くにさくロゴ
1975/08/18 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第23号
姉妹サイト
 
1975/08/18 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第23号

#1
第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第23号
昭和五十一年八月十八日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 中村 弘海君
   理事 松永  光君 理事 田中 武夫君
   理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君
   理事 坂井 弘一君
      上村千一郎君    内海 英男君
      小山 長規君    佐藤 文生君
      菅波  茂君    瀬戸山三男君
      古屋  亨君    渡部 恒三君
      稲葉 誠一君    大出  俊君
      楢崎弥之助君    松浦 利尚君
      庄司 幸助君    野間 友一君
      鈴切 康雄君    河村  勝君
      永末 英一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 福田 赳夫君
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      井出一太郎君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 坂田 道太君
 委員外の出席者
        防衛庁参事官  岡太  直君
        防衛庁長官官房
        長       亘理  彰君
        防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
        防衛庁装備局長 江口 裕通君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        大蔵省理財局長 岩瀬 義郎君
        通商産業省通商
        政策局次長   間淵 直三君
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月十八日
 辞任         補欠選任
  三浦  久君     野間 友一君
同日
 辞任         補欠選任
  野間 友一君     三浦  久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 去る八月十二日の委員会において小佐野賢治君を証人として出頭を求めることに決定をし、その出頭の日時については委員長に一任されておりましたが、委員長は、来る八月二十五日午前十時三十分、出頭を求めることにいたしましたので、この段御了承願います。
 なお、衆議院規則第五十三条の規定により、その手続をとることにいたします。
     ――――◇―――――
#3
○田中委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。まず楢崎弥之助君。
#4
○楢崎委員 まず田中起訴について、その内容を若干明らかにしていただきたいと思うわけです。
 まず第一番に、この五億円の賄賂というのは、田中側の方から要求されたものなのかどうか。
#5
○安原説明員 ただいまお尋ねの点は、公判廷において検察官が賄賂授受の状況について立証していく事柄でございますので、現段階で申し上げるわけにはまいらないことを御理解いただきたいと思います。
#6
○楢崎委員 起訴状によりますと、田中前総理の職務権限の問題についてこのように述べておるわけです。「内閣の首長たる内閣総理大臣として、内閣を代表し行政各部を指揮監督するなどの職務に従事し、航空運送事業の事業計画の変更等の業務に関する許可、認可及び右事業の発達、改善、調整など運輸省所管事項全般に関する職務を統括する運輸大臣を指揮監督する職務権限を有していた」、こうなっておるようです。
 そこで、「運輸大臣を指揮監督する職務権限」となっておりますけれども、具体的には運輸大臣に対してどのような働きかけと申しますか、影響力を行使する行為があったのか、それをお伺いしたい。
#7
○安原説明員 公判請求書記載の公訴事実に明らかになっておりますように、総理大臣の職務権限に基づいて全日空がトライスターを採用するように尽力してもらいたいという請託を受けたということを公訴事実は明記しておるわけでありますが、その請託を受けてどのような働きがあったかというような事柄につきましても、先ほど申しましたように、公判の過程におきまして明らかにしていく事情でございますので、検察官の公判対策あるいは裁判官に対する予断排除という意味において、いまの段階で申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
#8
○楢崎委員 それでは、具体的に影響力を及ぼす行為があったかどうかをつかんでおられるのかどうかだけ、内容は別として、お伺いします。
#9
○安原説明員 きわめて抽象的に申し上げますならば、請託を受けたという事実は明らかでございまして、そしてその後トライスターが導入されたことについて報酬としての賄賂を受けたということも事実でございますが、どういう具体的な影響力を行使したかということは、先ほどお答え申しましたように、いまの段階では答弁することを差し控えさせていただきたいとお願いをする次第でございます。
#10
○楢崎委員 その行為をつかんでおられるかどうか、それも明らかにできませんか。
#11
○安原説明員 請託を受け、それだけの対価をもらう背景事情はあったということは事実でございます。
#12
○楢崎委員 当然、具体的な工作の行為も捜査しておられる、このように思うわけですが……。
 木村運輸大臣はどうなっているのでしょうか。
#13
○田中委員長 いま急ぎ連絡します。ほかの質問を……。
#14
○楢崎委員 では、その間ちょっと質問を続けます。
 安原局長のお答えは十分わかるのですけれども、このことはどうなんでしょうか。工作が運輸省、まあ運輸大臣に行われたかどうかというのをいま私は聞いたのですけれども、では、全日空の方に直接工作、影響を及ぼした行為があったかどうか。内容は別として、あったかどうか。その点も当然捜査されておると思いますが。
#15
○安原説明員 運輸大臣に対する関係についてお答えいたしかねたと同じ事情で、全日空に対して具体的にどういう働きかけがあったかどうかというようなこと自体もお答えいたしかねるわけでありますが、先ほどきわめて抽象的に申しましたように、請託を受けて対価を受領するだけの背景事情はあったということでございます。
#16
○楢崎委員 運輸大臣の方はどうでしょうか。大臣のほか、運輸省全然いま来ておられませんか。――それでは木村運輸大臣が見えてから具体的な問題に触れたいと思いますけれども、この起訴状に関する点でもう少し運輸省関係の問題をお伺いしたいと思うのです。
 一般的に言って、ここに「航空運送事業の事業計画の変更等の業務に関する許可、認可及び右事業の発達、改善、調整など運輸省所管事項全般に関する職務を統括する」のが運輸大臣である、こう書いてありますね。そうすると、具体的にトライスターの一号機に関してお聞きしてみたいと思うのです。
 運輸大臣は具体的にこういう権限を持っている。それでは、まず運輸大臣は具体的にどういう仕事をするのか。トライスター一号機の輸入に関して、具体的にどういう行為をするのか、運輸大臣は一般的に、航空機の輸入とも絡んで、どういう権限を有しておったか、それをお伺いします。
#17
○安原説明員 運輸大臣がどういう仕事をするのかということについては、むしろ運輸大臣あるいは運輸省当局からお聞きを願いたいと思いますが、公訴を提起した捜査当局として、民間航空会社の使用機の選定に関して、運輸省、運輸大臣としてなし得ることは何かというようなこと、あるいはどういう関係があるというふうに理解しておるかということを、できる限りこの公訴事実に関連して申し上げたいと思います。
 もう御案内のとおり、運輸省の設置法は二十八条の二におきまして航空局の所管事項を定めております。その第一項の第十三号といたしまして、航空運送事業云々に関する「免許、許可又は認可に関すること。」というのが所管事項の一つであり、同項の第十七号といたしまして、「所掌事務に関する事業の発達、改善及び調整に関すること。」というのを定めております。この後に読み上げました十七号の「所掌事務に関する事業の発達、」−航空事業は所掌事務に関する事業でありますが、航空事業の「発達、改善及び調整に関すること。」という航空局の所管事項が定められておりますが、このいわゆる広い意味での所管事項の規定によりまして、航空行政上必要とあれば、民間航空会社が使用する航空機の機種の選定について指導とか勧奨とかいう行政指導を行う根拠がここに存すると考えられるわけでございます。それはあくまでも行政指導でございますから、この航空機を選定しろという指示、命令をするわけにはまいりませんが、行政指導として任意的にそれに従うように勧奨、指導するということは、この所管事項によって根拠があるというふうに考えられるわけであります。
 さらに、民間機の選定につきましては、航空法は第百条におきまして、定期航空運送事業の免許を受けようとする者は、事業計画等を申請書に記載して運輸大臣に提出しなければならない旨が定められておりますとともに、同法施行規則の二百十条一項八号におきまして、その事業計画中には「使用航空機の総数並びに各航空機の型式及び登録記号」が含まれることが定められておりまして、なお同法の百九条一項におきまして、このような事業計画、したがって型式の変更を含めまして「事業計画を変更しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。」というふうに定められておるわけであります。
 そういう意味におきまして、民間機の選定について、必要とあれば行政指導を行うことができ、そしてその型式を変更した場合には、民間航空会社は運輸大臣にその変更について認可を得なければならないという意味において、許可、認可の権限を運輸大臣は持っているということが、民間航空機の選定に関する運輸大臣の所管事項として考えられるところでございます。
#18
○楢崎委員 そうしますと、こういうことですね。トライスターの一号機に関してしぼって言いますと、まず全日空から輸入申請を通産省に出しますね。通産省は運輸省に問い合わせますね。そこで運輸省がオーケーするかどうかという問題がまず最初出てきますね。これが具体的には、トライスターの一号機に関する限りは四十八年三月八日にオーケーが出ておる。輸入推薦証明が出されておる。それから次に、いまおっしゃったとおり、事業計画の認許可関係がある。これは機材についてあるいは路線等についてある。その機材はつまりトライスターにするかどうかという問題でしょう。具体的には、トライスターの一号機については四十九年三月二日にこの機材の認可が出ておる。そして順序を追って言いますと、それから今度は耐空証明が要る。
 耐空証明は法的な関係はどうなっておりますか。――では、運輸大臣が見えてからお聞きすることにしましよう。
 要するに、私が言いたかったのは、運輸大臣が来たら確認をしたいと思うのですけれども、運輸大臣のトライスター輸入に関する職務権限行為の具体的な内容を明らかにして、それが明らかになれば、その具体的な運輸大臣の行為についてどの問題に関して田中前総理が工作をしたのか、あるいは影響力を及ぼしたのか、そういう点をお伺いしたがったのです。
#19
○安原説明員 いまお尋ねの耐空証明につきましては、航空法の第十条に「運輸大臣は、申請により、航空機について耐空証明を行う。」という規定がございます。
#20
○楢崎委員 それでは、いまの点に関連することは運輸大臣が見えてからお伺いをいたします。
 田中前総理が受領した五億円、これは田中金脈の中でどのように扱われたのか、また、これがどのように消えていったのか、その解明は終わっておるのですか。つまり、田中前総理から先の問題ですね。
#21
○安原説明員 五億円の、受領した金の性質を究明するという意味におきまして、それがどう使用されたかということも、その性質の認定の上で関係がございますので、その必要な限度において取り調べたと聞いておりますが、その内容については申し上げるわけにはまいりません。
#22
○楢崎委員 そうすると、一昨日起訴を発表されて、高瀬東京地検検事正など捜査当局の首脳が記者会見をされたですね。その中で、田中が受け取った五億円の使途については、いまのところ犯罪として成立するものはない、田中に関する限り、本日の処分以外に新たな容疑は浮かんでいないという内容の見解が記者会見で出されている。ということは、一応田中から先の問題の解明は終わっておるけれども、その点については犯罪行為はない、そういう判断をされたという意味でしょうか。
#23
○安原説明員 結論におきましては、おっしゃるとおりでございまして、使途について調べたが、犯罪の容疑を抱くに至らなかったということでございます。
 なお、昨日参議院でもお尋ねを受けましたが、考えられる事柄として、政治資金規正法の違反とかあるいは税法違反とかいうようなことのほかに、さしあたり外国人からの番付の受領でございますので、選挙に関しということでありますならば、同時に公職選挙法の違反ということも問題になるわけでありまするが、選挙に関するというようなことにつきましても、その犯罪の容疑は抱かなかったというふうに報告を受けております。
#24
○楢崎委員 そうすると、つまり田中から先の問題についてはもう捜査は打ち切りだ、こういうことでございますね。
#25
○安原説明員 犯罪の容疑を抱かなかったということでございますから、一応打ち切りということになろうと思います。
#26
○楢崎委員 法務大臣にお伺いをいたしますが、これは私どものいろいろ調査をした範囲内あるいはわれわれの常識として、田中が受け取った五億円というのが本人の蓄財に使われたとはなかなか考えにくい。恐らく派閥の強化あるいは選挙等に使われた可能性があると見るのが普通ではないでしょうか。だから、田中から先の流れを解明するということは、実は立法府としては見逃せない問題です。なぜならば、その田中から先の金の流れを究明することが、いわゆるこの問題の構造性の一部、いうところの金権、金脈政治構造の一部を明らかにすることに通じますから、立法府としては、これは見逃すことができないのですね。そういう点について、この五億円の金が田中どまりで、それで田中にすべて責任がかぶさっていく、それで終わるということについては、私どもどうしても納得しがたいものがございますが、その点、法務大臣はいかがお考えでしょうか。
#27
○稻葉国務大臣 前総理に入った五億円がどういうふうに使われたかはわかったが、それが犯罪を構成しない。犯罪は構成しないというのですから、捜査当局としてはこれ以上のことはできませんが、国会としてはまさに、何かそういうのを政治的道義的何とかと言うのじゃないでしょうか。
#28
○楢崎委員 大体私のお聞きした、また考えておる線のお答えだと、このように思うわけであります。やはりこういう点が疑問として、この田中に渡った五億円の賄賂問題についてまだ残されておるということ、これを確認しておきたいと思うのです。
 それから、いろいろまだ疑惑の点が残っておる。たとえば、私どもは、これは日米政界合作の汚職ではないか、体制的な汚職ではないかという点も問題にしておるわけです。ところが、田中から先の流れが究明されないということになりますと、この辺が日米政界合作の汚職ではないかという点に踏み込めない、そういう可能性が残る。特に四十七年八月二十三日の請託が行われたという田中・檜山会談後に例の日米ハワイ会談があったわけですから、一体この外交交渉のベールの内側でどのようなことが行われたのか、これも解明しなければやはりこの問題の本質に迫れない、このように思いますが、どうでしょうか。
#29
○稻葉国務大臣 なかなかむずかしいですが、まあ刑事事件の問題を超えた外交問題のように思いますがね。刑事事件として成り立つかどうかを検察が調べる、捜査するという対象を超えた問題ではないかと思いますけれども、正確には、それが捜査の重点だと警察当局は考えるのかどうか、その辺のところは正確に刑事局長に答弁させます。
#30
○楢崎委員 もう少し私の質問を敷衍しますと、この五億円の授受の問題と四十七年九月のハワイ会談との関係ですよ。つまり、ハワイ会談の位置づけと申しますか、この五億円授受との関係、そういう意味でハワイ会談は私どもは重要であると見ておるわけです。したがって、このハワイ会談の内容というものが当然捜査の対象になっておると思うのですが、その点は解明されましたか。
#31
○安原説明員 この収賄罪の事実を確定する上におきまして、被告人檜山からの請託、その内容、時期、それから、そのような請託が行われた背景事情等は、必要な限りにおいて調べたと思っております。
#32
○楢崎委員 この辺も明確にされないと、この事件の構造性と申しますか、そういう点が明確にならない。したがって、私ども立法府としては、捜査当局は刑事責任を追及する一つの任務がありますね、それが終わっても、構造性の解明という点についてはずいぶん立法府としてはやらなくちゃならぬ仕事がたくさんあるわけですね。そういう点で、今後そういう点の立法府の解明について、法務大臣、協力していただけますか。
#33
○稻葉国務大臣 たびたび申し上げますように、そういう点についての国政調査には、刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて、最善の協力をすることになっております。それが私の義務だと思っております。
#34
○楢崎委員 井出官房長官がお時間がないそうですから、三木総理の御出席をお願いしたのですけれども、出席が可能でございませんので、その点について官房長官にお伺いをしたい。ちょっと質問がばらばらになりますけれども、出席大臣の都合があるものですから、こういうことになるのです。
 三木内閣としては、一体このロッキード事件の解決とは、どういうことを明らかにしたら解決されたと見ておられるのか、その点についてどのように思っておられますか。真相解明ということはしょっちゅう言われておりますけれども、ロッキード事件の解決というのは、真相解明がまず前段に来て、それだけではないと思うんですね。どのようにこのロッキード事件の解決をしようと思っていらっしゃるのですか。
#35
○井出国務大臣 私がどうも的確なお答えができますやいなやおもんぱかっておるのでありますが、まあ、連日、当委員会においても真相解明の御努力を続けていてくださいますし、検察当局はこれまたその職責に立脚して非常な努力を払っておる次第でございます。
 まことに不幸な事件でございまして、これを単に真相の解明だけでとどめるべきではない、これを一つの大きな教訓として反省のよすがにしなければならない。しからば、その具体的な方途いかんということに相なるわけでありましょうが、特に政権を担当してまいりました自民党といたしましては、長い間の惰性もございましょう。そういう点にもメスを入れまして、党自身が体質の改善をして、この教訓が本当に実りあるものにしなければならぬ。同時に、日本の政治自体がこれによって大きな衝撃を受けておるということも事実でございますから、真の民主政治を確立せしめるための、総理自身もよく言うように、たとえ傷つくことがあってもこれを乗り越えなければならぬ、こういう趣旨のもとに日本の政界あるいは官界、財界等に及ぶ広範な粛正の実を上げなければならぬ、おおよそこのように考えるわけであります。
#36
○楢崎委員 では、その具体的なこの種事件の再発防止についての対策と申しますか、制度改革の立法措置なり、具体的に検討を進められておるのですか、三木内閣としては。どうですか。
#37
○井出国務大臣 まだ真相解明の途上にあるわけでございまして、これのまず解明が前提でございまして、その基礎の上に諸般の改革をしなければならぬであろう、したがってまだ具体的にどうするんだというものをお示しできる段階ではございませんが、たとえばウオーターゲートの教訓にかんがみて改革法案などがアメリカにおいても議論をされておるようでございまして、こういったものも一つの研究課題にしてしかるべきであろう、このように考えておる次第でございます。
#38
○楢崎委員 三木内閣の手でそこまでやる決意ですか。
#39
○井出国務大臣 仮に困難はあろうとも、そういう姿勢でただいま一貫しておるところでございます。
#40
○楢崎委員 そうすると、大体そういう具体策を三木内閣の手で示すというめどというのは、一体いつごろを考えておられるのですか。
#41
○井出国務大臣 先ほど真相の解明が前提になると申し上げておりますとおり、やはり若干の時間はかかる、いまその時点をお示しするという段階ではございません。
#42
○楢崎委員 あと、福田副総理がお見えになってからいろいろ伺いたいと思いますが、一点だけ。
 せんだってもわが党の松浦委員が質問したところですけれども、とにかく十一月十日に天皇在位五十周年記念が行われる。だから、十一月十日が選挙のさなかになることは絶対ないですね。その点はどうですか。
#43
○井出国務大臣 これは参議院でございましたか、福田副総理が、その時期は静穏なる時期として迎えたい、こういうように私、聞いておったのでありますが、それが望ましいことである、こう考えております。
#44
○楢崎委員 そうすると、具体的には十一月十日の前に選挙が終わっておるか、あるいは十一月十日を過ぎて選挙が始まるか、どちらかだと思うのですね。三木内閣の大番頭としての官房長官は、その前が望ましいと思われますか、後が望ましいと思われますか。
#45
○井出国務大臣 これは十一月十日といいますと三月近くまだ先のことでございますし、それから、これはなかなか機微にわたる問題でございますから、これは楢崎さんは百も承知で、私にその問いをされても無理であろうと、まあお察しをいただいておるだろうと思うのでございますが、その辺はひとつよしなに御了察を願いたいと思います。
#46
○楢崎委員 冗談じゃありませんよ、百も承知なんて。私は全然わからないから聞いておるのです。恐らく三木総理以外の方はわからないんじゃないですか。どうなんですか。わからないから――しかし、これは非常に重大なところなんですね。
 国務大臣としての稻葉さんはどうお考えですか。前にもうすべて終わった方がいいとお考えですか、後になってもやむを得ぬというお考えですか。
#47
○稻葉国務大臣 またそういうことを聞いて私が物をしゃべると問題になるのです。そういうことは、要らぬ問題をまくことは、国務大臣として慎まなければならないことであります。
#48
○楢崎委員 どうも昨日の閣議の模様が報道されておりますけれども、なかなか法務大臣に影響を与えておるようですが、あとは福田副総理に聞きますからよろしゅうございます。
 航空局長はお見えですか。――では、先ほど質問しておる点を続けたいと思うのですが、運輸大臣が具体的にトライスター一号機について職務権限として行った行為はどういう行為がありましたか。
#49
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 運輸大臣としてと申しますか、運輸省の職務としてしたことを申し上げますと、機種選定は企業で行うことでございますので、企業側がこういった機種に決めるということをするわけでありますが、その後でわれわれの関係が出てくるわけでございます。まず、企業が通産省に対して、こういう飛行機を輸入したいという申請を出すわけでございます。これは貿易関係の方の手続でありますけれども。そういたしますと、通産省の方から運輸省に対しまして、こういう申請が企業から出てきたけれども航空政策上異存はないかということを聞いてまいるわけでございますが、当方の事務当局から通産省の事務当局に対しまして、異存はないという返事をするわけでございます。これは慣例といいますか、通常の仕事の流れといたしましては、大臣まで上がる仕事ではございません。通常、担当課どまりでやっておるわけであります。そういたしまして、輸入関係の手続が通産省の手元で進められるわけでございますが、そういたしますと正式に輸入許可が出て、そういう飛行機が輸入できる状態になる。一方、その航空機は飛行機工場で生産されるわけでございますが、生産されますと、いよいよ日本に入ってくる。こういう段階になりますと、われわれの運輸省の仕事といたしましては、その飛行機が一体日本に入ってきて安全に飛べるかどうかということをチェックする必要がある。そこで、耐空証明というものを出すわけでございます。あるいは飛行機の登録をするというふうなこともございますが、これは両方ともきわめて事務的、ルーチンな手続でございますので、特にどうこうという問題はないと思います。
 それから、この航空機がいよいよ日本に入ってくる、そして具体的にこの特定の航空会社の機材に加えられるという段階になりますと、その航空会社は何機の機材で運営しますという計画を持っておりますから、事業計画の変更になるわけでございます。そこで、事業計画変更手続というものをするわけでございまして、これは航空法によりまして各航空企業は事業計画を出して免許をとる、その免許をとった後、事業計画を変える場合には認可をとることになっておりますので、認可申請をするわけでございます。そして、飛行機が入ってくるたびに、その一機を既存の体制に加えるという点について認可をするわけでございます。それ以後は具体的に航空会社が飛行機を飛ばすという関係でございますので、手続関係はございません。
#50
○楢崎委員 路線の問題はどうですか。
#51
○高橋説明員 路線の問題は、先ほど御説明申し上げました事業計画の中に、どこそこの路線にどういう運航計画で飛ばしたいということが一緒に出てまいりますので、同時に認可をするわけでございます。
#52
○楢崎委員 事業計画の認許可の問題の中の機材の点ですが、これは先ほど安原刑事局長は行政指導の範囲内のような答弁をされましたが、これはあれではないですか、大臣の職務権限そのものじゃございませんか。運輸省の見解はどうですか。
#53
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 いかなる機材にするかという問題は、機材を決めるのは企業の問題でございますけれども、われわれの事業計画認可申請の段階で、事業者がこういった路線にこういう計画で使いたい、機材はこういう機材ですという形で申請してまいりますので、それを審査いたしまして認可するという形で関与をするわけでございまして、これは申し上げましたように、航空会社が機材の選定をして、輸入をしてから後の話でありますので、実際に航空会社がメーカーに対して発注してから通例一、二年後ということになるわけでございます。
#54
○楢崎委員 だから、だめだと言うこともできるわけですから、職務権限そのものでしょう。そう聞いている。行政指導じゃないんでしょう。
#55
○高橋説明員 だめだと言うことがもちろんできるわけでございます。ただ、それは申し上げましたように、航空機が発注されまして一年ないし二年たちまして、実際にその飛行機が投入される段階でそれを言う権限があるということでございます。
#56
○田中委員長 高橋さん、ちょっとわかりにくいが、機種の選定は会社がやる。ところが、それを運航に乗せて運航計画をつくったときには、運航計画の変更は大臣の認可事項だ、そういう二つの関係があるので、最初の機種の選定のときも事実上は行政指導をやるんじゃないんですか。
#57
○高橋説明員 お答えします。
 いまのような関係の場合に、当初の、企業がある機種を選定する、こういった段階で、これは許認可とかということじゃなくて、われわれの設置法にございます事業の発達、改善、調整を図ることという一般的規定がございますので、そういった規定に従って、たとえばとんでもない飛行機を買いたいという場合にはやめたらどうかというようなこととか、あるいは機種の導入の時期を延期した方がいいじゃないかというふうなことをいわゆる行政指導としてすることはあるわけでございます。
#58
○楢崎委員 だから、その権限になると私は言っているのです。
 そこで、これもお答えは想像できるのですけれども、いま言ったような、これは一号機に関する限り、日にちもちょっともう一遍確認しておきますが、このトライスター一号機の輸入推薦証明は四十八年三月八日に出された。それから、耐空証明は四十八年十二月十八日に出された。それから、路線の点は四十九年二月二十八日、機材の点は四十九年三月二日、それぞれそういう日にちに運輸省がずっと職務権限に基づいて措置をしてきた。これはよろしゅうございますね。
#59
○高橋説明員 そのとおりでございます。
#60
○楢崎委員 そこで、具体的にトライスター一号機に関する措置はそういうふうになされた。これらの措置を運輸大臣がやったことについて田中前総理は影響力を及ぼした、こういうことになるわけですね。そうすると、耐空証明なんかは関係ないでしょうが、これらの少なくとも輸入推薦証明とかあるいは事業計画認可等々の運輸大臣の職務権限に対して影響力を及ぼした、こういうふうにこの起訴状と関連して考えてよろしゅうございますね。
#61
○安原説明員 先ほど来お答えいたしておりますように、請託を受けて、その後、トライスター導入後対価として五億円を受領したということは公訴事実でございますが、その間においていかなる背景事情があったかということは、公判の過程で明らかにしていくことでございますので、申し上げるわけにはまいらないということを申し上げておるわけでございます。
#62
○楢崎委員 いま四つの行為についてそれぞれ日にちを明確にしました。この四つの日付のときの運輸大臣と政務次官をそれぞれ明らかにしてください。
    〔委員長退席、大橋(武)委員長代理着席〕
 時間がありませんので、もう一つ一緒にお答えをいただきたい。
 きのうでしたか、おとといでしたか、この田中の収賄問題の起訴に関連して、木村運輸大臣は、田中前総理からトライスター導入について運輸大臣が影響力を及ぼされたなんということは、調べた限りにおいてはないというような発言をされておりますね。大臣だって調べられましょう、事務的にはあなた方が関係があると思うが、その点も一緒にお答えをいただきたい。済みません、後段は運輸大臣にお願いします。
#63
○高橋説明員 前段をお答え申し上げます。
 先ほど申し上げました航空機の輸入関係の手続のときは、運輸大臣は新谷寅三郎先生、政務次官は佐藤文生先生でございますが、翌年になりまして最終的に事業計画変更をした段階は、徳永正利先生が大臣、政務次官は増岡博之先生でございます。
#64
○楢崎委員 運輸大臣、先ほどお聞きになっていましたか。
#65
○木村国務大臣 きのう記者会見の席で、田中前総理の起訴に関連していろいろ質問がございまして、緊急輸入当時の佐々木運輸大臣に何か指示があって、そして佐々木運輸大臣から全日空側にロッキードを買うようにというようなことが何かあったかというふうな質問がございましたので、それに対して私が答えたわけでございます。前からその当時の事情をいろいろ私が当時の事務当局の者にも聞いておったわけでございまして、佐々木運輸大臣個人にはまだ聞いておらぬけれども、私も役人生活を長くやっておりますので、総理からいろいろな指示が大臣にあったりしたら、必ず事務当局にはわかるものでございます。事務当局の当時の関係者の話を聞きましたら全然そういう話はない、こういうことであったということでございましたので、そのことをお話しをした。しかし、こういうことがやはり今後裁判では非常に論争になるであろうということを申し上げたわけでございます。
#66
○楢崎委員 そうすると、少なくともそういう運輸大臣に対して田中前総理が影響力を及ぼしたというような点について、あなた方は、私どもはもう再三この特別委員会でも問題にし、調査しなさいということを要請しておったわけですが、そういう関係運輸大臣にいろいろお聞きになったり調査したりされなくて今日に及んでいる。そこに問題があったのじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#67
○木村国務大臣 これは当時の運輸大臣に直接聞きましても大体答えは明確だ、こう私は思っておりましたから、むしろ当時の事務当局の方が当時の真相をよく知っておる、こう思っておるものですから、事務当局が当時どういう話を聞いておったかということを聞いたわけでございます。
#68
○楢崎委員 そういう点については、私は木村大臣も非常に責任があると思うのです。その点を指摘しておきたいと思います。
 福田副総理が見えておりますから、お伺いをいたします。
 私は、今日、新聞報道もそれを伝えておるわけですけれども、自民党内の内紛なり権力闘争と申しますか、それとこのロッキード事件の真相解明との関係、これを明確にしておかないと、この権力闘争の陰でこの事件が、最終的に一番大事なところがうやむやになるという可能性がありますから、そういう点でお伺いしたいのです。
 このロッキード事件、アメリカのコーチャン等の議会証言がなかったらこの事件は明確にならなかっただろう、これは朝日の世論調査でもそう思うと答えた人が七四%だというのですね。つまり四人に三人はそう思っている。だから、こういう権力の中枢にかかわる問題は、一体アメリカのあの種の証言なくして国内だけの独自の摘発能力と申しますか、立件能力というものが果たして捜査当局にあるのかどうか、あるいはあってもそれが発揮できなかったという過去のケースが、もう言いませんけれどもいろいろあった。したがって、こういう点を踏まえて、このロッキード事件の解明は大事です。もちろんそれをいまやっているわけです。これについて、それと並行するような形でいま党内の諸問題が起こっている。これは明らかに今日の政局の不安定さを示しておる。私はそう思うのですが、副総理の御見解はどうですか。
#69
○福田(赳)国務大臣 私は、このロッキード事件が、もしアメリカ側のああいう動きがなかったならば起こらなかったかもしれないという多数の人、その感じと同じような感じを持ちます。しかし、そういうものが起こった。起こったこの機会は、この事件解明だけにとどめておいてはいかぬと思うのですね。
    〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕
事件は事件として、これは厳正に解明しなければならない。しかし、これを機会といたしまして、再びこういう第二、第三、第四のロッキードというような、こういう性格の不祥事件が起こらないようなことを考えなければならぬ、それが私はロッキード事件の本当の解決である、そういう見解でございます。
#70
○楢崎委員 そこで、この事件の構造性というものを一体どのように副総理は見ておられますか。
#71
○福田(赳)国務大臣 構造性というとどうもいろいろな意味合いがありますが、楢崎さん、どういう意味で構造性と、こうおっしゃるか、それをお聞きした上でお答えしたいと思います。
#72
○楢崎委員 私どもが考えておることを集約して言えば、まずこれは日米政界合作の汚職ではないか。というのは一日米ハワイ会談の位置づけというものがこの事件で非常に重要な位置づけになっておる。それから、いわゆる金権、金脈政治構造というもの、政治に金がかかるとかあるいは総裁選挙の問題もありましょう。それから、言われておるとおりに政界、官界、あるいは財界の癒着の構造、そういったものがこの事件の構造性を示すものだ、このように私どもは見ておるのですけれども、どうでしょうか。
#73
○福田(赳)国務大臣 そのいろいろ御指摘の中で、政治は力である、力は金であるというような風潮、これがこの事件の背景に横たわっておるということは、私は否定できないと思うのです。私はそういう背景を考えて、再び第二、第三のロッキード事件が起こらないようにという措置を考えなければならぬ、そういう見解でございます。
#74
○楢崎委員 そうすると、副総理のいまの再発防止の歯どめと申しますか、それは具体的に頭の中におありですか。
#75
○福田(赳)国務大臣 楢崎さん、私は出直しせよ、こう言っておるのですよ。つまり、これはもうつくろいでは直らぬ。自由民主党について言えば、解党し、新しい政党をつくり直すぐらいな、そういう大改革をしなければならぬ。その第一は、何と言ってもこういう不祥事件を起こすような背景というか、そういうことについて、自由民主党は率直に国民におわびをすべきである、これは古来のならわしで頭を丸めろ、こういうふうなことを言われますが、まさにそういう姿勢から出発しなければならぬ、こういうふうに思うのです。そういうおわびの上に立って、今後はこういうふうに正しい政治を堅持してまいりますという方策を示さなければならぬ、これも継ぎはぎじゃだめだ、大改革を必要とする、こういう見解でございます。
#76
○楢崎委員 三木内閣の手でそれは断行できるという確信は、副総理としてお持ちでしょうか。
#77
○福田(赳)国務大臣 三木内閣であろうがだれであろうが、自由民主党としてはそれをやってのけなければならぬ問題である、そういうふうに考えております。
#78
○楢崎委員 現実にはいま三木内閣でございますから、その点を聞いておるのです。
#79
○福田(赳)国務大臣 ですから、三木内閣であろうがどういう性格の内閣であろうが、自由民主党としてはそれをやってのけなければならぬ問題である、こういうことを力説しておるわけです。
#80
○楢崎委員 もうこの段階ですからいろいろデリケートな問題もありましょうが、こういうロッキード事件の山場を迎えて、もう解明が大詰めに来ておるそういう中で、現在のような自民党、与党の内紛がある。一体何をやっておるのだという声は、私は国民の声だと思うのです。だから、そういう点について、政局は不安定さを示しておるし、責任があろうと思うのです。で、副総理の責任も非常に重大である。副総理の行動はどうあるのだろうかということも関心を集めておるところでしょう。
 率直にお伺いしますが、いまおっしゃったような副総理が唱えられておる出直し改革というのは、三木内閣退陣の動きとはどういう関係があるのでしょうか。
#81
○福田(赳)国務大臣 これは必然的な関連はありませんです。私が申し上げておりますのは、いかなる内閣であろうと、いかなる総裁でありましょうとも、この自由民主党の反省と再出発はやってのけなければならぬ、こういうことを申し上げておるわけです。
#82
○楢崎委員 やはり私どもが聞きたいところのそのものに触れられていないわけですね。
 それで、副総理としては、一体今後の政局の運営について、三木内閣のもとでもう当然総選挙も間近です。任期が来ておる。三木内閣のもとでこの難局を乗り切るというお考えなのかどうか、率直にお伺いしたい。
#83
○福田(赳)国務大臣 これからの政治日程としては、何といってもロッキードの徹底解明、これがあります。それから臨時国会を開催して懸案を処理する、こういう問題があります。
 そういうことを適切に処理し得る体制、これはどういう形であるか、これは三木内閣であるか、あるいは他の内閣であるか、そういうことは別といたしまして、とにかくそういう政治日程を自由民主党といたしましてはこなしていかなければならぬ立場にあるというふうに考えております。
#84
○楢崎委員 どうも私どもも聞きたいし、国民の皆さんも聞きたいところに率直に答えられておりませんね。それだけデリケートでありましょう。
 時間がございませんから、先ほど稻葉大臣にもお伺いしたのですけれども、田中起訴と関連をして捜査当局の御意見を聞くと、この田中前総理が収受した五億円という賄賂のお金は田中どまりであって、それからどう流れたかということはもう犯罪性がない、これで打ち切りだという捜査当局の方針であるようであります。しかし、私どもは、これが田中前総理のふところにそのまま納まっているとは考えられない、常識として。必ずそれから先いろいろ流れておる。その流れを明確にすることが、私どもが言っているこの事件の構造性の一部を解明することになる。つまり、金権、金脈政治構造なりそういったものに通じますから、この金の流れをやはり解明する、それが事件の本質に迫る問題だ、このように私どもも思いますが、副総理はどのようなお考えでしょう。
#85
○福田(赳)国務大臣 事件解明について私どもが余り意見を言うことは、私はよくないと思うのです。これは検察当局を信頼してこれに一任をする、それでいいと思います。
#86
○楢崎委員 刑事事件のことを聞いているんじゃないのです。いわゆる政治問題として、事件解明の点から立法府としてわれわれやらなければいけないと思っているわけです。それをやらなくては単なる刑事事件で終わってしまう。さっき言ったとおり、この根源はどこにあったのか、そういうものを明確にしなければ対症療法は出てこない。その一環として、この田中以後の金の流れを究明するというのは重要である、立法府としては。そのように思いますが、副総理はどういう御見解ですかとお伺いしているのです。
#87
○福田(赳)国務大臣 そのおっしゃる究明も、これは検察当局がやるんですね。それは検察当局にお任せをする、それを信頼するというほかはないんじゃないか、そういうふうに考えます。
#88
○楢崎委員 どうもその辺、稻葉大臣の御見解とは違うようですけれども、時間が参りましたので、残された問題ちょっと言います。
 実はこの解明のほかにPXLの問題が切られておるわけですね、田中起訴の中で。これは時間がありませんから、用意してきておったのですけれども、まだ残っておる、これを指摘したい。
 それからもう一つは、国防会議のあり方について問題があるんです。この前四十七年十月九日の国防会議の内容を聞いたときに、三木さんは余りようわからなかったからオーケーを与えた、中曾根さんは外務省や防衛庁のことだから、他省が意見をはさむのはよくないと思って黙っておった。こういうことで国防会議が果たしてシビリアンコントロールの任務を果たせるのかどうか、言うならばお素人さんの集まりじゃないか、こう言いたいのです。こういう点も今後問題が非常に残る。だからP3Cの問題は残しておきまして、これで終わります。
#89
○田中委員長 野間友一君。
#90
○野間委員 最初に福田さんにお聞きしたいと思いますが、先ほどの同僚議員からの質問にもありましたけれども、ロッキード事件は田中逮捕、さらに起訴ということで、この事件の中核の一角に大きなメスが入れられたというふうに思うわけですね。この事件の性格なり本質は、私たちは金権政治さらに売国政治そして戦犯政治という、三悪の政治の凝結がこの事件にあらわれておるというふうに理解、把握をしておるわけですね。そういうような性格を持つがゆえに、例の国会での異例の決議、さらにそれを踏まえた上での五党首会談の合意、そして議長裁定という一連の経過があるわけです。三木内閣もこの真相究明、これは徹底してやらなければならぬということを国民に約束をされておるわけです。その三木内閣の副総理として福田さんは、そういう立場を堅持して、徹底して解明するというふうにお考えなのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
#91
○福田(赳)国務大臣 そのようなことが国民に対する責任である、さように考えております。
#92
○野間委員 そこで次にお聞きしたいのは、これまた先ほどの話にもございましたけれども、副総理はつとに出直し改革ですか、人心一新という言葉を使われないようですが、出直し改革、解党というようなそのくらいの気持ちでなければならぬというようなことを常に言っておられます。そのことがどういう意味を持つのかということが大きな問題だろうと思うんですね。
 私はそこでお聞きしたいのは、いまの時点において三木内閣をやめた方がいいというふうに副総理はお考えなのかどうか、あなたのお考えを聞きたいと思います。
#93
○福田(赳)国務大臣 私は、一三木内閣というようなことを考えているんじゃないんです。自由民主党としては、この際解党して新党を結成するというくらいな決意で大改革を行う、こういうことを言っておるので、その結果どういうふうな具体的内容が出てくるのか、それは衆知を結集して協議しなければならぬ問題である、そういうふうに考えております。
#94
○野間委員 そうしますと、そのことは別の言葉で言いますと、三木内閣はかわった方がよい、こういうことと同じじゃないでしょうか。
#95
○福田(赳)国務大臣 私は一内閣、一三木さん、そういうことを問題にしているんじゃないんです。事はそれよりも重大である。これは今日の政局の処理を過ちますと、日本の政治を非常に混乱させ不安定にする、それには一体どうするんだという立場で考えなければならぬ。私ども自由民主党は、はばかりながら政権政党である、一番政治に責任のある立場です。その責任のある自由民主党として本当に反省して、そして生まれ変わった姿勢で国政に取り組む、こういう実を挙げることが必要である。これを言っておるんですよ。私は、日本の立場から考えなければならぬ、一だれだれのためというようなそういう立場で考えちゃ相ならぬ、こういうふうに言っておるのであります。
#96
○野間委員 そうしますと、現三木内閣、このもとではそれができない、そういうお考えに立っておられるわけですか。
#97
○福田(赳)国務大臣 まだそういう具体的詰めは、これは自由民主党、たくさん同憂の士があるわけですから、そういう皆さんと相談をしなければならぬ。しかし、とにかくやらなければならぬことは政治の一大改革である、自由民主党の一大改革である。これをどうしてもやってのけなければならぬという、かたい決意を持っておるわけであります。
#98
○野間委員 これ以上非常にガードがかたくて、具体的に聞きますと、抽象的な答弁で逃げられる。しかし、世上あるいはジャーナリスト、あるいは私たちもそう考えますが、福田さんの言われる出直し改革、いまの時期になぜそれを言われるのかということが、これはロッキードを隠すということと結びつけて出てきておるのじゃないかという疑惑をどうしても私はぬぐい去ることができないという点を踏まえまして、次に質問を進めたいと思います。
 法務大臣にお聞きをするわけですが、一昨日田中角榮前総理が起訴されました。これは外為法違反だけでなくて賄賂罪、収賄罪ですね、そういう容疑でありますけれども、これについてどういう御所見をお持ちなのか、一言お聞かせ願いたいと思います。
#99
○稻葉国務大臣 ロッキード事件というこの大不祥事に、総理大臣であった、重い政治的立場にあった人が直接関係しておる、しかもそれが受託収賄ということはまことに遺憾千万なことである。わが国の政治に対する衝撃は甚大なるものがある。けれども、検察当局の鋭意捜査の結果、そういうことが事実であると確信を持って起訴する以上、まことにやむを得ないことである。今後われわれはえりを正して政界の再建というか、自由民主党の再生に身を挺して努力しなければならぬ重大な事態だなという感想を持っております。
#100
○野間委員 田中の、今後公判ということになるわけですけれども、その公判の維持については絶対の確信をお持ちなのかどうか、その点をお伺いしたい。
#101
○稻葉国務大臣 去る十二日に検事総長から中間報告を受けました。十六日、勾留満期の日にこういう罪名でこういう捜査の事実に基づいて起訴いたします。公判維持については確信を持っております。こういう報告を受けております。
#102
○野間委員 そこで、運輸大臣にお聞きするわけですが、この田中の起訴後、あなたは閣議後ですか記者会見されて、そしてこの起訴について何かコメントされております。そこで、いま法務大臣からも話がありましたが、田中角榮の起訴について、運輸大臣としてはどのような所見をお持ちなのか、それをお聞きしたいと思います。
#103
○木村国務大臣 同じく政治に身を置く者として、非常に残念に思っております。
#104
○野間委員 何かこの起訴に関して疑問を提起するような発言があったやに思うわけですけれども、いま法務大臣が言われるのは、捜査をやって、その結果事実間違いないということで公訴提起して、公判維持についても絶対の確信を持っておる、こういう答弁があったわけですね。あなたも同じような所見をお持ちですね。
#105
○木村国務大臣 私は、起訴に対して疑問を持つとか持たないとかということではなくて、昨日記者会見でいろいろ聞かれましたので、先ほど楢崎委員にお答えしたようなことで、こういうことが今後裁判で大いに論争になるでありましょうということを申し上げたわけでございます。
#106
○野間委員 そうすると、運輸大臣、あなたは起訴そのものについては疑問――マスコミの一部にはそういう記事があったのでお聞きするわけで、疑問がないというふうにお考えですね。
#107
○木村国務大臣 私は、当面の責任を持って起訴の内容を調べておるわけでも何でもございませんので、これは検察庁が起訴をしたという冷厳な事実を事実として認識しておるということでございます。
#108
○野間委員 次に保釈の問題について聞きますが、二億円の保釈金できのう保釈されました。この保釈に関して言いますと、裁判所の求意見ですね、意見を求める際、検察庁としては保釈不相当という意見を出されたというふうに聞いておるわけですが、その保釈不相当の理由については何でありましたですか。
#109
○安原説明員 刑事訴訟法の八十九条をごらんになりますと書いてございますように、権利保釈の許されない事項が列記してございますが、その中の「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるとき」ということに該当するのではないかということで、反対の意見を付したわけでございます。
#110
○野間委員 ところが、保釈ということになりました。私たち共産党は保釈すべからずということで申し入れもしたわけでありますが、その保釈に関して、もし罪証隠滅のおそれというふうに検察庁が判断したとすれば、この保釈決定に対しては準抗告という手続が当然とれますし、不相当、しかも罪証隠滅というような理由であるならば、特に準抗告をするということが真っ当な措置ではなかろうかというふうに思いますが、準抗告をされていない、これはどういうことでしょうか。
#111
○安原説明員 御案内と思いますが、反対の意見を付します場合には、裁判所に対しまして疎明資料として従来の捜査記録の主なものを提示するわけであります。そこで御案内のとおり、検察当局としては、公訴提起するに当たりまして、先ほど大臣も申されましたように、有罪の判決を得る確信を持って起訴した。その意味においては十分の資料を整えて公訴提起をしたわけでございまするが、なお罪証隠滅のおそれもあるということで反対の意見を付したわけでありまするが、その反対の意見を付するに当たって主な捜査記録を裁判所に提示した結果、裁判官がそれを精査いたされまして、裁判所の専権に属する事項として、罪証隠滅をすると疑うに足る相当の理由があるとは思えないということで保釈の決定をなさったわけでございます。
 そこで、この保釈は権利保釈に属する問題でもありますとともに、検察庁といたしましては、不服を申し立てて準抗告をしても、それが裁判所に入れられる見込みというものについての確信が得られなかったというような事由で、準抗告をしなかったものと聞いております。
#112
○野間委員 どうもその点が矛盾すると思うんですね。隠滅するおそれがあるとしながら準抗告もしない。
 そこで聞きますが、そうすると、保釈されますと、これは恐らく条件が付せられてないと思うのです。罪証隠滅に関してですよ。そこで、これは国内ではあちこち自由に、拘束されずに出るということになろうかと思うのです。そうしますと、罪証隠滅の関係で、どのような行為をとろうとももう絶対に罪証隠滅のおそれはない、公判についてはどんな行為をとろうとも絶対その確信があるというふうに判断されておりますか。
#113
○安原説明員 保釈許可決定の条件によりますると、いま野間委員のおっしゃったことでなくて、その住居の指定がございます。それから召喚を受けたときは必ず出頭しなければならないとなっております。それから逃げ隠れたり、証拠隠滅と思われるような行為をしてはならないとなっております。三日以上の旅行をする場合も前もって裁判所に申し入れて許しを受けなければならないというのが指定の条件でございます。
 それは別といたしまして、ただいまどんな証拠隠滅があっても絶対に有罪が得られるかというようなお尋ねでございますが、検察当局としては、有罪の判決を得る確信を持って公訴提起をしたものでございます。
#114
○野間委員 それならばその関連で、ひとつ当委員会における証人喚問との関係でお伺いしたいと思います。
 当委員会ではつとに田中角榮の証人喚問、これを要求し提起をしておるわけですね。これについてきょうのある報道にもございましたけれども、捜査あるいは公判に支障があるとかないとかいろいろな論議がなされておるということが出ております。これは国政調査権と捜査権、それとの関係では全然矛盾しないというのは当然でありますけれども、いまの刑事局長の話によりましても、どういう行為をとろうとも公判の維持については絶対確信を持っておると言う以上、田中角榮を当委員会において早期に証人喚問をしてこの真相を究明するということが必要だろうと思うのですね。その点で、ひとつ早急に田中角榮の証人喚問をしていただきたいということを強く委員長に要求したいと思います。
 と同時に、いまのこの五億円の流れについてですが、これは先ほど同僚議員の話にもありましたけれども、田中角榮がひとり占めする、ぽっぽに入れるというものではとうていあり得ないというふうに私は思うわけですね。これは出ておる。そうなりますと、政治資金規正法とかあるいは公選法、これは選挙に使われたということになりますと、その関連が出てくる。この金の流れ、行方ですね、これについてはどうしても田中角榮本人からやはり聞きただして、刑事的あるいは政治的道義的な責任の解明ということをどうしてもやらなければならないという点で喚問の要求をするわけであります。理事会に諮っていただきたいと思います。
#115
○田中委員長 野間君にお答えをします。
 ただいまのお申し出は重要事項と存じますから、理事会に諮って善処をいたします。
#116
○野間委員 結構です。
 ところで、次の質問に移りますが、起訴状の中で、総理大臣の権限として運輸大臣の指揮監督権限、この記載がございます。このことは運輸行政とのかかわり、この関係で事件の事実関係が把握されておると思いますが、通産大臣を指揮監督する職務権限が当然総理大臣にあることは明らかであります。特に具体的に本件に関して考えてみましても、緊急輸入品目、これについては通産大臣の権限に属する、こういうふうに思っておりますけれども、間違いございませんね。
#117
○安原説明員 法務省の所管事項ではございませんでわかりませんが、恐らくそうでございましょう。
#118
○野間委員 所管事項云々よりも、捜査の関係で、起訴状との関係で私は聞いておるわけですね。自分の所管事項ではないという話でありますけれども、いま申し上げたような点について通産大臣が欠落しておるという点が、私は腑に落ちないわけですね。本件輸入に関して通産行政に疑惑はない、こういう判断をされたのかどうか、この点についてお尋ねをしたいわけです。もし疑惑がないということになると、それなりのしかるべき捜査をされた上でのことなのかどうか、その点もあわせてお答え願いたいと思います。
#119
○安原説明員 今回の受託収賄の公訴提起は、総理大臣の職務権限、なかんずく運輸大臣を指揮監督する立場にあられる総理大臣の職務権限に関する請託を受けた収賄であるという公訴提起でございまして、通産大臣の所管行政に関する指揮監督権に関する請託ではないという判断でございます。それ以外のことは公訴上は何も申しておりません。
#120
○野間委員 そこでお伺いしておるわけですが、この本件トライスターの輸入に関して言いますと、これは通産行政が当然絡んでおる。これは緊急輸入品目ですね。これの決定があるわけですから、加えることをやったわけですから、しかもこの点について田中前総理、これは当時中曾根通産大臣でありますが、相談した上で、その指示のもとに動いたという疑惑があります。この点については、すでにわが党の増本委員が当委員会においても追及しておりますので、多くは省略はしますけれども、これらの捜査をして、そして通産行政サイド、ここでもやはり問題があるのだということが当然私は出てくるのではなかろうか。これが全然省かれておるということは、私が申し上げますのは、この点についての通産行政についての疑惑がないという判断をしておられるのかどうか、その点をお聞きしたいわけです。
#121
○安原説明員 請託を受けて違法な報酬を受けたということの公訴提起をするに至りますには、背景事情はすべて調べてございます。ただいま御指摘のように、通産行政という広い行政をつかまえて疑惑がないということを公訴提起が認定しておるわけでなく、今回の公訴提起は通産行政には関係がないということでございます。
#122
○野間委員 どうも私は不可解に思うわけです。
 それじゃ、ひとつ観点を変えてお伺いしたいと思いますが、法務大臣にお伺いします。
 児玉譽士夫とそれから中曾根氏との関係について、あなたは七月二十九日の当委員会におけるわが党の庄司議員の質問に対して、昭和四十三年以降は縁切りになっておる、縁を切った、こういうふうに答弁をされておりますが、これは間違いございませんか。
#123
○稻葉国務大臣 私はそう信じておりますね。
#124
○野間委員 信じておられるというのは、これは事実の有無とあなたが主観的な願望でそうありたいというように思われるのと、その二つがあると思うのです。信ずるというのはその後の方で、事実の有無はよくわからないけれども、自分はそう信じたい、こう主観的な願望にしかすぎないのではありませんか。
#125
○稻葉国務大臣 人の関係ですから、私の関係じゃないですから、児玉譽士夫と中曽根康弘氏との関係ですから、神様でなければそんなことは、関係が切れたなんということは断言はできませんね。しかし、私は前にもるる申し上げましたとおりの経緯がありますから、しかも派閥の長というのは金が要るもんだが、縁を切る、感心だな、それはいい心がけだ、よろしい、こう言って別れたのですから、信ずる根拠は十分にあると思っております。
#126
○野間委員 その点が庄司質問のときの答えからかなり後退しておるわけです。いいですか、前七月二十九日のときには、いま申し上げた関係について、前文は省略しますが、「それ以来断ち切っているから、私は知っているから、そのとおりでございます。こう言っているのです。知らないことを、彼がそう言っているからそのとおりだなんと言っているのじゃないのです。わかりましたか。」こういうことを言われておるわけですね。ですから、この答弁の趣旨からいたしますと、あなたの方では断ち切ったという事実はよく知っておるのだということですね。それは恐らく四十三年当時のことですが、その当時は確かにそうであったとしても、その後については、いまあなた言われるように、実際毎日一緒に暮らしておるわけじゃないし、四六時中一緒におるわけではありませから、どういうつき合いがあるのかということについては、これはあなたの方で事実関係の有無については答える立場にないと思うのですね。わからない、こういうように思うのですね。信ずるということはそういうことであろうと思います。
 そこで、私も事実関係について若干そのつながりを調べてみたわけです。そうしますと、たとえば、これは週刊誌の報道ですが、「週刊朝日」のことしの四月二日号の中で、ニューズウイークのクリッシャーという人が児玉と直接会見した、その記事がございます。この記事を見ますと、児玉の話として、昭和四十九年ごろ中曾根氏と会っておる、閣僚とも、しょっちゅうつき合いをしておるという記載があるわけですね。これは四十九年ごろなんです。さらに「週刊読売」の四十九年の八月三日号の中でも、自民党の中では中曾根がよい、この人のやり方を見ると実に人間ができてきた。また、この児玉が一年くらい前、あの人の箱根の別荘に寄ったというようなことも直接、述べておるわけですね。ですから、そういう点からしますと、四十三年に一切の縁を中曾根氏が断ち切ったというのではなくて、その後も直接、児玉の物の本の中での言動からしても、会っておるということでありますから、法務大臣が信ずるというように言われましても、私はやはり、その点は事実関係からすればそうではない、こう言わざるを得ないと思うのですね。これは週刊誌の記事ですけれども、これだけで事実の有無を私はあえて聞くわけじゃありませんけれども、それでも、あなたは信じると言われたけれども、事実は逆に、こういうふうに四十三年以降も、やはり会っているという事実は少なくとも否めないと思うのです。こういう記事を引用しても、なおかつ、あなたは自説を撤回されませんか。
#127
○稻葉国務大臣 自説を撤回する根拠にはなりません。私の申し上げたのは、金の縁は切れている、こういうことなんです。金銭的な縁は切れておるということで、その後……(発言する者あり)切れていると信ずる。その後の会っているとか――だって、わしも会っているんだもん、児玉とは。そうでしょう。前に、何遍もそういうことを言ったじゃないですか。それだから彼がどこで会っているかどうかということで、前に言った、縁が切れていると信ずるということが覆るわけではありませんな。
#128
○野間委員 信ずるというふうに変わったことは、あなた自身の自説が変わったということなんですね。これは前の答弁と違いますからね。いまの金銭的な関係について自分は言ったのだ、しかも断ち切ったということについては自分は信ずるということで、これは事実の有無とは関係ありませんね。
#129
○稻葉国務大臣 人間ですから縁は切れておっても、路傍で会うときもあるし家で会うときもあるし、そんなことは、週刊誌だから、そのまま信ずるわけじゃありませんけれども、仮にそういうことがあっても、縁は断ち切っているという私の信じ方について動揺を来すものじゃないじゃないですか、それは。
#130
○野間委員 ですから、余り上段に振りかぶって縁を断ち切っておるというふうに私は断言はされない方がいいと思うのです。特に、いま中曾根氏も疑惑の人物の一人として世上あるいは報道を通じても、いろいろ言われておるわけですね。まあ、あなたの領袖になるわけですけれども。
 そういう点からして、どうもあなたの方で何かぱっと断言されるということ自体が、やはり派閥の関係で物を見られるということから出てくるのじゃないか、私はこう思うのですが、いかがですか。
#131
○稻葉国務大臣 そういう誤解がおありなら私の不徳のいたすところですけれども、私はロッキード事件に関して鬼が出ようとジャが出ようと、そんなことには驚かぬと最初から言っている。厳正公平、全く派利派略、党利党略などは超越しておる。全く虚心、無心、無野心、そういうことであるのですが、事実は事実として、私はそう信ずる根拠があるから、そう信じます。しかし、神様でないから、どんなことだか、それは断言するわけにはいきません。謙虚に、そういうことだけを言っているのです。まことに謙虚に言うておるわけですよ。かさにかかって、肩に力が入って、彼をロッキード事件に無関係だ、断定するだ、擁護しているなんていう、そういうさもしい考えは毛頭、それこそゼロ、ゼロ、ゼロppm分もない。
#132
○野間委員 そういうふうに言われたら、それはそれで私は理解できるのです。ただ、従前の委員会での答弁はそうじゃないんですよ。あなた自身がそう信ずるとか、主観的な判断の上に立って物を言われておるわけじゃなくて、言い切っておられるわけですね。この前にも松本善明議員が例の佐藤孝行氏の後援会の会報、この問題も取り上げて、たしか法務大臣に聞きただしたことがあります。総理も、その点については批判的な御答弁をされておる。あなたもそうだったと思うのですね。ですから、どうもやはり捜査の最高責任者としての法務大臣が、中曾根氏あるいは佐藤孝行氏というような人の立場に立った発言と申しますか、潔白であると確信するとか、あるいは断ち切っておる。金銭の点についていいましても、これまた週刊誌の報道ですけれども、一々引用はしませんが、萩原吉太郎氏はいろいろな物の本に手記を寄せまして、その中で、四十三年の佐藤三選のときにも、四十七年でしたか、一千万円の金を受け渡したというようなことも言われておるわけですね。この点からしても、どうもやはり法務大臣は、一方の立場に立った信ずるという発言であって、他方で、それと相対立する、やったとか、あるいは会うたとかいう人がおるわけですから、そういう人の言い分も含めて、やはり十分、自分で正確に判断した上で、ひとつ発言、答弁をされるという立場をおとりいただきたい、こう思うのです。これはいかがですか。
#133
○稻葉国務大臣 長年のつき合いだから知っていることがあるから、知っていることを、こういうことを知っておりますと言うだけの話で、特に擁護しようとか、ロッキード事件に無関係なことを印象づけようとか、そんなつもりで言っているのじゃないですよ。そのあなた方の問われる事実はこうでございますから、私が信ずるに足る根拠はあるじゃないですか、こういうわけですね。けれども、あなた方の党の人がどんなこととか、そんなことは初めから全然知りませんから、私はわかりませんわ、こういう答弁をしますわ。けれども中曾根と私の間のことについては、こうこう、こういうわけでございますから、そういうふうに信じておりますがねと、これはやはり、しょうがないのじゃないですかね。知っていることは知っている、知らないことは知らない、こういうことです。
#134
○野間委員 ですから、それと相反することを言う人もおるわけです。だから、信ずる信ずると言われても、これは事実の有無とはまた別の問題としても、心情的に、どうしてもそうありたい、こういうふうに思われる気持ちが言わしめるということもあり得るかもわかりません。ですから、そこで私が思うのは派閥ですけれども、別に中身について私は干渉することはさらさらないわけですが、派閥とこの真相究明、これとの関係では、やはり全く矛盾しないというようなことはあり得ない、全く矛盾しないということは言い切れるかどうか、あなたはいかがですか。
#135
○稻葉国務大臣 それはあり得る、全く矛盾いたしません。私はそういう公私混同するような人間ではありません。心情的にどうあろうとも、法務大臣という職責を、法を曲げて、そんなことをしたら大変なことだ。国が滅んじゃう。そういうことは絶対にやりません。御信頼いただきたい。
#136
○野間委員 意識的に故意に云々ということを別にしても、私は心情的に、やはり自分の派閥の人については潔白と信ずるとか、あるいは、どうしても、これは司直の手にゆだねがたいというような気持ちが、捜査の最高責任者としての法務大臣の地位、これとの関係では、どうもやはり矛盾するというふうに率直に思われるのが人間ではなかろうかと思うわけですね。だから、そういう点で法務大臣は悩まれたことは一度もございませんか。
#137
○稻葉国務大臣 それはだれだって、自由民主党というものの党員の一人ですから、それから国会議員というものの一人ですから、どの政党であろうと、自由民主党であろうと、どの派閥であろうと、そういうことが国会議員の中から出てこなければいいがな、こういう心情を持つのは当然じゃないですか。しかし、出てくれば、鬼が出ようとジャが出ようと、これはしようがないものだと割り切っているんです。また割り切りがなければ、この職が務まるもんじゃない。
#138
○野間委員 しかし、少なくともあなたの発言の中で、私がかばっておられるというふうに言う根拠は、いま申し上げたように、中曾根氏の場合、それから佐藤孝行氏の場合、いずれも中曾根派なんですね。そして後援会報にこれが堂々と出るとか、あるいは当委員会においても、最初は断ち切ったというふうに言い切られた。きょうは信ずると、いまでも信ずるという自説は撤回されないわけですね。ところが、それと相反するいろいろな書き物がある。その直接の本人が話しておる。ですから、前の答弁とか、あるいは、きょうの信ずるという答弁、これはやはり客観的な事実として、この物の本に逆の事実があるわけです。また、これは客観的な事実かどうか別にしても、逆の立場に立った書き物もあるわけですね。だから、そういう点からして、いまなお自説を固執されるということは私はどうも不可解なんで、やはり率直に、その派閥次元で、どうしても心情的に物を考えるというような気持ち、あなたの心情を吐露されてはいかがですか。私はやはりその点で矛盾すると思うのですね。
#139
○稻葉国務大臣 私は、ここを割いて見せてあげたいくらいだ。そういう気持ちは毛頭ありません。また、そんな気持ちがあったら、こういう大事件の真相解明ができるわけがないもの。そんな法務大臣であったら資格はないよ。御信頼をいただきたいと思います。
#140
○野間委員 いや、その点はもう法務大臣の職務としても当然の義務でもございます。ただ、私が申し上げているのは、そういう一般的なものじゃなくて、具体的な中身について矛盾するではないかということですね。しかも、自説を固執されるということは、やはり派閥との関係があるとしか私は考えられないので、そういう点で聞いているわけですね。ですから、法務大臣として、いま特に、こういう大事な立場に立っておられるわけですから、しかも、いま申し上げたようなことから、私はやはり全く矛盾がないと言い切ることはできないと思うのです。その点で、私はやはりいまの時期に法務大臣は派閥から抜けられるということが至当な措置ではないかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
#141
○稻葉国務大臣 結論はともかくとして、すでに、もう矛盾などは私とうの昔に乗り切っているのです。そういうあなたの御想像になるような矛盾なんという気持ちは、とうにもう乗り越えて卒業しちゃっておる。したがって、派閥の会合は夜、昼を問わず一切出ないのです。こういう段階に来ましたから一切出ないのですよ。一切出ない。もっとも、その方が健康にいいわ。そういう行動をとっておることをごらんいただきましても、そういう何とかの心情みたいな矛盾はすでに乗り切っております。御安心ください。
#142
○野間委員 時間が来ましたので、これで終わりますけれども、私は納得できないのです。もし、そういうお気持ちがあるとすれば、しかも世論がそういう目で見る、これは報道でもよく出ておるでしょう。そういう点で、あなたの場合、主観的な意図はどうであれ、客観的というか、世論あるいは他からそういう目で見られるとすれば、自分で断固として、そういう道に踏み出されるということが至当ではなかろうか、こういうことは私は撤回することはできません。この点について、さらに後で機会があれば詰めて質問をしたいと思います。
 終わります。
#143
○田中委員長 坂井弘一君。
#144
○坂井委員 福田副総理に伺いますが、事件の真相解明とは、あなたの認識では一体どういうことを指すのか。つまり、いわゆる金権腐敗構造というものを解明して、しかる上で、それが明らかになったならば、その反省と教訓の上に立って次には、再び第二、第三のロッキード事件を起こさない、そのためには一体、具体的に何を、どうしようというのかというようなことについて、副総理としての認識、見解をひとつ明快にお答えいただきたいと思います。
#145
○福田(赳)国務大臣 まず事件の解明の問題でありますが、これは金の流れを明らかにして、そうして、これはどういう性質の金の流れであったということを政府が国民に報告をする、これで私は一応の締めくくりになるんじゃないか、そうしてもらいたい、こういうふうに考えております。
 しかし、先ほども申し上げましたように、この事件は解明されても、この事件の解決にはならぬ、こういうことを私は力説しておるのです。つまり、この事件を起こした背景、根源をついて、そうして再びこのロッキード事件というような性格のものが起こらないようにする、これが本当のロッキード事件の解決である、こういうふうに私は考えておるわけです。
 まあ、これは政界全体としての問題でもありましょうが、しかし、これはとにかく政権政党としての自由民主党が真剣に考えなければならぬ問題である。そこで、この自由民主党というものは、この際いままでのあり方につきまして本当に心から反省をする、国民におわびをする、そのおわび、反省の上に立って率先して政治に取り組む体制の生まれ変わりをする、こういうことを考えておるわけであります。
#146
○坂井委員 そうしますと、まずは事件の真相の解明をして、国民に金の流れとはこういうことでありましたということを公表する。しかる上に立って、いわゆる、あなたのおっしゃる出直し改革論、再び起こさないような改革を行う、それによって解決だ。解決の点は、それは結構だと思う。確かに、そうでなければならぬ。それが、この反省、教訓の上に立った新しい出発でなければならぬ。
 ところで、先ほどからいろいろ議論がございますが、裏返しに聞きますけれども、しからば、あなたがいまおっしゃるような、そういう決意が三木総理にありとするならば、現実には、この事件の真相解明は、いま三木内閣でやっておるわけですから、それならば協力する、こういうことになりますか。
#147
○福田(赳)国務大臣 私は三木体制だとか、そういう個人のことを言っているのじゃないのですよ。自由民主党としての責任を言っているわけです。これはその責任を遂行する最高の責任者はだれが適当であるかというような論議じゃないのです。それは自由民主党の再出発、再生、出直しをやっていくためには、どういうふうにすべきかということは次の問題なんです。私は自由民主党の責任論を言っているのであって、人事論、生臭いことを言っているわけではありませんから。
#148
○坂井委員 副総理にこれ以上、聞きません。言わずもがなということもあるのでしょう。だから、この議論ば幾らやってもかみ合わない。しかし、現実の日程の進行、検察日程、政治日程、この絡みの中で、どうしても副総理の胸の中には、現在の三木総理ないしは三木内閣では、あなたのおっしゃる一貫した解決には至らぬ、こういう気持ちが多分におありだ、こういうふうに私は受けとめまして、それでその上に立って聞きます。
 稻葉法務大臣、きのう閣議で、検察当局がこれからの政治日程はもう進めてもらっても結構ですということでございますという報告をなさったのでしょうか。かなり閣議が大揺れに揺れたという報道があるのですが、もし、そういう御発言があったとするならば、それは事実かどうか。もしそうであれば、一体それはだれからの報告なんでしょうか。
#149
○稻葉国務大臣 事実ではございません。
#150
○坂井委員 そうすると、きのうの閣議は、あなたが捜査の進展状況について報告をされた、大変結構でございます。それで終わったということですか。
#151
○稻葉国務大臣 第一に、十六日、田中前総理以下四名を贈賄、収賄それから外為法違反で起訴した、こういうことを報告をし、これで丸紅ルートの山は一応越したと見ていいでしょう。それから第二に、全日空ルートと児玉ルートのイ、ロに分けて、全日空ルートについては事実関係の捜査は順調に進んでおる、こういう報告をしました。それから児玉ルートについては、捜査は難航しているが、あらゆる方法を講じて解明に努力する、こういうことでございます。
#152
○坂井委員 検察からの政治日程云々の話、それはおいておきましょう。
 そこで、いま稻葉法務大臣が言われましたが、きのう報告された事項ですね、児玉ルートが難航している。これは大幅におくれるのじゃないか、つまり九月にも入る。稲田副総理も時に発言されたようでありますが、副総理にお伺いします。確かに児玉ルートがおくれていることは、いまも報告があったことでございますから、それは事実でしょう。そういうことになってまいりますと、臨時国会の召集を副総理はどうお考えですか。九月にずれ込むのじゃないかという感じをお持ちじゃないでしょうか。
#153
○福田(赳)国務大臣 いま政府といたしましては、前国会から懸案になっておる議案の処理という非常に重大な問題を抱えておるのです。それに取り組むため臨時国会の開会が必要である。しかし、臨時国会の開催は議案を処理することにあるわけでありまして、その処理を急ぐ、これが考え方の中心でございます。その処理を急ぐために早急に臨時国会を開会する、これは当然必要になってくるわけでございますが、さあ、そのタイミングをどうするかということは、与党の意見も十分聞かなければならぬ、また野党の皆さんの御意向も聞かなければならぬ、両院議長の御意見も聞かなければならぬ、そういう各方面の御意見をよく総合いたしまして判断すべき問題である、こういう考え方であります。
#154
○坂井委員 三木さんは八月中ということを強く希望されておるようですが、副総理の腹組みとしては、どうも八月中は無理みたいな感じでしょうかね。
#155
○福田(赳)国務大臣 まあ総理が八月中に開催したいという意向を持っておられることは承知しているのです。ですから、そういうふうにあってもらいたい、こういうふうに思いますが、目的はその開催じゃないのですね。この懸案の三件を成立させる、こういうところにあるわけでありまして、その辺を十分見通した上で、その召集の時期の問題を決めていくべき問題である、そういう見解でございます。
#156
○坂井委員 安原刑事局長に伺いますが、私は先週、当委員会で四十七年の七月のいわゆる箱根会議、これを頂点とするその後の、当時通産大臣でありました中曽根康弘氏の一連の行動、発言について聞いたわけであります。この問題は後で触れます。通産省に来ていただいておりますので。ところが安原局長、昨日、参議院で中曾根氏に捜査が及んでいるのかどうかという趣旨の質問に対しまして、捜査の対象にしていないという趣旨の発言をされたようでありますが、いまの趣旨の質問、そしてあなたが答弁されたことを、もう一度、正確におっしゃっていただきたいと思います。
#157
○安原説明員 昨日そういう質問がございましたので、私は、正確に申しますと、検察庁で中曾根氏を被疑者として捜査をしているという報告は受けていない、こう答えたわけでございまして、捜査の対象外にしているとか、していないとかを含めて、そういう報告は受けていないと答えたのであります。それを一部の新聞が潔白の証明をしたなどと言われるが、私は証明をするというような資格も権限もございません。
#158
○坂井委員 あえて解説をつけるまでもないと思います。そういう趣旨の発言であったということは、いままでの発言と変わっておった。やはり何か腹組みがあってじゃないかということが言われておるわけでありますけれども、それはそれといたしまして、しからば通産省に伺います。
 四十七年の十月四日に通産省がいわゆるYS11に次ぐ次期民間輸送機YXの共同開発をボーイング社との間において行うということを決定した。その後十月九日、五日後でありますが、航空機工業審議会の政策小委員会と次期民間輸送機開発委員会、この合同部会でもって正式にボーイング社との間で共同開発をするということを決定して公表した。ところが、十月四日の通産省のこの決定に対しまして、相手方のボーイング社は、それに対して抵抗を示した、そういう動きがあったようでありますが、ボーイング社はいかなる抵抗、反応を示したのでしょうか。
#159
○熊谷説明員 お答えいたします。
 十月四日の会合というふうに御指摘がございましたが、これは航空機工業審議会の政策小委員会のメンバーの方々によります非公式な懇談会のことであろうと思います。その懇談会での議を経まして十月九日に決定をいたしたわけでございますが、私どもはボーイングとの接触は、もうすでに昭和四十六年にボーイング社と共同開発を行うということで決定いたしております。その後、相当長い期間にわたって開発の相手方として交渉を続けてきていたわけでございまして、十月九日の決定につきまして、ボーイング社の方のどういう事情があるかは私どもも詳しくは存じておりませんが、少なくとも、こういう決定に対しましてボーイング側は交渉に応ずる用意があるというふうに私どもは考えて決定をいたしたわけでございます。
#160
○坂井委員 四日の決定に対しまして、ボーイング社は直ちに反応を示しました。われわれは日本政府あるいは日本の業界といままだ交渉している段階であって、共同開発については日本側と合意したわけでは決してない、時期尚早である、まずこの種の反論をしております。それが十月の九日に正式決定の公表に至った。実は四十七年度のこの開発の予算を見ますと、当初通産省は三十三億二千三百万要求された。それに対して大蔵省の査定はゼロ。それが復活しましてようやく二億。二億の予算でこういう共同開発なんかできるものかというのが大方の航空機メーカーの反発の考えであったわけですね。日本側が一方的にボーイング社と決定した。そういう状況でありますから、ボーイング社はこれを受けるはずもない。しかるに九日には、ボーイング社がなぜか、この日本側の通産省あるいは日本の業界一体になっての共同開発の申し出でありますけれども、これに対して結構ですと合意をした。この間の動きがありましたね。つまり、四日から九日に至る間、ボーイング社から通産省に対しましていかなる動きがありましたか。
#161
○熊谷説明員 十月四日から九日までの間についてのボーイング社からのアプローチにつきましては、詳細は承知をいたしておりませんが、ちょっとこの際触れておきたいと思いますのは、ただいま先生おっしゃいました点に関連いたしまして、日本側がボーイングとの間で、今後共同開発問題について交渉しようという日本側の態度を決定したわけでございまして、相手方と共同開発について合意をしたというわけではございません。そういう意味で、先生がただいま御指摘になりました先方との合意が共同開発についてあったという点、もし私の聞き違いでございましたらなんでございますが、そういうことではございません。これからボーイングと交渉しようという日本側の態度を決めて、ボーイングの方にはそれに応ずる用意があると私どもは考えていたということを先ほど申し上げたわけでございます。
#162
○坂井委員 正確に聞いていただきたいのですよ。四日の日はこちらが決めた、やりたいと相手を選んだわけです。ボーイングはいやだと反発したわけですよ。それが九日の決定のときには、ボーイングは直ちに、それは結構です。やりましょう、そういう経緯があるのでしょう。この経緯は間違いですか。したがって、その間に何かの動きがなかったらおかしいでしょうということを私は言ったわけですよ。
 特にお調べになっていただきたい。十月の五日、どういうような動きがあったかということについて、調査の上ひとつ報告をいただきたいと思いますが、いかでしょう。
#163
○熊谷説明員 私どもとしては、十月五日の御指摘の事実につきまして、どういう動きがあったかは現在承知をいたしておりません。もし事情がわかれば、私どもなりに努力をして調べてみたいと思います。
#164
○坂井委員 明けて十月の六日でありますが、第五十一回国防会議議員懇談会が行われておりますが、その議員懇談会の議題は、第四次防衛力整備五カ年計画について、これだけ表示されております。
 通産省に同じく伺いますが、この議員懇談会の席上、ボーイングとのYXの共同開発、その報告がなされたかどうか、及びこれが議題になったかどうか。さらにPXLの国産化との絡みで議論されたかどうか、同じく調査の上回答いただけるでしょうか。
#165
○熊谷説明員 懇談会の席でそういった議題が出たとは承知をいたしておりません。先生から御指摘がございますので、再度調べはいたしますが、そういうことはなかったと私どもは考えております。
#166
○坂井委員 調査の上御回答ください。
 YXとPXLは一体何の関係があるのかということになろうかと思いますが、通産省に伺います。YXとPXLの関係はどういう関係でしょうか。
#167
○熊谷説明員 PXLは対潜哨戒機でございますし、軍需用でございますが、YX自身は民需用の輸送機でございます。そういう意味で直接の関連はございませんが、航空技術的な面で言いますと関連がないとは言えないと思います。
#168
○坂井委員 すでに答申がありますね。航空機工業審議会、昭和四十五年八月十九日、この答申を見ますと、第四項、「防衛庁において開発を予定されている次期対潜哨戒機との機体部分、部品、および機器についてできるだけ共用性を高める。」こういう基本方針で来たのじゃありませんか。
#169
○熊谷説明員 YX計画はすでに四十二年から、YS11後継機ということで次期の民間輸送機をどうつくるか、こういうことでいろいろな案がございました。たとえば単独開発というのが当初の考え方でございましたが、その後、国際共同開発というのが世界的な趨勢である、こういう答申も得てそういう方向に変わってきたわけでございます。
 いま御指摘の四十五年の答申の中の「共用性を高める。」ということでございますが、これは、PXLがもし国産化された場合にYXの方の国産化も進むということで、相互の技術についての共用性という問題は当然出てくるわけでございまして、それが相互に裨益するところがありまして効率が高められる、こういうことは生産技術上は当然言えることかと思います。
#170
○坂井委員 それなら伺いますけれども、ずっと下ります。四十九年六月十日の第七回専門家会議及び四十九年九月十七日の第十二回専門家会議、第七回、第十二回の専門家会議であります。この専門家会議は、次期対潜哨戒機関連分として行われました会議でありますが、議題は何であったか、通産省はこの席上いかなる説明をされたか、お答えをいただきたい。
#171
○熊谷説明員 専門家会議の方の要請に基づきまして、四十九年の六月と九月に当省の見解を説明いたしております。その際、たしか六月の時点におきましては、航空機工業の現状ということの説明であったと思いますが、同時にYX計画についても説明をいたしております。その際、たとえば技術工数あるいは直接工数というような工数の面から見て両方の計画というのが行い得るものか、同時に進められ得るのかどうかということについて若干の説明をいたしておりまして、結論は、両方がピークになりましても両方の作業は同時に実行できますということを二回にわたって御説明をいたしているというふうに了解いたしております。
#172
○坂井委員 ピークになりましてもできる。しかし、たとえば技術要員等は可能だけれども、直接工についてはきわめて困難である。あるいはYX開発とPXL開発、この両開発計画が同時に行われるとしても、その後に来る新しいプロジェクトがはっきりしなければ技術水準の維持あるいは仕事量の維持も困難である。つまり、実際上はこの両者の開発は困難だ、こういうことがこの二回の専門家会議における結論であったのじゃないでしょうか。
#173
○熊谷説明員 そういう結論ではございませんで、もう少し詳細に申し上げたいと思います。
 九月の時点の説明でございますが、PXLが航空機産業に与える影響いかん、こういう問題でございまして、わが国の航空機工業の能力工数から見た場合に、仮にPXLの国内開発とYX開発計画の作業のピークが重なった場合でも直接工数は十分対応できます。それからまた技術工数につきましては、一時的にフル稼働となりますが対応が可能でございますので、YX計画はPXL国内開発に支障を及ぼすものではございませんと、こういう説明をいたしております。
#174
○坂井委員 実際的にはYXの共同開発をすでに進めておるのです。作業日程には載っておりませんけれども。そこでもってまたPXLの国産化だ。これは実際上はほとんど無理である、こういう状況になっておったことは否めないと思いますね。
 で、このことは裏返しに言いますと、十月四日の決定それから十月九日の正式決定発表、同じく十月九日のいわゆる国防会議議員懇談会におきましてPXLの白紙還元問題が出るわけですけれども、このPXL問題とYXの共同開発、これは切り離しては考えられない問題だ、私は実はそういうふうに見ております。つまり、この共同開発の決定は、裏返しに言えば、PXLの国産化断念に必然的につながるということだということを、実はきょうは指摘にとどめておきたいと思いますが、そういうことであります。
 そこで、もう一つの条件を申しますが、四十五年、中曾根さんが当時防衛庁長官でありました。主要兵器の国産化構想を発表いたしまして、PXLは国産化とする、こういうことで四十五年の十二月に初めて予算がつくわけでありますが、四十八年の六月十五日になりますと、当時通産大臣として参議院の本会議におきましては、防衛庁の装備はすべて国産というのではなく、国産か輸入かの決定は国際収支の動向を見て決めてはどうか、こういうふうに発言が微妙に変化をしてまいります。つまり、当初のオール国産化が、一方には輸入の道もあるという、この糸口になるような発言があるということを、これもきょうは指摘にとどめておきたいと思います。
 そこで伺いますが、いわゆる児玉ルートの解明であります。この児玉ルートの解明に当たって、やはりPXL、これは欠くことはできない問題だと思いますが、四十七年の十月六日から十月中には七回にわたりまして四億数千万入っております。で、十月九日の国防会議における白紙還元と絡んで大きな意味合いを持つと思いますが、一方いま申しました十月の四日、九日のYXをボーイング社と共同開発、これに絡みまして十月五日、十月六日、この両日にまたがる一連の行為に関してこの七回にわたる金は支払われた、実はこういう大変確度の高い情報がございます。しからば、この二日間にまたがる一連の行為とは何か、この行為は国防会議に参加し得る資格のある人に関連した行為である、こう思われますが、捜査当局、そういう方向に捜査は着目をいたしておりますか。
#175
○安原説明員 承知いたしておりません。
#176
○坂井委員 時間が参りましたので、最後に一点だけ伺っておきます。
 運輸省に先日聞きましたが、四十八年八月十七日、これはエアバスを中心とする大型機種七機、中古機四機を含む現有機種九機、計十六機、この緊急輸入案をまとめた、これが当時の新聞で報道されておりますが、この十六機決定に至る経緯を実は聞きたいわけであります。当然通産省はいわゆるドル減らしのための緊急輸入策、それでもって各省に何か買う物はないかということでいろいろ聞いておった、そういう経緯が実はありますが、そこで最終的に十六機を購入しましょうということを運輸省が決めた。この運輸省が決定するに当たりまして、一番最初にエアバス導入のことについて通産省から話があったのはいつですか。
#177
○高橋説明員 四十七年七月二十一日に対外経済閣僚懇談会がございまして、その後、正式に閣僚懇談会事務局から運輸省に対して話があったわけでございますけれども、日は正確に覚えておりませんけれども、この前後に通産省から、民間航空機についてどのぐらい発注できるかということを並行して検討依頼があったことはございます。
#178
○坂井委員 一問で終わりますが、いまのに関連します。
 四十七年八月八日、経済関係閣僚協議会が持たれる。この席上、当時の中曾根通産大臣から当時運輸大臣に対しまして要請がなされたかどうかについて先般聞きましたが、確認していただいたと思いますが、どうであったかということ、それから当時の通産省内事務レベルにおける進行状況、それについて簡単にお聞きして終わります。
#179
○間淵説明員 お答えいたします。
 当時、一般的に関係各省に対しましてアメリカからの輸入の増大ということを要請しておったわけでございまして、当該協議会におきまして中曾根大臣がどのような発言をいたしましたかは承知しておりません。
#180
○田中委員長 河村勝君。
#181
○河村委員 初めに、今回の田中前総理起訴の対象になった五億円について、刑事局長、さっきのあなたの五億円についての答弁を確認をいたしますが、五億円の使途については犯罪として成立するものはないから、これで捜査を打ち切るという説明でありましたが、そうであれば、当然使途そのものは捜査によって明らかになっているということですね。
#182
○安原説明員 先ほど申し上げましたように、五億円の金の性質というものを究明する必要上は、どのように使われたかは当然捜査したのでございますが、その結果につきましての内容については申し上げるわけにはいきませんので、いまきわめてデリケートな御質問でございますが、わかっているということか、わかっていないということを含めて内容は申し上げかねますが、捜査当局の記者会見における発表によりますと、その間において犯罪の嫌疑を抱かなかったということでございます。犯罪の嫌疑を抱かないものにつきまして捜査当局が捜査をするわけにはまいりませんので、理論的に打ち切るということに相なるということでございます。
#183
○河村委員 ですから、私が言っているのは、犯罪として成立しないという心証を得るためには、事実がわからなければ成立しないということが言えるわけはないのです。ですから、事柄の性質はともかくとして、事実についてはわかっていなければならないはずだということを聞いたわけです。それはそれでよろしいですね。
#184
○安原説明員 犯罪の嫌疑を抱かなかったという限度において事実は究明されておるわけでございます。
#185
○河村委員 そこで、先ほど法務大臣は、この件に関して楢崎委員の質問に対して――これを公表すべきではないかという質問でしたね。それについて、それこそ国会の国政調査権に基づく政治的道義的責任の解明、それの対象になるものではありませんかという意味のことを返事をされました。それはそれでよろしゅうございますね。
#186
○稻葉国務大臣 よろしゅうございます。
#187
○河村委員 そこで副総理、あなたは、先ほど同様の質問に対して、この五億円の使途についてはこれは検察当局に任せればよろしい、そういう答弁をなさいましたね。それでよろしいのですか。
#188
○福田(赳)国務大臣 私はそのとおりに考えておりますが、国会の御論議がどういうふうにいくか、これは国会の問題でありまして、ひとつ国会は国会として独自の御調査があれば御調査に相なる、そういう性格の問題である。政府といたしましては、これは検察当局の厳正なる解明、これを信頼してます。このほかないと思います。
#189
○河村委員 これは大変なんですね。国会ではもちろん独自で国政調査権を発動していわゆる灰色の部分を調査することに相なります。しかし、これは国会だけでできることではないんですね。事実の全貌はこれは検察庁がつかんでおって、われわれでは知ることのできないものが大部分です。いまの五億円についても、いまお聞きのように、犯罪としては成立しないけれども事実関係は検察庁ではわかっておる。ですから、これはやはり政府の問題になるのであって、国政調査権の発動に対して政府が協力をしなければ明らかにならないのですね。ですから、国会でおやりになることだからそれは御自由にということでは答弁にならないのであって、政府もやはりそれに協力するという立場がなければならないはずです。その点、いかがですか。
#190
○福田(赳)国務大臣 政府は、国会の調査に協力すべきだと思います。もちろん、それは個人の人権の問題とかあるいは秘匿の問題とか、守秘義務ですね、守秘義務の問題とかいろいろありますが、これはできる限り国会の御調査には協力すべきものである、こういうふうに考えますが、しかし、先ほど刑事局長がお答えしておるところを聞いておりますと、この問題は、五億円の行き先について調査があるかなしかを含めまして、これはお答えはできない、こう言っておるわけでございます。だから、調査はあるのかどうか。あなたはあるという前提のように言われますが、ないのかもしれないし、その辺は私はわかりません。わかりませんが、しかし、国会の調査が行われるという際に対しましては、これはいろいろ制約もありまするけれども、できる限りの御協力を申し上ぐべきであるということにつきましてはそのとおりに考えております。
#191
○河村委員 あなたは刑事局長の答弁を素直にお聞きになっていないですね。刑事局長は、少なくとも犯罪が成立しないということを判断できる程度には事実は解明されている、こう言ったんですよ。ですから、五億円の残らずが解明されたかどうかはわかりませんけれども、しかし、とにかくそうした心証を得るに足るだけの事実は解明された、こう言っているので、そういまから逃げられるようではこれは恐るべきことでありまして、われわれの仕事がこれから非常にやりにくくなる。少なくとも政府の副総理ですね。その人がその程度の認識では私ははなはだ困ると思うので、いまの点は最終的には多少修飾がつきましたけれども、協力をされるという返事だと思いますので、そう了解してよろしゅうございますね。
#192
○福田(赳)国務大臣 政府といたしましては、できる限り国政の調査には御協力申し上ぐべきである、これははっきりそう申し上げます。
#193
○河村委員 申し上げておきますけれども、前国会の議長裁定もあり、また四月五日のわが党と自民党との間の協定においてはより具体的に、捜査が終結した時点で政治的道義的責任の有無を明らかにするために国政調査権を発動する、それに対して政府は最善の協力をする、そういう約束になっているのですね。それをお忘れなきようにお願いします。そうしたことがあった事実は御存じですか、御存じなかったのですか。
#194
○福田(赳)国務大臣 議長のあのときの裁定でしたか、御所見につきましては、篤と承知しております。
#195
○河村委員 わが党と自民党との間の協定についても御存じですか。
#196
○福田(赳)国務大臣 その線につきましては、定かに覚えておりませんです。
#197
○河村委員 公党の約束を――あなたはいま政府の責任のある立場であって党の役員ではないけれども、しかし、もう一遍確認をしてもらいたい。法務大臣は御存じですね。
#198
○稻葉国務大臣 存じておりますし、それが議長裁定に包摂されたものと心得ております。
#199
○河村委員 そこで、昨日の検察庁の記者会見あるいは法務大臣のいろいろな報告を総合して先ほどからのお話を聞いておりますと、まあ丸紅ルートはほぼ片づいた、全日空ルートも事実関係は大体明らかになっておるから月内には峠を越すであろう。というのは、逮捕すべき者は逮捕できるぐらいのところまではいくであろう、そう了解してよろしいのですね。
#200
○安原説明員 具体的に捜査の方法までお尋ねでございますが、そこまでは申し上げかねますが、遠からず全日空の関係についても究明が終わるであろうというふうに判断をいたしております。
#201
○河村委員 そこで、児玉ルートの問題でありますが、この新聞報道の内容がそのまま正確であるかどうかはわかりませんが、児玉ルートについては要するに難航しておって、現在児玉の病状が変わらないので、太刀川その他についての現状のような捜査を進めていく以外にはない、相当延びるであろう、まあ、そういうことですね。この延びるということなんですけれども、単に九月にずれ込むということではなくて、相当長期を要するというふうな印象をわれわれは受けておりますが、そういうふうに理解してよろしいのですか。
#202
○安原説明員 いま御指摘のような事情でいわゆる順調とは言えない捜査の状況でございまして、それがいつまでに解明できるかということについては、実際問題としていつということは申し上げかねる状況でございます。ただ、検察庁といたしまして、すでに二月以来不眠不休の活動を続けております関係もございますし、人間のやることでございまするから、そういつまでもということには相ならないと思っております。
#203
○河村委員 副総理、現在のあなたの責任として、一つは、このロッキード事件を解明することに全力を挙げなきゃならない。それについて消極的に言えば、事件の捜査の妨げになるようなことをやってはならないということが一つと、これは臨時国会問題と非常に密接な関係がございます。それと同時に、あなたは経済の責任者として、それで経済問題もゆるがせにできないことであります。特に財政特例法の成立ということは、これは時間的な制約があることは間違いがございません。
 全体のことをお伺いする前に、財政特例法はあなたとしてはいつまでに成立をしなければ日本経済に与える影響が相当大きいというふうにお考えになっておりますか。
#204
○福田(赳)国務大臣 財特法の成立を要する時期につきましては、大蔵大臣とも協議しておるのですが、大蔵大臣は、まあ九月十日ぐらいにはぜひ成立するようにしてもらいたい、こういうふうに申しております。私もそのとおりに考えております。
#205
○河村委員 九月十日というのは、これは大蔵省の通常言う、対外的な牽制のように使っている通例の言葉であって、大体アローアンスがあるのが普通ですね。ですから、福田さんの場合には、これはもう大専門家で表も裏も御存じなはずですから、本当にぎりぎりに成立をしなければならぬというのは、大体月末ぐらいとお考えなのですか。
#206
○福田(赳)国務大臣 何とか御協力を願って九月十日ごろまでには成立させていただきたい、こういうふうに念願をいたしております。
#207
○河村委員 九月十日までに成立することになると、そうすると、臨時国会はいつ開かなければ間に合わないことに相なりますか。
#208
○福田(赳)国務大臣 それは臨時国会の運営の態様によると思うのです。皆さんが、これは大切だからぜひひとつ早く上げてやろうということになれば、さっさといつ開かれても財特法の通過成立ということになるだろうと思いますがね。問題は、その成立が問題なのです。それは、臨時国会をあしたにも開くということになりましても、他の案件の論議がずっと続いておって、そっちの審議に入らないというような状態でありますれば、これは九月十日成立ということを期待いたしましても、それはあるいはむずかしいかもしれません。つまり、これはもう与党はもとより野党の皆さんの御協力も得なければならぬ、両院議長の意向も聞かなければならぬ、そして大体最低いつごろこれを成立させてくれるんだというような見当がついておると、それに応じて召集の時期ということが決まってくるんじゃないか、そういうふうな見解でございます。
#209
○河村委員 臨時国会の日程というのは常識的に決まるわけでありまして、仮に捜査が一段落をしたということであれば、そこでいわゆる灰色高官問題、これが臨時国会の冒頭の一番大きなものになりますね。それに伴う証人喚問等がございますから、だから最低限度それを処理して、それからでなければ実質審議に入れない。だから、九月十日は駆け引きがあるにしても、仮に九月二十日ないし月末までに財特法を処理するにしても、やはり相当、臨時国会を開かなければならない時期というのは切迫しているはずだと思う、そうですね。その点、あなたは、国会開かれても実際国会が動かなければ何にもならぬ、そのとおりでありますが、しかし、時間的な要因というものは物理的に控えているわけですね。ですから、いま副総理としては、こういうロッキードに妨げにならない時期が来た、それで財政特例法を成立せなければならぬ、両方考えた場合にぎりぎりいつまでに開かなければならぬということはおおよそおわかりでしょう。
#210
○福田(赳)国務大臣 総理大臣はいま月内に召集ということを希望しているのです。しかし同時に、臨時国会をなぜ開くかというと、私どもとしては懸案三法を御審議願い、成立させていただきたい、こういうことなんで、仮に早く開かれましても、その審議には入らない、その審議の結果の採決にも入らないというような状態でありますれば、これは早く開いた意味がないのですよ。ですから、その辺を与党はもちろんですが、野党とも話し合い、議長とも相談して、なるべく手順よく運び得るような展望を持って、そうしてこの召集という問題をいつにするか決めなければならぬだろう、こういうことを申し上げているわけです。
#211
○河村委員 そこで、最後に副総理にお伺いいたしますが、あなたは人心一新という言葉を使われて、その人心一新が臨時国会の前に行わなければならないというのが、副総理、あなたの主張ですね。そうすると、臨時国会というのはいずれにしてもそう遠からぬ時期に開かなければならない。そうした短い期間にあなたが人心一新をしなければならぬというその人心一新というのは、具体的には何を言われるのですか。
#212
○福田(赳)国務大臣 私は、人心一新という言葉は一度も使ったことないのです。自由民主党よ出直せということを言っているのです。その出直し的改革、これはとにかくロッキード事件のこの問題の解決、これは、事件処理はもとよりやっていかなければならぬが、その上に立って自民党は反省し、そして装いを新たにして再出発せよ、こういうことを言っておるので、人心一新という言葉の含む意味と違った角度の問題を申し上げておるんだ、こういうふうに御理解願います。
#213
○河村委員 最後に、世直し的改革でもよろしいが、その改革を臨時国会前にやらなければならぬということであれば、それは相当具体性のあるものでなければならないはずだと思う。それは一体何でしょうか。
#214
○福田(赳)国務大臣 私は、出直し的大改革を臨時国会開く前にやらなければならぬ、こういうふうに主張しておるわけじゃないのです。とにかくこのロッキード問題というのは、これは事件処理をしただけで、それで政治として満足しちゃいかぬ。やはり第二、第三、第四のロッキード事件が起こらないような措置を講ずる。それには自由民主党がとにかく積年の弊害というものがあったかもしらぬ。それを本当に素直に反省して、その反省の上に立って装いを新たにして再生、再出発をすべし、こういう議論を言っておるのでありまして、それはいわゆる人心一新論が考えておる角度とは違った性格のことを提唱しておるんだ、こういう御理解を願います。
#215
○河村委員 終わります。
#216
○田中委員長 本日は、これにて散会をいたします。
    午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト