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1975/05/20 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 建設委員会 第8号
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1975/05/20 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 建設委員会 第8号

#1
第077回国会 建設委員会 第8号
昭和五十一年五月二十日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     大森 久司君     佐多 宗二君
     古賀雷四郎君     初村滝一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 波男君
    理 事
                坂野 重信君
                増田  盛君
                松本 英一君
    委 員
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                佐多 宗二君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                初村滝一郎君
                望月 邦夫君
                山内 一郎君
                小谷  守君
                二宮 文造君
                矢原 秀男君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       大蔵政務次官   細川 護熙君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省住宅局長  山岡 一男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       大蔵省銀行局銀
       行課長      宮本 保孝君
       大蔵省銀行局保
       険第一課長    巣山 庄司君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        淺村  廉君
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
       日本住宅公団理
       事        川口 京村君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村波男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、住宅金融公庫及び日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(中村波男君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○小谷守君 まず、大臣にお伺いしたいと思いますが、建設大臣は先般、公営住宅や公団住宅の建設が地方自治体の財政難の影響等もあって計画どおりなかなか進捗しない、こういう認識から、これらの住宅建設に伴って地方自治体の負担を余儀なくする関連公共施設の整備費に大幅な補助ができるような新しい制度を検討するよう事務当局に指示された、こういうことを仄聞いたしましたが、建設大臣はどのようなことを構想しておいでになるのか、どのような試案を描かれておるのか。かつて建設省、自治省等、五省庁で検討しておりました三大都市圏の企業に求めようという大都市事業所税、こういう構想による国税をお考えになっておるのか、大臣の御構想をまずひとつ承っておきたいと思います。
#6
○国務大臣(竹下登君) 小谷委員にお答えいたします。
 私が建設大臣に就任いたしましたのが一月の十九日の日であります。そこで、早速私なりに使命感を感じておりましたのは、ああして第四次不況対策の一環として議了いただきました補正予算を含めた昭和五十年度予算の完全消化、これをいかにしてやるかということでありました。それを精いっぱいやってみまして九八・二%というものが一応消化できたわけでありますが、さてそれならばあとの一・八%というものがどういう形でやはり消化ができなかっただろうかという、こういう反省をいたしてみますと、ダムの補償等が話し合いがつかなかったために十億円見当残りますとか、あるいはまた各種営繕関係の入札価格で一万円とか千円とかあるいは十万円とか下回ったものが残った、これらはむしろある意味においては節約して好ましい姿であったかもしらない。ところが、大部分が未消化に終わりましたのがやはり公営住宅であったわけであります。これはおよそ予測のつくところでありましたものの、やっぱりそれにはそうなった理由というものが当然追求されなければならぬわけであります、反省の上に立った追求がされなければならぬ。そうしますと、やっぱりどうしましても地価対策の問題が一つ、いま一つは申すまでもなく入口急増に伴うもろもろの関連公共施設への投資が地方自治体の財政事情を圧迫すると、大ざっぱに言って二つでありました。したがいまして、この二つの点はひとつ早急に、反省してばかりおってもなりませんので、少なくとも先生方に御検討していただくためにも非常に粗っぽいものであってもたたき台をつくったらどうであろうか。こういうので国土庁長官と協議をいたしまして、計画局長そして国土庁の土地局長、また住宅局長、そういうところでその大きなたたき台をつくるような指示をいたしたわけであります。
 その中の一つといたしまして、いわゆるいま御指摘になりました住宅促進税的な考え方であります。これも名前を検討しまして、住宅税なんていいますと何か住宅を建てた者から取るような印象を与えてもいかぬので、余りに適切なまだ名前とも言えないかもしれませんけれども、住宅促進税というようなものもその一つの検討課題として進めてみてもらいたい、こういうことを指示をいたしたわけであります。したがいまして、この問題につきましては中間的に私も聞いてはおりますものの、そう時間を得ないでそのたたき台というものをつくっていきたい。その中の一環としまして、住宅促進税的性格を持ついま先生の御指摘になりました事業所税のようなものを国で吸い上げて、またこれも言葉としては適当でまだございませんが、第二特別交付税的な考え方で扱うことも重要な検討の一つの課題であるということで、いま鋭意たたき台製作中でありまして、これを一つ一つ新聞発表したりいろいろしますと、やっぱり与える影響が大きいので、とにかくかなりの批判は覚悟の上でも一応たたき台として粗っぽくまとまった段階で御批判をいただいて成案を得るようにしたい。そうして年末になりましょうけれども、五十二年度予算編成の際はそれを大きな支えにして進みたいと、このように考えております。
#7
○小谷守君 ところで、四十六年度から五十年度までの第二期住宅建設五カ年計画は、九百五十七万戸の計画に対して八百二十六万万、約八六%の達成率にとどまる模様である、こういうふうに言われておりますが、その中でも公的資金による住宅建設は八〇・二%という低い水準である。第一期計画の九五%よりもかなり低い水準に終わったということであります。このことは政府の取り組む姿勢が足りなかった結果ではなかろうか。もちろん地価の暴騰だとかあるいはオイルショックによる資材の値上がり、さらにはまた地方財政の困窮等いろいろ理由はあったことと思いますけれども、五十一年度から発足する第三期住宅建設五カ年計画に取り組む決意と、第二期計画での反省についてどのような反省、御感想をお持ちでありますか、伺いたいと思います。
#8
○政府委員(山岡一男君) いま小谷先生がおっしゃいましたとおり、第二期住宅建設五カ年計画の達成状況は八六・三%にとどまる見込みでございまして、まことに申しわけないと思っております。
 この第二期五カ年計画が思うようにいかなかったという原因は、大きく言いますと二つございます。一つは、特に大都市を中心とします公的住宅が建たなかったということが一つでございます。その原因といたしましては、特に公営住宅、公団住宅等の建設に当たりまして、地元公共団体の公共公益施設の整備のための財政負担の増大、それから環境保全への住民の要求の高まり、水問題の深刻化等々が原因でございます。
 それから、さらにもう一つの点といたしましては、やはり前半はおおむね順調に推移をしたわけでございますけれども、ただいまも先生のお話もございましたように、石油ショック等に伴う一連の建設諸資材の需給の逼迫、地価等の高騰等も原因となりまして民間も思うほど伸びなかったと、この二つが大きな原因でございます。
 第三期住宅建設五カ年計画の実施に当たりましては、その第二期の至らなかった点を反省いたしまして、大都市におきましては計画的な宅地開発の推進、それから関連公共公益施設整備に関する助成措置の強化、住環境整備と一体となった住宅建設施策の推進、その他一般的には民間住宅金融の安定的拡大の推進、それから住宅生産の近代化、工業化の推進、それから国土利用計画法の適切な運用等によります地価の安定というようなことにつきまして総合的に施策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
#9
○国務大臣(竹下登君) いま住宅局長が総合的に申し上げましたとおりでありますが、確かに八六・三%に終わって、しかも私も指摘を受けてみてなるほどなと思ったんでありますが、そのうち、これはいわゆる公的資金によるものなどにつきましては戸数の着工ベースであって、まだ人そのものは入っていないとか、あるいは現実に住宅の用に供していないというものもございます。私なりにも何とかこの計画の達成率を上げようというのでやってみますと、三月に発注したというようなものもございますので、本当に現実に供用されておるものということになりますと、それより今日の時点においてはまだ低いわけでございます。それとて、それからいろんないま申しました経済の激変期にあってやむを得なかったとは思いつつも、そこにそういう反省に立ちましたときに、第三期の住宅五カ年計画の内容に対して、言ってみれば達成可能の数字というものをつかまなければならぬというので、八百六十万戸ということをめどとして立ったゆえんもそこにあるわけであります。
 したがいまして、去る三月の二十六日に住宅建設計画法の規定に従って閣議決定をいたしまして、そうしていまいろいろ御審議を賜っておるわけでありますが、内容的には申すまでもなく量よりも質の時代に入ってきたということを念頭に置きまして、六十年度をめどに、すべての国民が四人世帯で三DK、十九・五畳、それから住居専用面積五十平米程度の最低居住水準を確保することをめどとして、五十五年までにはおおむね水準以下居住の二分の一の解消を図っていこうと。これも従来の四人標準世帯で十二畳、あるいは三人以下で九畳というものをどういうふうにして推移してきておるかと見ますと、大体一%程度は経済の流れの中でだんだん少なくなっておりますので、さらに居住面積を上げて、しかも今後十年間でそうした目標は私は従来の経緯にかんがみても可能なものではなかろうかということで、最低居住水準というものを確保することが一つの目標であります。
 それからいま一つは、今度は四人世帯では平均的世帯として三LDK、三十四・五畳、こういうものを確保するようにしようということでありまして、そういう考え方を基礎に置きまして、量から質への転換を踏まえて八百六十万戸、こういうことを確保することといたしておる次第であります。しかし、自力では適正な居住水準を確保できない低所得階層の方々あるいは老人、母子、身障者世帯、及び流動人口とでも申しますか、都市勤労者の中所得階層の方に対して公的資金による住宅三百五十万戸、これは全体の四一%に当たるわけでございますが、それを供給することといたしております。したがいまして、本年度からこれを着実に推進いたしまして、第二期の反省に基づきまして必ず達成するよう努力していきたい、そしてまた達成可能の私は計画であるというふうに考えております。
#10
○小谷守君 本年度から発足する第三期五カ年計画でありますが、五十五年度までの五カ年に公的資金によるもの三百五十万戸、民間資金によるもの五百十万戸、合計八百六十万戸の住宅を建設しようとされておる。ところで、この中身を見ますと、持ち家と借家との割合は、第二期計画では五五対四五であったが、第三期計画では六〇対四〇というふうに変わってきております。このことが目立つのでありますが、このことは賃貸住宅よりも国民の資金による住宅建設の方向に転回をされたものであるのかどうか。
 また、公的資金住宅の事業主体の内容を見ましてもきわめて明瞭でありますが、公庫住宅のシェアが高くて、三百五十万戸、これに対して百九十万戸、五四・三%という高い比率を占めておるのに対しまして、低所得者を対象とした公営住宅の落ち込みが著しい。第二期計画では六十七万八千戸の計画でありましたが、第三期計画では四十九万五千戸で、十八万四千戸の減少になっております。また、公団住宅について見ますというと、第二期計画では四十六万戸でありましたが、第三期計画では十五万戸減の三十一万戸というきわめて著しい後退が見られるのであります。この比率は、一般勤労大衆が現実に自分の家を持つということには大変なことでありまして、並みの努力ではとうてい持てるものではない。第三期計画はこのような計画内容からいって政府施策住宅の大幅な後退ではないか、こういう気持ちがいたしますが、この点はいかがですか。
#11
○政府委員(山岡一男君) 住宅政策の推進上、持ち家か借家かという問題は古くて新しい問題でございます。われわれといたしましては、基本的には国民の皆さんの需要動向に即して施策の方向を決めるべきものであると考えております。特に公的援助によります住宅の供給に当たりましては、大都市地域を重点としまして、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、低所得階層、社会的流動層等に対しまして十分な量の公的賃貸住宅を供給する必要があると、それから持ち家志向の強い階層に対しましては長期低利融資等によりまして、公的分譲住宅の供給も含めて、地域の特性とか国民の住宅需要の動向に即してバランスのとれた供給を図るというのが基本の考え方でございます。
 先生おっしゃいましたように、第二期では全体を五五対四五ということにしておりましたが、第三期では、おしなべますと、持ち家が六〇、それから賃貸が四〇という比率になっております。これはこの第三期の期間中に、ちょうどそういうふうな持ち家を持つ年齢階層の世帯が非常にふえるという見込み、それから住宅需要実態調査というのをやっておりますが、これはここ五、六年の間に何がしかの住宅に対する改善対策を現に持っている方々はどういうふうなことをお考えですかという調査の結果でございますが、全体の約四三%の世帯の方が何らかの計画を持っていらっしゃる。そのうちの、これは持ち家に住んでいらっしゃる方、借家に住んでいらっしゃる方によって違いますけれども、七割から八割が持ち家を希望しておられるというようなことも検討した結果でございます。
 それからなお、第三期住宅建設五カ年計画におきます公的資金によります借家建設戸数は百六万戸ということになっております。これは第二期の計画は下回っておりますけれども、余り十分達成できなかったので申しわけないわけですが、第二期の実績では八十九万戸でございました。それから見ますと、ある程度上回るように計画をしておるということでございます。さらに賃貸住宅の中で公的直接供給とわれわれ申しているものがございます。公営、公社、公団、みずからの事業主体が住宅をつくりまして、公募によりまして賃貸仲宅を国民の皆さんに提供するというものでございますが、そういう直接供給の中では約七〇%を賃貸住宅ということにいたしております。
 それからさらに、第三期五カ年計画の公的資金住宅の中には十七万五千戸の調整戸数というのをとっております。これは第三期五カ年計画を決定いたします際に、住宅宅地審議会の意見を聞くということが法律上決められておりますが、その際に、お認めいただきます際に、この十七万五千戸の調整費の配分については公的賃貸住宅を中心に考えるべきだというふうなことを付言をいただいております。われわれもその方向で今後も努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#12
○小谷守君 局長、それは国民に持ち家がいいのか借家がいいのかということを問いかければ、これはだれも持ち家が欲しいですよ。自分の家が欲しいです。しかし、それがこの減速経済に移行しで、そして今日並びに将来の経済情勢というものをずっと見た場合に、それの可能性はどうかということを点検した場合に、私は国の住宅政策の基本というものはどちらに重みを置くべきであろうかということを申し上げておるのであって、第三期五カ年計画には私どもも敬意を表しますが、ただ一つ大きな気がかりは、六割の重みを持ち家にかけておるという点です。これは何とはなしに幻想を振りまいておるのではなかろうか、さらにはまた、それの可能な階層におもねる政策ではなかろうか、こういう心配があるからお尋ねをしておるわけです。その点はいかがでしょうか。
#13
○政府委員(山岡一男君) 現在、日本にございますストックの状況も約六割が現在持ち家でございます。それから第二期の実施の結果も約六割が持ち家でございました。しかしながら、今回の第三期五カ年計画をつくります際に、住宅審議会からの御答申の中で、今後においてはやはり賃貸住宅は、少なくとも五分位階層と申します所得階層別の階級の中の、一番低い第一分位の中の標準世帯、夫婦二人に子供二人という世帯でございますが、そういうところの皆さんが賃貸住宅には大体所得の一五%以内の家賃で入れるような施策を考えるべきだ、持ち家を持つ方については、やはり所得の二五%以内の分割代金もしくは融資の返済等によりまして持ち家を持てるように計画をすべきだということを提言をいただいております。で、一応現在の所得等の推計をいたしまして、それらのものも加味しながら、一応必要にして十分なものを計算してみますと、この五カ年間ではすでに全体では量の方がオーバーいたしまして、所帯の数よりも戸数が多いという実情でございますので、ストックの活用等も考えますと、そういうふうな計画で十分間に合うのではないかというふうに考えた次第でございます。
#14
○小谷守君 これまた後で触れますが、西欧では三〇%以上の賃貸ストックがある、日本の場合は一〇%程度だと、こういうふうに承知をしておりますが、間違いありませんか。
#15
○政府委員(山岡一男君) 西欧がおしなべてそうだということではございませんけれども、確かにたとえばイギリス等を取り上げますと三〇%ということでございます。日本の場合は一〇%を切っておるというのが実情でございます。
#16
○小谷守君 この中身についてはまた後で触れることにいたしましょう。
 そこで、住宅建設五カ年計画と土地問題でありますが、住宅建設計画法第四条では、四十一年度以降の毎五カ年を各一期として、当該期間中の住宅の建設に関する計画、すなわち住宅建設五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めると規定しておる。第二期五カ年計画の内容、そして今年度から発足する第三期五カ年計画の内容を見ましても、住宅建設の目標、公的資金による住宅建設の量を述べておるだけでありまして、住宅建設の基盤である宅地用地の問題については何ら触れていない。宅地問題に触れないで住宅の建設だけがひとり歩きできるものではありません。確かに条文から見れば住宅の建設ということでありますが、これはどうでしょう、別紙にでも住宅建設に必要な用地の取得方法及び取得量等について必要な資料を添付される必要はないでしょうか。重要な計画の意義を持つものになると私は考えます。ぜひそうしてもらいたいと思うのでありますが、お考えはいかがでありますか。
#17
○政府委員(山岡一男君) 閣議決定を経ました第三期住宅建設五カ年計画では、住宅建設の目標というものを第一に掲げております。第二に公的資金による住宅建設の量というのを挙げております。これは法律に基づいて挙げておるものでございますが、その第一の「住宅建設の目標」という中の3の事項の(8)でございますけれども、「新市街地における住宅建設の円滑化を図るため、公的機関による計画的な宅地開発を推進するとともに、民間による宅地開発を促進し、良質な住宅地の大量供給を行う。また新市街地における住宅地の良好な居住環境を確保するため、交通施設、生活環境施設、文教施設等の関連公共公益施設の整備を推進すること。」というのを閣議決定の中身に挙げております。
 それから先生おっしゃいました宅地の量につきましては、同じ閣議決定の際の参考資料という中に、四番目に挙げておりまして、住宅建設戸数の八百六十万戸のうちで建てかえ等除きまして新規に宅地の必要なものは三百五十万戸要る、宅地供給面積はトータルで六万六千ヘクタール。その内訳といたしまして、公的宅地供給では一万七千ヘクタール、民間宅地供給では二万九千ヘクタール、区画整理事業で二万ヘクタールをそれぞれ供給するという目標であることを資料として添付しておるわけでございます。
#18
○小谷守君 さて、住宅金融公庫の融資業務の問題でありますが、現在の住宅金融公庫法を見てもわかりますように、公庫の業務内容が複雑であって一般国民には少しわかりにくいのではないか、こういう意見、批判があります。この意見に対して大臣はどうお考えになりましょうか、率直なひとつお考えを承りたいと思います。
#19
○国務大臣(竹下登君) これは小谷委員御指摘のとおり、私も素直にそういう感じを持った一人であります。で、必ずしも答弁の言葉には適切でないかもしれませんが、公庫の貸付業務の種類が多くて複雑多岐にわたっておりまして、業務説明を私受けましたが、全然私、理解が最初できなかったのであります。で、公庫の総裁に、これはひとつ住宅金融公庫貸し付けのしおりみたいな本、著書を出したら、恐らくこれは十万部ぐらい毎年コンスタントに売れて、これはベストセラーになるのじゃないかというような冗談を言ったぐらい大変複雑多岐である、私もこういう感じを受けました。これはやっぱりわかりやすく整理する、まあ簡単に言いますと、そういう意味で少し時間をかけて検討してみたらどうだ。いま先生御指摘のとおり、昭和二十五年にこの法律をつくっていただきまして、今度で年度にして二十年度目、その中で年間で四回改正しているときもあるのであります。だから、昭和二十五年から今日に至るまで二十数回改正をしながら今日に積み上がってきた。で、言ってみれば、その都度都度の要請にこたえていわゆる貸付条件の改善、拡大という方向へ一つ一つ進んでいったわけでございます。なるほど二十数回一つ一つ拡大したり、新しい条件をつけるために努力してきたんだなという歴史的経過を見ながら、そうなればこれは複雑になるのは当然だわい。まあ、いささか無責任な発言でありましたが、衆議院の委員会で、ひとつ小委員会でもつくってこの住宅金融公庫法をわかりやすく改正することを御検討いただいたらどうですかというような――これは理事会等で全く冗談で申し上げたのでありますが、そういう感じがしますだけに、本当にちょっと時間をかけてみて、二十数回にわたってそれは努力しながら改正されたものでございますけれども、それなりにますます複雑多岐にわたっておりますので、十分検討をこれはさしていただきたいというふうに考えております。
#20
○小谷守君 この公庫法の法律というのは国民にはなかなか理解できない。普通、一般住宅、産業労働者住宅、市街地再開発住宅、あるいは関連公共施設、宅地造成の五つの基本制度から成っておりますが、たとえば一般住宅には、個人が資金を借りて建設する場合の個人住宅を初め、分譲住宅、賃貸住宅に分かれ、さらに一般個人貸し付け、住宅積立郵便貯金預金者への貸し付け、公的分譲住宅、民間分譲住宅などに分類されておる。最後に一般貸し付けか、特別貸し付けかなどきわめて細分化されており、一般住宅だけで二十一種類、全部で四十一種類もの融資制度となっておるわけであります。住宅金融公庫が融資機関でありますから、あらゆる方面に対しての融資制度を持つことは、ある面では必要でありましょうけれども、これらは無論名称だけの問題ではなく、目的、貸し付けを受ける資格、対象となる住宅の構造、規模、あるいは貸付限度額、利率、償還期間など貸付条件が少しずつ異なっておるわけであります。
 最近の一般国民の住宅に対する欲求が量から質に変わり、しかも多様化の方向にあります今日、この複雑な制度を維持していかなくてはならぬであろうか、きわめて疑問の残るところでありまして、ある程度同一基準にしても差し支えないと思われるのでありますが、住宅金融公庫総裁の忌憚のない御意見をちょうだいしたいと思います。また、住宅行政の担当者であられる住宅局長のお考えも伺っておきたいと思います。
#21
○参考人(淺村廉君) 住宅金融公庫といたしましても、ただいま先生から御指摘がございましたとおり、貸し付けの種目が余りにも複雑にわたり過ぎておるという感じを持っております。ただ、これにつきましては、大臣からもお話がございましたとおり、二十七年ぐらいの間にいろいろとこの当時の条件によりまして積み上げてまいった制度でございますので、それぞれのまた理由もございます。したがいまして、私どもはぜひこれを簡素化する方向に持っていきたいという焦りは持っておりますが、現段階といたしましては、私どもの業務を全国に八千五百もある金融機関に委託をいたしております。そこで十分に国民大衆に御説明ができるようにさしておりますし、また私ども自分自身でも住宅相談所を全国各支所に十三カ所設けておりまして、そこでもできる限り懇切丁寧に御説明を申し上げております。しかしながら、やはりこんなに似たような制度がたくさんありましては、国民の皆様にはずいぶん御迷惑もかけておるだろうということを常に反省をいたしておりまして、何とかこれをもっと簡素化したいという気持ちは全く私も持っておるわけでございます。したがいまして、建設省あるいは予算の関係では大蔵省、今後いろいろ御相談を続けまして、慎重にもう少しこれを簡単にする方向に向かいまして努力を続けてまいりたいと思う次第でございます。
#22
○政府委員(山岡一男君) 基本的にはただいま大臣と公庫総裁の申されたとおりであろうと思います。実は私も住宅金融公庫法の直接の担当をいたします総務課長をやったことがございます。当時やはり同じことを考えまして、大分前でございますけれども、公庫の皆さんにも入っていただいて実は勉強会を持ったことがございます。そういう意味では相当な勉強も一応したわけでございますけれども、やればやるほどなかなか整理がむずかしい。もうどちらかと言いますと、新しい法律をつくりまして古い法律を全部廃止をする、そして経過措置を緻密に書くというようなことになりはしないだろうかというのが当時の結論でございました。さらにその後もニーズに従いまして中身がふえてまいっております。ますますそういうふうな面はふえておるかと思います。当面はいま総裁のおっしゃいましたようにPRに努めていただく、そして、わかりやすいパンフレットなりをつくるということに最大の努力を払っておるわけでございますが、大臣の申されましたとおり、少し時間をいただいて十分勉強さしていただきたいと思っておる次第でございます。
#23
○小谷守君 わかりました。
 総裁、先般住宅金融公庫の貸し付けについてあちこちで不祥事件が起こっています。これにはその後どう対処しておられますか。私は原因の一つは国民にわかりにくい法律であるという点に原因の一端があるのではなかろうか。そしてこれはもう委託を受けておる金融機関、そういう専門的なところだけにしかわからぬ、こういう点にも原因の一端があったのではなかろうか。こういうふうに思われるので伺っておるわけでありますが、ああいう不祥事件の防止についてはその後どういう手だてを講じておられましょうか。
#24
○参考人(淺村廉君) 実は昨年のことでございましたが、個人住宅申し込みの受け付けに際しまして、四月の二十八日であったと記憶いたしますが、申し込みを開始いたしましたら、その日一日ではるかに枠を突破するというような事態が起こりまして、あわてて一日で締め切ったということがございました。そこで、いろいろ後で調査をいたしましたところが、私どもで委託しております金融機関に業務の扱いについて細かい指示を常にいたしておりますが、その指示に違反をして、私どもから見ればルール違反の受け付けをしたという事例が出てまいったのでございます。一番いやだったのは、申し込む御本人が業者に委託をいたしまして業者が一括して持ち込んだという事例でございます。大変便利な面もございますけれども、そういうことをやっておる中にやはり不正なものも入ってきたというようなことがございまして、私どもはそれに対して厳重な注意を喚起をいたしたわけでございます。その後、金融機関も非常に自粛をいたしまして、秋の受け付けにつきましては非常な自粛した態度で業務を処理いたしておりました。もう一つ、春の非常にごたごたした受け付けのときは、これは抽せんではございませんので、申し込まれた方は枠がある限り受け付けるということでやっておりましたので皆さんが殺到したというような事態もあったわけでございますが、秋は諸般の情勢にかんがみまして抽せん制にいたしたわけでございます。抽せんにいたしまして一定期間受け付けるということにいたしましたので、そういう忌まわしい事例もまず起こらずに済んだと私は考えております。
 しかし、いろいろございましたので、本年度の受け付けは四月の中旬に開始をいたしましたが、これも抽せんでやることにいたしたわけでございますが、さようなことが再び起こらないように繰り返し繰り返し金融機関には注意をいたしました。なお、金融機関の責任者も私の方へ大ぜい参りまして、厳正な受け付けをするということを確約してくれておるわけでございまして、現在のところ私の耳には遺憾な事例は一つも入っておらぬわけでございます。しかしながら、こういうことだけで私はいいとは思っておりません。ただいま先生が御指摘くださいましたように、公庫の制度が非常にわかりにくいというようなことも、やはり度が過ぎますといろいろとまたいやなことになるおそれもございます。私どもも十分その点も反省しなければならないと考えておりますので、今後はそういう点につきましても、先ほど申し上げましたような方向で努力をし、なお全体の受け付けの態度についての厳正を一層期するように持ってまいりたい考えでございます。
#25
○小谷守君 さて、今回の改正によりまして新設される既存住宅購入資金の貸付制度及び政令で定める貸付金の貸付制度の限度額、貸付金の限度額、利率、償還期間等の貸付条件は上限を法定せずに直接政令で定めることとしておりますが、その理由はどういうことでしょうか。また、五十一年度のこれらの貸付金の利率は年率七・五%とする予定と言われておりますが、その理由をひとつ明確に御説明を願いたい。
#26
○政府委員(山岡一男君) 現在、公庫法で利率の上限を法定しているものが大分ございます。それらはいずれも利子補給を特別に行いまして、政策的に低利の貸し付けを行っているものがすべてでございます。今回の新設の貸し付けにつきましては、資金運用部資金の貸出利率をそのまま使いまして、利子補給を伴わないで低利の融資を行おうというねらいもございますので、利率の上限を法定しないで政令で見るということにしたわけでございます。金利を七・五%としておりますのは、ただいま申し上げましたとおり、資金運用部資金の現在の借入金利が七分五厘でございますので、一応それを予定しておるということでございまして、今後資金運用部資金が下がっていきましたならば、それに合わせて政令金利も変えていくという考えでおります。ちなみに相当長い間この資金運用部資金の金利は六分五厘でございました。一番低いときは六分二厘ということもございました。今後いろんな意味で金利が少し下がっていくものと考えておりますが、その場合には政令を変更していきたいと考えておるわけでございます。
#27
○小谷守君 現行法の貸付条件、たとえば利率は法律でその上限を定め、その範囲内で政令で定めるものと、法律でその上限を定めずに直接政令で定めるものと二つの体系に区分して規定しております。現行法では上限が年六・五%以内のものについてその上限を定めておりますが、個人住宅の建設資金等は年五・五%以内住宅改良資金等は年六分、関連公共利便施設整備資金等は六分五厘、こういうことでありますが、もう少し明確にこの資金運用部資金の改定だけで自動的にこういうことというのは、これは政策が非常に希薄であると申し上げざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
#28
○政府委員(山岡一男君) 現在の住宅金融公庫の貸し付けの中で法定金利にいたしておりますものは、先ほど申し上げましたとおり、資金運用部資金のほかに利子補給金を入れて低利にしておるものでございます。それで実際の問題といたしましては、資金運用資金の金利も民間の金利に比べますと相当低利でございます。したがいまして、従来のような法定金利のものにつきましては、できるだけそういうものを必要とされる階層の方に手厚く今後していきたい。現在でもたとえば個人住宅を例に挙げてみますと、五分五厘ということで募集をいたしておりますけれども、その中には所得の千五百万、千三百万というような方々も見えております。そういう方々に、やはりまあ利子補給と申しましても国民の皆様の税金でございますが、たとえば四百五十万円、十八年間貸しますと、一人当たり九十六万円ぐらいの実は補助金を差し上げたことになっております。そういう範囲のとおろはできる限りそういうふうな所得にふさわしい方のところに回す。むしろ今後新しい需要として、だんだん規模の大きい、質の大きいものをつくっていくという需要もふえてまいっております。若干政策金利の範囲を広げまして、そういう方々のところに利子補給を伴わない資金運用部資金の金利そのままでもまあ民間金利より相当安いわけでございますから、そういうものをふやすことによって全体としての枠を広げたいというのが今回のねらいでございます。
#29
○小谷守君 公庫の総裁に伺いますが、現在の百五十平米まで貸し付けを受ける制度の条件は、現在でも百二十から百五十平米までの住宅規模についても、特定する条件を備えたものに対しては融資する仕組みがあるわけであります。その条件、構造、規模等の内容と、近年における実績はどういう状況でございますか。
#30
○参考人(淺村廉君) ただいまお話がございましたように、公庫の住宅は原則として百二十平米以下にしてもらっておるわけでございますが、例外がございます。百二十平米以上でもよろしい、ただし百五十平米を超えては困る、その範囲の例外を設けておる場合がございます。それについて申し上げますと、個人住宅につきまして昭和四十八年の十一月から始めた制度でございますが、六十歳以上の老人とその親族が同居する住宅、老人同居住宅と通常言っております。それから心身障害者とその親族が同居する住宅、これは心身障害者同居住宅と呼んでおります。それからもう一つ、家族の数が六人以上の大家族、こういう場合、この三種類に限りましては床面積が百五十平米以内であればいいと、少し範囲を、限度を高めておるわけでございます。これは面積だけについてそういう特例を設けておるわけでございます。
 どのくらいそういうものが申し込み受理をいたしておるかと申しますと、昭和四十九年度におきましては、戸数を詳しく申し上げますと、全体の戸数が二十二万二千八百八十二戸でございまして、こういう例外措置をいたしましたものが二万四千七百一尺したがいまして一一・一%になっております。それから五十年度では全体の戸数が二十三万三千三百七十七戸でございましたが、そのうちこういう特例の扱いをいたしましたのが二万九千六百戸でございまして、比率は一二・七%ということに相なっております。
 以上でございます。
#31
○小谷守君 住宅局長に伺いますが、今回の改正で個人住宅貸し付けとして、既存住宅の購入資金の貸し付けと、政令で定める貸付金の貸し付けを新設して、これらの貸付条件は政令で定めるものとしておりますが、政令で定める貸付金の貸付制度を特に設けなければならなかった理由についてお聞かせを願いたいと思います。
 なお、五十一年度における本制度の貸付対象は、一戸当たりの住宅の床面積が百二十平米以上、百五十平米までのものとし、八千戸と予定されておりますが、この規模の住宅を必要とする所得階層をどう見ておられるか、また、従来にも家族構成で六人以上等の場合については貸付制度がすでに設けられておるのに、なぜ本制度を考案するに至ったのか、基本的なお考えをお答え願いたいと思います。
#32
○政府委員(山岡一男君) 今回、個人住宅貸し付けに政令で定める貸付金を新設いたしましたのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、従来の法定の金利五分五厘につきましては利子補給金を相当額入れております。で、実際の融資枠は資金運用部の資金量と一般会計よりの利子補給と両面からの制約がございます。他方、これからの個人貸し付けにつきましては、やはり第三期住宅建設五カ年計画におきまして、量よりも質というキャッチフレーズを出しておりますけれども、ストックといいますか、ストックに対しまして新しく供給されますフローは、できるだけ大きいものを育てていくべきだというのが基本の考えでございます。その場合に従来の百二十平米以下とやっておりました公庫融資の枠を若干はみ出しまして、政策金利の範囲を広げたい。その場合にはやはり比較的規模の大きいもの、もしくは比較的所得の高い方が対象になるということであれば、やはり利子補給を伴わなくても、一般の民間ローンの金利よりは相当低い資金運用部資金に連動する金利で全体の枠をふやすことを考えたらどうかというのが発想のもとでございます。今後の方針といたしまして、従来の法定金利によりますものをますます拡充していくということが一番の基本でございますけれども、同時に新たな貸付金につきましても需要の動向を見ながら逐次増強してまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから規模の大きな住宅につきまして、確かに全体として八千戸本年度は予定をいたしております。その対象となる所得階層はどうかということでございますが、実は本年度まだ八千戸という道を開いておりまして、上限を決めたわけではございませんので明確に申し上げることは大変むずかしいかと思いますけれども、従来の公庫の申し込みの実情を見ますと、過去数年の間おおむね九七%ぐらいの方々が所得六百万以下ということでございます。残り三%にいろいろと所得の高い方が入っておられます。われわれのねらいといたしておりますのは、うんと高額な方はもちろん民間住宅ローンの方が当然だと思いますが、いまの現時点で言わしていただければ、その六百万円の階層を少しはみ出したというところにそういうふうな資金運用部連動の低利金融が行われたらいかがかと考えておるわけでございます。四十九年度の公庫融資の利用者調査を見ますと、申込者の平均で見ますと十九万一千円ということでございます。
 それから先生がおっしゃいますように、老人が同居している世帯で百五十平米までの方の平均月収は二十二万一千円、やはり若干上回っておるわけでございます。そういうようなところから見ますと、いまの平均的な申込者の方々よりもちょっと上の階層がこの階層になるだろうというふうに考えるわけでございます。それからなお先ほど先生のお話ございました、多家族だとかその他のものにつきましては、従来どおり五分五厘の金利で百五十平方メートルまでの融資をいたすというのが今後の方針でございます。
#33
○小谷守君 これは所得の高い階層に対しては制限をして、所得水準の低い層へ優先度を置くという、私はこれは、いまはみ出したという言い回しでありますけれども、今日の住宅政策としては少し逸脱ではないかという気がいたします。
 そこで、公庫の融資の中で戸数、金額ともに最も大きなシェアを占めておる個人住宅の融資で、最近の公庫の応募件数、先ほど総裁からお話がありましたように、初日一日で十三万四千戸の申し込みがあった、即日締め切ったというふうな実態を伺うのでありますが、本年度第一回の応募状況を見ても一・七倍ということが言われておる。この現状を考えますと、五十年度分については民間の住宅金融の引き締めの反動や公庫融資の金利等のメリットが挙げられるとはいえ、根強い住宅需要と言わなければなりません。このため公庫は申込順位制であったものを抽せん制に改めることにしておる。また、公庫が利用者の年齢、所得等の調査集計では、昭和四十八年の個人住宅資金利用者の年齢別で、世帯主の平均年齢は三十八歳であり、二十歳代が一八・九%、三十歳代が四十・七%、四十歳代が二八・三%、五十歳代が一一%となっておると言われておりますが、三十歳と四十歳代で約七割を占めておるが、この傾向は例年とも変化は余りないと言われております。
 さらに、公庫利用者の所得水準はどの程度かというと、総理府の家計調査と公庫の申込世帯とを対比してみますと、四十八年度には第一分位では一二・八%、第二分位では三五・七%、第三分位二六・四%、第四分位が二二・五%、第五分位では一二・六%という構成比であり、所得の高い階層が一番低い率という結果を示しておる。また、第二分位から第四分位の階層が全体の約七五%を占めておるのでありますが、一方、公庫の貸付金の原資を見ますというと、政府資金であって、その金利は現在七・五%である。しかしながら、個人住宅建設資金の利率では年五・五%となっており、その差の二%は他の貸付金の差とともに補給金として一般会計から充当されておるのである。五十一年度の補給金は八百四十六億六千五百万円、昨年度の追加後よりも約三百億多い額となっております。
 こう見てくると、住宅金融公庫の公共性という機関の性格と、資金需要並びに社会的公平という点から見て、さらに公庫原資の内容から、一般の民間住宅金融とは違い、市場金利が利用できない階層で、しかも従来どおりの住宅面積で貸し付けを行うことが正しい公共機関の政策金融のあり方ではないかと考えられるのであります。所得の高い一定水準を超える階層についての貸し付けを制約する必要があるのではなかろうかと思いますが、建設大臣はこのような具体的な意見に対してどのようにお考えになりますか。
#34
○国務大臣(竹下登君) いま小谷先生、五十年席の経過的なものからずっとお話しになりましたが、実はちょっと本筋とそれるお話を最初いたしますけれども、今度この募集をいたしますにつきまして、先生のお言葉をかりれば不祥事とでも申しますか、そういうことが一切ないようにと大変苦労をいたしました。国会で指摘されたあるいは新聞広告の問題等につきましても、これは事前にいつから募集するのか何とか漏らしてもらえぬだろうか、そうするとあるいは広告会社としての業務が非常に助かるのにとかいろんな話がありましたが、一切発表を厳秘いたしまして、新聞に予測した日が出ますと、それを意地悪ではございませんけれども一日早めるか一日遅くしてやろうとかいろんな工夫をいたしまして、いまのところ大変な文句を言われない形で一応は受け付けを終わり、抽せんをきのう終わった、こういう段階であります。その中で、いまその問題は別といたしまして、御指摘のありましたいわゆる所得階層についての考え方というのは、私は基本的には大いにいま御指摘の点を参考にして今後行わなければならぬ問題である、このように考えております。
#35
○小谷守君 今回の改正案で評価できる一つの点は、既存住宅いわゆる中古住宅の購入についても資金が貸し付けられることになった点であろうと思います。そのため五十一年度は耐火高層住宅二千戸が予想されておるのでありますが、中古住宅といいましても規模とか構造、質などの点で非常な違いがある。その具体的な融資方法及び貸付条件について御説明を願いたいと思います。また、木造の中古住宅の購入についてはどのようにお考えになっておるのか伺いたい。
#36
○政府委員(山岡一男君) 既存住宅購入貸付金の貸付条件につきましては、今後政令で定めることになるわけでございますが、利率は当面資金運用部資金の金利でございます七・五%、それから償還期間におきましては、構造別のそれぞれの償還期間が、買おうとする住宅についての償還期間がございますが、それから建設後の経過年数を差し引いた年度内としたいと思っております。
 それから貸し付けの限度額につきましては、一応は標準建設費の価格の八割五分とか八割という現在の一般貸し付けと同じようなスタイルでいきたいと思っておりますが、結果といたしましては、住宅の購入価格または土地もしくは借地権の価格が公庫の認める額を超えるというような場合には、そこで打ちどめにしたいと考えております。その場合は、公庫の認める額として予定しておりますのは、新築住宅の場合の七〇%程度でございます。そういたしますと、たとえばマンション購入の限度額が現在六百五十万戸でございますが、それの七割と申しますと、四百五十万ぐらいの貸付限度額というものを予定いたしておるわけでございます。法律が通りましたときにには、なお細目も関係方面と詰めまして、細目の決定をいたしたいと考えております。
 それから当面は先生おっしゃいますように二千戸しかございません。これは試みといたしまして、最近民間住宅ローンにおきましても中古融資が少しずつ始まっておりますけれども、やはり公的金融につきましてもそういうものの先鞭といいますか指導性を果たしたいということで、どのような問題点があるか、どうしたら今後既存住宅については伸ばしていけるかというようなことにつきましても、今回の二千戸を試みといたしまして検討してまいりたいと考えております。したがいまして、最後に先生おっしゃいました木造住宅につきましては、これはことしは当面価格の評価の便宜が高層住宅の方がやりやすいということで、そういう二千戸始めたわけでございますが、将来の住みかえを考えますと、木造住宅についても当然必要だと考えておりますので、将来制度の拡充を図っていきたいと考えておる次第でございます。
#37
○小谷守君 今回の改正で住みかえによる需要を促進し、住宅の有効利用を高めることになると思われますので、この点は評価をいたしますが、住宅の売買に際しての税制上の問題が考えられていないという点に私どもは不満を持ちます。現在、新築住宅に際しては固定資産税、不動産取得税について減免の優遇措置が講ぜられておりますが、この中古住宅の売買についてもこれを考慮する必要があったのではなかろうかと、これについてはどういうお考えでありましょうか。
#38
○政府委員(山岡一男君) おっしゃいますとおり、中古住宅について現在のところ特段の優遇措置が税制上とられておりません。しかし、いま先生もおっしゃいましたとおり、住宅流通の促進ということが今後非常に重要な問題になってまいります。したがいまして、建設省といたしましては中古住宅に対する税制上の優遇措置について今後十分に検討をして、要望してまいりたいと思っておるわけでございます。
#39
○小谷守君 大臣に伺いますが、この中古住宅の取引の公正化について大臣のお考えを承りたいと思います。住宅ストックがふえて住宅の需給が緩んできたことは、住みかえの可能性の拡大をもたらすことになるわけであります。家族の所得や構成状況に応じて住宅を売買しつつ住みかえて、健全な生活環境を生み出すことは望ましい居住水準を実現することでありまして、今後の住生活の一つの方向であると言ってもよかろうと思います。しかしながら、中古住宅の流通市場は客観的に見てまだ満足できるような体制になっていないのが現状でございます。したがって、中古住宅の取引をできるだけ公正に円滑なものにするための流通市場の整備と機能の強化が一段と大切になると思われます。建設省はどのような方法で不動産業者、金融機関等を監督されようとするのか。特に業界内の情報機能の拡充強化と対象物件の価格査定の公正化は、信頼できる流通市場の形成を計るための必須の条件であると思いますが、これに対して大臣のお考えをひとつ承りたいと思います。
#40
○国務大臣(竹下登君) この中古住宅の取引の公正、円滑化のために、流通市場の整備あるいは不動産業、金融機関等の指導監督、情報機能の強化、対象物件の価格査定の公正化、これがいま御指摘のとおり、ますます必要になってくるというふうに私も考えております。したがいまして、これはいろんな具体的な問題もございますが、やや整理いたしまして計画局長からお答えをさしていただきます。
#41
○政府委員(大塩洋一郎君) 御指摘のような点につきましては、個々具体の問題について申しますと、業者の指導でございますが、従来から宅建業法という法律がございまして、信託銀行など金融機関を含めます宅建業者に対しましては、不公正な取引をしたというようなときにはそれぞれの罰則の規定等がありまして、それらの規定によって指導監督をしておるところでございますが、今後におきましても消費者保護あるいは流通の円滑化という見地から指導監督をこういう面で一層進めていく必要がある。
 それから不動産情報機能の強化の問題につきましては、現在でも業者が自発的にあるいは共販会とかあるいは売買情報センターというようなものを設立する動きがございますが、こういった民間の自主的な動きは、消費者の選択の機会を拡大するという意味からいいましてもいいことでございますから、これを助成していくという方向と、それから今後人口が流動化する全国的な流動化に対しまして、これらはいま首都圏が大体中心になっておりますけれども、これを首都圏のみならず全国的な体制に整備するように、また合理化を図るようにしていくという方向で指導してまいりたいと考えております。
 さらにまた、価格査定の公正化の問題につきましては、先ほど申しました、著しく不公正な取引をしたという場合には宅建業法の規制が行われますけれども、一般的には価格は当事者間の合意に基づくものでありますので、その査定ということは、介入して査定するという行為はなかなか困難が伴います。そこで、われわれは、地価公示法の一条で言っておりますように、地価公示がなされている場合にはその趣旨を尊重して行えという規定にのっとりまして、民間の取引に関しても業界を通じて指導するという面と、それからまた最近ようやく活用されておりますが、鑑定制度、これを活用するようなそういう環境、よき慣行を普及させまして価格形成の適正化を図る、こういった方向で不動産あるいは中古住宅を中心としてもいま論議になっておりますが、これは不動産全体の問題でございますが、こういう流通の円滑化という面において指導を強化してまいりたいと考えておる次第でございます。
#42
○小谷守君 関連公共利便施設融資に対する償還期間等の統一について住宅局長に伺いますが、公庫の貸し付けにかかる関連公共利便施設について、その償還期間及び据え置き期間の延長を図られたことは、地方公共団体の財政負担を軽減する措置として一つの前進であると思います。しかし、住宅公団の立てかえ制度と比較して、償還期間についてはまだ五年間の開きがありまして、短くなっている等の違いが見られるのでありますが、住宅公団の制度に符合するような措置がとられなかったのはどういうわけであるか。
#43
○政府委員(大塩洋一郎君) 住宅公団あるいは宅地開発公団に比べまして、公庫の対象の県市あるいは公社、民間、こういった事業が償還期間や御指摘の据え置き期間中の利子等につきまして差がございます。
 その理由は、公団はいわば県境を越えるような広域圏の住宅難の解消を目的とするところの宅地開発事業を行うことを任務としております。したがいまして、地元のためというよりは、その事業が行われる地元の人たちのためというよりは、広く首都圏なら首都圏、近畿圏なら近畿圏という圏域内の人たちのために行うという性格を持ったそういう事業でありますので、そのような事業のために地元に過大の負担をかけるということにつきましては、少なくともより手厚い助成をなされてしかるべきではないかと。これに対しまして、住宅金融公庫が貸し付けを行います対象は県であり市であり、またはその出資にかかる公社である、いずれもいわば地元性と申しますか、そういう地域に密着した度合いか強いので――公団と比較すれば。したがって、住宅公団等との間には若干の差があってしかるべきではないか、こういう考え方に立ったのでございます。
 もちろん一般的に申しますと、地方財政論という立場から言えば、だれがやろうと、やらなければならない地方公共団体の財政は苦しいと、こういう面から言うならば、むしろ差別しないで一律にすべきではないかという議論もあり得るし、事実またこの制度をつくります際に、関係省庁との間にもそのような議論がなされたのでございますが、やはりこれは一般的な地方財政の援助の措置ではなくて、宅地開発という特定の事業に伴って生じました負担に対しまする助成でございますから、そのような事業の目的あるいは性格によって差があるのは当然ではないかという結論に達して、若干ではありますけれども、そのような差をつけたのでございます。しかしながら、たとえば据え置き期間中三・五%と、いま御指摘いただきまして、相当改善を見たとおっしゃいましたように、こういう超低利の措置は金融公庫の貸し付けの中でも激甚災等の貸し付けを除きましては例を見ない低利子でございまして、相当われわれとしましては思い切った措置をとったというふうに思っておるわけでございますが、しかしながら、これで十分だというふうに考えておりませんので、そういう差はつけてみましたものの、そういう実施の状況を見ながら事業の円滑化のために今後とも地元の負担に苦しんでいるという実情に合わせた助成の拡充に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#44
○小谷守君 民間住宅の建設誘導についてのお考えでありますが、今後の住宅建設を考える場合に、第三期計画でも明らかなように量と質、特に質の向上に大きなウエートが占められておる。政府施策住宅は別として、民間住宅の建設に対し、計画どおり建設される方向で土地問題を含めどういう誘導策をとられるか、これを伺いたいと思いますのと、住宅金融専門機関の育成策をお持ちであるかどうか。
 現在、住宅金融、住宅ローンサービス等、住宅金融専門四社の融資申込件数が増加しておると言われておりますが、金融緩和とともに根強い住宅建設需要のあらわれでありますが、四社が一カ月間に受け付けた融資申込件数は、昨年後半での月間三千六百件程度のベースであったものが、今年の二月には四千二十二件、三月には四千五百三十七件と増大傾向にあり、融資実行額は高水準が続くと見込まれております。しかし、こうした住宅金融専門会社も、そのローン原資の相当部分を銀行、生命保険会社等からの借り入れに依存しておるために、金融情勢の変化に敏感に反応する傾向が強く、きわめて不安定なものであると言えるのではなかろうか。
 このことは住宅金融専門会社の創設そのものの歴史の浅いこともありましょうが、特に指摘されなくてはならぬ問題は、独自の資金調達機能に欠陥があるのではないか。これは設立経過からくる問題とは思いますが、資金調達が母体の金融機関からの出資、借入金に依存しておるためであって、金融情勢の影響を直接に受けることになり、資金調達の安定性が保証されていないことにある。また、金融組織の中での位置づけも不明確であり、さらには営業地域が大都市地域に偏在しておる点もあります。したがって、今後、将来における住宅金融の分野で、政策金融のあり方とともに民間住宅金融の安定的な確保を期する助成及び調整機能を推進する必要があると考えるのでありますが、建設大臣の民間住宅金融に対する考え方と指導姿勢、住宅局長には、従来から本問題には住宅審議会の小委員会等で検討された段階でタッチされてまいっておると思うので、その方法論と実際性についてお伺いをしたいと思います。
 時間がありませんので一括して伺いますが、民間金融機関が現在行っている住宅ローンに対する資金の流動性を図るため、住宅抵当証書制度を拡大するとともに、公庫が抵当証書の売買を行えるようにする等の措置を検討していると言われておりますが、その検討の経過はどうなっておりますか、これは公庫総裁に伺いたいと思います。
 そうして、住宅金融専門機関を育成し拡充させるには、独自の資金調達手段の開発及び助成措置が必要である。資金調達手段としては抵当債券制度があるが、債券市場が狭小、金融秩序面から債券発行銀行との競合等の問題があり、また住宅ローン債券信託制度の活用もありますが、機関投資家等の引受側の資金量の限界もある。わが国の歴史の浅い住宅金融専門機関を育成するには、当面は資金調達についての対策についてどうするかが一つの課題であると思うのだが、この点に関してどのような方法及び手段をお考えになっておるのか、政策金融にタッチしておられる住宅金融公庫総裁のお考えを伺いたいと思うのであります。
#45
○国務大臣(竹下登君) 小谷委員御指摘のとおり、民間自力建設によります住宅に対する重要な役割りを果たす各種の住宅に対する税制上の措置でございますとか、これらも今後さらに検討を進めてまいらなければならないところでありますが、民間住宅金融の安定的拡大ということが一番必要なことであると思うのであります。そこで、住宅金融というものについては二つの面、すなわち住宅政策として私どもがこれに当たっていく面と、いま一つは金融制度そのものとして検討していく面との二つの面があろうかと思うのであります。それを、浅い歴史の中でどこに調和点を求めていくかということを模索しながら今日まで来ておるわけでありますが、私も小谷委員の御指摘のとおり、これ心配いたしますのは、確かに非常に数字的に見ましても住宅ローンに対するシェア、これは順調に伸びておると今日は一応数字の上では言えると思うのであります。しかし、それが実際問題としては、いわゆる高度経済成長から減速経済への転換の中に、一般的な産業投資あるいは設備投資、そういう意欲が従来に比べればうんと低いわけでございますから、そこで政策的ではなく、必然性をもって住宅金融の方のシェアがふえてきたということも考えてみなきゃならぬではないか。そうしますと、これからある種の景気刺激策を遂行していきますと、それに連動する形で住宅金融というものが、住宅ローンがないがしろにされる危険性が全くなしとは私は言えないと思うのであります。これを住宅政策を預かる私としては、いわゆる金融政策を預かる大蔵省あるいは日本銀行等に対して厳重に監督、指導方をお願いしますとともに、私どもも注目をもってこれに当たっていかなければならない、こういう基本的な考え方を持っております。
 それから住宅抵当証書制度、これもいま相互銀行、信託銀行も引き受けを行っておるところでありますけれども、関係当局に要請しまして、もっともっとこの拡充を図るように私の方から要請していかなければいかぬ。総じて、せっかく住宅政策としてとらまえた住宅金融というものが、ある意味において設備投資等が鈍化したのに支えられて順調な伸びをしたということも一面言えると思うのでありますので、そういうものをよくにらみながら一層の拡充に努めるように、私どももこれは住宅政策として指導しますと同時に、金融政策の面でも強力な要請を絶えず続けていきたい、このように考えております。○政府委員(山岡一男君) 住宅融資専門機関の育成策はどうかということでございました。一番のいい方法としましては、やはり独自の資金調達能力をつけることだというふうに考えておりますけれども、その点につきましては、ただいま大臣からお話ございましたように、住宅政策の面だけではなくて金融政府の面の中でも十分今後検討されるべき問題だと思います。
 それからさらに、先般、おととしでございましたか、金融制度調査会、大蔵省の調査会でございますが、そこで民間のいろいろな銀行なり専門会社というのはコマーシャルベースで融資を行っている、それらに対して資金量をふやしたり、もしくは低利にするというような助成策を講ずる場合には、何らかの国なりその他の公的団体の援助が必要だというような提言がされております。その中の有力な手段といたしまして、抵当証書の流通等もその一つの手段であるという提言がされております。われわれもそれも受けておりますし、住宅審議会でもいろいろと議論をいたしまして、後で総裁から御報告いたしますけれども、リファイナンス機構というのを要求いたしておりまして、それの当面の対象として専門金融機関も、住宅金融の専門会社も対象に取り上げたらどうかというのがわれわれの最近の考えでございます。現在のような金融情勢でございますので、直ちにリファイナンス制度が実現するというような情勢ではございませんでしたけれども、今後もそういう方向で検討を続けてまいりたいと思っておる次第でございます。
#46
○参考人(淺村廉君) ただいま住宅局長からお話がございましたとおり、住宅金融公庫といたしましても、公庫自体の金融はもちろんのことでございますけれど、やはり民間の住宅金融が伸びてもらいませんと効果が十分発揮できないのでございます。民間の住宅金融がある時期に非常に伸びたり、ある時期に非常に引っ込んだりするのでは困りますので、そういうことを建設省といろいろお話をいたしておりましたわけでございますが、ただいま先生からお話がございました、住宅抵当証書を買い取る制度というようなものを昭和四十九年ごろから予算要求をさしていただいております。まだこれは実現はいたしておりませんが、考え方としては、私どものようなこういう機関か財投資金を借りたり、あるいはみずから債券を発行したりして、民間の住宅抵当証書を買い上げて資金を供給してあげる、五年ぐらいな期間で楽にしてあげるというようなことをやったらどうかということでございます。これはいろいろ議論がございますので、ただ私は、いままでそういうことと取っ組んでまいったということを御報告するだけでございますが、いずれにいたしましても、民間のローンがどんどん安定した形で伸びるように私も立場上非常に切望いたしておるわけでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#47
○遠藤要君 まず、建設大臣にお尋ねをしたいのです。これは大臣としてのお答えをいただくか、竹下衆議院議員としてのお答えになるか、まあ答え者の自由でございますが、私は、皆さんも御承知のとおり、竹下建設大臣と言えば国会においての議会運営のベテラン、また議会に一番精通している人というと竹下さんだと、こういうふうなことで承知をいたしておるのですが、このたび建設省が中心となってこの住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を上程された。それが、自民党から社会党、公明党、共産党、民社党と、各党が一致して修正議決をしたというような点、また大臣自体もよく御承知のとおり、今度のはいろいろの点を政令で決める、そういうふうな点等の感じに対して、大臣として一体どういうふうにお考えになっておるかをまずお聞きしておきたいと思います。
#48
○国務大臣(竹下登君) まあ国会運営というのは、学識経験――学識ではございません。経験者という意味で、そういうところへ触れていくこともあるかと思うのでありますが、私は今度この全会一致で御修正いただいた背景というものは、これは国会議員の先生方の建設省に対するまあ鞭撻のあらわれじゃないかというふうに思っております。
 七分五厘口と五分五厘口と二つできれば、当然財政当局からしては、将来この七分五厘口のシェアを広めることによって、従来のいわゆる政策金融である利子補給を伴う五分五厘口というもののシェアがだんだん攻め込まれて狭くなっていきはしないか、そういうことに対して将来建設当局と財政当局とが予算になれば知恵比べをして、お互い丁々発止の知恵比べをすることに相なりますので、それの支えをひとつこの修正によってしてやったらいいじゃないか、こういうふうな配慮が私は――これはれは建設大臣というよりも国会議員の一人として、まさにそういうふうな感じでもって受けとめておるわけであります。
 附則の中で「当分の間」となっておりますが、当分の間とは、これは半年の場合もありますし、百年――百年の場合もそういう当分の間という言葉は使えるようでございますけれども、そういう支えが修正となってあらわれたんではないか。
 それから逆に、今度は建設大臣として考えたときに、それは私どもが予算のときで勝負をいたしますので、それはひとつ御鞭撻だけで私どもにお任せくださいというのも、原案提出者としては一つの姿勢ではないかと思いますものの、総合して判断するとき、私は公式な言葉としては、修正案に対する意見とすれば、これはやむを得ざるものと思いますと、こういうことに、いわゆる閣議決定に基づく政府意見としては決まり文句でもってそういうことを答えることになっておりますが、背景としては、私はこの修正に至る御激励の趣旨を体して今後努力していかなければならぬ、そういうふうにこれについては理解をいたしておるわけであります。
 いま一つは、この政令委任の問題でございますが、特にこの財投資金というものは、これは連動をいたしまして、いま法律を伴う――連動するものでございますだけに、大体一つ一つを法律事項にした場合、言ってみれば連動したものがダウンしておるにもかかわらず、ある期間高いもの、国会において法律改正をしていただくまではそれを適用せざるを得ない状態というようなものがないためには、この限りにおいては連動制というものは政令委任をしていただいた方が妥当な措置ではないか、こういうふうに考えるわけであります。ただ、いずれにしても先ほど小谷委員にもお答えいたしましたように、昭和二十五年以来、一体改正を行っていない年はいつだろうかと数えてみるほど、改正を行っておる年度では二十回、そして一年度の中で四回そういう改正をしたこともございますので、そういう長期的な過去の積み上げの中で、ある時期に、きょうもお答えしましたように、いまの連動制の問題は別としましても、政令委任の分野とこの法律の分野とについても整理していかなきゃいけない時期に到達しておるではないかという、そういうような認識を持っております。
#49
○遠藤要君 小谷委員と重複する点は何分避けたいと思いますが、多少重複する点は御了承をちょうだいいたしたいと、こう思うんですが、住宅金融公庫の融資の大幅な増加によって住宅建設促進の施策が実行されてきましたが、御承知のとおり、公営住宅や公団住宅の建設が行き詰まっておる。その中において公庫住宅のみが大幅な増加を示している、これは国民の住宅金融公庫に対する期待が非常に増加していることである。本年から発足いたしますところの第三期の住宅建設五ヵ年計画におきますように、公庫住宅のその位置づけ、あるいは住宅金融公庫の役割りについて簡単にひとつ御説明を願いたいと思います。
#50
○政府委員(山岡一男君) 第三期住宅建設五ヵ年計画におきましては、総建設戸数を八百六十万戸といたしております。そのうちで低所得者層、老人、母子、身障者世帯、都市勤労者の皆さん等を対象といたしまして三百五十万戸の公的資金による住宅を準備いたしております。その中で住宅金融公庫は五四%のシェアを占めておりまして、百九十万戸ということで非常に重要な位置を持っております。これは第二期住宅建設五ヵ年計画の実績とほぼ同様のシェアでございます。住宅金融公庫に相当依存度が高まっておる理由といたしまして、国民の持ち家需要が根強いということ、今後住宅取得におきまして金融依存度が相当高まるというふうに予想されること、それから経済の安定成長下におきましては住宅の貸し付けの金利が大きな意味を持つということでございます。それらを勘案いたしまして、住宅金融公庫の個人住宅融資に対する国民の要望が一層増大するということが予想されますので、そのようなシェアを考えたということでございます。
#51
○遠藤要君 第三期住宅建設の五ヵ年計画は住宅の量よりも質ということの充実を図ろうというようなことであるというふうに聞いておりますが、具体的に居住の水準の目標を設定しておりますか、その特色、あわせて公庫の個人住宅融資の貸付対象住宅の規模を年々拡大させて、少なくとも五ヵ年計画の終了のときは、昭和五十五年には公庫の融資を受けて建設されるすべての住宅が、計画の中で述べられておるような平均的居住の水準を上回る住宅になるように努力するべきだと、こう考えておりますけれども、貸付対象住宅の規模の拡大は、貸付対象住宅の質の向上に対する方針等を明らかにしておいてほしいと思います。
#52
○政府委員(山岡一男君) 第三期住宅建設五ヵ年計画の居住水準におきましては、最初に小谷先生の御質問に大臣からお答えされましたとおりに、最低居住水準、平均居住水準というのを決めておりまして、最低居住水準は六十年までにはなくす。五十五年までにその半ばをなくす。それから昭和六十年には大きい方の平均居住水準を少なくとも国民の皆さんの五〇%には保証するというようなことを念願に置いております。そのようにいたしますと、ストックが従来脆弱でございますので、今後供給いたしますフローの住宅におきましては相当規模が大きくなければならぬというふうに考えておりますが、特に公庫融資によります個人住宅の規模といたしましては、昭和四十九年度では全国平均で九十六・四平方メートル、それから昭和五十年度では亘平方メートルということになっております。毎年向上してまいっております。
 居住水準の目標は家族の人数に対応いたしまして五ヵ年計画では定めておるわけでございますが、五十年度の公庫の個人住宅建設の平均の家族数は四・一人ということでございます。したがいまして、相当部分がこの五ヵ年計画で想定いたします平均居住水準にすでにフローとしては達しつつあるということが言えると思います。実際の融資額の算定の基礎となっております規模につきましては、現在木造及び組み立て耐火が七十平方メートル、マンション購入では七十六平方メートルとなっておりますけれども、こういうふうな公庫融資を受けて建っております住宅の実情にかんがみまして、今後もその拡大には大いに努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
#53
○遠藤要君 大臣にお尋ねしたいと思うのですが、個人住宅の建設資金の貸付限度額は、大臣御承知のとおり四十八年度は二百五十万、四十九年度は三百五十万、五十年度は四百五十万といずれも毎年大幅に引き上げられております。これが五・五%という低金利とともに公庫融資に対する国民の人気が増大しているという要因でもございます。しかしながら、五十年度の貸付者を対象とした調査で、総建築工事費に公庫借入金の占める割合は四六・六%にすぎないという結果が明らかになっております。まだまだ公庫の貸付限度額が低いことが判明しております。これは標準建築費が不当に低く抑えられているということでございます。この際、標準建築費を実勢価格に近づける努力を行っていただきたい。貸付限度額を大幅に引き上げていただきたい。こういうふうに思いますけれども、特に私は大臣にお伺いしたいのですが、このようにして毎年大幅な引き上げをされておったのでございますが、国民すべてが、与野党を問わず、国会においても竹下建設大臣ならばとわれわれは大きく期待しておったのですが、その竹下建設大臣の就任になった五十一年度は残念ながら引き上げも実勢価格も貸付限度の改定も行われなかった。そう理由もあわせてひとつお聞かせを願いたい。また、今後その面の改善に対する大臣の所感をひとつお尋ねしておきたいと思います。
#54
○国務大臣(竹下登君) これは遠藤さん御指摘のとおりでありまして、五十一年度の個人住宅の貸付限度額は、まあ言ってみれば資材、労賃等がほぼ安定的に移行して、建築工事費等も前年度に比べてほぼ横ばいの状況下にあるという認識によりまして、限られた政府資金をできるだけ多くの融資希望者に行き渡るようにしようということが貸付限度額を据え置くこととしたゆえんのものであります。元来この建設省という役所は、すべて実勢単価によるという物の考え方でございますので、一般論として地方公共団体等から、言ってみれば超過負担の問題とかそういうことは、比較的おまえの方はよくやっておると言われる役所でありますだけに、このいままでの経過、いま御指摘のとおり顧みましても、まさに四十六年度九十五万円から始まりまして、四十七年度が百五十万、四十八年が二百五十万、四十九年が三百五十万、五十年で四百五十万にたどり着いた。こういう従来の実績からすれば、これは横ばいであるということについては、それなりの御指摘は私も肝に銘ずるところであります。ただ、先ほど申しましたように、いわば物価問題が安定基調というところに力点が置かれ、そして一応消費者物価等におきましても前年同月比一けたというものの公約が果たし得たという中において、私は限られた資金をより多くの人に利用していただくという意味において、四百五十万の横ばいになったということはやむを得ざることではなかったかと、こういうふうに思うわけであります。しかしながら、今後の建築工事費等の推移を十分注意を払いまして、今後貸付対象規模の拡大を図る等、貸付限度額の引き上げに今後努めてまいるという姿勢は御支援をいただいて貫いていきたいというふうに思っております。
#55
○遠藤要君 先ほど小谷委員からも質問がございました、公庫の融資に対する人気が高まっておる、その結果が御承知のように昨年の上半期の募集に対しては一日で締め切った、その後抽せんによって云々というお話があったようでございます。ところで、この公庫の、原則論として、貸し付けの原則として土地を確保している者に限定されております。そういうふうな点で、土地を購入できない低所得者階層からは公庫の融資というものは縁遠いものだという批判すら出ております。その中において、その低所得者がようやく四苦八苦して土地を求め、そうして融資の申し入れをして、抽せんによってということになりますると、宝くじに当たる以上の困難さを来す。そういうふうなことであっては私はならないと思うのですが、それに対して改めてこれからの選定についてひとつ総裁の御意見をお尋ねしておきたいと思います。
#56
○国務大臣(竹下登君) 総裁からお答えになります前に私から一言申し上げておきます。
 確かに国民の住宅建設に対する強い要望にこたえるためには、融資希望者に対しましては無抽せんで融資することが望ましいと、私もそのように思っております。で、私も就任しましてからいろいろレクチュアを受けながら、なるほど今日抽せんによって選ぶというところへ来たのも、いろんな生活の知恵という言葉になりますのか、政策遂行上の知恵とでも申しましょうか、いろんな従来のその都度都度の欠点を是正しながら今日にやってこられた。だから、前回の補欠の方でありますとか落選者の方でありますとかの当選率を高めることによって、結果からすればこの方々は全員今度お入りになるようになるわけでございますが、そういういわゆる工夫、知恵というものが累積して今日になったのだなということを私も感じました。
 ただ、これは本当に御参考のためにでございますが、私なりにやっぱりある意味において奇異な感じを持ちましたのは、公庫そのものは沖繩公庫の中の業務でございますので直接所管ではございませんけれども、住宅政策全体を取り扱うものとして調べてみますと、沖繩といえば大ざっぱに言って人口が百分の一、そうすれば十万戸であれば千戸と、こういうことが考えられるのでありますが、ところが沖繩へは従来のおくれを取り戻すという意味で二千五百戸が用意された。そうしてこの応募状態を見ますと、沖繩の方が内地よりもはるかに高いわけであります。やっぱり四分の一世紀異民族の支配下におられて、住宅に対するニーズというものがそれだけのテンポが遅くしてこうなられたな、こういう実感を持ちまして、いろいろ話し合いをしました結果、五百戸ほどいわゆる下期分を繰り上げてこの中へ入れるべきではないかというふうな措置が、これは行政上から言えばまさに沖繩開発庁の方の指導でおとりになったわけでありますが、住宅政策を担当する私どもとしてもそれをおすすめ申し上げたわけであります。そういう地域的、あるいは経済的、社会的変化の中でいろいろな工夫できたものがいまの段階においては抽せん制度である。しかし、これは私も、いまからもちろん私だけで決められることじゃございませんけれども、下半期分、あるいは予算書に書かれてありますごとく、弾力条項の発動というものも経済情勢の推移、住宅需要に対するニーズというものも見合わせて考えなければならないところでございますので、いわゆる宝くじというような感じにとられないように何とか今後とも努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#57
○参考人(淺村廉君) 私どもの個人住宅の申し込みを抽せんによってただいま処理をいたしておりますが、その点につきましてはただいま大臣からお話がございましたとおりでございます。私どもは予算で決められました枠の中でやっておるわけでございます。できるだけ国民の大ぜいの方々に御満足をいただくように今後いたしたい。したがいまして、今回の受け付けが終わりました後も実態をよく調査をいたしまして、今後どういう方向にさらに持っていったらいいかというようなことにつきまして、建設省とも十分にお打ち合わせをいたして善処してまいりたいと考えております。
#58
○遠藤要君 さらに、土地費の貸し付けの問題でございますが、例外的に認められるのはどのような場合に認められるか、なおまた今後の問題として土地費を貸し付ける範囲を積極的に拡大される用意があるかどうかということをお尋ねしたいのであります。なお現在御承知のとおり、不動産業界は造成宅地が販売が進まない、営業不振で悩んでおりますことは大臣も御承知のとおりであります。これが解決のためには宅地購入資金の確保に対する公的な援助が必要である、公庫による宅地購入資金貸し付けが検討されてもよいのではないかと考えられますが、宅地購入に対する融資を行う用意があるかどうか、ひとつお尋ねをしておきたいと思います。
#59
○政府委員(山岡一男君) 現在、公庫融資におきまして例外的に土地融資を認めているところは何かということでございましたが、土地費につきましては、公共事業によります立ち退き者、それから公営住宅で収入が超過をいたしまして出られる方、国または地方公共団体による施策の実施に伴い移転の必要が生じた方、災害の罹災者及び良好な居住環境の確保された、計画的な集団的な宅造によりまして造成された土地を購入される方、こういう方々に対しまして土地の合わせ貸しを行うということにいたしております。その他当然のことながら高層住宅の購入につきましても土地費の融資を行っております。で、土地費の貸し付けにつきましては、原則としまして、いま申し上げたようなものについての合理的な利用を図る団地形式のようなもの等につきまして融資をしてまいったわけでございますが、今後必要に応じまして土地融資を行う貸し付けも事情をよく見ながら拡大してまいりたい、検討を続けたいと考えておる次第でございます。
#60
○遠藤要君 さらに、政令で定める貸し付けが、所得の多い者、規模の大きい住宅を対象とするならば、本来民間の金融機関が担当すべき住宅金融の分野ではないか、この点についてお尋ねをしておきたいのであります。住宅金融における公的機関と民間金融機関の分野の調整に対する方針をひとつ明らかにしていただきたい。住宅金融公庫の融資は公庫法第一条に明記されているように、「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通する」、このようになっておりますが、それに徹すべきではないかと思いますけれども、その点、大臣いかがなものでしょうか。
#61
○国務大臣(竹下登君) これは住宅金融公庫法の第一条をいまお読みになりましたが、私もそれそのものがまさに一般市中金融機関からは融資困難なものを対象とする。ところが、現実どうなっておるかと申しますと、大体総建築費の中に占めます四六・六というものが住宅金融公庫の占めるシェアであって、それでそのほかはどうか、こう申しますと、民間金融で借入金が二六・九%、そして手持ち金が二六・五%、こういうことになっておるわけであります。したがって、今日個人住宅実質融資率というものから見ますと、まさに第一条の困難な人ではなくして、市中金融機関が公庫の足らざるを補完しておるという現実の姿になっておるわけであります。しかし、御指摘のとおり規模の大きい住宅あるいは所得の多い者に対する融資、これは民間金融機関で行うのが私も当然であると思うのであります。今回新たに設けます政令金利によります貸付制度は、第三期住宅建設五ヵ年計画が住宅の質の向上に重点を置いているところにかんがみまして、従来の公庫融資の対象よりも範囲を広げ、比較的規模の大きい住宅等について融資の道を開いたものでありまして、従来の利子補給による金利よりは高うございますけれども、まだ民間金利に比べてみれば相当低い金利ということになるわけでありますので、政策金融の対象を一部拡大したものでありまして、民間金融との分野についてはほどほどに調整がとれておるものではなかろうか、今後もそれぞれの分野につきまして促進、拡大の措置をとってまいるというのは、御指摘のとおりわれわれの政策の努力目標であるところであります。
#62
○遠藤要君 さきの質問者と多少重複いたしますけれども、衆議院において、御承知のとおり個人の住宅貸し付けのうち政令で定める貸付条件の融資の割合を一割以内とする旨の修正が行われて、一応われわれとして歯どめの措置がとられた、こう言っておりますが、なお、政令で定める貸し付けのうち、所得が比較的多い者、規模が比較的大きい住宅に対する貸し付けと、既存住宅購入に対する貸し付けの割合はどのように持っていかれる予定かをひとつお聞かせ願いたい。
 さらにいま一つ続けて、中古住宅の流通促進が強く社会的に要請されておる。先ほど小谷委員からも強くその点お話がありましたが、今日の一割の枠内でできるだけ多く既存住宅購入費資金の貸し付けに回すべきと考えますが、この点に関する御方針を重ねてお尋ねしておきたいと思います。
#63
○政府委員(山岡一男君) 昭和五十一年度におきましては、新しい政令金利によります貸付金といたしまして全体で一万戸でございます。そのうちで、既存住宅に対する住宅貸し付けは二〇%の二千戸を予定いたしております。で、政令によります七分五厘の一般貸し付けを八〇%の八千戸というのが五十一年度の予定でございます。
 今後のシェアをどうするのだということでございますが、いま先生おっしゃいましたように、既存の制度に加えまして一割という歯どめがつけられております。その範囲の中で今後検討するわけでございますので、いま直ちにどうもこのようにしたいということは申し上げる段階でございませんけれども、既存住宅を今後募集をいたします、それから新しい新築住宅の募集もいたします。そのものの推移を見まして、それぞれの貸付種目に対する需要の実態等を勘案しながら、今後実勢に即して弾力的に運用してまいりたいと考えておるのが現在でございます。
#64
○遠藤要君 四十八年の秋に実施されました住宅の統計調査で、住宅数が世帯数を五%も上回るという結果が明らかになっております。また、ライフサイクルと住宅の関係からも既存住宅の流通の促進を図ることが要請されております。今回の改正で住宅金融公庫が既存住宅購入に資金の貸し付けができることになったことは、この意味においてはきわめて適切な措置だと思いますが、既存住宅に対する担保価値の評価等は、先ほど小谷委員からもこれまた御質問がございましたが、非常にむずかしい問題と思いますが、まず既存住宅に対する具体的な貸付条件について御説明を願いたいと思います。また、貸付審査に当たって担保価値の評価をどのような方法でされ、その適正化をしようとされているかを御説明ちょうだいいたしたいと思います。
#65
○政府委員(山岡一男君) 昭和五十一年度におきます既存住宅貸し付けにつきましては、既存住宅貸し付けに伴います問題点の解明を第一としたい、そして制度の確立を図るということも主眼にいたしたいと考えております。
 当面、価格の評価が非常に問題でございます。したがいまして、戸数も少のうございますので、そういう評価の便宜等も考えまして高層共同住宅の購入から実施をしたいという方針を決めたわけでございます。貸付対象となります住宅の規模、構造、質等につきましては、おおむね現行の新築マンション購入融資の条件程度を条件としたいと考えております。なお貸付基準の詳細につきましては、さらに具体化する場合にもう少し検討してみたいと考えております。その場合の担保の評価につきまして、先生おっしゃいますとおり非常にむずかしい問題がございます。本年は戸数も少のうございますが、原則として地方公共団体に審査を委託いたしましてその適正化を図りたいというふうなことを地方公共団体と協議をいたしておるわけでございます。
#66
○遠藤要君 時間もございませんので、大臣に最後にお尋ねしておきたいと思います。
 関連の公共利便の施設に対する貸付条件の改善については、本年度からその償還期間の延長、据え置き期間の延長等が大幅な改善が行われることになりましたが、公庫の貸し付けを受けて行われる地方住宅供給公社等による大規模な住宅団地の建設が行き詰まっており、現在単なる貸付条件の改善等ではどうにもならない抜本的対策が要請されております。建設省では、住宅団地の建設に伴う関連公共利便施設の建設に要する資金に充てるために住宅促進税の新設を検討中であるやにお聞きしておりますが、その内容等を明らかにしていただければと思います。いずれにしても膨大な経費のかかる関連公共利便施設の整備のために特別な財源を確保すべきと考えてますが、建設大臣のこの問題に対する所見をお伺いしておきたいと思います。
#67
○国務大臣(竹下登君) 遠藤委員御指摘のとおりであります。で、経過的には小谷委員の御質問にも答えたところでありますが、いま住宅促進税という問題につきましては、これは実際問題、大都市地域におきます産業の集中からいたしまして、これに伴う人口の集中によってまさに特に大都市圏の住宅需要というものは大きくなって、これが住宅団地の建設に関連いたしますとなると、当然のこととして公共公益施設の整備が地元地方公共団体の財政に大変な負担を与えておる。これがまさに小規模でありますならば、いわゆる地元性というものの中に感情的にも政策的にも吸収し得る問題でありますが、規模が大きくなればなるほどまさに、よく冗談で言われますように、千葉県あるいは埼玉県からお通いになっておる方々に、お住みになっている大規模団地の方々に、知事さんの名前はだれですかと言ったら、皆さんが美濃部さんとお答えになって、本当に住んでいらっしゃるところの知事さんのお名前はお答えにならなかったと、こういうことがよく言われておるだけに、それこそ財政的にもあるいはフィーリングとしても、人口御免、住宅御免と、こういう状態になっていることはこれはもう否定しがたい事実であります。
 それを何とか打開しようというのが、いま先ほど申しましたように計画局長を中心として国土庁、建設省でたたき台をとりあえずつくってみてくれ、その中には重要な一つとして、そういう税制の問題も当然その中の一つとして検討をいたしておるさなかでありまして、具体的に省としての構想を決定したという段階には至っておりませんものの、私もできるだけ早い機会にそのたたき台はつくって、そうしてある意味においてはオープンに議論をしてもらって、国民的合意を背景にして税制当局へも知恵比べをしなきゃならぬときに来ておる、こういう認識でございますので、遠藤委員の認識と私の認識はその限りにおいては一致しておりますが、いま省としての構想を決定したという段階にはまだ至っていないということをお答えとさせていただきます。
#68
○遠藤要君 最後に要望を申し上げておきたいと思うんですが、この住宅金融公庫法の一部改正に対して私は特に御留意願いたいのは、個人住宅の資金貸し付けの利子の問題については、法定金利によるということが基本であるということを十分ひとつ留意をしていただきたいということと、いま一つは実勢価格にこれをぜひひとつ近づけていただきたいということと、貸付限度額をやはり竹下建設大臣だなと言われるようなひとつ引き上げを御努力願いたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
#69
○委員長(中村波男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十五分開会
#70
○委員長(中村波男君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#71
○矢原秀男君 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたしますが、その前に住宅金融にかかわる基本的な問題について若干お伺いしたいと思います。
 戦後三十一年になりますけれども、わが国経済もGNPでは自由世界第二位の規模に達しております。しかしながら、国民生活においては随所でそのひずみが散見されております。まああらゆる面で国民階層からその政策の見直しが叫ばれている現況でございますけれども、中でも最も立ちおくれておりますのが住宅という生活の基礎部門であります。その意味で住宅問題の解決は、政府の政策運営の基本的な課題でもあろうかと思います。
 そこで、現今の住宅問題は量、質ともに、あるいはどの階層を主眼として改善を図るべきかなど課題は山積しておりますけれども、今後どのような住宅行政を推進されようとなさるのか、まず建設大臣の所信をお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(竹下登君) 矢原委員にお答えをいたします。
 この住宅行政に対するニーズが大変高まると同時に、いま御説のとおり変化をしてきておるということは私も同感であります。したがいまして、政府といたしましても、大きく今後の五カ年間における公共投資、これは政府あるいは地方団体等のベースにおきましても、住宅に対する投資というものが傾斜がかかってきておるのも御承知のとおりであります。そういう背景を受けとめましてこのたび閣議決定をいたしました住宅建設五ヵ年計画でありますが、これは住宅宅地審議会の御答申をちょうだいをいたしまして、言ってみれば今後の住宅政策の基本路線がこれでもって一応しかれたという感じがいたしておるわけであります。
 特に、最近地価及び建設費が鎮静化してきておりますものの、住宅価格はすでに高値安定の感を免れませんので、今後は適正価格の宅地が必要な量を確保できるよう宅地対策を強化いたしますとともに、住宅生産の工業化の推進によりまして建築費のコストダウンを図るよう努めてまいりたいと考えております。また、近年新たに供給されます賃貸住宅の家賃が上昇しておりますので、今後国民が適正な家賃負担で入居することが困難となるおそれが生じてきております。さらに既存の公的賃貸住宅の家賃が低廉のまま据え置かれており新旧家賃の不均衡の拡大があります。あるいは社会的不公正を増大させておりますほか、入居者の居住水準向上の意欲を阻害している面も認められます。したがって、応能家賃制度の導入をも含めて、家賃制度が今後どうあるべきか、これは時間をかけて検討してまいりたいと考えておるわけであります。
 いずれにいたしましても、先ほどの御意見のとおり、住宅というものがいわば成長から暮らしへという大きな政策転換の中に占める比率が大変重大でございますので、この機会にあえて申し上げさしていただきますならば、ああして矢原さん所属の政党からも住宅基本法がすでに提案されております。そういう中身につきましても私どもといたしまして非常に評価するところも多々ございます。したがって、政府としても住宅基本法というものをつくらなければならぬという方針でもありますが、いま最後のところで申し上げました、なかんずく家賃問題等につきまして、私は本当はかねてから、たとえばあらゆる料金を決めます際に、電気料金学という学問がありますと同じように、家賃学というものは大学の講座にあってしかるべき性格のものであるということから、どこかで大所高所に立った学識経験者の皆さん方の知恵をかりたいと思っておりましたところ、幸いに住宅宅地審議会の方で自主的に小委員会をつくって家賃問題等も今後の住宅政策の大きな一つの柱として検討してやろうという自発的なお申し出をいただきまして、大変感謝をしてそこで検討をお願いをしておる段階でございますので、私はそうしたものを踏まえながら、今国会は事実上住宅基本法を提出するに至りませんものの、そういう方向で引き続き深い検討を続けて、それらも含めて第三次五ヵ年計画の中に一つの方向を示しましたものの、基本的なものを定めるための基本法等を引き続き勉強さしていただくことによって住宅政策への姿勢を示していきたい、このように考えております。
#73
○矢原秀男君 いま大臣から基本的なお話を伺いまして非常に意を強くする面もございます。どうかしっかりがんばっていただきたいと思います。
 そこで、私は、中期的に現在の住宅不足の実態、まずこれを黙視しておりますと――これは「住宅困窮世帯の状況」、建設省住宅局で作成されたものでございますが、昭和四十八年度も、全国的には「困っている」、そういう方々が二八%の意思表示、「大いに困る」は七%になっております。東京圏の困窮世帯も三九%、大阪圏の困窮世帯は四〇%、中京圏の困窮世帯は三二%というような数字が出ております。これは「持家」、そして「民借」「公借」、こういうふうなところの合計でございますが、いずれにいたしましても、いま住宅難世帯というのは、またその推移を見ておりましても、狭小過密な居住世帯であるとか、これが百八十九万六千世帯も四十八年ございますね。老朽住宅居住世帯が二十万八千世帯、こういうことでございますが、公明党が独自で前に調査をいたしました。そういう実態から見ておりますと、私は住宅統計――これは総理府統計局の分でざさいますけれども、いずれにしても建設省や総理府でやっていただいた以上に現実には非常に大変な苦しい実態、これが国民の皆さんの中から出ておるわけでございます。
 そういう現在の住宅に対するいろんな角度からの実態、そういう中から中所得層であるとか低所得層、こういう人たちにとっては厳しいものになっていることを私たち踏まえた場合に、もっと公共賃貸住宅の建設に力を注いでいかなくてはならない、こういうように思うわけでございます。これについては社会党の方も自民党の方も午前中質疑がございましたし、大臣もそれに対して非常に意欲を燃やしておられました、重複する点は少なくしたいと思いますけれども、こういうふうな現況の中で持ち家建設、これまた否定をするものでもございません。国民の持ち家志向というものが依然として強い現状、この面においても政府の十分な助成も期待をしたいと思います。しかし、持ち家建設については、政府の施策の欠如のゆえにそれが困難な場合が多いと思います。今日個人が住宅を手に入れる場合に、住宅価格と取得能力の差が余りにも大きいと思います。資金の大部分を借り入れないでこれを取得することは全くといっていいくらい不可能でもございます。
 そこで、大臣に質問するわけでございますが、より低い金利を求めて住宅金融公庫の融資に申し込みが殺到している。これは午前中も数字的なお話がいろいろと質疑の中へ出てまいりましたが、即日締め切らざるを得ないという現実を建設大臣はどのように考えていらっしゃいますか、お伺いします。
#74
○国務大臣(竹下登君) これは住宅政策全般といたしましては、いわゆる低所得階層でありますとかあるいは流動人口でありますとか、当然のこととして公営住宅というものが必要であるということは御説のとおりであります。が一方、どちらを従とし、どちらを主とするという考え方は別といたしまして、持ち家に対するニーズというものはいま矢原さん御指摘のとおりでございます。
 したがって、私はいろんなことを考えてみたのでありますが、いわゆる石油ショックの際、家を建てながら急激なインフレーションの進行によりまして、それがその後の持ち家政策に対してある種のブレーキになったと思うのであります。そうして高値安定という形におきまして地価あるいは建築費がやや鎮静化した今日、住宅取得能力、あるいはフィーリングの上でもそうしたものが五十年の上期から実際の数字となってあらわれ、それがまさにその日で締め切らざるを得なくなった。私どもはその実態を踏まえまして抽せん制度にかえ、そしてある期間受け付けの期間というものもいろんな工夫をして設定をいたしまして、少しでも不満のない形であるいは公正な行政ができるという立場に立って今日やってきておるんでありますが、このたびの受け付け、昨日抽せんをいたしましたものについてもますます住宅金融に対する要請というものが非常に強くなってきておる。ある意味におきましては、公庫住宅がそれなりに持ち家が取得できる階層の方をある程度広くしたということにも私は評価ができるんではなかろうかというふうな考え方を持っておるのでございますがゆえに、今後やっぱり国民のこうした要請にこたえていくためには、これはいろいろ御議論がございましても、住宅金融公庫という政策金融の中における住宅政策というものは、まずは融資の拡大を図っていく、そうして融資条件の改善等に一層これからも努力をしていかなきゃならぬ。そのことについては私も午前中も申し述べましたが、まさにこの法律が昭和二十五年に成立いたしまして法律になりましてから、二十数回の改正をしてきたということも、その都度都度のニーズに対応する姿勢であったがゆえにまた大変むずかしい法律になってしまったんでございますけれども、今後とも住宅金融公庫の融資枠の拡大とともに融資条件の改善ということには絶えず非常に細かい神経でもってこれに配慮をしていかなければならぬと、このように考えております。
#75
○矢原秀男君 二十五年に制定されまして、二十数回以上のいろんな適用の中で検討された、そういう複雑な形態も確かにございます。いずれにいたしましても、住宅金融公庫の資金量というものが限られておりますし、その融資を受けることができない人々、どうしても流れていくところは市中金融機関あるいは住宅金融専門会社の民間ローンに依存しなければならない状態でございます。
 四十九年度の住宅関係の全金融機関の貸出総額四兆八千六百八十五億円のうち、公的金融は一兆二千七百一億円でございます。全体から見ますと二六・一%にすぎないわけでございます。七三・九%の三兆五千九百八十四億円は民間金融に依存をしているのが実情でございます。つまり全体の四分の三近くが民間金融に依存している勘定になりますけれども、これらを踏まえた場合に、今日まで大蔵省並びに建設省としては住宅ローンについて具体的にどのような措置をとってこられたのか、また今後どのような具体的な考え方で臨んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。
#76
○政府委員(山岡一男君) 民間住宅ローンに期待するところは非常に大きいということは先生の御説のとおりだとわれわれも思っております。われわれといたしましては、民間住宅金融の拡大を図りますために、住宅金融公庫によります融資保険の制度の拡大、それからわれわれも民間にお願いをいたしまして、民間損保会社におきます住宅ローン保証保険の拡充、こういうものを図ってまいっております。さらに、特に住宅ローンの増強につきましては、直接の監督官庁でございます大蔵省に対しましても、住宅融資の確保につきまして強くお願いをいたしまして、適切な措置を講じていただいているというふうに考えております。
 なお、まだ実現をいたしておりませんけれども、いろいろと民間金融をふやすためのいわゆるリファイナンス制度等につきまして検討を重ね、今後も関係当局と協議してまいりたいと考えております。
#77
○矢原秀男君 大蔵省は国債、地方債の消化を図るため積極的に銀行を指導されておるというように伺っております。その結果、住宅ローンがいわゆる締め出し効果を受けているとも言われておりますけれども、特に五十年度の財政特例法に基づく大量の国債発行、さらに五十一年度予算の七兆円を超える国債発行によって、特に住宅ローンへの影響はないのかどうか、そういう点ももう一つお伺いいたします。
#78
○説明員(宮本保孝君) 大蔵省といたしましても、住宅金融につきましては、特に先般の引き締め期等につきましては私どもといたしまして数字的な行政指導をいたしました。これはわりと珍しい行政指導でございますけれども、総貸出高に占める住宅ローンの増加額約一〇%は絶対割ってもらっては困るというふうな指導もいたしてまいっておりまして、その結果、大体一〇%を超えるような状況でまいってきておりまして、最近は都市銀行等で見ましても限界シェア、いま申し上げました貸出増加額分の住宅ローン増加額の比率でございますが、一五%を超えるに至っておるわけでございます。
 先生御指摘の件は、これからいろいろ公共債、国債とか地方債がたくさん出てまいる過程において、これからじゃ一体どうなのかというふうな御心配かとも思いますけれども、その点につきましても、私どもといたしましては住宅ローンの重要性、国民の強い要請、また強い国策でもございます。少なくともいままでどおり、ないしはいままで以上の指導を続けてまいりたいと思っております。ただ、そのクラウディング・アウトの問題等につきましては、これはきめ細かな金融政策によりまして十分指導することができるんじゃないかと思っております。特にことしの下半期以降の資金需要について十分注目していきたい、こう思っております。
#79
○矢原秀男君 各種金融機関における住宅ローンの取り組み方を見ておりますと、非常に興味のある特徴が見られます。それは都銀、長銀など大企業と取引関係にある大銀行は、総貸出額に占める住宅ローンの割合が低いことです。たとえば五十年三月末の住宅ローンの残高割合は都銀、長銀ともに四・四%であるのに比べまして、比較的中小企業を取引相手としております相銀、信金が七・六%、それから八・九%と、都銀、長銀の二倍近いわけでございます。相銀、信金は規模も小さく利益も少ない弱小の金融機関であるにもかかわらず、利益の薄い住宅ローンに多くを割いております。一方、都銀などは利益が大きいのにその割合が小さい、こういう点に私大きな疑問を持つわけでございますが、まず建設省としてはこういう実態をどう分析して、大蔵省にどのような形で要請をされたことがあるのか、お伺いをしたいと思います。
#80
○政府委員(山岡一男君) 建設省といたしましては、やはり各種銀行を通じまして住宅ローンかふえるということが一番のねらいでございます。それで直接監督をしていらっしゃる大蔵省に対しまして、四十九年の八月であったと思いますが、計画局長、住宅局長連名で今後におきます住宅ローンの優先的取り扱いにつきまして、文書をもちまして銀行局長あてにお願いいたしました。それを受けられまして、先ほど銀行課長もお話ございましたけれども、適切な指導がなされておるというふうに考えております。
#81
○矢原秀男君 大蔵省に質問いたしますけれども、いま建設省から銀行局長あてに確かに民間住宅、宅地の供給に関する資金等々のいろんな問題でいまお話があったとおりでございますが、これを建設省からこういう形のものを受けて大蔵省としてはどのような指導をされたのか、具体的にお伺いしたいと思います。
#82
○説明員(宮本保孝君) 建設省から四十九年の夏に協力依頼の文書をちょうだいいたしました。御指摘のとおりでございます。それを受けまして、当時非常に引き締め下にあったわけでございますから、非常に厳しい日本銀行の窓口指導が続いておりまして、建設省からの御依頼ごもっともでございました。当時、都市銀行につきまして、先ほど私申し上げましたが、例の限界シェア、貸出増加額分の住宅ローン増加額が一〇%を割るというふうな状態に至っておったわけでございまして、これはやはり非常に憂慮すべき事態ではないかということもございまして、十月早々に銀行局長通達を各金融機関に発しまして、そうして特段の努力をするようにということを通達いたしました。それを受けまして、別途、口頭の行政指導で私が先ほど御説明申し上げました限界シェア一〇%を割ってはならないということで指導してまいってきておる次第でございます。
#83
○矢原秀男君 次に、大蔵政務次官の所見を伺いたいと思いますが、少なくとも私の考え方では、都銀とか長銀の総貸出額に占める住宅ローンの割合を、相銀あるいは信金並みに引き上げるようなそういう形が望ましいと思っておりますけれども、これらの点について行政指導すべきではないかと思っているわけでございますが、これらの点については、政務次官、どのような御所見を持っていらっしゃいますか、お願いします。
#84
○政府委員(細川護煕君) いま銀行課長からもお答えをいたしましたが、多少重複するかもしれませんが、最近の住宅需要の状況から見まして、住宅ローンの量的な確保が重要であるという認識に立ちまして、従来から民間金融機関に対しましては住宅ローンの拡大に努力をするように指導してきておるところでございます。
 特に、都銀に対しましては、先般の金融引き締め以降、住宅ローンの水準が落ち込まないように具体的な指導を行ってきたところでございますが、都市銀行の総貸出増加額に対する住宅ローンの割合は、いまちょっと話が出ましたように、ここ数年一〇%を超えておりますし、総貸出残高に対する住宅ローンの比率も着実に上昇してきておるわけでございます。それぞれ金融機関はその業務につきまして特色があるわけでございますから、住宅ローンについて一律に考えることは必ずしも適当でないかと思いますが、今後ともそれぞれの状況に応じまして住宅ローンの割合が高まるように指導してまいりたいと考えております。
#85
○矢原秀男君 これらに関連をして質問いたしますけれども、現在生命保険会社の住宅ローンの残高も五・四%と低いわけです。生命保険の資金は言うなれば国民の零細な資金の集積である、こういう一つの面から私は分析をしても間違いではないと思います。こういう意味から考えますと、長期安定的に資金が流入する一方、一定の率で流出するので利用可能資金が安定をいたしております。私はもっと大量に住宅ローンに回すことができるし、これは回すべきではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点、大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。
#86
○説明員(巣山庄司君) 生命保険の資金の特性にかんがみて、住宅ローンに積極的に取り組んでいくべきである、先生の御指摘まことにそのとおりであろうとわれわれ考えております。で、ただいま生命保険業界におきましては、四十九年度を初年度として五ヵ年計画で住宅ローン融資を積極的に拡大すると、そういう計画があるわけでございます。
 計画の内容でございますが、簡単に申し上げますと、五年間に一兆円住宅ローンを純増させると。で、ただいま貸出残高に占める割合が五・四%という御指摘がございましたが、この純増一兆円計画は貸出残高に対して二〇%というふうな比率で貸し出しを続けていくということでございまして、これが五年後には構成比率、推定では貸出残高に対して一五・八%上昇する、そういう計画を目下実施中でございます。
#87
○矢原秀男君 いま非常に前向きの御答弁いただいたわけで意を強くしておりますが、この点について私は保険審議会等にもいつも十分に諮って積極的な結論というものを出すべきであろうと思うわけですけれども、いまお話しのとおりで意を強くしておりますけれども、大蔵政務次官、こういう点についてはもう一言お伺いをしたいと思います。
#88
○政府委員(細川護煕君) 昨年の六月に審議会の答申が出たわけでございますが、その中で、生命保険会社が住宅関連投資に積極的に取り組んでいくこと、それからそのために生命保険会社の出資による住宅金融会社を設立することを要望しておるわけでございますが、これに基づきまして地方銀行と共同出資によります地銀生保住宅金融会社がこの六月一日に設立をされる予定でありまして、この面からも生保資金による住宅ローンの積極化が推進されることが期待をされておるところでございます。
#89
○矢原秀男君 ひとつこの点もよろしくお願いをしたいと思います。
 ここで、私は、住宅ローンを利用された方の実例というものを具体的に申し上げまして、どれだけおうちを建てるのに一般的に至難であるか、こういうことをまず申し上げてみたいと思います。
 この人の物件は、宅地約二百三十平米でございます。木造のモルタルかわらぶき二階建て一棟で約七十五平米でございます。五十年八月価額で千四百六十五万円、うち一千万円を住宅ローンにより資金調達をされておられます。借入先はある信用金庫、借入期間は十五年、返済方法は元利均等ボーナス併用で、金利は一一・二%でございます。この例の場合の毎月の返済額は九万一千九百十四円、そして年二回のボーナス支給時には十三万九千百三十四円支払っております。また、ボーナス時の支払い分を月にならして毎月分と合計いたしますと実に十一万五千円に上っております。このほか取得するときに諸費用といたしまして登記の免許税、建物表示登記料、建物保存登記料、司法書士規定報酬のいわゆる登記関係費用が十二万四千八百円、さらに住宅ローン保証保険料が十八万二千円、建物の火災保険料が八万百円、それらに必要な印鑑証明、諸印紙代等五千円、締めて三十九万一千九百円がかかっておるわけでございます。ごく標準的な住宅を取得するために、その三分の一の約五百万円を、生活を切り詰めて営々としてためてきた貯金を使い果たした上に、ローンの毎月の支払いが十一万円を超えているという状況はもはや本当に異常と言うしかないような現況でございます。
 ところで、五十年八月の住宅宅地審議会の答申では、六十年をめどに国民のすべてが最低居住水準を保障されることをうたい上げております。持ち家償還金の負担限度を世帯収入の二五%とされております。これをこのケースに当てはめると、月収四十六万円を超える所得層でなければならず、また現実にそうでなければとうてい支払い得ない負担であります。こういう現況を踏まえた場合に、このような住宅ローンの金利が大手を振ってまかり通っている現実を建設大臣並びに大蔵政務次官はどのように考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(竹下登君) これは矢原委員御指摘のとおり、私も事前に資料をちょうだいいたしまして分析をさしていただいた次第であります。で、それだからこそ住宅ローンの金利そのものが需要者の立場からは低いことがもとより望ましいわけでありますし、できる限りの引き下げが行われるよう関係当局に要請してまいりたいと思っておりますが、市場の実勢金利というものをまさにネグレクトするわけにもまいりませんし、実勢金利との関係があるだけにやはり一つの限界というものがあるではなかろうか。そう思えば思うほど、住宅ローンの金利が過重となる方々に対する助成と申しますか政策として、今後とも住宅金融公庫による低利融資の拡充、拡大を図っていくというのが、建設行政の中で見た住宅金融政策に対するやはり今日基本的な考えとして進めていかなければならない、このように考えておる次第であります。
#91
○政府委員(細川護煕君) いまおっしゃいました審議会の答申は、これは利用者にとっての一つのめどを示したものだと思いますが、信用金庫の住宅ローン金利について言えば、現在十一年から二十年もので九%から一一%台になっておるわけですが、これは各金庫によって若干の差があるものかと思います。それぞれ信金の資金コストなり、あるいは収益状況等の格差があるわけでございますから、ある程度金利に格差があることはやむを得ないのではないかと思いますが、いずれにしても金融機関としては今後とも経営の合理化を図って、できる限り多くの人たちが住宅ローンを利用しやすくなるように努力をしていくことが望ましいということは申し上げるまでもないことでございます。
#92
○矢原秀男君 確かにいま現実を見詰めておりましても、これは建設省関係の資料でございますけれども、「住宅取得能力の推移」というものを見ておりましても、勤労者世帯の年間収入等から見ましても、非常に急激に四十七年、四十八年、四十九年と地価が上がってきておりますので、取得能力というものがもうぐうっと落ち込んできておりますね。これはデータを見れば明らかでございます。
 いま私が申し上げましたように、持ち家償還金の負担限度が、国では、所得五分位階層の第三分位における標準世帯は全体の中で二五%程度、こういうふうになるわけでございますが、第三分位が四十九年度で推定は二百五十四万世帯になっております。これは年収が二百五十六万ですね。月収にいたしますと二十一万三千円になります。年払いであれば六十四万でございますが、月に二十一万三千円の収入から五万三千円の支払いというふうなのがこの二五%に該当するわけでございますが、この第三分位の数字だけを見ておれば、二十一万から五万三千、あと十五万残るから、毎月物価が高くてもいけるやないかというような形に見えますけれども、やはり生活の中にはいろんな角度の複合的な出費というものが重なっておりますから、現実的にはこの数字を見ると非常に大変だということを私は認識をするわけでございます。
 そういう観点の中から、いま質問を進めておるわけでございますが、住宅ローンの融資限度額は、現在各金融機関とも土地及び建物の購入価格の七〇%または個人年収総額の三倍以内のどちらか低い金額となっていると承っておりますか、いまのケースに当てはめると四百六十五万円の自己資金が必要であろうかと思います。これだけの自己資金を確保することは、生活態様が多様化しておりますので非常に至難ではないかと思うわけでございます。
 そこで、大蔵政務次官にお伺いするわけでございますが、先ほどからも御答弁をいただいて重複いたしておりますけれども、重ねてお伺いしますけれども、民間住宅ローンの融資限度額を引き上げることについてどうお考えでございますか、簡単で結構でございますからお願いします。
#93
○政府委員(細川護煕君) いまお話しの七〇%の限度あるいは年収の三倍以内という限度でございますが、これはやはり特に建物等の場合にその担保の将来にわたっての継続的な価値、そうしたものの変動も予測をされるわけでありますから、その辺のところは七〇%程度が妥当なところではないかなというふうに考えます。
  〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
 それから年収の三倍以内という点も、やはり将来のその返済の能力等を考えますと、これ以上これを引き上げることはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。
#94
○矢原秀男君 私も二月にちょうどアメリカへ行きましたときに、アメリカの住宅に対する勤労者の方々の考え方をお伺いをしまして、ロサンゼルスでは三十五歳の御夫婦に子供さんが一人、三人家族の御家庭へ私も一泊さしていただきまして住宅問題か――もちろんアメリカと日本では基本的に土地そのものから、国土から全然違うわけですから、比較相対は少しむずかしいわけでございますが、住宅問題で質問いたしますと、向こうでは中堅以上の会社に働いておれば、住宅は自由に自分の希望どおりのものが銀行等の融資で入ってくる。こういうことで、家に対してはまじめに働いておればそんなに心配はございませんというふうに話しておりましたけれども、たとえば、日本と違いまして、財産も何もなくても、ただ働いておるという、そういうまじめな保証等があれば銀行で希望の家をあっせんしてくれる。そうして自分が十年間でそこを出て次のところを求めようとすれば、それも自由にできる。そのかわり、二十年間の支払いとすれば、そのあとの十年は次に入った人が肩がわりをして払うという、そういう連帯的な制度というものをやっておりましたので、働いておる人の家に対しての不満度は全然ないと言っても過言でなかったわけでございますが、日本の場合は国が、土地が狭いわけですから、いきなりそういうことを同じようにやるということはできないと私も思ったわけでございますが、いずれにいたしましてもこの住宅問題は国民にとっては非常に大きな課題でございます。
 そこで、今度は論点を変えまして、金利の点から質問をしたいと思いますが、現在住宅ローンの金利については若干の配慮は確かになされております。
  〔理事松本英一君退席、委員長着席〕
 それでもその水準はまだ高いという判断もできるわけでございます。で、都銀では十年から二十年の場合には九%と言われておりますけれども、都銀の住宅ローンに対する取り組み方は先ほども指摘をいたしましたごとく鈍く、現実の問題として、相銀や信金あるいは住宅金融専門会社へ駆け込まざるを得ない場合が多いという数字が出ております。
 しかし、最も利用しやすいとされております信金では、地方によっては借入期間が最長のものでも十五年であったり、金利が都銀等よりも高いなどという問題点もございます。また、住宅金融専門会社に至っては、現在ですら十年から二十五年の期間で一一・四%という高金利でございます。で、住宅金融公庫などの公的金融によります比較的低い金利による融資か抽せんで外され、その融資が受けられず、さりとて都銀からは冷たくあしらわれてしまう、こういうことになりますと、行き着くところは住宅金融専門会社等のやはり高金利のところを利用せざるを得ないと思います。その結果、建てた家で楽しいはずの生活が支払いに追われて暗い日々を送らねばならないとすると、そこには国の福祉政策の一かけらも存在しないとも言わざるを得ないと思います。
 そこで、建設大臣並びに大蔵政務次官に御質問申し上げますけれども、いまの私の述べましたことを踏まえた中で、現在の民間住宅ローンの金利についてこのままの水準でいいと考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(竹下登君) お説のとおりでありまして、十年もの、二十年もので都銀で九%、そして現実には一一・四%の、いま御指摘のありました信用金庫でありますとか、あるいは住宅金融専門会社を利用せざるを得ないものが多いというのはこれは実態であります。私も実は、この昨年の追加募集をいたしました際の、公庫への申込者の方で落選をなすった人が今度ある種の優先抽せんの形の中でどれぐらいいらっしゃるだろかということに非常な関心を持っておったわけであります。結果から言いますと、これは私は素人でございますが、素人なりに考えておったよりも数は少なかったわけであります。で、この人たちがさればなぜ再応募されなかったかということを考えてみますと、それはやはり持ち家を持ちたいというニーズが先行して、いきなり自分たちでやっぱり模索しながらいわゆる公庫以外の民間金融ローンというものの方にかなりの方が吸収をされたんではないかというふうに考えられます。この実態は私も将来の住宅政策の中で大いに参考となることでありますので、どれだけの調査ができるかは別としまして、あるいは往復はがきで御返答願う程度のことであるかもしれませんが、実態をとらまえてみたい、このように思うわけであります。
 そこで、住宅金融専門会社ということになりますと、これは受信機能を持っておりませんので、住宅貸し付けの原資もその母体の金融機関から借り入れておりますから、それなりに幾らか高くつくというのは、これは私どももいわゆる金融機関、金融政策としてそれなりに理解をできるところでありますが、金利を引き下げるために資金コストの引き下げ及び原資調達方法の多様化、円滑化を図ることが必要であると思いますので、私どもの中の基本的な考え方は、住宅金融公庫そのものの拡充、拡大を図っていくということを主眼に置きつつも、一方、住宅金融に対しましては住宅政策の立場から今後とも関係当局に御検討をお願いして、原資調達方法の多様化、円滑化についての御努力を御要請申し続けていきたい、このように考えております。
#96
○政府委員(細川護煕君) いまお話がございましたように、都銀の二十年もので九%ということでございますが、長期プライムレートあたりに比べますと、それでも〇・二ポイントばかり下回っておるわけでございまして、その意味ではある程度、かなりと言うといかぬかもしれませんけれども、ある程度優遇された金利水準ではないかと思います。まあいずれにしても民間金融機関に対しまして、その採算の枠内でできる限り住宅ローンの利用者に配慮してもらうように、従来どおりの指導方針で臨んでまいりたいと考えております。
#97
○矢原秀男君 「貸付金利の推移表」をいま私は見ておるわけでございますが、五十年十一月三十日現在でございますが、一般住宅の貸付金利の中で四十七年度に個人住宅の場合でございますと、一般が五・五%の金利が四十八年度は五・二%に下がったわけですね。四十九年度はまた五・五%になり、こうずっと来ているわけです。ここで分譲住宅の公的分譲を見ると、五・五から四十八年度は五・二%に下がっている、こういう状態。また、賃貸住宅の一般賃貸もそうですね、五・五から五・二。それから土地担保の賃貸も五・五から四十八年五・二になっているわけですね。この点について建設大臣、閣僚の中でナンバーワンでございますので、この四十七年から四十八年のときの政策金利体系の一端だと思うのですが、この辺の四十七、四十八、四十九とずっとくるわけでございますが、その点はどういういきさつがあったんでしょうか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
#98
○国務大臣(竹下登君) ちょっとこう定かに記憶いたしておりませんので、詳細には住宅局長あるいは大蔵省からお答えをいただいたがいいのではなかろうかと思うのでありますが、昭和四十七年に金利を下げるためにこれを郵便貯金にも連動させるということで大変苦労したことを私いま記憶を呼び戻しておるところでございますが、全体的にあの四十六年は――昭和四十六年の八月十三日がニクソンの新経済政策でいわゆるニクソンショック、そしてわが国へはドルが流入をいたしまして、四十六年の十月あたりでございましたか、たしかフロートさして、そしてその後三百八円という固定相場に一応なったという経過があるわけでございますが、当時水田大蔵大臣でありまして、土曜日の日に為替市場を閉めるかどうかという判断を、たまたま旅先の佐藤総理から大蔵大臣と私にそのことを任すというような形で聞かれて大変悩んだことを想起しております。
 そういう形から今度はドル減らしをしなければならないという、考えてみますと、昭和三十九年の施政方針演説の中で何とか外貨の保有高を三十億ドル、コンスタントに持ちたい、こういうことを言っておったのがまあ二百億ドルと、こういう状態でございましたので、そういう政策の中で出てきたものが今度は利下げ政策になったわけであります。その金利を下げまして、そうして結果としてまたそれが過剰流動性を生んだというふうな経過をたどりました。そのときに、どうしてもいわゆる預金金利を下げることによって貸出金利を下げなければならぬ、それに連動して恐らく下がったんじゃなかろうかと私思うのでございますけれども、そのときに一番困りましたのがいわゆる国民の零細貯蓄の代表的なものである郵便貯金金利を下げるということについて、郵政省部内と大蔵省とで話がつかなくて私が調停に立たされて苦労をしたことをいまにして想起するわけでありますが、そういう金利政策が経済政策の中に位置づけられ、それに連動して住宅ローンの金利が下がったことがあるんではなかろうか。その後今度は引き締め基調になりまして、まあ高金利とでも申しましょうか、その後昭和四十九年の私が再び官房長官になりました後、今度は郵貯にいたしましても利上げのまた審議会を開かなきゃならぬ、ずいぶん世の中が変わったということをそのとき素直に印象として感じたわけでありますが、そういう預金金利に連動した貸出金利の関係で、そういう動きがあったんではないかと、ちょっと矢原先生に答弁にならぬようなお話をしましたけども、ちょっと記憶をたどって申し上げまして、具体的な問題は住宅局長なりからお答えをさすことにいたします。
#99
○政府委員(山岡一男君) 全くいま大臣のおっしゃったとおりであろうかと思います。ただ公庫の金利そのものは、いまの財投金利が民間金利と少しずつおくれて下がりました。なお政令等の変更等があって若干ずつおくれたというふうに記憶いたしております。
#100
○矢原秀男君 やはり国民に提供するという立場では、低金利というものが非常に願っているわけでございますので、ただいま例を挙げて質問したわけでございます。
 じゃ、次に移ります。今度は別な角度でございますけれども、全日空の有価証券報告書によりますと、輸銀は、同社のロッキード、これの購入資金として四十八年度に六・一%から六・三%の利率で約二百十二億円、四十九年度に利率六、一から七・三%の利率で約二百六十七億円をそれぞれ期間が十年で融資をしております。この利率は同行の同時期の借入金の調達資金の利率を下回るもので、いわゆる特利でございます。また、かつて輸出金融について特別の優遇措置をとったこともございます。まあこうしたことを考え合わせますと、福祉国家建設の基本的な要件でございます住宅の取得の推進のための施策にもっと力を入れなくちゃならないと思うわけです。そこで、現在の住宅ローンの金利を住宅金融公庫並みの五・五%、あるいはそこまでいかなくても七から八%程度まで引き下げる努力をすべきではないか。七%程度の引き下げに努力をすべきではないかと思います。具体的には民間住宅ローン利用者に対し、実質的に七から八%の水準となるよう金融機関を指導してほしい。これが希望でございますけれども、一定の利子補給を私は行うべきだと思う観点から質問するわけでございますが、これに対して建設大臣並びに大蔵政務次官の所見をお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(竹下登君) いわゆる全日空がロッキード購入のために日本輸出入銀行から借り受けましたものが六・一%となっておることは、これは事実でございます。この段階、いわゆる日米間の均衡を図るためのドル減らしというものと、それに対応する飛行機会社の体質から現実六・一%ということになったと、それなりには政策としての正当性はあろうかと思うのであります。しかしながら、何としてみても現在のロッキード問題に関する国民の関心ということはもとよりでございますけれども、そうしたものと、俗に言う暮らしそのものであるこの住宅ローンというものが著しく差があって高いということに関する国民感情というものは、私もそれなりに理解できるところであります。ただ、私は現実問題として、長期プライムレートが九・二%という状態でありますときに、その七、八%まで金融機関の中の自己努力によって下げられたいと言っても現実なかなかむずかしいのではなかろうか。したがいまして、利子補給の問題について検討したことはございます。で、あるいは国の段階においてそれを行うことがなかなかむずかしいから、地方団体の中でそうしたことが考えられないだろうか、こういう議論もいたしてみたわけでありますが、はてさてやっぱり建設省自身としての政策目標としては、やはりそうした金利が低いにこしたことはないと申しましても、建設省自身として利子補給制度というものを設けていくのは民間企業に対して利子補給制度というものを設けていくのは実際問題として困難であろうから、やはりオーソドックスな建設行政としての住宅金融を進めていく限りにおいては、何度も申し上げて失礼でございますが、結論は現在の公庫の拡充、拡大を図っていくと、これに尽きるのではないか。だから、そういう要請にこたえながら、政策目標遂行のためにその方向で今後とも努力をいたしてまいりたい、このように考える次第であります。
#102
○政府委員(細川護煕君) 住宅ローンの金利につきましては、金融機関はもちろん、利用者の負担能力を考えて極力低い水準におさめるように努力をしているわけでございますが、先ほどからお話がいろいろ出ましたように、住宅ローンの金利は長期プライムよりも〇・二ポイント低くなっているという現状にあるわけでございますし、また銀行は公共的な性格が強いとは申しましてもやはり株式会社でありますから、そういう意味で無理な行政指導は適当ではないというふうに思います。それから利子補給の問題につきましては、これは持ち家も取得できないで借家をしておる人たちとの均衡の問題もあるわけでございますから、そういう点から見ましてもいろいろ問題があるのではないかというふうに考えております。
#103
○矢原秀男君 わが国の銀行は商業銀行でございますので、庶民の預金を企業に貸し付けるのが目的であろうかと思います。現在住宅ローンの分野に進出することになったわけでございますが、その本来的な性格のゆえに景気変動に左右され、金融の引き締め期にはローンが極端に圧迫され、緩和期にはまた大幅に貸しに応ずるという特徴がございます。つまり、住宅ローンは量の面での不安定さが目立ち、緩和期においても引き締め期の高金利が是正されないうらみもございます。近年創設され、また今後もその設立が予想されます住宅金融専門会社は、預金調達手段が与えられていないために出資している都銀等から資金を調達し、これにマージンが上乗せされて、これが貸し出しをされる、これはいまもお話があったとおりでございます。一一・四%という高金利になる必然性がそこにあるわけでございますけれども、このような住宅金融会社ではない住宅専門の受信能力を付与された金融機関をつくるべきであろうかとも思うわけでございますけれども、資金の流れを産業金融から福祉金融へという方向に向けるという意味から重要不可欠の課題だと思いますけれども、これについては建設大臣、私の提案についてはどのようにお考えでございますか。
#104
○国務大臣(竹下登君) これは確かに民間住宅ローンというものは、私は大蔵省が行政指導に当たりまして、一片の通達を出すにとどまらず、増加率のシェアまで設定され、そして生保会社等についてもそういう指導をしておられるというのは、これは住宅政策上からは大変ありがたいことだ、評価すべきことだ、引き続きその努力をお願いしていきたい。なかんずく、おっしゃいますように、いわゆる減速経済下に突入いたしまして設備投資意欲というものがなくなったのが、自然と住宅ローンの方向のシェアが高まる方向にいったという評価をする人もございます。したがいまして、今後若干の景気回復の中でいわば設備投資とかそういう問題についての金融需要が起こった場合にも、引き続き民間住宅ローンのシェアというものを確保していただく指導方針を貫いていただくよう承っておりますので、そういう方向で今後とも進んでいただきたい。こういうことをこいねがっておりますと同時に、いま矢原委員の御指摘の住宅貸付専門の金融機間の問題でありますが、これは私の方でオーソライズしております住宅宅地審議会の答申におきましても、昨年八月具体的にその問題をちょうだいをいたしたわけでございます。ただ、これは新しい金融機関の創設ということになりますと、住宅政策以上にまた別の問題として、金融政策上の問題としても大変な重要な問題でございますので、この点につきましては、いただいた答申にもございますものの、私ども単独でそれを発意する立場にもなかなかありませんので、関係当局とも十分協議して今後検討したい、このように考えておるところであります。
#105
○矢原秀男君 特殊法人の日銀の職員に対する住宅貸し付けの場合ですね、この点はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
#106
○説明員(宮本保孝君) 日本銀行の場合には、日本銀行から日本銀行の中にございます住宅会というところにまず資金が流れまして、その住宅会から行員の方に資金が貸し付けられるという制度になっているようでございまして、日本銀行から住宅会へ貸し付ける金利は八・二五%でございまして、住宅会から行員に貸し付けられる金利は四%のようでございます。
#107
○矢原秀男君 時間がございませんので進めてまいりますが、八・二五%と四%の差の四・二五%を職員保健費から利子補給していらっしゃるわけでございますが、これの貸付実績及び現在の貸付残高はどうなっているのか、そして日本銀行納付金の――私これらの点を思いますときに、先食い的な行為ではないのか、費用の流用になると思うわけでございますけれども、この点、大蔵省にお伺いしたいと思います。
 もう一つは、大蔵省が都銀などの民間金融機関に対する指導監督の姿勢というものが弱い一つの原因がここにあるのではないか。すべての政府関係金融機関の職員に対する住宅貸し付けの実態も資料として提出をお願いしたいと思います。これらの点に御答弁をお願いいたします。
#108
○説明員(宮本保孝君) いまの御指摘の貸付残高でございますが、本年三月末で約九十億円でございます。
 それから、いま先生御指摘の日本銀行の職員に対する利子補給的な考え方でございますが、これは一応職員の福利厚生関係費用というふうにみなされるのではなかろうか。これは一般の企業におきましてもこういう制度が行われているようでございまして、大蔵省といたしましては、その水準が世間的に見まして余り多くの補給をしているということであればこれは別でございますけれども、世間の一般の水準から見まして、まあまあこんなところで一般平均的なことかなというふうなことである限り、それについて特にきつく指導する必要もないのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、ほかの政府関係機関についての資料を出せという御要請でございますが、後ほど検討さしていただきたいと思います。
#109
○矢原秀男君 今回の改正で、個人住宅資金の貸し付けに新たに利率七・五%の政令で定める貸し付けを新設をしたことについて、まずその住宅対策上の位置づけを明確にする必要があるかと思います。午前中も質疑がありましたが、住宅金融公庫法第一条、公庫の目的は「銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通する」と明記しております。また一方、新たに創設される政会で定める貸し付けについては、「所得が比較的多い者に対する貸付金、規模が比較的大きい住宅に係る貸付金」と、その性格が明記されております。とすれば、政令で定める貸し付けの対象となる住宅貸し付けは一般金融機関の融資の対象となり得るものとなり、本来民間金融機関で取り扱う性格のものではないかと思うわけでございます。この点、公庫法の目的との関連が問題になろうかと思いますけれども、この点を明確にしていただきたいと思います。
 そしてもう一つは、政令の内容をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#110
○政府委員(山岡一男君) 公庫法第一条の目的は、いま先生が申されましたとおり、「国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通する」というふうに書いてございます。で、銀行その他一般の金融機関が融通することが困難だという意味でございますけれども、私ども貸付利率が低いこと、償還期間が長いこと等がそれに当たると思っております。
 新設の貸し付けにつきましても、一般金融機関の条件に比較いたしますと、貸し付けを受ける者に対します金利は財投金利と申しましても現在のところ七分五厘でございまして、非常に有利になっております。したがいまして、このような低利による融資は民間の金融機関が直ちに行うことは利子補給でも行わなければ非常に困難だというものでございまして、そういう意味からいいますと、今回の七分五厘の資金運用部資金の利率連動という融資は第一条の目的には違反をしないのではあるまいかと考えております。
 また、新設しようとします制度では、一定規模以上の住宅を建設しようとする者とか比較的所得の高い者に対し貸し付けを行おうとするものでございますので、従来よりはある程度高い水準のものを対象とするようではございますけれども、国民大衆の生活水準が法制定当時よりもかなり高くなってきております。第三期五ヵ年計画でもフローの住宅の規模はできるだけ高くしたいというふうな実情から見まして、国民生活の水準の向上という見地から見ますと、この程度の対象に対し貸し付けを行うことが直ちに公庫法の目的に違反ではないというふうに考えておる次第でございます。
#111
○矢原秀男君 次に、個人住宅建設資金の貸付限度額について質問いたしますけれども、これは年々引き上げられて、これが五・五%という低金利とともに公庫融資に対する国民の魅力を増大させる原因となっております。しかし、なお五十年度の貸付者を対象とした調査でも、総建築工事費における公庫借入金の占める割合は四六・六%にすぎません。まだまだ公庫の貸付限度額が低いことが明らかになっております。この点についてなお一層標準建設費を実勢価格に近づける努力をすべきであるにもかかわらず、本年度その改定を見送った理由は何かをお伺いしたいと思います。あわせて、今後とも限度額を引き上げて実効貸付率の向上に努めるべきだと思いますけれども、この点について建設大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。
#112
○国務大臣(竹下登君) 御指摘のとおり、限度額の引き上げをことしは見送ったことは御指摘のとおりであります。この理由は資材、労賃等がほぼ安定的に移行してきた、消費者物価も今年度三月末前年同月比、一応一けたという政策目標も達成いたしました。各種いま五ヵ年計画についても、大体五十年度の実務単価でもって組んで余り大きな変動はないであろうというような総合性の中で、今年度は前年度に比べほぼ横ばいの状況にあるという考え方で見送ったわけでありますが、それでよかったとはもとより思っておりません。限られた政府資金の中でできるだけ多くのお方様に貸し付けをするという意味において据え置いたと、こういうことになるわけであります。なお今後は建築工事費等の推移につきましては十分に配慮をいたしまして、貸付限度額の引き上げに努めてまいることは、従来とも住宅を除く公共事業等につきまして実勢単価中心の行政を進めてまいりました建設省としても当然のことであろうかと思いますし、またいわゆる住宅の実質融資率が四.六・六%、先生御指摘のとおりでありまして、依然として他のローンに二六・九%を依存し、また平均的に申しまして、手持ちで、二六・五%というものを依然として手持ち資金に依存しておるという意味におきましても、この限度額も上げ、そうして融資比率が上がっていくような方向でこれからも努力をしていかなければならないと、これが公庫の運用の拡充であり拡大の基本であると、このように考えております。
#113
○矢原秀男君 それから住宅建設費の地域格差が少なくなっておる今日でございます。ですから、私は地方の建設費の実情を的確に把握して、標準建設費の地域格差の是正を行うべきであろうかと思いますけれども、この点、建設省の御意見をお伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(山岡一男君) 公庫の標準建設費は昔はもう少し多かったわけでございますが、現在は先生おっしゃいましたように、だんだん地域別の格差も差が減ってまいっておりますので、全国を四地域に分けて定めております。昭和五十一年度につきましても、四月にさかのぼって必要な引き上げを行う予定でございますが、地域別の実際の建築費等を勘案しまして実勢単価に極力見合うように配慮してまいりたいと考えております。なお今後も地域別の標準建設費、地域の区分等に関しまして実勢に即さない部分が生じました場合には、将来におきましてその変更も実情に合わして行っていきたいと考えております。ただ問題は、やはり全体の貸付額の引き上げということが基礎にあって地域格差の是正が図らるべきだと思っておりますので、両面の努力を尽くしてまいりたいと思っております。
#115
○矢原秀男君 次に、既存の住宅購入資金貸し付けの新設についてお伺いをいたします。四十八年の十月に実施されました住宅統計調査によりますと、もうすでに御承知のとおりでございますが、住宅数が三千百六万戸となって、世帯数を百四十一万戸上回っていることが判明をいたしております。このように住宅のストックが増大した今日、これは午前中もいろいろ質疑があったわけでございますけれども、まあ既存の住宅の流通の促進を図り、ストックとしての既存住宅の有効利用を推進する必要があります。この意味で公庫による既存住宅購入資金の貸し付け実施に対する期待は確かに大きいものもあるわけでございます。
 そこで、まず政令にゆだねられている貸付条件というものも述べられたわけでございますが、その経緯なりをもう一つ明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つは、既存住宅購入資金の金利が七・五%を予定しているとのことでございますけれども、同じ個人住宅購入資金でございます新築住宅の購入の金利が五・五%なのに、なぜ既存の住宅購入が七・五%なのか、素直に考えましても非常に理解に苦しむわけでございます。その理由も明確に御説明願いたいと思います。
 もう一つは、既存住宅購入貸し付けについては、今年度は貸付予定戸数か午前中もお話があったように二千戸と限られております。貸付対象を公団分譲住宅等公的資金により建設され分譲された住宅に限定する方針と伺っておりますけれども、今後のことも含めてその貸付方針を明らかにしていただきたいと思います。
#116
○政府委員(山岡一男君) 既存住宅購入資金の貸し付けにつきましては、貸付条件は将来政令で定めるわけでございますが、利率は当面、先ほど来お話し申し上げましたとおり、資金運用部資金の金利に連動と考えております。したがいまして、現在では七・五%というふうに定める予定でございます。償還期間につきましては、個人住宅貸し付けにおきます構造別のそれぞれの償還期間から建設後の経過年数を差し引いた期間以内というふうに考えております。
 貸し付けの限度額につきましても、耐火構造、簡易耐火構造にありましては、住宅の購入価格及び土地または借地権の価格の八割五分、その他の構造については八割というふうに一応予定いたしますけれども、公庫の認める額を超える場合には、それぞれ当該公庫の認める額とするというような内容にしたいと考えております。この場合、公庫の認める額は新築の場合の七〇%程度と考えております。実際の額にいたしますと、たとえばマンションの新築分が六百五十万円といたしますと、その七〇%で四百五十万円くらいの実額になろうかと思います。
 それから購入資金の貸し付けの金利を年七・五%にした理由でございますが、既存在宅につきましては、たとえば立地、規模等がほとんど同じような新築の住宅と比べますと、やはり少しでも古くできておる、経過年数を経ているという意味で、一般的に購入価格が低いということが考えられますが、それらも一つの理由でございます。なお今回は従来の五分五厘といいます法定の特利のほかに、新しく道を開きまして既存住宅融資の新しい制度を設けたいということでございますので、当面利子補給金を要しない七分五厘で発足をしたいということでございますが、今後の貸し付けの実績等も見ながら制度のあり方を考えていくことが適切であろうということで、当面資金運用部資金の金利に連動させるということにしたものでございます。
 さらに、既存住宅購入資金の貸付対象は、本年度につきましては二千戸という予定をいたしておりまして、やはり既存住宅貸し付けにつきまして新制度を開きますためにはいろんな問題点があろうかと思います。したがいまして、一応の詰めた制度で発足したいと思いますけれども、当面その制度がよかったか悪かったかということの解明をしながら次に進んでまいりたいと考えております。したがいまして、当面、価格の評価の便宜を考えまして、高層共同住宅の購入から始めたいと考えておるわけでございますが、いまお話しのございました高層共同住宅の中でも公的分譲のみに限定するというような考えは持っておりません。今後は予算及び制度の許す範囲内におきまして、広く国民の皆さんの御要望を見きわめながら拡大していくように努力してまいりたいと考えております。
#117
○矢原秀男君 次に、関連公共施設等に対する貸付条件の改善についてお伺いいたします。公庫の住宅貸し付けのうちで、個人住宅貸し付けが年々大幅な伸びを示しております反面、分譲住宅の購入に対する貸し付けが停滞をしており、五十一年度の事業計画でも対前年比五千戸の減となっております。これは地方住宅供給公社が公庫の資金を借りて実施する住宅団地建設事業が行き詰まりの状況にあることに起因をしております。これが改善のためには地方住宅公社等に対する関連公共施設等の整備に要する費用に対する貸付条件を、住宅公団や宅地開発公団並みに改善する必要があるにもかかわらず、償還期間がまだ五年間短いなど格差がつけられている現状でございますが、公団並みに引き上げなかったのはなぜか、この点お伺いしたいと思います。また、今後公団並みに引き上げる努力を払うべきだと考えますけれども、あわせて建設大臣の御決意も伺いたいと思います。
#118
○国務大臣(竹下登君) これはすべての問題について、条件がよりよければ私はそれは満足すべきことだと基本的にはそういう考え方を持っておるわけであります。ただ、やはり私は住宅公団あるいは宅地開発公団が行います住宅対策というものは、どちらかと言えば、たとえば東京の事業所にお働きになっておる方々に、その周辺の市町村に住宅、宅地を提供し、そこに多数お住まいになる、言ってみれば、地元意識というような問題が、地方において行われます住宅公社等における住宅対策とはかなりフィーリングとして違うんではないか、こういう感じは持っております。したがいまして、今回の条件につきましても、比較して若干の差があるということはやむを得ないかな、こういう感じを持っておりますものの、それでも本年度から公庫融資について行おうとしております改善措置そのものは、償還期間からまた利率ともに、従前の条件に比べれば非常な大幅な改善でございまして、これによって地方財政負担の軽減が図られ、事業の推進が進められていくものと期待をいたしておるところであります。そこで、今後の問題でございますが、この制度の実施状況を見つつ必要な改善措置につきましてはさらに検討を加えていくと、この方針には変わりございません。
#119
○矢原秀男君 最後になりますが、建設省では、これは午前中も先輩の方々から質疑が出て、大臣からも懇切な非常にむずかしい御答弁もいただいたわけでございますが、いずれにしても国民がわかりやすく、率直に利用できる、間違いがない、そういう効率の高い立場から重ねて質問するわけでございます。建設省で省内にプロジェクトのチームを編成されて、四十一種類に上る住宅金融公庫の融資制度の統廃合、二十五年の制度から二十数回も非常にいろいろ努力をされた、こういうことでございますけれども、大臣のお話ではもう一度検討を始めてというふうなことのお話のような感触を受けたわけでございますが、いずれにいたしましても、どういう形であっても住宅に対する国民の希求、要求度という立場から考えたときに明快にわかってくる、こういう基本的な観点の中から、重複するかとも思いますけれども、これらのことについて基本方針といいますか、今後取り組んでいく過程、そういうことを最後に建設大臣にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(竹下登君) 矢原委員にお答えをいたします。
 確かにこの住宅金融公庫法という法律、これは本当は私が最初業務説明を受けておりながら、私自身余り複雑で理解ができなかったんであります。これは私の学力の不足せることも一つといたしましても、やはりむずかしい、複雑だからだということの一語に尽きるんじゃないか。しかし、そこで私にも興味がありましたので調べてみましたら、昭和二十五年につくられてから、年度によってことしが二十年度目の改正であり、回数からいうと二十数回になる、一年間に四回も改正したことがあるんでありますから。それはまたそのときどきの国民のニーズにこたえて業務範囲を拡大したり、苦悩し、模索した結果がそういう積み上げになっておる。だから、私は今回の法改正いたしましても、また若干貸付種別がふえるわけでございますので、またそれだけ複雑さを増すということになるわけです。しかし、そのニーズに応じて出てきたものであるという限りにおいては、これは本当にとうといとうとい法律だなあと思います。したがって、これを少し時間をかけて、急にさっと整理するという状態のものではないと思うのでありますが、法律事項はどの辺にとどめ、あるいは政令にゆだねる面はどの辺に置くとか、いろいろな形で少し時間をかけて検討さしていただきたい。それによってまた国民の皆様方に対してもわかりやすく説明することのできるようなPRは公庫の方で一生懸命、私も、わしにもわからぬが、もっとわからぬ人がおるかもしらぬと言いましたら、そのとおりで、先ほども申しましたように、総裁、あんた、ひとつ本を書きなさい、そうすりゃ恐らくベストセラーになるぞ、わかりやすく書けば。こういうことを冗談で言ったぐらいでございますので、何か少し時間をかけさしていただいて、わかりやすい法体系のものに整理をさしていただきたい。ただ、それそのものは苦悩し、模索し、徐々に徐々に拡大していったという集積であるという限りにおいては、この法律がなってはいないというような感じではなく、前向きに時間をかけて検討さしていただきたい、このように考えております。
#121
○春日正一君 最初に、住宅政策全体の中で住宅金融がどういうふうに位置づけされておるのか、その辺をはっきりのみ込んだ上で質問したいんですが、そこのところをずっと説明してほしいと思います。住宅政策の基本、新五ヵ年計画の目標、そういうものについて触れながら、住宅金融というものをどういうふうに位置づけておるかという点を聞かしてほしいんです。
#122
○政府委員(山岡一男君) 第三期住宅建設五ヵ年計画では、この五年間に八百六十万戸の住宅を供給するという計画にいたしております。そのうちで、公的資金によるものを三百五十万戸予定いたしておりますが、公庫融資にはそのうちの五四%のシェアを期待しているわけでございます。で、全体といたしまして住宅融資の占めます比率は非常に高いと思っております。それから五百十万戸の残りの民間の側におきましても、一般民間の金融によります住宅ローンの増大ということがきわめて望まれておりまして、そういう意味で住宅融資に対する五ヵ年計画におけるウエートは非常に高いというふうに考えておるのが実情でございます。
#123
○春日正一君 それは、非常に高いというその高い位置づけをどうしてしたか、そこを聞かしてほしいのですわ。
#124
○政府委員(山岡一男君) 第三期の住宅建設五ヵ年計画を策定するに当たりまして、住宅宅地審議会で二年にわたりまして実は基本の方向づけの御検討をお願いした次第でございます。その際二つばかり非常に大きな提案がございました。
 一つは、居住水準をとにかく従前以上に大いに引き上げるということでございます。これは最低居住水準というのと平均的居住水準というやや高い水準と、二つの水準を示されております。したがいまして、六十年を目標にその水準を、最低居住水準につきましては国民の全世帯が確保する、それから平均的居住水準は昭和六十年に国民の中の世帯の半分が確保するということを目標に水準を上げていこうという点が一つでございます。いま一つの御提案は、そういうものを実施していく場合にやはり所得との関係があるだろう。そういう場合に、賃貸住宅につきましては、これは所得のいわゆる五分位階層の中の第一分位の普通世帯の世帯収入の一五%以下で適正な賃貸住宅に入れるようにすべきである。それから持ち家を持つ方々のためには、分譲代価なり融資の返済なりが、第三分位の中位の所得の方を中心にいたしますと二五%以下であるというようなことを前提として計画を作成すべきである。この二つが非常に大きなポイントであったと思います。
 そういう点を勘案いたしまして、自力では必ずしもそういう居住水準を達成できないという方々に対しまして公的な援助を考えるということで計画をつくったわけでございますが、その際に、第三期の五ヵ年計画の間にはちょうど、たとえばいまでも公庫融資で持ち家を持っている方の平均の年齢は三八・一歳、四・一人世帯ということが標準になっておりますが、そういう方々の世帯が相当ふえるということ。それから住宅需要実態調査によりますと、やはりそういうふうな持ち家を今後持ちたいという希望――これは単に持ち家か借家かどっちがいいかということではなくて、具体的にどういう計画をお持ちでしょうかと伺いました。伺いました計画の内容が、持ち家に非常に偏っておるという点等も配慮いたしまして、それらのものに対しましてそういうふうなウエートの高い融資を考えたいということでございます。
#125
○春日正一君 どうもかみ合わぬあれですけれども、そうすると結局、良質の住宅建設、六十年度を目途に家族構成、居住地域に応じた良好な水準の住居を確保する、そういうことでいま言ったような居住水準を決めて、そうしてそれを達成するために持ち家を非常に希望しておるからこの比重を高めた、そういうふうな説明のように聞いたのですけれども、五ヵ年計画の目標を見ますと、最低水準以下の居住、これが九百八十万世帯あって、これを五ヵ年で二分の一解消する、四百九十万戸解消するというようになっていると思うのですけれども、しかし、この新五ヵ年計画を見てみて、公的賃貸し住宅の建設戸数が非常に後退しているわけですわ。第二期の計画では公的賃貸しが百三十七万三千二百戸計画されて、実績は八十九万一千戸ということだったのですけれども、今度の第三期を見ますと、公的賃貸しが七十万戸ですね。だから、第二期に比べると約半分近く減らされているわけですわ、賃貸しが。そうして逆に百九十万戸というように公庫融資の住宅がうんとふえておるということになっておるのですね。だから、これは半分に減らしたのだからえらい後退ですわ、これは。この後退は、歴代の大臣の答弁を私もずっとこの十年来聞いてきていますけれども、やはり賃貸しをつくるという方向を言われてきておると思うのですよ。ところが、そういう趣旨にも反するし、どうしてこういうふうに後退することになったのか、そこら辺を聞かしてほしいのです。
 さっき言ったように、私いつも議論するのだけれども、そこのところは初めにくぎを刺しておきますけれども、ただ、一般的に持ち家がいいか賃貸しがいいかと言えば、だれでも持ち家がいいというのがあたりまえだ、一般的に言えば。だから、それを聞いて、みんなが持ち家がいいと言っているから全部持ち家にして賃貸しをやめてしまうというような乱暴な議論はやめてほしいと思うのです。現実に持ち家を持ちたくても持てないで非常に劣悪な住居に住んでおる人たちがたくさんおるわけですね。だから、そういう人たちに対して賃貸しが問題になっているので、だからなぜ賃貸しを半分に減らしたのか、その理由を説明してほしいと思うのです。
#126
○政府委員(山岡一男君) 先ほども申し上げたわけでございますけれども、この計画期間中にちょうど世帯を持つといいますか、持ち家を持つような階層の方々の世帯がふえるということが一点でございます。
 それからやはり一般的に聞いた――やっぱり先ほどそうではないと申し上げたわけでございますが、住宅需要実態調査では、そういう人気投票ということではございませんで、実際に貯蓄をしていらっしゃるとか、現在持っている家が古いから建て直したいとか、そういうふうな現実の計画を持っていらっしゃる方々を調べたわけでございます。それは全世帯の四三%ぐらいの方が何らかの改善案を持っておられる。その中の七割ないし八割近くの方がやはり持ち家をつくる計画を持っておるというふうなことが住宅需要実態調査の結果でございます。そういうようなものも勘案しながら、必要にして十分な計画を立てたと考えておるわけでございます。たびたび申しておりますけれども、われわれも十分な量の公的賃貸住宅を低所得者層社会的流動層等に対しまして供給するのはきわめて重要だと思っております。したがいまして、そういうふうなものも十分加味をしてバランスのとれた供給を図ってまいりたいというのが心願でございます。
 第三期の住宅建設五ヵ年計画におきます公的借家の建設戸数は百六万戸ということになっております。これは第二期の百三十七万戸よりは確かにダウンしております。ただ、実績の八十九万戸よりはある程度上回っておるというふうなことになっておるわけでございます。
 それからもう一つは、公的資金によります住宅の供給に当たりまして、われわれ直接供給と申しておりますけれども、公団、公営、公社等が事業主体としてみずから住宅をつくりまして国民の皆様に供給をするという住宅につきましては、公的資金によるものの約七〇%を賃貸住宅ということにいたしておるわけでございます。
 それからなお、この五ヵ年計画の中には十七万五千戸の調整戸数というのが公的資金の中に入っております。これの取り崩しについては賃貸住宅を最重点にすべきであるというふうに審議会からもくぎを刺されております。そういう方向で第三期五ヵ年計画の運営を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#127
○春日正一君 先ほど来住宅の質をうんと引き上げるということを言われておるのですけれども、昭和四十八年の住宅統計で見ると、木賃アパートに住んでおる人が三百二十六万戸ですね。そのうち施設の共用ですね、台所とかトイレとか、そういうのが百二十四万戸ある。これは住宅の水準に合わぬと思うのですよ。そうしますと、私は七十万戸と言っても、公団とか公営とか、そういうもので言ったのだけれども、恐らく局長の言うのは、公庫の融資による賃貸しとか、いろいろそういうようなものも入れて百六万と言ったのだと思うのですけれども、それを入れても百六万でしょう。百二十四万というのが、全然基準に合わない、トイレを共用するとか、お勝手を共用するとかというようなところに住んでおるという状態のものが百二十四万戸ある。それ以下の数で、これで十分でございますと言えるのかどうかということですね。
#128
○政府委員(山岡一男君) その点は第三期五ヵ年計画を策定いたします際に、先ほどは積算上の重要な点を申し上げましたけれども、考え方の上でもう一つ重要な点の提言がございます。それはやはりストックの活用ということでございます。したがいまして、従来ございますものに対しまして、たとえば増築をやるとか、それから既存のもので、たとえば居住水準で申しますと、二DKのところに五人も住んでおればこれは居住水準以下ということになりますけれども、大きい家があって住みかえをされますとその分が居住水準が解消されますし、残った二DKの方にまた夫婦が入りますと居住水準が全うされるというふうな、そういう意味の住みかえにつきましても、過去の実例等を追跡調査をいたしまして加味をしてあるわけでございます。そういうストックの改造、改良、それから住みかえ等々も全部念頭に入れまして、こういうふうな計画を立てておる次第でございます。
#129
○春日正一君 それはストックの活用も結構だし、住みかえも結構だけれども、しかし、新しい水準に合った賃貸し住宅ができなければ悪い住宅から越していくわけにはいかぬでしょう。越していくわけにはいかぬでしょう。だから、それはストックを活用して結構だし、小さい家に住んでいる人がその分建て増しして水準に合わせること結構だし、そのために金貸せること結構だけれども、金を借りてつくれない人、そしてさっき言ったような、木賃アパートというから明白に借家ですよね、借家に住んでおって、水準以下のところに住んでおる人がこれほどおるのに、なぜ前期よりも減らしたのか。しかも大幅に減らしたのかということを聞いているのに、いや住みかえができますと言ったところで、じゃあどこに住みかえるんだ、そういうものができなきゃ住みかえられないでしょう。だから、やはり七十万、あるいは全部で百六万と言われたその数字に減らしたということの理由づけにはならぬし、いまの住宅事情から見て貸し家を減らしていいという理由はないでしょう。あなた方、貸し家は減らすべきだというふうに考えて、その立場でやっておいでなんですか。
#130
○政府委員(山岡一男君) われわれの願いといたしましては、貸し家もそれから持ち家も国民の皆さんの選択に応じて、適当に住みかえもできるし、また持つこともできるというようになるのが一番望ましいんではあるまいかという考えでおりまして、賃貸住宅を減らそうというようなことについては毛頭思っておりません。ただ、居住水準を向上させます場合に、先生おっしゃいますように、いままでたとえば公営住宅の供給は量の供給に追われておりまして二DKが主体でございました。これからはとにかく居住水準を向上しなきゃならないということでございまして、たとえば公営住宅につきましても、本年度におきましては九三%以上を三DK以上にするということにいたしております。それから公団住宅につきましても、九四、五%を三DK以上、特に分譲住宅につきましては三LDKが主眼ということに、そういうふうなものを新しく供給することにいたしております。したがいまして、いままでは確かに住みかえ先の大きい、いいものがなかったということはもうおっしゃるとおりでございます。そういう意味で、新しく供給いたします公的賃貸住宅につきましては、そういうような水準の高い賃貸住宅を供給して、そういうものに寄与してまいりたいと考えておる次第でございます。
#131
○春日正一君 もう一度言いますがね、それは二DKから三DKになったと、広くなって結構だけれども、そこに二世帯入るわけじゃないでしょう。
 一世帯を入ることを理想として広くしたわけでしょう。家の数が足りなきゃしょうがないでしょう。だから、なぜ減らしたか、減らすべきような状況かと、いま。ということを聞いているわけですが、一番困っている人ですよ。私はいつも言うんだけれども、木賃アパートに住んでおって、所得水準でいえばいわゆる第一分位、第二分位というような、一番苦しくて、公庫で金を貸してくれると言っても、その金を借りて建てることもできないような人たち、この人たちの問題を一番先に解決してやらなきゃならぬのじゃないか。それが政治なんじゃないか。ところが、それに対してあなたは、いや広くしました広くしました、広くしましたと言ったって、七十万戸あるいは百六万と言ったって、前より下がっているわけですから、減らしてしまったんじゃ、そういう人たちは越してもいけない、解決もつかない。
 だから、これは私建設省の方から予備的に聞いたんでは、この減らした理由というのは、関連公共施設の地元負担が増大したとか、土地、資材の高騰あるいは土地の取得難とか水資源の問題、環境保全、いろいろそういう要因があって、実際にこの前第二期では百三十七万三千二百戸を計画したんだけれども、実際できたものは八十九万一千戸だった。だから、今度は大きく組んでもできそうもないから、だからこの前の実績に合わせて少な目に組んだと、こういうふうに聞かされているし、
  〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
それなら素直にわかるのです。また、そこから議論していけばいい。ところが、広くしましたとかなんとかいったことは、ちっともこれは減らした理由にはならぬわけですね。そこらの辺どうなんですか。
#132
○政府委員(山岡一男君) 地方からの積み上げを参考にしようと思いまして、地方からの積み上げをとったときに、現在計画しているよりも下回ったというようなことは確かに事実でございます。しかしながら、われわれといたしましては、そういうことではなくて、先ほどの住宅宅地審議会の御答申を基礎にいたしまして、たとえば昭和四十九年から五十五年までの住宅建設必要戸数というものの推定をいたしたわけでございます。その中には普通世帯数の増加もございますし、人口の社会移動に対応するものもございます。それから先ほど申し上げました水準以下居住の解消もございます。それらのものを含めまして四十九年から五十五年までには千百五十万戸ぐらいの家が必要がという考えでございます。それからいままでの四十九年、五十年の建設戸数を差し引きまして八百六十万戸やっておるわけでございますが、その現在のストックの中で活用できるものは大いに活用するということを考えますと、先ほど来お話出ておりますように、現在では世帯の数よりも住宅戸数は相当数オーバーしておる、しかも全都道府県においてオーバーしておる。東京におきましても十二万戸ほどオーバーしておるというのが実情でございます。ただ、東京におきまして、先生おっしゃいますように五十万戸以上の木賃アパートがございます。その木賃アパート、大体世帯数から見ますと、六軒に一軒はそういうところに入っておられるというのが全く実情でございます。したがいまして、そういう方々に対しましては新しく供給するもののほかに賃貸住宅の供給も行いたい。それから同じ世帯の中には単身世帯というのがございます。いわゆる設備共用というものの中にも単身なら許される分もございます。そういうものもすべて計算の中に入れまして、積みかえ等の計算をした結果、必要にして十分なものを積み上げてみたらそういうふうになった。われわれは真実そのように思っております。
#133
○春日正一君 私はそうは思わないんですよ。必要にして十分だと言うんだけれども、しかし、確かに数はあると言うんですけれども、数が必要なところにあるのかどうか。田舎の空き家があって安くて買えるという話も聞きましたけれども、蔵王のふもとあたり別荘にしたらどうだなんという話も聞きましたけれども、そういうものがあいておったからといって東京の者には合わないんだから、だからそういう実情を踏まえて、しかも東京とか大阪というような大都市で、いま東京で、言われたように六戸に二口はそういう木賃アパートの非常に不良のところに住んでおると局長も認められた。そういう状態のもとで、ただ一般的に余分ができているからというようなわけにはいかない。質を高めることは私も大賛成ですけれども、しかし、四十八年の住宅統計、これを見ましても民営借家、設備共用百五十三万世帯、年収にしますと五十万円未満が十三万九千世帯、それから五十万ないし九十九万円、これが五十一万七千世帯、一番多いですね、五十万から九十九万までの世帯が。そういうところに住んでいるのが世帯数で一番多い。それから百万から百四十九万、これが三十四万一千世帯、百五十万から百九十九万、九万七千世帯。だから、二百万未満を合計すると百九万四千世帯あるわけですわ。それからそのほかに無職あるいは自営の世帯、これが四十万、年収二百万円以上がそのうち二万八千世帯だと、ほかに間借り世帯というのが十九万二千戸ある、これもそのうちきちっとした家へ入らなければならぬでしょう。それから住宅以外の建物居住世帯というのが十八万一千ある。だから、こういうふうにして見ますと、相当の数の世帯が非常に困難な状況の住宅に入っておって、しかもその八五%までが年収二百万円以下と、つまり持ち家を自分で買って元利払ってやっていけるという状態に達してない、そういう人たちなんですね。
 だから、いまあなたは七十万戸で必要にして十分だと言われたけれども、そういうことじゃないじゃないですか、こういう人がこれだけおるんだから。それをできるだけ早く、その人たちこそできるだけ早く最低限の水準のところまで上げてやるべきでしょう。最低限にいる人がもっと平均的ないいところへということよりも、最低以下の一番困っておる人を最低まで上げてやる。これが政治としては一番先にやらなきゃならぬことでしょう。ところが、あなたは七十万戸で結構でございますと、百六万戸あると言っているけれども。だから、どうもその考え方が、余りあなたは住宅に困ってないらしいから、本当に住宅に困っている人の状態というものに対する思いやりが足りないんじゃないのか、これじゃいかぬというそういう気持ちがなくて、何とかやっているからいいじゃないかという気持ちで言っておられるとしたら、これは大変だと思うんだけども、その点どうですか、大臣。そういうことで、この議論聞いておいでになって、大臣の感想を聞かしてほしいですがね。
  〔理事松本英一君退席、委員長着席〕
#134
○国務大臣(竹下登君) これは私、一月十九日建設大臣に就任をいたしまして、実は私自身の出身地は大変な過疎地帯でございますので、住宅の陳情と申しますか、そういうものを受けた経験が地方議会におります当時余りなかったわけであります。で、大筋として、いま先生は昭和四十八年の住宅統計、あれで狭隘、狭小、大体八・五%というものであります。ずっと推移を見ておりますと、これは私が積み上げ作業をしたという意味でなく、客観的にですね、推移を見ておりますと、大体一%から一・五%ぐらいまで年々少なくなっておるんであります。あるいはきょうの時点でこの住宅統計調査をやれば、あるいは五・数%ぐらいまでいっておるんじゃないかということを考えてみますと、それがたまたま積み上げた百六万戸、これはいわゆるこの春日委員の御指摘は、従来の経過からして、今度は実現可能の数字をおおむね挙げたんではないかということでありますが、実現可能の数字と、その八・五%から今日の時点でたまたま調査するならば五・幾らになっているかわかりませんが、大体その数字は見合う数字になるな、こういう感じではあるんであります。したがって、そういう意味においては、私はこの必要にして十分というか、妥当性のある数字であろうというふうな認識を抱いておるわけであります。
 ただ、住宅政策の基本からして、言ってみれば住宅政策の基本が、自由民主党は持ち家政策で、いや日本共産党は公営住宅政策だというはっきり割り切れる問題では私はこれはないと思うのであります。したがいまして、その調和をどこに求めるかということになると、私はこの積み上げ作業をかなり綿密にやられた結果と、一つの経済の趨勢とがおおむね合致する点にこの百六万戸というものが設定されておるなと、こういう印象を受けたわけであります。したがいまして、春日委員の御指摘そのものも、私は住宅政策として理解できる問題でございますけれども、この積み上げ方式が従来の経済の推移と大体一致するという見通しの中で私は妥当なものではなかろうかと、こういう認識をいたしておるということを申し上げたかったのであります。
 ただ、いま一つ申し上げなければならぬなと思ったのは、いつでもやはり不満だというお方さんは、これは狭いとか、古いとか、設備が悪いとか、風通しが悪いとか、家賃が高いとか、やかましいとか、こういう順番になっておるのでございますが、それは三十数%依然としていらっしゃると思う。で、これは私は現体制にすべて満足であるというようなものであっては社会の進歩はない。いつの日でも三分の一の方は絶えず体制批判の精神の中に、人間その欲求の限りなき追求の動物であるとともに、政治また無限の理想への挑戦であるという意味においては、そういうのは私はあってしかるべきであるし、それがやっぱり政権の重みに耐えてきた者の素直な心境であると、こういうことを申し上げたかったのであります。
#135
○春日正一君 私は端的に聞きますが、持ち家を買えない階層の居住水準の引き上げをどうするのか、私はこれは最優先にすべきだと思うし、そのためには賃貸しを大量に優秀なものを供給すべきだと、そう思うのですけど、その点どうですか。
#136
○国務大臣(竹下登君) それがいわゆる公的資金による賃貸しであると思うのであります。それがちょうと春日委員が指摘しておられました数字が、おおむね一・二%ぐらいでダウンをさしてまいりますと、数もまたちょうど百六万とおおむね見合うのであります。これは私自身が後から気がついたことでありまして、積み上げ作業をしたわけではございませんけれども。ただ、率直に申しまして、きょうの議論の中でも一遍申したかもしれませんが、私自身か建設大臣に就任いたしまして、第四次不況に伴うところの、いわゆるその一環であるところの補正予算というものを含めて、五十年度予算を完全消化したかったんです。ところが、あれだけ一生懸命でやりまして、有史以来と言っちゃあ語弊がありますが、最近初めて九八・二%という消化率を上げてみまして、さああと一・八%は何であろうかと思ったら、その九〇%が公営住宅の未消化であった。これはやっぱりどっかに欠点があるわけでありますから、したがって、これは必要にして十分、かつこれは実現可能の目標として設定したものでありますけれども、これはさらに調整戸数等を将来活用しようということに相なりますと、やはりその前に、その隘路であるところの関連公共施設等に対する財源措置等を考えなければいかぬなということは、実感として私が今日感じておりますので、それらに対してはまさにたたき台もつくってみますが、本当に皆さん方の忌憚のない批判をいただきながら大きな政策推進の背景にそれをしたい、このように思っておるわけであります。
#137
○春日正一君 そういうことで、本当に入れない人たちをどうするかという問題ですね。公営住宅を建ててほしいという要求というものは非常に強いのです。地方自治体も建てたがっておるんですよ。たとえば東京都なんかでも、二、三年前は年に一万八千戸ですか、何千戸というような大きい計画も立てた、これはやっぱり都民の要求があるから、それにこたえようとしてそういう数字を挙げたんだと思うんですよ。ところが、実際にはそれがほとんど三十数%しか実現できなかったというようなことで、さっき挙げたような計画戸数に対して実績が非常に劣ったというような結果が出てきたんだけれども、これは要らないということではなくて、土地が上がったとか、あるいは建設費が高くなったとかいろいろの条件があって、それがつくりたくてもつくれないという条件のもとで、そういうふうに下がったということですから、その点はやはりはっきり承知しておってもらいませんと、できないのは、要らなくなったからできないのだということじゃないということになれば、それでは土地が上がったからとか、あるいは建築費が高くなったからとかいろいろなそういう条件があって、それで建たなくなったというものを、建たなくなったから仕方がない、そうして地方に聞いてみたら、いまの地方財政の状態ではなかなか公営住宅をはでに建てるというわけにいきませんから、積み上げてみたらこれしか出なかったというようなことで、それでいいわということでは政治じゃないんじゃないか。やはりそういう困難があったら、その困難をどう打開して国民のニーズにこたえていくかということが政治なんじゃないのか。そこらの辺の姿勢が私は変わってきているように思うんですわ。
 これは経団連なんかでもこう言っていますね、住宅、土地問題に関する見解というのを見ると。すべての者が努力すれば家が持てることこそ自由主義社会の基盤強化の最大の政策手段であるというようなふうに言っていますし、それから三木総理のライフサイクル計画というものですね、これを見てもそうですけれども、「だれでも努力すれば家が持てる制度」、こうなっているんですわ。見出しでは「持ち家・借家選択の自由」ということを言って、どうするかと、「(イ)持ち家を認めない (口)持ち家によって得られる利益分を課税で吸い上げ、この分を借家の利子補給に回す(八)すべての人に持ち家と借家の選択が可能な条件を与える――の三つの政策か考えられるか、国民的コンセンサスの面から実現性が最も高いのは一八一である」、つまり「持ち家と借家の選択が可能な条件を与える」というのが一番いいと。私もそう思っていますよ。その点では恐らく大臣も違わないと思う。コンセンサス得られると思います。
 ところが、実際には貸し家に住みたくても貸し家がないんですわ、良質の貸し家が少ない。だから、仕方なしに質の悪い持ち家を持つようなことになっている。私はこの前もそれ言ったんですけれども、そういうことなんですね。だから、やはりそういう意味で言えば質のいい公営住宅なり、特に公営のが一番家賃が安くていいと思うんですけれども、そういうものをたくさんつくって、そしてそこに入ると。そしてそういうものよりも自分の家を持った方がいいし、自由になるという人には、大いに公庫の金も融資をつけて、それでつくらしてあげるというようにしていかなきゃならないんだけれども、ここのところずっと、いわゆるいま言った経団連の方針ですね、すべてのものが努力すれば家が持てる、そういう前提でとにかく金を貸してやる、一生かかって払いなさいと。
 しかし、これは言ってみれば手本は二宮金次郎的な発想だと思うんですよ。努力すればだれでも家が持てるというほど単純に割り切れるなら、この世の中心配ないですわ。みんな苦労し、努力しながら、いろいろの災難に遭ったりなんかしながら、先ほど言ったような劣悪な木賃アパートその他に住んでいるような人がおるわけですから、そういう人たちに対してはやはり公的な手段で一定水準の住居を提供しなきゃならぬ。その数と今後の計画に出されている数を見ても、その数より少ないんですから。本当はその数よりももっと多くなきゃ間に合わないはずなんです。だから、そこらの辺でやはり持ち家を、この経団連の見解あるいはライフサイクルに出ているような――このライフサイクルでもそうですよ、「選択の自由」と言いながら、あと書いてあることは、「持ち家促進はインフレ傾向を強めない」とか「自家取得を容易にする新しい制度をつくろう」とか言って持ち家のことばかりしか書いてないんだから、三木さんは。貸し家を与えるという方はちっとも強調されてないんですわ。
 だから私は、この法案は持ち家をつくらせる法案なんだけれども、しかし、その場合に国の住宅政策として持ち家と貸し家の公的な比率をどうするかという問題をまずはっきりさした上で、その位置づけられたいわゆる公庫住宅ですね、こういうものについていまの制度でいいか悪いかという議論していかなければ、公庫だけ議論しておったんでは、結局持ち家で結構でございますというような印象を与えてしまうから、最初に私は持ち家と貸し家の比率をどう考えておるんだと、いま貸し家をもっと重視すべきときじゃないのかということを言っているわけですわ。その点、大臣の方から政策としてどうなんだということを聞かしてほしいと思います。
#138
○政府委員(山岡一男君) 最初に数だけ申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げましたいろんな計画の中で、目標年次を五十五年と言わないで長期の目標といたしまして、六十年に最低水準を確保したいというのが今度の長期目標でございます。というのは、質をうんとよくしながらやはり数も供給していかなければならないということで、従来の五年ごとの計画を六十年まで延ばしたという点は確かにございます。
 それから公営住宅の建設でございますが、先生おっしゃいますように第二期におきまして全国で予定の七八%しかできなかったというような実情でございます。その中で特に大都市――東京、神奈川、埼玉、大阪、千葉などが計画を相当下回った都道府県でございますが、これらにつきましても先生おっしゃいますとおり大いにやりたいという気は持っておりましても、やはりなかなか建てかえがうまくいかないとか、用地の手当てがう主くいかないとかいうことで結果おくれたわけでございますが、そういうものも、第二期の積み残しも計算の中に入れまして第三期の五十五年までの計画戸数を見て実は積み上げたわけでございます。
 しかし、ここでざっくばらんに先生にも御報告しておきたいと思いますけれども、実はわれわれがそのようにしてやはり必要だと思いました公営住宅の数を、いろんな住みかえ等も考慮した結果、第三期では四十五万と挙げております。それからそのほかにも先ほど来申し上げております調整口数の十七万五千戸ございまして、持ち家、賃貸でも構わないという姿勢でおるわけでございますけれども、残念ながら地方公共団体にただいまブロック計画、都道府県計画の相談をいたしておりますけれども、どういたしましても現在のところまだ地方の方が四十二万戸ということでございまして、実はわれわれの計算いたしました、必要にして十分と申し上げて少し言い過ぎだったと思いますが、必要と思っている分の戸数の消化につきまして、計画段階でいまそういう調整をやって去るという段階でございます。決して地方の積み上げに左右されたということではなくて、一応計画をつくって、地方の方にもその範囲内で御努力願うように努力中だというのが現状でございます。
#139
○国務大臣(竹下登君) いま住宅局長からお答え申し上げました実態でございます。いま春日委員御指摘のように、公営住宅に対するニーズというものは、これは住民個々には私は十分現在なおあると思っておるのであります。ただ問題は、それが今度は地方公共団体自身の政府サイドに対する要望という形になったときに、そこでもろもろの問題があるからそれがダウンしてきている。そうして形の上に出ては、財政当局的考え方に立てば、一体実際要望のないものを要望を上回る予算をつけるのはおかしいじゃないか、こういう議論もないとは申しません、私も。そうしてまたそれがもろもろの問題があるだけに、結局年々つけられる予算の中でいわば返上てございますとか――返しならまだ結構でございます、一応受けて、ちょうだいしたわけでございますから。それがいわゆる建設省手持ちの中で受けてもらえないままに不用額として残りますが、そういうのが現実にあります。これはやっぱり他の問題の解決なくしては私はこれが完全には遂行はできない。基本的に必要にして十分という言葉が幾らかオーバーであるならば、必要にして妥当な数字という感じに私自身なっておりますのは、おおむね従来の実績からしても、この六〇%と大ざっぱに言って四〇%という比率の中でどういうふうにこれからそれらの隘路を取り除いていくかと。確かに、ライフサイクルの問題お述べになりましたか、このライフサイクルの住宅に対する考え方が、たまたままた住宅審議会の意見、総括した意見と、言葉の相違はございますが、おおむね同じ筋のものが出てきておるわけでございますね。確かに私も衣食足って住が不足したと。
 ところが、いま客観的に見れば百七十二万戸という空き家数とでも申しましょうか、量はそれなりにある。ただし、その中にまだ客観的にも主観的にも劣悪なるものが残っておる、これらの解消を十年間でやっていく、せめてその半分をこの五年間で仕上げていこうではないか、こういうことであるわけでありますので、かつていわゆる福祉政策に対する定義を総理大臣所信表明等でつくりましたとき、昭和三十九年の福祉政策というものの議題はどうかというと、すべての国民がその能力適性に応じて職場のある社会、しこうして働く意欲あるなしにかかわらず、すなわち重症心身障害者なるがゆえにとか、あるいは突発的な事項によって働く意欲があるなしにかかわらず働き得ない方々に対しては国が全面的な手を差し伸べるという、やや完全雇用的発想というものが福祉国家そのものの定義であったと。それがいままさに総理大臣の演説が、その後十二年間を経て、すべての者が努力すれば家が持て、そしてまた持ち家と借家の選択ができるというふうに福祉国家への概念そのものが変わってきたというのは、やっぱり社会のニーズに対して政治が限りなく挑戦をしてきたという一つのあらわれではないか。だから、これからもいま先生御指摘の点を十分踏まえて、しかも空念仏に終わらないで、空念仏に終わらないためには、住宅政策だけでできない地方公共団体へのもろもろの隘路の除去等を、あるいは宅地政策、そうした問題について十分な施策を行いながら、必要にして妥当なこの数字というものの消化に努めてまいりたいというのが素直な私の心境であります。
#140
○春日正一君 この議論はもう幾らやってもあれですから、私言っておきますけれども、私どもの考えでは、地方公共団体で公営住宅を建てかねておるというような現状にあるなら、やはり国の政治としてその隘路をどう打開してやるか、そうして住民のニーズにこたえていくかというのが政府としての責任だろうし、やる気になればできるはずだと私はそう思います。しかし、この議論やっておってもこれ切りがありませんから、先に実際問題でいろいろお聞きしますけれども、そこで最低水準へ、約五百万世帯ですね、四百九十万世帯になりますか、二分の一を五ヵ年間で引き上げるというわけですから。ということですけれども、そのことと住宅建設戸数とは一体どういう関係になっているのかと、たとえば公的賃貸し住宅ですね。これが七十万戸と私らは計算したけれども、ほかの要因入れて百六万戸とそちらは言っておいでになる。一体その建設で、どういう居住水準で、どのような所得の者がどのくらいの世帯、最低水準に達することができるのか。もう一つは、公庫百九十万戸の建設、これと、百九十万というとこれダブってきますがね、では一体それでどういうことになるのか、そこらの辺を少し具体的に聞かしてほしいんですが。
#141
○政府委員(山岡一男君) ただいまの先生のお話にございました、新しい居住水準によります水準以下居住世帯九百八十五尺その半分を全部戸数で計算するというのではございませんで、先ほど申し上げましたように、住みかえによって改善されるもの、それから増築等によって改善されるもの等も加味いたしまして数字をはじいております。それで、この期間中にたとえば公営住宅でございますと、現在五十八、平方メートルが実績でございます。これを五十五年度までに十二平方メートル引き上げまして七十・二平方メートルに上げる。それから公団住宅でございますと、五十年の実績が六十八平方メートルでございますが、五十五年までには八十五平方メートルまでに上げるというようなことを念願しておるわけでございます。公庫につきましては現在すでに平均の貸付実績におきまして百平方メートルの水準を保っております。したがいまして、大半が水準をオーバーいたしまして、新しく新築されるものについてはすべて平均居住水準に近いものだというふうに考えております。それらのストックが全部重なりまして最終的に、現在の全体のストックが七十平米ぐらいでございますが、国全体の住宅のストックが八十・二平米ぐらいまで上がるというのが、われわれの今回の五ヵ年計画の最終の願いでございます。
#142
○春日正一君 そこで、先へ進みますが、そうすると、居住水準を目標どおり高めるために具体的にどういう手だてを打たれるのかですね。
#143
○政府委員(山岡一男君) 公的住宅につきましては、規模、設備等の質の向上を積極的に図るということが一番主眼でございますが、世帯構成等に応じました適切な水準を確保することができるように段階的に引き上げていく。たとえば、ことしは公営住宅三平米引き上げておりますが、来年もまた三平方メートル引き上げる。大体先ほど申し上げました五十五年までに七十・二平方メートル、公団で申しますと八十五・一平方メートルというところまでを全部実現させたい。そのためにどれだけ金が要るかという試算をいたしまして、例の六兆五千億というのを中期の経済計画にも組んでもらっております。それらのことも念願いたしまして段階的に改善を図ってまいりたいと思っております。
 それから既存の公的賃貸住宅の増改築、それから世帯構成に応じた住みかえということを申しておりますけれども、この増改築等につきましては、これはささやかなことでございますけれども、ことしぐらいからいろんな事業に全部芽を出すようにいたしております。これを将来計画期間中にずいぶんふやしてまいりたいと考えております。それから住みかえの応援の一助といたしまして、今回初年度は二千戸できわめて小そうございますが、住みかえ等のための応援もいたしたいという施策の頭を出したわけでございます。
 それから民間住宅につきましても、民間デベロッパーによる供給の促進を大いに応援したいと思いますが、住宅ローンの安定的拡大が何よりも大事だと思っております。それから優良な民間の賃貸住宅に対します助成、それから税制による誘導等の従来行っていますものを一層進めていきたいということでございます。反面、やはり水準の向上しということを旗上げしておりますので、従来まあ何でもかんでも新築されれば税制はまけるというようなことでございましたけれども、これからは水準以下の、たとえば床面積三十平方メートル以下の新築住宅であれば従来の税制をやめろと、反面の何といいますか、反対側からの居住水準の向上等もねらっております。それからやはり民間住宅につきましても、既存住宅の有効活用図るための増改築の推進のために融資を拡充する、これは公庫だけではなくて民間にもお願いしたいと思っております。それから世帯構成、ライフサイクル等に応じました住みかえの促進に必要な流通市場の整備等につきましても検討してまいりたいと思っております。
 それから公的住宅の中で、まことにお恥ずかしい話でございますが、その中でも住宅統計調査によりますと、公営住宅等の中で住んでいらっしゃる方、内訳はちょっと不明でございますけれども、六割ぐらいが大体まだ今度申し上げました居住水準から申しますと、水準以下というような状況でございます。これは従来の公的賃貸住宅の規模が小さかった、とにかく量の供給に追われて二DK主流でつくったということの弊でございます。それからもう一つは、家賃が低廉のまま据え置かれておりまして、やはり入居者が長期に滞留しておられる、その間に家族がふえてしまって、居住水準からいうと現状ではどうも居住水準にかなわないというようなことが増加しておるというようなものだと思っております。したがいまして、今後先ほど申し上げました増築できるものは増築をし、住みかえできるものは住みかえをし、先生おっしゃいますように、できる限り賃貸の方にも重点を置きながら新しい大きい住宅を供給して、そういうことで住みやすくするように努力していきたいと考えておる次第でございます。
#144
○春日正一君 そうすると、公的住宅の六〇%が水準以下だ、これはあれですか、五年間で水準に引き上げるというんですか、十年間で引き上げるというんですか。
#145
○政府委員(山岡一男君) これは公的、民間を通じての話でございますので、最低居住水準以下のものにつきましては、六十年を目標に居住水準以下を解消したいという長期の計画を立てたわけでございます。
#146
○春日正一君 そこで、公庫融資百九十万戸分ですね、それから民間自力が五百十万戸という計画ですけれども、それをやるには安定的な住宅金融ですね、これが前提になるわけですけれども、必要な資金量と資金別の調達見通しというものはどうなっておるのか。それが安定的に調達できる保証があるのかという点ですね。これは景気の動向によって金融の引き締めだとかいろいろな形でぐっと減らされるというような面もあるんで、それを本当に計画どおりやっていくためには安定的に保証されなきゃならないんだけれども、それは十分保証される見通しがあるのかどうか、この点どうですか。
#147
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来の議論にもございましたが、確かに住宅金融につきましては、いま御審議いただいております住宅金融公庫、言ってみれば公的な住宅金融、また民間ローン、いずれを通じましても安定的拡大が必要であるということは御説のとおりであります。で、私も実は就任して聞いてみて、驚いたという表現、刮目したという表現にいたしましょうか、大蔵当局があれだけ数字まで挙げてシェアまで示しながら行政指導をして住宅ローンへ傾斜をかけたというのは、これは確かに刮目すべきことだと私も思いました。そして、しかもそれが金融引き締め時でございます。なお、その後生命保険等に対する取り組み方にいたしましても、また今後いわば経済の動向によって設備投資等に対する金融の需要がふえてまいりましても、なおかつある種のシェアを設定して、それの方へ指導し誘導していくという考え方でございますだけに、私はこれは両々相まっての安定的拡大というものは期待し得るんではないか、こういうふうに考えております。ただ、内容的に金利問題等になりますと、またいろいろの議論の出るところでございますが、大筋として安定的拡大というものは期待できる、こういうふうに理解をいたしております。
#148
○春日正一君 公庫の融資の問題ですけれども、衆議院の修正で新たな条件――政令で定める、利率七分五厘ということが予定されているわけですね。これによる個人住宅の貸付戸数を当分の間、総貸付戸数の一割以内にすることとしておる。ところで、この当分の間というのはどのくらいな期間のことを指しておるのか。それから、一割以内というふうにした根拠はどういうところにあるのか、そこを聞かしてほしいんですが。
#149
○政府委員(山岡一男君) 修正案につきましては衆議院において種々議論がございまして、その結果修正があったものでございます。
 この「一割」とされましたのは、われわれの承知いたしておりますところ、公庫の個人住宅貸し付けのうちで資金運用部資金の金利によるものの戸数が今後大幅に増加する、その結果、従来の五・五%の特利の戸数が減少するんじゃないかという点についての危惧を持たれたという点が一つでございます。で、その点われわれといたしましては、毛頭そういうことは考えておりませんで、五分五厘については今後伸ばして、さらに資金運用部資金の金利でその方も両々相まってふやしたいという御説明を申し上げてございますが、どうも最近の予算折衝の過程等についても危惧があるということがいろいろと議論が行われまして、当面資金運用部資金の金利の貸し付けを一割に限定して状況を見ようということにされたというふうに理解しております。
 この「当分の間」とされましたのは、今後の貸付申し込みの状況等を勘案しながら新しい貸付金のあり方について見定めていこうということでございまして、「当分の間」というのが法律に入っておりますと、「当分の間」を外すためには法律の改正が必要でございます。したがいまして、本当にそういう事情があって来年「当分の間」を外すように提案をすることができるのか、いろんな状況から見て二、三年先になるのか、それはやはり今後のいろんな新しい貸付金に対します需要の動向等によって決まってくるんじゃあるまいかというふうにわれわれは考えさしていただいております。
#150
○春日正一君 政令で定める新しい条件の貸し付けについて、所得が比較的多い者、規模が比較的大きいもの、既存住宅の購入等が挙げられておるんですけれども、所得が比較的多いというのはどれくらいの年収の層を考えておるわけですか。それから規模についてはどのくらいな規模を考えておるのか、それから既存住宅の融資制度については需要の見通し、高い利率とする理由、それから既存住宅に対する融資の拡大の可能性、こういうようなものを聞かしてほしいんですがね。
#151
○政府委員(山岡一男君) 現在のところ所得のどれぐらいを考えるかということでございますが、現在の公庫の融資を受けておられます方々の年収をここ数年間見ますと、大体六百万以下の方が九七%ないし九六%というような推移を見ております。で、それ以上の方のところに千何百万という方が入っておられるというような実情でございます。ことしはまだ八千戸という少ない戸数でございますので、この所得を将来政令で決めるときにはどうするのだということになりますと、そういうふうな状況をよく見ながら、大方の同意を得られるところで決めるべきだと考えておりますが、当面は戸数も非常に少のうございますので、当面は規模だけでことしはやってみようじゃないかというのが大蔵と相談している線でございます。ただ、結局そういうような状況でございますので、いま大体どれぐらいかと言われますと、はっきり明言はできませんが、現在の五分五厘の実情から見まして六百万円以上というのを比較的高いと考えてしかるべきじゃないかという心境でございます。
 それから規模につきましては、公庫は従来四十平方メートルから百二十平方メートルまでというものしか五分五厘の融資をいたしておりません。一部やっぱり多家族等につきまして百五十平方メートルまで五分五厘の融資はいたしておりますけれども、今回の分で規模の比較的大きいというものにつきましては、従来公庫の対象にしなかった百二十から百五十までというのを政令の内容にいたしたいと思っております。
 それから中古住宅につきましては、やはり既存の住宅、たとえばマンション購入に対しましてその七〇%ぐらいの融資をしたいと考えております。限度として四百五十万程度を頭に置いております。それから中古住宅の見通しでございますけれども、これは先ほどお話しございましたように、本来の一般貸付枠の一割以内という制限がついております。ことしは全体が二十万戸でございまして、それに対して二千戸というのが中古住宅の枠でございます。それに八千戸足しまして一万戸というのが七分五厘の新金利による枠でございます。一割と申しますと、二十万戸に対しては二万戸ということになるわけでございますが、今後二十万戸の方をふやしていこうと思いますので、その範囲の中で大いに検討してふやしてまいりたいと思っております。全体としての今後の見通しにつきましては、現在民間の中古住宅融資の実情等についても検討をいたしておりますけれども、いろんな数字がございますが、年間で十万戸ぐらいというのが最近ちょっとわれわれ承知いたしておる数字でございます。そういうものが今後五年間だんだん伸びていくと思います。したがいまして、そういうものの推定も含めながら、実情も見ながら、できれば適当な機会にそういうふうな五分五厘とのシェアをはっきりしながら、「当分の間」も消すようなことも検討しながら、ふやす努力をしていきたいというふうに現在考えております。
#152
○春日正一君 そこで、融資の問題でもう一つ大蔵省関係の意見というようなものが、書いたものが出ているんですけれども、たとえば五分五厘で借りられると、だから定期の利息よりは安く借りられるんで、定期をたくさん持っている人が定期をそのまんまにしておいて、それで公庫の方を借りるというようなものがあると、だからということで、大蔵省の方でいろいろ締めてくるという話を聞いているんですけれども、そういう点について、大量の預金を持つ者のチェックのしようというものがあるのかどうか、そこらを聞かしてほしいんですが、そういう道を封じる意味で。
#153
○政府委員(山岡一男君) 今回の法律の中で「所得」と書いておりまして、この所得の中身がまだはっきりしないわけでございますが、その中に、負担能力の見地から見ますと、所得のみではなくて、財産だとか貯蓄だとか、先生がおっしゃいましたようなものもそういうふうな所得の中に入れるべきじゃないかというような意見も出ようかとは思います。ところが、これにつきまして現在確実に把握をできて、それをチェックできるという手段はいまのところ思い当たりません。したがいまして、当面わが国におきましては十分把握できないというような状況でございますので、政令で定める場合にも年収とかいうことで検討せざるを得ないなといま思っておりますが、当面、本年度はまだ所得についての規定はできないと思っておりますので、所得を政令で決めます際に十分そういうことについても検討してみたいと思います。欧米ではそういうものも参考といいますか取り入れて、いろんな金利等を決めている例もあるやに聞いております。その点についても参考にして検討したいと思います。
#154
○春日正一君 わが国の場合、特別に公的な住宅金融の持つ意味は大きいと思うのですよ。というのは、御承知のように国民の蓄積した金が最近まで主としていわゆる設備投資といいますか、産業投資といいますか、そういう方向に回されて、住宅というようなものがなおざりにされてきた。だから、それを埋めるという意味で公的な融資というものが非常に大きな意味を持っていると思うし、もう一つは、私さっから言っています公的な賃貸し住宅が非常に供給がおくれているものですから、やむなく自分で家を建てなきゃならぬ。その場合やはり安い金利の融資が必要になるというような意味から非常に重要な意味を持っておると思うのです。
 そこで、公庫の融資は、法律の趣旨、目的から言っても、より必要としている者に必要とする額を貸し付けられるようにしなければ効果が上がらないわけなんですけれども、五十一年度で個人住宅の貸付限度額が最高四百五十万円ということで据え置かれておるのですけれども、これはどういうわけなのか。現状で言えばもっと引き上げる必要があるのじゃないかという気がするのですけれども、これは公団の総裁から聞かしてほしいのですがね。
#155
○参考人(淺村廉君) 住宅金融公庫の今年度の個人住宅融資の最高額が四百五十万円、前年どおり据え置かれたという点でございますが、これは私ども建設省、大蔵省の御指導のもとに実施いたしておる機関でございます。そこで、いろいろお話し合いを重ねました結果、私が承知いたしておりますのは、建築工事費等につきまして最近ほぼ安定的に推移をしておる、こういう状況下にある点が一つ考えられるわけでございます。何しろ大変多数の方々が公庫資金を渇望していらっしゃいますので、予算の枠も年々非常に拡大していただいております。たとえば今年度は、事業計画、融資契約の総枠を申しますと、一兆五千億の台にもなろうかという、そういうようなことにまで拡大をしていただいております。できるだけ多数の方々にこの公庫の安い金利の資金を利用していただきたいということから、年々大変な勢いで貸付額は伸びてきておりますので、この辺で一年このままで据え置いて、大ぜいの方々にできるだけ回るようにするということを考えておるわけでございます。もちろん世の中は動いておりますので、私どもも本年度の個人住宅の申し込みを受けました状況その他詳細また実態調査をいたしまして、建設省、大蔵省と今後十分に慎重にお打ち合わせをいたしながら、今後に向かってまた努力をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#156
○春日正一君 私ども現状を見て、四百五十万というのは、相当頭金を持っている人とか、そういう能力のある所得水準の高い人ならいいけれども、やはり低い人たちとすれば非常に負担が重くなる。そういう意味でもっとふやすべきであろうというふうに思います。これは将来――と言っても、来年度でもふやすように検討してほしいというふうに思います。
 それから土地に対する融資ですね。これは公共事業による立ち退き、公営住宅からの移住、区画整理をした土地に限定されておるわけですけれども、これももっと融資の対象を拡大すべきじゃないかと思うのですけれども、その点どうですか。
#157
○政府委員(山岡一男君) 土地費の貸し付けにつきましては、いま先生がおっしゃいましたとおり、高層住宅、あるいは土地の合理的な利用を図るような住宅というものを対象としてまいっております。これは公庫が発足当時には土地にも融資をしておったわけでございますが、当時やはりたんぽの中を買いまして、そこで一軒家をつくる、そういうのがやはりスプロールの非常に大きなもとになるというふうなことから、こういうふうなやはり初めから戸建て住宅のために計画されたようなもの、もしくは公的事業のためにやむなく移転をするような方というところにまずしぼりましてやろうじゃないかということで現行の制度になったものでございます。しかしながら、今後の状況等も見まして、土地融資に対する希望も大変出ております、実情に応じまして今後拡大について検討してまいりたいと思っております。
#158
○春日正一君 まあスプロールのもとになるというのも一つの問題だと思うのですけれども、そのことだけ言っておれば公庫の融資をして持ち家をつくれということ自体がスプロールを強制しているようなものなんで、単純にそういうことじゃなくて、やはり対象をもっと広げることを工夫してほしいと思うのです。
 そこで、次に公団の家賃の問題ですけれども、五月の申込分から空き家の割り増し家賃の大幅な引き上げを実施したというのですけれども その内容はどういうもので、値上げの根拠はどういうことか聞かせていただきたいのですが、公団の方。
#159
○参考人(川口京村君) 根拠は建設省令の中にございます。それから契約書の中にも書いてございます。これは不均衡の是正、それから赤字解消と改良、この三つが根拠になっております。
 それから値上げ幅でございますけれども、第一回の空き家家賃と比べまして、平均して一・八倍、大体そのぐらいの数字でございます。
#160
○春日正一君 そこで、一・八倍に上げる根拠というのは、ここに制度上は、「物価その他経済事情の変動」、云々とか、賃貸住宅相互間の家賃の均衡上必要であるとか、いろいろ書いてありますけれども、実際この上げなければならぬという理由ですね。つまり、普通の道理から言えば、建設費を七十年間で償却するということで計算して、それでならして家賃を出したわけですから、途中で上げるという理屈は成り立たぬわけですね。それをそういう形で平均して、十年以上経過した住宅で初めて空き家に入った場合二・六倍ですか、私の方が公団から聞いたあれですがね。一度空き家になって、もう一度空き家入居になった場合八二%上がるというように、そういうふうに上げるその計算の根拠ですね。
#161
○参考人(川口京村君) 計算の根拠と言いましても、計算の哲学としましては、やはり第一が不均衝の是正ということでございます。それで、最近の新しい住宅と比べまして、一番古い、全然上がっていない住宅と比べますと、大体九倍ぐらいになります。それから第一次の空き家の家賃と比べましても四、五倍というふうになっております。先生おっしゃいましたように、公団が賃貸住宅を建てる場合にいろいろ財投のお金をいただいております。これをお返しする分には、あるいは減価償却する分には帳簿上の価格で何も家賃は上げる必要は確かにございませんけれども、不均衡という点から言いますと、いま申し上げましたような倍率がございます。これを上げることによってやはり住宅の改良もしたいと思いますし、それから新しく最近できます住宅か相当高額になっております、それの抑制にも使いたい。
 そういう考えと、それからもう一つ大きな問題は、修繕費、それから公租公課、それから管理事務費等におきまして古い団地がずっと赤字になっております。その赤字をどうして補っておるかと言いますと、結果としては新しい住宅の修繕費とか、そういうものが新しい家は要りませんですから積み立てておかなければならないんですが、そういう余裕もございませんので、その年度に入ってくる修繕費は全部古い住宅の修繕費に使っているわけです。世間で言う自転車操業というふうになっておるわけです。
 ところが、最近住宅の改良と言えるかどうかわかりませんけれども、騒音の問題、浄化槽の改築とか、あるいは傷みもひどくなっておる、ぜひ直さなきゃならぬというニーズが非常にふえておりまして、その古い団地の中から上がってくる修繕費ではとても追いつかないわけです。そういうことが多くなってまいりますと、そういう修繕費を全部プールしてもなお足りないという状態がございます。これは当然補わなきゃならない。以上申し上げましたような理由で、やはり空き家になった場合には、哲学としては、空き家になって供給するんですから、その年度で、多少古くはなっておりますが、新たに供給する住宅というふうに考えまして、値上げといいますか、われわれとしては適正な値段、そういうふうに考えて計算しておるわけです。
 一・八倍と言いますのは、初めから一・八というのを想定したわけじゃございません。値上げの場合の不均衡というものを見る場合に、複成価格と言いまして、現在その土地にそれと同様のものを建てたら幾らかかるかというものを計算しまして、経過年数による陳腐化なり、あるいは狭さとか、いろいろ劣っている点もございます。そういう点を差し引きまして値段が出てくるわけです。それの幅の二分の一というふうにそこで半減いたしまして、これは激変緩和という意味もございますし、いま申し上げました古くなっているとか、いろんなものを勘案して二分の一にしまして家賃を出しましたわけです。その結果、そして一・八というのが出てきた。一・八というふうに高くなっておりますのは、これは公団としては従来から五年ごとに見直すということになっておったんですが、いろんな事情でできなかったわけです。そういうことで年数がたっておりますので平均して一・八になりますけれども、仮に五年ごとに上げておったとすれば、もっと率が少なかったと思われます。それを一度にやったので一・八、そういう結果の数字になったわけです。
#162
○春日正一君 いまいろいろ理由を挙げられましたけれども、最初のできたものと最近できるものでえらい違いがある。これはあるはずなんで、ひどいインフレがあったわけですから、だからそういう地価が上がった、資材が上がった、そういうことで建設費が高くなるとか、あるいはそういうふうな問題とか、それからまた関連公共施設なんかの要求が強くなっていて、その面からも家賃の値上がりに影響してくるというようなものがあったと思うんですけれども、しかし、これは公団の入居者の責任によってそうなったというもので判ないし、また入居者の負担で解決できるというふうな規模のものでも、性質のものでも私はないと思うんですよ。
 そこで、お聞きしますけれども、この十年間にそして割り増しで増収した分ですね。それが幾らになって、そしてそれでどの程度の効果があったのか聞かせてほしいのです。
#163
○参考人(川口京村君) 第一次の分で増収額が五十年――それは予定でございます、まだ決算出ておりませんが、大体百七十五億になります。それがどう使われたかと覆いますと、公租公課の方の赤字を埋めるのが大体三十二億になるのではないか、これは五十年の予定でございます。それから住宅の改良、これは空き家になった場合に新品同様といいますか公団の負担で相当よくしております。そういうものが約二十四億ぐらいになるのではないか。それから特別補修費というのを行います。これはふすま、畳とかそういうものは全部きれいにいたします。そういうものはやはり家賃で回収しなければなりませんので、その回収分が五十三億ぐらいございます。これは全部累計でございます。それから家賃の抑制に回っておると思われるものか大体六十六億になるのではないか。それから四十九年は、これは決算出ておりますが、いま申し上げた数字が増収額が百三十二億、公租公課が二十五億、住宅改良に十八億、修繕費回収分が四十一億と家賃の抑制の累計が大体四十八億、そういう内訳になっております。五十年のは予想でございます。
#164
○春日正一君 そういうことで家賃の抑制――たちばな団地というところの例で見ると、三千円抑えたという話なんですけれども、これは二DKで三万三千円ですか、ところが、そういう努力をしても実際問題として去年の東京・王子五丁目団地ですが、これが五万九千六百円、三DKで。ことし東京の赤羽二丁目団地、これが三DKで六万九千六百円、これは傾斜が終わると十二万六千六百円になるというんですね。これは逆算してみますと、公団の大体家賃負担が一カ月の家計収入の中で占める比率がどのくらいになるか、私正確に知りませんけれども、二〇%として見てもその五倍ですから、十二万六千六百円というと六十三万三千円、つまりこのぐらい所得がふえませんといまの比率は維持していけない。じゃ十年後にそれだけ所得がふえるだろうかということになると、ちょっとそこまではふえそうもないような気がしますので、とても家賃負担をし切れないという数字ですね、これは。そういうふうなものが出てくる。そうすると、いま言われたように努力して、たちばな団地で三千円抑えたと言ってみても、それでは公団の家賃問題というのはどうにもならないんじゃないかという気がするわけです。
 それと、もう一つの不均衡是正ということも言われましたけれども、しかし、これも広域的に見れば、最初に建てた団地だと五千円とか四千円とかそういう安い――その当時は高かったんですけれども――ものがあって、最近建てるのはいま言ったように六万円だ、五万円だというものがあると、団地団地の格差というものが出てくるわけですけれども、それがあるからということで今度は割り増し家賃をやるというようなことになりますと、結局、団地団地かたまって広い広域的にある格差を一つの団地の中に持ち込んできてしまうという形になるわけでしょう。同じ団地でもって、同じ設備で同じ間取りのそういう家で三段階の家賃が出てくるというような矛盾が出てくる。これは住民間では非常におもしろくないし、納得できないものが出てくると思うんですね。そういうふうな矛盾が出てくるわけです。だから、こういう問題は、結局そういうふうな割り増し家賃とかなんとかというようなことで、いまの家賃の時間的な差からくる矛盾というようなものとか、あるいは非常に高くなってこれが支払い能力との間の矛盾ですね、そういうようなものを解決されないんじゃないかというような気がするのです。
 そこで、やはりもとに返って、公団の目的である優良な住宅を勤労者に安く豊富に提供するというその目的に返って、それに照らしてみますと、やはり公団がまあ民間の金を借りる、財投の金を借りる、、とにかく借金して建てて、それで独立採算でつじつま合わせていけというそのシステムと、この公団の目的との間に矛盾が出てきて、それがどうにもならぬようなところまで来ているんじゃないか。そこのところを考えて打開していきませんと、たとえばインフレがどんどんどんどんして、それが出てくるというようなことになりましても、住宅というものは、あれは建ててすぐ重宝なものだけど、生産手段じゃありませんからね、そこから新しいものを生み出しませんから、だからインフレでどんどん上がっていったって、それに住宅そのものが追っついていけない、そういうものがあるわけですよ。それを評価がえして家賃を上げてというような形だけではこれは片がつかぬ問題じゃないか、これが一つ。
 それからもう一つは、家賃の比重が日本では非常に高いんですね。労働組合の調査、総評の調査でみますと、家賃の比率が収入の一〇%までなると家賃負担が重いという感じを持つ人が五三%ぐらいになる。一五%になると七十数%の人が家賃の負担が重いという感じを持つというふうになっている。そうしますと、やはり無制限に値段を上げて家計の中での家賃の比率を広げるというわけにいきませんから、家賃の負担が重く感じない限度と言えば所得の一〇%以内と、そういう限度をもとにして、やはりそこまで下げるために公的資金を投入する、これは公的資策の住宅ですから公的資金を投入する。これも最初は若干入っておったものが途中で切られて、それで現在こういう状態になっているわけですから、もっとそれをやる。たとえば一%の金利を下げれば一万円家賃が下がるというわけでしょう。だから、フランスあたりでやっているように年利三%、償還期間五十年というようなことをすれば、それは相当家賃も下がりますよ。だから、そういうふうな形で公団のあり方というものを根本的にいま考え直してみなきゃならぬところまで来ているんじゃないか、家賃の面から見てもあるいはそういう矛盾の面から見ても。だから、格差があるからそれを上げる、低いのを上げることで接近させようというようなことじゃなくて、そういうふうな政府の施策によって家賃を上げないようにしていく。そしてそういう生活を圧迫しない、そういう限度の中で不公平をどうなくしていくかということになれば国民は納得すると思うんですわ。
 ところが、いまインフレでいろいろな面で物が上がっていますから、だから上げる方では家賃だけならわずかな部分でありますと言う、国鉄運賃だけならわずかな部分でありますと言うけど、上がってくるものは全部生活にかかってくるわけですから、国民は一々分けて考えていませんわ。だから非常に苦しい。そこへ相当な比重を持っている家賃が上がるということになれば、これは非常な苦痛になる。だから、そういう意味で資金コストを下げる努力ですね、さしあたって。私はそんなことだけじゃなくて、公団のあり方、これはどうするかという問題をここらで再検討しなきゃならぬ時期に来ていると思うんですけれども、しかし、さしあたっての問題として利子補給を一%多くして四%にするということで月一万円以上下がるということになる計算が出ているわけですから、だからそういうふうにしてもらえば、全部四%としても必要な財源は初年度で十三億と私は聞いております。それから平年度で三十九億。これは毎年こうかかっていくものですからふえてはいきますけれども、そういうことでもできるわけですから、だから少なくとも来年度から全面的に四%ぐらいな線は確保するというくらいなことはしてほしいし、そういう方向でこの問題を解決するようにしてほしいと思うのですけれども、その点、公団の総裁と大臣、どうお考えですか。
#165
○参考人(南部哲也君) 実は公団賃貸住宅できましたときから高ねの花と言われて二十年間来ておるわけでございますが、大体五年たちますと、いままで高いと言っておられた方々がもうその声を出さなくなるというのが実情でございます。そこで、傾斜家賃というのを取り入れて、そうして五年間の傾斜でこれを補っていく、それが五年ではとてもつじつまが合わなくなって現在十年の傾斜ということでやっております。その結果、先生いま御指摘のような高い家賃になってどうするのだ、所得と家賃との格差のアンバランスをどうするのだ、こういう現実にぶつかっております。そこで、私どもといたしましては、お説のように公団が発足いたしましたときには金利計算は四分一厘でございました。したがいまして、毎年予算のときにはこれを引き下げていただくという要求はいたしております。現に本年度から面開発は五%が四・五%、私の方は四%で要求をいたしたのでありますが。そういうようなことでできるだけ所得と家賃との乖離を少なくしたいという努力はしておるつもりでございますし、今後もその努力はしていきたいと存じております。
  〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
#166
○国務大臣(竹下登君) 春日委員、いろいろ家賃問題について御指摘がございました。確かに公団賃貸住宅の管理戸数が今日五十万戸でございますから、五十万戸の家主さんといったら世界にないだろうと、私も大変なものだなと、それなりに果たしてきた大きな役割りもあったのではなかろうかと思うんであります。ただ、家賃問題になりますと、春日委員御指摘のいろいろな矛盾がございます。公団住宅のみならず、公営住宅の中で、私も驚きましたが、まだ月二十一円の公営住宅もございます。そういうものは一体どうしたものだろうなという感じも持ってみました。そうしていま御指摘のとおり、ああして空き家になって、多少の修繕をしましてお入りになる人は、隣のおやじは三万円払って私は一万円だと、言ってみればそこに住民の連帯感の中にある種の違和感を感ずるではないかという問題もあります。別の意味において、今度は応能家賃制度というのも検討してみたらどうだ、そうすると、応能家賃制度というのもまたこの違和感の問題とある程度通ずる面がありはしないか。
 そういうことを考えますと、それこそ学力不足の私は、この家賃問題についてはどうにもこれはしようがないという考え方に素直になりました。これこそ重ねて申し上げますように、電気料金決定に際して電気料金学というものがあるように、家賃学という講座が大学の中にできて、その家賃学の定義の中で総合的に決めたら一番いいんじゃないかなと、そこで不足するものをどっかに補わなければならぬと思って模索いたしておりましたさなか、住宅宅地審議会の小委員会の先生方が、私がお願いしたのではなくして、自主的に、この家賃問題大変だから、われわれの方でひとつ本気に検討してみてやろう、渡りに船とこれに飛びつきまして、それで抜本的な家賃体系についての御検討をお願いすると、こういうことになったわけであります。いま御指摘の住宅公団そのものが、ことしも総裁以下努力されて、四%にはならなかったけれども四・五%になったというような問題につきましては、これは予算の単年度主義の中でわれわれも今後ともにそういう方向で努力しなければならぬ。しかし、基本的な家賃問題につきましては、本当に大変な問題がございますので、私は住宅基本法というものをつくるに際しての必要性からもして、私はそういう小委員会の先生方の御審議に待って、これに対して対応していきたいと、このように考えております。
#167
○春日正一君 大臣がかぶとを脱いだということになると、これはあれですけれども、本当に非常な矛盾を持っているので、これはやはり家賃問題ということじゃなくて、公的な賃貸し住宅をどうするかという問題として、特に公団そのものがいまやっておる事業なりシステムなり、そういうものを洗い直して検討すべきときに来ているんじゃないか。その点を特に強調もし、安易に家賃を上げて、それでつじつま合わせるというような行き方はやってもらいたくない。
 そこで、最後に私もう一つお聞きしますけれども、最近公団住宅の家賃の一斉値上げというようなことが言われて、住宅に住んでいる方々は非常に神経を立てておるわけですわ。そこで、この問題について建設大臣はどう考えておいでなのか、ひとつ住民を安心させるように御答弁願いたいと思います。
  〔理事松本英一君退席、委員長着席〕
#168
○国務大臣(竹下登君) これはいま家賃学の議論をいたしましたが、公団住宅の家賃は建設年度の古い住宅、最近供給されている住宅、その間に著しい不均衡が生じますし、古い住宅については修繕費その他維持管理費も不足する等の問題が生じておるということはこれは事実であります。このような問題は放置しておきますと一層拡大する傾向にございますので、公団住宅入居者相互間の家賃負担の公平と公団住宅経営の健全化を図るために、基本的には古い住宅の家賃を一定水準に引き上げる必要があると考えておることはこれも事実であります。この点についてはまさに住宅宅地審議会の答申においても、定期的に家賃を見直してその適正化を図るべきだ、こういう指摘を受けております。しかし、公団賃貸住宅、先ほども申し上げましたように五十万戸に達する現状、この家賃の引き上げを一斉にやるなんていうことを考えますと、私が考えただけでもこれは大変な問題が起きてくる。まさに影響するところ大でございますので、具体的な実施方策については今後慎重に検討を続けることとして、目下一斉値上げは考えておりませんということを明瞭に申上げます。
#169
○委員長(中村波男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#170
○委員長(中村波男君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#171
○委員長(中村波男君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、大森久司君及び古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として佐多宗二君及び初村滝一郎君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#172
○委員長(中村波男君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認めます。
 二宮君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。この際、本修正案を議題といたします。
 二宮君から修正案の趣旨説明を聴収いたします。二宮君。
#174
○二宮文造君 私は、ただいま議題になっております住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党及び日本共産党の各派共同提案による修正案について御説明申し上げます。
 修正案の案文はお手元に配布しておりますのでこれを省略し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、修正の要旨を申し上げますと、第一に、政令で定める、所得が比較的多い者、規模が比較的大きい住宅を建設する者等に対する貸付金に関する規定を削除すること、第二に、政令で定めることとなっております既存住宅購入資金貸付金の利率を年五・五パーセント以内で政令で定める率とすること、第三に附則第八項の規定を削除すること等であります。
 次に、修正の理由について申し上げます。
 住宅の購入価格や建設費が著しく高騰し、住宅金融公庫の低利の住宅融資に対する国民の期待がきわめて強く、融資申し込み受け付け期間を制限し、なお抽せん制によって貸付者を決定している現状におきまして、政令で定める高金利の個人住宅融資の制度を新設することは、高額所得者に対する融資の道を開くものであり、一般の金融機関が融通することを困難とするものに融資することを目的とする住宅金融公庫法の精神に反する改悪であると言わざるを得ず、その撤回を求めるものであります。
 また、住宅の確保を求める国民大衆の立場に立てば、既存住宅購入資金貸付金の利率を新築住宅購入の場合と差別する理由はなく、新築住宅購入資金貸付金と全く同様の取り扱いを受けるべきであると考え、法律にその利率の上限を明記することといたした次第であります。
 以上が修正の趣旨説明でありますが、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#175
○委員長(中村波男君) それでは、ただいまの修正案に対し質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、これより原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#176
○松本英一君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、私は、日本社会党を代表いたしまして、日本社会党、公明党及び日本共産党の共同提案に係る修正案に賛成し、原案に反対する意見を表明いたすものであります。
 戦後三十年を経た今日、なお一千万世帯に及ぶ住宅困窮世帯が存在し、政府に対し住宅問題の解決を求める国民の要望はますます強くなっております。
 しかるに、政府がこれまで実施してきた民間依存の住宅政策は、地価や建築費の大幅な値上がりと長引く経済不況によって破綻し、また公営住宅や公団住宅等の政府施策住宅の建設が完全に行き詰まり状況にあります現在、国民が期待できますものは住宅金融公庫による長期低利の住宅融資だけであるといって過言ではありません。
 しかるに、今回の改正は住宅を求める勤労者大衆の期待を裏切り、ただ単に政令で定める高い金利の個人住宅融資の制度を新設することを大きな柱とするものであります。
 この政令で定める貸し付けの制度は、これまで法律で五・五%以下と定められていた貸付金利とは別に、国会の議決なしに政令で政府が一方的かつ自由に定める貸付利率等の貸付条件で融資する制度であり、このような貸付制度を新設することは、国会を軽視しているのみならず、住宅取得の困難な国民に対して低利の住宅資金を融通するという公庫法の精神に反するものと言わざるを得ません。今回の改正は高額所得者に対する公庫融資の道を開くものであり、また、これによって五・五%の法定金利による融資が圧迫されることは必至であります。
 政府の施策の貧困によって住宅建設費が大幅に値上がりし、もはや勤労者の資金調達限度を超えて持ち家が不可能になりつつあるとき、公庫による低利の住宅資金の安定的供給は優先して確保されなければなりません。わずかの財政負担の増加を理由に公庫の金利引き上げを図り、ますます勤労者の住宅取得を困難にさせる今回の改正を容認することはできません。
 以上の観点から、政令で定める高金利の貸付制度の新設の撤回を求め、既存住宅購入資金の貸付利率の上限を五・五%以内と限定する修正案に賛成し、原案に反対するものであります。
#177
○増田盛君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に関し、修正案に反対、原案に賛成の討論を行うものであります。
 わが国の住宅問題は、好転に向かいつつあるとはいえ、まだ多くの国民が狭小住宅に居住を余儀なくされており、しかも地価の高騰や建築費の高騰、さらに公共公益施設など環境整備の問題も加わり、いよいよ複雑な様相を呈しているのが実情であります。福祉社会を目指すわが国におきまして、かかる住宅問題の解決こそ国民生活の安定を図る上で必要であり、良好な住宅の計画的建設こそ現下の急務とされているのであります。
 こうした背景の中で、居住水準の向上と居住環境の改善を目指す新たな第三期住宅建設五カ年計画が策定されようとしておりますことは、時宜を得た施策であり、この五ヵ年計画のもとに、各事業が着実に推進されることこそ緊要と思うのであります。
 住宅金融公庫は、昭和二十五年の設立以来、国民大衆の住宅建設等に必要な資金を貸し付けることにより、国民生活の安定に寄与してきたのでありますが、第三期住宅建設五ヵ年計画におきましても、その役割りと業務内容の拡大は、ますます期待されているところであります。
 かかる視点から、本改正案は、住宅金融公庫の業務に新たに既存住宅の購入等を対象とする貸付制度を設けるとともに、宅地造成等に関する貸付業務の拡充、関連利便施設及び関連公共施設貸し付けの償還期間及び据え置き期間の延長、施設住宅に対する貸し付けの特例に関する規定の整備等を行おうとするもので、まさに時代の要請にかなった適切な措置と思うのであります。
 次に、日本社会党、公明党、日本共産党から共同提出されました、比較的所得の多い者等に対する個人住宅貸付制度の削除、既存住宅購入資金貸付金利の上限明記等の修正案につきまして申し上げたいと思います。
 前者は、居住水準の向上に伴う国民要請の多様化にこたえる措置であり、また、後者は既存住宅の流通を促進し、新規供給と同様の効果を期するものであり、一定資金枠の中で、いずれも住宅金融公庫の窓口をより広く国民各層に開こうとするものであります。また、この場合の政令で定める金利は、公庫の原資である運用部資金に見合った金利をそのまま課することとしております。これは貸付資金の絶対量が需要量に比較して不足状態にあること、また、これらの貸付金の対象者が、比較的所得の多い者であることを考えると、社会的公平の原則にも沿うものと思うのであります。
 私は、こうした理由に基づいて、本法律案の措置により、国民大衆の持ち家所得の促進を良好な居住環境の確保か大きく前進することを期待するものであり、それゆえに、原案に賛成し、修正案に反対するものであります。
 以上で討論を終わります。
#178
○矢原秀男君 ただいま議題となっております住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、私は、公明党を代表いたしまして、公明党及び社会党、共産党の共同提案に係る修正案に賛成し、原案に反対の意見を述べるものであります。
 用地難とともに住宅建築費や住宅購入費が著しく高騰しました現在、長期低利の公庫資金に対する国民の期待はきわめて強く、最近締め切られました本年度の上半期の個人住宅資金の融資申込数が貸付枠を大幅に上回り、抽せんにより貸付者が決定されるという状況にありますが、今回の改正は、この国民の期待に反し、政令で定める高金利の個人住宅融資の制度を新設するもので、高額所得者に対する公庫融資の道を開こうとするものであり、これは長期低利の住宅金融を担当する住宅金融公庫設立の精神に反する措置と言わざるを得ません。
 住宅金融公庫に対する利子補給金の増加という単なる財政上の理由で、住宅を求める国民の切実な要望を無視して、不当に公庫の長期低利の融資を制限しようとする政府の態度は、所得の低い住宅困窮者を切り捨てにし、高額所得者を優遇するもので、断じて容認することはできません。
 また、最近における住宅建設費の高騰によって、国民大衆の手の届かないものとなった新築住宅のかわりに、手ごろな価格で入手できる中古住宅を求める庶民の立場に立てば、既存住宅購入資金貸し付けの金利を、新築住宅購入の場合に比べて高くする理由は全くないのであります。新築住宅購入資金に対する貸付金利と同等、または低率であるべきであります。
 かかる見地から、政令で定める高金利の貸付制度の新設の撤回を求め、既存住宅購入資金の貸付金利の上限を五・五%以下と法定する修正案に賛成の意見を表明し、原案に反対するものであります。
 政府は住宅を求める国民の切実な要求にこたえ、五・五%の法定金利による個人住宅融資の積極的な拡大を図り、国民の需要にこたえて、その申し込みの完全消化に努めるべきことを特に強く要望いたしまして、私の討論を終わります。
#179
○春日正一君 私は、公明党、社会党、共産党の共同提案に係る修正案に賛成し、原案に反対する態度を表明して、討論を終わります。
#180
○委員長(中村波男君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、二宮君提出の修正案を問題に供します。二宮君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(中村波男君) 少数と認めます。よって、二宮君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(中村波男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#184
○坂野重信君 私は、ただいま可決されました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項について所要の措置を講ずべきである。
 一、個人住宅資金の貸付けについては、法定金利による貸付けが基本であることに留意し、今後とも法定金利による貸付け戸数の増加に努めること。
 一、個人住宅資金の貸付けについては、標準建設費を実勢価額に近づける等貸付限度額の引上げに努めること。
 一、既存住宅の購入を目的とする貸付金については、今後の貸付け実績を勘案し、その貸付け枠の拡大に努めること。
 一、大規模な開発事業にともなう地方公共団体の負担の軽減を図るため、関連公共・利便施設の建設資金等に関する貸付条件の改善に努めること。
  右決議する。
 以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#185
○委員長(中村波男君) ただいま坂野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(中村波男君) 全会一致と認めます。よって、坂野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、竹下建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下建設大臣。
#187
○国務大臣(竹下登君) ごあいさつを申し上げます。
 本法案の審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重し、今後の運用に万全を期して努力する所存であります。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#188
○委員長(中村波男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(中村波男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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