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1949/03/27 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第20号
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1949/03/27 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第20号

#1
第007回国会 農林委員会 第20号
昭和二十五年三月二十七日(月曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 安部 俊吾君 理事 野原 正勝君
   理事 松浦 東介君 理事 八木 一郎君
  理事 藥師神岩太郎君 理事 山村新治郎君
   理事 小林 運美君 理事 山口 武秀君
   理事 吉川 久衛君
      青木  正君    足立 篤郎君
      宇野秀次郎君    遠藤 三郎君
      河野 謙三君    寺本  齋君
      中垣 國男君    平澤 長吉君
      渕  通義君    村上 清治君
      守島 伍郎君    足鹿  覺君
      田万 廣文君    金塚  孝君
      坂口 主税君    小平  忠君
 出席政府委員
        農林政務次官  坂本  實君
        農林事務官
        (農政局長)  藤田  巖君
 委員外の出席者
        專  門  員 藤井  信君
三月二十七日
 委員石井繁丸君及び大森玉木君辞任につき、そ
 の補欠として田万廣文君及び金塚孝君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 肥料配給公団令一部を改正する法律案(内閣提
 出第五五号)
 油糧配給公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六〇号)
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九四号)
 松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関
 する法律案(内閣提出第一二四号)
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題とし質疑を継続いたします。河野委員。
#3
○河野(謙)委員 まず農政局長にお伺いしたい点は、農林五公団につきましては、安本からの監査報告によりますと、過去の運営において非常に遺憾の点が多かつた。なおそれにつきまして、具体的に事例をあげて本委員会に提出されておりまして、たとえば資金の運用の面、運賃の点、その他運用全部にわたりまして、一から十まで、完全なる運用がされていないという結論が出ております。これはすでに去る昨年の秋に安本の監査の結果を出て、それぞれ直接担当の官庁に連絡があつたはずであります。その後におきまして、公団の運用につきまして、いかなる点を改められたか、また改むべく意図されたか、これをひとつ伺いたいと思います。
#4
○藤田政府委員 肥料公団の業務運営状況の内部監査に関する地方経済調査庁の報告も出ておりますが、肥料公団で一番問題になつておりました点は、二十三年後期の決算面で、約五億六十一万円を未拂い金勘定に立て、つまり内部的に留保しているという点でありますが、その点につきましては、前の委員会でも御報告いたしましたように、新しく正規に調べ上げまして、決算を修正いたしました。内部留保として存しておりましたものは、すべてこれを明るみに出させる措置をとつたのであります。
 それから、後の問題でございますが、私どもといたしましては、運賃に関しては毎月詳細な月報を提出させております。そして毎月ごとの試算表もこれをとるということで、今後こういうふうなことの行われないように、十分に監督をいたしまして、運賃勘定の実態把握に万全を期する処置をとつておるわけであります。なお、運賃の改訂につきましても、大運賃につきましては、昨年の九月から、たとえば硫安が八百五十円とありますのを、七百円に改訂をいたしますとか、あるいはまた小運送賃につきましても、千二百円のものを千円というふうに切下げをいたしたのでありますが、四月以降の運賃につきましても、現在これは物価庁でいろいろ検討をされておるのであります。その際に、私どもといたしまして、従来の経緯にかんがみまして、適正なプール運賃というものを出して、これをきめて行くというふうにいたして参りたい、さような方針で、公団の経理監督については、十分注意をいたしてやるような措置を講じております。
#5
○河野(謙)委員 さらに私は、一点伺いたいのは、定本の監査報告によりますと、資金の運用面で、農林五公団において、特に肥料公団が惡いようであります。と申しますのは、支拂い利息を莫大に持つ一方、收入利息が非常に少い。要するに手元の資金を潤沢に持つておるにかかわらず、一方において借入れを非常にたくさんしておる、こういう数字があがつております。それと、かつて肥料公団の経理部長でしたか、浮貸しの問題で刑事事件を起しております。目下これは司直の手で調査中のようでありますが、それとこれとを比較いたしますと、はなはだそこにわれわれは疑惑を持たざるを得ない。つきましては、この資金の運用の面についていかなる措置をおとりになつたか、これをひとつ伺いたい。
#6
○藤田政府委員 利子の支拂いについて、受取り利息に比して支拂い利息が非常に目立つというふうな報告があつたわけでありますが、これは御承知の受取り利息というものの相当部分、おそらく半分以上は、公団から農家が買います場合に、いわゆる現金取引を原則としておりますにかかわらず、相当の売掛金になつて、その延滯利子を徴收しない、こういうふうな部分が相当あるものと思います。この問題はしかしながら非常にむずかしい問題でありまして、公団としてはもちろん現金で即時農家からとるべきである。しかし一方農家の金詰まりも非常にはげしくなつておりまして、公団がすぐ取立てるということについていろいろやかましい問題も起きております。そういう事柄がにらみ合いまして、もちろん公団経理としては許さるべきことではないが、おのずからそういうふうな事情から、延滯利息についての問題に若干手心が加えられておるというふうな実情もあるのであろうと考えております。しかし先ほど申しましたように、こういうような点については、私どもといたしましても、できるだけ資金の効率的な運用をはかるということは経理上必要でありますので、この点は毎月毎月はつきりした経理の内容を報告させて監督いたしております。そういうことについて、もし従来と同じようなやり方があります点は、即時これを是正して行く、そうしてまたその原因を突きとめて、即時これをかえて行くというふうに今指導をいたしてやつております。
 なお浮貸しの問題がちよつと出ましたが、これはその当時も浮貸しについて新聞紙上をにぎわしたわけであります。農林省といたしましてもでき得る限りの調査はいたしたのでありますが、実態の把握はきわめて困難であります。これは一方銀行側を十分調査し、取調べるところの権限を持たなければ、なかなか困雄であります。そういう点については、徹底はいたしません。これは一方正式に検察当局の方で進んでおりますから、われわれといたしましては、今後ともかような問題の起らないように、十分注意して指導して行くつもりであります。
#7
○河野(謙)委員 時間の関係上、私が今手元に持つております具体的の事例を、一々あげまして御質問申し上げている間もありませんので、総括的に私は強く希望いたしますけれども、この肥料公団の一箇年延期の法律案審議にあたりまして、われわれはこれを無條件にのもうとは考えません。しかし暫定的にこれを延ばさざるを得ない。つきましては、この肥料公団を延期するにあたりましては、従来の運用の面に徴して、もう少し積極的に嚴重なる監督をされなければいけないと私は思うのです。今末端には数え切れないほどの不正事件が起つております。職員の使い込み事件、不正配給事件、公団の本部、支部におきまして、手が届かないぐらいにたくさん不正事件が起つております。これは肥料公団に限りません。あらゆる公団におきまして、一つの末期的症状として、これは起りがちな問題であります。それに備えて、もう少し私は、政府は積極的に嚴重に監督をしなければいけないと思うのであります。
 その問題はそれぐらいにいたしまして、次に私が伺いたいのは、肥料の需給推算であります。聞きますと、硝安の輸入につきまして、その後政府は司令部と非常に嚴重なる交渉をした結果、四月入船をもつて、以後の硝安の輸入をお断りすることができたということでありますが、そういうことによつて起ります。この春期末の肥料の需給推算は一体どうなるか。特に窒素肥料の需給推算について私は伺いたいと思うのであります。
#8
○藤田政府委員 需給推算を立てます上に一番不安定な、むずかしい問題は、輸入する硫安及び硝安の問題であつたのでありますが、これはその後関係方面ともいろいろなお話をいたして突きとめました結果、硝安につきましては、大体当初予定をいたしましたほどの数量のものは来ないということが、はつきりいたして参りましたので、それで現在大体の想定をいたしておりますのでは、本年の繰越しの見当でありますが、これは春肥が全部完了をいたしましたあとにおきましては、大体二十八万トンないし三十万トン程度のものが手持ちとして残るであろうと思つております。ただそのうち硝安につきましては、硝安を極力売るというふうな考え方でいたしておりまして、その後の希望による追加割当もいたして考えてみますと、全部のものが計画通り配給できるということにいたしますと、差引数字上は約一万五千トン程度の硝安が手持ちとして残る、こういうふうなことになるわけであります。しかしながら私どもといたしましても、決してこれは楽観をいたしておりません。と申しますのは、計画通り硝安が農家に引取られる場合、しかも追加割当の分も全部引取られる場合に、手持ち数量が一万五千トンというふうに考えるのであります。問題は今後の春肥の硝安の配給において、硝安の引取り拒否、配給辞退がどのくらい起るかということを考えなければならぬ。これは率直に申しまして、相当の硝安の引取り拒否ということもあるであろうと私どもは思つております。従つて問題は、やはり硝安の対策が重要であろうと思う。われわれといたしましては、極力今後この硝安をどういうふうにして売つて行くかということに重点を置きまして、場合によりますれば、この硝安に対する価格の引下げ等の措置を、大蔵当局とも相談をいたしまして、硝安の手持ちによる大きな損失というふうなものは極力防ぐように講じて行きたい、かように考えております。
#9
○河野(謙)委員 ただいまの農政局長のお話によりますと、四月入船以後のものは硝安は入らないという前提に立ちまして、地方農家の経済事情が、現在のままさらに惡くならないという前提で、農家の購買力は少くとも今割当しましたもの、さらに硝安の希望も相当あるということを前提にいたしまして、三十万トン程度余るということについては、私も了承をいたします。最も手固く見てそのくらい残ります。私は自分の見解を申し上げることをこの際避けますが、一言申し上げますと、少くとも五十万トンは残る。しかし三十万トンといたしましても、春肥の末に三十万トン残るということでありまして、私肥におきましては、生産よりは消費の方がずつと少いのでありますから、年末の十一月、十二月になりますと、かりに春肥の末に三十万トン残るということは、年末に行けばこれが六十万トン、七十万トンになるということになるのであります。さような肥料の明るい需給の見通しを前提に考えました場合に、肥料公団一年延期の法案が出ておりますけれども、担当の農政局においては、肥料公団をまさかこのまま来年の三月まで置こうというようなことは、毛頭考えておられないと思う。聞くところによりますと、七月末をもちまして公団の末端は打切る、引続き可及的すみやかに本部機構を廃止するというようなことを聞いておりますが、今の需給推算を基礎にして、肥料公団の将来をお考えになつて、いつどういうふうにしてやめるということを具体的にお持ちでありますか、この機会にひとつお示し願いたいと思います。
#10
○藤田政府委員 公団の廃止の時期でありますが、私どもといたしましては、七月末までに末端機構を切りはずし、引続いてすみやかに中央機構もなくする、こういうふうに考えております。それでお話のございましたように、窒素質肥料につきましては、こういうふうな事情で自給についても相当不安はないと考えますので、われわれといたしましては複雑なやり方をしないで、需給の緩和に対する大きな見通しからいたしまして、むしろ大幅に簡素化いたしました、ごく切り詰めた統制方式、あるいはその他の管理方式にすみやかに移りたい、私どもといたしましては、こういうふうな希望を持つております。従つて私どもといたしましては、その後に来るべき方式について検討いたしまして、それを急速に実現することができますならば、ただちにすみやかにそれに移りたいというふうに思つております。
#11
○河野(謙)委員 非常に抽象的な御答弁でありましたが、当局としてはもつともと思います。この際具体的に、いつ何日どうするということは、言明は困難だと思います。しかし私はこの機会にさらに伺つておきたいのは、先ほどもお話があつたような需給推算に基いて、もしこれを七月、すなわち春肥をもつて打切らないで秋肥まで延ばす。九月、十月まで延ばすということは、打切りの関係上十二月まで延ばすということになります。もしさような結果になつた場合に、あなたが直接監督の衝に当つておられる農政局長として、肥料公団がもし十二月まで延びましたときは、いかなる末路を告げるか、どのくらいの赤字をしよつて、どのくらい国家の財政に負担をかけるかということは、大体御想像がついておられると思う。七月末をもつて公団を打切りましても、公団は有終の美を收めることは困難な状況にあると私は思う。これさえも相当な赤字を出して、一般会計に負担を振りかえなければいかぬ、こういうことになつておると思う。それを末端は七月で打切ることにきめた。本部機構はその後において可及的すみやかに――可及的すみやかにということは八月であるかもしれぬ、九月であるかもしれぬということになるかもしれませんけれども、事実としては八月、九月に延ばすということは、秋肥に手をつけたら秋肥が終るまではもうやめられないのであります。半年延ばすということなんです。そこでわれわれは非常に危險を感じておる。でありますから、この機会に農林省としては秋肥までさらに公団を続けて、その後においてあなたが責任をもつて、それでも年末の公団の廃止におきましても、公団は有終の美を收めて、一般の会計には一切御負担はかけない、国家財政には負担をかけないという御自信、御言明があれば幸いだと思いますが、私が心配するのは、そういうことにならないことは火を見るより明らかであります。かつてこの配炭公団の二の舞、また木炭の場合のようなものになることは、あまりに瀝然としていると私は思う、そこで私はここで真劍に伺いたい。ついては農林省におきましても、この問題につきましてはとうに御検討が済んでおるはずでありますから、率直に私はこの際真劍に御答弁いただきたい。この御答弁を伺うことがわれわれがこの肥料公団延期の法案を審議するにあたつての大前提でありますから、重ねてお尋ねいたします。
#12
○藤田政府委員 本年の春肥につきましては、われわれといたしましては、公団経理に赤字なく十分やつて行けるという確信を持つております。ただ問題は秋肥に至りまして、七割値上げの影響がどういうふうに現われて来るか、ここの見通しが非常にむずかしいであろうと思います。従いまして、私どもといたしましても、即刻に見通しをつけまして、先ほど申しましたように、次に来るべきどころの、かわるべきところの制度の見通しがつき、この実現が即刻に可能でありますならば、われわれとしてはすみやかそれに移りたい。ただしかしながら、漫然と肥料自体を全部はずしてしまうということになりますと、われわれとしては、やはり金融の問題が非常に大きい問題であります。また肥料の全体からいたしまして、必ずしもそれが適当な施策であるとは考えておりませんので、われわれとしては、やはり次に来るべき制度をすみやかに実現いたしまして、それに早く移りたい、さように考えております。
#13
○河野(謙)委員 最後に肥料の価格の問題で伺いたいのですが、農林省はこの七月にさらに肥料を値上げして、十二月の配給価格に比較いたしますと七〇%アツプの価格をすでに発表しておられます。今の農村事情から行きまして、このような高い肥料は絶対買えません。またかようなことを、政府が、補給金その他いろいろ財政上の関係があるかもしれませんけれども、買えない肥料を手の届かないところに置いて、そうして肥料を使え使えというようなことは、これはまつたく無為無策であります。最近の農村の恐慌とも言われるような経済事情が惡くなつている段階におきまして、今後さらに一層惡くなるというようなことを予定する現在におきまして、この七月以降におきまして、七〇%アツプ、この問題を再検討されて、少くとも暮の肥料価格に比較して四割ないし五割の程度で私は收むべきではないかと思いますけれども、これらの点につきまして、御検討が済んでおりましたら伺いたい。御検討が済んでおりませんでしたら、農政局長としての肥料価格についての御意見を伺いたい、かように思います。
#14
○藤田政府委員 われわれといたしましては、農家の必要とする数量の肥料を、できるだけ安く農家に配給したい、これがやはり根本の問題であります。従いまして、われわれといたしましては七割値上げにつきましても、できるだけこれを安くしたいというふうなことで考えたのでありますが、補給金削減の根本方針その他の事情からいたしまして、一応さように決定を見ておるわけであります。しかしながら私どもといたしましては、ただいま河野委員の御指摘のような点も十分考えられますので、一応はきまつておりますものの、気持といたしましては、さらにこれの値上げの可能性がないかということについて、私どもは努力をいたし、極力肥料の価格の値下りができますならばこれをやつて行きたい、そういうふうに考えております。
#15
○河野(謙)委員 この肥料の値上げの問題につきましては、ぜひとも政府も、一応きめられました案でありますけれども、これを四〇%もしくは五〇%程度にとどめるように御盡力を願いたい、われわれ議会側といたしましても、十分これについては努力するつもりでありますから、政府と議会の方と一体になつて、この問題を解決してもらいたい、かように思いますので、特にお願いいたします。御承知のように肥料会社の今の経営状況というものは、私が申し上げるまでもなく、世間周知の事実であります。今産業が非常に苦境に入つておりますけれども、その中にあつて、肥料会社が一体いかなる地位を占めておるかということは、すでに御承知のはずであります。どういう配当をしておるか、どういう内部保留をしておるか、どういう資産状況になつておるかということを、十分御検討が済んでおるはずであります。私は肥料生産者の方が、まだ十分しわ寄せをする彈力性を持つておると思います。特に農林省から通産省なり安定本部の方へよく御連絡願いたいと思いますことは、いまだに硫安のごときはグループ価格性をやつておる。個々の会祉の生産費をカバーするということをやつております。たびたび私が申しますように、農家の生産するものは、米といえども、麦といえども、個々の農家によつて生産費がそれぞれ違うのであります。上下の個々の幅というものがあるのであります。それを一本の価格にしておるのであります。肥料ばかりではありません、あらゆる工業において、工場別に生産費が違うというのはあたりまえであります。ガスによる製造方法、電気による製造方法によつて生産費の違うことを、私は知つております。知つておりますけれども、これらのものは何も肥料工業特有のものではありません。あらゆる工業みな共通の問題であります。上下の幅がもうすでに三千円か四千円のところに追つております。これを私は少くとも一本価格にして、それとにらみ合せて肥料の価格を下げる、そうして農家にもつと安い肥料を配給するということは、どうしても特に農林省に大奮発をお願いして、政府部内におきましても、この肥料の問題を解決してもらわなければ困る。同時に私は重ねて申し上げますけれども、議会側におきましても、おそらく各党一致してこの問題に当るのではないかと思いますので、この点を特に強く要望いたしまして、一まず私の質問を打切ります。
#16
○遠藤委員 肥料の価格の問題について、一言だけお伺いたしたいと思うのであります。ただいま河野委員から、七月に価格の七割値上げをするということは非常に困る、農村の一致した要望として、何とかして機械的な補給金が削られただけ肥料の価格を上げるというようなイージーなやり方を避けていただきまして、真に農村の事情を考え、かつ肥料生産事情がだんだん緩和しておる状況も考えて、機械的に七割値上げするということに対しては、絶対に反対であるということを申し上げておきたいのであります。そこで河野委員のお尋ねでまだ解れてなかつた点を一つだけお尋ねし、かつ私の意見を申し上げておきたいのであります。それは肥料のような農村のために重要な物資の価格の決定が、まつたく農村事情を考慮に入れないできめるような機構になつておるところに、問題の根源があると思うのであります。なるほど肥料は重要な工業生産でありますが、工業生産の立場から肥料価格をきめて行くということに問題があるのでありまして、おそらく農政局長も肥料価格をきめる場合には、農村の事情をしんしやくして、その事情に即したような価格の決定をしたいとしうことを、念願しておられることはよくわかるわけであります。そのためまた非常に努力しておられることも承知しておりますが、現在の機構がそうなつておらないためにただ非常な苦労をするだけでもつて効果が上つて行かない。私は公団の機構が変改されまして、将来肥料の管理制度が当然生れなくちやならぬと思うのでありますが、その際には、どうしても農村の事情を十分に反映して、肥料の価格を決定するような機構を確立していただきたい。現在ではいくら農村の方でばたばたしましても、工業方面の事情から肥料の価格がきまつて来るような事情であります。これははなはだ遺憾であります。私ども農村の事情をつぶさに知らされておる者としましては、今や農村が恐慌の状況をだんだん露呈して来ておりますので、そういう事情を考えれば考えるほど、農業生産に即した肥料生産をやつて行かなければならぬ。それには肥料の生産の価格をきめる場合に、農業の事情を十分尊重されるような機構にしていただきたい。特に農林当局の御奮起をお願いしたい、格段の努力をお願いしたい、こういうことをお願いしまして、かつ当委員会のわれわれのメンバーとしましては、そのことに対しては全幅の御援助を申し上げたい。これは御答弁はいらないのでありますが、一応私の意見だけを申し上げておく次第であります。
#17
○山村委員 肥料公団をいつ廃止すべきやという問題は、本委員会におきましても、各委員いずれもなるべく早く廃止した方が国家のためになるということの意見一致を見んかの趨勢にありますことは、ごらんの通りでありまするが、先ほど農政局長の御答弁によりますと、春肥の会計年度だけはあるいは赤字を出さないで済むかもしれないが、秋肥からの公団の会計について赤字を出すか出さないかの自信はないというような意味の御答弁があつたようでありまするが、おそらくこの値上げが強行せられたり、あるいはまたさらに進んで参りますところの農村の不況を見ますときに、今のままの官僚統制の変態的なあり方が続けられて参りましたならば、必ず相当の赤字の出るであろうということは、識者の認めるところであると言わなければなりませんが、もしもこの法律案が通過いたしたとしましても、一応一年の延期という形になつておりまするが、その前に赤字あるいはまた需給関係の状況からいいまして、公団を来年の三月前に廃止した方がよろしいという見通しがついた場合に、はたして政府当局としての用意が十分備えられておるかどうか、この点をまずお伺いするものであります。
#18
○藤田政府委員 河野委員の御質問にも私お答えいたしたのでありますが、われわれといたしましても、肥料公団を今後漫然と延ばすということは、決して考えておらないのであります。ただ次の制度を考えないで、全然ばらばらにしてしまうということについて、われわれ非常な不安を持つておるわけであります。従つて次の制度さえ見通しがつき、その実現が早くできるならば、すぐそれに移りたい、こういうことであります。決して私どもは、一年延期の法律が出ておりますが、一年漫然延期するつもりでもございません。ただその時期を私どもとして明言できないのは、しからば次の制度がはたしていつ確実にできるか、これについてわれわれはまだはつきりしたことが言えない。従つてそれのできるまでの時期は、やはりこれは考えなければならぬということであります。その点は御了承いただきたいと思うのであります。それからなお遠藤委員からの御意見もありまして、私は全然同感に考えております。従来肥料政策というものは、むしろ数量不足の際、従つて数量の確保に重点が置かれている。しかしながら今後の肥料政策というものは、むしろ肥料の価格政策だ。ちようどそれは戰前の状態にもどつたのであります。それが現在公団機構なり、補給金制度というものによつて、そこのいわゆる鋭い対立が隠されておつた。それが今度明るみに出るわけであります。従つてわれわれとしては、今後きまるべき肥料の価格については、絶対の関心を持つているのであります。新しくできる機構については、価格の決定に農家の意思が十分反映するような機構を極力支持して行きたい。これの実現に努力したい、かように考えております。
#19
○山村委員 次の制度の見通しがはつきりついたならば、いつでも公団を廃止する用意があるという意味の御答弁でありました。非常に意を強ういたしますが、その次の新しい制度を確立するところの案は、大体いつごろまでにつくらんとする御予定でございますか。その点を一点お伺いいたします。
#20
○藤田政府委員 これは現在もいろいろ研究をいたしております。おそらく農林委員会においても御研究のところだと思いますが、やはり私どもといたしましては、将来の形といたしましては肥料の需給調整管理制度と申しますか、そういうところへ移して行くべきものである。かように考えております。これの具体的内容については、現在まだ研究中であります。これも極力早く態度を決定いたしたいと思います。
#21
○山村委員 大体その構想につきまして、肥料の需給調整制度のごときものであろうということを暗示せられたようでありますが、これらの新しい制度をつくるために、はたして今の法律の改廃の必要があるかないか。この点をひとつ。
#22
○藤田政府委員 私はやはり、單に役所がさしずをするというだけのことでは、なかなかそれはうまく行かないと考えております。従つてやはり物を把握して、肥料の現物自体を政府が把握して、実力を持つての上においての需給調整、こういうふうな建前を考えておりますので、その意味におきましては、やはり新たなる法律制度というものが、当然これは必要ではなかろうかと考えます。
#23
○山村委員 その御答弁によりますと、結局、この議会でかりにこの法律が通つたと仮定いたしましても、その次の議会でもつて法律の改廃がもたらされない限りにおいては、あなたのさつきの、もしも公団が必要でなくなつた場合に、いつでもこれを廃止することにやぶさかでないという御答弁を実現することは、実際は不可能である。結局新しい議会において法律をかえるまでは、このままにしてほしいという御意見になるのでありましようか。その点についてもう一ぺん。
#24
○藤田政府委員 われわれとしては、次の臨時国会も予想されますので、そういうような臨時国会にはこの新しい制度をやりたい。しかしながら新しい制度ができないでも、漫然と延ばすということは考えておりませんので、そういうふうな場合に、われわれの構想といたしましては、やはり最小限度の簡素な統制方式のようなものによつてこれを考える。そうして理想といたしておりますところの制度を、極力早く実現する。こういうふうな段階をとるというふうなことも考えられるのであります。
#25
○山村委員 あるいは政府当局では、與党の数の多いことに頼みをされて、この法律は絶対に通るというような御方針を立てられているかもしれませんが、これはとんでもない間違いでありまして、どういう変化がこの数日間に起つて参るかわかりません。もしもかりにこの法律が今議会におきまして通らなかつた場合、要するに必然的にこの三十一日でもつて公団が廃止される運命になつた場合において、はたして当局におけるところの用意ありやいなやを一点お伺いいたします。
#26
○藤田政府委員 われわれといたしましては、この三月に全然この法律がなくなる。従つて公団が廃止されるということになりますと、非常に大きな混乱を予想されますので、そういうふうな事柄については、十分慎重御審議の上御決定いただけるものと考えておりますので、まずそういうふうな懸念はなかろうかと考えております。
#27
○山村委員 非常に重大な発言、答弁でありまして、さつきの御答弁によりますと、いつでも公団そのものが不必要と認められたときは廃止したいという御意見でありますが、臨時国会がいつ開かれるかということは、まだはつきりわかつておりません。またこの国会において、はたしてこれが通るか通らないかということも、まだ海のものとも山のものともつかないのであります。最初の御答弁によりますと、いつでも公団が不必要となつた場合には、これに対する処置をせんとするところの用意があるような御答弁をされたことは、あるいはあすにでも公団の必要がないということを認めた場合には、これを廃止する用意のある意味に通ずると思うのであります。ところがこの国会において、もしも通過しなかつた場合においては、何ら用意がないということは、いささか先ほどの答弁の趣旨と食い違うと思うのであります。あるいは実際にはそんなに早急に変化がないかもしれませんが、事実七月を過ぎたあとにおいての変化は相当予想せられるのであります。私もこれ以上あえて農政局長を苦しめようとは思いませんが、少くともいつ公団が廃止されるところの段階になつてもよろしいという、物調法あるいはその他によるところの十分な用意をされんことを強く私は要望しまして、一応私の質問を打切る次第であります。
#28
○藤田政府委員 あるいは言葉が足りなくて誤解を招いたかと思いますが、いつ廃止されてもという意味は、少くとも今年春肥の配給は、これはやはりあくまでも現在の機構でやつて行かなければならぬと考えております。いつでもと申しましたのは、春肥の配給を済ましましたあとの機構に乘り移るについて、これについては来るべき制度の実現の可能性があれば、それにすぐできるだけ早く切りかえたい、こういうことを申したのであります。
#29
○山村委員 そうしますと、大体春肥の完了時期といいますと、本年の一応七月と考えてよろしいと思いますが、その七月以後においては、何どき廃止されてもよろしい備え、用意を持つているという御答弁と拜承してよろしゆうございますか。
#30
○藤田政府委員 先ほど申しましたように、手放しで廃止することについては、私どもは考えておりませんので、新しい機構がはつきり立ち、それに移りかえ得るというところの自信がつきました場合に、すみやかにやめたい、こう思つております。
#31
○山村委員 くどいようでありますが、一点伺います。その新しい制度の御用意が、要するに春肥の終るまでに、はつきりとつくり得るというお見通しと解釈してよろしいか。このことであります。
#32
○藤田政府委員 私どももそのつもりで努力したいと思つております。
#33
○小笠原委員長 ちよつと藤田政府委員に伺いますが、先刻山村委員への答弁の中に、この法案がつぶれれば混乱するが、その用意がない。通るものと信じているというが、一体一年前に、三月三十一日に打切ることがきまつている法律であつて、しからばこのときを見通して準備しておかなければならぬが、その準備を怠つたということでありますか。準備ができなかつたということでありますか。そういうことは議会に対する答弁として、はなはだけしからぬことと思います。混乱と言うけれども、いかなる混乱に陷るのであるか。そういう事態に陷つたのはどういう事情に基くのか。それを速記で明確にする必要があると思いますから、さらにその答弁をしていただきたい。
#34
○藤田政府委員 多少言葉が不穏当で、あるいはそういう誤解を招いたかもしれませんが、やはり公団の存廃というものは、肥料の自給の見通しがやはり基礎であると思います。従つて最近になつて窒素肥料について相当自給の見通しもついたわけであります。従つてわれわれといたしましては、次に来るべきことを考えなければならぬと思つておりますが、ただ現在は春肥をこれから配給しようという、農家としては一番大事な時期であります。従つてこの大事な時期に機構が改廃されることによりまして、もしも施肥期に肥料が渡らないということになりますと、非常に大きな混乱を来すということであります。従つてわれわれといたしましては、この大事な施肥期を控えて、改廃することは非常に困るわけで、大きな混乱も起るわけでありますから、これは極力避けて行きたい、こういうような意味で答えたわけでありますから、御了承願いたいと思います。
#35
○小笠原委員長 それではさらに申し上げますが、いつも三月は大事な時期だ、今年もまた来年一年延ばしましても三月は大事な時期に遭遇する、そういう場合に、この法案というものは重大な審議の問題が起る、一年延ばして、七月で打切るというあなたの方の答弁があつたけれども、それもはつきりしない。法案としては来年三月を予想しておる。来年大事な時期に遭遇したならば、また一年一年というように延ばさざるを得ないように思いますが、それでははつきりしない。重大な時期というものは、明年三月も同じことだが、それではあなたの方でどういう提案をするのですか。
#36
○藤田政府委員 われわれといたしましては、できるだけ早く次の機構に移りかわりたいという気持でおるわけでありまして、決して漫然と延ばすとは考えてはおりませんので、その点は御了承願いたいと思います。
#37
○河野(謙)委員 三月では混乱を予想されるから、打切れない、私もその気持はよくわかります。ところで、次にいつ打切るかという問題でありますが、農政局長は、しばしば今年の春肥完了後をもつて公団を他の機構に切りかえると言つておられますが、七月末、すなわち春肥をもつて打切りまして、他の機構に切りかえることを理想とするということにつきましては、ただいまにおいても御心境に御変化がないかどうか、それをまず伺いたいと思います。
#38
○藤田政府委員 私は大体そういうようなつもりで準備を進めたいと思つております。
#39
○河野(謙)委員 他の機構につきましては、先ほど農政局長が申されましたように、農林省でも御研究が進んでおると思いますが、実は私の方でも研究が進んでおります。われわれの方も臨時国会を待たずに、できればこの国会においてやらなければいけない。またこの国会において解決しなければ、事実上七月に打切れないことになりますから、これをやろうと思つております。
 そこで私はもう一つ伺いたいのです。今公団の末端を七月に打切ることについて、農政局長が通牒を出されたということを聞いておりますけれども、これは事実でありますか。それを伺いたいと思います。
#40
○藤田政府委員 肥料公団がどうなるかということについて、公団の末端の職員が相当動搖もいたしておりますし、それからまた、やはり機構の切りかえは、それに対する一定の心構えなり、準備を必要とする部面がありますので、私どもといたしましては、少くとも七月末には末端機構は切りかえるということをはつきりさせることが適当だと考えましたので、さようなことで通牒を出したわけであります。
#41
○河野(謙)委員 それからさらに一点、私は先ほどお尋ねすることを落しましたことは、価格の問題に関連して、今石灰窒素の価格は二〇%を基準にして価格の設定ができているわけであります。しかしその後良質炭が入り、いろいろ原料関係が非常に改善されたので、実際には二二%もしくは二三%の石灰窒素が各方面でできているわけであります。ところが、これをそのまま二二なり二三で渡しますと、一方において価格の設定のときに二〇%を基準としておりますから、もうかり過ぎるということが表面に出ますのでこれをカバーするために、高成分の石灰窒素ができているにもかかわらず、わざわざそれに石灰分を混入いたしまして、成分を二〇に下げて、インチキをやつておるという話を聞いておりますけれども、これは農政局の検査の立場において十分わかつておるはずで、さような事実があるはずであります。なければ、これは非常に農林省の検査の怠慢だと私は思う。さような事実があるかないか、私は一応あると断定する材料もありますけれども、あるかないかお伺いすると同時に、さような事実があつた場合に、その価格について、先ほど遠藤委員からお話がありましたように、農林省はもう少し価格決定についての強い発言をしてもらいたい。いたずらにメーカー担当、生産行政拒当の通産省に価格決定についての発言権をゆだねておいて、農村の利益を代表するところの農林省が、重大な肥料の価格決定についての発言権がないということは、たいへんな問題であります。しかもその間において、今申し上げるようなたつた一つの事実でありましても、さようなことがある。そのほかにも事実があります。しかしあまりに露骨な事実として、そういう石灰窒素の事実がありますので、それをひとつ伺いたいと思います。
#42
○藤田政府委員 そういうような点も聞かないわけではございませんが、なおよく調査して、また調査の結果によつて、それに対して態度を決定いたしまして、ただいまお話がございましたような点について、なお安本、関係官庁方面ともよく折衝したいと存じます。
#43
○河野(謙)委員 調査を至急進められることをお願いすると同時に、さような事実が判明しました場合、少くとも過去にさかのぼつて石灰窒素の価格改訂をやつてもらいたい。もし過去にさかのぼつて個々の農家に事実上石灰窒素の値引ができないとすれば、今後の価格改訂のときに、その部分を織り込んで価格を決定すべきであると私は思います。過去のことであるから今後は注意するということでは、絶対に私は了承できません。でありますから、その点も十分お含みおきの上、今後四月かに行われます価格決定につきましては、農林省は十分強い発言権を持つていただきたい。同時に、石灰窒素だけの問題ではありません、硫安にいたしましても、過日の委員会で私が申し上げましたように、価格の決定について非常に不純な問題があります。百二十五万トンできるという確実な見通しがあるにもかかわらず、わざわざ百十万トンしかできないという計算をして、分母を少さくして補給金をよけいとつたという事実があります。しかもその後において電力の事情等が好転しましたために、百三十五万トンから百四十万トンできるというような決定的な事実があります。そうしますと、ますます硫安の会社はもうかり過ぎる、補給金はとり過ぎるということになるのであります。この事笑もあわせまして、農林省は農林省の立場として、消費者、農民の立場において肥料価格を十分検討されて、次の価格改訂におきましては、この農民の意思を代表して、価格改訂に過去の問題を解決すべく当つていただきたい、かように思います。
#44
○野原委員 私はただいまの河野委員と同様に、現在の肥料価格の問題に対しましては、農林省はもつと強腰で当つていただきたい。肥料の問題につきましては、当然農林省が一元的にこれをやるべきことか妥当だと思いますが、通産省の方面でこれを担当しておる関係上、どうもメーカーの保護ばかりやつておるようにわれわれは受取つておるのであります。農村では、今日すでに肥料が高過ぎるということで、全国至るところ配給の辞退が行われております。またこの春肥に対しましては、配給の辞退が続出するであろうことは、もうわれわれの常識として、農村の方たちは、とうてい今後の肥料はこの半分もとれないであろうということまで言つておるのであります。東北農村等では、こう高い肥料では買えないということで、肥料の自給自足をはかる以外にないということで、堆肥の製造その他によつて金肥を使わない農業政策以外には農村は生きる道はないということになつておりまして、盛んに肥料の自給自足、堆厩肥の増産をしなければならぬというような、まことに悲壯な状態にまでかわつて参つております。こういう現象を私ども見るにつけても、何とかして肥料問題に関しましては、農村の実情、農民の気持になつて強力にやつていただきたい。ところが農政当局の肥料問題に関する態度を見ておりますと、どうもほんとうの農民の味方であり、農村のためを考えてやらなければならぬはずであるにもかかわらず、メーカーやあるいはまた通産当局なんかの方面に、非常に遠慮をしておられるのじやないかと考えておる。今まですべてこういう面で、当然主張すべき主張を怠り、農民の不利益を来しておる、これはひがめかもしれませんが、農林当局の態度が非常に弱いということを、私どもは結論として申しあげざるを得ないようなことは、はなはだ遺憾であります。この際私はいわゆる肥料のメーカーの中で、非常に力が弱いとか、施設が貧弱であつて生産のコストが高いというようなところがあつて、それがこの価格の問題等において、もし補給金がなくなつた場合においては非常な生産の減少を来す、生産の混乱を来すであろうということをおもんぱかつて、いたずらに補給金の問題であるとか、統制の問題が遅れるというようなことがあつては、はなはだ遺憾だと思うのであります。むしろそういう不良なものはつぶれた方がよいのじやないか、どんどん生産の上るところは思い切つて生産が上るような仕組みにして行くことがよいのであつて、ただいたずらに日本全体の肥料生産の数字を合せるために、ペーパー・プランだけで一応生産のつじつまを合せるというような政策をとるために、ややもすると一番生産の惡い基準のところを標準とした価格の形成がされて、結局非常に高い価格となつて、農村にそれが行くというふうなことが行われる。そしてまた比較的立地條件その他に惠まれているメーカーにおいては、努力いかんによつてはまだまだ二割も三割も増産ができるにもかかわらず、安易な経営の方式をとつておるために、増産も行われないというふうなことがあるとするならば、これはむしろ思い切つて苛烈な、統制撤廃後における自由競争を、思い切つてやらせた方がよいのじやないか、そして、そうした力のないものは、いつそのことつぶしてしまつても、一向さしつかえないと私ども考えておるのであります。農村といたしましては、これ以上高くなつてはかなわぬということが真実の声であります。この七月ごろになつてから、また七割上るというふうなことはもつてのほかでありまして、これは計算の上から行くと、そういうふうにしないと、補給金の削減後においては、メーカーは立つて行けないというようなことのために、七割も上ると言つておるのでありますが、今日においてさえもとうてい引合わない肥料を、七割も上げられて買えるものでないことは当然なのであります。従つてこれはむしろ一切上げない、上げてもらつては困るという農民の声を、そのまま農林当局は強く通産当局と交渉して、物価庁等でも、これは一切上げない、上げないでやつて行けるだけの交渉はどんどんやつて行く、それでもしつぷれる工場はつぶすというくらいな、強力な農民本位の肥料対策を立てて行くべきじやないかと思いますが、一体農政局長はそれに対してどういう御見解を持つておられるか、一言お伺いいたします。
#45
○藤田政府委員 ただいまの御意見は、私どもといたしましても全然同感であります。今後とも豊富に安く農民の手に入るように努力し、また価格の問題につきましても、極力これを引下げて行くというふうな方向に持つて行きたいと思います。
#46
○野原委員 私はただ心配しますのは、通産当属なんかの考えでは、とかく今まで、こういうふうに値段を下げると生産が非常に減るというようなことを理由として、ややもすると物価庁等とペーパー・プランで価格を上げたり、下げたりする、まあ下げたことはありませんが、不当に上げるというふうな傾向がある。また非常にそれをおそれるわけであります。従つて私ども
 は、これ以上絶対上げてもらつては困るという農民の現実の悲痛な声を基準として、上げないでひとつ今後の肥料の問題を解決してもらいたい。そしてどうしてもつぶれるところはつぷしてもかまわぬというくらいの態度で行くならば、メーカーも今後は従来の態度を反省して、思い切つて生産のために懸命の努力を拂つて行くであろうと私は思うのであります。おそらく価格を上げなくても、今日の電力、石炭等の事情から考えると、私は生産がそう急激には減少しない、おそらく現在の価格であつても十分引き合つてやつて行くのじやないかと考えております。メーカーのこの価格を形成するいろいろな資料等を基準にすると、どうしても上げなければならぬという数字が出るかもしれませんが、そういつた数字にはいろいろなトリツクがありますから、そういうトリツクを私どもは一切考えないことにいたしまして、今日の肥料の値段が、すでに農民にとつては非常に過重な負担であつて、これ以上とても上げてもらつたのでは農業生産はやつて行けないというところに基準をおいて、そしてメーカーの一大奮起を促して生産の増強をやつてもらうという態度で、農林省はこの際強力に押していただきたい。それを一言苦言を呈するというわけじやありませんが、注文を申し上げる次第であります。
#47
○遠藤委員 肥料の価格問題にいろいろ論議が集中されておりますが、私は価格問題の一つの面であります将来の管理制度の問題について、その面からひとつ警告を発しておきたいと思うのであります。それは最近の肥料の需給状況がだんだん回復して来まして、十数年来なかつた過剩生産の傾向を持つて来ておるのであります。この際肥料の公団制度を廃止して管理制度に移ろうとしておる、この管理制度に移る場合に、今までのようなやり方をそのまま続けて参りまして、肥料工業を温存するようなことになつてはたいへんだと私は思う。この過剩生産の数十万トンのストツクを持つておるその力によつて、肥料生産のコストをぐつと引下げて、生産の経営の合理化をはからせる、この機会をおいて他に機会はないと私は思う。来るべき新しい管理制度をつくる場合には、その点を特に注意いたしまして、今までのような肥料工業がぬくぬくとした経営をやつており、しかもなお他のいかなる工業に比べても最も高いような利潤率を示しておるのでありますが、こういうことがないように、このストツクが出ておるこの機会に、そのストツクの威力、圧力によつて、肥料工業の生産費をぐつと引下げて行く、その点をお忘れないように、ただ機械的に公団制度を管理制度に切りかえて行くことがないように特にお願いしたい、この点を強く要望しておく次第であります。
#48
○小平(忠)委員 ただいままで各委員の質問に対する藤田農政局長の御答弁を拝聽しておりましたが、私は政府の考え方が一体那辺にあるのか、まつたく疑わざるを得ないのであります。と申しますのは、肥料公団の存続問題につきましては、旧臘十二月三十一日にマーカツト経済科学局長の非公式覚書に対しまして、日本政府は一月二十幾日かに回答いたしておるわけであります。その回答されました内容につきましては、本委員会においてすでにその資料は配付になつておる。その回答いたしました趣旨に基いて、今度の肥料公団令の一部改正の法律案を提案されておるわけであります。その内容についてはすでにもう明らかになつておるのでありますが、それに対する農政局長の答弁を見ますと、これはかつて肥料公団の小委員会においてもすでにわれわれは、本件に対する根本問題は、結局有効需要量の問題あるいは供給の問題、これらを十分に勘案し、さらに肥料の価格の値上り等が、はたして農村における現状からみて、農家がこれを引取れるだけの態勢にあるかないかという点について、いろいろお伺いしたのでありますが、当局の確たる回答がなかつたわけであります。さらにまた本日の御答弁を伺つておりますと、政府は一体どういう確たる信念をもつてその肥料行政を今後やろうとするのかという点に対し、非常に私は不安を感ずるわけであります。そういう観点から、私は最後に基本的な重要問題について、政府当局の所信を明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。と申しますのは、第一点は、肥料の価格が三月に三割五分、八月に七割の値上げをするということでありますが、はたしてそれだけ値上げになつた肥料を、今日の日本の農村、農家の現状として、一体買い取れると、政府はお考えになうておられるかということが第一点であります。
 さらに私はその場合にもし農家としてただいま各委員からも指摘されましたように、現在の肥料価格では引取り不能、返品といつたような問題も起きておるのでありますが、今後さらに八月に七割値上げして場合にそういつた問題が起きた際、政府はこれに対していかなる処置をされるか、この問題について、はつきりした政府当局の御回答をいただきたいと思います。
#49
○藤田政府委員 農林省の態度といたしましては、農家がやはり施肥に必要な量を、できるだけ安く買わせる、これが根本問題だと思います。従つて肥料か高くなつて買えなければ、買えるだけでよろしい、こういうことはやはり私はいけないのであつて、本筋としては、やはり必要な肥料をできるだけ買わせる。また経営上それで買い得るという施策を、あくまでとつて行くべきだとこう思つております。従つてほんとうに欲しいけれども買えない、金詰まりの関係で買えないという問題については、農業手形制度の拡充なり、そういうことで極力そういう者のないように救いたいと思います。
 それから先ほど申しましたように、七割値上げになりました際に、さてはたして肥料が買えるか、これは非常に大きな問題だと思つておりますが、われわれといたしましては、これは先ほど申しましたように、できるだけ今後も肥料価格の引下げについて努力して参りたい、そういうふうに思つております。
 なお返品をして来た場合にどうするか、こういうふうなことでありますが、われわれといたしましては、できるだけ返品のないように、あらかじめ未然にその措置を講じまして、公団が大きなストツク、あるいは赤字を持つということのないように、できるだけ事前に措置をして参りたい、かように思つております。
#50
○小平(忠)委員 それに関連いたしまして、私はそういような甘い考え方では一大混乱が起きるのじやないか、こう思うわけであります。と申しますのは、大ていの費目についてみます場合に、肥料だけでも大体本年八月消費者価格が七〇%値上りの場合に、政府の回答によりますと、これに対する米価が石当り約三百円見当価上りをする。こういうことであります。そういうことをあわせ考えて参りますときに、單に肥料の価格が値上りをするけれども、米価に及ぼす根本的な考え方か――これは現在パリティー方式についてもいろいろ議論がありますが、米価については根本的な問題がある。さらに今度はいも類や雑殻に対する対米価についても、この点は政府当局はつきりいたしておりません。そういう面について、米価との関連において、一体政府はどのような需給関係の見通しをされておるか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#51
○藤田政府委員 もちろん肥料の値上りというものは、バツク・ペイによつてカバーされ、また今後の米価に当然織り込まるべきものだと考えております。従つてわれわれといたしましては、先ほどお話がありましたような肥料価格の値上りによるところのパリティーの指数、これは米価を決定いたします場合には、当然これを織り込み得る。また米価については、絶対の量というものについてはそんなに十分であるわけではないのでありまして、従つて米価の見通しについては、やはり今後もなお上昇する、こういうふうに考えております。
#52
○小平(忠)委員 上昇を見るというような御回答があつたわけでありますが、これは今後の需給関係なりあるいは価格の変動等において、非常に大きな問題をはらんでおるわけであります。さらに最も重要な問題は、行く行く公団の廃止をするという政府の方針は明らかであります。問題はその時期が、これは政府なりあるいは與党、野党においても、まだ完全なる意見の交換がなされておりませんが、しかしすべからくすみやかにこの肥料公団を廃止することについては意見が一致しておる。その公団を廃止した場合における後の対策方針を立てないというと、單に公団を廃止するということだけではならない。その場合に一番大きな問題は、結局廃止後における資金の問題である。公団廃止後におきまして、配給段階にありましては、不需要期のストツク資金を考えてみますれば、大体二百億ぐらいの資金を必要とするように私は考える。その場合に、これは單に五億や十億の資金ではありません。数百億の資金を必要とする場合においては、これに対してただいまから政府が確たる方針を立てていないと――公団を廃止しフリーにして、肥料業者あるいは農協が自由に取扱うということはけつこうであります。問題はこの資金の手当をいたしておきませんと、いかにも食糧増産に励もうとし、また食糧増産の見地に政府が立たれようとも、この資金問題に行き悩んで、まつたく末端の農家には、その必要な時期に肥料が全然配給にならぬというような問題が起きるのであります。これに対して、その資金の問題を、当局はいかにお考えになつておるか、この点を承りたい。
#53
○藤田政府委員 公団の切りかえの時期において、一番考慮を要するものは金融の問題である。これは私どもも全然同感であります。従つてそういう点についても十分の用意をもつて進みたいと思うのでありまして、農家に対しましては、農業手形制度の拡充をはかつて行く。またそのほかの一般の配給機構等につきましては、われわれとしましては預金部資金、これを拡張すること、あるいは日銀の最終割引というような制度等によつて、肥料手形を考えたりするような問題で、資金確保に備えたいということで、私どもといたしましては、現在金融の問題については、関係者を集めまして、具体策を研究いたしておるわけであります。早急にこれを解決したいと思います。
#54
○小平(忠)委員 あと一点です。その資金の問題については、ひとつどうか速急に具体策を立てられて、さらにその内容をすみやかに明らかにして、公団廃止という方向に進む場合に、いかなる情勢の変化がありましても、これに対する事前の対策を十分とつていただきたいと思うわけであります。
 最後に一点お伺いしたい点は、公団廃止後における配給機構の問題でありますが、配給機構なりあるいは肥料の取締上の問題、政府は肥料配給取締法を今国会に提出すべく、閣議の決定を経て目下関係当局と折衝中であるということを承つておるわけでありますか、その場合に前段の配給機構の問題でありますが、われわれの考え方としましては肥料のごときは、これは農民だけ使うものであります。農民以外に使うものではない。他の一般国民大衆皆が必要とするものならば、結局いかなる機構を自由にやらしてもよろしいのでしようが、肥料のごとくまつたく農民だけが使うものについては、終戰後特に総司令部の指令によりまして、民主的な農業協同組合が町村段階から県段階、全国段階にまで系統的に組織か確立されているこの農協の組織を通じて一元的に配給すれば、これが最も妥当である。中間の搾取をなくし、最も低廉なよき肥料を、系統的に最も敏速に適期に配給されると、私は確信しているのです。しかしながら、これもやはり独禁法の趣旨なり、あるいはいろいろ客観的な情勢なり、四囲の情勢から見て、そうは参らぬということも考えておるのであります。しかし考え方はあくまでもその線でなければならぬと私は確信しておるのでありますが、ただいま申し上げましたような事情から、そう一元的というわけには参らぬと思いますが、その場合に、かつてこの肥料の取扱いについては、戰前に産業組合あるいは肥料商といつたような二本の形、結局自由な形で取扱いをしましたが、政府は公団廃止後、そういうようなかつての戰前におけるような配給機構の体制をとられる方針か、それともあるいはそうではなく、制限をつけるところの配給機構の改正方針か、その点をお伺いしたいのであります。
#55
○藤田政府委員 お話のように、肥料の配給については、農家の自主的につくられました協同組合が、最も積極的に活躍をされるということを、私どもとしては期待をいたしております。しかし制度として、お話のようにこれを一元的に協同組合だけにやらせる、あるいはまた特定のものだけにやらせる、こういうふうなことは、制度としてはとり得ないことであろうと思つております。われわれは制度としては自由であります。一定條件を備えるものはすべてこの配給に参加し得る、こういうことになると思います。これは各種の施策を講ずることによつてほんとうに農家の欲するところによつて、おのずから配給機構の制度範囲がきまるだろうと思います。やはり農家の希望によつてこれは決定されるべきことが当然だと思います。そういうふうな結果として、協同組合が農家の支持を得て、肥料について十分大きな積極的な役割を果すというふうな方向に、私どもとしては持つて行きたいと考えております。
#56
○小平(忠)委員 ただいまの御回答で私は大体了承しましたが、先ほど自由党の委員の諸君からも指摘されたのでありますが、考え方としては、農民の自由意思によつて農民がつくつたところの農業協同組合が一元的に取扱うということが必要だと思いますが、これは客観的な情勢から独禁法等の関係があつてできないということはわかります。しかし政府が今後公団廃止後の配給機構については、いたずらに業者を温存するがごときその方法については、私は嚴に注意をしていただきたい。これは今回の食糧管理法の一部改正、食糧配給公団の廃止等についてもその内容また政府当局の考え方は、かつての業者また現在の公団の関係の者をあまやかし、かばい過ぎるという点が非常に露骨に見えますが、ことに一部の肥料業者を温存し、あるいはかばうといつたことをとらないように、政府当局に嚴重なる警告を発して私の質疑は打切ります。
#57
○小笠原委員長 これにて質疑通告者全部の質疑は終りました。よつて本案に対する質疑は終局いたしました。午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後二時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。
    午後零時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十五分開議
#58
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。この際小林委員より発言を求められております。これを許します。小林君。
#59
○小林(運)委員 本委員会にただいま上程になつております食糧管理法の一部を改正する法律案並びに油糧配給公団法の一部を改正する法律案の両案につきまして、政府に対して修正を求めるの動議を提出いたしたいと思います。最初にその修正意見を申し上げたいと思います。
 まず食糧管理法の一部を改正する法律案に対する修正意見を申し上げます。
 食糧管理法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 第三條の二第一項の改正規定中「予算ノ範囲内ニ於テ」を「主要食糧ノ需給事情ヲ参酌シテ」に、同條第三項の改正規定中「前條第二項ノ規定ニ依ル米麦等ノ政府ノ買入ノ価格及、需給事情ヲ参酌シテ」を「前條第二項ノ規定ニ依ル米麦等ノ政府ノ買入ノ価格ヲ基準トシテ」に改める。
 第一六條第一項の改正規定及び附則第一項但書を削る。
 次に油糧配給公団法の一部を改正する法律案に対する修正意見。
 油糧配給公団法の一部を改正する法律案の全部を次のように修正する。
 油糧配給公団法及び食料品配給公団法の一部を改正する法律
 (油糧配給公団法の改正)第一條 油糧配給公団法(昭和二十二年法律第二百三号)の一部を次のように改正する。
  第十四條第二項中「農林次官」を「農林事務次官」に改める。
  第三十一條第一項中「昭和二十五年四月一日」を「昭和二十六年四月一日」に改める。
 (食料品配給公団法の改正)第二條 食料品配給公団法(昭和二十二年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
  第十四條第二項中「農林次官」を「農林事務次官」に改める。
  第三十一條第一項中「昭和二十五年四月一日」を「昭和二十六年四月一日」に改める。
   附則
 この法律は、公布の日から施行する。ただいま申し上げました通りでございますが、すでに本委員会におきまして、この法案に対しましては、同僚各議員より修正意見の開陳があつたのでありますが、それを要約いたしましたものが、ただいま申し上げた修正の意見になるのでございまして、特に私がこの際申し上げたいのは、食糧管理法の一部を改正する法律案におきまして、今回いもの統制を解除して、政府は四億万貫のいも類を買い上げる。その際に政府の御都合によつて、予算の範囲内だけでこれを買い上げるという点が、特に私は指摘したいのであります。すでに各委員からも、この件については嚴重に政府にその覚悟のあるところを聞いたのでありますが、政府は言を左右にして、われわれの要求を入れていない。予算の範囲内でということになると、金がなければ、どんなに農家が苦労して、高い肥料を使つてできたいも類でも、自分のかつての値段で買い上げてしまうということになります。しかもこの数量においても、すでに府県の知事からは、もつと買い上げてもらいたいという要求がある。こういうようなことも、ただ政府が食糧の需給状況を考えないで、予算の範囲内、たつたこれだけで片づけてしまう、この精神がいかぬ。これはどこまでも食糧の需給状況を根本として買い上げなければならぬ。特にこの価格においては米麦の値段を根本にして決定しなければならぬということは、各委員とも強い要求があつた。これに対する政府の考え方は、どこまでも自分の御都合主義だ、こういうことが過去において政府の食糧政策その他につきましてやつて来た間違いの根本をなし、われわれ国会の意見を尊重しないという結論になるのであります。
 以上の見解からいたしまして、私はこの法律の改正案に対しまして、かような修正意見を申し述べたいのであります。その他いろいろ意見もございますが、ここに至つてくどくは申しません。以上申し上げまして、すみやかに政府は以上のような修正をいたしまして、本委員会に再びわれわれの意思を体したこの改正法律案を出されんことを特に要望いたしまして、動議を提出する次第であります。
#60
○小笠原委員長 ただいまの動議について討論の通告があります。これを許します。小平君。
#61
○小平(忠)委員 私はただいま提出されました食糧管理法の一部を改正する法律案に対する修正並びに油糧配給公団法の一部を改正する法律案に対する修正意見、この両動議に対しまして賛成の意見を申し述べるのであります。と申しますのは、終戰後の食糧というものは、昨年までは政府当局の説明によりますと、まことに悲観すべき状況であり、また供出の一方的な強化をしいるといつたような政策をとつて参つたのであります。御承知のように、昨年末においては超過供出に対しましても、これを法制化して強権供用の対象にしようというような、極端な施策をとつて参つたのであります。しかるに今回出されたこの食糧管理法の一部を改正する法律案の内容を見ますると、まつたく今までの政策と一変した、現実を無視したかのごとき内容である、こういうふうに考えるわけであります。と申しますのは、ただいま動議提内の説明の中にもありましたように、これは簡單な問題じやないと思います。戰時中、戰後を通じまして、いも類は重要なる主食として取扱つて来た。これを一挙にまつたく撤廃をして、さらにそれについて一応政府は四億万貫の買い上げをするという表現は使つておりますが、これの決定においては、かんしよもばれいしよも、いずれも以内の買い上げをすると言つております。さらに今回のこの法律の改正を見ますと、予算の範囲でというようなぼやけた表現をしておる。これはまつたくどうでもなる、逃げ口は幾らでもつくつてある。そういうことではたして日本の食糧事情が、円満に解決されるであろうかということに、私は懸念を持つものであります。さらに問題は価格の面でありますが、特に米価は各位がすでに御承知のように、昨年来全国の農民の盛上る意思としては、生産を償う米価でなければならぬわけで、あくまでも他の物価と均衡のとれる価格でなければならぬ。特に政府においては米価審議会をつくつて、多くの学識経験者を参加させてきめた結論をたびたび下まわるような価格をつけておる。それに対しまして、さらにこのいも類の価格については、私はあくまでも物価政策の見地から、その極端な一方的な措置はとらないにいたしましても、やはりいもにいたしましても、対米価を基準としてすみやかに決定することが、今年度のいも類の増産なり、またどうしても絶対量の不足な主食の問題解決の大きなポイントであると考えるのであります。これを單にこの改正案によります食糧の需給事情という点だけではたして解決されるかどうか。さらに政府におきましては、植物防疫法の提案をすでに閣議の決定を見て、目下関係当局と折衝中かのごとく私は話を聞いております。すなわち優良種子をまずつくつて、そうして完全なる病虫害の防除に資するというわけである。一方においてそういう方針でおりながら、従来の種ばれいしよについては、今年度はまつたく買い上げをしない、自由に放任するという政策をとつて、はたして今日絶対量において主食の不足せる食糧問題が解決するかどうか、さらにこの種ばれいしよの価格についても、あるいは取扱い費についても、政府は何らの具体的な施策を持つていないということに関しましては、まことに遺憾であります。さらにこの本法の改正によりますと、結局本年三月一ぱいで廃止すべき食糧配給公団を、さらに一箇年延長する。そうして統制も一箇年は延長するのでありますが、今年の八月、九月には、この配給方式を民間に逐次委讓して行く、かつての自由配給方式に持つて行く、公団は廃止をすると言つておりながら、さらにその基本金を九千万円増額して備品の購入に充てるというがごときは、まつたく了解に苦しむものであります。かかる見地から見まするときに、現段階において従来の食糧管理法は、内外食糧事情の変更によつて一部の改正を必要とするのでありますが、これは現実農民の食糧増産の見地において、十分これが食糧増産を期し得るというような改正であるならば納得し得るのでありますが、これを見ますとまつたく農民の現状を十分に察知してない。すなわち今後こういうような方式をとるならば、やはり依然として農家は圧迫をされて、何を目標に食糧増産にはげんだらいいかわからないような内容であると私は思うのであります。
 さらに次の油糧公団法の一部を改正する法律案につきましては、従来食料品配給公団において取扱つておりました砂糖を、油糧配給公団に持つて行こうとするものでありますが、この改正案によりますと、食料品配給公団は今年の三月三十一日に自然消滅するからこれを廃止する。そしてその後油と砂糖を一緒にするのであります。世の中のたとえに、水と油を一緒にするということがありますが、政府は油と砂糖を一緒にするという。そして今年の秋ごろには、この油糧公団も逐次廃止をするという。油においてもすでに魚油と米ぬか油は四月から廃止するという筆法をとつておる段階において、何のためにこういうものを一緒にくつつけて、複雑な機構をつくつて、その間二箇月、三箇月のむだな期間をおくかということについて、私は了解に苦しむのであります。少くとも現在砂糖については、その大半を輸入に仰がなければならぬという現状においては、砂糖の統制をすることは当然だと思います。その場合に、従来の食料品配給公団の中にあつた砂糖局の二百八十名の公団職員を油糧公団に持つて行くことによつて、さらにその職員が百二十名増員されまして四百名の職員を要するということは、これはいたずらに公団職員を増加して、その中間経費、中間マージンを増大せしめるものであります。すなわち、さらに国民の消費負担を拡大せしめるという結果になるのでります。この点におきましては、やはり食料品配給公団の廃止はわれわれが従来とも主張して来たところでありますし、自由党におきましてもこれは一貫した主張であります。これを廃止するのは賛成でありますが、油と砂糖を一緒にくつつけて、そこにむだな工作をする必要は断じてないということから、砂糖局だけを存続せしめて、その他は廃止、清算の手続に入るという方がいいのではないか。かかる観点におきまして、ただいま小林委員から提出されたこの動議は、すみやかに政府においてこの修正案を了とせられ、ただちに本案の修正をなされまして、この委員会に付託するよう私は要求するものであります。以上をもちましてこの動議に対する賛成討論といたします。
#62
○小笠原委員長 藥師神岩太郎君。
#63
○藥師神委員 私は提案になつておりまする食糧管理法の一部改正並びに油糧公団の一部改正の原案に賛成するものであります。
 今小林委員から、政府に、修正をしてあらためてここへ法案を出せという修正動議が出て、小平委員の賛成があつたわけでありますが、政府は内容のいかんにかかわらず、原案を提出しておるのでありますから、これを変更することはおそらくないのであります。しかし議会は修正権を持つておるのであります。修正をする必要があれば堂々と修正案を提出すればよろしい。またこれが議会の常道であると考えるわけであります。それを政府に議案を修正して出せと、こういうことは、私は議会制度の根本をわきまえない暴論であると思うわけであります。この修正の内容の適否については私は論及いたしません。論議をいたしませんが、修正すべきものならば堂々と修正案をお出しになることが必要であろうと考えるのであります。
 はなはだ簡單ではありますけれども、この修正動議は、その趣旨の誤つていることを指摘すると同時に、私は原案に賛成するわけであります。
#64
○小笠原委員長 勒議についての討論は終りました。
 油糧配給公団法の一部を改正する法律案、食糧管理法の一部を改正する法律案の両案に対して、小林運美君より提出せられましたところの、政府に対して修正を要求する動議について採決をいたします。この動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#65
○小笠原委員長 起立少数。よつてこの動議は否決せられました。
 引続き油糧配給公団法の一部を改正する法律案及び食糧管理法の上部を改正する法律案を一括議題とし、討論を行います。討論は通告順によつてこれを許します。河野謙三君。
#66
○河野(謙)委員 食糧管理法の一部を改正する法律案並びに油糧配給公団の一部を改正する法律案の政府原案に賛成するものであります。
 われわれはもともと現在の政府の直接統制によるところの食糧、油糧の統制機構に満足するものではありません。しかしながら現段階におきましては、食糧にいたしましても、一つの例をとるならば、内地の約五百万トンの米と、輸入を予定されております百万トンの米を加え、さらに小麦におきまして、輸入小麦の百五十万トン並びに内地小麦の五十万トンを加えまして、これを全部配給に充てましても、二合七勺の中の二合四勺にしか当りません。かような状況におきましては、この逼迫せる食糧状況におきまして、これをただちに現在の政府の直接統制から他の機構に切りかえることは、きわめて危險であります。言うまでもなく食糧は国民生活の最も重要なものであります。ただちに物価に影響し、ただちに貨金に影響するものでありますから、われわれは現在の食糧の輸入または内地の生産状況から行きましては、今ただちにこの配給機構を政府の直接統制から次の段階の間接統制に切りかえることは危險であるがゆえに、暫時の間はこの現在の配給機構によつて配給を続けるということ以外に道はないと思います。特に、私は先ほどいもの問題に触れましたが、過日来の当委員会において、政府はしばしば、本年政府が割当てました四億万貫のいもは、事のいかんにかかわらず、農家からの希望があれば責任を持つて買い上げるということを言明しております。従いまして、先ほどからの野党各位の御発言は、御心配御無用であるということになつているのであります。私は特に今回の政府のいもの措置は、非常に意義が深いものであると思います。今回の、政府が四億万貫のいもを買うということは、農産物の価格の保持を保障しているものである。価格保持の一つの政策であります。この意味におきまして、單にいものみならず、今後米にいたしましても麦にいたしましても、すべてかような統制方式に切りかえるべきである、また、さような方途をもつて、政府はまずいもに手をつけられたという意味において、きわめていもの四億万貫の買上げは意味が深く、その意味において私は積極的に賛成するものであります。
 なお、油糧公団の中に、食料品公団から砂糖を切り離してくつつける問題でありますが、これは、砂糖もそのうちに需給のバランスが合つて来るだろうから、しばらくの間だから、これを今のまま、食料品公団のまま置くという御意見でありますが、これは私はまつたく違うと思います。食料品公団を今のまま置きまして砂糖局を残しました場合、一体食料品公団の機構はどうなるか。依然として、総裁、副総裁以下、各役員は残ります。庶務も会計も、すべて独立した機関が残ります。この食料品公団の中から砂糖を分離して油糧公団にくつつけました場合は、油糧公団の中の一部局としての砂糖の取扱いで済むわけであります。経済的に考えましても、かりにこの砂糖の統制が今後半年の命脈しかないということを考えましても、この方がより合理的であり、より経済的であるということは、私がいまさら申し上げるまでもなく、きわめて明瞭であります。その意味におきまして、砂糖の統制が今後しばらく置く限りにおいては、食料品公団の廃止と同時に、この砂糖の部門だけを、とりあえず油糧配給公団にくつつけるということは、私は賛成であります。ただ私は、この機会に食糧公団並びに油糧公団の今後の問題について、政府に二、三強く要望したいものがあるのであります。まず公団の機構の問題でありますが、従来の公団の運営につきましては、過日われわれの手元に、安定本部の調査庁の方から詳細な報告が来ておりますが、この報告によりますと、公団の運営に当りましては、農林五公団共通いたしまして、資金の面におきましても、運送の面におきましても、金融の面におきましても、すべてでたらめと言つていいくらいに運用は間違つております。つきましては、今回この食糧公団並びに油糧公団の一年延期の法案をわれわれは可決するにあたりまして、少くとも現在の公団の機構を抜本塞源的に改正をしていただきたい。たとえば食糧公団の例を申すならば、従来のようにいも類局、澱粉局というようなものをくつつけましても、ただくつつけただけであつて、食糧公団の機構の中に溶け込んでいない。その内容を洗えば、依然としていもの公団なり澱粉の公団があつたと同じ過去の状態をそのまま継続しておる。かようなことでは断じて相なりませんので、この機会に食糧公団の機構そのものを、私は大いに改組縮小していただきたいということが第一点であります。同時に先ほど申し上げましたように、油糧公団におきましても、砂糖を油糧公団に取扱わせるにあたりましては、過去において澱粉、いもを食糧公団にくつつけました場合のような、ああいうつぎはぎのようなことをやらずに、完全に砂糖を油糧公団の一部局として溶け込ました一つの機構をつくつていたたきたいということを、まず第一に希望するものであります。
 なお第二には、公団の金融の問題でありますが、各種公団を通じまして、金融の操作がきわめて惡いのであります。作為的に惡いのであります。一つの例を申し上げるならば、油糧公団におきましては、昭和二十四年度におきまして支拂い利息を二億七千百万円支拂つておるのに対して、收入利息はわずかに九百万円である。食糧公団におきましては、二十四年度の統計は出ておりませんけれども、少くとも二十四年度におきまして九億万円以上の支拂い利息を拂つておるのに対しまして、私の想像するところでは、收入利息はわずか五千万円程度であります。この事実は手元にたくさんな金を持つておるにかかわらず、しかもそれを無利息の当座預金にしておいて 一方において借金をして多額の利息を拂つておる。かような運営はあるものではないのであります。かようなことが、しばしば新聞に報道されますように、公団の浮貸し事件になり、刑事問題になつておるのであります。この事実は、その後政府において嚴重なる監督をされておるようでありますけれども、まだ根本的には改革されていない、私はかように思いますので、この機会に十分政府は、公団の監督を一層嚴にされんことを希望するものであります。
 次に公団の取扱い品目の問題でありますけれども、これも一口に食糧公団、油糧公団と申しましても、取扱い品目には順次私は廃止してしかるべきものがあると思います。たとえば食糧公団におきましても、資材の問題等におきましても、わら工品のごときはこれはすべて廃止していいはずであります。また紙の容器等についても廃止していいはずであります。またその他の綿袋等にいたしましても、需給関係からいたしましてただちに廃止していいものであります。そのほか米ぬかの問題にいたしましても、これは私はすでに廃止していい段階に来ておると思います。とかく従来政府の統制廃止にあたりましては、完全に需給が見合つたときにやめる、こういう措置をとつておられますけれども、政府の見るところで完全に需給が見合つたというときは、民間から見ました場合には供給が過剩になつたときであります。論より証拠、従来の政府の統制廃止にあたりまして、すべて統制を廃止するときには、石炭にいたしましても木炭にいたしましても、すべてのものが、政府が廃止すると声をかけたときは、物が余つております。従いまして、この統制機関の廃止にあたりまして、必ず判で押したように公団は赤字であります。この赤字を一般会計に振りかえて、国民全部の負担に転嫁しておるわけであります。かようなことは今後断じて繰返してはならないのでありまして、取扱い品目の廃止にあたりましては、よく需給の関係を考え、将来の供給の見込みを立て、需要の見込みを立てて、少くとも従来のように公団廃止また統制機関廃止にあたりまして、赤字を出して国民の負担をいたずらにふやすというようなことのないように、特に強く要望するものであります。
 なお私は最後に、いもの問題にもどりまして、一、二お願いしおきたいと思います。過日しばしば政府は四億万貫のいもを買い上げるということを言明されておりますから、念には及ばぬことでありますけれども、ただいま野党の各位からも強く要望がありましたことでありますから、この機会に重ねて、本年の買い上ぐべく予定しました四億万貫につきましては、農民が希望する限りにおきましては、必ずこの四億万貫のいもは買うということを、ひとつ特に希望するものであります。
 第二には、このいもの価格の問題でありますが、このいもの価格決定にあたりましては、少くとも従来の例にならいまして、米価との比率を従来通りにとりましていもの価格を決定してもらいたい。單にいもだけのことを考えまして、米価と切離していもの価格を決定するというようなことのないように、特にお願いするものであります。
 第三には、食糧公団の役職員は関係企業の株式取得を禁止されておりますか、今後同公団の改組に伴いまして、新たに販売業の株式取得の禁止が加えられることになりましたが、これは公団の職員の大部分は、元は米麦の卸しまたは小売商人であつて、今回の公団の末端より大配給に切りかえ、さらに純然たる民間機構に切りかえて行くようになつておりますので、その準備のために売買業の株式を持ち得るように、特に政府はこの際深い御配慮を煩わしたいということをお願いいたしまして、私は以上政府提案の両案に賛成の意見を申し述べた次第であります。
#67
○小笠原委員長 足鹿君。
#68
○足鹿委員 ただいま上程されておりまする食糧管理法の一部を改正する法律案ほか案件につきまして、日本社会党を代表して反対の意見を開陳いたしたいと存じます。
 先刻来いろいろ御論議がかわされておりまするが、まず根本問題として食管法について意見を述べたいと思うのであります、すなわち現在の食糧政策は、これを概観してみまするのに、ほとんどその法律制定の基本が戰時立法的性格を多分に持つておるのでありまして、その意味において、いろいろな強制規定等があり、かつ政令あるいは命令等に委任する事項を多分に持つておりまして、ここにいろいろ供出問題をめぐつて、農村との間におもしろからざる事故が瀕発して来ておつたことは明瞭でありまして、何人もこれを否定することはできません。これらの事実一点から考えてみましても、問題はただ單に食糧管理法の一部を改正するというがごとき姑息な問題ではなくして、この戰時立方的な食糧に関するいろいろな基本法を全面的に切りかえて、しかも世界における食糧情勢とにらみ合せて新しい食糧政策が樹立されなければならぬ段階に入つておることは、政府もまた與党の諸君もよく御存じのはずである。
    〔委員長退席、山村委員長代理着膚席〕
先日来神奈川県の湯河原温泉において、政府と與党が連絡会をお開きになり、いろいろこの問題について御審議になつておる事実は、これを雄弁に立証しておるのである。こういう事態を私ども考えてみますと、問題はかかる部分的な改変ではなくして、基本方針を樹立し、その線に沿うておのずから根本的な食糧政策が、しかも長期需給を見込んだ食糧政策が樹立されなけれぱならぬと存ずるのであります。かかる観点から、この食糧管理法の一部改正法律案は、政府の基本方針の欠如せることを如実に暴露しておるといつても過言ではないのでありまして、この点私どもは根本的に本法案に賛意を表することができない点であります。
 第二点は、昨年の十一月の末ごうごうたる非難の的になりました食糧確保臨時措置法が、国会でいろいろ論議をされまして、その後これが審議未了となつて流産をせんといたしまするや、政府はこれをポ勅によつて発布をし、今日に至つておることは御存じの通りであります。しかりとすれば、必要を認めて、ポ勅によつて公布せられましたこの食糧法を活用して、この食管法の一部改正の趣旨を食確法によつておやりになることが、法律そのものの運用の上から申しますならば、むしろ妥当である。こういうことを一面的に言い得るのにもかかわりませず、あえてこの食糧管理法の一部改正案で糊塗せられるところに、政府みずからが法律の適用を誤つておられはしないか。私どもはこの点をまず第二点として指摘いたしたいのであります。ほんとうに食確法がポ勅によつて行わなければならないほど緊急に必要があつたならば、なぜこのたびの食管法の一部改正をこれによつておやりにならないか。ここに政府みずからが大きな矛盾を犯しておられることをお気づきにならないはずはないと私は思う。こういう観点から、この食管法の一部改正法律案は妥当を欠いておる、かように考えざるを得ないのであります。具体的に事実を指摘いたしますならば、ただいま河野委員や地の委員からも、いろいろな希望條項によつて御指摘になりました、いもの買上げ数量に対するところの農民の不安、買入れ価格に対するところの農民の不安、これらのものに対しまして、この改正法律案は具体的に、明確にその不安を解消いたしておりません。あるいは命令により、あるいは予算の範囲内によりというようにいたしまして、きわめて焦点がぼけておるのでありまして、ここに必要以上に農民がいろいろな不安を抱き、自己の農業経営に対するところの異常なる危惧を抱かざるを得ないのでありまして、無用の心配を農民に與え、そして食糧行政のスムースな進行を妨げる結果に陷ることは明らかでありまして、かかる意味からいいましても、もつとこのいもの買上げ数量や、買入れ価格に対しましては、もしおやりになるならば、的確に、農民をして安心せしめるように表現をすることが、当然なされなければならぬ。かかる意味において、先刻野党の人たちによつて出されました修正案は妥当であるにもかかわらず、これがか否決されました。この点におきましても、私は具体的な欠陷をこの改正法律案自体が持つておるということを指摘いたしたいのであります。
 第三点といたしましては、戰争中、戰後において、日本の食糧不安に非常な貢献をしたこのいも類が、時節柄とはいいながら、これをやつかい視するような傾向が生じ、そしてここに一方的に政府が必要とするだけを買い上げて行く、しかも何ら民間にこれを相談することもなく、一方的に価格をきめ、買上げ数量をきめるがごとき立法は、過去における、ごく最近までのいものわが国食糧行政に果した地位を、あまりにも軽卒に取扱い過ぎておるという点であります。しかもこの大きないも作の転換にあたりまして、本年度の政府予算を見ましても、私どもはまことに遺憾の意を表せざるを得ないのであります。すなわち戰争中において茶畑を起し、あるいは桑の木を切り、果樹園を掘り起して、いも畑に転換いたしまして今日に至つていることは、御存じの通りでありますが、これらの元作への復帰に対しましていかなる措置が講じてあるでしようか。本年度の予算案を見ましても、かかる農政的施策がきわめて微々たるものであり、ことにこのいもに対するかような食糧管理法の一部改正法律案をお出しになるならば、これと唇歯輔車の関係において少くとも戰争中、戰後において果したこのいもの功績と申しますか、それらのものをここに償つて行く措置が講ぜられなければならぬ。予算的措置によつて裏づけられてこそ、農民を納得せしめ得ると私は思うのであります。かような点もなくして、ただ單に農民の犠牲において、いもの今後の転作もやらなければならぬ。かようなことでははたして農民の立つ瀬はどこにあるでしようか。かような意味から申しましても、この食糧管理法の一部改正法律案の農政的裏づけが、農業経営を現実に解決して行き、今後の苦難な農業経営をいろいろな点でカバーして行くだけの施策に欠けていることを、私は遺憾と思うのでありまして、第四点の反対理由といたしたいと思います。
 第五点といたしましては、公団の今後の問題についてでありますが、目下本委員会は五人の特別小委員をあげて、現地においても検討が行われ、その視察団の一行すらもまだお帰りになつておらず、私どもはその報告すらもまだ聞いておらないのであります。将来の問題を考えるためにかような委員会が設けられ、しかも愼重に検討が進められている際に、その報告すらも聞かずして、公団の将来とトするこの法案を決定することは、いかがかとも考えられるのであります。いわんや九千万円の基金増加の問題につきましては、経済調査庁が私どもに配付いたしました資料をしさいに検討いたしましても、私どもはこれを了承することはできません。またこの点については、よりよく検討いたしまして、いろいろな疑惑を解消しなければならないこのやさきに、さらに基金増加の改正案が出て来ることは、私どもはまことに遺憾に存ずるのであります。
 以上の大体六つの一般的、具体的に、また法文そのものの欠陷の上から考えてみまして、私どもは本法案に遺憾ながら賛意を表することはできません。以上をもちまして、反対の理由といたします。
#69
○山村委員長代理 坂口君。
#70
○坂口委員 私は民主党を代表しまして、ただいま上程せられております食糧管理法の一部を改正する法律案外一件に反対いたすものであります。
 本件につきましては、先般来十分質疑等もいたしているのでありまして、問題の論点はことごとくわかつているのであります。また特にその結論といたしまして、私ども修正意見を先ほど提出いたしましたから、あらためてここに詳しく申し上げる必要はないと思います。
 要するに、この法案自体といたしましては、われわれがここに修正に出しましたように、この予算の範囲内においてというような字句をもつて、このいもを買い上げるというようなこの態度でありまして、先ほど賛成の意見を述べられました河野委員は、これは要するに価格保持の政策であるというようなお話でございますが、またそのほか述べられました希望條件の中にも、価格についてなお疑義がありますために、はつきりと念を押して強く希望された。そういう点から考えてみましても、私は価格保持の政策と考える、そういう意味が、あるということは、私どもは考えることができない。こういう不安があるから、私どもはこういう修正の意見を持つているわけであります。要するに食糧政策が、この食管法の一部改正という、表面は小さいような案件を端緒といたしまして、今後広く大きく日本全体の問題となり、日本の農政の上に大きくおおいかぶさつて来る、非常な憂雲にとざされているというこの際にあたりましては、事はきわめて簡單な法律でございますけれども、この考えの基調をなすところの予算の範囲内というようなことで、政府が一方的にこういうものをきめて行、く、先ほど足鹿委員も指摘されましたように、戰時立法のにおいが非常に多い。戰時立法であろうがなかろうが、私はこの立法の根本の考え、思想というものは、私がこの前も食管法の論議の際に申しあげましたように、結局政府もまた国民も、同等の立場で権利と義務というものをはつきりして規定して行く、そして政府お任せという考え方のもとに出ますところの立法というものを、今後排撃して行かなければならぬ、これがほんとうの民主主義の法律であり、また特に農村関係におきまして価格保障というようなことをこの前の論議の際も強く申し上げましたのは、決して農民だけ、国民だけの片務的なものであつてはならない、この根本の考え方からして、私どもはそういうことに賛成するわけに行かぬのであります。またいもの値段にしましても、対米価という関係はもちろん大事でございますけれども、需給事情を参酌して、そのときに動かし得るというようなことは、非常に不安である。ことに政府が従来とりました、いろいろの場合の農民に対する政策その他から考えてみましても、私どもは信用することができない。そういうような、法律で一方的なものでどうでも動かし得るものでは、私ども信用するわけに行かぬ。そこに私どもがこれに反対する理由があるのであります。そういう意味におきまして、おそらく與党の諸君といえども私どもと同様に非常に心配をして強い希望條件をつけられているか、私どもはそれでなお信用ができないから、こういう修正の意見を持つている。こういう意味で、修正意見は御賛成を得なかつたのでございますけれども、なお依然としてこういう意見を持つている立場から反対をいたす次第でございます。以上をもつて反対理由といたします。
#71
○山村委員長代理 山口君。
#72
○山口(武)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、食糧配給公団法の一部を改正する法律案、食糧管理法の一部を改正する法律案の二法案に対しまして全面的に反対をいたす次第であります。
 先ほど来、各委員の討論の際におきましても問題になつて参つてのでありますが、買入れ方式におきます数量の問題、価格の問題、すでに議論しつくされておりますので、くどく申し上げる必要はないと思うのでありますが、とにかくこの問題を見てわれわれが考えられるのは、数量にしても価格にしても、政府の一方的な御都合によつての押しつけがなされる、このことだけはきわめて明瞭な事実なんであります。それでもこのいもの問題というのは、先ほど足鹿委員が、政府に農政がないということを言われておりましたが、私はきわめて重大な農政の方針がきまつておられましてその一環としてなされて来たものだ、かように考えるわけであります。と申しますのは、このいもの問題が、当然麦類雑穀の問題と続きます。さらにこれは米の問題にも突き進みますし、現在政府と自由党におきまして、審議中であるといいますところの、食糧管理制度の根本的な転換に連なつている問題であろうと考えるわけであります。と申しますのは、現在の法律これ自体に問題がある。これ自体は、もちろんわれわれは全面的に反対である。ところがそれにもかかわらず、今度の改正によりまして、より一層の困難が農民を見舞つてくる、農村がよりひどい窮乏をしいられるというような状況に立至るだろう。なぜかならば、政府におきましては、今後農村の收奪という問題につきまして、これまでよりも新しい方式ではありますが、よりひどい苛烈な方式をとつて来るだろう、その現われが今回の改正案となつて来たものであろう、かように考えているわけであります。統制の解除という問題は、本来ならば農民が賛成するべきであるにもかかわらず、なぜそれに賛成しないような事態が起つているかということが、基本的な問題になつて来ると私は思う。それは私が申し上げるまでもなく、政府においてもすでに御承知のはずである。なぜかならば、これは日本の現在の農業経営というもの、農業の後進性というもの、これでは自由の市場に叩き込まれた場合につぶれる運命を持つている。農業をもつと前進させろ、発展させろ、そういうことを、われわれが言つたんでなくで、かつて連合軍自身も言つたろう。これが世界の建設にもたつていたろう。ところが、これに対して何もやつていないではないか。それからさらに現在の社会を見れば明瞭のように、大衆の購買力というものが、吉田内閣の政策によりましてきわめて削減され、すでに大衆の購買力の減退から、相対的な過剩生産という面が見られて来て、おかしな形で日本の農業恐慌というものが進行しつつある。こういうときに、このような統制の解除というものの果す役割はどういうものであろう。これは農村の收奪をよりはげしくするという以外に何が出て来るであろう。さらに問題がある。政府が一方的に数量も価格もきめる。ところが、その背後にわれわれが考えなくてはならないことは、輸入食糧の問題がある。政府は自分で輸入食糧をきめるなどと言つているが、実際はわれわれに納得できないような形においてのみ輸入食糧がなされている。政府の説明を聞いても、われわれは一向輸入食糧の問題につきまして納得できない。こういう関係におかれるならば、今後輸入食糧がより増大して、そのために日本の農業が圧迫されるという問題を考えて来ると、統制解除において起されて来るものは、輸入食糧の圧迫から日本の農業が破壊され、荒廃して行くというようになつて来るだろう。そういうような日本の農業というものを外国の農業に従属させ、外国の食糧に依存させる、そういう一環として政府が行われる以上、日本の農業は植民地的に再編成されて来る。その重大な第一歩としてこの法律の改正が行われている。もちろん公団におきましても、このような役割を果す上に、そのような観点からこの公団もつくられるというようになります場合、われわれは絶対にこの法律には全面的な反対の意思を表明せざるを得ないわけであります。
#73
○山村委員長代理 吉川君。
#74
○吉川委員 私はただいま議題になつております二案につきまして反対の意見を述べたいと思います。
 食糧管理法の一部を改正する法律案につきましては、その特に前段において、いも類の供出割当の問題でありましすが、かような問題は食確法の改正を伴わなければ意味をなさないものであります。食確法における農業生産の計画の中にうたわなければならない。従つて食確法の改正が伴わなければならないのに、それをさておいて、ここに食管法の一部改正をするということは妥当でないと思うのが、私の反対の理由の第一点であります。
 それから與党の代表者は、四億貫の政府買入れは、価格維持の適宜の措置であるというようなお言葉がございましたけれども、十数億のいもの生産数量のうち、その何分の一というきわめて少量に対して、政府が買上げ保障するということであつては、価格維持の適宜の措置ということは、はなはだ不十分であるといわざるを得ないのであります。しかも戰時戰後を通じまして、日本の食糧に対して、非常に貢獄をして参りましたところのこのいもの問題が、かくのごとき措置を受けるということは、はなはだ遺憾にたえないのであります。しかも本年度より来年度へ繰越されると予定されておりますところの食糧の数量は、約二千万石と言われておるのであります。それらの食糧の大部分が、海外からの輸入に仰いでいるということを考えますときに、私どもは国内の自給度を確立して行かなければならない。森農林大臣は、口を開けば、自給度を高めて農業恐慌に対処するのだということを、私どもはこの委員会においてたびたび聞かされて参つたのであります。その自給度を高めるためにも、私は十数億のいも類に対して、全部とは申しませんまでも、少くとも半分や三分の二の買上げをするということが、私は価格維持の適宜の措置といわなければならないと思うのでありますが、あまりに少量であるという意味において、どうしても賛成することはできないのであります。
 それから同僚議員がすでに述べられましたから、私はくどくは申しませんけれども、この政府の買入れ価格につきましては、米麦等の買入れ価格や、いも類の需給事情を参酌して、適切にきめるということでございますけれども、米価を基準にして決定するというような、先ほど小林委員からの、修正を要請するところの動議にありました、あの精神が盛られていないということは、われわれのどうしても賛意を表すことのできない一点でございます。
    〔山村委員長代理退席、委員長着席〕
 次に公団が一年間延長するに伴いまして、什器等九千万円からの計上をいたしているということは、常識で考えてみましても、大体この公団が設立されましたのは、昭和二十三年二月であります。それからわずかの年月の間に、これらの公団の使用いたしましたところの計器等が、もはや使用に耐えないということは、どうしても考えられないのであります。それを今九千万円からの厖大な金をもつて、その什器等の設備をされるということも、われわれ国民のどうしても了承することのできない点であります。
 次に油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきましては、同僚議員の小平委員から申されました通り、政府は油糧、砂糖配給公団の存続を一応一年延長することとしたいのでありますが、政府としましては、砂糖及び油糧の輸入量の増大によりまして、その需給の均衡が得られ次第、両公団をも廃止する予定でありまして、これは今後の輸入その他需給事情によりますけれども、昭和二十五年度中にはおそらく実現し得られるものと期待している次第でありますと、はつきり申されている通り、ごく短期間に廃止が予定されているのであります。こういうようなことがはつきりしているのにもかかわらず、食料品配給公団を廃止いたしまして、そしてそこの一部分の仕事を油糧配給公団へくつつけて、そこで相当数の増員をして、聞くところによりますと、副総裁等のいすも設けてやるということでございますが、かくのごとき処置によりまして、非常な混乱を招来することが予見できるのでありまして、わずかな期間でありますから、さような混乱を招くことなく最後の仕上げをよくするということが、最も適切な方法であろうと思うのでありますが、かくのごときことがとられないということは、私どもの賛意を表しかねる点でございます。
 以上をもちまして、簡單でございますが、私の反対の意見を終ります。
#75
○小笠原委員長 これにて討論通告者全部の討論が終りました。よつてこれら両案の討論は終結いたしました。
 これより採決を行います。採決の順序は、初め油糧配給公団法の一部を改正する法律案について採決いたし、次に食糧管理法の一部を改正する法律案を採決いたします。
 それではまず油糧配給公団法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案の原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#76
○小笠原委員長 起立多数。よつて本案は原案通り多数をもつて可決いたしました。
 次に食糧管理法の一部を改正する法律案の採決を行います。本案の原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#77
○小笠原委員長 起立多数。よつて本案は原案通り、多数をもつて可決いたしました。
 なおこの際、これら両案に対する委員会の報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさように決します。
    ―――――――――――――
#79
○小笠原委員長 この際足鹿委員より発言を求められております。これを許します。
#80
○足鹿委員 緊急動議を提出いたしたいと思います。この趣旨を朗読いたします。
    〔朗読〕
政府はみずから最近食糧事情の緩和せることを言明し、いも類統制を全廃し、さらに油糧、飼料等の一部の統制をも撤廃する措置を講じつつある今日、政令第三百八十四号食糧確保のための臨時措置に関する政令を即時廃止するよう政府に要求することを動議として提出します。
  提出者
          井上 良二
          小林 運美
          足鹿  覺
          石井 繁丸
          小平  忠
          吉川 久衛以上六人を代表いたしまして、本動議を提出しました理由を簡單に申し上げます。
 先刻来の食管法の一部改正法律案審議過程におきまして、要は盡きていると存ずるのであります。すなわちこの法律自体が政令によつて実施せられた基本的な條件は、すでに何もないということを政府みずからが、最近これをあらゆる施策において明らかにしておられるのでありまして、すみやかにかかる法令は撤廃せられまして、最近の事態に即応したる、農業基本法とも言うべき農家保護立法の基本方針を明確にされた、転換期における農業施策の根本を樹立せらるべきことと確信いたすのであります。
 以上の観点から本緊急動議を提出いたす次第でありまして、御賛同をわずらわしたいと思います。
#81
○小笠原委員長 ただいまの動議について討論の通告があります。これを許します。吉川君。
#82
○吉川委員 私は政府が農産物の自給度を高めて、日本農業のこの恐慌に対処しようという御施策に協力をいたしたいと思います。従つてただいま足鹿委員から提案されましたところの動議に賛成の意を表したいと思います。
 そもそも食糧確保に関するポツダム政令というものは、ただいまの動議の御説明にあつた通りでございます。ポツダム政令というものは、これはかつての旧憲法時代の緊急勅令に相当するものであります。従つてこれは法律と同等もしくはそれ以上の効力を持つておるものであります。しかもそのものが発令されるという時期は、緊急に国会を召集することができない場合に、やむを得ず発するところのものであります。従つてそれは次期に国会を召集した場合において国会の承認を得なければならないというようなことになつております。これは一般の法律論であります。従つて本問題につきましては、これは第五、第六臨時国会を通じて、もみにもんだところの食確法の一部を改正する法律案が遂に流産に終つたために、政府は第七通常国会の開催を待つことができないで、やむを得ずこの挙に出たとするならば、われわれはこれを了とせざるを得ないのでありますが、第七通常国会が召集されているさなかに、第五第六臨時国会において審議未了になつたものを遂にこのポツダム政令に及んだということは、われわれのどうしても了承することのできない問題でございます。このように第五、第六臨時国会を通じて遂に審議未了となつたという一事をもつてても、また審議の経過におきまして、與党であられるところの当時の民自党の諸君までもが、こぞつてこの問題については非常な関心を持つていられたということを見ただけでも、この問題がいかに農民の生産意欲を阻害するところの重大内容を持つておるかということがわかるのであります。そのような法律手続につきましても、われわれははなはだこれを了とすることはできないと同時に、それが農民の生産意欲を減退さしたということは重大な問題でありまして、私が劈頭申し上げましたところの、政府の自給度を高めて農業恐慌に対処する施策に協力したいというこの問題と、非常に矛盾するのであります。そこで政府はみずからすみやかにこの問題を撤回しなければならない。これは農産物の自給度を高めて農業恐慌に対処しようという、そういう御施策から必然的に出て来る問題であろうと思うのであります。農林大臣はこの委員会におきまして、昭和二十五年度においてはこの政令は適用しないとおつしやつた。けれどもポツダム政令というものは、法律と同等もしくはそれ以上の効力を持つものであります。それを農相一人の言明によつて誓約ができるとするならば、これは、農相の一言は法律と同等もしくはそれ以上の効力を持つということになりまして、こういう問題がもし許されるとするならば、これは非常なる專制政治が巻き起されるという、非常に憂慮すべき事態が考慮されるのであります。そのためにこの事情を承知いたしましたところの農民は、非常な不安を持つてただいまもいるのであります。農民の不安を一掃させそうして、農民に安心して食糧増産、日本の食糧の自給度の高揚のために邁進させるためにも、この問題はすみやかに撤回されなければならないと思います。
 私は以上をもつて足鹿委員の動議に賛成の意を表するものであります。
#83
○小笠原委員長 これにて本動案に対する討論は終局いたしました。これより足鹿君より提出されました食糧確保のための臨時措置に関する政令廃止を政府を求むるの動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○小笠原委員長 起立少数であります。よつて本動議は否決されました。
    ―――――――――――――
#85
○小笠原委員長 次に松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律案を議題といたします。
 この際質疑及び討論の通告がありませんから、これを省略して、ただちに本案について採決をいたします。本案の原案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#86
○小笠原委員長 起立多数。よつて本案は原案通り全会一致をもつて可決いたしました。
 なおこの際委員会報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決します。
 本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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