くにさくロゴ
1975/05/18 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 文教委員会 第7号
姉妹サイト
 
1975/05/18 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 文教委員会 第7号

#1
第077回国会 文教委員会 第7号
昭和五十一年五月十八日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎 竜男君
    理 事
                有田 一寿君
                内藤誉三郎君
                久保  亘君
                小巻 敏雄君
    委 員
                久保田藤麿君
                山東 昭子君
                志村 愛子君
                高橋 誉冨君
                中村 登美君
                藤井 丙午君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                宮之原貞光君
                内田 善利君
                白木義一郎君
                須藤 五郎君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  永井 道雄君
   政府委員
       人事院事務総局
       管理局長     長橋  進君
       文部政務次官   笠岡  喬君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部大臣官房会
       計課長      宮地 貫一君
       文部省大学局長  佐野文一郎君
       文部省管理局長  清水 成之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
   参考人
       私立学校教職員
       共済組合理事長  加藤 一雄君
       私立学校教職員
       共済組合常務理
       事        三浦 勇助君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
 済組合からの年金の額の改定に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎竜男君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより本案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○松永忠二君 今度の法律にも、無医県解消のための医科大学とか医学部、いろいろな設置のものが出ていますけれども、これから後、医科大学、医学部の充実についてどういう計画があるか、お伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(永井道雄君) まず、医科大学とそれから歯科大学の方を区別して申し上げますが、医科大学の方から申し上げますと、昭和四十五年に厚生省が人口十万人に対して医師百五十人を確保すべきであるという、そういうことを示したわけでございます。文部省といたしましては、それに基づきまして私立医科大学の設置認可、それから国立大学の無医大県解消計画を進めてまいりました。その結果、現状におきまして私立が十五校、国立が十校の設置を見ることになりましたので、昭和六十年を待たずに人口十万人に対しまして百五十人の医師を確保できる見込みでございます。ただ、それに加えまして無医大県というものがなお七県ございますから、そういう医師の地域的偏在の是正という角度から、十万人対百五十人を上回ることになるかもしれませんが、そうした医師がいない県に医科大学の設置はなお行う考えでございます。昭和五十一年に高知、佐賀、大分等を設置いたしましたのも、以上申し上げました計画に基づいているわけでございます。その他の無医大県は、福井、香川、山梨、それから沖繩でございます。
 なお、歯科の方につきましては、厚生省では、ちょうど医師の三分の一になりますが、人口十万人に対しまして五十人ということでございますが、やはりこの数字に基づきまして計画を進めてまいっておりますが、昭和五十年末の推計では歯科医師の数が四千五千六百人でございまして、十万人に対して四十・九人でございますから、まだかなり不足をいたしております。そこで、歯学部の増設、そしていままでにできました私立を含めますというと、昭和五十一年には二十三校で入学定員が二千六百二十人になります。こうしたことで、やはりこの方でも六十年を待たずに初めの計画の十万人に対しまして五十人というものを確保できる考えでございます。地域的偏在という問題も医師の場合と同じようにございますので、その点につきましては医科大学等設置調査会歯学部部会の御意見に基づきまして検討いたしまして、地域的偏在というものをやはり是正いたしますために、五十一年におきましても徳島県に歯学部を設置いたしました。また、鹿児島の設置準備というものも進めている次第でございます。
#5
○松永忠二君 それじゃ具体的にお聞きしますが、今後の無医県解消のために福井、香川、山梨については創設準備を来年行って、五十四年四月から学生を受ける用意があるのかどうか、沖繩についてはいつ設置をするのか。
 それから歯学部については、鹿児島大学の創設を準備しているようだけれども、そうして五十三年四月に学生受け入れを予定しているようだが、その後の一体計画はあるのかどうか。
#6
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の現在創設準備中の医科大学につきましては、その創設準備の進捗状況を見定めた上で創設の時期、学生受け入れの時期を決定をしようということで、現在の時点ではまだ御指摘の三県についての学生受け入れの時期を決定いたしているわけではございません。沖繩の場合も地域の事情から非常にその設置が要望され、その設置が急がれているわけでございます。私どもも極力準備を進めているわけでございますが、諸般の準備がこれまた進捗をしてまいります状況を見定めてできるだけ早く創設に進みたいと考えておりますが、この時期もなお未確定でございます。
 それから歯学部の場合は、鹿児島の創設準備についても同様に準備の進捗状況を見定めまして創設の時期を決定いたしたいと考えております。
 なお、現在、長崎大学と岡山大学につきまして、歯学部の設置調査を今年度の予算で実施をすることといたしておりますけれども、これもその創設の時期等については現在は未確定でございます。
#7
○松永忠二君 大学局長、もう少しはっきり大きな声で明瞭に言ってください。
 そうすると、福井、香川、山梨については、五十四年四月の受け入れはまだ予定しているわけじゃない。それから福井、香川、山梨については創設の準備はいつやるのか、それから五十四年四月の学生受け入れば決定しているわけではないのか、それから鹿児島大学については創設準備はいつやるのか、五十三年四月学生受け入ればやるのか、準備していないのか、その後のものは計画があるのかないのか、期日をはっきりさせて明確に答弁してください。
#8
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の三県については、五十一年度予算をもちまして創設準備に入っているわけでございます。鹿児島の歯学部の場合も、創設準備に今年度から入っているわけでございますが、いずれの場合も学生をいつ受け入れるかにつきましては、今後の創設準備の進捗状況を見定めて決定をいたしたいということで、五十四年から受け入れるということを決めているわけではございません。沖繩についても同様でございます。
#9
○松永忠二君 沖繩はまだ創設準備をしていないのじゃないですか。調査だけしているのでしょう、まだ創設準備をやっているのじゃないでしょう。
#10
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、沖繩の場合には、沖繩大学に医学部として設置を予定しているというふうなこともございまして、特別会計の方で設置調査を進めているところでございます。
#11
○松永忠二君 そこで、いま大臣から答弁あったように、医師の養成については私たちも順調にいっていると思うのですが、歯科大学の設置、歯学部の設置については、これは順調にいっていないどころか、問題がある。これは十万人に五十人養成というようなことを一つのめどにしてやっているわけだけども、この医科大学等設置調査会の歯学部会の報告というのが四十八年の十二月に出ているわけだが、その中には、教員の確保、入学者数の適正化、いわゆる教育研究条件の確保に努むべき状況にいまあるのだ、そうして必要やむを得ない地方に限って新設をする、国立の歯学部について入学定員の増加を図る、公私立の歯科大学に助成措置をするということが答申に出ているわけだけれども、実際の状況を見ると、いまここに私の手元にあるのは、調査室の方で調べてもらったわけだが、四十七年で、五十一年までは出ていないわけですが、歯学部については、四十七年と五十年を比べてみると、文部省の国立のいわゆる入学者の数は十二人ふえているだけだ、それから学生数は一人減っている。それから私立について見ると、入学者の数は九人減って、学生数は三千七百七十二人ふえているわけです。結局、私立が学生定員をどんどん水増しをして三千七百七十二人ふえている。国立の歯学部について入学定員の増加を図るといったけれども、これは全然努力されていない。だから、そういうことを一方では松本歯科大学とか福岡歯科大学の例の問題が出てきて問題をやかましくしている。国が責任を持って歯学部については是正を図り、この答申に沿っての努力をするということが非常に欠けているというふうに私は思う。この点について大臣の答弁を聞かしてください。
#12
○国務大臣(永井道雄君) この鈴木勝先生の四十八年の歯学部部会の答申の部分に、国公立の歯科大学にもっと学生を入れよということでございますが、ただいま松永委員が御指摘の点でございます。これにつきましては、五十一年度の数字を申し上げますと、国立大学歯学部の入学定員の拡大を行いまして、東北大学は四十人を八十人にいたしました。さらに、九州大学では四十人を六十人に増員したところでございます。そういうことで、国立の枠を広げていくということは五十一年に行いましたが、やはりこれは今後さらに計画的に進めていくべきものと考えます。
#13
○松永忠二君 もう少し足らないところは足らないというふうにはっきり言った方が私はいいと思うのですよ。歯学のつまり答申にも出ていたように、必要やむを得ない地方に限って新設すると、こう言っているわけなんです。そうして国の方のいわゆる入学定員はふやした方がいい、そして公私立の歯科の大学に助成措置をしろと言っているわけなんです。ところが、三千幾つも私立の方が数がふえているのに、片方の方は、いま、ことしそういう努力をされたと言うのだが、それにしたって大した数のふえ方じゃないわけです。だから、医師の養成については努力が十分されているけれども、これについてはこういう努力が欠けているということは明らかだと私は思うのです。したがって、後にくるような問題がまた出てくると私は思うのです。だから、こうします、こうしましたと言うだけじゃなくて、しかし全般的には不十分であったということが責任者の口からやっぱり話されるということが大事だと私は思います。
 それから看護婦の問題もあるわけでありますが、理学療法士というものの養成、これは特に理学療法士、作業療法士、視能訓練士というのは、リハビリとかそういう問題もあって非常に要望が高い。聞くところによると、国立の病院あたりではこの人を入れるだけの予算もないものだから、入れたくても十分に入れられないというような状況がある。これは厚生大臣の指定と文部大臣指定で行われているわけだけれども、この養成について一体どういうふうなことを文部省としてはやっていこうとしておるのか、それをひとつ大臣でなくても大学局長にでも答弁していただきたいと思います。
#14
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の理学療法士あるいは作業療法士の養成につきましては、今日すべて各種学校等で行われているのが現状でございます。これに対して資質の高い医療技術者の養成が必要とされ、その養成を各種学校ではなくて学校教育法一条の正規の学校で行うようにという関係方面の御要望が非常に強いということも承知をいたしております。ただ、問題は、このリハビリテーション関係の指導者の確保が正直に申し上げましてきわめて今日困難だという現状がございます。そういった点も考慮をしながら、関係方面の要望も頭に置きまして、今後の養成のあり方について検討をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#15
○松永忠二君 これは六十年に六千人ずつというようなことが一つの目標になっている。現在理学療法士が千八百五十人、作業療法士が五百五十人と、もう非常に少ない。しかも、これは非常に要望されているところです。やはりこれについては文部省もしっかりした計画を立てて、そうして特にお話のように教官が非常に取得がむずかしい、よほどその気になってやっていかないと、これは養成の一つの大きな責任を文部省が持っているのだから、これはしっかりやっていくことが必要なので、特にそういう点について今後具体的に検討を進めるように願いたい。
 それから国大協の五十一年二月の医学教育の改革に関する調査研究というのが出ているわけですね。これによると、いまここにも提案されているけれども、文部省はほとんど医科大学をつくることだけであって、医学部というような形のいわゆる養成は非常に何というのですか軽くなっているわけなんです。ところが、国大協あたりの意見などを見ても、世界の国ではむしろ総合大学の一部であることの方が望ましいとの意見が強い。他学部の教育資源も利用できる条件が一層整っているし、医学が要求されている学問の広さや情意領域の必要性からもこういうことが必要だと、こう言っているわけですね。もちろん一長一短がある。しかし、私たちは、特に坂田文部大臣のときにこれに着手してこの方向に持ってきた一つの中には、当時例の大学紛争があって、どうも総合大学に入れると何かとうるさい、医科大学ならば一本新しいのをつくることだし、何かとそういう点ではうまくいくという考え方をもってやられた考え方も一つあったように聞いているわけです。ところが、この医科大学一本やりというのは、いま言うとおり世界の情勢とも違う。それから私は、単独の医大とそれから学部の場合にどのくらいの金の差が出てくるのだと、こういう話を聞いたらば、二十億ばかり違うぐらいだというお話でありました。医大二百三十億、土地を除いてですよ。施設百八十億、設備費五十億、人件費二十億、この人件費の二十億が要らないだけだと、こう言っているわけです。だから大して負担増はないという言い方をしているけれども、実際はそうじゃないわけだ。これはもう時間がないので私はあれだけれども、一つの医科大学をつくるためにどれだけ地元負担が多いかという問題ですよ。土地の経費は全然除いているのですからね。ほとんど土地を提供しなければやらない、あるいは大学の教官の宿舎をつくらないで地元から提供させる。もうこれは医学部と医大では大変な費用の違いがあるのですよ。そういうあれもやらにゃできない、これもやらにゃできないという、いまもう金の使い道は幾らでもあるときに、何で医大ばかりつくることを考えるのか。それぞれの教官を利用して、広い総合的な教育をやりながら、世界の情勢はそこにあるというのに、日本だけが何で一体こういうふうな情勢に逆行するような方向にやらなきゃできないのか。こういう理由から私たちはこういう方向に重点を置いているという理屈があるならば、ひとつその理屈を聞かしてください。納得のいく理屈をお聞かせいただきたい。
#16
○国務大臣(永井道雄君) 今後の医科大学の新設につきましては、全体的には御指摘のとおり単科大学として進んでいくわけでありますが、琉球大学の場合には医学部という形をとることになります。
 単科大学と総合大学の場合ですが、総合大学の場合には、御指摘のように、他の学部との連携ということがありますから、そうした意味において幅広く行えるということがあるかと思います。
 単科大学を建設していく理由というのは、医学関係者の間で言われます問題は、六年間の一貫教育をもちろん行うわけでございますが、その場合に講座編成の弾力化、そしてその中で基礎と臨床の一体化、診療科の再編成、研究設備の集中化というようなことが課題になっているわけでありますが、そうしたものを新設していく場合に、やはり単科という身軽な形で大学を挙げて教育研究の一体的な運営をやっていくという点では、これまでの総合大学の中に医学部を新設してまいりますよりも積極的にいまのような問題点に対応する点でよろしいというふうに言われているわけでございます。
 ただ、そこに、では何にも問題がないかと言うと、先ほど申しましたように、総合大学の中に置かれませんから、やはり他の学科目との関連というものが弱まりますから、特に医学教育という点につきましては医学の一般教育の面、そうしたものについては弱い面が出てくることを否定することはできないので、そこの点を十分にカバーしていかなければならないということも指摘されているわけでございますので、その点を十分にカバーするために一般教育等の教員というものを確実に確保していくということが重要であると言われております。
#17
○松永忠二君 私は十分な議論をする時間がありませんけれども、片方の利点をもう少し世界の国はなぜそうやっているかということを考えてみてもらいたい。それから金の問題は、全体的に日本の大学充実、これからの新しい大学改革でもう金は幾らでも要る。そのときに、これのような負担の二十億程度違うばかりだなんという認識を持っていたのじゃ、これは大変な違いだと私は思う。もう少しやはりこういう国大協あたりの意見も出ているときであるし、ぜひひとつ十分に検討してもらわにゃできないと私は思います。それに、何か医者は十分なようなことを言いましたけれども、これは国民皆保険前の患者に対応するためにそのときまでの比率にするために十万人比百五十人というのを出したわけです。しかし、これはもう少し充実せにゃできぬということをずっと言っているわけですから、今度充実の問題について考える場合に、医科大学一本やりで、医学部をちょこちょことはさむという程度でいいのかどうか。やはりこの点は十分にひとつ今後検討していただかなきゃいけぬと思います。
 そこで、またここで私立学校の医学部、歯学部――歯学部あたりは全く責任を回避している。私は数字は言わないけれども、薬学部もそうですよ。全く私立に責任をおっかぶせて養成をしているわけですよ。しかも、あなた方の方で調べた五十年度の医学部、歯学部の寄付金の状況というのはもう全くひどいものです。入学金百五十一万円というのも多いけれども、もうすでに入学者に対して医学部は七二%、歯学部は九七%寄付をしていて、総額三百六十億と二百六十四億、寄付金の一人当たりの金額が千五百万円と千四十五万円、人学者一人当たりの金額が千八十三万円と千十一万円。別の統計を見て考えてみても、四十九年の私立大学連盟で出しているのは、学生一人当たりの支出ですが、これが医学部、歯学部が三百五十四万円に対して理工学部とか文科は四十一万円と二十三万円。したがって、学生一人当たりの収入というのは三百一万円と四十万円と二十五万円と言われている。これをこのままうっちゃっておくことは私はできないと思うのですよ。こういう実態が明らかになって、まことに多くて困りますという程度のことを言っていられない。それだからといって、私は文部省がサボっているわけじゃないと思うのですよ。私立大学の経常費補助費の中の傾斜配分を医学、歯学に非常な重さで傾斜配分をしている。私学振興財団の貸し付けであっても、一般施設費のほかに歯科、理工学系の学生に対するものはふえている。それから新設の理工系、理学教育の設備に対しても、薬学部を含めて充実をさせているわけだ。だから、それなりの努力はしていることは認めるけれども、もうこうなったときに、学生か千五百万円の金を出している、一人が入学の際に千八十五万円を出している事実を見ておって、私どもはこういうことをやっていますという程度のことで済まされるもう段階ではないと思うのですよ。一体どういう対策をしてこれを変えていく、いわゆる即時に対策を打つつもりなのか。私の質問で明らかになった一つの点は、入学金の貸し付けローンというような問題をこの際奨学金のところでやっていきたいという話の一つは、私の感じとしては、入学金のときの負担が重いという考えがあるでしょう。あるいは補欠入学に必ず大きな寄付金を取っている実態を見ても、これは一つの対策であることは私は事実だと思うわけですね。あるいは例の学校教育法の施行規則とか、学校教育法を利用して学則の届け出をさせる、学則に書いてない金は取っちゃいかぬぞという指導をあなた方がされていることも私たちは知っているわけです。したがって、傾斜配分をするとか、学則の届け出をさせて、そしていわゆる学則の中に授業料、入学料等の費用徴収に関する事項は記載しなければならないというふうに規則に決めてあるわけです。学校教育法では、法令の規定、監督長の定める規定に違反したときは変更を命ずることができると書いてある。変更を命じたり届け出をさせているわけだから、したがって、届け出たものについてだけ徴収しなさいよという指導をしているということも私たちは知っているけれども、この程度のことで、入学金の貸し付けを考えていくとか、届け出を厳しくさせるとか、傾斜配分をするくらいのことでこれが直るなら、私は問題はないと思うのですよ。何を一体いま緊急に具体的にやって、この問題については責任を持ってこんなばかなことはさせておきませんという決意と方法があるならば、文部大臣の方からその決意と方法をひとつ聞かしてください。私の言った以外のことでですよ。
#18
○国務大臣(永井道雄君) 私の考えを申し上げますと、やはり医師とか歯科医師というのは養成に非常に多額の費用を要するものでございますから、本来は公共的な資金によりまして養成すべきものであると思います。しかし、そうした計画というものがおくれてきていたという否めない事実があり、そのことのために今日のような御指摘の私立の学校における寄付金の問題等を生じているといのが基本的な認識でございます。したがいまして、入学時のとぎのローンをいたしますとか、あるいは傾斜配分というものもわれわれは全力を挙げるわけでございますが、この点も、御指摘のとおり、まさにそれだけによっては解決ができないということでありますから、医師の場合に最も明瞭でございますが、計画的に医師、歯科医師というものはやはり国立によって養成をしていくということが第一必要なことであって、私学に対する依存度というものを減らしていかなければいけないと考えております。したがいまして、今後私立の医、歯科大学ができるというふうな場合、その学校ができ上がって、原則としてこれを認めないような方向でございますが、仮にどうしても必要であるというような場合に、寄付金に依存するというような形の経営が行われることがないようにもう十二分のチェックを行わなければいけない。しかし、中心点はどこに置くかといいますと、やはり公共的な資金によりまして、医師、歯科医師の養成を行うという方向で進んでいかなければならない問題だと考えております。
#19
○松永忠二君 基本的にはまさに正しいと思うのですけれども、これだけでさえなかなかさっき言うとおり無医県をなくすことでさえも入学の定員をいつ受け入れるかということははっきりいま言えないと言っているのですよ。それくらい財政的にそう順序よくやるわけにはいかぬ、歯学部の増設計画なんかほとんどないのですから。だから、あなたの言われることは筋であり、本当にそのとおりだけれども、それだけではだめだということを大臣としても考えられることだと私は思うのですよ。そこで、何があるかということをやっぱり考えなければできぬと思うのですよ。そうかといって、学則の届け出だけを厳重にして厳しくやってみたってそれじゃやっていけないという事実が出ている以上、そういう実態もやはり文部省自身がつかんでおかなけりゃできないでしょう。そういう意味から言えば、一体私学の財源はどうなっているのだろうか。この点で、学校法人の債務状況は、四十九年に六千百六十五億あるわけです。その中で大学の医歯系の債務残高が千三百六十億、大学の借金の二二・一%も占めて、しかも増加率が高いわけですよ。どんどん借りているわけです。しかも、その借りている中で銀行に依存するのは四一・七彩で、しかもその四七%の銀行の利子は平均して約七・五%であります。これは前年よりまた〇・四%上昇しているわけです。その中の十年以下と十年以上の比率を比べてみると、十年以下が七一%もあるわけです。それで、全体の債務の六三・二%が九・一%の利子を出しているわけですよ。そうしてさっき私ちょっと言いましたように、学生には大変な費用がかかるわけなんです。その費用のかかり方がまた非常に多いわけです。だから、厳しくやったからといって、それをそのままにしてそれがよくなるという見通しはないわけですよ。学則で届け出をして、届け出をしていないものについては徴収をしているのだからこれは変更を命じてやらせるという、これも一つの法律的な手だてを使うことについてもまだ不十分であることは事実ですよ。しかし、幾らそんなことを厳しくやってみたって、これだけの借金と高い利子のものを抱えて、しかも大変な支出をしなきゃできない生徒を持っているこの私立学校の問題は、あなたのおっしゃっているように国立をふやすというだけじゃそれは困るですよ。
 そこで、何か方法はないものだろうか。これは管理局長にも関係があると私は思うのですが、届け出の厳重な措置というのは従来どおりひとつ十分に一層やっていかなきゃできない。それから入学のローンについてのことは、ぜひ発足をして期待にこたえてもらいたい。また、いわゆるこの助成措置というものを十分にすることも事実ありましょうが、その一つとして、一体設置基準に何か不備はないのだろうかと思うのですよ。それで、これだけの金を何に使っているのかと調べてみると、施設設備費にほとんど使っているわけなんです。だから、結局発足したときに十分な施設設備を持っていないのに発足しちゃうわけです。これをそれじゃ文部省はうっちゃらかしておくのかとなると、そうじゃない。審査も二年にしたり、二段階審査方式を使ったり、自己資金の三分の二を四分の三にするという努力はやっているわけですよ。やっているけれども、実態においてなお施設設備へこれだけの金を使っているということになると、やっぱり設置基準を発足するときにもつと厳しくしていかなきゃできぬことがあるのじゃないかというのが一つですね。
 それからまたもう一つは、その助成の仕方が少し傾斜配分だけじゃしようがないので、御承知のとおり私学が助成をしてくれというのは、学生経費の標準費の二分の一をやってくれと言っているわけなんです。人件費について二分の一をまだできないわけだけれども、たとえば私学とかそういうものについての助成については、国もいわゆる学生標準経費の二分の一というめどを立てるとか、そういう助成の方法も少し変えなきゃできぬのじゃないかということが一つですね。
 それからもう一つは、さっき話をした銀行の高い利子を何とかしてもっと安いものにさせていくとか、利子補給をするとか、そういうことも一つは考えなきゃできない。そういう措置をやっている中で、こんなばかばかしい寄付金を取っているような大学が見つかったなら、それこそ取り消しをしてしまうというくらいな決意をもってやらなきゃ、こんなばかげたことが日本の国に行われているということを私たちはそのままにしておいていいわけはないと思うのですよ。だから、その方法を考えることも一つでしょう。
 また、もう一つは、私立の歯科大学とか、そういう歯学部とか医学部の経理が一体正しく行われているのだろうかどうだろうか。これを見ると、中には経常費へ回したり、借入返金へ回しているのがあるわけですよ。事実、これだけ苦しいなら、経理を公開したらいいじゃないですか。これだけの寄付金を取らにゃできないというなら、なぜそれだけの寄付金を取らなきゃできないかというその合理的な理由、資金の使途を明確にすべきじゃないですか。それで学生が文句を言えば、学生をたたきつけてしまって自治会の各学内のことも何もやらせないし、文句を言わせないでやっている。だから、一体その経理はどうなっているのだ、これだけ寄付金を取らなきゃできない理由はどこにあるか、当然私学はその経理公開の責任が私はあると思う。そらして自分自身のいわゆる経理の計画を立てていかせると一緒に、学園内にやはり協議機関を設置して、その経理のどういうところに金を使っていくかということについて学園内の協議機関をこしらえると一緒に、文部省自身ももっと私学助成についてはただ役人がやっているのじゃなくて、いろいろな人を集めて私学助成審議会のようなものをこしらえて、勝手な傾斜配分をやってみたりなんかせぬで、もっと合理的に私学助成をやるということを私学自身の中にそういう機関を設ける、私学の会計を公開させる。特に医学部、歯学部の経理内容を明確にさせるということ。と同時に、いま話をしたように、特に銀行の金利負担を下げさせる努力のために利子補給をしていく。助成の方法も、別に学生経費等をもとにしながらやっていくというような改革をやっていかないと、そうしてその一方で、この事実が明らかになったくらいならばもうそのままにはしておかぬというだけの決意と抱負をもってやれば私はできると。基本的に国立の大学をふやしますなんて、そんなことをこんなところで答弁していていい筋合いではありません。文教委員会というところは、そんなことのお話を聞く場所では私はないと思うのですよ。もっと具体的に、もう文部省自身が調べて驚いているわけです。世の中の人はびっくりしちゃっているわけですよ。こんなばかなことが行われていい筋合いじゃないのだから、もっと的確に私の言った一つ一つの具体案についてどこがぐあいが悪いのか、私たちはこうするのだというなら、そういう方法をひとつまず具体的に挙げてください。まず、文部大臣の方から基本的な考えを話して、関係の二人の局長から具体的な方法をひとつ話してください。
#20
○国務大臣(永井道雄君) ただいま松永委員の御指摘のとおり、私は基本的な考え方といたしましてはやはり公共的な資金による行政を強めなければいけないと思いますが、かといって、現状私立の学校のあり方というのを放置していいということを申し上げたわけではないのであります。これは常識的に見ましてもまことに法外な寄付金というものを必要とすることでありますから、したがって傾斜配分の問題もそうですし、入学時のローンもそうでございますが、文部省としてだんだんにこうした問題を具体的に解決するということを工夫を重ねてきている点でございます。
 そうしたことにつきまして、管理局長から御答弁を申し上げたいと思います。
#21
○政府委員(清水成之君) 基本的にはいま大臣からお答えしたとおりでございますが、松永先生から具体的な貴重なお話がございましたので、それにつきまして答えさしていただきたいと存じます。
 最初の設置基準関係につきましては、これは大学局長からお答えがあろうと思いますが、学校法人の認可をする際におきましては、この設置基準を踏まえまして先ほど来お話がございました二段審査を厳正にやっていくということがございますし、それから資金の第一段審査時点におきます保有高の比率を引き上げまして厳しくやっている、こういう点が第一点でございます。これをさらに厳正に強化をしてまいりたい、かように考えております。
 それから助成の関係のまず人件費関係でございますが、これまた御鞭撻をいただいておりまして、ただいま専任教員の給与費につきましては全国平均の標準単価、これは前年度の五月一日現在の単価に翌年度のアップ率を掛けましたものの二分の一を助成をする、こういうことに相なっておりますが、この基礎単価の充実につきましては一段と今後努力をしてまいりたいと存じます。
 それから専任職員の給与費の問題でございますが、これも同じ考え方でおりますが、五十一年度予算におきましては十分の四ということでまだ二分の一にいっておりません。これは明年度以降十分の五に持っていくように努力をいたしたい、かように考えております。
 それから配分関係のことでございますが、これは御制定いただきました私立学校振興助成法でいろいろとまた政令で決め、また財団で配分基準を定めていくことに相なるわけでございますが、従来財団の方で配分基準を決めます際に私学関係者等を含めました運営審議会に諮りまして、そして一般的な基準を決め、かつ個々の具体的な大学への配分額につきましても運営審議会に諮ってやっていっておるわけでございます。五十一年度以降さらに財団並びに大臣のお考えもありまして、いま先生から御指摘がございましたように、特に特別助成等の問題も入ってきておりますので、配分関係の諮問委員会を運審とは別途につくりまして、この配分の事項また配分方法、こういうものについて御審議をいただいてそれに即して配分をしてまいりたい。これは今後の五十一年度以降の問題でございます。
 それから経理関係のお話があったわけでございまして、公認会計士によります監査報告をつけて助成を受けるところは私どもの方へ参っておるわけでございます。公認会計士がいろいろと意見をつけて参っておるわけでございまして、これらを通じまして、財団の配分、こういう点で厳重な注意をしてまいる。それから一方、これが非常に不適正であるという場合には、従来も減額なりあるいは不交付の措置をとっておりますが、今度助成法で第五条の減額措置、第七条の不交付措置の規定がはっきりと明定をされておりますので、一面、あの法案が通りますときに本委員会で附帯決議がついております事項も十分勘案しながら、これらの五条、七条の運用の適正を期してまいりたい。
 それから一方、先生御指摘がございました大学内あるいは外に対します問題で経理の問題、予算面でございますが、これにつきましては、日本私立医科大学協会というのがございます。これがただいま真剣に財務分析等に取り組んでおりまして、学内向けにいろいろとまた困る点は困るというようなことを理解を深め、また外向けにもそういうことをしたいということで、いま準備作業をしておる段階でございます。これもおくればせでございますが、そういうことを進めさせていきたい。こういう点はできれば私学の自主性という観点から私立医科大学の協会自体の手で進めていただくのが一番いい道であろうと私は考えております。
 それから歯科の方につきまして歯科大学協会がございますが、ここがいまのような分析についてはおくれておりますが、この協会が法人化を近くなさると思いますので、これらの事業を強化することによっていまの点の分析等を進めてまいりたいと思います。
 それからお話のございました高利の銀行等の貸し付けの問題でございます。御指摘のとおり、全体が千三百何十億という債務残高が四十九年度出ております。そして相当の額が振興財団以外の銀行、あるいはまた付属病院関係につきましては医療金融公庫から借り入れをいたしておりますが、銀行等の問題につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、まだ十分ではございませんので、今後この計画を推進をしなければなりませんが、債務償還費、いわゆる肩がわりでございますが、貸付期間あるいは利率の点について市中銀行に比べれば有利でございますので、これの拡充推進を年次的に図ってまいりたい。いま五カ年計画が進行中でございます。
 以上でございます。
#22
○政府委員(佐野文一郎君) 設置基準の点についてお答えを申し上げます。
 これまで医学部と歯学部のあるいは医科大学、歯科大学の設置基準につきましては、大学設置審議会の審査基準として定められていたわけでございます。大学設置審議会に対しまして医学部、歯学部の教育の改善について御検討をお願いしていたわけでございますが、昨年七月に設置基準の改善についての建議をいただきまして、それに基づいて大学設置基準、これは文部省令としてその一部改正により本年四月一日から設置基準の内容の改善を図っております。特に、これまでたとえば医学部であれば二十七講座、歯学部であれば十七講座とされていました必ず置くべき講座の数をそれぞれ三十、十八というふうにふやす、あるいはそれに伴って必要な専任教員数をふやすというような措置が講ぜられましたので、それに伴って施設の基準につきましても従来の審査基準のときよりもより高いレベルのものが要求されるようになっております。従来の施設設備の基準ももちろん高いレベルのものであったわけでございますけれども、そのような措置によってより実態に応じた改善が行われていくということでございます。
#23
○松永忠二君 文部大臣と局長に聞きたいのですが、それをやればよくなりますか、来年どのくらいよくなるのですか、ならなければどうするのですか、それをひとつ聞かせてください。
#24
○政府委員(清水成之君) 管理局関係についてまず申し上げたいと存じます。
 先ほど来申し上げました結果どういうふうに改善されるか、こういう端的な御質問でございますが、非常にお答えしにくい面がございまして歯切れが悪うございますが、一つは私学振興助成費の拡充を図ってまいるということを通じて、私ども大学のいろいろな収入面の割合を見ました場合に、学生納付金の比率が、昭和四十五年の経常費助成以来占める比率が下がってまいっておると、こういう傾向がございます。そこで、それをさらに進めるためには私学振興助成費拡充を先ほど申しましたように進めてまいりたい、そういうことによって学生負担の軽減に努めたい、かように思うわけでございます。どれだけ下がるか、こういうことにつきましては、まことに歯切れが悪うございますがお答えしにくいと、かように私は考えます。
#25
○松永忠二君 この前も質問していたように、これは五十年ですよね、五十一年じゃないのですよね。私はいまお話を聞いていて、来年よくなるという自信がとてもありませんね。また来年こんなことをするようなら、このままおかないという決意ですということは言えないのじゃないですか。来年はこんなことをするくらいなら、そのままにはしちゃおきません、こんなばかなことはやらせませんということは言えるですか、大臣、局長。そういう言葉は言えるですか、責任者は。
#26
○政府委員(清水成之君) 端的な御質問でまことに恐縮でございますが、絶対そういうことをやらせませんということには、何と申しますか私学とそれから行政当局あるいは法律制度の上で非常にむずかしい。これは端的な私の感想でございます。しかし、それに向かって努力を最大限さしていただきたい、かように考えます。
#27
○松永忠二君 私は、いま言った程度の二人の答弁では、そんなことはさせません、そうしてまたそういう前と同じようなことはあり得ないという、そういう答弁はちょっとできないように思うのです。だから、言っていることはただ従来のことを少し充実して努力するというだけのことであって、もしそういうことを続けてやるようだったらば、私の方でもこれだけのことをやるのですからそのままにはできません、させておきません、そう言えないところに結局施策が充実していないからだと私は思うのですよ。いきなりその金をやめちまうなんていうことができるわけありません。必ず改善さしてみせます、責任をもって改善する努力をいたしますということくらいが二人から言えないということであれば、ほとんど期待は持てないと私は思うのですがね。必ずこの点については改善をさせます、そのための施策を具体的に考えますという、そういう答弁は大臣から出ないのでしょうか。
#28
○国務大臣(永井道雄君) この私立医、歯科大学の問題、とりわけ非常に法外な寄付金を必要とするという事態は、私は長年のいわば積弊という形ででき上がってきたものと思います。ただいま管理局長が申し上げましたように、たとえば公認会計士を入れまして収支を明らかにするというような事柄も、昭和四十五年ではなく、その時点で私学振興助成が始まった後に発足いたしました。また、さらに高利のものにつきまして財団が債務の……
#29
○松永忠二君 私の聞いたことだけを……
#30
○国務大臣(永井道雄君) いや、そういう政策というものを一つ一つ重ねてきているわけであります。そこで寄付金というものが減ってくる傾向にあるわけでございますから、私は来年から直ちにこれが全くなくなってしまう、問題となるものはなくなってしまうという形の解決はできないと思いますが、現在行われております施策というものを強化いたしていくことを累積いたしてまいりますれば、必ずこうしたものをなくしていくことができると、そういう考えで進んでおりますし、これは全体の私学振興助成の枠の財源をどれだけ確保するかということにも当然かかわっておりますが、それもわれわれが今日までも努力をいたしてまいりましたし、今後一層に努力をしたいことでございますから、それを行ってまいりますれば、直ちに解消ということはなくても、この積弊というものは時間をかけますが、しかし解消し得るものと私は考えております。
#31
○松永忠二君 私、再度お聞きしますが、施策についてはどれをどうやるかなんということはいますぐ言えぬにしても、必ず来年は改善をさせますと、改善してもらいますと。それは来年のことですよ、もう来年はとにかくあなたのおっしゃったようなことも一生懸命やる、また私のいま言ったようなこともひとつぜひ検討していただいて、いまここで新たにこれをやるということは言えぬけれども、とにかく来年は必ず改善をするように私も努力をするし、してもらいますという、そういうことは大臣の口からは言えぬでしょうか、再度お聞きします。
#32
○国務大臣(永井道雄君) われわれの施策ももちろんですが、いろいろ御指摘いただきましたことを十分に参考にさせていただきたいと思います。そして、一歩でも必ず改善するという方向に向かって進む考えでございます。
#33
○松永忠二君 その改善の方法として、私も指摘をいたしましたけれども、もう少しやっぱり具体的にいわゆる経理の公開の原則というか、それをきちっとしないにしてもそれを勧めてやらせてみる。それだけのものを取る必要があるなら、なぜ取る必要があるというような、あなたの学校の必要をきちっと訴えるべきじゃないか。出すべきだ、文部省へ出してくれと。ただ会計士をつくったからといって、そんなことではとても解決はできないと思う。また、金利負担が多いこともわかっているのだから、これについては何か予算的な措置はできないのか具体的に検討してみる、傾斜配分の度合いをなお考えてみる、いろいろある。私学のあれについては助成の基本の原則を少し考え直してみるというようなこと、それからまた私学そのものの中にいわゆる会計の処理の経理の協議の機関を設けてくださいとか、それでその検討の結果を報告してくれとか、あるいは私学の独自性にそぐわない程度にやれることはあると思う。また、政府は黙っているのじゃないんです。ちゃんと助成をふやし、それでしかもそのために傾斜配分もし、施設設備も補助しているわけです。自分たちのやれる限界のことはぜいぜい努力もしているのだから、あなた方の方だって努力する具体的なものを出してごらんなさい、そのくらいのことは私は何も干渉ではないと思うのですよ。また、当然私は責任だと思う。先ほど管理局長が話されたように、いまの日本私立大学連盟、私立大学協会が私立大学振興政策委員会をつくって抜本的な措置を考えた。まず着手として例の振興基金制度などをこしらえて、もうすでに発足もしているようだ。この点についても、なおどういうふうにしていくのか。私は、もうこの辺で文部省自身がこの私学財政の問題について、ただ私学助成法ができたからいいじゃなくて、抜本的な解決の仕方、方法をタイアップして検討するもう時期に来ている。私は私学だけじゃないと思うのですよ、もう時間がないから質問いたしませんけれど。放送大学があり、教員大学院大学、技術科学大学、筑波大学の整備、東京工業大学の整備、また東大の改革案がすでに出ている。これもどうするのか。もういろいろな問題が出て、これで一体財政がやれるのかどうなのか。こういう点について、やはり具体的、根本的な検討をして態度をきちっとしていかなければ、とてもじゃないが膨大な予算の前には何もやれぬということになってしまうと思うので、この辺でタイアップして、私学の根本的な政財立て直しの方策等これは検討を持つべきだと思う。これについて大臣の答弁をお聞きをして、大学入学の選抜の方法だとか技術大学にも私は問題があると思うけれども、時間も十分ありませんし、また宮之原委員が関連で質問するそうですから、その時間を別にとっていただいて、そのことを聞いて終わりにいたします。
#34
○国務大臣(永井道雄君) 文部省が抱えておりますいろいろの大学計画、もう繰り返しませんが多岐にわたっておりますから、非常に長期的な計画が必要であると思います。その中に私学が置かれておりまして、特に私学にいろいろな財政上の問題が生じておる。これは、私は、高等教育懇談会において、今後五カ年間、私学、これは国公立もそうでございますが、既存の大学の拡張という方向を考えない。したがいまして、私学の学生増をおよそ年間三千人に抑えるという方向でございますから、今後五カ年間は従来のうよな形の拡張ということが起こらないという方針で文部省は臨んでまいる考えでございます。そういうふうにいたしますれば、この医、歯科大学もその一例でございますが、私学の経営的な側面につきまして多々問題をはらんでおりますから、この五カ年間はむしろ従来の経営から生じてまいっておる問題を是正解決するということに全力を注ぎ得ると考えますし、またそれが筋道であるというふうに思っております。
#35
○宮之原貞光君 関連をして一つだけお聞きしておきたいのですけれども、それは医大の新設の問題と関連をして、医大がいわゆる各県に一つずつ設置されるということはもうこれは結構なことだと思うのですよ。ただ、医大を各県に一つずつ設置をするというときの大義名分の一つは、医者が都市に集中し過ぎておるから、やはりそれぞれの県にも医大を設置して無医地区のないようなかっこうでやるのだというのが大義名分の一つであったはずなんですよね。ところが、やっぱり現実に無医地区は二千余りあるのですね。だから、各県をずっと回ってみましても、各県とも自分たちの県に医大が設置されるということは歓迎されるけれども、幾ら設置されても自分たちの地区には医者が来ないじゃないかという僻地、離島の不満というものはきわめて大きいのですよね。したがって、私はその件に関してお聞きしたいのですが、これはもちろん医療行政は厚生省の仕事で、文部省は養成だけすればいいという言い方も成り立つとは思いますけれども、少なくとも各県に設置をするという一つの趣旨がそうであるとするならば、これをどういうふうにして一体解消させるのか。ここのところは私は全然文部省にも責任がないとは言えないのじゃないかと思いますよ。また、たとえば厚生省あたりに聞きますと、自治医大がやがて卒業生が出るからとか、あるいは学費の貸与制度で若干この問題も始めておるから今後はそういうことがなくなると思いますという程度の、医療行政の本務を預かるところの厚生省の返事だってそんなものですね。私はそれでは済まないと思うのです。したがって、私は、文部省としても医学部を設置するとするならば、あるいは医大を設置するとするならば、そういうこともやはり主管官庁の厚生省と十分話し合いをする中で手だてを講じない限りは、医者は多額の金をかけて養成はしたわ、都市部に集中して依然として無医地区が解消されぬということでは、私はこれは意味ないと思うのです。したがって、この点、これは文部大臣でもあり国務大臣でもあるところの大臣に、こういう問題点について、養成機関としての養成の面を預かるところの文部省として、一体どういうような物の考え方をもって厚生省なりあるいは政府部内でこの無医地区の解消ということに当たろうとするところのお考えかをお聞きをしたいのです。いま地方を回ってみますと、医者がなかなか来ないのです。――大臣、ちょっと聞いてくださいよ。だから、台湾とか韓国のお医者さんに百万なり二百万なりの高いお金で来てもらって自分の村におってもらう。地方財政の非常に逼迫したところの町村にとっては耐えられないことなんです。しかもまた、そのお医者さんも、一年か二年かすると次のまた都市の集中地域を目がけて行ってしまって、依然としてこれが解消されない。今日、日本の医療行政というものを見たときに非常にちぐはぐな面があるだけに、養成機関を担当するところの文部省としても、この問題については全然考慮しないというわけにはまいらないと思う。したがって、どういう文部省としては手だてを講じてきておるかという問題について一つお聞きをしたい。
 それからもう一つは、いわゆる各県一つということとも関連をして、これは二年前でございましたか、文教委員会でも議論されたことがあるのですけれども、山形の医大を新設したときに、入ってきた者は山形県内からはきわめて少ない。ほかのところで落ちた者が第二次、第三次募集ですからそこに殺到してしまったということで、何のために自分たちとして医大を誘致してつくったのだと、こういう不満の声が起きて、一回これは文教委員会で問題になったことがあるのです。その後、そういうような方面の問題点は解消されつつあるのかどうなのか、されないとすれば一体どういう方策がいいのか。これはどこへ行っても試験を受けるという自由はあるわけですから、法の面では規制するわけにいかない。といって、各県に医大をつくったという趣旨から見れば、やはりその県の子弟をできるだけ入れて、その県の子弟がそれぞれの県内のずっと地域に回って、無医地区やあるいは医療行政について貢献をするというねらいもあったはずなんですね。そういう調和を図ることに一体どういうふうな努力をその後されているか、その点もあわせてお聞かせを願いたい。
#36
○国務大臣(永井道雄君) 医科大学ないしは医学部が地方に設立されましても、地域医療への貢献度が少ない。そこで無医地区二千という御指摘がございました。これにつきましては、基本的な問題を厚生省と話し合っていくべきことは申すまでもありませんが、実は、他方、文部省自体といたしまして医科大学をいまつくっておりますが、これから建設していくに当たってやはり方針というものを持つべきであると思います。現状において比較的いま御指摘の問題というものに対応するような形で活動いたしておりますのは、長崎医大の場合がそうでございますが、この場合には、関連病院、これは大きい病院ですが、僻地、離島の診療所というふうなものも全体的なネットワークにして、そうしてその中心に大学があるというふうな形で活動いたしておりますから、他に比べますと、具体的に地域に対する奉仕と診療の活動というものができるという姿になっております。文部省としては、いまだんだんにでき上がってきております医科大学ないしは医学部についてこうし方た向というものを一つのモデルといたしまして強めていく。そして他方、厚生省にこうした文部省の方針というものを理解してもらって協力を求めるという方向で進むべきだと思います。
 また、第二点の御質問に関しましては、大学局長から申し上げます。
#37
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、山形大学は四十八年創設のときに百人中一人山形県の出身者であったわけでございます。こういった傾向は、無医大県解消計画の進行に伴いまして各県に医科大学が創設されてくるのに伴って徐々に改善されてきております。たとえば山形では、昭和五十年度においては山形県出身者が十二名入っております。また、最近できました浜松医科大学については、四十九年静岡県出身者が十人であったものが、五十年には二十二人にふえているというふうな状況がございます。大学の入学者は事の性質上地元県出身に別枠をつくるというふうなわけにはまいりませんけれども、全体の整備計画の進行に伴って全国いずれもこういった形で地域との関連が深くなってきているということは言えようかと思います。
#38
○宮之原貞光君 関連ですからもうこれ以上申しませんが、ただ、大臣がお答えになった長崎の場合は、昔からの長崎医大で、これは伝統ある何十年という、百年近い医学部、医大ですから、それはそういう僻地医療センターもできておるし、あるいは中核病院もあるのですからできておるかもしれませんけれども、その他の地区で、しかも医大をと、医学部をと言われているところの県では、依然として解消されておらないというのはこれは事実なんですよ。一番いいところの例を挙げられて幾ら説明されても、ちょっとこれは納得いきません。
 ですから、私はここで御要望申し上げておきたい点は、そういう長崎の古い伝統あるところの例もありますけれども、もっともっと新しくできたところの問題については、もう卒業生の出る前から計画的にやはりこの問題についていろいろな指導をしていくというぼくは積極的な態度を文部省としても示してもらいたいと、こういうことだけを申し上げておきたいと思います。
#39
○国務大臣(永井道雄君) 御趣旨のとおり、長崎は古いものでありますが、私の意味も、宮之原委員と同じように、そうしたものをモデルとして文部省は積極的にこれからの計画設計に当たるべきであるという意味でモデルとして申し上げたわけで、別にいまの新しいところがもう問題がないという方向であるというのではなく、そうした方向で文部行政を進めたいという意味でございます。
#40
○白木義一郎君 国立学校設置法に関連しまして人事院で新たに設けられた行政官国内研究員制度に関してお導ねをしたいと思います。
 まず冒頭に文部大臣にお導ねをいたしますが、この制度に対して文部大臣としてはどのような評価をされていらっしゃるかを最初にお尋ねしておきたいと思います。
#41
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの国内研究員制度というものでございますが、私はこれはやはり社会の非常な変化に伴いまして生まれるべくして生まれてきたというふうに思います。といいますのは、諸外国におきましても非常に社会が複雑化している、また高度化してくるという中におきまして、行政に当たっております者が非常に高度な専門的な知識能力が必要であるということで、行政関係の人とそれから大学における研修というものを交流させる方向というのは、実はわが国は比較的遅かったわけでございますが、諸外国にもすでにそういうものがあるしたがいまして、わが国の場合、国外における研修というものも重要でございますが、今回のように国内におきまして研究する制度を設けましたことは、これは行政水準を高めていきます上で生まれるべくして生まれた、ある意味においてはやや遅きに失した観もある問題ではなかろうかと思っております。
#42
○白木義一郎君 それで人事院ではこのたびのこの制度に関して今年度の実態を掌握されていらっしゃると思いますが、その御説明をお聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(長橋進君) 御質問にお答えいたします。
 今年度は最初の試みでございましたので、七名派遣するということになっております。七名の内訳につきましては、人事院から二人、それから警察庁から一人、経済企画庁から一人、大蔵省から一人、郵政省から二人という合計七名になっております。
#44
○白木義一郎君 人事院がこの制度を創設した目的は、人事院で出された「行政官国内研究員制度の概要」の初めにその趣旨が述べられておりますが、この趣旨のとおりであると理解をしておりますが、いろいろと新しいことでありますので、将来にも前向きあるいはそれにまつわるいろいろな関係も起きてくるのじゃないかと思いますが、その点についてはこの解釈どおりでいいのかどうなのかという点についてお尋ねをしておきます。
#45
○政府委員(長橋進君) この趣旨に書いてあるとおりでございます。
 若干敷衍いたしますと、最近におきます行政需要の複雑化、多様化ということに対応いたしまして、行政官としまして行政上の施策をいろいろ検討します場合にも、専門的な学問的な基礎理論の上に立ちまして科学的な手法を駆使してこれにこたえるということが大切であろうと思います。そのためには、行政の実務経験をある程度積んだ若い人たちがもう一度立ち返って大学院のそういった研究コースで勉強しまして専門的な知識能力をさらに身につけまして将来そういう行政事務に携わるということは大変有益であろうということを考えまして、このような措置を講じたわけでございます。
#46
○白木義一郎君 この趣旨どおりであるとすれば、と言うのもおかしいのですが、当然そうなければならないわけですが、その初年度として約五名――いま御説明によりますと七名、人事院から二名、警察庁から一名、経済企画庁から一名、大蔵省から一名、郵政省から二名と、計七名の人材がこの趣旨に基づいて派遣をされたわけでございますけれども、いまお述べになったような趣旨から考えますと、余りにもその五名とか七名とかという人数は少な過ぎるのじゃないか。二年後にはこの七名の優秀な行政官がそれぞれの省庁へ帰ってそして活躍をするわけですが、いまお述べになったように、現在非常に複雑多様化する行政に対しては趣旨はもう大変結構なことだと思いますが、現実的な効果といいますか、そういう点では何だか物足りないような気がするのですが、次年度以降は増員の予定だと、そういうように伺っておりますが、その点の計画、将来に対しての構想をひとつお述べになっていただきたいと思います。
#47
○政府委員(長橋進君) 次年度以降増員するという計画でございますけれども、ただいまのところは別に具体的な数字は持ち合わせておりません。ただ、これは初年度の試みでございますので、当面七名ということで出発したわけでございます。
 今後の問題につきましては、受け入れる大学側の事情、学生定員その他の事情もございましょうし、それから各省庁のいろいろな事情もあることと思いますので、来年度以降の増員拡充につきましては、最低ことし七名出したという実績の上に立って増員の方向で検討してまいりたいと、このように考えております。
#48
○白木義一郎君 そこで、今年度の派遣は筑波大学の経営政策科学研究科のみに派遣をしたと伺っておりますが、その理由はどういう理由でそのように一つの経営政策科学研究科へまとめられたか。私は、大阪大学にも公共経済学専攻という科があるわけです。筑波のそれと同趣旨であると伺っておりますが、増員ということもあわせて収容能力という点も考えなきゃなりませんけれども、なぜ筑波大学だけに今年度まとめられたか、あるいはまた将来は各大学院へも派遣したいというお考えを持っているのかどうなのか、お伺いします。
#49
○政府委員(長橋進君) 筑波大学に限定するというつもりは毛頭ございません。たまたま筑波大学におきましてこういう研究コースの開設ということが先行しておりました関係もございまして、それからさらには、開設されますコースの中に経営政策科学研究コースというのがございまして、これは行政官の再教育ということにつきましては最も適しておるということで、今年度は筑波大学ということにいたしたわけでございます。将来各大学でこういうコースが逐次設置されるという運びになりましたら、研修コースの内容等も十分考えまして他の大学へも派遣できるように事を進めてまいりたいと、このように考えております。
#50
○白木義一郎君 この制度は、現在では、経済学、法律学等を勉強をさせ、またしてもらうわけですが、今後のわが国の行政を考えた場合に、都市問題一つを取り上げてみましても、経済、教育、建設、福祉、環境とあらゆる問題が絡んでくるわけですが、現体制では十分な対処が当然できていないわけですが、この点に関しましてこの制度がどのように効果を発揮するであろうか。これは新しい試みですから実際の効果も明確に出ていないわけですけれども、予想としてあるいはこの制度を取り上げた人事院としてどういう希望と期待を持っておられるか、御説明を願いたいと思います。
#51
○政府委員(長橋進君) 今年度は当初の試みということでございまして、法経中心ということになっておりますけれども、私どもとしましては、別に法経中心ということは考えておりませんで、今回の経験等に基づきまして十分検討いたしました上で将来は理工系方面にも拡充してまいりたいというふうに考えております。
#52
○白木義一郎君 そこで、この制度では応募資格また資格審査等が当然厳格に行われて人選がされていくものと思いますが、その審査基準等についてわかりやすくひとつ御説明を願いたいと思います。
#53
○政府委員(長橋進君) 一応、応募資格といたしましては、「おおむね実務経験三年以上六年未満の者で、勤務成績の優秀な者」それから「修士課程で研究を行うに必要な基礎的知識及び語学力を有する者」「将来とも引き続き国家公務員として勤務する意思を有する者」これに該当する者のうちから各省庁の推薦を受けまして人事院が書類審査、それから一応の面接を行いまして、最終的には筑波大学当局におきまする論文審査、語学力テスト等を受けまして、合格した者が研修生として派遣されるということになっております。
#54
○白木義一郎君 最初のスタートにおいていまお話があったような段階をたどって七名の行政官が派遣されたわけですが、その七名も最初から七名じゃないと思うのです。各省庁でどういう作業をしたり、これに対応してどんな積極的な取り組み方をして、そして厳選されて今回は七名になったか。そういう点おわかりでしたら、若干御説明を願いたいと思います。これはいま最初から大臣もこの制度についての評価を高くされておりました。また、各省のそれぞれ人材と目される行政官も、ある意味で大きな自分の将来に対する門戸が開かれたような希望を持たれる面も大いにあると思うのです。そこで、その実態をお尋ねしておきたいと思うのです。
#55
○政府委員(長橋進君) 各省におかれましても今回の措置の趣旨を十分御理解していただきまして、各省から推薦されてまいりました方々は大変に優秀な方でございまして、七各推薦を受けまして、人事院の審査段階では七名とも合格ということでございました。それから筑波大学におきまして論文テスト、語学テストを行いましたけれども、最終的に七名合格ということでございました。
#56
○白木義一郎君 文部大臣、この制度は資格審査の中に「実務経験三年以上六年未満の者で、勤務成績の優秀な者」と、こういう応募資格がございますけれども、それはそれとして、いまの管理局長さんのお話では、優秀な選抜された人物であるということになりますと、じゃあとはどうなるのだというような、人間というのはそういうひがんだところもありますからね。そうしますと、三年から六年未満、その間の応募資格ということになりますと、まだまだ各省には優秀な方がたくさんいて、長年の実務経験を身につけて、それであるがゆえになお再度専門的な勉強を身につけていく必要があるというように痛感される人もたくさんあるのじゃないかと思うのです。一応資格の基準というものは設けなきゃなりませんけれども、それを余り強調しますと、かえってそういう人たちの意欲を閉ざしてしまう、門戸を閉ざしてしまうと、そういうようなことから、特定された人物がその線に強く浮かび上がってくるというような心配もなきにしもあらずだ。そこで、かねてから大臣が主張されている生涯教育という面からいっても、できるだけ優秀かつ意欲のある人材に将来大きくわが国の行政面において活躍をしてもらうためには、この趣旨を踏まえた上でこういったような制度をもっと検討する必要があるのじゃないか。いずれにしても、スタートしたばかりですからあれですけれども、そういう面も考慮に加えて年々よき方向へ持っていくべきでないかと思うのですが、そうい点う、大臣どんなお考えを持っていらっしゃるか。
#57
○国務大臣(永井道雄君) 行政に当たっております公務員の中からどういうふうな応募資格を考えるか、あるいはまたどのぐらいの人数を考えるかということは、これは今後人事院において、今回もそうでございますが、考えていかれることであろうと思います。他方、文部省の方は、筑波大学等におきましてやはり大学院を充実いたしていきますとともに、それを次第に開かれたものにいたしまして、必ずしも公務員だけではなく会社に入っている人の場合もあると思いますが、そういうふうな人たちも経験を持った者を受け入れていく、そうした種類の大学院の充実というものを今後の課題にいたしていかなければならないと思っております。ただ、公務員あるいは企業等に働いております社会人を問わず、一般に大学を出ました後にも非常に広くいろいろな事柄について学習しようというような要求につきましては、そういうすべての人を修士課程に収容するというようなところまで大学院をすべて望んでいる人を収容するというふうなところまで拡張するということは現実に困難でございますから、今回もそうでございますけれども、やはり入学試験というような形を考えていかなければいけない。ただ、なお勉強していこうというような人は大学卒の中にもたくさんございますから、そうした需要に対しましては、やはり放送大学というようなものをこれからつくり上げていくわけでございますから、そうした形で、非常にきちんと決まった修士課程というようなものとは違いますけれども、職につかれた方々が公務員を含めて勉強できる、そうした勉強の受けざらというようなものを文部省としてはつくっていくことを考えております。
 繰り返しになりますが、応募資格等につきまして、またその人数等の問題は人事院の問題になるのではないかと考えている次第でございます。
#58
○白木義一郎君 今回は七名ということですが、今年度の大学院へ入った全体に対する割合というのはどのくらいなんでしょうか。
 それと、もう一つは、この制度から選抜されて厳重な資格審査をパスして、そうして派遣予定者になってそれから試験を受ける、その結果合格したのが七名ということですが、その七名合格する陰には何人か合格できなかった人もいると思うのです。この関係ではその人数はどのぐらいだったのでしょうか。
#59
○政府委員(長橋進君) 全体の大学院進学者というとちょっとわかりませんが、今回の筑波大学の大学院研究コースに入った人について見ますと、開設されました経営政策科学研究コースにつきましては定員は当初二十名ということであったようでございますが、実際に合格したのは十八名ということでございます。
 それからあるいは私の質問の取り違えかもわかりませんが、国家公務員の在職者の中でそういう大学院コースに進む人は何人おるか、あるいは何名おったかということかとも思いますが、こういった大学院に職員を派遣する制度といたしましては、今回国内版をつくったわけでございますが、在外研究員制度というのがございまして、これは外国の大学にやはり修士課程二年ということですでに研修で派遣しております。年間三十四名が大体こういう研修コースの上に乗って行っておるということでございます。それ以外の立場、たとえば休職ということで進学したり、そういった場合についての数字はちょっといまのところ手元にございません。
#60
○白木義一郎君 今回の七名の合格者というのは、七名厳選されて試験を受けて七名全部合格したかどうか、それとも各省から出てきてそうして人事院の厳格な厳選された資格を持っている人が三十人受けて七人パスしたのかどうか、そういう点をちょっとお尋ねしたわけです。
#61
○政府委員(長橋進君) どうも答弁漏れで失礼いたしました。今回の場合は各省から推薦していただいたのが七名でございます。したがいまして、最終的に全員合格ということでございます。
#62
○白木義一郎君 そうしますと、きわめて狭き門をこの制度から出てきた七名は全部一〇〇%合格したと、一面からいえば、非常に各省がえりすぐった人材中の人材を選抜したがゆえに一〇〇%筑波大学院へ入学ができたということですが、実際はそんなことじゃないと思うのですね、大変競争の激しいところですから。そうしますと、何だか政府とそれから大学との方にしかるべく趣旨の徹底があったりなんかして、一般のあれが大学院を目指すことは大変至難にもかかわらず、この制度から出てきたあれは一〇〇%パスしてしまうというようなことも、すべて政治不信からそういうよけいなことまで心配するわけですが、この点はどういうふうに御説明いただけますか。
#63
○政府委員(長橋進君) 国家公務員の研修コースの中にはいろいろな研修コースがございます。非常に業務に密着した実務的な研修もございますれば、あるいはさらに一般的な資質を向上さすというたぐいの研修もございます。現在、研修に職員を出す場合につきましては、一応職務という位置づけを行いまして出している関係もございます。したがって、ほかの部署に優秀な職員がおりましても、たまたま従事している業務が繁忙で手を抜けないという事態もあろうかと思いますし、また従事している職務の内容から申し上げましてこの研修よりもこちらの研修という場合もございましょう。そういう意味で、別にこの研修だけが特に優秀な職員が選抜をされて来ているというわけではございません。そういうことでございます。
#64
○白木義一郎君 そこで、一応大学あるいはその資格を身につけた人が各省へ公務員として採用されて、三年あるいは六年程度の実際の問題を身につけて改めて大学院へ行って勉強するということは、これは非常に有益だと思うのですが、制度の上あるいは大学院の規模、それから一般のほかの大学院へ進学の希望者等との関係を考えれば、このままさらにこれを拡充発展さしていくということはちょっと影響があると思うのです。それと同時に、これから大学院を優秀な成績で終わって各省へまた帰ってくるわけですね。そのときに、何となくいわゆる世間で言うエリートの中にまた一つ特別なエリートができやしないか、そんなような心配もちょっとしたので、この問題についてお尋ねをしたわけです。
 そこで、大臣もそういったようなことも考えられて放送大学等でというような御説明もありましたけれども、私は、この制度を通して、これからの行政は、国民一人一人が行政に関心を持って政策についても大いに意見を持ち、また大学を初めとする機関で研究する幅広いすその広がりがまた絶対必要だろうと思うのです。そこで、さらにこの趣旨を広く普及さしていくには、夜間大学――放送大学も当然必要なことで期待をされるわけですが、夜間大学についても同様なことが言えるのではないかと思います。働きながらさらに勉強していきたい。現在、夜間部は、私立大学が四十八校あるのに対して、国立はここ数年間全く夜間部の制度がふえておらないように伺う。わずかに九校しか夜間部が設けられていない。ほとんどが私立の大学に依存していると言っても過言ではないと思います。教育の場を少しでも広げ、多くの人が教育を受ける環境を設けていかなければならない。当然なことだと思いますが、文部大臣の責任において、そういう方向から国立の夜間大学の開設を積極的にされるお考えがあるかどうか、あるいは年次計画等がおありでしたら伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#65
○国務大臣(永井道雄君) 夜間大学につきましては、現状におきまして入学者数が横ばい状態になってきているわけでございます。これは私立の大学、短期大学の夜間部などに見られる現象でありまして、廃止をしているところも実は出てきていたり、あるいは入学定員を減らそうというようなこともございます。また、夜働いて昼学校に行くというふうな形もあるわけでございます。
 そこで、文部省といたしましては、夜間部の問題をどうしていくかということについて国立の夜間部をつくってはどうかという御意見でございますが、むしろ現状いまのようなことでございますので、現在あるものを強化していくという考えで特に新設を考えておりません。さらに、国立以外の私立の夜間部というものも、いま申し上げましたように、いろいろサービスをするわけですが横ばい状態であったりいたしますから、本年度特別の助成措置ということをいたすことにいたしまして、すでにその配分を決定いたしたわけでございます。したがいまして、国立の夜間部をつくるという方向ではございませんが、そのほかにやはり考えていかなければならないことは通信教育の充実でございますとか、また先ほど申し上げました放送大学というものの創設というような形で勤労している方たちの学習要求にこたえる、そういう考えで進んでいるわけでございます。
#66
○内田善利君 関連。
 先日、私は、いま白木委員が質問された問題で、最後になりまして時間が来まして質問をやめたわけですが、行政官の国内研究員の待遇の問題だったのですね。いままでこういったケースの国家公務員あるいは地方公務員の国内留学のケースがあるわけですが、その場合と今度の場合と非常に待遇に格差があるわけですね。いままで一生懸命になって休職になってもまた給料が削減されても勉強したいということで大学に行って勉強しておるそういう人たちと、今度の筑波大学に行ったこの国内研究員と、待遇の格差が出てくると非常に問題だと思うのですが、いままでの国内の留学――国外の場合は別ですけれども、国内の留学の場合のケースと今度の筑波大学の場合のケースと待遇がどのように違うのか、それとその対策についてお伺いしたいと思います。
#67
○政府委員(長橋進君) 各大学への職員の研修のための派遣につきましては、今回開設いたしました筑波大での研修コース、修士課程の参加のほかに、各省庁がそれぞれ業務上の必要に応じまして、たとえば六カ月でございますとか九カ月でございますとか一カ年ということで職員を出しておる場合がございます。これは業務上の必要性に基づく研修というかっこうで出しておりますので、給与その他は支給されて出ておるという関係にございます。
 それからその本人のいわゆる職務に関連がないとは申せないかもしれませんけれども、本人の事情によってある程度職務に関連があると認められるような場合には、許可を受けて休職という身分で学校に通うということもあろうかと思います。そういうものを総体的に見てまいりますと、それぞれその処遇につきまして、いろいろ理由があるにいたしましても、御指摘のように差がある場合もあろうかと思います。私は、地方公務員の場合と国家公務員の場合とにつきましていまつまびらかに資料を持っておりませんけれども、国家公務員の場合につきましては、おおむねこういう研修ということで学校に行くという場合には大体その給料というものは十分保障されて通うということでございます。ただ、教材とかその他の支出をどの程度めんどうを見るかということになりますと、これはあるいはそれぞれ違いがあるかとも思いますけれども、そういうふうに考えております。
#68
○小巻敏雄君 国立学校設置法の一部を改正する法律案の中で、特に技術科学大学に関連して若干の質問をいたします。
 技術科学大学は、高等専門学校の卒業者を主たる対象にする、そしてあわせて工業高校の卒業生を受け入れていくというふうな考え方で進めていくということでございますが、現在の高専ですね、これがいまからの科学技術大学の主力になっていくということでございますから、現状における高専の卒業生の進路について一、二お伺いをするわけです。いま、その卒業生は、一般大学へ向かっていくしかないわけですね、現在の場合には。これが三年次編入をするというたてまえなんですけれども、現状で実際うまくいっておるのか、二年次編入に実質的にダウンしておる要素がかなり大きいのじゃないかと思うのですが、その点簡潔にお答えいただきたいと思います。
#69
○政府委員(佐野文一郎君) 現在、学校教育法施行規則の定めるところによりまして高専から大学に編入学を認められておりますものが、五十年三月におきまして大学数では国立二十四大学、私立十一大学が受け入れを行っておりますが、その受け入れの総数は二百四十八名でございます。その二百四十八名中九十六名が二年次への編入ということになっております。
#70
○小巻敏雄君 かなりの数が三年次に入ることができなくて二年次編入をしておる。なぜそういう状況になっているのか、この点について私は国立高専協会の中間報告というようなのを見てみますと、高専の教育内容において、「第一に、拘束時間が多く、学生の自ら学ぶ努力が欠如し易く、新しい問題に取り組む積極性の育成がなされていない。」とか「第二に、単独完結型の多数科目必修修得のため学生は教授された知識の詰め込みに陥り、木を見て森を見ず」というようなことを述べており、「自分の専門分野の概念とか学問の体系の把握が困難となっているので、与えられた以外のものを自ら思考する発展性に乏しい。」というようなことを挙げ、「第三に、」それらの二つの問題の関係から発生する応用あるいは創造というような機会を得ていないために「創造と理論を結びつける訓練が不足しているため、創意工夫に欠ける面がある。」とかいうことを挙げておりますし、さらに、教育課程の問題については、文部省の高等専門学校教育課程調査会専門部会の一般科目分科会において高専の問題点として、高専の社会科学は、高校と科目の区分も異なって、教える内容の上でも高校での重要な部分に欠落があるというようなことを述べておるわけであります。こういったふうな状況が一部の大学では三年次への編入を困難にしておるのかというふうに見るわけですけれども、その点はどういう認識を持っておられるわけですか。
#71
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、現在の高専の教育課程につきましては、画一的で弾力性がない、あるいは過密なカリキュラムのために自主的に勉学が行われがたい、あるいは卒業生の進学の道が閉ざされているというような問題点の御指摘があるわけでございます。このために、従来から教育課程の改善について努めてまいったわけでございます。四十七年度にも一部改正を行ったわけでございますが、四十九年度から教育課程を全般的に見直すために調査会を設けまして検討を続けております。そして、その調査会の結論が近く得られる見込みでございます。
 その結論を待って高等専門学校の教育課程の改正をいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、調査会で指摘をされております主な意見を御紹介申し上げますと、一つは、教育課程に関する基準と標準をより弾力的なものにする、そしてそれぞれの高等専門学校が教育内容に独自の創意工夫がこらせるような、より許容度のある弾力的な基準と標準にしようという点が一つでございます。それからもう一点は、現在の設置基準による授業時間数が多くて学生を教室内に拘束する時間が多過ぎるのではないか、それが学生に過密感を与えているということもございますので、学生にもう少し余裕を与えるとともに、授業方法を工夫して創造的、自主的な勉学態度を養うようにする必要があるという点でございます。このためにカリキュラムを検討いたしまして、週当たり平均二時間程度の授業時間数の減少をしてはどうかという御意見が調査会にございます。さらに、履修方法につきまして、ただいま御指摘のように、現在全科目必修が原則でございます。このために、学生の個性に応じた履修を可能にするという見地から、選択制をカリキュラムに導入をしてはどうかという点がございます。こういった点についての調査会の結論が先ほど申しましたように近くまとまりますので、その方向で私どもも対応してまいりたいと考えております。
#72
○小巻敏雄君 高専につきましては、昭和三十七年に設立される以前に設置について各界の議論の中からかなりに問題指摘がされておったところであります。すでにそのときから、これだけ十数年間歩く前から、一般教養無視の詰め込み学校になるのではないかということはっとに指摘されたところでありますし、この路線が袋小路として日本の教育体系の中で異質なものとなるというような指摘と、ここから出てくるこの学校の教育が技能者養成に偏って、全人的な教育に欠陥を生じるのではないかというような指摘がさまざまなされておったところであって、そして今日歩んだ結果は、残念ながらその主張をかなりな程度に裏づけている。すでに教育の道をかなり知っておる者であれば初めから心配があった。そのことが歩いた結果現実のものになっているというふうに見なければならない。その根本の点を押さえて今後高等専門学校についての充実、そのための研究検討はその筋道でやっていただかなければならないと思いますし、その際の討論の中で、この方式が工業ばかりでなく他の領域へ拡大をすることとか、それから大学にさらにこれがエスカレートされてこういったふうな性格を持った技能型の大学がつくられるということについても、非常に多くの人が不安を感じたところであったわけですね。この法律案に先立って先般法案を通過さしたあの審議過程でも、この懸念は多く寄せられておったところであります。この問題については、一層一般の大学の持つ大学の特性を逸脱することがないような成長をするようにというような点を厳格に押さえてやっていただきたいというふうに思うわけです。大臣に一言御答弁をいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(永井道雄君) ただいま小巻委員が御指摘になりましたように、高専がこれまでの歴史の上で確かに問題点をはらんでいるということは否定できないことでございますから、これは先ほど大学局長が申し上げましたように、調査会においても改善の方向を考えていく。したがいまして、今度でき上がってまいります技術科学大学という場合には、やはり長期的な見通しというものを過たないことが大事であると考えます。実習というものを非常に重視いたしまして、そうして実習の中で学習していくということそれ自体は非常に大事であると思いますが、実習と基礎的な理論との関係、そうしたものについてこの大学をつくっていくに当たっての調査会の報告もございますが、そこが考えておりますことも、いままでの大学の工学部に比較いたしますと、いわゆる実習的なものが強い、実務訓練的なものが強いという点の違いはありますが、しかしながら、大学としてそれにだけ傾斜するとかあるいは選択というものが全くないというふうな方向をとるということではありませんし、また私はその報告を尊重する立場でございますが、そうした方向で大学として逸脱したものにならないようにするということは、特に注意をいたすべきことと考えております。
#74
○小巻敏雄君 この大学に工業高校卒、これを受け入れるに当たっては、大体定員数三百人のうちで六十人が一年入学として予定されるというふうに承っておるわけですが、この工業高校を受け入れるといってもこれは工業高校しか入れないような、普通課程から受験しようと思っても受験することができないような何かの制限を設けるというようなことになれば、これは非常に問題ではないかと思いますし、実際に受験資格、これにおいてどういう取り扱いをするのか、また選抜方法で考えるのか、この点について念を押しておきたいと思うわけであります。
#75
○国務大臣(永井道雄君) この大学につきましては、御指摘のように、高等専門学校の卒業生あるいは工業高等学校の卒業生というものを主たる対象とすることが適当と考えておりますから、入試につきましても、推薦入学制というようなものを活用したり、あるいは試験科目の工夫によって、いまの種類の卒業者を生かすように考えているわけでございます。ただ、御指摘のように、普通高校卒業者は資格として全くこれに入れないということにいたしますことには問題がございますから、資格としては決してそうではなく、この大学が目標といたしております実地を重視いたします技術科学の習得を目指しておって、しかも能力、適性がある普通高校の卒業者というものがあります場合には、当然それを受け入れるということであると理解をいたしております。
#76
○小巻敏雄君 いまの答弁で、特段に普通高校の卒業者を入学資格において資格上締め出すとかそういうことは考えていないという御答弁でございますが、ここで当然のことながら、工業高校以外の普通課程からの進学希望者に制度上門を閉ざすというようなことが行われるなら、これはもう他の大学と性格を異にするものになってしまうということです。その点は、選抜のあり方とか、それから推薦入学のあり方なんかも、これは十人の募集ですから、これが極端に運用されるなら、制度上には違いがなくても、全国の後期中等教育を終わった者全体に対して門を開いたものでなくなってしまう。これらの問題については、言われたような精神で内容に逸脱がないようにお願いをしたい。あわせて、高専の出身者が技術科学大学に進むと同時にやっぱり一般大学の三年次にちゃんと進んでいけるという道が開かれておって、同時に高校でも工業以外のものからも入ってくるというような、こういう大学の持つ基本性が保持されることになる、その点を押さえての大臣御答弁であったと思いますので、その点を確認して進めたいと思うわけです。
 特に、この高専の出身者が、先ほども触れましたが、一般教育が不足をしておる。これはカリキュラムの中で明白に出ておる問題ですけれども、これを早急に補うことを考えられなければならぬのではないでしょうか。私の承知しておるところでは、高専の五年間で受ける一般教育は二千九百五時間になっており、専門教養は三千六百四十時間になっておる。ところが、これが同じ修得年限で高校から短大へ進んだ者の受け取る単位数と比較をしますと極端な差があって、一般では高校から短大へ進んだ者は三千七百時間であるのに対して、二千九百五時間と非常に低い。そのかわりにと申しますか、専門課程では千二百時間に対して三千六百四十時間と、本当に三倍にも上っておる。まして、高校から大学に進んだ者、大学に進んでより長い期間やった者に比べても、さらにこの専門時間は上回っておる。高校から四年制大学を終了した者でたしか三千時間程度の専門の単位数であるのにかかわらず、ここでは三千六百四十時間、これも見直しを行うというような点がありましたけれども、こういうものを是正するという趣旨でなければならぬと思うわけですが、どうなんですか。
#77
○政府委員(佐野文一郎君) 四十七年に設置基準を改正いたしまして、総授業時数のうち七十時間を専門から一般の方へ振りかえておりますので、御指摘の時間よりもいま七十時間ふえて、工業高等専門学校で一般教養に充てられておりますのは三千八十時間になっております。ただ、これも全体の四六%でございますから、御指摘のように、他の高等学校から短大あるいは大学に進学した者に比べますと、一般教養の時間数は若干下回っている点は事実でございます。もちろん五年一貫の教育でございますから、重複を避けまして一般教養についても十分効果があるように配慮はされているわけでございますが、今回の検討されております教育課程の改善の途中におきましても、一般教育の時間数というものについては減らさないで合理化を考えていくという方向でございます。
#78
○小巻敏雄君 この大学に入ってきてから三年次に編入されて入学してくるわけですね。やっぱりここで他の大学に進む者に比べて高専の出身者というものは非常に一般教育について不足な状態で入ってくるということは、これはお認めになったとおりである。これは高専の中の状況についての改善をするのとあわせて、大学に入ってからの教育課程においてこれは大きく考慮されなければならぬのじゃないかと思うわけですけれども、これについての計画概要を見ると、その点、依然として高専の持っておった一つの偏った性格がこの大学に来た後も継続維持されるのじゃないかという懸念を抱くわけであります。特にこの点について、一つは一般教育の取り扱いが時間数の問題とそれからもう一つは教員組織の方の問題からも感じられるわけでありますが、この教員組織の中で、六つのコースに対して教員組織は七つ設けて、そして「各教員組織は、それぞれの分野の研究を行うとともに、関連する系の教員組織と協力して大学院及び学部の教育を担当する。」とありながら、計画・経営科学系の教員組織は、これが各専攻及び各課程の教育課程で要求される管理科学関係及び社会科学関係は一切ここが取り扱うというような仕組みにもなっておるわけですね。これと時間数の問題と相まって考えると、これも一般大学での教養の授業のあり方に比べて変わった特徴を持っておるものになるのじゃないか。私、内容が少しわかりかねる点があるわけですけれども、との点で全体的に普通教養を重視してやっていくということになるのかどうか、お伺いをしておきたいと思うのです。
#79
○国務大臣(永井道雄君) 技術科学大学のカリキュラムについては、まだ調査会で検討を続けているところでございますから、最終的な結論を得ているわけではございません。
 ただ、そこで検討を続けておりますことの要点を申しますと、やはりこれからの技術者は、ただいま御指摘がございましたように、幅広い判断力というものが必要であろうということは確認をいたし、したがって、一般教養の科目につきましては、大学設置基準にのっとって十分な単位数を確保するということが議論されております。その内容につきましては、ただいま御指摘がありましたように、経営管理科学、人間関係の社会科学系というのが考えられているわけでありますが、そういうところの教官が、たとえば現在技術査察と言いますか、テクノロジーアセスメントあるいはライフサイエンスというようなものも含めて、一般教養の中で特に技術と社会、人間の関係が重要視されている折りからでもあり今後も重要であろうという考えに立って、そうしたものを授業の中に盛り込んでいきたいという議論が行われているわけでございます。
#80
○小巻敏雄君 ここに、見かけよりは、いま、ライフサイエンスなどあるいは生物科学、環境問題なども含めて広い教養というような御説明があったわけですけれども、この点も偏することがないように、偏った閉ざされた大学にならないようにという点については、強く指摘をしておきたいと思うわけであります。
 特に、ここで私問題を感じますのは、十単位が実務訓練というふうに充てられておるところであって、聞くところでは、一学期間民間の現場の方に行って実務訓練をやるのだということでございますが、これがいわゆる技能者養成をやっていく教育にはなり得ても、教育の場として保持されるのかというところに、私は具体的な実情を頭に浮かべてみますと、非常に不安を感じるわけであります。高専学校レベルでも、たとえば水産学校なんかで船に乗せたときにどういうことをやっておるのかというような実態を聞けば、これが教育かと思うわけですね。ばくちは覚えるし、仕事の合い間は漫画とマージャンというようなことですね。これを大学が責任を持って、十単位というものを大学から離れた場所で一体どのようにして大学の場として維持できるのか。こういうことはいままでに行われたこともありませんし、社会主義国などでは次元が違いますから、こういうものを引き写してみてもこれは手本にならないだろうと思うわけですね。私は、これらについてはよく検討して、具体的な状況が確認できるまでは安易に行うべきでないという意見を強く持つものでありますけれども、時間がございませんから簡潔にお答えを願いたいと思うのです。
#81
○国務大臣(永井道雄君) 行わないようにという小巻委員の御意見でございますが、調査会においては、従来のエンジニアの養成というものが持っておりました問題点の一つとして、やはり実務訓練が弱いという認識に立っておりますから、まず学部の後期で半年程度実施することを考えている。ただ、実施をいたしますと、いま御指摘のような問題が生じてくる。つまり、労務提供のような形になったり、あるいはまた工場において無責任な形で悪いことを覚えてしまうというようなことになってはならないので、大学の教官による十分な指導のもとに計画的に行うべきであるという見解を示しております。そして、計画的にというのは、教官が中心になりまして実施計画を立てまして、そして企業の工場等の協力をどうやって得るかというようなことに伴う問題点などを洗い出しまして、具体的に非常に責任を持って指導していけるように立案をすべきである。なお詳細ございますが、要点を申しますとそういう考え方で進めていくべきであるということでありますので、私はこういう点に留意して、大学並びに大学教官の責任ある指導性のもとに進めていくことが望ましいと考えております。
#82
○小巻敏雄君 開発研究の問題にしても、「高度かつ総合的技術感覚を体得させることを主な目的とし、実験室、実習工場で生産化研究を行い、修士論文を完成する。」というようなあり方になっておる。私は現に目の前で進行しておることを見ていないわけでありますから、それはこの場では水かけ論みたいになってしまいますけれども、実際、実習、実務訓練の問題にしても、一遍この委員会の席上でも、高校レベルにおけるあの実習の問題なんかもどうしても日を当てていかなければならぬというような考えとあわせて、これだけでも実際私としては法案に対して賛成しにくいぐらいの気分があるわけですね。幸いにして衆議院の方では三点にわたって大臣からもこれらの懸念にかかわる根本問題について見解表明もあり、私は法案には賛成をする意思でおるわけでございますけれども、これらの問題は注目をして今後も見守っていきたいと思いますし、十分に大学の教育の場としての実務訓練、それから博士課程の博士論文のものもいわば企業癒着などになることがないようにという点を強く指摘をしておきます。
 最後に、弾力的管理運営というのがこの新構想の大学についてはとかく言われるわけですね。弾力的というのは便利な言葉のようでもありますから、この中身をつまびらかにしなければやっぱり食いつきにくい問題がある。果たせるかなと申しますか、先般から任期制についての問題が出ておったわけであります。大体、大学であるからには教授会で決めるわけで、教授会ができないうちから答えが決まっておるというようなことはおかしい話でありますけれども、そういう構想で着々と準備をされて出発をしたら大体そうなるというのがいままでからのあり方であったと。大臣、これについては、法律どおりにやるのでありますから、任期制というようなものがこれが内規を設けてもそのようなものには効力がないというふうに言われておったかと思うのですけれども、その点について確認を求めておきます。
 さらに、経費の問題についても、民間資金の導入というようなことがわざわざうたわれて出発をするというようなところに大きい懸念を感じるものでございますから、この管理運営上の任期制の問題等にかかわること、そして民間資金の導入等経費にかかわること、これについて大臣の見解をお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
#83
○国務大臣(永井道雄君) まず第一に、任期の方について申しますと、法律、政令に基づくような任期制度というものをこの大学のためにそもそも導入する考えもなく、また導入できるものでもございません。それは法改正を経なければならないわけでありますから、この点文部省は考えておりませんわけでございます。そして、大学の人事をどのように行っていくかということ。ただ、いままで停滞性、閉鎖性がございましたから、そうした問題については現在いろいろな大学でも議論がありますから、私はこの大学で学長を中心に教授会においてお考えになっていかれるものと考えております。
 第二点といたしまして、民間資金の導入という問題がございますが、その文書にございますように、まず国立大学でございますから、国立大学として研究、教育をやっていくのに必要な国費による保障というものは確保しなければならないことは申すまでもございません。そのほかに、公共的の資金、一番終わりに民間資金という言葉が出てまいりますが、それは決して民間資金の導入を前提にしてこの大学をつくり上げまた運営していくということではなく、むしろまたその反対に、国費による大学の活動の保障を前提にしてこの大学を発足させ、またその運営を図るということでございます。
#84
○小巻敏雄君 いまの大臣の答えでおよそ私の質問の趣旨には同意されていると思うわけですが、特に大学の閉鎖性あるいは硬直性とか保守性、これらの問題を打開するためにこの問題は全大学でこれは学生も力を合わせて解決していく問題だと私は思っておりますし、現状が最上だなどと言うことはとうていできない。しかし、それを引き合いに出して、特定の大学でその任期制云々とか新構想で道を決めておいて走らせるというようなことはこれは筋違いだと、このことを申しまして、質問を終わります。
#85
○中沢伊登子君 各方面からいろいろの御質問がございましたが、私も最後を承りまして、国立学校設置法の一部を改正する法律案に対し、特に筑波大学の問題について御質問を申し上げたいと思います。
 筑波大学が開設されましてからことしは第三年目に当たります。この大学の発足に当たっては、新構想大学だ、いや中教審大学だと、ずいぶんいろいろな話題を提供した。教育界を賛否両論の激しい渦に巻き込んだことは、私どもの記憶に新しいところでございます。この筑波大学の問題について、私ども民社党は、その設置に対して、それが大学の大衆化という実態に即した大学改革の新しい試みであるということを評価しながら、これに原則的に賛成をしてまいりました。そらして、その一層の充実を図ることを目的として四項目にわたる修正案を提出したことは御承知のとおりだと存じます。わが党の修正案は残念ながら受け入れられませんでしたが、その趣旨は十分御理解をいただけたものと自負しておるわけでございます。そこで、私は、開設後三年を経過した筑波大学について、修正案を提示した立場から二、三御質問を申し上げたいと思います。
 その第一点は、筑波大学は、総需要抑制政策のあおりを受けて施設の建設も全体計画の三分の一が完成したにすぎないと聞いております。また、教員の確保も予定どおりには進んでいないということも承っておるわけです。そこで、筑波大学のより健全な発展を図るためには、施設の不備と未整備な教育環境を早急に是正しなければならないことは言をまたないわけでございます。そこでお伺いいたしますが、筑波大学の今後の整備拡充計画はどうなっておりますのでしょうか。五十二年度に開設を予定されております第三学群及び医療技術短期大学部の設置は計画どおり進行できるのでしょうか、どうでしょうか。
#86
○国務大臣(永井道雄君) 筑波大学は、開学以来全体計画に即して順次整備を進めてきております。今年度までに、学部段階では、第一学群、これは基礎的な学群、第二学群、これは文化生物学群、それから医学専門学群、体育専門学群及び芸術専門学群が開設されたわけでございます。そうして、これと関連の深い大学院段階の組織も設置されるところまでまいりました。ただ、学部段階の第三学群、これは経営工学群でございますが、これは未開設でございます。そこで、これは国立学校設置法上昭和五十二年四月一日に開設されるということがすでに決定されているわけでございますから、計画どおりにその実現を図らなければならないわけでございます。現在、学内において、具体的教育課程の細部にわたる検討ないし教官組織の充実の計画が進められております。具体的内容は昭和五十二年度予算において現実に設置された段階で確定いたすものでございますが、開学の全体計画に即して準備を進めていきたい、かように考えております。
 また、医療技術短期大学につきましては、現在大学で計画に基づいて準備にかかっているところでございますが、これは今後教員組織、実習病院の整備が関係がございますから、そうした点を考慮して検討していく考えでございます。
#87
○中沢伊登子君 筑波大学には、学長の諮問機関として参与会が設けられておりますが、参与会の構成メンバーはどのようになっておりますか。
#88
○政府委員(佐野文一郎君) 現在参与に就任しておられます方は、まず、卒業生という立場で、これは東京教育大学を含みますが、茗溪会の理事長の柴田氏が就任しております。それから大学その他の教育研究機関の職員という立場で一橋大学の名誉教授の田上先生が御就任でございます。さらに、地域関係の方ということで宇宙開発事業団の理事長の島さん、それから茨城県知事の竹内さんが御就任、さらに学識経験者として学術振興会会長の茅先生、それから相馬雪香先生、それから経団連の土光さん、お茶の水女子大学の元学長であった藤田先生、住友銀行会長の堀田さん、そういった方が御就任でございます。
#89
○中沢伊登子君 私どもは、参与の任命に際しては、参与会に地域住民の意見が反映されるように配慮しなければならないことを主張いたしました。参与会の人たちの任命に当たって、この点はどのように配慮されておりますか。
#90
○政府委員(佐野文一郎君) 参与にどのような方を選ぶかにつきましては、これは大学の方で自主的に御判断になって、そして文部大臣の方に申し出られるわけでございます。参与を設置した趣旨と、それから先ほど申し上げました選任の範囲を考慮しながら、今後とも適切な申し出が大学から行われるものと期待をいたしております。
#91
○中沢伊登子君 いま参与会の方の名前がいろいろ出てまいりましたので急にはなかなか書けませんでしたけれども、参与会の構成が財界のトップで占められ、それが大学の人事まで介入してくることとなると、大学自治を守る上で重大な問題であります。この事実はあるのかないのか。もしもあるとすれば参与会の構成は改めるべきではないか、このように考えておりますが、その点はいかがでございましょうか。
#92
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほどお答えを申し上げたところでございますが、参与会の構成メンバーとしては、筑波大学あるいは東京教育大学の卒業者、それから大学その他の研究教育機関の職員、筑波大学の所在する地域の関係者、その他大学に関し広くかつ高い識見を有する者という選任範囲におきまして、大学の方で自主的な判断のもとに選んでくるわけでございます。いわゆる財界の関係の方も二、三おられますけれども、その方が全体を占めるというふうなことは、このようなことから申しましてあり得ないことと考えております。
#93
○中沢伊登子君 もう一遍、ちょっと重複するかもしれませんが、土光さんとあと財界の方どなたでしたか。
#94
○政府委員(佐野文一郎君) 住友銀行の堀田さんでございます。
#95
○中沢伊登子君 土光さんと住友銀行の堀田さんとお二人だけ。――ああ、そうですか。
 いま二、三お伺いをしたわけですけれども、長岡と豊橋の技術科学大学がきょうの国立学校設置法の一部を改正する中にあるわけですが、この長岡、豊橋の技術科学大学にも参与会のようなものが設けられるのでしょうか、どうでしょうか。もしも設けられるとすれば、その構成はやっぱり地域住民の意見の反映を配慮されたものであるべきだと私ども考えるわけですが、その点はいかがでございましょうか。
#96
○国務大臣(永井道雄君) まず、長岡、豊橋の両技術大学の運営の仕組みにつきましては現行制度によるということが基本でございますから、効果的な運営を行っていく上で参与等の設置が必要であるかどうかというのは、現段階においては検討課題でございます。仮にそれが必要であるというような場合、筑波の場合にも茨城県知事と、それから学園都市でありますから代表者というような形で宇宙開発事業団の理事長がなっておられるわけでございますから、もしもそういうことを考えていく場合に地域社会との調和というものは当然必要なものであると考えておりますが、ただし、これはいま文部省としてその方針を決めるというのでなく、繰り返しになりますが、大学を運営する主体は現行制度によりますので、学長、教授会において御決定になるということでございます。
#97
○中沢伊登子君 それでは、最後でございますが、筑波大学の設立に伴いまして東京教育大学は五十三年の三月末をもって廃校となりますが、その跡地利用は今後どのように考えておられるのでしょうか。
#98
○国務大臣(永井道雄君) 筑波学園都市への移転跡地利用計画につきましては、昭和四十二年九月五日、閣議了解事項といたしまして、「移転機関の跡地等の利活用およびその手段方法については、別途検討する」ということが決まりました。そこで、現在は国有財産中央審議会筑波移転跡地小委員会というもので跡地の利用に関する基本的な方針及び主要な跡地の利用計画の大綱について審議が進められていると理解いたしております。東京教育大学の跡地につきましてもこの方針に従って処理されることになりますので、どういう形で何に利用されるかということは現段階においてはお答えできないわけでございます。
#99
○中沢伊登子君 これで終わります。
#100
○委員長(山崎竜男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(山崎竜男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(山崎竜男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#103
○久保亘君 私は、ただいま可決されました国立学校設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、以上五党共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、技術科学大学の設置及び運営に当たつては、大学の重要性と本案審査における各意見にかんがみ、次の事項について特に配慮すること。
 一 学問の自由、大学の自治を尊重するとともに、人事等管理運営については現行法令に基づいて行うこと。
 二 十分な財政措置を講じ、いやしくも、民間資金を前提とした教育研究体制にならないようにすること。
 三 高等専門学校についても、その充実のため一層の研究・検討を加えること。
  右決議する。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#104
○委員長(山崎竜男君) ただいま久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(山崎竜男君) 全会一致と認めます。よって、久保君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、永井文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。永井文部大臣。
#106
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの御決議につきましては、十分その趣旨に留意いたしまして努力してまいりたいと存じております。
#107
○委員長(山崎竜男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#109
○委員長(山崎竜男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として、私立学校教職員共済組合理事長加藤一雄君及び同常務理事三浦勇助君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時から再開することとして、暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十四分開会
#111
○委員長(山崎竜男君) ただいまから文教委員会を再開いたします。昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより本案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#112
○久保亘君 私立学校教職員共済組合の年金の額を改定する法律について二、三質問をいたしたいと思います。
 一つは、現在、国公立の学校教職員との間に年金の具体的な格差というのはどの程度存在するのかということであります。
 それから私立学校共済組合の現在の学校数並びに教職員数から見た場合の共済組合の加入の割合はどれぐらいになっているのか。
 それから未加入の学校や教職員はどういう理由でこの共済組合に未加入になっているのか。それらの点についてまずお尋ねいたします。
#113
○国務大臣(永井道雄君) 御質問が三点にわたっておりますので、第一点について私から申し上げます。
 まず、国公立と私立の教職員の退職年金の格差の問題でございます。これにつきましては逐次改善を進めてきてはおります。年金額の増額改定につきまして昭和四十四年に国公立学校教職員の年金水準に一挙に引き上げましてから、毎年国公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて改定を行ってきておりますし、本年もその措置を講じているところでございます。したがって、制度上の年金水準というものを見ますと、国公立学校の教職員の年金水準と私立学校のそれは同様でございます。ただし、年金額が制度の加入期間それから在職中に受けておりました給与を基礎として算定されますので、私学共済制度の発足後まだ日が浅いこと、それから給与水準の格差が年金水準の格差となってあらわれてくることになります。したがいまして、具体的に昭和四十九年度末の退職年金の平均年金額によって比較いたしますと、私立学校の方の年金額と国公立の年金額には約三〇%ないし四〇%の格差がございます。今回改善をいたしましてもまだ相当の格差があると思いますが、御承知のように、私学経常費の助成によって私立学校の教職員の給与水準が上昇してきておりますから、その上昇によりまして格差が縮まってきていると考えております。これを改めますのには、今後一層私学経常費助成の拡大に努力をいたしますと給与額が改善されますから、そういたしますと年金額の改善を図れるということでございますので、そうした方向で格差是正を図りたいと思います。
 次の御質問の点は、管理局長から御答弁申し上げます。
#114
○政府委員(清水成之君) 加入の状況でございますが、学校数にいたしまして私学のあれが大学から幼稚園含めまして一万五百校でございます。それに対しまして非加入のところが五十九校、こういうことでございます。
 それから教職員数にいたしますと、二十八万六千の教職員に対しまして一万四千五百十一人というのが非加入と、こういうことに相なっております。
 そこで、いまお尋ねございました非加入の状況でございますが、御案内のとおり、四十八年に議員の方々の修正で従来の適用除外校につきまして加入の措置をとられたわけでございます。これは選択制でございますが、加入の措置がとられました。その際加入をいたしました学校数が百十二校、それから加入教職員が二万一千三百七十八人が三十九年の四月一日から加入と、こういうことに相なったわけでございますが、残ったところにつきまして、御案内のとおり、当時の議員修正の法律の規定で学内におきます過半数の同意という諸手続がございます。そこで、短期につきまして学校単位で健康保険組合をつくっておるところがある、それは従来どおり健康保険として残していきたい、共済組合の短期給付に入らない方が掛金等から得だと、こういうような御判断のところがございます。それからあのときの法律としましては、長期だけの加入ということは認められなかったわけでございまして、できたら長期だけ入って短期はいまの非加入のままでと、こういうような見解が学内であったというようなことで意思のまとまらなかったところが五十九校、それから教職員数にしまして先ほど申しました一万四千五百十一人と、こういう状況に相なっておるわけでございます。
#115
○久保亘君 これは私学の経常費助成等とも関係をしてくると思うのでありますが、この非加入の五十九校というのは学内健保を持ち、そしてまた年金については厚生年金を使っていると思うのでありますが、この五十九校の教職員は全部健康保険並びに共済年金については別の形で少なくとも私学共済を上回るものが保障されているというのが現状なのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#116
○政府委員(清水成之君) 状況からいきますと、仰せのとおり、厚年と健保ということに相なるわけでございまして、長期をとって考えました場合にその給付水準とそれから掛金率、こういうものを比較しました場合には、先ほども申し上げましたように、長期だけはこっちへ入った方が得だというところがこれが大体の意向でございます。ただ、健康保険組合をつくっておりますときに、付加給付事業等も含めて広い意味で見ました場合に、掛金率との関係で健康保険組合法でいった方が利益がある、こういうふうに考えておられるところが残っておる、こういう状況でございます。
#117
○久保亘君 この五十九校は全部大学ですか。
#118
○政府委員(清水成之君) 大学ではございませんで、大学は九校でございます。それから短大が四、高校が十八、中学校が入、小学校三、それから幼稚園が十、それから各種学校が七、こういうことに相なっております。
#119
○久保亘君 学校種別の非加入の数字をいまお示しいただきましたけれども、これらの学校は一つの学園として大学からずっと幼稚園まで持っているところもあるかと思うのでありますけれども、しかし、小学校や幼稚園や中学といったようなところが非加入の状態でその教職員の福利厚生が保障されているということはちょっと想像できないのですが、どういうやり方でやっているのでしょうか。
#120
○政府委員(清水成之君) その点でございますが、制度的に見ますと、こちらに入っていない者は厚生年金保険とそれから健康保険に加入すると、こういうことでございます。
#121
○久保亘君 厚生年金と政府管掌の健康保険に入っているのでしょうか。
#122
○政府委員(清水成之君) 言葉は悪うございますが、まあ人数が少ないというような、何と申しますか、基盤の弱いところは政府管掌保険組合だと思います。
#123
○久保亘君 厚生年金と政府管掌保険に入っている方が私学共済に加入するよりもいい状況であるということになれば、これは大変問題があるのであります。もし私学共済に入った方がこれらの学校の教職員は福利厚生上有利なのであるとするならば、そのような状態に経営者の都合で置かれているのではないかと思うのでありますが、その辺はどういうふうに御判断になっていますか。
#124
○政府委員(清水成之君) その点でございますが、いま御指摘のとおり、経営者の側の一面も学校によってはあると存じますが、また一面、これは先ほどもちょっと先生お述べになりましたように、平均標準報酬月額とそれから実際にもらっている額との差がどれぐらいあるかということがまた掛金にはね返ってくるという実態もあるというふうに考えます。
#125
○久保亘君 私学共済が設置をされた目的や、それからこれが私立学校教職員の全体の組織によって運営をされていくという立場を考えますと、厚生年金の制度を自由に選択さしているということは教職員の立場から言っても少し問題があるような気もいたしますし、また、私学共済を設立した目的から言ってもどうなのだろうかという感じがするのですが、特にこの中にはかなり大きな大学なども含まれておる、こういうところはそういう自分の選択に任せていくということがやっぱり望ましいのかどうか、文部省としてはそれをどういうふうにお考えになっていますか。
#126
○政府委員(清水成之君) いま先生のお話にございますように、教職員の福利厚生、相互救済、こういう観点から私学共済組合ができておるわけでございまして、全私立学校がこれに加入していただくことが私どもとしては望ましい、これは当然のことでございます。ただ、発足以来、また四十八年の先生方の御努力、こういうものの際におきまして、健康保険、厚生年金保険の代行機関という性格と同時に、一面職域保険という性格もこの共済組合が持っておろうと思うわけでございまして、その点に各学校におきます沿革上の問題が一つあったのではないか、こういうように考えられるわけでございますが、望ましい姿としましては、全校、全教職員が加入していただくのが望ましい、かように考えます。
#127
○久保亘君 独立して自分の学内の健保や学内の年金制度に厚生年金を加えた方が有利であるという状態が残っておるために非加入の学校が五十九校存在するということは、いまの私学共済の給付の内容とかそういうものについてなおかつ改善を要する問題があるからだと一つは思うのです。もし私学共済の給付内容というのが学校が独立してそういう制度を持っておるよりも有利であるという状況になれば、当然私学共済に加入せざるを得ない。独立してなおそういうものが成り立つというところにいまの私学共済制度のまだ弱点が残っているのではないか、こういうような感じがいたします。
 参考人においでいただいておりますのでお尋ね申し上げたいと思うのでありますが、理事長さんに、現在、私学共済の制度の内容とかあるいは私学共済の運営等に関連して改善を希望されておる問題がありますならば、具体的にひとつ御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#128
○参考人(加藤一雄君) ただいまお話しのように、共済組合の創立当時は必ずしも私学全体が十分認識していなかったのじゃないかというそういう点で選択の姿になっておりまして、その後皆さんの御援助、文部省の御指導によりまして非常に順調にいっておりまして、四十八年には未加入校も解決いたしましたが、その場合もわれわれも大いに各学校が加入するように努力いたしまして、各大学等もかなり加入の希望者が多かったのでありますけれども、法律の規定では過半数ということがあったために少数の学校は入れなかった。しかし、学校側としてはぜひ入っておくことが必要であるというかなり主張もありまして、現在もまだ入りたいというのが意向のようでございますけれども、ただ、大学の中には病院等がありまして、看護婦さんなどは必ずしも年金問題の要求がないようでありますために、掛金はむだであるというようなそういう不便な面もあったために少数のものがまだ入っておりません。そういうことでありますので、われわれとしてはできるだけ私学共済は私学振興につながってよりよい共済組合にということで毎年いろいろとお願いいたしておりますが、現在では大体国公立と同じような姿に率の方は上がってきておりますが、ただ、先ほども局長からお話しのように、給与の面が必ずしも国公立と同じでない、これはやはり私学の財政基盤が弱いのではないか、そういう点から考えまして、政府からもう少し私学の財政基盤を強くするために相当の支援をしていただければ俸給も十分上がっていく、そういうことによってさらに共済の長期の方も安定するのではないか、かように考えております。
#129
○久保亘君 運営上の要請といいますか、そういうものはいまのところは別に何もございませんでしょうか。
#130
○参考人(加藤一雄君) いま、現状といたしましては、運営上にはそう差し支えないと思いますし、またわれわれも必要がある場合には文部省とよく折衝をいたしておりますので、現状としては大きな支障を来しておりません。
#131
○久保亘君 理事長にもう一点お尋ねしておきますが、今度はあなたのところの運営そのものに関連いたしまして、国公立の共済組合の運営に当たりましては、教職員の代表といいますか、教職員組合がその場合にそれを代表する形になっておりますが、運営審議会の委員としてその構成の中に含まれております。私学共済の方は、共済組合の運営審議会の構成の中にそのような代表者というのは含まれておりますでしょうか。
#132
○参考人(加藤一雄君) 運営審議会委員の方は、共済組合側からといたしましてだれだれをひとつ頼むということは法規上は出ておりませんで、大体文部省の方の任命になっておりますので、その任命に関してはやはり私学の意向を十分お考えになっておると思いますけれども、共済組合としてだれを運営委員にしようという権限はございませんので、局長の方からひとつお話し願いたいと思います。
#133
○政府委員(清水成之君) ただいま理事長からお話しございましたように、私学共済の運営審議会委員は文部大臣が任命する、こういうことに相なっております。そこで、その人数は二十一名、こういうことに相なっておりまして、そして、一つは組合員、これは共済組合員を代表する者、それから一つは学校法人、準学校法人を代表する者、それからいわゆる学識経験者という三者構成でいくということが法律で決められております。なお、その法律の中で、二十一名という三者構成でございますが、一方に偏らないようにという規定がございます。そこで、二十一名を七名ずっということにいたしております。そこで、共済組合員の代表と学校法人の代表につきましては、現在全国的に見まして網羅的に私学関係を含んでおります全私学連合、これは法人の役員だけの団体ではございませんで教職員を含む学校の代表者で構成されるわけでございますが、全私学連合へ推薦を七名ずつお願いしましてその推薦によりまして委嘱をいたしておる、こういうことでございます。
 そこで、組合員関係を見ました場合に、一般事務職員から一名、それから四年制大学の教授、これは管理職ではございませんが教授が二名、それから短期大学の教授が一名、それから高等学校の教諭が二名、小学校教諭が一名、これが組合員代表七名の現在の中身でございます。
 なお、昨年の初めでございますが、任期満了時に際しまして一段と一般組合員の意向を反映をするように推薦をいただきたいということで具体的な実は話も出しまして、全私学連合へよく勘案の上推薦をしていただきたい、こういう要請は文部省としていたしてございます。結果的には、全国的な問題でございまして、具体的な話の点につきましてはそのとおりには前回はいかなかった、こういう経過に相なっております。
#134
○久保亘君 私学共済組合の運営審議会においては、これは文部省が任命をされるということでありますならば、一層各層の意見が民主的に反映されるような形で人選等について十分な御配慮になるように要望をいたしておきます。
 最後に、私学教職員の年金等を含む福利厚生の充実ということになれば、何といってもやっぱり共済組合に対する国庫補助を引き上げるという問題が運営上一つある。もう一つは、先ほどからお話しになりますように、年金等の格差の三、四〇%を是正していくためには、もう支給率の問題ではないとするならば 基礎的な給与を引き上げるという以外に方法はない、こういうことになろうかと思います。基礎的な給与を改善していくということになれば、理事長もお話しになりましたように、私学助成を充実することが文部省がやるべき唯一の仕事だ、こういうことだと思うのです。ところが、私学助成は、法律の制定にもかかわらず、財政上の理由で大幅に目標から低いところで補助が抑えられる、こういう状態でありまして、そのことは単に単年度において私学の運営に影響しているというだけではなくて、私立学校教職員の退職後に至るまで非常に大きな影響を与えるという問題であると思うのであります。そういうような立場で私立学校の助成金の拡充について再度ひとつ大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#135
○国務大臣(永井道雄君) 久保委員が御指摘のように、やはり基本的な問題は給与の差にあるということに相なりますから、したがいまして、政府といたしましては、私学助成を強化いたしますことによって給与というものの格差をなくしていくことに全力を挙げますと、率の方の問題は問題でないわけでございますから、問題は解消してくるというわけでございます。
 これまでの経過で申しますと、昭和四十九年度と五十年度を比較いたしますと、国公立の教職員の給与というものは、四十九年度と五十年度では相当の変化を生じました。細かい数字は省略さしていただきますが、大体一〇%から一二%程度国公立と私立の給与の格差が縮まりました。したがいまして、こういう数字に基づいて考えますと、何と言いましても、御指摘の点のように、私学助成に力を注いでいくことが大事であると考えておりますから、昭和五十一年度の予算におきましても、私立大学等経常費補助は千二百九十億円、また私立高等学校等に対して国庫補助金百八十億円、地方交付税千九十一億円の計千二百七十一億円の財源措置を計上しているわけでございます。この方向を強化いたすことによりまして、詳細は省かしていただきますけれども、やはり専任教員の給与費というものが上がっていくことを望んでおりますが、専任教員の給与費につきましては、四十九年以来全分野につきまして標準給与費の二分の一を補助いたしております。これは大学の場合でございます。また、私立学校等につきまして同様の統計的な割合を算出いたしますと、やはり国庫補助金による国の財源措置の割合は二七%程度というふうに考えられるわけでございます。
#136
○白木義一郎君 初めに、年金改定の特色についてお尋ねをしておきたいと思います。
 今国会では、各年金制度の年金改定法案が提出され、すでに成立をしたものもあります。私から改めてこの年金制度の目的を申し上げませんが、本年四月発表された国勢調査によりますと、わが国が老齢国家への曲がり角に来ていることは明白であります。このような状況のもとにあっては、社会保障の柱である年金制度を充実してふえ続ける老齢者の生活の安定を図っていくことは、国の施策としてきわめて重要なことと言わなければなりません。このような観点から、私立学校教職員共済組合の年金制度も今後ますます充実をさせていかなければならないわけでありますが、そこでまずお伺いしますことは、今回のこの改正案で特に指摘を要するような共通の特色は一体どのようなものか、最初にお尋ねをしておきます。
#137
○国務大臣(永井道雄君) まず、白木委員御指摘のとおり、国民の老齢化傾向に伴いまして年金制度を充実することはまことに不可欠なことになっていると考えます。したがいまして、私立学校教職員の共済制度につきましても、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことをたてまえとして、逐次改善を進めてきているところでございます。
 こうした観点に基づきまして年金制度を改めてきているわけでございますが、今回年金制度の改正をやりますが、共通する改正点の特色は何であるかと申しますと、次のようなことでございます。
 第一点は、廃疾年金及び遺族年金の受給資格の改善措置として、公的年金各制度全体を通じての廃疾年金及び遺族年金の通算制度を創設すること。二番目には、従来遺族に年金が支給されなかった通算退職年金について、その受給権者が死亡した場合に遺族に年金を支給する通算遺族年金制度を創設すること。三番目には、遺族年金受給権者のうち、その生活実態から見まして年金収入の必要性が高いと見られます子持ちの寡婦及び高齢の寡婦についての年金額の引き上げを図ることをねらいといたしました寡婦加算制度を創設することでございます。また、恩給及び各共済年金制度を通じてのものといたしましては、四番目に、既裁定年金の改正につきまして公務員給与のいわゆる上薄下厚の改善傾向に合わせまして、年金額の低い者ほど高い増加率を適用することといたしまして、低額年金受給権者の改善に重点を置いたことでございます。
#138
○白木義一郎君 そこで、本法案に対する社会保障制度審議会の答申がこの二月に出されておりますが、多数の国民の教育を預かる私学の側としては、この答申の内容は必ずしも満足すべきものではないように思います。この点、文部大臣として、この答申をお受けになって今後どのように対処をしていかれるか、御所見をお伺いしたいと思います。
#139
○政府委員(清水成之君) 大臣からお答えいたします前に、事務的なことにつきましてお答えいたしたいと存じます。
 今度の社会保障制度審議会の答申の内容は四点ございまして、一つは、先ほど大臣からお話がございましたように、従来、単一の組合で一年以上組合期間がございませんと遺族年金なり廃疾年金がつかなかったわけでございますが、今回の改正におきまして、他の公的年金制度と合算して一年以上になりました場合には遺族年金、廃疾年金の受給資格が得られる、こういう改正を御提案しておるわけでございますが、この点につきましては懸案の解決に着手したものと認められると、こういうことが答申の第一点でございます。
 それから第二点には、さればといって、全体的に見まして厚生年金なり恩給法の改正を踏まえてやっておるが、共済組合制度の側からの吟味が十分でない、こういう点の指摘が第二番目としてございます。
  〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕
 それから第三番目といたしまして、共済組合制度が健康保険とか厚年とかという社会保障的な面と同時に職域保険と申しますか企業年金的な性格も持っておるので、その辺の割り切り方、あり方、また組合制度、各共済組合制度の掛金率の問題、あるいは国庫負担ないしは補助の財源のあり方について共通の基準を検討して速やかに結論を出すべきであると、こういう点がございました。
 この第二と第三の点につきましては、われわれの方も検討はしておるわけでございますが、御案内のとおり公的年金制度全般にかかわる問題でございまして、国家公務員共済につきましては国家公務員共済組合運営審議会、それから地方公務員につきましては地方公務員共済組合運営審議会と、こういう私学共済がベースになっておりますところに私どもも所管しておりますので加わりましてさらに検討を続けなければならない。一方、これまた大臣からもお話があろうと思いますが、厚生省の方におきましてまた特別の懇談会等を持たれまして御検討でございますので、それらとあわせて十分に検討をいたすべき課題であると、こういう受けとめ方をいたしております。
 それから第四点といたしまして、これは農林共済につきましても同じ答申でございますが、私学共済がその構造から見て財政基盤に問題があるので、確たる財政上の見通しの計画を策定すべきである、こういう点がございます。これは先ほども御指摘ございましたように、私学共済の組合員の場合、高齢組合員と申しますか、老齢組合員のパーセントが他共済に比べまして比較的高くなっておるという点が一つございます。それから御案内のとおり、幼稚園の保母さん等幼稚園の教職員の加入と申しますか、このウエートが非常に高うございます。それが給与面とも絡みましたりして掛金収入等の問題に財政上はね返ってまいる、こういうことがございますので、大臣からも先ほどお答えがございましたように、私学助成の拡充ということによりまして私学教職員の給与水準の引き上げということを通ずる道、また先ほど理事長からもお話がございましたような長期給付等の国庫補助のあり方につきまして努力をし検討を加えていかなきゃならぬと、こういうふうに受けとめておるわけでございます。
#140
○白木義一郎君 結論として、この審議会の答申は、結局、共済組合に対する問題はすべて財政基盤に非常に弱い面がある、それを助成する以外にないと。要するに、金が要るんだと、そういうことに尽きるのだと思います。
 そこで、具体的な法案の内容からお伺いするわけですが、標準給与の上限及び下限の影響を受ける組合員の数についてお尋ねをしたいと思います。この法案が成立しますと、掛金と給付の算定の基準となる標準給与の上限が三十一万円から三十四万円に、また下限が五万二千円から五万八千円に引き上げられることになるわけであります。そこで、この改定の影響を受けることになる組合員の先生がいらっしゃると思いますが、その先生方の組合員の人数はどのぐらいに調査をされておりますか、お尋ねします。
#141
○政府委員(清水成之君) ただいまの点でございますが、まず下限の方から申し上げますと、御指摘のとおり、五万二千円から五万八千円の引き上げを御提案しておるわけでございます。昭和五十一年の一月現在の標準給与月額が五万八千円未満の者が一万六千七百四十八人、全組合員の六・一八%と、こういうことになっておりますが、これを基準にいたしまして五十一年七月現在を推計いたしておるわけでございまして、これによりますと、九千七十七人、全組合員の三・一六%、こういうことでございます。これは前年度の下限引き上げの場合の数値よりちょっと下がっておりますが、ほぼ同じ数字でございます。
  〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕
 なお、先生御指摘の点からいきますと、上限の方はともかくとしても、下限の掛金が上がるのじゃないかと、こういうお話でございますが、下限が上がることによりまして短期給付なりあるいは長期給付の給付の基礎となる額に相なりますので、その点のカバーが一つ考えられるわけでございます。
 それから具体的に五万二千円から五万八千円に上がったことによりまして、もしそういう人が現実にあったとすれば月額で四百五十円の掛金率のアップと、こういうことに相なろうというふうに考えております。
 それから上限につきましては、三十一万円から三十四万円に引き上げる。この点は国家公務員の行政職一等級十五号というのが一等級の最高号俸でございますが、それが三十三万五千六百円、こういうことに相なっておるわけでございます。そこで、それも勘案をいたしましたり、あるいはこの一月現在の標準給与月額が三十一万円以上の者は四千八百七十人で全組合員の一・八〇%と、こういうことに相なっておるわけでございますが、これを基準にいたしまして五十一年七月現在を推計いたしますと、給与のアップ等ございまして一万三千四十六人、全組合員の四・五四%ぐらいに当たる見込みである、こういうように推定をしておるわけでございます。
 以上でございます。
#142
○白木義一郎君 ただいま御説明がありましたとおりに、この改定によりますと九千人の非常に給与の低い方が、下限の引き上げによって、月額四百五十円ですか、高い掛金を納めなければならない。しかも、そういう給与の低い先生方は、特に幼稚園の若い先生が多いように見受けられます。若いがゆえにしたがって健康であり、しかも将来幼稚園の先生を二十年も続けていくということはなかなか考えられないということで、私どもは厚生年金保険法の制度と同じようにぜひとも私学共済についても国庫補助の補助率を同じように百分の十八から二十に当然肩を並べて改めなければならない。このことは毎国会衆参両院で提唱されておりますが、まだ実現をされていない。先ほど大臣の答弁によりますと、それも含めて私学助成で片づいてしまう、その方向へ今後も大いに努力をしていくということを伺ったので、一応は承解いたしましたけれども、そういう点に非常にひずみが出てくるということもわれわれは指摘せずにはいられないわけであります。
 次に、私学共済掛金に対する都道府県の補助について、都道府県では従来、私立の大学、短大、高専についても私学共済組合の掛金を軽減する補助が行われておりますが、これらの私立学校は、本来文部大臣の権限の中に含まれるものであります。ところで、大臣にお伺いしたいのは、都道府県が私大等へ私学共済の掛金の補助を行っていることをどのように評価されていらっしゃいますか。当然国が文部大臣の責任において補助すべきものを都道府県が補助をしていることについてどういう御見解をお持ちなのか、お伺いしておきます。
#143
○国務大臣(永井道雄君) これは大学、短大は国が補助するということがありますけれども、他方、私学共済法によりますと、第一点といたしまして、組合の業務に対し補助するということを規定いたしておりまして、小、中学校等特定の学校だけに補助するということを規定しているものでないということが一つ。それから第二番目には、すでに大部分の都道府県で大学、短大を含めて補助を行ってきておりますので、私どもの考えといたしましては、大学、短大等に対しまして都道府県において補助を行うことは実際に即した望ましい措置であるというふうに考えております。
#144
○白木義一郎君 私立のこれらの大学等への補助について、昭和五十年度において補助を行わなかった都道府県はどこどこであるか、また五十一年度予算に計上していない都道府県はどのぐらいあるのでしょうか、県名をあわせてお尋ねしたいと思います。
#145
○政府委員(清水成之君) 昭和五十年度におきまして、四年制大学分について補助をしなかったところが一府ございます。それから大学と短期大学分について補助をしておりませんところが二県ございます。それから大学、短大につきましては、十二カ月分の補助をせずに十一カ月とかあるいは十カ月とかというそういうところが一都一府五県と、こういうことでございます。
 それから五十一年度におきましては、まだこれから補正等の機会もあるという報告を受けておるわけでございますが、大学、短大に補助をしないというところが一道二府四県、それから大学、短大につきまして、いま申しましたような減額と言いますか、月数を減らすというようなところ、これが三県、まだ一部未定の県がございますが、また補正で検討するというところもあるわけでございます。
 以上でございます。
#146
○白木義一郎君 当初予算に補助金を計上していないということは補助を行わないということだ、これは当然なことですが、いまのお答えからうかがえるように、補助を行わない県が今後ますます増加することは、これは見逃すことのできない問題だと言わざるを得ません。補助の打ち切りは、長年長期の掛金を軽減されてきた教職員と学校に改めて負担の増加を強いるだけではなくて、私学共済の目的に照らしてもこれに逆行する措置と考えられるわけでありますが、文部省は、従来補助を行ってきた都道府県に対して、いろいろな理由でその補助を打ち切った都道府県に対してはどのような措置あるいは指導等を講じてこられたか、お伺いをしておきたいと思います。
#147
○政府委員(清水成之君) 文部省といたしましては、まあ大部分の府県が出しておってくれるわけでございまして、個別の問題としまして、私学共済組合の理事長さん初め役員の方々ともども、個別にあるいはまた全国会議を通じまして、大学、短大分について高等学校以下と同様に補助を出していただくように要請を現在も続けておる、こういうことでございます。
#148
○白木義一郎君 いまお答えいただいたお答えによりますと、ある県では昨年度私立高等学校等経常費補助の国庫補助を受けないところがある。これを踏まえて、この県は私学共済への大学等の分の補助金を予算に計上していない。その理由を考えてみますと、当然地方財政の悪化を挙げることができると思います。しかし、こうした財政の悪化の中にあって私学共済の大学等の分の予算を振り向けてまず都道府県所管下にある高校以下に対して助成をして、そしてその助成を一定水準に引き上げて、私立高等学校等経常費補助の国庫補助を受けようと、そうしておいて、一面では大学についてはこれは当然国が見るべきであるという考え方が都道府県の方に、財政逼迫という事情の変化からそういう考えを持っているのではないかと考えられるわけであります。そういうことから、私学共済への大学分の補助金を計上していない県にあっては、このような考え方が多少なりともあって補助金を出していないということも考えられるわけですが、このようなことであれば、これに対して今後どのように対処されるか。法の改正を要することにもなろうかと思いますが、都道府県の補助金を大学等の分については国が肩がわりする必要もあるわけですが、この方向で努力される御意向がおありでしょうか。ということは、先ほどいろいろな御答弁のように、手を尽くして都道府県に助成するようにという努力をされているということですが、言われるまでもなく、都道府県は財政さえ豊かであればどんどん助成をするでしょうけれども、現在のようにだれもが都道府県の財政逼迫を認識できる状況にあっては、いまのようなことだけでは都道府県もなかなかそれを受け入れて実施するというようなわけにはいかないと思いますが、そういう実情にあることを前提に、今後の私学共済の助成についてさらに具体的な推進のお考えを伺っておきたいと思います。
#149
○国務大臣(永井道雄君) 地方財政が非常に苦しい状況にあるということはこれはもう天下周知のことでございますが、地方財源の充実につきましては、これは文部省だけでなく、自治省等においてもいろいろ苦労している点でございます。したがいまして、大学及び短大に対する都道府県からの補助につきまして現段階において私どもが考えておりますことは、やはり従来どおりそうした補助を続けていただきたい、また補助を行っていない府県につきましてはぜひともそういうふうにお考え願いたいということで、われわれといたしましては都道府県の私立学校主管課長会議などでお願いを申し上げているわけでございます。
#150
○白木義一郎君 次には、大学あるいは学校法人が一つの学校だけを設置し経営しているところと、それから大学、高校、中学というように併設をしている学校もかなりの数があると思います。そこで、都道府県の大学への補助が行われないことになると、大学、高校あるいは中学の教員の間でいろいろむずかしい問題が出てくる、こういう点について今後どのように処置をされていくか、お尋ねをします。
#151
○政府委員(清水成之君) いまのお話は、非常に貴重なごもっともな点と拝察をいたしました。御承知のとおり、千分の八の補助がございますれば組合員に対しましては掛金率が千分の四、半分減ずるわけでございまして、一方、高等学校以下について千分の四が減ぜられ、また、大学あるいは短大につきまして千分の四が減じられないと、こういうようなことが法人内部であるということの支障のお話かと拝察したわけでございます。
 これらの点につきましては、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、私どもといたしましては私学共済組合員に対します地方財源の問題が一つあろうと思うわけでございます。交付税上の措置の問題があろうと存じます。それから一つには、現実を見ました場合に、四十九年度の各県の補助金総額を見ますと、二十一億というふうに受け入れがございます。そして五十年度におきまして、いま私学共済が決算が終わっておりませんが、二十八億を超えるものを受け入れる。五十一年度の各県の当初予算からいたしますと、いま出ておりますのが三十二億を超えておるわけでございます。地方財政の厳しい状況下におきまして教職員の福祉のためにそれに御理解を願っておるところが大部分でございますので、そういう福祉の点並びにまた一面、いろいろな理屈はあろうと思いますけれども、大学、短大が県という地域におきます文化の拠点であって、この点の役割りを分担しておるということも強調いたしまして要請を続けて大学、短大分も含めていただくようにしたい、また努力を続けると、こういうことでございます。
#152
○白木義一郎君 前に戻ってちょっと恐縮ですが、時間もございませんので、先ほど下限の引き上げで約九千人の方が掛金がアップすると、そういう御説明がありましたけれども、その大部分は幼稚園の若い先生方、まあ一口に言えば掛け捨てになる方々、そういう先生方がこの改定によって掛金がアップするというような心配があるわけですが、その点先ほどから大臣が強調されておりました私学の助成という枠の中で、下限に満たない、あるいはこの改正によってよけい掛金を納めなくちゃならない、掛け捨てをしなきゃならぬというような立場の先生方にはどの程度の助成が具体的に行われているか、これから行われていくかということを最後にお尋ねをします。
#153
○政府委員(清水成之君) 一つは、先ほど大臣が初めにお答えしましたように、この地方財源千九十一億、また国庫補助百八十億と、こういうことでございますが、いま御指摘の幼稚園の関係につきまして、地方交付税におきまして単価が幼稚園の場合学校法人立で一八%アップしております。それから国庫補助金としましてこれは九〇%の単価をアップいたしております。それから個人立幼稚園につきまして地方交付税としましては四〇%のアップ、それから国庫補助としましては五十一年度初めて園児一人当たり三千八百円という積算をいたしておるわけでございまして、これらを通じて幼稚園の先生の給与改善に資したい、こういう点が一つございます。
 それからいまのあれからいきますと、幼稚園、まあ女子の教員の方の問題になってくるわけでありますが、御案内のとおり女子の方で早期に退職されまして年金年限に達しないという場合が相当ございます。そこで、御案内のとおり、通算退職年金の問題といたしまして、普通は、通算退職年金の場合、その原資分を退職一時金から差っ引いて退職一時金を支給するわけでございますが、ある特定の、いまの制度からいきますとたしか五十三年度末までだったと思いますが、五十三年度末まで女子の組合員につきましてはこの原資凍結を選択で凍結しないと、そうしていま申しましたような退職一時金をまるまるもらっていくと、こういう制度があるということを付言さしていただきます。
#154
○須藤五郎君 時間も短いことでございますから、早速具体的な問題から質問することにいたしたいと思います。
 まず第一に、給付内容、特に付加給付の改善についてお尋ねしたいと思います。私立学校の教育条件の劣悪さは改めて私が指摘するまでもないことであり、他方公立学校との格差も著しい。これは公立共済と私学共済の給付条件の大きな格差としてあらわれております。まず、格差の激しい短期給付についてお聞きしますが、働く教職員は高い負担をしているのに短期給付が著しく低いことに不満を持っております。そうして、その改善を求める声は切実な声となっておるのであります。第一の質問は、短期給付の一人当たり年間給付額はどうなっているか、法定給付、付加給付について公立共済と私学共済と比較するとどうなるのか、昭和四十九年度の実績を数字だけ簡単に述べていただきたいと思います。
#155
○政府委員(清水成之君) 短期給付の組合員一人当たりの点でございますが、私学共済の四十九年度の一人当たりの短期給付費が八万六百四十六円と相なっております。そして、公立共済が十万二千七百二円ということが、私学共済を一〇〇といたしますと、公立共済が一二七・三、こういう数字に相なっておるわけでございます。
 そこで、いまのあれを法定給付と付加給付と、こういうことに分けてみました場合に、私学共済の一人当たり八万六百四十六円のうち、付加給付が私学共済の場合八百八十円、こういうことでございます。それから公立共済十万二千七百二円のうち、付加給付が九千七百四円、こういうことに相なっております。数字的には以上でございます。
#156
○須藤五郎君 第二は、現在、公立共済にあって私学共済にない付加給付として、療養の給付、出産費付加など五項目もあります。せめて公立共済並みにしてほしいと考えるのは妥当なことだと私は思います。私学共済組合としてどのような改善策を考えていらっしゃるか、伺っておきたいと思います。
#157
○参考人(加藤一雄君) ただいまお尋ねの件でございますが、先ほども申しましたように、私学の方の共済組合は年限が浅いので財源的にも非常に苦しい状況でありましたが、皆様のお力によりまして四十六年度からやや短期の方は上向いてまいりまして、その点で、現在、ごく推定でございますけれども、四十九億円ぐらい黒字になりそうな予定でございますが、そういうことで何とか還元いたしたいと、こういうことで努力いたしましたが、ただ、将来また医療費の値上げということも考えられますので、余りに付加給付を多くするということもどうかということで、文部省の指導も得まして今年度から行うという問題は、療養の給付とそれから出産費、それから配偶者出産費と、この三点を六月より施行するということにいたしますので、ほとんど公立共済と同じ項目の確保ができると、かように考えております。
#158
○須藤五郎君 六月一日からやるということは、もう確定しておりますね。
#159
○参考人(加藤一雄君) 確定いたしております。
#160
○須藤五郎君 確定しておると理解します。
 そこで、大臣に、今後とも組合員の意向を反映させてさらに改善してほしい。短期給付の改善のためには、これまでのいきさつはあっても、これらについても国庫補助を要求すべきである、それについて大臣の決意を伺っておきたいと思うのです。
#161
○国務大臣(永井道雄君) 短期給付の問題につきまして、学校法人あるいは組合員の負担増を避けますために、昭和五十一年度の概算要求のときにも短期給付事業に対する国庫補助について検討したのでございますが、実現を見るに至りませんでした。しかし、この問題につきましては、非常に重要でございますから他の制度との均衡を当然考慮いたすべきでありますが、私学振興を図るという組合設立の趣旨というものが重要でございますから、今後前向きに検討したいと考えております。
#162
○須藤五郎君 文部大臣もこれに対しては前向きに検討するという決意を表明されたし、組合の責任者は六月一日からやるということを言明していらっしゃいますから、全国の皆さんも大いに期待していらっしゃるだろうと思いますから、必ずこれを実行していただくように重ねてお願いしておきます。
 それからその次は、都道府県補助金についてお尋ねをいたしたいと思いますが、この補助金は、毎年私学共済に対しまして負担金の千分の八の補助がなされております。昭和四十九年度ではこの政府の資料によりますと二十一億三千二百万円となっておりますし、国庫補助交付額が十四億円にもなっているが、それを上回るほどの財源になっておるわけでございますね。
 そこで、質問の第一は、いわゆる地方財政危機のもとで千分の八の補助の実現が実は心配されておるわけでございますが、全国的な実情は一体どうなっておるのかということでございます。
 第二の質問は、この補助金については、大学、短大、高等学校などという学種別配分が都道府県によって異なっております。昨年の委員会でも取り上げられておりますが、ことしの状況は一体どうなっておるのか、また文部省の指導、共済組合の立場はどうなのかという点を伺っておきたいと思います。
#163
○政府委員(清水成之君) ただいまの点でございますが、千分の八の補助をお願いする、こういうことになりましたそもそもの沿革から申し上げますれば、私学共済法の三十五条の三項で都道府県が私学共済の業務について補助できるという規定が入りましたのは、政府側よりは国会の諸先生方の御意向で入った規定でございます。そうしてたびたびまた附帯決議等もいただいておると、こういう点を私ども十分認識し、かつまた各県にも御理解を得たい、こういうことを冒頭にひとつお答えをさせていただきたいと存じます。
 なお、実態でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、五十年度におきまして、大学分について補助をしていないところが一府ございます。それから大学、短大について補助していないところが二県ございます。それから大学、短大につきまして十二カ月じゃなしに十一カ月分とか十カ月分とかというふうに月数を減らしまして補助を行っておりますところが一都一府五県と、こういうことで合わせて七都府県になっております。
 それから五十一年度の当初予算の観点からいきますと、大学、短大に補助しないというのが一道一府四県でございます。それから大学、短大につきまして月数を減らしたりする減額というようなところが三県ということで、まだ一部補正予算等の関係もありまして未定のところがあるわけでございます。
 そこで、いま先生がどういうふうにしているのかと、こういうことでございますが、先ほど来大臣初め私からお答えしておりますように、教職員の福祉という観点、あるいはまた大学、短大が地域におきます文化の拠点でございまして地域の文化に非常な貢献をしておると、こういうことの御理解をいただいて、ぜひ大学、短大につきましても補助を願いたい。なお、ほとんどの県におきましては、先ほど数字も挙げまして、先生もまた御指摘いただきましたように、四十九年の二十一億から二十八億、三十二億と、こういうふうに御理解をいただいておるわけでございまして、私学共済ともどもこの点の御理解については努力をしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#164
○須藤五郎君 私は、もう少し具体的にどういう県がどういう状態だということ、それを実は知っておきたいと言っているのですよ。あなたは県が幾つあるとか都道府県が幾つというふうなことは答えられましたけれども、どの県とどの県が補助を出しているしどの県は出していないということ、それをちょっと具体的におっしゃてください。
#165
○政府委員(清水成之君) 県名を挙げるのは実は遠慮さしていただいたわけでございまして、もしお許しをいただきますならば、その具体的な県名につきましては先生のお手元へお届けするということではいかがでございましょうか。しかし、あえてこの席で披露せよということでございますれば、法案審議中でございますので御披露さしていただきたいと思います。
#166
○須藤五郎君 それは、ほかの皆さんが要求なさらないのならば、私のところへ資料で提出してくだすったらいいわけです。私が要求したのは、出していないところは出すようにわれわれも働きかけなければならぬと、こういうふうに考えたから私は申し上げておるので、決していじめるとかなんとか、そういう意地の悪い考えで申し上げておるのではないのですから、それを御了解してそれじゃ資料で出してもらえますか、私のところへ。
#167
○政府委員(清水成之君) それでは、ただいま申しました項目別に具体的な県名を資料として先生に提出いたします。
#168
○須藤五郎君 それじゃ、できるだけ詳しくひとつ出してください。
 次の質問に移りますが、公立と私学の賃金格差是正について意見また質問もいたしたいと思います。
 短期給付ばかりでなく、長期給付である年金についても、公立共済と私学共済との格差が大きいわけですね。これは基本となる給与が、私立学校の教員のそれが公立学校に比べて低いことによるものだと思います。これは文部省も、先ほど大臣のお答えの中にもありましたし、従来もお認めのことでありますが、公教育の一翼を担う私立学校の充実がなければ、私学共済のさまざまな不十分さも是正されないと思います。長期給付への国庫補助も、例年の決議にかかわらず、二〇%に引き上げられていないのが現状でございます。私学助成についても進んでいないのが現状でございます。所信所明の中で私学振興を掲げていらっしゃる文部大臣は、加速度的な努力でこれに当たらなければならないと思いますが、そこで質問を一ついたしますが、たとえば私立の芸術大学の振興という課題がありますが、私の聞いている例では、芸術大学とは名ばかりで、貧困な教育研究条件に置かれたままになっているところが少なからずあるということを聞いております。芸術文化の振興の重要性から考えまして、国としてもたとえば特別助成を考えるとか考慮してもいいのではないでしょうか。これは私の意見でございますが、大臣、この私の考えに対しまして御答弁を願いたいと思います。
#169
○国務大臣(永井道雄君) 私立の芸術関係大学というものが大事であるということにつきましては、まことに先生の御指摘のとおりでございます。その前に御指摘になりましたように、一般に国立と比較をいたしますと私立の給与の水準が低いという問題がございますから、芸術関係大学に限らず私立大学等の経常費助成ということをやりまして、全般的に私立の学校における給与水準というものを上げるべく努力をいたしておりまして、われわれは少しでもそれが多いことを望むのでございますが、本年度におきましては前年と比較いたしますと二八・一%全体的にはふえました。そこで、そのうち芸術関係大学でございますが、統計によりますと、わが国の大学の中の芸術関係学部は総数が三十ございます。その中で私立大学が二十三学部ございます。そこで、現在では特別補助ということを考えてやっているわけではございませんが、芸術関係学部に対する補助金の配分額で申しますと、これは教員分、学生分で二十一億円強ということでございますので、学生定員の割合は全体の二・七%でございますが、補助金の方が若干それを上回りまして三・一%になっているという状況でございます。政府は、本年度予算におきましては、芸術重視ということを考えまして、国立のほかに公立の三つの芸術関係大学というものに新たに助成をいたすことに踏み切りまして、そこで一千万円ずつ三つの公立大学に助成をいたしているわけでございますが、私立につきましては、ただいま申し上げたような方法で、現段階におきましては二十一億円強という額を投じまして芸術関係大学の強化のために努力をしているわけでございまして、ただその形態が特別補助というところまではまだまいっていないのが実情だということでございます。
#170
○須藤五郎君 私が音楽を専門にした人間であるために音楽を例に挙げるわけですが、私は音楽のみのことを言っているわけじゃないので、やはり絵画でも彫刻でも同じことが言えると思うのです。その私の知る限りにおきましては、戦後、日本の芸術のうちで創作の上においても演奏の技術の上においても著しい発展をして長足な進歩をしたのは、私は実は音楽だと思っております。これは断言して私ははばからないと思っておるのです。現に、外国に参りましてそしてそこのオペラ劇場などへ参りますると、どこへ参りましても日本人の演奏家が一流のオーケストラボックスで演奏しているのを見かけるわけなんです。先年もウィーンのオペラ劇場に参りまして、昔はああいうところはなかなか日本人の演奏家なんかが入れるというところじゃなかったのです。ところが、数名のバイオリン弾きやチェロ弾きがちゃんと入って演奏している。大したことになったなあと思って実は私も驚いて帰ったのですが、これは世界じゅうどこへ行っても日本の音楽家が評価されておるわけなのですね。それだけに、私は、いまも申しました私立の芸術大学、これに対して特段の御配慮をお願いしてますます発展させるように、世界に日本の音楽はすばらしいぞということを知らせるように私はお願いをいたしたいと思うのです。
 私は、実は東京の上野にある音楽学校を卒業した者です。もう私の卒業したのは大正十二年で、いまから五十年も前の話なのですね。私もこの間見に行ってびっくりしたんです、余りにも技術が進歩しているので。そこで、私はそこの学部長に会って話を聞いたんです。きょうはお見えにならぬが、安西委員も私と同窓なんです。この間から、安西さん、われわれが委員をやっている間に何とかして芸大の問題だけでもりっぱに解決するようにしていかねばいかぬじゃないかという話を実はしたことがあるのですが、たまたまこの間音楽学部長に会いましたので、現在ある修士課程の上に博士課程の新設を要望しておるということを私は伺ったわけです。設置審査自体は文部省、審議会の検討するところでありますが、その件について私は二つだけの質問をいたしておきたいと思うのです。
 まず、博士号の問題でありますが、芸術大学院でもし芸大のそれが認められるならば、博士課程を持つのは芸大が最初のことだと思います。現在、修士号には芸術学修士という称号があるのでございますから、新設の芸大博士課程の修了者には芸術学博士という名前を新しく設けるべきだと、こう私は思いますが、文部省はどういうふうに考えていらっしゃいますか。この点、まず文部大臣からお答えいただきたい。
#171
○国務大臣(永井道雄君) 東京芸術大学――須藤委員の母校でございますが、博士課程を設置することにつきまして大学でいま内容を検討しておられるということは、私たちも十分に承知をいたしております。そこで、この大学院の博士課程構想につきまして昭和五十年度にも調査経費をすでに配賦いたしました。
 いまの学位号をどうするかという問題につきましては、大学局長の方から、その後検討が進んでおりますので、御答弁をいたします。
#172
○政府委員(佐野文一郎君) いま須藤先生の御質問でございますが、実は、今年度、筑波大学に芸術学群の上に芸術学研究科のドクターコースを設置いたしております。これは現在は美術、デザインの関係の専攻が中身でございますが、ここでドクターに渡す博士号につきまして議論がございまして、学術博士を原則としてはということになっております。東京芸術大学の場合にもし博士課程を設けるとすれば、そこで授与する学位というのは、やはり学術博士ということで考えてまいることに相なろうかと思います。
#173
○須藤五郎君 この間もそういう話が出たのですが、文部省の考えは学術博士という名前らしいと。しかし、大臣、私はどう考えても彫刻し塑像をやっている人たちに学術博士ということはどうもそぐわないような感じがするのですね。ピアノを弾いたり、作曲したり、声楽で歌っておって、その人が博士号をとっても、学術博士ではどうもぐあい悪いですね。ですから、私は、芸術博士という学位ならばまだそれよりもましだと考えるのです。その点は簡単に余り割り切ってしまわないで、よく外国にも通るような名前にしてほしいと私は思うのです。学術博士じゃ音楽家か彫刻家か何か、それは芸術家か何かわからぬですよね。科学者であるか何かわからないです。だから、やはり芸術家であるということを明らかに示す芸術博士の方がまだ私は適当だと、こういうように考えますので、この点、よく文部省としても検討していっていただきたい、これが一つです。
 それからもう最後の質問ですが、東京の上野の芸大で現在の修士課程の教育研究に励んで非常に努力してやっておりますが、ともかく一週間何時間の持ち時間があるのだと言ったら、十五時間以上だと、こう言うのですね。そうすると、これは私の経験から見ましても、本当の専門家がこれは一時間みっしり努力するのですから、大学でノートブックへ毎年同じ講義を持ってきて――これは失礼なことを言うようですが、そういうことを聞きましたが、それでノートのとおりに講義するということよりも、音楽学校で歌を教えたりピアノを教えるというのはこれは肉体的な非常な努力なんですね、生徒一人・教官一人というやり方ですから。それを十五時間も一週間にやられたのでは、とっても体力が続かぬというのですね。それは私も同感だと、こう言ってきたんです。そこで、その十五時間を一人十時間ぐらいにするにはどうしたらいいかといえば、さらに人数を定員をふやしてもらわないとできないというわけですね。あそこの教官たちが一番希望しているのは、定員をふやしてほしいということです。これが一番大きな願いなんですね。ですから、私は、りっぱな芸術教育をしてもらうためにも、定員をふやすことを文部省として検討していただきたい。それじゃ定員をふやしたら教授があるかと言って私が質問したら、教授はたくさんあると言うのです。もういまやりっぱな技術を持った方がたくさんあるから、そういう現在あるお年の少し上になった方を博士号の方へ回して教育に当たってもらう、それで現存ある若い人たちをこれまでの修士課程の方に回すと、それは十分できると、定員さえふやしてもらったらいいのだと、こういう意見を聞いてまいりましたので、この際、文部省として具体的な見解を大臣から聞いておきたいと思います。
#174
○国務大臣(永井道雄君) 実は、芸大の問題につきましては、ただいまのようなこともありまして、外国人の国際的にりっぱな方を先生にお迎えしたいという学校側の御要望もあるわけです。それは目下その話を実現すべく努力をしているところでございます。これは実現できるはずだと考えております。
#175
○須藤五郎君 それは定員以外ですか。
#176
○国務大臣(永井道雄君) 定員以外といいますか、やはりその人も先生として教えるわけですから、ふえるわけです。それは外国人の御要望でございますが、この定員の問題をどうするかということにつきましては、これはいまのような問題があることも承知をいたしておりますので、大学当局と私どもとよく話して検討をいたしたいと考えております。
#177
○須藤五郎君 私、これで質問を終わりますが、ただお答え願っただけじゃなしに、その実現のために努力をしていっていただきたいと思うのです。というのは、私、かつてドイツへ参りましてベルリンのムジーク・ホーホシューレへ籍を置きまして、そこの指揮下でしばらく勉強したことがあります。私は行きまして実に驚いたということは、余りに設備が整い、教育のやり方が非常に細かいところまで一対一で、オペラの指揮まで先生一人に三人ぐらいで、そしてここはこうやるんだと手を取るようにして教えてくれる。あのような教育を受けたら日本人だってもっとりっぱな指揮者も出るぞと私は実は思って帰ったところなんです。天分としては日本人はすばらしい才能を持った国民だと思うのですよ。決して外国人に負けないと思います。だから、それをりっぱに伸ばし発展させるために一段と力を入れていただきたいとお願いしまして、私の質問を終わります。
#178
○中沢伊登子君 簡単に三問だけお尋ねをして私の質問を終わりたいと思いますが、教育基本法においては、法律に定める学校は公の性質を持つものでありまして、教員は設置者のいかんを問わず全体の奉仕者であるということは言うまでもありませんが、その待遇の適正が期せられなければならないという原則が確立されております。しかし、学校教育において、直接教育を担当する教員及びその教育責務を補弼する職員の待遇の適正の一環である福利厚生制度については、国立、公立学校においては共済制度、退職手当制度及び災害補償制度が整備されているにもかかわりませず、私立学校においてはわずかに共済制度が創設されたのみで、あとは民間労働者と同じように労働災害補償保険及び雇用保険が適用されることになっております。わが国の学校教育に果たしている私立学校の重要性を考えますれば、私立学校の教職員についても国、公立学校の教職員と同じような身分、待遇制度が設けられるべきではないかと考えます。
 そこで、大臣にお伺いをいたしますが、私立学校の教職員についても国、公立学校の場合と同じように退職手当制度及び災害補償制度を設けるべきではないかと思いますが、いかがでございますか。
#179
○国務大臣(永井道雄君) 御指摘のように、国立、私立の教職員につきまして待遇の面で格差がないという状況になっていくことが望ましいというふうに考えております。ただ、現状は、これまた御指摘のとおり、実はそういうものがあるということでございまして、特に退職金制度につきましては、私立学校を通してのものは確かにないわけでございます。
 そこで、この問題をどうするかということにつきましては、昭和四十九年の八月に私立学校振興方策懇談会から報告書が提出されました。その中に、「私立学校の振興方策について」という名前でございまして、これは私大関係者が退職金制度のあり方について私大関係者の協力を得て調査研究を行うということでございまして、高校以下の取扱方、あるいは過去の勤務の取扱方、財源問題等、いろいろな問題があるということが次第に明らかになってきております。こうした問題というものを掘り下げまして、そして関係者との意見の調整というものを行っていかなければなりませんが、これはそれに相当の時間も要しますから、現段階におきましては調査研究というところまで進んでおるという以上には申し上げかねる実情であるのは御了解願いたいと思います。
 なお、これも御指摘になりましたように、労働者災害補償保険法は適用されておりますけれども、国、公立学校教職員と同様の災害補償制度ではございませんから、これもどうするかという問題が残っているわけでございまして、これにつきましても私立学校関係の方々の御意見を聞きながら現在検討を進めていこうということでございます。
#180
○中沢伊登子君 この間の委員会のときも話題になりましたように、私立学校は八〇%ぐらいの生徒を教育しているわけですから、なるべく早く結論を出されるように御努力をお願いしたいと思います。
 二番目に、現在私立学校の教職員は労働災害補償保険法及び雇用保険法の適用対象となっておりますが、加入状況はどうなっているのでしょうか。
#181
○政府委員(清水成之君) 結論から申し上げますと、まことに申しわけないわけでございますが、その加入状況を的確に把握をいたしておらないということでございます。御案内のとおり、労働者災害補償保険法からいたしますと、かつては任意加入ということでございましたが、最近では強制適用事業に加わっておるわけでございます。したがいまして、制度的には加入すべきものでございますが、業務上の災害の発生状況、こういうようなことから私学自体がなかなか難色を示しておると、こういう点が実情としてございまして、私どももまた労働省側においてもなかなかこの点が把握されていないということを端的に申し上げましておわびを申し上げたいと存じます。
 なお、現実問題といたしまして、仮に業務上の災害が起きた場合、なおまた、四十八年でございますが通勤災害が加わりましたことによりまして、もしそういう事故が発生しました場合には、それぞれの学校法人が掛金相当分を払いましてそうしてここから補償を受けると、こういう実態運営をやっておるというのは確かでございます。
 なお、雇用保険法につきまして、これまた失業保険法時代がこれは任意加入であったわけでございますが、昨年の四月一日から強制適用と、こういうことに相なっておるわけでございますけれども、御案内のとおり、法律自体で学校等につきまして適用除外をする規定が入っておりまして、そうしてその省令等が出ておるわけでございますが、それによりますと、雇用保険法のうちの失業保険に相当する給付以上の退職手当が制度上はっきりしておる、法律なりあるいは条例、規則等ではっきりしておるということが前提になっておるわけでございまして、先ほど先生が第一問で御質問ございましたそれと関連する事項でございます。これについて、現在私学側のあれとしましては、先生御指摘のとおり、一般の労働者と同じような失業状況になるかどうか、こういう実態の問題が一つある。それからもう一つ、いわゆる雇用保険三事業と言われております雇用改善事業なり、あるいは能力開発事業とか、あるいは雇用福祉事業、いわゆる三事業につきまして私学の教職員にどれだけの何と申しますか利益あるいは得があるかどうか、こういう点を勘案しました場合に、直ちに加入ということには難色を示し、一方、御指摘のございましたように、独自の退職手当制度というものを要請しておるわけでございまして、大臣からお答えございましたように、五十一年度におきまして調査会の予算もいただきましたので、真剣に検討をさしていただきたい。そしてまた、雇用保険との間の調整、これは大問題だろうと思いますが努力をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。
#182
○中沢伊登子君 懇切な御答弁をいただいて大変結構だと思います。まあ交通事故も多いことですしいろいろな点がございますので、今後とも制度の上によい方向を見出すようにお願い申し上げておきたいと思います。
 それから最後でございますけれども、理事長さんに一つお尋ねをしたいと思います。
 全私学連合の提案によりますと、私学教職員の職務上の災害補償制度は私学共済法の一部改正によってこれを創設することとしております。もし私学共済法の一部改正でこれを行うとすれば、現在私学共済に加盟をしていない未加入校の取り扱いをどうするのでしょうか。制度として統一すべきではないかと、このように考えますが、お答えをいただきたいと思います。
#183
○参考人(加藤一雄君) いまお尋ねの件でございますが、これは去る三月五日に私学の方で検討をした私学教職員退職手当制度及び職務上災害補償制度委員会、そういうものができましていろいろ検討していることを承っておりまするが、その線では独立したものをやりたい、ただし、仕事の上で材料が私学共済にもあるからその方に委託するかもしれぬという話がありましたので、その点についてはできるだけわれわれも努力をして応じましょうと、そういうことでありますので、別個の形でやりますと未加入校の問題は直接関係がないと、かように考えております。かように御承知おき願います。
#184
○中沢伊登子君 ありがとうございました。
#185
○委員長(山崎竜男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○委員長(山崎竜男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(山崎竜男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#188
○久保亘君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、以上五党共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  私立学校教育の重要性と私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、政府は左記の事項について検討し、すみやかにその実現を図るべきである。
 一 長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。
 二 年金額改定のいわゆる自動スライド制については、給与スライドの導入を検討すること。
 三 短期給付に要する費用について国庫補助の措置を講ずること。
 四 地方財政の実情にかんがみ、長期給付掛金に対する都道府県補助を充実するため、必要な措置を講ずること。
 五 私立学校教職員の給与の実情にかんがみ、国・公立学校の教職員に準じてその給与の改善が行われるよう必要な措置を検討すること。
  右決議する。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#189
○委員長(山崎竜男君) ただいま久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(山崎竜男君) 全会一致と認めます。よって、久保君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、永井文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。永井文部大臣。
#191
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御決議がありました事項につきましては、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じております。
#192
○委員長(山崎竜男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(山崎竜男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト