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1976/05/24 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第29号
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1976/05/24 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第29号

#1
第080回国会 本会議 第29号
昭和五十二年五月二十四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十四号
  昭和五十二年五月二十四日
    正午開議
 第 一 昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算
     昭和四十九年度特別会計歳入歳出決算
     昭和四十九年度国税収納金整理資金受
     払計算書
     昭和四十九年度政府関係機関決算書
 第 二 昭和四十九年度国有財産増減及び現在
     額総計算書
 第 三 昭和四十九年度国有財産無償貸付状況
     総計算書
 第 四 社債発行限度暫定措置法案(内閣提出、
     参議院送付)
 第 五 厚生省設置法の一部を改正する法律案
     (内閣提出)
 第 六 農林省設置法の一部を改正する法律案
     (内閣提出)
 第 七 アメリカ合衆国の地先沖合における漁
     業に関する日本国政府とアメリカ合衆
     国政府との間の協定の締結について承
     認を求めるの件
 第 八 経済協力に関する日本国とモンゴル人
     民共和国との間の協定の締結について
     承認を求めるの件
 第 九 千九百七十一年七月二十四日にパリで
     改正された万国著作権条約及び関係諸
     議定書の締結について承認を求めるの
     件(参議院送付)
 第 十 子に対する扶養義務の準拠法に関する
     条約の締結について承認を求めるの件
     (参議院送付)
 第十一 税関における物品の評価に関する条約
     の改正の受諾について承認を求めるの
     件(参議院送付)
 第十二 がん原性物質及びがん原性因子による
     職業性障害の防止及び管理に関する条
     約(第百三十九号)の締結について承
     認を求めるの件(参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの
  件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 昭和四十九年度一般会計歳入歳出決
      算
      昭和四十九年度特別会計歳入歳出決
      算
      昭和四十九年度国税収納金整理資金
      受払計算書
      昭和四十九年度政府関係機関決算書
 日程第二 昭和四十九年度国有財産増減及び現
  在額総計算書
 日程第三 昭和四十九年度国有財産無償貸付状
  況総計算書
 日程第四 社債発行限度暫定措置法案(内閣提
  出、参議院送付)
 日程第五 厚生省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第六 農林省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第七 アメリカ合衆国の地先沖合における
  漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政
  府との間の協定の締結について承認を求める
  の件
 日程第八 経済協力に関する日本国とモンゴル
  人民共和国との間の協定の締結について承認
  を求めるの件
 日程第九 千九百七十一年七月二十四日にパリ
  で改正された万国著作権条約及び関係諸議定
  書の締結について承認を求めるの件(参議院
  送付)
 日程第十 子に対する扶養義務の準拠法に関す
  る条約の締結について承認を求めるの件(参
  議院送付)
 日程第十一 税関における物品の評価に関する
  条約の改正の受諾について承認を求めるの件
  (参議院送付)
 日程第十二 がん原性物質及びがん原性因子に
  よる職業性障害の防止及び管理に関する条約
  (第百三十九号)の締結について承認を求め
  るの件(参議院送付)
 水道法の一部を改正する法律案(社会労働委員
  長提出)
 長谷川農林大臣臨時代理の農業基本法に基づく
  昭和五十一年度年次報告及び昭和五十二年度
  農業施策についての発言及び質疑
    午後零時五分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(保利茂君) お諮りいたします。
 内閣から、
 科学技術会議議員に藤井隆君及び村井資長君を、
 社会保険審査会委員に竹下精紀君を、
 運輸審議会委員に内藤良平君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、科学技術会議議員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。
 次に、社会保険審査会委員及び運輸審議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 昭和四十九年度一般会計歳入歳出
      決算
      昭和四十九年度特別会計歳入歳出
      決算
      昭和四十九年度国税収納金整理資
      金受払計算書
      昭和四十九年度政府関係機関決算
      書
 日程第二 昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第三 昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
#6
○議長(保利茂君) 日程第一、昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十九年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十九年度政府関係機関決算書、日程第二、昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、日程第三、昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書、右各件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。決算委員長芳賀貢君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔芳賀貢君登壇〕
#7
○芳賀貢君 ただいま議題となりました昭和四十九年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 初めに、各件の概要を申し上げます。
 まず、昭和四十九年度決算でありますが、一般会計の決算額は、歳入二十兆三千七百九十一億円余、歳出十九兆九百九十七億円余、差引一兆二千七百九十三億円余の剰余金を生じております。
 特別会計の数は四十二で、その決算総額は、歳入三十三兆五千九百三十億円余、歳出二十八兆四千八百五十四億円余、その歳入超過額は五兆千七十六億円余となっております。
 国税収納金整理資金の収納済額は十五兆四千三百八十七億円余、支払命令済額及び歳入への組入額は十五兆四千五十二億円余となっております。
 政府関係機関の数は十五で、その決算総額は、収入十一兆六千六百七億円余、支出十一兆二千四百二十九億円余となっております。
 次に、昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算書でありますが、昭和四十九年度中に増加した国有財産の額は、一般、特別両会計を合わせて一兆五千二百三十一億円余、同じく減少した額は二千七百九十七億円余で、差引純増加額は一兆二千四百三十四億円余となり、年度末現在額は十五兆八十一億円余となっております。
 次に、昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書でありますが、昭和四十九年度の無償貸付の増加額は、一般、特別両会計を合わせて百五十三億円余、同じく減少額は百十八億円余で、差引純増加額は三十四億円余となり、年度末現在額は千九百七億円余となっております。
 また、会計検査院の昭和四十九年度決算検査報告においては、不当事項として掲記されたもの八十六件、会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求したもの十二件、また、同法第三十六条の規定により改善の意見を表示したもの一件となっております。
 各件のうち、決算は昭和五十年十二月二十七日に提出され、昭和五十一年五月二十一日に委員会に付託され、国有財産関係二件は昭和五十一年一月三十日に提出、同日委員会に付託されました。
 委員会におきましては、本国会において本年二月十七日に各件について大蔵大臣よりその概要説明を、会計検査院長より検査報告の概要説明を聴取した後、質疑に入りました。
 委員会においては、各省各庁別に二十二回にわたり審査を進め、政府の予算執行と行政運営に関する重要な問題を中心として終始熱心かつ活発な質疑が行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知を願いたいと思います。
 去る五月十九日審査を終了し、決算については、委員会審査の内容をまとめて、委員長より議決案を提出いたしました。
 すなわち、
    議 決 案
  昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算、同年度特別会計歳入歳出決算、同年度国税収納金整理資金受払計算書及び同年度政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。
  本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として改善の実があがつていない点があるのはまことに遺憾である。
 一 昭和四十九年度決算の審査の結果、予算の効率的使用等、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。
   左の事項は、その主な事例であるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会のはじめに、本院にその結果を報告すべきである。
   その一、例年一般会計の当初予算には、多額の予備費が計上されているが、それが補正段階で減額されて補正予算の有力財源にされている。予備費の計上は、必要限度にとどめるべきである。
   その二、特殊法人並びに各種審議会の整理統合は、従来より指摘されてきたところであるが、いまだ所期の成果をあげていない。すみやかに成案を得て実行にうつすべきである。
   その三、米国の有償軍事援助による装備品の調達については、前金払い後、数年を経過
  しても未納のものがある。すみやかに適当な措置を講ずべきである。
   その四、海外経済協力基金の行つた融資案件に関して問題が指摘されている。
   会計検査が十分に行い得るよう必要な措置を講ずべきである。
   その五、地震予知については、関係各省庁の連携を密にして研究体制を強化するとともに、防災対策として、地震予知の判定結果の伝達、中央の指揮命令系統機関の設置等すみやかに体制を整備すべきである。
   その六、公害健康被害者補償関係の補助金、交付金については、多額の不用額が生じている。この原因は地域指定や患者の認定作業の遅れ、保健福祉事業実施体制の不備等、行政面の不手際による面が多い。すみやかに是正に努めるべきである。
   その七、労働者災害補償保険の適用事業のなかには、加入を怠り保険料を支払つていない事業主がいるため、費用負担の不公平を生ぜしめている。
   すみやかに、実態のは握に努め、事務処理体制を整備し、未加入事業の加入促進を図るべきである。
   その八、地域開発に関して国及び地方公共団体が莫大な投融資を行つているが、開発の成果があがつていない例がある。
  開発主体を明確にするとともに、計画に検討を加え、資金の効率的使用等に留意すべきである。
   その九、検察官等の取り調べに当つては、人権擁護の立場から、取り調べの経過を明らかにするために、テープレコーダーの使用などを検討すべきである。
   その十、国有財産の処分については、利用権者、地元の意見を十分に尊重すべきである。
   北富士演習場における国の支払う賃借料が末端の利用権者を含め適正に配分されるよう留意すべきである。
   その十一、読谷飛行場の国有財産台帳の記載については、一部疑問が提起されているので、十分な実態調査に努め適正に処理すべきである。
   その十二、私立大学等に対する経常費補助は年々増額されているにもかかわらず、入学に際し多額の寄付金が納入されている事例が多い。
   これを改善するため、私立大学経営に対する適切な対策を講ずべきである。
   その十三、大豆、飼料、木材等の備蓄は、十分な効果をあげておらず、決算上不用額も生じている。
   備蓄は重要な問題であるだけに、その計画、方法等を検討し、制度を拡充強化すべきである。
   その十四、石油開発公団の投融資及び債務保証には危険を伴い、国損を招くおそれもあるので、慎重に対処すべきである。特に、事業又は利権を放棄した企業への投融資が公団の経理上不良資産化しないように債権の整理保全に万全を期すべきである。
   その十五、日本住宅公団は、広大な未利用地、多数の保守管理住宅及び空き家を保有しているが、この事態を解消するため、至急対策を講ずるとともに、今後かかることの生じないよう努めるべきである。
   その十六、省エネルギーのため、「資源とエネルギーを大切にする躍動本部」が設置されているが、その実効はあがっていない。より強力に具体的施策を講ずべきである。
 二 昭和四十九年度決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。
   政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、行政管理庁の勧告等を尊重して制度、機構の改正整備を図り、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。
 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。
 四 近年、会計検査院に対する国民の期待はますます高まっているが、政府関係機関等による融資や債務保証の実態検査については、現行制度では会計検査院の検査が十分に実施されず、国民の期待にそいえない点もある。
   よつて、会計検査の強化充実を図るための所要の措置を講ずるよう万全を期すべきである。
   政府は、今後予算の作成並びに執行に当つては、本院の決算審議の経過と結果を十分に考慮して、財政運営の健全化を図り、もつて国民の信託にこたえるべきである。
 以上が議決案の内容でございます。
 次いで、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して森下元晴君は本議決案に賛成、日本社会党を代表して馬場猪太郎君は、第一の警告事項、第二の会計検査院の指摘事項及び第四の会計検査の強化充実については同意できるが、第三の「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という点は容認できない、したがって、本議決案に反対、公明党・国民会議を代表して林孝矩君は、第一の警告事項、第二の会計検査院の指摘事項及び第四の会計検査の強化充実については同意できるが、第三の「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という点は容認できない、したがって、本議決案に反対、日本共産党・革新共同を代表して安藤巖君は、第三の「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という点は容認できない、したがって、本議決案に反対である旨の発言があり、採決の結果、本件は多数をもって議決案のとおり議決いたしました。
 次いで、国有財産関係二件については、討論はなく、採決の結果、両件はいずれも多数をもって是認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(保利茂君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一の各件を一括して採決いたします。
 各件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、各件とも委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本件の委員長の報告は是認すべきものと決したものであります。本件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本件の委員長の報告は是認すべきものと決したものであります。本件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり決しました。
 この際、内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣福田赳夫君。
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#12
○内閣総理大臣(福田赳夫君) ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして十分これを尊重し、可能な限り今後の予算の編成及び執行に反映させ、その改善、充実を図ってまいりたいと存じます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第四 社債発行限度暫定措置法案(内閣
  提出、参議院送付)
#13
○議長(保利茂君) 日程第四、社債発行限度暫定措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長上村千一郎君。
    ―――――――――――――
 社債発行限度暫定措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔上村千一郎君登壇〕
#14
○上村千一郎君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の経済状況にかんがみ、株式会社の長期安定資金の調達を容易にするため、社債の発行限度を引き上げる措置を講じようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一は、社債は、担保付社債、転換社債及び外国で募集する社債に限り、当分の間、商法第二百九十七条の制限を超えて募集することができるものとするが、その総額は同条の定める限度の二倍を超えることはできないものとすること、
 第二は、商法第二百九十七条の制限を超えて募集する社債については、担保付社債であっても、その社債券の募集または売り出しに関して大蔵大臣に届け出をしなければならないものとすること、
 第三は、この法律は、他の法律によって商法第二百九十七条の制限を超えて募集することができる社債については適用しないものとすること等であります。
 本案は、参議院先議に係るもので、去る四月十六日同院において原案のとおり可決し、本院に送付されたものであります。
 本委員会におきましては、四月十九日提案理由の説明を聴取し、自来、参考人の意見を聞き、また、大蔵委員会との連合審査会を開催するなど、慎重審査を行いました。
 かくて、五月二十日質疑を終了し、直ちに採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 厚生省設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第六 農林省設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
#17
○議長(保利茂君) 日程第五、厚生省設置法の一部を改正する法律案、日程第六、農林省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長正示啓次郎君。
    ―――――――――――――
 厚生省設置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 農林省設置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔正示啓次郎君登壇〕
#18
○正示啓次郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案は、厚生省の付属機関として、国立循環器病センターを大阪府に新設しようとするものであります。
 本案は、二月十四日本委員会に付託され、二月十八日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重に審査を行い、五月二十日質疑を終了いたしましたところ、木野委員より、施行期日を「公布の日」に改める旨の修正案が提出され、趣旨説明の後、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案は、筑波研究学園都市へ移転する果樹試験場等五つの試験研究機関の位置を茨城県に変更しようとするものであります。本案は、二月十九日本委員会に付託され、二月二十四日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重に審査を行い、五月二十日質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、政府は、試験研究体制及び生活環境の整備、勤務条件の改善等について努力すべきである旨の附帯決議が全会一致をもって付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(保利茂君) 両案を一括して採決いたします。
 日程第五の委員長の報告は修正、第六の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第七 アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第八 経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との問の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第九 千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された万国著作権条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第十 子に対する扶養義務の準拠法に関する条約の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第十一 税関における物品の評価に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第十二 がん原性物質及びがん原性因子による職業性障害の防止及び管理に関する条約(第百三十九号)の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
#21
○議長(保利茂君) 日程第七、アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第八、経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第九、千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された万国著作権条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件、日程第十、子に対する扶養義務の準拠法に関する条約の締結について承認を求めるの件、日程第十一、税関における物品の評価に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件、日程第十二、がん原性物質及びがん原性因子による職業性障害の防止及び管理に関する条約(第百三十九号)の締結について承認を求めるの件、右六件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長竹内黎一君。
    ―――――――――――――
 アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 経済協力に関する日本国とモンゴル人民共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された万国著作権条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 子に対する扶養義務の準拠法に関する条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 税関における物品の評価に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件及び同報告書
 がん原性物質及びがん原性因子による職業性障害の防止及び管理に関する条約(第百三十九号)の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔竹内黎一君登壇〕
#22
○竹内黎一君 ただいま議題となりました六件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、日米漁業協定について申し上げます。
 政府は、アメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する協定を締結するため、昨年八月以来、アメリカ合衆国政府と交渉を行ってまいりましたが、合意に達しましたので、本年三月十八日ワシントンにおいてこの協定に署名を行いました。
 本協定は、アメリカ合衆国が一九七六年の漁業保存管理法に基づき、地先沖合いの生物資源に対し、漁業管理権を行使していることにかんがみ、これら水域におけるわが国漁船の操業を引き続き確保しようとするものであり、その主な内容は、アメリカ合衆国の地先沖合いの生物資源に関し、両国政府がとるべき措置、本協定の実施に関する両国政府の協議及び協力、合衆国政府が行使する取り締まり権及び裁判権等について規定しております。
 次に、経済協力に関するモンゴル人民共和国との間の協定について申し上げます。
 政府は、モンゴル人民共和国との間に経済協力に関する協定を締結するため、昨年七月以来交渉を行ってまいりましたが、合意に達しましたので、本年三月十七日ウランバートルにおいて本協定に署名を行いました。
 本協定は、わが国政府からモンゴル政府に対し、四年間にわたって五十億円を限度とする額の贈与を行い、この贈与はモンゴル政府により、カシミヤ及びラクダの毛の加工工場の建設に必要な日本国の生産物及び日本国民の役務を購入するために使用されることを定めているほか、贈与実施の具体的手続、モンゴル側のとるべき措置等について定めております。
 以上二件は、四月十九日外務委員会に付託され、五月十三日鳩山外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いましたが、その詳細は会議録により御承知を願います。
 かくして、去る二十日質疑を終了し、採決を行いました結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 次に、万国著作権条約は、一九五二年に作成されたものでありまして、このパリ改正条約は、開発途上国の文化的、社会的及び経済的発展の必要性を考慮して、翻訳権及び複製権に関して開発途上国のために特別の便宜を図る措置を講じたものであります。
 次に、子に対する扶養義務の準拠法条約は、一九五六年十月に開催されたヘーグ国際私法会議において作成されたものでありまして、その主な内容は、子に対する私法上の扶養義務に関し、原則として子の常居所地の法律を適用することとして、各国に共通の国際私法の規則を定めるものであります。
 次に、税関における物品評価条約は、一九五〇年に作成されたものでありまして、この改正は、従価関税を課す場合の課税標準としてCIF価格による評価方式を採用している現行条約に、FOB価格による評価方式を加えるものであります。
 次に、職業がん条約は、一九七四年国際労働機関の第五十九回総会で採択されたものでありまして、その内容は、職業上労働者がさらされることが禁止され、または許可もしくは管理の対象となるがん原性物質及びがん原性因子の決定、がん原性物質及びがん原性因子の有害性の一層低いものへの代替、労働者に対する保護措置及び適当な記録制度の確立、労働者に対する情報の提供、健康診断の実施等について規定しております。
 以上四件は、参議院から送付されたものでありまして、四月十六日外務委員会に付託され、五月二十日鳩山外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、著作権条約、子に対する扶養義務準拠法条約及び職業がん条約は全会一致をもって、税関における物品評価条約は多数をもって、いずれも承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(保利茂君) これより採決に入ります。
 まず、日程第七ないし第十及び第十二の五件を一括して採決いたします。
 五件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、五件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
 次に、日程第十一につき採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#26
○瓦力君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、社会労働委員長提出、水道法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#27
○議長(保利茂君) 瓦力君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 水道法の一部を改正する法律案(社会労働委
  員長提出)
#29
○議長(保利茂君) 水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。社会労働委員会理事戸井田三郎君。
    〔戸井田三郎君登壇〕
#30
○戸井田三郎君 ただいま議題となりました水道法の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げます。
 本案は、水道用の水の需給見通し、水道の布設状況、水源等の清潔保持の状況にかんがみ、水道に関する国及び地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、新たに、水道の整備を計画的に推進し、簡易専用水道の管理塗規制する等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、水源等の清潔保持及び水の適正かつ合理的な使用に関する国及び地方公共団体並びに国民の責務を明らかにするものとすること、
 第二に、地方公共団体は、地域の自然的社会的諸条件に応じて、水道の計画的整備に関する施策を策定し、これを実施するものとすること、
 第三に、国は、水源の開発その他の水道の整備に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、これを推進するとともに、地方公共団体等に対し、必要な技術的及び財政的援助を行うよう努めなければならないものとすること、
 第四に、地方公共団体は、水道の広域的な整備を図る必要があると認め、関係地方公共団体と共同して、広域的水道整備計画を定めるべきことを都道府県知事に要請することができることとし、この場合において、都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該関係地方公共団体と協議し、かつ、当該都道府県の議会の同意を得て、広域的水道整備計画を定めるものとすること、
 第五に、水道事業は、原則として市町村が経営するものとし、市町村以外の者は、給水しようとする区域をその区域に含む市町村の同意を得た場合に限り、水道事業を経営することができるものとすること、
 第六に、水道事業者は、原則として水質検査を行うため、必要な検査施設を設けなければならないものとすること、
 第七に、新たに簡易専用水道の制度を設け、その設置者は、厚生省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならないものとするとともに、定期に地方公共団体の機関または厚生大臣の指定する者の検査を受けなければならないものとすること、
 第八に、水道事業者または水道用水供給事業者は、水源の水質を保全するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長または関係地方公共団体の長に対し、水源の水質の汚濁の防止に関し、意見を述べ、または適当な措置を講ずべきことを要請することができるものとすること、
 第九に、国は、水道事業または水道用水供給事業を経営する地方公共団体に対し、その事業に要する費用のうち、政令で定めるものについて、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、その一部を補助することができるものとすること等であります。
 以上がこの法律案の提案の趣旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和五
  十一年度年次報告及び昭和五十二年度農業
  施策について)
#33
○議長(保利茂君) 農林大臣臨時代理から、基本法に基づく昭和五十一年度年次報告及び昭和五十二年度農業施策について発言を求められております。これを許します。農林大臣臨時代理国務大臣長谷川四郎君。
    〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#34
○国務大臣(長谷川四郎君) 昭和五十一年度の農業の動向に関する年次報告及び昭和五十二年度において講じようとする農業施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。農業の動向に関する年次報告第一部は、昭和五十年度から五十一年度にかけての農業と農家の動向を取りまとめたものであります。
 わが国農業は、五十年度には、米の豊作等によって生産が増大し、農産物価格の上昇もあって農業所得も増加し、農業の生産性も他産業との比較において若干改善されました。しかし、五十一年度の後半から農産物価格の上昇テンポが鈍り、冷害による米の減産も加わって、五十一年度の農業経済は厳しいものとなっております。
 一方、経済成長の鈍化に伴って、農業就業人口の減少率の鈍化、農家の兼業従事者数の減少、農地転用の減少等の中で農家は農業就業を強めつつあり、耕地利用率が上向く等農業生産活動はやや活発化しており、また、経済成長の鈍化に伴って農業で就業と所得を確保する必要性が従来よりも強まっています。他方、農産物の国際需給は依然として多くの不安定要因を抱えております。したがって、食糧の国内自給力の強化による農業総生産の増大が一層重要な課題となっており、今後は、畜産、園芸等の振興に加えて、飼料作物や麦、大豆等の普通畑作物の振興を強力に推進する必要があります。
 農業構造の面について見ますと、近年、借地や受委託によって経営規模を拡大する動きが見られ、また農業生産の組織化も進展し、これらの中で基幹男子農業専従者のいる農家等が経営の発展を図る動きが進んでおります。
 以上のようなわが国農業の動向の中で、農政の課題は、国民食糧の安定的供給と農業従事者の所得確保を図ることにあります。その際、経済の安定成長への移行に対応する上で特に重要な点は、
 第一に、農業総生産を増大すること、
 第二に、農産物の価格安定対策を強化すること、
 第三に、農業経営の発展と中核的担い手の育成、確保を図ること、
 第四に、地域農業の組織化と農村社会の総合的整備を図ることであります。
 第二部は、このような動向の中で、政府が農業に関して昭和五十一年度において講じた施策を記述したものであります。
 次に、昭和五十二年度において講じようとする農業施策といたしましては、以上のような動向を踏まえ、国民食糧の安定的供給を確保するため、総合食糧政策を推進することとし、国内生産体制の整備、農業生産の担い手の確保、農産物の生産振興、農産物の価格の安定、輸入農産物の安定確保と備蓄の実施、農村の計画的整備、流通加工の合理化と消費者対策の充実等を進めることといたしております。
 以上をもちまして、農業の年次報告及び講じようとする施策の概要の説明を終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(農業基本法に基づく昭和五十一年度年次報告及び昭和五十二年度農業施策について)に対する質疑
#35
○議長(保利茂君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。小川国彦君。
    〔小川国彦君登壇〕
#36
○小川国彦君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和五十一年度農業の動向に関する年次報告及び昭和五十二年度農業施策をめぐって質問をいたしたいと存じます。(拍手)
 率直に申し上げまして、この白書は、東京に机を据えた役人が書いた模範答案であって、現実に置かれている日本の農業と、そこに働いている日本の農民の実情からかなり遊離したものと言わざるを得ません。
 日本の農業が抱えている問題点はより深刻であり、農民の悩みは地方においてこそ深いと申し上げておいて、私は、三点にしぼって質問をいたしたいと存じます。
 まず、第一に指摘したいのは、日本の農民をとらえ込んでいる機械化地獄であります。
 いま農村は田植えの時期でありますが、そこで働いているのは、百万台と称される田植え機であります。この田植え機に合わせるために、育苗も装置化し、これも機械屋が供給している始末であります。
 田植え機に始まり、コンバイン、乾燥機、もみすり機、トラクターなど、一連の農業用機械が農家の庭を占領していることはよく知られているところであり、これによって農機具メーカーは、昭和五十一年度実に六千二百億円に上る売り上げを得ているのが現状であります。このため、 メーカーは目をむくような利益を上げ、巨大化の一途をたどっているのであります。
 もとより機械化による利点を私は全面否定するものではありません。問題は、その機械化のありようが極端に過ぎて、逆に農民を苦しめている結果になっていることを指摘したいのであります。
 しかも、農民はその支払い代金に追われ、多くの者が出かせぎに出なければならないという現実になっておりますが、これをどう見るか。余力を生み出し、生活を楽にするはずの機械化が、逆に農民を追い詰めているわけであります。しかも問題は、この機械化がやたらに新型と称して改悪され、それを買わざるを得ないようにしむけられているところに現在の機械化地獄のもう一つの問題点があるのであります。
 お伺いしたいことは、福田総理は、このような機械化地獄を一体どう見るか。メーカーの利益第一主義によって起こっている弊害をどう是正するか。政府は、こうした機械化貧乏による農業経営の危機と農民の不幸な現状を、資本主義の冷酷な原理に任せておいてよいものでしょうか。
 現在の政府や研究機関あるいは出先機関のあり方は、メーカーの後を追って新しい機械の使い方を教えているのみで、政府が農業機械の分析調査、対策を適切に行っていないというところに大きな欠陥があろうと思います。
 そこで、政府にただしたいことは、現在販売されている農業機械は、日本の農家に対して適正な規模、耐久性、製造原価、販売価格のもとに取り扱われているかどうかを明らかにしていただきたいと存じます。
 質問したい第二点は、巨大開発に踏みにじられる農民の問題であります。
 例を私の地元の成田空港にとれば、追われる農民たちは、政府によってうそのつかれ通しでありました。昭和四十一年七月、時の佐藤内閣が空港建設に当たって農民に対して、代替地は一持っている農民に対して一・五与えると約束したことを、当時大蔵大臣をやっていた福田総理は覚えておられますか。
 いまの現実を申し上げれば、建設によって土地を奪われた農家が約六百戸ございますが、この農家に与えられた代替地は、在来の経営規模の実に三〇%、はなはだしいものは一〇%しか与えられていないという、ひどい事実を提示したいのであります。日本の総理大臣は、農民に対してうそをついているのであります。こういう歴史的事実を無視して、福田総理は十一月に飛ばしたいなどと叫んでおります。
 日本の農民にとって、巨大開発とは一体何であるのか。私は、十九世紀の帝国主義諸国がその植民地において行ったことを、自民党政府が日本において行っているということを申し上げたいのであります。(拍手)むつ小川原、鹿島工業地帯、いずれもしかりであります。「農業をやりたい」と、農民は心から叫んでいるのであります。その農民に対して、いかなる農業を用意してきたか。総理は、歴代自民党政府の反省を込めて、巨大開発下の農民についての考えを明らかにしていただきたいのであります。
 最後に伺いたいのは、食糧及び飼料の輸入と、日本農業のありようの問題であります。
 戦後における自民党政府の農業政策は、一貫して輸入最重点主義でありました。しかし、この政策が過ちであることは、オイルショックに続く資源ショックを契機に、あなた方自民党内部にさえ沸き起こっていることであります。
 特に、今日、米麦価決定の時期を迎えては、日本の米の過剰宣伝を行い、消費者米価の大幅引き上げと、生産者米価を低く抑える作戦に出ております。しかし、問われるべきは、五百万トンにも及ぶ外国小麦の買い付けこそ削減さるべき最大のものであり、国民の主要な食糧をこれほど輸入に頼っている国は、世界のどこにもございません。
 一体、なぜこのような状況になったのか。よく考えると、そこに自民党政府による農業軽視、さらに輸入を牛耳る大商社との結託などが大きく浮かび上がってくるのであります。
 日本としていま必要なのは、十年後、二十年後、いや半世紀後の世界の食糧と日本の食糧、さらに政治状況を考察した上で、日本の農業のありようを考えねばならないことであります。
 総理自身も、現在の日本農業が正しい姿とは思っておられないと存じますが、ならば、十年後の日本農業はどうあるべきか、この一点をお聞きして、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#37
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 農村機械化の弊害につきまして御指摘でございますが、いまの世の中は挙げて機械化時代であります。農村だけが機械化時代から置き去りにされていい、こういうふうには私は、農村自体で考えておらぬと思うのです。やはり適当な機械化の導入ということが、これは農村のために必要である。ただ、そのためにいろいろ弊害がある。弊害があるという側面は生じておりまするが、その弊害の是正につきましては、政府といたしましてもできる限りの配慮をしてまいりたい、かように考えます。(拍手)
 なお、成田空港その他の大規模プロジェクト、それと農民との関係についての御指摘でございますが、これは、成田空港に例をとりますれば、建設に伴いまするところの移転農家、その営農対策につきましては、閣議におきましても十分検討し、配慮いたしておることは御承知のとおりでありまして、所要の代替地の提供、また、農業を営む上の環境整備、農業基盤の整備、そういうことに十分配慮しながら、農家の御協力を得ながら成田空港の建設問題を進めておる。私は、十分御理解を得ておる、さように確信をいたしております。
 それから、むつ小川原だとか鹿島だとか、そういう巨大開発問題と農村との関係というお話でございますが、こういう開発を、小川さんは何か否定するような考え方、その開発計画自体が自民党政府の何か罪悪のようなことを言いますが、世界の経済がこういうふうに発展しておる、そういう中において、わが国といえどもこの開発を進めていかなければならぬ。その開発のための根拠地というものを持たなければ、国全体の経済は増進しないのであります。そういう中において、今後ともこの巨大開発事業、これは必要に応じてやっていかなければならぬ。なりませんけれども、農村に悪い影響が及ばないように、これは十分配慮してやっておることは、皆さんが御承知のとおりでございます。
 それから、わが国の食糧あるいは飼料が輸入依存体制になってきた。これはどういうことなのか、こういうようなお尋ねでございますが、私は、その事実は率直に小川さんのおっしゃるとおりだ、こういうふうに思います。思いますが、その理由は、戦後三十年間、農村は着実にその生産を上げるという状態を進めてきておる、私はこういうふうに見ております。おりまするけれども、いわゆる十五年間を超える高度成長、この高度成長の中におきましては、やはり工業が中心であった。着実に農村の生産は進んでおりまするけれども、飛躍的に進んだ工業に比べまするとその進み方がおくれておったという関係、これは見逃すことはできません。そういうことから、高度成長時代になりましてから、食糧の需要が増大する、また、それが多様化する、高度化する、そういう中におきまして、輸入食糧に依存する度合いというものが非常に強くなり、また、飼料においても同様な現象が起こってきておるわけであります。
 さて、しからばそういう状態をほうっておいていいかというと、さにあらず。今後の状態を、世界を展望いたしますると、人口はどんどんふえていく、二十一世紀の初頭には、この地球上の三十億人の人口というのが倍になるとも言われておるわけであります。それに対しまして食糧の供給は一体どうなるか、なかなか今日の倍を実現するということは困難であろう。そういう中で食糧を海外に依存するというわが国の体制、これはよほどいろいろな面において考えなければならぬ。自給力を向上させるということも考えなければならぬし、また、海外からの安定的な輸入ということも考えなければならぬ問題であります。まさに私は、高度成長時代は終わりを告げまして安定成長時代に入ってきた、その中の重要な一環といたしまして農業問題の見直しをしなければならぬ、かように考えております。(拍手)
    〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#38
○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げます。
 出かせぎについて、機械化によって余剰労働力を他に転用しておる、これによって農家経済にプラスになっているということは――ただ無計画な農業機械の導入というようなことは御指摘のように避けなければならぬ。こういう面につきましては、今後とも、機械の適切な導入、また効率的な利用、こういう点について十分配慮しながら指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
 農業機械化の進展は、労働生産性の向上と、やはり農業生産の維持増大に大きな役割りを果たしておるものと、こういうふうに感じております。
 重労働からの解放、これはもう御承知のとおりでありまして、先ほど総理が答えたように、これを従前どおりの姿で農業をやれということは、現代技術にはあわないのじゃないかというように考えます。したがいまして、機械力、機械化によって浮いた労働力の活用を通じて、農家総所得の増大に寄与しているというこの側面も考えられると考えております。
 しかしながら、農業経営及び農業生産コストに占める農機具の費用、これは比重が全く大きく、経営の上の負担となっている面も否定いたしません。でありますから、農林省としては、このような事実にかんがみまして、農業機械の効率的利用を図る、先ほど申し上げたように、こういう点には十分意を用いてその指導に当たってまいりたい、こう考えておるのであります。
 さらに、農業機械化の努力とその利用の適正規模という問題、これはそのとおりであって、農業機械化促進法に基づいて、ただ高性能農業機械をつければいいというのじゃない、この導入という点の基本的方針というものを定めておって、その中で、おおよそ目安として機械の大きさに応じた利用規模を示しまして、これに即した農業機械の導入を行うように指導をしているところでございます。今後も十分この指導に万全を期してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#39
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 農村におきまする機械化の進展はまことに目覚ましいものがございますると同時に、また、農家経済の重圧、負担になっておりますることも御案内のとおりでございまするが、反面、メーカーの方の側に立ちましてこれを見まする場合に、他の機械産業と比較いたしまして、その経営の状況は必ずしも特別によいということでもございません。
 当省といたしまして、今後ともに、農業機械の安全性、それからまた補修部品の供給の円滑化、さらにまた部品の規格化の推進等の問題につきまして、メーカーを指導してまいる次第でございます。
 なおまた、耐久年限の問題でありまするが、これは、税制上の耐久年数、すなわち五年または八年でありまするが、これを二年程度上回っておるような状態でございます。
 さらに、トラクター、田植え機、コンバイン等の主要の機種につきまして、大手の四社が大きなシェアを占めておるが、農業機械メーカーのことでございまするが、機械メーカー同士の競争もまた激しいものがございますが、反面また、販売価格の決定に当たりましては、御案内の強力な価格交渉力を持っておりまする全農と各メーカーとの間で実質的にはこの価格決定が行われておるというようなことを承知いたしておる次第でございまして、特にこの間に政府が価格に介入するというようなことでなくても、おのずから適正な価格に保っておる、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣田村元君登壇〕
#40
○国務大臣(田村元君) 成田新空港が周辺地域と末長く共存共栄の実を上げていくためには、当然地域住民の皆さんの全面的な御理解と協力が必要であることは論を待ちません。この見地から、過去におきまして、先ほど総理も申しましたように、代替地の問題等、いろいろな面で誠意をもって対処してまいったつもりでございます。これからも十二分に配慮してまいる所存であります。
 それから、先ほどちょっとお触れになった、佐藤内閣時代に代替地を一対一・五というふうに配分するということを約束したではないかということでございましたが、そのような約束をしたことはないというふうに承知しております。(拍手)
#41
○議長(保利茂君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#42
○議長(保利茂君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        法 務 大 臣 福田  一君
        外 務 大 臣 鳩山威一郎君
        大 蔵 大 臣 坊  秀男君
        厚 生 大 臣 渡辺美智雄君
        農林大臣臨時代
        理
        国 務 大 臣 長谷川四郎君
        通商産業大臣  田中 龍夫君
        運 輸 大 臣 田村  元君
        国 務 大 臣 宇野 宗佑君
 出席政府委員
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
ソース: 国立国会図書館
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