くにさくロゴ
1975/03/31 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 地方行政委員会 第4号
姉妹サイト
 
1975/03/31 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第077回国会 地方行政委員会 第4号
昭和五十一年三月三十一日(水曜日)
   午後二時四十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     斎藤栄三郎君
     原 文兵衛君     石破 二朗君
     和田 静夫君     野田  哲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  稔君
    理 事
                岩男 頴一君
                金井 元彦君
                秋山 長造君
                神谷信之助君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                石破 二朗君
                大谷藤之助君
                黒住 忠行君
                斎藤栄三郎君
                夏目 忠雄君
                安田 隆明君
                赤桐  操君
                小山 一平君
                野口 忠夫君
                野田  哲君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                多田 省吾君
                市川 房枝君
   国務大臣
       建 設 大 臣  竹下  登君
       自 治 大 臣  福田  一君
   政府委員
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       自治政務次官   奥田 敬和君
       自治大臣官房審
       議官       福島  深君
       自治省税務局長  森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上田稔君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鍋島直紹君及び原文兵衛君が委員を辞任され、その補欠として斎藤栄三郎君及び石破二朗君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上田稔君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
#4
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、明年度の地方税制につきましては、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、ガス税の税率の引き下げ等を行うほか、地方税負担の適正化、地方税源の充実強化等の見地から、住民税均等割り及び自動車関係諸税の税率の引き上げ、事業所税の課税団体の範囲の拡大、非課税等の特別措置の整理合理化等を行い、あわせて、固定資産税における評価がえに伴う税負担の調整を図るとともに、第三に、地方道路譲与税につきまして、新たに、市町村に対してもこれを譲与することとするための所要の措置を講じ、第三に国有資産等所在市町村納付金につきまして、日本国有鉄道に係る納付金算定標準額の特例措置の適用期限の延長等の措置を講ずる必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人及び法人の均等割りにつきましては、その標準税率及び制限税率が長期にわたり据え置かれていること、この間において物価水準に相当の変動が見られること等を考慮いたしまして、その税率を、個人についてはおおむね三倍、法人についてはおおむね三倍ないし六倍に引き上げることといたしました。
 なお、低所得者層の負担の軽減を図るため、条例で定める所得以下の者に対しては、個人の均等割りを課さないことといたしております。
 また、障害者、未成年者、老年者または寡婦についての非課税の範囲を、年所得七十万円までに拡大するとともに、白色申告者の専従者控除の控除限度額を四十万円に、老年者の要件である所得限度額を千万円に、それぞれ引き上げることといたしております。
 さらに、医療費控除について、いわゆる足切り限度のうち定額基準を五万円に引き下げるとともに、控除限度額を二百万円に引き上げることといたしました。
 その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減を図るため、事業主控除額を二百万円に引き上げるとともに、白色申告者の専従者控除の控除限度額についても四十万円に引き上げることといたしております。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、発電所等に係る非課税措置を廃止する等特別措置の整理合理化を図るとともに、新築住宅に係る課税標準の算定上の控除額を三百五十万円に引き上げる等の措置を講ずることといたしております。
 その四は、自動車税及び軽自動車税についてであります。自動車税及び軽自動車税につきましては、その税率が長期にわたり据え置かれていること、その間自動車等の販売価格が上昇していること、道路の維持管理費が増大していること等を考慮いたしまして、その標準税率を、一般乗り合い用バスを除き、自家用車にあってはおおむね三〇%、営業用車にあってはおおむね一五%程度引き上げることといたしております。
 なお、自動車に関する総合的な税負担の適正化の見地から、自動車税及び軽自動車税について、制限税率を設けることとし、標準税率の一・二倍を超える税率で課することができないものとしております。
 また、公害対策の見地から、昭和五十一年度規制適合車の標準税率を、昭和五十一年度及び昭和五十二年度の二年度間に限り、現行のまま据え置くことといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についてであります。
 まず、宅地等に係る昭和五十一年度から昭和五十三年度までの各年度分の固定資産税については、評価がえに伴う税負担の調整を図るため、昭和五十一年度評価額の昭和五十年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じ、一・一から一・三までの負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とすることといたしております。
 また、昭和三十八年度の税額に据え置かれている一般農地につきましては、段階的な調整措置を講じながら課税の適正化を図ることとし、昭和五十一年度から昭和五十三年度までの各年度分の固定資産税については、昭和五十一年度評価額の昭和五十年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて定める一・一または一・二の負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とすることといたしております。
 なお、昭和五十四年度以降の一般農地に係る固定資産税につきましては、農地の価格の状況、農業経営との関連等をも考慮いたしまして、さらに検討を加えることといたしております。
 次に、市街化区域農地に対する課税の適正化措置についてであります。まず、三大都市圏の特定の都市のC農地及びその他の市街化区域農地に対する課税の適正化については、その後における都市施設の整備状況等にかんがみまして、引き続き検討を加えることといたしております。また、現在課税の適正化措置が実施されているA農地及びB農地については、現に耕作の用に供され、かつ、今後とも農地として保全することが適当であると認められる一定の要件に該当するものに対して、市町村が、その条例の定めるところにより、農地課税審議会の議を経て、減額措置を講ずることができることとしております。
 都市計画税につきましても、以上のような固定資産税と同様の措置を講ずることといたしております。
 その他、固定資産税におきましても、新技術企業化用設備等に係る課税標準の特例措置等二十項目の特別措置について、その整理合理化を行っております。
 その六は、電気税及びガス税についてであります。
 まず、電気税につきましては、硝安等八品目に係る非課税措置を廃止することといたしております。
 また、ガス税につきましては、その負担の軽減を図るため、税率を二%に引き下げ、昭和五十二年一月一日から実施することといたしております。
 その七は、軽油引取税についてであります。軽油引取税につきましては、その税率が長期間据え置かれていること、また、地方道路目的財源の充実強化を図る必要があること等を勘案いたしまして、昭和五十一年度及び昭和五十二年度の暫定措置として、その税率を三〇%引き上げることといたしております。
 その八は、事業所税についてであります。事業所税につきましては、人口、企業の集中状況及び都市環境の整備の緊要性が現在の課税団体とほぼ同様と認められる都市にまで拡大するため、課税団体の人口基準を三十万に引き下げることといたしております。
 第三は、地方道路譲与税法の改正に関する事項についてであります。
 地方道路譲与税につきましては、地方道路目的財源の市町村に対する配分割合を高めるため、地方道路譲与税の五分の一の額を新たに市町村に対し、当該市町村が管理する市町村道の延長及び面積に案分して譲与することといたしております。
 第三は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項についてであります。
 日本国有鉄道に係る市町村納付金につきましては、その算定標準額の特例措置の期限を昭和五十三年三月三十一日まで延長することといたしております。
 このほか、地方税制の合理化を図るための所要の規定の整備を行っております。
 以上の改正により、昭和五十一年度におきましては、給与所得控除の平年度化に件う個人住民税の減税を含めて二千三百六十七億円(平年度二千五百一億円)の減税を行う一方、住民税均等割りの税率の引き上げに伴い三百九十五億円、自動車関係諸税の税率の引き上げに伴い一千五百八十六億円、非課税措置等の整理合理化に伴い八十四億円、事業所税の課税団体の範囲の拡大に伴い四十七億円等合計二千百四十六億円(平年度二千八百四十八億円)の増収が見込まれますので、差し引き二百二十一億円の減収(平年度三百四十七億円の増収)となります。
 また、そのほか、地方道路税等の税率の引き上げに伴い、地方道路譲与税等におきまして、三百八十七億円(平年度五百六十三億円)の増収が見込まれております。
 以上が、地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(上田稔君) 次に、竹下建設大臣。
#6
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この臨時措置法は、昭和四十八年に、特定市街化区域農地すなわち三大都市圏の特定の市に所在するいわゆるA農地及びB農地に対して固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、これら農地の宅地化を促進するために必要な措置を講ずることを目的として制定されたものであり、特定市街化区域農地の宅地化促進のための事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減等をその内容としておりますが、これらの措置の適用期限は、同法のほか、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、租税特別措置法及び地方税法により、それぞれ昭和五十年度までとされております。
 しかしながら、特定市街化区域農地の宅地化の動向及び今後の三大都市圏における宅地需要を考えますと、昭和五十一年度以降においてもこれらの措置を引き続き適用し、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図ることが必要であると考えられるのであります。
 以上がこの法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 前述のとおり、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法に基づく措置につきましては、同法のほか、他の法律によりそれぞれその適用期限が定められておりますが、この法律案におきましては、同法の附則において適用期限が定められている土地区画整理事業の施行の要請及び住宅金融公庫の貸付金利の特例の措置につきまして、その期限を昭和五十四年三月三十一日まで三ヵ年延長することといたしております。
 なお、前述の他の法律により適用期限が定められている措置につきましては、別途今国会に提案されているそれぞれの法律の改正案において、その適用期限を三カ年延長することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#7
○委員長(上田稔君) なお、地方税法等の一部を改正する法律案の補足説明は、時間の関係上、口頭による説明を省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしますので、御了承ください。
 なお、この際、委員各位に一言申し上げます。
 ただいま議題にいたしております両法案につきましては、国民生活に重大な影響を及ぼすものであり、慎重に審議を行うべきでありましたが、御承知のような事態から審査に入ることができないまま年度末となってしまいました。
 両法律案はいずれも日切れ法案であり、年度内に成立せしめる必要がありますので、本日の理事会におきまして、地方税法等に関する問題につきましては、近い将来実質的審議を十分に行うことといたしまして、全く異例の措置ではありますが、質疑を行わないで本日議了することを申し合わせた次第でございます。
 何とぞ御了承の上御協力いただきたいと存じます。
 それでは、秋山君及び神谷君から、地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案が委員長の手元に提出されております。
 修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、両修正案を議題といたします。
 まず、秋山君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。秋山長造君。
#8
○秋山長造君 ただいま議題となっております地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本社会党、公明党を代表して、その提案理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 不況下のインフレというかつてない経済危機の中で、地方財政は、深刻な危機に見舞われており、戦後地方財政制度の根本的な矛盾を露呈しております。大企業優先の高度成長の破綻が、いまやだれの目にも明らかとなっているとき、今後のわが国経済の進むべき道は、国民の所得水準の引き上げ、福祉、年金制度の充実など国民福祉の向上が経済成長を促進するいわゆる福祉優先の経済に転換する以外にありません。このような国民的要求を実現するに当たって、今後地方財政が重大な役割りと課題を担わねばならないことは明らかであり、国・地方の税財政制度の根本的改革は緊急の課題と言わねばなりません。
 しかしながら、自民党政府はこうした国民的要求に背を向け、みずからの経済政策の失敗を国民の負担の増大、福祉抑制、地方財政の借金依存に転嫁し、経済危機を乗り切ろうとしているのであります。とりわけ地方税制においては、住民税減税を据え置く一方、法人事業税の外形課税への転換を見送るなど、住民に高負担、低福祉のみを強要し、大企業に対しては、高度成長下の税制を依然として温存しようとしておるのであります。
 日本社会党、公明党は、不況下のインフレから国民生活を防衛するためには地方財政の充実が不可欠であるとの立場から、国・地方の税財政の根本的改革を強く要求し、住民の税負担の軽減、法人課税の強化を中心とする地方税源の強化を図り、もって地方自治の強化を図るため、この際、特に当面緊急と認められる事項について所要の修正を行うこととしたのであります。
 以下、順を追って修正案の概要を簡単に御説明申し上げます。
 第一は、個人住民税についてでありますが、まず均等割りの税率は現行どおりとし、また、基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ三十四万円に引き上げ、平年度の課税最低限を約百七十万円といたしております。
 障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額を二十万円に、特別障害者控除の額を二十八万円にそれぞれ引き上げるとともに、七十歳以上の老人の扶養控除については三十二万円に引き上げております。
 障害者、寡婦等の非課税限度額を八十万円に引き上げるとともに、白色事業専従者控除限度額も六十万円に引き上げております。
 次に、現行道府県民税所得割り税率を、低所得者との負担の均衡を図るため、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 第二は、法人についてであります。
 大企業の都市への集中は、いまや集積の効果よりもマイナスの効果を増大させ、地方自治体の財政需要を急増させております。こうした大企業にある程度の税負担を求めることはきわめて当然であり、法人税割りを道府県民税にあっては、五・六%、市町村民税にあっては、一五・五%といたしております。
 第三は、事業税についてであります。
 個人事業税は、当面、所得税を納付するにいたらない者に対する個人事業税の解消を図るため、事業福主控除を二百四十万円に引き上げることといたしております。
 また、中小事業者の負担軽減を図るため、白色申告者の専従者控除額を六十万円に引き上げることといたしております。
 法人事業税については、自治体の財政自主権を保障する立場から制限税率を一四・四%といたしております。
 第四は、固定資産税についてでありますが、地価の高騰による異常とも言うべき個人住宅の固定資産税を引き下げるため、二百平方メートルまで昭和五十年度の税額に据え置くことといたしております。
 また、一般農地の固定資産税については、昭和三十八年度税額に据え置くとともに、いわゆる農地の宅地並み課税については、これを廃止することといたしております。
 第五は、電気税でありますが、産業用の非課税措置については三年間の経過措置を設け、第四年目に廃止することといたしております。
 第六は、事業所税でありますが、地域環境及び都市施設の整備のためすべての市町村が目的税として条例で課税することができるものとし、公益上必要があると認める場合、非課税措置、課税標準の特例について条例で定めることができることといたしております。
 第七は、自動車取得税についてでありますが、五十一年度排ガス規制非適合車については税率を一〇%といたしております。
 以上の修正により、昭和五十一年度においては、都道府県において六百四十三億円の増収、市町村においては六百七十一億円の減収が、それぞれ見込まれるわけであります。
 以上が修正案の大要でありますが、何とぞ御賛成、御可決くださるようお願い申し上げます。
#9
○委員長(上田稔君) 次に、神谷君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。神谷信之助君。
#10
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について提案理由並びにその概要を御説明いたします。
 政府の高度成長政策によりもたらされた今日の深刻な経済危機の中で、国民生活はきわめて困難な状況に置かれています。
 こうした中で、政府の昭和五十一年度地方税制改正は、財源確保の立場から租税特別措置の見直しと、物価上昇に見合った税負担の適正化をうたい、その内容は、最近にない国民収奪と大企業と高額所得者優遇の温存にほかならず、税負担の不公平をなお一層拡大するものにほかなりません。
 具体的には、個人住民税の均等割りの三倍引き上げ、評価がえにより固定資産税が大幅に引き上がるにもかかわらず不十分な負担調整措置、宅地並み課税の堅持、一般農地の固定資産税の引き上げなど国民に大きな負担を強制する一方で、産業用電気税の非課税の継続、不動産取得税や固定資産税における大企業優遇措置は、ほとんどそのまであります。
 いま求められているのは、政府のこうした大企業優遇税制を改め、国民と中小企業を保護し、大企業、高額所得者には応分の課税を行う公平な地方税制であります。
 わが党は、今日求められている地方税制の公平を実現するために、最低限必要なことは、個人の均等割りの現行据え置き、個人事業税の軽減、宅地並み課税の廃止、個人の住宅と家屋や、一般農地の固定資産税の据え置きを図るとともに、大企業に対しては、産業用電気税の非課税措置の廃止、法人住民税の課税強化などの措置を講ずることであります。
 このような立場から、本修正案を提案するものであります。
 次に、修正案の概要については、お手元にその概要を配付をしておりますので、その主要な点について御説明いたします。
 まず第一に、個人住民税については、均等割りは現行のまま据え置きにし、所得割りについては、諸控除の引き上げにより、標準世帯の課税最低限を百七十万円に引き上げることとし、税率は、所得区分により、三%から六%とすることにいたしております。
 法人住民税については、道府県分、市町村分の標準税率をそれぞれ五・六%、一五・五%に引き上げ、中小企業については、当分の間、現行の税率に据え置くこととしております。均等割りについてはこれを廃止し、新たに資本金割りを設け、税率は道府県で〇・四%、市町村で〇・六%とし、各事業所ごとの従業員数によって、当該地方団体へ納付すべき額を配分することといたしております。なお、資本金一億円未満の法人は非課税とすることとしております。
 第二に、個人事業税については、事業主控除額を二百四十万円に、白色事業者専従者控除の控除限度額を六十万円に、それぞれ引き上げることとし、標準税率を引き下げ、制限税率を現行の標準税率に一致させることとしております。
 法人事業税については、制限税率を引き上げることとしております。
 第三に、事業所税でありますが、課税団体を人口十万人以上の市及び政令に定める市町村に拡大することといたしております。
 第四に、固定資産税でありますが、個人の住宅用地については二百平方メートルまで、個人の生活用新築家屋については百平方メートルまで、五十年度の税額に据え置くこととしております。
 農地については、一般農地は三十八年度の税額に据え置くこととし、宅地並み課税は廃止することといたしております。
 第五に、産業用の電気税の非課税措置は廃止することとしております。
 第六に、公害対策未対策車の自動車取得税の税率を一〇%に引き上げることとしております。
 第七に、国鉄の納付金の算定標準の特例措置を廃止することといたしております。
 以上が本修正案の提案理由並びに概要でございますが、慎重審議の上御可決くださいますことをお願いいたします。
#11
○委員長(上田稔君) それでは、これより両原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#12
○赤桐操君 私は、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、日本社会党、公明党共同提案による修正案に賛成する立場から反対討論を行います。
 申し上げるまでもなく、地方財政は不況下のインフレの中で深刻な危機に見舞われており、いわゆる三割自治という戦後地方財政制度の根本的矛盾を露呈しております。
 しかるに、政府・自民党の政策は、国民の福祉優先への抜本的な政策の転換を図らず、相変わらず、国民にその犠牲を求める時代錯誤の姿勢に終始しているのであります。とりわけ地方税財政においては、住民負担を著しく増大せしめ、大企業に対する非課税措置を温存するなど、高度経済成長下の税制そのものであります。
 今日の地方財政危機を乗り切る唯一の手段は、今日までの地方財政軽視、大企業優先の経済、財政政策を根本的に転換し、地方財政の自立強化を図るため、国・地方の税財源を地方税源確立の立場から即刻改革することであります。そしてこれは五十二年度以降に引き延ばすことなく、五十一年度より大胆な改革に着手するものでなければなりません。
 以上の考え方に基づき、私は、以下、具体的問題について反対の論拠を申し上げます。
 まずその第一は、住民の税負担の問題であります。
 国民の消費支出を拡大し、生活を守るため、住民税減税は当然行うべきものであります。しかるに政府原案は、財政難を理由に課税最低限の引き上げを見送り、さらに均等割りの大幅引き上げを行うもので、まさに時代に逆行するものと言わなければなりません。
 第二は、法人税の問題であります。
 法人税の強化は、いまや国民的要求となっております。しかるに政府は、長年の懸案である法人事業税の外形課税の制度化については、事業所税の課税団体の拡大を引きかえにこれを見送り、加えて、産業用電気税の非課税措置については若干の改正にとどめるなど、依然として高度成長下における不公平税制の温存を図っていると言わなければなりません。個人事業主、中小企業者の負担軽減を配慮し、法人課税についてはさらに一段と強化された対策をとるべきであります。
 第三は、固定資産税の問題であります。
 固定資産税についてもそのあり方を根本的に検討する必要があります。個人住宅の固定資産税は、異常とも言うべき地価の高騰によって著しい増高を来しました。しかしながら、個人住宅は、収益性的な財産ではなく、生存権的財産とも言うべきものであります。したがって、本来非課税とすべきでありますが、当面、昭和五十年度の税額に据え置くべきであります。さらに、今日の経済状況、国民の食糧確保、緑地の保全、農民の生活保障と農業危機の歯どめという観点から、農地の宅地並み課税を廃止し、一般農地の固定資産税についても昭和三十八年度税額に据え置くべきであります。
 第四は、事業所税について申し上げます。
 事業所税は、地域環境及び都市施設の整備のための財源として設けられたものであります。したがって、これは基本的には全自治体にその課税権を拡大すべきであり、国がその対象を法定化すべきではありません。
 以上の問題点はすでに修正案において提起し、すべて指摘されているところであります。ここに私は、政府に地方税制の根本的改革を重ねて要求し、日本社会党、公明党の提案した修正案に賛成し、原案に対する反対討論を終わります。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をいたします。
 本法の立法当時、わが党は、本法が農地の宅地並み課税を前提として、その宅地化促進のため種々の便宜措置を講じようとするいわゆる場当たり的あめ法であって、それが都市近郊農業の取りつぶし、不動産業者の土地買い占め、無秩序な宅地化、市街化を促進させるだけで、近郊都市としての計画的文化的な町づくりや、勤労者向けの住宅対策にはならぬのみならず、むしろこれに逆行するおそれすらあるとの理由から反対したわけでありますが、その後の経過はわれわれの見解の正しきを証明いたしました。
 かかる経緯にかんがみ、特例期限のさらに三年間の延長のための本改正案には、遺憾ながら賛成できません。
 以上、反対の理由を申し述べ、討論を終わります。
#13
○岩男頴一君 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案に賛成、同法案に対する日本社会党、公明党の共同提出による修正案、及び日本共産党の同法案に対する修正案に反対し、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。
 まず、地方税法等の改正案について申し上げます。
 政府提出の改正案は、住民負担の軽減、合理化を図るため、個人事業主控除額の引き上げ、ガス税の税率の引き下げなどを行うほか、地方税負担の適正化、地方税源の充実強化などの見地から、住民税均等割り及び自動車関係諸税の税率の引き上げ、固定資産税における評価がえに伴う税負担の調整、事業所税の課税団体の範囲の拡大、固定資産税の非課税等の特別措置の整理合理化等を行い、あわせ新たに市町村に対しても地方道路譲与税を譲与するための措置及び日本国有鉄道に係る納付金算定標準額の特例措置の適用期限の延長等の措置を講じようとするものであります。
 わが国の財政は、経済成長率の低下によって歳入面で従来のような自然増収が期待できない一方、歳出面では、福祉の充実を初めとする財政需要は引き続き増大することが予想されます。
 今後引き続き予想される多額の歳入不足に対処するに当たって、地方債の発行に安易に依存することは、地方財政の健全性、弾力性を、さらには地方団体の自主性を損なうことになることは言うまでもありません。
 借金依存の地方財政を回避するためには、地方税においても従来のような大幅な減税のみを行うのではなく、税負担の適正化を図りつつ、必要に応じた負担の軽減及び合理化を図っていくことが必要であります。
 以上の観点に立って政府提出の改正案を検討しますとき、その改正内容は、地方財政の状況と住民負担の現況にかんがみ、当面の措置としては妥当なものであります。
 なお、二修正案につきましては、同修正案が住民税の法人税割り、自動車取得税の大幅引き上げを中心に個人均等割りを現行のままに据え置くなどを内容とするものでありまして、わが党としては、現下の地方財政、経済動向の状況、住民負担の現況から考え、賛成できません。
 簡単ではありますが、政府提出の改正案に賛成、三修正案に反対の討論といたします。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、三大都市圏における宅地対策の一環として、別途提出されている地方税法、租税特別措置法、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の改正案とともに、三大都市圏の特定の市に所在するいわゆるA、B農地の宅地化を促進するための事業の施行、資金の助成及び租税負担の軽減に関する特例措置の適用期限を延長することにより、これら農地の宅地化を一層促進しようとするものであります。
 現在土地対策が実効あるものとなり、地価は沈静しておりますが、三大都市圏における宅地需給の逼迫はなお著しく、これに対して適切な対策を講ずることは国政の喫緊事であります。
 このような現状から見ますれば、本法律案はまことに時宜にかなった適切なものであり、本法律案に対し賛成するものであります。
 以上で、政府提出の二法案に賛成し、地方税法等の改正案に対する二修正案に反対の討論を終わります。
#14
○阿部憲一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております内閣提出にかかわる地方税法等の一部を改正する法律案及び日本共産党提出の修正案に反対し、日本社会党、公明党提出の修正案に賛成し、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法改正案に反対する討論を行います。
 まず、反対の第一の理由は、政府原案は、今日最も望まれている地方財政危機打開のための根本的な改革を回避し、地方財政の困難をただ単に将来に延期しただけの操作にすぎないからであります。
 このほど自治省が発表した地方財政の中間展望によりますと、現行の地方行財政制度のもとでは、ここ数年間は地方財政の赤字状態が続くことが見込まれております。こうした慢性的な財源不足に悩む地方財政危機は、政府の経済政策の失敗による狂乱インフレと長期的不況の交錯がもたらしたものであることは明白でありますが、これまでも指摘されているように、真の地方自治確立のためには、国と地方との税財源の再配分及び地方の自主財源の強化が必要不可欠であります。三木総理は、地方自治のあり方に対しては全面的に検討いたす所存と昨年確約しておきながら、地方行財政制度の抜本的改革には何らの手を打たず、放置されてきたのであります。まことに言行不一致と言わざるを得ません。
 なお、この際申し上げれば、三木総理は、地方自治に対してきわめて深い理解を持っておるようなことを言いながら、現実の施策の立案に当たっては、それと逆行するようなことをしばしば行っております。たとえば自治体が長年要望してきた地方事務官制の廃止についても、国会の五十一年廃止の決議を無視しようとしております。こうした三木内閣の姿勢は断じて許すことはできません。
 反対の第二の理由は、政府改正案は、地方財政の危機に対処するのにその財源不足を地方自治体の借金で賄おうとしていることであります。
 昭和五十一年度の地方財政の財源不足は、政府の試算でも二兆六千二百億円にも上るというのに、地方交付税の借入金一兆三千百億円余と地方債一兆二千五百億円などでその穴埋めをしようとしております。地方債は、申すまでもなく特定財源で、その発行には国等の許可が必要であります。税源の充実を図らず、国等の許可を要する地方債などで対処することは、地方自治の財政的独立を脅かし、ひいては地方自治そのものの危機を招くものであります。国税からの税源の移譲、大衆負担の軽減を図りつつ、担税力の大きい企業の税負担の適正化を図るべきであります。
 第三に申し上げたいことは、不公平税制是正の不徹底についてであります。
 すなわち、国民大衆に対する重税を強行しようとする反面で大企業に対する優遇税制が温存されているということでございます。
 今回の改正案では法人事業税の外形課税が見送られております。すでにこの問題については五十年度の地方税法改正に際しましても国会において附帯決議として求められ、全国知事会からも強く要求されております。地方自治体から大きな受益を受けている企業の社会的責任を果たすという立場からも、この法人事業税の外形課税の導入は当然でありますが、政府は現今の経済環境を理由にこれを見送ったのであります。また、法人住民税については、均等割りが最高六倍に引き上げられるとしても、資本金一億円以上の大企業の負担は年額わずかに三万円であります。地方税収についてきわめて影響が深く、しかも大企業が恩恵を受けている租税特別措置の改廃は、五十一年度予算では廃止十一項目、縮少五十八項目と項目的には広範囲にはなっているものの、それによる増収は初年度でわずか百五十億円、平年度でさえも千百億円と、申しわけ程度の手直しにすぎません。それは大企業の受けている優遇措置のうち約五〇%を占めている受取配当金の益金不算入や退職金引当金、貸し倒れ引当金に対する軽減措置が見直しの対象とされていないことからも明白であります。さらに、会社臨時特別税の廃止は決定されております。また、電気税の非課税措置廃止については、今回の改正案でも非課税品目百十五品目のうちわずかに八品目だけの廃止にとどまり、抜本的な改廃にはほど遠いものであります。こうした不況対策を理由とした大企業優遇、福祉冷遇の高度成長時代への復帰志向には強く反対するものであります。
 そして反対の第四の理由は、高福祉、高負担のスローガンのもとで大衆課税のみ強化されていることであります。
 今回の法案によりますと、個人住民税の均等割りを三倍に引き上げることになっております。これについて政府は、この均等割りが昭和二十六年以来据え置かれてきたことと地方団体の行政サービス水準がはるかに高くなっていることを理由に、物価水準の上昇に見合う三倍の引き上げに決定しております。しかし、今日の地方自治体のサービス水準の向上は、ひとえに自治体サイドの福祉向上に対する努力の結果であり、物価上昇を口実に使うのは、政府の経済政策の失敗を国民に転嫁するものにほかなりません。さらに課税最低限の引き上げはわずかに七・五%に抑え込まれており、住民税における諸控除の引き上げも見送られております。こうした国民に高負担のみ押しつけ、大衆課税だけを強化することには強く反対せざるを得ません。さらに中小企業の税負担の軽減を図るとともに、固定資産税については、収益性の低い農地や小規模住宅用地に対して課するものは現行のまま凍結すべきであると思います。
 最後に、大都市税源拡充などの懸案も見送られたばかりか、新たに自動車税、軽自動車税にも制限税率を設け、自治体の課税自主権をも制限しようという今回の改正案に強く反対するものであります。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について反対の理由を申し述べます。
 まず第一点は、この改正案と、現在策定中の第三次全国総合開発計画の基本構想との矛盾であります。
 大都市への人口、産業の過度の集中をもたらした高度経済成長が都市問題のひずみをもたらした今日、三大都市圏にこれ以上の人口を集中させないことが重要であり、また、第三次全国総合開発計画構想の基本も同じであります。しかしながら、この法案は依然として三大都市圏への人口増加を誘発する要素を持っております。これ以上の人口、産業の都市への集中、集積は、教育、公害、交通などの都市問題を一層深刻化し、さらには地域の不均衡な発展をもたらし、国土の有効利用の観点からも好ましからざる状況を拡大することになります。
 第三点は、この法案とうらはらの関係にある市街化区域内農地の宅地並み課税の問題点においてであります。
 国民の食糧確保、食糧自給率の向上、物価の安定が叫ばれる今日において、この課税の存続はきわめて遺憾であります。この農地の宅地並み課税に対して、生産緑地法を制定せざるを得なくなったことや、三大都市圏の百八十二の市のうち百十五の市において増税分の還元措置が講じられているということを見ても、この農地の宅地並み課税がいかに問題があるかが明らかであります。
 こうした観点から、今回の臨時措置法の期限切れに伴って、市街化区域内農地の宅地並み課税を廃止することこそ望まれるのであります。わが国の経済が、高度成長から安定成長へと基調の転換が迫られている今日、土地政策、農業政策の上からも、高度成長時代の発想を清算し、今後の経済動向に沿った政策の基礎を固める必要があります。その意味からも、この法案に反対の立場を申し述べまして私の討論といたします。
#15
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております政府提出、地方税法等の一部を改正する法律案に反対、社会、公明両党提出の同法案に対する修正案に棄権、日本共産党提出の修正案に賛成の意思を表明するものであります。
 まず、政府原案についてでありますが、これは、物価上昇に見合った税負担の適正化及び租税特別措置の見直しという二本の柱からつくったと政府は述べているのでありますが、その内容は、物価上昇に見合った負担適正化の名による国民大収奪であり、その一方では、租税特別措置の見直しにもかかわらず、ほとんどの特別措置の継続、温存による相変わらずの大企業擁護となっているのであります。
 具体的に、第一に、個人住民税については、均等割りを一挙に三倍も引き上げているのであります。均等割りは所得の大小にかかわりなく、全く同一の税額を課するきわめて不公平な税制であり、本来廃止するのが望ましいのであります。政府は、今回、生活保護基準以下の、すなわち一級地で約百十万円以下の世帯には課税しないとすることによってその批判をかわそうとしているのでありますが、自営商工業者と給与所得者について見ると、四十八年度の国税庁統計年報によりますと、そのうちの四九・九%が百万円から二百万円の所得者であり、これら日本の勤労者の半数にも上る低所得者の負担増は三倍するということであります。決してそのことを隠蔽できるものではないのであります。
 また、これまで毎年不十分ながら引き上げてきた人的控除は据え置きにし、課税最低限はわずかの百三十万九千円であり、生活費により一層重く課税されることは明白であります。
 それに対して、法人住民税は、均等割りを引き上げたものの、大企業でも欠損法人の場合は納税額は三万円にしかすぎず、その不当性もまた明白であります。
 第二に、不動産取得税でありますが、発電所の非課税措置を廃止する一方で、デパート等が設置をする消火設備に対する軽減措置、あるいは特定用途港湾施設の軽減措置の期限延長等、大企業に対する減免を温存しているのであります。
 第三に、固定資産税でありますが、宅地一・二七倍、木造家屋一・五倍という大変な評価額の引き上げを行っており、負担調整措置はとるものの、三年後には固定資産税額もそれだけ上がるということであります。農地についても宅地並み課税はあくまで貫こうとし、さらに、一般農地も一・七倍に引き上げようというものであり、驚くべき農業破壊と言わざるを得ません。しかし一方、大企業に対する固定資産税は、電子計算機や重油の脱硫装置、あるいは営業用倉庫初め種々の軽減措置の継続がそのまま図られているのであります。
 第四は、電気税でありますが、大企業が製造に用いている九十八品目にも及ぶ電気税の非課税措置を継続しているのであります。これは昨年の七十五国会における福田副総理の廃止するの明言に反するものであり、違約とも言うべきものであります。
 第五は、国鉄納付金の軽減措置の期限延長であります。
 本来、公社の納付金は、固定資産税の二分の一を納付することになっております。そして、電電、専売両公社はそのとおり納付しているにもかかわらず、国鉄だけ特別にさらに三分の二から六分の一の軽減率を乗ずる、すなわち固定資産税の三分の一から十二分の一に軽減しているのであります。国鉄駅前広場づくりやあるいは線路の高架化等には自治体にも膨大な費用負担をさせていること自体問題でありますが、その上、納付金まで減額されてしまう。これでは自治体はまさに国鉄に食い物にされていると言っても過言ではありません。しかも、土地、建物の評価については三年ごとの評価がえをしながら、国鉄については昭和三十年以来据え置きであり、国鉄自身の評価をそのまま認めているのであります。
 以上、概略述べましたが、近年にない国民大収奪と大企業擁護が鮮明に出たものとなっており、一層の不公平を生ぜしめるものであり、絶対に反対であります。
 次に、社会、公明両党提出の修正案でありますが、住民税の課税最低限の一定の引き上げ、法人に対する税率の引き上げ等、一定の改善を行っているのでありますが、問題は、事業所税の課税を市町村長の考えに任せる措置をとっていることであります。社・公両党修正案では、現に政府原案の人口三十万以上の市であっても、大企業と癒着をし、大企業に依存をしている市政のもとでは課税しないことも予想され、これでは大企業に対するきっぱりとした態度とは言えないのであります。したがって、わが党はこの修正案に棄権するものであります。
 次に、日本共産党提出の修正案でありますが、今日の深刻な日本経済の危機という制約の中で、地方自治の本旨に基づく地方財政を確保するとともに、住民生活擁護と若干の大企業への税負担増による不均衡の是正を図ろうとするものであり、現在における最低必要な地方税の改正措置と言うべきであります。
 すなわち、個人住民税の均等割りの据え置きと減税措置による四人家族百七十万円までへの課税最低限の引き上げ、生活用土地と家屋の固定資産税の据え置きなど、不況とインフレに苦しむ住民への配慮を示しています。
 また、食糧自給率を高め、農業の危機を打開するために、宅地並み課税はこれを廃止し、一般農地についても三十八年度のまま据え置くという措置をとったのは至当であります。
 さらに、いわゆる大企業の欠損法人がわずかな均等割り分の法人住民税しか納税しないという不公正税制こそ、今日、国民の大きな怒りとなっています。
 共産党修正案は、均等割りを廃止し、資本金割りを導入し、自治体から受けているサービスについて欠損法人も応分の税負担をすることにしたことは、会計上は黒字であっても税法上は欠損法人となる特権的減免税制のもとでは特に適切と言わねばなりません。
 さらに、電気税非課税措置を廃止することは、前述のごとく、第七十五国会予算委員会における私の質問に対する政府答弁でも不公正を認めているものであり、当然であります。
 同時に、中小企業擁護のための特例措置を設けている点も含めて、負担の公平の実現を目指す第一歩と言うべき改正であります。
 また、さきに述べました国鉄に対する特例措置は、延長せずに、少なくとも他の公社並みの扱いとすべきであり、国鉄財政の赤字問題の処理は別個の問題であります。
 以上が、日本共産党修正案に対する賛成の主たる理由であります。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行うものであります。
 この法案は、政府みずからあめ法と言っているとおり、地方税法における宅地並み課税、すなわちむちと一体となって次の目的を果たそうとするものであります。
 第一に、近郊農業の破壊であります。近郊農業は、広く認められているとおり、都市への低廉で安定した新鮮な野菜、果樹などの供給地であり、重要で貴重なものであります。ところが本法案は、それらの農地を宅地化させていくというものであり、都市住民から見ても深刻な結果を招くことは言うまでもありません。
 第二に、この法の適用を受ける不動産取得税等の軽減措置の適用対象が中層耐火建築物であるということから言って、直接農民がこの恩恵を受けることは少なく、逆に民間不動産業者に活動の場を与え、結局は高価な分譲住宅となり、最も住宅に困窮している低所得者は何も恩恵を受けないのであります。
 第三に、これによって、大都市近郊では一層無秩序な都市化と人口増加が進み、そこにおける都市施設の整備を初め、種々の財政需要が自治体に求められるにもかかわらず、このための措置は何もなく、自治体財政の一層困窮の度をひどくさせるものであります。
 以上の理由により反対するものであります。
 以上で討論を終わります。
#16
○委員長(上田稔君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(上田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#18
○委員長(上田稔君) それでは、これより、まず地方税法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。神谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(上田稔君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。
 次に、秋山君提出の修正案を問題に供します。秋山君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#20
○委員長(上田稔君) 少数と認めます。よって、秋山君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(上田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#22
○委員長(上田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト