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1975/05/21 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 災害対策特別委員会 第6号
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1975/05/21 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 災害対策特別委員会 第6号

#1
第077回国会 災害対策特別委員会 第6号
昭和五十一年五月二十一日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 兒玉 末男君
   理事 今井  勇君 理事 島田 安夫君
   理事 高鳥  修君 理事 金丸 徳重君
   理事 柴田 睦夫君
      天野 光晴君    瓦   力君
      塩谷 一夫君    竹中 修一君
      中尾  宏君    羽田野忠文君
      増岡 博之君    宮崎 茂一君
      森下 元晴君    安田 貴六君
      渡辺 紘三君    川崎 寛治君
      山原健二郎君    高橋  繁君
      宮田 早苗君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        審議官     紀埜 孝典君
        農林大臣官房審
        議官      杉山 克己君
        気象庁長官   有住 直介君
 委員外の出席者
        警察庁交通局参
        事官      池田 速雄君
        環境庁水質保全
        局水質管理課長 林   亨君
        文部省体育局学
        校保健課長   遠藤  丞君
        農林省構造改善
        局建設部長   岡部 三郎君
        林野庁指導部長 藍原 義邦君
        建設省河川局開
        発課長     佐々木才朗君
        建設省河川局防
        災課長     井沢 健二君
        建設省河川局砂
        防部長     松林 正義君
        国土地理院地理
        調査部長    西村 蹊二君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  山本弥之助君     川崎 寛治君
  三浦  久君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 寛治君     山本弥之助君
  山原健二郎君     三浦  久君
    ―――――――――――――
五月十九日
 千葉県の農作物ひよう害対策に関する請願(柴
 田睦夫君紹介)(第五七三六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十八日
 激甚災害対策特別緊急整備事業の実施促進に関
 する陳情書外三件(四日市市長岩野見斉外十二
 名)(第三〇〇号)
 豪雪災害対策事業にかかる豪雪債制度の充実強
 化に関する陳情書(福島県南会津郡只見町議会
 議長佐藤格)(第三〇一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 桜島火山の噴火による災害対策
 災害対策に関する件(高知県における災害復旧
 問題等)
 請 願
  一 山形県長井市の特別豪雪地帯指定に関す
    る請願(木村武雄君紹介)(第三五一
    号)
  二 同外一件(木村武雄君紹介)(第三九五
    号)
  三 福井県池田町の特別豪雪地帯指定に関す
    る請願(植木庚子郎君紹介)(第七九五
    号)
  四 千葉県の農作物ひよう害対策に関する請
    願(柴田睦夫君紹介)(第五七三六号)
     ――――◇―――――
#2
○兒玉委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、鹿児島県桜島火山の噴火による被害状況について、政府当局から説明を聴取いたします。国土庁審議官紀埜孝典君。
#3
○紀埜政府委員 五月十三日から十九日までの間に起こりました桜島火山噴火による被害について御報告いたします。
 桜島は本年に入ってからも活発な火山活動を続けておりましたが、去る五月十三日午前七時三十八分、十七日午後一時四十二分及び十九日午前十一時三十三分の三回の噴火により、農作物、公立学校施設に被害が発生いたしております。
 これらの災害による被害状況は、現在までに判明したところによりますと、農作物、公立学校施設合わせて約七千五百万円となっております。
 なお、今後におきましても、桜島噴火に際しましては、被害状況に応じて各般の対策に万全を期してまいりたいと存じております。
 以上で、御報告を終わります。
#4
○兒玉委員長 これにて、政府当局からの説明聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○兒玉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。
#6
○川崎委員 ただいま報告がありましたが、この桜島の火山が最近また活発に活動を始めておるわけでありまして、十三日、十七日というぐあいに軽石あるいは十七日の場合には畳大の噴石が落ちておるというふうな爆発の状況であります。
 そこで、これはまず気象庁にお尋ねしたいのですが、この火山立法をいたしましたときにも噴火の予知対策という問題については、法律の中においても十一条で対策を立てていくというふうになっておるわけであります。そこで、いまの活動状況が相当長期間続くものなのかどうか、その見通しについて伺いたいのであります。それから、十七日の爆発の後、大爆発のおそれはない、こういうことを発表しておられますが、その点もあわせてお伺いしたいと思います。
#7
○有住政府委員 お答えいたします。
 まず、御質問の見通しにつきましてお話しいたしたいと思います。実は昨日、火山噴火予知連絡会がございましたが、この事務局が気象庁にございまして、永田先生を会長といたしまして各大学関係その他関係の方々にお集まりいただいて進めているわけでございますが、そこで議論されまして一応見解として出ましたものは次のとおりでございます。
 昨年十二月以来一時小康状態にありました桜島の南岳の活動でございますが、これは今年二月に一時低くなりましたのですが、その後また上向きになりまして、五月十三日と十七日に顕著な爆発を起こしたわけでございます。これは現在活動期にある桜島火山活動の一進一退を示すものであって、前回の見解にも述べましたのですが、このまま大規模な活動に移行する徴候は依然として認められない。最近、各種の観測手段は改良、強化されつつあるので、現在の技術水準によれば、大活動が近くなればある程度の前兆をつかみ得ると期待されている。今後とも総合的観測を続けて、防災に役立つ情報を得るべく努力を続ける、こういう見解が発表されまして、気象庁におきましても、そういうことで心構えとして持っているわけでございます。
 なお、気象庁といたしましてどういうことをやって体制をとっているかという御質問と思いますので、それにつきまして続いて御説明いたしますと、火山対策の強化につきましては気象庁としても従来から積極的に取り組んでおりまして、桜島火山につきましては、特に精密観測を要する火山ということで、昭和三十年以来火山整備を行いまして精密火山観測施設を整備するとともに、去る昭和四十九年には施設を更新いたしまして観測の強化を図るほか、鹿児島地方気象台には火山専門官を配置しまして常時監視、情報の発表等を行ってきました。近年の火山活動の活発化に伴いまして火山に対する観測体制、研究体制の充実強化、それから一日も早い噴火予知の実用化が望まれておりまして、このため中央防災会議の火山対策の推進に関する申し合わせ及び測地学審議会の火山噴火予知計画の推進についてという建議に基つきまして、火山噴火予知連絡会が昭和四十九年の六月に発足いたしまして、気象庁が事務局となりまして、各省庁それから大学、関係機関との密接な連絡のもとに推進しているような次第でございます。
 桜島火山に対します具体的な推進方策といたしましては、火山活動に直接関連を持つ振動観測施設の更新強化、地殻変動観測のための傾斜計の新設をいたしました。それから、火口周辺の赤外線映像によります温度観測、それから光波測量、地磁気観測等を実施いたしまして、いろいろな分野にわたりまして火山現象の解明に取り組んでおります。火山噴火予知技術はこの火山学の発展とともに次第に向上すると考えられますので、その進歩に応じまして体制の整備を気象庁としても進めていきたい、そういうように思っているわけでございます。
#8
○川崎委員 噴火予知の対策の実用化というのを急ぎたい、こういうことでありますが、というと、いまは噴火予知対策については研究段階であって、実用化まで来ていないということなのかどうか、あるいは進めながらより確度の高いものにしようということなのか。とするならば、それはどの程度のめどでやろうとしておるのか、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。
#9
○有住政府委員 お答え申し上げます。
 火山噴火予知の技術は、現在までのところ観測研究段階であるというふうに思っております。予報を業務的に行うというまでには、学問的の裏づけと、それから方法というものをもう少し確立しないといけないと思っております。特に近代的な科学技術が開発ということを開始いたしましてからまだ日が浅うございまして、大正三年のような大噴火の場合を除きましては、一般に発生する噴火に関して、観測結果とそれから火山活動、どういう観測があったらどういうふうに活動するんだという相関関係がまだ十分把握されていない現状といたしまして、予報を出すまでの技術はまだできていないというふうに思っております。
 現在、常時観測を行っております観測火山というのは、十六火山を気象庁はやっておるのでございますが、異常現象が非常に早く発見されれば、周辺住民に対しましては事前に情報を発表いたしまして注意を喚起するということは可能だと思います。そういうことでございますので、それらの情報を流しますことによって、寝耳に水だというような災害を受けるということはかなり軽減されるようになってきていると考えられております。
 では、十六火山以外はどうだということでございますが、そのほかの火山につきましては、やはり異常現象が発見されますと、機動観測班というのがございますので、これが出動いたしまして、その状況によりまして判断をした上で、異常観測の機動班の観測、それから大学等の観測結果、それを踏まえまして、また火山噴火予知連絡会の検討を重ねまして情報発表を行っているという現状でございます。
 一般に、災害に結びつくような火山活動というのはある期間を置いて発生するもので、通常その都度情報発表を行うということは非常に効果があると思っております。
#10
○川崎委員 そうすると、どれくらいで実用化のめどがあるかということはお答えになっていないわけですが、その点はどうですか。
#11
○有住政府委員 これからの研究、そういうものを積み重ねていきましてやりたいと思っておりますが、いまのところ、めどは何年後ということは申しかねる状態でございます。
#12
○川崎委員 情報の問題でありますが、十三日の爆発の際に、情報を出していなかったんじゃないかと思うのですね。この情報を出す場合には、気象台から県、県から関係市町村、こういうルートで出すそうでありますけれども、実際問題として、それではもう爆発した後になって情報が行くという形になるんじゃないかと思うのですね。まあ出せばオオカミ少年のように不安を与えるんじゃないかという懸念もお持ちだろうと思うのです。というのは、先ほど来、まだ確信がないというか、科学的な確信というものを持っておられないわけですから。しかし、鹿児島の地方気象台もこの二、三年、機械類の配置も行われましたし、テレメーターなども入れられましたし、そういう意味では、大変飛躍的に観測体制というのはできておると思うのですけれども、ただ現状の中でできることはないかと……。だから、ある程度異常がわかればというお話でしたから、それであるならば、もう少しあらかじめ予報しておく、心構えを持たせておくということは、通学の問題もありますし、観光客の問題等もありますし、それらの意味では、もう少し何か予報の組織化というか、そういうのができないかということですね。
 それからもう一つ、それがもう少し進めば、たとえば鹿児島の地方気象台に限って、天気予報とあわせて、テレビ、ラジオ等に、異常な状態になりつつあるとか、少し注意してくれとかいう程度の、ショッキングなやつをぽんと出すと騒動を起こすでしょうから、そこらの予報を鹿児島――つまり現在活発に動いておる、しかも四十万市民が活火山と同居しているという意味では、この桜島と鹿児島市周辺というのは大変特異な例だと思います。だから、それだけに、そこをもう一歩進めていく、それで情報化を進めるということについて、気象庁としては非常に科学的な確信を持ちたいということで慎重を期しておると思うのです。そこの姿勢は私は結構だと思います。結構だと思いますが、もう一歩前進させる方法はないか、そういう検討はされていないかどうかということを伺いたいと思います。
#13
○有住政府委員 ただいまの十三日の件をまずお話しいたしますが、何らかの異常があれば、かなりの情報を提供できるというふうにわれわれは現在考えておるわけですけれども、十三日の段階におきましては、残念ながらわれわれがつかみ得る前兆がございませんで、その点大変遺憾であったと思います。ただ、その十三日の異常がありましてから、その後直ちに情報等を精密にチェックをいたしましたり研究調査いたしまして、十七日にはふもとまで達するような爆発があり得るという情報を十六日には発表することができまして、この点は何とかうまくいったのではないかと思っているわけでございます。
 それから、先生からお話ございました、情報をもう少し頻繁に出せないかということでございますけれども、これも先生がおっしゃいましたオオカミ少年になっては困るというようなこともございまして、やはりある程度の確信を持たないとまずいということを考えているわけでございます。
 それから、一つのアイデアとして先生出されました、予報の中に盛り込んではということでございますが、これも非常にいい考えであろうと思いますが、火山のことに関しまして情報が入りますと、受け取る方のサイドといたしましては、予報の中で申しましても、どういう受け方になりますか、その辺はまたわれわれとしても検討させていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
 それから、一般に発表について、もう少し出し方やなんかについていい方法はないかということでございます。それらについてはいろいろ検討はされておりますけれども、受ける側のこともございますので、今後も慎重に研究していきたい、そういうふうに思います。
#14
○川崎委員 十六日は情報を出しているわけです。そうしますと、その情報を実際問題として機関が口伝えに出していくわけでしょう。口で出すとどういう仕方になりますか、むしろそれよりもテレビなりラジオなりで客観的にやった万が正確を期すことができると私は思うのです。だから、これはここで確実にはお答えができないと思いますけれども、やはり活動期に入っておりますから、その意味ではこれをぜひ――しょっちゅうやれということではないのです、異常が非常に見られるというときには、そういうことをぜひ実用化してほしい、こういうふうに希望しておきたいと思います。
 それから、いろいろ地盤傾斜計なども入れてもらい、地震計も入れてもらっておるわけですが、つまりあの周辺にもっとたくさん地震計を入れることによって確度は高まるわけですから、その点についてはひとつより強化をしてもらうということについて計画がありますならば、お答えいただきたいと思います。
#15
○有住政府委員 気象庁としては積極的に取り組んでおりますので、これからも、先ほど申しました火山噴火予知連絡会その他、そういう場を活用いたしまして、十分な検討を重ねまして研究を進めて、それで研究の段階に応じまして積極的に施設を要するものにつきましてはつけていきたい、そういうふうに思っております。
#16
○川崎委員 それでは、被害対策の問題について、次にお尋ねをしたいと思います。
 今度一番農作物で被害を受けたのはビワでありますけれども、被害農家に対する自作農維持資金の融資という問題、これについては地元なり県なりの方からそれぞれ上がってくると思うのですが、いまこの点についてどういうふうに御検討になっておるかを伺いたいと思います。
#17
○杉山政府委員 まだ被害の詳細が判明いたしておりませんのと、資金需要量について詳細な要請を受けておりませんので、今後その要請を受けました上で実態に合わせてしかるべく対処するようにいたしたいと思っております。
 なお、自作農維持資金につきましては、御承知のように金利五%、それから一般の場合は貸し付け限度百万円でございますが、桜島の場合連続被害を受ける農家が多うございますので、枠につきましては百八十万円ということでもって特別限度額を設けております。貸し付け期間は二十年以内ということでございます。
 そういうことでございます。
#18
○川崎委員 そこで、次に防災の計画ですが、五十年から五十二年ということで防災の計画を立てておられるのですけれども、どうもこの災害は長期化するというか、爆発、火山活動が長期化しておるわけでありますから、五十二年で切られるのでは大変困るわけですね。だから、これまで防災の計画を立てて実施をしてこられたそのことについてさらに検討され、五十三年以降継続してほしいというのが地元の要望でありますけれども、その点についての御検討はどういうふうになっているのか、それから今後の計画を伺いたいと思います。
#19
○杉山政府委員 桜島火山の噴火に伴う降灰等による被害の防除につきましては、御承知のようにいわゆる活動火山法第八条に基づきまして、県において防災用の施設整備計画を定めて、昭和五十二年度を目途に現在事業の遂行に努めているところでございます。国はこれに対して所要の助成を行うということで措置しておりますが、先生御指摘のように、ほかの災害と違ってこれは一回限りでもって終わるというものではない、現にこの間のような相当規模の大きい噴火もあったというようなこともございます。
 そこで、昭和五十三年度以降についてどうするかということでございますが、これは鹿児島県の意見なり要望というものを十分聞く必要がありますが、私どもといたしましては五十二年度、来年度までの事業の進捗状況がどうなるか、その実績なり、それからまた最近におきます新しい噴火等による被害の実情、これらのことを総合的に勘案いたしまして、関係省庁もあることですから、これは協議する必要がありますが、私どもといたしましては前向きに対処してまいりたいと考えております。
#20
○川崎委員 火山立法をなされました後、これは四十八年の何月でしたか、本委員会においてこの問題を審議いたします過程で、救農土木事業として農地の災害復旧事業というものについての御検討を願いました。そして、それに基づいて農林省として降雨量と降灰量というものを同じに見るというか、読みかえるというか、そういうことで制度をつくってもらったことを感謝しておるわけです。ただ、現在は三センチということになっておりますが、この基準の三センチを一センチ以上というふうにひとつ採択基準の検討というのをお願いしたいと思うのですが、いかがですか。
#21
○岡部説明員 降灰の堆積が非常に著しい場合には、先生御指摘のように、災害復旧事業でその降った灰を農地の外に搬出をしなければならぬわけでございまして、降灰に限らず土砂が農地に流入したという場合は皆同じ扱いになっておるわけでございます。その場合に、現在の暫定法におきましては農地の災害復旧として取り扱うものと営農上農家が行うものと区別をいたしておりまして、その限界が土砂の堆積の厚さによって変わっておるわけでございます。一ミリ以上の灰なりれきなりが入った場合は全量災害復旧の対象になるわけでございますが、一ミリ以下の場合は、平均して二センチ以上の厚さがあった場合には災害復旧の対象になりますし、〇・二五ミリ以下、非常に細かい灰の場合には、五センチ以上の被害があった場合に災害復旧の対象として補助対象にするということにいたしておるわけでございます。
#22
○川崎委員 その再検討はできぬということですか。
#23
○岡部説明員 これ以下の厚さになりますと、営農上すき込んでしまった方が搬出するよりも簡単でございますし、その場合には当然酸土矯正等の措置が必要かと思いますが、災害復旧事業としてはこの程度が限界ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#24
○川崎委員 では、次に移ります。
 現在、河川の改良工事については建設省と林野庁と両方で、東桜島の方は建設省、西桜島の方は林野庁でやっておるわけでありますが、改良と災害復旧――先ほど防災営農計画の場合にも認識があったわけですけれども、つまり改良すればそれで済むかといえば済まない。また火山活動によってそこに災害が襲ってくる。非常に厄介なところです。これは本当に関係省庁は厄介だなと思っていると思います。しかし、これは宿命的な状況にあるわけです。とするならば、改良工事と災害復旧事業については現在制度が違うわけだけれども、そういう特殊な事情にあるということについては認識をしてもらえると思います。そこで、この改良と災害復旧という問題について、国が責任を持ってやっていくということについて検討ができないのかどうか、その点を伺いたいと思います。
 それから、東桜島の方で七本、実際今年度から入っておるのは四本ですから、三本はちょっとおくれておるわけでありますが、これを早急に着工してほしいということと、西の方は林野庁が六本やっておるわけですが、これを早期に完成してほしい、つまりテンポを速めるということについてどうであるか、伺いたいと思います。
#25
○松林説明員 お答えいたします。
 ただいまの御質問は、砂防事業と災害復旧による復旧計画との調整ということであろうと思います。これは先生がいまお話しのとおり基本的な法律が違いますので、それぞれ調整をとりながら、どちらが最も効果的であるかということで実施いたしてまいりたいと思っております。現にそういうことで災害復旧につきましても砂防の改良計画に合わせた改良復旧をやっておるわけでございます。砂防関係の改良工事と申しますか砂防工事につきましては、五十一年度から直轄砂防にいたしまして、四本の川については二億八千二百万円で直轄事業を新しく始めることにいたしたわけでございます。それ以外にも、古河良川、深谷川、長谷川あるいは第二古里川といったような河川につきましては、鹿児島県の補助砂防事業としまして、やはり五十一年度一億九千万ということで実施いたすことにいたしております。
 それからもう一点、今後早急にこの改良を進めるということについてでございますが、建設省といたしましては、桜島の南側の河川七本を将来直轄にしていくことにしております。また、北側の万の小河川が八本ほどございますが、これにつきましても、上流は林野庁の治山事業でやりますが、下流の方につきましては県の補助砂防事業で実施するということで考えております。
 いずれにいたしましても、五カ年目の改定が来年度に迫っておりますので、その中で十分配慮いたしたいと考えております。
#26
○藍原説明員 治山事業の場合、先生から御指摘がございましたような施設災害復旧とそれから一般の災害復旧、改良との関係でございますけれども、堰堤等が壊れた場合には施設災害という形にいたしますけれども、一般に山腹の被害につきましては、復旧を中心にした形でやってまいりますので、その辺の問題はさしてないのではなかろうかと考えております。
 それから、桜島の治山事業でございますけれども、従前五十年度までは一般の補助治山で、県が十年間に金額といたしまして約七億ばかりの金を投じましてやってまいりました。ところが、先ほど来お話ございますように、最近桜島の活動が活発になりまして被害が大きいということで、四十九年度に建設省と合同で調査をいたしまして、五十一年度から直轄で治山事業をやるという形に検討いたしまして、現時点の計画といたしましては、金額にいたしまして約四十億の事業費で直轄でやっていこうという考え方で五十一年度から事業を実行いたしております。したがいまして、私どもといたしましては、現時点のこの計画をできるだけ早期に完成するように今後とも努力してまいりたいと考えております。
#27
○川崎委員 それでは、次に鹿児島湾の奥の方の水銀汚染の問題について伺いたいと思います。
 この鹿児島湾の奥の水銀汚染の問題は、水俣などとは違う、日本では他に類例のない汚染だと思うのです。そこで、大変むずかしい問題でありますが、どうも次々に違った調査結果が出てまいりますので、この点について少しお尋ねをしたいと思います。
 四十九年に鹿児島県が調査をやり、桜島の海底噴火を汚染の犯人だ、こういうふうに結論づけたわけでありますが、五十年四月の発表になります環境庁と鹿児島県の報告書を見ますと、「海底火山活動に伴う水銀の排出によるという自然現象が主たる汚染原因であると疑われる。」ということで、「主たる」そして「疑われる」というふうに、この辺は逃げているというか、慎重に構えておるわけであります。もう一つ、ことしの四月に、東京工大の小坂教授たちの、文部省の科学研究費による調査報告が出されたわけです。今回の調査では、水銀汚染と海底火山との結びつきは見つけられなかった、こういうふうに小坂教授たちは結論づけておるわけです。
 そこで、三つの報告の関連をまずお尋ねしたいと思うのですが、県が出したもの、そして県と環境庁が共同でやったもの、これは関連がありますね。その環境庁と県が出しました報告書の最後に「そのための学問的研究を期待するものである。」とありますが、この期待するものというのが今度の小坂教授たちの研究である、こういうふうに関連づけなければならない、私はこういうふうに思います。当然それは総合的な調整がなされなければならないと思うのですね。ばらばらではないと思うのですが、県のもの、環境庁と県の合同調査、それから学者のものという三つの段階を見ますと、だんだんおかしくなってきているわけですね。おかしくなるというのか、違った結論が出てきておる。これは周辺の住民にとっては、原因が究明されて大変安心されるのじゃなくて、だんだんわからなくなってくるわけですから、この三つの関連をどういうふうに環境庁として考え、そして今後どのようにこの問題を解明しようとしておられるのか、その点を伺いたいと思います。
#28
○林説明員 お答え申し上げます。
 先生よく御存じのように、昨年の四月に環境庁と鹿児島県と一緒に、鹿児島湾の湾奥部の水銀汚染に関しまして発表いたしまして、いま先生おっしゃいましたように、いろいろ排出源の調査をいたしましたけれども、いずれもこれが鹿児島湾の湾奥部の水銀汚染の主原因だと断定するに至りませんで、その結果、桜島がございますし、あるいはそれに伴います海底噴火による水銀の排出が主たる原因ではないかと疑われるということで、五十年の四月の発表はそのように申しておったことは事実でございます。ただ、同時にそのときにも、しかしこの海底火山活動によるものかどうかにつきましてはまだ学術的に十分解明できていない、ただいま先生もおっしゃいましたように、今後のそういった学術的な解明に期待するというふうに確かに申しております。
 その結果、大変急ではございましたけれども、文部省の特別なお取り計らいで学術研究の助成をしていただきまして、長年桜島の火山活動の観測をしていた方あるいは火山学者の方々が集まられまして、研究班を組織しまして、文部省に報告書を提出され、今月の十七日に火山学会で学術研究として発表がなされたものでございます。
 ただ、その発表されました報告書を、主たる研究者でございます東工大の小坂丈予先生から伺いましたのですが、何せ一年という限られたごく短い期間中の、しかも限られた日にちの調査であったというところから――火山活動は通常大変消長がございますので、その調査期間中に限っていきますと、海底火山の存在というものは認められたけれども、調査期間中はきわめて静穏であったというのが結論になっております。
 それでまた、それに付言いたしまして、さらに海底火山活動によるものかどうかを解明するためには、今回できなかった海底におきますたとえば噴気の採集とか、それから今回発見できませんでした高い温度の水温界がございますが、これも海底へ水温計をさして計るとか、あるいは今回やはりできませんでした水中深くもぐってテレビカメラ等で確認するといったことをなお継続して行わなければならないだろうということを、付言して報告書にも書いておられます。
 私どもといたしましては、いろいろと排出源について、あれではないか、これではないかということで農薬から工場の排水から皆調べまして、水銀汚染調査検討委員会の先生方に御検討いただきましたが、あの時点での調査では一応それらはどうも白ではないかということで、火山ではないかということで学術研究班に調べていただいたのです。一年というような短期間ではとうてい無理だということですので、私ども今後検討委員会の先生方にもまた御相談いたしまして、それから今回火山活動の学術調査をしていただきました専門の先生方にもなおよく十分御意見を徴し、それから私ども別途指示いたしまして、鹿児島県に水質の調査や、あるいは水産庁さんに魚の水銀濃度の御調査もまたしていただいております。ですから、鹿児島県とも相談いたしますし、それからまたそういう水産庁さん、あるいは海底地形等の今回の学術調査にも加わっていただきました海上保安庁さん等、関係省庁と十分よく相談いたしまして、少し継続的に総合的な検討をこれから進めてまいりたいというふうに考えております。
 大変まとまりませんでしたが、以上がお答えでございます。
#29
○川崎委員 そうしますと、結論は、環境庁それから文部省の科学研究費、それから海上保安庁、そういう関係省庁でプロジェクトチームをきちんとして、予算化をして長期のやつをやります、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
#30
○林説明員 ただいまの点でございますが、文部省の学術調査につきましては、五十年度緊急的にということでしたので、それから学術研究助成というのは、文部省から承っておりますところから判断いたしますと、必ずしも継続的にステープルに助成していただけるとは限りませんので、今後予算をどのように確保して継続的に調査するか、それから県においてやる分はどうするかということについて、まだ現在時点で確定した考え方を持っておりませんけれども、先ほど申しましたように、先生方とよく御相談しまして、何をどの程度に、どの期間、金を幾らかけて調査すればいいか、先生さっきおっしゃいましたように、いろいろと漁民あるいは県民にあっちではないか、こっちではないかと不安を与えないで、ある程度詰めた答えを得るのにはどのようにすればいいかということを、これから相談をいたしまして決めたいと思います。そのつもりはいたしております。
#31
○川崎委員 環境庁が主たる責任官庁としてやっていくということだけは明らかですね。
#32
○林説明員 環境庁は、環境の保全にかかわりまして、お取りまとめ役をさせていただいております立場から、今回の鹿児島湾につきましては引き続きまとめ役として検討させていただきたいと考えております。
#33
○川崎委員 時間を超して恐縮ですが、最後に国土地理院にお尋ねしたいと思います。
 桜島沖の新島が一部海中に陥没しておるわけですが、その原因調査を科学技術庁が国土地理院に委託をして、国土地理院が調査をされたと思います。結論が出ておるのかどうか、そのことを伺いたいと思います。
#34
○西村説明員 お答えをいたします。
 本調査は、国土地理院と地質調査所と海上保安庁水路部の三機関が担当いたしまして、総合推進が科学技術庁でございます。
 それで、調査の経過でございますが、本調査は全部完了しております。現在、解析を盛んに行っておりまして、三省庁とも今月いっぱいに結論を出し、そして三省庁のまとめを七月いっぱいに完了する予定でおります。
 以上でございます。
#35
○川崎委員 終わります。
#36
○兒玉委員長 山原健二郎君。
#37
○山原委員 昨年八月の台風五号、六号に関係をしておる問題について質問をします。
 昨年の八月以来かなりの日数がたっておりますが、また目の前に雨期を迎えまして、炎害を受けました市町村、特に今度の場合は過疎地帯、財政のきわめて貧弱な地域が大きな被害を受けているわけですが、その炎害復旧工事も余り効果的に前進をしていない。いろいろ努力はされておりますが、そういう中でまた少し雨が降れば復旧工事がもとへ戻るというような一進一退というような状態もありまして、各市町村の自治体関係者におきましても、六月、七月を目の前にしまして、雨が来ないように心の中で祈っておるというようなことが聞かれるほど、皆心配をしておるわけでございます。
 この問題について幾つかお伺いしたいわけですが、一つは高知県土佐郡大川村県道の川崎で起こりましたスクールバス転落の問題についてでございます。
 最初に、このバス転落のために、二十四名の中学生が重軽傷を負うという事態が発生をしました。幸い死者がなかったわけですが、しかし一名は重体という状態でございます。この原因につきまして現在調査がなされておると思いますが、現在わかっておる範囲での原因調査の結果はどんなになっておりますか、警察庁の方おいでておりますので、伺いたいと思います。
#38
○池田説明員 去る五月十三日の午後五時三十分ごろ、ただいま御質問の高知県土佐郡大川村川崎のウノタキ橋西方約五十メートルの地点に仮設されました炎害復旧工事現場の仮橋におきまして、大川村立大川中学校の生徒二十四名を乗せましたスクールバスが仮橋を徐行しながら通過中に、中ほどから割れて落ち込んだために、バスが前部を下にして滑り台を滑り落ちるように転落し、そのため運転手一名及び中学生二十四名、計二十五名が治療二カ月ないし五日間、こういったような重軽傷を負われておる事案が発生いたしております。
 この原因等につきましては現在捜査中でございますけれども、車は高知県の土佐郡土佐町の嶺北観光自動車という有限会社が所有いたしておりますマイクロバスでございます。運転手は四十九歳の方で、経験の相当深い方でございます。問題の仮橋でございますけれども、先ほど御指摘ございましたように、昨年の八月十七日の台風五号によりまして県道が削り取られました後へ仮設されたものでございまして、昨年の九月二日完成、こういうことになっております。この仮橋は、構造が、H型鋼を橋げたにいたしまして、その上に丸太を並べ、さらにその上に土を盛ったものでございまして、その部分の幅員は約三・五メートル、全長二十一メートル、こういうことになっておりまして、この中間地点にH型鋼三本を立てた支柱があるわけでございます。この事故の原因につきましては、現在までのところ現場検証は終了いたしましたけれども、こういった事情でございますので、専門家の鑑定が必要であるという前提に立ちまして、現在、国立の高知工業専門学校の専門家の方に鑑定を委嘱いたしておりますので、その結果等を待ちながら、いままでの事情等を詰め合わせまして、総合的に原因あるいはその責任を負うべきものがあるかどうかについて判断をいたしたい、こういうように考えております。
#39
○山原委員 私も現地へ参りましたが、運転手の方もかなりのけがをされておるわけですが、かなり長い運転経歴を持った方でございまして、運転上のミスはもちろんなかったと思います。ここは御承知のように、早明浦ダムの水位のぎりぎりのところ、そこにあるわけですが、ダム建設に当たっての擁壁が果たして岩盤にまで達しておったかという、そういう疑問があるわけです。これは仮橋をつくった業者の問題ではなくて、むしろそのダム建設に伴う擁壁の問題として、それが台風五号によって崩壊をしていくわけですね、その現地を見ましてもそういう疑問が私には生じたわけです。また、国立高知高専の先生方の意見の中にもいわゆる浮き石論というのが出ているようですね。というのは、ダムの水が満水になる、そして洪水で水が上流から出てくる場合に、水位のぎりぎりのところ、ここがバックウォーターということで地盤が揺すられるわけです。そのときに擁壁が果たして適切にできておったのか、ダム建設当時の水資源公団の行った設計にミスかあるいは不十分な点があったんではないかというふうに思うわけでございますけれども、そういう点については検討がなされておるのでしょうか、お答えいただきたいのです。
#40
○池田説明員 ただいま鑑定を依頼しておりますので、その結果を待ちまして、どの範囲のどういう点に原因があり、どういうものに責任があるか、そういうものを解明してまいりたいというふうに思っております。
#41
○山原委員 この仮設の橋は、いまおっしゃったようにH鋼でやって、そして橋脚もH鋼でやっております。ところが、最初は六トンの車両制限、次に危ないというので、四月の段階では四トンの車両制限をやっておりますけれども、しかし実際は十五トン、二十トンのダンプがどんどん通っているという状態なんですね。ここはもう全くの過疎地帯でございまして、人口は減っていますからそれほど乗用車が通る状態ではありません。しかし、上流における揚水発電の工事が始まるとか、あるいは災害復旧のためのトラックが走るとかいうようなことは、これは全部規制するというわけにもいかぬと思うのです。しかしながら、かなり監視をし注意をしなければ、しかも岩盤に果たして橋脚がついておるかどうかという疑問もまたあるわけですけれども、そういういわゆる仮設の橋を揺さぶっていく。たまたまそこへ通りかかった児童を乗せたスクールバスがその犠牲になるということですから、警察の方としては、こういう点についての規制ですね、むずかしい面もあると思います。しかし、同時にこの橋に対する注意といいますか、これは建設省の問題かもしれませんが、そういう点はどうなんでしょうか、全く野方図にいっていいというようなものでもないと思うのですがね。その辺どんなふうに報告を受けておりますか。
#42
○池田説明員 橋等につきまして構造上の必要から重量制限をしなければならない、こういうことになりますと、一次的な規制の責任者は道路管理者の方がされるたてまえになっているというふうに思います。ただ、この現実の本件の場合におきましてどういう規制が具体的になされ、それがどういうふうな形でやられていたかという点につきましては、まだ現在捜査中でございますので御了解いただきたいと思いますが、一般的に申しますと、そういう現実の必要があり、またそれの規制がされているということでございましたら、またそれも取り締まり等で担保しなければいけない、こういうふうに考えております。
#43
○山原委員 これは一つの不幸な経験を味わったわけですが、聞いてみますと、たとえば高知県では三十の学校で三十七台のスクールバスがこういう山間、谷合いの道を通って子供たちを運んでいるわけですね。これは恐らく全国的に見ましても、学校統合とかいうのが行われている今日の状態ですから、相当のところでこういう問題があると思います。たとえば高知県の日高村、これは台風五号でやられたところですが、そこの能津線というのも、これは行ってみますと全く危険地帯をスクールバスが走っておる、こういう状態なんです。文部省の方もおいでていただいておると思いますが、文部省あるいは建設省あるいは警察の方でも相談をいただきまして、スクールバス路線については特別な配慮といいますか対策といいますか、それが必要なのじゃないかというふうに私は思うのです。このままでいけばまたどこかで事故が発生をする、そして起これば――幸い今度は人命の損傷がなかったわけですけれども、起こりかねない山間、谷合いを走っているという状態ですね。その点でスクールバスについて特別の配慮といっても、それなら普通自動車は落ちてもいいのかと、こうなりますから、そうではなくして、やはり子供たちが定期的に登校する、あるいは下校するというこのバス路線についてはかなりの検討が必要だと思いますが、この点文部省の見解を聞きたいわけです。それから、建設省の見解も聞きたいのですが、どうでしょうか。
#44
○遠藤説明員 従来から児童、生徒の通学のための安全の指導ということを一般的に文部省としても行ってまいりましたし、これからも行っていくつもりでございますが、今回の事件のようなスクールバス、運転手のミスではないようでございますけれども、スクールバスそのものの安全――従来指導してまいりましたのは、スクールバスに乗ったりおりたりするときに十分な配慮をするようにというようなことを重点に行ってまいりましたけれども、今回のような事件がございましたので、さらにスクールバスそのものの運行の安全といったようなものについても今後関係省庁あるいは関係機関とも連絡をとりながら、安全が保たれるように指導してまいりたいと思っております。
#45
○井沢説明員 担当が道路局でございますので、後ほど道路局の方から先生の方に差し向けてお話しさせたいと思います。
#46
○山原委員 建設省、文部省あるいは警察庁の方でも、これを契機にして御検討をいただきたいと思います。
 次に、台風五号によって災害を受けたたとえば高知県高岡郡日高村の場合です。これは全戸が浸水をしまして、ここで一番多くの死者が発生をしております。小さな村ですが、この村で、この災害復旧あるいは設計その他の人件費が大体七千万円要っております。その中で外注をしました千八百万円の二分の一を国が補助するということで、約九百万弱の補助が出ておると聞いております。しかし、全体としますと、この日高村にとりましては弱小な財政の中で赤字再建団体に転落する、あるいは村の他の事業も一切ストップするという状態です。これは日高村だけではありません。災害を受けました伊野町その他そういう状態にあるわけですが、こういう事態に対して何らかの打開の方向というものはないのか、災害を受けた市町村の宿命だというふうにあきらめるものなのかどうか、そんな点検討されておりましたら御答弁をいただきたいのです。
#47
○井沢説明員 災害の場合には、一番最初にいろんな対策の金が要ります。それから、私どもの災害復旧でございますと、そういう調査をして査定を受けるまでの経費が要るわけでございます。査定が済んだ後で、それを実施する経費がまた要るというふうなことになります。その場合に、査定の済んだ後の経費については、事務費と工事雑費というのがありますので、それを使えばかなりなところまでいけると思います。それから、その前の査定の段階でございますが、査定の段階は、前にも当委員会でもいろいろ議論になったところでございますが、いまのところでは査定まではその提案者の事務だというふうなことで、提案者がみずからやれというふうなことになっておりまして、そのために私どもとしては特例的に、今回のような大災害に対しましては、設計委託費のよそに委託した分についての半額を補助するというふうなことで、実はそういう補助を出したわけでございます。
 それで、実際の補助をやってみますと、建設省の場合で国庫補助の対象の設計委託費が七億ちょっとぐらいありまして、それに対する補助としてその半分を補助いたしておるわけでございます。ところが、これを全体的に見ますと、県の場合には大体そういうふうなところで賄っておるわけでございますが、町村の場合にはやはりこれよりもよけいかかっておるような面があるようでございます。それで、現在その中身について、どんなふうなことでよけいかかっておるのか、そういう調査を実はやりたいというふうに考えております。
#48
○山原委員 これは日高村、鏡村、伊野町その他関係がありますが、ぜひ調べていただいて、実態をつかんでいただいて、そして市町村財政というものを考えながら復旧に当たっていただきたいと思うわけでございます。
 日高村の災害の原因となりました日下川という川がこの村の真ん中を流れているわけですが、この改修計画は現在県の方から出ておるでしょうか。
#49
○井沢説明員 現在出ておりまして、中小河川とそれから今年から創設されました激特制度でやることになっております。
#50
○山原委員 もうちょっと詳しくわかりますか。日下川の改修というのは大体何年度ぐらいまでに完成できるような予定でしょうか。
#51
○井沢説明員 日下川につきましては、本川部分は直轄でございますが、支川部分は県の補助になっておりまして、今回の激特の部分につきましては、いまトンネル放水路がございますが、その上流にもう一本本川に直接トンネル放水路を掘りたいというふうなことで、これは直轄工事として取り上げたいというふうにいたしております。
#52
○山原委員 次に、この日下川とちょうど似たような高知市の鏡川、土佐市の波介川、こういう川の計画についてもお聞きしたいと思っているのですが、その計画も大体完了しまして明らかになっていますか。
#53
○井沢説明員 鏡川につきましては、高知の市内を流れている川でございますが、これにつきましては、大原町地点から約一・七キロ、及び支川でございますが神田川というのがございます。小さな川でございますが、これの場合には二・六キロ区間につきまして改修を促進するというふうなことで、これも激特と中小河川と両方でやることにいたしております。
#54
○山原委員 次に、ダム災害の問題について二、三お聞きしたいと思います。
 ちょうどここにありますのは、今月の八日、九日の両日、福島県大沼郡の金山町で開かれました全国水問題協議会というところのシンポジウムで、石川県立農業短期大学の佐原甲吉教授が発表しておるものですが、その中身はここで申し上げるだけの時間はありません。ただ、「ダムの村は滅び、滅びる村にダムは入り込む」こういう見出しが出ておるわけでございます。そして、かなり綿密な調査、特に只見川の流域を調査した結果が報告されておるようでございまして、ダムを抱えておる自治体にとりましてはかなりショッキングな報告がなされているわけであります。私ども調査したわけではもちろんありませんけれども、この「ダムの村は滅び、滅びる村にダムは入り込む」という言葉は、何かぴったりするような感じがするわけです。
 そこで、たとえば私の県はダムの大変多い県でございます。そして、一番新しいダムは早明浦ダムです。それから、これからつくられようとして、現在すでに着工して工事は着々と進んでおります仁淀川の大渡ダムという巨大なダム、こういうダムがあるわけです。早明浦ダムの場合、早明浦ダムの堰堤の直下に高知県長岡郡本山町大又地区というのがございまして、ここには九戸、二十六名の方が生活をいたしております。この九戸の方たちが全員、もうこのダムの直下にはおれない、それはダムの放水が台風五号のときには毎秒二千五百トンという、計画を超過した放流がなされまして、下のダムの直下の防災工事が崩れてしまいました。そして、物すごい水しぶき、そして地響きで本当に恐怖のどん底に置かれて、九戸の方たちが移転をしたいという要請をしております。これは町当局もその点では一致しまして、この九戸は移転すべきであるということで、しばしば国に対しても要請をしてきているわけでございますが、この問題は私もいままで取り上げたことがあります。また、一定の御答弁もいただいておりますが、現在どういうふうに発展をしておるか、解決の方向に向かっているかどうか、この点を伺っておきたいのです。
#55
○佐々木説明員 お答えいたします。
 先般の委員会で先生からいろいろな御要請がございまして、そのとき処理方針を一応御説明申し上げたわけでございますが、引き続きまして水資源開発公団あるいは四国地方建設局の方から、御説明いたしました方針を文書で県の御当局の方へ出しまして、御協力いただくような要請をいたしまして、あわせましてその節お約束いたしました護岸問題であるとか、パラペットの問題であるとか、河床整理の問題であるとか、鋭意進めまして、三月末日現在それらのものは竣工いたしております。なお、もう少し抜本的な落下エネルギーの減勢工、これはちょっと水理模型実験等もやるので若干時間をいただきたいとその節お願いをいたしましたが、その水理模型実験も近日中に終了いたしまして対策工法が決定できるめどがついております。
 大又部落の方々へはそういった対策を講ずるということで、ひとつ移転問題については御了承願いたいというような折衝を、その後再三にわたりまして水資源開発公団の方から、町当局あるいは直接住民の方々と接触を持ちながらやってきておるわけでございます。つい最近、五月七日でございますが、水資源開発公団が、町の当局あるいは町の議会また大又地区の居住者の方々に対しまして中間報告会をいたしました。それで、そのときに、いろいろこういった対策は進めたわけでございますが、もう一つ放流時の騒音問題についてひとつこれから検討を進めていかなければいけないということで、町当局のお立ち会いをいただきましてそういった測定を出水期にやろうじゃないかということで御出席の方々の皆さんの御納得を得まして、そういうことを決めたわけでございます。
 ただ、その中間報告会が農繁期でございましたので、九戸のうち三戸の方しかお集まり願えなかったというような事情がございまして、町の当局からも全員にひとつ説明をしてくれぬかというような御要望がございますので、これは五月末日に再度そういった説明会等をやるという段取りをいたしておるわけでございます。その節先生から御要望のありました、地区の人々に何とか不安が残らぬようにぜひ事を運んでくれといった御趣旨に基づきまして、一生懸命努力をいたしておるというふうに御了承いただきたいと思います。
#56
○山原委員 昨日、私はまた町の方へ電話を入れましたが、町としては水資源公団とも話をしておるけれどもなかなか進まない、公団としてはいまお話のあったように河床の整備とかあるいは波よけをやるというふうなお話が出まして、その中でしんぼうして、何か対策を立てるからよろしくというお話なんだけれども、しかし九戸の方たちの意見としては、やはりここではもう住むのはいやだという意見が強いんだということですね。だから、その気持ちを押しつぶすわけにはいかぬと私は思います。したがって、いろいろ対策は講じてみる、それは当然やるべきことですが、同時に、もっと深めた話をしていただきたいと思うのです。これは要請として御質問いたしませんが、たとえばこの早明浦ダムのできるときは、絶対に迷惑をかけるようなことはしないんだ、これはいつでもダム建設のときには言われることでありますけれども、口が酸っぱくなるほど言ってきたのが水資源公団の姿勢なんですね。それがこういう事態になってまいりますと、なかなかうまくいかないという事態ですね。だから、これは十分話し合いもしていただきたいと思いますし、場合によっては大英断を下す場合も考えられると思いますので、なお十分な検討と話し合いを要請しておきたいと思います。
 もう一つの問題は、いま建設されつつある仁淀川上流の大渡ダムの問題であります。これは大渡ダム建設と同時にこの水を高知市に取水するという問題があるわけです。ところが、この取水口の下に土佐市というところがありまして、これは伝統的な製紙産業の工場のたくさんあるところであります。しかも、この製紙産業はほとんど伏流水を使っているわけでございまして、その製紙産業の工業会から、上流において水を取水されたのでは困るという意見が出ております。そういう心配が現在の取水口の計画でないのかどうか、この点伺っておきたいのです。
#57
○佐々木説明員 お答えいたします。
 大渡ダムは先生御案内のように、治水と高知市の上水道用水の供給とあわせて水力発電をやるといったことでスタートいたしておるわけでございますが、下流の水利用のあり方につきましては、計画段階で非常に気を使って計画立案をしてございます。
 内容をお話しいたしますと、新しく水を取る高知市に対しての貯水容量確保とかそういったことは当然のことでございますが、既得の農業用水あるいは河川を維持するために必要な、われわれの方で維持用水と申しておりますが、そういったものも十分確保する、こういった計画内容になっておりまして、これを貯水容量で表現いたしますと、いわゆる従来の既得用水の確保あるいはその河川維持のための維持用水の確保といった点から、一千万トンの貯水容量を設定してございます。それから、高知市の水道のためには、三百万トンの貯水容量を設定してございます。それで、一千万トンの利水容量を下流既得者の保護のためにうまく運用いたしますと、毎秒十トンぐらいの水が高知市が水をとった後でも流れるというふうな計画になっておるわけでございます。
 高知市の方の水道の取水の計画につきましては、これはダムの計画段階で決定するということでなしに、高知市からの申請を受けて水利権の処分といたしまして許認可の方にかかるわけでございますが、その高知市からの申請はまだ参っておりませんので、水利施設の細部についてはただいまのところはっきり承知をいたしておりませんが、申請の審査段階で不都合のないように措置をいたしたい、こういうふうに思っております。
#58
○山原委員 この仁淀川という川ですね、かつて仁淀川分水というのが愛媛県に対して行われたわけです。これは昭和三十五年に決定をしまして行われまして、そのときに、取水をしても下流には影響がないということで高知県側はこれを認めた経過があるわけです。ところが、実際に取水が始まってみますと、仁淀川下流のハウス園芸地帯、特にスイカその他ですね、そこに水量の不足が出てまいりまして、海からの塩分が逆流してくるという、こういう状態が起こったわけです。したがって、この分水という問題についてはかなり関心も高いし、警戒心もあるわけですね。ところが、製紙産業の場合は、水なくして製紙はできないわけですから、その取水によって伏流水が減ってくれば、これは当然影響してくるというので、この問題については土佐市だけでなく対岸の伊野町、ここも製紙産業の発達しておるところでありますが、両方からこの取水に対しては疑問が出ておるわけです。この疑問に対しては、相当科学的にもその心配がないのであればないという、そういう見当というものを話さないと納得しないのは当然のことでございまして、これから計画がどう発展するかわかりませんが、この点についても十分な話し合いと科学的な調査、これをぜひやっていただきたいと思っておりますが、その点よろしいでしょうか。
#59
○佐々木説明員 水利権の処置の段階で、いろいろな既得の権利者との話し合いというものが当然高知市において行われると理解しております。われわれの方も、審査に当たりましても単にダム計画に織り込んであるからということでなしに、御趣旨に沿いまして十分慎重に審査するようにいたします。
#60
○山原委員 最後の一問ですが、私どもダムがすべて悪いなどと言っているわけではありません。たとえば早明浦ダムにしましても治水の効果はあるんだということは町当局も言っております。その点を否定するわけではありません。しかしながら、ダムのあるところ、たとえば物部川の上流にあります永瀬ダム、ここには物部村という村がありますが、現在崩壊個所がつい最近の雨でも十三カ所起こっています。ダムがつくられたところの崩壊というものはすさまじいものでありまして、そういう点では、この永瀬ダムというのはかなり前につくられたものでありますけれども、そういう崩壊が起こりまして、これまた村当局にとっては毎年毎年頭痛はちまきという状態ですね。したがって、私はこのダムの問題については半ば永久的に補償できる体制をつくる必要があると思います。そうでなければ、ダムの建設されるところは山間僻地の町村でありますから、そういう意味でも町の財政もとてももたないという事態でございます。そういう点、当然半ば永久的な補償体制をつくるということを一つの提案として私は申し上げたいのですが、そんなことを検討したことがありますか。
#61
○佐々木説明員 ダムの管理段階に入りましてからの予算措置でございますが、直轄ダムにつきましては、直轄堰堤維持費といったもので対処いたしております。水資源開発公団には管理費の交付金を出しております。また、府県に対しましては、堰堤改良費の補助であるとかあるいは修繕費の補助であるとか、こういった内容で予算措置をいたしておるわけでございます。また、環境面等に対しての配慮のために、昨年からダム周辺環境整備費の補助といった予算措置もいたしておるわけでございます。
 それで、それらの費目の中で別に直接損害があったときに対処できないということではございませんので、予算措置の上からはいま申しましたようなことで対処できる道は開かれておるわけでございます。ただ、先ほどの地すべりその他崩壊等につきまして、ダムに直接起因するものか、あるいは自然な状況において発生したものか、その辺の取り扱いにつきましては、これはいろいろむずかしい面もございまして、いろいろな費目で対処しておるというのが実情でございます。
#62
○山原委員 いろいろの対策はあると思いますが、しかしながらこういう声が出ておることもまた事実でございますから、なお一層この問題については検討をしていただきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。
     ――――◇―――――
#63
○兒玉委員長 これより請願の審査に入ります。
 今会期中本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に記載してありますとおり四件であります。請願日程全部を議題といたします。
 まず、審査の方法についてお諮りいたします。
 各請願の内容については、文書表等ですでに御承知のことでありますし、また先刻の理事会で内容は十分に御検討を願いましたので、紹介議員の説明等を省略し、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、第一ないし第三の各請願は、いずれも特別豪雪地帯に指定されたいとの趣旨でありますが、昭和五十一年四月九日付をもってすでに特別豪雪地帯に指定され、その目的を達成いたしておりますので、議決を要しないものと決し、第四の請願につきましては、採決の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#67
○兒玉委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、災害による個人被害救済措置確立に関する陳情書外三件であります。念のため御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
#68
○兒玉委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 先刻の理事会におきまして協議いたしましたとおり、災害対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、お諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中に設置いたしました災害対策の基本問題に関する小委員会につきましては、閉会中も引き続き存置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、審査のため委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、派遣委員の氏名、人数、派遣地、期間、その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○兒玉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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