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1975/05/12 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第10号
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1975/05/12 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第10号

#1
第077回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第10号
昭和五十一年五月十二日(水曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 吉田 法晴君
   理事 田中  覚君 理事 葉梨 信行君
   理事 深谷 隆司君 理事 島本 虎三君
   理事 土井たか子君 理事 木下 元二君
      坂本三十次君    住  栄作君
      戸井田三郎君    渡部 恒三君
      田口 一男君    岡本 富夫君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        環境政務次官  越智 伊平君
        環境庁長官官房
        長       金子 太郎君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 野津  聖君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      堀川 春彦君
        建設政務次官  村田敬次郎君
        建設省道路局次
        長       中村  清君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通規制課長   福島 静雄君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   大竹 宏繁君
        日本国有鉄道常
        務理事     高橋 浩二君
        日本国有鉄道環
        境保全部長   吉村  恒君
        参  考  人
        (阪神高速道路
        公団理事)   清水 誠一君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
五月十二日
 環境影響審査に基づく開発行為の規制に関する
 法律案(島本虎三君外四名提出、衆法第一六
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 振動規制法案(内閣提出第四三号)
     ――――◇―――――
#2
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。
 振動規制法案について、参考人として阪神高速道路公団理事清水誠一君の出頭を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○吉田委員長 内閣提出の振動規制法案を議題とし、審議を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本富夫君。
#5
○岡本委員 ちょっと、この振動規制法案に入る前に一つだけ確かめておきたいことがあります。それは瀬戸内海環境保全基本法、これがこの十月に切れるということですが、これについて環境庁としては、このままで延長をするというような考えを持っておるのか。あるいは長官、どういうように、あなたは考えていらっしゃるのか。これだけ、ちょっと念を押しておきたいと思うのです。
#6
○小沢国務大臣 一年半ばかり当委員会で瀬戸内海の問題をめぐりまして、いろいろ御議論がございましたので、本当は、もう少し実のある跡継ぎ法を何とか考えたい。しかし、いろいろ研究をしてみますと、要は結局、生活排水の問題をいかに規制というよりは、下水の普及等によって、これを推進していくかということが一番、大きな問題でございますので、そういう点から考えますと、いまの現状で、たとえば下水道は、いわゆる道路公団のような組織になっておらない。地方から委託を受けて下水道事業団はやっておりますけれども、あれをもう少し根本的に大きな実施ができるような公団等の方法で考える裏打ちがありませんと、特別に、たとえば瀬戸内海臨時措置法で生活排水についての下水の促進を画期的に図ろうとしても、なかなか思うようにいかないわけでございます。というのは要するに先取りをしまして相当、先行投資的に下水をやっていくようなシステムを考えないと、法案だけ、ただ手直しをしても、なかなかうまくいかない点がございます。これは私個人の実は見当といいますか、そういうことなのでございますが、そういう点から考えますと、もうしばらく、やはり時間をかりないと、もっと中身のある画期的なものにするということが、どうしても、ある程度そういういろいろな準備作業というものを伴っていますので、相当の期間を必要とするのじゃないか。
 それから、もう一つは法律の命ずるところによりまして、十月まで、いわゆる三年間の時限立法のこの法律のもとで、瀬戸内海環境保全のための基本計画をつくらなければいかぬことになっております。その基本計画が、いつまでにつくれという法律上の定めはありませんが、しかし、これは三年の時限立法でございますから当然、三年以内に、この基本計画をつくらなければいけない、そういうことで、昨年から審議会をつくり、人選も終わり鋭意、努力を願っておるわけでございます。
    〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
そういたしますと、この基本計画の考え方が少なくとも私どもに渡ってきませんと、跡継ぎ法について内容のあるものを考えていくということは、どうも勝手に行政庁がつくり上げるというわけにいきませんので、それを待つということになりますと、とても今国会に間に合わないということになるわけでございます。政治上の情勢、国会の情勢等、これから先を見通すことは、私ども役所の側では、なかなかできませんけれども、そう考えてみますと、どうしてもやはり、とりあえずは何らかの形で先生方にお願いをして若干の延長を図っておいていただきまして、その間にひとつ、ぜひ先ほど申し上げたような根本的な中身をつくり上げるというふうに持っていかなければいかぬのじゃないかな、率直に言って私そんな感じを持っておるわけでございます。
 そういうようなことで、いろいろ準備が要ります点もありますし、基本計画が出ないまま私どもは、その内容について行政庁だけで決めるというわけにいきません。そういうような点も勘案しまして、また先生方の各党それぞれの御相談をひとつお願いをいたして、その御意向を受けて私どもは態度を決めさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#7
○岡本委員 この間、当委員会で参考人の先生方をお招きして意見の開陳を受けたわけですけれども、この中で東北大学の二村先生から特に、こういう陳述があったわけです。技術がまだ、できてないといって、それをそのまま、ほっておくということは間違いである、だから、まず規制をして、そしてそこに追いついていくように、いろいろ対策をするのがあたりまえなのだ、こういうような、それに近いお話があったわけです。したがいまして、いま長官が瀬戸内海環境保全にしましても、いろいろの計画ができてないとか、あるいは、いま、こうだとか、それを理由にして法案の成立に対して消極的であるようでは、私は本当の環境行政というものはできないのではないかということを考えるわけです。御承知のように今国会は、もう余すところ、あと二週間もありません。そういうことになりますと、それまでに環境庁の方では提案する用意もない。しかし十月には、この法律の効力が切れるということになりますと、それまでに臨時国会があれば、これはまた、いろいろと検討もできますけれども、通常国会は十二月になりますから、その間に切れてしまって、どうしようもない。瀬戸内海に面しておるところの各地方自治体では、どうなるかということで非常に危惧されるはずなんです。したがって環境庁としては、環境行政の責任ある官庁として、はっきりした態度をここで明確にしておく必要がある。ただ各党の皆さんに御理解を得てとか、あるいは、どうしようかとかというのでなくして、こうしていかなければならないのだと、環境行政を預かる環境庁長官の明確な決意を承っておきたい、こういうふうに思うのです。
#8
○小沢国務大臣 私も瀬戸内海の関係府県並びに三大市の方々にお集まりを願いまして、相当、率直に意見の交換をやったわけでございますが、各地方団体が異口同音におっしゃることは、計画を急いでひとつ、やってもらいたい、それともう一つ、この三年間でCOD、BODの二分の一カットというものをやって努力している最中で、それが実を結びつつあるものだから、その結果を待ってから根本的に跡継ぎ法をどうするかということを、ひとつ検討してもらいたい、いま、その過程にあるときに、いろいろ変わってくることは困るというような御意見が圧倒的に多かったわけでございます。しかし、できましたら何とか、ひとつ中身につきまして、もう少し前進した、いい考えがないか、それにはやはり水の問題でございますから、生活用水というものに対する対策が一番、大きな裏づけになって初めてできるのだ、こういうようなことから先ほど申し上げたような検討をいろいろ加えつつあったわけでございます。
 基本計画がおくれておりますことは大変、遺憾なのでございますけれども、事柄の性質上、瀬戸内海の審議会では、まだ一、二カ月かかるような御意向がございます。したがって現在のところは、そういう都道府県の御意見等に忠実に沿っていくということになりますと、とりあえずは延長をお願いせざるを得ないかなと思っております。その辺は、もう少し各党の御意見等も承って早急に、どちらかに結論をつけていきたい、かように考えておるわけでございますので、ひとつ率直に各党、御相談をいただいて、また、それを踏まえて私どもは、もちろん作業をやるわけでございますが、政府提案としてお願いをしたいとは思いますけれども、その辺のところは、議員立法の性質でもございましたものですから各党で、よくお話をいただいて御指示を賜れば、ありがたいと思っておるわけでございます。
#9
○岡本委員 それでは先ほどの答弁と同じなのですね。私が先ほど申しましたように、もう会期は余すところ二週間、二十四日までで、しまいです。いろいろ検討を加えている、こう言ったところで日がない。同時に、もう十月には切れる。それまでに臨時国会があれば、あれですけれども、まず通常国会ということになりますれば、これはどうもならないということを考えますと、環境行政を預かるところの環境庁長官として、現在の環境保全臨時措置法を、そのまま延長したいのだ、もう、それしかないのだとか、あるいは、そうしていきたいというような何かの意思表示、はっきりした態度がなければ、どうしようもないじゃないですか。これだけひとつ、はっきり答えてください。
#10
○小沢国務大臣 おっしゃるとおり、率直に言いますと若干の期間、延長していただく以外には、いまのところ、ちょっと方法はないかなというふうに思いますけれども、事柄の性質上、しかも立法の経過から見まして、先生方全体の御了解を得ないうちに、これは二年延長しますとか三年延長しますとかいうことを私がここで決定的に決めて御答弁申し上げることはいかがなものだろうというふうにも思います。そういう意味において申し上げているわけでございまして、現実問題としては、基本計画等のおくれの状況あるいは都道府県の皆さん方の御意向等を踏まえて考えますと、先生おっしゃるように、つなぎの意味で暫時、延長していただく以外にはないかなと考えておるわけでございまして、御了解を得れば、そういう方向で、ひとつ早急に手続をいたしたいと思っておるわけでございます。
#11
○岡本委員 大体、真意はわかりました。そうしなければ、どうしようもないのでしょう。それならそれで、はっきりとやはり意思表示をしてもらわなければならないと私は思うのです。
 それはそのくらいにしておきまして、振動規制法について伺いたいと思いますが、各委員の皆さんが、きのう相当やっておりますから、余り重複をしないようにしたいと思います。
 二十五条以下に罰則がありますが、たとえば二十五条では「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」二十六条もそういうふうになっておりますが、この懲役または罰金ということは犯罪になるわけですか、いかがですか。
#12
○橋本(道)政府委員 第二十五条のこれは、違法行為として処罰をするということでございます。
#13
○岡本委員 そうしますと犯罪ということになるのですね。その点はっきり。
#14
○橋本(道)政府委員 行政上の犯罪でございます。
#15
○岡本委員 行政上であろうと何であろうと、犯罪は犯罪に間違いないのですね。もう一遍ちょっと、はっきり答えてください。
#16
○橋本(道)政府委員 犯罪でございます。
#17
○岡本委員 そうしますと、罰則をかけるからには、やはり捜査をし、間違いなく、この命令に違反をしておるかどうかということを、きちんと調査しなければ、こういった罰則はかけられないのと違いますか、いかがですか。
#18
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のありましたとおり、違法の状態があるということを明確に証明してやらなければ、できません。
#19
○岡本委員 そうすると犯罪はきちんと成立するのかしないのか、これはやはり捜査をしなければ、かけられない、あなたがいまお答えになったとおりです。それならば、この十七条「報告及び検査」の第三項ですね。「第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」これは罰則をかけるためには、やはり、それだけの裏づけ捜査をきちんとしなければ、かけられないわけでありますから「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」ということは、ちょっと矛盾するのじゃないですか、いかがですか。
#20
○橋本(道)政府委員 これは刑法の方の、ほかの犯罪ということでのものと解してはいけないということでございまして、この法律に違反しているかどうかということは、もう当然に立入検査の権限がございますし、それによって違反の事実を証明するということは何ら矛盾をいたしません。
#21
○岡本委員 この間に文字が入っていませんね、「刑法による犯罪の捜査のために認められた」というように。そうすると、これは抜けておるのと違いますか。
#22
○小沢国務大臣 行政上のいろいろの立入検査等の権限を付与している各種条文がございますが、その場合に、この数年来こういうのが慣例でございまして、その行政上の目的に応ずる物件の立入検査の権限というものは、一般的に刑法、刑事訴訟法に基づく犯罪の捜査というものを認めたということではないのだぞという入念規定が全部、入っておりまして、それと行政罰の罰則の適用とは、また別でございますから、行政上の立入検査についての入念規定として一応、置いておるわけでございまして、これは決して矛盾するものではありません。
#23
○岡本委員 かつて水質汚濁防止法あるいは、その他の公害法案について、いろいろと私たちが審議したことがありましたが、こういう立入検査の権限について「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」というように入れてあるがために、きっちりした検査ができない。かつて名古屋の新日鉄ですか、隠しパイプがあって、わが党の調査によってわかったわけですが、こういうものも、ただ、ずっと聞いて回るだけの立入検査だけでは結局、本当の不法行為がつかめなかった。私は、それを考えておりまして、結局こういう一項が入っておるために、立入検査をしても見つけることができない、そこに問題があるということを私は、そのときに、つくづく感じたわけです。したがって、この「犯罪捜査」というのは刑法による犯罪捜査だというのであれば、これはまた、この間の字句が抜けておる。だから全部にかかってしまうということになるわけですね。したがって、そういう不正をつかまえることができなかった。私はつくづく、これは各法案にわたって感じたわけです。この点についてはひとつ、また修正か、あるいは、いろいろなところで一遍、検討したい、このように思います。
 次に、第十八条「電気事業法第二条第七項に規定する電気工作物」これは火力発電所こういうものであります。この間、参考人の先生方の御意見でも、こういった火力発電所あたりの振動についての規制が抜けているではないかというような話があった。これは何で適用除外をしたのか。あるいはまた通産省の方の規定を、こういうようにきちんと振動法に基づいたところの改正をするように打ち合わせばできておるのか。そうだとするならば、その改正はいつやるのか。この点について、ひとつお聞きしておきたい。
#24
○橋本(道)政府委員 この適用除外という点につきまして、先日の参考人の方のお話は、少し誤解をしておられる節があるのではないかと思うのです。この法律の特定施設としてかかることを適用除外しておるわけではございません。特定施設としては当然この法律にかかっております。また、この法律で決められた基準を遵守する義務がある、これも全く、かかっております。ただ、それを実際に実施させる上で、届け出であるとか計画変更命令とか改善命令とか、そのような個別、具体的な、それを実行させるに伴う行政的な行為は、電気事業法、ガス事業法の体系におきまして、やられるということでございまして、これは公害規制法ができるよりも以前に電気事業法、ガス事業法というものがあり、そこで通産省の一括の体系で全部、非常にきっちりした形で行われておったわけであります。そういうことで、適用除外という意味ではないということを御理解をお願いいたしたいと思います。
 また、その次の、通産大臣のやることと都道府県知事との関係ということになりますが、これは十八条二項にもございますように「都道府県知事に通知する」ということが、はっきりここに上がっておるわけでございます。この二項、三項、四項をごらんになっていただけば、おわかりいただけると思います。
 次に、相当規定でございますが、この法律が施行されまして、そして、おのおのの告示等を決定をして実行するのと同時に、電気事業法、ガス事業法は、この基準を全く向こうに引いて電気事業法、ガス事業法の体系で行われるということで、何ら時間的なそごは来すことはございません。
#25
○岡本委員 それを念を押しておきまして今度は、ついでの機会に事実をもって、また、はっきりしますから。
 次に、今度は第四章の要請事項でありますけれども「測定に基づく要請」都道府県知事が、道路交通振動が非常に激しいということで環境庁が指令したところの基準をこえているときには、その道路管理者に対して「舗装、維持又は修繕の措置を執るべきことを要請する」ようになっておりますが、要請をいたしましても、やらないとき、このときは、どういう罰則があるのですか。この点ひとつ、お聞きをしたい。
#26
○橋本(道)政府委員 この道路交通振動に伴います要請を道路管理者が受けて、そして、それに対しては、この第二項にございますように「修繕の措置を執るものとする。」ということでございまして、これは相手は道路管理者であり、道路法によって責任を持っておるということで、修繕等の「措置を執るものとする。」ということが当然の原則であるというような訓示規定になっております。しかし、御指摘のような別に罰則云々という問題ではございません。
#27
○岡本委員 それからもう一つは「都道府県公安委員会に対し道路交通法の規定による措置を執るべきことを要請する」これはとらなかったときには、どういう罰則があるのですか。
#28
○橋本(道)政府委員 これに対する罰則規定はございませんが、当然に公安委員会におきまして道路交通法に基づく権限的な行為が必要な程度に行われるというように解しております。
#29
○岡本委員 そうしますと工場あるいはまた建設事業場、こういう一般の住民と申しますか国民に対しては罰則を加え、そして道路管理者あるいはまた公安委員会、こういう、どちらかといいますと官の方ですね。この法律を見て官尊民卑の姿が出ていると私は思うのですよ、いままでの。その場合に道路管理者あるいはまた都道府県公安委員会、いずれにしても十分にその措置をとらないということになった場合、この法律はどうしようもないわけでありますか、いかがですか。
#30
○橋本(道)政府委員 これは官尊民卑ということではございませんで、たとえば建設作業を行うという場合におきましては当然に、その作業を行う主体に対しての勧告等はちゃんと出る形になっております。ただ、いま御指摘のあった道路法によって道路管理者がいる、あるいは道路交通振動の規制のために道路交通法というのがあって、それを権限的に主管をしておる都道府県公安委員会があるというのは、これはまた、ちょっと性格が違いまして、これは従来の法律の体系におきましても、そのような権限を持つ者が当然の責任において、その法律に基づいてやるということについて、罰則規定を別の法律でかけてくるというような形にはなっていないわけでございます。
#31
○岡本委員 私は、この提出された法律案を見ますと、そういうように民間企業に対しては、こうした勧告ができて、そして、それをやらないときには今度は命令をかけて、罰則をかけられる。ところが行政官庁に対しては、これはもうできるというだけであって、要請するだけであって、やらない。その一つの例が国道四十三号線です。すでに騒音防止法、そういうものがきちっとありながら、道路の方の国道四十三号線の上は、少しずつ修理はしてもらっておるわけですけれども非常にでこぼこである。こういうことを考えますと、やはり一つの法律というものがつくられるときには、平等に答えが出ていく、こういうように完璧なものでなければならないと私は思うのですよ。同時に、そこに住んでいる住人は、企業あるいはまた建設業者あるいは鍛鋼工場、これに対しては、いろいろ言っていって話が相当できます。四十三号線の沿線の住民は、なかなか建設大臣に言うわけにはいかないでしょう。それにはそれなりのきちっとした法体系をつくっておいてあげる、つくっていくということが、きちっとした、住民を守るための非常に大事なことである、こういうふうに言わざるを得ないわけですが、ひとつ長官の御意見を承っておきましょう。
#32
○小沢国務大臣 行政上のいろいろな措置を実効あらしめたるための担保の方法というのは、法律で個人に対しては、これはもう当然、罰則というものを置きまして担保をするわけでございますが、行政官庁に対しては当然、職務の権限としてやるものという前提で、罰則規定というものはなじまない。道路管理者は第二項で要請があれば「措置を執るものとする。」という規定を置きまして、それを義務づけているわけでございますから、また当然そういうことをやるのが行政官庁でございますので、行政官庁については、この罰則を設けている行政法の例というものはないわけでございまして、特別な他の法体系で、国家公務員が公務員法に違反するとかなんとかという場合は別でございますけれども、行政上のいろいろな措置についての強制権あるいは、それの必要な担保というものは、いままで行政法の中で罰金だとか、あるいは何年以下の懲役とか禁錮とかいうものをつけている例は全くございません。
 それで、それじゃ実効が上がるかという問題が主でございますから、その実効については、道路管理者は「舗装、維持又は修繕の措置を執るものとする。」ただ道路交通規制につきましては、これは御承知のように、ちょっと道路を修繕したり、あるいは舗修したりするようなものと違いまして、あるいは緩衝地帯を設けるとか、そういうものと違いまして、道路全体の交通規制をどういうふうにやったら実効が上がるかということでございますから、そういう意味においては、この要請によって道路交通法に基づいて公安委員会がどういう措置をとるかということは、そちらの方の権限と実情判断に任す以外にはないわけでございますから、そういう意味で、この規定はいままでと変わったこともございませんし、また、いままで以上にはみ出すこともできない。それは実体がそういうことでございますから、決して官尊民卑であるとか、あるいは、その実行上の担保がないというようなことにはならない。行政官庁というものはそういう法律を守って行政を執行するというのが任務でございますから、当然こういう規定になっておるわけでございますので、この点は従来そんなに幾ら要請しても、ほったらかして、ああ環境庁の言うことだ、そんなものはほっとけというようなことでやるような例はございませんので、その点は、ひとつ行政官庁それぞれの任務に応ずる、また使命に応ずる努力というものは十分とられるということを御信用いただく以外にはないと思います。
#33
○岡本委員 いま総理をなさっている三木さんが環境庁長官であった。そのときに国道四十三号線と川崎の何というところでしたか、二カ所を、全国で初めてだけれども、通過交通道路を何とか騒音や、あるいは振動や、こういったことから守りたいという一つのテストケースをつくろう、こうおっしゃって、これはまだ、いまだにできないのです。建設省の次長、来ていますね。どうも私は、これは都道府県知事が、いままでの騒音防止法でも要請しなかったのか、どうなのかわかりませんけれども、非常に遅々として進まない。現在の計画をどういうように考えておるのか、ひとつ、お聞きしておきたい。
#34
○中村(清)政府委員 いま四十三号のお話が出ましたが、四十三号についてお答え申し上げますと、実は、ことしの三月ごろに四十三号の、これは尼崎の地内でございますが、ごく一部の区間、約六百メートルぐらいの区間でございますが、歩道寄りの一車線と、それから歩道を一部を壊しまして、それで幅員を約四メートルぐらいの植樹帯をつくっております。これは現在、工事中でございまして大体、八、九月ごろに完成するのではないかと思っております。その結果を見まして逐次ほかの区間にも応用していきたいというふうに考えております。
#35
○岡本委員 この国道四十三号線の大阪から芦屋まで、六百メートルというと、ほんのわずかですね。しかも、この要請をしましたのは当委員会でもありましたし、これは四十八年ですから、もう四年目ですか、こんな遅々として進まない。その状態を見てからというようなことでは、これはあなたの方で恐らく建設省では、いろいろと計画して、これならば、これだけのホンが下がるとか、あるいは、どうだとかいうようなことを検討してなさっておるに違いないと私は思うのです。やってみてから、それからというような非常に速度が遅い。これは、もしも鍛鋼の工場あるいはまた振動によるところの建設工事、これはすぐ差しとめですよ。そして、もう工事を中止させるとか、あるいは工事を閉鎖させるとか、そういう強い権限がある。ところが国がやる方になると、なかなかできない。もう四年たって、まだ、これからぼちぼちやっている。それもほんのわずかだ。ここに差があると私は思うのですね。公共ということは、その付近の住民の健康を守る、これも公共の一つなんですよ。これを忘れて、それを犠牲にした公共というのはあり得ないのです。これは環境権というものが出てくる大きな根本になっておるわけです。
 そこで、この振動法が制定されましたときに、たとえば四十三号線の振動、これはどういうようにやるのか、ひとつ道路局次長。
#36
○中村(清)政府委員 道路振動につきましては、大体いままでは主として二つの方法で対処してまいっております。一つは、路面が非常にでこぼこでございますと振動がひどくなりますので、路面の平たん性を確保するという意味合いで路面を被覆するという方法、これが一つの方法でございます。あと一つの方法といたしましては、舗装を強化するという意味から舗装の打ちかえをやる、大体いままで、こういった主として二つの方法によりまして道路交通振動に対処しておりますが、今後とも主としてそういう方法で維持管理水準を上げながら対処することになるんではなかろうかと思っております。
    〔島本委員長代理退席、委員長着席〕
#37
○岡本委員 どうも、それが手ぬるいんですね。
 それからもう一つ、芦屋市の中に宮川という川があるんです。余り大きな川じゃないのですが、そこに橋がかかっている。その橋の上を舗装しちゃって、もう上から見たら普通の道路と一緒なんです。ところが、そこに大型トラックが通りますと物すごい揺れがあるんですね、振動がある。その付近の人は皆ノイローゼになっておるんですよね。こういうのはどういうように規制いたしますか。
#38
○中村(清)政府委員 宮川橋の問題でございますが、これにつきましては、ことしの三月ごろ、実は五十年度の予算をもちまして、宮川橋と、それから芦屋高校の前に交差点がございますが、その間につきましてオーバーレイしまして、その結果、その周辺、それから橋と道路の継ぎ手の部分、この部分は大体、良好な状態で維持されておるというふうに考えております。
#39
○岡本委員 あの付近で振動をおはかりになったことありますか。
#40
○中村(清)政府委員 大分、前に、はかったことがあるようでございますが、今回の中公審でお示しになった測定方法と違うので、ちょっといま、ここに資料を持ち合わせておりません。
#41
○岡本委員 恐らく、はかってないと思うのですよ。あるいはまた、もう本当におざなりなものじゃないか。あの付近の人たちに一遍、聞いてみなさい。わずかな橋ですけれども、この上をバウンドするわけですから、その付近に物すごい振動がくる。五軒も六軒も入ったところでも揺れておる。もう絶えず揺れておる。中に住んでおる人はノイローゼになっていますよ。これは私はどうしようもないと思うのです。橋をかけかえるわけにいかないし。ということになると、やはりその付近の生活ができない人たちの立ち退きをしていただくしか手がない。これが一つですが、そういう考えを持っていらっしゃるのかどうか、これをひとつ、お聞きしておきます。
#42
○中村(清)政府委員 騒音なり振動が非常に激しい場合は立ち退きをするかどうかという問題でございますが、騒音につきましては、これは一つの例として申し上げたいのですが、実は五十一年度から騒音が一定のレベル以上にある高速自動車国道、それから阪神高速自動車道という周辺については移転を実施するということにしておりますが、この措置自体が、従前の公害対策は大体、道路の枠内で全部、処理をしておるというたてまえでございまして、実は道路の外に出ていって、そういう対策を講ずるということは、われわれとしては非常に画期的なことだというように考えております。実は振動につきましても、道路交通振動の発生の態様といいますのは、これは、たとえば土質の状況とかあるいはカーブの構造あるいは家屋の経過年数、それから周辺の地形、こういった問題がございまして、発生の態様は非常に複雑でございます。したがいまして因果関係が必ずしも十分、解明されていないということでございますので、道路交通振動と、それからそういう家屋が受ける被害の相関関係、因果関係といいますか、こういったものも、さしあたり、まずそれを勉強して、それが解明された上での話ではないかというふうに考えております。
#43
○岡本委員 因果関係についての解明と言いますけれども、先ほど申しましたように、あなた方は見ていないのだから、調査もしていないから、わからないかわかりませんが、橋の上というのは橋は揺れるに決まっておるわけですよ。そうすると、そのけた、けたといったって短い橋ですけれども、その付近は、その振動によって、みんな揺れている。こういうところが因果関係がはっきりすれば立ち退きの移転補償をする。振動法が制定されましてですよ、そうしたら騒音と同じように立ち退き補償の枠の中に入れるというように考えておるのか、これをひとつ聞いておきたい。
#44
○中村(清)政府委員 たびたび申し上げますように、そういう因果関係をまず解明した上で、今後どういう措置を講ずべきかという段階での検討課題かと考えております。
#45
○岡本委員 長官、この法律が制定されましても、いま検討段階だそうですが、都道府県知事が道路管理者に対して要請しましても、これは検討だ。騒音は今度、立ち退きの移転補償の中に入れた、振動は今度はどうするのかというと、これは検討だ。住民の方はたまったものじゃない。騒音も振動も同じ被害を受けるじゃありませんか。この辺の打ち合わせはしていなかったのですか、いかがですか。
#46
○小沢国務大臣 まず先ほど、お尋ねのございました十六条の道路管理者に要請すること、これは民間には罰則があって、おかしいじゃないか。騒音関係では「自動車騒音に係る許容限度等」の第四章をごらんになっていただきますと、わかりますように、同じく「要請」というのはありますけれども、これは都道府県知事が意見を述べることになって、この振動規制の今日の立法よりは、うんとやわらかいわけですね。今度の振動規制については、この第四章を非常に強くしたわけです。要請をする、そうして要請に基づいて道路管理者が必要な「措置を執る」というふうに、今度は新しくやったわけでございますから、非常に強くなっているわけでございます。いま、その「要請」の条文によりますと、当該道路そのものから振動が発生をして、そして、いろいろ生活環境を著しく損なうような場合だけを考えておるわけです。したがって、この要請は、当該道路部分の舗装だとか維持だとか修繕ということで振動を構造的になくそう、こういうことになっておる。
 先生のお尋ねは、一般の、ある道路で振動によって他の生活環境を著しく阻害しているじゃないか。その場合に阻害された人の立ち退きまでやれ、それは、この法律でできるのか、こういうお話でありますけれども、それは、この法律では、そこまではあれしていない。これは一般の道路を維持し管理している者が、一般の民家に及ぼすいろいろな損害について、どういうような対応をするかということは、建設行政全般の中で考えていただく。したがって、いま建設省から御答弁がありますように、よく調査をやり、それから、その結果、起こる被害が一体、因果関係がどうなっているかということを調査をやった上で、全般的な建設省の方針として態度をどういうようにするかということを決定する。いま騒音関係で移転補償なり、あるいは家屋の構造改善の補償をやっておりますのは、特定の大きな国道とか何かの、いわば部分だけ取り上げて行政上、実施をし始めたということでございます。それ以外のところも、そういう問題があるに違いないのですが、それらの点については、よく調査をしていただいて、逐次そういう方に予算の措置を図りながら進めていく、こういうことになろうかと思います。この法律ということではなくて、一般の道路管理者としての責任を表明する予算との兼ね合いで逐次、及ぼしていく。それには調査をして因果関係を明確にしなければいかぬ、こういうことになろうかと思います。
#47
○岡本委員 この法律でということでなくして、その打ち合わせはできておるのかどうか。それから、その因果関係がはっきりすれば、騒音と同じようにこの移転補償をするのか。本当は皆そこから出たくないですよ、長年いらっしゃるところから。たとえば芦屋なんというのは、もう本当の住宅街です。そこへ、あれは河野一郎さんの時代だったですね、強引に、あそこへ大きな道路をつくったわけですからね。もう、できてしまったんだから仕方がない。そこで、その付近の人は、ちょうど橋のところですから、この橋の振動が非常に大きく伝わっているわけですよ。これを因果関係がはっきりすれば、そうしたら振動法によっても、振動の被害を受けた人たちも騒音と同じように、立ち退きたいという人に対しては移転補償をする用意があるかどうか、私はこれをひとつ、お聞きしているのですよ。
#48
○中村(清)政府委員 先ほど一例として宮川橋のお話が出ましたが、橋の上を自動車が通るということになりますと、ある程度の振動を生ずるのは、これは技術的に当然な話でございます。これを絶対、振動を防止するということは技術的に非常にむずかしい問題でございます。今後ともそういった意味合いの調査研究を進めていかなければいけないと思っておりますが、先ほど申し上げましたように振動と、それから家屋の被害との関係というのは、これは非常に複雑な発生の過程がある。土質の状況とか距離がどうであるというようなことがございますので、まず、そういった因果関係を明確にしたい。とりあえず因果関係が明らかになった上で考えたいと思っております。
#49
○岡本委員 建設の政務次官、来ておりますか。これは、ちょっと政治的な配慮ですから政務次官としては、どうですか、いままで話を聞いておりまして。騒音の被害を受けて二重窓をやったり、いろいろな対策をやっても、どうしてもだめだという人には立ち退きをしてもらう、その移転補償をする。振動の場合はどうだ。因果関係はもちろん調べますね。因果関係はあった、あるんだ、こういうことになった場合は、どうするかということを、その時点において考えると、この人は言う。あなたはどういうように考えますか。
#50
○村田政府委員 先ほど来、岡本先生の御質問を承っておったわけでございますが、たとえば国道四十三号線の例を引かれまして、お話を承りました。宮川橋の周辺の問題につきましても、しかりでございますが、先生のおっしゃること、まことにごもっともと思います。ただしかし、移転補償の問題につきましては御案内のように、まだ、そこまで一挙に踏み切るというところまで私どもは考えておらないのでございまして、中村道路局次長からもお答えを申し上げましたように、道路交通の振動が家屋に与える影響の相関関係というものを、まず十分、解明をいたしました上で、その上で対処をしてまいりたい、そういう考え方でございますので、ひとつ御了承いただきたいと存じます。
#51
○岡本委員 どうも私はそれでは納得できないのです。建設業者や、あるいはまた鍛造工場、これに対してはすぐにできる。ところが道路の、こうした本当に毎日、毎日、被害を受けておるノイローゼになっておる人たちに対しては、今後これから検討し考えるというのですよね。騒音では一応もう決まったわけですからね。これはすぐというわけにいきませんが、この点はひとつ、あなた政務次官なんですから、配慮をして検討して入れるようにするというぐらいの答弁をしなさいよ、あなた。
#52
○村田政府委員 道路交通振動による振動公害の発生につきましては、道路構造のほかに地質の性状でございますとか、家屋の構造等でございますとか、そういう影響を複雑に受けますために、その因果関係がまだ必ずしも明確でない点がございます。補償問題というのは非常に広範に影響が大きいわけでございまして、したがって先生のおっしゃる意味はよくわかりますので、先生の御趣旨に沿って検討をしてまいりたい、そういうふうに考えております。
#53
○岡本委員 どうも、はっきりした答えじゃないですけれども、しようがない。あなたの方も次のときに一遍、調査してください。調査もせずに、振動法案のところに道路管理者云々とあるのに、よく平気な顔をして座っている。
 大蔵省来ておりますか。騒音や、あるいは振動で移転補償を受ける場合、税制措置として、どういうようにお考えになっているか、ひとつお聞きをしておきたい。
#54
○大竹説明員 お答え申し上げます。
 現在、租税特別措置法におきまして譲渡所得につきまして二千万円の特別の控除が認められております。ただ、これは特別の法律によって権利制限等がある場合の措置でございます。したがいまして騒音のために土地を変わられる、したがって、その補償が払われるというようなことはございましても、特別の法律によりまして規定されておるところの条項がない限りにおきましては、二千万円の特別控除というものは適用がないということでございます。それが、いまの譲渡所得の問題でございます。
 それから、たとえば、それ以外の補償といいますか、騒音の防止のための工事をしたというような場合におきましては、税法の扱いといたしましては、結果的には課税関係が起こらないというような扱いになっておるわけでございます。
#55
○岡本委員 細かいことはあれですが、空港周辺の騒音防止法によるところの立ち退き移転補償、こういうのがありますね。それと大体、同じような特別措置を受けられるのかどうか。特に空港と同じように、こういう道路のところは非常にやかましいから地価が下がったわけですね。そして今度、移転するところは高いわけですよ。その上に、その跡地を買い上げてもらうために税金で取られてしまうということになれば、これは、にっちもさっちもいかなくなる。結局、公害のために貧乏していくということになるわけです。したがって、まあそれはそれとして、空港周辺と同じような適用を受けられるのかどうか、これだけ、ちょっと聞いておきましょう。
#56
○大竹説明員 先ほど申し上げましたように、空港周辺につきましては特別の立法がございますので、二千万円の特別控除というものがございます。したがいまして道路の場合には、空港と同じ意味での控除というものは現在、存在しないわけでございますが、通常の場合、私ども伺っております限りにおきましては住宅が多いように承知しておるわけでございますが、その場合におきましては居住用の財産を譲渡した場合の三千万円の特別控除が受けられるということになるわけでございますので、非常に多くの場合におきましては、その控除によって救済されるというケースが現実の問題としては多いのではなかろうかと思っております。
#57
○岡本委員 これは空港周辺と同じような課税特別措置というものがあってしかるべきだと私は思うのです。これはまた細かく一遍、詰めますから、ひとつ検討しておいてくださいよ。この前、愛知さんが大蔵大臣のときに、私ずいぶん細かく詰めまして空港の方は、ちゃんとやったわけですが、提案をしておきます。
 次に、国道四十三号線の周辺の健康調査、これについては、この間、参考人で参りました西宮の助役さんからも話がありましたが、健康被害補償法の指定地域に、いつするのか、これをひとつ環境庁の方からお聞きをしておきたい。
#58
○野津政府委員 現在、国道四十三号線沿線関係の騒音あるいは大気の汚染によります健康との関連につきましての調査を行っているところでございまして、その調査の結果がまとまり次第ということになるわけではございますけれども、現在の健康被害補償法そのものが大気汚染というふうなことになっているわけでございまして、騒音あるいは振動等につきましては現在の健康被害補償法の対象にはなっていないという点があるわけでございます。したがいまして、現在の健康被害補償法との関連を考えてまいります場合には、これは国道の沿線あるいは東京都内にもございます自動車の幹線道路等の問題というふうに合わせまして、大気の汚染と健康被害との関連を詰めてから、この健康被害補償法の適用等について検討してまいりたいと考えております。
#59
○岡本委員 その点については大体いつごろをめどにしているのですか。もう各市町村あるいは各県等は大体、終わっておるわけですが、環境庁の後の調査が、いま大体、終わったんじゃないですか。それと同時に、いつごろをめどに、この指定地域にしていくか。自動車の排気ガスによるところの、そういった財源のために重量税から金を取っておるわけでしょう。それは結局こうした道路の付近の公害の人たちを救済するために取っておるわけですから、その方は使わないというのはおかしいじゃないですか。固定発生源と、また違うんじゃないですか。だから、いつごろをめどに、これをちゃんと検討するのか。この点、一遍、詰めておきたい。
#60
○野津政府委員 現在、両方でございますが、川崎市と兵庫県におきましてのまとめを行っているという段階でございまして、調査そのものは終わったわけでございますが、調査後のまとめを行っているという段階でございます。そして、その調査、兵庫県それから川崎市での調査がまとまったものを環境庁におきます委員会に上げまして、そこで分析、検討していくということでございます。ただ、いま御指摘ありました、いわゆる移動発生源の問題といいますのは、いわゆる大気汚染物質としての各種の汚染物質を前提としまして、重量税の方からもいただいているという形をとっているわけでございますので、必ずしも、それが全部が自動車道沿道だけであるというふうな考え方は持っておらないわけでございますが、したがいまして現在、各県それから市におきましてのまとめが、まだ環境庁に上がってきていないという段階でございますので、できるだけ、これを急がせる形はとっておりますけれども、考え方としましては、夏までには結果を出していきたいと考えております。
#61
○岡本委員 時間になりましたが一時間ぐらいでは、やはりなかなか質問し切れない。新幹線の方もやらなければいかぬのですが、しようがないから、わざわざ来ていただいたけれども、新幹線の方は次にします。
 そこで最後に、この四十三号線で、警察庁、来ておりますね。いままで知事の方から要請を受けて、いろいろ対策を、たとえば夜間は二車線を通さないとか、やっておりますけれども、ところが一つの例を見ますと、この四十三号線は九州あるいはまた四国の方から、どんどんと大型トラック、これは食糧を運ぶ、いろんなものを運んでおります。またフェリーで上がってきたところの車、これはいっぱいになるわけですね。もう四六時中、夜中も走っているわけですよね。いま規制されたぐらいじゃ、とっても解決がしないという状態です。同時に、先ほど申しました宮川橋、ここなんかは振動ですから夜、寝ておれない、これを直すためには、どうしたらいいかといいますと、結局、上の阪神高速そこに大型を全部、上げてしまうとすれば非常に下は助かるわけですよね、こういう要請が出てきておるはずだと思うのですね。それに対する誘導、上へ上がると金がかかるから皆、下を走る、夜間は特に下をよく走る、こういうことで周辺は困っておるわけですが、これに対するところの警察庁としての誘導法、今後どういうように対処していくか、これをひとつ明確にしていただきたい。
#62
○福島説明員 国道四十三号線の交通公害の防止対策といたしましては、先生御指摘のように速度規制、信号機の系統化さらに夜間の外側二車線の通行禁止等の措置をとってきているわけでございます。これによりまして騒音につきましては若干、減少した効果が出ておりますが、規制の要請基準につきましては、なお超えているというのが現状でございます。
 したがいまして今後、警察といたしましては道路行政その他、関係省庁の施策と、あわせまして交通規制を強化するという方向で、いろいろ検討しているわけでございますが、ただ、この四十三号線の夜間の大型車を通行禁止するということになりますと、これは当然、阪神間には幹線道路は四十三号と二号の二本しかないわけでございまして、二号線へ交通が回るということになります関係上、両方を禁止しなければならないということになるわけでございます。しかし、これは先生の御指摘の中にもありましたように、物資輸送全体に非常に大きな影響を及ぼしますので、これは直ちにはできないという状況でございます。警察としては、さらに今後、速度規制を強化するという方向で現在、対策を検討しているところでございます。ただ、阪神高速に上げるために有料道路を通らなければならないという形での交通規制、下の四十三号線の通行禁止の規制というものは、ちょっと、いろいろ問題があって困難ではないかというふうに考えております。
#63
○岡本委員 そうしますと、この振動法が制定されまして、たとえば宮川橋、あの付近の振動は物すごいわけですが、それは仕方がない、こういうお考えなんですか、いまのお考え方からいきますと。
 私は一つの提案をしたわけです。もう、それしかほかに方法がないのですよ。私も、すぐそばにおりますから、いろいろ、よくわかるわけです。私はこういう状態は全国に、いろいろあると思うのですよ。だから現実に即した対策をとっていただきたい。まあ要請されても仕方がない、各省庁と一緒にということだが、ほかに言うてみたって仕方がないのです。これはやはり警察で、きちっと取り締まるしか、ほかに方法がないわけですよ。だから、その点をあなた、もう一遍はっきり。このままだったら振動法が制定されましても、どうもなりませんよ。その点、いかがですか。
#64
○小沢国務大臣 いま相談している間に申し上げますが、四十三号は非常にひどい騒音、振動あるいは大気問題等、とにかく非常に典型的な道路公害の多いところでございますから、国会が終わりましたら、私のところの大気保全局長、これはもう騒音も振動も大気関係、自動車もそうでございますし全部、所管でございますから、一回、二日ぐらいかけて派遣いたします。(岡本委員「あなたはどうだ」と呼ぶ)私は首がどうなるかわかりませんから、いまから言うわけにいきませんが、とにかく現認いたすことだけは、ここで申し上げて、そして根本的に府県側あるいは市町村側また住民の御意向もよく聞いて、そしてまた各省、相談をして皆さんの御意見等も承って、一つの対策、総合的にどうすべきかということをつくることにさしていただいて、きょうのところは、ひとつこれで御了承願いたいと思います。
#65
○福島説明員 四十三号線の一般国道を通行している車両、これを有料道路でなければ通れないというふうな交通規制が可能かどうかにつきましては、いろいろ問題がありますので、さらに検討しなければならないという状況でございます。なお、それとあわせまして四十三号線の上を阪神高速道路が通っている区間につきましては、並行しているわけでございますけれども、西宮から大阪寄りにかけては、上へ上がっても、また、そこで下へおりて平場の四十三号におりなければならないという問題もあるわけでございます。さらに大型自動車の阪神高速道路上の重量車につきましては、大きいものは通れないというふうな規制も一方にあるわけでございます。そういう問題もございますので、これはなかなか、むずかしい問題であろうと存じますけれども、それらの問題も含めまして、さらに検討してみたいというふうに考えます。
#66
○岡本委員 環境庁からも、そうして調査においでいただく、それから警察庁の方も、あなた見たこともないかもわからぬし、そういう、いいかげんな答弁じゃなくして――大きなトラックもどんどん上を通っていますよ。重量制限ということは、そうないように私は思うのです。だれから、そういう知恵つけがあったか知りませんが、もう一遍、現実の調査をして、振動法が施行されたときには確実に住民が助かるというものでなければ、何ぼたくさん法律をつくっても何にもならないということを私は申し上げておるわけです。したがって私は、現実に即したところの振動法による行政というものを強く要請をいたしまして、まだ新幹線も残っておりますし、大分、残っておるのですけれども、後の方に迷惑をかけますから、一応これで、きょうのところはストップしておきましょう。委員長、どうもありがとうございました。
#67
○吉田委員長 それでは岡本富夫君の質問は、きょうのところは、これで終わりました。
 次は、土井たか子君。
#68
○土井委員 振動規制法案について具体的な問題に入ります前に、一つ基本的なことで、まずお尋ねをしておきたいと思うのです。
 この法案を、ずっと通して見てまいりますと基本的には、定義は「特定施設」とはどういうものを指して言うか、「著しい振動を発生する施設」である。しかしながら、その中身は政令でこれを定めるというふうに政令に委任されている政令委任事項となっております。つまり、定義については政令の定めるところによるというかっこうになっております。続いて、規制基準を具体的に問題にしていく地点ということになりますと、これはやはり地域の指定が都道府県知事に預けられるというかっこうになります。したがって今回の法案の中身から言うと、振動規制についても、政令と都道府県知事の指定する地域という、そういう網の目の中での規制というかっこうになるわけでありますから、この規制から外れる部面も出てくるわけです。この政令に外れた場合、地域指定に外れた場合、振動規制については、どのように考えをお進めになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#69
○橋本(道)政府委員 先生の御指摘の、政令で外れた場合にどうなるかということでございますが、まず「特定施設」ということにつきましては、これはおのおの、どういう条件のものを特定施設にするかということは、たとえば工場ですと五メートル離れて六十デシベル以上とか、あるいは建設作業ですと五メートル離れて七十デシベル以上とか、一応そういう尺度を持っておるわけでございます。また、全国の地方自治体が規制をしている施設、あるいは苦情の多いもの、これは全部、整理をいたしております。そういうことで指定をいたすわけでございますが、政令で指定をしていないものに対して地方自治体は何かできるかということになりますと、その点につきましては「条例との関係」という、この法律の二十四条のところがございまして、政令で指定していないもので地方自治体で非常に問題になるもののある場合には、そのようなものを地方条例の中で特定施設として、あるいは特定建設作業として指定することは可能な形になっております。
 次に、地域指定の問題につきましては、この法律にございますように「住居が集合している地域、」云々ということで「住民の生活環境を保全する必要があると認めるものを指定しなければならない。」ということになっておりまして、これは、このような趣旨に立って、できるだけ住民の生活環境保全という角度から地域指定を適切に行うということを基本に考えておるわけでございます。そういうことで、原型としましては騒音の場合の地域指定が一番これに近いものと思われますが、騒音の場合の地域指定で、どうも振動の問題は、このケースは具体的にうまくいかないというようなケースがいろいろある場合には、それをどういうぐあいに対応するか、むしろ、やはり保全するために、できるだけ地域指定を広くとっていくことが本当ではないかと思います。ただ施設としては非常に限局的な問題でございまして、距離減衰が非常に大きいというものもございますので、その点は、やはり実体に合わせて判断すべきものというぐあいに考えております。
#70
○土井委員 一応、配付されている参考資料に基づいて考えていきますと、私たちの手元では、それを理解することができるわけですけれども、一般住民、国民の立場からすると、もう一つ、よくわからない中身を含んでおりますので、この節ひとつ、はっきりした御答弁をいただきたいと思います。
 それはどういうことかというと、規制基準といいながら、工場振動であるとか建設作業振動については規制値が設けられる。交通振動つまり道路交通の規制については要請基準が設けられる。国鉄つまり特に新幹線についての認識を持った鉄道振動については暫定指針というものが設けられる。この規制値と要請基準と暫定指針というものは、どういうふうに違うのかということを、明確にひとつ聞かせていただけませんか。
#71
○橋本(道)政府委員 まず第一に、この規制値でございますが、工場振動の違いの方は、その敷地の境界線における大きさの許容限度ということで、それを超えて、そしてまた、その周辺の住民に、はなはだしい問題を起こしている場合には、これは違反としてやられるということで、発生源の特定施設を設置する者に対して直接の法強制を伴う、こういうものが第一でございます。
 その次の建設作業の方の規制値という問題でございますが、これは、まず基本的に七十五デシベル以下のもので、具体的に五メートル離れて七十デシベル以上のものを指定されてくるわけでございますが、そのときには基準値につきまして、まず七十五デシベル以下のものということについては、規制の加わり方が、時間帯の制限、作業時間の長さの制限あるいは日曜や休日にやらないというような、そういう制限がかかるというような意味における規制値でございまして、これは先ほどの工場の場合の許容限度を超えて、そして、そこで振動公害の問題を具体的に起こしてくると強制がかかるという形のものではございません。そのような作業の方法、時間帯等に制限を生ずるというのが規制値でございます。
 その次の道路交通振動の要請基準でございますが、これは要請基準を限度値として示されておりますが、それを超えると都道府県知事が道路管理者あるいは都道府県の公安委員会に対して要請をするという形になるわけでございまして、これは要請をするという行動を発動する場合の条件というように御理解願えれば、ありがたいのではないかというぐあいに考えております。
 以上のような性質の相違がございます。
#72
○土井委員 そこで、この「特定建設作業に関する規制」第三章のところなんですが、この条文をずっと見てまいりますと、改善勧告あるいは改善命令というのを都道府県知事がなしますけれども、その場合に公共性のある施設について「円滑な実施について特に配慮しなければならない」という規定がございますが、その公共事業というふうなことについての認識は一体だれが行うわけでありますか。
#73
○橋本(道)政府委員 まず、公共事業とはどういうものかということにつきましては建設業法の中にございます。これが一つの基本でございます。
 それから次に、今度はここにございますような勧告や命令を発する場合に、機械的に公共事業なら、そういうことを発するのかどうかということの議論があるわけでございますが、これにつきましては、まず大前提として、あらゆる公共事業は最大の努力をして、そして普通の民間の事業と同じような努力をして、まず規制の条件を守らなければならない、これがまず基本にございます。
 ただ公共事業の場合に、非常に特殊性が中にあるものがございます。これは水道であるとか、あるいは下水道であるとか道路であるとか、あるいは保安関係の仕事で、作業がどうしても問題のある時間帯にしかできないというようなものが中にあったりします。そういうことで、その公共活動をとめるということになりますと、水道や、そういうものの供給がとまるとか道路交通がとまってしまうとかいうような問題が起こる。そういうような公共性の問題がございますので、そういう場合のことを、ここにございますように「特に配慮しなければならない」ということで、基本的には都道府県知事がこれを判断するわけでございますが、これに対しましては、昨日も大臣からの御答弁がありましたが、われわれは非常に慎重に、この問題に対しては対処をしていくということを考えております。
#74
○土井委員 慎重に対処するというお言葉は実はあいまいでありまして、一向に中身が明確でない。と同様に、この法案にいうところの公共性の中身というのは、その限界と程度が非常に明らかじゃない、あいまいなんですね。都道府県知事のそれに対する認識に問題がかかるというわけでありますが、要は、この公共性の中身を拡大解釈しようとしたら幾らだって、できるという余地が実はあるだろう。したがって公共性の名において住民に受忍を強いるということもないとは言えない。やはりこの節、こういう問題については特定的に明確化する規定でなければ、規制ということをわざわざ意味した、この法案の意味がないと私は思うわけであります。この点、長官は、これは慎重に検討を要する問題だとお答えになっている点はよしとしますけれども、どのような認識で慎重に検討なさろうとされているのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#75
○小沢国務大臣 一番いいことは、この三項の規定というものを発動すべき公共性の強い施設または工作物に係る建設工事とはという一つの基準をつくれば一番、明確になっていくと思うのです。ただ建設業法にいう、いわゆる公共事業全部ではない、しかし、その中でも、こういうものだというようなしぼりをかけていけば非常にいいと思うのですが、問題は公共性というものは一体どういうことかといいますと、実施する方で、いや、これは公のためなんだと思うことよりも、やはり受ける側の住民のニーズというものを中心にして物事を考えていかなければいかぬものですから、そうしますと、ある地区においては病院であったり、ある地区においては水道であったりしまして、統一的な基準をぴしっと決めてしまうと、かえって動きがとれないということもあろう、そういうことも考えますので、建設省とも相談をしまして、何らかの御趣旨に沿うような、公共性というものは勝手にどんどん広がっていかぬように、ひとつ考えてみたいと思っております。法律の条文も、それはなかなか書きようもないです。したがって、その点は御理解を願って、しかもこれは、特に配慮をするというのは、規制について基準値を変えるとか、どうだとか、そういうことの配慮をせいということじゃなくて、前項にありますように、振動の防止の方法の改善をやる場合に、その改善の仕方、あるいは作業時間のいろいろな変更の仕方、そういうものについて配慮をしてくれということですから、ひとつ、この点の御認識をいただきながら、公共性については、いま言ったように何とか明確なものを示していきたいと思っておりますので、その点で、いまここに一つの何か基準みたいなものをしぼって、これとこれと、この事業だというふうにしていいのか、それでよければいいと思いますけれども、また、その地域によっては、いろいろ住民のニーズが違いますので、そういう点をどういうふうにやっていったらいいか検討させていただく。基本的には明確にできるようなことに、ひとつ努力をしていきたいと思っておりますので……。
#76
○土井委員 本法案がもし今国会で成立したとしましょう。施行されるのは六カ月たってからですね。六カ月の間に政令の中身も整備なさらなければならない、そうでないと実効性がないわけですから。その間、私は恐らくは大臣の首は大丈夫だろうというふうに考えて、大臣にひとつ、その点はがんばってもらわなければならないと思います。というのは、公害対策基本法の中に、どこをどうしても公共性の名において、いまの典型的公害として問題にしております七つの公害の中身を特別扱いしてよろしいという規定はございません。ないのです。(小沢国務大臣「騒音……」と呼ぶ)いや公害対策基本法です。よく聞いてください。公害対策基本法にはございません。それからさらに御承知のとおりに公共用飛行場周辺、これは公共用とちゃんと法文では明記してある飛行場周辺でも、住民の方々は、この受忍限度をはるかに超えるということで、公共性の名において騒音や振動ということに対して、私たちは受忍を強いられるということは、もはや実際問題として実情に合わないということが具体的にも出ているわけですね。したがって、公共性という言葉を法文から削り取ってしまうということも適当でないがごとくに、いまも、おっしゃられるわけですけれども、何か公共性の名において、この受忍限度を超えるような、受忍を強いるような持っていき方ではなくて、法文上も何か、もっと適切な取り扱い方というのがなかったのだろうかと私たちは思うのです。要は「公共性のある施設又は工作物に係る建設工事」とここへ書いてありますけれども、この法文自身についても、もう一つ何か適切な表現がこの節ないものか、いかがでございますか。
#77
○橋本(道)政府委員 いま先生の御意見ございましたが、それに一番、関係の深い判決は大阪高裁の判決があるわけであります。これは現在さらに控訴をして行われておるというところでございまして、公共と地域住民との関係を一体どういうぐあいに法律上ちゃんとするのかというところは、これは私ども最もキーの問題であろうと思いますが、ただ行政自身として、そういうものをダイレクトには触れ得ないというところが私どもあると思うのです。できるだけのことは行政としていたしますが、そのような段階に現在あるということで、昔のような、とにかく公共事業だからすべて受忍しろというような論法が通じないことは、環境庁、全くそう思っておりますが、だからといって公共性というのを切ってしまえということには全くならないということも、また、われわれも考えておりまして、そういうことで、できるだけ条件をしぼるのはどうしたらいいかという、実はこれは最初のテストケースではないかということで、この立法におきましては騒音規制法の場合と同一の条文を設けたわけでございます。
#78
○土井委員 これは、いろいろ異論もあろうかと思いますけれども、法文の体裁からしても、もう少し考えてみる余地が私はあるように思います。公共性という名前も、わざわざ前向きで大上段に振りかざしたような形で出さなくても、もっと住民の意見というもの、住民の立場というものをそこに入れて、最も住民の立場というものを重視しながら、こういう問題に対しても取り組むというふうな姿勢を具体的にこの法案において表明する、政令ではなく法案において表明する。基本はやはり法律ですから、ですから法律案において、そのことを表明するということが私は望ましいと思うのです。だからその点は、これはわれわれ、きょうで審議打ち切りというわけでもないわけでありますから、時間がある限り、ひとつ私たちも検討をさらに重ねたいと思っております。
 さて、長らくお待たせをいたしましたが、国鉄から御出席をいただいておりますね。まず、お尋ねをしたいのは当面、山陽新幹線に係る問題になってくるわけですが、四十三年の三月三十日、四十四年の四月十八日、いずれも、これは山陽新幹線の問題に関して、関係の自治体から国鉄に対して出された要望にこたえての回答書という形で出されているわけでありますが、四十三年の三月三十日は山陽新幹線対策関係の議会連絡協議会あてであります。四十四年の四月十八日は山陽新幹線の特に尼崎地区乗り入れ反対期成同盟の方に対しての回答書という形になっておりますが、この二つがあることは御確認願えますか、いかがですか。
#79
○吉村説明員 確認いたします。
#80
○土井委員 そして両者とも、今日ただいまに至っても有効であるということを確認願えますか。
#81
○吉村説明員 そのとおりでございます。
#82
○土井委員 実際問題、回答書の中身を見ると、なかなか厳しい回答書であります。「騒音振動等の防止対策について」ということがここに明記されているわけですが、「在来鉄道と同等程度の75〜80ホンにとどめ、振動については」これから以下が問題になりますが「高架橋両側に残る住宅内で人体に殆んど感ぜずまた建物等にも損傷を与えない程度にとどめます。」となっております。こういう部分があることも御確認願えますね。
#83
○吉村説明員 確認いたします。
    〔委員長退席、田中(覚)委員長代理着席〕
#84
○土井委員 実際問題、今日ただいま、この回答書どおりになっていると国鉄は認識なすっていらっしゃいますか、いかがですか。
#85
○吉村説明員 結論的に、これらの数値を超えているものがございますことは確かでございます。
#86
○土井委員 超えているものがあるとおっしゃる程度ではなさそうです。実際問題、尼崎にいたしましても、伊丹にいたしましても、西宮にいたしましても、この回答書を受理いたしました当事者の各地方自治体で、関連の高架橋の両側に残る住宅内では、とてもとても、この回答書どおりにはいっていないというのが実態ではないでしょうか。この実態に対して調査をよくなさっていらっしゃいますか、いかがですか。
#87
○吉村説明員 私事にわたりまして恐縮でございますけれども私、四十一年から四十四年十月まで、この工事を担当いたしました国鉄の工事局の次長をいたしておりまして、詳細に、この区間の御説明に当たり、また先生が、いま御指摘になりました各文書というものに触れて直接、携わってまいっております。また開業後の成果につきましても、先ほど御指摘になりました、これらの文書にもあるところでございますが、開業後について国鉄が責任を持たないということがないようにということを実行いたしまして、各種の開業後の測定も実施をしてまいっております。それから、いま先生がおっしゃいましたように、一部につきましては、その当時の目標といたしました数値を超えるものがあることは事実でございます。
#88
○土井委員 数値とおっしゃる。常に、こういう規制をしていく場合には数値が基準に置かれて、それを超えているか超えていないかということによって、違法か合法かということを判定し、違法であるものに対しては、それなりの処分をとるという体制で、いろいろ取り扱われるわけですが、この回答書からすると、その数値が問題にはなっていないので、先ほど私がここで確認をする意味で読ませていただいた文面からいたしましても「高架橋両側に残る住宅内で人体に殆んど感ぜずまた建物等にも損傷を与えない程度にとどめます。」となっているのです。ですから、その数値が何ホン、何デシベルというふうなことで、どうだこうだということにはなっていない。一般の住民からいたしますと、これは数値がどうだから、その数値をオーバーしているので困るのだというふうな苦情は出てまいりません。恐らくは人体にこういう影響がある、建物にこういう影響があると困るというのが、事実上の苦情の中身になって出てまいります。この回答書からしますと、素朴な、そこに住んでいらっしゃる住民の方々が持ち出される苦情ということを相手にしながら、お答えになった回答書だと思う。現に有効なんですね。そういう点からしますと、この回答書の中で確認をされている、また地域の住民の方々も、そのことによって、いまの住民の生活の中で確認をされていることとは、ほど遠い事実が、いま、まかり通っているということになりはしませんか、いかがでございますか。
#89
○吉村説明員 先生のお話のとおり、騒音あるいは振動につきましての住民の実際の感情あるいは、これが苦情となって顕在化するものにつきまして、ただ単なる数値の問題でないことは御説のとおりだと思います。先日の参考人の先生方のお話の中にもあった点でございますけれども、やはり個々の苦情となりますと、あるいは、それを数値的に見れば非常に低いものであっても、苦情として顕在化するケースもあるわけでございまして、その点では、先ほど先生がお話しになりました「住宅内で人体に殆んど感ぜず」という点から、やはり感じるじゃないかという御指摘が多々あることも承知をいたしております。
 これらの背景につきまして若干お話をさせていただきますが、この当時まだ残念ながら振動につきましての学問的な問題あるいは社会事象としての公害問題としての振動問題、今日でも、ほかのものに比べまして多少おくれているという御指摘ございますけれども、この四十一年あるいは四十三年、四十四年程度のときには、まだ、はなはだ水準が低うございまして、あるいは測定技術というようなものからいきましても、あるいは測定例というようなものからいきましても数多くはなかったわけでございます。
 いま、お話しの「住宅内で人体に殆んど感ぜず」というようなことを、いかなる根拠で、そのときに書いたかということでございますけれども、御承知のとおりマイスターの振動に関する人体感覚の表というようなもの、これは、かなり歴史があるものでございますけれども、それらの研究をいたしまして、それらをもとに、ほとんど感じない範囲あるいは、ようやく感じる範囲というようなことが、その中にございますけれども、家の中の増幅率等を考慮いたしましても、ほとんど感じない、実活動に害がないという範囲内にとどめますという希望と申しますか、御希望に応ずる線を達成するように努力をするというふうに申し上げたわけでございます。
#90
○土井委員 まあ、その希望を達成する方向で努力をするという趣旨のことが回答書には書かれているんだというふうな御発言でございますが、いま私ここに、昨年の六月の実態調査報告書というのを手に持ってまいっております。これは伊丹市の方で調査をされた結果の報告書なんですが、さらに伊丹のみならず、これは山陽新幹線については尼崎の方でも同様のいろいろな実態調査がございますし、西宮の方でも行っているわけですが、この中身を見ますと、住民の方々の苦情というのは騒音にも増してひどいんですね、振動に対して。それで、振動が気になって眠れないとか、屋根がわらがずれるとか、家具や建具のたてつけが狂ってしまったとか、壁にひびが入るなどの訴えが続々あるわけです。この伊丹市のアンケート調査を見ましても、路線から二十五メーターの区域の方々の中の約八七%、五十メーターの区域では約六九%の人たちが、人体に振動を常に感ずるというふうに訴えておられるわけなんですね。非常に感ずる、かなり感ずる人というのは、二十五メーター区域で約七〇%、五十メーター区域では四〇%ということになっているわけです。この間には病人もあれば老人もあり乳幼児もある。いろいろなそういう条件を抱えて、たくさんの方が生活をされているという実体を無視するわけには、もちろん、まいりません。
 そういう点からしますと、振動委員会の報告書というのを私も拝見しましたけれども、七十デシベルを超えると「建付が狂う等の軽度の損傷に関しては被害感がみられる。」という見解にとどまっているのですよ。この自治体がやっている実態調査ですね、地方住民の方々が自治体に出していらっしゃる、いろんな苦情の中身と、今回のこの振動委員会の報告の中身とは、かなりのずれがあるように思います。委員会報告書の中では、七十デシベルを超えると「建付が狂う等の軽度の損傷に関しては被害感がみられる。」にとどまっているのですよ、書いてあるのは。だから、七十デシベルを上回ったらちょっと問題になるかもしらぬ、七十デシベル以内だったら大丈夫であろうというふうな目的的な報告書として、これは読まれるというおそれがないとは限らない。一つはそれです。
 もう一つ言わせていただきますと、この回答書というのを出された時期が実は問題だと思う。新幹線が建設をされて、山陽新幹線はいつから開通いたしておりますか。
#91
○吉村説明員 大阪−岡山間は四十七年度でございます。
#92
○土井委員 そうすると、先ほどの回答書というのは四十三年段階、四十四年段階でございましょう。まさに大急ぎで工事をやらなければならないという時期だと思うのです。その工事をやるに先立って住民の方々の不安があるのは当然なんですね。環境影響評価の必要性というのは、そういうあたりでは、もうこれは無視はできない。ただ先ほどの御答弁では当時、技術の問題として、かなりこれは問題がある。具体的に測定が事実上は不可能だ。そういう点からすると、努力をいたします。こういうふうに努力をしたいという希望的努力の中身が、この回答書の中には出ているということでありますが、もう一つ申し上げれば、工事を早くさせてもらいたい。工事がとにかく先立つ問題であって、工事をすることのためには、あらゆる条件を整備していかなければならない。そういうことの中で、地方住民の方々が、いろいろそれに対して不安を持っていらっしゃることも、この回答書でひとつ、なだめておこうじゃないかというふうな意味にとられるおそれなしとしないのですよ。その後の条件というのを、ずっと地方自治体が調べていらっしゃる実態報告書と照らし合わせて考えてみると、国鉄側が、さらに誠意ある態度で、これに臨んでいらっしゃるとは、もう一つ言えません。それに追い打ちをかけるようなかっこうの今回の振動委員会の報告であります。これはいわば住民感情というものを逆なでするようなかっこうになるのじゃないか。やはり、この点は私は問題点として出てこようと思いますよ。今後、国鉄としてはこの回答書の中身に対して、どのように誠意ある態度でお臨みになるのか、ひとつ確認をさせていただきたいのです。これは今回の規制値とは別に約束値というものがあるということを確認させていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#93
○吉村説明員 この当時、研究と申しますか学問的なものというものが不十分であったというふうに申し上げましたけれども、不十分なままで、端的に言って相手をごまかすためだけに勝手なことを言って、数値を書いて無理やり納得させたということではございません。これは私自身やった問題でございまして、先生もよく御承知のとおりかと思います。これらの成果といたしまして、この地域は幸いにして、尼崎東部等のごく一部を除きましては、土木工学的に申しまして、全線的な面から見ますと地質が非常に良好なわけでございます。この中で、東海道の同等の地質のところ、それから、さらに構造物の構造等の改良というものから推しはかりまして、どの辺になるかという推定をしたわけでございます。結果といたしまして、いろいろの測定値があるようでございますし、先生のいま、お挙げになりましたような、いろいろのアンケートの結果もあるようでございますが、私どもの方で持っております一例で申し上げますと、五十年の六月に尼崎から西宮までの振動測定をいたしておりますが、一番低いものは〇・一九ミリメートル・パーセックというところもございます。一番高いもので〇・六六という区間もございます。平均いたしまして〇・三をちょっと超える程度というような数値になっております。これは、いずれも建設省側、都市計画側の大変な御助力を得まして、その当時と申しますか、今日においても、なお画期的と思われます幅の広い側道を、しかも都市計画という面で御決定を願いまして、これらの側道の外側すなわち、それに沿う住宅そのほかの最近端になるわけでございますけれども、それのところで、はかっております。その一部につきまして、目標といたしまして文章的に言わずに、文章の裏づけとして、さらに数字も言っております。それらの数字を超えておるものがあることは残念でございます。しかし、それが先生いま、その後の地域の中において、いわゆる約束値というようなかっこうのものというふうに言われておりますのは、私、当時、担当いたしました者といたしましては、端的に申し上げまして、ちょっと心外でございます。しかしながら、この問題は先ほど冒頭に申し上げましたように、こういう多くの地域の多くの方々に御迷惑が実際問題として残っているのは事実でございますので、さらに今後の対策を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#94
○土井委員 先般、当委員会では参考人の御出席をいただいて、いろいろ御意見を聞かせていただいたわけですが、その節にも、中公審の今回の振動部会長をお務めになった参考人からお聞かせいただいた限りでは、振動部会にも国鉄関係者の方が委員としていらっしゃる、中公審にも国鉄関係者の方が委員としていらっしゃる。しかしながら、今回のこういう事情について、また、回答書なり覚書なりがあったということについては、その席では全然、出されていないのです。それで私は、そういう事情からすると国鉄側が、どれだけ、こういう問題に対して誠意を持って熱心に取り組んでいらっしゃるかということをうかがい知るような気がしたのですよ。確かに高橋常務理事は具体的に、その担当に当たられて熱心であったということは私、認めますけれども、一、二の方が熱心であったとしても、それが国鉄全体としてどうかというふうな問題になってくると、やはり住民には不信の気持ちが先立つというかっこうに現になっております。だから、そういうことからすると、いま誠意のある態度で臨みたいというふうな御発言でございますけれども、どういうふうに、これを具体的にお進めになるのか。技術がそこまで追いつかない限りは、これはだめだというふうに言い切ってしまわれるような態度が正面に出る限りは、これはとてもとても、いまの努力を具体的にあらわしたところの回答書に従って、これは希望的努力でありますけれども、努力をしたいということには具体的にならないと思うのですね。
 現に、私がいろいろ抽象論を申し上げていても、なんですが、住民の側から出ている苦情の中にある、振動が原因になって屋根がわらがずれるとか、家具や建具の建てつけが狂うとか、壁にひびが入るとか、家屋の耐用年数が二十年としますと、それが十年ぐらいにしかならないとか、地価が非常に安くなるとか、建て売りの家屋については安くしか売れないとか、そういう問題に対しての補償はどこに持っていったらいいのですか。
#95
○吉村説明員 いま先生からお話のありました中で、中公審の中に国鉄の委員が出させていただいております。また、中公審の席上で、この阪神間の実情が述べられたか述べられないか、実は私自身が出ておりませんので、私、御答弁申し上げられませんが、しかし、先生方の振動問題に関する今日の社会通念、少なくとも、この審議会にお加わりになりました先生方の知識の範囲内に、この問題がないというような方はおられない、これはもう私、確信いたします。したがいまして、次の問題としまして、これらの結果が中公審の今回の審議にどういうふうに反映したかということについては、私ども、むしろ実施面でございますので推しはかるほか、すべないわけでございますが、これらの問題も含めまして、今回のいわゆる暫定指針という性質のものを決められるということにつきまして、考慮の中にはお入れいただいたものと思っております。さらに、私ども新幹線が起こしております振動の実体というものを広く御認識いただいた上で御指示があったものと受けとめております。今回の緊急対策につきましては私どもも、これ自身、非常に厳しいものと受け取っておるわけでございまして、これらを含めまして、いま申し上げたような施策をやっていきたいというわけでございます。
#96
○土井委員 いま申し上げましたような施策というのは、具体的に私は、まだ聞かしていただいていないわけですが、委員会のメンバーの方、それからまた部会のメンバーの方々は、それぞれ学識経験者であるということは認めます。知識人であるということも認めます。しかし知識や学識と経験は違うのですよ。問題は、現地にいて、そのことを四六時中、経験している人が肝心じゃないですか。ですから、そういう経験をしている人たちの実態というものが、どの程度その中で吸い上げられているかというのは、知識があるなしとは別問題です。むしろ知識があるために、そのことが災いのもとになって、実際の経験ということを無視する場合すらある。この場合の振動委員会の報告を見た限りでは、私は知識が災いしている典型的な例だと言わざるを得ない。なるほど皆さん知識はお持ち合わせですよ。知識のない方は一人もないでしょう。でも実際そこで、どういうふうな具体的な実情があるかということに対しての声が薄いですよ。住民サイドから出されている資料というのは駆使されたといういきさつは、どうも、うかがえません、そういう点からすると。こういうことからすると国鉄側は、こういう場所についても、基準値を設定する際に出すべき資料が、もっとあるはずですよ。住民側から出ている声だとか、その場所で苦労なすっている高橋さんなんというのは、十二分に、そういう声をお出しいただく当事者だと私は思う。そういうことが、どれだけ生かされているかということからすると、おかしいじゃありませんかということを私は申し上げているわけです。いかがですか。
#97
○橋本(道)政府委員 私の方にも関係のあることもございますので、一言だけ申させていただきます。
 まず中公審の専門委員といたしまして、五十年の一月に西宮に参りまして、そして新幹線の問題等も本当に聞いて、いろいろやられたということが一つと、データ、陳情書は、みんな審議会に、われわれ提供をいたしております。そういう形になっております。
 それから、もう一つの問題は測定値でございますが、四十三号線沿線とか兵庫県でおやりになったデータの中で、どうも換算してみると、もう少しデシベルが高いのじゃないかと思う数値があるわけです。どうして、この数値で、こういうデシベルになっているのだろうかという、どうも合点のいかない数値がありまして、その点は片一方の振動速度から見たら、もう少し高いはずだ。ところが片一方に書かれているデシベルというのは低い数値が出ている。これは私どもの中で見ましても、どうも合点がいかない、この点は、もう一回よく見てみる必要があるということで、なお先ほど大臣もちょっと申されましたが今度、四十三号線は兵庫に行ったときに、よく聞いてみたいと思います。
 それから、もう一つは七十デシベルということでございますが、これは騒音と一体的に処理をするというのが一番大事だ。とにかく当面、三年間に緊急に八十、八十五ホンのところの対策をやるときに、二重投資などを避けるということのために、決してこの七十デシベルに満足しておるわけではございませんが、三年間の緊急のときに、これだけ、ひどいところを何とかやってしまおうということで出した指針値でございますので、新幹線は七十デシベルでいいんだというようなことで出した数値では毛頭ないということは御理解願いたいと思います。
#98
○土井委員 山陽新幹線についても、そういう実体があって、この問題に対して、それでは、どういうふうに対処するか、解決を図っていくかというのは当面の問題ですが、旧線ですね、つまり東海道新幹線については、もっと深刻な事情が沿線には残されたままであることも事実として、よく存じております。だから、こういうことからしますと、現に振動が引き起こしているところのいろんな状況、つまり今回、図られている建物、家屋ですね、それについて問題にされているわけですから、それについての損傷は、どのようなかっこうで、その善後策は講じられますか、いかがですか。
#99
○吉村説明員 建物の損害分につきまして、実害を起こしたものにつきましては、調査をいたしました上で、なるべく早く私どもの費用でお直しすることをやっております。また私ども直接、手を触れておるものもございますし、それから補償の形でお金をお渡ししておるものもございます。現在、東海道まで含めまして現地で、かなり多くの方々と私どもの出先の方とは常時、緊密に接触をいたしております。決して十分とは申せません、その辺、私これから急速に強化をすべく命令を受けて今後、私自身がやっていく仕事でございますけれども、さらに一層、力を尽くすところでございますが、少なくとも家屋に実害があったものについては補償をする。ただし先生も、さっき、おっしゃいましたように、非常にひどいところがあるとなりますと、ただ、そこで、そのままで直して済むものでないと思われるものもありますので、実害以上に振動の基本を、その家に対してとめる方法やら、場合によりましては、まことにお気の毒ですが、その家自身おのきをいただくより仕方がないのじゃないかという施策を円満に講じていきたいと思っております。
#100
○土井委員 具体的に言うと、なかなか、これもむずかしい問題ですが、総括的におっしゃれば、そういうことになるんだろうと思いますね。ただ今回のは建物とか家屋というふうなことが、当面は、これは測定値を問題にしている場合の対象物になるわけで、人体に及ぼす影響というのは、もう一つ、これからのことだろうと思います。しかし肝心なことは、やはり人体ということで振動に対する規制というのも問題にされなければならない。だから先ほど橋本局長の方からの御答弁にございましたけれども、三年間の暫定的な緊急を要する措置として今回は取り組んでいる中身であるから、これにとどまることではない、これに甘えることじゃないというふうな趣旨の御答弁でもあります。肝心の人体に及ぼす影響というところで、一つは今後これは非常に大きな課題、しかもその課題というのは早く何とか手をつけなければならない課題であるということで、三年を待たず人体に対しての問題としても取り扱う規制値というものを用意されるということになりますかどうですか、いかがですか。
    〔田中(覚)委員長代理退席、委員長着席〕
#101
○橋本(道)政府委員 人体に対します問題としまして一番ひどい問題は、身体としての障害を生ずるということでございますが、現在の基準で、そういうことは一切、生じません。それから次は、生理的な変化を来すということで、建設作業や、あるいは新幹線の横の振動の非常にひどいところが部分的に極端な場所があるとすると、脈搏とか、あるいは、そういうところに影響のあることが全然ないとは、なかなか言いにくい場合があるのではないかという気持ちがいたします。それから心理的な影響は、もっと低いところで出てまいります。一番の問題は、やはり生活妨害でございまして、その中でも生存の基本ということについての睡眠の障害がどうかということが一番、大きいことであると思います。現在われわれのデータは現存する限りにおいては最善のものを持っておると思いますが、まだ今後よく詰めてみなければならないということもございますので、今後の調査研究もやってみたいと思いますが、少なくとも現時点で国際的にどこを探しても、この振動専門委員会で整理したデータといいますのは、権威のある、それによって対策を講ずることに確信のあるものだというように思っております。
#102
○土井委員 権威があるなしというのは、やはり政権がある側が認定をしたり、また最高の責任者が認定をして権威を問題にすべきことでは恐らくなかろうと思うのですね。やはり被害者の立場からして、それに対して是認できる、納得できるという中身でなければ、権威ということも実は意味をなさないわけで、そういう点から考えて、一つは、いま権威あるというふうなことをおっしゃったので、本来の本当に権威というふうな意味が生かされるような方向での努力を、やはり、やっていただかなければならぬと思います。三年間に、どの程度それができるかというのは、これからの課題であるかもしれませんが、ひとつ、そういう点について後の憂いのないように徹底的に取り組んでいただくということを、ここで、はっきり申し上げたいと思うのです。
 追い打ちになるかもしれませんが、今回、国鉄運賃についての値上げの法案を国会に上程するのについて「運賃改定はなぜ必要か。」という日本国有鉄道からの「みなさまへのお願い。」というパンフレットが出ておりますが、これは当面は国鉄運賃の値上げが、かくかくしかじかのために必要だということに重点を置いたパンフでございましょう。しかし中身は、この最後の方に「新しい国鉄に生まれかわるためにも、ぎりぎり、どうしても必要なお願いです。」と書いてあるのですが、新しい国鉄に生まれ変わられるというふうな点からすると、この中身は、いかに赤字がつくられてきたか、赤字埋めに対して、どのように困っているかというふうなことでございまして、国鉄を動かされる立場からすると、当面は、そういうことが一番、気にかかられるとは思いますけれども、運ぶことも大事ならば、それの走っている沿線の住民の方々の生活を保全するということも大事なのですね。このパンフには住民の方々に対しての配慮は一言半句もございません。また、そういう公害防止に対して、どのように取り組みたいかということで、経費がこういうふうなぐあいだということも一言半句もございません。だから、そういう点からすると、新しく国鉄が生まれ変わるというふうなことは、よっぽど気を入れかえて、やっていただかないと、これは本当に権威あるものにはならないと思うわけであります。一言、追い打ちでありますけれども、これは申し上げておきます。
 さて、阪神高速道路公団、お待たせしましたが、一つお尋ねをしたいのは、神戸から大阪に至るまでの阪神高速道路で、これは施工された時期が、それぞれ、ずれがあると思うのですが、どこからどこまでの地点が何年であり、どこからどこまでの地点が何年かということを、ここでおわかりになれば、お聞かせください。
#103
○清水参考人 阪神道路公団の清水でございます。
 最初に開通いたしましたのは京橋と柳原間でございまして、これは昭和四十一年でございます。それからあと生田川から摩耶、それから若宮までが四十三年、全線開通いたしたのは四十四年でございます。
#104
○土井委員 いま全線は開通いたしておりますか。
#105
○清水参考人 西宮のインターから若宮まで開通いたしておりまして、あと残っておりますのは深江のランプだけでございまして、神戸−西宮線でございます。大阪−西宮線と分けておりまして、名神の連結のところから神戸−西宮線として事業をいたしたわけでございます。
#106
○土井委員 あとは名神に連結されている部分から、先は大阪までというかっこうになるわけですね。
#107
○清水参考人 はい。
#108
○土井委員 それで阪神高速道路の建設時期が、そのように一時期じゃないわけで、それぞれ、ずれがあるわけですね。それぞれの施工されているときに、恐らくは耐用年数をどれくらいとお考えになっていらっしゃるかという問題や、それから、その上を走る車の台数が一日当たり何台くらいだろうというふうな見込みもお持ちになって施工されたに違いないと思うわけですが、その辺はどのようになっておりますか。
#109
○清水参考人 施工時期に伴います維持の関係につきましては、ここは構造物全般といたしましても非常に構造の規模がまちまちでございますし、特に下部構造から橋脚の部分、それから上部構造、それから路面の舗装、それから橋をつないでおります伸縮継ぎ手と、いろいろございまして、おのおの台数が違いますけれども、一番、自動車の通行台数によります影響を受けますのは、やはり路面と、それから伸縮継ぎ手と舗装との段差のあるところだと思います。
 これは、いま申し上げました四十一年に開通いたしました柳原−京橋間が、ちょうど十年たちまして、昨年の十一月でございますけれども、上り下り全線、二日ずつとめさせていただきまして補修したような形でございまして、今年も、ある程度、傷んだ場所は補修する予定にしておりますのと、それから、あと道路構造物の各部分、部分につきましては、何年何年という一つのローテーションと申しますか、一度に重なりましても、なかなか費用の面も大変でございますので、たとえば塗装は八年置きだとか、構造、構造の一つの形に応じまして私どもとして契約いたしまして、逐次、予算の状況によりまして計画ないし実施いたしております。
#110
○土井委員 これは質問に対する御答弁には、いまだ、なっていないようでありますが、大体、耐用年数をどれくらいに見込まれているか。それから一日の車の通行量ですね、台数がどれくらいとお考えになったか。その点はいかがですか。
#111
○清水参考人 耐用年数につきましては、いま申し上げましたように、ごらんいただければ、ああ
 いう構造物一体でございますけれども、橋脚なら橋脚という考え方がございまして、いろいろ手入れをしていっての耐用年数でございますと、大体ああいう現在の主要構造物であれば五、六十年ないし七十年というのが一つの考え方じゃなかろうかと思います。ただし、部品、部品がございまして、やはり消耗品的なものは、先ほど申しましたような年次計画によって計画ないし実施いたしておるという形でございます。
 それから、通行台数につきましては大体、高速道路は一車線一万二千台、一日に通るということで、四車線でございますので四万八千台という計画容量でございまして、神戸−西宮線は現在、十万台通っておると言われておりますけれども、これは各料金所に入りました車が通りましたときの数字でございまして、各断面、断面の交通量をはかってみますと大体、四万ないし六万でございまして、計画交通量の四万八千より、ふえるときもあれば少ないときもある。と申しますのは、一週間のうちでも最近は土曜、日曜が少のうございまして平日の五日間が多いとか、そういうのがございまして、年間平均いたしますと神戸線全線といたしましての、要するに通行台数と申しますか、料金所から入ります車は十万台でございますけれども、各断面を通ります車は、断面の差はございますけれども四万台ないし六万台ということで、計画交通量の四万八千台の上限下限ございますけれども、大体その量でございまして、いまも先生のお話しの補修の計画につきましては、特に先ほど申しましたアスファルトの舗装とか、それからジョイントの段差がつきますところが、高速道路は大体、車が同じところを軌跡で走るものでございまして、特にジョイントのところは、かとうございますので、そこでアスファルトとの間に差が出まして、そういうところは二年ないし三年で部分的に直しておるところがございますけれども、大体は各構造の部品、部品に応じました耐用年数で維持補修の計画ないし実施をいたしております。
#112
○土井委員 いま車の台数は、予定を少し上回る日もあるけれども、ほぼ、そこそこだというふうなお答えでございますけれども、台数と、もう一つ問題になるのは、大型が一体どのパーセンテージで、その中を占めているかということがあろうと思うのです。道路が傷むのは、特に小型よりも大型が通行することによって、ずいぶん違いが出るわけですから。特に大型でも多量の荷物を積載している積載量によって、これはまた違いも、かなり出てくると思うのですね。この大型の車の台数については、予定をされていた見込みどおりに、いま、いっているかどうか、いかがでございますか。
#113
○清水参考人 当初の予定は、大型車と申しましても大体、交通の推定をいたしますときは、貨物と乗用というふうに、よく分けて統計をとるわけでございますけれども、私どもの公団の料金体系が大型と普通車ということになっておりまして、四トン以下のトラック、要するに貨物車全部、普通乗用と同じの換算でございまして、私どもとしては、特に定められた年はやっておりますけれども、貨物と普通車というのは、やっておりませんで、大型と普通車という分け方をいたしますと、昭和四十九年度、これは一月から十二月でございますけれども、この一年度で全体に占めます比率が一二・八だったと思います。それから五十年度は一〇・九、一年たちまして、いろいろ石油ショックの関係などもございまして、全体の台数としては一日平均十万台という通行台数に対しまして五十年度は一〇・九%という数字が出ております。これは当初の計画が、そういう貨物と普通ということでやっておりますので、大型というものの比率とは、ちょっと合いかねると思いますが、貨物というものとしては、とっておりませんので、その点ちょっと数字は申しかねます。
#114
○土井委員 それじゃ、いまおっしゃった数字というのは、ひとつ改めて資料としていただけませんか。というのは私、ここに国道四十三号線の自動車公害の総合調査結果というのがございますが、この中には阪神高速道路公団も実施機関としてお入りになった総合調査なんですね。この中の阪神高速道路についてお調べになっているところを見ますと、芦屋についても西宮についても、四十八年に比べて四十九年は数段、大型車の方の混入率というのがふえている。しかも大型車の率というのは、いま、おっしゃったような四十九年で一〇%程度じゃないですよ、この数字からすると。四十九年の八月二十日現在で大型車混入率というのは芦屋で一六・六になってますわ。それから西宮でも、四十九年の九月十日で大型車の混入率というのは一六・八という数値になっています。前年はいずれも一五%台です。むしろ四十三号線は大型車の混入率という齢が、ずっと、ここ二、三年来、横ばい状態なのです。むしろ少し減りぎみというふうなことも言える。ところが阪神高速道路の側はそうじゃなくて、むしろ大型車の方がふえつつあるという現象を、この資料自身は物語っているのですが、これはいま、おっしゃったことと、かなり開きがあるのですね、いかがですか。
#115
○清水参考人 いま申し上げましたのは、四十九年度と五十年度の比較を私、申し上げました。
 それから、よく交通の統計をおとりになるときに、普通車と大型車という区別が、これは測定員の方もなかなか、むずかしゅうございまして、私どもの方は料金所の徴収員がプレートナンバーを見まして、一番の番号でも大型は少し大きいわけでございまして、これは五トン以上の車でございますけれども、これの統計は、資料と申すよりも、私どもの業務成績の報告としまして、年間通じまして統計をとりましたのが公表されるぐらいに出ておりまして、私がいま申し上げました神戸関係の大型車の数字は、五十年度一〇九というのは間違いございません。ただ、交通量調査のときなどは、そういうトラックがどっと走るものですから、プレートナンバーを一々、確認できませんで、要するに貨物と乗用という分け方でされる場合が非常に多うございまして、それでトラックでも後輪二軸とか前輪二軸、それから四トン車の一軸一軸の車の区別が、なかなかむずかしゅうございますので、もうトラックであれば大型というふうに、交通量調査のときなどは統計をおとりになることが多うございますので、私どもの方は、先ほどもお断りしたように料金徴収の営業体系から出しております数字でございますので、私の申しました四十九年と五十年の比較は間違いございません。
#116
○土井委員 そうしますと、時間がもったいないですから、これは、その間の資料をひとつ御提出をお願いできるように申し上げたいと思いますが、委員長、これをお願いします。よろしゅうございますね。
#117
○清水参考人 はい。
#118
○土井委員 それで要は、その大型車の数字によって、この高速道路では芦屋−西宮間は、万国博覧会が目の前だということで、ずいぶん急いだ工事がなされたということもあるかもしれません。落差がだんだんひどくなってきた。その振動がずいぶんこたえるという声が住民の方々から、ここ二、三年来、出てきているのです。このことは道路公団とされても、よく御存じだと思いますが、これについては今回の法案の中でも、やはり道路整備というふうなことが重点的に取り上げられる施策として出てまいりますから、ひとつ、このことについては先ほど来、聞かせていただいていることを、むしろ芦屋や西宮のそういう声があるという実態にかんがみて、取り扱いをぜひ、やってもらわなければならないと思います。
 ところで、そういうことも踏まえて、いま四十三号線周辺は、その高速道路と重なっている地域ですから、全国の国道の中でも、わけても自動車の振動のひどい場所であるということは言わなければならないと思います。上と下とはさみ打ちというか、相乗作用というのがここで醸し出されて、振動についても、どこからどこまでが下の国道四十三号線から出されているか、どこからどこまでが上を走っている高速道路から出されているかというような、これは測定がなかなかむずかしい問題があろうと思うのですね。相乗作用というかっこうで、つまり、もろに受けるのは、その地域の住民の方だと思うのです。
 確認をしておきたいのは、この一種区域の夜間の基準値が二種区域の基準値に置きかえられて考えられる面がありはしないかという不安が、住民の中にあることであります。これは、あくまで、この部面については、そういう振りかえを夜間についてはお考えにならないでしょうね。この点をちょっと確認させていただきます。
#119
○橋本(道)政府委員 いま御指摘の点につきましては、必要に応じて知事が、そちらにやることができるということが答申の中に入っておるわけです。これは当然そうするものだというような考え方は全く持っておりません。また、することができるというような一般的な物の考え方でいっているわけでもございません。そういう意味で、どういう場合に、そういうことが一体できるのかということの条件等の問題もあろうかと思います。これは建設省でいろいろ、いままで調査されたところ、夜間を六十デシベルに抑えることは非常にむずかしい問題があるという、いままでの実績が、道路の工事、補修その他から見ると出てきている。そういうことから夜間の数値を六十というのを六十五に、どうしても主要幹線道路で、そして、いろいろ対策を打っていく手もできないというような問題も中にあるので、そういう場合に、やはり知事が、住居地域の夜間に対して商業地域の夜間のものを用いることができるというような形にだけ、したのだと思います。ただ、これは法律上のことではございません。
#120
○土井委員 しかし、自治体の特に知事が、そのことを、どのように認識するかという問題に事はかかわるとは言い条、その道路自身は国道であります。この道路の管理者は一体だれなんですか。
#121
○中村(清)政府委員 国道でございますと大体、建設大臣なり都道府県知事が管理いたします。
#122
○土井委員 したがって、法のたてまえから言いますと、知事が、そのことに対して、どのように取り扱うかということにかかっているというふうな体裁にはなりますけれども、道路管理者からすると、やはり国なんですね。建設大臣であって、国なんですね。だから、そういうふうな問題に対する対処としては、国道の中で特に、いま国道四十三号線の例を私は引き合いに出して言っておりますけれども、今回の振動などを考えていくと、顕著に激甚地区であるというふうなことが認識される国道というのは、全国で、そうそう、ざらにないと思うのです。こういう激甚国道というのを、ひとつ国としては何とか特別取り扱いとして考えてみなければならないというお考えをお持ちになりませんか、いかがです。
#123
○小沢国務大臣 実は私は道路関係は、二十八日しか建設大臣やりませんので、素人と言えば素人でございます。そこで同じような考えを持って、特に東京においては環状七号線、関西においては四十三号線というものを徹底的にひとつ、いろいろな公害の苦情が非常に多いところでございますから、それらをひとつ総合的な対策によって、やってみたらどうだということを、部内でよく話し合っておるわけでございまして、そういう意味においては先生のような考えで、特別ひどいところといいますか、典型的なところを重点的に総合的な対策を強力にひとつ推進してみたいという考えはあるかと言えば、ございます。
#124
○土井委員 そろそろ大臣は御出発の時間ですから、私は大事な点を、あと一問だけ聞かせていただいて、どうか御出発をいただきたいと思うのです。
 いまも具体的に総合的にとおっしゃるのだけれども、やはり激甚国道というのは、はっきりしているのじゃないでしょうかね。だから、そういう国道に対しては特別取り扱いを国としてもやっていく。知事の認識いかんということも別にあると思いますけれども、それにも増して国道に対して管理権者として国の方が、その問題に対して直接、これは特に振動のひどい激甚国道であるという対処の仕方をするということは、これは、したら容易にできると思うのですがね。つまり指定国道というふうにしてもいいと私は思うのです。いかがです。
#125
○小沢国務大臣 実は振動だけでは解決しない。騒音も絡みますし、それから特に大気汚染の問題も絡むわけでございますから、そこで、それぞれの法律によって特別な激甚地域としての指定をするということよりも、そういう考え方を同時に同じように持ちまして、そして総合的に各省と連絡をとって重点的に対策を講じていく、そういう考えはある。大いにひとつ各省庁と、私の方が音頭をとってやってみたいと思います。
#126
○土井委員 あと、その国道の問題について聞きたいことは、ちょっとこっちに置いておいて、先に大臣にお聞かせいただきたいのが一つあるのです。それは何かといいますと、やはりこの節、自治体のすでに持っております現行条例との兼ね合いなんです。特にひっかかってくるのは、工場振動なんかについての規制のあり方では、いまの法案が考えているより以上に厳しい条例を持っている地方自治体がございます。たとえば兵庫県なんかの例が、それに当たるかと私は思うのです。ここの手元に兵庫県の条例に対しての中身を私も持っておりますが、これは現行の地方自治体の条例の中でも、兵庫県のみならず、あっちこっちに、これはあるのじゃないかと思います。住宅地域での規制値というのが、兵庫県の場合では現在のこの法案よりも、はるかにこれは厳しいのです。夜間について厳しいのです。だから、そういう点が一つ問題になることと、それから現行法案では届け出制でしょう。兵庫県の場合には条例で、これは許可制になっているのですよ。だから届け出制と許可制というのは、これはやはり、また段階がずいぶん違いますですね。取り扱いがおのずと違ってまいりますから、そういう点からいうと、現在ある条例を、この法律によって引き下げるということ、これはあってはならないと思うのです。だから先ほど一番、最初に聞いたとおりなんですよ。だから自治体の知事の、これに対する取り扱いということで万全を期したいとおっしゃるのならば、やはり、それだけの必要があるから、そういう条例が現に現行条例として持たれているわけですので、その中身を引き下げるということは、この法律の立法趣旨には合わないはずでありますね。そういうことだと、まず一つ思うのです。だから、これは現行条例が本法案の中で予期している基準値よりも強いものを決めたとしても、これに対しては、それは当然だとお認めになりますね、いかがですか。つまり、いまの規制値よりも上乗せ、横出しとよく言われますが、これを地方自治体で積極的に、その土地の実情に応じてやっていくということでなければ、この法案の立法趣旨は実効性に乏しい、こう確認させていただいていいですか。
#127
○小沢国務大臣 私は遺憾ながら同意できないのです。都道府県がそれぞれ、いろいろな条例をおつくりになった基礎になっておる科学的な知見は、昭和四十五年ごろの知見なんですね。私どもは今度その点では非常に自信を持った科学的な知見を基礎にして決めておりますので、そういう点がまず第一点です。いまの兵庫県のゼロですが、大体ゼロというのは測定器にひっかからないという意味ですね。けれども、その当時の測定方法そのものも技術的に非常に不十分な時代でもあったわけでございます。
    〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
先進県がゼロと決めておったものを最近、直しておることもございますので、いろいろ、それから考えてみますと、上乗せ条例というものはこの法律では考えてないが、横出しの方は規定もあるわけでございます。特別に必要な場合の横出しの方はあるわけでありますが、騒音防止法にもございます。それでは、なぜ足を引っ張るのだと言いますけれども、しかし特別に必要な場合には、できる規定もございますから、そういう点を考えれば、まあ科学的に私どもが十分、検討した結果、決めたことについては全国一律にやった方がいい。
 それともう一つは、都道府県の方とも、いろいろ打ち合わせをしたのです。そうしたら、いま先生のおっしゃるような、おれの方はこうやっているから、ひとつ県の事情によって上乗せできるようにしてくれという強い要望よりも、これだけ正確な、測定方法もはっきりし、それから基準値についても検討された非常に権威あるものだから、これをむしろ全国一律のものにしてほしいという希望の方が、実は都道府県との打ち合わせでも多いわけでございます。たとえば工事をやる場合に兵庫県だけは特別のものでやらなければいけない。隣の大阪なり岡山で同じ会社が、さあこっちが終えたから、あっちの兵庫の現場へ移ろうとしても、今度それができないというようなことになってもいかぬし、また一方、規制値をゼロにしておるところは、他の面で相当、住民が犠牲を受けざるを得ない。いろいろな公共事業というものの関連においては地元の利益もあるわけでございますから、そういうようなことが全国的に非常にアンバランスであっては困るのじゃないかというふうにも、私個人の意見ですけれども思うのでございまして、そういう意味で今回は、むしろ国の方が長い時間かけて、最近の最も進んだ科学的知見をもとにしてやるのでございますから、全国一律にやらしていただきたいというのが私どもの考えでございます。これはまことに申しわけないのですけれども。
#128
○土井委員 私は、いままで長官を非常に評価しておったのですよ。ただいま、がっくりきました。一体、何のための規制なんですか。この法案の二十四条「条例との関係」というところをよく読んでみましょう。最後の方で「条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」この法案にちゃんと明記してありますよ。この中には上乗せというのは当然入ってくるのじゃないですか。そうして特に、これは科学的なデータに基づいて今回、権威ある全国一律の規制値を定めたのだから、それに従ってもらいたいということを言われるけれども、科学的なデータに基づいて、現に各自治体では、それぞれの場所で条例というものを制定されてきた経過があると思うのです。全国一律となると、山間、離島と都会の密集地帯とが一律に取り扱われるということでは、かなりの矛盾があるでしょう。山間、離島も都会の密集地も一律に、振動はこれでよいというわけにはいかぬだろうと思います。
 現に具体的にこれを見ていくと、工場振動については、第一種の区域の夜間の基準値は睡眠に及ぼす影響の観点から考えながら、しかも、なおかつ第二種区域においては、この点が無視されて五デジベル上積みされている点というのは問題だと思うのです。このことは科学的な裏づけがあると、恐らく大臣はおっしゃるかもしれませんけれども、第一種区域というのは、本来的には基本的に工場が存在すべき場所じゃないのですよ。だから、夜間の基準値を睡眠影響の限度いっぱいに定めることが、第二種区域の夜間の基準値さらには昼間の基準値を積み上げるのに役立てられているにすぎないということに、結果としてはなってしまうのではないか。第二種区域といえども決して工場専用区域じゃないのです。だから、いまの第一種、第二種区域についての工場振動の取り上げ方というのは、夜間の基準値について睡眠に影響を及ぼさないように配慮されているという点からすると、もう少し考え直さなければならないと科学的に言えるのじゃなかろうかと思うのです。それはいろいろ問題点があると思いますよ。自治体それぞれで、その自治体の実情に即応して、科学的データも裏づけにしながら現に条例がある。この条例を、いまの法案が予定している規制値にまで引き下げろということを、大臣は先ほどの御答弁の結果としては、おっしゃっておるがごとくに私は理解しておりますけれども、それは断じてあってはならないと思うのです。
 そういう点、私は非常に気にかかるので問題として持ってまいりましたが、現に公害防止の資金に対して融資がございますね。この融資のやり方についても、これは新聞紙上にも出ましたけれども、選別制度というのが出てきて、その選別制度の中で選別融資方式というのは、四十九年度まで採用してきた公害防止投資なら所要資金に対して五〇%までの融資比率で一律に融資するという無差別一律方式、これを五十年度からは、五〇%融資のほかに新たに三〇%融資というのを設けているのだが、中身を見ると、国の方で設定している環境基準を上回るような基準値を持ち出している条例を現に実行しつつある自治体に対しては、特に融資の上からいっても、国が予定している基準値よりも厳しい基準値を問題にしているのだから、融資も削るというかっこうで持ち出されているという気配が新聞紙上にも出ているのです。世の中が不況だ、あるいは景気がよい、そういう経済変動に従って基準値に対してのあり方が問題にされたり、融資のあり方が問題にされたり、さらには国の方で一律に考えた基準値に対して、地方自治体の条例の中で、なぜ、いままで上乗せということが問題にされてきたか、そういうことが無視されるような態度で、これの取り扱いが進められたりするということは、もってのほかだと思っているのですよ。公害対策基本法の一条の二項が昭和四十五年に削除されたという由来を、もう一度お考えいただきたいと思います。
 そういう点から考えても、自治体での条例の果たす役割りは非常に大きいということを公害防止の上からも考え、対策からも考えていっていただいて、今回の振動の規制にあっても上乗せということを自治体の条例の中で認めるという態度であって、しかるべきだと私は思いますが、いかがですか。
#129
○島本委員長代理 慎重に御答弁願います。
#130
○小沢国務大臣 融資関係の方では心配はない。いま、おっしゃるような弊害はありません。これは私の方は担当者がおりますから、もし細かい点で具体的に疑義があったら、ひとつ後でやっていただきたいと思います。
 いまのお話ですけれども、なぜ私どもは全国一律にしたか。これは先ほど申し上げたような理由だったわけでございますが、この二十四条は、ちょうど騒音防止法の二十七条「条例との関係」の項と同じ意味で書いたわけでございます。しかし一項だけ落ちている。二項だけを二十四条に直したわけです。一項の方は、法律的に見ますと入念規定で、これを特に掲げる意味はないというのが、法制局とのいろいろ法律上の検討の結果なのでございます。したがって騒音防止法の二十七条と同じように、横出しについては、この規定で読んでいただくわけでございます。二十四条でいける。いま、おっしゃるように、ゼロミリメートル・パーセカンドというものを決められた。ところが今度、私の方の基準で、どうも違うじゃないか、それを一律にやるとすれば、厳しくやっておったところを、もっと引き下げることになるじゃないかとおっしゃるのですが、それは局長ともひとつ、よく論争していただきたいのですけれども、要するに四十五年以来そういうことで決められておったものが、だんだん、いま、むしろ都道府県でも最近のデータに応じて科学的な検討を加えた結果、神奈川あたりでは直してきているわけですから、そういう意味で御了承を願いたいと私は申し上げているわけでございます。
#131
○土井委員 もう大臣の御出発時間が過ぎていますから、どうぞ御出発ください。そして、この問題は私は非常に重要なことだと思いますから、次回に譲ります。ですから、御出発後ひとつ慎重に、もう一度、考えを改めるべく検討していただいて、どうぞ、お帰りをいただきたい。
#132
○島本委員長代理 越智政務次官、こっちの方へ着席願います。
#133
○土井委員 せっかく次官の御出席をいただいておりますが、時計の時間の方も、そろそろ、ぎりぎりに近づいていますので、いまの問題、事が事だけに重要だと思います。ひとつペンディングにして、次回の機会に改めて質問をさせていただくということで、今回は、これで終わりたいと思います。
#134
○島本委員長代理 ただいまの質問は、次回に留保することにしておきます。
 では土井たか子君のきょうの質問は、これで終わりました。
 次回は、五月十四日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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