くにさくロゴ
1976/05/28 第80回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第31号
姉妹サイト
 
1976/05/28 第80回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第080回国会 本会議 第31号

#1
第080回国会 本会議 第31号
昭和五十二年五月二十八日(土曜日)
    ―――――――――――――
  昭和五十二年五月二十八日
    午前十時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 会期延長の件
    午後八時三十三分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 会期延長の件
#3
○議長(保利茂君) 会期延長の件につきお諮りいたします。
 本国会の会期を六月九日まで十二日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。大久保直彦君。
    〔大久保直彦君登壇〕
#4
○大久保直彦君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました十二日間の会期延長に対し、強く反対する討論を行うものであります。(拍手)
 政府・自民党が今国会の会期を十二日間延長せんとしていることは、ただいま参議院において審議中の日韓大陸棚協定の自然成立を目的としていることはきわめて明白であり、きわめて許しがたい暴挙であり、民主的な議会制度を破壊しようとする以外の何物でもないと断ぜざるを得ません。(拍手)
 また、この会期十二日間の延長は、議長に対する信任を著しく傷つける事態と言わざるを得ません。(発言する者あり)
 さきの日韓大陸棚協定の本院通過を、海洋法二法に絡め、強引に行おうといたしました際出されました議長裁定は、参議院における自然成立の考え方は二院制のあり方からしてもよくないということであり、また、今国会は、最後まで話し合いの信頼関係を続けるということでございました。
 私どもは、第八十本国会が開会されて以来、保革伯仲と言われる中で、新たなる話し合いによる慣行を積み上げ、真に国民の負託にこたえんがための国会運営に、百五十日間営々と努力を積み重ねてまいったのでございます。(拍手)
 しかるに、それが自民党の横暴と多数に物を言わせようとする理不尽な暴挙によりまして、すべてが一瞬にして破壊されようとしております。議会史にまたまたぬぐうことのできない、情けない汚点を残すことになりました。私は、議会人の一人といたしまして、まことに遺憾と申さざるを得ません。(拍手、発言する者あり)自民党に民主的議会政治を守らんとする一片の良識もないことが、いま天下に明らかとなったのでございます。(拍手)
 私は、自民党の諸君の強い反省を求め、また、今回の暴挙をただし、会期十二日間の延長に強く反対いたしまして、討論を終わるものでございます。(拍手)
#5
○議長(保利茂君) 森喜朗君。
    〔森喜朗君登壇〕
#6
○森喜朗君 ただいま議長から発議されました十二日間の会期延長案に対し、私は、自由民主党を代表して、賛成の討論をいたします。(拍手)
 第八十回通常国会は、会期百五十日間をもって本日、すなわち五月二十八日に終了いたしますが、会期の最終日を迎えた今日、提出法案七十六件のうち、両院を通過成立したもの六十三件、提出した条約十八件、うち成立八件、現在なお審議中のものもありますが、何よりも重大なことは、現在参議院外務委員会において審議最中でありますアメリカ合衆国の地先沖合における漁業に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件と日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定がいまだ承認されていないことであります。
 さらに、昨日国会に提出されました北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定が両院において全く審議されないままにあることで、さきの日米漁業協定は、参議院においてやっと趣旨説明を終えたのみで、審議にはあと最低二日間は要する現状であります。また、新たに提出されました日ソ漁業協定においては、各党委員の御協力を得て審議を促進いたしましても、二日間は必要と思われます。
 この二つの漁業協定は、新しい二百海里体制下におけるわが国水産業の上に、その命運を託するものでありまして、国民経済と食生活になくてはならない二国間の協定であります。このいずれもが未承認のままに置き去られました場合、国民生活に及ぼす影響は甚大であり、一日も早く承認を必要とすると言わざるを得ないのであります。(拍手)
 いま一つの日韓大陸棚協定でありますが、この協定承認を国会に求めること実に六度目で、一部野党の反対はございますが、去る十日本院で承認されましたもので、この協定の承認もぜひ促進を願いたいのであります。この協定がこのまま未了となりましたならば、国際的信義の上で、協定の相手国のみならず、その他の諸国からも日本に対する信頼が損なわれることは明白であります。(拍手)
 これらを審議、議了するためにも、ぜひ十二日間の会期は必要であり、さらに申し上げるならば、昭和五十二年度公共企業体等職員の給与に関する仲裁裁定の処理の問題であります。
 本問題は、昨五月二十七日国会承認案件として提出されましたものの、いまだ承認を得られない状況にあります。公企体等職員の給与については、政府も裁定の精神を尊重し、裁定どおりの実施をする方針にかんがみ、本院も速やかに承認すべきことと思いますので、以上の重要案件を十分に審議、議了するために、最低十二日間の日数をぜひ確保する必要があると信ずるからであります。(拍手)
 特に、この国会は総選挙の国民の負託を受けた後でございまして、新しい与野党伯仲国会の中で、正副議長、議院運営委員長におかれましては、話し合いを積み重ねる慣行を大きく残されたことでございます。本延長問題が出ましてからも国対委員長会談あるいは幹事長・書記長会談を終始開かれまして、実に従来にない本当の国会の運営というものを議会制度の中に明らかにするために、十二分の努力を払われたということでございます。(拍手)
 特に、参議院の審議を尊重する意味におきましても、当初に衆議院議長が参議院議長を招き、そして意見を求めるというような、従来になかった新しい慣行まで尽くされたということは、特筆しなければならないと思います。(拍手)正副議長並びに議院運営委員長の行動こそ、まさに新しい議会制民主主義の権威を高めたものといたしまして、議会制度上私は特筆されるものだと思うわけでございます。
 議長の発議されました十二日間の会期延長は、この際まことに妥当でありまして、ここに議長の提案に対し、自由民主党を代表して心から賛意を表し、賛成討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(保利茂君) 東中光雄君。
    〔東中光雄君登壇〕
#8
○東中光雄君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、十二日間の会期延長には強く反対するものであります。(拍手)
 本院には会期延長を必要とする状況は少しもありません。あるとすれば、それは参議院においてであります。参議院からは、いまだ延長を要請する旨の意思表示は何もなされていないのであります。そればかりか、河野参議院議長は先ほどわが党の岩間参議院議員団長に対して、「会期問題は厳格にしなくてはならない」こう述べた上、「自分としては今国会の延長はすべきでないと思う」と、はっきりと述べているのであります。
 この点は、保利議長も、かねて延長するとすれば参議院から要請があった場合だけである、こういった趣旨のことを述べていたところでもあります。
 したがって、今国会の会期をなお十二日間延長する正当な理由は全くないのであります。
 今回の延長は、本日行われました幹事長・書記長・書記局長会談でも自民党の大平幹事長みずからが表明されましたように、日韓大陸棚協定の自然承認をねらったものと言わざるを得ません。このような延長は、議会制民主主義の原則を真っ向から踏みにじるものと言わざるを得ません。(拍手)
 改めて言うまでもなく、日韓大陸棚協定は、日本の主権と権益を売り渡す重大な反国民的協定であります。しかも、今後五十年もの長きにわたる取り決めでもあります。これが日韓の黒い癒着の新たな産物ではないかという疑惑は、国民の中に広く行き渡りつつあるのであります。それだけに、徹底的な審議が行われなければなりません。
 ところが、今回自民党は、民社党を巻き込み、さきの本院外務委員会における強行採決に続いて、いま十二日間の会期延長を強行する、このことによって参議院での自然成立の条件をつくり上げ、しゃにむに今国会で成立させようとしているのであります。全く言語道断、さたの限りだと言わざるを得ません。(拍手)
 この点で、見逃すことのできないのは保利議長の態度であります。御承知のように、保利議長は、今回の会期延長をめぐって、当初は、延長は参議院から要請があった場合に限る、こう言われておった。また、延長する場合でも、日韓大陸棚協定の自然成立につながる延長には反対であると、語気強く主張されてきたのであります。
 ところが、今夕われわれが、日ソ漁業協定のために本国会終了後直ちに臨時国会を開けという従来の主張を大幅に譲歩して、日韓大陸棚協定の参議院での審議権を保障し、かつ、日ソ漁業協定を審議するため十日間の延長提案を行ったにもかかわらず、それをさえ拒否するというかたくなな態度をとったのであります。
 これは、議長みずから自民党、民社党両党の圧力に屈したものと言うべきであります。(発言する者あり)みずからの言明に対する背信行為とも言わなければなりません。その責任はまことに重大であると思います。
 わが党は、これに厳しく抗議するとともに、今国会は本日をもって終了して、直ちに臨時国会を召集することを重ねて強く要請して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(保利茂君) 吉田之久君。
    〔吉田之久君登壇〕
#10
○吉田之久君 私は、民社党を代表して、ただいま上程されました会期延長に対し、賛成の討論を行おうとするものであります。(拍手)
 われわれ民社党は、今国会においてきわめて重要な案件が数多く提案されてまいりましたので、この審議の慎重を期すため、終始誠実な努力を届けてまいりました。
 しかし、今日、国会の会期末を迎えた現在、日韓大陸棚協定は参議院において審議中であり、また、日米漁業協定も同様に審議が行われようとしている段階であります。さらに、国民注視の日ソ漁業暫定協定は、昨日ようやく日ソ間で正式に調印の運びとなりましたが、その協定は、国民にとってきわめて重要な問題として提起されております。しかも、この協定については、領土問題を初め、多くの問題点を含んでいるので、その審議には特に慎重を期さなければなりません。(拍手)
 これらの状況を勘案するとき、この際、会期を延長して、その審議を尽くし、成立を図ることは、国家国民のために必要不可欠のことであると確信いたします。(拍手)したがって、この際、国会はこの国民の要請にこたえるととは当然のことと言わなければなりません。(拍手)
 いま申しました理由により、わが党は、ただいま議長より提案されました会期十二日間の延長は妥当な措置と認め、これに賛成するものであります。(拍手)
#11
○議長(保利茂君) 刀祢館正也君。
    〔刀祢館正也君登壇〕
#12
○刀祢館正也君 私は、新自由クラブを代表いたしまして、ただいま上程中の今国会の会期十二日間延長について、反対の討論をいたします。(拍手)
 この会期延長の直接の原因である日ソ漁業暫定協定は、単にわが国の漁業界の浮沈にかかわる大問題であるにとどまらず、領土問題とも関連する、国家百年の大計であることは、衆目の一致するところであります。かかる重要案件につきましては、臨時国会を開催して、密度の高い、集中的で効果的な審議を行うことが本筋であると考えたのであります。
 もとより、本協定は、各種各様の多くの問題をはらんでおり、慎重に審議すべきものであります。しかし、反面、その性質上、きわめて緊急性の高い案件であり、また、基本的分野につきましては、国民的コンセンサスに基づく各政党間の共通理解もあることでもあり、したがって、その審議に必ずしも十二日間を必要としないと考えます。
 さらに、この十二日間の会期延長は、日韓大陸棚協定の自然承認につながるものであります。新自由クラブといたしましては、将来の国益にかんがみ、本協定には反対であり、まして、結果的に参議院の軽視につながるおそれのある十二日間の延長には承服することはできません。
 今国会は、議長、議運委員長初め、各政党、各議員の良識と努力とにより、話し合いによる円満運営というよき慣行を樹立し、ほぼその線を守ってまいりました。
 今回の厳しい事態におきましても、新自由クラブといたしましては、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同の三党とともに、よき慣行を守るべく、十日間の会期延長という大幅な譲歩案を国会対策委員長を通じて議長に申し入れるなど、局面打開のため努力を重ねてまいりましたが、ついに同意を得るに至らなかったことは、国会の民主的運営の上からも、まことに残念でございます。
 以上のような理由によりまして、新自由クラブは、国会の十二日間延長につきましては強く反対の意思を表明いたします。(拍手)
#13
○議長(保利茂君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#14
○議長(保利茂君) 採決いたします。
 会期を六月九日まで十二日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、会期は十二日間延長するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#16
○議長(保利茂君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後八時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト