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1975/05/18 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 農林水産委員会 第8号
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1975/05/18 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第077回国会 農林水産委員会 第8号
昭和五十一年五月十八日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     向井 長年君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 国司君
    理 事
                青井 政美君
                鈴木 省吾君
                辻  一彦君
                鶴園 哲夫君
    委 員
                岩上 妙子君
                大島 友治君
                片山 正英君
                佐多 宗二君
                佐藤  隆君
                園田 清充君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                神沢  浄君
                工藤 良平君
                志苫  裕君
                前川  旦君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                向井 長年君
   国務大臣
       農 林 大 臣  安倍晋太郎君
   政府委員
       農林大臣官房長  森  整治君
       農林大臣官房技
       術審議官     川田 則雄君
       農林省農林経済
       局長       吉岡  裕君
       農林省構造改善
       局長       岡安  誠君
       農林省構造改善
       局次長      福澤 達一君
       農林省農蚕園芸
       局長       澤邊  守君
       農林省食品流通
       局長       今村 宣夫君
       農林水産技術会
       議事務局長    平松甲子雄君
       食糧庁長官   大河原太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       厚生省公衆衛生
       局結核成人病課
       長        本田  正君
       農林省農林経済
       局保険管理課長  市川 博昭君
       農林省農林経済
       局統計情報部長  有松  晃君
       農林省農蚕園芸
       局普及部生活改
       善課長      塚本美恵子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小林国司君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○志苫裕君 私は、農業者年金基金法に焦点をしぼりましてお伺いをいたします。
 まず、私自身、この法制定のいきさつにはかかわりがないので、当時の経過を調べたり法律を読んだりするのでありますが、率直に申し上げて、本法の目的、ねらいが何であるのか非常にわかりにくいわけでありまして、たとえば社会保障審議会の答申などにおいても社会保障制度における年金のあり方としては疑念が表明をされておるし、農業の政策的要望ということで消極的に受けとめている節もあるようでありまして、私は、改めて本法の目的、ねらいは何なのかお伺いを、まず、したいわけであります。
#5
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま農業者年金制度の目的は何かということでございますか、御承知のように、農業者の経営移譲及び老後保障について年金の給付を行うことによりまして、農業者の老後生活の安定と農業経営の近代化に資するということがその目的でございます。すなわち農業者年金制度は、農業経営の移譲と農業者の老後保障とが密接な関連を有しておることに着目をいたしまして、農業者のみを加入対象として創設されましたものでございまして、一般的な老後保障を目的とする国民年金によっては満たされない要請にこたえるため、農業者の老後保障の充実という社会保障的な面と農業経営の近代化及び農地保有の合理化という農業政策的な面との両面を有する年金制度であるというふうに考えておるわけでございます。
#6
○志苫裕君 そういうことは、この法律の第一条にも書いてあるのですが、これはそのとおりなんですが、農民の老後保障にも徹し切れないようでもあるし、さりとて、いま大臣が答えた経営安定、農業近代化、言うなら農協法が指し示す構造政策を推進するために有効に機能するように徹しているわけでもないということで、どうも中途半端な印象をぬぐい切れないんですが、老後保障というのが中心なんですか、もう少しあれですか、構造政策を推進をするために役立てようというのが中心なんですか、ウエートどっちにかかっているのですか。
#7
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん両面にかかっておるわけでございますか、どちらかといいますと、農業政策を推進していくということにウエートがかかっておるといってもいいのではないかというふうに思います。
#8
○志苫裕君 どちらかというと、農業政策を進めることが中心だということになるわけですが、そうなりますと、一般の年金で――一般の年金とここで言う場合には、国民年金ということでしょう。国民年金では満たされない要望を満たすという側面を通して、いま大臣が答えた農業政策、構造政策をスムーズに進めるということになるようですが、そうしますと、たとえば一般の年金――国民年金とここに仮定しておきましょう。国民年金等がいわば一般的要望を満たす状況というものが生まれると、この法律の年金部分の扱いはどういうことになるわけですか。
#9
○政府委員(岡安誠君) いま大臣からお答え申し上げましたように、この年金は両面を持っておりますけれども、私どもは、やっぱり政府年金であるというふうに、農業政策を推進するに当たりまして、この年金制度の持つ役割りは非常に大きいというふうに考えております。ただ農業経営の近代化なり農地保有の合理化だけを目的としているわけではありませんで、たとえば六十五歳以降につきましては、国民年金の給付にあわせましてこの年金からかさ上げをされた年金の給付、いわゆる老齢年金の給付があるという面におきましては、国民年金では満たされない老後保障の充実をこの年金も求めているということになるわけでございます。したがって私どもは、国民年金を充実しただけでは私の年金が要らなくなるという筋合いのものではない。国民年金の充実というものは一般的な社会保障制度の充実の一環としてなされるわけでございましょうけれども、それに加えて、やはり私どもの政策目的というものがございますので、この農業年金はそれとは別にやはり将来とも充実していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#10
○志苫裕君 そうしますと、たとえば、いま年金でも、国民年金あり被用者年金あり農業年金あり、いろいろこうあるわけです。これには一般的な議論として、何とかもう少し社会保障というものを詰めて、たとえば一本化というような議論がしきりなんであります。われわれ、またそのことを主張をしておるわけです。この年金は政策年金、特に一条の後段に書いてある農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することが目的だということで年金が手段になるわけですが、そうすると、たとえば年金の一本化であるとか、総合的な検討がされるときには、この年金は列外に置かれて、これはあくまでも農業政策的な要望ということで列外に置かれて、絶えず独立をしていくという性格を持つんですか。
#11
○政府委員(岡安誠君) いま年金制度につきましてはいろいろな御議論ございまして、たとえば一本化――一本化といいましても、その具体的な内容としましては、共通年金制度とか、いろいろなことが現在検討をされております。したがって、その一本化なり共通年金制度というものがどういうことになりますか、その行く末をやはり見定めませんと、それに対して農業者年金がどういう形で対処するかということは具体的に申し上げられないわけでございますけれども、ただ、社会保障の面におきますいろいろな年金を並べましてそれを一本化したということだけで、当然に農業者年金もその中に入ってしまうというわけにはまいらないというふうに現在私どもは考えております。しかし、共通年金制度その他の新しい制度がどうなりますか、その内容によりましては、私どもも、この農業者年金制度につきましてもどういうふうに対処するか、検討はいたしたいというふうに思っております。
#12
○志苫裕君 これは私、後ほども具体的な条項でただすつもりでおりますが、この農業者年金に一般的に言って不満があるのはなぜかと言うと、たとえば、安いとかあるいは――安いというのは年金が安いとか掛け金が高いとかいう、いわゆる俗に言う年金ですね、そっちの方の視点からとらえて余りメリットもないじゃないか、というふうなことで非常に不満が出るわけです。しかし、年金のねらいとするところは、そっちの方には大した熱意がないんであって、むしろ、このことを通して経営移譲が行われて若返りがくるとか、あるいはやる気のない者は早く土地でも離してもらって、それを規模拡大につなげるとかいうふうなところに、ねらいを置いている。それから政策的にねらいを置いているのと、受けとめておる、農民が受けとめて年金に期待をつなごうとすることとの間にはちぐはぐなことがあるんじゃないか。政策をやっている、法律をつくり、いま銭を預ってやっている方は、そっちの方には別に政策的重点はないんだけれども、しかし、受けとめる方は掛け金掛けて、年とったら楽々に暮らしていこう、それにしちゃ掛け金のわりには安いなあ、とかというふうな不満が残る。だから、政策的要望というようなものと農民の期待というものの間は、たえず、ちぐはぐ、ちぐはぐな状況で推移をしてきているという気が私にはしてならないわけです。後ほど実績でも検討いたしますけれども、その辺の点の概活的な評価はどうです。
#13
○政府委員(岡安誠君) やはりこの農業者年金制度も年金でございますので、農民といいますか、加入者の関心は、何年問掛けたら幾らもらえるか、というのがやっぱり最大の関心であろうと思っております。今回の制度改正におきましても、やはり私ども、年金の給付水準の引き上げを図っておりますけれども、それは相当高いことを期待をするという陳情が中心でございます。また、掛け金につきましても、できるだけ安い掛け金に向かって努力をしてほしいというのが陳情の中心であったわけでございます。私ども、やはり政策目的を達成するための年金であると考えておりますけれども、その結果といいますか、この年金の受給資格を受けた方々が私どもの政策目的に沿うような行動、要するに移譲をしていただきまして、その結果高い水準の年金がもらえるようにという方向で私どもは努力をいたしてきておるわけでございます。
#14
○志苫裕君 この議論はまた後ほども出てきますので一まず置きまして、次へいきます。
 そこで、政策年金ということ、政策目標を達成するための年金。年金そのものは一つの手段になるわけでありますが、そういうことで実績を少し見ますと、二百万人をもくろんだら約半分の百十五万人で、いまのところはとまっておるとか、加入年齢の構成が、もう少し若いころからの加入を期待したのだけれども、四十歳以上が大部分を占めているとかというふうな、いろいろ見込み違いがたくさん出ていますし、農地の売買事業など見ても、買い入れよりも売り渡しが少なくて、ほとんどそれも北海道だけに限られておる。融資もほとんど北海道と、こういうような状況が出ているんですが、個々にはまた聞きますが、総じてこの実績をどのように評価をしていますか。
#15
○政府委員(岡安誠君) 実績は指標でとらえればいま先生御指摘のとおり、何人ぐらい加入しているか、それからこの制度の年金をどれだけ受給をしているか、また年金の事業であります農地の売買、それから資金の貸し付け等がどれだけ行われているかということによりまして判断をせざるを得ないわけでございますが、何と申しましても、まだこの制度発足して五年でございます。加入者の面におきましても、まだ大体目標の七割程度しかいっておりません。私ども、これはぜひとも今後ともさらにこの加入率を上げたいと思っておりますし、それから年金給付につきましては、ことしの一月から始まったばかしということでもございますので、これはやはり今後その成果を見なければならないというふうに思います。
 それから離農給付金につきましては、五年間.やってきているわけでございますが、この離農給付金等とうらはらで農地の売買というものも行われている。要するに、離農する者が売り先がない場合に年金が買ってやるということで、今後は経営移譲する場合に相手方がない場合に、年金が買うということもこれから出てくるわけでございますので、何と思しましても実績といいますのはこれから数字的にあらわれてくるというふうに考えております。
#16
○志苫裕君 まだ五年間だから歴史を評価するには歳月が浅過ぎるということに、まあなるわけですが、これちょっと交互に聞きましょう。
 まず、離農給付金。一万人で二十五億円出ておりますし、年齢構成がどの年齢のところでやめるというわけでもない、年齢構成は大体各年代均等にばらついておるようですが、この離農給付金についての当初の見込みはどうであったのか。
 それから、この数字から見て、六十歳から六十五歳にかけてのまともな経営移譲が行われているというふうに推定をできるかどうか。この点はどうです。
#17
○政府委員(岡安誠君) これもなかなか――これは、農地は全部売り渡して離農するということでございますのでなかなか見通しというものも立てにくいわけでございますけれども、当初は、大体、この五年間ぐらいに二万人程度の人間がこの離農給付金の支給を受けるんではないかというふうに考えておりました。ところが、御指摘のとおり、現在までに一万二千人ということでございますのでその予定は多少狂っておりますが、ただ、やはり、離農給付金の額も順次上がっておりますし、これは強制ではもちろんございませんし、そういう事態があれば求償をするというたてまえになっておりますので、私どもは、今後、大体このようなペースといいますか、これで続いてまいる。むしろ、私どもは離農給付金よりも本来の経営移譲によります給付が今後は大いにふえる。離農給付金はこの程度で推移をするものではないかというふうに考えております。
#18
○志苫裕君 一つの判断をしますために、どういう人か――経営移譲というのは、百姓をやめてだれかにやってもらうのが経営移譲ですからね。必ずしも後継ぎばかりにやるんじゃなくて、自分がやめちゃっていくのが経営移譲になるわけですから、そこで、これも一つの推移、判断の材料になると思っていますので、まずここから聞いているんですが、実は、私もデータがないので言えませんが、この離農者というものは、経営規模別に見ますと、どういう程度の経営規模の者が離農しているんですか、わかりますか、それ。
#19
○政府委員(岡安誠君) ちょっと、いま、その規模別の調査がございませんので、確かにははっきり申し上げられませんけれども、ブロック別の受給者の様子を見ますと、半分以上が北海道ということになっておりますので、恐らく、この給付金の受給者の平均を出しますと相当大きいことになろうと思います。で、これは御承知のとおりと思いますけれども、この離農給付金は、年金発足時に年金の給付が初めから受けられないというふうにわかっていた方々、要するに、年金制度に正規に組み込まれない方々に対しても離農によるこの制度の恩恵といいますか、それが受けられるようにということで、大体国庫補助相当部分ぐらいをいわば無拠出で給付をするということにいたしておったわけですから、一応私どもはこのような傾向というものは、年金の第三者移譲といいますか、その傾向を若干あらわしているんではなかろうかというような気もいたします。ただ、御承知のとおり、その年齢要件、これはまた加えておりません。若くて離農する場合にもいいということにもなっておりますので、正規の移譲年金をもらう人間の構成と必ずしも一致するという保証はございませんけれども、大体そういうことではなかろうかというふうに推定はいたしております。
#20
○志苫裕君 たとえばこの離農給付金の年齢別受給者、私はしろうとですから、わりあいに年寄りの方になったらよけいやめるとか、というようなことにもなるかと思って、この数字を見たら、世代別、同じですよね。四十代から七十代以上まで、おしなべて、大体一割ぐらいでずうっと並んでいるでしょう。そうすると、世代間といいますか、年齢階層別には差がないということをここでは示すわけです。
 もう一つ経営規模で見ていくとわかるんですが、経営規模のことはこの数字がないものですから、大きいのがやめるものやら、小さいのがやめるものやら、しろうと流に考えれば、常識的には経営の小さいのがおしなべてやめていくんだろうかというふうにも思うわけですが、この辺、データがないのでわからないので、いま聞いたんですが、わかりますか、大体経営規模別に、ちょっと。大まかな言い方でいいですが、どの辺が多いのかということでいいです。
#21
○政府委員(岡安誠君) ちょっと先ほど、数字がなくて先礼いたしましたけれども、まず北海道が半分以上占めておりますが、北海道の場合で一番多いのは三ヘクタールから五ヘクタールまでの階層で、これが大体二八%ぐらい、二七・五です。それからその次に多いのが十ヘクタール以上で、これが二二・八、約二三%ということで、両者合わせまして、半分以上が相当大きい層に片寄っているわけで、一ヘクタールから二ヘクタールというのは、北海道の場合、九・二%にすぎないというわけです。ところが、内地の場合見ますと、やはり一番多いのは〇・三ヘクタールから〇・五、三反から五反の範囲の方々で、それが三二・五です。それから〇・五ヘクタールから〇・七、これが二七・七、それから〇・七から一ヘクタールというのが一七・七で、これだけでもう約八〇%弱はこの割合として占めている。そういいますと、大体内地の場合には、規模の零細な方たちか脱農をいたしまして、それで農業以外のことに従事をするというふうな傾向だと思いますし、これ年齢的にがっちり組み合わしてはございませんけれども、大体若い方々の場合には、それは大体零細規模の人たち、だから零細規模の人たちは若いうちに農地を転売をいたしまして、ほかへ出ていくという傾向が若干見られるというような気がいたすわけでございます。
#22
○志苫裕君 その傾向は一つわかりました。
 それから農地の売買から融資を見ますと、率直に言いまして、ほとんど北海道ですよね。内地の人が銭を積んで北海道の土地を売り買いしておるというふうなかっこうになっていますよね、本当にこの数字は。これはどういうことになりますか。
#23
○政府委員(岡安誠君) 結局この農地の売買の事業と申しますのは、離農希望者の場合、それが相手方がいない、そこで離農したくても離農できない場合に、基金に買ってくださいというんで基金が買い取るというケースになるわけです。で、内地の場合には、恐らくこれは相当需要が高くて、ある程度相手方を探し得たんではなかろうか。だからおのずから売買が行われる。北海道の場合は、御承知のとおりなかなかまとまりとしても大きくなりますし、したがって、資産価値が上がってまいりますと、それを一挙に買う人間というのが非常に限られてくる。そこで、直ちにはその相手方を探すことができないので基金に買ってほしいということになる。いわば、やはりその売買の規模、それから値段といいますか、それらについて北海道の場合にはタイムラグが起こるということで、当然この場合に基金が働く余地ができてくるということではなかろうかと思います。
#24
○志苫裕君 それから、もう少し実績でお伺いするんですが、今度加入年齢のところへいきますが、加入年齢構成が四十歳台以上が八五%、大半だと。余り望ましいかっこうじゃないということで気になっているようですが、皆さんのこの数字はまあ年齢別加入者数というので、なるほど八五%になるわけですが、これだけの数字ではちょっとわかりにくいので、私はちょっとデータを要求したいんですが、たとえばこれが、この年齢人口別でもいいし規模別でもいいんですが、該当者がこれぐらいいるのに、これぐらいしか入っていないという数字を見るには、このデータではちょっと無理なんですよ。そういうものを何か説明できますかね。
#25
○政府委員(岡安誠君) 確かにこの数字だけでは、その根っこにたとえば二十歳から二十四歳まで農業者といいますか、それが何人いて、それからこの保険の加入有資格者、それが何人いて、それに対して現在何人入っているかというようなことになっておりません。その辺ははなはだちょっと申しわけないんでございますが、数字の点ではちょっといまございませんけれども、大体やはり御承知のとおり農業従事者一般が高年齢化しておりますので、逆ピラミッドの形をしておるので、大体このかっこうというものが現在やはり農業者の従事している状態ではなかろうかというふうに考えられます。
 ただ、なお言えることは、一般的な農業者の年齢別の構成のうちで、農業者年金に加入の資格を有する者は若いほど少なくなる。と申しますのは、やはり国民年金に入っていないで被用者年金に入っている人間の方が若いほど多くなるというような実情もございますので、そういう形にはなろうかと思いますけれども、大体この形がそのまま移ってきているというふうに考えられます。
#26
○志苫裕君 そうすると、たとえば年齢別被保険者数、二十から二十四歳まで〇・三%、以下一・九、四・四、九・九と、こうずうっと続きますが、皆さんのデータですとね。そうすると、この被保険者じゃない当然加入者といいますかね、当然加入者の世代別の人口の配分も大体似たような数字だと。そうすると、この構成比は同時に加入率も示すことになりますか。加入率も示すことになるという説明になりますね。二十五歳代の加入率は一・九%とか三十歳代、三十一歳の前半の加入率は四・四%ということを示しますか、そうはならないですか。
#27
○政府委員(岡安誠君) それは少し違うわけで、これはその構成比というのは、先ほど先生がおっしゃいました四十歳以上が八五%を占めるというその構成を示しているわけでございますので、その加入率ではないわけですけれども、しかし、一般的に言いまして多少やはり加入率を比べた場合には、高年齢の方が多くて若年齢層の方が加入率が低いということは言えるかと思います。
#28
○志苫裕君 少し時間を食って実績をいろいろとお伺いしたんですが、私は、局長答えるように、まだ五カ年間だから、この政策目的が達成されているとかいないとかいう評価は早すぎる。歴史は十年単位で区切りをつけることになっていますから、その意味ではまだ評価にならぬのだと思うのですが、しかし、私は政策目的を、必ずしもこの制度が、この年金制度というのが、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するために、この制度がストレートに寄与しているというデータはないような気がするんですよ。何か鳴り物入りで農民にも年金をというようなことを言うて始まったけれども、この法の目的を達成するデータとしてはきわめて貧弱であるし、傾向をつかむことにもならないというような気がするものですからいろいろお伺いしたんですが、どうですか。農政は総合的に考えなければならぬのですけれども、この政策目標を達成しつつあるということを示すデータとして皆さんは何を主張されますか。
#29
○政府委員(岡安誠君) データと言われますと先ほどの繰り返しになりまして、数字的にはまだ発足早々なのでまだ評価に値するようなことになっていないと思うんですけれども、農業者のこの制度に期待する気持ちといいますか、それは非常に高まってきているというふうに私は思っております。それも数字で示せと言うとなかなか数字ではむずかしいわけですけれども、発足早々は、必ずしも、先生おっしゃるとおり、この年金があればもうすべて要らないというようなことではなかった向きもありますけれども、現在ではぜひこの制度を拡充してほしい、そうすればわれわれも入るという声は非常に強くなっている。これはよく先生も御承知だろうと思います。
#30
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話がございましたように、農政というのは総合的に推進していかなきゃならぬということはまさにお示しのとおりだろうと思うわけです。その一環としてのこの農業者年金制度があるわけですが、この農業者年金制度が経営移譲促進による農業経営の近代化と農業者の老後保障の充実とが密接不可分の関係にあるところに着目をして創設された制度であることはいままで申し上げたとおりでありますが、このような農政の展開の中において、この制度というものはきわめて有効な施策であるというふうに考えておるわけです。こうした観点から、本制度につきましては、今回年金額の引き上げのほか、農業後継者に対する措置に重点を置いて制度の充実、改善を図ることとしたものでございますが、本制度の運営に当たってはもちろん、今後とも農業基盤整備の推進であるとか、あるいはまた、農業構造改善事業の実施等、一連の施策の実施と相まって、その政策効果が一層発揮されるように努力をしていかなきゃならない、こういうふうに考えておるわけであります。
#31
○志苫裕君 私は、この農業年金制度にけちをつけるためにさっきからぐじゃぐじゃ言っているのじゃない。皆さんが何がしかの政策目標を持ちまして一つの制度をつくる。それを自画自賛をしておっても、それの利益を受ける農民というのは、実は別のところに期待をつないでいる。いま局長は、具体的なデータはないけれども、農業者の期待はとみにこの制度に高まっておる。農業者の期待がとみに高まっておるのは実にわが国の福祉制度、社会保障制度というものがきわめて貧弱なものですから、せめて、あるものはこれでもいいから、もうちょっと年金でも高くならないかとか、そういう方向に期待をつなぐのであって、皆さんの政策意図や政策目標に大いに期待をつないでいるのじゃない。このちぐはぐというものを絶えず持っているということを承知の上で、これをさらに強化、拡充していくということを考えてほしいために申し上げているわけです。ひとりよがりで、これはいい制度だと言って、自画自賛だけではだめですよ。何のことはない。本土の者の銭を集めて北海道の土地を売り買いしているような制度。しかし、これは銭がたまってそこに人間がおれば、政策目的というようなものはどこかへ行っちゃって、制度が独自に動いていくことだってあるわけでありますから、そういう意味で少し時間をとって主張をしたわけでありまして、その点は今後のこの年金を扱う上でどうかひとつ念頭に強く置いてほしい、このことを要望するわけです。
 いずれにしても、私いままでも申し上げましたが、どうも、やっぱりこの制度は、政策目標と利益を受けようとする農民の間にはちぐはぐが残っておって、制度自身も中途半端だと思う。それが五年間とはいえ、もくろみどおりにいかない原因になっているのではないかという気がいたしますし、何よりも皆さんが最もねらいとする農業経営の近代化、農地保有の合理化という、この農政の目的というものはこれだけではだめであって、いわば農業経営をめぐる環境全体としてとらえていかないとだめなんだということを私は指摘したいわけでありまして、百姓をやり切れない諸状況かずっと一方では醸成をされておりながら、この制度だけで農政がうまくいこうといったって、これはしょせん無理だということを指摘をして、この百姓をやり切れない状況、これはもういままでしばしば議論をしておりますからきょうは多くを触れませんが、ただ一点だけ、ちょっとこれに関連をして少し横へ行きますが、お伺いしたいと思うんです。
 生産調整が行われてからの資料を皆さんの方からいただきましたが、生産調整というのは、とにかく一生懸命にもうけがある商売だから米でもつくろうと思ったら、それをやるな、というのですから、余り気分がよくない。かわりの物でもつくればもうけるかというと、それはもうけにはならない。結局、熱意がなくなって、商売でもたたむことを考えるということになるわけですが、皆さんからいただいたこのデータで、生産調整が行われて以降の農地壊廃の面積であるとか、転用の状況を私全部もらいましたが、時間の関係で細かいことを抜きにしますが、最初は休耕にもお金をくれたわけであります。そのうちに休耕に金をくれるというのはずいぶんこれもむだな話だからというので、転作にしぼられたわけでありますが、四十八年までは休耕の面積は載っていますが、四十九年以降の休耕の面積はゼロになっている。これはゼロではない、数字がわからぬのじゃないかと思うのですが、私は、そのまんま稲作転換なり、生産調整政策のために、人にやるわけでもなし、物をつくるわけでもなし、結局、農地を、地籍面ではたんぼになっているけれども、荒れたまんまになっているのは、特に過疎地や耕作条件の悪いところでは膨大な数に上るのではないかということを懸念をしておるのですが、このデータはありますか。
#32
○政府委員(澤邊守君) 四十八年までは休耕奨励金を出しておりました。四十八年度におきましては二十七万ヘクタールが休耕田になっておりまして、四十九年から打ち切りになりました。四十八年までやっておりまして四十九年から打ち切りでございますので、その相当部分が順次稲作に復帰したとか、あるいは転作に復帰したというところがあると見ておりますけれども、なお相当部分のものは不作付のままで残っているということは考えられるわけでございますが、ただいま先生がおっしゃいましたように、土地条件の悪い山間の谷地田だとか、あるいは転用待ちの都市近郊の不作付地が残っておるというふうに思うわけでありますが、面積がどの程度であるかということにつきましては、これは統計情報部で昨年調べました夏季の休耕地は七万ヘクタールということになっておりますので、これが二十七万ヘクタール、同じ土地が七万ヘクタールになったかということは正確にはわかりませんけれども、五十年の田の夏期の休閑地といいますか、不作付地が七万ヘクタール。そのうちには通年施行分が入っておるわけでございますので、それを差っ引いたものが純粋の不作付田ということで残っておるというように考えております。
#33
○志苫裕君 これはこの委員会で一、二回出ているんですよ、不作地ですね。不作地の面積を掌握をしてくれと。これはあれでしょう。たとえば転作の面積が四十八年で二十八万八千ヘクタールでしょう、四十八年でね。四十九年になっても転作面積がふえたわけじゃない、やっぱり二十八万三千ヘクタール。五十年になると逆に転作面積は減っております。その前の年からいけば二十七万四千ヘクタールという転作にほぼ等しい面積が遊んでおったわけでありますから、これがもとへ戻ったか、ほかのものを植えたんであればほかの面積がふえなきゃならないわけですよ。ところが、そのほかの数字にあんまり移動がないでしょう、調整面積が変わっていますけれども。私はやっぱり相当な面積が不作地のまま残っているということが推定できると思うんで、これを放置をしておるのは私はちょっと不勉強だと思いますよ。不作地面積、どうですか。
#34
○説明員(有松晃君) 不作付地に関する調査でございますが、これは先ほど農蚕園芸局長から申しましたように、これは毎年一方で耕地面積の調査をしております。これは八月一日現在で調べておりますが、これは先ほどの答弁のように、昨年の水田では約七万ヘクタールということでございますが、不作付地のみについて、その前に、昨年の六月一日現在でそれ以前にさかのぼりまして低利用になっておる農地、あるいは耕作放棄の土地、これを農家からの聞き取りで調査を行ったことがございます。そのことについてちょっと申し上げたいと思います。
 先ほど農蚕園芸局長から申し上げました数字は、これは毎年実測でやっております数字でございますが、私がただいま申し上げますのは、これは昨年農家からの聞き取りでございまして、実測ではございませんので、そのことはあらかじめお断りしておきたいと思います。
 これは、この調査におきましては、農家が過去一年間以上、つまり去年の六月一日以前、過去一年間以上耕作あるいは肥培管理等をしていないところの経営耕地、これを不作付地というふうにいたしまして、それからそのほかに、昭和四十年以降に農家が経営耕地から除外したものを耕作放棄地、これは耕地から落した耕作放棄地、こういう区分で農家から聞き取って調査したものでございます。この調査は先ほど申しましたように、実測でございませんので、大体耕地の中でどのくらいの比率のものが不作付になっておるかというような比率とかあるいは所在、こういうようなことを調査するのが目的でございます。
 そこで、この調査によりますところの水田の、田の不作付地でございますが、これは土地改良施行中のものを含んでおりますけれども、これを含んで経営しております田の面積の約四%、これは去年の六月一日の前ですから、四十九年の水田ということになるわけでございます。それから普通畑の不作付地は経営しております普通畑面積の六%、それから樹園地、樹園地はこれは肥培管理の放棄ということでとらえておりますが、これは経営樹園地面積の約二%、同じく牧草地ですね、牧草地の肥培管理、これが経営牧草地面積の一%、こういうことになっております。以上が不作付地でございますが、四十年以降に耕作放棄をした土地、これの経営耕地面積に対する比率は約二%でございます。
 以上が比率でございます。
 なお、御参考までにこれは何度も申し上げますが、実測ではございませんが、一応農家から聞き取った面積を積み上げて計算いたしてみますと、これはいわゆる四十九年の水田に対するものですが、水田については土地改良施行中のものを含んで水田の不作付地は十一万ヘクタール、これが五十年には七万ぐらいになるわけですが、四十九年の水田では十一万ヘクタール。それから普通畑の不作付地は六万一千ヘクタール、それから肥培管理等を放棄した樹園地は一万二千ヘクタール、同じく牧草地は五千ヘクタールというふうになっております。その中で、先ほど申しました土地改良施行中の面積は、田は二万九千ヘクタール、普通畑は二千ヘクタール、大体以上のような状況でございます。
#35
○志苫裕君 そのデータをあとで私に下さい。私、いまいろいろ言いましたが、たとえば四十九年を例にとると、たんぼで十一万ヘクタール、畑で六万ヘクタール程度のものが、そのほかずっとありますけれども、ものが現実に不作地になっておる。こういうデータ――私は前の委員会でいつだったか申し上げたことがあるんです。たとえば私は新潟県佐渡郡両津市というところですが、大変なひどい場所ですけれども、そこの場合の五十年の例をとると、たんぼの面積が二千五百ヘクタールあって、不作地が百二十ヘクタールですから、約五%のたんぼというのが大体皆草ぼうぼうになるか何かになっておるということをこの間指摘したわけであります。で、いま統計情報部のお答えになったものの約倍くらいの数字です、この場合。特にここは過疎地域ですから恐らく大きいデータが出るんだろうと思うんですね、平場も含めるとあるいはちょうど足して二で割るぐらいの数字になるのかもしれませんが。非常に個人的なことで恐縮ですけれども、たとえばその中にある、私のうちなら私のうち、私の集落なら私の集落を例にとるとわかりやすいわけですよ。私のうちは、大したうちじゃないけれども、たんぼが約一町歩ぐらい段々畑のところにあります。率直に言って跡継ぎはこの後、外に出ていますし、年はとっていくし、だれかかわりにやっていくといっても、やる者は村にはいませんから結局遊ぶわけですよ。で、まあおてんとうさまには申しわけない、御先祖さまには申しわけないけれども、一町歩のたんぼは全部遊ばしている。ただでもいいからつくってくれと言っても、つくる者はいないわけですから、うちにいないのじゃなくて村にいないわけですからね。実は、こういう状況というふうなのは必ずしも私のところだけじゃない。過疎地には相当あると見ていいと思うんですね。集落の機能そのものがこわれているし、それからせっかく農振法が改正になって、農協とか村がそういうところ全部管理して、手のある者からやってもらうような、共同利用をしていくような能力はないしね、というふうなことで、実はずいぶんあちこちが集落の崩壊と同時に、踵を連ねて不作地がふえているんじゃないか。こういうのは戸籍面を見たって田は田で残っているわけですから、畑は畑で残っているわけでありますから、これは非常に壊廃が進行していると見ていい。にもかかわらず、たんぼであれば税金はちゃんと納めなければならぬ。畑であれば税金はちゃんと納めなければいけない。木でも植えろと言ったって、耕している者が中におれば、人のうちのたんぼのまん中に木を植えるわけにいかぬのです、隣に迷惑をかけますから。こういう状況で、税金はとられるし、じゃ、いっそのことたんぼをやめて登記でも変えちまおうかということになると、登記料はとられるし、ということになるわけですね。こういう問題が現実に、生産調整ばかりじゃありませんけれども、農業経営をめぐる環境の悪化とともに、そういうものがずっとふえているということを皆さんからしっかり調査をしてもらいたい。それで、税の面であるとか、登記の面であるとか、そういう面等についてもこれはやっぱりひとつ政策的な検討を求めたいと思うんでありますが、いかがですか。
#36
○政府委員(岡安誠君) いまお話の、不作付地等に対する固定資産税の軽減、減免措置に対するお考えでございますが、これは先生御承知のとおり、農地の課税につきましては、一般的にその農地の価額というものが課税の標準となるわけでございますので、作付放棄、不作付地というような実態にあるような場合には、いわゆる低生産性の農地ということで課税標準が低くなるということによって、結果的に課税額が下がるということはあり得ると思いますし、そういうような運用になると思いますけれども、一般的に、やはり不作付地に課税を、そのことによって課税を免除するということは、これは、やはりそういう不作付の状態を固定化するといいますか、言い過ぎかもしれませんけれども、奨励するようなかっこうになってもいかがかという気がするわけです。なかなかむずかしい状態――いわば先生の御指摘のような場合には過疎地というような状態だと思いますけれども、そういうところで不作付地をどういうふうに今後持っていくかということはむずかしい問題ではございますけれども、それを解消する方向で持っていくのがやはり農政として本筋であろう、税金をまける方向というのはいかがかというふうに考えております。
#37
○志苫裕君 いやいや、税金まけろと言っているんじゃないんで、そういう問題が現に発生をしておるわけでありますから、いま局長言うように不作付地をなくするのが農政の方向だと言うても、現実は、放棄をして草ぼうぼうか、灌木が生い茂るのをこまねいて見る以外にほかの条件はない。手を出す手もないわけでありますしね、ということを私は指摘しているわけでありまして、ひとつ総合的にこの際検討をわずらわしたいということにしておきます。
 で、またもとへ戻りますが、とにかく、この制度は農業基本法ができて、いわば経済成長が高いレベルで進む、そういう状況のもとでこの制度が考えられ発足をしておるわけであります。でありますから、農業基本法の大黒柱になっております経営規模の拡大、あるいは土地保有の合理化とかあるいは近代化とかというふうなことが政策目標になったわけであります。ところが、時代は流れて経済成長万能に一つ反省の時期が訪れる。そこで農業白書の基調もだんだん変わってきて、地域複合であるとかさまざまな農業経営形態というようなものが見直されるという時期に入るわけであります。こうなってまいりますと、この法が目指した農業政策的な要望というものの基調にも変化がくるというのが理の当然だと思うんでありまして、本制度の意義は、低成長、安定成長時代に入ってもなお本制度の政策的な要望なり意義というものは高まっていくかどうか、この点をただしておきたい。
#38
○国務大臣(安倍晋太郎君) この制度の目的につきましては、先ほどからいろいろと御論議がありまして私どもも申し上げたわけでございますが、しからば、この制度が高度成長期に生まれたものであって、これから安定成長へ移っていくその間にあって有効に機能するかどうかということであろうと思いますが、私は、こうした経済情勢の変化というものはあっても、農業政策に対する要請というものについては、基本的には変化がないわけでありまして、農業の近代化を進めていく、あるいは後継者の育成を進めていく、農地の経営を円滑に移譲を行って経営の拡大を行っていくというふうな本制度の果たす役割りというものは、こうした経済基調の変化はあっても変わらないし、ますます重要になってきておるということでございますから、いろいろと改善をするところは改善をしなけりゃならぬということで今回の改正法になって御審議をお願いいたしておるわけでございますが、制度自体を全般的に見直すというふうなことにつきましては考える必要はない。むしろ、これをさらに充実したものにするために今後とも努力をしていくべきじゃないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
#39
○志苫裕君 大臣は、この委員会でもしばしば、与野党にかかわらず農業基本法を見直さないかと、こう聞くと、断固として、もう頑迷固陋にこれを堅持をしていくということを主張しているものだから、ここのところではちょっとひっかかってこなかったようでありますが、私は、論理的に言えば、高成長下の発想、高成長の時代において農業と他の産業との差を縮めていこうという、そこにだけ焦点を合わせた発想から、そうじゃない発想に変わってきたんだから、その政策目的のためにお膳立てをされたこの制度も当然見直されていいということで主張をしたんですけれども、これはどうやらまたしても並行線のままですが、現状は、後継者がない、経営移譲をする後がまが現実にはない、さりとて、六十ないし六十五歳という年齢では、百姓をやめてほかの者にそっくりやってしまうほどの年でもない、これはそういう現状があるわけです。経営移譲するには後継ぎがないし、六十−六十五歳といったら農家の方ならまだぴんぴんしていますよね。ああ、おれはまだ百姓をやれるというので、そっくり畳んで、年金ほしいから、じゃ、おれ、やめてどこか隣のうちへでも全部やってしまおう、ということにはなかなかならぬ。そういう実態があるわけでありまして、そういう状況のもとでは、この制度の条件に合う農民というのはごく一部分の農民に限られるわけですね。そういう制度でしかない。
 かつて、自立経営農家の育成百万戸を目指して六割首切り、切り捨てだといって騒いだことがありましたけれども、私は、やっぱり、この制度が、先ほど言いましたように後継ぎがないし、さりとて、人にやるという形態の経営移譲をとるほど年はとっていない、こういう実態、状況のもとで、この年金制度の、特に経営移譲年金にメリットを感じていかなきゃならぬ、という農家は限られる。多数の農民は無縁だと言っていい。こういう制度にやっぱり本質的になっているじゃないか。言うなら農民切り捨て政策と同一歩調、同一線上の政策であるところに私は、この制度の本質的な矛盾があるというふうに指摘をしたいわけでありまして、そういう意味でも、私は、やっぱり見直しの必要があるんじゃないか。たとえば、六十ないし六十五歳での経営移譲というところにこだわらない、あるいは老齢年金との一本化というようなものも検討の対象になっていい、あるいは国民年金や被用者年金との格差是正のための過渡的な役割りを担うというものであれば、そのように性格を整備することだってあり得る、という意味でこの制度の見直しや検討というものがあってもいいじゃないかと思うんでありますが、いかがですか。
#40
○国務大臣(安倍晋太郎君) 初めに申し上げましたように、この年金は、いわゆる老後保障と農業政策推進という政策目的、政策年金的な両面がありまして、まあ、政策年金という面が非常に強いわけでございます。そして、この年金制度というものは、私はむしろ高度成長時代というものよりは、むしろこれから安定成長時期に移った時代においてこそ、効果といいますか、は有効に発揮できるんじゃないかというふうな感じがいたしておるわけであります。私は、実は先週の土曜日でございましたが、初めて経営移譲年金の証書の交付式に臨んだわけですが、六十歳になられた方、七百人に証書を交付されたわけですが、皆おっしゃるように、まだまだ元気で、これからも農業に取り組んでいこうということですが、移譲年金を受けて、一応後継者に経営は移譲されたわけでありますけれど、その人たちといろいろと話をしてみまして、大変皆さん方もこの経営移譲年金というものに対して喜んでおられる。後継者に譲ると同時に、自分たちも農業から引退をするわけじゃないし、後見人としてさらにこれからの農業の安定といいますか、自分たちの農家経営のこれからの安定のために後継者とともに働いていきたいと、大変いいと言って、非常に喜んで証書を受け取られたわけでございまして、そういう意味において、一部に限るというふうな面は、われわれが当初予想したのと比べますと、五年間でございますからまだまだ定着してない面はありますが、これはこれからの問題として、われわれは年金制度というものを改善しながら、これを広く定着をさしていかなきゃならぬと、こういうふうに考えるわけです。結論的には、先ほどからしばしば申し上げましたように、この農業年金制度、これは志苫さんも御指摘になりましたように、総合的な農政の推進の一環としてやらなきゃならぬということでありますから、われわれは、年金制度にただ頼って、これ、農業政策を進めるというだけじゃなくて、もちろん、構造改善政策やあるいは基盤整備政策と、あるいは価格政策と、そういうものをあわせて推進をしていけば、これからの安定成長時代においては農業年金制度というものは非常に有効に働く。そして、農業の経営の近代化あるいはまた農地、経営規模の拡大化、あるいはまた後継者の育成という面については、相当な私は大きなメリットというものが今後出てくるんじゃないかというふうに判断をいたしておるわけであります。
#41
○志苫裕君 この点は、しかし、私、実情に合わせて物を言っているんでありますが、経営移譲年金が中心だということは、経営移譲というのは、跡継ぎにやるか、他人にやるかでしょう。自分からすれば、やめるということですよ。その跡継ぎというのは、いま、まあ後継者というふうなのは大体二割五分くらいいるかもしらぬと言っていますが、現実の数字、新規就農者を見ていけば、この跡継ぎというものがいかに、心細いものであるかということがわかるわけです。皆さんのデータでも、四十五年の新卒で三万七千人、四十九年に至っては一万四千人――新規就農者は一万四千人ですよ、全国ですよ。全国の一部落に一人もいないという……。で、五十アール以上の農家は約三百万戸と見ていいと思いますが、ここで年金の対象者になる五十アール以上の農家約三百万戸のうち、この新規就農者というふうなのは、余り小さいものにはいないでしょうから、四十九年に至ってはわずか一万四千人しかいない。こういういわば跡継ぎ、後継者の先行きの見通しになっているわけです。そうすると、そういうことから見れば、私が指摘するように、後継者はまずまずいない。六十ないし六十五歳だからといって、人にその全部耕作なり土地をやってしまうほどの年じゃないということになってくれば、この移譲年金を受けられる農家、まともにいって、五体満足で受けられる農家というものは、ごく限られてくるじゃないか。これは数学の話ですよ。ですから、この制度は、政策目的を貫くとはいえ、きわめて限られた農家にかかってくる。一方、大多数の農民というのは、政府が百姓にも老後の年金をくれると言うた、これに大きな期待をつないでおる、というところのちぐはぐさというものが残るものですから、社会党はこの制度ができるときも、老齢年金との一本化というようなものを考えないかということを、その当時強く主張したのも、そのためなんです。時間もありませんから――私はやがてやっぱりこの制度の見直しは、経営移譲の年齢であるとか、老齢年金との一本化であるとか、そういうようなものを含めて制度の見直しというものには必ず当面をするはずだと思うし、ぜひこれは検討を願いたいということをこの際は指摘をしておきまして、改正条項について以下若干触れます。
 まあ結局、一番この改正で給付金がどうなるだろうかというのを比べてみる方法は、被用者年金とどれくらい差があるだろうかということをすぐ見たいわけでありまして、どうですか、農業所得、被用者年金、二つ比べまして、それぞれの標準報酬をどれぐらいに見積もるのか、そうすると、被用者年金と農業者との格差はどれくらいになるのか、この点概略説明願えますか。
#42
○政府委員(岡安誠君) 今回御提案いたしております改正が実現の暁における農業者年金の給付水準、これは標準的な加入期間、たとえば二十八年、これは計算でございますが、二十八年間この農業者年金に加入いたしたとする場合幾らもらえるかといいますと、経営移譲年金では月額で七万二千八百円もらえるわけでございます。それから厚生年金、これも御指摘のとおり、標準的な加入期間、これも二十八年ということにいたしますし、また平均的な標準報酬といいますか、それらを基礎にいたしまして計算をいたしますと、月額八万四千三百九十二円ということになりまして、これら両者を単純に比較いたしますれば、差は約一万一千六百円ぐらいということになります。
#43
○志苫裕君 それはね、それはわかっているんですよ、皆さんからの説明から。被用者年金で八万四千何がし、農民年金で七万二千八百円、格差は八七%という数字か出ている。この八七%という給付金の格差は、そのまま農民と被用者との標準報酬の格差と見ていいのかということです。
#44
○政府委員(岡安誠君) そういうふうに考えております。
#45
○志苫裕君 これはあれですか、八七%が狂っているかどうか知りませんが、そうすると、皆さんの計算のもとになりました勤労者の標準報酬額と農民の標準報酬額、ちょっとだしてみてください。幾らと幾らですか。
#46
○政府委員(岡安誠君) ちょっと厚生年金の平均標準報酬はいま見ておりますけれども、ちょっと申し上げますと、こういうことで例証をした方がよろしいんじゃないかと思いますけれども、厚生年金と比べる場合に、一つは報酬の格差がありますから、これはまあ農業所得とそれから一般的な事業所得といいますか、給与所得との差が現にあること、これはまあ前提とせざるを得ませんが、私どもは、それは別にいたしまして、厚生年金が大体その所得の平均の六割を補償するというような考え方に一つ立っております。それから、まあ厚生年金は厚生年金独自の算定方式がございまして、一定の所得がある場合には幾らかけて幾らもらえるというような方式があります。で、私どもは、この厚生年金と農業者年金を比べ水準を決定する場合には、農業所得を一応推定をいたしまして、その推定された農業所得に対しまして大体六割を補償するには、すると幾ら年金を給付する必要があるか、またそういうような所得を前提として厚生年金方式でもって計算をしたら幾らもらえることになるかという二通りの計算をいたしました。で、農業所得の計算にも、これいろいろございまして、たとえば現に農業者年金に加入している農家の平均所得、これは相当上層に多少変移いたしておりますけれども、そういうような所得を推定をいたしたり、また現在農業者年金が予定しております当然加入者という資格のある農家の規模、それらの農業所得を推定をする。これは多少下がりますけれども、それらをおきまして、それらの五十年度の農業所得を推定をいたしまして、先ほどの大体六割を補償したらどうか、それから厚生年金方式でいったらどうかというふうに、いろいろ計算しますと、非常に幅が出てばらつくわけでございます。そのばらついた場合の大体平均、真ん中辺のところをとらえますと、先ほど申し上げました七万二千八百円ですか、ということになりまして、これが大体現在の一・四八倍ということになりますので、私どもは現在の予定しております農業者年金の水準というものは、基礎とする農業所得、また基礎とする厚年の標準報酬、これはいま出ましたけれども、月額十三万六千四百円だそうでございますけれども……
#47
○志苫裕君 被用者の方ですか。
#48
○政府委員(岡安誠君) ええ、被用者の方は十三万六千四百円。これと農業所得の方が、これは私どもの平均で月額で言いますと九万六千円から十二万一千円まで幅が出てくるわけでございます。それらの中間といいますか、のところをとりまして、先ほどの計算でやると、大体均衡するというふうに考えておるわけでございます。
#49
○志苫裕君 ですから、九万から十何万じゃなくて、農民を月給取りに見立てますと――これはわかりやすくいきましょうや。被用者の方は十三万六千四百円の月給取り。そうすると、農民は幾らの月給取りになりますか。
#50
○政府委員(岡安誠君) これ、先ほど申し上げましたように、九万六千円から十二万一千円の幅であるわけです。そこで、こう言ってはなんですけれども、ひとつ厚生年金の方式で計算をいたしますと、今回の一・四八倍の水準というものは九万六千円のこれは農業所得ですけれども、それを月給、いわゆる被用者の場合の月給として見立てて厚年方式で計算をいたしますと、約七万二千八百円の年金をもらうことになるということです。それから月額の六割を補償するという考え方でいきますと、最高の十二万一千円の六割が七万二千六百円で、その六割よりも若干上のところに七万二千八百円はきているということになるわけで、私どもは大体両者の方式を混淆するわけにはまいりませんけれども、中ほどにいっているというふうに私どもは考えているわけでございます。
#51
○志苫裕君 わかったようなわからぬような説明ですが、そうすると、標準報酬の六割でしょう。通常の勤め人の六割というのが厚生年金ですから、そうすると農民を月給取りに見立てると、その六割が七万二千円ということになりますと十二万一千円ですね、改正は。
#52
○政府委員(岡安誠君) はい、十二万一千円の場合に七万二千六百円となるわけです。
#53
○志苫裕君 そうすると、被用者十三万六千四百円、農民十二万一千円という所得の格差というふうなものをここでは認めているわけでありますが、この被用者と農民との所得の計算というのは、いろんなときにいろんな数字が出ますので、米価を勘定するときにはまた別な数字が出たり、皆さん都合のいいときに都合のいい数字が飛び出してくるので、これが一貫性のあるものかどうかは私わかりませんが、時間も余りありませんので詳しく聞いておれませんので、この十三万六千四百円と十二万一千円のもとになっている統計の数字ですね、これ後でください。これは後でいいです。いまは要りません。これはまた何かのときに、皆さんときどき農民の月給取り、幾らでも値段上げ下げしますから、この際聞いておきます。
 ぼくは、この格差はできるだけ縮めていくべきだという主張でいろいろとお尋ねしているわけです。
 しからば掛金、私、計算してみればいいんですが、掛金は勤労者のいわゆる厚生年金掛金、標準報酬掛ける千分の幾ら幾らと、農民の十二万一千円だといたしますと、千分の幾ら幾らという数字が出ますが、掛金を標準報酬に対する比率でいきますと、千分の幾つと幾つになりますか。
#54
○政府委員(岡安誠君) ちょっと数字いま見ますから、ちょっとお待ちください。
#55
○志苫裕君 あるんでしょう。これ一番わかりやすいのは、月給取りと比べてみるのが……。
#56
○政府委員(岡安誠君) ずばり掛金率というふうになりますと、制度が違いますからあれですけれども、お答えに多少沿うと思いますのは、農業所得に対してどれだけの割合になるかということでお答えしたらよろしいかと思いますけれども、今回の改正では、農業所得に対する割合が四・九%になるわけでございます。ちなみに前回の改正のときを申し上げますと、四・三%ということになっております。この四・九%というのは、これはいろいろほかの公的年金、共済制度その他が、これらと対比し得ると思いますけれども、これには相当高いものから低いのがございまして、これは大体四・一%から五・三五%というぐらいのところにばらついているというふうに思いますので、この農業者年金の四・九というものもその中に入っているというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#57
○志苫裕君 いやいやそうじゃなくて、標準報酬なら大体ばらつきはないわけでしょう。標準報酬幾らなら幾らということですから、勤労者のように。ばらつきありますか。
#58
○政府委員(岡安誠君) 先ほど申し上げましたように、公的年金というのは何に比べるかというような問題がありますけれども……。
#59
○志苫裕君 いや私が聞いているのは、被用者年金じゃなくて、厚生年金。
#60
○政府委員(岡安誠君) いま厚生年金は現行ではあれ千分の七十六だと思いますけれども、今回の改正では千分の九十四ということで、九十四で御提案をしているわけで、その半分が被用者の負担ということになりますと千分の四十七、四・七%、単純に言えばそういうことになろうかと思います。
#61
○志苫裕君 いまの農業所得、農業者の場合は四・九というのはあれでしょう、この掛金改正で二千四百五十円にした場合ですね。したがって、五十四年の三千二百九十円ということになりますと上がるわけですわね、そういうことですね。
#62
○政府委員(岡安誠君) そのとおりでございます。
#63
○志苫裕君 とどのつまりは、収入の見立てもありますけれども、私指摘したいのは、年金は、被用者年金と比べると給付金は高くないし、掛金は高いということになっているわけで、せっかくの改善ではありますが、なお格差是正であるとか、掛金の低廉であるとか、そういうことに向かって努力をすべきである、かように思います。
 それから一時金の改定は今回どうしてなさらないのですか。
#64
○政府委員(岡安誠君) 今回改正は、主として経営移譲年金の給付水準を上げるということ、特に経営移譲年金がことしの一月から開始されましたし、それに対する要望が非常に強くなっておりますので、考え方としては経営移譲年金の給付水準を上げるということを重点にいたしたわけでございますが、一時金も検討いたしましたけれども、ほかの年金制度がとっております一時金の額と比べましても、かなり高い水準にあるということもございますので、今回は一時金の額は据え置くということにいたしたわけでございます。
#65
○志苫裕君 かなり高い水準と言ったって、計算していくと、掛金も戻ってきませんよ、将来改定がなければ、これは。いままで単純に計算しますと、高い水準と言ったってあなた、せっせとかけて、掛金も戻ってこないのが、何が高い水準ですか。これは近い時期の改定を考慮されているわけですか。
#66
○政府委員(岡安誠君) これは、一時金というのは、いわば年金の目的を達成をできなくて、途中で脱退その他をされる、そういう事由に該当する場合に対しまして、保険料の戻しということになるわけでございますが、これはこの制度だけきわめて優遇をするということについて、ほかの制度との関連があるのみならず、これを非常に優遇いたしますと、掛金が全体的に非常に上がる、これはもう非常に上がるわけです。やはり年金というものは、ある一定の目的を達成した方に対して優遇をするというのが目的でございますので、私どもは、この一時金につきまして、余りに過大な積算をいたしますと、全体の計算が狂ってくるというふうに考えまして、今回はほかとも比較しまして、まあほかも低いではないかと言えば、これは別でございますけれども、比較いたしましてかなり優遇されておりますので、据え置いたのでございますけれども、現在の加入者についてみますと、この一時金というものは掛け捨てにはならないというふうに私どもは考えております。
#67
○志苫裕君 いや、あなた非常に、というところをばかに強調するけれども、農業が非常に先行き安定をしておれば、なるほど制度の目的からいって、給付金をもらう者の方に重点があるわけですから、途中でおりてしまったような人は、御苦労さんでした、ぐらいで終わらすようですが、しかし、率直に申し上げて、ネコの目農政と言われるように、心ならずも、この適用を受けられない条件が生まれてくる場合だって多いわけですよ。これはやっぱり、せめて掛けたものぐらいは返すということにするべきだと思うんで、これはひとつ十分に再検討をされてしかるべきで、まあ農政がそれでも基本がしっかりしておって、まあ農民の皆さんには迷惑かけませんよ、というんならいいけども、しょっちゅうぐらぐらしておるんでありますから、これは確かに他の年金も何でもそうです。掛け捨てすると損するようになっていますけれども。再検討を願いたいところです。
 時間がありませんから最後に、幾らか飛ばしましたが、経営移譲のことについて一つ二つですが、使用収益権の設定を今度認めるわけでありますが、いろいろ趣旨にもありますが、使用収益権の設定を今度認めるということは、いままで認めなかったわけがあるわけでありまして、しかも法律をつくるときには認めないわけを恐らく強調されたはずなんでありますね。これが認めることになったそのさま変わりが、どういうものなのかということと、政令で定める要件というのがそこにつくわけでありますが、これにはそのほかの要件がつくのかどうなのかということ。
 それからついでにこの点について二つ三つ続けて聞いておきますが、衆議院の決議で、小作地の所有制限の問題について衆議院決議が付せられておりますが、これについての見解はどうかということと、農業団体等から非常に要望があります災害等による農地の滅失ですね。これを移譲要件に加えてもいいのじゃないか、そういう要望もあるわけでありますが、それらの点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の農業者年金基金法改正案では経営移譲年金、いまお話のように経営移譲年金の支給要件であるところの経営移譲の方法として後継者に対する使用収益権による使用の方法を認めることといたしておるわけでありますが、現行農地制度の趣旨を損なわぬように同一世帯内での使用収益権の設定に限定をして、小作地所有制限の例外を認めることといたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。なお、その他の問題につきましては、局長から答弁いたさせます。
#69
○政府委員(岡安誠君) まず後継者に対する使用収益権の設定によりまして経営移譲要件とするという改正は今回お願いしているわけですが、なぜ前回は認めなかったかということでございますが、これは先生御承知のとおり、わが国の農業の場合には世帯単位でもって農業が行われております。そこで、そういう世帯の中で後継者に経営移譲というような場合には、通例は所有権移転というふうに行われているのが通例でございまして、あえてその使用収益権ということにだけを譲って資産的価値を保留をするということは普通考えられなかったというのがまあ常識だろうと思っております。ところが、最近に至りましてまず農地の資産的価値、値段が非常に上がりまして、資産的価値が上がったというようなことから、その相続人を直ちに一人に限定をいたしまして、これに所有権を全面的に移転をするということはなかなかむずかしくなってきている。やはりいろいろ相談をしなければならないというようなことになってまいりましたので、その相談をしている間に、六十歳から六十四歳というような、適期といいますか、を失するというおそれがあるという声が聞かれてまいりました。そこで、私どもはそういうような実情を考えまして、一挙に所有権まで一人の後継者にすべて移転をするということを法の要件にすることは実際上問題がありはしないかということで、今回新しい制度を設けたということでございます。
 それから農地法上の関係は大臣がお答え申し上げたとおりでございます。
 それから三番目に、後継者に対しまして今回保険料の負担軽減、いわゆる学割りを認めておりますが、その要件は政令で決めるけれども、どういうことを考えているかということでございますけれども、一つは法律で書いておりますとおり、三十五歳以下という要件が一つと、それからこれは二人加入といいますか、後継者の親、これはやはり現在農業年金に加入をしておる。二人加入している場合に、二人目の加入である後継者の保険料を軽減をするということを考えております。それから三番目の条件は、やはり後継者もだれでもよろしいというわけではございませんで、相当の規模を持っている農業経営が今後でき得るということを期待しておりますので、大体都道府県の平均ぐらいの面積を持っている経営主の後継者ということを三番目に考えておりますし、四番目には、その後継者がやはり農業に精進をするというような実績もあり、今後もそういう意思があるというようなことを考えるということを実は検討いたしておるところでございます。
 それから最後に、災害の点でございまするけれども、災害によって農地がなくなったというような場合に、経営上要件を備えることができなくなるという事態が確かに最近ございます。この問題につきましては、そういうような実態の有無とか、実際にそのような事態が生じた場合の事実認定の方法等について十分検討をした上で経営上行う者に不利益を生ずることのないよう、この際、先生の御指摘のような点につきましては所要の改善措置を講ずることにいたしたいというふうに考えております。
#70
○志苫裕君 何ですって、衆議院が決議しました小作地の所有制限の問題をもう一辺……。どう措置されますか。
#71
○政府委員(岡安誠君) いま大臣からお答えいたしましたとおり、現在の農地法におきましては、小作地の所有制限があるわけでございますが、今回新たに後継者に対しまして使用所有権の設定ということを認めますと、形式的には小作地がふえまして制限にひっかかるということもございますけれども、これは大臣がお答えいたしましたとおり、同一世帯内におきますこういう小作地の設定でございますので、これは省令をもって措置をいたしたい。これは農地法の精神を損なうものではなく、この制度を円滑に進めるゆえんのものであるというふうに考えております。
#72
○志苫裕君 終わります。
#73
○相沢武彦君 この農業者年金制度は、農業の次期の担い手の流出化、また従事者の老齢化や婦人化、そして農村の兼業化、農地の減少という状況の中にあって、農業者の老後の生活の安定などを通じまして経営規模の拡大と経営者の若返りを促進する、そうしながら農業経営の近代化を図りたいというのが目的になっているようでございますが、しかし、食糧自給率の向上という目的から見た場合、まだなかなか問題点が多いんじゃないかと思われるわけでございます。
 そこで、農業者年金制度の目的の一環として多少現在の農業事情にも触れておきたいと思うわけでありまして、昨年末に発表された農業の動向についての五十年度農業のセンサスを見ますと、最近の農業の動向は、農地、後継者、農業人口など、未来の日本の食糧自給の面から見ても余りよい事情にはなっていないと、こういうことが指摘されておりますが、この点について農林省としてどのような判断をお持ちになっておりますか。
#74
○国務大臣(安倍晋太郎君) 五十年の農業センサスによりますれば、総農家数、専業農家数の農家人口、農業就業人口等は引き続いて減少をいたしておる。またその他の調査によりますと、農地の壊廃等の進行、あるいは農業後継者、特に新規卒業者の農業就業者数の減少等が見られるわけでありますが、これは必ずしも農業のこれからの健全な発展にとりましては好ましいものではないというふうに考えるわけであります。しかし、今後のわが国の経済の高度成長から安定成長への移行という段階の中にあって、労働力や土地等の農業資産の他産業への流出、これまで高度成長時代にはこれが非常に激しかったわけでございますが、この流出が抑制的に働くことが予想されるわけでありますから、われわれとしては、対応のいかんによりましてはわが国農業の体質を強化していくという可能性が生まれるまさに契機ともなるべきと、契機ともなっておるというふうに考えておるわけでございます。
 したがって、今後の農政の展開に当たりましては、御案内のような農産物の需要と生産の長期見通しに沿って総合食糧政策を打ち出し、これを五十一年度施策からスタートさしておるわけでございますが、これらの政策を総合的に、強力に推進していけば、この契機をとらえて私は、これからの農業を安定的に成長せしめることができるというふうに確信を持っておるわけであります。
#75
○相沢武彦君 それでは食糧自給向上にかかわる農地の問題でただしておきたいわけなんですが、将来食糧自給率の向上を生み出すに当たっては、何といっても優良農地を確保することが大事でございますが、先ごろ国土利用計画審議会からの答申がございましたね。ここで審議の際の参考資料にもありましたように、食糧自給率七五%達成を目標に農用地を現在よりも十二万ヘクタールふやして六百十一万ヘクタールにするとありますけれども、この国土利用計画審議会の答申に対しては農林省としてはどんな感想を持っていらっしゃいますか。
#76
○国務大臣(安倍晋太郎君) 実はきょう、国土利用計画につきまして閣議の決定が行われたわけでございますが、その際における自給力、わが国の農業の自給力を向上するための必要な農用地といたしまして六百十一万ヘクタール、内、農地は五百八十五万ヘクタールを確保しなければならないと、こういうことになっておるわけでございますが、これは農産物の需要と生産の長期見通しに即した目標ということになっておるわけでございまして、農林省としては適切なものであると考えております。したがって、この目的を達成するために今後、農用地の造成、さらにまた農地の壊廃等に対する抑制、あるいはまた優良農用地の確保といったものにつきまして必要な施策を総合的に進めてまいりたいと考えておるわけであります。
#77
○相沢武彦君 もう少し農林省の見解、判断というものをお聞きしたいわけですが、これは現在わが国の食糧自給率というのは非常に低い状態なんですが、この審議会が述べております七五%達成というのは農林省の考えとも合致するというのですが、これは現実に可能なのかどうか。それから達成されるとしたら何年計画で行わなきゃならないというように農林省は考えるのか、具体的な達成までの方策についてどこまで進められておるのか、お聞きしたいと思います。
#78
○政府委員(森整治君) 先ほど大臣が御説明になりました長期見通しでは、六十年における食糧自給率七五%と見込んでおるわけでございますが、まあこれを実現をしていくためには土地から、水からそういうものを確保、整備していくということと、それから土地利用を高度化していく、それから担い手を育成していく、いろいろ総合食糧政策で述べられておるようなことを総合的に長期にわたって実施していく必要があるというふうに考えておるわけでございまして、何年かということでございますが、一応六十年ということで、年次別に計画をブレークダウンしたものは持っておりません。そういう考え方でその達成に努力してまいりたいという考え方でございます。
#79
○相沢武彦君 六十年までに一応達成するという考え方で総合施策を進められると思うのですが、やはり確保するにしても特に優良農地の確保が必要になってくるわけですが、答申では農用地を現在よりも十二万ヘクタールふやして六百十一万ヘクタールと、そこまで持っていくというふうに言っているのですが、現在でも農用地は漸減状態だと思われますが、農林省ですね、現実にはいま年間約五万ヘクタールのペースで減り続けている農地の問題、これを食いとめて、六十年度までに目標を達成をするというためには、よほど具体的な対策がなければ可能じゃないんじゃないかと思いますが、この辺はどのようなお考えですか。
#80
○国務大臣(安倍晋太郎君) 高度成長の過程においては、確かに農地の壊廃が進んできたことは事実でございます。しかし、今後われわれとしては、食糧の自給力を七五%まで高めていくという見地に立ちまして農地の確保をしていかなければならぬわけでございますので、現在たとえば土地改良――新土地改良計画を進行さしておりますが、これによりまして昭和六十年までに新しい農用地の造成として八十六万ヘクタールというものを目標にして、これが造成には努力していかなければならぬわけでございますが、反面安定成長時期に入ったとはいえ、農地の壊廃等も公共用地の取得、道路、そういうことであるいは住宅ということである程度進むということも判断せざるを得ないわけでございまして、まあこの壊廃がどの辺になりますか、七十万ヘクタールぐらいになる可能性もなきにしもあらずというふうに考えております。しかしわれわれとしては、農地の転用というものを抑制をしていくということのためには、農地法の厳しい適用であるとか、あるいは農振法の適正な適用等によって極力これを防いで、そうして新農用地の造成とともに所期の目的を達成してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#81
○相沢武彦君 それで、農林省として、いま毎年漸減している六万ヘクタールを、いつの時点で食いとめて何年度ぐらいから増加すると思われますか。ある年から突然急にふえ始めるのか、それともそのまま――六十年度までに達成する間の比率というものは大体考えられると思うんですが、その点はいかがですか。
#82
○政府委員(岡安誠君) いま大臣お答えになりましたとおり、私ども昭和六十年目標といたしましては八十六万ヘクタールの農用地を造成をいたしたい。その間におきまして大体七十万ヘクタールぐらいの農用地が壊廃されるのではないかと、差し引き増加を確保したいと思っておりますが、一時確かに、御指摘のとおり毎年の壊廃面積が非常にふえまして、これでは予定以上の壊廃が進みまして農用地の確保も非常に容易ではないと思ったわけでございますが、最近は、非常に減ってきております。もちろん景気の停滞ということもございましょうが、ここ一、二年では三割以上減というようなことにもなっております。私どもは、今年の三月までございました水田の転用の暫定基準、これは緩和基準でございますけれども、これをもうやめるというようなこと、それからさらには、今後やはり農地法等を厳正に運用いたしまして、極力壊廃を食いとめるということによりますれば、七十万ヘクタール以下に壊廃を抑えることも可能と思っております。
 ただ、八十六万ヘクタールの造成の方は、これはなかなか最近開発対象農地が奥地化するとかいう等のこともございまして、非常に進行がおくれております。確かに年次別の実績から見ますと、なかなかこの八十六万ヘクタールの達成は容易でないと思っておりますが、先ほど大臣もお答えしたと思いますけれども、先般の国会では土地改良法の一部改正をお願いをいたしまして、農用地の開発につきましては財投を導入をして、今後大幅にこれを拡充していくというようなことも可能になりましたので、また農用地開発公団事業等の活用等も考えまして、私どもは、年次目標のときまでには、この八十六万ヘクタールをぜひともこれは達成をいたしたいということで努力をしておりますし、今後も努力を続けてまいりたいと思っております。
#83
○相沢武彦君 その六十年度食糧自給七五%達成目指して諸施策が進められなければなりませんが、その達成に対してこの農業者年金法はどんな役割りを持つと、このように考えられますか。
#84
○政府委員(岡安誠君) やはり国民食糧の確保のためにはまず対象であります農地の確保が必要でございますけれども、その農地で働く農民といいますか、これを確保しなければ食糧の確保はできないわけでございます。農業者年金制度を一言に申し上げれば、農民を確保するため、いわば農民が安心をして農業に従事できるためということになろうかと思いますが、さらにそれに工夫をこらしまして経営の近代化、農用地の集積といいますか、農地保有の合理化というものもこれねらっているわけでございまして、農家の方々が安心して農業に従事できるということとあわせまして、この農業者年金制度が効力を発揮いたしまして大規模な生産性の高い農地が優良な農家に集積されるということを私どもは願っております。
 さらに後継者確保という点につきましても、今回後継者につきましての優遇措置等も考えまして、後継者の確保措置の一環としまして、その年金制度も有効に働き得るものというふうに思っておるわけでございます。
#85
○相沢武彦君 法案の中身につきましてただしていきたいと思いますが、前回の改正におきまして年金額の引き上げ、それから出かせぎ者に対する措置、時効完成者に対する救済措置等の加入促進を行ったんですが、昭和五十年三月末で当然加入と任意加入合わせて百十五万四千三百数十人という数になっておりますが、この加入実績の低い原因はどんなところにあるというように判断しますか。
#86
○政府委員(岡安誠君) いまお話しのとおり、五十年三月末におきましては加入者は百十五万四千人ということでございまして、私ども、大体目標百六十五万人ということに対しまして七〇%程度の加入率にとどまっているわけでございます。これは内訳を見ましても、当然加入者についての比率が七〇・四%、任意加入者の比率が六八・四ということで大体同じでございますが、このような低位といいますか、にとどまっておりますのは、やはり私ども反省しなければならないと思いますのは、年金というものにつきましては、現在金を掛けますが、将来この給付を受けるということで、相当広報活動に力を入れませんと、加入実績は上がらないものでございますので、私どもの努力が必ずしも十分でなかったのではないかということを反省をいたしております。
 それ以外にも理由は考えられますので、いままでやはり掛ける一方であって、年金支給というのが起こらなかったということ、これもことしの一月以降年金支給が開始されますので、加入は一段と進められるだろうというふうに考えますし、もう一つの理由は、やはり年金というのは二十年以上掛けるというのが本則でございます。そうしますと、若い方々がなかなか年金というものに入りたがらないというのも人情でございますので、そういう若い方々の関心を特に強めるように努力をしなければならない。今回も後継者につきましての負担金の軽減措置、これを設けましたのもこのような事態に対処するためでございますので、今後は一段と加入が進むものというふうに考えております。
#87
○相沢武彦君 いま局長から御説明あった原因のほかにもいろいろあると思うのですが、やはり農業そのものに農業者が魅力を失っているというところが一番根本じゃないかと思うのですが、これについてはまた後ほど触れたいと思うのですが、一つはこの制度を発足してからまだ満五年しか経過しませんので十分に趣旨が徹底されてないという面もあると思いますが、特に満四十歳以上の中高年齢者のうち、すでに必要な保険料納付期間納めることができないで、本人が希望しても現行法では加入が認められてないと、こういうことになってるんですが、こういう人たちに対する救済措置を講じていくことについての検討はなされてないんでしょうか。当然これは必要になってくると思うんですけれども。
#88
○政府委員(岡安誠君) 御指摘のとおり、この年金は二十年保険料を掛けるということが本則でございますが、発足時に二十年保険料が掛けられないという方々のために、期間短縮という措置が講ぜられまして、最短では五年間掛ければ年金がもらえるというような制度になっております。もちろんそれぞれ段階がございまして、大部分の方々は余裕期間というのがございまして、若干はなお加入できる余地があるわけでございますが、五年とか、六年とか七年とかいう非常に近い期間で保険料がもらえるというような、特に優遇をされている方々につきましては、一部そういう保険料納入期間が過ぎたという方々もおられます。しかし、これは先ほどちょっと先生が御指摘のとおり、四十九年度の改正におきましても、一部高齢者につきましては、時効の期間にかかります保険料納付の特例措置を講じて救済措置をいたしておりますので、その間は非常に緩和されております。さらに、そういう何か特別の恩恵の措置を講ずる考えがあるかということでございますが、これはちょっと現在では、そこまでは考えていないわけでございます。
#89
○相沢武彦君 現在はむずかしいということはわかるんですが、将来の課題としての検討される必要性は認められてるんですか。
#90
○政府委員(岡安誠君) これはほかにもやはりこういうような恩恵措置はございます。そういうものとの比較等も考えなければなりませんし、また現在非常に加入を促進している時期でございますし、恩恵、恩恵と言いますと、また加入もしていただけないということもございます。それで、私ども、これやはり慎重に検討をさしていただきたいというふうに思っております。
#91
○相沢武彦君 それから、現在わが国の農業にとりましては、特に主婦労働というものが大きな位置を占めているわけでありますが、零細中小農家じゃ、もう農業収入だけではとってもやっていけないということで、農外収入を求めて兼業化や出かせぎがふえているわけですけれども、こういった中小零細農家の中にあって、実際に農地を守り、経営に携わっているのは主婦であるわけなんですが、この農業者年金制度が経営規模の拡大と経営者の若返りを促進する経営移譲中心ということになっていることはわかってるんですけれども、こういった実情を考慮して使用収益権の設定のない場合でも、農家の主婦の加入というものを制度上何らかの形で明らかにしておく必要があるんじゃないか、このように考えられますが、この点についてはどうなんですか。
#92
○政府委員(岡安誠君) これ、制度発足のときからいろいろ論議があった点でございまして、先生のおっしゃるように、主婦、それは未亡人の場合じゃなくてだんなさんがいる。だんなさんが経営主である場合でも主婦というのが典型的な例でございますけれども、その場合にはだんなさんが入りまして、主婦は入れない。主婦は国民年金でいくということにたてまえはなっております。それに対しまして、先般改正以後におきまして、私どもも対策を講じたわけでございまして、現に主婦の方が実質的に農業経営の担い手として動いている、働いておられるという場合には、経営主である御主人が、その主婦に対しまして、使用収益権の設定をするということになれば、その主婦が、この年金の加入資格を得まして、加入をできるということになるわけでございます。そういう措置は実は講じております。
 いまの御質問は、そういうこともしなくて、いわば恐らくは経営主である御主人と並んで主婦が入れないかというような御質問だと思いますけれども、そうなりますと、これは経営主だけが入れる、例外として後継者が任意加入できますけれども、経営主が入りまして経営の若返りということを目的としている政策年金から非常に離れまして、農業従事者一般に対して何か年金的な措置ができないかというようなことになるわけでございます。
 そういたしますと、農業従事者一般は、御承知のとおり国民年金に入っているわけでございますので、国民年金の充実ということと余り差がなくなってくる。いわば政策年金としての農業者年金の枠を非常にはみ出してしまうわけで、そういうような方々に対してどういうふうに措置をするかということは非常に問題があると思います。
 それからもう一つ考えなければならないことは、御主人がずっと働いておられて、経営移譲もされると。そして不幸にして亡くなられた場合に、では、その主婦がどうなんだろうかという問題、主婦も入っていれば主婦も恩恵をこうむられるんだというような問題もございますが、それらに対しましては、私ども、本来ならばそれは経営主が亡くなられた後の遺族である主婦の生活の問題というふうに理解もできますので、それはやはり、もし対処するならば、遺族年金制度の創設ができるかどうか、そういう方向で対処すべきではなかろうかというふうに実は考えているわけでございます。この問題もなかなかむずかしいので、今回はそういうふうにはなっておりませんけれども、将来の課題として研究させていただきたいというふうに思っております。
#93
○相沢武彦君 主婦が主体の場合で御主人が使用収益権を設定される場合、加入などその辺よくPRされていないために件数が少ないのか、あるいはその他のまた事情があって促進できないのか、その辺の判断はいかがですか。
#94
○政府委員(岡安誠君) これはそのPR不足の点もあろうかと思います。ただ、なかなか農村の実態といいますか、ということからして、御主人が奥さんに使用収益権を設定をするということは、通例には行われないわけでございます。特に御主人が何らかの事情でもって農業者年金に入れない、実際は奥さんが働いておられる、その奥さんも国民年金では満足しないで、やはり農業者年金にぜひとも入りたいというような、限られた場合にこの道が開かれているわけでございまして、現在の実績を申し上げますと、全国で一万八千人程度がこういうような形でもって農業者年金に加入をしておられるわけでございます。この数が多いか少ないかといいますと、必ずしも多い数字であるとは思いませんけれども、やっぱり農村の実態がこのようなものであろうと。もちろんPR不足の点につきましては今後さらにPRをしてまいりたい。特に今回、後継者につきましても、使用収益権の設定が認められるわけでございますので、あわせてこの点は宣伝をしてまいりたいと思っております。
#95
○相沢武彦君 遺族年金についてですけれども、衆議院の段階でも附帯決議がつきまして、第四項ですか、遺族年金等についての創設の方向で検討すること、このようにありますけれども、これについては、農林省の方ではある程度具体的な検討は内部でされているんでしょうか。されているとしたら、どの段階まで、どの程度まで検討されているものなのか、中身までちょっと。
#96
○国務大臣(安倍晋太郎君) この農業者年金に遺族年金を設ける問題につきましては、国民年金制度との関連等もございますので、これは今後重要な課題として十分検討してまいりたいという基本的な考え方でございます。
#97
○政府委員(岡安誠君) 方針はいま大臣からお答えしたとおりでございますけれども、私どもは、実は遺族年金制度の導入につきましては、今回の制度改正のときに、たとえば経営主が経営移譲いたしまして、不幸にして短期間で亡くなられたというような場合、経営移譲年金の受給は非常に少ないわけです。そのときには、掛け捨てではないか、これは途中で亡くなられたとか、途中で離農したことによる一時金よりもなお少ない額しかもらえないということがあって不均衡ではないかということがございまして、実は農業者年金制度研究会で検討をしていただいたわけでございます。そのときに、そういうような不均衡とか足らずまいを何かの措置によって充足をするという考え方は必ずしも適当ではないんで、もしそういう場合に対処するならば、本筋はやはり遺族年金制度の創設ということで対処したならば本筋であるというような御意見は承りましたけれども、じゃあ、遺族年金制度は直ちにできるかと言いますと、これはやはりほかの年金制度との関連、その他もございますし、この年金に遺族年金制度を組み込んだ場合にはどういうような形になるのか、また保険料はどういうふうになるのか、国民年金と両用される場合にはどういう形になって、むしろほかとの不均衡がかえって起きるんではないか、いろいろたくさん問題がございます。そこで私どもはさらにそれらの点についてはこれから検討したいという段階でございます。
#98
○相沢武彦君 前回改正のときも、この加入者の遺族の問題については附帯決議がついていますし、かなり研究されてるんだろうと思うんですけれども、非常に要望の強い点もありますので一層研究を進めていただきたいと思います。
 それから、保険料納付済み期間が三年以上である人が六十五歳に達する前に死亡した場合、移譲年金を一度でも受給した場合、遺族に対して支給される死亡一時金、これが今回支給されなくなる。この場合受給した年金額は納付した保険料額を下回ることがあり得るわけですけれども、前回改正時の附帯決議でもその点を考慮されていますけれども、今回この点については改正をされてないんですが、これは今後どういうふうにされるお考えですか。
#99
○政府委員(岡安誠君) ちょっといま簡単にお答えしたと思いますけれども、確かに前回の附帯決議でもそういうことがございまして、私ども問題点として意識をいたしまして、先ほど申し上げました農業者年金制度研究会において検討をしていただいたわけでございます。繰り返すようですが、経営移譲年金等の給付が始まりますと、この年金としては目的を一応達成したということになります。そういう方々に対して、やはり掛け捨て云々ということにしてまた金を支給するということになりますと、そもそも年金制度というものが成り立たなくなる。すべてやはり余命その他を計算いたしまして財源計算をいたしておりますが、すべてのものが掛け金が全部返ってくるということではそれ以上のものは全部国庫負担ということになりまして年金制度と非常にかけ離れてまいりますので、そういうような方向で掛け捨て防止とかいうような形でもって措置するのは非常に不適当である。むしろ、それは遺族年金を創設するという方向で検討するのが本筋であろうということに先ほどの農業者年金制度研究会の結論はなったわけでございますので、この問題はなかなかむずかしい問題でございますので、ひとつじっくり腰を据えて検討さしていただきたいというふうに思っております。
#100
○相沢武彦君 未加入者の問題でもう少しお聞きしておきたいんですが、年齢別の被保険者数を見ますと、四十歳から五十歳代が一番多くて四七・一%を占めております。この年代の後継者と言いますと、年代的に見て二十歳から三十歳代くらいだろう、こういうふうに推察できるのですが、この年代の人たちはわずか二・二%しかこの数字の上にあらわれていませんね。いずれにしても、年齢が若くなるに従って未加入者がふえてくるという非常に片寄った状態になっているわけですが、この原因についてはどのようなお考えなんですか。
#101
○政府委員(岡安誠君) 御指摘のとおり、現在、農業者年金の加入者の年齢構成を見ますと、四十歳以上が全体の約八五%というようなことになっておりまして、これは、年金の加入者の構成としては好ましい状態ではないわけでございます。原因はどうかということですけれども、これはやはり農業者自体が高齢者に変異をしておる、若年齢層が少ないというような年齢構成でもございますので、それがこの加入者の年齢構成に反映をしているということが一つだと思いますけれども、それ以外でも、やはり若年齢層は一概に年金というものに関心が薄いわけでございます。やはりこういう若年齢層に年金に入っていただくことは、年金財政からいいのみならず、やはり農業者の性情からも好ましいことでございますので、今回、特にそういう若年齢層に対しましての措置として考えておりますのは、保険料の軽減措置ということを考えているわけでございまして、それによりまして後継者が入りやすくするというようなこと さらには後継者に対します経営移譲要件を使用収益権の設定まで認めるというふうに拡大をするということ、それらがやはり若年齢層に対するこの制度に対する関心をより高めることになろうかと思いますので、そういうようなことを踏み台にいたしまして今後さらに若い方々に対する加入促進々強力に進めてまいりたいと思っております。
#102
○相沢武彦君 そういった各種の対策で若干は今後若年齢層の加入が促進されるとは思いますが、やはり今日まで非常に若年齢層の加入者が少ないという問題、これはやはり農政上の重要な後継者問題の対策にかかってくる問題だと思うのです。五十年農業センサスにもありますように、農業人口が非常に減少していますが、特に新卒の農業収容者数の減少、これと大いに関連があると思います。今後のわが国の農業にとって非常に悲観的な材料の一つとも思われるわけですが、この農業者年金制度への加入問題と別にしましても、農業政策上、この農業後継者の確保というものは非常に重要になってくると思うのですが、これに対する対策の問題で若干質問をしておきたいと思うのです。
 農業後継者でありながら農業から離れていくその一番大きな原因は、現在の政府の農業政策にあると思うのですが、私どもの党で昨年末からことしにかけまして農業に関する経営意識調査を各県ごとに行ったわけなんですが、この調査によりますと、どの県でも八〇%から九〇%の農家が農政に不満を述べております。その不満の原因は、まず第一に、何といっても経営が成り立たないということでありまして、各県ともこの意見は四〇%を超えております。そして、将来離農するかという問いに対して、離農すると答えた人たちが非常に多くて、特に顕著なのは山口県でございましたが、二三・五%もございました。また、将来農業を続けていけるかどうかという点に危惧の念を抱いている人たちが四四・八%を占めているという数字が出ております。こういった点で抜本的な農業政策の転換というものが必要だと思うわけですが、現在の農業政策に不満を持っている農業者が希望していることは、土地の基盤整備を初め、流通機構の改善や価格補償制度の確立、それから農家の負債の救済策、それから金融制度の拡充、こういった諸点であります。将来の自給率向上のためにも、どうしてもこうした施策が必要な課題であり、今日までの施策をさらにさらに充実しなければならないと思うのですが、その点について大臣の御見解を承りたいと思います。
#103
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業の後継者を確保していくということは、最近の学校卒業者の就農の状況から見まして、あるいは全体的な後継者の実態から見まして非常に憂うべきことでございまして、これからの農政を推進をしていく上におきまして、この後継者対策というのは最も大きな課題であろうというふうに私も考えておるわけでございます。まずやはり後継者を育成確保する基本的な問題としては、何としても農業あるいは農村そのものを魅力のあるものにしていかなきゃならぬことは当然であります。やはり農村やあるいは農業というものに魅力を失えばどうしても後継者は去っていくわけでありますし、新しい学卒者を迎えることもできないわけですから、何としてもそういう魅力ある農村というものをつくっていかなきゃならぬ。それには今日の農業につきまして基盤整備の問題にいたしましても、あるいは価格政策の問題にいたしましても、あるいはまた金融、税制対策等あるいは農村環境整備、そういったような問題にいたしましても、これを積極的に前進をさせなきゃならないわけでございまして、われわれが昨年いっぱいかかりまして総合食糧政策の展開と称する昭和六十年を目標とした長期政策を樹立をいたしまして、五十一年度から予算も充実してこれを打ち出したということも、やはり農業というものをしっかりした基盤に据えて魅力のあるものにしなきゃならぬという考え方からでございます。こうした総合的な食糧政策をこれから着実に果敢に実施していくことによりまして、私は、世界的な食糧事情が非常に逼迫をしておるという今日の客観的な情勢あるいはまた国内における高度成長から安定成長へというふうな経済構造の変化の中にあって、いまやそうした政策を果敢に進めることによって農業あるいは農村に対する一つの国民の理解というものも進み、またこれから農業を支えていこうと、後継者になろうという人たちの積極的な意欲というものも生まれてくるのじゃないか、生まれてこさせなければならぬと、こういうふうに考えております。
 したがって、まずそうした根本的な基本的な政策を改善をし、進めていくということが、最も大事なわけでございますが、同時に、それとともに農業の後継者を具体的に確保するための施策としては研修教育の充実であるとか、あるいは青年農業士の育成等の農村青年対策の強化を図っていく、あるいはまたさらに現在ありますところの後継者育成資金等の制度金融の拡充を図っていくということも必要でございますし、また現在提案をいたしておりまする農業者年金制度をさらにまたこれを充実発展をさして、そして後継者に意欲を持っていただくということであろうと思うわけでございます。
 全体的にそういうことで、これからの後継者育成確保対策というものに対しては、われわれとしても農政の最も大きな課題であると考えて、これに対しては積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#104
○相沢武彦君 先ほども志苫委員が触れておられましたけれども、新規学卒者の農業就業者数は昭和四十五年三万七千人が四十九年で一万四千人と激減をしているわけで、特に後継者対策というのは力を入れてやっていただきたいと思います。
 今回この法案でこういった後継者難の状況から後継者育成のための三十五歳未満の農業後継者に対して一定の要件を備える者については保険料の額を三割程度軽減して国庫補助の割合を一般の保険料の国庫補助三〇%であるのに対して五〇%に引き上げる、こういう措置をとられるそうでありますが、この具体的な適用については政令によって定めるということでありまして、具体的になっておりませんが、この適用者に対して内容をこの際明らかにしていただきたいと思います。
 またもう一つ、後継者加入について一定の要件に適合するには非常に条件が厳し過ぎるという声が多いのですが、一定の条件としての制限をつけることなく保険料の軽減を行う方向で考えられないのか。この二点について。
#105
○政府委員(岡安誠君) それでは私から現在考えております後継者に対する保険料軽減措置の具体的な要件について先にお答えいたしますが、これはまず法律に書いてございますとおり、後継者加入している三十五歳未満の者ということが一つでございます。それから農業経営主と後継者がともに農業者年金に加入しているという二人加入の条件、それから三番目に、経営耕地面積が一定規模以上あること、その次には農業に常時従事する者であるということを一応予定をしている次第でございます。
 運用につきましては大臣から。
#106
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長からも答弁をいたしましたように、対象者の要件は具体的には政令で決まるわけでございますが、この措置が将来、農業生産の中核的な担い手となる後継者の確保育成を図り、円滑な経営移譲の促進に資することを目的とするものであることにかんがみまして、将来の農業生産の中核的担い手となることが十分期待し得る一定の要件を決めることといたしておるわけでございまして、そういう点でいろいろと御指摘等もございますが、そうした点も踏まえて十分に検討した上で政令を決めてまいりたいと考えておるわけであります。
#107
○相沢武彦君 制限をつけないかどうか。
#108
○政府委員(岡安誠君) 大臣お答えいたしましたような考え方でもっていま政令を検討しているわけでございますが、一つの親子加入、二人加入の要件につきましては、この措置の趣旨にかんがみましてこれを撤廃――やめるというわけにはまいりませんけれども、その経営主が高齢で年金加入の資格がないというような場合には、何らかの救済措置は考えたいと思っておりますし、また一定の経営規模を必要とするという要件につきましては都道府県平均ということを考えておりますけれども、施設園芸等集約的な経営の場合につきましては、都道府県平均を下回る場合であっても対象とするというようなこともひとつ考えて、慎重に政令要件として決定をいたしたいと思っておるわけでございます。
#109
○相沢武彦君 農地等の売買事業及び農地等の取得のための融資業務についてお尋ねをしますが、実績を見ますと四十九年度売り渡し事業九十六件、買い入れ事業三十四件となっておりますけれども、買い入れ事業の四十九年度は熊本県の二県が入っているだけで、あとは全部北海道と、こういうことであります。この原因については農林省はどのように判断していますか。
#110
○政府委員(岡安誠君) 基金が行っております豊地等の売買業務につきましては、これは離農希望者の農地を買い入れまして、経営規模を拡大したいということを考えておる農家に売り渡すということになっております。
 そこで問題は、一般にはそれは相対でもって行われますので、あえて基金が売買をする必要もないわけでございますけれども、北海道の場合には、一括処分ということが要件になっておる場合に、非常に面積が大きいという場合には、相手方もなかなかこれが探せない、相手方も金を用意するのにすぐというわけにはいかないというような、タイムラグその他が生ずるわけで、したがって、北海道のような場合には、基金がみずから乗り出しまして、この農地を買い入れるというような必要性が出てくるということから、内地よりも北海道は格段として利用率と言いますか、が高いということになっております。
#111
○相沢武彦君 一方、融資業務の件数は三分の二以上が北海道に集中をしているわけですが、これは北海道の農業というものが非常に自立経営をしていくのが他の地域と比べてむずかしさがあるということを、一面あらわしているのじゃないかと思いますが、寒冷の気候で農作物が育ちずらい、また作物の輸送にも時間がかかり過ぎる。こういった条件の中で国民食糧確保のために農業者の人たちは非常に御苦労されているわけでありますが、こういった北海道の農業従事者に対しては、こういった条件も十分考慮に入れて、農業者年金制度のほかに、農業政策上何らかの援助の措置、または対策を行っていくという考え方はお持ちでないんでしょうか。年金制度のほかに何らかの援助措置、いかがでしょうか。
#112
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、確かに北海道は内地に比べますと、気温なり、日照条件が悪かったり、いまの輸送条件、そういうものが悪いということは御指摘のとおりだと思いますが、逆に申しますと、一戸当たりの経営面積は非常に大きいわけです。農業生産を今後効率的に進めていく、展開していくという条件は、むしろ北海道の方が有利という考え方も成り立ち得ると思うわけでございます。いずれにいたしましても、北海道は農地としての開発がいろいろ開拓等の事業がおくれて進んだというようなことから、北海道開発庁というのができまして予算の計上も別枠になっております。また国庫の補助率も一般に内地に比べますと、高率に補助するという措置を講じているわけでございます。
 それから、農業全般から申しますと、北海道の畑地、牧草地を含めますと約三割を超えるものが北海道に存在をしておるというわけでございまして、御承知のように、例の加工原料乳にいたしましても、ビートにいたしましても、大豆にいたしましても、バレイショにいたしましても、そういうものについては、特にいろいろ価格安定の措置を講じておる。
 それからもう一つ、いわゆるマル寒資金というものを特に北海道に設けまして、融資上の特例措置を講じているわけでございますが、先ほど私申しましたように、ある意味では今後の農業に、北海道に期待するという面も多々あるわけでございまして、そういう重要性にかんがみまして、農業の基盤整備を初めといたします各種の農業施策というものを北海道に対しても十分推進してまいる必要があろうというふうに考えておるわけでございます。
#113
○相沢武彦君 農業者年金の年金額の物価スライド実施時期なんですが、これは毎年の一月ということなんですが、年金受給者の立場を考慮し、実施時期の繰り上げをすべきではないかという点については、どのようにお考えですか。
#114
○政府委員(岡安誠君) 物価スライドにつきましては、御指摘のとおりこの制度が大体一月に発足したということもありまして、前回の改正でこの制度が設けられまして以来、一月ということで、今回も一月実施ということに予定しているわけでございます。これはほかの制度につきましても、大体特に国民年金等につきましては一月実施ということになっておりますが、来年度以降のスライド改定時期の繰り上げの問題につきましては、来年度スライドをするかどうかということは一にかかって本年度の物価の動向にかかっておりますので、現在予測することは非常に困難でございますけれども、来年度厚生年金とか国民年金につきましてスライド改定の実施時期の繰り上げがもし行われるというふうになりました場合には、この農業者年金制度につきましても繰り上げ実施するような方向で努力をいたしたいというふうに考えております。
#115
○相沢武彦君 持ち時間が来ましたので、後二問聞いて終わりにしますから……。
 今回の改正案で年金額は一・四八倍に引き上げられることに対応して保険料の引き上げが規定されていますけれども、これを見ますと、五十二年度の引き上げ額でも二千四百五十円、これに国民年金保険料も引き合わされて四千八百円、合計しますと七千二百五十円ということで、五十二年当初の引き上げ額だけで約一・五倍のアップになるわけであります。この負担に農家が耐えられるかどうかという問題があるのですが、保険料の据え置きという点で何らかの考慮はされないのか。
 もう一点は、農業者年金は従来より完全積み立て方式をとっておりますが、厚生年金や国民年金は修正積み立て方式をとっておりまして、標準保険料より納付保険料が相当下回っております。農業者年金についても、国庫負担をふやして修正積み立て方式をとっていく方向で検討したらどうかという意見もありますが、これについてはいかがでしょうか。
#116
○政府委員(岡安誠君) これは両者非常に関連があることでございまして、先生も前の御質問で御指摘がございますとおり、この加入者の年齢構成が非常に高年齢に変移いたしておりまして、先細りであることから見まして、これまででいきますとなかなかこの年金の財政というのは容易でないわけでございます。今回、一・四八倍の給付水準の改定をいたしましたけれども、それを計算をいたしますと、大体保険料の方は一・九倍程度にならざるを得ないということになっております。これを一挙に一・九倍にすることは農家の負担に急激な変化を与えるということから、今回は年次別――年次を追いまして三段階に分けてこれを順次上げていきまして、当初は年金のアップ率と同額の一・四八倍に抑えるということにいたしたのでございまして、これを据え置くことになりますと完全積み立てということにならないことになるわけでございます。それでは、完全積み立てというのは農業者年金だけなので、ほかは皆修正積み立てではないか、これをやめたらどうかということでございますが、これも先ほど申し上げましたとおり、年齢構成が特異な構成をいたしておりますので、これで修正をいたしますと、今後の後年次の若年齢層の方々の負担が異常に高くなるということもございます。やはり年齢階層間の負担の公平ということも考えれば、やはり私どもは農業者年金制度につきましては完全積み立てということを維持せざるを得ないというふうに思っております。ただ、そういうことになりますと、御指摘のとおり農業者の負担が上がってくるということで、これはその点も考慮いたしまして、今回の改正によりましても、従来大体四三%弱の国庫負担率を四六%にする、四六%の国庫負担率ということは、これはほかの年金に比べれば格段の手厚い国庫負担になっているというふうに私どもは考えております。したがって、今後におきましてももちろん年金の財政状況を勘案はいたしますけれども、農家の負担の限度というものも十分考えまして、その間におきましては国庫負担等につきまして十分配慮をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#117
○委員長(小林国司君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#118
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き両案の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#119
○辻一彦君 私、農業者年金を中心に若干質問を行いたいと思います。
 まず第一に、日本の農業の中で主婦の占める位置が大変重くなっていると思いますが、農業労働、そしてまた片方では家事の労働、さらに農外の農閑期における労働等を考えますと、大変重い役割りを持っておると思いますが、日本農業の中における農村婦人、主婦の役割りについて、その重要性をどういうように農林省として認識をされておるか、冒頭にお伺いいたしたいと思います。
#120
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農村の婦人は農業就業人口の六二・六%を占めておりまして、食糧の生産及び農業の経営上大きな役割りを果たしているとともに、主婦としての健全な農家の家庭生活の運営維持のために重要な役割りを担っておるわけであります。また農業生産力の確保のためには、健康な家庭生活と健全な農村社会の形成が必要不可欠でありまして、そのために果たすべき農村婦人の役割りは重要であると考えております。このような認識のもとに農林省といたしましては、従来から農村婦人対策を積極的に講じておるところでございます。
#121
○辻一彦君 それでは、最近の農業労働の中における主婦が占めている位置とその実態、これについて若干聞かせていただきたいと思います。
#122
○説明員(有松晃君) 数字的にちょっと補足して申し上げます。
 農業の就業人口の中で農村の婦人が占めておる比率は先ほど大臣が申されたとおりでございますが、農業の従事者と申しますか、婦人の場合には家事を主としてやっておって、その傍ら農業に従事している、こういう人もございますので、一応その農業の年間の従事日数六十日以上と、こういう日数でとってみますと、この六十日以上の農業従事者は、昨年実施いたしました農業センサスによりますと七百十万人となっておりますが、その中で婦人が三百七十一万五千人で、この六十日以上の中では五二・三%と、こういう比率になっております。
 なお、これは専業、兼業別に見ますと、専業農家の場合は婦人は四九・二%、それから第一種兼業農家の場合は婦人は四八・四%、第二種兼業農家の場合はやや高くて五七・四%と、かようになっております。
#123
○辻一彦君 その中で、農業に従事している専業者が婦人だけの農家の数はどのぐらいありますか。
#124
○説明員(有松晃君) これも昨年のセンサスでございますが、総農家数が四百九十五万三千戸の中で、農業の専従者か婦人のみ――専従者と申しますのは年間百五十日以上農業に従事した人でございますが、この農業専従者が婦人のみと、こういう農家数は六十一万五千戸になっておりまして、全体の農家数の中では一二・四%というふうになっております。
 なお、御参考までに専、兼業別で見ますと、その比率で申しますと、専業農家の六、四%、第一種兼業農家の場合は一一・八%、第二種兼業農家の場合は一三・三%というふうになっております。
#125
○辻一彦君 それからいま婦人が非常に日本農業の中で大きい、数字の上においてもウエートを持っておるということを伺いました。
 そこで、第三点として、農村婦人、主婦が農業労働や家事労働、さらには農閑期における農外労働で非常に過労の状況にあると、こういうことが考えられますが、その健康の実態はどうか、その点をお伺いしたい。
#126
○政府委員(澤邊守君) 私の方で昭和四十年度から四十六年度まで農山漁家健康生活管理及び家族労働適正化特別事業というものを実施しておるわけでございますが、この事業の一環として実施をしました調査があるわけでございますが、これはモデル地域を選定して実施したものでございますので、これをもって直ちに全国をそのまま推計するという点にはなお問題があると思いますが、これによって農家主婦の健康状態を判断いたしますと、この事業の開始時点においては調査対象農家の約三分の一が高血圧、貧血等の何らかの症状を示しているという数字を把握いたしております。
#127
○辻一彦君 いま示された数字はこれであると思いますが、たとえば農林省自体が調査された中身でも、血液の関係それから疲労の関係ですね、疲労の関係もあります。これもわかりますが、どのくらい疲労しているか、しかもそれは男子と比べてどの程度であるか。比較を、簡潔で結構ですから。
#128
○政府委員(澤邊守君) ただいまの調査、四十五年の四月から四十七年三月までの間で調査をいたしたものでございますが、疲労度、男子は、この事業実施前と実施後を調べたわけでございますが、四百十七人実施前に調べまして、二六・四%の者が疲労症状のいわゆる有症者数ということになっております。それから実施後は人数がやや調査の関係で減りましたが、同じ地域でもちろん調査しているわけでございますが、三百八十八人で一八・九%。この事業の効果といいますか、若干減っております。それに対しまして、女子の場合は、実施前四百三十五人について調べまして、三四・五%でございます。それが、実施後は四百一人が調査対象になりまして、二七・四%、これも若干低下をいたしております。
#129
○辻一彦君 農夫(婦)症の……。
#130
○政府委員(澤邊守君) 農夫(婦)症につきましてのただいまの四十五年四月から四十七年三月までの間を調べますと、男子につきましては、実施前が四九・四%、実施後は三五・八%、それから女子の場合は実施前が四八・一%、実施後は三九・七%。男女の比較で見ますと、有症者数の比率でございますが、全員に対します比率でございますが、実施前はほぼ同じですが――やや男子の方が多かった。実施後はいずれも減っておりますけれども、女子の方がやや多いということになっております。
#131
○辻一彦君 農村婦人の過労度、健康度をはかる物差しはいろいろありますが、いま大事なのは、一つは血液、貧血症状が非常に多い。それが一体どういう状況にあるか、また疲労がどのぐらい残っておるか、あるいは農夫(婦)症――男の方の農夫症、あるいは婦人の方の農婦症といろいろありますが、これらがどういう状況にあるか、これらが一つの私は資料になると思います。
 そこで、大事なことは、実施前と実施後よりも、たとえばこの農林省の資料によれば、男子は調査の結果、血液の比重で要注意が一一・五%、これに比べて女子は三七・九%、非常にこのパーセントが高いということ。それから疲労度についても、男子は二六・四%が残っておるが、女子の場合は三四・五%、非常に疲労の数字におきましても数値が高い。農夫(婦)症についてはこれは男女ほとんど変わりがないようでありますが、たとえばこれは福井県の農協中央会が昭和五十一年三月二日から十九日まで五百人の農村婦人を対象にして調べたデータがここにありますが、これを見てみますと、三十五歳から四十九歳の中堅主婦五百人に対して、診断の場所で貧血と言われた人が三二%あった。これはちょっとこの農林省の数字よりも低いんですが、約三分の一は、三人に一人は貧血、こういう状況にある。それから同様にこの疲労についていうならば、診断の結果、作業疲労が残って対策を必要とするというのは、対策を要するが四四%、高度の対策を要するが六%、合わせて五〇%。約半分はいわゆるこの疲労に対する対策が必要である。これが福井の農協中央会でかなり綿密に調べた結果で出ております。また農婦症については、これは婦人の方の農婦症ですが、これについては正常は四二%で、軽いのが四七、非常に農婦症とはっきり断定できるのが一一%、合わせて五八、約六〇%が農婦症の症状を訴えておる。
 この三点を見たときに、私は、非常に農村婦人の健康状況というものは、実態としてなかなか心配な状況、憂慮する状況にあると思います。そこで、こういう主婦の過剰労働による症状、農婦症の実態、こういう中で、たとえば、まあ推定されることは、いままで農村の婦人が、日赤が献血に来まして献血をする、非常に大事だというんで献血するんですが、血液をとると血液が薄くて使えない、こういう場合がよく言われておりますが、私は、農林省のこの資料、また私が提示した資料の中から、そういう血液が薄くなるほど過労の状況で農業の中でがんばっている農村婦人の実態で裏書きをされると思います。
 そこで、このような診断というものを、全国的に集団的に健康診断あるいは予防のための診断をしているような農村婦人の数が一体どのぐらいあるのか、数字がもしわかっておれば示していただきたい。
#132
○政府委員(澤邊守君) 農林省といたしましては掌握をいたしておりません。――把握をいたしておりません。
#133
○辻一彦君 こういうのはないんですか。たとえば福井県の例になりますが、これはちょっと前ですが、農協中央会と農協婦人部が昭和四十七年に集団健診を行っていますが、県下四十八農協、二百九十七会場、受診者は二万九千三百七十六名、約三万名がやっていますが、このデータは私のところにはありますが、少なくも、全国でこういう取り組みをやっているところの数は私は少なくないと思いますが、農林省はその実態をつかんでおられませんか。
#134
○政府委員(澤邊守君) 全国で同じような集団健診をやっておられるところもあろうかと思います。特に共済連等がやっておられるのもほかの県でも聞いたことがございますが、現在、農林省といたしまして把握しておりますのは、共済連が福祉活動として四十九年度にやりました数字でございますが、これは全国で一千四百七十三組合で受診者が約二十七万七千でございます。それから厚生連がやっております集団健診は全国で、これは個所数でございますが、一万百六十三個所、対象人員は九十七万五千人という数字がございます。
#135
○辻一彦君 大体それについて、さっき指摘されたような趨勢は全般としてわかりますか。
#136
○政府委員(澤邊守君) 私ただいま手元にございます数字では組合数とか、実施日数とか、受診者数ということでございますが、おそらくこれさらに詳しい資料を見ますれば、先生御質問いただきましたようなことはあるいは出ているかと思いますが、現在持っておりません。
#137
○辻一彦君 大臣さっきの御答弁のように、非常に農村婦人の位置は重要であると言われておるのですが、この農村婦人の健康状況は大変私は問題があると思います。で、数字の上でも実態把握は、厚生連は、あるいはほかの方で農災でやっているということでありますが、実態把握が必ずしも十分でないと思いますが、それはひとまずおいて、こういう農村婦人の過労状況の中で農村婦人の健康管理と、こういうことに対してどういう対策を講じておられるか。時間の点もありますから余り詳しくなくて結構ですが、お伺いいたしたいと思います。
#138
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農家生活のみならず、農業生産の担い手としての役割りが非常に増大をしております農村婦人の現状にかんがみまして、農村婦人の健康管理が適正に行われることは重要な課題となってきておるわけであります。このため農林省といたしましては、従来から普及事業の一環といたしまして、農村婦人の労働適正化、農作業環境条件の改善、衣食住等農家生活の改善、農家家族の健康管理の指導等を実施しておるところでございまして、これは今後とも関係機関との連係をとりながら、普及事業の拡充強化という点で努力をしてまいりたいと考えております。
#139
○辻一彦君 一般的には大変それは結構でございますが、しかし具体的な問題になりますと、ずいぶん問題があります。たとえば健診を数では受けたけれども、じゃ、実際健診を受けた後、婦人がどうしているか。たとえば健診を受けた婦人の中で、どのぐらいの人が精密検査を必要とし、また治療を必要とするか、そのパーセントはわかるのか、あるいは精密検査が必要であると、こう言われた婦人がどれぐらい実際にまた精密検査を受けておるか、治療に従事しておるか、そういう点のいわゆる追跡調査というものまでつかんでおられるか、いかがですか。
#140
○政府委員(澤邊守君) 大臣からお答えしました生活改善普及事業の中心的な課題としてお答えいたしましたように、健康管理の問題を重点に取り上げておるわけでございますが、具体的な手法としてやっておりますのは、五十年度から農業者健康モデル地区育成事業というのをやっております。これは五十年度におきましては百七十二地区、全国でございますが、それから五十一年度はこれをふやしまして三百四十四地区について行っております。これは健康診断をしたりあるいは食生活の現状を調べたり、あるいは農作業が、どのような農作業をやり、どの程度の時間、農作業に従事しているかというようなことを、経営の種類別に、耕種別に、園芸だとか、あるいは果樹だとかというような主要なものについて調べまして、実態を把握し、それに必要な食生活であれ、あるいは一般の健康管理の指導をするということを五十年度から始めておるわけでございますが、五十年度の実績につきましては、なお現在取りまとめ中でございますので、先生が言われましたようなことは五十年度の実績が全部判明いたしますればわかると思いますし、今後継続で実施いたしますので、追跡調査というようなことにつきましても引き続きやってまいりたいというふうに考えます。
#141
○辻一彦君 五十年度に百七十二地区ですか、五十一年度三百四十四、この地区の調査の中には、そういう健診を受けた婦人が、後どうしたかというところまでの調査が具体的にされておりますか、いかがですか。
#142
○説明員(塚本美恵子君) ただいま御質問のございましたことにつきましては、五十一年度の仕事で実際にどういうふうにやっていくかということで対応いたしております。
#143
○辻一彦君 五十年度は百七十二地区やっているんですが、それにはそういう追跡調査は含まれていなかったんですか、あったんですか。
#144
○説明員(塚本美恵子君) 五十一年度から――五十年度にいたしましたので五十年度に対応いたしましたことにつきまして五十一年度はずっと続けてまいります。同じ地区に四年計画でいたしますので、それの確かめまでをする予定になっております。
#145
○辻一彦君 五十年度に調査をして、ことしまたやるというならこれは結構ですが、ずいぶん婦人の健康問題がいわれて、いま、まだその調査がこれからというのは、ちょっと私は遅い感じがします。
 たとえば、さっきの私の福井の農協中央会の婦人部で調査をしたそれによりますと、せっかく集団健診で受診をしても、たとえば精密検査を受けなさいと言われた人が、それから、治療を受けなさいと言われた人が、そのままにしておいた人が五二%おるわけですね。診断の場所で、治療が必要であると、こう言われたけれども、実際は五二%はそのままになっている。それはなぜかというと、自覚の症状がないというのが七割と、忙しいからというのが二一%、こういうふうにあります。大したことはない、疲れるのはこれはやむを得ないだろうというような状況で過ぎている場合が多いと思います。しかし、これは悪性のいろんな病気等々が隠されているので、これをこういう状態で放任をしておくということは非常に危険ではないかと思います。
 過労の問題は、適正な労働と適正な食事、この二つと、総合的な健康管理がかなり私はきめ細かく立てられなくてはならないと思います。そういう点で、全般的には私は、いま御答弁のあったそういう努力をそれぞれやっておられる、こういうことはわかりますが、少し具体的な対策としてこういう問題が考えられないかと思いますが、ひとつ提示をしてみたいと思います。
 一つは、農村婦人の集団健診に対して、これかなり行われておりますが、これに対してもっと国自体が助成をやっていく。それから特に貧血などの予防診断の場合、その経費は自己負担になっておりますが、国民健康保険の給付対象にして年二回ぐらいは少なくも診断が受けられる、そういうようにすることができないか。あるいはいま自治体や農協団体が自主的にやっておりますが、農家の主婦の健康手帳というものを出しておりますですね。こういうものを少なくも地方の状態に任せることなしに、国がもっと援助をして全般的に主婦が健康手帳を持って年二回ぐらいは健診できる、そういう状態をつくるべきでないか。
 これらの三、四点、具体的な問題についてどの程度国の施策が進んでおるか、お伺いいたしたいと思います。
#146
○説明員(本田正君) 農村婦人の健康状態につきましては、先ほどから先生の御意見にございますとおりでございまして、いろいろ問題があることは事実でございます。厚生省のサイドでもいろいろ、たとえば国民栄養調査とか、あるいは国民健康調査等を通じましていろんな調査をいたしておりますが、数字も大体先生おっしゃったような数字になっておりまして、ただ農村婦人と――ちょっとお答えの前に言わせていただきますが、農村関係――農村だけとそれから全国の平均と有病率を比較してみると必ずしも農村が高いという数字は出ておりませんのですけれども、ただ御指摘のように、貧血とか特定の疾病につきましては確かに農村が高うございます。全体的にはそう差はない、若干農村地区の方が低目に出ている。これは医療機関に受診するような機会の多い少ないにもよるかもしれませんが、国民健康調査では出ております。
 そこで一方、貧血とか先ほどからおっしゃっております農婦症、確かに深刻な問題だと存じますが、一方、それらの原因でございますところの過重労働とか、あるいは低栄養とか、あるいはいろんなストレスとか、そういったものが地域によりましてはずいぶんと改善されまして、一方におきまして貧血転じまして肥満、つまり栄養過多の現象も農村に現に出てきているやに聞いております。これは非常に問題でございまして、肥満になりますと、今度は成人病、高血圧とか、あるいは心臓病という疾病がふえてまいります。そういったことでございます。しかし、全体的にはやはり貧血病等が多いというのは事実でございます。
 そこで、まずお尋ねの、農村に対しますところの集団健診の国の助成ということでございますけれども、厚生省のサイドでもいろいろ健康診断やっておりますが、特に農村婦人だけを対象にとられるという施策は余りございませんけれども、たとえば保健所というのが全国に八百四十六カ所ございます。この八百四十六カ所の保健所はいろんなところに、大都市にもあれば農村地区にもあるわけでございますが、従来から都市型とか、あるいは農村型、それから都市と農村の中間型というような保健所の色分けをいたしまして、たとえば農村型の保健所は、R型保健所といって人口の規模によって四型ぐらいに分けておりますが、それぞれの地域の実情に応じていわゆる農村向けの対策を主にやるとか、あるいは都市向けの対策を主にやるということを保健所の行政としてやっております。もちろん医師、保健婦、栄養士等が保健指導あるいは健康診断あるいは思想の普及ということに努めているわけでございます。そういうふうに年間通じまして健康診断をやっておる方法が一つでございます。
 それから特定の疾病の対策といたしまして、たとえば御婦人に対しますところの子宮がんの検診、胃がんも多うございますけれども、がん検診車等を援助いたしまして全国では胃がん検診車三百台、これは主として農村、僻地用にということでございます、ちょっと語弊があるかと思いますが。大都市ですと、これは医療機関に受診を勧奨いたしておりますが、医療機関がなかなか遠いところ、主として農村地域、そういったところでは車を利用いたしまして胃がんの検診車につきましては三百台、それから子宮がんの検診車については九十台ほどいま配車しておりまして検診をいたしております。もちろん先生御指摘の一次検診でひっかかって二次検診に行く者の割合というものは疾病によってずいぶんと違います。がんの場合は非常に少のうございます。最終的にがんと診断される者も少のうございます。それから、がんだけでございませんで、一方、循環器、脳卒中、高血圧、それから心臓病、そういったものの健康診断も全国の市町村を実施主体にして補助事業としてやらせていただいております。
 それからまた、数がまだいまのところ少のうございますが、農村検診センターというのが全国にございまして、主として厚生連の隣に付属的な施設として経営する形態が一番多うございますが、そういったもの、あるいは農村用といたしまして健康管理指導車という車も別に補助事業として持っておりまして、それらをいろんな立場で活用しながら個別の健康診断あるいは集団健診というものを実施しているわけでございます。したがいまして、御質問の第一の集団健診の国の助成ということになりますと、まあもちろん十分ではございませんが、一応はやっておりますが、御指摘のとおりこれから一層各事業について力を入れていく必要が大いにあろうかと存じております。
 それから、第二点の貧血の予防に関しまして、予防検診に関しまして、あるいは国保等の保健の対象にならないかと、こういうことでございますけれども、御存じのとおり健康保健は疾病が主たる対象でございます。予防にそれを使うということはなかなかむずかしゅうございますが、現実にはたとえば先ほど申し上げました循環器の健康診断を集団健診でやります。そうすると、第一次検診やりますと、これは尿とか、血圧とかをはかるわけでございますけれどもどうしても二次検診あるいは精密検診が必要な者が、物によりますけれども一〇%、二〇%と出てくることがございます。その人たちは、医療機関に受診することを勧奨するわけで、医療機関に行かれますと、それが保険が適用されまして、保険の適用にそこからなるということでございます。したがいまして、初めから健康診断を保険の、全部保険で見ていくということは現状ちょっと予防措置ということで無理があるんじゃなかろうか。したがいまして別の補助制度を設けてやらせていただいておると、こういうことになるわけでございます。
 それから、最後の健康手帳の問題でございます。これはまことに必要なことだと存じます。ただ、健康手帳の運用に関しましては、ただ個人あるいは家族単位に健康手帳を持っていましてもなかなかそれが活用されないといううらみが一方にございます。と申しますのは、いま健康手帳を制度として持っておりますのは、厚生省サイドで、母子保健の関係で赤ちゃん、お母さんが妊娠してから小学校に入るまでの母子健康手帳というのがございます。これを見ましてもなかなか活用が実はむずかしゅうございます。というよりも、できるならば、そういった健康手帳の制度を大人にまで伸ばして循環器疾患あるいはがん、貧血その他のいろんな年齢に応じた疾病につきまして――健康手帳というのは御存じのとおりただ記録をとどめるというだけじゃございませんで、何といいますか教育の本にもなるわけであります、高血圧についてはこういう注意をしなさい、栄養はこうです、ということも書いてございますので、それ自体は非常に結構だと思いますが、その運用につきましてもう少し詰める必要があろうかと思われますので、健康手帳を全国的にこれを補助事業として普及するにはもう少しやはり検討の時間をいただきたいと思っています。健康手帳そのものは非常に結構なことだと存じております。
#147
○辻一彦君 まあ国民健康保険の適用ですが、予防にはむずかしいということはわかりますが、さっきの調査でも三七%が農林省の調査でもこの貧血の症状があると。こういうふうになれば、これは三割以上ということですから、何らかの道を開けるように今後検討をぜひこれは加えてもらいたいということが一つと、もう一つは健康手帳はこれから詰めるというお話ですが、それは厚生省がおやりになるのか、あるいは農林省と合議をしてどういうふうにおやりになるのか、その具体的な段取りをちょっと聞かしていただきたい。
#148
○説明員(本田正君) 貧血の保険の適用の問題でございますが、やはり一次検診の予防のために保険から支出するということはこれはやはり無理だろうと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、まあ婦人の場合の貧血というのは非常に、男と違いまして一般的に貧血が非常に多いわけでございます。貧血が多いのが女性だとさえも逆に言われるように、もう生物学的にこういうのが事実でございますが、たとえば三七%の貧血の方が見つかりましたときには、それを医療機関にかからせることによって、その治療行為につきましては保険が適用になるわけでございます。で、恐らく先生の御指摘は、ただそう言ってもなかなか忙しいし、医療機関に治療に行かないであろう、こういうことだろうと存じます。その辺がやはり保健衛生の基盤と申しますか、原則でございますところの保健衛生思想の普及ということをやはり地道に気長くやって、つまり衛生教育、それをやるということ、それから健康診断をやるということ、その後の保健指導を、保健婦さんやらあるいは栄養士を使いまして保健指導に――医療機関に行くだけがその治療というか対策でございませんで、いろいろ保健指導によって立ち直ることもあろうかと存じます。そういった訪問指導なりあるいは集団指導ということを保健婦、医師、栄養士その他の対人保健サービス関係の職員がいわゆる相談助言に応ずるという、それがやはり保健衛生の基盤であろうと思います。そういったことで一次検診でひっかかった人たちに保健指導をやると同時に医療機関への受診を勧奨するということ、医療機関にその場合に行けば保険の適用を受ける、治療行為について、あるいは検査について保険の適用を受けるということで、なお検討はいたしますけれども、予防事業あるいは集団健診そのものについての保険の適用というのはほかにもいろいろ検討したことがございますけれども、非常にむずかしい問題をはらんでいるのも事実でございます。
 それから健康手帳いつからやるのか、こういうことでございますが、これはむしろ健康手帳という、ここにも私その一つを持ってまいっておりますけれども、こういった健康手帳そのものを配るということよりも、これを刻々変わるであろう中身を、たとえば血圧が、あるときは百四十、次にはかったときに百六十だったと、その間にいろんな保健指導ということが必要になるわけであります。そういったことをここに書くことも必要でございますが、これを保健所なりあるいは市町村なり、あるいは県の幾つかの中間段階のレベルで、極端に申し上げますならばコンピューターでも使いまして登録をいたしまして、それによってその一部をこれに記載するということ、いわゆる人間の健康上の履歴というものを年々積み上げていくということを実は検討いたしているわけでございます。それにはよく背番号制といって反対の御意見も、秘密漏洩等で反対の御意見もあるみたいでございますが、もう少しそういった総合的ないわゆる登録制といいますか、あるいは健康管理、そういった中で健康手帳も考えていくべきだと思うわけでございます。その中でも健康手帳いつから、どういうふうに――国の施策として、できますなら補助事業として私は考えたいと思います、たとえば母子健康手帳が補助事業でありますように。しかしながら大人の疾病となりますと非常にたくさんの疾病がございますので、ただ一片のこういったこれでいろんな、がんから、成人病から、あるいは糖尿病から、いわゆる循環器疾患、高血圧、そのほかいろんな病気について記載するということはおよそ不可能でございますので、やはり疾病ごとの、たとえば心臓手帳というようなものも一部にできておりますけれども、そういった活用で疾病ごとの、全部の健康ということじゃなしに、まあ貧血手帳ということが考えられるかどうか存じませんけれども、そういった健康手帳をあわせて考えているわけでございます。ちょっとそれをいつから補助事業にするかということは、まだそこまで検討が進んでおりませんので御容赦いただきたいと思います。
#149
○辻一彦君 時間が限られておりますから簡潔で結構ですが、それは農村婦人健康手帳と、こういうようにして対象を明確にして行うんですか、きわめて国民的な一般の意味ですか、簡潔で結構ですが。
#150
○説明員(本田正君) 特に農村婦人と限ったわけじゃなくて、たくさんな病気の中のたとえば心臓とか、高血圧とか、そういった非常に国民にとっても深刻な病気についてさしあたっては手帳というものを考えたらどうだろうか、こういう検討をしているという段階でございます。
#151
○辻一彦君 それは必ずしも農村婦人だけではなしに全般的なことを意味されておると、それは当然やってもらわなければいかぬし努力していただきたい。しかし、いま全国で、ずいぶん農村の婦人問題で農協や自治体が自主的にずいぶん積極的に取り組んでいる、これに対して何か助成の手を伸べるとか、これを援助していく、こういうことを考えるべきなので、厚生省が全般の問題を考えるとするなら、それはそれで努力してもらって、農林省として具体的にこういう動きに対して対策を立てて助成をしてやっていくと、こういう考えはないんですか。
#152
○政府委員(澤邊守君) ただいまお尋ねのございました中で、たとえて申し上げますれば集団健診車につきましては、農林省予算におきまして昭和四十四年度に県を通じまして、県の厚生連に補助をしたことがございます。これは単年度で終わりまして、次年度からはこういうのは厚生省に移管すべきであるというようなことから、単年度事業で終わっております。
 それからまた、農家の主婦の健康手帳につきましても、先ほど私が御説明申し上げまして、五十年度からやっておりますモデル事業の前に、それに健康関係の特別指導地区のようなものをつくってやったことがございますが、そこに対しまして、ちょうどいまここにございますけれども、こういう「わが家の健康手帳」というようなものを補助でやったことがございます。もちろんこれは全モデル地区、モデル的な地区だけでございますので、全農家ということではございません。そういうことをやったことがございますが、現在はいたしておりません。
 ただいま厚生省からも国民一般の医療、健康管理の問題として種々お答えがございましたけれども、農村婦人の問題も、それらと関連するところがございますので、私どもの方といたしましても、これまでの経過等も踏まえまして検討いたしたいというふうに思います。
#153
○辻一彦君 せっかくそのモデル地区を指定をして、そういう手帳をつくって、その地区にやってみているならば、いま、モデル地区の調査がまとまろうとしているわけですが、その必要は私はさらに出てくると思いますが、そういう中でそのモデルで体験したといいますか、経験したそれを参考にして、全国的にこの農村婦人の健康を守るために、健康保健手帳のまず仕事を進めて、それに伴ってさらに健康診断等々が、治療予防が進められていく、こういう対策を講ずる必要があると思います。
 そこで大臣、日本農業の半分以上は婦人が担っておりますが、後の問題にも関係しますが、健康はかなりいい、栄養過多なんというのは、それはよっぽど、どっかの特別な例であって、今日、農村の婦人が、農業労働に、家事労働に、また、ちょっと暇があれば出かせぎに行って大変な無理をしている。そういう中で、栄養過多が起こっているというのは、よっぽどこれは体質的に私は結構な人か知らないが、ほとんどそれは数はごくまれじゃないかと思います。そういう過労になりやすい状況に対して、せめていま言った健康手帳等々を国がもう少し力を入れて積極的に取り組んでみると、こういう決意といいますか、所信は農林大臣いかがですか。
#154
○国務大臣(安倍晋太郎君) この問題は、先ほどから申し上げましたように、これからの食糧の自給ということから考えまして、また、農村生活の安定ということから考えましても、非常に大事な婦人の問題でございますので、これからの課題としてひとつ検討をしてみたいと思います。
#155
○辻一彦君 これあたりはひとつ、たくさんの農村婦人が、一年に二回ぐらいぜひ健康診断を受けて健康を守りたいという、この声に具体的にこたえて、検討を前向きにしっかりやっていただきたいと思います。
 そこで第二の問題として、主婦の農業者年金加入の問題について触れたいんですが、私の時間が余りないので、十分な論議ができないと思いますが、二、三点伺ってみたいと思います。
 これは昭和四十八年の八月二十八日と、四十九年五月二十一日に、私はこの委員会でこの農業者年金の中で主婦への加入の道を開くべきじゃないか、こういう趣旨の質問で論議をしたことがあります。制度が一部改正されて、使用収益権が設定されることによって、一部にこの主婦の加入の道が開かれましたが、いまさっきちょっと数字を聞きましたが、現在何名加入していますか、簡潔で結構ですけれども。
#156
○政府委員(岡安誠君) それでは簡単にお答えいたしますが、前回の改正に際しまして付された附帯決議の趣旨に沿いまして、政令改正で措置したわけでございますが、全国の農業委員会三千三百二十九ございますけれども、そのうち五百十七農業委員会を抽出いたしまして調査した結果では、現在使用収益権の設定によりまして、農業者年金に加入している数は二千八百四十九人、これは抽出でございます。これを全国にこれ拡大をいたしまして推計いたしますと、恐らく大体一万八千人程度ではなかろうかというふうに思っております。
 ちなみに、この二千八百四十九人の抽出調査の結果によりまして、夫から妻へ使用収益権を設定した数が二千六百四十四人、それから妻から夫へ使用収益権を設定した数が二百五人ということになっております。
#157
○辻一彦君 その数は、農家で、女子が農業専従者になっている農家が六十一万四千戸か六千戸と聞きましたが、それに比べても一万八千はこれは三%前後ですか、それから全国の農家の戸数は四百九十五万戸かありますが、これは大体農家の御主人は勤めに行っておっても、奥さんの方は大体、うちにおって農業をやっている。そうすれば、その四百九十五万に比べれば〇・四%弱ということになりますね。私は、この道では、農村の婦人の皆さんが、ぜひ、男と同じように苦労しているんだから、この年金の道を開いてほしいということには、ほとんどこたえることができないと思いますね。先ほどから論議もありましたが、やはり日本の農業の半分を支えている婦人、しかも、もう兼業農家の状況を見れば、男子よりももっと婦人が農業労働に占める分野が重い、大きいと思えば、こういうことに、これに対して私はまあ年金制度からいろいろむずかしさはありますが、やはり何らかの対策を講じて、この主婦が同じように年金に入れる、そういう道を開くべきじゃないかと思いますが、これについてのお考えはどうでしょうか。
#158
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、この農業者年金制度というのが経営移譲の促進による農業経営の近代化、農地保有の合理化と、農業者の老後保障の充実とが密接不可分な関係にあることに着目して、一般的な老後保障を目的とする国民年金によっては満たされない農政上の要請にこたえるために創設したわけでございますので、したがって、この加入対象者は、単にその農業に従事する者とするのではなくて、「農地の所有権又は使用収益権」を有する農業経営主及び将来の農業経営主となる後継者に限定をしておるわけでございまして、実質的にはいま農業経営主になっておる主婦につきましては、夫からの農地の使用収益権の設定を設けることによって、年金に加入できる道が開かれてはおるわけでございますが、いままで申し上げましたような事由によりまして、本制度の性格から見て、従事者一般ということで年金加入を行わすということは、非常に、性格から見て困難な面があるわけでございますが、まあ最近の農業就業動向、婦人の地位、そういうものから見まして、老後保障は重要な課題とも考えられるわけでございますから、遺族年金というような問題等とも含めて、今後の研究の課題といたしたいと考えております。
#159
○辻一彦君 遺族年金はこれは大変大事だから考えてもらいたいんですが、生きているうちにもらわなけりゃ、みんな、片っ方が死んでから、亡くなってからもらったって大してありがたくないんです、実際のところ。
 そこで、私は無条件に主婦に加入の道が開けるようにすべきであると思いますが、それは一応別としておいて、いま言われた妻の使用収益権の設定ですが、これは大変繁雑であります。私もきのう――おとついですか、福井の中で、農村婦人がどういう使用収益権設定をやっているかを見て、ちょっと話を聞いてきましたが、五反歩のたんぼをその御主人から買うために、うちが、家庭争議起こしそうな、なかなか大変な状況で、幾つかの水田を合わせて設定しているのがあります。しかし、これはまだ御主人が勤めに行っているから、そうしておやじさんがおらないから、お母さんだけだから話はわりとしやすい。しかし、実際の今日の農村の意識では、おやじさんが健在で息子さんか勤めに行っている。その主婦が――嫁さんが、主婦がこの使用収益権を設定しようとするときにはなかなか、意識の問題でこれは非常にむずかしさが私はあると思います。だから、道は一部開けたとしても、実際はこれによっては救い上げることがなかなかできない。そこで、ひとつたとえば夫の方が、御主人の方が厚生年金や共済組合に入っているという、そういう証明書があれば、その奥さんは、まず使用収益権設定に準ずるものとして扱って、この農業者年金の対象に入れることができると、これぐらいの簡便化というか、簡素化の手続を図らなけりゃ、これは絵にかいたモチになると思いますが、その点いかがですか。
#160
○政府委員(岡安誠君) 実はそういう点も研究をいたしたわけでございます。ただ、先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、この制度はやはり経営移譲といいますか、それに伴います農業経営の近代化、農地法の合理化というように農政上の目的というものを相当強く打ち出しているものでございますから、そういう点から考えますと、御主人が工場に勤めているということだけで農家の主婦が明らかにその経営の主である、経営主であるということを判断するには、やはり若干問題がある。たとえばまた、それじゃ何も手続を経ないで夫が工場に勤めていて、厚生年金に入っているということだけで加入された主婦が、経営移譲というのは、どういう形で経営移譲するのかということも非常にこれは問題があるわけです。何も形の上ではないわけです。子供さんに経営移譲されたということが何によって証明されるかというような問題もございます。いろいろ制度上から見ますと複雑な問題が出てまいりまして、今回も実は研究いたしたんですけれども、そういうところまで至らない。それを飛躍いたしまして、ただ主婦が農業に従事しているということだけでもってこれを農業者年金の加入対象にするということは、これはもうほかの国民年金その他との関係が出てまいりまして、農業者年金制度の存在理由いかんということにもなりかねないわけでございます。そこでなかなか、私どもも、問題の所在というものは把握いたしているつもりでございますけれども、非常にむずかしい困難な問題であるというふうに思っております。したがって、いま御指摘のなかなかむずかしいような手続は必要かもしれませんけれども、使用収益権の設定という方向で御処理いただいたらということを私どもお願いをいたしているわけでございます。
#161
○辻一彦君 これは私実態を本当は挙げてみたいと思うんですが、大分もう後が詰まっていますので余り詳しく触れませんが、この理屈は私もわからぬでもないんですが、実際としてせっかく道々開いてもほとんど道が開け得ない、開いてみても取り組めないこういうことでは、やはり温かい行政には私はならないと思いますね。だから、何か簡素化によってもっと、そういう実態的な経営をやっている婦人をわりと簡素な道によって救い上げる、救済していく、拾い上げていくという、そういう道をこれはひとつ課題として検討していただきたい。いいですか。
 それから、もう一つは、大臣もさっきこの年金は、これは二つの性格があると御答弁になっている。また倉石農林大臣が、この本案が本会議で論議されたときにも、出発からしてもう、政策年金と老齢者農業年金の二面があるということを明白に言っている。以来、これは一貫して答弁されている。そこで、そういう点から考えて二面があると。そこで、政策年金と仮に考えても跡取りの、後継者のお嫁さんですね、これは跡取りは男だけではこれは後が続かないんで、やっぱり跡取りには相手が、お嫁さんがおって本当の意味の後継者に私はなると思う。そういう意味で、そういう政策的な後継者に対する道を開いたんでありますから、もうちょっと後継者を広く広義に考えて、後継者の奥さん、主婦、お嫁さんに対してその道を開く必要があると思いますが、この点はいかがですか。
#162
○国務大臣(安倍晋太郎君) これも先ほどから御答弁申し上げましたような農業者年金制度の性格から見まして、限定をされておるわけでございますから、したがって、その後継者の妻の加入の問題ということになりますと、後継者の妻は農業経営主の直系卑属ということではないわけでありますし、本制度の加入対象とすることは困難であるとこういうふうに、基金の性格上からして困難であるというふうに考えざるを得ないわけでございますが、しかし、最近における農業就業の動向から見まして農業生産における女子の役割りが高まっておることも十分承知いたしておりますので、農業に従事する婦女子の老後保障問題の重要性につきましては十分わかるわけでございますから、これはやはり先ほどの問題とともに遺族年金の問題等とも含めて今後の重要な研究課題としたいと思います。
#163
○辻一彦君 みんな研究課題になってしまいましたが、もう一つ農業者年金が政策年金と農業老齢者年金の二つに、二面があると確認されたですが、それなら農業老齢者年金のこの面をもっと拡充していくという、拡大をしていくという、こういう中で私はこの主婦の問題ですね、主婦労働、主婦の問題を拡充していく中で考えていくことができるんじゃないか。たとえばですね、確かに中小企業であるとか、在来のものでいろいろあると思いますが、フランスやドイツの農業者年金をちょっと見てみると、これはこれも二面がある。しかし、政策年金としての経営移譲の年金には全部無拠出、全額国家負担ですね、でやっている、ドイツもフランスも。日本はかなり高い移譲年金の掛金をとっておるわけですね。だから、とるならこの分を私はかなり生かして、ドイツやフランスでは無拠出、全額国家負担なんだから、そのかわりにせめて農家の主婦に老齢者年金を拡大するという方向の中でこの問題を考えていく必要があるんじゃないか。その可能性があるんじゃないかと思うんですが、これについてはいかがですか。
#164
○政府委員(岡安誠君) これはお説だとは思いますけれども、これを押し詰めまして制度に仕組みますと、経営移譲の年金と老齢年金ともう二つに別かれてしまうということになりかねない。老齢年金が経営移譲と独立して存在するようなことを考えますと、これはむしろ国民年金の充実強化ということとどう違うのかという話にまで発展をするわけでございます。私どもは、この農業者年金というものを政策年金として経営移譲とあわせて農家の方々の老後保障ということを考えたわけでございまして、これを分断する、分離することは非常に問題があるというふうに思います。ドイツの場合も、これはいろいろ農業者年金制度が成熟してまいりましてそのような形になったのでございまして、日本の場合とはおのずから経過が違うわけでございます。老齢年金の充実ということは将来の研究課題だとは思いますけれども、これを両者分離することはいささか問題があるというふうに思っております。そこで農家の主婦、特に後継者の嫁も含めた主婦の問題は、大臣のお答えしましたとおり、私どもの研究の方向は、やはり農業者年金の方からのアプローチは、遺族年金制度の創設という方向でむしろ問題が解決できるならば解決いたしたいというのが私どもの研究の方向でございます。
#165
○辻一彦君 いや、分離をしろとは言ってないんですよ。初めからこの農業者年金は政策年金と農業老齢者年金の二つを持っているということが確認されているんだから、だから老齢年金の部分をもう少し拡充をしていけばいま言った婦人の問題もその中に含めてやっていく可能性もあるんじゃないかと。これはね、なかなかむずかしい論議ですが、研究会でも検討されておりますが、もう一度この主婦の問題を、いま私が三点ほど申し上げましたが、そういうものを含めてさらに検討を加えて前進をしてもらうように願いたいと思うんですが、大臣いかがですか。
#166
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまのいろいろと御指摘の問題につきましては、婦人の農村における地位がますます重要になってくるということにかんがみまして、これとの関連においてやはり農業者年金制度をどういうふうに充実していくかということでありますから、なかなか現在の農業者年金制度の仕組みから申しますと困難な面があることは先ほどからるる申し上げたわけでございますが、そうした時代の流れというものがあるわけでございますから、そういうことも踏まえて研究の課題としていきたいと思っております。
#167
○辻一彦君 最後に大臣からまとめて二点だけお伺いしたい。
 一つは、これはいま地方へ行きますと、農業委員会の窓口で農業者年金が一体どうなっているのか、あるいはその移譲年金等が給付が始まるのだが、どういうのかと、いろんな問い合わせが、まあ電話がしょっちゅうかかってくるということで大変忙しくなっていると、こういうことをずいぶん聞きます。そこで、地方における、市町村における農業者年金等の手続といいますか、相談といいますか、そういうことが農業委員会や農協等で十分円滑に進んでいけるような国の助成の態勢も必要じゃないかと思いますが、これについて一点。
 それからもう一つは、農林年金のことで一点だけお伺いしますが、例年一八%を二〇%にしてくれということ、それから財源調整費を三%にやってもらいたいと、これは例年の大臣交渉になって、ようやく進めながらなかなか一八%の枠が、一・七七が越えられないという状況ですが、これは来るべき年度の中でぜひ積極的に取り組んでやってもらいたいと思いますので、それについての大臣の所信、この二点を伺って終わります。
#168
○国務大臣(安倍晋太郎君) この農業者年金制度を、これから発展をさせ定着をさせるということは、これからの農業政策を進めていく上においても非常に重要なわけでございます。したがって、農民の皆さん方がこの農業者年金に加入する手続等につきましては、農協やあるいは農業委員会を窓口にいたしておりますが、この手続等をもっと農民に対して親切に行うというふうな観点からも、手数料等につきまして今後、助成については漸次これは拡充をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 それから、いまの農林年金につきまして、国庫補助率の引き上げ、これ一八%から二〇%は、毎年の農林大臣と大蔵大臣の大臣折衝の課題になってきておるわけでありまして、私も五十一年度予算におきましては、最後までこの一八%を二〇%にすることに固執をいたしまして努力をいたしたわけでございますが、なかなかこの壁は厚くて、まあこれは厚生年金とかあるいは国共済等との関連等もあってなかなかこの壁を打ち破るわけにいかなかったわけでございますが、しかし、この問題は決して放棄しておるわけではないわけでございまして、今後ともひとつしんぼう強くこれが実現のためには努力を重ねていかなきゃならぬと、こういうふうに思っております。
#169
○小笠原貞子君 農業者年金の一番大きな問題となると思われます保険料の問題についてお伺いしたいと思います。
 思えばわずか二年前、四十九年に保険料が七百五十円から千六百五十円と大幅に二・二倍の引き上げになりました。そして二年たったいま、またこれが大きく引き上げられる。最終五十四年の一月以降というのになってみますと、三千二百九十円という額で、四十六年の発足当時の七百五十円と比較いたしますともう四・四倍というような大変な急激な保険料の値上がりになっているわけです。もちろん給付の面においても改善という点があろうかと思いますけれども、いまの農家経営、農業に働く皆さんの生活など考えてみますと、農産物の価格というのはせいぜい一けた台のアップである。しかるに、この保険料というのがもうこういうような急激な上がり方ということでは、これはもう大変つらいというのが大方の声だろうと思うわけですけれども、この大幅な急激な値上げというものについて、これは仕方ないんだと、これは当然だと……。これどういうふうに考えていらっしゃるかということをまず第一点聞きたいと思います。
 それから次のやっぱり保険料の問題ですけれども、保険料率、保険料そのものが一体妥当なのかどうなのかということを考える場合には、やっぱりこういった公的年金の場合には加入者の支払い能力がどうなんだということで判断するということが一つの大事な要因になろうかと思うわけです。そこで、農業所得の伸び率との関連でこれを見てみますと、たとえば五十年から五十二年にかけて農業所得が一・四八倍にも増大すると見込めるのかどうか、五十年から五十四年にかけて農業所得が倍増を認められるのか、四十六年と比較してみると、五十二年には三・三倍、五十四年には四・四倍も所得の方も伸びていくというふうに見られているのかという点でございます。
 それから時間の関係もありますので、問題続けて伺いたいと思いますけれども、当然農業者年金に加入される方は国民年金に加入されているということになるわけです。そうしますと、国民年金の本人の定額分、それから付加年金の保険料合わせますと、五十一年四月で配偶者分入れない、本人だけで三千四百五十円になる、五十二年の四月になりますと五千五十円というような多額になってしまいます。こうした今度は保険料の農民負担と農業所得との関係をどのようにごらんになっていらっしゃるのかどうか、農業所得と保険料との関係で一体どの程度までだったら妥当というふうにお考えになるのか、この点についてのはっきりした御見解お伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私から、まず第一点の保険料について農家の負担能力の問題もあるし、これは引き上げというよりはむしろ下げるべきであるというふうな御質問でございます。それに対してお答え申し上げますが、保険料の額につきましては、年金給付に要する費用の予想額並びに予定運用収入及び国庫負担の額に照らし、将来にわたって財政の均衡を保つことができるものでなければならないわけであります。したがって、この保険料をできるだけ低額に押さえてほしいという農業者の要請があることは事実でありますし、これは十分理解はできるわけでございますが、保険料を不当に低額にとどめるということは私は適当ではない、そのような措置をとれば後代、後から続く者に対して非常に過重な負担を、保険の設計から見まして後代に過重な負担をかけることになりまして、世代間に著しい負担の不公平を生ぜしめることにもなるわけでございます。このような事態を避けるためには給付水準の改定に当たっては、保険料についても適正な増額を図る必要があると考えております。今回の給付水準一・四八倍に引き上げることに伴いまして、この給付を行うために現行保険料の約一・九倍の保険料を徴収する必要があるわけでありますが、具体的なこの保険料の額については農家の負担能力等をも十分考えまして、一時的かつ急激な負担の増高というものを避けるために三年間にわたって段階的な引き上げを行うことといたしておるわけでございますから、その点については保険設計の中においてはわれわれとしては農家の負担の軽減ということについてはできるだけ配慮をいたしてきておるわけであります。
#171
○政府委員(岡安誠君) 保険料の考え方はいま大臣からお答えしたとおりでございますが、では、具体的に今回の改正で農業所得に対するウエートはどうかと、それでよろしいのかという御質問でございますが、今回の改正が通りますと、五十二年一月から農業者年金の保険料は二千四百五十円になるわけでございますが、それと同時に、農家の方々は国民年金にも加入することが前提でございます。国民年金につきましては五十二年四月から、今回の改正が通りますと二千二百円ということになります。そうしますと、農家で考えた場合、夫婦二人で農業者年金とそれから国民年金の掛金は月で七千二百五十円、これは年間に直しますと八万七千円ということになります。この八万七千円が農業所得に対してどういう割合を占めるかということでございますけれども、この八万七千円を五十年度の農業所得――これは推定も入りますけれども、それと比べますと、そのウエートは四・九%ということになるわけでございます。じゃこの四・九%が高いのか低いのかという問題になるわけでございますけれども、これはほかの公的年金の負担と比較しなければ必ずしも高いか安いかは言えないわけでございますが、ほかの年金等を比べますと、大体、いろいろ幅はございますけれども四・一%から五・四%ぐらいの間にいろいろばらついているわけでございまして、この農業者年金がらみの農家の負担というものは大体その中に入るということで、大体妥当ではなかろうかというふうに私どもは考えている次第でございます。
#172
○小笠原貞子君 妥当だというふうにごらんになっているということですけれども、いまおっしゃいましたように、農家単位で見ますと七千二百五十円、年間八万七千円というような額が果たして妥当と農家の皆さんが思っていらっしゃるかどうか。そこが問題だと思うわけで、で、私たち農家の皆さんといろいろのお話をいたしてみますと、先ほども言いましたように、いまの農業の経営というのは非常に苦しいという中で、年間八万七千円というのは非常に大きな負担だということは、私はやっぱり否めないのではないかと、そういうふうに考えざるを得ないわけです。で、発足当時は七百五十円の保険料に決まりました。その当時の議事録などを見てみますと、国民年金保険料が定額分、配偶者を含めてその当時千二百五十円になりますと、これに農業者年金保険料を加えまして二千円以内で抑えるように配慮をして、慎重に考えていきたいということを、当時の池田農政局長が委員会で御答弁になっていらっしゃったわけなんです。大変慎重に農家の負担を考えて、二千円以内で抑えたいというような姿勢というのは大変私は結構だったと思うわけなんです。ところが、今回になりますと、いや、妥当だというふうにはっきりと自信を持ってお答えになりますし、それからまた七千二百五十円といいますと約三・六倍になっているというような点から見まして、やっぱり私が、ここでああ変わったなあと思ったことは、その当時は、少なくとも農家負担を考えて慎重に検討いたします、というような御答弁だったけれども、今度の場合には、給付の改善がある、だから高福祉だと、だから高負担で、これは当然なんだ、というふうな考え方に、はっきりと変わってお立ちになったというふうに考えられるんですけれども、その点いかがでございますか。
#173
○政府委員(岡安誠君) 確かにこの制度発足当時におきましては、農家の方々には国民年金に加えて農業者年金の保険料をお支払いになるわけでございますので、その合計額が農家に過重な負担にならないようにということを十分配慮いたしましてそういうような数字になったわけでございますが、今回も当然私どもは、水準が上がればその水準に合わして――農家負担は幾ら上がってもよろしいと、そんなことを考えたわけではございません。現にこの農業者年金制度、今回の制度改正をお願いする前の総合的な国庫負担の割合は四二・九%になっておりますが、今回は後継者に対する負担軽減等を考えますと全体で四六%という、きわめてほかの年金制度に比べますと高額な国庫負担をいたしているわけでございます。常に私どもは、その水準と合わせて、保険料につきましても、農業所得、それから農家所得、農家経済余剰というものと比べまして、過重な負担にならないようにということを常に配慮しておりますし、今回も平準の保険料を直ちに適用いたしますと急激な農家負担の増高を来たすということで、三年間にわたって順次これを引き上げるという措置も講じておりますし、私ども、やはり負担能力というものを常に考えながらこの制度を運用しているつもりでございます。
#174
○小笠原貞子君 それでは、今後これで一体どうなっていくんだろうかということの見通しをお伺いしたいと思うんですけれども、今度の改正でも、死亡率、経営委譲率、年齢構成等財政計算基礎となるところが、手直しはされていないというふうに御説明いただいたわけですけれども、死亡率で言いますと、年々寿命は御承知のように延びておりますし、経営委譲率につきましては、政策的に一生懸命高めようと非常に、使用収益権というものも設定された、当然、経営委譲率を高めるというふうにお考えになっていらっしゃるし、結果もそう出てくるだろうと。また年齢構成を見ますと、四十歳以上が八割を占めるということになってまいりますね。そうすると、受給者というのは年々拡大されてきます、当然。そして一方、被保険者である若い人たちが入ってくるかというと、この方は大変見通しが暗くて先細りになってくる。こういう現実の前で、給付改善をしようとすれば、それだけ過去にさかのぼっての過去勤務債務というものが莫大になってくるというのは、これ当然数字として出てくるわけですね。そうすると、今後、保険料の大幅値上げの要因というものがこういうふうに出てくるわけなんですけれども、こういう点でどういうふうに今後見通し、お考えになっていらっしゃるかどうか。
 それからついでにお伺いしますけれども、経営委譲率について、六十歳で委譲率二五%、それから六十歳から六十五歳で三八・九%というふうに見ていらっしゃる。この率でいっても給付現物の五割くらいもう占められてしまうというようなことになる。だから、さっき言ったように非常に、給付を少しでも改善しようと思うと過去にさかのぼっての勤務債務というもので膨大になってきて、一体この農業者年金というのは先どうなるんでしょうか。先、破滅しちゃうんじゃないか、パンクして大変なことになるんじゃないか。そうでなければ、莫大な保険料で取っていかなきゃならないということになって心配になるわけですけれども、その辺見通しと対策についてどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#175
○政府委員(岡安誠君) まず、今回の数字計算の基礎はどうかということでございますが、詳しい御質問でございますと厚生省にお願いしてありますので、厚生省でお答えがあると思いますけれども、これは先回の改正が四十九年度に行われたということで余り、計算を行います基礎に変化がないということでいろいろなデータは据え置いております。今後さらに再計算をする場合に、必要があればそのときに手直しをするということになるわけでございます。
 それから将来どうなるのかというお話でございますけれども、確かに現状のように先細りといいますか、逆三角形のような形の加入者の年齢構成によりますと、このままでいけばだんだん後代負担が多くなるということになりますけれども、現在この制度は完全積立方式でもって計算をいたしておりますので、条件さえ変わらなければ、これ以上の負担の増高はないわけでございます。しかし、おっしゃるとおり、変わり得る要素はあるわけでございまして、人間の余命がふえればふえるだけ給付がふえますし、それから経営委譲が、現在大体六十四歳まで約四〇%ということで計算をいたしておりますが、これは今後相当ふえることも考えられます。そうなりますと、そこの計算の基礎は変わります。ただ、逆に財政上緩やかになる要素としましては、私ども大いに努力をいたしまして、若年齢層の経営加入、これをもう少し促進をいたしたいと思っておりまして、そのために今回の制度改正もそこに重点を置きましてお願いをいたしておるわけでございます。そういうことを考えますれば、必ずしも近い将来この制度がパンクするというふうには考えておりませんので、それは私どもは、ひとつできるだけ高い給付水準を維持しながら農家に余り過酷な負担にならないような保険料を維持する方法はどうかということを、やはり今後とも工夫をこらしてまいりたいと思っております。
#176
○小笠原貞子君 本当に後継者がどんどん生まれる、若い人たちが学校出て農家に働く、農村で経営者になるということになれば、そんな、心配ないんですけれども、幾ら明るい展望を見ようと思っても、現実から見ますと、どうしてもいまおっしゃったように被保険者たくさんというようなところは大変困難な条件に置かれている。これだけではなくて、農業に対する政策全般から見まして、それで私は大変心配するわけなんです。いまでも大変過酷だと私は言えると思うんですね。それがまた、これからもうちょっとの給付改善で、大きく上がるということなればこれは大変なことだと思うんです。現在でも大変だというたくさんの方たちに会いまして言われることは、具体的にこういうことをしていただけないだろうかと、たとえば保険料ですね。とてももういま払えないよ、というようなときに、保険料を猶予してもらいたいと、当然その分は年金に積み上げていくというようなことはしていただかなくても結構だけれども、ちょっと待っていただきたいと。やっぱり八万七千円という大きなお金になってしまうということ、そういうことがございますね。それで、延滞金というようなものもなしにしてもらいたいと、それから免除――しばらくの間自分の生活、もう組勘赤字で生活費さえも持ってこれないというようなときには免除してもらいたいと。そして払えるようになってから、また復活できるようにというようなのが、具体的ないまの問題として要求が出ております。私は、当然の要求だと思うんですけれども、この点についてはどういうふうにお考えいただけますか。
#177
○政府委員(岡安誠君) いま先生の御指摘のように、国民年金制度におきましては、生活保護を受けている方々等につきましては、保険料の支払いが困難というようなことで保険料の免除措置が設けられております。しかし、この場合につきましては、その被保険者への給付は国庫負担分だけは要るということになっております。そういう制度を農業者年金制度案の中に取り込んだらどうかという御意見でございますけれども、この農業者年金というのは、やっぱり生活保護を受けておられるような世帯がいるかどうかというような問題は別にいたしまして、やはり農家らしい農家、または将来とも農家として持続していくと考えられるような農家というものを対象としておりますので、もし問題があれば、一時的な災害を受けて現金支出が非常に困難という場合が考えられますけれども、この場合には、私どもの農業者年金制度には二年間保険料の納付につきましては猶予期間がございます。したがって、これらの制度を活用いたしますれば、国民年金制度のような免除、軽減という措置は要らないんではないかというふうに考えておりまして、いま現在、そういうことは考えておりません。
#178
○小笠原貞子君 それじゃ、ちょっと具体的に伺いますけれども、六十五歳までに移譲しなければなりませんね、それから後継者の方は三十五歳まで――三十五歳未満ですか、移譲される方の年齢が。年齢があるでしょう。六十五歳までで譲らなきゃならないという年齢と、それから譲られる方は年とったんじゃ困ると……。
#179
○政府委員(岡安誠君) いや、それは構わないです。
#180
○小笠原貞子君 それはいいんですか。そしたら、六十五歳の場合で考えても、たとえば譲りたいという息子やまた第三者に収益権を譲りたいと思っても、その人が働いている、働いている関係でもうちょっと待ってもらえればやれるというようなとき、六十五歳までにというのは誕生日ぎりぎりで、きちっと正確でなければだめなんですか。ちょっと一月おくれたとか、半年おくれたとかいうようなときにはもうばっさり切っちゃうと、そういうことなんですか。
#181
○政府委員(岡安誠君) これはやはり経営移譲を促進をする、適期に経営移譲をしていただく、そうして若い人に責任をもって農業経営をしていただくということから、まあこれは、大まかに見まして、大体六十五になりますと、その子供さんは大体四十前後になるわけで、四十を過ぎた後継者というのもいかがかということも考えられるわけです。やはり若いうちに責任をもって農業をしていただくということから、親の方は六十五に切っておりますので、これは満で計算いたしますので、一日を過ぎれば資格を喪失をする。子供さんの方は三十五歳というお話がございましたけれども、これは後継者加入をいたしまして、今回の保険料の負担軽減を受けられる限界を三十五歳ということにしているということでございますので、年齢要件、移譲の場合の要件ではございません。
#182
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
 それでは次に、老齢年金をもうちょっと伺いたいと思うんですけれど、高い保険料だと先ほどから言っておりますけれども、これだけ払って一体年金としてどれだけ支給されるのかというような点、非常に関心があるわけでございます。で、今回の給付改善は、経営移譲年金、老齢年金ともに一・四八倍というふうになっているわけですけれども、絶対額を調べてみますと、六十五歳までに経営移譲ができないで老齢年金だけしか受給できないという方たちの立場というのは非常に損ですね、数字でこう計算いたしますとね。私たち、もう特に主婦なんかというのはすぐ計算しますよ、何ぼ納めて何ぼくれるのだということを。それで私も計算してみたんですよ。そうすると、たとえば二十年間保険料を払って、六十歳で移譲をして、それで八十歳で死んだと、こういうふうに仮定して計算いたしますと、六十歳から六十五歳までは経営移譲年金というのが五万二千円もらえますね。その五万二千円の十二カ月の五年間もらえるわけだから、三百十二万もらえるという計算になったわけです。それから六十五歳以降も当然経営移譲年金として五千二百円ですね、今度は。五千二百円の十二カ月で十五年で九十三万六千円というのがもらえるわけですね。それにプラス老齢年金というのが一万三千円出る。一万三千円の十二カ月で十五年間出ると二百三十四万老齢年金もらえる。そうすると、経営移譲した方は、いま言ったような三つですね、三つ重ねますと六百三十九万六千円入るわけですよね。ところが、経営移譲できないところの方は二百三十四万しかもらえない。一方は六百三十九万、約六百四十万もらえるけれども、一方は二百三十四万しかもらえない。実にこう差がひど過ぎるのではないか。このことをちょっと問題だと思うんですね。それをひとつお伺いしたいことと、それから――まずそこのところの、大変な差があって不利益になるということをどう見ていらっしゃるか、お伺いしましょう。
#183
○政府委員(岡安誠君) これはやはりこの制度の特色でございまして、毎度お答え申し上げていると思いますけれども、農業者年金は単に農業者の老後保障だけでなくて、やはり経営の近代化、農地保有の合理化というものを企図をいたしておりますので、適期に経営移譲をされている方につきましては、これはやはり制度の重点といたしまして、年金も国民年金よりも早く支給するということにもなりますし、それから六十五歳以降におきましてもさらに上乗せをいたしまして、経営移譲年金の十分の一を加算をするという優遇措置、確かにそういうことになっております。で、これを全く一緒にいたしますと、これはその年齢要件のみによって年金を交付を受けるというような、いわば国民年金と全く同じような性格の年金になってしまうわけで、それは国民年金の充実ではどうかという議論にもなりますし、農業者だけにこういう恩典を与えるのはいかがかと、これは農業者年金制度を創設するときにもずいぶん問題があったわけで、中小企業その他と比べてどうかという議論がずいぶんありました。しかし、これはやはり政策年金といたしまして、そういう農業政策に寄与していただくということによってこういう年金の存在をお認めいただいたという経緯もございますので、これはやはり何もしないで年齢要件のみで、その農業者年金をもらえるという制度を存続させるということは非常に問題がある、非常にむずかしいというふうに考えております。
#184
○小笠原貞子君 そこのところの考え方なんですね。確かに政策年金だということはわかるんですよ。それじゃ、後継者をちゃんと持ってそれで譲れるという農家を見ますと、大体やっぱり大きくやっていらっしゃって、後継者もそこでやれるというところが後継者に譲れるわけですね。言ってみれば、豊かな農家ですよ。後継者がなかなか見つからないなんというところは、やっぱり言ってみれば、大変経営が苦しいというところ、まあ特殊な例があるかもしれませんけれども、一般的に言ったらそうだと思うんですね。そうすると、いまおっしゃったように、移譲できる人、まあ一般的に言えば、豊かな方の後継者もちゃんといるというところには六百四十万上げる、そして、あとのところは一生懸命そっちにつぎ込んでしまうから、自分のところには二百三十四万しか当たらないということで、まことに政策的にも中小の苦しいところが見捨てられていく、冷たい、そういうものだということを指摘せざるを得ないわけなんですよ。そしてまた、老齢年金だけの対象の数字見ますと、毎月三千円の払いということで、簡単に計算いたしますと二十年間払わなければなりませんね。
 それで、やっぱり私なんかも、少しでも利子のいいところというと、いま一番いいのは信託ですよね。信託の金銭と、それから貸し付けと組み合わせいたしますと一番いいということなわけですよ。それて計算しまして――組み合わせしないで五年もの信託にしますと八・一%になるんです。計算してみたんですよね。そうすると二十年後、三千円ずつ二十年払っていきますと元利合計で百七十八万八千円になるわけなんです。二十年後にすぐに利子分だけをもらうとすると、その利子分だけでも一万二千円もらえるわけですよ。ところが、これの年金みたいに、六十歳まで毎年三千円ずつためて、そして六十五まで寝かしてしまいますと、そこにまた元利に利子がつくということになりますから、五年間寝かせて、そうして利子だけ幾らになるんだという計算したら、利子だけ一万五千円なんですわ。そうすると、利子だけで一万五千円もらえるんだから、農業者年金でもらう一万三千円よりたくさんもらえる。しかも、元金というものが残るわけですね。元金は残って利子だけで年金よりも二千円も多くもらえるということになったら、私、みんなそっちやりなさいよ、と宣伝して歩こうかといま思っているんですけれども、大変な差になってくるわけです。これが信託だけですから、さっき言ったような組み合わせ信託なんというのになりますと、八・一%でなくてたぶん一一%くらいになるわけですね。
 そうすると、全くこうやって利子よりも少ない額しかもらえない。そして元金はもちろんなくなってしまう。そういうものが、経営移譲したところにみんなつぎ込まれてしまう。まさにひどいじゃないかという結果になるんですね。どうなんでしょうか。
#185
○政府委員(岡安誠君) 確かに、ある特定の方が絶対に経営移譲はできないという人が、農業者年金に入って計算をされれば、先生のおっしゃるような計算が成り立つと思うんですけれども、これは農業者年金制度はだれでも経営移譲はできるわけです。年齢六十歳を超えますと子供に移譲してもよろしいし、子供がないときというお話ですけれども、子供がないときには第三者に移譲されればこれはできる。私どもは、すべてに門戸が開かれている制度で、そのことが農政上私は好ましい方向であるというふうに考えているわけですから、それをおやりになれば先生の計算以上の金がいただけるというふうに仕組んである。ただ、やむを得ずいろんな事情がありましょう。ですから、そういうときに、できない場合には、完全な掛け捨てでなくて、老齢年金としてこれを給付をする。老齢年金もこれは元本だけでなくて、先生のおっしゃるような一割近いような利子計算にはなりませんけれども、その一定の、何といいますか、利子部分は保証されているというかっこうになっておりますので、私どもはやっぱり制度の仕組みそのものは全体から見ましても四六%国庫補助があるということは、これは有利であるし、だれでも経営移譲ができる仕組みになっているということを考えれば、先生おっしゃるように、これは特定のものにきわめて不利な仕組みになっているとは私ども考えておりません。
#186
○小笠原貞子君 いや、考えないって言ったって具体的にそうなっているじゃないですか、いま私が言ったみたいにね。経営移譲できないものを三千円ずつ積み立てて、利子だけで一万五千円ももらえるのに、元金みんな取られちゃって、それで一万三千円しかもらえないとなると……。もうどう考えたって数字の方が正しく出てきますよ。それはもう国庫で四六だか何だか出して、確かにお出しになっているけれども、それは老齢年金だけもらう人の方にはかぶってないですよ。みんな経営移譲する人にもう大変なものを出そうというところにかぶっているんだから、だから私が言うのは老齢年金だけしかもらえない人たちにとってはまことに不利な扱いしかされてないというところですね、私が言いたいところは。で、事実そうなっていると思うんですよ。こういうようないろんな意味もあろうかと思いますけれども、衆議院の農水委員会でも附帯決議が出されて、その第一項で老齢年金支給開始までに「速やかにその引き上げを図ること。」というふうに書かれていますが、この点をどういうふうに考えていらっしゃるかどうかということです。
 それから、経営移譲すればいいと、まあ開かれてますから経営移譲すればそんな損にはなりませんよ、というお答えでしたけれども、移譲率は六十歳で二五%、六十五歳までで約四〇%というふうにごらんになっていますけれども、その根拠は一体どこからどういうふうにお考えになってお出しになったのか。そうすると、約四〇%が六十五歳までに移譲する、六割以上が移譲できない、しないということになるわけですね。そうすると、移譲しないというこの人たちはどういう考えでもってそういうことになっているのか、というようないわゆる農民の方たちの意向調査と申しましょうか、そういうものをおとりになったことがあるかどうかお伺いしたいと思います。
#187
○政府委員(岡安誠君) 最初に、農業者老齢年金の扱いでございますが、衆議院でもそういう附帯決議がついております。私どもはいま御指摘になりました農業者老齢年金は実はこの開始が始まるのは昭和五十六年からで、まだ間がございますので、私どもの基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、もちろん農業者、農業団体にもいろんな御意見があろうかと思いますので、それらの意向等も十分参酌をいたしまして、できる限りこの水準の引き上げには努力したいというふうに考えております。
 それから四〇%というお話、六十五歳まで経営移譲するのは四〇%、どういう根拠かというお話でございますが、これはこの制度を仕組みます際に、厚生省でアンケート調査をいたしまして、その当時におきますその実態を、また意向等を調べたわけでございます。それに基づきまして、また制度が発足したらどうなるであろうかということを勘案をいたしまして決めた数字でございますので、その後、情勢も変わっているかもしれませんし、また現にこの給付が、いわゆる経営移譲年金の給付がことしから始まっております。これはやはりいろんな方面に刺激的といいますか、影響を与えると思いますので、この移譲率は将来私ども想定はやはり相当高まってくるというふうに思いますので、それらがはっきりいたしますれば当然それらは計算をし直しまして、また設計しなければならないというふうに考えております。
 なお繰り返して申し上げますけれども、私どもは四〇%しか計上してはならないとか、六〇%は計上しないで老齢年金をもらいなさいよ、ということを強制をしているわけじゃ全然ございませんので、これはたくさん率が上がることを希望し、そうすることがまたこの年金が喜ばれるゆえんであろうというふうに考えているわけでございます。
#188
○小笠原貞子君 確かに強制的に移譲しろというふうなこともないわけですけれども、なぜ移譲しないかというような意識調査など見てみましても、やっぱり具体的には後継者がいないというのが大きく出てますね。で、後継者がいると思ったんだけれども、実はそれが確実でなかったというようなことになります。で、日本の農業を守るためにも若返らせる必要があるし、後継者をどんどんふやさなければいけないということは、私、確かだと思うんですけれども、ただ、こういう移譲すればお金あげますよ、というようなことで、これで解決つく問題ではないし、もっともっとやっぱり根本的な問題考えなければいけないし、そのために農民が高い保険料を払って、そして決して有利と言えないような扱いを受けるということでは私は、せっかく御努力なすっても役に立たないのではないかという立場からいま申し上げたようなわけなんで、その辺についてこれからの農村の経営をどう安定させて、どう後継者をつくっていくか。そして、また移譲しなさいよ、ということも、それは息子に譲るんでも、やっぱり移譲するということはお年寄りにとって非常にさびしいことでございますし、まして後継者が息子でなくて第三者にというようなことになれば当然、自分は農業をやめて、というようなことになると、口でははっきり離農せよとは言わないけれども、結果的にはまだまだ働けるようなお年寄りが農業から離れていくと、大変生きがいをなくすというような結果になってしまうのではないか。そういう辺を考えていただきたいと思いますし、これについても本当にお年寄りの生きがいというものについてどう考えていらっしゃるか、というような点についての大臣のお考えも伺わせていただいて私はこれで質問を終わりまして、あとの分に時間回しますから、これで大臣の御所見伺って質問終わりにします。
#189
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまいろいろと御指摘があったわけでございますが、特に後継者の育成確保ということは、これからの農政を進める上において最大の課題であると言ってもいいんじゃないかと思いますが、その場合は、この農業政策というものを総合的に進めていく中に後継者に育ってもらう、そして農村に魅力を持ち、農業に魅力を、意欲を持って取り組んでいただく、そういう体制づくりというものをやはりやらなきゃならない。それには基盤整備も大事ですし、あるいはまた価格政策の整備も大事ですし、あるいはまた金融、税制等の改善といったことも必要でございますし、そうした一環としての――この農業者年金の改善というのもそうした後継者の育成確保という一環としてここにお願いをいたしておるわけでございます。そうした政策を総合的に進めることによりまして、これからの困難ではありますが、後継者の確保に対してはこれが進んでいくようにわれわれもあらゆる面に力を尽くしていかなきゃならぬと思いますし、また老後の保障につきましてもいろいろと――この農業者年金制度が二つの面を持っておりまして、一つの方はやはり辛後保障であるし、一つは政策目標である。で、いわば経営移譲といいますか、目的といいますか、はそうした政策目標にむしろウエートがかかっておる。この年金の制度は、そういうことが言えるわけでございますが、老後保障も大事でございますから、そういう点等は国民年金の制度との関連もあるわけでございますが、そういう点等も踏まえながらこれからも改善すべき点は改善するようにこれは関係当局とも検討もしなきゃならぬ面もあると思うわけでございます。
 同時に、老後の人たちに対してただ、年金支給ということだけじゃなくて、やっぱり農家のお年寄りに生きがいを与えるというようなことで、たとえば農耕をしながら、あるいは畜産をしながら、一つの生きがいを持っていただくというようなことで、シイタケ栽培であるとか、あるいは牛の肥牛経営であるとか、そうした面についても政策的にいろいろと施策を進めておるわけでございますから、そうした全体的な総合的な政策というものをこれから積極的に進めるということが最も大事であろうと。これは食糧自給力確保という――食糧自給力を高める、国民食糧を確保するという、最近の世界の情勢の中にあって非常に重要な課題に取り組んでいくことになったわけでありますから、そういう点も踏まえてこれからも努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
#190
○委員長(小林国司君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認めます。
 これより農業者年金基金法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
#192
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、農業者年金法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行うものです。
 反対の第一の理由は、本法案が今日の深刻な不況インフレのもとで営農と生活が脅かされている農民に対し、余りにも重い保険料を強いるものになるからです。すなわち、保険料は現行の一・四八倍に引き上げられ、以後段階的に二倍にまで引き上げられるというこの法案が通りますと、農民負担は三千二百九十円と、昭和四十六年の制度発足当時の実に四・四倍という急激な負担増となるのです。しかも、農業者年金制度は国民年金の上積み制度であり、加入者は当然国民年金の定額、比例部分にも加入しております。国民年金の保険料引き上げを加えますと、毎月の負担は現行の四千八百五十円から五十二年四月には一・五倍の七千二百五十円にもなり、このような大幅な負担増はとても容認できません。
 反対の第二の理由は、本年金制度が経営移譲を促進するという政策年金としての性格がますます強められ、加入者の中でも経営移譲しない者が一層ひどい不利益をこうむるということになるからです。
 六十五歳までに経営移譲せよといっても、現在の多くの農民は譲るべき後継者がいないというのが現実です。政府の計算上でも六十五歳までに経営移譲ができず、老齢年金しか受けられない者は六割以上と見込まれています。この方々にとっては、今回給付改善されたとはいえ、毎月三千円の保険料を二十年間払い、六十五歳から受ける月々の年金はわずか一万三千円にすぎないのです。
 一方、経営移譲した加入者には六十歳より月々五万二千円の年金が支給されるというものです。これでは経営移譲できる比較的有利な条件にある少数の農民への年金支給のために、経営困難な多くの農民が過大な負担を負わされるという結果となり、まさに相互扶助の精神にも反するものだからです。
 第三の理由は、本改正案で改善面として評価し得る保険料の軽減措置において、その対象となる後継者に不当な制限を加え、後継者対策に新たな選別を持ち込んでいることです。
 六十歳で経営を移譲させるという政策的なねらいから、年齢を三十五歳未満に限定し、しかもその上、政令で平均以上の経営規模を持った農家と規定し、所得の高い層の保険料を所得の低い層よりも軽減するというもので、この点から見ても社会保障の根本理念にも反するものと言わざるを得ないのです。日本農業の将来を担うべく決意を持って農業に従事している後継者に対し、その経営規模によって差別することはどうしても容認できません。
 以上、本法案は、わが党が将来から指摘したように、中小零細農切り捨ての手段としての性格を強め、農民に対する真の老後保障のための年金制度の確立という方向とはますます相反するものと言わざるを得ません。
 したがいまして、わが党は、社会保障の根本理念に反し、いわゆる低福祉高負担の典型というべき本法案に反対するとともに、当面国民年金の支給年齢を六十歳に繰り上げ、夫婦月額八万円の支給を実現するなど、国民年金を一層充実させることとあわせて、年金制度の根本的改善を強く主張して、反対の討論を終わります。
#193
○委員長(小林国司君) 他に御意見もなければ、本案の討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#195
○委員長(小林国司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議が各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から提案をいたします。
 案文を朗読いたします。
    農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 農業者の老後の生活の安定及び農業経営の近代化が食糧自給力向上に果たす役割の重要性にかんがみ、政府は、年金給付等の一層の整備充実を図り、本制度への加入の促進対策をさらに強化するとともに、本法施行に当たつては、左記事項の実現に努めるべきである。
 一、本制度の政策年金としての性格にかんがみ、農業者の負担の過度の増嵩をきたさないよう国庫助成の一層の引上げに努めるとともに、現行の保険料の算定の基礎となつている完全積立方式についても他の公的年金の方式等をも考慮して検討を加え、保険料の軽減を図ること。
 二、農業者の老後生活の安定と後継者の確保に占める農薬者老令年金の重要性にかんがみ、すみやかにその年金給付水準を更に引き上げること。
 三、本制度の年金給付の額の自動改定の時期については、国民年金等他の公的年金の改定時期の繰上げが行われた場合には、それに即応した措置を講ずること。
 四、農業経営に占める主婦の地位の重要性、農業の家族経営の一体性及び保険料の掛捨て防止等の観点から、遺族年金制度を創設すること及び農業に専従的に従事する主婦等に対し年金加入への途を開くことについて検討すること。
 五、農業後継者に係る保険料軽減措置については、農業後継者の確保と年金加入の促進に資するため、対象要件の緩和に努めること。
 六、農業者年金について、所得等に応じ、充実した年金給付が受けられるような措置を検討すること。
 七、農業者年金の積立金の運用に当たつては、農業者への還元を旨とし、融資の円滑化に努めること。
 八、加入促進、経営移譲等年金業務の適正円滑な運営を図るため、業務体制とくに都道府県、市町村段階における業務体制の整備充実を図ること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは、本附帯決議案の採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安倍農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍農林大臣。
#197
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#198
○委員長(小林国司君) 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、本案の討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が、各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から提案いたします。
 案文を朗読いたします。
    昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、農林漁業団体の運営の円滑化と役職員の老後保障の向上に資するため、本制度の特殊性にも配慮し、健全な年金財政の確立、給付内容の充実等、その改善が一層促進されるよう、左記事項につきすみやかに検討を加え、その達成を期すべきである。
      記
 一、年金財政の健全性の保持に留意し、給付に要する費用に対する国庫補助率を百分の二十以上に引き上げるとともに、財源調整費を増額するよう努力すること。
 二、掛金に対する都道府県補助その他の公約財政援助措置の実現を期すること。
 三、遺族の生活保障を考慮し、遺族年金の給付水準の引上げに努めること。
 四、旧法年金については、最低保障額につき新法水準を考慮する等新法年金との格差を是正するよう努力すること。
 五、本制度の改善整備については、年金受給者の意向の反映に努めるよう指導すること。
 六、農林漁業団体職員の給与等その改善を指導すること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは、本附帯決議案の採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安倍農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍農林大臣。
#201
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
#202
○委員長(小林国司君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#204
○委員長(小林国司君) 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案及び野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
#205
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 現行農業災害補償制度につきましては、制度創設以来すでに三十年近くの歳月を経過しておりますが、その間に、この制度が災害対策として農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。
 しかしながら、農業災害補償制度の基盤となっている農業及び農村社会の実情は、近年、大きく変貌してまいっておりまして、これらに対応した制度の改善が各方面から強く要請されているのであります。政府におきましてもこれらの情勢にかんがみ、農業及び農業共済に関する学識経験者の意見を徴して慎重に検討してまいりましたが、その結果、補償内容の充実と合理化を図ること、農業共済団体及び農業共済基金の運営の改善を図ることを旨として、農業災害補償制度の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず第一は、農作物共済の充実と合理化であります。
 その一は、補償水準の引き上げでありまして、農作物共済の単位当たり共済金額は、従来、米麦の価格の九割を限度として定めていましたが、この限度を米麦の価格まで引き上げることとし、実損てん補割合の引き上げを図ることといたしております。
 その二は、引受方式の改善に関するものでありまして、現行の農作物共済には、耕地ごとに三割以上の被害があった場合に共済金を支払う一筆単位引受方式と農家ごとに二割以上の被害があった場合に共済金を支払う農家単位引受方式とがございますが、最近における被害の発生態様の変化等に対応して補償の合理化を図るため、これらの引受方式のほか、農家ごとに増収量と減収量を相殺して一割以上の被害があった場合に共済金を支払う農家単位引受方式を採用することができる道を開くことといたしております。
 その三は、水稲病害虫防除に関する共済金支払いの特例の新設であります。
 近年における水稲の被害の発生態様の変化等にかんがみ、共同防除体制が確立した地域において病虫害が異常に発生した場合に、病害虫防除を共同して行ったときは、当分の間、その防除に要した費用のうち一定額を共済金として支払うことといたしております。
 第二は、蚕繭共済の充実であります。
 最近における養蚕経営の変化、養蚕技術の進歩、被害の発生態様の変化等に対応して、補償の充実を図るため、共済事故の拡大、補償限度の引き上げ、蚕期区分の導入等の措置を講ずることといたしております。
 第三は、家畜共済の改善であります。
 近年における食糧需給の動向に対応して、生産の伸長の著しい肉豚を家畜共済の共済目的に加えることといたしますとともに、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみ、農家負担の軽減による加入の促進を図るため、牛及び種豚に係る共済掛金の国庫負担を大幅に引き上げるとともに肉豚についても共済掛金の国庫負担をすることといたしております。
 第四は、果樹共済の合理化であります。
 現行制度は、気象上の原因による災害、病虫害等のすべての災害による果実の減収を共済事故としており、その選択を認めないこととなっておりますが、新たに果樹裁培経営の必要性に見合った共済事故の選択ができることとし、加入の促進を図ることといたしております。
 最後に、農業共済基金の業務範囲の拡大であります。
 現行の農業共済基金の業務は、保険金及び共済金の支払いに必要な資金の貸し付け等に限られておりますが、農業災害補償事業の健全な運営に資するため、従来の業務に支障のない範囲内で、保険事業または共済事業の円滑な実施のために必要な資金の貸し付け等の業務を追加することといたしております。
 なお、以上のほか、農業共済団体の組織運営の改善、家畜共済に係る組合等の手持ち責任の強化等所要の改善整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案を提出する理由及び主な内容であります。
 次に、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 野菜生産出荷安定法は、指定野菜について、野菜指定産地生産出荷近代化計画の制度、その価格の著しい低落に対処する野菜生産出荷安定資金協会の制度等を定め、その生産及び出荷の安定を図り、もって野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的として昭和四十一年に制定されました。本法に基づく野菜生産出荷安定制度については、年々その対象野菜、対象地域等の拡大、価格補てん事業の内容充実等を行ってきたところであります。
 しかしながら、野菜の消費の多様化及び平準化、流通の広域化の進展等最近における野菜に関する諸事情の変化に対応して、野菜の供給の安定を図ることが急務となっておりますので、制度の対象となる消費地域の拡大及び野菜供給安定対策の実施体制の整備等を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次にこの法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、指定消費地域の要件の改正であります。従来、指定消費地域は、人口の集中の著しい大都市及びその周辺の地域に限られておりましたが、これを、今回、野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市及びその周辺の地域に改めることといたしております。これにより、価格補てん事業の対象となる出荷先である消費地域を拡大し、当該地域における野菜の供給の安定を図ろうとするものであります。
 第二は、野菜供給安定基金の設立であります。本基金は、野菜生産出荷安定資金協会と昭和四十七年以降消費地域において需給の不均衡に直接対処する事業を行ってきた財団法人野菜価格安定基金の機能を統合した上、新たな業務をも行うこととして設けられるものでありまして、野菜の生産流通及び消費について学識経験を有する者の発意により設立される法人といたしております。
 本基金は、既存の二法人が行ってきた指定野菜の価格補てんの業務、野菜の買い入れ、保管及び売り渡しの業務、野菜の保管施設の設置及び管理の業務等に加えて、新たに、指定野菜及びこれに準ずる重要な野菜を対象として都道府県の法人が行う価格補てん事業に対する助成の業務等を行うことといたしております。
 本基金の行う指定野菜の価格補てん事業につきましては、本基金の登録を受けた出荷団体を通じて生産者補給金を交付することといたしております。
 また、本基金に評議委員会を設けてその運営に関する重要事項を審議させることとする等の規定を設けております。
 このほか、野菜供給安定基金の設立に伴い、野菜生産出荷安定資金協会及び財団法人野菜価格安定基金はその一切の権利義務を新基金に承継して解散することとする等所要の規定を整備しております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#206
○委員長(小林国司君) 次に、補足説明を順次聴取いたします。吉岡農林経済局長。
#207
○政府委員(吉岡裕君) 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 まず第一に、農作物共済の充実と合理化に資するための措置について御説明申し上げます。
 その一は、補償水準の引き上げに関するものであります。
 現行の農作物共済において、災害を受けた際に支払われる共済金の額は、一筆単位引受け方式にあっては、各耕地ごとに、基準収穫量の三割以上の減収があった場合に、また昭和四十七年に導入されたいわゆる半相殺の農家単位引受方式にあっては、農家ごとに、被害のあった耕地の減収量の合計がその農家の総基準収穫量の二割を超える場合に、それぞれその超えた数量に単位当たり共済金額を乗じて算出することとなっております。この場合の単位当たり共済金額は、米麦の価格の九割を限度として主務大臣が定めた金額のうちから選択することとなっております。
 改正案では、この場合の単位当たり共済金額の限度を米麦の価格の十割まで引き上げることといたしました。この結果、全損の場合の実損てん補割合は、最高の単位当たり共済金額を選択した場合、一筆単位引受方式では七割、いわゆる半相殺の農家単位引受方式では八割、次に述べます新しい方式の農家単位引受方式では九割となり、従来に比し相当程度補てん内容を充実し得るものと考えております。
 その二は、引受方式の改善に関するものであります。
 現行の引受方式は、一筆単位引受方式といわゆる半相殺の農家単位引受方式であり、そのいずれかを組合等が選択することとなっておりますが、災害を受けた農家の所得を合理的に補てんするという本制度の目的に照らし、大きな災害に対し経済効用を十分に発揮する共済金の支払い方式として、新たに、農家単位で増収分と減収分とを相殺するいわゆる全相殺の農家単位引受方式を導入することといたしました。すなわち、近年普及が進みつつあるカントリーエレベーター等の施設を利用する等により農家ごとの収穫量を適正に把握できる地域においては、組合等の申請に基づき、農林大臣が地域を指定し、農家ごとの総基準収穫量から総収穫量を差し引いて得た数量が総基準収穫量の一割を超える場合に共済金を支払うことといたしております。
 なお、農業経営の安定及び制度の効率化を図る見地から、農家単位引受方式がより多くの組合等に導入されるとともに、この方式による共済事業が円滑に実施できるよう、本方式を導入した組合等の地域内の収穫皆無耕地については、農家単位引受方式によっては共済金が支払われないような場合であっても、当分の間、その耕地ごとに共済金を支払うことといたしました。
 その三は、水稲病虫害に対する損害防止給付に関する特例の新設であります。
 現行の農作物共済は、災害発生に伴う農作物の収穫量の減少について共済金を支払う方式をとっております。しかしながら、近年における水稲の被害発生態様を見ますと、耕種技術の改良、風水害の減少により、その被害量は全体としてかなり減少しているものの、病虫害による損害は相対的に増大する傾向にあること等にかんがみ、従来から、本制度における病虫害防止機能を拡充強化すべきである旨の強い要請があったのであります。このため、今回、共同防除体制が整備された地域において、病虫害が異常に発生し、組合員等がその病害虫の防除を共同して行ったときは、当分の間、その防除に要した農薬費、動力燃料費につき一定の限度で共済金を支払うことといたしました。
 このほか、農作物共済につきましては、水稲に係る病虫害の事故除外、いわゆる全相殺の農家単位引受方式及び水稲病虫害損害防止給付を農林大臣の指定する地域で行うこととしたことに伴い、組合等の区域内にこれらの地域が存する場合には、それにより区分される危険の程度に応じて共済掛金率等を定めるとともに、保険関係及び再保険関係もこの区分ごとに成立することといたしました。
 第二に、蚕繭共済の充実に資するための措置について御説明申し上げます。
 その一は、共済事故の拡充に関するものであります。
 近年、東北地方等の豪雪地帯を中心に、冬期間に桑の樹皮等が野そによる食害を受け、その結果、桑葉が減収するといった被害が発生しておりますので、新たに、共済事故として桑葉の獣害による減収を加えることといたしました。
 なお、この共済事故は、現行の共済責任期間の始期である桑の発芽期より前の冬期間に多く発生いたしますので、この共済事故を選択する地域においては、共済責任期間の始期を前年の桑の落葉期まで早めることといたしました。
 その二は、蚕期区分の導入に関するものであります。
 近年、養蚕施設の効率的利用、労力の平準化を図る等のため、多回育養蚕が普及し、かつ、それが定着している地域がございますが、そのような地域におきましては、その経営実態に即応して共済目的に蚕期区分を設け、その区分ごとに共済金の支払額を決定することといたしました。
 その三は、補償水準の引き上げに関するものであります。
 現行の蚕繭共済における単位当たり共済金額は、繭の価格の六割を標準として主務大臣の定める金額のうちから選択することとされておりますが、他の農業共済事業との均衡を考慮して、これ・を繭の価格の七割まで引き上げて、補償の充実を図ることといたしました。
 第三に、家畜共済の改善に関する措置について御説明申し上げます。
 その一は、共済目的の拡大であります。現行の家畜共済では、牛、馬及び種豚が共済目的となっておりますが、食肉資源に占める肉豚の重要性が高まりつつあること、肉豚の飼養形態が零細副業から多頭飼育へ変化したこと等にかんがみ、今回、家畜共済の共済目的に肉豚を加えるとともに、その共済事故を死亡とすることといたしました。なお、肉豚につきましては、従来の乳牛の雌、肉用牛、一般馬及び種豚と同様に包括共済対象家畜とし、加入農家が飼養する肉豚はすべて家畜共済に付されることといたしておりますが、飼養頭数が多数に及ぶ上、その飼養期間も短期間であること等にかんがみ、飼養区分ごとに引き受けと損害評価を行うよう諸規定を設け、その適正かつ効率的な運営を期しております。
 その二は、共済掛金の国庫負担の改善であります。
 現行の家畜共済の共済掛金国庫負担は、牛は、包括共済の場合原則五分の二とし、特に、飼養規模が、乳牛の雌に関しては三頭以上四十九頭以下の者、肉用牛に関しては三十九頭以下の者に対して二分の一とし、主として自給飼料によらないで乳牛の雌を飼養する者に対して三分の一とし、また、個別共済の場合五分の二としており、種豚は、三分の一を国庫が負担しております。
 以上述べました現行の共済掛金の国庫負担方式は、昭和四十六年における制度改正により定められたものでありますが、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみ、今回、共済掛金の国庫負担を牛については二分の一、種豚については五分の二に引き上げるとともに、肉豚についても三分の一の国庫負担を行うことにより、農家負担の軽減による加入の促進を図り、畜産経営の安定に寄与することとした次第であります。
 その三は、組合等の共済責任の拡充であります。
 現行の家畜共済では、末端の共済事業を行う組合等は特別の事由のある場合を除き、その総共済金額のすべてを農業共済組合連合会の保険に付し、連合会は、これを県ごとに取りまとめた上、そのうちの一定部分を保留して、残りの部分を政府の再保険に付することになっておりますが、組合の区域の広域化等に伴い、家畜共済についても一般的に共済責任の一部を組合等に保有させる条件が整ってきたこと等にかんがみ、改正法案では共済責任のうち原則としてその一割を組合等において保留して、その残りの部分を連合会の保険及び政府の再保険に付することといたしました。この結果、農家の負担する掛金の一部が組合等に保留され、組合等の責任ある業務執行が期待されるところであります。
 第四に、果樹共済の合理化に関する措置について御説明申し上げます。
 現行制度においては、気象上の原因による災害、病虫害等のすべての災害による果実の減収を共済事故とし、加入者が共済事故を選択することは認めないこととなっておりますが、最近における果樹栽培技術の向上、果樹経営の実態等にかんがみ、果樹の栽培条件が一定基準に達した農家につきましては、例えば病虫害といったその経営からみて必要性の少ない事故を共済事故から除外する旨組合等に対し申し出をすることができることとし、これに伴う掛金率の低下により、加入の促進を図ることといたしました。
 第五に、農業共済基金の業務及び組織の整備強化に関する措置について御説明申し上げます。
 まず、農業共済基金の業務範囲の拡充に関するものであります。
 現行の農業共済基金の業務は、農業共済組合連合会または組合等が保険金または共済金の支払いに不足を生じたときに資金の貸し付けまたは債務の保証を行うことに限られておりますが、近年における災害発生態様の変化により会員等の事業収支が改善され、農業共済基金の資金事情が好転していること等にかんがみ、今回、新たに従来の業務に支障のない範囲内において、会員等が保険事業または共済事業を円滑に執行するために必要とする資金について貸し付けまたは債務の保証の業務ができることといたしました。
 また、農業共済基金の組織につきましても、その事業執行体制を強化するとともに、運営委員会の構成等についての規定を整備することといたしました。
 以上のほか、農業共済団体の組織及び運営に関する規定を整備することとし、前述の組合等の区域の一部における事業実施に関する規定のほか、農業共済団体の自主的判断により、特定の場合に役員及び総代の選挙を省略できること等、事業運営の円滑な推進を図るための改正をあわせて行うことといたしました。
 最後に、この制度改正の実施時期でありますが、準備期間等を考慮いたしまして、原則として昭和五十二年度からといたしております。
 以上をもちまして提案理由の補足説明を終わります。
#208
○委員長(小林国司君) 今村食品流通局長。
#209
○政府委員(今村宣夫君) 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 第一は、指定消費地域の要件の改正であります。従来、人口集中の著しい大都市及びその周辺の地域で政令で定めるものとされておりました指定消費地域を、野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市及びその周辺の地域で政令で定めるものと改めることとし、相当規模の地方都市についても指定することができることといたします。
 第二は、野菜供給安定基金についであります。
 野菜供給安定基金は、次の業務を行うこととしております。
 その一は、指定消費地域における指定野菜の価格の著しい低落があった場合において、基金の登録を受けた出荷団体を通ずる生産者補給金の交付を行うことであります。
 なお、この登録を受ける資格を有する出荷団体は、従来の野菜生産出荷安定資金協会の会員たる資格と同じく、指定野菜を野菜指定産地から指定消費地域に出荷する農業協同組合連合会等としております。
 その二は、指定消費地域における一定の指定野菜の安定的な供給を図るためのその買い入れ、保管及び売り渡しを行うことであります。すなわち、タマネギ等をあらかじめ買い入れておき、価格高騰時に売り渡すものであります。
 その三は、指定消費地域における野菜の安定的な供給を図るための保管施設すなわち大規模低温貯蔵庫の設置及び管理を行うことであります。
 その四は、都道府県の公益法人が指定野菜及びこれに準ずる重要な野菜の安定的な供給を図るために行う価格補てんの事業で、一定の要件を満たすものについての助成を行うことであります。
 そのほか、野菜の安定的な供給を図るため必要な業務等を行い得ることとしております。
 以下、業務に関する事項以外の野菜供給安定基金に関する規定の概要を御説明申し上げます。
 設立につきましては、野菜供給安定基金は、野菜の生産、流通及び消費について学識経験を有する者七人以上が発起人となり、定款及び事業計画を農林大臣に提出して、設立の認可を申請し、所定の手続を経て成立することといたしております。
 管理に関しましては、野菜供給安定基金の役員の定数、任免等について定めるとともに、その運営に関する重要事項を審議する機関としての評議員会を置き、生産者と消費者の意向を調和して適正な運営を確保することとしております。
 このほか、財務及び会計に関する事項等を規定しております。
 第三は、野菜生産出荷安定資金協会及び財団法人野菜価格安定基金から野菜供給安定基金への権利義務の引き継ぎ等についてであります。
 野菜生産出荷安定資金協会及び昭和四十七年八月十六日に設立された財団法人野菜価格安定基金の一切の権利及び義務は、野菜供給安定基金の成立のときにおいて同基金に承継されるものとし、そのときにおいて、既存の二団体は解散することといたしております。
 このほか、施行期日に関する規定その他所要の規定を整備することといたしております。
 以上をもちまして、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
#210
○委員長(小林国司君) 以上で両案の趣旨説明及び補足説明の聴取は終了いたしました。
 これより両案の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#211
○神沢浄君 私は、まずこの農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法案から質問に入りたいと、こう思うのですが、率直に言って、今回の改正には私は、一定の評価ができるんじゃないかという感じを持っているわけです。しかし、そうは言っても、この改正でもってこの農災制度、まあ基金法まで含めて、農家の不満が解消できるような十全なものになったなどとはとうてい言えないと、こう思うわけです。大体、この制度が生まれましたのは、先ほどもお話がありましたように、提案理由の説明の中で。たしか二十二年以降ですからもう三十年は経過をしてきているわけなんですが、当初この米麦等主要農産物の補償を中心にして、言うなればあの時点におきましては、食糧危機の克服というようなことにこれ重点が置かれてスタートをしていると思うわけです。
 ところが、その後の経過というものを見ますと、これは政府自体の政策ですけれども、いわゆる農協法農政が展開をされてまいりまして、適地適産、畜産三倍、果樹二倍式の政策展開になってきておるわけですから、これはもう農業の態様というものが非常に著しい変化を展開をしてきているんですけれども、その変化に果して、この補償制度というものがついてこれたかというと、私は、これはもう忌憚なく言って、それこそいわゆる息を切りながら駆けてはみたけれども、とうていついてこれなかったというような感じを強く持っております。当局が非常に努力をしようとしたということは私は認めるのです。恐らくこの法案くらい改正の回数の多い法律はほかには余りないだろうと思うものですから、とにかく努力しようとした姿勢はあったと思います。あったですけれども、しかし、現実の問題として展開されてまいりました、しかも急速に変わってまいりました日本の農業の態様というものにマッチできなかった。こういうふうな点がこの制度に対して、やはり農民のサイドから絶えず不満が出ておった、というところに大きな理由があるだろうとこう思うわけであります。
 農業共済基本政策研究会というのが四十七年に答申を行っております。その要点の一、二に、「多様化している農家の保険需要を把握することが重要である。」こういうようなことがまず挙げられております。それには「発想の転換が必要である」と、こう提唱しているわけであります。私は、今度の改正案が一定の評価はできると冒頭申し上げましたが、発想の転換という、いわゆる抜本的な制度の確立という方向へのスタートとしては評価できても、いわゆる発想の転換というような内容になっているとは思えないと思うわけであります。たとえば最近の農業というのは大きく変わってしまって、私どもが聞いておるところでは、東海地方とか、あるいは近畿地方とか、瀬戸内の海岸の地域などというところは、もうこの制度というのは余り意味がないというふうなことになってきておる、こう言われている。無理はないです。野菜だとか特産だとかいうふうなものが主たるものですから。往年の米麦を大体基本に置いたようなものでは、大体もうその意味をなくしてしまっておる。これは事実だろうと思うのです。確かに言われてみますと、私は山梨ですけれども、山梨などでさえも、県庁の所在地である甲府市の近傍、甲府盆地――甲府盆地というのは山梨における米作の中心地帯だったわけです。ところが、その後の都市化と並行いたしまして、農業の様態というものは全く一変をしてきております。一緒に野菜の関係の法案が出ておりますけれども、大体いわゆる近郊農業とでも言うのでしょうか、野菜などを中心にいたしました施設園芸などが非常に盛んに行われてきておる、というようなことになってまいっておる現状から考えてみまして、確かに東海、近畿、瀬戸内などでもって、もうこの農災制度というのは余り意味がないというようなことが言われておる点が私は非常によく理解できるような気がするわけであります。
 そういうふうな観点からしまして、それではどんなような点がこの農民の方の不満の対象であったかとこう申しますと、いま申し上げてまいりましたように、いわゆる新たに展開される農業の態様というものについてこれなかった、具体的にはいわゆる対象品目などというふうなものがもう非常に限られてしまっておって、いまの農業のその現状というふうなものから考えると、制度として――ここに私、書き抜いてきておりますけれども、この補償法の目的は、第一条でもって「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的とする。」こうなっているわけなんです。目的は非常にりっぱですけれども、実際にはもうそれがほとんど機能できないような実態になってきてしまった。ここに一番問題が、農民側の不満の点があったではないかというふうに考えられるわけであります。
 したがって、これは私は大臣にひとつ率直に伺っておきたいと思うのですが、今回のこの制度改正というのをひとつスタートに、出発点にしまして、そしていわゆる発想の転換、新しい日本農業の態様というものにひとつできる限り対応していけるような制度の、抜本的な改正などということでなしに、いわゆる抜本的な見直しを行っての新たな制度の確立をやっていく、やっぱりそういう将来的な展望というものを、今回の改正法案を起点としてひとつはっきりこれは方向づけるべきじゃないかというようなことをまず私は主張いたしたいとこう思うわけであります。さらに、農民サイドからして非常に不満だとされました点は、それはやはりてん補内容というのが非常にむずかしい仕組みにでき上ってはおりますけれども、実際問題として、てん補内容というのがどうも農民側から見るとはなはだ不十分だ、こういう点だったではないかと思うのです。今度の法案改正でもってその点はある程度の前進的な姿勢というものを出してきてはいるわけですけれども、たとえば補償の最高限度というようなものを決めて、まず頭を押さえてある。それから、今度は被害の限界というようなものを定めて、いわゆる足切り、俗に言う足切りというやつを行っている。頭を押さえて足を取っ払ってあるわけですから、あとへは胴体が残るというだけのことであって、その胴体などについてもよくこの実務上問題になるところですけれども、基準収穫量等の関係でもってその胴体そのものも大変細くなってしまっておる。こういうようなところから、農民側からすると何としても制度は結構な制度だけれども、現実の問題としては満足できないという、こういう点がこれは大きくあったとこう思うわけです。そんなような点からしまして、この政策研究会の答申もやっぱり発想の転換を、いわゆる思い切っての改正と、それから新たな制度の確立を見出すべきではないか、こういうような意味のことがここに取り上げられておるんだろうと思うのですが、確かにそのとおりだと思うわけであります。
 以上のような見地から、繰り返すようでありますが、今回の法改正というのは、ただ単なる、いまここでもって論議をするだけの問題ではなくて、これを起点として、そしてこの農災制度というものを、ほんとうに新しい日本の農業の現実にマッチしたようなものにつくり変えていくという、こういうことでこの改正がスタートでなければならぬという点について、まず大臣の御見解を伺いたいと思うんです。
#212
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業共済制度につきましては、昭和二十三年発足以来幾多の改正が行われたこと、いま御指摘のとおりでございますが、これらの改正は農業、農村社会の変化に対応いたしまして、補償内容の変化、補償内容の充実を図ったものであったと考えております。それなりに対応してきたということでありますが、最近では昭和四十八年度から果樹共済を本格的に実施し、昭和四十九年度から畑作物共済及び園芸施設共済を新たに試験実施をしておる。これはいまもお話がございましたが、発想の転換というところまではいかないとしても、米麦中心からやっぱり果樹共済、さらに畑作物共済というようなところに方向を打ち出して進んでおるということは、この共済制度の大きな前進ではないかと思います。今回の制度改正は、最近における農業生産及び農家経済の実体に照らして、制度全体を見直して、地域的に多様化する保険需要にこたえて、補償内容の充実、共済目的及び共済事故の拡大など、制度の基本であるところの補償機能を拡充するとともに、農業共済団体等の運営、改善を図ることとしたところでございます。そして、今回の改正につきましては、広く農業団体等の意見も聴取したわけでございますが、これらの意見の大半を吸収をして、これを改正案の中へ盛り込んだものということで、現在の大きく流れております農業の動向に対処した措置であると、こういうふうに考えておるわけでございます。
#213
○政府委員(吉岡裕君) 全体として、いま大臣のお話のような方向で今回の改正は考えられておるわけでございますが、先ほど先生お話ございましたてん補水準の充実、引き上げということについて、一言私から補足してお話を申し上げたいと思いますが、今回の改正の中では、いろいろな作物についての補償水準の引き上げということを考えておるわけでございまして、たとえば農作物の一筆共済では、現行制度のもとにおきましては六三%というようなてん補水準になっておるわけでございますが、これが今回は七〇%というてん補水準になっておりまして、それから蚕繭につきましても従来の六〇%を七〇%に引き上げるということで、今回、従来のてん補水準を引き上げたという措置を含んでおるわけでございます。このてん補水準につきまして、たとえば農業者側に比例てん補方式をとったらどうかというふうな意見もあることは私ども十分承知しておるわけでございますが、こういう比例てん補方式というふうなことになりますと、非常に理論的な、損失てん補の方式としては理想的な方式ではないかと思いますが、非常に少額の支払いが多くなるとか、あるいは共済掛金が全体として非常に高くなるというふうな保険技術上全体の問題がありまして、私どもとしては、今回の改正に当たっては、個別の対象農作物につきまして、てん補水準の引き上げを図ったというような次第でございます。
#214
○神沢浄君 若干具体的な問題としてお聞きしたいんですけれども、この品目拡大というふうな点について、一緒にこの野菜の改正案が出ているんですけれども、畑作物の共済の、いま試験実施中ということなんでしょうけれども、あそこに定められた品目外のいわゆる野菜についてはどんなような構想を持たれていますか。
#215
○政府委員(吉岡裕君) 野菜でございますが、これは先生よく御承知のように、その商品の性格といたしまして、一般的に言えますことは、品目が非常な多種類にわたっておるということが一つございますことと、それから一般的に申しまして作付面積あるいは収穫量というものが非常に変動しやすくて一定しておらないということ、そういった結果、価格変動が非常にはなはだしいというようなことがございまして、保険技術上の問題として考えてみますと、引き受けあるいは料率、損害評価といったようなところに非常な問題があるわけでございまして、一般論として申しまして、これを共済制度の対象として仕組むということにはいろんな難点があることは御承知のとおりでございます。ただ、野菜と申しましても、いま申し上げましたような問題がある程度軽いものと言いますか、もうちょっとまとまりのあると申しますか、そういうものを考えてみますと、たとえば施設内でつくられます野菜といったようなものは、そういう野菜一般とはちょっと違った性格も持っておるわけでございますので、昭和四十九年度から園芸施設共済というのが試験実施に入っておりますが、これと関連をいたしまして昭和五十年度から主要な県に委託をしまして施設内野菜についての被害の関係でございますとか、あるいは栽培状況といったような基本的な調査をすでに始めておるわけでございます。こういう調査を進めまして、この施設内野菜についてまず検討を進めていくということが野菜についての第一歩ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#216
○神沢浄君 一般野菜が技術的にも非常にむずかしいということは、これは私どもだって十分理解できるところなんですけれども、しかし、さっきの発想の転換の中にもこれは入ってくると思うんですが、やっぱり都市近郊周辺の野菜作というのは、これは新たな日本の農業の状況の中でもって大きなやっぱり課題だと思うんですよね。共済の制度の中でもってこれがやっぱり技術的にむずかしくて救済不可能だということになったんじゃ、私は、これは制度そのものが問題にされざるを得ないじゃないかというように思いますし、むずかしくともやっぱり真剣に検討していくという姿勢が必要じゃないかと、こう考えます。
 それから、いまの施設内野菜ですけれども、試験実施中の制度というのは、あれは施設園芸ではなくて、園芸施設の方が対象になっているわけなんでしょうから、そうすると、いまお話がありました、一応あれですか、園芸施設が対象になっているわけなんだけれども、制度上は。まあしかし、その補償の対策の内容の中に施設内野菜というものを含んで考えていると、こういうような意味になるわけですか。それとも、それを別に独立をして考えるということにでもなるわけですか。
#217
○政府委員(吉岡裕君) 園芸施設共済の場合には、いまお話しございましたように、施設を対象にいたしますけれども、これに付帯する設備、それから施設内で栽培されておる農作物も対象とするということでいまやっておるわけでございますが、ただ、施設内農作物につきまして、やはり非常に個別的に評価をすることがむずかしいというような問題がございまして、現在、施設の評価額の二五%を評価額として引き受ける、こういうやり方でやっているわけでございます。それで、私が先ほど申し上げましたものは、これと関連をしまして、その施設の中の野菜そのものについて、これを個別に将来、保険の対象とし得るかどうかというような観点から調査をやっておる、こういうことでございます。
#218
○辻一彦君 ちょっと関連。
 施設園芸をいま試験をやっていると思うんですけれども、その試験の現在の状況と、それからもう一つは、施設園芸に対する共済制度の発足を早めてほしいという声が地方を歩くとかなり強いんですが、その制度発足の時期、早められる可能性があるかどうか、その二点についてお伺いしたい。
#219
○政府委員(吉岡裕君) 園芸施設共済でございますが、昭和四十一年から四十六年までの六年間にわたりまして農林省の委託調査を群馬県ほか八県で実施をいたしまして、料率の地域区分でございますとか、あるいは料率の施設区分といったような試験実施に必要な要件について調査をいたしました。
 それから園芸施設共済の試験実施でございますが、これは昭和四十九年度から主要な産地である三十県で実施をしておりまして、四十九年度の引き受け面積は設置面積のほぼ一割、千三百十八ヘクタールというのが対象になっております。総共済金額は百八十八億五百万円というふうなことになっております。それから台風、地域的な風水害、突風、雪害等の災害によりまして、昭和四十九年度の共済金の支払いは六千五百万円、試験実施一カ年間の収支状況は全体で三百六十万円という赤字になっております。そこで、試験実施は、要するに本格実施に備えまして料率算定に必要な被害率などの基礎資料の整備でありますとか、損害評価方法などについて調査を行うわけでございますが、適正な被害率の算定には最低三年ないし五年の被害状況のデータを整えるということが最低の条件として必要であろうということを考えておりまして、そういうことになりますと、昭和五十一年度、本年度でございますが、試験実施の成果、過去三カ年のデータを取りまとめまして、五十二年度には本格実施のための検討会、あるいは法案の国会提出といったようなことをお願いいたしまして、五十三年度に法律の成立を期待し、制度の普及、促進を図って、昭和五十四年度から本格実施に入るような、このような目標で私どもとしては、なるべく早く実施できるように努力をしていきたいということでいま取り組んでおるところでございます。
#220
○神沢浄君 それから対象品目の拡大の問題でもって、やっぱり一番目下のところ、農家のサイドからの要望の強いのはやっぱり果樹ですね。大変自分本位の引例をして恐縮ですが、私は土曜、日曜と二日間、いま私の県にスモモの非常に大きな被害が出ておりまして、これは気象の異常によるいわば冷害です。非常に二月ごろ早目に高温が続いたものですから花が早く咲いてしまいまして――一週間ぐらい早かった。そうすると、その後また零下何度というふうな日が続いてしまいまして、したがって、ちょうど受精の時期に低温のために生活反応がとまっちゃって、受精できずに終わっちゃっているということなんで、県の調査のここに報告が来ておるわけなんですけれども、山梨のスモモの栽培面積というやつは、県の調査で七百八十四成園があって、さらにいま新植のやつを加えると約九百五十ヘクタールぐらいになっているわけなんですが、その成園の面積の七百八十四ヘクタールに対して四百九十ヘクタール、六四%くらいがいま御説明したような、もう受精できなくて結実がないというような状況になってしまっているわけなんです。被害面積が四百九十ヘクタールでもって、収穫皆無に換算して大体二百五十ヘクタールというような状況になっておりまして、被害農家戸数は六千三百五十戸、これはもう大きな被害状況です。ここを回って歩いて、農災の関係はどうなるかと聞かれるんですが、もちろん制度の対象になっていないわけですから、皆さんだって掛金をしているわけではないから、まさか農災の方の救済を求めようとしても、それは理屈に合わぬじゃないか、というような説明もするんですけれども、しかし、農家の側からすると、やっぱりこれはもう必死のことですから、そういう要望というか、悲鳴が出てくるわけなんですね。私も、その際非常に強く感じたんですが、やっぱり共済制度というのが目的にうたっているような制度として整備されていかなければ、こんな大きな被害も農業災害であるにもかかわらずこの制度では手がつかない。これでは私はどうにもならぬじゃないか、ということを痛感をさせられたわけであります。
 そういたしますと、大体私の聞くところによりますれば、スモモというのは全国の栽培面積の八割ぐらいは私の県でもって占めているらしいんですが、したがって、いわばこれは地域的な特産ということにもなるのでありましょうが……。ついでに出た話でもって、たとえばサクランボなどもまだこれは対象外ですから、山形あたりにしてみますと、私の県にもかなりありますが、やっぱり地域的なこれは特産だけれども、そこの農業経済に占めるシェアというものはこれはきわめて大きいものがあるわけなんです。こういうような物をやはりこの農災の制度の中でもってこれを対象に拾い上げていくということは、これは早急に取り組まれなければ、本当にこの制度の目的というものを達成していくことはむずかしいんじゃないかということを私はつくづく感じさせられました。そういう観点からいたしましても、スモモの場合とかサクランボの場合とか、沖繩へ行ったときはパインのことを大変言われましたが、そういう問題であるとか、私の県などにおいても、一部にホップなんかの問題がありますが、こういうような物は、なるほどそれは全国的に見ればその比重は小さいのかもしれぬが、その地域におけるところの農業経済というものに対するシェアというものは非常に大きなものを持っているわけですから、この地域におけるところの農家にとってこれは重大なことであるわけなんですね。こういうようなものに対して、今後この制度の中でどう対応されていくかという点について伺っておきたいと思うんです。
#221
○政府委員(吉岡裕君) 果樹共済の対象品目を地域的に重要な果樹にまでなるべく広げていくべきではないか、という御議論であると存じますが、私どもも、果樹共済の中で、現在、果振法で指定をされました九品目について対象といたしておるわけでございますが、その品目をさらに拡大をしていくということについては、当然に保険設計に必要な被害率でありますとか、共済需要といったようなことの調査をやりまして、準備が整い、条件のあるものから実施をしていくということになるわけでございまして、五十年度にはカキ、栗、ハッサク、ポンカンなどといった指定柑橘が対象として追加になっておるわけでございます。そのほか、果振法の指定品目となっております梅、ビワ、桜桃といったようなものにつきましては、これまで被害率などの基礎調査を行ってきておりますが、その内容を見ますと、かなりいろいろ保険として仕組むのにむずかしい問題が出ていることも事実でございます。そういうことで、被害率などの補完調査を進めるという一方、共済需要というものを見きわめた上で、対象果樹にするかどうかということについてこれから検討をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 それから、スモモでございますが、これは現在、果振法の対象にもなっていないというようなこともございますが、山梨県等から非常に強い要望がございまして、昭和四十九年度から被害率等の基礎調査を行っておるということでございまして、今後、これらの結果を見た上で検討することといたしたいということでございます。ただ、先生十分御承知のとおり、保険でございますので、やはりいろんな基礎的なデータが掌握できることとか、あるいは危険分散というものが可能であるとか、一定の農家の負担掛金を余り上げるわけにはいかないとか、いろんな保険に伴う条件があるわけでございまして、その辺をどう個別の産品についてこなしていくのかというのが、いろいろ対象として考える場合の問題点であろうというふうに思いますが、この辺はいろいろのデータをそろえながら検討を深めていかなければならぬ問題であろうというふうに思っております。
#222
○神沢浄君 いま、たまたま御説明の中で、保険であるからという言葉が出ているわけですけれども、私も大体この制度を、ついでだから申し上げるんですけれども、一番大きい疑問を感じてならぬのは、これは日本のいわゆる農業政策の一環としての補償政策なのか、それとも、これは保険事業制度なのか、とにかく補償と保険のどちらに重点が置いてあるのかわからぬような、つきまぜたような制度で、この辺を私はやっぱり直していく。さっきの発想の転換ということの問題としても、かなり大きな意味を持つものじゃないかと思うんですが、きょうはその論議をするには時間がこれはありませんから、またほかの機会に回したいと思いますけれども、いずれにしましても、ひとつ政府が政策として畜産三倍、果樹二倍をやってきちゃったんだから、それで日本の農業の態様の変化が展開をしているわけなんだから、それに対応したような制度というものをこれはやっぱり確立をしていかなければ無責任ですよ。これは、むずかしいことはわかっています。それは技術的に非常に困難だということは、われわれも十分理解できます。しかし、困難だからといって、投げられちゃったんじゃ、これは農家としちゃどうにもならない。これはひとつ、本当に真剣な取り組みを私は要望してやまないわけなんです。
 そこで、大変ついでがてらみたいになって恐縮ですけれども、先ほども申し上げたように、被害地を回ってみると、これは農家とすると本当にあれですよ、もう必死の形相ですよ。ことしはもう肥料であろうと、生産資材であろうと、金はみんなかけちゃった。見ても、一本の木にいまピンポン玉の小さいくらいのものが二つか三つぐらいしかついていないような状況になっているというわけでしょう。これは、農家にしてみますとどうにもなりませんし、まあ、ある一地域へ参りましたらば、もうほとんど水田もないところであって、これは畑地ですからね、もうすべてスモモだと言うんです。そうすると、きょうからでも土方かせぎでもどこか探して出なければならぬというような、全く悲惨な思い詰めた状況がありました。そこで、とは言っても、農災制度でもってこれは対象になっていないんだからどうにもなる筋合いじゃありません。しかし、その行政という立場で、どうしたらいいかというのは、私なんか聞かれたってこれは答えようもないんですが、ですから、まあその農民の皆さんの声を代弁して、ひとつこの機会に私はまあ農林省にどうしたらいいかひとつ知恵をかしていただきたいと、こう思うわけです。
#223
○政府委員(澤邊守君) 山梨県下におきますスモモの異常天候障害につきまして、先ほど先生から被害額の県の調べがございましたが、私ども土曜にはそのような数字を聞いておりましたが、きょう聞きますと若干それより上回るというように聞いておりまして、六百八十七ヘクタール、八千五百九十七トン、十三億五千万というような数字を先ほど県から電話で聞いたところでございます。
 まあこれに対します対策といたしまして、先ほど来お尋ねがございますような、共済制度にする、あるいは共済制度の対象に加える、あるいはその他あわせて果振法による対象果樹に加えるべきである、こういう御要請も県から被害報告と同時に出てまいっております。これはいますぐというわけにはまいりませんので、果振の対象にするかどうかの問題につきましても、われわれといたしまして、今後慎重に検討したいと思います。
 当面の対策といたしまして、県でも独自にやっておるわけでございますが、私ども聞いておりますところでは、県が単独事業で果樹経営安定資金という制度がございますが、それの貸し付けだとか、あるいは天災融資法は、国の発動基準には今度のスモモの被害だけでは及ばないだろうということも考えているかとも思いますけれども、県単独の天災融資法にかわる山梨県版の農業災害緊急再建資金という制度がございまして、これから貸し付けをするというようなことを考えておるというような報告をもらっておるわけでございますが、国に対する要請といたしましては、やはり資金的な援助をお願いしたい、こういうことがまいっております。これは私の方の局の直接の所管でございませんけれども、まあ被害がはっきりしたところで、そういうことをお願いをしたいというようなお話はあわせて聞いております。
 それからなお、そういう資金対策とあわせまして当面の技術対策が非常に問題になると思います。これは、私どもも考慮すべき点は応援したいと思いますが、県ですでに独自にいろいろやっておるようでございますが、問題になりますのは、先ほどおっしゃいましたように、受精が障害を受けたわけでございますので実がなっていない。まあ一種の過剰な摘果をしたようなことになっておりますので、ところが肥料はかなりすでに散布をしておるということでございますので、新梢が徒長するというようなおそれがありますので、樹園地に緑肥を栽培するとか、あるいは緑肥を下種いたしまして、土壌表面の栄養分を、養分なり水分を奪取するというようなことも場合によってはやりたい。それからまた、新しい枝が出ますのを取るというようなことも、技術指導の対象として考えられております。それからわずかでございますけれども、結実いたしました果樹の葉枯れだとか、病気などにならないように周りの葉を摘むとか、あるいは薬剤を散布するとかいうような技術指導を普及組織を中心にしてやっておりますので、必要な場合にはわれわれとしても技術的な援助はしたい、かように考えております。
#224
○神沢浄君 結局は融資というようなこと以外にはないんでしょうけれども、県だけでもってこれはどうなるものじゃないんだから、そういうときにはやっぱり国の方では、とことんめんどうを見てくれる姿勢をお持ちですか。これは私の聞いたところでは、大体技能資金あたりに頼るよりほかはしようがないじゃないかということを言っております。技能資金といったって、また枠だなどという問題が出てくるわけであって、これは大臣にお伺いしておいた方がいいですね。――これはおたくめんどう見てくれますか。
#225
○政府委員(吉岡裕君) 金融マターでございますので、私から率直に一言申し上げますと、先ほどのような金額の程度でございますので、天災資金の発動は非常に無理だろうというふうに考えますが、そのほかの資金といたしましては、自創資金などという対応がいろいろ従来からの例としてあるわけでございますが、この自創資金の枠としては現在年度初めのことでもございますし、相当程度の枠が準備されておると思いますが、この辺、実情を県からも十分伺いましてよくこれから検討をいたしたいというふうに思っております。
#226
○神沢浄君 制度を将来どうするかというようなことは、これから検討するということも、さっきから検討ということが何回か出ましたが、しかし、被害が起こって金をとにかく、心配してもらわなければどうにも切り抜けができないというようなときに、技能資金あたりよりほか頼るものがないんじゃないかと、こう言われるほかに方途がないんだから、これは農家にしてみたら大変なことですよ。そういうときに、また今度は枠だなんということが行政上あるでしょう。そういうようなときに、これは国としてはもちろん、それは調査はなさってください。しかし、検討なんかされていただくようなことじゃ、これは、農家としてはとうていがまんも納得もできない、これはできる限りの実態に即しためんどうは見るというぐらいのことは言えるんじゃないですかね、このぐらいのことがぼくは言えなきゃおかしいと思うんですよ。
#227
○国務大臣(安倍晋太郎君) 災害についての緊急融資対象でございますが、天災資金の方は、これはなかなか、いま局長も答弁したように、災害の規模、その他から言って困難であるということですが、自創資金等につきましてはいま調査もしておるということでありますし、災害に対しては可及的速やかに農家の皆さんの要望にこたえるということは必要でございますから、最大限のこれは努力をいたしたいと思います。
#228
○神沢浄君 まあ、そこら辺でおきましょう。
 時間もだんだんなくなってきましたから改正の内容に若干触れますが、水稲の場合、全相殺方式を今度新たに取り入れているわけですね。これはもうすでに半相殺の実施はされているわけなんで、結局、私の聞き及んでおるところでは、まだ半相殺方式もそれほどりっぱな実績が上がっておるという状況でもなさそうですが、さらに加えて全相殺の方式を採用すると、何かちょっと見に考えますと、一筆方式もそのままで半相殺の実施中で、今度また全相殺を取り上げる。何か、店が商品を並べて、お客さんが一番買いそうなやつを仕入れていこうというような、新規にもう受け取りたくなるようなやり方だと思うのですが、そこで、全相殺方式でもって何としても疑問が残るのは、これはまだ足切りをするというのでしょう。全相殺というのは、要するに、被害収量も増収の分も全部計算をした上で、そうして被害については補償をしていくというのがたてまえというわけでしょう。そうすると私は、理論的に考えて全相殺に踏み切るならばなぜ比例てん補方式に入れないかという点が何としても疑問に残りますね。それともこれは何か全相殺方式というのは、一割の足切りを加えるということは、被害の評価などについても、法律ではそのことには触れていないにしても、被害の評価などについては何か特別な考え方というようなものを含めてのことですか。そうでなかったら、私は、全相殺でもって一割足切りということはどういう理由でやるのか、ちょっとわかりかねるんですよ、この辺どうなんでしょう。
#229
○政府委員(吉岡裕君) ただいまお話ございましたように、一筆方式の上にさらに半相殺農家単位方式を発足いたしましたのは四十七年でございますが、それ以降引き受け面積で見ましてもやはり逐年増加はしてきておりまして、四十七年の六%から五十年には一〇%という漸次増加の傾向にあるわけでございます。
 そういう過程でもう一つ全相殺農家単位方式というものを出したのはどういうわけかというお話でございますが、一つは、先生もおっしゃいましたけれども、保険的手法を便りということであれば民間保険もそうでございますが、やはり保険需要を喚起するといいますか、保険需要にマッチしたようないろんな保険の形式が出てくるわけでございますが、そういう面がないとは申しませんけれども、今回の全相殺の農単方式を設けました理由としては、現在半相殺の二割足切りというものをさらに足切り水準を引き下げる努力をしたい。しかも一方、農家の掛金負担はそれほど増高をさせないで補償のてん補水準を引き上げたい。そういう方式としてどういう方式があるだろうかということをいろいろ研究をいたしまして、今回カントリーエレベーター等の施設が設置をされておりまして、その農家の全体の収穫量というものが客観的に把握ができるような地域について、この全相殺方式というものを導入する道を開こうというのが今回の考え方なわけでございます。
 そこでなぜ、客観的な資料がわかるのに一割の足切りというものを置いたのかというお話しになるわけでございますが、その点につきましては、一つは、非常にわずかな数%というふうなものの減収量でございますとか、そういうことをいかに客観的に判断できる施設等がそろっておるかと申しましても、やはり非常にいろいろ損害評価についての困難が伴うという点が一つと、それから足切りなしということにいたしますと、もちろん、農家の掛金負担は相当程度上がらざるを得ない。したがいまして、全相殺農単方式というものは将来の方向として望ましい方向であるというふうに私どもは思っておりますが、その導入の結果がやはり農家の負担を相当上げてしまうということであってはなかなか推進上のメリットもございませんし、困難であろうというふうなことを考えまして、今回の一割足切りのついた全相殺農単方式というものを考えたわけでございます。
#230
○神沢浄君 とにかくやってみようということですね、これは一口で言うと。そんなような感じで私は受け取っているわけですけれども。農災の質問ばかりしているわけにもいかないし、野菜の方へ移らなきゃならぬと思いますが、あと一問だけお聞きしておきたいと思うのです。
 これは団体の方などからかなりそういう意見を聞かされるのですが、果樹の場合などは、何かミカンについては愛媛でやっているのだそうですけれども、言うならば、所得共済的な手法ですね。団体の方でPQ方式なんということを言っておるのですけれども、確かにそれは米とか、あるいは麦とかいうようなものは一方に価格の支持制度というものがある程度確立を見ておりますから、数量の保証をすればこれは車の両輪で動くわけですね。ところが、果実を初め、この価格支持制度がまだ確立されていないものについては、数量だけではべらぼうな価額の下落等変化があれば、これは実際制度というのは現実には生きないような結果が生じてくることは間違いないと思うんです。したがって、価格変動まで加味したような共済の方式というものは確かにこれは検討されるべきだとこう私は考えますし、私どもが聞き及んでおるところでも愛媛では成功をしておるということなんで、したがって、国でもやっぱりそういう取り組みが必要なんじゃないですかね。ちょっとその御見解を承っておきたいと思います。
#231
○国務大臣(安倍晋太郎君) 昭和四十七年の温州ミカンの価格の暴落を契機に、四国、九州を中心に価格変動を加味した所得共済の制度化についての要望があることは承知いたしておりますし、愛媛では実施をいたしておるわけでございます。これは、県としてやっておるわけです。価格の変動による損失につきましては、やはりその性格上、全国的に同一の傾向を示すわけですから一危険の地域分散の働く余地が少ないこと、価格の形成には社会経済的な複雑な要因がありまして、保険制度に必要な蓋然性の把握がきわめて困難であること等、共済制度にはなじみがたい性質があります。したがって、これを共済の中に仕組むことは技術的には困難である、いろいろと研究、検討はしたわけでありますが、技術的に困難である。しかしながら、果実の価格変動が果樹農家に与える影響は大きいわけでございますから、この点にかんがみまして、これを共済の対象とすべきであるという意見もありますので、これはいま御指摘のありました生産価格及び価格の安定施策の成果などを見ながら、自主調整等もやっていくわけですが、そうしたいろいろと施策の成果を見ながら、これは今後さらに調査検討の対象としてみたいとこういうふうに考えております。
#232
○神沢浄君 まだいろいろ私、問題点残していますけれども時間がありませんから、野菜の法案の質問をせずに終わってしまうというわけにもまいりませんので、野菜に移ります。後でまた多少なり時間の余裕でもありましたらまた幾らか農災の質問をさしていただきたいと思うのです。
 野菜の生産出荷安定法の改正法案ですが、これは私などの場合、全くのこれは素人で勉強も不足でございますので、イロハからひとつお尋ねをしたいと思うのですが、野菜生産出荷安定法に基づいてきょうまで制度運用がなされているわけですけれども、ひとつ、きょうまでの経過、実績というようなものを概略御説明を願いたいと思いますし、そうして今度改正を行う理由とするところは何か、というような点について御説明いただきたいと思います。
#233
○政府委員(今村宣夫君) 御存じのとおり、昭和四十一年に野菜の生産出荷安定法が制定されたわけでございまして、それからちょうど約十年たつわけでございますが、それから初めて野菜というのは政策として、国の制度的政策として講ぜられることに相なったわけであります。それで野菜生産出荷安定法は御存じのとおり、野菜の集団産地をまず育成をする、そうしてそこでの計画生産を行う。それからそこからの指定消費地域を決めまして、その指定消費地域へ計画的に出荷をする、そういうことによって計画的に出荷をする。それで野菜生産出荷安定資金協会というものがございまして、そこから低落時の価格補てんをするというのがその正規の仕組みでございます。これらの施策は逐年拡充がされまして、昭和四十七年には秋冬期の重要野菜に関する助成の拡充というのと、それから消費者対策としての財団法人の野菜価格安定基金というのができまして、そこで野菜の売買、たとえばタマネギでありますとか、バレイショというようなものを保管をいたして、高騰時にそれを売り渡すというふうな業務をいたしておるわけでございます。
 野菜は御存じのとおり、同法制定以来、国民所得の向上に伴いまして、需要が非常に伸びております。それから消費構造も御存じのとおり非常に変わってまいっておるわけでございますが、その間においてとにかく需要に対応し、そういう消費構造の変化に対応して今日まで来たことは、これはもとより生産者の非常な御努力によるところでございますが、私は制度そのものが果たした役割りも、やはり評価をされてしかるべきものではないかと思います。しかし、十年たちまして、野菜の生産消費を取り巻く事情は非常に変わっております。野菜の農業生産、国民消費生活に占めます重要性はますます増大をいたしておりますし、野菜の消費が非常に多様化をいたしております。それから平準化をいたしておるわけであります。それから流通が非常に広域化をしておるわけでございまして、最近におきますそういうふうな野菜をめぐります諸事情の変化に対応いたしまして、これまでの野菜生産出荷の骨組みはこれは動かす必要がないと思いますが、野菜の供給安定対策の強化を図るという見地から、制度の対象となります消費地域の拡大でありますとか、あるいは野菜供給安定対策の実施体制の整備というものを図ろうとするものでございます。この場合、農家が安心して野菜を生産できるようにすることは、野菜農家の健全な発展のためにも、また国民消費生活の安定のためにも非常に重要なことでございますので、今後とも価格安定制度の拡充に努めると同時に、需要に見合った生産の確保に努めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#234
○神沢浄君 この制度のやっぱり中心的なものは価格補てん事業ということなんでしょうが、この価格補てん事業というものの仕組みをちょっと簡単に御説明をいただけませんか。
#235
○政府委員(今村宣夫君) 生産出荷安定法に基づきます価格の補てん事業は、野菜価格が非常に著しく低落をしましたときに、その低落が生産者に及ぼす影響を緩和するというのが趣旨でございます。すなわち野菜の価格には相当な変動がございますが、異常に安くなった場合に、生産者が翌年野菜をつくるという意欲を失うということになってはいけませんので、そういうふうな著しい低落をいたします場合に、その下支えをするというのが価格補てん事業の趣旨でございます。
 そこで、野菜には野菜指定産地というのを指定をいたしてございますが、要するに集団化した指定の産地から指定消費地というのを指定いたしまして、その指定産地から指定消費地に出荷をする。その出荷をする場合に、それを共同で出荷をするという形を取り上げまして、それを制度の価格補てんの対象にいたしているわけでございます。この場合、保証基準額というのを決めますが、これは従来の野菜の趨勢値価格の大体九〇%を保証基準額にいたしまして、そうしてそれの大体、野菜によって違いますが、大体十割ないし八割を補てん率いたしまして、それだけの価格の低落いたしました場合に、保証基準額の大体九掛けのところをめどとして補てんをいたすわけであります。その場合、国は補給金の交付に必要な資金を助成をするということで国、生産者それから県がその補給金の積み立てを行っております。その場合の国の補助率は七〇%ということに相なっておるわけでございます。
#236
○神沢浄君 保証基準額の算定ですけれども、何か一時買い切り方式の趨勢値価格云々というようなことが書いてありまして、私どもにはなかなかうまくわからないようなやり方にはなっているようですが、しかし、時間の関係もありますから、その御説明を受けている余裕もないと思いますのですが、ただ一つ問題として考えられるのは、いわば市場価格の、簡単に言えば一定の限度を決めての平均ということになるんじゃないかと思うんですが、そうなりますと、それが必ずしも野菜生産者の側からしてみますと、いわゆる生産費を補償して再生産を確保するに値する、いわゆる補償する価格に当たるときもあるでしょうけれども、当たらぬ場面も出てくるんじゃないかというような点がどうしても疑問として生じます。したがって一この保証基準額の算定についてはやはり市場価格に待つというのみでなくて、はっきりと生産費というものを補償し、再生産を確保するための算定方式というようなものを、生産の側から生産のための必要な経費を算出するような方法、生産の側から決めていくような方法、方式というものはこれはとれないものでしょうかね。これは大臣、どうでしょう。
#237
○国務大臣(安倍晋太郎君) 野菜対策の大きな柱、先ほどから申し上げましたように、計画的な生産出荷を推進するとともに、価格が低落した場合に価格補てんを行って、いわゆる下支えをして生産者への影響を緩和し、供給の確保を図るということでございます。したがって、価格補てん事業の保証基準額はいま局長が申しましたように、過去の市場価格から趨勢的に求めた想定平均価格を基礎にして決められる、まあ需給実勢を反映した方式、需給実勢価格と申しますか、需給実勢を反映した方式をとっているわけでございまして、これはいま御質問は、むしろ保証基準価格を、生産費を補償する価格にすべきだという御質問でございますが、野菜の商品としての特性は御案内のように非常に自由に流通をしておるということ、あるいはまた気象条件によりまして大変な豊凶の変動がある上に野菜そのものの貯蔵性が非常に少ないということ、また、野菜は種類、作型が多くて、生産形態も非常に多くて、統一的な生産費を把握しがたいというようなことから、生産費を補償するというような形の採用は困難でありまして、むしろ価格低落時の下支えとしては現行の需給実勢を基礎とする方式の方が妥当だというふうに考えておるわけでございます。なお、価格低落時の不安のないようにすることは野菜供給の安定を図るためにきわめて重要でありますので、この保証基準価格につきましては五十一年度におきましても見直しによる引き上げを行ったところでございまして、今後も算定方法の改善あるいは補てん機会の増大、生産者の負担の緩和等につきましてはさらに検討してまいりたいと考えております。
#238
○神沢浄君 それでさっき局長さんの方からお話があった、国が七割、資金の造成上は責任を持っているようですけれども、いま何といいますか、地方の財政事情というようなものは非常に窮屈な折でありますだけに、特に基幹的な重要な野菜というものについてはむしろ生産出荷の安定というものを目指しての政策として考えていく、という立場からしますと、そういう基幹的な重要な野菜などについては国が全額めんどうを見るくらいの態度というものがあっていいんじゃないかという感じを持ちますが、いかがでしょう。
#239
○政府委員(今村宣夫君) 価格補給金の交付に充てますための資金造成につきましては、価格補てん事業が生産者対策としてはもとよりでございますが、物価対策上も非常に重要なことでございますので、私たち農林省といたしましては、出荷団体や県の負担を可及的に軽減するという方向で従来も努力をいたしてきたわけでございます。したがいまして、御指摘の重要野菜といわれるものにつきましては国庫補助率は七五%に相なっておりまして、そのほかのものは七〇%ということになっておるわけでございます。今後とも野菜の価格安定のために、御指摘のような負担軽減につきましては十分検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#240
○神沢浄君 それから、今度のこの改正でもって、都道府県ごとの価格補てん事業に国が助成をするということにしたわけですね。その対象品目の拡大についてはどんなようなお考えでおられますか。
#241
○政府委員(今村宣夫君) 先ほども申し上げましたように、野菜の価格変動に対します消費者あるいは生産者の関心が非常に高まっておるところでございますので、現在各県においてそれぞれ行っております都道府県ごとの価格補てん事業に対して、今回新たに国がこれを助成をするという措置の制度を開いたわけでございます。その対象品目につきましては一応毎日の食生活の副食として欠かせないものでありまして、その価格変動が消費生活の安定にとって重要と考えられるというふうなことで一応線を引きまして、十四品目を対象にいたしたわけでございます。しかし、先生御指摘のように、非常にそれぞれの県によりまして、たとえばスイカでありますとか、露地メロン等につきましては非常に指定をしてもらいたいという要望が強うございます。私たちは、これは果実的野菜とこう言っておるんですが、そういう果実的野菜は一応その十四品目の中には入れてないわけでございますけれども、そういう制度につきましての各県の要望が非常に強うございますので、これは来年度の予算要求等の場合において十分前向きに検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#242
○神沢浄君 それについて、その地域地域におきましてはいわゆる特産的な野菜がありますよね。そういうようなものでもってこの補てん事業の対象となっていないものがあるわけなんでして、自分の県のことなど持ち出して恐縮ですけれども、たとえば、この私の県なんかには例の未成熟トウモロコシというようなものがあるんですけれども、こういうようなものをいわゆる何か特認的扱いなどを考えておられるようだけれども、その点はどうなんでしょうか。
#243
○政府委員(今村宣夫君) 今回の十四品目の対象品目となってないもので地域農業の振興上、非常に地域にとっては重要だというふうなものがございます。それにつきましては特認ということで追加対象に含める道を開くということで検討をしておるところでございますが、御指摘のトウモロコシにつきましては副食としての性格がやや薄いと、それから、今回指定時に当たって、そういうことで優先順位から外れるということに相なっておるんですが、今後の地域農業振興上の必要性の増大というふうなことも十分見きわめて対象に含めることを検討いたしたいと思っております。
#244
○神沢浄君 この特定野菜等の価格補てん事業の補助率は三分の一ということになっておるんですね。これもまあいま地方の財政事情というやつは非常に困難な状況なんですから、もうちょっと国がめんどうを見るというふうなことはお考えになれませんかね。
#245
○政府委員(今村宣夫君) この制度、それぞれ県においてやっておりました制度を国が、こういう状況、野菜をめぐります四囲状況を検討いたしまして、国の助成の対象とするということに制度を仕組んだわけでございまして、したがいまして、そういう県の、地域の特性のある野菜ということに着目をしてこの制度を仕組んでおりますので、やはりそれはその県の生産者、それから都道府県、それから国が出ていくということを考えますと、やはりそれぞれ三分の一ずつ持つというのが制度の発足のときにおきます何といいますか、考え方に相なるわけでございます。もちろん三分一で足りるということではございませんので、今後そういうふうな点につきましての検討は続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#246
○神沢浄君 今度の改正の中のこれは一番中心的なものでしょうけれども、指定消費地を拡大をするわけですね。この指定消費地の拡大の今後の指定方針といいますか、構想といいますか、これをまずお伺いしたいと思うんです。
#247
○政府委員(今村宣夫君) 従来の法律では、指定消費地域は「人口の集中が著しい大都市」と、こういうふうになっておるわけでございまして、今回の改正では「野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市」ということに改めておりますので、今後は相当の都市までずっと広げて消費地域ができるということに相なるわけでございます。
 それで、今後の方針といたしましては、消費地域の人口集中の程度、それから野菜のそこにおける消費量、それから入荷の状況、それから卸売市場の整備の状況、あるいはまた地元の意向等を十分勘案して、必要性の強いところから逐次指定をしていきたいと思っておりますが、具体的には五十一年度に静岡、福島等の七地域九都市を指定をいたします。そのほか奈良市等の三市を既存地域へ編入するということを行いますが、大体、中央卸売市場が整備されている都市とかあるいは県庁所在地の市につきましては、この両三年のうちに指定を終わらしたいというふうに予定をいたしております。残された人口二十万以上の都市につきましては、大体地元の整備状況によりますが、七、八年の間には二十万以上の都市を指定を終了するようにいたしたいと思っております。そういたしますと、わが国の大体消費人口の五〇%、それから指定野菜の出荷量の大体七割をカバーするような形になろうかと思っております。
#248
○神沢浄君 それでね、人口二十万人以上というようなところか一つのいま基準として示されたわけなんですけれども、自分の県の問題などを出すことは少し気かひけるんだが、しかし、私のところの県庁の所在地の甲府は二十万ちょっと欠けますよ。欠けますけれども、私は、その甲府市に隣接をするところの龍王町というところなんですけれども、ここはもういま一万八千くらいで、それから甲府市に同じく東側に隣接している石和町はこれは一万五千くらい。それから南側に隣接している昭和町が一万くらいで、もうほとんどいま境目はありませんね。だから甲府市という一つの行政区域からすると二十万に少し足りませんが、いわゆる甲府市に経済圏域とでも申しますか、そうなりますと、これはもう大きく二十万を超えていくんですけれども、そういうふうなときに、やっぱり実態的な扱いをいたしますか。
#249
○政府委員(今村宣夫君) 甲府市は確かに二十万にちょっと欠けるぐらいの人口でございますか、県庁の所在地でもございますし、中央卸売市場が四十八年七月に開場いたしておりますので、先ほど申し上げました両三年のうちに地元の態勢か整い次第指定をいたす方針といたしておる次第でございます。
#250
○神沢浄君 野菜供給安定基金、これは新しい法人というわけですね。この運営の問題ですけれども、生産者の意向をこれは十分に反映しなきゃならぬということは言うまでもないことだと思うんです。そこで、その点について、役員の構成とか、それから評議員会というような仕組みになっておるようですけれども、あるいは出荷団体の協議会と、こういうような仕組みになっているようなんですけれども、生産者の意向を十分に反映していこうという方向でどんなような構想を持っておられますか、運営上ですね。
#251
○政府委員(今村宣夫君) 野菜供給安定基金は野菜の供給安定対策を実施する機関でございますので、その業務の運営に当たりましては生産者の意向を十分に反映すると同時に、消費者等の立場との調和を図っていく必要があるというふうに考えております。したがいまして、その生産者の立場も十分に考慮をする、あるいは消費者の意向も反映するということで評議員会を設けることにいたしておりますが、それは大体生産者を代表する学識経験者あるいは消費者、それから一般的な流通関係者、あるいはその他の学識経験者ということで構成をいたす予定にいたしております。その場合、大体二十五人以内ということに相なっておりますが、生産者の意向を十分反映するということで、大体十人程度は生産者の代表の方に入っていただくという心づもりにいたしております。
 それから非常勤理事でございますが、その場合も生産者の代表、それから消費者、流通関係その他の学識経験者をもって構成をいたしますが、生産者の意向を十分反映するようにいたしたいと思っています。
 なおまた、登録出荷団体というので、大体これは県の経済連その他の連合会でございますが、そういう団体の長をもって構成します協議会をつくりまして、そうして県のそれぞれ出荷団体の意向が十分価格補てん事業の運営に反映されるように措置をいたしたい、かように考えております。
#252
○神沢浄君 法文で見ますと、この新法人たる基金の設立発起人は、まあすべて学識経験者というような表現になっておるようなんですが、これは何か、生産者と団体代表とかなんとかいう方が、わかりやすいような気がするけれども、これは学識経験者とした、こういう決め方をした理由は何でしょうか。
#253
○政府委員(今村宣夫君) これは、基金は民間法人として構成をいたしておりまして、従来の資金協会と違いまして、構成員を持っていないわけでございます。したがいまして、その設立につきましてはほかの立法例にならいまして、学識経験者ということに発起人表現をとったわけですが、もちろん生産者の代表も発起人に加わることを予定をいたしております。
 で、大体その学識経験者ということの中身を申しますと、野菜生産出荷安定基金協会の理事長――現在の理事長、それから一緒になります野菜価格安定基金の理事長、それから生産者の代表、それから消費者の代表、流通業関係者の代表、あるいは地方の公共団体の代表と、それからその他学識経験者というふうなことでその内容を考えておるわけでございます。
#254
○神沢浄君 この生産出荷の安定というふうなものを達成していくには、先ほど御説明の中にもありましたけれども、やはり生産地と消費地というものが円滑にタイアップしていけるような体制というものを、これは実現をしていくことが一番肝要じゃないかと、こう思うんですけれども、そういう点でもって、何か私の聞き及んだところでは、いわゆる契約栽培、現に沖繩や鹿児島などにおいてそういうテストと言いますか、試験が行われて成功を見ているというように聞いております。この計画生産、計画出荷というようなものを今後とも推進をするために、この契約栽培というようなやり方を、もっと国でもって本腰を入れて指導をしていくというような点についてはどんなお考えでしょう。
#255
○政府委員(今村宣夫君) 五十年から野菜の高騰時対策実験特別事業ということで、お話のございました沖繩、鹿児島にそういう特別な地域を決めまして、そうしてそこでの契約栽培というふうなことを実施をいたしておるわけでございます。初年度に当たりましては非常に、地元のいろいろな方々の御努力によりまして、この制度の発足の初年度目は非常にぐあいがよかったわけでございますが、これを相当拡充するということになりますと、これは追加的な野菜の供給でございますから、野菜の価格が安定をいたしておりますと、その地方で、要するに契約栽培によります一定の価格を保証をいたしておりますけれども、しかし、それをたとえば京阪神に持ってくるというふうな必要がないときには地元でそれを破棄するというふうな、そういう内容を含んでいるわけでございます。
 したかいまして、これを余り大々的にいきますと、いろいろ国民感情といいますか、消費者感情といいますか、そういう点からも若干問題なしとしないわけでございまして、私たちとしましては、現在の実験事業を数年続けていく過程において、これをどういうふうにするか十分検討をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#256
○神沢浄君 もう時間がないようですから、ちょっと二問ばかりあわせてお伺いをしておきたいと思うんですけれども、市場隔離事業というやつをやられているわけですね。ところが、これが話に聞きますと、交付金が少ない関係でもって、たとえば価格が、その事業を必要とするほど低落していても、まだ市場へ持っていって、たとえ安くても販売をした方がその生産者にとっては勘定がいいというか、有利だということですね。この市場隔離事業というものの意義が非常に薄れておるという、こういう実態があるとのことです。これはやっぱりこの事業の意義があるように単価を引き上げる必要があると思うのですが、そうしなければ、それこそ、この隔離事業というものは無意味なものになってしまう。そういう点から単価の引き上げなどについてどんなように考えられておるか。
 それから、もう一点は、これは何といってもやはり野菜の場合も貯蔵とか、保管とかいうような点が安定操作上必要だと思うのですけれども、大型の冷蔵庫などやっぱりもっとふやしていく必要があるではないか、あるいは加工調製のための施設というようなものをもっとやっぱり国の責任でふやしていく必要があるではないか、こういうようなことが考えられると思うのですけれども、それらをひとつ含めてちょっと国の考え方をお尋ねをしておきたいと思います。
#257
○政府委員(今村宣夫君) お尋ねの第一点の市場隔離でございますが、市場隔離の交付金の単価を決めます場合には、対象野菜を市場に出荷した場合における市場販売価格から、出荷経費が要らないわけでございますので、包装費だとか移送費等の出荷経費を差し引きまして市場に出したときと大体均衡のとれるような価格ということで決めておるわけでございまして、販売価格と比べて、私たちとしては、そう低いとも思ってないのですが、実は販売しましたとき、補てん金は生産者も出しますし、県も出すというかっこうになるわけです。ところが、市場隔離をいたしますときには、国だけが出しまして、生産者団体等の出荷団体の負担がないということで、すべて国だけが金を出すというかっこうになっておるものですから、そういう形での単価が低いということの農家の不満があろうかと思います。ただ問題は、市場隔離をやって要するに価格を引き上げるということでございますから、全部の人がたとえば一割なら一割市場隔離をやるといいのですが、嬬恋のように団地がまとまってないとなかなか市場隔離ができない。嬬恋で市場隔離をやりますと、もうけるのは、ほかの県の人がもうけるというふうなかっこうでございまして、なかなか市場隔離をうまく実施をするということは非常にむずかしい要素を含んでおると思います。で、そういうことで、四十七年と五十年にやったわけでございますが、これはやはり生産者としての自分自身の自己防衛といいますか、そういう要素を含んでおるわけでございますので、この市場隔離単価を思い切って引き上げるということはなかなかむずかしい要素がございますが、なおよく検討いたしたいと思います。
 それから大型の冷蔵庫をもっとうんとつくるべきじゃないかということでございますが、私たちとしましても、保管できます野菜につきましては、大型冷蔵庫をもって保管をするということが必要でございますので、産地におきましても従来、野菜の広域流通加工施設整備事業というのを実施をいたしております。それから消費地におきましても大型冷蔵庫をつくるということで相当の予算を組んで措置をいたしておりますので、いろいろ御要望の向きには十分こたえ得るのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#258
○辻一彦君 関連。いまの問題で一、二点だけ伺いたいと思います。
 いま国営の農用地造成で各地にかなり大型な畑地造成が行われております。しかし、その場合に、必ずしも野菜づくりの体験を十分持っている農民だけとは限らない。そうなりますと、いろいろなきめ細かい指導といいますか、そういうものがないとなかなか野菜づくりはうまくいかないと思います。そういう点でまず第一は、いまお話がありましたが、国営の畑地農用地造成等々行った地帯で野菜のかなりの生産地がつくられた場合に、貯蔵、加工等の、いま大型という云々のお話もありましたが、そういう貯蔵設備等について重点的に配慮して取り組んでいく考え方があるかどうか、これが第一点。
 第二点は、いま北陸の農政局管内でも何カ所か国営の農用地造成で畑作をやっておりますが、たとえばスイカなんかに大変力を入れてつくっている場合、だんだん成績が上がってきたと、しかし、これは大変価格の変動の大きいものでありますので、先ほどのように果実的野菜、こういう観点から来年度これに対して何らかの配慮をしたいということでありますが、具体的にこれを種目の中に入れて対策を講ずるのか、あるいはどういうふうにやるのかということが第二点。
 もう一点は、これは農蚕局長おられないので、ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、畑地造成を国営でやっても、土地造成だけやっても、後のアフターケア、野菜なら野菜の営農指導、こういうことによほど配慮しないと、せっかくつくった土地造成が十分生かされないという点がありますので、かなり大規模に造成をしたところには、十分にひとつ営農指導等に配慮されるようにお願いいたしたいが、その三点についてお伺いいたします。
#259
○政府委員(今村宣夫君) 前二点について私の方からお答え申し上げますが、国営開発をやったようなところについては重点的にその施策を講じたらどうかというお話でまことにごもっともなことでございます。したがいまして、私たちとしましては、国営事業の進捗の状況を十分勘案しまして、県あるいは関係団体とも十分協議しながら、効率的な流通網の形成といいますか、そういうことに努めてまいりたいと思っております。
 それから第二のスイカ等の取り扱いでございますが、これはいま十四品目には入っておりませんけれども、まだ果実的野菜ということで若干問題はあるんですが、非常にそういう御要望がございますので、スイカでありますとか、露地メロン等につきましては、これは十四品目に追加指定をするという方向で考えたいと思います。
#260
○国務大臣(安倍晋太郎君) せっかく畑地を造成しても営農指導ということを十分やらなければ、だめではないかという御指摘でございますが、全くそのとおりでございます。したがって、この点につきましては、農林省も普及制度があり、普及員がおるわけでございますから、普及員等を通じまして、この営農指導につきましては十分これに対処いたしておるわけでございます。今後とも、これは全面的に活用して、畑地の営農の万全を期していかなければならないと考えております。
#261
○神沢浄君 今度、農災法へちょっと戻りますけれども、桑葉の獣害というやつが新規に入ったでしょう。何か、ネズミの害かなんかを主として考えておるようですけれども、獣害というからには、いわゆるけものであればいいように思いますが、サルはどうなりますか、サルは。サルがうんと桑を荒すんですよ。
#262
○政府委員(吉岡裕君) 現在、非常に被害を報告してきておりますのはネズミの害でございますが、しかし、サルの害が現実にあるようでございますれば、獣害ということで当然含まれることになると思います。
#263
○佐藤隆君 時間がございませんので、ひとつ簡潔に答えていただきたいと思います。
 いままでの質疑の中に、野菜生産出荷安定法についていろいろやりとりがありましたし、また衆議院の段階でもいろいろ意見のやりとりが出ておりますので、重複をなるべく避けて、野菜安定法については念を押すということで申し上げておきたいと思います。
 第一点、都道府県ごとの価格補てん事業助成の対象品目、これも先ほど来話が出ておりますが、スイカ、あるいはマスクメロンだとかそういうもの、あるいはイチゴ、こういうもの、まあこれらの果実的野菜、これはひとつ来年は考えてもらう。これはもう従来の答弁にも出ておりますから、念を押す程度にいたしておきます。これに加えて、きょう私がこの野菜関係で質問するということになりましたら、二、三同僚議員の方からも話が出てまいりまして、タケノコをどうするんだという話が出てきたのです。それからシイタケどうするんだと、こういうことなんです。竹は林産物である、その子は野菜である、というようなことが言えるのかどうか私もわかりませんけれども、林産物であろうとも――ひとつここ重要なところですからよく聞いておいてくださいよ。林産物と言われておる――シイタケなんか林産物と言われている。林産物と言われるものであっても、シイタケ、タケノコ等について、これは林野庁ともよく話し合って、食品流通局と話し合って、少なくとも市場に売っておる野菜、国民大衆から見たら野菜と思われるもの、これはやはり――特にシイタケなんかは相当の生産もふえておりますし、需要もふえておりますから、これはひとつ考えてください。考えてくださいというよりお願いをいたしておきます。よろしいですね。お願いをいたしておきます。
#264
○政府委員(今村宣夫君) タケノコは、先生からお話を承っておったのですが、シイタケまではちょっと――まあ先ほど承ったばかりてございますので、御趣旨を体して十分検討させていただきたいと思います。
#265
○佐藤隆君 二番目、野菜供給安定基金の運営について、これも先ほど話が出ましたが、やはり生産者側あるいは流通関係者側、消費者側、とにかく生産者側としては十名ぐらい予定をしておるということを衆議院、参議院通じてもういままで答弁をしておられますので、少なくとも生産者側の意向が十分配慮されるように、人数の確保、人選、こういうことは遺漏のないように行政指導をひとつやっていただきたい。お願いをいたしておきます。
 それから三番目、今後の野菜の需要に見合った供給体制、供給は確保できるんだろうかということを私は心配するんです。このたびの法律は、これは流通対策としてもこれは一歩も二歩も前進だと思うんです。それは私評価しているんです。しかし、ちょっと心配になるのは、今後の野菜の需要に見合った供給は確保できるんだろうか、どうでしょうか。
#266
○政府委員(今村宣夫君) 前段の点につきましては、十分御趣旨に従って指導をいたしたいと思っております。
 第二の野菜の供給は大丈夫なのかというお話でございますが、先般の農産物の需要と生産の長期見通しによりますれば、大体野菜の需要は一人当たり需要増が年率一%程度ではないだろうか。そこに人口の増加という需要増がございますから、大体年率で一・八八%の需要の伸びではなかろうかと思っております。長期的な観点からすれば、大体私はこの需要見込みというのは妥当な線ではないかというふうに思っておりますが、他方、野菜の生産でございますが、そのような需要を原則としましてすべて国内生産で賄うというたてまえでございます。大体六十年の延べ作付面積が大体六十七万ヘクタール、大体四十七年に比べまして三万ヘクタールぐらいふえる必要があるということに思います。したがいまして、農用地面積としますればそれだけの面積の確保は可能であると見込んでおりますが、しかし同時に、野菜の種類別の需要の伸びというのはいろいろ違います。たとえば根菜類というのは需要の伸びが低くて、葉菜類は相当かなり伸びていくということになりますので、それに対応した生産を図るということが必要であろうと思います。そういう意味合いにおきまして生産対策について今後特に留意する必要があると思いますが、このような観点に立ちまして、一つは集団産地の一層の育成を図る。それから第二は、土地基盤整備等、地力の維持、向上のための生産対策を特に重視をする。それから機械化、装置化等による生産性の向上という点に重点を置いて今後の施策の一層の拡充を図りたいと、かように考えておる次第でございます。
#267
○佐藤隆君 それではだめなんです。まるっきりだめなんですよ。せっかく野菜対策を進めていきましてもだめなんです。それはなぜかというと、需要に見合う生産対策を進めて供給を確保するには、その地域その地域の生産指標、地域指標というもの、地域分担がはっきりしなきゃだめなんですよ。三月四日、私はこの委員会でそのことを強く訴えた。そうして、ちょっとどぎつい言い方だったんですが、昭和四十五年以来、三地域、十四ブロックのガイドポストを出して以来、農林省のサボタージュじゃないかという、失礼な言葉まで私は申し上げた。もうこれを詰める時期にきましたんですよ。
 それはなぜかというと、けさ閣議決定されたんでしょう、国土利用計画、これが閣議決定になった。そうして農用地というのがいままで不足をしてきておる、そうして利用率が低下をしてきておる。――あの列島改造論議が華やかだったときに、三十万ヘクタールつぶしちまえという議論が出て大変な騒ぎになったでしょう。われわれは、農林省と一緒になって、そんなことはけしからぬと言って、われわれも主張した。その後、農用地という優良農地を確保しようとかいろんなことで議論をされてきて、今日、国土庁が、国土総合利用計画の中で、農林省の主張どおりに六百十一万ヘクタールというものを織り込んだのがけさの閣議決定ですよ。そうしてその六百十一万ヘクタール、昭和六十年目途として、しかも農政審議会の長期見通し、あるいは経済審議会の答申にもあるように、総合自給率七五%、これも昭和六十年、その目標に向かって、そうして六百十一万ヘクタールというものをこれから砕いていくんでしょう、定着さしていくんでしょう。そうして年内には、今度、県ごとの国土利用計画を立てるんですよ、年内に。これは国土庁で進んでるんですよ。だから、私もう皮肉を言うわけじゃないけれども、もう地域分担は国土庁からやってもらったら、というような、もう皮肉も実は言いたくなる。だから、きょうひとつこれははっきりさしてもらいたい。そうでなければ、そういうものがなければ、この野菜の計画だってだめです、これ。この県ごとの、国土利用計画とあわせて各県ごと、あるいは県の中でも農業地域ごと、あるいは水系別にも議論をしなきゃいかぬと思います。そういう地域指標というものが、この地域の作付はかくあるべきだという誘導指標というものがなけりゃどうするんですか。これはもう大変な問題ですよ、これ。この議論をきょう詰めておかないと、これは大変になりますよ。
 私はこの間からそれを言いたかったけれども、この間はまあまああの程度でがまんをして答弁を聞いておったんです。そうして、その地域に期待をされる農産物の需要に見合う供給体制というものをやっぱり考え直すべきなんでしょう。そうしてそれは背景としては何かというと、消費人口というものも考えなけりゃならぬ。だから、この地域には蔬菜類はどれだけあったらいいんだろうか、あるいはそこに消費されるものだけではないんですよね、主産地として他県に出荷する、そういう主産地形成も必要である。こういうことで生産体制を考えていかなきゃいかぬと思うんですが、もう今日の、きょうの段階では、相当前向きに、いよいよ国がかつては示した地域分担、このような形で各県ごとに国土利用計画を、各県で設定をする、それに平氏を合わせた形で各県内の地域分担をはっきりさしていかなきゃいかぬ、もうこういう時期になってきたんですよ、もう追われてるんですよ、これ。後からつつかれているんですよ。大臣、どうですか。
#268
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府がさきに策定をいたしました農産物の需要と生産の長期見通しは、農業生産の長期にわたるところのガイドラインを示したものでございますことは、御承知のとおりでありますが、これをブレークダウンをいたしました地域別の農業生産目標を設定することは、きわめて望ましいものと考えますが、これまでにそのような方針で作成作業を行った際の経験にかんがみてみましても、都道府県独自の長期計画あるいはまた農業振興計画との調整などに困難な面が非常に多くて、これらを整合させ、全国的にコンセンサスを得られるようなものをつくるということは、大変これはむずかしいことだと考えております。しかしながら、御指摘の点もございます、また、本日閣議決定をされました国土利用計画の全国計画に基づきまして、都道府県別計画を作成する上での必要性をも考慮いたしまして、政府としても、都道府県が地域農業の展開を図るに当たって参考となるような地域指標の作成に努めてまいりたいと考えております。
#269
○佐藤隆君 あのね、大臣、大臣の言葉じりをとらえて言うわけじゃないですがね、いま書いたものを読まれた、それぐらいに慎重に対処しなけりゃ大変なことなんです、これ。簡単で、口で答えるようなわけにいかない問題なんです、これは。そうして国土利用計画を県ごとに立てるのに参考になればなんというもんじゃないんですよ。とうとうその時期までほっておかれてきたと、こういうことなんですよ。だから、日本の食糧政策のためにやらねばならぬことがほっておかれた、それをこの時期にちょうどたまたま重なったと、こういうことなんです。そういうことで、いままでの経過はもう五年半ぐらい、これすっぽかされてきたわけです。それは確かにむずかしさがあったんですよ。それでむずかしいと、むずかしいことを世間に言わないで、ふたしてしまっておったんだから……。しかし、いまの大臣の答弁からすれば、いろいろむずかしさはあるけれども、とにかくそれはやらねばならぬ。しかし、国土庁が窓口となって進めておるものに参考となる程度の、その程度の地域指標だったらやめた方がいいと思います。日本の食糧政策のためにやらなけりゃいかぬのでしょう。あわせて、国土利用計画に合うように平灰を合わせる、こういうことにならなけりゃいかぬのですよ。時間がありませんから、答弁は一言でいいですから。そう言われてみりゃ、その通りだ、と答えてください。
#270
○国務大臣(安倍晋太郎君) きょうの決定は閣議決定でございまして、これは政府としての決定でございます。
#271
○佐藤隆君 まあその中には農林省も含まれる、こういうふうに理解をいたしておきます。
 特に食糧政策を担当している農林省としては、この国土利用計画にたまたま合わせる時期になってしまったけれども、これを詰めていると、こういうことで、ひとつ理解をいたしておきます。
 しかし、いま私ども振り返ってみますと、これもなかなか大変なことで、私はきょうの答弁に基づいて、農業団体からもしっかり考えてもらわなけりゃいかぬと思うんです。農業団体の協力がなきゃ、これできないですよ。それはなぜ私がそういう危倶をするかというと、生産調整は、やらねばならぬやむを得ざる措置だったと思うんです。しかし、あの生産調整はどうだったというと、結果的にはやはり生産意欲を減退させた、農民の理解を得られないままに進めざるを得なかったというところに非常に不評を買ったんです。そうして生産意欲が減退をした、惰農政策だという批判も受けた。今度この地域指標は、そういうそしりを受けないように、せっかくこれから三年間、また休耕奨励金も、あるいは通年施行も、あるいは水田総合利用対策事業というような形で、これから三年間やるわけですから、その間にはひとつ定着をするように、ひとつ十分考えていただきたいと思います。これはひとつ、もう大臣わかった、わかった、こう言っていますから答弁は要りません。そういうことでお願いをいたします。
 そこで、私は、こういうことが本当ははっきりしておれば、いま全国各地で起こっておる国民の税金を使って干拓をやった干拓地で、作付をどうする、こうするなんていうむずかしい議論、いざこざが起きてこないはずなんです。やっぱりこういうものがなかったからそういうものも起きてくる。たとえばの話でありますが、そういう意味では、新潟県の福島潟干拓も大変な世間を騒がす結果になった。しかしあくまでも話し合いで、かつての江野川等のあの争いを繰り返すようなことはしないでほしい、農林省もしっかりやっていただきたい、こういうことで先般来お願いをいたしてまいりました。まいりましたが、その福島潟干拓の追加事業、展示畑――これは野菜類になると思いますが、展示畑、当面の作付指導について、簡潔にひとつ答えていただきたい。
 もう一つあわせて聞いておきますけれども、あの地域の私は農地というものは、やっぱり地域防災計画と非常に密接なつながりがある。なぜかというと、揚水、排水の問題があるからです。特に畑作の場合は排水の問題がある。まあそういうようなことでその地域の防災、地域防災とあわせて農地の有効利用、優良農地の確保等の関連で、建設省と農林省との間でコンセンサスを得なければならぬような問題が各所にあるような気がするのですよ。そういう意味で、たとえば、例示をいたしますが、福島潟においては、私は、この間、福島潟周辺の防災対策で、先週の金曜日に当院の災対特別委員会で建設省にただした。あの地域の地域防災計画について、新しい排水についての取り組み、胡桃山放水路に排水機を設置する、そして排水について、あるいは洪水時等について不安のないようにする、こういうことについて約束を取りつけました。これと同じような考え方で福島潟干拓の溢流堤があります。この溢流堤があるから、たんぼだ、あるいはいや畑だといういろんな議論があるんですが、この溢流堤も、改めて福島潟放水路、胡桃山放水路を見直すという建設省の考え方、地域防災の考え方に関連して溢流堤を直すことについて、これは今度農林省だけでできないですよね。建設省と話し合うということもひとつ考えてもらわねばならぬと、そういう考え方をひとつ持っていただきたい。この二点について。
#272
○政府委員(岡安誠君) まず福島潟干拓地におきます展示圃等の問題でございますが、この福島潟干拓地につきましては地元の農民の方々、それから地元の新潟県等から、ここにおいて畑作営農を実施するについては土壌条件等に多少問題があるんではないか、また周辺の農家は、従来、水稲一辺倒の耕作をしてきたわけで、技術的に畑作営農について非常に不安があるのではないか、というようなことがお話がございました。そこで現在追加工事をいたしておりますが、その内容は土壌調査、土壌改良工事、それから圃場条件の整備工事等のほかに、御指摘のように栽培試験をここで行うということと、大体、現在の予定といたしましては三・二ヘクタールの土地につきまして、新潟県に委託しまして、畑作経営の展示的な圃場を設置しました。技術等についての普及を図りたいというふうに思っておるわけでございまして、これは予定どおり実施をいたす、心算でございます。
 それからこの干拓地に設けられております堤防の一部が溢流堤になっているので、これについて考え直すことはどうかという御質問でございますが、これはやはり本来干拓地において溢流堤があるというのはきわめて例外的な措置でございますが、この地域におきます地域全体の治水計画、それから防災計画の一環としましてこの溢流堤の設置ということに決まったわけでございます。したがいまして、御指摘のようにこの地域全体の治水計画、防災計画の見直しが建設省を中心に行われますならば、私どもも、そういうような検討の一環といたしましては当然この溢流堤の問題につきましては、建設省とも協議の上、将来検討を進めたいというふうに思っております。
#273
○佐藤隆君 もう検討が進められているのです。さっき私が申し上げましたように、胡桃山放水路に五十一年度排水機を設置するための調査を、五十一年度中にやりますと、こういうことにこの間約束が取りつけられたばかりです。だから、新しい取り組みが始まった。こういうことでありますから、溢流堤のかさ上げ等についても建設省とひとつ話し合っていただきたい、こういう意味でございます。よろしくひとつ。
 そこで、具体的な問題をちょっとお話したんですが、どうかひとつ地域分担、地域指標については、これが早目にできませんと、実は去年六月六日に成立した改正農振法もこれも生きてこないのですよ。みんなそういう絡みがあるんです。絡んでいるのです、全部。そういうことでございますので、どうかひとつ精力的に、これは官房のお仕事だそうでありますが、農林省の官房室においてはもう精力的に取り組んでください。もう大臣がああいう言明をしておられるわけでありますから、後は事務方で精力的にやっていただく。官房長よろしいですね。一言。
#274
○政府委員(森整治君) 大臣の御答弁のとおり、できるだけ精力的に努力してまいりたいと思います。
#275
○佐藤隆君 まだお聞きしたいことありますけれども、非常に時間が狭められておりますので、最後に二点だけ聞いておきたいわけでありますが、実はこの野菜の安定法の場で聞くのはいかがかと思いますけれども、露地野菜をつくっておる連中というのは全部米作農家なんです。ほとんど米作農家なんです。それで、いまこの野菜の法案の行方も関心を持っておりますと同時に、米価の問題も非常に関、心を持っているんです。でありますので、そのことを、もうきわめて時期が時期でありますから、もう簡単でいいですから、ぜひひとつお答えをしていただきたい。
 なぜ私がそう言うかというと、すでに読売新聞は生産者米価五%という、毎日新聞は六%という、あるいは共同通信筋は八%だという。消費者米価については日本経済新聞も含めて全部一九%だという。そして農林大臣が考えておるがごとく推測記事が載る。そしてまた、もうきのう、きょう、おとといあたりから、いろいろ農業団体との話し合いが始まる。そういう時期でありますから、やっぱり米価のスケジュールということぐらいはある程度、普通でいえばこんなかっこうでいくんじゃないか、というスケジュールぐらいは言っておいていいんじゃないかなと、こう思うんです。
#276
○国務大臣(安倍晋太郎君) 米価につきまして、田植えももう終わりましたし、非常に全国的に関心が高くなっておることも事実でありますし、いろいろの報道かなされておることも承知をいたしておるわけでございますが、正真正銘の話が、ことしの生産者米価及び消費者米価の取り扱いにつきましては、米価審議会の時期をいつにするかというふうなことを含めまして、具体的には何も決めてないんです。それはもう間違いなしに決めてないわけでございます。いずれにいたしましても、これは従来と同様に、食管法というのがありますから、食管法の規定に基づきまして、買い入れ価格については生産費、物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保するということを旨として、また政府の売り渡し価格につきましては、家計費、物価その他の経済事情を参酌して消費者の家計を安定せしめることを目的として決めなきゃならぬわけで、その際、米価審議会の議を経て適正に決める。こういう以外には、具体的には、常識的な線もあるわけで、いままでずっとやってきているわけですけれども、そうそれをはずれるということもないでしょうが、しかし具体的にはいろいろまだ何も決めてないというのが現実の正直な姿であります。
#277
○佐藤隆君 非常に正直に答えていただいてあれですが、まあ従来行われてきた常識の線ははずれることはないと思うが、というような言葉もございましたが、大体六月いっぱい、やっぱり前年度の生産費の調査はかかる、統計はかかるということで、あるいはまた麦価の米審だって開かなきゃいかぬわけです、その前に。そうすると、従前の例からいけば、六月下旬に麦価の米審がある。間もなく生産費が出てくる、米のですね。そうしているうちに、大体七月上旬から遅くとも七月中旬には決めるのがまあまあ普通の常識的なところ、こういうことになろうと思いますが、大臣の言われる常識的にとは、何かほかに大きな、従来のスケジュールを変えるような大きな問題が何か出てくるとするなら別でありますけれども、きわめて常識的に考えれば、大体そんな形だ、というようなふうに理解してよろしいわけですね。
#278
○国務大臣(安倍晋太郎君) それはいままでずっと毎年毎年やっておりますから、生産費の調査等もまだ出ておるわけじゃないわけですし、六月には麦価についての米審も、これも予定としてはあるわけですが、まだ確定はしておらぬわけですが、そういうことも含めまして、そう何か大きな変動でもいまお話のようにない限りは、そう変わった形で進むということはないと思いますが、しかし、具体的にはまだ何も決めてないということです。
#279
○佐藤隆君 もう一つだけ聞いておきます。
 先ほど野菜供給安定基金の運営について評議員会の構成それ自体について生産者側の意向が十分しんしゃくされるようにということを念を押したわけでありますけれども、麦価であれ、米価であれ、米審の構成について従来非常に問題になっていたけれども、いろんな事情があって従前どおり、従前どおりという形でずっと推移をしてきた経過がございます。このたびも例年の例に漏れず、そういう議論が例年にもまして実は議論になっているわけであります。でありますので、頭数だけでどうのこうのと言うわけじゃございませんけれども、そこらは、ひとつ、やがてその時期が来るわけでありますから、慎重にひとつお考えをいただいて、生産者農民の意向というものが十二分に反映をされるように、二十五人中の四名という生産者代表がいいのかどうか、そこらを十分ひとつ御検討をいただいて、そして、生産農民の期待にこたえられる結論が出るようにひとつ御配慮をいただきたい、これはお願いであります。ことしは非常にその意見が強くなってくると思います。余りにも長きにわたってまあまあまあまあということでやってきただけに、非常に強い主張が出てくると思いますので、ひとつそれを含んでおいていただきたいと思います。野菜供給安定基金の評議員会の構成が生産者側十名ぐらいは確保する、こういうことで余りにもりっぱなので、いよいよそっちの方にもまた期待が出てくるような、そういう連鎖的なものもあっての私の意見であります。よろしくひとつお願いをいたしたいと思います。一言で結構です。
#280
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはいろいろと議論が、この構成をめぐってあることはよく承知いたしておりますが、なかなか一言で答えられない問題でございまして、私は、この米価審議会の委員の構成につきましては、これまでの構成メンバーによりましても、生産者、消費者、関係方面の意見は十分に反映されておると、こういうふうに、そして、米価審議会は適正に運営をされておるというふうに考えておりますので、いまこの時点におきましてあえて委員の構成を変えなければならないものとは考えておりません。
#281
○佐藤隆君 よくわかりました。いまはその程度しか言えないということも私も十分承知しております。ただ、生産者の意向は十分にくむということは、頭数のいかんにかかわらず、それは当然のことである、こういうふうに理解をしておきたいと思います。
 結構です。
#282
○鶴園哲夫君 私の場合も時間が大変短いわけであります。
 まず、農業共済の問題なんでありますが、農業共済の三原則と言われるものがありますが、この三原則と今度の改正の問題、それからもう一つは、現在行われております共済の各事業ごとの実情、もう一つは、農畜産物価格が大変な激しい変動をしたわけでありますが、それとそして今後の動向――こういうような三つのものと現在の農業共済制度、さらに今度の改正という点等を考えますと、いろいろな問題があるように思います。でありますが、時間が短いわけでございますので、限りまして、具体的な問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 一つは、日本の代表的な畑作というものが大変な衰退をしてきたわけでありますが、しかし、一方におきましては、畑作を見直すというところから、麦類について裏作の場合は一俵当たり三千円、あるいは大豆については三千五百円、なたねについてはことしから二千円と、こういうような積極的な奨励金を出しまして、衰亡しかかった日本の代表的な畑作物について積極的に推進をしようという萌芽がはっきりしてきたわけであります。そういう中で、大豆について、あるいはなたねについての共済についてはどう考えていらっしゃるのかという点をお尋ねをしたいわけであります。
#283
○政府委員(吉岡裕君) ただいま先生お話の大豆でございますが、全国の栽培面積で見まして四十九年、九万二千八百ヘクタールということになっておりまして、このうち北海道が二三%を占めているという実情でございます。その後、四十九年度の生産振興対策で、全国的に見まして前年に比べて五%伸びたということでございますが、この内訳は、北海道が二二%の伸びに対して内地〇・七%程度しか伸びていないということでございまして、やはり大豆が、いわば商業的にと申しますか、商業的に生産されておるのはやはり北海道の主産地で輪作体系の一環として生産をされておるというのが主流でございまして、御承知のように、内地の大豆生産というのは非常に分散的であり、非常に小規模な状況にあるというのが実情であろうかと思います。
 そういう状況の中で、現在、畑作物共済を実施をいたしておるわけでございますが、これは、昭和四十八年に制定をされました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法に基づきまして、昭和四十九年度から北海道、鹿児島、沖繩というところで試験実施をいたしておるわけでございます。そこで、大豆につきましては、この畑作物の六作物をこの畑作共済の中で対象作物としておりますが、その中の一つの作物として輪作体系の中に仕組まれておるものについて、現在、北海道において調査が行われておるという段階でございます。したがって、このような試験実施の結果、料率算定に必要な被害率、その他の基礎資料の整備、それから損害評価方法といったようなものが把握できました暁には、準備を整えまして本格的な共済の実施に入るということになるわけでございます。が、先ほどもお話し申し上げましたように、被害率の算定には、最低三年ないし五年の被害状況のデータが必要だということになりまして、諸般の試験実施の成果を取りまとめ、制度検討会を行い、法案の提出、法律の成立、制度の普及促進、引き受け開始というふうな手順を踏んでまいりますためには、五十四年度ということが最低必要だということになりまして、私どもとしてはそのようなスケジュールに従いまして、できるだけ早期に実施を図るべく努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#284
○鶴園哲夫君 陸稲は大変減少してきまして、いま四万ヘクタールぐらいになっているのですかね。そしてまあ、これが六十年には長期見通しによりますと、二万ヘクタール程度になるという。そして、生産高としては大体四十七年の三分の一ぐらいですね。作付面積にいたしましても、収穫量にいたしましても、陸稲はそういう状況に見通されておるわけです。大豆は大体この五、六年の間停滞はいたしておりますが、大体九万ヘクタール程度のものを維持している。今後これを六十年の見通しでは二・二倍にする。生産高で言いますと三・三倍にするという考え方なんですね。そういうような均衡の関係から言いますと、これは速やかに措置していく必要があるのではないかと私は考えております。いまのお話ですと五十四年、最低見積っても五十四年というお話でありますが、そういうお話ではもう六十年に近づいてしまうということになるわけですね。ですから、もう少しピッチを速めてそういうことをやっていかなければいけないというふうに思うんです。時間の関係がありますから、次の問題を絡めてひとつ一緒に御答弁をいただきたいと思います。
 もう一つは畜産共済でありますが、私はきのう農林省の「第五十一次農林省統計表」というものをもらいましたが、これで見ますと、馬がいま四万二千九百頭いるというのですね。つまり、昨年、五十年の二月一日で四万二千九百頭。ところが、馬の加入数は、農林省が出しましたこの参考資料によりますと四万五千頭ということ。変じゃないかと思ってよく見てみましたら、農林省の統計というのは輓馬だけを入れておるようですね。農家が生産している馬は全部統計の中へ入れたらどうなんでしょうかね。まあ、きょうは統計がいらっしゃらないが、ただし、いまの局長は前の統計部長でもあったわけですから。それは別にしますけれども、いずれにしましても、農林省の統計の中には輓馬しか出てこない。輓馬といいますか、農耕馬といいますか、しか出てこない。それでは、大変なずれが出る、相当なずれが出るんじゃないかと私は見ているのですけれども、私の鹿児島でも農家で軽種馬をたくさん飼っているところが幾らもありますよ。十頭ぐらいは遊んでいるんですよ。よう歩いて、あれは何だ、と言うと、軽種馬だと言うんですね。農家がやっているんですよ。それは農林省の統計に出てこないわけですよ。だから、この食い違いが出てくるんだろうと思うんですね。共済の方には農家が飼養している軽種馬も入っている。
 それは別にしまして、牛につきまして、肉牛にいたしましてもそれから乳牛にいたしましても、牛については長い間の念願でありました縦割り二分の一というのが実現されたわけですね。これ非常にいいことだと思います。事務的に言いましても大変いいですね。これ非常に繁雑でしたし、多種類に分れておりましたから、これは二分の一に統一されて、引き上げられたということは大変結構だと思いますが、馬は引き上げてないわけですよ。前のとおりになっています。これはやっぱり引き上げてしかるべきじゃないかと思う。種豚代も引き上げたわけですから、馬だけ足踏みさしちゃって、そんなにほっとくなんというのは、不平等だと思うんですがね。そんなことをなさるなら、麦についても文句を言いたいし、陸稲についても文句を言いたい。幾らもある。ですから、馬についても考えるべきじゃないか。
 もう一点。三つ一緒に答弁していただきたいのですが、養蚕は御承知のように停滞をいたしております。もう長い間、この十年ぐらいの間、大体作付面積から見ますと停滞をいたしております。農家戸数は大変な減少でありますが、作付面績は停滞をいたしております。しかし、中身は、地域の移動は大変行われております。九州の西南暖地におきましても急速に、養蚕というものが盛んに入ってまいりました。非常な勢いでふえてまいりました。いままた停滞をいたしておりますが、ですから、中身はそういうふうに非常に地域の移動が行われている。西南暖地においても非常に入ってまいりました。そういう中で今回小蚕期を導入されましたことについては賛意を表します。ですが、西南暖地では春繭について、春蚕についてまだ区分が行われて飼育されているわけですね。そういうものについて、春繭について、産地の区分を認めるべきではないかというふうに思うのですが、その三点をひとつ一緒に御答弁いただきたいと思います。
#285
○政府委員(吉岡裕君) 最初の第一にお話のございました畑作物共済の本格実施への移行が遅いではないかというお話でございますが、この点、私ども考えております点は、昭和五十一年度の、つまり今年度に、過去三カ年間の試験実施の成果の取りまとめをいたします。それから来年度は本格実施のための制度検討会を開きまして、必要な法案等の形式として取りまとめ、国会提出をし、五十三年度に法律の成立をお願いをして、制度の普及促進を図り、まあ、昭和五十四年度その結果、本格実施で引き受けが開始される。こういうスケジュールになるわけでございまして、先生御承知のように、保険の技術的な性格から申しまして、最大限私どもとしては急ぎまして、このような目標に向かって急ぎたいと思っておるわけでございます。この点はひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。
 それから、馬の国庫負担率を今回引き上げなかったのは片手落ちではないかというお話でございますが、先生も御指摘になりましたように、馬の全国飼養頭数は昭和五十年で約四万三千頭というふうなことになっておりまして、この最近三年間で五割も減少をいたしてきております。今後も恐らくこの減少傾向は続いていくのではないかというふうに見られておりますが、特に問題になりますのは、農耕馬か非常に激しく減りまして、今日では農業経営上の馬の重要性と申しますものは、牛に比べてみますと格段に低くなってきておるというのが実態ではないかと思うわけでございます。従来、掛金の国庫負担措置を講じます際に、昭和四十一年改正において牛は三分の一から二分の一というようなことでございましたが、その際、馬は三分の一というような国庫負担をきめたという過去の例もあるわけでございますが、特に今回の制度改正におきましてはいろいろ財政上の理由もございましたので、この際は何とかして牛の国庫負担を、縦割り二分の一ということで実現をしたいということで、この点を最重点に取り組んでまいったということでございまして、その結果、馬については現行の負担割合を一応現状どおりに据え置いたということでまいったわけでございます。この点はひとつ御了承をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから春蚕の小蚕期の設定の問題でございますが、現在春蚕につきまして二回以上の掃き立てを行いますその多回育というものは、全国的な規模で見ますと非常にまだ普及率が低いということでございまして、通常凍霜害などが発生しました場合に掃き立ての延期をするとか、あるいは追い掃きをするというふうなかっこうで春蚕の場合には行われておりまして、これと多回育という蚕期との区分の判定というのがきわめてむずかしいという技術的な問題もあるわけでございます。
 それからもう一つは、春蚕につきまして蚕期を区分をしました被害率の調査というものを現在までのところまだ行っていないわけでございまして、今後この実態を少しいろいろ調査をさしていただきまして、その調査結果に基づきまして実施についての検討に入りたいというふうに思っておるわけでございます。
#286
○鶴園哲夫君 いま馬についての話がありましたが、そういう話をなさると、それじゃ陸稲はどうやということになるわけであって、陸稲もまさにそれは大変な崩壊であるし、これからの見通しとしても三分の一になるという話ですし、地域性がどうだ、というこの予算の問題でおっしゃると、それじゃ鹿児島の奄美と、それから沖繩のサトウキビについてどうだ、ということになるし、茶についてはどうだ、ということになるし、いろいろ言い方はあると思うんです。で、さらに馬の問題について、今回は牛に重点を置いたとおっしゃるけれども、牛に対しまして、和牛と乳牛とを加えた加入の頭数に比べますと、これは大変なちっちゃなものである。金額の面からいえば、これはまるで九牛の一毛という感じのする小さなものであります。そのためにこれが犠牲を受けたというのは、ちょっとお話聞きにくいという感じがしますですね。ですから、あんまり優越を得なかったものだからそのまま据え置いたというのは、理屈としては、いま局長がおっしゃったような理屈を立てたというような感じがしてしようがないんですね。ですが、今度はもうだめなんですから、ぜひこれはひとつ考えていただきたいという点を申し上げておきたいと思います。
 もう一つは茶ですが、茶はいま面積もふえてまいりました。そして今後の見通しとしましても、六十年の見通しとしましても、さらに面積もふえることになっておりますし、生産高もぐっとふえていくことになっておるわけなんですが、さてこの茶につきまして、ことしの四月の末に遅い霜害がありまして、一番茶大変やられたですね、鹿児島の場合。それから静岡が五月のひょうで大変やられたわけですが、こういうものについてすみやかにやはり茶の共済というものを早く発足さしてもらいたいというふうに考えておるんですが、進行状況はどうか。
 それから続いて時間の関係がありますので申し上げますと、もう一つは、職員の待遇問題はここでは一応省略をいたしまして、部落評価員、部落に一名、約二十一万人の人がいるわけです。さらに部落連絡員、これも部落に一人、大体二十一万。さらに、村に、市町村におります評価委員等々がこの共済運営について非常な力を持っておるというふうにわれわれは思います。それは一月なら一月、あるいは一年なら一年の間に動いている日数というのは少ないかもしれませんですが、ただ、員数的に非常に大きいという点もありまして、大変重要な役割を果たしておるんじゃないかと思いますが、しかし、それに対する手当といいますか、それが大変に少ない。年間に七、八百円ぐらいのものになっているんじゃないかと思うんです。その中の三分の二が国庫補助であとの三分の一が組合員が出している、こういうことでやっておられるわけですけれども、これはまあこれだけに限らないわけでありまして、いろいろな農林省がやっておられるこういうような人たちはたくさんおるわけですね。統計の関係もそうでありますが、何十万という単位の人が働いておって今日の統計ができておるわけですし、さらにまた、こういうような農業共済という大きな建物の根っこが動いているわけですね。その場合に八百円というような手当では――年間が八百円、一回動いたから八百円じゃないのですね、年間八百円出して、そうして公平な評価をやれと、共済の三原則の一つの公平な評価が行なわれているかどうかという点が一つあるわけです。もう一つは大量加入というもの、分散加入です――危険を分散させる。それには大量加入しなければいかぬという点になりますし、もう一つは、先ほど来局長がおっしゃっている統計調査による被害率の確定という点、この三つなんですが、そのまん中の評価を正しくやるという意味において非常に重要な役割りを果たしておると思うのですけれども、手当が大変少ないのです。従来農林省も非常に努力してこられました。私も十分承知をいたしておりますが、しかしそれにしても余りにも小さいものですから、これは何とかしてもらわなければ困る。その点についての考え方をひとつ伺いたい。
 もう一つ、これは農業共済を解散しろという運動が大変起こりまして、昭和三十年ごろですが、大変起こりまして、そこで農業共済というものを市町村がやれるような道を開かれた。いま二千くらいの農業単位共済組合がやっている。あと千二百ぐらいの市町村が共済をやっております。ですから、市町村営の共済、それから組合系の組合営の共済と二つで行われておるわけですね。その場合に、市町村営の共済に働いている、これは公務員ですね。地方公務員になりますが、その地方公務員の賃金、給与というものと、それから組合運営の共済に働いている職員の給与というものに差が出ているのじゃないか、差があるのじゃないか、ないのかどうか、この二つです。
#287
○政府委員(吉岡裕君) まず第一点お尋ねの茶でございますが、茶につきましては、昭和四十五年度から地域特産物保険制度調査対象品目ということで取り上げまして、農家の意向調査、それから被害状況等の基礎調査を行ってきております。その結果わかりましたことは、まずつみます時期とか、あるいは地域によって価格に著しい差異があるというようなことが一つ特徴的なことでございます。それからさらに一番茶に被害がありましても、二番茶で収穫量を回復をするというようなことがございまして、これをどういうふうに損害評価をするかという点などについて問題がございました。これらちょっとほかの農作物には見られないような特殊な複雑な問題を含んでおるわけでございます。そこで本五十一年度からこれまでの調査資料を補完をする必要がありますし、また新たな保険技術上の問題点を解明する必要もございますので、さらに試験調査を実施するということにいたしております。そこでこの試験調査の結果を待ちまして茶の制度化の問題を検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから損害評価委員、それから損害評価員、さらに共済連絡貝というものの手当が非常に少ないではないかというお話でございますが、一つは部落の中のこれらの方々がその地域の農民の相互共済組織の中で地域的なまあ仕事をしていただいているという意味が本来的にはあるように私どもは思っておりますが、と申します意味は、やはりその地域の災害の補償について、その地域の人たちが相互に自分の労力を提供し合うという一面があるのではないかというふうに思いますが、しかし、それだけでいわば好意的に行われるということでは困るわけでございまして、この点私どもといたしましては手当の増額についてまあ絶えず努力はしてきておるわけでございます。五十一年度予算ではこれら委員の手当につきまして三〇%の引き上げをいたしておりまして、まあこの点昨年よりもさらに待遇は改善されるということになっておるわけでございますが、今後さらにこれらの待遇改善につきましては予算要求の問題といたしまして、来年度以降も努力をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
 それから共済団体の職員の待遇問題でございますが、これは御承知のように、毎年度予算で補助単価を決めまして、そうしてそれをもとに算定をいたしまして国庫負担をいたしておるわけでございますが、五十一年度予算では前年度の七等級、国家公務員の七等級七号俸相当で補助をいたしておりましたものを、引き上げまして六等級五号俸ということで引き上げをいたしております。それから広域組合の職員五十人を一般職員から参事に格上げをするといったような予算上の措置をとりまして待遇の改善を図っておるわけでございます。私どもの資料によりますれば、市の職員と比べますとやや劣るというようなことでございますが、町村の職員と比べますと、それほど大きな差はございませんで、年齢等の問題は若干ございますが、年齢の高さを除いて考えますと、町村職員よりは若干高くなっておるというような数字もあるわけでございます。この職員の給与の改善につきましては今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
#288
○鶴園哲夫君 もう時間がなくなりましたですが、いまの共済組合の職員の組合営とそれから市町村営との仕事の職員の給与の差ですが、国家公務員の場合、市と比べて低いと言うんじゃなくて、いま国家公務員非常に不満があるのは、町村と比べて低いというところに国家公務員非常に不満がある。県とはもちろん比較にならないのです。ですから、これはいずれまた改めまして……。
 野菜の問題についてお伺いしたいんですが、これは時間がありませんので――この野菜の私、法案を見ましてですね、それから安定法の目的等から見まして、これは法律そのものは、生産者の価格というものが、生産者が野菜の価格が著しく下がったとき、まあ普通で言えば暴落したとき、それを補てんをするというところに大変な重点があるんじゃないか。いま野菜の問題で一番大きい問題は、やはり暴騰したという場合にどうそれを安定させるかという点に問題が、もう一つ大きなものがあるんじゃないか。そういたしますと、いまの法律の運営を見まして、また予算を見ますとわかるんでありますが、暴落したときの対策というものについては私はある程度の施策というものがまあまあ行われている。しかし暴騰したときの問題についての施策というものが少ないというならば、いま行われているのは二つだと。一つは、先ほども神沢さんの方から話がありました鹿児島と沖繩に七十ヘクタール程度の、高騰時の対策の実験特別事業というのが七十五ヘクタール、冬キャベツについて行われていますね。ことしは、これがある程度威力を発揮したわけですね。あともう一つありますのは、タマネギとバレイショの保管をしている。七千トンくらいですが、大変少ない数字ですね。まあ微々たるもの、これも九牛の一毛の保管をしている。この二つの事業が行われているだけであって、暴騰時に対する施策というのが、つまり農林省が生産者に対する対策、国民一般の消費者に対する対策というのが欠けておるんじゃないかというか、不十分じゃないかという点を私は一つ考えるわけです。
 もう一点は、そういう対策を考えました場合に、消費地の自治体に対しても金を出させたらどうだ、東京都にいたしましてもあるいは鹿児島市にしましてもそういう自治体というのに負担をさしたらどうだというのを感ずるわけですが、以上、時間がありませんので二つだけお尋ねをいたします。
#289
○政府委員(今村宣夫君) 野菜の高騰時におきます消費者に対する対策でございますが、私たちとしましては、従来野菜価格安定基金で行っておりましたタマネギ、バレイショ等の売買保管業務、あるいは冬キャベツの契約栽培の事業がございますが、これらの事業はそれぞれ新基金に引き継いで業務を実施いたすわけでございますけれども、従来のような財団法人の形でそういう対策を講ずることは、いろいろ資金的にもまた業務の円滑な遂行上にもいろいろ問題があると考えまして、そういう消費者の対策を強化する意味合いにおきましても、今度の新しい新基金をつくるというふうにいたしたわけでございます。
 それから消費地の自治体にもっと金を負担させるべきではないかということでございますが、現に消費地におきます自治体としましては、たとえば東京等でありますとか、その他の府県におきましてもそれぞれいろいろ創意工夫をこらしまして、何といいますか、野菜の供給の安定ということに努めておるわけでございますので、これを全体として消費地の自治体の負担ということを制度的にどう組み入れるかということになりますると、なかなかいろいろ問題もございます。やはりそれぞれの自治体の創意工夫によって処理をしていかれるのが現段階としては私は一番適当な方法ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#290
○鶴園哲夫君 一点だけ。野菜価格安定対策約八十六億、野菜対策という全体の費用の中の六二%程度は価格安定対策に使われておるわけですが、しかし、中身はキャベツ対策といってもいいほどのキャベツに対する大変な金が使われているわけですね。いまお話の、高騰時の対策として、実験事業として七十五ヘクタール、沖繩と鹿児島にやっていらっしゃるわけですが、こういうような施策というものをキャベツだけではなくて、もう少し代表的なものに対して拡充をする、そういう実験をなさる気持ちはないですか、この点をひとつお尋ねいたします。
#291
○政府委員(今村宣夫君) 高騰時対策としまして、本年度、五十一年度におきましては事業量を拡大して、高騰時対策の実験事業をさらに引き続いてやるということにいたしておりますが、今後さらにこれを拡大するかどうかについてはこの事業が価格高騰時におきます追加的供給に充てるための――既存産地の通常の生産出荷に対して追加的供給を確保するという観点でございますので、私たちとしましては、大幅な事業拡大をするかどうかにつきましては、現在行っています実験結果を見て、今後十分検討していきたいというふうに考えております。
#292
○委員長(小林国司君) これにて休憩いたします。
   午後六時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時二十一分開会
#293
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き両案の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#294
○相沢武彦君 最初に、農災法の方からお尋ねをいたします。
 まず、三点伺います。
 農作物共済について、農家単位引き受け方式を推進することは、農業災害補償法の趣旨から見ても望ましいものであると思うんですが、これによって農家が補償の面において一筆単位引き受け方式と比べてどんな利点があるのか、この御説明を願いたいと思います。
 それから、この農家単位の引き受け方式は制度的にはよいものに違いないと思いますが、これを普及させるためには農家が受け入れやすいように工夫することが必要だと思うんですが、この普及の対策はどうなっていますか。
 三点目は、農家単位引き受け方式を今後推進していくことには異存はありませんけれども、農作物共済の現状は一筆単位の引き受け方式がほとんどでありますけれども、これに対して何らか措置を講ずるお考えは持っていらっしゃいますでしょうか。
#295
○政府委員(吉岡裕君) ただいまお話のございました第一点でございますが、御承知のように一筆単位方式と申しますのは、農家としてみますと、平年作あるいは増収をしておるというふうな場合でありましても、特定の耕地に被害が起こった場合には共済金の支払いが行われるということになっておりまして、その結果、少額の共済金がたびたび支払われるというような結果になることが多いのでございますが、その点確かに農家補償という面から見ますと不合理な面というものもあるわけでございます。
 そこで、今回の農家単位方式はそのような一筆単位に伴います不合理な点をひとつ是正をしたいということで考えられておる方式でございまして、考え方といたしましては従来の半相殺の方式を全相殺に変えようという考え方なわけでございます。現在行われております農家単位引き受け方式は、いわゆる半相殺ということでございまして、農家全体としての減収量というものを基礎にいたしまして、一定の分を超える減収量というものを補償するという考え方で仕組まれておりますので、先ほど申し上げました一筆に比べますと、農家の損失補償という点から見れば、より合理的な方式であろうというふうに私ども思っておるわけでございます。
 さらに、今回の全相殺の方式でございますと、さらに減収分と増収部分とが相殺をされまして正味の損失部分を補償する、こういう考え方に立っておるわけでございまして、そのような相殺方式をとるということの見返りの措置といたしまして、いわゆる足切りと申しております補てんをしない部分を、従来の半相殺農単方式の二割から今回の全相殺の農単方式では一割に引き下げるということでございますので、この点、農家の補てん水準としてはさらに高くなるということになります。
 このような三つの、農作物についての共済方式が今回でき上がるわけでございますが、これを補償面で比べてみますと、一筆単位方式で米麦価の七割まで補償をされるということになります。それから半相殺農単方式では八割まで補償される。それから全相殺農単方式では九割まで補償される。このような補償水準の改善が行われるということでございます。
 それから農単引き受け方式を農家の受け入れやすいような形に工夫することが必要であるということでございますが、私がただいま御説明申し上ましたように、農家全体の経営安定、それから制度の効率化というような点から見ますと、この農単方式と申しますのは合理的であるというふうに考えておりますので、まずこの方式の導入が比較的容易に行われると思われます平地農村等の地域を重点にいたしましていろいろ制度の啓蒙を農家に対して行うということをまずいろいろやりたいと思っておるわけでございますが、特に今回の改正の中に入れております点は、農家単位引き受け方式の特例といたしまして、その農家の持っております耕地、これは一筆ということでございますが、その耕地について全損になったような耕地が出ました場合には、これを分雛をいたしまして、農家単位で計算をいたしましたよりもその分雛をいたしました全損耕地の共済金の支払いの方が多い場合、あるいは農単では支払われないような場合、そういう場合にはその一筆の全損耕地についての共済金の支払いをやるということを特例として認める措置を開いております。こういう措置を加えることによりましてこの農家単位引き受け方式のさらに推進をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、一筆単位引き受け方式が農作物共済の方式としては今日まあ支配的な引き受け方式になっておるわけでございますが、これに対しましても今回補償額の限度を先ほど申し上げましたように引き上げることにいたしたわけでございまして、従来は補償額の限度を米価あるいは麦価の百分の九十ということにしておりましたものを、今回百分の百までみるというふうにいたすことにいたしておりまして、この方式は当然一筆単位方式にも適用をされることになりますので、一筆方式についても従来の六三%というようなてん補水準の最高限が七〇%に引き上げられるというような改善措置も講じておるところでございます。
#296
○相沢武彦君 今回新たに農作物共済について減収に対する補償のほかに、特定の地域においては水稲病虫害の防除に要した農薬代についても補償するということになっているのですが、この目的ですね、それからこうした地域を指定するにはどういうような基準をもって行うのか、その点を明らかにしていただきたい。
#297
○政府委員(吉岡裕君) 近年の水稲の被害の状況を見てみますと、非常に、いま品種の改良でございますとか、あるいは栽培技術の改善というものが進んでおりますし、また一方風水害が減少しておるというふうなこともございまして、被害全体としてはかなり減少をしているということでございますが、その被害の中で病虫害の被害というのは、相対的に見まして必ずしも減少をするという傾向にはないわけでございます。そのような状況の中で、全体として水稲の被害が低下をするということの結果、まあ農家におきましては、いわゆる掛け捨ての不満というものがいろいろ出てきておるわけでございまして、まあ農業共済団体におきましても、このような農家の掛け捨て不満というものに対して積極的にやはり対応していかなければ共済事業として円満に運営していくことがむずかしいというようなことがございまして、いわゆる損害防止事業というものを積極的にやりまして、共済組合と組合員との結びつきを強化していくということをこの際積極的に拡大をしてほしいという要望を持っておるわけでございます。また、事実、共済組合が市町村の防除協議会等に参加をいたしまして、中にはみずから強力な病害虫防除活動を実施しておるというふうな実情もあるわけでございます。そこで、農災法の基本的な目的としましても、損害が広範に発生する前にその防止を行って、損害を最小限に抑えるということも非常に望ましい姿になるわけでございます。
 そこで、この損害防止事業というものを共済事業の一環ということで、今回制度化をすることにいたしたわけでございますが、今回のやり方としましては、新たにその防除に要しました費用を支払いの対象とする、共済金の支払い対象として防除に要した費用を対象とする。そういう仕組みを取り込むことになったわけでございまして、このため、いろいろ実行上の問題としては試行を要する、試みにいろいろやってみるというようなことが必要なことになるわけでございまして、今回の制度改正でも、水稲病害虫の異常発生に対する共同防除費用について当分の間特例として共済金を支払うという改正を織り込んでおるわけでございます。こういう目的の共済金の支払いでございますので、その実施される地域としましては、まず水稲に係る病害虫の防除を共同して行うための施設が整備をされておるといったような、共同防除のための体制が整っている地域であるということが一つの条件でございますし、また、その地域の防除基準あるいは防除実施計画等があらかじめ決まっておりまして、共同防除が適正に行われる見込みがあるというような地域が、その条件として必要なことになるというふうに私どもは考えております。そこで、そのような地域から、組合がこの事業を実施したいという申請をいたしてまいりました際には、都道府県知事の意見を聞いて指定をするということでまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#298
○相沢武彦君 そうしますと五十一年度では、これまで申請を受けて、今度の法律が通った場合に適用して補償をする対象になるところは、もうすでに何カ所か予定されているんでしょうか。
#299
○政府委員(吉岡裕君) この法律が通過いたしました暁は農林省としまして組合から希望をとり、その実態をよく調査いたしました上で地域指定をするということになっておりまして、私どもとしましては、法律通過後そのような希望、地域の実情というものを至急把握する措置をとりたいと思っております。
#300
○相沢武彦君 家畜共済について二点伺いたいんですが、近年における食糧需給の動向から見まして、畜産物に対する需要というものはますます強まってきておりますが、こういった現状から考えまして、畜産の振興というのはきわめて重要なことは言うまでもないことであります。今回の改正によって家畜共済の共済掛金国庫負担ですけれども、牛について言えば二分の一で、これは一応前進したと評価できると思うんです。ところが馬を初め、国民の重要な食肉資源になっている豚の場合、これは五分の二または三分の一ということになっているんですが、家畜共済の国庫負担はすべて二分の一にしていくべきじゃないかと思いますが、これについて大臣の御所見を伺いたい。
 それからもう一点は、家畜共済というものは畜産経営の安定にとってはきわめて重要な役割りを果たしてきておりますけれども、家畜共済の傷病、それから疾病給付を実施する機関の家畜診療所の中に、収支がきわめて悪化したために経営維持が困難だと、こういうところもあるように聞いておりますが、この赤字の原因はどこにあるのか、また、それに対して今後どのような対策を講じられるのか、御見解を承っておきたいと思います。
#301
○国務大臣(安倍晋太郎君) 第一点の家畜共済の国庫負担についてお答えを申し上げますが、現行の家畜共済の共済掛金国庫負担方式は昭和四十六年における制度改正により決められたものでございますが、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみまして、今回は共済掛金の国庫負担を牛につきましては二分の一、種豚につきましては五分の二に引き上げるとともに、肉豚につきましても三分の一の国庫負担を行うことによりまして、農家負担の軽減による加入の促進と畜産経営の安定を図ろうとすることにしたものでございます。この掛金の国庫負担割合をさらに引き上げることにつきましては、これはいま馬の問題も出ておりましたが、先ほどから鶴園委員の質問にも同じ御質問があったわけでございますが、今後における畜産の動向等見ながら関係方面とも連絡をとり、将来の問題といたしまして慎重に検討してまいりたいと考えております。
#302
○政府委員(吉岡裕君) 診療所の問題でございますが、最近の家畜診療所の経営状態を見ますと、牛馬の飼養頭数が地域によりまして非常に減少いたしましたり、あるいはその地域のその他の畜産事情が変化するといったことによりましていろんな経営問題が家畜診療所について起きておるわけでございますが、特に過疎地域の診療所の経営が悪化をしてきておるというところがございます。そこで、国としましては、家畜共済診療点数の改定でございますとか、あるいは特定損害防止事業における獣医師日当の引き上げといったような措置を講じて、いろいろ家畜診療所の経営問題に対処してきておるところでございますが、さらに家畜診療所の経営問題を基本的にいろんな角度から洗ってみようということで、今回学識経験者から成る検討会を開くことといたしておりまして この検討会におきまして総合的な検討をしていただき、その結果をまとめまして、今後の家畜診療所の健全な運営に資してまいりたいということで、せっかく勉強を始めたところでございます。
#303
○相沢武彦君 その実態を掌握された資料があったらまた後からいただきたいと思います。
 この問題について、さらに獣医師の処遇の問題があるわけなんですが、特に家畜共済の不振地区、まあ過疎地だと思いますが、獣医師の中にはきわめて動揺が見られるということも聞かれるんですが、こういった不振地域に対して、特に獣医師の処遇という点での対策についてどのようなことを講じられますか。
#304
○政府委員(吉岡裕君) 家畜共済の不振地区と申します地域は、結局、掛金率が高率であるというような地域でございまして、加入率が低くて危険率の高い農家が好んで加入をするといったような逆選択的な傾向が生ずるというようなこともございまして、それがまたさらに事業を不安定にし、危険率の上昇を招くというような悪循環を繰り返すことになるわけでございまして、やはりこの家畜共済不振地区につきましては、いろんな対策を講じまして、その解消に努めなければ家畜共済の健全な発展を図ることができないということでございます。そこで五十一年度、これらの地域のうちで共済掛金標準率が全国平均よりも相当高率であるというような組合の中から対象組合を選定をいたしまして、加入率の引き上げとか危険率を低下させるための家畜共済不振地区対策事業というようなものを実施することにいたしております。それで、こういうことを一方で事業としてやりながら、先ほど申し上げましたような獣医師さんについて、点数の改定でございますとか、そういう改善をいろいろ図りまして、獣医師の待遇の改善にもあわせて努めておるというのが実情でございます。
#305
○相沢武彦君 畑作物の共済について伺いますが、畑作物の対策を見てますと、これまでも水稲に比べるとかなりおくれているんじゃないかと思われるんですが、四十九年から試験実施が行われてきましたが、特に水稲農家に比べて畑作の人たちは、ともすると対策が乏しいということで、もっともっと充実してほしいという声が今日までも多かったわけでありますが、この畑作物の共済制度の本格実施という点について、大臣はどのようにお考えになっておるか、この点を伺って、次の野菜問題に移ります。
#306
○国務大臣(安倍晋太郎君) 畑作物の共済につきましては、御存じのように昭和四十八年に制定されました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法に基づきまして、四十九年度から北海道、鹿児島県及び沖繩県において試験実施を行っておるわけでございますが、試験実施は料率算定に必要な被害率等の基礎資料の整備、損害評価方法等につきまして調査を行うためのものでございますが、適正な被害率の算定には最低三年から五年間の被害状況のデータが必要とされるわけでございます。そのため、本格実施につきましては、五十四年度以降になると考えられるわけでありますが、その時期は可及的速やかになるように努力をしてまいりたいと存じます。
#307
○相沢武彦君 ぜひ準備を進めて、予定どおり一日も早くこの畑作の共済制度の本格実施を進めていただきたいと思います。
 次に、野菜の問題に移りますけれども、野菜の安定供給、それから価格の安定対策というものについては、非常に需要と供給両面から要請をされているわけでありまして、国民生活にとってもきわめて大きな影響を持つと思います。食生活の面から考えてみますと、高度経済成長の時代には、米からパンへ、魚から肉へ、野菜は洋菜類が多くなる。こういったパターンだったわけですが、低成長経済時代に入りまして、食生活の需要内容に変化が見られると言われております。すなわち、米食の見直し、魚、野菜の食物が増大をしてきている。また一時洋風化した日本人の食生活が、たくあん、みそ汁、御飯と、こういったこれまでの食生活へUターンを見せておりまして、今後野菜の摂取量というものは次第にふえていく傾向にあると言われております。また、政府は物価が一けたで抑えられなかった未達成の理由に、野菜の高騰を挙げたわけですけれども、野菜は異常な値上がりをするかと思えば、また極端な暴落ということで、豊作貧乏で農家は泣くと、こういうように野菜価格の乱高下というものが生産者、消費者ともに苦しめ泣かせるわけでありまして、この問題解決のためにこの本法案が出され、また充実するために今回改正をされると思うんですが、まず大臣に野菜行政の基本方針についてお伺いをしたいと思います。
#308
○国務大臣(安倍晋太郎君) 野菜は、米、畜産に次ぐ重要農産物であり、その生産の振興と価格の安定は、野菜作農家の経営上きわめて重要な問題でございます。また、消費者家計にとりましても、肉類に次ぐ重要な地位を占めておりまして、この野菜価格の安定は、消費者にとりましてもきわめて重要であると存じます。野菜の価格は、作付面積や天候によるところの供給量の変動の影響を受けて、非常に変動が著しく、むつかしい要素を含んでおることは御存じのとおりでありますが、この野菜価格の安定を図るためには、供給の安定を図ることが基本と考えられ、従来から野菜生産出荷安定法を中心に諸般の施策を講じてまいったわけでございます。この野菜生産出荷安定法制定後十年を今日経過をいたしまして、野菜をめぐるところの諸事情も変化いたしましたので、研究会を開いて検討をした結果を踏まえて、これまでの野菜制度の基本は動かさない。基本は動かさないこととするものの、野菜の供給安定対策の強化を図る見地から、制度の対象となる消費地域の拡大及び野菜供給安定対策の実施態勢の整備等を行うこととして、法改正をすることとした次第でございます。これによりまして、指定消費地域を入口集中の著しい大都市及びその周辺から野菜の消費上重要でありかつ相当の人口を有する都市及びその周辺に拡大をし、価格補てん事業の保証基準額の見直しによる引き上げを行うとともに、新たに都道府県の価格補てん事業への助成の道を開くほか、野菜の価格高騰時の直接的な諸対策につきましては、新設の野菜供給安定基金が引き継ぎ、財政的にも基盤が強化されることになると考えております。野菜生産出荷安定法の一部改正案のこの御成立をお願いしておるわけでございますが、これが成立されれば、その適正な運営と相まって野菜の供給安定を推進し、野菜農家の健全な発展と、国民の消費生活の安定に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#309
○相沢武彦君 農林省がこの野菜生産出荷安定法に基づいて生産、価格、流通対策等をやろうとされることは、方向として一応正しいとは思うんですけれども、それにしても予算の面からいきますと、非常に少な過ぎて、大きな効果は期待できないんではないかと、こういうふうに思われるのですが、五十一年度予算で見ますと、指定産地制度の予算が十八億、現在八百二十二指定をしているということですから、一産地当たり二百二十万円。それから、この予算で指導員、情報連絡員の配置や基盤整備、共同用トラクターの購入とか、あるいは育苗施設をつくるのに、これだけの予算じゃちょっと、これの事業余り大したことはできないんじゃないかという気がします。それから野菜価格の補てん事業ですが、これ六十億ですね。四十一年度スタートしてこの十年間で六十八億というのですが、非常に基準価格も低いために大した金額も交付されない。五十年度では十一億円が交付されているわけでありますが、負担金取られてももらえる量が少ないというような不満もあるようであります。それから需給安定対策費で五億円、流通加工対策費で十一億円。農林関係予算に比べて野菜関係予算百四十三億円はきわめて微々たるもので、どうも政府の野菜対策に対する姿勢は消極的じゃないのかという声も一部あるわけでございますが、これについて大臣はどのようなお考えですか。
#310
○政府委員(今村宣夫君) 昭和五十一年度の野菜対策予算、まあ狭い意味での野菜対策予算として百四十二億円をお話のように計上いたしておるわけでございますが、これは伸び率から言いますれば、農林予算全体の伸び率を上回っております。で、価格安定対策につきましては所要の予算を計上しまして、今回も保証基準額を引き上げまして、大体多いので三〇%、平均しまして大体一二%の引き上げを図っておるところでございます。生産対策の予算をごらんいただくとわかると思いますが、私たちは、今度の指定産地につきましても見直しの予算を計上し、あるいは主要土地改良をその中に事業内容として盛り込むとか、あるいはまた土づくりのための連作障害対策としての土壌改良等の予算を計上いたしておるわけでございまして、中身としては相当充実をしたものだというふうに考えております。しかし、今後につきましては、野菜対策についての所要な予算はもとよりそれを拡充をしてまいるように努めてまいりたいと思っております。
#311
○相沢武彦君 指定消費地域の拡大の問題でお尋ねしておきますが、農林省としては人口二十万人以上の消費地で県庁所在地であり、中央卸売市場の整備をされているところというようなことが基本線のようで、県庁所在地で現在未指定が二十四カ所、五十一年度は七カ所を指定されるという予定になっているそうでありますが、先ほども神沢委員からお話がありましたけれども、県庁所在地ぐらいは来年度中に全部指定できるように推進できないでしょうかね。人口二十万人を割る地域もあるんですけれども、これ何年間もかかるようですと、どうも農林省の考え方は大都市中心主義で、大都市や大市場の消費者は恩恵受けるけれども、地方の小市場や消費者は一体どうしてくれるんだ、不公平だというような不満の声もかなり高まってきているようなので、周辺地域も入れると
 いうことの解釈でぜひ、県庁所在地ぐらいはもう来年度中に片づけるということはできないのかどうか。
 それから北海道の場合ですが、現在札幌だけが指定されておりますか、札幌圏に旭川市を含めているのですが、かなりな広範囲なんです。北海道の場合、全国でも五分の二という広さは、五県分ぐらいに匹敵するぐらいというふうな考え方も成り立つわけで、表玄関の函館の場合、人口二十五万を超しておりますし、それから今後、人口が急激に伸びると予定されている苫小牧、それに室蘭をあわせまして一地域に考えますと、人口約二十八万ぐらいになりますし、ともに中央卸売市場があるわけですから優先順位は高いと思うのですが、この函館、室蘭、苫小牧を一括して、この地域はいつごろ指定される見通しがあるのか。
#312
○政府委員(今村宣夫君) 五十一年度に七地域を指定いたしますと、県庁所在地で残りますのが大体十五都市でございます。それから中央卸売市場がありまして県庁の所在地でないところは四都市ございます。そこで私たちとしましては、これらの市につきましては体制の整い次第、できるだけすみやかに指定をいたしたいと思いますが、ただ、指定消費地域を指定をするということだけではございませんで、指定を受けた地域は国の野菜対策の対象地域といたしまして、指定野菜の需要の見通しの策定でありますとか、あるいは需要に見合う供給確保のために当該指定地域向けの指定産地の指定とか、近代化事業等を仕組まなければいけません。したがいまして、そういうふうな体制づくりを県、農協、市町村がしていかないと効果が上がりませんので、私たちとしましては、できる限り地元において、そういう体制づくりを早くやるように指導いたしますと同時に、そういう体制ができましたものにつきましては、逐次指定をしていきたいと考えております。
#313
○相沢武彦君 函館、室蘭の見通し……。
#314
○政府委員(今村宣夫君) 釧路、函館、根室、室蘭につきましては、中央卸売市場がございますので、これらの市につきましては、先ほど申し上げましたような体制が整い次第、五十一年度以降できるだけすみやかに指定をしたいと考えております。
#315
○相沢武彦君 それから、積雪寒冷地に対する冬野菜の供給対策をもっと充実させるべきだと思うのですが、東北、北海道など積雪寒冷地、ここは冬期間だけでも拡大適用して指定消費地をふやすという考え方は持っておられませんか。
#316
○政府委員(今村宣夫君) 今回の法改正によりまして指定消費地域を人口二十万人程度の地方都市及びその周辺地域まで拡大する道を開きましたので、そういうように拡大しますことは、先生おっしゃいますような積雪寒冷地域でありますとか、あるいは沖繩のようなところにおける野菜の遠隔地からの安定供給ということを確保する趣旨でございます。したがいまして、そういうふうな改正にできましたところではそういう指定を行っていくことによって御趣旨のようなことができると思いますが、東北、青森を除いて大体全部指定を終わっているような状況でございます。
#317
○相沢武彦君 じゃ、生産出荷安定対策でただしておきたいのですが、野菜の作付面積は昭和四十一年約六十七万ヘクタール、これをピークにして年々減少傾向を示しておりますけれども、四十九年度は五十九万ヘクタール、最近も減少ないし横ばい状態だということです。この作付動向の減少の原因はいろいろあるのですが、中でも地力の低下に伴う生産の低迷ということについて憂慮されるわけなんですが、農林省が三十四年以来やってきた地力の保全基本調査を九割方終了しておりまして、その集計が出ておりますが、不良土壌の面積からいきますと、水田の全体に対する三九%に比べて、畑が六七%と非常に不良土壌の率が高いことになっております。この原因は、化学肥料の多用、それからキャベツに見られるような単肥作物の連作が地力の消耗に拍車をかけている、それから人手不足で堆厩肥の使用が減っている、畑の作土が浅くなって成育に障害をもたらす、こういったことで現状のまま放置をしますと、地力の低下が進んで反収水準は維持できなくなると、こう言われております。ある農家の方は連作は五年目ぐらいから二割ずつ減収するということも言っているわけでございまして、生産出荷安定にはこの指定産地制度の充実というものは急務でありますが、作付面積を大型化して計画的な生産出荷を図ることは当然重要なことでありますが、同時に、強力な地力保持対策というものが講じられなくてはならないと思うのですが、これについてどういう指導対策をされているのでしょうか。
#318
○政府委員(今村宣夫君) 近年御指摘のように野菜産地の一部におきまして地力の減退でありますとか、あるいは病害虫の発生等いわゆる連作障害を起こしている例が報告されておるわけでございますが、その原因は、一つはやっぱり経営規模が小さいものですから、適正な輪作がなかなか行われない。あるいはまた労働力が不足するので有機質の投与が不足するというふうなことが原因として考えられるわけであります。こういうことに対します対策として、農林省としましては、中央及び都道府県に土つくり運動の推進協議会を開催をいたしまして、土つくりの重要性に対する認識を高めると同時に、産地の実態に即した適正な輪作を行うように事務次官通達等によりまして指導を強化をいたしておるところでありますが、野菜につきましては野菜生産安定対策事業というのを実施をいたしまして、地力の増強のための施設でありますとか、あるいは病害虫防除施設の導入等を推進をすると同時に、野菜指定産地整備近代化事業というのを行いまして、それでその事業の所要の補助を行うことによりまして、地力の増強に留意するよう事業の推進を図っておるところでございます。
#319
○相沢武彦君 農林省の方で輪作を進めてもなかなか、生産者が消極的で実行しがたいという原因は、一つは作物によって価格が違ってくる、それからたとえば指定産地になったとしても、輪作するために作物を変えた場合、出荷先を保証してもらえるのかどうか、それからまた、何か別な物を植えておいて、さらに今度またもとへ戻る、戻ったときの作物の出荷先がどこへ指定されるのか不安であると、こういうようなことがあると思うのですが、今後この指定産地制度を充実していく場合に、大型化していく、それから一方では地力の保持をするために輪作を進める、この辺の絡みは一体どのようになっていますでしょうか。
#320
○政府委員(今村宣夫君) 私たちは、指定産地を指定いたします場合に、重複指定と言っておるのでございますけれども、その地域を、たとえば春キャベツ、冬トマトという指定野菜の種別ごとに一定の計画、出荷量が確保できる作付面積というものを考えまして、そうしてそういう輪作ができやすいように重複をして指定をするという取り扱いにいたしております。もう一つ、別途作物をずっと一連のものとしてつかまえて、複合的に作物をつかまえて指定をしたらどうかというお話がございますが、これはなかなかそういう形での作物、たとえば野菜の種類で、そういう複合的な指定というのはなお十分慎重に検討をしていく必要があるというふうに考えております。
#321
○相沢武彦君 大規模低温貯蔵庫の設置管理の問題でお尋ねしますが、現在、大阪中央市場に三千トン及び三千三百トンの貯蔵庫を設置管理をしておりまして、今後、京浜、中京地域にも順次建設する予定であるということなんですが、年次計画として、予算、それから件数、場所、これは現在どこまで具体化していますか。
#322
○政府委員(今村宣夫君) 大消費地域におきます低温貯蔵庫の設置につきましては、建設用地の確保がなかなかむずかしいので、計画的な設置は非常に実は困難な実情にあるわけでございます。しかし、京浜地域、中京地域につきましては、野菜の低温貯蔵庫が不足している実情及び今後におきます野菜の低温流通の進展等に見合った低温貯蔵庫を設置する必要があると考えております。したがって、地方自治体とも十分協議をいたしまして、卸売市場整備基本方針に基づく低温流通の施設整備状況を勘案しながら、生鮮食料品の消費地域需給調整設置事業というのがございますから、この補助金を活用しまして逐次整備をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#323
○相沢武彦君 現在、札幌市は指定消費地になっているんですが、人口百二十五万を超えております。しかも、十一月から四月までは雪に埋もれている、こういう季節的にまあ非常に不利な大消費地だけに、当然早急に大規模低温貯蔵庫は必要であろうと思うのですが、これの建設の見通し、それから、現在国の補助は三分の一になっていますが、これの補助率アップをもっとすべきだと思いますが、この点はどうでしょうか。
 それから、関連をして積雪寒冷地の悩みである冬野菜の長期貯蔵のために新技術の開発を図ることが必要だと思いますが、もっと品目をふやした実験事業、これを強化するお考えはないか。
#324
○政府委員(今村宣夫君) 北海道におきます冷蔵庫の設置の予定でございますが、中央卸売市場の施設整備といたしましては、五十一年度冷蔵庫の増設、新設の計画はございません。第二次十カ年計画では、室蘭の中央市場に若干の冷蔵庫の拡張工事が予定されているという状況でございます。北海道におきます卸売市場整備事業以外のところで低温倉庫は、当面北海道において設置する計画はございませんが、この敷地その他の確保ができまして、設置計画が北海道の方でつくられるようになりますれば、私たちは、それに遅滞なく対応するつもりでおるところでございます。
 それから、補助率を上げられないかということでございますが、現在、野菜の価格安定基金が低温の貯蔵庫を設置いたします場合、活用し得る事業としましては生鮮食料品等の消費地需給調整施設設置事業という補助事業がございますが、この事業の実施主体は、基金のほかに、都道府県または三万以上の市、それから地方公共団体が主たる出資者となっている法人、それから卸売市場の開設者、卸、中卸等の卸売市場関係事業者で構成する事業協同組合ということに相なっております。したがいまして、野菜価格安定基金の補助率だけを引き上げるということはなかなか困難なことではないかというふうに考えておるところでございます。
#325
○政府委員(平松甲子雄君) ただいま先生のお話は、大規模冷凍貯蔵庫における試験貯蔵みたいなお話かと承知いたしますけれども、私の方では一般的に野菜の冷凍その他についての研究をやっておりますので、その点について御答弁を申し上げたいと思います。
 野菜の価格は需給のちょっとしたアンバラによりまして大きく影響される、このようなことございますので、その有効な短期、長期の貯蔵法を確立するということが価格安定のための有力な手段ではないかと、このように考えておりますし、また野菜の鮮度低下が早うございますので、低温で貯蔵するとか輸送するとかということによりましてロスを低減させたり、あるいは適切な包装を行うことによって輸送途中の消耗を少なくするということも必要なことではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。まあそういうふうな観点から、私どもの方では、食品総合研究所なりあるいは野菜試験場なりというところで、まあ公立の試験研究機関の協力を得ながら、野菜の貯蔵なり包装なり輸送などの条件、方法を明らかにする。たとえばどういう品種の野菜が貯蔵に適するかとか、どういう環境条件、たとえばガスを充てんするとかなんとかというような形でやった方が貯蔵かやりやすいとか、あるいはどういう容器で、どういう積み方で貯蔵した方がいいかとか、どういうやり方で輸送した方がいいかとか、まあそういうふうな形の試験研究を続けておるところでございまして、今後ともそういう意味においての試験研究を大いにやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#326
○相沢武彦君 最後にもう一問。
 都道府県野菜価格安定法人に対する助成の問題なんですが、たとえば札幌市は独自に越冬野菜生産貯蔵事業団というのをつくっているのですが、そして市が生産者に価格保証をして一定の供給量を確保していますが、こういった全国の市単位の事業にも国の助成の道を開くべきではないかと思いますが、これの考え方を検討されていましょうか。
#327
○政府委員(今村宣夫君) 消費地の自治体がいろいろ独自に野菜の供給安定対策を行っておるわけでございまして、その内容は各地の実情に応じてさまざまでございますが、いずれも自治体が積極的に地域の物価問題に取り組んでいるという点で私は高く評価できると思いますが、しかし、中にはいろいろ問題点もないことはございません。そこで私たちといたしましては、基本的な対策、制度的な対策、これをやっぱり何といいますか、確実にやっていく、そしてその上に地方自治体の独自性を尊重しつつ全体の需給バランスを崩さないように、生産出荷協議会等を通じて適切な指導をしていくという考えでおるわけでございます。
#328
○小笠原貞子君 まず最初に、今度導入されました全相殺農単方式の問題についてお伺いしたいと思います。
 北海道の稲作の場合は、昭和三十九年や四十六年の冷害で大きな災害を経験いたしました。また政府においても積極的な推進をされたというようなこともございまして、北海道では農単方式というものを大体選択をしてとっておる。この方式でいきますと、大きな被害がございますときには共済金額は大きいという反面に、今度支払いを受ける機会というのが今度は少なくなるということで、農民の中には一筆方式に戻してほしいというような声も出ているわけです。まあ今回の改正で共済金額の方は、単位当たり価格の九〇%が一〇〇%に改善された、支払いを受ける機会を多くするという点での足切りの引き上げは、新しい全相殺農単方式を導入し、それは一〇%とするというだけにとどまっているわけです。この全相殺農単方式については米の収獲量を適正に確認できる地域ということで御説明を受けたわけですけれども、そうしますと、カントリーエレベーターとかライスセンター等の設備が整備されているというところが条件になろうかと思うわけです。で、北海道の場合調べてみますと、カントリーエレベーターやライスセンターというものを活用しているのはわずかに三%程度だということを聞いたわけなんです。また、単位共済組合全体で活用しているというところは全然ない。こういう点から考えますと、従来の半相殺農単の場合でも、検見のほかに出荷時に出荷量を確認しているわけですから、したがってライスセンターなどの設置がないところでも収穫量が適正に確認されれば、この方式を選択することができるということになっても当然だと思うんですけれども、その辺のところはどういうふうでございましょうか。
#329
○政府委員(吉岡裕君) ただいまお話ございましたように、今回導入いたします全相殺農単方式の条件といたしましては、農家の収穫量を的確に客観的に把握する条件があるということがその全相殺農単方式を導入いたします地域の条件になるわけでございまして、そういうことからいたしますと、カントリーエレベーターとか、ライスセンターのような施設が設置されている地域で、その地域の農家がそれを大幅に利用しておるということの結果、地域内の農家の収穫量というものが的確に把握されるようなそういう場所が、地域指定の条件があるわけでございます。いまのようなことで、カントリーエレベーター及びライスセンターの普及率を現時点で全国平均、全国で見てみますと、面積にいたしまして約六%程度の面積についてカントリーエレベーター及びライスセンターの処理が行われておるということでございます。そのほかにいろんな、その地域としての農家の収穫量が的確に把握できるような幾つかの基準というものが理論的には考えられるわけでございますが、そういうライスセンターないしはカントリーエレベーターに匹敵するような地域の農家の収穫量の把握のための条件としてはどのようなものがあるかということにつきましては、この制度が組合の申請、希望によりまして導入をされるということもございまして、これから組合の希望も聞き、その内容を詳細に調査をいたしまして、必要な条件を決めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#330
○小笠原貞子君 確かにこれ一つの新しい試みで、導入されたのはいいけれども、いま伺えば全国で面積にして六%しか適用されないということになりますと、もう本当にいいんだけれども、わずかしかということになってしまうわけです。さっきおっしゃったように、客観的にその量が確認されればということなわけですから、先ほど私も申し上げましたように、検見のほかに出荷時に量を確認していくということが客観的に確認できるという条件になろうかと思います。そういうほかに何かむずかしいことがあるんですか。具体的に何か客観的にこういう基準でということをいま具体的にお持ちになっていらっしゃるんですか。
#331
○政府委員(吉岡裕君) 先ほど御説明いたしましたように、最終的な地域指定の条件というものはそれぞれの地域の組合の申請によりまして、その内容をより具体的に確定をしたいというふうに思っておりますが、私どもが一つのメルクマールとして考えておりますことは、その地域について圃場における検見あるいは実測ができる体制が完全に整っておるというようなこと、さらにその地域の販売数量、商品化率と申しますか、販売数量あるいは受検数量、それから圃場の整備といったようなことが的確に土地改良等で行われておるというような条件、そのほか具体的にはなお出てくるかと思いますが、おおむね私どもが考えておりますのは、いま申し上げましたようなことを一つの基準といたしまして、具体的な条件を見定めていきたいというふうに考えております。
#332
○小笠原貞子君 何かちょっと心細くて、せっかくいいと思ってお出しなったことが、いまみたいなむずかしいことになったらどの程度適用されていくかと大変心配でございますが、その辺のところは希望がある場合には、弾力的に御配慮いただくということで積極的に御検討もいただきたいと思います。
 次に、一〇%の足切りということになれば掛金は高くなるというふうに思うのですけれども、この点で、今度この方式導入の場合に国庫負担を引き上げるというような措置はお考えになったのか、検討されたのかどうか。半相殺農単方式導入のときには、推進のための特別助成というものが実施されていたように思うわけです。その点はいかがでございますか。
#333
○政府委員(吉岡裕君) 今回の全相殺方式で一割足切りということで、掛金の計算などもいろいろいたしてみたわけでございますが、まず水稲について現在の半相殺農単方式、これは二割足切りでございますが、この被害率を全国平均で見てみますと一筆方式の被害率に比べて一〇%程度低くなっております。それから今回の全相殺農単方式一割足切りで、これを一筆方式と比べてみますと、おおむね同水準というふうなことになっております。そこで、今回導入をいたしました全相殺方式の農家単位引き受け方式によります場合には、特に農家の掛金負担を引き上げないでも済むというふうに私どもは見通しておるわけでございます。
 なお、いまのようないろいろ申し上げました率などは、それぞれ地域によりまして非常に条件が違いますので、ただいまのは全国平均の数字であるというふうに御了解をいただきたいと思います。
#334
○小笠原貞子君 全相殺農単方式と半相殺、いままでの農単方式の場合を、共済組合の方にいろいろ話を伺いますと、どっちが支払いの機会が多くなるかわからないということで、大変首をかしげていらっしゃるというようなことがございました。つまり、足切り水準は一〇%と高くなったようだけれども、増収分で、その分が差し引きされてくるわけですね。そうすると、半相殺の二〇%足切りと実際には変わらないということになるのではないか。そういう点から考えますと、基準収穫量というものが問題になってくるわけです。基準収穫量については、今日の技術水準とあわせての引き上げ、実態に合わせたものにしてほしいというような要望が出されているわけですけれども、この点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#335
○政府委員(吉岡裕君) 基準収穫量につきましては、毎年の生産性の向上といったようなことが反映いたしますように、統計情報部の方の調査の結果なども利用いたしまして、毎年実態に合うように基準収穫量を決めております。
#336
○小笠原貞子君 それがなかなか合ってないというところで、実際問題としては基準収穫量が多く見込まれて相殺されてしまったらおんなしだというようなことが実際問題として多いんじゃないかと思うわけなんでございますが。
 それじゃ、それはそれといたしまして、次にお伺いしたいことは、ちょうど北海道、昨年の台風五号、六号というような被害がございまして、その被害があったときにずっと私も二度くらいに各村や町を回ってみたわけですけれども、そのときに一番大きな要望として出されましたことは、低品位になった米について、共済の減収とみなしてほしいという声か強かったわけでございます。結果は特例措置として一・八ミリメートル以上についても白米にして白米検査基準に適合するまで削る。その削った分を減収とみなして、約一千トンが認定されたわけです。全相殺の場合、収穫量を出荷時に把握するとすれば、低品位による価格差も押さえて、減収の対象とすることは可能なことではないかと思うわけです。まあ、この点に対する全相殺方式への期待というものも大変大きいわけなので、この点は被害を可能な限りきちっと完全に評価するということは、私は当然のことだろうと思います。昨年の場合にはそれも特例として認められたわけですし、道議会などから要請なども、そのことを特に大きく要請をしてきたというような事実もございます。その減収分とみなしていくという点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#337
○政府委員(吉岡裕君) 先生御承知のとおり、農災法のたてまえは減収量についてそれぞれてん補をするということになっておりまして、先ほどお話のございました水害等による変質いたしました米につきましても、損害評価の特例措置ということで被害粒を控除して収穫量を決定するということをやり、さらに米の場合には搗精試験までやりまして、搗精歩どまりの低下分を収穫量から控除をするということで、あくまでも収穫量の減少というふうな姿において共済金が支払われるというたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、今回開かれました農単方式、全相殺農単方式におきましても、やはりその減収量というものによって共済金の支払いが行われるわけでございまして、そのたてまえは変わらないわけでございますが、ただ、カントリーエレベーター等の施設において被害農家ごとに収穫量が把握される。しかも被害を受けた米麦の数量というものがさらに把握しやすくなるという状況があるわけでございまして、いままで行っておりましたような損害評価の特例措置というものが、今回の全相殺農単方式におきまして、さらにより的確に農家単位に行えるようになる。そういう意味で、先ほど申されました一筆単位方式の特例措置というものがより的確に行える条件が生まれてきておると、まあこういうふうなことであろうというふうに思うわけでございます。
#338
○小笠原貞子君 お考えとしては一応わからないわけではないんですけれども、農家にとっての災害というのは、量が少ないということだけが災害ではなくて、量が少ないと同時に、品位が落ちたということで、農家としての収入が減収したということが、農家が受ける意味での農業災害ではかいかと、そういうふうに理解するのが素直な見方ではないかと思うわけなんです。で、特に昨年の場合にも特例としてお認めになったということは、やっぱりそれは災害だということから、減収分というものについてもごらんになったということだと思うんですね。私は、そういうことから見ましても、いまいまそれじゃ無理だとおっしゃるのかもしれませんけれども、今後はやっぱり量だけではなくって、そういう水害を受けたとかなんとかといって、確かに量では取れたけれども削っていかなければならないというような問題で、品位として下になってきて、農家にすれば減収になって災害を受けたというようなことも含めて農業災害の補償という立場に立っての方法を考えていただく必要があるのではないかと思うわけなんですけれども、今後そういう問題についても御検討いただくというお気持ちがおありかどうか、大臣の御所見も伺わせていただきたいと思います。
#339
○政府委員(吉岡裕君) 現在の農作物共済その他、農災法で考えております共済は、果樹共済に品質の低下というものが収量の減収と同じように災害対象となっておるという例はあるのでございますが、今日までのところ、農業災害補償法の主流をなします農作物共済等につきましては、減収量というものを補てんの対象にいたすということできておりまして、これがまあ一つの基礎的な考え方になっておるわけでございます。したがいまして、現状の考え方としては、先生がただいまおっしゃいましたような品質的な被害というものを収量というもので見て、減収として考えておるということでございまして、長期的な観点からは一つの検討課題であるとは思いますが、現下の農災法に基づくこの農単方式の導入といたしましては、やはり特例措置の、より適確な実施ということで農単方式の実施はやらしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#340
○小笠原貞子君 大変おかたくて、冷たくて残念なお答えなんですけれども、今後についての検討ということがありますので、長い将来じゃなくて、なるべく早い将来を期待をして真剣に御検討いただきたいと、農家の希望にもこたえていただきたいと、特に切望する次第です。
 それでは、最後に家畜共済について一言お伺いしたいと思うわけですけれども、国庫負担を牛について二分の一に引き上げられたわけですけれども、馬と種豚が五分の二、肉豚が三分の一にとどまっている。先ほどからいろいろその問題について出されておりましたけれども、農作物共済を見ますと蚕繭共済が六〇%前後、それから果樹共済が五〇%と、他の共済等の比較から見ましても今後少なくとも二分の一までという要望は先ほどからも出たとおり、農家にとっても非常に大きな希望になっているわけです。馬と肉豚についても当然引き上げていいものではないか。引き上げるべきであると私どもは考えているわけで、今後とも、先ほどは考えるということのお答えでございましたけれども、具体的に御検討いただきたいというような点で御見解を伺いたいと思います。
#341
○国務大臣(安倍晋太郎君) この家畜共済の国庫負担につきましては、農林省としてもこの負担の引き上げにつきましてはいろいろと努力をいたしまして、いまお話のように牛につきましては五分の二から二分の一と、種豚につきましては五分の二に引き上げたわけでございまして、同時にまた肉豚はこれは新しく三分の一の国庫負担を行うことにいたしたわけでございますが、こうした措置はこれからのやはり畜産経営を進めていく上において農家負担を軽減させるということで手がけた措置でございます。今後の掛金の国庫負担率、国庫負担の割合をさらに引き上げることにつきましては、畜産も今後とも安定成長をいたしていくわけでございますから、そうした動向を見ながら十分関係方面との連絡もとります――財政負担も伴うわけでございますから、関係各方面との連絡もとりながら将来の課題として検討してまいりたいと考えております。
#342
○小笠原貞子君 特に北海道なんか軽種馬なんかがたくさんございますし、馬ともなりますと、事故が起これば相当の被害というような額にもなってまいりますし、ぜひ今後とも御検討いただきたいと思います。
 それでは引き続きまして、今度は野菜の方の問題についてお伺いしたいと思います。
 今回の特定野菜等価格補てん事業について助成を受けるための要件というような問題はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#343
○政府委員(今村宣夫君) 特定野菜の制度でございますが、これは野菜の需給価格の安定に対する要請の強まりに対処いたしまして、指定野菜とはなっていない野菜でありましても、物価の安定とか供給の確保という観点から指定野菜に準ずる重要な野菜につきまして、都道府県に設けられております野菜価格の安定を目的とする法人を活用して価格補てんをしようとするものでございます。
 その制度の仕組みでございますが、保証基準額は趨勢値価格の八〇%、それから補てん率は八〇%、補助率は三分の一ということで考えております。
 制度のねらいが、そういうふうにそれぞれの地域におきます重要な野菜につきまして国が助成をするということでございますから、それぞれ都道府県、国それから生産者ということで三分の一の補助率としておるわけでございます。それで、指定の対象産地をたとえば面積基準という問題をとらえてみますと、やっぱり計画的安定的な出荷が可能なような集団産地をやはり対象に考えていくということになりますと、やはり一定規模以上の作付面積を有する産地、これは決して大きい面積ではございませんで、たとえば五ヘクタールぐらいまとまりのあるようなそういう地域を対象にして考えていったらどうかと思います。もちろんいろいろ都市近郊の野菜等につきましては、地域の実情でありますとか、栽培形態に応じましてもう少し低い面積を対象とするように運用については十分検討してまいりたいと考えております。
#344
○小笠原貞子君 大体わかりました。で、五ヘクタールぐらいというところは弾力的に考えるということでございますね。
 それじゃ保証基準価格なんですけれども、なぜ趨勢値の八〇%というふうになすったのか、その理由ですね。どういうわけで八〇%にしたか。指定野菜の場合は趨勢値の九〇%というふうになってますが、八〇%と下げているのは理由としては何をお考えになっていらっしゃいますか。
#345
○政府委員(今村宣夫君) 指定野菜につきましては御指摘のように保証基準額は趨勢値価格の九〇%でございますが、この特定野菜につきましては趨勢値価格の八〇%ということで若干の差がございますが、これは一つは県のそういう事業をやっておりました団体の従来の水準というものもございます。したがいまして、指定野菜となっているものとのバランスに留意をすると同時に、現在県法人が実施しておる水準を勘案いたしまして保証価格を趨勢値価格の八〇%ということにしたわけでございます。
#346
○小笠原貞子君 これまでやってなかったのを国がやってあげるという点では、三分の一出していただくということは大変結構なことだと思いますけれども、いままで見てみますと、県に資金力が足りないというような場合には対象品目が減らされたり、それから量が減らされたりというようなことで、結果的にはいい効果が上がらないということなわけなので、せっかくお出しになったこういうことについて、今後とも国がもっと助成を引き上げていくというような点は考えていらっしゃらないんでしょうか。
#347
○政府委員(今村宣夫君) 補助率はそういうことで一応三分の一ということに考えておりますが、もちろん補助率は高いことにこしたことはございませんのですけれども、そういうことの制度の性質上、三分の一が現在の段階では私は妥当なところではないかと思いますけれども、もちろんその制度の拡充等につきましては、それは常に検討を続けていくべきだと、こういうふうに思っております。
#348
○小笠原貞子君 野菜の場合は特に季節性だとか地域性というような特殊な事情がございます。そういう意味においては地方自治体の自主性を大きく尊重していただきたいと思いますし、国の助成に対する、助成に伴ういろいろな条件、この条件というようなものもできる限り弾力的な運用をして、考えをもって進めていただきたいと思うわけです。具体的に、特定野菜と価格補てん事業について、大都市周辺の軟弱物の野菜生産地なども対象となるようにしていただきたいというふうに思うわけですけれども、その点についてはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
#349
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のような、たとえばコマツナのような都市近郊型の野菜につきましては、地域の実情でありますとか、栽培形態に応じまして、私が申し上げましたような面積基準等につきましての運用については今後十分検討してまいりたいと思っております。
#350
○小笠原貞子君 自治体が、いまも言いましたように自主的にやっているというようなことについて、どういうふうに見ていらっしゃるかということをお聞きしたいんですけれども、たとえば京都方式だとか東京方式だとか、また大阪高槻市の場合だとか、唐津市の場合だとか、それなりに自治体は非常に努力していままでやってきたと思うんですね。こういうものについての評価、どういうふうに考えていらっしゃるか、今度の法案との関係でどういうふうに、国としてはこれに力を貸してやれるかという立場からのお考えを伺いたいと思います。
#351
○政府委員(今村宣夫君) 消費地の地方自治体が独自に行ってます野菜供給安定対策を分類分けをしますと、一つは価格低落時の価格補てんと、価格高騰時の一定価格以内での販売を、消費地の自治体と出荷団体との間で相互に契約する、いわゆる嬬恋方式と言われるものが一つございます。それからもう一つは、貯蔵性野菜を一括買い付けて貯蔵保管をしまして、価格高騰時に放出するというような売買保管管理事業というようなものがございます。それから大都市の近郊生産県等が、地元消費地への供給確保のために出荷奨励金の交付、価格補てん等の事業を行う方式がございます。それからもう一つ北海道のように、特定の地域が出荷を誘引するために、輸送費等の一部を助成するというふうな方式に大別されるわけでございます。
 これらは自治体が積極的に地域の物価問題に取り組んでいるという点で評価できるわけでございますが、問題点がないことはございませんので、私たちとしましては、そういう地方自治体の独自性を尊重しつつ、全体の需給バランスを崩さないように、生産出荷協議会等を通じて適切に指導をしてまいりたいと思っておるところでございます。で、都道府県の価格補てん事業のうちで、自県産の生産地について行うものにつきましては、今回の法改正によりまして新たに設けられます特定野菜価格補てん事業の対象となり得るわけでございます。また、消費地におきます需給調整施設、たとえば低温貯蔵庫等の設置について助成をいたしておりますので、できる限り地方自治体の売買管理事業等への活用を図ってまいりたいと思っております。したがって、このような国の対策を地方自治体が活用していくということを期待をいたしているところでございまして、国は全国的な観点から必要な事業について助成を行ってまいりますので、消費地自治体は、それぞれの地域の実情に応じて独自の工夫をこらして行う対策については、その自主性を尊重するという考えでおるわけでございます。
#352
○小笠原貞子君 いろいろと国の方としても、新流通経路モデル事例育成事業とか、野菜供給確保特別事業というような事業も行われているように拝見しました。また、各自治体でもそれなりの努力をしているというような点から考えても、やっぱり自治体の努力はそれなりに伸ばしてやっていただきたいし、国としての対策も、生産から流通から消費にわたる総合的な対策というようなもので考えていただきたいと、こういうふうに私は希望するわけです。今度の場合に、協会と基金の合併を図ったというようなときでもございますし、その趣旨を生かすことが今後の野菜生産を発展させるという上で、地方自治体の果たす役割りもこれは非常に大きい。そういうことから、この総合的なメニュー方式というような、総合対策というようなものを今後お考えになっていらっしゃるかどうかということをお伺いしたいと思うわけです。
 北海道の道南の函館のそばに森町というところがあるんですけれども、そこの濁川地域というのは、温泉の熱を利用いたしまして、トマト、キュウリ、それからタイナなどをつくっているわけです。これは昭和四十五年の北海道稲作調整特別対策事業ということで、事業費二千三百九十二万円のうち、国が一千五百九十万補助を出してくださっているわけです。五十年度では道単独で三千万の事業費に対して二分の一の補助を出している。こういうような面においても、いろいろと総合的な面での援助ということも大事なのではないかと思うんですけれども、総合的なメニュー方式、こういったものについても、どういうふうに考えていらっしゃるかどうか、お伺いしたいと思います。
#353
○政府委員(今村宣夫君) 先ほども御説明をいたしましたように、私たちとしましては、指定産地の拡充強化、それから指定消費地の拡大、それからまた流通につきましては、お話のございましたように市場の整備、それから新流通経路の育成というふうな総合的な全体的な政策を、総合的に講ずることによって野菜の問題に対処してまいりたいというふうに考えておりますので、したがいまして、県がそれぞれの実情に応じまして独自の工夫をこらして行う対策につきましては、それはそれとして評価をいたす次第でございます。が、そういう県の自主性を尊重する意味合いからも特にこれについて助成をするということは考えていないところでございまして、今回の指定特定野菜制度、あるいはまた先ほど申し上げました貯蔵保管の事業等につきまして、十分これを県がこれを活用をしていただくことを期待をいたしておるわけでございます。
 それから、北海道の件でございますが、地熱を利用していろいろのことを行います場合にあって、周辺との影響とか、あるいは周辺に影響がないとか、しかも技術的に可能なものであるということになれば、積極的に推進をしていく必要があると思いますが、現在までのところ、北海道も直ちにこれを事業に乗るというふうには考えていないようでございますが、なお十分北海道等とも話を聞いて協議をしてみたいと思っております。
#354
○小笠原貞子君 じゃあ次に、保証基準価格についてお伺いしたいと思います。
 現行の算定方式で得られた保障基準価格というものを私は、決して十分ではないと、野菜農家の再生産を確保するという点から見てそういうふうに考えるわけですけれども、野菜農家の再生産を確保するという立場からどう考えていらっしゃるか。
 時間がないから重ねてお伺いいたしますけれども、そういう意味において毎年物価修正というものをなさるおつもりかどうか。
#355
○国務大臣(安倍晋太郎君) 価格補てん事業の保証基準価格につきましては、過去の市場価格から趨勢的に求めた想定平均価格を基礎にして決められ、需給実勢を反映した方式をとっているわけでございます。これを生産費を基礎として決めるべきだという御議論につきましては、野菜の持つ特性、すなわち自由に流通する商品であること、あるいは気象条件等により著しい豊凶の変動がある上に貯蔵性がないこと、また野菜は種類、作型も多く、生産形態も多様であり、統一的な生産費を把握しがたいということ等から、その採用は困難でありまして、価格低落時の下支えとしては現行の需給実勢を基礎とする方式が妥当と考えております。価格低落時の不安をないようにすることは、これは野菜の供給の安定を図るために非常に大事でございますから、五十一年度におきましては、保証基準額の見直しによる引き上げを行ったところでございますし、今後とも算定方法の改善補てん機会の増大、生産者の負担の緩和等については検討してまいりたいと考えております。
#356
○小笠原貞子君 野菜は確かにおっしゃったような、いろいろな野菜であるがための特殊条件というのは当然だと思うんですけれども、やっぱり、それはあるにしても、再生産を確保するということをしないとならないと思うわけなんですけれども、その基礎となるのはやっぱりいろいろな条件があるにしても、生産費の調査ということを充実させていかなければ、すべては天候のせいだというようなわけにはいかないと思うわけなんですけれども、その野菜について統計情報部などで、生産費調査というようなものは、どういう体制で、どの程度行われているのかという点についてお伺いしたいと思います。
#357
○説明員(有松晃君) 野菜の生産費調査でございますが、これは先ほど大臣が言われましたように、野菜は非常に品目数も多くバラエティに富んでいるわけでございまして、そういう意味で、あるいは一つの品目につきましても地域とか品種とか多種多様でございますので、これを統一的な生産費を調べるということにはなかなかむずかしい点もあるわけでございますけれども、まあしかし、やはり重要な野菜につきましては、私どもも、この生産費を明らかにするということを必要と考えまして、統計情報部におきましても、戦後農林統計組織が発足して以来、野菜の生産費調査は、特に重要な野菜については行っております。特に昭和四十年以後におきまして、野菜の需要度も飛躍的に高まってきておりますので、品目数を増加させるとか、あるいは調査の個数をふやすというような形で充実に努めておりまして、現在では特に重要野菜――大根、キャベツ、白菜、キュウリ、トマトそのほか含めまして十三品目について調査を実施しております。なお、今後とも私ども一層この改善充実に努めてまいりたいと思っております。
#358
○小笠原貞子君 いままで物価修正をされるというような場合にも、基礎としていたのは市場価格ではなかったかと思うわけですけれども、大変御苦労な仕事ですし、野菜独特の条件というようなこともあって、大変だろうと思いますけれども、ぜひその調査といいものを充実させて基礎にしていただきたいと思うわけです。
 最後に、北海道の特に冬期の野菜の問題についての御見解を伺いたいと思うわけです。北海道は地理的な条件から野菜については冬期が非常に深刻な状態になるわけです。で、白菜とキャベツを調べてみたんですけれども、白菜の場合に道内物で自給率というものは、主要九市場では平均一二%にとどまっているわけです。で、キャベツの場合にも道内物の自給率というのは九市場でわずかに七%にとどまっているというような数字出ておりました。で、全体で見れば、平均しますと二七%までいっているわけですけれども一九市場で見るとわずかに七%というような数字が出てきているわけです。これは北海道としてもこの点非常に、冬期野菜についての問題は真剣に考えて、いま実験事業というのを準備しているわけです。
 現在は簡易貯蔵庫というものが七むね、五十トンクラスで、産地につくるときに道が二分の一補助するということで、倉庫をつくっているわけですけれども、道がいま五十二年度予算で農林省の方に要請が出ていると思うんですけれども、野菜を冬期に確保するために、野積みにしておいてどうなっていくか、それから簡易倉庫の場合はどうなるか、大型の場合にはどうなんだ、ということを分けて実験事業をやりたいということを考えているわけなんで、これは私、大変大事なことだと思うわけですけれども、そういう実験事業について、国としては何らかの援助ということを考えていらっしゃるかどうか。特に大型貯蔵庫三千トンないし五千トンを産地につくることができないかというようなことで、ぜひ御検討いただきたいというような、そういう点が農林省の方に、道から要請が上がってきていると思いますけれども、その辺のところはどういうふうにお考えいただいているのでしょうか。
#359
○政府委員(今村宣夫君) お話のように北海道の秋、冬期におきます野菜需要の非常に多くは、関東周辺の野菜産地に依存しておるわけでございますので、その計画的、安定的供給を図ることが非常に大切なところでございます。そこで、私たちとしましては、生産出荷協議会等を開催しまして、指定消費地域、たとえば札幌とか旭川等に対する出荷の安定ということを推進をしてまいっておるところでございます。しかし、輸送手段の途絶等によりまして、円滑な供給が阻害されるおそれがございますので、道内産の野菜を産地より消費地に貯蔵して供給の安定を図っていくということは非常に重要なことだと思っております。そこで従来から産地の出荷調整あるいは消費地域におきまする需給調整のための貯蔵庫だとか、低温倉庫等の整備に努めてきたところでございます。
 お話のございました北海道の実験事業の希望については、まだ十分には承知をいたしておりませんが、従来から行っておりまするバレイショ、タマネギ以外の野菜の長期貯蔵については、なお技術的にもいろいろ問題があるかと思いますので、今後、道の話も聞きまして、検討してまいりたいと考えております。
#360
○小笠原貞子君 本当に北海道の場合、大変遠いですし、寒い地方であるということで、私も数字見てびっくりしたんですけれども、道の事業として冬期移入野菜契約出荷促進事業というのを行っているわけなんです。これは昭和四十九年に八千四百八十トンに対して四千七十二万円だったんですが、五十一年度では二万百五十トン、そのための費用として一億二千三百七十五万円というような非常に大きなお金をかけているという数字を出しているわけなんですね。そういう点から、私はやっぱり北海道の冬期野菜というものについてはなるべく北海道で貯蔵していく、そして安定的に供給するということが生産者にとっても消費者にとっても大事なことだと思いますし、道の方からも要請したというようなことでございましたので、今後ともその問題について国としての御援助をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 それから、指定消費地域ですけれども、これも先ほど出ましたけれども、室蘭と、それから苫小牧、それから函館、釧路というような問題が具体的に出ているわけですけれども、これも地元でのいろいろなまとまりができれば五十二年度には指定するということは可能でございますか。
#361
○政府委員(今村宣夫君) 函館と釧路につきましては、人口が二十万人以上あり、かつ中央卸売市場が整備されておりますので、当然今回の改正によって対象となし得るものであると思います。また、室蘭と苫小牧については、人口では二十万人に満たないわけでございますが、野菜消費の重要性を考えて、これらにつきまして十分検討してまいりたいと思います。
#362
○小笠原貞子君 それから、さっきの道からの問題について大変、いまの数字を出しましたように冬期野菜の問題について努力もしておりますので、今後ともその問題について道と御相談くだすって、国としての御援助もお願いしたいということを申し上げたわけなんです。
#363
○政府委員(今村宣夫君) 北海道の単独事業として簡易貯蔵庫の設置を考えておるようでございますが、従来やっていました、たとえばタマネギとかバレイショというような長期貯蔵についてはいいと思うのですが、白菜等のようなものについての貯蔵技術といいますか、そういうものが一体どういうふうなことになるのか、あるいはまた道としてはどういう考え方でやるのか、その詳細はまだ聞いておりませんので、北海道と十分話し合いをしてみたいと思っております。
#364
○塚田大願君 時間もありませんから、私はごく簡単に農業災害問題でお聞きしたいと思うんです。
 まずお聞きしたいのは気象庁の向こう三カ月の予報を見ましても、ことしは非常に異常気象になる可能性が強いという警告を出しております。三十年来、三十年に一度というような異常気象というようなことも言われておるわけでありますけれども、農業経営の安定の上では異常気象対策というものは大変私は重要だと思うのです。しょっちゅうここでもいろいろ災害問題が論ぜられてきましたけれども、冷害であるとか、その他大雨であるとかいろいろございました。したがって、この異常気象対策を農林省としてはどのようにとっておられるか。そうしてまたそれと関連して植物防疫対策、こういうものも非常に必要だと思うのですけれども、農林省としては行政面からどのような対策をお考えなのか、これをまずお聞きしたいと思うのです。
#365
○政府委員(川田則雄君) 最近の気象の状況を気象庁と連絡をとっていろいろ伺っておりますが、南北の気圧差が非常に大きいということが特徴のように伺っております。南北の気圧差が大きいということは気象の変動が大きいということのように説明されております。
 いま先生からお話がございましたが、気象庁の暖候期、これは四月から九月までの気象条件でございますが、暖候期の予報が三月十日に発表になっております。それによりますと、梅雨期の後半には北日本では低温、日照不足が懸念され、地域によっては大雨の恐れがあり、梅雨期後は西日本を中心に少雨傾向が、北日本では一時的不安定な気候が見込まれるというように気象庁は発表いたしております。
 農林省といたしましては、それを受けまして、特に最近の農業情勢を踏まえまして、稲作だとか、あるいは果樹、野菜等、その暖候期の間の気象条件が非常に影響する作物につきまして、昭和五十一年度春夏作の技術指導についてというのを全省的にいろいろ検討いたしてまとめまして、三月二十五日に地方農政局等を通じて各県に通達いたして指導をいたしております。
 なお、先ほど申し上げましたように、気象のいろいろなふれが大きいということでございますから、そのときどきの状況を的確に把握し、伝達するということが重要でございますので、随時中央及び地方農政局で気象庁との連絡を密にして連絡会議等を開き、その情報が末端にスムーズに行くような努力をいたしております。今後とも気象の問題は重要でございますから、そのときどきの状況をよくつかんで的確に措置していきたいと思っております。
#366
○塚田大願君 防疫対策、植物防疫。
#367
○政府委員(川田則雄君) 植物防疫の問題でございますが、これもやはり低温というものは病害虫の発生に重大な影響を及ぼします。特に水稲のイモチ病等はその影響が非常に大きい。そういうようなことから、農林省の組織として発生予察事業をやっておりまして、その発生のいろいろな状況を的確に把握し、これも先ほどの指導要領とともに、病害虫対策も特に重視していきたいと考えております。
#368
○塚田大願君 もう一つ聞きたいんだ。その防疫体制ですね、どういうふうな体制をとっていらっしやるのか。
#369
○国務大臣(安倍晋太郎君) 植物防疫法によりますと、「輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物を駆除し、及びそのまん延を防止し、もって農業生産の安全及び助長を図ること」と、こう目的といたしておるわけでございますが、国内防疫対策といたしましては、防除計画の作成、発生予察事業の実施とこれに基づく病害虫の発生予察情報の関係者への提供、農家に対する防除の指導等によりまして、適時的確な防除に努めているほか、種苗の検査、一定の植物の移動の制限、禁止、緊急防除等を実施をいたしておるわけであります。
#370
○塚田大願君 時間がありませんから、その辺でまあおまけしておきましょう。
 で、次にお聞きしたいのは、今回の農災法の改正で、水稲の病害虫防除給付というのが当分の間実施されるということになりました。この損害防止給付と植物防疫との関連はどうなるのかですね。
 また、この給付で具体的に農家にはどのぐらいの給付が行われるのか、それをお聞きしたいと思います。
#371
○政府委員(吉岡裕君) 今回の法改正の中に、ただいまお話しの損害防止給付を水稲について新たに入れたわけでございますが、この給付内容としましては、異常発生時の病害虫の防除経費について、特例としてではございますけれども、これを共済給付の対象にしようということでございまして、この異常発生時の病害虫の防除というのはどういうものであるかということになりますと、ただいま大臣からお話のございました植物防疫法に基づきます発生予察情報に基づきまして病害虫の異常発生があったとして、警報が出された場合に、農家が防除をいたしまして、そのために余分にかかった経費の一部を給付として払うという仕組みのものでございます。
 そこで、その給付内容の考え方としましては、組合員等が通常の年におきまして平年的な病害虫の防除をいたします際の一つの基準、これを通常防除基準と呼んでおるわけでございますが、それを超えて行いました防除部分に対応する農薬費及び燃料費というように考えております。平たく申しますと、平生、通常防除としては二回やっているものが、異常発生を防止するためにさらに二回防除をしたという場合の、その余分の、たとえば二回分というふうなことを考えておるわけでございまして、私ども、これから具体的な計算をして決めなければならないわけでございますが、試算によりますと、大体十アール当たり千円前後というふうな金額ではなかろうかというふうに考えております。
#372
○塚田大願君 これについて大臣何か言われることは……。
#373
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長の答弁したとおりでございます。
#374
○塚田大願君 これは大臣答弁なんだ、本当はね。いまの問題は。まあいいや、もう時間がどんどん過ぎるからね、私はたった二十分しかないんだから。
 じゃあ、ひとつお蚕についてお聞きしますけれども、春のお蚕の責任期間が繰り上がりましたね。それで、この場合、ネズミなどの獣害のほかに胴枯れ病とか、あるいは芽枯れ病などの冬季の損害も補償の対象になるのかどうか、それをお伺いしたいと思うんです。
#375
○政府委員(吉岡裕君) ただいまの法律で芽枯れ病、胴枯れ病といったようなものは病害でございますので、共済事故の対象に現在すでになっておるわけでございますが、獣害等が入りまして春蚕繭の共済責任期間が繰り上がるということになります地域について、その冬季の間に芽枯れ病あるいは胴枯れ病等による損害が生じました際には、これはもちろん補償の対象となるわけでございます。
#376
○塚田大願君 この責任期間を繰り上げるところの特定地域を、まあ今度、農林大臣が指定されるということになっていますが、この指定はどのようにして行うのか。たとえば新潟であるとか、関東北部などはいわゆる根雪の残る積雪地帯でありまして、ネズミなどの獣害が相当あるわけですね。あるいは胴枯れ、芽枯れ病、こういう損害が非常に大きいと聞いていますし、まあ特に私の郷里の新潟なんかの魚沼、東頸城郡なんかでは雪が非常に多いところでありますから、こういうところではたとえば五十年に胴枯れ病で大変大きな損害を受けた経験もある。こういう地域もこの対象となるのかどうか、それをお聞きしたいと思うんです。
#377
○政府委員(吉岡裕君) 特定地域を農林大臣が指定をするということになっておりますが、まあ、これは趣旨として、桑の獣害の発生を今回共済事故の対象にしようということからとられた制度でございますので、やはりその獣害の発生の多い地域からの申請が多いと思われますが、もちろんそのような条件がございます新潟といったような地域でありましても、被害が現実にございます地域から組合の申請がございました際には十分実態を調査しまして、適切に対処したいと考えております。
#378
○塚田大願君 この桑の獣害というのは、主として東日本だと考えますけれども、西日本なんかにおいてもかなり損害があると思うんですが、そういう場合にはやっぱり地域指定が行われるわけですか。
#379
○政府委員(吉岡裕君) 御説のとおり、東北とかあるいは北陸地方といったところは積雪地帯が多いわけでございますが、西日本の地域でも山陰地方でございますとか、あるいは熊本県といったような九州の一部の地域にも獣害の発生がございます。もちろんそういった地域から指定の希望があります際には、被害の実態に応じて調査の上、組合等の申請に基づいて指定することを考えております。
#380
○塚田大願君 この桑の実損てん補率を六割から七割に引き上げると言われておるんですが、養蚕経営の安定という面から見ますと、もっとこれを引き上げるべきではないかと考えられますが、その点はどうですか。
#381
○政府委員(吉岡裕君) 現在の蚕繭共済のてん補率の六割と申しますのは、四十六年の法改正のときに百分の五十から百分の六十に引き上げられたということでございますが、今回はさらにこれを百分の七十に引き上げようということでお願いを申し上げておるわけでございます。もちろん、ねらいといたしましては補償の充実を図るということでございますが、その背景といたしまして、最近の単位当たりの共済金額の農家の選択状況でございますとか、あるいは繭糸価格安定制度に基づきます補償繭価の水準といったようなことを考慮いたしまして、今回の改正を行ったわけでございます。今後とも農家の単位当たりの共済金額の選択状況でございますとか、あるいは蚕繭の被害状況といったようなものの推移を見て、将来にわたって慎重にこの点は検討さしていただきたいと考えております。
#382
○塚田大願君 次に、果樹共済のことで一つお聞きしたいのですが、ついこの間、五月の九日でありましたか、関東地方を襲ったひょうがありました。この場合に、各県ではナシ、たばこなどが非常に大きく被害を受けたわけです。特に千葉県がひどかったようですね。市原市では名産のナシが全滅したといわれているわけですね。私の調べたところでは、このナシの共済加入というのは非常に市原市の場合でも低いのですね、二五%だと。県の農協に聞きましたらそう言っておりました。全国的にも果樹共済というのは非常に加入率が低いと言われておるわけですが、これを高めるために政府はどのような対策をお考えなのか、お聞きしたいと思うんです。
#383
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話のように、果樹共済は加入率が低いわけでございますが、これは果樹が水稲に比べて種類が多く、また農家間、または産地間における栽培形態や技術にかなりの格差が見られるので、果樹共済の事業運営につきましては多くの困難が伴うほか、制度発足後もまだ日が浅い関係もありまして、昭和五十年度の加入率、面積では収穫共済にあっては一八・九%、樹体共済にあっては八・九%と低位にとどまっておるわけであります。こうした実態にかんがみまして、現行の果樹共済の普及をこれは一層進めなきゃならないわけでございますが、新たに果樹栽培経営の必要性に見合った共済事故を選択できる制度を導入をいたしまして、加入の促進に努めてまいりたいと考えております。
#384
○塚田大願君 選択制の導入というのは一歩前進だろうと思うんですけれども、そういう意味から言いますと、台風、病虫害の事故選択をやって、この共済制度をもっと魅力あるものにしていく必要があるんではないか。そのためにはひょう害などの問題もあわせて検討して、農単引き受けだけではなくて、園単位の引き受けなどもやってみたらどうかと考えるんですが、これはどうでしょうか。
#385
○政府委員(吉岡裕君) 果樹共済につきまして、今後の方向につきましてはただいま大臣から申されたとおりでございますが、今回の改正の中で、果樹共済の加入の促進をいたしますために、病虫害の事故除外でございますとか、あるいはそれ以外の、たとえば台風以外の災害を事故除外をする、ひっくり返しますれば、台風を事故として選ぶというような方式なども考えておりまして、こういう方式によって加入を促進をしたいというふうに思っておるわけでございます。なお、園地単位を果樹共済について導入をしたらどうかというお話が一方であるわけでございますが、農作物共済と違いまして、果樹共済については本格実施の当初から農家単位方式ということで、収穫量とそれから同時に品質低下というものを損害の内容に入れまして、今日、果樹共済が発足をして実施をし始めておるわけでございまして、私どもとしては、この農家単位方式の果樹共済をさらに加入を促進をしていくことによりまして、そのメリットがさらに今後出てくるものというふうに期待をいたしておるわけでございます。農作物共済の場合は、歴史的に、一筆単位から始まりまして農家単位方式がより合理的な方法であろうということで推進を図ってきておるわけでございますが、果樹共済の場合は当初から農家単位方式ということで来ておるわけでございまして、私どもといたしましては、園地単位の共済方式を果樹共済に持ち込むことは、なかなか損害評価の問題とかいろんな技術的な問題もございまして、また農単方式を進めていくという趣旨からいたしましても、まあ必ずしも適当ではないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#386
○塚田大願君 あと、時間なくなりましたから最後に大臣に一問だけお聞きしたいんですが、新しい農単方式ですね、足切り一〇%というのができましたが、これはこれまでの三〇%、二〇%というものから見れば前進だと思うんですけれども、しかし、現行方式では足切りがそのままに残っておるわけです。これはやっぱり、さらに改善する必要があると思うんですが、どうでしょうか。ひとつまた改善してもらわなければいけないんじゃないかと思いますが。
#387
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話承りますと、たとえば比例てん補方式を言っておられるとも受け取られるわけでございますが、この方式は望ましい支払い方式と考えられるわけでございますけれど、一方、共済金の支払いが増大をし、掛金率が上昇して農家の掛金負担が著しく増大するとか、損害評価の労力も著しく過重になるというふうな問題もあるわけでございます。また、軽微な被害につきましては、農家が農業経営上自家保険するということがこれは基本でございますし、また道徳的な危険防止、危険を防止するという観点からもある程度の足切りを行うことが必要であると、そういうふうに思います。本問題につきましては、今後とも補償内容の充実という観点から長期的な視点に立って慎重に検討してまいりたいと考えております。
#388
○工藤良平君 最後になりましたから――皆さん各部門にわたっておりますので、質問は相当部分重複すると思いますので、最後に拾っていきたいと思うんですが、まず、今度のこの農災二法の関係につきまして若干の前進的な改正が出されているわけでありますけれども、この点については、かつて農業共済団体、それから自民党政調農業部会の小委員会ですか、そういうのもつくって検討されたといわれておりますし、農林省としても農災補償制度の問題検討会というもので検討して、ほぼ問題点というのは共通のようなかっこうで出てきた、それを受けて今回のこの改正ということに私はなったものではないかと思っているんです。が、それにしてはもう少し検討をして改正すべき点については大々的に改正をしたらどうだろうかという気がしないでもないのでありまするけれども、その点について、一体今回のこの改正で当分の間矛盾なくいけるのかどうかということの心配が一つあるわけですが、この点については農林省としては自信を持って当分の間このままでいけますと、こういうことが断言できるわけでございますか。
#389
○政府委員(吉岡裕君) 今回の改正は農災制度のほとんど全般にわたっておるわけでございますが、その内容につきましては、ただいま先生から御指摘のございましたように、農業共済団体等がまとめました制度改正大綱案等の主要な項目は今回の改正案の中に一〇〇%とまではいかないまでも相当程度盛り込んでいるというふうに私どもは考えております。もちろん、将来にわたる研究課題として残された幾つかの問題はあるわけでございますが、それは今後さらに研究を深めていきたいというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、今回御審議をお願いをいたしておりますこの改正法案によりまして、成立の暁は団体を通じて農家に対する普及を図り、てん補水準の充実、あるいはその他の事業の拡充を図ることによりまして相当程度農家の共済需要に対応できるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#390
○工藤良平君 私は、これは後ほど具体的に各論でいろいろ御質問をしたいと思っておるんですが、先日からこの法案が出てまいりまして、相当いろいろな文献なんかも読んでみたわけですけれども、大変ややこしくてだんだんわからなくなってまいりました。したがって、これは非常に大事なことだと思いますけれども、私は総論的に何点かをお聞きいたしまして、率直な意見を聞きたいと思うんです。
 これは月刊農業共済のことしの三月の「村からの視点」ということで「私のみた農業共済制度」これは米作日本一農家の方ですから、石川県の竹本さんという方の論文ですけれども、米作日本一の方が農業共済制度に対してこの程度の理解だということになると、一般農家にとっては非常に必要だということは総括的にはわかるような気もするんですけれども、それが案外評判がよくないという、もちろん災害に遭ってみればそれは非常に大切なことだということはわかるんですけれども、なかなかそうはいかないだろうという気がいたします。
 そこで、この竹本さんという米作日本一の方が言っておることから私が想像しながら総論的に見てみたいと思うんです。たとえば農災法の今度の改正におきましてもそうなんですけれども、たとえば調査、検討、試験実施、そして本格実施、この間に一体幾ら年限がかかっているだろうか、一つの施策を講ずるために。したがって、たとえば果樹の問題一つをとってみましても調査、検討、試験実施そして本格実施ということになると、恐らく十年くらいかかっているんじゃないか、試験実施をやり始めてからでも五年はかかっているわけですから。そういたしますと、非常に長いために、実際にそれが本格実施になったときには現実とかけ離れたような法案になってしまうんじゃないかということが非常に心配をされているわけですが、こういう点についてもう少し、何と言いますか、期間的にも機構的にも早くそういうものを実施していくというような手だてはできないか。これからも試験実施の段階に入る作目等もあるようでありますけれども、そういう点が非常に大事ではないかと思うのですが、どうでしょう。
#391
○政府委員(吉岡裕君) 先生御承知のとおり、農業災害補償法の内容そのものも非常に法律的に難解をきわめたような条文になっておるわけでございますが、これはそれぞれの事柄の内容が個人、組合員あるいは組合、国との関係におきまして幾多の権利義務の関係を法律で明確にする必要がある。しかも、それが戦後、発足いたしましてから何回かにわたりその内容が改善をされて、その都度修正をされて、今日に至っておるというようなこともございまして、非常に難解になっておる点については御指摘のとおりであろうと思います。
 ただ、これはそういう法律関係を明確にいたしますために非常に詳細なむずかしい規定があるわけでございますが、これを農家に普及をいたしますためには制度の仕組みをより簡単にわかるようにいろんな啓蒙資料等にいたしまして、組合の活動を通じて組合員の理解に資するように努力はいたしておるつもりでございますが、なお、先生御指摘のとおり、不十分な点は多々あろうかと思うわけでございます。この点はなお、いろんな工夫をいたしまして農家への理解を今後とも深めるように努力をいたしたいと思います。
 ただ、先ほどお話のございました、一つの制度を仕組むのに非常に長い年月が要るではないかというお話でございますが、先ほども御説明申し上げましたように、やはり一つの農作物を対象といたしまして被害率を地域的に確かめ、そこからさらに共済掛金率を導き出し、一つの保険設計として仕組み、損害評価の方法を確立し、といったような非常に保険という制度に伴いますいろんな技術的諸問題を解決いたしますためには、やはり相当な年月がかかることはある程度やむを得ないことでございまして、たとえば、被害率等につきましては、少なくとも最低三年から五年と、さらに掛金率等の理想的な姿を導き出すためには十年とか二十年とかという長期の期間が理論的には必要だと、こういうふうなことになっておるわけでございまして、その調査を終わって試験実施をして掛金率を定め、金銭の授受を伴う試験実施というものをいたしまして本格実施に移るということになりますと、やはりある程度の年月はやむを得ないというふうに私ども考えるわけでございますが、必要な保険需要のあります新しい新種共済等につきましては、今後ともその期間をできるだけ必要な限り短縮をし、農家の需要にこたえるように私どもとしては努力をしたいというふうに考えるわけでございます。
#392
○工藤良平君 私は迅速な措置が必要だということは、非常に農業はおくれた部分ではありますけれども、近ごろ年々急速な進歩を遂げているわけですから、それにそぐわないような救済の制度では話にならないということを申し上げたいわけですね。そういう点については、ぜひこの進んでいる農業の実態に即した制度の改革というものは思い切ってやはりやる必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思うわけです。
 それからもう一つは、竹本さんがおっしゃっておりますように、非常にこう被害に当たってみると大事だということがよくわかります。しかし日常、ふだんにはなかなかそれがわからない。で、この方も青色申告をするために実は共済組合に行ってみたと、そして初めて自分が幾らの掛金で、幾ら被害があって、被害がなかった年には無事戻しが幾らあったと。したがって差し引き幾らというものが農協から差し引かれておったと。その内容は全然自分自身でもわからなかったし、関心がなかったということを言っていらっしゃるわけですね。ましてや一般の農家にとっては私はそのとおりだと思うのですが、そういう意味では、事務的に非常に簡素化することはいいんですけれども、共済掛金を、農協から総括して預金から差し引いてしまうというその便宜はいいと思いますけれども、その内容についてやはり個々の農家に明らかにしておかないと、いま言う農災制度というのはありがたいのだ、必要だということが、全体としてはわかっているようであるけれども、その現実がわからないというようなことが、逆に農災の不振という形になって結びついていくんじゃないかという気がするわけです。これは事務指導の中で――現在のこの農業共済職員の数や給与等の感じからいたしますと無理かもわかりませんけれども、それだけの手だてというものをやっておく必要があるのではないか。そうしないと、ますますこの農業共済と農民とのはだ離れというものが大きくなっていくんじゃないかと思うのですけれども、この点についてはどのように把握していらっしゃいますか。
#393
○政府委員(吉岡裕君) ただいま先生お話のございました竹本さんの例は私も雑誌で読ましていただきました。私も先生と同じようにやや意外の感を深くしたわけでございますが、おっしゃいますとおり、組合員に共済についての内容をもっとわかってもらうためのいろんな手だてというものはやはり今後相当工夫すべきではないかというふうに私も考えます。恐らく何らかのそれぞれ通知は共済組合から組合員あてに行っておると思いますけれども、たとえば金の授受は直接はほとんど行われませんで、農協の口座を通じてそれが処理されるというようなこともありまして、農家個々が自分の手にとってその共済の意味が具体的にわかるという機会が非常に少なくなっているのではないかというふうに感ずるわけでございます。そこで、今後どのような形で農家にその共済の中身をわかってもらいながら事務を執行していくかという点につきましては、いろいろと工夫をし、勉強をして改善に努めていきたいというふうに考えます。
#394
○工藤良平君 もう一点の問題は、その文書の最後の方に、後段に書いてありますけれども、近ごろ非常に農機具が普及している、したがって農業災害――これは農作物に対する、あるいは家畜に対する災害なんですけれども、人間に対する傷害が非常に多い。だからこれをどう扱うかということで、いわゆる農業作業に対する労災の扱いというものに対する見解というものが出されているわけです。これを実は農業災害補償法の中でひとつ取り上げたらどうだというような考え方が示唆されているわけでありますが、これはこれからの農災制度の一つの新しい分野として私は大事な問題ではないかと思う。もちろんこれはいま労働省が扱っている労災との関係というのは出てこようと思いますけれども、その点についての御見解をひとつ聞いておきたいと思います。
#395
○政府委員(吉岡裕君) 農機具自身の損害といいますか、物的な損害については農業共済組合で任意共済事業としてやっている例は多々あるわけでございますが、農機具の運転等による傷害、人身事故につきましては、私ども承知いたしておるところでは、全農、それから商人系のところでそのような共済事業が始められておるようでございます。なお自動車事故については農協系統の全共連で行われておるということでございます。人身共済という形で農業共済組合が取り上げるかどうかという問題につきましては、これは事柄の性格といたしまして、現在の農災法か、あるいは任意共済といたしましてもいろいろむずかしい問題が含んでおるんではないかというふうに考えるわけでございますが、なお具体的な問題についてはこれからいろいろ勉強をしてみたいと思っております。
#396
○工藤良平君 もう一つですが、これはもうさっき北海道の問題が出ておりました、農作物の被害の問題が出ておりましたけれども、私は逆に、非常に被害の少ない地帯ですね、いわゆる農業共済に対する何といいますか、案外、どうも余り農業共済は、という意見があるというのは、低被害地帯が多いわけですね。したがって、低被害地帯の対策を一体どうするかということは農業災害を進める上で非常に大事ではないかと思うのですけれども、そのために、さっき申し上げました共済団体を初めとして三つのそれぞれの具体的な検討の結果というものが出されておりますけれども、その中に実は先ほど塚田先生からもお話があっておったようでありますけれども、比例てん補方式の検討というものが具体的に出されておるわけでありますけれども、この点についてはいずれそういう方向の検討というものは必要ではないかと思うんですが、その点についての御見解をいただきたい。これは先ほど一遍あったわけですけれども、私は、低被害地帯に対する対策の一環としてそういう比例てん補方式を取り上げたらどうかという見解が出ておりますから、それに対する政府側の考え方というものをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
#397
○政府委員(吉岡裕君) 水稲の低被害地域の対策といたしましてはいろいろな措置を考えておるわけでございますが、その一つは、今回水稲病虫害の防除給付を新設をいたしましたのもそのような対策の意味を含んでおるわけでございますが、そのほかに足切り一割の全相殺農単方式というものを考えましたのも、比例てん補方式までは後ほど申し上げますようなことで今回は踏み切れる状況になかったわけでございますが、それに近いような、一歩近づく状況といたしまして、足切り一割の全相殺農単方式を考えたというのもその一つでございます。
 それから、無事戻しは従来とも行われておるわけでございますが、今回はさらに無事戻しをより円滑に行えるようにということで、無事戻し積立金と特別積立金というものがございましたが、これを両者一つにしましてそういう共通の特別積立金によりまして無事戻しをさらに弾力的にやれるような道を開いた、というのもそのような対策の一つと考えておるわけでございます。
 比例てん補方式につきましては大臣からも申されましたように、確かに理論的には望ましい支払い方式であるということではあろうかと思いますが、一方で共済掛金の支払いが増大をするとか――共済金の支払いが増大するとか、あるいは掛金率が上昇するとかといった問題のほかに、損害評価という面から考えても非常に過重な労力が必要となるというようなことでございまして、共済制度として仕組むためには非常にむずかしいいろんな問題が伴うということがございますし、また軽微な被害は農家の事故保険ということが基本的であり、さらにモラルリスクというものを防ぐという観点からもある程度の足切りは必要ではないか、こういうふうな総合的な観点から比例てん補方式の採用にはやはり問題が今日ではあるということでございまして、私どもとしては今後、補償内容の充実というような観点からこの問題をさらに長期的な視点から検討をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#398
○工藤良平君 問題をもっといろいろ掘り下げて、あらゆる角度から検討してみたいと思ったんですけれども、時間が下がっておりますから、全然かっこうを変えまして調査室の資料に基づいて、これは一覧表がありますから、この中から私ちょっと問題点を拾いまして二、三質問をしてみたいと思います。
 これによりまして私ちょっと不審に思いますことは、引受方式、これは農作物共済、蚕繭共済、家畜共済、果樹共済、それぞれ当然加入あるいは任意加入、それに議決による義務加入というのが加わったり、形が変わっておりますけれども、非常に複雑でわからなくなってまいりますのは、この引受方式とそれから掛金国庫負担の割合との関連を実は見てみたわけですけれども、たとえば、当然加入であります農作物共済と蚕繭共済、これを比較をいたしましても、これは二つ当然加入でありますけれども、掛金の国庫負担率は五九・四と五六・六というように違う。それから共済金額の欄を見てみますと、たとえば、農作物共済の計算の仕方と、家畜共済あるいは果樹共済の計算の仕方というのはそれぞれ違いますね。たとえば、家畜共済、果樹共済の場合には付保割合というものを出しまして、それを乗じて、共済掛金を出す方式をとっております。
 そこで、具体的にお聞きをいたしますが、まず最初に、引受方式が同じでありながら、掛金の国庫負担の率が違うということは一体どういうことなのか。大体同じぐらいであっていいんじゃないかという気がするわけですが、その点についてのひとつ御説明をしていただきたいと思います。
#399
○説明員(市川博昭君) これは当然加入の農作物共済と蚕繭共済のお話だと思いますが、やはりいろいろと沿革がございまして、現在、農作物共済につきましては御承知のように最低五割で、それからは超過累進方式で国庫負担を決めております。ところが蚕繭共済につきましては通常の危険部分、それからそれを超えた異常の危険部分、これについては国が二分の一を持つ。それからいわゆる超異常の危険部分については国が全額持つという仕組みの違いによりまして国庫負担率が変わっておるわけでございます。
#400
○工藤良平君 それじゃ、ついでに話が出てきましたから、この責任分担区分ですね。この違いによって、いま少し違うということですけれども、たとえば、じゃ、果樹共済の場合をとってみましても、いま言うように、組合と連合会の異常災害部分に対する分担というのが違いますね。ところが果樹共済が非常に進まないという要因の中にこれが出てきていますね、要求として強く出てきています。こういうものも実は統一できないのかどうか。統一できれば、それじゃ掛金の分も大体国庫負担としては同率でいいじゃないか、というぼくは、議論が当然出てきていいというような気がするわけですね。そういうものもある程度整理をしていっていかないと、それぞれによって国の負担も違う、給付も違うというふうなことでわからなくなるわけですよ。だから、もういっそお任せをと、こういうことになって農民のものにならない、離れてしまうということが私は至るところで出てくるような気がするわけですが、その点についてもう少し、ついでですから、この責任分担区分というのはなぜこういうふうに分けられているかということですね。
#401
○説明員(市川博昭君) 農作物共済につきましては、御承知のように当然加入で全国津々浦々の農家、要するに大抵の農家はお米をつくっております。したがいまして、そういう農家のデータはかなり蓄積がございます。したがいまして、料率を決めるにつきましても、組合単位で決められるというのが一つございます。他方、果樹共済にいたしましても、蚕繭にいたしましても、この料率は県単位で決めております。と申しますのは、やはりそれぞれ全国どこにも、というわけにはまいりませんので、統計上の制約がございまして、これはどうしてもやはり県単位の料率をおろしていくというかっこうになるわけでございます。そうしたことが一つ響いておりまして、現在の農作、それから蚕繭、果樹、特に果樹につきましては、これは任意加入の制度でございます、そして御承知のように四十三年に試験実施をして四十八年から本格実施をした際にやはり選択的な拡大ということで果樹共済を取り上げる。これは適地適産であるという趣旨もございまして、できるだけその地域の作物を育てるためにはやはりその地元の組合なり連合会がやはり責任を持ってやろうではないかということで連合会の責任が蚕繭共済よりも幾分重くなっているわけでございます。
#402
○工藤良平君 これまたゆっくり課長に勉強に行きます。どうもさっぱりわからないのですけれども、またゆっくり行きます。
 そこで、もう少しお聞きいたしますが、掛金国庫負担の一般農作物と蚕繭の関係をいまは聞いたわけですが、今度の国庫負担の改正で、畜産については二分の一ということで、頭数別の区分もなくして、この点は確かに前進だと思いますけれども、これを計算をいたしますと、四十九年四四・六という国庫負担の割合は幾らぐらいになりますか。わかりますか。
#403
○政府委員(吉岡裕君) 私どもの計算では四四・六%が四九・六%になる見込みでございます。
#404
○工藤良平君 この点については、牛の場合には二分の一ということで五〇%になったわけですけれども、豚、馬の関係でこういうような差が出たというように思うのですけれども、この点については先ほどもお話がありましたように、畜産共済につきましてはさらにこの内容につきましても共済事故の拡大を図ってほしい。たとえば現行制度の中にない胎児、それから種畜の死亡事故並びに種畜の疾病ですね。そういう関係についてもぜひ対象を広げてほしいという意見があるんですが、この点について、これはまあ将来そういうようなかっこうにしなければならないような私も気がするんですけれども、これは将来展望としてその点についての御見解を聞きたいと思います。
#405
○政府委員(吉岡裕君) ただいま御指摘の点はいわゆる家畜の生産事故共済と呼ばれているものをお話しになっておるというふうに理解するわけでございますが、この点については五十一年度調査をいたしまして、その調査の結果を見て今後の取り扱いの方針を決めたいと思っておりますが、やはり一方では共済需要といったようなものも当然考える必要があろうというふうに思っております。
#406
○工藤良平君 ぜひ、この点はひとつ掛金率の国庫負担の増額と同時に共済対象を広げていただくように、ぜひ積極的な対策を講じていただきたいと思います。
 それからもう一つは、果樹共済の問題ですが、先ほどもお話がありましたけれども、果樹共済は、四十二年から四十七年までですか、試験実施をやって、四十八年から本格実施になったわけなんですが、残念ながらこの加入が非常に少ないということですね。少ないその加入対象者の中で被害は大きい。したがって、二十数億円という赤字が出ていると、こういうことになっているようですが、やはりこの災害についての危険分散を大きくしていって、できるだけ被害をみんなで負担をしていこう、そのために国も負担をしましょうということだと思うんですけれども、なぜこれがこのような状態に推移をしているのか。もちろんこの内容については農林省からもいろいろと見解が出されておるようでありますが、特にその中で今後改善を必要とする非常に重要な事項、これはもちろん担当の課の方が論文として出しておりますその指摘事項の中にも十分に書かれておりますけれども、要は、一体なぜこれが進まないのか、せっかく試験実施までやって、長い年月をかけて調査をして、よかろうということになったんですが、それが加入率が悪い。それを改善する方法は一体何なのか。それをひとつ示していただきたい。
#407
○政府委員(吉岡裕君) 果樹共済の加入率の状況が低いではないかというお話でございますが、御承知のように四十八年から発足をいたしまして昭和五十年度の加入率を面積で見ますと、収獲共済では一八・九%、樹体共済では八・九%ということで、いまの水準としてはまだ低いわけでございますが、毎年の伸び率といたしましては三〇%近い伸び率を示しておりまして、全体としての進行率といいますか、まあ伸び率としてはかなり高い線を現在まできておるというのが事実でございます。まあ何と申しましても、果樹は水稲などと比べまして非常に種類が多いとか、あるいは農家の間で、あるいは産地の間で栽培形態とか技術にかなりの格差が見られるというふうなことで、果樹共済の事業運営というものには農作物共済などとは違ったいろいろ多くの困難が伴うわけでございますが、やはりまず第一は、制度発足後非常にまだ日が浅いと。ですから、農家にも十分まだ浸透をしていないという点があるのではないかということを考えるわけでございまして、この点を何も申しわけにするつもりはございませんが、今後さらに加入促進を図っていくということによって果樹共済の加入率の上昇というものをさらに期待をしたいということと、今回さらに制度改正の中身といたしまして、新たに共済事故の選択制というふうな制度も導入したわけでございまして、そのような制度の改善にもよりましてさらに加入の促進に努めていきたいということでございます。
#408
○工藤良平君 これは非常に心配になりますのは、現在たとえば温州ミカンを一つとってみましても非常に中核的な、それで専業でやろうという人たちがほとんど入っていないということを私ども聞くわけですね。ということは、ミカンに命をかけてやろうという一番大切な人たちが入っていないということを私は非常に不思議でしょうがないわけですけれども、この点については後ほど、これまた実態を明らかにしていただくことにいたしまして……。
 この論文の中にありますけれども、「現行果樹共済制度の改善については、農作物共済に準じて、当然加入、園地単位引受、被害園地のみの損害評価、足切り引き下げ及び責任分担の改善について要望がある一方、専業的果樹栽培農家の保険需要を換起するため、掛金の割引き、制度金融との関連づけ、共済事故の選択などの優遇措置を講ずることが提案されている。」と、こういうようなことが指摘をされているわけですが、私さっきこの調査室の表から申し上げたわけですけれども、一つはさっき申し上げました責任分担区分の問題と、それからいま問題に出ておりましたそれと、それからこれを一覧して、農作物共済、蚕繭共済、家畜共済そして果樹共済とこう比較をした場合に、これは非常にややこしい算式ですから私わからないんですけれども、たとえば単位当たりの区画掛けるの基準収穫量、掛ける付保割合。これは四ないし七割の範囲内でと、こうなっているんですが実際問題として温州ミカンの圃場なら圃場があった場合に、一体何割以上の被害があればこの補償の対象になるのか、これは米と比較して一体どのような条件にあるのか、蚕繭に比較してどのような条件にあるのか。どのような不利な状態なのか、あるいは同じなのか、有利なのか、こういう点を端的に私はひとつ出していただきたい。そうすると、もし非常に大きな格差があるとするならば、この格差をどのような形で是正をしてやれば皆さん入ってくると、こういうことに私はなっていくんではないかと思いますが、要は、これは素人で見てもなかなかわかりませんので、端的にその点をお答えをいただきたいと思います。
#409
○説明員(市川博昭君) 果樹共済につきましては、三割以上の被害があった場合に一割から払うという、われわれは、げたと申しておりますけれども、これが水稲の一筆方式でございますと、三割を超えてから払う、しかも、それはゼロから出発するということ。果樹共済特に非常に専業的な農家が多いとこうした保険に非常に敏感であるし、そのためにはやはり水稲と違った魅力を持たせる必要があるということで、先ほど私が申しましたように、三割の足切りは同じでございましても、支払いの割合は水稲についてはまずゼロから出発する、ところが、果樹共済の場合には一〇%から出発するというようなことで、果樹共済を試験実施の過程から、やはり農家のそうした関心事をつかみまして、本格実施の際には水稲と違った持ち味を出しているということでございます。
#410
○工藤良平君 そうすると、結論的に言いますと、大体水稲と、最終的に結論した場合には、同じ被害程度で補償を受けられるということに、端的に言いまして。若干の違いはありましても……。
#411
○説明員(市川博昭君) 水稲の一筆方式と同様でございまして、被害が三割以上を超えた場合に支払いが行われるわけでございます。ただその支払いの割合が果樹共済の方が有利にできております。
#412
○工藤良平君 そういう条件でありながら、なぜ入らないかということになると、全く不思議でわからなくなるわけです。ですから、その点については確かにいま私が読み上げたような、この農林省が出しておる論文の中にもいろいろなそういう要素が出てきていると。もちろんこれは農林省が指摘をされているのじゃなくて、そういう指摘があるということを言っているわけでありまして、ぜひ、せっかくつくった制度でありますから、それが有効に生かされるような対策というものが私は次の段階では必要になってくるのではないかと、そういうように考えるわけで、この点については、ぜひ今後の重要な検討事項として――最前線における農業共済の職員が何とかして、ミカンについても加入を促進をしようということで血眼になって走り回っているけれども、さっぱり入らないというような意見を率直に聞いているわけでありますから、この点の苦労に報いるためにもただ農林省がハッパかけるだけじゃなくて、そういうものができるだけ加入促進ができるような手だてというものが私たちは必要ではないかと、こういうように考えております。もちろんたったこれだけの議論では不十分だと思いますけれども、私は、時間もとうとうもう十時になったようでありますから、この辺で私の質問は終って、二十分ばかりサービスをいたしまして、またこの分は課長、担当課長なり担当官と十分に今後また勉強さしていただきたいと、こういうように思っておりますので、大臣ひとつ最後に一言、農業共済制度につきましても一層努力を、サービスをするようにひとつ御見解を発表していただきまして終りたいと思います。
#413
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農災制度の今度の改正案につきましては、長い間研究を重ねた結果あるいはまた各団体等の要請等も大体吸収をしてでき上がりました改善の改正案でございますし、その中にはまだこれから改めていかなきゃならない点もあるわけでございますか、ぜひこの法律案を通していただいて、その結果これを確実に実施した上で、さらに長期的な視点に立って、いろいろな角度から、また改めて改善等については検討を進めたいと考えております。
#414
○委員長(小林国司君) 他に御発言もなければ両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#415
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認めます。
 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について、塚田君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。塚田君から修正案の趣旨説明を願います。
#416
○塚田大願君 私は日本共産党を代表して、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する修正案を提案いたします。そして、その趣旨説明をいたします。
 今回の改正案は、それぞれ補てん率を改善し、共済事故を拡大するなど、農民の要求にとって一歩前進となるものではありますが、農民や農業共済団体から強い要求のあった、いわゆる足切りの改善はほとんどなされず、本制度への不評を温存するものとなっています。また家畜共済の掛金国庫負担割合も、馬、種豚及び肉豚をそれぞれ五分の二ないし三分の一と、全共済中の最低にとどめられました。
 わが党の修正案はこうした改正案の欠陥を改善し、農業災害補償制度の充実に向けて新たな一歩を踏み出すものであります。
 修正案の第一は、農作物共済の足切りを一筆方式で三割から二割に、農家単位方式で二割から一割にすることです。
 第二は、これによる掛金負担が農民に過大なものとならないよう別表を改め国庫負担を強化します。なお、この点については被害率の減少を掛金率に正しく反映させるべきこともつけ加えておきます。
 第三には、家畜共済の掛金国庫負担割合を一律二分の一とすることであります。
 第四に、農業共済組合の役員、総代の選挙について、改正案は、定数内立候補の場合、投票を省略できる旨のただし書きをつけ加えましたが、これは無投票を誘導する恐れがあるので削除します。なお、これに要する費用としては百四十億円と予定しております。
 何とぞ全会一致の御賛同が得られますようお願いして、提案理由説明を終わります。
#417
○委員長(小林国司君) ただいまの塚田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。安倍農林大臣。
#418
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの修正案につきましては、政府としては賛成しがたいものであります。
#419
○委員長(小林国司君) 別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、本案の討論は終局したものと認めます。
 これより、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、塚田君提出の修正案を問題に供します。塚田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#420
○委員長(小林国司君) 少数と認めます。よって、塚田君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#421
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま議決されました農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から提案いたします。案文を朗読いたします。
    農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、農業をめぐる諸条件の進展にかんがみ、農業生産の多様化、地域的分化等に対応して、本制度の損害補償機能の充実、事業の弾力的な運用につき一層の改善を加え、被災農家の再生産の確保、経営の安定に資するよう、特に左記事項を検討し、その達成を期すべきである。
     記
 一、農作物共済については、地域の災害発生の態様等をふまえ、農家単位引受方式の適切な推進、料率の適正な算定等を図り、被害の割合に応じててん補する比例てん補方式について調査検討を進め、補償内容の充実に資するとともに、水稲病虫害損害防止給付の給付内容の拡充、地域の防除体制の整備等を十分に配慮すること。
 二、蚕繭共済については、最近の多回飼育の普及等その実態に即し、基礎資料の整備を進め、春蚕をも含めた小蚕期区分制の導入を推進すること。
 三、家畜共済については、肉豚共済の実効ある運用に努め、家畜診療所の整備対策の強化、診療点数の改善等を促進するとともに、肉豚、馬等の共済掛金の国庫負担割合の改善、国庫負担対象限度額水準の適正な引上げに努めること。
 四、果樹共済については、実態に即した損害評価方法を整備し、園地単位補償方式、足切り水準の引下げ等その改善を検討し、農家の経営安定を図る見地に立ち、実損てん補の充実に努め、また農家の加入奨励についての助成・指導を十分に配慮にて、事業運用の実効を期すること。
 五、野菜、地域特産物等の新種共済の制度化につき、すみやかに調査検討を進め、さらに畑作及び園芸施設共済の本格実施を促進すること。
 六、農業共済組合の広域合併の進行等にかんがみ、組合等の民主的運営が期せられるよう指導すること。
 七、農業共済基金の業務資金の円滑な融資が行われるよう措置すること。
 八、農業共済団体の事務費の国庫負担金については、団体職員、共済連絡員評価員等の待遇改善に資するよう一層充実すること。
  右決議する。
以上であります。
 それでは本附帯決議案の採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#422
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し安倍農林大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。安倍農林大臣。
#423
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努めてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#424
○委員長(小林国司君) 次に、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案について小笠原君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。小笠原君から修正案の趣旨説明を願います。
#425
○小笠原貞子君 私は日本共産党を代表して、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を説明いたします。
 修正案はお手元に配付いたしておりますので、朗読は省略させていただきます。
 近年、野菜が国民の食生活に占める重要性がますます大きくなっているにもかかわらず、野菜生産農家の減少と都市近郊産地の壊廃の急増などによって、野菜生産は停滞しております。その一方で、野菜の消費者価格は、暴騰、暴落を繰り返しながら上昇し、野菜の消費量は減少を続けているのであります。
 本改正案は、このような野菜をめぐる情勢に対処し、現行の野菜価格安定制度をわずかでも改善するものであり、私どもとしても、これを評価するにやぶさかではありません。
 しかしながら、本改正案については、幾つかの問題点を指摘せざるを得ません。それは、本改正案によってもなお野菜の再生産を確保するに足る価格安定制度とは言いがたいこと、また、都道府県の野菜価格安定法人が行う価格補てん事業に対する助成についてもいまだ不十分であること、などであります。
 日本共産党は、これらの諸点については、今後とも改善を強く求めるとともに、ここに概要次のような修正案を提案するものであります。
 その第一は、評議員会の構成を、生産者代表十人、消費者代表五人、販売業者代表五人、学識経験者五人とするものであります。
 第二は、野菜供給安定基金が、その定款、業務方法書、事業計画等の作成もしくは変更について農林大臣の認可を受けようとするときは、あらかじめ評議員会の意見を聞くことを義務づけるものであります。
 これらの二点は、基金の運営を民主的に行うために最小限必要な要件であります。また、特に定款、業務方法書、事業計画等の作成または、変更は現行法では野菜生産出荷安定資金協会の総会の議決事項とされているのでありますから、本修正案のように法定すべきは当然必要なものと考えます。
 委員各位の御賛同をお願いして、修正案の概要と提案理由の説明を終わります。
#426
○委員長(小林国司君) 別に御発言もないようですから、これより原案並びに優正案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、本案の討論は終局したものと認めます。
 これより野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 小笠原君提出の修正案を問題に供します。まず小笠原君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#427
○委員長(小林国司君) 少数と認めます。よって、小笠原君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#428
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が各会派の意見の一致を見ましたので、便宜私から説明いたします。案文を朗読いたします。
   野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 近年、野菜の生産出荷及び価格の安定は、生産農家、消費者双方にとつて、ますます重要となつている。
 よつて政府は、本制度の拡充強化に万全を期すとともに、当面左記事項の実現に努めるべきである。
    記
一、野菜の長期的な安定供給を図るため、基盤整備、地力の継持培養、防疫等の生産振興対策を拡充強化すること。
二、野菜の需給安定を推進するため、指定消費地域のすみやかな拡大、複合指定を含む作付の実態に即した野菜指定産地の拡大を図るとともに、生産出荷協議会の機能の拡充等に努めること。
三、野菜の計画的生産出荷の確保に資するため、系統農協組織の活用による出荷調整を促進するよう所要の措置を講ずるとともに、産地における大型貯蔵施設の設置に努めること。
四、価格補てん事業の保証基準額の算定に当たつては、再生産の確保の観点に十分留意し、生産費その他の生産事情を十分考慮して行うこと。
五、農家及び地方財政の負担を軽減するため、価格補てん事業に要する資金については、国庫負担の大巾な増額を図ること。
六、市場隔離制度については、迅速適確に補給金を交付する等実効性を高めるための措置を講ずること。
七、野菜供給安定基金の行う高騰時対策事業を早急に拡充強化するとともに、欠損が生じた場合には、必要な予算措置を講ずること。
八、野菜供給安定基金の業務運営に当たつては、生産者の意志を十分反映する措置を講ずるとともに、消費者との調和を基本として行うこと。
九、都道府県の野菜価格安定法人の行う価格補てん事業に対する助成については、対象品目の拡大、国庫補助率の引上げ等その内容を充実すること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは、本附帯決議案の採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#429
○委員長(小林国司君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安倍農林大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安倍農林大臣。
#430
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、十分検討の上、善処してまいる所存でございます。
#431
○委員長(小林国司君) なお、以上両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#432
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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