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1975/05/17 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 決算委員会 第6号
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1975/05/17 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 決算委員会 第6号

#1
第077回国会 決算委員会 第6号
昭和五十一年五月十七日(月曜日)
    午後一時三分開議
 出席委員
   委員長 村山 達雄君
   理事 中尾  宏君 理事 萩原 幸雄君
   理事 森下 元晴君 理事 吉氷 治市君
   理事 久保田鶴松君 理事 原   茂君
   理事 庄司 幸助君
      赤澤 正道君    宇都宮徳馬君
      大石 武一君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    渡海元三郎君
      山口 敏夫君    塚田 庄平君
      田代 文久君    浅井 美幸君
      坂口  力君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
 出席政府委員
        防衛庁装備局長 江口 裕通君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  石田  徳君
        科学技術庁原子
        力安全局長   伊原 義徳君
        大蔵省主計局次
        長       田中  敬君
        大蔵省主計局次
        長       松下 康雄君
        国税庁次長   横井 正美君
 委員外の出席者
        防衛庁長官官房
        防衛審議官   渡邊 伊助君
        防衛施設庁総務
        部施設調査官  古賀 速雄君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課長    佐藤 眞住君
        法務省刑事局刑
        事課長     吉田 淳一君
        水産庁漁政部長 森実 孝郎君
        建設省河川局防
        災課長     井沢 健二君
        会計検査院事務
        総局第一局長  田代 忠博君
        決算委員会調査
        室長      東   哲君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  石田 博英君     山口 敏夫君
  菅野和太郎君     塩谷 一夫君
  木村 武雄君     渡海元三郎君
 橋本登美三郎君     塩川正十郎君
  坂井 弘一君     坂口  力君
  塚本 三郎君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  塩川正十郎君    橋本登美三郎君
  塩谷 一夫君     菅野和太郎君
  渡海元三郎君     木村 武雄君
  山口 敏夫君     石田 博英君
  坂口  力君     坂井 弘一君
  小沢 貞孝君     塚本 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十八年度一般会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和四十八年度特別会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 (その2)
 昭和四十八年度特別会計予算総則第
 九条に基づく経費増額総調書及び経
 費増額調書
 昭和四十八年度特別会計予算総則第
 十条に基づく経費増額総調書及び各
 省各庁所管経費増額調書(その2)
 昭和四十九年度一般会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 昭和四十九年度特別会計予備費使用
 総調書及び各省各庁所管使用調書
 昭和四十九年度特別会計予算総則第 (承諾を
 十一条に基づく経費増額総調書及び 求めるの
 各省各庁所管経費増額調書     件)
 昭和五十年度一般会計予備費使用総
 調書及び各省各庁所管使用調書(そ
 の1)
 昭和五十年度特別会計予備費使用総
 調書及び各省各庁所管使用調書(そ
 の1)
 昭和五十年度特別会計予算総則第十 (承諾を
 一条に基づく経費増額総調書及び各 求めるの
 省各庁所管経費増額調書(その1) 件)
 昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書
 昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 (その1)
     ――――◇―――――
#2
○村山委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、以上七件の承諾を求めるの件、及び昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書、及び昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。
 まず、大蔵大臣から各件について説明を求めます。大平大蔵大臣。
#3
○大平国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外九件の事後承諾を求める件につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十八年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、六百五十億円であり、このうち、昭和四十九年一月五日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は、四百六十八億円余であります。
 昭和四十八年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、一兆八百四十三億円余であり、そのうち、昭和四十九年二月十五日から同年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百七十四億円余であります。
 昭和四十八年度特別会計予算総則第九条及び第十条の規定により、昭和四十九年二月十五日から同年三月二十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、千三百七十七億円余であります。
 次に、昭和四十九年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、千四百十億円であり、そのうち、昭和四十九年四月十二日から昭和五十年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は、八百二十億円余であります。
 昭和四十九年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、一兆二千九百二十三億円余であり、そのうち、昭和四十九年八月十六日から昭和五十年三月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は、二千三百九十九億円余であります。
 昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和四十九年八月三十日から昭和五十年三月二十八日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、千二百八十九億円余であります。
 次に、昭和五十年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、二千億円であり、そのうち、昭和五十年四月十八日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百三億円余であります。
 昭和五十年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、二兆六百八十二億円余であり、そのうち、昭和五十年五月二十三日から同年十二月二十六日までの間において使用を決定いたしました金額は、二千八百七十億円余であります。
 昭和五十年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和五十年八月八日から同年十二月十二日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、四十三億円余であります。
 以上が、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外九件の事後承諾を求める件の大要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
 次に、昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書外一件の報告に関する件につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和四十九年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、国が債務を負担する行為をすることができる限度額は、八百億円であり、そのうち、昭和五十年二月二十五日の閣議の決定を経て、総額百九十七億円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。
 昭和五十年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、国が債務を負担する行為をすることができる限度額は、八百億円であり、そのうち、昭和五十年九月十九日の閣議の決定を経て、総額一億円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。
 以上が、昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書外一件の報告に関する件の大要であります。
#4
○村山委員長 これにて説明の聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#5
○村山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
#6
○原(茂)委員 最初に科学技術庁にお伺いをしたいと思いますが、四十八年度の決算の中に科学技術庁に対する意見を表示し、または処置を求めた案件があります。一件ですが、これはもうお読みになっておわかりになっていると思いますが、大体どんなものがこういう指摘を受けるに至ったものなのか、簡単に、まず先に説明を……。
#7
○石田政府委員 先生御承知のように、科学技術庁では関係機関あるいは民間の研究機関に対して委託研究、研究を委託しておりますが、そこで、委託費によって取得いたしました物品は、委託した事業が完了いたしましてから当庁の方に、国の方に所有権を移すことになっております。それは年々かなりな量に上っておるわけでございますが、何分にも当庁が二十年前にできました、それ以前から各省庁にありましたものも引き継ぎまして、かなりのものを持っておりますが、それが四十八年度末の現在で指摘されましたところによりますと、新たなる委託事業等に活用しておるものは別でございますが、活用がされずに、そのままになっているもの、あるいは無断で使用しているもの等があるということが指摘されたわけでございます。
 これに対しまして、そのままただ単に寄託されておるものにつきましては、その後鋭意各方面の利用を図ってまいりましたところ、ほとんど大部分のものにつきまして、もうめどがついておりまして、あと残りは数件でございます。それ以外は御指摘のような趣旨に振り向けたわけでございます。
 それから無断で使用いたしておりましたものにつきましては、これは使用料相当額を違約金として徴収いたしまして、すでに全部完納いたしております。
 現在までのところは、そういうことになっております。
#8
○原(茂)委員 受託者が貸し付けなり払い下げを希望していたのに、そうしなかったために、現在ではもう使用不可能になったというものがありますね。それはどんなものなのですか。
#9
○石田政府委員 手元に全部持ち合わしておりませんが、一例を挙げますと、沃素化合物実験装置などでございまして、そのほか教育に使う施設等、特に汎用性がなくて、その委託研究だけに使えるようなものでございまして、その当時は確かに払い下げ等の希望があったわけでございますが、そういう性格のものでございますので、年数がたちました現時点と申しますか、指摘を受けましたすぐ直後に調べましたところ、すでにもう希望もないというものもございました。しかしながら、それは関係研究機関、たとえば当庁の放医研だとかその他の研究機関に使用を確かめましたところ、かなりのものについては、そちらの方で使用したいということでございましたので、会計検査院の指摘とは違った面で活用をいたしておるものがかなりございます。
#10
○原(茂)委員 この種の指摘はもう四十九年度以降、現在はもちろんですが、絶対指摘を受けるようなことはないという自信がありますか。
#11
○石田政府委員 会計検査院の指摘を受けましたので、早速各調査をいたしまして、寄託中のものはかなりあったわけでございますが、これにつきましては関係の政府の研究の機関に管理がえをいたしましたが、その希望もないものにつきましては売り払い等もいたしまして、かなりの、大部分については目下のところ貸し付けあるいは管理がえその他によって活用いたしております。
 今後は、これはもう昨年からやっておるわけでございますが、年に二回全部リストアップいたしまして、関係機関に利用の希望を問い合わせます。それに基づきまして管理がえ等の措置をいたしております。それから年に一度は書面あるいは現地調査をいたしまして、無断使用等ないように気をつけておりますので、今後はこういうことはないと確信いたしております。
#12
○原(茂)委員 よっぽど注意しないと、この種の問題は始終起きそうなので、いまお話のあったように、年に二回調査あるいは書面による調査などを必ずやって、あとなくすというお答えですから、そのとおりこれはぜひやってもらうように、実際にこれからまた起きるのじゃないかという心配の方が多いものですから、そういうことの絶対ないようにひとつしていただくように、きょうはお願いをしておきます。
 次いで、いま分析化学研究所の跡を分析センターが発足をしたわけですが、この発足に至るまでの経過を簡単に報告をいただいて、なお発足後の業務内容について簡単に、これも御説明をいただきたいと思います。
#13
○伊原政府委員 日本分析化学研究所の問題か起きましたのは、昭和四十九年一月二十九日に、衆議院予算委員会におきましてこの件が取り上げられまして、これはまことに私ども申しわけないことでございましたが、事実を調査いたしますと、従来科学技術庁が放射能測定調査の委託を日本分析化学研究所、これは財団法人でございますが、そこに分析を委託しておりましたところが、分析を実際に行わないで適当な数字を報告をしたという事実が発覚いたしまして、調査の委託費を不正に得ておったということでございます。私どもといたしましては、この点強く反省をいたしまして、再びかかることがないように全庁挙げて鋭意この対策に努めたわけでございます。
 まず、この分析の肩がわりと申しますか、当該財団法人の分析は信用ができませんので、肩がわりの分析ということで放射線医学総合研究所、日本原子力研究所、理化学研究所、この三機関に分析を依頼するということで、四十九年三月一日付をもちまして予備費の支出をお願いいたしまして、一億五百九十万七千円の御支出をいただいたわけでございます。しかし、これは応急措置でございますので、恒久的な措置といたしまして、分析を確実に実施いたします機関を設立するということに努めまして、昭和四十九年五月一日付をもちまして、日本分析センターを設立いたしました。これは従来の分析化学研究所と全く関係のない新しい機関でございます。この機関をもちまして分析を実施することにいたしまして、同じく四十九年六月四日付をもちまして、さらに予備費の支出をお願いいたしまして、三億八百六十九万三千円の予備費の御支出をいただいたわけでございます。
 なお、この措置に伴いまして、旧分析化学研究所の認可は六月三日でもって取り消しをいたしております。この新しい日本分析センターの業務は、四十九年七月一日に理化学研究所の支所におきまして、とりあえず一部業務を開始いたしまして、さらに同年十一月一日、通商産業省公害資源研究所分室の敷地をお借りいたしまして、そこの仮建屋で本格的な業務を開始いたしました。その後仕事は順調に発展をいたしておりまして、人員は役員五名、職員三十七名、そのほかに臨時職員も含めまして四十七名の人間が業務に携わっております。
 業務の主要内容といたしましては、放射能測定、放射能分析あるいはこのような分析をいたしますときの技術の改良研究、さらに民間からも一部分析の研究を受けております。
 大要、以上でございます。
#14
○原(茂)委員 その後、分析センターでは実際に業務を開始したわけですから、原子力軍艦がその後も入ってきている、その調査はもうやっているわけですね。
#15
○伊原政府委員 御指摘のとおりでございます。
#16
○原(茂)委員 その後何回入っているか。横須賀、佐世保――沖繩はずっと前からやっているのですが、そういうところに来ているものを、かつては委託をして調査もしないで勝手な数字を並べてきたという大事件が起きたのですが、自今そういうことのないように分析センターをつくったわけですから、現在では、そのデータは全部そろっている、こう見てよろしいのですか。
#17
○佐藤説明員 お答えいたします。
 まず最初に、寄港の実績でございますけれども、現在沖繩には四十八年度に二隻入っただけでございまして、その後入ってございません。横須賀関係が昨年、おととし入っておりまして、現在まで横須賀では、トータルで百二隻入っておるわけでございます。このうち五十年度に七隻入ってございます。五十一年度、今年の四月でございますが、二隻入っているわけでございます。
 これの関連の分析の体制でございますけれども、私ども、四十八年度の本誌事件にかんがみまして、その後分析問題につきましては抜本的な体制の強化を図ってございます。
 その一つは、従来分析化研の当時は、分析そのものは化研に委託していた、その内容につきましても、分析方法につきましては簡単に言いますと任せていた、こういう現状でございます。その後その反省に立ちまして、四十九年の第四一四半期に放射能関係の分析評価に関します専門家の委員会をつくりまして、ここには東京大学初め各大学の一流の分析の専門家に参集していただきまして、まず、この分析の方法につきまして客観的な方法をとるように、その指針をつくってございます。それをベースに科技庁の分析指針というものを確立いたしまして、現在分析センターではその指針に基づいた分析方法でやっているわけでございます。
 それから、分析センター自体におきます分析方法の改善でございますが、従来分析化研の時代には化学分析でやっていたわけでございます。これは、いわば職人的な技能に頼るような分析であったわけでございますが、予備費を使わしていただきまして、その後機器の充実を図り、現在機器分析を主体にして客観的なデータが、かつ迅速にできるような、そういう体制を整えているわけでございます。
#18
○原(茂)委員 この入港したやつの中に佐世保もあるのでしょうね。
#19
○佐藤説明員 佐世保につきましては、昨年度は入ってございません。四十九年度以降入ってございませんで、四十八年度に一隻入った実績がございます。もちろん三十九年度から数えますと、全体で約二十回ほど入っているわけでございます。
#20
○原(茂)委員 この調査をした結果、異常は何もなかったですか。
#21
○佐藤説明員 この数年間の実績を見ますと、全く異常は認められておりません。
#22
○原(茂)委員 そこで、この分析センターに対して機器類の無償貸与その他があるわけですね。冒頭にお伺いしたような事案があるわけです。発足したときに、その種の処理が行われていると思うのですが、無償貸し付けその他の内容と金額をちょっと言ってみてください。
#23
○佐藤説明員 お尋ねの、旧分析研に委託していた当時の機器がその後どうなったかという御趣旨かと思いますけれども、当時分析研が持っていた機器のうち、使えるものは分析センターへ移管してございまして、約三十点移管してございます。
#24
○原(茂)委員 理研や原子力研究所、それから総合医学、そういうところからも行っているのでしょう。
#25
○佐藤説明員 理研につきましては三十四点、原研には十六点、放医研に――放射線医学研究所でございます。国立の当庁の研究所でございますが、先ほどの分析センターへのものも含めまして、合計九十点移管いたしてございます。
#26
○原(茂)委員 これはおおむね科学技術庁の所有権になったわけでしょうね。科学技術庁が無償貸し付けにしたということになると思うのですが、将来ともこの無償貸し付けのままで行くのですか。
#27
○佐藤説明員 これらの機器は大体いわゆる測定器でございまして、寿命期間が大体数年、まあ四、五年で精度が非常に落ちまして使いものにならなくなる、こういう現状から申しまして、ほかの恒久的な機器のように最後に処分が問題になるようなケースは非常に少のうございまして、大部分は私どものこの委託事業の継続中に寿命が来てしまう、こういう性格のものでございますので、そういうふうに御理解いただければ幸いでございます。
#28
○原(茂)委員 そこで、四十八年度の予備費の「事業計画及び経費積算基礎」という中に科学技術庁の区分で「原子力軍艦寄港地の放射能測定及び核種分析に必要な機器の整備」というのがあるのですが、この整備をずっとこれだけの、たとえば放射能機器の整備で三式で幾ら、モニタリングポイント用のやつが三式で幾ら、それからベータ線スペクトルメーターが二台で幾ら、こういう内訳がありますが、こういうものはどこにあるのですか。どこに実際に使用している機械なのですか。それが一つ。時間がないから。
 それからその次に、実施機関が放射線医学総合研究所で、同じく「核種分析用機器の整備」のために云々とこの内訳が全部出ていますね。それからまた「原子力軍艦の寄港に伴う放射性核種分析及び放射性降下物に関する核種分析の委託」、核種分析用機器、この委託をやったのは理化学研究所でございますと。そしてゲルマニウム、あるいは半導体検出器遮蔽箱、低バックグラウンド放射線測定器云々というので内訳があるのですが、これは先ほどから質問したと同じような意味からお伺いするのですが、こういうものを買って放射線医学総合研究所で使用をする、理化学研究所で使用をした、その後はどうなるのですか。
#29
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたようなところで現在使われているわけでございますが、最終的にどうなるかというお尋ねかと思いますけれども、これはその時点で性能が非常にダウンして通常のこういう放射能分析に使えない、しかしながら民間において、場合によっては技術的に使える値打ちがあるという場合には、その時点で払い下げの手段を講ずる、こういうことになろうかと思います。
#30
○原(茂)委員 そうですか。最後には、じゃ払い下げということも前提になっているわけですね。ちょっとそれを答えて。
#31
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、機器の一般的な寿命は技術的に非常に短いものでございますので、廃棄処分されるものと、その時点で使えるということになりますれば、その払い下げの基準に照らしまして払い下げる、こういうことになろうかと思います。
#32
○原(茂)委員 そういうことの判断を、これからは半年に二回ぐらいは定期的に検討をするということになるわけですね。
#33
○石田政府委員 ちょっと御説明いたしますと、会計検査院で指摘されましたのは、所有権が当庁にありまして民間等に寄託してあるものでございまして、いまの放医研等は政府機関でございますから、これは管理官がそこにおりまして、そこで独自に管理いたしております。先ほどの指摘とは、ちょっと別でございます。
#34
○原(茂)委員 理研とか原子力研究所、みんないわゆる一般の民間とは違うということになるわけですね。今後検討していく上に、この種の問題に関してやはり管理官がいて検査はしているんだろうと思うのですが、時代おくれになっているとか、もう一つこういうものがなければいけないとか、あるいはこれはもう廃棄すべきだというような判断というのは、どこでやるのですか。新たにまた予備費の使用が起きてくるのですが、どこでやるのですか。
#35
○佐藤説明員 先ほど石田会計課長から申し上げましたように、国立の放射線医学総合研究所のケースのように国立機関であって、官庁である場合には、そこの当該の物品管理官が所内の専門家を集めて判断した上で、そういう処分方針を決めるわけでございますが、こういう特殊法人のケースの場合は、特に管理官のような形がございませんで、全体的にその物品管理を行うセクションにおきまして、当該技術に関連します各技術部の意向等を聞いて決めるように大体なっていると思います。
#36
○原(茂)委員 ですから、そういうことは使用上ある程度、一年なり二年たつと、もう使用に耐えないとかという、予見できるいわゆる管理官かだれか知りませんが、そういう判定を下したときに、また新たな予算措置を必要とするのでしょうと聞いているのです。そうでしょう。こういうものを使って、三年か四年か五年かたつ間に管理官が検査をしたり判定をした上に、一年か二年先にはもうだめだとかいいとか、新たなものにしなければいけないとか、そういう判定がなされたときには、また予算を要求することが起きるんですねと言っているのです。
#37
○佐藤説明員 機器は非常にこのところ進歩が激しゅうございまして、精度がますます上がっているわけでございまして、御指摘のような事態は当然予想されるわけでございます。そのような場合には、私ども大体その時点におきます。その計器の国際的なレベルその他検討しておりまして、予備費というような事態ではなくて、正式の通常予算として大蔵省にお話をして取るというのが私どもの現在の方針でございます。
#38
○原(茂)委員 いままでの科学技術庁中心の予備費の四十七年、四十八年、四十九年をずっと見てきますと、大体同じようなものがみんな予備費で出ているのです。そこで、いま最後の質問をしたわけですがね。ところが先に賢明にも、予備費でなくてという答えがあったのですが、その配慮があれば、予備費でなくて手当てをすべきものが、ずっとあったんじゃないかということを、項目だけ見ると感ずるわけです。
 だから自分はこの種の問題は、予見できる――科学技術庁は非常に進歩していますし、計器のライフがどれぐらいなんてわかっているのですし、したがって、ここはもう測定器が中心なんですから、これからは予備費、予備費でもって同じパターンでやっていかないで、やはり予見できるものはちゃんと一般会計の中に入れる、こういうようなことを当然しなければいけないと思うのですが、さかのぼってやると、ずいぶん惰性でやっているなというものがあると私は思うのですが、それをいまさかのぼっては言おうとはしません。自身は気をつけなければいけないだろうと思うのです。ずっと見てごらんなさい。同じようなものですよ、ずっと。ずいぶんこれはおかしいなと思うのです、予備費の使用に関して。ということを注意しているんですが、たまたま予備費だけに頼っちゃいけないということを自分から言ったから、わかっているんだろうと思うのですが、後ひとつ十分それは注意しなければいけないと思うのですが、いかがですか。
#39
○伊原政府委員 ただいまの先生の御指摘の点、まことに御指摘のとおりでございまして、実はこの予備費につきましては、分析化学研究所の事件がございましたために、これが予見できない事案であったがために、しかもそれが、ちょうど四十八年度と四十九年度にまたがる時期でございましたために、両年度にかけて予備費の支出をお願いしたわけでございますが、今後は、御指摘のように十分予見のできることでございますし、再びこのような不祥事は起こさないように全庁挙げて努力中でございますので、今後このような事態が起こらないように、先生御指摘のとおりに努めてまいりたいと思います。
#40
○原(茂)委員 次に、防衛施設庁も来ているだろうと思うので、科学技術庁を終わりまして施設庁関係にお伺いをしたい。
 山王ホテルの士官宿舎の問題についてお伺いをしたいんですが、結果的には和解が成立して、この件は一応けりがついたことになったと思いますが、どうでしょうか。
#41
○古賀説明員 お答え申し上げます。
 山王ホテルにつきましては、本施設の前所有者の第一ホテルから昭和四十四年七月、東京地裁に建物明け渡し請求が提訴されまして、昭和四十八年の八月二十九日に国が一審で敗訴いたしました。引き続きまして、国は東京高裁に控訴しておりましたところ、昭和四十九年の十一月に東京高裁から職権による和解勧告の示唆がございまして、以後、十二回の和解手続が行われたわけでございます。その間、第一ホテル側でございますが、所有者はその後安全自動車に変わったわけでございますけれども、原告側、第一ホテル側は、国が期限を切ってこの施設を明け渡すことを明確にすれば、それまでの間は当該物件の使用を認めるという意味の提案がございましたので、これに沿うことが適当であると考えまして、昭和五十年の十二月二十七日、和解に至ったものでございます。
 一方、提供の相手方であります米側は、本施設を明け渡す場合に、その移設の条件といたしまして、なるたけ現在の山王ホテルと同等の機能を有する代替施設を提供することを強く要望しておりまして、したがって、この代替施設を検討いたしますについても、他の同等の民有地あるいは国有地の調査、あるいは既提供施設内の建設の可能性等につきまして、関係機関と協議して具体的な解決案を見出すべく努力しておるところでございますけれども、現在まで、その具体的な案の作成までは至っておりません。しかし私どもといたしましては、引き続いて米側のこれらの提供条件の緩和等を図る一方、代替地の調査をさらに進めまして、代替施設地ができますように、したがって、和解条項にいいます昭和五十五年十一月二十六日までに、これを所有者に明け渡しすることができますように努力をしておるところでございます。
#42
○原(茂)委員 そのために払われたものが、和解金額として安全自動車に対して十六億六千六百五十一万円。四十七年七月二十八日から五十年十二月二十六日の間の、いわゆるこの訴訟の問題に関する和解金額として支払われた。同時に、供託金の還付額がございますが、それは約五億二百九十万。これは差し引いて、結局は十一億六千三百六十万三千円です。これが予備費から支出されたということになるわけですね。これだけの多額の金額の予備費からの支出が必要となった原因に対して、やはり何か反省がありますか。
#43
○古賀説明員 山王ホテルは御承知のように地位協定の二条一項の提供施設として提供されておりまして、私どもとしては、条約上の義務履行として、このホテル施設を提供しておるわけでございます。
 したがいまして、安全自動車が裁判上言っております明け渡しということで即時明け渡しと申しましても、それを直ちに実行するためには、先ほど申し上げましたような代替施設を用意しなければなりませんので、それらの代替施設の用意につきましては、相当期間の検討期間、調査期間等準備期間が必要でございますので、やはり五カ年という期間は置かなければならない、こういうふうに思っておりますし、それから都心唯一の提供施設だといわれておりますけれども、何せ場所が都内でも有数の高層建築の適地でございまして、土地の地代も相当な額でございますので、これらを円満に解決するには、やはりこのような予備費を支出さしていただきまして、和解にまで持っていかざるを得ないというふうに考えたわけでございまして、多額の予備費につきましては、私どもとしてはやむを得なかったのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#44
○原(茂)委員 一々言っていると時間がたってしまいますから簡単に言いますが、米軍の士官宿舎にしたり会議の場所にしたりという用途で接収をされて、後に地位協定による締結がされて以来ずっと使用されてきたというのは事実ですね。これに対してホテル側から返還してくれという要求が出、なかなか話がつかない。訴訟に持ち込まれる。その期間が数年あったわけですが、その間に私は施設庁として、いま和解ができて五十五年の十一月までに努力をして代替施設を探すという努力が、ずっと以前に問題になったときから行われていれば、こんな大きな十数億という国損を与えないで済んだのではないだろうかということを言っているわけです。
 そういう反省がありませんと、ずっととにかく訴訟が行われて、その結論としてこういう問題になってしまった。いよいよ強制的に和解をさせられた。和解が成った以上は努力するんだ。大変長い間、結果的には和解成立後に努力することを、さかのぼって努力をする意思があれば、こんな莫大な損害を国に与えないで済んだのではないか、この事件を見て、こういうふうに思えるのですよ。この点、どうですか。
#45
○古賀説明員 先生の御指摘、ごもっともだと思うのでございますが、私ども裁判上の問題になっております間は何とかこれを借地法の援用でもってしのげないものかというふうに努力いたしたわけでございます。しかし、裁判上の問題といたしましては、民法六百四条の賃貸借の継続期間二十年を超えてはならないということで、すでに四十七年を過ぎますと、明け渡しの義務が発生するというふうなことになるわけでございまして、それを踏まえて裁判上の方でも四十九年の十一月に和解をしたらどうかという勧告の示唆がございまして、四十九年の十一月以降私どもとしては、この代替施設の検討に着手いたしまして、ずいぶんといろいろ具体的にも当たってみたわけでございます。
 その方法は三つございまして、一つは既設の提供施設でございます。たとえば赤坂のプレスセンターであるとか、そういったところに、これを増築等して解決できないか。あるいは米軍の言っております都心の近くに、米軍は十五分以内と言っているのでございますけれども、その近くに国有地があれば、その国有地にこのような代替施設を建設することはできないか。あるいは民有地も好条件で提供してくれるようなところがあれば、そういったところに新しく同様施設を建てることができないか。こういったことについて、それぞれずいぶんと検討いたしたわけでございますけれども、どうしても、簡単に言えば、都内に新しいホテルを一軒世話しろ、こういうふうな要望に近いわけでございまして、この御時世で、あのような百五十室か二百室近いホテルを都心に建てるということは、なかなか容易なことではございませんで、先生の御指摘もごもっともでございますけれども、そのような具体的な案がまだでき上がっていないという次第でございまして、その点については、私どもも努力が足りなかったということにつきましては反省をいたしております。
#46
○原(茂)委員 四十四年七月に返還請求訴訟が提起をされて、自来ずっと裁判をやってきた、今日ようやく和解が成立をした、これからまた五年先まで努力してみよう。従来、四十四年からその和解が出るまで、いまのお話だと相当程度苦心もし、努力もしたのだそうですか、なおかつ見つからないものを、またこれから五年くらいたつ間には、和解条項に沿って、ちゃんと五十五年には何とか見つかるという目鼻がつきそうだということが想像できるでしょうか。
 四十四年提訴されて以来、その前にもずっといろいろなやりとりがありたわけですが、なおかつ、もうがまんできない、訴訟だ、四十四年提訴をされる、自来ずっとやってきた、その和解が出るときまで努力をして、なおかつ条件がむずかしくて代替地の提供ができない、これからまた五年くらいたつと、それができるんだ、こういうことにならないのではないかと思うのですが、時間がたてばたつほど、むずかしくなるのではないか。もっととっくに、同じ努力をするならば、早く努力をしていれば、四十四年、四十五年、四十六年の方が代替地が見つかりやすかった、今日になればなるほど至難のわざだ、こう思うのですが、この和解条項どおりに五十五年になったら、ちゃんとできそうですか、どうですか。
#47
○古賀説明員 お答え申し上げます。
 私どもが五年の期限を限りました理由と申しますか、根拠といたしましては、移転の場所を選定いたしますのに約一年、それから先ほど申し上げました米軍と条件の折衝これは米軍が厳しい条件を言っておりますけれども、できるだけこの条件を緩和いたしまして、たとえば宿舎と事務所を離すとか、宿舎は郊外でもいいではないか、事務所だけ都心にしてはどうか、そういった意味の折衝等を重ねる期間も必要でございますので、これらがさらに一年と二カ月、それから建てるということになりましたときに、米軍と具体的な中身の打ち合わせ、折衝、設計等をやりますので、これに約十カ月、それから工事期間として一年半、それから引き渡しや引っ越しの期間として六カ月、こういうふうに一応見込んだわけでございまして、先ほど御指摘がありましたように、中身が大変困難なあれでございますので、私ども施設庁限りとしては十分なフォローができないかと思いますけれども、やはりこれは国の提供義務を履行する一環といたしまして、関係行政機関等の十分な御協力等をお願いいたしまして、何とか明け渡し期間までに間に合わせるようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
#48
○原(茂)委員 占領直後のこの種の士官宿舎が持っていた仕事と、現在の日米間の状況下における士官宿舎、いわゆる米軍駐留の仕事の内容等から言って、私は、いまあなたが第二に言われたような条件の緩和といいますか、いわゆる同じような条件で代替地を欲しいという米軍の要求に対して、これを何としても、緩和という言葉がいいのかどうか知りませんが、あなたの言われる緩和ということに最重点を置いて、思い切って考え直してもらわないと、問題の解決がむずかしいのだろうと思う。
 この和解ができたからといって、この和解内応に従って、いまお話をされたような一年、二年半あるいはまた何カ月、何年、こういった順序でやろうとお思いになっているようですが、基本的に、やはりあんなところにとにかく士官宿舎を置いて、会議をやったり、泊っていて、都心から十五分だ、同じ条件でと、こう言われたことをそのままうのみにするよりは、やはりいま言われた第二の条件緩和というところに最重点を置いて、この士官宿舎というものを思い切って逆に都心から離す、会議室なんかは現在のところ、都心から十五分なんて言わせないで、思い切った考え方で、いわゆるホテルの一室あるいはどこかにするというようなことで、条件を変えないと、同等の条件というものを原則に置いていること自体が、現在の状況から言って間違っているのじゃないか、こう思うのですが、その点どうお思いになりますか。
#49
○古賀説明員 先ほどくどく申し上げましたように、これは条約上の義務を履行するという一環でございますので、交渉はもちろんいたしますけれども、その点について私どもとして、かくかくしかじかだというふうなことにつきまして、いまここで見通し等を申し上げる自信はございません。できるだけ、その趣旨に沿って努力をさせていただきますが、米軍の方といたしましては、やはり士官の宿泊等について都心に施設が必要だ、それから会議等も、これは合同委員会その他の会議が全部いま山王ホテルで行われておりますので、そういった関係で、どうしても都心に近く、あるいは大使館の近くに施設が必要だ、こういう主張は、米軍としてはいま譲っておりませんので、なかなかそういったことを実現するというのも困難かと思われますけれども、私どもとしては、先生の御指摘については十分頭に入れて、これからも進めていきたいと思っております。
#50
○原(茂)委員 協定による提供だ、何だという、条約上の義務云々という考え方も正しいのですし、そういうこともなければいけませんが、まあずいぶん多くの例があるように、提供している軍事基地だって、そっくり返還してもらう要求をして、ついに返してもらったものもずいぶんありますよ。沖繩なんかは、その大きなものの一つだろうと思います。ですから、こんなものは余り遠慮しないでずばずば物を言って、条件緩和というあなたの言葉のとおりに、思い切って、同等の代替地なんということを撤回してもらうようなことは、当然言っていいのじゃないかと私は思います。
 そこでお伺いしますが、この士官宿舎というのは、どんな階級の人が何人住んでいるのですか。それから、会議を持ったりする場所というのは、相当広い場所を必要としているのですか。それをちょっと言ってみてください。
#51
○古賀説明員 山王ホテルの施設でございますが、これは約一万二千平米ございます。それから土地も約一万二千平米ございますが、部屋が百五十室ぐらいでございます。そのほかに会議室が、合同委員会と申しますか、施設委員会等に使われる会議室がございますが、まあ二十人ぐらいでございますか、を入れる部屋が二一三カ所ございます。
 あとは階級等でございますが、階級は占領当初は将校宿舎と言っておったのでありますが、現在は階級の差別なく使わせているようでございます。
#52
○原(茂)委員 全部で何人ぐらいですか。
#53
○古賀説明員 それはホテルでございますので、不特定の将校等でございますから、先ほど申しました部屋数で判断すると、百五十室くらいでございますから、一部屋一人あるいは二人ということになりますので、その程度の数でございます。それから利用率等は九〇%くらいの利用率というふうに聞いております。
#54
○原(茂)委員 日本にいる米軍の特別な何か、都心、特に大使館のそばにいなければいけないという仕事をやっている人間、そう固定された仕事についた人間というのではなくて、不特定多数で、時によっては本当の下士官でも何でも泊めているというような状況でしたら、なおさら、どうしてもあそこでなければいけない――いてみたら便利だということはあるでしょうが、あそこでなければいけないという理由には、どうもわれわれは感じられませんから、そういう点、先ほど申し上げたように、できる限りそうするとおっしゃっていましたが、ぜひひとつ同等の代替地という条件に関しては思い切った交渉を行っていただく以外にない、こういうように思います。
 次いでお伺いしますが、この問題の和解をやったときに、ついでに周辺の建物を所有している人々に対する見舞い金というのを出しているのですね。この見舞い金というのは一億四千七百万出されているのです。これは、ある種の制度といいますか、この種の問題が起きたときに、周辺の家屋に対する見舞い金というようなものが、前例ができた以上は、まるで制度化されたみたいに、当然のことのように今後また起きてくるだろうと思うのですが、今後、同じような条件のときには見舞い金を出すという前提を承認した上で出したのですか。この見舞い金の性格をひとつ説明していただいて、なぜ一体この周りの新日本実業株式会社、安全自動車株式会社はもちろんですが、大林組、日本交通、大日本企業、こういうものに対する見舞い金が必要になったのか。これは予備費から出されている金額としては大きいのですが、なぜこんな見舞い金が必要なのか。理由によっては、今後この種の問題が起きたときには見舞い金というのが周りへ支払われるということになるかもしれませんよね。
 その理由を聞かせていただくのと、それからもう一つ、この予備費から出ている金額は、見舞い金額の一億四千百八万四千円に対して、予備費からは一億一千百五十万二千円しか出ていないのです。差額が三千五百五十八万二千円あるわけです。これはどう解釈したらよろしいのか、二つ目にそれも一緒にお答えいただきたい。
#55
○古賀説明員 お答え申し上げます。
 見舞い金というあれでございますけれども、これは山王ホテルの施設と一体をなしておる所有者でございまして、先ほど申し上げました一万二千平米の中にある所有者でございます。企業ばかりでなくて、個人の所有地もあるわけでございます。小森喜代治さん、奥田登喜さん、その他個人の所有地もございまして、合わせて八件ございます。これらは、山王ホテル施設と一体としてとらえます場合には、法律上の和解ではありましても、やはり不均衡になりますので、その均衡を図るという意味で見舞い金を同様の条件にいたしまして支払ったわけでございます。
 先生の御指摘の三千五百万につきましては、これは予備費によりませんで、私どもの五十年度の既定経費で借料相当分がございますので、その分を回したわけでございます。
#56
○原(茂)委員 山王ホテルに対する和解が成立して十六億の支払いが行われる、それに関連して不均衡が起きるから、個人も一含めて企業等八件に対して一億六千万を払ったという、その不均衡というのはどういうのですかね。私どもわからないが、具体的に言ってみてください。何が不均衡なのか。それが一つ。
 それから、これはいま言った一億六千万もらった八件の人々が、ホテル側、後に安全自動車になったのですが、これが請求を起こしていたと同じように何らかの請求が行われていたのですか。行われてもいないのに、和解が成立した、関連する八件に対して、個人を含めて企業に対して一億六千万見舞い金として払ってやることが、不均衡でないと施設庁が判断をして払うことにしたのですか。それを払ってくれという要求があったのですか。
#57
○古賀説明員 見舞い金の中身でございますが、土地借料分でございまして、これは安全自動車に和解で払いました土地借料との均衡で従来契約で――これは訴訟をしておりませんから、契約で払っております借料との差額でございます。それを見舞い金と称したわけでございます。実態は借料の差額になるわけでございます。それは同じ施設内でございますし、同じ施設でございますので、契約で平穏に提供してもらっているものと、訴訟で和解をしたという場合、同じ借料でございますので、それをそろえたわけでございます。そういうことでございます。
#58
○原(茂)委員 では同じ借料、借りている条件があったのですね。
 要するに、最初の山王ホテルを接収したと同じ時期に、いま一億六千万見舞い金をもらった諸君も接収をされていたという意味なのか、あるいは接収をされた後に山王ホテルと同じ構内といいますか、そこで新たに何か、接収ではないが、正式に借り入れをするような契約行為があったのか、その二つのどっちなんでしょうか。
#59
○古賀説明員 ただいまの件でございますが、接収当初から、やはりここの所有者はおったわけでございまして、それらと契約をずっと結んでおったわけでございます。現在も結んでおるわけでございます。
#60
○原(茂)委員 では、接収当時に、山王ホテルだけでなくて、いま見舞い金の対象になった八件からも接収をした、したがって契約を結んでいたということになる、ただし山王ホテル、後に第一、後に安全自動車が請求訴訟を起こしたときも、それら見舞い金をもらった八件の人々は何ら請求訴訟も何も起こさない、そのかわり山王ホテルなり第一ホテルなりが返還交渉を行っていた当時には、この八件の人も返してくれという交渉を行っていたというようなことがあったのですか。
#61
○古賀説明員 訴訟係属中に返還をしてくれという要求は、ほかの所有者からはございませんでした。ただし、先生さっきおっしゃいました和解金を支払った段階になりまして、他の所有者から均衡上と申しますか、安全自動車にはこれだけの借料を支払ったのだから、それとの均衡上、われわれにも差額と申しますか、そういった支払いはなされてしかるべきでないか、こういうふうな申し出はございました。
#62
○原(茂)委員 その申し出があったとき、彼らと折衝をして見舞い金というものを、これだけ出したということになるわけですね。
#63
○古賀説明員 そういうことでございます。
#64
○原(茂)委員 そこで、冒頭聞いたように、同じような問題が起きたときには、やはり当然見舞い金という制度――制度というのでしょうか、前からそういうことがあったのかどうか知りませんが、今後同じようなことがあったら、この見舞い金といったような制度的なものが考えられてくる、そういうことができたように思われてくるのですが、そう解釈していいわけですか。
#65
○古賀説明員 これは制度的なものというふうに御理解いただくと困るわけでございまして、これはあくまで山王ホテルの明け渡しの事件解決に伴う措置ということと御理解いただきたいと思うわけでございます。
#66
○原(茂)委員 そういうような見舞い金というのは施設庁だけで考えた発想なのだろうと思うのですが、こういう見舞い金だという考え方をして予備費を出すことが妥当であるというふうに、会計検査院も認めたと考えていいのでしょうか。検査院、来ていますね。
#67
○田代会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 私は第一局長でございまして、施設庁の関係は第二局長所管でございますので、私からの答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#68
○原(茂)委員 お帰りになったら、後でいま私が聞いたことを第二局長から教えていただくように伝言をしておいてください。
 それから施設庁にもう一度聞きますが、このほかにも、いまの山王ホテルの事件と同じような問題がどこかにいま起きていますか。もうこの種の問題、全然ありませんか。
#69
○古賀説明員 私どもの知る限りでは、この種の問題はないと存じます。
#70
○原(茂)委員 それでは、施設庁、これで終わります。
 あと、予備費の使用についてお伺いしたいのですが、最初に大臣にお伺いしますが、予備費の使用に関して、これがだんだん拡大されて、しかも拡大された分、大臣の管轄で使用の範囲が広がっていく。どうも立法、行政というものの関係からいくと好ましい傾向ではないという論議が始終行われているのですが、五十一年度は特にまた千五百億の予備費が公共用として枠を決めて設置をされたというので、これはもう私どもの仲間もずいぶん反対をしていますし、多くの異論のあるところですが、大臣、これに対して、いやそうでないといままでいろいろな言いわけをされていましたが、今後やはりこの種のものは縮小していくという傾向を考えていくべきだと思うのですが、その点だけ一点先にお伺いをしておきます。
#71
○大平国務大臣 一つには、予算を一たん決めますと、その当該年度は補正予算を組むことなく、当初御承認をいただきました予算で切り盛りをいたしたい。しかしながら、経済情勢は内外流動的でございますので、そういう方針を貫いてまいりますためには、ある程度行政府にリザーブを持たしていただきたい、こういう気持ちで、そういう必要がありはしないかと考えておりますが、これは一つの考え方でございます。
 しかしながら、予備費はもとより使途が決まらないものでございまして、総額だけが国会によって認められておる費目でございますので、みだりにこれを拡大してまいるということは、財政民主主義のもとで許さるべきことではございません。したがって行政府といたしましては、これの使用というものは制限的であるべきことは、原さん御指摘のとおりでございます。したがって、現実には各年度を通じてごらんになっていただきますように、予備費の使用というのは大変内輪で済ましておることでございまして、万が一補正予算を組まなければならぬというような事態になりました場合に、予備費で計上いたしておりました金額を補正予算の財源に回すというようなことにいたしてまいったわけでございます。したがって、実際の運営につきましては制限的でなければならぬ。しかし、予算運営の立場から申しますと、年度に補正を見ることなく予算を切り盛りしてまいるという方針から申しますと、若干の弾力をあらかじめ政府にお認めいただきたいというのが、いま私どもが持っておる考えでございます。
#72
○原(茂)委員 そこで、予備費、特に災害復旧の関係で先にお伺いしますが、建設省関係の方も来ていただいておりますが、たとえば災害復旧事業における復旧の進度ですね、これは何か四十七年のあの補正予算のときからですか、補助事業においては三年間三、五、二、直轄においては二年間五、五、こういう割合をもって復旧を図ることにいましているわけです。現在そうしているわけですが、これは一体何が根拠でこうした三、五、二と五、五というへんぱなものになっているのか、これをひとつ根拠を先に示していただきたい。単なる予算措置が根拠なんだ、こういうのではなくて、なぜ補助は三年−直轄は二年でいいんだ、こういう理由というものをひとつお知らせいただきたい。
#73
○田中(敬)政府委員 建設省からお答え申します前に、財政当局の方からお答え申し上げたいと存じます。
 補助の三年と申しますのは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律がございまして、緊要な災害復旧事業は三カ年とする、こういう規定がございます。三カ年で災害復旧を行うわけでございますけれども、初年度いま先生がおっしゃいましたように三、五、二というふうな三カ年の配分にするかあるいは二、四、幾つというふうにするか、そこはその復旧の緊要性とかそういうことで随時予算的に決めてまいっておるところでございます。
 それから直轄事業につきまして、補助事業が三年と法定されておるにもかかわらず、これを二年でやっているという理由でございますけれども、これは一般に法的な根拠は何もございません。予算的に私どもがこれを二年でやるということにいたしましたのは、直轄事業というものは、たとえば河川にいたしましても直轄区間というものは相当住民に影響のある重要な部分である、影響度が大きい、そういう意味においては、放置すれば再災害の場合等の危険度が大きいということから、これはなるべく早めて二年間で完成したい、こういう意図から出た予算措置でございます。
#74
○原(茂)委員 では後の答弁の前に、先にお伺いしておきますが、災害は確かに直轄と指定している部分が決壊などしたら大変だ、大きな被害が起きるだろう、こう言っているのですが、そこの部分である種の災害があっても、そんなに大きな被害にならないで、補助事業的な河川において、こんなところは大丈夫だろうと思ったところが、大災害に発展して人命の損傷が莫大なものになっていることが過去幾多の例がある。
 災害というものは、復旧していくのに直轄だから二年でやる、補助だから三年でいいんだというようなことには、いま私が言った理由からもならないと思うし、そういう考え方がややもすると、いま訴訟がいっぱい起きているように、これは国がもうちょっと早くこうしてくれればよかったのに、それができていないから、こうなったのだというので訴訟が起きる、国が負けるというようなことが事例として、だんだん多くなってきている原因の一つにもなると思うので、私は、直轄に指定された区域が決壊したり何かしたら大変だ、大災害があるだろうが、そのことがわからない小さな河川においても、非常に大きな災害が起きているという事例などを考えたときには、補助は三年、直轄は二年という考えはどうしても間違いで、直轄二年と同じように補助も二年というふうに少しでも繰り上げていって、しかも跛行しないで足並みをそろえてやっていくようにすることが、いま言った訴訟などの問題からいっても大事じゃないかと思うのですが、そういう考え方に改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#75
○田中(敬)政府委員 先生のお話のとおりにやってまいりますと、直轄も補助も、一年でできれば一年で全部やってしまうのが一番いいわけでございます。これが三年というふうに延びておりますのは、やはり国費の平準化――災害が非常に多い年、少ない年がございます。国費の平準化の問題、あるいは地方公共団体等の工事施行能力の問題、工事施行能力の点で申し上げますれば、昭和四十七年の災害でございましたか、広島県、島根県の山奥で大災害が起き、工事施行能力がないために三年間で復旧ができない。よって四年目、本来なら予算計上を離れる年でございますけれども、四年目にも災害復旧費を計上してほしいというような要望もある。こういう意味での地方公共団体の工事施行能力あるいは負担力というものを勘案して、総合的に三年ということを原則とはいたしておりますが、三、五、二というのは個々の災害について、すべて三、五、二の三年間でやるというようなことは実際はいたしておりません。
 先生のおっしゃいますような中小河川なり補助河川のような小さな問題であっても、それ自体が非常に地域住民に大きな影響を及ぼすということになりますと、初年度に五やり、二年目に五やる、二年間で完成するというようなものもございます。ただ、災害復旧費全体の国費負担補助額を計上する算定の根拠といたしまして、総被害額、総災害復旧事業費を三、五、二という割合で総体を分けるということでございまして、個々の河川の災害個所につきましては、災害の状況あるいは影響等を勘案して、非常に弾力的に運営いたしておるのが現状でございまして、建設省の方でも今後そういうふうにやりたいということを申しておりますので、私どももその線で協力してまいりたいと存じております。
#76
○原(茂)委員 いまのは、ぜひできるだけ繰り上げてやるようにお願いしたい。延びるところもありますが、やはり繰り上げていけば、それだけの効果がある。施行も全部できないのじゃない、繰り上げればまたできるという場所もずいぶんありますから、ぜひその方針でやっていただくようにお願いをしたい。
 それから、災害が発生してから閣議決定をされて予備費の支出が決まるまで非常に長期間を要していることも、この災害復旧の問題では大変検討すべき要素を持っていると思うのです。
 たとえば四十八年度の災害復旧関係の事業費が六億二千五百万円。これは災害発生が四十八年六月十八日から九月二十五日までの間にあったのです。それで閣議決定は四十九年二月十六日。閣議決定が四十九年ですよ。四十九年度は五月二十九日から八月一日までの災害に対して、五十年二月二十五日に閣議決定になっております。この間に大変時間がかかっている。なぜこんなに遅延するのか、その理由ですが、これは査定の負担率を決定するのに時間がかかったり、それから交付決定に至るまでまた時間がかかる、いろいろなことがお役所仕事であるのですが、それにしても翌年の年度がわり、年度末直前までいかないと閣議決定できない、こういう問題は何としても改めていかないと、いろいろな問題が出てくると思うのですが、なぜ一体こんなにおくれるのかが一つ。
 その次に、こういうような決定がおくれた結果として、冬になると工事が一時できないところが私どものところなんか始終あるのです。たとえ着工しても、閣議決定を二月二十五日、二月幾日にやったって、二月末までにはとてもじゃありませんが、年度内工事完了ということは不可能、三月もできないことは、もうわかっている場所が、ずいぶんある。そういうところを二月末に閣議決定をするのですよ、前年の半ばのものを。
 ということになると、結局地方自治体によっては先に工事に着手していかなければいけないというので工事に着手をしている事例があるのです。これはやむを得ないわけですけれども、そういうことは同時に地方自治体に対して補助金の適正化法に対する違反をさせているということになりはしないか。みすみすわかっている法律違反を地方自治体にさせている、そういうことまで起きてくるということになりはしないかと考えるのですが、この点は、どうお考えになりますかが二つ目です。
 三つ目に、私ここに工事の個所の明細を持っておりますけれども、予備費を使用しておいて繰り越しになった工事が四十八年度、直轄、補助別に、金額にしても個所にしても相当あるのですね。それを主なところどのくらいの個所、どのくらいの金額になるかというのを三つ目にお答えをいただきたい。
 その次に、予備費というのは、やはり予見しがたい予算の不足に対して充てていくのが原則です。したがって原則として、繰り越しにならないような努力がなければいけないだろうと思う。安易に繰り越しをしていくようなことを認めていてはいけないというように思うのです。繰り越しそのものが、いま明許になっているのですが、これは明許にすること自体が間違いなんで、事故繰り越しというのを原則にしていかないと、予備費というものが安易に使用される危険があるだろう、こういうふうに思いますが、四つ目に、この点をどうお考えになっているかをひとつお伺いします。
 最後に、先ほどもちょいちょい触れましたように、最近訴訟がすでにたくさん行われていますが、この訴訟の行われている状況に対して、原因は早くやってくれればよかったのだ、こういうときに、こういうふうにしてくれないからいけないのだ、復旧進度の遅いことが原因だというので、結局国が敗訴をしているような状況になっています。この点に関しても、やはりいま申し上げた一、二、三、四の質問に絡めて、今後思い切った措置を講じていきませんと、引き続くいろいろな問題に関する訴訟で、国が常に災害復旧の負担をしたほかに、いわゆる訴訟に敗れて、また損害賠償の負担を増加させていくというような傾向が現に出ているわけですが、そういう状態にならないようにしなければいけないということを含めて、
 一、二、三、四に対する答弁をいただきたい。
 最後に、大蔵大臣に、いま私が言った二、三、四の問題、特に予備費の使用の問題、特に繰り越しの問題なり、閣議決定の遅過ぎる問題なりというものに対しては、今後絶対に是正してもらわないと、有効に復旧ができないのと、同時にまた、後で訴訟問題などがどんどん起きてくる原因を、みずからつくっていることになりますが、その点に対する大臣としての決意を最後にお伺いして、終わります。
#77
○田中(敬)政府委員 所要の点につきましては、建設省から後ほど答弁をしていただきますが、まず最初のおくれる理由でございますが、私が申し上げたいのは、先生の御質問のおくれる理由とはちょっと違いまして、災害復旧事業費がどういう経路で工事施行にかかるか、それにどれくらい時日を要するかという問題を、まず御説明したいと存じます。
 災害が発生いたしますと、現地から被害報告が参ります。被害報告が参りますと、主務庁の現地査定というものが始まります。河川でございますと建設省が参りまして、現地で災害状況の査定を始めます。それには、財政当局でございますところの財務局が立会をいたしまして、共同で査定をいたします。それから今度は復旧事業の中身を決めまして、いかなる復旧方法をもってするか、そしてそれに伴って復旧事業費の総額が決まるわけでございます。総額が決まりましたら、そこで今度は国費負担が幾らになるかという国費計算を行います。そういう国費計算が全体できますと、先ほどもお話がありましたように、では、これを二年でやるか三年でやるか、初年度にどれくらいやるかというようなことで、当年度の所要額が決まってまいります。
 そこで、いよいよ予算措置がつくわけでございますけれども、大体現地査定を始めまして復旧事業を決定するまでに、通常二、三カ月かかります。六月の大雨でございますと、八月、九月ごろに復旧事業の中身が決まる、こういうことで、工事着手自体が、やはりある程度時日を要することは、おわかりいただけると存じますが、しからば、その段階で国はいかなる予算措置をするかと申しますと、たとえばいまの場合ですと、当年度に発生をいたしました災害につきましては、当年度の公共事業費の中の災害復旧事業費の中にある程度、年によって違いますが、本年度の場合でございますと、二百億とかというものが当年度緊急の災害のために、いつでも支出できる当初からの科目といたしまして、所管の建設省なり農林省なりに計上してございますので、まず、これを使用して災害復旧事業に着手いたします。
 それから、それを使用いたしまして予算が足りなくなりますと、今度は予備費を使います。先ほど先生は、予備費の使用決定が、四十九年度の夏起きた災害について、翌年、五十年の二月に予備費の閣議決定をしているという御指摘でございましたが、実はそれ以前に、たとえば二百六十億から二百七十億の災害復旧事業を予備費使用決定をいたしております。それから秋に補正予算を組みます際に、査定がほぼ終わっております当年災害につきまして、補正予算で災害復旧費を改めて計上いたしております。
 そうしまして、先生が御指摘のありました、二月になりまして計上いたしました予備費の五億九千万円と申しますのは、災害復旧事業をいたしますのに、国費率を非常に細かく計算をいたしておりますと、実際事業の着手がおくれますので、ある程度従来の経験率で国費率を算出いたします。国費率と申しますのは、災害の大きさでございますとか、あるいは災害を受けた当該市町村の財政力でございますとか、国費率の計算にいろいろ細かい計算が必要でございますので、ある程度前年度までの経験値で国費率を概算で決めて工事をやらせますので、ある意味で、二月に行います予備費支出の決定と申しますのは、この国費率についての精算分というようなもので、金額も事実五億九千万と小さなものでございますので、これが、災害復旧事業費を二月に支出しておるから、おくれておるのだという致命的な理由には当たらないと私どもは考えております。
 それから二番目の、災害について国の予算発動がおくれておるから、地方が先にやる、補助金適正化法の違反になるのではないかという御指摘でございましたけれども、災害につきましては、緊急やむを得ない場合等については適正化法を除外するような免除の規定がございますので、その問題は起きませんけれども、しかし、補助金の適正化法というものは予算執行上非常に重要な法律でございますので、私どもはこれに合うよう国の査定その他予算措置を早くするよう今後努めてまいりたいと存じております。
 それから三番目の繰り越しの状況につきましては、建設省の方から御説明をさせていただきます。
 それから四番目、失礼でございますが、四番目は何でございましたでしょうか。
#78
○原(茂)委員 繰り越しをなくする方法、明許になっておるものを事故繰り越しにすべきではないか、処置を。
#79
○田中(敬)政府委員 私ども、災害復旧と申しますか公共土木事業、通常の公共事業は全部明許の繰り越しにいたしております。災害だけを明許にせずに、事故繰り越しということにも問題があろうかと存じますので、私どものただいまの気持ちでは、従来どおり明許の繰り越しのままでよかろうか一かように考えております。
 それから最後の御質問の訴訟の問題、これは国の対応が遅いというようなことから、あるいは起きる問題があるとすれば、本質的に災害に対する国の対応を早くするということで、実質被害のないようにしたいと存じますが、たとえば飛騨川事件のように、これが設置の瑕疵であるか管理の瑕疵であるかというようなことによりまして国費負担が変わってくるというようなことで、現実に岐阜県の例でございますと、県外の人が旅行で来て、県外の人が被害を受けた、こういうものについて県が負担する、県負担率が大きいのは困るというようなところから、あの訴訟が起きたと私どもは了解いたしておりますが、そういう特殊事例は別でございますけれども、いずれにいたしましても、要は、国と地方の負担を論ずるよりも先に、早く災害を復旧するということの方が緊要でございますので、まず、そちらの方にどういうふうにして取り組むかということを従来どおり今後とも真剣にやってまいりたい、かように考えております。
#80
○井沢説明員 お答えいたします。
 四十八年の繰越額が二百六十五億で終わったわけでございますが、このときの事業費は千五百七十億程度でございました。四十九年は百六十四億に減っております。このときの事業費は千七百億くらいでございます。五十年度でございますが、これが八十八億になっております。
 昨年の災害は非常に大きかったのでございますが、改良復旧をやります助成工事であるとか関連工事につきましては、地元の用地買収と絡みますので、そういう点で、いろいろな手続の関係上多少おくれることもあろうかと思いますが、災害復旧費につきましては、昨年の場合には高知県だけが約十億ほど繰り越しいたしまして、あとの県は、災害復旧費につきましてはなかったような状態になっております。今後とも、できるだけそういう努力は続けたいと思っております。
#81
○大平国務大臣 予備費は憲法上も財政法上も、予見しがたい予算の不足に充てるための例外的な支出費目でございますので、制限的に運営しなければならぬものと存じます。安易にこれに依存していく風潮は慎まなければならぬと考えます。しかし、これに依存しなければならない場合におきましても、既定予算と組み合わせまして、不当に行政の実態がおくれることのないように、国民の御迷惑にならぬように、あるいは国益を損なわないように、支出に当たりましては、てきぱきと処理してまいる必要がございますので、その点につきましては十分戒めて、支出に当たって周到な迅速な配慮をいたすべきものと承知いたしております。
#82
○田中(敬)政府委員 原委員にお答えしておりました中で一点間違いがございましたので、訂正をさせていただきたいと思います。
 先ほど飛騨川の訴訟問題の争因につきまして申し上げたことは、私の誤解でございまして、あれは自然災害であるか人災であるかということが争訟の中身でございまして、それが人災である、設置の瑕疵である、あるいは管理の瑕疵であるというようなことの決着ができたために、国費の負担率、地方の負担の問題が起きたということでございまして、先ほどこの辺間違って申し上げましたので、訂正させていただきたいと存じます。
#83
○原(茂)委員 終わります。
#84
○村山委員長 庄司幸助君。
#85
○庄司委員 昭和四十九年度の一般会計の予備費の中で租税還付金、還付加算金不足、これで予備費が九億六千万円ほど使われているわけです。これはロッキード問題との関連でひとつ伺うわけですが、四十八年、九年、このころは不況の年に差しかかったわけだし、また石油ショックもあったわけですが、この年の丸紅の営業状況などを見ても、どうも還付が行われた可能性があるんじゃないか、こう見ておるわけです。それからまた、例のピーナツ領収証の発行もあったわけですが、この丸紅に対する還付があったかなかったか、これをひとつ御答弁願いたいと思います。
#86
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 御承知のように、丸紅につきましては各事業年度、法人税法の規定によります公示所得金額が公示されておるというふうな事情にございます。しかしながら黒字の企業でございましても、たとえば利子、配当等について源泉徴収されました税額は法人税額から控除されるということがございますし、また外国税額を支払った場合も、これを控除するという規定がございます。それからまた御承知のように、更正をいたしました場合に、次の期につきましては事業税の納税義務が発生するということから、その分減額するというふうなこともございます。そういうことに伴いまして、御指摘の事業年度につきまして法人税額を還付する、あるいはそれに伴いまして還付加算金をつけたということがございます。
#87
○庄司委員 それは丸紅について、そういうことが言えるのですか。
#88
○横井政府委員 丸紅につきまして、そういうことがございました。
#89
○庄司委員 幾らぐらい還付してますか。
#90
○横井政府委員 金額を申し上げることば差し控えさせていただきたいのでございますが、更正減、先ほどの例で申しますと、最後の例に当たるのではないかというふうなものにつきましては少額でございます。それから利子、配当、国税額、これの控除に関しますものについては若干高額になる場合がございました。
#91
○庄司委員 この丸紅の脱税というものについては、当然国民の疑惑があるわけです。また児玉については、おたくの方でお調べになっているわけですが、やはり国民の疑惑を晴らすために、また国民の血税を節約する意味から言っても、この辺はもう一遍念を入れて再調査されて、還付金を返納させるべきものがあれば当然返納させてしかるべきだと私は思うのですが、その辺どうなんですか。
#92
○横井政府委員 他の委員会におきましてもお答え申し上げておりますが、私ども税務の執行に当たりまして、大企業について調査の重点を指向するというふうなことをいたしております。丸紅につきましても、そういう意味合いから、ほとんど毎期調査をいたしておるという状況でございます。最近におきましては、本年の一月十九日から丸紅の調査を開始いたしております。その過程におきまして、ただいま御指摘がございましたようなロッキードの問題が出てまいりましたので、これを念頭に加えまして調査を進めておるというのが現状でございます。
 そこで御指摘の、そういう調査による課税の適正化ということがあるのだから、還付することはいかがなものかというお話があろうかと思いますが、これにつきましては、御承知のように還付加算金は返す時期がおくれるほど増額するという要素がございます。そこで、丸紅のような大企業につきましては、申告書が出まして返すべき税額があるということになりますと、書面審理が終わりました段階ぐらいで、とりあえず返すことにする、そして還付加算金を少額にとどめるように努力をするということをいたしております。
 この調査の結果によりまして、御指摘のように還付金並びに還付加算金を取り返しまして、さらに増額法人税を納めていただくものがあればいただくし、それに伴いまして過少申告加算税でありますとか延滞税でありますとかというふうなものも当然いただくべきときには、いただくということにいたしておるわけでございます。したがいまして、先生の御指摘のようなことで考えてまいりたいというふうに思っております。
#93
○庄司委員 そうすると、その調査の終了の時期の見通し、これはいつごろになります。
#94
○横井政府委員 一月の中旬からかかっておりまして、通常でございましたならば、そろそろ法人税調査が終わるという段階なんでございますが、御指摘の問題がございますので、引き続いて調査をいたしておるわけであります。
 御承知のように丸紅の伊藤、大久保両名につきまして為替管理法違反というようなことで検察、警視庁でお取り調べになっておるということもございますので、私どもといたしましては、これらの状況の推移もあわせ考えるということにいたしたいということで結論を得るのは、しばらく留保しておるという状況でございます。
#95
○庄司委員 そうすると刑事調査、これが終わらないと、いわゆる税金関係の調査はできないということになりますか。それとも並行しておやりになっていくという関係なのか、その点で警察当局と国税当局の間で何かお互いのなわ張り争いですね、なわ張り争いの関係で税務調査がおくれるというようなことはございませんか。
#96
○横井政府委員 御承知のように、二月二十四日には、警察庁、検察庁と共同調査ということで強制捜査に入ったわけでございます。その後におきましても、三者間におきましては緊密な連絡をとりながらやっておるのが実情でございます。しかしながら、捜査、調査を効率的に進めるというふうな意味合いから申しまして、それぞれある程度の分担を決めましてやっておるのが実情でございます。
 丸紅につきましての私どもの法人税調査について申しますと、為替管理法違反でお調べになっておりますような分野につきましては、私どもその推移を待つということにいたし、それ以外の税務調査について逐次進めておる、こういう状況にあるわけでございます。
#97
○庄司委員 つい最近、いわゆる大久保がサインしたと言われるユニット領収証、この写しが出てまいったわけですが、これについての調査は進めておられますか、資料に基づいての。
#98
○横井政府委員 当該資料につきましては、私どもまだ正式には入手いたしておりません。しかしながら、二月四日以来、ピーナツ、ピーシズの領収証のほかにユニットの領収証の情報も当然あったわけでございますので、そういう点は私ども十分念頭に置いて進めておるつもりでございます。
#99
○庄司委員 この点は、あといずれ機会があったら質問したいと思います。
 次に、PXL関係のいわゆる大蔵対防衛庁の問題若干お伺いしたいと思うのですが、防衛庁が二月二十一日にまとめた「次期対潜機問題の経緯について」こういう見解が発表されておりますが、大蔵省も防衛庁の見解について異存はないのかあるのか、これひとつお伺いしたいと思います。
#100
○田中(敬)政府委員 坂田長官が当時御発表になりました統一見解と称するものにつきましては、大蔵省としても一切の異存はございません。
#101
○庄司委員 この見解によりますと、四十五年から四十七年度予算に計上されたPXL関連経費は国産化を前提とするものではなかったと書いてありますが、その旨は、この予算には明示されていなかったわけです。その点で何か文書の取り決めがあったのかないのか、あったとすればどういうものがあるのか、なかったとすればどういう点にそれが明示されているのか、それをひとつお答え願います。
#102
○田中(敬)政府委員 先生の御質問が、確たる証拠力のある文書があるかという点でございますと、そればむしろないと申し上げた方がいいと存じます。
 と申しますのは、予算の段階で私どもが予算折衝をいたします際は、相手省に対しまして大蔵省の意向を伝達いたします。その伝達手段といたしまして、いわゆる予算の内示段階でございますけれども、口頭で行う場合と、それから当時担当官である主査、主計官の性格によりまして、これを文書で要旨をメモして渡す方法というような、いろいろな方法がございます。これは、いずれによらなくてはならないという決まりがございませんので、それぞれそのときの状況に応じて処理をしている問題でございます。
 ただ、このPXL問題につきましては、当時の担当主査なり主計官なりが防衛庁の予算担当者に対して、国産を前提とするための研究開発費ではない、あくまで国産前提のための経費ではないということをメモで渡した記録はございます。ただ、これは予算の折衝におきます行政府内の内部のことでございますので、これに証拠力を求めるというようなことも私どもはできかねると存じますが、御指摘のようなものがあるかないかとおっしゃれば、そういうメモ的なものはございます。
 それから、もしそういうものが証拠力がないとすれば、当時国産を前提とした事実はないというものが、外部に示せるものが何かないかという御指摘につきましては、これはございます。昭和四十七年の五月と三月でございますが、正確に申し上げますと、昭和四十七年三月二十一日の参議院内閣委員会、それから同年五月十六日の衆議院内閣委員会におきまして、前者の委員会におきましては防衛庁の経理局長が予算の内容の補足説明を主務委員会に説明をいたしております。後者の委員会におきましては、委員の御質問に対しまして当時の防衛局長である久保防衛局長が答弁をいたしております。その内容をごらんいただければ、国産化を前提としておらないということを主務省である防衛庁当局がはっきり申しておりますので、これが国会の公式議事録にも載っていることでございますので、一番はっきりした証拠力であろうかと存じます。
#103
○庄司委員 次に伺いますが、一般的に言って研究開発、こういう言葉がありますが、これは必ず国産を前提とするものかどうか、この点ひとつ。
#104
○田中(敬)政府委員 研究開発費というものが防衛庁の、特に技術研究本部の予算にたくさん計上されておりますが、すべてこれは、研究開発費というものは国産を前提とするものであるということはございません。国産を前提とした研究開発費もあれば、しないものもある。国産を前提とした研究開発費というもの、国産段階へ踏み切る第一歩といたしまして、基本設計費というものを国産の場合には計上いたしますけれども、その基本設計費の計上をもって国産化への着手をしたというふうに、われわれは考えておりまして、基本設計費というものの計上がない限り、研究開発費というものは単に基礎的研究であったり、あるいは国産をするか輸入をするか、いずれがいいかという比較対照のための研究開発費であったり、あるいはいずれの場合に決まっても将来それは有用であるという、両者に共用できるような研究開発であったりということでございまして、研究開発費の計上が即国産化につながるということはございません。
#105
○庄司委員 航空機なんかの国産か否かという点を政府が決める場合、私は装備、この段階に入るときだと思うのですが、その点はどうなんですか。
#106
○田中(敬)政府委員 いま先生が御質問になりましたことは、失礼でございますが、国産をするかどうかということは、装備の方が主点に考えられるべきだ、こういう御説でございましょうか。
#107
○庄司委員 まあそうです。
#108
○田中(敬)政府委員 確かにそうだろうと存じます。しかしながら費用対効果ということも国の財政負担としては非常に大きな問題でございますので、それは防衛庁側が要求する要求性能が十分満たされる装備的な内容を持った兵器というものの装備が、防衛庁当局としては望ましいことは当然であろうかと存じますけれども、やはり対費用との関係におきます財政効果というものも考えますと、単に装備の内容、その能力、性能というだけに着目するわけにいきませんので、そこは財政との間の両者の総合勘案ということが、これだけ大きな防衛費でございますので、絶えず財政面からのチェックも必要であろうかと存じます。
#109
○庄司委員 四十七年十月九日の国防会議で、次の事項は「国防会議にはかる」ということで、その三項で「左に掲げる装備の新型式のものについての種類および数量」という表現があるのですが、つまり政府が、国防会議が決定する。これは、装備以前の場合は政府決定の必要がないということを示していると思うのですが、その点、どうでしょうか。
#110
○田中(敬)政府委員 防衛計画、政府が政府の意思として決定いたします防衛計画の中身でございますが、これは装備以前のものであっても、防衛計画の中に計上されることはございます。たとえば第三次防衛計画におきましては高等練習機、最近言われておりますT2でございますけれども、T2の開発を行うということで開発自身が決定されておることはございます。もちろん御指摘のように、装備の問題につきましては当該防衛整備期間中に装甲車何台、航空機何機というふうな装備目標も計上されますが、研究開発につきましても政府で決定をいたす場合がございます。
#111
○庄司委員 この国防会議の決定は「文民統制強化のための措置」ということでうたったわけです。ですから、そういう点「装備の新型式のもの」これは必ず国防会議で決める。文民統制強化のためですね。いわゆる制服組が独走しないために、これをうたったのが精神だろうと思うのです。だから、そういう点で国産か否かを政府が決めるのは、やはり装備の段階に入ったもの、入るとき、これが、政府が決めるのだ、制服が勝手にやってはならないということを国防会議で決めたものだと思うのですが、その点、どうですか。
#112
○田中(敬)政府委員 国防会議で決定をするということは、御説のとおりに文民統制のための手段でございますけれども、国防会議で次のことを決めなくてはならないという規定はございますが、決めなくてはならない最低限度のものが、ここに掲げられておるものでございまして、それ以上のものを決めてはいけないという規定がございませんので、たとえば重要な研究開発、たとえば将来国産につながるとか、大きな財政負担になるとか、日本の産業構造の基盤に影響するというようなものでございますれば、法定と申しますか、きちんと決められました規定に基づく決定事項にならなくても、これを国防会議で決定してはいけないというものではないと存じます。
#113
○庄司委員 それではFST2改の国産、これを政府が決めたのはいつですか。
#114
○田中(敬)政府委員 昭和四十九年十月九日の国防会議におきまして定めました四次防の主要項目で決定をしたものでございます。
#115
○庄司委員 四十九年じゃなくて、四十七年じゃないですか。
#116
○田中(敬)政府委員 四十七年でございます。訂正させていただきます。
#117
○庄司委員 四十七年度予算にはFST2改の関連予算があるわけですね。FST2改のシステム設計及び火器管制装置の試作、四十七年度二億四千四百万円で、後年度負担が九億七千六百万円、これは研究開発費なのかどうかということですね。それとも開発という字が入らない調査研究費なのか、それはどっちなんですか。
#118
○田中(敬)政府委員 四十七年度予算に計上されましたものは、国産をするということは前提としないで、当時開発中でございました高等練習機T2を実際の支援戦闘機に使用するとした場合にどのような火器の装置を行ったらいいか、どのような機体の一部改造を行ったらいいか、そういう意味の研究費でございました。
#119
○庄司委員 私が聞いているのは、研究開発費なのかどうかということです。
#120
○田中(敬)政府委員 予算書にと申しますか、内部の予算資料に計上しております事項は研究開発費でございます。
#121
○庄司委員 予算の決定した時期に、FST2改の国産の政府決定はなかったわけです。ですから、研究開発というのは防衛庁が決めて、大蔵省が予算をつければ実施できたはずなんですね。そのとおりに考えていいですか。
#122
○田中(敬)政府委員 お説のとおりでございます。ただ、いろいろございまして、たとえばそれが国防の基本方針、防衛庁の装備体系の中で非常に大きな問題、基本的な問題であるというようなことでございますと、やはりそれ以前に関係省庁間で相当の議論があり、しかるべき国防会議の下部の参事官会議その他でも議論の対象になったであろうと存じますけれども、FST2改の問題につきましては、単なるT2の改造というようなマイナーな問題でございましたので、もちろんお説のとおり、そういうものは防衛庁と大蔵省との予算折衝の過程で決定をし、正式な政府決定は必要でなかった、こういう経緯でございます。
#123
○庄司委員 それから、防衛庁は四次防の期間中にPXLを装備する考えはなかったのだろうと私は思いますが、念のためにあったのかなかったのか、これをひとつお答え願います。
#124
○江口政府委員 防衛庁といたしましては、四次防期間中におきまして研究開発をしようというつもりはございました。ただし、いま御指摘のとおり、装備ということまでは考えておりませんでした。
#125
○庄司委員 PXL装備はポスト四次防の問題ですね。政府が国産か否かを決めるのは装備の段階ですから、当時は、そもそも政府が国産を決めるような段階ではなかったのではないかと私思うのです。そのとおりでしょうか。
#126
○田中(敬)政府委員 国産を決めるかどうかの段階でなかったことは御説のとおりでございますが、何せ日本の海上自衛隊におきます主要装備をなすものでございますので、これを国産化するかどうかということは、事実大変大きな問題でございます。それで、たとえば先ほど申し上げましたように、第三次防衛力整備計画におきましても、高等練習機の国産を前提とする研究開発を行うということで、国防会議の防衛計画の中の決定事項といたしております。
 PXL問題につきましても、もしこれを国産を前提として研究開発をするということに踏み切るのであれば、当然私どもは国防会議の議を経て、防衛力整備計画の中にその一項を入れるべきもの、あるいは今後そういう方向に決まるということになりました場合にしても、いずれにいたしましても、それは国防会議の決定事項であろうと存じますが、当時におきましては研究開発が国産を前提にするかどうかということが決まっておりませんでしたので、本件につきましては国防会議の決定事項から外れておるというのが事実でございます。
#127
○庄司委員 いや、これは簡単に、政府が国産を決めるような段階でなかったのだ、こう言ってもらえばいいのです。
 それでは、坂田防衛庁長官の今月十二日の参議院の決算委員会での、防衛庁としては国産化に重点を置いたものだ、こういう御答弁がございますが、大蔵省はこれを認めておられますか。
#128
○田中(敬)政府委員 四十五年、四十六年と二年、予算が計上され、執行もされたわけでございます。四十七年度予算も計上されました。私どもはあくまでも国産化を前提としない、いずれの場合にでも有用な研究項目というものを選びまして、予算計上を認めたわけでございます。しかしながら、防衛庁当局の方で将来PXLは国産化をしたい、ですから、この計上された研究費というものの実際の執行と申しますか、研究の中身につきましては国産化を重点に、頭に入れつつお考えになったということは事実であろうと存じますし、そのことにつきまして、私どもはとやかく申し上げる立場にないと存じます。
#129
○庄司委員 そうすると、当時のPXL関係予算、これは防衛庁が国産に重点を置いた調査研究をやっていたということを大蔵省としても許容し得るものだったということになると思うのです。それは認めてこられたんですか、その辺どうなんですか。
#130
○田中(敬)政府委員 大蔵省といたしましては、あくまでも国内開発の方がいいか輸入の方がいいか、これは単に財政的な問題でなく、その性能その他の問題でどちらがいいかというための研究開発費ということで計上したものでございまして、それを防衛庁の方で、もちろん研究全体というものは、そういう方向で進められたと存じますが、主観的に国産化を目指したいということで、その研究内容というものを御利用になったということではないかと存じまして、それの点につきましては、私ども、そういう予算の執行が行われた、あるいはそういう解釈がなされたということにつきましては、特に異議を申し上げるまでのこともないと存じております。
#131
○庄司委員 ですから、大蔵省部内、防衛庁部内で同床異夢などというおかしな言葉が使われているわけです。そこで、当時PXLというのは装備段階ではなかった。国内開発をやるかどうかという段階だったわけですね。先ほどもFST2改の例で明らかなとおり、防衛庁が研究開発の方針を決めれば、政府の国産の決定、これは不必要だ。大蔵省が研究開発に予算をつければ、研究開発は可能だったわけです。ですから、防衛庁は四十六年、四十七年ともに研究開発費を要求していたわけです。しかし、これは大蔵省が認めなかったわけで、開発段階に入らない技術調査研究費となった。しかし防衛庁は、それで国産に重点を置いた研究をしていた、こういうことになるわけですが、そこでそういった調査研究の成果の上に立って国内研究開発をするかどうか、これは四十八年度の予算折衝にかかっていたのではないか、この点を伺いたいのです。
 つまり国内研究開発をするかどうかは四十八年度の予算折衝、これにかかっていたんじゃないかと私は思うのですが、その点防衛庁並びに大蔵省、両方から御答弁願いたい。
#132
○田中(敬)政府委員 四十八年度の予算要求と申しますと、四十七年の夏ごろ、防衛庁から大蔵省に御要求がございますけれども、四十八年度の予算要求におきましては、防衛庁からいわゆる基本設計費、先ほど御説明申し上げました国内開発を前提とする基本設計費を含んだ開発費の御要求がございました。そういう意味におきましては、四十八年度予算でも国内開発をするかどうかということが予算折衝上の争点になったであろうことは想像されます。しかしながら四十七年の十月、しばしば問題になっておりますように、国防会議の議員懇談会におきまして、PXL問題というものは専門家会議の検討にゆだねるということになりましたので、四十八年度には一切の予算を計上しないで専門家会議の結論を待つということになりましたので、そのまま予算が計上されないままに推移したということがございます。
#133
○江口政府委員 いま大蔵省から御説明のありましたとおりで大体結構でございますが、若干申し添えますと、四十七年の夏に概算要求をしておりまして、そのときは、当然でございますが、四十八年度の予算としてというふうに考えて概算要求をしたわけでございます。ただ、その途中におきまして、例の十月の国防会議という問題がございます。これは四次防全部のことを扱いますので、このPXLのような重要なプロジェクトにつきましては、ここらあたりで、ある程度の開発の線を出していただきたいというような考え方を持っておったことも事実でございます。
#134
○庄司委員 だから防衛庁は、あくまで国産化ということですね、予算要求もなすったということだろうと思うのです。これは坂田防衛庁長官も二月十二日の記者会見で、四十七年十月九日の議員懇談会、このときのことについて触れておられるわけですね。「PXLについては“次の予算で決着をつけよう”ということだった」というふうに発言しておられますから、その点では防衛庁は十月九日以前は、四十八年度予算折衝でひとつ国産化について決着をつけよう、防衛庁内部は国産化で押そうということを、これは語っておられるだろうと思うのです。それで十月九日の国防会議の懇談会で、いわゆる白紙還元になるまでは電子機器等の開発、これでまとまって、四十八年度予算折衝で開発予算をつけるかどうかを争うということだったと思うのです。
 ですから、もちろん四十七年度予算ですね、これはたしか六億何ぼついたと思うのですが、この予算の執行停止も考えられていなかったんじゃないかと思うのです、この時点では。それが突然いわゆる白紙還元、そして専門家会議を設置して、それに任せるということで、一切四十七年度予算の執行の問題から、あるいは四十八年度の予算要求までが、このPXLについてですよ、これがやめさせられたというのが真相だと思うのですが、私はこの点で、やはり白紙還元の一つ大事な意味があるんだろうと思うのです。このいわゆる白紙還元によって、PXLの研究開発に進み得るような道がこれで一切とめられてしまった。で、いわゆる電子機器等の開発でまとまって四十七年度の調査研究を執行し、その先は予算折衝でと、こうなったルートがあるわけですが、なぜこの突然の白紙還元でひっくり返ったのかという点、非常に疑惑があるわけです。その点、いわゆる白紙還元でPXLの開発研究までがとめられてしまったというのはどういうわけなのか、その辺一言簡単にお答え願いたいと思うのです。
#135
○田中(敬)政府委員 四十七年度に一たん計上されました研究開発の研究費が不執行になりましたのは、防衛庁側においてその研究開発費の細部の実行計画というものができないうちに、国防会議議員懇談会の決定がございまして、国産化するかどうかという問題については、従来の議論を白紙に還元して専門家会議にゆだねるということになりましたので、専門家会議の結論いかんによりましては当該年度、四十七年度に計上いたしました予算の使用の効率性を失うおそれがある、予算の効率的な執行ということから考えれば、国防会議の専門家会議の結論を待って執行した方がよろしかろうということで、これを執行しないこととしたものでございます。
 それからいま先生は、これによって四十八年度に国内開発の研究の芽が摘み取られたのではないかという御趣旨の御発言でございましたが、四十八年度におきましては、国防会議議員懇談会の決定で、国防会議に専門家会議ができましたので、その専門家会議にいろいろ防衛庁としても諸資料を提出しなくてはならないとか、いろいろの所要経費が必要でございますので、そういうものの経費のみを計上いたしまして、実態、従来四十五、六、七と計上されてきたような性質の予算は計上されなかったわけでございます。
#136
○庄司委員 非常にその辺不思議なんですよ。防衛庁は、四十七年度予算の決定があった、しかし四次防大綱の問題もあって、あるいは凍結の問題もあって、確かに執行がおくれたとは思うのですけれども、しかし、おくれたとはいいながら六億数千万円の調査研究の予算をもらって、しかもその次には四十八年度の基本設計を念頭に置いた概算要求をやったわけでしょう。そうすれば四十七年度予算の六億数千万円が、国防会議のあった十月九日、その辺まで何ら予算実施の計画ないしは予算実施に伴う研究の実施、こういうことがやられなかったというのは、ちょっとおかしいのですね。その辺で、もうすでに四十七年の夏ごろ、防衛庁当局にも、大蔵省を経由してかどうかわかりませんけれども、何らかの指示ないしは圧力と言うと語弊がありますが、そういうものがもうあったんじゃないか、こう考えられるのですが、その辺防衛庁どうですか。
#137
○江口政府委員 結論から申しますと、そういうことはございませんでした。
 ただ簡単に申しますと、要するにこういうふうな研究開発予算と申しますか調査予算でございますが、これだけの大きなものになりまして、しかもこれは二カ年間の予算でございます。したがいまして過去の例を見ますと、このようなものにつきましては、大体その年度の後半に実際の実行計画をつくるというのが、事実上過去においてそういうことになっておりました。本件の場合もそういうような動きをとっておった次第でございます。
#138
○庄司委員 それではもう一つ伺いますが、四十七年十月九日の議員懇談会ですね、この前に相澤元主計局長が田中前総理に呼ばれて、T2とFST2改の国産に同意を求められた。そのとき相澤主計局長がPXLを持ち出したということになっておりますが、これは事実ですか。これは主計局ですから次長でもいいですかな。もしわからなければ、大臣から答えてもらいたいのです。
#139
○田中(敬)政府委員 前後の経緯を申し上げますと、国防会議に先立って当時の後藤田官房副長官が総理に、懸案となっております支援戦闘機の問題は国産化でいきたいという意見を進言されたようでございます。その際に総理は、当時の相澤主計局長を呼び、大蔵省に支援戦闘機の国産について異存があるかどうかを確かめられたと承っております。これに対しまして相澤主計局長は、大蔵省もこの国産化の問題については検討をし、当時の大蔵大臣の了承を得ていることであるので、支援戦闘機の国産には異存はないけれども、次期対潜機、早期警戒機等の国産化を前提とする研究開発は、従来からの大蔵省の主張どおり認めがたいという大蔵省の組織としての意見を申し述べたというのが事実関係のようでございます。
#140
○庄司委員 それがいわゆる白紙還元の口火になったわけですね。しかも、当時の植木大蔵大臣、この方も白紙還元は会議の席上初めて知った、こういうふうに述べておられるわけです。大臣の知らないことを、なぜ主計局長が持ち出したのか、この点、ひとつこれは大平さんから答えてもらいますか、大臣ですから。
#141
○田中(敬)政府委員 当時の植木大臣の御発言問題につきましては、恐らく先生御指摘は四月二日の新聞報道に関する御本人の意見、御本人の証言という形で報道されたものを御指摘でお述べになっていると存じますが、当該新聞記事に関しまして植木元大蔵大臣から、私どもがさようなことであったのでしょうかというお問い合わせをいたしましたところ、植木元蔵相御本人から、本件に関する公式な御自分の意見の文書をいただいております。
 文書は三枚にわたりますので、朗読は避けさせていただきますけれども、文書に言われておりますことは、四十七年十月、四次防の主要項目を決定するに当たり、次期対潜機問題については、大蔵省の従来の主張どおり国産化を前提とした研究開発は認めがたいとの方針を確認し、私の了解のもとにこれを防衛庁に伝えたものであって、そのいきさつを私が知らされていなかったなどということがあるべきはずはないと述べておられ、さらに、大蔵大臣に主計局長から十分説明がされており、そのことは自分も説明を聞いてよく了知していることであったと、簡潔に申しますと、そういう内容の植木大臣の御見解をいただいておりますので、これは私どもから言わせれば、新聞の何らかの誤報ではないか、かように存じております。
#142
○庄司委員 これはひとつ後で、その文書を委員会に出してもらいたいと思います。これは可能だろうと思うのですが、どうですか。
#143
○田中(敬)政府委員 御本人のことでございますので、委員会で御決定になれば、御本人の御了解を得てお出ししたいと存じます。
#144
○庄司委員 それじゃひとつ委員長、これは理事会でお諮りいただきたいと思います。
#145
○村山委員長 ただいまの件は、後ほど理事会でお諮りしたいと思います。
#146
○庄司委員 それで、防衛庁も、これは当時の増原防衛庁長官ですね、これは会議の席上初めて知ったと、こう述べられたわけですから、これは二月十三日の各新聞全部に載っていますが、その点はどうなのか、ひとつ御答弁願います。
#147
○渡邊説明員 お答えいたします。
 大蔵省の方から御答弁になりましたように、植木元大蔵大臣と同じような形で文書はいただいておりませんけれども、当時いろいろ調査をいたしました経過において、増原元大臣から、私が知らなかったということはないというふうに私どもは伺っております。
#148
○庄司委員 この点については、いずれロッキード問題調査特別委員会あるいは予算委員会等で、証人喚問の中で明確になる問題だと思いますから、きょうはこれ以上は追及しませんが、最後に大臣にお伺いしたいのです。
 大平さんは、当時外務大臣で国防会議のメンバーだったわけですね。当時の新聞によりますと、大平さんが四十七年八月の十五日、増原防衛庁長官に対して兵器輸入の繰り上げをやらなくてはならない、あるいは予定されている輸入計画への上積みなどがあるので、こういった計画について防衛庁長官に協力してくれということを求めた、こう言われておりますが、その理由は何であったのか、これをひとつ御答弁願いたいと思います。
#149
○大平国務大臣 突然のお尋ねでございますので、ずいぶん時間も経過いたしておりますので、その件につきましては、当時のことをよく調べまして、後刻お返事することにさせていただきます。
#150
○庄司委員 これは時間は確かに経過しておりますが、事実の重みから言うと、私はそう記憶が薄れるような問題ではないだろうと思うのです。これは四十七年の七月七日に田中内閣が発足して、あなたはその外務大臣になられて、箱根会談があったり、その後は八月三十一日、九月一日のハワイ会談があったりして、このロッキード問題での非常に重要な時期になっているわけです。そういう時期に、当事者である増原防衛庁長官とあなたが会われて、いろいろ輸入計画への上積みの問題での協力を求めたとか新聞記事が出ているわけです。これは各紙一斉に出しているわけですから、その点について私は、大臣がまだ、重要な問題ですから、お調べにもなっていないということは、ちょっとどうかと思われるのですが、記憶がないとおっしゃるなら、これはいずれ、しかるべき場でまたお答え願わなくてはならない点だろうと思います。
 当時ドル減らし論があっただろうと思うのですが、この点だけ最後に伺っておきますが、私は当時のドル減らし論と、これはニクソンからも相当のきつい要請があったわけですが、このPXLの国産云々の問題は当然に昭和五十七年からの問題ですし、それからP3Cについても、まだ日本に対して米国側からリリースされていない時期ですから、これはドル減らしと何の関係もないということだと私は思うのですが、これはドル減らしとPXLが関係あったのかないのか。この辺、いまは大蔵大臣、当時は外務大臣の大平さんに御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
#151
○大平国務大臣 当時わが国の国際収支は、大変わが国に有利な状況でございました。とりわけ対米収支がわが国に有利な状況でございまして、このまま推移すると四十億ドルを超える黒字を記録するのではないかということがアメリカから指摘されておりましたことは、私の記憶にも鮮明でございます。
 そして、したがって、アメリカ側からこのインバランスを何とかして是正をしてもらいたいという非常に強い要請がありましたことは、また事実でございますし、そのためにアメリカから係官が参りまして、箱根でわが方の鶴見審議官との間に箱根会談が持たれましたし、またハワイにおける首脳会談に先立ちまして、鶴見・インガソル会談で、この問題について双方で検討いたしました日米間の見解が集約的に取りまとめられて発表されたわけでございまして、そこで問題を一、二庄司さんに御参考までに申し上げておきますと、これはロッキード問題に関連してのお取り上げだと思いますが、この中に三億二千万ドルの航空機の購入が四十七年、四十八年にわたって予定されておるというような意味のことが書かれてあるはずでございます。
 言いかえれば、この決定は政府がやるのではなくて、航空機会社がやることでございまして、政府が航空機会社にそういう対米輸入の計画があるということを聞いておる。それが対米関係のインバランスを是正する一助になるであろうということを政府が指摘いたしておるということでございまして、それは四十七年、四十八年という近接した時点において、そういう輸入計画があるということを申して、アメリカ側の理解を求めておることでございます。
 ドル減らしというのは何年も先のことを言っておるのではなくて、四十七年度はこのままいきますと、四十億ドルものインバランスになるのではないかということが言われておったのですから、それに寄与するようなことでなければならないはずでございますが、兵器問題となりますと、これはいつごろになりますか、まだ見当がつきかねるわけでございまして、さしあたってのドル減らしには直接関係がないことなんでございまして、したがってドル減らしの問題と兵器の輸入問題は、当時そういう大きな問題点として論議されておったようには私は記憶しないわけでございます。むしろ食糧庁から、食糧はどのくらい輸入計画を持っておるかとか、あるいは原子力発電用の加工ウランがどれだけの輸入計画があるかとか、そういった関係が当時問題であったように記憶いたしておるわけでございます。
 なお、あなたがいま私に、増原さんと私が会ったこと、会って何かお話しをしたという記事があるそうでございますので、ちょっと私、記憶にございませんので、その点調べまして後ほど御報告いたします。
#152
○庄司委員 これで終わりますけれども、私、あなたが当時外務大臣として増原さんにお会いになった八月十五日、兵器問題とドル減らしの問題を絡ませてお話しになっているという新聞記事があるので、あなたがいまおっしゃったように、これはPXLとは、あなたはおっしゃっていませんけれども、確かにPXLはだれが考えたって、昭和四十七、八年でドルがアメリカに渡るというような性格のものではありませんから、これは当然ドル減らしの対象にならないだろうと思いますけれども、それにもかかわらず、やはり増原防衛庁長官と、こういうドル減らしの問題に関連してお話し合いをなすったということになると、これは一体何だったのかという疑問が当然起きてくるわけです。
 その他の戦闘機の問題もありますから、そういう点非常に重要な問題なので、私は指摘したわけです。これはもう時間もありませんから、あといずれ別な機会に詳しくお尋ねしたいと思います。
 以上で終わります。
#153
○村山委員長 浅井美幸君。
#154
○浅井委員 きょうは予備費の審査の日でございますので、最初に一、二予備費の問題について簡単にただしたいと思います。
 農林省関係の、水産庁の方お見えになっていると思いますが、漁業経営安定特別資金の融通助成事業費補助金に予備費が四十九年度一般会計予備費から使われておりました。その使用要求は、燃油、漁網綱等の価格の高騰に伴い、漁業経営に及ぼす影響を緩和するために、水産庁水産業振興費として四十九年度二十一億七千万余円でございましたが、支出済みの歳出額は二十一億二千万円で、約五千万円の不用額が生じております。なぜこれだけの不用額が生じたのかお答え願いたいと思います。
#155
○森実説明員 お答え申し上げます。
 貸し付けは七月から十一月にかけて個別にばらばらに行われましたが、償還につきましては、予備費の支出では二年間の償還ということで全体を積算したわけでございますが、現実には末端の単協の事務処理の関係上、ある程度償還期をそろえたために、全体の二年間の総隻数に対して二十日弱くらい、全体として見れば、結果として償還期が短縮されたというような事情がございまして、予備費の不用額が出たわけでございます。
#156
○浅井委員 予備費の使用ということにつきましては、本来予算というのは国民の血税ということから、歳入歳出の見積もりというものについて非常に厳密な予算を組みます。真にやむを得ざるもののみが、いわゆる大蔵大臣の認可によって、そういうものが使われるということで決められております。その金額が事務的のいろいろなことによって、そういう不用額が出たということでありますけれども、要求額に対する大蔵省の審査というものは、もっと厳密でなければならないし、その予備費の使用に当たっては、十分な関心を払わねばならないと思います。それが、そういうふうな使われ方をしておったことが第一点であります。
 そこで大蔵大臣にお聞きしておきますが、四十九年度予備費の当初予算は二千六百億円、補正予算で千百九十億円減額をし、歳出予算額は千四百十億円・予備使用額は約八百二十億円で不用額は五百八十九億円ありました。このような状態を見れば、当初予算二千六百億円に対して、使用したのは八百二十億円で、差額は千七百八十億円であります。当初予算に対して、このいわゆる差額というのは非常に大きかった、こういう点について指摘できると思います。
 財政法第二十四条によりますと「予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」とありますが、これは漠然として種のつかみ金的なように私たちは考えられます。一体大蔵省は、毎年度予算編成の場合、どのような基準で予備費を予算に計上されるのか、また「相当と認める金額」とは、具体的にどのようなことを指しておるのか、御答弁願いたいと思います。
#157
○田中(敬)政府委員 御指摘のように、四十九年度あるいは五十年度におきまして、予備費の実際の使用額が当初計上額に比べまして少なかったことは事実でございます。しかしながら、私ども予備費の計上に当たりましては、憲法の規定に「豫見し難い豫算の不足に充てるため、」予備費を計上することができると規定されておりますし、また財政法上にも相当の額ということが定めてありまして、これに基づいて予備費を計上さしていただいておるわけでございますが、相当の額というものをどういう基準で判断するかということのお尋ねでございますが、まず一つは、予算の規模に対する比率というものが一つの基準になろうかと存じます。従来、戦後の予備費の計上割合を見てまいりますと、大体下五%前後、多い年ですと、当初予算計上額に対して二%の予備費を組んだこともございますが、まあ一・五%程度のところが従来の経験的計上率であるということ、それからもう一つは、やはり当該年度の予測される経済事情その他というものも予備費の計上の金額を考える一つの基準になろうかと存じます。たとえば非常に歳入財源不足というようなことで総合予算主義を組んだ、あるいは給与の改善の見通しというようなものが、ある程度高い、低いというようなことも予備費の総額を算定する一つの基準になろうかと存じますが、いま先生から求められております客観的にしっかりした算式というものは、財政当局もこれを持ち合わせておりません。
 大体予算の総体規模に対して一・五%前後が適当な金額ではなかろうかということでございます。
#158
○浅井委員 いまお答えになったように、最近その予算総額の一・五%という数字ですが、この近年、予算がどんどんふえておりますので、その一・五%というのは適当であるかどうか、これは私は問題だと思うのです。
 また、先ほど指摘いたしました漁業経営安定特別資金の融通助成事業費にしても、四十九年度で予備費を使い、また五十年度にも九億七千八百六十三万六千円の要求ということで、毎年毎年こういうものがいわゆる予備費から支出されること、同じ項目、同じ費用、こういうものが毎年出るならば、本予算でなぜ組めないのかという疑問が残るわけです。私は、この辺も問題点だろうと思います。
 それからもう一点、先ほど一・五%と言いましたけれども、戦後一貫して一・五%の予算を組んでいるのではないのです。この数年間に至って一・五%という割合になってきております。この予備費というものは、何も一・五%をめどにして予備費を組まなければならぬという法律的根拠はない。私はそこに問題点があることを指摘したいわけです。
 この予備費に関しては、私の質問はこれで終わりますけれども、大臣、この辺についての予備費の流用、予備費のいわゆる使い方、あるいは組み方、こういう点について、今後もう少し厳重に考えてもらうことを要求したいと思いますが、御答弁をお願いします。
#159
○大平国務大臣 先ほど原委員にもお答え申し上げましたように、これは内容があらかじめ決められて国会の御承認を得ている費目でございませんで、例外の費目でございますので、財政民主主義の立場からは、浅井さんおっしゃるようにできるだけ計上額を少なくし、かつ使用に当たりまして、できるだけ厳重に処理すべき性質のものであるという御指摘は仰せのとおりでございまして、私ども、そういうことを念頭に置きまして運営に当たらねばならぬものと承知いたしております。
#160
○浅井委員 それでは私はロッキード事件に関する質問に移りたいと思います。
 まず、法務省当局お見えになっていますか――児玉譽士夫に対する所得税の脱税事件の公訴事実について、概略要旨を法務省当局より御報告願いたいと思います。
#161
○吉田説明員 児玉譽士夫につきましては三月十三日に、所得税法違反で公判請求をしております。その事実の概要は、最終的に申しますと、八億五千三百七十四万七千五百円の所得税の脱税という事実でございまして、昭和四十七年分の総所得金額が十一億八千万円、これは数字が非常にたくさんありますが、端数がありますが、約十一億八千五百万円余であったのにかかわらず、その申告が約四千三百万というふうに申告いたしまして、ただいま申しましたように正当税額、納めるべき税額差額八億五千三百七十四万七千五百円の脱税をした、逋脱をしたという事実で公訴を提起しております。これは三月十三日、同日東京国税局より同じ事実について告発を受けた後に起訴をしておるわけでございます。
#162
○浅井委員 国税当局に伺っておきますが、いま法務省当局からは国税当局の告発事項も全く同じものであったということですが、確認しておきます。
#163
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま法務省よりお答えいただきました所得税の脱税所得及び税額につきまして告発をいたしておるわけでございます。
#164
○浅井委員 国税当局の告発あるいは課税に対する基本的な考え方、これを御説明願いたいわけです。すなわち、いわゆる児玉譽士夫が今回の脱税に対して受領ベースの考え方を持ったのか、それとも所得発生ベースという考え方でこの告発に踏み切ったのか、その点を明確にしていただきたいのであります。
#165
○横井政府委員 これから裁判で争われる事件でございますので、詳細は差し控えさしていただきますが、所得税の納税義務はいわゆる権利発生主義と申しますか、確定主義と申しますか、そういうところで決まってくるわけでございますから、そういう考え方で計算をして告発いたしたものでございます。
#166
○浅井委員 公訴事実の説明がいまございましたけれども、このいわゆる説明によれば、児玉の四十七年度分の隠し所得は十一億四千二百万円になるという御説明ですけれども、そのとおり税務当局も間違いございませんか。
#167
○横井政府委員 告発いたしました四十七年分の通脱所得額は、仰せのとおりの額でございます。
#168
○浅井委員 これはさきに三月十三日に公表されました領収証関係、これ四十七年分を合わせますと、十一億七千二百万円ございますけれども、いま十一億四千二百万円にいたしますと、ちょうど三千万円合っておりませんけれども、これはいわゆる公表された領収証の金額にどっかダブっておる部分がございますか。
#169
○横井政府委員 御指摘のような点を十分検討いたしまして金額を決定したわけでございます。ダブり等の関係もよく調査をいたしました。
#170
○浅井委員 どこでダブったのでしょうか。どの日付の分についてダブったのか、明確にお答え願いたい。
#171
○横井政府委員 その点につきましては、これからの裁判に係属するということでもございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#172
○浅井委員 いわゆる国民の知る権利と公務員の守秘義務という、これは憲法解釈において分かれる点でありますけれども、もう少し明確にしてもらいたいと思うのです。いわゆる領収証が一覧表になっておるのが国民に公表された分なのです。いまあなた方が告発したのは十一億四千二百万。七千二百万と三千万の違いがある。当然だれが聞いても疑問に思う点なのです。そういう点も、この委員会で明らかにできないというのは非常に問題だと私は思います。
 それでは、次の問題に移りますけれども、国税当局の任意調査並びに強制調査において、告発段階までに四十七年度分についてロッキード社からの手数料収入以外の総合課税の対象となるいわゆる隠し所得、株の売買差益だとかトラブルの仲介による謝礼、こういうものの未申告、こういうものはこの金額の中に含まれていないのですか、含まれているのですか。
#173
○横井政府委員 三月十三日に告発をいたしますと同時に、四十五年分、四十六年分、四十七年分につきまして玉川税務署長より所得税の更正通知をいたしてございます。その更正通知の中には、ただいま御指摘の課税漏れでございました、その他の所得を含んでおるということで御了解を願いたいと思います。
#174
○浅井委員 そうすると、十三日公表された児玉譽士夫関係の領収証のいわゆる一覧表による四十七年度十一億七千二百万という金額、この金額の中に、さらに加えた分、いわゆる隠し所得まで含まれた分を合わせて十一億四千二百万という告発の状態になるわけですか。
#175
○横井政府委員 そうではございませんで、実は告発をいたしました額にプラスアルファしたもので玉川税務署長より更正通知をいたしておるということでございます。
#176
○浅井委員 その金額は幾らですか。
#177
○横井政府委員 金額及びどういう中身かということにつきましては、御案内のような事情でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#178
○浅井委員 では、確認いたしておきますけれども、その四十七年度分についての総所得金額が、最初の告発の公訴の事実の要旨では、昭和四十七年分の総所得金額が十一億八千五百二十二万九千三百八十五円あったのにかかわらず、昭和四十八年三月十四日、玉川税務署長に対し総所得金額が四千三百二十二万九千三百八十五円で、これに対する所得税額が八百五十二万二千四百円である。この旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、不正の行為により同年分の正規の所得税額八億六千二百二十六万九千九百円と右申告税額との差額八億五千三百七十四万七千五百円を免れた。この金額が、いまいわれております申告税額との差額八億五千三百七十四万七千五百円、これが四十七年度分については追徴金として告発されておるのです。
 いま四十六年、四十五年というお話もございましたけれども、この八億五千三百七十四万七千五百円と、さらにいわゆる隠し所得といいますか、そういうものも含めたそういう全トータルが、四十五年、四十六年、四十七年と含めて告発されているのですか。明確にお答えいただきたいのです。
#179
○横井政府委員 ただいまお読みいただきました金額は、私どもが昭和四十七年分の所得税の通脱額ということで告発をいたしました内容でございます。御案内のように四十五年分、六年分はいわゆる時効になっておりますので、これは告発をいたしてございません。しかし偽り、不正につきましては、刑事事件ということにはなりませんけれども、課税はできるわけでございますので、別途更正通知をいたしておるわけでございます。また四十七年分につきましても、この告発額以外に私どもが調査の過程で発見いたしましたものにつきまして、それを加えまして更正通知をいたしておるという状況でございます。
#180
○浅井委員 確認いたしておきますけれども、そうすると四十五、四十六、四十七年、三年分についてその後調査で判明した分についても、いわゆる追徴金の措置としていま国税庁の方では措置している、こう判断していいのですか。
#181
○横井政府委員 御指摘のとおりで、わかりました限り課税処理をいたしておるわけでございます。
#182
○浅井委員 その金額が、いま追加された分についての金額というものは、この場所では申せないということを、あなたはおっしゃるわけですけれども、この四十五、六、七という――私どもが承知しておる四十七年度の追徴金額は、われわれはわかった。そのほかのことについての追徴金額はここで明かすことはできませんか。
#183
○横井政府委員 これまでも何度か御説明を申し上げ、御了解願ったわけでございますが、どなたに限らず課税調査の結果によります課税所得なり税額なりにつきましては答弁をお許し願いたいと思います。
#184
○浅井委員 では、四十七年度分について更正に踏み切った場合、国税通則法第六十八条に規定する重加算税、これを課する方法をとるのか。それとも同法第六十五条に規定いたしております過少申告加算税を課することになるのか。この点についてはいかがですか。
#185
○横井政府委員 御指摘の条文に照らしまして、仮装、隠蔽という事実に当たります部分につきましては重加算税の対象といたしてございます。
#186
○浅井委員 それでは、次の分についてお尋ねいたしますけれども、五十年分の申告所得額が五月一日に公示されましたが、児玉譽士夫の所得額が一億三千四百四十六万六千九百二十五円と公示されております。今回のこの児玉の申告額にはロッキード社からのコンサルタント料、手数料というのですか、これは別にしまして、コンサルタント料としては、四十九年の一月以降六百万上積みされて、年間五千六百万だと聞いております。その半期分の二千八百万円が当然含まれていなければなりませんし、さらに、すでに公表されておりますところの手数料の領収証にありますところの金額、五十年三月四日付の五千万、また同年五月七日付の八千百三十四万円、合計一億二千百三十四万円が所得として含まれなければならないのでございますけれども、国税当局は、児玉の五十年分のいわゆる所得申告に隠し所得があるとの疑いで、さらに脱税捜査を進めておられるのですか。
#187
○横井政府委員 御承知のように、五十年分の所得税の申告は、去る三月十五日に終わったばかりでございます。現在それの申告の審理をいたしておるという段階でございます。
 一方、児玉譽士夫につきましては、四十七年分の処理を終わりまして、現在その後の年分につきましての引き続いての強制調査を続行しておる状況でございます。五十年分につきましても申告審理をいたしまして、問題がございますれば調査をいたすということになろうかと思っております。
#188
○浅井委員 問題がございますれば調査すると言うのですけれども、いま私が申し上げたコンサルタント料、あるいはまた領収証によるだけでも、この申告額は下回っております。この点について、問題があればではなくて、すでに五月一日に公示されておるわけでございますけれども、問題があるというふうに考えておられるのか、それとも問題がないと思っておられるのですか。
#189
○横井政府委員 多少言葉が生硬でございまして申しわけございませんが、四十八年分、四十九年分に続きまして調査することになるのではないかと思っておるわけでございます。
#190
○浅井委員 非常に隔靴掻痒という感じを受けるわけですけれども、ここで確認しておきたいのですけれども、言われるところのロッキード社から児玉譽士夫が金を受け取った、その金が政府高官に渡ったとする、その場合一時所得である、私はそのような所得を受けていない、それはよそに渡してしまったんだという言いわけ、それによって今回の脱税の問題について免れることはありますか、これについて確認しておきたいと思います。
#191
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 告発いたしましたにつきましては、その金額が一たん児玉の所得になったということで告発をいたしておるわけでございます。
    〔委員長退席、森下委員長代理着席〕
 そのお金が別途他の第三者に渡ったということで、所得額が減額になることはないというふうに思っておるわけであります。
#192
○浅井委員 五月七日に、児玉譽土夫は玉川税務署長に異議の申し立てをしておりますが、この異議申し立ての内容について明らかにしてもらいたいと思います。
#193
○横井政府委員 御指摘のとおり、五月七日玉川税務署へ四十五年分、四十六年分、四十七年分の更正通知に対します異議の申し立てが出ておるわけでございますが、内容につきましては、これからの裁判等にも関係いたしますので、御勘弁いただきたいと存じます。
#194
○浅井委員 こういう形では私は審議ができない。こちらから言わなければならないのですけれども、新聞報道によると「更正処分は、過大であるから取り消しを求める」そういう異議の申し立てを行った。これは東京地検から起訴されているために異議の申し立ての理由が注目をされていたが、税務当局の処分に対して具体的な反証は示していない。具体的な反証はあったのですか、なかったのですか。
#195
○横井政府委員 一般論ではなはだ恐縮でございますが、数年前に国会で国税通則法の改正を御審議いただきましたとき、いろいろ御議論がございましたが、不服申し立て制度の趣旨から申しまして、異議申し立て段階におきましては、詳しい異議申し立ての理由は出さなくともよいというふうな考え方で、現在の通則法が出ておるわけでございます。そういうことからいたしまして、児玉につきましても、詳細な異議申し立て理由は出ておらないというふうに承知をいたしております。
#196
○浅井委員 詳細な異議申し立てが出ていないという、詳細という言葉がどういう言葉かわかりませんけれども、では私は、いま申し上げますけれども、この点については申し立てがあったかどうか、四十五年から四十七年分の追徴金十五億円余について、更正処分は過大であるから取り消しを求める、このようになっておると言われておりますけれども、これはこうなっておりますか。
#197
○横井政府委員 おおむね、先生のおっしゃるような趣旨の申し立てが出ておるというふうに聞いております。
    〔森下委員長代理退席、委員長着席〕
#198
○浅井委員 では、その過大であるということについて具体的な反証ではなく、全面否定とも過大部分の部分否定ともとれますけれども、国税当局は、いわゆるこの異議申し立てについてどう解釈いたしておりますか。
#199
○横井政府委員 その点につきましては、これからの推移を見てみませんと、まだ私どもではわかりかねておるということかと思っております。
#200
○浅井委員 これからの推移を見なければわからないということでありますけれども、自信を持って告発をなされた金額、いわゆるその告発状について、これからの推移ということで告発した内容について変化があり得る、そういう考え方なんですか。それとも、自信を持って告発をしておるということですか。どっちですか。
#201
○横井政府委員 いま申し上げましたのは、私どもは自信を持って告発をしておるわけでございますし、また更正をいたしておるわけでございます。しかし、児玉側が全面否定の考え方であるのか、あるいはその一部は容認する姿勢であるのか、その辺まだ、私どもいまのところはわかっておらないわけでございます。
#202
○浅井委員 では重ねてお伺いいたしますけれども、いわゆるこの異議申し立ては、児玉譽士夫はどのような意図をもってこういう異議申し立てをしたと解釈しておられますか。
#203
○横井政府委員 まあ、御指摘の点につきましては、恐らくこれからの私どもの異議申し立て審査の段階あるいはまた刑事事件の裁判のプロセスで明らかにされてまいるのではないかというふうに存じておるわけでございます。
#204
○浅井委員 国税当局は、この異議申し立てに対して、今後どう対応されるのですか。自信を持っておられるならば、いわゆる棄却決定ということをなさろうとしておるのか、それとも自信がないから、申し立ての期限三カ月を過ぎても決定をしないで、いわゆる国税不服審判所に審査請求をするような形でおやりになるのですか。いまあなた方が、これをどちらにしようとしておるのか、考えを示してもらいたいと思います。
#205
○横井政府委員 異議申し立てが出ました場合におきまして、御案内のように異議決定をいたします場合と、異議決定をいたしませんで、三カ月経過時におきまして、審査請求ができる旨教示をして、指導的と申しますか、審査請求に移行するものと、二つの方法があるわけでございます。これをどちらによるかにつきましては、不服申し立て制度の趣旨と公訴の維持の問題これを彼此勘案いたしまして、慎重に検討いたしたいというふうに考えております。自信があるということでございますから、当然異議申し立てに対しまして棄却をするというのが一つの方法であろうかと思うのでありますが、御承知のように、国税通則法におきまして、異議決定をいたしますには、その際、棄却の理由を明らかにしなければいけないということがございます。そういうことを公訴の維持等の関係で、どのように考えたらいいかというふうなことを検討いたしておる段階でございます。
#206
○浅井委員 いわゆる棄却決定しない場合、審判所に審査請求して、そしてそれから刑事裁判になって最高裁まで争われるとなったら、これは十年かかる。十年裁判と言われるわけです。いま、第一の方法が棄却決定、いわゆる異議棄却ということをやるか、あるいはまた期限の三カ月を過ぎてそういう審判所に持ち込んでしまう、こういうことがあるならば、いまロッキード問題というのは国民が非常に強い関心をもち、真相究明に早急な解決を求めているわけです。それが、あいまいなままに十年間もこの問題が争われる、こういう方法になったときには、国民に強い不満が起こります。それだけの自信があるならば、決然と棄却決定をするべきだと私は思います。
 なぜ理由を明かしてはいけないのか、なぜその一部内容を明かしていけないのか、私は判断に苦しむわけですけれども、どういうわけで棄却決定をするその理由、内容を発表してはいけないのですか。
#207
○横井政府委員 先ほど申し上げましたようなことの繰り返しで恐縮でございますが、いわゆる異議に対しまして棄却をいたします場合におきまして、何といいますか、私どもの手のうちを見せるといいますか、そういうふうな点がございます。他面、不服申し立て制度の趣旨から申しますならば、異議申し立てに対して早急に異議決定をする、納税者の正当な権利を救済するということが趣旨になっておるわけでございますが、非常に重大な国民の関心を呼んでおりますような問題であり、また、これが刑事事件に別途なっておるというふうなことからいたしまして、先ほど申し上げましたように、異議申し立てをどう扱うか、検討しておるということでございます。
#208
○浅井委員 手のうちを見せていけないという理由は何なんですかと言って私、聞いているのです。いま手のうちを見せることが非常に悪いというようなお答えがあったわけですけれども、明らかにここに、いままでの一連の領収証の問題についてだとか、あるいはまたコンサルタント料という明白な事実が契約書、あるいはまたそういういろんな事実の上から、お金の授受があった。それを手のうちを見せるとか見せないとかということで、国民の目からこの真実を覆うということについては、私は納得いかない。棄却決定を当然するのが私はあたりまえではないかと思うのです。それをいわゆる慎重に検討しておるという言葉で、棄却決定をあたかも放棄したような印象に私は受け取れますけれども、棄却決定は放棄してないのですか、どうなんです。
#209
○横井政府委員 先ほど申し上げましたようなことで刑事裁判になり、公判廷で争われるというふうな問題でございますので、従来の例で申しますと、異議決定をいたしませんで、三カ月経過後審査請求になり、刑事裁判の推移を待つという場合が多いようでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたようなことで、これは決して自信がないからということではございませんで、公訴の維持と不服申し立て制度の趣旨を考えながら検討してまいりたいというふうに思っておるわけであります。
#210
○浅井委員 ロッキード事件というのは、最大の焦点が児玉譽士夫がロッキード社から受け取ったお金を政府高官に渡したかどうかという問題、これにいま焦点がしぼられているわけですけれども、この昨日付の朝日新聞の資料によりますと、「「高官」らを税務調査」のいわゆる記事が出ております。国税当局は政府高官に対する税務調査に着手しておると報道されておりますけれども、この点について、事実調査を始めておりますか。
#211
○横井政府委員 新聞の報道は、率直に申しまして私どもの関知しておらないところでございます。恐らく、御承知のように五十年分の所得税の確定申告が三月十五日に出たわけでございますが、例年四月の終わりころから五月にかけましてが、この申告書を審理し調査をするかどうかというふうなことを検討するような時期になっておるわけでございます。
 御承知のように、国会議員の方で、東京国税局管内で申告される方が約三百名以上もいらっしゃるというようなことでもございます。全部の納税者について申告書の審理作業をしておる過程におきまして、政治家の方につきましても、そのような申告審理あるいは事後調査対象とするかどうかという問題が起こってくるということはあろうかと存ずるわけであります。恐らくそういうことが何らかのことで新聞に早まって取り上げられたのではないかというふうに推測をいたしておるわけでございます。私どもの関知しておるところではないわけでございます。もちろん、今後検察庁等との共同調査の過程におきまして、そのような疑いが出てまいりましたならば、私どもといたしましては厳正な態度で調査をいたしたいというふうに考えておるものでございます。
#212
○浅井委員 この朝日新聞の記事ですけれども、「国税局長は表向きは、これら高官に対する税務調査が「形としては、これまでやって来た、政治家に対する申告内容審査のワクを超えるものではない」と慎重な表現をしており、あくまで地検、警視庁の捜査と競合しないように配慮しながら、調査を進めるとしている。」こういうように出ております。また、いま三百名というお話でありましたけれども、これには「閣僚経験者や一部野党議員も含めて二十人前後がリストアップされている模様である。」このようなことでありますけれども、これは、では果たして新聞に書かれておることは誤報ですか。
#213
○横井政府委員 先ほど申し上げましたように、新聞に出ましたような意味合いで政治家の方々を取り上げておるということではございませんので、そういう意味合いで申しますならば、誤った報道であろうというふうに考えます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、七百名ぐらいの国会議員の方の中で、三百人ぐらいの方は東京国税局管内で申告されておる、そういう方々につきまして申告審理をいたします過程で、若干の方について問題がある、あるいは修正申告をしていただかなければいけないということが出る場合があるのが毎年の状況でございます。
#214
○浅井委員 それでは最後にお伺いしておきますけれども、この四十七年度分のいわゆるロッキード社から流れた児玉譽士夫に対するお金、それが今度政府高官に渡されたとします。これから政府高官が明らかになってくるでありましょうけれども、その渡された分について、いわゆる追徴金あるいは告発、そういうものといわゆる三月のこの時効という問題とのかかわりはどういうふうになりますか。
#215
○横井政府委員 途中で御質問にお答えしました際に申し上げましたように、偽りまたは不正ということでございますと、五年という更正の期間がございます。偽り、不正に当たりません場合は三年でございます。今後どういうふうな問題が出てまいるのか、私どももその推移を見ないと何とも申せないのでありますが、その出てきます態様に応じまして調査をいたし、それに応じてまた課税をいたすということにいたしたいと思っておるわけであります。
 現在のところは、伝えられますアメリカからの検察庁への資料は、私どもの方へはまだ参っておらないというふうに承知をいたしておりますので、今後その辺も開示の状況等とあわせて検討いたしたいと考えております。
#216
○浅井委員 四十七年度分だけで児玉に対して十一億七千万円、丸紅を通して六億数千万円、こういう巨額の金額が出ておって、それを受け取った高官名が明らかになってきておって、そして正当な所程の申告がなかった。これはいわゆる四十七年のことでありますので、四十七年度のことについては、偽り、虚偽申告であっても五年という期限があって、それがいわゆる時効にかかってどうすることもできないということになるのか、それとも、その場合、もしそういう者の所得が明らかになったならば、何らかの法的な措置がとれるのかどうかという点を明確に聞いているわけです。いま、四十七年度分について私はお伺いしているわけです。
#217
○横井政府委員 ちょっと技術的なことを申し上げて恐縮でございますが、日米司法当局の行政取り決めにおきましては、アメリカから送られてまいります資料は刑事事件の捜査、調査ということにのみ使えるということになっておるわけであります。私どもの方へ恐らく脱税調査、いわゆる査察調査、こういうことのために開示されるものというふうに思っておりますし、またその点につきましては、法務省、検察庁に私どもから必要な資料を開示いただくようにお願いしてあるところでありますが、そういうことでございますので、脱税資料ということで開示され、それが査察、告発、起訴ということに結びついてまいるという場合におきまして、刑事事件の関係の時効はともかくといたしまして、課税については偽り、不正ということで五年間課税できる場合が出てくるのではないか。そういたしますと、四十七年分についても課税は可能でございます。
#218
○浅井委員 そのいわゆる四十七年度分の五年間の期間というのは、いつまでですか。来年の三月までですか。
#219
○横井政府委員 四十七年分は、御承知のように四十八年の三月十五日が申告期限でございます。その翌日から起算いたしまして五カ年間でございますと、五十三年の三月十五日までということでございます。
#220
○浅井委員 そうすると、四十八年の三月の末日までに、この問題が明確にならない場合は、いわゆる政府高官の脱税問題についても何ら措置ができない、このようになるわけですね。
#221
○横井政府委員 明後年の三月十五日まで余裕があるわけでございます。五十三年三月。
#222
○浅井委員 済みません。間違いました。
 いずれにせよ、この問題について先ほどから答弁もあいまいでありましたけれども、児玉譽士夫の脱税、そしてまたその脱税に対しての異議申し立て、これに対して私は毅然たる態度で国税当局が臨んでもらいたいと思います。あくまでも国民の求めておるのは、いわゆるロッキード事件に対する真相究明でありますから、司法当局との打ち合わせも必要でありますけれども、国税当局の厳格なる法執行、この点を強く望んで、私の質問を終わりたいと思います。
#223
○村山委員長 これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#224
○村山委員長 これより昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件の承諾を求めるの件、及び昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について討論に入ります。
 討論の申し出がございますので、順次これを許します。萩原幸雄君。
#225
○萩原委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求める件につきまして、賛成の意を表するものであります。
 昭和四十八年度一般会計予備費の使用は、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の三十二件であり、また、特別会計の予備費の使用は、外国為替資金特別会計における外国為替等売買差損の補てんに必要な経費等の十八件であります。
 次に、昭和四十九年度の使用は、一般会計においては、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の七十八件、特別会計では、食糧管理特別会計における国内米の買い入れに必要な経費等の三十件であり、さらに、昭和五十年度分は、一般会計では、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の二十六件、特別会計では、食糧管理特別会計における国内米の買い入れに必要な経費等の八件でありますが、これら予備費の使用は、いずれも予見しがたい予算の不足に充てるためのものでありまして、憲法、財政法の規定に照らし、適当であると認められます。
 また、特別会計の予算総則に係る各件も、すべて問題のないところであります。
 わが党は、かかる判断のもとに各件の承諾に賛成するものでありますが、ただ、この際、政府に対し、予備費の使用に関して一言、希望を申し上げておきたいと存じます。
 予備費の節度ある使用については、わが党は、これまでもしばしば強調してきたところであり、政府もまた、この点に留意され、予備費の計上額については、例年、予算補正の際、改めて見直しを行い、ここ数年来は相当の減額を図る等の措置を講じてきておりますが、近年、財政需要の複雑化に伴って予備費の使途もますます多様化する傾向があり、その上、昭和五十一年度予算においては、従来からの予備費のほかに、公共事業等予備費が新たに計上されるなどの変革もありまして、その使用については、今後一層厳正を期する必要があります。
 政府においては、予備費使用の節度を堅持し、かりそめにも乱用のそしりを受けることのないよう努められたいのであります。
 以上、希望を申し添えまして、私の賛成の討論を終わります。
#226
○村山委員長 原茂君。
#227
○原(茂)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの伴について、反対の意を表したいと思います。
 わが党は、かねてから予備費使用の厳正を主張し、例年、不当事例を指摘いたしまして、政府の反省を促してまいりましたが、ただいま議題となっております各件の中にも、依然として不当事例が散見されるのは、まことに遺憾であります。
 以下、その事例を申し上げます。
 まず、国際連合緊急派遣軍に係る分担金及び拠出金でありますが、いまだ分担金を支払っていない国があるのに、なぜわが国だけが、あえて予備費を使用してまで支払いを急がなければならなかったか理解しがたい上、中東国連緊急軍への参加協力に関して、自衛隊の派遣にかわる分担金の支出を安易に予備費で行い、国際的軍事行動に参加するということは、わが国の憲法並びに自衛隊法上大きな疑義もあり、わが国国内法に何ら準拠していない本件に対し、しかも事後承諾を求めるというには、異議を持たざるを得ません。
 次に、那覇市小禄爆発事故見舞い金でありますが、国が補償金なり賠償金として当然支払うべきものと思われますが、その検討をおろそかにして、見舞い金として恩恵的に支給しているのは納得できかねるところであり、国会審議の経緯からも早期に国家賠償金制度を確立して、この種事案に対し、国が補償の責めを負うべきものと思います。
 次に、山王ホテル士官宿舎明け渡し訴訟の和解金等の支出でありますが、都心地に長年にわたって、かかる施設が存することは、国民感情の上から見ても、早期に明け渡しの措置をとるべきであったのに、これをせず、多額の和解金等を支払うに至ったことは、きわめて遺憾であり、国の怠慢の結果として、とうてい認めがたいところであります。
 なお、見舞い金のごときは、新たな制度的な前例として、今後に及ぼす影響は多大だと思いますので、この見舞い金並びに見舞い金支出が予備費によって行われるなどということは、とうてい納得しがたいところであります。
 申すまでもなく、予備費の使用は、財政民主主義の原則の例外として政府の裁量に任せられた権限でありまして、その行使は、国の財政は国会の議決に基づいて行使するという憲法の本旨に沿って厳正を期する必要があります。安易に予備費を使用して、再び不当の指摘を受けないよう、政府において十分注意されたいのであります。
 以上、簡単ですが、反対討論といたします。
#228
○村山委員長 庄司幸助君。
#229
○庄司委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、予備費等十案件のうち、四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額及び四十九、五十年度特別会計予備費を除く七件につきまして、不承諾の意を表明いたします。
 これらのうち、福祉関係、災害復旧関係、給与改定、米麦買い入れ費などが大部分でありますが、これらは、不十分な点や、あるいは予備費などではなく、そもそも当初予算に十分盛り込んで国会の議を経るべき点などの問題はありますが、国民にとって必要なものであり、承諾できる部分であります。
 しかし同時に、絶対に容認できない重大な経費もあります。たとえば、田中前首相や三木首相の外遊、フォード米大統領の来日に要した経費は、日米軍事同盟体制の強化を図り、あるいは独占資本の進出の水先案内の役割りを果たしたものであります。また、外国為替差損も、アメリカのドル防衛政策追随の結果であり、これら、アメリカの軍事的、経済的世界支配政策に協力する経費は断じて認めることはできないものであります。
 他方、国土総合開発事業関係費等は、大企業本位の国土開発を推進するものであり、国土庁設置もその一環にほかなりません。また、租税還付加算金も、その多くは、先ほど私の質問で御答弁もあったように、丸紅などのような悪徳企業その他大企業に還付されたものであります。
 その他、非民主的、非科学的原子力行政を温存する日本分析センター設立経費天皇の事実上の元首化を図る訪米費、佐藤榮作氏の葬儀経費、アジア開銀出資、炭鉱整理促進費、フィリピンへの特別支出金なども承諾できないものであります。
 なお、予備費制度の運用については、厳に予見しがたい必要不可欠のものに限定するよう毎回指摘しているところでありますが、依然として年々予備費の拡大を図り、政策的支出を繰り返しておるのであります。これは、財政民主主義を破壊し、国会の審議権を不当に狭めるものであります。このような予備費の不当な運用は今後やめるよう重ねて強く要求いたしまして、私の反対討論を終わります。
#230
○村山委員長 浅井美幸君。
#231
○浅井委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書等の承諾を求める案件につきまして、不承諾の意を表明するものであります。
 申すまでもなく、予備費の支出に当たりましては、財政法第二十四条により「予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」とありますが、この「相当と認める」という点につきましては、漠然としておって、一種のつかみ金的に見受けられます。その理由として、予備費歳出予算の大幅減額についてであります。
 一般会計での予備費歳出予算は、四十八年度二千三百億円、四十九年度二千六百億円、五十年度三千億円でありますが、補正予算によって予備費は、四十八年度千六百五十億円、四十九年度千百九十億円減額されております。
 また、四十九年度予備費歳出予算額は千四百十億円、予備費使用額八百二十億円で、不用額が五百八十九億円生じております。このような状態を見れば、当初予算二千六百億円に対し一使用されたのは八百二十億円で、千七百八十億円もの大幅な差額が生じております。
 具体的に申し上げますと、先ほど質疑いたしました農林省所管の漁業経営安定特別資金融通助成事業費補助金の予備費であります。使用要求は、燃油、漁網等の価格の高騰に伴い漁業経営に及ぼす影響等を緩和するため都道府県等が利子補給するための基金造成費等の一部を補助する経費を支出する必要があるということですが、四十九年度予備費使用額は二十一億七千万円、支出済歳出額は二十一億二千万円、不用額が約五千万円になっております。
 さらに、過去四十四年から五十年までの予備費の当初予算額は、一般会計歳出予算に対して約一・五%計上されています。予算がふえれば、予備費の当初予算額も比率から増加しているこのような経緯は、マンネリ化した予備費の計上と言わざるを得ません。財政法第二十四条による「予備費として相当と認める」ならば、予備費の当初予算は、比率が画一的に同じではなく、比率の増減があってしかるべきだと思います。
 以上の理由から、財政法第二十四条の趣旨を踏まえていない予備費使用等の承諾を求める案件につきましては、不承諾の意を表明いたします。
#232
○村山委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#233
○村山委員長 これより採決に入ります。
 まず、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、以上五件について採決いたします。
 五件は、それぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#234
○村山委員長 起立多数。よって、五件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、以上両件について採決いたします。
 両件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#235
○村山委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上両件について採決いたします。
 両件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#236
○村山委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決いたします。
 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#237
○村山委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上両件について討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに両件を順次採決いたします。
 まず、昭和四十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#238
○村山委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。
 次に、昭和五十年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#239
○村山委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#240
○村山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#241
○村山委員長 次回は、来る十九日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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