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1947/08/23 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第10号
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1947/08/23 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第10号

#1
第001回国会 農林委員会 第10号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分經費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の經費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施にする陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○農業協同組合法案(内閣送付)
○農業協同組合法案の制定に伴う農業
 團體の整備等に關する法律案(内閣
 送付)
○函館營林局の管轄區域變更に關する
 請願(第五十四號)
○薬用人參試驗場設置に關する請願
 (第六十六号)
○米價改訂に關する陳情(第百二十八
 號)
○民有林野制度の確立に關する陳情
 (第百三十號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百三十一號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百三十三號)
○開拓者資金融通に關する陳情(第百
 三十八號)
○米穀供出に對する報奬制度の廢止竝
 びに肥料の配給に關する陳情(第百
 四十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五十號)
○遅配主食の價格に關する陳情(第百
 五十二號)
○農産種苗法案(内閣提出)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 營とすることに關する請願(第八十
 八號)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに關する請願(第九十
 五號)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 關する請願(第百二號)
○薪炭の價格に關する陳情(第百六十
 二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百六十三號)
○食料品配給公團法に閣する陳情(第
 百七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百八十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百八十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百九十二號)
○市營競馬の施行に關する陳情(第二
 百二號)
○北海道開拓事業に關する陳情(第二
 百七號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百九號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百十三號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十號)
○未墾地の開拓事業に關する陳情(第
 二百二十二號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十三日(土曜日)
   午後一時三十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○農産種苗法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員會を開催いたします。昨日に引續きまして質疑を繼續いたしたいと思います。尚昨日同樣に豫め御了承を得て置きたいことは、説明員として昨日同様村田特産課長、加藤技官に對しまして發言を許し、又質疑を續けて頂きたいと思います。この點御承知を願いたいと思います。
#3
○寺尾博君 昨日も伺いましたが、もう少し技術的のごとを細かいことですが、ちよつとこの機會に伺つて置きたいと思います。この原案の第三條の種苗の包装に表示すべき事項の第六號の「農林大臣の指定する病蟲害の有無」という、この農林大臣の指定する病蟲害はどういうものをお考になつておりますか。それを一つ伺いたい。
#4
○説明員(加藤要君) これにつきましては種苗の種類に應じまして、それぞれその種苗について、種苗を仲介と害して傳播の虞れのあるような病蟲害を指定する考であります。例えば豌豆等に對する豆象蟲でありますとか、林檎の苗木に對する綿蟲とかいうような工合に指定して行きたいと考えております。
#5
○寺尾博君 その趣旨は勿論結構だと思いますけれども、これに續いて罰則のところに、虚僞の表示をした場合には「懲役又は一萬圓以下の罰金」とこういうことに關係するわけですが、病氣の種類によつては必ずしもないつもりでおつても、十分檢定ができない場合、これを杓子定規にやつたらば、わざわざ罪人を作るというようなことになる虞れがあると思う。これの運用上餘程そういう點は勿論専門家の方々が考えておられるのですから、ぬかりはないだろうと思いますけれども、念のためにどういうふうな考え方でそういう被害のないようなふうに處理されるか、尚一應伺いたいと思います。
#6
○説明員(加藤要君) これにつきましては、この指定する病害蟲の種類は今仰しやるような問題も考えられますので、一方害蟲驅除豫防法等を以ちまして、それらの病害蟲に對しまする驅除豫防の取締りの徹底を期する傍ら、特に種苗によつてこれが傳播する虞れのあるものをここで制限を加えて參りたいという趣旨でありまして、實際上には例えば果樹の苗木に對しましての取締りを實施する場合におきましては、豫め苗木につきまして、特にさように必要な害蟲に對しましては、苗木を燻蒸するような方法によりまして、その害蟲からは大丈夫だというような表示がされると思うのであります。併し一應この法律として求めておりまするものは、或る場合にはその病害蟲について燻蒸がされておらないから、その害蟲の心配があるという表示も必要だと思うのであります、さような場合にはそれを求めた栽培家には、その苗木はそういう害蟲について心配がありまするから、それを燻蒸して使うという注意が拂われることが期待されておりまして、特にその種類の苗木、或いは種子につきまして、取扱上の注意をこの表示によつて喚起されるようにしたいと考えております。
#7
○寺尾博君 尚續いてもう少し御伺いしたいことは、第七條の「優秀な新品種又は新系統の種苗を育成した者」はその名稱の登録を受けるということになつておりますが、果樹などについてはこれも登録を受けることのできる種苗は、農林大臣がこれを定めると、こうありまして、これはこの前頂いた資料に昨日河井さんからお尋があつた際の説明にありましたそれと同じものだということになりますと思いますから、種類は分つておりますが、その中果樹と蔬菜とある、果樹の方は接木やなんかで蕃殖しますから、一定のものができて普通の場合には變化が起りませんから、この「新品種又は新系統」という鑑定が確實でありまするけれども、蔬菜の方は一つの新品種とか、或いは新系統ができましても、これが非常に稻や麥のように固定的でなくして、それは變りやすいのですからして、この審査を受けるような少量のものは、優秀な種が少量できましても、これが販賣するような大量になるときには、その登録を受けたときよりも品質が遥かに劣り、又初めは良い物でも忽ち種の採り方いかんによつて、質が惡くなるわけなので、この趣旨は甚だ結構と思いますけれども、その取扱いにはその點を餘程適切に處理しませんと、いろいろ弊害も起り、又不公平な結果が起る虞れがあるのです。それは後の規定にありまするところの審査委員會が決定するのでありまするけれども、この審査委員會がいずれ學識經驗のある方々、立派な方々でおやりになるから、間違いはなかろうと思いまするけれども、併しこういう蔬菜などのものは必らずしも學識、學理というようなことだけでなしに、やはり實際の栽培であるとか、或いはとにかく實際のビジネスの方からいうと、いろいろなことがあるので、學理の方面だけからもできないので、この取扱いというものは、審査委員會が處理する場合においても餘程注意を要することではなかろうかと思うのであります。この點に對する技術的のお考え方をどういうふうに考えておられるか、そのことを御説明をお願いしたいと思います。
#8
○説明員(村田朔郎君) 寺尾先生からの只今の御質問につきまして、我々といたしましても御注意の點十分考えておるわけでありまして、この運營につきましては、結局種苗審査委員會の決定によるということにいたして參りたいと思つております。種苗審査委員の深考につきましても、その點特に民間方面の十分經驗の深い方も取入れて行くということで進みたいと存じておる次第であります。尚その新品種の變化というような點につきましても、これを年數を一定にすることなく、三年乃至十年というふうに法案で決めております點も、そういう點で變化が非常に、物によつて違うという點から、物によつて審査委員會においてその年限を決めて頂くというふうに考えてやつておる次第であります。
#9
○寺尾博君 尚もう一つ最後にお尋ねしたいのは、附則のところに「この法律の施行の期日は、政令でこれを定める。」とこういうふうになつておりますがこの施行はおよそいつ頃からになりすまか。
#10
○説明員(村田朔郎君) 我が國におきまして、これに類する法律は林業種苗法というものが昭和十五年頃できております。これなぞも施行規則が出るまで半年ぐらいかかつております。こういう新らしい一つのやり方をいたしますと、それがずつと下部まで徹底してからでないと徒らに罪人を作るというような弊害も出て參りますので、これが運用は、やはりある程度非常に急ぎまして下部までの徹底を圖り、尚審査委員會等の準備もでき上りました上で始めたいと思つております。從いましてこの議會で決まりましてすぐというわけにはなかなか參りかねるかと存じております。
#11
○羽生三七君 私は質問ではないので、昨日のことに關聯して御注文をもう一つ申上げたいと思いますが、この第五條にもあるように、「種苗業者に對し、その業務に關し必要な報告を命じ、又は帳簿その他の書類の提出を命ずることができる。」ということになつておつて、結局種苗業者自體が報告をしたり書類を提出するのでありまして、その結果につきましては、つまり種苗の結果については、當該生産者みずから報告することになつております。そこで種苗の入手過程を見て參りますと、必ずしも私どもの想豫では、自分が生産したものだけを市場に出すわけではないので、何ら種苗業者が、市長村長に届け出ていない者が、生産した種苗を買い集めまして、これを市販に供するといういき方が、大體取られる策ではないかと考えております。それでこの法案全體を通じて消極的な意味で不正を防止することに役立ちますが、積極的な意味で良種苗を全國的に普及させて行くということについては、私はあまりに消極的に過ぎると考えます。
 そこで、昨日も御注文いたしたように、或る農家が、附近の方の融通するというような細かいものは別としまて、全國的に普及されておるような品種で、而も我が國の農産物の上に相當程度の影響を與えるような品種或いは種苗につきましては、この種苗の生産者以外に、新しくできる農業協同組合なり、或いは市町村の技術員なりが、全體の結果というものを報告するような處置を併せて講ぜられることが、どうしても必要だと思うのであります。この點は質問ではないので、御注文として申上げておく次第であります。
#12
○島村軍次君 二三お尋ねしたいのであります。第二條の種苗業者という解釋については、昨日どなたか御質疑がありましたので、大體分つたのでありますが、農家として例えば茄子の苗或いは胡瓜の苗を季節的に澤山作る、それを附近地へ相當廣汎に販賣する、併もその者は農家であつて、自分でも栽培する、同時に種苗を作つて行くというような者については、これは、種苗業者としての取扱は、これは私の意見では除外して貰いたいと思うのであります。これに對する見解、尚希望といたしましては、こういふ規則になりますというと、殊に檢査員が、主務官吏が、附近の農事試驗場に一名といふようなことになつております。囑託員が多數になる場合におきましては、實際の取扱が非常に區々になつて來て、初めからはつきりした解釋を取つておかないというと、往々にして農家を脅かし、業者を脅かすといふことになると思います。それ等に對する考え方を承つて見たいと思います。
 それからもう一つは、相當農林大臣が總てをお持ちになるようでありますが、地方には業者というものは相當澤山あると思うのであります。先程羽生さんからのお話のありましたように、生産業者でなくして、僅かな種苗を集めて、而もそれはいわゆる卸の段階を數囘經て、そうして販賣するというような業者が相當あると思うのであります。それ等に對する取締も餘程嚴重なものを要すると同時に、あんまり嚴格になりますと、これは弊害ができるということになるんですが、そういう問題に對するお考えはどうか、それから囑託員というものは、どういう程度のものをお考えになつておるのか、大體の説明を承りましたが、結局市町村で、業者のある市町村においては、一名ぐらいの囑託の豫定でありますか、或いは數ヶ村なり數郡を受持つた者に對して囑託されるのか、これ等も取扱の嚴正を期し、この取締の公平を期するという點からいうと、相當大きい影響を受けるものだと思います。そういう點に對してどうか。
 それから今一つは、例えば協同組合であるとか、現在でいえば農業會あたりで種苗の生産を事實して、そうして委託探種とか或いは委託栽培とかいうものでやつておる事實が澤山あるのであります。そういうものを成るべく活用する方が、優良種苗普及の點からもいいと思いますが、そういうものに對する取締は、やはり普通の一般業者と同じような取扱をされますかどうか、それから尚生産者に對しましては嚴重なる、例えば燻蒸室を設けるとか、綿虫の燻蒸をやるとか、或いは貝殻蟲の燻蒸をやるというような問題に對しては相當設備を私は要するだろうと思うのであります。私の縣の果樹苗業者からいつても、そういうものを必ずしも持つておるものとはいえないと思います。そういう問題に對しては一方で強制をして來ることになりますから、むしろ或いは共同施設等でそういう問題をやらしてそれを中心に考えるということも一つの方法じやないかと思います。これは希望を兼ねてお伺いいたしたいと思います。以上の諸點についてお伺いいたします。
#13
○説明員(村田朔郎君) 第一の農家が苗を作る場合の問題でありますが、大體今私たちが考えておりますことは苗木の方は別でありますが、「茄子苗、或いはトマト苗、胡瓜苗」についての農林大臣の指定は考えていないのであります。その種について嚴密にやつて行きますれば、自然それから出る苗については十分正しいものが得られるという考え方をとつておりますので、農家が苗を作つておる場合は當然これは除外されることになるというふうに考えております。卸の段階を數囘經る中間業者の取締の問題でありますが、お説の通り、外で買つて來るということになつて來ると、その信頼というものは苗を買うところの店に對する信頼でやるより外にない。從いまして、これも保證票ということになりますと、買入れました元のところで附けた保證票を使うということになるわけであります。ただそれを外からわけの分らんものを持つて來て、良い苗をまぜたといい虞れが途中に出て來ると思いますから、その點は帳簿の備附の面において、取締を嚴重にして行きたいということで進んで參りたいと思つております。それから囑託員の問題でありますが、それは大體蔬菜苗木等の仕事について相當の經驗を有する者という意味で、囑託員を置いて參りたいと考えております。尚何ヶ村に一名、或いは數郡に一名というような配置の問題は、ところによつて非常に區々になると存じますが、種や苗の非常な生産地というようなところには數を澤山配置いたしますし、殆どそういうものの生産のないようなところには配置しないというような、實情に即した行き方でやつて行きたいと考えております。
 委託生産の活用の面は御注意の如く我々といたしましても將來協同組合等において採種事業というものを十分發達さして參りたいと考えております。尚燻蒸設備の問題につきましても同樣協同組合等の共同事業としてこういうものを大いに奬勵したい考であります。
#14
○島村軍次君 只今の囑託員の問題では現在では凡そ何人ぐらいでどのくらいの手當を受けるか、どういう豫定になつておりますか、それも合せて伺いたい。それから條文には農林大臣ということになつておりますが府縣の知事に對してはどういうふうな政令でどういうことをお決めになりますか、大體の見通しを承つておきたいと思うのであります。結局この業者が農林大臣へ報告するというような問題になりますというと、府縣知事が纒めるか、その檢査員というか、中間の人が纒めることになると思いまするから、市町村長から府縣へ纒めるという方法をうまくとる、ところが書類のトンネルが多くぎて許可の仕事も少いようでありますが、實際この從來の例から見ますと、餘りに條文が繁雜になり過ぎて、監督者である檢査員と、府縣の行政或いは府縣の組合或いは農業會等の奬勵の問題と、よく合わないというような問題が出てくると思うんですが、これは希望でありますが、なるべく地方の府縣知事にも、政令で或る程度の委任をするということも考えて頂きたい。窮極するところ技術者の人が取扱うことになりまして、事務屋のやるような事務的のことが不十分になるという弊が伴うのじやないかと思います。それは心配でありますが、そういう點も十分御考慮願いたいと思います。
 以上の囑託員の問題についてのことと政令に關することとお伺いいたします。
#15
○説明員(加藤要君) 實は御質問の囑託員の問題でありまするが、私のほうといたしましては、當初種苗取締に對しまする檢査所の機構というものは、相當充實した考を持ち、又將來については左樣にして參りたいと思いまするけれども、本年大藏省の査定を受けまして今議會に提出しておりまする豫算といたしましては、極めて少數でありまして、只今のところ前にも御説明申上げましたように種苗檢査所が本所、支所四ヶ所あるほか、そのほかの府縣には一府縣あたり一人ずつの地方駐在員があるだけでありまして、その中に縣によりましては二級官が三縣だけ置かれる。その次の程度の縣でありまして三級技官が二十三縣一人ずつ、殘りの縣に對しまして一人ずつの臨時囑託が二十縣置かれるというのに過ぎないのでありまして、今のところまだ一府縣單位の人員しかないのであります。將來は只今課長も申上げましたように、生産縣或いは大きな消費縣に對しましては、相當充實して參りたいという考でありまして、今のところは遺憾ながらまだ極めて手薄であります。併しこれに對しましては十分人選をいたしまして、適當な者を囑託いたしまして、その間、取締上の連絡基準を設けまして、齟齬のないようにしたいと考えております。
 只今のお話で本法に農林大臣が定めるように示されておる事項につきましては、先ず第二條の農林大臣に届けるということでありますけれども、これにつきましては、恐らく市町村長に届けられたものが、各地方長官に報告されることになると考えるのでありまして、大體そこですべてのことが足りるようにされなければならんと思います。これはあとの三條以下の取締に至つては、必要なことでありますから、農林省の檢査官吏として各縣に駐在しまするところの者が、縣と十分に連絡をとりましてそれぞれその取締の實施に當るようになると考えます。この四條乃至六條にそれぞれ農林大臣が、或いは檢査官吏をして視察せしめるところの事項を規定してございまするけれども、これによりまして、すべてそこの駐在の檢査官吏が實施することになるのでありまして、これは只今の御注意のあつたように、いずれも地方の府縣廳と十分な連絡をとつてしなければならんことでありまして、地方に對しまするいろいろの指導上のことにつきましても縣のそれぞれの係と密接な連絡をとりまして、差當りはわずか一年にしか過ぎませんけれども、これが縣のそれぞれの孫官と十分連絡をとつてしなければならんと考えます。
 その他本法の定めておりますることで特に農林大臣が決める事柄につきまして、地方長官にその權限を委任することについては特別に必要とする部分がないように考えております。
#16
○平沼彌太郎君 この法案を見ますと、即に政府又は地方の團體が實行していることを繼めて、そうして統制を法案化した程度のもので、少し消極的な感じがしますけれども、まあ不良種苗業者の取締ということも結構でありますから、全般的にまあ贊成しますが、ただ一つお伺いします。この外に桑苗とか茶の木の苗、その他山林にあつては桐、形、檜、その他園藝用の苗木に對しては皆産業に重大な關係を持つているのですが、現在のままでよいのか、更に積極的におやりになるお考えがあるのか、こういうことに對してちよつと伺いたい。
#17
○説明員(村田朔郎君) お茶の苗木等につきましては尚省でもいろいろ今研究中でございます。必要があればこれに加えるということになろうかと思います。桐等の林業の森林種苗につきましては、前に、昭和十四年の、月日はちよつと失念しましたが、既に林業種苗法というものができておりまして、それでやつておられるわけであります。尚それの改正等について山林局の方で考えているかどうかはちよつと私ではお囘答できないのでありますが、とにかく檢査竝びに取締についての一面の仕事を既に著手しておられるわけであります。その點お答えいたします。
#18
○竹中七郎君 第十二條の種苗審査委員は甚だ簡單でありますが、これは中央だけの問題で地方にはないのでありますか。その待遇、權限内容その他をもう少し具體的に考えを述べて頂きたいと思います。
 次にこの種苗の委託販賣を受けている者に對しまするところにおきまして、登録票があれは誰でもやつてよいのか。或いはこれを販賣する者には販賣證明書というものをお與えになつてやられるかということであります。この種苗というものは、或いは地方に參りますと、町のお祭りその他、なんと申しますか、人のよく出るところの市というようなところに持つて出ているのでありますが、これらの取締の方はどういうふうに相成りますのかこの點を伺いたいと思います。
#19
○説明員(村田朔郎君) 委員の待遇竝びに權限について申上げますと、待遇は豫算面において決まつておるのは委員手當だけでございます。それからそれに附隨する旅費でありまして、從つてこれは農林大臣が委囑する形になつております。
 權限につきましてはここにございます通り、この委員會において決定されたものでないと農林大臣はこれを登録しない。結局諮問でなくて、決議的な性質を持つことになろうと思います。それからこれは中央だけのことを考えておりまして、地方におきましては同じ品種をあちらこちらで登録されたりしますと非常に混亂の因になりますので、これは全部中央で纏めてやるつもりであります。
#20
○竹中七郎君 もう一つ委託の問題ですが……。
#21
○説明員(加藤要君) 委託と仰つしやるのは種苗業者の、取締の問題だと思いますが、これはただ單にこの法律では種苗業者は屆出をすればよいのでありまして、誰でも自由にして差支ないことにされております。從つてこれに對しては認可とか、免許證を交付するとかということは一切ないのであります。これは一面私共も種苗業者というものは非常に大切な種苗を扱うものでありますから、免許制度にするということについても研究はしておるわけでありますが、差當りこれは自由な競爭の下に種苗を販賣させまして、良い種苗が榮えるようなところから、熱心にこの種苗を改良させるというようにしむけるということで、そういつた考えでこの屆出制度が考えられておるのでありますが、これに對しまして市などでその都度營業所を變えてやるというようなものに對してもやはり一應これは屆出をさせまして、營業所は不定であるかも知れませんけれども、そういう名の下に屆出をさせまして、どこそこにどういうものが營業を營んでおるということを一應つかみまして、これを取締の對象にして參りたいと思います。併しこれらの業者は常に販賣する種苗については一應責任をもつた表示をした種苗を賣らなければならないということでこれを縛ると言いますか、それよりはむしろ需要者がそこに示されておるものについて、その種苗業者が確かであるかどうかといことを判別して、その種苗を買う判斷の手筈にさせるというようなことで良い種苗を賣るようにむけて參りたいと考えております。
#22
○竹中七郎君 只今のお答えに對してちよつと申上げますが、結局非常に消極的な取締というような形になるのでありますが、この問題はなかなかむづかしいのでありまして、買う方面がよく見て買えばよい。登録の商標をやつてあればそれでよいというふうになりますが、いろいろこれは香具師とか、そういう連中が相當賣つておるような状態にありまして、その賣る本人を取締りませんと、農家なり或いは自家生産した者が非常に迷惑をするものでありまして、店舗を開いておるものでありましたならば、これはさようにお考えなされてもよいが、惡い面もあるので、その點も考えて御研究なさつたらよいと思います。
#23
○島村軍次君 尚二、三伺いたい。先程の桑苗の問題、御囘答なかつたから……。
 それから私の縣だけではないと思いますが、「大麻の栽培禁止の問題」、これは直接の關係はない、GHQとの關係はありますが、これに對する經過なり、今後の見通しを一つ、重要な輸出農産物になる關係がありますので、この席で御發表を願いたいと思います。
 それから取締に關聯のある盆栽とか、或いは區別のつかないような問題、庭木の苗木に對する病蟲害と同じ種類のようなものがありますが、これらに關する取締の關係を合せて伺いたい。
#24
○説明員(村田朔郎君) 桑苗について申し上げますと、實はこの法案を作る時に、省内で各局集まつて御相談をいたしたのでありますが、蠶絲局の方としては只今のところまだ桑苗についてそういう取締りをやる意思はない。こういう話でございました。但し尚よく研究して見るということでありましたので、將來或いはこれに追加されるかも知れませんのでございますが、目下のところではそういう御意見であります。
 それから大麻の問題でありますが、すでに御承知のことと存じますが、結局最後のところ本年に限り、五千ヘクタールの栽培を認めるということに落著きました、それで來年の面續につきましてはその儘五千町歩來年も認められるかどうかについては、まだ確定していないのでありますから、丁度擔當の方が本國の方へ歸つておりまして、九月の初めに又こちらへ戻る、こういうことになつておりますので、歸られましたらさつそく交渉を始めて、來年の作付面積の確定をいたしたいと、こういうふうに考えております。
 それから尚最後の盆栽庭木等の果樹苗に關聯したものの取締り、これは實は農林省の中に病蟲害防除という古い明治四十年頃の法律がありまして、病蟲害防除のあれをやれることになつておるのでありますが、實は古い法律でありますために、實際は殆ど運行していないというような形になつております。農作物全體に關係するものにつきましては、その病蟲害防除法を改正をいたしまして、そうしてこの法案にあります農林大臣の指定する種苗ということに限らず、畑にある作物或いは一般の商品に附隨しておる病蟲害というような點についても、その防除を徹底できるように改正したいということで、目下研究中でございます。
#25
○寺尾博君 第五條の「種苗の檢査の結果必要があると認めるときは、種苗業者に對し、その業務に關し必要な報告を命じ、又は帳簿その他の書類の提出を命ずることができる。」というのでありますが、これは具體的にはどんな場合を豫想しておるわけですか。
#26
○説明員(加藤要君) これは拔き檢査をいたしまして、或いはその種苗の表示が違つておるという場合には、それと同じ種苗がどれだけどういう工合に動いておるかということを見定めまして。それぞれの所に必要な取締をするために、その關係の報告なり、その關係の帳簿の提出を命ずるというように考えております。
#27
○寺尾博君 これはこんなのこそ本當に運用の程度如何によつて、即ち地方駐在の檢査所員或いは囑託等のやり方如何によつては、不必要な程度に僅かなことで種苗業者が非常な厄介な目に遭うというような虞れなきにしもあらずと思います。この第五條の適用については、それ程でもないことについては種苗業者をいじめる結果にならないように、是非御注意が必要だと思うので、その點についてどういうお考を持つておられるか、念のため伺いたいと思います。
#28
○説明員(村田朔郎君) この法案につきまして、勿論故意にやります者については斷然たる處置を取るわけでありますが、昨日來申上げました通り、誤つてやつてあつたという場合のは、これを一應は訂正を命じてやるというふうな方針を取つておりますので、今御注意のありましたような點につきましては、勿論業者をいじめるというようなそういうような考は毛頭ありませんで、檢査をやりまして、どうしてもその點が必要だというものに限つてやる積りであります。できるだけこの點は愼重に、弊害の起らんようにいたしたいと考えます。
#29
○寺尾博君 只今の御説明でよく分りましたけれども、中央ではそういう積りでおるのですが、とにかく今までこういうことが地方の末の方へ行きますと、杓子定規になる。隨分當業者が迷惑する場合があることは事實なんです。それで只今の特産課長のお言葉に安心して信頼し得るかどうか、その點どうも今御説明を聽いただけでは、私は相當末の係員がどんなことをしないとも限らん。又場合によると從來統制の制度の場合においては、見方によつては官憲が權力を濫用したと認むべき弊害のある場合も少なからずあつたわけで、今後かくのごときことも場合によつてはなきにしもあらずと思う。この點は檢査所構成の際に地方末端に至るまで相當注意をし、又常にそういうことのなきを期するような指導をやつて頂く必要があると思う。そのことを私は希望する次第であります。
 尚もう一つ伺いたいのは、新品種、新系統のできた場合、これが試験場とか或いは公共團體、公の事業によつてできた場合のその新品種、こういうものは信用のある種苗業者等に原種を一部與えて、そうしてそれを蕃殖して一般の用に供するというふうに、公の機關でできたものが一般世間の役に立つという筋に持つて行かなければならんものだと思います。この法文を拜見しただけでは、私の頭にはまだその點がどういうふうになるのかはつきりと示されないように思うのですが、その御説明を願いたいと思ます。
#30
○説明員(加藤要君) 只今の事項は、今の特別に試驗場でありまするとか、その他の學校でありますとかいうところの育成、或いはそれによつてそこの者が申請いたしまして登録を受けた場合にも、亦個人でありましても同樣でありまするが、その場合には普通の個人でありますれば、自分が登録したものを育成しまして賣つて行く以外に、適當な業者に對しまして、或いは適當な者に對しまして許諾を與えまして、多分その時には許諾料などを取るかと思いますが、それが賣れる種でありますればどんどんと許諾を受けてやる者も出て來るかと思います。それから試驗場でありまするとか、學校とかいうような、公共的な官廳或いは國體でありますれば、別段その許諾料などを取らないでも、自分が多分その種苗をうまく取つてどんどん賣るであろうと思われる。例えば生産者團體などにただでそれをやらせるということもできるのであります。それで只今の點に對するこの法律での規定は、第十條の一項の一號にございます。これは第十條一項には、この登録を受けた種苗というものは、登録を受けた者か、或いはその一般承繼人でなければ、この種苗の名前を使つて賣つてはいけないということを規定してありまして、「但し」ということで一號に、その登録を受けた種苗業者か、或いは一般の承繼人でもよろしいのでありますが、「許諾を得て當該登録に係る種苗を販賣する場合」というような工合に許諾を與えて人に作らせるということが認められておる。それから只今のお話に關聯した事柄でありまするけれども、それは第七條の三項に、試驗などで、そこの職員がそこの試驗場の事業として、さような種苗を育成したことがあつた場合には、その試驗場はその職員の承諾を受けて、試驗場として登録も受けることができるというようなことが規定されてあります。その場合には、その試驗場として登録を受けた場合には、その育成者は、自分自身では登録が受けられないというようなことになつております。
#31
○門田定藏君 議事進行上簡單に申上げます。本案の設置は極めて緊急を要する問題でありまして、むしろ我が國の農業發展上遲きに失する感があると存じます。つきましては、本案の審議について、數日に亙つてすでに論議も盡きたることと思われます。本案の論議はこれで打切りまして、滿場一致で本案を可決あらんことを取計らい下さることを求めます。
#32
○羽生三七君 意見の終了には異議がありませんが、さつき申上げたように、ちよつと徹底を缺いておる點があると思いますので、附加えて申上げます。今第五條の點で寺尾さんの取締が行過ぎになるんじやないかという御懸念の旨の御發言がありましたが、それは取締が行過ぎては困りますが、私の先程申上げましたことは、詰りその年の種が不時の取締をやつた、或いは檢査の結果を必要な方面に處置をしましても、もうその年の種の變更には間に合わないのであります。それはその翌年になるのであります。どうしたつて一週間か十日で、僅かの期間しかない、種の播付け時において、そういう不時の檢査なり或いは必要な手配というものが間に合わない。そこで私はその當該年度における當該種苗の結果というようなものを取繼めて、中央に報告になつて來ると、それを參考にして翌年度あたりの檢査の資料にできる、こういう意味でありますから、附加えて申上げます。
#33
○説明員(加藤要君) 御尤もでありまして、只今の種苗の取締は、その年にこれを取締をいたしましても、もうすでに實際分るときには參つてしまつておるというようなことで、間に合わないことが非常に心配されるのでありますが、實はこれは我が國の種苗の流通の状態が、その可なりの部分のものがいわゆる振播式でありまして、これは外國には餘りない例だと言われております。これは新らしい種苗を使うのは好ましいことではありまするけれども、そのために毎年度非常に無理がかかりまして、殊に最近のような輸送事情などが惡い、或いは脱穀等の資材の乏しい時代におきましては、非常に困つておるのでありまして、これは私共の念願といたしておることでありますが、成るべくその年に採種したものは翌年廻しにするような工合に、これを段々と切換えて參りたい。そうしますれば一年の間に十分檢査も徹底をし、又需要者もそれぞれよいものを選んで買うことができるというような工合に考えておりまして、只今仰しやるような、その年におきまするところの栽培の結果について、或いは生産者の團體でありまするとか、又は縣廳その他の調査を求めるということは非常に結構なことでありまして、是非やりたいことだと思いますが、それと同時に只今のようなことを考えておりますので申上げます。
#34
○木檜三四郎君 今同僚から、大變緊要だから直ぐ即決するようにという御意見でありますが、私はこの案に對しては非常に疑いを持つておるので、從來こういうものに對しては、そうさまでの規定はなかつた。農家のやつておりますのは、從來信用ある種屋さんは、農家は私的ですから、よい種を作ればそこへ買に行く、よい苗を作ればそこへ買いに行くという、保守的です。そうですから、いわゆるその人の信用を重んじてやつて來ておる慣習上、政府はこういうようなものにまで干渉して、こんな法律案を出すということに私は疑いを持つておる。新憲法實施の今日においては、こういうものにまで政府が干渉するということはどうかと私は思う。從來信用を以て立つお互い、民間業者は尚更であります。政府は今まで監督はないかというと、園藝試驗場であるとか、縣においては農事試驗場というようなものがありまして、相當に範を示しておる。今日は農業上についても相當の改良もしよう、増産もしようというので、農家自體が自覺しておる。そうでありますから、その縣においてはその縣の試驗場へ行つて見學までも農家の青年はやつておる時代であります。政府はわざわざこういう法案を拵えて、手數をかけて、二千四百萬圓の金をかけてやるというようなことは、今日の時代においては時代錯誤だと思います。まだ同僚には諮りませんが、私個人としては、かかる案を出すことについてはどうかと、こう私は思つております。私はちつともこんな問題は緊急でも何でもない、今までさえもやつておらん、政府には政府として、いわゆる模範農場とか、模範試驗場を置いて範を示しておる。斯道の熱心家はそこへ見學にも行つております。そうだから、この點は餘程考えなければならないと思う。何でもかんでも法でばかり色々指導するというような形は、今日民主主義國家にとつては餘程考えなければならんと、こう考えております。意見だけちよつと申上げて置きます。
#35
○羽生三七君 只今の木檜さんの御意見も、一部分御尤もだと私も考えるのでありますが、私共はこの案が全體として見て、各議員の御發言も同様でありまするけれども、消極的に過ぎるくらいに見ております。然るにそれに何故私共が賛成するかと申しますと、全體的な面から見て不良種苗を防止するというには非常に役立つのであります。現に私が申上げましたのは、私が播いた種では一つも發芽しなかつた。これが市販に供されておる。これは私のみならず、私の部落殆ど全體同一種を買つたものは皆そうであります。それらの事實から見まして、相當惡い品種の防遏には役立つと思います。却つてこの細かいことまでいろいろ指圖しないというようなことの方がよいということはこれは同感でありまして、消極的に過ぎるくらいなこの法案が却つてよいかもしれません。それはなぜかと言えば、結局當該種苗業者なり、或は農事試驗場の種苗なり、結局生産者なりその作付者は長い經驗によりまして、段々どつちがよいということをみずから選んでいるのでありますから、まあこの程度のもので運用よろしきを得たならば、少くとも弊害の一部分だけは是正するのじやないか、私共はこういうふうに考えております。
#36
○門田定藏君 私も羽生委員と略々同感でありまするが、大體本案はさつきも申しましたように、時期を逸しておるという點は、私は苦い經驗を持つておりますが、曾て果樹園を栽培しておつて、これこれの林檎苗が欲しいと農事試驗場に注文したけれどもどこの試驗場にもない。商人の手を經て林檎の苗を五年も六年もした結果違つた品種のものを送つてくれる。これらは五年も六年も經つては、果樹園の方はどうしても仕方がない。それからもう一つは、おくての紫雲英の種を注文すると、五月花が咲くような小さい種を送つてくれる。こういうように非常に被害を受けることが多い。この本法案は不良種苗を防ぎ、そうして農家の利益を圖るということについては私はむしろ遅きに失すると思います。これはさつきも御意見がありました通り、餘り小さいところに立入つて從來穩健著實な種苗者の仕事まで干渉して、これが普及を妨げるようなことはどうかと思う。一つ十分御考慮をお願いして、速かに私は御決定あらんことを願うものであります。
#37
○説明員(村田朔郎君) 本檜先生からの御意見がございましたので、尚重ねて申上げる譯でありまするが、實は我我としましても、よい種屋というものは結局信用によつて繁昌して行くということについては勿論同意見でございます。ただ先程から各方面で申されまする通り、現在の種屋自體が全部そういう信用の置ける種屋だけでないという所に、この法案を作らなくちやならない現状があるのでございます。尚本當のよい種屋におきましては現状においてもちやんとその自分の詰めた袋には品種名或いは自分の責任のある店の名前等を書いて賣つておるような次第でありまして、ここに特に法案に擧げましたことをすでにもう自發的にやつておる業者もある譯でございます。從いましてこのために非常によい業者を面倒な思いをさせるということはないかと存じております。尚各方面から御注意のありました通り、この細かい問題を業者に強いることによつて弊害を起すというようなことは嚴に運用において愼んで參りたいと存じております。
#38
○岡村文四郎君 私は昨日物足らんということを申上げて置きましたが、實は木檜さんから御意見が出ましたし、外にもそういう氣分の方も多々あるようでありますが、實は種苗の販賣業者を惡く言う譯ではありませんが、種苗の販賣業者ほど實に相手に惡いものはない。そこで私の方でも隨分長いこと苦んで方針がつかなくて、本年から大々的に自分が種苗の生産をやることになつておる。それは苦い經驗をなめたあげくでありますが、昨今玉葱の種が非常に不足で困つておる。そこで葱の種を炒つて發芽をしないようにして賣つております。そうすると七割八割というものは發芽せん葱の種が入つておる。普通そんなことを平氣でやる種屋が非常に多い。非常によい種屋もありますが、その代りに非常に惡い相手がありますから、こういう譯で昨日物足らんということを申上げて置きましたが、しかしやはり括りがないと工合が惡いから一應これでも早く決めた方がよい。かように考えております。
#39
○委員長(楠見義男君) 外に御發言ございませんでしようか。大體外に御發言がないようでありますから、これで質疑を終了したいと思いますが、御異議ございませんか。
#40
○委員長(楠見義男君) それでは御異談がないようでありますから……ちよつと速記を止めて下さい。
#41
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて、それでは大體質疑を終了いたしたようでございますから、本日はこれで散會いたしまして、次會は明後二十五日午後一時から開きたいと思います。本日はこれにて散會いたします。
   午後二時四十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           木下 源吾君
   委員
           太田 敏兄君
           門田 定藏君
           田中 利勝君
           羽生 三七君
           西山 龜七君
           平沼彌太郎君
           木檜三四郎君
           竹中 七郎君
           石川 準吉君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
  説明員
   農林事務官
   (特産課長)  村田 朔郎君
   農 林 技 官 加藤  要君
ソース: 国立国会図書館
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