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1975/02/26 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第17号
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1975/02/26 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第17号

#1
第077回国会 予算委員会 第17号
昭和五十一年二月二十六日(木曜日)
    午前十時六分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 井原 岸高君 理事 小山 長規君
   理事 塩谷 一夫君 理事 正示啓次郎君
   理事 山村新治郎君 理事 小林  進君
   理事 楢崎弥之助君 理事 松本 善明君
   理事 山田 太郎君
      伊東 正義君    今井  勇君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      江崎 真澄君    小澤 太郎君
      大野 市郎君    奥野 誠亮君
      片岡 清一君    北澤 直吉君
      黒金 泰美君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    瀬戸山三男君
      田中 龍夫君    谷垣 專一君
      中村 弘海君    西村 直己君
      根本龍太郎君    藤井 勝志君
      保利  茂君    松永  光君
      三原 朝雄君    三塚  博君
      森山 欽司君    安宅 常彦君
      阿部 昭吾君    阿部 助哉君
      石野 久男君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    堀  昌雄君
      安井 吉典君    湯山  勇君
      横路 孝弘君    庄司 幸助君
      中島 武敏君    林  百郎君
      正森 成二君    新井 彬之君
      坂井 弘一君    正木 良明君
      河村  勝君    小平  忠君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  三木 武夫君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      福田 赳夫君
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        外 務 大 臣 宮澤 喜一君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        文 部 大 臣 永井 道雄君
        厚 生 大 臣 田中 正巳君
        農 林 大 臣 安倍晋太郎君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        郵 政 大 臣 村上  勇君
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
        建 設 大 臣 竹下  登君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       福田  一君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      井出一太郎君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      植木 光教君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      松澤 雄藏君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 坂田 道太君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      佐々木義武君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 金丸  信君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
        内閣法制局第一
        部長      角田礼次郎君
        国防会議事務局
        長       内海  倫君
        公正取引委員会
        委員長代理   橋本 徳男君
        公正取引委員会
        事務局官房審議
        官       水口  昭君
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        警察庁刑事局保
        安部長     吉田 六郎君
        防衛庁参事官  伊藤 圭一君
        防衛庁参事官  岡太  直君
        防衛庁長官官房
        長       玉木 清司君
        防衛庁防衛局長 丸山  昂君
        防衛庁人事教育
        局長      竹岡 勝美君
        防衛庁経理局長 亘理  彰君
        防衛庁装備局長 江口 裕通君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        外務省条約局長 中島敏次郎君
        大蔵省主計局長 吉瀬 維哉君
        大蔵省証券局長 岩瀬 義郎君
        大蔵省国際金融
        局長      藤岡眞佐夫君
        国税庁長官   中橋敬次郎君
        国税庁次長   横井 正美君
        通商産業省貿易
        局長      岸田 文武君
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
        運輸省航空局長 中村 大造君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十三日
 辞任         補欠選任
  正森 成二君     中島 武敏君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  植木庚子郎君     今井  勇君
  江崎 真澄君     中村 弘海君
  倉成  正君     片岡 清一君
  谷垣 專一君     三原 朝雄君
  野田 卯一君     三塚  博君
  岡田 春夫君     横路 孝弘君
  中島 武敏君     庄司 幸助君
  不破 哲三君     正森 成二君
  正木 良明君     新井 彬之君
  矢野 絢也君     坂井 弘一君
同日
 辞任         補欠選任
  今井  勇君     植木庚子郎君
  片岡 清一君     倉成  正君
  中村 弘海君     江崎 真澄君
  三原 朝雄君     谷垣 專一君
  横路 孝弘君     岡田 春夫君
  新井 彬之君     正木 良明君
  坂井 弘一君     矢野 絢也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証人出頭要求に関する件
 昭和五十一年度一般会計予算
 昭和五十一年度特別会計予算
 昭和五十一年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 この際、昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算、昭和五十一年度政府関係機関予算に関し、ロッキード問題についての証人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 まず、児玉譽士夫君、福田太郎君、大庭哲夫君、若狭得治君、大久保利春君、伊藤宏君を証人として本委員会に出頭を求めたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#3
○荒舩委員長 起立多数。よって、さよう決定いたしました。(林(百)委員「何で小佐野を入れないんだ、おかしいよ」と呼ぶ)お静かに。林百郎君お静かに願います。
 衆議院規則第五十三条の規定により、その手続をとることといたします。
 次に、米国人で現在日本に滞在しております鬼俊良君につきましては、米国政府の了承が得られたならば出頭を求めることといたし、また、米国人で現在米国に在住しておりますカール・コーチャン君及び片山シグ君につきましては、米国政府の承認及び本人の同意を得られなければ出頭を求めることはできませんので、出頭を求めるよう、その手続等につきましては委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○荒舩委員長 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#5
○荒舩委員長 起立多数。よって、さよう決定いたしました。(林(百)委員「小佐野を入れないような採決はだめだ」と呼ぶ)だめじゃございません。お静かに願います。(林(百)委員「だめですよ委員長。国会の権威のためにもだめですよ、そんなものは」と呼ぶ)国会の権威のために静かにしてください。
 証人の出頭要求日時は、三月一日午前十時とし、証人尋問は一日限りといたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○荒舩委員長 起立多数。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#7
○荒舩委員長 昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算及び昭和五十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 理事会の協議により、ロッキード問題を中心として本日は質疑を行います。
 まず私から、自由民主党総裁である三木内閣総理大臣に対して質問をいたします。
 申すまでもなく、予算の審議は、現在行われておりますけれども、遺憾ながら遅々としてなかなか進んでおりません。責任を感じております。現在の本年の予算こそは、不況をどうしても払拭しなければならない、これは申し上げるまでもございません。またインフレの克服、物価高、こういうような問題あるいは雇用問題等々、社会、経済、政治の問題、数え上げれば大変いろいろな問題等がございまして、これこそ一日も早く、一時間でも早く予算の成立を期さなければならない状態でございます。
 しかしまた、ロッキード問題については、この解明こそがわが国の民主主義の根幹に触れる重大な問題であります。これは申し上げるまでもございません。本委員会において審議するのみならず、特別委員会を設置いたしまして、予算委員会で質疑を行いましたほかにもこれを徹底的に究明することが必要であると存じます。この点につきましては、総理の決意、総理の考え方を、ひとつ所信を披瀝していただきたいと思います。
 また、国民は迅速、徹底した本問題の真相の究明を望んでおることは申し上げるまでもございません。したがいまして、内閣総理大臣としてはいかなる事態に直面をいたしましても、毅然たる態度をもってこの疑義を究明し、もって国民の期待にこたえるべきだと存じます。
 総理は、衆参両院においてロッキード問題に関する決議に基づき、さきには米国大統領に親書を送り、真相の究明に一層の協力を要望されましたが、これらはまことに時宜を得た適切なる処置であると思います。本問題の解明のためには、引き続き内外に対して政府の一段の努力が必要であると考えられるのでありますが、総理はさらにいかなる処置をとるのか、その決意のほどを承りたいと存じます。
#8
○三木内閣総理大臣 いま国民の求めておるものは、ロッキード問題を徹底的に国民の前に解明してもらいたいということであります。
 もう一つは、この不況のさなかにあって、働いておる人たちも雇用の不安定というものを感じておるときに、第五次不況対策ともいうべき性格を持った昭和五十一年度予算並びに関連法案、これを一日も速やかに国会の議決を得て、そして雇用の安定、不況の克服のために最善を尽くしてもらいたいということが今日の国民的要請であると私は受け取っております。
 ロッキード問題については、私は、これだけの国民的疑惑を受けた事件が中途半端に終わることは、日本の民主政治のためによくないと考えております。したがって、この問題は徹底的に究明をしなければなりません。そうすることが日本の民主政治の健全な発展のためにも日米関係のためにもいいと私は強く信じておるものであります。したがって、いま委員長が提案されたごとく、これは、この予算案と切り離して特別委員会を設けて、そして徹底的にこの問題を究明しようという態度は、私はまことに賢明な態度である。この問題と予算とを一緒にいたしますと、どうしても予算というものの国会の議決というものがだんだんとおくれてきて、そうしてそのことが今日の不況の克服あるいは雇用の安定ということに対してどれだけの一つの大きなマイナスの要因になるかということは、これはもうだれが見ても明らかであります。予算は速やかに議決されなければならぬ。ロッキード問題は、これはまた徹底的に究明されなければならぬ。この二つを両立さす道を日本の議会は選択しなければ、両方一緒にして予算の成立が日におくれていくということは国民の期待に沿うものではないと私信じておるものでございます。そういう意味でありますから、どうか委員長の提案されておるごとく、これを切り離して、一方においては徹底的にロッキード問題を究明し、予算の審議は促進する、この賢明な道を国会が選択されることを強く希望するものでございます。
 私の考え方を率直に述べた次第でございます。
#9
○荒舩委員長 次に、法務大臣にお伺いいたしますが、総理がロッキード問題の解決については強い決意をただいまお述べになりましたが、法の番人たる法務大臣としてこれに対する処置また決意等、恐らく断固たる態度をもってこれに処せられると存じますが、所信を披瀝されたいと存じます。
#10
○稻葉国務大臣 総理の所信の表明がございましたが、ロッキード問題はすでに捜査当局の捜査が開始されております。当局としては国民の期待に沿うべく徹底的に究明する決意を持っておりますから、不偏不党、厳正公正に対処し、もし犯罪の事実がありとすればこれに対する適正な処理をするということを私は信じております。
#11
○荒舩委員長 次に、国家公安委員長にお尋ねをいたします。
 ロッキード問題の疑惑を、先日来、警察権の行使によりまして、敏速果敢にこの捜査が行われつつあることは国民全体知っておりますが、なお続いて断固たる決意でこれに臨まれておるか、あるいは速やかにこの解決に尽くされるという決意をお持ちになっているか、一言お尋ねをいたします。
#12
○福田(一)国務大臣 ロッキード事件は、国民各層の間に重大な疑惑を持たれているところでありまして、警察といたしましては、捜査機関として国民の信頼にこたえる立場から、徹底的にその実情を解明しなければならないと考えておる次第であります。
 すなわち、今月の初旬に米国議会多国籍企業小委員会に端を発しまして、いわゆるロッキード問題が表面化してまいりましたが、警察としましては、米国からの資料や先般の衆議院予算委員会における証言内容等の分析、検討など事実関係の把握、解明に全力を挙げて取り組んでまいりました。その結果、このほど児玉譽士夫や丸紅の大久保利春、伊藤宏らに係る外国為替及び外国貿易管理法違反の容疑が認められるに至りましたので、警視庁は、去る二十四日、東京地方検察庁及び東京国税局と共同して、丸紅東京支社、児玉譽士夫の自宅など、関係十三カ所に対する捜索を行い、多数の関係証拠資料等を押収しました。また、同日付をもって、警視庁にロッキード事件特別捜査本部を設置し、総員九十名をもって外為法違反等について鋭意捜査中であります。
 今回の捜査は、いかなる困難がありましょうとも、全力を挙げて真相の解明に努めてまいる所存であります。
#13
○荒舩委員長 次に、大蔵大臣にお伺いいたしますが、ロッキード問題はきわめて大規模な脱税と外為法違反が行われているとの疑いを国民に与えております。このため、国民の納税意欲にも重大なる影響を及ぼすことが懸念されております。大蔵大臣としては、この問題に黒白をつけるために決然たる態度をもってその処置に当たるべきだと存じますが、大蔵大臣の決意のほどをお伺いいたします。
#14
○大平国務大臣 ロッキード事件と課税関係でございますが、国税庁といたしましては、外務省から入手いたしました資料や報道内容等を入念に検討をしつつ、ロッキード問題の関係者及び関係会社につきまして、所得税法、法人税法に基づく調査を行ってまいりました。この税務調査等の結果、児玉譽士夫について所得税法違反の疑いが持たれるに至りましたので、東京国税局が東京地検と共同いたしまして、二月二十四日、国税査察官約二百名を動員して、児玉譽士夫の自宅のほかその関係先二十三ヵ所を国税犯則取締法に基づく強制調査をいたしますとともに、取引銀行などを調査いたしました。この強制調査によりまして約二千六百件に達する証拠物件を差し押さえ、東京地検との連携のもとに現在これら資料の分析、検討と関係人からの事情聴取を行いますとともに、その後判明した状況を踏まえながら、取引銀行などの任意調査の範囲を逐次拡大し、児玉譽士夫をめぐる資金の流れ、財産形成の実態を明らかにすることに全力を傾注いたしております。
 なお、丸紅、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド、それからジャパン・パブリック・リレーションズ、ユナイテッド・スチール等、児玉譽士夫以外の本問題に関する関係者、関係会社につきましても所得の帰属、計算等の解明を主眼に調査を続行いたしております。
 なお、児玉譽士夫の昭和四十七年分の所得税法違反の処理につきましては、右に関する時効の完成前に行う所存でございます。
 外為法関係につきましては、ロッキード社関係者の日銀等為替管理当局による許認可事務について調査いたしますとともに、捜査当局と密接な連絡をとってきたところでございます。外為法違反容疑につきましては、すでに捜査当局が本格的な捜査に入ったことでもあり、大蔵省といたしましては、捜査当局と連携を保ちながらその捜査に鋭意協力してまいるつもりでございます。
#15
○荒舩委員長 次に、外務大臣にお伺いいたします。
 本問題の解決に当たっては、米国議会及び政府の協力を得ることが何よりも必要であり、その衝に当たるのは言うまでもなく外務省であります。しかるに、今日まで外務省のとった処置には一貫性が欠けているように国民はそういう印象を受けております。外務大臣は、この疑念を解消し、米国の十分なる協力を得るために、今後あらゆる努力また対処、いかなることも――この疑惑を晴らすためにはあらゆる手段を講じて、そうして速やかに総理大臣の決意のごとく解決をしなければならないし、究明をしなければならないと思うのでございますが、外務大臣の御決意のほどを承りたいと存じます。
#16
○宮澤国務大臣 本件につきましては、本院並びに参議院におきまして過般御決議がございまして、これは米国政府に対しまして上院並びに政府に対する伝達の手続を了しました。また同時に、総理大臣から大統領あての親書が発出せられまして、これにつきましても伝達を了した次第であります。
 外務省といたしましては、これらの国会における御決議並びに総理大臣書簡に盛られましたところの考え方を指針といたしまして、本件の解明のために全力を尽くす所存でございます。
#17
○荒舩委員長 以上をもちまして、私からの質疑は終わりました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。
#18
○楢崎委員 ただいま委員長から、総理初め関係閣僚に本件に対する真相究明の決意を問いただされたところでありますが、いま総理以下関係大臣の御答弁を聞いておりまして、はなはだ私どもとしては、その御答弁が実際行われておる調査のやり方なりあるいは国会審議のあり方に照らしまして、しょせんきれいごとの言葉だけにしかすぎない、そういうことを痛感をするわけであります。
 私はまず冒頭に、小佐野氏らを含めました野党要求の証人再喚問問題について、政府・自民党が数の力で採決をもってこの要求を葬り去る、これはわれわれの調査権を妨害する以外の何物でもない。そういう与党の諸君の態度を見ましても、あるいは、後ほど明らかにしてまいりますが、捜査のやり方を見ましても、私はおよそ本件に対する三木政府、自民党の姿勢を疑わざるを得ないのであります。
 たとえば、重要な証人である小佐野氏であります。この小佐野氏は十六日の証人喚問におきましても、たとえば韓国を経由して伊丹、大阪に帰ってきた。ところが、その小佐野氏は丸紅との関係をぼかしたのであります。しかし、大阪に着かれた夜泊まられたホテルは、どうも丸紅が世話をした形跡がある、したがって、この丸紅と小佐野氏の関係についてもなお問いただす点があるわけであります。あるいはまた、全日空へのトライスター売り込みに対する働きかけが一体どのように行われたか、この点もまだ疑惑が残っておるのであります。すなわち、コーチャン・ロッキード副会長がチャーチ委員会における証言で、児玉譽士夫なり小佐野賢治氏が売り込みについて非常に力になったと証言をしておるのですが、どのように力になったかという点が、まだせんだっての証人喚問では十分明らかにする時間がなかった。さらにはまた、大韓航空へのトライスターの売り込みにかかわる問題点も明確ではありませんでした。その他いろいろの疑問点をわれわれは追及すべく用意をしております。
 なぜこの問題の一つの柱である小佐野氏が再喚問されないのか。一体この小佐野氏再喚問を与党が頑強に拒否しておることについて、総裁としての三木総理の御見解を承りたい。
#19
○三木内閣総理大臣 先ほど委員長も申しておりますごとく、これは将来の議題になるわけですが、特別委員会を設けて徹底的に真相を究明せよと委員長も言っておるわけでございますから、いろいろな疑問があるならば、これで終わりではないわけですから、これがロッキード問題に対する国政調査権に基づく調査の始まりでありますから、いろんな疑問に対しては、国政調査権に基づいて、国会において将来徹底的に究明されることを私は希望をいたすものでございます。
#20
○楢崎委員 われわれは、きょうわれわれの必要とする証人喚問について大部分が拒否をされましたが、決してこれで後に下がるわけではありません。あくまでもわれわれの要求しておる証人の喚問がいかに必要であるかを、これからのわれわれの追及によって明らかにしていきたい。
 三木総理はそのような立法府の真相解明について、政府としても最大限の努力をされるかどうか、具体的にひとつお答えをいただきたい。
#21
○三木内閣総理大臣 当然のことであります。
#22
○楢崎委員 それが、後ほど明らかにしますが、その当然のことが実は行われていないのであります。以下、明らかにしてまいります。
 まず、以下順次お伺いしていきますが、本件の真相解明の第一の責任者は政府であるということを、三木総理は真剣に受けとめておられますか。
#23
○三木内閣総理大臣 真剣に受けとめております。
#24
○楢崎委員 それでは、議会制民主主義を守る立場から、立法府もいま全力を挙げておるのであります。せんだっての十六、十七日の証人喚問の尋問の情景を総理は見られたと思います。どういう感想をお持ちになりましたか。
#25
○三木内閣総理大臣 証人の喚問を通じて、十分に真相の解明は果たし得なかったと思っております。
#26
○楢崎委員 疑惑は拡大され、あの証人の人たちが真実を述べたと総理はお思いか。
#27
○三木内閣総理大臣 そういうことを言う権利は私にはありません。それはしかし、あのことによって真相が究明されたというふうには、私は思っていないということであります。本人はここで真実を述べるという一つの宣誓のもとに行われた証言でありますから、それに対してとやかく私は申す立場ではないと思います。
#28
○楢崎委員 お聞き及びのとおり、ほとんどすべての点において、アメリカのチャーチ委員会における関係者の証言内容と、十六、十七日の当委員会における証人の証言内容とは食い違っております。その点についてどうお思いですか。
#29
○三木内閣総理大臣 これはやはり食い違っておることは事実ですが、政府は政府として、御承知のようにこの真相究明ということに対しては、すでに二月の二十四日から検察あるいは国税あるいはまた警察、この三者一体となって異例の強制捜査に踏み切っておることは御承知のとおりであります。したがって、政府自身としても、これは徹底的にこの真相を究明したいという姿勢はこれでもおわかりのとおりでございます。その証言のことについては、いろいろと真相は解明されてない、政府は政府の権限に基づいて、法規に照らして今後徹底的に真相の究明に当たる所存でございます。
#30
○楢崎委員 ただいま総理は、十六、十七日の喚問された証人が真実を述べておるかどうかについて言う立場にないと言われました。真実を述べていると総理は信じられておるのですか。
#31
○三木内閣総理大臣 国会の場で一つの宣誓をして、そして述べたんでしょうから、私はそれは、真実を述べてないと言って否定をする権利は私にはないということです。
#32
○楢崎委員 それでは一例を挙げましょうか。十七日の日に丸紅の大久保、伊藤両氏は、いわゆるあのおかしげなピーナツとかピーシズとかユニットとかいう領収証について、領収証にサインはしたけれども、金の授受はないと否定しておるのであります。では一体政府は、たとえば大久保、伊藤両名を何を根拠にして外為法違反なりあるいは税法違反で立入調査されたのですか。
#33
○福田(一)国務大臣 政府委員から答弁をいたさせます。
#34
○吉田(六)政府委員 二月二十四日、警視庁が児玉譽士夫並びに丸紅関係について捜索を実施いたしました。児玉譽士夫関係捜索の容疑事実は、昭和四十八年六月ごろより同五十年五月ごろまでの間、前後十回にわたり、いずれも東京都内において、米国のロッキード・エアクラフト・コーポレーションが被疑者児玉譽士夫に支払うべき現金合計三億四千三十四万円を、ロッキード・エアクラフト・リミテッドの社員から受け取った疑いでございます。また丸紅関係捜索の容疑事実は、同社の専務取締役大久保利春並びに伊藤宏は、共謀の上、昭和四十八年八月ごろから四十九年二月ごろまでの間、前後四回にわたって、いずれも丸紅株式会社東京支社において、米国のロッキード・エアクラフト・コーポレーションが丸紅に支払うべき現金五億円を、ロッキード・エアクラフト・リミテッドの社員から受け取った疑いということによりまして捜索を実施したものでございます。
#35
○楢崎委員 それでは、あの十七日のときに大久保、伊藤両氏は金の授受を否定しておる。しかし警察庁は、金の授受が行われたものと、その疑惑を前提にして外為法違反容疑で立入調査した。つまり十七日の両名の証言を政府は信じていないのでしょう。信じておったら外為法違反の根拠はどこに出てきますか。つまり、アメリカのチャーチ委員会の証言あるいはチャーチ委員会が公表した諸資料、そちらの方に信憑性を置いて、それを基礎にして立入調査したんじゃありませんか。ということは、政府自体が十七日の大久保、伊藤両名の証言に信憑性を置いていないということになるじゃありませんか。どうですか。総理は真実を言ったと思うとおっしゃいましたが、やっていることは違うじゃありませんか。総理がそうおっしゃっているのですから……。
#36
○三木内閣総理大臣 捜査当局が捜査当局の見解に基づいて、疑いを取り調べることによって明らかにしようということは当然でございます。
#37
○楢崎委員 それは論理の矛盾がありますよ。いいですか。そうするとこういうことになりますよ。政府は、いま総理がおっしゃったとおり大久保、伊藤両名の十七日の証言は真実であると思う、司法の方は真実でないと思っておる、疑惑を抱いておる、こういうことになるじゃありませんか、どうですか。
#38
○吉田(六)政府委員 警察として捜索を実施いたしましたのは、米国議会の多国籍企業委員会の証言と、それからこれまでの児玉あるいは大久保、さらには伊藤などの領収証、これらの件からあわせ考えまして、なお疑う理由があるというように判断をしたものでございまして、それに基づいて捜索を実施する、こういう手続をとったものでございます。
#39
○楢崎委員 すなわち、司法当局の疑惑はわれわれの疑惑と同じであります。立入調査するのが当然である。とすれば政府は一体どうなるのですか。総理は十七日のあの証言を真実を述べられたものと思う、この矛盾について重ねて最高責任者としての総理の御見解を承っておきたい。
#40
○三木内閣総理大臣 捜査当局が独自の見解に基づいて、疑問があるならば、それを捜査することは当然でございます。
#41
○楢崎委員 そうすると、くどいようですが、司法当局の独立性、これは当然であります。裏を返せば、くどいようでございますけれども、政府が、行政府がいかにあの証言を真実の証言だとお思いになっておっても、司法の方はその行政府の考えを信頼していないということになります。そういうことになりますよ。そうでしょう。
#42
○三木内閣総理大臣 信頼とか信頼でないとかいうことでなしに、捜査当局は捜査当局としての見解に基づいて、これはやはり調べる必要があるということで捜査を開始することは当然で、私はやはりそういう捜査当局に対して政治的圧力を加えるという考えはないのですよ。やはり独自の見解に基づいてこれは捜査を進めることは当然のことでございます。
#43
○楢崎委員 この点については、後ほど同僚の横路委員から具体的に追及してまいる予定でございますから、私は先に進みます。
 私は、三木総理が現実におっしゃっておることと政府自体の具体的な対応がどうも違うという点の一、二についてお伺いしてみたいと思います。
 つまり、総理はアメリカに対して、このロッキード事件に対する全資料を提供してくれという要請をなさった。アメリカに対しては全資料を、公表を前提にして、公表を原則として。では、日本国内において政府なりあるいは立法府がみずからの問題としてこの真相究明に御案内のとおりいま努力しているのですが、その真相究明のためにわれわれが要求した資料を、アメリカには全部提供せよと言っておきながら、自分の国においてはわれわれが要求する資料をまたもや守秘義務と称して出さないのはなぜですか。こんなことが通りますか。アメリカに対してもそれは済まぬことじゃありませんか。アメリカに対しては全資料を要求しておきながら、自分の国においてはわれわれの要求する資料を秘匿する、そういうことが許されますか。矛盾しやしませんか。
#44
○三木内閣総理大臣 最初の、楢崎君が、言っておることとやっておることが違うと言うのは、断じてさようなことはない。私は長い議会政治を続けてきて、そしてこういう問題を中途半端で終わらすことは日本の議会制民主主義に将来大きな禍根を残すということを私は心から憂えているのです。そのために、私は、言っておることとすることとが違うというようなことは、断じてそのような言葉は承服することができない。私は、徹底的にこの問題は究明をしたいと願っておるわけです。
 ただ、楢崎君の言われるすべての資料というものの中には――私はできるだけ立法府の要請には協力をしたいという考えであります。しかし、いろいろ捜査の途中であるような問題については、立法府の要請にあってもすぐこたえられない場合もあることは、楢崎君お考えになってもおわかりのとおりであります。できるだけ立法府の要請に対してはこたえたい、しかし捜査上差し支えがあるような問題については提出できないということは、良識のある楢崎君、御了承を願いたいと思うのでございます。
#45
○楢崎委員 総理は細かいことは御存じないかもしれない。大蔵大臣、われわれが要求しておる資料の中で大蔵省が提出を拒否しておる資料の内容を御存じか。
#46
○中橋政府委員 当委員会におきまして御要求のございました資料で私どもがお出しできるものは提出いたしたと存じております。
#47
○楢崎委員 大蔵大臣、何を見られておるのですか。私が要求した資料、どういう点が、どういう資料が何のために出せないか、明確にしてください。
#48
○大平国務大臣 私が承知しておる限りにおきましては、トライスターの輸入申告書を公表せよというお求めであると承知いたしておりますけれども、本件につきましては、昭和四十九年二月から五十年七月までの間、十四機羽田で通関をいたしておることは事実でございます。しかし、申告書の内容というものは、行政府といたしましては公表しないことにいたしておりますことは御了承いただきたいと思います。
#49
○楢崎委員 総理、それが一例であります。さらに、公取委員会も私どもの資料要求に対して拒否をいたしました。たとえば、丸紅とロッキードの具体的な契約内容、これはせんだっても当委員会で明確にしましたとおり、外国との契約は公取に提出しなければならないようになっております。だから公取は持っておるのだ。それを出さないのです。これはわれわれの立法府としての事件解明についてもどうしても必要な資料なんです。これについて、総理、先ほど大みえを切られましたが、提出させるように御指導いただけますか。
#50
○三木内閣総理大臣 一々の個々の書類については私はよく承知いたしませんが、最大限度立法府の調査には協力するように指示いたします。
#51
○楢崎委員 じゃ具体的に、いま私が挙げました要求資料で拒否されたものについて協力いただけますか、提出について。
#52
○大平国務大臣 国会の委員会としての御要求がございましたものにつきましては、いま総理からお話がございましたように、行政府として最大限の御協力は申し上げるということは、いままでもたびたび、本委員会ばかりでなく両院を通じて政府が申し上げてきたところでございます。
 守秘義務でございますけれども、私ども政府が、守秘義務を構える構えないということを勝手に判断する自由はないわけでございまして、行政府として守秘義務は守らなければならないわけでございます。しかし一方、国会におきまして国政調査権を御行使されるということは、国会のとうとい権限でございます。したがいまして、立法府と行政府の立場が交差した場合におきまして、どのように処理してまいりますか、今日までもいろいろそういう問題が現実に出てまいりましたことは、楢崎さんも御承知のとおりでございまして、関係委員会におきまして、理事会等を通じまして、行政府と立法府がいろいろ協議をいたしまして折り合いをつけてきたことと承知いたしております。
 いま総理大臣が仰せになりましたように、行政府が立法府の国政調査権に最大限の御協力をするという方針のもとに、個々の案件につきまして、委員会からの正式の御要求がございますならばよく吟味をいたしまして、おこたえできますか、できないか、政府の責任でおこたえしなければならぬと思います。
#53
○楢崎委員 予算委員会の理事会においては、予算委員の資料提出要求は委員会ではチェックをしない、そういう申し合わせになっております。つまり、国政調査権は議員個人に属するという見解でありましょう。したがって、予算委員が資料の提供を要求したならばそれは委員会の要求とみなされることになるわけであります。したがって、具体的に私が言っておるのでありますから、私が要求いたしております資料提供についてもう一度大蔵大臣の御見解を承りたい。
#54
○大平国務大臣 予算委員会におきまして、これが予算委員会の公式の政府に対する資料の要求であるということでございますならば、そういう御決議がございますならば、政府はそれをそういうものとして承って、これに対しておこたえをしなければならぬことは当然の責任であると考えております。
 第二の問題でございますが、いま御要求の申告書の問題でございますけれども、これは内国税であれ、関税であれ、個々の申告書の内容を公表するということは税務の執行上御遠慮させていただいておるわけでございまして、これは税務を遂行する場合におきまして、納税者の協力を得まして税務の執行を適実に完全に行ってまいるために私どもがとってきておるいままでの厳正な行政行為でございまして、この点は国会におかれましても御理解をいただきまして、一々の申告書につきまして公表せよということにつきましては、行政の執行を担保する上におきまして特別の御理解をいただきたいと思います。
#55
○楢崎委員 一般論としてはわかりますけれども、本件は異例の事件であります。したがって、三木総理の解明への決断がこういうところにもあらわれる。異例の事件でありますから、この解明は日本政府と立法府の責任である。したがって、本件については理事会で十分いまの問題点について私は検討をしていただきたい。
#56
○荒舩委員長 検討をいたします。
#57
○楢崎委員 こういうところにも、繰り返すようでございますけれども、言葉と実際の取り扱いにどうも食い違いがある。しかし、そうでしょう、出されないんでしょう、あんなに言って。どうですか。じゃ、総理言ってください。
#58
○三木内閣総理大臣 何か楢崎君の話を聞いておると、いかにも政府はこれを包み隠そうとしておるように――そういうことはありません。この事件は国民の前に解明されなければならぬと真剣に考えて、あらゆる政府の機能を動員してやっておるし、アメリカに対してもアメリカの資料の提供方を要請しておることは、これは何の掛け値もないんですよ。これはやはりその点を、私らの気持ちを何か表と裏と違うようにとることはまことに私も不本意なことでございます。そういうことは断じてないと明らかにしておきます。
#59
○楢崎委員 いかにそんなに言われても、具体的にはそうじゃありませんか。私が言っておるとおりでしょう、いかに言葉でおっしゃっても。異例の事件だから、特に総理の決断を必要とすると私は繰り返し言っておるのであります。
 では、あのおとついのガサ入れは何ですか。一週間かそこらか前からやるぞやるぞ、前の日には全部どこどこやると発表しておるじゃありませんか。それで一体ガサ入れして完全な裏づけ調査のための資料が得られるとお思いか。こういうところにも、幾ら総理がおっしゃっても政府の姿勢にわれわれは疑いを持たざるを得ないんです。そうでしょう。この点についても後ほど横路委員に触れていただくことになっておりますけれども、どうしても言っておられることと具体的な行動が一致していない。私は繰り返しそのことを指摘をせざるを得ないのであります。
 きのう、総理は衆参両院の決議に基づいて親書をフォード大統領に提出をされた。まずその親書の内容を、日本語及びフォード大統領に提出された正式の英文、双方を資料として御提出いただけるか。
#60
○三木内閣総理大臣 早速提出をいたします。
#61
○楢崎委員 正式にはその資料を見て質問をするのが妥当でございますけれども、しかし、いまは新聞に報道されておる点を素材にして若干のこの点についての質問をせざるを得ないわけであります。
 これは、この親書はせんだっての総理の本件に対する記者会見の内容ともかかわりを持っておると思います。そこで、あの親書の中で総理はこういうことをフォード大統領に訴えられておる。「私は、関係者の氏名があればそれを含めて、すべての関係資料を明らかにすることの方が、日本の政治のためにも、ひいては、永い将来にわたる日米関係のためにもよいと考える。」、こういう一節があります。この点について、一体総理自身がどういうことを具体的にアメリカに要請されておるのか。それは政府部内で統一された見解になっておるのか。その点も含めていまからお伺いをいたします。
 総理は、一体すべての資料を米国自体が公表されることを要請されておるのか、それとも資料のすべてを一応日本政府に提出されたいということになっておるのか、その点はいかがでございますか。
#62
○三木内閣総理大臣 楢崎君も御承知のように、私は一貫してアメリカに対しても――これはきのう発表になった書簡で、衆参両院で全会一致の決議がありまして、これを政府並びに上院に対して伝達を両院の議長から政府が要請を受けたわけでございますから、こういうことで、これを送る機会に従来言っておることを繰り返して、アメリカの大統領に対して書簡を送ったものでございます。そうしてその中に言っておることは、氏名があるならば氏名も含めて、そうしてすべての資料の提供を求めておるのでありまして、
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
これを公表することは日本政府がするのが当然である。アメリカに求めておるのは資料の提供を求めておるわけで、公表は日本の政府がすることは当然でございます。
#63
○楢崎委員 私は、こういう点について統一見解が政府部内でできておるのかという疑問を持つのは、たとえば井出官房長官は、当初、いまの私が指摘した点について、米国側が公表するという意味のように言われましたね、最初井出長官は。それは間違いですね、総理。
#64
○三木内閣総理大臣 私は、いろいろ疑問があったら、すべて私がお答えをいたします。それが政府の見解であるとお考えいただきたい。
#65
○楢崎委員 そうすると、当初の井出官房長官の見解というのは、これは間違いである。まあ、はっきりしました。
 そこで、じゃ日本政府に提供を受けてということは、アメリカで公表は差し控えてください、一応日本政府に渡してくださいという意味でございますか。
#66
○三木内閣総理大臣 私がアメリカに求めておるものは資料の提供を求めておるので、公表を求めておるわけじゃない。これは日本の政府に資料の提供があれば政府が公表をするということでございます。
#67
○楢崎委員 そこで出てまいりますのが、総理の言われる公開原則であります。
 そうすると、一応日本政府がその資料の提供を受けて、どのように公表するかの選択権は日本政府に任せてくださいという意味になるわけですか。
#68
○三木内閣総理大臣 楢崎君御承知のように、こういうことで資料の公開を前提としてアメリカに対して資料の提供を一貫して求めてきたわけでございます。したがって、日本に資料の提供を受ければ当然に公開をするということでございます。
#69
○楢崎委員 その際に、提供を受けたいわゆる政府高官の容疑というものが、日本政府の手によって裏づけもしくはその容疑が徹底的に証明されないと公表されないわけですか。その点はどうですか。そのまま公表されるのですか。
#70
○三木内閣総理大臣 アメリカに対して公表を前提とするということで資料を求めておるわけでございまして、アメリカが提供された資料、アメリカ側から何らかの条件がついてない限りは、これはすべて公開をいたします。
#71
○楢崎委員 それではそのまま公表されるという意味ですね。
 たとえば、その容疑者について日本の方でいろいろの裏づけの調査をする、そういったことはしないで、そのままアメリカが提出した資料をそのまま公開される、そういう意味ですね。
#72
○三木内閣総理大臣 アメリカが資料を提供した場合に、これに対して先方側から条件をつけてなければ、これを公開するということでございます。
#73
○楢崎委員 それではその条件とは一体どういうものでございますか、考えられる条件というのは。
#74
○三木内閣総理大臣 それはまだ提出を受けておるわけでないのですから、これは日米間の一つの外交ルートを通じての正式の日本の要請でございますから、これからアメリカが何らかの回答があり――回答があることを期待しておるわけで、回答の中に資料が含まれておれば公開をする。しかしそれは、アメリカがその資料を日本に提供する場合にどういう条件をアメリカがつけるかということはいま予測できませんけれども、そういうことを含めて、そしてそういう条件がついてないならば、これは当然にそのまま公開するということでございます。
#75
○楢崎委員 それでは、資料の提供を受けた際に、公表についての日米事前協議というものが行われる可能性はあるのかどうか。
#76
○三木内閣総理大臣 必要があれば協議をいたします。必要がなければいたしません。
#77
○楢崎委員 総理の言われる必要であると思えばというのはどういう場合でございますか、必要であると思われるのは。
#78
○三木内閣総理大臣 いままだ何にもアメリカから回答もないわけでございますから、そのときの判断にまつよりほかにはない。いま何も回答も来ておるわけでもないのですから、そういうことですから、そのときの判断によって、政府との間に協議をする必要があると思えばいたします。
#79
○楢崎委員 せんだっての記者会見でございますが、その点に関するくだりでは、こういう記者の質問に対して総理の答弁があります。最悪のケースとして現閣僚から疑惑の人物が出るようなときはどうするか。これに対して、仮定の話には答えられない。これはどういう意味でありますか。
#80
○三木内閣総理大臣 そうでしょう、三木内閣が、私が信頼する閣僚からそういう疑惑を持たれる人は出ないと私は信じておるのですから。それを、出た場合という仮定のもとに総理大臣が答える問題ではありません。
#81
○楢崎委員 もし出た場合はどうするかという決意を聞かれておるわけでしょう。
#82
○三木内閣総理大臣 そういうことはあり得ないと私は信じておるのですから、一々楢崎君が仮定の問題をして、そのときはどうするということを言われても、私は仮定の問題に答えられないのじゃないですか。そういうことですから、いろいろ、何が出たらする、だれがどうしたらするということに対して、一々私が答えられる性質のものではありませんよ。
#83
○楢崎委員 では、いまの総理の御見解に対して実は宮澤外務大臣の発言が出てくるわけであります。この記者会見について、この入手資料の公表との関連について宮澤外務大臣は、関係当局が捜査の必要上入手したものについてはいまの段階で公表しないこともあり得るという発言があったそうですか、これはどのような御見解なんですか。もう一度ここで明らかにしていただきたい。
#84
○宮澤国務大臣 そういうことを質問に答えて申しました段階があったのでありますけれども、その後、ロッキード関係閣僚会議の席上におきまして、私のそのような考え方は不適当であるという決定がありました。総理大臣からもそのような御決断がありまして、ただいま総理大臣が御答弁になりましたことが政府の方針であります。
#85
○楢崎委員 どうも宮澤外務大臣は重要なときに一言多いわけであります。閣僚の御見解で適当でないということになったそうでありますから、先に進みます。
 いわゆる特使の派遣についてはどのように総理はいまお考えですか。
#86
○三木内閣総理大臣 両院の決議は、特使の派遣等という、真相究明に対して政府が積極的に、まあ言葉はそのとおりじゃないが、乗り出せということでございますから、私があれだけ自分の真情を吐露して大統領に手紙を出したわけでございますから、この要請にこたえられるものであると私は期待をしておるわけで、その反応をしばらく見たいと思っております。
#87
○楢崎委員 次に、記者会見の中でいわゆるPXL、次期対潜哨戒機の問題であります。いよいよ問題は核心に触れてきておりますが、このP3Cオライオン輸入の問題について、いま総理はどのような御見解をお持ちでありますか。
#88
○三木内閣総理大臣 この問題は、きわめて慎重な態度でこの問題に対処したいというのが私の考え方であります。
#89
○楢崎委員 輸入をやめるということも含めてでございますか。
#90
○三木内閣総理大臣 輸入の問題について、きわめて慎重な態度でこの問題に対して決断をしたいと思っておりますが、いまの段階で輸入をするとかしないとか言うことは、時期として適当ではない。しかし、これだけのいろいろ問題を起こしておるわけでございますから、この問題についてはきわめて慎重な態度で、国民に疑惑を残すことのないような決定をしたいというのが私のいまの心境でございます。
#91
○楢崎委員 親書のフォード大統領への提出とともに、東郷大使がキッシンジャー長官に書簡を渡されたという報道がありますが、その内容はどういう内容でございますか。
#92
○三木内閣総理大臣 私からお答えいたしますが、これは私に対しては、両院議長は、政府並びに上院にということでございましたので、政府に対しては私が大統領に書簡を送ったわけでございますが、上院に対しては、国務省を通じて上院の議長に伝達方を頼むという、それだけの文書であったと私は考えております。
#93
○楢崎委員 そこで、この三木親書に対するフォード大統領の返信の問題であります。いろいろな報道がなされておりますけれども、アメリカの方から親書にこたえて資料提供が行われる時間的な見通し、提供されるかどうかの感触、そしてそれらを含めてフォード大統領の返信は大体いつごろになるといま見通しをつけられておりますか。
#94
○三木内閣総理大臣 それは楢崎君、私に聞くのはちょっと無理だと思いますね。私はこれに対して資料の提供があるものと期待をするわけでございますが、先方はいろいろと手続もございましょうし、いま私が、フォード大統領からいつごろ返事が来て、その内容はどういうものを含むかということを予測することは適当ではない。私はこれに対して、私たちの要請が入れられることを期待するのみである、とより申し上げるほかありません。
#95
○楢崎委員 外務省はワシントンに出先を持っておられるわけですが、いろいろ接触をされておると思います。外務大臣としての感触はいかがでありますか。
#96
○宮澤国務大臣 キッシンジャー国務長官が国外に出張中でございましたので、国会の御決議並びに総理大臣の親書はインガソル国務副長官に東郷大使から手渡されました。そのときインガソル副長官の述べたところによりますと、従来から資料の提供については日本側からしばしば要請を受けておったので、すでに米国内の各関係機関とこれについて協議中である、できるだけ日本政府の要請について前向きに対処するにアメリカとして何をなすべきか、何ができるか、ということを協議中であるという答えがあったわけでございます。したがって、私どもといたしましては、その間の詳しいこれからの進展というものは米国内の問題でございますので十分に予測できませんけれども、米国としてはそのような態勢で両院の御決議並びに総理大臣の要請にこたえようとしていることは明らかであろうと存じます。
 なお、その時期、それから大統領の返書等につきましては、私ども十分に予測をすることができないでおります。
#97
○楢崎委員 そこで私は、かつての沖縄返還国会のときに私どもが問題にいたしました、いわゆる外務省の密約電報の問題であります。これはその後機密漏洩事件として係争中であるのは御案内のとおりですが、しかし、密約電報が存在しておったという事実は、これは明らかであります。総理はその内容をよく、あの電報の内容を御存じでありますか。
#98
○三木内閣総理大臣 大体のことは、あれだけ問題になったのですから、承知をいたしております。
#99
○楢崎委員 たまたま当時の外務大臣が大蔵大臣としてそこにおられます。いやそうじゃなかったですかね。わかりました。福田企画庁長官です。あの内容は、簡単に言いますと、正規の請求権に基づくお金のほかにちょっと説明のつかないお金を米側に渡した。この問題は非常にデリケートであるから、日米双方はそれぞれの議会がうるさい。それぞれの議会がうるさいから、適当にそれぞれの国民向けの、あるいは議会向けの言いくるめをしよう、簡単に言えばこういう内容です。アピアランスという言葉が使ってある。アピアランス、ふりをする。こういういわゆる前科があるわけですね。だから、今度の問題についても、アメリカも日本もそれぞれ適当に調子のいいことを言いながら、議会とかあるいは国民向けの言い方をしておるのではないかという疑いを私は捨て切れないのです。あの沖縄返還のときの事実があるからです。だから、これはしかし、そうそうまで疑い通すということもなんでしょうから、われわれの疑いを晴らすようにひとつ三木内閣は具体的な行動をもって、言葉だけでなくて、これから徹底的にこの真相究明に邁進されることを私はお願いをしたいわけであります。
 ところで、私は昨年十月二十三日要求した、この八月二十五日のプロキシマイヤー委員会、銀行委員会の議事録、私もそう英語は強くありませんから、これを目を通すのになかなか時間がかかりました。これを手元に渡されたのは昨年末であります。正月の忙しい時期を過ぎて、やっと大体すらっと読み終えたのが一月の二十日過ぎです。そうして私は、チャーチ委員会の証言でいろいろな事実が明らかになりましたが、実は、この八月二十五日の銀行委員会の公聴会の中で、すでにそれらの問題点は全部出されておる。だから私は昨年十月二十三日に、この問題をまさに政治的な背景を指摘しながら正しく問題提起しました。残念ながら、そのとき以来もう少し真剣に私は――宮澤外務大臣も言ったはずであります。日本政府がかかわりを持っておるというような問題じゃないということをあのとき言われました。間違いであったことはいま明らかになってきた。あのとき私の提言を取り上げていただいておったら、より早く事態の真相が究明されたであろう。残念ながらこの十月二十三日の問題は当時のマスコミもほとんど取り上げなかった。事実であります。残念でならないのであります。
 この中に、この十七ページであります。十七ページに、実は非常に気になる個所があるのであります。どういう個所であるかと申しますと、上から三分の一ぐらいのところから始まっているのですが、こういうやりとりがサイモン財務長官とタワー上院議員との間で交わされております。
 時間がありませんから、かかわり合いのあると思われる個所を摘出して読んでみますと、タワー議員がサイモン長官に対して、このいわゆるロッキードの賄賂問題について「他の国々の大蔵大臣とこの問題で話し合ったことはあるか」、これに対してサイモン長官は「それは賄賂の話ではなかったが、彼らは今週末に来るので、来週彼ら全部と話し合う機会があるだろう」、タワー議員は、「問題は彼らに関して」――というのは大蔵大臣の諸公ですね。「彼らに関して取り上げられるべきだと考えていないか」、サイモン長官はそれに答えて「考えている」、タワー議員はさらに、「われわれはいまこそすべての人間を明らかにすべきだと考える。私は一切合財悪を取り除くべきだと考える。あなたは」、つまりタワー議員がサイモン長官に対して「あなたはこの問題を解明するために他の国々の大蔵大臣と行動を起こせると考えるか」、これに対してサイモン長官「それは正式のルートでやる」、こういうやりとりがあっております。これは公聴会における証人として呼ばれたサイモン長官の証言である。
 もし、その証言のとおりであるならば、実はここで指摘しておるとおり、八月二十五日から一週間、その週末、八月三十日に五大国の蔵相会議がワシントンで行われた。その際に、新聞の報ずるところによりますと、午後の蔵相会議の開かれる前に約四十分間、財務長官官舎で――財務省ですか、大平大蔵大臣とサイモン長官とさしでお話し合いが行われておる。もちろんその午後の蔵相会議の課題が中心であったとは思いますが、この証言のとおりであれば、当然サイモン長官は大蔵大臣にこのロッキード賄賂事件の内容を言われたと思わざるを得ないわけですね、証言でありますから。この点は大平大蔵大臣、いかがでありましょうか。
#100
○大平国務大臣 八月三十日に財務省におきましてサイモン財務長官と会談をいたしたことは事実でございますが、この会談におきまして、ロッキード問題というようなものは一切話題に上らなかったわけでございます。
#101
○楢崎委員 会われた御本人がおっしゃいますから、もうそれ以上私どもはわからないわけであります。御本人でありますから。しかし、この証言からいくと、いま私が読みましたとおり、大蔵大臣にそれぞれ会うからこの問題を取り上げよう、話をしようとサイモン長官は言っておられるのですから、どうもそこにやはり私どもは不自然、割り切れない気持ちがぬぐえないのであります。そして、これは私どもの推理でありますけれども、そういう話し合いの中から、そしてまた私が十月二十三日に取り上げたから、そこで十二月のキッシンジャー長官のワシントン連邦地裁への公表差しとめの措置となってつながってくるのではないか、このように私どもは思わざるを得ないのであります。しかし、これはあくまでも推理でございますから、これからの真相解明に待たざるを得ないのであります。
 そこで、そういう点について出先の外務省では全然感触はございませんでしたか。
#102
○宮澤国務大臣 この点につきましては、昨年楢崎議員から御指摘がございましたときに、私といたしましては、この委員会の証言では少なくともわが国との関連で不道徳あるいは不正がなされたということはございませんので、これ以上探求いたしませんでしたと申し上げました。楢崎委員から、自分がそのときこのやりとりから感知したものをおまえが感知しなかったのは至らないではないかという仰せがございまして、私はその点は楢崎委員が先見を持たれたということを申し上げたわけでございます。
 しかしながら、ただいまのところをもう少し詳しく申し上げさしていただきますと、私の持っておりますのが楢崎委員お持ちの記録でございますが、この十七ページで議論されておりますことは、ただいま御指摘になりました全部を同じ条件に置かなければならない云々というのは、いわゆる多国籍企業のそういう不道徳あるいは不法な行為に対してアメリカの多国籍企業だけを取り締まるのであってはハンディキャップがつくであろう、したがってこれは世界各国と話し合って各国の間で国際的な立法をしなければ、結局先駆けをしたものは得をしてしまう、そういうことであるから、各国の大蔵大臣が来るので、多国籍企業についての国際的な立法をすべきだと思うのだ、こういうやりとりのように私はこれを読んでおるわけでございます。
 なお、ちなみに同じ、これは前のページの十六ページでございますが、ロッキードはいわゆる刑法上の罪になるような犯罪は今日まで自分の知っているところ犯しておらないというような記述がございまして、これはサイモン長官の証言でございますが、全体読んでみますと問題になっておりますのは、多国籍企業のいわゆるビヘービアについて国際的な立法が必要ではないか、こういうことが議論になっておったように思っておりましたし、ただいまもその点はそのように考えております。
#103
○楢崎委員 私は、実は十六日に小佐野証人に対して特にハワイ会談の前後を中心にしていろいろ尋問をいたしました。これは実は意味があったのであります。あの十六日の証人喚問のときに、なぜ私があのハワイ会談のくだりをくどく聞いたのか、それをいま私は明らかにしたいと思うのであります。
 まず四十七年八月三十一日、九月一日このハワイ会談に出席をされました大平大蔵大臣、当時外務大臣でありますが、お伺いしたいのでありますけれども、表向きのハワイ会談の内容は、いわゆる三億二千万ドルの大型機を含む民間航空機の輸入の問題である。この会談でトライスターのトの字もあるいはP3CのPの字も全然話に出ませんでしたか。
#104
○大平国務大臣 首脳会議ではそういうことは全然話題に上りませんでした。
#105
○楢崎委員 公式にも非公式にも話題になりませんでしたか。
#106
○大平国務大臣 公式にも非公式にも話題になりませんでした。
#107
○楢崎委員 ハワイ会談が終わって九月、田中、ヒース英首相との会談が日本で行われた。そのときに大平蔵相は外相として立ち会われましたか。
#108
○大平国務大臣 当時のヒース首相と私は単独でお目にかかりましたので、田中・ヒース会談には同席はいたしませんでした。
#109
○楢崎委員 会談の模様を田中前総理から聞かれましたか。
#110
○大平国務大臣 総理と外国の要人との話し合いの要旨は必ず内閣の方からわれわれに通知がございますので、恐らくその場合にも同様にこういうお話し合いが行われたということは伝達されてあったと思います。
#111
○楢崎委員 実は外電の報ずるところでは、そのときやはりトライスターの話が出た模様である。なぜならば、このL一〇一一トライスターにつけておるエンジンはすでに明らかにしておりますとおり、英国ロールス・ロイスのRB211という強力エンジンを三基つけておるのでありますから、英国の会社でありますのでトライスターが売れるということは首相にとってもうれしいことでありましょう。したがって、このときにトライスターを何とかという話が出ておるはずであります。
 なぜならば、そこでこの二月四日チャーチ委員会から提出された証言内容及び資料であります。これはこのとおりの順序でとじられております。このとおり持ってきたんです。これはずっとめくっていってみますと、どういうことになっているかといいますと、二のところから始まっております。二のところが裏帳簿ということになっておる。それからその次に、日本におけるロッキードの代理店あるいは代理人ということが三に続いておる。その次に、オックスフォード大学の新聞が載っておる。その新聞の内容は児玉氏の紹介であります。それからその次に、アルバート・アクセルバンクという人の本の紹介が載っております。日本の黒幕、軍国主義の復活。そしてその次に、ニューヨーク・タイムズが載っておる。これも児玉譽士夫の紹介であります。そしてその次にタイム誌が載せられておる。つまり、児玉氏の紹介の次にタイム誌が載せられておる。そしてそれからずっといろいろな領収証等になっておる。つまり言うならば、この資料の総論的な部分としてそれらの資料が冒頭出てきておる。しかも、児玉譽士夫の後にこのタイム誌が載せられておる。これは一体何を意味するか。チャーチ委員会は、これらの資料をこのロッキードの賄賂事件と重要なかかわり合いがあるから、わざわざ総論の部分に載せておる。重要な位置づけをこのタイム誌も持っておる。そう見ざるを得ないのであります。そうでなくちゃ、わざわざ児玉氏の後につけるわけはない。児玉譽士夫の紹介の後につけるわけはない。これは一九七二年、昭和四十七年十一月十三日のタイム誌であります。
 で、この中で必要な部分を御紹介してみたいと思うのでありますが、その前に外務大臣はこれをお読みになりましたか。
#112
○宮澤国務大臣 大体資料は読んでおります。
#113
○楢崎委員 ちょっと長くなりますが、重要な部分ですから御紹介をしておきたいと思います。訳については若干の言葉遣いの不適当なところがあるかもしれませんが、それはお許しをいただきたい。
 「日本の高官たちは、ANAの」つまり全日空の「この選択は、米英政府に感謝されるであろうと確信している。八月のハワイ会談で、ニクソン大統領は田中首相に、飛行機を含めアメリカ製品をもっと輸入するよう強く要請した。これは、アメリカの貿易赤字を減らすためにである。東京の大手新聞「読売」を含め日本の数社の新聞社が、ニクソンはロッキード社の経営存続に特別な責任を感じて、田中との会談でも特にトライスターを称賛した」。
 だから、これによりますと、トライスターをハワイ会談で称賛していることになっていますね。いいですか、話が出ておるわけですよ。いまの大平大蔵大臣のお言葉と完全に違っておる。
 「九月にはイギリスのヒース首相が、やはり貿易収支の赤字を嘆き、東京でのじきじきの会談で、日本の高官たちに、ロールス・ロイス社のエンジンを備えておる飛行機を買うよう促した。」。やはり田中・ヒース会談でもこのロールス・ロイス社のエンジンを備えた飛行機、すなわちトライスターを買うように促した。やっぱり話が出ておるわけですよ。すべて大平蔵相の言われることと違うわけであります。
 「日本側は、」、この「日本側」というのは田中前総理かもしくは日本政府高官であります。「日本側は、これらの要請を真剣にとって、ニクソンとヒースの両者を満足させる方法は、日本がトライスターを買うことだと考えた。長年の希望、それをかなえるために、日本のプレスの報道によると、田中は全日空の長年の夢の一つ、アジア地域での海外ルートを認めることにした。交渉に当たって、米国の三大競争会社の日本の代理店をしている主要商社の役員たちは、日本人からは、」、この「ザ・ジャパニーズ」と書いてありますこれは、前後の文脈からいいますと田中前総理もしくは政府高官であります。「日本人からは、ロ社が特別な配慮を受けていると述べている。全日空のトライスター購入決定について、日本国際運送業者副会長であるJALのフキニシ・トールは、「この選定にはちょっと驚きを感じている」と述べた。JALは先週、ショートレンジ、」、SRですね、すなわちこれは747SR、いま飛んでおる日本航空のエアバスであります。「ショートレンジ型のボーイング747を四機購入した。全日空もロッキードも政治的圧力は全面否定しており、全日空は、トライスターのエンジンの音が静かなので選んだと言っておる。ところが、実際に大阪で行ったテストでは、トライスターのエンジンはDC10に比べても特に静かではない。さらに、トライスターのエンジンはDC10に比べ、三倍の割りで整備調整されなければならない。また、先ほどのテストで、トライスターのロールス・ロイス・エンジンはDC10より燃料を食うことがわかった。(一部改良されるところだが)全日空の購買により、ロッキード社は、この取引の結論が出るまで、据え置きになっていた……」というような個所があるわけですね。
 これをわざわざ、この二月四日のチャーチ委員会の重要な資料としてここに添えられておるということは、先ほど申し上げたとおり、ロッキード社の賄賂事件がどう流れて、一体政府高官のどこに流れついたか、それを探るために重要な資料としてこれを位置づけておる、こう見ざるを得ないのであります。しかも、この全資料の中で田中総理という名前が出てくるのはこの一カ所であります。だから私は、十六日の証人喚問の日に、あえてさりげなく、ハワイ会談の実情あるいは随行者等を小佐野氏に確認をしたのであります。これも真相究明の過程においてどのような意味を持つかは、今後日米のそれぞれの真相究明によって明らかになる、このように私どもは思わざるを得ないのであります。
 そこで大、平蔵相にお伺いをいたしますが、私が昨年十月二十三日に当委員会でこの問題を取り上げて以降年末までに、全日空及び丸紅に対して国税局から調査をされましたか。
#114
○中橋政府委員 詳細なる日時は承知いたしておりませんけれども、その二つの会社は大きな会社でございますから、大体定例的には年に一回ぐらい調査をしているのが通例でございます。ただし、いまおっしゃいました期間に現実に調査に行ったかどうかは、いまはっきりいたしておりません。
#115
○楢崎委員 それを明確にしてください、重要なところですから。
#116
○中橋政府委員 調査をいたします。
#117
○楢崎委員 すぐわかるのではありませんか。
#118
○中橋政府委員 すぐ調査をいたします。
#119
○楢崎委員 行われているはずであります。どのぐらい時間がかかりますか。
#120
○中橋政府委員 できるだけ早くお答えいたします。
#121
○楢崎委員 委員長、私の質問の仕方がありますから確認してください、どのくらい時間がかかるか。
#122
○正示委員長代理 所要時間の見込みはわかりませんか。
#123
○中橋政府委員 東京国税局所管一社、大阪国税局所管一社でございますから、ただいま電話で問い合わせをいたしまして、できるだけ早くお答えいたします。
#124
○正示委員長代理 楢崎委員に申し上げますが、この回答があるまでは進行できませんか。
#125
○楢崎委員 それは重要な個所でありますから、できればその御回答をいただいて質問したいわけであります。
#126
○正示委員長代理 大変重要な問題ですから、当局も正確を期したいと思いますので、ただいま電話の返事があるまでお待ちを願います。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
#127
○中橋政府委員 全日空の会社に対します法人税の調査は、五十年十一月二十六日から調査をいたしております。丸紅に対しましては、五十一年一月十九日から調査を開始いたしております。
#128
○楢崎委員 いずれも私が十月二十三日問題を提起した後であります。国税局は、このトライスターを中心にして調査をされたのですか。全然トライスターのことを頭に置かずにされたのですか。その辺はどうでしょうか。
#129
○中橋政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、会社の中でも大規模の法人につきましては、大体毎年定例的に調査をいたすものでございまして、この二社に対します先ほどの調査もそのものと理解をいたしております。
#130
○楢崎委員 トライスターに対しても調べられたわけでしょう、一般調査といっても。
#131
○中橋政府委員 対象事業年度にトライスターに関しますところの取引がございますれば、当然対象になると思います。
#132
○楢崎委員 そのときの調査結果はどうでありましたか。
#133
○中橋政府委員 いずれも現在まで調査中でございまして、それについてはお答えはできません。
#134
○楢崎委員 いまのはどういう意味ですか。それぞれいま明らかにされた日からずっといままで調査をされておるのですか。
#135
○中橋政府委員 巨大法人の調査はかなり日数がかかっております。相当日数を投入いたして調査をするのが例でございますから、先ほど申しましたような事態でございます。
#136
○楢崎委員 では、そのときの調査から今度問題になっておるこの事件についてつながりをもってやられたわけですか。もう一度その点をお伺いします。
#137
○中橋政府委員 つながりとおっしゃる意味がよくわかりませんけれども、対象事業年度でたとえば当該飛行機の購入につきまして支払いがございましたとかあるいはそれに伴いますところの手数料収入がございますれば、当然調査の対象になるわけでございます。
#138
○楢崎委員 私はここに要求をいたしたいと思います。その昨年十一月とことし初めの両社に対する調査の中で、このトライスター輸入問題について、その時点から疑いが出てきたかどうか、もう一遍その点を明確にひとつしていただきたい。
#139
○中橋政府委員 調査の内容につきまして詳しく申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、本件のようなことにつきまして私どもが関知した事実はないと記憶をいたしております。
#140
○楢崎委員 何を調査しておるのですか。何を一体調査しておるのですか。こういう重要な問題なんかあなた方の調査では見抜けないのですか。どうですか。国民の、零細な中小企業に対しては鋭い調査をやる国税局が、こういう大問題を見過ごしておったのですか。見抜けなかったのですか。どうなんですか。
#141
○中橋政府委員 私どもが調査で知り得ましたならば、当然それが所得の増差になりますれば更正を要するわけでございます。本件、といいますのはこの二月の四日以降明らかにされた事実でございますけれども、そういうことについて、私どもが、これまでの調査で、それまでに明らかにし得なかったことについて御批判がありますれば、それは当然われわれも受けなければなりませんけれども、それについて十分知り得たということはありませんでした。
#142
○楢崎委員 十月二十三日の私の質問を全然あなたは無視したのですか。どのような受けとめ方をあなたはなさいましたか。
#143
○中橋政府委員 十月二十三日にそういうことについて楢崎委員が御質問になったことは承知をいたしております。それについてその後に調査をするということでございましたから、私どもは委細わからないままに今日まで、二月の四日まで来たわけでございます。
#144
○楢崎委員 いまのはどういうことなんですか。十月二十三日の私の質問はよく承知しておる、そしてその後調査に入った。全然いまの御答弁は意味がわからないのですがね。つまり、十月二十三日の私の指摘を念頭に置きながら調査がなされたかどうかをお聞きしておるのですよ。
#145
○中橋政府委員 定例の調査でございますから、当然それの調査に入るまでにいろいろなことがございましたものは念頭に置いてやっておるわけでございます。
#146
○楢崎委員 ちょっと待ってください。私の質問に正しく答えてください。
 私の十月二十三日の質問を念頭に置きながら調査に入られたということですか。全然そんなことは無関係に、一般的な調査をしたということですか。
#147
○中橋政府委員 調査に入りましたのは定例の調査として入ったわけでございます。
#148
○楢崎委員 ふまじめですよ、答弁が。私の質問に正しく答えてください。
#149
○荒舩委員長 ちょっとあなたの答弁は食い違っているから……。
#150
○中橋政府委員 それぞれ調査に入りましたのは定例的な調査に入りましたけれども、いつも私どもの調査に入りますときには、通常それまでにいろいろなことがございます資料を集めまして入るわけでございます。しかし、その調査の過程で、二月四日以降に明らかになりましたようなことは、私どもは承知しなかったというふうに考えております。
#151
○楢崎委員 くどいようですが、大事な点ですからもう一遍聞きますよ。
 十月二十三日の私の指摘を全然念頭に置かずに、無関係に、一般的な調査として入られたのか。あるいは私が指摘した点も頭に含みながら、念頭に入れながら、一般的調査であってもなされたのか。もう一遍その点をお伺いします。決して私はわからないことを聞いているのではないのですよ。
#152
○中橋政府委員 調査を始めましたのは、定例的な調査として始めたわけでございます。それから、そのときにいろいろ私どもの得られる情報というのはまとめて入りまするから、そういうものは皆頭に置きながらやったわけでございます。
#153
○楢崎委員 その情報の中に、私の二十三日の質問事項は入っておりましたか。
#154
○大平国務大臣 国税当局といたしましては、楢崎委員も御承知のように、いままで個人であれ法人であれ、すでに調定いたしました事跡があるわけでございますけれども、それに間違いがあるかどうかということは、新たな事実、それを肯定しなければならぬような事実があるかないかにつきましては、不断に注意を怠らないわけでございます。あらゆる情報の収集を怠っていないわけでございます。したがって、いま長官が申し上げておりますのは、調査に入る時点までに入手いたしましたあらゆる情報は十分念頭に置いて調査に当たっておりますということをお答え申し上げておりますので、国会におきまして取り上げられたような事案につきましては、当然有力な情報として取り上げておりますことは、御想像のとおりでございます。
#155
○楢崎委員 いまの点は、大臣の非常に明確な答弁でありました。
 午前中の質問をこれで終わりたいと思います。
#156
○荒舩委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。
 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#157
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。横路孝弘君。
#158
○横路委員 三木総理に初めにお尋ねしますが、先ほどの楢崎委員の質問に答えて、疑惑は徹底的に明らかにしていかなければいかぬ、真相を明らかにしなければいけない、こうおっしゃいましたけれども、その疑惑というのはどういうことをお考えになっているのですか。
#159
○三木内閣総理大臣 このロッキード機の日本の導入に対していろいろな不正があったのではないかという疑惑が広まっておるわけですね。これをやはり究明していかなければいかぬということです。
#160
○横路委員 つまり、アメリカの上院の公聴会で明らかにされた二百万ドル、六億円、政府高官に渡っていると言われているこの六億円の問題の真相を明らかにしなければならない、こういうことですね。
#161
○三木内閣総理大臣 その真相も明らかにしなければなりませんし、税法上あるいはまた外国為替管理法、いろいろな法規に照らして不正がないかということ、そういうことも含まれるわけでございます。
#162
○横路委員 今回の東京地検並びに東京国税局あるいは警視庁の捜査は、児玉譽士夫に対する所得税法違反、児玉譽士夫に対する外国為替管理法違反と、大久保利春、伊藤宏に対する同じ外国為替及び外国貿易管理法違反ということになるわけですね。問題は、この前の田中金脈のときにも、結局は捜査が問題の本質に迫らないで若干の税法違反で処理をされたということについて、国民の中に政治不信というのが非常に大きくあるわけです。今回はいわばアメリカの公聴会における証言が真実であるとすれば、問題は贈収賄事件、刑法の贈収賄の規定に反する事件だと思うのでありますけれども、そういう問題をも含めてこれから捜査をしていく、こういう決意があるわけですか。
#163
○三木内閣総理大臣 いま非常に疑いが濃厚になっておる税法上であるとか外国為替管理法などのこういう問題から入っておるわけですが、そういうことがチャーチ委員会などにおいてもああいう公聴会の発言等もありましたから、当然に捜査当局はその問題にも触れるものと私は考えます。
#164
○横路委員 少しづつ事実を明らかにしながら、私はこの贈収賄事件としても立件できるのではないかということについて質問をしていきたいと思うのでありますけれども、その前提として二、三お尋ねをしておきたいと思います。
 そういうことで、贈収賄事件をも含めて――これは捜査が発展していけば明らかにされていくであろう、そういう事実があるのかないのかということがですね。それを含めて一応やるという政府の決意は、もう一度確認しておきますが、変わりありませんね。
#165
○三木内閣総理大臣 法規に照らして不正があれば、何法に限らずこれは徹底的に究明するということであります。
#166
○横路委員 前に造船疑獄事件のときに、その本質に迫ろうとされたときに、法務大臣の指揮権発動という問題が出まして、本質が解明できなかったというようなことがあります。三木内閣としては、そういうようなことはしないで、ともかく徹底的に隠すことなく真相を追及するということで、指揮権発動等のあの造船疑獄のような措置はとらないということはお約束できますか。
#167
○三木内閣総理大臣 私は、本件について政治的圧力をかけようとは思っていない。指揮権発動のごときは絶対にいたしません。
#168
○横路委員 それでは若干、事務当局で結構でございますが、事実についてお尋ねをしていきたいと思います。
 先ほど児玉譽士夫並びに大久保利春、伊藤宏の外国為替及び外国貿易管理法違反についての被疑事実については警察の方から御発表がありましたが、児玉譽士夫の所得税法違反の容疑、この被疑事実は一体どういう事実なのか。大蔵、国税当局からお答えをいただきたいと思います。
#169
○安原政府委員 お答えいたします。
 児玉譽士夫に対する所得税法違反の被疑事実の要旨を申し上げます。
 被疑者児玉譽士夫は、収入を除外して所得を秘匿して、昭和四十八年三月一日の税務署長に対する申告に虚偽の所得税の確定申告を提出して所得税約八億円を免れたという一つの事実と、それから昭和四十九年三月十三日に同じく税務署長に虚偽の昭和四十八年度分所得税の確定申告書を提出して同年分の所得税約一億円を免れたという事実、それから昭和四十九年分の所得税につきまして同様の方法によりまして昭和五十年三月十一日に所得税約五千万円を免れたという被疑事実でございます。
#170
○横路委員 いまの四十七年度、四十八年度、四十九年度分所得について、いまおっしゃられた金額について税額を免れたということが被疑事実のようでありますが、その金額は、昭和四十七年度分についてお尋ねをしたいと思いますが、これはアメリカ上院の公聴会で明らかにされた児玉譽士夫名の領収証、この領収証の金額の総額に児玉譽士夫の四十七年度の申告額四千三百二十二万を足したもの、つまり児玉譽士夫の領収証の総額は四十七年度で十二億一千五百二十二万でありますが、これを足したものと、その差額ということで理解をしてよろしいでしょうか。
#171
○安原政府委員 お答えいたします。
 検察庁がこの件につきまして嫌疑を抱きました通脱額の根拠といたしましては、横路委員御指摘のことと承知いたしております。
#172
○横路委員 つまり、アメリカの上院における証言、あとはコンサルタント契約書あるいはその領収証の分と、金額については児玉譽士夫名の領収証の金額に四十七年度の申告額を足したものということを一応の税法違反の容疑にしているということですね。四十八年度、四十九年度についても同じことが言えるわけです。
 今度は警察の方にお尋ねをしたいと思いますが、児玉譽士夫の外国為替及び外国貿易管理法違反、昭和四十八年ごろから昭和五十年ごろというように先ほど楢崎委員の質問に対して答弁をしていますが、この日付をはっきりさせていただきたい。十回にわたって合計三億四千三十四万を受け取ったということのようでありますけれども、その日付をはっきりしていただきたいと思います。
#173
○吉田(六)政府委員 お答えいたします。
 四十八年の六月の十四日から五十年の五月七日まででございます。
#174
○横路委員 これもアメリカの上院における送り状そのほかの資料を参考にしてということですね。
#175
○吉田(六)政府委員 さようでございます。
#176
○横路委員 もう一つ、その容疑の中で、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの先ほど社員とおっしゃられましたか、支配人とおっしゃられましたか。お金を受け取ったその相手は一体だれですか。
#177
○吉田(六)政府委員 社員でございます。
#178
○横路委員 その社員というのは特定のだれか名前を指しておられるのですか。
#179
○吉田(六)政府委員 特定いたしておりません。
#180
○横路委員 一般的言葉で社員というと、社長は除かれるわけですけれども、法律用語から言いますと、いろいろ議論があるところですが、これは会社の責任者を含めて社員という解釈でしょうか。
#181
○吉田(六)政府委員 今度の捜査にまつところでございます。
#182
○横路委員 ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの代表責任者はクラッターですね。それから、鬼という男がここの支配人をやっていますね。これは、両方含んでいるんですか。クラッター氏は代表者ですから除かれるわけですか。
#183
○吉田(六)政府委員 判然といたしませんが、いずれも社員の中には含まれると解釈しております。
#184
○横路委員 それでは、大久保と伊藤についてお尋ねをしますが、四十八年の八月ごろから四十九年の二月ごろという御答弁でありましたけれども、四回にわたって合計五億円を受け取ったという容疑になっているわけですけれども、これはあれですか、四十八年八月というのは四十八年八月九日のピーナツという領収証のことでしょうか。
#185
○吉田(六)政府委員 さようでございます。
#186
○横路委員 そうすると、四回にわたってというのは、四十八年八月九日のピーナツの領収証、四十八年十月十二日の百五十ピーシズ、四十九年一月二十一日の百二十五ピーシズ、四十九年二月二十八日の百二十五ピーシズ、この四回のことを指しているんでしょうか。
#187
○吉田(六)政府委員 さようでございます。
#188
○横路委員 これの合計を五億円とした根拠はどういうところにありますか。
#189
○吉田(六)政府委員 その他のシグ・片山の方から出た領収証に大体符合するものがございますので、そう推定いたしました。
#190
○横路委員 そうすると、いまの御答弁ではっきりしたと思うんですが、ほとんどアメリカの上院における公聴会並びにアメリカで公表された資料に基づいて立件をされたというように理解をしてよろしいでしょうか。
#191
○吉田(六)政府委員 アメリカにおける証言と、本国会における証言並びに領収証、それらを総合的に判断いたしたものでございます。
#192
○横路委員 それではもう少しお尋ねしますが、大久保、伊藤についての容疑事実というものは、伊藤、大久保両氏のこの委員会の宣誓をした証言の内容とは矛盾をしていますね。
#193
○吉田(六)政府委員 ただいまお答えしたとおり、総合的に判断して捜索する理由があるというように判断したものでございまして、その真相につきましては、今後の捜査にまちたいというように考えております。
#194
○横路委員 それはもちろん被疑事実ということで、それが事実である、真実であると確定したわけではもちろんないわけです。あくまでも容疑事実です。しかし、この容疑事実というものが、大久保、伊藤両氏がこの国会の席上で証言した内容とは全く違う。つまり、内容を信用されれば、皆さん方こういう立件の仕方はされなかったはずであります。そうですね。つまり、総合的に判断した結果は、こういう容疑がある、疑いがあるということで立件されたということでしょう。
#195
○吉田(六)政府委員 両方の証言と、さらに大久保、伊藤の領収証がございますので、疑う理由があるというように判断いたしたわけでございます。
#196
○横路委員 大久保の領収証は警察が手に入れておられるわけですか。
#197
○吉田(六)政府委員 写しでございますがございます。
#198
○横路委員 つまり、それはユニットについての領収証ということでしょうか。
#199
○吉田(六)政府委員 いわゆるユニットについてはございません。
#200
○横路委員 そうすると、この四回の領収証というのは、皆伊藤の領収証じゃないでしょうか。
#201
○吉田(六)政府委員 いずれも伊藤の領収証でございます。
#202
○横路委員 この捜査に入る前に、皆さんの方で、これは東京地方検察庁それから警視庁、東京国税局で本件に関して取り調べをされた方はございますか。
#203
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 ロッキード問題が話題になりましてから、私どもといたしましては早速所得税法、法人税法に基づきます調査に着手をいたしました。これはいわゆる強制的な調査ではございません。そういういわゆる任意調査の対象になりましたものといたしましては、児玉譽士夫氏それから丸紅、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社、ジャパン・パブリック・リレーションズ株式会社、ユナイテッド・スチール株式会社及びこれに関連する関係人でございます。これにつきまして、当然でございますが、関連いたします銀行等につきましても調査をいたしまして、その後、それらを通じて所得税法違反の疑いが持たれるに至った、児玉譽士夫氏についてでございますが。そういうことになりまして、令状をいただいて強制調査に入ったということでございます。
#204
○横路委員 児玉譽士夫については、そうすると事情聴取でも行ったんですか。
#205
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 児輩譽士夫氏は病床にあるということでございますので、直接の事情聴取は行っておりません。そこで私どもといたしましては、これまでの申告書あるいは既往の調査事跡あるいは同人に関しますところの預金等の財産調査等をいたしまして任意調査を続けた、こういうことでございます。
#206
○横路委員 横井さん、大体被疑者ということになりますと、敬称を略すのが普通であります。ちょっとそこだけ指摘をしておきます。
 そのほか、関係人について取り調べをしたのはどなたですか。
#207
○横井政府委員 先ほどの御注意、実は任意調査の段階におきましてはまだ被疑者でございませんでしたので、氏とつけたような次第でございまして、御了承いただきたいと思います。
 そのほかに調査いたしました方といたしましては、ロッキード・エアクラフト・アジアの日本支社の鬼氏、それから福田太郎氏は病床にございますので、ジャパン・パブリック・リレーションズの会社の社員、それからユナイテッド・スチールにつきましては、片山氏が在外にいるということでございますので、同社の社員等でございます。
#208
○横路委員 そうすると、調査そのものというのは、若干その話を聞いた人がいるにしても、ほぼ核心のところについては、アメリカ上院の公聴会の記録並びに提出された物件によって調査を開始した、つまり事件として立件をされたということだと思うのであります。
 それならば、私は、二つの点が抜けているのではないかと思います。一つは何かといいますと、贈収賄事件の立件だって、いまの皆さん方の議論で言えば可能だと思うのですね。つまり五億円のお金を受理をした、二百万ドルということで、先ほどのピーナツ、ピーシズにユニットを加えて六億円ということになるわけで、これはアメリカ上院の公聴会の記録の中ではっきり出ているところです。つまり丸紅に渡したお金二百万ドルは、そこから先が政府高官筋に行っているというわけですね。皆さん方は、その丸紅は金を五億円受け取った、つまり大久保と伊藤は金を受け取ったということを外国為替並びに外国貿易管理法違反ということでもって立件をされたわけであります。それならば、受け取った収賄側はまだ氏名がわからないとしても、贈賄の事実というのは疑う余地が――この証言から、そして皆さん方が今度問題にした大久保と伊藤に対するこの被疑事実からすれば考えられるのではないか。これは検察庁の方、つまり法務省の方にお尋ねをしたい問題でありますが、あの資料からこういう立件の仕方をされたならば、私は当然贈収賄事件として立件が可能だったと思うのでありますけれども、その辺のところは皆さんとして検討されたのか。なぜやらなかったのか。そこを明確にしていただきたいと思います。
#209
○安原政府委員 横路委員御承知のとおり、贈収賄罪というものは、いわゆる公務員の職務に関して賄賂を提供したということによって成立する犯罪でございます。したがいまして、本件の場合は、だれが受け取ったのかということがわからない以上それの職務もわからないわけでございますので、そういう意味におきましても、先ほどの所得税法違反の容疑とは段階が違うというふうに考えております。
#210
○横路委員 しかし、そのお金はだれに渡ったかというと政府高官に渡ったというわけでしょう。つまり、トライスター購入に対して、これはいろいろな政府段階の……(発言する者あり)いいですか。トライスター購入に当たっては、これは大蔵省、通産省、そのほかそれぞれ通るわけですよ。運輸省も行政として関与している。いいですか。あの公聴会の証言から言えば、その金はそのために政府高宮に渡したと言っているわけです。収賄側はまだわかっていませんよ。収賄側はわからなくたって贈賄したということがはっきりしていれば、これは事件として立件できると思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
#211
○安原政府委員 やはり収賄があって贈賄が成立するわけでありますが、収賄についていかなる者か特定しない以上、その職務に関して贈られたものかどうかについても容疑を抱くというわけにはいかないわけでございます。そういう意味におきまして、先ほど申しましたように、容疑の程度が違うということでございます。
#212
○横路委員 そうすると、もう一つ確認しておきますが、政府高官筋の名前が出てくれば、そこから一歩踏み込んで事件として立件をしていくという法務省の方針でしょうか。
#213
○安原政府委員 米国側の提供される資料等によりまして、その金銭を受領した者の氏名がわかり、それが公務員であるという場合におきましては、その職務に関するかどうかということにつきまして当然調査、捜査をすべき段階に入るものと思います。
#214
○横路委員 だいぶ自民党席が、この問題になるとうるさいようでありますけれども、問題の本質はここにあるわけであります。
 重ねて三木総理にお尋ねをして確認をしておきますけれども、三木総理、いいですか、つまり今回の調査は、つまり事件としての立件は、日本の関係調査機関も若干の調査はしたようですけれども、そのほとんどすべてをアメリカにおける記録並びに提出された資料というものに依拠しながら事件として立件をされた。とりあえず所得税法違反等の、余り本質的でないところに調査を開始したわけですけれども、ともかく徹底的に問題の本質は、この二百万ドル六億円をめぐる政府高官というそのかかわり合いに問題の本質があるという点だけは、これはもう一度確認をしておきたいと思うのですが、総理、いかがでしょうか。
#215
○三木内閣総理大臣 私は、税法も軽いものだとは思わない。国民がやはり非常にまじめに納税の義務を果たしておるわけですから、相当な大きな金額の脱税があるということを軽いものだとは私は思わない。これは徹底的に究明をしなければならぬ。また一方において、もしもそういう賄賂というようなものが政府の関連するような人々に渡っておるならば、これまた大問題でありますから、徹底的な究明をされなければならぬ。要は、法治国家として、法律に照らして不正があるならば徹底的に究明をしなければならぬということでございます。どの法律が軽くてどの法律が重いだとは思わない。これはやはりいずれも法治国家として法律を守らなければならぬわけでありますから、これは法規に照らして厳正にやはり処置されなければならぬ性質のものでございます。
#216
○横路委員 私がそういうことを申し上げたのは、国民の中に、また税法違反でこれは追徴金をとられる。追徴金は黒いピーナツを食べたやつがかわりに払って終わりなんじゃないかというような、そういういら立ちが国民の中にあるわけですよ。問題の核心にどうしてすぐ迫っていかないのかといういら立ちがあるから、総理大臣として、その辺のところは断固やる。それは法律違反というのはみんな同じですよ。しかし、問題の核心がどこにあるかと言えば、今回の問題はまさにロッキード献金事件と言われているように、贈収賄関係のところに問題のポイントがあるということを私は申し上げているわけです。その点はおわかりでしょうか。
#217
○三木内閣総理大臣 しばしば申し上げておるように、この問題はやはり日本の民主政治のためにも、こういう一つの問題に臭い物にふたをして日本の民主政治が維持されていくと私は思わないんですよ。これはやはり徹底的に究明をして国民の疑惑を解かなければならぬというのが私の強い信念であることを重ねて申し上げておきます。
#218
○横路委員 もう一つお尋ねをいたします。
 それは全日空の関係でありますが、二月六日のコーチャン氏のアメリカの上院における証言の中で、三千三十四万五千円という一九七四年九月二日付の領収証について、これが全日空に対するものだという証言が、パーシー議員の問いに対してあるわけであります。そうしますと、この辺の関係は税法の問題として御調査されなかったのかどうか。当然これは児玉譽士夫に対する所得税法違反立件と同時に、私は全日空に対してもこれは立件できたのではないか、法人税の関係でですね。その辺のところはいかがでございましょうか。
#219
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどアメリカの議会におきますところの証言と、それから領収証等によりまして、それだけで強制調査に入ったのではないかというふうな御指摘があったんでございますが、私、先ほどお答え申し上げましたように、そういうものもございますが、任意調査等によりまして、児玉氏のこれまでの申告と財産形成の間に不突合が発見されておるというふうなこともございまして、それらを総合的に勘案いたしまして、令状を請求し、強制調査に入ったということでございます。したがいまして、アメリカ側におけるところの資料だけで強制調査に入ったものではございません。そのことからいたしまして、全日空あるいは丸紅、大久保、伊藤氏、これらにつきましては、所得税法あるいは法人税法違反ということにまだ容疑を持っておらない段階でございます。もちろん、今後の関係当局の調査によりまして、それらの事実が容疑に結びついてくるということになりますと、同様なことは考えたいと思っておるわけでございます。
 ただいま御指摘になりました三千三十四万五千円につきましても、もちろんそういう情報は私ども確かに得ており、問題点であると思っておりますが、現在のところ全日空の調査の過程から、その事実は把握されておらないところでございます。
#220
○横路委員 簡潔に答弁をしていただきたいと思うのでありますが、全日空については、つまり事前の任意調査というのは、先ほどの楢崎議員質問の去年の秋からの調査は、これはまた皆さんの御回答をいただいてから質問をするということなんですが、今回の事件が明らかにされてから全日空についてはそういう任意調査をやったのか、やらなかったのか。いかがなんですか。
#221
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど国税庁長官より御答弁申し上げましたように、全日空につきましては、昨年の十一月二十六日調査に着手いたしております。これは定例の調査というふうに御理解いただきたいと思います。ところが、その完結をいたしません過程におきまして、二月四日、六日ということで新たな事実が出てまいりましたので、これの調査を引き続いて行っておるという状況でございます。
#222
○横路委員 そうすると、私が聞いているのは、この証言に関連をした調査というのはやっているのか、いないのか。いかがなんですか。
#223
○横井政府委員 やっております。
#224
○横路委員 そうすると、容疑がもし固まればこれについてもいろいろな調査をやるということですか。しかし、それにしても、これだけ一斉にやりながら、全日空だけ家宅捜索も何もやっていないわけですね。その辺のところに、やはり国民の吹っ切れない気持ちというのがあるわけです。ぜひ早急に調査をして、その辺のところを早く明らかにされるように、これは大蔵大臣に要望しておきたいと思いますが、いかがです。
#225
○大平国務大臣 税務当局は、その責任にきわめて忠実に真剣に対処いたしておりまするし、今後もその態度に終始するように、私からも強く要請するつもりです。
#226
○横路委員 それでは、これはいま捜査中の事件でありますが、もしおわかりだったらお答えいただきたいのですが、警察の方にお尋ねをいたします。
 児玉譽士夫についてことしの一月三十一日から二月五日までの行動、明らかになりましたか。
#227
○土金政府委員 お答えいたします。
 その期間の行動については、承知いたしておりません。
#228
○横路委員 それはまだ調査で明らかにされていないということですか。明らかになっていないということですか。あなたが知らないというだけなんですか。
#229
○土金政府委員 捜査でまだ明らかになっておらないということでございます。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#230
○横路委員 この捜査に関連をして、非常に大きな事件でありますから、たとえば国会の方でも証人として呼ぶことになりました鬼氏あるいは再喚問をわれわれが要求している小佐野氏、これは出国をする危険性が非常にあるわけです。一たん出てしまいますと、なかなか調査活動も進展をしないということもありますので、これは法務省当局にお尋ねをいたしたいと思いますが、この調査というものが明らかになるまで、やはりわが国で調査が及ぶ範囲にきちんととめておく、あるいは協力をしてもらうということが必要ではないかと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。法務大臣、お答えいただきます。
#231
○安原政府委員 お答えいたします。
 刑事訴訟法は、横路委員御承知のとおりでございまして、逮捕、勾留というような裁判官の令状なき限り身柄を拘束するわけにはいきませんし、出入国管理の関係からいきましても、犯罪の疑いがあるというだけで出国を差しとめるということにはなっておりませんので、そういうことは法制上はできないと言うべきであると思います。
#232
○横路委員 法律的なことを聞いているんじゃなくて、政治的に、したがって協力を要請したらどうかということを法務大臣に答えてもらいたいという質問をしたわけであります。
#233
○稻葉国務大臣 検討に値することだと思います。
#234
○横路委員 法律的ないろいろな問題があることは私も十分承知して、なおかつ、やはりここでこの二人が出てしまうということになりますと、捜査はまた非常に延びるわけでありますから、三木内閣の決意を示す上でもそういう措置をぜひとっていただきたいというように思います。
 それで次の質問は、捜査の関係についてはこの程度で終わりまして、エアバス・トライスター導入に関する経過について、運輸大臣を中心として質問をしていきたいというように思います。
 このトライスターの問題については、二つの問題点があるわけです。一つは、四十七年度導入という点が四十九年度に延びたその理由は一体何なのか。そこにロッキード社を中心とした政治的な工作が行われたのではないかという点が第一点であります。第二点は、ダグラスDC10、これにほぼ決まっていたのがどうしてトライスターに変わったのかという、この二つになるわけであります。
 そこでまず初めに、この時期の問題についてお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、いろいろと運輸省の方でも全日空に当たって調査をされていることだろうと思います。お答えをいただきたいと思いますが、全日空は四十五年の一月九日に機種選定の準備委員会を発足をさせている。そのときは四十七年度導入ということだったと思うのでありますが、この準備委員会が四十七年度導入をあきらめた時点はいつのことでしょうか。
#235
○木村国務大臣 全日空が、最初四十七年に導入するというのを四十八年に一年延ばしてほしいということを日本航空の方に申し入れをいたしましたのは、四十六年の三月ごろであると記憶しております。
#236
○横路委員 全日空の選定における準備委員会のいろいろな議事録なり委員会の経過を見ますと、そのことを決めたのは、私の方では、昭和四十六年の六月三十日、第八回の本委員会において、四十七年度導入というのを延期して四十八年度導入で検討というのを正式に決めたというように伺っておりますけれども、いまのお話と大分違うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
#237
○木村国務大臣 いま私が四十六年の三月に云々と申し上げましたのは、全日空の社長から日本航空の社長に延期をするように要望をいたしたわけでございます。正式に時期の延期を決定いたしましたのは、いま委員のおっしゃった四十六年の六月三十日ということでございます。
#238
○横路委員 ですから、それは、全日空と日本航空との間でどちらが先にそのエアバスを入れるのか、全日空としては、日本航空の方が先に入ってしまったのでは乗客を確保するという点で競争に負けるからそういう要請をしたということであって、全日空の内部的に延期を決めたのは四十六年の六月三十日だというように、いまの答弁、もう一度確認をしておきたいと思います。よろしいですね。
#239
○木村国務大臣 さようでございます。
#240
○横路委員 つまり、四十六年のかなり遅い時期になって初めて延期という問題が全日空として決められたのでありまして、それまでは機種選定に向かってずいぶん熱心に、総括の部会だとか専門部会というのが開かれて調査活動が行われてきたわけであります。
 運輸省にお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、運輸省は、四十五年当時には航空需要の予測について、どういうふうにお考えになっておられましたか。
#241
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
 運輸省といたしましては、四十五年当時には、国内航空につきましては約一兆二千万人程度の需要があるであろうというふうに判定いたしておりました。
#242
○横路委員 つまり、かなりの需要増というのを見込んで、それに対するエアバス導入というのを運輸省としても指導しておったわけでしょう。そうですね。
#243
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
 私、先ほど一兆と申し上げましたけれども、一億二千万人の間違いでございます。うっかりしました。
#244
○正示委員長代理 正確にやってください。
#245
○中村(大)政府委員 四十五年当時におきましては、旅客の需要増というものは相当高く見込まれておったということは先生御指摘のとおりであります。
#246
○横路委員 旅客の需要が減っていくのは、例の「ばんだい号」、それから自衛隊機による全日空機追突事故という例の雫石事故以降、若干乗客の減というものが出るわけですけれども、四十五年、四十六年初めは運輸省としては非常に強気の航空需要予想を立てておった、それに対応して、航空会社の方もエアバスの導入についての選定を日本航空ともども進めていた、というように理解してよろしいでしょうか。
#247
○中村(大)政府委員 先生御指摘のとおりだと思います。
#248
○横路委員 航空会社の方がそういうことで延期を決めたのは四十六年の六月なんですけれども、運輸省の方でエアバス導入に消極的な発言が政治的レベルで行われた――これは行政指導という意味ではありません。つまり、運輸大臣の発言という形で消極的な発言が行われたのはいつごろでしょうか。
#249
○中村(大)政府委員 私の承知いたしております限りにおいては、四十六年春ごろ国会におきまして、当時の運輸大臣がエアバス導入について慎重に扱うべきであるというふうな考え方を表明されたように存じます。
#250
○横路委員 そのとおりでありまして、四十六年の二月二十日に、衆議院の予算委員会で田中武夫議員の質問に答えまして、橋本運輸大臣がエアバス導入について消極的な意見を述べたのが、運輸省のいわば見解としてはこれが初めてだろうと思うのであります。ロッキード社の政治工作、つまり機種選定を先に延ばす、そのことにコーチャン氏が全力を注いで、児玉譽士夫を使って政治工作を行ったというようなことが、こういう一連の状況の中でかなり明確に出てきているのではないかというように思います。
 もう一つお尋ねしたいのは、四十七年の話になります。つまり、四十六年の事故後エアバス導入が一時話が消えますね。非常に一致しているのは、雫石の事故以後児玉譽士夫に対する金の支払いというのもほとんどなくなるわけですね。エアバス導入の話がもう先になって、あの事故の後でありますから乗客も減る。そんなことより安全が第一だという声が世論で大きく形成をされますと、児玉譽士夫に対する金の支払いというのも、ロッキード社からの支払いが非常になくなるわけです。そしてこれが復活するのが四十七年の佐藤・ニクソン・サンクレメンテ会談、四十七年以降になるとまた活発になってくるわけでありますけれども、その四十七年について少しお尋ねをしたいと思います。
 四十七年の四月三日の日に、全日空の機種選定準備委員会の専門部会から、各報告、大型機の選定に関する検討結果の報告というのが行われておりますけれども、これは皆さん方、御承知でしょうか。
#251
○中村(大)政府委員 全日空からの報告によって承知いたしております。
#252
○横路委員 機種の選定についての報告というのは、この四十七年の前にも一度あります。それは四十五年の五月十九日、当時の全日空大庭社長がまだやめる前の五月十九日に、専門部会より機種選定についての報告が行われておりますね。ただ、これは大庭社長がやめるということで、一応立ち消えみたいな形になっているわけでありますけれども、この四月三日の報告、この報告でロッキードということになっておるでしょうか。
#253
○木村国務大臣 全日空がロッキードの機種に決定をいたしまして、そのことを運輸省に報告をいたしましたのが、手持ちの資料で見ますと四十七年の十月三十日ということになっております。
#254
○横路委員 それは正式に決定したのはそうですよ。そうじゃなくて、四月三日の日に専門部会からの答申が、各整備だとか運航だとかいう部会から、どの機種がいいかということについての意見が上がっているのですよ。それをあなた方御承知ですかと聞いているのです。そして、その中に、ロッキードがいいなんという結論になっていますか。
#255
○木村国務大臣 機種を決定します経過のことは一々運輸省は報告も受けておりませんし、それは知らないわけでございます。
#256
○横路委員 いや、そのときは報告を受けてなくても、これだけ問題になって、その全日空が導入をしたトライスターについていままさに議論をしているわけですから、それは運輸省として全然調査されてないのですか。
#257
○中村(大)政府委員 大臣が御答弁申し上げましたように、第一回目のエアバス導入について、四十七年の十月三十日にトライスターに決定したという報告を受けたということでございます。その後、機種選定準備委員会の審議経過について、最近その内容を全日空から聴取した、こういうことでございます。
#258
○横路委員 その検討の結果といいますか、報告されたものを見てみると、トライスターの方がいいなんということはどこにも書かれていないわけです。それぞれに一長一短があって、中にはDC10の方が――たとえば整備の関係等ではこんなような報告になっていますね。「ボーイングの747は航空会社で二年の実績がある。DC10については四十六年九月以来の実績を持つ強みは飛行テストを繰り返している段階にあるL一〇一一と比べても有利に評価される。」というような整備関係の報告があったり、運航関係では、どちらとも一長一短があって優劣はつけられない。つまり、ここで確認をしておきたいのは、この四十七年の四月段階において、あらゆる点を総合してロッキードはいいなんという断定をしていない。項目によってはダグラスの方がいいとか、あるいはジャンボ747の方がいい、そういう専門部会の報告になっているということでありますが、この辺のところは皆さんとして御確認できるでしょうか。
#259
○木村国務大臣 機種選定のその経過については、詳細は私も聞いてはおりませんが、ごく概括に聞きましたことを申し上げますと、機種選定の過程においては、もちろん両機についていろいろ優劣を議論をした。ことに航空安全という見地からエンジン関係、そういう方面を非常にいろいろと議論をした。当時たまたまDC10が二回にわたって、四十七年の五月と六月に事故がございました。そういう事故にもかんがみまして、やはり安全性からいくとロッキードの方がいいというふうに最終的にはなった、こういうふうに聞いております。
#260
○横路委員 この四十七年四月の報告書ではエンジンについても、ともかくこのロッキードのエンジンというのは、先ほど来お話があったように、四十六年の二月にロールスロイスが倒産をしてしまいまして、そのときの丸紅の販売の責任者でありました坂という人の「トライスター」という本に書かれている販売の思い出という内容を見ますと、ロールスロイスが倒産をしたというのを朝のニュースで聞いてびっくりして飛び起きた、これでトライスターもグライダーになってしまった、つまりエンジンが、このRB211というエンジンがなくなってしまったわけでありますから青くなった、という話が書かれているわけであります。したがって、一体できるものかできないものか四十六年度じゅうは全くわからなかったわけですよ。ニクソン政権がてこ入れをして金をあれする、イギリス政府もてこ入れをするということで、ようやく飛行機として飛び立つことができるようになったわけです。したがって、この報告書の中には747、DC10について非常にエンジンについても高い評価をしている。とりわけDC10のエンジンについては、エンジン本体に関する限り信頼性は非常に高いという調査の報告になっているわけでありますが、この辺のところも御承知でしょうか。
#261
○中村(大)政府委員 全日空からの報告によりますと、当時それぞれの部門について慎重な検討が行われ、先生御指摘のような点も評価の中に入っておるというふうに承知いたします。
#262
○横路委員 そこで、このトライスターがなぜ選ばれたのかということは非常に政治的な問題が一つあるわけですが、そのことを別にして、全日空の方ではこのトライスターを選んだ理由をどういうぐあいに挙げているわけですか。
#263
○中村(大)政府委員 全日空といたしましては、全日空が現にあるいは将来運航しようとする路線の性格に照らしまして、運航面、整備面、営業面、あらゆる点を総合してトライスターが最適であるというふうに判断をしたというふうに聞いております。
#264
○横路委員 ですから、そのあらゆる面についての報告書が四月三日の日に、専門部会の報告という形で機種選定準備委員会の方に挙げられていて、いま言った需要路線の適合性がどうだとか、導入の時期がどうだとか、コストがどうだとか、契約がどうだとかいうようなことを全部トータルに総合しても、ダグラスとロッキードとどちらがいいか、それはわからない。ただ一つはっきりしているのは、日本航空との営業上同じ機種ではまずいんじゃないかということだけは、この報告の中ではっきり出ていますけれども、あとの点については優劣出てないわけですよ。それが十月三十日、つまり四月三日の報告から十月三十日の決定までの間にもう圧倒的にトライスターの方がいいということにこれはなっていくわけですね。そこに問題のポイントというのが一つあるわけですよ。
 そこで、総理大臣にお尋ねをしたいのですけれども、この機種選定、四十七年導入が四十九年に変更された、さらにダグラスからロッキードヘというような問題もこの前の証言で明らかにされているんですけれども、この経過について、これはひとつ皆さんの責任において明らかにしていただきたい。どうして四十七年導入が四十九年度になったのか。それから、ダグラスDC10ということでもって仮注文が少なくともダグラスの工場に対して行われているのは間違いがないわけでありますから、それがこのロッキードに変わっていった経過。この全日空の調査の過程。それから日本航空と全日空との話し合いの内容というような点を――これは機種選定を全日空だけで決めたのじゃありません、日本航空との話し合いの中で決めているということがこの前の証言で明らかになっているわけでありまして、政府の責任においてその内容というのをここで調査をして明らかにして報告をしていただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。
#265
○三木内閣総理大臣 そのいままでの経過というものに対しては、報告いたすことにいたしましょう。
#266
○横路委員 大体このトライスターのことが問題になっていながら、そういう経過について問題が提起されてもう二十日もたちながら、きちんとした調査が終わっていないということには非常に不満を覚えるものでありまして、こういういろいろな資料が全日空において紛失をしてしまうという危険性もあるわけでありますから、ぜひ早急に調査をしていただきたいというように思います。
 もう一つ、これは四十七年の箱根会談についてちょっとお尋ねをいたします。四十七年の七月一日に運輸大臣通達が出まして、四十九年度よりエアバス導入ということが決められるわけです。で、四十七年の七月二十五日から二十八日まで日米の箱根会談が行われますけれども、この席上でエアバスの緊急輸入という点が日本側からアメリカ側に提案があったというように報道されておりますけれども、この点、事実かどうか御確認をいただきたいと思います。
#267
○山崎政府委員 四十七年の七月二十五日から二十八日の間におきまして、通商問題に関する日米事務レベル協議、いわゆる箱根会談がございましたが、これは相互の国際収支目標について意見の交換ということでございまして、そういうエアバスの導入というような具体的な話は出ていないと承知しております。
#268
○横路委員 この会議には、運輸省からはどなたか参加していますか。
#269
○木村国務大臣 運輸省から参加していたかどうか、私、知りませんので、外務省の方に聞いてみましょう。
#270
○横路委員 この会談の後の新聞記事の報道の中に、当時の佐々木運輸大臣の発言として、運輸省からこのエアバスについての提案をした、しかも機数について十機と考えているという発言が新聞に出ているわけです。つまり、これは箱根会談で飛行機十機エアバスの緊急輸入についてアメリカ側に話をしたという会見の記事が出ておるわけでありますけれども、この辺のところを運輸省の方で御確認できるでしょうか。
#271
○木村国務大臣 当時のことでいまは存じておりませんので、当時の関係者によく聞いてみようと思います。
#272
○横路委員 これは外務省の方はいかがでございますか。
#273
○山崎政府委員 外務省としましては、その当時のそういう具体的なことは存じておりません。後ほどもう一度調べてみたいと思います。
#274
○横路委員 それは調べて御報告をいただきたいと思います。
 そこで運輸省にお尋ねをいたしますけれども、購入は、日本航空で四機、全日空で六機、合計十機購入ということになったわけです。このいろいろな機材の購入については、日本航空は少なくとも運輸省の方に届け出るか認可を受けるか、いずれにしてもこの機材計画については皆さんの方に監督する権限がたしかあるはずでありますが、この日本航空で四機入れる、全日空で六機入れるということを決めるに当たって、運輸省の方には相談があったのかなかったのか。当然その運輸省の日本航空に対する監督権限から言うと、事前に相談があったと考えるのが普通でありますけれども、その辺の経過はどのようになっておるでしょうか。
#275
○中村(大)政府委員 当時、日航が四機、全日空が六機という、そのような具体的な計画を出したということはわれわれ承知いたしておりません。
#276
○横路委員 しかし、四十七年の七月一日に運輸大臣の通達がある。その前には、運輸政務次官が中心になりまして、日本航空、全日空、東亜国内の中で、海外に対する路線進出をどうするか、国内路線の調整をどうするかという話し合いが行われているわけです。そういう相談を小佐野賢治にしておったというのがこの間の証言で明らかになっているわけでありますが、その何機入れるかということは、空港を監督している運輸省として、保安施設の関係に非常に関連を持ってくるわけですね。したがって、全然話がなしに、いきなり日本航空が四機入れる、全日空が六機入れるというようなことで決めましたというので報告があって終わりなどということは、行政の常識として考えられないわけでありますが、その辺のところはいかがでしょうか。
#277
○中村(大)政府委員 日航は当然でございますけれども、全日空にいたしましても、将来機材計画をどのようにするかということは運輸行政上重大な関心があるわけでございますから、正式な契約をする、しない、あるいはどういう機種を選ぶかということについては運輸省はタッチいたしませんけれども、将来のジェット化あるいは大型化の計画というものについては、運輸省は常にその計画にタッチしてきたということでございます。
 ただいま御指摘のような四機とか六機とかいう具体的な数字については、われわれ、それはどういうことであるか、ちょっと承知しないのでございます。
#278
○横路委員 いま四機、六機と言っているのは、これは四十七年十月三十日に日本航空が四機導入、全日空が六機導入ということを決めたわけであります。そして、四十七年の箱根会談の後の新聞報道の中に、佐々木運輸大臣がエアバスについては十機導入するということを決めているから、この辺の関連について実はお尋ねをしているわけであります。
 そこで、さらにお尋ねしたいわけでありますけれども、その話は全然なかったというのは、四十七年の十月三十日までは全くなかったわけですか。その事前に相談もなかったわけですか。当時の運輸大臣と全日空の若狭社長は四十七年の十月二十四日には会っているはずですよ。どうですか。
#279
○中村(大)政府委員 全日空がどの機種を選ぶかということについては、十月三十日まで全く報告は受けていないというふうに承知いたします。
#280
○横路委員 小佐野氏の名前を挙げたことについて自民党席の方から、何か取り消す要求がいま私の手元にメモで参りましたけれども、小佐野氏の名前を出したのはこういうことであります。つまり、この前の若狭氏の証言の内容によると、全日空の社賓としての小佐野氏の地位はどういうことかといいますと、三社に関する諸問題の調整に当たるということも社賓としての仕事である、こういう証言があるわけでありまして、その辺で経過の中でいまお話を申し上げたわけであります。問題があるならば後で……。
#281
○正示委員長代理 横路委員にちょっと申し上げますが、ただいま自民党席からと言われましたが、たしか社会党の理事からのメモでございますから、正確に御発言をいただきます。(「違うぞ、違うぞ」と呼ぶ者あり)
#282
○横路委員 そうしたら、私の発言を議事録で正確に調べてくださいよ。そんな言いがかりはやめてください、委員長。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
委員長、私の発言について問題があるならば、議事録を調べてから文句を言ってくださいよ。
#283
○荒舩委員長 ただいまの伝票が行ったのは、小林君の方から行ったので、自民党席から行ったのじゃありませんから、取り消す方がいいです。
#284
○横路委員 それでは委員長に尋ねますが、このいまの私の発言について、社会党の理事の方にその点が問題だという発言をしたのは委員長ですね。
#285
○荒舩委員長 そうです。
#286
○横路委員 そうですね。
#287
○荒舩委員長 そのとおり。
#288
○横路委員 その委員長の発言を受けてメモが私のところに回ってきたというわけですね。
#289
○荒舩委員長 いや、メモを渡したのは小林君が渡したのです。あなたの人格を尊重して、そうして社会党の理事さんから注意を願うように書いたものを渡してもらったわけです。
#290
○横路委員 だから、注意を受ける筋合いは全然ないということです。発言について問題があるならば、後で議事録を調べて理事会で検討していただきたいと思います。
#291
○荒舩委員長 そのとおり、そのとおり。間違いありません。
#292
○横路委員 質問を続けます。
#293
○荒舩委員長 議事録を調べて、あなたの発言中間違ったことがあれば取り消してもらいます。
#294
○横路委員 この二、三日来、小佐野賢治の名前については大分、その名前が出てくるたびに雑音が多くなるということについては、私は非常に不満を覚えるものでありますけれども、質問を続けていきたいと思います。
 問題は、四十七年の箱根会談のときに、運輸省の方からエアバス十機購入という事実があったのかないのかという点が一つですね。これは皆さんの方でわからないから調べて答弁をするということでございました。現実に決まったのが、四十七年十月三十日の日に日本航空四機、全日空六機の合計十機と決まったわけですよ。したがって、この決まったということについて事前に運輸省の方に相談が全くなかったのかどうか。皆さんはないと言ったから、私はそれはおかしいではないかということで、その経過を、運輸省として、四十九年度導入についてどういう経過があったかということをこの間の若狭、渡辺両氏の証言から言えば、運輸政務次官が仲に入って、日本航空、全日空と路線の調整の話をずっとしてきた、そして四十七年の七月一日には運輸大臣通達が出て、これは四十九年導入ということになっているわけですね。そうですね。
 一方、本件にかかわりある問題としては、この前の若狭証書の中では、そういう三社間の調整の問題については小佐野賢治氏にいろいろと相談する機会があった、こういう証言が明確に出ているわけです。したがって、私はそういう関係について運輸省は知っておったのかどうかということについてお尋ねをしているわけでありまして、後で議事録を検討していただければ問題は全くないということが明らかになるだろうと思います。
 そこで、質問としてもう一度確認をいたしますけれども、その辺のところ、皆さんとして十月三十日以前に全くなかったのか、十月二十四日の佐々木運輸大臣と全日空若狭社長との会談の内容は一体何だったのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#295
○木村国務大臣 先ほどから、二回にわたって大型機導入が延びたそのずっとの経過でございますが、これは後で資料としてお出しいたします。いまでも言えるわけでございますが、時間の関係上そういたしましょう。
 そこで、運輸省がこういう機材を航空会社が入れますときに、いつの時点で知っておったか、あるいは知らなければならないかという問題が非常に議論になっておりますが、全日空のように純粋の民間会社でございますと、どのような機材をいつ入れようということは運輸省は関知をしていない。ただ事実問題として、あるいは当時関係者が相互で話等はそれはもちろんあると思いますが、正式にはそうなっております。日本航空の方はこれは政府の出資会社でございますので、こういう膨大ないわば資産がふえる問題でございますので、いろいろ日本航空法上認可を受けるとかそういうことがございます。したがって、全日空の場合にはいよいよ機種の決定をいたしましたときには一応報告がございます。いよいよそれを輸入いたしまして何々線に使うときに事業計画の変更等の認可がございますので、そこで初めて稼働します段階で事業計画の変更の認可というふうな措置で関与する、こういうことになっておるわけでございます。
#296
○横路委員 じゃ、日本航空について導入計画ということになった場合には、全日空と違って、皆さんの方でも、国が出資をしているということで認可事項になっているんじゃありませんか、たとえば機材の変更があった場合には。
#297
○中村(大)政府委員 日本航空については、重要な財産の取得ということで、これは運輸大臣の認可を要することになっております。
#298
○横路委員 それで、四十七年の十月二十四日に若狭社長が田中総理大臣に会って、同時にその日に佐々木運輸大臣にも会っている。運輸大臣に会っているという報道があるんですけれども、その辺のところはどういう内容か、皆さん確認できないでしょうか。
#299
○木村国務大臣 そういう情報があるとすれば、その情報を確認できるだけ確認してみたいと思います。
#300
○横路委員 どういう内容の話が行われたのか、これについても御報告をお願いをしたいと思います。よろしいでしょうか。報告していただけますね。
#301
○木村国務大臣 私の方で確認できますれば、それは御報告申し上げます。
#302
○横路委員 運輸省の方で、この全日空トライスターの契約、四十八年一月十二日のこの契約の内容については、皆さん方の方で掌握されているでしょうか。広告宣伝費の関係で質問したいのですが、掌握されているでしょうか。
#303
○中村(大)政府委員 契約の内容については、詳細承知いたしておりません。
#304
○横路委員 値引きの契約もずいぶん行われているわけで、大体一機について百万ドルぐらいまけているのですけれども、広告費の関係について幾らとかいうようなことについては全く承知をしておられないとすれば、その辺の、いわば手数料のことに関連をして実は問題になっておりますし、さらに先ほど私が数字を挙げましたアメリカ上院における証言の中の三千三十四万五千円ということの絡みで――広告宣伝費というのはこれは契約書の内容にございまして、広告宣伝をどちらが担当する、一機分幾らというようなたしか契約内容になっているはずであります。その辺のところを、運輸省としてこれも確認をして報告をしていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#305
○木村国務大臣 せっかくの御質問でございますから、確認できる限りやってみたいと思いますが、当面の責任者が今度証人でも呼ばれるようでございますので、直接お聞きいただければさらにはっきりすると思います。
#306
○横路委員 それは当然一日の日に内容を明らかにすることになるわけでありますが、運輸省としても、監督官庁として先ほど来要求した資料の何点かについてぜひ確認をしていただくということにして、あとPXLの問題について、楢崎代議士から関連をして発言をお許しいただきたいと思います。
#307
○荒舩委員長 楢崎弥之助君。
#308
○楢崎委員 坂田防衛庁長官にお伺いをいたします。
 せんだってのPXL国産化白紙還元の問題について触れた久保事務次官の発言について、久保次官が訓戒処分を受けられたそうでありますが、その理由は一体何でありますか。
#309
○坂田国務大臣 先般、次期対潜哨戒機の問題で久保次官が発言いたしまして、そのことにつきましていろいろ第三者に御迷惑をかけた。いろいろございます。また、自分自身でも事実誤認があったということを、その夜の新聞記者に対しまして誤りを訂正いたしました。また、その翌日の本委員会におきましてもその事実誤認を訂正いたしました。そのことにつきましていろいろ検討いたしました結果、訓戒処分をいたした次第でございます。
#310
○楢崎委員 しかし、久保事務次官のこの問題に対するいわゆる取り消しというものについては、事実誤認という言葉を使われてないのじゃないですか。大筋においては間違いはなかったが、しかし不用意であったとか、あるいは説明不足であったとかいう説明のようであります。だから、長官自身もこの久保発言を誤りであるとは言っていらっしゃらなかったのじゃないですか。
#311
○坂田国務大臣 私はいろいろ調べました結果、事実誤認ということがあったというふうに思います。事柄の重大性につきまして、一たん記者クラブに発表したものを後で取り消しをしなければならない、あるいはまた、その翌日の予算委員会におきましても取り消しをしなければならない、そのような説明不十分、不用意な発言ということは今後慎しんでもらいたいという意味において、処分をいたしたわけでございます。一部私は事実誤認があったというふうに認めます。
#312
○楢崎委員 どの点が事実誤認であったわけですか。
#313
○坂田国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。
 「次期対潜機に関する了解事項の実質的な内容が総理、官房副長官、主計局長の三人で決めたように説明したことである。この点については、次官はその場にいなかったにもかかわらず、推測で説明したもので、二月九日深夜の記者会見で訂正し、翌日の衆議院予算委員会でもその趣旨の説明を行っておる。」、この点が一部事実誤認だということでございます。
#314
○楢崎委員 私どもが前後の関係から判断をすれば、大筋において間違いはなかったというこの段階における久保事務次官の発言こそがやはり一番真実であると思わざるを得ないのですね。訓戒処分を受けてもなおかつ大筋においては間違いなかった。大筋とは何か。それは、いわゆる突如として四十七年の十月八日と九日にかけて――当時の防衛局長であった久保現事務次官が相談を受けなかった、この大筋は間違いなかった。しかも、この点について当時の増原防衛庁長官も、防衛庁に事前に知らされていなかったということは認めておるのですね。認められておりますよ。ここが問題なんであります。つまり、その事実を前提にすれば、別のところで決められた、こうなるではありませんか。そうすると、やはり久保次官が言われたとおり、田中総理と後藤田元官房副長官及び相沢元主計局長とで決められたというふうに論理的にはなるのではないでしょうか。この大筋というものは間違いでなかった、ただ説明が不足していた、そう本人は言っておるのですから。そういうことではないのですか。それなのになぜ訓戒処分という処分を受けたのか。そこに私どもは――重大な問題ですからとあなた繰り返されましたが、何が重大であるのか。あなたが重大と判断された理由は一体どこにあるのか、その辺も含めて御答弁いただきたい。
#315
○坂田国務大臣 この八日、つまり前日の日でございます。前日の日に大蔵当局から、支援戦闘機の問題、これは国産としてよろしい、しかしながらPXLの問題についてはあきらめてくれということを電話で申し入れされておるわけです。そして、増原長官も島田次官もそれから防衛局長、つまりいまの次官でございます久保局長もそこにおるわけであります。それから小田村経理局長もそこにおるわけです。このような重大なことを欠落して久保次官は記者会見に臨んでおるわけでございます。これは、いやしくも国防の問題につきましてそういうことを推測で物を言うということは、やはり自分で事実を取り消さなければならない事態、これはやはり今後注意をしてもらいたいというふうに私は思うわけでございます。
#316
○楢崎委員 前日の日に言われたということは、これは前もって防衛庁に検討させる時間を与えての相談じゃないですよ。それは一方的な通告というものでありまして、そういう事実を、防衛庁は相談を受けなかったと増原元防衛庁長官も久保事務次官も言っておるのであります。その辺はきちっとしておきませんと、私はあなたの方こそ事実を誤認されておる、こういうふうにならざるを得ないと思うのですね。
 ところで、四十七年の十月九日に国産化方針が白紙還元になって、そこで専門家委員会をつくって検討する。専門家委員会ができたのが約一年後の四十八年八月十日。そして、それがまたいろいろ検討をして答申を出したのが四十九年の十二月二十七日。一年以上たっております。この専門家懇談会ができて、これは答申を出す前に――だんだん四十九年の暮れが近づく、答申の時期が近づく、その段階になってこの専門家会議の委員の方に国防会議の事務局から非常に圧力がかかったという意味のことが委員から言われておりますね。たとえばメンバーの一人であります土屋清さんは「答申内容がほぼまとまり、明文化に入る四十九年十月ごろになって、それまで「自由な立場で中立公正な答申を」としてきた国防会議事務局側から突然「PXLは輸入が必要である」との線で強く働きかけてきた」と言われておる。それまでは原則的に専門家会議では国産化、そういう方針で進んでおったというのですよ。そして、それに対して輸入に有利な答申を出すような働きかけがずっと行われた。これは委員が言っておるのですから間違いないですね。別の委員は「オブザーバーとして参加した事務局側の意見が会議全体に深く浸透したようだ。はっきりP3Cをとは言わないが、それとわかる内容だった」、こうほかの委員も言っておる。さらに、ほかの委員は「事務局が意識的に方向づけているという感じは受けなかったが」と前置きはされておりますけれども、たとえば、これは第一線のユニホームが乗るわけですから第一線のパイロットの希望を聞こうということになったときにも、事務局側は、予断を持つから聞かない方がいい、そして結局事務局側が一線の希望はP3Cなんだ、こういうふうに発言されたということも委員の一人は言われておる。その辺についても私は大変割り切れないものを感ずるわけであります。
 したがって、この問題は今後とも私どもは、トライスターの売り込みの延長線上の終着駅として、頂上作戦としてこの一兆円商品であるP3Cオライオン輸入こそが本命であったという点を、これから時間をかけて解明したいと思っております。
 時間が迫りましたけれども、このいわゆる多国籍企業というものがどんな商法をやっているかということは、まさにいまアメリカの上院外交委員会多国籍企業小委員会すなわちチャーチ委員会であらゆる企業を素材にして検討に入っておるわけであります。いずれそういう問題も日本に波及する可能性がある。そのうちの一つとして、やがて問題になるであろう点を一つだけ、きょうはわが党から問題提起をしておきたいと思います。それはガルフの問題であります。この点について私の時間の範囲内で安宅委員から関連の質問があります。お許しをいただきたいと思います。
#317
○安宅委員 ただいま楢崎委員からお話がありましたが、これは総理には特に後で決意のほどを伺っておかなければなりません。
 アメリカでは議会筋が、特にアメリカの上院の多国籍企業や銀行やあるいは証券取引委員会や、そういういろんなところで、ロッキードのほかにダグラスであるとかノースロップであるとか、あるいは石油業界で言うならばガルフ、エクソンから、石油以外でありますがアメリカ一のゼネラルモーターズまで、大変なそういうリベートを各国の政界あるいは官界あるいは事業体に出さざるを得なかった、あるいは出しておる、こういうので大変問題になっておるわけですね。私は例として、時間がありませんからガルフに関してだけきょう申し上げます。
 このチャーチ委員会に対して、元世界銀行総裁であるマックロイ氏を長とする調査団がつくられて、そして日本の石油業界に対してガルフが払わされたリベート、こういう問題について報告をしています。これとは別に、去年七五年の十一月十六日ですか、米上院でガルフの会長が証言をしておるわけでありますが、こういうことになりますと、これはわが国の石油業界、例の石油ショックなどを理由にして国民経済をパニック状態にまで追い込んだ悪徳商社、こういう連中がどんなことをしているのかということを国民はやはり知らなければならないし、ロッキードの問題を含めて多国籍企業、総合商社のあり方というものを非常に注目しておると思うのです。
 そういう中で、この報告は外務省にも全部入っていると思いますからきょうは言いませんけれども、例を言いますと、ガルフは日本の石油業界からいわゆるカード契約、二重契約ですね、こういうものによって約四百万ドルのリベートを取られている。あるいは原油輸送のための油送船のチャーター料まで払わされている。これは九十五万ドルのリベートとして取られている。日本側の要求によって、これは某商社でありますが、バーミューダの銀行などにそのリベートを預託させられている。そういうふうにまでやらされている。ちょうどこれはロッキード事件のID社みたいなものですね、私はそう思っておるのですが。あるいはまた、さらには日本興業銀行の割引債券まで買わされている。その膨大な損失まで数字が出ているわけです。こういうことが報告されておって、マックロイ氏は、このことについては非常にこの行方というものは悪用される危険が大きい、こういう報告をしているわけです。
 こういうことについて、私はきょうはその論議をする時間がありませんから、一つはこの報告を認めるかということについて外務省、それから各関係官庁が、租税の脱税、外為法あるいは政治資金の流れに関する諸問題、これに関するロッキード事件を例として、教訓としてあらゆる総合的な調査をする必要があるのではないかと私は思いますから、この問題について答弁を願うことと、さらにまた通産省の調査によりますと、どれの会社がこれはおかしいというので通産省が事情聴取しているのか、その状況はどうなっておるのか。特に出光興産について言うならば、バーミューダにアポロ・インターナショナルという、これは本当にID社と同じだと思うのですが、こういう外国商社をひそかに設立している。ひそかにというのは、社員はほとんど知らないのです、幹部しか。これは日銀の許可を得たとかどうとかいろいろなことを、政府の許可を得たとか言っておりますから、このいきさつ、こういうものを含めて、各省ばらばらではなくて大蔵省もあるいは外務省も通産省も、あるいは独禁法を扱っている公正取引委員会もすべて合同の調査に乗り出すべきだと、私はそう思っているのでありますが、順次御答弁を賜りたいと思います。
#318
○河本国務大臣 ガルフと不正取引があった、こういうことを新聞で報道をいたしておりましたので日本鉱業、出光興産、富士石油及び東亜石油の四社から事情の聴取を行いまして、文書による回答を求めました。ガルフと取引のある会社といたしましてはこのほかに鹿島石油、丸善石油、大協石油、沖繩石油精製等があることが判明をいたしましたので、これらにつきましても文書による照会を行いまして、いずれも回答がありましたので、目下総合的にそれを検討中でございます。
 なお、出光石油が日本銀行の許可のもとにバーミューダ法人アポロ・インターナショナル・リミテッドを設立をいたしまして、配当金の形で取り入れたと言われておる問題でありますが、この問題につきましても目下調査中でございます。
 用船料の問題については、これは該当事実がないようであります。
 それから、興銀債購入問題につきましても、四社とも、当初に申し上げました四社とも該当はないようであります。
 以上であります。
#319
○安宅委員 それぞれ順次御答弁をと言いましたが、この中でちょっとつけ加えたいことがございまして。これはガルフ石油のドーシー会長が証言していることですけれども、日本の政党に政治献金をしたということ、そういうのに類した発言がありまして、またエクソン社のガービン会長がテレビのインタビューで、あるいはチャーチ委員会に対しても言っておるようでありますが、日本の政党にも政治献金をしたというふうに語っておるのですね。こういうことを含めてひとつ調査をしていただきたい。しかも、ただいま通産大臣の答弁によりますと、つまりロッキードと同じように、向こうの証言とあなた方が調査している業界の主張とは、ロッキードといみじくも同じように完全に対立している、こういうことはお認め願えると思うのです。そのことを含めてひとつ答弁を願って、もう時間がありませんから答弁だけで結構です。
 それから、そういう調査をした結果はなるべく速やかに、ここ四、五日中にでも当委員会に調査結果、途中でも仕方がない場合にはそういうものをすべて出していただく、こういうことを約束していただきたいと思います。これは総理の決意のときに総理から答弁を願いたいと思います。
#320
○大平国務大臣 いま提起された問題につきましては、調査いたします。
#321
○宮澤国務大臣 先ほど仰せのように、昨年の五月ごろから七回に分けて多国籍企業小委員会が調査をいたしまして、ガルフ、ノースロップ、エクソン等々の審議の結果が最近公表されたあるいはされるという由でございます。千ページ以上のもののようでございます。なお、昨日の総理の書簡の中にも、いわゆる多国籍企業のビヘービアについて大統領の考え方と自分も同じように考えるので努力をしようという御趣旨もございます。これらの問題につきまして調査いたしましてお答えをいたします。
#322
○橋本(徳)政府委員 この問題につきましては、私たちの方、まだ十分承知してございません。それでどの点につきまして独禁法上の問題があるのか、むしろ外務省等から公的なニュースを得ました場合には、そういう点を十分に検討してみたいというふうに考えております。
#323
○三木内閣総理大臣 いま外務大臣からも述べましたように、こういう国際的な相互依存関係が深まってくると、多国籍の企業というものは今後やっぱり各国に進出してくると思うのです。そういう場合に、今日のあり方というものは、いま御指摘のようにいろいろ問題を持っておりますから、この問題は国際的に多国籍企業に対して守るべきルールというものを決める必要があると私は思っている。アメリカのフォード大統領もかねがねそういうことを言っておりますので、私の書簡の中にも、これに対して国際的に共通のルールをつくろうという大統領の考え方に自分も同意見である、今後協力しようということでございまして、OECDにおいてもこれは問題になっておるわけでございますから、日本もそういう国際的協力によってぜひとも多国籍の企業に対する国際的共通のルール、公正な企業活動をするような共通のルールをつくるためにわれわれも努力をいたしたい所存でございます。
#324
○安宅委員 断固として追及しますから……。
#325
○荒舩委員長 以上をもちまして、楢崎君、横路君、安宅君の質疑は終了いたしました。
 次に松本善明君。
#326
○松本(善)委員 このロッキード疑獄の問題というのは、先ほどから論じられておりますように、戦後のどの黒い霧と比べても上回るような深刻な疑獄事件でございます。そして、この問題の徹底的な解明ということを三木総理は言っておられますが、三木総理のその姿勢が、自民党総裁としてまた総理大臣としての三木総理の姿勢がこの徹底解明には重大な影響を及ぼすというふうに私は考えますので、その三木総理に特に伺いたいと思うのであります。
 最初に、まず総理は、この証人喚問が本委員会で二日間行われましたけれども、この二日間の証人喚問の結果を聞かれて、疑惑が解明されるという方向に行ったのか、それとも疑惑が深まったという方向に進んだのか。この点についての総理のお考えをまず伺っておきたいと思います。
#327
○三木内閣総理大臣 この問題は日米両国にまたがっておる問題で、この解明というものは非常に困難が伴います。証言についても、アメリカの証言と日本における証言とが非常に食い違っておるわけですね。そういうことで、私は、この日本の証言を通じてそれなりの意義を持っておったと思います。やはりあの日本の証人喚問はそれなりの意義を持っておりますが、これが、やはり真相が究明されたと言うのには、あの証人喚問はほど遠いという印象を受けておりますから、委員長が先ほど提案になったごとく、特別調査委員会によってこの問題は腰を据えて国政調査権に基づく調査を行うべきだという意見でございます。
#328
○松本(善)委員 総理に私が伺っておりますのは、この証人喚問を通じて、全国各地から私どものところには電報でありますとかあるいは手紙が参ります。そして、これは疑惑がますます深まった、したがって徹底的にやってほしいという声がたくさん寄せられるわけであります。そこで私が伺いましたのは、単に意義があるとか、あるいはいまのままでは真相究明からほど遠いというだけではなくて、総理がこの二日間の結果を、やはり疑惑は深い、深まっている、これは徹底的に解明しなければならないという国民の声にこたえるという方向であるのかどうか。いや、大したことはない、疑惑は解明されていっている、どうもシロのようだ、こういうふうに思っておられるのか、その点を伺いたいわけであります。
#329
○三木内閣総理大臣 私もこれで解明されたとは思っていないことはしばしばここで申し上げておるとおりで、国会においても、解明されぬと考えるから再喚問をなさるわけでございますから、国民のためにこの問題を、私がしばしば言っておるように、この問題が何か臭い物にふたをする式で葬られることは、日本の民主政治の将来のためにやはり非常な禍根を残す、この機会にこの問題を徹底的に究明されなければならぬ、そのために政府が、自民党があるいは日本の政治が多少傷つくことがあっても、これはあくまでも真相は究明しなければならぬということをしばしば言っておるわけでございますから、私の決意に対しては御理解を願えると思うわけでございます。
#330
○松本(善)委員 私は、全国で総理の答弁を聞いている方々が、やはり問題をそらしてお答えになっているというふうに感じざるを得ないと思うのです。私が端的にお聞きしておりますことは、二日間の証人尋問で、簡単に言えばクロの方向に行っているのか、あの人たちは大して疑惑はないという方向に感じられたかということについて伺っているのであります。それについて総理がはっきりお答えにならないならば、その点については答えられないということについてお答えをいただければいいと思います。私は、証人喚問について再喚問が国会で決められたということは、疑惑がとにかくあるということで、そういう方向に進んでいると思いますけれども、総理のお考えをその点について明快に伺いたいと思います。
#331
○三木内閣総理大臣 松本君の言われる、あの証言を聞いて、クロの方に行っているか、シロの方に行っているか、そういうことはやはり非常に正確な一つの表現でないと思いますね。私にクロの方に行っておるか、シロの方に行っておるか言えと言う。総理大臣の見解を求めるとしては適当な表現ではない。だから、これは解明されてないと言うのですから、今後徹底的に究明さるべきものだと言っているのですから、クロかシロかというそういう端的な質問に対して私が答えるということは適当でないと思う。クロに行っておるか、シロに行っておるか、文学的表現としてはあるにしても、こういう問題としては私は適当な表現ではないと思うのであります。
#332
○松本(善)委員 私は、お答えにならないからそういう言い方をしましたけれども、先ほど来細かく気をつけて表現をしながら聞いておる。それに対しては答えをそらされるということは、大変遺憾に思いますが、さらにお聞きしましょう。(「そらしてないよ」と呼ぶ者あり)いや、じゃお聞きしましょう。疑惑が深まったというふうにお考えになるのか、疑惑が解明されていった方向に行くのか。疑惑が深まったとお考えになっているかどうか。それにお答えください。
#333
○三木内閣総理大臣 私は疑惑は解明されなかったと、こう言っているのですから、これが私の答えです。
#334
○松本(善)委員 結局お答えは、私の問いにそのままお答えにならなかったと思います。
 私がなぜ、もう一つこの点をさらに聞きますのは、私どもはこの二日間の証人喚問で一番疑惑が深まった人の一人は小佐野賢治氏である、こういうふうに考えております。そしてこの小佐野賢治氏につきましては、児玉譽士夫とともに、この事件が解明されるということになりますならば、この点が一体どうなったのか、ここのところはどういうふうに理解したらいいのか、ということがはっきりしない限りは国民は納得をしない、疑惑が解明されたとは考えない、そういうような性質の重要な証人であります。それはコーチャン氏の証言がそのような位置づけで証言をされているからであります。
 私は、徹底的に総理が解明をするということを言っておられるので伺いたいのでありますが、この小佐野氏については、私ども共産党は最後までこの予算委員会で証人喚問をすべきだということを主張をしておりました。それがけさの採決では、委員長からの提案がありませんでした。私はこの小佐野氏に対してどういうふうに考えるかということがこの事件の解明にとっては試金石のような重要なものであるというふうに考えるので総理に伺うのでありますが、自民党総裁でありかつ総理である三木総理に伺いたいのでありますが、この再喚問が自民党によって拒否をされましたけれども、私どもは徹底的な解明ということになりますと、これは他党が疑惑があり、自民党だけが解明されたということでは済まないので、国民の多くの人たちが疑惑がなくなるというまで解明をされるということでなければならないと思います。この点についての、総理が徹底的に解明をするということを言っておられるのはどういう趣旨であるか、この点を明確にこの小佐野氏の証人喚問との関係においてお答えいただきたいと思います。
#335
○三木内閣総理大臣 これは私は、自民党がしばしば言っておることは、予算とロッキード問題を切り離してもらいたい。これは一日も早く予算の成立を国民は待っているのですからね。これは私も景気のことは心配している。多少景気の停滞があるわけです。したがって、予算を早く通過さすことによって、そして予算を早期に執行したいのですよ。そして雇用も安定したい。だから、一方においてロッキード問題は重要な問題でありますから、特別調査委員会を置いて、ここで、松本君がいろいろな疑問があればそこで徹底的に究明をされて、これと切り離して、しかもロッキードもやれ、予算も早く通してもらいたいという二つの国民の要請にこたえることが国会の責任ではないか。そういうことで、いろいろな疑問が残るでしょう。残れば特別調査委員会で国政調査権に基づいてこれを追及する。これで終わりというのではないのですから、やがて特別調査委員会をつくろうというのですから、そこでやはりいろいろな各党の疑問があればそこで腰を落ちつけて調査をしようというのですから、何も自民党がこれでこの問題をそのまま打ち切ってやろうというのではないのですから、特別調査委員会というものをつくろうということを委員長自身が提案しているのですから、自民党は真相究明に対するそれは一つの熱意を持っておる証拠ですよ。そこでいろいろな各党が持っておる疑問に対して徹底的に究明してもらいたい、こういうことで、われわれは一方において予算というものを抱えておりますから、一日も早くこの予算の成立を望んでおる国民のために国会はこたえなければならぬということで、これは一日で終わるわけですが、その一方において特別調査委員会で徹底してやろうじゃないかと言っておるのですから、どうか松本君、何か自民党が臭い物にふたをしようというような、そういうことはないのですよ。この問題をそのままそういうことでおいては、自民党のためにもなりませんよ。私どもは、やはり明らかにするものは明らかにしたいと願っておるのですから、疑わないでくださいよ。皆さん頭がいいから、何か疑ってかかる。疑ってかかる必要はない。私自身が、そのことは必要であると考えているわけでございますから、どうかそういうふうに御理解を願いたいのでございます。
#336
○松本(善)委員 もし自民党が本当に証人喚問をして真相を解明しようということであるならば、私どもは、空白期間の間でも証人喚問をしていれば予算の審議はどんどんできたと思っています。私ども共産党は、もちろん予算の審議もしましょう、証人喚問の日程もやりましょう、こういうことであります。
 そこで、私が総理に伺いたいのは、いまお答えになったことは、小佐野賢治氏についても疑惑があるから、特別委員会で喚問をして聞いてくれ、何もこれで終わりにするつもりではない、国会に小佐野賢治氏を喚問するということの必要性はあるだろう、しかし予算委員会ではなくて、特別委員会でやってくれ、こういう趣旨のお答えでありますか。
#337
○三木内閣総理大臣 これはやはりほかにも、小佐野氏に限らず、いろいろ各党には、この人の一つの証言を聞いてみたいという人が私はあると思いますよ。そういう場合には調査特別委員会で委員会としてお決めになって、何人に限らず国政調査権、遠慮は要りませんよ、その調査委員会においてお決めになって、この問題の究明のために、それは私ばかりではなしに野党の皆さん方も協力してもらいたい。この問題はやはり高いステーツマンシップが要ると思うのですね。この問題はこういうことが言えると思う。そういうことでお願いをしたい。
#338
○松本(善)委員 私は小佐野氏について聞いているのです。小佐野氏について証人として聞くということは、この事件の解明については本当に不可欠に重要なことだからであります。
 そこで伺いたいのは、この問題については自民党の国対委員長はなぜ証人として喚問をしないかということについて、新たな疑惑が出ていない、新たに喚問する資料がない、あるいは捜査の対象になっていない、こういうようなことを理由としてこの証人喚問を拒否されたのであります。先ほど午前中の委員会でおわかりのように、九名の証人については、これは喚問の必要がある。私どもはいろいろ異論がありますが、自民党としても、予算委員会でやらなかった場合には必ず特別委員会でやりたい、やるんだ、こういう提案がされたわけです。そして、私どもはそれに賛成をしているということではありません。
 この小佐野氏についてはそのような疑惑があるものとして自民党は扱われなかった。
 自民党総裁としての三木総理に私が聞きたいのは、この自民党国対の態度を三木総理は支持をされるのかどうか。あの小佐野氏の証言を聞いて、全国で、このような証言で一体がまんができるのか、国会は何をしておるか、こういうふうな声はたくさん出てきております。その結果を見て、自民党の国対委員長はそのような態度で小佐野氏の再喚問を拒否をされたのであります。このことを自民党総裁としての三木総理が認められるのかどうか、同じ見解なのかどうかということを、国政の最高の責任者としての三木総理に伺いたいのであります。
#339
○三木内閣総理大臣 これは逃げるわけではないのです。私も総理、総裁としてあの人間を証人に呼べ、これは呼ぶなという指示を与えてはいないのですよ。やはり国会においてこうして松本君が小佐野君を呼ぶ必要があると言うなら、委員会で主張されて、そして国政調査権に基づいて調査をされることは、これはやはり委員会においてお決めになって、そういう必要があるとするならば証人喚問をしてしかるべきだと私は思うのですよ。だから、やはり早く特別調査委員会を発足させて、そこで小佐野君に限らず、ほかでも疑問があるというならば、そういうことを徹底的に国会としても究明をしてもらいたいというのが私の願いでございます。
#340
○松本(善)委員 私が総理に伺っていることは、自民党としての判断であります。なぜかといいますと、これは単に国対の判断で、私はそういう指示はしてないと言われるだけでは済まないものであります。国政の根本問題で、この問題の解明がされるかどうかということは、日本の国政については重大な影響があります。その点についての総裁としての三木武夫氏の、三木総理の考え方というのは、この解明には重大な影響があるから聞いておるのであります。私は、その手続でありますとか、国会で決めればいいとか、そういうようなことを何度もあなたから伺うために質問をしているのではありません。自民党国対の方針は、新たな疑惑が出てこなかったから、先ほど三つの条件をお話しをいたしましたが……(「そのとおり」と呼ぶ者あり)いま、そのとおりという不規則発言がありました。あの小佐野氏の証言から、これは疑惑が出てこなかったのだ、こういう判断がいまの不規則発言でもあるわけです。自民党国対はそういう判断なんです。それでいいのかどうか。私はそういうような判断ではこの事件の解明は絶対にできない、こう考えておりますが、その点についての三木総理の自民党総裁としての御意見を伺いたい。これが私の質問であります。
#341
○三木内閣総理大臣 九名という証人の召喚、一日ですからね。皆さん一日でやるという。九名というのは多いですよ。だから特別委員会で、松本君は小佐野君の召喚を必要とするならば、大いに委員会で主張されて、委員会で召喚をされてしかるべきだと思いますよ。私はそれに対して拒否するようなことはしませんよ。委員会で、委員会の独自の見解に基づいて、そして究明すべき必要があるというものは大いに究明してしかるべきで、私は、これを呼んではいかぬ、これを呼べという指示はしないつもりであります。その運営はこの調査特別委員会の自主性に任せたいという考えでございます。
#342
○松本(善)委員 私は三木総理に何度も、この問題について自民党国対の考えを正しいと考えているのかどうかということをお聞きしているにもかかわらず――お答えになりますか。じゃお答えいただきましょう。
#343
○三木内閣総理大臣 私は国対から聞いてもないのですからね。松本君が国対がこう言っておった、自民党の者がこう言っておったということで、私自身が国対からそういう報告を受けてないのですから、その考えを、総裁としてどう思うかというようなことは、私はここでお答えする限りでない。直接私自身は聞いてないのですから。松本君はそういうことを聞かれたと言っても、あなたが聞かれたからおまえはどう思うかということで意見を述べるということは私は軽率に過ぎる。私が言っておることは、特別調査委員会ができるのだから、そこで小佐野君は必要だとするならばお呼びになって結構です、何も私はそれをとめるという考えはありません、こう言っているのですから。これは特別調査委員会の問題として取り扱ってもらいたいと思う。
#344
○松本(善)委員 これは非常に大事な問題でありますので詰めてお聞きしますが、総理のいまのお考えは、小佐野賢治氏を証人として国会で喚問することは、それはいいだろう。予算委員会では、これは自民党国対としてはできないというふうに言っているけれども、いい。そういう見解を述べられたということであるかどうか。これは自民党国対の方針をそのまま支持をするということではなくて、別な判断を持っておられるのか。その点をはっきり伺いたいのであります。
#345
○三木内閣総理大臣 今度できるロッキード問題調査特別委員会というものの私の願いは、そういうふうな特別委員会というものは、皆が党の立場とか党利党略というのでなしに、高い日本の政治の将来を考えるステーツマンシップを要求したいというのは、それを言っているのですよ。そこで自主的にいろいろ決められることに対して、私は小佐野君を呼ぶのはいかぬとかいいとか、そんな干渉は一切いたしません。必要であるというならば小佐野君を召喚してしかるべきでございます。
#346
○松本(善)委員 三木総理はまだまだ限定をつけてしか言われない。必要があればお呼びになればという話でございます。といいますのは、自民党国対は新しい疑惑が出なかった、こういう態度で……(「そのとおり」と呼ぶ者あり)いまも、そのとおりだ、こういう不規則発言がありますけれども、まさにそういう態度で、あの小佐野氏はそういう疑惑がないのだという態度で臨まれたのであります。だからこそ予算委員会においては非常に激しい対立になったのであります。しかも、それは単に与野党の対立、共産党と自民党の対立というようなものにとどまらないで、この事件の解明については本当に試金石のような重要なものであるからこそ三木総理に聞いているわけであります。私がこれだけ聞いても、自民党国対の方針は当然だというふうにはお答えにならない。当然ではない……。
#347
○三木内閣総理大臣 君の言っておることを自分自身は聞かないから、あなたが聞いたということについて……(発言する着あり)
#348
○荒舩委員長 私語を禁止いたします。
#349
○松本(善)委員 ではちゃんと聞きましょう。私の質問を最後までお聞きになって、そしてお答えいただきたい。
 自民党の国対の方針が当然だというふうに思っておられるのか、それともそれとは違う。それを、そういうふうに言うわけにはいかない、特別委員会でまた討議して考えてくれ、こういうふうに言われるのか。これは別のことであります。自民党国対の方針を支持して、それは国対の方針が正しいと思うというふうに言われるのと、いやそこは言わないけれども特別委員会で改めて論議をしてくれ、こう言うのとは違ったことであります。どちらであるかということを総理に明確に伺いたいのであります。
#350
○三木内閣総理大臣 国対から私自身がそのことを聞いてないから、松本君がだれがこう言った、何がこう言ったと言うことを、一々あなたの言を前提にして答えることはできないということで、それはやはり必要と考えるならば特別委員会で召喚して結構です、私はそれに対して何らの妨害を加えるようなことはいたしません、こう言っているのですから、それ以上どうして疑うのですか。
#351
○松本(善)委員 自民党国対のその方針について知らないというふうに総裁である三木さんが言われるというのは、まことに無責任であるというふうに私は思います。そしてここの委員会でも、私の発言について、それは違うなんという発言は一つもありません。そして現に、反対をしているにもかかわらず採決が強行をされました。
#352
○荒舩委員長 ちょっと待ってください。強行とかなんとかということは違いますよ。多数で決めたのだ。
#353
○松本(善)委員 反対しているにもかかわらず採決が行われました。そういう状況であります。それはここの委員会の状況を見てもわかるはずであります。私は、総理に自民党の国対の方針についての質問に素直にお答えいただけないと理解をしております。
 そこで、総理にお聞きしたいのですけれども、あの小佐野氏の証言を見て、総理がどのようにお考えになったかということを私は伺いたいのであります。先ほど総理は、アメリカの側の証言と日本側の証言とが全く違ったものであるというふうに言われました。これは小佐野氏の証言については、コーチャン氏の証言と比べて全く食い違ったものと考えておられるか、それとも一致した方向の証言と考えておられるか。これは国民の重大な関心事でありますので、お答えをいただきたいと思います。
#354
○三木内閣総理大臣 私が特に食い違いがあると思ったのは、コーチャン氏のアメリカの公聴会における一つの証言が、何か政府関係者に対して、何と言うのですか賄賂を渡すような、そういうようなことを何か示唆したとか、あるいはまたいかにもそういうことで渡されたような発言があったことを、私は非常に食い違っているという感じをひどく受けたわけでございます。
#355
○松本(善)委員 小佐野氏は最初は、コーチャン氏を告訴してもいい、こういうふうにさえ言いました。ところが、わが党の東中委員の質問に答えて、結局コーチャン氏と会ったときの話は記憶がない、あるいはコーチャン氏と会ったことを認め、さらにはコーチャン氏の話を初めは聞き流していたけれども、これはコーチャン氏の話がわかったと言い、そしてまたさらに全日空に対して機会があれば話してもいい、こういうふうに変わってきたのであります。告訴をするということになりますならば、これは当時の記憶を明確に覚えていて、そしてあの人の言ったことは間違いだということがはっきりしなければそんなことはできないはずです。ところが、その後の証人喚問の結果は、初めに言ったことは違っていると、これは非常によくわかるような経過になりました。総理は、この小佐野氏の証言についてどのようにお考えになっておりますか。
#356
○三木内閣総理大臣 まあ私も証言を全部聞いておったわけではないわけですが、いろんな証言についてこの証言はどういうふうに思う、この証言はどういうふうに思うということを、一つ一つの証言について私が一々答えるということは、そういうことになりますればこれは速記録ももっと読んで――テレビも私は全部見ておったわけではないのです。だから私が言っておることは、私は小佐野君をかばうという気はありません。疑問があるならば、これは将来においていろいろと究明されてしかるべきだ、それをひとつ特別委員会で大いにおやりくださっていいのではないか、こう言っているのです。そういうことですから、あの証言を全部どう思うか、こう思うかと私に一々感想を聞かれるということは、そういうことでありますれば、私もいろいろ速記録なんかももう一遍読んでみてお答えをしないと、人がこれは重大な宣誓をしてしておる証言ですから、それに対して私がいろいろ感想を述べるということはやはり適当ではないと思うのです。
#357
○松本(善)委員 この問題につきましては、普通の単なる証言ではなくて国政の根幹にもかかわるし、予算編成の大綱にもかかわるし、その解明については総理の姿勢というのが非常に大きな影響を与えます。たとえば国家公安委員長がどういうふうにこの捜査を指示をするか、あるいは検察庁に対する一般的な指示がどうあるかというようなことにも影響するでしょうし、大蔵省の税務調査がどうなされるかということは、これは総理の態度によって大きく変わります。
 私はだからこそ、この問題について総理はどう考えているかということを聞いたのでありますけれども、お答えいただけないようでありますのでさらにお聞きしますけれども、この問題につきましてはわが党の橋本参議院議員が、アメリカでチャーチ委員会のレビンソン法律顧問と面会をいたしましていろいろお聞きをいたしました。そうしたところが、このコーチャン氏の証言というのは児玉氏と小佐野氏からの報告に基づいて証言をしたのだ、こういう趣旨のことがありました。そういたしますと、このコーチャン証言のもとにあるのは児玉氏であり小佐野氏だ、こういうことであります。こうなりますと、この二人の証言というのは本当に大事です。この報告によりますと、ロッキード社は日本工作について事態解決のために具体的、適切な決定は児玉、小佐野の二人に任せていたんだ、これがレビンソン氏のお話なんです。そういたしますと、これは児玉氏の証言でありますとか小佐野氏の証言ということを聞かないでは、この事態の解明というのは絶対にできないのです。私は、総理大臣がそのような態度でこの証人喚問を、いま申されたような態度でこの証人喚問を見ておられるとするならば、この事件の徹底解明ということを口では三木総理は言われるけれども、これはなかなかそういうことでは進まないのではないかという疑惑をますます大きくいたすものであります。
 私は、この点につきましては委員長に申し上げたいのでありますが、総理もこの点については自民党国対の方針についてはまだ聞いてないというお話でありますし、疑惑があるならばそれはどんどん呼んでもいいんだ、こういう趣旨の発言もされました。私はこの点については、小佐野氏の喚問をさらに理事会で検討をされたいということを委員長に申し上げます。
#358
○荒舩委員長 承っておきます。
#359
○松本(善)委員 理事会で御検討をいただきたいと私は思います。
#360
○荒舩委員長 そうはいきません。承っておきます。
#361
○松本(善)委員 これは、私ども共産党は、最後までこの問題の、小佐野氏の喚問については要求をしていきます。(「そうはいきませんじゃない、承っておくんだろう」と呼ぶ者あり)
#362
○荒舩委員長 聞いておくだけだ。承っておくというのは聞いておくことだ。
#363
○松本(善)委員 もう一つ伺いますが、この事件の歴史的な経過に関することであります。
 四十七年に、この事件については非常に大きな事件が幾つも起こっております。八月の三十一日から九月の一日まで田中・ニクソン・ハワイ会談が行われました。そして十月の八日には、先ほど来問題になりました久保次官の発言で出ましたが、田中、後藤田、相沢間でPXLの白紙還元を決めたということです。十月九日にはPXLの白紙還元を閣議決定をしております。そして十月の二十四日には若狭全日空社長が官邸で田中前総理と会うということが起こっております。そして、十月三十日には全日空が新機種にトライスターを決定をしておるのであります。この九月から十月にかけてこのロッキード事件に関する問題は全部集中している。しかもこの間、この四十七年の一月から十二月にわたって、二十三回にわたって十一億七千二百万円の金がこのロッキード社から黒い金として流れておるのであります。しかもそのうちの九月から十一月までに集中をしております。十一月一日から六日までには毎日のように、合計六億の金が動いている、こういう事態であります。ですから、この八月の末から十月の末までに至るこの経過を見ますと、これはこの歴史的な経過、時間的な経過をこのロッキード社のコーチャン証言と比較して、一体どのように理解をしたらいいのかということが国民にとって非常に重大な問題であります。
 私は、三木総理に伺いたいのは、この点について、当時田中角榮氏が総理であったわけでありますけれども、この点については政府はどのように考えてこの疑惑を解明をしようというふうにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。(「質問がさっぱりわからぬじゃないか、われわれ聞いておってもわからぬよ」「わかる、わかる」と呼ぶ者あり)
 歴史的な経過を見れば、これはいま私が言うだけでなくて、マスコミでもどこでも論じられている問題であります。これがわからないなどと言うのは、これは意識的な発言でありまして、だれが見てもこの歴史的な経過からこの事件についての疑惑が起こっていることは明らかであります。この点については何ら意としない、何にも感じない、質問もわからない、こういうふうに三木総理がお考えになっているのかどうか。それはそれとして三木総理に対する評価であります。私は、それについての三木総理のお考えを伺いたいと思います。
#364
○三木内閣総理大臣 その時期にわたるいろいろな疑問に対しては、いままでも、きょうの午前中でもそういう経過に対して繰り返し質問が出まして、それに対してお答えをしておるのでございまして、何にもその経過というものに対してこれを政府は包み隠そうという考えはないのです。いままでこういう経過でございましたということを、質問に率直にお答えをしているわけでございますから、いろいろな疑問があったら、この点はどうかという具体的な問題点を御指摘になって御質問をしていただければ、これは私なりあるいはまた各ほかの国務大臣からお答えをいたします。
#365
○松本(善)委員 それでは具体的にお聞きしますが、いまの歴史的な経過から、あるいは西独の有力紙でありますとかあるいはニューヨーク・タイムズなどは、田中氏に疑惑が集中というふうに言っています。この点については、総理はそういうふうにお考えになっていないということでありますね。
#366
○三木内閣総理大臣 これは、どの新聞にこう書いておったから、それでおまえはこれに対してどう思うかというようなことは、私はこういう問題、一々新聞の記事に対して答えるべき立場ではない。
#367
○松本(善)委員 この時期のコーチャン証言によりますと、政府に影響力のある人にということで児玉氏や小佐野氏が動いているわけであります。この時期の、昭和四十七年前後、いま私が申しました、いろいろ諸経過があった時期であります。この当時に、児玉氏あるいは小佐野氏それから丸紅などから政治献金をもらった、そういう政府高官、これは政府が本当に、あるいは自民党が本当にえりを正して、そして疑惑を日本で解明しようと思うならば、これはどういう人があるかということも調べなければならないと思います。これは総理はそういうことに関心を持ってお調べになっているかどうか、お聞きしたいと思います。
#368
○三木内閣総理大臣 それは政治資金規正法によって届け出られておるわけでございますから、一般に公開をされておる事実でございます。だれの目にもこれは明らかに公開をされておる事実でございまして、関心を持つ、持たぬという、これはもう公開された事実でございます。
#369
○松本(善)委員 そういうふうにお考えになって、ただ政治資金が公開されているというだけでこの問題が済むというものではないと私は思います。いま国民が本当に、この質疑につきましても全国民の非常に多くの人たちが見ていると思います。一体総理はそういうことについては何ら――ただ公開されているから勝手に見たらいい。国民の前に、児玉氏や小佐野氏は閣僚やあるいは自民党の有力者の間に一体どういう関係があるのか、これを知りたいと思うのは当然だろうと私は思います。
 私はこの問題について、自治大臣、お調べになっているならばいま御報告をいただきたいし、それからもしお調べになっていないならば――昭和四十七年と、それからその一年前後でいいです。そのときに、自民党の、いまの閣僚や元閣僚に対してなされた政治献金、これについてお調べになっているなら御報告いただきたいし、もしお調べになっていないならば、本予算委員会の開会中にこの点についてお調べになって御報告をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#370
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。
 その問題は、これが出ますとすぐに調べましたが、いま私、ここに資料を持っておりませんからあれでありますが、しかるべき時期に提示をいたします。
#371
○松本(善)委員 正森委員に関連質問をお許しいただきたいと思います。
#372
○荒舩委員長 松本君の持ち時間の範囲内で正森成二君に発言を許します。正森成二君。
#373
○正森委員 伺いたいと思いますが、二十四日に、児玉譽士夫その他に対して押収捜索が行われました。これは被疑事実があると思われたからにほかなりません。その有力な証拠は、児玉譽士夫がロッキード社と六つの契約書を結んでおる、その契約書の署名が本人の署名及び本人がふだん使用している判に違いない、こういうように思われたからこそ、外国為替及び貿易管理法ですか、それから所得税法違反ということで押収捜索に踏み切られたと思うのですね。そういうぐあいに判断してよろしゅうございますか。
#374
○安原政府委員 検察庁は、いわゆる児玉譽士夫の所得税法違反事件について捜索、差し押さえ令状をもらったわけでございまして、この関係でございますが、どういう資料に基づいて嫌疑を抱いたかということは、いわゆる捜査の秘密でございますので、ここで申し上げるわけにはいきませんが、少なくとも被疑事実となりました脱税の額につきましては、先ほど横路委員の御質問にもお答えいたしましたように、いわゆる、いま正森委員御指摘の領収証によって受け取った金額が申告から外れておるということが嫌疑事実でございます。
#375
○正森委員 そうしますと、領収証に押されている判こというのは、ここにございますが、ロッキード社と児玉譽士夫氏の契約書に押されている判こと同じであります。しかも、これには本人の署名があります。
 そこで、私は伺いたいと思いますが、七三年七月二十七日付の契約書によりますと、P3対潜哨戒機に関する契約になっております。そして、この契約書によりますと、「総額二十五億円。まず新しいP3型機五十機の確定的な契約をロッキードが受けた時点で、十五億円を支払い、ついで前記の確定契約をロッキードが受けたのち六十日後と九十日後の二回に分割して各五億円ずつ支払うものとする。」、こうなっております。つまり、P3Cについて確定的な契約ができれば、児玉譽士夫は二十五億円の巨大な金額を受け取ることになっております。児玉譽士夫氏は明らかにロッキードの秘密代理人ということになっております。したがって、この金は公に受け取ることができない金であります。ですから、この金は明らかに、ロッキード社が日本の自衛隊に売り込んだ場合には、その中にやみで上乗せをして日本政府がロッキード社に払い、ロッキード社が二十五億円児玉譽士夫に払う、こういう関係の金であります。
 そこで、私は三木総理に伺いたいと思いますが、そういうことが契約書で明らかになっておるときに、日本政府はなおかつ、現在被疑者になっており、物について強制捜索をされている男について二十五億円もやみでもうけさせるようなP3Cの購入というのに踏み切る予定ですか。これは、現在の段階では断じてそういうものは購入しないということを言明すべきではありませんか。
#376
○三木内閣総理大臣 正森君もお聞き及びのどおり、こういう自衛隊の機種の選定について、いやしくも国民に疑惑を与えるようなことはしてはならない。したがって、この決定については慎重な態度をとりますというのが、私のいま申し上げておるとおりでございます。
#377
○正森委員 それは、私が二月六日に質問いたしましたときに総理がお答えになった答弁であります。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
しかし、そのときにはまだ児玉譽士夫とロッキードの間に結ばれたこういう契約書は出ておりませんでした。その後二月十三日にチャーチ委員会が明らかにした契約によって、ロッキードを日本政府に五十機以上売れば、二十五億円児玉譽士夫が利益として受け取るということが明らかになったわけであります。日本政府は天から降ってきた金でこれらの金を支払うのではありません。全部日本国民の血税であります。その日本国民の血税が右翼の戦犯に二十五億円、外国の大企業から裏で流れるということが明らかであるのに、なおかつP3Cを購入するというようなことを日本政府は断じてするべきではない、そういうように思いますが、新しい事態のもとで、その点について全国民の前に総理として確言をしていただきたいと思います。
#378
○三木内閣総理大臣 したがっていま、児玉自身のロッキード社との契約、こういう真相についてもこれは明らかにしなければならぬ。そしてまた、そういういろいろな疑惑を持っておるような問題については、機種を決めるときにはこれは国民の疑惑を受けるようなことのないように私はする、こう言っておるのですから、これはいろいろな手続も要りましょうから、私はそれだけの決意を申し述べておるわけでございます。
#379
○正森委員 それでは私は伺いますが、その後国会での審議を通じて、あるいは捜査当局の調べを通じて、児玉譽士夫とロッキード間の一九七三年七月二十七日の契約、これが真正に成立したものであり、かつこれはロッキード社において公に言われておるように、いまだ取り消されておりません。そういう事実が確定した場合には、日本政府は一定の手続を踏んだ上で疑惑を招いているP3Cを購入するようなことはない、こういうようにおっしゃっていただけますか。
#380
○三木内閣総理大臣 私はいやしくも国民に疑惑を受けるようなことのない決定をいたしたいという決意である、こういうことでございます。
#381
○正森委員 私は申し上げたいと思います。一国の国防とか安全というものは、一つや二つの対潜哨戒機を購入するかどうかによって決まるのではありません。疑惑を招かないで、全国民からこの国は守るに値する国である、こういうように思われることが第一であります。もしこの契約書が本当の契約であり、日本政府がP3Cを購入すれば外国の大企業、それは日本政府高官に贈収賄をした疑いがある、そして、その外国の大企業から二十五億円、結局は右翼の大物に裏金が入る、そんな金をわれわれは税金で払ったのだというようなことでは、断じて日本国民にこの国はわれわれの守るに値する国である、そういうぐあいに考えられないというのは明らかであります。
 永井文相に伺いたい。あなたは文部大臣として、もしこういうことが事実であるとすれば、小学校、中学校の生徒に、感じやすい高等学校の生徒に、これでも日本政府は正しいことをしている、P3Cを買うて、その金がロッキードから二十五億円、児玉譽士夫に流れておるが、なおかつこれは国防に必要なんだ、こういうことをあなたは文部大臣として子供たちに言えるかどうか、ここで答えてください。
#382
○永井国務大臣 私は、こういう問題がわが国の教育をきわめて混乱させていると考えますから、一日も早く真相が明らかになるということが重要であると考えます。しかしながら、すべての真相が明確でない段階におきまして、子供の年齢というものもあります、児童の発達段階などに応じて、それぞれ問題点を持ちながら考えさせるようにしていく。そして将来はこうした問題に対しても冷静沈着に対処していく国民をつくらなければいけない、かように考えております。
#383
○正森委員 私はただいまの御答弁は十分な御答弁になっておらないと思いますが、時間が少のうございますから先に移りますが、総理に私は申し上げたい。
 一月二十七日にアメリカの国防報告が発表されております。その中でこう言っております。「日本が西太平洋で対潜水艦作戦を遂行する能力を改善することは、日本の利益である。米国はこの分野で日米協力が増進することを希望する。」、こう言っております。
 だが、もしこの対潜水艦作戦を遂行する能力を改善することが、現在のような状況のもとでP3Cを購入することであるとするならば、まさにその寸前まで行っておるのです。それは日本国民の利益であるのではなしに、ロッキード社の利益であり、児玉譽士夫の利益にほかならないじゃありませんか。そういうことは私は日本政府として断じてあってはならないと思いますが、その点についての所見を承りたい。
#384
○三木内閣総理大臣 私は、正森君、しばしば繰り返しておるように、この問題はやはりきわめて重大な問題でございますから、いやしくも国民に疑惑を持たれるようなことはしない、こういう考え方の上に立って問題を処理しようとしておるわけでございます。
#385
○正森委員 私は、この事実が私が申し上げたような方向で真実であるならば、つまりこの契約が真正に成立したものであるならば、P3Cは購入しないような方向で考えるというような総理の間接的な決意の表明であると承っておきます。
 次に質問さしていただきますが、宮澤外務大臣に伺いたい。三木親書が伝達されるまでの間に、いかなる方法で、何回、だれに対して、米国政府に対して資料の要請をなさいましたか。
#386
○宮澤国務大臣 資料の要請状況といたしましては、二月四日に在米大使館から国務省へ、二月十日に在米大使館から同じく国務省へ、二月十一日にこれは東郷大使からインガソル副長官へ、二月十四日西田公使よりハビブ国務次官補へ、二月十八日東郷大使よりインガソル国務副長官へ。大体そういう経緯になっております。
#387
○正森委員 時間がございませんので申しますが、二月四日の在米大使館より国務省へは、私が外務省当局者を呼んで聞いたところでは、一体だれからだれへ言われたかもわからないそうであります。一体だれからだれに言われたのかわからないようなことで、本当に真相を明らかにするために資料を要請したということが言えるでしょうか。しかも、この五回はすべて口頭で行われて、一回も文書によって行われておりません。私は、一つ一つの内容について聞いておることを詳しくは申しませんが、少なくとも二月十八日までただの一回も文書で行われていないことは事実であります。そして、わが党の橋本参議院議員が二十四日にチャーチ委員会のレビンソン法律顧問に会いましたが、チャーチ委員会のレビンソン法律顧問はこう言っております。われわれは、この日本政府の資料提供の要請を正式のものとは受け取っておらない、正式のものであるならば、文書で国務省からチャーチ委員会に要請があるはずだ、だから口頭の場合には、われわれは承っておるけれども、正式のものとは聞いていない、こういうように明白に言っているわけであります。
 そうだとすれば、三木内閣が一生懸命全資料の提供を要請すると言われておりましても、それは決して国民の期待にこたえず、消極的であった、積極的ではなかったと言われても仕方がないではありませんか。それについてどういうようにお考えになりますか。
#388
○宮澤国務大臣 そのお尋ねは当たらないと思います。二月十日、十一日、十四日、十八日、二十四日、これは全部わかっております。二月四日何書記官がだれに伝えたかということは、これは調べればすぐわかるはずでございますから、必要でございましたら申し上げます、十日以降は全部わかっておりますから。
 それから、これを口頭でするか文書でするかということでありますけれども、内容の要求はきわめてはっきりしておりますから、文書でする必要は私はないと思います。文書ですれば、また文書で回答を求めるというような手間がかかるばかりでありますから、口頭でいたしまして十分であろうと思います。
 それから、レビンソン氏と橋本氏の会話はよく存じませんけれども、国務省にははっきりわが国の要請はしてあるわけでございます。
 SECが国務省から文書をもらうかもらわないかは、これはアメリカの内部の問題でございますから、けさほど申し上げましたように、国務省が国内の関係各部局と相談をしておるということはもうはっきりしておりますから、そのある段階で、それが両者の間で文書で行われるものかそうでないかは、これはアメリカ内部の問題であろうと思います。
#389
○正森委員 私は、賢明な宮澤外相にしては私の質問を正確に受け取っておらないと思います。私がだれからだれに伝えたかわからないと言ったのは、二月四日のことを言っただけであります。三月十日以後についてだれからだれに言ったかわからないというようなことは、私は一言も言っておりません。そういう問題を取り違えて、二月十日以後はだれからだれに言ったのはわかっておりますというような答弁は、私の質問に対する正確なお答えではない、こういうように思っております。
 また、宮澤外務大臣が文書で行わなくても口頭でもいいんだと言っておられますが、私が申しておりますのは、外務大臣や日本政府が口頭でいいと思っておっても、肝心のチャーチ委員会のレビンソン法律顧問が、文書でなしに口頭の場合には、これは正式の要請ではないと受け取っているということであります。そういうように相手側議会に対して正式の要請ではないと受け取られるようなことを二度、三度、四度、五度とやっているようなことは、これは日本の外務省としてはなはだ手落ちではないか、こういうことを言っておるわけであります。私はこういう点から考えますときに、外務省のやり方というのは決して国民を満足させるものではない、こういうことを指摘しておきたいと思います。
 そして、私は宮澤外務大臣に申し上げたい。三木総理が記者会見を十九日にされまして、さらに最近は親書を出されました。ところが、三木総理が記者会見をされたら、直ちに宮澤外務大臣は、捜査当局も要請しているから、米側資料の開示を受けても、捜査の秘密上開示できないものがあるのは当然であるという意味のことを言って、今度は日本側が資料を受けてもこれを開示しない、こういうことを言って、報道で伝えられるところによれば、閣議の中でさえこういうことは誤解を招くというように批判があったと聞いております。
 私は三木総理に申し上げたい。全国民はこのことを注目しております。われわれは、捜査官が供述調書をとった一々の供述調書の内容を全国民に明らかにしなさいとか、こういうようなことを申しているのではありません。しかし、少なくも米側のチャーチ委員会やその他がいま持っておる資料、国会も決議して要請しましたそれが日本政府に提供された場合には、捜査当局に渡すのはもちろんでしょうが、同時に国会に明らかにするのは当然ではありませんか。それをあたかも捜査の必要上明らかにしないことがあり得るというように仰せられるのは、これは国会の権威というものを重んずるゆえんではない、こう思いますが、三木総理はどのように考えられますか。
#390
○三木内閣総理大臣 午前中の御質問にも答えましたように、日本の政府は公開の前提のもとに、アメリカ政府に対して政府関係者の氏名も含めて資料の提供を要求しておるわけでございます。したがって、アメリカが外交ルートを通じて、そして正式の回答があるならば、その回答の中に資料が含まれておるならば政府はこれを公開をいたします。これは政府の方針でございます。
#391
○正森委員 私が危惧いたしておりますのは、報道によりますと、政府筋は、「(米国から資料が渡されたとしても)米国の資料がすべて正しく、信頼できるという保証はない。当然、わが国の方で裏付け調査をやる必要がある。その場合、捜査上からみても、資料はあくまで非公開とし、証拠固めを進めていくのが常道である」、こういう言明をした当局者がおるようであります。私は万が一こういうことが言われるなら、たとえば十六、十七の国会での証人尋問でも明らかなように、コーチャン氏の証言と大久保氏と伊藤氏の証言は明らかに食い違っております。その場合に、米側の資料はこれは信用が置けないんだということになれば、結局コーチャン氏の公聴会の記録すら公表すべきではないというようなおかしな結論になるではありませんか。ところが捜査当局は、大久保、伊藤の証言の方が怪しいと思ったればこそ大久保氏、伊藤氏の自宅に強制捜査を行ったのでしょう。ですから、私はこういうことを言う政府当局者の見解というのははなはだしく間違っておるのではないか。何が正しいかということは、国会にも公示して、国会でのいろいろな審議の中でこそ明らかにすべきであって、一、二の政府当局者が、いやこれは米側が正しい、いやこれは日本側が正しい、だからこれは明らかにするがこれは明らかにすべきではない、こういうことを一行政当局が決めるべき問題ではない、こういうように思いますが、念のため総理の見解を承りたい。
#392
○三木内閣総理大臣 総理大臣として答えておるのですから、外交ルートを通じて正式な回答がアメリカの政府から日本の政府にあった場合は、その中に資料が含まれておるならばこれを公開いたします。
#393
○正森委員 そこで、私は申し上げたいと思いますが、本件において非常に重要なかぎを握っておるのは児玉譽士夫であります。この児玉譽士夫及び国会で喚問されている福田太郎は、両方とも偶然というか何というか、東京女子医科大学教授喜多村孝一氏の診断によっていずれも出頭が不可能である、また捜査にも耐えられないという診断書が提出されております。だが、この診断書は果たして万人が納得し得るものであるかどうかということは、十分に考えてみなければならないと思います。
 そこで、私は捜査当局に伺いたい。病気であって、その主治医がたとえそれが有名な私立医科大学の教授であろうとも、主治医である以上主治医は主治医であります。客観的な医師ではない。そういう場合に、他の医師によって診断をした上で人に対する強制捜査にも耐え得る、こういう場合には断固とした処置をとるべきであります。それが全国民の要望していることであると思いますが、いままで著名な事件で、病気であってもなおかつ第三者の診断を得た上で人に対する強制捜査、すなわち逮捕を行った例がありますか。それについて伺いたい。
#394
○安原政府委員 お答えいたします。
 さような例はそう少なくなくあると思いますが、著名な事件につきまして、その氏名は差し控えたいと思いまするが、たとえば昭和四十一年の八月に東京地検が、多額に上る金員等を喝取あるいは詐欺した疑いを持たれておる入院中の被疑者を逮捕したことがございます。この場合には、逮捕のときに検事の同行した医者が被疑者を診察いたしまして、逮捕、勾留に耐え得るとの診断を得て逮捕したのであります。
 そのような例は、もう一つ著名な事件としては、四十二年の十二月に、大阪地検が捜査中の収賄の被疑者につきまして、当該被疑者が東京都内の病院に入院中、その検事の同行いたしました医師の診断を得た上で、被疑者の同意のもとに大阪市内の病院に転院させた上、さらにその病院の医師に診察をさせまして、安静を保ち得るならば逮捕可能であるとの診断を得て逮捕した、というような事実がございます。
#395
○正森委員 その四十二年の事件は、被疑者は代議士であって、院の許諾を得た上で逮捕したのではありませんか。
#396
○安原政府委員 御指摘のとおりでございます。
#397
○正森委員 代議士であって院の許諾を得なければならない場合で、しかも病気の場合であってもこういうことが行われた例があります。しかも本件は、外国にまたがり、国の主権に関係し、一国の名誉に関係する事件であります。そうだとするならば、政府当局は国民の輿望にこたえて真相を究明するために、病気であるという理由でまだその人間の供述も得られないというような状態を長く続けるべきではありません。しかるべき時期に、人に対する強制捜査を含めて、断固として捜査を行うべきであると思いますが、それについての御決意を承って、時間でございますから、私の質問を終わりたいと思います。
#398
○稻葉国務大臣 お答えします。
 検察当局は、すでに嫌疑ありとして犯罪の捜査、処分をやろうとして、行っているわけです。本来検察庁は、犯罪の捜査、処分を行うことをその職責としているのですから。しかし、個々の事件の捜査や処分に関しては、すべて検事総長を信頼し、かりそめにもそういうことについてああせいとかこうせいとかいうことはしませんけれども、すでにやっているのですから、御信頼をいただいて、そういうことも十分あり得るというふうに御信頼いただいて結構です。
#399
○正森委員 国民の輿望にこたえられんことを希望いたします。
#400
○正示委員長代理 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。
 次に坂井弘一君。
#401
○坂井委員 いま国民は、ロッキード事件の真相解明に厳しい監視の目を向けております。この事件がどのような結末を見るといたしましても、政府、捜査当局は国民に対して納得のいく説明をしなければならない、これは当然のことと思います。同時にまた、国際的見地からも、あるいはまた国内世論の上から見ましても、事件の真相解明ということは急がなければならない。
 そこで、近く予定されます証人喚問の場を実効あらしめるために、本日私は政府に対しまして幾つかの具体的な問題を提起したいと思います。どうか、捜査上の秘密であるとかあるいは公務員の守秘義務等を盾にとられまして御答弁を避けたりあるいはあいまいにしたりすることのないように、最初にお願いをいたしまして、以下順次質問をいたしたいと思います。
 五点ございます。第一点は、小佐野、児玉の大韓航空を通じての全日空、日航との具体的な関係。二つ目、丸紅とロッキード社関係の代理業務契約書による事実関係。三つ目、千葉県袖ケ浦カンツリークラブを舞台とする丸紅、ロッキード関係ないし小佐野、児玉等との関係。四つ目、検察、警察、国税三者合同捜査の内容。五つ目、国会決議と三木親書による公開の問題。以上であります。順序に従いましてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 最初に、運輸省に確認をしながらお答えをいただきたい。日本航空から、ボーイング727三機のリタイア、つまり退役をさせました、このときの申請、つまり事業計画変更認可申請が出されたのが昭和四十七年の三月七日であります。認可は同じく三月三十一日であります。それから間もなく日本航空と大韓航空の間でリース・パーチェス契約、これは非常に長ったらしい客前になりますが、購入切りかえ選択権につき賃貸契約、これが結ばれたのが四十七年の五月二十日であります。その直後、四十七年七月六日には小佐野氏が大韓航空の株を取得し始めまして、九・九%持っております。ここでお尋ねをいたしますが、小佐野氏は、事業計画変更認可ないし購入切りかえ選択権つき賃貸契約、この契約にいかなる役割りを果たしたか。監督官庁でありますところの運輸省はよく御存じと思いますので、この際お伺いをしておきたいと思います。
#402
○中村(大)政府委員 先生御指摘の、日本航空から大韓航空へボーイング727三機の譲渡について小佐野氏がどのような役割りを果たしたかということについては、一切存じません。
#403
○坂井委員 一切知らない。私の方から申し上げながらさらにお伺いをいたしたいと思います。
 韓進商事の趙重勲会長、この方が大韓航空を買収したのが昭和四十六年であります。申し上げるまでもなく、韓進商事はベトナム戦後半期に韓国から大量の兵員、資材あるいは労務者を輸送をいたしまして、担当いたしております。このときに手持ちの航空機が間に合わない。そこで日本航空から航空機を借りてもらいたい、こういう要請が小佐野氏になされた。このことを一切承知していないということでございますか。
#404
○中村(大)政府委員 承知いたしておりません。
#405
○坂井委員 話を進めます。
 航空機の譲渡には、いわゆる日航法によりますところの認可を当然必要といたします。認可の申請の年月日、認可年月日、これをお答えいただきたい。
#406
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
 日本航空株式会社法第十二条による譲渡の申請は四十九年十二月二十五日でございます。認可は翌年、五十年一月二十日でございます。
#407
○坂井委員 その際、大蔵大臣は運輸大臣より協議を受けたはずであります。これを認可する理由としたものは何でしょうか。
#408
○大平国務大臣 いま手元に材料を持っていないようでございますので、至急調査してお答えいたします。
#409
○坂井委員 お答えがございませんので、調査の上大至急に御回答いただきたいと思います。この問題に関連いたしまして質問を続けます。
 ロッキード社と児玉の第三次改定合意書、第三次分のコンサルタント契約であります。つまり、大韓航空へのトライスター売り込みに関する契約でございますが、これが成立いたしましたのが四十八年七月六日であります。いま私が申しました日航と大韓航空のリース・パーチェス契約、これが四十七年五月二十日でありますから、およそ一年余り後に第三次コンサルタント契約が合意されておる。この第三次改定合意書の第四項A、これは「新しいL一〇一一型機二機以上六機までについて最初の確定的な購入の発注が行われるか、ロッキードあるいは全日本空輸による大韓航空会社へのリース契約が成立しだい、日本円十億円を支払う。」というものであります。すでに御承知のとおりであります。
 そこで、この四十八年七月六日の第三次改定合意書により大韓航空に対する売り込みを合意しているわけでございますけれども、いまの契約内容の中で、全日空による大韓航空に対するリース契約も含まれているわけでありますが、このことにつきまして調査をされましたか。同時に、このリース契約についてどう考えるか、お答えをいただきたい。
#410
○中村(大)政府委員 現在までの調査では、先生御指摘のような事実はございません。
#411
○坂井委員 調査をする、捜査をする、事件の解明、真相究明を図ると言いながら――これは非常にはっきりした事実の上に立って、つまり、日本航空がボーイング727三機、これを大韓航空にリースした。そして売り払った。この間介在したのは小佐野氏である。同時に、それから波及いたしまして、下って、第三次改定合意書の中には全日空から大韓航空に対するリース契約が含まれておる。しかも、リースが成立次第、機数にかかわらず日本円でもって十億を払う。これほど際立ったことに対して、この辺のいきさつ、事情について調査していないとは一体何たることですか。
 進めますが、昭和四十七年七月一日、運輸省は各航空会社に対して通達を出されました。この通達を見ますと、第二項「輸送力の調整」。読みます。「国内幹線およびローカル線における各社の輸送力は、一定の基準を超える需要増の見通しが明らかとなった場合、その増便を認めるものとする。この場合、各路線の総合平均利用率(幹線約六五%、ローカル線約七〇%)を、当面の増強基準とする。」、これはきわめて明確な通達による行政指導であります。
 全日空がトライスターを二十一機導入しようと計画をいたしました。その間、仮契約、本契約、手続はいろいろと踏んでくるわけでございますけれども、いま、すでに本契約が成立いたしまして全日空が導入した機数は十六機であります。果たして二十一機、いまの通達に照らして必要であったかどうかという問題が今回のリース契約、第三次改定合意書における全日空と大韓航空の間を取り持つこの児玉のリース契約に非常に深いかかわりがある。航空関係専門筋の話によりますならば、少なくとも、いま申しました通達に基づく全日空の必要な的確な機数は十四機である、こういう有力なる証言を実は得ております。しからば、なぜ二十一機も必要としたのか。ここに第三次改定合意書のなぞがある、私はそう見るわけであります。
 お尋ねをいたしますが、全日空から大韓航空との間のリース契約につきまして、運輸省に何らかの相談はありましたか。
#412
○中村(大)政府委員 ございません。
#413
○坂井委員 しからば、全日空と大韓航空との間ないしはその間に介在する小佐野氏、この関係においてリース契約の話があったということ、そのような事実があったということについて聞かれておりますか。
#414
○中村(大)政府委員 聞いておりませんでした。
#415
○坂井委員 調査する意思はおありですか。
#416
○中村(大)政府委員 できる限り調査をいたしたいと存じます。
#417
○坂井委員 できる限りじゃなくて、私は事実の関係として申し上げているわけでありますから、早速に調査をいたしますと、お答えになってしかるべきじゃありませんか。
#418
○木村国務大臣 いまお話しになりましたような事柄につきまして、全日空に照会をして調査をいたしたいと思います。
#419
○坂井委員 先日の証人喚問の後、小佐野氏がどこへ行かれたかについて把握されておりますか。
#420
○木村国務大臣 私は、小佐野氏がどうしておるか知りません。
#421
○坂井委員 調査の上、報告をいただきたいと思います。
#422
○木村国務大臣 これは、私からそういうことをする筋合いではないと思いますので、適当な方にひとつ御質疑いただきたいと思います。
#423
○坂井委員 では、責任のある方お答えいただきたい。法務大臣でしょうか。
#424
○福田(一)国務大臣 まだ容疑者になっておりませんので、私の方として調査をするわけにはまいりません。
#425
○坂井委員 証人喚問された小佐野氏のその後の動静について、どこへ行ったかについて、容疑者ではないから調査することはできない、そういう消極姿勢で果たして国民が納得できますか。あなたがそうおっしゃるならば、われわれの方で調査した件につきまして証人喚問の場において、小佐野氏の再喚問を求めて、その場で明らかにしたいと思います。
 では次の、二点目の問題に入ります。
 実は丸紅につきましては、あの狂乱物価の際、多額の脱税行為があったということ、これは本委員会においても明らかにされました。十数億、重加算税の追徴総額が四十三年から四十七年の間、三億五千数百万円。あのときの調査は確かに通常の調査。任意調査であったと思います。今回の事件で国税当局が行っている調査も、やはり同じような任意調査であります。果たしてこのような任意調査で国民が期待し、かつ真相解明に結びつくような調査ができるかどうか、はなはだ危惧をいたします。
 法人税法第百五十六条、この前に百五十三条がございまして、当該職員の質問検査権、これを規定してございますが、この百五十六条は「前三条の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」、つまり犯罪捜査に生かすことができない、こういうたぐいのものであります。当然私は国犯法に基づくところの強制査察に切りかえるべきであるということを主張するわけでございますが、当局はいかがでございますか。
#426
○中橋政府委員 丸紅につきましては、先ほどもお答えしましたように、本年の一月十九日から法人税法によりますところの調査をやっておるところでございます。それにつきましていろいろ資料その他を総合検討いたしておりますが、国税犯則取締法を発動いたしますためには、それ相応の疎明資料、犯則事実の容疑が必要でございます。そういう段階がございますればまた国犯法の発動ということも考えられますが、今日はそういう段階になっておりません。
#427
○坂井委員 切りかえることもあり得ると、こう解します。したがって、具体的な問題に入ります。
 丸紅がロッキード社に対しまして、元丸紅東京――これは支社と言わないと丸紅さんどうも気に食わないらしい。東京支社と正確に申し上げておきましょう。その大手町ビルの一部を無償で提供しておる。このことについては、すでに調査されていると思いますが、この際、その内容について明らかにできる部分についてはお答えをいただきたいと思います。
#428
○中橋政府委員 無償でオフィスの一部を貸与いたしますと、借りておる方はそれに伴いますところの受益があるわけでございまするけれども、それを受益いたしました場合にはまた支払いますから、いわばツーツーの勘定になりまして損益計算が起こらないわけでございます。出しております方、いまの問題で申せば丸紅でございますが、これはいわばその利益部分というのを贈与しておることになるわけでございます。贈与いたしますれば、法人税法によれば寄付金の限度計算を超えます部分は損金に算入できないわけでございまするけれども、その部分につきましても、いわばロッキードと丸紅の間におきまして、丸紅が代理店としてのいろいろな活動をやります、そのための手数料の収入というのを上げるわけでございまするが、それを上げますところの経費という部分に考えられまするので、この点についても損金算入というのは妥当というふうに考えております。
#429
○坂井委員 同じビルの七階にジャパン・パブリック・リレーションズ、社長は福田太郎氏でありますが、この事務所については有償でしょうか、無償でしょうか。御調査されましたか。
#430
○中橋政府委員 有償でございます。
#431
○坂井委員 契約内容、賃貸借料、それを示してください。
#432
○中橋政府委員 手元に詳細な資料を持っておりませんので、お答えできかねます。
#433
○坂井委員 三十三年八月一日に結ばれました丸紅とロッキード社の代理店契約、代理業務契約書がございます。おわかりと思いますが、この契約の内容について要点をお示しいただきたいと思います。
#434
○中橋政府委員 税務調査上、そういう契約の内容は調査の際に知るわけでございまするけれども、それにつきましては一々はお答えできないわけでございます。
#435
○坂井委員 捜査当局がこの契約書を押収されたのはいつですか。
#436
○岸田政府委員 ロッキード社と丸紅との間の代理店契約につきましては、御指摘ございましたように三十三年八月に当初の基本契約を結びました後、逐次品目の追加、契約内容の改定を重ねてまいりまして、御指摘のトライスターに関する代理店契約は四十七年十一月に改定挿入されておるわけでございます。で、この代理店契約の内容といたしましては、トライスターの日本向け販売に関する各種の調査あるいは便宜供与等に関して市場サービスを行うというようなことが内容になっておるわけでございます。
#437
○坂井委員 その内容の要点につきましてあらまし申します。
 この契約第四条、AからHまで八項ございますが、丸紅のつまりロッキード社に対するサービス義務条項が規定されているわけであります。特にG項、H項、ここには具体的に代理店が負担しなければならない実務サービスについて触れております。
 その中身は、丸紅は大手町ビル内に必要な施設を完備した二千五百平方フィート――これは約二百三十平方メートルになります――以上の広さを持つ事務所を無償でロッキード社に提供しなければならず、その事務所の照明、暖房、電話等すべての管理サービスを伴わなければならない、こう明示されているはずであります。同時に、丸紅はロッキード社員あるいはロッキード・エアクラフト・アジア社の社員が日本国内で使う乗用車を運転手つきで提供する、これも義務条項であります。いかがですか。
#438
○岸田政府委員 そのような内容が含まれておると承知しております。
#439
○坂井委員 したがって、ここで想起していただきたい。通常の場合、無償貸与は受贈益を生むことはこれは当然であります。先ほど国税庁から御答弁はいただきました。しかし、考えてみますと、いまこの時価相覇評価額は、たとえば福田太郎氏の事務所は約六十坪あります。一坪一万八千円、一カ月大体百八万だろう。年間にいたしまして千二百九十六万円、これが今日まで十七年間でございますから二億二千六百万余、こういう時価相当評価額が出てくるわけであります。これがことごとくただであった。こういうことから踏まえて考えますと、かつて無償貸与ということで問題になりました田中角榮氏、新星企業との間において受贈益を生じておったということ。ただで借りた物、これは税法上やはりそれなりのいわゆる雑所得としてこの場合には――前回はこれは税として後ほど捕捉されたはずであります。今回は法人対法人である。しかもこの所有者は三菱地所であります。そういう関係において非常に複雑であるということは言い得るかと思いますけれども、しかしながら、少なくとも常識で考えましても、これだけ長い期間にわたりましてこのような場所を、事務所を無償で提供を受けてきた。これはただならぬ仲であるということは容易にだれしもがそう思いますし、同時にまた、丸紅からするならばまさに屈辱的なサービスを強いられたということも言い得るわけであります。税の上でもし問題がありとして調査をするならば、少なくとも、これらの点に対しまして、一般的に言われるような、先ほどの御答弁にあるようなことではなくて、なお一歩立ち入った税の調査をする必要があるのではないかということを私は申し上げているわけであります。この点につきましても、やがて証人が出てまいりますので、その際に明らかにしていきたいと思います。
 大久保、伊藤前専務はクラッター氏あるいはエリオット氏と頻繁に会っている。その場所は丸紅の本社あるいは都内のホテル、これはパレスホテル、ホテル・オークラ、あるいは近郷のホテル、さらに首都圏のゴルフ場、こういう所で頻繁に会っておるということでありますが、捜査当局はその事実について調査を進められていると思います。いま申しましたことにつきまして、具体的な内容にまで触れられることはできないかと思いますが、少なくとも会っているという事実についてはお認めになりますか。
#440
○土金政府委員 ただいま御指摘の点のような問題も含めて、事項も含めて、現在捜査をいたしておるところでございます。
#441
○坂井委員 冒頭に私具体的な一つの事例として挙げました千葉県袖ケ浦カンツリー倶楽部、ゴルフ場、お調べになりましたか。
#442
○土金政府委員 どういう点についてどういう事項をいつ調べるかということにつきましては、これは捜査の秘密に属すると存じますので、ただいまここでいつそういうふうな点を調べたかどうかというふうな点について具体的に申し上げることは差し控えさしていただきたいと存じます。
#443
○坂井委員 ここに会員名簿があります。会員の名簿については御存じですね。
#444
○土金政府委員 会員名簿の点については存じ上げません。
#445
○坂井委員 少しだけ中身を言っておきたい。
 まず、会員。J・W・クラッター氏、A・S・クラッター氏、J・A・デビッドソン、これは後で変更になっております。丸紅の檜山、近藤一雄取締役、伊藤太一郎副社長、森田得三取締役、市川忍元会長、こういう人たちが会員であります。このことだけをもって私は問題としているわけでは実はございません。四十四年から四十七年に、ここに鬼俊良氏、クラッター氏、丸紅関係者、頻繁にこのゴルフ場を使っておるということにつきまして御調査されていないということでございましょうか。
#446
○土金政府委員 ただいま申し上げましたとおり、そういう具体的な問題につきましてはただいま鋭意捜査中でございますので、そういうふうな問題につきましてこの席で逐一申し上げることは差し控えさしていただきたいと存じます。
#447
○坂井委員 メンバー表、ビジター表を見れば瞭然であります。お調べになりますか。
#448
○土金政府委員 捜査上必要があれば当然捜査いたします。
#449
○坂井委員 大久保、伊藤氏からは事情聴取されますか。
#450
○土金政府委員 捜査の進展に従いましてそういうことにもなろうかと思いますが、現在の段階では何とも申し上げられません。
#451
○坂井委員 クラッター氏につきましてもお答えは同じことでしょうか。
#452
○土金政府委員 同様のことでございますが、現在外国にいるようでございますので、できるだけそういうふうな点についても努力いたしたい所存でございます。
#453
○坂井委員 証人喚問の場において逐次明らかにしたいと思います。捜査当局のお答えがいただけないのは、きわめて残念であります。
 さて、東京地検特捜部が、児玉氏が四十七年度分のコンサルタント料五千万円、これをロッキード社から受け取ったことを裏づける明細書らしき物証、これを押収されたと報道されておりますが、事実ですか。
#454
○安原政府委員 お答えいたします。
 児玉譽士夫の所得税法違反につきまして、児玉宅ほか十一カ所につきまして東京地検が捜索をやったわけでございますが、何分多数の押収の証拠書類等がございまして、いまそういうものが入っているかどうかについて報告を受けておりません。
#455
○坂井委員 同じく検察当局、きのう四十七年の日付のある額面約四千万円の預金証書を押収した。これも報道でありますが、事実でしょうか。
#456
○土金政府委員 その点についてはまだ聞いておりません。
#457
○坂井委員 なぜ私がこのことを申し上げるかといいますと、来月十三日がいよいよ時効であります。脱税で起訴することになりますならば、時効の停止。そこで三月十三日以降になっても追起訴という形で公訴提起は可能になる、こういうことであります。したがって、少なくとも今日の捜査段階の中で脱税の被疑、容疑、これはきわめて高い。したがって、十三日の時効はこれは停止になる。三月十三日以降においても追起訴という形で公訴を提起する、こういう判断に立たれておりますか。いかがでしょう。
#458
○安原政府委員 御指摘のように、捜査の結果、昭和四十七年分について犯罪の容疑が、確証が、証拠が収集できました場合には、三月の十五日までに公訴を提起いたしませんと時効が完成するということに相なるわけでございまして、目下鋭意捜査中でございます。そして公訴を提起いたしますれば時効の進行は停止するわけでございます。
#459
○坂井委員 その見通しを持つかどうかということについてお伺いしているわけであります。的確なる御答弁がいただけません。きわめて残念であります。
 児玉の容態につきましては、主治医の喜多村教授が立ち会って確認されているようでありますけれども、近く警察医を派遣いたしまして臨床尋問に踏み切る、こういうことも考慮されているということでございましょうか。
#460
○安原政府委員 お尋ねの点でございますが、ただいま法務省といたしましては、検察当局から児玉譽士夫の取り調べの見通し等につきましては報告を受けておりませんので何とも申し上げかねますが、少なくともその必要があるとすれば適切な措置を講ずるものと存じております。
#461
○坂井委員 四十八年度、四十九年度分のコンサルタント料脱税の証拠固めができているかいないかについて聞いても、恐らくお答えは返ってこないと思う。一点だけお伺いいたします。
 コンサルタント契約書と仮領収証、ここに押された児玉の丸印は完全に一致したと言い得ますか。
#462
○土金政府委員 御質問の丸印につきましては、残念ながら対照をすべき資料がございませんので、その点についてはまだ措置をとっておりません。
#463
○坂井委員 それでは角度を変えます。
 福田太郎氏の証言によりますならば、児玉氏がロッキード社とコンサルタント契約を結んでいたことがすでにはっきりいたしております。立ち会ったと。相手方はクラッター氏であります。したがって、そういう事情聴取により聴取し得た重要な証言だと思いますが、この証言から見て、少なくとも児玉に対する総額十億余の脱税容疑、こうなっておりますが、これはきわめて高い容疑を超えたものであろうと思う。これがはっきりいたしませんと、捜査当局並びに税務当局の査察調査、捜索によりまして今回の事件が核心に触れることなく、きわめてあいまいに葬り去られるという心配を実はするわけであります。つまり来月の十三日に時効が来る。おそらく鋭意税務当局、検察、警察、それぞれの三者が進めているであろうということを認めるにやぶさかではございませんが、ただその間、なお一歩意を決した、そしてさらに事実を解明しようという強い行動の中に、初めて事件の全貌が明らかにされるということだと私は思います。どうもお答えをちょうだいする中で感じますことは、いかに捜査上の秘密とはいえ、すでに手を入れなければならない問題に対して手が打てていない、実はそういう感を深くするわけであります。どうか、そういう点につきまして十分私が具体的に申し上げているわけでありますので、そういう意をひとつくみ取って捜査を進めていただきたい。強く要請したいと思います。
 三木総理に伺いますが、伝えられます米国政府は裏づけのない限り公表しない、いわゆる留保条件つきでしか日本政府に資料を渡さない、こういう見方が非常に強まってきておる。けさほどからの御答弁の中にも出たわけであります。総理のあのフォード大統領に対する書簡、この中の「私は、関係者の氏名があればそれを含めて、すべての関係資料を明らかにすることの方が、日本の政治のためにも、ひいては、永い将来にわたる日米関係のためにもよいと考える。」。ここで「私は」という一人称の主語があるわけでございますが、英訳の中には主語が消えてしまった。公開を一体だれがするかという主語のない表現にとどまっているようであります。総理はそのことを御存じですか。
#464
○三木内閣総理大臣 先ほども午前中に私は御答弁をいたしたわけですが、日本の政府は、公開を前提にしてアメリカの政府に対して正式に資料の提供を要請したのですね。アメリカに対して要請しておるのは資料である。アメリカが持っておる資料をひとつ日本に対して通達してもらいたいという要求をしておるのであって、それを日本が手にもらえば、公開をするのは当然に日本が公開をするわけであります。アメリカに要請しておるのは資料の提供である、公開は当然日本の政府がするということでございます。
#465
○坂井委員 非常に微妙な国内向けとそれからアメリカ向けの使い分けをしているのではないか、というようなことが実は言われるわけであります。そうしますと、全資料が、つまり高官名を含むそれが仮に提供された場合、総理はその扱いにつきましては、もしアメリカから条件がついてくるならば、その条件に従わなければならぬ、あるいはまた協議をする場合もあり得る、こういう御答弁でありました。一方、国会におきましてもあのとおりの決議のあることは総理はよく御承知のとおりであります。
 言うまでもなく、国会は国権の最高機関であります。少なくとも総理は、先般来のあの証人喚問、それからまた本日のロッキード事件に対するこの質疑、こういう経緯を踏まえられまして、国会の場、つまり予算委員会ないしは次に予想されますロッキード事件の特別委員会、その場に総理が手にしました全資料を提出される御用意はありますか。
#466
○三木内閣総理大臣 私はあの書簡にも述べておりますように、このことを明らかにすることが日本の民主政治の将来のためにも、日米関係の将来のためにもいいと考えておるわけです。心からそう考えておるわけです。したがって、正式な外交ルートを通じてアメリカ政府が日本政府に渡された資料はこれを公開をするということ。ただ、その場合に向こうから条件がつけられておれば、これはやはりその条件というものに従わなければなりませんが、条件がついてない限りはこれを速やかに公開をして、公開はどういう形にいたしますか、いろいろな、いま坂井君の御指摘のような場もございましょうが、とにかくこれを公開するということでございます。
#467
○正示委員長代理 時間ですから、手短に……。
#468
○坂井委員 私はその手順について聞いているわけであります。米国から高官リストが提供された場合、だれの手によって開封されるか、そして開封されたリストは一体どこへ渡されるのか。総理が国民に公表を約束されているわけでございますから、この高官リスト、これを公表するに至るその手順について、少なくともこれを国会の予算委員会あるいは特別調査委員会、この場にはそのままそっくり手渡されてしかるべきではないでしょうか、こうお尋ねしているわけであります。
#469
○三木内閣総理大臣 チャーチ委員会も、政府が受け取ったわけですから、それを国会にも提出をいたしましたから、そういう形をとって適当だと思います。
#470
○坂井委員 終わります。
#471
○正示委員長代理 これにて坂井弘一君の質疑は終了いたしました。
 次に河村勝君。
#472
○河村委員 初めに総理にお尋ねをいたします。
 三木さん、あなたは総理大臣であると同時に自民党の総裁であります。それも、少なくとも衆議院では絶対多数を持っておる自民党の総裁であります。これはいつでもそうでありますけれども、今回の事件に関してはこのことが特に重大であります。それは今回の事件が、少なくとも疑惑が自民党の中に向けられている、そういうことですね。ですから、もし疑惑が本当のものであれば、その場合には自民党の中に各種の複雑な事情が生ずることは、これは私は不思議ではないと思うのですね。
 それで、今回の事件が起こってから、民社党としましては、当初から特別委員会を設置して、そこで腰を据えて徹底的に究明するという主張をやってまいりました。でありますけれども、今回自民党からの特別委員会に移そうという提案に対して無条件に応ずることができなかったのは、それはそこに大きな懸念があるからであります。
 先ほど総理は、特別委員会に移してもあくまでも特別委員会の自主性に任せる、こうおっしゃいましたね。理論的にはそのとおりだと思います。しかし、今度の場合はそう簡単ではないのですね。特別委員会の自主性というものが党内のいろいろな事情によってそれが曲げられるというおそれが私はないとは言えないと思う。そうなりますと、特別委員会に移したことによって今後いろいろな証人喚問等をやる場合に非常に大きな障害になります。それはもちろんわれわれの要求を何でも聞けという意味ではない。妥当な要求に対して、それすら曲げられるようになったら、これはもう国会の機能、調査機能は麻痺してしまうのですね。ですから、この問題に関しては特に三木総理大臣に本当に覚悟が必要なんですね。自民党総裁として、もちろん三権分立はたてまえであるけれども、絶対多数を持った自民党の総裁として、そういうような事態があっても、そうした妨害、圧力、そういうものを排除して、とにかく特別委員会の機能を十分に発揮させる、それだけの決意が自民党総裁である三木総理になければ、これは特別委員会をつくっても何にもならなくなる。その点についてのあなたの決意を伺いたい。
#473
○三木内閣総理大臣 これはたびたび私が繰り返して述べておりますように、この問題をうやむやのうちに終わらすことは、やはり日本の政治のために私は取り返しのつかぬことになると思っているのですよ、これは。本当に心からそう思っているのです。したがって、今回の場合は、これをやはり究明をして国民の疑惑というものを解かなければいかぬ、日本の政治のために。特別調査委員会ができますと、国民も注目するでしょうし、世界もまた注目します。日本の民主政治というものが、こういう問題に対してみずから処理する能力を持っておるかどうかということは、国会にも問われるわけでございますから、どうか河村君、自信を持っていただきたい。私は自民党がやはり――自民党に対していろいろなことを私は干渉したりしませんよ。どうかその調査委員会が高い――私は言うのですよ、党利党略というものは離れて、日本の政治の粛正のために、高いステーツマンシップを発揮して、そして国民の期待に――これは考えようによったら河村君と私は同じ船の乗客ですよ。議会制良主主義を守るということに自民党も社会党も民社もないじゃありませんか、共通の運命を持っているわけですから。
 そういうことですから、どうか日本の議会制民主主義、これを守り、発展さすために、その特別調査委員会というものを高い政治家としての見識のもとに運営をされてくることを私は心から願う。私は、それらに対して何らの干渉をする考えはないのですよ。どうか、やはり国会が高い水準を世界の前にも国民の前にも示してもらいたい。心から願うばかりでございます。
#474
○河村委員 あなたのおっしゃることにやはり問題があるのですね。私は何にも干渉はしませんよと言うのですね。私は、三木さんがこの特別委員会に干渉するとは思っておりません。しかし、干渉する力があるかもしれない。だからそれを、もしそういうような事態があった場合に、その干渉を排除するために干渉するかという、この場合には干渉しないではなくて、積極的にあなたがそうした圧力を排除するだけの指導力を持つ決意があるかということを伺っているのです。
#475
○三木内閣総理大臣 私は実際にこの問題を解明したいと思うのです、日本の政治のために。したがって、私は自民党も、調査特別委員会で自民党自身がステーツマンシップを発揮することを党員に強く総裁として、要請いたします。
#476
○河村委員 それが事実であることを信じたいと思います。そうでなければ本当にこれは動きませんからね。
 次に、先ほどから議論になっております米国に要求した資料の取り扱いですね。これは先ほどからおっしゃっているように、アメリカには資料の提供を求める、公表するのは日本側だ、それにはアメリカから何らかの条件がつかない限り無条件で公表します、それでよろしゅうございますね、
 そこで伺いたいのですが、一体アメリカ側から条件がつくという可能性があるのであろうか。アメリカで公表してくれと言えば、それはいろいろな配慮が必要で、あるいは問題があるかもしれない。だけれども、日本側に提供した資料を日本の責任において公表するもの、それに対して条件なんというものがありますか。
#477
○三木内閣総理大臣 私は、そういう場合に、条件もなしに日本にその資料が提供されることが一番日本とすれば国民にそれを公表できていいわけでしょうが、アメリカはアメリカとしての立場から――そういうことが私は頭であるだろうと考えて言っておるのではないのですけれども、もし先方から何らかの条件がつくということならばその条件に従わなければならぬが、条件というようなものがなければ、これはやはり直ちに公開をしたいということでございます。
#478
○河村委員 外務大臣、そんな条件なんというものが――いま私が言ったのはお聞きになりましたね。日本の責任において公表することについて、条件なんというものがそもそもあり得ると思いますか。
#479
○宮澤国務大臣 私も具体的にどのような場合であるか、ちょっといま想像いたしがとうございます。
#480
○河村委員 これは条件などはつくはずがないのですよ。だれが考えても。だから外務大臣思いつかない。外務大臣が思いつかないぐらいなものがあるわけがありませんね。ですから、もしアメリカ側から条件がついてきたならば、その条件は公表しますか。
#481
○三木内閣総理大臣 それはやはり公表して、こういうことだからこうだといって国民に説明をしなければなりません。
#482
○河村委員 結構です。(発言する者あり)
#483
○正示委員長代理 御静粛に願います。
#484
○河村委員 次に、政府の政治姿勢に関連する問題ですが、先ほどから総理は、証人喚問を通じての印象について疑惑が深まったということを極度に警戒をされておるようであります。だけれども、先ほど総理は、一番最初の楢崎さんの質問かに、宣誓してしゃべったんだから真実を述べたのであろうと思う。あれが真実であればこれはシロなんですね。だから、あなたはシロであろうと思うというようなことを言っておられて、片一方で疑惑が深まったということは言えないから、シロかクロかを言えない立場にあるということしか言えないのだというのは矛盾してはいませんか。
#485
○三木内閣総理大臣 河村君、そうじゃないですか。ここで宣誓をして証言をしておるのに、私がクロだという、総理大臣がそういうことを言えるでしょうか。偽証罪がかかっているのです。そうでしょう。したがって、証人を喚問したことによって、アメリカ側のチャーチ委員会における証言と日本の証言との間には非常な食い違いがあったということで真相の究明ということには至らなかった、全体としてこう私の感想を述べたわけでございます。それがクロだとかシロだとか、どうして私が言えるでしょうか。いやしくも一人の人間が宣誓して、それには偽証罪までかかっておるのに、私がここでクロだ、そんな権利はありません。人の人権は重んじなければならぬ。したがって私は、アメリカ側の証言と日本の証言には食い違いがあるから真相の究明というわけにはいかなかったという私の感想を述べておるわけでございます。
#486
○河村委員 あなたは問題をすりかえて御返事になるくせがある。クロかシロかを言えと言ったんではありません。疑いが濃くなったというぐらいのことを言うのはあたりまえである。これは一般国民がみんなそう印象づけられたことは間違いないので、総理大臣もやはり同じなはずですね。ただの証言の食い違いだけではそれは水かけ論ですけれども、たとえば丸紅の例で言えば、ピーシズとかピーナツとか、そういう怪しげな領収証という現物の証拠がありますね。それから児玉譽士夫氏の場合に至っては、これは証言を待たずしてもうすでにれっきとしたロッキードとの間の契約書あり、さらに二十億近くの現物の領収証まである。それで疑いが深まらないなんと言ったら、これは少し感覚が麻痺しているかどうかしているかであって、それをあなたがそんなに言うのをいやがると、国民は何だか政府の姿勢に対して疑いを持つようになると思いますが、いかがでございますか。
#487
○三木内閣総理大臣 どうしてでしょうかね、私はよくわからない。それはアメリカ側の証言と日本の証言とが余りにも食い違っておるから真相の究明はできなかった、どちらが一体真実であろうかという、そういう点では疑いは深まったでしょうね。どちらが真実のことを証言しておるのかということについて、これは国民としてはどちらが真実だろうかという疑いは持ったでしょうね。しかし、全体として言えることは、そういう意味において真相の究明には至らなかった、こう言っておるんですから、何もすりかえる意味は、政府は何もこれをすりかえるような必要はありませんよ。真実を究明したいというのが政府としての今日の強い考えでありますから、何も政府が――これをどうしてそういうふうに河村君、何か政府がこれを隠そうとしておるとどうして疑うのですか。お互いの議会制民主主義の運命がかかっておるじゃないですか。だから皆で、やはり与野党とも協力して真相を究明しようという点で、何も政府だけが何か国民の前に隠して、何かこう責任をよそへ転嫁する、そんな考えはありませんよ。私はみずからどろをかぶる覚悟ですよ。
#488
○河村委員 私はそんなむずかしいことを言っているんじゃありません。総理も一般の人間と同じような感覚で受けとめて一向差し支えないし、そうでないと困る面があるんです。
 今度のような事件については、政府も先ほど国民の疑惑を徹底的に究明するとおっしゃった。そうであれば、非常にこれは疑わしいと思った時期には政府がみずから積極的に捜査を推進する。乗り出せとは申しません。検察庁、警察庁それから国税庁それぞれ立場が違いますから、だから政府がこれを指揮監督する場合にもやり方は違いましょう。しかし、これだけのことであれば、私は、ただ国会で究明するのを待つあるいは各担当のところが動き出すのを待つというのではなくて、政府が積極的に乗り出して、重大な決意を持って臨んでいくんだという決意の表明があって、それで全体を指揮督励をしていく、そのくらいのことは私はあってしかるべきだと思ったんですが、どうもただシロかクロかわからぬというようなことであれば、そういうこともなさっていないのではないか。いかがなんですか。
#489
○三木内閣総理大臣 どうして河村君そういうふうに言われるのですかね。それは検察、国税、警察、この三者が合同の強制捜査というのは、いままでそんなことはないですよ。また、それをすぐやったらいいと言ったって、こんな人権を尊重しなければならぬ時代に、何らの証拠固めもなしにいきなり強制捜査というようなことは、それはできませんよ。したがって、やはりあれだけの準備をして、そうして三者が一体になって強制捜査をやった。しかも、私は言っておるでしょう。政治的圧力は一切加えない、徹底的に究明してもらいたいというのが、この問題に関連する一つの検察その他に対しての私の全般的指示であります。一方、アメリカに対しては、何回も申しておるけれども、さらに大統領に向かって、国会の決議を受けて、そして私の考え方を率直に述べて、そしてアメリカ大統領に対しての書簡を出したわけですから、これでなおかつ政府のこの問題に対しての態度というものが何か煮え切らぬという御非難を受けるのは少し酷でないでしょうか。
 これはやはりできるだけのことをやろうとしておるのですよ。だから河村君の立場も、やはり協力して、真相究明のためにみんなで協力して、日本政治の名誉のためにやろうという気持ちになっていただいてしかるべきではないでしょうか。政府はやるべきことはやっておる、そして真相を究明したいと考えておるということですよ。
#490
○河村委員 私は、別段今度の強制捜査が遅いとかなんとか言っておるわけじゃ一つもないのですよ。ただ政府の決意のほどを聞きたかったのです。
 いま総理は、今度の事件について政治的圧力は一切加えないから徹底的にやれと指示をしたとおっしゃいましたね。それでは、だれにどのような指示をなさいましたか。
#491
○三木内閣総理大臣 これは閣議において、法務大臣に対しても、あるいは国家公安委員長に対しても、あるいはまた大蔵大臣に対しても、私は常に真相を徹底的に……(「外務大臣は」と呼ぶ者あり)外務大臣に対しても、常に閣議で私は申しておることでございます。
#492
○河村委員 常にというのは、それは指示ではありません。それじゃ指示を常にやるのですか。指示というのは、ある時期にどういう具体的な言葉をもって、それでどの省の大臣にどのような指示をしたというのが指示ですよ。常に言っておりますというのは、これは指示でも何でもないじゃないですか。
#493
○三木内閣総理大臣 それはかねて政府の方針として言っておりますし、閣議の後においても、これは各大臣に対しての指示を与えております。
#494
○河村委員 法務大臣、国家公安委員長、それから大蔵大臣。三木さんから、総理からどのような指示を受けて、どのような指揮ないし督励監督、そうしたことを発動されましたか。
#495
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。
 私の記憶では、二回にわたって閣議において総理から、この問題については徹底的に究明をするというか、事態を明らかにして、国民に疑惑を与えないようにしなければならない、関係当局は特に努力をしてもらいたいということを二回、閣議で総理は厳命をいたしております。それを私は承知をいたしております。
 また、私としては、その厳命を受けるまでもなく、これはやはり日本の治安を維持するという意味においては警察の責務は非常に重大でありますから、その点は私から特にその方針を明らかにして、そうして冷静に、しかし真剣にやれということを私は指示をいたしております。
#496
○大平国務大臣 総理大臣から指示があって始めるとか、指示がないからやらないとかいう性質のものではないのです。私どもの責任といたしまして、やるべきことを当然やらなければならぬわけでございますので、われわれといたしましては最善を尽くしておるつもりでございます。しかし、内閣の首班として、総理といたしまして、国税庁を初め各貴所において遺憾のないように最善を尽くしてもらいたいという指示は絶えずいただいております。
#497
○稻葉国務大臣 法務省は検察庁という捜査当局を所管するわけでありますから、こういう疑惑のある刑事事件になりそうな事件があれば、総理の指示を受けるまでもなく、当然検察当局が動くに決まっている。ただ十八日でしたか、総理から官邸に呼ばれまして、そうしてそのときには刑事局長を同伴し、検察当局から報告を受けているいままでの捜査の進め方、調査の進め方、今後の方針、こういう方向で行きます。御安心ください、法務大臣を御信頼くださいというふうに申し上げております。
#498
○河村委員 ちょっと別の問題を伺いますが、去る二十一日でしょうか、防衛庁長官、防衛庁からPXL問題の経緯という、PXLの例の一連の問題、それについてのいきさつの発表がございました。政府としてこの問題についての調査はこれで完了ですか。これで終わりですか。PXLの防衛庁の対潜哨戒機の四十七年当時の選定経過。防衛庁長官でよろしい。
#499
○坂田国務大臣 「次期対潜機問題の経緯について」というのを二月の二十一日に発表をいたしました。一応そのときの経緯につきましてはこの報告で終わりでございます。
#500
○河村委員 この種のものは防衛庁に任せるべきものではないと私は思っているのです。この対潜哨戒機の選定問題というのは、私はこれから一番大きな問題になると思います。これはほとんど今回の事件にタッチしたものはすべてそうであって、ずっとデータを整理してまいりますと、いろいろな金の動きと照合をいたしますと、例の全日空のトライスター問題が四十七年の十月に片づいたその後から、かえって金の動きが大きくなっております。でありますから、あくまでもそれは疑惑でありますけれども、どうしても問題の焦点はこの対潜哨戒機にありということにならざるを得ない時期なんです。ですから、PXLのこの選定経過の調査というものは――防衛庁というのは利害関係者でしょう。同時にいま、お気の毒だけれどもどっちかというと弱い立場にある役所、そういうところにこの調査の経過をまとめさせるというのは本当は不適当であって、内閣自身でやるべきものだ、そう私は思うのです。ですけれども、時間がなくなりますので、それについてのお答えは結構です。これはもう一遍おやりになるべきであります。
 そこで防衛庁長官、「既に国産化が方針として決定していたものを白紙とする意味ではなく、専門家の慎重な検討をまって結論を出すことを決めたものである。」、こういうような結びですね。しかし、四十七年十月九日の決定というものは、これは「国産化問題は白紙とし、」ということですね。だから「国産化問題は白紙とし、」としてあるのに、あなたの結論だと、国の方針として決定したものを白紙とする意味ではない。白紙とするというからには何かあったから白紙とするわけですね。何もないのに白紙にはなりませんね。そうすると、何を白紙にしたのですか。
#501
○坂田国務大臣 私、防衛庁といたしまして事実調査をいたしたわけでございます。その経緯につきましては発表いたしたとおりでございますが、
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
二月の段階ですね、つまり四次防を決めます段階、これには国産ということは決まっていないのでございます。あの国防会議でも。そういうことが事実として明らかになったのです。それから、内閣としてもそれは決まっておらなかったわけです。ただ、防衛庁といたしましては国産化を願望しておったということは言えるわけですけれども、しかし、これはずっと四十五年から技術研究調査としまして、四十五年の予算もそれから執行も、四十六年の予算も執行も研究調査、しかもこれは委託費という形になっております。それから四十七年には予算は計上いたしましたけれども、これは執行はゼロでございます。しかも、これはあくまでも技術の研究調査ということで予算は決まった。しかし、それは執行はしておらないということでございまして、結局われわれとしてはPXLを国産しようという願望は持っておりましたけれども、四十五年以来大蔵省から、その研究といえども国産化を目指す研究というものは認めておらない。これが政府としての一貫した態度だったということでございます。そこをひとつ御理解をいただきたいと思います。河村先生にも後で、次期対潜機問題の経緯について、もし御必要でございますならばお答えを申し上げます。
#502
○河村委員 あなたの御説明聞いておりますと、防衛庁の願望を白紙にしたということになるんですか。およそ世の中に願望を白紙とするなんという、そういう政治決定があったことは聞いたことありませんが、それはおかしいんじゃありませんか。
#503
○坂田国務大臣 いや、われわれは国産化を望んでおった、こういうことです。しかしながら、国防会議でもついにそれは認められなかったし、それからまた、政府としてもPXLの研究段階においての国産化というものは決まっておらないということでございます。そこで、白紙還元というその言葉がいまとなっては非常におかしい、つまり白紙還元する以上は何か前に国産化が決まっておったと。ここに多少誤解があると思いますけれども……(「経過を知っているのですか」と呼ぶ者あり)ところが、私の事実調査の結果といたしましては、四次防の決定といたしましては国産化は決まっておらない。ここはやはりはっきり議会で申し上げておかなければならぬ点だと思います。これは私の事実調査の結果でございますから……。
#504
○河村委員 そんなばかげたことはないでしょう。四十七年の決定というのは国防会議の決定でしょう。防衛庁のさらに上部機構である国防会議の決定が、これが対潜哨戒機の「国産化問題は白紙とし、」となっているのですね。白紙というからには、何も書いてないものを白紙にできるわけはないので、あるから白紙にするわけでしょう。そうすると、この決定というものが全く架空のものだというのですか。架空なものであったということなんですか、四十七年の国防会議の決定が。
#505
○坂田国務大臣 ここがいろいろ誤解を生んだ点だと……。私は事実調査の結果だと思うのでございますが、四次防では研究調査という項目でございまして、それは国産化を目指すということには了解はしておらない、政府としてはこういうことでございます。もちろん国防会議としてもそうだということが、この事実調査の結果、実は明らかになったわけでございます。
#506
○河村委員 総理、最後に、時間になりましたので。
 いまお聞きになったとおりです。国防会議の決定が――どこかの大臣が新聞記者に発表した談話とかなんとかいうなら、これは場合によっては間違ったり架空のこともあるでしょう。仮にも国防会議の決定が「国産化問題は白紙とし、」と言いながら、それがもともとないものを白紙と書いたんだと言うんじゃ、これは通る話ではございませんね。ですから、これは内閣でもう一遍おやりになったらいかがですか。防衛庁はいろいろ弱味があるのです。とにかくいままだ防衛庁は日陰者です。これは野党にも責任がありますが、いかがですか。それを最後にお答えください。(発言する者あり)
#507
○三木内閣総理大臣 よくわかるようなことにいたします。
#508
○河村委員 終わります。
#509
○荒舩委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十七日午前十時より開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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