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1975/07/07 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第13号
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1975/07/07 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第13号

#1
第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第13号
昭和五十一年七月七日(水曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 亀岡 高夫君
   理事 谷垣 專一君 理事 中村 弘海君
   理事 松永  光君 理事 田中 武夫君
   理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君
   理事 坂井 弘一君
      宇都宮徳馬君    上村千一郎君
      小山 長規君    佐藤 文生君
      菅波  茂君    瀬戸山三男君
      古屋  亨君    箕輪  登君
      渡部 恒三君    稲葉 誠一君
      大出  俊君    斉藤 正男君
      楢崎弥之助君    松浦 利尚君
      中島 武敏君    東中 光雄君
      三浦  久君    近江巳記夫君
      河村  勝君    永末 英一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  三木 武夫君
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 委員外の出席者
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        法務省刑事局刑
        事課長     吉田 淳一君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        運輸省航空局監
        理部長     山元伊佐久君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月七日
 辞任         補欠選任
  庄司 幸助君     中島 武敏君
  鈴切 康雄君     近江巳記夫君
同日
 辞任         補欠選任
  中島 武敏君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     庄司 幸助君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。順次これを許します。まず松永光君。
#3
○松永委員 総理、このたびの訪米、まことに御苦労さまでした。
 去る三十日に、総理は米国フォード大統領と会談をされて、その際、ロッキード事件の真相解明についての米国側のいままでの協力に感謝の言葉を述べるとともに、さらに今後とも協力をお願いしたい旨要請されたということでございます。これに対してフォード大統領は、ロッキード問題が日米両国の関係を傷つけないように配慮していく、今後も法令の許す範囲で最大の協力をしたい、明白で公正な解決を目指していると、明確に今後の協力を約束されたというふうに新聞では報道されております。
 そこで、総理にお尋ねしたいのでありますが、総理が要請された今後の協力、フォード大統領が明確に約束されたという、今後も法令の許す範囲の最大の協力というのは、具体的にはいかなる協力であるのか、ロッキード事件に関連してフォード大統領との間の会談の内容を、差し支えない範囲内で明らかにしていただきたいと思うのでございます。
#4
○三木内閣総理大臣 先般、六月三十日の日にフォード大統領と会談をいたしました。その席で私が申しましたことは、ロッキード事件というものは、日本の民主政治の健全な発展のためにこの事件を徹底的に解明をしたいと私は決意しておる、これが一点、もう一つは、このことが日米関係に悪い影響を与えないようにしたいと願っている、この二点を踏まえてこの事件を処理したいと私は思っているということを述べたわけですが、フォード大統領も、全く同感である、この私の言う両面からこの問題を解明したいという意図には全く自分も同感である、したがって、今後、いままでも法制の許す限りアメリカとしては協力してきたつもりである、しかし今後協力を必要とする事態が起こったならば、アメリカの法制の許す限り最大限度の協力を約束するということでございまして、まあ、行政の最高責任者の話でございますから、具体的にいろいろな問題を出して、この問題にどうしてくれこうしてくれという話はございませんでしたが、総括的に日米両首脳がこういう問題について合意を得たということでございますから、今後日米の協力を必要とする事態は、こういう合意に従ってアメリカに対して要請をするつもりでございます。
#5
○松永委員 ロッキード事件が起こってから、真相解明に関する両院の決議がなされまして、その決議文と一緒に総理がフォード大統領にいわゆる三木親書というものを出されました。そして真相解明に関する総理の決意と情熱をフォード大統領に伝えられた。そういった総理の決意、それにあわせて鹽野法務次官が訪米をして、日本の司法当局が熱心にアメリカの当局と交渉して、真相解明についての日米双方の司法当局間の協力に関する実務取り決めというものが締結されたわけです。これは総理の熱意がしからしめたと思うのでありまして、私は高く評価しておるものです。
 この実務取り決めに基づいて米国政府が持っておる資料を日本に提供してくれておる。日本の捜査に利用するために米国政府が持っておる資料を日本に提供するということは、これはまれに見る協力であり、まれに見る日本の捜査当局の捜査活動に対する協力であると思うのですが、しかし、現在の段階で何が一番肝心なことであるかというと、きょう行われるのですか、例のコーチャン氏らの嘱託尋問、日本の国民はこのコーチャン氏らの嘱託尋問が成功するということ、日本の捜査活動にそれが利用できるという形で成功するということを、この真相解明を願っておる日本国民は真剣なまなざしで見守っておると私は思うのです。
 ところが、この嘱託尋問というのは、どうもコーチャン氏らが大変な抵抗を示して、なかなかうまくいきそうにもない。きょうから始まるそうでありますけれども、それはどうも捜査には活用できないような、そういう状態でしか証人尋問がなされない。私、はなはだ遺憾なことだと思うのです。
 コーチャン氏が米国の上院であれほどの証言をした。あの証言が言うなれば発火点となってロッキード事件というものが起こって、日本でこれほどの騒ぎになったわけでございます。田中委員長の口ぐせをかりるならば、コーチャンがマッチをすって日本が大火事になった、こういうことでございますから、コーチャンもこの大火事を消すこと、すなわち真相解明をすることに協力するのが当然じゃなかろうか、こう思うのでありますけれども、ところが、コーチャンというやつは、この真相解明に協力しようとしない。――いまのは取り消します。コーチャン氏らは真相解明に協力しようとしないようにしか私たちにはとれない。この嘱託尋問がなかなかスムーズに行われないという状況を見て、真相解明を願っておる日本の国民は、コーチャンというアメリカ人はずるいじゃないか、コーチャンはずるい男だ、こういった国民感情になっておると私は思うのです。
 この国民感情をそのまま放置しておけば、アメリカの政府も真相解明に協力すると言ってくれておるけれども、肝心なことについては余り協力はないじゃないか、コーチャンの嘱託尋問を成功裏に終わらせるということについてはアメリカの政府はどの程度の協力をしてくれているのであろうか、こういった不満が国民の間に起こってくれば、それこそ日米間の友好関係を損なうようなことになるおそれもなしとしない。もしそういう事態になれば、この一握りの者の不当な利益のために日米友好関係という大多数の日本国民の利益が損なわれるということにもなりかねないわけでありますから、現段階において日本側でアメリカ側に協力要請すべきポイントは、コーチャンの嘱託尋問を成功させるということ、そしてできるだけ日本の捜査に活用できるような形で嘱託尋問を成功させるということ、これが私はポイントであると思うのですが、この点についてフォード大統領に具体的な協力要請をなさったかどうか、これに対するフォード大統領の回答はどういうものであったか、この点をひとつ承りたいと思うのです。
#6
○三木内閣総理大臣 まだ、フォード大統領と私が会談をしたときには、こういう問題が具体的に、いろいろ問題にはなっておったようだけれども、今日のような事態に明白にはなってなかったわけでございますが、まあ、アメリカが三権分立という一つのたてまえもあるわけですから、そういうものも踏まえて、しかも問題は、アメリカと日本との法制上の差異がある。アメリカには免責規定というものが明白に規定されておるのですが、日本の場合は、御承知のように、検察の判断にゆだねられているわけですから、そういうことでございますから、アメリカが司法取り決めによって日本に対して協力をすることをちゅうちょしておるのだというふうには受け取ってないわけです。根底にあるものは法制の相違であるところだ、したがって、これは刑事訴訟上の手続の問題でもございますので、司法、検察当局が、何とかしてこの難関を突破できないかということで、最善の努力をしておると思います。政府もまた、これは直接に政府が関与するという問題ではございませんが、できるだけの協力をいたしまして、このことが、日本の刑事上の責任追及をする場合に、一つの証拠としてこれが使用できるように何とか局面を打開できないかということで、最善の努力をしておるものと思います。
#7
○松永委員 そのコーチャン氏らが嘱託証人尋問に抵抗を示しておるその主たる理由は、先ほどの総理のお話にもありましたが、日米双方の法制に食い違いがある。アメリカの法制にある刑事免責の決定と同じような刑事免責の措置がなされていない、こういったことがコーチャンが証言に応じない主たる理由だというふうに聞いておるわけです。
 そこで、日本の司法当局は、刑事訴訟法二百四十八条の規定を活用して、起訴猶予の約束を検察官の名において与えたけれども、その約束では刑事免責がはっきりなされたというふうには受け取れない、だから嘱託尋問には応じられない、こういった抵抗であったと聞いておるのですが、刑事訴訟法の規定から言いまして、公訴権は検察官が専属的に持っているわけでありますから、その公訴権の取り扱いをどうするかということについては、権限を持っている検察官が独自の判断、独自の措置においてなすというのが私は法的に正しいと思いますが、しかし、事後において、総理が閣議の了解を得て、日本の検察当局の責任者がなした刑事訴追はしないという約束は、日本の政府としてもこれを保証する、こういったことをコーチャン氏ら及びアメリカの政府に正式に申し入れるということをすれば、検事がなした刑事訴追はしないという約束を非常に重いものにするのじゃなかろうか。その重みを与えることによって嘱託証人尋問を成功させる、あるいは嘱託証人尋問の結果を日本の捜査に活用できる、こういった道が開けるのじゃなかろうかと思うのでありますけれども、日本の検察官が独自の判断と独自の措置によってコーチャン氏らに与えたと言われる、刑事訴追はしないという約束を総理が裏づけをする、そしてその約束に重みを与える、こういったことをする御意思があるかどうか、総理に承りたいのです。
#8
○三木内閣総理大臣 刑事の訴追免除、起訴猶予という措置は、これは検察官の固有の権限によるものであって、政府がその決定に関与すべきものではありませんが、事柄の重要性にかんがみて、稻葉法務大臣が閣議にこれを報告したわけでございます。そして、私を初め全閣僚がその措置を了承いたしたわけでございます。したがって、その事実は、いま松永君の言われておった事実のような結果になるわけでございますが、この点はアメリカの司法省に対しても伝達をしたところでございます。この事実は、アメリカとしても地方裁判所においてこの事実は十分踏まえて判断をされているものと考えるわけでございます。
#9
○松永委員 ロッキード事件の真相解明については、現在の日本の法制の許す範囲内において徹底究明をするのが正しいのだという意見と、ロッキード事件の真相解明のためには新たな法律なり新たな制度なりを設けてでも真相解明を徹底的にやるべきだという意見と、私は両方あるように思うのですが、総理は、ロッキード事件の徹底究明のために現行法制を変えて、新たな制度をつくってでも徹底追及をしたい、こういった意欲がおありなのかどうか、最後に承りまして、時間がありませんので、私の質問を終わりたいと思うのです。
#10
○三木内閣総理大臣 この問題は、実際問題として検察官が刑事訴追を行わないということは意思表示をしておるわけでございますから、これは現行法制の範囲内で何とか解決できないか。まだこの問題はあきらめていないのです。一つの証言をこれからとる、そういう推移を見ながら何とかしてこれを現行の法制の範囲内で解決できる道がないかということで、もうこれはあきらめてしまっておるわけではございませんので、新たなる法制というものをこの際制定をして、というよりかは、現行法制の範囲内で何とかこの問題を解決をしたいということで、最大の努力を払ってまいりたいと考えております。
#11
○田中委員長 田中武夫君。
#12
○田中(武)委員 三木総理、質問に入る前に一言申し上げておきたいと存じます。本日の総理がどのような御答弁をこの席でなされるか、国民は重大な関心と期待を持って見守っております。そのことを十分お考えの上、御答弁をいただきたいと思います。
 そこで、総理は去る四月三日の内閣記者団との会見で、ロッキード問題について政治、道義責任の徹底究明に政治生命をかけてと言明せられた。いまでもその決意あるいは信念に変わりはないかどうか。また、渡米中ワシントンでも、政治生命をかける云々という同じような発言をしておられます。現在いままで総理が言ってこられたこと、その信念あるいは決意に変わりはないかどうかをお伺いします。
#13
○三木内閣総理大臣 私の長い政治経歴を振り返ってみると、一口に言えば、健全な議会制民主主義の発展を願って、私なりに努力した歴史であったと言えると思います。それだけにこのロッキード事件が国民に対して与えた政治的不信、疑惑、これは戦後最大のものであると私は考えておるわけであります。したがって、これを解明しなければ政党が健全にもならないし、日本の議会制民主主義も基礎を強固にすることはできない。したがって、このことは単に事件を暴露するということでなくして、将来の日本の民主主義というものを考えたときに、これは重大な局面である。したがって、私は政治生命をかけるくらいの決意でこの問題に対処したいという決意には、いささかの変化もございません。
#14
○田中(武)委員 いま総理は政治生命をかけるということでちょっと言葉を濁されたようですが、それはそれとして、政治生命をかけて事態の真相究明に当たる、この決意に変わりはない、こういうことでありますが、それでは、これから具体的に総理はどのように行動をとるか、どういうことを考えておられるか、お伺いいたします。
 たとえば刑事訴訟法四十七条ただし書きの活用あるいは検察庁法十四条の積極的運用、これは造船疑獄のときのようなああいう意味ではなくて、積極的に運用してロッキード事件を解明するところに、私は総理のいま言われた信念の上に立っての行動があると思います。したがって、いま申しましたような点について、ここで総理は国民に約束をしていただきたいと存じます。いかがですか。
#15
○三木内閣総理大臣 行動という点でございますが、一つには、刑事上の責任の追及というのはいま検察当局が鋭意努力をしておるわけでございます。これに対して政治的に私が介入することはしない、全力を挙げて刑事上の責任を追及する。また、政治的道義的な責任の追及は国会においても鋭意御努力を願っておるわけでございますから、ロッキード事件の解明が終了いたしました段階においては、この事件の真相というものをできるだけ国民に明らかにする責任がある、そういうふうな考えのもとに、今後の私の行動をとってまいりたいと考えております。
#16
○田中(武)委員 いま言われたように、刑事的責任の追及はいま捜査当局が鋭意やっております。それに介入をする気はない、当然です。同時に、より重要というか、国民の関心はその道義的政治的責任の解明であると思います。
 ところが、その真相究明にとっていま二つの大きな障害が起こっております。その一つは、先ほども松永君が触れましたが、アメリカにおける嘱託尋問の点であります。それからその二つは、当委員会において国会議員を含む証人喚問に自民党がしばらくの間一切応ずることはできないという態度であります。この二つがいま真相究明に当たって横たわる大きな壁であると考えております。
 そこで、まず第一点の方ですが、六月三十日、総理がフォード大統領とお会いになってこの問題で謝意を述べ、あるいは懇談をした、そのことについては、いま松永君が触れましたので、重ねてはお伺いいたしませんけれども、ロサンゼルスの連邦地裁が、日本の最高裁判所が刑事免責について一定の保証を与えるという条件で尋問を実施する、その条件は最高裁の判例または規則による刑事免責の保証ということを言っています。それまでは一どうですか、総理、私語を慎んでください。この保証がない限りは、たとえ尋問を実施してもそれは凍結すると言っています。いわば停止条件が出されております。そこで、先ほど質疑応答がありましたが、総理は日本の現法制下でこれを解決していくように努力するということであります。そこで、先ほども話があったが、この三権分立――いまはあまり三権ブンリュウとは言わぬようですが、この三権分立のたてまえから、これはフォード大統領といえどもやりにくい点はあると思います。だがしかし、先日話し合ったその上に立って、嘱託尋問に関するこの障害を除くようにあなたみずからがフォード大統領に働きかけるというか、そういうことはいかがですか、お伺いします。
#17
○三木内閣総理大臣 アメリカは御承知のように、厳格な三権分立の立場でございますから、大統領というものに対してもいろいろな制約がむろんあることは事実でございますが、しかし、何とか真相解明に協力したいとアメリカ政府が考えておることは事実でございますから、何か現行法制の範囲内でこの問題を解決できないかということは今後いろいろ検討をいたしてまいりたい。先ほど松永君に答えたように、あきらめてはいないのだということでございます。最高裁の決定とか、いろいろ具体的な問題についてファーガソン裁判長が触れたやに新聞の報道もございますが、この点については法務省で研究もいたしておるかもしれませんので、法務大臣からこの点はお答えいたすことが適当であろうと思います。
#18
○田中(武)委員 技術的なといいますか、法制上の問題等については司法、法務当局がおやりになると思います。あなたは、六月三十日にフォード大統領と会って全面的に協力を惜しまないという話をしてきたわけです。それはもちろん、先ほど言っているように、三権の関係はある。だがしかし、あなたみずからがこの障害を除くために、フォード大統領に直接書簡というか、あるいは電話でもいいが、書簡の方がいいでしょうね、出して努力するということはいかがです。やりますか、どうですか。
#19
○三木内閣総理大臣 まず当面の努力は、司法当局が何とかこういう難関をひとつ突破できないかということで最善の努力を払い、政府としてこれに協力できるものがあればどういう協力も惜しまない。しかし、当面はやはり司法当局がこの問題の打開のために全力を傾ける、こういう手配にいたしたいと考えております。
#20
○田中(武)委員 あなたがフォードさんに直接書簡でも送って、フォードさんからアメリカの司法長官に話をする、これはできるわけです。三権の関係なく。そういうような努力を希望します。返事、ありますか、いかがです。
#21
○三木内閣総理大臣 それは手紙を送れということで、具体的な問題でございますので、いま申したように、この問題の根本は、アメリカと日本の法制上の違いにあるわけですから、何か大統領が便宜を図ればというよりかは、いわゆる免責規定というものは法律の中にちゃんと規定されているのと、日本はそういう規定がないわけでございますから、証言をするコーチャン氏にしても、そういう立場の人は、できる限りその刑事訴訟法の手続で、いろいろこれに対して裁判所で闘争するようなこともあり得ると思いますが、いまのところ、大統領に私が書簡を出してこの問題を解決しようというふうには考えておりませんが、できる限り司法当局がこの問題の解決に当たる、これに対して政府はできるだけの協力は惜しまない、これが私のいま考えておる点でございます。
#22
○田中(武)委員 態度で示してほしいのです。何も書簡を出すこと、それだけではないと思いますが、もちろん法制上の違い等々についての問題は法務当局で行う。しかし、総理は総理の立場からあらゆる努力をしてもらいたい、それだけ申し上げておきます。
 それから、六月三十日、アメリカで、事件解明の判断基準は裁判終了ではなく、起訴、不起訴のけじめをつけた段階で、それは秋まではかからないだろう、このように発言せられたように報道せられております。
 そこで、この秋まではかからないということを感じたと言われた根拠。それから起訴、不起訴のけじめをつけた段階で解明は終わったという考え方なら困るのです。それは刑事責任について一応の線は引かれるかもしれませんが、いわゆる灰色高官というか灰色の問題、言いかえるならば、刑事事件にはならなかったが、あるいは十分ではなかったがそういう事実はあった。いろいろありますね、証拠が十分じゃなかったとか、時効が完成しておった、そういう政治的道義的責任の追及は当委員会の任務です。したがって、当委員会は、委員長も含めて聞いていただきたいのですが、その起訴、不起訴の線を引かれた段階が一番重要な時期なんです。
 そこで、総理が、そういう意味じゃないと思いますが、事件解明はそのときで終わるというような考え方を持っておられるならばもってのほかだと思いますが、六月三十日のアメリカ発言に関連して、ひとつ総理の見解及びそのめどをつけられた根拠。
#23
○三木内閣総理大臣 起訴、不起訴が決定される段階というものは、刑事上の責任の追及としては一つのけじめだと私は考えております。その後、政治的な道義的な責任というものは、刑事上の責任の追及が終わったからそれで終わったとは考えておりません。私が言ったのは、刑事上の責任の追及というものは、起訴、不起訴というものが決定された段階が一応のめどだというふうに考えると言ったわけでございまして、また秋まではかからぬだろうというのは、ここにおる法務大臣から報告を受けて言ったのではないのですが、こういう事件がだらだらとずっと続いていくということは、これはまた好ましいことでないことは明らかでございますから、司法当局に対してもできるだけ徹底的に迅速に解決をしてもらいたいと言っておるので、私の常識としてそのように考えるわけで、根拠に基づいて申したのではないわけです。多分に私の常識的判断が加わっておると御承知願いたいのでございます。
#24
○田中(武)委員 もっとこの点についてお伺いしたいのですが、次へ入りたいと思います。
 もう一つの障害というか壁は、当委員会において国会議員を含む証人喚問について、自民党がしばらく応ずることができないというこの態度であります。われわれはどうしてもこれが納得できないのです。
 また、先々週の日曜でしたか、NHKの政治討論会で自民党のロッキード特別委員長の濱野さんがこの問題についてきわめて積極的な発言をしておられます。これは自民党の機関として、自民党を代表し、政治討論の場において広く国民に約束したことであろうと思います。あなたもまた先ほど来言っているように、政治的道義的な責任究明を徹底的にやるというこの態度、あるいは五党首会談、それを受けて出された両院議長の裁定、ことにその第四項等々から考えるならば、私は、いま自民党には言い分があろうと思いますが、そういう態度をとったことは了承できない。
 そこで、総理としてでなく、自民党の責任者である総裁として、自民党のこのような態度に対しどのように考え、どのようにしようと考えておられますか、お伺いします。
#25
○三木内閣総理大臣 ロッキード事件は国会の調査と検察当局の取り調べという、政治と法律の両輪によって解明に向かって進行しつつあるわけでございます。両輪の共通の目標は、事件の解明というところにあります。事件解明をいかに迅速に、いかに効果的に、いかに厳正に行うかにあります。
 御承知のように、現在捜査当局の取り調べは核心に入ろうとしております。この重要な時期に当たって、いろいろな人物について、もしも一方で国会の証人喚問、他方で検察側の取り調べということになりますれば、実際問題として捜査密行性に反する場合も起こり、取り調べに支障を来すおそれなしとしないというのが検察側の危惧のようであります。もちろん、国会における証人は何人といえども拒むことはできず、議員といえども何らの例外であるはずはないことは言うまでもありませんが、先ほど申し述べた事情などにつき御理解をいただいて、国会の自発的意思として、いつまでもだらだらと捜査が続くわけでもないわけでありますから、このところしばし証人喚問を延期していただくならば、検察側の取り調べも促進し、共通の目標である事件の解明に役立つと考えられます。
 しかし、これは決して国会の機能を否定したり軽視したり、ましてやロッキード隠しなどは断じて考えておるものではございません。私の事件解明への決意はいささかも後退をしないということは先ほど申し述べたとおりでございますから、国会側の御理解を得たいと思うわけでございます。
 なおかつ、議長の裁定についても、「国政調査権の行使に当たっては、政府は、事態の推移をみて」そして「事件の解明に最善の協力を行うものとする」ということがございまして、このことが議長の裁定に反するとは考えないわけでございますし、自民党の総裁としてもそのように考えておる次第でございます。
#26
○田中(武)委員 総理、いまお読みになったのはだれが書いたのか知りませんが、それは捜査当局が言っているのと同じことです。
 それはそれとして、いままであなたはしばらく外遊しておられたが、当委員会の証人喚問が民間から元官僚へ、そしてもうこの段階では、いわゆる現職国会議員を含む証人喚問をやらなければ、事件の解明ができないという段階に至っておるわけなんです。それに対して、あなたはこの委員会に出るに当たって自民党と打ち合わせをし、大体自民党の態度をここで答弁するような打ち合わせの上で来られたんでしょう。それであなたは本当に政治生命をかけてやるという決意に反しないと思いますか。あなたはまず隗より始めよという言葉を御存じと思います。どのように考えておられるか。
 いま一部でとろうとしている行動は、みずから国政調査権を狭めよう、こういう動きであります。国会議員は議院証言法の第一条によって、何人といえども、したがって、国会議員を別にするという憲法上、法律上何らの制限はありません。したがって、国会議員はみずから進んでこの証言台に立ってその範をたれるところに国会議員の義務がある、私はそう思うのですよ。それを口では時期だとか捜査とか言っていますが、実際はロッキード隠しである。このごろの世論を見てごらんなさいよ。あなたは新聞はごらんになると思うのですが、自民党がやっていることは、明らかにロッキード隠しであり、国会議員かばいであります。
 そこで、どうです。あなた、先ほど来の信念の上に立って、自民党総裁として、今日のこのかたくなな自民党の態度に対し、十分にこの委員会において証人を出し、そして真相究明のために一緒にやろう、この問題は一党派、一派閥の問題ではありません。そういうことについてどうでしょうか、あなた、総理として、あるいは自民党の総裁として党内を説得していただきたいと思いますが、いかがです。
#27
○三木内閣総理大臣 これは党内を説得するまでもなく、証言法によって議員といえども証言に応じなければならぬことは明らかですが、私はいま、田中君も御承知のように、捜査当局の捜査の状態は、皆さんごらんになっても、まさに事件の核心に入ろうとしておることは事実ですね。そういうときであるから、捜査当局が捜査の障害になるということをおそれるというような事態のときには、この証人の喚問というものをしばらく延期していただいて、そしていまとにかく捜査が核心に入っておるのですから、この刑事上の責任の追及というものをいま第一番にやりたいのです。これに支障を来さないように、これは事件の解明の中のやはり中心でございますから、ひとつ捜査に支障を来さないような配慮をして、そしてそれはいつまでも、永久ということではないのですから、議員を証人として喚問をするということは当然の国会の権限でもあるわけでございますから、永久に証人を喚問してはいかぬと私は言っていない。しばし国会の自発的な意思でそういうことをしていただければ、これは非常に捜査の協力にもなるわけだがという私の希望を申し述べておるわけでございまして、永久に証人の喚問に応じないというようなことは、そういうことは、いささかもこれを隠そうという意図はないのです。ただ、捜査に支障を来さないようにすることが、いまの場合としては、好ましいという捜査当局の意向を体して、国会の自発的意思としての御理解に訴えておるわけでございますから、これに対して私のその真意を御理解を願いたいと思うわけでございます。
#28
○田中(武)委員 総理、長々と答弁せられましたが、時間食っただけですよ。何らわれわれが納得する答弁ではありません。また、捜査当局から、われわれはこの委員会あるいは理事会においていろいろ話も聞きました。しかし、それもわれわれは納得できないのです。あなたは、あなたの党である自民党の中に疑惑を受けている人が、HとかSとかというようなことであるが、大体Sといったらだれだ、Hはだれだということは、いまでも言えといえば言いますよ。そういう疑惑を受けておる人がおるということ、さらに、出てきておれは証言したいんだという人もおるということ、それを党がむしろ抑えておるというのじゃないですか。これをどのように党首として考えるか、このことが私は重要だと思うのです。でなければ、やはり疑惑を疑惑としたままロッキード隠しというか、押さえ込んでしまう、そのように国民は受け取っていますよ。
 もう時間が来ましたから続けて言いますが、いまあなたを支えておるのは一体何か。三木さんを支えておるのは国民の声援ですよ。それは三木さんがロッキード問題について政治的道義的責任を含めて徹底的にやってくれるであろうという淡い期待ですよ。それにあなたはこたえなくてはだめですよ。あなたを支えておるのは国民の声援であるということを忘れてはなりません。
 一言申し上げておいて、先ほど来の答弁を承って終わります。
#29
○三木内閣総理大臣 田中君に誤解のないように願いたいのは、私は証人の喚問というものは当然国会が持っておる固有の権限でございますから、これはおやりになって当然のことでございまして、これをとやかく言うんじゃないんだが、いま捜査当局の捜査がいよいよ問題の核心に入っておる時期だから、しばしそれを国会の自発的意思で少し延ばしてもらうことが捜査上真相解明に、非常にその方が役立つということを捜査当局が言っておるわけでございますから、そういうことをひとつ国会に御理解願えないだろうかということでございまして、そういう段階が過ぎますならば、国会において議員を証人として御喚問をされて、いろいろ国会の調査権に基づいて調査をされることは、これは当然のことでございますが、いまのこの段階においてしばし延期をしてもらうことが必要ではないかという、この捜査当局の意向を体して国会の自発的意思に訴えておるわけでございまして、これを隠そうとか、あるいはまた、この問題に対して、何かうやむやのうちに証人の喚問というものを葬り去ろうという意思は断じてないことだけを申し上げておきます。
#30
○田中(武)委員 終わります。しかし、あなたの答弁は納得できません。この答弁を国民がどう批判するか、それを待ちたいと思います。
 終わります。
#31
○田中委員長 中島武敏君。
#32
○中島委員 総理にお伺いをしたい。
 本年の二月二十三日に、国会は全会一致で「その真相の解明は徹底的かつ迅速になされなければならない。」というロッキード問題に関する決議を採択しました。また、その後国会がきわめて不正常な状態に陥ったときに、五党首会談が行われ、議長裁定が出されました。この議長裁定におきましても、「国会の決議を踏まえ真相の徹底的解明を期する。」と強調されております。
 総理及び自民党総裁として、国会決議と議長裁定を踏まえて、真相の徹底的かつ迅速な解明を行う決意に変わりはありませんか。
#33
○三木内閣総理大臣 国会の決議、両院議長による裁定を誠実に守る責任が私にある。また私自身も、私自身の決意を表明しておるわけでございますから、いささかもその決意に後退はございません。
#34
○中島委員 この議長裁定の中で「国会は、ロッキード問題に関し、本件にかかわる政治的道義的責任の有無について調査するものとし、」と述べ、さらに続けて「国会の国政調査権の行使に当たっては、政府は、」――少し省略しますが、「事件の解明に最善の協力を行うものとする。」とあることは御存じのとおりであります。総理はいまもなお、国会の調査権の行使に対して最善の協力をする姿勢に変わりはありませんか。
#35
○三木内閣総理大臣 変わりはございません。
#36
○中島委員 国会の調査権は、憲法第六十二条で規定されている国会のきわめて重要な権能であります。国政調査権の行使である証人喚問は、うそを言えば処罰されることを証人に知らしめた上で真実を述べてもらうのでありますから、国政調査の上で最も有効な方法であると考えます。だからこそ、憲法にも六十二条でわざわざ証人喚問を規定しているのだと思います。この点では、総理は、議員といえども普通の人と同様であって、不喚問特権はないと思いますけれども、いかがでございますか。
#37
○三木内閣総理大臣 そのとおりに考えております。
#38
○中島委員 先ほど問題になりました、国会議員を含む証人喚問、この問題についてです。
 総理は先ほど、一方で捜査が進行し、一方で国政調査が行われ、そのときに、捜査の密行性であるとかあるいは国会が自発的に遠慮してもらえばよろしいとか、あるいはまた、政府は推移を見ると議長裁定にあるんだから議長裁定には反しないのであるとか、こういう答弁をされました。これは、しかし、きわめて重大な発言じゃないでしょうか。議長裁定で述べられていることをそのとおりとし、国会決議で述べられていることをそのとおりとし、そしてなおかついまこういうふうに総理は言われる。私たちはこの考えは全く正しくないと思うのです。
 先ほど総理の発言を聞いておれば、これは捜査当局の考えだ、こういうことを言われるのですけれども、捜査当局の考え、これを総理はそのまま受け入れているのですか。どうなんですか。ここをひとつはっきりさしてもらいたいと思うのです。
#39
○三木内閣総理大臣 捜査当局の真相解明に対する問題の追及は、きわめて核心に入るような段階に入ってきておるわけですから、この刑法上の責任の追及というものを、できるだけ迅速にこの問題を処理するためには、まあ、なるべく捜査当局の捜査に支障を来しめないような配慮をすることが必要であると考えておるわけでございますが、一方においては国政調査権に基づく証人の喚問ということもございますので、私はこれを委員の各位に対して、自発的でそういうことができればありがたいんだということを訴えておるわけでございまして、それ以上はやはりこの委員会の判断にゆだねるよりほかにはないわけでございます。私としては、ここまで捜査の段階が進んでくれば、その捜査にできるだけ支障なからしめるように努力をすることが真相解明の目的を達するのではないかという配慮から、そういうことを申しておるわけでございまして、国政調査権の持っておるその重みというものを私はいささかも軽くは考えていないわけでございます。
#40
○中島委員 いま自発的というふうに言っておられますが、これは実際には、言葉をかえて言えば、国会は証人喚問をやめてもらいたい、こういう意味じゃありませんか。これは重大な国会の国政調査権に対する干渉じゃありませんか。あなた、どういうふうにお考えなんですか。
 また、もう一つお尋ねしたい。捜査の支障にならないようにと言われましたが、捜査に具体的にどういうふうに支障を来すのですか、証人喚問は。はっきり言ってもらいたい。
#41
○三木内閣総理大臣 私は、したがって、言っておりますことは、そういうふうに国会が自発的にお考えいただければ、捜査当局としては捜査の目的を達成する上においてきわめて有効であるという捜査当局の意向も踏まえて、しばらくそれを延期してもらえないかと言っておるわけでございまして、その支障ということについては、法務当局からもう少し説明をいたすことにいたしますが、このことは、いま申したように、国会の意思を束縛する考えはない、ただ訴えておるという点が私の申しておる点でございます。
#42
○中島委員 私は総理としてあるまじき発言だと思う。これはもう国政調査権に対する挑戦だと言わなければならないと思うのです。
 しかし、重ねてお尋ねしたい。しばらく差し控えていただきたいと言いますが、しばらくとは、一体いつまでのことですか。
#43
○三木内閣総理大臣 このことは、捜査に支障のない時期というのは、一応のめどがつくまでということで、具体的にこれはいつだと言うことはなかなかむずかしいと思いますが、捜査に一応のめどがつく段階においてということでございまして、したがって、その後において国政の調査権の御発動をされまして、政治道義上の責任を追及されることは当然のことだと思います。
#44
○中島委員 さっぱりわからない。
 じゃ、来週はもう二十日になるんですよ。来週はもうめどはついたというふうに判断して始めるのですか、どうなんですか。
#45
○三木内閣総理大臣 来週にめどがつくとは私も思っておりません。やはりもう少し時間がかかるのではないかと考えるわけでございまして、これはだれが考えても、そんなに引き延ばしておるということは、国民がこれだけ注目しておる事件を引き延ばすわけには、できるわけはないわけでございますから、まあ、一応のめどだということはおのずから常識の判断として生まれてくる。いま、いつだということをここで申し上げることは困難でございますから、それは捜査が進行中でございますから申し上げられませんが、しかし、これは、だれが考えても一応このめどはついたという時期はおのずからあって、それがそんなに遠い将来であるとは思いませんが、来週だというふうには考えてはおりません。
#46
○中島委員 全くはっきりしない。捜査の一応のめどがついたら、いつつくのか、それはもちろんはっきりしない、こうなってくるのです。いま、捜査も大事なときです。しかし、国会がこの問題を取り扱うのもきわめて大事なときでありまして、先ほど車の両輪ということも言われました。いまこそ国会がやらなければならないのじゃないですか。
 もっと具体的に聞きましょう。
 先ほど、捜査の差し支えがあるというのですが、当委員会がいま国会に証人喚問を要求しているのは、町田当時の事務次官、それから佐藤孝行当時の政務次官、福永一臣代議士、橋本当時の運輸大臣、これを要求しているのです。これが具体的に捜査の障害になるんでしょうか。なるんだとすれば、どこが捜査の障害になるんでしょうか。
#47
○三木内閣総理大臣 私は個々の人物について言っておるのではなくして、一般論として申し上げておるわけでございまして、個々の人物についてどうこうということを申し上げておるわけではない。一般的な問題として申し上げておる次第でございます。
#48
○中島委員 事は、問題はきわめて具体的なんです。いま、証人喚問を必要とする段階まで来ていて、特に国会議員の証人喚問を必要とするところまで来ていて、それに対して一般論でお答えをいただいても、問題の解決にはちっともならないのです。その点ではもっと具体的にはっきり言ってください。私がいま名前を挙げた、どこが捜査の障害になるんですか。
#49
○三木内閣総理大臣 この問題には法務大臣からお答えいたします。
#50
○稻葉国務大臣 問題は非常に重要性を持っておると思いますね。犯罪捜査権、刑事責任追及権と、それから国会の国政調査権とのぶつかる、その関係について、そこのそういう関係をどう見るかということが決まらなければ、なかなか明確な線は出てこないと思いますね。犯罪捜査権、刑事責任追及権は検察庁、警察庁、捜査機関が持っているわけです。法制上そうなっているわけです。国政調査権は、議長裁定にもあるように、国会はロッキード事件については道義的政治的責任追及の場としてと、こうなっておりまして、それが国会の主役であります。いまは、いいですか、いまは刑事責任を追及していっている段階ですから、いまの場合はやはり主役は検察庁、警察、そういう捜査機関でやって、国会の調査権は、現在の段階ではわき役じゃないでしょうか。(発言する者あり)わき役じゃないでしょうか。両々相まってと言いますから、それで道義的責任の追及は国会が主役でないでしょうか。その主役に対して、そのときのわき役たる捜査当局は、自分の調べた材料をできるだけ出して、道義的政治的責任の追及の主役たる国会の調査権に協力する、これが議長裁定じゃないでしょうか。
 そういう段階において、私は初め、国会の調査権に干渉する意思はありませんと、どんどんやってくださいと、一向差し支えありませんと、こういうことを申したのです。ところが、私はその前提として、いま言ったような調査権と捜査権との関係について勘案をして、それを十分わきまえて――証人喚問についても限度があると思うのです。たとえば証人喚問をしまして、ここで大ぜいの前で証言をいたしますと、これを逮捕して調べる場合に、大ぜいの前に言ったことが、非常に口がかたくなって、なかなか捜査が進まないという技術的な問題があります。
 さらには、いま捜査が非常に険しい段階に来て、いまにも逮捕しようというのを証人に引っ張られるということになりますと、ぶつかり合うということもあり得ます。あり得ますね。(発言する者あり)
#51
○田中委員長 お静かに、御静粛に。
#52
○稻葉国務大臣 それから証人に尋問する場合の内容につきましては、初め私は、どんどんやって差し支えない、こう言ったのは、ああいうやり方にならぬと思った。ところが、やってみますと、あなたはいつ警察へ呼ばれましたか、いつ、どうして、どういう点をどう聞かれましたか、それに対してあなたはどう答えましたかというようなことになりますと、宣誓している手前、やはりみんな言わなければいかぬですね。知っていることは言うと書いてあるのですから。そうなりますと、それに関連したいろいろな被疑者に対する取り調べが非常にむずかしくなる。こういう状態にございますので、ああいうやり方をされては、あ、これはどんどんやってくださいというわけにもいかぬなと思い直しまして、どうかひとつ、いまは一生懸命に犯罪捜査をやっている段階で、それが核心に触れてきたんだから、しばらく御協力を、それが真相究明の御協力でないでしょうか、こういう意味で、何とかひとつその辺のことを御考慮願えないかということを私は申し上げたわけです。
#53
○田中委員長 法務大臣、わき役という言葉はいかがなものであろうか。捜査権と調査権は、両者が同時に行われる場合には、かかる重大な事態のときには捜査権が優先するものと考えるという御意味であろうと思う。そういう意味に御訂正を願います。(発言する者あり)静かに、静かに。
#54
○稻葉国務大臣 やはりわが国の法制上、犯罪捜査の役割りを持つのは捜査機関だ、それが主役だ。しかし、この前の大久保逮捕につきましても、この前の何だかの逮捕につきましても、非常にわき役というのは重要なものですよ。芝居のわき役というのは非常に重要なものです。だから、そのことのために偽証罪で逮捕ができたという意味においては、犯罪捜査についても役割りを持っておられる。そうして、いざ今度は、議長裁定にもありますように、国会はこのロッキード事件について、刑事責任追及の場ではなくて、政治的道義的責任追及の場として主役になっていただく。それに対して、犯罪捜査上得た材料については、わき役となって検察当局はこれに対し御協力を申し上げて、政治的道義的責任の究明に協力をする。両々相まってやるという意味はそういう意味でございます。
#55
○田中委員長 中島君、時間……。
#56
○中島委員 私は、いまのわき役論、これは明快に取り消していただいた方がよろしいと思います。取り消すべきだと思います。そして、私、いま御答弁を聞いておりましたが、これはもう本当に国政調査権に対するきわめて軽視、もっとはっきり言えば、ロッキード隠し、こう言わざるを得ないと思うのです。はっきりいまの言葉は取り消していただきたいと思う。
#57
○田中委員長 稻葉法務大臣、これはあっさり訂正しましよう。
#58
○稻葉国務大臣 国会を軽視して、国会の調査権を軽視しているのじゃない。国会の調査権が主役になるという場合もある。そのときは、主役になって出てくるときは捜査権というものはわき役になる、こういう意味でありますが、もし言葉にちょっとかんにさわる点があるというならば、訂正しても結構です。
#59
○田中委員長 それでは、わき役という発言は訂正になりました。御了承を願います。
 坂井弘一君。
#60
○坂井委員 総理に伺いますが、いまの稻葉法務大臣の主役、わき役、この発言に対しまして、ある段階においては、ある時点においては捜査、片や国政調査権に基づく国会、これが主役になったりわき役になったり、両者がある段階でそういうようなことになるのでしょうか。私の認識としては、少なくとも車の両輪ということを言われた、あるいはまた両々相まってとも言われた。つまり、国会での真相解明というものは、政治、道義的責任の究明にある。一方、捜査当局は刑事責任の究明である。この両者はそれぞれ目的が異なるわけであります。両者はそれぞれ主役の立場、それぞれがそれぞれの目的に対しては主役の立場で真相究明に向かっておる、こういう関係であって、あるとき、ときどきにおいて主役であり、わき役であるというようないまの稻葉法務大臣の発言に対して、総理は一体どう認識されておるか、お考えになるか、明確に伺います。
#61
○三木内閣総理大臣 いま稻葉法務大臣は、それが誤解を生ずるなら取り消しますということでございましたから、ここで再びこれを蒸し返すのもいかがかと思いますが、恐らく、私も聞いておって、刑事的な責任の追及は検察当局がこれは主たる役割りを果たしていく、また政治的道義的責任の追及は国会が主たる役割りを果たしておるということを言おうとしたんじゃないでしょうか。これはやはり国会は刑事責任の追及の場ではないですからね。政治責任、道義責任の追及の場ですから、主たる役割りを果たすものは、一方は刑事責任は検察当局であるし、政治、道義的の責任の追及は国会であるということで、そんなに坂井君、悪意のある、国会を侮辱するような発言ではなかったと思いますよ。真意はそういうことで、ぼくはそれなりに理解ができると思って聞いたわけですが、何かこう主役、わき役というものが国会の固有の権限である国政調査権に対してこれを軽く見るような意図があるとしたならば、本人の本意ではないというふうに考えます。
#62
○坂井委員 私は国政調査権に基づく国会のこの事件解明への機能がいよいよ重要な段階に入った、まさにこのときにおいてこそわれわれが要求するところの証人喚問は時を待たないで必要である、実はこういう認識に立っております。しかるに、先ほどからの総理の答弁あるいは法務大臣の答弁、これははなはだ遺憾であります。
 そこでお伺いしますが、いつまでもだらだらだらだら続くものではないんだ、そのうちに再開されるんだと総理はおっしゃった。しからば、一体いかなる条件が整った、どういう状態に入ったならば証人喚問が再開される、こう総理はお考えになっていますか。
#63
○三木内閣総理大臣 恐らく捜査当局としての一つの願望は、捜査の一応のめどがついたら起訴する者は起訴し、起訴できない者は起訴しないという、そういうふうなめどがついた場合ということを考えておることだと思います。それはしかし、捜査当局がそうしていただければ捜査の支障がなくて非常にありがたいんだということでございまして、国会が自発的にいろいろお決めになるということに制約する権限は司法当局といえどもございませんが、そうしていただければ、真相解明を迅速にやれという国会の趣旨に沿うのではないかということから、捜査当局の希望を述べておるものだと考える次第でございます。
#64
○坂井委員 総理の認識が、私はあえて蒸し返すつもりはありませんけれども、いまの段階においてあなたは総理・総裁として、むしろ国政調査権の発動が最も大事なときなんだという認識に立ってもらわなければ、これが真相解明、口先では幾ら声を大にしましても、しょせんは先ほどからのとおり、これはもうまさにロッキード隠しである、あるいは政治家隠しであるということになる、国民はそう見ると思いますよ。ですから、そのことについてあえて答弁を求めません。
 これ以上蒸し返しても意味がないと思いますので、伺いますが、先ほどあなたは、ロッキード事件のこの認識と、そしてその真相解明の決意においては、今日のこの段階においてもいささかも揺るぎはない、確固不動のものである、こう言明された。そうであるならば、この出発に戻って考えますと、フォード大統領に対するあなたの親書、その中で、すべてのこの事件に対する関係者及び関係資料は明らかにしなきゃならぬ、こういうふうにおっしゃっている。全くそのとおりだと思います。でありますならば、いまの段階においてもその決意においていささかの揺るぎもないというのならば、やがてはすべてを国民の前に公表する、この意思において、この決意においても当然変わりはありませんね。
#65
○三木内閣総理大臣 私はしばしば申しておるように、できる限りこの真相を国民の前に明らかにしたいということは、もうしばしば申しておるわけでございますから、この事件の捜査が終了した段階においては、そういう方向で最善の処置をいたしたいと考えておる次第でございます。
#66
○坂井委員 できるだけなんというような言葉になるのですが、では伺いますが、捜査が終結した段階、つまり起訴、不起訴が決定した段階で、米側から提供された資料を一切公表するために再交渉するという意思はありませんか、おありでしょうか。
#67
○三木内閣総理大臣 アメリカとの間には司法取り決めをいたして、それに従って資料が来ておるわけでございますから、これを再交渉という意思はございませんが、政府の責任においてできる限り真相は明らかにしたい、こう考えておる次第でございます。
#68
○坂井委員 そういたしますと、法律概念としてはなりませんけれども、いわゆる灰色高官公表に至るプロセスとして、まず段階としましては、この事件が請訓事件であるから、法務大臣は当然報告を受けまして内容を知り得る立場にありますし、総理もまた総括責任者として同じだと思います。そこで、事件の経緯あるいは捜査の結末については、当然のことながら本委員会に報告をされると思います。その場合に、今度の事件は政治家が絡む、そういうゆえをもちまして、非常に報告の幅が狭められるという危険性があるのではないかということを一方で指摘する向きもあるわけであります。
 そこで、本委員会における報告の場合には、いささかの取捨選択もしないということを明言できますか。
#69
○三木内閣総理大臣 灰色という言葉が法律の用語としてはどうも適当ではないのではないか。きわめて文学的表現であって、灰色というものが法律的にどういうことを言うのか、私自身もよくわからない点もございますが、しかし、この事件はこれだけの国民の関心を集めた事件でございますから、この真相はこういうものであったということをできるだけ明らかにすることは私の責任であると考えておりますが、いまどういうものを――何もかも全部洗いざらい公表するのかといま坂井君いろいろお話しでございましたが、無論個人の権利も守らなければならぬということは民主主義の大前提でございますが、それを踏まえながら、できる限り真相を明らかにするという考えでございまして、いま捜査の進んでおる段階で、どの程度まで、この程度までと、一々申し上げることは適当ではないと考えております。
#70
○坂井委員 わが方が独自に収集しました資料、これはアメリカから提供された資料を参考にしつつですね、その資料は司法取り決めには拘束されません。そこで、問題は四十七条ただし書きの公益性の判断にしぼられてくるわけでございますが、書類の保管者である検察が公益性の判断ができがたい場合、総理あるいは法務大臣がその公益性の判断をする、そして公表をする、腹組みとしましては当然そういう姿勢でなければならぬと思うのです。その決意はお持ちでしょうね。
#71
○三木内閣総理大臣 私は先ほどから申しておるように、捜査がこういう段階でございますから、どの程度公表するかということを具体的に触れることは、いまの時期として適当ではない。ただ、私が先ほどから申しておるように、これだけの国民的関心を持った事件でございますから、この真相というものは明らかにする責任があると私自身が考えておるということだけは申し上げて、御理解を得ておきたいと思います。
#72
○坂井委員 総理の認識として伺っておきたいと思いますが、政治家及び上級公務員の基本的人権、あなた先ほど人権の問題をおっしゃった。これは一般市民と比較して、その範囲あるいは程度においては非常に異なっておるということを認めなければならぬと思うのです。たとえば国会議員の不逮捕特権あるいは国務大臣の訴追制限の規定、これは一般私人の刑事補償規定を上回っておるわけですね。しかし、何人もこの特権を不当とは考えない。その理由は何かといいますと、これは当然のことながら政治家や政府高官の職務の公共性を前提として、その職務の適正な遂行を保障することが公益の利益と合致するというのが理由だろうと思うのです。逆にそのことは、政治家や政府高官がその職務の公共性のゆえに、その職務の遂行に関連して不正ないし不当な行為がある、そのような疑いがある、こう見られた場合には、国会でありますとか、あるいは政府あるいはマスコミあるいは国民から糾弾をされてもやむを得ない立場にある。これが公人たる者の立場であろうと私は思います。したがって、政治家等のこうした公人の人権は、公共の福祉のためにはある程度の制約を受けてもやむを得ない。政治家の人権というのは、ある意味では名誉権と訳してもいいかと思います。いずれにしてもそういう制約が公人にはある。私はそういう認識に立つわけでありますが、総理はいかがですか。
#73
○三木内閣総理大臣 私は、政治家というものは国の重要な方針の決定に参画をする者である、一般の私人に比べて社会的な責任というものは重いものである、こういうふうに考えております。
#74
○坂井委員 先ほどの質疑に返りますけれども、いま私たちが要求しておるのは、まさに証人として政治家を喚問することであります。今日まで本委員会が事件の真相解明のために、そして政治、道義的責任の所在を国民の前に明らかにするために、そしてまた、そのことは議長裁定の精神を受けてであります。同時に、総理も最初からけなげに事件の真相は解明しなきゃならぬ、すべてを明らかにするんだという決意で今日まで来られたはずであります。そして私たちは、いままではそういうことで私人、民間人を事件の解明のために継続して証人として本委員会に喚問をいたしました。いま事件の真相解明のための一番大事な段階に入った。われわれが政治、道義的責任を明らかにするためのまさに核心に入ろうとしておるのが本委員会の現段階であります。そうしたときに、政治家の人権ということにつきまして、いま総理の認識は私が申し上げたとおり一致したと思います。
 そこで、従来私人を呼んできた本委員会がこの大事な段階になって、国民も当委員会のこの証人喚問をまさに注視しておる、きわめて深い関心を持って成り行きを見ておるその段階で、いましばらく中断するんだ。しかも、再開のめどが全くつかない状態ではなかろうかと私は思う。つまり、だんだんと核心に入る。捜査当局もこれはまさに正念場でありますから、次から次からと逮捕も続くでありましょう。また期待もいたします。そういう事態になればなるほど、本委員会は機能できがたいという状態に追いやられる、こういう矛盾があるわけであります。つまり、そのことは、国政調査権の発動を十二分になし得ない、イコールわが方の国民に対する責任を果たすことができない、こういう事態に追いやられるのではないかということを私は非常に危惧するわけであります。
 したがって、総理は総理・総裁の立場で――捜査当局の立場は立場として一方にあります。しかし、われわれはわれわれとして当然のことながら真相解明の責任がある。そういうことでありますので、先ほどからの総理のお答えは私はきわめて不満足でありますし、あるいは遺憾でありますので、そういう点について総理は再考をされて、この場において、むしろ本委員会がこれからの証人喚問を積極的に行って、真相解明に向かうべきであるというあなたの本心が、本音がそうであれば、言葉じりをつかまえようなんというけちな気持ちは私はさらさらありません、ですから、そういう気持ちを率直にお述べいただきたいと思うのです。
#75
○三木内閣総理大臣 私は、坂井君に御理解を願いたいのは、証人の喚問をいつまでもだらだらと延期せよと言っておるのではないのです。いま捜査当局の捜査がいよいよ核心に入ってきておるから、その真相の解明を迅速に終わらすためには捜査当局のこの努力を集中して行うことが必要であるということで、しばらく延期していただければありがたいというのが捜査当局の意向で、それを体して、国会でひとつお考えを願いたい、こう言っておるのでございまして、だから、証人を国会に喚問することをいつまでも放てきするというのでない、しばらくの間そういう処置をとっていただければ、捜査当局の捜査も迅速に事が運べるからありがたいんだということを申し上げておるわけでございまして、それ以上の判断は国会の判断にゆだねるよりほかにはないということでございます。
#76
○田中委員長 最後に、河村勝君。
#77
○河村委員 先般、総理はアメリカにおいてフォード大統領にロッキード事件の糾明について協力を求めて話し合いをされたということであります。
 現在ロッキード事件の解明に直接役に立つことは、当然いまのアメリカにおける嘱託尋問をいかに促進をして、それが日本において活用できるかということが最大の問題であります。嘱託尋問を促進するというこの具体的な問題について、あなたは一体フォード大統領とお話しになったのかならないのか、もしなったとすれば、どういう話をされたのか、それをまず伺いたい。
#78
○三木内閣総理大臣 この嘱託尋問がまだこういう暗礁に乗り上げたような段階でもなかったのです、サンファンなんかで話したときには。そういうことで、ロサンゼルスの地裁でいろいろやりとりが行われておるということの話はあったですけれども、この問題でまだ今日のように明白にはなっておりませんでしたので、この問題について具体的には話しませんでした。
 そこで、これからの問題としては、司法当局においてもいまの段階ではいろいろ知恵をしぼっておると思いますよ。そういうことで、その努力をして何とかこの局面を打開できないかと努力をしておる最中でございますから、政府としてもこれで協力できることがあったら何でもしたいとは思っておりますが、現在のところは、司法当局がこの問題を何とか解決できないかという努力というものに私は任したいと思っておる次第でございます。
#79
○河村委員 あなたはいま、フォード大統領との会見の際はまだこの嘱託尋問が行き詰まっておる状態でないとおっしゃったけれども、そんなはずはありませんね。もう相当行き詰まっている状態にあったはずですよ。それなのにこの問題についてお話しにならなかったというのは、結局何もお話しにならなかったということじゃないですか。
#80
○三木内閣総理大臣 河村君、裁定が出たのは七月の二日ですからね。私は二十七、八日はプエルトリコで、三十日の午前がホワイトハウスですから、そのときはまだ裁定は出ておりませんでしたから、こういうふうな段階ではなかったわけでございます。
#81
○河村委員 裁定はそうですけれども、裁定以前から非常にデッドロックに乗り上げた状態が続いて、裁定というのはその後に出てきたのであって、当時嘱託尋問が障害になっていなかったなんというのは大うそですよ。それもお話しにならないというなら、それは何の協力を求めたのか一つもわからないですね。ですから、どうですか、もしお話しにならないというなら――いまなるほどアメリカでは三権分立という問題は確かにありましょう。ですから、いま呼ばれている人たちが許されたいろいろな司法手続で抗議、抗告をやることは、これは直接阻止はできないかもしれない。だけれども、一番簡単なことは、本人が自発的に抗議、抗告を取り下げて証人喚問に応じればいいのですね。そうでしょう。それで、ロッキード会社というのは政府から大きな債務の保証を受けているような非常に影響力下にある会社ですよ。ですから、フォード大統領がロッキード会社に対して、日米関係の今後の友好のために、そんなに引き延ばしなどをやらずに応じろというような指導をすることはきわめて有効であるし、これなら三権分立にも何も関係なしにできるはずである。そのくらいのことは総理大臣として当然やらなければおかしいと思うのですが、いかがです。
#82
○三木内閣総理大臣 コーチャン氏もやはりちゃんと訴訟手続によっていまやっておるわけでございます。これは、河村君は非常に悲観的にごらんになっておるようですが、あきらめていないわけです。いろいろな方法をこれから考えようということでございますので、いろいろ、いま河村君からも、それは政府がそういう融資をしておるから、それを基礎にしてロッキード社に対して相当強硬な行政指導をしたらどうだというようなお話でございますが、これもアメリカの内政にも関係することでございますし、この国会で私がそういうことを申し上げることも適当ではないと思いますが、とにかくあらゆる知恵をしぼってこの難問題を解決するために、司法当局も、政府も協力できるものがあれば協力して、努力をいたしたいと思っておりますので、まだあきらめるのには時期が早い、こういうふうに思っておるわけでございます。
#83
○河村委員 あらゆる知恵をしぼってとかなんとかいう総論については非常にりっぱなんですけれども、具体的にお聞きすると、何もおやりにならないのですよ。だから、だんだんとあなたに対する一般の不信感がつのってくる。(発言する者あり)向こうから発言がありましたが、おやりになっていますか。本当にアメリカに対して働きかけをおやりになっているのですか。債務保証云々なんということは、別段向こうに言えと言っている話じゃないので、これは条件をお話ししているだけの話である。おやりになっているのですか、本当に。いかがです。
#84
○三木内閣総理大臣 いま一々こういうこと、ああいうことを申し上げることは必ずしも――それはそういう熱意がないから言わぬという場合ばかりでもありませんよ。いろいろこういうこと、ああいうことを言わぬという場合もあるですが、いま司法当局がやっておるのは、何とかして向こうを納得さすような方法はないだろうかと、日本の国内においていろいろ検討を加えておるというのが、いまの段階でございます。
#85
○河村委員 それじゃ、もう一つ聞きましょう。
 先ほど、現行法制のもとでこの問題を解決したいという答弁でありましたね。それができれば望ましいでしょう。どうしてもできない場合も、政府としては最悪の事態も当然想定しておかなければならぬはずです。本当にこの事件の解明を本気でおやりになろうというならば。であれば、どうしても現行法制上解決できない場合には、緊急立法、これは国会でやることですからわれわれが考えればいいのかもしれませんが、しかし、それにしても政府・与党の協力がなければできない。それについての検討をされておりますか。
#86
○三木内閣総理大臣 河村君の御質問でございますが、何とか現行法で解決の道があるのじゃないかということでいま検討を加えておるときでございますから、新しい立法というものをいま考えておるわけではございません。現行法の中で何とか解決をしたいものだということで努力をいたしておる次第でございます。
#87
○河村委員 私は、その責任者としては、確実に現行法制の中で解決できるという見通しがついているならば、その場合にはその準備をしなくてもいいでしょう。だけれども、それが不確定要素が相当あるならば、いつでもそういう事態に対処できるような対策を準備するのがあたりまえだと思うのです。そのくらいの準備がもしないというならば、現行法制上で解決できるという確信がおありなんですね。
#88
○三木内閣総理大臣 確信があるというわけではないですが、何とかこの解決をできる方法はないかと検討を加えておるというのが正直なところでございます。
#89
○河村委員 私は、なぜそういうふうに言葉をあいまいにされるのかひとつもわからないのです。別段揚げ足を取るつもりもないし、何でもないので、現行法制上で解決できるんなら、それは望ましいし、万一不確定要素があるなら、いつでも対応できるような準備をするのはあたりまえでしょう。もしそれすらもやらないというならば、これはやはりなるべくならば役に立たなくなって、それで事実があいまいになってしまった方がよろしいということにしかならないのですよ。そうじゃありませんか。
#90
○三木内閣総理大臣 まあ、いまの段階では、これで、現行法の中で解決がもう絶対に不可能だと考えていないわけですから、やはり新規立法というよりも現行法で解決するのが一番望ましいことはわかっていますから、おわかりのことでございますから、これでそういつまでもというわけではございませんが、ここ数日問、この問題で全力を挙げて、ひとつこの問題を検討したいと思っております。
#91
○河村委員 次に、いわゆる灰色高官名の問題についてお尋ねをいたします。
 もうすでに法務大臣等を通じてその灰色高官名の範囲はこれこれだというような一種の試案みたいなものも発表されて――試案でなければ試案でなくてもよろしい、とにかく検討をされているようでありますが、しかし、これは捜査終結の段階になって政治的道義的責任――刑事的な犯罪にはならないけれども、政治的道義的に責任を関わるべき者、これを明らかにするということはもうすでに決意をなさっているものと思います。
 ただ、いままで聞いておりますと、何か政府だけで適当にこの辺までだというようなことをお考えになって、それで何とかしのごうというふうに見えなくもない。これは本来、この道義的政治的責任のある者というものはどの範囲であるというような種類のものは、当然この特別委員会で決定すべきものであって、政府が一方的に決めて、これで終わりですよというようなことであってはならないはずで、そうではないということはもちろんだと思いますが、確認をしておきます。
#92
○三木内閣総理大臣 私も、河村君の言われるように、政治的道義的責任は国会の場で追及をされて、そうしてそういう国会の場においていろいろ真相解明に対する国会の意思なども、いろいろと今後調査が進むについて出てくると思いますが、そういうことを踏まえて政府はやるべきことは当然であると思っております。
#93
○河村委員 だんだん捜査も進みまして、終結の時期もそう遠くはないと思います。
 そこで、最終的に政治的道義的責任を明らかにする場ができるわけですね。それは当然臨時国会を開会して、そこでこういう責任を明らかにする、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#94
○三木内閣総理大臣 それはやはり臨時国会という国会の場であろうと思います。
 休会中の場合もございますから、休会中は本委員会ということになろうと思います。
#95
○河村委員 これだけ大きなことでありますから、休会中の場合であっても、当然緊急に国会を召集して、それでおやりになる、そういうことではないのですか。
#96
○三木内閣総理大臣 それはそのときになっていろいろ考えてみることにいたします。
#97
○河村委員 これで最後の問題になりますけれども、証人喚問、これがいま自民党の反対で中絶をして、そのためにこのロッキード委員会における国政調査がいま停とんをしております。どうも自民党の方々は、野党が何でもかんでも大ぜい国会議員を呼んできて、それで人民裁判的なことでもやるかのごとくに錯覚をされて、非常に警戒をされているようであります。しかし、現実にはわれわれのやってきたことは、衆議院で言えば、この民間航空機の問題に関連をして丸紅、三井物産それから全日空、日航、そうした民間の会社を呼んで事情をまず調べて、それから、調べているうちに、それについて運輸省の行っている行政指導というものが大きな役割りを果たしているということがわかってきた。そこで、その運輸省の現職の役人並びにかつてその地位にあった役人、これを呼んで事情を聴取して、そこでようやく、国会議員であって、当時大臣あるいは政務次官の職にあった人たちがその行政指導に役割りを果たしている、その行政指導そのものが大きなこの問題の中心点になっているわけですね。ですから、やたらに国会議員を呼ぶというわけではなくて、そうした行政指導に一定の役割りを果たした人たちを国会に呼んで事実関係を明らかにしよう。そうでないと、この一連の調査をやってきたことが締めくくりがつかないし、全貌がわからないわけです。ですから、決してあれもこれもということではない。その上に、先ほど稻葉法務大臣から、おまえは検察庁に何回呼ばれたとかというようなことを聞かれるということになると、捜査の支障になるというようなお話もありましたけれども、その点については、われわれはそうした捜査に関連することは一切聞かない、それならばいいではないかという提案までしているのです。ですから、そうした限定した役割りを果たした人、しかも捜査に直接関連することは一切聞かない、そこまで言っておるのでありますから、そこまでいけば、進行中であっても、捜査に支障する可能性というのはないんですね。そう思いませんか、総理大臣。
#98
○稻葉国務大臣 河村さん、どうでしょうか、そこまであなた方が主張しているのに、かたくなに自民党が拒否しているというようなことですが、しかし、そうでない点もあるでしょう、残る点が。大ぜいの前で、ここでやりますと、そうすると、本当の一対一で検事と被疑者という形でやる場合に、非常に口が割りにくい、そういう支障が捜査に及ぼす、こういう点は残るでしょう。どうでしょうか。
#99
○河村委員 三木総理、あなたはこのロッキード事件の真相究明に政治生命をかけると言っておられるのですね。
 それで、これは二月二十六日の予算委員会で、私の質問に対して「お互いの議会制民主主義の運命がかかっておるじゃないですか。だから皆で、やはり与野党とも協力して真相を究明しようという」ことで、「私はみずからどろをかぶる覚悟ですよ。」と、ここまでおっしゃっているのですよ。ところが、どうも伺っておると、与党から圧力がかかると、どろをかぶるどころか、だんだん後退して、さっきの事実解明についても、できる限り国民の前に事実を解明したい。「できる限り」というのが入ってくるのですね。解明するのは、できる限りでなくて、全部やることはできるのです。範囲をどこまでするかということは、これはありますけれども、できる限りというようなことが伏線に入ると、やはりまた三木さんは、前の調査資料を日本に持ってくる問題、前の調査資料の公開の問題についてもそうであったように、やはり食言にならないような伏線を張っておいて、最後はやはり大勢順応ということになりはしないかという懸念をわれわれは持たざるを得ないのです。
 そこで、これだけ私たちはくどく言っておるのです。最後にあなたの決意を伺って、質問を終わります。
#100
○三木内閣総理大臣 河村君の御心配は、私は当たらないと思うのですよ。一方において、刑事上の責任は検察当局でやっているわけですけれども、国会は政治的な、道義的な責任の場ですから、これはやはり十分に国会の調査権を発動しておやりいただくことは当然ですが、捜査がいよいよ核心に入った段階では、何か捜査に支障を来たすようなことのないようにしていただければありがたいんだと、こう捜査当局が言っておるので、そういう点も勘案しながら、これに対して善処をしていただければありがたい、こう言っておるんでして、何も証人を呼ぶなと言っておるわけではないのですから、これ以上は国会の自発的な御判断にまかすよりほかにはないわけで、刑事上の責任の追及は済んでも、政治上あるいは道義上の責任の追及というのは、必ずしも同じ時期だということではないですから、それはおやりいただくことは当然のことでございまして、これを何か抑えるという考えはないということと、できる限りというのは、私自身もまたこれ法治国家の総理として、法律の範囲内でということでございますから、そういうことで、逃げ口上ではないのですよ。これは私は、これを機会に日本の政党政治というものもより健全なものになり、日本の民主政治というものもより強固な基礎を固める、災いを転じて福とする一つの大きな機会であると考えているのですよ。そういう意味で、あなた自身が、だんだんとこう私が後ろへ後退しておるという考え方は、私の真意を解さないものである、こういうことを声を大にして申し上げておく次第でございます。
#101
○田中委員長 それでは休憩をいたします。一時十五分から再開をいたします。
    午後零時二十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十五分開議
#102
○田中委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。
 ロッキード問題について質疑を続行いたします。横路孝弘君。
#103
○横路委員 初めに法務省の関係でお尋ねしたいと思うのですが、昨日、予算委員会で伊藤宏の告発、逮捕が先行したわけですが、告発をしたわけです。その旨、捜査当局の方から国会に協力の要請が来て、そういう措置をとったわけですが、国会は、すでに若狭得治氏を告発しているわけですね。国会の告発した若狭氏については、一体、皆さんの方で捜査しているのかどうか、これはどうなんですか。
#104
○稻葉国務大臣 もちろん捜査はしております。と聞いております。
#105
○横路委員 しかし、われわれの聞いているところでは、まだ本人の事情聴取もしてないでしょう。つまり肝心な国会が、きちんと告発をした問題について、それは、まあ捜査のいろいろな段階なり状況があるのでしょうけれども、しかし、そうしたこれを、いわばサボタージュするというか、たな上げして、ほかの方だけ先行させるというのは、どういうことなんですか。まだ本人から事情聴取してないでしょう。
#106
○吉田説明員 若狭氏については国会から告発を受けて当然、被疑者として調べることになります。その点については、いま御指摘のように、いろいろ捜査の段取り、その他のことがございますので、検察当局は、その点で全体の捜査の中で捜査計画を練って捜査を行っている、こういうふうに承知しております。
#107
○横路委員 大久保が偽証で逮捕されてから、もう相当の日にちがたっているわけですね。勾留の延長までなされているわけです。その前に、もうすでに若狭について、偽証での告発という国会の意思というのは明らかになっておるわけですね。この辺のところからいくと、ちょっと捜査は怠慢じゃないですか。
#108
○吉田説明員 決して捜査当局は怠慢でいるということでは全くないと確信しております。先ほど申しましたように、国会から告発を受けた事件について、十分その捜査を尽くすつもりで鋭意、捜査を行っているところでございます。
#109
○横路委員 法務大臣、そういうことで、よろしいですかな。
#110
○稻葉国務大臣 それ以上に、こちらから指揮するわけにもまいりませんし、信頼を置いて事態を見守っておる。国民の期待に、また国会の期待にも、きっと、こたえてくれるものと確信しておる次第です。
#111
○横路委員 きのう検察合同の打ち合わせがあったようでありますけれども、捜査の進展状況について何か報告を受けていますか。きのう打合会をやりましたね、検察庁で。うまくいっておるのかどうか、その辺のところは、どういうぐあいに報告を受けていますか。
#112
○稻葉国務大臣 私は、この問題について、こちらから報告を、まだ求めたことはないのです。自発的に報告されたことはありますけれどもね。それで、きのうの捜査当局の首脳会議の結末とか、そういうことについて検事総長から、いまだ報告は受けておりません。
#113
○横路委員 問題、一つ進めますけれども、今回、エアバスとPXLと二つあるわけですけれども、エアバスの関係は、児玉譽士夫がロッキード社の秘密代理人になった四十四年から、全日空がトライスターを決定した四十七年の十月三十日、その後の追加発注の問題もありますけれども、時効になっておる可能性というのは非常に強いわけですね。非常に大きな壁に時効がなっているのだと思いますが、いかがですか。時効が捜査にとって非常に大きな壁になっているという点は。
#114
○吉田説明員 御指摘のように、時効制度は刑事法制として、どこの国にもあることでございますが、その時効制度との関係で捜査について、いろいろ考慮しなければならない点はございます。しかしながら、検察当局といたしましては、この事件になってから、この問題が起きてから、その以前に、すでに時効にかかったものについては法制上、何ともいたし方がないわけでございますけれども、現在、捜査を進めている過程で、その時効の問題は十分頭に置いて、いやしくも捜査の過程で時効が完成されるというようなことにならないよう鋭意、努力しているところでございます。
#115
○横路委員 大久保が外国為替管理法ということで、これが時効ということもあって、偽証罪で逮捕したという説明でした。四十七年の十月三十日というトライスター決定ですね、これに至る過程、四十四年から四十七年までの過程というのは、この間の捜査というのは相当、時効の壁が厚いのじゃないですか。
#116
○吉田説明員 時効は、その犯罪容疑との関連がございます。一概には申せませんけれども、もとより刑事訴訟法によって、時効にかかっているものについては、これは犯罪捜査の対象にはできないわけであります。しかし、御指摘の期間のことにつきましても、もちろん必要なことについては十分真相を解明して、時効にかかっていない犯罪容疑についての有力な情況証拠にするということもございますので、十分捜査は尽くしていると思います。
#117
○横路委員 時効にかかっている容疑事実で逮捕は、もちろんできませんね。
#118
○吉田説明員 それはできないと思います。
#119
○横路委員 時効にかかっている容疑事実で調べる場合、それは被疑者としての調書になりますか、参考人としての調書になりますか。これはどっちですか、調書をとった場合。
#120
○吉田説明員 そこは一概に言えないわけでございまして、ただいまお話がありましたように、捜査をして事実関係が確定して初めて、時効にかかっているということがわかる場合もあります。そういう場合には当初、被疑者として調べておるという場合もあると思います。しかし、当初から時効にかかっていることがはっきりわかっているという場合については、被疑者として取り調べるというのは、そういう事実を最初からわかっていて被疑者として取り調べるというのは、やや問題があるのではないかと思います。
#121
○横路委員 何か最近、自民党の中で、被疑者として調べられた、調書をとられた者は公表するとか、しないとかいうような議論があるようなので、ちょっと聞いているのですが、いま、お答えのとおりだろうと思うのですね。つまり、最初から時効とわかっている事実について取り調べる場合には、これは調書をとったって被疑者としての調書扱いにならぬわけですから、結局は参考人調書ということになって、この辺は全部やみからやみへ葬り去られる危険性がある。自民党内の議論は、そういう方向を目指しているものだということを、この際、指摘しておきたいと思うのであります。
 そこでもう一つ、これは法務大臣に、ちょっとお尋ねをしたいのですけれども、この間の稻葉さんの発言ですね。アメリカでの、いわゆる嘱託尋問を引き延ばす働きかけは常識的に言ってあるだろう。丸紅だとか全日空だとか、逃げる方も日米一緒にやっているという発言がありましたけれども、もしアメリカの尋問を引き延ばすというような日本からの働きかけがあるとしたら、どんな方法でやるということが考えられますか。
#122
○稻葉国務大臣 そういう悪知恵は私ないものですから、どんな方法でやるのかは調べておりませんな。
#123
○横路委員 いや、推察だと言われる、常識的に推察と言われますけれども、なかなか、これは外国に働きかけて、そうして罪を逃れようというようなことの発想というのは、そう普通の人間で、すぐ思いつくわけじゃありません。法務大臣がお考えになったには、それなりの理由があるだろうと思うのですが、どうですか。その点を推察されたあなたですから、方法や手段についても十分、推察というか、見当をつけているのじゃないですか。
#124
○稻葉国務大臣 別に見当をつけているわけではありません。たとえば電話連絡をするとか、そういうことはあるのじゃないでしょうかな。ほんの一例を挙げれば、そういうことはあり得るのじゃないでしょうか。
#125
○横路委員 この刑事免責の問題というのは非常にむずかしい法律の問題ですけれども、アメリカが実に日本の法制について、ついている弁護士がどういう弁護士かわかりませんけれども、非常に詳しいという感じがするので、日本の刑事訴訟法について、その辺のところで、だれか知恵をつけているのがいるのじゃないかという感じがするのですが、どうですか。
#126
○稻葉国務大臣 そういうこともあるかもしれませんですね。あなたの方が推定の範囲が広く深いですね。
#127
○横路委員 何とか向こうは延ばしてもらいたいというような働きかけを日本側からした場合、それが明らかな場合、これはどうですか、証拠隠滅になりますか。つまり、自分に不利な供述をする、コーチャンというのが、日本側にいる政府高官にとって見ると、これは公表された資料から見ても、不利な証言をするという可能性が十分ある、考えられる。これに対して日本側から働きかけをしたということが明らかな場合は、これはどうですか、証拠隠滅になりますか。
#128
○吉田説明員 遺憾ながら、私どもとしましては具体的な事実が、どういうことがあるのかということは承知しておりませんので、この席で、そういう仮定的な法律の適用の問題を申し上げるのはいかがかと思いますので、御勘弁願いたいと思います。
#129
○横路委員 いや、これは一般論ですからね。大臣、これは一般論として、アメリカ側で証言が行われようとして、日本側が要請しているというやつを日本側から妨害をしたという場合に、法制度を教えた程度なのか、それは働きかけの内容は、いろいろあるでしょうけれども、どうですか、そういう内容によっては、これはやはり証拠隠滅になり得るのじゃないですか。可能性はあるのじゃないですか。
#130
○稻葉国務大臣 証拠隠滅罪の条文がどういうことになり、どういう構成要件であるか私、知りませんので、刑事課長に答弁させます。
#131
○吉田説明員 御指摘の証拠隠滅は、条文を読み上げるまでもなく、他人の刑事事件についての証拠を隠滅もしくは偽造、変造するということであります。他人の刑事事件についての証拠であることを十分知った上で、それを隠滅工作をするということは、まさしく証拠隠滅罪に当たるわけであります。しかし、お尋ねのことについて果たして、こういう証拠隠滅罪が成立するかどうか、あるいは、そういう疑いがあるかどうか、これは全く事実関係、具体的な事実関係は承知しておりませんので、何とも申し上げかねます。
#132
○横路委員 具体的な問題を聞いているわけじゃなくて、法律論として、その内容によっては、なるのかならないのかということですね。たとえば政府高官で連絡をとり合って、しかるべく人を、何とかやめるように、いろいろな工作をしたとか、その工作した方法、手段によっては、可能性というのは一般論としてはあるのじゃないですか。
#133
○吉田説明員 再三のお尋ねではありますが、他人の刑事事件についての証拠を隠滅したということであれば、何人といえども証拠隠滅罪に当たることは間違いございません。しかし、想定した事実について、そういう疑いがある場合があるのじゃないかというお尋ねでしたら、何とも申し上げかねるということを再三、申し上げているわけであります。
#134
○横路委員 法務大臣、今日までの段階で、このロッキード事件というのは、去年アメリカで、あれは銀行委員会でしたか、プロキシマイヤー委員会でもって、まず証言がなされて、日本の国会でも去年の十月、行われているわけです。今回までの捜査の段階で、丸紅等を含めて証拠隠滅の動きじゃないか、たとえば丸紅のレポートがなくなっているとか、いろいろなことが言われているわけですが、この辺について法務大臣としては、従来の、そういう中で昨年あたりから何か、そういう動きがあったというようなことについては御存じじゃありませんか。
#135
○稻葉国務大臣 捜査の過程において証拠隠滅のどういう事実があったかということについて報告を受けておりませんので、いま存じません。
#136
○横路委員 アメリカの今度の決定なんですけれども、決定の中で、これは証拠資料としては使えなくても、検事が二人、立ち会っておるわけですから、捜査資料には実質的に使えるのでしょう。その辺のところは期待できるのでしょう、どうですか。
#137
○稻葉国務大臣 それは期待できないのじゃないでしょうか。ファーガソン裁定には、二人の検事は上司に対しても何人に対しても、これを漏らしてはならないとなっていますから、期待できないのじゃないでしょうか。――――――――――−――――――――――−ですから、それは本当に厳重に箱口令をしかれて期待できないのじゃないでしょうか。
#138
○横路委員 そうすると、あとは尋問のどこに期待できるのですか、法務大臣。
#139
○稻葉国務大臣 ファーガソン裁定の、証言内容を捜査の材料として資料を引き渡す条件の充実であります。
#140
○横路委員 それはどういうことなんですか。だって、その条件というのは、向こうの方で言っているのは、最高裁の何らかの形での意思表示ということでしょう。これは日本の法制からいったら、ちょっと無理じゃないですか。そこに期待しているのですか。
#141
○稻葉国務大臣 証人尋問の経路からいって期待せざるを得ないのですね。検察庁が東京地方裁判所に、アメリカの証人の尋問をアメリカに嘱託しているということは、地裁から高裁へいって、高裁から向こうの高裁へいって、向こうの高裁からロサンゼルスの地方裁判所に、そういうことをやらせる、そういう経路からいって、ああいう裁定をファーガソン氏がした以上は、めぐりめぐって、こっちに何らかの形、どうなって来るのか私よく存じませんけれども、いった経路ですから、その裁定の、こっちへの山びこも、その経路を通って来るということになれば、当然、下級裁判所のことを取り次いだわが国の最高裁判所としても何かお考えになるはずではないかと思っております。
#142
○横路委員 このアメリカの決定というのは、日本の法制度を十分理解した上で行われた決定だと思いますか。つまり私は、日本から向こうへ、ずっと行って、がんばっておられると思うのですけれども、どうも、その辺のところの説明が十分じゃないのじゃないかという気がするのですが、これはどうですか。
#143
○吉田説明員 この日米の刑事法制の違いということについては、私ども十分とまでは申し上げかねるのでございますが、できるだけの勉強をしているつもりでございます。検察当局も十分勉強している。問題は刑事免責の問題が恐らく起きるであろうということは、かなり早くから予想いたしまして、その点についての日米彼我の判例、法制、慣行等について、できる限りの検討を重ねて、その結果とった措置でございます。
 それで、それについて米国のイミュニティーや何かの法制との相違、その他こちらのとった措置の効果、そういう点についても十分法律的な説明をいたしたつもりでおります。もちろん、それが十分であったかどうか、それは客観的に見て御批判があるところだと思いますけれども、できるだけの説明をし、少なくとも米国司法省関係者は十分これを理解して、それに沿った行動を行ってくれている。協力してくれている。裁判所の決定が、こういうことになったわけでございますが、いままでの経緯を申し上げると、そういうことでございます。
#144
○横路委員 理解しているにしては、これはちょっと、おかしな決定ですね。どうですか、そう思いませんか。
#145
○稻葉国務大臣 非常に厳しいというのか、むずかしい条件をつけてある、壁は非常に厚いと思いますね。ただ、憲法で最高裁判所に与えられている内部規則の制定権限、ルールメーキングパワーというものがありますから、その辺のところを活用して何かの方法があるのではないかと、いま模索中ではないか、こういうふうに思います。
#146
○横路委員 とにかく起訴するかしないかというのは検察庁の権限で、裁判所の権限では全然ないわけでしょう。起訴するかしないかという権限、これは裁判所には全然ないわけで、だから、その辺のところ、わかっていてやったならば、何か、そういうような巧みに入れ知恵を、だれか、つけたのが日本からいるのか。つまり十分向こうはわかっていて、なおかつ、この決定を下したということがよくわからないのです。そうじやありませんか、これは。厳しいとかなんとかいうよりも、筋がちょっと違うところで、ぽんとつけてきているわけでしょう。
#147
○稻葉国務大臣 いや、いまの御質問はちょっと、おかしいのじゃないかと思うのですがね。(「おかしくないよ」と呼ぶ者あり)そうですが。というのは、あのファーガソン裁定は、証言はさせる、こういうのだ。ただ、その証言人による資料を引き渡す条件として免責特権の付与を、単なる日本の検察庁の申し入れだけでなく、司法の最高機関である最高裁判所の規則なり判決なりで保証してくれれば引き渡す、こうなっているわけですね。その引き渡した資料によって起訴するかしないかは検察庁でございますけれどもね。そういうことじゃないでしょうか。その条件が、最高裁判所の判決なり規則の制定で、免責特権は、この事件の関係者、コーチャン氏その他については不可欠なものですという証明を与えてやらぬと、証言はさせるけれども引き渡すわけにはいかぬ、こういう決定のように思うのですがね。起訴、不起訴との関係はないのですね。
#148
○横路委員 要するに免責の保証をどうするかという場合に、裁判所の方で免責の保証というのは、あらかじめ与えるわけにはいかないわけだから、日本の制度から言うと。だから、やはりおかしいと思うのですね。具体的な問題を、ちょっと聞きながら後で答弁を求めますので、この問題は、これぐらいにいたします。
 運輸大臣にお尋ねいたしますけれども、この間の答弁で、当時の橋本運輸大臣に四十六年二月の行政指導について事情を聞いてみたという御答弁でしたけれども、一体いつ、だれが、これは聞かれたのですか。
#149
○木村国務大臣 この話は前から、ここでも、たびたび出ておりましたので、そのころから私が直接、橋本運輸大臣に聞いてみました。
#150
○横路委員 これはそうですが。そういう答弁が、この間、初めて出て、その前までは、たとえば七月一日の通達について当時の佐藤政務次官に聞いたかと言っても、それは運輸省として聞く立場にないというようなことだったのですが、そうすると、この事件が起きて、すぐその後で運輸省として橋本運輸大臣から事情を聴取しておるわけですね。
#151
○木村国務大臣 この話は前回だけではなくて、その前にも、ちょこちょこ出ておりました。その当時、私は聞きましたので、何も運輸省として事情聴取をしたとか、そういうしゃっちょこばったものではございません。直接、私が聞いたわけでございます。
#152
○横路委員 何を聞いたのですか。
#153
○木村国務大臣 当時、橋本運輸大臣が、みずから二年延期の方針の変更を自分でイニシアチブをとってやられたかどうかということが国会で問題になっておりますので、そういう点はどうなのですかというふうに聞いたわけです。
#154
○横路委員 その答えは、どんな答えだったのでしょうか。
#155
○木村国務大臣 その答えは、当時、航空局の中でそういうふうな議論が行われて、航空局でそういう行政指導をやっておったということは自分は聞いておるけれども、自分がみずから、そういうことを考えて方針を変更する――もともと、そういう方針はないわけです。四十七年度に導入するというような方針はないわけですから、方針を変更するということもなかったわけでございます。
#156
○田中委員長 横路君ちょっと。稻葉法務大臣から、ちょっと発言がございます。
#157
○稻葉国務大臣 先ほど横路さんの質問で、けさほどの証人尋問の内容の一部に触れましたが、これを取り消さしていただきたいと思います。
#158
○横路委員 何のところですか。もう一度、どこが、どういうところに触れたのか、ちょっと説明してください。
#159
○稻葉国務大臣 ――――――――――――――――――――――ひとつ取り消さしてください。
#160
○田中委員長 よくわかりました。
#161
○横路委員 そうですが。ぼくは、また新聞か何かに報道されておるのかと思ったら、違ったですな。
 それじゃ運輸大臣、それを聞いたのは、いつごろですか。あなたが橋本さんに聞かれたのは、それは電話なんですか、直接、会ってですか。
#162
○木村国務大臣 直接、会う機会がございましたので、そのときに聞いたのですが、一カ月ぐらい前ではなかったかと思います。
#163
○横路委員 それで大臣、この問の内村さんの証言によりますと、導入の延期というのは運輸大臣のアドリブだということで、二月二十日までの段階で、導入延期という明確な考え方というのは事務当局にはなかった、そういう内村さんの答弁がありますが、これはどうなんですか、運輸大臣、違うじゃありませんか。
#164
○木村国務大臣 運輸省の中には、もう当時から、両会社から五カ年の一応、計画を見たときから、こういう計画がそのまま行われて、大型機の導入が始まれば大変な供給オーバーになって大変なことになるという非常な心配を持っておりまして、そこで、二年ぐらい延期したらどうだろうかということになっておるわけでございまして、そういう考えは航空局は当時から持っておったわけでございます。
#165
○横路委員 全日空の渡辺氏の証言によると、全日空は、日航の例の国内線へのジャンボLRの転用について反対だということの証言がございましたけれども、これは山元さんにお答え願いたいのですが、当時この反対という話は、全日空の方からあなたの方にありましたか。
#166
○山元説明員 お答え申し上げます。
 当時の私の記憶としては、直接、全日空から私の方に、そのような申し出があったという記憶はございません。
    〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕
#167
○横路委員 そういう全日空が反対しているという話を、あなたが聞いたのは、いつごろですか。
#168
○山元説明員 私の記憶によりますと、四十六年の春ごろになって、日本航空がLRの転用につきまして本格的に検討を始め、そのうちに、できることならばLRを共同運航あるいはウェットリースで全日空とやってみたいというような話が出かけたころから、全日空としては、当社としては、そういう話し合いに乗ることは困るんだというようなことを耳にいたしたと思います。
#169
○横路委員 そうしたら、かなり早い段階ですね。四十五年のうちからですか、反対だという意思表示があったのは。
#170
○山元説明員 私の申し上げましたのは、四十六年の春ごろでございます。
#171
○横路委員 LRの転用を延期するという指導そのものは、あなたたちがやられたのは、いつなんですか。
#172
○山元説明員 四十六年の二月の前半ごろにエアラインに話をいたしましたのは、両方の長期計画が出そろいまして、中で検討いたしましたところ、これまで大臣から御答弁申し上げておりますように、大型ジェット機の導入を含めまして機材の導入テンポが早過ぎるのではないか。そのほか大型ジェット機は当時は、まだ外国でもラインに就航してないという状況でございましたので、性能その他の面につきましても不確定な要素があった。あるいは大型ジェット機を大量に導入する場合には、経営に対するインパクトも大きい。あるいは空港事情も必ずしも、まだ十分でなかった。こういうような状況でございましたので、四十六年の二月の前半に、もし、これを四十九年度におくらせることにした場合には、どういう問題点があるかということにつきまして指導を始めたわけでございます。
 しかし、その時点におきましては、日本航空の四十六年度の認可予算におきまして新型の大型ジェット機の前払い金を予備費に計上するかどうかという問題があったわけでございます。したがいまして、これにつきましては大蔵省とも相談した上、当面四十六年度の当初の認可予算には国内線用の大型ジェット機の頭金は予備費に計上しないということで日本航空に指示いたしまして、そのような申請が出てきたわけでございます。したがいまして、三月ごろまでの時点におきましては新型のジェット機の問題をどうするかということが主体でございまして、その後LRの転用の問題につきまして、いろいろと議論をしたわけでございます。
#173
○横路委員 四十六年の二月につくった第六十五国会用の運輸省の想定の答弁集がありますね。それ、持ってきていますか、運輸大臣。その想定問答集、これ、できたのは四十六年の二月ですよ。それの二十五、六ページをちょっと見てください。その二十五、六、七ページを見ると、747の国内線への一時的転用の計画ということで答弁の予定があって、国内線は四十七年の四月よりボーイング747を入れるということになり、その日本航空の資金対策の問題についても、どういうぐあいにする、たとえば百数十億円程度の時価転換の社債を発行する予定であるとか、米国の輸銀から長期資金を借り入れて、これに対して政府としては債務保証を行うというような、四十六年の二月の段階で、あなた方そういう答弁資料をつくっているじゃないですか。どうなんですか、運輸大臣、これ、ちょっと見てくださいよ。
#174
○木村国務大臣 これは日本航空が、そういう計画をしておるという答弁の内容になっておりますね。運輸省がこういう計画を持っておるという表現にはなっていないようでございます。
#175
○横路委員 これは運輸省がつくった答弁の資料なんですよ。日本航空から報告を聞いておって、それを、おかしいならば、日本航空は、こういう計画があるけれども、おかしいと思うということになるわけでしょう。そうじゃなくて、そのまま皆さんの方で、こういうことになっていますという形で答弁の資料ができているじゃありませんか。要するに、いま、あれこれ言っているのは、後でもって、もう少しやりますけれども、全部この事件が起きてから後でつけた理屈なんですよ、あなた方のつくったのは。当時は全然そんなことを考えてないでしょう。
 じゃ、その四十六年の二月、需要の見通しのところを見てごらんなさいよ。「航空輸送需要の長期見通し」四十四ページ、この四十六年の二月につくった航空輸送の需要はどうか。「航空輸送需要は著るしく増大しており、」「この傾向は今後も続くものと思われ、昭和五十年度には国際線旅客は昭和四十四年度の三・五倍にあたる一、〇〇〇万人に、また国内線旅客は三・四倍の四、〇〇〇万人になるものと見通される。」というように四十六年の段階で出ているでしょう。これは完全に運輸省サイドのやつでしょう。
#176
○山元説明員 ただいまの先生から御指摘ございました輸送需要の見通しでございますけれども、この想定問答集に出ております問いは「航空輸送需要の長期見通し如何」ということでございまして、先般来も申し上げてありますとおり、国内線につきましては五十年度ごろに約四千万、六十年度ごろには約一億二千万という運輸政策懇談会の中間報告をもとにいたした見通しを述べているわけでございます。
 先ほど二月、三月時点においては、LRの転用を取りやめることについては、まだ検討していないではないかという御指摘があったわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、三月ごろまでは主として日本航空の認可予算に係ります大型ジェット機の扱いをどうするかということを検討いたしたわけでございまして、LRの転用問題につきましては、春先になってからこれを詰めるという状況になったわけでございます。なぜそういうことになったかと申し上げますと、万博が終わりましてから従来、対前年旅客の伸びが一四〇%前後であったものが一二〇%台に鈍化してきたわけでございますが、春先になりましてから、その傾向が一段と顕著になるというような兆しがございまして、主として需給の面から、LRの転用を認めることはいいのかどうかということについて検討を続けていった次第でございます。
#177
○横路委員 そういう答弁、よく平気でできるという感じですな、私に言わせると。あなた全日空の四十五年、四十六年の月別の旅客の実績表というのがありますか。この月別の旅客の実績表を見てみると、幹線で全日空の四十五年度の平均の利用率は六三・五%です。ローカル線が八一・七%、全線で七三・四%という利用率ですね。当時、運輸省は空が過密だと言っていますから、減便の指導をしていますから、単純に旅客数だけでもって比較したってどうにもならぬでしょう、あなた方は飛行機の便数を減らさせているわけですから。したがって、利用率で見てみます。
 利用率で見て、この四十五年度の平均が四十六年度どうかということですよ。たとえば幹線の場合、全日空の四十五年の利用率の平均は六三・五%ですけれども、四十六年の一月は五九・四、二月は五七・七だけれども、三月は六七・四と、その平均の利用率を上回っていますよ。ローカル線についても平均が八一・七、四十五年度の万博でもって、お客さんが、わっとふえたときの利用率、それで四十六年の二、三、四、五と、これは利用率が八〇%を超えていますよ。何も四十六年の春になって、お客さんなんか減ってないですよ。利用率から見たら、むしろ、またぐっと上がってきていますよ。指導するとき、あなた方は一体、何の数字を見てやったのですか。だから、後から、今度の事件が起きてからつけた、へ理屈だというように私たち指摘せざるを得ないわけです。
#178
○山元説明員 ただいま先生御指摘のとおり全日空の四十五年度の平均座席利用率を見ますと六三・五%でございます。しかし、その中を月別に見てまいりますと、万博が行われました途中におきましては、おおむね六〇台を超えていたわけでございますが、十一月になりますと五三・八%、十二月には四四・〇%というぐあいに落ち込んできているわけでございます。そして四十六年に入りましてからも一月、二月は六〇を切るというような状態になってきているわけでございます。もちろん座席利用率も問題でございますけれども、他面におきまして対前年の旅客数の伸びがどうかということも問題であるわけでございます。この傾向が四十六年の三月ごろから、特に四月になりましてから、その伸びが鈍化している傾向が顕著に出てきたという状況でございます。
#179
○横路委員 そうしたら四十六年の五月二十日の参議院運輸委員会の議事録ありますか、ここで内村さん、どういう答弁をしていますか。あなた、四十六年の五月ですよ。現在のいわゆる供給過小状態、したがって平均のロードファクターも七七%前後というぐあいになっている。したがって積み残しも多いし、場合によっては乗れない人も出てまいりますというのが実情だから、機種というものを大型化していかなければならぬという答弁を、四十六年五月二十日の段階で運輸省はしているのですよ。
 あるいは、その想定答弁の四十八年の長期見通しのところを見てください。「航空輸送需要の長期見通し如何。」五十四ページ、いいですか。四十六年度は後半になって伸びが鈍化しましたね。鈍化したけれども、その後「しかしながら、これは航空機の連続事故、通貨調整に伴う経済環境の変化等による一時的なものと考えられ、長期的には時間短縮効果の大きい航空輸送への選好は強く、航空輸送安全対策の推進による安全確保、経済環境の回復等により、航空輸送需要は増大し、昭和五十年度には国際線旅客は一、〇〇〇万人に、また、国内線旅客は四、〇〇〇万人に達するものと予測される。」あなた方の、この線の予測は全然、変わってないじゃありませんか。四十六年度の後半の事故が起きた後の、この伸びの鈍化というのは、これは一時的なものであって、長期的には、ずっと伸びていく方向性は変わっていない。四十八年になったって、そういうことを、あなた方言っているわけでしょう。だから、それで一貫しているのですよ。四十六年五月の内村さんの答弁だって同じ方向を示しているわけでしょう。だから、山元さん、これは今度のことになってから、あなたはいろいろ言われて、つくった理屈なんでしょう。違いますか。
#180
○山元説明員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、万博が終わりましてから需要の鈍化の兆しが出てまいりまして、この傾向が四十六年の春ごろから一段とはっきりしてきたわけでございます。そうして、事故等がございまして、あるいは景気の落ち込みということもございまして、四十七年の八月ごろから需要の回復が見えてきたわけでございます。
 この答弁集に書いてございますのは、やはり長期見通しはどうかということでございまして、長期見通しとしてオーソライズされた数字といたしまして四十五年の四月に発表されました運政懇の中間報告の数字を、四十八年の時点でもなお一応の目安にしていたというように考えるものでございます。
#181
○横路委員 山元さん、そこに座っていてください。
 それで、四十七年のエアバス導入を四十九年に延ばしたというのは、皆さん方が長期の見通しをして、四十七年の段階で入れたのでは供給過大になるということで、四十九年まで待てということなのでしょう。つまり、あなた方は四十六年のことを見てエアバス導入の延期を決めたのではないのですよ。四十七年導入というそこから以降の需要の見通しを見ながらこの延期を図ったわけでしょう。ところが、この間も指摘したように、空港整備の関係から何から含めて、全部一貫して運輸省関係の資料はこの四十五年に立てた長期見通しに向かって、四十六年のあれだけの落ちくぼみも、これは一時的なものだと言って、回復するだろうという見通しを立ててやっているわけですよ。だから、この四十六年の二月段階の判断というのはきわめてわからないですね。
 山元さん、それで、二月以来、一体この行政指導をしたのはだれなんだということをわれわれはいろいろ議論してきて、わからなかったわけですね。運輸省の方で答弁がなかった。それがあなたに決まったいきさつはどういうことなのですか。あなたが行政指導したんだというように決まった運輸省内部のいきさつはどうなのですか。差しさわりがなかったら、その辺ちょっと教えてください。
#182
○山元説明員 四十六年の二月ごろから大型ジェット機の導入を延期してはどうかということの問題点の指摘をしたわけでございますが、五十年度四千万、あるいは六十年度一億二千万になるという需要の見通し、これはあくまで長期的な立場に立ったところの予測でございます。で、私ども、事務的な面におきまして航空会社の機材の導入テンポをどう扱っていくかというのは、もう少し短期的な立場で需給の面を検討しなければいけない立場に置かれているわけでございます。
 それで、大型ジェット機につきましては、単に需給の問題だけでなくて、いろいろの問題がございますので……(横路委員「そんなことではなくて、あなたが行政指導したということに運輸省の中で決まったいきさつはどうなのかと聞いているのです」と呼ぶ)それで、そうしたいろいろの問題につきまして、私どもはその段階においてまだ不確定な要素が多いとか、あるいは経営に対するインパクトが大きいとか、あるいは空港の整備の状況もまだその時点においては必ずしも十分でなかった、いろいろな要素がございましたので、そういう疑問を持ってエアラインに、検討し、話し合ってほしいというふうに話を始めたものでございます。
 それからもう一つは、先ほど先生からお話がございました点でございますけれども、通常の業務の流れといたしましては、監督課長である私から航空会社の各経営管理室長あるいはこれに相当する人に連絡する立場にあるわけでございます。それで、私もこの事件が起きましてから何度となくキャリアサイドの室長ないしはそれに相当する人に確かめてみたのでございますけれども、必ずしも記憶は定かでなかった。しかし、いろいろと調べました結果、全日空につきまして私から藤原経営管理室長に連絡したということが判明いたしたわけでございまして、やはり通常の業務の流れとしてそのような連絡をしたということでございます。
#183
○横路委員 あなた、その当時、丸紅の航空磯部の関係者と会ったこと、ありますか。
#184
○山元説明員 商社の方とは一切お会いいたしておりません。
#185
○横路委員 全日空のエアバス導入の実績ですね、トライスターの実績。この実績は、あなたたちが四十五年十二月の長期計画ではちょっと供給過剰になると言って延期をした。しかし、この四十五年十二月の長期計画と、導入の初めの時期はずれましたけれども、全日空に入ってくる機数はそのとおり入っていますね。全日空がトライスターを入手した実績は、四十五年十二月の、あなたたちがこれはだめだと言った計画そのものと同じじゃありませんか。これはどういうことなんですか。
#186
○山元説明員 ちょっと私、いま手元に資料を持っておりませんので、後ほどお答えさせていただきたいと思います。
#187
○横路委員 ここで運輸大臣に指摘をしておかなければいけないのは、四十五年十二月の導入というのは供給過剰になるのだということで延期させたわけでしょう。ところが、そのときの計画、五十年までに十八機というのはきちんとそういう段階で入って、さらに現在のところは三機契約を解除するかどうか検討中ということのようですけれども、そのときの長期計画と、初めの時期はずれたけれども、後その機数はきちっと入っているのですよ。おかしいと思いませんか。
 時間がちょっとなくなったので、最後に法務省に例のコーチャン証言で。
 コーチャン証言の中で時期の問題のところがありますね。つまり時期を――自分たちの航空機というのはボーイングとそれからダグラスの後追いをしていった、したがって、いろいろ日本政府に誤解や何かもあって、これを何とか延期を図るように働きかけをした、そして延期がうまくいって結果的に成功したという証言の部分がありますね。この証言の部分に対応する行政指導というのは、これはやはり四十六年の二月の行政指導ではないかと思うのですが、どうですか。これは法務大臣。
#188
○稻葉国務大臣 それは私にはちょっと判断しかねます。捜査当局がそういう判断をしているのか、いないのか、聞いてみないとわかりません。
#189
○横路委員 そこで、どうですか、刑事課長、この証言に対応する行政のつまり指導でもって延期、延期というのを私たち、このエアバスに関連して調べてみると、延期をさしたというのはどうもこの部分しかないわけなんです。大体この部分だ。これは公表されている資料ですから、言っていいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#190
○吉田説明員 検察庁が現在いろいろ全日空関係につきましても捜査を行っていることは御承知のとおりでありますけれども、御指摘のような関係にコーチャン証言等があるのかどうか、その辺はまさしく捜査の内容に関連することでございますし、捜査当局がどういうふうに捜査の結果認定しているかということになりますので、そこにはいろいろな見方なり考え方があると思いますけれども、捜査当局がどういうふうに考えているかということについては、まことに恐縮でございますが、御勘弁願いたいと思います。
#191
○横路委員 この行政指導に関して金品のやりとりがあれば、これは職務に関して賄賂の収受ということになりますね。これはどうですか。
#192
○吉田説明員 行政指導にもいろいろございます。行政指導が法律に基づく場合あるいは法律そのものには明示してないような場合、いろいろあります。その法律も、組織法等に明示している場合あるいは行政作用法等に明示している場合、いろいろございますが、少なくとも法律の根拠に基づく行政指導ということであれば、御指摘の職務ということにまず当たると思います。
#193
○横路委員 それでは、たとえば通達を出すという、その通達の内容に関して金品のやりとりがあった場合と、それから今回のようにエアバスを四十七年導入というのを先に延ばせというような指導ですね。これは日航なんかの場合は、日航法という法律で、法律に基づく指導ですし、全日空の場合も多分これは運輸省設置法か何かに基づく指導だと思うのですけれども、そういうものに関して金品のやりとりがあった場合はどうですか。
#194
○吉田説明員 贈収賄罪の「職務ニ関シ」は、いわゆる法令上の根拠に基づく職務であれば間違いなくその「職務」に当たるわけであります。そのほかに職務に密接な関係のある行為というのが判例、学説で認められております。それがどういう形で認められるかというのは、いろいろケース・バイ・ケースだと思いますが、行政指導の内容、実態等を個々に勘案して決めざるを得ません。御指摘のエアバス導入云々に絡む問題につきましては、現在いろいろ捜査に関連することだと思いますので、具体的なものについてそういうことが成立するかどうかというのは、仮定の問題にいたしましても、この場合申し上げるのはまだ適当でないと思います。
#195
○横路委員 それは具体的な関係を明らかにしろということを言っているわけじゃなくて、たとえばロールス・ロイスが倒産をした、ロッキード社にとってみては、いま機種を決められたんじゃ外れてしまうから先に延ばしてもらいたいということを考えて、運輸省の関係者、その行政に責任を持っている人たちに対して金を渡した。で、そういう指導をしたという場合には、これはどうですか。だれとかかれとか人を言っているわけじゃないですよ。人を言っておるわけじゃなくて、そういう場合は、これはどうですか。これは成立するでしょう。
#196
○吉田説明員 ですから、その行政指導というのは法令上の根拠に基づくものであるのかどうか、さらに法令上の根拠はないにしても、その職務とどのような密接な関係にあるのかどうか、その点でありますので、一般的にそういう場合に贈収賄罪の「職務ニ関シ」に当たるんだということを、事実関係が明確でございませんと、どうも申し上げかねます。
#197
○横路委員 運輸省、全日空に対して四十七年の導入を四十九年にしてくれという延期の指導をしましたね。これはやはり運輸省設置法に基づく――日本航空の場合日本航空法ですか。全日空の場合は設置法に基づく、つまり法令に根拠を持った指導なんでしょう、これは。
#198
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 全日空の場合につきましては、運輸省の設置法に書いてございますが、文句を覚えておりませんが、航空事業の一般的に発達、改善、調整を図るためにアクションを起こすという権限がございますから、その一般的監督権に基づいてやったんだと思います。
#199
○横路委員 設置法と、それから航空法に基づいてやはり指導できると思いますね。違いますか。
#200
○高橋説明員 航空法は、エアラインがある飛行機を取得して、それを路線に投入したいという場合の許認可の権限でございますので、事前に指導するということになりますと、私はやはり一般的な監督権の方だと思います。
#201
○横路委員 終わります。
#202
○大橋(武)委員長代理 東中光雄君。
#203
○東中委員 最初に嘱託尋問の関係についてお聞きしたいのですが、ファーガソン裁定がああいう形で出まして、法務省としては、先ほどの答弁でも、アメリカの判例なり法制なりを十分研究してやったということでありますが、ああいう裁定が出る――裁定の内容ですよ。最高裁の規則ないし判例を停止条件にするというようなことが予想されておったんですか。
#204
○稻葉国務大臣 相談していませんからわかりません。私個人としては、予想しませんでした。法務大臣稻葉修は予想しておりませんでした。
#205
○東中委員 法務省としてはどうです。
#206
○吉田説明員 ああいう形のファーガソン裁定を予期していたわけではございません。
#207
○東中委員 法務省が十分研究をしてやったけれども、全く予想せぬ異例のものが出た、こういうことになるわけですが、それはその裁定が異例で、はなはだしく米国の法の解釈なりあるいは――これは裁定ですから、裁量の問題じゃなくて解釈の問題でありますから、そういう米国の法制を十分研究したけれども、全くそこから外れたような異例のものが出たということなのか、あるいは法務省の方で十分研究したつもりだったけれども、研究が全く肝心のところが抜けておったということになるかのどっちかだと思うのですが、どちらでしょうか。
#208
○稻葉国務大臣 私どもとしては、わが国の法制に基づいて検察庁に与えられた起訴便宜主義、起訴猶予の特権を与えるという通告をすれば、ややイミュニティーに近い制度であるから、恐らく、そういうふうに免責してくれるならば、コーチャンも証言に応じてくれるだろうと期待しました。また、応じない場合は、少なくともこれだけ日本は言っているんだから、しかもそれは私が閣議に報告して閣議の了承も得ている、いわば国家意思の決定でありますからね、それを軽く見て、ああいう最高裁判所の規則ないし判決がなければ引き渡さぬというふうにはならぬと、実は甘く見ていたと言えば、いまから見れば、甘く見ていたかもしれませんけれども、そういうふうに私は思っていたものですから、ああいう裁定になると私は予想しませんでした、こう申し上げたい。
#209
○東中委員 イミュニティーの制度が日本ではないわけですから、だから実質上の刑事訴追免除の約束なり保証なりをやった、それをやればいいと思っておったということですが、そのやり方ですけれども、きのう参議院の答弁では、東京地検の検事正の指示、命令ですかに基づく文書で出したということでありますが、どういうものを、どこあてに、どこから出したのか、明らかにしていただきたい。
#210
○吉田説明員 どういう文書を出したかということでございますが、検察の責任者である検事正から、そういう措置をとるということを文書ではっきり相手方に伝わるように措置をとっておるわけでございます。何分それ以上のことは――そういう措置を間違いなくとっておりますが、それをどこのだれに、どういうふうにということにつきましては、向こうの裁判の手続が何せ非公開の手続で行われておりますので、御勘弁願いたいと思うのでございます。
#211
○東中委員 向こうの裁判所当局に出したということは、きのう安原局長は答弁をしているわけですが、いまここではどこに出したということを言えないようなことをおっしゃいましたが、きのうそういう答弁をしておる。
 それで、なぜ検事正の名前でやったのかということをお聞きしたいのです。
#212
○吉田説明員 もちろん検察官は、検察庁法上独任のそれぞれの官庁でございますので、検察官自身ができるわけでございますけれども、その事件の取り扱いについて指揮監督権を直接持っている当該検事正においてするのが、最もその責任の所在を明らかにする意味において適切であると考えたからであります。
#213
○東中委員 私は非常に甘い考えを持っていらっしゃると思うのですが、検事正は検事総長の指揮監督に服さなければならないという日本の法制上のたてまえになっております。それからその検事総長も法務大臣の指揮命令に従わなければいけないという、これは例外にしろ十四条のただし書きであるわけです。しかもその法務大臣も閣議によって総理大臣から指揮監督される。これは日本の法制上そうなっているわけですから、検事正が約束しても、それに対して上から指揮命令で転覆することがこれはあり得るわけですね。だから、当然日本としては、閣議に基づいて検察庁の検事正なら検事正がとった処置を保証するという態勢を十分に明らかにしておくべきじゃないか。このイミュニティーの制度がないわけですから、ないんだけれども、それに実質的にかわるということであれば、これだけの重要な問題で、院の決議もあって、そして捜査も全力を挙げてやっておるという段階に、実際そういう了解を得ているなら、当然そういう処置をとるべきじゃないか、非常に甘いんじゃないかということを申し上げたいのですが、どうですか。
#214
○稻葉国務大臣 堀田、東条両検事からは、これは単なる捜査官と検事だけの意思ではないよ、これは内閣の了承も得ているんだから、日本の国家意思なんだということは、十分説明してあると私は思っております。もう少し形式を整えて、総理大臣からでも閣議決定だといって通知でもやればよかったという意味では、少し甘く見ていたという御批判が当たるかと思いますけれども、十分に説明はしているはずであります。
#215
○東中委員 その万全の処置をとっていないということを私は言っておるのであります。検事正名で書面でということを昨日は安原刑事局長は言っていますけれども、やはり書面でやった方がいいんだということだと思うのです。説明だけじゃ、それはあくまでも説明だけなんですから。日本の一つの国家意思として向こうの国家機関に公式に意思表示をするんだったら、これだけの重要な問題で、なぜそういう安易にするのか。それ以上のことがぽんと向こうから出てきたという段階ですから、少なくともそういう措置をとって、そして検察官が国家訴追主義をとっている刑訴二百四十七条のたてまえからいっても、こういう指揮監督権を持っている最高のところから、日本は全体として起訴しないということが確定しているんだ、そうすれば刑事訴追がされることはあり得ない、そういう刑事訴追免除の保証をちゃんとやれというのが、結局向こうの、コーチャンの方の主張でありますから、これは当然被告人の権利として、日本の場合でも黙秘権があるわけですから、そういう保証をすべきじゃないか。そういう態勢をとった上で、そして異例のこの裁定についての内容を明らかにして最高裁の意思表示をやるべきだというふうに思うのですが、いかがですか。
#216
○稻葉国務大臣 刑訴二百四十八条の起訴便宜主義に基づくあらかじめの免責通告権は検察庁の権限でございまして、内閣の了承を得なければそういうことをやっちゃいかぬという権限ではありませんね。したがって、私は報告をした、それを国家意思として閣議決定しなければ国家意思が決まらないのじゃなくて、法律上権限を与えられておる国家機関が決定したことは国家意思の決定だ、こういうふうに向こうがわが国の法制をよく調べてくれれば、閣議決定じゃないから国家意思の決定じゃない、そういうふうに文句をつける筋合いのものではなかろうと思いました。そこでああいう処置をとったわけでございます。
#217
○東中委員 二百四十八条によるあれは起訴便宜主義なんであって、それによってあらかじめ通知する権利なんというものは、別に規定があるわけじゃないわけですね。あらかじめ約束する権利なんというものはどこにも規定がないです。
 問題は、結局起訴猶予処分をするということについての意思決定ということなんだから、その行政処分をするについては指揮監督権を持っている最終のところまで行く。だから、検察官はやるけれども、それについて監督権を持っておれば、後からそれについていろいろやれるわけでしょう。指揮監督権者は指揮もできるわけでしょう。だから、検事正のやったことについてそれを保証するという立場を表明する必要があるのじゃないか。そうでなければ、後でひっくり返すことだってできますね、合法的に、日本の法制上は。検事正がそういう判断をしたけれども検事総長は別の判断をして、その先の時点になって指揮するということだってあり得ますね。逮捕したいと思ったけれども、指揮権を発動して逮捕させない場合だってあったんですから、そういう点をきちっとやるべきではないか。それが日本の法制上のたてまえじゃないか。その上で最高裁のそれについての決定をするということでなければ、この問題は解決つかぬのじゃないかということを私は言っているわけです。
#218
○吉田説明員 事柄が事柄で私から御説明申し上げるのは適当でないかもしれませんけれども、私どもの考え方といたしましては、検察庁の事件に関する処分については検察庁法に基づいて検察官の固有の権限で行うものである。それは検察庁の最高責任者である検事総長の指示、指揮を受けて行うものであるというふうに了解しております。そこで、それだからこそ検察の運営の公正が担保されるというふうに考えております。そこで大臣から申し上げたようないろいろ事後の措置をとったことにつきましても、この嘱託尋問の過程では、全部その点もすべて米側の検察官等から立証ができるように、その旨を伝えております。それで、そういうことがあったからこそ、証人の尋問実施は直ちに実施せよという決定に至ったものと私どもは了解しているわけでございます。
 問題は、イミュニティーという法制が日本にないこと、さらに、むしろファーガソン裁定の一つの主眼点は、裁判所がこれを何らかの形で保証するということ、政府当局ではなくて裁判所当局、司法当局がその点について何らかの保証をする、そういう措置を考えているものだと私どもは考えております。
#219
○東中委員 そんなことはわかり切っているんだ。そんなことを聞いているんじゃない。時間つぶしはやめてください。
 私が言うのは、検察官の指揮監督権を持っている最高の機関までそういう意思決定をすべきだ。対外的には検事正しかなってないじゃないですか、あと説明しているだけのことであって。そういうことになっているということについて指摘をしているのでありますから、それは法務大臣、どうですか。実際上は閣議了解という形でやられておることが、なぜ正式に向こうに出されていないのかということなんですよ。説明はしている、しかし検事正でやっているということでしょう。
#220
○稻葉国務大臣 わが国の免責特権の付与の処分は――免責特権、それはあらかじめやることが、それをすると違法か合法かということになるので、その点は合法であるという意思統一はしたのです。その点は合法である、あらかじめやってもいいと、二百四十八条の運用が誤っているものではない、こういう意思統一はしたのです。そうしてその上、検事正名をもって向こうの検事にあれして十分にこれは保証になっていますということを説明してあるわけですから、わが国の法制上それがすなわち閣議決定というんだったら、そういうことをやっちゃいかぬという決定もできるようになりますから、そういう閣議決定ではないですね、それは検察当局の独立性に対する政府の干渉になりますから。
    〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕
ですから、そういう法制になっているから、この検事正の通達は国家意思の決定の通達でございますということはわかっているはずだと思うのです。しかし、行政機関ではだめだ、アメリカのイミュニティーのようにやはり裁判所の判決ないし規則でやれ、こういうことになったわけですから、この時点でひとつこれからどうするかということを検討し、御協力を仰ぎたいと思います。
#221
○東中委員 わが国の法制に従って実質上の刑事免責をやるということを尽くして、そしてその上で最高裁がそれについてどういう判断をするかということになると思うのです。検察官の独立性に対する介入というようなことをいま言われましたけれども、検察官が決めたことについてそれについて指揮監督権を最終的に持っているところがそれを保証するということで、それを変えろということを言えと言っているわけじゃないわけですから、だから干渉とかなんとかという問題は全く起こらない。なぜそんなに、そうすることが抵抗されるのか。検事総長の名前でなぜやらなかったのかということなんですよ、そういうことを言っているわけです。時間がなくなるので、その点はよく考えてもらわぬと、まるっきり違う論のことを言っています。
#222
○稻葉国務大臣 よくわかります。
#223
○東中委員 それじゃ、そうされますか。
#224
○稻葉国務大臣 これからやり直すということ、もうああいう決定がありましたから、これからやり直すといったって、どんな効果があるか疑問です。ですから、私どもの落ち度といえば落ち度かもしらぬけれども、この段階ではひとつこれからどうするか、こういうことに御協力願いたいと思います。
#225
○東中委員 これからわが国の法制上でやれることは全部やって、それについてわが国の最高裁がどうするかということでなければ、わが国の法制上でやるべきことを全部やっておかないで、そしてわが国の法制上から言えば、全く異例のようなことにだけ限るというのはまずい。そのことももちろん、たとえば公訴権の乱用というような問題もあります。そういう点の見解を出すということも考えられますから、そういう点での万全の措置をとるべきではないかということを申し上げているわけであります。
#226
○稻葉国務大臣 しかと承知しました。
#227
○東中委員 時間がなくなるのですが、コーチャン氏は米議会では証言していますし、二月中旬段階ではわが国の野党の同僚諸君が行ったときも証言をする、政府間の合意があればやりますというふうに言っておった、それが今日のような抵抗をするようになったについては、いろいろな圧力がかかったんではないか。ところが、その圧力がこの国会の中から公然とかけられたということが言われているわけですね。たとえば全日空は会社としてロッキード社に対して、あのコーチャンの証言について今後の取引のことをも、要するに、会社の利害に関係することも含めて、それを背景にして抗議のようなことを言ったようなことをここで若狭証人なんかも証言していますね。あるいは丸紅が大久保氏が檜山会長の命を受けて行った、そして向こうに行ってコーチャンに直接会って、そういう証言をしたことについての非難をしていますね。二点にわたって非難をした、向こうは非常に恐縮をしておったということまでここで証言しておりますね。こういう動きですね。公然とまあいわば証人威迫のようなことが実際やられているのですよ。法務大臣がそういうことが推定されるというようなことを言われておりますけれども、そうじゃなくて、現実に乗り込んで、もうあの時点でやっているわけですね。やったということを公然と言っておるのです。あるいは告訴するということを盛んに言いましたですね。コーチャン証言についてコーチャン氏を告訴するということをここでずいぶん言いましたですよ、その後やっていませんけれども。そして、法律上のあらゆる問題を検討する、向こうに対応するのだ、こういうことを言っていますね。それから、日本の全日空、丸紅あるいは小佐野氏も同じようなことを言っています。そういう背景でいま来ているのだ、そういう状態がずっとこの四カ月余り五カ月近く続いているということについて、法務、検察当局としてはどういう処置をとっておられるのか。
#228
○稻葉国務大臣 そういうふうに捜査妨害の壁は非常に厚くございますけれども、その壁を突破してこそ初めてわが検察の威信も保たれ、それから政治の不信も回復できるわけでありますから、不退転の決意をもってその壁を突破しようと言うて、いま一生懸命やっているわけであります。
#229
○東中委員 証人威迫をやっている被疑者側の人たちが公然とそういうことを言っているのに対して、たとえば小佐野賢治は告訴云々ということを言いましたね、それでハワイの弁護士もいるので検討しているのだというようなことを言っています。そういうのを、まあ言えば一番オリジナルなもとの発覚点の証言に対してそういう態度をとっている。しかも、その証言でいけば、被疑者になる可能性のある人、それがそのままずっと数カ月間野放しにされているという状態について検察当局なり法務省はどう思っていらっしゃるのか。それは突破するという決意だというのは、これはいいですけれども、具体的に動いているのですよ。この間の毎日新聞のあの法務大臣のインタビューで、目白の辺から国際電話が何回もかかっているということの質問に対して法務大臣は「うーん。」と言って物を言わなかったというように書いてますけれども、そういう証拠隠滅あるいは証人威迫的行動に対して法務、検察当局の動きは決意だけであって、非常に野放しにしているような感じを受けると思うのですが、いかがですか。
#230
○稻葉国務大臣 私は野放しになどは断じてしてないと思いますがね。野放しにしているようだったら、まるで話にならぬじゃないですか。そういうことじゃありませんからね。相撲だって初めから横綱が出てくるわけではないのだから、初めは前頭の方からだんだんとっていくのですからね。捜査だってそんながちっと初めからいって、失敗したらそれっきりだから、だからじわりじわりと、じりじりとこういっているのだと私は思いますがね。そんなに御心配になることもない、しかし、なかなか壁は厚いから油断はできない、こういう心境でございますね。
#231
○東中委員 横綱というのはどういうのを横綱というのですか。――法務大臣の言われたことについてお聞きするのです。
#232
○稻葉国務大臣 このロッキード事件のどういうところに参謀本部があるのか、そういうこと、参謀総長みたいなもの、参謀総長みたいなものを横綱、こう言うのです。
#233
○東中委員 そうすると、参謀総長、参謀本部に必ず迫ると、こういうことですね。
#234
○稻葉国務大臣 迫るように一生懸命にいまやっているわけですな。したがって、そういういま捜査の一番大事なときですから、余り際どいことを聞かぬでください。
#235
○東中委員 法務大臣は際どいことを言われるからその内容を聞いているのであって、この前から、二カ月もあれば捜査は完結して、捜査本部は解散ということになるだろうという趣旨のことを言われておりますが、法務大臣の思っていらっしゃる捜査の完結というのは、どういう事態を完結と思っていらっしゃるのですか。
#236
○稻葉国務大臣 私どもの方の完結というのは、ロッキード事件の全貌の解明の時期よりは前なんですね。ロッキード事件の全貌解明というのは、政治的道義的責任もみんな解明したというときなんですから、それよりは前の方を言うのです。起訴、不起訴が決まったという段階を私は考えておりますが……。
#237
○東中委員 起訴、不起訴が決まったと言って、すると、検察庁がもう起訴する者はありませんと言うたら、それで完結になるわけですか。そんなばかなことは私はないと思うのです。丸紅を通じて六億二千万、それから全日空を通じて五千万、それから児玉にいわゆる工作資金が十七億入っている。いわゆる工作資金の行方は最終的にどこへ行ったかということを全部明らかにすることが、少なくとも一つの完結の目安になるのじゃないですか。その点はどうでしょう。
#238
○稻葉国務大臣 どこへ出たか、だれが受け取ったか、それさえわかれば完結ではないのですね。そしてそれをよく調べて、これはクロ、これはそうでないと、こういうふうにふるい分けができたときが完結、私どもの方では完結。刑事責任追及の活動のための捜査活動をする主役である私どもの方の完結はそこでございますな。
#239
○東中委員 いま申し上げた三つのルートのそれぞれの金額の最終的行き先が全部わかるまでは完結しない、全部わかっても、それだけでは完結しない、こういうふうに聞いてよろしいですか。
#240
○稻葉国務大臣 わかれば起訴するかしないかは決まりますね。そのときがまあ一応の完結。そのときは捜査本部はこれで解散ということになって、それが完結だと私は思います。その後、国会でどういう政治的道義的責任を追及されるか、そういうのを全貌の完結ということになるとそうですけれども、われわれの方はいま言ったような時期を完結と言っております。
#241
○東中委員 私ははっきりここでただしておきたいと思いますのは、十七億それから六億二千万及び五千万の少なくともその金の最終的行き先が全部判明しなければ、捜査本部の捜査が完結したとは言えないと、いうことを法務大臣ははっきりここで明言されますか。(稻葉国務大臣「します」と呼ぶ)――答弁してください。
#242
○稻葉国務大臣 それは、わからぬければ不起訴になっちゃうのですから、そのとおりでしょうな。
#243
○東中委員 先ほどの不規則発言で言われたことといま答弁されたことは意味が大分違いますので、そこははっきりと議事録に残るように確かめておきたいのですが、すべての金が最終的にどこへ行ったか、ロッキード社の意図を踏んだそれがどこへ行ったかということを最終的に決まるまでは捜査は完結しないと言うのか、あるいはある程度やったけれども、もうわかりませんと言うて捜査を完結するということがあり得るのか、そこのところを聞いているのです。調べてみたけれども、その金はどこへ行ったかさっぱりわからないということで捜査は完結したというようなことがあり得るとお考えになっているのか、あるいはその最終点までは必ず追及して、その上で職務上の問題とか請託の問題とか枉法の問題とかいろいろあります。その点はどうなんだ。その後のことは別にして、金自体について聞いているわけです。
#244
○稻葉国務大臣 その金の行き先をずんずん、ずんずん追及していって、わかればそれでよろしい。わからなければ、今後わかるような方法があるかどうか。今後幾らやったってわからないだろうとなれば、わからぬということを発表してシロ、こうなる。そうなりますよ。将来幾らやったってわからぬものをいつまでやっているわけにはいきませんから、これはだれが調べたってわからないのだ、そういうことで捜査打ち切りということもあり得ますよ。いま一生懸命やっているのだから、そういうわからないとき、わからないことだとか、いままではずっと答えてきましたけれども、だんだん捜査が核心に触れるに従って私の口は重くなりますから、御勘弁願います。
#245
○東中委員 法務大臣、いま非常に重大なことを私、言われたと思うのですよ。というのは、あなたは捜査終結は二カ月ぐらいということを言われているのですよ。解明は、これは解明をやってみなければわからぬわけでしょう。その行き先は全部解明するのだ。それでそれの意図なり、目的なり、性格なり、もらった人の立場なりということは、それは別に法律的な評価をしなければいかぬし、そのこと自体も捜査しなければいかぬけれども、少なくとも金の行方については相当程度判明したという答弁もありましたけれども、しかし相当程度なんであって、十分でもないし、全部でもないという段階ですね。それを全部詰めるのだということで捜査当局が踏んでいるはずなのに、完結は、途中で終わっても完結することがあるのだというようなことをいま答弁されたのですよ。これは重大なことになりますよ。そこでうやむやにしてしまう。わかりませんでした。結局いろいろ調べましたけれどもわかりませんでした。それで二カ月ぐらいたったら終結するというようなことだってあり得るのだということになりますから……。
#246
○稻葉国務大臣 入った金が一〇〇と、それで全部出たのか、入った人が道楽に使ったのか、あるいは何かに出さなかったのか、出したのは、大体調べた結果五〇なら五〇、その五〇はだれのところへ一〇、だれのところへ二〇とか、そういうことを全部わからない場合もあり得ると私は思います。抽象論だけれども、しかし大体のところは押さえた、こういうところで起訴、あとの五〇のうちの三つはどうしてもわからないというようなときに、その三つをいつまでもやっているわけにはまいらぬ場合があるのじゃなかろうかと、私個人はそう思いますが、検察当局はどんな考えでいるか、聞いてみなければわかりません。
#247
○東中委員 全面的に解明をするということで捜査当局は全力を挙げているのじゃないのですか。わからぬことも起こるだろうということで初めからやっているのだったら、そして二カ月ぐらいになったら終わるのだというふうなことを言っておったら、まさにこれはいわゆる世に言うロッキード隠しということになっちまうのです。黒い金はどこまで行ったのかということを必ず全面的に解明するということでやっているのじゃないのですか。
#248
○稻葉国務大臣 解明する決意でやっております。
#249
○東中委員 解明する決意でやって、そして解明し切ってこそ捜査が完結するのじゃないのですか。
#250
○稻葉国務大臣 そのとおりでございます。
#251
○東中委員 法務大臣の言う解明とは、その金の行方を必ず解明するということでなければ、途中でわからぬことがあったらもうそれでやめてしまうのだというふうなそういう姿勢で、そして終結の時期を二カ月というような予測をする、これは全く私は不謹慎きわまると思います。
#252
○稻葉国務大臣 途中の発言は少し不謹慎でございました。最後に申し上げたのが私の決意であり、本音であります。
#253
○東中委員 時間ですから……。
#254
○田中委員長 御苦労さん。
 坂井弘一君。
#255
○坂井委員 法務大臣の腹づもりとしてまずお伺いしておきたいのですが、臨時国会の召集時期と捜査終結とは絡みでお考えなのか。つまり臨時国会召集の時期を選ぶのは、捜査終結ということをやはり念頭に置いてその時期は選ぶべきであるというようにお考えでしょうか。
#256
○稻葉国務大臣 私は、なるべく早く適正に刑事責任の追及を突きとめる、こういうのが私の役割りでございまして、臨時国会をいつ開くなんというのは、私の決めるべき、申し上げるべきことではありませんから、そういう御質問にどうもお答えできかねます。絡みで捜査を急げとかなんとか、そんなかげんができるものではありません。
#257
○坂井委員 捜査終結後の存集を希望しますか。
#258
○稻葉国務大臣 ややそれに近うございます。
#259
○坂井委員 やや近い、腹組みとしてはおよそ察しましょう。
 一般論として伺っておきますが、捜査が終結した段階での不起訴資料の公表については、その法的根拠としては、憲法六十二条、国会法百四条あるいは議院証人法さらに刑事訴訟法四十七条ただし書き等により、これは当然の国政調査権の発動としてその公表は可能である、これはそうですね。
#260
○稻葉国務大臣 それはそのとおりでございます。
#261
○坂井委員 それでは、認識論ということでお伺いしたいと思いますが、今回の事件が、当初異例ともいうべき真相解明の国会決議がある、さらにそれを受けました三木親書、これはすべからく公表するという決意に立っておりますね。さらに、五党首会談の合意精神、それに基づくところの議長裁定、こういう異常ともいうべき今回の事件の真相解明への取り組みの決意、それから見まして、いま一般論として確認をいたしました国政調査権の発動は比較的容易である、こういう認識にお立ちになりますか。
#262
○稻葉国務大臣 議長裁定もあり、政府は最善の協力をすると、こういうふうに約束してあるのですから、契約書を取り交わしたようなものですから、そういう点では国会の国政調査権は政府の協力を全面的に得られるという点では発動しやすいというふうに、それはあなた方が本当はお考えになるべきことですけれども、そういうふうにお考えになりそうなものだと私は考えます。
#263
○坂井委員 確かにそういうように考えておるわけであります。
 この議論はこれといたしまして、四十七条のいわゆる訴訟に関する書類、この訴訟に関する書類というのは、起訴された事件の書類だけを指すのではなくして、不起訴あるいは起訴猶予等に関する書類をも含む、こう解してよろしいのでしょうね。
#264
○吉田説明員 そのとおりです。
#265
○坂井委員 法務大臣どうでしょうか。捜査終結します。参考人調書等もかなりな量に上るでありましょう。参考人調書あたりまで公表するというような腹づもり、どうでしょう。
#266
○稻葉国務大臣 議長裁定にもありますように、刑事訴訟法の立法趣旨をも踏まえてとありますから、そういう点になりますと、刑事訴訟法上許されるものであるか許されないものであるか、よく具体的の人物、何々の事項に当てはめてみないと、ここで抽象的に、腹づもりはそうでございますというふうに申し上げることは間違いになるのじゃなかろうかとおそれますね。
#267
○坂井委員 いま一点。これは法務大臣に申し上げておきたいと思うのですが、実は先般私どもアメリカに参りました。その際に、証券取引委員会のヒルズ委員長にいろいろ聞く中で、ヒルズさんがこう答えたわけです。私どもはロッキード社からの報告を早く公表する、ホワイトハウスも司法省などもこの報告をおくらせることはできない、ロッキード社は報告書提出期日の延長を求めてくるかもしれない、その場合は調査手続の進行状況の中間報告を求める厳しい態度をとる、ヒルズさんは毅然としてこういう態度を、あるいは決意をわれわれの前に披瀝されたわけであります。昨日の新聞等の報道によりますと、どうもおくれそうであるというようなことが報道されるわけでありますけれども、そうしたアメリカ側の出方に対しては私は少なからず、この問の常識的推論、推定の話じゃございませんけれども、また何らかのおくらせようというような働きかけがわが方から、事件の関係者等からあるのではないかというようなことを実は危惧するわけでありますけれども、そういうことは断じて許されないことでもありますが、いずれにしろ十月の中ごろにはロッキード社からの自主的な報告書が証券取引委員会の手によって公表される可能性というか、これは間違いなくそういうことになるわけですね。したがって、それまでの段階ではやはり捜査は終結する、当然しなければいけない。また、その段階において、その後さらに本委員会が政治、道義的責任の解明のために本格的に機能しなければならぬ、こう思うわけであります。特に大臣から答弁を求めようと思いませんけれども、いまのようなヒルズ委員長の決意なり、さらにそれに対するアメリカの、幾らかおくれるような、おくらせようというような、そうした動きに対して何か特に法務大臣として御所見なり何かのお考えがあれば、この際承っておきたいと思います。
#268
○稻葉国務大臣 ヒルズさんだとかそういう人は、どっちかと言うたら、事態の真相を解明しようという側、俗な言葉で言えば、つかまえる方の側ですから、それはそういう厳しい態度で攻めていくでしょうね。つかまえられる方としたら、やはり必死になって組んで網を破って、法網を破ってどうしても逃げてやろうという努力はするんじゃないでしょうか。それだからこそ非常に壁は厚くなってきておるんでなかろうかと心配して、しかし心配などをしておっては負けちゃいますから、それになおさらに決意を新たにしてこの壁を突破していかなければいかぬ、こういうのが私の所見でございます。
#269
○坂井委員 運輸大臣に伺いますが、昭和四十七年当時、あなたは自民党の航空対策特別委員会に御関係でしたか。
#270
○木村国務大臣 たしかそうだったと思います。
#271
○坂井委員 たしか四十七年の七月二十六日には委員から副委員長になられたようでございますが、四十七年の三月二十二日に開かれました自民党の航空対策特別委員会、運輸省側といたしましては当時の佐藤孝行政務次官あるいは航空局長、監理部長等も出席をされているようでございますが、この三月二十二日、大臣は御出席されましたか。
#272
○木村国務大臣 出席したかどうかは全然記憶にございませんが、何でしたら後で調べて御連絡いたしましょう。
#273
○坂井委員 じゃ、記憶として呼び戻していただければということでお伺いしますが、この席上、佐藤孝行政務次官が航空企業の運営体制についての説明をされたようでございますが、お聞きになった記憶ございませんか。
#274
○木村国務大臣 記憶はございません。
#275
○坂井委員 では、このときに日本航空が四十七年には国際線用のボーイング747を一機、これを沖繩線、さらに明けて四十八年には三機を国内幹線に転用したい、これに対しては反対である、こういう趣旨の発言がなされたということのようでございますが、大臣は御承知ございませんか。
#276
○木村国務大臣 反対であるというのは、だれが反対であると言ったということですか。
#277
○坂井委員 佐藤孝行政務次官であります。
#278
○木村国務大臣 全然記憶にございません。その会合に出ていたかどうか調べぬとわからぬぐらいでございますので……。
#279
○坂井委員 実はもう御承知のとおりでございますが、いわゆる全日空のエアバス導入時期決定の一つとしては、日本航空の国内線転用が早ければ四十八年、もし国内線転用がおくれた場合には四十九年、こういう計画で進めておった。したがって、これがおくれたということがトライスターL一〇一一の導入ということに重要な意味を持つわけでありますが、木村運輸大臣は、当時のこのような航空業界あるいは運輸省の一連の動き等について、木村運輸大臣御自身の意見としてはどうだったのでしょうか。何か御意見をお持ちであったんじゃないでしょうか。
#280
○木村国務大臣 当時航空対策特別委員に名前は連ねておったと思いますし、その委員会にも何回か出ておると思いますけれども、当時の大型機導入の問題については、私としては別に感想を持っていなかったわけでございまして、いま思い出しても何も思い出すことがないような状況でございます。
#281
○坂井委員 四十七年の六月二十六日付の自民党航空対策特別委員長福永一臣氏名の、いわゆる丹羽運輸大臣に出された文書ですね。これは自民党航空対策特別委員会として運輸省、運輸大臣に出されたものなのか、それとも言われるように佐藤孝行政務次官個人が出されたものなのか、その辺についても木村大臣は何ら関知していないので全くわからぬということでしょうか。それともその後何かお聞きになりまして、これに対するお答えがあれば、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#282
○木村国務大臣 どうも私はそういうことについて全然記憶がございませんし、わかりませんですね。
#283
○坂井委員 じゃ、質問を変えますが、四十四年の十月二十三日、例の全日空の渡辺さんが運輸省にやってきまして、そして報告をしました例のM資金に関するメモですね。それが捜査の、検察の方の手に渡ったということでありますが、大臣は検察庁の方に対して、この報告書、書類といいますかメモ、これを返してもらうなら返してもらうように要請しましょう、こういうことでございましたが、その後の経緯はいかがですか。
#284
○木村国務大臣 前回あなたからそういうお話がございましたので、早速検察庁の方へ返してもらえないかと照会をいたしましたところが、捜査上必要であるので返すわけにいかないという返事がございました。事務当局の方から委員部の方へは当時連絡をいたしておきましたのでお耳に入っておるかと思いますが、そういうことでございます。
#285
○坂井委員 それじゃ、その内容について全くまだ御承知ないと思いますのでお伺いいたしませんが、この融資問題に触れまして、当時の原田憲運輸大臣それから堀事務次官あるいは手塚航空局長に大臣直接事情をお聞きになりましたか。
#286
○木村国務大臣 私自身は聞いておりません。
#287
○坂井委員 一度よくお聞きになったらいかがでしょうか。そういう御意思はありませんか。
#288
○木村国務大臣 聞いてみましょう。
#289
○坂井委員 実は今回全日空の幹部三名が逮捕になりました。本来会社の会計に入れなければならない金が経理上処理されていなかったということのようでありますが、いろいろ内容を調査してまいりますと、この種の裏金づくりがほかでもなされたんではないかというようなことの疑問が幾つか実は出てまいりました。したがって、そうした裏金づくりの具体的な内容に入りたいと思うのですが、時間の関係ではしょってお聞きしますので、お答えもひとつ簡明にお願いしたいと思います。
 通常、エアラインとメーカーの問で価格交渉、これをする段階で、エアラインの方はできるだけ安く購入したい。値引きあるいはサービスを引き出す、これに努力をする、これは当然のことだと思う。また、これが調達関係者にとってはまさに腕の見せどころということでありますが、通常、エアラインとメーカーとの間での商慣習としてメーカーはエアラインにどのような値引きあるいはサービスをするのか、お答えいただきたい。
#290
○松本説明員 お答えいたします。
 航空機を購入する場合のメーカーとエアラインの価格交渉の詳細につきましては、実は私ども当事者でございませんのでよくわからないわけでございますが、一般的にどのようになっているのかという点につきまして、全日空のL一〇あるいは日本航空の747の購入に当たりまして私どもがエアラインから聞いた点に基づきまして御説明を申し上げます。
 まず、航空機製造メーカーが新しい機材を開発いたしますときには、こういうふうな機材である、いつごろまでに注文してくれればどのくらいの値段でいつごろ渡せます。こういうふうな非常に大ざっぱなことをまず言うようでございます。それによって、気のある航空会社は、じゃおれのところは大体買う気があるとか買う気がないとか、それじゃだめだ、もっとどうしてくれとか、いろんな注文をつける。そして、ある程度の数がまとまりそうだということになりますと、メーカーの方は大体その生産にスタートをかける、こういうところから始まるようでございまして、その時点ではまだ価格その他については全然かいもくわからない、非常に大ざっぱな数字でそのまま進んでしまうらしいのです。
 それから、先になってまいりまして、具体的にどうこうしようという段階になりますと、たとえば自動車の場合にもございますが、中古車を引き取る場合の下取りの価格に該当いたしますような中古機材の、何と申しましょうか、中古機の売却支援金と言うのだそうでございますが、こういうふうなものでございますとかあるいは宣伝費でございますとか、こういうふうなものをいろいろと持ち出してまいりまして、それを大いに値切るというのが、いま先生おっしゃるように、購買の係の仕事になってくる。それを直接航空機の単価から引くかあるいは別途の収入に計上するか、これは会社によっていろいろやりようがあるようでございまして、これが決まった習慣だというほど確立したものではないように聞いております。
#291
○坂井委員 要約しますと、幾つかありますよ。ありますが、主なものは大体三つ、PR協賛金、それからスペアパーツの無償提供、それからリタイアに対する奨励金、こういうものが通常の値引きなりサービスの内容であります。中身はこう答えてもらったら一番早い。PR協賛金は、もらわないことにすれば、これは裏金になります。スペアパーツの無償提供、これは買ったことにすれば裏金になる。それから、リタイアに対する奨励金、もらわないことにすれば裏金になる。こういうことであります。
 今度のロッキードのトライスター購入に際してどのようなサービス、値引きがあったか、運輸省お調べになりましたか。
#292
○松本説明員 先生いまおっしゃいましたような額につきましては、それぞれ契約の単価の中において減価の方向で計算をしておる、元値が幾らであるものを引いた、こういうふうに聞いております。
#293
○坂井委員 それを置いておいて、もう一つある。
 トライスターの場合、いま言った三つ以外にありませんか。三つ以外の特殊なものはありませんか。
#294
○松本説明員 シミュレーターというものが必要になってまいりますが、そのシミュレーターというものを買います価格の中の何がしかを何台かの機材に割り掛けて減価の計算の中に勘定しておる、こういうふうに聞いております。
#295
○坂井委員 了解。
 では、シミュレーター等を含めましていま私が申しましたような通常行われる値引き、サービス、それらについては当然会計処理上記帳され、計上されなければならぬものでありますが、それはされておりますか。
#296
○松本説明員 航空機の単価の中で勘定されておる、こういうふうに私どもは理解しております。
#297
○坂井委員 とんでもないですよ。PR協賛金は帳簿上処理されてなかったのでしょう。裏金でしょう。
#298
○松本説明員 先生のおっしゃいますPR協賛金というのは、どういう意味かちょっと私わかりかねる点もございますけれども、私どもが全日空の責任者から聞きました範囲におきましては、ただいま先生が列挙なされましたような額については、それぞれの単価の中からエスカレーションで上がる分と引く分と差し引き勘定の中に入れてある、こういうふうに聞いております。
#299
○坂井委員 三千万の金、トライスター売り込みのための追加分に対する宣伝費、これは入ってなかったのでしょう。
#300
○松本説明員 ただいま先生おっしゃいました三千万円につきましては、現在検察当局においてもいろいろお調べのことでございますが、私どもが承知しておる限りでは、これは追加の八機のプロポーザルはあったが承知していない、こういうふうに聞いております。
#301
○坂井委員 では、ほかの方で言いましょう。
 トライスター購入第一回六機分、これが四十八年の四月十七日に借り入れ申し込みをいたします、輸銀、一億一千二百万ドル。これに対する貸し付け承諾が二日後の十九日に同じく一億一千二百万ドル。これで承諾しながら実際の貸付額が一億四百八十六万四千ドルに減りました。計算上の差額は七百十三万六千ドルであります。そこで、借り入れ申込額とその承諾額がいま言いました一億一千二百万ドルでありますが、これはいわゆる八〇%に相当する額である。したがって、総額は一億四千万ドル、こういうことになろうかと思います。違ったら違ったと言ってください。ところが、実際の貸付額が一億四百八十六万四千ドルと下がりました。この下がった貸し付け実行額がこれまた八〇%だと思います。そうであるならば、総額は一億三千百七万五千ドルになるはずであります。そういたしますと、一億四千万ドルから一億三千百七万五千ドルを差し引きましてその額は八百九十二万五千ドル、こうなる。この内訳はと言いますと、二つある。一つは仕様変更による価格の調整であります。いま一つは値引きであります。これが八百九十二万五千ドルという差額に対する主たる内訳であります。
 そこで、この仕様変更による価格の調整と値引きとがそれぞれ幾らであるか。なお一点、二番目の値引きにつきましては、まことに特殊な値引きがあったということをあなた方は調査の上つかんでいらっしゃるかどうかについて伺いたい。
#302
○松本説明員 いま先生、しさいに数字を挙げて御指摘があったわけでございますが、私どもその借り入れ契約額のもとがどうでそれがどうなったか、総額的なものを、いま私ちょっと手元に集計したものを持っておりませんので、先生のおっしゃいました数字に突き合わせてお答えを申し上げられないのが大変申しわけないのでございますけれども、特殊な値引きというふうな点で何があったか、こういうことでございますが、一般的に頭割りの値引き、中古機の売却支援、広告賛助金、シミュレーター分、こういうふうなものが値引きの中に入っておるというふうに私どもは承知をいたしております。
#303
○坂井委員 法務省に伺います。検察。
 トライスター購入の場合の値引きにつきましては、他のエアライン、他の航空機には見られないようなきわめて特殊な値引きが行われておった。この特殊な値引きというものは今回の黒い金づくりにこれまたきわめて大きな意味合いを持つ。この特殊な値引きとは何ぞやというわけで、この内容等にわたって調査を進められていると思いますが、いかがでしょうか。内容は聞きません。そういう点に着目をして、これは非常に重要なことであるという観点から、御調査はされておるでしょうか。
#304
○吉田説明員 御指摘のような点も含めて捜査を鋭意行っていると思います。
#305
○坂井委員 終わります。
#306
○田中委員長 河村勝君。
#307
○河村委員 法務大臣、あなたはさっき坂井委員の質問に対して、臨時国会を開くとか開かぬとかいうことは自分には関係のないことだ、こうおつしゃいましたね。ところが、先ほど私が三木総理大臣に捜査が終結をした段階で政治的道義的責任を明らかにする場、それは当然臨時国会においておやりになるでしょうねと言ったら、三木さん、一回、そうですと言っておいて、あなたが横から休会中のときもありますなんて言ったもんで、また言い直して、休会中のときもありますと、あなたの言うことに従って発言をしましたけれども、これはあなた、何か意味があっておっしゃったのですか。
#308
○稻葉国務大臣 別に深い意味はありませんが、政治的道義的責任の追及は臨時国会においてやる、こう三木総理が答弁されますと、その臨時国会開会前に道義的政治的責任の追及をしなければならない時間がきた場合は、国会が道義的責任の追及をするあれはないというふうに聞こえては亜いから、その場合はこの特別委員会が閉会中道義的責任の追及の場になっているのですから、こういうことを申し上げたら、そのとおりおっしゃったわけで、別に深い意味とか策略とか、そういうことはありませんね。
#309
○河村委員 いや、私が言ったのは、当然、重要なことだからそのときは臨時国会を緊急にお開きなさいという意味で言ったんで、それをあなたがよけいなことをおっしゃるもんで変なことになりましたが、しかし、逆に言えば、あなたの見通しとして、臨時国会は通常八月中旬ごろ開かれるというふうに予想されておりますね。すると、捜査の終結の段階というのがそれよりもっと早く来る可能性が相当ある、そういうことを含んでおっしゃったわけですか。
#310
○稻葉国務大臣 そういうことはわかって言っているわけではありません。それより早く来るとか、それより遅くなるとか、そういうようなことを私わかって言っているわけではありません。
#311
○河村委員 しかし、遅くなることはこれは話が別で、わざわざ休会中の場合もあるとおっしゃったのは、これは当然早くなる場合もあり得るとお考えになったから、横から口をお出しになったのでしょう。そうじゃないのですか。
#312
○稻葉国務大臣 ある点を予想して、臨時国会の召集ということは、臨時国会はいろいろな案件があるから、いろいろな準備もあって、このころだろうというふうに決まるのでしょう。そのころより早くなった場合、道義的責任の追及の場が臨時国会が開かれていなければできないような話になっては困るから、それはこの特別委員会でおやりになる場がありますと、こういうことだけ、申し上げたので、他意はありません。
#313
○河村委員 いや、他意があって結構なので、わざわざ横から三木さんの発言を制止されたからには、こういう嘱託尋問等のおくれがあっても、捜査当局としては大体捜査終結の段階が八月早々には来るであろう、そういう可能性も十分予測しての上でおっしゃったのであろう、私が言ったのはそういう意味なので、それは他意でも他意でなくてもよろしいけれども、その程度の見通しがあるからおっしゃったのだ、そういうことですね。
#314
○稻葉国務大臣 そういうことではございません。
#315
○河村委員 それなら、あなたよけいなことをおっしゃらなければよろしいので、それなら、おっしゃった意味がないじゃないですか。
 それでは、早く終結する可能性は全然ないとおっしゃったのですか。
#316
○稻葉国務大臣 全然ないとは思っておりませんけれども、それは全然わからぬですもの。わからぬ場合に、臨時国会が開かれていないときに道義的政治的責任の追及の場がまるでないような答弁になっては困ると思って言うただけの話です。
#317
○河村委員 先ほどから議論になっております最高裁による刑事免責保証、先ほどこれも三木さんにお尋ねをした際に、どうしてもだめな場合には、だめだという場合を想定をして、それで緊急の立法を考えたらどうだということに対して、そいつは考えない、いま考えておらぬということでありましたが、であるからには最高裁の規則か判例かは別といたしまして、何かそれに準拠して対応策ができるということを大体予測をしておられるのかどうか、それを伺います。
#318
○稻葉国務大臣 対応策ができそうなものではないかと、強い希望を持ちつつ予測しておるわけです。
 なお、東中さんの御質問の終わりました段階で、事務当局から連絡がありましたから、御報告をいたします。
 ファーガソン裁定と最高裁の規則または判決の関係につきまして、本日最高裁当局に対し、法務省安原刑事局長から、規則制定等に関し検討方を依頼いたしました。
 いい報告を申し上げます。
#319
○河村委員 大変結構です。
 それで、これは検察庁の起訴便宜主義との関係で、どういう規則ができるかはこれからでしょうけれども、仮に裁判所の運営規則によってつくる場合には、それは起訴便宜主義と抵触せずに、たとえば起訴、不起訴にかかわりなく、この司法共助という特殊なものについては裁判所が特に刑事免責を与えることができると、そういうようなつくり方をすることは可能なんですか。
#320
○吉田説明員 かなり法律的な、技術的な問題でありますので、私からお答えいたします。
 御指摘の点は一にかかって、まず言うまでもなく、裁判所御当局がその権限においてお決めになることでございますので、本来私どもがとやかく言うべき筋合いではないのでございますが、やはりこのいま問題になっておりますのは、向こうのイミュニティーの制度との関係でいろいろ問題になっておるわけであります。それが規則事項に親しむのかどうか、あるいはそうでないとすれば、何らかの裁判所に措置がとれるのかどうか、そういう点についてはただいま大臣から報告いたしましたように、いろいろ裁判所当局でも、私どもの検討依頼に基づいて検討されると思います。
 この点につきましてはいろいろな考え方があると思います。私どもは私どもなりに、先生おっしゃいましたようなアプローチの仕方もできると思いますし、また違う角度で、イミュニティーというのはいろいろな多面的な制度でありますので、証拠の禁止というような問題もあります。そういうようないろいろな角度からこの問題は検討できることだと思って、一つの角度からだけではなくて、いろいろな角度から検討できることではないかと思っておりますが、最終的にはもちろん裁判所当局がお考えになるべきことでございます。
#321
○河村委員 法務大臣、結構ですよ、お帰りください。
 それから運輸大臣――これはだめだな、あと二分しかないから、これはやっても半端になりますからやめましょう。
#322
○田中委員長 ちょっと木村大臣から発言がございます。木村大臣。
#323
○木村国務大臣 前の坂井委員の、四十七年の三月二十二日のわが党の航空対策特別委員会におまえは出席したかどうかというお問いでございますが、いま調べましたら、出席いたしておりません。
#324
○田中委員長 次回は、八日、明日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開きます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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