、発電に関しては通産大臣、船舶に関しては運輸大臣がそれぞれ許可をいたしておりましたけれども、むしろ責任の所在の明確を欠くのではないかという批判が強うございましたので、さような経緯にかんがみまして、今回はむしろ安全規制の一貫化を図った次第でございますので、規制は強化されたと存じております。
 二番目は、原子力委員会のもとに安全専門審査会があるが、これを廃止してけしからぬというふうな仰せだろうと存じまするが、安全専門審査会は今回も安全委員会のもとに置きます。ただ、いままでは開発と規制が原子力委員会の一手に握られておりましたものを、安全に関しましては安全委員会を設置いたしまして、それにすべてをゆだねるわけでございますので、その下部機関である安全専門審査会については、いままでのような法制化は必要でないであろうというので法定化をやめただけで、安全専門審査会は依然として持続するわけでございます。
 三番目は、議席数に比例して各党が推薦した方々を原子力委員会あるいは安全委員会のメンバーとして考えてはどうかというお説でございます。
 従来よりもわれわれといたしましては、人事は厳正公平に取り扱ってまいりましたし、今回の人事も、これは両院の御同意を仰ぐことになっております。したがいまして、その人選の作業に関しましては、十二分に慎重を期し、また民意を反映させたいと存じております。
 その次には、使用済み核燃料はどうするかという問題でございますが、まさにこれが再処理問題につながるわけでございます。
 仰せのとおり、四千九百万キロワットを一つの基準といたしまして、一九八五年を対象といたしますと、累積で四千百トンの再処理が必要でございます。それに対しまして、現在の能力では外国に委託するものを含めまして三千三百五十トンでございますから七百五十トン足らないことになりますが、これに関しましては、第二再処理工場を建設し、なおかつ英仏に追加をお願いしたいと存じております。
 その次は、低レベル廃棄物の海洋処分はいかがするかということでございますが、われわれといたしましては、固体化したものを五千メートルの深海で処分をいたしたいと存じます。場所は二百海里以遠ということになります。もちろん公海でございますが、公海とはいえ、その安全は十二分に保障されなければなりませんので、ただいま原子力委員会におきまして評価をいたしておる最中でございます。
 そして、国際的にもお互いにコンセンサスを得なければなりません。OECDにおきましては、国際監視機構をつくろうという話し合いが現在進められておりまして、わが国もこれに参加をいたしまして、国際的レベルのものとして今後もその目的が達成できるように十二分に話し合いを進めてまいりたいと存じます。
 最後に、原子力船、再処理工場あるいはまたそうしたものが十二分に安全が期せられるまでは凍結すべきではないかというふうなお話でございましたが、原子力船に関しましては、御高承のとおり、あの当時、内閣に大山委員会を設置いたしまして、その答申を求めましたところ、相当なレベルに達している船であるから、遮蔽改修をし、総点検をして十二分に修繕するならば、原子力船時代の第一ページを開いてくれる任務を果たすであろう、こういうふうな答申を得ておりますので、ただいま長崎県に対しましてその修理をお願いしているところでございます。
 また、再処理工場に関しましても同様でございまして、四十四年に設置の許可をいたしましたけれども、その設計から管理から運転から、そこで働いていらっしゃる方々の安全から、さらには環境に対する安全から、あらゆる段階におきまして十二分に安全を期したつもりでございます。また、建設をいたしました後におきましてもいろいろと試験を重ねてまいりましたので、今夏ホットランに入るに際しましても十二分に安全は保証されておると存じますが、しかし、さらに安全を期しましてその運転をいたしたいと存じておるところであります。(拍手)
#67
○副議長(三宅正一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(昭和五十年度決算の概要に
  ついて)
#68
○副議長(三宅正一君) 大蔵大臣から、昭和五十年度決算の概要について発言を求められております。これを許します。大蔵大臣坊秀男君。
    〔国務大臣坊秀男君登壇〕
#69
○国務大臣(坊秀男君) 昭和五十年度の一般会計歳入歳出計算、特別会計歳入歳出計算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和五十年度予算は、昭和五十年四月二日に成立いたしました。
 この予算は、引き続き抑制的な基調を堅持する方針のもとに、国民生活の安定と福祉の充実に配意するとともに、経済情勢の推移に対応して機動的、弾力的な運営を図ることを基本として編成されたものであります。
 さらに、その後における経済の停滞等により租税収入等が大幅に減少する見込みとなったことに伴う措置を講ずるほか、経済情勢の変化等に伴い特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、補正予算が編成され、昭和五十年十一月七日その成立を見ました。
 この補正によりまして、昭和五十年度一般会計予算は、歳入歳出とも二十兆八千三百七十一億円余となりました。
 以下、昭和五十年度決算についてその内容を数字を挙げて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は二十一兆四千七百三十四億円余、歳出の決算額は二十兆八千六百八億円余でありまして、差し引き六千百二十五億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十一年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和五十年度における財政法第六条の純剰余金は二千百六十八億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額二十兆八千三百七十一億円余に比べて六千三百六十二億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額五千七十八億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十年度の歳入の純増加額は千二百八十四億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等における増加額三千四百六億円余、公債金等における減少額二千百二十二億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額二十兆八千三百七十一億円余に、昭和四十九年度からの繰越額四千七百八十七億円余を加えました歳出予算現額二十一兆三千百五十八億円余に対しまして、支出済み歳出額は二十兆八千六百八億円余でありまして、その差額四千五百四十九億円余のうち、昭和五十一年度に繰り越しました額は二千五百九十三億円余となっており、不用となりました額は千九百五十六億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和五十年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は千七百八十三億円余であります。
 次に、昭和五十年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和五十年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十四兆四千八百十一億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は十四兆四千四百三十八億円余でありますので、差し引き三百七十三億円余が昭和五十年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和五十年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和五十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(昭和五十年度決算の概要について)に対する質疑
#70
○副議長(三宅正一君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。丹羽久章君。
    〔丹羽久章君登壇〕
#71
○丹羽久章君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま御報告のありました昭和五十年度一般会計決算並びにその他の問題に関連いたしまして、総理大臣並びに関係大臣に質問をいたすものであります。
 昭和五十年度決算については、これからその詳細を委員会で審議する段階でありますので、その大要と具体的な問題を二、三質問したいと思います。
 私は、まず、政府の決算報告に対する基本的な姿勢をお伺いいたしたい。
 決算の重要性はいまさら申し上げるまでもありませんが、予算の執行が正当で、かつ効果的に行われているかどうかは、決算によって初めて明らかになるものであります。憲法第九十一条の規定及び財政法第四十六条によりますと、内閣は国会と国民に年一回の財政状況についての報告の義務及び予算執行状況を公表すべき義務を規定しております。これは、大切な国民の税金の行方を厳重に監視するとともに、予算執行の可否を国民に報告する基本的な義務行為であることは言うまでもありません。
 過去に先輩議員により幾度となく指摘された問題ではありますが、国家予算がどのように使われ、どのように執行されたか、反省すべきところ、今後補わなければならない問題点などを検討し、それによって将来の国家予算の大要が決められていくべきであり、これらの点がややもするとおざなりになっておることは、まことに遺憾に思うものであります。
 いまや、わが国の国家財政は重大な危機に直面しております。福田内閣発足以来数カ月を経ました今日、「経済の福田」とも国民から期待せられております総理が、国の決算に対してどのような基本的な考えをお持ちかを、まずお伺いしたい。
 また、五十年度の当初予算は、物価の安定を最重点の政策目標にして、抑制的な基調のもとに財政運営を行う必要があるとの基本的認識に基づいて編成されたものであります。その後、経済情勢の推移等に伴い、租税収入の大幅減少に対処するための特例公債の発行等を内容とする補正予算が組まれましたのは、御承知のとおりであります。物価抑制につきまして、不十分ではありますが、所期の目的が達成せられましたことの努力は、大いに評価すべきものであると思います。
 しかし、こうした政府の努力にもかかわらず、この物価政策も、先般発表されました総理府の五十年度消費者物価地域差指数によりますと、地域によってかなりの差があり、特に、消費者物価の高いところのベストスリーは、東京都、京都市、横浜市となっており、これは「物価の美濃部」と言われる知事がおられる東京都を筆頭に、いずれも革新首長のところばかりであることは、まことに皮肉な現象であり、(拍手)今後の政府の物価対策の参考にしていただきたいと思います。と同時に、今後物価対策をいかに展開していこうとしておられるか、総理の所信を伺いたいのであります。
 次に、赤字財政についてでありますが、五十年度に三兆五千億円の歳入欠陥が出た財政の後遺症は、五十一年度予算及び五十二年度の予算案の編成にも大きく影響していることは事実であります。
 政府においては、赤字国債の増大と所得減税の矛盾をいま一度五十年度決算において振り返るとともに、三Kと言われる国鉄、健保、米から地方財政に至るまでの財政赤字の累積には、長期的、慢性的、構造的な原因があり、これらを解消させるには数カ年にわたる確固たる赤字解消計画を策定し、勇断をもって政策の遂行に当たらなければならぬと思いますが、大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
 次に、地方財政の問題でありますが、五十年度地方財政白書によりますと、都道府県では実質収支が赤字になっているのが二十七団体、単年度収支はすべての都道府県が赤字になっており、また、市町村においても二百四十二団体が実質収支で赤字になっております。この中でも、大阪市を筆頭に、北九州市、名古屋市、京都市、横浜市、札幌市の六政令指定都市が大きな赤字を出しており、その硬直化は慢性的なものになっています。
 その赤字の原因は、人件費にあるとされておりますが、特に大阪市、名古屋市、横浜市などの指定都市における人件費の水準が国家公務員に比べて、大阪市の一六・一%、名古屋市の一五・七%を初めとして、いずれも著しくその水準が高いことに大きな原因があるものと考えられます。(拍手)
 さらに大きな原因ともなっている地方超過負担の問題は、地方財政を大きく圧迫しており、これらの完全解消は地方財政対策の重要事項の一つであります。
 政府として人件費抑制策並びに超過負担解消策がどのようになされてきたのか、地方財政の危機に対し、地方行財政のあり方を含め、自治大臣からお伺いをいたしたいと思います。
 次に、昨年度の企業倒産状況でありますが、民間の信用調査機関によりますと、一カ年間を通じてその件数は一万六千六百三件、負債金額は二兆四千九十三億円、いずれも過去最高のものであります。前年の水準を上回った記録を更新し、景気足踏みの深刻な状況を浮き彫りにし、まさに史上最悪の状態を迎えたのであります。
 これらを原因別で調査しますと、販売不振などによる不況型倒産が全体の四九・二%とほぼ半分に達しており、さらに、中小零細企業の倒産が特に多かったことを示しております。また、中でも卸、小売業の倒産が急増したのも特徴であり、政府の懸命な努力にもかかわらず、これらは一部五十年度の景気抑制政策によってもたらされたものであると言われておりますが、これらの事態にどのように対処してこられたのか、具体的な施策を通産大臣にお尋ねしたい。
 質問の最後に、私は、国民が最も関心を寄せており、国費のむだ遣いにならないかと心配されておる問題を一つ取り上げて、その対策についてお伺いしたいと思います。
 それは、航空輸送の需要の急激な増加によりその建設が計画されました新東京国際空港、すなわち成田空港についてであります。
 昭和四十一年七月、空港公団が発足して以来、十年の歳月が費やされ、その間に要した費用は総額二千百九十一億七千万円もの巨額に達しております。これらのうち借入金の利息だけでも三百七十九億六千万円余になっております。
 一部反対勢力の空港建設の妨害による開港のおくれは、いたずらに国費の浪費を招き、航空行政に対する国民の不信感と不安感を高まらせております。(拍手)
 特に先日、五百数十人の死者を出しましたカナリア諸島の航空史上最大の惨事は、過密化し、管制能力の限界と言われる羽田国際空港の現状を見るにつけ、まさに他山の石と言わなければなりません。(拍手)
 いま一度、この膨大な費用を費やした成田空港の現状を顧みて、政府は積極的に開港の促進を図るべきであり、いつの時点で開港できるのか、はっきりとした見通しを総理にお伺いしたいのであります。
 以上の質問に対する政府の明快なる答弁をお願いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#72
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 国の決算に対して、基本的にどういう考え方を持つかというお尋ねでございますが、決算は、予算を執行したその実績を示すもので、きわめて国政上重要な資料でございます。その次の予算、その編成並びにその執行、この上の重要な資料となる、そういうふうな理解であります。
 それからさらに、物価問題について御関心を示されましたが、私は、五十一年度の物価、これはもう大変残念なことをしたと思っているんです。まあ八%程度の上昇にとどめたい、こう申してきたわけです。程度というのはどうかというと、四捨五入すると八%になる、その程度のことを目標としてきたんですが、実際は八・九%、こういうことになってしまった。それは、主として異常寒波によるわけなんであります。そういうようなことで、私どもが予定したよりは高い水準になった。
 そういうことを考えまするときに、さあ五十二年度、ことしの年度の物価はどうなるかというと、ことしは臨時的に下ぶくれであった、そういうようなことを考えまするときに、この先五十二年度、五十三年の三月時点に立って、さて五十二年度の物価はどうであったかということを回顧するときには、私は、かなり明るい展望になってくる、こういうふうに思うのです。
 その上さらに、御承知のとおり円高の傾向、これはもうすぐ物価には反映しませんけれども、じわじわと円高の影響というものが物価にも出てくる。そういう背景を踏まえまして、物資の一つ一つの需給にきめ細かく気をつける。
 また公共料金政策、これも五十二年は楽になると思うんです。五十一年までは、とにかく国鉄五〇%という問題がある、また電電公社においても同じ問題がある、そういうことでありましたけれども、五十二年度はもう電電の問題はありません。国鉄の問題が一部残る、こういうような状態であります。公共料金の与える影響というものも緩和される。
 五十二年度の物価につきましては、私は明るい展望を持ち得る、こういうふうに考え、七%程度の水準をぜひ実現をいたしたい、かように考えておるのであります。
 最後に、成田空港について、大変力強い御激励をいただきまして、大変感謝いたします。
 これは、丹羽さんのおっしゃるとおり、大変な国費をつぎ込んだ、それが眠っておる、こういうような状態は、これは政府として国民に相済まぬです。同時に、それよりも何よりも大事な問題は、あの過密羽田空港、この状態をほっておいて、これは一体どういう事態になるか、これはもう本当に身のふるえるような思いがしてならないのであります。この状態を一体どうやって解決するかというと、何か手がありますか。これは成田空港を早期に完成するほかない。年内開港を目指しまして、万全の対策をいまとっておる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣坊秀男君登壇〕
#73
○国務大臣(坊秀男君) 私に対する御質問は、一方で赤字公債を発行しながら他方で所得税を減税しておるのはおかしいじゃないか、こういう御質問のように承りましたが、お答え申します。
 申すまでもなく、国の予算というものは、これは国民一人一人の生活水準というものを向上していくために、その大きな役割りを持っております。それからまた、それとともに、やはり将来の国家の繁栄というものをこの予算によって図っていかなければならない、二つの大きな役割りが予算にはあろうと私は思うのです。
 そこで、今日、日本の国の国民の幸せ、国家の繁栄を図っていくためには、予算の規模がある一定の程度を保持していかなければこの目的を達成することができない。ところが今日は、御承知のとおり高度成長から低成長というところになってまいりまして、なかなか自然増収に期待するとか、あるいはそのままでおって税収を引き上げていくとかというようなことはすこぶる困難でございます。そういったような事態に処するためには、ある程度の公債というものによって、取ってかわらさなければならないというような事態が生じております。さような意味において、五十一年、五十二年においては公債を発行いたしております。
 ところが、こういったようなときにでも常に考えなければならないということは、やはり中小所得者が負担を軽減されるということが私は大事なことだと思います。
 さような意味から申しまして、公債の発行、それから減税というこの二つの要請を、現実の政治ではどうしても何とか充実、達成していかなければならないというような事態に入ってくるということは、これはもう私は、現実政治のどうしてもやらなければならない解決だと思いますが、しかしながら、いつまでも公債に頼って財政を運営し、ていくということは、やがて財政を不健全化いたしまして、予算そのものが硬直化してくるということに相なることは、もう明らかでございます。
 そこで、今日は、旧来の伝統だとかあるいは習慣だとか、そういったようなものを徹底的に見直しまして、歳出の面におきまして、これをできるだけ合理化していくということと、もう一つは租税収入の面、また公共料金等の面におきまして、これの整備、改善を図っていくということで、歳出、歳入両面からこれを改善していきまして、できるだけ速やかにこの公債財政から脱却していくということが非常に大事なことでございまして、私は、昭和五十年代の前期におきまして、そういう要請を何とかして実現したいと思いまして、鋭意努力をしておる次第でございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#74
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 最初の御質問は、今日の非常に冷え込んだ経済の状況、なかんずく倒産の累積という問題について、深刻な中小企業の現況にありますこと、並びにこれが救済の方法、さらに景気浮揚の対策をどういうふうにいたしておるか具体的に示せという御質疑でございます。
 お答えいたしまするのは、まず景気対策でありまするが、御案内のとおりに、昨年の十一月には七項目を決定いたしまして、これによる景気の浮揚を図ったのでありまするが、その後新内閣と相なりまして、補正予算の成立を見、さらにまた、三月十一日には公共事業等の早期執行の問題等、改めて四項目の景気浮揚政策をとったのでございます。四月の十九日には、経済閣僚会議をもちまして決定いたしました、五十二年度の予算の特に公共投資等につきましては上半期にこの契約率を七〇%を遂行しようという非常な強力な策を立てまして、同時にまた、政府部内におきましても大蔵大臣が推進本部長と相なりまして、この迅速な促進をば図るための機構をつくったのでございます。
 結局問題は、さらに金利の問題もあわせて、三月の十二日には〇・五%、さらにまた四月十九日には一%、計一・五%の公定歩合の引き下げがございまして、さらに、こういうことの総合的な姿において景気の浮揚を目下促進いたしておるのであります。
 御承知のとおりに、中小企業の倒産の問題は、三月におきましては千七百五件という最も深刻な姿に相なりましたが、中小企業の対策は、御案内のとおりに、まず金融の問題と、同時にまた信用の補完の問題、さらにまた下請振興等の問題やら、これらの総合的な政策をあわせ行わなければならない。かような関係から、五十二年度の予算におきましては、中小企業金融公庫でありますとか、商工中金、国民公庫等の政府系三機関に対しまする資金枠、これは三兆六千億を予定いたし、さらにまた無担保、無保証の分につきましても四千七百億の資金枠はとってありますものの、問題は、これらの資金の量よりも仕事がないということが最も大きな問題でございまして、かような関係で、中小企業に関しましては、あるいは政府系の官需、あるいは公団等の需要を特にこれを中小企業に回すとか、こういう問題をいたしましたが、しかしながら先生の御指摘のように、ますます倒産の問題がふえてまいりました。
 そこで、先般は、この連鎖倒産の問題、すなわち連鎖倒産の防止の対策を緊急にとる必要がございまして、御案内のとおりに政府系三機関についての別枠の融資限度を設定いたしますとか、あるいは特定の場合の適用金利の軽減でありますとか、償還の期限あるいはまた担保の徴求等の貸付条件の緩和とか、こういう問題とあわせて、地区別の中小企業の金融懇談会を活用いたしまして、そして地方の関係機関、通産省の各地方通産局並びに県、市町村あるいは商工会、商工組合等と密接な連携のもとに、きめの細かい中小企業の対策を行っておる次第でございます。
 以上、具体的に御報告申し上げました。(拍手)
    〔国務大臣小川平二君登壇〕
#75
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。
 地方公務員の給与は、その水準におきましても、あるいは制度運用の面にも問題がございます。これを適正化するということは、地方財政の運営を健全ならしめるという観点から非常に大事な仕事でございますから、自治省は、今日まで、法律の定めまする給与決定原則に基づきまして、個々の地方公共団体の財政事情を勘案しつつ、指導に努めてまいったのでございます。
 五十年度、五十一年度におきまして相当多数の地方公共団体が適正化の努力をいたしております。その成果は一応評価すべきものがございますが、まだ問題が残っておりまするから、今後も引き続いて、住民の納得し、理解する給与を確立いたしまするために、指導し、助言をいたしてまいりたいと思っております。
 それから、超過負担の問題でございますが、これは国と地方の財政秩序を乱す問題でございますから、一刻も早く是正をしなければならない問題でございます。本年度におきましては、例の門、さく、へい、あるいは人件費の面におきましては公務災害補償費等も対象に取り入れまして、事業費のベースで四百九十五億円、まだまだ不十分でございますが、是正をいたしました。これから先も関係省と協力して実態の調査に努めて、引き続いて是正の努力を続けてまいるつもりでございます。
 当面の地方財政の問題といたしましては、五十二年度に出てまいりまする財源不足に対しては、交付税の増額と建設地方債の活用によって完全に補てんいたしまするとともに、地方債の消化につきましては、政府資金あるいは公営企業金融公庫の資金、あるいはまた市場公募資金、それぞれ大幅に増額をいたしまして、消化の円滑化を図っております。
 今日は経済の変動期でございますから、こういう時期に抜本的、長期的な変革をするということは困難でありまするし、適当でございませんが、遠からずわが国は安定成長の時期を迎えるでございましょう。
 安定成長下における税財政制度のあり方いかんという問題につきましては、税制調査会あるいは地方制度調査会の御審議を煩わしつつ結論を得まして、自主的で責任ある行政執行ができまするように地方財政の基盤を強化する、こういう観点に立って抜本的な改善を図っていきたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#76
○副議長(三宅正一君) 馬場猪太郎君。
    〔馬場猪太郎君登壇〕
#77
○馬場猪太郎君 日本社会党を代表いたしまして、先ほど御説明のありました昭和五十年度決算に関し、現代にかかわりのある諸問題について、総理初め関係の大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 昭和五十年度予算は、金脈の田中内閣という汚れたイメージを隠して、少数派として政権に遠かったためクリーンで売り出そうとした三木内閣のつくったもので、総論あって各論なしと評価され、当時の副総理、実質的な経済、財政の責任者としてのいまの福田総理、あなたの責任を深く感ずべき予算であります。
 当初二十一兆二千八百八十八億、二十兆の大台を超え、国民総生産百五十八兆五千億、前年に比べて四・三%の伸び、民間投資や住宅投資を期待したけれども、結果は、輸出不振、個人消費も冷え切って、五十年二月以降四次にわたる景気対策で財政支出を追加したけれども三・四%にとどまり、しかも物価は上がり続け、スタグフレーションというよりも、スランプフレーションと言うべきであったでありましょう。総理はその責任をどう感じていらっしゃるか、お伺いいたします。(拍手)
 翌五十一年も、春にはよくなるんだ、五月になったらよくなるんだと言われてきたけれども、一向に功を奏せず、世界的な不況が原因だとか、いやロッキード事件の影響だと、責任転嫁に変わってまいりました。記憶に新しい石油危機で、豊かな社会、消費は美徳とうたった高度経済成長がいかにもろいものであり、偽りであったかということを思い知らされました。
 もともと資源の乏しいわが国が、資源浪費型の高度成長で成功するはずはありません。財政、金融操作の公共投資で不況と物価の同時進行を抑制するということは無理だということを示しました。
 しかも四十六年以来、引き締め緩和のかじ取りがちぐはぐで、過剰流動資金で土地、株式の投機を誘ったり、狂乱物価をさらにあおるようなことをするかと思えば、金利など慎重過ぎて、タイミングを誤って不況をより深刻なものにしてしまいました。
 昨年夏まで一時、電器、自動車など輸出の好調で回復の兆しが見えたように見えましたけれども、九月には停滞、その後も遅々としています。その上、相手国の意向や国民感情に沿わないような輸出攻勢で、造船やカラーテレビの輸入規制がECやアメリカでともに大きく政治問題化して、輸出に頼る景気対策に警告が出ております。
 制限速度を超えたような猛スピードで暴走しているかと思うと、急ブレーキをかけるような経済の運営、これでは被害が大きくなるのは当然でありましょう。特に弱者にもろに負担がかかり、年間一万六千件を超えるような倒産、百万以上の失業者が常時続いております。公共投資さえふやしていれば自律的に回復を期待されるというような感覚は、国民との間で大きくずれてはいないでしょうか。
 公共事業の七〇%を行う地方公共団体が、地方財政危機の続く中で、税の再配分等十分な手当てもないまま、国の予算はついたけれども、自己財源が不足で消化不良を起こすおそれもあります。企業の稼働率も七〇%、先行き不安な経済見通しのもと、設備投資も個人消費も期待できず、金利引き下げも後手後手に回っています。公的機関による住宅投資も、土地問題、関連公共投資等の関係から計画数を減少せざるを得ず、民間個人住宅も同様、期待外れに終わりはしないでしょうか。
 いまごろになって資源有限を強調され、過大な成長への期待を戒めておられるけれども、過去二十年間の責任はどう感じていらっしゃるのでありましょうか。(拍手)
 その間にも社会的な格差はますます広がり、不公正は大きくなってきております。五十年度で九・四%まで下がった国債依存率も、五十一年度から予算の三割と急激に増加し、財政の健全化のため国民負担の増を示唆されておりますが、この際にこそ補助金、特殊法人の整理とともに、大企業や医師優遇税制と言われる租税特別措置法の抜本的な改正で社会的公正を期することによって、政治への信頼を回復し、総理が言われる「連帯と協調」ということを実行でお示しなさるつもりはないか、お伺いいたしたいと思います。(拍手)
 あわせて、不公正を正すきっかけとしての一兆円減税も、対話の姿勢がないまま、最終的には五野党のまとまりの前にしぶしぶ修正に応ぜざるを得なくなりましたけれども、行政から国会が優先するという時代にいま移ったこの現実をどう認識されていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 不況も三年、物価は依然上昇です。東京都区部では九・三%と、公約達成はできませんでした。物価安定が最大の関心事ですが、金融、財政、国債、需給の調整、公共料金、流通等々必ずしも国民の立場に立った総合的な物価対策が真剣に取り組まれているとは思えません。本心から責任を感じていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
 すでに電信電話基本料金は上がり、国鉄も昨年に続いて一九%、地下鉄やタクシーも追っかけて値上げがもくろまれております。医療制度の抜本的な改正抜きに医療費を、ボーナス時二%の徴収を含めて健康保険料を上げようとし、公共料金は一層上昇ムードをあおっています。円高による為替差益や業績から見て必要でないはずの、それにもかかわらず石油の値上げも必至だと言われておりますし、それだけでも減税分は飛んでしまうような情勢です。原子力発電をめぐって電気料金も予断を許しません。
 漁業専管水域二百海里問題も、水産資源に頼ることの大きいわが国にとって課題であります。ソ連の態度も不可解ではありますが、世界の大勢が早くから二百海里に傾き、北欧や西欧から締め出されたソ連の出方も予想されたにもかかわらず、後手に回ったことも交渉難航の大きな原因ですが、その責任をどうおとりになるのか、お示しいただきたいと思います。
 輸入肉など、消費地では数倍と法外な価格になることは御承知のとおりですが、流通過程は複雑で、多くの問題を含んでいます。通商白書によれば、五十年度の輸入食糧売上高は、大手商社十一社で二兆四千九百億と総輸入量の九〇%を占めております。市場機構はだれが自由にし、価格形成はだれが行っておるかということは明らかであります。自由経済とはいえ、正しい指導はなされないのでしょうか。
 企業に倫理観を期待し得ないいま、その社会的責任からも、独占禁止法の改正は、自民党も含めた当時の五党修正案より後退することは、福田内閣の姿勢を問われることになります。御決意をお伺いいたしたいと思います。(拍手)
 あわせて、流通の末端まで大企業の進出で存続の危機にある中小企業の分野をどう確保していただくのか、単なる調整では許されません。お答えいただきたいと思います。
 最後に、昨年二月のロッキード事件で政治は空転し、景気回復はおくれたと言われてきましたけれども、事実は三木内閣延命策とロッキード隠しの演出が原因で、挙げて自民党の責任であります。ロッキード事件隠しに手をかし、政権と引きかえに徹底究明を怠ろうとしている意図が、法務大臣人事や灰色高官をめぐる法務大臣の発言でも明らかであります。発足時の支持率二八%、不支持率三四%が端的に福田内閣への国民の反応を示していますが、真剣に疑惑を明らかにする熱意がおありになるのかどうか、この際、確かめたいと思います。
 さらに、深い疑惑に包まれている日韓問題は、通産大臣初め利害に関係の深い閣僚を多く抱え、ソウル地下鉄車両の価格問題や不実企業等、企業秘密や外交問題の壁のもと、血税の行方に会計検査も十分できないような状態のまま、日韓大陸棚協定を何が何でもこの国会でという姿勢にも一層疑惑の念を深めますが、真意を明らかにしていただきたいと思います。(拍手)
 韓国はいま、わが国の六〇年代と同じ状態ですが、安定成長論者の総理が、公害とともに高度成長の輸出にも手をかしておられることも不可解でなりませんフィリピン、インドネシアの賠償、LNGにまつわる疑惑も一連のものであって、輸出入銀行、経済協力基金の海外協力のあり方を根本的に改め、福祉対策、食糧危機救済等目的の明確な諸外国と違って、理念なき援助といわれるわが国の海外経済協力を、疑惑のない、国民の合意を得る制度にすべきであると思いますが、その御意思があるかどうか、お伺いいたしたいと思います。(拍手)
 今日、わが国の動向は、世界の政治、経済全般にわたって注目をされております。そのとき、アメリカから、日本の政治家多数に朴政権から資金が流れているという証言がありましたが、政府・自民党だけでなく、政治家全体、つまり国会が重大な侮辱を受け、権威を失墜させているわけです。総理としてモラルを内外に明らかにし、進んで疑惑がないならないと実証すべきだと思いますが、決意のほどをお伺いいたしたいと思います。(拍手)
 以上、基本的には大企業本位の姿勢が全く変わらず、予算委員会でも多くの疑問を指摘されてきた五十年度決算については断じて認めがたいということをつけ加えて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#78
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 石油ショック後三カ年の政府の経済政策についての厳しい御批判でございましたが、私はこの三カ年、あのときから三カ年になるわけでありますが、政府の措置は、これはそう御批判を受けるような状態ではなかった、こういうふうに思います。
 現に、世界でそう言っているじゃありませんか。いま、石油ショックを受けて世界じゅうが大混乱である。その中で、まあとにかくあのショックを吸収し、立ち上がろうとしておる国は、まずアメリカ、日本、ドイツである、こういうふうに言っているじゃないですか。三つの機関車論があるくらい国際社会ではこれを評価をしておるのです。私は三カ年の政府のとった施策がうまくいかなかったなんという、そんな認識は持っておりません。
 ただ、今日この時点の状態は、景気情勢が停滞しておる、やはりここでてこ入れを必要とする時期である、私はいまこういうふうに考えておるのです。そのてこ入れとは一体何であるか、こういうことになりますれば、これはさっきもどなたかから話がありましたけれども、国民に仕事をつくるほかはないのです。その仕事をつくるということは、事業家が設備投資をするかというと、あの石油ショック以来とにかくずっと生産過剰状態が続いておるのですから、幾ら金融政策を動かしたって、そういう状態はそう簡単には起こらない。そこでどうしても政府が需要を喚起するほかないのです。私が公共事業、公共事業と言っているのは、国民全体に仕事を与えよう、こういうことから言っておるのでありますが、その五十二年度予算もとにかく成立をいたしましたから、これをひとつ上期に集中する。特に公共事業予算は五十二年度は十兆円あるわけです。その七割以上を上期に集中する、その七割のうちのまた七割を四月から六月に契約をする、こういうふうにいたしますので、相当の効果をつくり出す、そういうふうに私は思うわけであります。
 同時に、やはり企業は、とにかく三年間続く低成長だ、そういう中でかなりくたびれておる。そういう中で金利負担というものが企業に重くのしかかるわけでありますので、ここで公定歩合が下がる、その機会に貸し出し金利水準もこれを引き下げるということをした。財政、金融相まって、私は景気はこれから上昇に転じていくということを信じて疑いません。
 それから、資源有限時代の経済運営の基本的な考え方はどうかと言うが、これはしばしば申し上げておるとおりですから、詳しくは申し上げませんけれども、やはり成長の高さ、これを高度成長時代、あれから比べると相当落とさなければならぬ。しかし、雇用に支障があるところまでいってはいかぬ。雇用政策と資源対策上のその接点というものを求めなければならぬ。やはり六%程度前後の成長というものを期して経済の運営をすべきであると同時に、その政策の内容におきましても、産業中心から生活中心、そういう方向へ大きくかじを変えなければならぬだろう、かように考えております。
 いわゆる不公正税制の問題につきましては、かねて申し上げておるとおり、年々努力しておるのです。しかし、今度いわゆる与野党予算修正の経過等もありますので、五十三年度税制の問題としては十分検討してみたい、かように考えております。
 それから、総合的物価対策というようなお話でございますが、先ほども申し上げたのですが、私は五十二年度の物価情勢というものは明るい要素がかなり多いと思うのですよ。もう公共料金引き上げは国鉄一つになってきた。細かいものはいろいろありまするけれども、大きなものは国鉄一つ、そういうことになってきた。それから同時に、とにかく円高の影響というものはじわじわ出てくる。そういうことを背景にきめ細かい政策をやっていきまするから、これは私は明るい展望を持ち得る。七%物価ということを言っておるわけでありますが、七%台の実現、これは私は実現できる、かように考えております。
 独占禁止法についての御質問でございまするが、私は、独占禁止法、あれはこの前の参議院でいわゆる五党修正案がつぶれた、あの経過を考えてみるときに、与党も野党も全部含めてコンセンサスをつくらなければこういうものは通るはずはない、こういうふうに思うのです。そして、五党修正案のことも考えてみましたけれども、同時に与党の合意も得なければならぬわけです。与野党合意もぎりぎりの一線を求めまして今度の改正案を出しておるわけでありまして、ぜひこの案にひとつ御賛成を願いたい、かように存ずるわけであります。
 それから、中小企業の分野確保の問題につきましては、これはこの間この席から申し上げたとおりでありまして、中小企業政策審議会の意見を尊重いたしましてその線でつくり上げられたものでありまして、大体私はこの線でこの問題の解決を期し得るのではあるまいか、そういうふうに考えております。
 それから、ロッキード事件につきまして私が何か後退した姿勢をとっておるようなお話でございます。これはとんでもない話であります。私は、このロッキード問題の解明につきましては、あの事件が起こった最初にその徹底解明論を打ち出しておるわけでありまして、残る小佐野、児玉問題、これが未解決のままでありまするけれども、あれは御承知のとおり病気で調べがつかぬ、こういうのですから、条件の変化がありますればこれは徹底的に解明するという考えでありまして、この点についてはいささかも疑念を抱かないように、くれぐれもお願いを申し上げます。
 それから、日韓、インドネシアなんかについていろいろの話があるが、どうするのだというようなお話でございまするけれども、私もいろいろ新聞やあるいは雑誌なんかでも見ておりまするし、国会の委員会等においてもお話を承っておりまするけれども、いろいろなお話の中に、政府が捜査を開始しなければならないというような問題はない、かように考えております。
 また、日ソ問題をどういうふうに解決するかということは、これは、領土問題に漁業問題を絡ませたら、いつになったら解決がつくかわかりません。漁民は一刻も早く操業したいのだ、そういうことを考えまするときに、漁業は漁業、領土は領土ということで、領土問題については一歩も譲ることはいたしませんけれども、これと切り離して漁業問題の解決を図りたい、かように考えております。(拍手)
    〔国務大臣坊秀男君登壇〕
#79
○国務大臣(坊秀男君) 私に対して残されておる御答弁は余りないのでございますけれども、租税特別措置法について、これを見直したらどうだ、こういうお話がありましたが、租税の公正ということは何よりも大事なことだと私は思います。さような意味におきまして、この租税特別措置法につきましては、従前からいろいろとこれを見直して改正をしてまいっております。そういうようなことでございますけれども、税制というものは、その時期その時期におきまして、やはり修正、改正をしていかなければならぬ点はだんだん出てまいります。さような点につきましては、今後も真剣になって考えていかなければならない、私はかように考えております。
 それから、海外経済協力についてのお話がございましたが、いま申すまでもなく、わが国の経済というものは、資源有限の時代におきましてひとりでは立っていけない。海外と手をつないでやっていくということが非常に大事なことでございますが、その中でも私は、発展途上国というものの地位といいますか、それをだんだん上げていくということが大事なこと、そこでわが国といたしましては、今日までも大いにこれに力を入れてまいっておりますが、今後とも相手国の実情等をよくしさいにキャッチいたしまして、そうして、これに対して適当なる手段を適当なる方法をもってこれに協力をしていくということに努めてまいりたい、かように考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣小川平二君登壇〕
#80
○国務大臣(小川平二君) 総理が答弁を申し上げたことで尽きているかと存じますが、公共料金につきましては、基本的には経営の合理化を進めるということを前提にいたしまして、受益者負担の原則に基づいて、適時適切に水準の適正化を図っていくべきものでございますから、料金の水準がコストに比べて低位になっているものについては、適正化を図るということは避けられないところであると存じます。しかし、この場合におきましても、公共料金の改定が物価あるいは国民生活に及ぼす影響について慎重に配意していく必要がございます。
 五十二年度においては、物価の安定化の傾向を一層確実なものにするということが一番大切な政治の課題でございまするから、公共料金の決定に当たりましても、こうした点について十分に配慮いたしまして、厳正に、慎重に対処してまいりたいと存じます。(拍手)
#81
○副議長(三宅正一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#82
○副議長(三宅正一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
        大 蔵 大 臣 坊  秀男君
        通商産業大臣  田中 龍夫君
        運 輸 大 臣 田村  元君
       郵 政 大 臣 小宮山重四郎君
        自 治 大 臣 小川 平二君
        国 務 大 臣 宇野 宗佑君
 出席政府委員
      内閣法制局第三部長 前田 正道君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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