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1975/05/13 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
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1975/05/13 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号

#1
第077回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
昭和五十一年五月十三日(木曜日)
   午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 板川 正吾君
   理事 越智 通雄君 理事 大石 千八君
   理事 加藤 紘一君 理事 高橋 千寿君
   理事 松浦 利尚君 理事 山中 吾郎君
   理事 小林 政子君
      加藤 六月君    三塚  博君
      山下 元利君    加藤 清政君
      中村  茂君    野間 友一君
      有島 重武君    石田幸四郎君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        国務大臣
        (経済企画庁長
        官)      福田 赳夫君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       林  義郎君
        経済企画庁長官
        官房参事官   柳井 昭司君
        経済企画庁長官
        官房参事官   朴木  正君
        経済企画庁長官
        官房参事官   佐々木孝男君
        経済企画庁物価
        局長      喜多村治雄君
        資源エネルギー
        庁石油部長   左近友三郎君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 大永 勇作君
 委員外の出席者
        物価問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  橋口  隆君     坂本三十次君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○板川委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤清政君。
#3
○加藤(清政)委員 最初に福田副総理にお尋ねしたいと思います。
 副総理には十五分程度ということで、社会党で午前中に二人質問いたしますが、十五分という大変短い時間でありまして、福田副総理にこの際一番聞きたかったわけでありますけれども、しぼりましてお尋ねしたいと思います。特に物価の問題について自他ともに認める福田副総理の見解をこの際お聞きしたいと思います。
 本年度は国鉄運賃、電報電話料金あるいは健康保険料、塩などを初めとする多くの公共料金の値上げが予定されておりまして、消費者物価は公共料金によって大変左右される年でもあると言われておりまして、公共料金の値上げはただただ物価上昇にはね返るだけでなくして、それに伴う便乗値上げを誘発するおそれが多分にあると言われておるわけであります。このような中で、今年度の公共料金値上げのトップバッターとして、四月五日に東北電力が三五・二二%、北海道電力が三九・一五%、そして続いて八日には北陸電力が三三・四%、九州電力が三一・九五%と相次いで大幅な料金値上げが申請されております。そして希望実施日は四社とも五月十五日であると言われておりますけれども、このような大幅な値上げが実施されますると、国民生活また産業活動に大きな影響をすることは火を見るよりも明らかであろうと考えられるわけであります。他の電力会社五社も続いて値上げをされるであろうということが言われておりますけれども、物価上昇はしたがって防げないと思うわけであります。
 また、片や電力は日本経済、特に産業活動を支える基盤の一つでもあります。したがって、電力料金の値上げは重大な影響を及ぼすことは明らかなわけでありまして、早くも電力料金の値上げに便上して鉄鋼業界では鋼材の大幅な値上げの意向を明らかにしておりますし、その他にも電力料金の値上げによって電力多消費型業種であるアルミ製錬だとかあるいは亜鉛製錬だとか苛性ソーダ、セメント、非鉄などがこれによって大きな打撃を受けるであろうと言われておるわけでありまして、これらの業界も続々と値上げをしてくることは必然的であろうと思うわけであります。すでに卸売物価は、昨年十一月までは月中は〇・三%程度でありましたが、十二月から〇・六%ないし〇・八%の上昇という高水準を続けておるわけでありまして、やがてはそれは消費者物価にはね返ってくるわけでありまして、もうすでに消費者物価も東京都の区部では一〇・二%という二けたになっておるわけであります。
 このままでいくとインフレ再燃のおそれなきにしもあらずということで、学者の中にも非常にそういう声があるわけでありまして、このような大幅な電力料金値上げが物価に及ぼす影響について大変大きいことであろうと思うわけでありますが、このことについて最も自他ともに専門家である福田副総理の見解をひとつお尋ねしたいと思います。
 あわせて、この電力料金の引き上げによる便乗値上げについて副総理はどう考えておられるか、どう対処せられようとしているか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#4
○福田(赳)国務大臣 御指摘のように、公共料金問題は大変物価政策実行上の重荷と考えております。
 ただ、さらばといって公共料金を狂乱当時のような体制で抑え込み続けるということは、これはまた別の角度から妥当でないのでありまして、そこで、三カ年の間に主要の公共料金の改定を一回りさせたいという基本的考えであります。つまり、一挙大幅ということでなくて、なだらかにこれをやっていこう、こういう考えであります。
 公共料金が大変重荷であるというのは、昨年の状況を顧みてもそうなんです。昨年度は消費者物価が八・八%の上昇だった。その中で実に公共料金の占める要素が二・七%なんです。八・八%のその中で二・七%が公共料金だ。非常にこれは重いウェートを持つわけであります。その勢いというものはまたことし五十一年度においてもあるわけであります。
 しかし、五十一年度は物価全体といたしましては五十年度よりはさらに安定の基調に持っていきたいというふうに考えておりまして、公共料金の物価影響要因を二%強程度におさめたい、こういうふうに考えております。
 その枠の中で政府の直接の公共料金、それから民間企業の公共料金、民間企業や地方公共団体の分、これがどの程度の配分になるかというと、政府直接の国鉄だとか電電だとか、あるいは塩だとかあるいは米価でありますとか、そういうものの占める割合が大体一%強、こういうふうに見ておるのです。あとの残りの半分近くのものが、地方公共団体でありますとかあるいは民間企業で政府認可料金、こういう種類のものであろう、こういうふうに思います。
 去年とにかく二・七%の公共料金全体の引き上げがあった。それにしても物価水準は八・八%というところに落ちついた。一けたと申し上げておったのですが、余裕を持って一けたが実現されたという状況であります。五十一年度におきまして二%強の公共料金の引き上げがありましても、物価政策、経済運営よろしきを得ますれば、また得なければなりませんけれども、目標とするところの八%程度の消費者物価水準の実現ということは私は可能である、またぜひそういたしたい、こういうふうに考えております。
 また、公共料金が便乗値上げを誘発するおそれはないかという御指摘でございますが、これも五十年度あれだけ公共料金が上がったというけれども、そう便乗というようなことは起こらなかったわけであります。これは要するに、経済全体のバランスを失わないようにやっていくということと、それから個別物資の需給に十分配慮しながらやっていくという施策を進めてまいりますので、この辺も五十一年度におきましては心配はない、こういうふうに考えております。
#5
○加藤(清政)委員 経済の専門家の副総理に尋ねたいという念願でありますから、あと七分しかありませんので、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
 さきに電力四社の大幅値上げ申請に対して福田副総理は、四月九日に記者会見をいたしましたが、その記者会見で、三〇%以上の値上げは物価や景気に与える影響が大きく、このような衝撃的な値上げは認められないと発言しておるわけでありますが、現在においてもこの気持ちに変わりないかどうか、そしてこのことに極力努力する意思があるかどうか、この点について福田副総理の見解をお尋ねしたい。
#6
○福田(赳)国務大臣 電力のように家庭に対しましてもあるいは企業に対しましても重要な関係を持つその料金が一挙に三〇%を超えるような上げ方になることは、これは事情がいかがであろうとも、私は、ただいまの安定した経済を目指す経済政策体系下において、これはとても採用はできない、こういうふうに考えております。
 ただいま通産省でその適正な原価は一体どうなんだということを検討中でありますが、その検討が終わりました時点におきまして、しからば企業にもあるいは家庭にも衝撃的な影響を与えないためにはどうすべきかという政策的判断をしなければならない、こういうふうに考えております。
#7
○加藤(清政)委員 今回値上げを申請した電力四社は、料金算出のための原価算定期間を二カ年としております。ところが、高度経済成長から低成長に移行した現在、しかも経済情勢というものはきわめて不安定であるという現状を考え、あまつさえ政府の経済見通しに対しても、五十年度は経済成長率を実質成長で四・三%と見込んでおりましたけれども、景気の伸び悩み、見通しが誤って改定せざるを得なくて二・六%になったという、政府の見方でも経済の見通しがわからなかったというような現在であるわけであります。しかも、今年度の経済見通しについても、民間金融機関では早々と三月中旬に改定を発表しております。これによりますると、二つの金融機関は下方修正、つまり下回っておると考えておりますし、一方、証券会社は五・二%を六%に修正するというばらばらな内容であるわけでありまして、このことでも明らかなように、今日のような変転きわまりない経済情勢の時期に二年後の原価を算定するということは大変むずかしいことであると思います。
 このような現状から考えて、原価算定期間は、流動した経済情勢に対応して、かつてこの前の石油ショック後の値上がりに対しても基礎を一年間に置いたように、今日のような変転きわまりない経済情勢の流動に対応して一年にすべきではないかという声も大変あるわけでありますので、福田副総理の見解をこの際お尋ねしたいと思います。
 さらに、もうすでに時間が参っておりますので、経済企画庁は電気料金の値上げについて二段階方式を主張しておるやに聞いておりますけれども、その根拠は一体どこにあるのか。しかも、これについては通産省と経企庁との考え方の相違が浮き彫りにされておると聞いておりますけれども、この際、副総理の見解をお尋ねしたいと思います。
#8
○福田(赳)国務大臣 原価計算は、本当は長い期間をとればとるほどいいわけなんです。しかし、実際それがとれないのです。とれないのは、加藤さん御指摘のように、これからの経済情勢の予測というものは非常にむずかしいし、特にその中で、電力に必要なあるいは石油あるいは石炭、そういうものがどういう価格になっていくのであろうか、そういうことが非常に予見が困難です。
 そこで、そういうものが大体予見し得る間の原価計算ということになろうかと思うのですが、まだそれを一年にするか二年にするか、あるいは三年ぐらいにするか、その辺につきましては、これから通産省の一応の原価計算を見た上で相談しなければならぬ、そういう問題になっておるわけであります。
 それから、原価計算の結果、非常に高い料金改定を必要とするような原価計算が出てきた、こういう際に、それを衝撃的な影響を与えないためにどうするかという際の一つの考え方として、ことしはこの程度にしておいて来年微調整をすることを予定するという二段階方式ですね、そういうことも一つの考え方としていまあるわけですが、これもまだ通産省とは相談しておりません。
#9
○加藤(清政)委員 終わります。
#10
○板川委員長 中村茂君。
#11
○中村(茂)委員 中村でございますが、長官に、特に消費者物価の関係についてお聞きしたいと思うのです。
 きのう新しい経済五カ年計画の答申があり、あす閣議で正式に決定する、こういうことを聞いているわけでありますが、私のところには、その計画の概案で、この一月に閣議了解になったのが資料としてありますが、大体骨子はこれと同じのようでありますから、数字的にはこれに基づいてちょっとお聞きしたいと思うのです。
 これによりますと、消費者物価は平均して六%台、最終年度五十五年には六%以下に抑えたい、こういうふうになっておりますし、卸売物価については平均五%程度で、最終年度四%台。私は、卸売物価がここで示しておりますように、平均五%程度、最終年度四%程度ということでいくとすると、いままでの物価の動きを見ていけば、消費者物価は卸売物価によってもっと高く突き上げられるんじゃないか、こういうふうに思うのです。特に、この中でも参考資料として出ておりますが、四十一年度から五十年度の平均の伸びでいきますと、消費者物価については八・五%、それから卸については五・八%、これは特に四十八年から狂乱物価と言われる年度を含むと、卸と消費の物価の差が非常に縮まってきている。それから四十一年と四十七年のものを見ていくと、消費が五・五%、卸が一・八%。この当時言われたのは、卸売物価がここでも示しておりますように一・八%と非常に低いから、消費者物価は心配ないんだ、こういうふうに政府はいろいろ言ってきたわけであります。ところが、四十八年からのものを含めると、この卸が、一・八のものが五・八になっておる。
 こういうふうに見ていきますと、これは数字的には消費者物価との開きは一%しかないわけでありますから、そういう経済を考えてみた場合に、その経済構造はどういうふうになっておるのだろうか。卸と消費を一%の開きぐらいで抑えていくという経済はどんなふうになっておるのだろう。確かに卸売物価で出てくる企業についてはまだまだ合理化の要素もあるし、省力化の要素もあると思うのですけれども、消費者物価にあらわれてくるところの産業を見れば、大体そういう面で頭打ちに来ている。またサービス部門、三次産業、こういうところについてはそういう面ではほとんど頭打ちが来ておる。そうすると、卸というものがこの数字でいくとすると、消費が六%ではなくてもっと八%、九%というふうに押し上げられてくるのではないか。いわばここで示している消費者物価の数字は希望数字であって、これに抑えていくことはなかなか困難な計画になっているんじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はいかがでしょう。
#12
○福田(赳)国務大臣 いま御指摘の点はなかなか重要な点なんですが、いままでは消費者物価と卸売物価の乖離、その現象が日本では非常に強かったわけです。諸外国では、先進諸国の間では消費者物価と卸売物価は大体連動して動く、多少消費者物価が時期的におくれるようなことがありますが、まあ、大体において連動して動くという形勢であるのに対し、わが国は卸売物価は一、二%の上昇でかなり安定しておる。ところが、消費者物価の方は五、六%の上昇をするという四%近くの乖離があったのです。今度私どもは、その乖離幅がそう大きくはならぬ、その半分ぐらいあるいはそれ以下になるだろうという想定をしているのですが、その理由は二つあるのです。
 その一つは、前は海外の資源価格が安定しておったわけです。これからはその海外からの輸入資源は非常に流動的になろう、波乱含みになる、そういうようなことで若干前と違って海外からの輸入価格の引き上げということを予定しておかなければならぬという問題が一つあるのです。それからもう一つは、賃金の動きであります。前は大変な高度成長下でありますから、賃金が上がる。これからどうかと言うと、低成長に入るわけでありますので、賃金もそうは上がっていかぬ、こういう状態になる。
 そこで、これからの物価状態を見てみますと、輸入価格は、これは卸売物価に非常に影響するわけです。しかし、消費者物価には直接的にそう大きくは響かない。こういうことから乖離現象が減殺されてくる。
 それからもう一つ、賃金。前の高度成長下におきましては賃金が上がるわけです。これは大企業を中心にして上がってくる。大企業の賃金が大幅に上がりますと、そうすると、景気がいいですから、雇用が非常に逼迫してくる。そこで中小企業の方が賃金を大企業になぞらえて上げませんと、中小企業の方で労働力を確保することができない。そこで中小企業も大企業に準じて賃金の引き上げを行う。
 そういう場合にどういう現象が起こるか、こう言いますれば、これは大企業の方は高度成長でどんどん設備は拡大される。製品は多量に生産されます。したがって生産性が向上される。生産性が向上されますから、賃金が上がりましても、その賃金の上がりというものを生産性の向上が吸収しまして、それで製品価格にその賃金の上がりのしわ寄せを持っていくということをなさないで済み得た。ところが、中小企業の方が上げるとどういうことになるかというと、これは生産性をそう上げることはできませんものですから、どうしてもその中小企業の扱う製品の価格を上げる、あるいはサービス料金を上げる、そういうことにならざるを得ない。
 物価というのは、卸売物価の方は大体においてこれは大企業物価なんです。それから消費者物価の方は中小企業物価なんです。ですから、卸売物価の方は賃金が上昇してもずっと安定を続ける。しかし、中小企業物価、つまり消費者物価の方は賃金が上がったら料金を上げなければならぬ、その製品価格を上げなければならぬ、こういうことになる。
 そこで乖離現象というのが出てきたわけでございますけれども、これから減速というか低成長の時代になりますから、賃金はそうは上がらない。そうなりますれば、中小企業と大企業との間の賃金格差というものが縮小する。そこで消費者物価、卸売物価の乖離現象も減殺される。わが国はだんだんと先進諸国型の物価、そういう状態になっていくだろう、こういうことが主たる理由でございます。
#13
○中村(茂)委員 どうも私はいまの、消費者物価を卸売物価との差一%で六%台に抑えていくということは、卸売がそれだけ高いわけですから、やはり消費者物価を突き上げる。そしていまも言われましたように、中小企業、零細企業の面がほとんど消費者物価に影響してくる。そうすると何といっても消費者物価をこの線で抑えていこうとすれば、賃金コストを下げてそこに抑え込んでいこうというふうにならざるを得ない。したがって、この消費者物価の指数というものを求めていくとすれば、賃金抑制型の消費者物価指数じゃないか、こういうふうに思うのです。六%ということになりますと、賃金も、過去の例から見ていくと、やはり七、八%、一〇%台の賃金でなければ消費者物価とのつり合いがとれないと思うのですけれども、そういう一番脆弱なところを、そして消費者物価を抑えていく、また卸売物価が突き上げてくる。こういうふうになっていくと、この消費者物価を、この指数を守っていくというには、どういう産業構造になっていくだろうと、先ほども言いましたけれども、大変だと思わざるを得ません。
 それと、公共料金の問題です。公共料金というのは、いま出ている問題だけ見ましても、電力は二年間試算していますね。国鉄も二年間ですね。電報電話は三年間です。試算の仕方もばらばらですよ、同じ政府の中で。そうすると、これからどういうふうに物価や物がなってくるか知りませんけれども、いずれにしても五年の間にはまだ一回か二回やらなければならぬ。そうなってくると、この六%台に抑え込むというのは、この公共料金値上げの影響がどのくらいまで出てきても消費者物価を六%に抑え込んでいけるか、そこのところをどういうふうにお考えですか。
#14
○福田(赳)国務大臣 大体公共料金の山場は五十一年、五十二年、この両年度で越す、こういうふうに見ておるのです。その後公共料金が全然改定がないかというと、そうじゃないので、多少の微調整、これはありますけれども、石油ショック後の善後措置としての公共料金改定というのは五十二年度をもって大体終わる、私はこういうふうに見ておるのです。
 ですから、その後の物価情勢は大変楽になるだろう、こういうふうに見ておるのでありまして、したがって、この前期五カ年計画の終わる五十五年度の時点においては、卸売物価については四%台、それから消費者物価については六%以内。何%とこうきっちり言いますと、またそれに合わせなければならぬとか、ゆがんだ政策、姿勢もとらなければならぬというようなこともありまするし、また国際的な変動なんかで多少影響を受けるというような事態もありますから、きっちりした何・何%なんというようなことは言わぬ、こういうことにしておるのですが、とにかく消費者物価は六%以内、なるべく低いところへ持っていきたいと思います。それから卸売物価につきましては四%台、これもなるべく低いところに持っていく、その辺を目途にしてやっていって、これは間違いなく実現したいし、またできる、こういうふうに考えております。
#15
○中村(茂)委員 最後ですけれども、ここのところに長野県知事からと議会議長からの陳情書があるのですけれども、その中身はこういうことなんです。「国民生活安定特別対策事務取扱費交付金の増額について」というのです。物価が大変なことになってきたということで、それぞれの自治体で物価対策の緊急政策を実施してきたわけですが、それが物価が鎮静してきたということでこの交付金が打ち切りになるとか、そういうことでこの地方自治体でつくっている物価対策委員会等についても廃止しなければならぬ、こういう事情が出てきて、議会または世論で大変問題になっている。しかし、いまもお話ありましたように、この五年間が物価問題については正念場だ、慎重にやる。そうなっていきますと、やはりいままでの監視体制とか物価対策というものを地方自治体でも真剣に取り組んでいく必要がある。ですから、この交付金については、廃止するのではなしに、いままでのものを増額するよう、特に副総理の御尽力をお願いしたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#16
○福田(赳)国務大臣 いわゆる生活関連二法ですね、これの発動を前提とする経済環境、これはもう消滅した。つまり狂乱とか、非常に憂慮すべき物価高騰のそういう状態はない、こういうので、この間この二法の発動の対象品目、これを全部清算をいたしたわけです。しかし、御指摘のとおり、物価情勢、これは非常に大事な問題でありますので、その監視体制をいささかもゆるめるというそういう考えはございませんので、地方の方におきましても従来どおりの監視体制は進めてもらいたいということを期待しているわけです。
 そこで、それに要する費用、それにつきましては、廃止はいたしません。これは従前どおり続けてまいる、こういう考えでございます。
#17
○板川委員長 野間友一君。
#18
○野間委員 いま話がありました消費者物価指数の問題ですけれども、政府の見通しによりますと、五十一年度で消費者物価は八%、このうちで公共料金については二%という見通しのように聞いておりますけれども、これは間違いございませんね。
#19
○福田(赳)国務大臣 二%強というところで間違いはございませんです。
#20
○野間委員 そのうち、いますでに審議が始まっておる国鉄あるいは電電もまたございますけれども、この国鉄あるいは電電について、これはどの程度見込んでおられるのか。
#21
○喜多村政府委員 国鉄につきましては六月一日ということで計算をいたしておりますけれども、〇・五四、それから電電につきましては〇・三七という計算をいたしております。
#22
○野間委員 「電力新報」の五月号で物価局長の喜多村さんがインタビューに答えておられますが、これによりますと、公共料金のうちで国鉄、電電、これの値上げで約一%だというふうに言われておりますけれども、いまのお答えでもほぼそうなると思うのです。そうしますと、公共料金のうち一応予定からいたしますと、予定といいますか見通しからいたしますと、八%を前提とすると、一%ということになるんですね。そうした場合に、先ほども長官が言われておりましたけれども、消費者米価とかあるいは塩、その他地方の公営事業等々公共料金の値上げ、こういうのがメジロ押しに並んでおりますけれども、そういうことを前提として、いま電力四社が三〇%以上の値上げ申請を出しておりますが、これはきのうも商工委員会の中で電気事業連合会の会長も言っておられましたが、いずれ値上げの申請をするという予測がされるわけですね。そうしますと、その一%の枠の中で、いま申し上げた電電、国鉄を除いて、公共料金とかあるいはその他米、塩等々、こういうものを含めて操作をしなければならぬということになるわけですね。そういう点から考えて、電力料金について、これはどの程度消費者物価指数に影響するのか、見込みをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#23
○喜多村政府委員 四社の電力料金改定だけの計算でございますけれども、これの物価に与えます影響を、仮に申請どおりの改定が行われたと仮定いたしました場合、消費者物価指数を〇・一一%引き上げる、こういう計算でございます。
#24
○野間委員 それは四社を全国的な消費者物価指数で計算したわけですけれども、いずれ九電力の、認可の有無はともかくとして、意向というものを勘案した場合に約〇・五%値上げになるのじゃないかというふうに私は推測しておりますけれども、どうなんでしょう。
#25
○喜多村政府委員 九電力すべてが三〇%上げた場合にどの程度の影響であるかということについて、上げたという計算は出しておりませんけれども、大体四電力の影響に対して四倍程度に効く。いま先生〇・五とこうおっしゃいましたが、大体それ弱程度であろうと計算されます。
#26
○野間委員 長官、そこで、この申請、私たちはもう絶対反対なんですけれども、申請が少なくともいま出ておる分だけでも最低が三一%、最高では三九%というのが出ておりますね、これは九電だったと思いますけれども。電力九社すべてが同じような率で値上げをするという場合には、いま局長が言いましたように、約〇・五%物価を押し上げるということになりますと、その他の公共料金はわずか〇・五%の枠の中で押し込まなければ、八%というものの達成はないということになるわけですね。そういう点からその八%の予測、そしてまたいま局長が言われた〇・五%、これは電力料金ですけれども、この〇・五%というのは、最初の見通しの八%の中でそういう予測をされておるのかどうか、あるいはもっと低い率でやるのかどうか、その点いかがですか。
#27
○喜多村政府委員 私どもは、この二%強というものを積み上げ計算でやっておるわけではございません。電力にどれだけ割り当てるかとかあるいは米にどの程度割り当てるかというような割り当てをやっているわけではございません。(野間委員「それはわかりますよ」と呼ぶ)割り当てをやっておるわけではございませんが、私どもは、この二%強の中で予算関連が一%でありますので、あと電力でありますとかその他の残りのものは十分入っていくものと思います。
 ただ、三〇%というような話になりますと、それは多少私どもの予想以上にはなりますけれども、二〇%程度でありますと、大体〇・二四ぐらいのところで計算されますので、二%強以内のところにおさまるのではないかという一つの目安だけは持っております。ただ、割り当てをしておりませんので、厳格にどの程度がいいかということを申し上げるわけにはまいりません。
#28
○野間委員 いや、その割り当て云々についてはまさにそのとおりなんで、つまり、あらゆる種類の物価の上昇がすべて計算して八%以下でおさまるという見通しなんですね。ですから、その中でいま現に出ておるものがどういう意味、役割りを持っておるかという点から聞いておるわけです。
 そこで、局長「電力新報」五月号のインタビューの記事の中にもありますけれども、電力料金については大体二〇%ぐらいが常識ではなかろうか、こういうように言っておられますね。この中には、事務次官の小島さんの「値上げ幅は二〇%以内に抑える必要があり」というような記事もございますけれども、そういう点からして経企庁の判断としては約二〇%に抑えたい、これが全体の八%を達成する道であるというような試算なりそういう検討をしておられるのかどうか。いかがでしょうか。
#29
○喜多村政府委員 私が「電力新報」で話しましたのは、電力は二〇%以内でなければならぬということを申し上げているのではなくて、現在いろいろな公共料金がございますが、それらの上げ幅が大体相場として二〇%程度上がっておるということを申し上げておるだけでございまして、電力はもちろん総括原価主義に基づいたきわめて厳格な原価計算をされた上での話でございますので、私どもはあらかじめそういうことを予定してかかっているわけではございません。
#30
○野間委員 いや、それはあなた、違いますよ。このインタビューの記事の中では「電力料金を上げなければならないという事由については、よく分かっているつもりです。そこで、二〇%以内云々というのは、この段階において二〇%以下にしないとどうにもならんということをいっているわけではなくて、さきほどいったような感触からすれば、だいたい二〇%ぐらいが常識ではないだろうか、」つまり、電力料金値上げについては「だいたい二〇%ぐらいが常識ではないだろうか、という感じがしておるということなんです。そこで、二段階論が出てきた理由は、かりにここで三〇%台から四〇%近い申請をし、ある程度査定されてもコスト計算からすればやはりわれわれ考えているよりも高いものになってしまわざるを得ないだろう時には、」云々ということで、明らかにここでは電力料金については、原価計算はともかくとして、二〇%ぐらいが常識ではないだろうかということが書かれておるわけですね。これは、あなた個人のものでなくて、経企庁として大体この程度の線で考えておられるのかどうか、ということを念のために聞いておるわけです。
#31
○喜多村政府委員 十分意を尽くしていないことは残念でございますけれども、そこで「常識」と申しましたのは、先ほど申し上げた環境からして、その程度のものが物価及び景気に与える影響として考えられる幅ではないか、こう申し上げておるだけでございます。
#32
○野間委員 長官、これらについてはどういうようにお考えでしょうか。
#33
○福田(赳)国務大臣 まだ率直に申し上げまして原価計算が出てこないのです。ましてまだ申請も出てこない、こういう社も多いわけでございますから、いま何%が妥当であろう、こういうような返答をし得る状態でないことはもちろんでございますが、要するに、私の考え方は、原価計算をしまして、わりあいになだらかな上昇で済むというような結果が出てくればそれでもよかろう、しかし、もしそれが家庭に対しましても企業に対しましても、非常にショッキングな影響のある引き上げをしなければならぬというようなことになれば、それは政策的判断でこれをなだらかなものにしなければならぬというふうに考えておるというにとどまる、こういう現況でございます。
#34
○野間委員 いや、その政策判断についても、いま局長がこのインタビューの中で言われておりますように、一応常識の線としては二〇%ぐらいだという判断をされておるわけです。長官としてもいま、おおむねなだらかな云々という話がありましたけれども、大体二〇%ぐらいというようなことをお考えになっておるのかどうか。
#35
○福田(赳)国務大臣 原価計算の結果、わりあいに大幅な引き上げを要するというような結果が出てきた、こういうふうに仮定した場合に、これをどういうふうに政策的に扱うか。仮に、先ほど加藤さんでしたか、お話がありましたが、二段階だ、こういうような方式をとるという際におきまして、五十一年度においてある程度のことはやる、しかし五十二年度において微調整をするんだというようなことだろうと思うのです、仮にそういう方式をとるにしても。ですから、原価計算が一体どうなるかということで五十一年度の上げ幅というものもかなり影響されるわけなんで、いま原価計算を見ないで五十一年度はどういう幅だということは申し上げかねる、こういうことでございます。
#36
○野間委員 それでは、若干その電力料金についてお聞きしたいのですけれども、内部留保です。
 これは私たちの調査では、五十年の九月期決算で九電力の内部留保の合計が八千五百三十七億円。これを通産省では七千二百五十八億円という計算をしておられますが、このうち退職給与引当金が四千三百九十三億円。これも通産省の計算です。そのうち四社の合計を見ますと、千三百四億円という莫大な金額になっております。これは通産省も認められると思うのです。これが事実かどうかという点。
 時間の関係でさらに進みますけれども、しかもこの引当金は、全従業員の半数が一時にやめてもそれに支払えるだけの相当額を積んでおるというようなことですね。これは間違いありませんね。
#37
○大永政府委員 数字については間違いございません。
 現在、四社につきましては、税法で認められておりますいわゆる必要額の五〇%を積んでおるわけでございます。
#38
○野間委員 必要な額の五〇%と言われますが、実際に各電力会社でそれだけが一時に退職するというようなことがあり得るのかどうか。過去に電力会社にあったのかどうか。私はあり得ないと思うのですけれども、いかがですか。
#39
○大永政府委員 それだけの者が一時に退職をしたということはございません。
#40
○野間委員 ですから、制度そのものがやはり問題になってくると思うのです。しかも、この積立金そのものが、実際にいま一時にやめた場合に払えるようにこの預貯金があるのかないのか、あるいはその管理方法はどうなっているのか、この点はどうでしょうか。
#41
○大永政府委員 退職給与積立金につきましては、それが全部現金預金でリザーブされておるということじゃございませんで、設備資金あるいは運転資金として活用されておるということでございます。
#42
○野間委員 計算しましても、実際に預貯金全部取り崩してもかつかつかあるいは足りないというのが計算上出てくるわけで、この論議はかなり以前からなされておるわけですけれども、税調の答申、これは三十五年のものですけれども、これによりましても、現行制度では退職給与引当金は企業にとっていわば自己資本と同様に働き、その利益に貢献するところはきわめて大きいものがあるというふうに指摘がありますように、引当金の実態は自己資本と同じに作用して利益追求に役立つということになるわけです。しかもこれが、また後で申し上げますけれども、いわゆる利益隠しに大きな役割りを果たしているということは否めない事実であると思うのです。
 そこで、長官に最後にお伺いしたいのはそういう実態に即して、小さな企業あるいは大きな企業それぞれ千差万別あると思うのですけれども、こういう電力会社等について、実際それだけのものを積まなければならぬ、これは法的に合法だからと言って積まなければならぬのかどうかということなんですけれども、私はやはりこの点については再検討すべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#43
○福田(赳)国務大臣 各種の積立金制度につきましては、それが実態に即しておるかどうかということを常に検討するわけです。たとえば銀行の貸し倒れ引当金、こういうようなものにつきましても逐次その積立率を引き下げている、こういうような措置をとっておりますが、御説のとおりです。実態に即しておるかどうか、こういう検討は常にしなければならぬ。
 それから、電力会社なんか見ておりまして、五十年度の上期につきましては幾らかの黒を出しております。おりますけれども、これはかなり黒というか、資産の売却をいたしましたり、そのようなことをして適正な配当を維持するという考え方をとっておるわけでありますが、そういう会社の経営の実情等もこれまた他方においてにらんでいかなければならぬ問題である、こういうふうに考えております。
#44
○野間委員 それでは、切りのいいところですのでおいて、あと本会議が終わった後続けさせていただきます。
#45
○板川委員長 石田幸四郎君。
#46
○石田(幸)委員 長官にお伺いをするわけでございますが、先ほど中村委員からも発言がありました生活関連物資等の指定の解除に伴うこれからの対策でございますけれども、閣議了解でその解除に伴う措置というものが明示されておるわけでございますけれども、具体的にさらに物価対策に取り組まなければならないと思うのでございます。
 まず一つは、価格調査官の全員解任、こういうような形に必然的にならざるを得ない。しかしながら、最近の物価の動きを見ておりますと、必ずしもこれから秋から冬にかけての物価というものは安心できないという状況にあるわけでございますので、こういう人たちがこの指定の解除に伴って解任になるわけでございますけれども、こういう問題を一体どうするのか、この点が一点。
 それから、財政難に悩む各地方自治体につきましては、県民はこういう生活関連部局の存続というものは非常に希望をいたしておるわけです。ところが、今度の予算措置を見ますと、各地方自治体は非常に窮屈なために、さらに生活関連物資の指定解除等のこともありまして、どんどん廃止統合するというようなかっこうになりそうで、事実そういう話も一、二聞いております。そういった意味におきまして、従来交付金という形で金が出ておったようでございますが、これが打ち切られるということになりますと、非常に大きな影響を与えるのではないかと思いますので、今後具体的にどういうふうに助成措置を講じていくのか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
#47
○喜多村政府委員 まず価格調査官の件でございますけれども、物価関係の担当者は各府県にそれぞれおりましたし、また現在もおります。ただ、緊急二法に基づきます――二法というよりも、売り惜しみ買い占め防止法に基づきます価格調査官は解任されたわけでございますけれども、物価担当者はおります。先生いま御指摘のように、予算が縮小されるということもあって、機構を縮小したいという地方公共団体があることはございますけれども、私どもはできるだけこの緊急二法を実施いたしました過程においてつくられました機構は維持したい、こう考えまして、それぞれ指導いたしておるわけでございます。
 その裏づけとなります費用でございますけれども、従来、いま御指摘ございました緊急二法に基づく施行費として交付金を出しておりました。五十年度は約十六億ばかり全国で出しておりましたのですけれども、これが一応なくなるということになりますと、地方公共団体でも費用的に困るということもございますので、現在、交付金という名前ではございませんで、地方への補助金という形で、物価啓発なり物価情報の提供事業及び物価情勢の把握調査事業費としての補助金を出すということで、大体十億程度のものを出し得るよういま大蔵省と協議をいたしておるところでございます。恐らくそういう方向で固まっていくのではないかと思っております。
#48
○石田(幸)委員 長官に今後の御決意は伺いましたから、なお私どもも御要望申し上げておきたいと思うのですけれども、この物価の問題については、特に物価上昇率だけで心判断のできる問題ではなくて、やはり一般家庭のいわゆる生活関連物資の上昇ということは非常に大きな問題になるわけでございますので、なおひとつこの物価の監視体制というものは維持していただきたいし、強化していただきたい、これだけ申し上げまして、電力の問題に移りたいと思うのです。
 まずお伺いをしたいのでございますけれども、今回の電力料金の値上げというのは三〇%以上というふうになっておりまして、これにその他国鉄料金、電信電話料金等で物価上昇率に与える影響というのは二%ぐらいだろう、こう言われておるわけです。この物価上昇率に与える影響というのは経済全般から見た角度、こういうふうになるわけですけれども、生活という角度から見ますと、これまた非常に問題なわけです。そして特に物価を抑えなければならぬ。いまもお話がありましたように、将来は六%程度の上昇率にどうしても抑え込みたいというふうにお考えになっている。そういう角度から見ますと、三〇%とか五〇%というのは上昇率としては非常に高いわけでございますので、これはいろいろな国鉄は国鉄なりの事情、電力会社は電力会社なりの事情はあるのだと思うのですけれども、もう少しなだらかにいかないものなのか、できないのか。政府は国鉄料金についてはすでに方針を決められておるようでございますけれども、これらの問題を含めてもう一遍見直しをする必要があるのではないかと私どもは考えているわけですけれども、これらのお考えについて。
#49
○福田(赳)国務大臣 私も御説のとおりと思います。公共料金は、狂乱物価対策と、こういうことで大体においてこれを抑え込みをしてきたわけです。そこで、そのしわ寄せが今日の国鉄のあの破局的経理状態と、こういうふうになってきておる。それから電電公社におきましてもかなり窮屈な面が出てきておる、そういう状態をほうっておくわけにはいかぬじゃないか。それから、そういう状態に対して電力会社のようにある程度の是正をすでに行ったところにおきましても、電力事業の必要とする資源、その価格が急上昇をした、こういうような問題もあります。
 そういうことをひっくるめまして公共料金の改定問題というものがありますが、この影響をなるべくなだらかにしたいというので、大体五十年度、五十一年度、五十二年度と三カ年にならそう、こういうので、五十年度には酒、たばこ、郵便料金、これを中心としてやったわけです。五十一年度、五十二年度に分けて電電と国鉄の問題の解決をしよう、こういうふうに考えたわけです。主管官庁におきましては一挙にという強い要請をしてきておったのですが、ただいま石田さんの御指摘のような配慮もいたしまして、二年間でこれをやっていこう、こういうふうにいたしたわけです。
 もっとなだらかにというようなことも考えたわけでございますけれども、どうも特に国鉄のごとく破局的な状態だというような状態に対しまして、余りこれをなだらかにとばかり言っておられない。そこで二年ということにいたした次第でございますが、そのかわり物価政策全体につきましては、その与える影響、そういうようなものがいわゆる便乗というようなことにならぬように十分配慮してまいりたい、こういうふうに考えております。
#50
○石田(幸)委員 今回の電気料金が大幅な値上げである。それに対して、この前も参考人の意見聴取ということで消費者側からのいろいろな意見が出されたのですが、その中の一つの有力な意見として、いわゆる設備投資をする、将来の成長率五%ないし六%を考えてかなりの設備投資が見込まれておるけれども、たとえば電源開発、原子力発電の問題等も含まれておるじゃないか、そうしますと、実際に稼働するのはかなり先になるだろう、そういう費用までいま電気料金値上げという形で負担をさせられたのではたまったものじゃない、こういう意見がありました。
 それからまた、これは私の方から各参考人にいろいろな意見をお伺いしたわけですが、本年当初、景気対策のために、五十二年度分の問題についてもひとつ通産大臣からぜひ繰り上げ発注をしてもらいたいというような御要望があったそうですね。これは内容を聞いてみますと、仮発注であって、実際は五十二年度に発注をするのですというようなことを言っておられましたけれども、そういうような景気対策あるいは将来の需要という問題に対する対応の仕方というものはもう少し政府が財投か何かの形でできないのか。いま各会社の借入金の内容等を資料要求して見ておるのでございますけれども、ある会社のごときは大体三一%がそういうところの金を使っておる、いわゆる公的機関の金を使っておる。あとはほとんどが借り入れで非常に金利も高い、こういう状況になっておるわけですけれども、これらのいろいろな消費者側の要望を含めて、そういう問題についてはもう少し政府は積極的に財投の金を活用せしむるような対策というものをとれないのか、今後の問題としてお伺いをいたしておきたいと思います。
#51
○福田(赳)国務大臣 電力問題は、一方において会社が企業としての安定運営ができるような料金体系、こういう問題があるわけです。それから他方において料金の引き上げが電力消費産業にどういうふうに影響するか、家庭、つまり物価、これにどういうふうに響いていくか、こういう二つの側面があるわけであります。
 先ほど来物価の関係の御論議でございましたが、電力企業の安定経営、この面も重視しなければならぬわけです。そこで、資本費に対してもそれ相応の配慮をしなければならぬ、こういう事情にあるわけですが、資本費が軽微で済むようにということから、ただいま御提案のような公的資金を使ったらどうだというような話もあるわけですが、いま実は資金運用部資金というのが大変窮屈な状態になってきておりまして、実際のところもう大蔵払いみたいなかっこうになってきているのです。
 電力の設備資金の方面に使うというようなことは非常にむずかしい状態でございますが、そういう状態の中で一番考えられるのはやはり社債の発行です。ただいま通産省の方から社債発行限度の拡大に関する法律案の御審議をお願いしているはずでございますが、これが成立し、実施されるということになると、資本費へかなり大きな影響があろう、こういうふうに考えますが、資本費問題も電力料金上重要な問題でありますので、会社の健全経営をどうするか。また同時に資本費の負担を軽くして、そして電力消費産業、家庭に与える影響をいかに軽減するかということにつきましてもひとつ十分検討してまいりたい、かように存じます。
#52
○石田(幸)委員 では最後にもう一問。
 この前四電力会社の社長さん方が参考人としてお見えになったときに、今回三〇%以上の値上げというのは非常に申しわけないというような表現をしていらっしゃるのでございますけれども、それに対して不用財産の処分とかいうような要求も出ておりましたけれども、実際は不用財産というのはそうたくさんはないのだというようなお話がありましてそれは了解をいたしましたけれども、たとえば電気料金の負担ということになりますと、一般の家庭は直接に末端の消費者として電気を使用するわけですが、製品等の原価に含まれている電気料金、そういうものも最終的には一般の消費者が使用するわけでございますので、いわゆるシビルミニマム等もう少し内容を検討してもらいたいということに対して、大体現行五六%くらいやっておるから、ここら辺が限度ではないだろうかというニュアンスの発言をされました。しかし、やはりこういった三〇%ということは、その他の諸物価の上昇等を考えてみましてもかなり大幅なあれですから、こういう大幅値上げをするときにはそれなりの――やはり企業もともに石油ショックの痛手を受けているが、それなりの努力をして、また皆さんの方に還元する姿勢を持っているのですというものがなければならぬのではないか。そういった意味において、もう少しナショナルミニマムといわれるそういう問題をこういうチャンスに前進させるというようなことが必要じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#53
○福田(赳)国務大臣 やはり国の政治の進むべき方向としては、ナショナルミニマムを確保する、こういう方向でなければならぬ、これはもう御説のとおりに考えます。ナショナルミニマムというものは一つ一つ個別的な問題から積み上げてという考え方もございましょうが、しかし、やはり所得全体につきましてこれを安定する、こういうところから始まらなければならぬだろうと思います。まさに政府といたしましてはその方向で政策運営をやっておるわけでありますが、その間におきまして、一つ一つの問題点につきましても、その方向にそごを来さないように配意しなければならぬだろうと思います。ただ、今度の電力料金問題というのは、消費者物価に与える影響、つまり家庭に与える負担の問題としたしますと〇・一一だというわけであります。ですから、これが申請どおり実行されたら大変な事態だということにも考えませんけれども、全体のシビルミニマムの思想を実現する上においてそれに背反をしないというような配慮はいたしてまいりたい、かように考えます。
#54
○石田(幸)委員 終わります。
#55
○板川委員長 和田耕作君。
#56
○和田(耕)委員 電気料金の問題は通産省の行政の決定によってできるという制度になっているわけですね。私鉄の運賃の問題もそのような形で決定ができるということなんです。しかし、国鉄料金の問題の場合は国会の議決が必要だということがあるわけですね。
 国会の議決があるという場合に、たとえば今度の労働賃金の問題について仲裁裁定が出た場合には、とにかく国鉄運賃の引き上げ等の条件がなければという条件を政府はおつけになったことがあるのですけれども、これは非常にいまの問題と関係があると思うのですね。つまり、政府は電力料金あるいは私鉄運賃と同じように、国鉄の方も運輸省の行政決定で上げることができるようにするという含みを持ってあのような態度を表明されたかどうか、ひとつその点についてお伺いしたい。
#57
○福田(赳)国務大臣 率直に申し上げまして、運輸当局は国鉄の料金改定を行政措置で決めたいという空気は相当強くあるようでございます。しかし、いま内閣全体の意思といたしまして、そういう考え方にまだ固まってはおらぬ、かように御了承願います。
#58
○和田(耕)委員 この問題は、今回の電気料金の扱い方あるいは今後の私鉄運賃の扱い方、つまり行政当局の扱い方というものと内容的に私は非常に関連をすると思うのですね。たとえば今度の場合に、原価主義という言葉が前からあるわけですけれども、それに従って料金値上げについての申請を通産省としては厳密に検討していくと思うのですけれども、これはかりそめにもいいかげんなことをやると、行政決定での公定料金の決め方という問題にまで影響しかねない問題であって、非常に厳密な査定というのか検討が必要だと思うのですね。
 公共料金の問題はいままで私ども、これは私どもの政党がそうですけれども、つまり反対だという態度をいままでとってきたのですけれども、石油パニック以後の状態を見れば、副総理もよく強調されているように、公共料金の場合は不当に――不当という言葉が当たるかどうか、他の物価に比べてより厳しく抑え込んできた。したがって、ある程度の値上げは避けられないのだという御主張をなさっておるけれども、私どももそういう感じがするのです。するわけですけれども、そうであればあるほどもっと現実のデータを厳密に検討するということが私は必要だと思うのですね。
 この前、電力業界の社長さんが参考人としていらしたときも、少しサバを読み過ぎるんじゃないか。今度の場合も、たしかかなり早い機会に六〇%ぐらいの値上げが必要だというようなあれを掲げたことがあったんですけれども、そのときに福田副総理は三〇%程度ならというようなことが新聞に載ったことを記憶しておるのですけれども、今度は三〇%に下げておる。こういうふうな経営者の態度というのは、これは私は反省を要すると思うのです。そうでないと、反対する側もまたサバを読んで反対するという空気になるわけですから、もっと現実の冷静な検討というものを引き出してくるような状態を政府としては先駆けてつくっていく必要があると私は思うのですね。
 そういう意味で、副総理は経済指導の役割りを持っておるわけですから、今後の通産省のこの電力料金の検討については特に気を配っていただきたいと思うのです。
 そこで、二、三の質問をするわけですけれども、今回私どもも率直に言って非常に困っている問題があるのは、電力関係の企業と労働組合の諸君は、これはやむを得ないという感じを持っておる。片一方で、たとえば電気を多量に使う有力な企業が幾つかある。この人たちは組合を含めて、こんなに上げてもらっては困るんだという強い要望がまたあるわけであって、これはいいかげんな決定ではできない問題があるわけです。恐らく政府もこの問題は強く意識しておると思うのですけれども、そこでアルミニウムとか亜鉛だとか、電力そのものが製品の値段になるような業界がある。この業界は今度の三〇%前後の値上げをスムーズにそのままやると、これは事実上非常な痛手を受けて、事によっては壊滅するような状態も起こりかねないという危機感があるわけで、こういう問題をこの場合に副総理としてどのように処理をされようとしておるのか、全般的な処理の姿勢をひとつお伺いいたしたい。
#59
○福田(赳)国務大臣 私がしばしば申し上げておることですが、電力料金につきましては北海道その他四社からとにかく三〇%を超える引き上げの要求がある。これに対しましては、家庭に与える影響、また電力需要産業、特にいま御指摘のアルミだとか亜鉛だとか、そういう数種類の産業に与える影響、そういうものを両々考慮して決定に当たらなければならぬ。そうすると一挙に三〇%というようなことはとても考えられないことだ、こういうことなんです。
 アルミ産業につきましてのお話ですが、これは恐らく四〇%くらいが原価の中に電力が含まれているんじゃないか、こういうふうに思いますが、これは電力料金がどうなるかで相当の大きな影響があるわけです。また、世界のアルミ業界の中でわが国のアルミ企業がどういう立場に立つか、そういうことも十分配慮しなければならぬわけです。
 そこで、基本的にはとにかく電力料金の一挙大幅という考え方、これはどうしても政策的に調整しなければならぬ、私はこういうふうに思いますが、そういう考え方のもとになだらかに決められた引き上げが、各企業にどういうふうに影響してくるか、これは個別の問題ですね、ケース・バイ・ケースの問題です。これにつきましては、企業側においてもいろいろ考えてもらわなければならぬことはもちろんでありますが、また政府、特に通産省におきましても、その企業が成り行くようにするためにはどういうふうにするか、料金決定の中にもそういう問題があるいは出てくるかもしれませんけれども、それ以外の面におきましてもいろいろと配慮しなければならぬだろう、そういうふうに考えております。
#60
○和田(耕)委員 通産省はこの問題を具体的にどういうふうに解決しようとしておるのか、恐らくある程度の値上げはやむを得ないというお考えを持っていると思いますけれども、それを前提にして、いまのかなり大きな痛手を受ける業界においての態度をどういうようにお考えになっておるのか。
#61
○大永政府委員 アルミにつきましては、現在、大体アルミの使います電力の四分の一程度が電力会社からの買電でございまして、そのほかはいわゆる共同火力とか自家発によって賄っておるわけでございます。その買電の費用につきましては電気料金がストレートに響くわけでございますが、これにつきましては、ある特定の産業に政策的な割引料金を設定するということは、原価主義のたてまえから言って非常に問題があろうかと存じます。ただ、アルミ産業の使います電気につきましても、たとえば昼間から夜に使用のウエートを移していくとか、あるいは夏場のピークをカットしてそのほかの季節に使ってもらうというふうなことで、比較的安い電気を使うことがある程金可能でございますので、そういうことでさらに買電コストを下げるようにしたらどうであろうか。それから、共同自家発の場合に、これは原則的に言えば、半分を電力会社が使いまして半分をアルミ会社が使うわけでございますが、アルミ会社の使う分につきましても、電力会社の負荷の状況、たとえばピークのときには少し出してもらうというふうな負荷の状況に応じた変動のさせ方をしてもらうということで、電力会社が共同自家発から買います料金を若干高く買ってあげるということも可能であろう、そういうことで、電力の料金制度の範囲内で、原価主義を崩さない範囲内でできる点についてはわれわれとしてもやっていきたいと思っております。
 そのほかの面につきましては、アルミ業界が水力とか地熱の自家発をつくります際に、開銀融資の問題をやっていくとかいうこともございましょうし、あるいはこれは電力政策の範囲外でございますが、体制問題といたしまして垂直統合を考えていくとか、海外立地の問題を検討していくとかという点もあろうかと思います。いずれにいたしましても、これらの点を総合的な対策として実施することによりまして、負担の軽減を極力図っていきたいと考えておるところでございます。
#62
○和田(耕)委員 いろいろ苦労をなさっておることはわかりますが、いまのアルミ業界の人たちの話を聞きますと、外国での、たとえばアメリカならアメリカの同じ業界のアルミをつくる電力の料金と日本の料金、今度は値上げが何ぼになるかわからぬが、値上げになった場合、三倍ないし四倍の違いが出てくる可能性があるんだということで大変深刻に考えておる。現に幾つかの会社ではもう雇用問題まで起こしておるという状態があるわけですけれども、通産当局としては、現在のアルミ会社が使っている電力料金を何とかして上げないで維持していくような対策を講じてあげたいと考えておられるのか、あるいは若干上がってもしようがない、二倍程度は仕方がないというふうな考えで対処されておられるのか、それをお答えいただきたい。
#63
○大永政府委員 アルミ業界の使っております電力の料金でございますが、現在大体七円五十銭程度じゃないかと思います。海外でも、たとえばカナダのように古くからのいわゆる水力を使っているところにつきましては、先生御指摘のように、料金が二円とかあるいはそれ以下とかいうことで、非常な格差があるわけでございます。
 そこで、今後の料金改定に当たって、アルミの使います料金についてどう考えるかという問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、特定の産業にいわゆる政策料金をとるということは非常に困難でございますので、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ負荷の変動その他を上手にやりくりすることによりまして極力配慮することは考えておりますけれども、しかし、それによりまして値上げが緩和される分はやはり限度があろうかと思いますので、先ほど申し上げましたような体制問題とか、あるいは海外立地の問題とか、あるいは自家発の問題とか、総合対策としてこのアルミ対策は考えていく必要があるのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
#64
○和田(耕)委員 わかりますが、総合的な対策を実行したあげく、多少は値上がりは仕方がないという御判断を持っておられるかどうか、その点もう一遍お答えいただきたい。
#65
○大永政府委員 きわめて率直に申し上げれば、非常に残念でございますが、多少の値上がりは避けられないのではないか、こういうふうに考えております。
#66
○和田(耕)委員 その場合に、これは一つの裏づけを持っておっしゃっておられると思うのですけれども、今度の電力料金は大体どの程度に抑えたらいいのか、これは副総理とお二人からお伺いいたしたい。
#67
○大永政府委員 われわれとしましては、現在厳正に各原価項目につきまして査定中でございまして、あらかじめどの程度というふうな予断を持っての作業はいたしておりませんので、数字につきましては現在のところまだ全く白紙の状態でござ
 います。
#68
○福田(赳)国務大臣 ただいま公益事業部長から申し上げたとおり、通産省で厳正に原価計算をしてもらう、その結果がどう出ますか、その結果を見まして、これが国民生活に与える影響、また電力多消費事業に与える影響等を考慮いたしまして、政策的配慮を加えて最終的決定をする、そういう方針でございます。
#69
○和田(耕)委員 一般の国民生活の面からいろいろ私自身も何回も取り上げてきたわけでございますけれども、国民生活の面から見ても、電気料金というものは直接生活に圧力を与えるものでありまして、これは本当に慎重にやってもらわなければ困る問題だし、またいまの逆の、これの値上げによって大変な迷惑を受けるような業界、しかも重要な業界がある。しかも、電力事業そのものも、電力事業に働いている労働者諸君、電労連の諸君からもよく話を聞くのですけれども、ある程度の値上げはやむを得ないという感じを持つような状態なんですね。これは非常に苦しい決定だと思いますけれども、今後こういうような問題はどの問題にも出てくるのじゃないかと私は思うのです。
 これは副総理、最初に私が申し上げたとおり、何でも反対だという態度はもう正しくもなければ現実的でもない。そうすれば、いろいろな矛盾した要素を非常に冷静に、しかも勇敢に決定をしなければならないという問題だと思うのです。私ども野党も今後はこういう問題について、そういう立場で問題を解決していくことになれていかなければならぬと思っておるのですけれども、ぜひともこの料金の問題を契機にして、原価主義なら原価主義という言葉でも私はいいと思うのですけれども、厳密な査定、そして深刻な影響を持つ国民生活、関連の企業、そして本元の電気事業という問題をにらみながら決定をしていただきたい、こういうふうに最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#70
○板川委員長 午後二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
     午後二時七分開議
#71
○松浦(利)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 物価問題等に関する件について質疑を続行いたします。加藤清政君。
#72
○加藤(清政)委員 私は、電気料金の値上げに対する通産当局の査定作業の状況と見通し、さらに家庭用電気料金と産業用電力料金との格差の問題
 あるいは公聴会のあり方、さらに民間公聴会との関連、続いて電気事業審議会委員の運営、制度等について、さらに電気事業の再検討について、こういう点について御質問したいと思いますので御答弁をお願いしたいと思います。
 まず最初に、値上げに対する査定作業の状況と見通しですが、電気料金の値上げのために四月五日には東北電力と北海道電力、そして三日後の八日には北陸電力と九州電力から申請書が通産省に提出されました。この電気料金の値上げに対して原則的にどのように対応されるか、まずその見解を伺いたいと思います。
 また、申請書が提出されてから一カ月以上もすでに経過しておるわけですが、通産当局の作業がどの程度まで進んでおられますか。たとえば公聴会、物価安定対策会議、経済企画庁との協議あるいは物価対策閣僚会議の了承、こういう手順を踏むと聞いておりますけれども、その間の進捗状況をお聞かせ願いたいと思います。
 そして査定の出る時期はいつごろになるのか、この際、見通しと御答弁をお願いしたいと思います。
#73
○大永政府委員 四社の申請につきましては、先生がいま御指摘なさいましたように、四月の五日と八日に二社ずつ出てまいったわけでございますが、その後通産省におきましては、一つは特別監査というのを現地に出向いて実施いたしております。それから各社から詳細なるヒヤリングを行っております。さらに五月の六日と七日に公聴会を実施したわけでございますが、北海道につきましては、特殊な事情から、さらに六日に公聴会を実施した後、さらに今週の十四、十五と公聴会を続行する。十四、十五で大体各地の公聴会は全部終了するということになっております。公聴会が終了いたしましたならば、われわれといたしましては本格的な査定作業に入りまして、できれば二十日過ぎ、この下旬には企画庁と折衝するような状況に持っていきたいということで、現在鋭意作業を進めているところでございます。
 企画庁と協議に入りますと、その後は先生御指摘のように、物価安定政策会議あるいは物価対策閣僚会議等を経て結論を出すことになるわけでございますが、われわれといたしましてはできれば六月の上旬中ぐらいには結論が出せれば好便ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#74
○加藤(清政)委員 いまの手順で大体六月の上旬ごろ結論を出したいということですが、六月の上旬でも一日から十日ぐらいまであるのですが、大体どのくらいですか。
#75
○大永政府委員 その辺につきましては経済企画庁との協議でございますので、経済企画庁の内部の御検討の結果あるいは物価安定政策会議、物価対策閣僚会議等の状況にもよりますけれども、上旬でも後半の方になるのじゃないかなというふうに予測いたしておるわけでございます。
#76
○加藤(清政)委員 電気事業審議会の料金制度部会が一昨年打ち出しました新しい料金制度のあり方について、家庭用と産業用の電力料金の格差の是正を求められておりましたが、この内容について、この十年間における電気使用量の伸びは約千九百五十五億キロワットアワーで、このうち電灯はわずかに四百九十三億キロワットアワーに過ぎず、あとはすべて産業用の電力の伸びであります。もしこの産業用電力の大量消費がなければ、今日のような巨大な設備投資は必要としなかったはずでありますけれども、設備投資は原価を高める要因となっていることは先刻来説明があったわけですが、この産業用電力のために生ずるコストアップ分も家庭用の電灯料金に分担させられまして、家庭用料金は電力料金に比較して非常に割り高になっております。
 具体的に申し上げますと、大口電力は一キロワットアワー当たり七円七十二銭でありますが、電灯料金は十四円八十九銭と約二倍近い料金を払わさせております。昭和四十九年六月に各社が一斉値上げをされたときの値上げ幅は、九社平均で電灯料金が二八・五%、電力料金は七三・九五%で、合計して五六・八二%でありました。ところが、今回申請されておる料金は、そのときと比較して、家庭用電灯料金の値上げ幅が電力料金に比べてきわめて高い率になっております。たとえば北海道電力では、値上げ率が電灯料金が三八・三%であるのに対して電力料金は三九・七%となっておりまして、大変電灯料金の値上げ幅が高率になっておるわけであります。
 家庭用の電灯料金と産業用の電力料金の格差是正を求める声が非常に高いわけでありまして、さきにも申しましたとおり、その意向を踏まえて格差を是正するという政府の答弁があったわけでありますけれども、この格差を縮めていくということに対してどういうお考えであるか、また、今度の値上げ幅はさらに格差を縮めておるというように考えられないのですか、この点についての見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#77
○大永政府委員 前回四十九年の六月に電気料金の改定が行われたわけでございますが、それまでの四十九年六月以前におきましては電灯の料金とそれから電力の料金と大体一対二ぐらい、電灯の方が電力の二倍ぐらいの料金であったわけでございますが、前回の改定におきまして、これは灯力格差というふうに言っておりますが、大体一対一・五から六ぐらいに縮まったわけでございます。これは政策的にそういうふうに灯力格差を縮めたということではございませんで、前回の値上げのほとんど大部分の要因が御高承のように油代、石油の価格の上昇にあったわけでございます。石油の価格の上昇といいますのは、発電費――電力のコストは発電、送電、変電とずっとございますが、その中で発電部門にもっぱら影響を与えるわけでございます。電灯料金の場合には、発電所から末端の消費に至るまで送電、変電、変電も一次、二次、三次というふうに経緯を経ましてたどりつきますので、コストの中に占めますところの発電経費の割合が比較的に小さい、電力の場合には発電所から比較的短い経路で消費になりますので発電費のコストの中で占めるウェートが大きい、こういう特殊性がございます。そういうことからいたしまして、前回は石油製品価格の上昇、発電費の上昇ということが主たる中心でございましたので電力の上昇が大きくて、先生御指摘になりましたように、大体前回は七割ぐらい上がりまして、それから電灯の方につきましては上昇率が比較的低くて二九%ぐらいということであったわけでございます。
 今回は、各社のこれは申請ベースでの話でございますが、申請によりますれば、燃料費だけでなくて資本費、修繕費、その他値上げのファクターがいろんな要素に及んでおるわけでございまして、その点が前回の値上げ要因とは背景が若干違っておるわけでございまして、そういう点からいたしまして各社の申請におきましては電力料金と電灯料金との値上げ率の差が余りございません。やはり電力の方の値上げ率が若干大きいわけでございますが、余り格差がないというふうになっておるわけでございます。
 今後燃料費あるいは資本費、修繕費等につきましてどういう査定をしていくか、われわれといたしましては厳正なる査定をするつもりでございますが、その査定の結果いかんによりましてこの比率が変わってくるわけでございますが、申請ベ−スにおきましても電力の値上げ率の方が大きゅうございますし、われわれとしては電灯の方が電力よりも値上げ率が大きくなるということはまず考えられぬのじゃないかというふうに思っております。そういたしますと、灯力格差につきましては、前回のようなことはございませんけれども、現在より若干ではあるけれども縮まるということになるのではないかと予測をしておるような次第でございます。しかし、その辺につきましては、あくまで査定の結果によることでございますので、一応の推定であるというふうに御了承いただきたいと思います。
#78
○加藤(清政)委員 格差是正には大変努力しているというお話ですが、電気事業審議会の料金制度部会においては格差の是正に一層努力しなければならないということなんですが、この今度の料金値上げの問題についてさらに一層格差を是正していくという将来方向についてどうお考えですか。
#79
○大永政府委員 電力料金の査定に当たりましては、やはりこれはあくまで原価主義というものを中心にして考えていきたいというふうに考えておるわけでございまして、意図的あるいは政策的にその差を縮めるように考えるということではございませんで、原価の動向からいってどうなるであろうかということだというふうに考えております。
 原価の動向からいたしますと、先ほど御説明いたしましたように、前回のような大幅な格差の縮小ということはないと思いますけれども、若干ではあるけれどもそれがさらに縮まるということになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#80
○加藤(清政)委員 原価の動向ということで非常に重視しておるのですが、電気料金の認可基準の最も中核となるべき需要家に対する公平の原則といいますか、これが底に流れる骨子であろうと思いますから、原価の動向ということだけではなくして、電灯料金と電力料金との格差を一層縮めていくように、政策的な、制度的な問題も今後努力してやっていくべきではないかと思うのですが、そういうことをひとつお考え願いたいと思います。
 それでは次に、公聴会での意見の問題についてさらにお尋ねしたいと思います。
 電気料金の値上げのための公聴会は、現行の制度では国民が意見を述べることのできる唯一の場所であるわけでありますが、重要な機会でもあるわけであります。四月に料金値上げを申請した四社に対して、すでに五月六日に各地で公聴会が開かれておりますが、そのときにはどういう意見が多かったか、そして反対的な意見の代表的な理由はどういうものであったか、お聞かせ願いたいと思います。
#81
○大永政府委員 公聴会におきます意見でございますが、順不同でございますけれども、一つは電力会社の経理内容に関するものといたしまして、内部留保が非常に多いではないかということ。そういうことからいって、本当に値上げの切実性があるのかというふうな問題。あるいは前回の料金査定をしたものとその後の実績との間に乖離がある。前回織り込みましたたとえば燃料費等に対しまして、実績を見ると、そこまで達していない。前回の料金改定には水増しがあったのではないかというふうな意見もございました。それから需給見通しが大き過ぎるのではないか、それに伴って、設備投資等につきましても過大な設備を計画しておるのではないかというふうな意見もございました。特に設備投資の中でも原子力発電投資につきましては、これは安全性の問題もあって、早急に取り進めるべきではないのではないかというふうな意見もございます。それから、先生ただいま御指摘になりましたが、電灯料金と電力料金との関係でいわゆる灯力格差が今回は余り縮まっていない。電灯料金の上げ幅が大き過ぎるというふうな意見もあったわけでございます。それから、電灯料金につきましていわゆる三段階制の料金をとっておりますが、ナショナルミニマムの範囲をもっと拡大すべきではないかというふうな意見がございました。それから、一般論といたしまして、現在のなお不況下におきまして物価への影響あるいは家計等への影響が非常に大きいというふうな議論もありました。それから公聴会のあり方、形式的な公聴会ではなくて、公聴会についてもっと改善を図るべきではないかというふうな意見もございましたし、さらには電力会社の体制問題、現在の九電力の体制ではなくて、特に発電部門についてはもっと公的な機関による開発を考えるべきではないかというふうな、いろいろな意見が出ております。
 以上は出ました意見の一部でございますので、御了承いただきたいと思います。
#82
○加藤(清政)委員 公聴会の持ち方あるいはあり方につきましては意見内容として非常に出たわけでありますけれども、この公聴会のあり方、持ち方について政務次官のお考えと、それから担当官の御答弁をお願いしたいと思います。
 公聴会で出た意見は十分尊重していくということでありますけれども、公聴会の実施内容についてであります。仙台市で開かれました東北電力の場合を例にとりますと、反対意見を述べる申請者が千二百八十三名あったと聞いております。そして公述人として意見を発表することができたのは、千二百八十三名のうちたかだか八十一名であった。これは東北電力ばかりでなく、各地の公聴会でも同様でありまして、意見を述べることができるのはわずかな人に限られておるというのが公聴会の中身であろうと思うのです。そこで、申請者すべての意見を聞くということは時間的にも大変なことでありますけれども、それは公聴会の日数や回数を多くすることによって解決できると思うのです。
 また、開催会場ですが、電力会社は日本全国を九つの会社で分割して受け持っておりますので、一社当たりの供給地域は非常に広範囲にわたっております。そこで、一電力会社一会場という現在の方法では少な過ぎるので、たとえば九州の鹿児島県の人が公聴会に出席するために福岡県まで行くということは、これは物理上容易でないわけでありまして、電力料金の値上げという国民生活に重大な影響を及ぼすことに対する公聴会でありますから、最低でも一都府県で一会場は開催できるように持ち方、あり方について再検討すべきでなかろうか、そのように考えるわけであります。そして広く国民の意見を聞くべきだ。
 公聴会の開催結果についても、料金値上げのためにただ公聴会を形式的に開いて、公聴会をやったのだという既成事実をつくり上げるためにやっているようなことでなくて、せっかく公聴会を開催してもそういうことでは全く意味がないわけでありますので、このことについて通産省としては今後会場数をふやし、申請人が全員公述できるような公聴会を開催すべきであろうと思いますが、そういう公聴会の持ち方、あり方について政務次官、担当官の御答弁をお願いしたいと思います。
#83
○林(義)政府委員 お答えいたします。
 担当は通商産業省でございますし、私は経済企画庁の政務次官でございますから、私から直接に電気事業の問題につきまして公聴会はどうだと言うのは少し越権ではないかという気もいたします。いたしますが、一般論として私申し上げますと、公聴会という制度は、電気事業のように公益事業をやっている場合におきましては、先生御指摘のとおり、広く国民大衆に大変な影響のあるところでありますから、その電気料金の査定に当たりましてはたくさんの人々の意見を聞いて査定をするのが筋だろうと私は思うのです。
 御指摘のように、各県それぞれでやるとかいうような話もありますが、先ほど通産省の部長からもお答えしましたとおり、いままでやりましたところでも相当な意見も出ておるところだと思うのです。全部の意見を聞くのは、それは一番いい方法かもしれませんけれども、行政の時間的な制約というようなものもあると思いますし、その点は考えて、これから本当に国民の声を聞くような公聴会というものは考えていく問題だろうと思います。
 ただ、それではすぐに各県でやれるかということになりますと、いろいろな問題もありますし、その辺は十分に検討してみなければならない問題ではないだろうかと私は考えております。
#84
○大永政府委員 今回の公聴会に当たりましては、いろいろな団体から開催のあり方についてのさまざまな要求も出てまいりまして、一部運用の改善を行ったわけでございます。従来は、前回のときでございますが、人数を百人といたしまして、賛否五十人ずっというふうな形での陳述を行ってもらったわけでございますが、先生先ほど御指摘のように、反対意見の陳述申し込みが多かったというふうなこともございまして、一部比例制を導入したわけでございまして、大体六対九かその程度の割合の陳述をしていただいたわけでございます。人数につきましても、従来は百人だったものを百五十人にふやすというふうなことを行ったわけでございます。
 いろいろな団体からの要望といたしまして、開催場所を一カ所ではなくて、もっと都道府県単位ぐらいに各地で開くべきでないかという御意見もあるわけでございますが、これにつきましては、いま企画庁の政務次官も答弁されましたように、人的な面あるいは管理面の問題、その他時間的な問題等々でなかなかそこまでは手が回らないというのが実態でございます。そのかわりというふうに申してはなんでございますが、今回からとることにいたしました手段といたしまして、各地で地域団体等が主催いたします説明会あるいは民間公聴会といったようなものにはできるだけ通産局の係官を派遣いたしまして、そこで出てくる意見等につきましてもこれを吸収いたしまして、それを本省に持ち上げて査定に反映させるというふうな、若干の工夫を各通産局等で行いましてやっているような次第でございます。
 公聴会の今後の運営につきましては、できるだけ公聴会の趣旨にのっとるような点は考えたいと思いますけれども、現状はそういうことでございますので一御了承いただきたいと存ずるわけでございます。
#85
○加藤(清政)委員 公聴会の持ち方、あり方について、いま政務次官からも、企画庁担当でありますけれども、公聴会は非常に重要なものであるから十分反映するように努力するというお話がありましたし、部長からも、そういう公聴会の面については、人的な面あるいは管理面、時間的な面について隘路があるけれども、それをできるだけ打開して、公聴会制度というものを十二分に反映していく努力をするというお話があったのですが、いま部長からお話のとおり、公聴会については、各地で民間の主催による公聴会が開かれているわけですね。そこで予定されているものを加えれば、北海道では三会場、北陸電力関係では三会場、九州電力関係では七会場であるわけですが、つまり北陸、九州では一県当たり一会場の民間公聴会が開かれておって、この民間公聴会には電力会社の代表も通産省の代表も出ておるわけでありますので、そういう中にいまいろいろとお話しのとおり反対意見やらあるいは賛成意見やら、こもごも公聴会を通じて発言があるわけなんですから、そういう点も十分考慮に入れてひとつ公聴会を十二分に生かしていただいて、需要者の声を大いに反映していただくということについて各段の御配慮を願いたいと思います。
 それでは、電気事業審議会のあり方についてお尋ねしたいと思いますが、電気事業審議会の構成委員についてまずお尋ねします。
 電気事業審議会は、電気事業法第八十七条によって、通産大臣の諮問に応じ、電気事業に関する重要事項を調査審議して、通産大臣に建議することができる、そして通産大臣は、その建議を尊重しなければならない、と決められておるわけですね。まあ、これは基本ですが、そこで、電気事業を遂行する上に非常に重要な位置を占めるわけでありますが、ところが、非常に重要な位置を占めるこの電気事業審議会の中で、その委員の顔ぶれを見ますると、大企業の役員が五人、それから大学教授が五人、調査研究機関から三人、マスコミから一人、消費者代表から二人、そのほかから二人の合計十八人で、電気事業審議会が構成されておるわけですが、この中に電力九社の料金収入のうちの三一・七%を支払わされておる、むしろ料金大宗を担うと言っても過言でない一般家庭用の消費者代表が、いま申し上げましたように、わずか二人しか入っていない。さきにお話ししました電気料金の認可基準の最も中核とも言うべき需要家に対する公平の原則という観点から考えてみましても、余りにもへんぱではなかろうか。もっと公平に消費者の声を十二分に反映させるような電気事業審議会の委員の構成が必要ではなかろうか、そのように考えるのです。消費者代表の数をもっとふやして、そして労働者の代表も当然一人ぐらいはさらにこの中に入れて電気事業審議会として充実を図るべきではなかろうか、このことについての再検討についてどう考えますか。もっと充実させるべきであるか、消費者の声を十二分に反映させるためにその数をふやすというようなことについてのお考えをお尋ねしたいと思います。
#86
○大永政府委員 電気事業審議会の委員につきましては、先生御高承のように、電気事業法の規定に基づきまして委員二十名以内で構成するということになっておりまして、電灯需要者である消費者あるいは電力需要者である産業界、学界、言論界、金融界といったような各界から学識経験者をお願いしておるわけでございます。
 消費者につきましては、現在のところ二名の方に入っていただいておるわけでございますけれども、これをさらに増員する必要があるかどうか、これは委員の改選期の問題とも絡みますので、現在ふやすというふうにお約束するわけにもまいりませんが、今後よく検討してまいりたいと思うわけでございます。
 それから、現在のところ委員につきましては、直接利害関係を持っております労使につきましては両方とも入れていないわけでございまして、これにつきましては従来からかなりいろいろの経緯があったわけでございますけれども、今後この問題をどういうふうに考えていくか十分御意見を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
#87
○加藤(清政)委員 いま審議会の委員構成について、十二分に消費者代表あるいは内容を充実するために検討するという御答弁でありましたけれども、二十名以内ということでありますので、労使の問題についても、審議会充実のために、検討するということでなくて、二十名にしてさらに消費者あるいは労働者代表をふやすというように、前向きに再検討して充実させるというようにひとつ要望したいと思うのですが、いかがですか。
#88
○大永政府委員 この委員につきましては、現在まだ任期途中でございますので、いろいろ人事の問題その他もございます。したがいまして、次の改選の際にどういうふうに考えていくかという問題であるかと思いますが、いま消費者をふやすとかあるいは労使双方から人を入れるとかとやりますと、相当な大改革になるわけでございまして、いまここでお約束はちょっと申し上げられないわけでございますけれども、十分御趣旨の点を踏まえて検討してまいりたいというふうに思うわけでございます。
#89
○加藤(清政)委員 時間が参りましたので、最後に一点お尋ねしたいと思いますが、電気事業の再検討についてお尋ねします。
 電気事業は公共的な事業の最も代表的な事業でありながら、九電力会社の地域的独占によって供給されているというのが現状であるわけですね。そこで、料金決定の手続も、現行制度ではもっぱら通産省の査定によって、電力会社の経営上の都合によってのみ何か決められるというような気持ちに支配されるわけです。
 そこで、民主的な手続としては、名目的な公聴会以外は現在のところほとんど保障されていないわけですが、料金は単に値上げ幅の適否だけではなくして、経営や事業の過去の実績や将来の方針に不可分のものであろうと思うわけです。そこで、経営に対する国民の信頼を確立されなければ、料金変更に対する国民の理解と協力と納得が得られないと考えるわけです。
 したがって、料金決定の方法や地域における料金格差など、電気事業の根本についてもっと見直すというか、総合的な再検討を加えるべき時期に来ておるのではなかろうかと思いますが、このことについて、できれば通産大臣から所信を聞きたいと思ったのですが、ひとつ通産省として、総合的な再検討を加えるべき時期に到達しているかどうか、そして今後もその方向に従って再検討していくかどうか、その決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#90
○大永政府委員 現在の電気事業の運営は、先生御承知のように、九電力とそれから電源開発株式会社ということで、いわゆる十電力体制ということでやっておるわけでございます。世界的に言いますと、電気事業の運営につきましては、国営のところもございますし、非常に中小の電気事業会社が競合乱立しているような国もございます。いろいろさまざまでございますが、そういう中にありまして、日本のいまの十電力体制というのは、これは個人的な見解でございますけれども、わりあいにうまく機能しておるのではないかとわれわれとしては考えておるわけでございます。
 したがいまして、現状でこれを基本的に体制を変えるということの必要性があるというふうには考えておらないわけでございますけれども、ただ、最近の状況をいろいろ見てまいりますと、やはり十電力体制のもとにおきましていろいろ広域運営の確立ということが非常に重要になっておると思います。電力につきましても、必ずしもそれぞれの会社の中に発電所をつくるということだけではなくて、共同で発電所をつくって、それをお互いに融通し合うとか、そういった広域運営の強化ということが非常に必要になってまいると思うわけでございますが、この広域運営の強化ということがうまく行われるならば、九電力体制の持っております問題につきましても十分カバーし得る、むしろいい点が生かされてくるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#91
○加藤(清政)委員 終わります。
#92
○松浦(利)委員長代理 中村茂君。
#93
○中村(茂)委員 電気料金の前に、石油問題に関連してまずお聞きをしておきたいというふうに思うのですが、石油業法に基づいて石油標準額を決めようという際に、この委員会で私、実は反対した経過があるわけなんです。その法の趣旨からしても、それからやろうとしている標準額の問題にしても、いずれにしても石油を値上げしようとしている。だから、そういう値上げについて、政府が政治的に介入することは間違いだ、こういう立場で実は反対した経過があるわけですが、しかし、それが実施されて、最近お聞きするところによると、その目的を果たしたから、その法律に基づく標準額については廃止したい、こういう意向のようでありますが、その点はどういうふうになっておりますか。
#94
○左近政府委員 石油業法に基づきます標準額につきましては、御承知のとおり、昨年の十二月一日から三つの品種、つまりガソリン、ナフサ、C重油につきまして標準額を決定いたしたわけでございますが、その後、景気の回復等によりまして、次第に標準額が達成されてまいりまして、最近の調査では大体標準額が達成されたというように認められることになりました。
    〔松浦(利)委員長代理退席、越智(通)委員長代理着席〕
実は標準額を設定するときも、標準額が達成されればなるべく早く廃止するというふうなことを考えておりましたので、当方としても早急に廃止しようということで手続を進めてまいりましたが、本日付で本日の告示で廃止をするということにいたした次第でございます。
#95
○中村(茂)委員 そうすると、これからの石油の需給関係、価格の関係はどういうふうに見通しを立てておるわけなんですか。
#96
○左近政府委員 本日付で標準額が廃止になりましたものでございますから、一般の石油価格というのは自由になったわけでございます。
 それで、今後の石油価格の動向でございますが、実は石油製品のコストのうちで現在原油価格が非常に高くなりましたので、コストの約八割以上が原油価格に相なっております。したがいまして、石油製品の価格というのは基本的には需給によって決まるわけでございますが、やはり国際的な原油価格の動向が一番影響が大きいと思います。
 この原油価格につきましては、最近数カ月は横ばいになっておりましたですが、実は六月末までが昨年十月にOPECが決めました価格が適用されるということになっておりますが、今月末にOPECがインドネシアで会議をいたしまして、七月以降の価格を決めるということに相なっておりますので、その価格の決定の動向が一番大きな影響を及ぼすというふうに考えられるわけでございます。ただ、これについては大幅な値上げを予測しておる人はございませんで、もし仮に値上げがあっても、ごく調整程度の値上げではないかと言われておりますが、いずれにいたしましても、原油価格動向が今後の石油価格を占うものになろうかというふうに考えております。
#97
○中村(茂)委員 この石油が今回の電気料金の値上げにいろいろ関係してきているわけでありまして、石油の全体的な価格の動向というものが非常に大きな影響を与えると思うのです。いまのお話ですと、若干の調整があるけれども、今後の見通しとすれば、どちらかと言えば、石油価格というものは国際的に見ても安定傾向にある、こういうふうに見てもいいのですか。それとも、じわじわ上がっていく、または大きな変動が来る、そういう三つに分けてみた場合に、やや安定の方向にある、こういうふうに見通しを立ててもいいわけなんですか。
#98
○左近政府委員 いま申し上げましたとおり、今年、つまり七月以降の原油価格はそれほど大きな変動を見せないというのが予測でございますが、この傾向がどこまで続くかは世界の石油の需給関係に非常に大きく左右されるとわれわれは考えております。
 それで、石油危機以後現在までは、原油価格が四倍も値上がりをいたしましたものですから、石油の需要が減退いたしまして不景気にもなりましたということから、石油の需給がむしろ相対的に供給が過剰という形に相なりましたものですから、そういう点で値段が非常に落ちついてきたということになるわけでございます。しかしながら、産油国の基本的な考えは、石油の価格というものはインフレにスライドして上がるべきであるという意見がございます。そして現在の石油価格は、まだインフレによる石油価格の落ち込みが回復されておらない、こういう基本的な考え方を持っておりますので、この需給関係が若干好転してまいりますと、産油国がいままでインフレによって減価した分を取り戻したいという意向がまた強くなるのではなかろうかというふうなことを懸念しております。しかしながら、その需給関係は、本年いっぱいぐらいはそれほど需給がタイトになることはないというふうにわれわれ考えておりますので、本年いっぱいぐらいはそう大きな値上がりはあるまい。しかし、それから先については、需給がある程度タイトになるに従ってまた産油国が値上がりを期待するのではないかということが心配されるわけでございます。
#99
○中村(茂)委員 そこで、電気料金に関連してお聞きしたいのですけれども、今度の電気料金の申請に当たって二年間を出しておるわけですよね。
    〔越智(通)委員長代理退席、松浦(利)委員長代理着席〕
きょう発表になりました経済五カ年計画は五十一年から五十五年まで。国鉄も二年のようです。それから電電公社の電報電話は三年のようです。いまの石油価格というものがそういうものに一番大きく関係してくる。そう遠くまで見通しはできないけれども、ある程度安定の方向に来ている。こういうことを考えてみると、二年で計算させてまた三年目には上がる、こういうことではなかなか――今度決める価格か十年これてやってくれますと言えば、三〇%上がっても私どもはそう高いとは思わない。しかし、二年だから、二年でその後上がるか上がらないかわからないけれども、どうして二年と区切ってやらしたのですか。
#100
○大永政府委員 電気料金につきましては電気料金の算定基準というのがございますが、それによりますと、基本原則としては原価算定期間というのは三年になっておるわけでございます。ただ、前回の石油ショックのときは、四十九年六月の改定時でございますが、このときは油の価格が四倍にもなったという非常な異常事態でございましたので、一年の原価計算期間でやったわけでございます。
 今度の場合にどういうふうに考えるかということでいろいろ議論が行われたわけでございますが、基本原則である三年に返るにしては若干まだ経済の将来の変動要素につきましての見通しがむずかしいのではないか、さればといって一年間というふうな前回のような異常事態でもないということで、二年が適当ではないかということになったわけでございます。
 ただ、これは二年たてばすぐ上げていいということにつながらないことは当然でございまして、二年の原価計算期間ということは、少なくとも二年間はそれでもたせる、二年以降につきましても、できるだけ経営努力をいたしまして、料金の安定に努めるという趣旨のものであるというふうにわれわれとしては理解いたしております。
#101
○中村(茂)委員 三年ということになっているんだから、三年ぐらいのことでよかったんじゃないか、私はそう思いますので、いま申し上げたわけです。
 そこで、電気料金の今度の中身の関係に少し入っていきたいと思いますが、まず最初に電源開発の関係について御質問を項目的にずっと申し上げますから、ひとつお答え願いたいというふうに思うのです。
 いま九電力と電源開発で協議して広域運営をやっておりますけれども、その方向というものは成果を上げているのか、今後そういう方向で電源開発は広域運営で持っていこうとしているのか、成果と今後の方向についてまず一点お聞きします。
 それから二点目には、電源開発に絡んで全国的に反対運動が相当起きてきているわけでありますが、その原因、理由はどういうところから起きてきているのか、それに対してどういうふうに指導しているのか、その内容について明らかにしていただきたいというふうに思います。
 それから、石炭、石油、天然ガス、ウラン等の燃料入手の見通し、それから原子力燃料確保と廃棄物処理施設の関係でありますけれども、特に原子力発電については廃棄物の処理ということが一番大きくいま問題になってきていますので、その範囲というか、その施設の開発の見通しというか、その点についてひとつ明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。それと、今後の原子力発電の見通し。
 まず電源開発関係について、以上申し上げた点、簡潔で結構ですから、方向を明らかにしていただきたいというふうに思います。
#102
○大永政府委員 広域運営につきましては、これは一番大事なことであろうかと思います。それで昨年の六月に九電力会社の社長と電発の総裁とで、この広域運営に関する申し合わせをいたしたわけでございますが、具体的な成果については今後にまつところが多いと存じますが、たとえば九州におきます松島の石炭火力の建設が九電力と電発との協力でできることになり、また九州から関西に至ります五十万ボルトの高圧送電線網の整備が、これもやはり電発と九電力の協力でできる、あるいは原子力の共同立地につきましても、たとえば能登の方面におきます話が出ているというふうなことで、具体的な成果は今後にまつべき点が多いわけでございますが、いろいろ着々として具体化しつつあるというふうにわれわれとしては考えております。
 この電源開発に対しますところのいろいろ反対の問題がございますが、これは公害の問題、それから特に原子力につきましては、いわゆる安全性に対する懸念の問題、これが一番大きいわけでございますけれども、これに対しましてはわれわれとしては、公害対策には万全を尽くし、また安全対策にも万全を尽くすということはもとよりでございますけれども、同時に発電所の建設につきまして、従来わりあいに地元から理解が得られなかったという理由の一つに、発電所につきましては、ほかの製鉄所とかなんとかと違いまして、雇用効果等が少なくて地元の経済あるいは施設がそれによって潤うところが少ないというふうな点があったかと思うわけでございますが、幸い電源三法というものが施行されておりますので、これにつきましても着々として効果を上げてまいっておるというふうに考えておるわけでございます。
 それから各原料の入手の見通しでございますが、石油につきましては、現在の情勢では年率四、五%の輸入の増加であれば余り問題がないというふうになっておりますけれども、今後電力につきましてはいわゆる石油火力のウエートというのはだんだん減ってまいりますので、石油の入手については余り問題がないのではないかと思っております。ウランにつきましても、大体昭和六十年度ぐらいまでの所要量につきましては、長期契約等により大体確保済みであるということでございます。それから液化天然ガス、LNGにつきましても、長期契約等によりましてほぼ見通しがついているということでございますので、燃料につきましては、六十年以降の長期にわたりますといろいろまた問題が出てまいりますが、六十年程度までは余り問題がないのではないかというふうに考えております。
 廃棄物の処理につきましては、これは非常にいろいろな問題があるわけでございまして、現在は発電所内から出ますところのいわゆる低レベルの、わりあいに放射能の低い作業衣とか手袋とかについた廃棄物でございますが、こういうものにつきましてはドラムかんに入れましてサイト内に貯蔵するということになっておるわけでございますが、これはずっとこのままいきますと、やはりいつかは限界がくるわけでございますので、最終的な処分方法につきまして、技術的な問題を含めて検討する必要があると思います。それで、近く財団法人の廃棄物の処理処分センターというものを発足させまして、廃棄物処理のどういう方法が一番技術的にいいのかというふうな点につきまして検討をさせることになっておるわけでございます。
 なお、原子力発電の見通しにつきましては、昭和六十年度におきまして四千九百万キロワットというものをエネルギー対策閣僚会議で一応のめどとしてお決めいただいておるわけでございますが、このうち、現在までに大体二千百万キロワット程度はすでに運転中及び建設中のものでございますが、あと二千八百万キロワット程度をこれから着手していく必要があるわけでございまして、これにつきましては、最前申しました安全対策の確保等をベースにいたしまして、極力推進を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#103
○中村(茂)委員 いまお話がありましたとおり、特に電源開発については公害と安全性ということが非常に問題になって、反対運動が起きてくる。原子力の発電についても、廃棄物処理をめぐっての安全性、特に原子というふうに言っただけで、日本人は戦争中の苦い経験がありますから、もう名前だけでもなかなかなじめない。ですから、よっぽどこの処理についても安全なものを科学的にきちっとさせて、それで国民によくPRしていかなければ、原子力行政というものは大変なことになるのではないか、こういうふうに思うわけなんです。ここのところで細かく論議する暇はありませんけれども、そういう危険性という問題について、まだまだ研究も不十分だというふうに聞いておりますし、完全ではない。また、廃棄するについても、世界じゅうがそうなっていけば拾てるところがないという漫画のような話も出ているわけでありますけれども、いずれにしても、これからの電源開発の問題としては重要な問題だというふうに思うわけです。十分対処していただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、この開発に関連して、総括原価等を見ますと、資本費、修繕費、こういうものの比率が非常に多いわけです。事業の性格からやむを得ないと思いますが、これが料金にどのように影響してきているのか。それから、先ほども答弁があったと思いますけれども、電気、ガスの社債特例法案、これは現在商工委員会で審議中だというふうに聞いておりますけれども、この法案は、いま私が申し上げましたこれからの開発、それから資本費、こういうものとの関連、それからその資本費が、こういうものができるとすれば、料金に直接、間接に関係してくるのか。資本の関係について、その二点、ひとつ御説明願いたいというふうに思います。
#104
○大永政府委員 今回の値上げの申請におきましては、いま先生御指摘のとおり、資本費及び修繕費の増高によります要因というのがかなり大きなファクターを占めております。資本費の上昇による値上げの寄与率といいますか、これが大体二〇%強ぐらいであろうかと思います。それから修繕費の値上げによります影響が全体の値上げの中で大体一割程度を占めておるのではないかと思います。この資本費の高騰の要因といいますのは、結局四十八年のオイルショックによりまして建設資材あるいは労務費等が上がったわけでございますが、ちょうどその建設コストの上がった分が五十一、二年度において稼働するようになりまして、それの減価償却等の増加によるものが一番大きなウェートを占めておるわけでございます。しかし、これにつきましては、申請各社の出しております資本費、修繕費につきまして、その施設計画の内容を含めまして十分厳正な査定を行いまして、チェックをしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
 それから、現在御審議いただいております社債特例法案が料金にどういう影響を持つかという問題でございますが、現在御承知のように、電気につきましては電気事業法の規定によりまして、資本金プラス準備金の二倍までの社債の発行が認められておるわけでございますけれども、これが早いところはことしの七月ぐらいに限度いっぱいになるというふうな状況でございます。それで、社債の資本コストでございますが、発行者利回りといたしまして大体九・六%程度ということになっておりますが、一方、増資につきましては、これは法人税がかかるものでございますので、仮に一割配当を前提にいたしますと、一七・五%程度の資金コストになるわけでございます。したがいまして、今回社債の発行の枠の増大が仮に認められない場合におきましては、増資をしてそれで社債の枠をふやしていくという方法しかなくなるわけでございますが、そういたしますと、どうしても資金コストが高くなるという問題があるわけで、増資の方が社債よりも資本コストが高いものですから、そういう意味での影響があるわけでございまして、われわれとしてはぜひ今国会でこの法案をお通しいただけるようにお願いをいたしておる次第でございます。
#105
○中村(茂)委員 それから次に、特約料金制度について、企業は相当メリットある制度だというふうに思うのですけれども、料金がこれだけ大幅に値上げということになってまいりますと、この点にメスを入れて、こういう制度を廃止するというお考えがあるかどうか、または幅をできるだけ縮めていくというような考え方があるかどうか。
 それから、前回の料金改定のときにも実施されたと思うのですけれども、生活保護家庭、重症身障児童、それから福祉施設、老人ホーム等に対するいわゆる福祉型の料金制度、これは前回と同じように実施していこうとしているのか、それとももっと幅を広げようとしているのか、その点について。
#106
○大永政府委員 現在電力の運営上一番問題になっております点は、負荷率の低下という問題があるわけでございます。日本の場合には負荷率というのが大体六割程度でございますが、これが下がってきておる。つまり、設備の利用率といいますか、稼働率といいますか、そういうものが下がってきておるということでございますけれども、これはたとえば冷房需要の増加であるとか産業構造の変化によるものであるとか、いろいろあるわけでございますが、この問題が一番問題でございまして、今後の方向としては、なるべく設備の稼働率といいますか、利用率を上げていく政策を考えていく必要があろうかと思うわけでございます。それで、現在の特約制度と申しますのは二つございまして、季時別特約、つまり、たとえば昼間の需要を夜に持っていく需要家にはその分だけ安い料金を適用しましょうという時間帯別の料金の考え方が一つと、それからもう一つは、負荷調整特約といいまして、夏に需要がピークに達しているときには、大口の需要家で電力会社からの通告によってカットしてもらう、それでカットされた場合にはそのカット率に応じまして料金を低減するというふうな、時間帯別の負荷特約とそれから負荷調整特約、大体これが中心になっておるわけでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、現下の電力運営の一番の問題の一つがこの負荷率の向上を図る、それによりましてコストの低減を図っていくということにあるわけでございますので、やはりそういった面は、今後ともどちらかと言えばむしろ改善し、強化して、せっかくつくられますところの電力設備が効率的に運営されるように努めていく必要があるのじゃないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、生活保護世帯とか社会福祉施設に対する措置を今回どうするか、この辺につきましては、これは最終的に大臣の判断される問題だと思いますので、いまの段階でわれわれ事務当局が申し上げる問題ではございませんが、一般的に言いまして、前回とられました制度でございますので、今回これをやめるというふうなことはなかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えております。
#107
○中村(茂)委員 やめるような考え方でなかなかやめるのはむずかしいんじゃなくて、私の言っているのは、もっと広げて、料金はますます高くなってきているわけですから、やってもらいたい、こういう趣旨で御質問しているわけであります。
 それから、電灯料金、これは三段階になっているわけですが、やはり料金を大幅に値上げするという場合には、最下位の段階でナショナルミニマムを確保してやるという意味で、同じ上げるにしても上げ幅をできるだけ少なくする。先ほど、公聴会の中でもそういう意見があったということを説明されておりましたけれども、三〇%からの大幅というような段階が来れば、やはり上げ幅をこの線についてはできるだけ少なくする、こういう配慮が必要だというふうに思うのですけれども、いかがですか。
#108
○大永政府委員 現在の値上げ申請の内容におきましても、第一段階、第二段階、第三段階ではそれほど大きな差はございませんが、やはり一段階の値上げの率が比較的に小さいということになっておるわけでございます。今後これをどうするかという点につきましては、査定に待つわけでございますが、先生の御指摘は十分に踏まえて対処してまいりたいと存じます。
 ただ、余りこれに差を設けますと、三段目というのは二百キロワットアワー以上でございますけれども、この中にはいわゆる中小商店等々も含まれておりますので、余り格差を設けることも問題はあろうかと思いますが、十分先生の御趣旨はよく踏まえて対処してまいりたいと思います。
#109
○中村(茂)委員 終わります。
#110
○松浦(利)委員長代理 野間友一君。
#111
○野間委員 午前に引き続いて電気料金の値上げについての質問を続けたいと思います。
 いま出ております四電力会社の値上げ申請、これを見ますと、おしなべて収支の悪化ということを言っていますね。これはいま査定中の通産省として、実際にその申請の理由にある、四社とも収支が悪化しておるという判断をなされておるのかどうか、まずその点から……。
#112
○大永政府委員 表面的な利益の形から、いきますと、これは会社によってそれぞれ違うわけでございますけれども、四社とも現在八分の配当をいたしておるわけでございます。ただ、内容的に申しますと、いろいろ修繕費の繰り延べ等々を行っているということでございまして、そういう実質的な意味では、やはり四社につきましては悪化しているというふうに見るべきではないかというふうに考えております。
#113
○野間委員 商工委員会の中でも表面的と内容的というような使い分けをされましたけれども、少なくとも、いま部長も言われましたが、配当も出している。特に、私これから少し申し上げたいのは、内部留保ですね。これは午前中にも若干申し上げましたが、五十年度の下期の決算がまだ公表されておりませんので何ともいまのところ言いようがありませんが、公表された五十年の九月期決算というところまでを見てみますと、内部留保については、四十九年の三月末に比べて伸び率が一〇・〇七%というのが北海道であります。東北が一四・六九%、北陸は二一・九%、九州が四・五七%、九電力を平均しますと八・三九%。これは商工委員会の中でも同僚議員が明らかにしましたが、八・三九というふうに内部留保がずいぶんふえているわけですね。この内部留保そのものがふえているという事実は部長も否定できないと思いますが、いかがですか。
#114
○大永政府委員 御指摘のとおりでございます。
#115
○野間委員 さらに、利益を見てみましても、たとえば税引き前の利益が、四十九年の三月と言いますと値上げ前ですね、それから九月期決算、五十年の三月期、五十年の九月期決算というふうに利益の推移を見てみますと、東北電力が五十年の三月期に比べて五十年の九月期が若干利益が落ちておりまするが、その他は全部利益を伸ばしておる。
 さらに、申告所得を見ましても、同じように東北電力が五十年の三月期決算に比べて五十年の九月期決算が若干落ちておりますけれども、そのほかはおしなべて伸ばしているという事実はお認めになりますね。
#116
○大永政府委員 これも御指摘のとおりだと思います。
#117
○野間委員 ですから、形式とか内容とか言われますけれども、少なくとも内部留保あるいは税引き前あるいは所得申告という点から見ますと、これはかなり赤字でなくて黒字であり、しかもなおかつ順次この利益をふやしておるということが数字的にも出てくると思うのです。
 参考人の意見聴取の中でも、この内部留保の問題について、このうちで退職給与引当金が多いのだという指摘もありました。午前中に私もこの点について若干の質問をしたのですが、しかし、少なくともこの実態と申しますか、実際にこの電力会社の中で従業員が一時に半数もやめる、それに見合うものを引当金として積み立てるということは、実態から見ましてかなり奇異と申しますか、これは不自然だろうと思うのです。この点について午前中にも指摘しましたけれども、税調の中でも、これは自己資本としての機能を果たしている。これが退職給与引当金として独自に別枠に銀行預金でもしておればまだしも、そうではない。これは要するに中で流用されておるというようなことと同時に、いま申し上げたように実態と全く相反すると申しますか、乖離しておるということなのです。
 そこで、具体的にちょっと聞きますけれども、この四社の分について、一体その退職給与引当金の実態はどうであるのかということを少し試算をする必要があるのじゃないかと思います。午前中にも申し上げたように、この四社の退職給与引当金が合計千三百四億円、これは五十年の上期の決算時点での累積でありますけれども、この中で、それじゃその後の一年間で実際に従業員のうち何割が退職をし、そしてまた、これを幾ら払ったのか、と同時に、それは期末残高の何割ぐらいになるのか、これをひとつ教えていただきたいと思います。
#118
○大永政府委員 五十年度末の四社の退職引当金の残高が千三百十七億円でございます。それで五十一年度の実払いとしましては約百八十六億円程度というふうに見ております。
#119
○野間委員 大体その程度だろうと思いますね。そうしますと、この期末残高の一体何割くらいになりますか。
#120
○大永政府委員 お答え申し上げます。
 二割強ではないかと思います。
#121
○野間委員 いや、二割もないですよ。
#122
○大永政府委員 失礼しました。約一二%であると思います。
#123
○野間委員 それでは年間何%の従業員が退職したわけでしょうか。
#124
○大永政府委員 四社につきまして大体千七百人程度が年間退職するものというふうに考えております。
#125
○野間委員 いまパーセントを言われませんでしたが、私の試算で、これは非常に多目に、五十一年度の申請書の中身を見まして、そこから大体移行させて検討したのですけれども、退職者のパーセントは約七%台ですね。そうしますと、午前中にも申し上げましたが、期末残高、その積み立てをしたそのうちの取り崩し分が一二%を切る。私の計算では一一・二%になりますが、五十一年度の数字から割り出したわけですが、そして実際の払った額が百八十六億円、それはいま答弁がありました。しかも退職者の率が、私の計算では七・六%になりますけれども、そうなりますと、これは実態とは全然違うわけですね。つまりこれは過積みと申しますか、税制上はこれはともかくとして、実態はそうではないという、ここに私はやはり税制度の改革、税法上の改革、見直し検討ということが当然必要になってくると思うのです。
 そこで、次に進めますけれども、五十年の上期の時点、千三百四億でしたか、これを前提として、それじゃこの退職給与引当金、これだけで今後、いま申し上げたような事態で退職が進むというふうに仮定した場合、全く積まずにこれを取り崩して払うと仮定した場合に、あと何年くらいこれが取り崩せるかということはいかがですか。
#126
○大永政府委員 これは五十一年度は百八十六億でございますが、その後給与ベースの上昇によりましてだんだんふえてまいると思いますので、われわれといたしましては、もし仮に現在の引当金のまま取り崩してまいれば、大体五年間でほぼ取り崩すのではないかというふうに考えております。
#127
○野間委員 これも私は五十一年度の申請された数字をもとにして試算してみますと、取り崩し分だけで考えますと約七年になるわけですね。実払いがありますから、これを入れますと確かに五年四カ月ぐらいになるかもわかりませんが、しかし、少なくとも積み立てをせずに取り崩しだけをしても七年有余相当のものが、要するに、今後いままでのように退職した場合に払われるそれだけの分を積んでおるということになるわけですね。さらにそれに加えて、値上げを申請しておる四社の申請によりますと、退職給与引当金として五十一、五十二年度の合計ですね、七百十六億円の積み増しが出ておりますけれども、これは間違いありませんね。
#128
○大永政府委員 いま数字を持っておりませんが、恐らく合っていると思います。
#129
○野間委員 いま横から、合っているという話ですけれども、そうなんです。
 じゃ、実際にこれから二年間で七百十六億円を積み増しする。それを取り崩して退職金として払う場合ですね、実際には予測としてそのうちで幾ら取り払うというようなことが申請の中身で出ておりましょうか。
#130
○大永政府委員 お答え申し上げます。
 取り崩し額といたしましては四百十六億円という数字が出ております。
#131
○野間委員 そうしますと、ちょっとこれは私の数字と違う、私の試算ではもう少し多いんですけれどもね。いずれにしても、二百億円前後のものがさらにいままでの累積プラス積み増しをされる。そして通常それを引き当てて払っても二百億円前後はさらに残っていくということに計算上はなるわけですね。
 そうしますと、一つ私、疑問に思いますが、総括原価表の退職給与金ですね、これは二年間に支払われる分を超えて、その後の将来の支払い額も含まれているということになるわけですね。つまり、五十一年度あるいは五十二年度の電力料金を査定する際の原価計算に遠い将来の費用が加算されておるということに理屈上ならざるを得ないと思います。これは申請書を見ますとそうなっていますね。これは間違いございませんね。
#132
○大永政府委員 それはそのとおりでございます。
#133
○野間委員 そこで、料金査定との関係で一体どのように取り扱うのかということが問題になってくると思うのです。
 「電気料金について」というあなたの方の公益事業部で作成された資料がありますが、この五ページの人件費の項目に「人件費は、実績ならびに要員計画を考慮して算定した額である。この場合、退職給与金については、税法の定めるところにより計算した額を超えない範囲内の適正な額を計上するものとしている。」という記述があるわけです。
 そこで、お聞きしたいのは、いま申し上げた、要するに、五十一年、五十二年の料金を計算する場合、それを超えた部分、これがどのように取り扱われるのか。
#134
○大永政府委員 従来から退職給与引当金につきましては、きわめて負債性の高い引当金ということで、その年々に発生します要引当額を税法限度額までそのまま計上するというのが従来の例でございます。
#135
○野間委員 ちょっと私、聞き漏らしたかもわかりませんけれども、そうすると、五十二年度以降将来にわたって払うであろうそれを積んでおる。料金を計算される場合にそれも入った上で算定されるということになるわけですか。
#136
○大永政府委員 ただいま申し上げましたように、負債性の非常に強い引当金でございますので、それの支払い時期に料金に算入するというのではなくて、その負債性の強い負債の発生時点において発生額を計上するというふうに、従来から会計処理上もそういうふうにしておるということでございます。
#137
○野間委員 そうすると、簡単に言いますと、全額これが査定の対象になっておるということですね、五十一、二年度の料金算定について。
#138
○大永政府委員 査定の問題は今後の問題でございますが、仮に私どもの意見を言えば、われわれとしては、やはり税法限度まではそういう負債性のきわめて強い引当金でございますので、発生ベースで計上するのが適当なのではないかというふうに考えております。
#139
○野間委員 そうしますと、実際の処理は、理屈から言いますと、おかしくなりますね。最初に申し上げましたけれども、これが別枠で、たとえば銀行預金かなんかで引当金として五〇%の人が退職した場合に即金で直ちに支払われるというような特別の措置がある場合にはともかくとして、これが自己資本としての機能を発揮して、しかもこれが利益隠しに使われるというようなことを考えた場合に、しかも必要以上の積み増し分まで料金の算定の基礎に使われるというようになりますと、これは理屈の上で成り立たない、矛盾を呈するというふうに考えざるを得ないと思うのです。いかがでしょうか。
#140
○大永政府委員 私も会計の専門ではございませんが、ただ、原価に算入いたします場合に、支払いベースで見るかそれとも債務の発生ベースで見るかということは、会計学的に言いましても非常にむずかしい問題だと思いますが、このような負債性の強い引当金につきましては、やはり債務の発生ベースで見るというのが会計処理からいって適切なのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#141
○野間委員 そうしますと、それが「電気料金について」と題するパンフレットで言う適正な額に該当するという判断をされておるわけですね。
#142
○大永政府委員 そういうことでございます。
#143
○野間委員 そうしますと、労働者がやめる場合、これに対しては未払い賃金はもとより、退職金というのはこれは先取り特権も付与された優先順位を持った権利でありますから、私はこれを決してとやかく言うものではありません。しかし、繰り返しはいたしませんけれども、その実態に即さない、しかも理屈の上でもこれは合わないというものを適正な額として計算されるということは、これはやはり改めるべきであると言わざるを得ないと思うのです。それを改められるのかあるいは従前の例によって算定されるのか、その点ちょっと聞いておきます。
#144
○大永政府委員 これはよく勉強しなくてはなりませんが、現在におきます私の判断では、やはりこれは債務の発生時期に計上するのが会計処理から言いましても料金算定から言いましても適当なのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#145
○野間委員 それは誤りであるということを指摘して、次に燃料費の問題について少しお伺いをしたいと思います。
 四社の申請に係る燃料単価、これを重油で見ますと、北海道がキロリッター当たり二万八千五百七十四円、東北が二万八千五百五十六円、九州が二万八千四百二十六円、北陸は二万四千二百二十五円、こういうふうになっておりますけれども、これはそのとおりですね。
#146
○大永政府委員 先生いま御指摘のは五十一年の数字だと思いますが、そのとおりでございます。
#147
○野間委員 申請に係る五十一年度の燃料費の問題であります。
 そこで同時に、この硫黄分、サルファとの関係で実際にどの程度の硫黄を含んだ燃料を使うのかということについては、燃料計画、開発課の方にそれぞれから申請されておると思うのです。そこで、数字に間違いがあればまた指摘をいただきたいと思いますが、これまた五十一年度の計画なんですが、北海道が〇・七七%、東北が〇・五四、北陸が〇・九五、九州が〇・七、これが五十二年度の計画になりますと、さらにサルファの含有率が下がっておりますけれども、この五十一年度については、これは間違いございませんか。
#148
○大永政府委員 いまちょっと手元に数字ございませんが、恐らく間違いないのだろうと思います。
#149
○松浦(利)委員長代理 正確に言ってください、恐らくじゃなくて。
#150
○大永政府委員 先ほどの数字は、北海道が五十一年度〇・七七でごさいましょうか。――合っていると思います。
#151
○野間委員 いや、思いますでなくて、あなたはいま何か資料を持って言われておるので、正確に、いま委員長からも言われたように、お答え願いたいと思うのです。
 もう一度繰り返しますと、北海道が〇・七七、東北が〇・五四、北陸が〇・九五、九州が〇・七、このようになっておるのと違うのか。
#152
○大永政府委員 このメモでは、そのとおりになっております。
#153
○野間委員 そこで、このサルファ分の燃料油の購入単価ですね。先ほど石油部長でしたか、同僚の議員の質問の中で、恐らく五十一年度は油の値段は安定して推移するであろうというような見通しについてお話がありましたけれども、この申し上げた燃料単価申請書による五十一年度のキロリッター当たりの単価と、それからいま申し上げたサルファ分の、たとえば北海道電力で言いますと〇・七七%の燃料油を使うという場合に、果たしてその燃料油の単価が申請書の単価と合うのかどうか、いかがですか。
#154
○大永政府委員 これは実は四社が申請書を出しました後で、燃料計画というのが若干変わっております。変わりました原因は、石油供給計画を定めます場合に、いわゆる原油の生だき量というのを決めますが、その原油の生だき量の数字が四社が申請を出しました場合よりも査定を受けまして変わっております。したがいまして、その分が重油の方の消費量の増大になっておりますので、この四社の申請ベースでの燃料単価というものとそれから先ほどおっしゃいましたサルファのコンテントというのは完全には整合してないというふうに考えております。
#155
○野間委員 じゃ、どういうふうに違うのでしょうか。
#156
○大永政府委員 申請いたしました場合よりも原油の量が現実には減っておりますので、その分だけ重油の量がふえるという形で変わっていると思います。その場合に、申請のときのサルファコンテントとそれから現在燃料計画で決めておりますサルファコンテントがどういう関連になっているかという点につきましては、いまのところは数字を持ち合わせておりません。
#157
○野間委員 油種が原油になるのかあるいは重油になるのか、その比重がどうであるかということではなくて、私が聞いておるのは、たとえば重油なら重油、これは原油になりますとサルファ分は低いわけです。しかも北海道電力の場合には主として重油をたくというのがこの資料の中にもありますね。ですから、私は重油を中心に聞いておるわけで、重油のサルファ分が〇・七七%、それで実際に油の単価が二万八千五百七十四円というようなことと符合するのかどうかという点をお伺いしているわけです。
#158
○大永政府委員 そういう燃料計画の差によって多少変わっていると思いますが、それほど大きな変わりではないと思うわけでございます。
#159
○野間委員 それほど大きな変わりがないと言われますが、私はここに「セキツウ」の資料を持っているわけです。「五十年十二月以降C重油S分別価格展開表」というのがありますが、「旬刊セキツウ」の七五年十二月十日号です。
#160
○松浦(利)委員長代理 野間君、資料を渡してください。
#161
○大永政府委員 先生のお持ちの資料は、標準額の展開の資料でございまして、これは石油部の担当でございますので、詳細には私からはちょっとお答えできないかと思います。
#162
○野間委員 この資料はきょうはありませんか。しかし、こういう資料にS分別の価格展開表があるということは御存じですね。あなた、いまこれを確認しましたね。
#163
○大永政府委員 私は存じておりません。
#164
○野間委員 ちょっと見せます。――よろしいですね。
#165
○大永政府委員 いま資料を拝見いたしましたが、各社別のS分別の価格表のようでございますが、これは役所で発表したり、役所でオーソライズしたものではないと思います。
#166
○野間委員 果たしてこの価格が相当かどうかということで、私もかなり専門家というか、業界の人にも聞いてみたのですけれども、ほぼ妥当な線だ、こういうわけですね。石油部は私も呼んでおらぬので来ておりませんが、これを中心に少し進めたいと思います。
 これで見ますと、たとえば北海道電力が〇・七七のサルファ分の重油を使うとした場合に、一体それがどの程度のキロリットル当たりの価格であるかということを調べてみたわけです。逆に言いますと、二万八千五百七十四円というキロリットル当たりの燃料単価、これは一体そのサルファ分はどの程度のものであるかということにもなってくるわけですね。これで見ますと、二万八千五百七十四円といいますと、〇・六%強ぐらいなんです。つまり燃料単価で計上した北海道電力の油の単価は〇・六%含有の単価を書き、実際にはサルファ分は計画によりますと〇・七七%ということになるわけです。そうしますと、申請書によりますと、いかにも低いサルファを使うかのごとく偽って油代を高くし、しかしその実サルファ分は高いものを使っておる。それに基づいて申請をしておるということにならざるを得ないと思うのです。
 ですから、これは一つの例ですけれども、こういうことで申請の中身そのものの中にやはり矛盾がある。先ほど公益事業部長は、さほど価格については変動といいますかそう誤差はなかろうという話をしましたけれども、しかし、いま申し上げたように、これが仮に〇・七七%のものを使うとしたら、これは〇・八に近いわけですけれども、〇・八%のものが二万七千七百五十円になるわけですね。〇・七七ということで若干この値段を前後に考慮しても、これはキロリットル当たりですが、少なくとも二万八千五百七十四円というのと二万七千七百五十円前後とはかなり開きがあるわけですね。これで大体幾ら使うのかということが、資料がありますからそれで計算してみますと、金額の点では、使う量が北海道の場合には大したことはないと思いますけれども、北海道では約三億円、東北電力では八億八千四百万円、九電では十五億二千万円ですね。こういうふうにそれぞれ分析をしたのですけれども、かなり違うわけです。これは一切の伝票のたぐいからその資料を分析してやれるものじゃありませんし、やったものじゃないわけですが、できるだけのことということで、通産省やその他から資料を取り寄せて少し分析しただけでもこれだけの違いがある。高いサルファ分の油を使うのに低いサルファ分の油を使う値段で計上する、これはとんでもないことだと思います。
 ですから、これがすべてではなくて、私たちが少し分析して調べただけでもこういう事実が明らかになるわけで、恐らく随所にいろいろな問題があると思うのです。四十九年度の値上げのときも、その後の実態と、四十九年の値上げ申請当時の予測された燃料費の価格を見ましてもかなり開いていました。実際は安く上がっておりましたね。ですから、午前中にもサバを読む云々という話がありましたけれども、私たちは、本当に三〇%以上の電気料金の値上げをしようと申請しておる、それをいま査定を進めておるわけですが、少なくとも一切の資料を国会に出させて、あるいは通産省から出して、それに基づいて審議をしなければ、実際に燃料費を含めて申請の中身がどういうものであるかということの吟味もできないと思うのです。しかも五十年度の下期の決算がまだできておらないということ、きのうの参考人の話でも、商工委員会ですが、今月末に大体そろうのではなかろうかという話がありました。ですから、一切の資料を出してこれを吟味してくれ、同時に五十年度下期の決算書類、先ほど申し上げた五十年度の上期まで利益にしてもあるいは内部留保にしても積み増ししておるわけですから、それがどのような推移をたどっているのかということを、私たちの前に明らかにしてもらわなければ値上げはとうてい認めるわけにいかぬ、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。
 そこで、いま申し上げた燃料費のサルファ分あるいは燃料単価の問題について、ぜひこの点について厳しく調査をして実態を明らかにするということの約束をお願いしたいと思うのです。
#167
○大永政府委員 燃料費の問題は、われわれといたしましては標準額をベースにいたしまして厳正に査定するつもりでございます。ただ、いま御指摘の標準額というのは京浜渡しの価格であろうかと思いますが、そのほかに内航フレートをどの程度見ているのか、それが妥当であるのかどうかというふうな問題もございますが、そういう点を含めましてこれは厳正にチェックをするということでございます。
#168
○野間委員 時間が参りましたので終わりますけれども、私たちはいまも指摘申し上げたような資料の提出、特に五十年度の下期の決算、こういうものをこの委員会に出して、そこで十分われわれが吟味するまで査定をし認可をするべきでないということを強く要請して、質問を終わりたいと思います。
#169
○松浦(利)委員長代理 石田幸四郎君。
#170
○石田(幸)委員 まず、公益部長にお伺いをいたしますが、電力業界の方では五十五年度までの長期計画の中で、全国の電力需要の年平均伸びを約六・九%というふうに見ているようなんですね。今回の四社の五十一年度の伸び率というのは、北海道が六・七、東北が五・四と大体六%前後、九州あたりは四・五というふうに低く見ているわけなんですけれども、今後の経済成長率との関連を見まして、まず通産省として一体電力業界で見ている六・九%の伸びというのは正しいとお考えになっておられるのかどうか、この辺の問題をお伺いいたしたい。
 それからついでに、いろいろな表を見ると、五カ年程度のところで伸び率を見ているわけなんですけれども、そういった意味におきまして、たとえば四十五年度から四十九年度まで、四十年度から四十五年度まで、そこら辺の伸び率との比較も
 一緒に御報告を願いたいと思います。
#171
○大永政府委員 五十年代におきます電力の伸びにつきましてはおおむね六%程度ということを前提にいたしまして、近時年におきましてはいわゆる電力の供給計画というものを定めましてやっておるわけでございますが、それに基づきました申請でございます。
#172
○石田(幸)委員 いままでの伸び率の実績、その比較はどうですか。
#173
○大永政府委員 最近は、御承知のように、非常に電力の需要が停滞しておりまして、四十九年度につきましては電灯、電力合計で対前年マイナス〇・九%、それから五十年度は二・四%のアップというふうなことに相なっておりますが、景気の回復とともに、五十一年度につきましては六・四%程度上昇するというふうに見込んでおるわけでございます。
#174
○石田(幸)委員 それはちょっと議論がかみ合わないのでして、いま申し上げたのは、電力業界の五十五年度までの長期計画が全国の電力需要の年平均伸びを六・九%、こういうふうに見ているわけでしょう。いわゆる石油ショックまでの景気が上昇していた時代、そこら辺との比較において年平均六・九%という数字は私は高いと思うのですね。そういった意味で、四十八年度以降の経済が減速経済になってきたときの年成長率をいまおっしゃっておるわけでしょう。それではちょっと比較にならないのですね。
#175
○大永政府委員 オイルショック前におきましては、大体一〇%から一二%程度年々伸びておったと思います。
#176
○石田(幸)委員 そこで、私はこの六・九%というのは大体平均七%ぐらいに見ておるわけでございまして、五十二年度は七・一%の伸びを見込んでいるということになりますと、このまま想定しますとやはりかなり高度経済成長下における伸び率にだんだん近づいてくるのじゃないかと思うのですね。そうしますと、経済は減速である、安定成長であるという方針等を考えてみますと、どうも電力の需要の伸びに対する見方というのはこれと逆行をしているのではないだろうか、こういうふうに思うわけですね。というのは、今回の四電力会社の料金値上げの中にいわゆる先行投資ですね、そういうようなものがかなり批判をされておるわけでございまして、そういった角度から私は見ている。
 それからまた、省資源政策というものをにらみながら通産省はこの問題と取り組んでいるんだろうか、もしそうであれば、そこに何らかの考え方が出てきてしかるべきだと思うのですけれども、そこら辺の考え方はどうですか。
#177
○大永政府委員 経済成長率の長期の見通しにつきましては、通産省に産業構造審議会というのがございまして、そこで産業構造の長期ビジョンというのを出しておるわけでございますが、そこでの五十年代におきます経済成長の見方が約六%ということでございまして、電力の需要の伸びもほぼこれに並行して伸びていくというふうな考え方でございますので、われわれとしては六%というのは決して大きな伸び率だというふうには考えておらないわけでございます。
#178
○石田(幸)委員 それでは、それに関連してお伺いをいたしますが、大口電力の消費量の伸び、それからいわゆる電灯の方の伸び、この伸び率から考えてみて、両方とも六%前後で推移していくと考えますか。
#179
○大永政府委員 電力と電灯の需要の伸びでは、今後の家庭生活の高度化に伴いまして、電灯の需要の伸びの方が若干高いというふうに考えております。
#180
○石田(幸)委員 そういうようなことがいわゆる原価の計算からいけばいろいろな食い違いが出てくるんだと思うのですけれども、しかし、総数から見ますれば、これは大口電力の方がはるかに多くなってくるわけでしょう。たとえば昭和四十年から四十九年までの伸びを考えてみますと、これは電気事業連合会の資料でございますけれども、四百六十三億の伸び、それから大口電力の方は八百二十四億の伸びというように大幅に大口電力の方が、伸び率は別にしまして、絶対量においてははるかに大口電力の伸びの方が大きい、こういうふうに判断をせざるを得ないわけですけれども、この点は間違いありませんか。
#181
○大永政府委員 電灯と電力のウエートでは、電力が八割近くを占めておりますから、したがいまして伸び率は電灯の方が多うございますが、絶対量では、先生御指摘のように、電力の伸びる量の方が多いことは当然だと思います。
#182
○石田(幸)委員 そうしてみますと、今回の設備投資等も当然大口電力用の大口電力を供給しなければならないわけですから、そういった意味の設備投資が総体的にふえてくるだろう、こう考えるのは常識的ですけれども、いかがですか。
#183
○大永政府委員 それはそのとおりでございます。
#184
○石田(幸)委員 そこで問題になるのが今回の電灯料金、いまは九社平均で電灯料金は電力料金の一・五六倍になっておる、このように言われておるのですけれども、今回この四社が値上げになりますと、この比率はどういうふうに変わりますか。
#185
○大永政府委員 まだ申請に対しましての結論というのは出してないわけでございますので、結論が出た後どうなるかということはまだわかりませんが、申請ベースで言いますと、値上げ率からいきますと、電力の値上げ率の方が電灯よりも若干高くなっておりますので、このままの割合でいきますれば一・五六というのはもう少し小さくなるということになるのじゃないかと思います。
#186
○石田(幸)委員 先ほどたしか中村委員でしたですかの議論をしているのを聞いていますと、いわゆる原価計算の仕方、家庭の電灯料金等については変電、送電に力を入れなければならないわけですけれども、そういったところから必然的に一・五六倍というような方向になってきたんだ、政策的な加味というのはないというふうに先ほどはおっしゃっておるわけですが、いわゆるシビルミニマムに対する要請も強いわけでございますので、これは、先ほど福田さんがおられたときには私からも強く要請をしたのですけれども、こういう問題はやはり政策的にやってもらわなければならぬのではないか。特に電気料金の上げ幅が今度大きいわけですからね。そういった意味で、通産省としてはこの際やはり消費者を守るという立場――先ほども議論をしましたけれども、いろいろな製品をつくっても、そういったものの最終的な生産原価というのは消費者がかぶるわけですから、そちらの分は単価の中に含まれて売られてくるわけですから、そういった意味においては、消費者が電気料金を支払っているウエートというのは、ただ自分たちが使っている分よりもはるかに大きいわけですよね。そういった意味でもそこら辺の政策転換をする必要があるのではないか。審議会でもシビルミニマムというものは定着させなければならないというような意見も出ておるように思いますので、そういった点、いかがですか。
#187
○大永政府委員 われわれといたしましては総括原価を厳正に査定をいたすわけでございますが、これを電灯とか電力とかいわゆる需要種別に原価を配分するに当たりましては、資源の最適分配という見地をも含めまして、原価主義というのがベースになるべきである、こういうふうに考えるわけでございます。
#188
○石田(幸)委員 政務次官、通産省に聞きますと、これは確かに原価主義でやるだろうと思うのですね。しかし、いま私が申し上げましたように、たとえばこういう机を一つ使用するにしましても、必ずそこの木工所の電気料金というのは商品価格の中に含まれておるわけでございまして、そういった意味においては消費者を優遇するという政策的な配慮がどうしても必要だろうと思うし、また、特に公共料金の扱いというのは、いろいろな原材料が高騰しておりますのでむずかしい。しかもその上げ幅が大きいということで非常に抵抗が強いわけでして、抵抗が強いだけではなくて、これは一般消費者の切実な要望だろうと思うのですけれども、ここら辺に対する御意見を……。
#189
○林(義)政府委員 先生の御指摘、私もそういう御意見あるなと思って聞いておったわけであります。ただ、電気料金というものは、再々事務当局の方から御説明しておりますように、厳密な原価計算主義をとってやっておるわけであります。たくさん使うときあるいは大きく使うと、発電所から送電所ずっとあるだんだんと来る段階がなくて、一遍でばっと来ますから、その分だけ費用がかからないわけでございますから、そこまでたくさんの費用をかけてやるというのはどうだろうか。
 残念なことには、そういたしますと、小さなところ、いまの先生のお話の、たとえば木工場であるとかなんとかというようなところは実はそうむちゃくちゃにたくさん電気を使わないから――電力というものは一段も二段も送電線を経ていかなければならないという現実があるだろうと思うのです。そこで、それじゃそれだけでということになるとやはり問題がありますので、この前ナショナルミニマムというか、百二十キロワットのミニマムにつきましてはできるだけ安い電灯料金を出そう、こういうふうな考え方をしてきたわけでありますから、そこをどういうふうにするかというのは、またこれは電気料金全体の問題として考えていかなければならない問題だろうと私は思います。
 これは私は、いろいろありますが、三分の一程度のものというのは原油価格の高騰、石油の方の高騰でございますから、これを全然どこかで負担をしてしまえという議論はなかなかできないと思うのです。これはやはり使う人に公平な形でそれを負担をしてもらう。その公平を考えるときに、いま申し上げましたようなルールでこれを考えていくのが一番筋ではないだろうか、こういうふうに考えております。先生の御指摘は非常によくわかりますし、私もそういった考え方というのは非常に傾聴すべき御意見だと考えております。
#190
○石田(幸)委員 物価局長にお伺いしますが、今度の電力料金の値上げが消費者物価に占める率は、先ほどちょっとお伺いしましたが、正確な数字をお教えいただきたい。
#191
○喜多村政府委員 四社の電気料金改定の消費者物価に与える影響でございますが、申請どおりの改定が行われたと仮定いたしましたときの計算でございますけれども、消費者物価指数を〇・一一%引き上げるという計算になります。
#192
○石田(幸)委員 さらにもう一点お伺いしますが、これらの影響が間接的にいろいろ出てきますね。たとえば国鉄等も電気機関車で走っておるわけでございますから、いろいろな意味で間接的な要素が強いわけであります。この間の参考人の意見でも、家計に与える影響そのものは、それだけをとらえてみれば大したことはないのだけれども、いろいろ間接的な影響というのが非常に家計を圧迫するであろう、そういう問題がこわいのだというお話がありましたが、そういう問題については物価局としてはどのように受けとめていますか。
#193
○喜多村政府委員 間接的影響の計算は非常にむずかしゅうございます。一つは、その使用いたしました電力をそのまますべて価格に転嫁するという仮定を置いての計算をしなければならぬということが一つございますのと、それから、それぞれの電力コストがどの程度であるかということは、家計との関係において非常に整合性がある統計が少ないということから非常にむずかしゅうございます。従来の経験に徴しまして大ざっぱに申しますと、直接的な影響の約倍ぐらいが間接的なもの、直接を含めまして倍ぐらいになるということで御了承いただいて結構かと思います。
#194
○石田(幸)委員 それでは公益事業部長さんにもう一度お伺いしますが、四電力が今回値上げを申請したわけですね。そうしますと、巷間伝えられるところによりますと、他の五電力等についても秋口には申請が出てくるのではないかというようなことでございます。また東京電力あるいは中部電力あたりは、恐らく値上げ幅についても現在申請されている四電力よりも低いのではないか、こういうようなことが言われておるのですね。そうしますと、この時間的な格差あるいは地域的な格差というものが出てまいりまして、これがそれぞれの産業に与える影響というのは非常に強くなってくるわけですね。極端な言い方をすれば、文化的な格差を生むかもしれない。そういう影響もなしとは言えないと思うのですね。そういった意味において、それぞれ民間会社という形にはなっておりますけれども、通産省の認可料金でございますから公共的な性格を帯びておるわけでして、将来ともこういうような形が行われていくのでは好ましくないし、同時にまた格差というものを何らかの形で平均化しなければならぬ、直していかなければならぬ、こういうように思いますけれども、これについての通産省の方針はどういうことになっていますか。
#195
○大永政府委員 先生御指摘のとおり、地域格差の問題というのは非常に大きな問題でございます。現在のところは、九電力会社それぞれの原価計算主義ということではじいておりますので、ある程度やむを得ないわけでございますが、将来の問題としては、現在各社間で電力の融通というふうなことをやっておりますけれども、そういう物の考え方等も含めまして、極力地域格差が出ないように努力すべきではないかというふうに考えております。
#196
○石田(幸)委員 それはだれでもそういうふうに思うのでして、それに対する具体的な方針というのは、現在のところは通産省は持っておられないのですか。
#197
○大永政府委員 現在のところは、この地域格差をなくするような方策というのは持っておりません。
#198
○石田(幸)委員 これは政務次官にぜひひとつお願いをしたいのでございますけれども、こういう習慣が続くということになりますと、だんだん格差が大きくなってくる。ところが、電気というのはいまの人間にとって必要欠くべからざるものになっておりますので、特にこれは一般の経済生活を守るという、経済活動を守るという意味においてもあるいは消費生活を守るという意味においても、経企庁としてはぜひこの点を強く通産省の方に御要望願いたい、こういうように思いますが、いかがでしょうか。
#199
○林(義)政府委員 先生の御指摘の地域格差の問題でございますが、私は山口県なんです。この前九州電力について九州の方から御陳情がありまして、中国電力の方が安くて九州電力の方が高いんだから何とかしろ、こういうようなお話もあるのです。確かに私は、そういった地域格差というものは決して好ましい方向ではない。
 しかしながら、本当を言いますと、こういうふうな九電力体制というものをとっておれば、やはりその地域地域で経営をやっていますから、若干の差が出てくるのは現在の体制においてはやむを得ない問題だろうと思います。もしもこれを一本にしろということになりますと、一つの会社というような話になりますし、そうすると果たして能率的にうまくいくのかどうか。一つの会社にするよりは、いまの九電力体制の方がまだ競争的なものもありますし、お互いこう見て、もう少し合理化をしなければならないとか、能率的な経営というようなものは一社の場合よりはあるだろう、私はこう思っております。
 ただ、先ほどちょっと御答弁申し上げましたようなナショナルミニマムのような考え方というものが電力料金の中にも入ってきますと、この辺の問題につきましてもいろいろなことで考えていかなければならない問題ではないだろうか、そういうふうに考えております。通産省の方ともその辺はよく相談をして、御趣旨は私もよくわかりますし、どうしてやるかというのは、いま具体的に何をやれと言われてもちょっと問題がありますけれども、そういった方向というのは一つの大きな方向ではないかというふうに考えますので、そういった形で考えていきたいと思っております。
#200
○石田(幸)委員 もう一点だけ政務次官にお願いをするわけですが、電力会社の方々がお見えになって、政務次官もお聞き及びのとおり、三〇%の高率値上げというのは申しわけない。口では申しわけないと言いましても、どうにもならぬわけでございまして、通産省の方はあくまでも原価主義に基づいた査定をしなければならぬという技術的な問題がございますね。
 そうすると、政治的な問題といたしまして、何かやはり、それだけの高率な値上げをするわけでございますので、電力会社としてもそれなりの姿勢を示す必要があるし、また行政当局のトップとしましてもそういった必要があるのではないか。
 たとえば、現在不景気でございますので、赤字経営に悩む企業が非常に多い。その中で、電力会社だけ政治の力によって、コスト割れすればその分だけぽんと守られていくというような、そういう感じになっているわけですよ。そこら辺のところに対する非常な反発がある。先ほど和田委員もお話がありましたけれども、電気料金が非常にコストの中に大きなウエートを占めている部分、そういう業種にとっては非常な経営不安に陥るわけでしょう。そういった意味からいっても、これは何か対策を考えなければならぬのではないかというふうに思うわけなんです。先ほど資料要求をしまして、各電力会社の関連事業等を見ましても、余り必要のない企業までかなり投資をしているわけですね。そういうようなことはやはり国民感情の上からいっても非常にマイナスではないか。九州電力あたりは、この前の社長の話では、不用の土地不動産を売却したという話がございましたが、申請に当たってはやはりそういった姿勢を明確に示させる必要があるのではないか。
 もうすでに申請が終わったわけですから、それを査定する段階において、電力会社としてもこういう犠牲をこうむっておるのだ、そういう姿勢を示しているのだというところが明確にならないといけないのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#201
○林(義)政府委員 電力会社の経営姿勢の問題でございますが、電気事業法の中には能率的な経営というものがはっきりうたってあるわけであります。能率的な経営というのは、やはり単に普通に経営しておったのではいけないので、やはり能率が上がるように最も効率的な経営というものを常に経営者は考えてもらわなければならない問題だろうと私は思います。
 まだ私の経済企画庁といたしましては通産省から正式に協議もいただいておりませんし、そういった経営の問題も含めて、私の方では、協議がありました後におきまして内部で検討いたしまして結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
#202
○石田(幸)委員 終わります。
#203
○松浦(利)委員長代理 次回は来たる十八日、火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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