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1947/08/28 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第13号
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1947/08/28 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第13号

#1
第001回国会 農林委員会 第13号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分經費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對に關する陳情(第七十號)
○農地委員會の經費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業会の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○農業協同組合法案(内閣送付)
○農業協同組合法案の制定に伴う農業
 團體の整備等に關する法律案(内閣
 送付)
○函館營林局の管轄區域變更に關する
 請願(第五十四號)
○藥用人參試驗場設置に關する請願
 (第六十六號)
○米價改訂に關する陳情(第百二十八
 號)
○民有林野制度の確立に關する陳情
 (第百三十號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百三十一號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百三十三號)
○開拓者資金融通に關する陳情(第百
 三十八號)
○米穀供出に對する報奬制度の廢止竝
 びに肥料の配給に關する陳情(第百
 四十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五十號)
○遲配主食の價格に關する陳情(第百
 五十二號)
○青少年禁酒法制定反對に關する請願
 (第八十八號)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに關する請願(第九十
 五号)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 關する請願(第百二號)
○薪炭の價格に關する陳情(第百六十
 二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百六十三號)
○食料品配給公團法に關する陳情(第
 百七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百八十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百八十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百九十二號)
○市營競馬の施行に關する陳情(第二
 百二號)
○北海道開拓事業に關する陳情(第二
 百七號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百九號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百十三號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十號)
○未墾地の開拓事業に關する陳情(第
 二百二十二號)
○群馬縣古馬牧村外三ヶ村のかん漑用
 水路に關する請願(第百二十一號)
○蒜山演習地の返還竝びに開拓計畫變
 更に關する請願(第百三十五號)
○食配配給確保に關する陳情(第二百
 二十六號)
○林業振興對策に關する陳情(第二百
 二十七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百三十一號)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に關する陳情(第二百三十二
 號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百三十五
 號)
○米麥需給計畫の根本方針に關する陳
 情(第二百三十六号號)
○農業保險法制定に關する陳情(第二
 百四十四號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百四十五號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百四十八號)
○薪炭需給調節特別會計法を改正する
 法律案(内閣送付)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十八日(木曜日)
   午前十時四十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○理事選定(森田豊壽君の補闕)
○農業協同組合法案
○農業協同組合の制定に伴う農業團體
 の整理等に關する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今から委員會を開會いたします。最初に皆さんにお諮りいたしたいと思います。それは理事をやつておられます森田豊壽さんが御承知のように御病氣で、先般この會期中請暇の件について會議に諮られまして、その許可があつたのであります。從つてこの會期中森田理事は御出席できませんから理事が缺けた恰好になりますので、代りの理事を互選いたしたいと思います。この前の例に從つてその補缺のための理事は委員長から指名するとに御異議ありませんか。
#3
○委員長(楠見義男君) それでは御異議ないようでありますから委員長から柴田政次君を指名いたします。御紹介申上げますが、そちらにおいでになります。
#4
○柴田政次君 どうぞよろしん。
#5
○委員長(楠見義男君) それから先般生鮮食料品の生産及び統制状況の調査のために岡山、廣島、山口、福岡の四縣に佐々木委員が御出張になつたのでありますが、私の手許まで調査報告書が届いておりますが、相當厖大なものでございますし、委員會で特別に御説明を伺う前に印刷に附して各委員のお手許にお配りいたし、然る後成期に議院に報告する手續を取りたいと思いますので、その點御了承願いたいと思います。
 それから農業當局に申上げますが、實はこの委員會は各委員非常に御熱心で殆んど定刻に皆さんがお集りになつておるのであります。政府委員を待つことはありましても、政府委員に待たすことは殆んどないのであります。本日も四十五分これだけの委員の方がお待ちになつたのであります。豫め御都合が惡ければ御通知願いますれば、委員會は延會或いは散會いたしたいと思います。從つてこれからどうぞ時間通りにおいでを願いたいと思います。
 それではこれから昨日に引續きまして協同組合法案外一件についての質疑を繼續したしたいと思います。
#6
○松村眞一郎君 私は大臣が一昨日でしたか、仰せられました言葉のお取消を願いたいということを要望いたすのであります。大臣はこういうことを言われたのです。特殊組合というものを認めるつものであるということをおつしやられましたが、法文のどこに特殊組合というのがありますか、それは大臣が度々更迭しておられます。ところが事務の諸君は元から同じ人がやつておる。ところが協同組合法案というものはいろいろな紆餘曲折を經て今日までここへ持つて來た、その立法の御準備の間に特殊協同組合という思想が生れて來た、これと我々は闘つたのであります。そういう思想でこの農業協同組合を考えることがいけないとういことで闘つた結果が法案にはその字がなくなつておる。それを依然として大臣はそういうことをおつしやるが、特殊協同組合でないというものは何であるかということを、それを伺いたいのであります。特殊組合という以上は、特殊ならざるものがある筈であります。ならざるものと言えば何であるか、私はそういうことを大臣に詰問するよりも、特殊協同組合という考えはない、ともかく耕作だけを目的とするものも特殊ではありません。農業協同組合であれば、養蠶を目的とするものも農業協同組合である。畜産を目的とするものも農業協同組合である、どれも特殊ということはないのであります、ということに私は了解しておるのであります。若し特殊組合ならざるものは一般の農業組合であるということになれば、一般とは何でありますか、それは大臣はお困りになると思います。養蠶も畜産も農作もすべて包含したものが一般的の協同組合であるというならば、北海道などは養蠶はやつておりません。一般協同組合でないことになります。そういうことを言われたならば、北海道の人は驚くだろうと思います。養蠶を抜きにして畜産と耕作だけならば、一般農業組合であるということは意味をなさない。そこでそういうことはお止めになつた方がいいと思います。明確にただ便宜のために言うたのである、養蠶だけやつたものも別に特殊組合ではない、これは立派な農業協同組合である、畜産だけやつてもそれであるということに明瞭に御答辯願いたい。
#7
○國務大臣(平野力三君) 私の申上げました言葉の字句等について十分ならざる點は固より承知いたしてお認めいたしますが、私の申上げた趣旨は、決して問違つておらんと、かように思いますので、もう一囘改めて申上げたいと思います。
 特殊協同組合と申しましたのは、養蠶、畜産、茶業というような、いわゆる業種別の協同組合が各村にできて來るということを、この法案によつては抑えることはないのであります。從つて一般的なる一町村一單位の協同組合ができた外に、こういう業種別の組合ができることもまたこれを認めざるを得ない、こういう答辯を申上げた趣意でありまして、理想といたしましては、一町村一單位組合にしておいて、全國は將來整頓せられることを欲すると雖も、業種別のかような組合ができるということを、この組合法においては規定しておらんのであります。こう申上げた趣意は、決して法文の趣意と違つておらんのであります。この點重ねて御了承願いたいと思うのであります。
#8
○松村眞一郎君 それでありますと、大臣のお考えは、一般的というのは地域的なお考えでありますか、或る町村において一つできるものが一般的なものである、二つできれば、一般的でない、若しそういうことをお考えになれば、これは獨占禁止の規定に反すると思うのであります。これはどういうことを書いてあるかと言えば、この協同組合法の第七條にはこういうことが書いてある。「組合は、昭和二十二年法律第五十四號(私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律)の適用については、これは同法第二十四條各號に掲げる要件を備える組合とみなす。」、こう書いてあつて、この農業協同組合もまた獨占禁止の法律の適用を受けておるということをよくお考えにならなければならんと思います。適用を受けておるならば、或る一地域に一つできるということは、これは獨占禁止で禁止しておるのであります。その趣旨にやはり從つてやらなければならんのであります。そこでそこに書いてあるのは、二十四條にありますいろいろな要件を備えておるものは適用しないという但書があります。但書の適用は、これは獨占禁止の規定の精神を酌んでこの法律はできておるものであるということをお考えにならなければならんのでありまして、一地方に一つできるということに餘りに重點を置かれると、但書の規定を考慮しなければならんことになりますから、ややもするとそれは從來の惰性であると思うのであります。そういう從來の惰性を打破するということがこの法律の目的である。何でもかんでも一つに包含して獨占的な經營をやつておつたのが從來の弊害であるから、それを脱却しようというのが、この法律の立法の精神であるのであります。その精神を打破せんとするところを、それを維持しようとするお考えで、この法案を説明をされたなら、事ごとに私は質問せざるを得ないことになるだろうと思います。ですから、一般とか特殊ということは全然抜きにして、凡そこの規定によりますと、十五人以上ということがありますから、十五人以上のものは、設立の認可をすれば、これ即ち農業協同組合である、それだけでよろしい。一般とか特殊ということは必要ないのである。一町村に一つ拵えることを理想とするということを言うことそれ自身が、獨占を理想としているということになります。そういうお考えならば、我々獨占打破の意味においてこれを修正しなければならんと思います。そういうことでこの法案を提案されたというならば、立法の趣旨が間違つているということを申上げるのであります。獨占打破のためにできた法律である。それは一町村において一つできるのが理想であるというならば、逆論ではありませんか、大臣のお考えをもう一度伺います。
#9
○國務大臣(平野力三君) 繰返して申しましたように、この協同組合法は、各町村において農民が自由な形において幾つ組合ができるということも自由である、それが法文の適當なる解釋であるということはしばしば申上げたのであります。從つて御指摘のように、私が法案の精神を曲げた答辯や提案理由の説明はいたしておりません。ただ皆さんからの質問があつて、餘り亂雜に協同組合ができるということは、結局その協同組合の目的を達し得られない場合があるので、政府としては、この亂雜なる組合ができる場合においてはどういうような考えを持つか、こういう御質問に對して、でき得るならば一町村において成るべく一つの組合ができて行くということが我々としては望ましてのである、併しこれは、決してかような型にはめようとか、或いはそうしなければならないということを政府が言うているのでない、かように申上げておりますので、この點、私の答辯には何ら法文の精神と喰い違いがないと確信をいたします。それから特殊、一般という言葉を用いたということについてお咎めでありますが、それはあくまで養蠶とか畜産とか茶業というような組合は、私通俗的に申しますならば、一般から見れば特殊である、かような表現を使いましたことも、これも決して間違つた表現ではない、かように信ずるのであります。
#10
○松村眞一郎君 亂雜になることが困るということについては同感であります。併しながら亂雜になることを困るというその結論は、成るべく一つを希望するということである、それがいけないというのである。それが私の意見と衝突しているということを申上げるのである。一つの思想は統一する思想であつて、獨占禁止でそれを禁じているのであります。一つが困るという頭であるに拘わらず、理想は一つであるということであるならば、法律の精神と違うじやありませんか。それを私は申しているのであります。
#11
○國務大臣(平野力三君) 私が一つでなくてはならん、こういうことを明確に言うたならば、お咎めの言葉も當りますけれども、繰返して申しているように、一つでなくてはならんと言うてはおらんのであります。この組合の精神によつては幾つかの組合ができることは、當然是認されているのであります。こう言つているのでありますから、この點重ねて御了解願いたいと思います。
#12
○松村眞一郎君 私は繰返して申します。それであれば、一つを望むということのお言葉はお止め願いたい。この法律はいろいろのものを作ることを理想としておるということを仰せられるならば、行政公針として一つになることを希望するということは矛盾するのでありませんか。それを止めて頂きたいということを申しておるのであります。
#13
○國務大臣(平野力三君) その言葉の裏は、あなたのおしつやるように、亂雜にできるということは欲しないという言葉の表現から、一町村一單位であるということが望ましい、こう申したのであつて、これは決して取消しの要はないと思います。
#14
○松村眞一郎君 私は皆さんが簡單ということであれば、その點は止します。そこで農業組合は……簡單になるか十分になるか、發言者の自由であります。この法案はいろいろ參考の法令をここにお示しになりましたが、これは一體ドイツだとかソ聯であるとか、いろいろお示しになりましたが、どれを農林省としては參考にされたのでありますか、我々にこういうものがあるからよく見ろという御趣旨でありますか、どれに重點を置いておられるのでありますか。
#15
○國務大臣(平野力三君) 參考資料を配付いたしましたのは、これは本當に御參考までに配付いたしたのでありまして、日本の農業協同組合はあくまで日本のあるがままの現實の農村の姿から出發をいたしたい、かように思つておりますので、このいずれをも模倣をして、これによれと言うたものではないのであります。
#16
○松村眞一郎君 それでは申上げますが、農業という意味をどういうように御考えになつておりますか、私の申しますのは、折角參考にお出しになりましたのでありますから、アメリカの方の例を申上げます。第一頁にあります。これには五人以上のものは相互組織により農業、酪農業ということが書いてあります。この意味は、農業と酪農業とは別という思想から出發しておるということは明瞭であります。それはそういう事例があるということをここで申上げます。園藝というものも又農業と離して、やはり一つの農業として認むるという事例もあります。私は特殊とか一般とかいうことは、それぞれの業態において考えられるのであつて、必ずしも始めから、こういうのが特殊であるとかいうような頭に拘泥せられないことを私は望むという意味において、他の外國の例を申上げるのであります。大臣の方ではどういうふうにお考えになつておりますか、一般ということをどういう程度にお考えになつておりますか。
#17
○國務大臣(平野力三君) 一般ということと特殊ということについては、一般とは、農地の上に極く普通の作物を經營する農業を大體一般と概念付けたのであります。特殊というのは、先刻來申しておるように、お茶であるとか、或いは蠶であるとか、こういう業種別の業を營むところの農業を、特に特殊とこう呼んだのでありまして、この解釋については特に法律的根據によつて主張したのではなく。大體一つの常識の上にかように申上げたのであります。
#18
○松村眞一郎君 そういたしますというと、茶業地の靜岡においては、茶が一般的のものになるということをお考えになりますか、養蠶地において、養蠶を専門にやつておる村が澤山ある、その村では養蠶が一般的の農業であると、そういうように御了解になるだろうと思いますが、いかがでありますか。
#19
○國務大臣(平野力三君) 廣議の農業としては、茶業も或いは養蠶業も農業であることは間違いありません。併し一般と申したのは、お茶であるとか、果物であるとか、養蠶であるとかいうものではない、普遍的ないわゆる農作物、かようなものを經營するものを以て一般農業と、かように概念的に申上げたのであります。
#20
○松村眞一郎君 それでは、地域によつて違うということだけはお認めになつておるようでありますから、それ以上は申しません。
 それから、それが名稱に關係するわけであります。名稱を今度決めます場合に、養蠶の協同組合ができた場合には養蠶協同組合と、こうなるわけでありますか、畜産は畜産協同組合、それから普通の組合はなんと申しますか。
#21
○國務大臣(平野力三君) 大體いかなる組合も農業協同組合、これは原則として用います。併し茶業なり畜産の場合は、その上に茶業農業協同組合或いは畜産農業協同組合、かようになるのであります。
#22
○板野勝次君 この法律の目的を完全に實現いたしますためには、どうしても次の三點が強力に速かに實施されないと、これは前の委員會の時にも申したことですが、一個の法律作文化してしまう危險性があると思いますので、次の三點に對する大臣の見解を承わりたいと思います。
 それは第一に土地の徹底的な改革に對する見解と、第二に適正な利率によりますところの長期若しくは短期の農業資金の貸付の問題及び農業生産に直接、間接必要な資材の供給を優先的に確保する、この問題に對する見解。第三は農業經營の協同化及び農業技術の向上のための積極的な助成に對する見解。この三つの點が十分に行えなかつたならば、この協同組合は、繰返して申しますが、一種の法律作文化してしまいますし、農業會を解體してかくのごとき協同組合を作つて見ても、何ら意味がないと思いますので、これに對する方針を承わりたいと存じます。
 それから今一つ附加えて、農村電化のためには、どうしても小型發電機等が必要になつて參ると思うのでありますが、現在の電氣事業法の下においては、小型發電機を使用することが禁ぜられておる。從つて農業の協同化に、おきまして、小型發電機がどうしても必要なので、農業協同組合において行い得るところの體制を是非切り開いて貰いたい。固より小型發電機の農業協同組合による使用のために、他の資本主義的な經營もこれに便乘させるという方法を講ずる必要はないと思うのですが、これに對する大臣の見解をも合せて承わりたいと存じます。
#23
○國務大臣(平野力三君) 土地改革の點につきましては、すでに申上げました通り現在第二次土地改革の非常なる進行の途上にありまして、大體來年の三月までには百三十五萬町歩の買上を斷行いたしまして、これによつて百五十萬町歩計畫の土地改革は、先ず大半その目的を達することになろうと存じます。かようにいたしまして、順次土地改革の面からいたしまするところの封建性打破と農村の民主化は、大體御期待に副うように進行しつつあり、且つでき得るものと確信をいたしておるのでありまして、この點については御了承と御安心を願いたいと思います。
 第二の御質問である適正なる農業資金、或いは資材の優先配給を協同組合が行うべきであるという御意見については同感でありまして、この面については政府といたしましては、農業協同組合の發展のためにでき得る限りの努力を拂うということは、當然のことであると思うのであります。
 次に、農業技術、農業經營面の點について、特に農村電化の點を御指摘になりましたが、農林省といたしましては、すでにこの點につきましては相當に研究の歩を進めておるのでありまして、實は、綜合農村電化模範施設要綱というものを作成いたしまして、日本におきまして、大體三ヶ所においてこれが實施をいたしておるのであります。その成績について詳しいことは適當の機會に御發表いたしてもいいと考えておるのでありますが、將來の日本の農業の上において、この農村の電化ということが可なり大きな問題であるという認識については、農林當局といたしましてはすでに深く考えを廻らせておるのでありまして、農業協同組合が漸次發展いたしまする途上においては、これらの問題については十分よく我々が協同組合の發展に資することができるよう、今から準備をいたしておることを申上げて置きたいと思います。
#24
○板野勝次君 第二次土地改革の進行しているという點ですが、これがうまく參つておりますのならば、最近におきますような土地取上げがますます頻發して來るという問題がないのでありますが、我々のところに入つておりまする情報は、殊に大臣が第三次農地改革の談話を發表して以來、ますます土地取上げが頻發しておる、こういう状況にありますので、大臣の只今のお話にも拘わらず、かくのごとき状況に對する政府の對策と、現在土地取上げの件數がどの程度であるかという點を重ねて承わりたいと存じます。
#25
○國務大臣(平野力三君) 現在土地取上げが行われておるということは、これはむしろ土地改革進行途上における當然起り得る、摩擦でありまして、このことが土地改革について、土地改革の進行しておらないという理由にはならんのであります。固より農業協同組合法の運用といい、或いは農地改革といい、これが現在における非常な大なる變革の問題でありますので、そんなに無風状態を行くように行われないといでことは、これは當然のことと御了承願いたいのであります。常に申上げますように、民主主義というものは一夜にしてできるものではないのでありまして、かような困難を相當克服しながら、やはり民主主義というものはそこに到達するのでありますから、土地改革の途上において幾多の障碍が生じておりますることは、そのことによつて土地改革が進展しておらないという結論にはならないと思うのでありまして、要は先般申上げましたように、現在百五十萬町歩の土地買上げ計畫ということが大體において來年の三月までには大半を終了し得る、その見通しと確信を持つておるという點において、土地改革の點は一應それで御了承願いたいと思うのであります。
#26
○島村軍次君 先般私から今度の協同組合の性格について、生産態勢の確立の問題をお尋ねしたのでありますが、その御答辯は極めて抽象的であつたと思うのでありまして、生産増強の裏附になるべき對策について重ねてお尋ねを申上げて見たいと思います。例を擧げますと澤山あると思うのでありまするが、少くとも私は供出の徹底を圖り、食糧増産の強化をして參りますのには、農業資材中なかんずく農具の問題が一番必要だと思うのであります。ところが、農具用の鐵材につきましては昭和十五年の割當が三萬一千五百トンに對して、戰時中漸次減退をいたしまして、二十年には終戰の關係もありましたが、一萬二千四百トンになり、昨年は特殊物件の放出がありましたために、約三分の二の二萬トンを確保されたようでありまするが、二十二年におきましては、現在の計畫は僅かに八千トンにしか過ぎない。而してそれもなかなか割當はありましてしも、實際の品物がない、こういうことになりまして、農業協同組合が自主的に今後の増産を扱つて行くというような點に對しては、政府の施策がびつこになり、それが非常に深くあると思うのであります。内容を檢討して見ますると、勿論今日の資材の不足の場合でありますから、農業の生産増強にのみこれを向けるということは困難であろうと承知いたすのであります。併し農村における農具の製作が、戰後におきまして相當擴大せられたとは申しまするものの、實際の資材の面に至つては、全く只今申上げたような數字を以てしても非常に貧弱を覺えざるを得ないのであります。而もこの取扱をやつておりまする安本とか、或いは商工省等の關係におきましては、農村の實態が取扱者に十分了解できない、農業省の力が足りない。平野農林大臣は到る處に行つて、この食糧増産の點と、そうして供出の強化を圖ると共に、裏附については相當強き御意見をお持ちになつておるようでありますが、事實がそれに伴わない。これは今の數字を以てしてもこれを斷ずることができると思うのであります。こういう面に對しましては、將來農林省としてはどういうお考えになつておりますか、或いは又本年度においての農業生産資材確保に對する積極的な御所見如何、これについて御意見を承わつて見たいと思います。
 それから農村金融の問題につきましては、先般私は數項に亙つて御質疑を申上げたのでありますが、終戰後における農村が混亂の中において尚且つ安泰になし得たということは、私は從來の農村金融に對する農業會の力が非常にあつたということを確かに認めざるを得ないと思うのであります。今度の協同組合に變りましても、この金融問題は非常に重要なる問題でありまして、これを若し下手に取扱いますというと、農村は破滅の傾向になることも當然と考えざるを得ないというような趣向にあることを誠に遺憾といたすのであります。それは農村が特殊事情にあることは當然でありまするが、この金融問題については、都會集中或いは金融の統制に熱心なる餘り大藏當局及び農林省内におきましても、私は必ずしも農村金融に對する意見が一致しないということを耳にいたすのであります。もつと農村の信用、金融問題に對しては國民全體が強い關心を持ち、且つこれを育成して行くという積極的な部面が必要であると思うのであります。萬一この際協同組合の設立と共に、この農村の金融部面が混亂を來すということになりますというと、増産の上には勿論のこと、國家全體の上にも非常に影響を齎らすことは勿論であります。又それがやがて非常なこの農業の發達に、將來の我が國の農村の發達に非常な惡影響を齎らすということを特に銘記しなければならんと思うのでありますが、尚今日の情勢から申しますると農村の内部におきましては、すでに資金が枯渇いたしまして、そうしてこの醫療費等には貸出がどんどん殖えて行くというのが現状であることは、幾多の實例があると思うのであります。これは何を意味しておるかと申しますると、やはり農村の金融逼迫の情勢にあることを意味するのでありまして、恐慌の一部面だと考えていいと思うのであります。こういう問題に對しては更にこの金融全體に對する而も大藏當局の御出席を願つて、この農村金融に對するもつと認識を深くして頂きたいと希望いたすのであります。私はこの際農村金融に對する大藏當局の出席を要望いたすのであります。御出席後において金融問題に對するお話を大藏當局にも申上げたいと思うのであります。委員長の方でさようにお計らいを願いたいと思います。それから項を分つて、數が多いですから一つお許しを願いまして、細かい問題にも入つてお尋ねをいたしたいと思います。
 第一は、本法施行期日の豫定如何。第二は、農業會の存續が八ヶ月となつておりますが、この解散は行政的措置を講じてやるのであるかどうか。第三は、農業會が現に行なつておりまする行政上の事務、即ち農産物の供出督勵、或いは指導、或いは報奨物資の配給、生産の調査指導、こういうふうな國家行政の部面を擔當しておる事項が少くないと思うのでありますが、今後においてはこれに對して政府の現在ある機構を以てしては頗るこの實施の徹底が困難だと思いますが、それに對する對策如何。第四は、現に農業會では系統的に事務をやつておるのでありますが、この協同組合法の施行と共に、すでに直ちに解散を豫定しておるところもあるし、又事業を停止しておるところもあると思うのでありますが、これらに對していかなる措置を取られんとするお考えてありますか。第五には、農業會の資産、負債を協同組合が解散後において讓渡を受けるという説明を承わりましたが、農業協同組合が自由な立場において設立する場合において、農業協同組合の設立ができないところに對してそれらの施設の讓渡をいかに措置するか。第六には、市街地等における現在の農業會の金融部面を總括的に取扱つておるものに對して、これを政府としては市街地信用組合の設立をやらせるか、即ち産業組合法によらせるか、或いは準組合員として利用せしむるか、これらに對する政府の所見如何。第七には、先般も申上げましたのでありまするが、現在系統農業會の職員は約五十萬に垂々といたしておると思います。而した來たる三十日にはこの從業員組合の全國的な會合を行いまして、完全雇傭に關する決議をし、當局に陳情するということを新聞紙上でも拜見をいたし、且つそういうことを承わるのでありますが、究極するところ全部のものを協同組合に吸收することが困難であると思うのでありますが、これに對して政府はどういうお考えをお持ちになつておるか、尚特に指導部面につきまして、技術員の數は約三萬以上を算すると思います。これらに對する措置如何。それから次に、連合軍の司令部から一昨年十月であつたと思いますが、農地改革についての覺書の中に適正な農村長期及び短期信用の普及確保云々のことがあつたと思います。これに對してどういう措置を講ぜんとするか、これは農村の金融の問題と合せて重要な問題でありますので、政府の御所見を承わりたいと思います。尚系統農業金融機關でありまする農林中央金庫に對しましては、この協同組合法の制定と同時に提案されて、その對策が講ぜられるべきだと思うのでありますが、併し何らの御説明もなく、この措置をいかにされるか、以上數項に亙つてお尋ねを申上げたいと思います。
#27
○委員長(楠見義男君) 島村さんに委員長からお答えいたしますが、大藏省の方の出席要求でありますが、實は先日大藏省の方に連絡を取りまして、本日この委員會に銀行局長、それから大藏大臣の御出席を要求しておつたのでありますが、會期はどうなるかわかりませんが、この一兩日の間に復興金融金庫の改正法律案をあげないと資金面で非常に困るというので、その法律案を現在衆議院と參議院の方でやつておるような状態であります。從つて本日は出席困難だと思いますが、必ずこの協同組合法を審議する間には出て頂きまして、金融の點については各委員からも要望もございますので、その點ははつきりして頂こうと、こう思つておりますから御了承を願います。
#28
○國務大臣(平野力三君) 第一點のお尋ねでありました農機具に關する問題でありますが、御指摘のように農機具に關する鐵の配給が非常に少いということは誠に遺憾に思つております。この點に關しては、我々といたしましては、農機具そのものに對する鐵の配給面を相當増強するとともに、農機具そのものについてもいかなる農機具が適當であるかという研究と、この二面において現在盡力をいたしておるのであります。具體的な數字内容については本日用意をいたしておりませんので、適當な機會に申上げたいと思いまするが、いずれにいたしましても御指摘のように協同組合を作りましても、その生産面においては農機具、肥料、農業必需物資というものが相當必要であることは當然でありますので、政府といたしましては、これらの農業用必需物資について責任を以て、相當これが配當に盡力するということは當然であると思うのであります。尚御指摘になりました、私が農村の供出を促進させるために種々なる物資について各方面において議論しておるようだが、その裏附はどうかと、いうお尋ねでありますが、私は肥料であるとか、或いは酒、煙草、或いは鹽、こういうようにはつきり商工省、或いは大藏省方面において明確な數字の把握できておるものについては、これを極力農村の方面に廻すことについて誠意を以て盡力をいたしておるのでありまして、ただ無責任にあらゆる品物の明確でないものを配給するというような空虚なる言論は用いておらないつもりでありまするので、この點一つ御了承を願つて置きたいと思います。
 金融面の御質問は先般私がお答えいたしたのでありますが、特に大藏大臣を御要求のようでありますので、この際はむしろ答辯を留保いたしまして、大藏大臣出席の場合に共にお答えいたした方が問題を明確にいたしますから、私に關する問題は省略をいたします。
 次に本法案施行の期日についてお尋ねになりましたが、大體現在豫想いたしておりまするのは十月の初旬からであります。十月の初旬からこの法案の實行期に入りたいと思つております。
 第二に、農業會の解散は、これは法律に決めてありまする通り、八ヶ月立ちまするならば法律の命ずるところにより當然解散と相成るのであります。次に、國家行政の部面を擔當しておつたこの農業會が解散された後に政府はこれらの面をどうするかというお問いでありますが、これはある部分は町村會等に移行せられまして、町村會等がこの部分を擔任するものもありましよう。又ある部分におきましては、現在御審議を願つておりまするところの公團等がこれを行うこともありましよう。又政府はこれらの問題に關しましては、特別なる機關を設けて、從來の農業會のやつておりました部分を代行せしむるというようなことが想像できるのでありまするが、いずれにいたしましても考えようによりますると、相當に種業會解散後における農村の影響は種々あろうと思いまするが、併しこの協同組合法案は別個の觀點に立つて、農村の民主化という前提から起つておる問題でありますので、このことはむしろ農業會からこれらの機關が他に移行せられますることも當然であると思考しておるのであります。次に、農業會の資産を處分するに當つて協同組合の方へうまく行かない場合が相當あるのではないかというお問いについては、私どもも御同樣いろいろ心配をいたしておるのであります。又資産の讓渡等に當りましては從來の資産が分散をいたしまして、非常に多大なる損害を受けるというようなことも、これも想像いたさなければならんのでありまするが、我々といたしましてはあくまで協同組合を作りまして、その協同組合に合理的に農業會の資産が讓られて行くような準備をいたしておるのであります。問題は農業會の資産等が農業の方面に用いられずして、他の方面にこれが流れ、他の方面にこれが償却されるというような點につきましては、我々といたしましては嚴にこれらの問題を今から注意をいたして、適當な行政上の處置を取つて行きたいと考えておるのでございます。次に、市街地の金融についてのお問いでありますが、これは大體市街地は、市街地信用組合において一應やつて行くことになるのであろうと考えております。次に、技術員の問題と職員の問題でありまするが、農業會が解散せられまして、職員を全部そのまま農業協同組合が吸收するというわけには參らんと思います。併しその部分の中、相當量が同じく農業會に適當に配分せらるるであろうということは想像に難くないのであります。特に技術員の問題に關しましては、私共といたしましては、これは農業生産調整法が制定されますならば、當然この農業生産調整法も部分においてある程度は具體的に吸收されるものと考えておりますのと、又政府の考えておりますところの指導農場等については當然相當に吸收されるものであり、かたがた協同組合におきましても、この技術員等は十分にこれを採用いたしまして、大體技術員諸君の生活安定という問題はむしろこの際協同組合制定と共に一層その生活の保障を國が與える方針を取つて行きたい、かように考えておるのであります。
 次にお尋ねになりましたのは農林中央金庫の問題でありますが、この點は非常に微妙な問題であり、かつ將來の農業金融の上におきましては非常に重要であると考えられますので、目下私共におきましては、農林中央金庫に對するところの方法をいかにするかということについて相當研究をいたしておるのでありまするが、これらの問題に關しましては、この農業協同組合が制定せられまして、この運用の途上において、我々は一定の農業中央金庫に對するところの成案を得まして、重ねて御相談をいたします機會があろうと考うるのでございます。
#29
○島村軍次君 只今の御答辯によりますと、行政事務についての措置は、大體町村或いは公團その他府縣等に次ぐということでありましたが、公團法については、現在農林省から御提案になつておりまする數公團について、兩院とも相當の議論のあることは御承知の通りでありまして、現にでき上つた肥料公團の點から考えますると、考え方についてというよりは、實質的には非常に事務職員なり、取扱い職員が殖えまして而も從來やつておりました取扱い業者の待遇等よりは相當數段の待遇を受けたために、率直に申げますと經費はかさむし、人員も殖えて來る、役人の數が殖えて、そうして公團法式によると單に經費と人員が増加する、こういう傾向にあると思うのであります。農村の實際の状況から申しますると、行政的の事務を切離すというその根本のことについては、意見が同感でありまするが、併しこの施行に當りましては、お役所でお考えになつた結果は、今のような弊害が多分にあることを指摘されざるを得ないと思うのであります。尚行政事務の運行については、現在ある農業會その他の團體のやつておりますることに對して、協同組合は全くこれに關知するの必要を認めないと思うのでありまするが、併し政府はこの協同組合に對して行政的事務を一部分でも擔當せしむるかどうか、こういう點をはつきり御答辯をお願いいたしたいと思うのであります。尚巷間傳うるところによりますと、日本の農業の現状から考えまして、行政系統のみを以てしてはなかなか農村の指導と申しまするか、將來の農村の立直しということは困難であるので、この農業協同組合ができると同時に、別途の從來あつた農會等のごとき機關を設けた方が適當であるというような意見さえあるのでありますが、これに對して重ねて大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。
 それから農地改革についての覺書に對する農村の長期及び短期信用の普及、確保に關する措置としての具體的な御所見が、只今の御答辯中に抜けておつたようでありますから、併わせてお願いいたします。
#30
○國務大臣(平野力三君) 御質問の趣意は、農業會がやつておつた仕事を公團なり町村等に委讓してやつても、結局うまく行かんではないか、從つて再び農業會のようなものを必要とするのではないかというようなお問いであつたと伺つたのでございますが、肥料公團がうまく行くか行かないか、この問題につきましては公團法の場合に種々申上げたのでございますが、御指摘のように公團になりましたからというて急に經費が増大をして、前よりは始末にならんというような點はありません。問題は切符制にいたしまして、末端の農業協同組合、或いは今後できますところの種々なる地方の配給機關に任かすことによつて、大體肥料の配給は從來よりもつと正確に農家の手に渡る、この點については大體において自信を持つておるのであります。又米の買付にいたしましても、我々は政府みずからが農家から買上げるという方式を採ることによつて、時には今度できます協同組合を通ずる場合もありましようし、又その他地方におきまする適當な機關によつて買付を行うということについて、それ程不便は感じないであろう、かように考えておりますからして、御指摘のような點については一應御疑問の點があることは了承いたしますけれども、我々といたしましては、大體農業協同組合を作つて、政府が從來やつておりまするところの行政上の諸問題については、大して不便なくやるところの準備を現在整えつつある、かように御了承願いたいと思います。
 それから最後の御質問はちよつとよく趣意が……
#31
○島村軍次君 大臣でなくても政府委員の方で結構です。
#32
○國務大臣(平野力三君) それでは誠に恐縮ですがちよつとお問いの點について、具體的の資料の用意がありませんから、次の機會に答辯することをお許し願いたいと思います。
#33
○藤野繁雄君 十六條の規定によつて見ますと、「書面又は代理人を以て、議決權を行うことができる。」とこう書いてあるのであります。その代理人は組合員に限るという限定がないのでありますから、誰でも差支えないと解釋して差支ないかどうか、若しそういうような場合に誰でも持つて來て代理人としたならば、協同組合を攪亂するような虞れがないかどうか。又代理人を持つて來ていいということであれば、而もそれが組合員でない者でも差支ないということだつたら、四十五條には、「議長は、總會においてこれを選任する。」となつておりますから、その場合の議長も、組合員外の者を議長にして差支ないようになるじやないか、そういうふうなことだつたならば、組合運營上面白くないようになる虞れはないか、こういうふうなことを心配するのであります。それでこれは代理人というものは、組合員に限定するところの必要があると私は考えるが、これはどうであろうか。
 又豫め通知のあつた事項以外は總會に掛けることはできないのでありますが、若し臨時の事件があつたらば、從來と同じように理事が專決處分をして、事後承諾を受けていいのであるかどうか。
 又四十四條の、總會の議決を經べきところの事項であつて、總會を招集せずして、總組合員の同意を以て總會に代へることができるかどうか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。
#34
○國務大臣(平野力三君) 事務當局から答辯することにいたします。
#35
○委員長(楠見義男君) それでは説明員として小倉農政課長に發言を許可いたします。
#36
○説明員(小倉武一君) 今の御質問でございますが、これは組合員と限りますと、例えば組合員の家族が代理人になれないということになりますので、定款で以て他の組合員又はその組合員の家族というふうに定めるように指導したらいかがかと存じております。
 それから第二番目の御質問でございますが、現在の農業會のように專決處分が認めてございません。但し豫め通知してない事項につきましても、緊急で必要があるというような場合は議題にすることはできます。これは民法の規定を準用しておるわけであります。
 第三番目の御質疑でございますが、總組合員の意思がありましても、總會という形式的の形を取らなければ、この法律でいう組合の總會の意思決定にはならないということになります。
#37
○高橋啓君 第九條の一番末の項ですが、「みずから前項に掲げる業務を營み、又はこれに從事する者が行う薪炭生産の業務(これに附隨する業務を含む。)は、この法律の適用については、これを農業とみなす。」こう書いてありますが、これが例えば養蠶の農業協同組合ができた場合にはそれがやつて行く。それからその他の農業協同組合であれば、これを含めて仕事をしていいというのであるか、それとも薪炭農業協同組合というような獨立したる協同組合によつて運營されるのか、その點はつきりいたしませんが、尚私は末項を取つて頂きたいと思うのであります。というのは、今御承知の通り緑化運動が非常に日本として必要とされておるのでありまして、この薪炭の蓄積と木材の蓄積が同じような數量になつておるのでありますが、薪炭は御承知のように、大きな木材では決して薪炭にならないのであります。段々木材部門が薪炭の蓄積によつて喰込まれて來るような傾向があり、尚今の需給關係から言つて、どうしても伐る方面が非常に多いのであります。そのときにこのような細かい組織の生産或いは取扱というものをさせると、一層そこの混亂が激しくなつて、一貫した計畫の下にこれを維持して行くのはなかなか困難になります。もう一つは輸送の關係ですが、これはいろいろの關係のものが思い思いに輸送路を使うということになりますと、小運送の方面で非常に困つておるというのは、今相當な數量が生産されておりますが、現場から輸送するのに困難しております。それを一つの計畫の下にやると、どうにか村の一本の道路も有效に使われることになりますが、思い思いにこれを奮つてやるということになると、これは困つてしまう、もう一つは北海道その他を除いて大部分は副業にやつておるのであります。一年に八百俵とか千俵とかいうのは、どこの農家においても炭を燒いておる者が生産しておつて、これが日本の大部分の生産量になるのでありまして、ただこの自家用とか簡單な小さい數量を燒くのではなく、これは相當大きな數量を副業としてやつておるのでありまして、この協同組合の小さい組織でやるということになるならば、大部分の金融その他のことがこの方に使われて、實際農業方面に、主としてこの協同組合で對象とされる農業方面に使われないことになりはしないか。もう一つは、今まで必要によつて協同組合が持つたような仕事をやつた自主的な昔からの組合が、契約講とかいろいろなことでやつて來たのでありますが、その後購買組合法というものができまして、ああいうような特別な保護を受けて、建前としては組合員のいろいろな資材その他の共同の購入をやるというのが目的であつた。これが段々一般のためにもこれをやる、開放するといつたようなことになつて、中小工業者を非常に壓迫したのでありますが、ところが本當に商賣人がやるのじやないので、そのために購買組合長という者は多數の破産者を出したというような傾向がありまして、これが薪炭を扱うことによつて、この協同組合法がいろいろな危險な立場になりはしないかということを、先例に見て私は心配いたしておるのであります。今までいわゆる薪炭問屋というものがあつて、その人に金を借りた封建的な經營から脱却いたしまして、各自が一人一人自主的な組合を作り、自分の生産したものは最後まで見守つてやることができるというような傾向になつたのですが、更にここのところでそのような薪炭問屋、いわゆる炭屋の親方といつたような封建的な關係が更に實現するのじやないかという心配もあるのでありまして、私はやはり強いて林産物を農業とみなすというふうなことは必要がないのであつて、むしろこの際、今できている自主的な組合である薪炭關係の組合に一括してやらせることが、今日起つている諸般のことから必要である、こう思うのであります。それでこの末項を削つてしまうことはできないかどうかということを伺いたい。
#38
○國務大臣(平野力三君) 御質問の御趣意は非常に御尤もであると思う點が多いのでありますが、やはりこの協同組合法の考え方といたしましては、極く山村に在住いたします農民は、副業として當然薪炭を燒いているのでありますので、この部分はやはり農業とみなす、かような解釋をいたしましたのは、實行に即しましてこれは當然である、かように考えるのであります。ただ問題になりますのは、御指摘のように、この協同組合が薪炭を扱うという場合において、從來の薪炭を扱つておつた機構と相衝突し、或いはこれが二重となつて、この問題からむしろ弊害があるのではないか、こういう御指摘は誠に御尤もであると思うのでありまするが、この點に關しては特に別途の方法を考えまして、林政上の諸般の問題と睨み合せて、御心配のような點がないようにして行く方法が十分にあろうと、かように考えているのでありまして、この協同組合法の建前といたしましては、山村の農民の行いまするところの炭燒事業というものは、やはり農業とみなす、このことについては訂正する意思はないのであります。
#39
○高橋啓君 私は山育ちでありまして、このような仕事は實際に體驗しているのであります。これらの事情について非常に私はよく知つておりますが、この頃この法案が出たために、元の農業會系の人逹が、實はこの薪炭のことは農業會でやつておつたのでありまして、これは金融上の關係から随分長い間やつておつたのでありますが、今度解散になる。ところが農業會の大きな賄いの部分が薪炭から來た差益があつたのでありますが、それがこういうようなことで當然農業關係でこれはやれるのだというので、盛んにそつちこつち講習會を開いているような状況がありまして、結局、協同組合において福利のためにこれを差入れ、この協同組合の業務の中に飛び込ませるという目的が自然に失われて、横丁に横つ走りしている傾向があります。私が一番心配するのは、副業とか片手間にやるということで山林が扱われてはいけないのだ、山を非常に荒れさしたのは、材木ばかりでなく、薪炭關係が非常に多い。瓦斯薪とか、炭を燒くとか、薪にするとかというのが非常に大きく山を荒れさしているのでありまして、薪炭は只今申上げた通り、片手間にやるような仕事ではなくして、本當に專業と同じように一年千俵、二千俵というのはどこでも燒いているので、これが集計されるとえらい大きな人力を使つて行くのであつて、簡單にここのところにくつ附けてあるが、この一項によつて大きな林材の關係に影響を與えるということははつきり分つているのでありまして、若し何らかの措置によつて協同組合の運營に役立たせるならば、ただこれは別な處置に出て、本條から拔いた方がいい、こう考えるのであります。これは私一人の意見ではない大きな運動となつておりまして、私がここの席に來る時も配付されたように、これは全國からいろいろな陳情があるのでこういうことになつておるので、今漸く薪炭が纏りが付いて、生産に餘力を持つて相當よくなつてきた時に、このようなことでこの薪炭生産の上に非常に影響を與える。尚緑化運動に一大蹉跌を來すというようなことになつては困ると思うのでありまして、そのいろいろな措置によつて、できるならば私はむしろこれを削つてしまつた方がいいかと考えております。
#40
○國務大臣(平野力三君) 御指摘のような弊害は別個の方法によつて十分緩和できると思います。協同組合法の建前といたしましては先刻申上げました通りに、極く山村にある農民の薪炭業というものは一應これは農業とみなす。かような規定を取つておりますことには間違いのない解釋であろうと思いますので、この點を修正するという考え方よりも、この條文はこのままに願うこととして、他の部分について御指摘のような點については十分相談をいたしたい、かように思つております。
#41
○羽生三七君 議事進行についてですが、ちよつと伺いますが、午後まだ繼續されるのでございますか。
#42
○委員長(楠見義男君) 農林大臣は衆議院に何かあるそうでございますから、できるだけやつて頂いたらいいと思います。それから個々の法文のことは、根本的な問題は個々の法文に關係あることでも別でございますが、併し個々の法文の方はいずれ又別にやるとして、根本的の問題を大臣がおられる時にやつて頂きたいと思います。
#43
○岡村文四郎君 一昨日大臣の提案の趣旨説明その他の御答辯に、農村の經濟恐慌は當分來ないだろう、こういうお説がありました。これは大事なことでありまして、徒らにそういうことを言つておる向きもありますが、來るということ、これは外國から食糧が盛んに輸入されて、そうして我が國の農産物を壓迫する。こういうふうな氣持で言つておる人が多いようであります。ところがこれがそんなに澤山入つて來て、農産物の價格に影響することのないことは、これは明らかなことだと思います。ところが本員は我が國の農村の經濟恐慌は來かけておる、第一段階に入つておる、こう實は考えて心配いたしております。それは農村によらず都會によらず、經濟恐慌は鋏状の價格差から起きるものでありますが、現在大臣がお考えになつておるように承わります農産物の價格と、それに對する農業者の出資との差額が非常に多くなります。例えば農業の最も大事な道具であります、若しその道具を持たん百姓ならば一人前の百姓と言えないと存じますような牛馬、馬でありますが、内地の耕作用の馬は割合安いので、大體二萬九千圓から三萬圓で二歳馬が手に入ると存じます。そこで三萬圓にしましても、今大臣が御發表になつて、ちよいちよい新聞に見られます石二千圓の米にいたしましても、十五石の米を賣らなければ一頭の馬が買えないという事實であります。そこで農機具にいたしましても公定價格はお決め頂きましても、とてもその價格では買えません。私は自轉車のタイヤとチユーブを少し欲しいと考えておりまして、どこかにないか、何か手に入らんだろうかと、こう考えておりましたら、或る商人が持つて參りまして、チューブ、タイヤを附けて四千二百圓ならばお世話しますと言う。眞平御免だと言つて斷つたんですが、そういうわけで、自轉車は何も産業に必要な道具でないかも知れませんが、これも農村には是非必要であります。それでさえもそういう價格であり、醫療設備の十分發達しております農村ではそれ程苦痛がないかも知れませんが、全國を見ますと醫療設備の行き渡つておる農村は割合少いのでありまして、その施設のない農村で相當な病氣をいたしますと、月に一萬圓は優に掛かります。そういうわけで全般から見て農村の恐慌というものは第一歩に入つておる。これは大いに今から心配をして、當分來んということよりは、むしろ入つて來かけておるのだ、そういう覺悟でお考えを願うのが適當であると考えておりますが、御所見如何。
 それから次は、協同組合になりましても、これは元の産業組合からの系統で、ずつと中心は變つておらないで、時が變り時節が變つておるのですが、今度の組合法の第十條に、できまする事業が十二項目揚げてありますが、そこで我々が今度の新らしい農業協同組合に、本當によくなつて貰わなければならんという心配をいたして考えて見ますと、ここに揚げております事業は何でもできるようにはなつておりますが、現状から見ますといろいろな公團ができて一體どうなるか、その事業の上に非常な不安なものが多いのであります。これはただ事業をしたいが、やることが協同組合の仕事でありませんと當然やるべきことが公共的に行えないという事實が發生します。そのために相當な、最も低い經費によつて事業を行つてその經濟を補つて行くというのが建前でありますが、例えば農産物の集荷も販賣も自由にやれる、こういう氣持にはならんと思います。そこで大臣は、食糧公團ができましても、外の公團ができましても、一體協同組合の分野はこういうふうになるのだという、まだ法案は確定しないようでありますが、大體そういう内示をされますと大變好都合だと思います。
 それから第三番目は、貯金の事業、貸付の事業が末端でもできますし、上でもやらんならんと思つておりますが、御承知のように今非常に金融がびつこになつておりまして困つておりますが、貯金の吸收を圖つて協同組合の金融事業が萬全なりとは決して申されません。これは農村恐慌の一つだと存じますが、今非常に金融に困つております。中央金庫もなかなか自分の力が弱くて、お互に困つておりますが、今朝全農からお話を聞くと、北海道に購買代金で一億二、三千萬圓の品物が行きましたが、金は一つも貰えない。實に困つたもので、何とか考えてくれ、こういう話がありましたが、それも御尤もと思いますが、向うでも會議を開いていろいろやつておりますが、これは非常に時期が惡いので、いろいろなデマ宣傳でそういうふうになつた部面もあると思いますが、本質はありそうな金が農村にないということであります。そこで今度できます農業協同組合に最も適合した、今までの中央金庫以上に、本當の農業協同組合の中央金庫であるという、現在の中央金庫の整備改革をおやりになる御意思があるかどうか、それには相當に國が金の融通をして貰うべくこれは大藏大臣でなければ分らんと存じますが、先ず大藏大臣に農林大臣からこうして貰わなければ農村は駄目だというふうに御意見けお述べになるようにして欲しいと考えますが、その點いかがですか、お答え願います。
#44
○國務大臣(平野力三君) 私が農業恐慌は今直ちには來ない。併し何年か後、具體的には五年ぐらい後にはそのことを覺悟して、今から日本農村を編成しなければならん、こういうことはあらゆる機會においてしばしば申上げておるのでありますが、私がその恐慌ということを考えました契機は、安い農産物が世界から日本へ流れて來て、そのために日本の農産物が好むと好まざるに拘わらず非常に低位な價格に押し詰められる、こういう場面を想像いたしまして農業恐慌とかように考えたのでありまして、從つてそれはまだ二年、三年ぐらいにはさような状況にならない。併しそういう状態は何年か後には必ず豫想しなければならないから、今から準備を備えるべきだ、こういうことを現在考えておるのでございます。只今御指摘のように、農民の生産いたします價格と農民が買う物の價格とのいわゆる鋏状の價格差という點ならば、これはもう來ておるのではなくして、すでに長い間そういうことのために農民は苦しめられておるのでありますから、これはいわゆる恐慌という表現ではなくして、價格政策の面において日本の農民が甚だしく不合理な状態に置かれておるということで、これは打破しなければならん。これはもう今日も叫んでおり、又私もこの點は長い間叫んで來ておるのでありまして、この面においては御指摘の通り牛馬やチユーブ、タイヤ、地下足袋、こういう物と、農民が賣ります米、麥、甘藷、馬鈴薯といふものの價格が合つておらんということは、これは認めるのでありまして、この點は今年の秋の米價の改訂等の場合におきまして十分これは考慮して行きたい、こういうように思つておりますから、あなたの御意見と私の農村を見る見方の上においては何らの差がないと、かように私は考えておるのでございます。
 次に、御指摘になりました協同組合ができて、從來の肥料であるとか、或いは米、こういうような面につていの仕事が相當に公團だとか、或いはその他によつてやられるということになつて、協同組合の仕事は甚だ振わないのではないかというような御指摘と存じます。この點については多少私の考と見解を異にしておるかと存じます。今度の協同組合の狙うところの目的は、共同して農業生産を上げる、ここに重點があるのであります。從來の産業組合なり農業會というものは、できた物を共同して高く賣り、買つて來る物を共同して安く買う。資本主義的經濟時代におけるところの農民の一つの自衞的な立場から共同して安く買つて、共同して高く賣るということが流通面における産業組合の殆んど基本的使命であり、農業會の持つております重大な使命でありましたが、これからはかような基本的資本主義的な經濟制度というものは大いに修正せられ、統制經濟に入つておるのでありますから、この面ではなくして農民が共同して生産力を上げるという點に協同組合の重點があります。共同で機械を購入し、共同で家畜を導入し、共同で電化し、共同で土地改良を行う。今囘の農業組合はできた瞬間から生産面においてこういうような大きな役割を果すのでありますから、これは從來とは、多少趣の變つた點において協同組合は活溌なる活動ができるし、又なすべきである。さればと言つて流通面における經濟行爲を協同組合が果してないというわけではありません。例えば肥料の面においては公團の末端配給は協同組合がやる、協同組合が切符を貰つて末端の公團から肥料の配給をする。こういう面における配給の面はやるのでありますから、これは一つも從來とは變りがない。又米を賣るにしても政府から代行を受けて賣る。これは從來の産業組合のように協同して高く賣ろうという、そういう協同組合の精神ではなくなつた。そういう點において從來の農業會と協同組合の差を一つ御承認願がいたいと思うのであります。
 次に、先にお述べになりました中央金庫の問題でありますが、これは實を申しますと、私共においても農村の金融機關というものについては根本的に相當考えたい、かように思つておりまして、私の考え方を申しますると、從來の中央金庫の代りに或いは中央金庫を相當に改組するというような點を基準といたしまして、新らしい農村金融面というものを、金融機關というものをここに立案して、そうしてこれを皆さんに御相談するの相當の機會があろうかと、かように考えておるのであります。併しその内容についてはここに發表いたしますることは、まだ研究が十分でないものでありますから、その點は一つお許しを願いたいと思うのであります。
#45
○羽生三七君 時間が大分經過しておるようで、簡單に申上げて置きますが、丁度只今岡村さんの御質問の第二點に關する農林大臣の御答辯で大體解決されておるようでありますが、大體この農業協同組合に關して、全國でそれぞれの府縣でいろいろな研究が行われております。ところがこの精神を履き違えて、農業會を上手に新らしい農業協同組合に移行すればよい、この考え方が可なり支配的なんであります。これにつきましては今大臣からお話がありましたように大體從來の金融の面、加工の面或いはその他の販賣の面等における從來の諸活動に代つて、新らしい生産増強と農村の民主化の點に本法案の根本の精神があると思うのであります。そういう意味におきまして、この組合の亂立は固より避けなければならないわけでありますけれども、同時に日本の今後の土地條件や、或いは耕作の技術、或いは生産者の自覺の程度によりましては、その實行可能の範圍というものが或る程度小さい部落において想定されますから、そういう單一の村、單一の組合が望ましいものではあつても、一度その協同化を可能ならしめる條件に適合する程度のそういう單位組合ができても、これは大臣の先般來の御答辯にもはつきりしておりますけれども、私はこれを阻止する必要はない。從つて全國に行われておるいろいろな研究會が亂立を心配するの餘り、この本來の協同組合の立案の精神を沒却して、農業會をそのまま移行するような運動が行われております。これに對しては十分御警戎を願いたいと思つております。もう一つ伺いたいことは、農村工業に關する問題でありますが、この農村工業の定義というものはまちまちでありまして、一體個々の農家が……このことはつまり第二章の「事業」の面に「農村工業に關する施設」というものがあるので伺うのでありますが、個々の農家が副業として行う場合を想定しておりますのか、或いは協同組合等ができて、そこで從業員を雇つております工業を想定するのか、或いは都會でない、農村の地域において、何人といえども、農業者たらずとも、誰でも工業をやれば、それが農村において行われる限りこれを農村工業というのか、例えば我々が今後地方で農村工業というものをやる場合に、この問題でどれが本當の意味の農村工業であろうかということについて非常に大きな迷いを感ずるのであります。固より協同組合等で考える場合におきましては、大體一つの方向が出て來たわけでありますが、併し大體日本農村工業というものをやる場合においては、これに對する一定の定義というものがあるのでありますか、あらましのお見通しを伺いたいと思います。その他のことは事的的なことになりますので、機會を見て又事務擔當者に伺います。
#46
○國務大臣(平野力三君) 農業會と今度の協同組合に關する大體の考え方の點は先刻申上げ、且つこれを御了承願つたのでありますから、この點については只今の御質問に對する答辯は差控えて結構だと思います。農村工業の點についてでありますが、固より農村工業というものに明確なる定義を下していることは現在まだないのであります。併し私共の考えます農村工業の範圍というものは、先す農民が生産いたしまする品物を順次でき得る限り高度に加工して行く。その過程を一つの農村工業とこう見る面と、今度は全然農民の生産品ではないが、農村そのものに勞働力が餘つた場合に、或る適當なる工業を農村へ誘致してきまして、これを農村工業とする、かように考えられるのでありまして、いわゆる農村工業として我々が今後見まする問題は、この廣義な問題を農村工業と見る、かように私は考えて行きたいと思うのであります。從つてそれが農村の發展に資するところの問題でありますならば、相當農村工業というものはここに高度の改革を行なつてよいかと思うのであります。
#47
○高橋啓君 私は先程の特別なる措置という内容を承わりたいことと、もう一つは薪炭生産をする場合にこれに附随する業務についての具體的な内容を伺いたい。若しこの特別なる措置について林野局との關係があるならあとで伺いたい。
#48
○國務大臣(平野力三君) これは林野局長官とも相談いたしまして……。非常に具體問題であり重要問題でありますので、適當な機會にはつきり明確に答辯いたしたいと思います。本日はこの程度で…。
#49
○平沼彌太郎君 只今高橋さんからの御質問でありますが、私も一昨日この九條の三項の問題について大臣に御質問申上げたのであります。ところが大臣の御答辯は、これは小さな問題であつて、大きな問題ではないから政府委員から答辯させるということでありまして、これについて私はその時大變不服だつたのであります。大臣は薪炭生産ということ、山のことについてはまだ甚だ經驗が積んでいないということを感じたのであります。只今の御答辯によりましても、例えばこの薪炭の生産業は山林に對して副業であると仰つしやつたのでありますが、山林というものは畑が非常に少いので、大抵家族が一段歩、二段歩の仕事をしておつて、主人その他の家族の大部分が山に行つて、即ち製炭をしているということを考えましても、木炭の生産が主業であつて農業の方が副業なのであります。ですからこれは私と大臣との見解は全然反對であります。そういう意味から言いましてもこの山林、これに只今高橋さんからお話のあつたように木炭の方の生産組合というものは現在林産組合というものができて漸く軌道に乘つてうまく行つておりますのに、又こういうものができて、今大臣が御答辯になつたように、若しこれがいろいろ支障があつた場合には、この上に又何か考えるというようなことは甚だ朝令暮改である、屋上屋を重ねる感じがするのであります。このために山林の、即ち生産の統制は林産物の生産統制を破壊せられまして、山林にできておるとこころの施業案もこわれ、必ず山は濫伐され、崩壊して、國家將來のために甚だ憂うべき状態になると思うのであります。その點において是非共この條項を削除して頂きたいという高橋さんと同じ希望を持つておりますから、御研究を願いたいと思います。
#50
○國務大臣(平野力三君) 私は山林のことについてはいまだ非常な素人でありまして、十分御期待にそう答辯ができないことは誠に恐縮でありますが、併しあなた方の見解と私の見解との差をはつきり申上げますると、この農業協同組合の根本思想は、農民という人間、この人間の解放及び人間を中心としての農村の民主化、ここの法案の基礎がある。この點は私は十分檢討を加えて、この法案については自分は一つの信念として提案をしておるのでありまして、あなた方の方はこの山村の人間というものよりも炭、山、こういう物の面からものを御覧になるので、そこで喰い違いがあろうかと思うのであります。この點ははつきり私共の農業協同組合法の立場も御了承下さいまして、山村における農民が副業でやる薪炭についても、これ亦農業とみなす、これは農民の面から見て農業とみなす、こういう思想から出ておるので、この點は御了承を願いたい。これは私の方のこの法案に對する人間を中心としての解釋でありますが、さて具體的問題としてはあなた方の御指摘になりましたような、かような方向で進めて行くことになると、結局木炭がうまく出なかつたり、或いは木炭の生産の上に支障を來したり、山林の面のどこかと衝突するということが想像されますので、この面については篤と別個の面において御相談をしたい、かように申上げておりますので、法案を修正するということについては御議論を一つ私の方に讓つて頂きまして、別の面においては私共の方で御相談に應ずる、かように一つ御了承を願いたいと思います。
#51
○委員長(楠見義男君) それでは本日はこれを以て散會いたします。
   午後零時二十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           木下 源吾君
           柴田 政次君
           高橋  啓君
   委員
           門田 定藏君
           羽生 三七君
           北村 一男君
           西山 龜七君
           平沼彌太郎君
           木檜三四郎君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           石川 準吉君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           河井 彌八君
           島村 軍次君
           寺尾  博君
           徳川 宗敬君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           板野 勝次君
           廣瀬與兵衞君
  國務大臣
   農 林 大 臣 平野 力三君
  説明員
   農林事務官
   (農政課長)  小倉 武一君
   林野局林政部長 安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
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