くにさくロゴ
1975/05/24 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 逓信委員会 第8号
姉妹サイト
 
1975/05/24 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 逓信委員会 第8号

#1
第077回国会 逓信委員会 第8号
昭和五十一年五月二十四日(月曜日)
   午前十一時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森  勝治君
    理 事
                長田 裕二君
                西村 尚治君
                最上  進君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                川野辺 静君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                新谷寅三郎君
                高橋 邦雄君
                棚辺 四郎君
                細川 護煕君
                案納  勝君
                川村 清一君
                森中 守義君
                藤原 房雄君
                山田 徹一君
                山中 郁子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  村上  勇君
   政府委員
       大蔵政務次官   細川 護煕君
       大蔵省主計局次
       長        松下 康雄君
       郵政政務次官   羽田  孜君
       郵政大臣官房長  佐藤 昭一君
       郵政省電波監理
       局長       石川 晃夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       宇宙開発委員会
       委員長代理    網島  毅君
   参考人
       日本放送協会会
       長        小野 吉郎君
       日本放送協会副
       会長       藤根井和夫君
       日本放送協会専
       務理事      藤島 克己君
       日本放送協会専
       務理事      野村 忠夫君
       日本放送協会専
       務理事      坂本 朝一君
       日本放送協会理
       事        山本  博君
       日本放送協会理
       事        川原 正人君
       日本放送協会理
       事        中塚 昌胤君
       日本放送協会理
       事        橋本 忠正君
       日本放送協会経
       理局長      堀場 仁徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○電報、電話料金値上げ反対に関する請願(第三
 五九二号)(第四一四四号)(第四三七六号)
 (第四三七七号)(第四五六二号)(第四九七
 六号)(第五一一九号)(第五八〇二号)(第
 六四二二号)(第六七七四号)(第八六八九
 号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森勝治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○森中守義君 いよいよ最終日でございまして、十分時間もとれない状況にありますので、ごく重点的にお尋ねをしたいと思います。
 最初にNHKの基本姿勢といいましょうか、あるいは経営陣の態度といいましょうか、こういうものがやはり予算審議に当たり原則的なものとして重要である、こういうふうに思いますので、それからお尋ねいたします。
 たしか、ことしの二月十三日の「朝日ジャーナル」で、独協大学の宮川淑という助教授がこういう一文を紹介しておるわけです。つまり今回の協会の受信料改定の原案の作成に当たって、周到な政府及び国会筋への根回しを行った、こういうようなことが披露されておりますが、具体的にこの人はその事例を挙げておりませんけれども、実際問題としてどういうことをおやりになったのか、あるいは単なる宮川助教授のいわば一種の想定論なのか、この辺の事実関係を会長からお尋ねしておきます。
#4
○参考人(小野吉郎君) 独協大学の助教授とは直接交渉を持っておりませんので、どのような事実をもとに申されたか、よく私どもつまびらかにいたしません。ただ、私どもといたしましては、五十一年度予算には多くの問題を含んでおりますので、そういった点につきまして各方面の御理解を得るために十分な努力をしなければならなかったことは当然でございます。そういった意味合いからこの予算案につきまして御理解を賜りますように、いろいろ努力を重ねてまいったことは事実でございます。それと同時に、今年度におきましては、この予算が非常に重要な問題を含んでおりますので、国会にも十分な御審議をいただくべく例年よりははるかに早く国会御提出の手続をとりましたことも事実でございます。
#5
○森中守義君 これはもちろんたてまえからいきますと、協会と郵政省との間の話はこれはわかる。けれども、受信料それ自体が公共性の上に立つ料金である限り、いわば概念的には公共料金というこういう性格を否定できない。そこで問題になりますのは、やはり物価閣僚協あるいはその前提としての経済企画庁、こういうところも本来的な意味からするならば協議の対象になってもいいはずだと、こう思うのです。
 そこで、たてまえどおりそういう物価閣僚協であるとか、あるいは経済企画庁などとは、全然、何らのアプローチもしなかったのか、たてまえどおりにやられたかどうか、そのことをいま私はとやかく思うわけじゃありませんけれども、ただ何か宮川助教授の言い回しというものは、政府及び国会筋に対する周到な根回しがあったというふうな言い方からしますと、いささか背景的なものとして問題があるように思う。したがって物価閣僚協であるとか、あるいは経企あたりに非公式な打診等はされたのか、されなかったのか、この辺の状況はどうですか。
#6
○参考人(小野吉郎君) 経済企画庁とはやはりそういったいろいろな物価問題に影響する諸般の問題、経済関係の問題について、基本的な政策を持たれるところでございますので、経済企画庁には私どもの案の内容は十分に御連絡は申し上げ、経済企画庁としての立場の御意見等も賜っております。
#7
○森中守義君 これは内在的な手続としては、ある意味で私はそのことが妥当だと思います。その場合に、企画庁はどういうような意見を表明しましたか。もちろんいま会長の言われるのは非公式ですよね、公式にそういう必要はないわけだから。しかし手続としてはそういう措置が背景としてあったということはわかりました。企画庁はどういう意見を持っておりましたか。
#8
○参考人(山本博君) 二度にわたりまして私の方の案の内容について説明をいたしました。
 で企画庁の方はNHKの予算並びに受信料の値上げについて公式な意見の表明というのはする立場にないけれども、特段に意見があれば申し上げますということがございまして、その後、私の方に特別の御意見という形で参ったものはございません。
#9
○森中守義君 郵政大臣、当然、協会予算に対して意見を付されて国会に出されるに当たりましては、閣議の決定、閣議の了解ということが必要ですね。その前に物価閣僚協に対して日本放送協会の約五〇%値上げについて何か意見の開陳をおやりになりましたか。
#10
○国務大臣(村上勇君) 物価閣僚協にも十分連絡をとりまして、NHKの予算については十分御了解をしてもらっております。
#11
○森中守義君 そういう経過の中で、たてまえとしてはそういう必要はない。けれども、受信料の性質上、そういう物価閣僚協あるいは経企あたりへの非公式な打診というのは私は必要だと思う。
 そういう議論の経過の中で、一体、NHKの受信料というものは性格的にどうなんだ、つまり具体的に申しますと、経済企画庁が現在ランクづけをしている各種の公共料金がある、そういうものと同列に扱うべきものなのか、在来どおりいままでのたてまえでいいのか、その辺の基本的な議論はどうでしたか、全然なかったんですか。両者からそれぞれお答えいただきたい。
#12
○国務大臣(村上勇君) 別に、これに対してイエスとかノーとかいうような具体的な返事、回答はなかったように思います。
#13
○参考人(小野吉郎君) NHKの料金につきましては、昭和三十九年の臨時放送関係法制調査会等におきまして、この料金はNHKの業務を維持するためにNHKに特に徴収権を認められたいわゆる国民の負担金と解すべきだろう、こういうような定義が下されております。自来、いろんな説がございますけれども、やはり私どもはこういった性格のものであると考えますし、また政府部内におきましても、それらいろんな料金関係を見られる場合に、やはりNHKの料金も、国民の負担金であれ何でありましても、いろいろ参考にされることはあると思いますけれども、公共料金と一律、同列にお考えになっておる気持ちはないのではないかと私は想像をいたしております。
 と申しますのは、料金としてはいろいろ国民の負担にかかることでございますので、いろいろ問題を重視されるわけでございますけれども、いわゆる政府が決定ないし認可される公共料金と同列にはお考えになっておらない。ただ、公共の負担になる点はこれはもうもちろん否定できませんけれども、そういった意味合いにおいて同列ではないにいたしましても、料金として非常に関心を持っておられることは事実であろうと思います。
#14
○森中守義君 郵政大臣も会長も、これは私はこれから非常に大きな議論の中心になってくると思うのですね、今度はこれで一応乗り越すにしましてもね。またいずれの時期かにはこういうことが再来する可能性が十分にある。その際に、受信料という法制上の制度である、だから公共料金じゃございませんというこの理論がもう非常に脆弱になってきているのですね。何といっても制度の上に乗っかっているとはいいながら、二千数百万世帯から受信料が払われるという、つまり大衆負担という言い方が私は正しいと思う。そういう大衆負担という状態からいきますと、受信料という制度、料金という性格、これはやっぱり分離して考えていかねばならぬのじゃないかというように思う。したがって、いまそのことをここできちんと決着をつけようという意思はございませんが、受信料という制度、料金という性格、このことはひとつきちんと政府あるいは協会の方でも整理してもらいたいと思いますが、どうでしょう。少なくとも制度及び料金という性格、これは分離して判断をつくるべきものであるというように私は考えるが、どうでしょう。
#15
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 これは国会で御承認をいただくことでありまして、先ほど小野会長から御答弁がありましたと同様に考えております。
#16
○参考人(小野吉郎君) 森中先生のただいまの御指摘まことに傾聴すべきものがあると思います。受信料制度そのものと料金という面からくる国民負担にかかわりがある問題について、私どもは公共料金そのものではないと思いますけれども、やはりそこには非常に問題があろうかと思います。そういった面で料金として考え、また国民に広く負担をかける点につきましてはこれは公共料金の作用とそう大差はないものではないかとも考えられますし、この辺のところはいろいろむずかしい面もございますけれども、詰めて検討してまいりたいと思います。
#17
○森中守義君 これはこれからこういうものがそうちょこちょこあってもかないませんけれども、やはり契約者が、あるいは広く国民がどういう受けとめ方をするかというきちんとした整理を示しておきませんと、混乱しますし、混迷しますよ。私は、持論としましては、制度と料金の性格というものはおのずから違う。つまり大衆負担というこういう見方からするならば公共料金という意味合いを強く持たせるべきであろう、こういうように思うのですが、ここにひっかかっていてもしようがありませんし、いまお答えがありましたから、これからの重要な検討課題にしてもらいたいと思う。
 いま一つは、少しこれは小野会長生臭い話になりますがね、そういう背景作業ということは当然なものとしてもいいように思う。ただ、協会予算の編成の時期、調査会の結論が出された時期、そして昨年の暮れです、世間が騒然としたその渦中でスト権問題の懇談会が開かれた。この辺に、私は、政府あるいは国会筋と周到な根回しがあったというものを、やや適当でないかわかりませんけれども、判断のしようでは結合できる可能性がある。
 つまり会長が座長の座に坐られる、一定の結論が出る、そして記者会見等が行われて、一応答申が終了の段階に至る経過の中で、政権中枢部あるいは政党中枢部に協会は五〇%値上げが必要だ、そこに会長がスト権座長として世間の脚光を浴びた。一体、この関係がどうなのか、これは邪推にすぎぬと言われるかわかりませんが、世間ではそういう見方をする人もいる。あれほど姿勢高くスト権問題でNHK会長が立ち振る舞ったということは、料金問題について政権中枢部と政党中枢部に対し、すでにそのことでももう取引ができたのじゃないか。実は、宮川助教授の言う政府及び国会筋への周到な根回しというものが、さっき私がすらっとお尋ねをした物価閣僚協あるいは経企への相談、そのこと以外に、これが本物じゃないのだろうかということを指摘したかったわけですが、そういう経過はございませんか。
#18
○参考人(小野吉郎君) そういった意図は毛頭ございません。いろんな時期的には偶然の符合があったかもわかりませんけれども、私はまさにこれは遺憾だと思います。私自身にはそのような意図は毛頭ございませんでしたし、いわゆる基本問題調査会の結論も実を申しますと、審議過程等についても早目にお願いをいたしまして、もっと早く結論をいただいておくべきだったと思いますが、偶然にそのようなことに相なったわけでございまして、この点につきましては、いろんな誤解を受けることもよくわかります。私はまことにこの点は遺憾に存じております。
#19
○森中守義君 これは、会長ね、時期が時期でもあるし、しかも立場が立場ですから、よほど慎重な振る舞いをしていただかないとよけいな疑問を持たれる、よけいな疑惑がある。決してこれは日本放送協会のために裨益することにはなりません。この議論を続けていくと時間がたってしまいますから、これ以上申し上げませんが、その置かれている地位、その立場、環境というものはよほど峻厳なものとして動作をしてもらいたい。そういたしませんと、全然背景や事情がわからない、知らされない、見えないという場合には、いま私が申し上げるような疑問、疑惑が出ることも一概に否定できません。そのこと自体がプラスの作用をしない。こういうことでなかったという会長の答弁を私は信頼しておきたい。しかし、自後の問題としても、十二分にこのことについてはみずからを律せられるように強く期待をしておきたいと思う。
 それから、いま一つの問題は、いろんな意見が最近ございますが、協会に対する批判ですね。そういうものの代表的なものとして、どうも昨今のNHKは政府の御用放送に堕したのではないか、こういう意見が決してないでもない。さっき御紹介申し上げた宮川助教授の「朝日ジャーナル」の一節にも、そういう節が幾つか述べられております。これをよく考えると、やっぱりいまの放送法の制度あるいは協会運営の制度、人事配置の制度、こういうところに結びつけて、これまた否定できない側面が十二分にある。
 つまり具体的に申し上げれば、この前青島委員からもずいぶん峻烈な意見が出ましたがね、協会の最高の意思決定機関である経営委員会、そのあり方、あるいは経営委員の任命の方式及び会長の経営委員会における任命、会長の手による副会長以下理事各位の任命、こういう一連のものがやはり御用化、御用放送というものに意図的に意識的に他意的に結びつけていけば結びつかないこともない。もちろん国会が経営委員の同意を与えるという、つまり形式上手続的なものはございます。国会が同意を与えなければそれでいいじゃないかというようなことにもなりましょうけれども、この前の青島委員の質問の要点は、そういう実態と形式をどう考えるかということで大臣にかなり厳しい質問が出たわけですね。
 だから、これ大臣にお尋ねしますが、もちろん経営委員の人事というものは国会が人選をし国会が発議するんじゃない。内閣が発議をして国会に持ち込むわけです。その際に内閣が選定をし国会に同意を求めてきた場合、大多数の党がノーと言った場合、多数でこれを同意を与えるという措置をおとりになりますか。在来、そういう先例は比較的に少ない。しかし、最近は、たとえば電電公社の経営委員小佐野賢治というような人については相当期間放置した例がある。その他幾つもの事例がありますよ。ですから、国会の同意事項とは言いながら、人事の発議というものは政府がおやりになる。国会の大多数の党がノーだと言った場合に、あえてなおこれを押し切るという意思なのかどうなのか、どういうふうにお考えになりますか。
#20
○国務大臣(村上勇君) 国会で全く否決された場合には、これはこれを任命するというわけにはいかないものだと、こう解釈いたしております。
#21
○森中守義君 それは否決されればこれは論外ですがね、どうもやっぱり国会の流れからいってどの党は賛成、どの党は反対といえば大体わかりますよ。つまり全会一致でいかないような人事を、今日の与党の多数によってこれを押し切るかどうか、もう一回再検討するかどうかという、こういう意味合いですよ。
#22
○国務大臣(村上勇君) それは時によりけりでありまして、野党の一部において反対がある場合と野党全体が反対の場合というようなそれぞれの事情にもよると思いますが、野党のほとんど全員が反対しているという場合には、十分に慎重にこれらの理解を得るように努力をする必要があろうかと思います。
#23
○森中守義君 それから、もう一つ、同じようなものは収支予算、事業計画、資金計画、いずれもこれは放送法三十七条によって国会の同意を求めねばならぬ。この場合に、小野会長、そういうことを余り予測したくないし、そういうことが到来することを避けたい、けれども決してこれは仮定の議論じゃなくして、これからだんだんむずかしい時代に入ってくる。しかし、この法定上の三つのものにどうしても野党が同意を与えない、与える状況にない、そういう場合に、協会としましては、やり得る手段はもう二つしかない。つまり与党という多数によって強行突破をやるか、さもなければ、進んで全党の同意が得られるような内容の変更、つまり一時撤回をして再提出をするか、二つだ。その道のどれをとろうとされるのか。やや先行的な議論になりますが、もし仮に小野会長以下幹部各位の胸中に、大多数の野党の反対はやむを得ない、撤回の意思はない、しかし自民党という多数によってこれが成立されるならばこれも多とするという、どの道をおとりになりますか。ここに、実は御用放送、御用機関ではないかという危惧の念が世間の中にある、こういうことなんです。これは私は生きた国会という舞台の中にNHKがどう対応するのか、きわめて重大な問題だと思います。それがこれから先大きな問題として課題が投げかけられていくわけですが、真に不偏不党、中立、この原則を貫こうとするならば、とり得べき道はおのずから明快であろうと思う。さて、国会における同意人事、これに対する答えはいま大臣から出ました。協会みずからはこういう危惧の念にどうこたえようとするのか、これをひとつ正確に解明しておいてもらいたい。
#24
○参考人(小野吉郎君) NHKは国民の支えによって初めてその使命を十分に発揮できるものと私は考えております。その意味から申しますと、予算あるいは予算の中に盛られました各条項が国民の、厳格に言えば理解と申しますか合意と申しますか、その上に立たなければならないと思います。この国民的合意をとり得る具象的な具体的な組織的な、最もそれにふさわしい場は国会の御審議であろうと思います。したがいまして国会において全会一致で御承認を得ることがこれが絶対に必要であると私は考えております。そのためには、全会一致で御承認得られるよう、これに対応していくのが協会としては正しい道ではないかと思いますので、今後は、そういったような状況において判断をしてまいるつもりでございます。
#25
○森中守義君 それはこういう公開の場所の議論としては少し深く踏み込み過ぎた感じもしますけれども、いま会長の言われるのは期待であり、願望ですよ。つまり会長の顔だ、副会長、技師長の顔だ、理事諸君の顔だ、こういう顔で各党の根回しをやる、国会に根回しをやる、こういう段階はもう過ぎている。これはひとつよく認識されておく必要がある。
 問題は、収支予算、事業計画、資金計画の内容ですよ。もちろん私の党は言うまでもなく、全党がNHKの将来を非常に心配している。これだけは肝に銘じてもらいたい。何としてでもNHKが厳しい世間の批判に立たないように、将来長く繁栄し、国民の公共放送として国家、社会、文化に生活に貢献できるようにという意味合いで、両院の逓信委員会は協会の予算に必要以上に注目し、必要以上に真剣な議論をする、これはもう間違いない。しかしながら、そういう空気の中に協会が置かれている。収支予算の内容であろうと資金計画であろうと、こういうものが全く契約者の意に沿わないもの、どう考えてみても国会としては同意を与え得られないもの、こういうものにもしなるならば、さっき申し上げたような危険性というものは出てきますよ。私は、ある意味では、これから内容に多少触れますが、幾つかの問題がある、そういうところに。そういうことでもなおかつ協会のために問題点を解明をする、その反省を求める、叱咤激励しながら、ことしはこれでいいという状況であると思う。次の段階で必ずしもそれと同様にいくかという保証はない。その際に、いま会長の言われる期待や願望だけでは乗り切れない場面がくると思う。
 今日、多数支配のもとにあえて私は置かれていると、こう申し上げておきたいと思うんですが、そういう際に、多数支配にくみして少数何するものぞというような措置をとるのかどうかということは、これはその場に臨んでの意思決定でなくて、いわば協会の基本的な姿勢としてお持ちになっていてもいいんじゃないかと、こう思うんですが、そういう意味で期待、願望でなくて、一党一派に偏しません、あくまでも不偏不党、中立でいきますという、これを踏まえるならば答えが出るのじゃないですか。予算の出し直し、そうむずかしいことではない。もちろん困難でありましょう。それとも多数にくみして強行突破を期待されるか、もう一回重ねて見解を承っておきましょう。
#26
○参考人(小野吉郎君) 協会が国民の大きな期待に沿っていかなければならないことは当然でございます。そのために各党とも非常な御激励を賜りつつ、NHKの存立のためにはいろいろ貴重な御意見を賜っております。私どもは、そういった環境の中にありまして、やはり各党の御要望にはこたえてまいらなければならないと思います。これがやはりNHKの基本的な立場であろうと思いますので、ただ単なる希望、願望だけでなしに、それが現実に受け入れられるような形において、各党とも御賛成を得られるような予算内容にいたしてまいりたいと、かように考えております。
#27
○森中守義君 この段階では、これにとどめておきましょう。しかし、私が申し上げることは、今日あるいは将来に及ぶ国会と郵政省、国会とNHK、非常に重要な一つのポイントになりますから、これはひとつ十二分に理事会あるいは経営委員会とも協議をされて、いつでもそういう事態に即応できるような態勢だけはおとりになる必要があると、こういうことを付言しておきましょう。
 次に、いま申し上げるようなことが、どうも今回のこの案からいって納得しがたい点が幾つかあります。そういう意味でごく要領よくお尋ねいたしますが、私の手元にお配りいただいた「経営計画について」と、それから調査会にお出しになった「今後の経営について」という二種類の重要な計画資料があります。これをずっと照合してみますと、調査会に出されたものと国会に出されたものは日付が第一違う。それから「今後」という表題がほんの一字句違う。もうこの程度のものであって、もう全く他は同様、これが私は合点がいかない。
 何が合点がいかないかということになりますと、要するに、調査会に相当な人材をお願いされてこういう貴重なものが出た。この中に、なかなか内容的にも実際的にも傾聴に値する内容が非常に多い。したがって、この提言を得るために当初こういう協会の経営計画というものを出された。これを基礎にし、もちろんほかにもたくさんあったでしょうが、それを基礎にして、大体、この提言がまとめられておる。まとめられた提言が、一体、収支予算、資金計画、事業計画の中にどこにどう反映されているのか。全く反映されていない。反映されていないということは、国会に配られたもの、出されたものと調査会に出されたものが内容的に全く同一だ。これは一体どういうことなんですか。つまり、私は、調査会の検討資料として出されたもの、これを軸にして提言が行われたならば、当然、国会に出されたものは、この提言がどこまで協会の経営計画、収支計画あるいは資金計画や事業計画に移し込まれているかということが筋としてはあたりまえであろう、かように思う。どこにもないんですよ。全然変わってない。つまり調査会に出された原案それ自体が今回の収支計画、事業計画、資金計画に乗り移っていて、調査会の提言というものは何ら反映されていない。これは一体どういうことになりますか。
#28
○参考人(小野吉郎君) 調査会に出しました案と、その後に調査会の答申を受けまして予算編成作業をいたしまして国会に御提出を申し上げております案との内容には、かなりの開きがございます。
 調査会へ当初出しましたいわゆる事業計画、収支予算等の関係におきまして、三年間を見通しまして収支不足を生じますいわゆる赤字部分は二千三百八十二億でございました。これについては調査会としては非常な厳重な審査を受けました。それをそのままにうのみにするわけにはいかない。仮にそれをうのみにすれば六〇%近い値上げになったでございましょう。そういうような安易なそれはのめないということ。そのほかに、いろいろ具体的な提言の中には、受信料以外でも収入を上げる道を考えろとか、あるいは現在助成あるいは育成をしております団体に対する助成関係にも見直しが必要である。また予算自体については、事業の内容自体については、高度成長時代におけるそれが非常な転換期に来ておるので、その時代の変化を十分にくみ取ってそれに即応していくような経営姿勢でなければならない。したがってその関係には効率的な合理的な運営が必要である。したがってそういうような努力をして、なおかつどうしても穴埋めのできない赤字分については受信料の改定もやむを得ないであろうと、こういう答申になっておるわけでございます。
 結果的には、当初二千三百八十二億円の赤字の計画を出しましたそれは二千億切るところまでいろんな面で手を入れました。現在、国会に御提出申し上げております収支予算の関係は、三年間で二千億弱この収支不足を来すものの五十一年度分の収支予算でございまして、これには基本問題調査会の過程において当初計画がいろんな面においてかなり厳しく批判をされ、その抑制を求められておったものでございます。
#29
○森中守義君 会長、いきなり数字に入られても困るんですがね。つまり経営の基本というのか経営の原則というのか、それをちょっと先に議論しましょう。私はいまそれを中心にした。
 つまり、出された「今後の経営について」というものはそのまま出されているわけですね、よろしゅうございますか。だから、内容的に、予算書なんか見ると、いま言われるようなことも加味されておるでしょうが、その今後の経営の方向、方針というものについては、変わっていない、こういうふうに私は理解するんですが、それはどうなんでしょう。
#30
○参考人(小野吉郎君) この点については、決して変わっていないのではございませんで、基本問題調査会にNHKの考えとして案にまとめましたものを提出して、こんなものは受け付けられぬと、こういうことで厳しい意見がございました。そうして基本問題調査会の小委員会で独自な見地から答申案をまとめられましたのが、このお手元にございます基本問題調査会の答申案でございます。
 その第一点は、事業計画のいわゆる新規計画分につきましては、当初出しましたものと基本問題調査会で是認されましたものとはそう開きはございません。もともと、当初から新規計画としては教育テレビのカラー化ぐらいの問題で、その他は時代の推移を十分勘案いたしまして、決して過去の成長路線を延長したような線では物を考えておりませんでしたので、その点は違いはございません。ただ、いろいろ収入の面とかあるいは支出の抑制の面につきましては、これはこの基本問題調査会の御審議並びに答申を受けましてかなり私どもも勉強いたしてまいりまして、そのために収支不足額の圧縮に努めてまいったわけでございます。それとか、あるいはNHKの基本的な考え方、いわゆる国民の要望に沿わなきゃならないような点につきましては、現状では不十分であるからもっともっと国民の要望を取り入れ国民の支持を得るような努力をすべきだと、こういう厳粛な提言も受けてまいっておるわけでございまして、そういった面で申しますと、私どもが出しました考え方がそのまま一〇〇%是認されたわけではございません。現実に予算の面に反映できます努力の面においてそういった点を指示され、それにおこたえをしたばかりでなしに、問題は、この予算が御承認を受けました後、運用面におきまして私どもが心しなければならない点は多々提言の中に盛られておるわけでございまして、これは今後われわれが真剣にこれにこたえるべく対応してまいらなければならない諸点が多々あるわけでございます。
#31
○森中守義君 いま会長は、「今後の経営について」というのは調査会ではこんなもの受け付けられぬと、そういうように聞こえましたが、そのとおりですか。
#32
○参考人(小野吉郎君) 当初のNHKの作文のままではこれは受け付けられないということで、これはそういったような面をそのまま調査会の考えとして取り入れるわけにはいかないということで、かなり強い厳しい意見で、いわゆる調査会独自で持たれた小委員会でいろいろ案を練られて起草せられたのがこの答申案でございます。
#33
○森中守義君 流れとしてはわかりました。それだとすれば、私は、やっぱりこれは「今後の経営について」というものが調査会に出され、国会にも、表題を変えたんだが、日付は変えたんだが――もちろん三年、五年という所定の期間が当初は出ておりましたね、これを三年に限定された。で、そういう一部の日付、表題、年限、こういうものの修正が行われているだけで、そのままそっくり出されているということは、調査会で扱われなかったものがなぜ国会へそのまま出てくるのか、それもおかしいじゃないですか。
 それと、収支計画であろうと資金計画あるいは事業計画でありましょうと、やはり経営の今後のあり方、何が基本なのか、何が原則なのかというものはやっぱりこれなんです。ただ個別に、これには正当性がある、これには妥当性があるという、そう言う前に、一体、三カ年間何を見ようとしているのか、どういう経営の方策をとろうとしているかということは、これ以外にないはずです。なのに、調査会で、こんなものはだめだよ、作文じゃいけませんよと言われたのを、そのままそっくりどうして国会に出すのか、その感覚が私はわからない。むしろそうであるならば、この提言をある程度軸にしまして、やはり経営のあり方はこうなんだ、こういう三カ年間の見通しのもとにいきますよということが国会に出されるのが筋じゃないですか。何でこれをそのままそっくり移しかえ、内容も変えないで出してくるのか、その感覚がわかりませんし、出されてきた「今後の経営について」ということは調査会は否認した、しかしNHKはこれをよりどころにしているからこそ出してきたということになるでしょうね。その辺の見解はどうも私には理解できませんね、どういうことなんですか。
#34
○参考人(小野吉郎君) 当初の作業のいわゆる計画案なるものは、これはやっぱり漸次練られて最終案になるべき過程にあるものでございます。その関係につきましては、たとえば当初の見込みは三年間一五%ずつ経費が伸びるような計算でございましたが、今回のそれはそうなっておりません。一三%余の伸び率になっております。この辺あたりも基本問題調査会では非常に厳重に指摘されたところでございます。そういったような面もございますので、当初案なるものはすでにもう歴史的過程の中に埋没いたしまして、基本問題調査会の貴重な御意見と、それに対応する私どもの案として予算を編成し、その関係の資料が国会に提出せられておるというものでございます。
#35
○森中守義君 会長ね、どうも合点がいかないのは、やはりこの内容ね、つまり「放送番組の質的向上」以下「財務見通し」に至るまで、大体原則といいましょうかね、基本は、収支計画あるいは事業計画、資金計画の中に項目としては大体出ている。いま御指摘になりましたように、支出率を当初一五%としていたのを一三%に修正はされている、それは部分的な修正はありますよ。しかし、今後の方向としては、これが中心になる、これはお認めになるでしょう。
 そこで、やっぱりこれに戻るのですが、一体、これは三カ年間きちっとこういうものでいけるのかどうなのか、審議する側は、三カ年間の見通し、その計画内容はどういうものかということになると、これが基本だと思う。で、その上に立って三つの内容を見ようと、こうするわけですからね。どう言っても、調査会はこんなものはだめだよと言われる、また持ち出した。しかし、会長は、いや中は一五%を一三%に直したとか、幾つかの手直しの点を言われるけれども、これはやっぱり協会としては、よりどころは三カ年間をこれによって見るのでしょう。死んでいるのですか、調査会がだめだと言って。提言に移しかえられたから、もうこれはなくなっちまって、いきなり資金計画、収支計画、事業計画、その三つだけでよろしいと言われるのか。これはこれで生きていると言われるのか、どっちなんですか、それをちょっとはっきりしてもらえばいい。
#36
○参考人(小野吉郎君) それは生きておるわけでございます。
#37
○森中守義君 生きておるということになりますと、これはやっぱり三カ年計画の実際の運営というものが完全に保証できますか。もちろん、こう書いてありますね。「経営見通しの条件としては、現時点における経済的、社会的条件と業務の実施状況を基礎にしており、今後これらの諸条件が変動する場合には、修正を要するものである。」こういうように最初断っておる。しかしおよそこれが生きているということ、つまり調査会ではこんなものはだめだと言われたんだが、なお執念深くこれがこのままの状態で生きておると、こう主張されるということは、やはり協会の今後の方向を規定できる非常に重要なものになるわけですがね。
 そういうようなことを考えますと、すでに当初計画において諸般の変動によって修正を加えるという、こういうことが前提になるということは、どうしても今後の経営のあり方に相当の不安定を感ずるのですが、修正をするものであるというのはどういうことですか。一年やってみる、二年やってみる、だめならば変えますよということであれば一貫性がないじゃないですか。せめて計画には――しかも今日の時代ですしね、五年、十年というのは、確かに長過ぎる。私も三年は妥当だと思います。在来、四十七年までですか、四十八年までか、三次計画をおつくりになって、十五年間五年ずつやられた。これは確かに五年間というのは長いので三年というのになったと思うのですが、こういういわば中期的なものをおつくりになるということは、それだけに正確さを保っていこうということの実は意味でもあろうと思う。なぜこれをしょっぱなから修正するものであるということになっているのか。これはひとつある程度、確かに、今日のように変動期ですから、いろいろな状況、事情変更はありましょう。けれども、わずか三年の間に変えますよという前提でこういうものをお出しになるということは、協会の見識として私は疑問があります。なぜこれを最初から修正するということを前提に置かれているのですか。
#38
○参考人(小野吉郎君) その前に、誤解のないようにちょっとお断りをいたしておきますけれども、私はそのお手持ちの資料を見ないまま生きておりますと申しましたが、それは基本問題調査会の答申を受けてNHKが五十一年度予算編成の基本になる案として確定した案のことでございます。これは生きております。その中に、三年間の見通しに立ちまして、協会の収支予算の推移が描かれておりますけれども、そこに一言お断りがありまして、非常な激変があったときにはこの案のとおりにはいきかねるかもわからない、その場合には多少の修正が起きるかもわからない、こういうことをつけ加えたことはそのとおりでございますけれども、それは激変がなければこの案ずばりでそのとおりにいきたいという意欲をあらわしたものでございますし、あるいは言わずもがなのことであったかもわかりませんが、いままだ、三年間と申しましても、国際情勢、国内の情勢等も決して物価問題その他非常に安定してこれに間違いないと、こう見通し得るものでございません。いろいろなやっぱり変動要素もありますし、あるいはいろいろな関係から予測を超えた大幅な環境変化があるかもわからない。こういうことで、そういう場合にはこの案のとおりにはいきかねるかもわからない、こういうことを表現したわけでございます。
#39
○参考人(山本博君) ちょっと補足さしていただきます。
 この案をつくります当時、実は、今後三年間の見通しをNHKだけで独断的につくることは非常に問題でございますので、他のそういう政府関係あるいは民間のいろいろな研究所、そういうものの資料を幾つか入手いたしまして検討をいたしました。ところが、その当時の資料を見ますと、ほとんど非常に大きなばらつきがございまして、なかなかこれならば間違いないというような数字を完全に私の方でも把握するということに相当時間がかかりました。最終的にお手元に差し上げましたような案を、これは政府見通しに準拠いたしまして採用いたしましたんですが、その当時のいろいろな経済見通しなんかも、これは三年間はなかなか見通しがたいのではないかといういろいろな見方が社会的にございまして、NHKとしても大体どれをとるべきかに苦慮をいたしました。
 しかし、一応、政府見通しというものに準拠しましてそういう案を作成いたしましたわけでございますが、そういう周囲の情勢もございましたので、これは前提として変えるものだということにしたわけではございませんで、そのときの諸情勢もございましたので、変動要素がまだなお相当多分にございまして、政府の見通し自身もなかなか確定しないということでもございましたので、念のためのただし書きというような形で入れたわけでございますので、御了承をいただきたいと思います。
#40
○森中守義君 これは大体経緯はわかりましたがね。やはり予算に対してあるいは資金計画、事業計画に承認を与えるということはこれ自体もやっぱり同時に承認されたと、こういう解釈を私は持つんですよ。それでいま会長と山本理事のお話はやはりなお釈然としない。
 つまり、さっきから申し上げておるように、どうしてもこの提言が中心にならなければ、それはうそですよ、私の判断からいけばね。しかし、会長は、いやこれはこれでいいんだ、収支計画、事業計画、資金計画にはこの提言を受けているから、これは構いません、生きておりますと言われるのでは、いささか計画の権威はない。したがって、いろんな資料を集めたり情勢の分析を加える、見通しを持つということはなるほどこれは容易なことではないですよ。けれども、せっかくこういう貴重な提言が出された限り、経営の方向というものはこういうものですと、こういうものを実は出されてしかるべきであったろう。何かちぐはぐなものになりますよ、これからは。ただ、これを一定の資料としてただ目を通すということだけなら私もこのようにむずかしいことは言わない。けれども、少なくとも三カ年間を見通したその中に、営業計画であれ放送計画であれ、あるいは投資計画であれ、いろんなものがこの計画の中に、経営の中に全部包み込まれるわけです。これはやっぱりこれでいいというわけにはいきませんよ。だから、私は、この計画というものはもう一回提言を踏まえ直してつくり直してもらいたい。
 大胆な言い方をしますと、この内容のもとに三カ年間のいわば中期計画というものの推進はきわめて困難である、実体的にこの計画は崩れる、そういう要素が随時随所にあるということ、だから三カ年計画ではいささか――こういうもので国会の承認を得るということには相ならないし、私は残念ながらこれには同意を与えません。そういう意味で、これについてはなおひとつこれから提言を踏まえた内容にやり直す、それでもう一回三カ年計画をつくり直す、こういう方向にコースをとるべきだと、こう思うんですが、会長どうですか。
#41
○参考人(小野吉郎君) 森中先生の御指摘のとおりでございます。私どももそうあるのが経営としては非常に忠実な行き方であろうと思いますし、一応この三年間の見通しを立てましたその上において五十一年度予算を組みましたけれども、五十一年度分につきましては、これはそういったはっきり年度の予算でございますので、厳格な意味における国会の御承認の対象でございます。あとの三年間の見通しはこれはそれをそのままここで事前に包括御承認を受けるべき立場にはないわけでございまして、これは参考資料と言えば参考資料でございます。御指摘のとおり、基本問題調査会の諸提言を踏まえまして、この三年間の見通しはもっと国民の支持を受け得るような効率的運営が実現できるような面で再検討さるべきものと思います。
#42
○森中守義君 会長、これは参考資料として軽く私は扱おうとは思わない。繰り返すようですが、やっぱりこの基本になる経営計画、これを基礎にして資金計画、事業計画、収支予算というものが生まれなきゃうそだと、こう思う。その大もとになるものがこのようなものじゃぐあいが悪いから出し直してくれと、こういうことなので、おつくりになりますね。これはもういずれ修正するとも言われているわけだからね。三カ年間修正しなくてもいいようなものをできるだけ早い機会に策定をして、もう一回出していらっしゃい、お約束できますか。
#43
○参考人(小野吉郎君) まだ三年間のそれはいろんな流動的なそれもございますので、そういった事態の推移に対応いたしまして、基本的には、この三年間の長期見通しなるものは十分合理性を持つものに手を加えてまいりたいと、こう考えております。
#44
○森中守義君 これはもう、会長、歯切れが悪いじゃないの。手を加えてくるということじゃなくて、もう一回やり直したらどうですかと、こう言っているわけですから、それができないならできない、やるならやる、こう言われたらいい。
 それから、大臣ね、郵政大臣、いま協会と私との間の問答をお聞きになっていますか。由来、これは郵政省にも出ているんでしょう、大臣の目にも通っているんじゃないですか。郵政省はこれをどう思われる。これは当然意見書を付されるに当たってはこういうものがやっぱり一つの基調になっているわけですから、何らの疑問も感じられなかったのですか。いま会長が言われるような、調査会に出したのだがこれはもうだめだよと、こう言われた、けれどもこれは出しましたということのようですが、郵政省はどういうようにこれを受け取っておられる。
#45
○参考人(小野吉郎君) これはこの国会の会期中にこれを変えてお出しすることはこれは不可能でございますので、次の機会にはこれを検討いたしまして、改定すべきものがあれば改定したものをお出ししたいと思います。
#46
○森中守義君 臨時国会だね、次の国会だな。
#47
○参考人(小野吉郎君) 次の国会と申しますか、あるいは臨時国会がいつになりますか。少なくとも通常国会には、次の予算の審議になります五十二年度の審議を受けます通常国会には、そのような面はきちっと修正すべき点は修正をして、お出しをいたしたいと思います。
#48
○森中守義君 それはまた会長、次の通常国会は三年計画の二年度に入るわけだからね。で、これは事実上二カ年計画になるんですか。それとも五十四年まで延長して、三年計画を五十四年まで延長するという意味ですか。ちょっと実務的にわからなくなるけれどもね、三年計画を二年に短縮するんですか。五十三年で切るのかどうなのか、それはどうですか。
#49
○参考人(山本博君) 実は、五十一年度の予算の編成の中には、先ほど会長も触れましたけれども、この提言の中身を相当入れてございます。したがいまして第一年目はこの提言が予算面では私たちは相当生かされておると思っておりますので、次に、この三カ年計画を手直しをしてまいりますのは二年目と三年目の分につきまして御指摘がありましたような角度から検討をいたしまして、訂正すべきではないかと思っております。
#50
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 このNHKの予算につきましては、御案内のとおり郵政省の方へ提出をいただきまして、それから郵政大臣が意見をつけて出すということになっておるわけでございます。五十一年度の予算につきましては、ただいま御指摘ございました三年間の見通しということで予算が出てまいりまして、私たちといたしましては、この内容を見まして、やはり三カ年の計画としては、内容から、番組の質的向上とかあるいは難視聴の解消等ございまして、適正ではなかろうかということで大臣の意見をつけたわけでございますが、NHKの予算は、御承知のとおりNHKが言論報道機関であるということにかんがみまして、われわれといたしましては、できるだけその自主性を尊重するという立場で来ております。したがいまして、われわれの検討の段階においてもやはりある一定の節度を持って検討、内容の審査をやらないといけない、かように考えております。
#51
○委員長(森勝治君) 午前の審査は、この程度にとどめます。午後一時十分再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十九分開会
#52
○委員長(森勝治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#53
○森中守義君 もう一つ午前中に引き続きまして、一、二問計画の問題でお尋ねします。
 午前中も申し上げましたように、この提言を計画の中に吸収するにはかなりの検討が必要になってくる。それで三年間の中にこれを消化しよう、こういうわけですから、できるだけその提言の重みを踏まえながら、何らかの検討委員会的なものをつくらなければ、拙速主義で次年度の収支計画や資金計画、事業計画に入れようという、そういう予算上の措置だけでこれは済むものとは思えない。そういう意味で、先ほどすでに協会が予定している三カ年計画は再検討、再提出ということに相なりましたから結構ですが、そういったように特段の検討機関でもつくりながら作業を進めていく、こういう考え方はないのかどうか、これが第一点。
 それから、少し飛躍し過ぎた議論になるかわかりませんが、当初三年間という目測をおつけになったのは、余り長いと事情変更があって困るという表向きの議論のほかに、もう一つの理由として五十三年に放送衛星が予定されている、これが実用化の段階までおおむね数年と言われているのですが、しかし一般的には五十年代後半という説が正しいようです。後でこれは郵政省にもお尋ねいたしますが、そういったように放送衛星が実用段階にくると、言うまでもなくわが国の放送界というものは大変な変動期に直面するわけですね。だから、とりあえず三カ年間にしておいて、その後は放送衛星の実用化待ち、その段階で改めてもう一回計画を組み直そう、こういう意図をお持ちじゃなかろうかという想像もするんですが、この点どうでしょう。
#54
○参考人(小野吉郎君) 前段の検討機関でございますが、ちょうど昨年の四月に部内の経営改善委員会を設置いたしました。これはそのまま続いております。これはやはり継続いたしまして貴重な数多い提言にこたえるべき具体的作業というものはますます重要になってまいりますので、この経営改善委員会を活用してまいるつもりをただいま持っております。
 それと後段の問題につきましては、もちろんこの期間内に衛星が――実験衛星でございますけれども、実用を目途として実験されるわけでございますので、これの成果を盛り込み得ればかなり難視聴解消等については現在の計画よりももっと具体的な計画が立ち得るのではないかと思いますので、そういう面もこの三カ年に限りました中には内在をいたしておるわけでございます。
#55
○森中守義君 これは、会長、後でも触れますが、受信料の制度についても昨今いろんな場所でいろんな議論が出ている。したがって、この中では先般の臨時放送関係法制調査会というような、ああいうところまでは踏み込んでいないようですが、これは当然なこととして検討の対象になるであろう、ひとりこれは協会だけの独自な見解ではこれはだめですけれども、そういうことも含めながら検討してほしい、こう思うのです。
 そこで、ちょっと内容に少しお尋ねしておきたいのは、午前中、会長が言われたように、支出の増を確かに調査会では三カ年間の恐らく見通しを述べたと思うんですが、年率一五%の成長を――成長というのか支出増、これを協会は一三%に軌道修正された。これは私は非常に重要な問題だと思います。
 つまり、いままでの説明を承っておりますと、給与上昇率が大体二%でしたか、そうでしたね。それから新規事業はこれを全部抑制をする。物昇八%と見込む。こういうような内容のように見るんです。そこで一五%それ自体はやや過大に見積もってあるし、これを一三%に落とし込んだというのは一つの見識だと思う。けれども、一三%が、いま申し上げたように給与は二%、新規事業は全部抑制、こういったような措置をとれば一三%にならないんだな、私も細かな計算していないけれどもね。ただ物昇八%をずばり見ていいかどうか、これはかなり変動するでしょう。けれども、物昇の八%は上下幅どのくらい取るかというのが一つの問題になってくる。ですから一五%を一三%に軌道修正した、一三%の根拠というものは三カ年間不動のものとしていけるのかどうなのか。私は、見解としては、一三%もなお支出の増加率としては高い、もう少し抑え込んでいい、こういうように考えるのですが、その根拠を大綱的にでもお示し願いたい。
#56
○参考人(小野吉郎君) 計算の根拠につきましては担当の理事から答えさしていただきますけれども、概括的に申しますと、確かに先生の御指摘のとおりに一五%が非常にこれはいろんな客観情勢から見て明らかに高い。これを一三%に抑えたことについては一応の評価はできるけれども、人件費の増あるいは物価上昇に対する見込み等から見てまだ高いんじゃないか、そのとおりでございます。私もそのような感じは決して否定をいたしません。
 ただ、そのようになりますことの原因は、今後における物価の変遷とかそういうことではなく、過去にかなり設備の更新等を抑えに抑えてまいりました。これはかなり地方等におきましても、新設のテレビ同等に比べましてNHKははるかに劣る機材をそのまま延命延命で酷使してまいっております。これはやはり非常に受信者の方々からも画像の悪化につれて非常な不満不平を申し出られております。そのとおりだと思います。そういった意味におきます過去における抑え過ぎの欠陥を是正してまいらなければなりませんので、勢い、明らかに疑問ではないかと思われるような一三%台になるわけでございまして、この辺の根拠につきましては、担当の理事の方で御答弁をさしていただきたいと思います。
#57
○参考人(山本博君) 一三%に全体の支出を抑えました大前提といたしましては、いまお触れになりましたように、NHKの三年間の今後の財政見通しのいわば大前提といたしまして考えましたのが人件費、給与につきましては一一%。それから消費者物価につきましては八%、大体三年間これで見てまいろう。それから人員につきましては現状のまま三年間推移をしよう。また減価償却その他につきましては従来どおりの方法によりまして償却をしてまいろう。それから財務費につきましては、五十年度は相当当初高い見込みをいたしましたけれども、結果において相当公定歩合の低下、そういうことがございましたので、五十一年度以降におきましては、大体、長期借入金で七%、放送債券で表面利率八・八というような基準を一応つくりまして、三年間を算定しようということにいたしました。
 その三年間の算定の内容といたしまして、具体的に先ほどお触れになりました調査会の提言ということがございまして、私たちは、調査会で大体私たちが提起をいたしました長期のものの考え方、こういうものは基本的に御賛成を得ましたと理解しております。
 また、その中で具体的な提案という形が出されておりますので、それを三年間にあんばいをしていかなければならない、こういうふうに考えまして、予算の支出の考え方の基本といたしましてこの提言も取り入れまして、第一には、国民の御理解を得なければならない努力ということを第一義に考えなければならないということで、この面の予算に相当重い比重をかけることにいたしました。
 それから第二には、いままでのNHKの放送がややともすると中央に偏りがちである、中央集権的であるという批判もございましたし、それがまたもっともであるというふうに私たちも考え、調査会においてもそういう御議論がございましたので、放送内容の充実という面では第一義的にローカルの充実ということを取り上げまして、この面に相当な比重をやっぱりかけていくべきであるというふうに考えます。
 それから営業の問題でございますが、受信料の値上げということをいたします反面、当然、国民の受信料に対する御理解と御協力を得なければなりませんので、この面についてもある程度の重点というものを置かなければならないと思いました。
 それから最後には、やっぱり事業全体の効率的運営ということを、この受信料の値上げの反面、これは当然のことでございますが、われわれの努力目標というものを設定いたしまして、このための努力をする。
 大体、そういうような柱をつくりまして三カ年間の見通しを立てたわけでございます。結果といたしまして、三年間一三%台ということの数字になりました。これは御指摘がありましたように、確かに一一%の給与、それから八%の物価上昇、こういうものから見ますと一三%台というのは何か数字的に非常に食い違いがあるような感じがいたします。ただ一一%ないし物価の八%、こういうものはダイレクトに出てくるものではなくて、たとえばNHK自身の持っております事業のたとえば契約の増あるいは難視聴施設の増、こういういわば当然増、よく一般の官庁で言っております当然増に当たる部分もございますので、いわば給与のパーセントなり物価のパーセントと直接的に結びつかない当然増というものもございます。たとえば国でもあるいは公社あたりでも人件費五%しかアップを見ておりませんけれども、事業費全体としては当然増がございますのでやっぱり一二、三%になるというのと同じような現象がNHKにもございまして、一一%の給与と八%の物価増というものを全体の計画の中にはそれを基準にして計算をいたしておりますけれども、必ずしも一一%以下になるとかというわけにまいりませんで、いま申し上げました当然増を含めますと、大体において、いま申し上げた予算の重点というものを置いて計算をいたしますと、ほぼ一三%台、どうしても平均一三%台でございますが、五十一年度が少し高めになっております。それから五十一年から五十二年、五十三年と逐次パーセントが減ってまいります。
 これはいま会長が言及いたしましたように、ここ両三年非常に財政が苦しい時期がございまして、赤字を抱えたまま経営してまいりましたので、いろいろな点を抑えてまいりました。当然平常の財政状態であれば措置をしたであろうようなものを、建設費におきましても一般の事業費におきましても相当抑えてまいりました。たとえばカメラも相当古くなってくる、あるいは鉄塔の塗りかえなんかも待てということで抑えてまいりました。その他細かいこと言いますといろいろございますが、そういうものを両三年赤字財政の間に耐用年数を相当がまんさして使ってきたようなものも相当ございますので、それを五十一年度にやや厚くしておる点がございます。そのために、そういうものを引きますと大体において三カ年間平均一三%台になりますが、そういうものを含めて計算をいたしますと一三%台ということに相なったわけでございます。
#58
○森中守義君 これはなかなかむずかしい議論のやりとりになりますが、私はやっぱり不確定要素がかなり強い、いずれの場合でも。ただ給与の場合、一一%というものはつまり下限抑止率、こういう理解をしておきたいと思う。ただ、じゃどのくらい上積みされるかということは弾力発動等も手段としては残されているわけですから、この給与の二%というのはおおむね肯定できる、それはあくまでも下限抑止率という意味ですね。ただ物昇の八%になると、どういったように経済社会が変動するかわからない。けれども、経企庁の基本計画の中ではおおむねこういうものを読み上げているようですから、しかし、これはまあ当てになりませんよ、率直なところ。
 そこで、あと問題になってくるのは、業務あるいは施設の改善、どうしてもこの辺にどういったようなやり方をするかというのがポイントになってこようかと思う。つまり、私は、いま会長が言われるように、かなり機材あるいは屋舎等が老朽化している、こういうお話ですが、その辺にやや疑問があるのは、第一次、第二次、第三次、こういう長期にわたる年次計画を策定をして、逐次その年代に対応するような改善策がとられてきたんじゃないだろうか、こう思うんですよ。つまり四十八、九年以前は、余り言い方は適当でないけれども、かなり大盤振る舞いをやっている。必要なものに金を惜しみませんよという、こういう措置がおおむねとられてきた。つまり協会財政の黄金時代だから、その時代に抑制されておったとは思わない。おおむね三次計画に至る計画期間の実施というものはややそういうものに充足をしてきたんじゃないだろうか、こう思う。
 後で触れますけれども、たとえば中継局をつくる、何をつくるという――難視聴対策とは別ですよ、そのような問題等についてはむしろこれはおおむね現状維持でいいのじゃないか。言いかえるならば、そういうものを段階的に抑制していく、むしろ進んで規模の拡張、膨張、この推移をたどって今日に至っているわけですから、段階的に規模縮小の方向にいくべきじゃないか。そういう青写真がむしろこの三カ年の間にとられてしかるべきである。そういうものをずっと積み上げていけば、一五%から一二%に線引きを直したということは一つの見識、しかし一三%もなおもう少し切り下げ得る可能性が出てくる、そういう見解を持つんです。したがって段階縮小の方向に軌道修正するかどうか、そういう青写真がとれるかどうか、これが一三%をめぐる一つの論争点であろうし、また、これから国会で協会予算審議のかなめになってくる、こう思うんですが、一体、経営計画の中にこの辺のことをどうとらえるのか、会長、どうお考えになりますか。
#59
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり、第一次、第二次、第三次の長期計画で歩んでまいりまして、この計画期間中には大体計画目標を達成するような努力をいたしてまいりました。昭和四十七年以後の関係につきましては、そういった長期計画を策定をいたさないで、大体の見通しを全然持たなかったわけではございませんが、将来の構想といった面で歩んでおりますけれども、この四十七年の沖繩返還の年にもうすでに赤字予算を組んでおったわけでございます。
 収入の伸びは非常に鈍化し、また経済環境は非常に不利に働きまして、非常に経営上困難な状態に逢着いたしました。このころから更改すべきものも更改を延ばすというようなことで、建設関係の規模にいたしましても減価償却の範囲内にとどめるとか非常な無理な算段をいたしておりますし、また番組に出演されるいわゆる出演者に対する謝金等につきましても、常に指摘されますように、まあ民放並みが正しいのかどうかは別といたしまして、NHKは非常にほかと比べて低位じゃないかと言われるような措置もとらなければならないような状態に落ちております。
 そういうような面から、確かに一三%がほかの要素の伸びに比べてまだ検討の余地があるんじゃないかと言われる御趣旨はもっともでございます。そういう努力は今後いたしてまいらなければなりませんけれども、現在一三%に策定いたしております事情の中には、そういうような過去における無理算段のそれが、一応、ここで将来三年間ぐらいにこれを通常の水準に直していこうということの中に実は含まれておるわけでございまして、三年後のそれから延長した線上で物を考えますと、一三%台を当然視することは私は決して正しいいき方ではないと、かように考えております。
#60
○森中守義君 会長が肯定されますから重ねて主張する必要もございませんけれども、私はどちらかといえば、やっぱり年次計画というものはどういう事業でも必要ですよ。で、それで三次が終わってどうして四次ができなかったか、これはいろいろ内部事情もあったでしょう。あるいはもうおおむね財政窮乏の時代を迎えて、これならば受信料の改定に踏み込まざるを得ない、そういう作業段階であったのかという、こういう実は考え方も生まれてきますが、要するに改善委員会で何を改善しようとしてもやっぱり一つの基調になるものが生まれてこないとできませんよ。だから、そういう意味で私は改善委員会は何を改善しようとするのか、はなはだ疑問がある。しかし、幸いにしてこういうものが出たわけだから、これが実は改善委員会の基調になる。私は、改善委員会ではなくて別途に検討委員会などをつくった方がいい、こういうことをさっき申し上げたわけですが、それはすでにつくられている改善委員会でも結構でしょう。
 しかし、要するに一三%については会長と山本理事の説明だけではなるほどというようなことには私は言い切れない。ですから、支出増を抑えるということは逆説的に言うならば、相当部分の規模縮小ということがはね返ってくるわけですからね。どれとどれとどれをどう抑制すればいいかという、こういうものをひとつきちんとしてもらいたい。
 それといま一つは、いつでしたかね、会長か副会長か技師長でしたかね、昨年の秋過ぎか、記者会見の席上で、おおむねこれからの事業規模を測定していくならば約五百人ぐらいの人員増が必要である、しかし、それも抑えるんだと、こういうお話でしたね。だから給与などについては全くこういう状態でいい。ただし、あとでこれまた問題に提起する直用の集金者ですね、こういう人たちをどうするかというのは、これまたこの問題にかね合いを持ちながら相当の上積みということも検討しなければいくまい。しかし、全体的に見た場合に一三%が幾らならいいのか、これをひとつ次の計画の中できちっとはじき出してもらいたいし、そのことが一年、二年、三年間にわたる根拠になっていくんじゃないかと、こう思うんです。いま会長の方で想定をされる、あるいは改善委員会等で規模縮小、段階的に何かやっていこうという、そういう案はないんですか。
#61
○参考人(小野吉郎君) ただいま御指摘の点は中心的な課題であろうと思います。私どもは、この三年間における一つの見通しの現在の指標につきましては、こういった面については中心的な一つの検討課題として、いわゆる基本レールとして再検討をしてまいりたいと思います。その上に立って将来のいわゆる改善の作業と申しますか、効率化の作業を進めていくような順序でやろうと思いますので、御指摘のとおり、そのような作業に早速取りかかってまいりたいと思います。
#62
○森中守義君 それからこの末尾にいわれている、関係団体への助成金等の支出の調整などを検討すべきである、こういうことがいわれておりますが、今年度における実情をちょっとお示しになっていただきたい。
#63
○参考人(山本博君) NHKが現在行っております助成金並びに分担金等、各種団体へ毎年それぞれ支出をいたしております。で、これにつきましては国会におきましても何回か御指摘がありましたし、NHK自身といたしましても、現在の財政状況から見まして何らかの措置をしなければならないということは、両三年前からいろいろ努力をしてきた点でございます。
 で、五十年度並びに五十一年度の推移を申し上げますと、NHKの交響楽団に対しましては、四十九年度に比較いたしまして約一千万減を五十年度にいたしまして、五十一年度もその線を継続いたしております。それから日本放送協会学園につきましては、五十年度が四億九千二百万でございましたが、五十一年度には四億八千万円に減らしました。それからNHKの厚生文化事業団に対しましては、四十九年度に二千四百四十万円でございましたものが、五十年度に二千二百万、五十一年度には二千百万に減らしてまいりました。それから放送番組センターに従来三億円の支出をいたしておりましたが、五十年度にはこれを二億五千万に減少いたしまして、さらに五十一年度には二億三千万に減らしてまいりました。その他細かいところでございますが、文楽協会とか、こういうものには四十九年度以降支出をとめております。いろいろございますが、大筋といたしましてはそういうような傾向でございます。
#64
○森中守義君 私がずっと統計をとったのでは、結局、総計二千八百三十一万の五十年度に対して減少、こういう計算になりますね、余り減っていない。増の部分もありますね。ただ、いま幾つかの内容をお示しになりましたが、減せば減し得る。その因果関係というのがよくわからない。出さぬでいいところに出しておったのか、減額しようとすればできるということなのか、その辺の関係どうですか。
#65
○参考人(坂本朝一君) たとえば援助をやめたという文楽協会等につきましては、従来、国とそれから大阪の府市、それにNHKというようなところで助成しておったわけでございますけれども、本来的にその種のものにつきましてはNHKの財政等から考えて、NHKの助成を打ち切りたいということを申し入れまして、先方なりの処置をとっていただいたと、こういうことでございます。それから学園等につきましても、学園の本来目的等から言いまして、逐次、中学卒の生徒の高校入学率が高まってきているというようなことから、学園自身、やはり将来方向についての検討をしなけりゃならないということで、学園自身の自立性と申しますか、そういうことと見合って協会の援助、それを減少してきつつある。こういうような一つ一つの団体との対応の中で御相談しながら処置している、こういうことでございます。
#66
○森中守義君 結局、協会のいまの財政事情からいって、相当やっぱり圧縮した方向に、この提言でも言っているように、詰めていかないと、何もそれはむだな金を出しているとは私は申しませんが、やはり提言の趣旨も踏まえないし、受信料の荘厳さというのか重みというのか、そういうのにやっぱりこたえるということになりませんね。
 それで、私は、ちょっといま山本理事の言われたことで少し気になるのですが、あとにもかなりの大口がありますね。私の調査では、おっしゃるようにNHKの交響楽団は三億、五十年度ね。これが五十一年度プラスマイナスゼロ。それから協会学園が一千二百万の減、厚生文化事業団が一千百万の減、それから番組センターが二千万の減。共同通信というのがある。これが五十年度で三億八千六百六十七万六千円で、逆にこれはふえているわけだ、約二千万ぐらいふえている。これは一体どういうものか。それから番組協議会は二千四百万のプラスマイナスゼロ。ABUは、これは分担金がふえたという意味ですか、百四十六万増額になっている。EBUは、これも分担金の増加を意味するのかね、百八万余り増加している。新聞協会がこれは五十年度の七千七百二十一万が八百二十九万にふえている。文楽協会というのは四十九年ぐらいから出していないのだな、四十九年から出していませんね。ITU協会が七百五十万のプラスマイナスゼロ。Uの普及推進会議が少額だけれども約七万ふえている。それから電波障害防止協議会これが七百四十七万のプラスマイナスゼロ。電波技術協会四百万のプラスマイナスゼロ。
 こういうような状況であり、かなり節減の方向に向かっているとはいいながら、いまの新聞協会とか共同通信あたりと協会との関係はどうなっているんでしょうか。恐らく共同通信の場合には取材のソースという意味なのか、そういう取材のソースがかなり多くなったので多く出しているという意味であるか、あるいは新聞協会とNHKとは一体どういう関係なのか、その辺のことをもう少しつまびらかにしてもらいましょうか。
#67
○参考人(坂本朝一君) 共同通信につきましては、先生御承知のように、新聞社とNHK等が会員になりまして運営しておる通信社でございまして、共同通信の運営をいたしますのに会員社であるそれぞれの社が社の運営に対する経費の分担をするということになっておりまして、その分担がNHKがいま御指摘のように四十九年度においては三億六千四百七十八万八千円でございましたけれども、いろいろ通信社の方の事業の運営等の経費の増高というようなこともございまして、共同通信の理事会においていろいろ検討いたしました結果、五十年度においては三億八千六百六十七万六千円というふうに二千万円ほど増強いたしましたけれども、五十一年度につきましては現在三億八千六百六十七万六千円ということで社費の増強がむずかしいということをお話し合いをして、まだこれは予算でございますので最終決定を見ておりませんけれども、共同通信の分担の経過を見ますと、NHKの分担率と申しますか、そういうものが年々抑えて減少してまいりまして、現状ではほとんどいま申し上げましたように一千万とか二千万とかという程度の社費の分担増ということで、四十三年度に比べますと、かなりの分担率と申しますか、そういうものの低減を見ております。大体、四十三年度におきましてNHKの社費の総額に対する分担率が一〇・九%でございましたのが五十年度におきましては四%というようなことになっております。したがいましてかなり共同通信に対する分担の増高を抑える傾向と申しますか、努力は経営的にいたしてまいっておる次第でございます。
 それから新聞協会というのは、新聞社とそれからNHK、民放連が会員になります団体でございまして、いろいろ新聞・放送の、両面についての諸問題をそこで話し合うという場でございまして、五十一年度におきまして五十年度よりか増高をいたしました理由の一つといたしましては、いろいろとございますけれども、例のプレスセンターというのが新しくできまして、それの会費増と申しますか、そういうものを新聞協会で引き受けるということになりましたことの内容的なはね返りということで、それが少しく増強されたということでございます。
  〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
#68
○森中守義君 要するに、大臣認可あるいは法定事項です。こういうもの以外のものについては、極力、これはもうひとつ節減をする、抑えていく、こういったような措置をこの提言の中では節減の一策として考慮すべきだとこう言っておりますからね。そういう精神はやっぱり踏まえてもらいたい。あと全体を通じまして、さっき申し上げたように、計画見直しということが約束されておりますから、その中で提言の重みを十二分に生かしてもらうようにお願いしまして、次の質問に入ります。
 予算作業と今回の暫定措置に伴って幾つかの問題がございます。
 まず第一番にお尋ねしたいのは、次年度の予算の編成の時期はいつから始めるのでしょう。
#69
○参考人(山本博君) その年によりまして、大体一致しておりますが、多少の時間の差がございます。昭和五十一年度の場合は七月の初めから作業を始めました。
#70
○森中守義君 いま言われる予算編成の作業開始、その後なのか、あるいは前なのか、いずれにしろ協会予算を年次ごとに編成をするに当たって、長期にわたる計画を踏まえると同時に、単年における予算編成の原則、大綱、基本方針、こういうものが当然まずつくられねばいけない、こういうふうに思う。これは理事会でお決めになるのか、あるいは経営委員会と合議をされるのか。
 たてまえからいけば経営委員会は収支予算の議決を行う、こういうことですから、編成それ自体には表向きには出てこない。けれども慣例的に役員会、経営委員会、意見書を付する郵政省、この三者の関係がありますね。で、さっき経企との話はどうだった、あるいは物価閣僚協との話はどうだった、こういうお尋ねの際に背景的にはやはりそういう段取りがあったということが明らかになった。したがって予算編成に当たっては当然どこかが中心になるであろうということです。恐らく役員会じゃないかと思う。しかし、経営委員会あるいは郵政省あたりと、ことし、次年度の予算編成の原則はこうだ、大綱はこうだということをおつくりになるのですか。それとも集めた資料で事務的に整理をして幾らというように出すのですか。その実務関係を少し教えてもらいましょうか。
#71
○参考人(山本博君) 当初、資料を集めるのはこれはNHKの内部だけで、各経理担当部門が中央・地方にございますので、これと十分連絡をとりながらその当年度の財政状況の経緯と、それから五十一年度に対してどういう見込みをするかというようないろいろな連絡をし合います。しかし最終的には、いまお話がありましたように、理事会におきまして明年度の予算編成の基本方針というようなものを理事会で決めていただく、その理事会で決めた基本方針に基きまして、
  〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
各地方・中央から材料といいますか予算編成のための資料というものを集めまして、いま申しました基本方針にのっとりまして予算編成をいたします。その過程におきまして郵政省並びに経企庁、そういう関係の機関とそれぞれ連絡はいたしておりますが、最終的にそこで決まりました予算というものをNHKの理事会それから最終的に経営委員会、そういうところへかけまして了承を得た上で郵政省へ提出をする、そういう段取りになっております。
#72
○森中守義君 私がここで特にこういう問題を提起しましたのは、両院の予算の審議の際いろんな意見が出ます。あるいはそれぞれの部署で協会に対するいろんな意見が出ます。で、そういうものはやはり次年度予算編成の際に大きな問題として当然立てられてもいいんじゃないか、そういう実は前提を持つのであります。
 やや具体的に言いますと、たとえば沖繩の料金軽減の問題あるいは厚生省の料金免除の問題あるいは運輸省の問題、それに文部省とか、あるいは国際放送とか、端的な言い方をすれば、当然NHKが負担しなくていいものを負担している。言いかえるならば、受信契約者が担うべきものでないものを担わされている。つまり政府に対してその支出を要求できる権利を持つし、政府はこれにこたうべき義務がある。こういう権利義務というものが予算編成の際の大きな問題点、解決すべきものとして議論されたことがあるかどうか、こういうことを実は問いたいわけですが、そういうような経過がいままでありますか。
#73
○参考人(山本博君) NHKといたしましては、たとえば国際放送の交付金、 これにつきましては、これは法律的に性格が命令放送でございますので、私の方から正式な意味でこのぐらいの金を要求するというような形での公式な申し入れというようなことはいたしておりません。しかし、事実上非公式にいろいろな折衝をいたしまして、私の方の考え方なりあるいは政府の考え方なりそういうものを両方でいろいろ交換しながら郵政省が最終的に政府の交付金原案というものをつくって大蔵省と折衝するという形になります。
 なお、他の厚生省なり文部省なり減免の金額の処置の問題につきましては、これはNHKが直接的に各省に折衝をすることもございますが、主として郵政省、これは国全体の予算の問題でもございますので、郵政省を通じましてそういう希望を申し述べるというようなこともいたしております。しかし正式に公式な形で各省にNHKから申し入れたという経緯もございますが、政府全体の問題としましての扱いは郵政省にお願いをするということにしてございます。
#74
○森中守義君 ちょっとそれでは十分じゃありませんね。会長、要するにいま申し上げた幾つかの事例、たとえばどうしてこれについては減免の措置をとったのか、いろんな問題がいままで個々的に出てきております。こういうものを総称すればやはり私はNHKと政府の間の権利義務の関係だというこういう理解をするのです。
 そこで、大蔵省、政務次官も見えておりますから、一例を沖繩にひとつとってみたい。復帰の特別措置法の百三十五条ね、この百三十五条で、沖繩については、協会「業務の実状及び社会的経済的事情を考慮して定めなければならない。」こういうことで軽減の措置がとられている。私はこの措置はなお当分持続すべきであるというそういう前提に立つんですよ。ただ、当分というのは、一体いつなのか。それと、この立法段階において協会はどういう約束をしておったのか、これも定かではございません。けれども、この百三十五条の文言から私が受け取るものはきわめて妥当な措置である。しかし、妥当な措置であるけれども、これは契約者すなわち受信料を納める者の犠牲において措置されるものじゃなかろうか、法律上の強制ですからね。率をどこで決めたというのはこれは別な問題。しかし、並み料金を下げているわけだから、その差額については法律が強制しているわけなんで、やり方としては大蔵省が沖繩の視聴者にその差額分を差し上げると、この措置もあるでしょう。が、しかし、そういうめんどうなことをしないで、まとめてその分をNHKに入れるべきではないか、こういうように私は考える。これが実はNHKは会長以下皆さんのものじゃない、全部の視聴者のものですから。そういう意味で、視聴者というものは法律の条項に基づいた措置に対しては高価な犠牲を払う必要はない、やはり政府がその責めを持つべきだ、こういう意味で権利と義務というややかた苦しい解釈をするんです。
 あと厚生関係であろうと文部省関係であろうと、いわんや国際放送であろうと、すべてそういう権利義務という発想に立ちながら協会の財政を守っていくべきじゃないか、こういうように実は私は考える。これはひとつ郵政大臣、会長、大蔵当局、それぞれこの権利と義務の見解をこの際求めておきたいと思います。大臣からひとつどうぞ。
#75
○国務大臣(村上勇君) お答えいたします。
 これらの問題につきましては、御指摘のように、私どもも非常に納得しがたいものがあります。しかし、まあ今日までそれが疑問視されていなかったということは、NHKの五十年にわたる一つの歴史と申しますか、一つの慣習というようなものからそういうようにいままで認められてきておったものじゃないかと思いますが、具体的な問題でありますので、電波監理局長からお答えをいたしたいと思います。
#76
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘ございました免除の問題、それから沖繩の問題でございますが、免除の問題につきましては、ただいま大臣からお答えいたしましたように、まあNHKが当初からといいますか、大正十五年ごろからずっと続けられた制度でございまして、そのためにわが国の教育問題あるいは福祉関係、そういう関係におきましてもこの恩典を受けてきたわけでございます。で、したがいましてそれぞれの省に私たちも御意見をお伺いしましたところ、ぜひこの制度は続けていただきたいということはございますが、この点につきましてやはり第一次的にはNHKの方でこういう問題を今後どう扱うかということについての御検討をいただければ幸いかと存じます。
 沖繩問題でございますが、これはあるいは大蔵省の方からお答え願えれば適当かと思いますが、私たちの考えといたしましては、この特例措置の法律がございますが、これによりましてNHKといたしましては現在の受信料を制定しているわけでございます。でNHKもその公共的な使命ということでこの特別措置をとったわけでございますので、国庫による補てん措置を講ずるということは必ずしも適当ではないというふうに考えております。
 それから国際放送につきましても、これも郵政大臣の命令文につきましては先ほど山本理事からの説明もございましたように、郵政省として、国として国際放送を命令する、こういうものにつきまして私たちの方でその計画を立てまして、それにつきまして大蔵省と折衝して交付金の額をいただいておるわけでございます。
#77
○参考人(小野吉郎君) 沖繩の特例法につきましては、これは沖繩返還に際しましていわゆる沖繩対策連絡協議会と申しますか、そういうところではいろんな問題について沖繩の特殊的な事情にかんがみて立法せられたものでございます。
 もちろん受信料問題に関します限りにおきましては、NHKも相談にあずかったと申しますか、むしろNHKの自主的な判断によってこのような法律を設けたらいいだろうと、こういうことにいたしておりまして、一般のそれが五年間を限りとなっておりますが、NHKの場合にはそういう有期の期間を設けておりません。「当分の間」と、こう受信料条項についてはなっておりますが、料額につきましては、これは政府機関等からこれだけにしろというような経緯は毛頭ないのでございまして、NHK自身が判断をいたしまして、沖繩本島、先島をひっくるめまして、返還時にはまだ本土並みのサービスが行われておりませんでした。そういうサービスの差あるいは沖繩における特殊の事情、こういったような面にかんがみまして「当分の間」特定の料金を設定するということで、そういうことを予算化しまして国会の御同意を得て、現在に至っておるような次第でございます。
 減免等の関係につきましては、これは長い歴史を持っておりますが、大正十五年NHK発足とほとんど同時ぐらいに、公共放送としての性格にかんがみまして、また諸外国のそういった機関の扱いとも関連をいたしまして、自主的にそういった減免措置をとってまいったわけでございます。これが財政が非常に豊かなときでありますと問題はなく、受信者の方々からも共感を得る問題だろうと思いますけれども、たまたまやはり財政が非常に窮迫いたしまして値上げもしなきゃならない、こういうような状況になりますと、まあこれがNHKが全額そういったような犠牲を払っていいのかどうか、いろいろな論議があろうかと思います。そういう意味で、私は厳格な意味における権利義務というような関係には観念いたしておりませんけれども、いまの状況から判断をいたしますと、国に肩がわりしてもらえるものがあれば、これはその限度において、国民と申しますか聴視者の方々も非常にこれには同感を示されるのではないか、かように考えております。
#78
○政府委員(松下康雄君) NHKの予算そのものにつきましては、NHKが非常に高度の公共性を持った事業であるということから、その自主性を尊重いたします上におきまして、その編成あるいは御審議の過程で、財政当局として直接これに何か申し上げるとか判断を加えるということはいたさないのがたてまえでございます。
 ただいま御質問ございました沖繩の問題につきましても、したがいまして私どもはNHKが御判断になってどれだけの受信料が適当であるかということをお決めになるただいまの制度は、直接私どもの所管する法律ではございませんけれども、法律の趣旨から推測をいたしまするに、沖繩が本土に復帰をしてまいりますときに、一面では早くその沖繩のもろもろの水準を本土並みに合わせていくように、そうしてまたもう一面ではその間において必要な経過措置をとるようにという趣旨から、NHKにつきましてはNHK御自身でそのような情勢を御判断になって、適当とお考えになる受信料の水準をお定めになっておるものと存ずるわけでございます。したがいまして、そのことから直ちにその軽減分につきまして、これを国庫が負担をするという話にはなってまいらないのではないか、かように思っております。
#79
○森中守義君 これはね、時間も余りなくなってきましたから、これ以上あれしませんが、要するにさっき会長がはしなくも言われたように、協会の財政事情というものが非常に緩やかな状態の場合には、それはもうこういうことまで余りむずかしく議論の対象には一般的にならなくてもいい。しかし、この段階でしかも将来受信料の収入というものがやや傾斜傾向にある場合どうもやっぱり協会の財政をどう守っていくか、そのことは直ちに契約者を擁護するという、こういう実は問題に連動するんですね。だから、私は、そういう観点から、この際はことさらに協会は政府に対し権利として満たされるものの要求ができるであろう、国は義務として出費をすべきであろう、こういう関係をきちんとこの際やっておかないとまずい。いま残念ながら三者三様の御意見を聞いて、私はそれに得心できない。
 だから、これはひとつ、これからの特に私は当事者である協会と郵政省の間でもう少しきちんと詰めてもらいたい。何とはなしに出さにゃならぬものなのか、出さぬでいいものか、もらえばもうけものだというこういう観念でこの問題は終わらないと思うんですよ。非常にこれは重要な問題なんです。よく国鉄等でも政策料金の判断をめぐってずいぶんむずかしい議論が再建計画の中でありました。私はややそれと似ているような気がする。そういう意味でこれはひとつ郵政大臣と会長、当事者の間できちんとしてもらいたい。何といっても協会が政府に対しまして助成金、補助金をおねだりするという筋のものじゃない。そういうものは求むべきじゃない。しかし、権利義務というこういう因果関係をきちんとしてもらいたい。これはひとついずれかの機会にもう一回一論争したいと思うんですが、大臣おやりになりますか。
#80
○国務大臣(村上勇君) 御指摘の点は、十分検討してみたいと思います。
#81
○委員長(森勝治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#82
○委員長(森勝治君) 速記を起こして。
#83
○参考人(小野吉郎君) ただいまの御発言の趣旨にもかんがみまして、郵政御当局とも十分に御相談の上、重要な検討問題といたしまして対処してまいりたいと思います。
#84
○森中守義君 大蔵省、これから当事者間で詰めてもらうわけですが、その結論を得て、これはやっぱりきちんとするものはするように覚悟していてもらいたい。そうしませんと、これは協会財政はとんでもないことになりますよ。何もそういう犠牲に協会がなる必要はないんでね。ひとつそういう心構えだけ、いま具体的に何を幾らということまでは申しておりませんがね、きちんとしてもらいたい。
#85
○政府委員(松下康雄君) 予算に関連をいたしまして関係各省から御要求がございますときには、これを真剣に受けとめまして、十分御協議をいたすのが私どもの仕事でございます。この問題につきましても、関係各省のいろいろな御意見は十分に伺って、私どもも問題が具体的になりましたならば、その段階におきまして具体的な検討をさせていただきたいと思います。
#86
○森中守義君 その次に、暫定執行のために歳入欠陥が生じたわけですが、きょう現在で正確に予算上からはじき出した歳入欠陥は総額幾らになりますか。
#87
○参考人(山本博君) 四月と五月と二カ月分暫定予算が執行された結果、収入が減少いたしますその数字は、正確に申し上げますと百十二億円でございます。
#88
○森中守義君 これは当初の見積もりからずいぶん減ってきたわけなんでね、当然直ちに予算の修正を行うべきであろう、こう思いますが、どういう措置をとりますか。
#89
○参考人(山本博君) 私の方は、四月と五月の二十四日まで暫定予算を組みましたけれども、暫定予算は、本来、国会の御承認をいただきました本予算が成立をいたしますと、暫定予算はその本予算の一部に吸収されまして、本予算が四月の一日から実施されたということに相なります。したがいまして私の方は本予算が四月の一日から実施されました一年間全体の経過の中で、百十二億円の措置を検討してまいりたいと思います。
 その措置の方法といたしましては、現在、NHKの責任において許されております範囲の中で努力をいたしてまいりたい。たとえば予算総則の効率的な適用であるとか、あるいはその他必要な財産の売却や何かももう一回検討いたしたいと思いますし、あるいは効率化によりましてさらに節約、節減に努力をいたしてまいりたいと、そういう全体の総合的な措置を考えて、これから運営をしてまいることにいたしたいと思いますが、なお、その措置によりまして不十分である、何らかの収支予算あるいは事業計画、こういうものに変更を加えなければならないという事態に立ち至りましたときは、補正予算ということも考えなければならないと思いますが、現在においては、本予算が成立した暁におきましては、その本予算に定められたとおりの予算運用をまず実施していきたいというふうに考えております。
#90
○委員長(森勝治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#91
○委員長(森勝治君) 速記を起こして。
#92
○森中守義君 いまのお話では少し、私も予算を審議しているこの段階ではどうも考え方として得心できない。
 百二十億と言えば予算規模に対して相当の率です。それを協会にゆだねられている措置し得る範囲の限度において措置したいと、こう言われる。第一、費目の変更とかあるんですか、ないんですか。もし費目の変更等が行われるということであれば、これは大変な問題。そうじゃなくて、協会にゆだねられている範囲内であるというならば、百二十億が自由に操作がきくような緩やかな財政ですか。他面、また効率的経費節減という御説のようですが、百二十億というのはそんな簡単にひねり出せますか。もうこれは私はいろんな方法をお考えであろうと思うけれども、全然費目の変更も来さない、効率運用、節減にもおのずから限度があるということであれば、おのずから資産の処分をして充当するとか、これは何かそういったような具体的なものをここへお示しにならなければ、ただ百二十億はお任せくださいでは、これは話になりませんよ。
 ただ、私は、現実的に、この国会はきょうもうこれで終わる、いま修正しなさいと言ってもできない。だからそのことまでもきつくは言わないが、やってみて結果的には予算の補正ということも当然招来し得るであろう、そういうことが前提にあるならば、これはいま山本理事の言われることもあながち了承できないことはない。けれども、一番理屈が通ってやり得るのは資産を処分すること。ただ、これも、実際上、予算の資金計画あるいは収支予算にかかわりがあるとこれは大変なことですがね。かかわりのないような状態でどういう方法があるのか、もう少し具体的に示してくださいよ。そうしなければ、この歳入欠陥の問題は簡単に片がつかない。
#93
○参考人(山本博君) 百二十億という数字はあだおろそかな数字ではございません。NHKの財政にとっては非常に大きな数字でございます。これを処理いたしまするには、私が申し上げましたのは、この本予算が執行されましたら直ちにその部分についての修正をいたします別な予算を組むというようなことは現在の状態では考えておりません。
 しからば、その百二十億についてどういう措置が考えられるかという御指摘でございますけれども、それは、いまお話の中にもありましたように、やっぱり新しい財産の処分とか、あるいは効率的な運営によって節減というものがさらにどのくらい出てくるか、これはなお十カ月間の財政運営の期間がございますので、そういう努力もいたしていかなければなりませんが、同時に、現在NHKが五十年度の予算においてとりましたように、長期借入金の返還八十七億を翌年に繰り越しました例がございますが、今後三年間の、特に五十一年度の財政運営におきましては、やはり長期借入金の翌年度繰り越しというようなこともあわせまして総合的に考えて対処をしてまいりたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、さらにそのもろもろの措置をとりましても、収支予算とか事業計画とか資金計画とか、そういうようなもの、すなわちお話がありましたような款項の費目なんかについての変更がございましたような場合は、これは当然国会に改めて補正予算という形で御審議をお願いするということに相なると思います。
#94
○森中守義君 まあいまの御答弁でおおむね承知いたしますが、もう一回重ねて申し上げておきましょう。
 要するに、計画上のたとえば中継局の工事をストップするとか、ひいては難視聴解消に影響を与えるようなことはしないとか、そういう在来の計画に影響を及ぼさない、こういう理解をしていいですね。可能な限りいろいろなことをやってみましょう、事業計画には影響を来さない、したがってもしそれを必要があるならば補正予算を出します、ということですね、そういうことですね。
#95
○参考人(小野吉郎君) そういうことでございます。
#96
○森中守義君 そういうことになれば、やっぱり五十一年度予算についてはまたまた他の見方から問題が出てくる。
 つまりカラー五二%、それから白黒三三%、横に切って五〇%、こういうことでしたね。これが百二十億を落とし込んだ資産からいけば平均して四二・五%になる。この数字間違いかどうか、ひとつ協会でもきちんとしてもらいたいんですが、私の計算では四二・五%、約八%近く落ち込むわけですね。
 こういう落ち込んだ数字が内部の操作によって款項目節の変更なしにいけるというならば、かなりぜいたくな予算、余裕を持った予算と、こういうことになる。これは一体どういうことになりますか。これはひとつ予算上五十一年度の予算について非常にシビアなものだという見解はこれによって崩れてくる。そうなると、三カ年計画、つまり受信料改定をしなければならなかったという根拠もきわめて脆弱なものに直ちに通ずる、こういうことになるわけです。その点をはっきりしてもらいたい。
 それから郵政大臣の場合ね、いま協会側で示されたようなことで歳入欠陥は処理できる、付された意見書についてもそのことはそぐわないことはない、けだし妥当な措置である、こういうように郵政大臣はお考えになりましょうか。双方からひとつそれぞれお答えいただきたい。
#97
○参考人(山本博君) 予算の組み方が非常に弾力的なために百二十億の欠陥が吸収できるというわけではございませんで、事業計画そのものは、先ほど申し上げましたように、相当提言の趣旨その他各方面からの御意見も十分伺いまして、相当私たちとしては厳密な事業計画を立てたつもりでございまして、百二十億が当然にその中の運用によって出てくるというふうには現在考えておりません。したがいまして事業計画はやはり当初どおり実行さしていっていただきたい。
 ただ、百二十億という減収がありますのは、これは事実でございますから、これをいかに吸収していくかということにつきましては、できる限りの方法、先ほど申し上げたような方法を措置して何とか努力をしていきたいということでございまして、予算そのものにこれを吸収する力があるというようなものではございません。
#98
○森中守義君 なかなか苦しい答弁だな、それはいいでしょう。
 それでもう余り時間がございませんので先急ぎをいたしますが、もう一つ収入面で問題になるのは、FMの問題。言うまでもなく四十三年の四月一日からラジオの料金が全廃になりました。一年たった四十四年にFMが全面免許になった。しかも、ことしの場合かなりのFMの置局が決定されているわけですね、相当な金額になりますよ。これは一体四十三年時点におけるラジオ料金は取りませんと、そういうカテゴリーの中にFMを組み込むべきかどうか、私はそれとこれはおのずから質が違う。
 つまり一波、二波の場合には、当然、災害放送だとかそういう特殊なものが過大に出てきますけれども、一体、FMがそういうものに該当するかどうか。私は、このFMというものは全国の完全ステレオ化を図る、こういうことになっておりますが、このFMについてまでも相当な投資をしなければならぬ。にもかかわらず、四十三年のラジオ全廃の一年後にこれが免許になっているわけですから、これを含んでいるとは思わない。なぜこれを今日まで放置してあるのか、この点、ひとつ正確なお答えをいただきたいと思います。
 それからいま一つは、収納業務の問題ですが、予算科目の節の中に契約費、収納費、加入連絡費、加入対策費、加入管理費というものが仕分けがされている。金額は定かではございません。けれども、いま確定された契約者でありながら未払いが累増の傾向にある。一体、収納体制がどうなっているのか、非常に疑問ですよ。
 特に、それに関連していま私は私のところで払っているこれは受信料、私も一人の視聴者ですからね、これが領収証ですよ(資料を示す)。裏の方に何か書いてある。余り字が小さいから読めません。大体、一年間の前納をやったという領収証ですがね。領収証にしちゃ大NHK、華麗なるNHKとしては余りにも貧弱過ぎる。一体、こういうものはどうなっているんです、これ。しかも、ある人に聞いてみますと、いや私のところの女房は非常にきちょうめんだからちゃんとこれはぺたっと家計簿に張っておくんですと、こう言われる。裏は読めませんよ、何やらこまい字で書いてありますがね。これを集金に行った人が裏まで見てくださいということになるかどうか、もう少しこういうものはそれらしく改善、改革の方法があるでしょうね。したがって、いまのFM及び料金の収納体制について少しく御説明願いたい。
#99
○参考人(山本博君) FM関係について私がお答えをいたします。受信契約の方は別な担当の理事にお願いいたします。
 FMの料金の問題でございますが、御指摘がありましたように、これは実験放送として相当早く実施をされておりまして、実用化試験放送になりましたのが三十八年でございます。したがいまして四十三年にラジオ料金が廃止になりました時点に、すでに実用化試験放送が行われておりまして、四十三年にラジオ料金が廃止になりまして、四十四年にFMの方は本放送に入っております。それで四十四年以降、確かに料金は徴収をいたしておりませんが、実は、四十三年の法律改正のときに現在の法律の条文ができてまいりました。あの法律の条文を読みますと、FMもこれは音声の中の一つでございまして、料金としては徴収する対象になっておりません。
 しかし、その当時、NHK側といたしましてこの問題について十分検討がなされなかったのかというと、そうではございませんで、NHKといたしましては、FMにつきまして料金を徴収するということはいたさない。その当時すでに料金体系としてできておりました、音声は料金の徴収を音声のみの受信者からは料金を徴収しないで、テレビジョン関係の所有世帯から料金を徴収する。そのテレビジョン関係の世帯から領収する受信料の中に、このFM関係の費用も、他の中波関係のラジオの放送の受信料と同じように、テレビジョンの所有世帯からいただく受信料の中に計算としては組み込んでおくという形で、四十三年度において一つの方針というものを出しまして、FMにつきましてはそういう扱いに自今しておるということでございます。
#100
○参考人(川原正人君) 収納体制と、先ほど御指摘の領収証についてお答え申し上げます。
 収納体制は、現状を大きく申し上げますと、まあ中でいろいろ収納、契約関係やっている職員は別にいたしまして、直接外に出て受信者と接触しております者は職員で約千名、これは外務職員と申しておりますが、この者がいろんな形で受信者に契約のこと、収納のことでお話に行っております。それから主として直接毎日毎日先ほどの領収証を持ってお金を集めておる大部分の者は、まず協会と委託契約を結んでいる集金の者が約四千名おります。そのほかに、主として僻地と申しますか、山村の方でございますが、郵政省にお願いいたしまして、大体郵便局三千五百局にお願いして、ずっと遠い地域につきましては収納をお願いいたしております。現状はそういうことでございます。
 この流れとしましては、一番最初は、協会の仕事が始まりましたときは何といいましてもラジオにいたしましても放送局所在地周辺に受信者が固まっていらっしゃいましたので、主に直接協会の職員あるいは特別委託と申しまして協会を退職した者が中心になってしておりました。しかし、ラジオが次第に遠くへ普及してまいるにつれまして、放送局の所在地から一々職員が集金のために遠くまで行き来しておっては大変効率上もよくありませんので、これは委託契約という形で、この委託契約の方にお願いを始め、さらにもっと普及が進むにつれまして、かつ郵政省の方でいろんな体制が整いましたときから、たしか昭和二十六年だったと思いますけれども、郵政委託というものを制度化いたしまして、郵便局にお願いしてまいった。しかし、近時御指摘のように、いろいろ問題がやはり収納の面で発生してまいりましたので、私どもとしましては職員が直接集金をしてまいる業務を極力減らしまして、そういういろいろ御意見、御主張のある受信者との接触は原則として全部職員が当たれと、職員の受け持ちます集金、いわゆる単純なと申しますか機械的な集金の分量をできるだけ減らしまして、そして専任の職員をあげてそういういろんな問題に当たらせる、こういう体制をとってきております。
 それから領収証につきましては、これは実は部内で長い間いろいろ議論をした結果でございますけれども、もちろん受信者の方に内容がわからなければ、これは何ともいたし方がございませんので、内容がわかる範囲で、ただ、しかしながらやはり協会といたしましてはここ数年来経費の節約には徹底して節約をしようということで、実は紙の大きさが大きくなりますと、妙な話ですが、紙代ももちろんかさみますし、それから一番問題は、中に印刷する時間が、何分二千五百万という数、そのうち全部があれではございませんけれども、千数百万の領収証を二カ月ごとに印刷いたしますために、できるだけ――これはほとんど昼夜兼行で実は十日かかるわけです、印刷が。その時間を少しでも縮めませんと、新しい異動が入りませんので、この点を節約と効率ということを徹底的に議論いたしました結果、受信者にもおわかりいただけ、かつ私どもも一番能率が上がるというので、いまの大きさのものを数年来EDPとの関連において実施いたしております。
 裏に書いてありますのは、なかなかお読みづらかったかもしれませんが、これは領収証の裏をただそのままにしておくのはもったいないということで、その裏には、その都度、協会のいまの経営のいろんな問題、ときに番組のこと等、少しでもPRしたいということで利用さしていただいている、こういうのが実情でございます。
#101
○森中守義君 いま一つは、この受信料の収納の根拠とでもいいましょうかね、これが一つどうしても問題になる。
 つまり未収の受信料を五十一年度約三十億見積もった。だんだん累増していっているわけですね。これは契約者でありながら払わなかった人も次年度の予算の編成には計算の中に入るんですか、これはどうなんですか、その辺の予算編成の根拠になる契約者の数としては。
#102
○参考人(川原正人君) 契約者でいらっしゃる場合には、当然、料金いただかなければなりませんので、いろいろ問題がございましても、やはり契約者である限りはその方の収入は予算の収入見込みを立てます。ただし、これは何年も何年もいつまでもやっていても予算としては大変妙なことになりますので、一応、二年間、つまり翌年度まで収入予定に上げて、私どもはお支払いいただくように努力いたします。ただし、二年間たちましてもなおお払いいただけない分につきましては、契約としてはもちろん残ります、協会の債権として残っております。これは私ども何年でも後請求にまいりますけれども、一応、予算の収入見込みからは二年たちますと外しまして、その後にもしお話がついてお払いいただけた場合には、これは雑収入の方へ上がってまいります。
#103
○森中守義君 これはまだずいぶんいろいろ問題がありますがね。いま二年間追っかけてみるということですが、民法の契約条項では五年間でしょう、もうこのくらい守るべきじゃないですか。ただ、しかし架空なものを上げていけばぐあいが悪いから二年ぐらいで欠損として落とすと、こういうことのようでしょうけれども、払っている契約者からすると、なかなかこれも簡単に二年間で全部落ちるそうな、払わなければ払わない方がいいという、こういう思想がだんだん、だんだん深まっていくということは余りいい措置とは思いませんね。したがって民法条項の五年間があるわけだから、これはひとつ二年としないで、何か別途の方法で予算上の積算の根拠にはお入れにならない、しかし民法の契約条項の五年は五年として保持をする、そういう何か別な措置がとられておかないと、もうこれで全部消えてしまうでしょう、全然形に残ってこないわけです。だから検査院あたりもどうしてその辺を私は指摘をしないのか疑問がありますが、そういう有効な手段を――二年で切る、残りの三年間は権利を留保する、そういう措置をとるべきだと思うんですが、これはどうでしょう。
#104
○参考人(川原正人君) 会計上は一応二年で欠損にいたしますけれども、私ども、その契約者との関係は、これは引き続き契約で、債権でございますから決して放棄いたしません。そして民法の時効になります五年間は、これは当然繰り返し繰り返しお訪ねいたしましてお払いいただくように説得をいまでも続けております。
#105
○森中守義君 説得を続けて、はい、わかりましたと言えば問題ないけれども、そうでないわけだね、実際問題としては。だから、私は、契約者の歳入減となるこの根拠が非常に不満なんですよ。そこに一体予算の権威はあるのかないのかということを問題にしているわけです。
 こう数字を申し上げると長くなりますから割愛しますが、ただ四十九年度の決算の結果を見ましても、当初予定されたものをカラーの場合は四十八万も落ち込んでおる。こういう数字が果たして正確なものかどうか、これも私ははなはだ疑問なんです。これは将来にわたって漸増の傾向になるのか、現状で抑止し得るという自信があるのか、さらに経営収入、つまり契約者が増加するという、そういう見通しが出てくるかどうか、これをちょっと簡単に説明してください。
#106
○参考人(川原正人君) 正直に申しまして、先の見通しについては非常にむずかしい問題がございます。ただ、大きく申し上げまして、私どもは、まず契約の総数についてはこれは確実に伸ばし得ると、将来また伸ばさなければいけないと、そういう意味では総体的には滞納の割合というものは減らし得るという一応大きな見込みは持っております。ただ、現実問題としては、私どもとしては現状をとにかくこれ以上ふやしてはいけないと、この件数を絶対これ以上ふやしてはいけないという一つの努力目標に掲げまして、これから先の仕事をすべて考えているところでございます。
#107
○森中守義君 これは議論しているとさらに時間がかかりますから、もう一つ、放送衛星を最後にお尋ねいたしましょう。
 ことしの協会予算の中に研究開発費など約五億五千万が計上されている。いままで何年度から今日に至るまで衛星関係の経費が投入されてきたのか、ちょっとその数字をお示しください。
#108
○参考人(藤島克己君) お答えいたします。
 昭和四十一年度から衛星の具体的な研究に入りましたので、四十一年度から昭和五十年度までの累計について申し上げます。毎年度申し上げる必要がございましょうか、合計でよろしゅうございますか。
#109
○森中守義君 合計でいい。
#110
○参考人(藤島克己君) 四十一年度から五十年度までの累計で申しますと、いわゆる事業費の方で支出いたしましたのが、研究調査費に出しましたのは十八億六千七百万円でございます。建設費が十五億三千四百万円でございまして、合計いたしまして三十四億一百万円強でございます。
#111
○森中守義君 ことしの五億は別ね。
#112
○参考人(藤島克己君) 五十一年度は別でございます。
#113
○森中守義君 これ入れて約四十億ということだな。
#114
○参考人(藤島克己君) 総額三十四億というのが四十一年度から五十年度までの累計でございます。
#115
○森中守義君 これだけの金を入れて、一体、何を研究し、しかもどういうことを先々計画として持とうとしているのですか。
#116
○参考人(藤島克己君) これは放送衛星に限りませんし、宇宙の開発につきましては国のプロジェクトとしていろいろ進められております。私どももそういう線で御協力申し上げておるわけでございますけれども、先ほどからいろいろ御指摘がありました基本問題調査会の提言の中にもございますように、非常に非能率的になってきた散在世帯の難視世帯の解消には放送衛星を導入することはきわめて有効である、したがってこの問題について慎重に仕事を進めなさいという意味のことがございますので、私どももその線に沿ってただいま動いております。
 したがいまして、ほかの衛星その他との関連において国の施策としてこういう実用の衛星の問題が最終的に計画として決定いたしますといたしますと、私どもはその線に沿いまして、ただいま申し上げましたように、第一番に難視解消の問題に沿って具体的にその仕事が推進できるように、そのときになって困らないようにいろいろ放送衛星に関する技術的の問題あるいはシステム上の問題、運用上の問題、そういうものをただいままでに進めてきたわけでございます。
#117
○森中守義君 この計画によれば、五十五年度末で四十二万世帯が要するに難視解消の未決世帯として残る、これは放送衛星によるのだ、こういうことが説明されておりますね。そのためにいまお示しになった額と今度の分を合わせると約四十億、四十二万世帯のためにこれからもさらにまた予算がつけられる予定でしょうが、非常にコストの高い難視解消になりますね。これは一体どういうようにお考えになるのですか。
 五十五年末までは在来の方式で難視解消をやる、残存の四十二万世帯を放送衛星によると。いま技師長の説明からいけば、難視解消のために約四十億近い金を現在使って、これからも恐らく入れていかれるであろうと私はそう思う。そうなると四十二万世帯のために余りにも高額な難視解消の経費を投入することになる。その辺のコストは一体どういうような計算をされるのですか。
#118
○参考人(藤島克己君) ただいま説明が多少不足だったと思いますけれども、これは国の実用衛星の施策が最終的に決まりませんと私どもで詳しいことをいま申し上げる立場じゃございませんけれども、私の考え方で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、難視解消というのは、提言にございますように第一義的に衛星の使用計画として非常に大事なことだと思ってやっております。と同時に、放送衛星というものはこれから将来に向かって放送技術がいろいろ進歩してまいります。そういう面にこの衛星がどういうふうに働いていきますか、現在では断定申し上げることはできませんけれども、当然、将来の放送の技術の発達のためには難視解消以外にもこういうものは当然枝葉を伸ばして発展していくものだと考えております。それと同時に、この衛星という形で進められた四十億の研究費の中身と申しますのは、ただ単にこれは衛星の方へ投入されるだけではございません。もちろん衛星の問題を研究することが中心でございますので、そのために使われた経費でございますけれども、これはやはりそういう研究の中からいろいろ二次波及効果、三次波及効果が出てまいりまして、現在の放送技術、いまラジオ・テレビでやってる放送技術の設備の進歩、発達にも当然これは貢献してまいりますので、そういう点で余り非能率な使い方はしていないつもりでございます。
#119
○森中守義君 だから、技師長ね、その難視解消のために放送衛星を研究開発しているんだと、これだけだといま私の言うような議論にすぐなる。これから相当の額が入るから、それで四十二万世帯のためにその金額を使うには難視解消のコストが高過ぎる、そういう議論に結びつく。で、そうじゃなくて、いまその後の放送衛星を将来どうするか、そういう模索、探求のためにいまNHKは研究し開発しているんだと、こういう説明であれば私は理解します。そういう意味なんですね。恐らくそういうものでなければ難視解消のコストが本当に高過ぎますよ、四十二万世帯といえども。大事な世帯ではありますけれども、非常にコストが高い。ですから、宇宙開発委員会の委員長代理見えておりますがね、実験衛星まではこれは国の責任、後実用衛星になれば別の責任、こういうようにそこで区切られるわけですね。
 そこで五十三年に予定されるもの、以降実用衛星に移行する段階でどういうものを現在想定されるのか、つまりいま〇・三五六トンですか、で、これを容量を拡大して一トンぐらいにしようというような話もあるし、一体郵政が上げるのか、あるいはNHKが上げるのか、国際が上げるのか、電通が上げるのか、その辺のことは開発委員会には権限はないにしましても、少くとも開発委員会としては実験衛星後、これは一体どういったようなものを想定しながら現在の研究開発をやっていらっしゃるのか。
 いま一つは、すでに日米の取り決め、交換公文等によりまして衛星それ自体の技術提携も受ける、あるいはロケットも向こうのものを使う、しかし日本でつくるのか、アメリカでつくるのか、衛星をつくる現場はどこですか。もう打ち上げるのはNASAに決まっている。一体事業団は何をしているのか、その辺のことが定かでございません、どうでしょう、一連の今日の状況というものを御説明願っておきたいと思います。
#120
○説明員(網島毅君) 森中先生にお答え申し上げます。
 ただいまの第一の御質問でございますが、この実験用中型放送衛星は一体どこでやるのかと、またそれが開発が済んだ段階で実用衛星に入った場合にはどこが担当するのかという御質問かと思いますが、この宇宙開発委員会設置法及び事業団法によりまして、開発段階までは委員会なり事業団がやることになっております。したがいまして現在の中型放送衛星につきましては、これは実験用でございまして、しかも開発段階でございまするので、委員会の所掌といたしまして宇宙開発計画に取り入れまして、そして、それにのっとって事業団が開発を進めておるわけでございますが、しかしながら、この研究段階は現在のやり方といたしまして、それぞれの各利用者、たとえば放送衛星につきましては郵政省並びにNHK、これらが研究をやって、その研究を踏まえて、そして開発段階になった場合にはそれが事業団に移っていくというやり方をやっております。この中型実験用の放送衛星につきましては郵政省並びにNHKの研究段階が済みまして、現在すでに設計並びに製造の段階に入っております。したがいまして、これは事業団が責任を持ちまして、事業団は東芝を通じましてゼネラル・エレクトリックと技術提携を結びましてそしてこの開発が進められております。
 もちろん、この打ち上げは事業団の責任でございまするが、御承知のとおりこの実験用の中型放送衛星は時期を非常に急がれたこと、並びに三百五十キログラムという重量があるために現在のNロケットでは打ち上げられません。したがって第一段階としてこれはアメリカに頼むということで、すでにアメリカとの交渉が終わりまして、昨年七月に事業団とアメリカのNASAとの間で打ち上げ契約が済んでおります。したがいまして、これは現在順調に進んでおりまして、衛星並びにこの打ち上げ後の追跡管制施設、あるいはまたそれぞれ実験をやる郵政省並びにNHKの地上施設も順調に進んでおりまするので、予定どおり打ち上げられるものと私どもは考えております。
 それから第二の御質問でございまするが、研究開発が終わりまして実用の段階に入りました場合には、これはもちろんそれぞれの利用の官庁なり利用機関がこれを実施することになっております。私どももそういうふうに考えておりまするが、しかしながら、これは設置法によりましてあくまでもこの打ち上げそのものは委員会なり事業団が担当するということになっております。打ち上げ及びそれの追跡観測をする、そういうふうに考えております。
 以上でございます。
#121
○森中守義君 いろいろありますが、藤島技師長ですね、約四十億近い金をいままで協会は投入されておる、しかしそれは難視聴解消はその研究対象の一つである、ほかにもまだあるということになりますと、いま網島委員長代理の御説明でもよくわかりましたが、実験衛星と実用衛星にはかなり距離がある、しかも素人の私でも、一体三百五十六キロでいいのか千キロでいいのか、それを上げるための一体ロケットはどうなるか、いろいろこれから問題があるでしょう。けれども、協会としては、どの年代にどういう体制ができてもいいように――もちろん基本方針として政府の政策も決まっておりません。郵政もまだどちらかというならば実験衛星が上げられて、その結果によって一つの政策立案をしよう、こういう段階のようです。しかし、これだけの金を使ってNHKが進んでいるということは、やや実際の将来の放送界のビジョンをどこかに求めている。
 さっき、私は、三カ年計画の後にくるものは何なのか、それは放送衛星をねらっているのかと、こういう質問をちょっといたしましたが、やや肯定的な答弁があった。確かにそういったような方向を求めていらっしゃるんですか。ことにABUの会議でせんだって小野会長が、場合によっては東南アジア地域にも衛星をひとつ共有にしましょうというような御発言があったように新聞でちょっと見ましたけれども、非常にNHKの放送衛星に対する対応策というのは速度が速い、こういったように見ているんですが、そのとおりに解釈してよろしゅうございますか。
#122
○参考人(藤島克己君) 私だけでお答えするのもいかがかと思いますけれども、最初の五十五年度になりますと、私どもがいまの計画を推し進めてまいりますと、御指摘のとおりに、大体残存難視世帯数が小笠原その他の離島を含めまして四十数万ということに相なる予定でございます。それから先は御指摘のように大変効率的に悪い状態になってまいりますので、せめてその段階にきたら実用衛星が使えるように私どもはしていきたいと思っております。先ほど申し上げましたように、この衛星の計画そのものが、方針としてまだ実用衛星の計画が決まっておりませんもんですから、必ずそうできると私どもはもちろん確信を持って言える立場じゃございませんけれども、いま申し上げましたようなことで、できることならばそこで実用計画がまとまって、私どもの計画がスムーズにいくように、私どもの立場から言えば強くお願いをしている次第でございます。
 それから二番目のABUの問題でございますけれども、私どもがいま考えておる衛星というものはABUを含んではおりませんです。日本列島だけでございまして、将来構想としてそういうことができるのか、できないのかという御質問になれば、やりようによってはいろいろございますけれども、カバーする方法もあろうかと思いますけれども、ただいま考えておりますのは、そこまでは考えていないということを申し上げておきます。
#123
○森中守義君 まあいいでしょう。
 それから難視の問題ですが、これはNHKよりもむしろ郵政省にお尋ねした方がいいでしょうが、テレビジョン放送難視聴対策調査会というものがつくられて、去年の八月答申が出ておりますね。この中で非常に重要な答申があるんです。辺地難視聴解消に関する関係者の責務、こういう答申がある。この中で放送事業者としてNHKはどういう責任を担うのか、民放はどういう責任を担うのか、国はどういう責任を担うのか、地方公共団体、さらに住民はどういう責任を担うのか、こういう責任の分野というものがきわめて明瞭になっている。私はこういう責任の限界、解消対策などを明らかにしたいというもので調査会がつくられたというふうに理解をします。それに答えが出た。したがって、このそれぞれの責任の分野は、答申された内容からいけばひとり放送事業者であるNHKあるいは民放だけの責任ではない、国もまたその責任がありますよ、速やかに措置をしなさい、こういう実は答申がございます。こういったようなものが具体的に対策段階にどういうように移されていったのか。何とはなしに難視解消はNHKのお家芸のようにされている。
  〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
金を使うのも相当使う。これをそれぞれの責任の分野において、ひとりNHKにそういうものを、経費の出費を求める、解消策を求めるということが現状のままでいいかどうか、非常に疑問がある。またNHKといえどもこの報告はごらんになったと思う。したがって協会が分担すべき任務、国が分担すべき任務というものはきちんと整理されてあります。こういうものを関係者がどういったように認識し合って措置をとられているのか。これをひとつ明らかにしてもらいたいと思う。
#124
○政府委員(石川晃夫君) 難視聴全般の問題でございますが、それについての報告書が昨年八月出てまいりまして、その中のいまの辺地の問題を先生がお取り上げになったわけでございますが、辺地の問題につきまして、まず放送事業者としてのNHK、民放がどういう立場にあるべきか、こういうことにつきましては、われわれといたしましては、NHKは全国放送普及義務ということがございますので、その線に沿って格段の努力をしていただきたいということをお願いしているわけでございます。民放につきましては、そういう意味の法的な拘束がございませんので、その点は民放といたしましても今後十分この難視聴の問題に取り組んでいただこうということでございますが、そのほか国、地方公共団体、住民につきましてのそれぞれの責務という面につきましてもいろいろ問題点がございます。
 したがいまして、われわれといたしましては、この報告書をいただいたすぐ直後に、省の中に委員会を設置いたしまして、現在、この問題と取り組んでまいっております。その中で、具体的な問題としてある程度現在までに実施してまいりましたのは、まず、放送事業者に対して、今後、ことに民放に対しまして辺地難視聴の解消に十分努力していただきたいということを大臣からも要望したわけでございます。それから一方、また技術的な問題といたしましては、ミニサテのようなものをつくりまして、そうしてこれでまた辺地難視聴の解消を進めていただきたいと、かようなことをやっておりますが、何しろ問題が非常に関連関係も多うございますし、またその問題の解決もむずかしい問題もございますし、経費の問題等もございますし、したがいまして、今後、このむずかしい問題につきましては、委員会の中におきまして現在取り組んでいるというのが現状でございます。
#125
○森中守義君 また、それはひとついずれかの日に議論しましょうが、やはりこういう責任の分野というものが難視についてきちんと明らかにされたわけですから、そういう意味で、これはやっぱりそれぞれの責任を全うできるように速やかに措置をとってもらいませんと、協会の今日のこういう財政事情からいって、協会だけにこれをやらせるというわけには問題がある。
  〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
したがって国の出費等もこの際は検討に値する問題だろうと思います。
 最後になりましたが、例年、参議院及び衆議院で予算審議の際に、附帯決議が付されております。ことしも衆議院で行われましたし、これからこの委員会でも同様な措置がとられるわけでございますが、こういう附帯決議と大臣の意見書ですね、これはやっぱり一つの集約された問題ですから、よほど慎重に処理してもらいたいし、できるならば、今後の予算成立後といえども、委員会に、附帯決議はこういったように実行した、こういう措置をとったということを報告してもらいたい。いままでどちらかと言えば、決議が、あるいは意見書が放置されたとは思いませんけれども、少なくとも委員会の決議に対しては何らかの回答があってしかるべきであろう。一つ一ついま私は指摘しませんけれども、そういう意味で、決議、意見書の扱いについてはより慎重に節をつけていただきたいということを強く期待をいたします。
 それから日にちがちょっとはっきりいたしませんけれども、せんだって小野会長の方に私どもの関係の団体の代表が会見を求めている。十数項目にわたる話し合いをいたしたはずであります。その回答の内容を私はここに持っておりますが、一一申し上げませんけれども、この項目及び内容というものは、今後の言論報道の自由、表現の自由を確保する立場から、これを守るべき日本放送協会の立場からきわめて重大だろう。この約束はきちんと守っていただけるものと確信をいたします一そのことを改めて二点追加いたしまして、私の質問を終わります。
#126
○参考人(小野吉郎君) ただいま御指摘の点はきわめて重要な問題でございますので、今後の協会運営の上におきまして最大限の尊敬と、また、これを守っていくことをお約束申し上げます。
#127
○委員長(森勝治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。
 本件を承認することに賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(森勝治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 茜ケ久保君。
#131
○茜ケ久保重光君 私は、ただいま承認されました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施につとめるべきである。
 一、放送による表現の自由を確保し、放送の不偏不党を堅持すること。
 一、難視聴解消を効率的に推進するとともに、その抜本的対策を速やかに具体化すること。
 一、国際放送に対する国庫交付金を増額するほか、受信料免除措置を検討し、協会の財政負担の軽減をはかること。
 一、経営委員会が協会の最高意思決定機関としての機能を十分発揮しうるよう、その構成に格段の配慮をすること。
 一、協会は、事業の運営にあたり、広く国民の意向を吸収し運営面に反映させる施策を、さらに積極的に推進すること。
   なお、番組審議会についても、受信者の意見が的確に反映できるよう、委員の構成などに留意すること。
 一、協会は、いつそう事業運営の刷新・効率化を推進し、経営の健全化をはかるとともに、極力受信料の安定化につとめること。
 一、協会は、受信料制度について受信者の理解と協力を得る方策を強化して、受信料の収納、負担の公平に万全を期すること。
 一、協会は、協会の義務に従事する者の待遇改善に配意すること。
  右決議する。
 以上でありますが、この決議案は先日来の委員会における審議の過程を踏まえて作成したのであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて御説明するまでもないと存じますので、省略をさせていただきます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
#132
○委員長(森勝治君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(森勝治君) 全会一致と認めます。よって、茜ケ久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村上郵政大臣並びに小野日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村上郵政大臣。
#134
○国務大臣(村上勇君) 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認いただきましたことを厚くお礼申し上げます。
 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後、放送行政を進めるに当たりまして、御趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。
#135
○参考人(小野吉郎君) ただいまはNHKの昭和五十一年度収支予算、事業計画並びに資金計画につきまして満場一致をもって御承認をいただきまして、まことにありがとうございます。
 御審議の過程におきまして私どもの不行き届きの点も多々あったと思いますし、いろいろ反省しなければならぬ点が多いと思いますけれども、そういう点も、十分に、きわめて教育的な立場から御指導をいただきまして感銘のほかございません。
 ただいま付せられました附帯決議につきましては、これは協会の運営につきましてぜひ守っていかなければならない諸点であろうと思います。通常の年の附帯決議とはきわめて重い意味を持つものと思います。
 通常の年におきましても、私も、国会の委員会の審議の過程におけるきわめて有益な御意見なり附帯決議につきましては、これに一〇〇%沿うような努力をしなければならないものと考えております。特に、今回の附帯決議につきましては、協会の立たされておりますいまの現状にかんがみまして、何をおいても国民支持のNHKであるためには絶対にこの趣旨に沿っていかなければならないと思います。そういう意味合いにおきまして、最大限度の努力をいたしまして御期待に沿いたいと思いますし、また、御審議の過程において、附帯決議の措置の模様について本委員会に報告をすべきだ、もっともでございます。そのような措置につきましては十分におこたえ申し上げてまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#136
○委員長(森勝治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#138
○委員長(森勝治君) 次に、請願の審査を行います。
 第三五九二号電報、電話料金値上げ反対に関する請願外十件を議題といたします。
 本委員会に付託されております十一件の請願につきましては、理事会におきまして慎重に検討いたしました結果、いずれも留保することに決定いたしました。
 理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#140
○委員長(森勝治君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#143
○委員長(森勝治君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のための閉会中の委員の派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト