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1975/09/09 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第30号
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1975/09/09 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第30号

#1
第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第30号
昭和五十一年九月九日(木曜日)
    午後一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 谷垣 專一君 理事 中村 弘海君
   理事 松永  光君 理事 山下 元利君
   理事 田中 武夫君 理事 横路 孝弘君
   理事 松本 善明君 理事 坂井 弘一君
      宇都宮徳馬君    上村千一郎君
      瀬戸山三男君    古屋  亨君
      大出  俊君    加藤 清政君
      斉藤 正男君    森井 忠良君
      諫山  博君    東中 光雄君
      河村  勝君    永末 英一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        外 務 大 臣 宮澤 喜一君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 坂田 道太君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        防衛庁参事官  岡太  直君
        防衛庁長官官房
        長       亘理  彰君
        防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君
        防衛庁装備局長 江口 裕通君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        法務省矯正局長 石原 一彦君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        外務省欧亜局長 橘  正忠君
        大蔵省銀行局長 後藤 達太君
        食糧庁長官  大河原太一郎君
        通商産業省貿易
        局長      森山 信吾君
        運輸省航空局長 高橋 寿夫君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       前田 正恒君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月九日
 辞任         補欠選任
  楢崎弥之助君     森井 忠良君
  松浦 利尚君     加藤 清政君
  庄司 幸助君     諫山  博君
  三浦  久君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 清政君     松浦 利尚君
  森井 忠良君     楢崎弥之助君
  諫山  博君     庄司 幸助君
  東中 光雄君     三浦  久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 ロッキード問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 安原刑事局長より発言を求められております。安原刑事局長。
#3
○安原説明員 昨日、東中委員から三点につきまして御質問があって、本日お答えをするということでございますので……。
 まず第一点は、事情聴取を行った者のうち被疑者とされている者は何名かというお尋ねでございますが、すでに身柄拘束をいたしました被疑者が十八名、それから不拘束のまま警察から送致を受けた者あるいは児玉譽士夫のように病気のためということで任意捜査中の者も含みまして、二十名が被疑者として取り調べをしておるわけでありまするが、そのほかに被疑者がおるかどうかということは、任意捜査、捜査密行のたてまえから、この段階におきましては申し上げることを差し控えさせていただきたいと存じます。
 それから第二の、全日空、丸紅ルートで被疑者として立件して取り調べていない者がいるか、さような者がいるということは聞いておりません。
 それから第三点は、ロッキード社から金を受け取っている者はすべて被疑者として立件する方針か、これは具体的な捜査の方針に関することでございますので、具体的には申し上げかねますけれども、およそ検察庁で立件するということは、検察官が犯罪の容疑あるということを認知して、取り調べに当たりましては立件をするということに大臣の訓令でなっております。
    ―――――――――――――
#4
○田中委員長 では、ロッキード問題に関する調査を進めます。
 質疑の通告があります。順次これを許します。大出俊君。
#5
○大出委員 三、四十分時間があるそうでございますので、主としてP3Cにかかわる幾つかの問題について承っておきたいのであります。
 その前に、ミグ25が函館にやってまいりまして、まあフォックスバットなどと西側では言っておりますが、私の心配が一つございますので、ロッキード問題と絡みまして承りたいのであります。
 と申しますのは、衝動的に防衛問題を論議するというのは、一般的に言って私は非常に危険だと思っているわけであります。ベトナム戦争終局の後の朝鮮半島にかかわる問題などもそうでございましたが、そういう意味で、この問題をめぐりまして、私がロッキード事件全容解明の中で一番重点に思っておりますのは、トライスターではなくてむしろP3でありまして、トライスターというのはたかだか十六機、あるいは幾つかそれに上乗せをして民間の航空会社がエアバスを買うということでありまして、総額にしても一千億前後の商談であります。ところが、次期対潜哨戒機というものをめぐっては、仮に一括購入でないにしても、百機買うとすれば一兆二千億ぐらいのものになる。しかも今日まで、自衛隊発足してアメリカから武器をおおむね六兆円近く買っておりますが、そのうちの三分の一の二兆円近いものは航空機でございますから、これにまつわる賄賂だなんてことになっていたとすれば、これは大変なことになる。対国民という意味で罪はまさにトライスターどころの比ではない、こういう気が実はいたします。
 だから、防衛庁長官には、なおかつ全く明らかにならないP3をめぐります疑惑の数々、これに行政機関の長として責任を持って当たり、国民の疑惑を解く、そういう重大な責任があると私は思っているのであります。にもかかわらず、今度のミグ25をめぐりまして閣議で物をおっしゃったりいろいろなコミットをされておりまして、やれ、AEWをどうするとか通信機器をこうするとか言っておられるわけでありますが、私は、どうもP3そのものの疑惑も明らかにならぬのにこういう話が長官からぼんぼん出てくることは、いささかこれは心外だという気がするのであります。
 そういう意味で、今回の問題を防衛庁としてはいろいろ言っておられますから、一々指摘はしませんが、どういうふうに総括的にお考えになっておるのか。防衛に弱いとかなんとか言っておられますけれども、その焦点たるべきものを長官からまず、長くなくて結構でございますから、承りたいのであります。
#6
○坂田国務大臣 PXLの問題は、私も非常に心配をし、鋭意この解明に当たっておるわけでございます。しかし、いままでのところ、私どもの方に、疑惑を解明する問題はなかなか出てまいりません。この問題は、やはり捜査当局の追及を待たなければ何とも言えない段階だというふうに思っております。
 それから、それがあるのに、このソ連機の領空侵犯事件についてとやかく言っておるとおっしゃいますけれども、これは防衛庁の長官といたしましてやはり重大な関心を持っておるわけでございます。亡命であれ何であれ、もしこれがそうでないような形でこのような領空侵犯というものが行われる、警告を無視して入ってくるということは、日本国民の安全にとって重大なことだというふうに思いますし、そのために、われわれの防空上欠陥があるとするならば、やはりこれを点検をし、そして万全の措置を講じていくという前向きの姿勢を考えるということは、やらない方がおかしいわけで、やるべきであるというふうに思っておるわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、この問題につきましても、十分防空上の観点から――低空で速い速度で入ってくる場合、なかなかレーダー等で捕捉ができないというようなことであります。しかしこれは、考えてみますと、単にわが国ばかりの欠陥でなくて、大出さんはもうすでに御承知のとおりに、各国が軍事的に非常に悩んでおる点でございまして、あに日本ばかりじゃないということははっきり言えるわけで、恐らくソ連当局もこの亡命機が出国したということを追跡できなかったわけでございまして、ソ連当局といえども、低空で来ればなかなかレーダー等に映らなかった、したがって、どうにも措置ができなかったということじゃなかろうかというふうな把握はしております。しかし、それはそれといたしまして、われわれの方の防空体制はこのままでいいのか、十分なのかという国民の危惧に対しては、われわれはやはりこたえる責任を持つべきである。
 たまたまこの事件を閣議に御報告をいたしましたら、総理から、防衛庁では基盤的防衛力というような構想を示しているけれども、しかし、日本の立場から言うならば、監視態勢というものは非常に大事なことじゃないか、これが揺るぎなきものである場合は未然に戦争を防止するというようなことにつながるから、むしろこの監視態勢というものが大事なんだとおれは思うがどうなのだとおっしゃいますから、そこで私は、いや、基盤的防衛力の構想の中身は、むしろそういうことを平時においても一〇〇%に近い態勢に置くべきであるというのがポスト四次防のわれわれの考え方だった、いままではどちらかというと主要装備重点であった、それも経済が非常に発展をしておる段階ではやむを得ないことであったかもしれないけれども、これからはむしろその抗たん性やあるいは補給能力やそういう後方支援体制を合わせた総合的な防衛体制が望まれるわけであって、そういうことが基盤的防衛力構想の中身になっていることは総理も御承知のとおりだということで考えておりますということを申し上げたにすぎないわけでございます。
#7
○大出委員 これは先例は幾つもありまして、時間がありませんから、またそれを論議しようというのじゃありませんからよけい申し上げませんが、キューバからアメリカのマイアミの飛行場に亡命機が飛んできて、着陸してしまってその後になってわかったという、あれほど完全な装備をしておるはずのアメリカだって国防省自体がえらくびっくりした。それはなぜかというと、戦争の雰囲気がないところへ偶発的に起こるから、人間がレーダーを動かすのですから、どうしてもそういう結果が出てくる。
 御存じのとおり、SSというのは本土に二十四カ所、沖繩に四カ所、二十八カ所ありますよ。レーダーが回っております。北海道だって稚内、当別にあります。あるいは奥尻、大湊にありますけれども、それは五百メートルから六百メートルという低空で入られれば、レーダーに映らないのは地球が丸いのですからあたりまえ。だから、OTHみたいなオーバー・ザ・ホライゾンという形で散乱型だ、前方展開型だとつくったりして、あるいはAEWを持ってきて苦労するのはどこの国だってやっておることで不思議じゃない。AEWの議論をして、これは国会でもやっておるのだから、十六機なら十六機持ってきて飛ばしておるのじゃないのだから、基盤的防衛力で年じゅう飛ばしておけるかと言えば、これはまた飛ばしておけないのだから。そうでしょう。何かがあるから飛ばすのだから、それなら偶発的な事件でこれくらいのことが起こるのは物理的に当然なんだ。それを衝動的につかまえて、国会の外でがたがたマイクでしゃべる人も出てくるという雰囲気。私は、そう衝動的にこの議論をして、だからAEWをどうしなければいかぬとかなんとかと長官が言い出す筋合いのものではないという気がしている。もっと冷静に議論をすべきだという気がする。ただ、これは言っておる時間がありませんから……。
 せっかくいまお話が出ましたから、外務大臣にもひとつ承っておきたいのでありますが、これは意図的なものではない、偶発的なものである、あるいは個人の意思が働いている問題だという見方ができると思うのでありますけれども、私は、これは外務当局としてはよほど慎重に対処する必要のある問題だと思っているわけであります。そういう意味で、いませっかく防衛庁長官から話が出ましたから、外務大臣にも承っておきたいのでありますけれども、やはり対ソビエトという関係は、中国ありアメリカあり、いろいろ複雑な相関関係がございますから、むずかしい国際問題でございましょう。むしろ逆に言えば、外務省の自主外交を問われることになるかもしらぬ、こういう側面だってなくはない。そういう意味で、これは問題を残さぬような、よほど冷静沈着な、かつ慎重な対処が必要だという気がするのでありますが、基本的な、外務省の今日的な考え方をお聞かせをいただきたいのでございますが、いかがでございますか。
#8
○宮澤国務大臣 警察当局あるいはその他の捜査当局から本人を取り調べまして、なお念のため外務省からも直接本人につきまして事情を聞いたわけでございますが、その結果といたしまして、これはいわゆる国家の意思としてそれを体現して行われた行為ではないということはまず明らかのように存ぜられます。したがいまして、これは全くパイロットの私の行為である。取り調べあるいは調査等の結果によりますと、これは自由に本人の自発的な意見を求めた結果であるというふうに聞いておりますが、本人は米国へ亡命を希望しておる、そのために函館空港に着いたのであるということでございますから、ソ連の国家としての意思がそこに働いたと考える理由はございません。
 大出委員が御指摘になりましたように、きわめて複雑な国際関係の今日でございますから、わが国としては、平和憲法の趣旨に基づきまして、わが国独自の見識のもとに本人あるいは機体等の処理に当たりたいと考えております。
#9
○大出委員 ロッキード事件そのものでございませんから、いまの点は関連がございましたからちょっと承ったわけでありまして、外務大臣の時間がございますので、焦点一つにしぼりまして承りたいのであります。
 これは本来、三木総理に承りたい問題なんであります。と申しますのは、六月の三十日にワシントンでフォード・三木会談が行われているわけであります。プエルトリコのサンファンの七カ国経済首脳会議が終わった後でありますが、その後この日米会談、これにかかわるいろいろな情報なりあるいは記者の書きましたものなりが出てきております。九月号の「中央公論」などにも、いますでに有名になっております。もとニューヨークタイムズにおりましたタド・シュルツ氏などもこの問題を取り上げて署名入りで寄稿しております。そのほかにも幾つもございますが。
 中身をいろいろ検討してみますと、出席している方々、五人ほどのようでございます。宮澤さんがお出になっているようにここに書いてありますけれども、出席者は大体どういう方がこのときお出になったわけでございますか。六月の三十日、時間にして一時間五分程度の日米会談でございますが、いかがでございましょう。
#10
○宮澤国務大臣 しっかり記憶をいたしておりませんけれども、六月三十日の三木・フォード会談におきましては、わが方からの出席者は三木総理大臣、私、東郷駐米大使、海部官房副長官、吉野外務審議官、それからアメリカ側からはフォード大統領、キッシンジャー国務長官、ハビブ現在の国務次官、ホッドソン駐日大使等であったと記憶いたします。
#11
○大出委員 念のためにもう一つ承りたいのですが、レビ司法長官は出席しておいでになりませんでしたか。
#12
○宮澤国務大臣 六月三十日の三木・フォード会談にはレビ司法長官は出席しておられなかったと記憶しております。
#13
○大出委員 これは二つの記録にレビ司法長官の出席が書いてあるのでありますが、これは後ほどひとつお調べをいただきまして、記憶薄れもございましょうから、お伝えいただきたいのであります。アメリカ側の主たる方々はフォード大統領、キッシンジャー国務長官、もう一人レビ司法長官、こうなっておりまして、こちら側は三木総理と宮澤外務大臣が中心であるということなんであります。
 そこで、この会議の結果は一切秘密にするということをお互いに確認し合ったということになっておりますね。このタド・シュルツという人は、「中央公論」も紹介しておりますけれども、キッシンジャー国務長官と非常に長い親交のある方なんですね。「ヘンリー」といきなり呼んで手を挙げて入るという方なんですね。だから、書いてある文脈を見ますと、恐らく相当突っ込んで書いておられる感じがいたします。「本誌独占特報」という形で「中央公論」が扱っているわけでありますが、いきなり出てくる見出しは「オライオン隠し」、こういうわけであります。P3Cオライオンを隠すという見出しであります。
 この中身は、焦点の一つは、四十三年当時から、これは坂田防衛庁長官に関係ございますけれども、次期対潜哨戒機の問題が起こったのはレアード国防長官が日本に来て中曾根防衛庁長官と話し合った時期からなんです。このときに私は質問しておりますが、それから発展をしまして、つまりアメリカ側にP3Cオライオンについての情報の提供を求めたわけですね。これはアメリカ側が拒否してきていますね。これはいま宮澤さんの時間がございませんから後から申し上げますが、歴史がございます。
 不思議なことに、これが次期対潜哨戒機の国産化予算が大蔵省との間できわめてきわどい折衝になるその段階の寸前に、だから一番最初のこの委員会で私がその点指摘してあるわけでありますけれども、レリーズについての情報を渡すという向こう側からの話が出てまいりました、急転するわけでありますけれども。そこらのところにこのタド氏は触れて、つまりこの出席者である当局者からいろいろ確かめた。その結果、アメリカ側が日本に次期対潜哨戒機の国産をさせる、当時の金で五百億からかかりますから。対潜哨戒機の国産だけで終わらない、日本の高度な技術というものも相まって次々に日本の自衛隊の兵器の国産の方向に動いていく。ということになると、いまの場合、日本の自衛隊はアメリカに対して兵器依存をしています。武器依存をしています。だから、アメリカの戦略体系から見れば日本をそこに組み込むことはきわめて容易である。ところが、将来に向かって日本が独自の開発能力を持ち、その方向に大きく動くということになると、その意味ではアメリカ離れということを含めて重大な局面が将来予測されるというペンタゴン自身の意思があって、最終的に、これはロッキードという一会社ではない、アメリカの政府、こういう形で実は国産をひっくり返してP3Cの輸入という方向に動いたのだ。だから、この問題を掘り下げていけば、当然日米関係そのものが出てきてしまう。これが実はキッシンジャー氏が一生懸命昨年の十一月の段階で連邦地裁とその他の判事等に物を言って抑えにかかった理由なんだという。したがって、六月三十日のこの会談というのは、そういう意味で秘密の話し合いと称するものがあった。もちろんこれは、いまお答えいただいた会談の後で司法当局と三木さんの会談というのがあるようでありますから、そこらのところは改めて三木さんに聞かなければなりませんけれども、ここで承りたいのは、そういう意味でこのP3にかかわる問題、またアメリカに返ってきている、つまりキックバックされている金あるいはペイバックされている金という問題も取り上げておりまして、そういう問題が表に出てくることは大変にまずいことになる。したがって、そちらの方は表に出さないということで田中前総理逮捕という点について合意をしている。簡単に要約すると、そういう趣旨の会談の中身ですね。
 具体的には、免責条項その他の取り決め等の話も出て、向こう側のロッキードの三人の方々に対する嘱託尋問その他の問題に触れた話になっていっているわけでありますが、この一時間五分の話し合いの中身、お互いにこれは秘密にするということで合意をしているのだとすれば、中身全部しゃべってくれというわけにはいかぬ筋合いでありますけれども、私がいま申し上げている大筋について、つまり今回のロッキード問題を包括すればトライスターとP3でございますが、これは国産と絡んでおりますけれども、ここらの話が話し合われていたのかどうかという点を、外務大臣出席をされておられたわけでありますから、承りたいのであります。
#14
○宮澤国務大臣 一般に、大出委員御承知のように、このような会談はそのまま公にするということはしないことになっておりますけれども、私、この会談には終始列席をしておったわけでございますので、ただいま大出委員の言われましたようなこと、免責であるとか嘱託尋問だとかあるいは田中氏の問題でありますとか、そのようなことは一切この会談では話されておりません。
 ロッキードの部分につきまして申し上げますと、総理大臣から従来の米国側の協力に感謝をしておること、自分としてはこの事件を徹底的に解明することが日本の民主主義の基盤を固めることになる、またこの事件が両国の外交関係に悪い影響を及ぼさないことを念願し、これからもそのようにやるつもりである、なお米国側の協力をお願いしたいというのに対しまして、フォード大統領から、この事件によって両国関係が傷つかないように自分も配慮しておるが、アメリカとしては法令の許す範囲で最大限の協力をこれからもやっていく、それによって公正な解決がもたらされるように協力をしていきたい、これがロッキードに関しまする唯一の部分でございました。
#15
○大出委員 このシュルツ氏の記事の中で、また別なところで取り上げている記事もここにございますけれども、いまの外務大臣がお答えになった話からいたしますと、これはロッキード問題というものがほんのつけたりで、あいさつ程度のやりとりであったというふうに聞こえるのですけれども、そうではなくて、この会談の中身が一つのきっかけになって、クラーク副検事さんでございますが、このクラークさんを特別検事ということでロサンゼルスにやるとか、いろいろな話が出ているのです。
 中身というのは、いま単に外務大臣がおっしゃった程度のものではないのです。これは、あなたが出ておって私が出てないのだから、いや、私が出ておってそうだったのだと言われればそうかもしらぬが、これは向こうの記者が向こうにいて、この会談に出席した方々と相当な関係があって、会談時間一時間五分という時間まで記載をして中身に触れているわけですね。そうすると、どうも外務大臣がいまおっしゃったような簡単な――時あたかも日本国内は、余り言いたくありませんが、椎名さん等が表に出られて大きな騒ぎになっておったさなかでございました。そうだとすると、そのくらいのことで、儀礼的あいさつ程度のことで終わってしまう時期でないという気が私はするのであります。総理が出席しておられたのですから、外務大臣に聞くのは筋が違うかもしれませんけれども、きょうのこの席も総理を呼んでおったようでありますけれどもおいでにならぬわけでありますから、外務大臣にとりあえず承るしか方法がないので聞いておるわけであります。その意味では、当事者でなかったのかもしれませんけれども、もう一遍念のために承りたいのであります。
 このロッキード事件の事の真相、つまりアメリカ側の資料、これがあることは当時すでに背景になっておるわけですね。SECにロッキード側の資料が出ている、かつまた、チャーチ委員会、多国籍企業小委員会に資料が持ち込まれて公に発表されている、こういう時期です。そこで嘱託尋問の話も出ていた時期ですね。いまその話があったことはお認めになったわけであります。そうだとすると、そのもう一つ中身に、親書まで出しておられる総理でございますから、触れない方が不自然だという気が私はするのでありますけれども、いまのところ、お答えをいただきましたが、もう一歩進んでそこから先のところは本当になかったのか、重ねて承っておきたいのであります。
#16
○宮澤国務大臣 いわゆる嘱託尋問等の問題につきましては、これも御承知のように、日米間の司法共助という司法当局間の取り決めが結ばれまして、その線上において嘱託尋問というようなことが進行していったわけでございますので、したがいまして、両国の司法当局間の取り決め、これは総理大臣並びに大統領の親書を背景にいたしたものでございますけれども、その取り決めによりまして順調に推移をいたしておったわけでございますので、総理大臣として大統領との会談では、従来の協力に感謝をすること、今後とも協力をお願いしたいと述べられまして、フォード大統領がそれについて協力の意思を重ねて表明された、これをもって足りるわけでございまして、もう具体的にそのような路線は両国間の取り決めによって敷かれておって、それが順調に進行しておったことでございます。したがいまして、三木総理大臣もそれ以上具体的にこれを要請される必要はなかったわけであると存じますし、フォード大統領も具体問題には触れておられません。先ほど申し上げた以外に大出委員の言われますようなことはございませんでしたということを、私、列席者として申し上げられると思います。
#17
○大出委員 宮澤さん、大変失礼しました。二時までというお話をうっかりしまして時間が二、三分過ぎてしまいましたが、それでは司法当局との話し合いがもう一つございますが、改めてまた総理にでも承りたいと思います。時間超過で大変恐縮でございました。
 重ねて坂田長官に承りたいのでありますが、先ほどの最初の答弁の中で、P3問題を明らかにすべく努力してきたのだ、しかしまだその点が明確にならない、それは司法当局のいずれにしても手をかりなければならぬという趣旨の御発言がございました。たくさんの疑問を私も実は持っているわけでありますが、そこでこのP3問題についての、少し細かくなりますが、大きな形を聞いていきたいのであります。
 そこで、まず日本側から、ついでですから日にちを明らかにいたしておきますが、一番最初にアメリカに対して四十三年の三月、これはP3CのANEWまで含めまして、在日米軍顧問団を通じて、中身その他について情報が欲しいということで申し入れをした、ここから始まるわけでありますが、六月の九日から七月の八日にかけて海幕の海外調査という形が出てくるわけであります。それから四十四年の四月に、要請に対する回答という形でアメリカ側がこれを拒否してくるわけでありますけれども、つまり対潜哨戒機をめぐる防衛庁とそれからアメリカ側とのやりとりというのは、その中心的窓口というのは防衛庁とロッキードというのではないのではないか、つまりアメリカ国防省なのではないか、そこのところはまずどうなっておりますか。
#18
○伊藤説明員 先生がいま申されましたように、アメリカの国防総省でございます。具体的には日本に参っておりますMDAOを通じて折衝をしたということでございます。
#19
○大出委員 MDAOを通じて折衝をするわけでありますけれども、MDAO、つまり相互防衛援助事務所といったらいいでしょうか、伊藤さん、そうですね。ところで、この相手方、MDAOというのは出先でございますから、相手方、これは国防総省のFMSと通常言っているセクションではないか。つまり、日本流に言えば対外武器販売部というのでしょうか、そこが向こうのセクションになる、そうじゃないですか。
#20
○江口説明員 私どもがコンタクトを従来しております。たとえば書簡等の往復等をいたしますのは俗称DSAといっておりまして、安全保障援助局というところでございます。
#21
○大出委員 話が出ましたから、そっちから先に聞きましょう。
 DSAのDはディフェンス、Sはセキュリティー、Aはエージェンシーでしょうね。だからDSA、これは今回のP3Cをめぐる折衝で、援助局、ここのトップとの間の話し合い、これは久保次官、あれは防衛局長のときでしたか、次官になってからですか忘れましたが、アメリカに行っておりますね。このときにも会っているはずでありますが、あなた方が折衝しているDSAのてっぺん、ここはどういう諸君がおいでになるのですか。
#22
○江口説明員 先ほどちょっとDSAと申しましたが、DSAAでございます。ディフェンス・セキュリティー・アシスタント・エージェンシーでございます。DSAAです。
 いま御質問の点につきましては、ゼネラル・フィッシュという方を主として中心といたしまして、いろいろ担当のところとお話をしておるわけでございます。
#23
○大出委員 ちょっと細かいようだけれども、それは念を押しておきたい。あとの質問に関係がありますから。
 フィッシュというスペルは魚のフィッシュと同じですね。この人は空軍ですよ、海軍じゃない。アメリカのセクションというのは、私が調べてみた限りでは、対潜哨戒機なんかに関しては実際の権限は空軍にはない。海軍にしかない。そこに次長がおりますね。御存じですか。いまのは御大将、長官ですね。次長がおりますね。
#24
○江口説明員 そこの次長の方がどういう方かというのはちょっと私どもいますぐ出てまいりませんが、一般的に申し上げられますことは、一応これは俗に言う内局のポストでございまして、御指摘のように、ゼネラル・フィッシュというのは空軍でございます。しかしながら、そこにどういう割合で三軍からどういうふうに来るかということはよくわかりません。いまの次長というのはおそらくシビリアンではないかというふうに、ちょっとそんな感じがしておりますが、はっきりいたしておりません。
#25
○大出委員 江口さん、少し頼りないですね。坂田さん、この調子ではあなたの方が調べたってP3は出てきやせぬですよ。つまり、次長はアドミラル・ファンクスというのです。ファンクス提督、この人は海軍です。いまのロッキードの対潜哨戒機の問題はこの人が実際の中心なんです。私がコーチャン氏にロスで会いまして、やりとりを長い時間でございましたがやっている最中に、ファンクス氏の問題を私が取り上げたところ、コーチャン氏がはっきり、ファンクス提督というのは私の長年の親友だと言うわけですね。ロッキードのP3の問題はすでに私のところじゃないと言うのです。DSAAのファンクスさんのところだと言うのです。ゼネラル・フィッシュの方はどうなんだと言ったら、フィッシュは権限がないと言うのです。何でだと言ったら、空軍だからと言うのです。このアドミラル・ファンクスなる次長、海軍の将軍がP3問題の責任者なんですね。念のためにおたくの向こうに駐在している方に私は聞いてみたのです。そうしたらその相手はやはりファンクスなんです。フィッシュじゃない。そこで、分離導入とんでもないと言うのですね。目の先に完全な形のP3Cオライオンというものがあるのに、何でやれ分離導入だなんだの必要があるのだと言うのです。言下にはねつけられたのです。このときに私は丸山防衛局長にいろいろ物を言いました。そうしたら、ロッキード問題で世論がむずかしくなっている、分離導入の形がとれないかということで二、三回当たらしたと言うのです。てんから相手にしない、一括購入、つまり機体と中身との分離は成り立たない、不可能である、こういう返事が返ってきている、こういうわけですね。
 そうすると、江口さん、これはあなたの方で後でお調べいただきたいのです。あなたの方の出先は五、六人おいでになるのだから。次長のファンクス氏が中心になってやっておられるわけです。ともかく向こうは何を言ったって聞かない、はっきりしているんだから。しかも、これはロッキードとほかのIBMその他みんな一括契約になっているのです。ロッキードが代表しているのです。しかも、すでにロッキードの権限を離れてアメリカの国防省のDSAAの権限なんです。そこで一括やっている。だから、わが国が向こうに物を言うについて、ここのところを外しては成り立たないのですよ。なぜ一体そういうことになっているかという点、ここが問題なんです。これが解けなければ児玉ルートに入れやしない。なぜそういうことになっているか、あなた方理由を御存じでしょう。いかがですか。いまに始まったことじゃないじゃないですか。
#26
○江口説明員 私どもの方で推測しておりますことでございますが、ただいま御指摘のDSAAというのは一応内局でございまして、全般の国際安全保障関係の事項の総合的な推進をしておるのではないかというふうに考えております。先ほど御指摘のアドミラル・ファンクスというのは、私どもの方の理解としては海軍省に属しておりまして、海軍省関係の国際問題の担当部長ではないかというふうに理解しております。ここでいろいろネゴをいたします。ここも当然海軍の関係を扱うわけでございます。これと全体の調整をとるということで、国防省の中のDSAAというものが調整に当たるというふうに理解をしておるわけでございます。
#27
○大出委員 私がいま質問したことの答弁になっていないわけでありますが、坂田さん、先ほどあなたは、P3について明らかにする責任がある、だから努力をしてきた、してきたが、明らかにならぬと言っているわけです。つまり、日本という国の防衛庁がロッキードと直接というのじゃない。P3問題というのは初めからアメリカの国防省相手なんです。経過をたどってみると全部そうです。
 そこで、なぜ一体そういうことになるか。ロッキード社というのは、アメリカのペンタゴンが大口なコントラクター、つまり民間契約業者ということで委託生産をさせてきておるわけですよ。金はすべて国防省の予算だ。莫大な研究開発費というものを組んで委託して研究、生産をさせてきているわけです。だから、ロッキード社は国防総省から委託されている契約業者である。したがって、権限はすべて国防省それ自体にある、こういうかっこうになっているわけでしょう。ほかの兵器の場合だってそうでしょう。だから、もしP3を買うということになったら、契約上はどういうことになるのですか。
#28
○江口説明員 従来のベースでございますとライセンス生産ということになるわけでございますが、今回、御存じのように、アメリカの法律が改正されております。二千五百万ドル以上の主要装備品につきましては一応NATOを除きまして――NATOを除くということは日本なんか対象になるわけでございますが、日本につきましては政府間取引ということになります。これは全部がなるかどうかということはこれからの問題でございまして、少なくとも二千五百万ドル以上の額になればということでございます。
#29
○大出委員 ここで法務省にひとつ承っておきたいのでありますが、いままでP3をずっと折衝してきている四十三年からの長い経過があります。そして四十七年八月八日にP3の対日レリーズについて駐在武官の玉川という人から非公式に通報があって、アメリカはレリーズを認める。これは実は、国産化予算の決定寸前だというので拒否の形の答え方を防衛庁は当時している。だから、ここまではすべてアメリカの国防省が相手方だ。そしていま申し上げました四十七年八月八日にレリーズを認める通報が来た。これは非公式であります。同じ八月八日に四十八年度予算の概算要求を出している。これは国債と国庫債務負担行為と両方に分かれておりますが、時間がありませんから細かいことは申し上げません。
 そこで問題になりますのは、日本の防衛庁とアメリカの国防省との間でP3問題が進む。片や日本の国内政治の部面では、国産化という形で予算の概算要求が出ている。だがしかし、ここに紛れもなくP3対潜哨戒機に関する七三年七月二十七日のロッキード社と児玉譽士夫氏とのコンサルタント契約がある。この三項には、「市場開発コンサルタント契約書の第四項Bの規定にのっとり、ロッキードは、領域内における日本政府に対するロッキードP3オライオン型機の販売活動に関し「コンサルタントのロッキードヘの援助の特別の努力と時間を利用したい」と希望する。」アメリカ流に書いてあるのですが、こういうように書いてある。この契約をした以上は、児玉譽士夫という人物は、ロッキードの製品のP3を日本に売るという意味についての特別の努力をしなければならぬことになっている。そして、日本がP3Cオライオンを買ったら、新しいP3型五十機の確定的な契約をロッキードが受けた段階で十五億円を児玉譽士夫という人に支払う。「ついで前記の確定契約をロッキードが受けたのち六十日後と九十日後の二回に分割して各五億円ずつ支払うものとする。」こうなっているのですね。これはコーチャン証言にも出てまいりますが、児玉という人は正直な人だ、うそを言ったことはない。それなら、この契約をすればそれなりの動きがあったはずだ。そして、ロッキード問題が表に出ないで防衛庁がP3Cを発注していたとすれば、この一九七三年七月二十七日の契約に基づいて児玉譽士夫氏に莫大もない金が入っていく勘定になる。総額二十五億円、そうでしょう。
 そうすると、これは法務省に聞きたいのだけれども、表街道の契約というのはアメリカの国防総省と防衛庁、この窓口で話し合っている。現にやっているでしょう。国産化予算がぶっつぶれた後、途端に説明会が始まってずっと並んでいるでしょう。その陰に児玉譽士夫氏とロッキード自身の間におけるコンサルタント契約があって、売れれば莫大な金を払うという文言になっている。そうすると、当然検察側としては中心点はここにこなければおかしい。P3を調べようというなら、なぜこういうことになっているか、窓口契約の形は国防省と日本の防衛庁、その委託契約者であるロッキードと児玉譽士夫との間に、売れれば金を払うということになっている。これは一体何だ。国産化という方針がひっくり返って、買うということになるとすれば、この契約は当然生きて金が入るわけでありますから、そうすると、さっき申し上げたアドミラル・ファンクスなる人物とコーチャンという人は年来の親友である。わが方の手の内にない、向こうにある。向こうは、国防総省の方は日本にP3Cを売る、レリーズをすると言ってきているわけです。ところが、日本は国産化予算が進んでいる。これがひっくり返って、日本が買うということになるとすれば、向こうは売るという意思になったのだから、表街道の両国の間における契約はできる。契約はさっきの形だ。そうなれば、それに基づいて金が二十五億円、児玉譽士夫氏のふところに入る勘定になっている。それでは、ここで特別な時間を割いて特段の努力をするとは一体何だ。ひっくり返すことについての努力にほかならぬという結果になるじゃないですか。
 それならば、幾ら本人が寝ているかどうか、それは知らぬ。知らぬけれども、そこらのところはあなた方が手をつけようとしなければ、防衛庁もそうなんだ、その努力をしなければP3が表に出てくることなんかありゃせぬじゃないですか。そこは一体どうなっているのですか、こんな長い時間、七カ月もかかって。参議院の方でやっているから黙っていたけれども、そんなべらぼうな話がありますか。どうですか、法務大臣、いかがでございますか。
#30
○安原説明員 トライスターの導入の経過と同様に、PXLの選定の経過につきましても検察当局としては重大な関心を持っておるところでございまして、特にいま御指摘の児玉ルートにつきましては懸命の努力をいたしておるわけでありまするが、本人の病気等で順調な進捗を見ない。まことに遺憾でございますが、決して努力を怠っているわけではないと信じておる次第でございます。
#31
○大出委員 安原さん、私は安原さんときのうきょうじゃないからよく知っているのだけれども、官房長時代からよく存じ上げているけれども、捜査上のという言葉がつくのかもしらぬが、いまの答弁はまことにもってどうも答弁に値しないという気が私はする。だから、最初に外務大臣を呼んで、私はタド・シュルツ氏の、ほかの人も書いているけれども、タド・シュルツさんが書いているのが名前から言って一番通りがいいと思って取り上げたわけだ。「オライオン隠し」であるというこの表題まで物を言ったわけです。これは一つ間違うと、捜査当局を含めて重大な疑惑を持たざるを得ない。なぜかといいますと、これはみごとにアメリカの国策なんだ。日本にここで五百億からの金をかけて対潜哨戒機を国産させるかどうかについて調べてみると、ペンタゴンそれ自体は将来の問題を含めて大変に論議をしている。国内の政治情勢の変化というものもある。武器依存という形が外れていって自衛隊の武器生産が独自に進む。日本の兵器工業界だって、対潜哨戒機の国産をやったプラントをそのままほっぽっておきやしませんよ。そんなものに五百億もかけて対潜哨戒機だけつくって、それでおしまいにできやしない。次から次へそこに自衛隊の武器生産を持ち込まなければ成り立たないでしょう。投資がむだになるでしょう。そちらの方に進むのは明らかでしょう。だから、その点についての議論をしている。したがって、四十三年から四十四年四月の回答までのこの時点では、アメリカの国防省はどこの国にも出していないのだし、日本にも出さないという結論が出ていた。それ以後いまの議論が出てきて、日本が本当に国産をしそうだ。火をつけたのはレアード国防長官と当時の中曾根防衛庁長官の間の話なんだから。そうだとすると、最終的にその対潜哨戒機の国産はさせない、P3を買わせる、こういうことになって、これは国務省とも話し合っている。時の政府だって話し合っていなければ話が通じない。ニクソン大統領の時代ですよ。そうすると、日本国内の国産をひっくり返すのには大変な手がかかる。日本だって大きな企業、川崎重工初めみんなあるのだから、主契約者はそうであってもたくさんの企業が連なっているのだから、これをひっくり返すのだとするならば、片方に水爆の一つくらい用意しておかなければひっくり返りやしない。その方をアメリカの国防省や国務省がやるわけにいかない。ニクソン自身がやるわけにいかない。いかなければ、児玉譽士夫なる人物などを使う以外に手がないでしょう。そうなれば、コンサルタント契約で金がついてくるのも当然でしょう。
 では、そこのところを捜査当局が詰めていったら一体どこにぶつかるかといえば、アメリカの国家政策ですよ。国防省自体の政策ですよ。国務省との相談ですよ。ニクソン、キッシンジャーというところですよ。そうだとすれば、タド・シュルツ氏が書いているように、そのことが表に出ることはまことにまずい。ならば、オライオン隠しということにならざるを得ない。田中前総理だけは逮捕しておかないと世論がぐあいが悪い。それなら、今度のロッキード問題というのは真相解明の真の字にも達していないことになる。金の流れから見たってそうじゃないですか。ここに私は今回の処理の仕方の本質的な問題があると思っている。だから、いまの安原さんの答弁では不納得です。答弁にならぬと私は思う。
 政治家である大臣に聞きたいのですが、稻葉さん、いかがでございますか。
#32
○稻葉国務大臣 そういう問題も含めて、この第三の山というものは非常に険しく高い、こういうことを私が申し上げているのは、そういうところなんです。
#33
○大出委員 いま険しく高いということを法務大臣は強調いたしましたが、アメリカの国防、国務両省からニクソン大統領、フォード副大統領、キッシンジャー国務長官、インガソル国務次官までみんなからんでくるんだとすれば、きわめて険しく高いことになりますよ。そうだとすれば、これは一つ間違うと、時間切れになったら消えてなくなる。
 そこで、よけいなことは時間がないから言いませんが、承りたい。法務大臣、きのうのこの委員会の質疑も私は聞いておりました。だがしかし、いま私が読み上げた改定契約、ロッキード社と児玉譽士夫氏の間の改定契約、この中にうたわれている文面が、コーチャンの証言によって、児玉という人はうそを言ったことはない、だからなくなった小切手だってうそではないと言って、後から払う気になったというのだから。ならば、それなりの動きはしていたはずだ、これは。この問題が解決しない限りロッキード事件の解決はない、解明ではない。
 そこで、これからのあなた方の日程に触れたいのでありますが、児玉さんを四十回取り調べたというのですね。この四十回の一番最後は八月三十一日だ。この四十回の取り調べで一体あなた方は何をつかんだのですか。児玉なる人物の病状というのは、本当に一体どうだったのですか。四十回もつき合っていればわかるでしょう。そうでしょう。臨床取り調べの進展、これは一体どういうことになっているのです。
 時間がないからついでに聞いておきますが、きのうの話を聞いていると、まだ十月と言った覚えはない、十月と言うのはまだちょっと早い、九月だと言う。きわめて険しく高いといま言っておきながら、そういうことがあるからと言っておきながら、児玉特捜班をつくるとかなんとか言って、特捜班なんぞつくったら、これはもう事件の終局なんだ、こんなものは。世の中は、もういいかげんにしてくれになっちゃう。そうすると、形だけ児玉専従班なんというものをこしらえといたんだが、いってみたら、そこで時間が切れたら終わりですと、そうでしょう。時間切れ、終わり、こういうことになりかねぬじゃないですか。そこのところは一体、法務大臣、児玉取り調べ四十回、八月三十一日までに、この間で一体どういう見通しをお立てになったのですか。それで九月、十月が早いとか早くないとか言っているのですか。あなたも法務大臣なんだから、任せっきりと言ったって、そのくらいのところは政治的にあなたがつかんでおかなければ、法務大臣、何のために法務大臣に座っているんだということになる。いかがでございますか。
#34
○稻葉国務大臣 児玉ルートの解明なくしてロッキード事件の解明はありません、そんなこと。したがって、高く険しいけれども、総力を挙げていま捜査に熱中しているところでありますから、なるべく早く、いかに高く険しいと言ったって、そんなに便々とやっているわけにいきませんから、一日も早くこれを解明するために全力を挙げておる、こういうことであります。
#35
○大出委員 念のためにもう一つ承っておきますが、エリオット、クラッター両氏の嘱託尋問という問題がございますね。これは安原さん、やっているのですか。うまくいっているのですか。
 それで、その中心点は、この児玉ルートの全部を、このP3に関して知っている人はクラッター、エリオット氏でしょう、間違いないでしょう。アメリカの国防、国務両省に絡むかもしらぬ。あるいはニクソン氏から当時の副大統領フォード氏、キッシンジャー氏、インガソル氏等々、みんな知っておるかもしらぬ。そこまで行きつくかもしらぬ、そのかぎを握っているのはクラッター、エリオット両氏でしょう、どういうふうにこれを見ておるのですか。
#36
○安原説明員 アメリカ時間の九月八日に、クラッター、エリオットに関する証人尋問が開始されましたが、実質的な尋問に入らずに、明日、すなわち翌日九月九日、日本にとっては明日、さらに尋問が続行されるというふうに聞いております。
#37
○大出委員 その尋問に対して大きな期待をお持ちでございますか。
#38
○安原説明員 両氏は東京に在住して、すでに明らかになっておる事柄でも、ロッキード社の資金を日本側の丸紅等に授受した直接の人でございまするから、その人の証言はそれなりに重要なものであろうと推察しております。
#39
○大出委員 法務大臣、朝日新聞の方々は苦労されてコーチャン回想録というようなものをおとりになっている。だがしかし、P3には触れていない、全く。触れられないのじゃないですか、ここのところは。オライオン隠しなんじゃないですか。田中前総理の起訴のときに一つだけ妙なものがくっついている。P3C関係ない。何であんなものをくっつけなければいかぬのですか。国防会議の最高責任者ならば、関係ないなんということにならぬのは常識ですよ。あえてあの時期にああいうものを司法当局がつけるということは、タド・シュルツ氏が書いているように、アメリカの中心的な問題に触れる、国策に絡む、一つ間違ったら十一月二日のフォード大統領の選挙だってできないかもしらぬ、そういうことなどにかかわり合いがあるのかもしらぬという素人の――これは安原さん、恐縮だが素人のと申し上げておきますから、素人の疑問を持つようなことになる。その意味で私は法務大臣、いまのクラッター、エリオット氏の尋問にしたってそうなんですが、そこのところ、素人だから信用し切れぬのですけれども、いかがですか。
#40
○安原説明員 田中前総理の受託収賄の公訴事実は、その請託の趣旨がトライスターの売り込みに関するものであったということでございまして、公訴状にはもちろんP3Cに関係がないとは書いてございませんが、恐らく記者団の質問に対しまして、今回のこの金の授受はP3Cに関係がないのかという質問に対して、今回の五億円に関する限りはトライスターの売り込みに関することだという答弁をしたものと理解しております。
#41
○大出委員 あと一問だけ承りますが、警察庁お呼びいたしておりますが、児玉邸で紛失をした小切手十四通、これはスイスのクレジット銀行振り出しの十四通、こうなっていますね。日本円にして五億円相当、こういうわけですが、四十七年の十月の三十一日、これはフィンドレー氏の証言ですね。ここでトム・パローという方が、ロッキード社の財務担当重役が日本に持ってきた、紛失している小切手、玉川警察署だと思いましたが、紛失届が出ているそうですね。その文面はどうなっているのですか。
#42
○土金説明員 お答え申し上げます。
 四十八年の一月三日に児玉譽士夫から警視庁玉川警察署に対しまして、旅行から帰宅し、その際携行していたアタッシュケースなどを一階八畳の間に置いてあったところ盗難に遭った旨の届け出がなされております。
 その被害届の内容でございますが、現金三百六万円、それから書類入り封筒、金庫のかぎ等が入ったアタッシュケース一個が盗難に遭った、こういうことでございました。
#43
○大出委員 いまはっきりしているように、児玉なる人の邸宅は警戒厳重でございまして、日本の右翼の総帥みたいな人のところにどろぼうに入るばかもいないでしょうし、しかも、妙な金がなくなったからといってわざわざ届け出るのも妙な話でございまして、しかも、この小切手の中にスイスフランのフラン建ての小切手が四枚ばかりある、ここをお調べになっておりますか。タド・シュルツが書いておりますけれども、アメリカへ返っていっている金、大分際どいことを書いておりますが、そこらをお調べになっていますか、そこだけ聞いておきたいのですが。
#44
○土金説明員 児玉から被害の届け出として被害品の申告があったのは、以上先ほど申し上げましたような点でございまして、当時児玉からの盗難被害届の申告の中には、御質問のような小切手は入っておりませんわけでございます。
#45
○大出委員 改めて質問いたします。
#46
○田中委員長 横路孝弘君。
#47
○横路委員 いよいよ国会も灰色高官の公表問題というのがきょうも衆議院で午前中議論されたわけですけれども、それに関連して若干お尋ねをしたいと思います。
 先ほど、きのうの答弁を含めて取り調べた参考人というのは四百人ということでしたけれども、これをPXLの関係とエアバスの関係に分けると、大体何人ぐらいずっということになりますか。
#48
○安原説明員 お尋ねがございましたので、一応検察庁にも問い合わせてみましたが、PXLとトライスターに分けるということ自体重複するものもあるというようなことで、正確な数字はまだ計算できないわけでございますが、おおむねのことといたしまして、すでに捜査の結果にもあらわれておりますように、四百人のほとんどは、多くはと言いますか、大半はと言うべきでしょう、大半はトライスターの関係でございます。
#49
○横路委員 それから、役所の関係の参考人ですけれども、PXLの関係ではどこの役所大体何人ぐらい、エアバスの関係ではどこの役所何人ぐらい、これはわかりますか。
#50
○安原説明員 関係の省庁から、トライスターにつきましてもPXLにつきましても事情聴取しているということは事実だと思いまするが、その内訳は存じておりません。
#51
○横路委員 これはきのうのうちから、この問題ちょっと調べておいて報告してくれるようにお願いしてあったのですけれども、国会議員の場合はどうですか。参考人としてPXLの関係、エアバスの関係、何人ぐらい事情聴取していますか。
#52
○安原説明員 国会議員の関係で、すでに強制捜査の対象になりました方々が国会議員として取り調べを受けたということは公になっていることでございますが、そのほかにPXLについて何人、あるいはトライスターについて何人ということを特に国会議員について申し上げることは、今日の四囲の情勢から見て差し控えたい、かように思います。と申しますのは、ほかにPXLで何人、トライスターで何人と言いますると、すでにもう新聞でいろいろ推測を含めて記事が報道されておりますので、おのずからその人たちではないかというように特定をされた誤解、推測を生むおそれがありますので、現段階は捜査の段階でございますので、その点につきましてはひとつ差し控えさせていただきたいと切にお願い申し上げる次第でございます。
#53
○横路委員 そういう区別がまずいというならば、PXLとエアバス含めて、別にだれだれということを聞いているわけではないのでありまして、捜査の状況でこれは灰色高官の公表の問題とかかわってくるわけです。したがって、大体何人ぐらい参考人として聞いたのか、被疑者としてということを聞いているのではないのであって、事情聴取したのはどのくらいか、ついでに国会議員の秘書の場合はどのくらいかもあわせてお答えいただきたいと思います。
#54
○安原説明員 いま捜査の段階でございまして、まだPXLあるいはトライスターにつきましても、PXLについてはもちろんのこと、トライスターを含めていわゆるユニット関係、全日空関係については捜査中でございますので、現段階でそういうことは申し上げるのを差し控えたい、かように思うのでありまして、捜査の終わった段階のしかるべき段階においてまたそういうことを申し上げる機会もあろうかと思いますので、この際は控えさせていただきたいと思います。
#55
○横路委員 しかし、刑事局長、佐藤孝行元政務次官と橋本登美三郎元運輸大臣というのは逮捕されていますね。その容疑というのは、全日空社長の若狭から請託を受けて金の支払いを受けたということが容疑事実になっているわけです。この二人についてはまだ処分が決まっていないのに、若狭社長その者はもう釈放されているわけでしょう。そうすると、捜査について差しさわりがあると言っても、もし連絡しょうと思ったら、全日空、丸紅、全部釈放になっているわけでありますから、幾らでも残っている方と連絡はとれるわけですね。だから、それは全く理由にならないんで、あと二人の処分だけで、もう終わっているわけでしょう、いわゆる贈収賄があったのはもう全部釈放になっているわけですから。したがって、私は、いまの刑事局長の捜査の途中だからというのは全く理由がないのじゃないかと思う。法務大臣、どうですか。みんな釈放しちゃっているわけですよ。佐藤孝行、橋本登美三郎、二人の処分が決まっていないのに、その被疑事実の中にある若狭社長その者がすでにもう釈放になっているのですから、いまさら証拠隠滅も何もないでしょう。どうですか、法務大臣。
#56
○安原説明員 ユニットの関係につきましては、橋本前運輸大臣あるいは佐藤元運輸政務次官を取り調べ中でもございますし、私、何よりもそういうことを捜査の段階で申し上げることが、いまの報道の状況にかんがみまして、何人おるということがすぐ灰色高官だ、こうなって、しかもそれはだれだれであるという揣摩憶測を生むおそれがございますので、捜査の段階ですから、人権の関係からいきましてもまた捜査に協力を得るという観点からいきましても、いまの段階で申し上げるのは相当ではないということをお願い申し上げている次第でございます。
#57
○横路委員 私が言っているのは、被疑者として取り調べたのは何人なのかということを聞いているのじゃなくて、参考人として事情聴取をした国会議員は何人なのかということを聞いているわけです。すぐそれは灰色高官に直結するかどうかというのは、例を言うとすぐそういう話になるわけですけれども、たとえばそのときの職務権限なり何なり聞くということはあり得るわけでしょう、国会議員の場合だっていろいろな役職におったわけですから。だから、参考人として事情聴取したということがすぐそのまま灰色高官につながるかというと、必ずしもそうではないのでありまして、何か盛んにマスコミの報道のことを気にされて、言うとまずいということをおっしゃるのは、ちょっと論理が逆転しているのじゃないかと思いますけれども、どうですか。
#58
○安原説明員 横路委員を相手に理論闘争するつもりはございませんけれども、その灰色高官というのは、私の理解するところでは、まさに被疑者でなべて参考人の部類に属するような人が灰色ではないかということを問われる場合もあり得るわけでございますので、被疑者、参考人を含めてこの際はひとつ御遠慮さしていただきたい。
#59
○横路委員 七日会の会長が地検の検事正に会って事情聴取云々のことでもって――これは後で国会でもって態度がまずかったということだったようですけれども、派閥の親分にそういう話をしておって国会で全然答えが出ないというのはまことに残念なわけですが、若狭の保釈というのは、要するにもう事件の解明には何らの影響はない、こういうことで理解してよろしいのですか。
#60
○安原説明員 保釈は、御案内のとおり、証拠隠滅、逃走のおそれがないという裁判所の判断のもとになされるものでございます。
#61
○横路委員 つまり時効によってたとえば起訴ができないとか、あるいは職務権限、金品の授受はあるけれども職務権限の問題で問題があるとか、いろいろありますね。そういう場合に、これはいわゆる被疑事件として立件するかどうかというのはなかなかむずかしい問題だろうと思うのですね。調べてみなければわからないということもあるわけですよ。ところが、若狭氏が保釈になって、しかもいまお答えのように証拠隠滅のおそれはないんだということを裁判所が認定したということは、つまりもうその辺のところの捜査は終わっているということだろうと思うのですね。これから何か事件として立件するということがあるならば、保釈ということに私はちょっとならないだろうと思います。そうすると、被疑事件としての立件は、もうユニット三十、九十、それから全日空関係においてはないということなんでしょうか、解釈としては。
#62
○安原説明員 若狭社長が保釈になったから事件の捜査が終わったと必ずしも言えないのじゃないかと思います。
#63
○横路委員 それは必ずしも言えないかもしれないけれども、大体は捜査は終了したというように見ていいのじゃないですか。
 法務大臣、要するに、国会の方で基準を決めて政府も了解するということになると、児玉ルートは別にして、丸紅、全日空ルートについては、その基準に合わせて灰色高官というものは法務省はいつでも公開できる態勢になっているのでしょう。
#64
○稻葉国務大臣 基準が決まらなければいつでも公開できる態勢にありませんね。
#65
○横路委員 いやいや、基準が決まれば――たとえばいま各党いろいろな基準が出ていますけれども、自民党の案でもたとえば「ロッキード事件の金品の授受による収賄罪その他の犯罪の成立が認められるが、公訴時効の完成により不起訴となるもの」というような、これは大体各党異議がない基準ですけれども、言うと、これはこうだという割り振りできるだけの捜査は終わっているんでしょう、こういうことを聞いているわけです。
#66
○安原説明員 先ほども申しましたように、ユニットあるいは全日空ルートの捜査はまだ継続中でございます。
#67
○横路委員 われわれの任期も先がないし、こういう政治情勢ですし、総選挙の前に公表しなかったら全く意味がないんですね。それで国会としても、参議院の方でもそれから衆議院ではきょう午前中いろいろと議論をしたということですね。こっちで基準が決まっても、そっちでまだ捜査中だというようなことだったらこれは全く意味がないので、その辺のところ法務大臣、どうなんですか。そんなんじゃ困りますよ。
#68
○稻葉国務大臣 基準が決まって要求があれば、最善の御協力を申し上げるとしばしば申し上げているとおりです。
#69
○横路委員 だから、もうその態勢は整っているんでしょう、こう言っているわけです。そこからまた、もうちょっと待ってくれ、もう二週間待ってくれとか、もう半月待ってくれなんということにはならないんでしょう、児玉ルートを除いて、丸紅、全日空ルートでは。たとえば国会できょう決めるとあした政府が了解したというごとになったら、そう時間を置かないで公表できる態勢にはあるんでしょうね、こう念を押しているわけです。捜査中なんて逃げられたんじゃかなわぬです。
#70
○稻葉国務大臣 捜査中で逃げるかどうかはわからぬが、そんなことは別ですが、とにかく刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて最善の協力をする、こう言っているのですから、御安心ください。
#71
○横路委員 刑事局長、もう一度尋ねますが、ユニット三十、九十の捜査は終わっていないというのは、金の入りのルートはみんなもうわかっているわけでしょう。結局、出の方ですね。出の方でかなり重要な部分というものがまだ残っているのですか。たとえば確定させるために、どうしても少し話を聞いておかなければならぬとかというようなところの最後のところでちょっと手間取っているのか。これはどうなんですか。
#72
○安原説明員 そういう機微にわたることは申し上げかねますけれども、いずれにいたしましても遠からず捜査は終了するように聞いております。
#73
○横路委員 最後にちょっと法務大臣にお尋ねしたいのですが、二月以来これで七カ月たつわけです。ピーナツを食べた政府高官はだれか、ここだけはわかったのでありますけれども、総選挙が間近い状況の中で、たとえば逮捕された田中前総理がごく近いうちに、二、三日のうちに立起表明をするだろうということが言われているわけです。次の衆議院総選挙に立候補するだろう、立起するその表明を十三日ですか何か行うだろうというようなことも聞いておるわけですけれども、これはどうですか、われわれもいろいろとやってきて、もちろん起訴されたからすぐそれで有罪かということになれば、法律の論理からいえば、裁判確定しなければならぬということだと思うのですけれども、ただしかし、これだけ大きな問題で、しかも一国の総理大臣までやった人が嫌疑を受けて起訴されるというようなことで、また立候補ということじゃ、われわれも国会で議論しておって、本当に情けなくなる思いで残念に思うし、また七カ月間捜査に当たってきた検察、警察の人たちだって、これは一体何のために捜査をやってきたのかという感じを持つのじゃないかと私は思いますが、これはどうですか法務大臣、あなたも苦労してきたわけだけれども。
#74
○稻葉国務大臣 そういうことは私に聞かれてもちょっと返答に困りますけれども、本人の良心の問題もございましょうな、教養の問題もございましょうな、それからこれに対する国民の意識の問題もございましょうね。それはすべて国民の判断に任せ、御本人の判断に任せるべきものだと私は思うのでございます。
#75
○横路委員 終わります。
#76
○田中委員長 諫山博君。
#77
○諫山委員 刑事局長の冒頭の説明で被疑者二十名という言葉があったのですが、これは、二十名については説明できるけれども、それ以外に被疑者があるかどうかということは触れないという意味でしょうか、それとも現在のところ被疑者は二十名に限られているという趣旨ですか。
#78
○安原説明員 それ以外に被疑者があるかどうかについては触れないという趣旨でございます。
#79
○諫山委員 従来の説明では、逮捕された者プラス児玉が被疑者だというふうに言われていたのですが、新たに被疑者が追加されたという趣旨になりますか。
#80
○安原説明員 警視庁から外為法違反で送致を受けました保世という者が被疑者になっておるということでございます。
#81
○諫山委員 刑事局長の冒頭の説明の中で、金を受け取っていても、必ずしも被疑者として立件するとは限らない、やはり収賄とか犯罪の嫌疑がないと被疑者にはしないというふうに聞こえたのですが、そういう趣旨ですか。
#82
○安原説明員 ロッキード社から金を受け取った者は立件するかというお話でございましたので、そういうことは捜査の方針に関するから申し上げられないが、検察庁が立件するという場合は、犯罪の容疑を認めた、そして捜査をするというときに、立件という手続を検察庁の内部の手続として、大臣の訓令に基づいてやっておるということを申し上げたわけであります。
#83
○諫山委員 そうすると、本件に当てはめると、たくさんの政治家がロッキード社の金を受け取ったというふうに言われているわけですが、この人たちを被疑者として立件しないとすれば、検察庁としては起訴なり不起訴なり、何らかの処分の対象にもしないことがあり得る、こういうことになりますか。
#84
○安原説明員 先ほど申しましたように、立件というのは、犯罪の容疑を認めて、捜査を開始するときにやるものでございます。そして、検察官というものは、犯罪の捜査をするということが職分でございます。したがいまして、立件をしないものについて不起訴処分というようなこともないわけでございます。
#85
○諫山委員 いま灰色の政府高官の定義がいろいろ論議されているわけですが、そうだとすれば、ロッキード社の汚い金を受け取っていても、それは検察庁としては被疑者でもないし、不起訴の対象者でもないし、もう資料の提出のしようがないというような結果になり得るわけですか。
#86
○安原説明員 灰色の高官というものの定義いかんによるのじゃないかと思います。検察庁で立件して調べたものについて、そこから灰色の高官を定義づけるというならばそうでございましょうし、立件したとしないにかかわらず、政治的道義的に責任がある者が灰色の高官だという立法府の御判断であれば、検察庁の立件の有無とは何らかかわりがないことでございます。その際におきまして、検察庁が捜査の過程で知り得たことを、最大限の御協力という意味で、資料の提供に御協力を申し上げる態度がわれわれのとるべき態度でございます。
#87
○諫山委員 国会議員の関係では法務省はなかなか説明したがらないわけですが、しかし、ロッキード社から金を受け取って、職務権限があるというような場合に、請託を受けたか受けなかったかということが犯罪成立の一つのかぎになる、時効にもこれが非常に関係してくるということは当然のことですが、こういう問題について、本人について説明を求めるということはしようとしていないのですか。
#88
○安原説明員 犯罪の捜査に必要な限り、何人といえども取り調べるはずでございます。
#89
○諫山委員 一般的にはそうしか言えないと思うのですが、実際はどうも国会議員の場合は、客観的に起訴できるような資料が周囲から集まってこないと、本人について事情聴取もしょうとしていないのではないかというふうに聞こえるわけです。そうだとすれば、実際に行われている捜査の常識から見て、非常に異っているという感じがするから聞いているわけですが、その点はどうですか。
#90
○安原説明員 傍証を固めながら最後に被疑者に聞くというのが捜査の原則でございまして、国会議員だけの例外ではございません。
#91
○諫山委員 次に、法人としての丸紅の責任、これは刑事的な責任さらに社会的、道義的な責任があるわけですが、これについて質問します。
 丸紅がロッキード社の代理店であり、檜山その他丸紅関係者がこの契約に基づいてさまざまな行為を行ったということは、現在では明らかです。そして、トライスターの導入で利益を得たのは株式会社である丸紅だ。現に売り込み済みで十六機約六億八千万円、引き渡し未済の分五機で約二億四千万円というような利益が株式会社である丸紅に入ってくるわけです。こういう場合、外為法では、個人を処罰すると同時に法人を処罰するという仕組みになっております。法人の代表者、使用人が法人の業務あるいは財産に関して外為法違反の行為を行った場合は法人自身にも責任が出てくるという、刑事法としてはあんまり例のない規定の仕方になっているわけです。つまり法人自身の刑事責任が問われるという問題です。これについてはすでに最高裁判所の判例もあって、法人が違反行為を防止するために必要な注意を払わなかった限り、法人自体にも刑事責任が生じてくるんだということになっているはずです。
 そこで、私は檜山その他個人の刑事責任が追及されると同時に、法人としての丸紅の外為法違反の責任が問題にならざるを得ないと思うのです。検察庁はこの点検討したのかどうか、したとすれば何らかの結論をもう出しているのかどうか、御説明ください。
#92
○安原説明員 諫山委員御指摘のとおり、檜山らの外為法違反が丸紅会社の業務に関して行われたという事実の認定ができますならば、御指摘のとおり、両罰規定の対象となりまして、法人である丸紅そのものが処罰の対象になるわけだということは、一般論としては正しいと思います。問題は事実問題でございまして、東京地検では現に捜査中で、まだ結論を出していないということでございます。
#93
○諫山委員 これはロッキード事件の流れを見ればきわめて明白だと思います。檜山とか大久保というのは個人の立場でやったのではなくて、丸紅とロッキード社との代理契約に基づいて、代理契約の履行としてさまざまな行為を行ったということは、契約内容を見ても明らかです。当然企業としての丸紅の刑事責任を問わなければならないというふうに私、考えているし、この点の刑事責任の追及というのは、ロッキード事件の刑事的な責任さらに社会的、道義的責任を明らかにするためにはきわめて重要だと思うのですが、法務大臣、いかがでしょう。
#94
○安原説明員 一般論はそのとおりでございまして、あとは業務に関する事実認定の問題でありますとともに、ある法人なり人の処罰を求めるために公訴提起するかどうかはまさに検察庁の具体的な事件の処理の問題でございますので、私からあるいは法務大臣からこの場で申し上げることは差し控えたいと思います。
#95
○諫山委員 丸紅の松尾社長が九月二日記者会見をして、記者会見の後で記者団から政治献金の問題を質問されています。新聞報道を見ますと、四千万円ないし五千万円ぐらい政治献金の割り当てを受けた、すでにことしになって二千万円ぐらい政治献金をした、こういう報道です。そして、政治献金はこれからも続ける、現社長はこう言明しております。私は、この新聞記事の真否を確かめるために一昨日丸紅本社に行って小島常務に会いました。相当詳しく事情を聞いてきました。そうしたら、国民政治協会からことしの三月ないし四月ごろ四千万あるいは五千万程度の政治献金をお願いしたいという申し出があった、丸紅はこれを受け入れた、そして第一回分として二千万円払いました、将来要望があればまた払います。これが小島常務の説明です。ことしの三月、四月と言いますと、ロッキード事件で丸紅の責任が大問題になっていた時期です。二月四日に丸紅に対する第一回の家宅捜索が行われております。二月、三月にかけて檜山、大久保、伊藤の証人喚問が行われております。六月から七月にかけて丸紅関係者が逮捕される、これがロッキード事件の中での丸紅の役割りです。国民政治協会が丸紅に対して政治献金を割り当てたのは、すでに丸紅に対する家宅捜索は済んだ、そして檜山、大久保、伊藤が国会で証言をしてうそを言った、こういう時期に国民政治協会がのこのこと政治献金のお願いに行く、これは言語道断です。国民政治協会というのはどういうものか調べてみると、自由民主党の政治資金団体ということが決まっております。二千万円すでに国民政治協会に入っているわけです。ロッキードの悪徳商法でもうかった金が入ってないとは言えません。そしてこの汚い金が、自民党の政治資金団体ですから、法務大臣の選挙資金になるかもわからない、通産大臣の選挙資金になるかもわからない、これはきわめて重大で、これで丸紅の社会的、道義的責任が問われぬはずはないわけです。日本の法秩序に責任を負う稻葉法務大臣、さらに幹事長をしている中曾根さんの重要な相談相手である稻葉さん、こういうことをあなたは当然だと思われますか、いかがでしょう。
#96
○稻葉国務大臣 その丸紅のもうけた金というのは、全部汚くもうけた金でもないのでしょうな。
 それから、現在の私どもの方の関係は法秩序維持ということですから、政治献金は限度はあるけれども、改正された政治資金規正法でも政治献金は合法的に許されておる。その範囲内で自由民主党の資金団体である国民協会がきれいな金をくれい、そして法律違反でない政治資金規正法上の手続に基づいてきれいな金くれい、こういうことを言うたからというて、非常に道義的に悪いことをしているやつだなと直ちには私は判定できないと思いますね。ですから、それを国民協会を通じて受ける党、その責任者である幹事長、これをおまえは悪徳なことをしているねなんという責め方をするわけにもいかぬし、もちろん刑事的犯罪の容疑があるなんていう忠告の仕方もできるわけはありませんね。いかがなものでしょうか、その辺。
#97
○諫山委員 これでは第二、第三のロッキード事件は防げないと思います。
 法務大臣は、丸紅の刑事責任はいま論議しましたから別として、社会的、道義的な責任は問わるべきだとは思っていませんか。檜山さん以下三名の人がすでに起訴されている、そしてこの悪徳商法で丸紅はもうけている、これは事実なんです。もちろん丸紅のもうけが全部汚い金だとは言っておりません。トライスター導入でもうけていることは事実なんです。そうすると、刑事的な責任は別として、やはり社会的に道義的に丸紅は非難されなければならない、反省を求めなければならない。こういうところに自民党の政治資金団体である国民政治協会がのこのこと政治献金をお願いしますと言ってくる。四千万円か五千万円と言って割り当ててくる。国民政治協会のパンフレットを見ると、「きれいな政治資金を広く集め、政治の公明、公正を期す」と書いてあるわけです。これがきれいな政治献金と言えますか。私は、このやり方が法律違反だと言っているのではありません。こういう態度では、きれいな政治資金を集めているという表看板が泣くだろうし、丸紅は反省をしないだろう、こう言っているわけですが、いかがですか。
#98
○稻葉国務大臣 丸紅株式会社が、刑事責任をその会社の主要な役員が問われていることは事実ですがね。そして、刑事責任を問われるくらいな社長以下いるのですから、会社全体として社会的、道義的な非難を受くべきことは当然でございますな。それは当然でしょう。そして、そういう犯罪の容疑を受けて起訴をされたような人が胸を張って居座るなんということも、この間言いましたように、道義的にはどういうものですかなと、教育上も――私は文部大臣じゃありませんけれども、教育上も余りいい影響を与えないと思いますなということを申し上げているとおりです。それはそのとおりです。
#99
○諫山委員 通産大臣に質問します。あなたは総理であり総裁である三木さんの片腕だと言われているわけです。反省を迫らなければならないような丸紅にのこのこと自民党の政治資金団体がお金をもらいに行く。そしてつい最近二千万円渡したというのですから、丸紅の責任が大問題になっている時期に、その会社から二千万円のお金を受け取る、これは全く国民を愚弄した、ロッキード事件に対して自民党ぐるみいささかの反省もしていないということのあらわれになるわけです。三木さんに対して影響力を持っている通産大臣に私は御相談したいのですが、この金は返すべきである、丸紅に対する政治献金は断っていくべきである、こう考えるが、いかがですか。
#100
○河本国務大臣 私は、自民党の方は国民協会というルートを通じて資金を受け取っておるのだと思います。したがって、その内容まで細かくタッチしていないのではないかと思います。つまり、国民協会が一つ一つどこから資金を集めたかということは知らないんだと思うのですね。でありますから、こういう非常に政治の不信を解消するということがやかましく叫ばれまして、いろいろなことで気をつけなければならないときでありますから、党の方でもやはりある程度もう少し詳しくお調べになって、適当な措置をおとりになった方がいいのではないか、こういうふうに思います。
#101
○諫山委員 自民党は知らないかもしれませんが、私がいま指摘したわけです。私は一昨日常務に会って聞いてきて、新聞で報道されているとおりだということを確認しましたから、ぜひ丸紅の金は返させる、申し入れているのは取り消してくる、こういうことを総裁に進言していただきたいと思いますが、いかがですか。
#102
○河本国務大臣 御意見はお伝えをいたします。
#103
○諫山委員 さらに、私は丸紅の政治献金をいろいろ聞いたのですが、昨年は一億円以上の政治献金をした。大部分が自民党、自民党以外の野党もあると言っております。一昨年も一億円以上の政治献金をした。大部分が自民党だけれども、その他の野党もある、これが常務の説明です。
 そこで、自治省にお聞きしますが、昨年、一昨年、公表された丸紅からの政治献金は幾らになっていましょうか。
#104
○前田説明員 お答え申し上げます。
 政治団体の収支報告書の要旨を登載しております官報によりますと、四十九年及び五十年におきます丸紅からの寄付は、四十九年におきまして三件八十六万円、五十年におきまして一件三十六万円、合計四件百二十二万円となっております。
#105
○諫山委員 これもまさに驚くべきことなんですね。実際は一年間に一億円以上政治献金しているわけですよ。そして、これは法律の不備もありますが、とにかく国民の目に触れるようなところでは、去年三十六万しか政治献金していないということになっている。そして、この政治献金がどのくらい日本の政治を汚してきたのかという点で私は農林省に質問します。
 食糧管理法では、外国の食糧を輸入する場合、輸入業者は政府の許可を得なければならないとなっています。この許可業者に対してさまざまな内規的な規程があるわけですが、その中の一つに外国産食糧輸入業者登録規程というのがあります。これは制定以来六回ほど改正されて、一番新しい改正は昨年の二月、これは十年ぶりの改正、こうなっているんですが、経過はそのとおり間違いありませんか。食糧庁長官、いかがですか。経過だけ説明してください。
#106
○大河原説明員 お話のとおり、五十年の二月が一番最近の改正でございます。
#107
○諫山委員 これは、私きのう、農林省の関係者から聞いたら、経団連の要望に基づいて行管の勧告があったから改正した、こうなっているが、そのとおりですか。
#108
○大河原説明員 ややつぶさに事情を申し上げますと、これはもう国政の一般の課題でございますが、四十九年に登録なりあるいは許可、認可の業務の簡素化ということを政府部内で議論されたわけでございます。それで、行政管理庁等がこれを扱っておるわけでございますが、その場合に、民間各界から行政管理庁が、民間のサイドから見ましての各官庁が行っております各種の許認可事務の合理化という要望をとったわけでございまして、その結果、食糧庁の輸入食糧業務についての登録なり、あるいはその他の諸手続については煩瑣に過ぎるというような話がございまして、それを受けた改正を検討したというのがありのままの経緯でございます。
#109
○諫山委員 改正の一点について質問します。
 改正点の一つに、従来、食管法違反で処罰を受けた業者は登録適格の確認を受けることができない、さらに、登録を取り消すことができるという規定になっていたのに、昨年二月の改正で一項目つけ加わった。それは、食管法違反で処罰を受けた者であっても、再度同じような法令違反の行為が行われないように業務運営等について必要な改善措置が講ぜられている等の理由によって登録の取り消しを受けなかった者は云々ということで、食管法違反で処罰を受けても改善措置を講じたら特別だというような新たな文章がこの規程の中に挿入されていると思いますが、いかがですか。
#110
○大河原説明員 お答え申し上げますが、先生御案内のように、食管法の輸入に関する根拠規定、食糧管理法十一条の運用の大綱というものは外国産食糧輸入要綱で決められております。この場合に、食管法なりあるいはその他輸出入法規に違反した場合におきます措置といたしましては、登録の取り消しなりあるいは売り渡し申し込みの受付の停止とか契約の解除とか、それぞれの措置がございます。したがいまして、輸入食糧法令違反に基づくこの買い入れ大綱によって措置した場合においても、単に登録の取り消しだけではなくて、売り渡し申し込みの停止とか契約の解除等の措置が行われる場合もございますので、その場合においては、引き続いて毎年定期的に行う登録適格確認についてはこれを認めるというふうに従来の規定を解釈で補っておったところが、御案内のとおり、五十年の二月は全面改正を登録規程において行ったわけでございまして、その際の規定の整合性ということで行ったわけでございます。
#111
○諫山委員 私は制度の説明を聞いているのじゃないのです。昨年の改正で、食管法違反で処罰を受けておっても改善措置が講ぜられたら云々という改正が挿入されたかどうかと聞いているのです。どうなんですか。制度の説明を聞いておりません。
#112
○大河原説明員 お言葉を返すようでございますが、制度の関係では非常にあるわけでございます。登録の取り消しという規定は、お話の五十年二月の改正でも変わっておるわけではないわけでございまして、その食管法違反等の処罰にもいろいろ程度がございまして、その程度によっては業務停止的な措置もあるし、登録の取り消しもある。したがって、その場合の業務停止等の際における登録の適格確認というものについては、これは適格確認の際には引き続いて適格と認めるという趣旨でございまして、特別な取り扱いを変えたわけではなくて、従来の解釈においてもこのように取り扱ってきたということでございます。
#113
○諫山委員 質問していることに答えてくれませんか。限られた時間で聞いているわけで、私が聞いているのは、さっき読み上げたような改正が昨年二月なされたかと聞いているのです。これは文章自体を読み上げたんですから、どうなんですか。説明は要りません。改正があったかなかったか。
#114
○大河原説明員 改正をいたしました。
#115
○諫山委員 この改正で問題になるのは、食管法違反で処罰された業者の問題です。現在、登録業者が二十九社あるはずですが、この二十九社の中で食管法違反で裁判を受けている登録業者は丸紅しかないでしょう。
#116
○大河原説明員 お話のとおりでございます。裁判係争中でございます。
#117
○諫山委員 そうすると、この改正の適用を受ける会社は当面丸紅以外にあり得ない。他の二十九社の中で、食管法違反で裁判を受ける人が出てくれば別です。いまのところ現実的な可能性があるのは丸紅だけだ。つまり丸紅を対象とした改正であるというふうにしか考えられないわけですが、当時、これは、この部分の改正というのは経団連の要請、さらに行管の指摘に基づきますか。この部分だけについて……。
#118
○大河原説明員 これは経団連等の要望に基づくものではございません。
#119
○諫山委員 行管はいかがですか。
#120
○大河原説明員 行政管理庁もその辺の規定の、これは従来規定の整合性の問題でございますので、許認可の簡素化ということだけの行管の指摘でございまして、本件については直接関係ございません。
#121
○諫山委員 私がなぜこういう問題を取り上げたかというと、とにかく昨年二月に規定が改正された。これは食管法違反で処罰を受けた業者でその後業務改善がされたら云々という規定なんです。十年ぶりの改正なんです。なぜ丸紅だけを対象とした規定が十年ぶりの改正の中で入ってきたのかという問題が私には解せないわけですが、私は、これはさっき指摘した政治献金、こういうことと無関係ではないんじゃなかろうか。だから政治献金というのはきれいでなければならないということを言っているわけです。
 私はこれ以上農林省と議論しようと思いませんが、法務大臣、どうですか。そういう議論を通じてやはり丸紅の政治献金というのは大問題じゃないか。通産大臣は総裁に意見を述べるそうですが、あなたは幹事長の有力な片腕ですが、あなたは幹事長に対して丸紅の政治献金は検討を要するというふうに助言しようとは思いませんか。
#122
○稻葉国務大臣 近ごろ幹事長と会うとうるそうございまして、電話ででも言いますか、それか、だれかに伝えますかな、とにかくそれは伝えましょう。
#123
○諫山委員 通産大臣に質問します。別なことです。
 私は、丸紅の株式会社は外為法違反で刑事責任が問われると同時に、社会的、道義的責任が問われなければならないと思うのです。狂乱物価のときにわが党の野間議員が伊藤忠の問題を取り上げて、輸銀の融資を停止すべきだ、こう要求しました。それに対して福田大蔵大臣は、社会的な不公正なことをやっているような場合は当然そうすると言っているのですが、あの時期に輸銀の融資を停止した会社というのはあったんでしょうか。
#124
○森山説明員 狂乱物価の当時に輸銀融資を停止した企業としては、私どもは承知いたしておりませんが、事実上融資の申し込みを取り下げたという例は承知いたしております。
#125
○諫山委員 その取り下げは政府からの勧めによるものですか、自発的なものですか。
#126
○森山説明員 輸出入銀行に対する権限は私どもにはございませんので、その辺の実態は承知いたしておりません。
#127
○諫山委員 一般的に、社会的に非難されるようなことをした会社には政府関係の融資は与えるべきではないというふうに答弁がされているわけですが、丸紅の場合はまさにこれに当たると私、思うのです。通産大臣、いかがでしょうか。あるいは大蔵省の方で説明できるなら、そっちでも結構です。
#128
○後藤説明員 私どもの考えを申し上げさせていただきたいと存じます。
 御指摘のように、前回、つまり狂乱物価の時代に国民の経済生活に直接著しい悪影響を与える、こういうような経済的な犯罪行為があった企業につきまして、輸銀、開銀あるいは北東公庫のそういう政府機関の資金の融資の仕方とあり方ということで特別の措置をとりましたことは御指摘のとおりでございますが、(諫山委員「丸紅についてどうかというのを答えてください」と呼ぶ)実はそのときの考え方から申し上げないと……(諫山委員「それはいいです」と呼ぶ)ただ、そのときも私ども考えましたのは、こういう政府関係金融機関の資金の使い道というのは、それぞれ政策金融を担当しておるものでございますから、したがいまして、ほかのことがあったからというのでこれをとめるということは、必ずしも適当ではないんではないか。特にまた、企業の違法行為に対しましてはそれぞれ法的な措置がとられるわけでございますから、それに加えてそういうことをやるということは非常に慎重でなければならない、こう思っております。基本的にいまでもそう思っておるわけでございます。
 そこで、御指摘の今回の丸紅の件でございますが、(諫山委員「結論だけ言ってください」と呼ぶ)これは当時の事情とはいろいろ違った事情もあり、大変重要な問題であるということはもちろんでございますが、当時のいわゆる反社会的企業行動というのとはまた別な次元での大変重要な問題であるとは思いますけれども、やはり前回の措置がそのまま適用になるということではないのではなかろうかと思いますし、また、輸銀の融資につきましては、御案内のように、経済協力関係というような国際的に影響する部面も広うございます。また、それに関係をいたしまして……(諫山委員「やる気がなければ、ないと言っていいのです」と呼ぶ)したがって、これは大変に慎重に検討しなければならないことではないかと現在私ども考えております。
#129
○諫山委員 私この問題についてはこれ以上質問しませんが、刑事局長、児玉が病気のために取り調べがうまくいかないということが言われています。喜多村教授が児玉の主治医だと言われているのですが、検察庁はよく、関係者の病状に疑いを持った場合には、診断書の提出だけで甘んぜずに、検察庁から医師を要請するとか独自の病状調査をするわけです。児玉についてはそういうことは行いましたか。
#130
○安原説明員 結論から申し上げると、いたしておりません。
 その理由を申し上げますと、要するに喜多村医師の診断に信頼を置いておるということに相なるわけでありまするが、しかも、この喜多村医師の診断の結果は、衆議院の予算委員会の理事会の決定により派遣されました東京慈恵会医科大学の上田医師ほか二名より成る医師団の診断結果とも判断が合致しております。そのことと、四十数回にわたりまして臨床の取り調べを実施しております東京地検検事もつぶさに児玉の病状を視察しながら喜多村医師の意見を聞いておりますので、同医師の診断に疑念を入れる余地がないということから、別の医師に診断を求めるということをいたしておらない次第でございます。
#131
○諫山委員 これはきわめて怠慢だと思います。実務上は検察庁が疑いを持てばやはり独自に検察庁として病状を調査するということが行われているわけで、児玉についても当然行われているのじゃなかろうかと思ったのですが、これが行われていないというのは私は意外です。なぜかと言うと、たとえば刑事訴訟法の二百二十六条というのがあります。これは正当な理由がないのに出頭しない場合は、検察官が調べるだけではなくて、裁判所に証人尋問を請求する。この場合は児玉がうそを言うと偽証罪で処罰される。宣誓もさせられる。こういう最も強力な取り調べ方法があるわけです。その場合に、児玉の病状にいささかでも疑いがあるなら、これは正当な理由に基づく出頭拒否なのかどうかということを検察庁は独自に調査する責任があるはずなんです。私は、いまからでも結構ですから、国会も独自な調査をしていることだし、検察庁としても児玉が本当にいまのようなどうにもならないのかどうかという点を調査していただきたい。さらに、児玉が取り調べ中に、たとえばまくらの下にテープレコーダーを隠しているというようなことが言われているわけですが、いまの取り調べであればそういうことを規制することもできない、そういう状況だろうと思いますが、この点いかがですか。
#132
○安原説明員 誤解をいただかぬようにお願いしたいのですが、今日まで別の医師の診断を求めなかったのは、先ほどの喜多村教授の診断に疑念を持っていなかったからでございまして、疑念を持たなかった理由はるる申し上げたとおりでございますが、今後仮に喜多村医師の診断というものに必ずしも満幅の信頼を置けないようなことが起こりました場合におきましては、当然別の医師に診断を求めるということも検討すべきであろうと思います。御意見は御意見として十分拝聴いたしました。
#133
○諫山委員 最後に一問。
 法務大臣、これから政局がどうなるかわかりません。私たちはすべてを解明して責任も明らかにしてということを強調しているわけですが、政局がどうなるかというのは私たちの希望どおりにいくとは限りません。どういう状況になろうとも、やはり真相究明は続ける、国会議員に対する取り調べも進めるというのが当然だろうと思いますが、いかがですか。
#134
○稻葉国務大臣 貴見のとおりでございます。
#135
○諫山委員 終わります。
#136
○田中委員長 坂井弘一君。
#137
○坂井委員 捜査もいよいよ大詰めを迎えようとしているようでありますが、しかし、なお児玉ルートの山が高く非常に険しい。しかし、一方、いやおうなく総選挙の日程が目前に迫りつつある。したがって、国会においても、いわゆる灰色政府高官、これの公表に対する基準論議というものが真剣に始まったわけであります。もう一方を見ますと、実は今度のロッキード疑獄事件、やはりその主役をなすといいましょうか中心的な人物は、何といっても児玉譽士夫である。一体ロッキードの関係においてこの児玉ルートの金がどこにどう流れていったか、これの解明なくして事件の全貌の解明は捜査上もあり得ないと思うし、ましていわんや、いわゆる灰色政府高官の公表に当たってこの児玉ルートの解明がなければ、これは全体を公平に、そしてまた正確にすべてを公表するということには相ならぬ。そういう中で残念ながら児玉譽士夫が病気のために臨床尋問もできない。また、一方、小佐野氏については、証人喚問を決定しながらこれまた病気のゆえをもって喚問ができない。ここで、しからば、この児玉とロッキードの関係において少なくとも非常に重要なその同じ核心の中にある人物として小佐野氏、小佐野氏と児玉との関係、あるいは小佐野氏と航空三社なり運輸省の関係、あるいはまたいわゆるロッキードと児玉譽士夫の間におけるコンサルタント契約の中に出てくるP3C、これに関係をしてコーチャン氏、児玉譽士夫、小佐野氏、これらの人たちがどういう関係にあったかということを具体的に明らかにしていく中で今度の事件の険しいと言われる児玉ルートの解明に一歩近づくのではないか。したがって、私はそういう意味できょうは新しい事実をここで申し上げますから、捜査当局の方からこれはひとつ前向きで確認をしていただきたい。
 小佐野氏がコーチャン氏を伴って航空三社、それから運輸省に一緒に行った事実があるという問題を提起します。捜査当局の方はよく御存じと思いますが、いま私申し上げましたことについてまず確認をいただきたい。そういう事実があったかどうか。
#138
○安原説明員 コーチャン氏の行動に関心を持っておるのは捜査当局当然でございますが、どういう事実を確認しておるかということはまさに捜査の内容に属することであり、かつ、すでに田中前総理の受託収賄の公訴提起の中で贈賄者側の共犯という認定をしておる事柄でございますので、公判段階におきましてそのようなことの立証にも関係いたしますので、申し上げかねる次第でございます。
#139
○坂井委員 後で御回答いただきたいと思いますが、では、私は事実関係について述べていきます。
 コーチャン氏と小佐野氏が一緒に行動したということです。航空三社、いわゆる日本航空、全日空、東亜国内航空、いずれにも一緒に行っております。それからいま一つ、運輸省にも行っておる。その目的、トライスター売り込みのため。なお、P3Cにも関係なしとはしませんが、そのことの内容についてはきょうは触れません。行ったか行かなかったか、それから、会ったか会わなかったか、だれに会ったかという事実関係について申し上げておきたいと思います。
 まず、東亜国内航空。四十八年七月二十七日、東亜国内航空の専務のところにコーチャン氏と小佐野氏、二人行っている。しかも前の日にそれを紹介した政治家がいる。東亜国内航空に、あした行きます。よろしく。こういう事実をひとつ提起します。
 安原刑事局長、ずっと言いますから、後で捜査当局、検察の方に対して、私が申し上げましたことについて確認をしていただきたい。報告をしていただきたいということをあらかじめお願いしたいと思うのです。日にち等について明確にここで申し上げるわけでありますので、確認をいただきたい。同時に報告をいただきたい。
#140
○安原説明員 先ほど申し上げましたように、ここでその事実の有無を確定して御報告申し上げることはできないということを申し上げたわけでございますので、これから仰せいただく事柄を有力な情報として捜査当局に伝えることで御勘弁を願いたい、かように思います。
#141
○坂井委員 それでは百歩譲ってということではいかがかと思いますけれども、少なくとも、安原刑事局長、あなたのもとには報告しなさいということくらいは、報告を求められたらいかがでしょうか。伝えるというのではなくて、こういう指摘があったが、これに対してはどうなっているか、事実かどうかということの御確認はされる意思はありませんか。
 もう一つ、私、これを申し上げるのは、実は小佐野氏の偽証告発という問題と関係がある。これは国会における問題でありますので、その辺までは御協力をいただけるのではないか。また、そのことは強く要請をしたい。実はこういう気持ちがありますものですから、そうした意味であえてお願いをしているわけであります。
#142
○安原説明員 伝えました結果、私のところにだけ報告をさせるというごとは全く意味のないことでもございますので、よく検討するように伝えさせていただきたいと思います。
#143
○坂井委員 いっそ幾つか申し上げておきましょう。
 全日空、四十五年十二月十六日。もちろん小佐野氏とコーチャン氏一緒であります。同じく四十五年十二月十七日、正確さを欠くといけませんので、場合によったら十八日かもしれません、日本航空。それから運輸省、四十六年八月、日にちは正確に申し上げるわけにはまいりません。実は確認ができておりません。行ったことは間違いない。運輸省の航空局長室、当時は内村航空局長。この分に対しましても前日紹介があったはずであります。つまり、いま申しましたのは、航空三社それから運輸省に対して、コーチャン氏が小佐野氏に依頼して、小佐野氏の紹介を得て同伴で航空三社、運輸省を訪れた、こういうことであります。
 なお、このことにつきまして、さきの証人喚問の際に私の質問に対しまして小佐野氏が――私はこう言った。あなたはコーチャン氏と一緒に日本航空、全日空、東亜国内航空、この航空三社いずれかにお行きになったことはございませんか。あるいは、その関係者とお会いになったことはございませんか。
 小佐野氏 記憶がありません。
 私全くないと、ここで断言できますか。
 小佐野氏 記憶はございません。
 私 東亜国内航空の関係者とお会いになりませんか。
 小佐野氏 記憶がありません。ことごとくいわゆる、記憶がありませんということであります。少なくとも私は単身で行ったとは言っていない。コーチャン氏を同道して三社に行っておる、運輸省にも行っている。これが、全く記憶にないということで通るかどうか。こんなことは常識的にあり得ないということで1残念ながら小佐野氏の証人喚問がいますぐ実現しようとしない。しかも、事態はいよいよ大詰めを迎えようとしておるし、灰色高官公表の問題も提起されておる、そういう中でありますので、あえてそうした日にち等につきましてもここで申し上げたわけであります。
 再度伺いますけれども、安原刑事局長、あなただけ報告を聞いたって意味がないとおっしゃいますけれども、これはやはり報告を受けられまして、その上で、少なくとも国会に対して、何らかの方法がありとすれば少し知恵をしぼって御相談されてしかるべきじゃなかろうか、こう思うのですが、法務大臣、大分真剣な面持ちでございますので、いかがでしょうか。
#144
○安原説明員 同じことを申し上げて恐縮でございますが、捜査の途中でございますので、その内容について捜査当局がどこまでキャッチしておるかということは、申し上げるのは差し控えた方が私は真相究明のためにいいのではないかと考えて、お断りを申し上げておる次第でございます。
#145
○坂井委員 具体的な問題を続けましょう。
 実はきのう申し上げましたけれども、四十八年五月三十日に全日空が定款を変更した。これは運輸省に関係しておることであります。そこで、定款変更しまして、事業目的の中にリース、賃貸業を入れたということについて申し上げたわけでありますが、運輸省は知っておったらしいですね。
 運輸省は、この定款変更をいつお知りになりましたか。
#146
○松本説明員 お答えいたします。
 四十八年五月の株主総会において、昨日先生御指摘のような定款変更が行われたわけでございますが、定款変更そのものは航空法上何らの手続を要しませんけれども、変更した事実につきましては、このようにいたしましたという報告をその衝きわめて近い時点で受けておる、こういうふうに考えております。
#147
○坂井委員 その後きわめて近い時点と申しますと、まさに実はこれは非常に重要になってくるわけでありますが、御承知のとおり、児玉とロッキードの第三次合意改定契約、つまり全日空から大韓航空にリースした場合において日本円十億を支払うというこの合意改定が成立したのが、契約されたのが四十八年七月六日、約一カ月後ですよ。きわめて近い時点と言いますと、いつお知りになりましたか。
#148
○松本説明員 先ほどもお答えいたしましたように、航空法の手続上は何ら要しない問題でございます。しかし、定款が改正になりまして、それについての印刷ができ上がる、資料が整う、そういうふうな時点において報告があった、こう思いますが、何月何日にかという点については、私どももそのようなことを逐一記録もしていないと思いますので、ちょっとお答えいたしかねます。
    〔委員長退席、松永委員長代理着席〕
#149
○坂井委員 賃貸業を加えた、リースを加えた理由は何でしょうか、お知りでしょうか。
#150
○松本説明員 私どもが説明を受けております限りにおきましては、航空機及びその付属品の賃貸、こういうふうなものが、やはり定期航空運送事業の業務の内容において、経営の多角化に対応していくために必要である、それでこれを事業目的上明確に定款の上に書いておく必要がある、こういうことで定款の改正をした、こういうふうに承知をしております。
#151
○坂井委員 重ねて伺いますが、小佐野氏が日本航空のボーイング727三機を大韓航空にリースするべくあっせんをした、紹介をしたというのが四十七年五月二十日ですね。私が運輸省はそのことについて確認しなさいと言って、確認したならば、小佐野氏がその後日本航空に大韓航空のリースについて紹介といいますか、働きかけをしたということを運輸省もお認めになったわけでありますけれども、それはお知りだったのですね。日航からのリースについて小佐野氏が介在したということをいつ知られましたか。
#152
○松本説明員 お答え申し上げます。
 今回このような事件が起こりまして、諸般の案件につきいろいろ国会等においても御質問等がございました。そういうことを契機にいたしまして、私どもの方が再度委細についてその間の事情を調査いたしましたる結果、先日お答え申し上げたように、小佐野氏からたまたまそのときに、大韓航空が機材を探しているがどうか、こういう紹介があったという事実を承知したわけでございます。
#153
○坂井委員 刑事局長にお伺いしたいのですが、これもずいぶんおかしいですね。小佐野氏の二月十六日の国会証言では、まず、児玉とロッキード柱間の大韓航空に対する契約書については「おとといぐらいのテレビか何かで、私もわかったのです。」これが一つ。二つ目、大韓航空におけるトライスターの売り込み商談については全然話も聞いていません。それから三つ目、コーチャン氏に二、三回会い、トライスターの売り込みの話を持ちかけられたが、胸の中にしまって聞き流した、だれにも言っていない、機会があれば、こういう証言ですね。これは知っておったのではありませんか。全日空の定款変更、リースを加えた、これはむしろ知っておったというよりも、加えさせた、変更させたという方がいいかもしれません。その一カ月後、第三次契約におきまして、全日空から大韓航空へのリース云々が出てくるわけであります。そういう関係につきましては、少くとも捜査当局はきわめて関心を寄せて捜査をされておることは当然と思いますが、いかがですか。
#154
○安原説明員 コーチャン証言と小佐野証言との間に食い違いが客観的にあるということは事実でございますし、国会におきます証人尋問につきましては、検察当局は係官を派遣しあるいはビデオをとりということで、関心を持っておる次第でございます。
#155
○坂井委員 刑事局長、またもう一つ伺いますが、国会議員で参考人として事情聴収をされた人はいますか。何人かとは聞きません。
#156
○安原説明員 先ほどたしか横路委員のお尋ねに対して御理解を賜ったと思っておるわけでございますが、今日の報道の状況、私から見ればやや異常な状況下におきまして、国会議員を参考人として取り調べたということを私から申し上げますと、直ちにそれが特定の人に結びつく異常な状況下にございますので、捜査の段階におきましてはひとつ御容赦を願いたい、かように思います。
#157
○坂井委員 何人とは聞かなかったのですがね。
 ではお聞きしますけれども、きのう稻葉法務大臣は、丸紅、全日空ルート、これは近く金の流れの究明を終わる、それから児玉ルートにつきましては若干の日時を要する、とおっしゃいました。確かに近くというのと若干の日時、これは大分違う。前に全日空、丸紅ルート、これの捜査が終わるのは九月に入って早々ということで、きょうは九日ですか、まさか九月の中ごろまでとはおっしゃらなかったのですね。ですから、恐らくきょうあすにも終結するのじゃないか、あるいは二、三日はかかりそうだということなのか。それから同時に、児玉ルートにつきましても法務大臣おっしゃいましたが、私は十月に入るというようなこと云々までは言っていない、こういうことでした。そうすると、きわめて難航する中でも鋭意捜査当局が苦労されまして、そして大方の部分についてはすでにもう捜査済みであって、九月中にもこの捜査は終結するのではないか、十月にずれ込むこともないのではないかというような感じ、これは受け取る方ですから、どう受け取りますか、必ずしも時期的に明確にきのう答えられたわけではない。しかし、いま申しましたように、少なくとも近日中に全日空、丸紅ルートは終わる。もう少し明確にめどとして、前には「早々」とおっしゃって、きのうは「近日」だ、またきょうは「遠からず」なんというと、いよいよ抽象的でさっぱりこの解釈がわからない。灰色高官公表との関係もございます。そういう点につきまして、なお時期をできる限りひとつ明確にお示しをいただきたい。
#158
○安原説明員 捜査というのは、自分で計画的に、きょうはこれをやってあすはこれをやってという計画は立てるのですけれども、何分にも人と人との関係でございますので、どうもつもりはつもりでもそうはいかぬこともございますので、万全を期しまして、私は九月に入ってそう遠からずと、まことに抽象的で申しわけございませんが、そういう報告を受けておるものでございますから申し上げたわけで、九月に入ってそう遠からずということでございますから、九月の末にはならないと思いますが、とにかくこれは私の判断を言うべきではなくて、捜査当局からさように聞いておりますので申し上げる次第でございます。
#159
○坂井委員 入ってそう遠からずですから、幾ら考えても中旬までにというのが常識でしょうね。そうしますと、少なくとも三、四日か、せいぜい延びても四、五日ということだろうと思うのです。そういうことになりますと、ユニットの分については捜査続行中であるということで、非常に先ほども微妙な発言だったとは思うのですが、伝えられる政府高官、政治家の事情聴取は大体済まされたのじゃないですか。
#160
○安原説明員 そう遠からざる捜査の終了のときには、調べるべきものは調べたはずでございます。
#161
○坂井委員 捜査終結、それから捜査本部解散、万歳、これは児玉ルートの解明を待って、そういうことになるわけですね。Xルートというのはありませんか。
#162
○稻葉国務大臣 前に、何かのとき、そんなことを言ったことがありますが、児玉ルートというのは非常に範囲も広いし、それからなかなかむずかしいのですね。非常に難物です。ですから、そういう意味で児玉ルートと言われるものにはX、Y、Z、A、B、C、たくさんいる、こういうことでございます。
#163
○坂井委員 私がそれを聞きたいのは、捜査終結、その時点においては一切のいわゆる灰色政府高官、これの公表は当然やらなければならぬ。ただ問題は、いまにも合意すれば、たとえば臨時国会の早期召集が伝えられる、あるいは冒頭解散云云ということまで言われておる。そういう中で、いずれにしろこの段階でやはり灰色の高官の公表をせざるを得ない。そうした場合に、これは中間公表という位置づけといいますか意義づけであって、いま灰色高官を公表したからといって実質的に捜査を打ち切る、そんなことにはなりませんね。したがって、これは中間公表だ、こういう理解でいくべきだと私は思うのですけれども、法務大臣、御異論ございませんか。
#164
○稻葉国務大臣 議長裁定に基づいてそういうことをやるとすれば、そういうことになりますな。中間的なものになります。終わってないのですから。当然じゃありませんか。御質問なさることもないんじゃないでしょうかね。
#165
○坂井委員 いや、それがちょっと心配なんですよ。ですから、その場合に、捜査の推移を見て、必要があると国会が決めて、そうしてやろうとした場合には、これは議長裁定に基づきまして最大の協力をしましょう、こうおっしゃるのですね。その場合の協力というものは刑訴法四十七条ただし書きの適用を含めてですね。ただ、それでもって実質的に、あとはもういいんだ、あるいは捜査の方も何となくだらけて――そんなことは絶対にあり得ないと法務大臣おっしゃいました。最終段階においては、あくまでもこれは捜査の終結ということと同時に、やはり国会におきましても、解明し切れなかった部分の捜査の終結を待って、そして公表を最終段階ではあくまでも行う、それはそれで結構であります。
 時間がいよいよ参ったようでありますので、最後に一点だけ聞いておきますけれども、どうもロッキード社のコーチャン氏を初め、ロッキードの関係者あるいはその周辺と言ってもいいでしょうかね、それから嘱託尋問をやっておりますね、その関係周辺、そのあたりから頻々といろいろな情報が入ってくる。その情報の確度といいますか、正確度といいますか、その辺をいろいろと実は探ってみるわけでありますけれども、相当その確度が高い。しかもその背景に何があるかといいますと、法務大臣もおっしゃっておりましたが、やはり追っかける方とそれから逃げる方、日米合作ですね。そういう形でいろいろな情報がもたらされるということが実はあるわけでありまして、そういうことに対しまして、やはりこれも捜査上かなりな支障は来しているのではないだろうかと思われます。かと思われますが、そういう事態でありますので、なおのこと、わが方で法務当局あるいは検察がそれは捜査密行の原則あるいは公判維持等々考慮されまして、できるだけだらだらしないように、雑音のないようにというお考えはよくわかりますけれども、しかし、いまの時点に来て、なおかつさらにこの場所において口がかたく、かたく、かたくなってしまいますと、これは周辺から出てくる。周辺から、アメリカ側とかいろいろなところからいろいろな形で真偽、厚薄、色とりどりと思います。何もかも全部確実な、正確な情報とは思いません。思いませんが、そういう形が周辺からどんどん出てくるということは、決して好ましいことではないと思うのです。したがって、そういう観点から、法務大臣、ひとつ相当腹をお決めになりまして、この際はまさに灰色高官公表ということの段階に差しかかったわけでありますので、これは国会は主役だろうと思いますので、わき役として最大なやはり協力をという姿勢を私はできる限り具体的に示していただきたい。たとえば先ほどの安原刑事局長のおっしゃることはわかりますよ。わかりますけれども、そこは車の両輪で今日まで来たわけだし、お互いさま真相解明のために誠心誠意尽くしてきたわけでありますので、この大詰めの段階に来て、やはり法務大臣として最大限国会に協力をする、こういう姿勢を言葉の上ではなくて実際のものにしていただきたい。これをひとつ強く要請して、大臣の所見、決意を伺って、終わりたいと思います。
#166
○稻葉国務大臣 国会の国政調査権に基づくそういう御要請に対しては最大限の協力を申し上げることは何遍も言いました。何遍も言いましたから、ここに至ってまた繰り返すのもなんですが、やはり君子は行をもって言い、小人は舌をもって言う、こういうことがあります。
    〔松永委員長代理退席、委員長着席〕
ですから、行をもって言うより仕方がない。行いをもって言い、小人は舌をもって、ベロでもって言う。そういう言葉を申し上げましてお答えにしておきます。
#167
○田中委員長 永末英一君。
#168
○永末委員 先ほど同僚大出議員からミグ25に関する質問がございました。私も緊急のことでございますので、ロッキードに関する質問に先駆けて二、三点ただしておきたいと思います。
 外務大臣の出席を求めておりましたが、お見えではございませんが、外務省の方、来ておられますね。来ておられませんか。
#169
○田中委員長 橘欧亜局長が来ております。
#170
○永末委員 ミグ25に搭乗いたしましてわが国に入ってまいったベレンコ中尉はきょうアメリカへ亡命をするということのようでございますが、そのように決定いたしましたか。
#171
○田中委員長 橘君来てませんか。――外務省、だれか来てませんか。――ちょっと後回しにしましょうか。
#172
○永末委員 では、外務省は後回しにいたしまして防衛庁長官に伺います。
 防衛庁は現在ミグ25の調査をいたしておると伝えられておりますが、それはどういう根拠に基づいて調査をしておられますか。
#173
○伊藤説明員 ただいま防衛庁の専門家が、検察庁の依頼によりまして、専門的見地から捜査を援助するという形で調査をいたしております。
#174
○永末委員 検察庁はどういう依頼をいたしたのでありますか。
#175
○安原説明員 御案内のことと思いまするが、このソ連のベレンコ空軍中尉の犯しました犯罪の容疑は、航空法違反あるいは出入国管理令違反というような犯罪でございまして、九月七日に函館の中央警察署から送致を受けて任意取り調べ中でございますが、そのような犯罪の実体を明らかにするという意味におきまして、実況見分をする必要がある。ところで、その実況見分をして明らかにしたい事項といたしましては、本件の航空機が函館空港着陸前に油が不足したために不時着したというようなことを供述しておりますので、そういう運航機能の障害の有無とか、あるいは不時着いたしますときに空港の標識を損壊しておりますので、航空法違反の疑いがございますが、その結果の機体損傷の部位、程度、あるいはこの航空機をそのまま保管していく、あるいは将来返すということを考えれば、保管方法はどういう方法がいいかというようなことは、専門家である防衛庁の方方に見分をしてもらって援助を受けたいというのが趣旨でございます。
#176
○永末委員 いわゆる航空法違反とか、あるいはまた出入国管理令違反をやったのは人間であって、航空機ではございませんね。
 そういたしますと、それをやった人間が政治亡命ということでわが国の主権下から立ち去ってしまう。その場合、その後もなお機体を調査する必要があるという御判断ですか。
#177
○安原説明員 いま永末委員、亡命をさせることが前提で、刑事事件としての処分はしないというような御判断のもとの御質問でございますが、まだ捜査中で処分を決定しておらないのでございまするが、当然実況見分はやれるはずでございます。
#178
○永末委員 伝えられるところによりますと、不起訴処分にした、六つほど罪名があるけれども、そういうぐあいに伝えられておるが、いまあなたのお話では、まだ不起訴処分にはしていないということですね。明確にお答え願いたい。
#179
○安原説明員 まだ処分は決定しておりません。
#180
○永末委員 外務省の方、入られたようですな。いま法務省の方からベレンコ中尉に関してはまだ不起訴処分にはしていないということでございますが、報道によりますと、本日夕刻ベレンコ中尉はアメリカに向けて亡命をいたす、こういうことになっているようでございますが、それは事実ですか。
#181
○橘説明員 ただいま法務省の方からお話がございましたような手続の問題もございます。そういうものの完了した後での措置の問題になると思います。
#182
○永末委員 そうしますと、本日亡命することはないという判断ですか。
#183
○橘説明員 そうしました手続が終わりました後での措置でございますので、手続の完了を待って本人の身の振り方が決まるということでございます。
#184
○永末委員 本日午後二時に、ポリャンスキー駐日ソ連大使が外務省を訪れて、この件に関してソ連としての申し入れをいたしておると思いますが、何を聞いて、どういう措置をなさいましたか。
#185
○橘説明員 本日午後二時からポリャンスキー駐日大使が外務省の有田審議官と会談をいたしました。私、その席におりませんでしたので詳細には存じませんが、本人につきましては、先方は本国への送還、それから本人への面会希望という点を申し述べておりました。
#186
○永末委員 それに対して、外務省はどういう返答をいたしましたか。
#187
○橘説明員 本人につきましては、今回の事件についての事情の聴取、あるいは国内の、先ほども出ましたような手続という問題が現在あります。本人は米国への亡命を希望しております。本人の意思を尊重する、特に第三国へ亡命を希望している場合、その意思を尊重して処置をするというのが日本政府としての基本的な考えでございますという点、それから、本人との面会につきましては、ソ連側の希望もございますので、日ソの条約等の関係にもかんがみて、日本側としては面会を少なくとも一度は認めるという方向で考えておりますということを先方に申し述べてあります。
#188
○永末委員 外務省といたしましては、諸般の手続が済み次第ベレンコ中尉のアメリカに対する亡命を認める、それはきわめて近いうちである、こういう御方針ですか。
#189
○橘説明員 本人につきましての事情の聴取、それから必要な手続というものが完了いたしましたならば、なるべく近い機会に本人の希望に沿って、本人の希望しておる米国へ赴かせたいと考えております。
#190
○永末委員 いまのような外務省の方針で、本人がアメリカへ向けて旅立った後、法務省側、検察当局としては、なお機体の調査が必要だと考えられますか。
#191
○安原説明員 事件の捜査、処理という問題、この事件をどういうように処分するかということについては、本人が外国へ行ってしまった後においてはもう捜査の必要性というのは事実上なくなるわけですが、問題は、領置しております航空機を何らかの処分をしなければならぬという意味におきまして、どういう保管方法で、またどういうものに返すか、あるいはどういう方法で返すかというような関係で、機体を調べるということの必要が出てくるのではないかというふうに思っておりまするが、はっきり決めておるわけではございません。
#192
○永末委員 領空侵犯の事実は明確でありまして、その領空侵犯をやった航空機に対して防衛庁としてそれを調査するという必要はお感じになっておられませんか、防衛庁長官。
#193
○伊藤説明員 ただいま御指摘のありましたとおり、明らかに領空侵犯をいたしました。そして最終的には着陸をいたしました。したがいまして、自衛隊法の八十四条にございます領空侵犯に対する措置に関して必要な調査をいたしたいというふうに考えております。そして、ただいま関係各省庁と話し合っております。
#194
○永末委員 そうすると、いまの時点で調査をしておられるのは、検察庁からの依頼を受けたからやっておる、そして自衛隊法八十四条に基づく領空侵犯に係る調査については、関係省庁と打ち合わせ次第、それに基づく調査を機体に対して行う予定がある、こういうことでございますね。
#195
○伊藤説明員 ただいまおっしゃったとおりで、そのように希望いたしまして、関係各省と打ち合わせをいたしております。
#196
○永末委員 防衛庁長官に伺いますが、先ほど大出議員の質問に答えて、どこのレーダーでも、レーダーの電波は直進するんだから、低いところを飛ばれると役に立たないんだということでございます。わが国のレーダーも、この機影をとらえてしばらくいたしまして、全くその機影をつかまえることができなくなったということでございますが、これは現在の実力では何ともならぬ、こういう御判断でレーダーを設置しておられますか。
#197
○坂田国務大臣 われわれもあらゆる場合に対しまして防空の措置をとっておるわけでございますが、現在、低空で、しかも非常に速い速度で進入してまいります場合には、これを完全に捕捉をするということはなかなか困難である。これは、ひとりわが国のみならず、各国においてもそのとおりで、各国の軍事当局を悩ましておる問題であると思います。
 で、このミグ25機がソ連領内を飛び立ちましたのも、推測いたしますに、恐らく超低空で出てまいっております。したがいまして、ソ連のレーダーにとらえられないようにして出てまいったというふうにうかがわれるわけでございます。
 しかし、われわれの日本列島を守るという上からは、やはりあらゆる場合に対して万全の備えをしておかなければなりませんので、この機会にやはり、どういうような防空上の欠陥があるか、あるいは低空進入に対してのレーダーサイトはこれでいいのかということを再点検する必要があるのじゃないか。その結果として、やはりもう少しこういうようなものが必要であるというようなことが出てまいれば、そのことに対する措置を講じなければいけないというふうに思いますし、ポスト四次防、なかんずく基盤的防衛力の構想の中におきましては、特に平時におきます監視態勢は一〇〇%に近い段階までに整備すべきであるというような考え方もございますし、そういう方向で進みたいと思います。したがいまして、この機体等につきましても、十分ひとつ、どういう方向で入ってきたのか、あるいはどういうような能力を持っておるのかということについてわれわれは知りたいと考えておる次第でございます。
#198
○永末委員 スクランブルいたしましたF4が約八分ほど空に上がっているわけでございますが、このスクランブルをやりましたF4二機は相手方をとらえたんですか、とらえなかったんですか。
#199
○伊藤説明員 レーダーでこの飛行機をつかまえましたのが六日の一時十一分でございます。そしてスクランブルに上がりましたのが二十分でございます。そして二十六分の時点でレーダーから一度消えておりますが、私どもの調査では、ファントムのレーダーでその機影を認めたという報告は受けております。しかし、それ以上接近して視認することは不可能であったようでございます。
#200
○永末委員 そのファントムの持っておるスクリーンから相手方が消えた後、ファントムは何をしておったのですか。
#201
○伊藤説明員 当日は現地の天候はよくなかったようでございます。したがいまして、レーダーで見つけました後またロストしたわけでございますけれども、その付近を飛んでおったというか、慎重に捜しておったようでございます。しかしながら、非常に天候が悪かったものでございますから、余りそれを急速に追うというようなことは不可能であったというふうに報告を受けております。
#202
○永末委員 結局はこのミグ25は何も害をわれわれに与えずして函館空港に着陸をいたしたのでございますが、それまではどうするかわからぬ種類の飛行機が来ておるわけであります。防衛庁はスクランブルをかけた以外に何かされましたか。
#203
○伊藤説明員 スクランブルをかけまして、一方にファントムが上がってまいりました。そうして当別、大湊、加茂、奥尻のレーダーサイトがこれを追っておりました。そして近づいた時点で奥尻のレーダーサイトから、領空侵犯のおそれがあるから退去するように二回警告を発しております。警告を発したのでございますけれども、その警告に従わずに低空をはっていって、見失ったということでございます。
#204
○永末委員 警告を発したというが、どういう手段で、どういう種類の警告を発したのですか。
#205
○伊藤説明員 国際周波数を用いて、英語とロシア語をもって警告を発しております。
#206
○永末委員 防衛庁長官がこれをお知りになりましたのは、事件が起きましてから一時間半以後であったというのですが、一体防衛庁長官は緊急事態が起きたときに一時間半もたたなければ事情がわからぬ、こういう状況で行動しておられるわけですか。
#207
○坂田国務大臣 ちょうどその時点私は名古屋へ行っておりまして、帰りの汽車の中で知ったわけでございますが、後でその状況を聞きますと、かなりおくれておるわけで、この点はまことに遺憾なことであるというふうに思っております。
#208
○永末委員 それに対して防衛庁長官としてはどのように連絡の改善をすべきであるとお考えですか。
#209
○坂田国務大臣 的確にまず事実関係を知って、そしてあらゆる措置をとるべきであるというふうにして、どういうような改善措置があるかということをただいま指示をいたしておる次第でございます。
#210
○永末委員 ミグ25関係は終わりにいたしまして、ロッキード問題に入ります。時間が参りましてまことに恐縮でございますが……
#211
○田中委員長 ちょうど時間です。
#212
○永末委員 では、質疑を終わります。
#213
○田中委員長 この際、暫時休憩をいたします。
    午後四時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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