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1975/05/14 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
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1975/05/14 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号

#1
第077回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
昭和五十一年五月十四日(金曜日)
   午後一時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     高橋 誉冨君     玉置 和郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柏原 ヤス君
    理 事
                源田  実君
                望月 邦夫君
                森下 昭司君
                小巻 敏雄君
    委 員
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                岩上 妙子君
                中山 太郎君
                永野 嚴雄君
                福井  勇君
                赤桐  操君
                杉山善太郎君
                松永 忠二君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        小沢 一郎君
       科学技術庁長官
       官房長      小山  実君
       科学技術庁計画
       局長       安尾  俊君
       科学技術庁研究
       調整局長     大澤 弘之君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正登君
       科学技術庁原子
       力安全局長    伊原 義徳君
       科学技術庁原子
       力安全局次長   佐藤 兼二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       環境庁水質保全
       局水質規制課長  島田 隆志君
       厚生省環境衛生
       局食品化学課長  宮沢  香君
       資源エネルギー
       庁公益事業部火
       力課長      伊藤 栄一君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電課長   高橋  宏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (昭和五十一年度科学技術庁関係の施策及び予
 算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柏原ヤス君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十四日、高橋誉冨君が委員を辞任され、その補欠として玉置和郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柏原ヤス君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○森下昭司君 私はこの機会に、最近非常に話題になってまいりました核燃料サイクルというような問題を前提にいたしまして、二、三お尋ねをいたしておきたいと思うわけであります。
 その第一は、最近放射性廃棄物の処理対策というものが非常な大きな問題として各方面から関心が持たれているわけであります。先日、私ども当委員会といたしまして中部電力の浜岡原子力発電所を視察いたしましたが、敷地内の一角のコンクリート製の倉庫にいわば保管をされているというような状況でありまして、現に本年三月末における六百六十万二千キロワットという原子力発電機が動いているわけでありまして、これから出ます廃棄物が相当に上りまするし、また盛んに、原発計画といたしまして六十年度末四千九百万キロワットでありまするとか、あるいは六十五年にはどうだとか、いろんな計画が盛んに言われているわけでありまして、こういったいわゆる原子力発電の増大に伴いまして、まあ原子力委員会といたしましては長期利用の観点からの計画も出ておりますが、基本的にこういった放射性廃棄物をどう処理しようとお考えになっているのか、まず最初に基本的な考え方についてお尋ねをいたします。
#5
○政府委員(伊原義徳君) 放射性廃棄物処理処分につきまして、まず現状を簡単に御説明申し上げますと、現在わが国の原子力施設といたしましては、非常に高いレベルの放射性廃棄物はまだ発生する段階に至っておりませんが、原子力発電所を中心といたします各種原子力施設から発生する放射性廃棄物につきましては、原子炉等規制法の法令の定める基準に従いまして、当該各施設におきまして安全確保のための措置を厳重に講じておるわけでございます。そのうちごく低い放射能レベルのもの、これは気体あるいは液体という形であるわけでございますが、ごく低い放射能レベルのものにつきましては、厳重な監視のもとに環境に放出する。これは環境への影響がほとんどないということを確認して放出をしておりますほかは、固体化いたしまして施設内の廃棄物収納施設に厳重に保管しておる。これは先生御指摘のとおりでございます。
 そこで、今後の長期的な考え方といたしまして、まず原子力施設において発生いたします先ほど申し上げました放射能レベルの低い固体廃棄物につきましては、当面は原子力事業者の施設内の保管で十分対応できるわけでありますけれども、今後非常に発生量が増大いたしますので、やはりこれの最終的な処分というのが必要である。その方法といたしましては、海洋処分という形と、それから陸地処分、二つ考えられるわけでございます。この二つについて今後その可能性と申しますか、実際の処分の仕方について検討をしなきゃいけないということでございます。このため特に海洋処分につきましては昭和五十二年ごろから試験的に海洋処分をするということを考えております。そのための調査研究は過去数年にわたって実施してまいりました。また安全評価等も進めております。これは私どもといたしましては通商産業省とも協力をいたしましてこの問題について十分な対応策をとってまいりたいと考えております。また海洋処分だけにとどまりませず、陸上処分についてもその保管の基準づくり等は鋭意検討中でございます。
 それから使用済み燃料を再処理をいたします。これはまだ再処理工場は完成はしておりませんけれども、近く完成して運転に入るわけでございますが、その場合には低いレベルの放射性物質だけではございませんで、非常に高いレベルの放射性廃棄物が出てまいります。これにつきましては非常に慎重な配慮のもとにこれを取り扱う必要がございます。とりあえずは施設内で保管をしておく考えで、その施設について十分な検査等をいたしておりますが、さらに将来計画といたしましては動力炉・核燃料開発事業団あるいは原子力研究所等の研究スタッフを動員いたしまして、高レベルの放射性廃棄物の処理処分についての研究を進めております。なおこれは非常に国際的にも問題になっておるわけでございますので、各国とも鋭意研究が進められております。したがいまして、たとえばIAEAにおきまする国際協力計画などもございます。そういったものへの参加も含めまして、処理技術確立のための研究を強力に進めてまいりたいとこう考えております。
#6
○森下昭司君 いまのところ高レベルのいわゆる放射性廃棄物については再生処理施設ができてないので、低レベル問題に対策が集中しているような感じがいたしますが、後ほど海洋、陸地等の問題についてはお尋ねをいたしてみたいと思うんであります。ただ、昭和六十年度末までに四千九百万キロワットの原子力発電がもしも可能になったといたしますれば、低レベルの廃棄物だけでも私どもの試算によりますと一本二百リットルのドラムかん約百二十二万本程度の廃棄物があるのではないかというような推定が見込まれているわけであります。したがって、相当低レベルの放射性廃棄物の対策等につきましても並み並みならぬ私は対策が必要ではないかというように感じておるのでありますが、一応私はいま百二十二万本程度という推定をいたしたわけでありますが、科学技術庁といたしましてはどの程度お見込みになっているのか、数をちょっとお尋ねいたします。
#7
○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御提示の数字、私どもも試算ではその程度かと考えております。この約百二十万本でございますが、実は私どもはこれにつきましては現在はこう推定はいたしておりますけれども、だんだん技術も進歩いたしまして減容と申しますか、ある一定の廃棄物に対して容積を減らすという研究はまた別途行っております。そういうことでございますので、たとえば現在のセメント固化技術をもっていたしますとこの程度が推定されるわけでございますが、アスファルト固化その他減容技術が進んでまいりますとこの量は減ると考えられております。またその方向に努力をいたさなければいかぬと思っておりますが、いまのところ先生御指摘のような推定になっております。
#8
○森下昭司君 そこでいわゆる再生処理の問題でありますが、先ほどちょっとお話がありましたように、動燃事業団におきまする再生処理施設は現在まだ本格的な運転を開始していないというわけでありますが、このいわゆる再生処理施設が最初設計をされました当時におきましては、一応昭和五十一年度事業開始、そして大体五十三年ごろまでの国内で発生いたしまする使用済み核燃料の再生処理の需要を満たすという目標が定められておるわけでありますが、まずこの動燃事業団における再生処理施設がいつから運転が開始をされるのか、また、開始をされました後に日量〇・七トンでありますが、いわゆるこれが二百十トンという年間の処理能力を本格的にフル運転する時期はいつごろになるのか、また、開始時期のずれから最初の目標からまいりました五十三年ごろまでの国内需要を満たすという目標値について一体可能かどうか、その点についてお尋ねをいたします。
#9
○政府委員(山野正登君) 動燃事業団の再処理工場の運転開始時期でございますが、当初私どもが予定しておりましたのは五十年、昨年の九月からウラン試験に入りまして本年の夏ないしは秋以降ホット試験に入る、その結果によりまして五十二年度の当初からこれを本格運転をするという予定にいたしておりました。その時点では五十一年度のホット試験によりまして約三十トン弱、五十二年度以降毎年この処理量を増大してまいりまして、大体五十六、七年ごろにはいま御指摘の年間二百十トンの能力に持っていこうというふうな計画で進めてまいったのでございますが、昨年九月に開始いたしましたウラン試験の結果、その途中におきまして若干手直し等を要する部分がございますので、これを安全性に十分留意しながら現在修理を進めておるのでございますが、現在のところ予定が数カ月ばかりずれております。今後的確な本格操業開始の時点と申しますのは、ただいま修復を済ませましてウラン試験を続行し、このウラン試験が終了しました時点ではっきりした見通しを得られるものと考えております。
#10
○森下昭司君 いま大体お話があったわけでありますが、このいわゆるウラン試験の際の若干の手直しが必要であった、数カ月の修理期間だというわけでありますが、これは当初のたとえば設計当時における見込み違いなのか、具体的には建設して後いま申し上げた試運転の中におきまして、言うならば自然発生的と申しますか、出てきた事故なのか、その辺はどういうことなんですか。
#11
○政府委員(伊原義徳君) 昨年九月にウラン試験を開始いたしましてからいろいろふぐあいが出てまいりましたのは御指摘のとおりでございますが、これはいろんな性格のふぐあいが含まれておると思いますが、基本的に申しますとある施設をつくりまして動かしますときの初期のふぐあいと申しますか、初期故障、そういったものがかなり多い。あるいはいま一つは従業員がまだ完全にその工程になれていないということのための多少の不手際、そういったものもあるかと存じます。私どもといたしましては、このウラン試験を実施いたします主な目的がそういうふぐあい、その施設の運転の当初において予想されますふぐあいをなるたけ最初の段階で発見をいたしましてこれを手直しをする。御承知かと思いますが、このウラン試験という段階ではまだ高い放射性物質は施設の中に入っていないわけでございます。いわば模擬試験の段階でございます。そういう段階におきまして、いろいろなふぐあいをすべて摘出いたしまして、完全にこれを修理をいたしまして、本番の運転に備え万全を期したい、こういう考えでございます。
#12
○森下昭司君 まあ初期の故障がありがちだということは、新しい技術、新しいものをつくり出そうとする一つの過程の中では出てくる問題だと思うのでありますが、いま二番目の原因の中で述べられました従業員のふなれが一つの原因ではないかという点でありまして、そういうお話を聞いてまいりますと、今日までのいわゆる原子炉が実際運転をされまして、たとえば先日の原子力発電の九電の玄海発電所ですか、あすこでは操作員のいわゆる操作ミスで警報が鳴ったというようなことなどが出ているわけでありまして、私は、やはりその一端の中に、安全性が強調されながらも安全性全体に対する、言うならば整合性と申しますか、各問題点が一律と申しますか、足並みをそろえて進んでおるのではなく、進むべきところは進み、おくれているところはおくれているような実は印象はぬぐい得ないのでありますが、そのことは別にいたしまして、今後こういうことがないように期待をいたすと同時に、先ほど私がちょっと触れましたように、一応五十六年ごろから二百十トンの処理能力を持つフル運転が行われるということでありますが、この五十六年当時における国内需要の観点からまいりますと、二百十トンというのは国内需要の何割ぐらいに相当する量になるのか。
#13
○政府委員(山野正登君) 五十五年度当時、まあ五十五年度程度、五十年代半ばごろで見ますと、年間の要処理の需要が三百四十トンぐらいございますが、これに対しまして二百十トンでございますから、大体三分の二程度に相当すると思います。
#14
○森下昭司君 ここに原子力の開発利用長期計画というのが原子力委員会で昭和四十七年の六月一日に決定されたものがございます。その中に、そういったいわゆる核燃料サイクルの問題もありますが、いわゆる第二の処理施設が必要であるということが強調されておりまして、でき得れば民間企業においてその建設、運転を行うことを期待するということを述べておる。しかし、一方におきまして、たとえば通産省関係におきましては、六十年度における四万九千キロワットの原子力発電の達成がむずかしいのではないか、あるいは資金的にも今日民間だけでこのような膨大な資金を調達することは事実上不可能ではないかというようなことから、盛んに原発計画の見直しという点が叫ばれております。したがっていわゆるいま申し上げました原子力の開発利用長期計画という観点から民間企業においてその建設、運転を行うことを期待するということが述べられておりまするが、今日までの経緯、それから今後の見通しの上に立って、この計画どおり実現をする可能性というものはあるのかどうか、そのことをお尋ねいたします。
#15
○政府委員(山野正登君) この第二再処理工場の建設につきましては、御承知のとおり、現在の原子力利用の長期計画におきましては、民間にその建設を期待するというふうに述べてあるわけでございますが、これを受けまして、産業界におきましては、濃縮・再処理準備会という団体をつくりまして、この機関が中心となりまして第二再処理工場建設に必要な諸準備を進めております。現在までのところ、この第二再処理工場をつくりますための各種のフィージビリティースタディーでございますとか、あるいは地点についての選定といったふうなことをいろいろやっておりますが、具体的に将来の計画が策定されたという段階になっておりません。この点については、御指摘のように非常に重要な問題でもございますので、原子力委員会の中に核燃料サイクル問題懇談会というものを設けまして、今後この計画をできるだけ早い時期に実現可能な形にするべく官民の果たすべき責任分担等を含めて具体的な対策を出そうということで現在鋭意検討を進めております。
#16
○森下昭司君 民間の濃縮・再処理準備会、これはむしろ電力九社と日本原子力発電のいわば十社で構成をされているようでありますが、これは、むしろいま原子力局長がお答えになったよりも、当面の、いわゆる動燃の第一の再生処理施設ができるまで、それから第二の再生処理施設ができるまで、言葉をかえていえば、わが国内で国内需要を満たすような再処理施設ができるまでのつなぎ、急場の策として、たとえば英核燃料公社だとか仏核物質株式会社ですか、そういうものとの交渉に当たるのがいま精いっぱいでありまして、先日の燃料公社等の来日を契機にいたしまして交渉団等が設けられておりますが、事実上は通信窓口だというふうに聞いているのですよ。一本松さんですか、会長をおやめになるような内紛が続いておるのでありまして、私は原子力委員会が決定した長期計画に基づくこの第二再生処理工場を建設する基本的なあり方というものがこの準備会にあるとは理解しておりません。むしろ、私は、この問題は後ほどまた触れたいと思うのでありますが、行政の一元化という立場から問題は残りますが、通産省あたり、たとえば両角さんが何か電源開発の総裁におなりになりますと、電源開発会社も原子力発電を行うべきだ、国家資金導入なんて打ち上げられておりまするが、通産省あたりの主導権、つまり産業経済発展政策の一環としてこの問題が考えられているような感じなきにしもあらずであります。そうだといたしますと、原子力委員会の原子力行政というものが産業政策に追従をするという形の中で行われておるというような印象なきにしもあらずであります。いまのようなお話を聞いておりますと、私は、実際問題としてイギリスやフランスとのいわゆる公社との関係でありますとか、あるいは多額の研究開発が必要であるといういわゆる民間の採算ベースに乗らないとか、あるいは国民的合意が不十分であって、事実上こういった第二再生処理施設を立地しようと思いましても反対にあってできないとか、いろいろな点を考えてまいりますと、よほど原子力委員会がしっかりいたしませんと、これは、私は言うならば、でき得ないような、事実上民間の企業に期待することは不可能ではないかというような感じがいたしますが、重ねて質問いたします。
#17
○政府委員(山野正登君) ただいま濃縮・再処理準備会が過去に行った調査活動について御説明を申し上げたわけでございまして、将来ともこの準備会が中心になって第二再処理工場の建設等も進めていくという趣旨では毛頭ないわけでございます。先ほど申し上げました原子力委員会におきます本件を扱う小委員会の構成と申しますのは、これは学識経験者以外に、科学技術庁のみならず、通産省、運輸省、外務省といった本件に関連のある行政機関は全部網羅的に入っておりまして、御指摘のように、将来本件を進めていくにつきまして、関係省庁が協力して、おのおのの分担に応じてこの建設を鋭意総力を挙げて努力をするという方向でやるべきだということで、原子力委員会も、単にこの科学技術庁のみならず、そういうふうな関係省庁を含めての総合施策という観点から検討を進めておるところでございまして、お説の御意見にも、私、賛成でございます。
#18
○森下昭司君 大臣がお見えになりませんので、政務次官、私はいま局長の御答弁で政務次官も御同感じゃないかと思うのでありますが、そこで、いわゆるそういった方向で第二の再生処理の問題が今後非常に大きな課題にもなり、また具体的日程にも上がると思うのであります。計画の伝えられるところによりますと、今後、十年後に完成を一つの目途にするというように私聞いておるわけでありますが、この第二再生処理場の問題については、いま申し上げたようにいわば事業主体、資金調達あるいはまたどこに立地をするのか、もちろんそんなことまで入るわけにいきませんけれども、そういう一番根幹になりまする事業主体でありますとかあるいは資金調達というような点についてまで不明確であります。しかし一応英仏との交渉の経緯、それから先ほど申し上げました六十年あるいは六十五年度を目標にいたしました原子力発電の計画などなど等から判断をいたしますと、逆算をいたしまして私は十年後までに第二再生処理施設の完成が必要であるというようなことになったのではないかというふうに推定いたすのでありますが、このいわゆる原子力委員会といたしまして第二再生処理施設は事業主体はともかくとして何年後までに完成をさせる必要があるのか。またその規模は、処理能力の規模でありますが、どの程度のものが必要になるとお考えになっているのか、その点二点お尋ねいたします。
#19
○政府委員(山野正登君) 現在私どもの考えております基本線と申しますのは、動燃の再処理工場に引き続きましてできるだけ早く国内に第二再処理工場をつくるということを基本路線に考えておりまして、その間不足するものにつきまして英仏等に依頼をしましてつなぎをするということでございます。そういう趣旨でこの第二再処理工場は早ければ早いほどよろしいわけでございますが、これまで関係機関並びに私どもの調査によりますと、計画立案から工場完成までに大体十年ないし十二年程度の期間が必要であろうということが言われておりますので、先ほど申し上げました懇談会等におきましてもできるだけ早く将来見通し計画をつくりまして、着手するということによりまして、六十年代の早い時期に本件を完成させたいというふうに考えておるわけでございます。
#20
○森下昭司君 まあ六十年代の早い時期ということでありますから、およそ約十年という大体の推定に合うわけでありますが、いままでのような要するに濃縮・再処理準備会というような民間団体、特に関係電力業界を中心にいたしましたこのような団体が中心で、さらに核燃料サイクル問題懇談会というようなものも協力をしていくということでありますが、何をおきましても私はやはりこの事業主体、平たい言葉で言えば半官半民にするのか、あるいは原子力委員会が決定したように民間だけにするのか、政府が資金調達の面について側面的な協力をしていくのかというような私はやはり方向づけというものが早く決まらないといけないと思うんであります。そのためには私はやはり開発体制というような立場から問題を考えてまいりますと、いまのような状態では私は国内の、言うならば計画されておりまする発電の状況からまいりますと、後手後手に回っていく状態になるのではないか。しかもイギリスにいたしましてもフランスにいたしましても、もう間もなくその処理能力は満杯を喫し、現にこの間来日いたしました英核燃料公社は処理工場の一部負担金までわが国に要求しておるというような状況に相なっているわけなんです。そんなことを考えてまいりますと、私はただ単にそういうような六十年代初頭にそういったものを完成することが望ましいというだけではなくて、具体的に原子力委員会なり科学技術庁が中心となって関係省庁当局と何らかの形でこの問題を考える一つの懇談会的なものなりあるいは準備会的なものなりあるいは対策委員会的なものなり、名称はともかくとして機構的なものが存在することが必要ではないかと思うのでありますが、そういう点についてはどうお考えになっておりますか。
#21
○政府委員(山野正登君) 第二再処理工場を建設を進めるに際しましては、官民が協力をして進める必要があることはもちろんでございますが、その際民間の主体はどういう形になるかということは、これは現在進めております濃縮・再処理準備会というものがそのまま引き続き担当する場合もあるかもしれませんが、いずれにしましても形は今後産業界が、恐らく各電力会社が力を合わせる形で何らかの新組織をおつくりになるのじゃないかと私どもは考えております。それから官の立場としましては、先ほど申し上げましたように、関係の省庁が合同でおのおのの分担に応じてその策を講じていくということであろうかと思います。それからいまひとつ、将来の第二再処理工場を運営いたします主体の体制問題でございますが、これは現在進めております検討の結果明らかになるところでござまいして、現時点で半官半民がいいとかあるいは純然たる株式会社組織がいいとかいったふうなことはちょっとまだ論評できる時点ではないと考えております。
#22
○森下昭司君 そこで次の問題は、いま先ほどお話があったように、動燃事業団の再生処理施設が稼動いたしてまいりますと、高レベルの放射性廃棄物質が出るということになるわけであります。当面世界の各国の例を見てまいりますと、たとえばフランスにおきましてはガラス固化と申しますか、そういったものでやる、あるいはアスファルト固化体にするとか、セメント固化体にするとか、いろんなやり方があるようでありますが、当面私お聞きをいたしておりますと、動燃の再生処理施設を出てきた高レベルの廃棄物については、タンクでこれを貯蔵していくという方針のように聞いているわけであります。このタンクで貯蔵をした場合にいま予定計画をされておりまする九十立方メートルタンク四基でありますか、一基が予備であるというようにお聞きをいたしておりますが、この九十立方メートル四基のタンクでフル生産をいたした場合に何年分の、言うならば高レベル放射性廃棄物を濃縮して貯蔵しておくことができるのか、お尋ねします。
#23
○政府委員(伊原義徳君) ただいまの九十トンタンク四基で考えております貯蔵の余裕と申しますか、年数はおおむね二年程度と考えております。なお、そのほかに現在予備タンクを追加することにいたしております。
#24
○森下昭司君 そういたしますと、次にまた追加があるというふうなお話でありますが、早晩これは何らかの形で処理をしなければならないというようなことになってくるのではないかと思うんであります。この間動燃の視察に参りました際に、動燃の理事長は、英国原子力委員長J・M・ヒルさんですかのいわゆる書かれた中でガラス固化して、そして不鋳鋼の容器に入れて水深六メートルの冷却プールに保管をする、そうすれば少なくとも西暦二千年までの高レベルの放射性廃棄物質はこれは少ない一ヘクタールの面積で済んでしまうのだ。そのうちに二十一世紀になりますれば、また新しい科学技術が進歩いたしまして、すぐれた処理施設ができる。したがって、高レベルの放射性廃棄物質の点については心配がないのだというようなことを私どもに語っておみえになりましたが、いわゆる科学技術庁といたしましては、こういったタンク貯蔵が行き詰まった場合、タンク貯蔵が限界に達した場合に、次はいま申し上げた英国の原子力委員長の申されたような方法をおとりになるのか、あるいはその他の技術的な進歩による処理方法をお考えになっているのか、その点をお尋ねいたします。
#25
○政府委員(伊原義徳君) 先生御指摘のように、いまの考え方の液体の形での貯蔵というのは、これは永久的な処理処分の方法ではございません。したがいまして、御指摘のとおり、たとえばガラス固化の技術を開発いたしまして、ガラス固化をいたしまして適当な最終処理をする、最終処分をするということは、当然必要かと考えられるわけでございます。したがいまして、科学技術庁の考え方といたしましては、そういう永久的な処分方法についての研究開発、これを、従来ともやっておりますけれども、さらに十分これに力を入れていきたい。たとえば昭和五十一年度の廃棄物処理処分関係の予算は十三億数千万円ということで前年度の倍以上になっておるというふうなことでもございます。さらに諸外国の研究開発の進展状況も十分これは調査をいたしておりまして、また国際協力もこの観点は特に進めるという考え方でございますので、先生御指摘のように長期的な最終処分について万遺漏がないように、これはやはり非常に今後とも技術的に可能ではございましょうけれども、相当努力をする必要があると私どもは考えておりまして、鋭意その方向に向かって努力中でございます。
#26
○森下昭司君 そこで海洋の問題について入ってみたいと思います。先ほど五十二年で試験的に海洋投棄を行う、これは低レベルのというお話があったわけです。そこで私最初にちょっとお尋ねいたしますが、日本アイソトープ協会がコバルト60などを密封形のドラムかん詰めのセメント固化体にいたしまして、言うならば多重構造といって廃棄物をあんこのようにして周囲をセメントで固めるというものを中心にいたしまして、一九五五年から六九年つまり昭和三十年から四十四年にかけまして合計ドラムかんにして二千本前後、二百五十キューリー分を投棄いたしました。場所は房総半島の館山沖三十キロメーター、水深二千五百メートルの海域だというふうになっておるわけでありますが、この問題について科学技術庁としてその後海洋汚染の問題が出たとかあるいは何らかの生息物につまり魚群でありますとかいろんな点について影響があったと、そういった点は御調査になったことがありますか。
#27
○政府委員(伊原義徳君) 私の承知いたしておりますところでは、その試験投棄につきまして非常に精密な追試の調査をしたということはあるいはないかと思いますが、一般的な海洋の調査と申しますか、その関係からしてこの放射性同位元素協会がかかって廃棄――これは試験的でございますが、試験的に廃棄いたしましたものが環境に影響を与えておるというふうなことはないと、こういうふうに承知いたしております。
#28
○森下昭司君 一般的海洋調査だと、精密的な調査をしなかったという点については私も若干遺憾の意を表したいと思います。まあこの計画を私から申し上げますと皆さん方に、釈迦に説法かもしれませんが、試験的海洋投棄をした後でも「投棄後の被処分体の追跡および海洋調査を行う。これらによって得られる知見およびその時までの深海に関する最新の知見に基づいて、……海洋処分の見とおしを得る」というように長期計画のやつは書いてあるわけであります。したがって、私はやはり日本アイソトープ協会がコバルト60という原子炉の問題と不離不即の廃棄物との関連のあるものを、こういうようにいまから二十年も前から投下をしたということは、いわば科学技術庁が行おうとする試験投棄の前のいわゆる実績であるというような理解も成り立つわけであります。行った団体や官庁が違いましても、これはやはり当時の私はそれぞれ所管庁の許しと認可を得て行った行為であると思うんであります。そういう観点に立ちますならば、私は日本アイソトープ協会が行った海洋投棄のその後の二十年間のやはり状態変化と申すものは一般海洋調査ではなく、いわば特定の精密的な調査を行うのが妥当ではなかったかというふうに思うわけでありまして、こういう貴重な前例の状態があるにもかかわらず、抽象的ないわゆる事の中で行うということは私はやや従来の海洋調査、具体的には余りよく存じませんけれども、やや精密さを欠いたきらいがあるのではないだろうかというような感じが実はいたすわけであります。
 そこで重ねてお尋ねいたしますが、OECDの原子力機関が国際共同海洋投棄を今回までで七回実施されております。そのうち投棄参加国数は二回目の一九六九年の七カ国が最高で、七一年以降は四カ国に実は減少いたしております。これは海洋投棄に対しましてやはり問題がある、疑問が残るというような見地から参加国数が減ったのではないかというふうに思うのでありますが、科学庁としてはどういう見解をお持ちになっているのかお尋ねいたします。
#29
○政府委員(伊原義徳君) 先生御指摘の、OECDによります国際協力の海洋投棄――大西洋において実施いたしておりますこの海洋投棄の作業につきまして、これは私どもも非常にこれは参考になりますので、研究者を派遣いたしまして、実際にその廃棄の場に立ち会わせていただくというふうなこともやっておるわけでございますが、投棄に参加しております国が減ったということにつきましては、これはいろいろ各国の事情があるようでございます。私どもいろいろ聞いておるところでは、経済性というものが一つあって、海洋投棄は非常に金がかかるということで、国によっては陸上保管、さらに陸上での最終処分ができるという国がだんだん出てまいりましたようでございまして、そういう経済性の観点から、かつては海洋投棄をしたけれどもいまは見合わせておると、こういう国が幾つかあると、こういうふうに承知をいたしております。
#30
○森下昭司君 そこでまず原子力研究所の東海研究所ではこのいわゆる海洋の試験投棄に備えまして、一応五千気圧だったと思いますが、五千気圧に耐えるセメント固体化の耐圧試験水槽で、BWRですね、沸騰型の濃縮廃棄物のいわゆるいま申し上げたセメント固体化の試験を行って一応成功したというふうに聞いておりますが、この点はどうですか。
#31
○政府委員(伊原義徳君) 日本原子力研究所におきまして先生御指摘のような試験をいたしまして、良好の結果を得たというのはそのとおりでございます。
#32
○森下昭司君 そうだといたしますと、一応今度の海洋の試験投棄は大体水深などは五千気圧ですから、一応概算でありますると大体水深五千メートルまでの水圧に耐えるに相当するということに実はなるわけでありまして、相当水深の深いところを想定して研究を行っておみえになるというような推定が成り立つわけでありますが、一応五十二年に行われまする試験投棄は大体どの程度の水深と、たとえば海流等の関係がありますが、地点から、陸地からまいりますると、どの程度離れた方が望ましいのか、そういう点について具体的にお尋ねいたします。
#33
○政府委員(伊原義徳君) ただいま正確の数字はちょっと持ちあわせておりませんが、私の記憶で申し上げますことをお許しいただけますれば、従来過去数年にわたりまして関係省庁――水産庁、気象庁その他の御協力を得ましてその関係の調査をいたしまして、太平洋上の適地の選定をたしか三カ所ばかりいたしております。その場所によって水深が異なっておりますが、私の記憶では三、四千メートル程度のところが多かったと思います。そういうところでございまして、なお日本からの距離はこれも大変申しわけございません、正確ではございませんが、千キロメーター――八百キロメーターから二千キロメーターぐらいの幅で何カ地点か適地を調査したというふうに記憶いたしております。
#34
○森下昭司君 そこで私少しくちょっとお尋ねいたしておきますが、実はいま申し上げた原子力開発利用長期計画の中でこれを素朴に解釈をいたしますと、実際は海洋投棄よりも陸上処分――陸地における処分というものが先行していなければならないのではないかというふうな実は感じがいたします。私から申し上げて恐縮でありますが、先ほども触れましたように、海洋処分については「昭和五十年代初め頃までに海洋処分の見とおしを得ることとする。」、「見とおしを得る」んです、陸地処分については「昭和五十年代初め頃までにその見とおしを明確にするものとする。」なんですね。「得る」と「明確」ということは、これは日本語のむずかしさをよく言われるのでありますが、先ほど申し上げたように、余談を交えずに素朴な理解からいけば、むしろ原子力委員会の決定は海洋投棄よりも陸地処分を重点的に志向しているというふうに理解するのが私は妥当ではないかと思うんでありますが、なぜ科学技術庁は海洋投棄に主点が置かれ、陸地処分が等閑視されるような政策を行っておみえになってきたのか、この点私矛盾すると思うのでありますが、御見解をお尋ねいたします。
#35
○政府委員(伊原義徳君) 私どもの基本的な考え方といたしまして、海洋処分と陸地処分につきましては、現時点においてどちらに重点を置くと、その考え方を固めて長期にわたってその重点を変えないというまでの段階ではございませんで、ある意味ではその両方の可能性をそれぞれ確認し、実行可能なところから合理的にと申しますか、逐次仕事を進めてまいると、そういう実態的な対処の仕方をいたしてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。現に陸地処分といたしましては、とりあえずは原子力施設におきまして厳重保管ということで、十分な技術基準に適合する施設に保管をいたしておるわけでございます。そういうことでもございますので、とりあえずはある意味では陸地の保管は行われておると、さらに今後海洋処分と陸地処分の組み合わせの最適なところをいろいろの知見を通じて確認してまいりたいと、こう考えております。
#36
○森下昭司君 私は、何もきょうは大臣がお見えになりませんから深く追及しようとは思いません。思いませんが、陸地処分というのは、いまただ単に工場の敷地内に保管してあることが一つのあらわれだという答弁は私は納得できません。これは本来工場の敷地内に保管すべきものじゃないんです。しかし、処理体制が整っておりませんから、とりあえず急場のしのぎとしてそうせざるを得ないんですよ。やりようがないから仕方がないんだ、いわばそういうことじゃないですか。原子力委員会の決定されたこのいわゆる陸地処分はそんなものじゃないんです。含まれていないんですよ。現にフランスでは岩塩鉱でしょう。あるいはどこかの国では離れ島――離島を全部貯蔵の施設にしてしまえなんという広大な構想があるんです。私は、さっきの英国原子力委員長のヒルさんの話じゃないけれども、岩塩鉱、世界で二億年ぐらい安全だと言う。二番目には地殻内部の貯蔵だと、三番目は宇宙だと言うんです。百年後には終末処理施設、下水道のようにつくればつくれると言うんですよ、革新の技術が進んで。そんな、局長、答弁でこの場を過ごそうなんて納得できませんよ。むしろ、私は低レベルの放射性廃棄物質は海洋、高レベルのものは陸地処分というような理解の中で問題を考えていくのが妥当じゃないですか、重ねてお尋ねいたします。
#37
○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生の御指摘、まことにごもっともな点がございます。特に高レベルの廃棄物につきまして、御指摘のように岩塩鉱に将来長きにわたって処分する、あるいは岩塩鉱のない国におきましては花崗岩層、粘土層その他いろいろなところの可能性が検討されております。さらには海洋の深海部をさらに深く穴を掘りまして、そこに処分するというふうな研究も外国においては行われております。また米国のNASAにおきましは、宇宙に高レベル廃棄物をほうり出すと申しますか、処分する、そういった研究も行われておると承知いたしております。確かに先生御指摘のように高レベルについてはそういうふうな地中、特に地殻の中に何と申しますか、ジオロジカルフォーメーションと専門用語では言うそうでございますが、そういう地質学的な処理をする、それから低レベルにつきましては海洋処分、これは国際条約もございますし、さらにそれに基づいて国際原子力機関で技術基準というものも明確になっております。そういう技術基準に十分沿った形で厳重な管理、監督のもとに海洋処分をする、そういうふうな基本的な考え方は先生のおっしゃるとおりかと存じております。
#38
○森下昭司君 そこで、政務次官にお尋ねいたします。
 私はいわゆる原子力開発利用長期計画というのは、昭和四十七年なんです。いま昭和五十一年、四年たちまして、四十七年決定の長期計画はいわば一口にして言えばバラ色過ぎたというような印象を免れ得ないのです。いま一つ取り上げました海洋処分と陸地処分を組み合わせて、そうして放射線廃棄物質を処理するのだといったところで、実は余り具体的には進んでいない。
 それから第二再生処理工場だって、お聞きになったようになかなか見通しが立っていない。これはみんな書いてあるのです。後で触れますが、たとえば、原子力発電の経済性の問題につきましても、「昭和五十年代後半には、石油火力発電と経済性において十分競合しうるようになるものと考えられる。」と言っておりますが、これは天然ウランの輸入代金は高くなる、再生処理費も高くなる、そうして完全な天然ウランなんか売り手市場ですね、また後で触れますけれども。そしていまや、日本における原子力発電設備は故障続きで、年間の稼動率は七〇%程度だと言われているわけです。新鋭火力発電所でも定期の検査を入れましても、年間七〇%以上の稼動率があると言われている。これだって私は端的に申し上げれば、もう長期の計画というものは現実にはそぐわないのです。もっとそぐわないのは、たとえば原子力発電の問題につきまして昭和六十年度には六千万キロワット、これは違うですね、六十年は四千九百万キロワットですね。六十五年には一億キロワット、これはいま九千万キロワットです。ですから、数字の上から申し上げましても、また内容から申し上げましても、非常に抽象的には書かれておりまするけれども、現実に想定した場合にはややあってないような感じがするのです。伝えられるところによりますと、先ほどもお話がありました四月十三日に発足いたしました原子力委員会のもとに核燃料サイクル問題懇談会が発足をした。この懇談会が井上さんを会長にいたしまして、これから一年ぐらいいろいろな総合的な研究をしてその報告を出すと、その報告を出した上で原子力委員会はいま申し上げた原子力開発利用長期計画の改定をいたしたいというように聞いておりますが、次官としてのお考え方をお尋ねしておきます。
#39
○政府委員(小沢一郎君) 当初原子力の開発利用計画等につきましては、先生の御指摘のようにいろいろな現実の面におきまして将来の見通しについて十分でない点が確かにあったのではないかと思いますし、また実際技術的な問題でも、あるいはまた開発利用を進めていく上におきましての環境条件のいろいろな問題につきまして、必ずしも当初考えたような形で行ってない面も確かにあると思いますので、今後現実のこの問題をいろいろな情勢を正確に把握いたしまして、そして今後の計画を進めていかなければならないと考えております。
#40
○森下昭司君 この計画の問題については別の機会にいろいろとまたお尋ねをいたしていきたいと思うのでありますが、そこで時間等の関係もありますので端的に次の問題についてお尋ねいたします。
 先ほどもちょっと触れましたように、いま日本原子力発電を初めといたしまして、わが国の電力会社がウランを外国から輸入し、供給を実は受けているわけであります。その中で、先日カナダのデニソンという会社が五十一年引き取り分からは一ポンド当たり昨年よりも八ドル高、つまり五十年度よりも八ドル高、二十一・四五ドルで妥結をして、発電会社が実は買うことになったわけであります。このためにフランスの原子力庁あるいは南ア共和国の供給会社も新価格を二十ドル以上に引き上げることを通告してきた。したがって、今後のウラン燃料の確保という見通しの上に立って、石油輸出国機構のOPECではありませんが、ウラン輸出国が同じような輸出のカルテルを結成する――事実上もう結成されたと私は思うのでありますが、そういう点からまいりますと、先ほど申し上げました五十年代後半に石油火力発電と競合し得るほど経済性を発揮できると言われておりますが、一体ウランの価格が今後どうなっていくのか。燃料を確保するというたてまえの上に立ってどうなっていくのか。完全な売り手市場でありますが、いわゆる科学技術庁とし、あるいは通産省としてどういうようなお見通しがあるのか、その点についてお伺いいたします。
#41
○政府委員(山野正登君) 御指摘の天然ウランの価格でございますが、いまおっしゃいましたとおり、私どもが行いました委託調査の結果によりましても非常に大きな値上がりを示しております。オイルショック以前におきましてはポンド当たり七ドルないし八ドルであったものが、一九七四年価格ではポンド当たり十五ドル程度。さらに最近の価格では、先ほどの御指摘の価格を上回りまして、三十ドル程度といったふうな調査結果が挙がっておりまして、これはウラン精鉱のコストの上昇とか、あるいは御指摘のような、この市場関係が売り手市場になっておるといったふうなことでございますので、今後ともこの価格というものは、ある程度の上昇というものはやむを得ないことかと存じております。ただ、この原子力発電の原価に占めます燃料費というものを見てみますと、火力発電の場合と比べまして、大体発電原価の二割程度が燃料費ということでございますので、火力発電ほど燃料費が発電原価に及ぼす影響というものは大きくないわけでございまして、私どもの試算によりますと、現在価格の倍程度になりましても、なおかつ火力発電よりも有利ではないかというふうに考えております。
#42
○森下昭司君 これはお言葉を返すようで申しわけありませんですけれども、燃料費だけ比べればそれは石油火力の石油の代金とウランの燃料代金と比べれば、原子力局長が御説明になったような計算が私は成り立つんだろうと思うのであります、まあ推算でありますけれども。しかし、火力発電設備に対する設備投資の額と原子力発電に対する設備投資の額は、これは月とスッポンですよ、率直に言って、そういう表現が当たっていいと思うんです。発電――まあ通産省の方はよく――私どもも商工委員会におりましたから、きのう、おととい電気料金やりとりやりましたが、これは失礼でありますけれども、その電気の原価なんというものは燃料費だけじゃないんですよ。その投資額もちゃんと入っているんですよ。何年に償還できると、そのお立場に立っての電気料金の計算ですからね。私は、そんなただ単に燃料費の比較だけでは納得できないんです。そこで、いまお見えになるならば、通産省としてはこのウランの価格がいまのような二倍になっても大丈夫だなんてことは答えられないはずですから、どの程度までになれば電気料金へのはね返りは免れるのか、ある程度この程度になればいまの電気料金はこの程度値上げせざるを得ないというような試算というか、見通しはお持ちになっていないんですか。
#43
○政府委員(山野正登君) 通産省の御答弁の前に、私若干答弁を補足いたしますが、資本費につきましては火力、原子力発電の関係は御指摘のとおりでございます。私の申し上げております趣旨は、将来ウラン精鉱のみならず、石油の方も価格は増大するであろうと、そういう両方とも価格が増大するという点から見ますれば、この価格上昇のコストに与える影響というのはこの発電原価の中に占める燃料費の割合の低い方が有利になるということを申し上げておるわけでございまして、資本費は全く別という議論をしておるわけではございません。
#44
○説明員(高橋宏君) いま先生御指摘のとおり、原子力は非常に資本費が高うございます。したがいまして、キロワットアワー当たりの経済性を議論しますときには当然それが一年間でどの程度動くかということを前提に考えなくちゃいかぬと思います。私ども従来から御説明しておりますように、原子力発電所におきましても年間定期検査等を考慮しまして、あとは大体うまく動くということで七〇%を計画稼働率として、火力等と比較をいたしております。そういう前提で比較をいたしますと、昨日の商工委員会で御説明いたしましたように、かなり将来にわたりましてウランの値上がり等を考慮いたしましても、なお原子力は割り安であるという一応の見通しは持っております。ただ、御指摘のように、これはやはり原子力がうまく動くということが大事でございますので、いろいろこの場でも御指摘ございましたけれども、さらに所期の稼動率を達成するような努力が必要かと思っております。
#45
○森下昭司君 それじゃ取り急いで、次の問題は、この間一部の新聞に報道されておりましたが、わが国の日豪議員連盟がオーストラリアに供給から再処理まで一貫した、要するならばまあ基地ですね、つくったらどうだという構想は練っておったわけであります。今度オーストラリアの首相が参りましたときに、この問題について政府の積極的な援助を求める、側面的な援助を求めたいというようなことが報道されておりましたが、こういった点についてはどうお考えですか。
#46
○政府委員(山野正登君) わが国と豪州との間にはかねてウランの濃縮につきまして共同でやるということについての可能性調査をしようではないかという話がございまして、これにつきましては現在両国間でいろいろと検討を進めておるところでございまして、またウラン資源につきましてもウラン精鉱を豪州から買い取っておるといったふうなこともございまして、日豪関係の中におきまして、天然ウラン並びに濃縮ウラン問題というのは従来とも関係があるわけでございますが、いま御指摘のダウンストリームを含めました燃料サイクルの総合的なセンターを豪州等に設けるといったふうな具体的な計画は政府として持っておるわけではございません。
#47
○森下昭司君 そうそう。いやだから私は、それは日豪議員連盟がそういった構想を持っているが、そういう構想についてはどう考えるかと、つまり好ましいものと考えるのか、そんなものは政府がやるから私の方に任しておいてもらいたいということなのか、その点を聞いているんです。
#48
○政府委員(山野正登君) これは濃縮とか再処理各ステージにわたりますので、各ステージごとにおのおの複雑な問題が内蔵されておると思いますけれども、一般論として申し上げまして、わが国が今後原子力発電を支えます燃料サイクルを確立する上におきましては、国際共同計画というものもゆるがせにできない重要な問題であると考えております。
 そこで、この豪州だけについてのコメントというのはちょっと御容赦願いたいと思いますが、広くアメリカ、ヨーロッパ諸国、もちろん豪州も含めまして幅広い国際協力というものは前向きに検討する必要があろうかと思っております。
#49
○森下昭司君 私はさっきの長期利用計画じゃありませんが、日本は天然ウランが生産はされておるといっても実用化に至るまではまだどれだけかかるかわからないんです。だから一〇〇%ウランを輸入せざるを得ないという立場に立っておるわけです。だから長期計画でも将来の需要の三分の一は海外における探鉱開発ですね。要するに、日本自身の資本と日本自身の技術によって外国の協力を得ながら海外にみずから生産をする鉱山を持てという方針でありますから、私はやはり海外にそういった一貫的な基地ができ上がることは好ましいことであるというふうに実は理解をいたしておる一人であります。
 そこで次は事故問題についてちょっとお尋ねいたしておきたいと思うんであります。
 それで、最初に日本原研の東海研究所における動力試験炉の問題であります。これは、一つは昭和四十二年当時に起きました事故で、四十三年の一月から二月にかけまして鋼板で内部のいわゆる張り工事を行って、第一回目は一応そういった形の修理、改善が行われたわけであります。それが今度は溶接部分がうまくいっていなくって、そこからまた水が漏れたというような、二回目の事故が、先日起きたわけであります。
 そこで、まず四十二年の事故で四十三年一月から二月にかけまして鋼板で内張り工事を行いましたが、この認可というものは正式に科学技術庁が与えたのかどうか、また認可を与える事項でないとするならばそのことについて相談があったのかどうか、まず最初にお尋ねいたします。
#50
○政府委員(伊原義徳君) 御指摘の日本原子力研究所の動力試験炉、これのクリーン・ドレイン・サンプと称しております水ためでございますが、そこから水が漏れたという件につきまして実はことしそういう現象、そういうことがございましたので、調査をしておりましたときに、先生御指摘のように昭和四十二年ごろに同様のことがあってかなりの行方不明の水があるということがわかったわけでございます。その昭和四十二年ごろにつきまして私どもにそういう水漏れがあったという報告はいただいておりません。
 それからなお、この施設を修理をするにつきまして、これは実は原子力発電所でもございますので、そういう具体的な施設の詳細の設計なり修理なりということは実はこれは通商産業省の方で電気事業法に基づいて認可行為があるわけでございますが、私どもが承知いたしておりますところでは、通産省の御見解としては、この程度のものを認可の対象にするということでは考えておられないようにお聞きしておりますが、いずれにいたしましてもその当時そういう役所関係に修理についての認可の申請はなかったと承知いたしております。
#51
○森下昭司君 いま率直なお話がありましたが、この電気事業法に基づいて云々というお話がございましたが、私はやはり今日原子力発電に対しまする安全性の問題について非常に国民が疑惑を持っているというような立場の中で国民的な合意を得ることが一つの原子力発電の立地条件でもあるというように実は言われているわけであります。こういうようなものができ上がって後の、運転が開始された後の、言うならば発電機の問題については電気事業法の対象になるというようなことでは常識論的に見てこれは国民的な合意を得るといいますか、国民の側から申し上げますれば納得のできないようなことになるのではないだろうか。たとえば、これがいま申し上げたように、非常に放射性の物質が少なくて慣行許容度を超してなかったと、これは不幸中の幸いであるというまあ日本語がございますが、そういう立場で問題をながめるべきでありまして、先ほど私が質問をいたしましたように、仮に高レベルのあの放射性廃棄物が貯蔵タンクの中に入って現にアメリカではその高レベルの貯蔵タンクの濃縮廃液が流れ出した事件がございますが、もしもそうだといたしますれば電気事業法の対象でありますから云々というようなのんきなことは言っておれないと思うのであります。ここで私はちょっと最初に行政の一元化という問題について述べておいたわけでありますが、行政の一元化の必要性というものを痛感せざるを得ないと思うのであります。
 そこで、原子力発電課長にお尋ねをいたしますが、こういった問題について当時通産省といたしましては事故として取り上げるべき筋合いの大したものではなかったという御認識であったのかどうか。あるいは原子力という国民的影響を考慮して問題を考えるべきではなかったかと私は思うのでありますが、そういう点を含めて御回答いただきたい。
#52
○説明員(高橋宏君) ただいまのお尋ねでございますが、いま原子力安全局長から御答弁ございましたように、この四十二年当時でございますが、私どもも漏水の事実の報告も当時は受けてなかったようでございます。なお、内張りにつきましても、その段階での相談というものはなかったやに聞いております。
 それで、お尋ねの電気事業法との関係でございますけれども、いま申し上げましたように、この給水ポンプのサンプ水であると、そのピットであるということからしまして、現在の電気事業法に基づきます所要の認可措置は要らないものと解釈いたしております。ただ、御指摘のように、こういうことが皆様にいろいろと御心配を与えるということにかんがみまして、こういうようなささいなものでも十分情報連絡をとり、万遺漏なきを期するよう厳重に指導し、またわれわれも規制を強化していくという考えでおります。
#53
○森下昭司君 私は、何と申しますか、縦の行政と申し上げては非常に恐縮でありますが、お互いの縦の行政の範囲内で問題をお考えになっているというこのいわゆるきらいがあるのではないだろうかという感じを実は率直に持っているわけであります。
 まあ動力炉等の法律、通称原子炉等規制法なんて申し上げておりますが、まああの中を見ましても、「保全区域」でありますとか「管理区域」でありますとかあるいはその他の区域でありまするとか区域を指定いたしまして、その中でかくかくのことをやっちゃいかぬとか、かくかくのことがあった場合こう処理しなくちゃいかぬとか細かい決めがあるわけであります。このクリーン・ドレイン・サンプにいたしましても、事実上循環水の言うならば一環をなすものでありまするから、当然そのいわゆる施設の関係におきましてそういうむずかしい区域の設定をし、厳重な保全管理が行われておりまするときに、原子炉の関連する機器の一部、そして機構の一部であると言っても私は差し支えないのではないかと思うのであります。そういう点について、四十三年のコンクリートのいわゆる壁の漏水を直すために、秘密裏のうちに内張りを黙ってやる。そして今度は内張りができてもまた報告をしない。ある新聞の報道によりますと、原研は報告する必要がなかったと判断した。一体私は、公益上の必要性あるいはいま申し上げた国民的合意、国民的疑惑という中におきまして、報告をする必要がなかった判断の基準とは一体何だろうかという素朴な疑問を実は持たざるを得ないのであります。したがって、今後の問題について、原子力安全局として言うならば、電気事業法がどうとか何がどうとかというのでなくて、こういう問題についてのまず規制のいわゆる仕方について、法的にどう改めていくのが妥当とお考えになっているのか。また一部で伝えられまするように、発見がおくれましたことは非常に問題になっております。これは地中にあったために四十二年当時も今回も発見がおくれたと言われております。しかし、計器類のメーターは正確についておるのでありまするから、皮相的な見方をすれば、計器類が故障をしておったのか、故障がないとするならば、最初の私がお尋ねをいたしましたように、いわゆる技術員あるいは従業員の技術力というものが非常に低いために起きた事故なのか、総称してそれを人為的ミスと申し上げてもいいのでありますが、そういったことで起きたのではないかというような杞憂もあるわけであります。したがって、この事故を契機にいたしまして、こういった問題について、これは私はひとりいま申し上げたように、電気事業法の対象云々なんという回答があるならば、日本にありまする、いま稼働しておりまする十数幾つの原子力発電機すべてのものを対象に考えていただかなければなりませんが、こういったいわゆる問題の規制、原子力の安全ということと、国民が疑惑を持っているという、こういう環境の中において、どういうような法的な規制をするのが望ましいと思われるのか、また法的規制をしなくても、こういう方向でやっていけばこういった事故を二度と起こさぬように済むことができるのか、その点について見通しの問題をひとつ明らかにしていただきたい。
#54
○政府委員(伊原義徳君) 幾つかの重要な点について御指摘があったかと思いますが、まず一つ、昭和四十二年度当時の漏水について報告の義務がなかったかどうかということでありますが、これは実はいま詳細を調査をさせておるところでございますが、中間的に私どもが日本原子力研究所から当時の様子を聞いたところでは、やはりその当時において法律、規則に基づく報告があるべきであったと私どもは現在考えております。そういう観点からいたしまして、しかしなお、この詳細調査も必要でございますので、原子力研究所に対しまして文書をもって厳重に注意をいたしますとともに、当時の状況について報告を至急出すようにと、こういう指示をいたしております。
 それからいま一つ、科学技術庁が原子炉等規制法に基づいて行っております原子力施設の規制、これと電気事業法との関係でございますが、実はこれは私の答弁、大変不手際でございまして、何か責任逃れのような印象をお与えしたといたしますれば大変申しわけない次第でございまして、そういうことではございませんで、現在の法律の体系が行政の効率化という観点から、設置の許可の段階では原子炉等規制法に基づきまして内閣総理大臣が設置の許可をすると、その後で設計、工事方法の認可なり検査というふうな段階におきまして、これは従来から電気事業法に基づいて非常にスタッフも充実して、発電所という観点からこれを規制しておりまする通商産業省にその部分をお任せするということで、二重の行政という煩瑣を避けるというのが立法の趣旨であったと、そう考えるわけでございまして、決して責任を逃れるというふうなことを考えてはおらないわけでございます。
 なお、この両省庁の規制の間にいささかもずれがないというために、平素から非常に緊密な連絡をとっております。しかしながら、先生御指摘のように、どうも外から見てそこのところが何かおかしいのではないかと、こういう御指摘がある。これはまた事実そういう御指摘もあり得ると思います。そういう観点も含めまして、実は原子力行政の見直しということが内閣総理大臣の諮問を受けまして、原子力行政懇談会というところでいま鋭意御検討いただいておる次第でございます。その「中間とりまとめ」というものを昨年末にはいただいておりますし、本年中ごろには最終的な御答申もいただくということが予定されております。そういう御答申をいただきました段階におきまして、さらに将来の原子力行政の合理的な立て直しと申しますか、再編成、そういったものに努めてまいりたいと、こう考えております。
#55
○森下昭司君 四十二年当時は報告義務があったと、精査をしなければならないが、という前提でありますが、報告義務があるべきだったということでありますので、一応私はその四十二年当時に報告がなかったのは非常に遺憾なことだったと思います。同時に、率直に申し上げますれば、先日、柏原委員長以下私ども、日本原研と動燃を視察に参りました。ところが、原研でいろいろな調査をいたしましたときに、原研の理事長以下おりまして、ここは事故はございませんでした、なんて私どもに大みえを切られたんですよ。いま申し上げたように、これ四十二年の事故、そしてことしの事故、まあ、このことしの事故は私どもが行ってからの事故でありますから、これは仮によいとして五十歩譲るといたしましても、四十二年当時の事故は当然報告義務があったにもかかわらず報告されていなかった。しかも私どもが行った当委員会の理事会で決めた正式な視察に対しましても、理事長以下、事故はなかったんだと言われておる。これは明らかに私は、私どもに対する、権威に対する侮辱だと思うのであります。私は何も処分をしろとは申し上げませんけれども、この問題については、きちっとした私はやはり一つの区切り点を設けていただきたいということを希望しておきます。
 さらに残った時間につきましては、杉山先生から関連質問がございます。
 これで私の質問を終わります。
#56
○杉山善太郎君 関連でありますので、その枠組みの範囲で若干勉強してみたいと思います。
 この原子力開発が心配に終わればいいんでありますけれども、もし結果としてトイレのないマンションというような形になるおそれがあるんじゃないかというふうに私は私なりに心配しておるわけであります。省エネルギーの一環として原子力開発の計画というものがそれなりに進んでおりますが、大体において確認をいたしておきたいと思いますが、いま稼働中のものは十二基であることは間違いありませんね。それから建設中のものは十六基あると思いますが、計画の上では千四百六万キロワットということに承知しておるわけでありますが、しかし、原子力関係の閣僚会議なりあるいは長期計画の中では、六十年六千万キロワットがダウンをして四千九百万キロワットは何が何でもいこうと、そういうようなふうに手はずが進んでおるわけでありますが、これは順調に進んでおられるかどうか、その点をひとつお答えいただきたいんです。
#57
○説明員(高橋宏君) ただいまの日本の原子力開発状況でございますが、先生御指摘のとおり、運転中のものが十二基でございます。これに建設中十二基、さらに建設準備中四基を入れまして二十八基、二千七十九万キロワットが現在の開発状況でございます。この二千万キロ強につきましては六十年度までには運開する見通を得ております。先ほど御指摘のように、四千九百万キロワットという原子力の開発目標を総合エネルギー調査会において立てたわけでございますが、これは先刻御承知のとおり、石油等の問題を踏まえまして、なおかつ、水力、石炭、地熱等のいわゆる国産エネルギーの開発も考慮しました上で、なおかつ、石油の見通しも立てまして、原子力の開発目標ということで立てた数字でございます。私ども、日本の長期のエネルギーの需給の安定の意味から、この四千九百万キロワットというのはかなり高い目標ではございますけれども、達成に努力をいたしております。そういう意味で、残りが二千九百万キロワット今後さらに着工し、完成させていかなければならないわけでございますが、これにつきましては、すでに本年度、来年度の施設計画にかなりの計画地点が出てきております。こういうものも踏まえまして、安全対策、環境対策、さらには電源三法等によります地元の福祉の向上ということもあわせまして、鋭意努力をいたしておるところでございます。
#58
○杉山善太郎君 その関連の中で、核燃料サイクルの中で、いいマンションであってもトイレがなければ、これは目的が遂行されないということになるわけでありますが、東海村の動燃再処理工場は本当に完全にこれが機能しても、年間キャパシティは二百十トンというのが大体能力でありますか――そうですね。
#59
○政府委員(山野正登君) 御指摘のとおりでございます。
#60
○杉山善太郎君 そうしますと、九電力会社の窓口という活用になりますか、いまいろいろと経過の中に、私、途中で来ましたけれども、濃縮・再処理準備会という形で、それなりの計画は進んでおると思いますけれども、いずれにいたしましても、結局どうしてもやはり海外への再処理というものを、今日的には丸腰にやっているわけでありますけれども、この海外への再処理の委託方式というものが一応問題になってきて、相当な計画が進んでおると思いますが、それは順調ですか。
#61
○政府委員(山野正登君) この再処理につきましての需給バランス関係でございますが、現在のところは御承知のとおり、英国並びにフランス等に依頼いたしまして再処理を進めておるのでございます。将来、動燃の現在の再処理工場が稼働を始めましても、将来の第二再処理工場が稼働するまでの間、なおかつ相当なショーテージが予想されますので、これにつきましては、ただいま濃縮・再処理準備会が産業界の窓口になりまして、英国並びにフランス等と商議を進めておる段階でございまして、私どもがただいままで聞いております限りにおきましては、順調に商議は進んでおるというふうに承知いたしております。
#62
○杉山善太郎君 これは直接には、間接とはいろいろ格差がございますけれども、原子力行政懇のキャップをしておられる有沢さんは、原子力産業会議のやはり会長をしておられますね。そういうので、原子力産業会議は、これは六十五年をマークして九千五百万キロワットということを、一応数字が出ておると思いますが、それは私の考え違い、見違いでありますのか、どうでしょうか。
#63
○政府委員(山野正登君) 原産会議におきます検討で出されております数字というのは、六十五年におきまして九千万キロワットというのは、私も記憶で正しい数字だと思いますけれども、これは原産会議の内部におきまして、今後の施策等を検討いたしますためのケーススタディということで進めておる数字であると承知いたしておりますので、これを原産会議の正式な見解であるといった形での外部への説明といったふうなものはなかろうかと思います。
#64
○杉山善太郎君 これで終わりますが、この原産会議も、つくればいい、生み出せばいいという、それだけで、要するに終末処理という問題については行政におんぶして行政まかせだということになっておるわけなんですか、その辺の関係は、私はたとえば原子力行政のあり方について見直しをする、いわゆる有沢機関のしかもキャップであり、この人が、一人の人間がやはり原産会議の会長になっておられるということになると、これは見方によっては、これは答弁は要りませんけれども、そういうような点について今後十分交通整理をしてうまくやっていかないと、ただでさえ私は日本の原子力開発は、私なりの見方をしておりまするけれども、まず何といっても安全第一でなきゃならぬ、環境というもの、それから、これから省エネルギーを位置づけるという方向の中では、やっぱりこの原子力開発の立地というものについても、地域住民なり国民なりの合意という、コンセンサスというものが必要だということは将来に予想されますけれども、現実の問題としてどうしても核燃料サイクルというものについては非常に厳しい科学的な、あるいは研究段階というものが積み上げられていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありますので、その点は十分留意して、別な機会でまた質問いたしますが、関連でありますし、九十分の中で森下君がやられて、これは他に食い込んではなりませんからこれでやめますけれども、もう時間、一分ぐらいありませんか――一分ぐらい。
 これは後でもいいんですけれども、実はいま海洋法会議が開かれて、私、運輸で海洋汚染防止の問題に対して目下取り組み中なんですが、これは実は昭和五十年十二月十八日にアラスカのアンカレジ空港で日航のジャンボ機が暴走して大きく壊れておるんです。この事故があった時点で、この機体の貨物室にアイソトープ――放射性同位元素が二十四ケース、百四十六キログラム積まれておったわけであります。これは実際、パリ空港で積み込まれて、送り先は東京赤坂SGET社である、こういうふうになっているわけで、この事故で放射能漏れはどうであったかどうかということで、これらの問題についての危険物をチェックするという問題について、関係省庁では論議されておるかどうか。こういうようなことの事故は、一体将来も考えられるかどうかということの対策について、いまお答えいただかなくても、一応資料としてお答えいただきたい。
 以上で質問を終わります。
  〔委員長退席、理事源田実君着席〕
#65
○柏原ヤス君 合成洗剤が人体に有害かどうか、こういうことが問題になっております。この問題を早急に解明するために特別研究を実施しておりますが、その概要をお聞かせいただきたいと思います。
#66
○政府委員(大澤弘之君) 合成洗剤の安全性に関しましては、先生御存じのとおりに昭和三十七年ごろに大変合成洗剤の普及が著しくなりましたときに問題になりまして、当時緊急の特別研究ということで、当庁にございます特別研究調整費を支出いたしまして、その結果を報告をいたしたということがございます。その後十年ばかり経過をいたしまして、再び合成洗剤につきまして催奇性の問題を中心にしていろいろと世上、従来の結論に対する問題等が指摘をいたされましたので、昭和四十八年にやはり特別研究促進調整費をもちまして緊急の研究を取り上げたといういきさつがございます。
#67
○柏原ヤス君 今回この洗剤のことについて特別研究が行われました。催奇性に関する研究について、特にその結果が厚生省から発表されておりますが、どのように発表されましたんでしょうか。
#68
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の点でございますが、先ほど科学技術庁の方から御答弁ございましたんですが、一度三十七年に通常の使い方では安全だ、こういう結論いただいておったわけでございますが、その後三上教授の方から食べさしたり、あるいは皮膚に塗ったような場合に奇形のおそれがあるというようなことが関係学会に発表されました。そこでもう一度見直すという意味で奇形性の実験を含めまして、慢性毒性であるとか、発がん作用、補助作用があるかどうかという全面的な見直しを四十八年から取りかかっておったわけです。そして、四十八年に一番使われておりますのは三上先生に御担当していただいたLASという直鎖型の洗剤がございます。これを御担当していただいたわけで、そのほか京都大学、広島大学の先生に別のものをお願いした、その中間報告が四十九年の十二月に私ども持って討議していただいたんですが、そこでLASに奇形性があると、こういうような三上先生からの報告があったわけです。非常に使われておるし、影響も大きいので、諸外国の実験を見てもそういうふうな知見がない、こういうことで専門家、特に名古屋大学の亀山先生も新たに加わってLASについて実験を、協定いたしまして、全く同じ条件でやっていただいた。その結果が今回報告書として私どもの方に提出されたわけでございまして、その結果は大筋において今回の実験ではLASに奇形性は認められなかった。こういう報告書を私どもに提出いただいております。
#69
○柏原ヤス君 私がお聞きしているのは、ことし三月でしたか厚生省が発表なさいましたね、そのときに西村秀雄教授が「LASの催奇性に関する合同研究(班長西村秀雄)報告」という表題で「実験成果についての考察」というのを発表いたしましたでしょう。その報告をお受けになって厚生省がそれを発表なすったんじゃないんですか。
#70
○説明員(宮沢香君) 実はこの実験は先ほども申し上げましたように合同実験でございまして、昨年の五月から一斉に同じ条件でスタートして、そして中間におきまして何回か実験の先生方が集まりましていろいろ討議をしておりまして、そして最終的にまとめましたものについて、実は厚生省のクラブの方で非常に社会的に関心が高いということでレクチュアをしてほしいというような依頼がございました。私どもとしてはそういった奇形について、特に専門的な知識もございませんので、この四人の先生の中で特に班長という形で西村先生がおられましたので、西村先生からレクチュアをしていただいたということで厚生省の発表ではございません。それが三月十八日だったかと思います。
#71
○柏原ヤス君 そのときに厚生省で出された報告は、レクチュアのときに出された報告は西村秀雄教授が班長として報告されたんでしょうけれども、それをお出しになりましたね。それはいかがですか。
#72
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 四先生の実験につきましていろいろと協定した条件に沿って特に奇形の面から動物を解剖して顕微鏡検査などを実施しました成績書が一つ出されております。そうして討議の席でこれを考察するということについて西村先生の方から他の三先生にいろいろな御意見を求めたわけです。そうして三先生にもあらかじめ見ていただいた。そうして何か三上先生だけは全く意見が来なかったと聞いておりますが、ほかの二人の先生からはこのまとめで結構ですと、こういうような了解をいただいたということで西村先生が班長という資格で考察をして報告書として完成された。そのものが厚生省に出されたわけであります。
#73
○柏原ヤス君 そうしますとこの報告ですね、報告というのですか、「実験成果についての考察」これは「その二」となっていますね。いまお話を承りますと、四人の教授がプロジェクトを四つつくって研究された。その中で三人の教授は西村教授が「実験成果についての考察」として出すことについて了解した。いまそうおっしゃいましたね。
#74
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 この実験、私どもはこういった幾つかのその一というのの中にそれぞれの先生方の生のデータが全部記載してございまして、このデータからどういうふうに読み取るかどうかという、つまり奇形性があるのかないのか、問題があるのかないのか、こういうことでまとめを書くことについてその先生方のディスカッションのときに西村先生から各先生に御意見を求めております。そのときに三上先生の方は特に考察しなくともいいじゃないかというような御意見のようでございました。私ども横で聞いておったわけですが、そういう御意見で、あと二人の先生はやはり考察は必要じゃないかということを言っておりました。それで私に意見を求められましてどうしますかと言うので、結局実験というものは生のデータを見て実際専門の先生がこのデータをどういうふうに読むのだというようなことについては、こういう論文のスタイルとしては必ず考察というものがあるのですから、でき得れば考察もしていただいたのを報告書で出していただければ大変ありがたい。こういうふうに申し上げまして、そこで再度西村先生から他の三先生にいかがですかというふうに聞きましたときに、お二人の先生は結構だと、三上先生はそこまで必要ないんじゃないかということを最後まで言っておられましたが、いずれ西村先生がまとめた段階で三先生方に原稿を送って御意見を求めて調節して、私の個人の資格で、班長という立場で考察をさしていただきます、こういうことになっております。
#75
○柏原ヤス君 いまのお話ですと西村教授とあと二人の教授は意見が一致している、もう一人の三上教授は実験の成果についての考察は必要ないんじゃないか、こういうふうに言ったというふうにそちらからお話がございましたけれども その点は少し違うんじゃないかと思うのですね。その必要がないんじゃないか、考察の必要がないんじゃないかと言ったという、それは少しおかしいと私は思うのです。
 その点もう少し申し上げますと、四人の教授の各大学での実験データは三対一のいわゆる問題の催奇性に関する報告ですが、催奇性があるかないかということについて西村先生とあと二人の先生は大体意見が同じだと。問題は三上教授が催奇性の問題を取り上げてLASにはあるのだ、こういうふうに西村先生の実験と三上先生の実験とは対立しているわけでしょう。西村先生がシロだったら、三上先生はクロだと、こういう結果なんじゃないんですか。
#76
○説明員(宮沢香君) 西村先生の名前で提出されました「その二」の考察の部分の三ページの一番上に書いてございますが、私どもは横で聞いておりました限りにおいては「すべての研究室」、つまり四大学でございますが、「において一致して洗剤の妊娠母体における皮膚塗布が、胎児の外表や内部器官(骨格を含む)における奇形を誘発させることはないと認められた。」というふうに大筋において今回の実験でLASには奇形性は認められないと、これは私どもずっと何回かの先生方のディスカッションを通して一致している、こういうふうに私どもは理解しております。
#77
○柏原ヤス君 それではお聞きいたしますが、この西村教授の出した「実験成果についての考察」に対して三上教授は反論を出していますね。ですから、「すべての研究室において一致して洗剤の妊娠母体における皮膚塗布が、」云々と、すべての研究室において一致したということは三上教授からすれば大いに意見を異にしていると、ですからそのレクチュアのときか、また、新聞記者が非常に国民に関心のあるこの催奇性に関する報告の内容、それを新聞記者が厚生省にどうなのかと、この報告に対して厚生省はどうなのかということを要求したわけでしょう。そのときに出されたのがこの報告ですね。その中には、確かに「すべての研究室において一致して」と言っておりますけれども、その中で二人の教授は確かに一致したんですけれども、この三重大学の研究グループは、いわゆる三上教授の研究グループですね。これは西村報告書に対して反論しているわけです。これはやはり厚生省に反論として行っていませんか。
#78
○説明員(宮沢香君) いただいております。
#79
○柏原ヤス君 お読みになっていますね。――そうしたら、「すべての研究室において一致して」というここはちょっとおかしいですね。「すべての研究室において一致して」こういうふうに今回の実験の成果を考察したという、これに対して反論があるわけなんです。だから、すべての研究室で一致してないわけです。むしろ西村教授の考察と三上教授の考察というのは違うんですね。その点はどういうふうにお受け取りになってるんでしょうか。
#80
○説明員(宮沢香君) 先ほども申し上げましたが、少なくとも四先生が集まってスライドで、いろいろ組織のスライドを見ながらお互いに検討し合っております。そして最終的にじゃあまとめるかという、そのときにおいても鯨突起とかいうので三上先生がちょっと異論を唱えられました。しかし、最終的にはこれはやはり伸びていくんだと、奇形とはやはり言うべきではなかろうじゃないか、こういうような議論がなされて、西村先生が十分念を押されて、そして大筋において奇形というものは認められなかったと、この実験のこのLASに限っては大筋において認められなかったと、こういうことにおいて四先生方が最終的には一致されたというふうに私はそばにおりまして理解しております。
#81
○柏原ヤス君 まあ課長さんと私と押し問答していてもしようがないですけれども、もし一致していたならばこういう西村教授の考察に対する報告書に反論を出すわけもないと思うのですよ。そうして三上教授は、新たに、別に三重大学の研究グループとして意見を出していますでしょう。その点はどういうふうに――これもお読みになっていますんでしょうね。
#82
○説明員(宮沢香君) 三上先生からその後送付されました反論について、私、確かに読みました。そして、どうしてこういうようなのを出されたのか、私はいまだに理解ができなくて困っております。
#83
○柏原ヤス君 研究をしなさいと、そういうふうに命令をしておいて、そうしてまたそれについて真剣な実験がされて、そうしてこのように一つの権威ある報告として出てきているわけですよね。そうしてここに選ばれた四人の教授という方は、合成洗剤について、その毒性ということについては非常に権威のある発表もいままでなさっておりますし、研究されている方ですよね。そして、今度、催奇性というものがあるという意見とないという意見が、この研究をする前にもあったわけでしょう。そして、しかも国民の関心は、催奇性がある、合成洗剤の毒性というものは奇型児を産むようなそういう影響があるんだという三上教授の研究発表に特に関心を持っているわけですね。その真偽というものをはっきりしてもらいたいというそういう一般の声にこたえてその催奇性の問題についての合同研究が行われたわけですね。それも一緒にやったんじゃなくて、各大学で、四グループでそれぞれやったわけでしょう。そうして、同じような結果が出ればそれはよかったかもしれませんけれども、また催奇性の問題についてはシロとクロという意見ができたわけじゃないですか。そうして、なぜ催奇性をありとするか、催奇性がないとするかというのは、ある問題点に対する考察の違いなんですね。そうして、これは国民も、一体どうなんだろうと、ますますこの合成洗剤に対する疑惑というものは深まってきているわけですよ。それに対して、課長さんのあなたが、どうしてこんなに、こっちはあると言うし、こっちはないと言う、私は何だかさっぱりわかりませんなんて、そういうことを言うようじゃ、一体、厚生省は何のためにこういう研究をさせているのかと、国民が合成洗剤の毒性というものに対して非常に恐怖を持っている。本当にそういう恐しいものならば、権威ある厚生省からこの製造を禁止してもらいたい。それともそういう心配がないというならば、また安心してこういうものは使っていきたい、こう思っているわけでしょう。それに対して、こういう二つの意見が出るということは私はさっぱりわかんない。そんなことを言うあなたの心の奥底に、国民のこうした疑惑というか、声に対して何かしなきゃ厚生省の顔が立たないから研究さしてみようか。まあこれは科学技術庁の問題でもあるわけです。厚生省がそういう点でただのポーズであった。そしてこういう研究が出たにもかかわらず、どうしてこんな結果が出るんだろうなんて言っているような厚生省に対して、科学技術庁としては、それこそそういうことを研究するところなんですから、それに対してはきちっとしたまた意見も、科学技術庁としても私は出すべきだと思います。課長さん、どうなんですか。それから長官がいらっしゃいませんけれども、政務次官にも、そんな態度で、この二つに分かれている問題に臨んでいるようじゃ、ますます国民は疑惑するだけじゃないか、迷うだけじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。
#84
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 ただいまの先生の御指摘の点ですが、大事なことですのではっきりお答えしておきますが、今回の合同実験の報告書を見る限りでは、厚生省としてはこのLASについて奇形性はない、こういうふうに私は理解をしております。
 それからもう一つもっとはっきりさせるべきだ、こういうような点、全く先生のおっしゃるとおりでございます。ただこういうえさとかあるいは動物の系統だとかその他飼育管理条件とかいろいろによってともすれば、あるものについてはこういう結果が出るし、あるものはこれという、こう食い違う結果が出ることが間々あるということで、アメリカでかつて着色料について同じようなことがあって、そして合同実験をやった。そしてその結果がこうだったというふうにやった。これが世界で最初の合同実験だそうですが、その次にこの合成洗剤について、恐らく合同実験という名前ではわが国ではこれが初めてだし、世界でも非常にまれなケースだというふうにおっしゃっておりまして、そしてその結果、複数複数でシロクロが出た場合には、これは非常にまたさらに突っ込んだ拡大した実験が必要だというようなことをおっしゃっておりましたですが、それが複数対単数というようなときには、しかもその棘突起という、恐らく正常に将来なっていくじゃないか、こういうような考え方から見る限りは、この者には奇形はないという解釈をするのが妥当ではなかろうかというのが西村教授の班長としての御見解でございました。
#85
○政府委員(大澤弘之君) 私ども先生御存じのように科学技術庁は生物の分野から鉱工業の理工系の分野まで広く研究ということにつきまして所掌しておるわけでございますけれども、立場は各省庁が行います試験研究の総合調整をしていくということがまず第一の立場でございまして、このただいま問題になっております合成洗剤についての安全性の研究につきましては、そもそもは安全性ということでございますので、先生最初にお話がございましたように国民の生活ということにとって大変大事な問題でございまして、これがもしもぐあいが悪ければ使用についてのいろんな措置をしていかなきゃならないということにつながっていくような問題でございます。こういう種類の問題につきましては、当然のことでございますけれども、それぞれのその行政を所掌いたしておりますところの官庁がその試験研究も行っていくというのが現在の体制になっておるわけでございまして、合成洗剤につきましては御承知のように食品衛生法ということで必要な措置を出せるような法律の体系になっております。それを所管しております厚生省におきましてこの試験研究をやっていくということが役所側の筋立てになっております。したがいまして、この問題が大きく取り上げられました二回の時点にわたりまして 緊急を要するということで科学技術庁が持っておりますところの特別研究促進調整費というのを厚生省に移しかえまして、それでそこでやっていただいた。こういうことでございまして、私どもそれをその費用を所掌しております官庁といたしましては、厚生省が専門家を集められましてやっておりますことについての結論に従ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#86
○柏原ヤス君 科学技術庁もお金さえ出せばいいというんじゃなくて、莫大なお金を出しているんですから、一体結果はどうなっているのか。厚生省としてはこの意見がそういうふうに毒性がある、ないという意見が対立すれば、うっかりしたことが言えないから、まあよくわかりませんなんて逃げているかもしれませんけれども、科学技術庁としたらお金も出し、またそういう厚生省で困っている問題だったら、やっぱりもう一段高い立場から、お金も出しているところなんですから、もっと積極的にそれに対してもう一歩こういう研究をさらにやりなさいとか、こういう方法でその意見が対立しているということは、真実の面が究明されてないわけですから、究明するようにやるということがぜひ必要じゃないかと申し上げているわけです。これは私が申し上げるまでもなく、科学技術庁としたってそういうふうにやれれば、非常に意義のあるところとなると思うんですよね。ここまた議論している必要もありませんので、私はお願いしたいわけですよね。
 それから課長さんにちょっともう少しはっきりしたいんですが、この合成洗剤の毒性というものに対しては心配ないというお考えですか。
#87
○説明員(宮沢香君) お答え申し上げます。
 私どもがいままでに得られた世界各国でもやっております、日本でもやっております、そういう現在までのデータを見る限りにおいては、慢性的な毒性あるいは発がん作用であるとか、奇形作用であるとか、そういうような問題については問題なかろう。こういうふうに理解しております。ただ 手が荒れるとか、こういうような特殊な障害がございます。これにつきましては、通産省とも十分連絡をとりながら、荒れ症の人であるとかいう人は使い方を気をつけなさいとかいうようなことでもって指導をしているわけでございまして、完全に安全であるというふうには理解しておりませんが、いままでのところでは生物学的に発がんであるとか奇形性があるとか、体内に蓄積していくとか、そういうような心配はないというふうに理解しております。
#88
○柏原ヤス君 心配ないと言うんだったら、何にもこういう研究しなくたっていいわけじゃないですか。それに対して奇形性というものに疑問があるからこそ、特にこの研究の班を何班かにつくりましたね、そうでしょう。そうしてこの西村教授を中心にして権威ある四人の教授、各大学で研究したのは、その特にポイントがはっきりしているわけじゃない。催奇性という問題について研究してください。こういうふうに言っているんじゃない。心配ないと言うんだったら、何も研究しなさいなんて言わないで、心配ないと言えばいいわけでしょう。ところが心配ないというふうにしていままできたわけですよね、何も厚生省がただ心配ないと漠然として言っているんじゃなくて、いま課長さんがおっしゃるように、いろいろなそういう心配ないという発表をしている研究を裏づけにして心配ないということをいままでおっしゃっているわけです。だからこそまたこの四グループの研究の中で心配ないという方の、いわゆる安全だという、シロだと言っている西村教授の方の考察に味方しているというか、そっちを取り上げようとしているんじゃないですか。それからこの西村教授の考察は班長としてと言いましたけれども、西村教授は最初から班長です。だけども、この内容は西村教授は班長ですよ、だから西村教授がこういうふうに書けば班長の考察だ、こういうふうになりますけれども、この内容は班の統一見解の内容じゃありませんね。これはまた繰り返しになりますけれども、私はこれは確かに西村班長が出した考察だけれども、この内容は四人の教授の一致した意見じゃない、考察じゃない。どこまでも私はそれを主張してまいります。それには裏づけがあるんですもの。三上教授の厚生省に出した見解があるんです、別に。それから西村教授に対してこの考察に対する反論をしているんです。そして結論は催奇性があると、こういうふうに言っているんですよね。
 そこで課長さんにお聞きしたい。この西村教授が考察した見解は、統一見解として、四人の教授が研究したものに対する考察を統一した見解であると、こういうふうにおとりになるんですか。
#89
○説明員(宮沢香君) 最終的の取りまとめの段階になりまして大筋において奇形性はないということで四先生の御意見は一致しておられたわけです。ただ考察を書くか書かないかについてはいま先生がおっしゃいましたように、三上先生はそんなものは書く必要ないんじゃなかろうかというようなことで大変難色を示しておりました。したがいまして、西村先生の個人という形で、教授という資格でこれをまとめられたということでございまして、いま先生御指摘の統一した見解かと、こういうふうに私どもにお尋ねになると、私は残念ながら大筋においては奇形性はないという一致はあるけれども、必ずしも統一したというようなものではないというふうに思っております。
#90
○柏原ヤス君 統一見解じゃないということですね。
#91
○説明員(宮沢香君) 大筋においては奇形性はないということで一致はしております。ただ、三上先生が書く必要ないじゃないかというような異論を申し、そして西村先生がまとめる前に当たって、原稿の段階で各先生のところに送って意見を求めております。そのときに名古屋の亀山先生と広島大学の澤野先生はこれは大変結構な、私はこれに賛成です、よくまとめてありますというようなお返事をすぐくださったそうです。三上先生の方は幾ら待ってもそういう連絡がなかったと、こういうふうに聞いております。
#92
○柏原ヤス君 書く必要がないと言ったとか言わないとかここで言ってても水かけ論ですよね。それから返事がなかったとかいうことをおっしゃってますけれども、三上教授は正式に厚生省に西村教授と違った見解を出しているんですよ、これは正式ですよ。厚生省のお手元にちゃんと届いているでしょう。それから西村教授に対して書く必要ないなんという、そんなこちょこちょと言ったんじゃなくて、西村教授の考察に対する反論というものをちゃんと出しているわけ。私はこういう正式な見解とか反論とかいうものを根拠にして考えていかなきゃならないと思うんですよね。それでこうした三上教授の出している、しかも厚生省にお届けしている反論とか見解はお認めになるんですか、お認めにならぬのですか。
#93
○説明員(宮沢香君) 繰り返しになりますが、とにかく実験を始めてから二回、三回と、実験の途中でスライド等を持ち寄って意見を交換しております。というのは西村先生が、最初から奇形性があるということを指摘された三上先生も入っておられますので最終的に何とか報告書の形で一本にまとめて、余りトラブルも起こらないようにしたい、こういう配慮もあったと思うんです。そして最終的に見解をまとめるに当たって、大筋においてこの実験でLASには奇形性はないと、こういう一致をしておるというふうに私どもは理解をしております。
#94
○柏原ヤス君 この三上教授の出している反論とか見解というものは厚生省はお認めにならないんですかと聞いている。認めるとか認めないとか、検討してみるとか、この三上教授の反論と意見に対して簡単にお答えをしていただきたいんです。
#95
○説明員(宮沢香君) お答え申します。三上教授が後からそういう反論を送ってきましたときに、私はなぜこういう反論を送ってきたのか非常に理解に苦しんでおる、こういうことを先ほども申し上げました。
#96
○柏原ヤス君 理解に苦しむならば、三上教授を呼んでよくお聞きなってもいいんじゃないですか、ただ苦しんでないで。これは大事な問題なんでしょう。個人的な問題じゃありませんよ。国民がみんな使っている合成洗剤に毒性ありということ、奇形児が生まれるということの意見を述べているんじゃないですか。しかもこの三上教授は単独に出しているかもしれませんけれども、この研究グループの権威ある研究者の一人として指名されているんですもの。まとめた意見は聞くと、個人の意見は聞かないと、何でこんなものを出したんだ、苦しんでいるなんて言うんじゃ、一体まじめな研究をしますか。お調子を合わせた研究はするかもしれませんけれども、果たして毒性はないという研究が最も進んだ研究か、毒性があるといってきちっとしたデータを出している研究の方が一歩進んでいるかもしれませんよ。それをただ苦しんでいるなんていう、そんなことで扱っていいものかと私は思いますね。これはまたこの次、いろいろとお話も進めていきたいと思うので、次に問題を進めてまいります。
 そこで、この四人の教授たちに合成洗剤が人体に有害かどうかというこの長い間の論争と国民の疑問を明らかにする目的で行われたわけですね、研究が。ところが、実験は主成分の純LASの実験が行われておりますね。なぜ合成洗剤で実験しなかったのか。合成洗剤の毒性を調べたいというのに対して純LASを使ったということは私納得いかないんです。この点はどうなんでしょうか。
#97
○説明員(宮沢香君) 先ほども申し上げましたように、この実験を開始するに当たっていろいろの実験条件を四先生があらかじめ集まって、特に三上先生が奇形が出るというふうに指摘されたその実験条件になるべく近い線で合わせて、もちろん材料はどういうものを使うかとか、そしてそれはどういうふうにチェックするかとか、非常に細かな協定を行って、そのときでは純品でいきましょうと、こういうような意見としてまとまって純品でスタートしたわけでございます。
#98
○柏原ヤス君 その事実はそうでしょうと思います。認めますけれども、課長さんに私はお聞きしたいのですね。合成洗剤の有毒性というものを研究する目的を掲げているわけで、それに対して純LASを使ったということは課長さんは納得いきますか、それ。それは当然だろうなんと、こういうふうにお認めになるんですか。課長さん個人の関係です。そういうことになったということはその学者の方たちのことでしょうけど、どうなんですか。
#99
○説明員(宮沢香君) 過去におきまして、もちろんわが国もそうですが、市販の洗剤で奇形性の実験をやって……
#100
○柏原ヤス君 過去の話やなんかはいいんですよ。
#101
○説明員(宮沢香君) 奇形性は認めていないというような幾つかの実験がございます。そして特に一体何が犯人なんだというようにねらいをつけるときには純品を取り上げるのが大体いままでの実験のやり方だと私は理解しております。
#102
○柏原ヤス君 納得なさるわけですね。合成洗剤の有毒性を調べる研究にLASを使うということが、それは当然だと、こういうふうにお認めになるわけですね。
#103
○説明員(宮沢香君) 合成洗剤の主成分はLASでございます。したがいまして、主成分そのものがもし影響があるとすれば、一番濃度が多く入っておるわけですから、そのものについて本当にあるのかないのか調べる。これは従来からの実験ではほとんどそういうようなケースでございますので、私はそのものについて、LASというものに本当に奇形性があるのかないのか調べる以上は純品を用いたということは妥当ではないかと、私は個人的にはそう考えております。
#104
○柏原ヤス君 じゃ、まだるっこしい言い方をなさっているけれども、認めているというわけでしょう。
 そこでそれじゃ、お聞きいたしますが、今度の実験は純LASの実験の結果ですね。その結果をそのまま合成洗剤にイコールさせるんですか。純LASの実験はイコール合成洗剤の実験であるというふうにイコールできるか。と言うのは、これはもう課長さんに申し上げるまでもなく、合成洗剤は純LASと成分が違うんですね。主成分ではありますけれども、合成洗剤というものはそのほかに助剤というのがいろいろ入っているでしょう。したがって、その複合作用、複合汚染というものが非常に恐しいということが言われているのです。だから、合成洗剤の毒性というものは複合作用も純LASとは違った作用があるのではないかということは考えられるんじゃないでしょうか。いかがですか。
#105
○説明員(宮沢香君) 私は、こういったことについて全く知識がないわけでございまして、とにかく合成洗剤の奇形性が問題になっておるというときに、奇形の専門家である四先生がどういう実験方法でこの奇形性があるとかないとかということを判断すべきかどうかということで、実験方法をいろいろと討議されて、そしてスタートしたのが今回の純品のLASでいって、それで確認して一応安全性を見てみようと、こういうような結論になったわけでございまして、私はこのものがそのまま助剤の入った洗剤とイコールになるかどうかということについては、私は残念ながらそういうことはわかりません。ただ、奇形の先生方が純品でやってチェックをしてみよう。こういうことでございますので、この結果を見て、合成洗剤についても一応ある程度物は言えるというふうな結果じゃなかろうか。こういうふうに私は考えております。
#106
○柏原ヤス君 時間がなくなりましたので、次へ進みますが、この催奇性の問題に直接関係はないデータですけれども、この四人の教授の実験したデータの中で、A群、二〇%のLAS溶剤を塗った妊娠ラットの体重がこの四つの大学の全部のデータでこの点だけは同じように極端に低い体重となっておりますね、これね。これは西村教授ですら母体への毒性を呈するものであると報告しておりますね。人体に有害であるというデータと思いますが、いかがでしょうか。
#107
○説明員(宮沢香君) ただいま先生の御指摘の点は、最高濃度つまり二〇%のLASを含有した物を背中のところに塗っておるわけでございまして、人間にこれを外挿しますと、両腕に二〇%というLASをたっぷり塗った、それに当たるくらいの非常に過酷な量だそうでございます。それで、この実験の結果、そういうふうに濃く塗られた動物等はえさもよく食わないというようなことで、いわゆるこういった物理的な過酷な条件に置かれた、それがこの体重減少につながったのではないかというふうに西村先生は申しておられました。
#108
○柏原ヤス君 薄くても有毒は有毒ですよね。それはお認めになるでしょう。
#109
○説明員(宮沢香君) 一般に化学物質の、特に私どもやっております食品添加物なんかもそうなんですが、最大耐量と申しましてどこまで――一生涯生きるライフスパーン、一生涯生きて、そして、しかもなおかつここまで食えるという最大耐量実験というのがございます。それは、大体体重が一割減少する程度だったら一生涯生きるそうです、寿命が縮まらないと聞いておりますが。結局、量を多くしていくとそのものの物理的な障害が出てきてむしろ体重が落ちていく、それが最大耐量、一割以内だったら最大耐量とこういうふうに学者は言っておりまして、それ以下の量でその実験をして、どこのところでもって全く作用がない、つまり安全である、最大安全量というものを求める、こういう実験をやっておりまして、この体重の減少というのが一つのメルクマールになっております。
#110
○柏原ヤス君 それではもう一つ。合成洗剤については催奇性の問題よりも、さらに重大な問題が発見されたんですね。これは、洗剤によってラットの胎児末梢血に多数の白血病細胞が出現した。この合成洗剤の毒性というものは白血病になるということを裏づけるような研究が、この三上教授がスライドを用いて報告している。催奇性の問題も非常に大事な問題ですけれども、それよりもさらに重大な問題はこの白血病の問題ですね。この白血病というのはがんですよ、非常に最近ふえておる。特に子供の白血病というのがふえてきておる。その治療法は全くないと、こう言われております。この研究に対して、私は非常に重大な問題である。これもやはり一つの問題として究明すべきじゃないか、こういうふうに提案するんですけれどもいかがでしょうか。
#111
○説明員(宮沢香君) 確かに奇形のグループの実験とこれはちょっと違った分野になりまして、三上先生確かにそれをスライドを映されましたが、ほかの先生方の皆さん奇形学者でございまして、がんの方はわからないということで全く議論なかったのですが、ただ、それを見ましたときに皮下注射をして、その結果白血病になっているというようなことで、私どもが早速いままでの実験、塗ったり食わせたりしたようないろいろのものを見ても、白血病というようなものは見ておりませんので、これについては皮下注射というような条件もございますので、目下のところは特に問題として取り上げる考えは持っておりません。
#112
○柏原ヤス君 これはぜひ取り上げていただきたいと思います。特に、政務次官もここに立ち会っていただいておりますが、この合成洗剤に関する特別研究の総合的な推進というものをぜひ図っていただきたい。長官の御意見を政務次官かわって承りたいと思います。
#113
○政府委員(小沢一郎君) ただいま先生いろいろ御指摘、お話しいただきました合成洗剤の問題もちろんでございますが、私どもといたしましても、ただ単に金を出して実験してもらえばいいというようなことではなくて、本当にいわゆる何といいますか、文明の進歩がいろいろわれわれに利便をもたらしてくれるわけですが、それに伴っていろんなわれわれの日常健康等に対しましてもいろんな問題が起きてくる。そういうことを科学技術庁としても、やっぱり積極的に解決していく任務があると思います。したがいまして、先生御指摘のように、今後も私どもといたしましても、真剣にこの問題についても対処してまいりたいと思います。
#114
○柏原ヤス君 大変くどいようですけれども、この合成洗剤の安全性の問題、これを究明するというために行われた実験ですけれども、非常にあいまいだ。このままの形で、このままの状態にしておいては非常にまずいのじゃないか。その証拠に、消費者団体も、この政府のやり方に不信を感じて運動を起こしております。また、多数の主婦は、灰色の高官ではありませんけれども、灰色の結果ますます疑問が深くなるばかりでございます。特に、この問題は人の命にかかわる重大な問題でございますので、積極的な対策を具体的にどういうふうになさろうとするのか、ここでもう少し具体的なことをお聞かせいただければと思いますが。
#115
○政府委員(大澤弘之君) 先生御指摘のように、大変いろんな問題があると思いますので、私ども、これを研究いたしました厚生省ともよく相談をいたしたいというふうに考えております。
#116
○柏原ヤス君 もう少し時間がございますので、今度は問題を変えまして、食糧を栄養的に考える場合の重要な基礎となる日本食品標準成分表というのがございますね。これについてお伺いいたしますが、現在使われている成分表は昭和三十八年につくられたものなんです。すでにつくられてから十二年もたっている。この間に食品の方は非常に変化してきております。たとえば、生鮮食品の新品種の増加、魚で言うとメルルーサとか赤魚というような、遠洋魚というんですか、肉でもオーストラリア産の輸入肉、野菜では洋野菜のチコリとか緑色カリフラワー、果物で言えばリンゴも非常に新品種が出ているわけです。加工食品、乾燥食品、インスタント食品、あるいは調理済みの食品、ちょっと温めればすぐ食べられるライスカレーなど、冷凍のハンバーグ、シューマイ、コロッケなんていうものも半製品でずいぶんできておりますね。この食品について、五十年度から食品成分表の見直しに着手しているということなんですけれども、新しい成分表ができるのは五、六年先だというようなお話でございます。これも非常に大変な仕事であると思いますし、予算もそんなにとってないように思いますけれども、できるだけ早くしていただきたい。それから全部が一遍に発表するところまでできなければ、分析の見直しの終わったものから部分的に公表していくというような方法も検討していただけないものか。また、新しい食品で他の食品が目安にならないものなどもございますが、それは優先するといった方法で、進め方をきめ細かく段階的にやっていただけないものか、こういうふうにお願いを申し上げるわけなんですけれども、その点についていかがでしょうか。
#117
○政府委員(安尾俊君) ただいま先生が御指摘のございましたように、私どももこの日本食品標準成分表というのは非常に重要なデータでございますので、できるだけ早く完成をさせたい、こう考えておる次第でございます。しかしながら先生も御承知と思いますが、資源調査会からの勧告にございますように、新しい食品等も入れ、しかも従来の成分表だけでなくて、今後栄養学的、あるいは医学的に必要な特殊成分についても入れると、さらには加工食品あるいはその原材料についての品質についても入れると、こういうふうなことでございまして、三十八年に出ました食品成分表は、品目といたしまして八百七十八品目でございますが、今度出しますものは一応千三百食品を予定いたしておりまして、しかもただいま申しましたように、いろいろな必要な成分を調べる、こういうことでございますので、どうしてもこの検討に時間を要するわけでございます。しかしながら、いま先生の御指摘のように、私どもも調査が終わりまして出せる段階でできるだけ速やかに逐次報告をしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  〔理事源田実君退席、委員長着席〕
#118
○小巻敏雄君 私はまず、「むつ」についてお伺いをしようと思っておったんですが、大臣が急病になられて、またまた政務次官がちょうどこの二月に佐世保の方に特使として御出張になったようないきさつもあり、おられるところでやろうと思いますので、まず原発と温排水の関係について取り上げて御質問したいと思います。
 一月三十日に衆議院の予算委員会で、わが党の不破書記局長が原発と安全体制について指摘をしておるところでありますけれども、四千九百万キロワットという発電が完了した段階で、それぞれの発電所から排出をされる温排水の影響が周辺海域にどういうふうな影響をもたらすのか。こういう問題については海洋学の方で造詣の深い東京教育大の三宅泰雄さんも、こういう状況については自分としても想像もつかないというふうに言われておりますし、まだまだこういう問題の解明はこれからということになると思います。それらの問題について、原発を設置する際にどのような審査が行われるのかというような点も、私どもの承知するところでは、あれどもなきがごとしというのか、そういう印象を強くするわけであります。たまたま私は日本海の海岸で育っておりますから、ああいうみさきが入り江を抱いて透明な水のあるところに原発があって――幸い私は京都府の生まれですからまだ一つもありませんけれども、兵庫の方へ行けば浜坂と、それから福井の方へ行けば原発銀座通りというふうになっておるわけです。先般、島根の原発を訪れるような機会があったわけですけれども、ここでもまた周辺の海域、ここにうるみ現象というような現象が出てきて、漁民が漁獲量が減ると申しますか、非常に漁獲がやりにくくなっておるというようなことを取り上げて、そうして県の農水部がうるみ現象調査というようなものに乗り出しているのが去年のことである。こういう状況がございます。島根原発が四十六万キロワットを運転開始したのは四十九年の三月二十九日になっておりますが、もうその四十九年、運転を開始する前後からすでに取水口、排大口周辺では透視がはなはだ悪くなって漁業の操業に不便が出てきておるというような報告があり、二月二十七日から六月二十七日まで島根県の水産試験場の鹿島分場というところで予備調査を七回やっておる。そうして鹿島町と御津の漁業協同組合という地元の方から県の農水部に申し出があって、県でも同年の八月の末から十二月の半ばまで七回にわたって調査をしておるわけでありますけれども、ここではまああらかじめ言われておる状況を超えてさまざまな現象が出てきておるわけです。具体的にはあの島根の現場の状況で見れば、あすこの漁法はアワビだけとかあるいはサザエ初め天馬船の上に乗ってガラスを張った箱からのぞいて、そしてやすで突いてとるわけですけれども、ちょうど陸上のかげろうのような現象が海の中へやってくると、透視度が悪くなるということで非常にやりにくいというわけですね。こういったふうなことがそれぞれの水産試験場なりあるいは東海大の先生の御指導も受けながらやった県の調査の中でしさいに裏づけられておるわけですね。その影響の及ぶ範囲内も、言われておるところの範囲よりもやっぱり広いですね。それから取水口のすぐそばのところで起こっておる状況は非常に程度も濃厚であって、かなり熟練した者でも仕事ができないというような状況になっております。これらの問題について温排水の規制とあるいはこの持っておる性格と今後の問題、ひとつ関係の方からお答えを願いたいと思うんです。
#119
○説明員(島田隆志君) いま先生の御指摘のございましたように、温排水の環境問題につきましては適正な全国一律基準をつくるべきだという要請もございます。環境庁としましても、こういう重要性にかんがみまして温排水の排水基準をつくるということで前提にしましていろいろな諸調査、研究を進めている段階でございます。一方、中央公害対策審議会の水質部会におきまして温排水規制に関する検討をお願いしたわけでございます。昨年の十二月に中間報告もいただいたわけでございますが、温排水の全国一律な基準を設定するということにつきましてはいままで相当知見も得られたわけでございますけど、温排水の排出に伴う地先水域の生物層がどう変化するのか、あるいは温排水の拡散がどうなるのか、まだ十分解明されてない問題が非常に多いんで今後さらに研究調査を重ねるべきだというような御指示をいただいております。今後もこの中間報告にのっとりましていろいろな調査研究を進めていきたいと思います。しかしながら、仮に全国的な一律基準ができないとしましても、個々の原子力発電所でとってみますと、その地先の海象の状況だとかあるいはそこに置存しております水産物、魚類等の置存状況あるいは発電所をつくることによります温排水の拡散の範囲というようなものは把握できますので、個別具体的にはそういう環境条件に十分対応できるように対処することも十分可能だと考えておりますので、今後とも個別具体的な環境の影響の評価を必ず実施させまして十分対処できるように環境保全に悪影響のないように進めてまいりたいという環境庁の立場でございます。
#120
○小巻敏雄君 いまからこの基準を考えていこうと言われておるわけですが、その間にどんどんと立地が求められて、電調審の方で精力的に審査があって建設は進んでいくということになるわけですね。昨年私は当時の局長にお尋ねをすると、ああ審査はどんどんやれますと、いまの体制でそれだけの年間に場合によったら十件も審査しなければならぬような状況もちますかと言ったら、どんどんやれますというようなことで進んでいくのと、いまようやく基本法あるいは水質汚濁法というようなものの中で、基準を欠いた既成の体制の中から基準を模索されておるという状況の中で、建設の方が急テンポで進むということになればバランスが合わぬのじゃないかと思うんです。現状では実際どういう目安で現在それでは環境審査をし、それにあわせて認可をされてやられておるわけなんですか。これはみんな発電事業の側の任意でやられているのですかどうなんですか、そこは。
#121
○説明員(伊藤栄一君) 通産省といたしましては、環境審査におきます温排水の環境に与える影響評価としまして、当該地点の設備に係ります具体的な計画、それから海象状況、漁業実態調査、そういったような諸データに基づきまして温排水影響の低減対策、それからその拡散予測結果、海棲生物に与える影響、発電所運転開始前後における水質変化、生物層変化、そういったものを把握するためのモニタリング計画、そういった各項目につきましてその妥当性を確認いたしまして、そしてさらにこのような評価に加えまして温排水に関して深層取水、拡散希釈等影響の低減措置を実行可能な限り講じるように電気事業者に対して指導を行っております。
#122
○小巻敏雄君 具体的にそれじゃ発電所に対して現状ではうまくないからどう是正しろとか、あるいは何がしかの問題について是正をさせるなり具体的に指導をするのは、どういうことをやってこられておるわけですか。
#123
○説明員(伊藤栄一君) 私どもの環境審査は四十八年以来進めておりますが、一、二の例を申し上げますと、従来アメリカで開発されたそういう蒸気タービン、通常の場合温度差が八度とか十度とかそういう高い場合がありますが、これを極力下げまして平均七度C程度の温度差に下げさしておる。それから地先の海域が重要な漁場である場合は、その拡散、放水方向、放水の位置を変えさせる、そういったような指導をしております。
#124
○小巻敏雄君 アメリカの場合にはやっぱり出発も早いというのか、日本に比べれば格段に進んだ状況にあって、少なくとも八度だとか十度だとかそんな高いレベルでこの線は引いていない。私も部分的に聞くわけですけれども、アメリカですでに河川について出ているものであれば三度未満とか二度未満ぐらいのところで、湖沼で二度未満とか川で三度未満ぐらいのところでこれは規制をされておって、しかもそれを厳格に保つために、その点が維持できないということになれば水をさますための池を設けることを義務づけるとか、あるいは噴水で冷却をさして、そして確実に温度を下げて、そしてこの排水をするというふうなことは行われておる。しかもそれができるまでの間にかなりの被害も出しておる、この状況がつくり上げられるまでには、そういうような報告もあるわけです。ぼくも全く知らなかったことですけれども、魚というものは非常に温度に敏感なものであって、摂氏三十度にもなれば調節能力を失ってしまって、大体死ぬとか、それから海水の温度によって、泳いでいく過程でも、百分の一度ぐらいの単位でこれを感じ取って、そして生活をしておるというようなことも聞くわけですね。まあこういう状況の中で、十度とか八度とかいうような温度が一体何を意味するのか、ほとんどやっぱり無に等しいのではないか。実際原発に行ってみれば、いわばせいぜいため池を設けて温排水で魚などを飼いまして、安全だから魚が生きるんじゃなくて、そこに適当な魚を入れて、魚が生きておるから安全だというふうに逆に説明をしようというような状態になっている。この点については、一つはこの水温の問題でしょうし、集中をして一カ所に五基十基と基地がつくられて、そこのところで五百万キロワット、一千万キロワットというような発電がなされる場合には、総量の問題がこれは出てくるのではないか。実際地上で排出する化学的な毒物の場合でも、次第に、公害規制というのは、初めは希釈して拡散をするようなことでやっておったのが、発生源で総量を規制をするというような方向にいかなければ規制できないわけです。この点が、大型の開発の総合プランに対して開発の方だけ進んでおって、その点のあたりについては非常に立ちおくれた状況にあるではないかというふうに思うわけですが、この総量とかあるいは温度の目安とか、こういうものについてはどうなんですか。
#125
○説明員(島田隆志君) いま先生の御指摘ございましたように、先ほど申し上げました中央公害対策審議会の中間的な報告でも、今後の方向としましては、温排水の放熱量が地元水域の自然環境の許容する枠におさまるように定めていくという方向にやはりアプローチしていくべきだという方向は示されております。そのためにはいろんな生物への影響だとかそういうものをもっと研究開発を重ね、まあ将来の方向としては、そういうことをやはり目指すべきだという御指摘は受けておりますので、その方向の検討は今後とも進めてまいりたいと思っております。
#126
○小巻敏雄君 これらの問題は、住民もしくは漁民の側から言えば、すべて事が始まってから対面をすることになる。あらかじめそれらの問題が住民にも開かれて、そして初めからこの調査の段階から問題点が解明をされ、明らかにして出されるということが、少なくともいままでにはとられてこなかったわけであります。
 特に島根についてお伺いをするわけですが、島根のこの認可に当たっては、環境審査が行われた際、この中で排水問題はどのように検討されて、そしてどういう結論を出されておるわけですか。まあ現在では十度でやっておるようですね。
#127
○説明員(伊藤栄一君) 島根原子力発電所一号機の設置許可は四十四年の十一月に行いました。当時まだいわゆるうるみ現象の問題は提起されておりませんで、このために特にうるみ現象についての検討はいたしておりませんが、復水器を通過します冷却水の一般問題としまして、その審査を行っております。
#128
○小巻敏雄君 ぼくもこの電調審の中で審査が行われるというのがどういうふうに行われるものか、このごろに至って幾つかの資料も読んでみるんですけれども、ここに「福島第二原発・環境に関する調査資料」というのがあって、東電から調査資料が出されて、通産省資源エネルギー庁で、四十八年七月に出されたものを四十九年三月これを通過さしているわけですね。「報告書」になっているわけです。「調査資料」が「報告書」になるんですが、読んでみると、全くこれ、出てきたものがそのまま通っているわけですね。少し手直しがされておりますけれども、直されている部分はただ二カ所なんですね。原文の方に「すなわち、」とあったのが削除されておるところと「予定である。」というのが「こととしている。」となるだけで、あとは全部同文なんですね。こういう審査をやっているのであれば、どっちが審査報告書なのか、あるいはどっちが調査資料であるのか、この表題を取ってしまったらわからないわけですね。こういうふうな状況でのやっぱりいままでの審査体制というものが、後からさまざまな問題を生み出してくることと、審査の過程の公表を極端にいやがるということと、その両面につながっておるのではないか。しかもこの島根原発の問題について言えば、状況の不備で、この水温問題は念頭に置くことなくつくられておるのですから、これからでも住民の運動あるいは府県の運動にこたえて、水温の問題はやっぱり温度の規制の基準を定めて、それに向けて施設でもって賄うことができるなら、それはそういうふうに指導をされる必要があるだろう。特にあの流れというのは、漁民にとってはわれわれが想像する以上に大きな影響を果たすもので、行って漁民に聞いてみると、魚の泳ぐ道筋というものは、松の木が生えておったのが一本なくなったら、その影の映り方でもう魚の流れが変わるというふうなことも申しますし、それからただ水温のことだけを問題にして、そのパイプを少しく沖の方へ遠ざけたり深いところへもっていったらいいのかということになっても、いずれか温度差がある水が混合する過程では、温水の方が表層の方に上がって流れて行きますから、非常に魚道が変わってしまって、大きな混乱が生まれてくるというようなこともあるわけです。これはいずれも海洋学、水産学者等との研究の推進とも相まって、将来問題が確かめられなければならぬでしょうし、とりあえずアメリカの規定を見ても何を見ても、けた外れに高い十度Cというような状況については、速やかに規制を強めていかれるようにということを私は強く要望をしておきます。特にこれらの問題が、規制の方の前進は遅々としておる状況の中で、依然として開発の方は足早に進んでおる。
 各新聞紙にこの春以降伝えられた問題、すでに現地の新聞では、昨年の十一月七日から伝えておる問題についてお伺いをするわけでありますが、石川県の珠洲というところがある。北陸中日というのに、昨年の十一月七日に、珠洲で原子力基地をつくって、そして地元の開発に役立てよう、あわせて「むつ」も、どこへも引き取り手がないんだから、人影もまばらな珠洲の方にお引き取りをして地域開発をやろうというような記事が大きく報じられたわけであります。この記事を見ますと、石川県珠洲市の市長は、同市の市会議長とともに、県知事、県議会の副議長、自民党県連の幹事長、これを訪れて、「むつ」の母港誘致とそして原子力基地の建設による地域開発というものに協力をしてもらいたい旨を申し入れているというのがあるわけです。特に新聞記事によりますと、この要望にこたえて県知事は科学技術庁、エネルギー庁、原子力委員会など政府当局へ要望を伝えるということを約束したということが記述をされておりますし、そしてその後引き続いて一月十四日になりますと、芦原関電会長構想、一千万キロワットの中部電力あるいは北陸電力なんかとの共同開発構想というようなものが大きく打ち上げられております。さらに続いて三月六日のころになりますと、読売新聞などで、この同地域内ですでに通産省資源エネルギー庁の委託を受けた技術者が現地にやぐらを組んでボーリングのエンジンを試動したというような記事も出てくるわけであります。これらの経過について把握しておられるところをひとつ報告をしていただきたいと思うんです。
#129
○説明員(高橋宏君) ただいま先生お話ございましたが、石川県珠洲市につきましては、昨年の十一月でございますが、同市長及び同市議会議長から県知事を経由いたしまして、私ども資源エネルギー庁に対しまして、同市におきまして原子力エネルギー基地の開発について関心が高まっていると、ついては原子力発電所等の立地の可能性について調査をしてほしいという旨の要請がございました。私どもはこれを受けまして、昨年度末より立地調査を実施いたしております。
 この立地調査でございますが、原子力平和利用研究促進費に基づきまして、原子力立地が可能かどうかというような予備的な調査ではございますが、地質、気象条件等について概査を行なっている性格のものでございまして、予算規模その他から言いましていわゆる概査でございまして、実際にそのプロジェクトが決定いたします場合には、当然さらに詳細な企業側等によります調査を経て決定されるのが通例でございます、私どもといたしましては、今後この調査の結果にもよりますが、この立地が地元関係者の理解と協力を得られまして円滑に進められることは大変望ましいというぐあいに考えております。
 なお、御指摘の新聞記事等によります某電力会社、あるいは某電力会社の記事でございますが、私がいま御説明したような状況でございまして、まだ国の立地の適否についての概査の段階でございまして、そういう具体的な企業体とか、あるいは計画規模等につきましては未定でございます。なお、一般論といたしましては原子力開発を進めていく場合におきまして、安全の確保とかあるいは資金、用地の効率的活用というような観点から共同開発、輪番開発といったような、いわゆる広域開発ということで効率的な開発が行われるということは必要なことかと存じております。
 ただいまの段階は以上のとおりでございます。
#130
○小巻敏雄君 地元市長が誘致運動を始めたということはさておいて、あそこは能登半島、近接をしておる輪島などというところは、これは沿海漁業の一つの豊庫であり、基地であるわけです。非常にパニックの状況が起こって、珠洲の地域の漁民がもう輪島のところへ近づいてくることは許さぬというところまで輪島の方では非常に感情が悪くなっておりますし、これらの人たちがそれでは力を合わせて状況を知ろうとすると、関係方面で、新聞にはあれこれ記述されるけれども、その具体的内容をつかむことができないというので非常に強いいら立ちを感じておるわけですね。私どもの方に対してもこれからの問題について刻々と状況を知る手だてはないのかというような状況で、絶えずそれこそわらにもすがるようにさまざまな訴えが来るわけであります。
 私が考えるところでは、これらの問題が、特に一千万キロワットの基地計画というようなゆゆしい問題が、非常にその地域として珠洲は過疎地で、最近の十年間ぐらいに一万人も人口が減ったとか、それはもうこういうものにすがらなければ地元が滅んでいくというようなあせりがあるのかもしれませんけれども、輪島の方一帯かけて、これらのところと、農水によって新たに開発を求めようというような希望を失って、地元の中に対立まで引き起こして、非常にある意味ではエゴイスチックな動きの中で初めてさまざまな大きな胎動がその片りんを見せてくる。しかもその実体は一向につかめないというような状況の中で、そしてこういうふうにして露頭をあらわしたものはたいてい何年かたつとできておるわけですね。こういう状況の中に今日の私どもとしては行政が真っすぐな方法で国民の合意を得て進んでいくことになっていないというようなところを強く感じるわけであります。
 一方で、すでに開発を終わったところでは、後追いとして規制の問題がさまざまな新しい対策を迫られる。そうして事が始まろうとする前には、決まってしまうまで住民とは手の届かないところで問題が進んでいく。これらの点についてはどうしてももっと日の当たる場所で、問題が進むにつれてそれぞれの関係者の中からオープンにして進められるようにということを強く求めておきたいと思うのです。
 次官も帰ってこられたようですから、では私はここで「むつ」の問題に関して質問をいたします。
 小沢次官は三月に特使として御出張になって、どうしてもひとつ原潜「むつ」を佐世保で修理をさしてもらいたいということで、行かれたわけですね。それに関連をして、まあ現地の理解も求めようというところからこういう資料もお出しになったと、確かに姿を見ればなかなか姿のいい船であります。ただし病気持ちであるという、この船の写真を載せて出張されたわけです。この資料を拝見をいたしますと、四十五ページには「「むつ」の原子炉の燃料体は十分健全に保たれています。」というふうに書かれておるわけであります。そしてそれには三つの理由を挙げて、特に三番目に「原子炉の出力上昇試験から現在に至るまで定期的に一次冷却水中の放射性物質の測定が行われておりますが、その結果放射性物質の濃度は自然の水と変りはありません。」と、こういうふうに申しまして、第四番目の理由として、「今後とも燃料体のまわりを取り巻く一次冷却水の水質管理が厳しく行われる」から、水の質がいいから「被覆管の腐食が生じる恐れはありません。」と、だから「燃料体をわざわざ取り出さなくても十分健全な状態に保たれ」ることが確認できますというようなことで、一番、わからない中からも、やっぱり関心の集中になる、集中点になる炉の問題について説明が行われておるわけであります。
 この点についてお伺いをするわけですけれども、まず、これ取り出せないのに、ここにも燃料体をわざわざ取り出さなくても十分健全な状態に保たれることが確認できると書いてあるのですけれども、取り出さなくてどうして確認するわけですか。その手だてをひとつここで御説明をいただきたいと思います。
#131
○政府委員(山野正登君) この「むつ」の原子炉の燃料体が十分健全に保たれておる理由といたしまして、ただいま先生が御指摘になりましたように、この燃料体は製造段階から厳重な検査が行われておりまして、これらの検査記録は残っております。その段階で燃料体は健全であったということ、それから、さらに出力上昇試験段階におきましては、燃料の燃えた量は御存じのとおり非常に微量でございまして、燃料体が受けました放射線の照射と申しますものは無視できる程度でございますので、燃料体が曲がったりするような異常が発生しておるおそれはないということ。それから第三は、ただいまおっしゃいましたように、原子炉の出力上昇試験から現在に至るまで、定期的に一次冷却水中の放射性物質の測定が行われておりますけれども、その結果によりますと、放射性物質の濃度は自然の水と変わっていないということ。それから第四に、今後とも燃料体の回りを取り巻いております一次冷却水の水質管理を厳しく行っていくということでございますので、問題となるような被覆管の腐食が生ずるおそれはないというこの四つの理由によって健全性を確認しておると申しておるのでございますが、いま申し上げましたおのおのにつきまして、各段階でデータを確認しておるということから判断いたしまして、燃料体は健全であるというふうに申し上げておるわけでございます。
#132
○小巻敏雄君 つまり、一口に言えばこの燃料体自身を取り出してみなくても、燃料体が置かれておるところの炉の中にある第一次冷却水ですな、この水を調べてみれば、そこの中に含まれておる放射性物質等の濃度など調べておって変わりがなければ、これは燃料棒、燃料体自身が健全に保たれることになる。その辺のところを分析をやって調べた結果が、変化がないから、その点で安全性を確認しておるんだと、平たく言えばそういうことになるわけですね。
#133
○政府委員(山野正登君) おっしゃるとおりでございまして、過去の製造から現在の管理に至るまでの全過程におきまして、注意深く監視をいたしておりますので、それらから総合判断して健全であるというふうに結論しておるわけでございます。
#134
○小巻敏雄君 いままでから普通の水と変らない濃度だということをしきりと説明をしてこられたわけですね。しかし、必ずしも濃度というようなものばかりじゃなく、その中にある核種を分析するということが非常に重要ではないかと、それにもかかわらず、核種分析の結果の説明がいままでなされてこなかったというような点もあって、衆議院でもわが党の瀬崎委員の方から核種分析についてお伺いをしたわけですね。特にその点について山野局長が、これはやっておりますということを答えられて、その時点では核種分析の結果を資料として提示されることがなくて、その後、私どもの方に核種分析結果の資料をいただいておるわけですけれども、この結果は一体どういうことになっておるわけですか。それをお伺いしましょう。
#135
○政府委員(山野正登君) この核種分析の結果につきまして、経緯等も含めまして御答弁申し上げますが、一次冷却水中の放射性物質の濃度につきましては、まず一昨年秋の出力上昇試験中に測定いたしました放射性ガス、放射性沃素の測定結果から、かかる放射性ガスとか、あるいは放射性沃素が検出されていないということ、さらに、事業団が月二回定期的に行っております一次冷却水中の全ベータ放射能濃度の測定結果によりまして、自然の水と変わりはないということを申し上げておるわけでございますが、ただいま御指摘の核種分析につきましては、事業団がこの全ベータ放射能濃度の測定に加えまして、自発的、念のために行っておるものでございまして、昨年の十二月に行いました第一回の結果は何ら問題となるところはないという結果が出ております。この結果も、当然燃料体の健全性の判断の一つの材料にされておるわけでございます。さらに第二回目の測定をいたしました結果、検出限界ぎりぎりのセシウムが測定されたのでございますが、事業団は五十年の十二月に行いました前回の測定との詳細な比較をいたしました結果、これは特に問題はないであろうと一義的には判断したのでございますけれども、さらに確認のために事業団の内部で再度測定いたしますとともに、この機器分析よりもさらに精度の高い化学分析を日本分析センターに依頼したのでございます。その分析結果からは、セシウムの濃度はいわゆる検出限界以下でございまして、一次補給水に比べまして何ら有意の差は認められないということが確認されております。
#136
○小巻敏雄君 いま御説明のあったどんな核が入っておるかという、どういう放射性物質が入っておるかという分析をやられた結果、資料の中で、化学分析をやって、四月九日の試料で、補給水と一次水との間、双方から同じような物質が発見をされておるから問題はないと、この試料のことですか、いまの問題がないと言われたものは。最終的にいま問題がないという結果を得たと言われているのは、資料のどこへ記載されているわけですか。
#137
○政府委員(山野正登君) 分析センターで行いました化学分析の結果、この一次冷却水中のセシウムの濃度が、測定時が二つございますが、一つは〇・〇一三プラス・マイナス〇・〇一〇ピコキュリー・パー・リッターという数値、いま一つは〇・〇〇五四プラス・マイナス〇・〇一一ピコキュリー・パー・リッターという数値が得られております。この数値について申し上げておるわけでございます。
#138
○小巻敏雄君 非常に検出されたものは限界以下の低いものであるから問題はないという、御説明になっておるようでありますけれども、セシウム137というこの検出された物質は自然な状態の中に存在するものというふうには、私は聞いていないわけですね。大体炉の中で、いわゆる死の灰の中で、ひとつ核分裂によって生成される物質である。そういうものが、あるはずのない場所ですね、つまり第一次冷却水の中にセシウム137というものが存在をしているということは、やっぱり本体の中から何らかの原因によって、たとえば被覆の腐食等によって漏れ出してきたんだというふうに考えるのが自然な受け取り方じゃないんでしょうか。
#139
○政府委員(山野正登君) セシウムが核分裂によってできるものであるということは先生御説のとおりでございますが、核爆発実験の結果の放射性降下物といったふうなものがすでに自然界にございまして、そういう意味で自然界にはセシウムというものはあるということになっております。
 いま一つ補足申し上げておきますと、先ほど申し上げました数値と申しますのは、測定限界以下と申しますか標準偏差値以下の数字でございまして、これによってセシウムがあるかないかという判断はできない数値であるということを申し上げておるわけでございます。
#140
○小巻敏雄君 いまの説明の中の一つに、よしんばあったとしても、何もこれは炉の核分裂の中で生成されると言っても、いまはあちこちで核爆発などを行って大気中に浮遊をしてフォールアウト、降下物の中にもまじってやってくるから、それが自然に入っているんだというような状況で、必ずしも第一次冷却水で中にあったら、中から漏れ出してきたものだとは言えないと、こういう御説明になっておるかと思うんですけれども、その点は私は腑に落ちないところがあるわけですね。ここで使う水は自然の水を使うというよりは、蒸留水にして不純物を取り除いて、いわば非常にクリーンな水を使うというようなことであって、この中で初めからそういうことが起こり得るのかということと、どうしていまになってからそういうことを言われるのか。その点ではこの出力試験前からきっちりデータがとってあって、このことがいわば出力試験をやる前にもセシウム137は、この範囲内では存在をして変わらないんだということがデータをもって示されることができるのか、そうでないのか、こういう点でいまの御説明では釈明としては成り立つとしても、しかしこれは疑いが非常に強く残るものだと言わなければならぬと思うんです。特にこの資料の中で、さらにお伺いをしたいと思うんですけれども、この資料の中で一次系の冷却水という分と一次系の補給水というものと分けて調査がされておるわけですね。この補給水というのと冷却というのはどういう関係なんですか。
#141
○政府委員(山野正登君) 最初にひとつ訂正申し上げておきますが、先ほど私標準偏差値以下であると申し上げましたが、標準偏差値の三倍以内の数値であるということの間違いでございますから、訂正させていただきます。
 それから、この御指摘の一次補給水と申しますのは、一次冷却水に使うための水でございまして、まだ炉内には入れてないわけでございまして、この一次補給水につきましての測定結果と申しますのが、〇・〇一四プラスマイナス〇・〇一ということになっておりまして、このまだ炉内に入れません一次補給水との比較におきまして先ほど申し上げました一次冷却水中の測定結果と申しますのはオーダーにおいて同じであるということでございます。
#142
○小巻敏雄君 つまり炉内に入れる前の水というのは、いわゆる補助タンクみたいなものから第一次冷却水の体積を調節するために設けられておるものであると、それから一次冷却水というのは炉の中に入っている水と、こういう関係でしょう。だからもともと同じ水を使っているわけですね。別々の水じゃないわけでしょう。そうなんじゃないですか。
#143
○政府委員(山野正登君) 一次冷却水にロスがございました場合に、一次補給水を補給をするということでございます。
#144
○小巻敏雄君 それだから同時に準備された水と申しますか、この同じ水というふうに考えてよろしいわけですね。もとはですよ、もともと同じ水であると。また出力試験が行われる前からそのタンクに入っているわけでしょう。タンクと炉の中に。
#145
○政府委員(山野正登君) この一次補給水と申しますのは、炉の中にすでに入っております一次冷却水のロスに応じまして、どんどん次から次に補給していくと、外部から。
#146
○小巻敏雄君 それはわかっています。
#147
○政府委員(山野正登君) そういうものでございます。
#148
○小巻敏雄君 性質は同一の水でしょうということを言っているんです。同じ質を持った水でしょう。
#149
○政府委員(山野正登君) そう思います。
#150
○小巻敏雄君 この資料の中で、核種分析比較表と、科技庁の二月二十三日に測定をした資料になるんですかね。三ページにある資料を見ると日本原子力船開発事業団試料放射能測定結果というのを見ると、補給水の方と一次水の方と双方の試料があって、明らかにこの一次系補給水、補給をするタンクの方から出てくる水にはセシウムは検出をされていない。そしてこの燃料棒と接しておる炉の中にある水からだけセシウムが出ておる。セシウムばかりでなくマンガンもコバルトも一次水の中にだけ見られて、補給水の中には見られないわけであります、このデータを見ると。ということは明らかに補助タンクの中に入っている水が、同じ水が一次冷却水と同質のものであったのが、次第に燃料棒と接しておる方の冷却水の方の中には、たとえば被覆管を構成しておる物質であるところのマンガンとか、コバルトが溶け出して、こういう物質が見られるようになった。と同時にここに核生成物質であるところのセシウムも存在をしておる。しかしながら、これに接することのない外から補給する一方になっておるところの補給水の方には、これが見られないというのですから、こういうデータは明らかに何がしかの燃料棒の影響を受けた結果が、この一次系の冷却水の中に見られる。同一の水であるはずの補給水と、それから冷却水に違いが見られるようになったのは、そういうことだというふうに見なければならない。さらにずっと見ていきますと、双方からわずかながら検出されるようになっておるようなデータもあるわけであります。この点十分に読み取ってみなけばならぬのでありますけれども、明らかにこの局長が言われるようなのんきなことでは済まされないデータが、この資料の中からも見出されるというふうに私は思うわけです。試料自身の読み方としてはそういうことになるんじゃありませんか。
#151
○政府委員(山野正登君) ただいま御指摘の資料について御説明申し上げますと、まずマンガン、コバルトといったふうなものは、これは炉内におきまして金属の腐触の結果出てくるものでございまして、これが一次補給水になくて、炉内に入れた一次冷却水にあるということは、そういう事情でございますが、いま問題にしておられますこのセシウムにつきまして、一次補給水の方につきましては計数誤差の三倍、標準偏差値の三倍を超えない範囲のものにつきましては一これは測定値が書いてないわけでございますが、いまおっしゃいましたように、一次冷却水の方につきましては〇・〇三六、プラスマイナス〇・〇一〇という数字がございまして、これは明らかに標準偏差値の三倍を超える数字が出ておるわけでございます。この三倍を超える数字ぎりぎりのところでございまして、そういう原船事業団におきましては疑問を持つという意味でさらにこの機器分析よりも精度の高い化学分析を分析センターに依頼して再度チェックをしたということでございます。
#152
○小巻敏雄君 四月を過ぎてからお調べになったものではこの双方からセシウムを含めて低いにしても両方同じように検出されているというデータも見るのですけれども、いずれにしても初めのデータの示すところ、このタンクの方と炉の方とに同じ水が入っていた。ところが一定時間を経過した後で調べてみたら、こっちの水の中には、コバルトもマンガンもセシウムも入っていないきれいなままだけれども、この炉心の燃料棒がつかっておった方のタンクでは被覆棒の中の物質が溶け出しておるのにまじって、補給水の方にはないセシウムが入っておるというんですから、このことは明らかに燃料棒自身について被覆についてこれは取り出して調べるのが当然だということを物語っておると、最後に、さらに分析をしたところではというので四月以降の調査の中に、補給水の方にもセシウムが見られるというようなデータが上がっておるのですけれども、そういうことがそのまま言われるような結果になるのかどうかというようなことについても、もちろん私どももさらに検討を続けなければならぬと思うわけです。しかし、すでにあらわれてきた分析結果を見ますと、なかなか不可解な点が多い。一次補給水の中にセシウム若干が検出されたのは、四月になって初めてのことであって、それまでのデータというのは核種のデータは補給タンクの方にはクリアーな水があって、同じ水が第一次冷却水の中で汚染をされておるというふうに、どうしても読みとらなければならない結果になっておるということと、もう一つここでその点は引き続き追及するとして、どうしても科技庁、運輸省も共同で出されたこれに返るわけですけれども、これは妙じゃないですか。これが出されたのは二月のことでしょう、これをおつくりになったのは。二月に次官が走っていって、もっとりっぱな説明をやってこいというような注文を現地で受けられて、鋭意編集をされたわけです。だから、これをつくられたのは二月で、それできれいに刷り上がって出てついておるのが四月なんですね。しかし少なくともいまの御説明のようなこういうあり方は、四月、五月にならないと説明できない説明なんですね。それまではそんないま言われるようなしとはデータの結果何にも上がっていないじゃないですか。特に、炉心が安全だなんということはいままでだれも言ったことがないわけです。あの大山委員会の報告書を私どもは科学技術の委員会でも検討したんですけれども、大山委員会はあの非常に不完全な安藤委員会の、いま言われるような核種分析もやっていないわけですね、冷却水について。あの安藤委員会のデータというのは、核種分析の結果は上がっていないわけです。こういうものを受けて大山委員会が一応遮蔽の問題については緊急の問題として一定の見解を出した。しかし、炉の部分については総点検をしなさいということは大山委員会は指示をしておるのであって、炉の部分については安全か否かについては全く触れていないわけであります。だから、総点検をするわけですけれども、その中でまたまた調べた結果も明らかにせず、データも示すことなく、いま説明を聞けばその一年間のいわば濃度テストだけは冷却水についてやっているけれども、核種分析の結果というものは十分にやらず、発表もしないで一方的に燃料棒は大丈夫だと被覆の腐食は生じることはないと、そして取り出さなくても健全な状態だというふうに宣伝をされている。これでは「むつ」が走り出す前に、森山長官が自分のPR資料を信じて、これを信じないやつは野蛮人だというようなことを言われたのですけれども、その姿勢が繰り返してやっぱり出されているのだと言わなければならぬのではなかろうか。少くともこの点、もし一次冷却水の中に核生成物質が改めてこの炉の中で混入をしたということになれば、その疑いがある限りでは、どうしても本体を出して調べなければならぬのじゃないか、こう思うわけです。そのことが明らかでないままにこういうふうに独断をして、そうして住民に対してPRをされる。そのことを、いみじくもこの核種分析の結果の問題と、経過の問題は物語っておるのではないかと、私はそう思うわけですけれども、どうでしょう。
#153
○政府委員(山野正登君) この御指摘の資料をつくりましたのは、四月の中旬でございますが、その時点では、第一回の核種分析の結果というのはわかっておりまして、その判断も踏まえてつくられております。それから今後こういった検討は、もちろん必要に応じて行っていくわけでございますが、その時点、その時点で確認された結果というのは、十分に私どもも対外的にものを言います場合には、その結果を踏まえて言わなければならないと思っております。第二回の結果につきましては、まず最初に行いました機器分析の結果では疑わしい数値であったということで、これにはっきりシロクロの決着をつけると申しますか、結論をつけますために、さらに精度の高い化学分析をいたしまして、その結果一次冷却水と一次補給水との間にはセシウムの濃度について有意の差はないという結論が出たわけでございますから、現在の時点においても、同じ判断でよいのではないかというふうに考える次第でございます。
#154
○小巻敏雄君 一次水と補給水に有意の差がないというようなデータをあなたの方が提示されているのは、この資料によれば、その日付は四月以降になって初めて出てきておるのであって、むしろ二月段階というのは、灰色の最中なんじゃないですか。そうしてその結果についてもあなた方はシロだシロだとおっしゃるけれども、いまからさらに見せてもらう必要があると思うのです。二月の段階では明らかに、分析センターの結果というのは、補給水と一次水とに、セシウムの有無についてはっきりした勾配がついているのですから、これが四月になる前にそんなことは言えるはずがないのですけれども、この四月に刷り上がっているものですね。二月に政務次官が走っていかれてから、まさに灰色の最中につくった本で、ちゃんとここに結論が書いてあるのですから、私はひとつその点の行政姿勢については取り出さなくて修理をするのだという結論に合わせて、データも実験も、どっちかといえば、核種分析の問題なんかは人知れずやっておって、発表しないで結論だけを急いで出しておるということに日取りとしてなってくるわけですよ。それは先見の明があったのだというふうにいうなら、予言者と同じことで、非科学的な態度だと言わなければならぬ。こういう状況が残って、時間がきておりますけれども、この点につきましては、非常に重要な問題を中に含んでおりますので、このままで本体を抜き取ることもなく、あるいは被覆管等について、燃料棒の調査をすることもなく、佐世保の港でもって、これの修理を、このままの状況で続けられようとすることには改めて大きな疑問がございます。
 この点本日はここにとどめますけれども、引き続いて質疑をし、内容を明らかにしていきたいと思うわけであります。以上。
#155
○委員長(柏原ヤス君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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