くにさくロゴ
1975/03/05 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1975/03/05 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号

#1
第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第3号
昭和五十一年三月五日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     加藤  進君
 二月四日
    辞任         補欠選任
     中村 禎二君     望月 邦夫君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     岩上 妙子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柏原 ヤス君
    理 事
                源田  実君
                望月 邦夫君
                森下 昭司君
                中尾 辰義君
                小巻 敏雄君
    委 員
                糸山英太郎君
                岩上 妙子君
                大森 久司君
                高橋 誉冨君
                中山 太郎君
                永野 嚴雄君
                赤桐  操君
                杉山善太郎君
                加藤  進君
                中村 利次君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       佐々木義武君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        小沢 一郎君
       科学技術庁長官
       官房長      小山  実君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   石田  徳君
       科学技術庁計画
       局長       安尾  俊君
       科学技術庁研究
       調整局長     大澤 弘之君
       科学技術庁振興
       局長       福永  博君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    伊原 義徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (昭和五十一年度科学技術庁関係の施策及び予
 算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柏原ヤス君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十三日、前田佳都男君が、同月二十四日、神谷信之助君が、二月四日、中村禎二君が、同月十三日、鍋島直紹君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として福井勇君、加藤進君、望月邦夫君及び岩上妙子君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柏原ヤス君) 理事の辞任及び補欠選任につきましてお諮りいたします。
 杉山善太郎君から都合により理事を辞任いたしたいとの申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柏原ヤス君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 引き続きまして、委員の異動及び理事の辞任に伴い欠員を生じました理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(柏原ヤス君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に望月邦夫君及び森下昭司君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(柏原ヤス君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、佐々木科学技術庁長官から科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取することといたします。佐々木科学技術庁長官。
#7
○国務大臣(佐々木義武君) 第七十七回国会に当たり、科学技術庁長官としての所信を述べさせていただきます。
 申し上げるまでもなく、今日のわが国の社会、経済は、経済成長の鈍化の中にあって、エネルギー、食糧等の資源問題が顕在化するとともに、環境安全問題はなお深刻かつ複雑化しつつある等大きな転換期を迎えております。そしてこれらの諸問題の解決は、今後わが国が安定した福祉社会を建設していく上における最大の課題であるとともに、人類の将来にかかわる全世界的な課題としても認識されるものであります。
 科学技術は、これまでさまざまな課題を解決し、社会の発展の原動力となってまいりましたが、現在、当面するこれら諸問題を解決し未来を切り開くに当たっても、その果たす役割りはきわめて大きなものがあります。特に、天然資源に恵まれず、国土の狭少なわが国にとっては、国際社会に貢献しつつ、長期安定的な発展を確保し、国民生活の向上を実現する上から、科学技術の振興はきわめて重要であると存じます。
 私ども科学技術分野に携わるものといたしましては、その責任の重大さに深く思いをいたし、科学技術の振興のため全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。
 科学技術の振興の基本は、効率的、効果的な研究開発の推進であります。最近の研究開発は、原子力、宇宙を例に挙げるまでもなく、開発規模の巨大化と関連分野の拡大化を一つの特徴としております。したがって、その推進に当たっては各方面の協力、なかんずく研究者の総力を挙げて当たることが強く要請されるところであります。科学技術行政の総合調整の任にある私どもといたしましては、関係機関との協力を進めるとともに、研究開発目標の設定等を通じ、各方面の研究能力の結集による効率的、効果的な研究開発の推進に特に配慮してまいる所存であります。
 さらに、国際交流は、研究開発を効率的、効果的に推進するため不可欠の要因であるばかりでなく、全地球的視野から解決を必要とする課題に対して積極的に貢献するためにも重要性を増しており、今後、強力にその推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、研究開発の原動力は、研究者の熱意と創造力にあることは言うをまちません。このため、研究者が使命感に燃え、その能力を最大限に発揮できるよう研究施設の整備等研究環境の充実を図るとともに、研究者の処遇の改善にも十分意を尽くし、今後の施策の推進に当たりたいと考えております。
 原子力発電及び原子力船の開発利用、さらには、将来のエネルギーとして最大の可能性を担う核融合の研究開発、あるいは人類の未知の領域を開く宇宙開発、海洋開発等、当庁が直接担当している科学技術分野は、いずれも人類の未来を開く重要な国家的な課題であります。
 私は、一昨年末就任以来、原子力安全局を設置するなど行政体制の強化を図るほか、核融合臨界プラズマ試験装置の建設計画の開始、実利用分野における人工衛星「きく」及び「うめ」の打ち上げ、シートピア計画による百メートル海中実験の実施等研究開発の進展に努力してまいりましたが、今後ともこれらの先導的な研究開発の推進につき万全を期する所存であります。
 以上、基本的な考え方を申し述べましたが、私は、この基本的な考え方のもとに昭和五十一年度において、次の施策を強力に推進してまいる所存であります。
 まず第一は、原子力開発利用の推進であります。
 原子力の開発利用は、新エネルギー技術の中心となるべきものであり、わが国のエネルギー問題解決の最大の担い手として、その推進が強く要請されております。この要請に的確にこたえていくためには、原子力の安全性の確保を図るとともに、環境保全に万全を期していくことが最重要課題であると考えます。こうした基本的認識のもとに、昨年来、原子力安全行政をもっぱら担当する原子力安全局の設置をお願いしていた次第でありますが、このたび皆様方の深い御理解をいただきまして、本年一月発足させることができました。私は、この新体制のもとにおいて、原子力の安全性に対する国民の不安を払拭するとともに、国民の理解と協力を得て、今後の原子力安全行政を強力に推進してまいる決意であります。
 このため、来年度において、軽水炉の安全性に関する研究、放射性廃棄物の処理処分に関する研究等の安全研究を引き続き大幅に拡充するとともに、原子炉等の安全審査体制の強化充実を図る等、原子力の安全確保に関する施策を総合的に講ずる所存であります。
 次に、将来のエネルギー源として最大の可能性を秘めた核融合について、臨界プラズマ試験装置の建設を重点とする第二段階の研究開発を強力に推進し、先進国におくれをとることのないよう全力を挙げて努力をいたす所存であります。
 また、核燃料の有効利用とその安定確保の観点から、新型動力炉及びウラン濃縮技術の研究開発の推進、海外ウラン資源調査の強化、使用済み燃料の再処理施設の整備等の施策を引き続き推進するほか、来るべき原子力船時代に備えて原子力船の開発を引き続き推進するため、日本原子力船開発事業団法の存続期限を延長するとともに、原子力第一船「むつ」の開発を軌道に乗せてまいりたいと考えております。
 さらに、現在、国会において御審議いただいている核兵器不拡散条約の批准に伴い、同条約の実施に関する国際原子力機関との協定による国内保障措置を円滑に実施するため、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議をいただく考えであります。
 このほか、以上の諸施策と相まって、原子力発電所等の建設が地元の発展と住民福祉の向上に資するよう、引き続き原子力発電所等の周辺地域における公共施設の整備を進めることといたしております。
 なお、今後の原子力行政のあり方につきましては、昨年末、原子力行政懇談会の中間報告が出されましたが、この趣旨を具体化するため、内閣に原子力行政体制改革、強化推進連絡会議が設けられ、鋭意検討が進められることとなっておりますので、結論の得られ次第、原子力行政体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
 第二は、宇宙開発及び海洋開発の推進であります。
 宇宙開発については、Nロケット一号機による技術試験衛星I型及び電離層観測衛星の打ち上げ成功を踏まえて、静止衛星打ち上げ技術の習得を主目的とする技術試験衛星II型を打ち上げる等N計画の推進を引き続き図るとともに、米国に依頼して打ち上げる気象、通信、放送の三衛星について、その開発及び打ち上げのための準備を着実に進めてまいる所存であります。このほか、昭和五十年代以降の大型実用衛星の打ち上げに対処するため、Nロケットを軸にしたいわゆるN改良型ロケットの開発等を進めることとしております。
 また、海洋開発については、海洋科学技術の研究開発を強力に推進するため、関係省庁の施策の総合調整を図りつつ、海洋科学技術センターの拡充強化に努めるほか、昨年実施したシートピア計画百メートル海中実験の成果に基づき、その実用化研究に着手するとともに、深海潜水調査船の開発研究等の施策を引き続き進めることといたしております。
 第三は、福祉、防災関連科学技術の推進であります。
 環境保全、防災、医療等国民生活に密着した問題の解決が強く要請されておりますが、これらの問題の解決のためには、科学技術面からの対応が不可欠であり、ライフサイエンス、防災科学技術等の振興がぜひとも必要であります。中でも、保健、医療の向上、環境の保全等広範多岐にわたり貢献するライフサイエンスの研究及び世界有数の地震国であるわが国にとって特に重要な地震予知技術等の地震関連研究の推進に力を注いでまいる所存であります。
 また、環境監視、資源探査等の手段として、環境保全、資源開発、農林業、土地利用等の広範な利用分野を有するリモートセンシング技術の研究開発を総合的に推進するとともに、資源の総合的利用方策として、ソーラーハウスに関する実証的調査、日本食品標準成分表の改定等の施策を引き続き講ずる考えであります。
 第四は、科学技術の振興に関する一般施策の推進であります。
 以上述べてまいりました研究開発のほか、航空技術、材料技術等の基盤的、先導的分野の研究開発を推進するとともに、特別研究促進調整費の活用、新技術開発事業の強化等の施策を講じてまいる所存であります。
 次に、科学技術振興基盤を強化するため、研究交流センターの建設等筑波研究学園都市の建設の推進、オンライン情報検索システムの開発を初めとする科学技術情報の全国的流通システムの整備等の施策を講ずるとともに、原子力を初め科学技術全般にわたる普及啓発活動の拡充を図ることとしております。また、研究公務員の処遇改善、研修の充実等を図ることにより、研究基盤の強化にも努めてまいる所存であります。
 さらに、近年、国際間の連帯と協力が一段と強まりつつある中で、科学技術分野においても、開発規模の増大に伴う研究投資の巨大化、あるいは各国に共通する課題の増加等各国が協力して研究開発に当たる必要性が高まっております。わが国といたしましても、OECD等との国際機関における科学技術活動に積極的に参加するとともに、先進工業国との二国間協力を強力に推進する所存であります。また、開発途上国に対する科学技術協力についても、開発途上国との研究協力を総合的に推進するほか、アジア科学協力連合に積極的に参加する等その協力の拡充に努める考えであります。
 以上、昭和五十一年度における科学技術振興策の概要について述べてまいりましたが、これらの諸施策を実施するため、昭和五十一年度予算案においては、科学技術庁分として、原子力開発利用のため約九百八十五億円、宇宙開発のため約七百四十二億円等総額約千九百六十一億円を計上しております。このほか、電源開発促進対策特別会計として、原子力発電所等の立地対策を積極的に進めるため、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管により、電源開発促進税を財源とする約三百三十四億円の歳出予算を計上いたしました。
 科学技術の果たすべき役割りが著しく高まっている今日、私は、科学技術振興の衝に当たる者として、その使命の重要性を十分に認識し、ただいま申し上げました諸施策の実現を期して全力を尽くす決意であります。
 ここに、委員各位の一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(柏原ヤス君) 小沢科学技術政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。小沢科学技術政務次官。
#9
○政府委員(小沢一郎君) 私政務次官に任命されました小沢でございます。
 何分にも若輩でございますので、委員長並びに委員の先生方の御指導を心からお願い申し上げたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(柏原ヤス君) 次に、昭和五十一年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。小山官房長。
#11
○政府委員(小山実君) 昭和五十一年度一般会計政府予算案におきまして科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額一千九百六十一億四千五百万円、国庫債務負担行為限年額六百九十二億七千五百万円を計上いたしております。このうち歳出予算額を前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと、二百六十二億八千八百万円の増額となっており、七の比率において一五・五%の増加となっております。
 次に、歳出予算要求額のうち重要項目につきましてその大略を御説明いたします。
 第一に、原子力開発利用の推進といたしまして九百八十四億八千九百万円を計上いたしました。(一)まず、日本原子力研究所におきましては、原子力利用における安全性確保の重要性にかんがみ、実用核燃料照射後試験施設の整備、反応度事故実験装置による研究等により、原子力施設の安全性に関する試験研究を強力に推進するとともに、臨界プラズマ試験装置の建設に着手する等核融合の第二段階の研究開発を強力に推進するほか、各種原子炉の運転整備その他の研究開発を進めることとし、このため必要な経費として同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ三百億二千六百万円を計上いたしました。
 (二)次に、動力炉・核燃料開発事業団におきまして高速増殖炉実験炉及び新型転換炉原型炉の建設を進めるとともに、高速増殖炉原型炉に必要な研究開を発行うなど、動力炉の開発に必要な経費として三百六十六億九千四百万円を計上し、また、使用済み核燃料再処理施設の整備、同施設に関連する安全性の研究開発及び操業準備等に必要な経費として九十四億六千七百万円を計上いたしました。
 さらに、同事業団の核燃料開発関係の事業につきましては、遠心分離法によるウラン濃縮技術の研究開発、海外ウラン資源の調査等に必要な経費として一百四十一億七百万円を計上いたしております。以上同事業団における動力炉の開発、使用済み核燃料の再処理及び核燃料の開発に必要な経費として、政府出資金と補助金を合わせ六百二億六千八百万円を計上しております。
 (三)また、原子力船「むつ」につきましては、総点検、遮蔽改修の準備、原子力船の維持管理等に必要な経費として日本原子力船開発事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ十九億八千六百万円を計上しております。
 (四)さらに、放射線医学総合研究所におきまして、医療用サイクロトロンによる放射線医学の研究及び低レベル放射線の影響研究等を行うため二十六億六千一百万円を計上したほか、国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究、放射能測定調査研究、民間に対する原子力平和利用の研究の委託並びに放射性廃棄物処理処分対策に必要な経費として二十七億九千四百万円を、また、原子力委員会の調査運営費、原子力関連の各種行政費として七億五千四百万円を計上いたしました。
 第二に、宇宙開発の推進といたしまして七百四十一億八千九百万円を計上いたしました。
 (一)まず、宇宙開発事業団におきまして技術試験衛星II型の打ち上げ、実験用静止通信衛星の開発と、これらの衛星を打ち上げるためのNロケットの開発、打ち上げ関連施設の整備等いわゆるN計画の推進を図るとともに、米国に依頼して打ち上げる静止気象衛星、実験用中容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の開発のほか、N改良型ロケットの開発、人工衛星の制御技術の向上を主目的とする技術試験衛星V型の研究開発を行うなど、各種の研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ七百二十六億四千九百万円を計上いたしました。
 (二)次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、N改良型ロケットの開発に必要なターボポンプ要素の研究等宇宙開発の基礎的、先行的研究を行うために必要な経費として九億七千三百万円を計上いたしました。
 第三に、海洋開発の推進といたしまして十四億九百万円を計上いたしました。
 (一)まず、海洋科学技術センターにおきまして、新たに海洋空間エネルギー利用技術の研究開発を行うほか、海洋情報の収集提供業務に着手するとともに、試験研究施設の整備充実等を図ることとし、これらに必要な経費として、同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ八億九千九百万円を計上いたしました。
 (二)また、大陸だな有人潜水作業システムの研究開発に着手するとともに、潜水調査船「しんかい」の運用、水深六千メートルまでの深海における調査能力を有する深海潜水調査船の開発に関する研究を引き続き実施する等に必要な経費として五億一千万円を計上いたしました。
 第四に、福祉・防災関連科学技術の振興といたしまして十九億九千三百万円を計上いたしました。
 (一)まず、ライフサイエンスの振興として、理化学研究所ライフサイエンス推進部において、研究開発プロジェクトの具体的推進のために必要な調査等を行うため、一億八千七百万円を計上するとともに、同研究所が前年度に引き続き行う生物科学基礎研究に一億三千三百万円を計上し、その充実を図ることとしております。
 (二)次に、防災科学技術の推進といたしまして、国立防災科学技術センターに十二億九千三百万円を計上し、地震、雪害、降雨災害等の防災対策に関する試験研究を実施することといたしておりますが、このうち特に地震対策の研究につきましては、首都圏南部における地震活動に関する研究及び大型耐震実験施設による試験研究などに四億二千九百万円を計上いたしております。
 (三)また、資源の総合的利用方策の調査につきましては、トータルライフサイクルから見た資源、エネルギーの合理的利用に関する調査など資源調査所による調査を実施するとともに、太陽熱の家庭用エネルギーへの有効転換技術に関する実証的な調査、食生活の向上及び改善のための基礎データを提供するための日本食品標準成分表の改定を進めることとし、これらに必要な経費として二億五千三百万円を計上いたしました。
 (四)さらに、リモートセンシング技術の総合的推進につきましては、同技術が環境保全、国土利用、資源探査等の広範な分野にわたって有効な探査手段であり、わが国に適した技術を確立していくことが必要でありますので、リモートセンシングによる海洋調査技術に関する研究、地球観測衛星からの情報の地上受信システムの開発に関する研究等の実施のための経費として一億二千三百万円を計上いたしました。
 第五に、研究開発の推進といたしまして、百四十二億二百万円を計上いたしました。
 (一)まず、試験研究機関の充実については、百十五億一千二百万円を計上いたしておりますが、これは当庁付属試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所の航空技術部門、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における研究施設の整備と、各種試験研究の実施に必要な経費のほか、理化学研究所の研究運営等に必要な政府出資金及び補助金であります。
 (二)次に、特別研究促進調整費の活用については、さきに述べました国民の福祉及び災害の防止に密接に関連する科学技術分野のほか、電子技術等の先導的、基盤的分野について総合研究を推進し、あわせて不測の事態に対処し緊急に行うべき研究の円滑な実施を図るため必要な経費として十四億八千万円を計上いたしました。
 (三)また、新技術開発の推進につきましては、新技術開発事業団の開発委託契約限度額を三十億円に引き上げ、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ十一億七千九百万円を計上することにより、その業務の拡充を図ることといたしました。
 第六に、科学技術振興基盤の強化といたしまして四十億一百万円を計上いたしました。
 (一)まず、科学技術基本計画の策定等研究基盤の強化につきましては、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的、かつ、総合的に推進するための基本的な計画策定の一環として行う各種調査及び優秀な人材の養成確保を図るための国内及び海外への留学等に必要な経費として四億五千二百万円を計上いたしました。
 (二)次に、筑波研究学園都市建設の推進としまして、金属材料技術研究所の研究本館の建設に着手するとともに、国立防災科学技術センター、無機材質研究所及び研究交流センターの施設の整備を
 引き続き行うため八億八百万円を計上いたしまし
 た。
 (三)また、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理、提供業務の充実を図るための同センターに対する政府出資金及び補助金など科学技術情報流通の促進に必要な経費として二十二億九千一百万円を計上したほか、科学技術に対する国民の理解を深め、科学技術の知識の普及を図るための経費として二億四千九百万円を、また、国際協力の推進としましてアジア科学協力連合への協力、経済協力開発機構に所属する原子力機関の共同研究への参加等に必要な経費として二億一百万円を計上いたしました。
 以上、一般会計歳出予算につきましてその重点項目を御説明いたしましたが、このほか、一般会計予算の予算総則におきまして、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を五百九十七億円にするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を四十四億円とし、これを使用済み核燃料再処理工場の建設資金の一部に充てることといたしております。
 最後に、電源開発促進対策特別会計につきましては、原子力発電所等の周辺地域住民の福祉の向上を図ること等を通じて、発電所の立地対策を積極的に進めるため、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管により、電源開発促進税を財源とする三百三十三億八千三百万円の歳出規模をもって、関係地方公共団体の公共施設の整備及び原子力発電安全対策事業などを行うことといたしております。
 以上、簡単でございますが、昭和五十一年度予算につきまして、その大略を御説明申し上げました。
 よろしくご審議のほど、お願いいたします。
#12
○委員長(柏原ヤス君) 本件に関する質疑は後日に譲りたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト