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1975/05/13 第77回国会 参議院 参議院会議録情報 第077回国会 地方行政委員会 第7号
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1975/05/13 第77回国会 参議院

参議院会議録情報 第077回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第077回国会 地方行政委員会 第7号
昭和五十一年五月十三日(木曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     佐多 宗二君     原 文兵衛君
     石破 二朗君     夏目 忠雄君
     鍋島 直紹君     高橋 邦雄君
     山崎  昇君     大塚  喬君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  稔君
    理 事
                岩男 頴一君
                金井 元彦君
                小山 一平君
                神谷信之助君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                上條 勝久君
                黒住 忠行君
                佐多 宗二君
                高橋 邦雄君
                夏目 忠雄君
                原 文兵衛君
                安田 隆明君
                赤桐  操君
                大塚  喬君
                野口 忠夫君
                山崎  昇君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                多田 省吾君
                市川 房枝君
   国務大臣
       内閣総理大臣   三木 武夫君
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
       厚 生 大 臣  田中 正巳君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    福田  一君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       茂串  俊君
       大蔵政務次官   細川 護熙君
       大蔵大臣官房審
       議官       戸田 嘉徳君
       大蔵省理財局次
       長        原   徹君
       社会保険庁長官
       官房参事官    河野 義男君
       自治大臣官房審
       議官       柳沢 長治君
       自治大臣官房審
       議官       石見 隆三君
       自治大臣官房審
       議官       横手  正君
       自治省行政局長  林  忠雄君
       自治省行政局選
       挙部長      土屋 佳照君
       自治省財政局長  首藤  堯君
       自治省税務局長  森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       国土庁大都市圏
       整備局計画課長  高橋  進君
       大蔵省理財局国
       有財産総括課長  山田 幹人君
       農林省構造改善
       局農政部農政課
       長        田中 宏尚君
       通商産業省産業
       政策局企業行動
       課長       末木凰太郎君
       労働省職業訓練
       局管理課長    中野 光秋君
       自治省財政局財
       政課長      石原 信雄君
       自治省財政局地
       方債課長     花岡 圭三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方財政法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上田稔君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、石破二朗君が委員を辞任され、その補欠として夏目忠雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上田稔君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案を一括議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山崎昇君 きょう、わずか一時間しか時間もらっておりませんから、そう多くのことをお聞きするわけにいきませんが、二、三この機会に自治大臣の見解を聞いておきたいと思います。
 まず最初に、きのうの経済審議会で昭和五十年代前期の経済計画が発表になりました。この内容は先般来政府がもうすでに方向として確認をされておるものですから、そう違いはないのだと私は思います。
 そこで、大臣の提案説明の中にも国の経済政策と地方財政のかかわり合いについて触れておられますから、この点からまず一、二点お聞きをしておきたいと思います。
 自治省でつくられましたこの中期地方財政展望、これは一体どういう性格のもとで、これのつくられた基礎といいますか、その内容はパンフレットでぼくら見る限りどうもはっきりいたしませんので、この性格からまずお聞きをしておきたいと思います。
#5
○政府委員(首藤堯君) お目にとどめております中期財政展望でございますが、これは国が一定の前提のもとにおきまして、五十四年までの中期財政展望を行っておりますが、それと全く与件を同じにいたしました仮定の上に立ちまして、つまり言葉をかえて申し上げますと、現状のままの経済中期計画、これに基づき、かつ国が想定をいたしておりますような、たとえば税負担等の五十四年までの三%アップ、こういったようなものを前提にいたしました。現状のままの前提で、仮に五十四年度までの地方財政の収支を推計をすればどうなるか、こういう数字を出したものでございまして、全く前提論が現状のままでございますので、政策論的な意味は含んでいるものではございません。
#6
○山崎昇君 そうすると、全く単なる試算であって、五十二年度以降、たとえば地方財政を計画するとか、あるいは地方の予算編成等の指針になるものではないのだ、言うならば、五十二年度以降の地方財政計画とは一体どういう関係をこの中期展望というのは持ってくるのか、聞いておきたいと思います。
#7
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、五十二年度の財政計画そのものを意味するということでももちろんございません。ただ、いま申し上げましたように、現状の前提の場合に収支の試算がどうなるだろうかということを試算をいたしました、いわば五十二年度以降の政策を立てます場合のたたき台と申しますか、前提と申しますか、それがこういう状況になるということを示したのにすぎないのでございまして、こういった状況であるから、これに対してどういう施策を立てていくか、こういう問題は今後検討さるべき問題だと心得ておるわけであります。
#8
○山崎昇君 そうすると、巷間新聞報道等、あるいは私どもが地方へ参りますと、すでに地方自治団体等では、この中期展望があたかももうこれから五年間の大体地方行財政を、何というか拘束するといいますか、そこまでいかないにしても、ほとんどこれがもう中心みたいな意見にとられておりますが、そうではありませんね。単なる試算であって、今後の五年間をある程度縛るといいますか、拘束するといいますか、そういうものではないのだ、こういうことに理解をしておきませんというと、かなり自治体では混乱しているのじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
#9
○政府委員(首藤堯君) 全く御指摘のとおりでございまして、この中期展望が五十四年までの地方財政計画を束縛をするということは毛頭考えておりません。五十四年度までの新たな政策を立てる前提といたしまして、現状のままの条件で推移をすればどういうかっこうになるかというたたき台をつくってある、これだけのことでございます。
#10
○山崎昇君 そこで、自治大臣にお聞きしますが、けさ発表になりました国の前期経済計画、こういう言葉を使っておりますが、中身は私は五ヵ年計画だと思う。昭和五十一年から五十五年までの五ヵ年計画だと思うのです。これはとても二十分や三十分でこの中身を議論するような、なまやさしいものでは私はないと思いますが、一、二点お聞きをしたいのは、今日まで、新聞でも解説されておりますが、経済計画というのは七本ありました。いずれも十カ年計画、五ヵ年計画、私の手元にその内容はありますけれども、これがいずれも一年ないし二年、特に佐藤内閣のときにできました中期計画なんぞのごときは、できたとたんに三カ月ぐらいで消滅をしておる。こういう実態からいきますと、私は今度のこの五ヵ年計画もどうも余り信用できないと言ったら大変専門家の皆さんに恐縮に思いますけれども、どうもこれによって日本の経済があのとおり行くのか、どう変化するのかというのは見定めがつかないんじゃないだろうかという気がします。そういう意味で、閣僚の一人である自治大臣に、この経済五ヵ年計画というものをどういうふうにあなた方考えておるのか、聞いておきたいと思います。
#11
○国務大臣(福田一君) どうもこれは大蔵大臣あるいは経済企画庁長官からお答えするべき筋合いのものだと思うのでありまして、私がお答えするのはいささか無理があると思いますけれども、いま御指摘になったことは、いずれにしても三カ年計画、五ヵ年計画、十カ年計画というようなものを立てたけれども、それはいつも相違してきておる、そういうような相違してきておるものを発表して、これによって行財政の措置を考えてみても、いつもそれがかえって誤解を起こす可能性もあるのではないか、今度の場合もまたそのようなことになりはしないかという御指摘だと思うのでありますが、まあそれは確かに今日のように世界的に経済の変動というものが激しいとき、特に石油ショック以来のこの経済情勢の推移等を見ますと、非常にこれは変動が激しい。どうやらそれをいまおさめて、そうしてしかしそれがかえってある種の不景気といいますか、非常に企業が停滞したために、いろいろの意味において、税制面においてもあるいは雇用の面においてもあるいは金融の面においても、いろいろの問題がまた起きてきました。
 そこで、五十年は、御案内のように物価の問題というのを中心にして、余り物価が上がらないようにするということがまず一つの前提条件になって政治をやってまいったつもりでございますが、しかしそれはまた一面において非常な、ある意味における不景気あるいは失業者の増大ということになり、そこでまた途中から数回にわたって景気浮揚策をとりまして、まあまあ今日に至っておるわけでございます。
 で、物価の問題は一応どうにか達成いたしましたけれども、景気浮揚は思うほどにいっておらぬではないかという御批判も受けておるのでありますが、しかしまたこの景気浮揚というものが下手にやられますというと、今度は物価高にこれが連なっていくという可能性がある。言うなれば、私は今日ほど経済のかじ取り、特にこの数年間の経済のかじ取りのむずかしい時代はないと思うのであります。
 でありますから、何年にはこうであったから今度はそれをお手本にしてこうすべきだというような議論はもう成り立たないので、いつでも世界の動きを見ながら、まあ半年ごとにでも、実際を言うと見込みを立てながらかじを取っていかなければならないというように、コンピューターか何かで船を動かすような時代ではなくて、いっでも波がかぶってきたら右へよけるとか、あるいは浅瀬がありそうだという場合は左へよけるとかというように、物を切りかえて、政策を切りかえて実行をしていかないというと、非常な苦しい状態に日本の経済が陥り、また国民生活が非常に不安な事態に陥る時代であると私は理解をいたしておりますので、御指摘のように、今度の計画をつくったが、これがもう完全に正しい計画と思えるかということになりますというと、現在の段階においてはわれわれとしてはこの考え方が正しいと思っておるわけでありますというお答えをいたすより以外に、将来にわたって保証をせいということでございますれば、だれがいま経済を、あるいは財政経済を運営していきます場合においても、長い期間にわたってこれは間違いございませんというような答弁はできないのではないかと私は実は考えておるわけでございます。まあしかしこれは、私は担当大臣ではございませんので、私の気持ちを申し上げたと御理解を願いたいと思います。
#12
○山崎昇君 いまあなたにこの経済計画を聞いているのは、これが狂ってくるというと、一応試算でありましても、あなたの方で出しました中期地方財政展望というものはまるっきり違ってくる。また、これによって日本の経済の方向が、どっちへ行くかによってこれまた重大な、左右がされてくる。だから、あなたの所管ではないことは承知いたしておりますけれども、この経済計画というものについてしかとした態度を私ども聞いておきませんと、地方財政計画をこれから論ずるに論ぜられないんです、正直なこと言いますと。そういう意味でいまあなたに聞いたら、全くあやふやなんですな、あなたの答弁というのは。もちろん担当者でないからそれはきちんとしたことは言えないかもしれませんが、少なくとも私は、閣僚の一員であなた賛成するなら、もう少しきちんとしたこれに対する考え方を持っていなければ、これからそれと双壁になる地方財政を論ずることできないんじゃないでしょうか。そういう意味で、私はこの経済政策を保証せよなんてことをあなたに言っているのじゃない。しかし、これを見ても、ざっときょうの新聞全部見ましても、かなりやっぱり批判がある。現実にもう物価はぶつかりつつあるということは報道されている。雇用は、何かよくなっているようなことは報道されておりますが、失業はほとんど減っておりません。ただ、時間外が少し延びたとか、パートタイムが少し採用されたとかということはあるけれども、常用雇用というものはほとんどふえてない。あるいは、企業の倒産もそう減ってない。言うならば輸出だけがちょっとよくなった程度の話であって、そういう意味で、私はもう一回あなたに聞いておきたいんですが、この新経済計画というものをどういうふうにあなたは踏まえてこれからの地方財政をやっていこうとするのか、もう一遍あなたの決意のほどを聞いて次の質問に移っていきたい。
#13
○国務大臣(福田一君) 私は、ただいまの状況下においては、いまお示しをいただいておるような案が正しいというのが、政府の態度である、こう申し上げたいと思うのでございます。
#14
○山崎昇君 それはまあここが本筋でありませんからそう長くやりませんが、いずれにしても地方財政計画に重大な影響を及ぼす根本的な計画でありますから、もう少し自治省でも検討願っておきたいと思っていずれまた別な機会にやりたいと思います。
 そこで、きのう和田委員から地方交付税について理念的なもの、あるいは性格的なもの、いろいろ論じられたようでありまして、なるべくダブらぬように私も質問したいと思うんですが、ダブッたら御了承願っておきたいと思うんです。
 そこで、きのうの参考人からもいろいろ出ましたように、いま、国と自治体をめぐる問題点でほとんど未解決の問題が山ほどあります。きのうの参考人の意見でも、その前提として一番大きいのが、地方と国の行政事務の再配分、あるいは税制の再配分といいますか、そういうものについて、それが前提でいろいろ意見が述べられておりました。そこで自治省は、この国と地方に横たわりますこれら一連の重要課題というものを、どういうふうにこれから具体的に解決していこうというのか、まずその点から聞いていきたいと思います。
#15
○政府委員(林忠雄君) 実は、この事務の再配分の問題については、先生御指摘のとおりもう大変長い問題でございます。地方制度調査会あるいは臨時行政調査会あたりからすでに相当の御慎重な御審議を経て御答申をいただいておりますけれども、この実現率は必ずしもよくない。よくないと申しますか、非常にわずかな部分が実現したにすぎないという点では、われわれの努力と申しますか、なおその足りない点、おわびをいたしたいと思います。ただ、事務の再配分という問題は、大変そのどれ一つをとってみてもむずかしい問題でございまして、なかなか政府内に合意が得られない。さらには、それを強力に推進していく体制が現在なお十分でないという点がございまして、これはあるいは弁解のことになるかもしれませんけれども、現在まで進捗度が芳しくないことは御指摘のとおりでございます。自治省といたしましては、これらの御答申の内容を、極力早くと申しますか、実施できるものから実現していくよう、今後も努力を重ねてまいりたいと思いますし、さらにいままでの経済情勢と違いまして、今後の地方財政のものを考えますときに、本当に限られた財源を効率的に使うという意味で、従来以上に一層にこの事務の再配分ということの検討が進められ、実施が進められることが必要となってくると申しますか、その必要性が非常に高まってまいると思いますので、御指示をいただきながら一つ一つ解決していく。そのための努力を、今後、従来に一層倍加して進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#16
○山崎昇君 全くあなたの弁解なだけでありまして、これはもう全国知事会の中間報告あるいは地方制度調査会の意見、ずいぶん今日までありますわね。いまあなたの答弁にありますように、ほとんど進んでいない。したがって、国と地方に横たわるこういう根本的な問題が全部どこかへいってしまって、ただ技術的に多少やりくりするような財政論だけやっても、ほとんどこの自治体問題というのは解決しないんじゃないだろうか。そういう意味では自治大臣、一体あなたはどういうプログラムで、どういう決意で、いま自治体と国に横たわる問題をやっていこうとするのか。いま、私は幾つか中身の問題としてはあろうかと思いますが、特にその根本である事務の再配分あるいは国と地方の負担区分の問題一つとってみましても、あるいは税制の問題一つとってみましても、全くと言っていいぐらい進んでいない。これは自治大臣、どういう具体的な日程であなたはこの問題を解決しようとするのか、改めてひとつここで表明してもらいたい。これは大臣からひとつ答えてください。
#17
○国務大臣(福田一君) ただいま行政局長からお答えをいたしたところでありますが、確かにいままでにいろいろの答申を受けておりますけれども、これが十分に実現しておらない。なぜ実現しておらないかということになりますと、政府部内の意見の調整がうまくいっておらないということであって、その意味では、私はこの十分にいかないということについては、ある程度政府としての責任があると思います。しかし、それを実際にやろうとした場合においても、やはり各省間において、いままでの経緯とかあるいは行政の人員の配置とか、そういうような面でいろいろな議論が出てまいりまして、なかなか一度決まった組織というものを変えていくというのは非常にむずかしい。
 それから税制の面におきましては、御指摘のあったような面で、いわゆる企業を優遇するのはけしからぬとか、あるいはまあ例でございますけれども、非課税措置をどう処理していくか、いろんなことはございますけれども、これはわれわれとしてわりあいにまだやりよい面がある。まだ今後も大いに努力をすれば実現できると思いますが、行政組織の問題というのはなかなか言うべくして行い得ない点があるのであります。こういう点についておしかりを受け、御批判を受ければ、これはわれわれとしては甘受しなければならない、こう思っておりますが、まあ税制の面その他、こういうような点については順次ひとつ是正をする。今回の予算においてもある程度のことはやったつもりでおりますけれども、不十分であるとおっしゃれば、今後もひとつ大いに努力をしてやってまいりたいと、こう考えております。
#18
○山崎昇君 私は地方行政委員会であなたに意見聞くのは初めてでありますが、これは旧態依然たるものですね。局長が答弁しているように、全くと言っていいぐらい進んでいない。機関委任事務一つ見ましても、あなたの方は廃止すべきものあるいは地方団体に移譲すべきもの、委託方式に切りかえるべきものその他とか、いろいろ言うけれども、これも一つも進んでいない。あるいは国と地方の負担区分の問題にいたしましても、地方財政法十一条で言っている国の負担金の算定基準、負担割合は法律または政令で定めるとこうなる、その法律さえまだ何にもできていない。政令は何か一部改定したようでありますけれども、これも余り明確ではない。言うなれば、自分たちで基本法をつくっておいてそれに関連をする法律案というのはほとんどできてこない。そういうことをいつまでたってもこんなところでぐだぐだ言いわけだけしておって、国と地方の関係が進むわけがないと思うんです、私は。これは自治省の姿勢としては、もう少しみずから厳しさをもってこれらの問題解決をしませんと、ただ地方自治体に対して、いずれまた私はやらなきゃなりませんが、行政指導とか助言という名前で、介入だけは、締めつける方だけはやっていくけれども、根本的な問題はほとんど解決していない。これは私はきわめて遺憾だと思いますから、この点はひとつ精力的にやってもらいたいと思うのです。きょうは一々細かな内容は時間がありませんから申し上げませんが、いま自治体に横たわっておりますこれら一連の根本的な課題については、少なくともあなた方はこの中期計画を財政面で言っているんですから、それに歩調を合わせて行政面その他もひとつ解決していただきますように、年次計画的なものを出してもらいたいと思うんですが、どうですか、出せませんか。
#19
○政府委員(林忠雄君) 重ねて弁解のようなことになり、まことに申しわけございませんけれども、逐次やっていきたいという意気込みで取り組んでまいりましても、いま大臣の説明にもございましたように、なかなか一致した意見というのがまとまらない。実はそういう各方面の意見がいろいろある中を、蛮勇をふるってと申しますか、ぴたりぴたりと決めていくという機構と申しますか、組織と申しますか、そういうことが実はないと、仮に年次計画をつくっても、これは単なる希望的なむだなものになってしまう。実は昨年の地方制度調査会の答申の中にも、そういうふうにいろいろな意見を調整して書き分けながら決めるような機構をつくれというような趣旨の御示唆もございました。ぜひこういうものをひとつつくっていただきまして、強力に進めていくということがやはり物事の先決ではないかと思っております。年次計画、私の方が一方的につくりましても、恐らくまたその年次計画どおりいかないという結果に終わるようであれば、それよりもその前提たるものを整備する方が先ではないかと考えております。
#20
○小山一平君 関連でちょっと大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、いまはしなくも大臣の言葉の中にも出ましたが、やろうと思っても役所間の調整がなかなかつかない、こういう言葉がございました。私はやっぱり日本の官僚機構というものが、明治以来百年にわたって築かれてきまして、これは常に中央集権化の方向を指向するものです、本質的に官僚というものは。そしてまた気持ち、感情的にも、やっぱり地方に対しまして優越性というか、そういうような思想が累々とございます。そこで行財政の合理化とか、あるいは権限の再配分、こういうことは、しょせん地方分権を目指す姿勢が基本に立たない限り私はできるはずないと思うのです。それを官僚にいろいろ事務の再配分とかそういうことを検討させても、これは幾らやったってできるはずがない。そこに一番私は根源があるように思うんですよ。そこでやっぱり政党が、自民党が、そういう中央集権化でなくて、きのうの参考人の意見にもございましたけれども、今後は地方分権型を指向すべきであるという意見もございました。私もそう思っておるのですけれども、やはり党がそういう方針をきちっと決めて、そうして官僚にその方向を命令をするという姿勢ができなければ、君たちどうだなんて、そんなことをやっていたのじゃ、十年たったって、二十年たったって進まないということは、今日までのいろいろな経過の中でこれもうはっきりしていると思うのです。ひとつ蛮勇をふるって自治大臣あたりが――そういう役目をやるにはうってつけの大臣だと思いますが、ひとつやる気はないのか。なぜこれが進まないのかというと、これは原因の根源はそこにあると私が考えているのは間違いなのか、大臣はどう考えているのか、この点をひとつお聞かせを願いたい。
#21
○国務大臣(福田一君) ただいまの小山さんのお考えには全面的に賀成をいたしております。したがいまして、党として一つの方針を打ち出して、官僚が何と言ってもこれを実現していく、こういうかたい決意でやらなければ、これは行政改革なんていうのはできるものじゃないわけで、ところがまあいま実際問題見てみますと、各委員会に所属をしておる人たちが、どちらかというとやっぱり役所の意見を代表するような傾向がございまして、私は非常に遺憾だと思っておるのでありますが、政党政治になっちゃいないと私は思うので、いま小山さんの言われるような立場で問題の処理に当たるということでなければ、私は政党政治というものは実現しない、また百年の弊害もこれを是正することは困難である、これはよくわかるのです。わかるのですが、まことに微力でございまして、御期待に沿えないことは申しわけないと思いますが、しかし御趣旨を体して、今後もひとつ党内においては努力をさしていただきたい、こういう気持ちを持っておりますので、野党でございましても、ひとつその意味では御協力を願いたいと思うわけでございます。
#22
○山崎昇君 全く小山委員の質問に同感だというのですから、それ以上私の方も言いようがない。ただ、これは少し大臣に酷な発言になるかもしれませんが、草柳大蔵さんの一つの著書に、「自治省の七不思議」というのがある。自治省の七不思議、それは何か、全部は言いません。自治省というのは、一番少ない人間で最大の予算を扱っている。出先機関が一つもないのに全国を支配している。そして一番最後に、これはあなたに少し酷な発言かもしれませんが、大臣は弱いのに役所は強いという。そこでいま小山委員の発言に関連をしまして、あなたは同感でやりたいと言うのだけれども、官僚機構ががっちりしておって、大臣は弱いが役所が強いというのですから、あなたのそのいまの同感だということが本当にできるのかどうか、もう一遍あなた一つ声を大きくして言ってもらいたい。
#23
○国務大臣(福田一君) 御指摘の行政改革というような大きな問題を処理するという面においては、先ほど小山さんにお答えをしたように、いまの政党の姿勢というものは、わが党の姿勢必ずしも正しいというか、それだけの勇気をもってやっているかどうかということになると疑問があると思いますが、いま七不思議の一つで私が官僚に振り回されているようなことをおっしゃいましたけれども、その点たけは自分では――それは事実かもしれませんが、私は自分ではそんなつもりは一つもございません。
#24
○山崎昇君 それだけ聞いて安心をしておきます。振り回されないようにひとつやってもらいたい。
 そこで基本論争はとても時間的に間に合うものでありませんから、いずれやらなければなりませんが、先ほど来の答弁で私はきわめて不満です。
 ほとんど根本問題に手をつけずに周りのことばっかりやっているという態度に私は本当に不満です。そういう意味では少し根性を入れかえて、いまあなたの言明もありましたから、この国と地自治体に横たわる根本問題については本当に取り組んでもらいたい。そうして早急にこれは解決してもらいたい、そうしませんと、幾ら一、二の財政で議論をしてみましても、ただそのときだけこれは対症療法で治るだけであって、これは根本的な解決にならない、そういう点をつけ加えてこの問題を打ち切っておきたいと思うんです。
 そこで、少し細かくなってきますが、きのうも和田委員から地方交付税の性格をめぐっていろいろ議論があったようであります。そこで、これもまた今日までいろんな角度から議論されていると思いますが、もう一遍聞いておきます。
 今度、基準財政需要額をへずって、一兆二千五百億円というのが起債に回りました。これが四千五百億円と八千億円と二つの中身からなっているんですが、そのうち四千五百億円をまた二千億円と二千五百億円に分けて、そして二千億円についてはこれは政府資金でやる、二千五百はそうでないんだと。どうしてこういう細かに割ってきて扱い方が違ってくるのか、その辺からひとつ聞いておきたいと思う。
#25
○政府委員(首藤堯君) 先生御案内のように、五十一年度は非常に厳しい財源状況になりまして、適正な歳出を見込みまして収支計算をいたしましたところ、二兆六千二百億という膨大な歳入不足が出たわけでありまして、何とかしてこれを埋めるということをわれわれ第一義と心得て、これの完全補てんに努力をしたわけであります。その際のやり方といたしましては、いろいろ方法論があろうかと思いますが、一つは交付税特別会計で借り入れをやって交付税として配るというやり方をとりますとともに、一方では地方債を増発をして、応急措置ではございますが、財源不足に充てるという措置をとったわけでございます。
 その地方債のうち、まず考えられますことは、公共事業や高校新増設等の地方債につきましては、いままで非常に低い充当率で起債を許可をいたしておりましたものを、臨時的ではありますが、非常に高い充当率に振りかえることによってこれをしのぐということが可能でありますので、その措置を考えました結果、八千億という地方債振りかえを考慮をいたしたわけであります。もちろんこの八千億の地方債振りかえにつきましては、その償還費については将来財政計画全般を通じても、あるいは個別の団体に対しても、その償還費の財源措置は考慮をするという前提に立っての、でございます。
 さらに一方、交付税特別会計の借り入れをいろいろ措置をしたのでございますが、これは御案内のように、政府資金をもって措り入れをするよりほかに手がございませんので、額を詰めました結果、一兆三千七百億という、政府資金の状況もございまして、そういう借り入れが確保されたわけであります。
 残りが四千五百億と相なったわけでありますが、これは本来で申しますならば、でき得る限り交付税特別会計の借り入れをもって行うのが妥当であったかもしれないと思っておるのでありますが、政府資金の都合等もありまして、これを地方交付税において包括的に算入をされておる投資的経費を起債に振りかえる、こういう措置をとることにいたしたわけであります。ただ、これは包括算入の振りかえでございますので、従前の交付税と全く同じように、ひもつき財源でない実質上の使い方を確保させる必要がある、こういう配慮をしたわけでございまして、この点、同時に題案をいたしております地方財政法の特例改正によりまして、いわゆる地方財政法五条の規定によらないで発行することができる地方債、つまり建設事業の受けざらがなくとも発行できるという措置をとったわけでございます。
 そこで、この四千五百億は、いま申し上げましたようなことでおわかりいただけますように、本来交付税特別会計の借入金と同様な機能を持つかっこうにしたいという念願でございますから、この分については起債の扱いも、交付税特別会計における借入金と同等の効果を持たすようにしたい、つまりそれは交付税特別会計におきましては、その利子は国が負担をし、元金は十年年賦をもって償還をするという扱いになっておりますから、少なくともそこまでの措置はとりたい、こういうことでまず四千五百億全部について利子補給をするということが確定をいたしたわけでございます。
 ただ、それだけではまだ物足りませんので、少なくともその四千五百億のうちの一部は、臨特と同じような性格が持たせられないかということを強く大蔵省にも迫ったわけでありまして、その結果、二千億は元利を臨特で補給をするということになりましたから、臨時特例交付金のまあ年賦割りとでも申しますか、全く同じ性格を持つものということに食いとめたわけでございます。そのようないきさつをたどりまして四千五百億が特別会計における借入金的性格のものと臨特的性格のものに分けられるようになったと、こういうことでございます。
#26
○山崎昇君 しかし、いずれにしてもこれは従来のやり方から逸脱していることはもう間違いがない。そして、いまあなたから、八千億円については、これは将来の地方財政を考えて、地方に負担させません、言うならば国の責任で処理をしていくんだという意味の決意があったと思う。四千五百億円についても私はそのように理解をしておきたいと思う。言うならば、一時は振りかえたけれども、一兆二千五百億円については地方には迷惑かけませんよ、そういう決意でございますよと私は理解をしておくが、いいですか。
#27
○政府委員(首藤堯君) 御説のとおりでございまして、四千五百億につきましても、これの償還分は、全体の財源を確保する場合には地方財政計画を通じて措置をいたしますし、個別の団体にはこの償還分を基準財政需要額に算入をしていくという措置を通じまして、地方団体には迷惑をかけない措置をとる決意でございます。
#28
○山崎昇君 重ねてお聞きしますが、四千五百億円の性格はいまあなたから聞きました。しかし、八千億円の扱いについて少し四千五百億円と違うこともいま聞きました。そこで私は、八千億円のうち、従来のやり方でいけばこれの事業費補正の振りかえ分としては二千八百億くらいになるであろう、したがって、八千億円からこの二千八百億円を引いた残りというのは五千百四十二億くらいになりますが、これは四千五百億円と同様な扱いを私はすべきじゃないかと思うのだが、別な扱いをしているのはどういう意味ですか。
#29
○政府委員(首藤堯君) 交付税における投資的経費の扱い方でございますが、これはいままでも歴史的にもいろいろ変遷があったわけでございまして、つまり、地方債をどのように利用し活用していくかということによって、程度の差でございますが、考え方が違ってこようと思います。一時は非常に高率の地方債を充当いたしまして、その残りの地方負担分を交付税の投資的経費の単位費用に算入をしていくという方法をとったこともございますし、最近は非常に地方債の充当率を下げまして、投資的経費の多くを交付税に算入をしていくという方法をとったこともあるわけでございます。まあそういうことでございますので、投資的経費の単位費用を策定し、地方債と交付税とを組み合わせて地方負担を保障いたします場合に、その程度をどの程度に持っていくかということについては、これはいろいろ御議論はあるかと思いますが、方法論としては両方の考え方があると思います。ただし、今回は非常に大きな財源不足でございましたので、思い切ってこれを地方債の方に寄せざるを得なかった――これはまあ寄せざるを得なかったわけでありますが、寄せることにいたした結果、一般的に交付税の方の投資的経費を削減をいたしたのでありますが、そのような措置をとりましたことによりましてこの八千億の元利償還分、これが地方財政の負担に将来ずっとつながるということになっては困りますので、この分はその償還費を基準財政需要額に算入をしていく、こういう措置をとっていけばよろしいのではないか、したがって、そのような措置をとるつもりで措置をいたしたわけでございます。
#30
○山崎昇君 それからもう一点聞いておきますが、いま申し上げましたように、八千億のうち従来のやり方で言う事業費補正振りかえが約二千八百億くらいになると思いますが、そうすると、その残りは単位費用を削ったというふうに私ども理解されるんですが、それでよろしゅうございますか。
#31
○政府委員(首藤堯君) 大体におきましてそのとおりでございます。
#32
○山崎昇君 時間がなくなってきましたから、次に移りますが、今度の地方財政計画の算定の中にかなり規模別是正ということで職員数が入っております。そこでお聞きをしておきたいんですが、五十一年度で七万五千人という規模別是正をやっておりますが、この七万五千人というのはどういう算定根拠でやられたのか、聞いておきたい。
#33
○説明員(石原信雄君) 規模是正七万五千人の考え方でございますが、昭和五十年四月一日現在の給与実態調査の結果に基づく職員数のうち、普通会計系統の者、すなわち地方財政計画の算定対象となる人員でございますが、それが二百五十五万七千七百八十人でございます。これに対しまして昭和四十八年四月一日現在の給与実態調査の人員、これが二百三十八万二千四百五十五人でございます。五十年度の地方財政計画におきましては、四十八年四月一日現在の給与実態調査の結果に基づく職員数を基礎として規模是正を行っております。したがいまして五十一年度の財政計画の積算に当たりましては、この四十八年四月一日以後における増加人員と地方財政計画上カウントした増加人員との乖離を是正するという考え方に立ちまして、五十年四月一日と四十八年四月一日の間の職員数の増加数、実態調査の結果による職員数の増加数が十七万五千三百二十五人であります。これに対しまして、地方財政計画上規模是正対象外、すなわち義務教育職員でありますとか警察官とか、これらにつきましては標準法の定数あるいは政令定数で計算いたしておりますので、積算方法が違います。こういったやり方の違う系統の職員数八万八千三百三十一人、これは除外いたしまして、それからさらに地方財政計画上、四十九年度及び五十年度の地方財政計画において現実に増員としてカウントした数字が一万一千九百九十四人ございます。この対象外と、それから財政計画上増員をしたものを差し引いた残りが七万五千人、すなわち五十年四月一日現在の給与実態調査の人員と四十八年四月一日現在の給与実態調査の人員の差、この間の実際の増加人員から地方財政計画上カウントした増加人員並びにそもそも計算方法が違う義務教育職員とか警察関係、あるいは保育所の保母さんのような、いわゆる単金職員、こういったものは積算方法が違いますから、こういったものの分を外しまして残りが七万五千人と、これを今回規模是正いたしたわけでございます。
#34
○山崎昇君 そうすると、いまあなたから説明がありましたが、七万五千人の内容は一応そういうことであったんだなという程度に理解をしておきます。しかしいずれにしても、これから言うと、あなた方が認めたように、この間あなた方が規模是正やっておりませんでしたから、自治体は全部これ持ち出しですね、言うならば。自治体はその人件費全部自分で自賄いでやってなければならなかった。国はめんどう見てなかった、こういうことになりますね。そうでしょう。いま五十一年度予算で初めて七万五千。五十年度で十三万八千百八十人、四十九年度で二万四千人とあなた方ずっとふやしてきた。これだけで約二十万人近いものになる。言うならば、自治体では現実にその職員がおるのにあなた方は認めなかった。地方財政計画上でもなかった。しかし人は雇って仕事はさしておるから人件費は払わなきゃならぬ。その間の人件費は全部これ自治体の負担になっている。そういうものについてあなた方は何もめんどう見なかったですね。そういうことになりますね、どうですか。
#35
○説明員(石原信雄君) 従来も地方財政計画上の職員数の計算方法につきましてはいろいろ御議論があったわけでありますが、従来は五年置きに行われます給与実態調査の結果によって地方財政計画の人員と現実の乖離を見直しをするというやり方で、言うなればこの見直しは五年置きに行われたわけです。これまではその五年間の地方財政計画上の増加人員と現実の増加人員との差は比較的少なかったということで、五年置きで余り問題なかったと考えておったわけですが、最近は増加人員が非常に大きくなったということで、四十九年度、五十年度、五十一年度と、毎年度見直しを行っておるわけでございます。
 それから確かに、見直しが行われて是正されるまでの間は地方財政計画上財源措置がないという意味で、自治体が独自に賄っておったことは事実でございます。ただ、一方において、地方財政計画上の税収入の計算その他におきましても、これまではかなりの乖離がございました。地方財政計画で見込んだよりも数千億円の税収入の増がありました。結果的には、このような税収入の計画オーバー分をそれから人員の計画オーバー分というものがある程度見合って現実の財政運営が行われてきたというふうに私ども理解しております。ただ、これからは地方財政計画を上回る税収入が従来のように多くは期待できないであろう、こういう考え方から、私どもとしましては、この実態と計画上の乖離とはでき得れば毎年度見直しをしていきたい、このように考えている次第でございます。
#36
○山崎昇君 もう一つ、人員について聞いておきますが、五十一年度の計画で、清掃施設関係職員千百八十八人の増員を見込んでいますが、この根拠を聞きたい。
#37
○説明員(石原信雄君) 清掃職員の増加人員につきましては、前年度からの清掃施設の継続工事分で、その年度までに、五十一年度の場合でありますと五十年度中に完了する施設を調査いたしまして、それからごみの処理量の増加、こういったものも勘案して、一カ所当たり施設に従事する職員の必要数を計算して積算したものでございます。
#38
○山崎昇君 これはまだ議論のあるところだと私は思いますがね。ただその千百八十八人を積算をした、だから基礎を教えてもらいたい。たとえばあなたのいま説明によって、一体五十一年度でごみ処理施設というものは何カ所ぐらいが稼働することになって、そして一カ所でどれくらいの人員を見てどうしているのか。そういう意味でその積算の根拠を聞きたいのです。
#39
○説明員(石原信雄君) 千百八十八人の積算の根拠といたしましては、ごみ処理施設について五十年度中に完成し五十一年度から稼働すると見込まれるものが百三十二カ所、それから屎尿処理施設について六十六カ所を見込んでおります。これに対して、新たにこの施設の稼働に伴って増加する人員が六人という積算をしております。この六人というのは、施設の規模の大小によりまして、これよりもかなり多いところもありますし少ないところもある、それからまた既存の職員の振りかえその他で対処するものもあるということを勘案して、ネットの増加人員としては一施設当たり六人と、このように積算をいたしております。
#40
○山崎昇君 これはあなた、六人というのは、私の調査した限りでは昭和三十九年度の基準じゃないですか。当時は一日のごみ処理が四十二トン。厨芥処理関係人が三十八人という基準でやっておる。しかし、私はいままで社労におりましたから厚生省を呼んでいろいろ聞いてみますというと、いまは一日のごみ処理が百二十七トン、そして厨芥処理関係員が七十一人いなきゃできないという。三十九年度の基準でいまごろあなた、十何年もたってからその基準で人間を算定するなんていうのはもうもってのほかじゃないですか。これであなたごみ処理を完全にやりなさいなんということにはならない。だから、机上の空論であなた方はやりくりはしているかもしれないけれども、実際に合わないのはそこから出てくるんだ。なぜそういう関係者の意見をもっと聞いて、現在のごみの実態から割り出してこの陣容というものを決めないのか。三十九年のこれ基準じゃないですか。大臣、これ直す必要が私はあると思いますがどうですか。
#41
○国務大臣(福田一君) よく実態を調査して措置をとりたいと考えます。
#42
○山崎昇君 大臣、直しますね、これ。あなたは実態を調査すると言うのだから、直しますね。
#43
○政府委員(首藤堯君) 先ほども財政課長からお答えを申し上げましたように、計画上の算定を一応いたしますが、従前とも五年に一回の実態調査に基づきまして、そういった点の乖離につきましては、修正をいたしてきておるところでございます。ことしは特に、先ほど御説明を申し上げましたような緊急の事態でございますので、さしあたり七万五千人を直したわけでありますが、なお今後ともそういった実態調査の結果等に基づきまして所要の修正は行ってまいりたい、このように考えております。
#44
○山崎昇君 規模別是正はさっきわかりましたよ。だが、いま清掃の問題を聞いたら、三十九年の基準でいま直してどうなりますか、あなた。そして、いま世の中ではこの清掃問題というのは大変なんですよ。きのう上がりました産業廃棄物も今度は入ってきます。これはある程度業者に責任を負わせることにはなるけれども、このごみ処理の問題は、いま都市政策の上で最大の課題になっているじゃないですか。それが三十九年の基準で人員を整備してこの仕事を完成しなさいなんて、できる仕掛けのものではないんだ。だから、五年ごとに調査するのかどうか知りませんが、少なくとも現実に合うようにしてもらいたい。いますぐここで財政計画を直すことは困難でしょう。少なくともこれは再検討してもらいたい。そして、現実の事態に合うようにこの陣容というものを考えてもらいたい。大臣どうですか、そうしますか。余りにもずさんじゃないですか、やることが。
#45
○国務大臣(福田一君) 先ほども申し上げましたように、調査をいたして、もし非常に不合理があれば考えてみたいと思います。
#46
○山崎昇君 もう時間が来ましたが、次に超過負担について二、三お聞きしておきます。
 これは予算委員会でも一言触れた問題でありまして、実はたしか財政局長だったろうと思うんですが、六団体が五十年の十二月ですから、私は五十一年度予算は事実上は間に合わなかったんじゃないかと思う。五十二年度以降で、これらの問題は根本的に私は考えなきゃならぬと思うんだが、少なくともこの六団体で出されたものを本当にどういうふうにあなた方検討してこれにこたえていこうとするのか、まずその姿勢から聞いておきたい。
#47
○政府委員(首藤堯君) 超過負担の解消につきまして、ずっと努力をいたしてまいりましたことは御承知のとおりでございます。今回六団体から出ております超過負担の実態調査、これは御指摘のように、約六千三百億という額のものが出ておるわけでございますが、御承知のように、この超過負担の内容につきましては、毎々いろいろ議論がございまして、単価差の問題、対象差の問題、数量差の問題、御案内のとおりでございますが、非常に狭い意味での、厳格な意味での超過負担ということを考えました場合には単価差ということが中心になりますので、いままで私どもといたしましては、そっちを重点に追いかけてきたわけであります。ただ対象差、数量差の問題は、これは補助政策とも関連をいたす問題ではございますが、やはり、社会情勢の進展とともに、実情に合うように直していってもらうことが非常に大事なことだと私どもも考えております。ただこの点は、私どもの省だけでは処理ができかねますので、いろいろな事例を付して各省に予算要求の際に十分がんばってもらうようにという督励もし、かつ大蔵省の方にも実情に合うように査定をしてほしいというお願いもしておるわけでございます。
 そのような事態でございますが、今回六千三百億という数字が出ております六団体の分は、やはり単価差、数量差、対象差、これを皆含めたものでございまして、そのそれぞれの内容につきまして、六団体とも十分ひざを突き合わせて相談をする。そしてやはりいまの事態において直していくべきものは、先ほど申し上げましたように、各省を通じて、予算要求を通じて直していってもらう、このように措置をしてもらうようにわれわれとしても十分努力をしたい、このように考えております。
#48
○山崎昇君 そうすると、確認をしておきますが、この六団体から出されている内容は、一々いま申し上げませんが、少なくともいままであなた方がやっておったように、中央だけで何か調査して、それだけで財政に組んで、各団体におっつけるというやり方はいたしませんね。少なくともこの六団体が調査したものに反論しなければなりませんね、これがいけないならいけないとか間違いなら間違いだとか。その限りにおいてはこの六団体の出した問題についてまじめにやってもらいたいと思うんです、本当にこれは。そうしませんと、あれだけ膨大な人数を使って各自治体から積み上げてきた問題でありますから、そういう意味で大臣、これは六団体との関係は大事だと思うんですが、そういう態度で臨みますか。
#49
○国務大臣(福田一君) 超過負担の問題については、私いつも非常に困るということを言っておるわけでありまして、ただし、どういう超過負担があるかということはやはり個々の問題についてはっきり調べてみないとわからないので、検討はいたすべきだと思っております。
#50
○山崎昇君 だから、検討はいいんだが、いままでは各自治体から陳情とか要望とかいろいろ来ますね。そういうものとは無関係とまでは言いませんが、あなた方だけで調査して、そして一方的におっつけるというやり方になってきておった。今度はこれだけ各自治体全部、三千幾らの自治体が、具体的に内容を明らかにしてあなた方に要望しているのだから、当然これは間違いだとかこれは違うんだとか、もしあなた方がやるというなら、反論するだけの調査しなければなりませんね。そういう意味では、あなた方自身でやることはできぬと思うから、この六団体の要望事項というものについては十分ひとつ配慮してもらいたいし、そして逐一内容についてはあなた方も検討されるのでしょうが、まじめな態度でやってもらいたいと思う。上からのようなおっつけはやめてもらいたいということを言っているのですが、どうですか。
#51
○国務大臣(福田一君) 出してこられた数字をたたき台にして検討をいたしますが、すべてそれを認めなければという形にはならないと思います。やはりそれは検討をした上で、それを一応たたき台にするということはわかりますけれども、そのまま認めるというわけにはいかないかもしれません。
#52
○山崎昇君 いまの大臣の答弁は、私は、関係する団体が納得するように自治省としてはひとつやってもらいたい。全部私はここで認めろなんていうことを言っているんじゃないのです。ですから、そういう態度をひとつとってやってもらいたい。
 それから、予算委員会の中で財政局長から、いままで補助職員、委託職員等の人件費の補助のうち、基本俸はもちろんやっておりましたけれども、諸手当は一切見てなかった、今度見ますということだが、これは五十一年度から見ているんですか。
#53
○政府委員(首藤堯君) 五十年度の予算から国の委託費の中に算入されております委託職員の人件費につきまして、範囲がいろいろまちまちでございましたもののうち、公務災害補償費とか共済組合の負担金とか児童手当、退職手当、こういったものを一応五十年度からこれ新たな対象として拡大をいたしております。今後自治省としては、国庫補助負担職員のすべてについてこういった事項を拡大をして補助対象とされるように、これもまた関係各省の予算要求に係る問題でございますが、各省には十分協力も求めたい、こういう意味をこの前お答え申し上げたわけでございます。
#54
○山崎昇君 そうすると、私の理解しておきたいのは、一般職の給与法に基づいております諸手当を全部対象にして、少なくとも五十二年度以降は補助対象としてあなた方はやっていきたい、こういうふうに理解をしておきますが、いいですか。
#55
○政府委員(首藤堯君) われわれといたしましては、御指摘のようにそういったものを全部含めて補助対象にするよう、これは強力に要請をしてまいりたいと思っております。
#56
○山崎昇君 それはぜひひとつ実現をしてもらいたいと思います。
 時間が来ましたから、最後に行政局長に聞いておきたいんですが、きのう実は地方公務員の給与の一部について資料をもらいました。しかし、これでは全然この実態が明らかにならない。したがって、大変な作業だと思いますが、私は公務員給与の問題点の一つに管理職手当というのが、実は内閣でもずいぶん私は議論した一人でありますから、疑問を持っておりまして、この管理職手当の創設されたときの人員、それから総人員に占める割合、それは各%ごとに出してもらいたい、それから、現時点でそれがどういう変化を遂げているのか、それも出してもらいたい。そうしませんと、管理職だけはどんなに財政が困ろうと、一たん決まった経与は支出される。しかし、一般職員は、これはもう御存じのとおり、発生の当時は超過勤務手当の肩がわりなんですから、片一方の方は財政が苦しいというので超過勤務手当等は制限をされる、こういう片手落ちなことになりますから、そういう意味で私は実態を知りたいと思うんで、この点はいますぐでありませんが、ひとつ資料として調査を願っておきたいと思うのです。
 参考までに申し上げてみれば、国家公務員の場合には、すでにでき上がったときと今日では倍になっています。職員総体の八%を超える人がいまこの管理職手当をもらっておる。恐らく地方公務員も私はそういう実態にあるんじゃないだろうか、こう思います。そういう意味で、管理職手当の内容についてひとつ調べておいてほしいと思います。
 それから、もう一つは、職員構成の内容について、これも資料をもらいました。私がゆうべ申し上げたのは、新規採用の分だけでありますから、これもいただきました。しかし、これだけ見ても、昭和四十三年と四十八年を比較しただけで、府県、市町村が、まあ多少違いますけれども、ほとんど中学卒が少なくなって、高校卒はそう動いておりませんが、大学卒がふえてきておる。これは国家公務員の場合もそうでありまして、大変なことに私はなっているんじゃないかと思う。だから、従来高校卒でやった仕事が大学卒になってくる。中卒でやった仕事が高校卒がやるようになってくる。あわせて給与体系の面から言えば、同じ仕事をしても、大学卒でありますから給与はぐっと高くなる。したがって、職員構成の変化に伴って給与総額だけはふえていく、人員は仮にふえぬとしても。そういう意味で私は人件費を見る一つのポイントとしてこの職員構成というものを注意深く見守っておるわけなんですが、それとあわせまして、これは余談でありますけれども、実はいろいろ調べてみますというと、これは将来の話でありますが、ある経済学者のあれによりますというと、昭和六十年ぐらいになりますと中学の卒業者というのは五万人ぐらいで、高校卒が五十五万人で、大学卒が短大も含めて五十万ということになる。言うならば、日本の学歴というのは中学がほとんどなくなって大学卒がほとんどになっちゃう、こういう統計数字も一つあります。そうなると、いま申し上げましたように、公務員の賃金体系を論ずる場合に職員構成を抜きにして論ずることはできない。そういう意味で、いまあなたに申し上げているわけであって、これはいますぐと返事はとりませんが、少なくとも早急にその実態調査を行うなら行って資料として出してもらいたいと思うのですが、どうですか。
#57
○政府委員(林忠雄君) 給与実態調査その他について資料がございますと思いますので、現在あります資料を十分検討いたしまして、できるだけ御要望に沿うような資料を作成することといたしたいと思います。
#58
○和田静夫君 昨日私は、地方財政問題の中で特に地方交付税制度だけを取り上げて議論をいたしました。それは、政府の応急的な地方財政対策が地方交付税制度の破綻となってあらわれていると考えざるを得ないからであったわけです。ところが、残念ながら議論はかみ合わないままに終始をいたしました。自治省の側は、地方財政計画における財源不足をどういうように措置したかという形での説明でしかありませんでした。私は、その財源不足対策の結果が地方交付税の矛盾となってあらわれてきているという、そういう制度的問題を終始取り上げたつもりだったんですが、制限された時間でありますから、そういう形でかみ合わないままになりました。きょうはもうそれを続ける時間がありませんが、ともかく、まず巨額のこの財源不足が生ずるという問題があって、そしてそれをどう埋めるかが問題であった。結論から言えば、もはや税財源の地方移譲しかない。後ほど、十二時になれば大蔵大臣お見えになりますから、この辺の論議はちょっと詰めなきゃいけませんが、ともあれ財源不足が生じた場合に地方交付税率の変更によって調整する、そういう機能が停止したままになっていることは許せません。そして、応急的な措置として、地方交付税制度から一兆二千五百億円が地方債に振りかえられる。それでなお地方交付税制度の破綻を認めないとしたら、これは地方債の許可制をやめなさいと言うよりほかはない。地方債が許可制でなかったならばいまのように特定財源化することはないのですから、それならそれでまた別の意味ではわかる。しかし、現在はそういうことにはなっていませんから、それなりに地方交付税制度の機能はきちっと守ってもらわなければならないと私たちは思います。大幅に削って地方債に回しても、なお地方財政対策として措置したように思っていらっしゃるとしたならば、これはもうどうしてもやっぱり納得できません。いずれ、地方債制度運用について議論をする機会がこの時間帯の中にはないので、改めてやりますが、地方債制度もまた法の趣旨に照らして現状では問題が多過ぎます。ともかく現行の制度を守って守り切れないなら、応急的に特例交付金等で処置すべきなのだというふうに考えますから、昨日の論議を集約してみまして、私は冒頭、まず以上の意見を申し上げておきたいと思うのです。
 そこで、地方財政運営についての事務次官通達でありますが、いわゆる五・一六通達が、例年の財政運営通達とどこが違うのかということを詳細に比較検討してみました。細かいところはいろいろあります。ありますが、大ざっぱに言って、「人件費等義務的経費の増大により財政構造が硬直化している地方団体は、財政健全化のための計画を策定し、当該計画に基づき財政構造の健全化を図られたい。この場合には、地方債の弾力的運用等の財政措置を講ずることを検討している」、まあここの部分が一つのポイントであり、もう一つのポイントは、「退職手当の支給に関し、実質的には年度末に退職していながら、四月一日に退職発令を行っている事例が数多く見受けられるが、このことは制度の運用上適当でないので改められたいこと。なお、この運用を改めるため本年度二ヶ年度分の退職手当の支給を要することとなる地方団体については、当該地方団体の財政状況に応じ退職手当債の発行を認めることもあり得ること」、ここがまあ大きく言った違いでしょう。この意図は一言で言えば何ですか。
#59
○政府委員(首藤堯君) 最近、御案内のように大変厳しい財政状況になってまいりまして、地方財政の運営も困難になっておる状況でございますが、そうした中で、今後財政の健全性を確保していくために、財政構造が悪化をしております地方公共団体が自主的、計画的に財政の健全化を図っていく、こういうことは望ましいことであり、当然のことでありますが、そういった場合に、財政再建のような、財政が破綻をした地方公共団体のある程度強制的な制約でございますか、そういったものをつけ加えた制度とする必要以前に、地方団体が計画的、自主的に財政の健全化を図っていくように要請をする。それに対して国の方も所要のお手伝いをする、こういうことが適当だと考えております。
#60
○和田静夫君 この五・一六の通達に沿って、いわゆる財政健全化計画が多数の団体で策定をされたのでありますが、どこの団体で策定されたかを発表してもらいたいのです。ただ、健全化債の許可予定を受けた団体はもう新聞発表になりましたからこれは除いて結構ですが、いますぐおわかりになりますか。
#61
○政府委員(首藤堯君) 健全化債の許可を受けました団体と同数でございまして、都道府県は二十二、市町村が三十三、合わせて五十五、出してきましたところには全部健全化債を許可をいたしております。
#62
○和田静夫君 すでに各団体の計画書は入手していますが、しかし、これ以外に計画書というのはありませんか。
#63
○政府委員(首藤堯君) 健全化計画というかっこうで持ち込んでおるものはございません。
#64
○和田静夫君 それじゃ計画案の案ぐらいのところにしておきましょう、きょうはとにかく。後ほど詰めてみますけれども、時間がありませんからそういうふうにしておいて、実は私も数団体の計画書を入手しておりますが、それを見ると、計画の形式というのはいずれもほぼ同じ形ですね。同じ形と言うより同じだ。全く同じであります。第一、歳入に関する事項。ここでは受益者負担の原則を打ち出して使用料、手数料等の引き上げの実施済みのもの、あるいは実施予定のものに分けて挙げる。第二に歳出に関する事項。ここでは退職勧奨、欠員不補充等による定員削減、それから号俸の下位への切り下げ、昇給の延伸、緒手当の削減による給与水準の引き下げを掲げています。この二つのほかに、物件費等の削減あるいは補助金等の整理、施設建設を見送る、こういうふうに掲げている。最も中心は使用料、手数料の引き上げと人件費の抑制なんですね。私は数団体のやつを照らしてみてそう理解をいたしました。なぜこういう形になるかというと、どこかから指導があるからでしょう。指導がなければ同一のものになるはずがありません。これは何に基づいて指導されたわけですか。
#65
○政府委員(首藤堯君) 財政の健全化を図ります際には、だれが考えてみましても、歳入の増強と歳出の節減、歳出の中でも特に経常的経費についての合理化を図っていくということが主体にならざるを得ないと思いますので、そのようなほぼ同様な手法になっているものだと心得ます。私ども具体的にどこをどうしなさいという指導をいたしたことはございません。
#66
○和田静夫君 そう言われてみたところで、結果的には自治省にいろいろ伺いに行く、そうすると、いま言われるように述べられてそして指導を強化する、自治省はわれわれに発表するには、これは自主的な計画だとこう言う。そういうふうに衆議院で答弁されていますね。これだけ共通していては自主的だと考えられませんよ。いま言われたような論理でもって大変指導を強化する。昨日与党の側の質問にありましたように、東京事務所にたくさんの人員を配置をしながら自治省もうでを各課ごとにやらせる。こういう形の与党からの適切な指摘がありました。そういう形の中で自主的ではない指導というものが進められている。これはもう幾ら自主的な計画なんだと言ってみたところで、そんなことは通用しない。いわゆる健全化債というのはどういう法令上の根拠に基づいていますか。
#67
○政府委員(首藤堯君) 健全化債と申しますのは、いわゆるこれは通称でございまして、起債そのものは地方財政法五条の規定によりますいわゆる建設事業に充て得ます起債、こういうことで許可をいたしております。それから一部は退職手当債、これは再建法に基づくものでございますが、こういうものでございまして、健全化債というのは、いわゆる通称でございまして、そのような起債があるわけではございません。
#68
○和田静夫君 そういうことですね。そこで私が持っている、自治省がおつくりになった資料、「昭和五十年度における地方公共団体の財政の健全化措置に伴う地方債について」、これによりますと、「今回の許可予定額の配分は、昭和五十年五月十六日付、自治財第三十三号「昭和五十年度地方財政の運営について」の事務次官通達に基づくものであり、財政健全化措置を実施している団体のうち本債を希望する団体に対し、当該健全化措置に伴う増収額及び経費の節減額、並びに退職発令月日の繰上げによる措置に伴う所要額の範囲内において、当該団体の財政状況を勘案して決定したものである」、こういうふうになっている。ではこの五・一六通達のここの部分というのは、一体どこに依拠するわけですか。「この場合には、地方債の弾力的運用等の財政措置を講ずることを検討している。」となっているわけでしょう。または退職日の繰り上げ分については、「退職手当債の発行を認めることもあり得る」となっているわけでしょう。それだから「検討している」、「あり得る」、これが根拠です。これが根拠となって、地方団体が自主的にそれを健全化債の起債申請をする要件にする、そうして自治省は許可予定したというのは、これは大変でき過ぎているじゃないか。そんなことは現実にはあるはずがない。余りたてまえばかり言っては、私は真実を言っていることにはならないのではないのだろうか。もう時間がないから一方的にしゃべりますがね。ともかく「検討している」とか、あるいは「あり得る」という規定が、いつの間にか堂々と現実のものとなって、法律以上の力を持っている。これは大変困ることじゃありませんかね、いかがです。
#69
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、根拠というと語弊がございますが、根っこになりましたのはただいまの通達でございまして、このような健全化方策をとるときには起債の弾力的運用の措置を検討しておるといったこと、あるいは退職債のことについても、次官通達で連絡をいたしておるのでありますが、事柄はこの前後から、地方団体の方からも大変熱心な御要望があっておるわけでありまして、五十年は御案内のように非常に苦しい年でございますから、ほうっておけば大変大きな赤字が出て、時と場合によっては再建団体に落ち込むかもしらんというぐらいのきつい事態である。したがって、自分たちとしても健全化の努力は十分行いたいと思っておるけれども、健全化の措置というのは、何分にも一挙にその効果が全部出て、健全化に着手をしたその年からすぐに効果があらわれるという性格のものでないから、起債の許可等について弾力的運用を図ってくれるようにというような要望が数多くあったことはこれもまた事実でございます。したがいまして、五月にこのような財政運営通達を出しました後も、地方団体から、それぞれ自主的に計画をお立てになって、ここまでやるのだから何とか起債の弾力的運用によって年度末の決算をひどい赤字に落ち込むことがないように、行政水準もまたひどく低下をしないように、こういう措置がとれないかというような要望があったわけでございまして、そのような事態に応じて私どもは地方債の弾力運用を実施をいたしたわけでございます。
#70
○和田静夫君 ところで、退職日の繰り上げ分というのは、結局退職手当を出すするために出すわけ、それはそうですね。
#71
○政府委員(首藤堯君) この起債を許可をいたしますのは退職手当の所要財源が非常に大きくなることによって財政に影響が出ますから、それを緩和するという意図でございますが、いままで四月一日以降に出しておりましたものを、三月三十一日にいたしますと、御案内のように、同じ年度に、いわば二年度分の退職手当でございますね、これの支出が必要になる結果になりますので、それをみんな当該団体の一般財源で支出をしていくのではとてもひどい赤字になる、こういう事態に対処をしたものであります。
#72
○和田静夫君 それではこの退職日繰り上げ分を除いた残りの健全化債というのは、一体何の事業に対して、どういう充当率でもって許可されるのですか、されたのですか。全部で五十団体程度だから、これは全部いまお持ちでしょう。
#73
○政府委員(首藤堯君) そのほかの分につきましては、いわゆる建設事業債というかっこうに相なりますので、一般公共事業あるいは義務教育施設、高等学校、こういったもののいわゆる地方負担分そのものに対する起債として許可をいたしたわけであります。費目別の集計はいままだでき上がっておりませんものですから、ちょっといまはわかりません。
#74
○和田静夫君 そうすると、それはでき上がったときには資料として提出できますか。
#75
○政府委員(首藤堯君) 充当結果が出てまいりまして、資料でき次第もちろん提出いたします。
#76
○和田静夫君 そうしますと、使用料だとか手数料の値上げ、それから人件費の抑制を骨子とした財政健全化計画と、建設事業等に充当される地方債とに関係ありますか。これは何の関係もないですね。
#77
○政府委員(首藤堯君) 財政全般の財源充当と申しますか、運営と申しますか、そういう面では関係があるわけでございます。直接的にはもちろん関係ございません。趣旨は、先ほど申し上げましたように、ひどい赤字に落ち込みそうだから健全化計画を立てて収入の増強、歳出の節減を図ってまいりますが、これが一挙に当該年度に効果が出るというわけにまいりませんので、その分だけはどうしても行政水準の低下と申しますか、これは建設費もそうでない福祉事業もあろうかと思いますが、そういうものの削減に回らざるを得ない事態、それを建設事業費の裏負担分に起債を充当してあげれば、その分の充当予定の一般財源が浮くというかっこうになりますから、行政水準をそれほど低下をさせなくて切り抜け得る、まあ財政運営全般で回り持ちになりますから。そういうような考え方でございます。
#78
○和田静夫君 私は、どうしてもわからぬのは、この五条適用債ということで出したって、財源補てんにするというのですから、地方財政法五条の脱法行為でしょう、これ。これはそんな起債が認められるのですかね。これ脱法行為じゃないですか。
#79
○政府委員(首藤堯君) 脱法行為とは考えておりません。先生御案内のように、五条におきましては、いろいろございますが、建設事業の裏負担に対しましては地方債を充当することができることになっておるわけでありまして、その建設事業の裏負担をオーバーをして起債を充当しているわけではないわけであります。その範囲内でやっております。ただ、従前の実態としては地方債にも枠がございます、限度がございますから、建設事業の裏負担に対して目いっぱい満度に地方債が充実されていない、そういう事業もあり、事業によっては半分とか三割しか充当されていない事業もある、こういうことでございますから、その地方債の充当の濃密度が高くなるということだけでありまして、地方財政法に違反しておるとは決して考えておりません。
#80
○和田静夫君 私は、もうどうしてもそれは納得できない。
 それで、いまも答弁がありましたけれども、この間、ちょっとぼくはここの部分だけは衆議院の地方行政委員会へわざわざ傍聴に行っていまして、即刻衆議院のあなたの答弁速記を起こしてきました。ここに全文――全文といっても主要な部分だけの速記を起こしてきたものがありますが、それを読みますと、わが党の細谷質問にお答えになって、「できるだけ行政の質を落とさないでそのような計画を進めていくためには、やはり何らかの財源措置、弾力的な財源措置が必要だ」。いまは違った表現ですが、私にも答えられた。また、「地方団体の自主的なそのような健全化計画に即して、私どもも地方債ではございますが、国の方として応分の援助をする、と言うと語弊がございますが、そのような措置をとるのが正しかろうと」云々、こう答えられましたね。やはりこれは財源補てんの役割りだということを言っているわけでしょう。そうでしょう、これ。
#81
○政府委員(首藤堯君) ただいま申し上げましたように、建設事業費の裏負担に充てます地方債、その充当率を濃くする、こういうことでありますから、地方債そのものとしては五条に書いておるわけではないわけであります。しかし、御指摘のように、そのことによりまして当該建設事業をやることに使う一般財源が浮いてまいりますから、その一般財源を他の行政水準の維持に回し得る、こういうことは財政運営全般としては考え得るわけでありまして、その意味では御指摘のようにあるいは財源措置、こういうことになるのかもしれません。
#82
○和田静夫君 そうだから、やはりそういう意味で私の主張の方が正しいのだと、こう思うのです。財源補てんの役割りというものを担っているのだということを明確に答弁をされているのです。私は、本当のところはこうなんでしょう。まず、一定の必要事項、すなわち使用料、手数料の引き上げ、あるいは人件費抑制などについて計画を策定させる。おたくに言わせれば自主的に策定する。ともあれ策定させる。もちろん一度提出したらおしまいじゃないわけでしょう、これ。おしまいじゃないですね、ここのところ。
#83
○政府委員(首藤堯君) おしまいでないという意味は、一年で終わらないで二年に続くということ……
#84
○和田静夫君 いえ、何度か何度かそこでやりとりが行われるという意味です。
#85
○政府委員(首藤堯君) いや、それは必ずしもそうではございません。当該団体のお考えになったことだけしか――こちらで別に強制をいたしておりませんから。向こうで御修正になって出し直しになるということは実態上あるかもしれませんが、押し返してこれじゃだめだとか何だとかいうことはございません。
#86
○和田静夫君 とにかく自治体が修正をして出してくるという形のことがとられる。そこに指導が介在をする。いわゆる何らか指導を仰ぐと、こういうことになるわけですね。そして人件費等節約額をはっきりさせて、それに対して赤字額などとの比較からいわゆる健全化債が決まる、こうなっていますよ。それは否定をされたってそうなっていますよ、実際問題としては。まあ局長のところまで一々そういう過程がいくかどうかは別として、そうなっています。そういうふうになっている、したがって、正規の手順を踏んだ起債じゃないんですよ、これ、どう言われてみたところで。逆に、健全化計画をつくれば起債を認めて財源を補てんしてあげますよ、そういう何かやっぱりあめでもって子供たちをつるような形になっている。これが自主的であるはずがない。私はとんでもないことだと思っているんです、これ。そういうことですから、下水道に対して起債の相談に行ったある市は、名前を言うとまた報復があると困りますから言いませんが、定数条例を変えろと言われていますね。これなんか明確にその一例ですよ。そういうことが大臣や次官やあるいは局長や課長の皆さんのところでは理解ができないことであるかもしれないが、直接担当官のところでは行われる。それぐらい通達などというような形で根拠を置かれているものが、いかに拡大的に解釈をされて自治の本旨をゆがめる指導になっているという弊害が生まれているかということは、これは一遍点検に値しますよ。私はそういう意味で、こういうようなことはやっぱり今後あり得ない。そういうような指導ということは、先ほど来局長の答弁をまともに私は受けておいて、皆さん方の答弁をされたその意向が自治省の末端までその意向であるということであるという、そういう態勢でいかなきゃならぬと思うのです。それでなければ弊害が生まれています、大臣。その点は大臣お認めになって、そしてそこのところの間違いのない運営というものをお約束できますか。
#87
○国務大臣(福田一君) 私は、地方団体の方から出てきたものを認めていく、こういう姿であるべきだと思っております。
#88
○和田静夫君 それを全省のものとして大臣の、指導をちゃんと一遍やって……。
#89
○国務大臣(福田一君) それは全省のものというか、そういう方針でやるということでありまして、次官通達は何も間違っておらない。いまあなたの言うようにしておれば別ですが、たとえば、いまのような下水道の問題でどうこう言われたというようなことを言うようなところがあったら、それは間違っている、実際なら。だから、それは取り消してしまってもいい、そういうことをやらないように。
#90
○和田静夫君 そういう形のことはもう今後起こり得ないと。これはもう五十一年度もこの健全化を出す予定にしているようでありますが、ある県に聞きますと、もう五十一年度分について五十年度に一遍に起債許可の予定を受けておるというふうに聞かされるんですがね。つまり、計画を策定すると、五十年度と五十一年度、両年度分について健全化債の額をお決めになったんですか。
#91
○政府委員(首藤堯君) そんなことはございません。先ほどから御指摘になっておりますように、ことし許可をいたしましたものは、ことしやりました措置、その増収額、節減額、その範囲内で財政の状況等を見ながら許可をいたしております。大抵、健全化計画をお立てになりますとき、各団体とも一年ぽっきりでは報告はございません。二年続けるというようなお考えを持っておるところが多いようでございますが、これはどうなってくるかわかりませんが、当該団体がやはり自主的にお決めになることだと思います。
#92
○和田静夫君 自治大臣お答えになりましたが、人件費と建設事業等への起債の許可というのは全然関係がないと、先ほども確認したことですが、人件費の抑制、あるいは先ほど山崎委員からも論議がありましたけれども、定員の減などというようなこと、そういうようなことが条件になった起債の許可は当然あり得ない、これはそういうふうに考えておいていいですね。
#93
○政府委員(首藤堯君) 一般的な地方債についてはそういう条件はございません。ただ、先生御承知の財政再建法に基づきます直接の退職手当債でございますね、これは法律条文上、定数の云々、予算の云々というのが条件になっておる条文、そういうのがございます。その部分だけはその起債の性格上そうでございますが、その他のものについてはそのようなものを条件にしておるという事実はございません。
#94
○和田静夫君 大平大蔵大臣と自治大臣にお尋ねをいたしますが、昨日、地方交付税法の基本にかかわる部分で、藤井主計官がお見えになって自治省といろいろやりとりをしました。そこのポイントになる点をどうしても大平さんに、大蔵大臣に確認をいたしたい、そういう形で御足労願いました。おおよそ論議の内容というものはもうお聞き及びのはずでありますから、そのことを最終的に確認いたしたいんですが、その前にちょっと、財特法が衆議院を通過をして参議院に来るわけですが、もう会期も御存じのとおり残り少ない。大蔵大臣として、財特法成立の成否について、まあ九月になったってしょうがないという御発言が前にありましたし、私もいま議運の理事でありますので、大蔵大臣、そのようにお考えなら何も急ぐ必要もありませんことですから、十分に論議をすればいいんですが、どういう御判断をお持ちなんですか。
#95
○国務大臣(大平正芳君) この法律は重要な歳入法案でございまして、本来ならば、予算成立と同時に成立さしていただきまして、歳入歳出とも計画的に運営できる状況にしていただくことがたてまえでございまして、その点は私から和田さんに御説明申し上げるまでもないことであろうと思うのであります。
 しかしながら、問題は、ごく僅少の金額でございますならば財政当局のやりくりで金融でつないでおきまして、運営に何とか支障がないようにつないでいけるわけでございますけれども、事三兆七千五百億となりますと全く手に負えない金額でございまして、これを狭隘な国債市場で円滑に消化していくというようなことを考えますと、前広に法律が成立して、シ団との話し合いも十分遂げて、金融の繁閑を見ながら順調に消化を図ってまいるということをさしていただきたいわけでございます。
 算術的に計算いたしますならば、八月とか九月とかいうときに成立しておればつじつまが合わないことではございませんけれども、下半期に大変産業資金が殺到いたしまして国債が発行しにくい状況、いわゆる産業資金とのクラウディングアウトの現象が生じないとも限りませんので、上半期のようにおなかがすいたときにできるだけ国債を発行しておく必要を感じまして、たとえば五月には一兆二千億の発行をシ団にお願いしておるようなことも御案内のとおりでございまして、そういったことで弾力的な運営が可能であるように政府に権限を与えていただくという意味におきまして、この国会中に成立さしていただくことを各方面に精力的にお願いをいたしているわけでございます。私といたしましては、各方面の御理解が漸次得られつつありますので、万々狂いなく御成立さしていただけるものと確信をいたしておるわけでございます。
#96
○和田静夫君 しかし実際問題としては、いま前段で申し述べられましたように、これはまあ本当のことを言えばそんなに急がなくてもいい、秋になったところで実際は支障がない、ただ運営上いろいろ苦しみが出るから、なるべくならこの会期中に上げてくれ、この程度のことだと、いまの御答弁大体そういうふうに受けとめておいてよろしいでしょう。
 国会の延長問題というのが何かちらほらしているんですが、ここもやっぱり絡んでくるのですけれども、この国会を延長させることについて、次期首班候補でいらっしゃるんですから、大平大蔵大臣自身は一体どうお考えになっているのですか。
#97
○国務大臣(大平正芳君) 国会の権限につきまして、政府の一員がとやかく申し上げることは僣越だと思います。
#98
○和田静夫君 それじゃちょっと違った意味で、財特法がこの国会でもし成立をしなかった場合に大平大蔵大臣はおやめになる、そういう風聞がしきりであります。財特法が成立しなかった場合、本当にいま報道されているような形で決意をされているのですか。これは大平さん自身の口から一遍聞いておきたいと思うのです。
#99
○国務大臣(大平正芳君) そういうことは万々考えていないわけでございまして、国会は必ず成立さしていただけることと確信をいたしておるわけであります。
#100
○和田静夫君 じゃ、前提的にはその辺にしておきます。
 土地税制の見直しという動きが大蔵省にあると聞くのですが、これはどういう問題意識ですか。どういう手順でそういう作業を行っていらっしゃるわけですか。
#101
○国務大臣(大平正芳君) 従来の経緯から申しますと、土地問題というものが狂乱経済のことで問題になりました当時、土地政策を担当する役所の方からも御要請がございまして、仮需要の抑制あるいは土地供給を促進するというような意味で、税制もまた御協力を願いたいというような趣旨で現行税制が御協力いたしたという経緯はあるわけでございます。で、今日になってみますと、税が大変いまの土地経済を阻害しておるという風評があるわけです。私ども一体どういうところでいまの税制がたとえば土地の供給を阻んでおるか、どこが一体不都合があるのかということを十分われわれが納得いくように御説明を願い、われわれがわかればわれわれはいまの税制を直していくにやぶさかでないわけでございますので、そういう意味で、いろんな現実の実態についていろんな御意見を承っておるというのがいまの状況でございます。
#102
○和田静夫君 先日、長者番付が発表になりました。ことしもまた土地成金が御存じのとおり上位を占めていました。大蔵大臣、こうした現象をある程度やむを得ないとお考えなのですか。このことを社会的不公正としてとらえて、そして早急に是正をしなければならないとお考えになるのか、この辺はいかがですか。
#103
○国務大臣(大平正芳君) ことしの三月十五日の所得申告で土地の譲渡所得の期限が切れるので、駆け込みの申告が大変多かったのでございますが、ことしがもう最後でございまして、百人のうち九十何人までが高額の方からそういう方々で占められたということは、これは余りかっこうのいい話でないと思います。しかし、これは現行の税制、いま申しましたような沿革でできました税制のもとにおきましての国民のとらえた対応の最後のあらわれでございまして、これからまた別の対応が始まるわけでございますが、そればかりでなく、現在の税制そのものも土地経済に悪影響が実際にあるというのであれば、われわれは改善するにやぶさかでないという態度を、そういう弾力ある態度をとっておるわけでございますので、もし建設的に、そして実効のある対案がございますならば、私どもは土地税制というものを直してまいって、土地経済の安定というものを図ってまいることが社会的な公正を図る上から大事なことだと考えております。
#104
○和田静夫君 一般の国民は非常な、何といいますか、不公平感を持って、怨嗟の気持ちであの長者番付を私は見たに違いないと思うんです。この国民の気持ちにいささかでもこたえる意味で、土地税制の見直しを行うなら行わなければならない。それにしても、土地の供給促進を税制でやろうとしましても、これは過去の歴史から言ってうまくいったためしがありませんね。大蔵省はそうした反省を持っていて、そういう反省をお持ちになった上で何か新しい施策というものをお考えになる、こういうふうに承っておいてよろしいでしょうか。
#105
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、いまの税制で土地の供給が阻害される、あるいは土地の価格が不当に上がるとか、いろいろ土地経済に思わざる悪影響を及ぼすという因子が税制に伏在しておるということでございますならば、そういう税制はやっぱり直していかなければならぬということなんでございます。もし御質問がそういう意味でございましたならば、私どもはそういう考えておるということでございます。
#106
○和田静夫君 与党の中に、企業の持っている遊休地を国に買い上げさせるという、そういう議員立法の動きがあったと聞き、そして世論のひんしゅくを買っていますが、大平大蔵大臣はまさかこういう動きに加担をされるおつもりはありませんでしょうね。
#107
○国務大臣(大平正芳君) 前段の、与党にそういう動きがあったことは私は聞いていないわけでございます。それからまた財界からそういう要求があったように世上には新聞なんかにありますけれども、私どものところへそういう要請が正式に寄せられたことはございません。ただ、私どもの立場といたしましては、政府が必要としないような土地を買うというような予算もございませんし、そういうつもりもありません。
#108
○和田静夫君 要するにこの動きは、それらの土地を担保にとって金を貸した銀行の意を受けてのことであろうと私は思います。で、大蔵省は、銀行がそういう動きまでしなければならなくなった状況というものを把握をする意味、そういう意味だろうというふうに思いますが、銀行にそういう関連での検査に入ったという記事を読んだのですが、検査結果の中間報告というのは、これは大臣、資料として提出をしていただけるのですか。
#109
○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省として、土地に対する貸し付け、土地の保有状況を特に目的的に見るための検査、そういう検査をいたしたことはございません。ただ、一般的の検査におきまして、銀行の貸し付け状況の中に土地担保の状態でございますか、土地保有の状態というような問題は、確かにそれは検査の結果把握できるものがあるということは承知いたしておりますけれども、頭からそういうことを目的にした調査をやっているかということを問われるならば、そういうことはないと承知しております。
#110
○和田静夫君 土地問題をちょっと取り上げたのは、実は地方行政委員会にふさわしい問題として、都市計画という問題がこれからますます重要になります。重要になってくるのではありますが、都市計画を推進する上でどう考えてみても何よりも肝要なことは、地方公共団体がいかに多くの公有地を持っているかどうかということだろうと思うのです。したがって、この法律案の審議に入る冒頭でも、そういう意味で地方の土地開発公社などの問題というのを若干取り上げてみたのですが、地方公共団体は財政難でいま所有地を売らざるを得ないような状況になっていますね。これこそ私は問題だと思うのです。で、ここは大蔵大臣、何とかするというような意欲的なお考えが、国土庁やその他、一部動きがあることを知らぬわけじゃありませんが、総合的に何かお考えのことがありますか。
#111
○国務大臣(大平正芳君) 自治団体が自主的にいろいろこの事態に対してどう対処されますか、それぞれの自治団体が自主的にお考えをされておることと思います。また、自治省の方と御相談の向きもあろうかと思いますので、いきなりそういった御提起された問題について、大蔵省の方から、御相談も具体的に承っていないのに御意見を申し上げるということはやや軽率のそしりを受けるのではないかと思います。
#112
○和田静夫君 じゃ、質問を自治大臣に返しますが、自治大臣、どうでしょう。
#113
○国務大臣(福田一君) まあそういう事情があることは事実でありますが、しかし、国の財政その他から見て、どういう時期にそういうことについて相談をするかということは今後検討をさしていただきたい。
#114
○和田静夫君 これはまあ検討というのは、大変前向きな検討という意味でしょうね、そこのところは。
#115
○国務大臣(福田一君) 検討は検討でございます。
#116
○和田静夫君 大蔵大臣、この歩積み両建て、悪いと積極的に発言されたのは大平さんの先輩の池田総理だったわけですが、これは大平大蔵大臣もそのお気持ちにはお変わりございませんか。
#117
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、これは金融行政の一番大切な柱と心得ております。精力的に進めておるつもりでございます。
#118
○和田静夫君 これは先般の国会でも問題にしたことではありますが、大蔵省の側は実態調査すると言われたんですが、これは調査はされたわけですか。
#119
○国務大臣(大平正芳君) 従来は金融機関からの報告をずうっと定期的にとって分析しておりましたが、これは今度の場合は資金を借りた方の側を無差別に抽出いたしまして意見を取りまとめて、全部届きましたから、いま鋭意集計中でございます。
#120
○和田静夫君 そうしたら、まあ集計結果については後ほど教えていただきたいと思うんですが、実は中小企業、非常に苦しいものですから、私たちのところにも幾つかの訴えがあります。たとえば一例でありますが、大蔵省に協力する意味で、調査に協力する意味で言うのですが、日本信販というのなんかは非常に悪質であります。この世田谷支店は六千万円の即時両建てをやった。これはもう非常な私は悪質なものの一例だと、こう思っているんです。これは社会党の東京の議員たちが問題にいたしまして、結局東京都に知られて、都が行政指導を行ったところ、虚偽の報告を今度はした。虚偽の報告をしたばかりか、情報を漏らしたのはだれかというような形のせんさくに入っている。そしてそれは結果的には対象を間違っているんですが、噴飯物でありますが、報復措置をしているんですよ。こんなところは、私は大蔵省として徹底的に調査を実は進めるべきだと思うんですがね。まあちょっと簡単に、どうですか、そういう問題提起があれば調査をされますか。
#121
○国務大臣(大平正芳君) 大変恐縮ですけれども、その……
#122
○和田静夫君 大蔵省が直接あれするんではありませんけれども。
#123
○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省の管轄ではないようでございますので……。しかし、そういう問題の提起がございましたことは承っておきまして、私どもの行政の参考にはさしていただきます。
#124
○和田静夫君 さて、本論のこの交付税でありますが、「自治省としては昭和五十一年度の地方財政対策は応急的な措置で当面は対処し、抜本的、恒久的な税財政制度の改正は昭和五十二年度以降の課題とせざるを得ない」、自治省はこう言っているし、昨日こういう状態の論議をいたしまして、自治省にも確認をし、大蔵省の主計官にも確認をいたしましたが、この法案はあくまでも応急的な措置である、いろいろ問題はあるけれども、それはこの五十二年度以降の抜本対策で解消する、五十二年度以降の恒久策に吸収をしていくといいますか、そういうつもりだということから、この法案をぜひという形になっていると思うんです。大蔵大臣もここのところというのはちゃんと了解をされているわけですね。
#125
○国務大臣(大平正芳君) 去年に引き続きまして、ことしも二兆六千億という財源不足でございまして、これをとりあえず御心配申し上げにゃならぬわけでございますので、交付税系統の問題として特別会計を通じて御心配申し上げるものと、それから地方債の形で御心配を申し上げるものとに分けていたしたわけでございます。
 申すまでもなく、本来経済がノーマルでございまして、中央も地方も健全な財政状況でございますならばこういう問題は起こらないわけでございまして、問題は中央も地方もいち早くこういう状況から脱却いたしまして、財政を健全な軌道に乗せていくことが当面の急務でございまして、いまは仰せのようにそういう時期に至るまでの過渡期なんでございまして、健全財政の時代の財政慣行から言いますと不思議なことばかりでございますけれども、お気に召さぬことばかりでございますけれども、これは過渡期のやりくりでございまして、健全な軌道に乗りました暁におきましては、制度的にも実態的にもきちんとした姿に返さなければならぬことは当然だと思います。
#126
○和田静夫君 そうしますと、昨日も自治大臣に確認をいたしましたが、自治、大蔵両大臣の覚書の第一項の部分は、これはこの前のときにやりとりいたしましたから大蔵大臣の心境もよくわかっていますが、五十二年度以降の対策には当然地方交付税率の引き上げも含まれているわけです。これはそれでよろしいですか。
#127
○国務大臣(大平正芳君) 当然に含まれておると聞かれるならば、イエスとはなかなか言えないんです。私どもこの財政が中央も地方も健全になってまいりました暁に、いまの交付税率でそれがそういう状態になりますか、いまの交付税率までいかなくてもっと低いところでそうなりますか、それよりまたもっと高くしなければならぬものか、それは私わからぬと思いますよ。だから、当然にこれより高くならなけりゃならぬというようには私はお約束いたしかねるわけでございますが、ただ、いずれにせよ、いまこういう過渡期でございますし、応急の措置をやっておるわけでございまして、いずれ見直してまいりまして正しい軌道に乗せてまいるという場合に、交付税率というものもまともに検討してかからなけりゃならぬことは当然の道行きかと考えております。
#128
○和田静夫君 地方交付税率をまともに検討していかなければならないのは当然の道行きである。本会議答弁にございましたように、自治大臣は、地方交付税法六条の精神に基づいて九月、十月ごろ大蔵省に対して税率の引き上げを含むところの措置について相談を持ちかけていく、これがこの月曜日の本会議におけるところの答弁でありました。大蔵大臣の答弁というのは、そこの部分が大変よく聞き取りにくかった状態になっていますのできょうお出ましを願ったのでありますが、そうすると、当然の道行きであるということは、地方行財政の円滑な運営のために欠くことができない地方の財源の充実、それとの兼ね合いにおけるところの交付税率の引き上げというような形でのいわゆる検討というものは当然あり得ることである、こういうことですか。
#129
○国務大臣(大平正芳君) 平たく言えば、まず、交付税率とか何とかいう前に、地方も中央もこういう赤字財政から早いところ足を洗わなければいかぬじゃないか、交付税率が高いの安いのなんという悠長な議論――悠長という言い方は失礼ですけれども、そういうようなことよりは、どだい本体の方の体質を早く直していくことがいま福田さんにも私にも課せられた任務じゃないかと考えておるわけでございます。福田さんは自治大臣だから地方の方を向いて、この秋になると、大蔵省の方へ前向きにひとつ話を持ちかけなければなるまいということを、私が自治大臣であってもその程度の答弁をするだろうと思うんですよ。だけれども大蔵省としては、そこでしかと心得ましたと言うわけにはなかなかまいらないのでありまして、私はまず体質を改善いたしまして、精いっぱい早いところ健全財政に両方とも持っていかなきゃいかぬ。和田さんも御承知のとおり、地方の方はまだこれでも赤字が少ないんですよ。皆さんは中央からどんどんと金を取るべきである、中央の方がけちだけちだと言ってあなた怒るけれども、それはとても公債の残高も公債依存率も、どう見てもまだ地方の方が健全なんですよ。私の方が苦しいわけなんですよ。でございますから、主人公がこんな状態ではいかないわけでございますから、だから、地方の方も一緒になって憂いを分かってもらわなければいかぬので、いまはともかくそんなことよりは両方とも早いところ浮上しようじゃないか、赤字から脱却して健康体になろうじゃないかということで、分け前をいま議論するのは少し早いんじゃないかというのが私の本当の気持ちなんですよ。
 そこで、しかしそういうことを自治大臣のお立場でなかなか地方を抱えておって言うことを言えませんから、検討しようということでございますから、それは私も検討するにやぶさかではございません。ただ、私の立場では、その場合に引き上げについて心得ました、大蔵省もそういう方向で考えますということは申しかねます。私はもうそれよりは、中央や地方の財政の健全化にもっと真剣に努力をする過程で精いっぱいのことをやらなければいかぬのじゃないか、そう考えております。
#130
○和田静夫君 これは大変不満な答弁なんです、そこは。これはもう問題にならぬ答弁でありまして、私はやはり本体の方がとこう言われれば、それは主権在民でありますから、本体の方は地方自治体の方が最も近い、この国の主権者たちと接触しているわけですから、そこがやはりもっともっと豊かにされなければならないし、そこが満足をされる政治というものがやはり求められなければなりませんから、いまもう時間がないのにそんなことのやりとりをするつもりはありませんが、ただ一言、やっぱり地方財政の円滑な運営のためにはそこに向かって、自治大臣は国の政治全体を考えずに言っていらっしゃることじゃありませんよ。いわゆる閣僚の一員として明確に本会議で答弁をされたということになっているわけです。したがって、自治大臣の本会議答弁というものは大蔵大臣としてはお受けになって、そうして自治体財政の運営の円滑化のために努力する、こういう形できょうの答弁の締めくくりを求めておいてよろしいですか。
#131
○国務大臣(大平正芳君) 中央、地方憂えを分かちながら財政健全化のために最大限の努力をする過程におきまして、自治省のお申し出にも全幅の協力を惜しまないということです。
#132
○委員長(上田稔君) 両案に対する午前中の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十一分開会
#133
○委員長(上田稔君) ただいまから地方行政委員会を再会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐多宗二君が委員を辞任され、その補欠として原文兵衛君が選任されました。
    ―――――――――――――
#134
○委員長(上田稔君) 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行います。
#135
○阿部憲一君 大蔵省並びに自治省に対しまして御質問いたしますが、五十一年度の地方財政計画あるいは交付税の算定基礎になっている税収見込みは、大蔵省あたりでデータを持っておられると思いまするが、果たしてこの計画どおりに確保できるのかどうか非常に疑問に思っています。ある程度の伸びを予想されているようですけれども、大変この計画どおり確保できるということに対しては懸念しております。したがいまして、今後景気浮揚対策がどういうふうに、どのような効果をあらわしてくるか。また、景気回復についてどのような見通しでおるのか。本年度の後半に景気が伸びたといたしましても、結局はこれは大部分翌年度の税収になるわけですが、この点についても非常に心もとない感じがいたしますが、これについての御所見を承りたいと思います。
#136
○政府委員(細川護煕君) 五十年度の税収の剰余は、大体御承知のように三千億ばかり、これは土地の駆け込み譲渡に基づくあくまでも臨時的なものでありますが、出ておるわけでございますが、これは五十一年度の上昇にはつながらないわけでございます。それと、今度は逆に五十年度におきましては、源泉所得税の落ち込みも相当にございまして、これは経常的な税目でありますから、それはそのまま五十一年度税収の土台の低下になるということでございます。まだしかし、何と申しましても五十一年度すべり出したばかりでございますし、これからどういうふうに経済の状態が動いていくか、それによりまして三税の収入がどうなるかということもまだいまの段階で確たる見通しを申し上げる段階ではございません。まあしかし、おおむね見込みどおりに推移をしていくであろうというふうに考えております。
#137
○阿部憲一君 自治省の方にも。
#138
○政府委員(森岡敞君) 地方税収入につきましては、御承知のように景気変動に左右されやすい税目は個人住民税所得割りと法人関係税でございますが、個人住民税の方は前年所得を課税標準にいたしておりますので、これはもうすでに確定いたしました所得を基礎に算定いたしますから、今後の景気の状況によりましてどうこうという問題は全くございません。法人関係税につきましては、いま大蔵政務次官の方からお話もございましたように、現段階におきましてはまだこれからの問題でございますけれども、全体としてながめますならば、着実な回復基調にもなっているわけでございまして、おおむね地方財政計画に見込んだ法人関係税収入は確保できるものと、かように考えておる次第でございます。
#139
○阿部憲一君 この地方交付税の伸びは、地方財政計画で見る限りは前年度比一七・一%となっております。しかし、交付税そのものの中身についてはいろいろな変化が見られます。各都道府県の予算の編成に当たっては、交付税が一七%伸びるということで組んでいると思いますが、財源措置に心配はありませんか。また交付税の中身の変化について、自治省では各都道府県の予算編成に当たってどのような指示をなさってきましたか。また各県の予算にはどのような影響が出ているのか、お伺いしたいと思います。
#140
○政府委員(首藤堯君) 交付税は御指摘のように一七%余りの伸びになっておりますが、御心配をいただいておりますように、ことしは内容が非常に変化をしておりますので、地方団体の組み方がまずいと見込み違いになるおそれがあるということで、私どもも大変それには意を用いて指導いたしておる次第であります。
 具体的に申し上げますと、全般では一七%の伸びでございますが、各地方団体が去年の実績の一七%交付税を伸ばすということをされたのではおかしなかっこうになるわけでございまして、今度の交付税は御承知のように経常経費と投資的経費において、かなり扱いが違いますので、むしろ投資的経費の方は起債振りかえで額が落ちますし、経常経費の方は通常の伸びがあると、こういうことでございます。そこで、ことし早い機会に全国都道府県の財政地方課長会議、これを開催いたしたのでありますが、そのときに基準財政需要額の算定を的確にするように、その場合に消費的経費と投資的経費の二手に分けて試算をするように、その場合の平均の伸び率は県でこの程度、市町村でこの程度になるから、それをよく勘案をして、基準財政需要額の推計に誤りがないようにして交付税の見積りをやるようにと、こういう指示をいたしておる次第であります。いまのところ各団体ともそのような事情はよく承知をいたしておるようでございますから、単純に一七%掛けてしまったという状況はまず出ないで済むのではなかろうかと期待をいたしております。
#141
○阿部憲一君 都道府県税について地方財政計画上は五十年度よりも六・八%の減、五十年度最終見込みとの対比では地方全体では一三・一%の伸び、都道府県では一三・四%の伸びとこうなっていますけれども、各県ではどのような見積もりを立てておりますか。
#142
○政府委員(森岡敞君) 私ども、いま、手元に持っております五十一年度当初予算におきます都道府県税の収入見込みは約四兆七千億円弱でございます。地方財政計画で見込んでおります都道府県分は四兆二千六百億円強でございますので、これにいわゆる法人税割りあるいは法人事業税の超過課税がございます。それらを含めますと、おおむね地方財政計画で見込んでおります都道府県税収入の予定と各府県が計上いたしておりますのはほぼ相見合っておる、かように考えておるわけでございます。
#143
○阿部憲一君 都道府県税は、当初との比較では四十七県のうち三十五県が下回っていると聞いておりますが、このような情勢のもとでは法人事業税の外形標準課税が大きな課題でありますし、全国知事会でもこれを強く要望しているところでございますが、これについてどういうふうにお考えですか。電力関係のあるところ、また発電所なんかあるところでは非常に伸びが安定しております。やはり外形標準課税、これが影響しておるのではないかと思います。法人事業税の外形標準課税の導入をぜひ検討すべきではないか、こう思いまするが、御見解を承りたいと思います。
#144
○政府委員(森岡敞君) 事業税におきます外形基準の導入の問題につきましては、いま御指摘のように都道府県財政収入の安定性を確保するという見地から望ましい方向であり、かつまた事業税の性格にも合致しているという基本的な認識を私どもは持ち続けてまいったわけでございます。
 税制調査会におきましても、十年以上いろいろな角度から御議論をいただきました。ことに昨年の税制調査会におきましては、かなり具体的にこれの対象を、たとえば製造業とか、そういう特定の業種に限定することはどうだろうかとか、あるいは外形基準として何が最も適当であるか、付加価値額でありますとか、資本金でありますとか、収入金額でありますとか、いろいろなものがあるわけでございます。それらについてかなり細かい御議論もいただいたわけでございますけれども、何と申しましても、現在の経済情勢のもとで負担に大きな変動をもたらすということについて、かなり消極的な御意見が強うございます。ことに、今後安定成長路線のもとでの国税、地方税を通じます税体系のあり方についてかなり基本的な検討をせずばなるまい、こういう御感触の方たちが多いわけでございます。その際の一環としてやはり法人事業税のあり方についても検討をしてはどうか、こういう御議論に終始いたしまして、最終的に結論を得るに至らなかった、引き続き今後検討する、こういう御結論になったわけでございます。
 自治省といたしましては、やはり都道府県財政収入の安定性の確保という観点から積極的に取り組んでまいりたい、かように思っている次第でございます。
#145
○阿部憲一君 この問題については、いま自治省の御見解も承りましたし、恐らく自治省としてはこの方向で進みたいというふうに私はとりましたのですが、問題はやっぱり税全体を把握する立場にいる大蔵省あたりの意向というものが相当大きく響くと思いますので、その意味から大蔵省の御見解も承りたいと思います。
#146
○政府委員(細川護煕君) いま自治省からもいろいろお話しございましたが、大蔵省としても、今後の税体系の全般の検討の中で考えさしていただきたいというふうに考えております。
#147
○阿部憲一君 交付税のあり方でございますけれども、税収が非常に伸びていたいままでは、裕福な県はそのためにどんどん社会資本の充実を図ってくることができました。ところが逆に、後進地域と申しましょうか、おくれている方で交付税をもらってやってきた県よりも福祉の充実も進められたけれども、そういう先進県がかえって逆に税収が落ち込んでしまって、その分について全体に交付税がそちらの方に食われてしまう、こういう結果を招いたと思います。貧乏県はそのしわ寄せを受けるという制度上の片手落ちの感じはしますけれども、将来ますますこの格差が広がるんじゃないか、このようにおそれますけれども、いかがなものでしょうか。東北だとか、北陸などのような後進地域の交付税の伸び率は落ち込んでいるようですが、配分のあり方に問題はないか、もしあるとすれば、どのように対処なさるのか、この辺について自治省の御見解を承りたいと思います。
#148
○政府委員(首藤堯君) 交付税の配分でございますが、通常の基準財政需要額配分をいたします場合にも、先社御案内のように、最近過密地域と申しますか、人口急増地域への対策、それから過疎地域への対策、これに対する重点配分というようなことを考えまして、補正係数の扱い等にも年々配慮をいたしておりますのは先生御案内のとおりでございます。ことしも財政需要のはじき方としては同じ方針を踏襲してまいりますので、決してそのような意味で、大府県に回ります交付税が弱小市町村あるいは後進地域へしわ寄せになるということはないと考えております。
 それから、その交付税の具体的な算定の仕方は、いま申し上げましたようなことをいたしますが、要するに交付税の総額を算定をいたします際に、税収入が減少をいたしましたことを前提に置きました地方財政計画で財源不足額を算定をして交付税の総額を確保をいたしておるわけでございますから、大府県において税収が減少になったことによって交付税がよけい回りますけれども、その分は決して後進地域に食い込むことがないように総額の確保をしてある、こういうことでございます。
#149
○阿部憲一君 その辺については自治省としても格段な御配慮をなさっていると思いまするけれども、私どもはやっぱりそのようなある意味では不公平と言いましょうか、というようなことが起こりゃしないかと考えられたものですからお伺いしたわけでございますが、まあこの上ともぜひ各県とも、それこそ後進県も含めて公平に対処していただきたいと思います。
 五十一年度の地方財政対策の一番の大きな問題は、交付税特別会計の借入金すなわち二兆四千三百四十二億円と、それから地方債の二兆三千億円であろうと思われますが、この後年度の財政負担をどのように対処なさるのか。やはり五十一年度は交付税率を引き上げる時期であったと思いまするが、なぜ引き上げられなかったのか、この辺について御説明願いたいと思います。
#150
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、昭和五十年も税収の減によって地方財政に危機がまいりましたし、五十一年も同様な事態によりまして、二兆六千二百億もの財源不足が見込まれました。これを御指摘をいただきましたように、交付税特別会計の借入金と地方債の増額、こういうことをもって賄ったのは御指摘のとおりでございます。
 まず第一に、そのような事態であるのにどうして交付税率の引き上げを考えなかったかという問題でございますが、これは御案内のように、こういった財政危機の現状が、何と申しましても経済の非常に大きな変動に伴います国税、地方税を通じましての税収の落ち込み、こういうことが大きな要素でございますし、経済の今後の先行きも予断を許さない事態でございましたので、ともかく所要の財源を確保するということに前提を置きまして、交付税率の引き上げ、そのほか地方行財政制度全般を通じます抜本的な見直しとしては、今後五十二年度以降に十分検討をして対処をしていこう、こういう考え方で五十一年は応急的に所要財源をともかく確保するという措置に出たわけでございます。
 それから、しからばこのような借入金や地方債の増額ばかりをやったことが地方財政の将来に対するしわ寄せにならないかという第二の御質問でございますが、この点はそのようなことにならないように措置をいたしたいと考えております。
 具体的には、まず第一に、こういった交付税の借入金の償還額、それから地方債の償還額、この総額を毎年度地方財政計画を通じまして歳出に立てまして、それに見合う歳入を的確に確保をしていくということで、総額の確保を図ってまいります。
 第二に、具体的な地方団体に対しましては、地方債の借入金につきましてはこの償還額を基準財政需要額に立てる、こういう措置をとることによりまして、当該団体に対する交付税の配分の際にその財源措置をとっていく、これによって個別の団体にも迷惑がかからないようにする、こういう措置をとることに考えておるわけでございまして、将来、地方財政にこのことによるしわが寄るということはないものと信じております。
#151
○阿部憲一君 その際に、地方債に対する金利ですか、これはどんなふうに措置されますか。交付税の中に含めてカバーするというのか、それともあの部分については地方に負担させるかどうか、こういうことについてお伺いします。
#152
○政府委員(首藤堯君) 当然、その金利も理論計算をして交付税の需要に組み込みます。たとえば民間資金を活用しましたものにつきましては、市場公募債の平均金利、こういったものを平均に置きまして、それで金利を払うとすれば幾らになるか、こういうことを前提に置きまして自余の計算をいたすつもりであります。
#153
○阿部憲一君 そうすると、くどいようですが、地方としては交付税をもらったのと収支の面からは同じであると、こういうように理解していいんですか。
#154
○政府委員(首藤堯君) 結果的には御指摘のとおりになるように措置をいたしたいと思っております。
#155
○阿部憲一君 なお、ついでに伺いますが、交付税率ですね。これはことしまで含めて二年このような不測の事態ができましたので、当然五十二年度は改めなきゃならぬ、こういうことでございますね。それにつきましては、これをどのくらいの率に改めるかということも、これはいろいろ物議を醸しておりまするが、いまおっしゃるように、抜本的なと言いましょうか、来年度は根本的に財政対策をお立てになる、こういうお考えで結構だと思いまするけれども、しかしいずれにしろ、どういうふつなお立て方をなさっても、事交付税に関する限りはいまの三二%で据え置くということはできないと私は思いますが、その辺いかがですか。
#156
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、地方交付税法第六条の三、この規定で、交付税の総額が引き続き著しく所要額と違ってくる、こういうような事態でございました場合には、行財政制度の改正、または地方交付税の率の変更、こういったことを検討しなければならないことになっておるわけでございまして、そういう意味で抜本的な対策を検討してまいろうと考えております。ただ、それをどの程度どうするのかという問題は、ただ地方交付税の率のみの問題ではございませんで、行財政制度全般の問題とも関連をいたします。税制のあり方、あるいは国庫との負担区分のあり方、行政事務の配分のあり方、こういったようなことともあわせ検討をする必要があろうかと思いますので、そういった基本的な問題について五十二年度以降いろいろ検討を加えながら対処をしていく、こういうことであろうと思いますので、いまにわかにこれを何%にどうするのかということについてはお答え申し上げる段階ではございません。
#157
○阿部憲一君 大蔵大臣、お見えになりまして、非常にお忙しくて時間もおありにならぬようですから、特に大蔵大臣にお伺いしたいと思いまするが、御案内のように、ただいま地方財政の危機は深刻なものでございますが、この原因というのは、申すまでもなく現在の不況ということ、それから物価高の両面の影響をかぶって、地方として収入の面、支出の面、両方とも非常なアンバランスな、また非常に急激に膨張した状況になったわけでございますが、結局地方の財政の危機というもの、またこれをもたらした不況とインフレといいましょうか、物価高というものは、単に地方財政だけでなくて、国の方の財政にも大きな影響を与えていることは申すまでもありません。ひいてはまた国民生活も非常に大きな重圧を受けている現状でございますが、結局このようなことに、いまの財政危機に対して大きな影響を与えている現在の不況、高物価というものに対して一番の当面した責任のある方は大蔵大臣でございますので、これについての対策といいましょうか、方策をお伺いしたいと思います。
#158
○国務大臣(大平正芳君) 一昨昨年の半ば以来、内外の経済が大変振幅の激しい変動を来しまして、中央、地方の財政ばかりでなく企業の経済、家計に至るまで大きな試練を経験いたしたわけでございまして、阿部さんが仰せのように、財政面におきましては、中央、地方を問わず、予定いたしておりました収入が予想以上の減収を結果いたしたわけでございますので、これに対しましてどのように対応してまいるかということについて、思い切って出血を覚悟の上、歳出も削減してまいるという思い切った対応策も一つの選択であろうかと思いますが、経済が疲れておりました段階でございまするので、そういうことは政治として選択すべきでない、中央、地方を通じまして行政財政の水準は最小限度を維持してまいりながら、若干の時間をかしていただいて、その間に経済が体力を回復し、そして財政もしたがってまた正常に返ってまいる契機をつかましていただこうということにいたしたのが、一昨昨年以来政府がとりました選択でございまして、したがって五十年度、五十一年度、そういう方針で中央、地方の財政の切り盛りをいたしてまいったわけでございます。
  〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
 しかし、これをいつまでも続けておるわけにはまいりませんで、五十年代の前半にはこういう不正常な状態から脱却いたしまして、健全な足で自立をしなければならないと考えておるわけでございます。先般来国会で御審議をいただいておりますような中期の財政収支の試算をお出し申し上げて、五十年代の前期に政府がもくろんでおりまする経済計画をこなしながら、そういう不正常な赤字財政から脱却するにはどういう手だてが必要かというような試算を出したわけでございまして、御審議をいただいておるわけでございます。これは大変険しい道でございまして、またこれを実行するには相当の抵抗が、とりわけ歳入面におきまして抵抗が生ずるに違いないとは思いますけれども、どうしても通らなけりゃならぬ道であると考えておるわけでございます。五十二年度から発足いたしまして、五十三年度、とりあえずは赤字公債を漸減してまいる、五十年代前半には赤字財政から完全に脱却するということを目標にいたしておるわけでございまして、当面そういうことを目標に緊張した財政運営を通じて赤字財政から脱却することを当面の目標にいたしたいと思います。それから五十年代後半になりまして正常に戻りました段階におきまして、この赤字財政によりまして発行いたしました公債の消却等のためにそれぞれ財政力を蓄えてまいらなけりゃならぬ、そのもくろみをやってまいらにゃいかぬと考えておるわけでございます。
#159
○阿部憲一君 今回の例の新経済五ヵ年計画でございますが、これは目先五年間の計画でございますが、これといま大臣の考えておられることとは大体合致したものだと思いまするが、特に、何かあれでしょうか、赤字公債あるいはまたいまの地方債、問題になっておりますが、これなどの解決なんかについては、この五ヵ年計画によって、いま申された大臣のお考えを推進するといいましょうか、促進することができるものでしょうかどうですか、その辺のところをお考えを承りたいと思います。
#160
○国務大臣(大平正芳君) 経済計画概案の思想を取り入れまして、それを財政政策として翻訳いたしたものが中期の財政収支の見通しでございます。この考え方を忠実に実行いたしますならば、一応試算に盛られたような結果が生まれてくると思いますが、しかしこれは一応の試算でございましたように、中央、地方、いろんな抵抗があると思うのでございまして、いろんな問題点があの中にはあると思います。そういう問題点を発掘いたしまして、一つ一つ丁寧に解決しながら目標に向かって進んでまいるというためにはよほどの努力をしなきゃならぬと思いますけれども、われわれとしては忍耐強くこれはやってまいらなければいけないと考えておりますし、それはやれないことではないと考えております。
#161
○阿部憲一君 大蔵大臣にもう一つお伺いしたいと思いますが、地方交付税法の第六条に、御承知のように交付税率の変更がうたわれております。これについての大蔵大臣の御見解を承りたいと思うのでございますが、自治省の中期財政展望によっても五十二年度にも約二兆円の財源不足を生ずることになっているが、交付税率の本格的な見直しをいつ、どのような時期に行うつもりであるかどうか。また、この当面の財政運営の基本とされている正常化、これをいつをめどとなさっておるか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#162
○国務大臣(大平正芳君) これは、現実のお話は自治大臣を中心にいたしまして取り運んでまいることだと思いますけれども、私の考えを率直に申し述べさしていただくならば、法律制度の問題といたしましては、赤字が続いて、それが相当程度のものでございますならば、交付税率の改定の問題、それから中央、地方の事務の配分、その他制度の検討の問題も含めまして検討しなければならぬことになっておりますので、そういう制度的な問題は、当然、政府として尊重して取りかからなければならぬ課題であることは間違いないと思います。
 けれども、私は政治論といたしまして、今日ただいま私どもが非常に大事な問題は、中央も地方も早いところ赤字から脱却して、健全な財政に返るということがまず第一義であり、優先した課題でないかと思うのでございまして、そうしないと、いかにあの制度がりっぱになりましても、交付税率をいじってみても、本当に実のある成果は出てこないわけでございまするので、まずそういう財政の再建を急ぐ、それに力点を置くということを急がしていただきまして、その間、いろんな暫定措置を自治省とよく相談しながらとらしていただいて、それでこの危機状態から早く脱却をいたしまして、いわば交付税率その他、地方財政制度、行政制度というようなものを新たな水面においてもう一遍余裕を持って見直すことができるような状況を早く招来したいものというのが念願でございまして、そういうことが早くできるようになりたいとむしろいま念願しておるのが心境でございます。
#163
○阿部憲一君 大蔵大臣にいまもう一つ伺いたいと思いますのは、非常にいまの大蔵大臣のお考え方、御希望等々はよくわかりましたが、その正常化する一応のめどというものはいつごろにお置なさってますか。一言伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#164
○国務大臣(大平正芳君) これは、中央の方は五十年代の前半には赤字状況を脱却したいということを念願としておるのでございまして、恐らく自治省におかれましても、自治体方面と御相談いたしまして、それと矛盾しないところで再建のめどをお立てになっていただいておるのではないかと期待いたしております。
#165
○阿部憲一君 自治省にお伺いしますが、先ごろ地方財政の中期展望を発表をなさいましたが、この試算について少々お伺いしたいと思います。
 まず、この中期展望はどういう意味を持っておりますか、お伺いします。
#166
○政府委員(首藤堯君) 御案内のように、五十一年度におきましても五十年度に引き続きまして、国も地方もそうでございましたが、大変な財源不足に見舞われておるわけでありまして、ことしの措置は、交付税特別会計の借り入れ、地方債への振りかえ、こういったことで財源確保をいたしておるわけであります。そういう状況でございますので、一方国の財政の方におかれましては、予算委員会等で、今後の見通しについてある程度予算審議の参考に供するために試算というものを出すべきではないかというようなお話がございまして、国の方も中期展望をおつくりになったわけでありますが、地方財政の方もその点は全く同様だと考えたわけでございます。したがいまして、国がつくられました中期展望と全く同じ前提条件に立ちました場合、全く仮定の問題でございますが、そういう前提条件の場合に今後の地方財政の見通しがどうなるかということにつきまして試算をいたしましたものでございます。
#167
○阿部憲一君 この中期展望を策定した際の前提となっている条件なり仮定なりについて、御説明願いたいと思います。
  〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
#168
○政府委員(首藤堯君) 主立ったものだけの仮定につきまして申し上げますと、まず経済の背景でございますが、これは昭和五十年代の前期経済計画概案、つまり一月の二十三日に閣議了解されたものでございますが、それを一応の前提に置いております。主立ったところを申し上げますと、GNPの伸びは五十年から五十五年度までの平均が実質六%強、名目一三%強。それから政府国定資本形成、これが実質七%程度の平均の伸び、名目は一四%弱でございます。五十五年までおおむね実投資額で百兆円ぐらいの見当。それから税及び税外負担率を国民所得対比にいたしまして、昭和四十八年から五十年の平均に対しまして計画期間中に三%程度上昇させる、こういったことが主な前提でございます。この三%の税及び税外負担上昇率は、現行の租税負担の国、地方の配分の割合でもちまして何らの作意を加えずそのまま割り振りますと、国が二%程度伸び、地方が一%程度伸びと、こういうことに算術的になるわけでございますが、そういうものを前提にいたして策定をいたしてございます。あと要素は、国の計画と全く同じでございます。
#169
○阿部憲一君 この中期展望の中で示されております、ケースIとIIに分かれておりますが、このIの場合ですけれども、問題は租税負担率を除々に上げた場合に、地方はどういう状況になるのか、お伺いします。
#170
○政府委員(森岡敞君) ただいま財政局長から御説明申し上げましたように、このケースIをごらんいただきますと、歳入の方は一般財源ということで地方税及び地方交付税並びに地方譲与税を包括いたしまして、五十年度補正後及び五十一年度を踏まえまして五十五年度までの見通しを立てておるわけでございます。その場合に、地方税につきましてはいま御説明申し上げましたように、一%程度租税負担率が上がる、こういう前提で計算をいたしております。地方税の場合、四十八年度から五十年度までの平均は六・九%、国民所得対比の率になっております。それを一%でございますから七・九%というふうな計算をいたしておる次第でございます。
#171
○阿部憲一君 この中期展望の中で、国の公共投資はこの五ヵ年間で一五・五%の伸びということになっていますが、地方の場合は一三・五%と、二%低いんですが、これはどういうわけでしょうか。
#172
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、公共投資の平均伸び率は一三・五で算定をいたしておりますが、これは先ほども申し上げました政府固定資本形成の伸びが実質七%程度、名目一四%弱、こういうことになっておりますので、ほぼそれに合わせたわけでございます。
 それから、国の公共投資が一五・五と、経済計画の固定資本形成の伸び率を若干上回っておりますのは、これは昭和五十年度に比較しての問題でございますが、将来の事業として下水道事業といったような総投資額に占める国費の負担割合が高いもの、これがわりにウエートが高まるという見込みがございます。それで、国の方が割り高になり、地方の方は国費のウエートが高くなるものが伸びますから、地方負担の方は割り安になる、こういう傾向が出てくるものと考えます。
#173
○阿部憲一君 この中期展望の歳入については、その性質に従って「一般財源」、「国庫支出金」、それから「地方債」、「その他の収入」、こういうふうに四つに分けて推計されておりますが、一般財源については、地方税の租税負担率を五十五年度までに一%上乗せして七・九%にするということでございますか。
#174
○政府委員(森岡敞君) 先ほど来御説明申しておりますように、この地方財政収支試算は一月二十三日に閣議了解されました「五十年代前期経済計画概案」を基礎にいたしまして、そこに示されました各種の指標を用いているわけでございます。
 経済計画概案ではいろんな前提を置いて書かれておりますけれども、その中に税及び税外負担率を三%程度上げることを予定をする、こうなっておるわけでございますので、その三%を一応国税二%、地方税一%という振り分けをいたしまして、地方財政収支試算においては一%の租税負担率のアップという計算をいたしておる、こういうことでございます。
#175
○阿部憲一君 国税の収入の中で地方交付税として配分される割合はどのように計算されていますか。
#176
○政府委員(首藤堯君) 地方交付税でございますが、これは国の中期展望の中におきまして、負担率を二%に伸ばすという全般的な操作で国税の総額が算定をされておるわけでありますが、その中の国税三税相当分の比率、これを固定をいたしまして考えまして国税三税を想定をし、それの三二%分ということで自動的にはじいたものでございます。これに対しまして、もちろん、現行制度でことしの特別措置に取り入れられました、将来国の方からいただける臨時特例交付金分があるわけでありますが、これを加算をする。それからことし及び去年借り入れました交付税特別会計の借入金の返済をする、これを差し引き増減をいたしまして、その結果を素直に算定をしたという結果、かっこうになっております。
#177
○阿部憲一君 三二%という交付税率、これはケースIの方でいきますと五十四年度でさえも財源不足になるというのに、五十五年度までも三二%ということで続けていく、これはちょっとおかしいじゃないでしょうか。
#178
○政府委員(首藤堯君) そういう政策的意図を持っておるわけではございませんで、先ほどから申し上げておりますように、あくまで現行制度を前提にした試算でございます。現在三二%でございますから、それでずっとはじいてみて、その結果が足りないという結果が前半の方は出ておるわけでありますが、ともかく現行の制度そのものを前提にして推計をしたということだけでございます。したがいまして、何年間三二%で据え置くとか、据え置かないとか、こういうことを前提にしたものではございません。
#179
○阿部憲一君 この国庫支出金について、歳出の中の公共投資に対応するものは平均一四・三%となっていますね。また、地方の歳出の中での公共投資の伸びが一三・五%であるにもかかわらず、国からもらうべき国庫支出金が一四・五%。出る方と入る方の差が一%近くもあるのはどういうわけでしょうか。
#180
○政府委員(首藤堯君) これは先ほど申し上げました公共投資の伸び率が国と地方と違うということのうらはらでございまして、つまり、国庫負担率の高いもの、その占めるシェアが多くなってくるという見込みでございます。たとえて申し上げますと、下水道でございますとか、治山治水関係、農業関係、こういうもののウエートが高まってまいるのが経済計画のあれにあらわれておりますので、そのことに基づきまして設案をいたしますと、事業費の伸び率よりは国庫負担金の伸び率の方が高くなる、こういうことになっているわけであります。
#181
○阿部憲一君 中期展望では五十五年度までに租税負担率を三%上げることになっていますが、一体どのような方法をとりますか。新税を創設するのか、もしするとする場合にはどういう税を起こすのか、また、それは法人負担になるのか、個人負担になるのか、間接税になるのか、直接税になるのか、この辺をお伺いします。
#182
○政府委員(森岡敞君) 中期展望の歳入面におきましては、先ほど御説明申し上げましたように、国税におきまして二%、地方税におきまして一%という現在の国、地方の税源配分の比率を一応そのまま用いまして、租税国民所得対比の租税負担率が上昇することを予定して計算をしておるわけでございますが、その内容なりあるいは方向につきましてはこれからの問題に相なろうかと私どもは考えておる次第でございます。具体的に直接税、間接税のいずれに重点を置いて考えるのかあるいは法人に対する課税、個人に対する課税のいずれに傾斜をかけて考えるのか、いろいろな問題が実はあろうかと思いますけれども、それらにつきましては、今後の日本経済の状況あるいは地方財政の動向、すべてを慎重に検討いたしまして、税制調査会等の十分な御審議を煩わした上で方向づけをすべきもの、かように考えておる次第でございます。
#183
○阿部憲一君 そうしますと、新税を創設しないということですか、この辺どうですか。
#184
○政府委員(森岡敞君) 経済計画概案の中でも示されておりますように、当面は現行制度の枠内で増収を図るが、将来におきまして必要があり、また国民のコンセンサスが得られますならば新たな税の創設についても検討する必要が出てくるであろう、こういうことが指摘をされております。でございますので、今後の経済の動向を基本的に慎重にながめました上でどのような対策をとるのかということにつきましては、いま固定的に考えておるというということではございません。あらゆる方面から総合的な検討をすることが必要であろうと、かように思っておるわけでございます。
#185
○阿部憲一君 そうすると、減税についても同様でございますね。
#186
○政府委員(森岡敞君) 増減税全般を通じまして、国民の租税負担をどうするかということにつきまして、慎重に今後具体の問題として検討を進めてまいるものであろうと、かように考えます。
#187
○阿部憲一君 この中期展望のケースIの方の試算ですが、これでは五十二年度一兆九千二百億円、五十三年度一兆四百億円、五十四年度二百億円の財源不足を生じることになっておりますが、この財源不足を一体何で措置していくおつもりか、伺いたいと思います。
#188
○政府委員(首藤堯君) この試算は先ほども申し上げましたように、全く一つの前提、現状及び国の中期計画等の前提を踏まえて、そのままでどうなるかという試算をいたしたものでございまして、その結果御指摘のように、いまのままの経済状況及び前提状況でございますれば、五十二年度は一兆九千億余り足りない、五十三年度も一兆余り足りない、つじつまが合うのは五十五年度である、こういう結果が出たわけでございます。したがいまして、こういう事態に対処をして、五十二、五十三、五十四、将来に対してどういう措置をとっていくべきかということが、これからの検討事項になるわけでございまして、この試算は現状のままではこういう結果が出ますというところまでの試算と考えていただいてよろしかろうかと思っております。
#189
○阿部憲一君 それについて何かお考えございませんか。
#190
○政府委員(首藤堯君) これは先ほども御質問がございましたことに関連をしてお答え申し上げましたように、五十、五十一すでに大きな赤字が生じており、五十二もこういう状況であるとすれば、地方行財政制度及び交付税の率、こういったようなものをどう持っていくのか、総合的に、抜本的検討策に入って、それをもってこれを解消していくというのが今後の検討の方向であろうかと思っておるわけであります。
#191
○阿部憲一君 財源不足対策債について、今年度の財政の状況の中では、地方債の占めるウエートが非常に高くなっております。起債で財源措置をするというのは、いわばタコ足配当のようなものでございまして、税収などの伸びが乏しいのにタコ足を食うやり方をとりますと、行政水準はうんと低くなっていくことになります。これから税収がふえてきたらば、したがって起債を減らしていくかっこうにせざるを得ませんから、そうするとしばらくは財政規模は完全に水平という状態にならざるを得ないんじゃないかと思います。つまり地方財政は当分ゼロ成長が続くということになりますが、しかし本当にそれでやっていくことができるかどうか、その辺心配はないかどうか、お伺いします。
#192
○政府委員(首藤堯君) 地方財政の今後の歳出所要額、確保すべき財源の総額、こういうものはやはりその事態事態に合いまして適正な歳出規模を確保する、住民の福祉、地域の発展といったようなことを確保するのに必要な状況を確保していくということがまず何より前提であろうと考えております。したがいまして、中期展望でもごらんをいただきますように、それぞれの費目につきまして、現状では所要と見られます平均的な伸びはもちろん考慮いたしておるわけでございます。これに合いましたようにやはりその年度年度の適実な財源措置を講じていくべきである、このように考えておりますので、決してゼロ成長のままでいいと心得ておるわけではございません。
 それから第二に、前段に御設問がございました、いまこれだけ起債を出しておくと将来その償還費で実質的に事業が縮まりはしないかという御質問でございますが、この点は、いま起こしております地方債の償還費をやはり歳出の中に計上していく、それだけの財源を確保するという立場で財政計画を策定をしてまいりますから、その償還費の伸びでほかのものを食い込んでしまうという事態にはならないように措置をする、こういうことでございます。
#193
○阿部憲一君 公共事業の裏負担分として交付税措置がなされておりましたこの八千億円がどのように配分されるのか。起債の消化力などを考慮して配分されるのか、あるいはまた消化力のあるところには余りいかないで、貧乏な県に起債が多くいくということになりますると、将来格差が広がることになりますが、こうした点をどのように御配慮されていきますか。
#194
○政府委員(首藤堯君) 今回、事業費に直接充てます起債として、地方債の振りかえ八千億をやりましたものの配分でございますが、これは一般公共事業とか義務教育施設整備事業とか一般単独事業、それから高等学校整備事業、社会福祉施設の建設事業、それから廃棄物処理事業、こういったたぐいの事業費に対しまして、地方債を九五%という高い率で地方債財源を充当する、こういうかっこうで振りかえをするわけでございます。これは御案内のように、従前一部地方交付税でもって投資的経費の財源を充当しておりましたものを、地方債に振りかえるという措置でございます。したがいまして、この起債がその事業を持っておるところにその財源として配分をされることになりますので、たとえばいま御指摘のように、財源のある団体、ない団体、こういうことにアンバランスになるとは考えておりません。事業をやります場合に、その事業に対して適実に配分されるわけでございます。
 ただ、御指摘のように、これは非常に多くの額が民間資金でございますので、貧弱団体に民間資金をよけい割りつけるということになりますと、先生御指摘のように、これが消化ができないという事態が出てくるおそれはございます。そこで貧弱市町村に対してはできるだけ政府資金を充てていく。民間資金を確保できる程度の大規模団体に対して民間資金を割りつけていく、こういう措置をとりたいと思っております。
#195
○阿部憲一君 いま、貧弱な県、富裕な団体というようなことについてのアンバランスを心配しているんですけれども、ちょっと大蔵省に伺いますが、多額の財源対策債の発行ということでもって、三倍近くの起債をほとんどの県が消化しなければならなくなっております。消化について全く見通しが立たない、立ってない県、団体などがかなりありますけれども、無理をして一般の市中の金融を圧迫する心配もあると思いますが、果たしてその辺大丈夫でございましょうか、お伺いします。
#196
○政府委員(細川護煕君) 多量の地方債が市中金融を圧迫するのじゃないかということだろうと思いますが、マクロの問題としては、公共債の発行によって得られた財政資金というものは、財政支出等の支払いになって金融機関に還流をするわけでありますし、一方で、現在の状況では民間の企業の資金需要というものもそれほど盛り上がりがないという状況でございますから、御懸念のようなことはまずないのではないかというふうにいまのところ考えております。
#197
○阿部憲一君 いま細井次官のお話がありましたけれども、実はいま確かにこの春ぐらいまでは民間の資金、金融機関の資金等も余りがちなような傾向、不況のために需要が非常に減っているというようなことでございましたけれども、最近四月ごろから大分市中の金融につきましても需要が起きてきまして、どちらかと言いますると資金難を訴える声も相当あるやに聞いております。そんなことから実はこの質問をしたわけでございますが、いままでのような非常なデフレーション、不景気の、また新しい事業などもほとんど起こす需要もないというような時期だといま次官のおっしゃるとおりだと思いまするが、何か私これから夏、秋にかけて相当金融も締まってくると、そういうふうに思いますものですからあえてお伺いしたわけでございます。
 もう一度重ねて御意見承りたいと思います。
#198
○政府委員(細川護煕君) いま申し上げましたように、財政支出にしても、あるいは地方公共団体の支払いにしても、銀行の預金になって還流をしてくるというようなことで、まあこの辺は大丈夫なんじゃないかなというふうに判断をしておるわけです、同じことになりますけれども。民間の資金需要の方も盛り上がってきたというお話ですが、何とかいまの状態でやれるのではないかというふうに考えております。
#199
○阿部憲一君 全国知事会からの要求が出ておりますが、地方団体金融公庫の実現についてどうなっていますか。また、その後の経過を御説明願いたいと思います。御一緒にお願いします。
#200
○政府委員(首藤堯君) 御案内のように、ことし非常に多額の民間資金の確保をしなければならないといったようなことから、何とかして民間資金確保対策を制度的にも講じておきたいという考え方が私どもございまして、弱小な団体では、なかなか地方債を発行いたしましてもこれの民間資金確保が困難でございますから、これを共同発行するという体制で、現在の公営企業金融公庫の機能を拡大をして地方団体金融公庫といったようなものをつくったらどうかということで、年来大蔵省等関係各方面とも折衝をいたしてまいったわけでございます。ことしはこれを実現をするに至りませんでしたのはいろいろ問題点がございますが、要するに現在の状況で民間資金の確保状況、地方債の消化状況等の状況をなおじっくりと見ながら、所要の措置を講じていくということについてなお検討を続けよう、いますぐ踏み切るのは時期尚早である、簡単に申し上げますとそのような結論であるわけでございますが、今後ともやはりかなり多額の民間資金を確保する必要が続こうと思いますので、こういった事態に対処するために私どもとしては検討を続けていきたい、できるだけこういったものの実現ができますように努力をしていきたい、このように考えておる次第であります。
#201
○阿部憲一君 この地方団体金融公庫に対する要求というのは相当強いと私は考えておりますので、大蔵省の方でもひとつ特段の御配慮を願いたいと思いますが。
#202
○政府委員(細川護煕君) この問題につきましては、大蔵省の方でも、地方財政全体の資金調達のあり方等将来の見通しを十分踏まえた上でなければ軽々に結論を出すべき問題ではないというふうに考えております。また、実際問題として、これによって民間資金の調達が必ずしも容易になるものではないというふうに判断をしておるわけでございます。一方で、今日の地方財政の異常な事態を前提に、いま早々に制度の変更を行うということもどんなものであろうかなというふうに考えておるわけでございます。そういった点を考えまして総合的に判断をいたしまして、大蔵省としてはいま当面この構想を進めることは適当でないというふうに考えております。しかし、地方財政対策の一環として地方債の円滑な消化を図っていきますことは、これはもうもちろん重要な課題でありますし、公営企業金融公庫につきましても、五十一年度の予算で資金の大幅な増額を図ることにいたしておるわけでございます。
#203
○阿部憲一君 地方債の消化に関連しての質問を自治省に申し上げたいと思いますが、神戸市では婦人団体を中心として市債の引き受け運動が行われておりまして、非常によい結果を上げていますが、内容を掌握なさっておりましたならば御報告を願いたいと思います。
#204
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、神戸市債におきましては、市民引き受け運動というものがございまして、促進団体としては神戸市の婦人団体協議会というのがございますが、これが、一家にともかく一市債を持とうといったような運動をお始めになったわけでございます。会員数が十万人余りほどのものでございます。当初目標を一億円に置かれたようでありますが、非常に消化がよろしゅうございまして、七億七千万円を少し超した、こういうような大幅な消化でございました。発行条件は八分六厘三毛九糸でございますか、応募者利回りでそういうものでございます。引き受け者数が一万人を超えた、こういうように聞いております。この事業は神戸市の水道事業にかかわるものでございまして、そこでこのように市民に市債の引き受け運動が起こりましたことは、一つにはやはり市民が市政に対して、市債をお持ちになるということを通じまして非常に身近な関心をお抱きになる、こういう点で大変望ましい効果のあることだと思いますし、また今後の地方債の消化のあり方を示す一つのりっぱな行き方でもあろう、こういうふうに考えたわけでございます。私どもとしては非常に望ましいことであったと思うわけであります。したがいまして、これにつきましては当該団体を自治大臣から表彰していただきまして、今後こういったことが進んでまいりますように祈願をいたしておるわけでございます。
#205
○阿部憲一君 私もこの神戸市の婦人団体の市債に対する関心といいますか、消化に対する協力というのは非常に喜ばしいことだと思っておりますので、これはむしろ神戸市だけでなくて、広くこのような運動と申しましょうか、成果が広がっていけば非常に喜ばしい傾向だと思っておりますが、それにつきまして、いま神戸市でこのような成功をおさめた理由として、それは根本的には市を愛する――自分の所属する団体を愛するというような気持ちからでございましょうけれども、物質的に見ても金利がほかの貯蓄よりも有利だということ、これもやっぱりネグレクトしちゃならぬと思います。したがって、最も望ましい地方債の市中消化を促進するためにはやっぱりマル優制度をつくるべきだと思いますが、私は国債にはマル優制度が設けられているにもかかわらず、地方債にないのは非常に不公平じゃないか、こうも思いますのですが、これは大蔵省並びに自治省のお考えをお伺いしたいと思います。
#206
○政府委員(細川護煕君) 地方債についても、個人消化を容易にするために国債の別枠非課税制度の対象に追加するような制度を設けてはどうかという御趣旨だと思いますが、五十一年度の税制改正で相当大幅な――相当大幅なというとまた御議論があるかもしれませんが、相当な整理、縮小をしたわけでございますし、別枠の国債利子の非課税限度も据え置くというような措置も講じたわけでございまして、いまこの上に新たな優遇措置を講ずるということはいまのところは考えておりません。
#207
○阿部憲一君 縁故債を日銀の適格担保にするように特に財政力の弱い団体、県あたりから強い要望が出ておりますけれども、これは全然実現は不可能でしょうか、お伺いします。
#208
○政府委員(細川護煕君) どういう債券を日銀借り入れの適格担保とするかということは、これはもう日銀が決定する話でありますけれども、一般的に言えば適格担保は、銀行券発行の裏づけになる日銀資産の健全性なり、確実性なりを保証するものとして、信用力もあるいは市場性も相当に高いものでなければならないということは当然のことだと思います。しからば縁故地方債はどうかということになると、縁故地方債の場合には、債券形式をとっておりますものの、発行は御承知のように個々の金融機関との相対交渉で行われるわけでございます。したがって、発行条件もまちまちでありますし、市場で取り扱うにもなじまない性質のものであろうかと思います。そういう状況から見まして、これを適格担保とすることはなかなかこれは問題があるというふうに考えております。また一方で、現状では金融機関も国債等の適格担保を相当に保有しておりますから、縁故地方債をこの上にさらに適格担保としなければならないという状況にはないというふうに判断をいたしております。
#209
○政府委員(首藤堯君) ただいま一連にずっと御指摘がございましたような問題点が、今後の地方債におきます民間資金確保の場合における問題点として現在出ておる問題でございます。たとえば適格担保の問題等、地方銀行等の要求も非常に強いといった事態もございます。ただいま政務次官が御答弁なさいましたような問題点もたくさんあるわけでございます。こういった問題点もすべて含めまして、両省におきまして今後の問題として詰めてまいりたい、十分相談をしてまいりながら民間資金の確保に努めていく、このように努力をいたしたいと私どもとしては考えております。
#210
○阿部憲一君 いまの質問に関連して実は大蔵次官にお伺いしたがったんですが、この地方債に格づけ制度を導入しようというような新聞報道をごらんになりましたか。これはどういうふうにお考えでしょう。
#211
○政府委員(細川護煕君) 私もちょっと読みましたが、まあムーディ社とかいろいろアメリカにもあるということでありますが、確かに公社債市場の発展には非常に大きく寄与しておるものと思います。しかし、アメリカでも六十年ぐらい何か歴史があるということでありますし、そういう状況が日本で定着をするためには相当にまだ時間もかかるでありましょうし、そういう意味でなかなかアメリカのように簡単にその信頼度の高い格づけ会社ができるということは考えられないのではないかなというふうに思います。しかし、第三者による格づけそのものは、これが定着をするならば債券市場にもいい影響があると思いますし、将来の方向としては望ましい方向だというふうに思いますが、まあ公共債というよりか、やはり民間の民間債の方から始められる方が適当なのではないかというふうに考えております。
#212
○阿部憲一君 いま次官のおっしゃるように、日本で、やはりアメリカなんかと比べて非常に債券、特に地方債というようなものに対しての需要が少ない、ということは逆に言えばそのマーケットが非常に狭い、そんなことも原因しておりますので、いまのようにやはり格づけ制度というものをつくって、それでまたそれが非常に交換が容易になるというようなことになりますれば、地方債なりあるいはこのたぐいのものの制度の上に大きく寄与するんじゃないか、そんなふうに思っております。これはやはり現在のように非常に各種の債券、特に地方債が発行される時期においては相当検討すべきものだと思いまするし、歴史的にも長くかかることは当然ですし、アメリカ式になるには大変でしょうけれども、大変だからといって放棄しておいたんではいつまでもできないということもありますので、やはりたとえば東京あたりからぼつぼつこんなような仕組み、マーケットを含んでの格づけ、マーケットに容易に上場できるような格づけなんかも必要じゃないか、そんなふうにも思うわけでございます。
 さて、この地方債の問題ですけれども、地元の一銀行で引き受けられなくなってシンジケート団をつくったり、また協調融資団を組んでいるというようなのがところどころにあるように聞いておりますけれども、これはどのくらい現実にはありますかしら。
#213
○説明員(花岡圭三君) 地方債の引き受けにつきましてシンジケート団または協調融資団を編成しております団体数は、都道府県及び政令指定都市におきまして二十六団体となっております。このうち、市場公募債を発行しております二十二団体はすべてこれはシンジケート団をつくっておるという状況でございます。
#214
○阿部憲一君 この地方債の消化は可能ではありますけれども、レートが、非常にやはり金利が高いという問題が出てくるのではないかと思いますが、一銀行で引き受けられなくなってシンジケートだとか協調融資団を組むということになりますと、まずこの金利の引き上げということが問題になりますが、すでに金利を高くしないと引き受けないという現象も出ていると聞いておりまするけれども、このレートについての何かいい対策はお持ちになりませんか。
#215
○政府委員(首藤堯君) 民間資金で引き受けられる地方債の中でも、御承知のようにいわゆる市場公募債というものとそれから縁故と言われておりますものがあるわけでございますが、この市場公募債につきましては、国債とか政保債なんかとの関連でもって金利がこれは設定されてまいります。これは各団体ごとに違うということはないわけでありますが、縁故地方債につきましてはその団体と関係金融機関がこれは話し合いで相談をして引き受けるというかっこうになりますので、個別に金利が決定されてくることはやむを得ないと思います。したがいまして、縁故債においては金融市場の状況、発行量、縁故関係の内容、こういうことで金利が若干ずつは移動してまいります。われわれとしてはこういったことを否定をするわけにはまいらぬわけでありますが、当然将来の地方財政に及ぼす影響等を考慮いたしまして、できるだけ有利な条件で借りることが望ましいと考えて、これは関係方面に、たとえば地方銀行協会でありますとかそのほかのところに協力をお願いを申し上げておる、こういうことでありまして、特に統制的な意味で幾らにすべきだというあれはいたしておりません。
#216
○阿部憲一君 投資的な経費について実際に組まれたものを見ますると、国の景気浮揚策に協力して公共事業は非常に努力して受け入れられ、そのしわ寄せとして単独事業の圧縮を余儀なくされております。国の経済政策のために都道府県も市町村も振り回されている、迷惑をこうむっておる、こういう現状でございますが、こうした認識をしなければならないと思うけれども、これについてどういうふうに自治省ではお考えになっていますか。
#217
○政府委員(首藤堯君) 非常に苦しい中におきましても、地方団体におきましては何とかやりくりをしてでも住民の福祉を高めていく、それから地域の経済をやっぱり進展させて地域経済の景気の沈滞を浮揚させていく、こういうことに苦心をしていらっしゃるわけでございます。ただいま御指摘のように、当初の予算編成の状況を見ますと、わりに公共事業の消化状況がよろしゅうございまして、単独事業は手詰まりになっておるわけでございますが、公共事業と申しましても、この公共事業で地方団体が実施をいたしますものは、先生御案内のように、やはりその地域の経済にも大いに関係をし、地域住民の福祉のためにも役に立つ事業でございます、地方団体がやるものでございますから。この請負等につきましても地元請負が請け負っておるのが大部分、こんな状況でございます。したがいまして、公共事業を実施する方が地方団体にとっては割安に目的を達成し得るという状況もまた否定をしがたいと思うわけでございまして、最終的にはもちろん当該団体の自主的な判断によって事業の選択が行われるわけでございますが、公共事業が現在進捗度が非常によろしいということをもって、国の施策に振り回されておってその結果であるというふうには私ども実は理解をしていないのであって、地方団体が非常に苦心をされた結果そのようなことになっておる、このように了解をしております。
#218
○阿部憲一君 このことですけれども、五十一年度はともかく景気浮揚を第一にしなければならないということでもって、投資的経費につきまして、地方財政計画で見る限りは公共事業も単独事業もともに約二〇%成長しております。けれども実際に組まれたものは、公共事業のしわ寄せで単独事業が落ち込んでいるのが実情でございます。これはいまお答えになったとおりでございますが、地場産業への影響とか波及効果の面から考えますと、単独事業が落ち込んでいるということはこれは問題だと思いますし、放置していいことではない、このように思いますけれども、その点、いかがですか。
#219
○政府委員(首藤堯君) ただいまも申し上げましたように、公共事業と申しましても、ほとんどそのうちの比率の大きなものはやはり地場産業の振興に役に立っておるものと考えております。もちろん単独事業は当該団体が自分の選択によりましてお起こしになる事業でありますから、これは事業が多ければ多いほど望ましいのはもちろんでございますが、これは全般の財政状況がこれだけ苦しい事態でありますので、やはり慎重に年度内の財政の推移等をも考えながら地方団体はその事業のセレクションをなさっていらっしゃるものと、したがって、当初予算の計上状況もかなり手詰りになっておると、このように考えておるわけであります。
 なお、付言をいたしますと、そういった意味での住民に身近な、かつ非常に簡単に実施できて景気浮揚にも役に立つといったような意味で、市町村道の改修に対しまして特に二千億という起債の枠を設けました措置をとりましたことは御承知のとおりでございましょうが、付言をさしていただきたいと思います。
#220
○阿部憲一君 自治省にお伺いしますが、今回のこの地方債計画によりますと、千三百二十九億円の調整費が新しい項目として起こされていますが、これはどういう理由でございますか。
#221
○政府委員(首藤堯君) 八千億円という地方債の高率充当による振りかえ措置をいたしたわけでございますが、これを各費目ごとに、一応充当率九五%というかっこうで配分をいたしておるわけでございますが、実際上、これを実施をいたします場合には、この八千億が交付税の方で減額をされて地方債へ振りかえられる、こういうことに伴いまして、事業の実施状況によりましては、地方団体ごとに財源措置に不均衡が生ずるというケースも考えられるわけであります。そういう意味での変動調整ということで千三百億余りを残しておるわけでありまして、これは配分の結果に応じまして、財源措置のアンバランスが出たという状況に応じて再び追加配分をしたい、こう考えております。
#222
○阿部憲一君 そうすると、調整費の起債分というのは、将来、交付税で元利償還を見ることになるわけでございますね。
#223
○政府委員(首藤堯君) これを、千三百億を入れました八千億につきまして全部措置をいたしますから、当然この千三百億もそのとおりでございます。
#224
○阿部憲一君 この運用はどんなふうにするわけですか、調整費の運用につきまして。
#225
○政府委員(首藤堯君) ただいま申し上げましたように、まず最初に、先ほども申し上げましたが、一般公共事業とか、義務教育とか、高等学校とか、こういう決められました費目の分に対して九五%の充当率で起債を枠配分いたします。それを配分をいたしました結果の状況が交付税において投資的経費が削減をされてきておりますその分との見合いで非常にアンバランスが生じておるという団体が出るかもしれません。その出る団体には追加措置というかっこうで追加配分をする、こういう運営でございます。
#226
○阿部憲一君 今年度の新しい項目として臨時市町村道整備事業債が設けられていますが、その理由と、それからこれはどういうふうに配分されるのか、お伺いします。
#227
○政府委員(首藤堯君) 単独事業の落ち込みを先ほど非常に御懸念をいただいた御質問を賜ったのでありますが、景気浮揚、住民福祉、こういう観点から、最も身近な面で非常に効果の端的に出る単独事業がないだろうかということを考慮いたしました結果、現在一番生活道路として整備率の落ちております市町村道を整備する、これが一番景気浮揚策にも地元住民の福祉対策にもいいのではないか、こう考えたわけであります。したがいまして、特にことし二千億という特枠を設けましてこれの措置をすることにいたしました。この配分状況は枠配分でまいります。枠配分の基礎は、市町村道の道路の面積と延長、これを七、三の割合で枠配分をして、県ごとに渡そうと思っております。県はこれを個別の市町村の実際の事業のあり方に応じて配ってもらう。もちろん市町村間に配りますときには弾力的運用をしていただいてちっともかまわないと思いますが、そのような枠配分によって市町村道の整備をやることにより、先ほど申し上げた目的を達成したい、こういうことでございます。
#228
○阿部憲一君 そうすると、これは五十二年度以降も同じような措置がとられますか。
#229
○政府委員(首藤堯君) 本年度は非常に財政窮乏の結果、単独事業等の執行にも問題があったこと、それから、何よりもさしあたり効果のある地元の景気浮揚対策、このために必要があったということでとりあえずこの措置をいたしたのでありますが、五十二年度どうするかは現在まだ決めておりません。
#230
○阿部憲一君 まあ非常に結構な措置でございますけれども、市町村道の整備のために既設の過疎・辺地債でもって道路整備が図られておりまして、弱小市町村にとっては、この上この事業債が仮に許可されても、消化に困難を来すというような心配はありませんか。
#231
○政府委員(首藤堯君) 御指摘でございますが、過疎債、辺地債はこれは政府資金でございますから、消化面で過疎債、辺地債が競合してきしむということはないわけでございます。
 それから、この二千億は全部民間資金でございますが、そのようなことで道路整備が、まあたとえばの例でございますが、過疎債、辺地債をたくさん腹いっぱいもらって、十分、ことしはもう手いっぱいだというところは遠慮していただいて結構なわけでございまして、その分は当該県内の他の市町村に回していただく、この措置で結構だと思っております。
#232
○阿部憲一君 四十六年度から始められた水田取得債が五ヵ年間の期限切れで廃止になっておりますが、この五ヵ年間どれだけの額の起債が許可されたのか、また取得された用地面積はどのくらいあるか、お知らせ願いたいと思います。
#233
○説明員(花岡圭三君) 水田取得債の四十六年度から五十年度までに許可いたしました額が一兆九百二十四億円でございまして、面積では一万三千二百二十一ヘクタールございます。なお、この数字は各年度末の見込み数字を集計したものでございまして、若干最終的には異同はあるものと存じております。
#234
○阿部憲一君 次に、公営ギャンブルの納付金、納付期限、これは法案によりますと六十年になっております。当初の案では当分の間となっていたように聞きますが、政府部内で意見の一致を見ないために六十年になったと言われますが、その事情をお伺いしたいと思いますし、また六十年になったこの理由も同時にお聞かせ願いたいと思います。
#235
○政府委員(首藤堯君) 公営ギャンブルの公営企業金融公庫に対する納付金の制度でございますが、当初は、現行法では五十四年度までの打ち切りになっておりました。これを延長いたしまして、一つには収益の均てん化を図る、一つにはやはり公営企業金融公庫の利下げによりまして市町村のための財政、公営企業の進展に寄与する、こういうことをいたしたくてこれを延長を図ったわけでございます。
 したがいまして、延長を図ることにつきまして、当初は御指摘のように当分の間という案もあったわけでございますが、当分の間というのは、非常に当分の間ということでははっきりしないので、いついつまでとほぼ時期を決めておいた方がいいではないかという意見もございまして、さしあたりの措置として昭和六十年までの十年間、この間は納付金を継続をするのだという措置を明確にすることにいたしただけでございます。
 なお、六十年以降につきましては、その事態でまた検討すればいいことだと思うわけでございます。一応当分の間というのを十年間、こういうように置きかえたというだけのことでございます。
#236
○阿部憲一君 現在納付率が〇・七%になっていますが、今後どのように引き上げていくお考えか。また同時に伺いますが、五十四年度には一%にする予定か、その後の考えがおありだったらお伺いしたいと思います。
#237
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、去年までは〇・五%でございましたものを本年度は〇・七に政令でもっていたした次第でございます。これは五十四年度までに一%というように漸次高めてまいりたい、こう考えております。
 五十四年度以降どうするかにつきましては、一応一%ということで先ほど申し上げました十年間の資金計画を立てておりますが、これはまたその時点において検討すべき問題であろうかと思いますが、さしあたり六十年ごろまでの期間はこの一%という資金計画で所期の目的は一応達成をし得る状況でございます。
#238
○阿部憲一君 特別交付税六%、この配分について改定されていますが、十二月と三月と配分割合はどのようになりますかということと、内容はそれぞれどうなっているのか、お伺いいたします。
#239
○政府委員(首藤堯君) 特別交付税の六%の配分のあり方につきましていろいろ御議論をいただいておったのでございますが、今回これを二手に分けまして、十二月と三月の二回に分けることにいたしました。十二月に配分をいたしますものは六%の三分の一の額、つまり二%の範囲内、こういうように考えております。配分をいたします予定のものは、いわゆるいままでの特別交付税の中の全く純ルールというかっこうで算定をいたしておりましたものに相当するものでありまして、たとえて申し上げますと災害関係の経費、それから過疎対策とか、産炭地対策の経費、それから公営企業に対しまして一般会計の繰入金、これを見ておりますが、こういったもの、それから市町村の合併関係のルール分、こういった関係のものを十二月に配分をしたい、こう考えております。これは大体三分の一以内でおさまるはずでございます。
#240
○阿部憲一君 自治省にお伺いしますが、五十一年度地方財政計画の歳出についてですが、地方財政計画では給与関係費が一六・五%の伸びで見てありますけれども、各都道府県の実情はどうなっておりますか。また、アップ分も組んでいない県もあると聞いておりますけれども、地方はどう取り組んでいるか、お伺いします。
#241
○政府委員(首藤堯君) 地方財政計画におきます人件費の伸び率は、御指摘のように一六・五%でございますが、これは、御案内のように、七万五千人という既定規模是正分等を含んでおりますので、実力の伸びとしては一三・四%程度の伸びになると思います。
 一方、五十一年度の都道府県におきます予算計上でございますが、いろんな計上をやっておりますが、当初予算対比で計算をいたしますと、五十年度の当初予算に対しては一二・二%、平均をいたしましてそれくらいの伸びで計上いたしておるようであります。ベースアップの見込みは各県それぞれでございまして、ベースアップを見込んで組んでいるところもあれば、まだ決まってからというところもございます。たとえて申し上げますと、五%程度のアップを概算組みしているというところが十一県ほどあるようでございます。
#242
○阿部憲一君 人件費が論議された過程において、全国知事会では都道府県の人件費について意見をまとめていますが、それによりますと、教職員と警察官の人件費の占めるウエートが非常に高いように思われます。地方が一生懸命一般管理職の縮減を図って、それで財政硬直化を打開しようとしても、結果的には人件費のほとんどが教職員と警察官であるというふうにも言われておりますが、どのように認識しておられますか、お伺いします。
#243
○政府委員(首藤堯君) 地方の人件費におきまして、教育職員と警察官等の国で定数を決めます職員のウエートが非常に高いのは御指摘のとおりであります。大体三分の二くらいはそれに当たるわけであります。したがいまして、その面において適正な措置がとられなければ非常に大きな部分がしり抜けになるというのはやはり御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、できるだけこういった定数の増加をもちまして地方財政に圧迫がこないように、適正な定数管理というものを、これは国の方にも強くお願いをしておるわけであります。しかし、残りの三分の一の一般職員、これにおきましても、五十年の実態調査では四十七万人余りあるわけでございますが、この分につきましてやはり地方団体が自主的な立場から定数管理の合理化等を図っていくことは、またこれはこれとして当然必要なことかと思っております。
#244
○阿部憲一君 高等学校の先生の給与費とそれからいまの警察官の給与費、この半額国庫負担というような意見も聞きますけれども、これについてはどういうふうにお考えになっていますか。
#245
○政府委員(首藤堯君) 国と地方との負担区分を考えます場合の非常に重大な大きな要素でございまして、大変大きな御提案だと考えます。御案内のように、ただいまの負担区分をつくります場合におきまして、高等学校は原則としては都道府県の経営というのが原則だ、こういう考え方から現在の財政制度では全額府県費負担となっておりますし、警察官の場合も、都道府県警になりましたいきさつ等から、これは都道府県の負担ということに相なっておるわけでございます。しかし、これも全般の財政問題とも関連をする問題でございますが、こういった負担区分をどう考えていくのか、果たして国と地方との共同支弁にするのがいいのか、それとも地方費支弁にしておいて、それに適応した税なり交付税なりという一般財源を与えたらいいのか、いろいろ御説があろうかと思いますが、非常に大きな問題でございますので、慎重に検討を要すべき問題だと考えております。
#246
○阿部憲一君 このことについて、自治大臣はどんなふうにお考えになりますか。もし御意見があったら、お伺いいたします。
#247
○国務大臣(福田一君) 大変人件費の問題を論ずるときに忘れてはならない問題でありますが、この問題については教員の場合、警察官の場合、また教員の場合で高等学校の教員の場合、それから今後ほとんど高等学校へ入ることがもう義務教育と同じくらいの率を占めてきておるようなときにこれをどう考えるか、いろいろな面がございますので、それらを踏まえながら、今後慎重に検討してまいりたいと思っております。
#248
○阿部憲一君 大蔵省に伺いますが、近く国有財産中央審議会で答申になると聞いておりますが、大蔵省提案の大規模返還財産に係る新処理基準案の大筋を説明していただきたいと思います。
#249
○政府委員(細川護煕君) 最近、米軍基地の跡地の返還――跡地というか、米軍基地の返還が急速に進展を見ておるわけでございますが、首都圏に近いことでもありますし、非常に貴重な土地でありますから有効に活用を図っていかなければならないということで、各方面とも非常に慎重に議論をしておるところでございます。そういう考え方に沿って御承知の三分割方式というようなこともいま国有財産中央審議会で御審議いただいておるというところでございます。
 以下、細かいことも御必要でございましたら、理財局の方から御説明いたしますが……。
#250
○阿部憲一君 ええ、ごく概略をお願いいたします。
#251
○政府委員(細川護煕君) それでは理財局の方からお願いをいたします。
#252
○説明員(山田幹人君) 概略御説明申し上げます。
 先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、三分割ということを御提案申し上げているわけですけれども、首都圏の大口返還財産の処理を図っていく場合に、地方公共団体の利用要望が非常に強うございます。一方、国及び政府関係機関の利用の必要性もございます。それからまた、貴重な土地であるがゆえに、将来の需要に備えてその一部を留保地として残しておくべきではないかというような要請もございますのを踏まえまして、大口返還財産につきましては、特別なものを除きまして、こうした多方面の需要を調整する手段といたしまして、原則としてその面積を三等分し、A、B、Cに分けまして、地元、それから国、政府関係機関、将来のための留保地というような構想で大枠を設定してはどうであろうかというようなことでございます。それからさらに触れますと、こうした返還財産につきましては、移転経費を要したものが多いわけでございますけれども、個別の跡地ごとに移転経費に応じて処分価格を決めるということになりますと、非常にまちまちなことになりまして公平が保たれませんので、この際はすべての返還財産を通じて、二分の一につきましては時価で買っていただいて、残りの二分の一の面積につきましては、公園なり学校なりそういったものについて法令で認めておりますところの優遇措置を講ずることにしてはいかがであろうか、こういう御提案を申し上げて、去る二月の小委員会におきましては、まあ大筋として十分理解できるというような御見解をいただいて、今後なお御審議いただく予定にしているところでございます。
#253
○阿部憲一君 昭和四十八年の国有財産法及び国有財産特別措置法の一部改正の際に付されました附帯決議には、「米軍提供財産の返還後の処理については、国民の福祉に役立つ公用・公共用に優先的にあてることを原則とし、できるだけ住民の意思を反映させ地域の再開発、住民福祉の向上等に資するよう配慮すること」とありますけれども、今回の改革案にはどのように反映されているのかお伺いします。
#254
○説明員(山田幹人君) 先生御指摘の附帯決議は十分承知いたしておりまして、この三分割の方式の運用におきましても、たとえば地元につきましては、原則として地元での絵かきをもとにして議論を進めていく予定でございますし、また、B地域の一応国なり政府関係機関なりの部分につきましては、周辺の地元の総合的な利用計画との整合性を十分保つように努めていくつもりでございます。なおまた、C地域といたしまして、将来留保するところが問題視されている向きもございますけれども、それもわれわれが国の方で召し上げるというようなことではございませんで、その時点での最も有効な利用計画はどうであろうかということで地元とも十分御協議申し上げて、計画を決定していきたいということでございますので、附帯決議の線に十分沿った運用を図ってまいる所存でございます。
#255
○阿部憲一君 この基地の跡地の処分については、やっぱり基地をめぐる歴史的な経緯というものを配慮しますと、これを単なる財産問題として処理するということは望ましくないと考えられますが、これに対しての御見解も承っておきたいと思います。
#256
○説明員(山田幹人君) 私どもが今回御提案申し上げております処理方針は、国民経済的に見てどうすれば貴重な基地の跡地を最も有効活用することができるかということでやっているつもりでございまして、決して財産処分といったような狭い考え方からではございません。先生御指摘のように、基地がありましたがゆえに地元が長年にわたっていろいろな、これは基地の態様に応じましてその影響も千差万別だとは思いますが、影響を受けてこられたという歴史的な経過は私どもとしても十分認識するにやぶさかではございませんけれども、それは私どもの国有財産行政とは一応別の次元において、たとえば防衛施設の周辺整備事業などの運用を通じましてできるだけの配慮が行われてきていたのではないか、かように承知しております。
#257
○阿部憲一君 この基地跡地の利用計画は、やはり長期的な展望に立って、道路、上下水道等の生活関連施設や、公共施設の整備が図られるべきでありますし、地方自治体の体系的な町づくりの一環として策定されるのが望ましいと考えられますが、この三分割処分方針はこうした考え方に背馳するのじゃないかとも思われますが、この三分割処分方針というのは、もう一度伺いますけれども、論拠はどういうふうになっていましょうか。
#258
○説明員(山田幹人君) 最初に御説明申し上げましたように、現実問題として、地元からの非常に強い利用要望。一方、国のサイドにおきましても各省からいろいろな要望が出ております。それからまた他方、将来、こういう激しく動いておる現在におきまして、ただいまの時点だけで利用区分を決めてしまうというのは余りにも惜しいではないか、五年なり十年なり先へ、その時点でもう一度見直す余地も残しておくべきではないかという意見も非常に有力でございます。
 それやこれやをじゃ具体的にどうするかということになりますと、よほど偉い方がいらっしゃいまして、理想的な、だれもが納得する絵というものをかければ格別でございますけれども、実際問題としてそういうことができない以上、議論を土俵に乗せる調整手段といたしまして、三分の一ずつという大枠を設けて、そこから具体的な議論を進めていく必要があるのじゃないか、こういうことでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたが、その具体的な図面かきということになりますと、地元のそれぞれの利用計画あるいは長期的な計画もお特ちでございましょうから、そこで十分お話し合いをさしていただきたい。B地域、国のものであるから地元は黙れというような、私どもに勝手にさせろというようなことは決していたしません。地元と十分納得のいくお話し合いをして図面をかいていきたい、こういうぐあいに思っております。
#259
○阿部憲一君 もう一つ伺いますが、この問題について、貸し付け及び譲渡条件の改定について、小学校、中学校の施設、あるいは公園、これらについて、現行の無償貸し付けとなっているのが二分の一は時価譲渡に、高等学校はまた五割以内の減額譲渡が二割五分に変更されている。この理由は何でしょうか。
#260
○説明員(山田幹人君) こういった返還基地は米軍の基地の移転再配置の事業の結果として生まれたものでございまして、私どもの立場からすれば移転経費を要した国有地でございます。で、一般の国有地につきまして、先生御指摘のように、公園であれば無償貸し付けができるとか、学校であれば五割減額ができるとかいうことがございますけれども、他方、こうした移転再配置事業が盛んになるにつれまして、四十七年三月でございますか、国有財産中央審議会の御答申の中でその点も議論していただきました結果、「庁舎等の移転跡地のように移転経費を要した国有地を運用処分する場合には、その移転経費を考慮し、原則として有償処分によることとする。」という御答申をいただいているわけでございます。
 それで、じゃ一方のいまの優遇措置ができる法律の規定とどのように調和するかということでございますが、そこは大ざっぱではございますけれども、二分の一を時価処分で買っていただいて、残りについて法律で認められている優遇措置を講ずることにさしていただく、そういう原則的な運用がこれまでも行われてきておりまして、それをこの際移転基地の場合にはいまの原則でございまして、基地によりましてはそういった経費がかかっていないものもございます。それから非常に経費がかかったところもございます。それやこれやをまちまちな処分ということになりますと、地元それぞれによって非常に優遇措置を認められるところと、非常にシビアな、全部時価で買えというようなところも出てまいりますので、その辺を勘案しまして、基地全体について二分の一時価処分と、こういうような御提案を申し上げているところでございます。
#261
○阿部憲一君 このような改正をすること自体、地方公共団体の財政を、ただでさえも非常に苦しんでいる、圧迫されている財政をさらに困難にさせる問題であります。そんなことから、私はこの米軍基地跡地問題について自治大臣並びに大蔵次官に最後にお伺いしたいと思いますが、この基地を抱えた地方公共団体は、それからまたその周辺の住民は、これまで基地に起因する有形無形の被害をずっと受けてきたところでありまして、現在米軍基地跡地の返還に関する自治体からの要求、これは非常にまじめであり、真摯なものだと思いまするけれども、これをどのように認識なさっているか伺いたいと思います。
#262
○政府委員(首藤堯君) 御指摘のように、基地所在市町村につきましてはいろいろな歳入面での不如意な点、それから歳出面でのいろんな需要があるといったような点、こういう点で財政的にお苦しみの事態は私どもよくわかっております。したがいまして、これに対しまして自治省として措置をしておりますものとしては、基地所在の基地交付金でございますか、調整交付金、こういったようなものを通じまして、当該財産が固定資産として所在をしておった場合に得られたであろう収入の対応を補てんをする、こういったような措置もとっておりますし、また、防衛庁等からもいろいろな交付金等が支出をされておるような事態であると考えるわけであります。このような基地が返還をされました場合に、一つにはその基地の利用につきまして地方団体の希望なり、意向なり、意見なりが十分に取り入れられますことが期待をされますことはもちろんでございますが、かつまた、こういった財産を取得をする場合におきましても、まあいろいろ国有財産上の問題はあると思いますけれども、学校や公園やそういった公共施設に利用されます場合には、できるだけ廉価な値段で、財政を圧迫しないように譲渡ないしは貸し付けをしていただいて、当該地域の住民の福祉のために役立てさしていただければありがたい、このように考えておるわけであります。
#263
○政府委員(細川護煕君) おっしゃるように、有形無形に基地周辺の住民の方々はいろいろな迷惑を受けてこられたわけでありますから、そういう点については国としてもでき得る限り十分な補償をしていかなければならぬと思います。そういういろいろな歴史的な経過というものは十分に認識をしていかなければなりませんが、国有財産行政とは別の時限において、先ほど国有財産課長からも申し上げましたように、周辺整備法でありますとか、いろいろなそうした法律の運用等を通じましてできる限りの配慮をしていきたいというふうに考えております。
#264
○多田省吾君 私は関連しまして二、三大臣に御質問をしたいと思います。
 一つは根本的な問題でございますが、新憲法下自治の拡大が叫ばれている中で、三割自治というような非常に不名誉な名称がついております。この三割自治というのは、国税の租税負担総数の三割が地方自治体だとか、あるいは地方交付税が三割二分だとか、あるいは都道府県の歳入のうち地方税が三〇%だからとか、いろいろな説もありますけれども、大臣はどのようにお考えですか。
#265
○政府委員(首藤堯君) 三割自治という言葉がよく申されます。これは地方自治が唱えられておるにかかわらず財政的な基盤においてきわめて弱いという意味のいわば通称でございまして、内容は、いま御指摘になりましたようないろんな要件をあわせ考えまして言われておるようであります。最も端的には、税収入が歳入に対して占めております比率が四割に満たないといったようなことをとらえて自主性が三割しかないではないか、こういうような言葉で用いられておるものと理解をしております。
#266
○多田省吾君 しかし、実際地方自治体が使っている金は七割に及ぶわけでございますし、私はやはりこの地方自治というものを国の中心に据えなければならないし、当然福祉の現場でございますし、国民の最も大事な分野になるわけでございます。
 そういう意味で、自治大臣初め皆さんにもっとがんばっていただきたいと思いますけれども、この地方財政収入の改善策が叫ばれているわけです。時間もありませんから簡単に申しますけれども、ほとんど自主財源じゃないということですね。これは非常に残念なことです。国庫支出金は全部ひもつきでございますし、地方交付税も御存じのような状況だし、地方税だって中央からきちっと定められた税率や課税対象になっておりますし、ほとんどもうあらゆる面で国のひもつきのような状況で、非常に嘆かわしいことでございます。ですから地方交付税にしましても、六条のとおりに、少なくともきのうの学者の参考人等も、あらゆる方たちが四〇%から四三%ぐらいにはすべきであると。昭和二十九年から昭和四十一年まで十二年間で一二%地方交付税率が伸びたわけですから、この行政需要に対しまして八%から一一%ぐらい税率を引き上げるのがこれは当然でございますし、引き上げないのがおかしいわけです。それから国庫支出金にしましても、ひもつきじゃない相互補助金にすべきだというような意見もございます。あるいは所得税全部地方税として使えるようにしたらどうかという学者の意見もあります。これは当然の指摘だと思うのです。それに対して、やはり自治省はもっともっとこの地方自治権の拡大のため、また地方財政収入の改善のためがんばってほしいわけです。
 特に、同僚の阿部議員からも指摘がございましたけれども、法人事業税なんかも所得に課税する、もう世界に冠たるようなビッグビジネスが、所得がないためにわずか千円程度の均等割りを納めて甘んじている。これは所得に応じてですから高度成長礼賛型の税制じゃないか。もっと外形標準課税を早く適用すべきである、これもなかなかやってないということであります。それから高校だって、いま第二ベビーブーム、しかも九二%以上に及ぶような進学率。中学浪人をつくらないために、特に神奈川とか埼玉とか千葉ではこの十年間におのおの百校ずつ県立高校を建てなければ大変なことになるという事態。一校つくるのに四十億円かかる。それが全部県の負担でございます。ですから国庫補助を強く知事会等でも要求しております。こういったことに関しまして自治大臣のあわせて御努力をお願いしたわけでございますが、ひとつ御努力の態度といいますか、お考えというものを聞かせていただきたいと思います。
#267
○国務大臣(福田一君) 御指摘の点はいろいろの意味において参考にしなければならないと思っておりますけれども、過去において一二%の伸びがあったとか、いろいろの御指摘もございました。しかし、私は大体いまの日本の自治という問題について考えるとき、自治非常に大事でございます。しかし中央と地方、中央のやっていることは全然国民の福祉とか国民の生活を無視してやっているわけじゃないので、福祉ということ、あるいは政治の目的というものから考えれば平和で豊かな国民の生活を確保するということであって、その方法として中央と地方がそれぞれの適当な分担をもってやるということが一番好ましいと思うんであります。アメリカのような連邦政府みたいな形で日本の国の政治といいますか、中央の政府の姿というものを見るわけにはいかない。まあ大体人口から言っても、特に面積から言って問題にならないのでありまして、わずか一州に匹敵するようなところを相当な自治体に分けておるというような事情であるとか、私はそういう意味から言って、大きく見て国と地方が手を握り合って、そうして国民の生活を安定し福祉を向上させる、こういう姿でどの部分をどう分担していくかということにあるかと思っておるわけでございます。海外がどうであるというような考えよりは、そういう見地から再検討してみる必要がある。そのときに、いま御指摘になったように、地方に対する自治というものが余りにも少ないではないか、また地方がやり得る面が少ない、またその意味において財政力が弱過ぎる、税制の問題を考えよ、あるいは行政の問題を考えよという御指摘については、今後われわれとして十分検討はしていかなければならないと思っておるわけであります。
#268
○多田省吾君 先ほども大蔵大臣が和田委員の質問に答えられて、まあ国を本体だとかというようなことをおっしゃって、和田委員もちょっとおっしゃっていましたけれども、私はやはり憲法の精神に従って自治をもっともっと、いま大臣がおっしゃったよりももっと真剣に考えていかなければならない、このように思います。ある知事なんかも、結局補助金の問題で本省に行く、本省に行くと、もう膨大な資料をつくって本省に持っていく人がさも有能な職員のようになっている。こういうような嘆かわしい現状もございます。やはり国民と最も密着している自治体の自治権の強化あるいは財政の強化というものが、私はもっともっと真剣に考えられなければならないのではないか、このように思います。
 私は、関連ですから、大臣の所信表明に関連しまして一つだけ最後にお伺いしたいと思います。というのは、これは選挙の啓発委託二団体の合併の問題です。今度、仮称ですか、財団法人明るい選挙推進協会というものがつくられるそうでございますが、こういう寄付行為案ができているようでございます。もうこれは予算も十二億新団体の発足に応じてついております。ただ私は心配するのは、その寄付行為案を見ますと、新団体の「目的及び事業」4条の(4)の中に、必要に応じ声明を発表するとか、政府、国会、政党に対し建議、要望を行うとかあります。また、読売新聞の四月二十六日号には、この新団体が第一の仕事として定数の啓発をするというような報道もされております。政府の委託団体がこのような政治問題を声明、建議、要望するとか、私はこれは問題である、このように思います。実際そういうことがあるのかどうか、ひとつお聞かせください。
#269
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のとおり、この選挙啓発の関係で、公明選挙連盟と明るく正しい選挙推進協議会という二つがございまして、これが大体民間団体の中核をなしてやってきたことは御承知のとおりでございます。これについては、従来から委託をしておりますが、ただいま十二億という御指摘がございましたが、十二億の啓発費用の中で委託しておるのは両方合わせてたぶん一億五千万程度になるということでございます。
 ただ、今回新しくできる予定の協会の目的のところは、「国民の政治意識の向上を図るとともに、各種公職の選挙が明るく行われるよう推進」するということで、いま御指摘のように、意見、声明を発表するとか、政府、国会等に建議、要望を行うというようなことがございます。で、いま申し上げましたように、目的はあくまでもきれいな選挙を実現するということでやっておるわけでございますから、その範囲内で、きれいな明るい選挙ができるようにと、そういったことを推進するために活動してもらうわけで、そのために委託もしておるわけでございます。
 ただ、そういった明るい選挙推進ということでございますから、それに関連する、選挙に関する意見というのは当然持っておりましょうし、従来でも私ども見ておりますと、たとえば連座制の強化といったようなこと等をやってくれというような要望等もしております。これも考えてみれば制度に関連するものではございす。そこらの限界が非常にむずかしいわけでございますけれども、少なくとも選挙に関する意見はまあ言っても悪いとは言えないけれども、ただ政治的には公正、中立の立場を標榜して設けられる団体でございますから、特定の政治的な主義主張に偏った行為を行うということはこれは当然避けるべきことだと思っておるのでございます。私どもいろいろとこの団体と今後とも協力をして、きれいな選挙の推進ということに努力をしたいと思っておりますが、いま御指摘の点については、そういう特定な主義、主張に偏ることがあってはなりませんので、十分注意をして連携をとってまいっていきたいと思っておるわけでございます。
#270
○多田省吾君 もう一つお尋ねしたのに御答弁なかったんですが、この新団体が第一の仕事として定数の啓発をするなんという報道がありましたが、これはどうなんですか。
#271
○政府委員(土屋佳照君) これができるというような記事が最近出たわけでございます。この団体ができるということに関連しまして、読売新聞等でそういった記事がございました。しかし、私どももちょっとこれは腑に落ちない感じがいたしましたので、関係の人に聞いてみても、そういったことは全然言っていないということでございます。定数の問題となりますと非常に影響のある事柄でございますから、そういうことを言われるとは思ってはいなかったわけでございますが、発言をした人はいないということでございます。そういうことでございますが、これが新しくできるので、いろいろ最近のいろんな話題が多いので、ついそういう方へ筆が走ったんじゃあるまいかと想像する以外にはないわけでございます。
#272
○委員長(上田稔君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#273
○委員長(上田稔君) では速記をつけて。
#274
○市川房枝君 最初に大臣にギャンブルのことを伺いたいのです。ときどきギャンブルのことを私も申し上げるのですが、結局同じことになるのかもしれませんけれども、まあ十何年来私がこの問題についてどうも納得がいかないのでお伺いをしているのですけれども、今度の地方財政法の改正で、またギャンブルをお延ばしになりましたね。十年納付金の期限をお延ばしになったのですけれども、それはどういう意図ですか。まずそれから伺いたい。
#275
○政府委員(首藤堯君) ギャンブルにつきまして今回地方財政法の改正をいたしましたのは、御指摘のように、ギャンブルの収益から上がります公営企業金融公庫への納付金の納付期限を、いままでは五十四年まででありましたのを六十年まで延ばした、こういうことでございまして、ギャンブルそのものの存立を云々という法律ではございません。
#276
○市川房枝君 それはそのことは書いてないけれども、納付金をちゃんと期限まで延ばせば、それまでギャンブルを認めるということでしょう。大臣は前に、ギャンブルはこれは一時的なものなんだということをしきりにおっしゃったのですけれども、今度また延びたら、またそれからも延びる。結局これ、永久的にギャンブルをやるということになりますか。そのお延ばしになったという理由といいましょうか、経過といいましょうか、それを伺いたいのです。
#277
○国務大臣(福田一君) まあ市川さんと私は、ギャンブルについては非常に似通った物の考え方を持っておると思っておるわけです。しかし今度の公営企業金融公庫へ利益を入れるということを六十年まで延ばしたということは、結果において、いま市川さんのおっしゃったように延ばしたと同じことになると思っておるわけであります。しかし、法律でもすべての制度でもそうですが、何も一度決めたからその間何もしちゃいかぬということではないんですね。その間においても、市川さんが主張されておるようなことが実現されることが好ましいことだと私は思っております。
 ただし、今回の場合においてそういうところへいかないという面についてはいろいろの経緯等もあったわけでございますが、私としてはできるだけ、ギャンブルをやっておる自治体が非常にうまくこれを使っておる場合もある。特に大都市中心のような場合にはわりあいに弊害が出ないのですが、小さい市町村あたりがギャンブルをやってますと、そこの何か人件費あたりがむやみによくなったり、福祉施設がむやみによくなりまして、隣の市町村は全然うまくそれに対応できないものだから、非常にいじめられるのですね、隣がやっているのになぜやらないかと。それはギャンブルがないからだと言ってもなかなかそうもいかないので、結局は非常に苦労しているというこの事実は否定できないと思います。だから私はそういう意味で、しかるべき時期にこれは改正されるべきものである、均てん化を図るように。どういう均てん化かというのは、いろいろ案があるのですからこれは別といたしまして、私はやはり戦後三十年たった今日に至って敗戦のこの問題を処理する一つの財源として認めたギャンブルです。いまはその目的をもう十分に達しておるという点から見ても、考え方をひとつこの辺で改めるべきではないかというつもりでおりまして、決してまだ私は初志を捨てておりませんから、御安心を願いたい。
#278
○市川房枝君 さっき阿部さんの御質問にもやっぱりこの問題お取り上げになりましたけれども、そのときの御説明がちょっと納得いかないんですが、あれは五十四年までの間は一%以内ですね、政令で決める率です。ところがまあ去年までは〇・五%でしたね。それで今度五十一年度で〇・七%にやっとお上げになったんですね。ところが今度十年延ばして、そしてこのパーセントの方はそのままでしょう、一%まではいいというんでしょう。そうすると、もっと長くなって、だからギャンブルやっている自治体の納付金が初めの予定よりもっとゆるくなるというか、軽くなるというか、そうでしょう。そう思うけど、どうなんですか、それはちょっと逆じゃないのかと。
#279
○政府委員(首藤堯君) そうではございませんで、従前の規定は五十四年度まで納付をする。それを五十四年度までに、これは法律ではございませんが、政令等で一%まで持っていくというようにはなっておったわけですが、五十四年度で一応打ち切りになるわけでございます、一%も払わなくなる。それを今度は六十年度まで延ばしましたから、五十四年までに一%に持っていく方針は変わりません、それはそういたしますが、少なくとも五十四年から六十年までの間は、現行法なら払わぬでいいものを、一%は納めなければならぬ、こういうことになるわけでございます。
#280
○市川房枝君 ちょっとそれ納得いかないんですけれども、時間がありませんからまたあとで直接に伺うことにいたします。
 大臣、さっきギャンブルをやっているところ、ことに地方の市町村は非常なアンバランスがある。隣の市町村との間の行政水準が違ってきて非常に困った問題が起こっておるとおっしゃったわけですが、それが単なる市町村だけでなくて、私は、ギャンブルをやっているところとやっていないところとの全体の調査というものを前に一遍お願いしたことがあるんですけれども、納得のいく調査はいただけなかったわけですけれども、とにかく現在やっているところは、さっき数字をいただいたわけですけれども、ギャンブルをやっている都道府県は二十一しかない。ほとんど全国の半分にも足らないわけなんです。市町村の方も、これも半分もいっていないのじゃないかと思うのですけれども、その間のアンバランスは、さっきの公営企業金融公庫への納付金で幾らか均分化したという理由で、均分化する目的であれはおつくりになりましたね。けれども、一体その目的を達しているのかどうかと心配なんですけれども、それはどうですか。
#281
○政府委員(首藤堯君) ギャンブルの収入が偏っておりますことは御指摘のとおりでございまして、それを均てん化をするという目的、それからこの益金の受益をできるだけ広く市町村に恩恵を享受をさせるといったような目的からこの納付金制度を設けておるわけでありますが、この納付金だけで均てん化が完全に実施をされておるのかという御指摘に対しましては、それは十分だとは言いがたいとお答えを申し上げるよりほかはないと思います。これに対しましてはすでに申し上げておりますように、私どもとしては、できるだけ施行団体そのものにつきましても、組合営でやらしていって受益を均てんをさせるという方法もございましょうし、それからまた財源措置をいたします場合も、特別交付税の算定だとか地方債の枠の配分をしますときに、この収益を一定額差し引いていくとか、そういうことで別途均てんの方策を現在実施をしているわけであります。なお、このほかにも、非常に基本的な方策として、たとえばギャンブル税を設けたらどうか、基準財政収入に算入をしたらどうかとかという御意見もいろいろあるのでございますが、これはそれだけの目的、均てん化という目的には非常に直接的ではありますけれども、その他の影響も非常に大きゅうございますものですから、なかなか現在慎重に検討中であって、実施の段階に立ち至っていない、こういうことだと思うのであります。
#282
○市川房枝君 いまもたまたま御答弁の中に出てきましたけれども、私は均てん化するためには財政収入の基準の中にギャンブルの収入を入れる、そして交付税の算定をなされば一番公平になるんじゃないのかということを前の大臣にも申し上げたのですけれども、ところがそのときの答弁は、このギャンブルをやっているというのはこれは一時的なんだ、臨時なんだ、だから交付税の算定には入れられないんだと、こういう答弁だけれども、ところが、一時的とおっしゃるのだけれども、本当は終戦後三十年間やってきてまた十年延ばすんでしょう。四十年。いや、またそれからもきっと延ばすに違いないので、結局永久的になってしまう。それだのに臨時臨時と言って、しない。どうですか、大臣。これ、また長くなっちゃった。この間までの話とはちょっと違う。そこでその問題を、もう一ぺん交付税の問題に関して伺いたい。
#283
○政府委員(首藤堯君) 基準収入に算入するとという一つの方法論が真剣に議論をされておるのは御指摘のとおりでございます。これについてはいろいろ議論があるわけでございます。交付税法そのもののたてまえから考えてみました場合に、やはり交付税の算定の場合には基準財政需要額から基準財政収入を引くという意味は、いわゆる法定の普通税につきましての制度として考えられておりますものですから、そういった法定の税制度でもないこういった特殊のものを引くということがどうかという意味で、大臣はこれは臨時的なものであるからという意味も含めて、恐らくお答えがあったのではなかろうかと思うわけであります。非常に激動をします収入で本来の税収入でないようなものを引くのはどうか。これはしかし理屈上の問題だけでございまして、実態上の問題として非常に議論になりますのは、基準収入に算入をする場合にどの程度の率を算入したらいいのかという問題がありますとともに、もう一つは不交付団体に対します問題でございまして、交付税制度でございますから、幾ら算入をいたしましても、当該団体が不交付団体であってたくさんギャンブルの収入が入っているということになりますと、これはもう手のつけようがございませんものですから、そういった間の均衡もどうかという問題もございます。
 それからなお、地方財政全般として考えてみました場合には、いまはこれは必ずしも該当いたしませんが、従前の事態でございますと、やはり臨時的な収入としてこれだけの収入が非常に乏しい地方財政にありましたこと、そのものの意義もまたあったわけでございまして、その点はただいまも申し上げましたように、特別交付税や地方債の配分の際にこれを配慮をいたしますと、その分を通じては他の団体にも特別交付税や地方債の割り当てが多くなるというような事態もありまして、乏しい地方財政としてはまことにもったいない財源である、こういう気持ちもあったわけでございます。
 以上いろいろ問題がございますが、なおこの問題は慎重に検討を続けさしていただきたいと思っております。
#284
○市川房枝君 伺ったんですけれども、ちょっと大臣もう一遍答弁してください、その交付税基準の中に入れることを。大臣は、私この前伺ったときにはそれとニュアンスがちょっと違っていたように思うんです。
#285
○国務大臣(福田一君) いま財政局長が申し上げたのは法律の筋から言うとそういうことになると私は思うんです。しかし、何も法律を変えて悪いということはないんですから、そういう一つの単独法を出してでもやろうと思えばやれないことはないということです。それにはやはりある程度もっと認識が広く広まり、よくみんなが理解しておりませんと、まるでいままであったのを取ってきてというので、やっぱり既得権というのはなかなか取り上げるのは大変なんですよ、これは。市川さんも御存じだと思うんですが、選挙なんかでも、小さい選挙区でもやっぱりある程度の議員を出さないと承知しないという空気は同じようなものなんです。既得権というものの持っているひとつの強味ですね。それがあるから、じゃほうっておいていいかというとそうじゃないから、やはりそれをみんなにもっともっとわかってもらおうと、市川さんあたりに大いに努力をしていただきたいと思います。
#286
○市川房枝君 結局、ギャンブルは既得権になっていますわね。それで放さないといいますかね。私はそれが不正であるというか、公平でないということがはっきりしておれば、既得権だからといってやむを得ないとか、見逃すという法はない。それこそ三木総理のあれに反するのじゃないかと思うんですけれども、これ以上時間をとりませんで、一応私のこの問題についての考えを申し上げたわけです。
 ギャンブルについてさっきもちょっとおっしゃったんですけれども、これは大蔵省の方、実はお願いをしなかったんですけれども、税制調査会でギャンブルに課税しろという意見が出たのですけれども、それはどうなっているのか、あるいはそのときの審議はどうだったか、自治省は御存じでしょう。
#287
○政府委員(森岡敞君) お話しのように昨年の税制調査会におきましても、ギャンブル税の課税の問題が審議の一つの日程に上りました。ただ、御審議の内容は、どちらかと申しますと、先ほど来御質疑の中に出てきておりますように、開催市町村と非開催市町村との間の財源の均てん化の問題をもっと進めるべきじゃないか、こういう御議論がむしろ多かったというふうに承知をいたしております。税制調査会の答申の方では、ギャンブル税というような新税を創設すると仮にいたしました場合にも、その課税の方法、どういうふうな課税方式をとるか。あるいは公営競技をやっております地方公共団体の財政収入に与える影響とか、そういうふうないろいろなものを総合的に研究しなければいかぬからなお今後引き続き検討する、こういう結論に相なっております。
#288
○市川房枝君 いまのように許すといいますか、だから続けているのだったら、私は課税していいのだと思いますよ。そういうふうな気持ちを持っているわけですが、一応ギャンブルの問題はそれだけにします。
 次に、大臣にちょっと伺いたいのですけれども、選挙だとかあるいは政治資金の問題は議会制民主主義の根幹に属する問題なんで、それを自治省がお扱いになっているのですね。ところが、自治省でそういう問題を扱っておいでになります、これは選挙部ということも承知しているのですけれども、本当は前には選挙局だったのを格下げしちゃって、そして人数も非常に少ないといいますか。私は選挙局どころか選挙庁、もっと格上げしてもいいのじゃないか。あるいは自治省から外へ出して一種の行政委員会のようなことにしてこういう問題を取り扱うようなものにしてもいいんじゃないかと思っているのですが、とにかく現状は非常に弱いといいますか、そういう感じを持つのです。大臣は、これは新聞で拝見しておりましたけれども、選挙部をもっと強くするということで大分お骨折りになったようですが、その経過といいますか、そうして幾らかでも強くなったか、少し強くなったみたいではあるのだけれども、それをちょっと伺いたいと思います。
#289
○国務大臣(福田一君) 閣議において、ぜひひとつ選挙局をつくってもらいたいということと、それからもっと人員をふやしてもらいたいということと、両方を主張いたしたわけでございますが、はなはだ微力でございまして、とうとうわずか四人ふえただけのことで押し切られてしまったという結果になっております。私は実はこの意味では非常に不満でありましたけれども、まあまあこういうことは一度でいかない場合もあり得るわけですから、全体の立場から見て一応今回は引き下がったというのが実相でありまして、私自身は初志を少しも曲げておりません。もっと充実すべきものである。特に政治資金の問題や何かを考えますと、もっと人がいなくちゃとても何にもできないのですよ、実際問題として。それで果たして明るい選挙とか、きれいな選挙というようなものを本当に指導監督というか、あるいは宣伝、いろいろな面でできるかどうかということについては私は疑問を持っておるわけであります。
#290
○市川房枝君 それで選挙部の定員は四人ふえて三十四、五人ということですか、総計で。それがどういうふうに分かれて執務しておいでになるか。
#291
○政府委員(土屋佳照君) 大臣から申し上げましたとおり、四人の増員が認められたわけでございます。従来から政治資金の関係の仕事をしておった係がございました。それと合わせまして八人程度の小人数ではございますが、一応政治資金課という課が新しく設けられたということになったわけでございまして、局その他の名称的には変わりませんでしたが、中の機能的にはそういう機構を設けまして、充実していけると思うわけでございます。もちろん、私自身が申し上げるのはどうかと思うのでございますが、もっと充実ができればなおいいと思うのでございますけれども、いろいろな諸般の事情もございまして、何とかひとつ新しい課をつくってもらいたいということでここから出発していきたいと思っておるわけでございます。
 総数はおっしゃった程度の人数でございます。
#292
○市川房枝君 大臣が局に引き上げることだの、定員増を一生懸命なすっても閣議が認めなかったといいますか、私は閣議の選挙なり政治資金に対する認識の問題だと。それをあんまり重要視しておいでにならないのだ。三木総理もしきりにこういうことをおっしゃるのだけれども、具体的にやっぱりそこへいくと賛成は一それは人員をふやすことだとか局の問題は行政管理庁の方があってなかなかむずかしい、やかましいということは承知していますけれども、しかし必要なところにはやはり人員を配分すべきだ、こう考えておりますが、ただ、いまお話しのように、いままで政治資金に関することは管理課でやっておいでになりましたんですわね。今度は独立して政治資金だけで八人。ということは、私はずいぶんいままではわずかの方で苦労しておいでになったのが幾らかよくなったんじゃないかと思うのですが、それに関連しますけれども、今度政治資金規正法改正になりまして、そして新しくといいますか、あるいは古い政治団体も届け出をしたわけで、この間その数字なんかの発表がありました。あれは官報では発表になりますけれども、自治省の方で私はそういう団体なんかの名簿をちゃんとつくって、必要な方面に、欲しい人にちゃんと売ってかまわないんだけれども、そういうものをおつくりをいただけないかどうか。これは前に東京都の選挙管理委員会がつくっていたことがあるんですよ。でも自治省はおつくりになったことはないように思うのです。そういうことだの、あるいは各団体からの収支報告の届け出は前からやっていますけれども、そしてそれは政治資金規正法によって公開されているということで拝見に上がれるので、ああいうのも私は見に行けば見れるのだけれども、しかし、このごろはあれをリコピーで写さしてほしいと言ったって拒否されているんですね。いや写真ならいいとおっしゃって、また写真もだめなんだと。写したければ自分でひとつ写せということらしいんです。私はむしろ、届け出たのを全部写したら大変ですからある程度要約する必要があるかもしれませんけれども、やはりそれを印刷したものを、国民にというか、一般に発表するということはぜひ必要だと思うんですけれどもね。それは予算が要るということになるかもしれませんけれども、人は幾らかおできになった人のですが、今度はできませんか、伺いたいんです。
#293
○政府委員(土屋佳照君) 第一点の、届け出られた政治団体をもう少し国民の方にわかるように何かつくってみたらどうかというお話でございますが、その点については、今回は御承知のようにそれぞれの政治団体について、量的な規制もございますけれども、質的な意味での規制もございます。したがって、こういう団体があるということをやっぱり国民が知っておく必要があると思いますので、仰せの趣旨に従って、これは予算が全部ついておりませんので、どんな方法かはわかりませんが、実費かどうかわかりませんけれども、欲しい方には差し上げられるような方法を研究してみたいと思っております。
 それから、いま現にございますものは、各政治団体から自分のところへ原本を持って一部ほどお出しになるわけでございます。それをだんだん公開の原則が徹底してきたせいか、いろんなところからよくごらんになりに見えるわけです。そうしますと、一部でございますから、それをバラして写真に写すとかどうとかになると大変にこれは困るわけでございまして、やはり見ていただくということにしないと都合の悪い面もございます。もちろん外国の例で、私もそうよけい知っているわけじゃございませんが、お金のある国は何か資料等の整理をして欲しい方に上げるというところもあるようでございますけれども、私どものところではいま公開をしておる、閲覧に来ていただいて見てもらうということで大体済んでおるのじゃないかと。最近はそういった意味での閲覧の効果というのもいろんな面で上がっておるようにも思っておるわけでございます。ただ、いまおっしゃいますように、自由にコピーをしたり、あるいは写真を写すということになりますと、台帳そのものが、これはなかなか始末が、保管が十分にいかないこと等もございますので、なお将来の研究課題にさしていただきたいと思っております。
#294
○市川房枝君 いまの問題ですね。私は紛失すると困る、それだからリコピーなんかさせないんだという、それは一応の理由はありますけれども、本当は自治省自身が、政治団体、政党から届け出たものをたとえば三部なら三部とか、四部ぐらいリコピーなすって、そして届け出た本当の物はちゃんとしまっておおきになって、一般に公開するのにはリコピーでいいじゃありませんか。それから私は、国会図書館に全然それがないんですね。国会図書館は当然そういうものは資料としてといいますか、あるべきはずだと思うのだけれども、ない。だから私は、自治省はやっぱり国会図書館にも一部というか、あるいはみんなにも、二部あればなおみんなが見いいわけだし、あるいは一部でリコピーもさせるということをぜひやってほしいと思うんですけれどもね。だから、人手がないからリコピーなんかできないといままではおっしゃったかもしれないけれども、少しふえたんだから、これ余り金は要らないでしょう。ですから、ひとつそれを考えていただきたいと思うんです。いかがですか。
#295
○政府委員(土屋佳照君) お話しの意味合いはよくわかるわけでございますが、御承知のように、自治大臣の届け出団体だけでも千数百あるわけでございます。それが上期、下期と出してまいりまして、そして御承知のように相当なもの、団体によってはページ数があるわけでございますね。だから、それはコピーするといっても大変な数になるわけでございまして、なかなか人手とかどうとかということのほかにも容易でないわけでございます。もちろん中身が永久保存に値するかどうかということもあるわけでございます。官報で公表をする程度の数字その他は、これは官報をずっと保存しておけるわけでございますが、まあ率直に申し上げてアルバイト費用とか、あるいは交際費とか、細かいのがいっぱい書いてあるわけでございます。そういうものを永久に保存する形がどうであるか。また、莫大なものでございますから、三年ごとに私どもはこれは次第に焼却しておるわけでございますけれども、そういう保存の方法についてはいろんな考え方もございましょうから、お説はお説として十分承りましたが、今後の研究課題にさしていただきたいと存じます。
#296
○市川房枝君 公明選挙の問題、さっき多田さんから御質問がありましたが、さっき予算の御説明もあったりしましたけれども、予算を一応いただいたんですけれども、予算の項目に、選挙啓発予算として常時啓発とそれからきれいな選挙と、こう二つに分けてあるんですけれども、これはどういう意味です。そして、違いますか、この内容は。同じようなことが書いてあるんだけれども。
#297
○政府委員(土屋佳照君) 四十九年までは常時啓発という予算科目一本でおったわけでございますが、最近の選挙の実態から見まして、何としても選挙啓発というものをもっと充実したいということで、御承知のように国民運動を起こすということで、きれいな選挙推進本部というものもつくったわけでございます。そういった意味で、中身の使い方で特に際立って違っておるわけではございませんけれども、そういうことができた横会に項目もふやし、総体を充実していこうということで実はこういう形をとったわけでございます。合わせまして、四十九年は六億ちょっと欠けておったものを十一億にふやしていただきました。急激にふくらんだかっこうになっておるわけでございまして、全般的にもちろん地方の組織を強化するといったようなところへある程度金をよけい回すというようなその中のやりくりはございますが、総体的には、この啓発に役に立つということで全般として使えるわけでございますから、名前は分けても、全体として充実していただいたと私どもは思っているわけでございます。
#298
○市川房枝君 きれいな選挙という名称は――名称はと言いますか、これは三木総理が総理になられてから非常に金を使わないきれいな選挙ということを主張なされた。そして、三木さんの御主張で新しくつけ加わったのですね。だからさっきお話しのように、四十九年度までは単なる常時啓発ということで六億くらいだったのが、五十年度には倍額近い金になって、そして名称が二つに分かれたこと、まあ私よくその間は存じているのですが、それじゃこれ二つを一体どうやってやるのか。実際に運動の実態を見ると一緒ですよね。かさ上げしているだけの話であってね。それで地方ではずいぶん名前が二つあって同じことをやるので困っていたんですが、今度はきれいな選挙推進国民運動本部なんというのはなくなっちゃうわけでしょう。ということで、一つになったような別のような、どうも立て方もちょっと納得できないんですが、さっきから質問があったように、一体これでどれだけ効果が上がったのかどうか。あるいはいまちょうど十二月の衆議院議員の任期切れを前にしてといいますか、あるいはそれまでに解散があるということで、衆議院の方々は一生懸命選挙運動をやっておいでになるというか、あるいは新しい候補者も運動しておいでになるんですけれども、その選挙運動が、これは事前運動になっているといいましょうか、きれいな選挙で本当に行われているかどうかということ、これは警察の所管かもしれませんけれども、特に予算をいままでよりもたくさん配分されておいでになるその自治省の選挙部としては、どうお考えになっていますか。
#299
○政府委員(土屋佳照君) こういった選挙啓発というものはなかなかこうやったからこういう結果が出たと、ぴたっと効果測定というのはできにくいものではございます。しかし、やはり金がなければできないわけでございます。そこで、予算等も次第に充実さしてもらっておるわけでございますが、いまおっしゃったような、項目ごとにこれはこれと分けて別々に使っているというような形ではございませんで、全体のものを、私どもも国民運動推進本部というのはこれはやっぱり残してございます。これはいわゆる官製といいますか、役所としてのそういう姿勢をとっている。それ以外に明るい選挙推進協会という、今度できる二つの団体が一緒になるようなそういう民間団体を中心に、もちろん婦人団体も社会教育関係の団体もみんな集まっていただいて、国民全体がやはり自覚し、協力をしていただかないと本当の効果は上がってこないと思っておりますので、そういった意味でのあるいは差し水になるということにはなるかと思うのでございますけれども、やはりせっかくの予算でございますから、なるべくこれが効果的に生きることを考えなければいけない。それがある程度マンネリ化してきつつあるということは私どもも実は自覚しておる点もございます。そこで今回二つの民間団体を一緒にして、それぞれ持ち味の違った機能を一緒にして、これを機会にまた一段とできるだけの努力をしていきたいという気持ちから、この二つの団体の合併というようなことも考えられておるわけでございます。
 この機会に私どもも大いにやっていきたいと思いますが、本当に自信があるだけ十分やっておるか、こう言われますと、まだまだ十分であるとは申しません。しかし、やはりこういうことに非常に熱心な方も全国には津々浦々におられまして、結局熱心な人がおるところは案外金は少なくても効果が上がっているということもあるわけでございますので、なるべくそういった趣旨を広く御理解をしていただく。そういった意味では、いま現にある、先ほど申しましたが、社会教育団体とか、婦人団体とか青年団体とか、いろいろな方々の御協力をより一層願わなければならないというふうに思っておるわけでございます。不足の点は重々承知しておりますが、なお一層強力に推進したいという熱意だけは持っておるつもりでございます。
#300
○市川房枝君 お話しのように、なかなかきれいな選挙実現というのはむずかしいことですし、ことにお役所が本当は先に立ってなすったってこれは余りできないのであって、本当の民間の運動でなければだめだと思うんですけれども、民間運動は育たないというか、これは自治省の方も私に言わせればお育てにならないという言葉を使っても差しつかえないと思うのだけれども、予算がふえるということは一体喜んでいいのか悪いのか。私はこういう明るい選挙運動なんかがあること自身が本当は日本の選挙が暗いからそれで明るく選挙運動をやらなければならぬ。予算がふえるということはだんだん暗くなってきたんだということをむしろ証明しているみたいで、この運動も日本の名物の運動みたいですけれども、それをとにかくおやりにならなければならぬ立場の方々の御努力には敬意を表しますけれども、そういう点で、国民はこういう金が国民の税金であり、これが生きなくちゃ困るので、ひとつこの上とも御努力を願いたい。
 ありがとうございました。
#301
○神谷信之助君 大臣が衆議院の委員会へ行かなきゃならぬということでありますから、先に、当面する地方財政の重大な困難な事態をどう打開するかという点についての基本的な大臣の考え方というのを、最初にお聞きをしておきたい。
 私は今日、不況とインフレが同時進行しているというきわめて日本経済の深刻な危機の時期に、より一層地方財政というものを強化をする、こういうことが必要なのではないかというように考えるわけです。御承知のように、国がいろいろ事業を計画をしますが、実際にそれを執行するのは自治体ですし、その七割を実際には地方自治体が執行する。そうして地方自治体は、御承知のように地域住民の生活と密接に結びついているわけです。そこへいまの不況とインフレが国民生活を直撃しているわけですから、自治体にとっては、まさにそういう意味では、国民生活を擁護するという点と、それから困難になっている中小企業や、あるいは農林漁業、こういったものに一層てこ入れをし、あるいは投資をし、そうして国民生活の擁護と、それから地域産業、地場産業といいますか、これらを土台にした経済の振興、地域経済の振興というものを図っていかなければならない。だから不況とインフレが強まれば強まるほど、あるいは日本経済の深刻な危機が深まれば深まるほど、より一層財政的にも地方自治体にてこ入れをして、そうしてそういう生活擁護と同時に、地場産業その他に対する投資を強化をして、地方税の税収入が一層増加の方向を向く、地域産業が一層振興して、税収も上がっていく、そうして自主財源が一層強化されて、さらにそれが住民の生活の向上に還元をされる。こういうことが今日の時期、一番私は重要なことなのではないかと思うのですが、そういう点について、自治団体についての責任を負っておられる自治大臣の御見解をお聞きをしておきたい。
#302
○国務大臣(福田一君) 本会議場でも神谷さんにお答えをいたしたところでありますが、不況とインフレを克服するというこの目的を達成するために、自治体だけに力を注ぐようなやり方でできるかどうか。自治体といってもたくさんありますから、そこで辺地のところで、能力のないようなところで、果たして十分にその目的が達成できるかどうか。それから公共事業を相当景気浮揚にはやらなければなりませんけれども、その公共事業の実施その他については、やはり中央に相当な専門家がおってこれを指導しておるというような実情、このいまの政治の仕組み等というものから考えてみますというと、その面もひとつ考慮をしなければならない。それから不況というものは、私は地域の問題を処理すればそれで不況が克服できるとは思いません。やはり国際的な面から考えてみて、輸出の振興を図るとか、あるいは農業の問題にしても、それでは北海道と鹿児島とではどういう施策をするかということを、それぞれの地域の人に任しただけで金の配分がうまくいくかどうか。ここいらも私は非常に問題があると思うわけであります。
 でありますから、総論的に言って、不況とインフレを克服するには地方自治体にその方策を任せればいいんだというような御趣旨であるとするならば、私としてはこれは納得いたしかねるわけでございます。
 そこで、この不況をどう打開したらいいかということについては、やはり中央、地方が一緒になってそうして問題の解決に当たるということが必要になってくる。もちろん自治というものを充実していかなければなりません。その自治を充実していくためには財源というものが必要であります。でありますから、その中において、できるだけ地方の自治体に財源を与える工夫を順次していくというやり方が、実際問題としては一番実現性があり、また合理性があるんじゃないかと私は考えておるのでございまして、そういう意味合いにおきましては、何といっても景気がよくならなければ地方の収入など、税収がふえる道理はございませんし、景気がよくなれば国の税収もふえますから交付税もまたふえてくるということになる。もちろんそれがこの二、三年のうちに実現できるかどうかということは、これはわれわれとしてもいささかいまの状況からいけば悲観的な物の考え方はしておりますけれども、しかし、地方自治というものに余りにウエートをかけ過ぎることがこれが自治大臣の責務であるというふうには私は考えておりません。やはり自治大臣であり国務大臣である以上は、国全体の、そして国民の利益を守るという立場において私は問題の処理に当たる、こういうことが自分に課せられた任務である、こう私は考えておるわけであります。
#303
○神谷信之助君 大臣のいまの考え方がやっぱりどうも立場がといいますか、視点が違うように私は聞いているわけですがね。旧憲法下では地方自治というのは存在をしなかったわけです。今日の憲法のもとで地方自治の省が設けられて、憲法に基づいて地方自治の本旨の実現を目指す、このことが規定されているわけですね。そして、この地方自治というのは、私はだからそういう意味では本当に主権者である国民がそれぞれの地域について責任も持ち、そしてお互いが助け合って生活の向上を共同して発展をさしていく、こういうところが土台であって、それが国全体の発展の土台をつくって、さらに一層国が発展をしていくという状況なんですね。ところが、いままでの、現在の憲法までの体制のもとではそうじゃなしに、国がすべての権限を持って、そして自治体がひとり歩きもできないのだから、それを全部指導をし、あるいは支配をし、めんどうを見ると、こういうようにころっと今日の憲法体制というのは変わってきているという点で、どうもいまの大臣の答弁は納得しかねる面を持つわけですね。
 ですから、いまの日本の経済のあるいは不況をどう打開をするかという点でも、農業や、漁業や、あるいは林業ではもう飯が食えない、そういう状態に追い込まれて、そして都市に人口が集中し、過密過疎問題が激化をする、こういう状況が起こってきているわけですね。そして、一方では非常に世界でも例のないほどの最高の大企業の資本集中、蓄積が行われる。それで片一方では農村は疲弊をする。これを何とか手直しをせにゃいかぬというのが議論としてはされるけれども、しかし、実際にやられる政治政策というのはそちらの方がお留守になってきている。この辺が私は大問題だというように思います。
 しかし、これあと議論をしてもなんですが、いずれにしても私は今日の交付税問題あるいは地方財政問題を者える場合に幾つかの重要な問題があるんですが、時間の関係もありますから、大きく二つの問題で少し議論をしたいというふうに思うんです。
 一つは、今回とられた交付税の措置ですね、起債振りかえ、これは交付税法の違反ではないか、あるいは少なくとも交付税制度をつくった精神を踏みにじっているのではないかという問題が一つです。
 それからもう一つは、そのほかいろいろな問題もありますが、そのほかは改めて別の機会にやるとして、もう一つの問題は、したがって今日の地方財政の問題を解決するためには一体何が必要か、どこに力点を置いてやる必要があるだろうかという点だと思うんです。大体この二つの問題を中心に少し議論をしていきたいと思うのです。
 そこで、財政局長にお尋ねいたしますが、先ほどからずっと当委員会の議論を聞いておりまして、今度の振りかえ措置というのは、応急措置といいますか、一時しのぎなんだ、国の財政の事情からやむを得ない措置としてやってきたのだということだったわけですが、もし国の財政が許すならば、二兆六千二百億という財源不足はどういう形で処理されるのが本来の姿だというようにお考えですか。
#304
○政府委員(首藤堯君) この困難な財政状況におきまして、私どもまず考えましたのは、適正な規模の歳出規模は何としてでも確保したい、そのために必要な財源は何としても確保すべきである、こういうことを第一義にしたことはたびたび申し上げたところでございます。その結果、二兆六千二百億という財源不足が算定をされ、これに対してただいま御指摘のように交付税会計における借り入れ、それから地方債への振りかえ、こういう応急的な措置をとって補てんをしたのは御指摘のとおりでございます。
 これが本来のかっこうであるならばということは、自治体がどうあるべきかということについてはいろいろ問題があろうかと思いますが、通常いままでの経済成長が続いておった状態等を前提にいたしますならばもう少し地方税がうんと収入になっているであろうし、地方交付税の額も国税の伸びに対応して増加をしておったでありましょうから、そういうものをもって財源措置をすることが可能であり、地方債への振りかえを行う必要はなかったのではないかと、まあ仮定の話でありますがそう考えます。
#305
○神谷信之助君 これはきのう和田委員も引用された「自治研究」に出ておりますが、本来のことであれば二兆六千二百億という財源不足、これについては特例交付金の措置をとるなり、あるいは資金運用部資金からの借り入れをやるなり、こういう措置が当然の措置として本来ならばやられたのではないのか。いままでの答弁を聞いておりますと、しかしそれは一兆三千何がししかない、したがって、一兆二千五百億は起債に振りかえざるを得なかったというようにお聞きをしたんですが、そうではないんですか。
#306
○政府委員(首藤堯君) そのような意味でございますならば、でき得べくんば包括算入を振りかえました四千五百億、これは特別会計の借入金をもって処理をするということはいままでとりました道としては通常の道であったのではなかろうかと思います。
#307
○神谷信之助君 八千億についてはそうは認めないということですか。
#308
○政府委員(首藤堯君) この八千億につきましては、程度の問題があろうかと思いますが、前年までにとりました平均三〇%といったような低い地方債の充当率が適当であるかどうか、こういう議論があろうかと思いますが、九五%という高度な限度近くまで振りかえるということが果たして適当であったかどうか、この議論はあろうかと思います。
#309
○神谷信之助君 地方債をできるだけふやさないでいく、これがふえれば将来の財政のいわゆる硬直要因になりますから、だからこれはできるだけ抑えていこうというのが従来の自治省の指導じゃなかったのかと思うのですがね。今回はそうは言っておられぬから、こういう八千億も含めて一兆二千五百億全部を起債に振りかえざるを得なかった、こういうことじゃないですか。
#310
○政府委員(首藤堯君) 非常に一般論的に申しますならば、地方債はなるたけ発行しなくて、当該年度の一般財源で処置していく方がより健全であるという点については私も否定はいたしません。それが本論であろうと思います。しかしながら、昨日も議論に出ましたように、地方債の本来の機能というものもまたあるわけでございまして、臨時的な、投資的な経費をやっていく場合に、果たしてその経費全部をその時期における一般財源、つまり大きい意味の税負担でございますが、それをもって賄うのが適当であるかどうか、効用の後々まで続く施設については一時地方債という借入金をもって措置をしておって、そのかわりその借入金の償還費について事欠かないような財源措置を後後考えていく、これもりっぱな財政運営の理論的なやり方であろうと思うわけであります。したがいまして、その付近、いままでも過去歴史的に、一般財源の額の大小に応じまして地方債の利用度が非常に高まったり、薄まったりしたことはございますけれども、そこはその事態に応じた判断が必要なのであって、いわば程度の問題と申しますか、全部地方債でやるということにはもちろん私考えておりませんけれども、地方債の機能もまた活用すべきいい点がある、このように考えております。
#311
○神谷信之助君 この八千億の一般公共事業費、それから高校の新増設費、あるいは事業費補正分まで含めてですが、これは起債充当率は九五%までということでしょう。だから、普通のいわゆる起債の、平常の一般公共事業費の起債の充当率から言ってもうんと上回るわけですね。そういう特別の措置をして、まあ言うなれば交付税算入の部分を減らしていくという措置をとられたわけでしょう。ですから本来の姿であれば、それらを含めて交付税算定に入れて、そうして普通の起債充当率の分は起債を認めるにしても、地方債計画の中でちゃんとつくるとしても、それ以外の分というのは、言うなれば本来どういう形にしろ交付税措置をしなきゃならぬ分を振りかえ措置にしたということは、これは否定できないんじゃないですか。
#312
○政府委員(首藤堯君) それはそのとおりでございます。ただ、本来ならばと言いますかどうかでございますが、従前の、ごく最近とってきました方法としては、御指摘のように二〇%ないし三〇%の起債充当を前提にいたしまして、残りは当該年度の一般財源で措置をしておる、その分を九五%までの高度な額まで地方債に振りかえる、これは御指摘のとおり事実でございます。しかし、それがゆえに、そこまで引き上げた起債の償還費については、この償還額を将来基準財政需要額に算入をしていって財源補てんをすると。将来財源補てんをすることになりますが、そのような措置をあわせ講じたということでございます。
#313
○神谷信之助君 将来の償還の問題はまたちょっと後で私はまた議論があるんですが、そこで聞きたいんですが、交付税制度の持つ本来的機能、これについてはどう考えますか。
#314
○政府委員(首藤堯君) これは先生も御案内のとおり、主たる目的は二つでございまして、一つは地方の各団体に必要な財源の保障をするということでございます。それからもう一つは、財源の均衡化を図ると申しますか、そういう機能、この二つが主な機能でございます。
#315
○神谷信之助君 ところが、それを起債という措置でやって、そして後年度の元利償還はちゃんとめんどう見るからいいじゃないかという主張ですね。しかし、金の問題としてはそれで済みます。現実に金が入ってくるという問題で考えるならばそれで済むけれども、しかしこういう措置を許すということであれば、これは交付税率をたとえば三〇%に引き下げて、さらにまたその不足分については振りかえ措置をするということも可能になるわけでしょう。二〇%に交付税率を下げて、そうしてその中から交付税算定基礎の分をまた起債にする、そういうことも可能になってしまう。こういうことに通じはしないかと思うのですが、その辺はどうですか。
#316
○政府委員(首藤堯君) この地方財政全般の財源措置が、これ先生も御回惑いただきますように、私ども、三割自治と言われておりますように、全般にとって十分過ぎるほどの財源が与えられておるとは決して考えておりませんので、現行の交付税率三二%を下げて、下げた結果足りなくなったものを起債に振りかえるといったようなことは、毛頭、夢にも考えたことはございません。ことしはこの三二%の率を前提とし、現行の制度を前提として考えました場合に、二兆六千二百億もの巨大な財源不足額が出たわけでございますから、これをともかくも補てんをするという措置として起債振りかえ等の、借り入れ等の措置を考えたわけでありまして、こういう措置をとったからこれが交付税率の引き下げ、それに伴う地方債への振りかえということの前提につながる、そのようなことは決してございません。
#317
○神谷信之助君 いや、まさかそんなことをやろうとお考えにもならないだろうし、またそんなことをすればこれは大変な批判が出てきますから、それはまあできないだろうとは思うんだけれども、少なくとも理論的にはそういうことは可能になるわけです。三〇%にすると、二%分はまた交付税の算定のどこかの部分をそれだけ外しちゃおう、起債に振りかえる。逆に言えば、今度は、本来全面的に交付税そのもので賄おうとすれば、二兆六千二百億を含めてやるとすれば、五二、三%ぐらいまで交付税率を上げなきゃならぬ。それをやらないで、逆に言えば、当然上げるべき交付税率、あるべき交付税率を引き下げをして、三二%に抑えるためにこういう措置をするということもできるのじゃないか。もちろん一兆三千億余りはプラスしなきゃいけませんから、大体四二、三%になるんでしょうね。だからそういうやりくりといいますか、これをやられているのじゃないかと思うのです。
 そこで、私は、これは交付税法の第一条に言っている点ですね、計画的な運営を保障する、そういうことによって、地方自治の本旨の実現に資する、それで地方団体の独立性を強化する、こういう目的で交付税制度をつくられているわけですね、第一条では。ところが、これは交付税として来るのと地方債として来るのとでは非常に大きな問題があるんじゃないかと思う。あるいは第三条に言う使途制限の禁止、これとも関連をして、本来なら交付税で来る。それは使途は自由に使える。ところがそれを起債に振りかえられる。したがって自由に使うことができない。使途制限との関連で重要な疑問を持つのですが、この辺はいかがですか。
#318
○政府委員(首藤堯君) 先ほども申し上げましたように、交付税の一番主な目的は、いわゆる財源の均衡化を図る、それから地方自治体に必要な財源を保障する、保障することを通じてこれが計画的な財政運営につながっていき、自主性、独立性を尊重していくことになるわけでございます。その二つの機能は、ともかく不足と見られた二兆六千二百億をこのような措置で確保したということをもって、均てん化、均衡化、それから財源の保障、こういう機能は、いろいろ応急的な措置ではございましたけれどもともかく確保した、このように考えておるわけでございます。
 もう一つの御指摘は、地方債になることによって交付税の使途がその分ひもつきになるのではないかという御指摘でございますが、これは二つに分けて考えていただく必要があるわけでございまして、一兆二千五百億のうち四千五百億分の包括算入の振りかえにつきましては、これは決して御指摘のように使途制限はいたしておりません。それから八千億の分につきましては、これは公共事業とか高等学校の増築の事業だとか、こういうものにつきましての事業を実施するものにこの起債は当たりますが、従前でありますならば、それに充てておりました起債外の地方負担分に充てられておった一般財源、これが浮かんでくることになりますので、この一般財源は御承知のようにどこにでも使えるわけであります。そういう意味で、交付税そのものを地方債に振りかえたことによって使用目的をリンクしてしまったということは当たらないのではないかと思います。
#319
○神谷信之助君 しかし、それは高校をつくるとか、新設をするとか、それから公共事業をやるとかという事業をやらなければ起債は来ないわけでしょう。起債はもらえないわけです。そういうことになるわけでしょう。やらなければ、先ほどの四千五百億、これは包括算入で交付税のような理論配分をする、こういうことですから、確かにおっしゃるとおりこれは別だとしても、八千億の分というのは、その自治体がそういう公共事業をやる、一定の事業枠をもらって、その枠いっぱいに事業をやるということにならない限りはもらえない。逆に言えば、そういう裏負担を浮かそうと思ったら、いやおうなしに政府のおっしゃるとおり事業をやらなきゃならぬ、こういうことになるわけでしょう。
#320
○政府委員(首藤堯君) これ、先生御案内のとおりに、特に都道府県等においてはそうでございますが、公共事業等のあり方につきましてはもちろん変動がございますけれども、全然公共事業を実施をしないというような極端な例はないわけでございます。それからもう一つは、いままでの交付税における財源措置におきましても、投資的な経費を一応包括的に単位費用をもって措置をいたしますけれども、これが運営の実態になかなかそぐいませんために、たくさんの事業をこなすときに必要な財源を確保する必要が別途生じまして、そういうことに対する要求は地方団体からも熾烈であったわけであります。これに対応して、御承知の事業費補正等の手法を用いたわけであります。この事業費補正の手法は、今回は全部地方債に振りかえておりますから、これはその負担に当たりましたものが一般財源で措置をされたのか、特定財源で起債で措置をされたのかと、こう振りかわっただけでありまして、
  〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
御指摘のようなことにはならないのではないかと思います。
#321
○神谷信之助君 そうすると、起債に振りかえてやってもそれは使途制限にならないというのですか。一切の一般公共事業をやらないというようなところはそれは実際はないですわね、そんな極端なのは。しかしいままででも、裏負担分が足らないから公共事業を返上するとかいう自治体も、いろいろ動きが過去にありますわね。いずれにしても私は、自治体がどういう事業をやるかというのはそこの自治体がみずから決める、選択をするんだと。その選択をする場合に、国のいろんなそういう補助金制度やあるいは起債制度、これらを見ながら、そして自己財源、自主財源を充ててやれるかどうかということを検討しながら、そういう地域住民の要求にこたえていろんな仕事をやっていく。これが本来の姿であって、これは結局、一つは不況対策、景気浮揚対策で公共事業を強化をしなきゃならぬ、だからそういう点で自治体が十分それに飛びつけるようにえさを与えなきゃならぬ。九五%までの起債充当率を充てることによって、これに乗れば裏負担は浮いてそして自由ができますよという、そういうきわめて政策的、意図的仕組みも含まってこういう措置がとられたのじゃないかというように考えざるを得ないのですが、この辺はどうですか。
#322
○政府委員(首藤堯君) それは全くの誤解でございます。ともかくもことしの措置として、措置をすべき財源不足の額が二兆六千二百億という多額の額に上ったわけでございます。これをどうやって補てんをしていくのかということについて腐心をいたしました。御指摘のように、すべての額をたとえば交付税譲与税特別会計の借入金によって措置をすることができれば一番よろしかったかもしれません。しかしこれは、資金内容の問題もありまして、事実問題として可能性がなかったわけでございます。そうすればどういう措置をとっていくのか、こういう問題でございます。
 一方、もう一つお考えをいただきたいのでありますが、
  〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
先ほどから申し上げておりますように、投資的経費に対する財源措置の方法というものは、交付税と地方債、この二つで措置をしてまいりますが、どの程度起債をかましたものとして交付税のその年における一般財源の措置をとっていくのか、この問題はいろいろ御判断があろうかということを先ほど申し上げておるわけであります。地方債でもって一応措置をいたしまして、その地方債の償還費を将来一般財源で措置をしていくというのも一つの方法、頭から全部一般財源で措置をしていくというのも一つの方法であろうと思います。このこと自身は、投資的経費に対する財源措置のやり方、考え方、まあ程度の差があって、いろいろ御批判はあろうと思いますが、いずれも間違っていないと思うわけであります。そういう面をあわせ考えまして、振りかえのきく八千億を地方債に振りかえて財源措置をする一つの柱にした。やむを得ず四千五百億だけは包括算入の分を振りかえる、こういう段階でございまして、公共事業の実施を景気刺激のために確保するという第一義目的をもって八千億の振りかえをいたしたわけではないわけでございます。
#323
○神谷信之助君 自治省の事務当局としたら、そういうことになるんでしょうね。第一義的には財源をどう保障するか、確保するかというところから出発をすると。これを政治問題としてどう処理をするかという点では、いま言ったような景気浮揚対策とあわせてそういう結論が出てきたというようにわれわれは考えているわけです。
 そこで、どうも国の財政の事情によってそういう措置、応急措置であれそういう措置をとるということは、これは平衡交付金制度が最初にできるきっかけになったシャウプ勧告ですね、あれから言っても、一つ私は問題があるんじゃないかというように思うのです。これは、御承知のように、自治体の財源調整ですか、こういう措置がとられたのは昭和十一年から始まりますが、だからシャウプ勧告に至るまでのときは国の立場から財源調整を行う。そういう点についてシャウプ勧告で鋭い批判をして、そうして、そうじゃなしに、自治体の必要財源あるいは自治体の行政需要、この立場から財源を保障することが必要だというのが勧告ですね。特に二十四年は、財政難を理由にそういう財源調整の予算を大幅に減らすという措置がとられた。これに対する批判があのシャウプ勧告に出ています。それに基づいて平衡交付金制度が生まれ、そして今日の交付税制度への転換があるわけですが、このときに大分議論になっていますね。地方制度調査会と税調とで、地方制度調査会の方は、財源調整のみならず財源保障機能を同時に交付税制度に移行しても持たす必要があるし、財政需要額と財政収入との差額、これを補てんをするということが強調された。ところが税調の方は、その差額に案分比例、案分するということで、財源保障という制度をとっていないわけです。だから、本来は、こういう交付税制度の持っている財源保障制度と財源調整機能というもの、これをちゃんと確立をしていくためにも、一つは交付税率の引き上げその他のいろんな抜本的な措置をとらなきゃならぬ時期であったのじゃないか。こういう一時しのぎをやって、そうして交付税制度あるいは交付税法にも違反をするんじゃないかと言われるようなそういう措置を急場しのぎにやっていくというのは、これは地方団体の、交付税法の第一条に言うように、「計画的な運営を保障」しているということにならないんじゃないか。こういう点が私は非常に重要な問題じゃないかと思うのですが、この辺の見解はいかがですか。
#324
○政府委員(首藤堯君) 御承知のように、平衡交付金制度が交付税制度に変わりました場合のいきさつといたしましても、一つ重要な問題点は、なるほど平衡交付金制度では基準財政需要額と収入額との差額、つまり交付税の交付所要額、これを各団体ごとに皆積み上げた額を国が支出をするようにという精神に基づいてつくられた法律であったわけでございます。ただし、技術的な問題といたしまして、前年度の予算要求期までにそのような各団体ごとの個別の交付所要額が算定し得べくもありませんので、その所要額を総体として地方財政計画をもちまして算定をするという方法がとられたのであります。こうなりまして、所要額を算定するということになりますと当時一番問題でありましたのは、やはり各省における予算査定と同様に、地方財政計画における歳出の所要額というものをともかく切り詰めていってつじつまを合わしてしまう、こういう弊害も生まれたわけでございます。そこで、大体全般としてつじつまの合いそうな額を総額リンク制というかっこうで国税三税の一定の率ということに設定をいたしまして総額の設定を行う。そのかわり個別の額との差につきましては、微調整であればその年度ごとに調整を行う。ずっと長い間これが大幅に違うということになってくると制度の改正ということになるという、現在の六条の三の規定につながっておるわけでございます。
 ただいまの事態をお考えをいただきました場合に、交付税の率はなるほど三二%で、正当に計算をいたしました財政計画上の財源不足額が二兆六千二百億という多額に達しました。なるほど御説のように、交付税率を引き上げて交付税の総額を増加をするか、あるいは、もう遅うございますが、地方税制を大幅に改正をして地方税収をふやすか、論理的にはそういうことが可能であるわけでございますが、一応そのようなことが可能であるにしても、その金を出します国の方の財政状況もまた、ごらんのように非常に大変な多額の国債の発行を必要とする、こういう事態でございます。かてて加えて、この経済の激変はオイルショックに端を発しましたいまの大変な不況、これが原因でございまして、将来の景気見通し等についても確たる見通しもない。こういうことでありますれば、いま直ちに交付税率を引き上げて所要の交付税の増額を国に求めるとしても、事実問題として出てくる可能性がないわけでございます。したがいまして、ともかくも所要額を確保するという措置を応急的ではあってもまずとる、それからなおこういった事態が将来も見通されるという段階にあれば、先ほど御指摘がありましたような抜本的な改正のあり方について十分検討を加えていく、こういう体制をとったわけでございます。
#325
○神谷信之助君 しかし、もう一つの面から考えますと、ほとんどの団体が交付団体になってしまう。府県ですと、もう交付を受けない不交付団体というのは、まあ二つですか、東京と大阪だけだ、こうなってきているわけですね。こういう状態というのは、交付税制度そのものを考えなきゃならぬという事態になっているんじゃないのかと思うのですが、この辺はどうなんですか。
#326
○政府委員(首藤堯君) これは地方税源が財政需要の増に対応して増加をしていない、こういう事態であろうと思います。地方税源が枯渇をしておる、こういうことだろうと思います。ただこの問題は、国税、地方税を通じましての国民の租税負担のあり方が、国、地方を通じまして財政需要のあり方と対応しておるかどうか、この点をどう考えていくかという非常に大きな問題にもつながる問題であって、これは十分な検討及び国民のコンセンサスが必要である大問題であろうと思っております。
#327
○神谷信之助君 大問題だということで、地方税源の拡充強化というのが毎国会附帯決議で強調されながら、そのまま放置をしてきている。そして特に五十年、五十一年度と大きく地方財政の不足が出てくる。そして一時しのぎのこういう措置をやる。根本的に交付税率をどう引き上げるか、あるいは交付税制度そのものを一体どういうように解決するのか、そのためにそれぞれの自治体の自主財源をどのように強化をするか。これによって不交付団体をうんと、まあ少なくとも半分以上は交付税の世話にならなくても自力で財政を運営できる。先般の参考人の意見の中にもありましたが、たとえば人口三十万以上の市は原則としてそういう交付税の世話にならなくてもいい、こういう状況がつくられてくれば、交付税制度というのがもっと財源保障の機能も、あるいは財源調整の機能も果たすことができる。ところが、なかなかそれは重大問題だということで解決をしようとしない。あるいはその解決をするためのいろんな提案をわれわれが今日まで機会あるごとに口が酸っぱくなるほど言っても耳をかさない。これが、今日のような地方財政のにっちもさっちもいかぬような状況を生み、こういう一時しのぎをやらなきゃならぬということになったんじゃないですか。この辺はどうお考えですか。
#328
○政府委員(首藤堯君) 地方税源の増強につきましては、先生も御案内のように、決して努力をしてこなかったわけではございません。ここ三年間におきましても、御承知のように、法人課税の増加でございますとか、自動車関係税の増強でございますとか、事業所税の新設でございますとか、不十分であるというおしかりがあるのかもしれませんが、努力はいたしてまいっておるわけでございます。ただいま御指摘のように、地方税のウエートが以前のようにかなり高いウエートであることが望ましいことは、これはもう申すまでもないことでございますが、国、地方通じましての国民の租税負担、これをどう国と地方で税源配分をしていくか、こういう問題に置き直して考えてみますと、やはり税収入の総量がどうあるべきか、こういったような問題も絡むのではないかと思う次第でございます。地方財源を増強するということについては、私どももそのように考えておりますし、いままでも、先ほど申し上げたように、それなりの努力はしてきたつもりでございます。
#329
○神谷信之助君 その辺がなかなか、努力はしてきたとおっしゃるが、抜本的な改革をやるという点で、問題の提起はいつもわれわれの方からはしておるわけですが、それがやられていないということが問題になるんですね。この問題はまた後で少し触れたいと思うのです。
 そこで、先ほど起債に振りかえた分についての後年度の負担は自治体にかけない、こういうお話で、そしてそれは地方財政計画の上で歳出にちゃんと入れて、それに見合う歳入をちゃんと保障をするから大丈夫だ、こういうお話でしたが、これは率直に言って、たとえばいわゆる交付税率が今後四〇%になるのか、四五%まで引き上げなきゃならぬかはこれは別としても、
  〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
それとは別枠の、いわゆる特例交付金として私は当然処理されるべきだと思うんだけれども、この辺はいかがですか。いわゆる交付税率をアップしたその中に元利償還分を含んでしまう、これでは交付税率を引き上げた分が、言うなれば自主財源で自治体のそれぞれ行政水準をさらに引き上げていく、あるいは住民の行政需要にこたえていく、こういうところに使われるべきやつが今日の借金返しに削られていくわけですから、この分についてはもう別枠として、そういう特例交付金的措置でこれは処理をする、こういうようにはっきりお答えいただくことができますか。
#330
○政府委員(首藤堯君) 仮定の問題でございますので、どのような措置で具体的な財源措置をしていくかということは今後の問題でございます。
 ただ、御理解をいただきたいことは、今後五十二年度以降に立てます毎年度の歳出の所要額に、この元利償還金の所要額をこれは歳出に別枠として立てます。その結果出てきます財源不足額というものが、財源措置所要額というものが恐らく出てこようと思います。この所要額に対してどのような処置をとっていくのか。まあ行財政制度全般の改正に絡む問題で、税もございましょうし、負担制度等もあるかもしれません、交付税の率の問題等もあるかもしれません。まあそういう措置で補てんをしていくということに相なるわけでございます。
 したがいまして、歳出では別枠で立てますから、どういう措置で措置をするのかということはいまお答えを申し上げる段階でございませんけれども、ともかくそれだけの額は何らかの措置で財源措置をされるということは、そのようになるわけでございます。
#331
○神谷信之助君 たとえば今年度の場合も、利子補給分なんかはいわゆる特例交付金で手当てをしていますね。だから、そういうように明確になるのかということです。来年度以降交付税率が引き上げられるという状況になる、これは一般行政費に対応するものですね。この元利償還分というのはこれは余分のことですわな。それまでその中に含まれるということはこれは理論的に言ってもあり得ない。形態はどういう方法になるかは別にしても、少なくともいわゆる一般交付税といいますか、通常の交付税の中にこれを組み込むというのは。これは逆に言うたら、結局はその分だけ自治体に犠牲をかける、負担をかけるということになるわけですね。この辺ははっきりしますか。
#332
○政府委員(首藤堯君) ただいま一つの仮説にお立ちいただきまして、交付税の率を上げるとした場合、それは一般行政費所要分だけについてそっくりそのまま交付税率に上げるという前提にお立ちになりましての御立論で、したがってそれだけ食い込みになるんじゃないかという御説につながるのではないかと拝察をしたわけでありますが、私申し上げておりますのは、明年度以降の歳出を立てます場合、この元利償還金は別枠の歳出として必ず上に積みますから、あわせまして財源措置はできることになる。これを後のやり方の手段として、税にどれだけ持っていき、交付税にどれだけ持っていくということは現在決まっていないわけでございますから、要するに所要額に対します財源措置はぜひとも講じていくつもりであります、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#333
○神谷信之助君 どうもそこがどんぶり勘定にしちゃって、今度のいわゆる借金したやつの元利償還も、それから通常の必要経費も、どんぶり勘定に片一方の方はなる。これは別枠で明確にしますとおっしゃる。しかし、歳入の方は交付税収入や地方税収入その他含めてごちゃまぜになるわけでしょう。これでは、別枠にしているんだから、歳出でそれを別枠にするのなら歳入の部分もその分については別枠にする、こういうようにはっきりしないことには、本当に自治体に迷惑をかけないという約束がつぶれてしまうということになる。どうですか。
#334
○政府委員(首藤堯君) そんなことにはならないと思います。どんぶり勘定にしない証拠に歳出におきましては別枠に立てるということでございます。どんぶり勘定とおっしゃいますことは、これを立てることによってほかの歳出をそれだけ詰めてしまったということであればまさしくどんぶり勘定でございましょうが、そうはいたさないと申し上げております。そのことによって財源不足額を算出をし、それに対して措置をするわけであります。どういう措置をするかは現在の時点で決まっていないのでございますから、ともかく全体に対して適切な措置をしていきたい、こう申し上げておるわけでございます。
#335
○神谷信之助君 どうもまだわかりませんね。歳出で、通常の必要歳出額とそれから別枠の元利償還分でしょう、こうなるわけですね。歳入の方も、収入の方も、したがって交付税率を上げようと、あるいは地方税収をふやそう、あるいは剰余金の方をふやそうという形で収入をする。これは一般の平時の歳入ですよね。これは見合うようにしなければ、これ元利償還というのが通常の状態ということで地方財政計画を組むということになると少しおかしいんじゃないか。どうも納得がいかぬですがね、その辺。
#336
○政府委員(首藤堯君) 五十年度以降のそのようにして算定をいたしました財源所要額に対してどのような措置をとって財源補てん措置をしていくかは、まだいまは決まっていないわけであります。したがいまして、ともかく全般として所要の額だけを財源措置をすれば決してどんぶり勘定にはならないと考えます。そのやり方がいまこの措置でもってリンクをするというふうに決められておりますのは、たとえば振りかえのうち二千億に対しては元利分とも臨時特例交付金で行うというふうに決まっておるものもございます。それはもうそのとおりやってまいります。それから特別会計で借り入れをしておりますものの償還費、これについても毎年度の償還額が決まっております。これも財政計画上の不足額、その状況を見まして、地方財政運営の状況を見、もちろん国の財政状況も関係ございますけれども、それに応じて償還額等についてはその適正な措置をまた将来考えていくという措置もあるわけでありますから、そういった面では、その毎年の償還額を繰り延べて減らすという場合もあるかもしれません。償還額に対応する分だけ臨時特例交付金をもらえるというケースもあるかもしれません。これはいろんなケースがあろうかと思います。そういうことは現在決まっていないのでありますから、全体額をともかく保障するということであれば決してどんぶり勘定にはならないと存じます。
#337
○神谷信之助君 まあ現在決まってないから明確には言えないかもしれませんが、いまの償還額ですね、特例交付金で見るというよりも、すでに決まっている部分もあるわけですから、だから決まってない部分についても、そういう明確な形でいわゆる一般的な財源、まあどういう財源にこれからなるかは別にしても、その財源とは別の形で、はっきりわかるような形で、できるだけ後年度以降の計画は立ててもらうという点だけは指摘しておきたいと思うのですね。
 それからもう一つは事業費補正の問題ですね。今度これは振りかえ措置をすると、こうなりましたが、この事業費補正は、御承知のように交付税制度の使途制限を禁止をしている点から言うと、これは余り望ましい措置ではないんじゃないか。というよりも、だからこれはたとえば学校なら学校を建てるということで事業費補正はつく。しかし実際には執行されなかった。ところが、返還するということになるわけでしょう。それで、これは交付税法の錯誤の条文の処理をしている、こういうことになっていますね。これはおかしいわけですね。だから、その事業費補正分は返すというのですから、使途制限、禁止をしているのに使途制限をしているわけですよ。だから、この辺は交付税制度となじまない措置ではなかったかと。これは前にも指摘をしたわけですけれども、今度これを外しますがね。外して起債措置にする。これ自身はひとつ別の問題があるんだけれども、それを機会に、こういう事業費補正をいまの交付税制度に入れるのじゃなしに、別の方法でそれはそれで考える、こういうのがすっきりするんじゃないかと思うんですが、この辺の考えいかがですか。
#338
○政府委員(首藤堯君) 事業費補正制度をつくりましたときに御指摘のような御批判はもちろんあり得たわけであります。これは先ほども申し上げました、投資的経費に対する財源措置をどういう方法でやるかということに深くつながる問題だと思います。事業費補正制度を、全然こういった制度をとらないということになれば、地方が行います投資的経費に対する一番適実な財源措置は、極端に言えば先ほど申し上げましたように一応地方債でもって措置をしておいて、そのかわりその償還費をあと交付税で見ていく、これが一番適実だと思います。ただ、その年できるだけ一般財源で措置をしていく。つまり借金を少なくして、地方債を少なくして、一般財源の量を多くするという手段をとるとすれば、普通交付税の通常の配分方法では、特に事業が集中をしたような事態では地方公共団体は財源不足に泣くわけでございます。いままではわりに地方債の充当率が低うございましたから、地方団体の方から、事業をするときに実際上の金に困る、こういう話がありまして事業費補正が行われておったわけであります。今後の問題といたしましては、投資的経費に対する財源措置、これを一般財源と地方債をどうかみ合わせてどの程度の比率で運営をしていくか、こういうことに関連をして、この制度のあり方に対しては十分検討を加える必要があるだろうと考えております。
#339
○神谷信之助君 それからもう一つお聞きをしておきますが、五十年度、最終決算はまだ自治体の方も全部済んでいないと思いますが、一応地方税の減収あるいは国税三税の減収、これは予想して昨年の臨時国会で補正措置をしたわけですけれども、しかし、まあ予想しておったよりは少し税収の伸びがあった、こういうことになっているんですね。五十一年度の場合も、大体そういう不況傾向で、国税三税の収入見込みにしてもあるいは地方税の収入見込みにしても、今度は厳しく見てきていますわね。で、少なくも国税三税の方が予算よりもふえる、いわゆる自然増収があった場合、交付税三二%分がそれだけふえてきますね。こういう場合、これ、いまの一兆二千五百億の元利に対する措置なり利子補給なり、いろんな段階でやってますね。そういう自然増収があった場合にはそれに充てて、自治体の負担を当年度においてもすぐ少なくしていく、あるいは後年度にも少なくしていくような措置に使うとかどうとかいうお考えはあるかどうか。この辺いかがですか。
#340
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、五十年度の収入につきましては、去年の年末に見込みまして減収補てん債を一兆六百億余り準備をいたしましたが、思ったより好調におかげさまで推移をいたしまして、八千五百億余りの所要額で実所要額が済んだわけでございます。国税の方も、承りますところによりますと若干税収の増があるのではないかと、補正後に比べてでございますが、あるのじゃないかというふうに承っております。この分に対します三二%の額は、当然地方交付税の取り分として地方に精算交付されますが、先生御案内のように翌々年度というかっこうになりますので、昭和五十二年度の地方交付税の額に、まあ金額はまだ確定いたしておりませんが、加算をされる、こういうかっこうで地方に入ってくるだろうと思います。
#341
○神谷信之助君 その次に、大臣は、来年度は交付税率の引き上げも含めて税財政問題の検討をやらなければならぬということを約束をされていますが、この辺について、自治省の事務当局の方では一体どういういま検討をやられておるか。すなわち、地方税の増収をどの面で図ろうとしているのか。あるいは交付税率の引き上げはどういうように考えるか。あるいは国税の地方税への移管問題、これはどうなのか。あるいはいま交付税のリンクしている国税三税、これで十分なのかどうか。こういった諸問題、これは一昨日も参考人からもだいぶ意見が出ておりますが、こういった点について自治省の方ではどのような検討を進めておられるか、お聞きしたいと思います。
#342
○政府委員(首藤堯君) まず、五十二年度以降の地方財政の状況の想定でございますが、先生御案内のように、ごらんをいただきましたように、例の中期財政展望を、いま想定をできます範囲内の前提を置きまして一応の展望をいたしております。大きな財源不足がまだ見込まれるわけでございます。こういった根っこの問題が、一つには経済情勢の変動等の問題もあろうかと思いますから、今後どう動いていくか、これも一つの大きな要素だと思います。しかし、ある程度の経済情勢の好転程度ではおさまりがつかないという事態も容易に想像されるわけでございますが、これに対しましてどのような措置をするかにつきましては、ただいま例を挙げて御指摘をいただきましたような数々の問題があろうと思います。これを総合的に複合的に考えて、どういうかみ合わせ方でやっていくか、こういう御議論をいただきたいと思っておるわけでありまして、具体的にはそれぞれの事態等に応じまして、地方制度調査会等も開かれますので、こういったところの御意見も承りながら、かつまた税制の問題等につきましては税制調査会等の御意見も承りながら案を固めていきたい。まだ申し上げるほどわれわれの事務案として固まりました段階には立ち至っておりません。
#343
○神谷信之助君 しかし、五十二年度からそれをやろうとすると、もうそう時間がないですね。そう時間がないでしょう、五十二年度からやろうとすると。そうすると、いま皆さんお考えになっているのは、五十二年度からやろうとするのは、そういう何といいますか、抜本的な税財政の改革ということではなしに、また一時しのぎ的な、部分的な処理だけで終わろうと、そういうことになるのですか。段取りはどうなりますか。
#344
○政府委員(首藤堯君) 抜本的な措置につきまして検討して、できるだけ結論を得たいと思っております。御案内のように、経済情勢一つを取り上げて考えてみましても、本年度始まったばかりでございますのでまだ的確な見通しはつきません。恐らく秋口でございますか、ある程度の状況等も推定できるような事態になるのではないかと期待をいたしておるのであります。そういう状況もあわせまして、各種の要件、問題等を御検討賜りたい、このように考えております。
#345
○神谷信之助君 ちょっと先ほども言いましたが、少なくとも地方団体の半数以上は、あるいは少なくとも半数前後は不交付団体になるような、そういう自主財源を確保するというようなことは、当面する五十二年度には実現をしようというような決意なり何なりあるんですか。これは、事務当局だけではいかぬだろうと思いますが、大臣からもひとつ聞かしてもらいたいと思いますが、五十二年度はどの程度の地方財政に対する手直しをやろうとするのか、この辺をちょっともう少し聞かしてもらいたいと思います。
#346
○政府委員(首藤堯君) いまのようにほとんど大部分の団体が交付団体になるという事態でなくて、もう少し地方税源を強化をしたいということはもちろんわれわれの願望でございます。しかし、ただいま御指摘がありましたように、少なくとも半数以上の団体が不交付団体になるように地方税を増強するということにもしなるといたしますと、これは膨大な地方税の増加ということに相なろうと思いますが、その場合に、国、地方を通じての税制のあり方というのはどういうものが想定をされるのか、こういうことも先ほど申し上げましたように非常に大きな問題であろうと思います。こういう点につきましては、地方制度調査会、税制調査会等の御意見も十分承りたいと考えておるわけでありますが、いまの状況から考えまして、半数以上の団体が不交付団体になるような程度の地方税制の大改正ということが果たして適当であるのかどうか、これはいろいろ御検討賜りたいと思っております。
#347
○国務大臣(福田一君) 私はかねがね申しておるように、経済はやはり一応上向きの状況にあるという認定をいたしておりますので、九月、十月の時期になったときにおいてどういう措置をとるかということを最終的に決定するのであって、いまこの段階においてどのようなことをするということを申し上げることはできません。
#348
○神谷信之助君 どうもその辺が認識の違いということになるのですかね。これは昨年度からも見通されておった事態ですね、今年度の事態は。そして五十二年度以降も、前の高成長時代のようなそう大きい自然増がある、税の自然増がどんどんふえるというような状況ではないということも政府の方もおっしゃっている。そういう見通しをもって五十一年度の秋ごろの状況を見てやろうとしても、実際には地方制度調査会あるいは税調の意見も聞いてということになりますと、これはなかなか時間がかかるわけです。地方制度調査会でも、いまだにまだ住民意識の向上に関する問題についてのきわめて部分的な答申原案をめぐっての論議をやっているという段階です。だから、まだ地方自治体財源、地方財政への討議ということにはなかなかいかない。これはなかなかひまがかかる論議があるでしょう。それで仮に出たからといっても、政府の方ですぐそのとおりやるというわけではありませんね。事務の再配分に至っては、何遍も言われているようになかなか進まない。そういう状況を繰り返しておって、そして一時しのぎに地方財政の問題をつくろっていく、これを繰り返しておったのでは、いわゆる地方自治の本旨を実現をするそれにふさわしいような財政制度を確立するということは、これは百年河清を待つようなことになってしまって、私はそれではなかなか――せっかくこの委員会でも地方自治の確立について、これは野党だけでなしに、与党の皆さんも含めて議論をしてきているのだけれども、この辺がちょっとはっきりしないと、いつまでたってもこの問題は解決をしないというように思うのですが、この辺どうですか。
#349
○国務大臣(福田一君) 私が申し上げておるのは、ことしも赤字であろうということではありましたけれども、法律に基づいて、二年以上赤字が続いた場合ということであるから、五十一年度においては従来の法律に基づく措置によって交付税の税率の引き上げはしないことにしていろいろの措置をいたしたということを申し上げたわけであります。
 それからいまあなたは、大変そういうときに時間がかかるということをおっしゃいましたが、これは私は政府の責任であると思う。これは委員会が、審議会がどうであるか、何があるかは私存じませんけれども、政府が決意をしてそしてそのときにやるということであれば、何もそう長い時間かける必要は毛頭ないと思うので、その点は御心配をいただかないでも結構だと思います。政府の決意にかかるところであります。
#350
○神谷信之助君 ところが自治省の中期の試算を見ましても、財源不足がまだずっと来年度も出てくるという見通しですね。そうしますと、いずれにしてもこの交付税率を引き上げるなり、新しい地方税の財源を与えるなりということをやらなければならぬ。あるいは国税三税、いまのものでリンクするといっても、もう今年度二兆六千二百億を全部交付税で処理するとすれば、五二、三%の交付税率としなきゃならぬ、こういう事態になっているわけですから、ですからこれだけを税率を上げるということだけでももちろん解決しない。これらの問題はいままで相当われわれも、先ほど大臣おられぬとき言っておったんですけれども、われわれやかましく言って問題提起をしているけれども、なかなかそのことに対して政府は耳を貸さない、決断をしないということで今日のような事態になった。しかも交付税率の引き上げは二年続いて三年目もそうである場合はというようには法律では書いてない。法律にはないのです、そういうのは。二年とか三年とかいうことはありません。それは政府の方で解釈をお決めになっているのですね。しかし、いままでも戦後の地方財政のいろんな危機が何回かありましたが、今回のは、規模の上でもそれから日本経済の全体の現況からしても、これはいままでとは違った状況が生まれているのですから、だから二年やって三年目も赤字ならばということでじんぜんと今日までおいてきたというところに私は非常に重大な責任があるんじゃないかと思います。これも先ほどから言ってますが、自主財源をどうつくりそうしてということとあわせて考えなければ、交付税率を六〇%にも七〇%にもどんどん上げて処理をしなきゃならぬということだけでは、これはもうある意味では交付税制度自身をもう一遍考え直さなきゃならないわけですね。私はいまはそういうところにきていると思う。そういう角度からひとつ検討してもらいたいと思うし、きょうは時間の関係がありますからその辺でひとつおいておきたいと思います。
 次の問題に移りますが、いつもやかましく言うようですが、これは本会議でもこの間質問したわけですが、例の産業用電気の非課税措置ですね。質問したら、大臣はことしも八品目削って努力をしているのだというお答えをなさってますが、これは努力じゃないんですよ、八品目削ったのは。去年の予算委員会で言ったのは、コストの中に電気料金の占める比率が五%以上の場合についての非課税措置がとられているわけですね。この五%のラインをもっと上げたらどうだと。これを上げることによって大きく非課税措置をなくしていくことができる。年間七百五十億からの減収になっているわけですから、この点一体どうなんだということで、ひとつ予算委員会でもまたこの当委員会でも、大臣も当時の財政局長も税務局長も、税調には断固として主張して何とかやりたいということになっておったんですね。ところが結局は従来どおり、しかも廃止どころか、この%を引き上げることさえできないという状況になってきているわけです。この辺、なぜなかなかこれができないのか、このネックは一体何なのかということについてひとつ答えていただきたいと思います。
#351
○政府委員(森岡敞君) 産業用の電気に対します非課税につきましては、いまお話の中にもありましたように、重要基礎資材あるいは重要基幹産業の製造なりを行いますところで電気料金のコストに占める割合五%以上、これについて非課税措置をとる、こういう基準でまいっているわけでございます。これにつきまして、かねがね本委員会におきましても見直すべきである、整理、合理化を進めるべきであるという御指摘はしばしばいただいている。いまお話の中にありました基準の見直しを含めまして、昨年の税制調査会におきまして私どもといたしましてはいろいろ突っ込んだ議論もしていただいたわけでございますが、税制調査会の御答申をごらんいただきましても書いてございますように、一面において現行の基準を見直すべきである、非課税品目の整理、合理化をすべきであるという御意見と、それから別途電気税の課税に当たりましては、原料課税となる措置は配慮する必要がある、したがって現行の基準をそういう観点から維持することが必要だと、こうまっ二つに意見が分かれたわけでございます。そのようなことから、今後もう少し時間をかけて税制調査会においても検討をしようと、引き続き検討すべき事項というふうな結論に達したという経緯であるわけでございます。努力ではないという御指摘でございましたけれども、本年度八品目、昨年度二十四品目という形で、毎年度できるだけ整理、合理化についての努力は続けておるということを御了解願いたいと思います。
#352
○神谷信之助君 これは去年は二十四品目、ことしは八品目というのは、五%以下になったから対象から外れたということだけでしょう。そうでもないんですか。
#353
○政府委員(森岡敞君) 先ほど申しましたように、現行の基準、おおむね五%という基準をもとにいたしましてのことでございますので、御指摘のように、基準を根本的にいじったと、こういうことではもちろんございません。
#354
○神谷信之助君 だから、正確に経費の中に占める電気料をちゃんと正確にしていった、厳密にしていったというだけになるわけですね。私は率直に言って、自治省の皆さんからもいろいろ聞いているんですよ。何でこれできぬのだと。問題は通産省だという話を聞いて、特に鉄鋼、石油、これがなかなか強力でいけませんと。原料課税はいかぬ言うたって、ほかの産業用電気についての課税はされているんですから、五%以下の部分は。だから、これらが片一方は課税をされ、片一方は課税をされないという、こんな理屈は成り立たぬわけです。逆に言うたら、産業用の電気税は絶対に取るな、課税するなという主張になってしまいますわね。一般用の、家庭用の電気なりは電気・ガス税を取りながら、片一方産業用の電気については廃止を目指すような要求というのは私は納得できないのですが、通産省、見えていますね。
 今年度の非課税額の見積もり七百五十億のうち、大体鋼材関係が百二十七億ぐらいになるんじゃないかと思うのです。問題はやっぱりそこのところにあるんじゃないかと思うのですがね。これ、通産省の方はどうお考えですか。
#355
○説明員(末木凰太郎君) 金額の問題ではございませんで、先ほど税務局長の御答弁にございましたように、この電気税の産業非課税につきましては私どもはほかの租税特別措置とちょっと性質の違う要素があると。すなわち電気税の性格そのものがいわゆる消費税ということでございますので、そういう性格の税については原料課税を極力避ける、消費税という性格にかんがみて原料課税を極力避けるということでいまのような仕組みが三十七年以来行われてきたというふうに理解しておりますので、そこの原料に対する課税をどう考えるかという観点から、私どもは非課税措置はそれなりの存在理由があるのだというふうに考えているわけでございまして、鉄鋼が幾らだということではございません。
#356
○神谷信之助君 去年の予算委員会の私の質問に対する福田副総理の答弁は、この電気税の非課税措置について特別措置をやっておるけれども、これは原則にいつの日か返らにゃいかぬと、こういうことをはっきりおっしゃっているのですね。だから特別措置は三十七年にできたけれども、そのころはちょうど日本経済がどんどん発展をしている、そういうような時期にこういう措置がとられた、しかし、今日、時勢は移り変わったんだから、こういういわゆる低成長の時代だからもう原則に返らにゃいかぬ、だから非課税措置は廃止の方向でやるんだ、これは本当に真剣に根っこから考え直していい問題だという答弁をなさったんですよね。副総理はそう言っているんですけれども、通産省の方は、それじゃいまのお話ですと、原料課税だという面もあるからこの非課税措置は存続をすべきだというようにお考えなんですか、あるいは廃止すべきだというお考えなんですか、どっちなんですか。
#357
○説明員(末木凰太郎君) 存続すべきか廃止すべきか、どう考えるかというお尋ねでございますけれども、税制の問題でございますので、私からお答えするのはいかがかと思いますので、将来の方針につきましては、政府部内で、私ども自治省にいろいろ御相談、意見を申し上げますけれども、自治省の方からお答えいただくべき問題だと思いますが、現在のところどう考えているかということでお尋ねがございましたというふうに理解いたしますと、この制度の存在している根拠といいますか、考え方というのは先ほどのようなものだというふうに理解をしておる、こういうことでございます。
#358
○神谷信之助君 それで、大臣いまお聞きのように、昨年の予算委員会で、大臣も福田副総理の後を受け継いで、検討してそういう方向へいきたいという答弁をいただいた。副総理は、あの三十七年の高成長の時期にそういう措置をつくったんで、低成長時代になった今日ではもう根本的に考え直さなければならぬ、こういう特別措置は時勢も移り変わっているのだから原点に返らなければ、原則に戻らなければいかぬという答弁で、それで報道でも、だから廃止の方向を答弁したという報道もされました。それで自治省の方も、そういうことでいままで廃止の方向で、これを二〇%あるいは三〇%に引き上げたらどれだけの品目が減るか、どれだけの税収をふやすことができるかということでいろいろ研究もし、努力もしているんですがね。ところが通産省の方は、いまお答えのように、これは原料課税だからいかぬ、だから廃止すべきではない、そういう立場できているわけです。これはひとつ問題なんです。しかもいま言いましたように、七百五十億のうち鋼材関係だけで百二十数億ですからね。それからそれに石油化学関係を入れますともっとふえてくるはずです。これが実は圧倒的なんです。鉄鋼、石油化学関係というのは、御承知のように自民党に政治献金もしているぐらいですから、あるいは通産省とも非常に密接な関係を持っておるところですから、ここら辺のところは、この問題一つ、簡単なことでも解決をしない。税調でも廃止せいという方向と、いや残せ、それは原料課税反対だからもっと広げろという意見とで真っ向から対立して決まらなかった、こういう問題なんですがね。この辺政府としてはちょっと一貫性がないように私は思うのだけれども、大臣どうですか。
#359
○国務大臣(福田一君) 政府としては、税調の答申を得て処理をしていくという方針をとっておるわけでありますが、われわれとしては、なるべくこれは減らすというか、非課税措置を撤廃する方向に持っていくべきだと思っております。ただことしは、一つはやっぱり非常に不景気でございまして、自治体の収入をふやすというたてまえから言えばいいけれども、失業者が非常にふえるというようなことでも困るというような面もあったりして、いろいろ利害の問題が出てくるものでございますから、なかなか意見がまとまらなかったと思うのです。大体この法律は私が三十七年に通産大臣をしておったときにできた法律で、その当時の目的というのは輸出振興ということにあったのです、実際言うと。だから、やっぱりそういうものは、少し景気がよくなってきたらこれはある程度順次減らしていくべきであるというのが私のかたい信念です。
  〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
したがって、今後私としてはそういう方向で努力をしていきたいと考えております。
#360
○神谷信之助君 これは、たとえば新日鉄の八幡製鉄所で北九州市に対する電気税の非課税措置は大体九億ぐらいですかね。ですから、天下の新日鉄の年間の生産高なり何なりからは大したものじゃない、企業にとってみれば。ところが、自治体の財政としたらこれはなかなか手の出るほど欲しい金なんですね。ですから、そういう意味でもこれは、特に大牟田の訴訟も起こっている時期ですから、ひとつ、昨年そういう約束もなさっているんで、早急にこれは解決をしてもらいたい、こういうなにが非常に多いのですね。
 それから、もう一つついでに税金の問題で触れておきたいと思いますが、農地の宅地並み課税の問題です。ことし若干の手直しがされて、調整率の一年据え置きを行うという措置もとられると同時に、減額制度ができたわけですが、この減額制度についてちょっとお尋ねしたいんです。これは、減額措置を受けられるところというのは一体どういうことになっていますか、ちょっとお答えいただきたい。
#361
○政府委員(森岡敞君) 三大都市圏のいわゆるA、B農地につきましてお話しの宅地並み課税を進めておるわけでございますけれども、その趣旨は別にいたしまして、現実に宅地化の状況あるいは都市施設の整備の状況というものが、三大都市圏の市街化区域の中におきましてもかなり区々でございますので、緑地として、あるいは農地として現に耕作の用に供され、かつ、三年以上農地として保全することが適当であると認められます農地を対象といたしまして、農地課税審議会の議を経まして市町村長が条例で定めるところにより減額をすることができる、こういうことにいたしたわけでございます。なお、政令で、一定の農地につきましてはこれは減額対象から除外することにいたしております。これはたとえば、土地区画整理事業が行われまして、宅地になし得る客観的情勢もできておる、また、所有者も宅地として利用することを当然に考えておられる、こういうような一定のものにつきましては減額対象から除外をするということにいたしておるわけでございます。
#362
○神谷信之助君 その除外区域の政令の、区画整理事業がやられている、それから所有者も宅地にすることを望んでいるという点と、もう一つ、公共下水道が整備されているというのもこの条件に入るんですか。
#363
○政府委員(森岡敞君) 当初は、公共下水道が整備されておる地域につきましては、都市施設の基本的な根幹的施設が整備されておりますので、除外対象にしてはどうかということでいろいろ検討もしたわけでございますけれども、やはり下水道のこの施設の内容も、枝線から基本になる管からいろいろございますので、そういうことも考え合わせまして、最終的には下水道の敷設しておる地域を除外するということをいたしませんでした。これは農地課税審議会の審議の際に実情に応ずるようにいろいろ御検討、御審議を願った方がむしろいいのではないか、こういう措置をしたわけでございます。
#364
○神谷信之助君 そこでお聞きしますが、三大都市圏のA、B農地の中で減額制度の対象になる農地というのは大体どのぐらいが予想されるのか、あるいは言いますと、A、B農地に対して、パーセントで結構ですが、どのぐらいのパーセントになりますか。あるいは生産緑地ですね、生産緑地も合わせて何%ぐらいになりますか。
#365
○政府委員(森岡敞君) 現在持っております資料は抽出調査でございますので、悉皆になりますと若干数字が変わってくると思いますけれども、総体としてながめますと、おおむねA、B農地のうち三分の二程度が減額対象になるだろうと考えますが、ただ、これは市によりましてばらつきがございます。これは御理解願いたいと思います。
#366
○神谷信之助君 いまおっしゃるように、これは都市、地域によって非常にアンバランスがあるんですね。私らの京都の近郊では対象農地というのは非常に少ないです。まあ多いところもありますが、それぞれ違うんですが……。これは国が政策としてこういう減額措置をやるわけですから、これは当然交付税の対象になる、交付税で補てんをしなきゃならぬということになるんじゃないかと思うのだけれども、この点はどのぐらいを考えておられるかという点ですね。
#367
○政府委員(首藤堯君) ただいま税務局長から御説明がございましたように、一定の対象地域について条令で軽減措置がとられるということになりましたので、この減額額を交付税の場合には一定の客観的な算定をいたしまして基準財政収入から控除をする、こういう措置をとりたいと思っております。どういう客観的なやり方をやるのがいいか、現在検討中でございます。
#368
○神谷信之助君 それは客観的というやつですがね、大体何%ぐらいを、減額の一〇〇%を対象にされるのかという点はどうなんですか。
#369
○政府委員(首藤堯君) 減額の実態は、恐らく政令で規定をされておりますような地域の中でも、審議会の議によりまして外されるものとか外されないものが出てきましょうし、減額の率も各地方団体ごとの実態によって違おうと思います。そこで普通交付税に算定をする場合には、減額の実額というものをつかまえるのは適当でないと思います。一定のそういう状況を見ながら客観的な率と申しますか、その資格対象面積のようなものをたとえば数値にいたしまして、一定の客観的なパーセンテージに考えていく、こういうことをやってみたいと思います。まだ率そのほかにつきましては、状況等いま進んでおる最中でございますので、検討中でございます。
#370
○神谷信之助君 ちょっと税務局長にお伺いしますが、農地の宅地並み課税ですね、この立法、この税の創設の趣旨、これを簡単にちょっと。
#371
○政府委員(森岡敞君) 宅地並み課税の趣旨につきましては、まず第一に都市計画法によりましていわゆる市街化区域と市街化調整区域の線引きが行われまして、都市計画法のたてまえでは、市街化区域はほぼ十年間に市街化を促進する地域、そういう観点で都市計画サイドとしてとらえておるわけでございます。
 それから第二に、特に三大都市圏におきましては国民の住宅需要というものが大変強うございます。ところがその住宅需要にこたえる一番のネックになっておるのが土地の問題でございますから、市街化を促進する地域内の農地につきましては、やはりこれを宅地として提供していただく、それを促進するということが必要じゃないか、これが第二の政策目標だと思います。
 第三は、農地法のいわゆる制約要件が市街化区域農地についてはございません。兼業許可制度もないわけでございますので、自由に届け出のみによって農地を宅地として使うことができるわけでございますから、そうなりますと、やはり隣合わせの宅地とそれから農地との税負担、固定資産税負担のバランスの問題、これはどうしても納税者相互間に出てまいるわけでございますから、その間のバランスをやはりある程度確保していく必要がある。この三つの趣旨からこの税制がとられておる、かように考えております。
#372
○神谷信之助君 そこで、大臣に考えていただきたいと思うんですが、大都市における近郊農業、私はこれの果たしている役割りというのは非常に大きいというように思うのです。都市に住んでいる勤労者にとっての食糧供給の点から考えてもこれは必要なことになりますね。それから緑地を確保するという面からも必要になってきますし、それから、大都市の災害に対する避難場所としても、この農地というのは一定の役割りを果たすことも可能になってくる。そういう点をいま私は見直さなければならぬことになっているんじゃないか。なるほどおっしゃるように市街化を促進をするために、だから市街化の中にある農地をつぶす、宅地に早く転化をさせるために農地の宅地並み課税を創設をする、こういう措置をとられたわけですけれども、これがいまは現に三大都市圏では非常に大きな問題になってきていると思うのです。たとえば、埼玉で市街化区域の農地の中で野菜をつくっている面積というのは三三・二%です。京都市の場合は五四・八%になっております。こういうように都市住民に対する食糧確保という点ても一つ大きい役割りを果たしております。
 いま農林省お見えになっていると思いますけれども、農林省はこういう食糧確保の立場からも農地の拡大を強張されているのですが、国土利用計画審議会も、最近森林原野を削って、農地を四十七年に比べて六十年には十二万ヘクタールふやすという答申も出てきています。食糧自給を確立していく面からもこの農地の確保というのは必要ではないか。そして諸外国の方もすでにEC諸国では、農産物の国際需給の基調が崩れてくるということで、これが変化をして、穀物自給率を高める措置も徐々にとられ出してきております。作付制限の解除などいろいろなことをやって農地の確保に努めてきている、こういう状況があるわけですね。
 こういった点について考えてみますと、この三大都市圏における農地をつぶすために宅地並み課税をやるということ自身が私はもう廃止をする段階に来ている、廃止すべきだというふうに思います。災害の面からも、自然環境を保持をする面からも、食糧確保の面からも、これは必要だというように思うのですけれども、この辺はひとつ大臣に総括的に最初にお聞きをしたいと思います。
#373
○国務大臣(福田一君) 大都市近郊における農地の持っておる効用というのはお説のとおり非常に重要な面がありますが、しかし一面においては、やはり宅地供給の問題、必要性というものも無視するわけにはいきません。したがって、都市施設の整備状況とか、市街化の形成状況等、いろいろの問題を勘案しながら今後この問題に対処してまいりたいと思っております。
#374
○神谷信之助君 農林省の方は、この市街化区域の農地がそういう形で宅地並み課税をやる、重税を課すということで農地がつぶされていく。都市近郊の野菜を中心にしたそういう食糧確保が破壊をされていくという状況については、どういうように考え、また指導されていますか。
#375
○説明員(田中宏尚君) 先ほど来お話がありましたように、市街化区域というものは今後十年以内に優先的に市街化をするということで線引きし、くくった区域でございますけれども、ただいま諸先生御指摘のように、その市街化区域でも現に農業が営まれておりまして、都市住民に対する特に野菜等での供給源としては大きな力になっているわけでございますし、それから現に農業を営んでいるということから申し上げまして、担税力にも問題がありますし、それからさらに市街化区域ということで線はくくりましたけれども、都市化の進展というものにもおくれが見られますので、農林省といたしましては、その市街化区域内の農地について全く宅地と同一に扱う、そういうことについては問題があるということで、従来からその税金の面でも折衝してまいったわけでございますけれども、先ほど税務局長の方から御報告ありましたような減額措置というものが、現に耕作をやっており、今後とも三年以上農業をやるという土地につきましては、減額措置がそれぞれの地方自治団体の自主性により設けられるということになりましたので、こういう措置はわれわれとしても適切な措置であるというふうに考えておるわけでございます。
#376
○神谷信之助君 国土庁見えておりますから、特に都市近郊の中小河川のはんらん、これが最近目立ってふえてきているんですが、これが、大体農地をつぶして宅地化する、遊水地帯がなくなってくるという点から、特に大都市なんかでは、大阪にしても東京にしてもそうですが、少しの雨でも浸水をする、こういう状況が起こっている。あるいは、大都市の震災対策から言っても、空閑地がどうしても必要だということが要求されますね。そういう見地から、市街化地域における農地、一定の部分はもう宅地になっていますが、それでもなお農業を営み、そして続けられているという農地について、現在の段階ではもういま残っているところはできるだけ残して、そういう役割りも果たす必要があるんじゃないかというように思うんですが、この辺についての国土庁の方の見解はいかがですか。
#377
○説明員(高橋進君) 先生が御指摘のとおり、特に大都市圏地域におきまして空地の、空閑地の必要性というのは非常に高いわけでございます。もちろん、農業生産という観点からも、先ほど農林省からの御答弁がありましたように、大都市圏地域の多くの人たちの食糧供給という観点からも必要でございますけれども、同時に、御指摘のような災害に対する場合の避難の場所とかあるいは遮断――災害が隣へ行くのを遮断するような空間が必要だと、さらには、一般的に都市環境を整備する上から言っても、有力な都市環境を図るという意味から言っても、できるだけそういう農地空間があることが必要だと、基本的にはそういうふうに考えております。ただ、同時に、一方、大都市圏地域の人口といいますものは、あるいは産業といいますものは、できるだけ抑制するという基本的な方向をとっておりますけれども、今後世帯増というものはやっぱりどうしても自然に出てくる。こういうことに伴いましての宅地需要というものもやはりございまして、そういったことを総合的に考えた上での地域のあり方というものを考えていかなきゃいかぬと。そこら辺の調整の仕方は、こういった宅地並み課税のあり方にも関連しましょうし、また生産緑地とか、そういった制度の活用等によりまして調整をとる必要があると考えております。
 なお、私どもの方では、大都市圏のいろいろ地域計画がございますけれども、これから首都圏につきまして新しい計画をつくり、また中部圏とか近畿圏につきましては見直しをやる段階になっておりますが、そういったところではそういったことを十分総合的に考えた措置を講ずるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
#378
○神谷信之助君 大臣、いまお聞きのように、私は、税金を重くしてそして農地を手放させる、それで宅地にかえるというのは、これは一つは邪道だというように思うんですがね。
 しかし、それはそれとして、いずれにしても、そういう事態が起こって今度減額制度というのがつくられてきた。三年以上ずっと農業を続けるという場合には減額の措置をとるということになってくるのですが、ただ、いまもお話があったように、土地区画整理事業がやられておるというところではこれは減額をしないということになるわけですね。これは二つ――いわゆる所有者の、本人の意思も含まれるんですか、どっちか一つですか。本人が農業を営むという場合には、土地区画整理事業がやられておっても、減額措置の対象になるということですか。
#379
○政府委員(森岡敞君) 土地区画整理事業が行われた土地というのは、客観的にそのような土地ということでございますので、本人の意思は関係ございません。なお、蛇足でございますが、土地区画整理事業というのは、まさしく土地を宅地にするために区画整理をし、道路をつくり、各種の都市施設の整備をあわせて行っていくという事業でございますので、これはもう本人の御意思も当然宅地として使うという前提で事業が行われている、かように考えるべきものと思います。
#380
○神谷信之助君 実際は、全部その地域の人たち、農業をやっている人も含めて、自分の農業をやめて宅地にすることを前提に土地区画整理事業を承認をするということには実際にはなっていない場合もありますからね。ですから、そう簡単にはいかぬと思います。だったらこの制度をもっと有効に使えるようにして、現在残っている農地については宅地並み課税を、この減額制度を運用してやらせない、やらないようにしていく。十分それに対しては交付税で補てんをする。これは財政局長、いいですか。その辺をちゃんとやっていかないと、この減額制度というものは生きてこない。大都市における先ほどから言っている食糧確保なりあるいは自然環境の保全なりあるいは災害対策から言っても、もう現在残っているところぐらいは、しかもその土地を持っている人が農業を現にやり、またやりたいと言っているところでは、これは育成をする、残していく、そういう立場からこの減額制度を運用していくのが、総合的に考えて必要ではないかというように思います。
 全体として、いま国土庁からお話がありましたが、それぞれの三大都市圏での都市計画をもう一遍そういう形で環境問題や災害問題まで含めて総合的に考えて見直すというのがいま各地に起こり出しているわけですから、そういうものと相まって、この宅地並み課税の問題についてはわれわれは廃止を要求しているわけですが、少なくとも減額制度の有効的な運用というものを十分に考えてもらいたいということを要求しておきたいと思います。これは、よろしいですか。
#381
○政府委員(首藤堯君) 先ほどもお答えを申し上げましたように、この制度が制度としてでき上がったわけでございますから、実態を十分勘案をいたしまして、一定の基準によって基準収入から除外をする、こういう措置はとってまいりたいと思います。
#382
○神谷信之君 それでは、ちょっと自治大臣、超過負担の問題はいままでこの委員会でも何遍も論議されておりますが、これは私は一つは、各党からも意見が出てましたように、やっぱり六団体側の代表と政府機関側の代表あるいは学識経験者なんかの代表、そういう三者構成で、超過負担とは何かというのをやっぱり確定をして、それに基づいてちゃんと調査をして、始末するものは始末をしていく、この辺はひとつもうそろそろ政府自身が決断を下すべきではないかというように思っております。これは、ひとつそういう方向で超過負担の解消を根本的に解決をしていく。特にこれから超過負担を出さないためにも、いわゆる補助対象事業、事業量をどれだけに見、補助対象をどれだけにするかというのが、それぞれ各省の方が、自治体側の意見を聞くのでなしに各省の方針で決めていくわけですから、そこに超過負担が生じていく一つの根本問題もあるので、この補助対象額をどうするかということの決定に至るまで、そういう六団体側の意見も十分聞いて、そういうことのないように処理をされるべきだというように思うのです。しかし、この問題はいままで何遍も言っていますから、ひとつ問題は、政府がそういう決断をやってこの根本的解決のために思い切って取り組むかどうかということにかかっていると思います。
 きょうここでやりたいのは、本来自治体が制度的にも法的にも負担すべきでないと思うのに実際に超過負担が起こっているという問題です。これは、この間本会議のときにも少し触れたのですが、国立の身体障害者の職業訓練校が十一都県にあります。これは、職業訓練法に基づいて、運営について府県に委託することができる、それで委託をされているわけですね。委託ですから、この経費の負担というのは一体どうなるのか、というように思うのですが、これひとつ労働省と自治省それぞれお答えいただきたいと思います。
#383
○説明員(中野光秋君) 先生御指摘のとおり、全国に十一カ所の国立の身体障害者の職業訓練校をつくりまして、その運営をそれぞれの都道府県に委託しているわけでございます。これは長い歴史がありまして、ずっとそういうことできているわけでございますけれども、この運営費につきまして超過負担が、都道府県が単独で超過負担があるということは私どもも非常に遺憾に思っているわけでございます。この中身を検討してみますと、その都道府県の超過負担の中に人件費に相当する部分が相当あるということでございます。そこで、私どもといたしましては、従来、大蔵省、自治省とも御協力をいただきましてやってきているわけでございまするけれども、特に今回は三省で共同して訓練校の職員の人件費の実態調査をいたしまして、それに基づきまして今年度人件費単価を大幅に上げたということもございます。したがいまして、これから超過負担も大分少なくなってくるのじゃなかろうかと思いますけれども、いずれにしましても、御指摘のとおり超過負担があるということはきわめて遺憾でございますので、今後もひとつこの超過負担の解消に重点的に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#384
○政府委員(首藤堯君) 国が委託をしております事務につきまして超過負担があってならないことは、御指摘のとおり私どももそう考えております。御指摘の身障者の職業訓練所に係ります委託費につきましては、ただいま労働省からも御説明がありましたように、例の専修職業訓練校、これは補助制度でありますが、これの実態調査をやりました結果、等級格づけ等において一一・二%ぐらいの超過負担解消措置は決めたわけであります。これに準じて身障者の訓練費につきましても委託費を支出をしておる、このように聞いておりますので、なお今後この訓練校運営の実態等につき問題があり、超過負担があるというようなことがはっきりいたしますれば、もちろん直してもらうように今後とも要請をしたいと思います。
#385
○神谷信之助君 これは自治省の方は、この国立の身障者の職業訓練校の超過負担の状況というのは調査をされて御存じですか、調査をされているとは思うんですけれども、どうですか。
#386
○政府委員(首藤堯君) ただいまのところは、直接にこれにつきまして具体的な調査をしたものがございません。
#387
○神谷信之助君 私はこれは十一全部もう調査はしてないんですがね、東京の小平の分と、宮城県の分とをちょっと調べてみたんですよ。そうすると、おっしゃるように人件費の超過負担というのは相当あります。しかし、事業費の超過負担も大きいですね、東京の場合、事業費について国は二千四百五十五万二千円、ところが東京都の持ち出しは千四百八十七万四千円です。それから宮城県になりますと、国は、千百三十九万八千円に対して県の方が千百六万四千円、国と同額ぐらい出していますね、事業費だけで。人件費を加えますと、もっともちろん大きくなるわけです。ですから、これいまもお話がありましたが、人件費については、いろいろあるでしょうけれども、しかし事業費についてこれだけの大きな超過負担が出てきているというのは、これは徐々にとかどうとかという問題じゃなしに、即刻私は直さなきゃならぬ問題じゃないかと思う。特に身体障害者の方々の非常に限られた職業選択ですね、その中でリハビリを兼ねて機能訓練をやりながら適職を身につけていく。ですから、そのためにいろんな形でのてこ入れをしなければ、せっかくこれをやっても意味がないと、こうなります。だから、国から金が少々来ても、足らぬでも、県なりその該当の十一都県の方は、委託をされてやっておる限りは実効あるようにしなきゃならない、だから持ち出しをしてでもやらなきゃならぬ、こうなってきますね。こういうのは、ちょっとほかのいろんな超過負担とは違って、明確にこれは国が持たなきゃならぬ、地財法十二条ですか、この規定から言っても、これは大体都や県が出したらいかぬ金ですよ。不当支出とさえ言える法律違反の金、支出になるというようにさえ、極端に言うならばそうも言えるんですが、これどうですか、自治大臣。四十九年に自治、大蔵、それから労働の三省で相談をして調査をして、それで徐々に直してきているということになって、この間の労働大臣の答弁も、徐々に直しますと言うんですが、これは徐々に直すというような質のものではない。これはもう法律で決まっているのだから、法律に違反をしているようなことはやっぱり自治大臣としては断じて許すわけにはいかぬということで、直ちにこの改善をする、そういう努力というのは当然やってもらわなきゃならぬと思うんですが、この辺いかがですか。
#388
○国務大臣(福田一君) 私は超過負担の問題については、今後もあらゆる面において、こればかりではございません、問題のある限りにおいて解消のために努力をいたしたいと思っております。
#389
○神谷信之助君 これはいま言いましたように、各省と自治体の間で超過負担であるとかないとかいう議論の分かれる問題じゃなしに、先ほど労働省も答弁されているように、この委託事業に対して超過負担があってはならない、そういう性質の事業ですから、これはほかのものと違うわけですね。超過負担かどうかというところで議論が分かれているのじゃない。これはもう当然、国立の訓練校ですから、その必要な経費というのは負担をしなきゃならぬ。それを地方団体に負担を転嫁さしてはならないというのが地方財政法十二条にも明確に決まっているわけですから、この辺について、これは労働大臣にも本当は来てもらって両方でやりたかったのだけれども、自治大臣、これ一般的な超過負担の解消の問題ですし、この問題はもう法律で決まっていることなんだから、ひとつこの解消のためにやるということを約束できませんか。
#390
○国務大臣(福田一君) 私としては、適正な措置をとってもらうように要求をいたしたいと思います。
#391
○神谷信之助君 終わります。
#392
○委員長(上田稔君) それでは七時三十分まで休憩いたします。
   午後六時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後十時三十八分開会
#393
○委員長(上田稔君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、山崎昇君及び鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として大塚喬君及び高橋邦雄君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#394
○委員長(上田稔君) 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行います。
#395
○和田静夫君 総理、御苦労さんです。大変時間がなくなっていますので、私ももう用意した質問を端的にかなりの部分省略をいたしまして質問いたします。
 まず、地方団体の職員の給与、労働条件等、労働基本権については、いかなる事態においてもこれを損なうことのないよう配慮するとともに、地方団体の長は職員団体との話し合いに十分応ずるべきものであると私たちは考えていますが、総理のお考えを示してください。
#396
○国務大臣(三木武夫君) 大変遅くまで御審議願いまして感謝いたします。
 和田君の御質問に対してお答えをいたします。
 職員の給与、勤務条件は、それぞれの地方の団体において、自主的に決定すべきものであって、労使関係は、相互の信頼関係の上に立って処理さるべきものと考えております。
#397
○和田静夫君 先日の本会議で地方交付税法の論議があったときにお聞き及びのとおり、自治大臣は交付税率の引き上げ等の問題等を含んで、地方財政の健全な確立のために大蔵当局と秋に向かって話し合いをしていく、こういう形の御答弁がありました。したがって、私はこの機会に、総理もこの自治大臣の立場を十分に尊重されて協力をされるように要望いたしますが、それでよろしいでしょうか。
#398
○国務大臣(三木武夫君) 私も自治大臣の立場を理解し、協力をいたす所存でございます。
#399
○和田静夫君 第三に、懸案の問題でありますが、地方事務官制度につきましては、昭和五十一年三月三十一日をめどとして廃止をして地方公務員とするよう努めること、この問題の五十一年三月三十一日を含んだ第七十七国会も会期余すところがわずかになりました。私は、幾たびか三木総理とこの問題でやりとりをしながら幾つかのお約束をいただいてきました。総理の七十五国会以来の答弁、それを聞きながら、それが議会の子を自認するほかならぬ三木総理の国会答弁であるだけに、今国会こそはと実は思っていたのでありますが、大変残り少なくなってきてどうなるのか、先行きが非常に不安であります。で、この問題で歴代の総理の答弁を、私は会議録を見ながら、実はきょう少しの時間がありましたから、総理とやりとりをしたいと思って思い返してみました。速やかに地方事務官制を廃止すべく努めるとか、努力すると、大抵努めるとか、努力するという言葉について歴代の総理は答えられてきたわけであります。この努力するは、努力したがだめだったと答えるの伏線だったような感じがするわけです。しかし、私は三木総理だけは違うと実は信じてまいりました。確かに三木総理の答弁にも努力するという言葉はついています。ついてはいますけれども、ニュアンスが違います。どう違うかと言えば、三木総理は今国会中にという期限を七十五国会そして七十七国会、二度にわたってつけていらっしゃるということであります。この言葉が国会に対して、国民に対していかに期待感を持たせてきたことか。私は三木総理にはこの期待感にこたえる義務があるのではないかと実は考えます。
 もう一つは、やはり私はこの答えとの関係において、総理の政治責任がやはりここに存在をすると思います。というのは、総理のこの問題での答弁は、ただ努力するにとどまらない内容だということであります。それは次の二つの意味からそうなのだと私は考えています。第一に、三木総理の努力するという答弁は、衆参両院の地方行政委員会の決議を受けてのそれだということであります。昭和五十一年三月三十一日をめどに地方事務官制を廃止して地方公務員にするというのは、単なる私たち社会党の主張ではないのであります。国会の地方行政委員会、衆参両院にわたっての超党派の決議なのであります。そして、何遍も申しましたように、現自治大臣は、当時の自由民主党の国会対策委員長でいらっしゃって、これを了とされた立場の方であります。地方行政に深くかかわりを持つ、全国会議員が共通の意思としてこのことを決めたわけであります。しかも、この意思を打ち消すいかなる決議も国会の中にはほかには存在をしないのであります。この意思を受けて三木総理の答弁が出ました以上、これは単に努力したがだめだったということで私は済まないと思うのであります。
 第二点は、三木総理は昭和五十年三月十一日の参議院予算委員会で、この国会に法律を出すかという問いに対して、「そういうつもりで準備を進める」とお答えになりました。これは単なる努力の約束以上のものでありまして、以上の二点から、私は三木総理は地方事務官制の廃止を国会決議に従って断行する、そういう政治責任を負っていると、こう考えます。
 以上二点についてまずお答えを願いたいと思います。
#400
○国務大臣(三木武夫君) 私は、和田君との質疑応答をよく覚えておるわけであります。私の責任であると思っております、この問題の解決は。そのために鋭意努力をしたわけでございますが、まだ残念ながら成案を得ておりませんですが、この問題は責任を感じております、ああいう答弁からして。今後鋭意検討をいたしまして、成案を得次第、関係法案を国会に提出をいたしたいと思います。
#401
○和田静夫君 この問題の解決のためには、御存じのとおり三月三十日に海部副長官から、地方行政委員会の附帯決議の趣旨を尊重をして、そしていまお答えがありましたような形に続くところの、言ってみれば政府中間報告的な答えを得ました。そのことは三木総理も御確認願えますね。
#402
○国務大臣(三木武夫君) 私もいろいろないままでのいきさつというものを踏まえて、この問題は解決しなければならぬ問題だということで、ひとつ解決をしよう、解決のために努力しようということでお答えもしたわけですが、残念ながら先ほど申したようなわけでございますが、和田君御指摘のようにこれは私の責任がある問題でございますから、できるだけ早く成案を得るように努力をいたします。
#403
○和田静夫君 もうわずかな時間でありますから簡単に終わらせますが、この問題の解決は非常にむずかしいと言われるわけです。あるいはそうかもしれません。一方こういう意見もあるわけです。総理もお読みになったと思いますが、二月二十二日の朝日新聞の「論壇」に成田頼明教授が書いていらっしゃいます。「地方事務官制度の廃止は、ほんの小さな改革であってやる気があるならそんなに難しいことではないはずであるが、こんな小さな改革すら正しい方向でできないようでは、新しい時代にふさわしい自治制度の改革などなに一つできないのではなかろうか」。考えようによってはこんな簡単な実は行政改革はないということでもあるわけです。何が事をむずかしくしているのかといいますと、私は厚生省を初めとする関係各省の官僚組織としてのエゴ以外の何物でもない。自由民主党の橋本龍太郎さんが政治家としてみずからの試案をお出しになることは御自由であります。しかし、厚生省がこの試案を利用して間接的に物を言うというのは私はいかにも卑劣だと思うのであります。というのは、あそこで提起されていることは、成田教授が「古い時代の亡霊に生命をふきこんでよみがえらせようとするフランケンシュタインの策略」と表現されたように、政府としては決着済みのことなのであります。ほかならぬ総理大臣の諮問機関であります地方制度調査会の議論で、行政監理委員会の議論で、そして国会の決議で、この問題は議論としては決着がついているのであります。橋本試案によれば、社会保険事務に携わる大部分の地方事務官を国家公務員にするわけだから、そうなれば県庁の外に事務所を、たとえば地方厚生局的なものをつくらなきゃならなくなる。そんなことが行政改革をめぐるこれまでの経過からしてできるわけがないのを厚生省は十分に承知をしているわけであります。承知をしていながら、自分たちの気に入らない国会決議の実現を阻止するためにこれを利用している。これは私は許しがたいと言わなければなりません。そういう立場というものを実は私は総理に十分御認識をいただきながら、総理自身が、「財政硬直化の問題を含め、行財政のあり方全般にわたり見直しをする考えであります。それは決してなまやさしいことではありません。既成の考え方を変え、既得の権利を手放すことには大きな抵抗が伴います。しかし、それを打破して、日本の政治を新しい時代にふさわしいものにしなければなりません。それが時代の要求でもあり、これにこたえることがわれわれ政治家に課された責務であると考えております」、こういふうに実は七十五国会における施政方針演説で三木総理みずからがお述べになっています。まさに私はそのとおりだと思うのであります。したがって、私は総理がポリティシャンというようなことではなくて、ステーツマンそのものであることを期待をしてきました。ステーツマンならステーツマンらしく、この程度のことは私は解決をしてほしい。それは三月三十日にもたらされた政府の中間報告の線、すなわち、この国費職員の身分移管に関する両院地方行政委員会における国会決議、そのことを基本に踏まえて解決をする、その英断を求めたいと思いますが、そのことを確信をしておいてよろしいでしょうか。
#404
○国務大臣(三木武夫君) 先ほどから申し上げておりますとおり、私の答弁からして責任のある問題でございますから、これはいままでの経緯を踏まえて、この問題はできるだけ、成案を得次第、関係の法案を国会に提出をいたしたいと思っております。私もこのぐらいの問題は解決できなければならぬ問題だと考えて、簡単なようでなかなか複雑な問題というものを、複雑な面もあるということも認識をしたわけでございますが、こういう問題が多年にわたって懸案であるということは残念でございますから、できるだけ早く成案を得るよう努力をいたすことにいたしたいと思います。
#405
○和田静夫君 最後に一言だけでありますが、実は今晩の夕刊を見て大変驚きました。「国会終了後に三木退陣」などというような形で各紙が大きく報道をしています。私はぜひこの国会で決議をいたしましたロッキード問題の徹底的な究明を行うという意思をお持ちの三木総理、私は三木総理並びに法務大臣こそが入手をされた全資料を見るその権限をお持ちになっているのでありますから、そこに重点を置きながら国会決議を守る、そういう意思を持って党内の揺さぶりにまどわされることなく、いまこそ私は国会を解散をして信を問う、そこに来ていると思いますが、その所信についてお伺いをいたします。
#406
○国務大臣(三木武夫君) まあいろいろなことを新聞は報道してございますが、私は私としての使命と責任がある。この使命と責任を私は中途半端で放棄することは絶対にないと、こういう決意でございますから、どうかそういうおつもりで、いろいろな法案も早いこと片づけなければならぬなどというような、こういうお考えはお持ち願わぬように願います。
#407
○委員長(上田稔君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#408
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認めます。
 小山君及び神谷君から委員長の手元に、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 まず、小山君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。小山君。
#409
○小山一平君 私は、日本社会党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、不況とインフレは地方財政の上にもきわめて深刻な影響を及ぼすに至っており、昭和五十年度における地方税及び地方交付税の大幅減収に引き続き、本年度においても二兆六千二百億円もの歳入不足に見舞われるなど、地方財政はいまや戦後最大の財政危機に直面しているのであります。
 このように地方財政が危機に直面することになったのは、引き続く不況とインフレに基因しているのでありますが、その根本的な原因としては、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など、中央集権化のもとに大企業優先の高度経済成長政策を推進してきたことによるものであります。そのため地方自治体においては、過疎過密、公害その他の対策に伴う膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与しなかったことによるものであります。
 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するために、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずべきことを政府に要求してきたのであります。
 しかしながら、今回の自民党政府の地方財政対策によりますと、地方交付税率は、依然として三二%に据え置かれたままであり、国の一般会計の負担としては、わずかに臨時地方特例交付金六百三十六億円の措置を講じたにすぎず、一兆三千百四十一億円もの膨大な不足額を資金運用部資金の借り入れに依存しているのであります。しかも本来、地方交付税で措置すべき包括算入分及び公共事業費等の一兆二千五百億円においてもこれを起債に振りかえるなど、今回の政府の財政対策は、地方交付税法の趣旨を大きく逸脱していると言わなければなりません。また財源対策債を含めた地方債の発行予定総額は、四兆八千十億円もの膨大なものとなっており、政府資金引き受けの著しい低下と相まって、地方財政は借金依存と質的悪化を深めております。さらに重要なことは、こうした政府の地方財政対策によって、地方自治体の単独普通建設事業など、住民生活に直結する事業は著しく低下し、福祉の後退が顕著になっていることであります。
 以上のような自民党政府の地方財政対策では、今日の地方財政危機は、打開されるどころか、ますます深刻化することは明白であります。
 したがいまして、この際、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、恒久的な一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を打開し、自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。
 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、最近における地方行政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来、据え置かれてきた地方交付税率の現行三二%を三五%に引き上げることとしております。これによる昭和五十一年度の地方交付税の増加額は三千六百二十四億円となります。
 第二は、最近の地方財政の危機的状況を緊急に改善するため、昭和五十一年度から同五十三年度までの間に限り、国税三税の八%に相当する額をもって第二地方交付税を創設することとしております。
 その内容は、第一種交付税と第二種交付税に区分し、それぞれ第二地方交付税総額の二分の一の額としております。
 また、その配分についてでありますが、第一種交付税については、人口一人当たり一千七十九円、面積一平方キロメートル当たり三十二万二千九百円を単位費用として、すべての都道府県及び市町村に対して交付することとしております。
 第二種交付税については、前前年度の決算における民生費の額千円につき百十三円、同じく決算における単独普通建設事業費の額千円につき九十五円を単位費用として交付団体に対して交付することとしております。なお、昭和五十一年度の第二地方交付税の総額は九千六百六十四億円となります。
 第三は、昭和五十一年度に限り、国の一般会計の負担で、臨時地方特例交付金五千二百三十八億円を交付することといたしております。その内訳は、財源対策債のうち包括算入分四千五百億円、精算分の補てん五百五十九億円等でありますが、財源対策債のうち四千五百億円を引いた残りの八千億円については、これは、本来、国が特別事業債として元利償還の全額を負担すべきものであるとの立場から、昭和五十一年度の利子分百五十億円を含むものであります。
 第四は、人口急増市町村の財政対策についてであります。昭和五十年国勢調査人口が昭和四十五年より五千人以上かつ一〇%以上増加している市町村を人口急増市町村とし、これら市町村の昭和五十一年度以降発行する義務教育施設整備事業債等償還費及び公共用地先行取得事業債償還費のそれぞれ五〇%を基準財政需要額に算入することといたしております。
 第五は、人口急減市町村の財政対策の強化であります。前述と同様の期間において人口減少率が七・五%以上であり、かつ昭和四十八年度から昭和五十年度までの三カ年度の平均財政力指数が〇・四未満の市町村を人口急減市町村とし、これら市町村の公共用施設及び公用施設建設事業のため昭和五十一年度以降発行した地方債のうち、過疎債、辺地債、同和対策事業債、公害防止事業債を除いた地方債の元利償還額の七〇%を普通建設事業債償還費として基準財政需要額に算入することといたしております。
 第六は、都の特例の廃止であります。都の基準財政収入額及び基準財政需要額の算定に当たっては、特別区を市とみなした場合に得られる基準財政収入額及び基準財政需要額を加算する特例を廃止し、特別区を市とみなして都とは別に算定することといたしております。なお、この都の特例を廃止した結果、都に交付される普通交付税について、都は、交付額相当額を都区財政調整交付金の財源に充てるものといたしております。
 第七は、普通交付税、特別交付税の割合を変更し、現行九十四対六を九十六対四といたしております。
 第八は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備等のための国の財政上の特別措置を廃止することといたしております。
 以上が、本修正案の提案理由及びその概要であります。
 慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#410
○委員長(上田稔君) 次に、神谷君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。神谷君。
#411
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由並びに要旨を御説明いたします。
 戦後最大の地方財政危機は、いま最も深刻な事態となって推移し、昭和五十一年度地方財源不足額は実に二兆六千二百億円の巨額にも上っているのであります。
 政府は、この危機を、一兆三千百四十一億円に上る交付税特別会計の借入金や、一兆二千五百億円に上る地方債振りかえ措置に見られるごとく、地方自治体への借金財政の押しつけと、福祉切り捨て、増税、公共料金引き上げなどの反国民的な方向で切り抜けようとしており、その結果、地方財政危機は同時に住民福祉の危機、地方自治そのものの危機となってあらわれております。
 今日の地方財政危機は、これまでの政府の地方自治体に対する三割自治の押しつけ、上からの財政統制による地方財政と地方自治の締めつけ、大企業奉仕の高度成長政策、戦後最大、最長の不況とインフレの同時進行による経費増と税収減によってもたらされたものであります。
 政府の地方交付税法等一部改正案は、地方交付税法や地方財政法のたてまえを踏みにじり、基準財政需要額を地方債に振りかえるなど、地方交付税制度の実質的な改悪となっているのであります。
 全国の自治体の強い要望は、真に地方財政危機を打開し、住民生活向上を目指す財政対策であり、具体的には、地方交付税率の大幅引き上げなどの財源拡充であります。この点で政府の本年度地方財政対策は、まさに全国の自治体と住民に背を向けるものであります。
 わが党は、今日、全国の自治体の強い要望である地方交付税率の引き上げ、地方財源不足の自治体負担なしの解決、都の特例の廃止や、高度成長政策のための新産、工特などの特別措置を廃止することが必要であると考えております。
 こうした立場から本修正案を提案するものであります。
 次に、本修正案の要旨を御説明いたします。
 第一に、地方交付税率を四〇%に引き上げます。これにより交付税の法定額は昭和五十一年度において九千六百六十四億円増加いたします。
 第二に、今日の事態のもとで交付税の所要額を確保するため、一兆五千九百七十七億円を交付税特別会計が借り入れることとしております。この償還は二年据え置き八年償還とし、元利とも国の一般会計の負担とします。これにより、一兆二千五百億円の地方債振りかえ措置を行わないこととします。
 第三に、交付税交付金の増に伴い、単位費用の改定について地方債振りかえを行わないことを基本に別途法律で定めなければならないことといたしております。
 第四に、都の特例を改正し、都区合算方式を廃止し、特別区に対して交付すべき地方交付税は都に対して交付することにしています。特別区分として都に交付された地方交付税は、都・区間の事務の実情に即して配分されるものであります。
 第五に、地方財政法第五条の特例規定を削除しております。
 第六に、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律並びに首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の延長を行わないことといたしております。
 以上が本修正案の提案理由並びに要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#412
○委員長(上田稔君) ただいまの小山君及び神谷君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。福田自治大臣。
#413
○国務大臣(福田一君) ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党及び公明党提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。
#414
○委員長(上田稔君) ただいまの小山君及び神谷君提出の修正案に対し、御質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより地方交付税法等の一部を改正する法律案及び小山君及び神谷君提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に入ります。
#415
○赤桐操君 私は日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の理由を申し述べるとともに、日本共産党提案の修正案についても反対の討論を行います。
 地方財政の現況は急激に悪化し、いまや破産寸前にあります。昭和四十九年度決算で赤字団体は三十九団体に増大し、とりわけ東京、大阪などいわゆる富裕団体と言われる大都府県、大都市は深刻な財政危機に見舞われていることは、現在の地方財政危機が地域経済力の優劣によってもたらされているのではなくて、高度成長政策による大都府県、大都市における急激な財政需要の増大と、全く不十分な税財政基盤との大幅な格差の拡大に深く起因していることと言わなければなりません。
 これは政府がこれまでたびたび危機に陥った地方財政の実態に対し根本的改革を怠り、応急的な措置で当面を糊塗することに終始してきたからであります。そればかりか、これまでの財政危機を理由とし、地方自治の確立どころか、逆に地方財政の中央集権化を図り、地方行財政を一段と国の行政に組み込んできたのであります。したがって、今日の深刻な地方財政危機は、今後の地方自治の確立にとって重要な分岐点をなすものであり、これは根本的には政府の地方行財政対策の全面的な政策転換によってなし得る問題と言わなければなりません。
 以下、私は反対の理由を具体的に申し上げたいと思います。
 第一は、地方交付税制度の崩壊と地方債の増大とにかかわる問題であります。
 本年度資金運用部から一兆三千百四十一億円を借り入れ、昨年の一兆二千億円の借り入れを含め、地方交付税の借り入れは二兆五千百四十一億円にも上り、現行税率に置きかえれば一〇%を超える額となっているのであります。国税の三二%を税率とする現行交付税制度において、このような多額な借金をしなければ総額を確保し得ないということは、とりもなおさず現行交付税制度がその機能を全く喪失していると言っても過言ではありません。
 こうした問題に加え、財源不足対策の問題はさらに重大であります。地方交付税と地方税収入をもってしても地方財政計画上の不足額を確保し得ず、特に基準財政需要額に算入されるべき投資的経費のうち、包括算入分と公共事業費等を地方債に振りかえたことは、これまた地方交付税の借り入れとともに、現行交付税制度の機能を崩壊させるものと言わなければなりません。地方交付税の先食いによって現状を糊塗する政府の措置は必ずや悔いを将来に残すと言わなくてはなりません。その意味で、現在の地方財政危機は、交付税制度の崩壊に象徴されているのであります。
 さらに、これら財源不足対策債も含め、地方債の将来の償還の問題であります。四兆八千億円に上る本年度の地方債総額は、その市中消化の困難性もさることながら、将来の地方財政の負担を著しく増大させるものであり、この面からも地方財政の抜本的対策が緊急かつ不可欠であります。
 第二は、公共事業費の増大とこれに伴う地方負担増であります。
 政府の景気浮揚策に伴い、膨大な公共事業費を計上していますが、その地方負担が問題であります。すなわち、地方負担額の九五%を地方債で措置し、大規模プロジェクト中心の公共事業を優先した結果、地方自治体の単独事業は極端に抑制されてしまっているのであります。こうした政府の対策は、これまでの高度経済成長政策下におけるものと何ら変わるものではなく、破綻した過去の亡霊を夢想する時代錯誤の措置と言わなければなりません。
 第三は、社会福祉費、人件費の抑制の問題であります。
 生活扶助人員数をわずか四万七千人増加させたのみであり、失業者の増大等の現状からすればきわめて不十分であります。また職員の人件費については、昨年五月十六日の事務次官通達を本年も強行し、給与の国家公務員への一律平準化を進めようとしておるのであります。このことは全く認めるわけにはまいりません。次官通達を悪用し、職員団体とも交渉せず、一方的に給与条例を強行させ、あまつさえ百条調査権を乱用するなどは、自治体職員の労働基本権を否定するものであります。
 第四は、超過負担の問題であります。
 政府は、本年度二百三十一億円の解消措置を講じておりますが、インフレ、ベース改定を差し引くならばわずか六十四億円にすぎず、地方六団体調査結果の六千三百六十億円と比べるならば、まさしく月とスッポンの違いであります。
 第五は、大衆負担の増大であります。
 不況とインフレを理由に国民に高負担、低福祉を強要し、地方財政計画においては使用料、手数料を大幅に引き上げておりますが、こうした負担強化策には強く反対せざるを得ません。
 以上、私はわが党及び公明党提出の修正案に賛成し、政府がこの修正案に沿って地方財政の抜本対策を緊急に講じるよう強く要求し、政府に対する反対討論を終わります。
 また、共産党提出の修正案は、わが党に比べれば不十分であり、反対せざるを得ません。
#416
○金井元彦君 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、同法案に対する日本社会党、公明党の共同提出による修正案及び日本共産党の同法案に対する修正案に反対の討論を行うものであります。
 わが国の経済は、高度成長から安定成長へと基調的な転換期の中にあって、国も地方も、ともにその財政運営はきわめて窮迫した事態に直面しております。特に今後の地方財政は、歳入面で従来のような自然増収が期待できない反面、歳出面において福祉の充実、公共施設の整備等の財政需要はさらに増大していくことが予想されます。
 今後引き続き予想される多額の歳入不足に対処するに当たって今回とられました地方財政対策は、借入金と地方債の増発に安易に依存し、地方財政の健全性及び弾力性の面から見て必ずしも将来の展望を踏まえた万全の策であるとは言い得ない面もあるかもしれません。しかしながら、多額の国債に依存せざるを得ない国の財政を考慮しつつ地方財政の現状を顧みるとき、抜本的、恒久的な地方財政対策は今後の政府の決断にまつこととし、当面の応急措置としては政府の努力を評価するものであります。
 また、今回の措置は、その借入金や地方債の額が多額であるため、元利償還などにより将来の地方団体の財政運営に支障を生ぜしめるのではないかという点も懸念されていますが、これについては、政府は、地方財政計画及び地方交付税法上の措置を通じ、地方団体の財政に全く迷惑をかけることのないよう国が責任をもって対処することを明確にされております。この点も私は了とするものであります。
 以上の観点に立って政府提出の改正案を検討しますとき、この改正内容は、現下の地方財政の状況にかんがみ、当面の措置としては適切な内容のものであると思います。よって政府提出の改正案に賛成、二修正案に反対の意を表し、討論を終わります。
#417
○多田省吾君 私は公明党を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の地方交付税法案等の一部を改正する法律案に反対し、また、日本共産党提出の同修正案に反対し、日本社会党、公明党提出の同修正案に賛成する討論を行います。
 以下、その要旨を申し述べます。
 まず第一に、交付税率の引き上げを含む地方行財政の抜本的改革が全然なされていないことであります。
 いまこそ地方財政危機打開のため、地方交付税率を大幅に引き上げることや、地方税の自主財源強化等、地方行財政の抜本的改革を行うべきでありますが、その当然の措置を行っていないことは、まことに遺憾と言わなければなりません。
 第二に、地方債についてであります。
 財源不足分二兆六千二百九十七億円の残り一兆二千五百億円は、地方債の発行によって補てんされることになっておりますが、これは政府の経済見通しの誤りによる地方財源不足の穴埋めを一方的に責任転嫁したものであります。その償還も大変問題であります。わが党は地方債の完全消化を図るとともに、地方団体が発行を容易にするため、現在の公営企業金融公庫を発展的に解消し、仮称「地方公共団体金融公庫」を創設すべきであると主張しておりますが、この措置がとられておりません。さらに、地方債の許可制については、戦後の金融事情の混乱していた時代の一時的なものであり、許可制を廃止すべきであります。そして地方団体の民主的財政運営にゆだねるべきであります。
 第三に、超過負担の問題であります。
 国庫補助事業にかかわる地方超過負担は毎年巨額に上り、地方団体の行政水準の低下と住民の税外負担の原因となっており、完全解消が急務であります。しかし、今回も超過負担解消のための財源はきわめてわずかであり、地方団体の意向は無視されております。また、超過負担の調査についても、国側の考えのみで、地方側の意向や精力的な調査結果は受け入れられておりません。したがって、超過負担解消のため国と地方とが一緒になって現地で確認し合い、客観的な物差しとなる基準づくりを両者で行うべきであります。
 第四に、過密並びに過疎対策についてであります。
 人口急増市町村の悩みは、著しく立ち遅れている生活関連施設の整備充実が大事であります。中でも義務教育施設の整備は、児童生徒の自然増が依然急増を続けているため、施設の整備は今後当分大きな財政負担になることは必至であります。また、これらの地域は地価が高いため、現行の足切り制度や交付率の低い用地補助制度では、建築費よりも用地費の方が大きな負担となることは周知のとおりであります。したがって、補助制度についても、従来のような建築費重点の考えを根本的に改善しなければなりません。その他、ごみ、屎尿処理等、住民生活に密着した施設の補助制度も実態に即した改善を行わなければなりません。さらに、公害、交通対策も十分対策を講ずるべきであります。それらがなされておりません。
 以上をもって、内閣提出の法案に対する反対討論といたします。
#418
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党共同提出の修正案に棄権、日本共産党提出の修正案に賛成の意思を表明するものであります。
 まず、政府案についてであります。
 今日の地方財政はかつてない危機に陥っています。五十年度赤字団体は昭和三十年の三十六都道府県を上回る三十九都道府県に及び、黒字見込みは三、四団体にすぎないという、まさに戦後最大の危機にあります。この危機によって直接的でかつ甚大な影響を受けているのは一般住民であります。保育所や学校が建たない上に、住民税均等割りの三倍化や固定資産税の大増税を初め、三十ないし六十種類にも及ぶ使用料、手数料の引き上げが国民生活を直撃しているのであります。
 このように深刻な危機を打開する道は、大企業に対する特権的減免税の廃止等を初め、地方交付税法第六条の三第二項に基づく地方交付税率の引き上げを行うことであり、それによって自治体が必要とする財源を十分確保し、住民生活を経済危機から擁護することであります。
 しかるに政府は、特権的減免税にほとんど手をつけず、交付税率の引き上げも行わないばかりか、交付税の一部を起債に振りかえているのであります。これは、第一に、自治体の一般財源である交付税を特定財源化するものであり、自治体の自主的財政運営を破壊するものであります。第二に、これは実質的な交付税率の引き下げであります。交付税制度は、交付税法第一条に規定するごとく、憲法にいう地方自治の本旨の実現のためにつくられた制度であり、本改正案は、交付税法第一条、第三条に明確に違反したものであり、第六条の三第二項の死文化を意図したものであります。これは交付税制度を根本から崩壊させるものであり、断じて認めることができません。
 また、地方財政法第五条特例による赤字地方債の発行は、大企業本位の税財政制度の改革、超過負担の解消など政府の行うべき当然の努力と措置を何ら行わずに、国の財政難を口実に、一方的に自治体に赤字公債を強制するものであり、財政の自主的で健全な運営を規定した地方財政法第二条の精神から言っても認められません。
 以上が、政府案に対する意見であります。
 次に、社会党、公明党提出修正案について意見を述べます。
 本修正案は、臨時地方特例交付金の増額、人口急増市町村、過疎市町村に対する一定の財政措置の強化、都の特例の廃止等改善的措置を行っているのでありますが、問題は、第一に交付税率を三%しか引き上げないのは実情に合いません。臨時的措置としての第二交付税によるのではなく、自治体も要求しているように、交付税率を四〇%へ引き上げるべきであります。
 第二に、起債振りかえのうちの四千五百億円については臨時特例交付金に改めているものの、八千億円については、政府案どおり起債にしているのであります。これでは起債許可権を持つ自治大臣の自治体への不当な介入を招くおそれがあるばかりか、使途制限され、自治体は一般財源として活用できないのであります。また、その償還については利子だけを臨時特例交付金で措置しているのであります。
 以上の理由により、棄権するものであります。
 次に、日本共産党提出の修正案についてであります。
 本修正案は、交付税率を四〇%に引き上げ、なお不足する分は赤字公債によるのでなく、交付税特別会計の借り入れで措置し、返済は元利の全額を一般会計で行うというものであり、必要な財源は国の責任で確保しているのであります。また、起債振りかえは改め、それに伴う単位費用の改定を行うこととしており、地方自治を発展させる立場を貫いているのであります。
 さらに、高度成長政策のためにとられてきた新産、工特地域並びに三大都市圏に対する財政上の優遇措置を改めることとしております。これは大企業本位の財政制度を国民本位のものに改めるものであります。
 以上述べたように、本修正案は、地方自治の発展と国民本位の財政制度を確立しようとしているものであり、賛成であります。
 以上で討論を終わります。
#419
○委員長(上田稔君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#420
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方交付税法等の一部を改正する法律案及び小山君及び神谷君提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について採決に入ります。
 まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。神谷君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#421
○委員長(上田稔君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。
 次に、小山君提出の修正案を問題に供します。小山君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#422
○委員長(上田稔君) 少数と認めます。よって、小山君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#423
○委員長(上田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。岩男君から発言を求められておりますので、これを許します。岩男君。
#424
○岩男頴一君 私は、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、自由民主党、日本社会党、公明党、第二院クラブ、各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方財政をめぐる厳しい諸条件を考慮し、地方交付税率の引上げ等を含む地方行財政の抜本的改革について早急に検討し、昭和五十一年度を目途にその実現を図るとともに、左の諸点について善処すべきである。
 一、昭和五十一年度における交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金及び地方債への振替分の償還が、今後の地方財政を圧迫することのないよう臨時地方特例交付金の交付等適切な措置を講ずること。
 二、国庫補助負担事業の超過負担については、その完全解消を図るため、引き続き必要な措置を講ずるとともに、対象差・数量差についても改善合理化を図ること。
 三、上・下水道、清掃施設、教育施設、社会福祉施設等の生活関連公共施設の計画的な整備を促進するため、国庫補助負担制度の拡充強化を図ること。
 四、人口急増対策、過疎対策、公害対策等の住民生活の安定と住民福祉向上のための施策に対する財政措置を充実するとともに、地方交付税の基準財政需要額の算定に当っては、地方団体の財政需要を勘案して一層の改善合理化に努めること。
 五、地方債については、政府資金の拡充を図るほか、縁故債の消化の円滑化、償還期限の延長、起債手続きの簡素化等の改善措置を講ずるとともに、公営企業金融公庫を、地方団体金融公庫(仮称)に改組し、地方債資金の確保充実を図る等の方途を講ずること。
 六、地方公営企業に対し、引き続き国庫補助制度の拡充強化を図るとともに、総合的な経営健全化対策を講ずること。
 七、公営競技収入の均てん化措置について、引き続き強化を図ること。
 八、産業用電気に対する非課税措置等、地方税に係る租税特別措置の整理等を含め、地方税制の改革を検討し、自主財源の拡充強化に努めること。
  右決議する。
#425
○委員長(上田稔君) ただいま岩男君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#426
○委員長(上田稔君) 全会一致と認めます。よって、岩男君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田自治大臣。
#427
○国務大臣(福田一君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#428
○委員長(上田稔君) 次に、神谷君から委員長の手元に、地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されております。修正案の内容は、お手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 神谷君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。神谷君。
#429
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由並びに要旨を御説明いたします。
 本改正案は、地方財政法第十一条の規定にもかかわらず、政府が関係法律の整備を怠ってきたことについて、遅まきながら改正を加えるものであり、その限りでは問題はないものと思われます。
 しかしながら、政府はこれら関係諸法の改正に乗じて、国と地方の負担分野を定めている同法第十条から、耕土培養に関する経費など三種類の経費を削除する改正を行おうとしているのであります。
 これら三種類の事務は、政府の施策の不十分さこそ指摘されるべきことであり、事業等が廃止、縮小されたことを理由に、経費についての国の負担事務の範囲から除外することは本末転倒と言わなければなりません。
 日本共産党は、これらの削除について、削除しない旨の修正を加えるとともに、関連する家畜保健衛生所法の補助規定の改正を行おうとするものであります。
 さらに、都道府県の普通建設事業費の約六%を占めている国の直轄事業負担金は、地方財政危機の中にあって、都道府県の大きな負担となっており、この制度の廃止について全国知事会の強い要望もあり、この際、負担金支出の根拠となっている同法十七条の二を改正するほか、所要の改正を行うものであります。
 以下、修正案の要旨について、朗読により提案にかえます。
 一、地方財政法の一部改正の修正
  耕土培養、家畜保健衛生所および繭検定所に要する経費は、国がその全部又は一部を負担する経費の範囲から除かない。
 二、地方財政法の一部改正
  国の直轄事業については、その事務に要する経費を地方公共団体に負担させてはならない。
 三、家畜保健衛生所法の一部改正
  国は、都道府県に対し、政令で定めるところにより、家畜保健衛生所に係る創設費、初度調弁費、改修費及び検査機器等設置費、並びに職員に要する経費の二分の一を補助する。
 以上であります。
#430
○委員長(上田稔君) ただいまの神谷君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。福田自治大臣。
#431
○国務大臣(福田一君) ただいまの地方財政法等の一部を改正する法律案に対する日本共産党提案の修正案につきましては、政府としては反対であります。
#432
○委員長(上田稔君) ただいまの神谷君提出の修正案に対し、御質疑ある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより地方財政法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案を一括し討論に入ります。
#433
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方財政法等の一部を改正する法律案に賛成、日本共産党提出の修正案に賛成の意思を表明するものであります。
 まず、政府案でありますが、遅まきながら国庫負担に関する規定を明確にしており、その点は改善と言えます。ところが、家畜保健衛生所等三項目の事務については、国の負担の規定を削ることとしているのであります。これは問題点として指摘されなければなりませんが、今後予算補助を行い、自治体の事務の執行に支障をもたらさない措置がとられることを期待して賛成するものであります。
 次に、日本共産党提出の修正案でありますが、さきの三つの事務についても引き続き国が負担することとしており、事務の執行に支障がないようにしているのであります。さらに、国の直轄事業負担金は廃止することとしているものであり、賛成するものであります。
 以上です。
#434
○委員長(上田稔君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#435
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方財政法等の一部を改正する法律案及び神谷君提出の地方財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案について採決に入ります。
 まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。神谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#436
○委員長(上田稔君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#437
○委員長(上田稔君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 岩男君から発言を求められておりますのでこれを許します。岩男君。
#438
○岩男頴一君 私は、地方財政法等の一部を改正する法律案について、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党及び第二院クラブ、各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗続いたします。
   地方財政法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、国と地方との財政秩序の確立を図るため、左の諸点について善処すべきである。
 一、地方団体の財政の自主性を尊重し、国と地方の適切な財政関係を確立すること。
 二、国と地方団体相互の利害に関係がある事務の円滑な運営を期するため、補助金等の改廃に当つては、既存の行政に支障を来すことのないよう配慮すること。
 三、農林行政に関し、地力保全その他国が進んで経費を負担する必要があると認められる事務については、すみやかに法律上の規定を整備すること。
  右決議する。
#439
○委員長(上田稔君) ただいま岩男君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#440
○委員長(上田稔君) 全会一致と認めます。よって、岩男君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田自治大臣。
#441
○国務大臣(福田一君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#442
○委員長(上田稔君) なお、両案についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#443
○委員長(上田稔君) 御異議ないものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十一時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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