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1975/05/19 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第5号
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1975/05/19 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第5号

#1
第077回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第5号
昭和五十一年五月十九日(水曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     三治 重信君     柄谷 道一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田  進君
    理 事
                原 文兵衛君
                森下  泰君
                矢田部 理君
                小平 芳平君
    委 員
                井上 吉夫君
                上原 正吉君
                金井 元彦君
                菅野 儀作君
                藤井 丙午君
                宮田  輝君
                青木 薪次君
                粕谷 照美君
                鶴園 哲夫君
                内田 善利君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                柄谷 道一君
       発  議  者  小平 芳平君
   衆議院議員
       公害対策並びに
       環境保全特別委
       員長       吉田 法晴君
       公害対策並びに
       環境保全特別委
       員長代理理事   島本 虎三君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  小沢 辰男君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    小熊 鐵雄君
       環境庁長官官房
       長        金子 太郎君
       環境庁大気保全
       局長       橋本 道夫君
       環境庁水質保全
       局長       堀川 春彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       宍倉 宗夫君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部施
       設課長      田中 和夫君
       建設省道路局企
       画課長      浅井新一郎君
       日本国有鉄道環
       境保全部長    吉村  恒君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○環境に対する影響の事前評価による開発事業等
 の規制に関する法律案(小平芳平君外一名発議)
○振動規制法案(内閣提出、衆議院送付)
○瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する
 法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田進君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 振動規制法案の審査のため、来る二十一日、参考人として中央公害対策審議会騒音振動部会長五十嵐寿一君、東京都公害局規制部騒音振動課長内野光男君、大阪工業大学竹内吉弘君、全国新幹線公害反対連絡協議会事務局長中野雄介君、金沢市公害センター所長野村潔君の出席を求め、その意見る聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(藤田進君) 環境に対する影響の事前評価による開発事業等の規制に関する法律案を議題といたします。
 発議者から趣旨説明を聴取いたします。小平芳平君。
#5
○小平芳平君 ただいま議題となりました環境影響事前評価による開発事業等の規制に関する法律案につきまして提案の趣旨を御説明申し上げます。
 われわれ人間も生物の一種であって、自然の生態系の循環の一部に組み込まれ、自然と一体となってその微妙なバランスの中で生存しているのであります。
 しかるに、近代における産業の発展と科学技術の進歩の過程において、人間はこの厳粛な法則を無視し、環境受容能力の限界を超えた自然の侵奪を行い、人類みずからを含むすべての生物の生存をすら、脅かすまでに至っております。
 特にわが国においては、諸国に比べて相対的に稀少な大気、水、国土とついた環境上制約の中で、しかもパルプ、化学、鉄鋼といった汚染因子を発生しやすい産業が高い比率の経済構造下で無秩序に高度経済成長政策の遂行を急いだため、環境に対する汚染、破壊は他国に類を見ないほど深刻であって、世界各国をして日本は公害の実験国であるとまで言わせております。
 しかも、環境に対する汚染、破壊は不可視的であり、長い年にわたって隠微な中に進行し、その累積が一挙に深刻な結果を生ずるものであります。また、環境の汚染、破壊は不可逆的であって、一たび汚染、破壊が生じた場合、現在の知識や技術では復旧不可能な場合が多く、復旧し得るにしても長い年月と膨大な費用を費やさなければなりません。
 このことは開発事業の実施に当たっての事前の公害防止投資に比べれば復旧に要する社会公共的費用の支出はけた外れに膨大なものであり、国家経済的にも大きな損失であると言わねばなりません。したがって、今日における環境保全の問題は、環境の汚染、破壊の影響の深刻さ、不可視性、不可逆性を考えるならば将来起こり得るであろう汚染、破壊をいかにして未然に防止するかということに尽きるのであります。
 以上の観点から、環境の汚染、破壊を未然に防止するため、開発事業等の実施に当たっては、その計画の段階であらかじめもっぱら良好な環境を確保する見地から、特定の利益志向的な政治的圧力から遮断され、客観的、科学的データに基づき、かつ住民の意思をも直接に反映するような形で、環境影響事前評価を行うことが不可欠であり、そうした制度の確立を図るための本法案を提案いたした次第であります。
 以下、この法案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、この法案において開発事業等とは、いわゆる工業団地造成事業、都市計画事業、公有水面の埋め立て、その他政令で定める事業に係る工事、飛行場、鉄道、軌道、索道、道路、自動車道、林道、廃棄物処理施設、下水道、電気工作物、ガス工作物、核原料物質、核燃料物質の製錬、加工または再処理の施設、原子炉施設、金属製錬施設、石油精製施設、石油パイプライン、その他政令で定める施設の新設等に係る工事及び河川工事、港湾工事並びに鉱物の試掘または採掘をいうものとしております。
 第二に、環境影響事前評価とは、開発事業等について、その実施前に関係地域の自然的社会的諸条件を調査し、その調査の結果及び開発事業等の事業計画に基づき、開発事業等の実施または開発事業等の完成後の施設等の使用により開発事業等の実施の過程または将来において生ずる環境に対する影響を予測し、あわせて事業計画に含まれる環境に対する悪影響の防止策及び事業計画の代替案を比較検討して、多角的に評価することと定義しております。
 第三に、この法律案に基づく事務を推進する機構として、別に法律で定めるところにより、内閣総理大臣の所轄のもとに、両議院の同意を得て任命される委員七人をもって組織する開発事業等規制委員会を設置し、環境影響事前評価の結果に基づいて、総合的に検討し、開発事業等を適正に規制することといたしております。
 さらに、委員会にその機関として、学識経験者よりなる環境影響事前評価審査会を置き、環境影響事前評価を行わせることといたしておりますが、その審査員についても、委員会の委員と同様に両議院の同意を得て任命されることとしております。
 第四に、開発事業等を実施しようとする者は、その事業計画について、委員会の認可を受けなければならないとしております。この場合において委員会は、審査会が行う環境影響事前評価の結果に基づき、当該事業計画による開発事業等の実施または開発事業等の完成後の施設の使用によって、わが党がかねてより提案しております環境保全基本法案に規定する良好な環境の確保に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、その認可をしてはならないこととしております。
 この事業計画には、その代替案、悪影響の防止策等を記載することができることとしております。
 第五に、審査会の行う環境影響事前評価の手続においては、認可申請書等の必要な事項は、住民に周知させるために公告し、縦覧に供する等の措置を講じることとしております。
 第六に、認可申請人、関係地域の住民及び環境保全団体は、いつでも環境影響事前評価の手続に参与人として参与することができることとし、参与人は、審査において、意見を陳述し、書類その他の物件を提出することができ、また、参与人相互の陳述と参考人の陳情を求めることなどができることとしております。
 第七に、審査会は環境影響事前評価に関して必要な調査事項及びその調査方法を定め、これに従って調査することとなっております。また、参与人は調査事項またはその調査方法の決定または変更について、審査会に対し異議を申し立てることができることとしております。
 第八に、審査は、審査長の指揮のもとに公開して行われることとしております。
 第九に、事案が環境影響事前評価をするに熟したと認めるときは、審査会は文書をもって環境影響事前評価を行い、これを公表することとしております。
 第十に、審査会は、認可を受けた開発事業等についても事後的にその環境に対する影響を調査することができることとし、その結果に基づき、委員会は良好な環境の確保に支障を生じていると認めるときまたは生ずるおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、当該開発事業等の実施の停止や当該事業計画の変更を命じ、認可を取り消し、または原状回復その他の必要な措置を講ずべき旨を命ずることができることとしております。
 第十一に、環境影響事前評価に不服がある場合は、参与人その他の関係者は、訴えを提起することができることとしております。
 第十二に、この法律に定めるもののほか、開発事業等の規制、審査過程における事業計画の変更を含む環境影響事前評価の手続、その他この法律の施行に関し必要な事項は委員会規則で定めることとしております。
 第十三に、その他この法律の施行の際に、すでに実施されている開発事業等についても環境影響事前評価を行うこととし、その結果に基づき必要な規制をすることができることとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(藤田進君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(藤田進君) 振動規制法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小沢長官。
#8
○国務大臣(小沢辰男君) ただいま議題となりました振動規制法案について、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 戦後わが国の産業経済の発展の成果として、国民生活は目覚ましい向上を見ることとなったのでありますが、その反面、各種の公害が発生し、国民の生活環境等にさまざまな影響を及ぼしているところであります。
 これらの公害問題については、政府といたしましても、各種の公害規制法等を中心に対策を進めてきたところでありますが、振動公害につきましては、公害対策基本法において規定する七公害の一つとされているものの、法律上の規制措置が講じられないまま、今日に至ったこともあって、住民からの苦情、被害の訴え等も相当数に上っており、その改善を図ることは重要な課題となっております。
 このように国民の日常生活に影響を与えている振動公害に対し、公害対策基本法の精神にのっとり生活環境を保全する観点から、早急に国による一元的な法律上の規制を実施し、振動公害の未然防止を図るべきであると考え、今回この法律案を提出することとした次第であります。
 以下この法律案の主な内容について、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、工場及び事業場の振動に関する規制についてでありますが、都道府県知事が住居の集合している地域等住民の生活環境を保全する必要がある地域を指定し、指定地域内における著しい振動を発生する施設を設置する工場及び事業場について、指定地域の土地の利用状況に応じて規制基準を定めて、所要の規制を行うこととしております。そのため、これらの工場及び事業場における特定の施設の設置について、事前届け出制をとるほか、規制基準に適合しない振動を発生することにより周辺の生活環境が損なわれると認めるときは、振動の防止の方法等に関し、改善等の勧告または命令を行うことができることとしております。
 第二は、建設工事に伴う振動に関する規制についてでありますが、指定地域内において行われる著しい振動を発生する特定の建設作業について、事前届け出制をとるほか、都道府県知事は、一定の基準に適合しない振動を発生することにより周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、振動の防止の方法等に関し、改善等の勧告または命令を行うことができることとしております。
 第三は、都道府県知事は、指定地域内における道路交通振動が所定の限度を超え、道路周辺の生活環境が著しく損なわれていると認めるときは、道路管理者に対し当該道路の部分につき道路交通振動の防止のため舗装、維持または修繕の措置をとるべきことを要請し、あるいは都道府県公安委員会に対し道路交通法の規定による措置をとるべきことを要請するものとしております。
 以上のほか、市町村長に対する事務委任について定めるとともに、振動規制の実効を期する見地から、振動防止に関する国の援助、研究の推進等について所要の規定を設けることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(藤田進君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院公害対策並びに環境保全特別委員長代理理事島本虎三君から説明を聴取いたします。島本君。
#10
○衆議院議員(島本虎三君) ただいま議題となりました内閣提出の振動規制法案に対する衆議院の修正の趣旨について御説明申し上げます。
 第十五条第三項については、「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業について」の「勧告又は命令を行う」場合の配慮条項でありますが、これを改め、「当該施設又は工作物に係る建設工事の工期が遅延すること」により「公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのある」場合に限定して配慮することとするとともに、「勧告又は命令を行うに当たっては、生活環境の保全に十分留意しつつ、当該建設工事の実施に著しい支障を生じないよう配慮しなければならないこととしたものであります。
 第二十四条の条例との関係の規定については、いわゆる横出しの規定のほか、新たに、地域の自然的社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から条例により必要な規制を定めることを妨げるものではない旨を、現行騒音規制法の例に見られるように、入念的に追加したものであります。
 以上が修正案を提出いたしました趣旨と内容であります。
 以上であります。
#11
○委員長(藤田進君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○井上吉夫君 先ほど環境庁長官から本法律案の提案理由の説明がございましたが、振動規制につきましては、技術的な面で単位測定評価方法等の研究が十分でないとか、あるいは防振技術の開発が十分になされていない。そういうようなことなどの経過もありまして、基本法の七項目の中で最後にこの法律を提案するという運びになったと考えられるわけでありますが、いまだ外国でもその例がなくて、先駆けてわが国が初めて振動規制法を行うということになったわけでありますけれども、この立法の基本的な考え方、そして振動規制を実施するに当たってどのような配慮を必要とするかということなどにつきまして、まず長官の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(小沢辰男君) 井上委員のおっしゃるように、まだ国のレベルで公害振動の規制を行った国は外国にはないと思います。したがって、そういう意味におきましては世界で初めての法律でございますから、その点大変意義深いものと考えておるわけでございますが、なぜ世界で初めてのこの法案の制定に踏み切ったか。もちろん七公害の一つ、当然規制値を決め、この振動規制の法案を出さなければ、公害基本法の七公害全部の――国民の生活環境を守る上でどうしてもやらなければいけない問題でございますので当然のことなんでございますが、一応、御承知のように各地方自治体で非常にもう先駆けて条例等つくってございまして、これがまた振動の規制基準というものが非常にまちまちでございます。また、四十五年ごろからそうした条例がつくられたわけでございますが、その当時の科学的な知見というものがいわばまだまだ測定方法その他について未熟な点もございますので、非常に地方庁としても早くから私どもに中央で十分検討した上での統一的な基準値というものを何とか設定をしていただきたいという要望等もございました。中公審で十分技術的にも検討していただきました結果、その実現の見通しがつきましたので、国で統一的に一つ基準をつくった方がより対策上有効に行われるという判断をいたしたわけでございます。いろいろ内容についてはまだまだ至らない点もあろうかと思いますけれども、現状において振動公害解決の第一歩を踏み出す有効な対策手法であると考えているわけでございまして、実施に当たりましては関係各省の協力も得、また地方庁とも十分打ち合せをいたしまして、住民の生活環境が振動によって害されることのないよう着実に改善の方向にいくように努力をしていきたい、かように考えます。
#14
○井上吉夫君 基本法に言う七公害の一つであって、できるだけ早く振動規制の法律をつくるということはその必要性を考えていたけれども、技術的に防振技術の未開発の面なりあるいは測定方法等についてまだ十分に解明されていない等々、そういうような要因が基本になって法律案を提案するに至らなかった。ただ、一方ではすでに二十余りの都道府県において条例によって規制しているところが多い。しかし、その条例の内容というのがそれぞれ大変まちまちである。したがって、全国的な規模と言いますか、基準によってこの機会に定めたい。そして、中公審においてもある程度のめどを立てた。その法律案を制定するに必要ないろんな内容の検討を実施をした。ただ、諸外国にもまだ例を見ないで、まだまだ中身においてあるいは検討を要し不十分な点があるかもしれないけれども、しかし、とりあえず第一歩としてわが国で初めてこの法律を提案するに至ったというぐあいにただいまの答弁によって理解できたと思います。いよいよ実施に当たりましては、当然この基準に従いまして関係省庁がこの法律に従って実効あらしめるというそのことについて十分の連携をとっていきたいというぐあいに承りましたが、そこで具体的にお伺いいたしますと、それでは単位なり測定評価の方法というのは、もうかなり自信あるものとしてめどを立てておられるか。さらに防振技術は、これは開発していけば限りのないことでありましょうけれども、これについてもかなり前進した段階にきているのかどうか。そのことと、それから測定の方法につきまして各県の条例の内容を見てみますと、測定単位において大きく二つに分かれて、その一つは、振動速度によって基準値を定める方法と、補正加速度レベルによって定める方法の二つに大体分かれているというぐあいに思うのです。この両者の違い、そしてこの法律案においては補正加速度レベルによって測定単位をとるというような形になっているようでございますが、そのことについての内容の説明をお願いをいたします。
#15
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御質問のございました第一点の単位について、それではかなりのものができたのかという御質問でございますが、この点につきましては従来地方自治体の多くのものがミリメーター・パー・セコンドというスピードでこの規制をしておりました。その後デシベルという補正加速度レベルでやるという問題が国際的にもその方向をとり出しまして、特に一九七四年にISOがその測定単位をもって規定をしていくということに国際的な合意を見たということがございます。また一方、国内におきましても、東京都を初め一部の地方自治体が最初スピードで規制をしておったのが、経験を積んだ上でデシベルでやった方がいいというぐあいに次第に傾いてまいりました。そのような経験も積み、またこの測定の計器の公害振動計と、こういうぐあいに呼んでおりますが、公害振動計の面におきましてもかなりの進歩が見られまして、今年にはこの規制法ができればJIS化ができるというところまでまいりましたので、国内的にも国際的にもこの補正加速度レベルを単位として採用するということについてはまず定着を見たと言って間違いないと思っております。
 次は、防振技術でございますが、工場の防振技術につきましては、地方自治体が三十年の末からいろいろ条例で努力をいたしまして幾つかの経験を積んだわけでございますが、どういう防振技術をやれば一体どのような費用効果がかかるものであるかということについての事例が相当そろってまいりました。また、この点につきまして通産省も十分な調査検討もいたした資料も固まりました。
 一方、この建設作業におきましても、建設作業における公害防止ということについて建設行政においても非常に努力をされ、また自治体においてもさまざまな実態調査あるいは指導ベースの経験を積んでまいりまして、こういうやり方ならばできるというようなことがある程度明らかになってまいりました。
 また、道路の問題につきましても、道路関係のエンジニアリングの部門におきまして建設行政でいろいろ御苦労をされ、あるいは警察行政でも御苦労をされて、どういう方式を使えばどれだけの効果を上げるかということについてのめどもついたと、このような防振の関係の技術的な進展ということをも専門委員会の検討の過程で各省のヒヤリング、自治体のヒヤリングすべてを通じて固まったわけでございます。
 それから、最後のこの補正加速度レベルはなぜよいのかという御指摘でございますが、振動の大きさをあらわします場合に、スピードよりも加速度の方が大きさをはかるには理論的にまずぐあいがいいということが一つあるわけでございます。
 それからもう一つの問題は、この現在われわれが公害振動として経験いたします振動に関連しましてISOにおきましても先ほど申し上げたような一九七四年にスタンダードとして採用し、また日本の中におきましても、この補正加速度レベルを実際に採用する向きがふえてきて計器としてもJIS化に至るという段階まで来たと、そのような利点がございますので補正加速度レベルというものを採用したわけでございます。これは振動数に応じてこの加速度の標準値というのがございまして、それに対してその振動数でどのような加速度であるかということの割合を対数に直してやったものでございます。
 なお、この補正加速度レベルで表示されるものにつきましては、従来地方自治体が行っておりましたミリメーター・パー・セカンドという単位と八ヘルツ以上のものにつきましては換算値がきくと、それ以下のものも一応の換算があるということで混乱も生じないという判断でございます。
#16
○井上吉夫君 ただ、いまの説明の中にありました公害振動計、これはどのくらいするものですか。そして、そのまあ正確な金額でなくてもいいんです、およそどのくらいで。この振動計を見る、そして記録する、さらに何回かの平均値、かれこれというのがありますね、審議会の答申やらいろいろなものの中にそういうのがありますが、それはそう習熟に手間を要することなしにだれでも、簡単に言えば測定ができるという種類のものですか。
#17
○政府委員(橋本道夫君) まず、幾らぐらいな値段であるかということにつきましては、一台が二十五万程度のものでございます。それから、操作がどうであるかというところでございますが、操作はこれは余りむずかしいものではございません。地盤にどのような注意をして置くかとか場所ということをよく注意をしてやれば、これは十分やり得ます。特に地方自治体の従来の騒音規制法の経験から見れば十分やり得ます。講習等を行ってやることができます。なお、JISに入りますと、恐らく計量法の関係で、やはり余り勝手な測定を、いいかげんな測定をされても困りますので、そういうところのどれだけのデシベルであるかということを証明するようなものについてはやはり一定の条件は要るというぐあいに考えております。
#18
○井上吉夫君 条例によってすでに二十数件振動規制について実施をしている。ところが、今回提案されましたこの法律案は、そのすでに実施をしている二十数件の条例に比べてどうもその数値の面から見ましてもいわゆる甘いというような評価といいますか、そういうような見方をされる向きが非常に多いというぐあいに聞いております。
 で、一体この基準値を定めるに当たりまして、中公審における部会の資料一応読みましたけれども、大体どのような考え方にその中心は置かれておって、そしてどういうようなまあ手順といいますか、そういうことによってこの数値が定められたか概略御説明を願いたいと思います。
 なお、このことに関連をいたしまして、先ほど長官の説明にもありましたように、何しろ世界で初めて振動規制というのを技術的にも若干の問題がある中で先駆けて実施をすることにしたということでございまして、わが国の環境を守ろうとする環境庁の姿勢として十分評価するわけでございますけれども、基本的に一体その環境の保全というのと産業活動といいますか経済活動といいますか、そういうものの接点というのをどう求めるかということは、いわゆる開発を議論する場合にしばしば出てくる基本的な問題であります。
 で、したがいまして、規制を厳しくすることによって環境は守られる。守られる方向に少なくとも大きく前進するけれども、そのために大きく現在の経済活動、企業というものが成り立たなくなるということは現実的私は政治なり行政の対応ではないというぐあいに考えるわけです。このことについて長官の御所見を承りたいわけでございますが、言うまでもなく、たとえば窒素酸化物の基準値を定め、そうしてそれを数年において逐次達成していくというそういう手法をとられたことがある。で、ところが実際問題としてそのことを目指して一生懸命努力はしたけれども、結局既定年限の中で実施が不可能だということで、そのことをまたいわゆる後退といいますか、年限延長をせざるを得ないという、そういうことが過去の実例に実際問題としてあっている。で、このことは、どちらかといえば、環境庁として自然を保護するという目標をより高く厳しく定めるということについてはこれは基本的姿勢としてうなずけるけれども、しかし、結果としてそれが実現しないということによって行政というものに対する信頼というのが損なわれるということにつながることもあり得る。そういうことを総合勘案いたしますと、この両者というものが十分に達成されるということがどうしても望ましいことだと思うのです。ただ、そのことのために、余りにもゆるくそして全然問題にならない、規制が空文に終わって中身が何の価値もないということを私は指して言うわけじゅありません。私の質問の要旨というものは十分御理解いただけたと思いますので、このことについては長官の基本的な考え方をお伺いをしたいと思います。
#19
○政府委員(橋本道夫君) 長官の基本的なお答えの前に、先生の三つの問題点につきましての御質問にお答えしたいと思います。
 まず第一が、この法律で予定しておる規制基準は甘くなっておるのではないかという御意見でございますが、ここにこの法律で出しております基準が五十五から七十というところをほぼ基準にしましてやっております。これは工場、道路に関連したものを申し上げたわけであります。で、これを現在地方条例でやっておりますものに当てはめてみますと、七つの地方条例ではこれよりも甘い基準を立てておりますので、そこはこの法律を施行することによって厳しくなってきます。
 それから七つの地方条例におきましては、これは規制基準あるいは指導基準としまして数値を比較をいたしますと、これよりも厳しいという数値だけを比較すると、そういう条件のものがございます。甘いのではないかというのはそこの点に対する御指摘であろうかと思いますが、数値だけを比較しますとそういう議論は成り立つわけでございますが、厳しい数字はどうなっているかといいますと、ある自治体ではゼロミリメーター・パー・セカンドという数字を夜間住宅地で決めております。これは最初、自治体が三十年の末ごろに先発条例のときにそういうことをやったことがございましたが、その形を四十年の初めに後発の自治体が見習ったと。ところが最初にゼロを決めた自治体は四十年の中ごろ過ぎにいろいろ経験を積んでみて、その後の知見で、やはりゼロというのではないということで、そういう自治体が〇・一ミリメーター・パー・セカンド、これは五十一デシベルに相当します。そういう数字に改定してきたという経緯がございます。そういうことで、一見そのような御議論がございますが、この答申を基礎にした今後の基準の考え方で一番キーのところは、実は振動の影響ということにつきましての調査研究資料が従来非常に乏しかったわけでございますが、四十五年から、特に環境庁発足以降四十七年から五十年にかけまして、非常に精力的に研究費も使いあるいは国内で実験もやり、調査もやり、また国際的にも一九七四年のISOで決めましたこの基準というものもあらわれまして、先ほど申し上げました五十五から七十の幅のところであればこれは問題ないと。そこでいけば十分この規制の効果というのは上げ得ると、それ以下に持っていく必要も余りないというような数字でございます。
 具体的にどういうことかと申しますと、人間の健康障害が起こるかという議論――絶対に起こりません。人間の健康障害が起こってきますのは、これは九十六デシベルというようなところを超えれば健康障害というものの中でもこれ以上はちょっと耐えられないなという程度のものを言っております。しかもそれを八時間ぶっ続けに暴露をするということでございます。そういうことで、大体八十五から九十というところでその生理的な影響が起こる。つまり脈が少し変化をするとか、そのような生理的な影響が起こるという問題がありますが、そのような、八時間もそのような条件暴露することは、本法令の基準では一切起こりません。それが一つございます。
 それからその次の問題点につきましては、夜間の睡眠を確保をするということでございます。夜間の睡眠を確保をするということで住居地の夜間の下限を五十五デシベルというところに切っております。これは従来から受け入れられていたことでもございますが、大体六十デシベルというところから以下は大体人間は余り感じない、あるいは五十七デシベルというような数字もございます。そういうような家の中で五十七デシベルぐらいだと感じないと、それを五十五と置いておりますので、そこのところは問題はないということでございます。
 なお、工業地域、工場関係のある地域におきまして、数字としては六十五というような数字がございますが、これはその地盤でございますので、五デシベル足しても七十デシベルと。そうすると浅い睡眠には若干影響があるかというようなデータもございますが、特に問題になるというようなことは一切起こらない。また物的被害ということにつきましての意識が明らかに出てきますのは七十デシベル以上ということに経験されております。因果関係の証明されるのはもっと高うございます――八十から九十以上でございますから、そのような状態も起こらないということでございまして、この五十五デシベルを下限といたしまして睡眠は確保できる、まず感じない水準である。なおかつ病院の周辺等では、さらに五デシベル下げることができるということで必要にして十分な基準であるというように考えれらましたので、あえて引き下げるとか甘くするとかいう意味では全然ございませんで、新しい学問的な調査研究の知見に基づいて、この水準でやれば規制として実効を上げ得るということで決めたわけでございます。
 それから、決めるまでにどういう手続をとったかということでございますが、これは専門委員会を三十回余り開きまして、そうしてこれは非常にいろいろの調査研究を環境庁自身がいたしたのもございますし、そのほかの音響学会やあるいは公衆衛生学会等で出された調査研究報告等もすべてその中で各分野の専門家が寄って目を通してやられております。また地方自治体の条例との関係ということで非常に意を用いまして、大阪と東京でございますが、二地方自治体の専門を呼びまして十分な時間をかけて実情を調査をするというようなことをいたしております。そういうことでこの規制基準というのは最終的に決まってまいりました。
#20
○国務大臣(小沢辰男君) 井上委員おっしゃるように規制が行われて環境は守られたが企業は成り立たなくなる、生活の根底がなくなってしまうというようなことになっちゃ困るじゃないかという点は御指摘のとおりだと思いますが、やはり生活環境を守るということをまず主眼にしまして、そのために企業が成り立たなくならないような措置を一方においてやはりとっていかなければいけませんので、その点は私ども資金のあっせんなり技術援助なり等についてできるだけ関係省庁とも協議をいたしまして、規制は規制として守っていただいて、生活環境を保全すると同時に企業が成り立たなくならないような措置をできるだけひとつ考慮をして、配慮をして援助をしてまいりたいと、かように考えております。
#21
○井上吉夫君 環境庁長官の基本的な対応の姿勢といいますか、お伺いをいたしましたのでこれ以上申し上げませんが、先ほど来質疑応答を通じて結局ある程度の法律提案にかかる準備ができたということで提案されているわけですけれども、なおかつ調査方法等についてもまだまだ問題が全くないわけではないと思います。
 さらにまた防振技術あたりについても年を重ねるごとにその技術の水準も高まるし、さらにそれを受けて実施するためのかなりな投資を必要とする、そういうことでございますから、長官がいまおっしゃいましたように余り厳し過ぎてもいけない、余り緩くてもこれまたいけない、そういう実情に対応した形で進めていくということを私は基本的に望んでおきたいと思います。
 ここで法案の第二条等にあります「特定施設」については「政令で定める」ということになっております、第二条一項。さらに、特定建設事業についてもこれまた政令にゆだねておりますが、大体いま考えておりますこの特定施設なり、特定建設事業をどういうものを考えておられるか、お伺いをいたします。
#22
○政府委員(橋本道夫君) 第二条に、工場関係では「特定施設」、建設作業関係では「特定建設作業」と言っております。これはこの専門委員会で御議論をいたされますときに、工場関係では大体五メートル離れたところで六十デシベルというような一つの尺度を一応頭に置きまして、そうしてこの地方自治体が現在まで規制をしておる施設というのがございます、その実態をずっと洗いました。
 それからもう一つは、苦情が出てきている施設というのがございます。その苦情をずっと洗いまして、それだけのことからこのどういうものを規定していくかということをやることにいたしております。そういうことで工場関係で一部の例を申し上げますと、液圧プレスあるいは機械プレス、これも最も苦情の多い部類のものでございます。それから鍛造機あるいはワイヤ・フォーミング・マシンというようなものがございますが、こういう政令の関係の施設につきまして自治体が現在までやってきたものの中で苦情も多く、しかもこの条件にはまるというものを政令で指定する予定にしております。
 建設作業におきましては、五メートル離れたところで七十デシベルを超えるということを一応頭に置きまして、で、地方自治体がどういう種類の建設作業で苦情を受けたかということと、また建設省あるいは地方自治体自身がいろいろ建設作業につきましての実態の調査をしたデータがございまして、そのようなものを全部参考にいたしまして特定施設として指定をすることにいたしております。
 なお、専門委員会で御議論があり、出ております幾つかの例を申しますと、ジーゼルパイルハンマー、これは非常に振動の大きなものでございますが、あるいは振動パイルドライバー、あるいはドロップハンマー、こういうものがございます。この中で特に七十五デシベル以上を超えるというものにつきましては、作業の時間や条件の制約をさらに厳しく設けてあるというような形になっておるわけでございます。
 以上が特定施設を指定いたします基本の条件でございます。
#23
○井上吉夫君 特定建設事業の中でブルドーザーは除かれるというような方向だと実は聞いているんですが、これの理由は何なのか。
 それから、同じく法案の十二条の三項の中に「(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、四年間)」という猶予期間の問題ですね、これの説明をしていただきたいと思います。
#24
○政府委員(橋本道夫君) まず第一問のブルドーザーの問題でございますが、専門委員会におきまして、中間報告の中でブルドーザーの問題をどうするか、一度部会の先生とも議論をして最終的に決めるということでその中間報告に入れております。で、それが落ちた理由は何かということでございますが、まず従来のデータをいろいろ調べてみますと、平均的に五メートル離れたところではかってみると七十デシベル以下になるという問題と、物によっては確かに七十デシベル以上のものも中にはございますが、非常にそれは割合が小さい、それから苦情の統計を調べてみますと、建設作業の中でのブルドーザーの苦情というのは非常に低いランクにあるということでございます。
 それからもう一つは、作業自身が移動して回りますので、一体どういうチャンスでその五メートルで幾らとはかるのかというような技術上の問題も中にはある。もう一方地方自治体で、四つの地方自治体が指導ベースでこの建設作業のものを取り上げておりますけれども、ブルドーザーを取り上げているのはそのうちのごく一部でございまして、これも規制ではなく、指導というベースでございます。さらに非政策的な問題といたしましては、非常に中小企業が圧倒的に多いと、一千万以下のものがその約六〇%近くあると、非常に零細企業が多いと、以上のようなことを全部判断をいたしましてブルドーザーは一応この対象とはしないということが決まりました。
 それから第二点の、この十二条の猶予期間の四年というのは長いじゃないかという御指摘でございますが、これは鍛造工場などにおきましての改造といいますのは、それはもう工場の基礎工事から全部改造をしなきゃならないと、それから、その間に工場もちろんとまります。非常にこれは根本的な重大な切りかえをさせることになりますので、そういう意味でこの振動の全体を直すのに確かに根本的なむずかしい問題がありますが、特に鍛造等におきましては、そういう問題の経験をいままで痛いほど積んでまいましたので、そういうことで猶予期間が四年ということになっております。
 なお、原則といたしましてはそう改善をするための手法に応じた期間ということが基本原則でございますが、四年は特に以上申し上げたような理由でございます。
#25
○井上吉夫君 十二条の一項、二項に勧告の場合と命令の場合、期限を定めて勧告ないし命令をすることができるというぐあいにありますが、これはまあケースによってもちろん違うとは思いますけれども、おおむねその期限というのは大体どのくらいからどのくらいという、そういう範囲の中に入るのか、おおよそ一般的な場合の期限の考え方についてお伺いをいたします。
#26
○政府委員(橋本道夫君) これは非常にケース・バイ・ケースの問題がございまして、零細な企業で、しかも非常に家が接してあったりして変換さすのにむずかしい問題がございますので、この改善を求める場合に、やはり実現をちゃんと済ませなければ効果ございませんので、内容に応じてケース・バイ・ケースにその期間を決めるということでございますので、一概にどの辺であるかということにつきましてはなかなか期間として申しにくい問題がございますので、ケース・バイ・ケースというぐあいに御理解願いたいと思います。
#27
○井上吉夫君 建設作業で七十五デシベルを超えるものについては、時間短縮、さらに時間短縮等の措置をとるということであります。中公審の資料見ますと四時間まで時間短縮ができるという、そういうぐあいに答申は出ているようでございますが、問題はこの七十五デシベルを超える振動の非常に大きいものを端的に言う十時間からあるいは第二種地域の十四時間にして、これからうんと圧縮してもう四時間まで時間制限できるという、そういうことだと思うんですけれども、時間の面ではなはだしい振動の規制を大きく厳しくするということはわかりますが、それでは振動は、七十五デシベルを超えるものは百デシベルであれどこまでいくのかわかりませんけれども、何ぼでもどんなに激しい振動でもちょっとも差し支えないのかということが一つの問題になるのではないかと。だから、いわゆる上限といいますか、七十五デシベルを超えて時間制限を必要とするような大きな振動というものの上限というのは考えられないのか、そのことについてお伺いいたします。
#28
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございました建設作業での七十五デシベルを超える大きな特定作業でございますが、これは非常な建設作業の本来の特性が衝撃をもって最終にきっちり打ち込んで基礎がしっかりするということがなければできたものが全くこれは安全に係る話になるわけでございます。そういうことで衝撃をどうしても使うというところがございますので、衝撃を使う時間をどの程度までほかの代替工法で短くできるのかということが現在の技術の限界と申しますか、そういうところでございます。そういうところですので、たとえばくい打ちの場合にアースオーガーというものを併用していきますと時間が、衝撃をする時間数を減らすことができると。で、われわれとしましては確かに七十五以上のものを上限を切りたいという議論はいろいろしてみたんですが、どうしても先ほど申しましたような特性、それから最後の締めのところの代替工法が出ないということですので、このような時間的な制約ということをもって、四時間を限度としてそこまで短縮できるということをもってこのような作業の条件を規制をするということになったわけです。
 なお、このような数字の算出につきましては、先ほどちょっとお話をいたしましたISOの基準の中でどういうデシベルをどれぐらいな時間を暴露した場合に影響はどうかという国際的な合意をした資料がございまして、その四時間というものはそういうところから算出されてきているものでございますので、健康の面で問題が起こるというようなものではございません。しかし、確かにはなはだしい騒音であることについては間違いございませんが、現状では時間制限ということでやる以外にやむなしということに考えております。
#29
○井上吉夫君 次に道路交通振動の関係についてお伺いをいたします。
 道路交通振動についてはすでにまあ二十数県条例でもって定めているところがあるわけですから、そういうところにおいて今回定めようとしている限度値以下の道路であっても住民の苦情が出ているという、そういう個所があるやに聞くわけでありますが、環境保全の立場からこの限度値というのは住民の苦情との関連でこれで十分かどうかということが一つの検討の材料になると思います。そのことについて環境庁からお答えをいただきたいと同時に、道路維持、管理なり等を含めて建設省が所管すると思いますから、具体的にたとえば国道四十三号線とか環状七号線あたりでは比較的苦情の多い道路だと聞くんですが、大体どういうぐあいに把握をしておられるのか。同時に、そういう非常に苦情の多い路線についての対策は、振動防止も含めて、ここに言う舗装とか修繕とかということだけでなしに、車線を広げるとか、あるいは緩衝帯を設けるとかというかなり総合的な対策が場所によっては必要ではないかと思うんですが、そういう総合的な対策も含めてどういうぐあいに対応をしてこられ、今後どうやっていこうと考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
 さらに、この機会に、道路交通振動については、道路管理者に対して要請をするという形になっている。それを受けて道路管理者、たとえば都道府県知事が要請をするわけですから、その中には県道がありましょうから、県道については都道府県知事であると同時に道路管理者である同一人ということになります。しかし、市町村道あり、国道ありという形になってまいります。問題は、それを受けて、「道路管理者は、」「当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」というぐあいに十六条にうたっているわけであります。そこでかなり具体的な質問になりますけれども、従来から、国であれ都道府県であれ市町村であれ、大体予算の設定時においてその年の道路の舗装なり維持修繕の経費というものは計上している。ところが、この振動規制法に基づいてどうしても緊急に勧告、要請を受けて措置をしなきゃならぬという個所が目について浮かび上がってきた場合に、それに機動的に対応できるという予算の流動的な運用という措置が、現実問題として可能かどうか。そのことを建設省の方にお伺いをいたしたいと思います。
#30
○政府委員(橋本道夫君) まず最初の御質問の中で、地方自治体が道路について条例をやっていたんではないかということがございましたが、地方自治体の条例の中で道路をストレートに言っているのはございません。あと訓示的なものを自動車公害等の中で言っているものはございますが、何らこのような具体的な措置を示したものはございません。
 それから次は、道路交通振動につきましての措置を要請する限度値が昼間は六十から七十、夜間が六十から六十五で、これ以下でも苦情があるのではないかという御質問でございますが、現状におきまして確かにこれ以下でも苦情がございます。これは、心理的な影響あるいは生活妨害というところの議論になってまいりますと、確かにこれ以下でも問題が起こるものがあるわけでございますが、ただ、五十デシベル以下というようなことで騒音に関連して起こるというのはこれはどうも説明のつかないような不規則なデータでございまして、大体五十デシベルぐらいまではそういうことがあるのかというところがございますが、このところでは要請の限度値ということを言っておりますので、具体的な措置を起こすということで、望ましい数字ということで決めておるのではございません。まず道路の振動のはなはだしいものを、少なくともこれだけひどいところはまずきっちり直していこうというようなことで決めたのがこの限度値であるというぐあいに御理解願えればありがたいと思います。
 なお、四十三号線と環状七号線につきましては、私どもの方に四十三号線につきまして尼崎からいただいておりますデータの一部を御紹介いたしますと、夜間に上りの車線で五十九デシベルぐらいのものがある、のデータになっております。下りの車線で五十三デシベルということになっております。ここは非常に問題があるところですが、われわれの社会調査等も含めていたしましたところ、振動に対する苦情というのは必ずこの場合は騒音もございます。一番苦情の出方に影響しますのは、実は騒音が最も強く影響しております。因子を解析してみますと騒音が一番影響してまいりました。それから、その次はその地域性というものがございまして、その次に振動のレベルが影響してくるというようなことに実態上道路振動問題ではなっているというようなところでございます。
 以上です。
#31
○説明員(浅井新一郎君) お答えいたします。
 まず最初の、環状七号線とか国道四十三号線などの特に苦情のひどい道路、幹線道路におきまして振動問題あるいはその他の騒音対策、総合してどういう対策をとっていくのかという御質問でございますが、振動対策といたしましては、一応手法としてはオーバーレーあるいは舗装版の打ちかえというようなことを中心にやっていくわけでございますが、ただいま環境庁からのお答えにもありましたように、こういった幹線道路での振動に対する苦情というものは、振動そのものだけじゃなくて、騒音に対する実感と絡んでいろいろ苦情が出ている面も非常に多いわけでございまして、いま言った路面対策のほかにやはり場所によって植栽帯、十分広い植栽帯を設ける、あるいは防音壁を設けるといったような対策、あるいは場所によっては環境施設帯を設けるというような対策も総合的に考えながらやっていかなければならないというふうに考えておりまして、かなり予算的にもかかるわけでございますが、今後の道路整備の姿勢として、こういう環境対策の金も十分取ってやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、二番目に御指摘のございました、振動等で問題が起きた個所に対する措置を機動的にやるために予算的に十分やっていけるのかという御質問でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げました打ちがえあるいは被覆というような維持修繕関係の予算といたしましては、たとえて申しますと本年度で三百五十億ばかりのオーダーのものになっております。それで、このような基準で当面問題になりそうな個所を、これはいろいろ測定方法などが決まっておりませんので確実な推計はまだできておりませんが、ごく大ざっぱに概算しましても、大体二千億がらみの金がかかるのじゃないかということで、それに対してことしの予算はまだ三百五十億程度のものでございますので、やはりこのペースでいくと数年かかるというようなことでございますが、こういった事態になりますと、相当これから維持修繕費を大幅にアップしましてその中で運用していくことになります。しかし、維持修繕費というものは比較的他の工事費等と比べますとわりあい機動的に従来から運用しておりまして、非常にそういう障害の大きなところから逐次向けていくというような措置が講じられますのでその辺は十分やっていけると思いますが、いずれにしても、全体の額をもう少しふやすことがやはりそういうものに対応するのに非常に必要かと思いますので、今後やはり道路予算を全体をもう少しふやしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#32
○井上吉夫君 この法律は当然に成立することが予想されますので、ただいま建設省からお答えがありましたように、性格として維持修繕はわりあい機動的に対応できるという性格を持ってはおりますけれども、恐らく従来の総枠ではとうてい対応できないということも考えられますのは、予算の増額と同時に機動的な対応についてさらに気を配っていただきたいということを要請をいたしておきます。
 ここで新幹線関係についてお伺いをいたしますが、新幹線関係につきましてはこの法律の中に組み入れていないわけですけれども、その理由は何なのかということと、もう一つは、本年三月十二日に環境庁長官から運輸大臣にあてて「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について当面の措置を講ずる場合のよるべき指針」というのが勧告されております。そこで、この指針に基づいて「指針達成のための方策」というのがこの三ページに、振動源対策として、構造物の振動低減対策の措置を講じなさい、さらに、この構造物の振動低減対策を講じても、現在の防止技術では振動を低減することが困難な場合もあるので、早急に構造物の防振対策なり振動遮断対策などの技術開発を図れ、さらに、既設の住居等に対する建物の移転補償なり改築及び補強工事の助成等の措置を振動が著しい地域から実施するということなどが勧告をされておりますが、それにどう対応をしようとしておられるか、お伺いをいたします。
#33
○政府委員(橋本道夫君) 第一の御質問の、どうして新幹線が入っておらないのかという問題でございますが、これは防止技術の問題で非常にまだ難点がございまして、先生の御指摘のように、長官から運輸大臣へのこの勧告におきましても、防止技術の開発ということを非常に強調いたしております。また、車両や線路の構造の改善というところにも幾多の問題もございますし、また運行の問題になりますと、道路のように、交通信号のように規制をすることができない、本来、その時間表で走るというところの問題も中にあるわけでございますが、非常に困難であるということがございます。
 それから対策といたしまして、お話の中にもございましたように、家の防振、住居の防振建築の問題もございますが、移転補償というような問題もあり、非常に総合的に、騒音と一緒に総合的にやらなければならないということで、四十八年の十二月に中公審の答申で「法規制を行うに当っての基本的考え方」というところで、この新幹線については、別途、騒音と総合対策でやるのが適切であるというのがございまして、それによったわけでございます。
 なお、この新幹線の問題につきましては、昨年の七月でございましたか、決定して出されました新幹線の騒音の環境基準の達成の中の一番差し迫って急がれております、八十ホンで三年間という地区がございます。今回、この緊急に出されましたこの新幹線の指針といいますのは、そこの騒音の八十ホンの三年に該当する場所でございまして、これは、この騒音では、本来 原則は防音工事でありますが、中にはやっぱりどうしても移転というものがあるわけであります。そうしますと、騒音でやって、今度はまたしばらくたってから振動でやってみると、また別のことをしなければならないというのでは、非常に、二重投資の問題があるということで、緊急に講ずべき措置として、しかも騒音と総合的にやるべき問題といたしまして、今回の新幹線の指針が出されてきたということでございます。
 なお、運輸省、国鉄の方がおれらますので、先ほど先生の御指摘の事業量等につきましては、そちらの方の方からの御答弁をいただきます。
#34
○井上吉夫君 時間が余りありませんから、簡単にお願いします。
#35
○説明員(吉村恒君) 第二点につきましてお答えを申し上げます。
 国鉄といたしまして、今回の緊急の指針値につきましては、大変厳しいものと受け取っております。と申しますのは、一つは、振動の問題につきまして技術的に不明の点が多い、あるいは、地質という自然条件に非常に大きく左右されている、また、いろいろ苦心をしておるんでございますが、技術的に解決の方法がいまだ決定的なものがないというような点がございます。また対象の戸数といたしまして推測をいたしますところかなりの数に上り、一万戸前後ではないかと予想をいたしておるところでございまして、多くの数の方々の対策を当然、先ほど道路の方でもお話がございましたように、財政的にも相当の問題があるというふうに考えております。そのような厳しいものでございますけれども、綿密な御調査と厳正な御審議の結果、緊急に実施せよということでございますので、冷厳に受けとめまして、また現実多くの方々に御迷惑をかけているということを深く認識をいたしまして、今後取り組んでいきたいということでございます。国鉄部内にも、四月二十六日付で環境保全部として直接現地を指揮をできる機能の部局が新設になりまして、不肖私が拝命をいたした次第でございますけれども、今後これらの施策につきまして、先ほど環境庁からもお話かございましたように、騒音の問題とあわせまして総合的に進めていく所存でございます。
#36
○井上吉夫君 きょうは時間がありませんので、国鉄の方から新幹線に対するこの勧告を受けて具体的にどう対応するかという細かい問題を聞く時間がありませんけれども、ひとつ大きくこの面に対策を伸ばしていただきたいと思います。
 そこで、環境庁の方にお伺いをいたしますが、この中央公害審の資料の二十五ページにあるわけですけれども、「振動公害の実態と影響」の中で、環境庁の調査によって昭和四十九年にこの苦情の件数四千九十五件の分類が説明がございます。これによりますと、発生源別に見ますと工場振動が五三%、建設作業振動が二四%道路交通振動一〇%、新幹線鉄道振動について七%という、そういう苦情が出ているというぐあいに説明をしてあります。私は、この数字をそっくりそのまま苦情の件数の具体的比率の実態であろうかということに若干の疑いを持つわけであります。
 というのは、幹線道路あたりに自動車がどんどん走る、あるいは新幹線沿線、これも騒音と振動がいま一緒になって、住民生活なり住居環境に影響がある。しかし、これはその沿線にもう幅広く問題をかもしているために、具体的に近くに工場があるとか、あるいは建設作業が実施されているという場合みたいに、かなり限定された区域の人が苦情を申し出るということが少ないために、意外と数値がこの道路交通振動なり新幹線鉄道振動には数値として少ないのではないだろうかという感じがするわけでありますが、どうお考えになっておるかということが第一点です。
 次は、言うまでもなくこの答申の中にもあるわけでございますが、道路であれ新幹線であれ、こういうものは半永久的に住民を悩まし続けてまいるという、もう固定的な半永久的施設であります。そこで、たとえば自動車、新幹線のスピードなどを落としていく、いわゆる運行方法の改善の問題、あるいは道路については道路の改造の問題、新幹線であれ道路であれ、周辺住宅の改築であるとか移転などの問題、あるいは遮断等の問題、そういうものがいわゆる総合的に実施をされなければ、これまた、途中で申し上げましたように、騒音と振動というのがどこでどう区分するかわからぬように、ふくそうしながら住民の体にあるいは住居に影響を及ぼしているわけですから、そういうものの総合対策を十分検討する必要があるということが、答申の中にもあるようであります。そのために、しかるべき機関を設置をして検討を進めていく必要があるとうたわれておりますが、このことについて、環境庁としては新機関の設置等についてどういうであいに取り組もうとしておられるか、このことをお伺いいたします。
#37
○政府委員(橋本道夫君) まず第一の御質問の、数字だけを見て判断できるかという御指摘でございますが、これは環境庁が都道府県と市町村にやってきた件数、つまり事件件数としての数字でございまして、これは一つの動向は示しておるものでございましょうが、なかなか、たとえば工場の場合には、ごく近隣だけで、一件でも入る人が少ない、ところが道路や新幹線では非常に多くの範囲が巻き込まれるというようなこともございますので、この件数からだけでウェートを判断するというのはなかなかむずかしいのではないだろうか。しかしこの社会調査などをいたしてみますと、どうも新幹線とか道路とか工場で反応が少し違うのではないだろうかというようなこともございますけれども、どうもそこまでまだ断言し切れないところもあるということが実態でございます。
 それから第二の総合対策という点でございますが、これはいまの御質問は新幹線に関連した御質問というぐあいに理解をしてお答え申し上げたいと思いますが、これは御指摘のように非常に総合対策が要るということでございまして、単に技術的な角度だけではない問題があることです。また運行規制というような問題も、この審議会の中でも議論をされておりまして、運行規制を審議会の答申の中で落としているわけではございませんが、ただこれは公害の観点からだけの議論ではないということでございます。そういうことで、提言の中に、この「審議する機関」云々ということを出されたわけでございますが、これはやはりこの環境問題だけでやるということよりも、むしろ国鉄の経営も何も含めた、サービスも含めた全体の問題の議論ではないかということで、あえて提言の中に書かれたところでございますので、これはこうした提言を踏まえて、そういう必要性があるという強い高まりがありますれば、関係省庁とも協議の上、運輸省によく働きかけてみたい、こういうぐあいに思います。
#38
○委員長(藤田進君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十八分開会
#39
○委員長(藤田進君) 公害対策及び環境保全特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として柄谷道一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#40
○委員長(藤田進君) 午前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#41
○青木薪次君 衆議院の島本委員長代理にお願いいたしたいわけでありますが、振動規制法案に対する修正案の中で、その三項の後段、「この法律の規定は、地方公共団体が、指定地域内に設置される特定工場等において発生する振動に関し、当該地域の自然的、社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」ということをうたっているのであります。で、地方自治法によりますと、同一事案について条例の定める範囲において実はうたっているのでありまして、それらの点から考えてまいりますと、地方自治法の第二条の二項「その区域内におけるその他の行政事務で国の事務に属しないものを処理する。」ということに実はなっているのであります。したがって、このことは同じく地方自治法第十四条にもそれらのことについてうたっているのでありまするけれども、環境庁の所管する水質汚濁防止法と、それから大気汚染防止法との関係等について、あるいはまた騒音規制法等についてやはりいまの「条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」ということをうたっているわけであります。そういたしますと、先ほど井上委員からもいろいろとお話があったわけでありますが、地方の実情の中において、これ以上規制を加えられてはこれはもう産業経済の立場から困るといったようないろんな苦情等も上がっているというようなことと、それから住民の意向というものは、もっと規制を強化しろという方向に、いろいろ考え方というものが二分されたかの状態を呈しているのでありまして、こういう立場からこの問題について島本委員長代行はどういうようにお考えになっておられるのか、その点についてお伺いいたしたい、こう思います。
#42
○衆議院議員(島本虎三君) お答え申し上げます。
 先ほど修正部分に対して説明いたしました第二項に属する第二十四条の条例との関係の規定について、いわゆる横出しの規定のほかに新たに「地域の自然的、社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」と、こういうようなことを現行の騒音規制法の例に見られるように入念的に追加したものである、こういうように御説明申し上げたわけであります。したがって、ただいまの質問に対して、その趣旨にのっとって、公害事案に対しては人の生命と健康にかかわる重大な問題でありますから、これは国の決めた法律、またそれより厳しく規制しなければならない場所もところによってはあるのであります。しかし、この中におきまして、当然大気汚染防止法及び水質汚濁防止法、ここにおきましては条例でいわゆる上乗せ基準を決めることができると、このことを含む条例になっているのでありまするけれども、今度の場合はそうじゃないのでありまして、特に新たに地方公共団体が「地域の自然的、社会的条件に応じて、この法律とは別の見地から、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」と、と申しますのは、法律と条例の関係について地方自治法第十四条第一項によって、おっしゃるとおり、地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができる、こういうふうにされておりますが、条例が法律と別の見地から定められる場合は法律に違反するものではございません。この場合も現行の騒音規制法の例に見られると同様に入念的に追加した、このことであります。
 「この法律とは別の見地から」、この辺がいわゆる疑問の集中するところじゃないかと思うのでありますが、たとえば超低周波振動、こういうようなこともございましょうし、文化財保護の見地、こういうようなものもございましょう。そういうような見地等から当然規制することはあり得る、こういうようなことを定めたものでありまして、これは満場一致でそれを認められたものでありまして、その必要なことにおいては各党ともに認めたことであります。
#43
○青木薪次君 わかりました。
 先ほどの質問でもあったわけでありますが、国鉄の吉村部長にお願いいたしたいと思いますが、国鉄の新幹線の技術上、非常に困難な振動規制に対する分野がまだ残っている。したがって、このことを達成するためには相当な技術開発や、あるいはまたそのほかに予算上、資金上莫大な金がかかると思うのでありますけれども、大体振動規制法の関係のいわゆる振動規制と、そしてまた騒音に対するやはり規制といったような問題についてどういうように国鉄としては対策を立てていかれるか、ちょっと説明していただきたいと思います。
#44
○説明員(吉村恒君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、国鉄といたしましてこの問題厳しく、また真摯に取り組んでいくということをお答えしたわけでございますが、何分にも技術的にむずかしい問題が多いというふうに申し上げております。振動それ自身が研究されてからの歴史も非常に浅うございますし、この鉄道振動につきましては原因、それがどういうふうにして伝わるか、それからことに地質によりまして非常に大きく左右された上で、さらにいろいろの周辺建物そのほかに影響を与えるわけです。受けられる方もまたその様相がいろいろに違います。たとえば木造、コンクリート造、二階建あるいは住宅、倉庫あるいはアパート等いろいろございますので、一律にはいかない。また、いままでの例から申し上げましても、このような物に対しまして減らす、振動からの被害を逃れるための技術、手段というのがまた非常にむずかしいわけでございます。いろいろの実験その後積み重ねておりますが、これといって効果的な手はなかなか見つかりません。ある場合には成功もしておりますが、多くの場合効かないというのもまた事実でありまして、それらの技術的手法につきましては、これらの勧告、中間報告の中にもあるところでございます。それらを含めまして鋭意実態の把握をまず第一と考えまして一昨年来進めてきておるところでございます。ごく粗っぽい推測をいたしますと、今回決められました方法と、今回決められました七十デシベルという数値の対象家屋といたしましては、約一万戸に上るかと予測をいたしておるところでございます。これは既開業の東京から博多までの沿線でございまして、その大部分は東京−新大阪間の東海道新幹線部分にございます。先ほども申し上げましたとおり、いま申し上げました技術的な問題も今後鋭意進めていかねばならないわけでございますが、何分にももう一面といたしまして、いま申し上げましたような多くの数に対処をするということでございます。
 お金として幾らかかるかという御質問でございますけれども、実は先ほども申し上げましたとおり、この問題、騒音の問題と密に関係がございます。ことに先ほど環境庁の方からも御説明ありましたように、七十デシベルというものはさしあたり騒音対策を進めるに当たって二重答申にならないようにという御配慮からの数字でございますので、そのほとんどは、一万戸と申し上げましたそのほとんどもまた騒音の処置と重なってまいります。したがいまして、騒音で幾ら、振動で幾らというふうにいささか取り上げにくい、もともと対策としては一本でそろえるべきものかと思うわけでございます。その金額のオーダーでございますけれども、いま申し上げましたような技術、手段が未開発な現在におきまして、いかなる手法をとるのかによりましても大幅に違ってくるかと思われますので、いささか現段階で明瞭な金額を申し上げかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、かなりの金額であって、先ほども申し上げましたように、財政的には問題になるものと私どもも覚悟をいたしております。
#45
○青木薪次君 莫大なものになるということはいまの吉村部長のお話を聞くまでもなく、われわれだって莫大なものになると考えているわけであります。公害対策基本法で示す典型七公害の大気汚染、水質汚濁、土壌汚染や騒音、振動、地盤沈下、悪臭とか、そういったようなもののある中におきまして、この騒音と振動というものを中心として国鉄がたとえばそのサイドを五十メーターとか百メーターとか、あるいはまた百五十メーターとかというように民家を一応疎開してもらうというようなことが、たとえば用途別にいろいろ規制されるということになった場合に、たとえば百メーターとか五十メーターとか、そういう民家について移転をするということを前提に考えた場合には幾らになるのかという点について計算されたものを私は以前に読んだことがあるわけでありますが、その点いかがですか。
#46
○説明員(吉村恒君) 計算を、各種の試算をいたしておることは事実でございます。騒音の場合に七十ホンの領域がどこまでいくかというような調査もいろいろいたしております。家が重なっているとか地形とかいろんな条件がございますが、平地でございますと七十ホンの端は平地で申しまして線路の中心から片側へ百五十メートルぐらいまで行くケースが考えられると思います。したがって、両側三百メートルになるわけでございます。音の場合はそのような遠い領域の問題はほとんど移転でなしに家屋に対します防音工で十分効果を発揮すると考えておりますので、騒音を原因といたしまして御移転を願うというようなケースにつきましては東海道に点在をいたします無道床の鉄げた、これにもいろいろ対策をしておりますけれども、構造上何分にもなかなか下がらないということから、対策いたしましても、なおある水準を超える音がするというようなものにつきましては、御了解を得て御移転を願う手法もとらざるを得ないかと思うわけであります。
 振動の場合でございますが、これまた先ほど地質で違うと一般的に申し上げましたけれども、七十デシベルの線は、場合によりましては、地質が非常によい場合には高架橋直下でも七十デシベルに達しない部分もございますが、往々にして軟弱地盤と言われるようなところでは線路中心から三十メートルぐらいまでの範囲に出ることもいままでのデータの中に散見をいたしております。決して全域というわけではございませんけれども、そういう出たり引っ込んだりしながら――がそういう範囲内に含まれるということでございます。
 振動の場合は、先ほども申しましたように、技術的に非常にむずかしい。たとえば家屋の増強といいましても、うまくいく場合もございますが、なかなかうまくいかない。振動を切るためにみぞを掘るというような方法もございますけれども、これまた各種の条件がたまたま一致したところでは効きますけれども、軟弱地盤全体が揺れるというようなところでは成功いたしておりません。なかなか手段がむずかしいわけでございまして、これは騒音よりはやや高い率で御移転を願うよりか対処の方法がないのではないかという推測もあるわけでございます。いずれにいたしましてもそのようなことで現在鋭意地域、数字等を固めておるわけでございます。御移転を願うといたしますと、いまの沿線の土地価格、家屋価格というようなものから、一戸当たり二千万円ないし三千万円という範囲が常識的ないわゆる一戸建ちの家というものに対する価格かと思われるわけでございます。それに対処すべき戸数を掛けて予算そのほかを見込むようになると思います。
#47
○青木薪次君 そういたしますと、二千万から三千万ということになりますと、二千億ないし三千億、その分だけでということになりますか、いかがですか。
#48
○説明員(吉村恒君) おっしゃるオーダーの金額になるものかと類推しています。
#49
○青木薪次君 私は移転だけでそういうことになりますと、防音工事とか、おっしゃるように後でお伺いしたいと思うのですけれども、東北新幹線、上越新幹線がもう着工されている。それから、全国に新幹線網をつくっていくということになりますと、このほかに莫大なやはり金がかかってくるのじゃないだろうか。私は、環境庁長官にお伺いしたいと思うのでありますが、特に移動発生源としての振動規制の場合だけを考えてまいりましても、相当新幹線の対策というものについては、これは一国鉄の問題じゃないというように考えているわけでありますが、その点いかがお考えになりますか。
#50
○国務大臣(小沢辰男君) 青木先生のおっしゃる御趣旨は私も理解できるのでございますが、ただ公害関係ではやはり汚染者負担の原則というのが確立をされておりまして、どうしても公害の発生原因を持つ者がその対策の費用は負担をしているという原則がある、これも事実でございます。むしろ、私どもいろいろOECD等に国際的な問題の検討がなされる場合、日本が公害防止事業団その他いろいろな観点からこの援助をしているのはこの原則にも反するのではないかと言われるほどでございまして、したがって、やっはり原則的には汚染者負担の原則という立場に立って、この費用を考えていかなければならぬと思うのであります。ただ、国鉄の性格というのが一般の民間の私鉄等とは違いますので、先生のおっしゃる趣旨も十分理解しつつ、私どもとしていろんな面の検討や努力はしていかなければいかんのじゃないかという気持ちはいたします。ただ、どうも私の立場で、汚染者負担の原則というものを曲げるような、何といいますか、他に影響することもございますので、この際は少し慎重に答弁をさしていただいておるわけでございます。
#51
○青木薪次君 国鉄の財政状態というのは、長期債務が六兆八千億。累積赤字が三兆一千億。ことしの工事関係の経費が七兆九千億。そのうち東北新幹線に二千億使うということになっているわけです。こういうような形の中で、いま私どもに対して運賃上げろ運賃上げろという相当な大きな陳情要求、ある場合には圧力さえ実は加わっているわけでありますが、こういうことについて環境庁長官は運賃を上げてPPPの原則、汚染者負担ということをやるべきだとお考えになっていらっしゃいますかどうですか。
#52
○国務大臣(小沢辰男君) やっぱりある程度、私は直接運賃と結びついた議論をするわけではありませんけれども、ある程度振動なり騒音なりの公害を防ぐための費用、あるいはそれに対しての損害補償というものは、これは汚染者負担の原則で考えますと、それが回り回って利用者なりあるいは消費者の負担になるということは、これはやはり仕方がないことではないかと思うのです。企業内のいろんな努力も待たなければいかぬと思いますが、これは国鉄のみならず、他のいろいろな企業体においても、当然いわゆるコストにそれが入るべきだというのが国際的な一応取り決めになっておるわけでございます。しかし、私が先ほど申し上げましたように、国鉄の性格というものを考えますと、公害関係の費用としてずばり国から援助をするということは、汚染者負担の原則であれ、いろいろな問題があろうかと思いますが、別の面で国鉄全体として考えた場合に、体質改善のために国が一般会計から相当の、財政再建のためなりあるいは今後の国鉄の改善のために一定の相当の部分を国が関与していくということは、私はむしろ個人としては当然ではなかろうかという気持ちを持っておる一人でございます。したがって、公害関係の費用を出すために運賃の値上げはおまえ当然だと思うかと、それだけで限定されて言われますと、やはり汚染者負担の原則というのはそれぞれのコストでございますので、ある面においては利用者側にあるいは消費者側にはね返ってくることは、これは国鉄も例外ではない、かように考えておるわけです。
#53
○青木薪次君 いまの問題で大蔵省主計官どう考えますか。
#54
○説明員(宍倉宗夫君) お答えいたします。
 ただいま大臣からお話ございましたが、私の方もそのようなことではなかろうかと考えております。騒音の問題にいたしましてもそれから振動の問題にいたしましても、一時的には国鉄がやっぱり責任を持たなきゃいかぬ。国鉄が責任を持たなきゃいかぬけれども、その持ち方でございますが、いまの運賃なり料金なりの体系の中でもってやっていけるのか、それとも先ほどお話がございましたように、かなりといいますか、相当に大きな金になりますので、別途、たとえば騒音料ですとか振動料という言葉がいいのかどうかわかりませんが、そういった別途の負担というものを新しく検討していくのか、その辺のところはいろいろ議論があるところと思いますが、そういう筋でものはやっぱり考えていかざるを得ないんではなかろうかと、このように思います。ただ現在、青木先生おっしゃいましたように国鉄が非常に困った事態になっておりまして、これに対しまして国から本年度二兆五千億円という巨額な、財政史上初めてでございますが、巨額なたな上げ措置をやってあげようとか、そのほかに工事費補助金というものもやっていこうと、こういうことになっておるわけですが、その工事費補助金と申しますのは、国鉄の工事費、先ほど七千九百億とおっしゃいましたが、その七千九百億の工事費を投入いたしますと、その投入資金にかかる金利を三分五厘までは国鉄が負担しろと、それ以上の負担は補助をしてあげようと、こういう仕掛けになっているわけであります。その三分五厘というレベルが現段階ではちょっと、何といいますか、国鉄にとって甘過ぎるといいますか、有利過ぎる率でございます。たとえば同じような有料の交通機関といたしまして有料道路があるわけでございますが、有料道路の場合には、一般道路ですとその三分五厘というやつが六分でございまして、六分までは道路の負担。それから東名ですとか中央高速道路とか、ああいった高速道路でございますと六分四厘ぐらいになっておりまして、それから首都高速とか阪神とか、その辺通っておりますが、これは約七分ぐらいになっております。その辺に比べますと、国鉄の場合三分五厘ということは相当にめんどうがいいわけでありますが、そういった措置をやっております。その工事費の中には、国鉄がやります騒音工事とか、それから振動に関する工事なんかもその対象になっておりますので、そういった意味では相当程度と申しますか、国も国鉄に対して助成をいたしておると、こういったことになっておるわけであります。
#55
○青木薪次君 私は大臣の言われたこのことに対する、振動規制にしても騒音規制にしてもそうでありますけれども、一つのやっぱり経費的な考え方であるということについて否定をしているものでは実はないわけであります。しかし、欧米諸国の例をとってみて、やはり相当程度この分野において一般会計から支出をしているという分野というものは非常に多いんです。日本の実情なんか比べものにならないくらい実は多いわけでありまして、それらのことを考えてまいりますと、これから、先ほど国鉄の吉村部長はただ振動とか騒音だけのことを言っておりましたけれども、実は私は、たとえばテレビに対するいわゆる補償とか、電波障害に対する補償とかいろんな問題が実はあると思うんでありまして、それらのことを考えてまいりますと、相当程度やはり事志とは違って国家的な立場において新幹線をつくりなさい。田中さんは高度成長のときには全国九千キロの新幹線つくれということまでラッパを吹いたことが実はあるわけでありまして、そういうようなことは当然当時の首相として国家的な行事であるという立場に立って考えておったわけでありまして、いま主計官のおっしゃるように、三分五厘という話も出たわけでありますが、イコールフッティングという思想等について考えてみたときに、いま主計官のおっしゃるようなことだけでは問題は解決しないというように実は考えているわけでありまして、これをすべて運賃で解決するということだけではなくて――もちろんそのことについて私も否定しません。しかし運賃だけで解決するということでなくて、一般会計から、この問題は重大な問題でありますから、支出するということも含めて考えたらどうかと、将来の検討課題でありますけれども、主計官からもう一言お話を聞きたいと思います。
#56
○説明員(宍倉宗夫君) 将来の検討課題というお話でございますので、先のことでございますからなかなか現時点で判断するのもむずかしいかと思いますが、当面、現時点で考えられます将来、数年間のタームで考えますと、恐らくただいま衆議院で御審議願っております国鉄関連の諸法案がお認めいただけるということを前提に考える限り、この問題について特別な国家助成を必要とするというような事態にはならないと、私そのように思っております。
#57
○青木薪次君 運賃値上げを前提に考えるという考え方というものは、私は間違っていると思います。そのことについて、私はもとより運賃の問題は運賃の問題として適正にやはり考えていかなきゃならぬし、適正料金ということはよくわかるわけでありますが、これらの関係というものはやはり私は、特に道路あるいはまた国鉄のしかも新幹線というようなもの、この移動発生源の中で特に私は新幹線の問題が一番重大だろうというように考えておりますから、この問題についてはやはり現在から将来にわたる過程の中において、何でもかんでも運賃でもって負担しなきゃならぬということでなくて、やはり政府が積極的に、しかも大蔵省は、先ほど大臣の言ったようにすべてを運賃ということだけでなくて、国としてこの問題を考えていくように努力するということを私は要請したいと思いますが、もう一言だけ答弁してください。
#58
○説明員(宍倉宗夫君) 先ほど私も申し上げましたように、すべてを運賃でカバーするのがいいのかどうかという問題は確かにあるわけでございますが、別途の運賃料金制度といいますか、現行の運賃料金制度とは離れて、別途の何らかのシステムというものが考えられるかどうかということではなかろうかと、そのように思うわけであります。
#59
○青木薪次君 じゃ、問題を別に移します。
 今回の振動規制法に対しまして、環大特第三十二号によりますと、環境庁長官が運輸大臣あての勧告の中で、環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について、列車の走行に伴い発生する振動は著しく、沿線の一部の地域においては看過しがたい被害を生じているとあるのであります。環境庁の調査によるその看過しがたい被害の状況について地域ごとに説明をしていただきたいというように考えます。
#60
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございました、地域ごとにひどい状態を具体的に説明せよという問題でございますが、私どもはいま地域ごとにその振動の問題につきまして、新幹線の沿線で非常に国に対して直接いろいろ御議論のございますのは、山陽新幹線の尼崎−西ノ宮の沿線でやはり騒音と両方からみまして振動が非常にはなはだしい。初め約束した数字と違うというような議論が多くございます。また、そのほかの問題につきましては、新幹線の騒音と同時に問題があるということで、私どもはこの基準や数値を検討いたしますために、いろいろ社会調査をいたしまして、ここの数字にある七十デシベル以上というところは一体どれぐらいの程度の人がその振動について文句を言われるのかということを見てみますと、非常によく感じるという人が大体四割程度はその方々がおられるということでございます。
#61
○青木薪次君 いま局長のおっしゃったように、東海道新幹線と山陽新幹線に分けて七十デシベル以上の数字が、数字というよりもポイントが記されているわけでありまして、これがいわゆる一万戸ということになるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(橋本道夫君) この七十デシベル以上のところといいますのが大体何か十メートルから五十メートル幅ぐらいのところで、かなり騒音のような規則的、規則正しくは分布しておらぬということが運輸省の調査を通じて私ども聞かされております。また、この範囲内にはまるのがほぼ一万戸ばかりではないかということも私どもは運輸省から聞かされておりますが、詳細環境庁自身が調査したわけではございませんので、運輸省の資料として審議会の専門委員会のときにそういう意見が述べれらておるということを御報告申し上げておきます。
#63
○青木薪次君 振動規制法案の体系の中で工場振動と建設作業振動と道路交通振動と三体系からなっており、しかもこれと新幹線の鉄道と規制を分離したという理由について先ほどから議論されておりますように、技術的困難さという点については私も実情をよく知っております。それからいま言った財政的困難の面と両方あると思うんでありますけれども、この点について環境庁から御答弁願いたい。
#64
○政府委員(橋本道夫君) 財政的な困難さがあるのではないかという御指摘でございますが、先ほど国鉄の環境部長さんの方からもお話ございましたが、私どもも運輸省の方にいろいろお話を伺ったところ、これは大体二千億ぐらいこの七十デシベルぐらいのところでかかってくるのではないかというお話として聞いております。また、これも私どもが責任を持ってお答えできることでもございませんが、まあ経費がどうなるのかという議論で、原則は先ほど長官がお答えいたしましたとおりの考えでございますが、従来新幹線の料金等の改定されるときにもこういうことも考慮に入れられておるというぐあいに聞いておりますが、はっきりした計算は存じません。
#65
○青木薪次君 国鉄の吉村部長にお伺いしたいわけでありますが、環境庁の勧告による新幹線の補正加速度レベルの七十デシベルについて国鉄当局としては先ほどの答弁で厳しいという一語に尽きるということを実は言われているわけでありますが、なお日本弁護士連合会あたりの意見を聞きますと、厳しいどころか、これじゃあひとつ緩やか過ぎるという意見も実は片方であるわけであります。で、この問題について率直に言って国鉄当局はどういう対応を示してこの問題に対処しているのかという点についてお伺いしたいと思います。
#66
○説明員(吉村恒君) 七十デシベルが厳しいと申し上げましたのは、現状の数の大きさ、財政問題それから具体的な技術手段として持っていないという面から見ますと、やはりこれを処理するのは大変なことだという点から申し上げたわけでございますが、この七十デシベルがこの数字でいいかということになりますと、私どももそうは思っておりません。望むらくはもっと低い数値が望ましいものとは思っております。何分にも今回出ました緊急指針の意味が先ほど来御説明のありましたように、騒音と二度手間にならないように対策をするという点から出たわけでございますので、その七十に従って当面の措置をとるわけでございますが、永続的にはもっと低いところまで努力すべきものだと思っております。
#67
○青木薪次君 そこで、努力されるという点については、一つは補償の関係と、一つは現在の防振工事あるいはまた改築とか補償とかいろんな関係を含んだ、たとえば移転という問題もあるでありましょうけれども、将来の課題として研究、技術開発というような問題があると思うんであります。防振工事の点で考える点についてお伺いしたいんであります。
#68
○説明員(吉村恒君) 家屋に対します防振工事の手法はいろいろ研究がなされております。たとえば地盤と建物基礎との間に緩衝材をはさむというような方法もございますし、家屋内でも振動をいたします部分部分を地盤に直接接しています構造体から浮かせるというような方法も考えられております。また構造全体、ことに木造家屋なんかの場合には筋交い斜めに入っておりまして、振動を防ぐために非常によく効く部材があるわけでございますけれども、そういうものが数が少ない、あるいは地盤振動の方向と筋交いの入っている壁面とが合っていないというような点があれば筋交いのような部材を追加をするというようなことも技術的には考えられておるわけでございます。これらの対策はそれぞれの個々の事情によって違ってまいりますので、そのどれを採用するかは個々に決めていく問題でございますが、先ほども申しましたように、これらの技術手段、実はこの振動の防除につきまして、まだはなはだプアーであると言わざるを得ないかと思います。
#69
○青木薪次君 そこでもう一度、この騒音と振動との相関関係でありますがね、先ほどからの質疑にありましたように、振動よりも騒音の方がやかましいというようなところもあるし、また、振動の方が耐えられないというところだって実はあると思うんであります。騒音対策その他環境対策とこの振動対策というものを有機的に連携をして実施さしていきたいということが答弁として先ほどあったと思うんでありますけれども、これはまさにそのとおりだと私も思います。その計画について、騒音と振動というものはある意味では姻戚関係にもあるというように考えておりますから、その点について計画があったら教えていただきたいと思うんです。
#70
○説明員(吉村恒君) 現在全線のどこからどういうふうに進めていくかの具体的な計画を新設の私どもの部局で作業中でございます。いままででもすでに問題になって手がけておる部分がございますので、それは鋭意前進をいたしていきたいわけでございます。いままで手がけております問題は、騒音につきましては無道床鉄げたの周辺の、新幹線沿線で約三十カ所、その周辺のお立ち退き等をお話をいたしております。まだ実際に実現したものは数割にしかならないわけでございますが、それも進めながら、さらに全線的な措置を講じていきたいと思っております。ことに、地盤の条件が非常に悪い地域がございます。たとえば東海道新幹線の名古屋周辺でございますとか新大阪へ入ります入口付近というような、いずれも河川が非常に新しい時代につくりました沖積層、しかもそれの厚さが二十メートル以上にも及ぶというようなところにつきましては包括的な手段を講じていきたいと考えております。
#71
○青木薪次君 振動の伝わる形というものは一体どうなのか。それから人体に与える影響は、先ほど大気保全局長は皆無だと言われましたけれども、私は皆無ではないと考えているわけでありますが、人体に与える影響。それから家屋に与える影響というものは、別に新幹線や自動車が通ったから家がひずみがいってガタガタと倒れてしまうというものじゃなくて、壁のひずみとか長い間には非常に家屋に対するだんだん損傷が蓄積されて、その耐久年数も短縮されるというように考えているわけでありますが、七十デシベル以上の場合にどういう影響があるか教えていただきたいと思います。
#72
○政府委員(橋本道夫君) 先ほどの答弁を申しましたときに問題がないと申しましたのは、健康障害として病気が出てくるというような数字では全くないということを申し上げたわけでございます。人体の被害で一番ぐあいが悪いのは気管支炎になるとか水俣病とかああいう器質、体の病気になる。これはこのような程度の振動では全くございません。
 それから第二番目の影響は、生理的な影響があると。これは脈搏数が少し変わってくるというようなそういう問題、あるいは呼吸数に若干影響してくるというような問題でありますが、そういう問題がどのくらい出てくるかといいますと、これは九十デシベルぐらいで人間に少し実験をしてみるとそういう程度のものが出てくるということでございます。そのようなものも、これも九十デシベルの、少し時間をかけますが、起こりません。労働衛生の方の分野におきましてはこれはしんぼうができないというのが八時間で九十六デシベル、それからもう一つは疲労の限界が来るというのが九十デシベル、それから快感が減退をする、これは労働衛生でございますが、ISOの基準で言っておりますのが八十デシベルということでございまして、そういうものから比べますと、いまのは全部八時間暴露でございますから、そういうようなことは今回のものでは絶対に起こらないということでございます。
 それから次に、心理的な影響になりますと、これはもう少し低いレベルでいろいろ問題が起こってまいります。心理的にいらいらする、落ちつかないというような問題がございますが、これは七十デシベルを少し超えてまいったりしますと当然起こってまいりますし、また、七十デシベルを超えてまいりますと物の被害の被害感があるということでございまして、因果関係がはっきり出るような物の被害というのは、八十五から九十デシベルぐらいの、これは地震のときのやつでございますが、それぐらいのところで出てくるということですから、七十デシベルぐらいですと、被害感はあらわれ始めるというところで、家のたてつけなどが少し狂うことがあるという程度であるというぐあいに解しております。
 それからその心理的な被害の次に参りますのが生活妨害というところでございまして、生活妨害の中でやはり一番問題になりますのは、睡眠に対してどういう影響を及ぼすか、基本的な生活に対する妨害という問題がございます。その場合に、いままでのいろいろの調査を見てみますと、七十デシベルというラインですと、浅い睡眠の場合に影響の起こる人も少しはあるという程度で、それ以上の問題というのは起こらない。それからこの基準で決めております五十五デシベルというところでは、もうこれは大体感じないというところでございまして、五十五に五足しますと大体六十になりますが、従来から、国際的には、六十デシベル以下はまず感じない。しかし、いろいろ研究してみますと、どうも家の中で五十七デシベルぐらいなら感ずるようだというようなデータもありますが、そういう数字から見ると、この基準というものはまず問題がないということを申し上げたわけでございます。
 なお、伝達の問題でございますが、伝達の問題につきましては私は十分な御説明をいたしかねますが、振動のいろいろ上下あるいは水平というところですし、また、地盤の構造によりましてそれが非常に伝わり方に相違があるというような問題がございますので、先ほど申し上げました騒音の場合には、騒音コンターということで、予測できれいに範囲がまず引けます、反射等の問題が一部ございますが。しかし、この振動の場合には、地質の相違ということで、先ほど申しましたような七十デシベルぐらい出るのが、新幹線の沿線ではかってみると、十メートルから五十メートルというかなりのでこぼこの違いがあるということであるというぐあいに考えております。
#73
○青木薪次君 国鉄の吉村部長にお願いしたいわけでありますが、昭和五十一年の三月十二日に環境庁長官から運輸大臣に勧告した内容の中で、これは指針でありますけれども、一、二ある振動源対策のうち、運行の減便とか減速というような問題等が実は関連して起こってくると思うのでありますが、いま新幹線は、たとえば四、四ダイヤとか四、五ダイヤ、将来ひとつもう少し六、六ダイヤぐらいやろうじゃないかという話が実は出ているということを聞いたことがあるわけでありますが、現行はどうなっているのか。あるいはまた、いまの話で、運行の減便、減速というような問題等について検討したことはあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#74
○説明員(吉村恒君) 現在の東海道新幹線の区間で、一日、上下合わせまして「ひかり」が百二十本、「こだま」が百三十八本、合計二百五十八本というのが今日現在の数値でございます。これは一時間当たりに直しまして、「ひかり」が四本、「こだま」が四本、先生もおっしゃいましたいわゆる四、四ダイヤでございます。いま先生から六、六ダイヤというのがお話があったわけでございますけれども、新幹線の中間区間は、信号装置そのほかの設計が五分で続行が可能なような設計になっておりまして、この限度をいっぱいに、理論的にいっぱいに利用いたしますると、六十分を五分で割りました十二本、「ひかり」六本、「こだま」六本、いわゆる六、六ダイヤというのが理論的には可能でございますけれども、実際の運用上を考えますと、そこまでは入らないというのが現在国鉄内で定説になっております。いまの運行状況の四、四ダイヤでございますけれども、全体の新幹線の旅客需要がまだ今日増加を見ておりますので、本年の七月以降、さらに若干の輸送力の増強ということもやらねばならないと考えておりまして、一部の時間帯で「ひかり」が五本、「こだま」が四本という状況が出てくるかと思うわけでございます。いずれにいたしましても、この新幹線の輸送力もだんだん限界に近づきつつあるというのも実情でございます。このような中でございますので、まことに申しわけない話ながら、騒音振動対策の中に原則として減便ということは現時点で考えておりません。
#75
○青木薪次君 そこで、私は、たとえば軌条面上を走る列車、電車というものが実際に道床に伝わるいわゆる音の、あるいはまた振動の伝搬をする中におきまして、いま言われているバラストマットとか、あるいはスラブ軌道といったようなものがあるし、あるいはまたラーメンけた式のようなところはけたを囲ってしまうとか、いろんな技術上実は対策があると思うんでありますが、それらの関係を伴わないと、ただ単に一五尺これは仕方がないということだけでは私は済まされないとこう思うんでありますけれども、その点についてどういう厳しい受け取り方をしておりますか。
#76
○説明員(吉村恒君) いま先生がお挙げになりましたような各項目につきまして、技術陣総力を挙げて研究をいたしております。近い時点で東北新幹線の一部ができましたときに、全部が開業するわけではございませんが、その一時期前に部分的に走れるようになりましたところで、いわゆる営業しております、お客様をお乗せしております線路ではできないような各種の実験もやろうかと考えておるわけであります。いずれにいたしましても、これらの試作は新しくつくる場合には新しい方法を採用できるわけでございますが、残念ながら既設の部分につきまして新たにその技術を採用しようといたしましても実はなかなか困難なわけでございまして、お乗せをしながら基本的なものから全部直すということはいささかむずかしいわけでございますので、とり得るものにつきましてはとってまいりますけれども、やはりそれらの振動源対策にも、既設の部分、ことに東海道部分については限度があると思われますので、周りのお家の方にさわらせていただく方向にかなりの重点を置かざるを得ないかと思っております。
#77
○青木薪次君 私は一年前に新幹線が相当事故を起こしたり、東北線が事故を起こしたときにいろいろ運輸委員会でやかましく言ったことがあるわけでありますが、いまのは私は道床の関係、線路の関係等については、これはやっぱり重軌条を入れていくということについて確認をしたことがあります。それから、車両がもういかんせん古い。この車両について一体どうするのか。それから、車両技術の関係等について、たとえばこのタイヤからレールに伝わるタイヤ踏面の関係等について、その車輪はぐるぐる回っていくんじゃなくて、どんどん突き出して歩くんでありますから、この振動はなかなか消えそうにない。したがって、これらの関係等について車両技術、たとえば車輪の関係等について一体どういうようにしていくのかというふうな点についていま研究されておられますか。
#78
○説明員(吉村恒君) 軌道関係の技術開発につきまして申し上げますと、いま先生のお話のありましたように、ゴムの弾性体を中間に入れて一たん振動の絶縁を図るスラブマットというふうな方法を開発をいたしておりますし、さらにそれの弾性値を幾らにすれば一番効果があるかというような研究を続けております。すでに新幹線――今回開業いたしました岡山以西につきましては大部分スラブマットを採用をいたしております。
 重軌条化の問題でございますが、いまやっておりますのは全部六十キロでございますが、東海道の古い軌条につきましても交換作業を始めまして、この十年間で全部重軌条にかえる計画を進めて一部実施にもうすでに着手をいたしておりますので、問題点の多いところからこの重軌条化も可能かと思われております。
 また、軌条の金属の材質につきましてもいろいろ工夫をいたしております。減らないばかりでなしにもう少し長持ちもし、あるいは波状摩耗等を起こさない――この波状摩耗は振動騒音に非常に悪い影響がございます。もう少しそういう材質のものもないかということを探求をいたしております。
 これらの軌道構造の上をころがります車輪あるいは車両全般についてでございますが、車輪の方は基本的になかなか改良の余地がないというのが実情でございます。一部街路電車、路面電車等で用いられました防振、防音車輪というようなものもございます。これは周りのタイヤと真ん中の車軸の間を囲んでおります間にやはりスラブマット同様防振材を入れるわけでございますけれども、何分にも激しい動きをいたします車輪でございますので、なまじっかのものを入れたのでは今度は耐用命数がない、あるいは安全性にもかかわるというようなことで当面必ずしも成功の見込みがあるわけではございませんけれども、基本的な研究はいたしております。
 それから車両全般につきましても東海道開業当初の車両がだんだん命数に達しまして一部もう壊し始めました。これらにかわりまして新しく補充する車両につきましては各種の改良を加えておるつもりでございます。
#79
○青木薪次君 私がいままで質問いたしましたのは、いわゆる防振技術上の諸対策について、あるいはまた付近住民のための施策についてのいろいろな質問をしてきたわけでありますが、環境庁長官に最後にお伺いしたいと思いますけれども、国鉄当局において新幹線の振動源対策として、いま申し上げたように構造物の振動の低減対策等の措置を講じても現在の防止技術ではなかなか振動を低減することが困難なことがあるといまも答弁があったわけであります。ただ、技術開発の点では、日本の新幹線はアメリカから見学に来て技術を学んでいくというようなこともあるようにすぐれているとは思います。しかし、これ以上いま早急に防振対策のために技術開発を国鉄に要請するという点についての困難さというものはあると思う。それに対して私は、いまの三つの課題である防振対策というものとは切り離して国鉄には勧告をしたということにとどまっているわけでありますけれども、しかし実際に振動の影響というものについては他の比類では私はないと思う。たとえば学校とか病院とかいうような点と、その規模の大きさ、影響の大きさということから考えてみて、将来とも資金あるいはまた技術といった面において国として、主管庁である環境庁長官として、これらについて何らかの対策を、国鉄に対してハッパをかけたり、あるいはまた援助したりという面において考え方があるかどうかお伺いいたしたいと思います。
#80
○国務大臣(小沢辰男君) 音源対策上非常に技術的な困難性が伴っているものでございますから、特に今回の規制法の対象にはしないで、別途暫定値による指針をつくりまして国鉄に善処をお願いをした例外的な取り扱いをしたのもそのせいでございますが、同時に、先生おっしゃるように、音源対策と周辺対策を両立さして国鉄に努力を願わなきゃいかぬことも事実でございます。しかし、一方また、それを受けて立たなければならない国鉄側の財政事情等も十分私も認識いたしております。これも大変ないま状態であることは事実でございます。したがいまして、私としては、国民の環境を守る上において、ただ単に汚染者負担の原則だという一点張りで進んでいきますことが結果的に環境保全あるいは公害に悩む国民生活を守ることにならないということになれば、これは当然できるだけ政府部内においていろんな面での配慮、しかも汚染者負担の原則を通しながら配慮をしていく何らかの努力をしてみなきゃいかぬわけでございまして、問題は結果として効果が上がるようにしていかなきゃいかぬわけでございますので、国務大臣でもございますから、できるだけの運輸省、国鉄ともよく御相談をいたしまして、努力をいたしてみたいとかように考えます。
#81
○粕谷照美君 この法律は、公害基本法が出されてから九年間大変な難産の末にようやくここに提案の運びになったというふうなことを考えてみまして、また、衆議院でも全会一致で修正をされた部分も含めて私どもは一応賛成の態度ではありますけれども、しかし、先ほど大臣がおっしゃいますように、諸外国に例がない、つまり、世界に冠たる最初の法律だという点では、それだけにいい法律をつくっていかなければならない私どもは大きな責任があるという観点に立って質問をしたいというふうに思っております。
 最初に、三つの振動基準値についてでございますが、この決められた振動基準値は、生活環境を保全し、国民の健康保護に最重点があると、こううたわれておりますけれども、井上委員の質問とも絡み合いまして、まず国民の健康が優先なのか、経済の発展が優先するのか、その調和をどのようにするのかという、ここのところがいつも疑問にはなりますけれども、しかし、そのことだけをまた重点に考えていたんでは基本法がつくられた意味もないというふうに思いますので、その辺をまず、大臣にきちんと所信を述べていただいて、次の質問に入りたいと思います。
#82
○国務大臣(小沢辰男君) 当然私どもは、人の健康を守り、生活環境を保全をすることが第一義の任務でございます。また、これがわれわれが追求する絶対的な価値だと思っております。決して、経済との調和でその点を特に後退をさし、何とか引っ張りおろして現実の経済のいろいろな問題との調和を図ろうという姿勢では、私どもの任務は全うできないと、かように思っております。
#83
○粕谷照美君 大変いいお答えをいただきましたが、それでは、私、もうちょっと心配になったんですけれども、二月の二十日に振動専門委員会が報告を出しておりますね。その報告書の中に入っておりましたいろいろな部分の中で、ブルドーザーの基準値が二十八日の報告にはまた逆に脱落をしているというふうに言われています。二月の二十日に決められました専門委員会の報告は、二十一日の全国紙にもほとんど載っております。これは朝日新聞なんですけれども、ブルドーザーなど七十デシベルを超えないことというふうな報告が載っているんですが、なぜ二十八日の報告書の中には落ちたのかという疑問が出るわけですね。その新聞の中にもありますけれども、「建設省は緩和要求」という大きな見出しで、さらにそれよりも大きなゴシックで「現状では実施不能」と、こう書いてあるわけですね。新聞の書いていることですから、建設省には直接責任があるというふうには思いませんけれども、しかし、国でもってこういう法律をつくっていこうと一生懸命に努力をしているときに、同じ国の政府機関である一つの省が足を引っ張ったような感じを国民に与えたということは、非常に残念なことだというふうに思うわけです。それで、先ほどの井上委員の御質問に対してもお答えがありましたけれども、再度納得のいく説明をお願いしたいと思います。
#84
○政府委員(橋本道夫君) 専門委員会の中間報告の性格と申しますのは、それを最終報告にしようという手前で、特にブルドーザーはこれは一体どちらになるかなあと、取り上げないでもいいかもしれないし、また部分的に指導をしているところもあるし、取り上げるという議論もあるかもしれない、そういう不確定さのもとに、部会の政策議論もそこで合わせるということでやられたわけであります。
 それで、このブルドーザーにつきましては、データを、これは建設省のデータもございますし、東京都がいろいろ調べたデータもございます。その両方のデータを見てみますと、確かに五メートル離れたところで七十デシベル、それを超えるものがあるかと言われますと、中にございます。しかし大きいから超えるという意味でもどうもないようです。しかし、全体に平均をいたしますとその七十デシベル以下になるということも事実でございます。それから、これは東京都が調べたものでございますが、建設作業の中でどれだけ苦情がくるかということの中で、ブルドーザーにくるランクというのは非常に実は低いランクになっております。そういうところに入っておりますし、また条例でも、建設作業を条例で取り上げているところは四県で、それも規制基準としてはやっておりませんで指導でやると、ですから強制も勧告も何もございません。全く指導でやるというような条例になっておりまして、その中でブルドーザーをはっきり名前を分けて取り上げているところがほんの少数あるという状態であると、そういうのが現状の実態でございます。
 そこで、先ほど来申し上げました五メートルで七十ということにはまるかはまらないか、自治体として取り上げているかどうか、それから苦情の態様がどうかといってみると、これは非常に優先順位としては低いものになっております。また、技術的にもそれじゃ五メートルで七十デシベルを超える、このはかるのをどうするかということになると、非常に動き回ってなかなかむずかしいところもあると、そういうところもございまして、それに加えて、先ほど御説明いたしました一千万以下の資本金のものが六〇%弱あって、非常に零細企業であるというような議論もあり、建設省としては、建設業を所管する範囲内からもそういう意見も述べられたことも事実でございますけれども、足を引っ張るという議論よりも、それだけ議論したあげくこれは落とそうということになったというように理解をしていただければありがたいと思います。
#85
○粕谷照美君 デシベルの話で言えばそれはそれなりにわかりますけれども、しかし、大きいから七十デシベル以上だというわけではないと言いましたけれども、じゃ、七十を超えるものは一体機種に関係をするのか、どういうようなものが該当するのかということと、以後、そういうブルがあった場合にはどのような指導が行われるのか、それはもう野放しでよろしいのかという問題があろうと思いますし、苦情が少ないといういまの御説明もありましたけども、私は苦情が少ないということだけで安心しててはいけないんではないかというふうに思うわけです。住民はあきらめちゃうわけですね。どうせ一カ月とか二カ月、あるいは何日かだからいいというふうなこともありますので、そのことに安住していてはいけないんではないかという気持ちがいたしますが、その点ではいかがでしょう。
#86
○政府委員(橋本道夫君) いまおっしゃった問題の第一の七十デシベルを超えるものはどういうものかということでございますが、実は重量の重いものでも低い数字が出ています。そういうわけで恐らく地盤やそういうものに関係しているんじゃないんだろうかという感じがいたしますが、詳細な、どういう傾向のときにこういう形で出るというような細かな解析資料は私どもの手元にはございません。全体でブルドーザーの、何台のブルドーザーが働いたうちどれぐらいの割合で苦情が来るかとか、あるいは幾つかのケースとしてはかったものはどういうことかという状態でございます。それから次は、それではどうするのかということでございますが、一つはこれは政令では取り上げないということになっております。ただ、法律の形態の理屈からまいりますと地方条例との関係という条項が二十四条にございます。で、現にブルドーザーを指導的に取り上げている自治体も中にあるわけです。そういうことで政令で取り上げないものでも、その地域で実に非常に問題になるという場合には条例でこれを、この振動規制法を受けた条例の中で自治体で規定してやってもいいという形には法律形態の上でなっております。
 それからもう一点は、建設省の中で建設作業に伴う騒音、振動の公害をできるだけ減らすための実は指導が行われておりまして、また、指導のいろいろマニュアルも出されているというやに伺っております。また、業界の中でもいろいろ問題になれば作業ができなくなるということで、業界の中でも自主的にそういうことの検討が始まっているということでございますので、私どもは野放しにしておくというつもりではございませんが、条例との関係等、あるいは建設及び業界の指導ということで、この問題はいけるのではないか、こういうぐあいに考えております。
#87
○粕谷照美君 その点は納得をいたしました。
 それでは次に移りますけれども、振動に係る苦情の内訳というのが環境庁の調査で出ていますね、いただいた資料の中に。で、その調査は一体どういう形でやられたんですか。
#88
○政府委員(橋本道夫君) この統計は各県に対しまして照会をいたしまして、その都道府県及び市町村に対して正式に寄せられた苦情の統計を整理したものがこの数字になっている、こういうことでございます。
#89
○粕谷照美君 ですから、正式に県に対して出てきた苦情というのでいいのかどうなのかということですね。それは一体どういうような形を通して出てきたのか。環境庁が要請をしたから出てきたのかというふうなことも含めて詳しく伺いたいと思います。
#90
○政府委員(橋本道夫君) 現在、市町村あるいは各都道府県におきまして、公害の問題といいますのは国以上にそれにセンシティブでなければもう自治体の首長もやっていけないという状態でございまして、非常に末端に至るまでいろんな組織を持っております。そこに苦情として上がってくるというものを整理をしてこの統計となっているということでございますので、私どもは現在の地方自治体の空気ではそうこれをいいかげんにするわけはないというぐあいに理解をしておるところでございます。
#91
○粕谷照美君 私はそういう姿勢がちょっと問題だというよりは、何かやっぱり足りないんじゃないかという気持ちがするんです。で、大臣さっきここへ来てちょっとお話をしていたんですけども、大臣も新潟市ですし、私も新潟市ですが、電車通りというのがあるの御存じですね。あそこの電車通りの理容院に私はしょっちゅう行くんですけども、顔なんか当たっていてもらいますと、電車が通りますとものすごい轟音がまず聞こえてきます。そしてその次に今度ガラスがびりびりとして、家がぐるぐるっと揺れて、振動がつまり伝わってくるんですよね。だから振動は即、もう振動ばかりじゃなくて、騒音と一緒だというふうに思いますけども、その電車通りの人たちの、これは何とかしてもらわなきゃならないんだという苦情が大臣のところに届いていますでしょうか。大臣、お耳に届いていますか。
#92
○国務大臣(小沢辰男君) あすこの白山浦の軌道問題については、振動問題とは別に撤去問題を昔からいろいろ話は聞いておりますけれども、特に振動についての私が環境庁長官になりましてからその苦情として私のところへ提出をいただいたことはございません。
#93
○粕谷照美君 先日も行ってましたときに、その理容院の親方というんですか、床屋さんがこう言うわけですよね。もうこういう状況では恐ろしくてお客さんの顔も当たっていられない、だんだんひどくなった。まあ大臣のところに行っている話もよくわかります。軌道の撤去問題というのは、あそこで一人の人が軌道にその自転車の輪をはさみまして倒れたところで交通事故に遭ったというところから撤去問題が一つには出てきているわけです。しかし、それも結局あの電車を持っております新潟交通がとてもじゃないけどもお金がないというのと、電車で通勤する人たちが反対をするという問題もあって、利害相反していまこういう現状になっているわけですが、やっぱりそれからもう十年以上もたちますとますますその騒音はひどく、振動はひどくなってくるわけですね。ところが大臣のお耳にもそういうことが通じていないというときに私がいまのこの環境庁の調査を見て非常に不思議に思ったんですが、その中に数字の中に入っているかどうか、まあそこまで調べていらっしゃるかどうかということも含めてお伺いするわけですが、今度こういう法律が出されますと、新潟市出身のまあ大臣が環境庁長官でこうやって出されましてと言ったら大変喜びまして、もうぜひわれわれは商店街としても一生懸命に運動したいと、こういうふうに言っておられますが、その辺のこともあわせて大臣からもお答えをいただければ大変ありがたいと思います。
#94
○国務大臣(小沢辰男君) この法律の直接の規制の対象には新幹線あるいは鉄道軌道というものは入っていないわけでございますが、先ほど局長が申し上げましたように、振動そのものの原因はともかくとして、住民の生活環境というものがそのために侵されているということについては、これはやっぱり解決をしていかなければなりませんので、私も重大な関心を持って県ともよく相談をし、解決のためにあれは私撤去以外には現在の振動を防止する方法は――全面的にあの軌道周辺の道路を改修すれば別でございますけれども、なかなかあの町が非常に狭い点も考えてみますと舗装のやり直しだけでは解決はしないんじゃないかと思います。結局早急に測定を正確にやってもらいまして、それがどの程度、どういう被害を現実に及ぼすかということについての判断をいたしまして、その後で県とよく相談をして問題の解決に当たっていきたいと思います。
 ただ、御承知のように、先ほど先生がおっしゃったように、これは実施をいたしております、所有をしております新潟交通という株式会社はもう赤字に悩む路線ですからいつでもやめたいわけでございますが、ところが住民の方が、むしろ新潟市のその地域以外の方々が絶対に撤去反対という方向でございまして、非常にその会社自身がむしろまあ困っておると。撤去するというと反対運動が激しくてとてもできないというようなこともございまして、何らかいろんな案を出してみたことがございますが、なかなか思うように解決をいましてない。ことに、働く人々と農村の直接いろいろ農作物の出荷問題をやっております零細な方々の方が、よりこの撤去に反対だということでございますんで、非常に実は困った問題の一つでございます。しかし、振動の防音、できるだけこれを防いで、音も含めてでございますが、住民、その沿線の人の生活環境を保全することについては、これはもう異議はないわけでございますから、県ともよく相談をしてできるだけ対策を立ってみたいと思います。
#95
○粕谷照美君 その数字の中身はどうですか。
#96
○政府委員(橋本道夫君) おっしゃった、この統計の、二十六ページの統計の中に新潟のこの電車が入っているかということにつきましては、照会してみればすぐわかりますが、現在の段階でこの中の鉄道のその他に入っているか、その他に入っているかということについては、私どもは存じません。
#97
○粕谷照美君 先ほど私申し上げましたように、統計というのについては、たとえば先回も身体障害児あるいは障害者の統計をやるときに、身体障害者を中心とするグループあるいは幾つかの都市の中でこの調査に対しては反対だと、こういうのがありましたけれども、その反対の理由というのは、統計をすること自体に反対ではないけれども、統計のやり方自体が、何の目的を持ち、どのようなことを統計するのかということについて、自分たちと話し合いがないままにやられたということが大きな原因になっているんですが、私も、こういうものについての納得を皆さんにしてもらうという形でのこの統計であったならば、この統計は私は非常に説得力のない数字ではなかっただろうか、そういう意味も含めまして、ぜひ今後の問題点につきましては、もっと詳しい資料などもいただきたいというふうに思います。
 では、次に移りまして、この基準値の問題について、原則的にこの規制値を超えた場合に、違反に対する姿勢が非常に弱いんではないかという気持ちを持ちます。これは、まず最初に改善勧告があって、それから、だめなときには改善命令が出されて、それで、それでもだめだったら罰則と、こういう手順をとるわけですね。その間が一体どのくらいの期間があるのか、被害住民はその間、やっぱり被害を受け続けているわけですから、その辺のところをまずお伺いしたいというふうに思います。
#98
○政府委員(橋本道夫君) この期間はどの程度であるかという御質問でございますが、これは非常にそのさまざまな態様がございますので、一概にどの程度ということを申し上げかねます。これは非常に簡単なものなら確かに、非常に短い期間に言い得ると思います。あしたの時間をこれだけ短縮しなさいという議論だけなら、これはすぐ議論としてできるでしょうが、基礎工事から全部変えなければできないというようなことが、実は工場なんかには非常にそういう問題がございます。いままでの解決の態様を見てみますと、結局工場がつぶれたと、あるいはどっか非常に遠くに移転をしていったということが、東京などでは実際は解決の非常に大きなウエートを占めております。で、そういう状態でございますので、こちらが改善勧告あるいは改善命令をかけておることを実際実行するには、客観的に公正に見てどれぐらいの期間になるのかということをケース・バイ・ケースに判断をして期間を決めるというぐあいにお答えをいたしたいと思います。
#99
○粕谷照美君 それでは、中心的に工場の振動についてのお話伺いたいと思いますけれども、私どもの、まず住民の健康を守るという観点に立ってこの基準値を決めたということで、まず最初の第一種区域、この夜間五十五から六十以下という点について、もう絶対に大丈夫なんだというお話があるわけですけれども、この基準を五十五から六十というふうに決めたのね、――労働基準法でしたら、最低基準ですから、それ以上にいい条件をつくってもいいわけですね。と、これは六十以下ということなら、五十九というものを数字で出してくださればそれでいいんじゃないかという気持ちがしないわけでは――最初、していたわけです。さっきの井上委員に対する御説明を伺って、ああそういうことなのかというふうに思ったんですが、もう一遍、幅を持たせたこの報告というのは一体どういう意味を持っているのかということについてお伺いをします。
#100
○政府委員(橋本道夫君) なぜ幅を持たせたのかという問題でございますが、これは騒音規制法の場合にも同じくこの用途地域の区分別、時間帯別に幅を持たせた経験がございまして、これが自治体にとっては非常に自分がどちらの方をとるかという選択がきわめてきくという利点が一点ございます。
 で、六十をとるのか五十五をとるのかと。たとえばある条例ですと、たとえば東京都の場合には、騒音の経験をもって見ますと、騒音規制法の幅を定めたものの下限をとるようになって厳しくなったというのもございます。ただ、この数字は、専門委員会の先生方の御意見では、五十五か六十のどちらかをとるということで、この中の五十六とか七とか八とか、そういうとり方ではないということが、専門委員会の先生方からもそういうサゼストを受けております。
 それからもう一つの問題点は、この地域区分が二つの種類になっておりますが、これはそのおのおのその地域区分をもう二つに細分化することができるようにしてあります。そういう意味で、同じ第一種の中でも、上をとるもの下をとるものということはあり得ると。なぜそんなことを考えたのかと申しますと、実はその用途地域の境目というのが非常にむずかしゅうございます。一方は工場で一方は住宅みたいなものがあるわけでございます。そのときに、どういうぐあいにするかというような議論もいろいろいたしまして、自治体としては、現地の事情に最も即応したように自分たちがやるから、幅を持たせてフレキシブルなやり方をできるようにしてくれということが、自治体とのいろいろ協議した結果そういうことになりましたので、騒音規制法の経験をとりまして五十五から六十と、さらにそれ以上に五デシベル、地域の自然的。社会的条件を厳しくしようというときには、環境庁長官がさらに五デシベル厳しくできるという条文があります。病院の周りではそういうのができます。けれども、それは条例ではっきり決めなければそのような規制ができないとしてございますので、そういう意味で地方自治体としては裁量をやるときに非常にこの幅を持った方がやりやすい。また、そのような規制をやってみた結果、やはり相当効果があったらしゅうございまして、公害の苦情統計を見ておりますと、騒音関係がずっと下がってきております。確かに解決にも有効であったんだろうと思います。そういう意味で、この幅を持たせたわけです。
#101
○粕谷照美君 それは理由はわかりましたが、自治体からの要望もあったし、大変な効果を上げたということではわかりましたけれども、じゃあ五十五以下の自治体のこの基準というのが現在ありますよね、そういうところに対してはどうお考えになりますか。二十四条と絡んでいますか。
#102
○政府委員(橋本道夫君) 五十五以下の自治体が現在あるということですが、これは七つございます。七つございまして、その中で二種類ございます。一つはゼロミリメーター・パー・セカンド、要するにゼロだというわけでございますね。どうやって規制するのか、われわれちょっとわからぬわけですが、自然でも四十デシベルございますから。ですからそういうのがあるわけですが、これはやはり三十年の末に地方条例をつくるということで、非常に先進的な努力をされた自治体がそのゼロということをやられたわけです。経験をしてみると、やはりどうにもそのように問題があるということで、これは大阪とか東京とかがそのサンプルでございますが、後でそれを〇・一ミリメーター・パー・セカンドとか、そういうところ直されました。これは五十一デシベルに大体相当いたします。それで、その一部は直しておられないところがございます。そういうような状態が、この五十五以下のところがございますが、先ほど申し上げましたように、病院の周辺等ではさらに五デシベル環境庁長官が示す範囲より下げられてしまうということになりますと、五十五から五を引きますと、そういう場所では五十デシベルということになり得る場所が条例上はあるわけでございます。そういう意味で、この地方自治体のこれは衆議院でも非常にその点が御議論がございまして、そこで、この騒音規制法の場合とも同様でございますが、この法律と全く同じ目的のためにそれ以上上乗せをすることは、この法律の体系はそれはできない形になっています。ただ全く違う目的のために数値的に厳しい数字を設けるということはあり得るということで、これは地方自治法もそういうことを言っておるわけで、別の目的でということでございますので、全く別の目的で数字的に厳しいことが起こり得るかと言われますと、これは地方自治法にもあり、それを入念規定でさらに衆議院で政府案に対して議員修正が加えられまして、当然のことでも明白にしておけという御議論でございます。そこで、別の目的から基準をさらに厳しくできることが、その例証といたしましては、たとえば美術品があって、それが非常に精巧なもので振動が少しでもあってはいけない、あるいは地震の研究施設があってもそうだろうと思います。まわりでどんどんやってはこれは地震の研究施設成り立ちません。そういう特殊な問題あるいは法令と別の目的の低周波の騒音、これは一種の振動でございます。空気に伝わる振動でございますが、そういうことは条例でやるということは、この法律で、できることを明らかにするということで衆議院の修正が加わったわけでございます。
#103
○矢田部理君 いまの粕谷委員の質問に関連して一、二私も伺いたいと思いますが、そうしますと、二十四条の規定は横出しといいますか、この条項にかかわっていないものについてはもちろんできると、これは当然のことですね。問題はこの法律で決められた基準値よりも厳しい規制をしてきた自治体の条例等が、そうすると失効して、ここで決めた基準値、つまり甘い基準値になるというふうに考えていいわけでしょうか。結論だけでいいです。
#104
○政府委員(橋本道夫君) この法律による条例として決めた場合には、この法律の定める範囲内になります。そういう意味で数字は変わってまいります。
#105
○矢田部理君 だから従前のこの基準値よりも厳しい条例は失効するわけですか。
#106
○政府委員(橋本道夫君) そこが、従来の地方条例からこの法律に基づく条例にどう移行するかという問題でございます。この法律で……
#107
○矢田部理君 いや失効するかしないかだよ。
#108
○政府委員(橋本道夫君) 移行すれば、その数字は失効します。
#109
○矢田部理君 そこが実は問題なんですよね。それぞれ自治体が科学的に見て、あるいは不十分さもあったかもしれないけれども、それぞれの地域の実情に応じて少なくても決めたものを、この法律でより甘い基準にならしていく、厳しい基準は失効させてしまう。ここに一つ大きな問題を感ずるわけです。法律のあり方としては何も、住民の健康と命を守るという立場から考えれば、失効させない方法も十分にあり得るわけです。そこに環境庁の姿勢の問題点の一つがあるわけでありますが、先般衆議院がこの法律が成立するときに附帯決議をつけましたですね。その附帯決議の第一項で、「本法施行の際、すでに施行されている条例については、その地域の実情を尊重し、適切な運営指導を行うこと。」という附帯決議がつけられているわけです。おそらく長官もその趣旨を体して努力しますということになったろうと思うんですが、そうすると具体的にはどんなふうな調整、適切な運営等を行うことになるんでしょうか。
#110
○政府委員(橋本道夫君) この趣旨は従来条例を持っておって数字的に見るとこういう厳しい基準を持っておった。それをこの法律に基づく条例と改正する場合には当然にこの法律の範囲内に入ってしまう。そこで地方条例からこの法律に基づく条例に改正するということについて、いつまでにやりなさいという強制はやらない、こういうことでございます。そういう意味で騒音規制法におきましては四十三年でございますか法律ができまして、全国に行き渡りますのに大体七年近くの年限がかかってやっと全国に行き渡った。これは従来の条例を騒音規制法に基づく条例に変える。これはやはり条例でございますから、地方議会の中でその機がいつ熟するかという問題でございます。そういうことで期間を切っていつまでにやれという指導はしない、こういうことで、この地方自治体の「実情を尊重し、適切な運営指導を行うこと。」というぐあいにこの附帯決議をつけた、そういう御理解をいただきながら、この附帯決議となっているという次第とお答えいたしたいと思います。
#111
○矢田部理君 そうしますと法律的には失効するという考え方をとるけれども、実際の指導の面では事実上それをいつまでに失効させろということにはしないで、従前の条例の基準で、自治体の指導なり適切な措置をとってよろしいという対応をされる、こういうことなんでしょうか、結論だけでいいです。
#112
○政府委員(橋本道夫君) この法律に移るまでは従来の条例によるということで、そういうたてまえでございます。
#113
○粕谷照美君 ちょっといまのことも私質問しようと思っていたのですけれども、そうしますとどうなんですか、五十一というところの条例を持っているところは何年までとは言わないけれども、要はこれに直してほしいということですね、逆に言いますと、そういう五十一の数字を持っている自治体は、この振動は五十五だからという勧告命令は出せない、改善勧告は出せない、まして改善勧告命令は出せない、そして罰則も出せない。それからお金を借りようと思っても、工場改善についてお金を借りようと思っても国では出さない。こういうシステムになるのですか。
#114
○政府委員(橋本道夫君) 法律に基づく改善勧告改善命令が出せないということでございまして、地方自治体の条例の中に改善命令、改善勧告が従来ありますれば、それを発動、それでできればやったらいいわけでありますが、実際にそういうことを発動した事例を調べてみますと、七十デシベルを超えたものばかりでございまして、一つだけ六十九デシベルがあったということでございます。
#115
○粕谷照美君 実際はそうであるということと理論的にそういうふうにするということとは別だというふうに思ったものですからそれで質問をしていたわけです。そうすると、たとえば工場がその工場を変えようとする、当然国の融資を受けるというような場合にはどういうことになりますか。そういうところの見当は……。
#116
○政府委員(橋本道夫君) これはこの法律が通りますと、この法律の中にも、中小企業近代化資金等もこれに伴って改正することになっておりますし、事業団法の問題も改正することになっておりますが、従来の条例のままのときにそれにぴたりはまって融資ができるかどうかということにつきましては、まだ私どもは確たるお答えをいたしかねます。
#117
○粕谷照美君 それは問題なんで、やっぱり当分の間そのままいってもいいということになれば当然お金は借りられるというふうに解釈できるんじゃないですか。
#118
○国務大臣(小沢辰男君) 実はいま局長が申し上げましたのは、この法律によってそういういろいろ措置をすることはできないけれども、従来もこの法律がなくても、いろいろ鍛造団地等の形成について町の中にいるとうるさいからみんなで移ろう、あるいは団地形成をやろう、あるいは工場アパートをつくろうという場合には公害防止事業団の融資等で十分やっておりますから、決して従来のものが条例のままで地域指定が、急いでこちらに指導しないというのですから、地域指定があって条例があってやっている、その中の工場等の改善について中小企業公庫なりあるいは公害防止事業団なりその他が全然めんどうを見ない、そういうようなことは毛頭ございません。従来どおりやはりめんどうを見てまいる、こういうことになろうかと思います。
#119
○矢田部理君 もう一遍、直接の関連ではないのですが、一つだけ伺いますと、道路の交通振動にかかる条項が第四章にあるわけですが、これによりますと、都道府県知事が要請をしたり一定の措置をとることができることになっていますね。道路管理者は知事がなっているわけですね。ところが、県道について考えてみますと、自治体の長である都道府県知事がいわば要請をする側にまず立つわけですね。同時に、この県道の管理者が知事をやるとか、一つの人格が自治体の長として要請をしたり受けたりするというかっこうになるわけですね。それで知事の権限が市町村長にも委任できますから、市町村長が同時に市町村道に対しては同じような問題が出てくる。これは法の体裁上、出す側と受ける側がやっぱり同一人格というのは余り実効を期し得ないんじゃなかろうか。先ほど井上委員から予算措置の関係のお話がありましたけれども、この辺はどんなふうに考えておられるのでしょうか。
#120
○政府委員(橋本道夫君) これはこの法律に定める権限と責任を有する都道府県知事と、また別の道路法で規定されている施設の管理者であって道路行政の都道府県知事と、この二つに分かれてやるということは、これはやはり不可避の問題でございますので、実体的には都道府県知事が自分の施設ですと自分のところに命令を出すという形になるわけでございます。
#121
○矢田部理君 まあ同じ質問余り繰り返したくもありませんが、理論上は確かに自治体の長ないしは機関としての知事、道路管理者としての知事と、これは分けられますけれども、自分がその予算措置も伴う、あるいはその工事もやらなきゃならぬというようなことになると、理論上の問題とは別に同一人格者が問題を提起する側にもなりその受け手にもなるというのはいかがなものか、それでまともにできるのかと、こういう心配はどうしてもやっぱり残るような気がするわけなんで、その点大臣はどうでしょうか、長官はどうお考えになりますか。
#122
○国務大臣(小沢辰男君) これは性格上そういうことはやむを得ない規定になるわけでございますが、私どもこの法令の施行に伴っていろいろ指導をいたします際に、いやしくもこの要請を当事者であるがゆえにいいかげんにするというようなことのないように、前提条件がありますから、その前提条件でやはり必要だと思うときにはやりなさいということを行政指導としては十分やりますし、通牒等についてもその点はそれぞれの部局がございますので、知事さんといいましても、実際、土木部とそれから生活環境部といいますか、そういうものがございますので、それぞれの分野でひとつこの法律に基づく十分な措置がいくように指導をしてまいりたいと思います。
#123
○小平芳平君 振動規制について四十八年十一月九日、私が最初金沢市の製箔団地の振動公害についての実情を御説明し、そしてこういう現状にある製箔団地の振動公害に対し政府はどう対処するかという問題提起をしたことがございますが、その後の箔団地の対策はどのようになっているか、環境庁で把握しておられますか。
#124
○政府委員(橋本道夫君) 先生の御指摘のございました金沢市の問題でございますが、御指摘のように金沢市内には相当の製箔企業がございまして、製箔に使う自動ハンマーからかなり大きな振動が出ておって問題になっておりまして、で、金沢市としても問題の解決に迫られまして、金沢大学に委託をして防振対策の研究を四十八年から進めてこられまして、三カ年で八百六十万の予算をかけて検討してこられたということでございます。
  〔委員長退席、理事矢田部理君着席〕
その結果、現在使用している機械の防振対策としては、空気ばねを利用するということによってよい成績が得られるということで、またそのよい成績を上げている者もあらわれているということでございます。その他、機械その他のものを根本的に改良するのを目的に、試作の機械をつくりまして作業性能を試験実施しているというように私どもは連絡を受けております。
#125
○小平芳平君 金沢大学と金沢市で三年間にわたって研究をしてこられた結果、果たしてそれでいまここで規制しようという振動が要するに防げるかどうか、基準内にとどまることが可能かどうか、そういう点はおわかりになっていますか。
#126
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のあった問題に関連したものでございますが、工場から発生する振動の大きさは敷地境界七十デシベルということになっておりますので、当然この規制にひっかかってくるというぐあいに見ております。
#127
○小平芳平君 そうすると、七十デシベルだと当然ひっかかってくるから、そうすると、工場が移転するかあるいは周辺住民が移転するか以外にないという結論になりますか。
#128
○政府委員(橋本道夫君) その点につきましては、先ほどの答弁でちょっと申し上げましたが、空気ばねを使用することによってよい成績を上げたというのがございました。さらに、今度は根本的に改良するために試作機をつくっていまテストをしている最中と承っております。
#129
○小平芳平君 とにかくテストの段階でありましようから地域住民としては振動がなくなったという段階には全くなっていないわけです。かといって地場産業でありますから、日本の製箔の相当部分を金沢のそこの、団地が何カ所かありますけれども、集中的にそこで日本の箔がつくられている。地域としては地場産業だからそうやすやすと操業をやめるとかそういうようなぐあいにはいかないわけです。ですから、そういう点についての法規制をすることが必要だと、公害を防止し、環境を守るということが優先するということがこれ一つあります。が、そうした技術的な開発援助、こういうことに対して環境庁は具体的に対応しようという策がございますか。
#130
○政府委員(橋本道夫君) 技術的な点につきまして私ども技術マニュアルをこの規制法を出せば製作をいたしまして、そうして大いに普及したいというぐあいに思っております。技術マニュアルと申しますのは、これは通産省や各都道府県が従来まで非常にいろいろ苦労をいたしまして経験したケースがある、それをまた振動の専門家がいろいろ解析した資料がございます。そういうものをできるだけ整理をいたしまして普及を図りたい。なお、商工会議所の中に通産省の予算で産業公害防止の指導のグループもございますので、そういうところも活用いたしたいと思っております。
#131
○小平芳平君 実情としましては、問題提起いたしました昭和四十八年でありますが、その後不況になりまして、実際上非常に操業卒が減ったりして、まあ被害を受けていらっしゃる方もわりあい被害が少なくなったという時期もあったわけですが、しかしそういう不況だけを頼りにしている公害対策ではまことに頼りないのであって、基本的にはそうした技術開発が非常に急がれているということを申し上げておきたいと思います。こういうような場合に、狭いこうした日本の国土で、ほかにもそういうような地場産業なり中小企業が主体となっている工場団地で振動が発生するということが各地にあるわけですが、そこで以下質問いたしたいことは、技術開発についての助成措置、これはいま御答弁があったことですが、そういう程度で済むかどうかですね。まあいろいろ今後も研究をしていただきたい、工夫をしていただきたい。
 それから第二には工場が移転する場合、金沢市の場合も製箔団地をたんぼの真ん中へ大分移転したところもあるわけですね。工場が移転する場合に、長期譲渡の方式では必要な費用も調達できないものもありますし、したがって、中小零細企業に対しては、たとえば長期賃貸方式のような特別の対策を講ずるということは考えられませんか。
#132
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございましたように、金沢のケースでも、四十五年から福久町というところに箔工場団地ができまして、そこに組合をつくって移転されたケースがあるということでございます。また従来の公害防止事業団法での移転団地のケースと申しますのは、従来のは騒音が非常にひどくて、それに振動もあったというケースの移転でございますが、確かに御指摘のように、相手にそれを貸せるかどうかという信用調査をしたときに、御指摘のような非常に零細な企業がそれにはまらないという実態があることは、これは私どもも非常に残念ながら事実となっております。ただ今回の法律で、この中小企業近代化資金関係の法律を今度改正いたすこととしておりますが、通産省としてその中小企業の方の助成の中でどの程度までできるかという問題がございますので、私いまここの場所でそのような賃貸しでやれるということにつきましては、こういう道があるということを申す能力はございませんが、極力そんな方向でも努力をしないとなかなかできないのではないかと、そういうことでこの法律の十三条の小規模事業者に対する配慮というところの充実を今後とも図らなければ非常に実際の問題が大きい。またそれだけに運用期間等も実は長くなっている節があるということをもう一度お答えをしたいと思います。
#133
○小平芳平君 その十三条ですか、いま御指摘になった小規模事業者に対する配慮は、これはこういう例はほかの規制法にもあるわけですか。
#134
○政府委員(橋本道夫君) この条文は騒音規制法の場合にこういう条項が入っております。
#135
○小平芳平君 そこで、技術開発とそれからいま申し上げたところの工場を移転する場合に、公害防止事業団が公害防止事業団としての確保された敷地を長期にわたって賃貸できるという、そういう方式ができませんかということをお尋ねしているわけです。
#136
○国務大臣(小沢辰男君) 現在の制度では、確かに先生おっしゃるようにない。まあ償還ということになっておるわけでございまして、そこで私どもの方でそれにおこたえをする道を探るとすれば、どうしても中小企業庁と相談をしまして、中小企業対策として特別な道を考えていただく以外にはありませんので、この騒音にしても、あるいは前の騒音にしても、この振動法にしても、非常に中小零細な企業、その他実は水質規制でも今後中小零細な企業を対象にする問題がどうしても起こってまいりますんで、公害の責任者として通産大臣なりその他とよく相談をさせていただきまして、効果が上がるようにしていかなきゃいけない、私どもの立場としては。できるだけひとつ努力をしてみますが、いまここではまだ正確にお答えできないのが大変残念でございます。努力はいたします。
#137
○小平芳平君 確かにここでは環境庁長官あるいは局長からはっきりしたこうだということは無理だと思いますので、いまお述べのような努力を要請いたします。
 次に、今度は住民の側で集団移転を希望するような場合、これもいろんなケースがあってなかなか私たちにもわかりにくいわけですが、住民の側で集団移転を希望する場合には、現在は公害防止事業費事業者負担法とか、あるいは公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律とか、こういうことがありますが、集団移転はどういうふうなケースでどういうふうに集団移転するかということ、特にそうした金沢の箔団地のような場合を想定してお答えいただきたい。
#138
○政府委員(橋本道夫君) 金沢の団地の問題で、私どもが一般的な従来の公害防止事業団法の経験から、工場の側として申し上げますと、一番やっぱり最初にはそこの都市の都市改造と何か関連がつけられるかどうか。それで非常に成果を上げた例が神戸市のゴム工場でございます。神戸の長田地区のスラムにございました非常な細かなゴム工場が、これは騒音、振動、悪臭、大気、爆発、火災といろんな問題がございましたが、それを神戸市の都市改造計画とリンクをいたしまして、都市改造としてもそこを変えなきゃいけないというはまりがかかりました。そして今度はその業者の方に中小企業の協同組合をつくりなさいということで、これは神戸市の建築関係の行政だけではございませんで、商工も、公害も寄りまして、そしていろいろ説得をいたしまして、協同組合をつくりました。そしてその協同組合でその工場の移転の――これはアパートでございますが、それに移ったという事例がございます。これはやはり数年かかりましたが、移る前は非常に高いということで言われたんですが、移って二、三年してから非常に感謝されて、聞いてみますとやはりメリットがあったんだそうでございます。一つは、労働福祉条件が非常によくなったということで労働者が得やすくなった。それからその建物自身が非常にちゃんとして事業団からの金が借りられるということで、よけい金が借りやすくなったということでございますが、それはもう非常にめでたい例だけでございますけれども、そういうような形をとったのが、これは相当、各地にある騒音団地といいますのは大体そういうたぐいでございます。
 しかし、住民の方の集団移転となりますと、私はまだ騒音、振動の関係から住民の集団移転が行われるというケースは存じません。これはその形ではございませんで、むしろコンビナートの周りで非常に問題があるといって、四日市で住民の集団移転が、やはりこれは不良住宅地域改造計画とリンクをいたしましてやられた、あるいは緩衝緑地をつくるということで結果的にそこの住民の方が移転されたというケースがございますが、住民の方の側のことは非常にむずかしい問題があるというぐあいに聞いておりますので、まだいい例を申し上げるまでに至っておりません。
#139
○小平芳平君 そういう点、騒音、振動で移転するという場合も大気汚染によって移転するという場合もそう変わらないと思うのですね。移転しなくちゃならない立場に追い込まれた方としては、同じ公害によって住居を移転せざるを得ないということだと思いますので、なお御研究いただきたい。
 それで、この今回の法案そのものについて具体的に質問をいたしたいのですが、初めに、第三条地域指定、都道府県知事はその地域を指定することになるわけですが、これはどういう段取りで指定をされていくことになるわけですか。また、どの程度指定されることになると想定されるのですか。
#140
○政府委員(橋本道夫君) この地域指定の段取りの問題でございますが、これは第三条にございますように、「都道府県知事は、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の地域で振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認めるものを指定しなければならない。」となっておりまして、具体的には各市町村の地域になるわけでございますから、そこの第二項にございますように、「関係市町村長の意見を聴かなければならない。」となっております。従来、騒音規制法の経験がございまして、そのときに先ほど来御質問のありましたような条例の関係とか、そういうもろもろの問題が出てまいりまして、かなり時間を要することであろうと思います。これにつきましては、都道府県には都道府県の審議会が基本法によって設けられております。また、市町村におきましても、この基本法によって審議会を置くことができる形になっておりますから、そこでいろいろ議論されて指定地域が行われるという形になってまいります。
 具体的な段取りといたしましては、この法律が、御審議願って幸い成立いたしますと六カ月以後に動き出すわけでございますが、六カ月たちまして、それからこの法律のいろいろそれまでに特定施設、いろいろな条件を決めます。それを地方自治体に六カ月後から今度は決めた条件を細かに指導いたしまして、また講習会をいたしまして具体的に最初に動けるのは五十二年度以降になるというぐあいに、私ども一番早くて五十二年度当初からいけるものがあれば、最も早いケースで、恐らく五十二年度内に具体的な地域指定問題が早いところは起こるのではないかというぐあいに考えているところでございます。
#141
○小平芳平君 ということは、この「住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の地域で振動を防止することにより」と、これ全部指定になるわけですね。
#142
○政府委員(橋本道夫君) これは振動の、一つは都市計画で用途地域の決まっている地域で、しかもそういう施設があるということは当然に入ってまいることであると思います。ただ散発的になっている場合に一体どうなるのかという御議論があろうかと思われますが、その点は、やはり地方自治体でここに市町村長の意見を聞くというのもございますし、あるいは法律で別に要求もしておりませんけれども、おのおの自治体では地域指定というのは非常にセンシティブな問題でございますので、審議会を開いていろいろ意見を聞くということが行われるのがいままで見てまいります実情でございます。そこには市民の方、いろんな方の意見を聞くというような形になっておりますので、そういうときにそういうところも恐らく問題として拾い上げていく。また問題になるところは当然に拾い上げるのがこの法律の趣旨でございますので、問題が起こっているのが小さいところだから、それはやめるというような考え方は、この法律では全く持っておりません。
#143
○小平芳平君 要するに工場団地とか、あるいは全く人の住んでいない野原とか、原野とか、そういうところは指定にならないのであって、そのほかは指定になるということですか。
#144
○政府委員(橋本道夫君) これは工業専用地域であるとか、飛行場であるとかそういうところは指定になりません。ですから、それを引いた残りのところは、大部分は指定になってくる公算が高いのではないだろうか、そういうぐあいに思います。
#145
○小平芳平君 したがって、指定されない地域では騒音ないし振動が生じても、住んでいる住民はいないから影響はなかろうという……。
#146
○政府委員(橋本道夫君) 指定されない地域ではそういう問題はございます。指定されていない地域では、そこに、指定地域になりませんので、この基準をストレートにかぶるという形にはなりません。
#147
○小平芳平君 住居が集合している地域は指定になるわけですね。したがって、住居が集合していない地域は指定にならないわけですね。この「住居が集合」ということがどういうことかということです、私がいま質問している趣旨はですね。ですから、まあ三軒か五軒の住居なら、それは集合のうちに入らないのか、あるいは三軒か五軒といえども本人にとっては生活の唯一の場ですから、それ野放しにされちゃたまらないということ、意見が出ようと思いますが、その辺の見解を伺っているわけです。
#148
○政府委員(橋本道夫君) これは用途地域のかかっているところはまず引っかかって指定地域になってくるというぐあいにお考えいただいて結構でございます。また用途地域のかかっていないところでどうなるかという御議論も一方にあろうかと思いますが、これは被害を生ずべき実態のないようなところでかかってくるということは、これは当然考えておりません。
#149
○小平芳平君 次は、第四条、この「規制基準の設定」であります。この「特定工場等に関する規制」というところで、第四条、「規制基準の設定」ですが、規制基準の設定はそのほかにもあるわけですね。特定工場以外にもあるわけですが、規制基準の設定は、これは要するに中公審の答申の基準を、数値をそのまま政令で決めるということでございますか。
#150
○政府委員(橋本道夫君) 規制基準につきましては、中公審の答申に示された数字をそのまま用いたいというぐあいに考えておるわけであります。
#151
○小平芳平君 先ほど来ずっと橋本局長答弁しておられたのを伺っておりまして、たとえば工場の場合、特定工場の場合はどういうものがこの規制基準を超すと思いますか。あるいは特にこの特定建設作業はちょっと省きまして道路ですね、道路。この工場の場合と道路交通の場合に分けて、どういう状況のところが今度決めようという基準を明らかにオーバーするというふうに見られますか。
#152
○政府委員(橋本道夫君) まず工場の場合ですが、この五メートル離れた地点で六十デシベル以上ということを一つの、客観的な一つの原則、尺度にいたしております。そうしますと、液圧プレスといいますのは六十八デシベルございますし、機械プレスも五メートル離れたところで六十八デシベルございます。苦情件数も非常に多い。あるいは鍛造機などにつきましても、これは五メートル離れると八十一デシベルというような状態で、これも非常に高いということでございます。そういうことで、機械の分類の非常に細かな分類まで入っておりませんが、大体地方自治体がいままで分類しておりますものを全部集めて整理をいたしまして、いまのところで大体十七ぐらいのところのものがそれを超え、しかも苦情があり、この特定施設として指定に入ってくるということをわれわれは予想いたしております。
 それから、道路の方でございますが、建設省の幹線道路の調査というものを拝見いたしますと、大体七十デシベル以上を超えるところが八%、六十五デシベルから七十五デシベルまでのところが一三%、六十デシベルから六十五デシベルまでのところが一九%ということでございまして、幹線道路の中でもこの数字でいくとかなり入ってくるのではないかというぐあいに建設省の調査からは見ております。
#153
○小平芳平君 そうして、ちょっと初歩の質問で申しわけないんですが、そういうふうに幹線道路がほとんど基準を超えると、ゆえにどうなさるわけですか。
#154
○政府委員(橋本道夫君) これは法律の十六条にございますが、そういう要請基準というものが設けられておりまして、この住居の地域が面しているというところでは、昼間六十五、夜間六十、商工業地域では昼間が七十、夜間が六十五、それを超えるようなものが出てきますと、これはいま申し上げた数字が要請基準になっておりまして、測定に基づいて都道府県知事が道路の管理者またこの道路交通の規制、管制をするために都道府県公安委員会に対して「措置を執るべきことを要請するものとする。」、それが原則であるということになりまして、そしてそれを受けますと公安委員会の方は、道路交通法の中に公害の規定がございますので、その法律でやられます。それから道路管理者の方では、これはこの法律の中で書いてございますような、十六条の二項で「当該道路の部分の舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」ということになっておりますので、その道路管理者の方ではいま申しました舗装、維持、修繕の措置、都道府県公安委員会の方では道路交通法の規定に基づいてどのような交通規制を行うのかということが具体的に検討されて、そういう「措置を執るもの」となっておるというのがこの法律の定めるところでございます。
#155
○小平芳平君 実際問題としては、道路管理者の方は「舗装、維持又は修繕」と言いましても、そういうことで振動がたちまち減るということはあり得ないじゃないですか。特殊な場合で舗装してないものを舗装されたということならあり得るですが、幹線道路で舗装されてない道路なんというものはいまないと思いますし。
#156
○政府委員(橋本道夫君) これは建設省自身がいろいろの経験と調査に基づいて整理をしてきたものでございますが、舗装したものが実は表面が痛んでおると、あるいは段差が非常についておって、あるいは物の突起が部分的にあるとか、そういう問題があるようでございます。そういうことで路面補修をやると、大体一般的に五ないし十デシベルぐらいいままでの経過ではよくなっておると。それからこの舗装版の打ちかえあるいは未舗装道路の舗装、こういうことをやりますと十から十五デシベルぐらいよくなる。ただ、幹線道路ではそういうことをしても大体三年ぐらいしかもたないという議論があるようでございますが、そういう実績の数字をもとにしまして、このような法律条項というものを建設省も同意をいたしまして組んだというわけでございます。
#157
○小平芳平君 そういう「舗装、維持又は修繕」で幹線道路の振動がたちまち基準内になるということなら大変ありがたいことなんですが、実際問題それほど効果があるかどうかというような疑問は環境庁としてはお持ちになりませんか。
#158
○政府委員(橋本道夫君) これは先ほど七十デシベルを超えているものということでございますから、その中に七十五とかあるいは七十、そういう高いものが中にはあるやもしれません。そういう場合にどこまで効果があるかということでございますが、従来の経験から見ると、このような数字が道路の専門家で実際やってみた結果出されておるということは、それはそれなりに効果があるのではないか。ただ、全国的に及んでくるには、これは先ほども建設省の方からも若干お話がございましたが、七十デシベルというところだけで切ってもどうも二千億を少し上回るぐらいかかるだろうということが実際上の推計として言われておりますので、それが全国に及んでよほどこれが効果があってすぐよくなったということには、そう楽観的にはおられない、われわれは非常に努力しなければならないというぐあいに思っております。
#159
○小平芳平君 交通規制をすればともか文何か厳しい交通規制をすればともかく、なかなかそういう舗装、修繕程度でたちまち基準内になるかどうかということに対して、まあ私もよくわかりませんが、しかし交通騒音や交通振動には悩まされていることはずいぶんありますので、これはひとつお金が幾らかかるということもありましょうが、やはりできるだけの努力はしてほしいし、またすべきであるというふうに考えます。
 それから新幹線の場合は七十デシベルを超える地域については緊急にということになっておりますね、新幹線については。これは昼夜の別は新幹線はつけないわけですか。
#160
○政府委員(橋本道夫君) この緊急に講ずべき措置の指針としての七十デシベルには、昼夜の別はついておりません。またその基礎の理解には、新幹線は朝の六時から夜十一時から十二時までの間走っているということが基礎の理解にございますが、深夜は走らないという基本の理解のもとになっております。
#161
○小平芳平君 国鉄の方どうですか。新幹線は昼夜に分けて、夜間は公害を減らそうという努力をしようというような考えはありませんか。
#162
○説明員(吉村恒君) 基本的に、やはり住民の方々の生活条件から見まして考えられる早朝でございますとか、ある時間以降の夜とかいう時間がより静かであることは望ましいと基本的に思っております。今回出ましたのは緊急にやるべき指針値でございまして、その性格が余りにも悪いじゃないか、それからさしあたり前に出されております騒音の対策、それをやっていく上でとにかく振動の対策等が二度手間にならないようにということがねらいでつくられた指針値でございますので、この段階ではもう昼夜の別どころの騒ぎでないというのが解釈かと理解をいたしております。望ましい水準といたしましては、先生いまお話しのように時間帯別に区別があってしかるべきことかもしれません。ただし、私どもの列車の回数、運転回数でございますが、これはやはり人間の生活時間に合っておりますので、ほぼ合っておりますので、早朝あるいは深夜帯にわたる夜遅い時間は運行回数が減っているということも実情になっておりますので、総合的に考えるべきことかと思うわけであります。
#163
○小平芳平君 先ほど来私は部長さんの答弁を聞いていまして、新幹線が初めて走った当初、あのの当時国会の委員会等でよく、特に在来の東海道線に比べた場合、新幹線が住宅地を走るとか、そういうことで騒音や振動の被害が深刻になりませんかということに対して、きわめて国鉄当局は楽観的といいますか、まあおよそそんなことは問題にならないみたいなことじゃなかったですか。とにかく技術の国鉄なんだ、お任せいただきたいというような調子だったようなことをちょっと思い出すんですが、しかしやはり十何年、十年ですかたってみて、きわめてそれは深刻な事態であるということを先ほど来は御答弁なさっているように受けとめますが、ですから新しくできる線については、公害対策はやりやすいですか、これからの線については。初めから計画をしてやるというようなものもあっていいと思うんですが、いかがですか。
#164
○説明員(吉村恒君) 開業直後に先生御指摘のような、あるいは思い上がったあるいは公害対策不要というような御印象を与えるようなもし物言いがありましたとすれば、おわびを申し上げなければならないと思います。東海道新幹線にいたしましても山陽にいたしましても、開業後私どもの現場におります職員、沿線の方々とは密に接触をいたしておるつもりでございます。ときどき連絡が悪いとか苦情を言ってもどっかで立ち消えになってしまうじゃないかという御苦情もいただいておるのも事実でございますけれども、努めてコンタクトをし、御苦情を伺い、あるいは被害等の補償を進めてきております。その点では、私どももかなりの程度まじめにやってきたものと思っております。今後、今後と申しますか、各種の振動、騒音あるいは今回それまで明らかでございませんでした振動についての技術の進歩も含めまして、新しい規制の数値というものがはっきりしてきた段階では、ますますしっかり基本的な対処を進めていかなければならないと覚悟いたしております。
#165
○小平芳平君 次に十五条の三ですが、これは「公共性のある施設又は工作物」、「円滑な実施について特に配慮しなければならない。」ということは、これどういう御趣旨ですか。
#166
○政府委員(橋本道夫君) この十五条の三項のその政府原案のことはどういうことであるかという御質問でございますが、これは騒音規制法のときにも、これと同様の条文が入っております大気水質には全然こういうものはございません。といいますのは、建設関係の作業といいますのはもう必然的に音と振動があるということ、これは作業の性格上避けられないという問題がございまして、そういうことで騒音とそれから振動の規制法にこういうものを、振動の方はこういう原案を出させていただいたわけでございます。これは「公共の施設又は工作物に係る建設工事として行われる特定建設作業」につきましては、物によってどうしてもその施設そのものの性質が、昼間の時間帯にできない、昼間は非常にそこを使っておる、それをとめるわけにはいかない。そうするとどうしても晩の時間帯にかかってくるというような問題が中にございます。あるいは一部の作業の中にはやはりどうしても振動のひどくなるものが中にありまして、そしてそれに対しまして、これは適用除外にしているわけではございませんから、当然にまず最初に当然決められた規制基準を守るというのが大前提でございますし、公共の事業であるからにはなおさらそれをきっちりやらなければならないし、それはもう当然の話であるという立場に立ちまして、なおかつその上に非常に時間やあるいは作業条件を調整することによって、著しく建設作業の工事が円滑に実施できなくて、きわめて住民の福祉に直接関係のあるような事業がおくれて、今度はそのおくれることのためにかえって反対で、非常に問題が起こる。これは上下水道とか、そういうものは非常に問題が起こりやすいわけでございますが、そういうものに対して騒音規制法の場合と同様の条文をもってやり、また騒音規制法のときにこの条文を設けたから、これが非常に問題になって非常な論争を起こしたケースもなかったということで、この条文が政府原案として入ったわけでございます。
#167
○小平芳平君 衆議院で修正になった部分ですね、ここは。
#168
○政府委員(橋本道夫君) そうです。
#169
○小平芳平君 それは別としまして、日弁連のこの振動規制法に対する中公審答申に対する意見書というものをごらんになったと思いますが、いま局長が挙げられた点はこれこれこういうわけで公共事業というものは円滑な実施について配慮をされなければならないという面をお挙げになったんですが、その逆に公共事業といえども住民の受ける被害は同じだという趣旨のことが述べられておりますね、ですから、除外されるのでないからいいようなものの、やはりその被害を受ける住民としてはそれが私の事業であれ、公共事業であれ、同じ悩みを受けることになるということをね――それは当然のことでしょう。
#170
○政府委員(橋本道夫君) これは公共の事業であるから当然に異常な迷惑をかけてもいいんだというような形には全く立っておりません。そういうことでまず大原則としてはこの規制の条件に基づいて勧告され、命令されるというものが法律のたてまえとしてあるということでございまして、さらにそれを実行した場合に非常な問題を生ずるケースについて公共の福祉との関係でこのような配慮がやはりどうしても必要なケースがある。日弁連の方のおっしゃるように災害とか緊急のことだけに限ったものでない場合が中にはどうしても公共事業の場合にあるということでこういう考え方に立っております。
#171
○内田善利君 まず基本的な問題からお聞きしたいと思いますが、昭和四十九年に公害対策基本法ができまして、そして典型公害の一つの中に振動も入っておりますが、これが今日までその規制法が振動だけ残されたということにつきまして各委員からいろいろ質問があっておりましたが、私はここで振動の測定方法あるいは防止技術あるいは生理的な影響あるいは振動と生活環境、財産被害との関係、こういった点が十分解明されたので、今度こういう規制法に踏み切った、こういうふうに私は思いますが、そういうことでしょうか。
#172
○政府委員(橋本道夫君) いま先生のおっしゃった趣旨とほぼ同様な趣旨でございますが、十分にとまでは、たとえば財産の被害であるとか、そういう問題につきましても完全にわかり切ったんだというところまでは私申しかねますが、現在の段階で規制法を加えてこの程度の規制を行うということに足るだけの条件はそろった、こういうぐあいに考えております。
#173
○内田善利君 そうしますと、十分とまではいかないが、ほぼ解明されたので、この規制基準に踏み切ったということですが、公害対策基本法の第九条ではこの振動についての環境基準がはずされておる。はずされた理由はいま申し上げましたような測定技術とかあるいは防止技術とかそういうことが不備であるということから環境基準の対象から除外されたと思いますけれども、今日このようにいま局長から御答弁がありましたように、解明されたという以上は、騒音と同じように発生するのが振動であり、振動のときに騒音が発生していると、こういうことから、騒音規制がある以上は振動の環境基準もこの際考慮すべきじゃないかと、こう思いますが、この点については大臣はどのようにお考えですか。
#174
○国務大臣(小沢辰男君) 騒音と同じくお考えになることも私ども理解できますけれども、やはり振動は各種非常に多様でございまして、地域的な特性ということがやはり相当考慮の中に入ってこなければいかぬものでございますから、したがって、環境基準ということがなかなか画一的に決まり得ない。そこでこの法律で一応基準値をつくりましてそれぞれ規制をするようにしたと、こういうのが実情でございます。
#175
○内田善利君 第九条は、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい環境基準を政府がつくるんだと、こういうことなんですが、先ほどからのいろんな質疑応答を聞いておりますと、もうこの程度ならば人体には関係ないと、この程度ならば人体は大丈夫だと、健康大丈夫だと、こういう局長の答弁もあったわけですが、それならば当然環境基準を設定して、指定地域であろうと指定地域でなかろうと、健康に望ましい基準はこの際せっかく規制基準がこうして決まるわけですから、環境基準も設定すべきじゃないかと、検討の段階に入ったんじゃないかと、こう思うんですけれども、局長いかがですか。
#176
○政府委員(橋本道夫君) いまの大臣のお答えになりましたことに若干補足して申し上げたいと思いますが、先生の御指摘の、防止技術や測定がはっきりしてなかったから環境基準をつくらなかったという要素も確かにございます。ただ、騒音と振動を比べてみますと、非常に似通った同じところのある反面、また非常に性質の異なったものもございまして、騒音は放出するという形がはっきりあるわけですけれども、振動は地盤を介して入ってまいりますので、騒音の場合とは相当様子が違っておるということが一点ございます。そういう意味で、許容限度の立て方が騒音と似ておりますが、騒音の場合のようなサイレンサーをつけてどうこうするとかそういう形は全然振動ではできないわけです。それからもう一つは、騒音の場合には自動車が、自体が騒音を出しながら道路を走っておるということでございますが、道路交通なんかの場合には自動車自身、もちろん自動車も揺れておりますが、自動車の振動というよりも自動車全体が道路をどんどん走っていてその全体の振動が地盤を伝わって入ってくるということで自動車自身に許容限度を設けて抑えられるというような性質のものではないということと、それからもう一つは、集積の問題というのは、これは騒音の場合よりも非常に様相が少しいま申し上げたような事情があって異なりまして、非常に限極的な問題として解決されるということでもございますし、そういうことで、環境基準の可能性を別に否定しておるわけではございませんが、この個別の規制をしていく。それから道路や新幹線の構造をきっちりしていくということをもって対応するのがまず大切なことではないかという考えを持っているわけでございます。
#177
○内田善利君 せっかく典型公害七つ挙げて、環境基準も政府が決めるとなっておりまして、振動の環境基準だけが残るということがどうも腑に落ちないものですからいま質問したわけですが、やはりある程度解明されてきたならば環境基準設定も必要じゃないかと、こう思います。
 それからその次に、今度は振動の計量単位ですけれども、先ほどから振動速度をいままで使っていたわけですね。何センチ・パー・セカンドという速度の単位を使っていたわけですが、今度デシベルの単位になったわけですけれども、これは通産省で省令でつくったんだと思いますが、JIS規格にこの測定器並びに測定方法はもう出ているんでしょうか。
#178
○政府委員(橋本道夫君) これは公害振動計というものが次第に出てまいりまして、しかもその補正加速度レベルという、国際的なISOもその方向で一九七四年に決定されたということでございますので、このデシベルを単位としてやっておるわけでございますが、JIS規格につきましては、振動規制法ができて、これを採用すると決まればそれをJIS規格にするということでございまして、もう現に委員会を設けてこの検討も始めている最中でございますし、公式の文書をもって通産省にもわれわれもJIS規格を最終的に決定してくれということを要請しているというのがいまの状況でございます。
#179
○内田善利君 そうしますと、振動のこの規制の単位はデシベルを使うようになるわけですね。速度は使わないわけですか。
#180
○政府委員(橋本道夫君) 振動規制法におきましてはこのデシベルを使うということでございます。
 なお、速度の関係につきましては換算式がございまして、それが成立をするということでございますので、移行時期にはそういう問題もあるというぐあいに考えております。
#181
○内田善利君 それから日本の家屋ですね。日本の家屋の中に振動が入ってきた場合に増幅が考えられるわけですが、家屋の増幅作用の場合に大体どれぐらい見込んでおられるわけですか。
#182
○政府委員(橋本道夫君) 家屋の増幅につきましては、この報告書の中にもございますが、大体平均的に一ないし八デシベルと、そういうことで、まず五デシベルということをとっております。これは実際の実情から見ますと十分な要素をとっていると見てよいと。といいますのは、畳とか、それから布団ということでまた非常に減衰してしまうわけです。そういうものを中に入れておりません。入れておりませんので、決めてある数字は地盤の上での振動をとっておりますので、家の中に入ると五デシベルとされる。しかし、その五デシベルというのはかなりゆっくりとったものであるということと専門委員会の報告書から私どもは受け取っております。
#183
○内田善利君 相当増幅されるんじゃないかと思いますが、これは自分の感覚ですからわかりませんが、清水谷宿舎に私はおるわけですが、新設当時に災害のときの非常階段をつくってあればよかったんですが、これが最近やっと完成したわけですけれども、あれをつくる段階で、日曜日などおりますと、相当な騒音と振動を感じたわけです。いたたまれずに外に私も出たわけです、一番端っこにおるものですから。そのときは、まあしょうがないと、新設のときにつくればいいものをと思っておりましたが、入りましたときは新築のときですから全然隣の部屋とか上の部屋とか全然わかりませんでした。ところが最近は、戸を閉める音とかあける音とかいろんな音が入ってくるわけです。ということは、結局振動によって、騒音ではありませんから、振動によって少々がたがきて、そして人声は聞こえませんけれども、閉めたりあけたりするのは結局、柱を通じて、固形物を通じて振動が伝わってきて音として聞こえるんだと、そういうふうに私は感じております。ですから、新設のときに非常階段はつければよかったものをという感じがするわけですが、あのときの振動ですね、これは感じませんけれども、騒音の方は相当感じました。そして、結果はあのようながたがきているということなんですが、振動の規制はデシベルによらないと、やはり、先ほど財産被害というのがありましたが、生活環境の被害というのは振動の方がひどい、騒音はそういう被害はありませんけれども、振動の方がひどいということを強く感じておるわけですが、家屋の増幅作用というのは畳の上が板の間よりも大きいということですが、一から八までということですが、そういうがたがくるということも考慮に入れなければならないんじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
#184
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のような非常に個別のケースを抜きますと、そういうようなケースも私どもも否定し得ないところであろうと思います。この資料の中の三十九ページにもございますが、「床振動と地表振動の差」というところで、建築の専門家がいままで調べたようなものをずっと見ますと、むしろマイナスになってくるのが中にあるわけです。マイナス五デシベルぐらいのものもあります。また非常に高いものですと十五デシベルぐらい出るものもある。しかし、五デシベルぐらいのところでとりますと、大体七〇%前後のところはそれ以下になってしまう。それに先ほど申し上げました畳とか布団ですと、むしろ振動を吸収してくるという形がある。そこで専門委員会としては五デシベルぐらい見れば一般的によいということを申し上げたわけでございますが、確かにケースとしては、この建築はどうだというものは中にあるということは私どもも否定できないところだと思っております。
#185
○内田善利君 いまのお話で、これは日弁連の意見書なんですが、日常生活の場たる畳の上では板の間に比べてさらに十デシベル程度増幅されるとのデータがあるということですが、畳の上では減衰されるといま言われましたですね。
#186
○政府委員(橋本道夫君) これは専門委員会の先生方のお話としてはそういうふうになっております。
#187
○内田善利君 専門委員会の先生方のことですから云々しませんが……。
 それからもう一つ新幹線の場合ですが、先ほど局長は小平委員の質問に対して、指針値の七十デシベルについては新幹線が六時から十一時ないし十二時まで走っているので昼夜の別をなくしたというふうに答弁がありましたですね。これはこういう考え方は新幹線が十二時まで走っているから、これにあわせて昼夜の別をなくしていると、深夜は走っていないからということなんですが、十二時まで起きているという家はそんなにないと思うんですね。ですから、やはり生活環境ということを考えた場合で新幹線の問題も考えるべきじゃないかと、こう思うんですが。
#188
○政府委員(橋本道夫君) 私の先ほどの答弁で走っているのでということをもし私が言いましたら、これは非常に適切を欠く言葉であると思います。走っていると理解をしておりますということで、深夜走っていないということだけでございまして、七十デシベルというのは決してこれでいいというような数字では全然ございません。とにかく緊急にこれだけはやってもらおうという数字でこれを決めたものでございます。
#189
○内田善利君 建設省にちょっとお伺いしておきます。
 最近の自動車交通量は非常に激増しております。それに排ガス規制――五十一年度規制が五十三年度まで後退した。それに騒音、さらに振動、この三つが重なってまいりまして、道路周辺地域の生活は非常に汚染と言いますか、被害が大きいわけですが、規制もこのような排ガス規制、騒音規制、振動規制と規制になりますが、自動車に対するいろんな規制に対してどういう対策を建設省としては考えておるのか、その防止対策ですね、お聞きしたいと思います。
#190
○説明員(浅井新一郎君) お答えいたします。
 先生御指摘のような道路をつくる場合のいろんな公害問題――騒音、排気ガス、それから特に議論されております振動の問題。確かに幹線道路を建設する場合に非常に大きな問題となっておりますし、また今後も道路をつくるに際してますますこれの対策に頭を悩ませながらやらなければならないというふうに覚悟しておるわけでございますが、一般的にはわれわれの姿勢といたしましては、自動車交通に伴う騒音、振動、排気ガス等の交通公害に対処するのは、自動車の改善それから道路構造の改善、それから土地利用の適正化、都市再開発の推進あるいは最後の手段として交通規制の強化、そういったようないろんな施策を総合的に進めなければならないという前提に立ちまして、道路側といたしましては、まず通過交通を処理するための環状線あるいはバイパスといったような道路も、これは環境対策のためにつくらなければいけない。また幹線道路の整備に当たりましては、良好な住居環境の保持あるいは沿道土地利用等の考慮を十分いたさなければならないということ。そのほかに環境施設帯あるいは沿道周辺の地域の状況に応じまして高架構造、掘り割り構造といったような構造の採用、それから遮音壁、それから振動対策としては良好な路面の保持、それからさらに進んで道路の緑化あるいは道路周辺におきます対策といたしまして、今年からやろうといたします防音工事の費用の助成といったような諸施策を積極的に進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#191
○内田善利君 道路関係で、法案の第十六条関係で建設省にお聞きしたいんですが、十六条は、十九条の測定を行った場合に、要請があった場合ですね、舗装、維持または修繕の措置をとるべきことを要請があった場合に、道路管理者は道路交通振動の防止のため必要があると認めるときは、当該道路の部分の舗装、維持または修繕の措置をとるものとすると、このようになっておるわけですが、単に舗装あるいは維持あるいは修繕の措置をとるだけでなくて、やはり道路交通問題から車の制限とか、あるいは車線の削減とか、あるいは緩衝緑地帯を認めるとか、そういうことも要請できるようにすべきだと思うのですが、この点はどうですか。
#192
○説明員(浅井新一郎君) 御指摘の振動対策といたしましては、この路面の補修、特に被覆とかあるいは舗装版の打ちかえといったようなものをやることが最も効果的な方法でございまして、実際幾つかの例によりますと、路面の被覆によりまして振動の軽減効果は大体五ないし十デシベル、それから舗装の打ちかえをやりますと十五デシベルという非常に大幅な振動の減少効果があるわけでございます。振動についてはこういう対策を中心にしてやっていきたいというふうに考えているわけです。そのほかの騒音問題等につきましては、従来から申し上げておりますように、やはり防音壁あるいは環境施設帯の整備というような道路構造上の対応を十分にやっていく、それでもなお救えない場合には道路の一歩外までに手を延ばしまして、先ほど御説明いたしましたような防音の工事を家屋に対してやる場合には、その助成を考えるというような方法も手をつけておるわけでございます。そういうことで対応してまいりたいというふうに考えております。
#193
○内田善利君 それではまた環境庁にお伺いましすが、第十五条ですけれども、先ほど小平委員からも質問があっておりましたが、「都道府県知事は、公共性のある施設」云々「特に配慮しなければならない。」ということなんですが、どうしてこの公共性のあるこういう施設、工作物に係る建設工事だけを配慮しなければならないとしたのか、この点もう一度お聞きしたいと思います。
#194
○政府委員(橋本道夫君) これは、騒音規制法とこの法律に公害規制法ではこの二つだけにあるわけでございますが、建設作業として音と振動を伴うことが不可避であるというような宿命的な問題が一つございます。
 それからもう一つの問題は、公共施設に関する建設作業では適用除外だということ、これはもう絶対許せない、当然公共事業であれば最善の努力をして規制基準を守るようにすべきである、これは大前提でございます。そういう意味で公共性だったら当然受忍をしろというような従来の切り捨て的な思想は全くございませんが、ただ、実際やってみますと、どうしても住民のニードがあるものだけは、それはみんな文句を言わないからそのままでいいじゃないかという御議論もありますが、周りの住民の方のお気持ちと全体の問題とがどうしてもかち合うところが中に出てまいります。そういうニードの多様性というものがございますので、そうなってきますと、どうしてもある基準をかける、そうするとその事業が実際上非常におくれてしまって、かえっておくれることによって公共の福祉を非常に阻害する面が別にあらわれてくる、水道はなかなか直らない、水がなかなか出てこないとか、あるいは道路がなくて非常に長いことそのままになっているとか、いろいろそういう問題が出てまいりますので、緊急とか災害とか事故、これはもうどなたも問題がございませんでしょうが、そのほかの公共的な仕事の中で地域の住民の方の気持ち等の中には、やはりこれは私のところは絶対困るというような問題とかち合うこともどうしても起こってまいりますので、そういうことでこの十五条の中で公共性についての配慮ということを特にあらわしたわけでございます。
#195
○内田善利君 そこが一番問題になるところだと思いますけれども、公共性か、あるいは生活環境優先かという問題その接点をどこにするかということが大事な問題と思いますが、最近の公害問題を見ておりますと、いままでは民間企業による公害が多かったように思います。しかし、最近は公共事業による被害というのが非常に多くなってきております。特にいま新幹線による公害とか、あるいは空港周辺における公害とか、そういった公共事業によるものが多くなってきた、こういうことから考えてみましても、やはりそのどこに接点を置くかということが大きな問題ですが、やはり健康を守るということにウエートを置いて、生活環境を守るということにウエートを置いて配慮していかなければならないと、そう思うのですけれども、特に、こうした配慮しなければならないとしてあること自体が、いままでのやはり公共事業による公害問題が非常に多くなってきたということに対して、歯どめにはならないで、むしろこれを援助するようなことになりはしないかと、そう思うのですけれども、この点はどのようにお考えでしょうか、大臣。
#196
○政府委員(橋本道夫君) いま先生御指摘のありましたような問題は非常にこれは厳しく解してやるべきことだというぐあいに思っております。また公共事業でございますから、当然に最大の努力をいたして条件に合うべきことはこれは大前提でございます。ただ、先ほど申し上げましたような条件もどうしてもあるということも事実でございまして、従来のような意識で公共性を言っておるわけではございません。ただ、だからといって公共性というものがなくなったわけではこれまた全然ございませんので、そこのところについての慎重な配慮としてこのような条項が入ったわけでございます。
#197
○内田善利君 その点が一番問題になるところと思いますけれども、大臣はどのようにお考えですか。
#198
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、公共性というものを、やはりその地域の住民のニーズというものを考えながら、もちろんそれだけではありませんけれども、本当に住民の方々の福祉全体の停滞ということが、どうしてもこの工事の遅延によって出てきて重大な支障を来すというような場合には、この基準を守らせながらも、その守る場合のいろいろなやり方について配慮をしてもらいたいとこういうことでございますから、この辺のところは衆議院の、そういう意味では御修正のときに、できるだけいろんな面でしぼりをかけられましたので、これをひとつ御承認願い、またこれ全く、もし考えに入れないということになりますと、どうしても仕事の性質上私どもがこの条項について事業の実施官庁でもありませんので、スムーズに関係機関の協力を得て、大事な初めての振動規制法というものが成り立たなくなってもいけませんし、環境庁というのはやっぱり実施官庁の協力を得てやらなければならぬ面もございますものですから、この点は御意見もおありだと思いますけれども、御承認を賜りたいという気持ちでございます。
#199
○内田善利君 国鉄見えているんですか。
#200
○説明員(田中和夫君) 運輸省です。
#201
○内田善利君 これは昨年の八月三十日の新聞ですけれども、京都大学工学部の柴田先生が、「新幹線の振動は震度5(強震)−6(烈震)の地震に相当する被害を沿線家屋に与えている。」ということを仙台市の国際騒音制御工学会議で言われているわけですが、これといままでの質疑応答の中から聞いていることとは非常に大きく食い違っておると思いますけれども、この点はどのようなお考えなんでしょうか。
#202
○説明員(田中和夫君) 現在新幹線につきまして、振動の実態を大々的に調査をいたしておりますが、その調査の中で出てきております数値といたしまして、線路の真下、非常に地盤の悪いところ、こういうところで一部八十五デシベルという高い値を示しているところもございますが、いま先生御指摘のような烈震というようなレベルの振動という話は、私どもまだつかんでおらないのが実態でございます。振動の状況は、非常に先ほど来御審議の中で答弁でも出ておりますが、実態がなかなかむずかしい点もございますが、今回中公審におきまして答申が出、環境庁長官から運輸省に勧告がありました七十デシベルというレベルについて想定をいたしますと、おおよそ線路から十メートルないし五十メートルという範囲にそのような振動が発生しているという状況でございます。
#203
○内田善利君 もう少し先へまいりますと、開通十一年の東海道新幹線では壁が落ちひびが入る、かもいが数センチも下がる、屋根がわらがずれ、タイルがひび割れる、戸や建具がガタガタ鳴ると。これは震度五から六の地震で受ける被害と同程度の累積被害があったということが、いまおっしゃったようなことも書いてありますが、こういうことなんですが、実際こういう被害が起こっているわけですか。
#204
○説明員(田中和夫君) ただいま先生御指摘の点につきましては、いわゆる物損と申しますか、実際家屋に被害を生じているということかと思いますが、これらにつきましては、新幹線の走行に伴う振動によってそのような被害が出たのかあるいは家屋の老朽あるいは地質の関係等がなかなか解明がむずかしい点がございますが、一部地盤の悪い地域におきまして、沿線の方から実際にそういう被害が出ているという申し出がございまして、これらにつきましては実情調査の上で――必ずしも新幹線であるかどうか不明な点もございますが、それらの補修に要する費用をお支払いしているという例はございます。
#205
○内田善利君 これは国鉄じゃございませんが、さきの千代田線の地下鉄の工事のときに足立区の民家の庭先がぱっかり穴があいたと。これは地下鉄の振動騒音公害によって発生したんだということですが、この点はどうなんでしょうか、御存じですか。
#206
○政府委員(橋本道夫君) 問題があったということは私は記憶にございますが、そこまで具体的な事実としては存じておりませんでした。
#207
○内田善利君 この振動によったものか、工事の場合に穴があいたのか工事のずさんのためなのか、その辺もはっきりしないようですけれども、やはり具体的にこういった被害が振動によったものでないとは言えないと思いますけれども、こういった新幹線ないしあるいはこういった工事による被害が出ておるようですけれども、今度の指針値の七十デジベルですが、この新幹線あるいは鉄道振動に対する法的規制はもう設けない予定ですか、この指針をさらに法的な規制にしていく考えですか、どうですか。
#208
○政府委員(橋本道夫君) この法案をつくるときにはどういう考えであったかということを御説明申し上げますと、やはり防止技術として非常にまだ未開発の面が余りにも多過ぎるということでございまして、車両の問題もございますしあるいは線路や橋梁等の構造の問題もございます。また、走行条件の調整ということもこの審議会の中では別に放棄したわけではございませんが、何分、道路の交通信号で調整するのとは新幹線の場合にはわけが違って、非常にむずかしさが大きいと。一方、騒音と非常に絡みますし、総合的な補償問題、移転問題、防音工事問題全部絡んでまいりますので、規制基準の数値を設けてやるには余りに現在無理があるということで法律の中に入れなかったわけでございます。
#209
○内田善利君 次に、いろんな法律の場合に必要かと思いますが、今度の振動の場合も、規制法の場合も、振動規制の規制請求権、こういったものを住民側に与えるということはどのようにお考えですか。
#210
○政府委員(橋本道夫君) これは規制請求権といいますか、苦情は、これは現在公害の問題では当然苦情が出てまいった場合には行政庁の方がそれに対して対応しなくてはもう行政としてやっていけないという状態になっておりまして、私どもは規制請求権というようなものを特に設けるという考え方にはなってはおりません。
#211
○内田善利君 それから、いま現在振動規制が各都道府県によって行われておるわけですが、その基準値は、非常に今度の環境庁の規制基準値よりも厳しいわけですが、これよりも――いままでは、大気汚染防止法にしても水質汚濁防止法にしても上乗せ基準ができるようになっていたわけですが、今度は下回らなきゃならないということになるわけですけれども、この点は、先ほどから質問があったかもしれませんが、どのようにお考えですか。
#212
○政府委員(橋本道夫君) 現在二十五の自治体が条例を制定をいたしまして規制基準もしくは指導基準というようなものを持っておりますが、その基準が、今回この審議会の答申のとおりの形で一定の環境庁長官の定める範囲というものをやってまいりますと、全国で七つの条例はこれよりもゆるい基準を決めております。ですから、そこは厳しくなります。それから七つの自治体の条例の数字は、数字的に見ますとこれより厳しい数字になります。どういうことかと申しますと、この範囲では一番厳しいところが工場で五十五デシベルになっております。それに対しまして、地方条例の中で〇・一ミリメーター・パー・セカンド、これをデシベルに換算しますと五十一デシベルになる。そうすると五十一と五十の間に乖離があるという議論があります。それに対しましては、住居地域で夜間でさらに五デシベル環境庁長官が定める範囲というのがございまして、病院の近所、学校の近所でそういうものをどうしても厳しくする必要があるというときには条例をもって定めればできる形になっておりますので、そうしますと、そういう部分は確かに五十デシベルで、これは一デシベルの差があるないなんということはちょっと言えない数字ではございますが、決してそれとは変わりませんが、その自治体でかなり広い範囲に五十一デシベルやったものと同じ範囲内を五十デシベルにするということはこれはできないと、そういう形になっております。また、ある自治体では、ゼロミリメーター・パー・セカンドということで、これはゼロというのは全く、私は率直に申しまして無理な基準であると思いますが、その条例で最初の時代に非常に御苦労されたときに、少なくとも夜は振動のないようにという願いのもとに振動計にひっかからないという数字をゼロミリメーター・パー・セカンドに決められたというのが三十年代の末ごろの経緯でございまして、そして、その数字を最初に決められた自治体は皆これは後で改正をされまして〇・一ミリメーター・パー・セカンドとか五十デシベルとかいうものに、不合理のないようにした。ところが、改正されるすぐ手前の年ぐらいにその数字をならって条例を決められたところがあります。そこはゼロとなっておるわけです。そうすると、すぐさま変えるわけにはいかぬと。実は、内情は非常にお困りになっておられるところがありますのですが、そういうところではこれよりも少し、この基準を決めるとさらにゆるくなるのではないかという御批判があるわけでございます。確かに、数字的に見ればそういう議論はあり得るかとも思いますが、この法律をつくりました一番の、基本の一つは、自治体として振動問題は非常にむずかしくて困っておると。測定にしましても基準を決めるにしましても困っておると。何とかそこを、国で統一化した測定方法、また国で基準としてのものを示してほしいという強い要望のもとにこの法律の作業を進められまして、自治体ともいろいろ――従来の規制法の中では最も私は自治体と調整した法律であると思います。確かに、たてまえとしては自治体は緩んでは困るというのは、出るところへ出れば必ずそういう答弁をいたしますが、実際、この規制をやっている人にしますと、ゼロのところなんか本当に困ってしまうわけです、本当の理屈で詰められますと。そういうことで、今回の基準が出てきますと、これに合わせて条例をつくるという機運がすでにその条例を施行している地方自治体の中に次第に定着いたしますれば、地方自治体としては条例を改正されてこれになるわけでございますが、しかし、どうしてもなかなかそこまでいかないという期間が実はかなりあるのではないか。そういうときにはその地方自治体の既存の条例の基準が生きておりますが、この法律による基準として生きているわけではない、そういう形になっております。
 なお、地方条例との関係で、この法律と目的を全然違えて規制をする場合には、また基準よりも厳しい数字を決めることは、見かけの上でございますが、数字ができることでございますが、これはどういうものかと申しますと、具体的には非常に貴重な美術品等があって、これが振動を起こすと壊れてしまうというようなものあるいは地震研究所の横なんかもそれにはまると思います。もう地震研究所の横でどんどんやられたら、地震の研究はできないということも起こるでしょうし、また低周波の振動というのは、これは空気振動でございますから対象にいたしておりませんで、そういうものについては自治体が条例で別の目的として決められておるという形になっておるわけでございます。
#213
○内田善利君 わかりました。今度は十二条の三項ですけれども、改善勧告、改善命令を出すのに三年間適用しないと、届け出があってから。ということになりますと、三年間はがまんしろということでしょうか、これは。
#214
○政府委員(橋本道夫君) これは相当する条例のあるときには、この三年間必ずしも生きるわけではございません。相当する条例があって、すでに規制がもう前から言われておったというときにはそれだけまたおくれるわけではございませんが、実際問題といたしまして、振動関係では、設備の基礎構造から深く掘って全部置きかえなきゃならないというような問題もございまして、やはりこういう猶予の期間ということは当然に必要であるということで、それまでにできることがありましたら、当然これはやられるものだと思いますが、根本的な問題はやはり三年間の猶予期間が要ると、特に鍛造にあっては四年間の猶予期間がなければとうていできないというようなことが実態でございます。
#215
○内田善利君 最後に大臣にお聞きしますけれども、振動発生源、振動源の関係で新幹線とかあるいは道路とか、あるいは振動源に対してどうしても技術上対策が不十分であるという場合に、移転しなきゃならないとかいろいろ出てくると思いますけれども、そういう関係からこの振動規制法が施行になることによって工場立地の問題あるいは都市計画とか、そういった問題も配慮することが必要になってくるんじゃないかと思いますが、この点はどのようなお考えですか。
#216
○国務大臣(小沢辰男君) 当然そういう問題に新しく立地をしようとする場合には、当然その配慮が行われてくるだろうと思いますし、私どもこの法律が御協賛得られました場合に、六カ月間の準備期間がございますが、それぞれ通産の方の工場立地の関係、あるいは建設方面の都市計画、これらによくお願い連絡をいたしまして十分この法律の趣旨を前提にした配慮をとっていただこうと、かように考えております。
#217
○内田善利君 終わります。
#218
○沓脱タケ子君 それでは公害対策基本法が施行されて以来、規制をされていなかったためにずいぶん国民が大変な被害を受けてまいったわけですが、この振動公害に対して今度規制措置がとられるようになった。それは非常にその点では期待が強いわけですが、振動に対する苦情というのが、これは先ほどからもたびたび数値として出ておりますように、昭和四十九年で環境庁調査の統計を拝見いたしますと、四千九十五件になっておる。これを考えてみますと、大体振動に関する苦情というのは一件が一戸というのではないわけですね。大部分十戸なり、二十戸なり、多いときには二百戸なりと、一件というのが十戸から百戸、二百戸というふうな規模になるわけですね。ですから、これは四千九十五件ということになりますと、まあ一件あたり十戸ないし二十戸単位というふうに、非常に控え目に見ましても五万ないし十万戸に関する苦情が出てきているという、実態的につかむ数字としてはそういうものではないかというふうに思うわけです。そういった中でも、苦情の中でやはり一番多いのは工場、事業場に対する苦情というのが五三%、それから建設工事が四十九年度では二四%、これはやはりその部分が一番多いわけですね。こういうふうな状況の中で、私はいろいろいままでの質疑応答を伺ってきておりますので、お聞きをしていきたいと思うのですけれども、振動公害というのが、単純に振動そのものの公害というものはきわめて少なくて、もうほとんどが騒音なり、あるいは地盤沈下なり、その他あるいは大気汚染を伴う排出ガス、そういったものを伴うというふうな複合的な公害として国民に与える場合には出てくる場合が多いわけですね。そういう点で私はそういった点をずっと考えてみますと、振動における規制の問題と、他の公害の規制の問題との関係というふうなものを実際には被害者にとってはこれは複合して受けているわけですが、そういったものに対する対処の仕方というふうな点について、基本的にどういうふうに考えていくかという点を最初にお伺いをしておきたいと思うのです。
#219
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘のございましたように騒音の場合ですと、騒音だけの公害というのはあり得ますが、振動の場合ですと全く振動だけで騒音の問題が全然ないというのも、これはまた私ちょっとなかなか思いつかないぐらいのものです。必ず伴っているわけでございます。また、その大気や水の場合とはお互いに騒音、振動は様相を異にしておりまして、大気や水の場合には非常に広域の問題であるとか、集積の問題であるとか、あるいは放出点がきわめて明確であるとかということがございますが、騒音の場合には振動よりも放出点は明確でございますけれども、振動の場合には放出点というものはおよそ見当たらない、むしろ地盤を介してくると、そういうような特性があるということでございます。しかも、苦情の出てき方を私どもがいろいろ工場と新幹線と道路について社会調査も加えながら調べてみて、因子解釈をしてみますと、一番苦情の出方に影響するのは騒音である。それからその次にはその家に初めて入ったときに、振動がはっと当たると思っている人は非常に苦情が強いというようなこと。その三番目に初めて振動が出てくるというような姿になっております。そういうことで、必ずほかのものと一緒になっておりますので、総合的な対策が要るということでございますが、工場などの場合にはまだ比較的対策としては大変でございますが、道路なんかの場合よりもまだやりやすいということでございますが、道路の場合になってまいりますと、御指摘のように、大気汚染と騒音と振動というものが全部複合してくるということでございますので、やはりそのような問題は、この法律では道路については要請の限度というものを設けまして対応すると、一方騒音の方では向こうにも要請の限度というものがあるということでございますが、おのおの排気の方には大気汚染防止法があると、どういうぐあいに道路公害の場合にそれをこれから組み合わせていくかということを考えないと、これだけを切り離してやるということは実際なかなかむずかしいし、またやっても効果というものがなかなか理解されがたいのではないかということで、私どもは規制法としては確かにこれを立ててやってまいりますが、新幹線とかあるいは道路というような問題につきましては、特に総合的な対策として、どうやってこれからこの工夫をしていくかということに一番力を注いでいきたいという気持を持っております。
#220
○沓脱タケ子君 あくまで公害対策ですからね、被害を受ける人たちの被害の実態に即してやはり対策を進めるということがきわめて重要なので、たとえば騒音も規制値ぎりぎり、振動も規制値ぎりぎり、そうして大気も規制値ぎりぎり、あるいははるかにこの大気の部分については高い、こういうふうなものが複合されたところに住まっておる、あるいは仕事をしているというふうな人に及ぼす影響というのは、単にデシベルの水準がどうだということだけではかれない複合した被害というのは当然人体に及んでくることは明らかなんです。これはむずかしく言わなくて常識的に考えてそうだと思うんですね。そういうものに対する対処の仕方というふうな点についてどういうふうにお考えになっておるかと、考えてないんだったら今後どういうふうに進めていくかという点について最初にお伺いをしておきたいと思います。
#221
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、道路交通関係の公害、それから新幹線等を考えますと、新幹線は大気汚染というのは余り考えに入れなくていいわけでございますが、やっぱり典型的なのは道路交通公害ではないか。そこで私はどうしてもその公害が最もひどくあらわれている典型的な個所を選びまして総合的に道路の改良から、あるいは植栽の問題、あるいは交通全体の交通規制の問題から、あるいは直接周辺対策としての対策の問題これを全部含めて一回ひとつ関係者集まって総合的な対策を一応重点的にやってみたらどうか、そしてそれによってどういう効果があるかということを考えつつ、いまのままですと、もちろんそこだけじゃないので非常に広範囲にわたっているとは思いますが、しかし、どの程度効果があるかということについては、やはり典型的なところを取り上げてやってみて、その後で全体に及ぼしていくことでないと、なかなか国の予算等もそのままに関連してくる問題ですから、やはりそういう方法が一番手っ取り早いんじゃないか、それによって各省の認識もうんと深めてもらえるんじゃないかというようなことで、実はぜひこれはひとつ在任中に実行してみたいと思っていま考えておるわけでございます。いまここでこういう点こうします、こうしますという具体的なのはないんですが、考えられることはいっぱいありますけれども、それをみんな集まって総合的にひとつある地点を、たとえば東京ですと環七、それから関西ですと四十三号線というような点も取り上げてみて徹底的にひとつ予算も集中してやってみたらどうか、こう思っているんでございますが、何とか在任中にひとつ計画を立てたいと思っております。
#222
○沓脱タケ子君 典型的なところででもそういうことはぜひやっていただきたいと思うのです。といいますのは、それぞれ公害種別に規制値を決めて一定の規制をやっていけばそれで能事終われりだということになりますと、それは住民の被害の実態と離れてくる。せっかくの積極的行政を進めようという積極的な意図が住民にとっては必ずしも改善になり得ないという部分が残るということになりますので、その点はせっかく鋭意ひとつ推進をしていただきたいということをお願いいたします。
 それからやはりそういった複合的な公害という点で私、建設関係の複合的な公害の典型の一つだと思いますのは地下鉄建設ですね。これは東京でも大阪でも特に大都会、大都市に集中して出てきているわけですが、この点については私ども非常に長い間大阪でも悩まされてきているわけです。具体例をちょっと申し上げてみますがね、大阪の地下鉄工事の実態でございますが、ここでは騒音と振動それから地盤沈下ですね、恐らく地下水の移動というふうなものによる地盤沈下ではないかと思われますが、そういったものが複合いたしまして、ちょうど道路を掘っているわけですから道路の沿線の住民というのが非常に大きな被害を受けています。どの程度の掘り方をしているかといいますと、これは大阪市の地下鉄二号線というのですが、都島橋から都島本通り三丁目という約五百メートルの範囲が、これは地盤の関係であろうと思いますが非常にひどい。道路を十三・五メートルのところまで掘削をしているのですが、これは開削なんですね。オープンカットでやっているわけですね。そういうところではどういう状況が起こってきているかというと、道路境の敷石にどんどんすき間が出てくるというような被害、これはもう半数出ていますね。それからお隣の家との間にすき間ができたとかすき間が斜めになって広がった、そういう被害というのは約三〇%、それからへいに割れ目ができたというふうなのが一一%というふうな被害が出てきている。こういう状態でございますから、当然これは大変住民不安になってきておりまして、こういったものについていろいろな調査を要望しているようですが、こういう中で、やはり一つは地盤沈下によって影響があるのと地盤沈下を起こして不均等沈下をしているところへ振動がプラスをされることによって非常に被害を増幅しているというふうな実態になっているように思うわけでございます。たとえば、これは振動の側面から見ますと振動の被害、しかも地盤沈下、騒音、そういったものと複合した被害なんですね。こういったものの規制についてはどうするか。これは公共事業ですよ。だから公共事業との関係というものはありますけれども、公共事業というものをちょっと横へ置いて、こういった複合被害というものが出てきた場合には今度の規制ではどういうふうに対処するか、ちょっとお伺いをしておきたいと思うのですね。
#223
○国務大臣(小沢辰男君) 物的損害についてはやはり当事者の話し合いによって必要な補償あるいは補修等をやらなければならない、これは当然だと思います。それから振動によるあるいは騒音等による身体的な影響については、これはもう当然別途に、もしそれが健康上重要な支障を来すというような点が明らかになってさましたら、これはもう当然財産被害とは別個に早急に対処していかなければいかぬと思っております。確かに大阪の地下鉄につきましては前にたしか私も森下先生からも何か言われたことがありまして、役所で、非常に粉じんの問題だとかいろんなものが絡まってきておりますので、それから何か調停委員会の調停にもかかっておるように聞いておるのでございますが、それぞれの因子を調べて、それぞれの因子がその被害にどの程度寄与しているかということはこれはとてもなかなか判定がめんどうだろうと思いますから、結果的に物的なあるいは健康上の被害というものについてよく私ども県と府と一緒になりまして調査をしてその対策を決める、これしかどうもないのじゃないか。細かい一つ一つの因子についてそれがどの程度寄与しているかということがちょっと複合汚染の場合は本当になかなか困難だと思いますので、この点は被害の補償を中心にして対策を講じていく、こういう考えを持たなきゃいかぬと思っています。
#224
○沓脱タケ子君 それで被害補償の問題は別としまして非常にむずかしいわけでしょう。地盤沈下も起こっているということは事実だし騒音もある、振動もある、こういうことですね。ですからいま振動規制法を審議しているので、振動に焦点を当てて物を言っておりますけれども、どの因子が一番大きいかどうかというのはこれはわからぬですね、実際には。全く複合的な因子だというふうに思うわけですが、そこではやはり沿道六十三世帯のうち四十二世帯の方々は健康上の被害を訴えてます。どういうふうな訴えをしているかといいますと、いらいらが三十六軒ですね。四十二軒が訴えている中の三十六軒はいらいらです。それから不眠症が二十九軒、四六%ですね。軽いノイゼローだといわれている患者のいるお宅が十二軒ですね。こういう状態ですし、これは直接振動とは関係ないと思いますが、難聴の方が、これは騒音によるんでしょうね、難聴を訴える方が十一軒。だから、一七・五%という大変な被害が出てきているわけでございます。で、私はこのケースは大阪で調停申請を出して損害賠償等の問題についていろいろやっているわけですね。で、そういうやり方の中でも非常に住民から不満が出てますよ。といいますのは、こういったものについての規制の仕方というのは、これは法律で決まってないですからね。だから、東京都はこういうやり方をする、大阪ではこういうやり方をすると、やり方はまちまちです。たとえば、東京の場合だったら東京は東京都が全部責任をもって家の傾いたのだとか壊れたのだとかというのは、いわゆる何というのですか、建て起こし上げ屋ですか、そういうやり方でもってもとへ復元する。しかし、大阪の場合だったら費用は大阪市と業者とが折半でもって修復しに歩くと、こういうかっこうでやっているわけですね。だから、壁の亀裂のところはセメントを詰めて歩くわけですね。そういうやり方ですから非常に不満が残るという問題があります。それだけではなくて、いま最大の問題になっておるのは、これは健康被害に対する補償ですね。そういう問題についての話し合いというのがつかないんですね、調停申請の中で。それでいままだ調停中なんですけれども、私はこういう点で、今度の家屋の被害の問題は長官おっしゃいましたけれども、健康被害の問題も含めてですが、騒音規制法もそうですが、今度の振動規制法についても、損害賠償について何にも規定がないわけですね。大気や水質については健康被害補償法というふうなものを確立して被害者についての一定の救済策というのをやっているわけですし、法律の中でも無過失責任というのを織り込んでますよね。ところが、騒音規制と今度の振動規制法にはないわけですね。その点はどうなさるおつもりなんですか。どういうふうに対処していく方針ですか。
#225
○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御指摘の問題は非常にむずかしいとこでございますが、大気とか水質の場合の健康被害と申しますのは、明らかに身体の病理的な状況を生じて、そうして健康が障害されるという問題でございまして、診断の上でも非常にはっきりしてくるということであります。ところが、どの範囲を健康被害とするかといういろいろの議論がございますが、一つは身体の病気というものと、その次は生理的な影響というものと、その次が心理的な影響というものと、それからその次は健康な生活の基本が侵されるという問題と、そのほかに財産の被害と、こうあるわけです。そういう点で、いらいらとか不眠とかノイローゼというのはなかなか被害として認めるかどうかには、これはきわめてむずかしい問題がございまして、中には五十デシベル割っているのに絶対自分は満足せぬという方が、実はもう六、七年来どなっている人がおられるわけです。非常にこれはどういいますか、心身の、心と体の病気に関係してくるきわめてむずかしい問題になりまして、行政や医学の段階だけではいまいかんともしがたいんじゃないかと、それはやっぱりどうだということになりますと、一つは紛争調停、それができなければ裁判で争ってみるということ以外にはどうにもなりませんで、ここまでの問題をはっきり取り上げるとなりますと、全然これは行政としてはどういいますか、どれを健康の被害とするかという実質的な因果関係もかなり明らかなものの中に入れていくには非常に無理があるという状態であります。そういうところで、いままでこの法律の中ではやはり人の健康にかかわる被害といいますのは、先ほど申し上げました水俣病とか気管支炎とかそのような病気を中心として考えておりますんで、この中でも比較的なじみやすいものは恐らく騒音だろうと思います。騒音の難聴というものは、これは身体の被害としてはわりになじむ公算があるというふうに思いますが、そのほかのものは私も健康被害と両方扱いましたが、それを公害の被害として取り入れるとこまでは、とうてい割り切るところまでには私どもまいらないという気持ちでございまして、残念ながらこれは当事者同士の交渉あるいは司法の問題でやってもらう以外には仕方がないという感じです。
#226
○沓脱タケ子君 私はそういうことができないのであれば、これは必要な限度において操業の停止を命ずることができるというふうに、法律で一定の規制をしないと大変なことになると思うんですよ。片方ではその因果関係で公害の疾病だということの認定を簡単にできないから、その部分については素通りをする。しかし、改善命令を出してやってももし聞いてもらえなかった、いつまででもしんぼうしなきゃならぬというのが続くわけです。どの程度にひどいかというのは、これは調停申請に出ているんですから相当なやはりひどさだから、二百世帯ほどがやっているんですからひどいものなんですが、これはたまたま昭和四十四、五年ごろからのケースで、四十七年ぐらいまでに起こっている問題なんですが、そこでそういう時期ですので、残念なことに振動の測定はできていない。大阪市の環境保健局ではこれは騒音の測定をしているんですね。これによりますと音源から三十メートルの離れた地域で七十七ホンです。敷地境界線から五メートルのところでは九十六ホンということになっている。その作業というのは深夜の時間帯に実施されている、連日ね。そういう状況ですから、まあ正確な時間をと思ってきょう何時から何時までやっていたんだという話を聞いてみたら、交差点は交通の問題があるからというので、夜の十時から朝の六時まで仕事をしているんです。それから交差点を除く地域では、夕方の六時から夜の十二時まで毎日やっているわけです。ですから、当然そういう中ではこれは受験時期の人は勉強ができない、赤ちゃんは引きつけを起こす、あるいは血圧の高い人はひどくなるというふうな問題というのが、一般的に睡眠がとりにくいという程度じゃなくて、大変な状況が起こったわけです。しかも、それが数年にわたって続いているという状況ですから、そういう場合に住民の被害の実態というものを見て、必要なときには必要な措置を、限度において操業の停止を命ずることができるというふうな措置をとれるようにしなかったら、これは公害から住民を守るということができないのではないかというふうに思いますが、その点どうでしょう。
#227
○政府委員(橋本道夫君) いまの先生の御指摘の問題、最も深刻な問題であると私存じます。それでいろいろそういう問題が工事の現場ではあるわけでございまして、東京都でそれを徹底的に調べたものがあるんですが、それを見てみますと、もちろん法律には一時停止は全然ございませんが、実際上は全体のトラブルの中の九一・二%は工事を一時お話をしてとめてもらっているということが中にはあるようであります。しかし、法的にこれをやるとなりますと、これはもう差しとめということになりますので、この差しとめを規制法の中に入れてくるというのは行政の本質としては非常にむずかしい問題になりまして、やはりそこにいきますと私どもは話し合いか司法以外には、われわれいまの段階では残念ながらそこまで踏み切るというのはなかなか手が出ないというところがあるわけでして、そのほかに住居を一時よそに移ってもらって、その間のめんどうを見ておるところもあります。そういう意味で、この法律ができてきますと、建築の建設作業の見積もりが相当変わってくるということが、これは建設省が非常に強調しておるところでございますし、衆議院の公聴会のときにもその御議論ございました。ですから、最も問題になる作業をこういう時間調整をやってみると、その問題になる作業だけを抜けば大体三〇%程度コストが上がる、それから全体の工事費から見ると約九%から一〇%近くコストが上がる、それを絶対にきっちり入れるようにしなければならない、こういうぐあいなことを建設省自身も言っておられますし、建設業界でもいわれております。そこらの問題をはっきりいたしませんと、なかなかこのことは実効を期しがたい。そしてその当事者同士ということになって、これはやっぱり法律としてはそうせざるを得ない立場にあるわけでございますが、先ほどのような実際的な解決が少しでも円滑に図られるように努力をする、しかし、そのときの努力がちゃんとしているかどうかということの議論はこれはまた別にきっちりしなければいけないというように存じております。そこのところで私ども存じておりますのは、建設省も講習会をやったり、資料をつくったりしまして、建設作業に伴う公害を徹底的になくそうと、業界の中にも新しくこの組織ができてきております。そういうものと結びついてできるだけの努力をいたしたい、こういうふうに思っております。
#228
○沓脱タケ子君 時間の都合もありますから、そればかり言っているわけにいかぬのですが、これは公害が重複して起こっていく深刻な被害のやっぱり一つの典型例だと思います。長官、先ほど申し上げた道路に関する重複例と同じ角度でやはり行政としては御検討を進めていっていただきたいと思うんですが、これは非常に困っていますから。
 それから引き続いてお尋ねをしたいのは、先ほどもお話が出ておりました十三条関係の小規模事業者に対する配慮の問題ですが、私どもは大阪でも非常に頭が痛かったのは鍛造関係ですね。鍛造というのは御承知のように振動と騒音と排気ガスなんですよ。これまた複合公害、しかも鍛造というのは事業主が非常に中小零細が多い。ですから、私どもの経験から見ましても、周囲の住民から被害の訴えが出たら、いろいろ地方団体が指導する、そうして公害防止関係資金等融資をあっせんしたりなんかしていろいろ改善をするわけですよ。少々改善をしましても、なかなか周りの住民の御期待にこたえるところまで改善が行き届かない、これが大体いままでの状況ですわ。そうしますと、今度この規制基準というのがまた絡んでくるわけですけれども、そういうことになっているんですが、そうしますと、これは私どももずいぶんいろんなお世話をしてみた関係もあってよくわかるんですが、政府融資が使えるような道をつくってあげたとしましても、中小企業の現状の実態といいますのは、本当に担保物件のすべてをお金にかえて企業を支えているというのが実態なんです。せっかく融資の道ができてもそれを借りるという条件さえも整わない。しかも周囲からはやいやい言われる。行政機関からいろいろと改善についての指導、勧告を受ける、こうなりますとどうにもならぬのです。ですから、実態はそういうことなので、先ほども菓子工場でもつくったらどうかという積極的な御意見がありましたけれども、そういった点については、これは環境庁だけではいかぬというお話でございましたけれども、実態を本当に御理解をいただいて、こうして改善命令なり勧告なりということをやって、本当に公害をなくしていくという対策を進めていくということならば、本当にできるという態度を行政の上でとらなければ、言われるだけでやりたくてもやれませんという状況で、言われるとおりしょうと思ったら、仕事をやめて手を挙げておるよりしようがございませんと、こうなるんですよ。この辺のあたりについてこれは十分御理解をいただいて対処をしていただきたいと思いますが、ひとつ御意見だけ伺っておきたいと思います。
  〔理事矢田部理君退席、委員長着席〕
#229
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほども小平先生にも申し上げましたように、この問題は当然騒音でもあるいは振動規制法でも起こってまいりますので、中小企業庁とよく相談をしまして、この法律の規制が施行になります半年間の間の一つの大事な検討すべきポイントとして、私は通産ともよく相談をして、どういうような方法が最も適当か、こうした公害以外でも、実は水の規制でも、いろいろの中小零細企業についていま問題が起こっておりますので、できるだけのひとつ道を検討してみたいと思っております。まだ、結論を得る自信があるかどうかと言われますと、きょうの段階では明確に申し上げられませんけれども、できるだけ努力をしてみたいと思います。
#230
○沓脱タケ子君 その点ではこれは前向きにひとつ御努力をいただくということなんで、私はそういった零細業者が何を望んでいるかということを申し上げておきたいと思いますけれども、できるだけ長期で低利の融資にしてほしいということですね。それから担保と言われても、いま言うているように企業を操業していくために必要な融資をありったけの財産担保にして使って回っているわけですから、担保と言われたって、その必要な担保がそろうわけはないという状況なんですから、一定のところまでは無担保融資も考えてあげなければならないのではないかというふうに思うわけですが、そういった点も含めてひとつ御検討をいただきたいと思うんです。
 それから、先ほどから基準の問題が出ておりますが、私はこの問題と絡んでくると思うんですが、確かに自治体が先行して基準を設定しているところで、しかも今回政府が決めようとしておられる基準よりも厳しい基準をすでに実施しておるという自治体の場合、こういう問題、たとえば鍛造の事業者に改善命令あるいは勧告ということでやっていきますね。どうにもできないということになった場合に、法律的な係争になった場合に、これはやはり法律事項よりも厳しいところで規制をしていっておるということになる場合には、これは法律的な係争になった場合のことを考えれば、自治体としては当然今回の政府の法律事項の水準へそろえざるを得ないということになると思うんですよ。そうなりますと、いろいろとお話はありましたけれども、客観的には、先行していた地方自治体の積極的な基準というのがこの法律のために結果としては甘くなるということにならざるを得ない。これはきわめて残念なことだと思うんですが、そういう点についてはそういうことになりそうでしょう。
#231
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど来からその問題が論議の対象になっておるわけでございますが、先ほど局長から申し上げましたように、条例をおつくりになったいろいろ実情等を調べてみますと、昭和三十年代または四十年前半のことが多いわけでございまして、このころはまだ測定方法についても未熟でもございますし、したがいまして、各都道府県と十分私どもはこの法律をつくる前に相談をしましたところ、初めのうちは、さあ基準がどうも条例より緩いようで困ったなあというような御意見もありましたけれども、中公審で専門委員会で一年半も十分科学的な最近のデータで研究をした結果だということをだんだん御理解いただきまして、やはりこの方が、全国統一できちっとやった方がいいかなということで、大部分、すべての都道府県について御納得をいただいておりますので、先ほど申し上げた特別の行政指導で、特にこの基準を一律にいますぐやれという強い指導をやめまして、実態に合うようにその指導の方法等を考えていきますならば大体御納得をいただいていけるんじゃないかと、こういうふうに考えておるわけでございますので、この点はむしろほかの大気とか水とかと違いまして、振動関係についてはやはり全国一律の方が、ことに行政区域が非常に接近をしている、事業所がいろんなところへ本社と工場があるとか、いろんなことになりますと、やはり一緒の方がその意味においては非常にスムーズにいくこともございますので、この点はぜひ御理解をいただきたいと思っておるわけでございます。
#232
○沓脱タケ子君 時間の都合がありますので次へ進みますが、先ほども道路交通公害の問題で、まあ複合公害だという点で触れたわけですけれども、今回の十六条関係で、道路交通振動規制の場合に、総理府令で定める要請基準を超えている場合には、都道府県知事が道路の管理者に道路交通振動の防止のために要請することができるということになってるんですね。これは要請ではなくて、ひとつそれこそ許容限度を超えた場合には、むしろ勧告とか改善命令だとか、そういうふうなことができるということにする方がいいんではないですか。
#233
○国務大臣(小沢辰男君) 要請というふうに分けましたのは、地方公共団体なり国なりというものはやはり住民の福祉のためにやるべき仕事はやるんだという、そういう基本的な任務がございますので、したがって、そういうような任務を持つ公共団体、国等については命令とかそういうものはなじまないというので、いろんな法律の例もそうなっておるものですから、この点はひとつ御了承いただきたい。そのかわり、実はこれは騒音よりは一歩進めまして、「措置を執るものとする」ということをわざわざ入れたわけでございますので、この点も御了解いただきたいと思います。
#234
○沓脱タケ子君 その次に、どうしてもお伺いをしておかなければなりませんのは、新幹線の基準が決められなくて、対策指針でいったという点が、まあ私ども国民の立場から言いましても、被害を受けている住民の実態から言いましても、非常に残念だと思うわけでございます。で、こういう点ではどうでしょうかね、新幹線だけに限らずに、新幹線を含めて鉄軌道全体について規制基準をきちんと決めて、そうして運輸大臣なりあるいは建設大臣なり鉄道の事業を営む事業者なりに振動防止のための施設の設置だとか、それから鉄道の運転速度、それから運行度数の変更とかいうふうな具体的な改善の措置を進めるように勧告をしていくというふうな形にどうしてもするべきではないかというふうに思うんです。新幹線がクローズアップされておりますけれども、必ずしも新幹線だけではないと思うんですね、実態的には。そういう点で新幹線もその他の鉄軌道も含めてそういうふうに進めていくべきではないかというふうに思うんですが、先ほどからの御答弁を伺っておりますと、技術的な到達点という問題があるのでということが随所にお話として出てきているわけですが、そういう点も含めて、これは排ガス規制のときに技術問題と規制値の問題というのが相当公害対策委員会では論議をされてきた経過がありますけれども、今回の場合も、技術的な水準の問題が先行して国民の健康に被害を与える公害対策がおくれるということになるとこれはきわめて遺憾だと思いますので、そういう点についていま申し上げたような方向で方針を進めていかれるというふうなお考えがありやなしや、端的にひとつお伺いをしたい。
#235
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃることはわかりますが、今回はとりあえず緊急措置として騒音対策と一緒にやってもらおうという考えがあったのと、そのほかに技術的な問題もあったわけでございまして、これでやっていただきまして、その結果を見まして私どもはひとつ考えていきたいと思っておるわけでございます。一般軌道とか在来線とかというものは、これは私どもも念頭に全くないわけではありませんけれども、まだ中公審そのものが検討中でございますので、これらはもう少しこの検討の結果、中公審の御意見を十分承ってからというつもりでございます。決して将来の望みを捨てたわけではありません。
#236
○委員長(藤田進君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#237
○委員長(藤田進君) 速記起こしてください。
 次に、瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院公害対策並びに環境保全特別委員長吉田法晴君から趣旨説明を聴取いたします。
#238
○衆議院議員(吉田法晴君) ただいま議題となりました、瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申し上げます。
 古来、瀬戸内海は、わが国のみならず、世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の一大宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受してきたところであります。
 この美しい瀬戸内海を、わが国のかけがえのない宝として、後代の国民に継承させるため、瀬戸内海の環境保全のための基本計画を速やかに策定すべきことを明示するとともに、その計画が策定されるまでの間における当面の措置として、排水規制の強化等の特別の措置を定めるため、昭和四十八年九月に、本委員会提出による瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、同年十一月二日から施行されております。同法はその附則第四条において、「この法律は、施行の日から起算して三年をこえない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失う。」とされております。
 しかしながら、三年を経過しようとしている今日、瀬戸内海の環境保全に関する基本計画については、いまだ策定されておらず、また、基本計画と表裏一体をなす、いわゆる後継法を制定するについては、なお時間を要する見込みでありますので、この法律附則第四条中、「三年をこえない」を「五年をこえない」と改め、二年間の延長を図ろうとするものであります。
 以上がこの法律案の提案の趣旨であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#239
○委員長(藤田進君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。
 御意見のある方は順次賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#240
○委員長(藤田進君) 総員挙手、全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#241
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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