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1976/05/17 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第27号
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1976/05/17 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第27号

#1
第080回国会 本会議 第27号
昭和五十二年五月十七日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十二号
  昭和五十二年五月十七日
    午後一時開議
 第一 昭和四十二年度以後における地方公務員
    等共済組合法の年金の額の改定等に関す
    る法律等の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第二 昭和四十二年度以後における国家公務員
    共済組合等からの年金の額の改定に関す
    る法律等の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第三 昭和四十二年度以後における公共企業体
    職員等共済組合法に規定する共済組合が
    支給する年金の額の改定に関する法律及
    び公共企業体職員等共済組合法の一部を
    改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 昭和四十二年度以後における地方公
  務員等共済組合法の年金の額の改定等に関す
  る法律等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 日程第二 昭和四十二年度以後における国家公
  務員共済組合等からの年金の額の改定に関す
  る法律等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 日程第三 昭和四十二年度以後における公共企
  業体職員等共済組合法に規定する共済組合が
  支給する年金の額の改定に関する法律及び公
  共企業体職員等共済組合法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律
  案(商工委員長提出)
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸
  棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の
  実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開
  発に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨
  説明及び質疑
    午後一時四分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(保利茂君) 日程第一、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長地崎宇三郎君。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔地崎宇三郎君登壇〕
#4
○地崎宇三郎君 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方公務員共済組合の年金の額の改定につき、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるほか、退職年金等の最低保障額の引き上げ、掛金及び給付の算定の基礎となる給料の最高限度額の引き上げ等の措置を講ずるとともに、地方議会議員に係る退職年金等の増額改定措置及び地方団体関係団体の職員に係る退職年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正に準ずる措置を講じようとするものであります。
 本案は、三月二十五日本委員会に付託され、四月二十二日小川自治大臣から提案理由の説明を聴取し、その後、同月二十六日には参考人の意見を聴取するなど、慎重に審査を行ったのであります。
 五月十三日質疑を終了いたしましたところ、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案により、施行期日に関する修正案が提出され、大西委員よりその趣旨説明を聴取いたしました。
 次いで、本案及び修正案について、討論の申し出もなく、採決を行いましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案により、年金のスライド制の法制化、年金額の改定実施時期の繰り上げ、公的負担の拡充等を内容とする附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第二 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#7
○議長(保利茂君) 日程第二、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、日程第三、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小渕恵三君。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書
 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小渕恵三君登壇〕
#8
○小渕恵三君 ただいま議題となりました共済年金関係の二法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この二つの法律案の主な内容を申し上げますと、
 まず第一に、別途今国会に提出され、すでに成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律による恩給の額の改定措置に準じまして、国家公務員及び公共企業体職員等の共済組合の既裁定年金について、昭和五十一年度の公務員給与の改善傾向に準じて、その年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより、昭和五十二年四月分以後、年金額を引き上げることといたしております。
 このほか、昭和三十二年三月三十一日以前に退職した長期在職者等の受ける年金で、その年金額の算定の基礎となっている俸給が一定額以下のものにつきまして、恩給における措置にならい、昭和五十二年八月分以後、その俸給を三段階を限度として引き上げることにより年金額の改善を行うことといたしております。
 第二に、恩給における措置にならい、公務関係の年金及び長期在職者等の受ける退職年金等の最低保障額を昭和五十二年四月分以後引き上げるほか、公務関係年金等の最低保障額につきましては、同年八月分以後、さらに、その額を増額することとしております。
 第三に、恩給における措置にならい、戦地勤務に服した日本赤十字社の救護員で職員に相当するものの抑留または留用されていた期間を、当該職員期間として取り扱うことといたしております。
 以上のほか、国家公務員の共済組合につきましては、掛金及び給付の算定の基礎となる俸給の最高限度額を引き上げるとともに、公共企業体職員期間を組合員期間に算入する等所要の措置を講ずることといたしております。
 なお、国家公務員の共済年金の改正案につきましては、去る三月十五日、内閣修正が行われましたが、その内容は、年金の改善時期について、二カ月繰り上げて実施することといたしたものであります。
 以上が両法律案の概要でありますが、両案につきましては、審査の結果、去る五月十三日質疑を終了いたしましたところ、両法律案に対し、野田毅君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党共同提案による修正案が、それぞれ提出されました。
 修正案の要旨は、原案において「昭和五十二年四月一日」と定められている施行日を「公布の日」に改めるとともに、これに伴い所要の措置を講ずることといたしております。
 次いで、採決いたしました結果、両修正案及び修正部分を除く両原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって、両法律案ば修正議決すべきものと決しました。
 なお、両案につきましては、全会一致の附帯決議が付せられましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(保利茂君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#11
○瓦力君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、商工委員長提出、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#12
○議長(保利茂君) 瓦力君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案(商工委員長提出)
#14
○議長(保利茂君) 小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。商工委員長野呂恭一君。
    ―――――――――――――
 小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔野呂恭一君登壇〕
#15
○野呂恭一君 ただいま議題となりました小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 去る五月十日、本院におきまして中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律案を修正議決いたしましたが、同法律案では、小売業を適用除外といたしておりますので、別途、小売業関係の現行法律につきまして、同法律案との整合性を持たせるための改正が必要になったと考えるのであります。
 本改正案は、この考え方に基づき、小売商業調整特別措置法におきましても、先日議決いたしました法律案と同様の、大企業者の進出に対する調整措置の規定を設けることによりまして、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律と相まって、小売業部門における中小企業の事業活動の機会のより適正な確保を図ろうとする趣旨であります。
 本案の主な内容は、
 第一に、中小小売商及び大企業者の定義の規定、
 第二に、中小小売商団体からの申し出を受けて、都道府県知事が、大規模小売店舗によるもの以外の大企業者の進出計画について調査を行い、その結果を通知するといういわゆる事前調査の規定、
 第三に、中小小売商団体の調整の申し出を受けて、都道府県知事が、大企業者の進出計画に対し調整勧告をすることができることとし、その進出が切迫しているときは一時停止勧告をすることができるとともに、これらの勧告に大企業者が従わなかった場合には、その旨を公表することができる旨の規定、
 第四に、調整勧告を受けた大企業者が勧告に従わず、その旨を公表されてもなお従わなかった場合には、都道府県知事が調整命令を発動できる旨の規定、
 第五に、都道府県知事からの申し出を受けて、主務大臣がみずから勧告、命令等の調整措置をとることができる旨の規定、
 第六に、調整命令違反に対する罰則、以上の諸規定を新たに設けることであります。
 なお、当委員会において、小売業における環境の変化に対応して、小売商業関係法律について抜本的検討と物品販売事業を行う各種協同組合法について所要の改善措置を講ずる旨の中小小売業の振興政策に関する決議を行いましたことを申し添えます。
 何とぞ、御審議の土、御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明
#18
○議長(保利茂君) 内閣提出、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣田中龍夫君。
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#19
○国務大臣(田中龍夫君) 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定を実施するために、共同開発区域に属する大陸だなの区域において、日本国と大韓民国の権利者による石油及び可燃性天然ガスの共同開発事業が円滑に行われるよう、鉱業法にかわる特別の制度を設けようとするものであります。
 以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、大韓民国の開発権者と共同して石油及び可燃性天然ガスを探査し、採掘し及び取得する権利を特定鉱業権とし、特定鉱業権によるのでなければ共同開発区域において石油及び可燃性天然ガスを探査し、または採掘してはならないものとしております。
 この共同開発の基礎となる特定鉱業権は、協定の規定に従い、探査権及び採掘権とし、通商産業大臣が経理的基礎及び技術的能力等を勘案して設定の許可をすることにいたしております。
 第二に、特定鉱業権の設定の許可を受けた者は、大韓民国の開発権者との間で、共同開発事業を実施するための共同開発事業契約を締結して、通商産業大臣の認可を受けることといたしております。
 この共同開発事業契約は、日本国と大韓民国の権利者による共同開発事業の基本となるものであり、その内容として、石油及び可燃性天然ガス資源の分配並びに費用の分担に関する事項、漁業との調整に関する事項等を定めることになっております。
 第三に、協定に従い、一定の期間内の鉱区の放棄義務及び探査のための坑外の掘削義務等、探鉱促進のための新たな措置を講ずることといたしております。
 第四に、共同開発区域の上部の海域における漁業の利益が共同開発によって害されることのないよう十分な配慮をすることとし、そのために必要な規定を設けております。
 すなわち、協定の規定に従い、共同開発事業契約の中に漁業との調整に関する事項を必ず記載させて、十分な調整を行わせるとともに、大陸だなの掘削等により損害を与えたときは、特定鉱業権者及び大韓民国の開発権者が連帯して賠償する責任を負うものとし、その場合の裁判管轄についても特例を設けております。
 また、漁業生産上重要な魚礁が存在する区域については、探査または採掘のための工作物の設置等を許可制とする等、漁業の利益が害されることのないよう最大限の考慮を払っているわけであります。
 第五に、海洋における非常に広い鉱区が設定されることに伴い、鉱区税の特例を定めるほか、鉱業法の規定に準じて所要の規定を設けることといたしております。
 以上が日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#20
○議長(保利茂君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。岡田哲児君。
    〔岡田哲児君登壇〕
#21
○岡田哲児君 私は、日本社会党を代表し、さきに辛うじて本院を通過したあの日韓大陸棚協定と表裏一体の関係にあります特別措置法案について、総理を初め関係大臣に対して質問をいたします。
 まず、福田総理、あなたは、どうして木協定が国会の合意ができないのか、保利議長の調停という事態についてどのように考えておられますか。
 この協定は、本院に提出されてから廃案、再提出、継続審議と、文字どおりもみくちゃにされながら今日に至った問題の案件であります。しかも、特別措置法はただの一度も、いわゆるお経読みすらされていないのであります。
 この三年越しの協定審議を通じて、わが国の余りもの権利譲歩、隣国との未調整、海洋環境汚染と漁業調整への不安、これらは日韓癒着の黒い疑惑となって次第に浮き彫りにされてきたのであります。
 だから、政府・自民党が急げば急ぐほど、強行すればするほど、その疑惑の裏づけを深め、アジア諸国の信頼と協調を損ないつつあると思うのであります。
 総理、今国会は、あなたの対話と協調の提唱で、一兆円減税を初め独禁、分野、領海法など、審議と話し合いによる合意によって円滑な運営がされ、国会の信頼を高めてきたのにもかかわらず、なぜこれだけができないのでしょうか、その見解を承りたいのであります。(拍手)
 次は、本協定の取り扱いと今後の見通しについてお伺いをいたします。
 もし総理にお伺いをすれば、何としても参議院で承認させたいとお答えされるであろうと思います。だが、いまのままでは通らないということは世間の常識というものであります。通すためには、強行採決か会期延長を図るしかできないと見るべきであります。
 だが、総理は、大陸棚承認のために会期延長はしないと言明されているにもかかわらず、国民は、他の案件にかこつけて延長を図ると疑惑の目で見ていることをぜひ忘れないでいただきたいのであります。この国民の疑惑を晴らすためには、ここでこの取り扱い、見通しについて明らかにする以外には道はありません。
 最近、韓国では、協定審議をめぐり、大使召還、輸入規制、領海十二海里、漁業専管水域二百海里の実施、漁業協定の破棄、一方的単独開発などなど、さらに、うわさによれば、日本の政府高官の黒い癒着の事実を暴露するぞと言われているのであります。また、朴大統領みずから万全な対策を指示しているなど、その関心の強さが伝えられているのであります。
 これは、日本の政治情勢から見て、今国会で流産すれば再び日の目を見ることはできないという判断をされているからだと思うのであります。
 こうした韓国側の一連の動きは、協定を成立させるための圧力、成立しない場合の報復措置、この恫喝とも思える攻撃を、政府は一体どのように受けとめられているのか、また、この行動を実際的に踏み切った場合の対応策について、それぞれの関係する大臣にお伺いをしておきたいのであります。
 次は、協定と特別措置法についてであります。
 私は、特別措置法は協定と表裏一体で協定に伴う国内手続を定める法であります。だから、石油開発作業の実際の着手は、本法の成立が前提で、本法なしでは一切できないことを、ここに確認しておきたいのであります。
 さらに伺います。
 特別措置法については参議院選挙後の臨時国会で処理する意向であるようでありますが、これは事実ですか。本法の今国会成立は、物理的に無理だと思います。だとすれば、表裏一体である本協定も同時処理することを考えられているのか、明らかにされたいのであります。
 また、政府は、本法が成立しない場合でも共同開発に着手できるような便法を考えていると伝えられておりますが、それはまた事実でございますか。事実だとすれば、それはどのようなものですか。仮に鉱業法の運用を考えているとすれば、それは重大であります。日韓共同開発という新たな方式であるがゆえに、鉱業法ではできず、特例法によってすることになっているのでありますから、鉱業法の運用でやるとすれば国会軽視ではないか、また、本協定を根本的に覆すことになると思うのですが、いかがでございましょう。
 次は、石油開発への考え方、将来展望についてただしておきたいのであります。
 政府は、いいことずくめで考えているようでありますが、私もこれを否定はいたしません。しかし、最良の道だとはどうしても思えないのでございます。
 エカフェの調査によると、尖閣列島付近が最も有望な埋蔵量を有する地域で、次第に九州に向かってその量は少なくなっていると発表されております。
 私は、これとわが国を取り巻く諸情勢等考えると、日韓共同開発は急がず、当面中国との平和友好条約の早期締結、南北朝鮮の平和的統一への協力、国内では石油開発への技術開発、漁業との調整、さらに日本の大陸だなの開発への研究整備、それを急ぐべきだと考えておりますが、政府の見解と将来展望をここに示していただきたいのであります。
 次は、日韓石油開発構想についてであります。
 協定によると、日韓政府がそれぞれ開発企業を認可し、その企業が共同して開発に当たることになっておりますが、その実態を見ますと、韓国側の企業はすべてメジャー系であります。日本側企業も帝国石油を除きメジャー系であります。日石開発に例をとってみますと、共同契約で日石開発が五〇%、テキサコ、シェブロンがそれぞれ二五%の費用と取得率となっております。しかも、日本側企業の共同事業契約は認可される企業に任されることになっております。これでは余りにも企業は自由、政府は無責任だと考えるのであります。
 私は、これに対して、政府が認可するときに、共同事業契約に費用分担、取得率等については条件を示し、何らかのチェックをすることが必要だと思うのでありますが、どうでしょう。
 こうして見ますと、結局日韓共同開発と言いながら、実質はメジャーの手によるメジャーのための開発と言っても過言ではないと思うのであります。(拍手)
 さらに、附則二項によりますと、鉱業法によって出願されている企業に優先権で認可されることになっております。これでは、本法によって受け付けることにされながらも、もう決まっているのではありませんか。これを見ても何か黒い不明朗な手続を強く感ぜざるを得ないのであります。
 また、この認可に際してその企業の技術的能力、経理的基礎等が審査されることにされておりますが、何か厳格なような感じがするのでありますが、この技術的能力、経理的基礎とは一体何ですか。この基準は何かということを示していただきたいのであります。この運用をどうするのか。この不明確なままの認可を私は疑惑として考える以外にはありません。また、漁業調整、補償の裏づけとなっているだけに、明確にここに示すことを要求するものであります。
 次に、共同開発の資金についてであります。石油開発公団に関する投融資必要資金についてただしておきたいのであります。
 まず、石油開発公団は、日韓大陸だな開発事業には一切投融資をしないことを確認しておきたいのであります。私も石油開発公団法の一部改正の審議に加わりましたが、そのときに、国際紛争のおそれがある地域の開発事業には投融資はしないと附帯決議をつけ、日韓大陸だながまさにこの地域であるととが確認されているからであります。また韓国側メジャーも、その石油が韓国内で消費されるのですから、当然に融資対象にはならないと確認されておるのであります。
 さらに、この開発資金は試算もできないほど莫大なものであることは万人の認めるところであります。そして、この莫大な資金については、利権が絡むだけに、政府はこの際調達の見通しについても明らかにしておいていただきたいのであります。
 次に、開発と漁業との調整についてであります。
 この海域は、沖合い漁業として豊富な漁場であります。最近わが国の漁業は、日ソ漁業交渉を見てもおわかりのように、遠洋漁業が制約をされ、沿岸、沖合い漁業が一段とその重要性を増してきております。
 また、このようなときに、絶対安全だと言われ、しかも石油開発の見本ともされてまいりましたあの北海油田の大事故が発生し、これを見るにつけ、わが国の現在の技術水準では、事故、海洋汚染の可能性は残念ながら大きいと見なければなりません。しかも、本法において漁業との調整についてもうたわれてはいますが、事実具体的な裏づけが少しもないのでありまして、空虚なものであるとしか言えません。
 開発側の通産省、漁業保護の立場の農林省、本法の制度が活用されるためには、ぜひこの調整について政府として基本的な方針、具体的な体制の整備こそ必要であることを申し上げたいのであります。
 万一事故が発生したとき、その補償をどうするか、私は、現在では企業には補償能力はないと考えております。漁業補償に関する合理的な基準をつくるべきであり、同時に、これを担保できる制度をつくるべきだということを申し上げておきたいのであります。
 次に、この際、海底石油開発技術の現状、そして考え方、将来の展望について、またそれを阻む諸問題等をここに明らかにしておいていただきたいのであります。
 最後に、木協定と海洋法会議の国際的な趨勢についてただしておきたいのであります。
 最近、領海十二海里、漁業専管水域二百海里、経済水域二百海里は国際的の趨勢だと思っております。この協定は五十年間も有効なのでございますが、もし海洋法会議で経済水域二百海里が合意決定されたときには、一体どうするのですか。この共同開発水域はすっぽりとわが国の水域の中に入ってしまうことになります。私は、当然協定廃棄なり見直しなりが行われなければならないと考えておりますが、その見解を承り、最後に、慎重な取り扱いをされ、悔いを千載に残さないよう要望いたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#22
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 この協定は、日韓癒着の疑惑でありますとかあるいは近隣関係を損なうとか、いろいろ問題がある、そういうのになぜ政府は協定成立を急ぐのか、こういう御質問でございますが、日韓関係は、とにかくわが国としてみますれば、非常に重要な関係でございます。もう一衣帯水、わが国に最も近い国は韓国である。その韓国との間に緊密な関係が生ずるということは、これはもう当然のことでございます。そこに不正があってはならぬ、このようなことから、私どもは不正のないようには、これは格別な配慮はいたしまするけれども、日韓関係が緊密になる、これは当然のことである、こういうふうに理解願いたいのであります。
 また、近隣の関係を損なう、こういうようなお話でございまするけれども、その点につきましては、しばしば申し上げておりまするとおり、深甚な配慮をしてきておるわけでございまして、今回のこの協定が対象とする地域、それは日韓両国の関係のある地域のみに限っておる、こういうことでありますので、近隣関係を損なうというようなおそれはありませんから、その辺を御理解願いたいのであります。
 わが国のエネルギー問題に置かれておる立場、それを考えますと、この協定はどうしても急がなければならぬ、これを急ぐことは国益である、さように考えております。(拍手)
 この協定の今後の見通しは一体どうなんだということでございまするけれども、すでに参議院においてこれは審議中でございます。参議院の良識は、必ずこれを成立させるということを確信して疑いません。(拍手)
 また、それに関連いたしまして、会期の問題に触れられましたが、まだ会期は二週間近く残しておる、そういう段階で、会期の問題に触れる時期ではないと思います。(発言する者あり)しかし、念のため申し上げますが、この協定の自然成立を期するために会期智延長をする、そういうことは考えておりません。
 それから、この協定が成立しなかったときには韓国からいろいろおどしをかける、こう言っておる、それに対してどういうふうに対処するかということでございますが、この協定が成立しないというようなことは考えていないのです、これは。必ずこれは成立するという確信のもとにこの問題を論議していただきたいのであります。(拍手)
 また、仮にこの協定が成立しても、特別措置が成立しないときには支障が出てくるんじゃないか、こういうお話でございますが、まあ、この特別措置は、どっちかと言いますれば、この協定とうらはらの問題です。これもまた皆様の良識がこれを成立させてくれる、かように確信して疑いません。
 また、臨時国会をこのために開く必要があるのじゃないかというようなお話でございまするけれども、臨時国会のことは考えておりません。必ずこの国会におきまして成立をさせていただける、かように考えておる次第でございます。
 また、この協定が実施されるというようなことになりますると、これはメジャー支配になるんじゃないか、メジャーに出てくる石油を持っていかれてしまうんじゃないかというような御懸念でございまするけれども、そのような懸念はございません。そのような懸念のないように措置してあります。
 それから、この開発資金五千億円以上かかる、これをどうするかというようなお話でございますけれども、この開発資金が幾らかかる、これはまだわかっておりません。おりませんけれども、これが資金の調達できるような力のある企業に対して企業免許をいたす、こういうふうに考えておる次第でございます。
 最後に、共同開発区域が、国連海洋法会議の結果経済水域が設定されるという際には、どういうふうになるかと、こういうお話でございますが、仮に将来日本が二百海里経済水域を設定いたしたといたしましても、経済水域の権利が大陸だなの権利に優先するというような保証はございません。いま考えられるこの最善の方策は日韓共同開発あるのみである、かように考えております。(拍手)
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#23
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 御質問の私の方に対しまする分でありますが、わが国が現在とるべき措置といたしましては、一日も早く本協定の批准をしていただきまして、共同開発に着手いたしたい、かように存じておる次第でありまして、仮に協定が成立いたしません際におきましては、御案内のとおりに、共同開発が事実上着手できないことに相なるわけでありまして、また協定違反となるおそれもありますので、国際信義上このような事態はぜひとも回避いたしまする必要があるわけでございます。ぜひとも今国会におきまする成立をお願いいたす次第であります。
 政府といたしまして、今国会においては、この法案が未成立に終わった場合の対応策を検討しておるのではないかというような御指摘がございますが、そのようなことは絶対にございません。ぜひとも本協定によりまして所期の目的を達しなければ相ならぬのであります。
 鉱業法の運用で行うことを検討してはいないかという御質問でありまするが、協定の円滑な実施のためには、本法案が必要不可欠でございまして、このためには本法案が今国会におきまして成立いたしますことのみが最も重大な問題でございます。
 さらに、エカフェの調査で尖閣列島方面に油徴があるがという御質問でございまするが、東シナ海の南部の部分には厚い堆積層がございます。しかしながら、石油賦存の可能性を判断いたしまするには、さらに、堆積層の厚さだけではなく、詳細な地質調査を必要といたすのでありまして、尖閣列島周辺の点につきましては、まだこの点におきましては確たる回答が申し上げられぬのでございます。
 ただ、この開発につきましては、御案内のとおりに、日中友好関係をば基礎といたしまして話し合いをいたさなければ相ならぬことは当然でございます。
 さらに、本開発がメジャー等に対しまする開発ではないかというお言葉でございまするが、日韓大陸だなの共同開発は、わが国の周辺の大陸だなにおきまして安定的な石油の供給源を得まするためには、ぜひとも不可欠のものでありまして、開発に成功いたし、生産された石油、天然ガスの日本側取得分はすべてわが国に供給されることに相なっておりまして、御指摘のような懸念はございません。
 なおまた、日韓共同開発地域での日本側の開発権者は、協定発効後本法に基づきまして許可されまするものがこれに当たるのでございまして、御指摘の日本石油開発株式会社が日本側の開発権者に相なるかどうか、まだ決まっておるわけではございません。
 さらに、能力の審査の問題でございまするが、審査の基準といたしまして、多額の資金を要しまする開発でございまするので、技術力を要するだけではなく資金力も持たなければならぬ、かような次第でございまして、申請者が、開発を行うのに必要な資金を確実に調達し得るかどうか、資金調達能力と、円滑な開発を進める際に必要な有能な技術者を十分に集めることができるかどうか、かような問題をば審査をいたし、具体的には個々の開発計画に即して判断することと相なる次第でございます。
 なおまた、五〇%の日本側取り分は全部日本側が取得いたすのでございまして、御指摘のような日本側開発権者とメジャーとの間にリスクマネーの供給等に関する契約が結ばれたといたしましても、従来のわが国の周辺大陸だなの例によりますれば、日本側取得分の原油はすべてわが国に供給されることに相なっておりまして、御指摘のようなことは考えられないことでありまして、政府といたしましても、十分この点は指導してまいる所存でございます。
 なお、石油開発公団の点につきまして、日韓共同開発を行いまする日本側の企業につきましては探鉱投融資を行うことは可能でありまするが、現在のところ共同開発計画自体が存在してない。将来、御指摘のような投融資計画が出されました場合には、第七十五回国会の衆議院商工委員会の附帯決議の趣旨にかんがみまして、これを尊重し、その段階におきましては慎重に考えたいと存じております。
 なおまた、韓国に対しまする融資の際におきまして、外国の政府機関等に対して直接貸し付けを行うことができますが、この場合、わが国に石油を供給することが相手方への貸し付けの前提でありまするが、韓国が日本へ石油を供給することは考えられないところでありますので、石油開発公団が韓国の政府機関等へ資金を貸し付けるということはございません。なおまた、石油開発公団が韓国側の企業に貸し付けを行うこともできないことでございます。
 さらに、日本側企業と契約をいたしておるメジャーには投融資ができないと思うがとのお話でございまするが、日本側企業と契約をしておりまするメジャーには石油開発公団は投融資できないのでございます。
 また、探鉱開発資金が莫大な額に達し、どの程度の規模になるか不明であるが、日本側の開発権者の許可に当たっては、これらの資金調達能力につきましても十分に検討いたすことは先ほど申し上げたとおりでございます。
 さらに、漁業の関係でありまするが、日本の漁業関係者と調整を行い、話し合いがつかなければ開発を行うことはできないことに相なっておりまするが、通産省といたしましては、農林省その他の関係省庁と十分に連絡をとりまして、そうして円滑にこの開発の指導をいたしたい、かように考えております。
 次は、万一事故が起こった場合にこの補償はどうなるかという問題でございまするが、日韓両国の開発権者が無過失連帯賠償責任を負うことに相なっております。そのためには、経済的な基礎も審査の対策となりまするのみならず、賠償のための資金があるかどうかということも事前に十分審査をいたしましてこれが指名をいたす次第でございます。
 なおまた、海底石油開発技術の現状と将来の展望でございまするが、将来におきましてさらに精度の高い技術が開発されると考える次第でありまして、現在の暴噴防止装置あるいはまた安全バルブの点におきましては、この被害等が起こりませんように、安全の問題につきましては十分に配慮いたす次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣鳩山威一郎君登壇〕
#24
○国務大臣(鳩山威一郎君) 本日韓大陸だなの共同開発につきましては、この問題の発端は、昭和四十五年に韓国側が第七鉱区を設定した、これが問題の発端でございます。以来、協定が成立いたしましてから三年間たつわけでございます。したがいまして、エネルギーを獲得したいというわが国の国民的な課題、これを果たしたいというのがこの急ぐ理由でございます。
 近隣諸国についてお触れになりましたけれども、近隣諸国におきましても、わが国のエネルギー事情、また特に石油資源に乏しいという事情はよく了解をしているところでございます。したがいまして、わが国といたしまして、これらの事情をよく理解をしていただくことによりまして、この友好関係を損なわないように努力をいたしていく所存でございます。
 また、韓国側といたしまして正式にいろいろなことは申しておりませんけれども、韓国内におきまして、もう待ち切れないということは大変国内で議論が出ておりまして、いろいろな強硬論が出ていることは事実でございます。しかし、これらにつきましては、まだ政府として正式に申し入れていることはないわけでございまして、わが国といたしまして、とにかくこの協定並びにこの国内の措置法の成立を心から望んでおるところでございます。
 また、先ほど通産大臣から尖閣列島付近の海域につきましてお触れになりましたけれども、わが国といたしまして中国に対しまして、大陸だなの共同開発につきまして理解を求めるとともに、日中間におきます大陸だなにつきましての交渉等につきましても、わが国は積極的に応ずる用意があるということを申しておる次第でございまして、南部の地域につきまして共同開発が必要になるというときには、日中間におきまして十分な話し合いをいたしたい、このように考えております。(拍手)
    〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#25
○国務大臣(長谷川四郎君) 日韓大陸棚協定では、基本的な考え方として、漁業等が不当な影響を受けてはならないこととしたほか、漁業上の利益との調整を事業契約の必要な記載事項として、事業契約を日韓両国政府の承認にかけることといたしました。
 また、海洋汚染の防止及び除去につきましては、交換公文を交わすとともに、万一事故の発生した場合の裁判管轄の特例を設けまして、日韓両国開発権者の無過失連帯賠償責任を定めているところでございます。
 また、特別措置法案においては、協定の実施に必要な事項として、事業契約の認可に当たって通商産業大臣は農林大臣に協議することを定めるのほか、漁業生産上重要な魚礁が存在する一定の区域における工作物の設置または海底の形質の変更は、許可を要する旨を定めているところでございまして、万全を期していると考えておるのでございます。(拍手)
#26
○議長(保利茂君) これにて質疑は終了いたしました。
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#27
○議長(保利茂君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十八分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
        大 蔵 大 臣 坊  秀男君
        通商産業大臣  田中 龍夫君
        運 輸 大 臣 田村  元君
        農林大臣臨時代
        理
        国 務 大 臣 長谷川四郎君
        自 治 大 臣 小川 平二君
 出席政府委員
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
        資源エネルギー
        庁石油部長   古田 徳昌君
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ソース: 国立国会図書館
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