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1975/03/02 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 建設委員会 第2号
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1975/03/02 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 建設委員会 第2号

#1
第077回国会 建設委員会 第2号
昭和五十一年三月二日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     小野  明君     吉田忠三郎君
 一月二十三日
    辞任         補欠選任
     上田  稔君     山内 一郎君
     田代富士男君     矢原 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 波男君
    理 事
                大森 久司君
                坂野 重信君
                増田  盛君
                沢田 政治君
    委 員
                遠藤  要君
                中村 禎二君
                望月 邦夫君
                山内 一郎君
                小谷  守君
                松本 英一君
                二宮 文造君
                矢原 秀男君
                上田耕一郎君
                春日 正一君
                三治 重信君
   政府委員
       国土庁地方振興
       局長       近藤 隆之君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村波男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 議事に先立ち一言申し上げます。
 去る一月十五日、建設大臣であられました仮谷忠男君が急逝せられました。謹んで御報告申し上げます。
 この際、故仮谷建設大臣の霊に対し、ここに謹んで哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。
 全員御起立を願います。黙祷始め。
  〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(中村波男君) ありがとうございました。御着席を願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(中村波男君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十二日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君が、また、一月二十三日、上田稔君及び田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として山内一郎君及び矢原秀男君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(中村波男君) この際、上田稔君の委員異動に伴い理事に欠員が生じましたので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に坂野重信君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(中村波男君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、まず、先般当委員会が行いました建設事業の実情調査につきまして、第一班、第二班、第三班の順序で派遣委員から報告を聴取いたします。第一班増田盛君。
#8
○増田盛君 第一班の報告を行います。
 去る一月十一日から十四日までの四日間、中村建設委員長、中村禎二委員と私の三名は、鹿児島県における建設事業、特に鹿児島市付近の道路整備、鴨池海浜ニュータウンの建設並びに奄美群島の徳之島、奄美大島本島北部地域の振興開発計画に係る事業について調査を行いました。
 まず、鹿児島空港に到着し、県当局等から県下の建設事業に対する要望事項を踏まえながら説明を聴取いたしましたが、ここでは視察事項を中心にして報告を取りまとめることといたします。
 第一は、鹿児島市付近の道路整備のうち九州縦貫自動車道の建設状況についてであります。
 お手元に略図が配られておりますけれども、この高速道路は、昭和四十三年三月の第二次、四十六年六月の第五次の施行命令により、加治木−鹿児島西間、えびの−加治木間の計七十一キロメートルにわたって日本道路公団により建設することになったものであります。このうち、二次区間の加治木−薩摩吉田間十七・三キロメートルは昭和四十八年十二月にいち早く開通され、初めて南九州、特に鹿児島県に高速道路化をもたらしたのでありました。
 鹿児島市街地に近い薩摩吉田−鹿児島西間のうち、薩摩吉田−鹿児県間六・九キロメートルは五十二年度の開通を目標に工事中であり、鹿児島−鹿児島西間についても順次工事発注の予定ということでありますが、この区間の完成は、鹿児島市のみならず、現在道路公社で施行中の指宿スカイラインと連結することとなり、薩摩半島の産業観光開発に大きな役割りを果たすものと期待が寄せられております。
 また、五次区間のうち、溝辺−加治木間約七・八キロメートルは昭和五十一年度の開通を目標に工事中であり、この区間の開通により空港と鹿児島市を直結することになりますので早期完成が要望されるところであります。なお、えびの−溝辺間のうち、空港に近接する栗野−溝辺間の横川地区にインターチェンジの新設を地元から強く要請されております。同地域の発展性と高速道路の地域的な使命から当然と考えられることであります。
 第二に、鴨池海浜ニュータウンの建設についてであります。
 鴨池海浜ニュータウンの建設は錦江湾に面する旧鹿児島空港の跡地を利用するもので、四十七年に県が国から買い上げ、不整形だった地域に海面を埋め立てて造成を図り、総面積約七十六・二ヘクタールの土地に日本住宅公団、県住宅供給公社等のほか一部民間を含み中高層を中心とする二千四百戸の住宅を建設するほか、生活利便の観点から病院、診療所、店舗などの利便施設、県民福祉センター、地方法務局等の公共公益施設、道路、公園、緑地、広場など生活環境の整備のほか、臨海部には鴨池港区を建設し、大隅地域と結ぶ湾内フェリー基地を設けるなど魅力ある新都市的市街地の建設を目指すものと言えます。現在は公共施設、生活環境施設の建設もほとんど終了し、日本住宅公団等で住宅の建設が一部に行われております。
 第三に、奄美群島の徳之島及び奄美大島本島の北部地域における振興開発諸事業についてであります。
 奄美群島は、鹿児島から沖繩へと続く三百七十五キロメートルないし五百六十キロメートルの洋上に奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島及び与論島の五島から成り、島の総面積は一千二百三十七平方キロメートルで県総面積の約八分の一を占め、県下第四位の人口を有する名瀬市一現在人口四万五千人一のほか九町四村の地方自治体で構成されております。
 昭和二十八年十二月二十五日、奄美群島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定、条約第三十三号によりまして、戦後、苦節八年のアメリカ軍政下から解放され、本土に復帰したのでありました。翌二十九年六月、奄美群島復興特別措置法の制定、三十九年三月に奄美群島振興特別措置法と改正され、相次ぐ復興、振興計画により、二十年間において国費ベースで三百三十二億円、事業費ベースで六百四十八億円に上る産業振興、社会、産業の基盤整備などに対する事業が実施されて、一応その成果には見るべきものがありますが、なお、群島住民の置かれた位置、生活水準は、わが国の社会経済の発展の中で著しい格差が生じ、現在では県平均に対して八一・一%、国平均に対し五六・三%という低位にあります。
 奄美群島は他の一般の離島と異なり、沖繩とともに広大な海域にまたがる亜熱帯地域としての特性を生かした振興開発を一層推進することによって住民の生活の安定と国民福祉の向上に寄与するとし、四十九年三月、従来の振興特別措置法にかえて新たに奄美群島振興開発特別措置法が制定され、四十九年度を初年度とする五カ年間の振興開発計画を策定し、現在実施されているところであります。
 この振興開発計画は、奄美群島が外海離島であり、しかも台風常襲地帯という地理的自然的悪条件からくる後進性をまず克服しながら、地域の特性を生かした産業の振興と、自然を基調とする海洋性レクリエーション地帯の形成を図ることが振興開発の基本方向であるとしております。
 そのためには、まず第一に、明るく住みよい地域社会の実現に向かって交通体系の整備、生活環境の整備、国土の保全及び社会福祉の拡充を図ること。第二に、亜熱帯という自然特性を生かした農林漁業、特産の大島つむぎ等地場産業の振興を図ること。第三に、亜熱帯性、海洋性を基調としたレクリエーション地域の形成を促進すること。などが挙げられております。徳之島での大島支庁当局等の説明でも、本土−奄美−沖繩を結ぶ短絡化、本土−奄美及び各島相互間のため、空港、港湾の基幹交通体系の整備の推進と島内の道路網の整備が最も要請されたところであります。
 このような観点から振興開発事業費を見ますと、国費ベースで四十九年度は五十七億二千四百余万円、五十年度は六十六億三千六百余万円であり、五十一年度は九十一億二千八百余万円、対前年度比で三八%の増が見込まれておりますが、以下、視察事業を中心に申し述べます。
 第一に、空港、港湾及び道路の交通体系の整備についてであります。
 空港施設は、現在与論島を除く四島にそれぞれYS11型機が就航できる第三種空港を持ち、本土との交通に備えておりますが、与論空港は本年五月に開港の予定で建設中ということであります。ちなみに五十年四月における一日平均の就航発着回数を見ますと、奄美で二十六便、徳之島で十便を数え、また四十九年度における乗降客数は、奄美三十三万六千余人、徳之島、約十二万人であり、対前年度比で三%、二四%の著しい伸びを示しております。
 特に、近年の観光レクリエーション需要の増大に伴い、群島内においても航空交通の近代化に対応する空港施設の役割りはきわめて大きいものとなっておりますが、徳之島空港では現在の滑走路千二百メートルを二千メートルに拡充整備し、航空ジェット化計画に備えて用地の造成が進行中であります。五十一年度からの第三次五ヵ年計画に事業費二十八億四千六百万円を予定し、五十一年度要望額として二億六千四百余万円を期待しているところであります。奄美空港については五十一年度に事業は直轄事業とする等、拡充整備に対する計画が持たれているようでありますが、ともかく、地元民の協力が先行すべきであることは申すまでもありません。
 港湾整備につきましては、外洋離島という自然的地理的条件により、特に定期船の寄港港湾の整備が要請されるところであります。奄美群島には名瀬の重要港湾を初め、徳之島の亀徳港、平土野港など三十四の地方港湾がありますが、いずれも従来の港湾施設では近年の海上貨客輸送量の増大に伴う船舶の大型化と高速化に対処することが困難となり、このため名瀬港は四十七年から一万トン級船舶に備えて、岸壁、防波堤の拡張整備工事が実行されており、また亀徳港は三千トンを五千トン級に、平土野港は二千トン級の船舶就航に対処するため、岸壁、防波堤の施設、しゅんせつによる拡充工事が実施されております。また、鹿浦港の整備も要請されています。さらに五十一年度から始まる第五次港湾整備五カ年計画に基づく施設拡張に大きく期待を寄せているところであります。ともあれ、本土と同群島との交通手段は空と海上の交通であります。海上交通はまさに本土では国道に相当し、これら離島の産業振興、民生の安定上欠くべからざる重要性を持っております。離島にとって港湾は生命であり、一層の早急な整備が望まれるのであります。
 また、道路整備については、その改良率及び舗装率とも一般国道五十八号線は九三・二%、六四・二%、一般県道は五四・四%、五六・〇%、市町村道では一九・八%、九・八%という整備率で、数字の上では県本土の水準にありますが、その幅員は狭く、また線形は悪く、その他規模などから見て県本土の整備率と比較することは困難であり、排水施設等についても著しいおくれが見られるのであります。このことは、復帰時期には集落と集落を早く連結することに重点が置かれ、幅員、線形等については在来線を踏襲し、道路の延長に重点が置かれたためと言われております。
 徳之島の循環道路について未改良、未舗装があり、今後に待たねばならないとしても、交通量の増加とともに生活道路として早急な整備が必要であります。また、国道五十八号線の名瀬町と竜郷町の境界である本茶峠の二次改築によるトンネル化の事業化が要請されるところであります。さらに群島内道路の道路構造令に基づく道路規模への脱皮が望まれております。
 第二に、産業の振興と基盤整備についてであります。
 群島内の産業別就業構成割合を四十五年の国勢調査資料で見ますと、第一次産業は約三五%、そのうち農業は三三%、第二次産業は約三六%、第三次産業は約三〇%という構成比で、農業のウエートが高い位置を示しております。中でもサトウキビは重要な農作物であり、全作付面積の約六五%を占め、四十八年の生産額は約五十四億円と、農業畜産業生産額の約五〇%を占めており、時に徳之島では最も盛んで、その島内三町で群島生産額の約四九%を占めているのであります。このため天城町兼久地区では、水田六十九・五ヘクタールを四十八年から五十一年までの四カ年計画でサトウキビ畑へと水田転換特別対策事業が実施されております。米の生産所得額より上位にあるサトウキビは、あくまでも徳之島などでは基幹作物としての認識が深く、収穫の集団機械化、生産組織の整備、企業の合理化等、生産者、企業者一体の糖業振興が進められていると言われますが、特に今年は買い入れ価格の決定に手間取り、約一カ月おくれで収穫作業に入ったということであります。その他、畜産についても推進されておりますが、徳之島での闘牛は観光の一つともなっていると言われます。
 なお、沖永良部等ではたばこの栽培、ユリの栽培などその島特有の産業振興の方向が見られつつあると言われますが、徳之島、大島本島だけに生息するハブの存在は農業振興を阻むものだと言われています。
 漁業については、せっかく豊富な漁場を近海に控えながら漁港施設や避難港が完備されていないため水産業不振の原因となっていると言われています。このため徳之島では、山、松原等の漁港施設の拡充整備が行われていますが、なお一層の促進が望まれるところであります。また、水産資源を貯蔵する冷蔵施設の整備と相まって流通近代化への要望もされております。
 さらに、名瀬市では、大川沿岸の田畑二百五ヘクタールを対象に、畑地灌漑と市の上水道用水を確保する目的で、県営畑地帯総合土地改良事業が進行中であります。本事業の対象地区である大川地区は名瀬市の耕作面積の四〇%に当たるまとまった地区で、しかも、従来から根本的な用水対策が渇望されていたなどにより、大川水系の名瀬市朝戸に高さ三十五・二メートルのダムを建設し、豊富な降水量を貯水し、灌漑施設と関連して圃場整備を行うとともに水道用水の利用増に対処するもので、農業、水道の共同事業として実施しているものであります。
 第三に、災害復旧事業についてであります。
 昨年の七月及び十月の豪雨は、道路、河川、砂防等に大きな損害を与え、亀徳の市街地では亀徳川の洪水のはんらんによりその大半が家屋浸水を見たと言われます。
 県全体の公共土木施設災害復旧事業は、個所件数で三千六百八十八件、事業費で約九十九億円、そのうち大島支庁管内は県、市町村工事費を合わせ千五十二件、約四十三億二千万円で、四三・六%が群島内の被害復旧事業ということであります。このため本年度の復旧事業費は支庁管内で三百六十三カ所、金額で約十四億三千万円の事業費が決定され、三三・二%の進捗率を占めることになりますが、四十九年災害の復旧事業もあり、かつ農繁期とも重なって事業の進行は余り芳しくないように見受けられます。特に伊仙町の一部地区では被災現況そのままの状態で放置されている危険な地区も見られます。再度災害を防止するためには早急な復旧事業の実施が望まれるところであります。
 その他、当面深刻な問題となっている大島つむぎの地場産業の振興対策等、同群島には解決を要する幾多の問題が残されていると考えられます。本土より三百八十キロメートル以上の洋上に点在する自然的地理的悪条件を克服して群島の振興開発を図るためには、島特有の産業振興を図り、その上の財源の確保、さらには群島振興開発基金の拡充強化等、将来に向かって特段の配慮が必要と思われます。
 最後に、県当局等からの要望事項を本日の会議録の末尾に掲載することを委員長にお願いいたしまして報告を終わります。
 以上。
#9
○委員長(中村波男君) それでは、第二班沢田政治君。
#10
○沢田政治君 第二班は、坂野委員、春日委員と私が参加して、一月十二日から十五日までの四日間にわたり、香川、高知、徳島の三県下における建設事業の実情を調査してまいりました。以下、その主な事項について概略御報告申し上げます。
 第一は、道路関係でありますが、三県の道路事情はかなり改善されておりますものの、各県によってばらつきがあり、県道の改良率をとってみても、香川県が四〇%を超えているのに対し、徳島、高知両県はいずれも三〇%台で全国平均をかなり下回っている実情であります。山間部に小集落が散在するという四国地方の特殊事情を考慮して、過疎地帯の道路整備がなお一層促進されることを期待いたします。
 国道関係につきましては、各県とも交通渋滞の激しい都市周辺のバイパス道路の建設の促進方を強く要望しておりましたが、以下、調査いたしました国道三十二号線及び国道五十五号線について簡単に触れますと、国道三十二号線は四国山脈を横断して高松と高知を結ぶ幹線国道でありますが、高松市から琴平町に至る区間は四十五年に主要地方道から国道に昇格したものでありますため線形が悪く、また人家密集地帯を通っており、改築工事が困難であり、特にバイパス道路の建設を急ぐ必要があります。現在、円座バイパス、綾南バイパス、満濃バイパス等の各事業が調査中または工事中でありますが、これらの事業の促進を図る必要があります。さらに三十二号線は、四十七年に土佐山田市の繁藤地区で大規模な地すべりがあり、多数の犠性者を出しており、山間部の各所で防災工事が実施されておりましたが、現在、池田町から南国市に至る区間を異常気象による通行規制区間に指定し、交通の安全確保に万全を期しているとのことでありますが、なお一層の防災対策の促進を図る必要があります。
 次に、国道五十五号線は高知市から室戸を経由し徳島に至る路線でありますが、すでに四十七年に全区間の第一次改築が終わり、目下第二次改築を実施中とのことでありました。まず高知市から南国市を経由し野市町に至る区間は南国バイパスが昨年から供用中でありますが、暫定二車区間が多く、四車区間の延長が要望されておりました。徳島県に入り、阿南市から小松島市を経て徳島市に至る区間について阿南バイパスが計画され調査中であり、また徳島南バイパスの建設が四十五年から進められており、小松島市内で一部が暫定二車で供用中であります。しかし、徳島南バイパス工事は小松島市内の田野、芝生両地区の排水対策で行き詰まり状況にあり、排水対策の解決による早期完成が強く要望されておりました。なお一層の努力を期待いたします。
 次に、四国における高速国道としては、四国縦貫自動車道と四国横断自動車道の二路線が予定されておりますが、縦貫自動車道については、徳島−脇間と川之江―土居間に、そして横断自動車道については、善通寺−川之江間と大豊−南国間についてそれぞれ施行命令が出されており、建設を担当する日本道路公団の現地事務所が設置され、各種の調査や地元との協議を進められているとのことでありました。この高速国道の建設については各県からその促進方について要望がありましたが、特に横断道の大豊−南国間については早期に着工し、しばしば交通途絶となる三十二号のバイパス的役割りを果たす必要があるのではないかと考えます。しかし、路線の発表が間近い善通寺地区については、国道三百十九号線バイパス計画とも絡んで、市街地を分断し、優良農地を大量に喪失させるとの理由で地元に反対の意向が強いとのことでありました。地域住民の十分な納得が得られるよう慎重に対処すべきであると考えます。
 次に、本州四国連絡橋関係につきましては、児島−坂出、鳴門−明石の各ルートを海上から視察し、本州四国連絡橋公団の現地関係者から、これまでの準備作業の進みぐあい、橋の構造、工法、工事の見通し等について説明を受けますとともに、香川、徳島両県から受け入れ体制について事情を聴取してまいりました。
 児島−坂出ルートについては、香川県から、架橋問題が本県に与える社会経済上の影響について事前に十分な調査を行い、架橋が県民の福祉につながるよう慎重に対処していきたい旨、また、通過予定の島々の総合的な振興対策を架橋にあわせて実施していきたい旨の発言がありました。鳴門−明石ルートについては、大鳴門橋の建設計画が目下自然環境保全審議会の本四連絡橋問題小委員会で審議されており、その結論を待っているとのことでありました。観潮で有名な鳴門公園の景観が破壊されないよう十分な事前の調査を慎重に進めることが肝要であると考えます。なお、徳島県では、用地の先行取得、作業基地の確保、漁業補償の解決、公団債の引き受けの四点に重点を置いて受け入れ作業を進めているとのことでありました。
 第二は、吉野川総合開発事業についてであります。
 流域面積が四国全体の二割を占め、四国四県にまたがり、豊富な流量を誇る吉野川の総合開発は、古く戦前から調査が実施されてきましたが、昭和三十六年の水資源開発促進法の制定とともに計画実施の機が熟し、四県協調のもとに実現することになったものであります。その計画の概要は、早明浦ダム、新宮ダム、池田ダム等を建設して、年間八億六千三百万立方メートルの新規用水を開発し、香川用水、高知分水、愛媛分水等を通じて四国四県に配分するとともに、吉野川の洪水の防止、新規発電等を行うものであり、これによって吉野川の水利用率を二九%から四九%に引き上げようとするものであります。
 次に、その主な事業に触れますと、香川用水は、吉野川総合開発計画に基づいて香川県に分水される年間二億四千七百万立方メートルの水を、池田ダム上流の取水口から八キロメートルにわたる導水トンネルによって香川県側に導入し、東西幹線水路と高瀬支線水路を通じて、農業、工業及び都市用水として配分するものであります。
 幹線水路等の共用区間は水資源開発公団が、また農業専用区間は農林省が担当して建設が進められてきましたが、昨年春、公団担当の区間の工事がすべて完了し、通水に入っておりました。幹線水路の開渠部分にはすべて防護網を設けて安全確保に万全を期するとともに、各分水工に量水装置を配置して各用水ごとの配水量の正確を期し、かつ流量、水位調整等を遠方監視制御システムで自動的に行っているとのことでありました。特に香川県から現在一部に認められている管理費に対する国の補助を全般的に拡大されたい旨の要望がありました。検討の上善処されたい。
 次に、昨年秋完成いたしました早明浦ダムは、吉野川総合開発計画の中核をなす重力式ダムで、下流の池田ダム等との調節によって前に述べた新規用水を開発するものでありますが、下流地域の洪水調節を行うという重要な機能を有しております。昨年八月の台風五号による記録的な豪雨に際して、早速予想以上の洪水調節の役割りを果たしたことが報告されました。すなわち、最大流入量が毎秒七千二百四十立方メートルと計画流入量の一・六倍に達したにもかかわらず、関係者の適切なダム操作によって計画洪水調節容量を上回る一万一千立方メートル余の洪水調節を行い、下流に一部の被害を発生させるにとどめたとのことでありました。今後も洪水調節機能が十分果たせるよう関係者の適切なダム操作を期待いたします。なお、本ダムには、日本で初めて表面取水装置が設置され、下流の水質汚濁及び灌漑用水の水温の問題は一応解決を見たとのことでありました。
 次に、旧吉野川河口ぜきは、地盤沈下の著しい旧吉野川及び今切川の河口部に可動ぜきを新設して、洪水の防御、塩害の防止、都市用水の安定供給等を行うものであり、昨年十月に竣工いたしました。一日も早く本格的な管理に入り、十分その効果を発揮することを期待いたします。
 第三は、台風被害とその復旧対策についてであります。
 昨年八月、四国地方を襲った台風五号及び六号は、高知、徳島県下に多大な被害を与えましたが、特に五号は仁淀川水系流域地帯に記録的な豪雨をもたらし、流域の土佐市、伊野町、日高村等で甚大な被害を発生させております。私たちは壊滅的な被害を出しました伊野町勝賀瀬地区の被災地の実情をつぶさに調査いたしました。仁淀川に流入する勝賀瀬川に沿ったこの地区は、背後の山腹が至るところで崩壊しており、災害発生後四カ月を経過した今日、なお谷間一面に土砂が埋まっており、ところどころに埋まった家屋の屋根が顔を出しているという状況でありました。現在応急措置として勝賀瀬川の仮の河道をつくり、また九十戸のプレハブ住宅を建設して被災者を収容しているとのことで、現地では本格的な復旧対策の早期実施を強く要請しておりました。
 県の説明では、生業維持の関係から被災者の大部分が災害住宅復興資金の融資を受けて被災前の土地に住宅を建設することを希望しているとのことでありました。なお、再度災害発生の危険性を考慮すれば、住民の完全な理解と合意を前提にして、より安全な場所に集団移転することを検討してみてはどうかとも考えられます。この際、住宅建設、砂防事業、急傾斜地崩壊防止事業、河川改修、耕地整理等をうまくかみ合わせ実施し、新しい村づくりが促進されることを期待いたします。
 台風五号及び六号による高知県下の被害は、死者、行方不明者七十七名、被災家屋四万九千余戸、被害総額一千三百九十八億円余に及ぶ甚大なものでありますが、その大部分が仁淀川、鏡川流域に集中しているのが特色であります。なお、公共土木施設の被害は五百九十一億円に上りますが、すでに昨年末までに全部査定を終了したとのことでありました。今次災害の復旧に関連して、高知県から、砂防事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊防止事業の事業採択基準を過疎地帯に小集落が散在しているという実情に沿うよう改善されたい旨、また、災害住宅復興資金の融資に当たって、年三%の金利が認められる地域の指定基準を激甚な被害が発生した小集落にも適用できるように緩和されたい旨の要望がありました。したがって、当局において検討の上善処すべきことが至当であると考えるものであります。さらに、被害が集中した仁淀川の改修工事が今次災害を機に一層促進されなければならないが、特に内水被害の著しかった支流の改修に重点が置かれる必要があると考えます。
 幸い五十一年度から新たに発足する激甚災害対策緊急整備事業の事業採択個所として、被害が大きかった支流の波介川、宇治川、日下川の三河川が予定されており、改修工事の大幅な促進が図られることになっているとのことであります。この成果を期待いたします。さらに、仁淀川の改修計画との関連で現在上流に建設中の大渡ダムの建設が促進される必要があります。大渡ダムが完成しておれば今次災害の被害も少なくすることができたと推測されており、大渡ダムの早期完成へなお一層の努力を期待いたします。
 一方、台風六号により、徳島県では山地崩壊等によって十七名の死者が出ておりますが、公共土木施設の被害は道路、河川を合わせて百十五億円に上るとのことでありました。早期復旧のための措置を希望いたします。徳島県から特に緊急砂防、緊急地すべり対策、緊急急傾斜地崩壊防止の各事業の促進について要望がありましたことをつけ加えておきます。
 以上、簡単でありますが報告を終わります。
#11
○委員長(中村波男君) 次は、第三班三治重信君。
#12
○三治重信君 三重県、和歌山県における建設事業の実情調査、第三班の御報告を申し上げます。
 上田理事、望月委員、田代委員及び私三治は、去る一月十六日から三日間にわたり、三重県、和歌山県における建設事業の実情を調査してまいりました。
 両県は紀伊半島の東部、南部に位置し、山岳地帯を背後地として、伊勢湾、熊野灘、紀伊水道に臨んでおり、古くから産業、文化が発達した土地柄でありますが、近年における地域整備の過程は、その地勢と気候条件から幾つかの共通点がうかがわれるのであります。わが国でも有数の多雨地帯であること、急峻な山地が大部分を占め、海に迫っていること、貴重な自然環境が豊富なこと等は当面の建設事業に種々のかかわりとなっており、こうした要件は今後の地域開発の方向にも影響を与えるものと思われました。
 以下に調査の概要を事業別に区分し、若干の問題点、要望点を含めて述べることといたします。
 第一は、近畿自動車道についてであります。
 本自動車道は、名古屋大阪線を横軸に、伊勢線、和歌山線等から成るもので、中京圏と近畿圏を結ぶ動脈として、また紀伊半島の地域開発に資するものとして大きく期待されている高速道路であります。
 名古屋大阪線の名古屋−亀山間は昭和四十二年以降一般有料東名阪道路として建設が進められ、四十六年に四日市−桑名間が二車線で暫定供用となりましたが、その後、近畿自動車道の一部に編入され、四十七年に整備計画の決定、五十年に蟹江−亀山間が完成、供用を開始したものであります。この区間は木曽三川下流のゼロメートル地帯を通過するため、排水と地盤沈下を考慮して、インターを除く全区間が高架構造となっており、未整備の名古屋−蟹江間を含めて延長五十三キロ、建設費は八百五億円とのことでありました。現在の交通量は平日で平均六千台程度とのことで、当面は蟹江インターに通ずる取りつけ道路の整備が急がれておりますが、根本的には名古屋−蟹江間の早期完成、名古屋都市高速の早期建設により、東名、中央、名神との直結を実現することが緊要であると痛感されました。
 名古屋から伊勢に至る伊勢線は三重県北部までが名古屋大阪線と重複しておりますが、関町より分岐して久居に至る二十一キロの間は昭和四十六年に整備計画が決定、五十年の三重国体を目途に工事が進められ、完成されたものであります。市街地を大きく避けたルートの選定は、田園色豊かな高速道路の出現となったばかりか、工事の過程では地元の協力を得る要因となり、また事業費の軽減にも役立ったとのことであります。この区間の開通は単に国道二十三号の交通緩和のみにとどまらず、中南勢地区と中京、近畿を結ぶ幹線道路の役割りも大きく期待されており、今後、久居−伊勢間の早期建設と芸濃インターの設置等が強く要望されておりました。
 海南より松原に至る和歌山線のうち海南−泉南間二十八キロは昭和四十三年に整備計画が決定、四十九年より供用が開始されました。事業費四百二十九億円を投じたこの区間は、和歌山市東部の丘陵地帯を通過して紀ノ川を渡り、それからは山岳急峻部と狭隘な谷間を通過するため、長大橋、国鉄との立体交差、高切高盛土の区間が連続し、難工事の跡がうかがわれました。この区間の交通量は平日で五、六千台程度とのことで、幹線としての機能が果たされていない状況でありましたが、和歌山県と阪神との円滑な交流を実現するため、名古屋大阪線に接続する泉南−松原間の建設促進が強く要望されておりました。また、海南市以南につきましては一般有料海南湯浅道路の計画がありますが、白浜、串本、那智勝浦の産業、観光開発をさらに進めるため、紀伊半島を一周する国土開発幹線自動車道の予定道路を決定してほしいとの要望もありました。
 第二は、国道整備についてであります。
 一般国道二十三号は四日市から伊勢に至る延長六十八キロの道路であり、伊勢湾沿岸と中京圏を結ぶ幹線の役割りを果たすとともに、国立公園伊勢志摩に向かう観光ルートとしても利用されている道路であります。本道路は一次改築が完了したとはいえ、津市内の一部を除いてはほとんど二車線道路であり、交通量の増大と車両の大型化に伴って交通渋滞が頻発しているとのことでありました。
 二次改築は昭和四十四年より本格化し、鈴鹿バイパス、南勢バイパス、その他津市の周辺等で現道拡幅の工事が進められてきましたが、バイパス事業は五十年までに暫定二車線で供用が開始されておりました。特に南勢バイパスは松阪−伊勢間三十一キロを結ぶもので、四十五年に事業に着手、百四十億円の事業費で五十年に暫定二車線で完了、残事業は今後の交通量と沿線開発に合わせて整備していく方針とのことでありました。なお、将来計画としては、鈴鹿、南勢の両バイパス間にさらに中勢バイパスを建設し、交通需要に対応したいとの説明がありました。
 一般国道四十二号は津から和歌山に至る延長三百六十九キロの紀伊半島を一周する幹線ルートであり、昭和四十四年に一次改築を完了、沿道地域の産業と観光の資源開発に大きく寄与している道路であります。険しい山岳地形が海岸に迫り、それを縫うようにして続く本道路は、長大トンネルと長大橋が連続しており、特に多雨地帯であることから防災工事に配慮がなされ、また雨量二百五十ミリ以上の場合の通行禁止等徹底した管理が実施されておりました。
 二次改築としては、三重県内で尾鷲の四車線拡幅工事、多気の路肩整備、大泊橋架設及び紀宝バイパス工事、和歌山県内で新熊野大橋の架設と新宮の広角拡幅、勝浦バイパス、田辺バイパス及び有田バイパス等の用地買収が始められており、また白浜、串本周辺では太平洋自転車専用道の建設が進められておりました。特に紀宝バイパスにつきましては、昨年秋地元住民より環境公害の問題を理由に工事差しとめ請求の訴訟が提起され、現在も係争中とのことでありますが、紀宝町内の交通量はすでに限界に達しており、早急に地元の理解と協力を取りつけることが必要であると痛感されました。
 第三は、河川事業についてであります。
 宮川水系は伊勢地方にとって「母なる川」と言われており、古くから地元住民の生活と福祉に貢献してきた河川でありますが、昭和四十九年七月の集中豪雨の際は本川の漏水被害とともに支川勢田川が史上最大の規模ではんらんし、伊勢市のほぼ全域にわたり浸水被害をもたらしたのであります。このため建設省は、昭和五十年度より宮川水系を一級河川に指定し、直轄により改修計画策定のための調査等に取り組んでおりますが、特に勢田川改修につきましては、五十一年度に発足する激甚災害対策特別緊急事業第一号として、総事業費百五十五億円をもって河道改修、防潮水門の建設等を推進するとのことでありました。
 従来、一般災害が発生しても施設被害がない場合に河川改修のテンポは遅く、連続災害の不安は切実でありましたが、地元では新制度の発足により災害予防行政は大幅に前進するものと大きな期待を寄せておりました。激特事業を五カ年程度の短期間に完了するよう予算措置を図ること、適債事業に編入して地方財政の圧迫を排除すること等はこの制度を運用していく上での今後の課題であると痛感したのであります。
 一級河川新宮川は、わが国最多雨地帯の大峰山脈を水源とし、「木の国」の中央部を貫流して熊野灘に注いでおり、吉野、熊野の地域開発にとって不動の基盤をなす大河川であります。水資源に恵まれた新宮川は、年間流量は約五十三億トンと言われておりますが、現在の利用率はそのわずか二%にすぎない状況であり、下流地域の水需要が急速に増大している中で、観光用水との調整を図り、そのもとでの新規開発が大きく期待されておりました。また。新宮川では近年流水汚濁の長期化現象により、下流の内水、漁業、観光等に影響が出ており問題となっておりました。
 利水状況は、上流では発電取水、下流では新宮市の上水道、製紙工場の用水等でありますが、汚濁原因を究明する新宮川水系濁水調査委員会が近畿地方建設局に設置されており、現在も調査検討中とのことでありました。ダム湖の状況、上流の崩壊地、砂利採取等の実態を精査し、早急に効果的な汚濁防止対策を実施し、清流で名をはせたかつての新宮川を取り戻すことが必要であります。
 紀ノ川は、大台ケ原に源を発し、紀伊半島の中央部を貫流して紀伊水道に注いでおり、年間流量十七億トンに達する豊富な水資源は流域開発のみにとどまらず、阪神に対しても重要な役割りを果たすものと期待されているのであります。上流では大滝ダムの建設を初め、紀ノ川、十津川総合開発事業が進められておりますが、これらの施策をもってしても将来の水需要にはなお不足するものと予想されており、紀ノ川の抜本的な開発体制の整備が必要と思うのであります。
 紀ノ川の河川改修は中流部の築堤護岸を重点的に実施しているとのことでありますが、下流部では河川敷内への投棄物の除去、不法占拠集落の撤去等が継続されており、治水効果を確保するためにも事業の促進が痛感されました。また、紀ノ川の派川和歌川は、和歌山市内においてヘドロの堆積等が著しいとのことで、県事業として河川環境整備と河川高潮対策が合併工事として実施されておりましたが、これらの事業の早期完成とともに和歌山市内の下水道整備事業の促進が強く待たれておりました。
 その他、特に説明を受けました事項として、三重県北勢地方の地盤沈下の問題があり、木曽三川周辺部では年間二十センチの沈下を記録しているとのことでありました。すでに河川の直轄区間では緊急対策事業が進められており、また県段階での地下水の揚水規制が制度化されておりましたが、抜本的には法律に基づく揚水規制の強化、代替用水の供給体制の整備等について、国の責任における制度の確立が不可欠であると痛感したので…あります。
 第四は、レクリエーション都市についてであります。
 熊野灘レクリエーション都市は、三重県紀伊長島町を中心に太陽と緑と水に育まれた健全なレクリエーションの場を建設しようとするもので、昭和四十五年に建設省によってレクリエーション都市構想推進地第一号に指定されたものであります。区域の総面積は約千四百ヘクタール、その内訳は公園区域三百ヘクタール、休泊区域二百ヘクタール、保全区域九百ヘクタールに区分され、開発拠点としては二十五キロに及ぶ海岸線を軸に城か浜地区等数カ所が計画されておりました。
 配置される施設は、ボート、ヨットの基地、釣りセンター、海水浴場、リゾートホテル群、学童・青年の合宿施設等々が予定されており、これらの区域整備、施設整備に要する総経費は、公共投資約三十六億円、民間投資約六十四億円、合計百億円余が見込まれておりました。また、開発事業の主体としては紀伊長島レクリエーション都市開発株式会社が設立されており、資本金二億円は、三重県二五%、紀伊長島町一五%、名鉄四〇%、地元漁業組合及び金融機関二〇%の出資比率で構成されており、官民協調の第三セクター方式が採用されておりました。事業の状況は昭和四十六年に公園部分が都市計画決定となり、城か浜地区を中心に用地買収と片上池公園の整備に着手、その後、公園への進入道路と公園園路の工事が進められ、現在も進行中でありました。
 一方、この計画に関連して、古里地区においては農林省の自然休養林事業、道瀬地区においては運輸省の海岸環境整備事業が進められており、またレクリエーション都市開発株式会社によって片上池公園にレストハウスが完成し、営業を開始しておりました。
 このような大プロジェクトの具体化はまさに地域開発そのものであり、地元住民の理解と協力を得ることなしにその実現は不可能であります。今後事業計画を進めていくに当たっては、地元の開発計画との調整を図りつつ、地元住民の意思を十分に取り入れるとともに、事業実施に要する経費につきましても地元負担を極力軽減するよう特段の措置を講ずることが必要であります。第三セクターも設立されており、国、自治体と並行して民間投資も進められるわけですが、公共施設の先行整備に万全を期することが、健全なレクリエーション都市を建設する上で、また真の地域開発を実現する上で不可欠の前提だと思うのであります。
 以上が調査事項の概要でありますが、最後に開発行政と自然保護の関係について触れておきたいと思います。
 すでに述べましたとおり、紀伊半島は随所において風光明媚な自然環境に恵まれており、それだけに中京圏、阪神圏にとって貴重な存在であり、大消費地に直結した開発の荒波が絶えず押し寄せているのが実情であります。従来の開発計画は、ともすると経済優先の枠内で組み立てられ、開発の名のもとに自然破壊が繰り返されてきましたが、今後は自然保護それ自体を大きく位置づけることが必要であり、この姿勢こそ開発行政を進める上での基本だと思うのであります。
 三重県、和歌山県は、ともに現行の土地利用基本計画を見直し、国土利用計画法に基づく新計画の策定作業が進められているとのことでありますが、紀伊半島における開発の意義と住民要請を十分に踏まえ、豊かな地域開発の方向が確立されるよう願うものであります。
 以上で報告を終わります。
#13
○委員長(中村波男君) この際、沢田君から発言を求められておりますので、これを許します。沢田君。
#14
○沢田政治君 ただいま三班にわたる本委員会における調査派遣の報告が行われたわけでありますが、これについて私は意見を申し述べたいと思うのであります。
 この扱いについてであります。毎年恒例のごとくここで報告をされるわけでありますが、立法府がここで現地視察をして、それぞれの陳情を受けてまいるわけであります。それに対して、国政審議の場に皆さんの意見を生かしたいものは生かしたい、こういう答弁をおのおのがしてきておるわけであります。ところが、果たして行政府でこれをどう処理したのかということが皆目わからぬわけであります。でありますから、議員の大名旅行だ、一年一回の慰安旅行だという、まあ、あらぬぬれぎぬもそこから出てまいると思うのであります。これは非常に政治の信頼にとって私は重要なことだと思うのであります。でありますから、特に私どもも報告の際に、こういうことを希望する、またこういうことを促進すべきだ、またこうすることが至当だと、こういう意見を強くことしの報告では言っておるはずであります。でありますから、ただここで報告して、どこでどう処理されたかわからぬということではなく、恐らく各議員は、特に建設委員会の場合、非常にきつい日程で、もうすみずみまできつい日程を覚悟で行っておるわけですね。そうして住民の要望なり県当局の要望を聞いてまいるわけでありますから、これがどうなったかということを明確にする必要があると思うのであります。でありますから、ちょうど官房長が来ておりますから、たとえば制度的なものはすぐできないものもあるでしょう。しかし、ミクロ的にこうしなければならぬと、こうすべきだというものについては、次の年度の大臣所信表明の際にあわせて、この委員会で指摘された問題点はこうなりましたと、こうやって、いま目下やっておりますということぐらいの報告は当然行政府の責任で立法府に答える義務がある。これを私はこの委員会の、特に実施官庁でありますから、ただ聞いただけじゃいかぬわけでありますから、他の官庁と違いますから、ここは。実施官庁で、そうしてわれわれ委員が行って、地方自治体、住民からいろいろな要望を聞いて、そうしてそれを実現させますという約束をしてきたものもあるのですよ。でありますから、それを行政がどう処理したのかということを、議事録を詳細に調べて、次の年度の大臣所信表明までにこの委員会に明らかにされることを恒例化したいと思うのであります。この点を委員の皆さんも恐らく異存はないと思いますが、委員長からお諮りください。そうして政府の答弁を求めます。
#15
○委員長(中村波男君) ただいま沢田委員の御発言については、各委員の皆様も反対はないと思いますが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)したがいまして、官房長からいまの発言に対して所信の表明を承りたいと思います。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) 先生方には国土建設行政の全般につきまして、現地におきまして詳細に御調査くださりまして、ただいま貴重な御報告がございました。
 御報告の内容につきましては、後刻十分検討いたしまして、御要望のございました点につきまして、できる限り実施に移してまいりますよう努力いたしてまいりたいと存じます。また、実施経過につきましては、いずれ適当な機会に御報告を申し上げたいと存ずる次第でございます。
#17
○委員長(中村波男君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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