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1949/03/16 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第9号
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1949/03/16 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第9号

#1
第007回国会 文部委員会 第9号
昭和二十五年三月十六日(木曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 長野 長廣君
   理事 高木  章君 理事 圓谷 光衞君
   理事 水谷  昇君 理事 松本 七郎君
   理事 原   彪君 理事 小林 信一君
      木村 公平君    佐藤 重遠君
      千賀 康治君    今野 武雄君
 出席政府委員
        文部政務次官  平島 良一君
        文部事務官
        (大臣官房総務
        課長)     森田  孝君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     稻田 清助君
        文部事務官
        (大学学術局
        長)      劔木 亨弘君
        文部事務官
        (調査普及局
        長)      辻田  力君
        文部事務官
        (管理局長)  久保田藤麿君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (大学学術局教
        職員養成課長) 玖村 敏雄君
       專  門  員 横田重左衞門君
三月十一日
 委員今野武雄君辞任につき、その補欠として野
 坂參三君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員山口喜久一郎君及び野坂參三君辞任につき、
 その補欠として淺香忠雄君及び今野武雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十五日
 公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措
 置に関する法律案(内閣提出第三七号)(参議
 院送付)
同月十三日
 小学校における家庭科存置に関する請願(大澤
 嘉平治君外一名紹介)(第一四一一号)
 宮城県第三女子高等学校を東北大学教育学部附
 属高等学校に移管の請願(庄司一郎君紹介)(
 第一四一二号)
 山形県下教員の定員増加に関する請願(志田義
 信君紹介)(第一四一八号)
 新日本精神教育実施促進に関する請願(内海安
 吉君外四名紹介)(第一四四三号)
 国庫負担による專任社会教育主事設置の請願(
 浦口鉄男君紹介)(第一四六四号)
 教職員の給與改訂に関する請願(圖司安正君外
 一名紹介)(第一四八〇号)
 同外一件(米原昶君紹介)(第一五二五号)
 教育職員免許法及び同施行法の一部改正に関す
 る請願(上林與市郎君外三名紹介)(第一四八
 四号)
 教育委員会法の一部改正に関する請願(上林與
 市郎君外三名紹介)(第一四八五号)
 標準教育費法制定に関する請願(上林與市郎君
 外三名紹介)(第一四八六号)
 教職員再教育費増額に関する請願(松本七郎君
 紹介)(第一四八九号)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措
 置に関する法律案(内閣提出第三七号)(参議
 院送付)
 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三八号)(予)
 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三九号)(予)
 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六二号)(予)
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八〇号)
    ―――――――――――――
#2
○長野委員長 これより会議を開きます。
 公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案を議題とし、審査に入ります。
 本法案は、昨十五日に参議院より送付せられました。本委員会におきましても、予備審査中質疑を大体終了いたしておると考えられますが、御質疑があればこれを許します。――ほかに御質疑はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○長野委員長 御質疑がなければ、本法案に対する質疑を終了するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○長野委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑はこれにて終了いたします。
 これより討論に入ります。
#5
○圓谷委員 本法案に対して、討論を省略して採決されんことを願います。
#6
○長野委員長 ただいま圓谷委員より、討論省略の動議が出ましたが、賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔総員起立〕
#7
○長野委員長 起立総員よつて討論は省略せられました。
 公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案について採決いたします。原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔総員起立〕
#8
○長野委員長 起立総員。よつて原案の通り可決せられました。
    ―――――――――――――
#9
○長野委員長 次に国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。質疑を許します。質疑はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○長野委員長 それでは本案の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#11
○長野委員長 次に教育職員免許法の一部を改正する法律案及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、前会に引続き残余の質疑を許します。
#12
○千賀委員 これは日教組は非常に盛参りだくざんの陳情をいたしておりますが、いずれあなた方の方へも同じ陳情をいたしたと思います。しかし逐條意見の違うところをここで説明をしてくださいということは、時間の経済上どうかと思いますが、主要な点のあなた方の見解をここで御表明をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#13
○劔木政府委員 詳細にわたりましては、玖村説明員より申し上げたいと思いますが、概括的に申しますと、大体私ども日教組の意見は存じておりますが、総括的に申しまして、現在の免許法をずつとゆるめて行くというのが主たる点でございます。それで前々、日教組から数項目にわたりまして要求があつたのでございます。その要求がありましたときに、これをどの程度取入れるかということは、この改正案を立案します場合に、相当研究いたしまして、そうして研究した上で関係方面とも話合いまして、取入れられるだけのものはある程度取入れておるのであります。そのとき、いろいろ研究の途中におきまして、あまりに教育職員免許法の程度をゆるめるということは、むしろ教育者自体が、みずからその素質を低下する方面に向つて努力しておるように見えまして、むしろ積極的に程度を上げて行くという面が望ましいことであつて、その組み入れられる程度のものはいたしましたが、現在のところでは、そのほかわれわれ十分研究して、この程度よりしかたがないというので原案をつくつております。しかし免許法全体といたしまして、非常に複雑な免許法でございますし、なお十分研究して、改正する必要があるという点につきましては、私どもあくまで原案を固執するものではございません。一例をあげて申しますと、たとえば、小学校の專科の教員等に、中学校二級免許状を與えてもいいじやないかという意見がありますけれども、もちろん專科教員の中には、專門学校程度の、音楽学校でございますとか、そういうものを出て、実力も相当ある者がおるのであります。しかし同時にそれ以外の非常に程度の低い專科教員もおるわけでありまして、これを判別するという点が非常にむずかしいのであります。それで專科教員で專門学校を出ている者は、專門学校を出たという点におきまして、中学校の音楽なら音楽の二級免許状はすでにとり得るようになつておるのであります。それ以外のものと申しますれば、いわゆる各種学校を出た者、そういつたものが專科教員にはおるわけでございますが、各種学校を出た者が專門学校程度であるかどうか、中等学校程度であるかどうかということを区別することは、法規上非常にむずかしい点がございまして、一面非常に例外的だといつていいと思います。ある程度の実力のある者がおりましても、その人のために全部の者の程度を下げて二級をやる、いわゆるほんの小部分のために原則的な大部分をかえて行くということは、どうしてもできないという面がございまして、そういつたような面につきまして十分に研究いたしたのでありますが、われわれとしては、現在のところはこの程度が適当であろうと考えております。
#14
○今野委員 先般来、免許法の問題につきまして、單位講習のための費用その他について、いろいろ御質問申し上げたのでありまするが、実際費用をとるために、国家また地方公共団体で費用を負担するほか、やはり本人のふところからも負担しなければならない、こういうわけですけれども、いろいろなところの話を聞きますと、実際そのために非常にお金がかかる。單位を要求されておるだけとるのには、数万円の経費を必要とするのでありますが、それは今日の教員の非常に困窮した状態、給與も低いし、どうにも生活が成り立たないという状態、ことに家族等をかかえておる場合に、非常に骨の折れる、経済的にもほとんど不可能に近いようなことになるわけでございますから、そういう点について――これは教員の給與等にも関係するのでありますが、文部省としては、もつと総合的にこの問題を考えなければいけないじやないか、教員の生活の実情に即して考えて行かなければいけないと存じますが、その点の配慮はどうなつているのでしようか。
#15
○劔木政府委員 もちろん本人が全然経費がかからないということはございませんけれども、実情を調査しておるのでございますが、各府県で現職教員のための講習をいたします場合には、大体自宅から通学できるということを原則といたしまして、そういう方針を立てて、実際自宅に近いところで講習を開く、何箇所にも開くという形をとつておるのでございます。そうするためには、県の方で講師を出張させて講習をするという形になりまするので、この前も申し上げましたが、各府県でこの講習のために相当な金額を、二十五年度におきまして計上しておるのでございます。もちろん全然かからないということはございませんけれども、本人の負担を最小限度にするという努力をいたしておる実情でございます。
#16
○今野委員 大体了承いたしましたが、なおその点について、数字等について非常に不安なように考えられるわけでありますから、御調査の上、ここに資料を出されて、現実の問題として御説明願いたいと考えております。
#17
○小林(信)委員 この前お伺いした点で、なお私がはつきりしないところをお聞きしたい。校長に対しては昭和三十年の三月三十一日まで、一般に対しては昭和二十八年の三月三十一日まで、こういう修正でありますが、一般に対する二十八年は何ら意味がないのだというふうにお聞きしたのです。よく調査してみますと、やはり二十八年に期限を延ばしてもらつたことが、教職員諸君には非常にありがたいのであつて、これがさらに校長と同じように三十年まで延期されれば、この人たちが上級の免許状をとるのに、非常に助かるということは、一般の職員から聞いておるのであります。この前は大したことはないというふうな政府の御見解だつたのですが、もしこの期限内に上級免許状をとることができなければ、今度は單元というようなことが増加されて非常に恵まれないということを聞いておるのですが、もう一度この点について政府の御説明を願いたい。
#18
○玖村説明員 お答えいたします。二十八年三月三十一日までをかりに三十年まで延ばすといたしますと、それで利益を得るのは助教諭、いわゆる臨時免許状を持つ者でありましよう。これは御承知のように一年間しか有効期間がございませんので、この人たちが三十年までそのままでおれるということになるわけでありますが、新しい免許法を施行して、それが三十年までの間実質的には動かないままでおくということは、立法の精神からいつて、私どもは望ましいことだとは思つておりません。それから三十年まで学校教育法の方できめたままで行けるという意味は、三十年まで例の特典を與えた講習会で上級免許状が得られるということとは、区別しなければならないのでありまして、あるいはその点について教員組合の方に誤解があるのではないかと思つております。そうではなくて、それは二十八年の三月三十一日まで、そういうふうになつておりますから、直接の利害を受ける人といえば、一番多く助教諭だろうと思います。
#19
○小林(信)委員 校長に対して三十年までという特別な考慮が拂われておる、それは校長という特別な職に対してかもしれませんが、とにかく今度の免許状の切りかえという問題は、今まで教職に勤めておられた人たちが、その教職に対する一つの希望というようなものを持つておられる点からすれば、なるべく自分たちの希望をいれられるような容易な方法で上級免許状をとりたいというのが、これが教員の心情だと思います。そういう点を考慮されるようにというのは、ただいまお話があつたように、この期限を過ぎれば四十五單位とらなければならないわけです。ところがこの期限を延ばしてもらえば、二十三單位で済むというふうな特典があるわけですが、そういうわけではないのですか。
#20
○玖村説明員 誤解がおありだと思います。二十八年三月三十一日まで、二十三單位という制度は適用されるのでありまして、三十年まで延ばすと申しますのは、古い免許状のままで教員であることができるという意味でありますから、そのこととは何の関係もございません。従つて校長といえども二十八年の三月三十一日までに一級の免許状をとらなければ、今度は四十五單位をとらなければ一級になれない。これは同じことでありまして、校長に特例を許したわけではなくて、校長は、基礎免許状を持たなければ、校長の資格がございませんから、その間校長を任命することができなくなる、そこで校長は二級のままでも三十年まではよろしいという意味の規定であります。
#21
○小林(信)委員 よくわかりました。
 それから專科の問題については、この前お聞きしましたが、これとあわせて従来專攻科を出た者とか、あるいは研究科を出た者とかに対しては、單位の上で特別な考慮があるわけですか。
#22
○玖村説明員 これは規則の方で、施行法でやつて行く場合には、それを相当單位にみなすことができるということになつておりますので、すでに各教育委員会と、教員養成をしています学校であつて、專攻科を持つている、研究科を持つているというところとの間で、單位の協定はなされつつあるはずであります。
#23
○小林(信)委員 專科の問題ですが、この前政府の方のお考えでは、一般の免許状を持つておる者は教養が非常に広い、しかし專科の人たちは、一つの課目については同じような力を持つているかもしれないけれども、教養が狭いということで、別個の單位としなければならないという御説明だつたのですが、中学校の二級免許状をこの人たちに與えることにつきましては、このような形式がどられている関係からして與えられてもいいような気がするし、また專科の諸君も、そういうことを非常に要望しておるのです。何か專攻科あるいは研究科というようなものが與えられる特典をこの人たちに與えて、とる單位を減らすという特別の措置でも講じたらどうかと考えているのですが、その点いかがですか。
#24
○玖村説明員 專科の教員につきましては、この前に申し上げましたような理由で、教諭ではあるけれども、仮免許状を與えたわけです。その專科は小学校の八年課程を教え得るという理由で、自分の学科についてだけ中学校の仮免許状を與えるという制度にしてあるわけです。これは一般教養と、その人が專科の教員になるために費したところのスクーリングの年数というものが、その他の二級の教員との間の均衡を失することになりますので、そこを仮免で調整したのであります。その中に、先ほど局長が申しましたような專門学校に類する各種学校、そういうところを出た人たちについて考慮する必要があるのではないかという御意見については、確かに一理あると思つております。しかしその他のものをそれと一緒に考えることには、どうもむりがあるのじやないかと思います。
#25
○小林(信)委員 やはりそういう特別な人が專科あるいは初訓というものには多いので、教職員の希望としては、これに対する一律的な御処置に対して大分不満を持つておるようでありますが、いろいろ研究ていただきたいと思います。
 なお臨時免許状を持つておる人たちの現在の実情ですが、三月の年度末を控えまして、新しく師範学校を卒業される方等の問題とからんで、大分過剰のような状況からして、整理の対象がこの臨時免許状を持つておる人たちに向けられておるような感がするのであります。この臨時免許状をもらつた人たちの実情を考えてみますると、戰争最中あるいは戰後に、教職につくというようなことに対して一般が非常に無関心であつたころ、地方の校長あたりが、むりやりに、疎開者だとか、あるいは戰災者だとかいうような人たちが地方に流れ込んで来たので、これらの人たちに嘆願し、むりを言つて、そうして学校に奉職してもらつたような実例がたくさんあるのでありますが、そういう人たちが多く臨時免許状を持つておられます。今ここで今度は人員過剰の状況になるからやめさせるということになれば、その人たちが他に職を見つけようとしても、現在の社会情勢からしては、非常に困難を要するわけであつて、非常にこの人たちにとつて困つた問題がたくさん出ておるようでありますが、何かこれに関する御調査なり、あるいはまたすでに調査されて、政府としてのこれに対する御処置というものがありましたならば、お聞きしたいと思います。
#26
○劔木政府委員 ただいまのことで、ちよつと申し上げたいと思います。臨時免許状は、実際教育的な意味から申しますと、正規の教員が得られない場合にのみ置くことができるという形になつておるわけであります。それははつきり申し上げておきます。今過剰の問題が起つております、今度新しく生徒が師範学校を卒業するわけですが、正規の教職員が要請されておりますので、臨時免許状を持つておる人たちを救済するために、この種の学校の卒業生を配属できないというような状態がでぎますことは、教育上非常ぼ問題だと思います。しかし臨時免許状を持つておる者が職を失つても、それでいいということを言うのではありませんので、そういう人たちに対しましては、また別個の対策を十分講じて行くべきだと考えます。しかしそのために教育自体を犠牲にして行くということは、われわれとしては忍びないものだ考えております。
#27
○小林(信)委員 教育そのものから考えての御説と、そのために生れるところの犠牲者に対する方策というようなものについてお聞きしたわけですが、別個の方策をとられる何か具体的なものを今お持ちになつておりますか。
#28
○劔木政府委員 今私は師範学校の卒業生が奉職できないという場合は非常に困る、こう申し上げましたが、われわれの方の調査では、全国的に申しますと、非常に臨免に相当する人たちは多いのでありますが、しかし全体の数といたしましては、そう過剰を起すということは言えないのであります。ただ一地方に限つて特別な現象はあると思いますけれども、全般的にいつて、そうたくさん過剰な人員が出て来るとは考えておらないのであります。特に二十五年度は小学校の方が今まで一・三五の数でやつておりましたのが、一・五までやるようになりますので、その一・五の定員で行きますれば、そう過剰な人員は起らないと考えております。
#29
○千賀委員 この問題に関連をしてお尋ねをいたします。若干脱線をして行くかもしれませんが、同じような問題でありますから、しばらく所論を進めることをお許し願いたいと思います。
 昨日、愛知県から町村長の代表者が四十数名出て参りまして、懇談会を開いたのでありますが、主題はほとんど教育の問題に終始をいたしておりました。そのとき、今前質問者が言つておられるところと非常に密接不離なような問題になつて行つたのであります。愛知県には、名古屋という、地級制からいえば特になつておる所がありますし、一宮だとか、岡崎だとか、そこに近接したところに乙というようなところがあります。そこでその間の月給の差が二割ついておるのでありますけれども、そのまん中にはさまつた町村は、丙になつておるところがありまして、三割の差ができて来る。こういう事情になつておりますので、師範の卒業生は、ほとんどその丙地には行かない、やむを得ずして臨時免許状を持つ人を入れるよりしようがない、專門学校を劣等で出て来たような青年でもひつつかまえて来て、それに臨時免許状をとらせて学校に置くよりしようがない、こういうことで教員の素質がぐんぐん下つて参ります。村の当局たちは心配をいたしまして、せめて師範の卒業生が五〇%やそこらはおらせたいということで、この地級制の欠陷を村の経済で補つて行かなければならないために、一村のそのための費用が百万円、百五十万円というような大きな額に達して来て、村の繰りまわしがどうにもならないというような苦痛を訴えております。地級制の生れたその原因は、教育関係者などを優遇する道が、非常に大きく取上げられて生れたのだと思いますけれども、現在の社会情勢から見れば、地級制のためにどんなに混乱を起しておるか、ほとんど想像に余りあるものがあります。そこで、よその県は知りませんが、おそらく愛知県の事情はよそにも通ずるでございましよう。全町村長が声をそろえて、今こそ地級制を撤廃すべき時期である、こういうことを盛んに述べております。東京や六大都市のごときは特地になつておる。ところが北海道や東北の方のずつと向うの方に行くと、寒冷地手当とか、人口まばらなために僻陬手当とかいうものがついて来る。頭としつぽだけは手当があるけれども、その真中にあるものは何にも手当がない。こういうことで、東京の附近でも、そういう例はたくさんあるだろうと思いますけれども、家賃からいつても、すべての物価からいつても、東京と比べて何も安くはない、むしろこのごろの物価からいえば、東京ではどんどん投売りがこの時局の波を受けてできておる。うまく行けば、食糧だろうが、纎維製品だろうが、日用品だろうが、投売りを買つておれば、東京の生活ははるかに安く営み得るのに、いなかでは投売りなんかあり得ないのだから、いなかで同じ物を買おうと思えば、相当にまだ前の正札のままで買わなければならない、生活はいなかの方が相当に高くなつておる。であるのに、二割も三割す地級制のために月給が少いというようなことになつたのでは、とても国家がどんな施設をして教員をつくろうが、優秀な教員を養成しようが、それを都会の附近のいなかに迎えることはできない。同じ日本の国民でありながら、そうした国家が力を入れておる優秀な教員を迎えることができないような不利な立場に置かれることが、この地級制のために約束づけられるということは、われわれはとうてい忍ぶことができない、今こそこの地級制をやめてもらうべきだということを盛んに言つております。またこんな例もあります。昨年は学芸大学問題で、尾張と三河と、また名古屋と三河と、大いに争つたのでありますが、名古屋の大学の教授諸君は、連署をもつて、三河の方の大学に行くことはいやだという意思表示をいたしております。それは何ゆえかといえば、その二割の地級のための特典が剥奪せられるから、いやだというのであります。ほんとうに地級制が正しければ、二割減つても二割安くなるのだから、当然どこへ行つても同じであります。名古屋に行つても、いなかに行つても、ほんとうの生活費は同じである。二割よけいもらえば、二割だけ得なんだ、現在の地級制が正しくない、間違つておるということを、実に雄弁に立証しておるのであります。かようなわけで地級制があるために、ただいま議論になりますこの免許法もこれがかえつてうるさくなるという原因を生んで行くように思うのであります。地級制などきれいさつぱり捨ててしまつたら、ただいま小林君と応答せられたような、そんな問題もやはり解消して行くのだ、こうも思うのでありますが、当局はこの問題についてどんなにお考えになりましようか、この際ちよつと伺つておきたいのであります。
#30
○劔木政府委員 公務員の給與に関連しまして、地域給によつて、地域に特地とか、甲地をつくりまして、給料の差があるわけでありますが、これがやはり非常に、問題でございまして、その地域給をかえるということの運動は相当今までもあつたわけであります。そのことが特に学校関係につきましては、教員の配置上非常に困つた問題が起つて来ておることは事実で、その点はまつたく事実として認めなければならぬ問題であります。ただこれが公務員給與に全般的に関連しておる問題でございまして、ただいまその問題は、政府におきまして十分研究中に属する問題だと考えます。何らかの改正が行われるかどうかということは、現在私どもといたしましては、その見通しをつけることができないような状況でございます。
#31
○松本(七)委員 今の問題に関連してちよつと伺つておきたいのですが、地域給は従来大蔵省の給與局で扱つておつて、人事院に移る当時、特に教員の問題では、文部省といろいろ問題が起きたわけです。それで結局今劔木さんの言われるように、この地域給の問題を解決するには、人事院がこれを全部一度検討し直して、その不合理を改めようとかかつているわけですが、結局これは給與ベースの改訂について、今勧告を出している人事院としては、この給與ベースの改訂が認められなければ、この問題にも触れることができない、こういう状態で現在待機しているように、私は人事院の諸君から聞いているわけであります。そこでこの教員の問題は、特に地域給のことに関係が深いのですから、従来の大蔵省給與局から人事院に移るときのいきさつからしても、文部省としても重大な関心を持つて、人事院とある程度折衝されているかどうか、この点についてひとつ伺つておきたいと思います。
#32
○劔木政府委員 前の地域給の場合におきましても、相当いろいろな陳情がありましたり、地域差の改訂について、いろいろ希望がありました場合には、文部省といたしましては、その当時大蔵省にありました当時から、ずつと改訂について、一緒になつて、いろいろ交渉をして参つておつたのであります。今度人事院が、全般的に地域給について研究をいたしているのでございますが、もちろん文部省といたしましては、直接に関係が深いことでございますから、十分人事院とは連絡をとつていたしているのでございます。
#33
○小林(信)委員 先ほどこの臨時免許状の法案に対する問題についてお聞きしたのですが、最後の政府の方の話は、あまり今年は整理されるような状況ではない、こういうような御見解で終つたのですが、それ以前には、別個の方策をとられるという御回答があつたわけです。その別個の方策について、相当臨時免許状を持つている人たちは心配しておられるようですが、お伺いしたいと思います。
#34
○劔木政府委員 私どもそういう臨時免許状を持つた者が整理の対象とされることは、現在の状況では、ありましても、ごくまれだと考えているのでございますが、不幸にしてそういう問題がありました場合においては、これはやはり一般の失業対策といつたような問題とあわせまして、当然地方において考慮される問題で、文部省が直接にそのものをどうするということは、施策としてはできないのでございます。
#35
○小林(信)委員 そこに問題があるわけでございます。政府の方では、そういうふうなことは少いだろうという御見解なんですが、今後は、今年に限らず、来年度というふうなものを考えると、やはり整理される対象が、臨時免許状を持つておられる人に集中されるのではないかと思います。一年間の契約の形で免許状が出されている、相当当局としても逃げられるところがあるのじやないかと思いますが、しかし今まで臨時免許状をもらつた人たちの過程を考えてみますと、簡單にそういうことでもつて処理されては困るというふうな実情があるわけです。今お話の失業対策、失業保険というような制度が、適用されるような措置を要望しているわけですから、この点地方の実情として、現在あまり見られぬと申しますが、実は地方に多々この問題ができているわけです。それはあなたは臨時免許状であつて、一年の契約しかないのだから、ここでやめてもらうにしろ、退職願を出しなさい、退職願を出させて、依願退職であるから、これに対しては何の措置もしないということで葬られることが多いのですから、そういう実情をなるべく救済するような措置を講じていただきたいと思います。
#36
○劔木政府委員 臨時免許状を持つている者は、一年で更新するわけでありますが、昭和二十七年三月三十一日までに上級のいわゆる仮免許状をもらうような單位を修得すれば、今度は仮免許状に移つて行けるのであります。そういう人には、できるだけ学校の方でも便宜を與えて、單位を修得するように指導して行く必要があると思います。その機会がありますのに、少しも努力をしないという状態にある者までも、それをいつまでもほかに要員があるのにかかわらず、それを続けて行くということは、やはり私どもとしては、したくないと思つております。
#37
○圓谷委員 先ほど劔木政府委員のお話の中に、昨年は小学校の方が一・三五であつて、中学校が一・七であつたのが、今年は小学校が一・五、中学林が一・八になつたから、大体において今年は師範学校の卒業生等を配置するのに、そう困難はないだろうというお話があつたのですが、聞くところによりますと、大体一齊に今度増俸をしなければならぬということになつて来ると、人員の増加はむしろできなくて、現在の中学校の一・八、小学校の一・五が、増俸の方に食い込まれるのじやないかということで、せつかく師範学校を出ても、従来と違つて今度は師範学校の卒業生を優先的に配置することができないで、せつかく養成したものが過剰を来すのじやないかという、ある県からの情報を聞ていおります。そうなつて来ますと、先ほどの小林君の助教の問題ですが、これが一年間で臨時免許状を切りかえて行くという点なのですが、実は三年という議論があつたのが、この前の委員会のときに一年間に決定したわけです。そうするとあと二十六年の三月までは有効である。但し施行法の第七條ですかに、二十八年度まではこれを有効とする。そうすると今度のものは、一年で切りかえなくともいいので、これから二年間あるわけですね。この点が問題だと思いますが、政府委員の説明によりますと、日教組の方から要求がありまして、ぜひ校長と同じく三十年まで、これを同じ年数にしてもらいたいという要望があるわけですが、この点について、教員も最近相当志願者が多くて、余つて来るという状況と考え合せて、どうお考えでございますか、お伺いしたいと思います。
#38
○玖村説明員 助教の件につきましては、今おつしやつたように、現在のままで二十六年三月三十一日までおられる。それから二十六年の三月三十一日に新しい免許法による臨時免許状をもらう。そうして一年間それが通用する。ですから、結局二年あるわけですね。それを二十八年の三月三十一日まで有効とか何とかおつしやいましたことは、何かの間違いでありまして、二十七年の三月三十一日までに仮免許状をとり得るような勉強をしてもらわなければならないわけです。そのときにもし欠員があつて、有資格の教員が得られない場合には、もちろん、その助教は再び臨時免許状をもらいかえてまた一年間勤まる、こういう形になつておるのであります。
 次の御質問の、三十年まですべての教員を現在のままでよいということにしたらどうか、ということでありますが、これは先ほども申し上げましたように、新しい免許法の実際的な施行を三十年まで延ばせということと、同じことになつて来るわけであります。そしてその三十年までの間に、それぞれ上級の免許状を得るような現職教育を受けて、いわゆる切りかえを二度するところを一度で済まして行くという便利はあるのです。しかし二級の免許状は永久の免許状でありますし、仮免許状は二箇年間有効であつて、途中で幾らも更新を許すのでありますから、これらの人々はこれに切りかえたことによつて、何らの生活上の不安とか、地位身分の上の不安はないわけでありますから、新しい免許法を打ち立てた精神からいえば、なるべく早く実際にこれを動かして行くようにしたい、こういうふうに考えておるのであります。
#39
○圓谷委員 文部大臣にかわつて平島政務次官にお答え願いたいと思うのでありますが、現に三月給與の問題が起つております。そこで三月の給與に、各官庁における給與は、各種の予算面から何とかできるでないかというようなお見通しでありますが、教員の場合において、先ほど質問いたしましたように、大体一・五、一・八の線に沿うて増俸等をしました場合に、過剰の予算がなくなつた場合において、予算面において三月の給與というような考慮を拂われておりますかどうか、それをひとつ承りたい。これは平島さんでなくともげつこうでございます。どちらでも……。
#40
○劔木政府委員 三月におきまして、給與の関係で増俸を行うということにつきましては、私ども存じ上げていないのであります。結局小学校について一・五、中学校について一・八で、この給與のベースの基準によつて計算したものが計上されておるわけでありますから、その範囲におきまして増俸するということは、可能であるかと思いますけれども、それ以上にやるという場合には、県の負担になつて行くと考えます。ただ一般の公務員の給與べ一スが改訂になりますとか、あるいは特別の何か増俸があるということは、私ども存じておりませんけれども、もしあるとすれば、それはやはり学校にも増與の予算的措置が講ぜらるべきものと考えております。ただいまのところまだそういう点は存じておりません。
#41
○長野委員長 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#42
○長野委員長 次に、学校教育法の一部を改正する法律案を議題として質疑を許します。今野君。
#43
○今野委員 この前改正の第三点、つまり各種学校の問題について質問したのでありますが第一に、「各種学校の教育を行うものと認める場合」とか、いろいろなことがございます、これの大体の基準といいますか、これは何か文部省できまつておるのじやないかと思いますけれども、あつたらまずお知らせ願いたいと思います。どの程度のものがこういう法令の範囲に入るか。
#44
○劔木政府委員 各種学校なり、また各種学校と同程度のものと認められますものは、一応私どもとして解釈はいたしておるのでございます。それを申し上げますと、第一に学校という限りにおきましては、公衆に対して教育をするということが一つの要件であろうかと思うのであります。従いまして、あるごく一部分の限られた人のみを対象にするというような場合には、これは学校の中に入つて来ない。それから学校教育であります限りにおきましては、一定の企画、教育計画に基きまして、その行われる教育が、ある程度永続的にかつ反復して行われる必要があると考えております。それに加えまして、学校であります限りにおきましては、一定のいわゆる人的な教師、あるいは物的な校舎といつたような設備を備えることが必要でございます。それの具体的な問題につきましては、やはり以上申し上げました点から、社会通念として各種学校に入るべきかどうかということは、各都道府県監督庁が判断して行くべき問題だと考えております。
#45
○今野委員 今度のこの改正点を見ますと、非常に強いことが出ておる。期間を定めてそれ以内に認可申請をすることを勧告する、そしてそれを聞かなければ閉鎖するということでありますが、こういう判断を下すのは、今言つたように監督庁で、各府県などでやるということになるわけですけれども、その実情は、この間東京都を調べてみたのです、そうしたら二人か三人で事務をやつておるので、そんなことはとてもできないから、区長に全部委任してあるというのです。そういたしますと、結局東京で言えば区長、ほかで言えば市町村長、そういうようなものに委任して、この判断を行わしめるということになるので、もつと明確でないと――こういうふうにいいかげんになつておると、非常にその間に判断しにくいということが出て来るのじやないかと思うのです。その点はいかがでしようか、社会通念と言いますけれども……。
#46
○劔木政府委員 実際の実施にあたりまして、いいかげんにやりはしないかという心配があるということでございますが、しかし都道府県監督庁が、認可の申請をすべきことを勧告いたしまして、その勧告した上でなお認可の申請をなさなかつたり、あるいは認可が不許可になりましても、なおその教育を続けて行くという場合には、その教育の停止を命ずることができるわけでありますが、そういう措置をとります場合には、必ず私立学校審議会の意見を聞かなければならないということが、はつきりしております。私立学校審議会の意見を聞かないで、そういう処置はとれないことになつておりますから、いいかげんなことは行われないということが、保証されておるわけであります。
#47
○今野委員 そうすると、その点は一応了承したのですが、文部省としては、私立学校審議会でもつて、いわゆる社会通念といいますか、常識的に判定すればそれで足りる、ほかには何にも出さぬ、こういうおつもりなんですか。その点はつきり伺つておきたいと思います。
#48
○森田政府委員 今の点につきましては私立学校法の制定に伴いまして、その施行のために必要な省令を出すことになつております。その省令の中に、一定の方針を示す予定にいたしております。私学審議会におきましても、この省令を一応の基準として審議することにしております。
#49
○今野委員 ただいま東京などで行われている実情を見ますと、何でも文部省からの通牒によつて、二十名以上の者を集めてやつておる場合、そうして教員が二名以上おる場合には各種学校の申請をしなければいけない、こういうようなことが来ておるということを申しておりますけれども、そういう種類のものについて、やはりそれをそのまま継続するつもりなのか、あるいはまた別途に具体的なそういうものを出されるのか、お伺いしたいと思います。
#50
○森田政府委員 ただいま今野委員の指摘されました通牒は、私立学校法の制定以前の通牒でありまして、私立学校法の制定に伴いまして、この通牒を再検討いたしまして、文部省令を制定するように、目下研究中であります。
#51
○今野委員 次に東京都や神奈川その他では、何々講座という形で、一箇月または二箇月、三箇月の講習会が行われている。そういうようなものは、文部省としてはこれを学校とみなすのかどうか、その点もお伺いしたいと思います。
#52
○森田政府委員 ただいまの点につきましては、さきの通牒におきましてはたしか一箇年という條件がついておつたと思いますが、これも現在研究しつつあります。文部省令の場合において、その点も再検討いたしたいと考えております。
#53
○今野委員 それは何もきまつていないのですか、それともそういうことについてこれから嚴重にきめるおつもりなんですか。その点もつとはつきりお答え願いたいと思います。
#54
○森田政府委員 ただいま申しました通り、その点についても早急にきめたいと存じまして、ただいま関係方面とも連絡をとつて研究いたしつつあります
#55
○今野委員 そうすると、この法案自身、非常に妙なんで、手放しにそういう問題について委任するという法案になるわけですけれども、この法案の中にもう少しそういう点について明瞭にする必要はないか。非常にあいまい模糊として、何かその点を、国会ではなくして、すべてあとはどこかでもつていいかげんにやればいい、こういうことになつてしまうような気がするのです。
#56
○森田政府委員 御承知の通り、学校教育法は学校制度に関する一般法でありまして、私立学校法は、その中の私学に関する特別法になるのであります。従いまして、私学としての取扱いをどうするかという問題は、主として私立学校法の体系において規定すべきものだとわれわれ考えまして、私立学校法の施行規則として、これをきめて参りたいと思つております。学校教育法におきましては、学校体系全体の一環として各種学校というものの位置をきめて参るというにすぎないと思います。
#57
○今野委員 今までの規定で、相当一般的なことはすでに規定されておるわけです。そうすると、こういう改正を行う必要がどこにあるか、ちよつと了解に苦しむわけでありますが、なぜこういう改正が必要であるか、その点を納得行くようにもう一ぺんはつきりしていただきたいと思います。
#58
○劔木政府委員 この規定を設けました一つの理由は「当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるものを除く」と入れたのでありまして、これは各種学校と同じような教育をやつておる学校がありましても、それがはつきり法律で特別な規定があるという場合は、各種学校から除くという必要があつたのがその一つであります。その二は、各種学校なり各種学校の教育を行おうと思うものに勧告することは、実際今までもやつておつたのでありまして、勧告した後に、なお勧告を聞かないで続けて行くというような場合におきましては、それを認可がないにもかかわりませず一応各種学校と認定いたしまして、そうして学校教育法の十三條による閉鎖命令を出すということをやつて来たのでありますが、その事実を明確にいたしますために、ここに勧告に服さなかつた場合には、やはり閉鎖命令と同じ処置をとれるということを規定する必要があつたのでありまして、この法律改正によつて、今までありましたのを実質的に変更するという意味ではないので、その法律の規定上の不備を訂正いたすということで御承知願いたいと思います。
#59
○今野委員 ただいまのお答えの中に、やはりそういう不都合が起つたことがあると言われる。そうすると、こういう改正を行う必要を認めるほど重大な不都合があるのなら、やはりそういうものを具体的にひとつお示し願いたいと思うのです。そうでないと、なかなか納得できないわけです。その点やはり資料をくださつてもよろしいのでありますが、今ここで、こういうことでたいへん不都合だつたという点を、ちよつとお教え願いたいと思います。
#60
○劔木政府委員 これは御承知だと思いますが、今まででも私立学校令におきまして、これと同じような規定があつたのでありまして、今までずつと長年の慣行によりまして、各種学校なりにつきましては、先ほど私が大体の解釈を申し上げましたその解釈に基いて、大体どういうものだという社会通念は、慣行上できておると考えます。それでこれをこまかく一律に法規上きめるということは、各種学校にも種類がございまして非常に困難でございます。規定としては非常に困難であろうと思いますし、そこまでこまかく一々法律できめるという必要もないかと考えます。そこの具体的なこまかいところは法律にはきめないで、私立学校法の方に譲つております。
#61
○今野委員 質問に答えてもらいたいと思います。
#62
○森田政府委員 私から劔木政府委員に補足して申し上げますが、従来各種学校という種類に対する法的な措置が不備であつたために、今回新しく各種の税法の改正に伴いまして、学校法人については特別の免税規定も設けられておるような次第でありますし、また一般の国民の思慮から申しましても、その内容が單なる講習会程度のものであるか、あるいはまた各種学校としての体系を持つておるかというような点についても明確を欠く節がいろいろと見受けられるのであります。従つてこれによつて非常に迷惑を受けておる子女もなきにしもあらずという事例を、非常に少くではありますけれども、われわれときどき耳にしておるのであります。こういうような関係から申しまして、新しい税法の改正において、各種学校に対して学校としての取扱いをして行くには、その各種学校であるかいなかを明確にする必要があるということを考えまして、特に学校教育法において各種学校であるかどうかという点を明確にする措置を講じたいというのであります。
#63
○今野委員 ただいまの森田君のお答えと劔木君のお答えとの間に、食い違いがあるのです。食い違いといつてはおかしいのですが、劔木さんのさつきのお話では、こういうことを言つている。つまり解散などができるように、強権発動ができるようにしないと、やはりぐあいが悪いような具体的なことがあつたから、こういうふうにしたということを言われておる。その点をはつきりさせてもらいたい。どういうことがあつて、こういう規定を設けなくてはならないようになつて来たかということを、明確にしてもらいたいというわけです。
#64
○森田政府委員 私のただいま申し上げましたことと、劔木政府委員の申し上げておることと矛盾があるわけではないのでありまして、従来ありましたのが、先ほど私が申し上げましたように、私立学校として営利事業を行うにつきましても、私立学校法に基ぐ営利事業というものは、一般の団体なりあるいは営利を目的とする個人の事業なりというものとは異なつて、それぞれ特殊の性格なり、あるいは制限なり、またはその経費についての運用の制限というものがあるのであります。従いまして、各種学校と称しながら、その法律が示すところの制限を逸脱するというようなことがもしありとすれば、これは各種学校でないという、いわゆる各種学校としては閉鎖を命じなければならないという事態になるのでありまして、私が申し上げましたのも、劔木政府委員が申し上げましたのも、そういうことを説明いたしたのであります。
#65
○今野委員 どうも質問が長くなつて恐れ入りますが、それを答えてくれなかつたのです。話が違うと思うのです。今各種学校と認められているものに閉鎖命令を出すということは、今までの法令でもできると思うのです。そうでなくて、勧告を入れない場合、それを閉鎖させるという案でしようから、話が違うのです。勧告をして、そしてそれを入れない場合に閉鎖するというふうに強化する、その必要が一体どこにあつたかということをお聞きしておるわけであります。
#66
○劔木政府委員 この前の学校教育法では、勧告することができるということだけがありまして、そのあとの措置が何もなかつた。ところが今までの私立学校令でも、勧告いたしまして、その勧告に従わない場合は閉鎖を命ずることができるようになつておつたのでありまして、もしこの閉鎖を命ずることができるという規定がなければ、一応この各種学校と認定して閉鎖を命ずるよりほかに方法がないのであります。そういうことでは法律上不備でありますから、それをはつきりした、こう申し上げたのであります。
#67
○圓谷委員 定時制高等学校についてお伺いしたいのですが、全国勤労青年の数が約五百万と称されているのです。定時制高等学校に入学する者は、大体六・三制の義務教育を経て、高等学校に行けない者が入る学校です。昨年の三月で承ると、約四十万おつたと承知しておりますが、現在どのくらいの数の生徒が定時制高等学校に入つておりますか。その概数でよろしゆうございますから、伺いたいと思います。
#68
○稻田政府委員 ただいま定時制高等学校の生徒の概数について御質問がございましたが、ここに資料を持ち合せておりませんので、さつそく調製いたしまして、お答えを申し上げるようにいたしたいと思います。
#69
○圓谷委員 定時制高等学校について、私は非常に遺憾に思つておる一人でありますが、十分の一程度しか入学していない、はなはだしいのになりますと、生徒数四人に対して教員数が六名というような学校も私は見ておるのであります。これは何とかいたさなければならぬと思つております。いかなるところに欠陷があるかというと、定時制高等学校の地域が、各町村にないために、通学の不便その他、就学の意欲が落ちたという点もございましようが、社会教育の機関としても、今後最も重要な面はこの点だと思つておる。元の青年学校、実業学校という場合においては、日本のほんとうの青年の基礎教育が、二十歳で兵隊に入営するまでの教育がここで施されておつたのですが、これに対して、いたずらに職員数を増すとかいろいろなことを考慮されて、改正の骨子を見ましても、ほんとうに定時制高等学校をいかにして行けばいいかというような点がうたわれておりません。これについて文部省の方では、定時制高等学校について、はたして万全であると思つているか、今後どういうようにしたらいいかというような御見解をお持ちであつたら、お答え願いたいと思います。
#70
○稻田政府委員 定時制高等学校は、新しい制度として出発いたしましてから、まだ時を経ておりませんので、ただいま御指摘のように、各地における状況を見ましても、はなはだ不十分な点が多いのでありますが、ただいま御意見のありましたように、勤労青年に対する重要な教育施設でありますので、文部省といたましても、地方当局とともに将来この充実に十分力をいたしたいと考えております。その一端といたしまして、従来專任教員の不足というような点が訴えられておりましたので、財政上非常に苦しい折柄ではございますが、従来一万二千人に対する專任教員の補助の額を、明年度におきましては一万四千人目当に増額いたしまして、これをいわゆるA補助金として積算いたしたのでございます。まず第一にこうした專任教員の充実というような点について、十分力をいたしたいと考えておりますが、明年度におきましては御承知のように、平衡交付金制度に移行することになりますので、高等学校の必要経費を計算いたします場合に、定時制高等学校に対しましても、必要な経費を平衡交付金算定の基礎として、十分計算し得るように、関係当局とも協議いたして参りたいと考えております。
#71
○圓谷委員 この定時制高等学校を各町村に置くことができるならば、私は問題は解決すると思つております。定時制高等学校の数を増すということは、一覧面からしてなかなか容易でないとは思いますが、各町村に増す場合において、現在の新制中学校の校長と、それから小学校の校長、それから定時制高等学校の――現在主事といつておりますが、これとを兼ねしむることにすれば、ここに專任教員の数が約三名ぐらいずつ増員できると思う。そして各村々に設置するというような方途はできないものでありましようか、これをお伺いいたしたいと思います。
#72
○稻田政府委員 定時制高等学校につきましては、二つの点について考慮しなければならぬかと存じております。
 第一は、定時制高等学校の課税といえども、どこまでも正規な高等学校の課程であり、従つてその教育内容は、高等学校の通常の課程と劣らない程度充実しなければならぬということが、この制度の出発点であつたと存ずるのであります。これに対しまする一つの論といたしましては、従来青年学校が、非常に簡易な程度において、各方面の勤労青年に対して教育を與えて来た。そういうふうに定時制の課程を再びそうした簡易な程度において、各市町村、各部落に普及した方がいいのではないかという意見もあるのでございますが、これは今度の学制改革の根本方針に触れるわけでありまして、従来の青年学校のように、一種の簡易な課程であつて、そこを出ました者がいわゆる袋小路に追い込まれて、進学の希望があつても、上級学校に進学できない、これはどこまでも一種の特殊な教育であるのだという状態に置くことは、新しい六・三制が、教育の機会均等ということを第一のモットーとして出発いたしました以上、再びそうした課程には定時制高等学校を落し得ない、そういう点から見て、今地方の財政、中央の財政の非常に苦しいときに、充実した定時制課程を普及いたしますことに、非常に困難はございますけれども、これは中央、地方の熱意によりまして、十分今後ともそうしたところに努力して、できるだけ定時制課程を普及して参りたい。と同時に、例の通信教育をこれと関連せしめて、通信教育においても、一定の單位をとり得る。それと定時制課程とを結び合つて、勤労青年の教育に支障なからしめるような方法をとりましたならば、さらにこうした勤労青年に対する教育が普及するのではないかというような点からいたしまして、定時制課程のその欠を補う意味において、通信教育を充実するというような意味において、地方の当局ともいろいろ協議いたしておるような次第でございます。
#73
○圓谷委員 私は定時制高等学校の発足の場合にも、教育刷新委員会で、とんな理想論は机上の空論であつてだめだということを言いましたが、入れられませんでしたから、何をかいわんやでありますが、もし定時制高等学校をこのままで行くならば、中問に、もとの青年学校が名前の問題でいけないというならば、もとの実業補修学校といつたような、ああいう面で、各農村に大体二十歳までの青年を收容するところの機関をつくらなければ、今の定時制高等学校を、今の理想で、今の課程においては、各村に置くということは、私は絶対に不可能だと思つておる。その点について、もし教育六・三制が実施され、日本の五百万の勤労奇年をして、真に文化国家建設の基礎をなす十分の教養を高めるということであれば、いま一応われわれ文部委員並びに文部当局としても考慮を拂つて、ここにもう一つ各種学校の形なり何なりで、つくらなければならぬという考えを持つているのです。ただいま稻田さんのお考えでは、通信教育、その他の予算面の処置によつて、将来定時制高等学校の普及発達をはかるとおつしやるのでありますが、私はそれはとても不可能だと現在思つております。この点には答える必要はありませんが、自分の意見として申し上げておきます。ぜひひとつお考えを願いたい。
#74
○今野委員 この間大臣にお伺いしたのですけれども、やつぱり今年も新制中学の卒業生が出るわけです。しかし就職は非常に悪いし、鉱山などの町では、入坑できるのは満十八歳以上なんですからこれも使えない。それから農村でも、たとい家で働いていても、これに対する教育的考慮というものが全然拂われない。たとえば、就職した場合でもそういうことがあり得る。こういう新制中学の卒業生に対して、まつたく教育的な考慮というものが全然抜けてしまうことになるわけです。この点はやつぱり現在の世相と比べ合せて、非常に寒心すべきことじやないかと思うのですが、これに対して、急速に何かの施策をする用意を文部省として考えているかどうか、お答え願いたいと思います。
#75
○稻田政府委員 ただいま御指摘の点は、労働基準法その他労働行政と関連して考えなければならぬ重要な問題でございまして、そういうような点につきましては、先般大臣からお答えいたしましたように、労働関係当局その他と十分協議いたしまして、今後処置をいたさなければならぬ問題だと考えております。さしあたりの点からいたしますならば、お話のような青年たちに対する現在あります教育施設といたしましては、公民館その他を利用する社会教育の振興に期待することが、最も手取り早い方法ではないかと考えられるのであります。なおまた文部省に置かれております職業指導審議会におきましても、現在、先ほど圓谷委員からもお話がありましたように、高等学校の制度に関連いたしまして、一般勤労青年にもつと簡易な課程において教育を與える方法があるかどうかというような点についても、関連研究いたしております。それがまた、ただいまの御質問の点にも関係いたすわけでありますが、その一つの方法として、高等学校に適当なる別科を設けることによつて、そうした正規の課程をふんで進学いたします者以外に、高等学校の教育施設を利用して、適当なる教育をする道を考究しようじやないかというようなことで、今回審議会においていろいろ研究中でございます。それらの結果を見まして、文部省におきましても十分そうした点について、これから考慮いたしたいと考えております。
#76
○水谷(昇)委員 本日はこの程度で打切つていただきまして、残余の日程は次会にまわしていただきたいということを動議として提出いたします。
#77
○松本(七)委員 この点は、ちよつと重複しておりますが、ただいま動議が出ましたが、その前に委員長並びに委員各位にお願いしたいことがございます。それは先般大臣がお見えになりましたときに、義務教育の標準教育費に関する法律案の提出の時期その他の折衝の状態を伺つたのですが、聞くところによりますと、との国会でこれを地方行政委員会にかけようというような声が起きております。これはなるほど平衡交付金というものの関係もありますから、一応そういうことも考えられるのでございましようけれども、何といつても、この問題は憲法に定められた義務教育に関する問題であり、かつこの文部委員会で従来から研究し続けて来た問題で、それがやりと今般法律案となつて提出されようとするのですから、どうしてもこれは文部委員会において審議しなければならぬ重要な問題だと思います。そういうような点で、私の党でもそういう意見が出たのに対して、あくまでも文部委員会でやるということで行きつつありますから、委員長並びに委員の御留意、御努力をお願いいたしたいと思います。
#78
○長野委員長 ただいまのお話ですが、私の方からは先日事務総長の方へ御趣旨のような意味に進んで行くものであるという意見を申し述べました。先方からも了承の意味の回答を得ております。しかし他方あちらもまたそれぞれりくつを設けて来ておるのでありますから、場合によつては運営委員会等の問題となるかもしれませんが、極力ひとつ御趣旨に沿うように努力したいと思います。
 それからただいまの水谷君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○長野委員長 それでは本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#80
○長野委員長 この際ちよつとお諮りいたしたいと思います。先ほど可決せられました公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案の衆議院規則第八十六條による議長あての報告書については、委員長に御一任願いたいと存じます。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○長野委員長 さよういたします。
 本日はこれにて散会いたします。次会は明日午前十時より開会いたします。
    午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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