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1975/03/01 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第20号
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1975/03/01 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第20号

#1
第077回国会 予算委員会 第20号

昭和五十一年三月一日(月曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 井原 岸高君 理事 小山 長規君
   理事 塩谷 一夫君 理事 正示啓次郎君
   理事 山村新治郎君 理事 小林  進君
   理事 楢崎弥之助君 理事 松本 善明君
   理事 山田 太郎君
      伊東 正義君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    江崎 真澄君
      小澤 太郎君    大野 市郎君
      奥野 誠亮君    北澤 直吉君
      倉成  正君    黒金 泰美君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      瀬戸山三男君    田中 龍夫君
      谷垣 專一君    西村 直己君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      藤井 勝志君    保利  茂君
      前田 正男君    松永  光君
      森山 欽司君    山口 敏夫君
      渡部 恒三君    安宅 常彦君
      阿部 昭吾君    阿部 助哉君
      石野 久男君    稲葉 誠一君
      大出  俊君    岡田 春夫君
      田中 武夫君    多賀谷真稔君
      堀  昌雄君    安井 吉典君
      湯山  勇君    横路 孝弘君
      庄司 幸助君    林  百郎君
      正森 成二君    三浦  久君
      新井 彬之君    石田幸四郎君
      近江巳記夫君    坂井 弘一君
      正木 良明君    渡部 一郎君
      河村  勝君    小平  忠君
      永末 英一君
 委員外の出席者
        証     人
        (全日本空輸株
        式会社前社長) 大庭 哲夫君
        証     人
        (ロッキード・
        エアクラフト・
        リミテツド日本
        支社支配人)  鬼  俊良君
        証     人
        (全日本空輸株
        式会社社長)  若狭 得治君
        証     人
        (丸紅株式会社
        前専務)    伊藤  宏君
        証     人
        (丸紅株式会社
        前専務)    大久保利春君
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  谷垣 專一君     山口 敏夫君
  三塚  博君     野田 卯一君
  森山 欽司君     渡部 恒三君
  阿部 昭吾君     稲葉 誠一君
  岡田 春夫君     横路 孝弘君
  栗田  翠君     正森 成二君
  林  百郎君     庄司 幸助君
  山原健二郎君     三浦  久君
  正木 良明君     渡部 一郎君
  矢野 絢也君     坂井 弘一君
  小平  忠君     永末 英一君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     谷垣 專一君
  渡部 恒三君     森山 欽司君
  稲葉 誠一君     阿部 昭吾君
  横路 孝弘君     大出  俊君
  庄司 幸助君     林  百郎君
  坂井 弘一君     石田幸四郎君
  渡部 一郎君     近江巳記夫君
  永末 英一君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  大出  俊君     岡田 春夫君
  石田幸四郎君     矢野 絢也君
  近江巳記夫君     新井 彬之君
同日
 辞任         補欠選任
  新井 彬之君     坂井 弘一君
同日
 辞任         補欠選任
  坂井 弘一君     正木 良明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十一年度一般会計予算
 昭和五十一年度特別会計予算
 昭和五十一年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算、昭和五十一年度政府関係機関予算に関し、ロッキード問題について証人より証言を求めることといたします。
 本日出頭の証人は、大庭哲夫君、鬼俊良君、若狭得治君、伊藤宏君、大久保利春君、以上五君であります。
 なお、本日出頭を求めておりました児玉譽士夫君から去る二十八日、福田太郎君から去る二十七日、それぞれ前尾議長あてに、医師の診断書を添え、書面をもって病気のため出頭できない旨の申し出がありました。議長より委員長に通知がありました。
 この際、診断書を朗読いたします。
    診 断 書
              児玉誉士夫殿
   マル明・大・昭四十四年二月十八日生
 一、病名 (一)脳血栓による脳梗塞後遺症の悪化状態。
      (二)末梢循環不全
    附記
   昭和五十一年二月十三日付の診断書に記載した諸症状は、一時やや改善の傾向にあったが、本朝より脱水症状が明らかとなり、
   (二)の状態が(一)に加わった。この現状では国会への出頭は不可能と考えられる。
  右の通り診断致します
   昭和51年2月27日
      東京都新宿区市谷河田町十番地
       東京女子医科大学附属
         脳神経センター
            医師 喜多村孝一
    …………………………………
    診 断 書
              福田 太郎殿
     明・マル大・昭5年6月27日生
 一、病名 肝硬変症(非代償期)、食道静脈瘤、
      消化管出血後の状態
    附記
   昭和五十一年二月七日、腹部膨満、黒色便などを主訴として入院、安静加療中のところ、二月十一日より下血、同十二日より貧血状態となり同時に腹水貯溜も顕著となる、二月十二日より二月二十日迄の間に、計二、四〇〇ccの輸血を施行すると共に肝庇護治療の結果消化管出血は止み、小康状態を得ているが、なお、就床、安静加療、状態の経過観察を要するものである
  右の通り診断致します
   昭和51年2月27日
      東京都新宿区市谷河田町十番地
        東京女子医科大学附属
         消化器病・早期癌センター
            医師 小林誠一郎
 児玉譽士夫君及び福田太郎君の不出頭の件については、理事会において協議の上、決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、カール・コーチャン君及び片山シグ君については、米国政府の了承及び本人の同意が得られるならば、証人として出頭を求めることに決定いたしましたが、去る二十六日、委員長より外務大臣に対し、本件に関する連絡並びに意向確認方について依頼いたしましたところ、去る二十八日、外務大臣より、米国政府から本人の同意を得られることを条件に両君に証人として出頭を求めることに異議はない旨回答があり、同日、在ロサンゼルス領事館より両君に連絡をいたしましたところ、両君からそれぞれ出頭しない旨の回答がありました旨、通報がありました。
 以上、御報告申し上げます。
 それでは、証言を求める前に証人に一言申し上げます。
 昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。
 一応このことを御承知になっておいていただきたいと存じます。
 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。全員起立を願います。
    〔総員起立〕
#4
○荒舩委員長 大庭君、代表して宣誓書を朗読してください。
#5
○大庭証人 
    宣誓書
 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、
 又、何事もつけ加えないことを誓います
  昭和五十一年三月一日
               大庭哲夫
#6
○荒舩委員長 それでは、各証人は宣誓書に署名捺印を願います。――御着席を願います。
    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
#7
○荒舩委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしておるときは着席のままで結構でございますが、お答えの際は起立して発言をしていただきます。
 なお、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で国政に係る重要な問題について証人より証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げる言動のないよう御協力をお願いいたします。
 証言を求める順序は、大庭哲夫君、鬼俊良君、若狭得治君、伊藤宏君、大久保利春君の順序でお願いいたします。
 大庭君以外の方は、控え室でしばらくお待ちを願います。
    ―――――――――――――
#8
○荒舩委員長 これより大庭証人に対し証言を求めます。
 まず、委員長より所要の事項についてお尋ねいたします。その後、委員各位の御発言を願うことにいたします。
 それでは、私からお尋ねをいたします。
 あなたは大庭哲夫君でありますか。
#9
○大庭証人 さようでございます。
#10
○荒舩委員長 生年月日、住所、職業を述べてください。
#11
○大庭証人 生年月日、明治三十六年十二月二日生まれ。職業は、現在、東京空港交通株式会社社長でございます。
#12
○荒舩委員長 あなたが全日空へ入社したのはいつでありますか。それはどういういきさつでございましたか。また、その地位はどういうことでありましたか、お尋ねをいたします。
#13
○大庭証人 全日空へ入社いたしましたのは四十二年の六月だと存じています。
 理由は、そのときまでにいろいろ全日空に事故が続いたものですから、日本航空の社長でありました松尾から、大庭、行って全日空の立て直しをしなさいということでありましたので、私、引き受けまして、全日空に参りました。
#14
○荒舩委員長 証人は住所が抜けておったようですが……。
#15
○大庭証人 まことに申しわけありませんでした。住所は川崎市高津区千九百四十六だと思います。
#16
○荒舩委員長 大庭君にお尋ねいたしますが、多分あなたは日航に専務として就職されておったように聞いておりますが、どういうわけで全日空へお移りになったか、その事情をひとつお話し願いたいと思います。(「それは終わったぞ」と呼ぶ者あり)間違いました。(「まじめにやれ」と呼ぶ者あり)まじめにやっております。
 また、社長に就任されたときに、ちょうど大型機の購入の選定について、昭和四十五年一月ごろだと思いますが、機種選定準備委員会を発足させ、また同年二月には若狭君を団長とする調査団を米国に派遣したが、その当時、あなたはどういう見通しを持って若狭君をアメリカに調査団長として派遣したか。これらの点についてひとつ詳細にお答え願いたいと思います。
#17
○大庭証人 お答え申し上げます。
 私が全日空に参りましたのは、先ほどお答えいたしましたように四十二年の四月からだったと思いますが、それ以後全日空の建て直しのために誠意努力してまいりました。
 四十四年の六月に私社長になったわけでありますが、社長になって以後四カ年計画というものをつくり上げまして、現在持っている機材と、今後需要の見通しに応じ、路線の拡張に応じて必要な機材というものを計画いたしまして、その計画の結果、四十七年の初めに大型機、いわゆるジャンボジェットを入れる計画を立てたわけでございます。しかし、立てた当時の全日空は、まだ私が参りまして二年しかたっていなかったために、いろいろ整備その他について不満足のものがあったわけでありまして、鋭意それの改善、拡充に努めていったわけであります。五カ年計画を立てた当時におきまして、ちょうど四十七年というものは全日本空輸の二十周年に相当する年に相なっているわけでありまして、あらゆる面におきまして全日空の前途を拡充する一つの大きなポイントだという点で、あらゆるものをそこに集中計画を進めていったわけであります。したがいまして、四十四年初めの需要予測というものは随時増加して、四十七年には大体需要は倍になる、五十年には大体三倍になっていくだろうという需要のもとに、現在持っている機材というものをある程度リタイアさせて大型機に切りかえていくという計画を立てて進めていったわけでございます。したがいまして、乗員の需要に応じる訓練の増強と整備力の増強というものをあわせて四十七年に集中していくように、また四十七年の大型機の導入に間に合うように、すべて計画を進めていっていたわけでございます。
#18
○荒舩委員長 そこで、あなたが最初に計画されたのは、ダグラス社のDC10というのを選ばれる気持ちでおられたというふうに聞いておるのですが、なおまた、ダグラス社の日本在住の代表と仮契約というのですか、そういうようなことまで進まれておったというふうに聞いておりますが、この若狭調査団がアメリカに行きまして、いろいろな機種の調査をいたしましたところが、それがロッキード社のトライスターに変わられたというようなふうに私聞いておるのですが、それらの問題等について、何か会社内で意見が一致しなかった点、また、それらが原因であなたが退社されたんだというようなふうにも聞いておりますが、そういうような点についてひとつ明快な答弁をお願いしたいと思います。
#19
○大庭証人 先ほど申しましたように、四十四年に五カ年計画を立てて、四十七年に大型機を導入するということに決めて進んでいったわけでありますが、いまお尋ねの、大庭はダグラスDC10をあらかじめ想定していたんでないかというお尋ねだと存じますが、私は日本航空にいるときから、ジャンボジェットというものにつきましてはあらゆる研究をしていました。したがいまして、私がそのときまでの検討をした結果においては、ダグラスのDC10が一等全日空に適する機材だと考えていたわけであります。したがいまして、機材を購入する順序としまして、まず各メーカーから来ます説明を、あらゆる面において社員に十分説明をさせて勉強をさせたわけであります。その後で、四十五年の一月か二月の初めだったと思いますが、調査団を組織いたしまして、そのときのメーカーでありますロッキード、ダグラス、ボーイングへ調査に出させたわけであります。出さす前には、どういうものを調査して、その状況を十分調べてこいということで調査に出したわけであります。いまお尋ねの団長は若狭君であったと存じます。
 帰ってからの報告を聞いたわけでありますが、出張する前にいろいろ検討した各項目について、調査員はその調査の報告をいたしたわけでありますが、その結果は甲乙いろいろありまして、三社どちらともつかない結論が出たように私は思っています。したがいまして、私は先ほど申したように、私の考えはDC10にあったわけでありまして、そういう方向に全員をリードして持っていっていたわけであります。
 と申しますのは、四十二年に入りましてからあらゆる面の改善――もちろん私の担当は大部分は技術面でありますが、乗員の素質の改善、整備の素質の改善、拡充という面において計画的にやってきたわけであります。あらゆる面で私がリードしてきていたわけであります。したがって、調査団を出すにも、その調査団の調査の仕方そのものも全部リードしてきていますし、その報告によって、結論的には優劣なしという結論であったと存じますので、私は私の進む方向に進ましていくべく計画をそのまま実行に移していたわけであります。
 御承知のように、新機種を購入するということになりますと、どうしても四十七年の四月に新機種を入れるということになりますと、一、二機は二、三カ月前に入れて乗員の訓練をいたすわけでありまして、したがいまして、少なくとも四十七年の一月には一番機並びに二番機を入れておく必要がある。そうしますと、それを正式の契約に移してからでは、その日にちに間に合う機材が手に入るかどうかということは、いままでの私の経験からして不可能でございます。したがいまして、飛行機の希望する日にちというものが――手に入れようとすれば、あらかじめその製造番号というものを押さえておかないと、希望する日にちには適当に入らないのが今日の現状でございます。したがいまして、その製造番号を押さえる。あるいは正式の契約にする日にちというものは、各社によってそれぞれ異なることはあるにしても、大体正式契約が十六カ月あるいは二十カ月、製造番号を押さえるのが大体その上の二年近く前から製造番号を押さえておかなければならない、これが一つの常識になっていたわけであります。飛行機の需要が多ければ多いほど、その日限が早く、いわゆる間隔は長くなるわけであります。早くから押さえておかないと、わが社の事業計画である四十七年の四月から実行に移すことは困難になるわけであります。したがいまして、私は調査団の派遣が帰りましてその報告を聞いて、最後には、結論的には社長一任となって、社長に全責任がおっかぶさるわけであります。そのためにはどうしてもDC10の製造番号を押さえておく必要があるというところから、いろいろ情報をとってみますと、あれははっきりした日にちは覚えていませんが、四十五年の三月ごろだったと思いますが、四十七年の一月に一機というものを手に入れるためには、どうしてもいま約束をしていただかぬとむつかしいという状況になりましたので、オプションをしたわけであります。
 オプションという言葉がいま新聞でいろいろ、何と申しますのか、混乱をしている。これ、言葉がいいかわかりませんが、混乱をしているようであります。私の日本航空時代からのオプションという言葉を使っているのは、製造番号を押さえてもらう、そのためには何月まで製造番号を押さえておってもらう。もちろんその間に会社の取締役会の承認を得、国家の外貨枠の承認を得て正式の契約に移す。しかし、先ほど申しましたように、正式の契約をしたときでは、こちらの希望する機材がその日にちには入らないという結果、あらかじめ機材を押さえておく。これは何も法規的な契約ではなしに、どうか機材を押さえておってくれ、承知しましたと。しかし、常時相手からも連絡はありますし、こちらからも常時連絡をすることによって、私の方で、会社の取締役会あるいは国家の為替管理法による購入がむつかしくなりましたら、これはキャンセルをし得ることになりますし、また、相手方のメーカーの方にも、その日にちの製造番号が、他の国から要求があって、その国の方が有利であるということになりますと、相手の方からも連絡があって、いまこういう状況だ、したがっておまえの方何日まで約束しているんだが少し早めてくれぬかどうか、早めなければキャンセルせざるを得ないんだがというように、先方からも話があるわけであります。そういうような製造番号の押さえ方をしたわけであります。
 これを私自身はオプションと言っているわけですが、この言葉がいいかどうかということにつきましてはひとつお確かめ願いたいと存ずるのですが、日本語で訳して、仮契約というように訳されたので実に困っているわけなんで、これはひとつ御訂正願っておきたいと存ずる次第であります。
 よろしゅうございますか。
#20
○荒舩委員長 はい。
 そこで、なおお尋ねいたしますが、昭和四十五年一月に機種選定の準備委員会が発足いたしまして、二月には若狭君が団長でアメリカに行かれた。帰ってきてからオプションを与えたのですか。それともその前にあなたがダグラスのDC10にオプションを与えたのか。どっちですか。
#21
○大庭証人 私の記憶では調査報告を聞いた後だったと思います。したがって、三月の前か後ろかわかりませんが、記憶によると三月だと存じております。
#22
○荒舩委員長 そこで、なお突っ込んでお尋ねいたしますが、オプションを与えたというときには、何かそのオプションに対する書類をダブラス社と取り交わしてあるものですか。あるいは言葉の上だけですか。どういうことですか。
#23
○大庭証人 来た者は、多分ダグラス社から来たのでなくて、こちらにいるダグラス社の人間が本社の意向を受けて来たんでなかったかと思うのであります。したがいまして、製造番号を押さえたという印が欲しいということでサインしたように思うのでございます。しかし、そのサインというものは、先方が書類を本社に送るために必要な私のサインを求めたからサインしたんだと存じているわけでございます。
#24
○荒舩委員長 わかりました。
 なお、続いてお尋ねをいたしますが、オプションはそれだけであって、いわゆる手金を打つとか契約金を払うというようなことはなかったのですか。あったのですか。どっちですか。
#25
○大庭証人 全然ありません。
#26
○荒舩委員長 そこで、かなりいろいろな問題があるのですが、あなたは、ダグラス社のDC10が、全日空の大型機としてその方がいい。いまでもそういうふうにお考えですか、どうですか。
#27
○大庭証人 ちょっとむずかしい御質問でございますが、あえて御回答申すといたしますと、現在では、全日空としてDC10でなくてロッキードでもやっていけたのではないかとは思います。ということは、DC10を入れるのは四十七年の初めであったために、相当私が計画的にすべてを進めなければできない状態にあったわけです。もしもできないときには、整備において日本航空の援助を求めなければいけない状態は覚悟していたわけでございます。しかし、結果的に今日、全日空がロッキードを四十七年でなしに四十九年に入れた。二年間の進歩は、私は整備その他について相当進歩していたのではないかと思いますから、必ずしもそれが悪かったとは思いませんが、いまだに私自身としては、もしもいればやはりダグラスであったと思います。
#28
○荒舩委員長 そこで、あなたが社長をやめられるについては、機種選定の問題で若狭君あるいは専務の渡辺君と意見の衝突が起こったというようなことも一つ聞いておりますが、いま一つは、何というのですか、特別金融というのですか、何か金融ブローカーのようなものが介在して、そうしてそれが新聞に出た、あるいはごたごたしたというようなことであなたが退社するというような原因をつくられたか、この二つがいわゆるいろいろなうわさを生じて疑問点が起こっているわけでございます。これらについて、忌憚のないその当時の状況、意見等をお聞かせ願いたいと思います。
#29
○大庭証人 お答えいたします。
 私が全日本空輸をやめたのは、一つにかかって社内的な問題と、もう一つは、いま委員長から御質問を受けました融資の問題とであります。そのときに機材的な問題があったとは私は存じていません。特に、いま御質問になりました機材の購入について、そのときに社内的に問題があったとは私はそのときには思っていませんでした。と申すのは、先ほど御説明申し上げましたように、調査団の報告も、決してどれがいいという報告ではなかったし、そのときの重役にしても社員にしても、どの機材がいいという確たる判別はついていなかったはずだと思います。したがって、私がリードせざるを得ない立場にあったわけでありまして、決して私は機種の問題でやめたとは思っていません。
#30
○荒舩委員長 そこで、なおお尋ねしますが、二つ目の金融の問題等でいろいろなうわさがありましたが、それについてひとつ疑問点を晴らす意味でお答えを願いたい。
#31
○大庭証人 金融の問題につきまして私は会社をやめるようになった次第でございまして、実はその問題につきましては、それ以後私はできる限りこのことを頭から離すように努力していたわけでございます。ところが、たまたま今日、ロッキードの問題から何かその問題が上がってきたわけでありまして、いろいろそのときのことを思い出したわけでございます。しかし、金融の問題は、私が命じたのには何ら間違いはないわけでありますが、特命として私の部下にそれを専任的にやらしていたわけであります。したがいまして、私はそのときどきの報告を聞いてそれに命令を与えていたわけでありますが、この問題は相当時間を要するのではないかと存じますし、私、今日、それを明らかに御説明をしろと申されても、私の記憶の範囲内で明確にお答えすることはちょっと無理かと存じます。したがいまして、もしもそれについて詳細なことをお聞きになりたいというのでありましたら、私が特命をしましたその者にお聞き願えれば詳細のことがおわかりになると存じます。
 以上でございます。
#32
○荒舩委員長 これらの点については、後、委員の各位からいろいろ御意見等もあると思います。
 それでは、全日空社長時代に、DC10あるいはトライスター、どちらの機種を選定するかということについていろいろ研究されたと思うのですが、政治家あるいは政府から、これがいいのだ、これを推薦するというような、何かそうした事柄がありましたかどうか、お答え願います。
#33
○大庭証人 私にはどなたからもそういうことはありませんでした。
#34
○荒舩委員長 それでは、なおお尋ねしますが、児玉譽士夫君あるいは小佐野賢治君から、トライスターを買ったらどうかとか、これをひとつ選定してもらいたいというような推薦あるいは誘いといいますか、そういうような話がありましたかどうか、お答え願います。
#35
○大庭証人 両者からそういうお話は承っていません。
#36
○荒舩委員長 また、もう一つ突っ込んで、くどいようですがお尋ねいたしますが、運輸省関係あるいは政府の関係、そういうところからも推薦は全然一度もなかったか、あったか。明確にひとつお答え願いたいと思います。
#37
○大庭証人 いま運輸省からそういう何がなかったかというお話でございますが、私の記憶するところでは、四十四年の秋であったのかと思いますが、政府の方から、幹線に使用する機材はできる限り三社同一の機材を使うようにという御指導があったやに存じます。したがいまして、日本航空としましては、もしも使うとすればDC10だということになっていたと思いますし、私もDC10でございますので、何らそこに私は政府的な何はなかったと思います。
#38
○荒舩委員長 その政府の、政府筋からと言いますか、あるいは監督官庁である運輸省からそういう――いまの三社というのは日本航空、全日空、いま一つどこか知りませんが、その三社ですか。
#39
○大庭証人 私はそういうように存じています。そのときに東亜航空の機材は日本航空が委託運用をしていたわけでありまして、それにまで及ぶのかどうかはわかりませんが、とにかく、幹線に使用する機材はできる限り統一した機材が好ましいというような御指導であったと存じます。したがいまして、私がDC10を好んでいるということは、もう御承知であったはずでございます。
#40
○荒舩委員長 そうすると、その場合においては、DC10かトライスターかというような指示はなくて、まあできるなら三社同じ機種のものが都合よくいきやしないかというようなことで、まあでき得るなら三社が同じ機種を選ぶべきだというような意味で、DC10かあるいはトライスターかというようなことには触れず、いまの答弁どおり、三社が同じものを買ったらどうか、同じものを使ったらどうか、こういう指示があったというふうに解してよろしゅうございますか。
#41
○大庭証人 さようだと存じます。
#42
○荒舩委員長 わかりました。
 以上をもちまして私からの質疑は終了いたしました。
 次に、委員から発言の申し出がありますので、それぞれの持ち時間の範囲でこれを許します。松永光君。
#43
○松永委員 まず大庭さんにお尋ねいたしますが、あなたはある雑誌記者に、いま大きな航空機メーカーにはみんな代議士というものがついているわけですよ、こういった発言をして、大きな航空機会社には、その航空機会社の飛行機を売り込むために代議士がついておる、こういった発言をされたことがあるようですが、どうですか。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#44
○大庭証人 確かに私として、まことにその件につきましては、相手がどう聞かれたかということについてよりも、私が述べたことは事実でありまして、まことに申しわけない、軽率な発言であったと言っておわび状を出してあるわけであります。
#45
○松永委員 あなたはそういう発言をして、後日わびていらっしゃるわけですね。――後日わびていらっしゃるわけですね。別の機会におわびをしておりますね。
#46
○大庭証人 はい、おわびしてあります。
#47
○松永委員 あなたが大きなメーカーにはみんな代議士がついておるという発言をしたことは事実であるけれども、その発言をしたことについておわびをしたのは、自分の発言が間違っておった、だからおわびをされたのですか、どうですか。
#48
○大庭証人 軽率な発言でありましたと言っておわびしてあります。
#49
○松永委員 確たる証拠なしに発言をしたということですか。証拠があって発言をしたということですか。どっちですか。
#50
○大庭証人 確たる証拠なしに発言をいたしたわけでございます。
#51
○松永委員 確たる証拠なしに軽率に代議士の名前等出すということは非常に不謹慎のそしりを免れないと思うのです。その点をまず申し上げておきたいのですが、そこで、この証言の場では、推測とかそういうのではなくして、あなたが直接経験されたことを話してもらいたいのですね、
 そこでお尋ねいたしますが、あなたが社長になられて、そして四十五年の一月九日に新機種選定準備委員会、こういったものを全日空の中に発足させたわけですね。この新機種選定準備委員会の役目はどんな役目であったのですか。
#52
○大庭証人 新機種を選定するために調査研究をするという役目でございます。
#53
○松永委員 新機種選定準備委員会を発足させて、そしてその準備委員会の調査がまだそれほど進んでない段階で、あなた自身はDC10にしたいというふうに考えていらっしゃったわけですか。そのDC10が望ましい、それを推進したい、こういうふうにあなたは思っておるとおっしゃったのでございますが、それはあなた個人の考えだったのですか。それとも全日空の他の役員その他にもあなたの意向を打ち明け、相談をしておられましたか。どっちですか。
#54
○大庭証人 社長自身の考えでございます。しかし、それは、私が二年間あるいは三年間にわたりまして全日空をあらゆる面で技術的に改善をしてきたわけでありまして、その機種の選定に当たりましても、いろいろそれまでの間に、私の考え方というものは常務会で常時話していたわけでございます。
#55
○松永委員 この新機種をどれにするか、これは会社の命運にかかわる問題だというふうに聞いておるのですが、そこでこの新機種選定につきましては、あなた個人の独断じゃなくして、いろいろな分野からの検討をしてもらいたいということで選定準備委員会をつくられた、それはわかるのでございますけれども、しかし、総合的な判断をする意味で、役員会等であなたが社長をしていらっしゃるときに活発に論議がなされたという資料が私どもではめっからないものですから、あなたの個人だけの考えであった、したがって、あとの人はよくわからぬ、現在の若狭社長などはそういう発言をしておられるわけで、どれが真実なのか。こういうことで、その点を重ねてお聞きしたい。
#56
○大庭証人 私は、先ほど証言をいたしましたとおりに、技術的につきましては、私が入りましてから全部私の考えで私の方向に進めていってきたわけでございます。したがいまして、私がどういう考えを持っているか、どういう方向に進めているかということについては、社員がある程度のものは承知しておったわけだと私は存じています。
#57
○松永委員 その点が、あなたの後任の若狭氏あるいは渡辺氏とおっしゃることが食い違っている点なんですよ。若狭氏や渡辺氏は、あなたがDC10を積極的に推しておったとか、あるいは先ほどあなたが説明されたような意味合いにおける製造番号の押さえをしたというようなことを全く聞いていない、というふうに若狭、渡辺両氏は言っておられるわけです。
 そこでお尋ねするのですが、あなたは社長を心ならずもやめられたようでありますが、やめられたときに、いまのDC10につきまして、仮契約とか仮発注という言葉は必ずしも適切な言葉じゃないけれども、先ほどあなたが説明されたような意味合いにおける製造番号の押さえをしてあるということを、若狭後任社長または渡辺氏あたりにその話の引き継ぎをされたかどうか、その点どうですか。
#58
○大庭証人 私がやめるいきさつについては、まだ十分述べてありませんけれども……(松永委員「いきさつじゃないんだ。引き継ぎをしたかどうか」と呼ぶ)
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
したがって、最後の、二十九日の六時ごろであったと思いますが、最後に私が腹を決めたわけでございます。そのときに、若狭君と渡辺君は、後に何か急に残すものはないかというようなお話でございましたが、私、頭がそのときは至極混乱をしていたわけでありますが、私の頭に残っていたものは、先ほどのオプションをしたという問題だけでございました。したがいまして、オプションをしたから、ひとつ三井物産とよく打ち合わして始末をしてもらいたい、それだけが私の心がかりだということで、私は退社したと存じているわけでございます。
#59
○松永委員 あなたの頭の中で心残りだということはわかるのですよ。あなたの心残りになっておるオプションをしたということを引き継いだのかどうか。あなたの記憶で、引き継ぎをしたかどうか、話をしたかどうか、それを確認しておるのですよ。頭の中にあることと言ったことと別ですからね。言ったかどうか、それを確認しているのです。
#60
○大庭証人 引き継いだかどうかは、私は相手が引き継ぎを受けたかどうかは知りませんが、私は懸念になる第一がもうそれだけであったものですから、それだけはひとつよろしく善処してもらいたいということを申して退社したわけでございます。
#61
○松永委員 後任社長に、後継者に申し伝えたということは聞きました、わかりましたが、このオプションをするについては、取締役会とか重役会とか、そういったものにあなたは話をかけられたかどうか。会議にかけられたかどうか。あなたの単独でやられたのかどうか。その点を聞いておきたい。
#62
○大庭証人 それは、いま存じているのは、私単独でやったと存じています。
#63
○荒舩委員長 渡部恒三君。
#64
○渡部(恒)委員 大庭証人、いま同僚の松永委員があなたにお聞きして、お答えしたことは、非常に重要な意味があるのです。このロッキード問題が起こって、いまわれわれの国が大変なことになっておる。いま国民は本当のことを知りたい、また私どももいま国民にこの問題についての本当のことを知ってもらうということのために、この証人喚問をやっているわけです。そして、あなたはいま、何事も隠さず、何事もつけ加えないでやるということを誓いました。また、いままでの証人もそれを誓って話しているのです。ところが、いまあなたの話しておられることと、この前の証人喚問で若狭社長、渡辺副社長の話しておることは全く食い違っているのです。で、渡辺証人が、「新しい機種を決めるときに、社長一人が単独で決めるようなシステムは、いままで私の知っている限り、創立以来そういう決め方は一回もしたことがなかった」、また「大庭さんが当時社長でございましたが、三井物産にどういうことを言われたかということは、私どもは大庭さんから何にも言われておらなかったわけです」、こう言っておるんですね。私も常識的に――あなたが社長であっても、会社が物を買うことを決めるとき、それは十万、二十万のその辺の備品の机を買うとかいすを買うくらいの話なら別ですけれども、これだけ大きな買い物をするときに、当時あなたが社長であっても、若狭さんは副社長、また渡辺さんは専務だったんでしょう。こういう人に一切何も相談しないで、たとえオプション契約であろうと、それができるものかどうか、また……(発言する者あり)
#65
○荒舩委員長 静粛に、静粛に。
#66
○渡部(恒)委員 あなたが先ほど話しておられたように、やはりダグラスなんだという情熱を持っておったとすれば、それは社長をおやめになるとき、後任社長に事務を引き継ぐときは、当然何をおいてもこのことを引き継ぐべきであって、それがあいまいであるなんということは考えられない。もう一遍お答えいただきます。
#67
○大庭証人 引き継ぐときには、それ一件だけを引き継いだと存じています。
#68
○渡部(恒)委員 それから、きょうあなたのことをここにお願いしておるのは、先ほども松永委員から少し出ておりましたけれども、何かこの機種決定をめぐる問題のためにあなたの社長交代が行われたのじゃないか、またあなたも何か世間に対してそれを思わせぶるようないろいろな話をしておるのですね。このことがこの問題を非常にわかりにくくしておるのです。もう一遍、委員長からお話がありましたが、あなたの社長交代のいきさつ、またその社長交代に当たって外部の、たとえばロッキードを買わせるためにあなたが邪魔になるということであなたを退陣させるというような動きがあったと思っていらっしゃるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#69
○大庭証人 私、決してそのときにはそうは思っていなかったと思います。
#70
○渡部(恒)委員 そのときは思っておらなかったということは大変思わせぶりにまたなるのですが、そうすると、いまはそう思っておるということなんですか。
#71
○大庭証人 いまもそう思っています。――いまもそう思っています。
 お間違いになったら初めから申しますが、全然機種には関係なしに、先ほど証言いたしましたとおりに、会社内の不統一という問題が一つと、念書の問題が一つと、その二つから私は身を引いたわけです。したがいまして、そのときに機種の問題が関係したとは考えていませんし、いまも考えていません。
#72
○渡部(恒)委員 この問題はロッキード問題を解明するために非常に重大な意味がありますので、ちょっともう一遍伺いますが、あなたがとにかく社長を任期半ばにしておやめになったということは事実ですね。そのおやめになったことは、あなた自身がいま詳しいことはなかなかここで一遍に話すのは困難だそうですけれども、いろいろな問題の責任をとっておやめになったのか、それとも何か外部的な圧力でやめさせられたとか、ということが非常に重大なんですけれども、何かあなたは外部に向かっては、あたかもあなた自身は責任なかったのに、何かトリックにかかってそしてやめさせられたというような印象を与えることをいろいろ言っているのですね。だから、もう一遍ここで、あなたは責任をとっておやめになったのか、または外部の圧力でやめさせられたのか。この点、お答えいただきたい。
#73
○大庭証人 社内からやめさせられたのでありまして、私もそういうことならいままでの努力は何ら報いられないということで、私もいや気がさしてやめたのは事実でございます。
#74
○渡部(恒)委員 社内からやめさせられたということは、何かここに出ている、私がやめた理由については「訳のわからない融資話がきっかけだった。四十四年ごろ何人かの人が次々とエアバス購入にからんで多額の融資話をぼくのところに持ってきた。どうせ本物ではないと思ったが、面白半分に念書を書いた。それが表ざたになり、そんな念書にサインをするような社長ではだめだと言われ、そこへ筆頭株主だった名鉄の会長から辞めろと言われた」、こういうことですか。
#75
○大庭証人 名鉄の社長からやめろということではなかったわけでございます。日本航空の社長でありました松尾さんのところへ文書が来まして、大庭を会長にし、若狭を社長にしなさいということであったわけであります。私としましては、それほどの困難さがあるのであればもうやめる以外ない、またやめたいということで松尾さんと相談した結果、松尾さんが、それでは一時おれに任せろということで任していたわけであります。ところが、三十日の総会の――翌二十六日だったと思いますが、取締役会を開いた席上で、その話が出たもので松尾さんは退席していられるわけです、大庭を会長にするのはいやだと。その後、松尾さんがいろいろ私のために尽力していただきましたが、先ほどちょっと申し上げたと思いますが、二十九日の午後六時前後になりまして、松尾としてはもう手がつかぬ、おまえの意思どおりもうやめた方がいいんじゃないかと思うという意思表示をされたものですから、私はそれによってやめたわけであります。ということは、社長の松尾さんの推薦によって私は全日空へ技術陣容の立て直しに出ていたわけであります。しかし、松尾さんとしてもうやめた方がいいという意思表示をされた以上は、私は全日空に残る意味は何にもなくなるわけであります。また私も、努力しているにもかかわらずいろいろな批判をいただいていることは、もう私としても耐え得ないということで私の意思を決定したわけでございます。いまもそう思っています。
#76
○渡部(恒)委員 大庭証人、いまあなたの話を聞きますと、あなたが社長を退陣するに至った理由は全くの社内事情、社内の人間関係なり仕事のいろいろな関係でおやめになったということでありますね。これは確認してよろしいですね。
#77
○大庭証人 そのとおりであります。
#78
○渡部(恒)委員 そうしますと、これはあなたにここに来ていただいた一番大きな理由は、今度のロッキード問題、この全日空のトライスターの購入についていろいろな政治的な圧力が加えられたのじゃないかということが問題になって、こうしてこれだけ大事な会議を開いているのですよ。その一つの手がかりというか、それはあなたは、全日空の前社長大庭さんはダグラスを支持しているということで有名であった、そのために、ロッキードに変更するためにはあなたが邪魔になったから、そういう外部的ないろんな工作によってあなたが退陣させられたものかどうかということが、この問題の真相解明の非常に重大なポイントになってくるわけでありますね。ですから、これはくどいようですが、あなたの社長退陣に当たっては、そういうような一切の工作というものでなくて全くの社内事情でおやめになったということを、もう一遍念を押しておきます。いいですね。
#79
○大庭証人 先ほどお答えしたとおりに、全然機種については私はやめさせられたとは存じていません。
#80
○渡部(恒)委員 もう一つ、先ほどの中に残っているのですけれども、あなたがたとえ社長であっても、大きな会社ですから、オプション契約を与える場合、あなた一人の考えでこういう飛行機だということで決めるようなわけには恐らくいかなかったと思うのですね。そうすると、当然いろんな機関に相談して決めたことだろうと思うのですね。ところが、この前の証人喚問の席で、あなたが社長の時代の当時の副社長である若狭、また専務である渡辺、このお二人が、一切そういうことの相談は受けたことがないと言っているのですね。そうすると、あなたの証言と向こうの証言の間に非常にわれわれは疑問を感ずるのですが、この点はどうですか。
#81
○大庭証人 先ほど御説明したとおりでございます。
#82
○渡部(恒)委員 これで終わります。
#83
○荒舩委員長 これにて松永光君、渡部恒三君の発言は終了いたしました。
 次に横路孝弘君。
#84
○横路委員 お尋ねをいたしたいと思いますが、いまお話がありましたオプションの点ですけれども、常務会でいろいろとお話をなされたというお答えがございましたが、この常務会には現在の若狭社長、当時の副社長ですね、それから現在の渡辺副社長、当時の専務ですね、この方はその常務会には出席をされているメンバーですか。
#85
○大庭証人 常務会でありますから当然だと思います。
#86
○横路委員 それでは、先ほど証人が御証言された常務会で話をしたというときには、この二人もおったということになりますね。
#87
○大庭証人 私がいろいろな事情からダグラスが好ましいんだということは、いろいろなチャンスのときに述べていますから、御承知であったのではないかと存じますが……。
#88
○横路委員 それから、その四十五年の二月に若狭さんを団長とする訪米団を送って、帰ってきてからいろいろとその報告があった。先ほどちょっと明確じゃないのですけれども、そういう報告そのものは優劣がなかなかつけがたいというお話だったということですが、そこでどの機種にするかということについては何か社長に一任するみたいな話というのは、そういう常務会の席上とかあるいは選定準備委員会の席上等でお話があったのでしょうか。
#89
○大庭証人 まだその段階では、社長一任ということにはなっていないはずでございます。要するに、計画的に一応調査団を派遣してその報告を聞くというところで、次に進めようとしているときに問題が起きたわけでございますから、まだそこまでいっていなかったと存じます。
#90
○横路委員 先ほど結論的に社長一任だというような何か御発言があったのですが、その結論的にという意味は、社内でそういう常務会の席上等でお話をいろいろしておってみんなが承知をしておるということを、結論的には一任だというような御発言になったのでしょうか。
#91
○大庭証人 そういう意味ではありません。先ほどからときどき、じゅんじゅんと御説明申しましたように、すべては私の計画に基づいてすべてをリードしてきていたのでありまして、したがって最終的には私に一任されるものとして、私は会社の責任を持って行動をしていたわけでございますから、さよう御承知願いたい。
#92
○横路委員 そういう大庭さんの考えに、これは若狭氏も渡辺氏も知っておったと思うのですけれども、特にクレームをつけるということはなかったわけですね、じゃあ。
#93
○大庭証人 クレームをつけられなかったと存じます。
#94
○横路委員 もう一度そのオプションの、今度はサインのことについてちょっとお尋ねしたいのですけれども、このオプションのサインをなさった記憶があるというお話でしたけれども、それはどこでやられたのか、場所は御記憶ございますか。
#95
○大庭証人 社長室だったと存じます。
#96
○横路委員 そのときはダグラス社と、それだけでしょうか。ダグラスの代理店の三井物産の関係の方はおられたでしょうか。
#97
○大庭証人 私は余り英語が話せないものですから、全部代理店の方がついてきて通訳したと思いますので、三井物産の方はどなたかついていたと存じます。
#98
○横路委員 そのときに全日空側として参加されたのは大庭さんだけですか。あとの方はどなたかその署名をなさるときに一緒にいたということはないでしょうか。
#99
○大庭証人 私だけだったと存じます。
#100
○横路委員 このオプションの話をしたのは、全日空の社内に対してしたのは、先ほど社長をやめた引き継ぎのときに後任の社長、つまり若狭氏等にお話をしたという証言がありましたけれども、あなたがやめられるというその引き継ぎの以前に社内の人に話をなさったということはないのでしょうか。
#101
○大庭証人 ありませんです。
#102
○横路委員 その引き継ぎをするときは頭の中がいっぱいでというお話がありまして、このオプションの問題だけが気になっていることだということでしたが、書類を整理して引き継ぎをなさったということはやられなかったのですか。
#103
○大庭証人 そういうことは全然やりませんでした。
#104
○横路委員 そこで、もう一つ別の問題に進みたいというように思いますけれども、あなたは児玉譽士夫と会ったことはございますか。
#105
○大庭証人 一度会ったと思います。
#106
○横路委員 それは全日空の社長になってからですか。
#107
○大庭証人 さようでございます。直後だったと思います。
#108
○横路委員 その児玉譽士夫と会うという話はあなたの方から持ちかけた話なのか、向こうから会いたいと言ってきた話なのか、それはどうでしょうか。
#109
○大庭証人 社長になった直後、いろいろごあいさつを回る中に児玉さんにもあいさつをするという項目があったものですから、こちらから面会を申し込んで会ったと思います。
#110
○横路委員 そうすると、全日空の社長になってあいさつ回りをしなければならぬという項目の中に児玉譽士夫と会うというのがあったわけですね。そうすると、やはり全日空の社長になりますと、一応あいさつをするという、社内的にはそういうことになっておったわけですね。
#111
○大庭証人 それは存じませんです。前の森村さんがどういうようにやられたかについては私は存じていません。私は、私としてやったわけであります。
#112
○横路委員 あいさつの項目に入っておったというのは、あなたの発想なんですか、そうじゃなくて、あなたが社長になったときに、会社の中の秘書室というのですか、そういう社長の日程をいろいろ決めるその中にその日程が入っておったのか。あなたが会いたいと思って入れてくれという指示をしてそれを準備をしたのか。それはどうなんでしょうか。
#113
○大庭証人 それにつきましては、日本航空の方ともよく相談をして決めたように思います。
#114
○横路委員 日本航空と相談をして決めた。そこで、もう一度重ねての質問になりますが、あなたが会いたいと思ったのか。だれかからやはりサゼスチョンがあったのでしょう、会った方がいいんじゃないかと。社長になったらごあいさつに行くもんだというようなサゼスチョンがやはりだれかからあったのでしょうね。どうですか。
#115
○大庭証人 そういうサゼスチョンはあったかどうかわかりませんが、恐らく、ここで申していいかどうかわかりませんが、私の記憶からいたしますと、何というのですか、総会のときにお世話になる方に全部回ったように思います。
#116
○横路委員 書類の中に名前が入っておったというのですから、もう一度くどいようですけれども、あなたの発言じゃなくて、そういう社長のスケジュールの中にもう書いてあったというのですから、社の中でだれかが考えて入れたのでしょうね。それをもう一度、くどいようですが確認しておきます。
#117
○大庭証人 私が聞いた範囲内でスケジュールの中に入れたと思います。
#118
○横路委員 それで、日本航空と相談をしたというのは、そのスケジュールをあなたが見て、そうして日本航空の方と相談をしたという意味ですか。それともスケジュールを組むときに日本航空の方と相談をしてその中に入れておったというのをあなたが後で聞いたのか。その辺はどうでしょう、日航との相談の内容は。
#119
○大庭証人 どういう方にあいさつをしたらいいかということは、私が行って聞いてスケジュールの中に入れたように思います。
#120
○横路委員 その日本航空の相談された方はどなたですか。
#121
○大庭証人 それはいま存じていません。
#122
○横路委員 忘れてしまったのかしら、お答えください。
#123
○大庭証人 それについては、余りはっきりと存じていません。
#124
○横路委員 その相談をした日航の方というのは、いまも日本航空におられる方ですか。
#125
○大庭証人 それが思い出せれば大体名前はわかるわけですが……。
#126
○横路委員 それで、どこでお会いになりました、児玉譽士失と。
#127
○大庭証人 私のいまの記憶では、帝国ホテルの一室だったと思います。
#128
○横路委員 そうすると、総会対策ということで、そういう関係の人ということで児玉譽士夫に会った方がいいということは、全日空の株主総会を取り仕切っているのは児玉譽士夫本人なのか、それは本人の系統なのかわかりませんが、児玉に話をしておくと全日空の株主総会はうまくいくというような意味ですね。
#129
○大庭証人 ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが、実は私が社長になるときに、すでに相当にもめたわけでございまして、それは御承知のとおりだと存じますが、したがって社長になる以上はこれらにごあいさつをしておく方がいいということでごあいさつをしたのだと存じています。
#130
○横路委員 あいさつに行ったこの種の人というのは、児玉譽士夫のほかにどなたがおられますか。
#131
○大庭証人 たくさんいたと思いますから、いま一々それをここで挙げるほど覚えていませんです。
#132
○横路委員 そこで、会って話をしていてどんなお話になりましたか。
#133
○大庭証人 ただごあいさつをしただけで、よく覚えていませんが、十分前後で終わったと思います。
#134
○横路委員 そのときは、大庭さんのほかに全日空の方は、どなたかおられましたか。
#135
○大庭証人 私一人だったと思います。
#136
○横路委員 あなた一人というのは、それ以前にも面識があったのですか。
#137
○大庭証人 全然、面識はありません。
#138
○横路委員 しかし、そういう社長就任のあいさつなんですから、普通ですと、たとえば、だれか秘書室のメンバーが一緒についていくとか、役員のだれかがついていくというのが普通じゃないでしょうか。思い出さないかしら。
#139
○大庭証人 それは、あるときにはそうであったし、あるときにはそうでない、いろいろな場合があったと思います。
#140
○横路委員 重ねてお尋ねしますけれども、そのときはお一人だった、向こうも一人だったのですか。
#141
○大庭証人 向こうは一人であったかどうか、わかりませんが、こちらからアポイントメントをとって、そしてルームを指定されてルームに行ったと思います。
#142
○横路委員 しかし、面識がなくて、ロビーで会って、わかりますか。
#143
○大庭証人 ロビーで会ったのでなしに、ルームを指定されてルームに行ったと思います。
#144
○横路委員 社長になったからよろしくという話なんでしょうけれども、エアバスに関連するような、そういう何か飛行機の話ですね、大庭さんは飛行機のことは技術的には専門家であられるというように聞いておりますけれども、ダグラスの話だとかいうような、そういうエアバスの話というのはそのときに全然出ませんでしたか。
#145
○大庭証人 そのときには全然そういう問題は出なかったと思います。
#146
○横路委員 もう一つお尋ねしますが、航空界は大きな金が動くものだというように、今度の事件でわれわれみんなびっくりしているわけですけれども、大庭さんのいろいろな御発言ですと、航空界といいますか、こういう業界でリベートというのは普通なんだというような御発言も、ちょっと新聞等でもって報道されているようでありますけれども、その辺のところはどのようにお考えになっておられるか、お聞きします。
#147
○大庭証人 ポスト誌か何かにあったように思いますが、これも質問に応じて答えたのでありますが、答えた中にそういうようなことを、まあ、それぐらいの金は動くだろう、それがリベートであるということは申してないわけだと思いますが……。
#148
○横路委員 航空界において飛行機を買うときの皆さん方の社会の実態みたいなことについて、もうちょっとお尋ねしたいのですけれども、その言葉をリベートと言うか何と言うかは別にして、大きな金が動くというお話をなさったという、大きな金が動くというのは一体どういうことなのか。その辺のところを、ちょっと御説明いただきたいと思うのです。
#149
○大庭証人 大きな金が動くというのは、ちょっとお答えしづらいのです。大きな金という問題になりますと、それは私にもわかりません。ただ、いわゆる代理店を持ちますと、エージェント代というものが動きますし、それから一機について向こうのPR代というものが先方としてついているわけであります。それに機種の導入について本社のPR費用というものがつくわけですから、いろいろ、その間を総合しますと相当の金額になるということを申し上げたわけでございます。
#150
○横路委員 時間の関係で、大庭さんが最後にやめられた理由について、少しお尋ねをしたいと思うのですが、先ほど会社内の不統一というお話だったのですが、これは大庭さんとだれとの間の不統一のことを指しておられるのでしょうか。ちょっとお答えづらい問題かもしれませんけれども、ぜひ、この問題を解明するために、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
#151
○大庭証人 これは申し上げなければいけないのですか。
#152
○荒舩委員長 知っておられることは、どうぞひとつお話しください。
#153
○大庭証人 それでは申し上げますが、大体、重立っては専務としての鈴木君と渡辺君で、重立ったのは二人じゃないかと思います。
#154
○横路委員 そこで、先ほど余りお答えにならなかった点なんですが、後で、もう一度その辺のところの事情をお尋ねしたいと思いますが、先ほども、いわば金融の問題、融資の問題が、もう一つの理由だということなんですが、この融資の問題というのが大庭さんのところに話が来たのは、いつごろなんでしょうか。
#155
○大庭証人 最初の話が来たのは、六月の終わりか七月の初めごろだったと思います。
#156
○横路委員 最初の話というのは、金額は幾らというようなお話だったんですか。
#157
○大庭証人 最初の話は五百億か何か、そこらでなかったかと思います。
#158
○横路委員 ちょっと書類を確認したいのですが、よろしいでしょうか。
#159
○荒舩委員長 いいです。
#160
○横路委員 ここでちょっと質疑してよろしいでしょうか。
#161
○荒舩委員長 いいです。
#162
○横路委員 ここに全日空の大庭社長の名刺がありますが、これは御記憶ございますか。
#163
○大庭証人 はい。
#164
○横路委員 ここに書いてあることも間違いございませんか。
#165
○大庭証人 それは私が書いたんではないと思います。
#166
○横路委員 先ほど部下に聞けばよくわかるというお話だったんですが、大庭社長の上に長谷村さんという方の名刺がありますけれども、これは長谷村さんのものですか。
#167
○大庭証人 それに特命をしたわけでございます。
#168
○横路委員 彼に命じたわけですね。
#169
○大庭証人 はい。
#170
○横路委員 聞こえないかもしれないので、ちょっと大きい声で。
 それで、ここに印鑑証明がありますが、これも間違いございませんか。
#171
○大庭証人 これは会社の判だと思います。
#172
○横路委員 会社の判……。
#173
○大庭証人 これは長谷村のであるかどうか、長谷村に聞いていただかぬと私にはわかりませんが、多分、間違いなかろうと思います。
#174
○荒舩委員長 ちょっと、もう少し大きいのでなくちゃ速記がとれない。――もう一度。
#175
○横路委員 ここに全日空の会社の判と、それから、あと長谷村さんの印鑑証明がありますが、これは見覚えございますか。
#176
○大庭証人 これは全日空の判でないかと思いますが、よくはわかりません。
#177
○横路委員 わからないですか。
#178
○大庭証人 はい。それから、これが長谷村君の印鑑であるのかどうかも、長谷村君に聞いてみないとわかりません。
#179
○横路委員 そうですか。
 ここに四十四年六月十七日付の申込書と念書というのがありますね。これは私たち調べてみても、ちょっとどうも本物かどうかというのははっきりしないのですが、御記憶ございますか。
#180
○大庭証人 申込書というもの、こういう文書でなかったように思います。それから金額の点が、これはこんなにたくさんの金額というものは、私の記憶にはありませんです。
#181
○横路委員 そうですか。はい結構です。
#182
○大庭証人 これが会社の判でないかと思いますね。
#183
○横路委員 判は会社の判ですか。
#184
○大庭証人 これが、はい。
#185
○横路委員 はい、わかりました。
 書類がたくさんありまして、確認をするのに本人のそばの方が話が早く済むものですから、こういう方法をとらせていただきました。
 いま、いろいろと文書をお示しをして、若干、金額の点、そのほかが違うようでありますが、あとは大体、印鑑が同じだ。これが最初の話ですね。この最初の話はだれの紹介だったんですか。
#186
○大庭証人 それは最初の話の分ではないんでないかと思います。何かそのときに四組ぐらいあったわけでありまして、その中の、その文書が、どれに当たるのか私もよく存じませんが、前の分は金額が五百億が五千億になっているというのは、ちょっと五千億という数字は私、記憶がありません。
 それから、後の分の、念書のその横の分の何というのですか、長谷村に特命をして私の代行者と認めたというものは、後の鈴木という分のものでないかと思われるところがありますが、私もよくわかりませんです。
#187
○横路委員 何かいろいろと話があったようでありますけれども、こういう話を信用するというのは、ちょっと私たちの常識では考えられないのですが、大庭さんが信用された、その根拠は一体どういうところにあるのでしょうか。
#188
○大庭証人 私は余り信用はしていないわけです。しかし、そういう金がもしもうまく会社に入るんなら、これにこしたことはない。したがって、私は申し込みはしますけれども、一応、会社に金をお入れなさい、そうしたら会社として正当な契約をいたしましょう、リベートもいたしましょうという念書になっていたと思いますが。
#189
○横路委員 それで、そういう話がいきなりぽんと来たって、完全に信用しないまでも、大体、会って話を聞くということもなさらないだろうと思うのですが、だれか紹介者がおったろう。きょう、新聞でも報道されておりますけれども、それの紹介者は一体だれだったのですか。
#190
○大庭証人 紹介者の名前は、その組が先ほど申したように三組か四組、違った組が来ているわけで、どれがどれに当たるか知りませんのです。ただ、最近新聞に出ていましたような鈴木何がしという者が一つの件を持ってきて、それは三千億でなかったかと思いますが、それの紹介者は多分、大石代議士と原田代議士でなかったかと思います。
#191
○横路委員 原田代議士と大石代議士というのは、現在、自民党に所属されている原田憲代議士と大石武一代議士のことですか。
#192
○大庭証人 そうだったと思っています。
#193
○横路委員 そのとき、原田さんと大石さんというのは何か役職についておられましたか。閣僚であるとか自民党内の役職だとか。
#194
○大庭証人 大石さんはそのときどうであったか知りませんが、原田さんは恐らく、そのときの大臣だったと存じます。
#195
○横路委員 どこの大臣をやっておったんでしょうか。
#196
○大庭証人 運輸大臣であったと思います。
#197
○横路委員 まあ運輸大臣というと、皆さん方の仕事の上で一番関連のある官庁であるということになりますね。
 それで、時間がありませんので最後にお尋ねしたいのですが、あなたがおやめになったときの株主総会――先ほど、社長になったときもいろいろごたごたをした、一年後やめざるを得なくなったときも、ごたごたしたわけですね。この株主総会をいろいろと取り仕切ったのはだれなんですか。
#198
○大庭証人 私にはわかりませんが、株主総会を取り仕切ったと申すと、だれだったかわかりません。
#199
○横路委員 ともかく児玉譽士夫のところに、あいさつに行ったわけでしょう。そうすると、彼にあいさつすると一体だれのところが押さえられるといいますか――児玉譽士夫本人が株主総会に出てきて騒ぐわけじゃないでしょう。そうすると、あなたがあいさつに行ったというのは、彼のところに行けば、だれかのところにその話が通ずる、その通ずるところは一体どこだったのでしょうか。
#200
○大庭証人 私は、それほど何と申しますか、どこに通ずるとかということではなしに、こういうところへあいさつをしておくべきだということから、したわけでございまして、それがどういうように通じたかということは承知していませんです。
#201
○横路委員 それは、つまり話というのは、いわゆる総会屋というのがいますね。その総会屋を押さえるということで、ともかくあいさつしておこう、こういうことでしょう。
#202
○大庭証人 総会屋を押さえるということで、あいさつをしておくというんでなしに、総会のときには、いろいろ、そういう方々が出ていろいろ意見を述べられるから、それに対しては一応ごあいさつをしておきなさいということであったと思うんです。だから、したがって単にそれをコントロールするとか、どういう意味ではなしに、総会屋に全部あいさつに回ったように思いますよ。
#203
○横路委員 問題があれば――これはやはり日本の企業の体質だと思うのですけれども、本来、何かおかしなことがあれば、たとえば警察に話をちゃんと出して処理をしてもらうというのが筋ですわね。その辺のところに――まあ時間がございませんので、これで終わりにいたしたいと思いますが、非常に率直にお話しいただいたことを、三回目の証人喚問ですけれども、そのように思います。どうも。
 終わります。
#204
○荒舩委員長 横路君の発言は終了いたしました。
 次に三浦久君。
#205
○三浦委員 共産党の三浦久でございます。
 御質問をいたしたいと思いますが、オプション契約を締結をされまして、それは、あなただけが知っているんではなくて、若狭現社長も知っているのだということが、あなたの証言で、はっきりいたしたわけでありますけれども、このオプション契約というものは、ある日突然締結するものじゃありませんね。やはり大きな買い物といいますか、一応順序をとっておくというわけですから、それまでにいろいろな下交渉というものがあると思うのですね。あなただけが電話をかけたり駆けずり回ったりして、締結にこぎつけるというようなものではないと思うのです。それで、そのオプション契約について、まあ、あなたの補助者としてでも、また、あなたの代理人としてでも、いろいろとこの下交渉に当たられた方のお名前ですね、存じ上げておったら御証言いただきたいと思います。
#206
○大庭証人 オプション契約につきまして、私はだれにも相談をしないで私自身でやったわけで、後で若狭君がそれを知らなかったということは事実でないかと存じます。
#207
○三浦委員 判断は証人が単独でおやりになったのかもしれませんけれども、いろいろ相手との連絡であるとか、さあ、どういう内容のオプション契約にするとか、そういうようなことについての下折衝というのは当然あったと思うのですね。そういうあなたのお手伝いをした社員の方とか、そういう方は御存じありませんか。
#208
○大庭証人 先ほど飛行機を購入するときの順序は御説明申し上げたと存ずるのですが、オプション契約というものにつきましては、下交渉なんかは必要ないんでございます。要するに、四十七年の一月に私の方で手に入れようとしますと――実用機をです。実用機を手に入れようとしますと、その途中に本契約とか仮契約というようなものがありますが、その、また前に製造番号を押さえるというオプションというものがないと、契約のときに希望する製造番号を押さえることができないわけでございます。したがって、いろいろ各会社からは、四十七年にどういうように間に合うとか間に合わないとかいう報告は、説明に来ると同時に、いつごろから手に入るというようなことは説明の中に入っているわけでございます。
#209
○三浦委員 わかりました。
 あなたは先ほどの証言で、私がやめる決心をしたのは、日航の松尾社長さんが、もうやめたらどうか、こういうことを言われたからだとおっしゃいましたね。間違いありませんか。
#210
○大庭証人 間違いありませんです。
#211
○三浦委員 これは大変問題だと思うのですね。あなたは社内事情でおやめになった、こういうように言われているわけですが、これは社内事情じゃないのですね。日航というのは半官半民の航空会社であります。そして、その社長さん、この人事は事実上、政府が握っている。そうすると事実上、政府が握っている日航の社長さん、その人の意向で、あなたがおやめになったということですね。いま、このトライスターの選定をめぐるさまざまな疑惑があるわけですけれども、あなた自身がやめさせられたのは、あなた自身は、はっきり気がついていらっしゃらないかもしれないけれども、外部からのさまざまな働きかけといいますか、そういうものがあったのではないか、こういうふうに憶測をされているわけですね。そうすると、あなたの証言というのは、それをまさに裏づけるような証言になっているわけなんです。あなた自身、やめるに当たって松尾社長さん以外にいろいろな働きかけがあったということはありませんでしょうか。
#212
○大庭証人 松尾社長は日本航空の社長であり、いま御説明がありましたように、半官半民の会社だから束縛を受けていると申しますけれども、私と松尾さんとの間は、いわゆる切っても切れない友達でいるわけであります。したがって松尾さんが話された、また松尾さんにお願いしたものは、日本航空の社長としてお願いしたことでなしに、私の友達としてお願いをしたんでございます。(発言する者あり)
#213
○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。――本人が大丈夫だと言うので。座ったままで、どうぞ。
 では、三浦君の質疑を続行いたします。
#214
○三浦委員 よろしいですか。どうぞお座りください。
 大変あなたの感情にさわるような御質問をして申しわけないと思うのですけれども、それがまた真相解明にとって欠くことのできない問題になっておるものですから、大変御苦労だと思いますけれども、落ちついてお答えいただきたいと思います。
 先ほどのあなたの御証言によりますと、御自分が全日空の社長さんをおやめになるとき、いや気が差したからやめようという気になった、こう言われましたね。あなたと一緒に働いている人、この方から私お聞きしたのですが、あなた、おやめになるときには、こんな伏魔殿みたいなところにいられるか、こう言って、おやめになったというふうに聞いております。いや気がしたという、その内容ですが、もう少し詳しくお話ししていただけませんでしょうか。
#215
○大庭証人 そういう言葉を使ったとは思っていないのでございますが、いや気が差したということは、この前の私が社長になるときに、すでに、そのことは起きてきておったわけでございますが、いろいろの話し合いの結果、妥協点を見出して私だけが社長に残ることになったのであります。したがいまして、その一年間にできる限り社内の統一を図るために、若狭君にも来ていただきましたし、私としても、できる限りの努力はいたしたつもりでありますけれども、不徳のいたすところで、社内の融和を十分に図り得なかったということでございます。
#216
○三浦委員 社内の統一ができなかったというふうにおっしゃっておられますが、社内のどんな不統一があったのでしょうか。もう少し具体的にお願いいたします。
#217
○大庭証人 それではお答えいたしますが、運航技術面につきましては、私が当然リードしてきていたために、それについてのとやかくはなかったと思います。ただし、経理とか人事問題について、いろいろ私の思うとおりにならなかったわけでありまして、この点について、いろいろ不和があったという意味でございます。
#218
○三浦委員 あなたは先ほどの証言で、常務会で、いろいろDC10の導入問題について話がなされたと、こう言われましたね。そのときには若狭現社長も出席をしていたはずだ、こう言われましたね。この常務会でDC10の話をするときに、若狭現社長はどういう御意見だったのですか。DC10の方がいいという、あなたと同じような考え方だったのか、トライスターの方がよろしい、そういうような意見をお持ちになっておったのか、お伺いしたいと思います。
#219
○大庭証人 私の記憶の範囲内では、どなたも御意見は持っていなかったと思います。私よりも以上に意見を吐ける人がいなかったはずでございます。
#220
○三浦委員 そうしますと、あなたがおやめになるまで、そういう状態は続いたというふうに承ってよろしいですか。
#221
○大庭証人 そうでございます。
#222
○三浦委員 少し話が戻りますが、あなたが社長さんに就任をされたときに、児玉譽士夫さんのところにごあいさつに行ったと、こういうお話がありましたね。当然、児玉譽士夫さんだけではなくて、ほかのいろいろな政界、官界の方々、また財界の方々にもごあいさつに行かれたと思うのですが、財界の方はちょっとおいて、政界それから官界、どういうような人々のところにそのほかごあいさつに行かれましたでしょうか。
#223
○大庭証人 たくさん行きましたからよく覚えていませんが、また、私は、御承知のように、一面には体育協会の専務理事でもありましたわけでありまして、常時代議士の方その他の方々にもその意味でもお会いしていたわけでありまして、どなたに会ったかということになりますと十分記憶がありませんです。
#224
○三浦委員 またあなたの余り思い出したくない問題にちょっと触れさせていただきますけれども、特別融資の問題ですね。申込書と念書、これが市中に出回りましたね。そのときに当然あなたはそれを早く回収しようというふうに努力されましたね。あなたはだれかにそのお仕事をお頼みになったのではありませんか。
#225
○大庭証人 それは念書にも書いておいたわけでございますが、私が先ほど申したと思うのですが、私の部下の長谷村に特命で命じていたものでありまして、さよう御承知願いたいと思います。
#226
○三浦委員 どういうところからその念書を回収されたのでしょうか。
#227
○大庭証人 それにつきましては私、詳しくは存じていないのでございます。ただ、回収は全部一応終わったわけですが、後からまた何か別のものが起きてきたのは長引いたように報告は聞いていますが、これについても長谷村にお聞きくださる以外、私は、報告でございますから、よくわかりませんです。
#228
○三浦委員 サンケイ商事の高橋豊という人、この人から回収をしたということはありませんか。
#229
○大庭証人 よく名前は覚えていませんです。
#230
○三浦委員 この念書の回収にはお金が必要だったでしょうか。よくこういう事件ですと、念書を返すからお金をよこせ、こういうことが多いわけですね。この事件には、そういうお金と交換でなければ念書を渡さない、そういうような人々がおったでしょうか。
#231
○大庭証人 私の知っている範囲内では、回収はめんどうであったけれども、全部お金を使わずに回収したという報告になっています。
#232
○三浦委員 ここにこの事件の特殊性があるわけですね。普通ですと、お金が欲しいからそういう念書をゆすりに使うということなんですが、この事件の場合には、全然お金を欲しがらない人たちの間を回っておった。そうすると、あなたの信用を失墜させるということだけが目的でこういう事件を仕組んだ、そういうような疑いが非常に濃く出てきているわけでありますけれども、もう時間がありませんから結論だけお話し申し上げますが、あなた自身は、いまからずっと振り返ってみて、現在、この事件があなたに対して何かすっきりしない、そういうような感じをお持ちになっていらっしゃるのじゃないでしょうか。
#233
○大庭証人 わかりませんです。
#234
○三浦委員 終わります。
#235
○荒舩委員長 以上をもちまして、三浦君の発言は終了いたしました。
 坂井弘一君。
#236
○坂井委員 大庭証人にお尋ねいたしますが、金融事件についてでございますが、先ほどの証言では、最初に五百億の話を持ってきたように記憶をしておる。このときにあなたの秘書の長谷村さんがあなたと一緒にこの話を持ち込んできた人とお会いになったと思いますけれども、御記憶にございますか。
#237
○大庭証人 記憶はあります。
#238
○坂井委員 そのときに大庭さんは融資の申込書にサインされましたですか。
#239
○大庭証人 サインしたと思います。
#240
○坂井委員 長谷村さんはいかがです。
#241
○大庭証人 同時に一緒にしたと思います。
#242
○坂井委員 印鑑証明はお渡しになりましたでしょうか。
#243
○大庭証人 あるものは渡したし、あるものは渡さなかったのでないか。要求はなかったから。
#244
○坂井委員 あるものはといいますと、私、最初の五百億のことについてお伺いしているわけなんですけれども、この場合にお渡しになった印鑑証明書というのはどなたの印鑑証明書でしょうか。
#245
○大庭証人 その印鑑証明書というのは、それは先ほどの御質問では会社の印鑑証明書のように見えたのですが。
#246
○坂井委員 このときにサインをして渡しましたこの融資申込書、これは回収されましたか。
#247
○大庭証人 全部回収いたしました。
#248
○坂井委員 それから次があるのですね。次の融資の申し込みの話のあったのが金額にして三千億。これは先ほど大庭証人がこの経緯についてあらましお述べいただきましたけれども、この三千億の融資につきましては、どこの銀行が融資をするというようなお話だったでしょうか。
#249
○大庭証人 どこの銀行が融資をするということでなしに、何かアメリカの金を融資できるということであったわけで、銀行の問題は、指定する銀行に入れろというだけのことであります。
#250
○坂井委員 外国の金を日本の銀行に入れる、その銀行の名前はそのときには出ておりませんか。
#251
○大庭証人 銀行の名前はこちらで指定したわけであります。
#252
○坂井委員 こちらで指定なさったということですか。それはどこでしょうか。
#253
○大庭証人 覚えていますのは、興行銀行と三菱銀行だと思います。
#254
○坂井委員 では、そのときに融資の申込依頼書に大庭さんがサインをなさって、同時に印鑑は、これは実印でございましょうか。
#255
○大庭証人 それは実印であったか、何であったかよく覚えていませんから、ひとつ長谷村にお聞き願いたいと存じます。
#256
○坂井委員 融資申込依頼書とは別に、金額あるいは期間、手数料、金利だけを書いたもう一枚の用紙、これも渡されたと思いますけれども、御記憶にございますか。
#257
○大庭証人 それがいわゆる念書だと存じるわけですが、それは向こうの希望に従って、二枚とか三枚とかにサインしたように存じています。
#258
○坂井委員 そういたしますと、いままさに問題になっております。その後回収に大変御苦労されたようでございますけれども、この後の分の三千億の融資。この分につきまして完全に回収がついたかどうかという点だろうと思いますが、コピーをされた分もあるというようなことについて、大庭さんはよく御存じと思いますけれども、いかがでございますか。
#259
○大庭証人 先ほども御回答申し上げたと存じますが、サインしたもの、本物は全部回収が終わったという報告でございました。ところが、何カ月かおくれてコピーが出回ったようでございます。それも一応遅まきながら全部回収したという報告になっています。
#260
○坂井委員 ちょっと前後しますけれども、最初の五百億、これは回収されたとおっしゃいましたが、これもコピーされまして、五千億という金額に書きかえられて回っておるというようなことについて、大庭さんは御存じございませんか。
#261
○大庭証人 存じません。先ほどそれを見せられたんだと存じますが、それは私は存じません。
#262
○坂井委員 じゃ、後の分の三千億でございますけれども、これが先ほどの鈴木明良、御承知のとおりでございますが、金融会社の運動資金のことに関連しましてこれが逮捕される。その際に警察に押収された物件の中に、大庭さんがサインをし、かつ全日空の社印を押された、ちなみにこれを実印としましょう、そういうものが警察に押収された、それがやがて全日空に返される。そういう経緯について、大庭さんは御存じございませんか。
#263
○大庭証人 全日空に返ってきたという覚えは覚えていませんけれども、それが何らかの方法でいろいろ出回ったのでないかということは存じています。
#264
○坂井委員 それじゃ、大庭さんは、山田正幸氏を御存じでしょうか。よく御存じと思いますけれども、御関係につきまして、ひとつ簡単におっしゃっていただきたい。
#265
○大庭証人 別に関係というものはありませんが、日本航空にいるときに、あれは松尾さんの秘書のような仕事をしていたわけでありまして、したがってよく存じています。
#266
○坂井委員 この山田正幸氏と小佐野氏が親しいということについても御存じだと思いますが、いかがでしょうか。
#267
○大庭証人 それは彼が選挙に出ているためによく存じています。
#268
○坂井委員 山田正幸氏は、あなたが書かれたこの三千億、サインされました、実印を押されました三千億の念書、これの回収に動かれましたか。
#269
○大庭証人 山田君は全然知らなかったはずでございます。松尾さんも知らなかった。社員で知っているのは長谷村君だけであったと思うのです。
#270
○坂井委員 では、大庭さんは、山田正幸さんは念書の回収には一切動いていない、こう思っていらっしゃるということでしょうか。
#271
○大庭証人 私はそう思っています。
#272
○坂井委員 そうしますと、この際、先ほど申されました、お答えになりましたが、直接やってきたのが鈴木でありまして、紹介状は、当時佐藤内閣の運輸大臣でありました原田憲氏、それから衆議院決算委員長でありました大石武一氏、後の環境庁長官であります。直接持ってきた鈴木明良。この後にこの紹介状を持ってきた二人。その背後といいましょうか、だれかがこのような紹介状をつくって、そしてあなたのもとに鈴木氏が届けた。もともとこの融資の話をあなたに持ち込む、その一番最初の取っかかりになった人、計画をした人、それは、大庭さん御自身、だれだと御判断されておりますか。
#273
○大庭証人 存じませんです。
#274
○坂井委員 鈴木明良氏と田中角榮氏の関係は、あなたは御存じでしょうか。
#275
○大庭証人 存じませんです。
#276
○坂井委員 昭和二十七年に鈴木明良氏が田中土建の後を継いだというようなことについても、御存じございませんか。
#277
○大庭証人 存じませんです。
#278
○坂井委員 わかりました。
 それでは、オプション契約の際、全日空の社長室でサインをした。この際に、三井物産も来ておったかと思う。ダグラス社は、来られたのはどなたですか。
#279
○大庭証人 名前も、どういう格式であったかもよく覚えていませんが、恐らくこちらのダグラス社の支店の人間でなかったかと思うのでございます。
#280
○坂井委員 このオプション契約の中にはターゲットデー、つまり正式契約の日が入っておりましたか。
#281
○大庭証人 多分、あれは何カ月か先の予約をするわけですから、日にちは入っていたように思います。それがいつのターゲットデーになっていたかということは余りはっきり存じていませんが……。
#282
○坂井委員 いつの日にちかわからないけれども、ターゲットデーは入っておった。そういたしますと、その正式契約の日が参りますと、これは自動的にダグラス社から全日空に問い合わせがあるはずだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#283
○大庭証人 普通であればそうだと思いますが、若狭君の証言にありましたように、三井物産の方を呼んでお聞きしたようでございますので、そこでもうすべて一応は切れてしまったのでないかと思われます。
#284
○坂井委員 ちょっと御記憶を呼び戻していただきたいと思いますけれども、あなたが全日空をおやめになる直前に、机の引き出しをあけまして、そしてダグラス社と結びましたこのオプション契約をお出しになってある人にお見せになった、そういう御記憶はございませんか。
#285
○大庭証人 私はその記憶は全然ないのでございます。ただ、先ほど御説明申し上げたように、引き継ぎのときに、ダグラスにオプションをしているから後始末を頼むということは申したように存ずるわけでございます。
 それから、あとのことについては、全部秘密というものなしに、机の中に私のものは全部ファイルしてあるから見てくれればわかる、もしも必要であれば電話で聞き合わせてくればわかるということでもう退席して、その後全日空には行っていないわけですから、ひとつ御了承願いたいと思います。
#286
○坂井委員 もう一点だけお聞きしますが、丸紅の関係者、担当者が新機種の件で盛んに全日空にやってきた、あなたに会いたいということでしばしばやってきておるというような形跡がございますけれども、そのことについては、あなたはよく御存じでしょうか。あるいは特命でもってだれかに担当させたか。担当させたならばその人の名前、それだけお聞きしておきたいと思います。
#287
○大庭証人 丸紅にかかわらず、そのときの三井ですか、日商岩井ですか、それらは常時――常時と言っては言葉つきが違いますが、来ていて、私にいろいろな報告をすると同時に、ときどき本社の方から技術者並びに重役が来て、いろいろ私に説明をしに来ましたことは承知しています。
#288
○坂井委員 終わります。
#289
○荒舩委員長 坂井君の発言は終了いたしました。
 次に河村勝君。
#290
○河村委員 初めに、先ほど証言がありましたけれども、あなたがおやめになるときの経過を念のために確認をさせていただきたいと思います。
 あなたのさっきの証言では、名鉄の社長から、松尾当時の日航社長に話があって、それが五月の下旬ですかにあって、それがその次に取締役会に諮られた、こういうふうに聞きましたが、大体そういうことでよろしいのですか。
#291
○大庭証人 順序を申しますと、大体総会のための取締役会は五月の十日前後だと存ずるわけで、そこで決算報告と同時に、次の役員人事というものも大体決まったわけでございます。ところが、十四、五日だったと思いますが、先ほどの名鉄の社長の方から松尾さんの方へ書簡が来たわけで、書簡の中に、大庭を会長にして若狭を社長にしなさいというような書簡だったと思っています。
#292
○河村委員 そうしますと、取締役会では一回あなたの留任が決まっておった、それが後から覆された、そういうことになるわけですか。
#293
○大庭証人 恐らく取締役会に名鉄の社長は見えてなかったと思います。欠席していたのだと思います。
#294
○河村委員 欠席されていたかどうかは知りませんが、その取締役会では、あなたの社長留任が決まっておったわけですか。
#295
○大庭証人 そう思います。
#296
○河村委員 そうすると、名鉄の社長はどういう資格でそういう書簡を書かれたのか。だれで、全日空との関係はどういう関係でございましたか。
#297
○大庭証人 大株主でございまして、松尾の方にそういう書簡が行ったのだと思います。
#298
○河村委員 松尾さんは、そのときは全日空では役員をやっていますか。
#299
○大庭証人 取締でございます。
#300
○河村委員 それでは、オプション契約のことについて、少し私の疑問の点を伺いたいと思います。
 先ほどの証言で、オプションについてダグラス社に対してあなたのサインをしただけだ、したがって書類の取り交わしはないというふうに聞いたのですが、そう理解してよろしゅうございますか。
#301
○大庭証人 その点ははっきり私、いま覚えていないのでございます。取り交わすということでないのでありまして、サインをしたことは覚えているわけですが、その写しが私の手元に残っていたのか残っていないのかはわからないのでございます。
#302
○河村委員 普通の常識でありますと、オプション――仮発注というのが正確かどうかは知りませんけれども、一応契約に準ずるものです。ですから、その場合には書面を、単なる写しではなくて書面を取り交わすということでなければ、こちら側が相手方に対する権利を、ダグラス社に対する権利を証明するものは何もないわけですね。そういうものであるというのはちょっと不思議なんですが、ただサインだけすればよろしいものですか、オプション契約というのは。
#303
○大庭証人 サインと申しますけれども、先ほどから申しましたとおりに、DC10を四十七年の初めに入れるとしますと、その機材を製作にかかる、その製作は番号になっているわけですが、その番号でないとそれまでに合わない、その番号をほかから要求されると、あなたの方では一月に手に入りませんよというのがその製造番号の押さえ方なんでございます。だから、したがって、製造番号を、それではいつまでオプションを待てば行くかということで話し合いは随時なされてきておったわけだと思います。
 したがって、最終的に四十七年の一月に手に入る飛行機の製造番号を押さえるのは、四十五年の三月であったと思うのです。したがいまして、そこで押さえてもらいたいということで、それについて私がサインをした。そのサインの意味は、先ほども申しましたとおりに、代理人が来ているからその書類を本国に、大庭がこういう製造番号を押さえたんだということを通知するための書類だったと思うのです。
#304
○河村委員 内容はわかっているのですけれども、そうすると、オプションというのは、本来そうした書面の取り交わしなどは必要がない、そういうものだというふうに理解してよろしいのですか。
#305
○大庭証人 私のオプションというものを知っている範囲内では、そうだと存じます。
#306
○河村委員 三井物産との関係をちょっと伺いたいのですが、三井物産の人が通訳として立ち会ったと思う、そういうさっきの証言でありましたが、通常オプションの場合には、商社が、代理店が中に入って、代理店がメーカーとの間にやるのが普通だというふうに私どもは聞いておりましたが、全然三井物産はこの場合には、通訳としては入っていても、正式には間には入っていなかったわけですか。
#307
○大庭証人 入っていなかったと思います。私とダグラスとの間に取り交わしたのでありまして、通訳として立ち会っておったと思います。
#308
○河村委員 このときのオプションで、後でこれがロッキードに変わってしまったために、三井物産が全日空用に押さえてあった飛行機を他の航空会社、たとえばトルコ航空などに転売のあっせんをやっているわけですね。そうしますと、三井物産もやはり責任を負っていたように思われますが、その点はどう理解をすればよろしいですか。
#309
○大庭証人 私は、オプションをして、やめるときに、先ほど御説明申し上げたとおりに、引き継ぎ事項として、三井物産とよく善後策を講じてくれと言って引き継いでいるわけです。その後のことにつきましてはよく存じよりがありませんです。
#310
○河村委員 このオプションをあなたがなさって、社内に対しては話さなかったとおっしゃいましたが、話さなかった理由というのは特別に何かあるのですか。
#311
○大庭証人 いや、話したか話さないかはわからないのでありまして、だからしたがって、話は聞かないとおっしゃるから話さなかったんでないかと思っているわけです。
#312
○河村委員 それでは、融資の問題についてお尋ねをいたします。
 あなたが念書を入れた対象となっているのは、さっきお話のあった鈴木何がしから話の持ち込まれた三千億、これについてでございますか。
#313
○大庭証人 ちょっといまの意味が……。
#314
○河村委員 念書をお入れになったその相手方ですね、これは鈴木某、鈴木何がしであって、その金額は三千億というものであったわけですか。
#315
○大庭証人 鈴木何がしという者に対してはそうでございました。
#316
○河村委員 そうしますと、鈴木何がしだけではなくて、ほかの者に対してもやはり念書を入れたものがあるわけですか。
#317
○大庭証人 先ほど申し上げたとおりに、三組かそこらあったんじゃないかと思います。
#318
○河村委員 私どもが聞いているところでは、このあなたの念書が相当広範囲にばらまかれて、その中には児玉譽士夫氏の手に渡っていたものもあるということが伝えられておりますが、そういう事実がございますか。
#319
○大庭証人 私は聞いていませんです。
#320
○河村委員 一つだけ疑問の点をお伺いいたしますが、先ほども話がありましたが、あなたが自分で機種選定委員会をおつくりになったのが四十五年の一月ですね。そうして調査団をアメリカに派遣したのが二月、それで三月にはオプションをなさっているわけですね。
 それで、先ほど二年くらいなければ新しい機種の採用ができないというお話でありましたが、今度のロッキードの決まり方を見ますと、四十七年の十月三十日に機種選定を決定して、それで四十九年の四月に就航しておりますね。そうすると大体一年半でよろしい。そうしますと、そう急がなくても、夏か秋ごろでも十分間に合う、そういう計算になるようでありますが、その点はどうでございますか。
#321
○大庭証人 それは会社によって幾らかは違うわけです。
 それからもう一つ、これは御存じおき願いたいのですが、ダグラスであろうが、ロッキードであろうが、ボーイングであろうが、製造番号というものは、会社が特別に押さえている番号があるわけです。だから、したがって、特殊事情によっては、その番号を出し得ることは可能だと思うのです。私は、先ほど申し上げたのは一般的に申し上げたわけでございますから、さよう……。
#322
○荒舩委員長 次に、永末英一君。
#323
○永末委員 三井物産にダグラスの代理店になってくれというのは、大庭証人が行かれてお頼みになりましたね。
#324
○大庭証人 私が行って頼んだのではなしに、三井物産の方からそういう話が来たわけでございます。
#325
○永末委員 この鈴木何がし等が持ってきました融資並びに念書を書かれた件に関して、四十四年の十月ごろあなたの方の鈴木専務、渡辺専務にもこの間の問題を鈴木何がしが持っていったという話がありますが、あなたは御存じですか。
#326
○大庭証人 実は先ほど御説明申し上げたように、大体三件ぐらいあったのを全部回収が終わったという報告で一安心したわけでございますが、十月ごろになって、いまのような話が突然持ち上がってきたわけでありまして、それについては後始末は全部私の方でやりました。
#327
○永末委員 同じく四十四年十一月ごろ一つの念書について、これは三井物産の水上社長が立ち会わなければ渡さない、こう言われて、そういう場面ができてその念書が返却された、こう伝えられておりますが、事実でしょうか。
#328
○大庭証人 コピーが流れて、一部のコピーの中にはそういうようなのがあったことは承知しています。
#329
○永末委員 あなたと三井物産との間を引き裂く陰謀がこの件に絡んで行われたと見ますが、あなたはいまどう判断されますか。
#330
○大庭証人 わかりませんです。なかったと思います。
#331
○永末委員 終わります。
#332
○荒舩委員長 これにて河村君、永末君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして、大庭証人に対する尋問は一応終了いたしました。
 大庭証人には御苦労さまでございました。お引き取り願って結構でございますが、再尋問の場合があれば連絡いたしたいと存じます。自宅で御静養願うように願います。
 証人等の関係もありますので、午後一時より再開いたします。以上で休憩いたします。
    午後零時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#333
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 証人尋問を続行いたします。
 これより鬼証人から証言を求めます。
 まず、委員長より所要の事項についてお尋ねをいたします。
 あなたは鬼俊良君ですか。
#334
○鬼証人 俊良・鬼でございます。
#335
○荒舩委員長 生年月日、国籍、住所、職業を述べてください。
#336
○鬼証人 一九二一年九月六日生まれであります。住所は東京都大田区田園調布二丁目三十二の九です。年齢は五十四歳になります。国籍はアメリカであります。
#337
○荒舩委員長 あなたはいつ米国の国籍を取得されましたか。
#338
○鬼証人 一九六二年六月であります。
#339
○荒舩委員長 あなたがロッキード社またはその関連会社に関係を持つようになったのはいつからでございますか。
 なお、現在どういう仕事をしておられるか。あるいはその仕事の会社名、また個人でおやりだとすれば個人名を。職業はどういう職業ですか、お答えを願います。
#340
○鬼証人 一九五四年にロッキードに働くようになりました。
 現在の職業は、ロッキードエアクラフト・アジア・リミテッド日本支社のオフィスマネジャーをしております。
#341
○荒舩委員長 ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社とロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社、この両会社はどういう関係にありますか。
 また、特に航空機の販売に関する業務の分担は、その二つの会社でどちらが行っておりますか。
#342
○鬼証人 ロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッドという会社の日本支社が最初にありまして、その日本支社を閉めました後に、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの日本支社が登記されたわけであります。
 航空機の販売については、両社とも直接タッチはしておりません。
#343
○荒舩委員長 あなたはロッキード社のコーチャン元社長、いま副会長ですか、またこれをやめたかもしれませんが、コーチャン氏及びクラッター氏が日本人と会うときは常に通訳をして同席しておられたと聞いておりますが、それは事実ですか。
 また、クラッター氏とあなたの仕事上の関係は、その内容はどうなっておりますか。詳しく御説明願います。
#344
○鬼証人 コーチャン前副会長、クラッター氏が日本人と会われるときに必ずついていたわけではありません。
 クラッター氏と私との仕事は、クラッター氏は社長であり、私はオフィスマネジャーでありまして、それぞれの仕事をしておりました。
#345
○荒舩委員長 あなたは、ロッキード社のコーチャン氏及びクラッター氏が航空機の売り込みについてどんな役割りをしておられたか。またトライスター及びP3Cの売り込みについて、日本の政府高官、政界人または財界人と会ってどんな交渉をされたか。通訳としてお立ち会いになっておられたというので、全部その内容をよく知っておられると思いますが、これらについて納得のできるような説明を願いたいと思います。
#346
○鬼証人 コーチャン社長がよその会社の方に会いますときに通訳をいたしたこともございます。具体的に申しますと、全日空にお邪魔しましたときには若狭社長に会見をいたしまして、そのときに通訳をいたしました。
 済みません。次の……。
#347
○荒舩委員長 日本の政府高官、政界の人ですね、または財界人とコーチャンあるいはまたクラッター両氏が会われるときに通訳をしたり、これのお世話をしたということはありませんか。
#348
○鬼証人 クラッター氏についてそういう通訳をしたという記憶は一度もございませんが、コーチャン社長が海上幕僚長に表敬訪問をいたしましたときについていった記憶がございます。
#349
○荒舩委員長 だれとですか。だれと会ったときですか。
#350
○鬼証人 鮫島幕僚長であります。
#351
○荒舩委員長 幕僚長。それから政府の人とは、コーチャンあるいはクラッター氏が会われたことはありますか。
#352
○鬼証人 当時コーチャン社長でありましたときに、通産省に田中通産大臣をお訪ねしてお目にかかりましたときに通訳をした記憶がございます。
#353
○荒舩委員長 そのときは何年の何月ごろですか。覚えておりますか。
#354
○鬼証人 はっきり覚えておりませんが、多分昭和四十六年ごろではないかと思います。
#355
○荒舩委員長 そこで、コーチャン氏と田中通産大臣との会見であなたが通訳されたと言いますが、どんな話が出ました。どんな話でした。飛行機を買ってもらいたい、トライスターを買ってもらいたいというような話が、またそういう世話をしてもらいたい、推薦をしてもらいたいというような話がありましたかどうか。
#356
○鬼証人 そのような話はございませんでした。
#357
○荒舩委員長 どんな話でしたか。
#358
○鬼証人 私が覚えておりますところでは、そのときはYXの話をしておられました。
#359
○荒舩委員長 YXのどんな話でしたか。
#360
○鬼証人 当時日本でYXを始めるという計画があるということで、ロッキードの蓄積した航空機をつくるに必要ないろいろな技術やノーハウを提供して、またロッキードの試験施設などもぜひお使いください、全面的に、縁の下の力持ちでもいいですから、日本のYX製造に協力したいという申し入れをしていたように記憶しております。
#361
○荒舩委員長 トライスターの売り込み等について一言も話は出ませんでしたか。
#362
○鬼証人 トライスターについては一言も話が出なかったと記憶しております。
#363
○荒舩委員長 あなたは、コーチャンまたはクラッター両氏あるいは単独のときもありましょうが、児玉譽士夫君との会見の際、通訳をされておると思いますが、あなたは、通訳をしたことは何回ぐらいあって、その年月日はわかりますか。
#364
○鬼証人 回数は記憶しておりません。
#365
○荒舩委員長 コーチャン氏と児玉譽士夫君と会見したときには、あなたが通訳したんじゃありませんか。そしてどんな話をしましたか。どうぞ。
#366
○鬼証人 私は通訳をしておりません。
#367
○荒舩委員長 通訳全然しておりませんか。
#368
○鬼証人 全然しておりません。
#369
○荒舩委員長 それでは児玉譽士夫氏を知っておりますか。
#370
○鬼証人 お名前は知っております。
#371
○荒舩委員長 いや、名前じゃない、その人物と会ったことはないですか。
#372
○鬼証人 お会いしたことございません。
#373
○荒舩委員長 通訳をしたことはありませんか。
#374
○鬼証人 通訳をしたことはございません。ただし、もう二十年近く前に、どこかの会合でお見受けしたことがあるような気はいたします。
#375
○荒舩委員長 小佐野賢治氏とコーチャン氏が会見したとき、あなたは通訳しておりますか。その年月日はいつごろですか。お答え願います。
#376
○鬼証人 私は通訳をしておりません。
#377
○荒舩委員長 小佐野賢治氏を知っておりますか。
#378
○鬼証人 知っておりません。
#379
○荒舩委員長 全然、会ったことは一遍もありませんか。
#380
○鬼証人 お会いしたことは一度もございません。
#381
○荒舩委員長 ちょっと私、コーチャン氏とクラッターと児玉譽士夫氏やあるいは小佐野氏と会見するとき、あなたが通訳をしておる、いつも通訳をしておるから、その内容も全部知っておるということを聞いておりますが、いまのお話では、一遍も通訳をしたということはありませんか。ちょっとおかしく考えられるのですが、どうですか。
#382
○鬼証人 一遍も通訳をしたことはございません。
#383
○荒舩委員長 通訳じゃないのか、君は。おかしいな。恐らく児玉譽士夫氏も小佐野氏も英語を知らないと思うのですが、通訳が要ると思うのですが、あなたが通訳しているんじゃないんですか。
#384
○鬼証人 私は通訳をしておりません。
#385
○荒舩委員長 あなたは、ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社とロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社、両社が丸紅の大手町ビルの中に事務所があって、毎日そこへ出勤されておるということでございますが、丸紅の檜山会長あるいは大久保、伊藤両専務と絶えず会見をせられたり、飛行機の売り込みについての事柄について話し合われておったと思いますが、商売の、仕事の上ばかりでなく、非常に丸紅の以上申し上げた三氏と個人的にも深い関係だと聞いておりますが、それらについて詳しく説明を願います。
#386
○鬼証人 丸紅の檜山会長と大久保さんは知っておりますが、伊藤さんは、こちらは顔を知っておりますけれども、お会いしたことはございません。
#387
○荒舩委員長 そこで、ロッキード社のアメリカのコーチャン初めいわゆる役員が来たときには必ずあなたの事務所へ行かれる。子会社でありますからあなたの会社へ行かれるということで、そのときあなたが通訳して、丸紅の会長、社長、専務、それらと会談をしたり、あるいはあなたの事務所で全日空の役員と話し合われたりすると聞いておりますが、そういうことについてひとつ御説明願います。
#388
○鬼証人 丸紅の方は、皆さん英語が堪能でありますので、丸紅の方とコーチャン氏が会うときなどに、私は通訳をいたしておりません。また、全日空の経営者の方がうちの支社にお見えになるということはございませんでした。
#389
○荒舩委員長 丸紅の方は英語が全部堪能だということを丸紅の人をよく知らない人が――あなたは知らないと言っておりますが、知らない人が、英語がよくできるかどうかというようなことをよく御存じですね。ちょっとおかしいじゃありませんか。
#390
○鬼証人 檜山さん、大久保さんが英語をお上手なことは、私は英語で話をされるところを聞いたことがありますので、わかっております。
#391
○荒舩委員長 伊藤専務は英語はだめなんですか。
#392
○鬼証人 わかりません。
#393
○荒舩委員長 コーチャン氏がしばしば日本にやってまいります。その目的はロッキード社のトライスターの売り込みであります。あなたは通訳をしないでも、その子会社のマネジャーをおやりだというさっきのお話ですから、コーチャン氏が来た、あるいはクラッターがいろいろな人とお会いになるときあなたが絶えずついておられたわけじゃありませんか。いまの話ですと、全然知らない人のようなことで、どうも私は納得できないのですが、どうです、もう少し打ち明けた話で話してくれませんか。ちょっとおかしい。私には納得できない。少しおかしいと思うのですがね。
#394
○鬼証人 先ほど申し上げましたように、私はオフィスマネジャーでありますので、通訳としてどこへでも引っ張っていかれていたわけではございません。
#395
○荒舩委員長 オフィスマネジャーであっても、比較的いまの子会社で地位が高いのですから、しかもこの二つの子会社は飛行機の売り込みに関係がある。そのあなたはマネジャーをしている。通訳をしないでも、ロッキード社の飛行機をどこへ売り込む計画でどういうことをしているのだ、どういう方面に運動しているのだ、コーチャンが来たときにはどういうふうな動きをしているのだ、またクラッターという人がどういう仕事をしているのだということは、あなたはよくわかっておると思うのですが、この点をひとつはっきりお答え願いたいと思います。どうですか。
#396
○鬼証人 コーチャン社長が日本にトライスターを売りたい、できれば全日空に売りたい、さらにできれば東亜国内航空にも売りたいということを目的としていたと私は思います。
#397
○荒舩委員長 その事柄は、あなたは通訳しないでもいわゆる商売人としてよく御存じじゃないのですか。知らないのですか。知らないでマネジャーがよくできますね。おかしいじゃありませんか。はっきりひとつお答え願いたいと思うのです。
#398
○鬼証人 ただいま申しましたように、トライスターを売りたいという目的で来ていることは私は知っておりました。
#399
○荒舩委員長 そこで、コーチャンがしばしば来たときに、コーチャンはきのうはだれとだれと会った、きょうはだれとだれと会う予定だというようなことは、マネジャーが全然知らないのですか。ちょっとはっきりお答え願いたいと思うが、あなたは自分のおっしゃっていることが少し符が合わない、おかしいと思いませんか。ひとつ鬼俊良君、しっかり答弁願います。
#400
○鬼証人 いまから全日空に行くから一緒に来いというようなふうに、その都度指示されてついてまいりまして、アメリカの会社でそれぞれの職権、仕事が分かれておりますと、帰ってきてから、ただいま委員長が言われましたように、きょうはだれに会ってきたとか、あすはだれに会う予定であるとか、そういう話は私には全然ございません。
#401
○荒舩委員長 あなた、それを聞かないで、こっちのマネジャーが勤まるのですか。全然何も知らないで行って、マネジャーとして月給だけ取って、あとのことは全然聞かないのですか。知らないのですか。それじゃ二つの会社のマネジャーをしていておかしいと思うのですが、どうです、もう少しわかりやすく話してください。ちょっとおかしいじゃありませんか。
#402
○鬼証人 委員長の言われたとおり、おかしいと聞こえるかもしれませんが、事実はそのとおりでございます。
#403
○荒舩委員長 事実はおかしいとして、それじゃ月給をもらわないで、嘱託ですか、あなた。おかしいじゃありませんか。マネジャーですよ。マネジャーというのは訳すと支配人でしょう。それで相当の地位を得て相当の給料を取って、そうして会社のことは何も知りません――知りませんで済むのですか。アメリカの会社はそういう組織になっているのですか。おかしいじゃありませんか。ちょっともう少し親切に話してください。
#404
○鬼証人 オフィスマネジャーとして働いておりまして、恐らく日本で言ういわゆる支社の支配人という概念とは違うものかとは存じます。
#405
○荒舩委員長 支配人が何でちっともわからないのですか。それじゃ、何もわからないで毎日どういう仕事をしているのですか。会社でどういう仕事をしていますか。
#406
○鬼証人 私の仕事は、日本で雇用している人たちの把握、監督と、ロッキード各社から日本へ来る人並びに日本を通過する人たちにサービスを提供する準備をしておくことであります。
#407
○荒舩委員長 そうすると、ロッキード社の人が出張してくると、きょうはどういう宴会、あしたはどういう宴会、どこへ遊びに行く、そういうことだけやっているのですか。サービス係というのはそういうことですか。少しおかしいじゃありませんか。もう少しはっきり答弁願わないと――あなたは日本の国会をどうお思いですか。宣誓までしているのですから大変なことになりますが、どうですか。何も知らないで、それでマネジャーをしている。マネジャー――支配人でしょう。どういうことですか。
 あなたはピーナツ、ピーシズ、ユニットというのを聞いておりませんか。あなたがその暗号をつくったんじゃありませんか。鬼君、丸紅に教えたんじゃありませんか。
#408
○鬼証人 私がつくったのではありませんし、私は知りません。
#409
○荒舩委員長 米上院外交委員会の多国籍企業小委員会が公表したディーク社の電報送金領収証によると、昭和四十四年六月以降昨年一月までに総額二十三億余円の金がクラッターまたはロッキード社のエリオット氏あてに送られてきております。クラッター氏またはエリオット氏がこの資金を受け取っていることは知っておりますか。あなたの会社へ来ている。知っておりますか。
#410
○鬼証人 存じておりません。
#411
○荒舩委員長 しかし、その金は、ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社あるいはロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社へ経由されてきているはずですが、あなたは支配人として全然知りませんか。見たこともなければ聞いたこともありませんか。
#412
○鬼証人 全然存じておりません。見たことも聞いたこともございません。
#413
○荒舩委員長 あなたとクラッター氏とはどういうつき合いですか。会社で毎日顔を合わしているのでしょう。クラッター氏が日本にいるうちはあなたと毎日顔を合わしているのですが、それでもどんな話も全然しないのですか。
#414
○鬼証人 会社で各自の部屋に入っておりますと、一日にたくさんは顔を合わせることがございません。
#415
○荒舩委員長 クラッター氏と全然会っていないのですか。
#416
○鬼証人 クラッター氏とは会社で会いますけれども……
#417
○荒舩委員長 会っても話をしないのですか。
#418
○鬼証人 私の業務上の話をいたします。
#419
○荒舩委員長 その業務上、たとえばどういうことですか。
#420
○鬼証人 たとえば、秘書が一名足りないと思うから一人雇った方がいいと思います、雇ってもよろしいですか、というようなことであります。
#421
○荒舩委員長 もう一つ、たとえば何があります。おかしいじゃありませんか、それだけでは。――どうですか、お答え願います。あなたは全然私の質問を拒否しているようなふうに思えますが、どうでしょう。
#422
○鬼証人 御質問には正直にお答えしております。
#423
○荒舩委員長 それじゃ、たとえば秘書が一人足りないからどうだ、その次は何ですか。鬼君、たとえばクラッター氏とあなたの会談はどういうことがありますか。もう一遍ひとつお答えください。
#424
○鬼証人 たとえば、当時のコーチャン社長が来るということになりますと、どのくらいの大きさのどこのホテルを予約するか、そういう相談をいたします。
#425
○荒舩委員長 わかりました。
 私の発言は終わりました。
 次に、委員から発言の申し出があります。それを許します。渡部君。
#426
○渡部(恒)委員 証人にまずお尋ねしますが、あなたの職名はロッキード東京支社支配人ですね。
#427
○鬼証人 私はロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社の、職名はオフィスマネジャーであります。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#428
○渡部(恒)委員 ロッキードという会社は飛行機をつくっている会社ですね。その日本支社なんですから、日本支社のあなたの一番大きな仕事は、日本の国内に、あるいはアジアに広がっているかもしれないけれども、ロッキードを売り込むことがあなたの一番大きな仕事ですね。
#429
○正示委員長代理 お答えください。
#430
○鬼証人 私の仕事には、ロッキードの製品を売り込むということとは何にも関係がございません。
#431
○渡部(恒)委員 そこがさっきの委員長との質疑の中でもわれわれどうしても理解できないのです。いままでの私たち残念ながらなかなかあなた方の証拠をとれないのですけれども、大久保専務の秘書をしておった方が――これは四十五年四月から五十年一月までずっと大久保常務の秘書をしておった、いま海外に行っているのですが、この人がその勤めている間、ロッキード関係の人はよく来ました、東京支配人の日本人の方――これは東京支配人の日本人の方ということですからあなた以外におりませんね、そうするとあなたですね――やクラッター氏が顔を出しました、コーチャン副会長も来日されました、大久保常務の方からも出向いたようです、こういう証言をしております。
 また、これは二月二十三日の毎日の朝刊ですが、クラッター氏と檜山会長が会っているとき、その真ん中にあなたが立っている写真があるのですよ。だから決してあなた、事務所の中で旅行のあっせんと、あとは何か掃除婦の係なんかやっておったという方が、これは恐らく丸紅とロッキードでこれだけ大きな仕事の契約をしているそのレセプションということになれば、これはあなた方の仕事にとっては大変晴れがましい場所ですね。そこにクラッターさんとあなたが檜山さんと会っているのですよ。それがさっきの委員長の質疑の中にあるように、あなた事務所の中の掃除だけしておったなどとはどうしても考えられないのですけれども、いかがですか。
#432
○鬼証人 事務所の掃除だけしていたのではございません。先ほど申し上げましたように通訳についてこいと言われるときにはついていっております。
 ただいまお示しの写真は私も新聞で見ました。これは恐らく七、八年前のどこかのパーティーの席上だと思います。
#433
○渡部(恒)委員 あなたの職務の内容、権限、これを非常にあなたはぼかしていらっしゃるのですけれども、少なくとも東京支社の支配人なんですから、そしてこういういろんな、丸紅にもいつも行っていたというのですから、それからクラッターさんが一番大切な檜山会長とのパーティーとかそういうときに一緒に行っているのですからね。しかもそのロッキードの支社というものの仕事は、だれが考えたってロッキードを日本の国内に売り込むそのために支社があるわけなんですから、それについて何もあなたが知らないなんということは、われわれ聞いておってとうてい理解できない。
 ぜひ私はあなたにお願いしたいのですけれども、そもそもの事の起こりは、あなたの会社の非常にあくどいロッキード商法というか何か知らないけれども、それで大変にわれわれ日本国民全体が迷惑をしているんだ。しかも事の起こりは、あなたの会社のコーチャンがチャーチ委員会で、二百万ドルの対日工作費をロッキードを売るために使ったと言ったことから日本じゅうがひっくり返るような騒ぎをしているんだ。それがやっておったとすれば、その一番の窓口があなたのところでしょう、東京支社。それが知らないなどということは理解できないのです。
 あなたはシグ・片山という人を知っていますか。
#434
○鬼証人 片山さんを知っております。
#435
○渡部(恒)委員 そうすると、シグ・片山のやっておるID社、これがいろいろな工作資金、ロッキードの、その領収証を発行している会社ですね。それと奇妙に一致しているわけですね、丸紅の関係の書類が。あなたが必ずその間にあっせんをしておった。これはあなた以外にその間のつじつまを合わせる人はいないんだね。それはどうですか。
#436
○鬼証人 私はその間に全然入っておりません。
#437
○渡部(恒)委員 大変に、これはあなたに証人に来てもらって、これはいまみんなが知りたいことは本当のことなんですよ、本当のこと。その本当のことをするのは、根本はあなたの会社から起こった問題なんだから、それを日本のあなた前線基地なんだから、そしてあなたが、いま言ったようにこういうような業務内容について知らないとすれば、当然もう一人、あなたは何か女の子の係や掃除の方だけやっておって、何か別な業務の方の重要なことをやっておったマネジャーがおるはずですね、当然。もう一人おるのですか、あなたのその東京支社にはマネジャーが。
#438
○鬼証人 日本支社マネジャーという人はおりません。
#439
○渡部(恒)委員 もう一人のマネジャーがいないとすれば、一人だということになれば、これはもう当然にロッキード社の対日工作、これはあなたが窓口になってやっているということなんですよ。そのことについてあなたが何にも知らないということになると、チャーチ委員会においてあなたの会社で一番偉いコーチャンという人が対日工作について発言したことが全部うそだったのかということになるのですよ。これは大変なことですよ。あなたの会社の会長がうそを言ったことに、まるでこの日本が、三十年間もアメリカときわめて親善友好の関係を結んできたこの日本の国がひっくり返るような騒ぎを、あなたの会社の社長の流言飛語によってさせられておったなどということになると大変なことですよ。
 これはもう一遍あなた本気になって、いまそれは結果がどうなるなどということよりも、いまこの日本を救うのは、本当のことを国民がみんな知ることなんだ。本当のことを知らなければ問題は解決しない。その本当のことは、あなたがきょうこの席で本当のことを言ってくれなければ国民は本当のことを知ることができないし、しかもそのためにいろいろなこの国は迷惑を受けているのですよ。もう一遍しかと肝を据えて答えてください。
#440
○正示委員長代理 鬼証人御答弁を願います。
#441
○鬼証人 御質問には正直にお答えしております。
#442
○渡部(恒)委員 じゃ、次へ譲ります。
#443
○正示委員長代理 山口敏夫君。
#444
○山口(敏)委員 鬼さん、委員長や同僚議員の質問に対してあなたは本当のことを言っておらない。少なくとも宣誓という重みの中で真実を述べていただかなければならないわけですし、ロッキードの日本における活動や歴史について一番承知をしておるのはあなたなんですから、やはりこの証言の機会を通じて疑惑解明にひとつ積極的に協力してもらいたいと思うのです。
 それで、あなたは、初代の東京における支社長のエリオットさんはもちろん御存じですね。
#445
○鬼証人 ミスター・A・H・エリオットだったら知っております。
#446
○山口(敏)委員 エリオットなら知っていますというような間柄じゃないのですよ。あなたは昭和三十三年から三十四年ごろ、例のロッキード、グラマンのときにこのエリオット氏と組んで、連日連夜いろいろな人たちと会合をしながらこの売り込みを図っておった。いわばそういう活躍、この切れ者としての素質というものがアメリカの企業の中で認められて、日本の支配人になったのじゃないですか。
#447
○鬼証人 そういうことではないと思います。
#448
○山口(敏)委員 それじゃ、オフィスマネジャーという立場であなたは、少なくとも自分の会社の会長が二十数回にわたって日本にも来ておる、そしてクラッター氏のような支社長とも余り接触を持たないということになりますと、あなたは秘書や職員の管理をしておるわけですね。そうすると、コーチャン会長やクラッター氏が不案内な東京を一人でぶらぶら歩くはずがないのです。当然あなたにかわってしかるべき秘書さんなり通訳がその重要な会議に参加しなきゃならない。あなたが通訳をしないということをこの席であくまで言い続けるならば、また新しい証人がこの場所において、この真相を解明する場に立たされなければならないのです。あなたはその支配人として、通訳をしないというだけでは済まない責任をしょっておるわけでありますから、ひとつこの東京におけるロッキード社の疑惑の一端をみずから晴らしていただきたいと思うのです。
#449
○鬼証人 先ほども申し上げましたように、通訳についてこいという指示がありますと、私はついていっております。コーチャン氏は日本語はわかりませんので、ほとんどの場合はクラッターさんがついてめんどうを見ておりました。クラッターさんは日本語がある程度できますので、私についてこいということはめったにありませんでした。
#450
○山口(敏)委員 じゃ最後に一つ伺いますけれども、丸紅の大久保前専務が伊藤前専務にいわゆるピーナツ云々の領収証にサインをさした。その場所にあなたはおられましたか。
#451
○鬼証人 おりません。
#452
○山口(敏)委員 あなたは伊藤さんは知らないということをおっしゃいましたけれども、あなたのような立場の人が、丸紅の人脈を知らずして自分の社の飛行機を売るということは不可能に近いことですね。そうすると、おのずから丸紅における伊藤専務の実力というものは当然承知をしてなきゃならない。その伊藤さんに何らの接触もしないということはわれわれには考えられないのですけれども、その点をもう一度ただしておきたいと思うのです。
#453
○鬼証人 最初に申し上げましたように、伊藤さんのお顔は私は知っております。しかし、伊藤さんの方では私の顔を知っておられないと思います。
#454
○山口(敏)委員 そういうきわめて商取引において常識的なことを覆い隠そうとするから、疑惑が一層深まるのですよ。ニクソン大統領が、トライスターなりあるいはロッキードの飛行機のために、この自国の製品を売るための何らかの努力をしたかもわからない。あるいは、池田前総理がフランスへ行ったとき、ドゴールにトランジスタの商人というような、きわめてわれわれにとっては不愉快ですけれども、誤解を与えた場合もある。これはもうフランスの大統領が、来年はコンコルドに乗って日本を初めいろいろな国に行きたい、ジスカールデスタンさんがそう言っているのですよ。だから、当然隠さなくてもいいものも隠そうとするから、国民の皆さんからすれば一層の不信と疑惑が拡大をするのです。だからあなたは、この後のこの証言における機会を通じて、大いにその真相究明のために、渡部議員が指摘したとおり、やはりかつてあなたも日本の国民なんですから、その国民の名誉を守るために、ひとつ大いに疑惑解明に協力をしていただきたいと思います。
#455
○正示委員長代理 これにて渡部君、山口君の発言は終了いたしました。
 次に楢崎弥之助君。
#456
○楢崎委員 社会党の楢崎弥之助です。
 先ほどあなたのロッキード・アジア日本支社の役職について、オフィスマネジャーとおっしゃいました。それで、その仕事は何かと問われたときに、たとえば職員の把握とか監督、さらに、日本からロッキード社に行く人、あるいはロッキード社から日本に来る人、そういう人たちの世話やサービスをする、そういうことをおっしゃったわけですね。それで、謄本で見ますと、証人は、このアジア・リミテッドの日本における代表者と書いてありますね。オフィスマネジャーというのはそういう意味ですか。ここにあなたの会社の謄本がございますが、どうですか。
#457
○鬼証人 私は、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社の代表者ではございません。
#458
○楢崎委員 ちょっと謄本をお見せしたいのですけれども、よろしゅうございますか。
#459
○正示委員長代理 どうぞ。
#460
○楢崎委員 先ほど荒舩委員長から、ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社とロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社の関係を聞かれましたね。そのときにあなたは、最初はロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社であったけれども、それがロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドになったんだ、そうお答えになったと思います。それはロッキード・エアクラフト・インターナショナル時代の謄本ですね。その謄本はお認めになりますか。
#461
○鬼証人 先ほど申し上げましたとおりで、これはロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッドの日本支社の登記の謄本だと思います。
#462
○楢崎委員 その謄本には、証人の役職は日本の代表者と書いてありますね。それはお認めになりますか。
#463
○鬼証人 そのとおり書いてございます。
#464
○楢崎委員 だから、あなたはそれがアジア・リミテッドに変わったんですから、あなたはアジア・リミテッドの日本の代表者でもあるわけでしょう。いかがですか。
#465
○鬼証人 アジア・リミテッドの日本支社の代表者ではございません。
#466
○楢崎委員 おかしいですね、どうも。
 じゃ、ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社の日本代表ではあったわけですか。
#467
○鬼証人 ロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッドの日本支社の代表者でありました。
#468
○楢崎委員 そうしますと、このインターナショナル日本支社がアジア・リミテッド日本支社に変わった際には、日本の代表者でなくなったという意味ですか。
#469
○鬼証人 そのとおりであります。
#470
○楢崎委員 じゃ、アジア・リミテッドの日本支社の代表者はだれでありました。
#471
○鬼証人 ジョン・W・クラッター社長であります。
#472
○楢崎委員 そうすると、あなたはインターナショナル日本支社の場合は日本の代表であったけれども、それがアジア・リミテッド日本支社に変わった際に代表者がクラッター氏になり、あなたはオフィスマネジャーになったわけですね。オフィスマネジャーというのは日本語に訳しますと、一番日本語になじみの深い言葉ではどういうことになるのでしょうか。
#473
○鬼証人 そのとおりであります。オフィスマネジャーはいろいろ、証人喚問がありましてから、御質問があるかと思って適切な訳を考えておりましたのですが、事務長というような訳が一番いいのではないかと思います。
#474
○楢崎委員 コーチャン氏はたびたび日本に来られております。私どもの調べたところでは、一九六九年二月十四日から一九七四年六月十四日まで二十四回来日をされておるわけです。このコーチャン氏が日本に来られた場合のいろいろな日程をつくるのもあなたの仕事であったわけですね。
#475
○鬼証人 コーチャン氏の日程づくりは、私の仕事ではございませんでした。
#476
○楢崎委員 どなたがそれをなさいましたか、日程づくりは。
#477
○鬼証人 正面に申しまして、わからないのでありまして、向こうからこういう日程であると言ってくることが多かったのでありまして、クラッター氏が東京に着任してからはクラッター氏がしていたのではないかと思います。
#478
○楢崎委員 クラッター、エリオット両氏はロスアンゼルスと行き来が多かった。したがって、クラッター氏もエリオット氏もおられない時期があったわけですが、そのときにはあなたが実質的な責任者になられるわけですね。
#479
○鬼証人 済みませんけれども、時期的な――現在でございますか。
#480
○楢崎委員 クラッター氏やエリオット氏が日本におられないときには、このロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社の実質的な責任をあなたが負われるわけですねとお伺いしておるのです。
#481
○鬼証人 責任と言われましても、指示によって動きますので、自分から責任を積極的にとるというような立場ではありませんでした。
#482
○楢崎委員 そうすると、日本に両氏がおられない場合はロサンゼルスの方から一々指示を受けられるわけですか、行動について。
#483
○鬼証人 日常の仕事には一々指示は受けません。けれども、日常しなれている仕事以外については許可とか指示とか、そういうものを受けます。
#484
○楢崎委員 時間が非常に限られておるものですから、答弁を考えられて行われておるのでしょうけれども、非常に時間を食いますので、証人に答弁を早くお願いをしたいと思います。
 それでは、先ほど荒舩委員長の尋問の中で、コーチャン氏がいろいろな人と会われた。その中で、鮫島海幕長とコーチャン氏が会われたときにあなたは通訳をされたとおっしゃいました。それはいつごろで、場所はどこで、そしてその会談をアレンジしたのは一体だれであったか、お伺いいたします。
#485
○鬼証人 時期的にはっきり記憶がございませんが、二年ぐらい前だったと思います。コーチャン氏の指示で、私が幕僚長の副官にお電話いたしまして、表敬訪問の申し入れをいたしました。そして、当時のコーチャー社長が幕僚長をお訪ねしたときに私は通訳としてついてまいりましたが、幕僚長も英語が御上手ですし、幕僚副長もお上手ですので、私の記憶といたしましては、通訳の要がほとんどなかったように記憶しております。(「場所、場所」と呼ぶ者あり)場所は、幕僚長室でございます。
#486
○楢崎委員 二年前ごろと時期をおっしゃいましたが、あなたの事務所にお帰りになりますと、その年月日は明確に記録に残っておりますか。
#487
○鬼証人 現在、事務所の書類は全部ございませんので、そういう記録は手元にございません。
#488
○楢崎委員 委員長にお願いがあります。
 恐らくこの時期はPXL、次期対潜哨戒機の国産化か輸入か、つまりP3Cオライオンの、ロッキード社製のその対潜哨戒機を輸入するかどうか非常に問題の時期でありますので、この年月日は、恐らくいまの証人の証言では、せんだっての手入れの際に押収された資料の中にあるかと思われますので、その年月日がわかるように、ひとつ関係当局に御連絡をいただきたいと思います。どうでしょうか。
#489
○正示委員長代理 理事会で相談をしまして、しかるべき措置を講じます。
#490
○楢崎委員 先ほど、コーチャン氏と小佐野氏が会談されたときに立ち合われたことはないというふうに私は聞いたようですが、もう一遍その辺を確かめておきます。一緒であったかどうかについて、もう一遍確認をしたいと思います。
#491
○鬼証人 一緒ではございません。
#492
○楢崎委員 それでは、コーチャン氏が見えたときにはあなたはそのお世話をなさるわけですが、来日されたときに。それで、コーチャン氏は何回ぐらい小佐野氏と会われたでしょうか。御記憶がございますか。
#493
○鬼証人 全然わかりません。
#494
○楢崎委員 コーチャン氏が在日すれば、その行動についてはある程度あなたは、そういう点のお世話係をすることこそオフィスマネジャーのお仕事のようでありますから、当然そのコーチャン氏の行動は、行方不明になられるというようなことはあり得ないわけですから把握されておるはずですけれども、それもあれですか、資料を見ればわかりますか。御記憶がないということは、事務所の日誌か何か。
#495
○鬼証人 記憶がないということではありませんで、全然わからないということであります。したがいまして、日記あるいはノートにそのようなことを私が書いていることもございません。
#496
○楢崎委員 そうすると、コーチャン氏と小佐野氏が会われたときの通訳は一体だれがしたかというような点についてはどうですか。
#497
○鬼証人 わかりません。
#498
○楢崎委員 どうも、当然知っておられるとわれわれは常識的に考えるのですけれども、その辺が、わからないという証言が返ってくるわけであります。いずれこれは明らかになることと思いますが、同時に、せんだっての立入調査で関係書類がわれわれの調査権の前から姿を消したということを非常に残念に思うわけです。
 そこで、もう一度聞きますが、小佐野氏とコーチャン氏が会われたというようなことは全然聞かれませんでしたか。
#499
○鬼証人 全然聞いておりません。
#500
○楢崎委員 どうもその辺は、せっかくの証言でございますけれども、信頼できないわけです。
 では次に、児玉譽士夫という人物のことについてお伺いしますが、コーチャン氏は児玉譽士夫氏を知っておるということでございましたが、あなたはそのことを御存じでありましたか。
#501
○鬼証人 知っておりませんでした。
#502
○楢崎委員 クラッター氏と児玉譽士夫氏の関係についてはどうですか。
#503
○鬼証人 知っておりませんでした。
#504
○楢崎委員 では、コーチャン氏と児玉氏はたびたび会われておる、事実は会われておるのですけれども、そのときの通訳はだれがしたか御存じですか。
#505
○鬼証人 わかりません。
#506
○楢崎委員 あなたはJPRの福田太郎氏を御存じですか。
#507
○鬼証人 知っております。
#508
○楢崎委員 その福田太郎氏がコーチャン氏と児玉氏の通訳をしたのではありませんか。
#509
○鬼証人 数日前の新聞を読みまして、それを初めて知りました。
#510
○楢崎委員 次に、田中前総理との関係についてお伺いをしますが、あなたは田中前総理を御存じですか。
#511
○鬼証人 コーチャン前社長についていきましたとき、一度お目にかかったことがございます。
#512
○楢崎委員 先ほど、その時期を四十六年ごろとおっしゃいましたが、それは四十七年一月二十五日の間違いではありませんか。
#513
○鬼証人 あるいはそのころだったかもしれません。
#514
○楢崎委員 その会談のアレンジをしたのは、準備をしたのはだれですか。
#515
○鬼証人 私が、官房か秘書かどちらかはっきり覚えておりませんが、お電話いたしまして、コーチャン氏がぜひお目にかかりたいということを申し入れいたしまして、御返事をいただいて面会に参りました。
#516
○楢崎委員 では、あなたが直接そのコーチャン氏の指示を受けて田中前総理に会うために官房に電話をされた。だれの紹介もなかったのですか、中に入るというような方は。
#517
○鬼証人 コーチャン氏から直接指示を受けていたしまして、だれの紹介もございません。私が電話いたしました。
#518
○楢崎委員 時間がわずかになりましたので、先を急ぎたいと思います。
 次に、シグ・片山氏の問題でございますけれども、このユナイテッド・スチールという会社に行かれたことありますか。
#519
○鬼証人 ユナイテッド・スチール社に行ったことございません。
#520
○楢崎委員 ロッキードのアジア・リミテッドの事務所と同じビルにあるのじゃありませんか。
#521
○鬼証人 私の事務所は大手町ビルでありまして、せんだって来聞いておりますのは、先方はパレスビルだと了解しております。
#522
○楢崎委員 ロッキード社とID社の契約があるのですが、ID社という会社の名前を聞かれたことありますか。
#523
○鬼証人 今回テレビ、新聞で聞くまで聞いたことはございません。
#524
○楢崎委員 ここにID社とロッキード社のコンサルタント契約書があるわけであります。最後のサインをされたサインがございますが、ちょっとこれを見てお聞きをしたいのです。
 そこのロッキード社側のサインをされたそのサインに見覚えがございますか。
#525
○鬼証人 ございません。
#526
○楢崎委員 では、ID社側のサインについて見覚えはございませんか。
#527
○鬼証人 ございませんが、これは最近新聞で見ます片山さんのサインとよく似ていると思います。
#528
○楢崎委員 シグ・片山氏とはいつごろからごじっこんになられましたか。
#529
○鬼証人 じっこんではありませんが、十数年前から知っております。
#530
○楢崎委員 鬼さん、この契約書を見ますと、これは非常に重要な契約書でございまして、たとえばこのIIIのBには、「ロッキードおよび売り手の社員ならびに代理人と当該商品の顧客への売り込み活動に協力し、これを援助する。」、これがBにあります。これから見ますと、丸紅とロッキード社、ID社という関係は非常に強いことになりますね、売り込みについていろいろ協力し合うということになっているのですから。だからクラッター、エリオット氏がいないときにはアジア・リミテッドの代表格であるあなたが、こういう契約が存在するのにID社を知らないなどということは考えられないのですよ。そうでしょう。これはID社とおたくの契約なんですから。それにID社というのを知らないということは考えられないじゃないですか。そこに私どもはあなたの証言にどうも不自然なところがあると思うのです。さらにIIIのAからA、B、C、D、Eといろいろあるのです。たとえばCのごときは、「当該販売テリトリーにおける当該商品の販売に影響を及ぼす政治的、経済的な諸情勢ならびに競合事情と、さらに」、いろんなやつ、こういうような報告もすることになっているのですね、ID社から。このIIIのFではそれをきちっと書いてありますね。「上記A−E項に関する情報を含め、要請にしたがってロッキードに報告書を提出する。」、こうなっております。こういう報告書がID社から来たことを御存じですか。
#531
○鬼証人 存じておりません。
#532
○楢崎委員 知らぬ存ぜぬでどうも困るのですが、あなたは当然知っておるべき立場にあるのに、これは一体どうなっているのでしょうかね。やはりクラッター氏もエリオット氏も米国人ですからね。あなたは日本における会社の代表格だから、日本人としては、言うなれば支配人でしょう。それにこういうことを御存じないなどということは、私どもは常識として考えられないのですよ。もしこういうものが――あなたは報告書というようなものについて全然クラッター氏あたりからお話を聞きませんでしたか。
#533
○鬼証人 一度も、全然聞いたことございません。
#534
○楢崎委員 時間がもうなくなりつつあるのですが、ディーク社がロッキード社から依頼を受けた日本向け送金明細書、これを私どもここにまとめておるのですが、その中に受取人のクラッター氏に対していろいろ指示が出ておる。その指示の中でホテルオークラという個所が三カ所、それからパレスホテルというのが二カ所出てきております。
 そこでちょっとお伺いをしますが、この中に電話が書かれておりますね。そのクラッター氏の事務所の方の電話を調べてみますと、最後が五〇一一というやっと〇五一一というやつがあるのですね。一体クラッター氏の事務所の電話番号はどちらが本当でしょうかね。
#535
○鬼証人 事務所の電話は二一四−五〇一一であります。
#536
○楢崎委員 それが、五〇一一が〇五一一になっているところがあるのです。それは間違いと思われますか。タイプの間違いと思われますか。
#537
○鬼証人 わかりませんが、多分タイピストの指の滑り違いじゃないかという気もいたします。
#538
○楢崎委員 時間が参りましたが、チャーチ委員会から出された資料もそういう間違った個所がずいぶんあるのですね。それで、そうなると、いまのが間違いであるということがわかるならば、非常にまた一つの問題の解決の糸口が出てくるのです。この送金明細書からいきますと、ホテルオークラが一つの金の授受の本拠になっている。しかもクラッター氏の自宅はホテルオークラの道一つ隔てたマンションなんですね。だからホテルオークラが日本における工作活動の本拠であるとわれわれは見ざるを得ませんが、あなたは、このホテルオークラをしばしばクラッター氏が使われておることを御存じでしょうね。
#539
○鬼証人 クラッター氏在日中はホテルオークラのクレジットカードを持っておりましたから、どの程度使っていたかわかりません。
#540
○楢崎委員 使っておられたのは事実でしょう。それは知っておられるでしょう。
#541
○鬼証人 東京にアパートを持っておりましたので、ホテルを、ホテルの部屋を使うということはちょっと私には考えられません。
#542
○楢崎委員 もう時間が来たからこれ一問でやめますけれども、しかし受取人クラッター氏への送金明細書では指示というのが書いてあるのですよ。後でお見せしましょうか。それにちゃんと、ホテルオークラを使う、ホテルオークラに連絡せよ、絶えずというか、三カ所出てきますよ、ホテルオークラが。だから、それもあなたはここで非常に、日本語で言えばしらばくれておると言わざるを得ません。
 時間が参りましたので、これで終わります。
#543
○正示委員長代理 これで楢崎君の発言は終了いたしました。
 次に庄司幸助君。
#544
○庄司委員 鬼証人にまず申し上げておきますが、私の時間はたった十五分です。ですから、お答えは簡潔に、明瞭に答えてもらいたいと思います。
 それで、まず伺いますが、あなたは日本に四十年間近く日本人として生活されたわけです。たしか九州の生まれだと聞いておりますが、この日本を母国に持つ者として、今度のロッキード疑獄事件、これが日本国民に大衝撃を与えておる、このことについてどう思われるか、まず簡単に伺います。
#545
○鬼証人 私個人といたしまして、今回の報道を読んで、内容を読みまして、率直に申しまして、これは大変なことだというふうに感じております。
#546
○庄司委員 あなたも大変なことだと思っている。だから正直にひとつ答えていただきたいと思います。
 あなたはかつて代表者をなすっていたとお答えになっております。その代表をなすっていたのは、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの代表者だ、こうお答えになりましたが、そのとおりですか。
#547
○鬼証人 会社の命によりまして代表者の登記をされたのでありますが、これはロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッド日本支社でありまして、ただいまおっしゃったロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社の代表者ではございません。
#548
○庄司委員 オフィスマネージャーについて一言。あなたは先ほどの答弁で、秘書がやめた場合一人雇い入れてくれ、こういう仕事をするのがたとえば一つの仕事だ、こうお答えになっています。それなら、昨年、昭和五十年八月、あなたの事務所をやめられた女性秘書がおられるはずです。お名前申してください。
#549
○鬼証人 昨年末一人出産のためにやめた人は覚えておりますが、夏は覚えておりません。
#550
○庄司委員 ここに報道があります。昨年夏におやめになったあなた方の秘書が、いまカリフォルニアにいらっしゃる。二十八歳の方。この方のお話が載っておりますが、あなたは単なる事務長で会社の枢要な問題には関与しないと絶えず証言され続けておりますが、この中でクラッター氏や日本人マネジャー、あなたです、会話するときは、二人とも自室のドアをかたく閉じてしまい、どのような会話が交わされているか、全然わからない。事務所の中は異様な雰囲気で、秘密に満ち満ちた雰囲気だ、こう書かれております。だからあなたは単なる事務長ではなくて、このクラッター氏と重要な相談をなすっていた、それは間違いないと思いますが、その点、どうですか。
#551
○鬼証人 私自身は、私自身の事務所のドアを閉めて人と話をするというようなことはいたしません。クラッター社長は閉めて中で何か仕事をしているのを私は何回か見ております。私とクラッター社長でクラッター社長の事務所の中へ入りましてドアを閉めて話をするというときは、ほとんど人事あるいは月給の話をするときであります。
#552
○庄司委員 あなたの事務所にはテレックスございますか。
#553
○鬼証人 ございます。
#554
○庄司委員 テレックスに入ってくる通信、こういうものはどなたが目を通されますか。
#555
○鬼証人 原則といたしましては、秘書のうちの一人がテレックスの機械から外しまして、あて名別に切りまして、あて名の人のところへ配るようになっております。
#556
○庄司委員 あなたはそれに目を通されますか。
#557
○鬼証人 自分あてのものは目を通します。
#558
○庄司委員 それじゃ別の問題に移りましょう。
 あなたは丸紅と大分親しいようでありますが、いろいろ出入りされておるようでありますが、あなたの御親戚に丸紅にお勤めの方ございますか。日本の御親戚……。
#559
○鬼証人 私の弟の長男が勤めております。
#560
○庄司委員 お名前は鬼正一さんですね。
 どなたの紹介で入りましたか。
#561
○鬼証人 名前はそのとおりであります。
 本人から私が聞きましたところでは、自分で試験を受けて入っております。
#562
○庄司委員 それでは、私は角度を変えてひとつ伺ってみたいと思います。
 あなたが元代表をなすっていたロッキード・エアクラフト・インターナショナル、この会社は閉鎖されております。閉鎖の時期は昭和四十七年三月の、たしか末ごろだったと思いますが、いや、二十二日ですね。閉鎖した後、ロッキード・エアクラフト・アジア、これになっております。あなたはこのロッキード・アジアの方の代表者をはずされまして、あなたがおっしゃっているオフィスマネジャー、いわゆる支配人になったわけです。この会社、ロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社が閉鎖した理由は何ですか。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
#563
○鬼証人 理由は聞かされておりません。
#564
○庄司委員 あなたは代表者であったはずです、インターナショナルの。代表者が何の理由も聞かされないのですか。
#565
○鬼証人 そのとおりでありました。
#566
○庄司委員 それではまるで日本が占領下の時代、進駐軍に勤めている日本の労働者が簡単に首を切られたりしたのと同じような扱いを受けたわけですか。
#567
○鬼証人 登記に関することは法律事務所の方でいたしますので、私には全然理由も何も知らしてこないわけであります。
#568
○庄司委員 そんな代表者が一体ありますか。代表者ですよ。それで一体このインターナショナル、これは会社の目的に明確にロッキード製品の販売、売り込みと書いてあります。ところが、この後からできたロッキード・アジア、この方は会社の目的を見ますと、こういうふうに書かれております。一、市場サービス、ロッキードなんということは一言もありません。市場サービス及び調査、専門的事業情報、これを行い、提供し、引き受け、遂行し、提出する。あるいは二番目の方は、いまやっている会社の仕事、これはほかの会社です、やり方の改善とかそういうことのコンサルタントを行う。あるいは三番目、商業活動、金融活動についての助言を行う。これにはロッキード製品の販売などということは一言もなく、抜けちゃったのです。これを見ますと、何でもやれるようにも見えるし、何もやらなくても済むように見えるのです。何でああいうインターナショナルという売り込み、販売を明確に会社目的とした会社、これを閉鎖して、なぜこういうえたいの知れない会社を設立されたのですか、聞かしてください。
#569
○鬼証人 私にはわかりません。
#570
○庄司委員 だから、日本の国民は非常に大きな疑惑をあなたに感じているわけです。
 それじゃ、私申しましょう。あなたの本社ロッキード社は、米政府から、この会社が変わる四十六年の九月に緊急融資二億五千万ドルを受けております。その金をバックにして、コーチャン社長が四十七年の二月に日本に来られております。そして半年間に十回、十回目は十一週間もおられたと証言しておられます。そしてこのコーチャン社長が来日されるちょっと後に、この会社変更、えたいの知れない、秘密に包まれた会社が成立したのであります。そして鬼さんは、インターナショナルの代表者という正式の資格から、まるで小使さんみたいな役割りに格下げされたのであります。そうしてコーチャン社長とクラッター社長がいろいろと動き回る、あなたは通訳にときどき引っ張り回される、こういう中からキッシンジャーさんが佐藤総理に十億ドルの緊急輸入の要請をやった、丹羽運輸大臣がエアバス導入の通達を出す、こういうことが起こりました。そして七月七日には例の総裁のいすを買い占めたなどと世間でうわさされている田中内閣が誕生するわけです。そして八月三十一日から九月一日まではハワイで田中・ニクソン会談が行われる。十月にはPXLの国産化の白紙還元と言われるものが決定されたと言われている。十月にはまたトライスターが決定しているわけです。ですから、あなたがいわゆるマネジャーとしてえたいの知れない仕事をして、結局は金の流れもこのときが一番多いのです。前の年と比べて十倍、十二億円も金が流れる。この金の運び屋もあなたがやった疑いがあるんです。その点であなたの、このわれわれから見て全くえたいの知れない会社、なぜつくったのか、なぜつくられたのか、この点を明確にお伺いして、私の質問を終わります。
#571
○鬼証人 先ほど申し上げましたように、なぜということについて全然私にはわかりません。
#572
○庄司委員 終わります。
#573
○荒舩委員長 これにて庄司君の発言は終了いたしました。
 次に渡部一郎君。
#574
○渡部(一)委員 鬼さん、あなたはそんなに考え込まないで、ひとつあなたの答えやすそうなことから伺いましょうか。
 あなたは湘南中学をたしか第十四回生で卒業なさったと承っていますが、そのとおりですか。
#575
○鬼証人 そのとおりであります。
#576
○渡部(一)委員 その後あなたは上海へ行かれて、東亜同文書院に通われ、そして卒業されたと伺いましたが、本当でしょうか。
#577
○鬼証人 繰り上げ卒業で早く卒業いたしました。
#578
○渡部(一)委員 それから、あなたは東亜同文書院を卒業されてから、どういう仕事に従事されましたでしょうか。
#579
○鬼証人 学徒出陣で陸軍に兵隊として入りまして、昭和二十一年の暮れに日本に復員してまいりました。
#580
○渡部(一)委員 あなたは陸軍に入っておられた当時どこに所属されておられましたか。
#581
○鬼証人 番号は忘れましたが、鵄部隊という部隊で、南京の少し北の方におりました。
#582
○渡部(一)委員 あなたは、それが例の児玉機関と関係があったのではないかという話がありますが、あなたはそれをどう思いますか。
#583
○鬼証人 全然ございません。
#584
○渡部(一)委員 あなたはその当時調達を担当されておられましたか。あるいは経理を担当されておられましたか。
#585
○鬼証人 重機関銃隊の二等兵でありました。
#586
○渡部(一)委員 それではあなたが、その当時の経歴から考えますと、非常に突然ロッキード会社、あるいはこうした問題に変わるまで経歴が非常に大きく変化したように見えますが、ロッキード社との関係ができたのはどういうわけなのですか。
#587
○鬼証人 当時、現在の川崎重工業、当時の名前をはっきり覚えておりませんが、川崎航空機工業と言ったと思いますが、個人的なことでありますが、私のいとこの夫が役員をしておりまして、その口ききで、ロッキードとの仕事をするに当たって英語のできるということで嘱託として仕事をもらいまして、そしてロッキードの人に会うようになりました。
#588
○渡部(一)委員 そのようなお話が起こった当時、児玉さんとは関係がありませんでしたか。
#589
○鬼証人 ございません。
#590
○渡部(一)委員 あなたは、ロッキード会社の会長のホートンさんが昨年のアメリカ上院外交委員会における公聴会証言の際、海外の企業に対し、あるいは海外の諸政府に対し千五百万ドルを贈賄の費用として使ったという証言を御存じですか。
#591
○鬼証人 金額は覚えておりませんが、そのような証言があったということは何かで読んだ記憶はございます。
#592
○渡部(一)委員 およそ四十五億円、あるいは別の報道によれば六十億円を上回るような、そういう贈賄額をばらまきながら売り込みをしたということに対して、同社の関連を持たれる一員としてどういう考えをお持ちですか。
#593
○鬼証人 もしそれが事実であったとすれば、非常に残念に思います。
#594
○渡部(一)委員 コーチャン副会長は、アメリカ上院の公聴会において、こうした費用というものは武器を売り込むために必要な措置であったと述べておりますが、あなたはこうしたコーチャン前副会長の見解に同意なさいますか。
#595
○鬼証人 同意いたしません。
#596
○渡部(一)委員 あなたは、武器の売り込みに関し、こうした賄賂商法あるいはコミッション商法あるいはキックバック商法とかいろいろ言われておりますが、こうしたやり方を今後もロッキード社は継続されて行うと考えていますか。
#597
○鬼証人 継続されるとは考えません。
#598
○渡部(一)委員 継続されないと考えている理由は何ですか。
#599
○鬼証人 りっぱな製品をつくれば製品そのものが一番いいセールスマンであると考えるからであります。
#600
○渡部(一)委員 いまあなたのおっしゃったことはコーチャン副会長の意見とは全く違うものであります。そしてなおかつ、したがって、あなたのいまの意見はロッキード社の基本的方針とは違うものと私は理解しますが、どうですか。
#601
○鬼証人 基本的方針と違うものと思うとおっしゃったのですか。済みません。――私ども、私会社に入りましてから二十年になりますが、いつも言われてきたことは、いい製品をつくれば製品そのものが一番よく口をきいてくれるのだということを始終聞かされてまいりました。ですから、私としましてはそれが会社の基本方針であると信じております。
#602
○渡部(一)委員 コーチャン氏は証言の中で、われわれは去年の夏この情勢全体を検討した、われわれは、世界じゅうのあらゆるコンサルタントへの支払いを停止、手続一切を書き改め、やり方を再指示した、コンサルタント全員に、だれも金は支払われていないとの声明書に署名させた、こう述べています。すなわち、児玉譽士夫氏あるいはID社あるいは丸紅のような同社のコンサルタントに対しては、いままでこうした賄賂を払ってないという署名をさせた、こういう悪らつなことをやったわけであります。それはコーチャン氏自身が証言しておりますが、あなたはこういう試みを御存じですか。
#603
○鬼証人 存じておりません。
#604
○渡部(一)委員 そうするとあなたは、コーチャン氏のこういう方針と全く違うところにいる、ロッキード社では比較的事情を知らされてない一人だと言いたいわけですか。
#605
○鬼証人 そういうことになります。
#606
○渡部(一)委員 昨年の八月下旬あるいは上旬に、政府高官に対する支払いは禁ずる方針にロッキード社は変わったとコーチャン氏は証言いたしておりますが、あなたはこういう方針について聞いたことがありますか。
#607
○鬼証人 聞いておりません。
#608
○渡部(一)委員 あなたは、日本政府の高官に対する膨大な賄賂の提供をコーチャン氏あるいはロッキード社の幹部がアメリカ上院外交委員会公聴会等において証言いたしておりますが、あなたは、こうした高官はだれか、御存じですか。
#609
○鬼証人 存じておりません。
#610
○渡部(一)委員 あなたは福田太郎氏あるいはシグ・片山氏等とは長いおつき合いだと先ほどもすでに述べられましたので、福田太郎氏が児玉、小佐野氏らをロッキードの幹部に結びつける役をしたということが本日の新聞報道によっても児玉氏側近の証言として掲載されております。そうすると、あなたはそういう場所に介在されておられましたか。
#611
○鬼証人 介在しておりません。
#612
○渡部(一)委員 私の手元に、シグ・片山さんのユナイテッド・スチール社の内部からの投書が来ておりますが、それによりますとシグ・片山氏は大平蔵相らと非常に仲のよかった関係であると述べられておりますが、同氏はここへの出席を拒否しておりますので、一番の友人であろうと思われるあなたに伺いますが、シグ・片山さんはそうした関係がおありだったのでしょうか。
#613
○鬼証人 お互い顔を見知っているという程度の知り方でありますので、片山さんがそういう方を知っておられたかどうかということは、私には全然見当がつきません。
#614
○渡部(一)委員 あなたは、そうするとスイスにあるロッキード社の関係の銀行に対してロッキード社が支払いを指示して、その関係からID社あるいは丸紅等への支払いが行われているとの証言がありますけれども、あなたはスイスのどこの会社にだれがそういう指図をするかについて御存じですか。
#615
○鬼証人 存じません。
#616
○渡部(一)委員 あなたは何でも知らないとおっしゃいますが、余り知らないとおっしゃっていますと、最後に非常に困った立場に追い込まれるのではないかと私は警告しておきたいと思います。
 そして、あなたとクラッター氏の仲において、クラッター氏がそういうお金の受け渡しに際して重要な役割りをしていたことを御存じでしたか。
#617
○鬼証人 知っておりません。
#618
○渡部(一)委員 それでは、ID社がロッキード社から六億数千万円の支払いを受けておったという問題について、あなたはそのお金の出し入れ等に関係しておりませんか。
#619
○鬼証人 しておりません。
#620
○渡部(一)委員 それでは、私持ち時間になったようでございますから、最後に委員長に申し上げますが、先ほどの坂井委員の大庭証人に対する尋問中、田中土建を鈴木明良氏が引き継いだ部分については事実誤認がありましたので、この部分についてのみ取り消しをいたします。
 以上申し上げまして、私の質問といたします。
#621
○荒舩委員長 これにて渡部君の発言は終了いたしました。
 次に永末英一君。
#622
○永末委員 鬼証人は、先ほど一九五四年、すなわち昭和二十九年にロッキードに勤めたとおっしゃいました。それはどういう資格で、ロッキードのどういうところに勤められたのですか。
#623
○鬼証人 ロッキードのバーバンクにあります会社で、シッピングコーディネーターとして就職をいたしました。
#624
○永末委員 勤務場所はどこですか。
#625
○鬼証人 カリフォルニア州バーバンクであります。
#626
○永末委員 日本へ勤務されたのはいつからですか。
#627
○鬼証人 一九六二年六月の末からであります。
#628
○永末委員 そのときにはすでにロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッド日本支社はつくられておりましたか。
#629
○鬼証人 私の記憶ですと、私、東京へ参りましたときはロッキード・エアクラフト・インターナショナル・AGの日本支社だったと思います。
#630
○永末委員 ロッキード・インターナショナル・AGはスイスの会社ですね。それの日本支社ですか。
#631
○鬼証人 そうです。
#632
○永末委員 それでは、このAGがロッキード・エアクラフト・インターナショナル日本支社にかわって、あなたが代表者になられたのはいつからですか。
#633
○鬼証人 ロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッドの日本支社の代表者になったときは、うかつでありますが、私覚えておりません。
#634
○永末委員 これは一番重要な事件ではないか、あなたの人生にとりましても。それをお忘れになっているのはまことに遺憾でありますが、そのとき日本支社の社員は総数何名ですか。
#635
○鬼証人 三、四名だったと思います。
#636
○永末委員 代表者の職務分掌はそのころ何になっておりましたか。
#637
○鬼証人 済みません。どこの本社でございますか。
#638
○永末委員 そのあなたが代表者に任命せられましたロッキード・エアクラフト・インターナショナル・リミテッド日本支社。
#639
○鬼証人 本社は香港でございます。
#640
○永末委員 その代表者としての職務分掌はどういう仕事をしておられましたか。
#641
○鬼証人 代表者としていたしましたことは、政府に提出するいろいろな書類の代表者欄にサインをすることでありまして、それ以外は現在と同じ仕事であります。
#642
○永末委員 日本のロッキードの支社は最初はスイスのロッキードの支店の分店であり、そうしてさらに香港のロッキードの支社の分店、こういう経緯のようでございますが、あなたがいま勤めておられますロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの社員数は何名ですか。
#643
○鬼証人 八名であります。
#644
○永末委員 その八名の中で文書の保管をしている係の者はどういう役職ですか。
#645
○鬼証人 特に文書の保管係というものはございませんが、オフィスマネジャーとして私が保管の責任を負わされていると思っております。
#646
○永末委員 それではロッキード社と児玉譽士夫とがコンサルタント契約をした書類等は保管をしておられますか。
#647
○鬼証人 ございません。
#648
○永末委員 この契約書はアジア・リミテッドの社長クラッター氏が署名をしている契約書である。であるとするならば、当然このロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの責任において署名せられたものだとみなされる。それは責任者のあなたが保管せられるのが至当だと思いますが、これはあなたの社にあるのですか、ないのですか。
#649
○鬼証人 私の知る限りございません。
#650
○永末委員 あなたの会社ではその支社長であるクラッター、支社長というよりも、法人格は別であると思いますが、その社長が署名したものを置かないということが、あなたのロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドの社是でございますか。
#651
○鬼証人 社長が自分用のファイルを持っていたかどうかは私にはわかりませんので、私の管轄するところにはございません。
#652
○永末委員 個人会社ではないわけでありますから、先ほどあなたは書類等の保管はオフィスマネジャーである自分の所管であると申された。であるならば、当然このような書類はあなたがもし保管していなくても、社長なら社長が保管しているという事実を知っておられるのが当然事項だと思いますが、あなたはそれをなさらなかったのですか。
#653
○鬼証人 しておりません。
#654
○永末委員 丸紅との間にも契約がございますが、これもあなたは全く関知しておられないのですか。
#655
○鬼証人 ずっと以前はコピーが日本支社用に回ってきましたので、私が保管をいたしましたが、最近はコピーが回ってまいりませんので、保管をいたしておりません。
#656
○永末委員 丸紅との間には昭和三十三年に最初の代理店契約が結ばれておりますが、昭和四十七年の十一月一日、改めて代理店契約が結ばれた以降のものはごらんになったことがありますか。
#657
○鬼証人 はっきり聞き取れませんで済みませんでしたが、何を見たことがあるかという御質問でしょうか。
#658
○永末委員 昭和四十七年十一月一日、丸紅とロッキードとの間における代理店契約です。
#659
○鬼証人 見ておらないと思います。
#660
○永末委員 どうもあなたは、文書の保管の責任ある地位に置かれておるのかどうかよくわかりません。
 金の方は、この会社は日本でどんどん金を入手し得るような組織ではないようでございますが、金の責任者はだれですか。
#661
○鬼証人 社長であります。
#662
○永末委員 社長がおられないときはだれですか。
#663
○鬼証人 少額の場合は私であります。
#664
○永末委員 契約に基づいて金を払ったり、あるいはまた受け取るというような場合の金の出し入れは、このロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッドという会社はやるのですか、やらぬのですか。
#665
○鬼証人 社長がやっていると思います。
#666
○永末委員 それでは、社長がおらないときには業務停止ですか。
#667
○鬼証人 そういうことになると思います。
#668
○永末委員 社長クラッター氏はいつから日本にいなくなりましたか。
#669
○鬼証人 一九七四年のクリスマスごろだったと記憶しております。そのころ帰国しております。
#670
○永末委員 それ以後の金の出し入れは多額のものはない、こういうことでありますか。
#671
○鬼証人 私にはわかりません。
#672
○荒舩委員長 河村勝君。
#673
○河村委員 先ほどあなたは、昭和四十七年の一月ごろ、当時の田中通産大臣にコーチャン氏を会わせるのに、自分で官房か秘書かかに電話をして、それで会わせたという、そういう証言でしたね。外国人が外務省を通じて正式に会う場合は別でありますけれども、知らない外国人が大臣等に会う場合に、いきなり見ず知らずのあなたが官房に電話をかけて、それで会わせろと言うのは、日本の慣行としては全く信じられないことであるが、あなたはそれは本当ですか。
#674
○鬼証人 私が電話をしまして、しばらくしまして返事をいただきましてお邪魔しました。それは本当であります。
#675
○河村委員 それは官房のだれに話しました。ただ普通の秘書などに話をして通る話ではないはずです。もしあなたが直接かけたとしたらば、しかるべき責任者に話さなければならないはずであるし、それもあなたが知っている人でなければならないはずだけれども、そのことは一応別にして、一体どういう責任者に話しましたか。
#676
○鬼証人 はっきり覚えておりませんが、わかりませんのであちこち電話しまして、私の記憶では、秘書官の方か官房長の方かどちらかだったと思います。
#677
○河村委員 官房長などに直接あなたが電話をするというのは想像ができない。だれか紹介者があったんでしょう。そうでありませんか。
#678
○鬼証人 紹介者はございません。ただいま申し上げましたように、どこへ、どこから電話を始めてよいかわかりませんので、あちこち電話をして、最終的にたどりついたのがそういうところだったと記憶しております。
#679
○河村委員 そういうことはあり得ないことなんです。しかし、知らぬ、存ぜぬということであれば、それはこの場では通るかもしれないけれども、それは全く通らない話である。それもいずれわかることでしょう。
 それから、あなたはシグ・片山氏は顔見知りではあるけれども、ID社のことは知らない、そういうお話でしたね。シグ・片山、この人とつき合うようになったのはどういうところから、仕事の関係ですか、それともその他の関係ですか。
#680
○鬼証人 十数年前にロッキードの会社の一つに造船会社がございまして、この造船会社が解体しました軍艦を鉄くずとして売ることになりまして、ハイマン・マイケルというアメリカのくず鉄会社の東京代表をしておられた片山さんと会ったわけであります。
#681
○河村委員 昭和四十三年当時、トライスターの売り込みについてロッキード社の猛烈な活動が始まった時期です。この時期には、あなたはまだロッキード・エアクラフト・インターナショナルの代表者であったはずです。その時期にシグ・片山も同時にロッキード社と関係を持って、このことで動いております。その時期に当然あなた方は二人でお会いになったことがあるはずですが、それは記憶ありませんか。
#682
○鬼証人 ございません。
#683
○河村委員 終わります。
#684
○荒舩委員長 これにて永末君、河村君の発言は終了いたしました。
 鬼君に申し上げますが、あなた何でもわからないとかなんとかということばかり発言されておりますが、一体ロッキード社の日本におけるどういうことをやっているのですか。何もしてないのですか。月給も取ってないのですか。
#685
○鬼証人 事務所内のいろいろな仕事をしたり、翻訳をしたり、会社の製品に関係のある記事の切り抜きをしたり、そういうものをロッキード各社に送ったり、そういうことをしております。
#686
○荒舩委員長 日本の国会ではこういうことは許さないのですが、やがて委員長として何らかの手続をしたいと思います。
 以上をもちまして、鬼証人に対する尋問は一応終了いたしました。
 鬼君には御苦労さまでございました。控え室でお待ち願います。
    ―――――――――――――
#687
○荒舩委員長 若狭証人の入室を求めます。
 これより若狭証人から証言を求めます。
#688
○小林(進)委員 ちょっと議事進行について一言委員長に要望をいたしたいと思います。
 若狭証人について一言委員長に要望いたしますが、若狭証人は控え室に待機中、食堂へ行ったり、食事をしたりしております。証人として待機中は控え室にいて、テレビを見ることも、生理的要求以外外出することも、固く禁ぜられているのであります。しかるに若狭証人は、特にあなたと対決をする大庭証言の最中にのこのこ部屋を出ていられることは、まことに証人としての厳粛性を失われていると見なければならぬと思うのであります。あなたの前回の証言も含めて、あなたは国会を軽視し、国会の証言を軽視されているというおそれがあるということが議員の中にも声が出ております。厳重にひとつ注意されるよう委員長に御要望いたす次第でございます。
#689
○荒舩委員長 ただいま小林君の発言、ごもっともでございます。いずれ調査をいたしまして、適当な処置を講じたいと思います。
 まず、若狭証人に対しまして、委員長より所要の事項についてお尋ねをいたします。
 あなたは、去る二月十六日の委員会に出席し、その直後運輸省において記者会見をしたことは事実でありますか。
 その記事によれば、本委員会の証言と全く相違したごとくとられるような発言がなされたようでありますが、その真意及び発言内容を詳しく説明願いたいと思います。
#690
○若狭証人 お答え申し上げます。
 去る十六日の当院における予算委員会における証言終了後、運輸省におきまして記者会見をいたしました。
 その際に出た問題の一つは、DC10についての予約があったのではないかという記者団の質問でございます。これにつきましては、当日は私はもちろん、副社長であります渡辺君も同様に、そういう事実は全くありませんということを当院におきまして証言いたしました。しかし、当時記者会見の席上で、そういう問題、あなた方はそう言うけれども、本人はそういうことをやったと言っておるじゃないかというような、そういうような御質問がございました。それにつきまして、それは本人がそういうことを言っておいでになるとしてもわれわれは知りませんということを申し上げましたし、御本人が言っておられることをわれわれが否定するわけにはまいりません、それはわれわれの関知せざるところでございますということを申し上げたことは事実でございます。
 さらに、もう一点ございますが、昭和四十七年十月二十四日に田中総理に総理官邸でお目にかかりました。その際、国会では、ロッキードを買ってもらいたいという話は出ませんでしたかという御質問がございまして、私はそれに対しましては、そういう話は一切ございませんということを申し上げました。それで記者団の方から、機種選定についての話というのは一切なかったのかというお話でございました。それにつきましては、私は、大変短い時間でございまして、立ち上がり際に、機種選定についていろいろ新聞紙等に言われておりますけれども、これはわれわれ三年間にわたって事務的に検討してまいっているところでございますし、安全問題を第一にして決定いたしますので、そのように御了解いただきたいということを申し上げまして、安全第一は当然だろう、しっかりやってくださいというふうに言われたことがございますということを記者会見で申し上げたわけでございます。
 その点について、国会では、ロッキードを買ってもらいたいというお話がございませんでしたかというお話でございましたので、私はそういう話はございませんということを明確に申し上げたわけでございます。
#691
○荒舩委員長 あなたは大庭社長と飛行機の購入について全く意見が異なっていた。すなわち、大庭前社長はダグラス社のDC10の購入の仮契約をしており、あくまでもDC10の購入を主張して譲らなかった、こう言われております。これに反してあなたは、これにはあくまでも反対の立場をとられておった。こういうことで、世間で言われると、ずいぶん飛行機の購入について、機種の問題で正面から衝突しておったということが伝えられております。これらの点について、納得のいく説明を願いたいと思います。
#692
○若狭証人 先日の証言でも申し上げましたとおり、私は昭和四十五年の二月に全日空の新機種選定準備委員会の調査団長としてアメリカへ参りました。この前も申し上げましたとおり、準備委員会は四十五年一月に結成されておるわけでございますが、二月に担当者十数名をもってアメリカへ参りまして、ボーイング社、それからダグラス社、ロッキード社、三社を回ったわけでございます。そうしまして、二月の末に帰ってまいりまして、三月にはその資料を整理しておりました。これは各班に分かれまして、たとえば機体班であるとか、エンジンの班であるとか、あるいはハンドリングの班であるとか、いろいろな班に分かれまして、いろいろな機種についての検討を進めたわけでございますので、その班ごとに資料の整理をいたしておりまして、その選定準備委員会で具体的な報告に入りましたのは、四月に入ってからでございます。四月から五月にかけて選定準備委員会のアメリカ調査団における報告が行われておりました。そういう段階でございまして、その間に何らかの、たとえばオプション契約があったという新聞の報道がございますが、そういうことはわれわれには全く了解できないことでございます。それからまた、五月末には別の原因によりまして社長が交代いたしましたけれども、その後もわれわれの選定委員会におきましては、ボーイング747SRと、それからダグラスDC10と、それからロッキード一〇一一と、この三機種について厳正な検討を行われておったわけでございます。しかし、現実問題といたしまして、当時はまだダグラスもロッキードもでき上がっておらない段階でございました。飛んでおらないわけでございます。したがいまして、厳正な評価というのはまだできない、いろいろな会社のメーカーの説明についての検討を行っておるという段階で、でき上がっておりましたのはジャンボSRだけでございます。ボーイング社だけでございました。そういう状態で選定作業を検討しておったわけでございます。
 したがいまして、当時はむしろジャンボにするか、あるいはダグラスがどうだろうか――と申しますのは、ダグラスにつきましては、全日空は以前にDC6なりDC3なりという飛行機をずっと購入いたしておりますので、やはり縁も深かったし、むしろそちらの方に非常な努力を割いて勉強しておったような状態でございます。
 ところが、その後、昭和四十六年に至りましてその導入を延期するということが日本航空、全日空両社で話ができ上がりまして、そうして四十八年に最初は延ばされまして、さらにその直後に雫石の大事故が起こりまして、全日空におきましてはとうてい選定作業を進めるという状態ではございませんで、選定作業を全く中断せざるを得ない状態になったわけでございます。このために日本航空と両社相談いたしまして、さらにこれを一年間延ばしていただくということでお願いしておったわけでございます。そうして結局四十九年導入というところへ漸次落ちついたわけでございます。
 したがいまして、四十七年に入りまして、ことしじゅうにはどうしても決めなければいけないというそのやさきに、四十七年五月、六月、七月と三月続きましてDC10が事故を起こしたわけでございます。第一番目の事故は、貨物室ドアの脱落の事故でございます。これはその翌年パリで三百数十名の人命が亡くなられたわけでございますが、大変深刻な事故でございます。それからその次の六月、七月の事故はDC10のセンターエンジンが脱落する、焼け落ちるというこれも技術的に非常にむずかしい事故でございます。
 そういう事故が起こりまして、そこで初めてDC10に対する評価というものを根本からやり直さなければならないという状態になったことは事実でございます。それまでの間むしろロッキード問題は、率直に申し上げますけれども、第三番目の候補機種であったことは間違いございません。社長がかわりましたから機種の選定が変わったというような事実は全くございませんので、はっきり申し上げておきたいと思います。
#693
○荒舩委員長 ただいまのような理由でおくれたことによって、結局は米国で、コーチャン氏の証言によりますと、ロッキードの時間かせぎという結果になりまして、全日空がロッキードを買うことの結果が生まれたということ、時間かせぎになってしまったということで、いろいろな疑惑もあるわけでございます。こういう点について理解ができるような証言を願いたいと思います。
#694
○若狭証人 最初、昭和四十七年四月から導入したいということを一応両社で相談いたしておったことは事実でございます。その後、先日の証言でも申し上げましたとおり、昭和四十五年の万博終了後の輸送需要が急激に低下してまいりました。万博の輸送需要を賄うために、昭和四十五年度には全日空としては十五機のボーイングを導入しているわけでございますが、万博の輸送が終わりますと、そのロードファクターが非常に下がってまいりました。同時に、その年から就航しましたボーイング747の就航がなかなか思うようにならないという二つの事情がありまして、このためにやはりどうしてもおくらした方がいいだろうということを内々社内で議論いたしておりました。日本航空ともお話を進めてまいりました。そして、むしろ日本航空の方が、われわれよりも先にその導入を一年延期しようということを当時の松尾社長が申し出されたわけでございます。われわれもそれに従いまして当然一年延期ということを決定したわけでございます。
 その原因は、先ほど一つ申しましたダグラスもロッキードも当時はまだ飛んでおらないという状態でございまして、そういう状態で機種を早々に決定して注文を行うということは大変危険であるということが一つの理由でございます。それから輸送需要が非常に減少している段階、それからまた航空界における画期的な大型機の導入という問題がなかなか順調に進んでおらない、ボーイングの747というのは就航率が極度に落ちておるというようないろいろな情勢をあわせて、一年間延期することに決めていただいたわけでございます。
 ところが、その決めた直後に、七月になりまして東亜国内航空の「ばんだい号」の墜落事故がございまして、その同じ月の七月三十日には、全日空の雫石事故という当時世界の航空史上最大の百六十二名死亡という大きな事故が起きたわけでございます。したがいまして、全日空社内はもう選定作業に一切手がつかないという状態でございまして、すべて事故対策に忙殺されておるというような現状でございまして、そのために私は日本航空へ参りまして、大変申しわけないけれども、もう一年延ばしてもらいたいということをお願いしたわけでございます。日本航空としてはいろいろな機材の準備もあったようでございますけれども、なかなか難色を示されたわけでございますが、世界最大の航空事故を起こした全日空というものについて同情していただきたいということを私が心からお願いいたしまして、そして真剣に日本航空でもそれに取り組んでいただくということになった結果、翌年になりまして初めて四十九年導入ということが決まったような状態でございまして、何かその裏で工作したためにおくれたということについて、私は何とも言えない怒りを感じているわけでございます。
 百六十二名のとうとい人命を失ったという私たちの立場というもの、そしてそれに基づいて日本航空も私たちに協力してくれる、私たちもその解決のために全力を挙げておる、そういう事実を全く自分の都合のいいように理解して、私が工作したためにおくれたということを言われますと、私は全くふんまんにたえないわけでございます。
#695
○荒舩委員長 以上で私から尋ねることは終了いたしました。
 次に、委員から発言の申し出がありますので、それぞれ持ち時間の範囲でこれを許します。松永光君。
#696
○松永委員 質問に先立ちまして委員長にお願いしたいことがございます。
 それは、先刻の大庭哲夫氏の証言に関し、大石武一議員、原田憲議員より、同証人の証言中に誤解を招く点があるので、委員長において誤解を解消するための適当な措置をとられたい旨の申し入れがありました。よって、委員長において善処されますようお願いいたします。
  大石議員の申し入れ
  先刻大庭哲夫氏の証言中に、私が鈴木明良君を大庭氏に紹介したとの供述がありましたが、鈴木氏はかつての同僚代議士であり、落ち目になった友人からの依頼であるので、同氏を単純に名刺で大庭元全日空社長に紹介したにすぎず、問題になった件についての依頼や、その為の紹介では絶対にありません。まして、ロッキード問題とは何ら関係ありません。よって、この点を明確にしてもらいたい。
  原田議員の申し入れ
  私には、鈴木元代議士を大庭元全日空社長に紹介した記憶はありません。したがって私の紹介はどの様な形で行はれたか明らかにして貰いたい。
 以上でございます。善処方お願いいたします。
#697
○荒舩委員長 理事会で相談をいたしまして適当な処置を講ずることにいたしましょう。
#698
○松永委員 そこで若狭証人にお尋ねをいたしますが、昭和四十五年の六月に大庭哲夫氏が社長を退かれて、あなたが全日空の社長に就任されたわけですが、その際、すなわち大庭前社長が退陣されてあなたが全日空の社長に就任されたときに、大庭さんから、ダグラス社との間にDC10についてオプションをしたから後始末を頼む、こういう事務引き継ぎといいますか、申し入れといいますか、そういったことがありませんでしたでしょうか。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#699
○若狭証人 大庭さんからDC10に関する話、引き継ぎというものは一切ございません。
#700
○松永委員 これは大庭さんの話なんですけれども、自分はDC10以外に全日空が採用すべきエアバスはないんだ、そのことが自分の頭いっぱいであった、そこで、社長をやめて後任社長があなたになったについては、ぜひDC10にしてもらいたいという希望、特にダグラス社との間にオプションをしたということね、このことを引き継ぎをした、こう言うんですよ。オプションをしたということをあなたに伝えて、そして後始末を頼むというふうな趣旨のことをあなたに間違いなく引き継ぎをしたんだ、こういうことをはっきり言っておられるのですけれどもね。どうですか。
#701
○若狭証人 先ほども申し上げましたとおり、昭和四十五年二月に調査団がアメリカへ参りまして、今後設計されるべき飛行機についてダグラス、ロッキード両社について詳細な調査をいたしました。ジャンボにつきましてはすでにできておりましたので、その具体的な調査をいたしております。したがいまして、帰りましてその資料を調製しておる段階でございまして、しかも先ほど申しましたようにまだ設計段階でございます。そういうものについてオプションをするとかしないとかということはあり得るはずもございませんし、またそれについて私たちに対して一言の連絡ということも全くなかったということだけは明確に申し上げておきたいと思います。
#702
○松永委員 そのオプションという言葉の意味なんですけれども、仮契約とかという趣旨じゃなくして、製造番号を押さえておいたという意味なんだそうです。この製造番号を押さえるためのサインをした。その製造番号を押さえるためのサインをしても、正式の発注をするためには正式の契約をしなければならぬ。その場合には取締役会の承認などの社内的な手続があるんですけれども、大庭さんがそのオプションしたと言う意味は、製造番号を押さえたのだ、押さえるための書類にサインをしたのだ、それはサインをしても取締役会の承認が得られなかった場合には全日空側でキャンセルすることはできるのだ、そういうふうな内容のオプションなんだそうでございまして、これを仮契約というふうに認めるのは適当じゃないんですが、製造番号を押さえる。そのための書類にサインをした。その事実を社長交代のときにあなたに伝えたというふうにおっしゃっておるのですけれども、そういうことはあなたは大庭さんから聞いたことはございませんか。
#703
○若狭証人 そういうことを聞いた事実は全くございません。
 大変恐縮でございますけれども、一言説明さしていただきますれば、私あるいは他のだれか、社内のだれかが聞いておればその実態はわかったわけでございます。先ほど先生もおっしゃいましたように、必ずしも法律的な義務の出るものじゃないというお話でもございますし、われわれも、先ほども申しましたように、DC10というものは初めから候補機の除外して考えるというようなことは毛頭考えておりません。したがいまして、それを聞いておる者はわかるわけでございますが、この前の証言でも申し上げましたとおり、ダグラス社で全日空の飛行機をつくっているといううわさが出ておったということがございましたので、そういうことがどうして行われたのだろうか、どうしても理解ができないということで、何回も確かめた、三井物産にも確かめた、ということを申し上げたわけでございます。それからダグラス社自体にも確かめたわけでございます。したがって、そういう事実は私たちはなかったというふうに考えておるわけでございますが、大庭さんはあったというふうに主張しておいでになるだろうと、この前そういうふうな記事を見たわけでございます。
#704
○松永委員 前回のあなたの証書のときにも、ただいまの証言でも出ましたけれども、三井物産にDC10について法的な義務はもちろん、道義的な義務もどうだろうか、あるのだろうかないのだろうかということを確かめられたら、道義的な義務もないというふうなことだったということですけれども、私があなたに聞きたいことは、それならばなぜ三井物産に道義的な義務も含めて、全日空側に義務とか責任があるかないかを確かめられになったか、こういう点なんです。いまあなたはそういう話をどこからか聞いたということですが、どういう方面からあなたの方に入ってきたのですか。そのダグラス社との間に何か関係があるらしいというふうなうわさですか話ですか、そういったものはどういう方面からあなたの方に入ってきて、そうしてあなたが調べるようになったのか、その点をひとつ説明してください。
#705
○若狭証人 大庭さんから引き継ぎを受けたことは全くございませんけれども、三井物産の方あるいはダグラスの方から、とにかく全日空の飛行機を注文していただければこういう時期にできますとかというようなことを聞かされたわけでございます。そういう点について、これはおかしいということで、一体何が行われたのか、何かあったら出していただきたい、私たちはこれから真剣に選定作業にかかるわけでございますが、その場合にそういう事実を明らかにして選定いたしませんと非常に困ります、もしそれが事実でございますれば、われわれはそれを前提にしてやはり選定作業をやらなければいけません、それからもし最終的に機体が違った場合には、選考が違った場合には損害賠償の責任に応じなければいけません、そういう点は明確にしていただきたい、ということをお願いしたわけでございます。
#706
○松永委員 全日空のこの重要問題といいますか、会社にとっていろいろな問題がある場合に、どういうふうな経路で会社としての意思決定がなされるのか。取締役会とか常務会とかいろいろあると思うのですけれども、全日空のこの組織といいますか、問題を決定する場合の大体の組織はどういうふうになっていますか。
#707
○若狭証人 内部的にそれぞれの部局によりまして部局の会議がございまして、社内的には常務会という常設的な、週一回必ずそこへすべての問題をかけるという機関がございます。それから、それで決まったものにつきまして月一回――先ほどの常務会、週一回でございます。それから月一回の取締役会がございます。それに必ずすべての問題をかけておるというのが現状でございます。
#708
○松永委員 そうすると、取締役会及び常務会における会議の内容、どういう事柄が議題になったか、どういう事柄が議決をされたか、そういったことについてはそれぞれ会議録ができておるのでしょうか。
#709
○若狭証人 それは議事は全部残っております。
#710
○松永委員 週一回のその常務会の席で大庭前社長さんの在任中に、次期に採用すべき飛行機は、すなわち新機種はDC10が望ましい、これは安全性その他からいってこれがすばらしいんだ、こういったことが常務会で議題となったことがありましたでしょうか。議題とならずとも、話題になったことがあったでしょうか。
#711
○若狭証人 そういうことは一回もございません。大庭さん在任中にはまだDC10はでき上がっておりません。設計段階でございますので、そういう話があるということは考えられませんし、現実に私たちはそういうことを聞いたことは一度もございません。
#712
○松永委員 あなたは、常務会の議事録なりあるいはメモというのですか何といいますか、それを確かめた上でそうおっしゃっているのですか。単なるあなたの記憶ですか。確かめられましたか。
#713
○若狭証人 私の記憶でございます。しかし常務会の記録を検討した上で、あるいは提出して御検討いただけるということでございますれば、それはすぐわかるわけでございます。決してそういうことが議題になったということはございません。
#714
○松永委員 この飛行機購入についての仮発注とか仮契約ではないにしても、先ほど私が申したような製造番号を押さえる、こういったことをする場合には社長が専決できるかどうか。常務会にかけないでも、先ほど言ったような製造番号を押さえるという行為ができるものでしょうか。全日空の組織、機構の上でどうなっておりますか。
#715
○若狭証人 外部的に見れば、代表権を持った社長でございますから、そういうことは私は決してできないことではないというふうに考えております。ただ、常識的に新しい機種の選定というのは会社の命運を左右する問題でございますから、大きな組織の中で十分検討した上で結論が出されるべきものであって、軽々しくその製造番号を押さえるというようなことをやるべき問題では私はなかったろうというふうに考えております。
#716
○松永委員 昭和四十五年ごろ、大庭前社長さんが退任される数カ月前のことのようでございますが、全日空において特段に資金を必要とするような事情がございましたか。
#717
○若狭証人 そのような事情は全くございません。
#718
○松永委員 これも大庭前社長さんの供述の中に、証言の中にあったのでございますが、三千億とか何千億ないし何百億という多額の融資を全日空が受けるということに関して、何か念書とかあるいは申込書とかというものが大庭前社長さんの名前である人に渡された、こういったことでいろいろごたごたがあったらしいのでございますが、全日空の常務会で融資問題についての話が出たことがあるでしょうか。
#719
○若狭証人 そういう問題が常務会で議論されたことは一度もございません。
#720
○松永委員 そうすると、融資の申し込みまたは念書というものが大庭さんの名前で出ておるとすれば、それは常務会などの議を経ずに、大庭さんだけの判断で出された書類、こういうことになるのでしょうね。どうですか、その点は。
#721
○若狭証人 そのとおりでございます。
#722
○松永委員 先ほどもちょっとあなたの話に出たのでございますが、DC10という飛行機が初めて飛んだのはいつでしたかね。
#723
○若狭証人 試験飛行その他は別といたしまして、アメリカ政府の型式証明というものを得られたのは四十六年の七月ごろではないかというふうに考えております。その型式証明をとって初めて外国へ売却できるわけでございます。
#724
○松永委員 先ほどあなたの証言の中に、四十五年の二月、三月ごろはまだDC10も飛んでない、飛んでいるのはボーイング747だけだ、こうおっしゃったものですから、そこで飛んだのはいつか、こういうように聞いておるわけなんです。
#725
○若狭証人 恐らく最初の実験的な飛行、これは四十五年の暮れに初めてダグラスの場合はできたんじゃないだろうか。ロッキードはそれから二、三カ月おくれてできておるだろうと思います。したがいまして、四十五年の秋までは、先ほど申し上げましたように、ボーイング747だけが候補機種の中では飛んでおったということであろうかと思います。
#726
○松永委員 あなたのおっしゃる論理はよくわかるのですよ。DC10が飛んでいない時期だ、その時期に製造番号を押さえるという趣旨のサインすらするのは論理上あり得ないというあなたの言い回し方、これもわかるのですが、大庭さん自身は断言的におっしゃるのですよ、サインをしたと。サインしたという事実をあなたに引き継いだ、こうおっしゃっておるものですから、重ねて、そういう引き継ぎを受けたかどうか、その点をもう一回はっきりしていただきたい。
#727
○若狭証人 大庭前社長からそういう引き継ぎを受けた事実は一切ございません。
#728
○正示委員長代理 次に渡部恒三君。
#729
○渡部(恒)委員 いま松永議員から、先ほど大庭証人が、私はダグラスDC10に航空人としての生命をかけていたぐらいに本気だったのだから、社長をやめるときにあなたにぜひそうするようにということを引き継いだという証言、それに対して、あなたはそういうことを引き継いだことは全くない――非常にこれは一〇〇%証言が食い達っちゃったのですから、いますぐにあなたの方がうそか大庭さんがうそか、これは断定できないものであるけれども、いずれかがこれは偽証をしているということははっきりするわけで、これは後ほど明らかになっていくだろうと思うのですが、もう一つ腑に落ちないのは、大庭さんが社長をしておったときにあなたは副社長として機種選定の委員長をしておられたわけですね。私どもかなり信頼すべき情報によると、そうしてその時代に全日空の調査団がアメリカに行った。そうして帰ってきて、機種選定については大庭社長に一任したということも聞いているのです。いずれにしても、あなたが副社長であって、機種選定の委員長であって、そうして社長が、それこそ航空人としてダグラスのDC10だと言って、生命をかけていたというほど熱心にそれにしようとしておったことを全く知らなかったというようなこと、またこの前は、いまの副社長、その当時の専務の渡辺さんもそういうことを言っているのですが、われわれちょっと信じかねるのですけれども、もう一遍その点についてお伺いいたします。
#730
○若狭証人 先ほど申しましたように、二月にアメリカへ参りまして二月末に帰ってまいりまして、三月いっぱいは資料の整理を各担当員がやっておりまして、四月からその具体的な報告が始まったわけでございます。したがいまして、その段階におきましてどの機種がいいというような断定ができるものでは決してございません。私と大庭さんの証言が違うというお話でございますが、私たちには、常識的にそういうことがあり得るということは考えられないということで、現実にまた一切そういう引き継ぎはなかったわけでございますので、改めてそういうことをはっきり申し上げておきたいと思います。
#731
○渡部(恒)委員 これは聞けば聞くほど非常に疑問に思うのですが、大庭さんの方を疑えば、たとえ社長であろうとも、副社長なり専務に相談をしないで決めるというようなことは、大きな企業で考えられないですね。その点、私は何度も大庭さんに確認したのです。今度あなたの方で考えるのは、少なくとも社長が、これは全日空の発展のためにはどうしてもダグラスDC10でなければならないと一生懸命やっておることを、副社長であるあなたが、機種選定委員長であるあなたが知らなかったなんていうことはちょっと考えられないのですが、もう一遍。
#732
○若狭証人 機種選定に入ったばかりの段階でございますので、そういう結論を社長が持っているとは夢にも考えておりませんでした。
#733
○渡部(恒)委員 これはこれ以上同じことを繰り返して言っても仕方がありませんから、話は次に移りますが、私なんかは人間が素直な方だから、本当はこの前の証人喚問のときに、社長と渡辺さんですか副社長が、この飛行機を決めるに当ってはまじめに本気になって、純粋に技術的に選んだと切々と訴えるあなたの言葉を、これはやはりあなた方が言っているのが本当だなと思ったのですよ。ところが、これ、大庭証言によってまた崩れてくる。人間一つうそ言っちゃうと、ほかが全部本当であってもこれは全部疑われざるを得なくなっちゃうんです。
 だからここが非常に大事なんで、もう一つお伺いしますが、あなたは児玉譽士夫さんなる人物は、名前は知っているけれども、会ったこともないし、電話で話したこともないとおっしゃいましたね。先ほど大庭さんの話を聞きますと、大庭証人は、全日空の社長に就任したときにあいさつに行って一度会っていると言うのですね。恐らくいろいろ社の慣例というのはあると思いますけれども、前の社長のときあいさつに行っておるようなところは、やはり会社にすれば、その次にまた社長就任したときにあいさつに行っているんじゃないですか。これはどうですか。
#734
○若狭証人 大庭さんのそういうところへごあいさつに行かれた意味は何であったか知りませんけれども、私はそういうところにあいさつするようなことは一切いたしておりません。
#735
○渡部(恒)委員 そういう話ですね。それから、児玉さんがロッキード、これを熱心にやっているということは、これはいまに始まったことでなくて、昭和三十三年、グラマンかロッキードかで大変な騒ぎをしたときに、これは全国的にも有名になった話でありますね。そういうことがあるんですから、あなた方が本当にロッキードを選ぶとき、これはあなたらは潔白に選んだと言っているのですけれども、そのロッキードというのを研究しておるとき、そういう世間周知のようなことを知らないはずないと思うのですね。ただ、だからうそというのは、あなたは児玉さんのそういうものの影響をおれは受けないで、純技術的に決めたんだということを強調したい余りに、何か児玉と一遍でも会っているとか、そういうことを知っていると、何かそれに左右されたと思われたくないという気持ちで言ったとも思うのですけれども、児玉機関が昭和三十三年からあれだけ騒いで、週刊誌や何かに書かれて、ロッキードの推進力になっていることを、ロッキードを社運をかけて選定するあなたが知っておらないなんてこともないのに、知らないと言っているのですね。これはどうなんですか。
#736
○若狭証人 ただいまの御質問でございますけれども、児玉さんがロッキード社の秘密代理人であったという事実を知らなかったことはまことに私の不明の至りでございまして、これはむしろ軍用機についての問題ならばともかく、商業機についてそういう秘密な者がいるということは、全くわれわれ考えも及ばなかったことでございます。そういう点で、一度もそういうような影響を受けたこともございませんし、最後までそういうことを知らないできたことは事実でございます。
#737
○渡部(恒)委員 どうも腑に落ちない感じですけれども、次に移りますが、先ほど大庭社長の証言の中で、社長を辞任するに至った理由は全くの社内事情だった。その社内事情というのをいろいろ聞いたんですけれども、重役間で意見が合わなかった。それが、恐らくこれはダグラスとロッキードの問題だったと思うのですが、その名前はだれだと言ったら、鈴木さんと渡辺さんと意見が合わなかったということを言っているんですね。これについて、あなた、どう思っていますか。
#738
○若狭証人 大庭さん辞任の問題は、機種の選定とは全く関係はございません。それから、意見が違うというような、そういう社内的な意見の相違によって出てきたものじゃございませんで、先ほどお話が出ましたけれども、特別な融資事件についての社会的な責任という意味から、このままでは会社に思いがけない迷惑をかけることになるから辞任したいんだということをおっしゃったのが事実でございます。
#739
○渡部(恒)委員 この前のときに野間委員が「この鈴木さんはDC10を推しておった、そして役員会の中でトライスターに決めるという問題が煮詰まったころ、そういう論議をされたころに、それにサインをすることができない、署名を拒否して、そのことでやめられた、」、これに対してあなたは「ダグラスを推しておったという事実は全くございません。それからその署名を拒否した、そういう事実も全くございません。」と言っているんですね。これはもう一遍それを自信持って証言できますか。
#740
○若狭証人 そのとおりでございます。そういう事実は一切ございません。
#741
○渡部(恒)委員 時間が参りましたから、これで終わります。
#742
○正示委員長代理 これにて松永君、渡部君の発言は終了いたしました。
 次に稲葉誠一君。
#743
○稲葉(誠)委員 若狭さん、お聞きしたいんですけれども、昭和四十七年の九月の初旬に外電で、ロッキードをあなたの方が買うのが決まったということが報ぜられたということがありましたか。
#744
○若狭証人 九月の初旬にそういうような外電が入りまして、私は大変驚きましてロッキード社へやはり抗議したということを記憶いたしております。と申しますのは、この前の証言でも申し上げましたとおり、十月の中旬に至りまして……(稲葉(誠)委員「それはわかっている。その話はこの前聞いているからこの前のことはいいです」と呼ぶ)ああ、そうですか。それじゃ。
#745
○稲葉(誠)委員 この前話したことはもういいですよ、時間ばかりとっちゃうから。
 そこで、ロッキードのホートン会長が何を言ったんですか、これは。自分の方のトライスターをあなたの方が買うことに決まったんだというような談話でも何かホートン会長が発表したのですか。
#746
○若狭証人 はっきり記憶いたしておりませんけれども、全日空が多分トライスターを買うであろうという談話を発表したんだと思います。
#747
○稲葉(誠)委員 それはどういう根拠に基づいてホートン会長が発表したというふうにあなたお考えになりますか。
#748
○若狭証人 私は、先ほど申しましたようにダグラスの事故が相次いだという問題、それからデモンストレーションフライトに両機が七月に参りましたけれども、そのときの日本の国内の反響、そういうようなものを踏まえた、そういう結果に立ってロッキードの方が有力じゃないだろうかということを、恐らく自分の身びいきであったのかもしれませんが、そういう発言をしたんではないかと思います。
#749
○稲葉(誠)委員 その抗議したというのは、ホートン会長にあなたが抗議したのですか。
#750
○若狭証人 ロッキードの支社に対して抗議をいたしました。
#751
○稲葉(誠)委員 それはどういう抗議をしたの。
#752
○若狭証人 私が直接やったわけではございません。担当者を通じてでございますが、そういうふうな決定は全くされておりませんし、まことに迷惑であるという抗議をしたはずでございます。
#753
○稲葉(誠)委員 そういう決定をしていないから迷惑だというふうに、あなたの方から見れば非常に信義に反しているわけですね。そう思いませんか。
#754
○若狭証人 そのとおりであろうと思います。
#755
○稲葉(誠)委員 信義に反しているのに、なぜそれを継続してロッキードから買うようになったのですか。おかしいのじゃないですか。それだけあなたの方で抗議しているなら、はっきり結末をつけるべきじゃなかったですか。
#756
○若狭証人 機種の選定は、先ほど申しましたように、そういう問題とは別に安全性の問題あるいは騒音問題から検討いたしているわけでございますので、そういう結論に従ってやろうということでございます。
#757
○稲葉(誠)委員 それでは話を変えますが、十月二十四日に田中総理に会われた。それはセットはどういうふうにして、前もってだれがどういうふうな形でセットしたのですか。
#758
○若狭証人 恐らく私の秘書がセットしたと思います。
#759
○稲葉(誠)委員 これはだれを通じてどういうふうにしたのですか。
#760
○若狭証人 いつも内閣官房の秘書官を通じてやっていると思います。
#761
○稲葉(誠)委員 それではそのときの模様を、いま前に荒舩委員長からお話がありましたけれども、よく聞き取れなかった点もあるものですから、ちょっともう少し詳しくお話し願いたいと思うのです。
#762
○若狭証人 私の方から、総理・総裁におなりになりましてから、全日空機を国内旅行でチャーターしていただいてありがとうございます。また中国フライトについても協力していただいてありがとうございますということのお礼を申し上げたわけでございます。それで、大変お客が立て込んでおりまして時間がなかったわけでございますが、その際、帰り際に私から、機種選定については三年間にわたって事務的に検討いたしておりますので、安全第一に近く決定するつもりでおりますが御了承いただきたい、ということを申し上げたわけでございます。
#763
○稲葉(誠)委員 田中総理になぜそういうふうなことをあなたの方で言われなければならぬ理由があるのですか。そこら辺があなた、おかしいのじゃないですか。そこら辺から問題や疑問が出てくるのですよ。おかしいですよ。なぜ田中総理にそういうことを言うのですか、直接。なぜそういう必要があるのですか。前もって何かなければならないでしょう。おかしいですよ、それは。
#764
○若狭証人 別にむずかしい問題があろうとは思いませんで、先ほどから申し上げておりますように、総理の方へ御面会をお願いしましたのは、そのあいさつのためでございます。ただ、当時新聞紙上いろいろなことが言われておりましたので、そういう意味でそういうことには一切関係なしに事務的に結論を出したいということを申し上げたまでのことでございます。
#765
○稲葉(誠)委員 だから、田中総理大臣になぜ言う必要があるのですかとぼくは聞いているのですよ。そんなことは運輸大臣に言えば済むことじゃないですか。
#766
○若狭証人 そういうお礼のために行っただけのことで、いまおっしゃるとおり全く余分なことを申し上げたというおしかりを受ければ、そのとおりかもしれません。
#767
○稲葉(誠)委員 余分なことじゃないのじゃないですか、あなた。
 そうすると、そういう話をしたら田中さん何と言いましたか。よくわからないのだ。ちょっとそこのところだけでいいですよ。ほかのことはいいですよ。そこのところだけ詳しく話してくださいよ。
#768
○若狭証人 それは当然のことです、しっかりやってください――これだけのことです。
#769
○稲葉(誠)委員 だから、この前の質問のときには、田中さんの方から頼まれませんでしたかという質問だから、あなたは頼まれないと答えたので、それはそのとおりでいいと思うのですよ。あなたは役人育ちだから、なかなか答弁うまいよ。いやいや、それはうまいうまい、なかなか。わかりますよ。
 そのときに、あなたは、これはどっかでしゃべったのか知らんけれども、田中さんからニクソンはロッキードを頼むと言っているよという話があった、というふうにどっかでしゃべっていませんか。
#770
○若狭証人 そういう事実はございません。
#771
○稲葉(誠)委員 そうすると、またよくわからないのですが、田中さんのところでその航空機の選定のことに関連して安全性のことでしゃべったこと、よけいなことか何かわからぬけれども、この前あなたは表敬訪問だと言っていましたね。表敬訪問で何かしゃべった、いま言ったようなことをしゃべったのでしょう。どうもわからないな、なぜそれを田中さんにしゃべったのか。わからないですよ、ぼくには。ぼくは頭が悪いからわからないのかどうか知りませんが、それでは運輸大臣とどういう話をしたのです。いつごろ、どういう話をしたの。
#772
○若狭証人 いま申しましたように田中総理につきましては表敬訪問が主体でございます。当然そのために行ったわけでございます。ただ、立ち際に、当時新聞紙上でまあいろいろなうわさがありましたので、これは事務的に決定するものでございますということを、先生は余分なことであるという御指摘がございましたが、あるいはそのとおりであるかもしれません。
 それから運輸大臣については、これは運輸省にはしょっちゅう行ってまいりますので特別な用があって行ったわけでございませんけれども、やはり選考過程について、運輸大臣については、三年間にわたって検討した結果によって決定いたしますということを申し上げたように記憶いたしております。
#773
○稲葉(誠)委員 だから、運輸大臣のところへ行ったのはいつなんですか。どっちが先なんですか。
#774
○若狭証人 私はいまはっきり記憶いたしておりませんけれども、恐らく同一の日であるかあるいは翌日であるか、運輸大臣の方が後であったというふうに思っております。
#775
○稲葉(誠)委員 その問題を総理大臣に話をしなければならないということは、どうもよく私にはわかりませんね。とかくのうわさがあったというのは、だれがうわさがあったか。どんなうわさがあったのです。
#776
○若狭証人 いま先生がおっしゃいましたように、ホートン会長が決めたとかなんとかといううわさがあったり、いろいろな問題がございましたので、そういうことは関係ございませんということを念のために申し上げたということでございます。
#777
○稲葉(誠)委員 だから、ホートン会長が決めたということと田中総理大臣とどう結びつくのですか、あなた。そこが問題じゃないですか。あなたの答えはそこは答えてないですよ。そこを答えてくださいよ。そこは国民が一番疑惑を持っておることですよ。
#778
○若狭証人 全く余分なことであったと思います。
#779
○稲葉(誠)委員 いや、余分なことはわかったよ。余分なことはわかったけれども、なぜ田中さんにそういうことをあなたが言わなければならないのですか。それはあなたの一存ですか。田中さんがそのとき何かうわさの的になっていたのですか。どうなっているの、それ。(「そういうふうに引っかけるんじゃないよ」と呼ぶ者あり)いやいや、引っかけているわけじゃないよ。田中さんにそういうことを言うということがおかしいよ。だれだってこれはおかしく思いますよ。それはぼくだけではないよ。国民みんなそう思うよ。いやいや、ぼくは納得できないですよ。そんなの、おかしいよ。それはおかしい。
#780
○若狭証人 御指摘のとおり余分なことでございました。
#781
○稲葉(誠)委員 いやいや。では話を少し変えましょう。
 小佐野賢治という人がいるでしょう。この人はあなたの会社の何ですか。何ですかというのもあれだけれども、まず社賓ですね。社賓というのは何人ぐらい、だれとだれとだれがいるの。それから個人株主ではこれは筆頭株主ですか。
#782
○若狭証人 社賓というのは、大体において全日空の創立以来非常にお世話になった方々を社賓としてお願いいたしておるわけですが、十数名であろうと思います。何か特別な用があれば相談をしていただく。相談にこちらからお伺いするということで、一度に集まって何かするというようなことはいたしておりません。
#783
○稲葉(誠)委員 それでは、小佐野に創立以来どういうお世話になっているのですか。
#784
○若狭証人 先ほどおっしゃいましたように、個人としての大株主ということについて、やはり会社の運用について御相談する場合があるというふうなことで社賓になっていただいたわけでございます。
#785
○稲葉(誠)委員 このトライスターの選定というのは社運をかけた問題だとあなたはお話しになりましたね。これはそのとおりだと私も思うのです。そうなれば、社賓なり筆頭株主に対して、その途中の経過をあなたの方からお話しをするというのは、ある程度お話しをするというのはあたりまえのことじゃないですか。それでなかったらあなた、株主総会で大変な騒ぎになって、あなた方退陣に追い込まれてしまうのじゃないですか。これはあたりまえの話ですよ、個人としては筆頭大株主ですもの。あたりまえの話じゃないんですか。
#786
○若狭証人 先ほど申しておりますように、機種選定というのはあくまで技術的な問題、安全の問題を中心にいたしております。したがって、その経過を一々個々の株主について報告するというようなことは一切いたしておりません。
#787
○稲葉(誠)委員 いやいや、これは個々の株主でも、大変失礼な話だけれども、一株や二株持っている人と言えば言葉は悪いけれども、そういう人に一々話すわけにももちろんいきませんよ。だけれども、大株主や何かについては前もって話をしていかなければ、株主総会であなた、困っちゃうでしょうが。あたりまえの話でしょう。急にこういうふうに決まりましたと言ってやられて、社運をかけた問題でやられて、じゃ株主総会で反対されたらどうするのですか。否決されちゃったらあなた、どうするのですか。おかしいじゃないですか、こんなことは。あたりまえじゃないか、前もって話をしておくのは。小さな株主まで話をしろとは言いませんよ、そんなのは。あたりまえのことですよ。
#788
○若狭証人 株主間にもいろいろと各社の利害関係の問題もございましょうし、先ほどから問題になりました、たとえばDC10の代理店というのは三井物産がやっております。三井物産は全日空の第三位の株主でございます。そういうようないろいろな関係もございまして、われわれ事務的に純粋に技術的な結論を出して、その結果を取締役会に報告をいたしまして了承を受ける。取締役会には大株主が相当入っておいでになるわけでございます。そういうことで会社の運営をやっておるのが現状でございます。小佐野さんは、大株主と申されましても個人としての大株主でございまして、株式の保有率といたしましては恐らく一%余りの程度のものではないかというように考えております。
#789
○稲葉(誠)委員 そうすると、だけどあなたはほかのところでは、小佐野さんがあなたの方にトライスターならトライスターをやってくれと頼むということはこれは言ってないかもわかりませんよ。いいですか、言ってないかもわかりませんよ。あるいは機種のことについていろいろな話はなかったかもわかりませんけれども、それに似通った話が、その決まるころ、昭和四十七年の八月ごろから九月、十月ごろにかけて、小佐野さんとあなたはあなたの会社で二、三度お会いになっているのじゃないですか。そういうふうなことをあなた言ったことはありませんか。
#790
○若狭証人 やはり大株主という関係だけじゃありませんで、たとえば日本航空の株主でもあり、あるいは東亜国内航空の役員もしておいでになりますし、あるいはわれわれの関連事業をやっておりますホテル関係の仕事もしておりますから、そういう関係で何回かお会いしたことがあると思いますが、いま言われたような期間にそういうふうにお会いした機会があったかどうかは私は全く記憶いたしておりません。
#791
○稲葉(誠)委員 あなたはほかのところで「小佐野(賢治)さんも、あのころ、たびたび私のところに来ましたよ。そして、いつもトライスターの話です。いつ結末をつけるのかとか何とか。ただ小佐野さんも、トライスターを買ってくれ、とはついにひとこともいいませんでした」、こういうようにどこかで言っていませんか。小佐野さんも買ってくれとは言わないよ、彼もなかなか怪物だから。彼なかなかうまいよ。そうは言わないけれども、機種はどうなったというようなことを小佐野さんもあなたに聞いたことがあるんじゃないですか。そういう程度の話ね。
#792
○若狭証人 その週刊誌の記事につきましては現在抗議をいたしておりまして、その表現に非常に誤りがたくさんございます。そのころたびたび会ったとかなんとかという記憶は私にはございません。
#793
○稲葉(誠)委員 表現に誤りがあるというのはどういうことなの。
#794
○若狭証人 私はその全部を覚えているわけじゃございませんが、そういう個所がずいぶんあったと思います。そういう点で、会社として正式に抗議を申し込んでおります。
#795
○稲葉(誠)委員 逆に聞きますけれども、そうすると、八月三十日に何かいろいろな――あなた出席しなかったんですか、あの機種選定委員会か何かね。
#796
○若狭証人 これは委員会の総会でございまして、その結果を委員長ほか数名の者から社長に報告するという形式をその後日とったわけでございます。
#797
○稲葉(誠)委員 そのときに各機種の長所短所のことについて話が出て、上申書か何か出たんでしょう。ロッキードの短所というのはどういうふうに出てきていましたか。
#798
○若狭証人 選定準備委員会は、その名前のとおり準備のための委員会でございまして、具体的な詳細なデータをすべて調べ上げるというところでございます。したがって、それに直ちに評点が何点になるとかなんとかというものではございません。具体的に申しますと、たとえば飛行場へ参りましてお客をおろしてからまた乗せるまでの時間が何分かかる。たとえばダグラスの場合は五十分である、それからロッキードの場合は四十五分であるというような、そういう具体的なデータを調べ上げて提出するところでございまして、その結果を総合的に評価いたしまして、たとえば甲乙丙というような、そういうような評点をつけるところではございません。
#799
○稲葉(誠)委員 大庭さんは、もうダグラスでいくんだということが自分に一任されるというふうに思って仕事を進められておったというふうに、もうさっき答えていたんですよ。それはあなたは直接知らないかもしれないとしても、直接話はなかったかもしれませんけれども、あなた自身、そういうふうに大庭さんが考えているということについては推察できましたか。
#800
○若狭証人 まだ飛行機もできない状態のときに、DC10でいくんだということをお決めになるということは夢にも思っておりません。
#801
○稲葉(誠)委員 それは大庭さんの話と非常に違うのですよ。後で議事録を正式に調べてやらないといけませんけれども、非常に違うのですね。
 それから、常務会でいろいろ話が出た。あなたも出席していて、機種選定のことについての話が出た。確定的な話かどうかは別ですよ、話が出たということを言っているのですね。だから、当然自分の気持ちというものはあなた方もわかっていてくれたはずだ、こう言うのですが、どうなんでしょうか。あなたは全くわからなかったのですか。
#802
○若狭証人 飛行機ができない状態でそういうような予見というものをお持ちになっているとは想像もできないことでございました。
#803
○稲葉(誠)委員 いやいや、そうじゃなくて、常務会で話が出たかどうかと言うんですよ。まず話が出たかどうか。それから第二段は、話が出なかったとしても、それに近い話が当然出ていたはずだ、こういうふうに思うのですがね。そこのところどうなんですかと聞いているんですよ。
#804
○若狭証人 そういう話は私だけではございませんで、社内のだれ一人記憶いたしている者はないと思います。
#805
○稲葉(誠)委員 時間の関係もあって、話をもう一遍田中さんのところに戻しますが、あなた、いやかもわからぬけれどもしようがない。田中さんのところに行ったとき、この前の証言ときょうの証言とは、あなた自身は食い違っているというふうに思うのですか。あるいはそれが修正されたというふうに思うのですか。あるいは食い違っておらないというふうに思うのですか。どっちなんでしょうか。
#806
○若狭証人 私は決して食い違っておるとは思いません。
#807
○稲葉(誠)委員 その理由は。
#808
○若狭証人 この前は、まず何のために総理を訪問したかという御質問、それからその席上でトライスターを買ってもらいたいという話はなかったか、あるいは大型機についてどうするという話はなかったかというような御質問があったと思います。で、それについては、総理からそういう話はございませんでしたということを申し上げたわけでございます。
#809
○稲葉(誠)委員 その前に、ことしの二月の六日か七日ごろに新聞社の人に対して、これは楢崎さんが質問していることですが、正直言って昭和四十五年秋までは有力代議士がなんとかできないかとか、いま選定作業はどうなっているかという打診はありました、こういうようにあなたが語ったということで質問を受けているわけですね。そういうことあったでしょう、質問を受けたこと。そのことはどうなんですか、事実は。
#810
○若狭証人 昭和四十五年ごろまではという、そういう物の言い方につきまして、ことに有力代議士というような言葉を使うということは絶対にございません。ただ、私が申し上げましたのは、ロッキードについて何らかの代議士さんなり何なり、政治家から何とかしてもらえないかという話は一度も聞いたことがございません。それは絶対にありませんということを申し上げる余り、ほかで何かそれはあるかもしれませんというような、あるいはあいまいな言葉を言ったことが有力代議士とかなんとかいう言葉として表現されたんじゃないだろうかということで、そういうような言葉を使ったことは絶対にございません。
#811
○稲葉(誠)委員 だけど、あなたはこの二月十六日に、これは塩谷さんに答えているんですけどね。ロッキード社からはそういうことはなかった。なかったけれども「仮にあったとすればロッキード以外のところであったかもしれない、というようなことを申し上げたというように記憶いたしております。」と、こう言っているんだよ。言っているでしょう、あなた。書いてあるよ、これに。ちょっと待ってくださいよ。ロッキードにはなかったんだ、だけどほかのものにはあったんだということをあなた認めているんじゃないの。それで言い足りなかったと言っているんだけど、言い足りなかったんじゃないんだよ。逆よ、むしろ。これはどういうつもりで――こういうことを言ったことはあるの、ないの。
#812
○若狭証人 いま申し上げたとおりでございまして、それ以外ならば何かあったかもしれませんがということを申し上げましたけれども、有力代議士であるとか代議士であるとかという言葉は一切言っておりません。
#813
○稲葉(誠)委員 いや、有力代議士とか何とか聞いているんじゃないのよ。ロッキードのことはないけれども、ほかにはあったかもしれませんというようなことを言っているでしょう、あなた。言ったか言わないのかどっちなのよ、それは。
#814
○若狭証人 それはそういうことを申し上げたかと思いますが、政治とか何とかということじゃございませんで、私にも数多い友人なりあるいは商社の友人もおりますから、いろいろな場合にいつごろ決めるんだとか、どうするんだとかいうことは聞かれた事実はございます。そういうことを申し上げたわけでございまして、政治の問題をそこへお答え申し上げたわけでは決してございません。
#815
○稲葉(誠)委員 そんなことはないよ。全体読んでみれば政治家の話じゃないのですか。あなたの話は、非常におかしいのですよね。きょうも出てきているでしょう。軍用機の場合はともかくなんという話が出てきましたね、さっき。あれはどういう意味なの、あなた。どういうことなの、あなた。
#816
○若狭証人 私は、軍用機のことは何も存じ上げませんので、軍用機の場合は私の知ったことではございませんけれども、民間機の場合に、そういう秘密代理人という制度があるということは全く存じておりませんでしたということを申し上げたわけでございます。
#817
○稲葉(誠)委員 児玉譽士夫の話もさっき出ましたよね。あなたはそういうところへ行く必要ないということを言いました。まあ、そういうところという言葉はどうでもいいですが、行く必要ないというのは、行く必要がなかった理由があるんじゃないの。大庭さんは行ったんですよ。何しに行ったと思いますか。どういうわけで行ったと思いますか。総会屋対策だ、こう言っているんです。あの人はダグラスだから、児玉はロッキードを推していることがわかっているから、株主総会でやられちゃ困るからというので行ったんじゃないですか、これは。あなたの場合は児玉はロッキードをやっているということはわかっているから行く必要がないということじゃないですか。そういう推理が――だからぼくは推理だとこう言うんですがね。推理はそこに成り立つんじゃないですか。それは常識じゃないの。だからそういうところというのはどういうところなんです、何なの。
#818
○若狭証人 大変恐縮でございますけれども、大変間違った推理でございます。大変間違った推理ではないかというふうに思いますが、株主総会で機種の問題を決定するというようなことは、私は、私の信念としてはあり得ないことだと思います。機種の決定というのはあくまで安全第一に、技術的な見地によって決定さるべきものでありまして、それが政治的な言動であるとか圧力であるとか、あるいは金銭であるとかということによって決定さるべきものでは絶対にないと私は信じております。
#819
○稲葉(誠)委員 いやいや、最終的には株主総会で議決しなければいけないんじゃないの。それは後からでもいいですよ。事後承認でもいいけれども、ちゃんと議案として出さなければならないんじゃないんですか。そのものずばりで出すか、決算の関係で出すか予算の関係で出すか、わかりませんよ。出さなければいけないので、そこで否決されたらあなたはどうなるの。機種選定、それに金がかかるわけでしょう。これだけの金がかかるというのは全部出すんじゃないですか。それはあたりまえのことじゃないですか。だから総会屋対策が必要だ、こう大庭さんが言ってるんですよ。あなたが行かないのは別として、株主総会どうでもいいようなあなたの話はどうもおかしいですな。納得できないですよ。
#820
○若狭証人 株主総会を軽視するわけでは決してございませんけれども、株主総会には必要資金をどうするというような問題、配当をどうするというような問題、当然出てくるわけでございます。その内容を分析すれば、どの機種を何機買うというような問題は当然出てくるわけでございますけれども、その機種の内容について、どの機種を決定するかという問題はあくまで社内の技術的な検討によって決定すべきものであるというふうに私は思っておりまして、したがってどの機種を決定しましょうかというようなことを株主総会に付議するということはございません。
#821
○稲葉(誠)委員 冗談じゃないよ。それはロッキードならロッキードを買うということを、全部費用を含めて株主総会へ提案するのはあたりまえの話じゃないですか。
 時間が来ましたからこれ以上あれしませんが、さっきの大庭さんの証言とあなたの証言とはずいぶん違うのですね。それは議事録を調べて、そしてその後で十分あなたにお聞きする必要があると思うのです。それから、最後の田中さんのところへ行って、田中さんに報告をしたというのか話をしたというのか何だかわかりませんけれども、なぜそういう必要があったのか。なぜそういうふうなことをしたのか。単にそれがよけいなことだということでは、これはもう済まないと私は思うのですよ。どうもよくわからない。前に何か伏線がなければ、前に、だれからか知らぬけれども話がなければ、そういうふうに行くわけはないと思うのですよね。ぼくはわからぬな。納得できないですよ。これは国民もそこで疑問を持つのじゃないですか。この前はあなたは、田中さんから何も頼まれなかったからと言っておいて、きょうは、それは頼まれはしないけれども、あなたの方から話をしたということを言っているんですから、なぜその必要があったのか。どういう理由だったのか。ただ言葉が多かったとかなんとか、よけいなことだったとか、そういうことでは国民の疑惑は晴らせないと思うんですよ。私はそういうふうに思いますね。あなたはどう思うか知りませんけれども、私はそういうふうに思う。だから将来の問題としては、いまの議事録を調べて、あなたの言うことが正しいのか、大庭さんの言うことが正しいのか、両方をもう一遍尋問をせざるを得ないということになってくるし、田中さんのところへ行ってあなたが報告をしたというか話をしたということから見て、なぜそれだけの必要性があったのか。どこからそういうことになってきたのか。このことをやはり当委員会として明らかにしなければならぬということを私は最後に申し上げて、時間が来ましたので、私の質問を終わります。
#822
○正示委員長代理 これにて稲葉君の発言は終了いたしました。
 次に三浦久君。
#823
○三浦委員 共産党の三浦です。
 あなたはこの前の証言で、社長就任後に三井物産の副社長や担当常務と会ってオプションの存在、いわゆるオプションがあったのかどうか、このことを確かめた、こういうふうに言われましたね。なぜ三井物産に尋ねて、いわゆるこの契約を結んだ本人である大庭さんには確かめなかったのですか。
#824
○若狭証人 大変デリケートな問題でございますけれども、大庭さんはおやめになるときのいろいろないきさつがございまして、私は今後航空界から一切手を引かしてもらいたいということを私にもおっしゃいました。そういうような経緯もございましたので、大庭さんにはじかに確かめなかったわけでございますし、常識的にそういうようなことはあり得ないというふうに信じておったわけでございます。
#825
○三浦委員 それは全く理由になりません。おかしいでしょう、あなた。あなた、社長さんになって事務の引き継ぎもしない、そういう段階で、事務の引き継ぎもしないで、そしてそういう社内問題について――あなたの内部の社内問題なんですよ。結局オプション契約があったかなかったのかということを新任の社長が知らないということでしょう。それだから、それを確かめるというのに、取引先である三井物産に行って確かめるなんというのは、これはもう非常に不見識ですね。普通では考えられないことです。普通であれば大庭前社長に問うのがあたりまえじゃないですか。デリケートな問題があるといったって、そんな社内の恥を外部にさらすようなことを何でそんなことを平気でやるのですか。
#826
○若狭証人 先ほど三井物産の副社長というお話でございますが、この前申し上げましたように、いまお亡くなりになりましたけれども、若杉社長、それからいまおっしゃいました副社長と、それから担当の常務の方、お三人でございます。それに確かめまして、先ほどから何回も言っておりますように、そういうことは一切なかったということをはっきりしておるわけでございます。改めて大庭さんに確かめるまでもないというふうに思いました。
#827
○三浦委員 冗談じゃないですよ、あなた。改めて大庭さんに尋ねるまでもなかったなんて、そんなことがどうして言えるんですか。大庭さんが契約の当事者なんですよ。あなたがなぜ大庭社長に聞かなかったのかと言えば、聞けなかったんですよ、あなたは。お互いに知っていることなんだから。オプション契約が存在したということをあなたはわかっているわけだ。大庭さんもわかっているわけだ。だから、そんなみっともないこと聞けないじゃありませんか。あなたが大庭さんのところへ行って、オプション契約があったんですか、おまえ何とぼけているんだ、こう言われてしまうんで、結局大庭さんには確かめなかったというのが事の真相じゃありませんか。それじゃなければ、そんな社内事情をいきなり三井物産に持っていくなんていうことは考えられないことですよ。そうじゃありませんか。
#828
○若狭証人 オプション契約というものは、先ほどから、恐らく大庭さんが御説明なさったと思いますけれども、別に義務を伴うものじゃございません。したがって、それがあったかなかったかということがそれほど私は大きな問題じゃない。したがって、三井物産の方からDC10の購入についての説明がありました際に、そういうようなことを確かめただけのことでございます。
#829
○三浦委員 オプション契約が大したことないというのはどういうことなんですか。重大な問題だとあなたは言い続けているでしょう。だから、勝手に単独にはできないんだ、大庭さんが単独ではできないほど重要な問題なんだということをいまここで証言しておって、そのオプション契約が大したことはないんだって、どういうことなんですか、それは。あなた、機種を選定するということなんですよ。もちろん正式契約がなければ、オプションというのは、これは自動的にパアになりますね。一定の時期まで、いわゆるこの輸入の許可であるとか役員会の承認であるとかを得て正式契約を結ぶまでの間は、それは結ばなければ自動的に消滅するものですよ。しかし、少なくとも、オプション契約を結べば相手にはそういう期待権を与えるし、そしてまた売り込みもそれによって激しくなってくるわけで、これは非常に重大な問題ですよ。それを、大したことじゃないからちょっと確かめただけだ、そんないいかげんな答弁じゃ困るんですよ。大庭氏はこう言ってますよ。自分がやめるとき大変頭が混乱しておった、しかし、オプション契約の問題だけは頭にあって、これを処理しなければいかぬと思った、だから、あなたたちに、三井と相談して処理してください、そういうふうに言ったとはっきり証言をされているんですよ。それで、あなたは新任のあいさつかたがた三井物産に行っているんですよ。そして、その三井物産でこのオプション契約の効力について聞いている。その効力について聞いているんですよ、こういうオプションがあるけれども、どうなんだ。それが事の真相じゃありませんか。どうですか。
#830
○若狭証人 大庭社長から、DC10のオプションの問題についてはよろしく頼むということは一切聞いておりません。また、私が三井物産へ出かけて、そうしてこのオプションの問題を聞いたという事実も全くございません。
#831
○三浦委員 それはあなた、偽証になりますよ。渡辺副社長は、あなたが三井物産の社長さんと会って、社長さんの話だと言っていろいろ聞いて、そして、あのオプションは大したことないんだ、あれは道義的にも法律的にも何にも責任がないんだ、こういうふうに若狭社長から聞いています、とはっきりこの前証言しているんですよ。あなた自身が三井物産に直接出かけていって、そういう話をしてないなんて、それはあなた、渡辺証言と全く食い違うんですよ。どうなんですか。
#832
○若狭証人 いま私が申しましたのは、私が三井物産へ出かけてそういうことを申し上げたわけではございません、三井物産の方からわが社へ来られまして、DC10を購入してもらいたいというお話があった際に確かめた問題でございます。ということを申し上げたわけでございます。
#833
○三浦委員 それはおかしいんですよ。あなたは確かにこの前の証言では、副社長を呼んで、そして確かめた、こう言っています。しかし、渡辺副社長は、あなたが三井物産の社長から聞いた、そういうふうに証言されているんですよ。三井物産の社長から聞いた話であるけれども、若狭社長は、三井物産の社長がこうこうこう言っておりました、全日空は法律的にも道義的にも責任がない、そういうように三井物産の社長が言っておりました、とはっきり述べておるんですよ。思い出しませんか。
#834
○若狭証人 そのとおりでございますが、それは私の会社へ来て、三井物産の社長、副社長及び担当常務が私に対して言われたことでございます。
#835
○三浦委員 証言が変わりましたね。あなた、オプション契約というものが存在しないのに、なぜ三井物産が、これについては法律的にも道義的にも責任がありませんなんということをあなたたちに言うんですか。存在しているからこそ、その存在している契約に対する評価として、法律的にも道義的にも責任がありませんよ、と言うんです。もしか、そういうオプション契約があるのかないのかわからない、ないんだということを三井物産が確信しているんなら、いや、そんなものはありませんよ、と言えばそれで済むことじゃありませんか。何にも存在しないものについてまで、いやあなたは法律的にも道義的にも全く責任がありませんよ、なんて、そんな大時代的なことを言わなくたって済むわけなんですよ。
#836
○若狭証人 いま先生がおっしゃったとおりでございまして、むしろ、そういうオプション契約があったということをわれわれ知らないわけでございますので、そういう点について、今後選定を正式に始める際に、何かありませんか、いや何もございません、何か全日空として法律的な、あるいは道義的な問題が前社長、あるいは前社長でなくても担当役員でも結構でございますが、何かもしあったらはっきり言ってください、われわれの方はそれについて責任をとりますから、そういう面についてはっきりした上で選定作業にかかりたいと思いますから、はっきり言ってください、ということを、私の会社へ三井物産の社長、副社長及び担当常務がおいでになった際に申し上げたことがございます。ということを申し上げたわけでございます。この証言は、この前と全く変わっておりません。
#837
○三浦委員 これは全くでたらめじゃないですか。あなた、オプション契約が存在したかどうかということについて何にも疑いを持たないでいて、それでそういうことを言ったというんですか。何かありましたら責任をとりますけれども、何かあるでありましょうか、そんなことを言うはずないじゃありませんか、あなた。いわゆるオプション契約の存在があるのかないのかということに、あなたたちが疑いを持っているから、だから、どうなんですか、というふうに聞いているんじゃありませんか。この前の証言ではそうですよ。この前の証言をちょっと読んでみましょうか。
 同僚議員の質問に対して、「オプションと申しますか、いわゆる製造ナンバーを二、三機押さえられたという事実はありませんか。」「そういう事実は全くございません。」。そして、さっきあなたが言われた「当時同席しました副社長及び担当常務がおいでになりますが、その人を呼んで、過去にいろいろなことを言われておりますけれども、全日空について何か責任はありましょうか、法律的な責任はありますか、いや、それはありません、」、こうなってますでしょう。過去にいろいろ言われておりますがというのは、オプション契約があるとかないとか、そういうことがいろいろ言われておるがという意味でしょう、これは。そうじゃありませんか。そうでしょう。何にもない、雲かかすみかみたいなものをあなたが指しているのじゃないと思いますよ。
#838
○若狭証人 そういう疑いを持った時期があったと思います。
#839
○三浦委員 それはおかしいじゃないですか、だから。証言がくるくるあなた変わっているんですよ。具体的にそういうオプション契約があったかなかったかということについて、具体的な疑問をあなたがお持ちになったからこそ、三井物産に飛んでいって聞いているわけでしょう。三井物産に聞くなんというのは大変おかしい話なんです。こんなことは余り論議しても、時間がなくなってしまいますので次に移りますけれども、あなたは、三井物産が法律的にも道義的にも責任がないと言ったからオプション契約は成立しなかったんだ、こういうように断定されていますけれども、これは全く間違いなんですよ。むしろ法律的にも道義的にも責任がないという判断をしたということこそが、その存在を証明しているわけなんです。さっき言いましたように、何にもないところに法律的、道義的な責任がありませんとかありますとか、そんなことを言うはずはないのです。そうでしょう。だから客観的なそういう状況というのは、この前のあなたたちの証言だけ見ても、明らかにオプション契約は存在しておったということを立証しているのですよ。あなた、それでもオプション契約は存在しなかったというふうに言い張るのですか。
#840
○若狭証人 オプション契約などというものが、われわれの全く知らないところで行われておるというようなことは、全く夢想にもできないことでございました。
#841
○三浦委員 いやいや、夢想だにしなかったということは、存在は認めるという意味ですか、現在は。
#842
○若狭証人 そういうものはなかったろうと思っております。
#843
○三浦委員 この前は全くありませんでしたと言ったけれども、きょうは少し変わってきていますね、だろうと思いますと。だんだん、確信が揺らいできたようですけれども、ここにこういう本があります。「まるべに」という本です。丸紅の社内報です。一九七四年の五月号です。これに丸紅の亡くなった松井さんの追憶が書かれています。この中にこう書いています。「全日空はすでにダグラスに内定済みとの情報も、実は入手して」おった。だから「セールスは困難を極めた。」、こう書いてある。DC10のいわゆる競争機種トライスターの売り込み、それをやっている丸紅ですら、もうDC10に内定済みなんだ、これは大変だ、これからばんばんそれを巻き返さなきゃいかぬ、こういうことをちゃんと書いているのですよ、当時の状況として。丸紅のセールスマンがわかっているのに、あなた、当時の副社長で、そして第一次調査団の団長で、そして新機種選定準備委員会の委員長で、DC10に内定しておったことも知らないとか、オプション契約も知らないとか、そんなことが世間に通用すると思っておるんですか、あなたは。あなた自身は、オプション契約があったということがばれれば、結局はいわゆるそういう内定があったのに、がっとトライスターに変わってしまった。さあその理由を詳細に突かれていくでしょう。そうするとそこに、政界、財界の黒い手があばき出されてくるということを恐れて、あなた自身は真実を言わないんだということが私ははっきりしたと思います。
 機種選定のさまざまな経過につきましても、機種選定の延期の理由にしても、また安全を、騒音を、これを重点に置いてトライスターを選んだという問題についても、これからまたあなたとゆっくりお話をしたいと思いますけれども、全くあなたの言い分は理由がないんです。また後であなたといろいろお話し合いをする、そういうことを約束して、時間がありませんので私の質問を終わらしていただきたいと思います。
#844
○正示委員長代理 これにて三浦君の発言は終了いたしました。
 次に近江巳記夫君。
#845
○近江委員 前回の委員会におきまして、私はこの田中・若狭会談につきましてお聞きしたわけでございますが、そのとき若狭さんは私に対しまして、田中氏を訪問したのは表敬訪問でしたということをおっしゃいましたね。そのとおりですか。
#846
○若狭証人 そのとおりでございます。
#847
○近江委員 その後あなたは記者会見をしまして、そのときに、田中さんからそうしたトライスターの話がなかったかと言われたので、私はなかった、私の方からは選定の経過等について報告した、こういうことをおっしゃっておるのですね。私はそういう聞き方はいたしておりませんよ。私は、ここに私の発言でございますが、議事録もございますから、そのとおり読んでみますと、「あなたが会われた日にちは十月の二十四日です。総理官邸でお会いになっておる。そのときの内容はどういう内容だったのですか。」、私はこう尋ねておる。これは若狭さんから、また田中さんから、両方からどういう話をされたのですか、このことをお聞きしておるのですよ。なぜあなたはそのときに、私の方からはそうした機種選定の経過について御報告しましたということをおっしゃらなかったのですか。
#848
○若狭証人 総理への御訪問の主体が表敬訪問でございますので、そのことを御説明申し上げたわけでございます。
#849
○近江委員 ですから私は、そのときの話のすべてを、要点をお聞きしておるわけです。あなたの話というのは非常にそのように真実を語っておらないという、そういう感じがいたします。
 ところであなたは、その日、田中総理と運輸大臣にお会いになっておるわけですね。先ほどからのお話を聞いておりますと、一つは中国のフライト等のそうしたお礼であり、またあなた自身がトライスターの機種選定の経過を報告した、これだけの話なんですね。そうなんですか。
#850
○若狭証人 そのとおりでございます。
#851
○近江委員 私は、ここに全日空の社報のコピーを持っております。これは十一月号でございます。ここに「おもな動き」としまして、「十月二十四日 日中定期航路への全日空乗り入れを政府に要望若狭得治社長が田中首相と佐々木運輸相を訪ねて申し入れた」、こうなっておるのです。あなたはこういう話をなさらなかったのですか。
#852
○若狭証人 そういう話は絶対にいたしておりません。
#853
○近江委員 そうすると、この全日空の社報というのは社員にうそを教えるわけですか。おかしいじゃありませんか。
#854
○若狭証人 何かの間違いであろうかと思います。
#855
○近江委員 あなたは、何かの間違いであるとか、非常にそういうようないとも簡単に言い逃れをいたしておりますが、これはきわめて重大な問題でございます。あなたは真実を語ってないというような、この証拠がここにも歴然と私はあらわれておるように思うわけでございます。少なくともあなたは、ここで証言台におられるわけです。真実を語ることがいま一番大事なんです。この問題は、きわめて重大な問題であると思います。
 それから、あなたはいわゆる田中総理に報告したとおっしゃっていますが、そのことを他の委員から質問を受け、余分なことをやった、こうした意味のことをおっしゃっておるわけですが、そういう余分なことをなぜなさったのですか。
#856
○若狭証人 先ほども申し上げましたけれども、九月にアメリカで全日空がトライスターを決めたという報道が出たり、当時の新聞紙上、どちらに決まるのかというようなことがございましたので、そういうことについて、やはり私としては最後まで事務的に、技術的に決めるんだということを念のために申し上げておきたいと思ったのでございますが、実は大変時間もございませんでしたために、私と同行いたしました副社長も立ち上がり際に話しただけのことであったものですから、副社長自身はそれは覚えておらない、聞いておらないという状態でございました。ただ、運輸大臣のところへ参りましたときにはやはり同じことを申しまして、機種選定をそのうち遠からず決定しなければならないのですが、三年がかりの事務的な結論をもって決定したいというふうに考えておりますということだけ申し上げたわけでございます。ただ、当時私が運輸大臣を訪ねたりなんかしたというようなことがわかって、それをあるいは何かそういうことをお願いに行ったんじゃあるまいかというふうに誤解されたのではないだろうかというふうに私は憶測いたしております。
#857
○近江委員 自主決定であるなら何も総理にあなたが御報告なさる必要ないでしょう。非常におかしいです、こういう点は。先ほどの全日空の社内報といい、あなたのいまの答弁といい、あなたの証言についての真実性ということは非常に薄れてきております。偽証の疑いというものが非常に感じられるわけです。
 次に移りますが、この大型機の選定時期の延期につきましてお伺いしたいと思うのです。
 あなたはこの前の証言のときに、延期をしたという理由はいろいろとおっしゃっておりますが、それを総合いたしますと、一つは万博後の旅客の減少、二つ、ボーイング初期事故による大型機の成績不振、三、雫石事故等の発生、四、日航との同調、大体この四点をおっしゃったと思うのですが、間違いございませんか。
#858
○若狭証人 そのとおりでございます。
#859
○近江委員 ところで、機種延期のそうした動きを見てまいりますと、四十六年六月三十日の機種選定準備委員会第八回委員会におきまして、四十五年に計画を立てて以来初めてこの四十八年以降に導入を延期するということが検討されているわけですね。間違いありませんか。
#860
○若狭証人 そのとおりであろうかと思います。
#861
○近江委員 そこで、この延期をされたという理由について、あなたは四項目のことをそのとおり間違いないということをおっしゃったわけでございますが、一つは、万博後、あなたは乗客が非常に減りたということをおっしゃっておるのですね。私は全日空のデータで乗客数を全部計算してみました。四十六年の六月三十日にあなた方が導入延期を決定された。万国博覧会が終わったのは四十五年九月であります。したがいまして、四十五年十月から四十六年六月までの九カ月間、これと万博の開催の年である四十五年一月から九月までの九カ月間、これを対比してみました。そうしますと、万博開催時の、前の九カ月間は五百七十万六千九百四十七名乗客が利用している。ところが、終了後の、あなた方が導入延期を決定なさった四十六年六月までは六百二十五万一千二百三十三名です。五十四万四千二百八十六人乗客がふえておるわけです。これは理由に当たりませんよ。それからさらに雫石の事故ということをおっしゃっていますが、雫石の事故は、あなた方が導入延期を決定された一月後の七月三十日ですよ、起きておりますのは。さらに三つ目の原因であるいわゆるボーイングの初期事故につきましては、四十四年に非常に起きておるわけですね。しかし、その後エンジンのトラブル等はすべて改良されまして、日本航空が四十五年の七月から導入しております。それからは事故はないわけです。ですから、そうしたトラブルの心配というのはすべてそこで解決されているわけです。第四点の日航との同調の問題につきましては、日航はすでにジャンボを飛ばしておりますし、国際線に投入しておるわけです。いつでも国内に導入はできるわけです。あなた方がいわゆる同調するわけじゃありませんか。そうしますと、この四点の、あなた方が延期をやむを得なかったとおっしゃった原因は、すべてこれは覆るわけであります。おかしいじゃありませんか、この点は。
#862
○若狭証人 ボーイングの初期故障の問題は、いわゆる事故という問題じゃございませんで、エンジンのトラブルその他による遅延ということが毎回のように起こったわけでございます。そういう意味で、大変大きなエンジンでございますので、これを使用するには相当の期間がかかるということがわれわれの前に実証されたわけでございます。
 それから、日本航空との関係につきましては、できるだけ両社協調して同時に導入したいという気持ちを持っておったことは事実でございまして、日本航空ともそういう関係で相談を進めておったわけでございます。
 それからいま、乗客が非常にふえておるというお話でございますが、私たちはその乗客の増に対応すべく非常な航空機の増強をいたしております。それに比べまして、昭和四十五年から昭和四十六年にかけまして万博終了後の状態は、大体平均して一〇%前後、一五、六%の増強に落ちた。それまでの状態は、たとえば万博の状態を申し上げますと、前年に比べて四〇%程度の増加であったわけでございます。そういうようなことから非常に機材をたくさん増強いたしておりますので、そういう意味で、具体的に申しますと飛行機のロードファクターと申しますが、収容力に対してどの程度お客が乗るかという問題でございます。これが非常に低下してまいったわけでございます。そういうことから導入を延期せざるを得ないというのが現状でございます。(発言する者あり)
#863
○正示委員長代理 御静粛に願います。
#864
○近江委員 あなたの御証言では納得できません。乗客数が減ったと言ったけれども、私が先ほど数値を申し上げたように、このように五十四万もふえておるわけですよね。確かに万博のときは急激な増加率があったということはわかります。だけれども、現実にこれだけの乗客がふえているじゃありませんか。また、このボーイング機の事故にしましても、解決ができているじゃありませんか。この時点であなた方はいわゆる導入延期というものを決定なさっているわけです。こういうようなことから見ていきますと、あなたがおっしゃったそういう四つの原因であるというようなことではなく、延期しましたその原因というものは、全日空の準備のおくれであるということははっきりしておるじゃありませんか。いかがですか。
#865
○若狭証人 いま御指摘の面も確かにあると思いますけれども、われわれが四十六年の六月に導入延期を決定する以前に、昭和四十六年二月にもうすでに日本航空は導入延期を決定いたしておるというのが現状でございます。
#866
○近江委員 このあなた方が延期をされた四十六年の年、二月二十三日にロールス・ロイスが倒産しておるわけです。それでなくても、トライスター機はボーイングやダグラスに比べて非常におくれておった。そこへもってきて搭載するエンジンのロールス・ロイスが倒産をした。これでおくれることは決定的であるということがあなた方の頭にあったのじゃないんですか。ここに私は、いわゆるこの延期をしたという一番大きな原因があるのじゃないかと思うのです。いかがですか。
#867
○若狭証人 ロールス・ロイスの倒産があったから延期したというようなことは全くございません。当時は先ほども申し上げましたように、ボーイングの747とダグラスのDC10とそれからロッキードとこの三機種を検討いたしておりました段階でございまして、むしろ一番おくれておりましたロッキードについては機種としてはやはり第三番目の順序の感じを社内的には持っておったかと思います。
 ただ、それが非常に違ってまいりましたのは、旅客需要の増加がわれわれの予想したような状態にならない、したがって国内線としてはジャンボを投入することは経済的に無理であるということが明確になってきたということ。それからもう一つは、先ほど申しましたDC10の問題につきましては、ちょうど全日空が機種選定の最終結論を事務的に出さなければならない四十七年の五月、六月、七月の三カ月にわたって連続三回の事故を起こしたという、こういう致命的な問題があったことによって事態が変わってきたというふうに私は考えております。
#868
○近江委員 あなた方がこの機種選定を最終決定されたのはこの十月の三十日でございますが、この時点までトライスターとDC10は争っていたわけですか。どうなんですか。
#869
○若狭証人 実は十月中旬にダグラス社から、騒音についてもう一度アメリカの航空局の証明をとってくる、そしてそれがもしロッキードに比べてDC10の方が同等であるとかあるいは低いという場合には、ひとつぜひこれを考慮してもらいたいという話がございまして、よろしゅうございます。そういう資料が出ましたら準備委員会をもう一度開きまして徹底的に検討いたします、それが出るまでは機種決定は絶対にいたしませんということを、私はダグラス社の代表に約束したことを覚えております。
#870
○近江委員 一点だけお聞きしますが、最初の六機の仮発注は四十七年十月三十日。決定、公表された日。これは仮発注の前にオプション契約はなさっていないのですか。いかがですか。これは非常に重大な決め手になるのです。
#871
○若狭証人 恐らく別にオプションというような問題はなかったかと思います。あるいはそれがオプションであったかもしれません。それがオプションではないかと思います。
#872
○近江委員 これをもしも結んでいないとすれば、もともとこれはロッキードを決めておったことになるのです。少なくとも生産は十八カ月は絶対必要なんです。六機も大量にいわゆる押さえておくというようなことは、航空会社ではこれはできませんよ。非常に重大な問題です。
 もう時間が来ておりますから私はやめますけれども、問題提起しておきます。
#873
○正示委員長代理 これにて近江君の発言は終了いたしました。
 次に河村勝君。
#874
○河村委員 いまの質問の十月三十一日の段階でオプションがあったかなかったかというのは、これは本当に重大であります。これはもう一遍はっきりお答えをいただきます。
#875
○若狭証人 私は、いまその手続的なことを明確にお答えすることができないわけでございますが、恐らくその決定直後にオプション契約をやり、正式契約は四十八年の初めに行ったのであろうというふうに考えております。
#876
○河村委員 それはおかしいんですね。十月三十日というのは、これは正式に決定をして天下に公表したわけですね。そうでしょう。それからオプションということは絶対にあり得ないはずです。その点いかがですか。
#877
○若狭証人 正式契約は、具体的なスペックを決定する、あるいはいろいろな細かい経理的な問題等もございますので、正式契約の決定というのはやはり何カ月か時間がかかるわけでございます。私たちの場合には恐らく四、五カ月かかって正式契約ができたのではないかと思います。それまでの間はやはりオプションであったと思います。
#878
○河村委員 そのオプション、それをオプションと言うのは、それは間違いである。オプションというのは、日本語で言う仮発注という言葉が適当であるかどうかは知らない。しかし、これは必ず買うという契約ではありませんね。ですから、つくる方も相当なリスクを負ってやっておるわけです。だけれども、十月三十日の段階はこれはもはや完全に決定をして、しかも一般に公表している段階ですね。だからこの場合には、もし正式契約ができていなくともそれは完全なる予約であって、それは仮発注というようなものではないはずです。その点、いかがですか。
#879
○若狭証人 事実的な問題は、実はもう少し調査の上で御回答させていただきたいと思います。
#880
○河村委員 しかし、あなたも責任者として、三年有余検討の結果結論を出されたわけでしょう。自信を持ってつくられ、これを発表された。それでなおかつまだ断るかどうかわからぬというような、正式契約でまた変わるかもしれないというような、そういうような約束をするということはあり得ない、これは常識じゃありませんか。
#881
○若狭証人 会社の方針を決定いたしまして、直ちに具体的な契約の準備に取りかかるわけでございます。したがって、その場合には、一機一機何月幾日引き渡しというような問題も全部決定いたしまして、そうしてデザインその他も決定いたしまして契約していくわけですけれども、その準備に非常に手間取りまして、結局正式に調印するまでにはやはり四、五カ月の期間がかかるというわけでございますし、その間の状況をどういうふうに呼ぶか、ファーム契約というふうに言うのかオプションと言うのか、そういう技術的な問題は私はわかりませんけれども、方針を決定して、その線に沿って一機一機、そのデリバリーの時期あるいはそのいろいろな仕様、スペックというものを両社の間で相談いたすわけでございます。
#882
○河村委員 あなたの返事には、それは納得ができません。もう一遍、この次の機会にその点を確認したいと思います。
 次に伺います。
 先ほどから田中さんとの十月二十四日の会談の内容が議論されております。十月二十四日という日にちは非常に微妙な日にちであります。実際には、この十月二十四日にはあなたはすでにトライスター導入を決意しておられたのではありませんか。
#883
○若狭証人 その時点ではまだ決意をいたしておりません。もちろん、社内的にはダグラスの連続事故というものが大変大きな影響を及ぼしたことは先ほども申し上げたとおりでございますけれども、なおダグラス社から騒音についての新しい証明が出されるということを期待して、決定の最終段階に入ることを猶予しておった、そういう時期でございます。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
#884
○河村委員 トライスターの選定の最終段階の経過を見ますと、すでに九月の中ごろにすべての調査は終わって、そうして十月の初旬から役員会議を何回かやって、それがもうすでに十月二十四日には終わっているはずだと思いますが、いかがですか。
#885
○若狭証人 役員会は、その前にももちろん各本部の意見を聞くとか、いろいろなことをやっておりましたけれども、最終的な社内の役員会は十月二十七、八日に行ったというふうに記憶いたしております。
#886
○河村委員 それはこの前の証言と食い違うのではありませんか。日航と一緒に、共同で機種の採用を発表したのが二十七日か八日だとあなたはおっしゃったはずですが、そうじゃありませんか。
#887
○若狭証人 社内的な最終決定をいたしますと同時に、日本航空と両社入りまして、そして最終的な結論をお互いに話し合って、それを発表したということでございます。
#888
○河村委員 それから逆算しますと、とにかく九月の中旬から役員会を二回繰り返してやっておれば、二十四日の段階で結論が出ていないはずはない、私はそう思う。ですから、この二十四日という時期に田中首相を訪問したということが、単なる表敬訪問だとは私には思われない。先ほどからあなたは、三年にわたった機種の選定をやってきて、安全性を中心に最終的な結論を出します、そういう経過か決意かを表明された、こういうことでありますけれども、実際には十月の二十四日という日にあなたが出かけていって、そういう単なる方法論を報告するということはちょっと考えられない。やはりその時期に、その田中さんと会った日に、田中さんが言ったかどうかは別として、その問題は一応別にしましても、やはり最終的にトライスターに決まることになります、あるいはおよそなるであろうというような趣旨の報告をしたんだというふうに考える方がきわめて自然だと思いますが、いかがですか。
#889
○若狭証人 実は、先ほど申しましたようにダグラス社から最終の騒音証明を送ってくるというその最終のリミットは、たしか十月の二十五日ないし二十六日であったんじゃないかと思います。したがって、これはダグラス社に対して、もし新しい事実が出れば準備委員会をさらに開いて決定をおくらせる場合がありますということを言っている段階でございますから、そういう段階でこういうものになるであろうとかこういうものにしたいとか、そういうことを外部の方に申し上げるということは絶対にございません。
#890
○河村委員 そうしますと、この二十四日の段階では停止条件づきの決定と言ってもいいわけですね。ダグラス社から騒音証明が届いて、それが予定どおりであれば採用する、逆に言えばそういうような決定であったわけですね。
#891
○若狭証人 機種選定の最後に残っておった事務的に詰めなければならぬ問題というものは、やはりそういうダグラスの騒音問題ということが、これは選定準備委員会でずいぶん長い間検討してまいりましたけれども、十月中旬になりましてダグラス社から正式に文書をもって全日空に対して新しい騒音証明をとりたいからという、そういう正式の申し出がございましたので、やはりその結果を明確にしてかからなければこれは選定準備作業は終わらないわけでございますから、その前に停止条件づきとかなんとかというようなことを考えるというような状態では決してございません。
#892
○河村委員 停止条件づきという言葉が悪ければやめますが、少なくとも大体トライスターに合意ができた、ただ騒音証明という一点についてまだ問題が残っているからそれを確認の上で決めよう、あなたのいまの説明を聞いていますとそういうことになりますが、そう理解するほかはないと思いますが、いかがですか。
#893
○若狭証人 選定準備委員会における事務的なデータの問題としてはこの一点だけでございますが、総体的に最終的にどういうふうにするかという問題、ボーイング747の問題も含めましてどうするかという問題は、まだ役員全部を集めて最終的にどうするかという話をしているというような状態ではございませんでした。
#894
○河村委員 これは口が腐っても恐らくおっしゃらないでありましょうから、きょうはこれでとどめておきます。
 オプションの問題について大庭前社長との食い違いの点でありますが、これはいままでさんざん論議されていますが、私はこの前もあなたに言ったのでありますが、あなたも事実としてオプションに基づいたであろうと思われる実際のダグラス社の行動、それが事実としてあるということは認めておられるわけですね。この前あなたは現実にダグラス社でこれをつくっているという情報も得ておるし、また現実にダグラス社から人が来て、あなたの飛行機としてつくっているものがありますよという話を聞いたということもあなたは認めておられるわけですね。ですから、大庭社長があなたに連絡したとかしないとか、そういう問題は抜きにして、事実としてそういうものがあるということだけは知っておったわけですね。
#895
○若狭証人 それがオプションというものによって行われたかどうかということにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、全く私は知らなかったわけでございます。ただ、何か疑問があるという感じをどこからかわれわれ聞かされておったために、三井物産に対してそういうことを確かめたということも事実でございます。また、この前の委員会でも全日空のための飛行機をつくっているんだぞということな言われて、そんなばかなことはあり得ないんだということでいよいよ明確にそれを確かめなければいかぬという状態になったことは事実でございます。
#896
○河村委員 ですから、あなたは三井物産に確かめられて、道義的にも法律的にも責任がないという言質を得たということと、それと実際事実がないということは、これは関係がないんですね。現実に全日空としては前社長がどのような独断的な行動をとったにせよ、社長としての権限でやればできることですから、あなたに責任がないということと現実にオプションというものがあったということは、これは関係がない。だから、それを全面的にオプションがなかったのだと否定する理由はあなたには全くないはずなんですね。それをこの前の証言のときからがんばって、どうしてもオプションはなかったのだと言われるのははなはだ不可解なんですね。だから余りそれをがんばられると結局、一回決まったものを何か不当な理由で軌道修正したという結論に導かれる、そういう後ろ暗いことがあるのではないかという逆の証明にしかならない。私はそう思う。そうならそれでも結構でありますけれども、だけれどもそうでないというならば、事実としてオプションによってつくられているであろうという事実があったということは認める方が私は本当だと思うが、いかがですか。
#897
○若狭証人 オプションがあったという事実は、実は私は全く知らなかったことは事実でございます。ただこの選定作業を進めている間に、何かこうおかしいという感じを持つような事態があったということだけは事実でございますので、そういうことでその過程の間に三井物産に対して確かめたということでございます。これは大庭前社長がお答えになった後でございます。正式の選定作業を進める際にそういう疑問が出てきたということで確かめたわけでございます。
#898
○荒舩委員長 これにて河村君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして若狭証人に対する尋問は一応終了いたしました。
 若狭証人には御苦労さまでございました。控え室で待機願うことといたします。
    ―――――――――――――
#899
○荒舩委員長 伊藤証人の入室を求めます。
 伊藤証人に対し、まず委員長より所要の事項についてお尋ねをいたします。
 あなたは二月十七日の本委員会終了後、丸紅の専務を辞任されたと報道されておりますが、それは事実でございますか。その事情をお話し願います。
#900
○伊藤証人 お答えいたします。
 いま委員長がおっしゃいましたことは事実でございます。
 実は私の軽率なる行為がかように大きな問題になりまして、単に会社の信用を傷つけたのみならず、日本の政界、財界を大変混乱に巻き入れたと申しますか、そういう意味での責任をかねてから痛感をいたしておりまして、私の一身につきましては社長に一任を申し上げておりました。前回の証言の夜にそれが御決定になったということでございます。
#901
○荒舩委員長 二月十七日の本委員会であなたはクラッター氏との関係について証言されておりますが、クラッター氏が丸紅大手町ビルに事務所があるのでございまして、あなたが廊下ですれ違った程度にしか面識がない、こう言われておりますが、ちょっと不可解に思うのですが、事実をひとつお話し願いたいと思います。
#902
○伊藤証人 お答えいたします。
 いま委員長が申されたとおりでございまして、先般も申し上げておりましたように、私はお顔をうろ覚えに覚えている程度でございまして、二人で商談はもちろん、個人的ないろいろな用談等もしたことは全くございません。
#903
○荒舩委員長 ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支社というので、鬼俊良という人を知っておりますか。また、鬼君と職務上についていろいろ話し合ったことがありますか。あるいは個人的におつき合いがありますか。お聞かせ願いたいと思います。
#904
○伊藤証人 お答えいたします。
 存じ上げている程度はクラッターさんと同じ程度でございます。鬼さんは長くこちらに御駐在になっておりますので、お顔を存じ上げているという程度でございまして、いま御質問のように会社の用談、ビジネスの商談はもちろんのこと、個人的なおつき合いも全くございません。
#905
○荒舩委員長 二月十七日の本委員会であなたの証言、ピーナツ、ピーシズという符号を用いた領収証に四回にわたってサインをされておりますが、そのサインをされるときにクラッター氏は、四回も実はサインをしておるのですが、これでただの一回もこれには立ち会っておりませんか。どうですか。
#906
○伊藤証人 お答えいたします。
 全く私は、クラッターさんが御依頼に見えましたときにも私は立ち会っておりませんし、私はその席でサインをしたこともございません。
#907
○荒舩委員長 クラッター氏とのおつき合いも全然ありませんか。また、パーティーで会うぐらいで、ふだんは何にも話し合ったことはございませんか。お尋ねします。
#908
○伊藤証人 パーティーでお会いしたという記憶もございません。ふだんはもちろんのこと、個人的なことについても全くお話ししたことはございません。
#909
○荒舩委員長 あなたはそのピーナツとかピーシズ、領収証にサインをされて、社長にも会長にもそれは報告されていないということはきわめて不可思議に思うのですが、全然報告をいたしませんか、社長にも会長にも。また、それは権限外の行為だから報告をしなかったということでしょうか。その辺の事情について納得のできるようなひとつ御発言を願いたいと思うのですが、いかがでございますか。
#910
○伊藤証人 お答えいたします。
 先日も申し上げておりましたとおり、このサインの依頼を受けました経緯から申しまして、私は全く軽い気持ちで、気軽にサインをいたしたものでございまして、それはまた全く会社との関係もございませんというつもりでおりましたものでございますから、いま御指摘のような会長にも社長にも全く報告もいたしておりません。報告をいたしましたのは、今度の事件がこういうことに相なりましてから説明をし、事情を報告をいたした、こういうことでございます。
#911
○荒舩委員長 なお、この領収証のサインをする前後にコーチャン氏と会見をされておりませんか。その点をお伺いします。
#912
○伊藤証人 お答えいたします。
 私はコーチャンさんとは全くお目にかかったことはございません。
#913
○荒舩委員長 これは風説ですから、私の耳に入っておりますが、二百万ドル、すなわち六億余の金があなたの手から政界に流れているのだというようなことをよく言われておりますが、この点についてあなたは自信を持ってその事柄にお答えを願いたいと思いますが、いかがですか。
#914
○伊藤証人 お答えいたします。
 これはもう前回の証言のときにもはっきり明確に申し上げておりますように、私はさようなことには全く関知いたしておりません。
#915
○荒舩委員長 なお、児玉譽士夫氏とあなたはこの二百万ドルの件について話し合ったことは全然ございませんか。ありますか、ありませんか。
#916
○伊藤証人 お答えいたします。
 全くございません。
#917
○荒舩委員長 それでは、小佐野賢治氏とこの問題で話し合ったことはありますか、ありませんか。
#918
○伊藤証人 お答えいたします。
 これも全くございません。
#919
○荒舩委員長 このピーナツ、ピーシズというものは、これは金銭の、金のいわゆる何というか符牒である、符号であるというふうに思われましたか、思われませんでしたか。その点お聞きいたします。
#920
○伊藤証人 お答えいたします。
 私は、その意味するところは、先般も申し上げましたとおり全く存じておりません。
#921
○荒舩委員長 これは常識で判断をいたしましても、ピーナツの百個とかなんとかというふうに専務取締役がサインをして、ピーシズってどんなものだかわかりませんが、そういうものに百とか九十とかこうサインをして、これ不思議に思われないということがまことに不思議なんですが、これは何かの符牒であり、これは何かの取引上の符号であるというようなことは少しも感じられませんでしたか。ひとつお答え願います。
#922
○伊藤証人 お答えいたします。
 この点につきましては、前回も委員長殿初め皆皆様から非常に御指摘がございましたところでありまして、今日になってみましたら、私の全くこの軽率な行為ということにつきましてはまことに申しわけない次第でございますが、そのときの状況から申しますと、私の同僚であり先輩でありますところの大久保本部長から、全く丸紅並びにサインをする人には迷惑をかけない、単にロッキード社の社内事情のために必要なものである、用済み後破棄するのだというような御説明を受けましたものでございますから、私は深くも考えずに気楽にサインをしてしまったものでございます。
#923
○荒舩委員長 以上で私からの尋問は終わります。
 委員から発言の申し出がありますので、お約束の持ち時間の範囲でこれを許します。松永光君。
#924
○松永委員 お尋ねいたしますが、あなたがサインされた四枚の領収証、これはそれぞれの日付ごろ、大久保さんから頼まれてサインをした。したがって、四回サインをしたという形に前回の証言はなるわけですが、そのとおり間違いありませんね。
#925
○伊藤証人 お答えいたします。
 前回も申し上げましたように、その日付のその日にサインをいたしましたという正確なる記憶はございませんが、そしてまた、決して一回ということは申し上げませんが、四回であったかどうかというのも確かでございませんが、確かに四回サインをしたということは事実でございます。
#926
○松永委員 別々の機会にサインをしたというふうに前回はなっているように私は思うのですよね。
 それからさらに、あなたがサインをした場所です。どこでサインをしましたか。前回は、自分の部屋であったというふうなことを述べておるのですけれども、いかがです。その点はっきりしてください。
#927
○伊藤証人 お答えいたします。
 私は、自分の部屋でサインをいたしたと記憶いたしております。
#928
○松永委員 変な領収証にサインをした、四回くらいですね。
 重ねて聞くけれども、自分の部屋であったという記憶、これは間違いありませんね。重ねて聞いておきます。
#929
○伊藤証人 私は間違いないと思っております。
#930
○松永委員 じゃ、サインをしたときの状況でございますが、まず第一回目、どういう状況であったか。あなたがサインするまでの間はわずかな時間ですからね。簡単に説明してください。
#931
○伊藤証人 いまの松永先生の御質問に対しまして、ちょっと長くなるかもわかりませんが、状況を思い起こしてみまして御説明申し上げたいと思います。
 実は、前回の証言のときに、私は自分の記憶が正しいと思って、それを信じてお答えしてまいったのでございますが、二、三年前の話でもございますし、そのときそのときの情景につきましては、はっきりと的確な記憶は、正直なところを言って非常にございませんでございました。しかも、あのサインをいたしましたときの当時から見ますと、あの問題が今日かくも大きな問題に発展をしてくるなどというようなことは、実は正直なところ夢にも思っておりませんでした。したがいまして、私のその記憶というものにも記憶違いがあったという点はあったんじゃないかと思うのであります。
 実は、あの日に、いろいろ御指摘になりましたように、大久保さんの証言と私の証言に、いま先生がおっしゃいましたような点について若干の食い違いがあるということを……(松永委員「そんなことを聞いているのじゃないのです」と呼ぶ)状況を御説明を申し上げているのでございまして、ちょっと御説明させてください。
#932
○荒舩委員長 ちょっと待ってください。説明、簡単に願います。
#933
○伊藤証人 それで、いろいろ記憶を呼び起こしまして、たどりたどり申し上げますと、確かに大久保さんが私の執務室へいらっしゃいまして、そして、かくかくしかじかの理由で、ロッキード社からこういう書類を作成してサインをしてくれという依頼がございました。
#934
○松永委員 そうすると、大久保さんがあなたの部屋に来て、そうしてサインをしてくれ、こう言ったのでサインをした、こういうことにあなたのいまの供述はなるわけですが、その場合に、出した紙にはすでにタイプしてあったのですか。その点です。
#935
○伊藤証人 実はその点を御説明申し上げたかったのでございますが、大久保さんが私のところへいらっしゃいまして、先ほど申し上げましたような理由で、ロッキードから書類をこしらえてサインをしてくれと言われましたときには、そのときにはその書類はお持ちになっておりませんでした。それで、ただし文面につきまして私にお話がございました。ワンハンドレッド・ピーナツとかワンハンドレッドフィフティー・ピーシズとかというような文言の御説明はございまして、そして実はこれは私の記憶が定かじゃなかったのでございますけれども、当日、十七日の証言の日の夜に帰りまして、大久保さんとの食い違いがあるということでいろいる記憶をたどりたどりいたしておりましたときに、私のところの秘書課長から、実は確かにあの当時そういうようなタイプをするように私にお申しつけがあったのじゃございませんでしたかという、私の注意を喚起してくれる言葉がございましたものでございますから、大久保さんといろいろその記憶をたどり、正し合いました結果、大久保さんがいらっしゃいまして私にその文言を言われましたのを、私がその私の席で秘書課の者にタイプをさしまして、そしてその席で直ちに私がサインをいたしまして、大久保さんにそれをお渡ししてということが、どうも間違いがないのじゃないかということで、大久保さんとの記憶をたどりながら到達した結論になったわけでございます。
#936
○松永委員 時間がないので簡潔にひとつお願いしたい。
 そうすると、大久保さんが来たときにはまだタイプしたものではなかった、こういうことですね。そしてタイプするのは、あなたが秘書課の者に命じてタイプをさせた、こういうことですか。
#937
○伊藤証人 そのように記憶いたしております。
#938
○松永委員 そのタイプはどこでしたのでしょうか。あなたの部屋にタイプがあるのですか。別の部屋でタイプをしたのですか。
#939
○伊藤証人 当時の私の部屋は、社長室の秘書課とか総務課とかいうのと一緒にございまして、非常に大きな部屋でございまして、その部屋のすみに、まあ皆の共用のタイプといいますか英文タイプがございましたので、多分そのタイプでタイプをいたしたものだと記憶いたしております。
#940
○松永委員 あなたの部屋にあるタイプじゃなくして、別のところのタイプじゃないのですか。その点はっきり記憶がないならないでいいのですけれども、大体記憶がないはずはないのですがね。これほどの大問題になっておるのですから、人と相談するのではなくして、あなた自身の記憶がよみがえってないはずはないと思いますが、もう一回、タイプをしたのはどこにあるタイプでタイプさしたのか。
#941
○伊藤証人 お答えいたします。
 私が秘書課の者にタイプを頼んだことは明確に覚えているのでありますが、いま先生おっしゃいました、どこのタイプであるかということになりますと、確かに定かには記憶しておりません。
#942
○松永委員 順序は四回とも、いまあなたが証言をされたような経過、いきさつでタイプがなされ、あなたがサインしたというふうに承っておいていいのですか。
#943
○伊藤証人 そのとおりでございます。
#944
○荒舩委員長 次に山口敏夫君。
#945
○山口(敏)委員 私は発言する前に、先ほど公明党の渡部一郎議員の鬼証人に対する証問中、シグ・片山氏と大平大蔵大臣が親交がある趣旨の投書があることが取り上げられましたが、大平大蔵大臣によれば、大平大蔵大臣とシグ・片山氏とは全然面識もないとのことでありますので、この際、大平大蔵大臣の名誉のために明らかにしておきます。
#946
○荒舩委員長 理事会で研究しまして、適当な処置をとります。
#947
○山口(敏)委員 伊藤証人にお伺いしたいわけですが、あなたが再度証人喚問になった、こういう経緯につきましてはあなた自身が一番よく御承知だと思います。しかし、その第一回の証人喚問のときにあなたは、丸紅とまた世間に対する名誉回復のためにロッキード社に対して告訴も辞せず、こういう一つの見解を明らかにいたしましたけれども、その後どういう手続をとられたか。
#948
○伊藤証人 お答えいたします。
 実は、私個人といたしましては、まず第一に名誉棄損の問題、これはもう前回証言に立ちます前から非常にその決意といいますか、そのつもりでいろいろ法的な、法技術的なと申しますか、どういうことが可能であるかということを実は検討してもらってまいりましたし、また、日本の弁護人のみならずアメリカの弁護人にも依頼しましてそういうことを検討してみたのでございますが、これはまことに残念ながらと申すよりほかないのでございますが、そういう手続が実は簡単にできないということが判明いたしております。
 その点につきまして、実はそれならばどういうことであるか。もちろん会社といたしましては、これは私が現在もう辞任いたしておりますので、私が責任持って申し上げる筋合いではございませんけれども、御承知いただいていると思いますけれども、ロッキード問題の調査対策委員会を結成されまして、社長以下現在その対策に大わらわにやっておられるのが実情でございます。
#949
○山口(敏)委員 その告訴の問題と同時に、ロッキード社に対して、丸紅としてもうこうした不信用な相手とは契約できないということで契約解除ということも一時発表されたわけですけれども、その点についてはどうですか。
#950
○伊藤証人 その点につきましては、いまも申し上げますとおり私、現在辞任いたしておりますので、責任ある御回答を申し上げる筋合いじゃございませんけれども、もちろん先生が御指摘のように、何らかの形での厳しい対抗措置というものは、当然現在の首脳陣において考えておられるだろうと私は存じております。
#951
○山口(敏)委員 この事件が起きました後、丸紅は大久保専務を直ちに派米をしたわけですね。そのときに、この中間報告があなたに入りましたね。
#952
○伊藤証人 その中間報告と申しますのは、たしかあの二回目の公聴会でございました。最初はたしかフィンドレーだとかレビンソンがやっておりましたが、二回目の主としてコーチャン氏がやりましたあの公聴会へ出られないという連絡がございました。そのことであったと思います。
#953
○山口(敏)委員 大久保専務から伊藤さんのところに中間報告がきた。しかし大久保さんは、そのときにいわゆるピーナツあるいはピーシズがお金であるというコーチャン証言というものを知らなかった、だから自分はこのわび状程度で引き揚げたんだ、こういうことを前回言っておるわけですね。ところが、伊藤さんはすでに日本におって、このピーシズ、ピーナツというものが何であるかということは痛いほど思い知らされた。特に、あなた自身にとっては実業家としての生命も奪われるような厳しい記者の糾弾を受けておったわけでありますから、そういう実態にありながら大久保専務に対してあなたのとられた措置というものは私ははなはだ納得がいかないわけですけれども、その点について御見解はどうですか。
#954
○伊藤証人 いま先生がおっしゃいましたのは、私が大久保専務に対してとりました処置がと申されたのでございますか。どういう意味に解釈いたしてよろしいのかちょっと戸惑うのでございますけれども、私は確かに先生が御指摘のように、これは大久保専務から、その当時の大久保本部長から頼まれてやったことでございますけれども、サインをいたしました判断といいましょうか、それは私がいたしたわけでございます。したがいまして、そういうようなことの責任につきまして、大久保さんに全部押しつけるとか、大久保さんに全部背負わせるというような気持ちに私はとうていなれません。
#955
○山口(敏)委員 私が申し上げているのは、告訴をすると言ってなかなかむずかしいからできない。また、ロッキードとは契約を解除すると言いながら、その契約も解除しておらない。また、伊藤さん自身が現実に専務をやめられたというくらい丸紅社内においても大きな衝撃であると同時に、これは日本の国にとっても重大な一つの波紋を描いているわけですね。そういう問題に対して、何ら具体的な身のあかしをとられておらないわけですね。ですから、私たちはコーチャン証言よりもいわゆる日本の国会におけるあなたや大久保専務の証言を気持ちとしては信じたいわけでありますけれども、現実の問題としてはこの疑惑をあなた方は何ら解明をしておらないわけでございます。
 そういう意味で、先ほど荒舩委員長も心配されておりましたように、伊藤さんを通じて二百万ドルという多額な金が実際の問題として日本の政界に流れておるのではないかという疑念が、今日この二十日以上たっておりながらも一向に払拭をされない。そういう立場においてのあなたの御見解はいかがでございますか。
#956
○伊藤証人 お答えいたします。
 大変私の身にしみるお言葉でございます。実は先生のお言葉を待つまでもなく、私どもとしましても、正直なところを申しまして、自分の軽率な行為に出たものとはいいながら、大変な実は誤解を受け、大変な容疑を受けているわけでございます。何とかこれをひとつ払拭し、身のあかしを立てたいと思っておるわけでございます。そういう意味で私は、前回の証言のときもきょうの証言のときにも同様でございますけれども、私はこういう席には喜んで出まして自分の信じるところを証言申し上げる、それ以外には現在のところ私には、不作為のことを証明するというのは実にむずかしいものであるということをひしひしといま感じている次第でございます。
#957
○山口(敏)委員 時間がないので答弁を簡単に願いたいのですけれども、あなたは大久保さんに頼まれて書いた。しかし、丸紅には三十数人の重役がおるわけですね。なぜあなたが選ばれたと思いましたか。
#958
○伊藤証人 これは実は私も、大久保さんに頼まれたときに、なぜ私を選んだんでございますかという質問はいたしておりません。恐らく大久保さんのお気持ちの中には、私がロッキードとの関係ということにつきましては直接の担当じゃございませんけれども、比較的古くから承知をいたしておりますということと、それから、比較的会社のお互い同僚でございますから気安くしょっちゅう話しております仲なものでございますし、恐らく大久保さんも非常に気軽な気持ちで私に頼まれ、私もまたそういうような気持ちで応じてしまった。これは、私が応じたということが非常に私は軽率であったと反省している次第でございますが、率直に申し上げましてそういうことでございます。
#959
○山口(敏)委員 それは、あなたが身近にいたから、ロッキードに関係ないからあなたに頼んだのではなくて、伊藤さんが丸紅における巷間伝えられる政治部長であるとか、あるいは対渉外関係の責任者だ、そういう意味で、この丸紅の組織の中では処理し得ない一つの問題だという事実認識のもとに、大久保氏があなたにサインを依頼したのではないんですか。
#960
○伊藤証人 私は、さようなこととは思っておりません。
#961
○山口(敏)委員 これは私も伊藤氏個人をいろいろ勝手な解釈はしたくございませんけれども、日本の政治にとってもきわめて重大な影響を与えておるということは、伊藤証人も御存じのとおりだと思うのです。これを、丸紅社内の大久保氏かあるいは伊藤氏かというような責任のなすりつけといいますか、問題ではなくて、すでにあの証人喚問以来、あなた方はこの事実関係、あくまで不名誉をこうむったのだ、こういう主張でございますけれども、実際司直の手があなた方の会社にも、それからあなた方のおうちにも、書類等々の押収を行っておる。こういう現実に対して、事実に対してどういうお考えをお持ちですか。
#962
○伊藤証人 お答えいたします。
 実は、先般私どもの会社並びに自宅の強制捜査を受けましたのは、外為法違反という容疑でございまして、私は全くさようなことはないと、会社におきましても、私個人におきましてもないと信じておりますし、でございますが、これはまことに不徳のいたすところと申しますか、まことに残念至極でございます。しかし、先ほど先生がおっしゃいましたように、この証言の場に出まして宣誓をして申し上げるのみならず、事ここに至りましては、当局の御捜査にも進んで御協力を申し上げまして、一日も早く事態の解明ということに御協力申し上げていく、それが私の務めではないかと存じております。
#963
○山口(敏)委員 あなたがサインをされた領収証には、H・イトウとそれからヒロシ・イトウと両方ありますね。いま一度確認したいのですが、法務省に届けてあるあなたの署名はどちらが正式なものでございますか。
#964
○伊藤証人 これは、この間たしか私間違って法務省と申し上げましたのじゃなかったかと思うのですが、実は商業登記でございまして、御承知のように商工会議所の方でございまして、それには、たしかあれはフルネームで書くことになっていたんじゃないかと記憶いたしておりますが、私、ちょっと正確には記憶いたしておりません。
#965
○山口(敏)委員 先ほどの関連ですけれども、大久保さんに頼まれて伊藤専務が書かれた、こういうことですけれども、伊藤専務は長い間いわば社内の中で体制固めの責任を負っておった。大久保さんは機械部長初め航空部長ということで対外的な活躍があったわけですね。もちろん、商社でございますからお二人とも英語は得意でしょうけれども、この領収証を見てみますと、いろいろな書式がそれぞれ四枚四様に違うわけですね。私ども承る限りでは、「アイ レシーブド」ということ、その「アイ」というのが入るということは、普通領収証には「アイ」というものは本来書かない、これがサインの常識である。そういう点で、非常にこの点については、英語等においてむしろなれた人よりもなれてない方がこの文章を作成してつくらせた、こういう見方もできるわけでありますけれども、そういう点では、むしろ大久保氏がつくったということよりも、伊藤さん自身がつくられたのではないかと思うわけですが、いかがでございますか。
#966
○伊藤証人 確かにおっしゃるように、私もそのときそのときには全く記憶はございませんでしたけれども、四通のコピーを見ますと、さようなことになっております。ただ、そのピーナツとかピーシズという言葉、それからその数字でございます。これにつきましては、私が自発的にどうこうということじゃございません。大久保さんがクラッター氏からの依頼を私に申し伝えられたわけでございまして、いまの、どれが本式でどうだということになりますと、私はそのときにどういうようにいたしましたか、私は言われたとおりを口述をして打たしたというふうに記憶しているのでございまして、特にその相違については、私ははっきりとした理由といいますか、あれは承知いたしておりません。
#967
○山口(敏)委員 そのタイプを、先ほど伊藤さんのところで打たした。そのときの原稿はだれが書いたわけですか。
#968
○伊藤証人 たしか、非常に簡単な文章でございますから、別に原稿を書いて渡したんじゃなかったと思うのでございまして、口頭で伝えまして打たしたんじゃないかと、かように記憶いたしております。
#969
○荒舩委員長 次いで、渡部恒三君。
#970
○渡部(恒)委員 もう時間が四分しか残されておりませんので、はしょってお聞きしますが、この問題の出発は、アメリカのチャーチ委員会でコーチャン・ロッキードの副会長が、あなたの会社に二百万ドルを送って、そしてそれを日本におけるロッキード売り込みの政治工作に使ったという発言。しかも、その発言が、今度あなた方がやられたピーナツとかいろいろな領収証の数字と合ってきたものですから、いわゆるあなたの、伊藤さんと大久保さんの領収証というのが一種のコーチャン発言に対する事実裏づけみたいなことになって、これほどの大きな問題になっちゃったんですね。あなた方はそれに対して、いままでの答弁では、領収証は書いたけれども、しかし一切金なんかは受け取っていないんだということを言い張っているんですね。これはなかなか理解しにくいことなんだけれども、一歩譲って、もしそれがあなた方の証言どおりだということになれば、とにかく領収証は書いておるわけですから、その二百万ドルの金というのは宙に浮いて、あるいはアメリカに戻っているとかあるいは別なルートで別なところで使われておるとかいうことになるんですね。これは非常にこれからその真相を突き詰めていくのにむずかしいことなんですけれども、私たちは日本人ですしね、こういう本当にいまいましい問題なんですから、あなたの証言本当だというふうに信じてあげたいんですね。ところが、なかなか信じられる状況証拠がない。一つの問題にうそがあるとやっぱり全部がうそに思われちゃうんですね。
 そこで二点だけ、これははっきり答えていただきたいんですが、いま委員長の話で鬼俊良、これは顔見知り程度だという話でしたが、私どもの調べでは昭和三十三年から、ロッキード・丸紅の契約以来十七年間支配人をして、しかも、その支配人をしているロッキードの東京支社は、あなたの会社であなた方の費用で負担しているところにおるわけですね。そしてその鬼が、しかも、大久保さんのある秘書、女の秘書さんから、いつも大久保さんのところにクラッターと一緒に来ておった、ということが証言されているんですね。そこで私はもう一遍、その鬼俊良なる男をあなたはどういうふうに判断しているのか、また、いまのピーナツの証文を書いたときにおったんじゃないかと私は思うのですよ。鬼俊良氏がおったかおらなかったか。
 それからもう一つ、大変な問題があるのですが、児玉譽士夫、この方はいまの政府高官の疑問の方と別に、これは現実に大変な悪をやっていることがいま判明して検察の手に入っているのです。それに対してもあなた方、何か知らないと言っているのですね。これもちょっとわれわれすぐ納得できないのです。あなた方は児玉譽士夫とどの程度の関係があるのか。この二つをしっかりとお答えいただきたいと思います。
#971
○伊藤証人 いまの先生の御質問に対して、明確にお答え申し上げます。
 私は、鬼さんは、先ほど申し上げましたように、お顔はうろ覚えと申しますか、実はきょうも一緒に入ってまいりましたのですから、うろ覚え程度というのもあれかもわかりませんが、とにかくお顔は存じている程度でありまして、一つも、いわゆる用談、商用の用談あるいは個人的な用談につきましてお話を申し上げたようなことは全くございません。
 それから、いまの児玉さんとの件でございますが、これにつきましては、実は最近、昨晩もそうでございましたが、非常に出所の明らかでない怪情報と申しますか、そういうものが報ぜられまして、私自身全く迷惑をいたしております。先般も申し上げましたとおり、特にいま申されました三十三年からというのは鬼さんとの件でございましたけれども、何か昨日のやつで、三十三年から私が児玉さんと云々――あの当時は私はまだ一介の平社員でございまして、しかも大阪に勤務いたしておりまして、そういうときに児玉さんと御同席するはずなんていうことはとうてい考えられません。また、私は、何回も申し上げますとおり、御高名は存じておりますけれども、お目にかかったことは全くございません。これは先生の御質問に対して明確にお答え申し上げておきます。
#972
○渡部(恒)委員 では、これで終わります。
#973
○荒舩委員長 これにて松永君、渡部君、山口君の発言は終了いたしました。
 次に大出俊君。
#974
○大出委員 大出俊でございます。
 きょうは、私の伊藤さん、あなたに対する質問のあなたのお答え、また同僚の楢崎委員の質問に対するあなたのお答えがいわば正反対に食い違うところがございます。したがって、そこらの食い違いは一体どういうことなのか。私は、質問の結果、なお大きく食い違うのであれば、大久保さんとあなたと二人出ていただいて質問をさせていただきたいのであります。この点は、結果がそうなれば委員長にそうお願いしたいわけです。
 そこで、まず第一に承りますのは、伊藤さん、あなたが社長室長におなりになったのは四十四年だと思いますけれども、何年におなりになって、何年までおやりになっておりましたですか。それから、社長室長の前は何をおやりになっておられましたか。簡単にお答えください。
#975
○伊藤証人 いま先生の御指摘のとおり、たしか四十四年でございましたと思います。それから終了は、先般辞任するまで、その他の役職も兼務いたしておりましたけれども、社長室長職でございました。それ以前には、社長室の次長とかあるいは人事部の副部長だとかいう役職を兼務いたしておりました。
#976
○大出委員 この間、大久保証人に楢崎委員の方から、一体大久保さんは、ピーナツ、ピーシズの領収証についてなぜ伊藤さんのサインをお頼みになったのですかという質問をした。これに対して大久保さんの方は、伊藤君がロ社の仕事のことを大変よく知っておることが第一である。第二に「社長、会長に相談するまでもないことにつきましては常々伊藤君と相談いたしておりましたので、一番気安く頼める相手でございました」、だからあなたにサインをお願いした、こう言うわけです。
 そこで、あなたはロ社の仕事を大変よく知っていた。この点、まず間違いがないと思うのでありますが、これが一点。
 もう一つ、常々相談をしたとおっしゃるのですけれども、あなた、いま、社長室長という仕事を四十四年からついこの間までというわけでありますから、六、七年おやりになっている。そうなりますと、この相談の中身――大久保さんは飛行機を売り込む方の責任者であります。その代理店、売り込む利益を求めている中心はロッキードであります。今回のトライスターあるいはP3Cオライオン等であります。そうなりますと、常々相談をしてきた中身というのは一体何か、これを承りたい。
#977
○伊藤証人 お答えいたします。
 まず第一の御質問のロッキード社との関係をどの程度承知しておるかという件であります。これは、私は、昭和三十三年からの非常に古い関係であり、そしてロッキード社とのビジネスの関係におきまして非常に円滑に行われているという点は承知しておりますけれども、先般も御説明申し上げましたように、私の方の会社の組織と申しますのは、それぞれの営業本部がございまして、その具体的なビジネスの内容につきまして私が逐一承知し、またそれを指図したりするような組織ではございませんので、恐らく大久保さんも、そういう古い関係であるということを承知しているという意味でおっしゃったのじゃないかと思います。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
 次に、私に気安く何でも相談をして、何を相談したか。これはいろいろございまして、たとえば、私は人事の担当もしておりましたから、人事のことで御相談を受けたこともございますし、ちょっといま具体的になかなか思い出しませんけれども、いろいろなことで御相談を受けたことはございます。ただそれは、同じ会社の同僚でございまして、特に大久保さんとだけ何もかも御相談するというような関係でも当然ございませんでした。さように御理解をいただきたいと思います。
#978
○大出委員 大久保さんの仕事の中心は、ロッキードの飛行機の売り込みにあったはずです。104等を売り込んで、ようやくこの部門も何とかなった、トライスターを売り込んで、ようやくこの部門はこれで安定する、こういうことが松井さん等から言われている記録があります。そうなると、あなたに常々相談をしたという中身はロッキードにかかわること、こう考えるのが常識ですが、いかがでございますか。
#979
○伊藤証人 お答えいたします。
 確かに、大久保さんの機械第一本部の重要な一つの仕事がロッキードとの関係であったことは申すまでもございませんけれども、その他にもいろいろな仕事がございまして、決してロッキードだけに専念しておられたわけじゃございません。したがいまして、私が御相談を受けましたのも、ロッキードとの具体的な商談について御相談を受けたということよりも、むしろほかのことの方が多かったのじゃないかというぐらいの感じでおります。
#980
○大出委員 あなたがロッキードのことを――楢崎質問によれば、大久保さんと同等の方々はたくさんいる、だが、なぜその方に頼まないで伊藤さんに頼んだのだと言ったら、伊藤さんが一番よくロッキードのことを知っているからと言う。それなら、七年近い長い間、大久保さんが社長に言うまでもないようなことをあなたに相談をしたと言うなら、相当ロッキードの問題は話してなければ、あなたがよく知っているからということが口に出やしない。そうでしょう。常識です、そんなことは。なぜそれを否定されるのですか、素直にお答えになったらどうですか。簡単に……。
#981
○伊藤証人 私は、大久保さんがそういう意味で申されたとは必ずしも思っておりません。
#982
○大出委員 このやりとりからいたしまして、あなたはなかなか回転の速い方だからほかに持っていこうとなさるけれども、大久保さんが答えられた中身からすると、あなたはロッキードのことをよく知っていなければおかしい。知っているとおっしゃっているのだから、大久保さんが。そうでしょう。ここも食い違います、大久保さんの言っていることとは。だから頼んだと言うのだから。
 そこで、大久保さんはクラッターさんと商売の相手ですから常時話をしてきておられることは認めておる。だとすると、この長い年月、ロッキード関係の問題を知っているあなたに相談をしてきたのだから、そうならばあなたがクラッターさんにこの間一遍も会ってないということは常識上考えられない。大久保さんの仕事の中心なんだから、その責任者なんだから、東京における。そうでしょう。それをあなたは、顔も見たこともない、私の質問に、廊下ですれ違っただけだ、こう言う。数ある外人の中で忘れていくような顔だとあなたは言う。そういう言い方は通りませんよ。不自然じゃないですか。あなた、おかしいとお思いになりません。いかがですか。
#983
○伊藤証人 先般のときにも大出先生からそういう非常に厳しい御質問がございました。これは私、もう本当に申し上げますけれども、私は、クラッターさんとはいま先生がおっしゃいましたような関係でもございませんし、先ほど申し上げましたように、全くお顔をうろ覚えに存じているという程度のことでございます。全くお会いしたことはございません。
#984
○大出委員 それじゃもう一点承りたいのですが、シグ・片山という方は、念のためもう一遍承りますが、あなたは全く御存じありませんか。
#985
○伊藤証人 全く存じ上げません。
#986
○大出委員 この方は、大久保さんが昭和三十六年から三十九年までニューヨークの支店長時代に、このときに副支店長さんがおいでになった、名前がウィリアム・モリ・ジュニアという二世の方。三年余にわたって支店長と副支店長。このウィリアム・モリ・ジュニアさんの御親戚なんですね、シグ・片山さんという方は。常時、車でここに乗りつけて、いろいろなやりとりをここでしておられた。だから大久保さんが御存じないというのは不思議な話ですがね。これは後からはっきりさせますが……。
 ところで、あなたは大久保さんと長い年月のおつき合いなんだから、常々話してきているのだから、しかもこの御親戚で年じゅう行っておられたシグ・片山さんは東京においでになったのだから。そうなると、あなたが一遍や二回話を聞いてないはずはないと、私はこれまた大変不思議に思うのですけれども、いかがでございますか、念のために。簡単で結構です。
#987
○伊藤証人 実は大出先生のおっしゃること、私と大久保さんとの関係、何か非常にビジネスの上においてもその他の点においても、特殊なような御前提の上に立ってのお話のように承りますが、私はこのシグ・片山という方、実は正直なところ申しましてお名前も存じませんでした、今度のことまで。まして全くお目にかかったことはございません。
#988
○大出委員 今回のこの問題は、私が前回資料を挙げて問題提起をいたしましたように、ディーク社から金がたくさん国内に入ってきている、クラッターさんあてにですね。二十数億入ってきている。だから金はある。あなた方は受取を暗号でお書きになっている。この現実は間違いがない。
 さて、受取をお書きになったのだから、後、その金をあなたの手元へ持ってきたのかあるいはどこかほかに置いておいたのか、それはわからぬ。わからぬが、受取を書いているんだから、その間に運ぶ人があってつながりができてくれば問題の焦点がはっきりする。あなたがクラッターさんとうんと近いということになると、これまたはっきりする。しては困るから、あなたは向こうへ行こうとする。
 そこで、時間の関係がありますから問題を明確にしておきますが、私ども実は大変足でかせいで、苦心をして調べてみた。たくさんの方に会って聞いてみた結果として、こういうことが明確になってまいりました。念のためにあなたにここでもう一遍承っておきますが、いま私が申しましたシグ・片山さんのやっておられる会社がございます。これは本社は当時千代田区の丸の内一丁目一の一番地、通称パレスサイドビル、分室が港区北青山一丁目二の三、実はいまここが本社になっております。ここにある。遠いところじゃないのですけれども、名前はユナイテッド・スチール。聞いたことございませんでしたか。念のため、一言お答えください。
#989
○伊藤証人 私はユナイテッド・スチールという会社は全く存じておりませんでした。ただ、今度こういうことにいろいろなってまいりまして、実は先週でございましたか、私の方の会社で調べました。調べてもらいました。そうしましたら、昭和四十六年でございましたか、きわめて少額の取引が私の方の建材課というところでこのユナイテッド・スチールという会社とあったそうでございます。ただ一回だけ。それも私はつい最近になってといいますか、知りましたわけでございまして、それまで私はお名前も会社名も全く存じておりませんでした。
#990
○大出委員 このシグ・片山さんのところはロ社との契約があります。あなたの方は一遍だけ取引があった、こうおっしゃる。一遍だけ取引があればだれか知った人がいたはず。だが、表はそうであっても裏の方はこれはわからぬ。
 そこで、この関係の方々、一々当たって承ってみましたら、実はIDコーポレーションのみならずADコーポレーションというのが出てくる。つまりロッキードと丸紅さんとのこの真ん中で、それをつないでいく業務をやっているのだということ、これが一つ。それからエリオットさんがユナイテッド・スチール社をたびたび訪ねておられる、これが二番目。クラッターさんは、日本に来たときはほとんど毎日のようにというわけで、毎日のように――人に聞いたんですから、毎日のようにシグ・片山さんと昼食をともにしておられる。相当なことがなければ――これはシグ・片山さんについてピックアップパースンズという言葉がチャーチ委員会の資料に載っておりますが、このシグ・片山さんのピックアップパースンズというのは運び人という意味に受け取れますけれども、大変重要なところにおいでになりました。
 そこで、この片山さんと大久保さんと伊藤さんが何回も電話で話し合っていたことについて関係者の証言がございました。私は、けさほども実はここでもうちょっと明らかにしてもらいたいと思ってお願いをしたが、そこは何とか御勘弁を願いたいというので、ここで実は申し上げられない。そこで、四十八年、片山さんを通じてロ社、丸紅、この二つの会社が何度か会合を開いている。場所はユナイテッド・スチールの分室、北青山です。今日の本社であります。で、どのくらい開いているんだということを確かめましたら、その方が知っている限りで四回程度と言う。そのときは大変厳しく、みんな人払いをしてしまうんだ、人をどけてしまう、おたくの方々がおいでになると。そしてクラッターさんとエリオットさんと一緒のとき、またクラッターさんが一人のとき、こういうふうな形になっている。丸紅の皆さんの方は二人ないし三人でお見えになっている、こういうことなんです。だから、全く知らないなどということはあり得ないのですが、と言う。実はこれは理屈じゃない。調べた結果なんです。
 だから、あなた電話なさったことがありますか、と聞かざるを得ない。おいでになったことがありますか、と聞かざるを得ない。三人の中には大変大きい体格の方がおったと言うので、私は、これは申しわけないのですけれども、松井さんもお見えになっていたんではないかというように思っている。私は、実は確証を握ったと思っている。あなたが否定されても、私は警察官でもなければ検察官でもない、だから、あなたが否定されれば、ここから先はお任せをする以外に手がない。が、あなたが金をみずから手にしておられないとおっしゃる限りは、本来ならばここは明確にする責任がある。こう思っておりますが、時間がございませんから簡単にお答えください。否定なら否定で結構です。
#991
○伊藤証人 私は、先ほど申し上げましたように、シグ・片山さんという方はお名前も存じ上げなかったくらいでございますから、お電話なんか全くしたことがございません。
 それから、いま先生が御指摘の私の方の者が数人そういう会議に出席しているということがございましたら、これは私はもちろんそんなところに同席いたしておりませんが、どういうことでございますのか、先生にそういう情報を提供されました方に、お差し支えなければ私は会わしていただきたいと思います。
#992
○大出委員 これは別な話ですが、いまの話は。
 そこで、この間の食い違いの中心点に入らしていただきますが、いままで申し上げましたのは、こういう関係だからクラッターさんとあなたが顔見知りでないなんてことは毛頭ない。会っておられるはずだ。私はそういう確信を持ちます。片山さんを知らぬはずはない。私はこういう確信を持ちます。
 そこで、楢崎委員の質問であなたは、大久保さんの方からの御発言によれば――あなた自身は、私どもの質問に答えて、あなたの部屋でとおっしゃったが、大久保さんの証言というものはきわめてはっきりしている。ここに取り出してありますけれども、ピーナツ、ピーシズ領収証はタイプで打ってあるが、どこで打ったのか、と楢崎質問。大久保さんは、私がクラッター氏に頼まれまして「伊藤君に頼み」――これは伊藤君、伊藤君と、こう出ている。伊藤さんと言わないですね。大久保さんは上司だから。上司を呼びつけて、あなたがサインするというばかなことはないと初めから私は思っているのですが。あなたが行くのが常道だと思うのですよ、先に常務になっておられるのだから。全部調べましたが。そうでしょう。だから伊藤君になっている。私が伊藤君に頼み、私の秘書に打たせました。楢崎委員「伊藤氏に相談してすぐその場で伊藤氏にサインをさせたのですか。それとも何日か前に相談をしてそのタイプを打って、伊藤氏にサインをさせたのですか。」、大久保さん「伊藤君に依頼いたしまして直ちにタイプを打ってもらいました。」、楢崎委員「相談してすぐですね。その日ですね。そのサインをさせた日はいつですか。」。大久保さんがあなたにさせた日はいつですか。四十八年の八月が第一回でございます。楢崎委員「あなたの部屋ですか、それとも社長室ですか。」「私の部屋と記憶いたしております。」と大久保さん、きちっと答えておられる。しかも、その上に念を押している。大久保証言とあなたの証言の食い違い。「伊藤氏は、このタイプはクラッター氏が打ったものと思う、こういう証言でありましたが、あなたは自分のところで打たした、あるいは伊藤氏に打たした、こういうことでございますね、これが違っておる。それから伊藤氏は、自分の部屋で、つまり伊藤室長の部屋にあなたがやってきて、」、つまり大久保さんが行って、「そこでサインしたと言っているのですよ。あなたはいま何とおっしゃったかというと、自分の部屋でサインさした」とあなたはおっしゃった。大久保さんがおっしゃった。ここが違う。
 「さらに伊藤氏は、クラッター氏には面識がない、会ったことも、見たこともない。同じ部屋で、三人で――あなたの証言は同じ部屋で三人でおって、」、つまりタイプを打って「サインをさした、」、こう言っているのだから「これは大変な違いですよ。」。クラッター氏が同席したことを大久保さん認めたんです。
 そうしたら、委員長の言葉が一言入りましたが、楢崎氏がこの三つを並べてこの食い違いを――真実は一つしかないんですから、だからどっちかがうそを言っているんだと言って指摘をしたら、大久保さんの議事録に基づく答弁は「私は虚偽の証言をいたしておりません。」ときちっと答えた。
 それをさっきから聞いておりますと、今度はあなたの部屋の方の話で、しかも秘書課長が物を言ったからあなたのところのタイプで、と言っている。まるっきり違う。真実は一つしかない。もう一遍、簡単で結構ですが、あなたのさっき同僚委員に話したことは間違いないですか。簡単でいいです。
#993
○伊藤証人 実はその点につきましてはよく御説明を申し上げたいと思うのでございますが、先ほど松永先生の御質問のときに申し上げましたように、実はいま大出先生が御指摘のとおりに、あの日に私の証言と大久保さんの証言の食い違いというものをはっきり御指摘に相なったわけでございます。そこでこの違いというのは、私は先ほど申し上げましたように、私の記憶に間違いないと思って申し上げておりましたのでございますが、具体的ないろいろな条件につきますとはっきりした記憶がございませんでしたし、またこんな大きな問題になるとも思わなかったものですから、実はまことに簡単にいたしたようなことでございまして、確かに私の記憶違いもございました。しかし、この記憶をたどりたどりながら、たまたま秘書課長もそういう記憶を喚起してくれることがございまして、はっきり申し上げられますことは、私は、クラッター氏が大久保さんのところに依頼に見えましたときも、あるいは私がまたサインをいたしましたときにも、全然クラッター氏とは同席をいたしておりません。
 それから、これは私の記憶の違いでありましたかと思いますが、私の方でタイプを打たせまして、それを直ちにサインをいたしましてそして大久保さんに渡した、こういうことが、記憶をたどりたどり到達いたしましたこれが真相であろうという結論でございます。
#994
○大出委員 私実は一つの記事を見まして、ロッキード特別捜査本部に寄りました。また、そこの本部長をやっておられるのは刑事部長の中平さんでございましたが、わずかな時間会ってもみました。それから、その周辺を何人かの方々に当たってみたわけであります。それはどういうことかといいますと、二十四日におたくに特捜本部が家宅捜索をやった。大変なたくさんのものを持ってお帰りになった。このときに、これは朝日新聞の二月二十五日でございますが、大久保前専務らからの事情聴取で――これは私が聞きましたら、八十人からの方が行ったから、その部屋においでになったら説明を求める場面はあるという、そういう意味です。だから、いわゆる事情聴取じゃありません。ここで「「ピーナツ領収証など四枚の暗号領収証は私の部屋へ伊藤前専務を呼んで書いてもらった」という趣旨の説明があった」、こうなっている。これは大久保さんですよ。ここだけで言っているのじゃないのですよ。私はこれがあるから、周辺を洗ってみました。わざわざ行ってみた、雨の中を。あなたいろいろおっしゃるけれども、大久保さんは言い切っているし、ここでまたこうなっているとすると、これはあなたがいまここでお答えになったそれだけでどうも納得できない。だから、どうしてもこれはやはりお二人並んでもらわなければいかぬ。このことを委員長にこの件について申し上げておきます。
#995
○正示委員長代理 理事会でよく相談いたします。
#996
○大出委員 次に、先ほど金であるか物であるかわからぬ――前回の私どもの質問では金品と言った、ピーナツは。ところが、チャーチ委員会が十三日に出した後からのこの資料には、確かにおたくのこの領収証は上が消えている。消えているのか消したのか、それはわかりません。消えておりますでしょう。こっちは一枚で、わざわざワンハンドレッド・ピーナツをここへ出しておりますけれども、これには何も書いてない。ところが、私がワシントンでいち早く入手をしました資料がここにある。ここにはアイ・レシーブド・ワンハンドレッド・ピーナツなるものの一番上に添え書きがございます。添え書きはオリジナル・ツー・E・H・S。英語に堪能なおたくですからおわかりだと思うのですが、このSを調べたら、ロッキードの本社のミスターE・H・シャッテンバーグさんという会計担当の責任者でございます。重役だそうです。だから、このおたくの領収証原本はシャッテンバーグさんに送れというここに添え書きが入っている。会計担当の責任者である重役にこのおたくの領収証を送るということは、金に間違いがないじゃないですか。別なものを送ったって意味がない。本当にピーナツを送ったって、これはお笑いだ。そうでしょう。はっきりしている。あなたが、そこのところはどういうものが入ってきたか記憶がないとさっきおっしゃるのだから詰めようがないが、あなたがここにサインをされたこの一番上の添え書きは、チャーチ委員会が書いたものじゃない。だから、消してきたという実は疑いもできるけれども、そこまでは申し上げない。明らかにこれは金、そのことがわからぬ丸紅の諸君ではないはずです。そうでしょう。そのことがわからぬ丸紅の方々ではない。しかも、それで領収証にサインをしたとすれば、金は一体どこに行ったのだということにならざるを得ぬじゃないですか。そうでしょう。だから、金はあなたの方が手にされていると見なければ、外為法違反は成立をしない。ディーク社等から入ったやみの金があなた方に入っていると見なければ、警視庁等が、特捜本部等が捜査をする意味の外為法違反は成立をしない。ここのところ、金である。御存じじゃなかったのですか。もう一遍念を押します。
#997
○伊藤証人 お答えいたします。
 いま先生が御提示になりました、私のサインをいたしました書類の上にそういうタイプが打ってあるということは、私は全く記憶も何もございません。恐らく、私がサインをいたしましたときには、さようなものはなかったんじゃないかと思っております。
 サインをしたときの事情につきましては、何回も申し上げましたように、それが金であるというようなことは全く承知いたしておりませんでした。また、大久保さんからもそういうような説明を受けておりませんでした。
#998
○大出委員 時間がもう一問ぐらいしかありませんから、もう一点承っておきますが、このチャーチ委員会の議事録で、四日の日の議事録であります。ここにヒロシ・イトーの領収証がある。この中で、彼ヒロシ・イトーが言っているという場面がございます。イン ホイッチという言葉を使っております。ヒー セズ。で、まあいろいろな訳をしている方がありますけれども、ここに一つの訳がございます。これによりますと、「レビンソン われわれのところに、いま伊藤氏の領収証があります。この中で、彼伊藤宏はID社と関係があると述べているが、そのとおりですか。」という個所があります。「イエスサー」「そのとおりです。」、こうなっている。そうすると、あなたがこれをお書きになるときに何かがなければ、これに書いてあったのかあるいはほかに何かあったのかわかりませんが、何かがなければいまの問題の説明がつかない。彼ヒロシ・イトーは言っている、ということにならない。だから、あなたは何かそこで私どもにおっしゃらぬことがあるのではないか。いまのシャッテンバーグさんのこともそうです。念のために聞いておきます。いかがでございます。
#999
○伊藤証人 私は、実はID社という会社のことも全く存じませんし、私の書きましたものが一体どこでどういうことになっているのか、全く不可思議と申しますよりいたし方ないのでございまして、さようなことは私は全く存知いたしておりませんでした。
#1000
○大出委員 時間が参りましたから交代をいたしますが、やはりこれだけ大きな騒ぎになっているわけでありますから、あなたがどうしても金を手にしていないと言い張られるなら、私は実は大変大きな疑問を持っておりますが、やはり言うべきことは言って――何の説明もなしに領収書にサインはしたが、金は来ているんだがあなたは手にしていないと言われても、納得のしようがないのですから、国民の方々もそうでしょう。だから、前回私は大きな声を出しましたが、あなた、そこのところを説明する責任がありますよ。
 大久保さん等の問題もありますから、これで終わらせていただきます。
#1001
○正示委員長代理 これにて大出君の発言は終了いたしました。
 次に正森成二君。
#1002
○正森委員 伊藤証人に伺いますが、昭和四十八年八月ないし四十九年二月ごろ、あなたのいつもおられる社長室長としてのお部屋は何階にございましたか。
#1003
○伊藤証人 十五階にございました。
#1004
○正森委員 先ほどの御証言で、あなたの部屋は大部屋である、そのすみにたしかタイプが置いてあって、そこでタイプを打たした、こう言われましたが、間違いございませんか。
#1005
○伊藤証人 私が秘書の者に申しつけたのは間違いございませんけれども、そのタイプであったかどうか、あるいは全部がそのタイプであったかどうかというまでは私は確認いたしておりません。
#1006
○正森委員 当時、機械第一本部は何階にございましたか。
#1007
○伊藤証人 たしか六階であったと思います。
#1008
○正森委員 機械第一本部長の部屋はどこにありましたか。
#1009
○伊藤証人 同じ六階でございます。
#1010
○正森委員 そこで私は伺いたいのですが、これが十五階の役員の隣同士の部屋というならまだわかりますけれども、六階からわざわざ十五階までエレベーターに乗っていく、あるいはあなたが十五階から六階へ行くというのは非常に位置が違うんですね。そういうことを間違えるということは普通考えられぬ。しかも大久保証人は二回目の証言の中で、私の部屋に来てもらってタイプを打ってもらった、こう言っておる。そして捜査当局等の捜査によれば、六階の第一機械本部の西ドイツ製のアドラーというタイプが、あなたのその領収証の文字の大きさ等全く一致しておる、こう言っておるのです。そうすると、大久保さんの部屋へ行かれて、あるいは大久保さんの部屋でタイプが打たれて、第一機械本部で、そしてそこであなたが署名したという大久保氏の証言の方が正しいのじゃないか。六階と十五階ですよ。こんなものを間違うわけはないと思うのですね。よく考えて答えてください。
#1011
○伊藤証人 実はその点につきましては、十七日のこの証言が終わりましてから、二人で記憶をたどりたどりいろいろと思い起こしてみたわけでございます。御承知のように、まことにこういう大事件になるなんということはその当時夢にも思っておりませんでしたものでございますから、非常に記憶があいまいでございまして、私もその記憶が定かでなかった点もございますが、先ほど私が申し上げましたように、大久保さんと記憶をたどりたどり到達いたしました。そのときに確かに秘書課長が、たしかこういうことがあったのじゃございませんか、私もそういう記憶がありますよというふうに言ってくれました等もございまして、私が先ほど申し上げましたのが二人で記憶を整理しました結論であるというふうに思いまして、その要点と申しますか、二つの点でございましたが、一つは、私が、大久保さんのところに依頼に見えましたクラッター氏とは同席をしていないということ、それからサインをいたしましたのが私の席であり、また大久保さんからの依頼を受けましてタイプを打ちましたのも、秘書課の者に私が申しつけたのであろう、こういうことに相なったわけでございます。
#1012
○正森委員 非常に整理して相なったように私どもとして聞こえるわけですが、しかし、英文のタイプを打たせるのに、原稿なしで口頭で言って打たせるというようなことは通常考えられないんですね。だれが口頭で言いましたか。
#1013
○伊藤証人 たしか私が申しつけたわけでございますから、私が申し上げたと記憶いたしております。
#1014
○正森委員 そうだとすれば、タイプは一瞬の間に打てるわけではありません。あなたはタイプを打つタイピストの横に終始おって、そして一字一字言わなければタイプは打てないはずであります。どんなに頭のいい者でも、間違えずに一言言うだけで打てるはずはありません。そうすると、あなたは終始タイピストの横におったということになる。そのタイピストの名前を思い出しませんか。
#1015
○伊藤証人 十五階にはタイプライターはございますが、タイピストはおりません。秘書課の者でも、総務課の者でも、社長室の者でも、皆それぞれタイプを打ちますものでございますから、皆の共用でそのタイプを使っているわけでございます。しかも、いま先生の御指摘のように、その文面が非常に長いものじゃございません。きわめて簡単なものでございましたので、私は自分で書いてこれを渡したという記憶はございません。
#1016
○正森委員 それでは、それはあなたが横におって、口頭で言いながらタイプを打たした、こういうように聞いておきます。それ以外にはないでしょう。
 そこで次に伺いますが、檜山社長、当時です、現在の会長の証言によりますと、ワンハンドレッド・ピーナツというような、そういう書類ですね、サインしたというのを知って、これを非常に異常に感じた、こう言っているのですね。これはあなたも御承知のことだと思うのですね。異常だということは、これは日本語では異例だということと同じ意味だと思うのですが、そうとってよろしゅうございますか。
#1017
○伊藤証人 実は、私はこのサインをいたしましたときの状況につきましては、るる申し上げているとおり、大して深く気にもせずに、気楽に……。
#1018
○正森委員 時間がございませんので、簡単に答えてください。私は、異常だということは異例だということと同じことですねと聞いているのです。
#1019
○伊藤証人 気軽にサインをしたものでございまして、そのときにそう異常だというふうに思いませんでございました。
#1020
○正森委員 何を言っておるのですか、あなた。何を言っておるのですか、あなた。檜山さんはこのことを知って異常だというように思っているのですね。あなただって、何かサインするときにワンハンドレッド・ピーナツというようなことは例が普通ない、異例だというようなことを思うのはあたりまえじゃありませんか。檜山さんだって現にそう思っている。あなたが軽率にサインしたとかいうようなことは、あなたがおっしゃるのですから。しかし、そのときに普通、常務なりあるいは商社としては例がないことだ、それぐらい思うのはあたりまえでしょうが。なぜそういうことについて素直に返事ができないのです。
#1021
○伊藤証人 お答えいたします。
 確かに、先生のおっしゃるような異常と申しますか異例と申しますか、という気はいたしましたけれども、その理由につきましては、先ほど来申し上げますように、ロッキードから頼まれた大久保さんの言葉をそのまま私が理解をいたしましてサインをいたしたものでございまして、後ほどこういうことになりまして会長にも報告を聴取をされ、私も報告いたしましたときに、確かにそういう意味で御叱正を受けました。そのときにまことに申しわけないと申し上げたわけでありますが、そのときには、いま先生がおっしゃるほどまでに思っていなかったということを申し上げたかったわけでございます。
#1022
○正森委員 あなたはいろいろおっしゃいますけれども、聞いた途端に檜山会長は異常なことだ、こういうぐあいに言っているのですね。あなたのいまの証言も、後にこれがこういう大問題になった、いまほどには思わないけれども異例であると思ったということを間接的にお認めになったと思うのですね。
 そこで私は伺いますが、あなたの会社は内規がありますね。職務権限規程というのもございますね。お答えください。
#1023
○伊藤証人 はいございます。
#1024
○正森委員 その職務権限規程の第十七条には、職務遂行上の原則として「自己ニ決定権限ガアル場合ハ、専決スル。タダシ、重要マタハ異例ノモノニツイテハ専決範囲内デアッテモ上級職位ノ決裁ヲ得ル。」と、こう書いてあります。機械第一本部長かつ常務というのは非常に偉い人であります。そういう人の上級というのは、これは社長以外にはないのではありませんか。
#1025
○伊藤証人 これは、正式のいわゆる稟議手続等等では先生のおっしゃったような手続で会社の業務の運営がなされておるのでございますが、いま問題になっておりますこの書類と申しますのは、るる申し上げます経緯から御理解いただきますように、会社として正式にそういうものを発行いたしたわけでもございませんし、また私がそのときにそのピーナツなりピーシズなりの詳細なる意味を承知していたわけでもございませんし、単なるサインペーパーぐらいのつもりで、きわめて軽くサインをいたしたものでございます。
#1026
○正森委員 きわめて軽くサインしたと言われますが、私は、何年かたってこういう問題になっているから言うんじゃない。あなたが五十万円、百万円の領収証にサインされるならあたりまえのことです。しかし、百個のピーナツとか百二十五のピーシズとか、そういうものにサインされるというのは異例であることには間違いがない。しかもそれはあなたにとって、あるいはあなたの会社にとって非常に重要な取引先であるロッキードからわざわざ頼まれたことであります。これを異例でないと感ずるのは非常におかしい。異例であれば自分の上級職の決裁を得る、こういうことになっております。あなた方の内規集を調べてみるとちゃんと書いてあって、重要、異例の取引については社長が決裁をする、こういうようになっております。こういうことを社長室長であるあなたが知らないわけがありません。いいですか。
 そして、申し上げますが、あなたは軽率にサインをしたという理由として、これはロッキードの社内事情あるいは社内事務規程上必要なことであって、丸紅にも個人にも迷惑をかけない、用済み後は廃棄する、こういうように大久保さんから言われたから気軽にサインした、こういうように言われましたね。そのとおり間違いありませんか。
#1027
○伊藤証人 そのとおりでございます。
#1028
○正森委員 用済み後廃棄するということは、ロッキードにとってはこれは秘密にしなければならないことである、こういうことを意味しているのではありませんか。
#1029
○伊藤証人 当時は、さようなことは私といたしましてせんさくはいたしませんでございました。
#1030
○正森委員 当時としては――あなたのような明敏な、小学校五年生から直ちに中学校に行かれ、中学四年生から直ちに高等学校に行かれた大秀才にしては、信用することができない。
 そこで私は伺いますが、このピーナツやピーシズの書類について控えを作成されましたか。
#1031
○伊藤証人 全然作成をいたしておりません。
#1032
○正森委員 あなた方の文書管理規程によれば、発信文書はすべて控えを作成するというようになっております。あなた方は正式の文書でないと言われるかもしれませんが、これは正式の文書以上に重要な文書だったんじゃありませんか。だからこそわざわざ大久保専務が、用済み後直ちに廃棄するんだ、だから署名をしてくれ、丸紅にも個人にも迷惑をかけない、こう言ったんじゃありませんか。あなた方の同じく文書管理規程にはどう書いてあるか。機密文書という規定があるでしょう。あなたはよく知っているでしょう。あなたは社長室長であります。こういうのを監視するのが社長室長なんです。それを七年間やってこられた。その第四十六条にはどう書いてあるか。秘密文書は原則として用済み後すべて廃棄する、こう書いてあるじゃないですか。だから、これがまさに秘密文書であり機密文書であるということは、あなたは百も承知しているはずであります。そうでしょう。それなのに、あなた方の職務権限によれば一級上の社長の決裁が要るにもかかわらず、どうしてその決裁を求めなかったのでしょうか。それは本当は求めたんだけれども、求めたことを公にできないわけがあるからではありませんか。
#1033
○伊藤証人 全然さようなことではございません。いま先生がおっしゃいましたいろいろな諸規程集は、私は各条についていま明確に覚えておりませんけれども、そういうように重大に考えずに、会社の規程に照らし合わせてどうこうというのではなしに、先ほど来申し上げますように非常に軽い気持ちであれいたしましたものですから、控えももちろんとっておりませんし、まして機密文書の取り扱いにいたしたこともございませんし、きわめて軽率なことでございましたけれども、軽くサインをいたしたものでございます。
#1034
○正森委員 政治献金については、社長室、そこが扱う公的な窓口ですね。
#1035
○伊藤証人 さようでございます。
#1036
○正森委員 たとえそれがロッキードであれ、用済み後直ちに廃棄する、公表しない。あなた方は公表された後、抗議に行ったのでしょう。それぐらいのものであれば、商取引の常識として裏念書をとるのが通常ではありませんか。これは書くけれども、用済み後は直ちに廃棄するんだ、公表はしない、丸紅にも伊藤宏にも迷惑はかけないという念書をとるのが商取引の常識ではありませんか。これは全部の商社がそう言っております。念書をとりましたか。とらなかったとすれば、なぜです。
#1037
○伊藤証人 そういう念書はとっておりません。また、いま先生がおっしゃいますように、これが政治献金につながるとか、また金額がどうのこうのなんというようなことは、私は全く、こういうことが事件になりまして、果たしてそうであったのかと思って、いまもいぶかしく思っているぐらいでございますから、さようなことは私は全然とっておりません。
#1038
○正森委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、あなたの証言が本当であるかどうかは結局国民が判断するでしょう。とうていあなたの証言は賢明な丸紅の社長室長の答弁とは思えない。
#1039
○正示委員長代理 これにて正森君の発言は終了いたしました。
 次に石田幸四郎君。
#1040
○石田(幸)委員 まず伊藤証人にいろいろお尋ねをする前に、一言申し上げます。
 先ほど自民党の山口議員がわが党の渡部一郎議員の発言に対しまして、大平大蔵大臣の名誉に関するとのことでシグ・片山氏との関係について言及されましたけれども、渡部議員の発言は、大平大蔵大臣とシグ・片山氏との関係についてユナイテッド・スチール社社員と名のる者の通告によるものでありまして、その内容を鬼氏に確認する意味で行ったものであることを、この際一言申し上げておきたいと思います。
 早速、それでは伊藤証人にお伺いをいたしますが、今回の事件につきまして、いわゆるアメリカからの金の流れが非常に大きな問題点になっておるわけでございます。捜査当局の調べによりますれば、大久保、伊藤氏らに二百万ドルが渡った容疑が濃厚であるというような、そういうニュースも流れておるわけでございますが、その他報道によりましては、二月二十四日の捜索で伊藤前専務宅から一億数千万相当の株券が発見された、非常に換金性の高いものであるというような報道がなされたわけでございますけれども、これを御所持されていたのは事実ですか。
#1041
○伊藤証人 お答えいたします。
 これは私の個人の資産として、時価に換算しますとそんなに多額になるかどうか、私まだよく存じておりませんけれども、約三十銘柄くらいの有価証券を私は所持しておりまして、私の全くの個人資産でございます。今回の事件とは全然関係がございません。
#1042
○石田(幸)委員 そうしますと、当然これは所得の一部として税務申告がなされているものと理解してよろしゅうございますか。
#1043
○伊藤証人 所得と申しますか、各年度の所得のあれにつきましては、税法に従いまして全部申請をいたしております。
#1044
○石田(幸)委員 政治献金の問題についてお伺いをいたします。
 先般、公明党の坂井議員より、丸紅関係の政治献金について資料の提出を要請をいたしておりますけれども、まだ当委員会に提出されたことはないように伺っておるわけでございますけれども、さらにまたこの件に関して新聞等の報道によりますれば、丸紅関係の一切の書類が警察当局に押収をされたため、そのためにこの書類の提出ができなかったというふうに言われておるのでございますけれども、証言でお約束されたのが二月の十七日、捜査当局の捜索がありましたのが二月の二十四日、檜山会長はいつでもわかるようになっているというふうにこの点について証言をされているわけでございますけれども、一体、この提出要求資料が提出できなかった理由についてお答えをいただきたいと思います。
#1045
○伊藤証人 私、御承知のように十七日の夜の取締役会で辞任をいたしておりますので、責任ある御回答というわけにはまいりません。伺っております限りで申し上げさせていただきますが、実はあのときにいろいろな御提出の要請がありました書類がございまして、たしか委員部の方からも御督促をいただいたものもあるようでございます。それにつきまして、そのうちの一部につきましては早速整理をしまして、たとえばロッキード社との口銭の問題等の書類につきましてはお届けを申し上げたようでございますが、それから後、いろいろ整理をしております段階で、いま先生おっしゃいましたような捜査当局の押収がございましたものでございますから、お届けできなかったんじゃないか、かように存じております。
#1046
○石田(幸)委員 それでは、さらにお伺いをいたしますが、伊藤さんはいわゆる四十四年以来社長室長をおやりになって今日に至っていらっしゃるわけでございますので、当然これは政治献金について熟知していらっしゃると思うわけでございます。
 そこで、この政治献金に対する献金先あるいは金額などの原案、こういうものはどこで作成し、それがだれの役目であるのか、そうして具体的にはだれが決裁をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#1047
○伊藤証人 事務局といたしましては社長室であり、決裁者は社長でございます。
#1048
○石田(幸)委員 この問題については、常務会あるいは取締役会等に報告されますか。
#1049
○伊藤証人 必要に応じて報告をされることでございます。
#1050
○石田(幸)委員 自治省発表の丸紅関係の一覧表を全部チェックしてみますと、この政治献金は政党を除く場合、その政治献金というのは特定の政治家並びに政治団体に限られているように思うわけでございますけれども、この特定の人たちだけが選ばれる理由というのは何ですか。
#1051
○伊藤証人 特定と申されますとどういうことでございますか、いままで私どもが献金をいたしました先が特定とおっしゃる意味でございますか。そんなに偏ってどうこうとも思っておりませんが、いずれにいたしましても、私どもは正式の政治資金規正法によりましてお届けしている限りの政治献金を分相応にしているわけでございまして、その内容等につきまして、もし委員会におきまして正式に御決定がございました上、委員長からそういう御指示がございましたら、提出さしていただきたいと思います。
#1052
○石田(幸)委員 私が申し上げました意味は、いわゆる政党関係に対する政治献金というものは、これは明確になっておるわけでございますけれども、いわゆる特定政治家もしくはその後援団体、そういうものに対する政治献金というのは、議員というのは御存じのようにたくさんおるわけでございますけれども、ごく限られた、この自治省の発表になりましたものをチェックした限りにおきましては、大体七、八名の方もしくはその政治団体、こういうふうになっておるわけですね。そういう点から見まして、なぜそういった方々だけに偏っているのか。その理由は何ですか。そういうふうに伺っておるわけです。
#1053
○伊藤証人 そのようなことにつきまして、私がいまここで申し上げるのが適当であるかどうか判断に迷うわけでございますが、もし委員会において正式に提出せよという御命令でございますれば御提出をさせていただきたい、かように思います。
#1054
○石田(幸)委員 その問題はまた後ほど検討するといたしまして、時間もありませんから先に行きます。
 前回伊藤証人は、福田太郎氏との関係におきまして、私は福田さん御自身とはほとんど面識がない、そしてジャパン・パブリック・リレーションという会社については、いわゆる丸紅の英文広報の編集をお願いをしておる、こういうふうにおっしゃっておりますね。そしてその編集については数年前から私の方の広報室が依頼している、そういう関係だ、こういうふうに実は証言をしておられるわけでございますけれども、私は、丸紅とジャパン・パブリック・リレーションとの関係はそう簡単なものではないと思うわけでございます。そのときに伊藤さんは、このジャパン・パブリック・リレーションというのは数年前からの関係であるというふうに証言をされておるわけでございますけれども、この福田太郎氏との関係等については、すでに新聞等においていろいろうわさが出てきた人でございますので、恐らく前回証言に立たれたときは、この福田太郎及びジャパン・パブリック・リレーションの名前については十分事情を聴取された上で証人喚問に応じておられるはずだと思うわけでございます。ところが、私どもは調べてみますと、ただそれだけの関係ではないわけです。ロッキード社との関係についても、社長室長でいらっしゃいますから、当然いろいろな問題を知っていらっしゃると思うのでございますけれども、いわゆる旧本社のありました大手町ビル、この持ち主は三菱地所でございますね。その三菱地所と丸紅とのいわゆる賃貸借の契約内容を見てみますと、このジャパン・パブリック・リレーションという会社は、実に三十三年九月二十日から丸紅関係の関係会社としての同居願がなされておるわけです。その後三十四年七月十四日にパブリック・リレーションズというふうに社名が変更になりまして、四十九年四月十日には同居期間の延長申請がなされて、これが承認をされておるわけですね。
 そうしてみますと、あなたがおっしゃっているような簡単なそういう役割りではないということがだんだん浮かび上がってきたわけなのですけれども、この点については全然御存じないわけですか。
#1055
○伊藤証人 お答えいたします。
 いま先生が御指摘の点は全くそのとおりでございまして、と申しますのは、私も実はこれは私の方の総務の担当の者から聞いてまいったのでありますが、三菱地所さんの方針といたしまして、非常に小さく分割をしてあの大きなビルを貸さないという御方針がございましたようでございます。御承知のように私の方が非常に大きなスペースをお借りいたしておりましたものでございますから、そのときに私の方のいろいろな関連のある会社なども、私の方の傘下のあれとしてお貸ししたわけでございますが、その当初のいきさつは、それはロッキード社から頼まれたのかどうであるかということは私はつまびらかに存じませんが、お貸ししましたその状況と申しますのは、私の方が三菱地所さんにお払いをする権利金だとか敷金だとか毎月の家賃とかというものはそのままジャパン・パブリック・リレーションズからいただいておりまして、そこら辺にいわゆる不明朗と申しますか、そういう関係は全くございません。
#1056
○石田(幸)委員 その発言は私どもの調査とはずいぶん違うわけですね。と申しますのは、三十三年ないし四年ごろ、いわゆる大手町ビルに丸紅関係会社として同居した当時、福田さんはその当時の知人に対して、今度大手町ビルに入ることになったけれども、このビルはまるまる丸紅さんからもらったものだ、こういうふうに自慢げに語っていたとか、二、三にとどまらず証言をする人がおります。
 さらにまた、私は経理関係者にも会いましてこの問題を聞いてみましたところ、やはりこれを裏づける発言がございます。と申しますのは、敷金はその当時は拭っていなかった、敷金を払ったのは、丸紅が現在の本社に移転をされた後であろう、こういうふうに言われておる。また家賃にいたしましても、きわめて安い家賃がいままで支払われておったというような発言を得ておるわけでございます。この問題は、ロッキード社を優遇いたしました昭和四十七年のあの契約ときわめて類似をいたしておるわけです。
 時間がありませんからその程度にとどめておきますけれども、福田太郎氏との関係を見ますと、今回全貌が明らかになりましたように、福田太郎氏がロッキードと児玉氏との間におきまして重要な役割りを果たしておることはもう明確なわけですね。そういった点から考えてみても、あるいは福田太郎氏が三十六年に日本ロッキード・モノレール会社をつくったときに、丸紅の大久保専務とともに重役に入ってますね。そういった意味におきましても、あるいは前回コーチャン氏がトライスターを日本に持ってきたときに、コーチャン氏と福田太郎が握手をしている写真が掲載されましたけれども、そういう関係からいたしましても、これはロッキードと丸紅との間におきましてきわめて重要な役割りを果たしていたということはもう明白だと思うのです。
 そこでお伺いしますけれども、今回、まあいままでの経過の中においては、あなたは福田氏は知らなかったとおっしゃいますけれども、今日これだけのいろいろな関係が明かされた時点において、この福田氏の役割り、そういうことをあなたは承知していらっしゃるわけだ。ロッキードと福田、ロッキードと丸紅、ロッキードと児玉、その関係を見ますれば、当然児玉氏が直接間接にこの福田氏を通して丸紅と深いつながりがあったということは浮かび上がってくるじゃありませんか。そういう非難に対してあなたはどのようにお答えになりますか。
#1057
○伊藤証人 お答えいたします。
 ちょっとその前に事実関係で申し上げておきたいのでありますが、いま私が総務関係の者から聞いてまいりました福田さんのところとの賃貸借契約につきまして、いま先生の御指摘の点と違っておりますので、これはもう一度私は確かめまして先生に御返答を申し上げます。
 それから、いまの福田さんを通じまして児玉さん並びにこのロッキードと当社との関係でございます。私は先般も申し上げましたとおり、福田さんとお会いしました記憶というのはございません。私の会社との関係につきましては、先ほど申されましたいわゆる英文のブレティンの編集を依頼しているというだけしか私は承知しておりませんし、いま先生の御指摘のようなことについては、私はなかったのではないかというふうに存じております。
#1058
○石田(幸)委員 時間が参りましたので、終わります。
#1059
○正示委員長代理 これにて石田君の発言は終了いたしました。
 次に永末英一君。
#1060
○永末委員 伊藤証人に伺います。
 社長室長という仕事は、それぞれの会社でいろいろな変化はあるかもしれませんが、主として社長のいろいろな万般にわたる職務を補佐するということが重要な職務だと考えます。したがって、あなたがこの前ピーナツとかピーシズとかいう領収証を書かれて、これを社長に知らせなかったということについては、全国の幾万とおられる社長室長にとりましては一つの衝撃であったと思うのです。あなたは社長室長は長いのでございますが、社長室長の任務というものをどう心得ておられましたか。
#1061
○伊藤証人 確かに先生の御指摘のとおり、この社長室長の任務というものは、社長を補佐し、いろいろ会社の全般的なことを総括するということが非常に大きな任務であるということはおっしゃるとおりであると思います。
 ただ、私があの書類にサインをいたしましたという件につきましては、これは全く軽率と申しますか、ということでサインをいたしましたのに対して、まあ重要視しておりませんでしたといいますか、気楽にいたしたものでございますから、さようなことは全く報告をいたさなかったわけでございます。
#1062
○永末委員 檜山会長、当時の檜山社長は、本委員会の証言に立たれた際、コーチャン氏とは二、三回会ったと言われたり、十何年来ずっと何回会ったかわかりませんがと言われたりいたされました。しかし、明確にされましたのは、私のビルのレセプションルームでコーチャン夫妻に御飯を一回ごちそういたしましたと言われておる。この件をあなたは御存じですか。
#1063
○伊藤証人 私は正確に記憶いたしておりません。
#1064
○永末委員 あなたの会社と大きな取引をするアメリカの会社の社長夫妻が来られる、これは社長室長としては最も重要な仕事をなすべきときだと私どもは判断いたしますが、なぜ正確に覚えておられないのですか。
#1065
○伊藤証人 確かにおっしゃるようにこのロッキード社というのは当社の大事な取引先の一社でございますが、私の方のレセプションルームといいますのは、ほとんど毎日のようにいろいろな内外の重要取引先とのいろいろな会合に使われておりまして、そのすべてを私が決裁をし記憶していることはございません。
#1066
○永末委員 あなたの社長があなたの会社のレセプションルームを使われる場合は、あなたの決裁が要るのと違いますか。
#1067
○伊藤証人 これは秘書課長から報告を受けておりますけれども、社長がお使いになるのを私が決裁するということはございません。
#1068
○永末委員 社長の方から言い出されることもございましょう。主導権をとられることもございましょう。しかし、会社の組織体としての動きは、やはりそれは社長室長の方に御連絡があるのが普通の姿ではないか。社長室長としては、社長はきょうどういう重要なお客をレセプションルームに招待しておるかというのは、知らねばならぬ重要な仕事ではないかと思いますが、いかがですか。
#1069
○伊藤証人 その点につきましては秘書課長からもいろいろ報告がございますし、おっしゃるとおりでございます。
#1070
○永末委員 私は、あなたがコーチャン氏とは面識がないということを最初に証言せられた余り、こういう点をことさらにやはり言われていないのではないかという疑いを持つわけでございます。そうではございませんか。
#1071
○伊藤証人 コーチャン氏がいらっしゃいまして、いまのレセプションルームで会食をいたしましたが、私は同席もいたしておりませんでしたし、そしてその前にいろいろ何か話がございましたかどうか、そのいかなる場合にも私は同席したことがございません。そういう意味で、私は存じませんと申し上げたわけでございます。
#1072
○永末委員 同席しなければ存じないということは、日本人の存じないという言葉の範囲から言えば、きわめて局限された範囲のことを言っておられると思いますが、檜山氏はこのような証言をされました。七、八年あるいは十年ぐらい前、鬼さんがロッキードの人々と来たことがある。一緒に食事をした。あなたは御記憶ございますか。
#1073
○伊藤証人 記憶がございません。
#1074
○永末委員 ロッキードは七、八年前から非常に重要な関係になっておった。ロッキードは余り関係ないのですか、あなたは。
#1075
○伊藤証人 いえ、関係はございますし、非常に重要な取引先でございましたけれども、いま先生がおっしゃいましたときのことは正確に記憶がございません。
#1076
○永末委員 重要だけれどもときどき忘れるというような状態のようでございますが、いま問題となっておりますあなたのサインをされた状況について、もう少しく明らかにしていただきたいと思います。
 四回にわたってそれぞれあなたは署名されたと言っておられますが、午前ですか、午後ですか。
#1077
○伊藤証人 そこまで、先般来申し上げますように、あの日付の日に果たして本当にサインをしたかということも私は明確に記憶をしてないぐらいでございまして、それが午前であったか午後であったかということについては、全くこれは記憶がございません。
#1078
○永末委員 あなたは、あなたの部屋のタイプをされる人に口述をされてタイプを打たされましたか。
#1079
○伊藤証人 たしかそのように記憶いたしております。
#1080
○永末委員 口述をされてやられたといたしますと、大文字、小文字の指定はされますか。
#1081
○伊藤証人 さような細かい点まで申した記憶はございません。
#1082
○永末委員 タイプを口述で受け取る方は、その文字が小文字であるか大文字であるかは重大な問題であります。必ず聞き返すに違いない。あなたはそういう記憶はございませんか。
#1083
○伊藤証人 そういう記憶はございません。
#1084
○永末委員 あなたは口述されたのじゃないのじゃありませんか。原稿を示して打たしたのじゃありませんか。
#1085
○伊藤証人 先ほども申し上げましたように、そのときの状況と申しますのは、大久保さんがクラッター氏から依頼をされましたことを私に説明と依頼に参られまして、そのときに私がすぐその場でタイプを打ってもらいまして、すぐにサインをして手渡した記憶がございますものですから、その非常に短い文章を私が聞きまして、メモに書いたり何かしたという記憶が実はないのでございます。多分口述したんじゃないかと思いまして、先ほどさように申し上げておるわけでございます。
#1086
○永末委員 口述と言われますが、この前あなたにお聞きした場合に、署名の仕方はいろいろあると言われました。あなたの署名されました四枚の領収証は、あなたのお名前はヒロシと書いてある。一枚だけがHと書いてある。そう使い分けされるのですか。
#1087
○伊藤証人 特にそのときに使い分けをしたという記憶もございません。
#1088
○永末委員 忘れたことはなかなか、忘却のふちでございますので、われわれも突き上げることはできませんが、先ほど申し上げましたように、大文字か小文字かの指定が、あなたの出されました領収証四枚とも非常にばらついておるのである。ばらついておる。ワンハンドレッドという言葉でも、ワンのOが大文字である場合、小文字である場合、ハンドレッドのHが大文字である場合、小文字である場合、非常にばらついておる。一つずつ違う場合、そして二つとも大文字であったり二つとも小文字であったりする場合、このようにめちゃめちゃになっておるということをわれわれが見た場合に、きわめて作為が行われておる、作為の結果つくられた領収証であると私は判断いたします。そうでしょう。
#1089
○伊藤証人 私は、さように存じておりません。
#1090
○永末委員 大久保さんは、あなたが口述する間、横に立っておりましたか。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
#1091
○伊藤証人 一々的確に覚えておりませんが、多分私、立っておられたか座っておられたか、私の席にお待ちいただいていたんじゃないかと思っております。
#1092
○永末委員 大久保氏はあなたに要件を言われて、そうしてあなたがタイプをあなたの部屋の片すみにある人に口述をされる、そうして打たされる、大久保氏はそのでき上がるのを待っておった、こういうことですね。
#1093
○伊藤証人 私がそのタイプの置いてあるすみまで参りまして口述をいたしましたかどうかということも、正確に記憶がございませんが、とにかくこういう文面のタイプを打ってくれと、大久保さんに言われたとおりの文面のタイプを打ってくれということを申しつけまして、タイプを打たしたように記憶をいたしております。
#1094
○永末委員 タイプを打つというのは、きわめて技術的な仕事なんです。あなたは先ほど、あなたの部屋の人はだれでも打てるように、輪番で打っておるように言いましたが、英文タイプを正確に打てる人は、あなたの部屋に何人おられて何人が打てるのですか。
#1095
○伊藤証人 非常に簡単な文章でございますから、大体、若干の巧拙はございましょうけれども、あの程度のものでしたら、ほとんどみんなが打てるんじゃないかと思っております。
#1096
○永末委員 ほとんどみんなとは、何人ですか。
#1097
○伊藤証人 秘書課の全部が多分そうであろうと思っております。
#1098
○永末委員 私は、何人ですかと伺っております。
#1099
○伊藤証人 あの当時秘書課員が何人おりましたか、ちょっと定かに覚えておりませんが、そのほとんどがあの程度の英文タイプは打てたんじゃないかと思っております。
#1100
○永末委員 あなた、重大なところで記憶がこうぼけてくるわけですね。やはり何人ぐらいおって――英文タイプを打てるというのは、そうだれでも打てるものではないわけである。しかも英文タイプにはくせがあるわけです。あなたは自分が口述したわけではないとおっしゃった。であるならば、この文章はあなたがだれかに言われて、あるいは日本語で言われたか英語で言われたか知りませんが、それをもう一遍受け継いでやられた。その文章がことごとく異なり、それから文字のタイプも異なっておる。あるいはもっと調べれば、もっと違うことがわかるかもしれない。私が問題にしておるのは、その違いが、全部が異なっておるところに問題がある、作為が感ぜられるということを申し上げておるのであって、したがって一番簡単なこと、あなたの部屋に英文タイプを打てる者が何人あるかということをあなたはお答えにならない。お答えください。
#1101
○伊藤証人 私の方の会社は、入社のときから英文タイプの研修だとかいろいろやっておりますから、あの程度の英文タイプですと、ほとんど全部の者が打てるんじゃないかと思っております。
 その当時に秘書課に何人勤務いたしておりましたか、ちょっと正確には存じませんので、先生に何人だということをいま的確に言えとおっしゃいましても、実はお答えのしようがないわけでありますが、私はその大久保さんから言われましたときに、秘書課の者に申しましたけれども、それを、その記憶を私に喚起してくれましたのは秘書課長でありますので、秘書課長にもお願いしたことはあろうかと思います。
#1102
○永末委員 一番重要な点であなたの記憶はぼけておるのですが、あなたが口述されないとするならば、秘書課長かあるいは英語の一番確かな秘書課員かだれかにあなたがお命じになって、そうしてそれをタイプにされた、こうみなさざるを得ませんね。あなたは承認されますか。
#1103
○伊藤証人 多分そういうことであったと思います。
#1104
○永末委員 あなたは、大久保氏がクラッター氏からこのことを頼まれたとお聞きになった。しかし、クラッター氏は十五階のあなたの部屋にあらわれなかったんですね。
#1105
○伊藤証人 さようであります。
#1106
○永末委員 証言というのは、だんだん思い出していろいろつくられるものではありません。一度言われましたら、また後で思い出したら違うと言うことは許されない。私どもが一番問題といたしておりますのは、この領収証はやはり領収証である、何者かの領収証であるとわれわれは考えておる。にもかかわらず、あなたはそのつくられた状況すら二転、三転しておられる。それはつくられたものだとわれわれは判断せざるを得ない。あなたも、後、大久保証人によく聞きますけれども、その状況が食い違っては困るのでありまして、その点はひとつ十分に心にとめていただきたい。
 質問を終わります。
#1107
○荒舩委員長 これにて永末英一君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして伊藤証人に対する尋問は一応終了いたしました。
 伊藤証人には御苦労さまでありました。控え室で待機願います。
    ―――――――――――――
#1108
○荒舩委員長 大久保証人の入室を求めます。
 大久保証人に対し、まず委員長から所要の事項について証言を求めます。あなたは、二月十七日の本委員会終了後、丸紅の専務を辞任されたと報道されますが、それは事実でありますか。また事実といたしますれば、その事情はいかなることによってやめられましたか。
#1109
○大久保証人 委員長のおっしゃったことは事実でございます。また私は、前のときにも証言申し上げましたとおり、一身を社長にお預けいたしておりましたので、社長の御決定による決定事項であると承知しております。
#1110
○荒舩委員長 あなたは、二月十七日の本委員会でのユニットの領収証に自分でサインしたことについて、クラッター氏から直接頼まれ、コーチャンを信用しているからサインしたと証言されております。それでは、クラッター氏から依頼されたとき、コーチャン氏の名前が出たのですか、あるいは出なかったのですか。たとえばクラッター氏は、この件はコーチャン氏の依頼であるという旨をあなたに述べられましたか。それともクラッター氏の依頼はすなわちコーチャン氏の依頼であると自分で判断されたのですか。その点、お答えを願います。
#1111
○大久保証人 ただいまの御質問に対しましては、後者に属します。すなわち、クラッターは日本の駐在員の首席でございまして、コーチャン氏の直属の指揮下に入っておりました。先ほど委員長がおっしゃいました私がコーチャンを信頼しておったということは、コーチャンの下で働いておったクラッター氏であるから信頼したということでございます。
#1112
○荒舩委員長 あなたは、仕事以外にクラッター氏とどの程度の交際がありますか、お答え願います。
#1113
○大久保証人 私は、クラッター氏とは、仕事以外にはほとんど交際はございません。ただ、新聞報道等によりますと、ホテルの食堂等で食事をしたということが報ぜられておりますが、それはございます。ただ、それは仕事に関することで食事などをしておりますが、それも頻繁ではございません。
#1114
○荒舩委員長 余り懇意のようでないようにお話がありますが、丸紅のビルの中に一緒にクラッターの会社の事務所もありますので、同じ事務所で、しかも同じロッキードの飛行機の売り込みに、あなたもクラッター氏も一緒に同じ目的で仕事をなすっておられるので、まあ大変懇意なつき合いではないかと想像できるのですが、そういうことはありませんか。
#1115
○大久保証人 懇意の程度によるかと存じますが、仕事の上ではしばしば私接触しておりましたが、懇意ということが個人的なものであるかどうかということになりますと、個人的なものはございませんでした。したがって、家族のつき合いも全くございません。また個人的に、ゴルフも私は彼のゴルフの腕前も全然承知しておりません。
#1116
○荒舩委員長 あなたは、さきに、いわゆる二月の早々に訪米されましたが、二月の七日の夜、ロサンゼルスでコーチャン氏に会ったとき、クラッター氏は同席しておらなかったですか。私はあなたがお会いになっているんだと思いますが、お会いになっていたとすればその内容をお述べください。
#1117
○大久保証人 クラッター氏は、十七日に御証言申し上げましたとおり、おりました。ただ、彼はほとんど口をききませんでした。私とコーチャン氏との会話に終始し、別れ際に彼は申しわけない、申しわけないということだけが交わした会話の内容と記憶しております。
#1118
○荒舩委員長 そこでなおお尋ねしますが、どの程度申しわけなかった――ただ申しわけない、申しわけないではわかりませんが、どの程度申しわけなかったということを、どういうことについて申しわけなかったということを、ひとつ納得できるように御説明願います。
#1119
○大久保証人 前回もこの問題で非常に何回もお答えしなくちゃならないようなことになりましたので、非常に気になる御質問なんでございますが、私は推測はきょうは申し上げませんが、彼は、ひたすらに申しわけないということだけを申しておりました。したがいまして、それ以外の会話は一切なかった、ということを証言いたします。
#1120
○荒舩委員長 コーチャン氏にあなたは抗議をした。サインのことに関して約束を違反しているというので抗議をした。こういうことの証言がこの前もあったように思いますが、もう一遍その点をお聞かせ願いたいと思います。
#1121
○大久保証人 二つの点について抗議を申し込みました。一つの点につきましては、イーザー檜山会長オア大久保がリコメンドしたということを公聴会で彼が述べたことについて私は抗議をいたしました。次のことにつきましては、用済み後破棄をするとか、あるいは丸紅にも個人にも絶対に迷惑をかけないと言ったということを、約束を守っておらぬじゃないかというこの二つを抗議いたしました。
#1122
○荒舩委員長 あなたは鬼俊良君を知っておりますか。
#1123
○大久保証人 承知いたしております。
#1124
○荒舩委員長 鬼君と同じビルにおられるので、職務上のことあるいは個人的にどういうようなおつき合いをなされ、また飛行機の売り込みについていろいろな話し合いをしておられたと思いますが、その事情をひとつつまびらかにしていただきたいと思います。
#1125
○大久保証人 鬼氏は絶えずロッキードの大手町のピルの事務所におりましたのですが、私の知る限りでは、鬼氏の主要な任務は技術説明のときの通訳並びにその他外人関係の通訳を主体とし、また恐らく手紙等の日本文等を英文へ直すようなこともやっておったのではないかと存じますので、私とは比較的縁が薄かった人でございます。
#1126
○荒舩委員長 縁が薄かったということはつき合いがないということなんですか。あるいは同じビルで飛行機の売り込み等についてはかなり密接な連絡があり、交渉があったと思うのですが、もう少し詳しく御説明願います。
#1127
○大久保証人 同じビルはまる四年になりますが、竹橋へ移ってまいりましたので、同じビルにおりましたのはそれ以前の段階でございます。委員長のおっしゃるとおり、私も同じビルにいて同じ航空機を売っているのだからもっと親しいだろうという御質問でございますが、そうあるべきではございますが、私も事実あの事務所にはそうたびたび足を踏み込んでおらなかったというのが実情でございます。
 また先ほど申し上げましたとおり、鬼氏と特別に私が仕事の話をしなくちゃならないという仕事上の関連はきわめて薄かったのではないかというように記憶しております。
#1128
○荒舩委員長 政府の高官あるいは政治家と、あなたが鬼氏と一緒に会われたことは一遍もありませんか。
#1129
○大久保証人 一回もございません。
#1130
○荒舩委員長 ユニット、ピーナツ、ピーシズという符号を用いた領収証に関連して、クラッター氏からこの分は丸紅に差し上げる金だというような表示は全然なかったですか。また何か受け取られましたか。その点をはっきりお答え願います。
#1131
○大久保証人 前回も同じことを、あなたは受け取ったかと、また丸紅は受け取ったかという御質問をいただいておりますが、一切ございません。
#1132
○荒舩委員長 以上で私からのお尋ねは終わります。
 次に、委員から発言の申し出がありますので、それぞれの持ち時間の範囲でこれを許します。山口敏夫君。
#1133
○山口(敏)委員 前回の証言であなたは、ピーナツ、ピーシズの領収証はクラッター氏から、大久保以外の丸紅の人間のサインが欲しいと頼まれて、私の部屋で、自分の部屋で秘書に領収証の文言をタイプで打たせ、それにサインするよう伊藤に頼んだ、クラッター氏もいたと記憶している、こういう御証言があったわけでございますけれども、現在でもその証言にお変わりございませんか。
#1134
○大久保証人 この点については少し御説明さしていただきたいと思いますが、十七日に楢崎先生から御質問をいただきましたとき、私は確かに秘書にタイプをさせたと申し上げました。ただ、私はあのとき非常に疲れておりましたことが一つと、もう一つは、伊藤氏にサインを依頼いたしましたときは非常に気安く、これは非常に不覚なことでございますが、気安く頼んだということで、私の記憶はいまひとつ定かでないという気持ちで会社へ帰りました。会社へ帰りまして、伊藤氏との証言に食い違いがあるということを知らされまして、私は直ちに、とりあえず国際電話をもちまして、当時の秘書に確かめました。彼女の返事は、私の仕事については一切自分で取り扱っておる、したがって、そう言われればピーナツのタイプを打ったような気もする、しかしどうも記憶は定かでないという程度の返事でございました。私はその返事を受けまして、さらに私の記憶を整理してまいって、一応の整理もできた時点で伊藤氏にただしました。その結果、クラッター氏から依頼を受けまして即日あるいは一両日後に私は伊藤のところへ参りまして、これを説明いたしました。伊藤はそれを秘書課の者にタイプをさせ、タイプをさした後にこれにサインをし、私がそのサインペーパーを持ちまして、それをクラッターに手渡したというのが私の現在の一番正確な記憶と存じます。それが以上申し上げたことでございます。
#1135
○山口(敏)委員 十年も二十年も前の記憶ではなくて、きわめて短い今日的な問題です。それから同時に、このピーナツとかピーシズというようなきわめて不可解な領収証を発行するということに対して、そういうあいまいな一つの記憶では許されないわけでございまして、もう一度この問題を私は振り返りたいのですけれども、クラッター氏に頼まれたときに、いままで御自分で書いておった、自分以外の人にサインをもらいたい、なぜ私ではいけないのか、こういう反問をいたしましたでしょうか。
#1136
○大久保証人 反問をしたかどうかの記憶は定かではございませんが、私以外の人のサインを欲しいということをクラッターから言われた記憶ははっきりしております。
#1137
○山口(敏)委員 大久保以外ならだれでもいいというのはどういうことでございますか。
#1138
○大久保証人 私以外の丸紅の役員のことでございます。
#1139
○山口(敏)委員 その大久保さん以外の役員ということは、社長にサインをしてもらいたい、こういうことでございますか。
#1140
○大久保証人 そういう意味には私はとりませんでした。
#1141
○山口(敏)委員 丸紅には三十数人の役員がいるわけですよね。そのだれでもいいということではなくて、あなたが伊藤氏に頼んだということは、クラッター氏が、社長ないしは社長に代行し得る者という限定があったのではないんですか。
#1142
○大久保証人 この前御証言申し上げましたが、これにつきましては、私は社長あるいは会長に相談するまでもないことにつきましては、いろいろと伊藤氏に相談をしておりまして、一番気安く頼める仲でございましたので、私は伊藤氏に頼んだわけでございます。
#1143
○山口(敏)委員 一番気安く頼める伊藤氏ではなくて、その領収証の背景というものを考えたときに、やはり非常にロッキードと丸紅の特異な関係の領収証だ、こういうことでこの伊藤氏に頼んだのではないですか。
#1144
○大久保証人 そういうことではございません。
#1145
○山口(敏)委員 本来こういうものは依頼された側より依頼する方がしっかり記憶に残っているわけですね。ですから、この領収証は、あなたが伊藤さんに頼んだのではなくて伊藤氏の采配のもとにあなたがこの領収証について責任を負ったということではないですか。
#1146
○大久保証人 全然そういうことではございません。
#1147
○山口(敏)委員 この伊藤氏の領収証を見ましても、きわめて通常の領収証からすると書式もそれから内容もまばらなんですね。あなたのような専門的な立場の人が依頼をするときに、こういうような素人っぽい領収証をつくらせるということは考えられないわけでありますから、私は伊藤専務の采配のもとでこの領収証の作業が行われたというふうに認識をしているのですけれども、いかがでございますか。
#1148
○大久保証人 先ほど御説明申し上げましたとおり、これは私が伊藤氏に説明をいたして、伊藤氏が秘書課の者にタイプをさしたものでございます。
#1149
○山口(敏)委員 あなたの方は記憶がくるくる変わったり、領収証のサインが軽率であったとか否かとかいうことで問題が済みますけれども、またあなた自身は専務をおやめになられるということで個人的な決着はついたかもわかりませんが、この領収証をめぐって日本の政治あるいは社会的に大きな波紋が描かれておるわけですね。私はそういう一つの中に、特に先般はあなた方の証言にもかかわらず、もう実際司直の手があなた方の会社にも、また伊藤、大久保両氏の自宅にまでこの証拠書類の押収に行っておる、こういう一連のいきさつ。告訴すると言ってしない、あるいは取引を解消すると言って解消しない。どうしても、この丸紅の首脳の方々が口裏を合わせて、そうしてこの事実関係を隠蔽しておるのではないか、国民はそうした疑問に到達せざるを得ないわけですよ。もっとそういう点をしっかりひとつ踏まえて御答弁いただきたいと思うのです。
#1150
○大久保証人 この問題が非常に大きく発展したということに対する先生の御意見に対しましては、まことに私としても何とお答え申していいかわからぬほど苦しんでおりますし、また反省もいたしております。また、先ほど先生御指摘のとおり、司直の手によりますいろいろな捜査を受けておることも事実でございます。ただ、先生の現在の御質問に対してお答えするポイントがいまのことであればと思いまして、私としてははなはだ申しわけないということを――申しわけないだけでは済まない、これはもう大変な問題になってしまったという責任は非常に痛感いたしておるわけでございます。
#1151
○山口(敏)委員 先ほどの伊藤さんと大久保さんとで、サインにおける時点が変わった。
 いま一つ、先般の証人喚問で福田太郎氏とシグ・片山氏との関係について御質問がありました。この両者に対して今日の大久保証人の、ひとつ知っておられるかどうか、その点伺いたいと思うのです。
#1152
○大久保証人 福田太郎氏につきましては、仕事上もそれから個人的なつき合いにつきましても、ほとんど関係はございません。ただ当人の顔はよく承知しております。また当人が同じビルにおりましたこともよく承知いたしております。竹橋時代のことで。
 シグ・片山の問題につきましては、これは楢崎先生から東通関係のシグ・片山ということをしばしば言われまして、私もその後東通の先輩その他にいろいろ聞いてみましたが、スクラップの関係で東通と取引があること等を知りまして、これで出入りをしているということも聞きました。したがいまして、その関係で私が全然会ってないということは、最初に奥野先生から最小限面識があるかという御質問をいただきましたときには、ID社のシグ・片山ということを私は考えておりまして、これは全く私、知らないわけでございます。ただ楢崎先生からいろいろ言われましたときに後で調べましたりしたときにいまのような関係がわかりまして、ただ言われるように私が非常に親しい、そういう関係は一切ございません。
#1153
○山口(敏)委員 東通時代、ニューヨークの支社長時代、そのシグ・片山氏とは知り合いであったということはお認めになるわけですね。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#1154
○大久保証人 東通の――私がニューヨークへ参りまして知り合ったということではなくて、むしろその前でございます。
#1155
○山口(敏)委員 そうすると、このシグ・片山氏を全く知りませんということについては――シグ・片山氏を十分承知しておる、こういうことですね。
#1156
○大久保証人 面識が全くないと申すことに対して、出入りしておりましたことと、それから何回か報道で写真を見ておりました、また先輩に、何か係争問題も東通であったということも聞きまして、ああそういう人かという程度のことでございまして、いわゆる言われているような密接な関係は一切ございません。
#1157
○山口(敏)委員 児玉氏の関係者である福田氏とはどの程度の知り合いでございますか。
#1158
○大久保証人 福田氏とは私は、先ほども申し上げましたとおりこれはJPRの関係をやっている人でございますので、私と直接には何らの関係もない人でございますので、これは顔は知っております。ただ仕事の上でも関係はございませんし、あいさつするという程度の関係でございます。
#1159
○山口(敏)委員 トライスターが丸紅の関係で全日空に納入をされた。当然試験飛行といいますか、デモンストレーションをするわけですね。そのトライスターの初飛行はどちらでございましたか。
#1160
○大久保証人 トライスターの初飛行は、デモンストレーションフライトにDC10と相前後してこちらへ参りまして、最初に……(山口(敏)委員「国内飛行」と呼ぶ)はい、そうでございます。国内飛行でございます。そのときが初めてでございます。
#1161
○山口(敏)委員 どちらへ行かれましたか。
#1162
○大久保証人 私は、そのときは当然エージェントといたしまして、大阪から東京、東京から鹿児島、鹿児島から東京、このルートに同乗いたしております。これはコーチャン社長と一緒でございます。
#1163
○山口(敏)委員 このときの国内側の最高責任者は大久保さんでございますか。
#1164
○大久保証人 私は、機械第一本部長でございましたので、当然最高責任者でございます。
#1165
○山口(敏)委員 この初飛行のときに、丸紅が主催で全日空の関係者、そしてコーチャン社長あるいはクラッター氏、鬼氏、エリオット氏、そしていま大久保氏が面識程度という福田太郎氏も皆鹿児島に行かれているわけですね。このトライスターのデモ飛行の主催者は丸紅である。このデモンストレーションをする企画の一切はどちらにお願いをしたわけですか。
#1166
○大久保証人 デモンストレーションの主催者の、主たる企画はこれはロッキード側でやっております。私どもは羽田空港の航空管制並びに許可関係、そういう手続を全部とらしていただいておりました。なかんずく大阪におきましては騒音の測定を十数カ所に設けました。したがいまして、そういう用務が主体な用務でございました。
#1167
○山口(敏)委員 この初飛行はロッキードというよりも丸紅がむしろ主催して、当然のエージェントとして運営しているのですね。この鹿児島に飛行したときに、コーチャン社長と金丸知事が――ロッキードのトライスターの模型飛行機を社長から鹿児島県知事に贈呈をしておる。その中に福田太郎氏も大久保氏も入っているわけですね。私はこれ自体を疑惑の一点としていまここで申し上げておるのではないのです。要するに、このシグ・片山氏は知らないとかあるいは福田太郎氏は知らないとか、鬼氏とは関係が薄いとか、そうした当然商取引の中において関係をしなければならない方々が皆一様に知らない、関係が薄いあるいは会ったことがない、こういう形で非常に避けて通っておるのですね。そういうことが非常にこの丸紅のロッキード問題に対して大きな疑惑を国民に与えておるのです。なぜそういう隠蔽といわれるような、必要以上に隠すことに神経を使っておられるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#1168
○大久保証人 必要以上に事実を隠していると先生は言われるのですが、非常に残念に思うわけでございます。私はコーチャン氏とは非常に親しくしておるということは申し上げております。また、クラッター氏ともしばしば会っているということも申し上げております。ただ、事実鬼氏は通訳が主体の任務だと私心得ております。したがって、私はその通訳が要らないわけでございますので、当人とは余り話をしてもおりませんし、事実そういう関係はないわけでございます。また、JPRの方は主に宣伝その他のことをやっておりますので、私の機械の方とは非常に縁が薄いわけでございます。それで、そういう関係の事実を申し上げておりますので、ただいまの片山の件につきましては、先ほど私が申し上げまして御了承をいただきたいということで御説明申し上げたとおりでございます。
#1169
○山口(敏)委員 機械の関係といっても航空本部長ですから、あらゆる運航に関する責任はあなたにあるわけですね。このロッキードのコーチャン証言でも明らかになった秘密代理人である児玉譽士夫氏と大久保前専務は本当に関係はない、こういうことでございますか。
#1170
○大久保証人 本当にございません。
#1171
○山口(敏)委員 児玉氏が病気で倒れられたその後、あなたは何らかの会で児玉氏と会ったということはございませんか。
#1172
○大久保証人 絶対にございません。
#1173
○山口(敏)委員 私は、やはりこのロッキードにおける大きな疑惑は、これは日本のもう全力、あらゆる立場を超越して乗り越えなければならない大きな問題ですね。一商社が責任をとれるような問題ではない。しかし、この丸紅を通じて政府高官あるいは政治家に疑惑の献金がなされておるというこの形は一向に解消されておらない。その大きな要因は、あなた方丸紅の関係者が何かすっきりとした姿勢をもってこの問題に対処しておらないということだと思うのです。あなた自身はこの問題に対して、いままでの証言に対して、何といいますか、さらに疑惑解明に対してどういう形で自分の態度を明らかにしていくか、その点についてひとつお伺いしておきたいと思うのです。
#1174
○大久保証人 私は、ここにおいて宣誓いたしまして証言いたしておりますので、私の申しておりますことが全部真実でございます。
#1175
○山口(敏)委員 大久保証人が御自分で真実ということでございますから、それはそれとして承りますけれども、丸紅も特定少数の方々だけが何か組織に殉じておるような、大久保さん自身が丸紅の犠牲になって、すべて自分の責任だ、そういう印象はそれはそれでいいわけでありますけれども、もっとこの問題に対して非常に事態の重要性あるいは日本の中におけるこの問題がどういう形で位置づけられておるかということをひとつ冷静にお考えをいただいて、私は証人が一層の真実を明らかにしながら疑惑解明に協力していただくことを要請して、松永議員に交代したいと思います。
#1176
○正示委員長代理 次に松永光君。
#1177
○松永委員 時間がありませんから端的に質問いたしますので、端的に答えてください。
 前回、あなたは伊藤君に依頼してサインをさせた場所について、これは明確に次のように答えております。「場所はどこでなさいましたか。」という質問に対して、「私のところの事務所でございます。」、私の部屋でございます。こういうふうにはっきりあなたはサインをさせた場所について証言しておるのですが、この証言は変更されるのですか。訂正されるのですか。どちらです。
#1178
○大久保証人 先ほど、冒頭申し上げましたように、私その当時非常に疲れて……(松永委員「理由はいい。変えるのか、変えないのか」と呼ぶ)変えます。
#1179
○松永委員 そうすると、自分の部屋で、あなたの部屋でサインをさせたというふうに前回は証言したが、その証言は変更して、伊藤の部屋でサインをさせたというふうにこの際変更するわけですね。そうですね。
#1180
○大久保証人 私が記憶を整理した結果、これが一番正確な私の記憶であるということで、申し上げておるとおりでございます。
#1181
○松永委員 それから、そのサインをさせたそのそばにクラッター氏はおりましたかという質問に対して、「クラッター氏はおったと記憶いたしております。」というふうに前回証言されましたが、この点はどうですか。
#1182
○大久保証人 その点につきましても、クラッター氏と伊藤氏とはおらなかった。私はその後でも、クラッター氏と私と伊藤と三人ではなくて、二人だけでございますということを十七日にも後で申し述べております。
#1183
○松永委員 もう一つお尋ねしますが、タイプをするように指示をしたのはだれなんですか。
#1184
○大久保証人 伊藤氏でございます。
#1185
○松永委員 あなたの見ている前で指示したと思われますが、口頭で指示したのですか、原稿でも渡したのですか。
#1186
○大久保証人 非常に簡単な領収証でございますので、記憶は定かではございませんが、原稿を書くほどの問題ではないと存じますので、恐らく原稿は書いてないと記憶しております。
#1187
○松永委員 だれかを呼んで、そうして口頭でその領収証の文言を伝えた、こういうことですか。
#1188
○大久保証人 私がでございますか。
#1189
○松永委員 こういうことですよ。あなたね、領収証のタイプをする原稿は書かなかった、簡単なものだから口頭だと思う、こうおっしゃったのですが、口頭ならばあなたと伊藤さんといるところにだれかを呼んで、そして口頭で領収証のタイプの言葉を伝えたのか。どうなんですか。
#1190
○大久保証人 私が一緒におる、おらないとにかかわらず、伊藤氏が呼んでだれか秘書の人にタイプをさしたというふうに了解いたしております。
#1191
○松永委員 そうすると、タイプをさせるのに原稿を書いて渡したのかあるいは口頭で言ったのかということはあなたにはわからぬのじゃないですか。どうなんです。
#1192
○大久保証人 これは、伊藤氏と帰りましていろいろ伊藤氏にただしました結果、そういうふうに私は私どもの記憶をまとめました結果を申し上げているわけでございます。
#1193
○松永委員 あなたと伊藤さんの記憶をまとめたと言いますけれども、とりようによりましてはあなたと伊藤さんとが相談して、こういうふうにしゃべろうというふうなことを証言の内容を相談して、そしてここに出てこられた。こういう印象を受けるので、これは問題だと思いますよ。あなたの記憶のままに言ってもらいたいのです。相談して、そしてこうしゃべろう、こう供述しようというふうなことで証言されることは、これは証人として正しい態度ではありません。あなたの記憶のとおり述べてください。
#1194
○大久保証人 私、私の記憶のとおりを申し述べますと……(発言する者あり)
#1195
○正示委員長代理 静かに願います。
#1196
○大久保証人 私の記憶のとおりを申し述べますと、私が伊藤氏のところへ参りまして、私は説明をいたしました。で、伊藤氏はそれを秘書の者に命じましてタイプをさしたものと承知しておりますが、私が必ずしも絶えずそのテーブルのそばに座っておるわけではございませんので、その細かいことにつきましてどうだったかということにつきましては、私もお答えするだけの記憶が現在ございません。
#1197
○松永委員 繰り返すようですが、前回の証言のときには、あなたがあの証言をしているときの記憶のままにあなたは証言されたのですね。どうです。
#1198
○大久保証人 あのときは私の記憶のとおりを私は申し上げたと存じますが、先ほども申し上げましたように、非常に疲れておったことと、楢崎氏の質問は非常に矢継ぎ早であって、ああいう返答になったということでございます。
#1199
○松永委員 もう一問だけお願いしたいのです。
 それは、先ほど委員長も質問された、領収証を書いて渡したのだから、何か受け取ったのじゃありませんかという質問をされた。あなたは、何も受け取っていない、こういうふうに答えられたのですけれどもね。ユニットの領収証も含めるならば、あなたは自分で二回、伊藤氏に頼んで四回、合計六回、六通領収証を書いて渡してある。しかも中身はユニットとか、ピーナツとか、ピーシズという非常に不思議な領収証を渡しておるわけですよね。で、何か受け取ってないとしても、六回もそういうことをしておれば、その領収証が何を意味するか、何に使われるかということをあなたが知らなかったということは何人が聞いても通らないです、これは。あなたは商社の、商事会社の重役です、専務さんです。したがって、この点はひとつあなたが何をしたかということを聞いているのじゃない。何か知っているでしょう。明らかにしてもらいたい。これをひとつ最後にあなたの良心に訴えて知っていることを言ってもらいたい。
#1200
○大久保証人 その金の流れとかいうことだと、先生はおっしゃっておられるのだと存じますが、そういうことにつきましては、一切存じません。
#1201
○正示委員長代理 松永君、時間が来ましたから。
#1202
○松永委員 もう一つ。金の流れというのに特定しているわけじゃないのです。ピーナツとかピーシズとかユニットとかいうわけのわからない領収証が六回。六通。何かあなたはこれについて知っているでしょう。どういうふうに使われる領収証か。この領収証が何を意味するか。全く知らなかったということでは通らないです。だから、人が納得するような説明をしてもらいたい。
#1203
○大久保証人 前回申し上げました、十七日のときに申し上げましたとおり、その内容につきましてクラッター氏にも尋ねましたが、教えてもらえませんでした。
#1204
○正示委員長代理 これにて山口君、松永君の発言は終了いたしました。
 次に楢崎弥之助君。
#1205
○楢崎委員 夜も遅くなりました。社会党の楢崎弥之助です。
 私どもは真実をあなたから聞きたいわけでありますから、気を楽にしてひとつ当時を思い出しながらあなたの判断、あなたの真実と思われることを御証言をいただきたいわけです。
 そこで、きょうこの私ども委員会が要求しておりました丸紅レポートなるものが鬼氏の証人喚問が済んだ後に私どもの手元に渡されたわけです。これを早くきょう朝でも渡されておったら、もう少し私どもは鬼氏に問いただすことがあったわけであります。鬼氏に関する部分がこれは含まれておるわけですから。この丸紅レポートのこれ、証人御存じですか、このレポート。
#1206
○大久保証人 おおむね四半期ごとのレポートというふうに伺っておりますが、そのレポートだと存じます。
#1207
○楢崎委員 ちょっと聞こえにくいのですが……。
#1208
○大久保証人 おおむね四半期ごとに私どもが提出申し上げておりますそのレポートだと存じます。
#1209
○楢崎委員 このレポートはどこにあるタイプで打たれましたか。
#1210
○大久保証人 たくさんあるようでございますが、それが部長あるいは課長のレポートでございますれば、それは輸送機械部のタイプでございます。
#1211
○楢崎委員 こういうやつは日付がここに書いてありますが、たとえば一九七五年六月十日、これは打った日に、大体日付の日にレポートを出すのですか。
#1212
○大久保証人 当然そのとおりであると存じます。
#1213
○楢崎委員 ところが、ここに三つ判が押してあるのですね。伴、小島、加藤という判が押してありますが、これはどういう人ですか。
#1214
○大久保証人 伴は輸送機械部長でございます。それから小池は航空機の担当でございます。それから小島というのは、恐らくその下の人だと思います。
#1215
○楢崎委員 いまこの英文で打たれた日付の日に出すのは当然だという御証言でしたが、この伴氏の印は日付が入っておるのですね。翌日になっておりますが、そうするといまの証言と違いますが、これはどういうことですか。
#1216
○大久保証人 これは新聞紙上でいわゆる大久保レポートというふうにリファーされておりまして、当初私もよくわかりませんでしたが、後ほどこれがそれに該当するものであるということを十七日以降に知ったわけでございます。これにつきましては、発送は私のところを経由しないで発送されているものと承知しております。
#1217
○楢崎委員 私の質問は、あなたが先ほど当然この日付の日にレポートされたはずだとおっしゃいましたが、実は伴氏の判は翌日の判ですよ。それじゃ違うじゃありませんか。ただそれだけ聞いているのですよ。
#1218
○大久保証人 タイプの関係上、翌日のこともあるかと存じます。
#1219
○楢崎委員 タイプライターというのはあなたの部屋にもあるし、伊藤氏の部屋にもあるのですか。
#1220
○大久保証人 私の部屋にはございません。伊藤氏の部屋にはいま現在の時点ではないと存じますが、以前常務の時代には秘書室にございます。
#1221
○楢崎委員 あなたが専務をおやめになるその直前まで、タイプはあなたの部屋にありましたか。
#1222
○大久保証人 私の部屋にはタイプは一切ございません。
#1223
○楢崎委員 その当時もなかったのですか。このピーナツ、ピーシズ等のサインを伊藤氏にさしたときにも、あなたの部屋にはなかったわけですか。
#1224
○大久保証人 ございませんでした。
#1225
○楢崎委員 そんなにはっきり記憶があるのに、せんだっての私の尋問に対して、どうしてあなたは自分の部屋で秘書に打たしたとおっしゃったのですか。いま非常に鮮明な記憶ですね。絶対になかった。どういうことなんでしょうか。
#1226
○大久保証人 それは先生、少し問題が違うと思うのでございますが、タイプは私の部屋には一切置いてないことは、私がずっと前から、私、自分でタイプは打たないという主義で通しておりますので、非常に鮮明に覚えておりますし、またタイプはタイピストもおりますし、多くの場合各部からタイプを出しておりますので、タイプは私のところにはないということは自信を持って申し上げられるわけでございます。
#1227
○楢崎委員 わかりました。私の質問の仕方が悪かったと思います。つまり、結局あなたはせんだっての私に対する証言の部分で、タイプについてはクラッターに頼まれ、私が秘書に打たせた。それを伊藤氏のところでタイプを打たせた、そうきょうは変わられたわけですね。
 次に、あなたの部屋でサインをした、クラッター氏もそのときおられたという証言が、本日では伊藤氏の部屋にあなたが行かれて、そして伊藤氏にサインをさせた、クラッター氏はいなかった、そういうふうに変わられたわけです。伊藤氏が――それでよろしゅうございます。結局そうすると、結果としては、ほとんどせんだっての伊藤氏の証言の方にあなたは合わせられたわけですね。
#1228
○大久保証人 私は、合わせたわけではございませんで、先生の御質問に対して次から次へ答えざるを得ない心境でございまして、その前にも申し上げたように、あのときは非常に疲れておったことと、それから伊藤氏にタイプを依頼いたしましたその時点では非常に気軽にやったということで、私自身その当時のつまびらかな状況が記憶に残っておらなかったということでございましたので、あのような証言を申し上げたわけでございます。
#1229
○楢崎委員 あなたは十七日の日の再尋問で、一番最後に私におっしゃったのです。「私は虚偽の証言をいたしておりません。」と非常に力強く答えられました。きょうもまた同僚委員の尋問に対して、「私は虚偽の証言をいたしません。」とおっしゃいました。
 きょう、私いまから矢継ぎ早に聞きますが、大丈夫ですか。
#1230
○大久保証人 やむを得ないと思います。
#1231
○楢崎委員 何がやむを得ないのですか。大丈夫、虚偽でないお答えをなさいますかと聞いているんですよ。きょうは後で取り消すようなことはありませんね。
#1232
○大久保証人 そのように慎重にお伺いしまして御返答いたしますから、また間違ったようなことは申さないように努力いたします。
#1233
○楢崎委員 あなたはクラッター氏から言われたとおりの言葉を、ピーナツ、ピーシズを言葉で伊藤氏に言って、伊藤氏の秘書に打たせたわけですか。
#1234
○大久保証人 そのとおりでございます。
#1235
○楢崎委員 クラッター氏から言われたとおりにあなたは言葉で伝えたわけですか。
#1236
○大久保証人 片言隻句同様とは申しません。
#1237
○楢崎委員 どういうところが違っておりますか。
#1238
○大久保証人 どういうところが違っているかという御質問でございますが、これは非常に簡単な文言でございますので、どういうところが違っているかということにつきましては、私いまちょっと申し上げられないと思います。
#1239
○楢崎委員 わからないということですか。
#1240
○大久保証人 さようでございます。
#1241
○楢崎委員 ここに領収書のコピーがある。このピーナツのところでは、「アイ レシーブド ワンハンドレッド ピーナツ」になっていますね。それからピーシズのところでは、これは一つだけはちょっと消えておりますからわからないですが、大体二つは同じようでありますけれども、一つは違うんですね。「アイ ハブ レシーブド 一二五」と数字で書かれて、わざわざ括弧して「(ワン ハンドレッド トウェンティーファイブ)ピーシズ」、こうあなたは言われたわけですか。
#1242
○大久保証人 その書式の内容については、私は何も指示いたしておりません。その書式の、そこに書いてありますような「アイハブ」とか「アイレシーブド」とか、そういうことにつきまして、特に私は何も一申しておらないと記憶しております。
#1243
○楢崎委員 それでは、伊藤氏が勝手に打たれたわけですか、あなたの言われたことを解釈して。
#1244
○大久保証人 そのように判定せざるを得ません。
#1245
○楢崎委員 あなたは、じゃ伊藤氏が打たれた、打たせられたその領収証をもう一遍手にとってごらんになったのですか。
#1246
○大久保証人 伊藤氏が打ちました領収証は、私が受け取りましてそれをクラッターに手渡しましたので、私は当然見ております。
#1247
○楢崎委員 じゃ、この領収証のこの言葉はクラッター氏の要求に合致しておるということで、クラッター氏のところに持っていかれたわけですね。
#1248
○大久保証人 クラッター氏の要求に合致しておると申しましても、クラッターと私ども、これは会話でいたしておることでございますので、合致しておる、してないということはないと存じます。
#1249
○楢崎委員 こういう非常に重要な、後でこれほど問題になる重要な領収証の確認にしては、少しお粗末じゃございませんか。
 たとえば、もう一つの方の、先ほど申し上げたのは一九七四年の一月の二十一日の分、今度は一九七四年二月二十八日の分ではどう言葉が変わっておるかというと、「レシーブド ワンハンドレッドトウェンティーファィブ、」、そっちが先にきて「(一二五)ピーシズ」。全く一月二十一日の分と逆になっています。これは何か意味があるのですか。
#1250
○大久保証人 別に意味があるとは存じません。
#1251
○楢崎委員 では、数字さえ合っておればいいというのがポイントですか。
#1252
○大久保証人 クラッター氏から私が説明を受けた数字のサインペーパーでございます。
#1253
○楢崎委員 したがって、この数字というのは非常に重要な意味を持つ、こういうことになります。このピーナツ、ピーシズを入れますと、四回になりますね。この伊藤氏にサインしてもらった状況というのは一回、一回違うのですか。全部同じ状況でサインをさせられたのですか。
#1254
○大久保証人 先ほど冒頭御説明申し上げましたとおり、直ちに伊藤氏に説明をした場合もございますし、翌日の場合もございました。
#1255
○楢崎委員 そうすると、この四枚についてはすべてが伊藤氏のところでタイプが打たれた。間違いないですね、四枚とも。
#1256
○大久保証人 そのように了解いたしております。
#1257
○楢崎委員 四回とも、ではクラッター氏はそばにいなかったわけですか。
#1258
○大久保証人 四回ともおりません。
#1259
○楢崎委員 四回とも伊藤氏の部屋でなさったのですか。
#1260
○大久保証人 タイプは四回とも伊藤氏の部屋で打たれたものと了解いたしております。
#1261
○楢崎委員 私がいま聞いたのは、タイプのことは先ほど聞きましたから、四回とも伊藤氏の部屋にあなたが行かれたわけですか。
#1262
○大久保証人 御説のとおりでございます。
#1263
○楢崎委員 それでは、領収証の話が出ましたから、ユニット領収証の方にまいりたいと思うのですが、このユニット領収証については、せんだっても聞きましたが、これはあなたがサインされた、それは間違いないですね。
#1264
○大久保証人 私がサインしたものと存じます。
#1265
○楢崎委員 ちょっと、思いますというのですが、自信がないわけですか。
#1266
○大久保証人 十中八、九私がやったものということで、私自信を持っております。
#1267
○楢崎委員 これはどこでサインされたのでしたかね。
#1268
○大久保証人 私の部屋か、あるいは十五階の応接室だと思います。
#1269
○楢崎委員 このときはだれがタイプを打ちましたか。
#1270
○大久保証人 十七日の証言のときに申し上げたわけでございますが、これがタイプであるか、あるいはそうでないかということは、私よく記憶にないわけでございます。したがって、それについてはお答えできないと前にも申し上げたとおりなんでございます。
#1271
○楢崎委員 このユニットの領収証の大きさは、ピーシズあるいはピーナツの領収証と比べて大きさはどんなでございましたか。
#1272
○大久保証人 大きさの比較は、はっきりいたしておりませんので、明言いたしかねます。
#1273
○楢崎委員 その辺も、その程度のことが記憶にないのかと思うのですね。タイプはだれのを打たせたかとか、どの部屋であったかというのは、十六、十七日の証人喚問が終わった段階で鮮明に思い出されたのですけれども、ユニットの紙の大きさ等については全然御記憶がないわけですか。
#1274
○大久保証人 ございません。
#1275
○楢崎委員 念のため申し添えておきますが、証言をされて重大な点で食い違いが起こる、そしてその次には一方の方に口裏を合わせる、それをわれわれは談合というのですよ。そういうことは、この証人喚問では許されないことです。少々の手違いがあればあれですけれども、記憶違いということはありましょうけれども、全部をあなたは、三点の全部を伊藤氏の方の証言に合わせられた。こういうことは、私どもとしては絶対に信用できないわけであります。
 あなたは、過去、外為法の違反で起訴されたことがありやしませんか。
#1276
○大久保証人 私が昭和――年号はよく覚えておりませんが、三十年、日本海外商事におりましたときに、非鉄関係の輸入問題に関連いたしまして、外為法の取り調べを受けました。
#1277
○楢崎委員 ここに判決文があるわけですが、これは昭和三十年から三十二年ごろにかけて、あなたが日本海外商事株式会社の代表取締役の時代でございますね。その後、結局朝日物産にかわられて、そしてそれから東京通商、東通、丸紅、こういうふうにあなたの経歴はなっておるわけですね。これは時間がありませんから多くを述べませんけれども、結局このときには簡単に言えば外為法の第二十七条、つまり「非居住者に対する支払又は非居住者からの支払の受領」はできない、また「非居住者のためにする居住者に対する支払又は当該支払の受領」はできない、これに触れたのですね。つまり、このときもあなたの日本海外商事株式会社、言うならば会社ぐるみの外為法違反あるいは外国貿易管理法違反を犯されたわけですね。そして昭和三十五年五月四日に内田武文裁判長から判決があって罰金が課せられておる。
 これを見ますとどうも、これももう一つ言っておきますと、数人でこの違法事件に連座をされておるわけですけれども、そのうちお二人の方は、本件犯行当時当該行為の違法であることを知らなかったものである旨弁護人を通じて主張している。ということは、この主張していない人はやはりこういうことをするのが違法であるということを知りながらやられたということになるわけですね。そして、いままさにあなたは、このロッキード事件に関連して外為法違反あるいは同じ貿易管理法違反容疑に問われておるわけです。だから、こういう点に対してまことに罪の意識がないのではないかという感じがいたしますが、どうでしょうか。
#1278
○大久保証人 その件につきましては、裁判所において私は無罪を主張しておりますので、いまの先生の御解釈は当たらぬと存じます。
#1279
○楢崎委員 棄却になったのでしょう。
#1280
○大久保証人 その無罪の件でございますか。無罪の主張に対しての……
#1281
○楢崎委員 控訴されたのですか。
#1282
○大久保証人 控訴はいたしておりません。
#1283
○楢崎委員 それじゃ何ですか。確定しているのでしょう。
#1284
○大久保証人 確定しております。
#1285
○楢崎委員 それで、あなたは違反に問われておるのですよ。あなたは無罪になっていないのですよ。
 それでもう一つ、私はお伺いをしておきたいと思うのですけれども、シグ・片山氏との関係なんですが、あなたは東通時代にも知っておったはずだ。東通時代どころかその前の朝日物産の時代、つまり昭和三十三年五月から三十六年六月までの期間、このシグ・片山氏はくず鉄屋さんとして出入りをされている。あなたが知らないはずはないということを、名前を出してもよろしゅうございますけれども、ふさわしくありませんから言いませんが、証言しておる人がずいぶん多いのです。それからまた、東京通商時代においてはさらにそのことを裏づけるいろいろな問題がある。ニューヨークに本社のありますTIC、つまり東京インターナショナル・コマース、これは東京通商の子会社であったわけでしょう。
#1286
○大久保証人 東京通商の米国法人でございますので子会社でございます。
#1287
○楢崎委員 ニューヨークにあるのですけれども、あなたがこのTICの社長をされておったときは、東京通商の常務を兼務されておったわけですね。
#1288
○大久保証人 たしか当初は取締役で後に常務を兼務しておりました。
#1289
○楢崎委員 あなたが社長をされておったこのTIC。そのときの副社長はどなたでございましたか。
#1290
○大久保証人 ウィリアム・J・モリという男でございます。
#1291
○楢崎委員 この方はシグ・片山氏とどういう関係にありますか。
#1292
○大久保証人 存じません。
#1293
○楢崎委員 それはおかしいのじゃありませんか。いとこじゃないのですか、このモリ氏と片山氏は。
#1294
○大久保証人 いとこであるかは私確認しておりません。
#1295
○楢崎委員 それもまことに不自然なんですね。
 あなたはハイマン・マイケル社というのを御存じですか。
#1296
○大久保証人 昨夕伺いました。
#1297
○楢崎委員 昨晩聞かれたということですね。そうですか。そうすると、よく御存じないということになるわけですかね。
#1298
○大久保証人 内容の細かい点についてはよく存じません。昨夕私が知った限りの点でございます。
#1299
○楢崎委員 くず鉄を扱っている人はハイマン・マイケル社ぐらい常識として知っておるのじゃないですか、どうなんです。あなたのところのTICも同じような商売をやっておったんでしょう。
#1300
○大久保証人 スクラップの商売は東京インターナショナルがやっておりました。
#1301
○楢崎委員 それじゃハイマン・マイケル社ぐらい知っておられるはずでしょう。東京通商あるいはTICはマイケル社と取引がありましたか。
#1302
○大久保証人 はっきりした記憶がございませんので、あるかないか返事できませんが、夕べ私が知りました限りでは、ハイマン・マイケル社というのは浅野物産の取引先であると承知しております。
#1303
○楢崎委員 それはあなたが後ほどおられた朝日物産と合併した会社でしょう。非常に近い仲ですね。
 東京通商は三十八年から三十九年にかけてアメリカの航空母艦などのスクラップを五十万ドルで入札されたことございますか。
#1304
○大久保証人 私はそういうことを承知しておりません。
#1305
○楢崎委員 このときの契約書のサインがあなたと片山氏になっている、これはどういうことなんですか。
#1306
○大久保証人 その内容につきましては、昨夕テレビに出ましたので私も確認いたしましたが、そのような事実はないと信じております。
#1307
○楢崎委員 私、質問の半分も済んでないのですよ。非常に残念ですが、最後にじゃ一つだけ開いておきましょう。
 丸紅に八木課長というのはおられますか。そしておられたら、その八木課長というのはどういう仕事をなさっておられる方ですか。
#1308
○大久保証人 私の機械第一本部の八木でありますれば、八木は輸送機械部の特機課長をやっております。
#1309
○楢崎委員 もうこれで終わりますが、この八木課長が実は鬼氏と連絡をとりながらP3Cの売り込みに非常に専念をしておった。こういうことだけ、時間がありませんから申し上げておきます。
#1310
○正示委員長代理 これにて楢崎君の発言は終了いたしました。
 次に正森成二君。
#1311
○正森委員 大久保証人は二月五日にアメリカへ行って、十一日の五時四十五分に羽田に帰ってこられた、こういうようになっておりますが、それに間違いございませんか。
#1312
○大久保証人 間違いございません。
#1313
○正森委員 十一日は夕方から夜にかけてどこへ泊まられましたか。
#1314
○大久保証人 たしかオータニホテルだと心得ております。オータニホテルでございます。
#1315
○正森委員 十二日の九時半から丸紅で役員会が開かれたはずでございますが、あなたは参加されましたか。
#1316
○大久保証人 私帰りまして非常に疲労しておりましたので、役員会には参画――ごく短時間だと存じますが、参画いたしまして、遺憾の意を表したと存じますが、あの当時は非常に混乱いたしておりましたので、間違いなく十二日であったかどうかは別といたしまして、役員会に、帰りましてから参画いたしまして遺憾の意を表したことは間違いございません。
#1317
○正森委員 あなたの記憶が非常に不正確なんですけれども、十一日の夕方にアメリカから帰ってきて、あなたにとっても丸紅にとっても一大事であります。その翌日に開かれたということになっている役員会に参加したかどうかが十分わからないというような、そんなことはないでしょう。
#1318
○大久保証人 参画したと記憶しております。
#1319
○正森委員 広く報道されているところでは、あなたは時差ぼけその他で疲れたので参加してなかったというように報道されておりますが、違うんですか。
#1320
○大久保証人 時差ぼけかどうかは、まあ事実時差ぼけもあったかと存じますし、非常に疲労の多い旅でございましたので、あるいはあの日は休養さしていただいたんじゃないかとも思っておりますが。
#1321
○正森委員 こういうことだから困るんですね。十一日にアメリカから帰ってきて十二日に役員会があった。みんなあなたの調査の結果がどういうことだか心配している。その十二日に参加したかどうかもわからないような、そういう記憶力でほかのことが信用できますか。何をおいてもあなたはアメリカで知り得たことを役員会、あるいは役員会は三十人余り参加したそうですか、そこで報告していなければ――檜山さんなどに即刻報告するのがあたりまえです。実は十一日の夜に檜山さんに報告したんじゃないんですか。よく思い出してください。
#1322
○大久保証人 私は十一日の夜は報道陣に非常に追い回されておりまして、そのままオータニホテルへ飛び込んだという記憶でございますので、その日には報告していないと記憶しております。
#1323
○正森委員 それじゃ十二日にも報告してないんですか。十一日のことがそれだけよく覚えているなら十二日のことは覚えているはずです。それがよくわからないというのは何か隠しているんじゃないんですか。
#1324
○大久保証人 何も隠していることはございません。
#1325
○正森委員 しかし、わからないでしょう。十二日に役員会に出たか出ないか、報告したかしないか、それすらわからないんでしょう。そんなことは常識では考えられないです。
#1326
○大久保証人 まことに申しわけございません。
#1327
○正森委員 委員長、こんなことが信用できますか。それはあらかじめ丸紅の役員と打ち合わせしてないから、打ち合わせしてないことについては確言したくない、明らかじゃないですか。
#1328
○正示委員長代理 証人に申し上げます。大変大事な問題です。記憶力を総動員してお答え願います。
#1329
○正森委員 そんなばかなことがありますか。十一日に帰ってきて、十二日に役員会があったのに出たか出なかったか、報告したかしなかったかわからない。そんなばかなことがありますか。まだ伊藤さんと打ち合わせしてないから、だから答えられないんでしょう。
#1330
○大久保証人 伊藤氏に打ち合わせをしておらないからというようなことはございません。
#1331
○正森委員 じゃあ言いなさいよ。十二日のことが言えないでしょう。
 委員長、大体おわかりになったと思います。
 もう一つ聞きますが、あなたは二月の七日にコーチャン氏にお会いになって、ピーナツというような資料を公表してしまったということを一つ抗議した。それからもう一つは、檜山かあるいは大久保がリコメンドしたということについて抗議した。なぜそれなら丸紅の役員、具体的には伊藤氏ですが、政府高官に金を渡したという実質的な内容には抗議しなかったのか、こういうように同僚の松永委員その他から聞かれて、そのときは議事録を読んでいなかったんだ、こう言われましたね。そのとおりでしょう。
#1332
○大久保証人 そのとおりでございます。
#1333
○正森委員 ところが、いいですか、伊藤という、あるいは丸紅の役員が政府高官に金を渡したと言っているのは、二月四日の日も二月六日の日も両方証言されているんです。ところが一方、檜山か大久保が政府高官に金を渡すことを勧めたと言っているのは二月六日だけしか証言されていないんです。二月六日のことに証言されたことを知っていてコーチャンに抗議するなら、二月四日も六日も言われた丸紅の役員が実際に金を渡したという実行行為については知っており、抗議するのが当然じゃないですか。どうしてそれだけは議事録で知らなかったと言うのです。そういうすぐばれるうそをついて、どうして国会で本当に証言していると言えますか。その点を抗議しないには別の理由があったのでしょうが。
#1334
○大久保証人 別な理由はございません。私が議事録を正式に手に入れましたのは、八日の日にロスを立つときでございました。
#1335
○正森委員 そういう小手先のうそをついてもだめです。それじゃ、二月六日にだけ証言された大久保かあるいは檜山が政府高官に金を渡すことを勧めたというのは、どうして知ったのですか。あなたは二月六日のコーチャン氏の証言に間に合うように急いで行って、六日の日は証言が終わるのを待ってからニューヨークへ行ったと言っているじゃないですか。あなたは公聴会を傍聴しなかったのですか。傍聴しなかったとすれば、あの日は終日テレビが報道していたはずです。あなたは英語がよくおできになる。それを見ないで、どうしてワシントンへあなたを出張させた社長の命にこたえることができますか。しかも、二月七日までには日本国内で広くその事実は報道され、電話で連絡をとっているあなたには、――――――――――――――――――――――知っていたはずです。いかがですか。
#1336
○大久保証人 当時のワシントンからの、私の方にはワシントンに駐在所が、出張所がございますのですが、その当時、出張所からの連絡は種々乱れた情報が入っておりました。たとえばIDのイトーとか、そういうような予想、いろいろな人の解釈の入った電報が東京の方に届いておりましたので、社長が、そういうことではだめであるから、それでワシントンへ行って、米国へ行ってできるだけ詳報をとってこいということを言われましたので、私はワシントンへ行ったわけでございます。したがいまして、傍聴したかという御質問に対しましては、この前も御説明申し上げたのでございますが、傍聴するような状況ではなかったので傍聴はいたしませんでした。したがいまして、ワシントンの駐在員の秘書を出席させまして、その状況をとりまして、昼、ちょうど十二時ごろでございますが、ニューヨークへ移ったわけでございます。
#1337
○正森委員 いまそういう御証言でございましたけれども、テレビでは報道されておりませんでしたか。正直に答えてください。
#1338
○大久保証人 当時の状況は、とうていテレビを落ちついて見るような状況ではございませんでした。
#1339
○正森委員 これまた実際に信用できるでしょうか。わざわざそのために飛行機に乗ってワシントンへ行かれた人であります。その人が、テレビで全部報道しているのにそれを見る状況ではなかった。それではそもそもアメリカへ出かける必要がないじゃありませんか。そういうだれが考えても信用できないようなことをおっしゃるから、あなたの証言は信憑力がなくなってくるのです。あなたのお部屋は六階でしょう。そして伊藤さんのお部屋は十五階でしょう。六階から十五階へ出かけたか、十五階から六階へ出かけたか。あのピーナツやピーシズの問題については一回ではないのです。四回もやっているのです。それについて、自分の部屋から向こうへ出かけたか、向こうが自分のところへやってきたかわからないなどというようなことは考えられません。もう一遍よく考えて答えてください。全部の国民が注目しています。ですから、あなたができるだけ本当のことを思い出して答えていただくということを心から期待したいと思います。
#1340
○大久保証人 私が冒頭委員長に申し上げたとおりでございます。
#1341
○正森委員 それでは、私は次の問題に移りますが、伊藤証人はピーナツやピーシズというのは暗号だったと思います、こう言っております。ですから、伊藤さんが暗号だと思ったことは事実であります。あなたもそうは思いませんでしたか。
#1342
○大久保証人 暗号であるかは別といたしましても、その意味は全然わかりませんでした。
#1343
○正森委員 檜山さんはああいう署名というのは異常であるというように思ったと証言しております。あなたも異例だと思いましたか。
#1344
○大久保証人 十七日に何回も申し上げましたように、あれを、署名を伊藤氏に依頼しましたのは、長年の当社の重要取引先でありますロッキード社のコーチャン、これを信じてやったことでございますので、ああいうサインペーパーにサインをすることは確かに異例でございますが、実行いたしました私は気軽にやったということは先ほど申し上げたとおりでございます。まことに気軽ということを平然と言っているようでございますが、じくじたるものがございますが、事実はそのとおりでございます。
#1345
○正森委員 あなたは、個人としても丸紅にも迷惑をかけない、用済み後はすぐ廃棄する、こういうように言われたので署名をした、してもらったんだ、こう言っておりますね。あなたのところの内規では、機密文書だけが用済み後すべて廃棄するということになっており、ほかは全部控えをとることになっておるのではありませんか。ここにあなたのところの内規集があります。そうだとすると、これは少なくとも機密文書に値するものだ、そういうぐあいにロッキードで考えており、それを信用してあなた方もつくったんだ、こういうことになるんじゃありませんか。
#1346
○大久保証人 当社の文書規程は、重要な文書は五カ年間、さほどでないものは三年間で破棄する、こういう規程になっておると存じますが、ロッキード社はその内容については存じておらないと存じます。
#1347
○正森委員 ロッキード社が内容は承知していなくても、ロッキード社はそういう扱いをする。しかも、そういう扱いはあなたの方の会社では機密文書になっておる。しかも、これは異例だとすれば、あなたの方の内規では、異例な行為についてはあなたの一つ上の上司、すなわち社長の決裁を仰がなければならないということになっているんじゃありませんか。だからこそ大久保以外の丸紅の役員に署名をしてもらうということになり、そして社長室長だけはその中に特命事項についてはいろいろのことができる、こういうように内規になっておりますから、あなたは檜山社長に頼むかわりに伊藤社長室長に署名を頼んだ、これがあなた方の会社の決まりから来る当然の帰結になるんじゃないですか。だからやったんでしょう。
#1348
○大久保証人 伊藤氏に依頼いたしましたのは先ほど申し上げた理由によるものでございまして、そのような、ただいま先生がおっしゃったような理由ではございません。
#1349
○正森委員 それでは、あなたのところには社内暗号コードというのがあるのではありませんか。
#1350
○大久保証人 主として繊維部門に社内暗号コードがあると存じますし、一般に英文等の書簡についても暗号コードがございます。
#1351
○正森委員 三六三という暗号コードがございますでしょう。
#1352
○大久保証人 あるかどうかは私はいま記憶にございません。
#1353
○正示委員長代理 正森君、時間ですから……。
#1354
○正森委員 わかりました。
 これは工作費を意味するものでございますが、二月十七日か十八日にこの暗号コードを全部廃棄したことはありませんか。
#1355
○大久保証人 暗号コードは私の所管の第一本部にはございませんので――前の所管の第一本部にはございませんので、その事実は存じません。
#1356
○正森委員 最後に、暗号コードを提出されるように理事会でお計らいいただくことを希望いたします。
 なお、社内内規についても提出をしていただくようにお願いしたいと思います。
#1357
○正示委員長代理 理事会で協議いたします。
#1358
○正森委員 私の発言中、視力障害者と聴力障害者についての発言が適当でなかったので、そのときも申し上げましたが、改めて取り消します。
 終わります。
#1359
○正示委員長代理 これにて正森君の発言は終了いたしました。
 次に新井彬之君。
#1360
○新井委員 公明党の新井でございます。遅くまで大変御苦労さまでございます。
 この前の証言におきまして食い違いがあるということで、きょうまた出頭していただいておるわけでございますが、二月二十六日の新聞によりますと、その食い違いについて弁明書を出しているということの記事が出ておりますが、出されておりますか。
#1361
○大久保証人 御発言がよく聞こえませんでしたが、弁明書というのは、私どもがこの委員会に出しました上申書のことかと存じますが、御提出申し上げました。
#1362
○新井委員 いや、私が申し上げておるのは、今回のこの食い違いにおきまして、大久保さんの部屋でタイプを打ったとかあるいはまた伊藤さんの部屋でやったとか、あるいはクラッターさんがいたとかいないとかという問題がございますね。そういう点については先ほどから御答弁をいただいておるわけでございますが、帰ってから国際電話で当時の秘書にも聞かれた、あるいはまた伊藤さんともいろいろその件についてはどうだったかということで記憶をたどられた、こういうぐあいに承っておるわけでございますが、その中で、そのときの証言はこうだったという弁明書という、そういうものを出されましたか。その内容について出されましたか。
#1363
○大久保証人 上申書についての弁明書でございますれば、それは委員会以外の外部に対しては出しておりません。
#1364
○新井委員 それで、きょうの証言によりますと、前回の証言を取り消された。最終的には、伊藤事務の部屋で、大久保専務が行かれて、そして口頭で言われて、そこでタイプを打った、そういうことでございますが、それでよろしいですか。
#1365
○大久保証人 口頭と断定してはおりませんが、非常に簡単なものでございますので恐らく口頭で私はやった、こういうふうに思います、ということを申し上げております。
#1366
○新井委員 この件について、伊藤さんといろいろと、どっちであったかというようなことについての話し合いをされましたか。
#1367
○大久保証人 非常に話し合いをしたごとく先ほどからとられておりますので非常に残念に存ずるわけでございますが、私わざわざ当時の秘書にも確認を確かめましたし、なお十七日の第二回の喚問時にも、私自身の記憶にどうも定かならずのものがあるということも申し上げております。また確認をいたしました後も、私の記憶をできるだけ整理いたしまして、その上に伊藤氏にただしたわけでございます。それを申し上げておりますので、決して相談をいたしたわけでは私はないという確信をしております。
#1368
○新井委員 現在、そのタイプを打たした件について本当にはっきりした記憶のもとで、本来なら、いろいろ聞かれますから、本当はわからないんだけれども大体そうではないかということで発言をされておるんではないかと私は思うのですが、本当に明確に思い起こされて間違いなく伊藤さんのところであった、こういうぐあいに確言できますか。
#1369
○大久保証人 現在の時点では確言できます。
#1370
○新井委員 それからもう一つ確認をしておきたいのでございますが、三十数名の役員の中で大久保さんが一番信頼されるというか、仲のいい方というのはどなたですか。
#1371
○大久保証人 役員の中で、非常に仕事の上でもまたいろいろな意味でも接触の多いのはやはり伊藤氏でございます。
#1372
○新井委員 先ほども話が出ましたけれども、あのチャーチ委員会の公聴会をやりましてから大分日にちがたちますが、その間に資金の流れるルートというものが新聞等でももう明確になってきております。したがってこの問題についてはよく御存じだとは思いますけれども、いまにもって丸紅としても――あなたはこの前の証言におきましても、告訴をするあるいは断固たる措置をとりますということを言われておりますけれども、その件についてはどうなっておるのですか。
#1373
○大久保証人 ロッキード問題対策委員会というものが社長を委員長といたしまして、その下に副社長それから各関係常務、関係部長を含めて、現在弁護士と鋭意検討中でございますので、ただ私が今日まで聞いておるところによりますと、これらの問題に対する外国人の名誉棄損その他の告訴については、種々の法令の障害があると承っております。これは決して取りやめておるわけではございません。
#1374
○新井委員 本来なら、もう本当に電話一本でも話ができるようなことですよね。あなたが一々アメリカへ行かなくても、実際問題として二百万ドルの金を丸紅を通じて政府高官に流したとか、あるいはまたそういう賄賂をくれとか言ったとか、そういうような問題については、事実かどうかということは、まあコーチャンが言っておるわけでございますから、そんなことはないではないかということで、明確にとれるものが全然そういうことがとれない。これはやはり幾ら何を言っても疑惑は解決されないと思います。
 時間がありませんので次に進みますけれども、この前の新聞によりますと、この前手入れがありましたときに貸し金庫が見つかったということでございますが、この貸し金庫について何にお使いになっておったのか、お聞きしておきたいと思います。
#1375
○大久保証人 この件につきましては、十七日のこの公聴会におきまして、私の一切の私財を公開するということを申し上げておりますので、いま御答弁のかわりに、委員長のお許しをいただきまして、ここへ持ってまいりましたので、これをどうか国民の皆さんの前に御公開いただきたいと存じますが、よろしければここですぐ御提出申し上げたいと存じます。
#1376
○正示委員長代理 これは理事会で相談をいたしますから、新井委員、しばらく本人に預けておいてください。後で理事会で相談をいたします。
#1377
○新井委員 この前、うちの坂井弘一議員の質問の中で、ID社のシグ・片山氏を知っているかということについては、知らないということでございましたが、先ほどもそういうようなことで説明はございましたけれども、当然これは知っておったのではないか。もちろんその知る度合いとかいろいろございますけれども、全然知らない、こういうような状態では絶対なかったと私は思います。
 そこで、この福田太郎さんについて、先ほどもこれはJPRの仕事の関係で少し知っている程度で、あとは全然知らないということでございますが、ほかに本当に御存じありませんか。
#1378
○大久保証人 最初にシグ・片山氏のことについてもう少しはっきり御説明申し上げたいと思いますが、私は昭和三十九年に米国から財務担当の常務として東京へ、東京通商へ呼び返されました。その当時は東京通商は財政逼迫の真っ最中でございまして、金融に奔走いたしまして、とうていそういう金融関係以外の人に会う暇は全然ございませんでした。引き続きまして、四十一年に合併いたしまして今日に至っておるわけでございますが、この間私は一回もシグ・片山には会ってもおりませんし、また電話もいたしておりません。したがいまして、昨日のいろいろなテレビで報道されたような事実は一切ございません。十三年間にわたって一切ございません。
#1379
○正示委員長代理 次に、石田幸四郎君。
#1380
○石田(幸)委員 大久保氏にお尋ねする問題の三分の一もまだ伺っていないわけですが、時間がありませんから、先ほどの付言をされました福田太郎氏の問題について伺っておきたいと思います。
 いわゆる檜山会長は天地神明に誓って知らないと言う。伊藤氏もJPR以外のことについては知らない。あなたはこの前知っているとおっしゃったんですけれども、きょうは仕事の関係はない、こういうふうにおっしゃっておるのでございますけれども、いわゆるJPRは丸紅の海外PR資料に関係があるわけでしょう。顧問料を払っていらっしゃいますね。それから、丸紅の関係会社として大手町ビルに同居さしておる。これは丸紅と三菱地所との間には、ロッキードのPR会社として同居さしておるわけでありますから、御三方に伺っても全然知らないというわけでございますけれども、一体それでは丸紅の中でこの福田太郎氏の問題についてだれが一番よく知っておるのでありますか。まずこの点が第一点。
 それから仕事上の関係はないとおっしゃいますけれども、私はこのJPRがロッキードのPR会社というのであれば、ロッキード製品販売担当の機械第一本部として当然仕事上の関係はあると思いますけれども、あなたはないと否定された。
 それから三十五年五月から四十六年の八月までに設立をされておったロッキード・モノレール会社、これはある新聞の報道によりますれば、役員の中にクラッター氏、それから大久保氏、それから福田太郎氏、この三人の名前が入っていることになっております。これでもあなたは仕事上の関係はないと言われるのか。
 さらにまた第三点として、例のトライスターがデモンストレーション飛行を行ったときに、コーチャン氏とあなたは同席をされておったし、福田太郎氏も同席されておられたわけでしょう。いま山口委員の質問の中にも出てまいりましたけれども、鹿児島県知事に会ったときも福田太郎氏は同席をしておった。いわゆるトライスター売り込みのために特別飛行をやっておるのであって、そのためにあなたのところも福田氏も努力をしておるわけでしょう。そういうような問題をとらえて、なぜあなたは仕事上の関係はないと言われるのか。この問題を伺っておきたいと思います。おかしいじゃないか。
#1381
○大久保証人 JPRの福田氏はだれが一番当社でよく知っているかという御質問を中心としてお答え申し上げたいと存じますが、現在JPRの福田氏を一番よく承知しておるのは総務関係の責任者だと存じます。これは先ほど御指摘のありました事務室の貸借関係であると存じます。その次に福田氏と一番関係の多いのは広報室であると存じます。これは先ほど御指摘のマンスリー・ブレティンというのを月々出しておった関係で、一番よく知っておるかと存じます。それ以外の点につきましては、同席するというようなことは確かにございますが、仕事上の関係がないと申し上げておりますのは、同席したから仕事があるということではないのでございまして、事実仕事の関係はないということを端的に申し上げているわけでございます。
#1382
○石田(幸)委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、私が質問の第二点の中に申し上げましたロッキード・モノレール会社の問題についてはお答えがございませんでしたね。いかがですか。
#1383
○大久保証人 年月がもし違いましたら非常に申しわけないので、これも推定という前提でお聞きおきいただきたいと存じますが、四十四年の六月に私が機械第一本部長に就任いたしまして、その時点で私はロッキード・モノレールの非常勤役員になっております。このときはロッキード・モノレールはすでに清算会社に入っておりまして、事実上の清算にもうすでに入っておりましたので、確かに役員の名簿には名前は連ねてございますが、役員に仕事上の関係は一切ございませんでした。
#1384
○石田(幸)委員 時間でございますからやめますけれども、同じ会社の役員に名を連ねておって、なおかつ仕事上の関係がないというようなことは私は全く詭弁だと思います。当然この役員としていろいろな決裁事項にお互いに署名をするわけですから、そういうようなことは私は言えないと思うのです。
 いずれにしましても、この福田太郎氏との関係については、あなたの会社はことごとくその人間関係について隠蔽している、そういうふうに私としては断ぜざるを得ません。また後日、この問題については糾明をしたいと思います。
#1385
○正示委員長代理 これにて新井君、石田君の発言は終了いたしました。
 次に永末英一君。
#1386
○永末委員 大久保証人は先日の証言のときに、P3Cの販売についてはほとんど何もやっていない、こういうことを申されました。あなたの後で証言されました松尾社長は、契約上丸紅はP3Cの売り込みをやらねばならない立場であるということを証言されました。契約に忠実であるならば、あなたの方はP3Cの売り込みについて努力をしなければならぬ、こういう立場にあるはずでございますが、やっておられますか。
#1387
○大久保証人 契約上の売り込みの努力というよりも、私どもは最初に申し上げましたとおり、契約上の義務は役務契約が中心になっておるわけでございまして、セールズ契約というものよりも役務契約が中心になっているわけでございます。先般申し上げましたP3Cについては、現在売り込み努力できないということを申し上げておりますので、現在は政府ベースで行われておりまして、いろいろな翻訳文等につきましても、私どもの手元には一切入っておりません。
#1388
○永末委員 コーチャン氏はアメリカ上院の公聴会において、トライスターの売り込みについては昭和四十七年度の秋でもう終わってしまったんだ、こういうことを証言をいたしております。しかし、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド、すなわち日本におけるロッキード社の代表であるクラッター社長はその後も二年間も日本におってロッキード社の活動をいたしておる。何をしていたのでしょうね。
#1389
○大久保証人 この一〇一一が売却されました、販売に成功いたしました後は、当人は居住は確かに六本木の、私、場所もよくわからないわけでございますが、に住んでおりましたのですが、当人はほとんど香港その他インドネシア、そういう所へ飛び回っておりまして、日本に腰を落ちつけておる回数は非常に少なかったかと存じます。
#1390
○永末委員 昭和四十八年、四十九年、このクラッター氏に対するディーク社からの送金はきわめて回数が多くなっておるのでありまして、これはすべてクラッター氏受け取りでございまして、あなたには直接関係がないかもしれませんが、あなたが認識せられているように日本を外にしてインドネシア等へ飛び回っているよりは、日本国内において活動いたしておる証拠が歴然といたしております。彼が受取人でございますから。しかも、四十九年のクリスマスごろ離日いたすまで彼の主たる活動場面は東京であった。そのころ、あなたは会っておられるのでしょう。
#1391
○大久保証人 同人が東京におりますときは必ず会っております。
#1392
○永末委員 四十八年、四十九年、二年間でどの程度会っておられますか。一月に数回ですか。
#1393
○大久保証人 先ほど申し上げましたように、こちらで彼の活動状況はどの程度であったか、私もよくわからないわけでございますが、彼と月に会っておりました回数は、月に平均しますれば二、三回くらいかと存じております。
#1394
○永末委員 月に二、三回も会い、しかも、この四十八年度にはピーナツとピーシズの問題が一件ずつ、四十九年の一月、二月にピーシズの問題が一件ずつ、ここに集中しているわけですね。しかも、月に二、三回会われておりましたら、丸紅とロッキード社との間のロッキード社の製品に関する販売促進と言えば何があるのでしょう。何を話しておられますか。
#1395
○大久保証人 当時はいろいろ大型輸送機のC130の話もございましたし、また、私ども依然としてP2Jの部品の取り扱い等もやっておりますし、また、このころ契約の変更が頻繁に行われておりましたし、そういう点でいろいろ話し合いをすることはきわめて多うございました。また、私どもの口銭等につきましても、これは御提出しなければならない書類の中に入っているわけでございますが、これを十六万ドルに引き上げる等の交渉もございました。
#1396
○永末委員 昭和四十四年の一月十五日に、児玉譽士夫とロッキード社との間にはこのトライスターに関するコンサルタント契約が行われました。そうしてその後、あなたの方とロッキード社との間にはトライスターの手数料に関する約束が行われてまいりました。そのことを念頭に置きますと、四十八年の七月二十七日に児玉譽士夫とロッキード社との間におきましては、P3Cに対するコンサルタント契約は成立をいたしておる。だといたしますと、クラッター氏のもう一つの目的は、あなたとの間でP3Cの売り込みをやるための相談をいたしたというのは当然の成り行きだとわれわれは判断をいたします。そうでしょう。
#1397
○大久保証人 児玉氏に関連いたしましてP3Cの関係は一切ございません。
#1398
○永末委員 あなた方はロッキードに対して非常に弱い立場に立っておられるようでございまして、四十七年の十一月一日の代理店契約のIV項(g)項で、あなたの方はロッキード社が使用する東京都千代田区大手町ビルディング内に、家具も暖房も照明も電話も管理サービスも全部丸紅持ちで、最低二千五百平方フィートの面積の事務所を貸し与える、こう約束しておりますね。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
そこまでやらねばならぬのですか。
#1399
○大久保証人 先生の御指摘の点は、私が本部長に就任いたしましてから私自身も感じた点でございます。これは昭和三十三年契約時から成立いたしておった問題でございまして、その後私どもとしても、運転手の廃止その他につきましては相当強硬な交渉を続けてまいりました。また、家賃の分担等につきましても、これを口銭に含めて増加せよというようなこともいたしまして、昭和四十四年に九万二千五百ドルという一〇一一の口銭が昭和四十五年には十一万三千ドルかにたしか上がっておるかと存じます。それから、先ほど御指摘の昭和四十七年にはこれを十六万ドルに引き上げさせておるわけでございます。
#1400
○永末委員 いまあなたのおっしゃったのは、このことではないんではありませんか。それはすでにあなたの前任者の豊田常務と相手方との四十四年の手紙の約束で、四十八年の成約の最初の受け渡しのときのことが決まっておるのであって、このこととは無関係でしょう。そうでありませんか。
#1401
○大久保証人 いまのこのことと申しますのは事務所のことかと存じますが、絶えず事務所のサービスの問題につきましては契約の口銭の問題等の条件の中に入っておりました。
#1402
○永末委員 同じく四項のh項で、運転手つき自動車を無償で提供する、これはロッキード・エアクラフト・アジア社の日本居住社員が使用するためにというのでございますが、何台提供しておられましたか。
#1403
○大久保証人 一台一人と記憶しております。
#1404
○永末委員 私どもは、あなたがきわめてロッキード社に対して弱い立場で契約を結び、その契約の施行をしておられるとみなさざるを得ない。たとえば、トライスターを売り込むために一体あなたがどういう売り込みの活動をされたか、報告してください。
#1405
○大久保証人 私がトライスターの売り込みのためにどういう動きをしたかということに限って申しますれば、特に私が関心を払いましたのは大阪空港周辺十一市町村の騒音問題に対する問題でございまして、当時全日空としてはどうしても大阪乗り入れが必要であるということが重大課題になっておりましたので、ワイドボデーの乗り入れのための騒音問題のために各所にモニターを置きまして、騒音の測定をするということが一つ。もう一つは、試験飛行のときに十一市町村の代表者を乗せ、また訴訟団の代表者も乗せまして、この飛行機がいかに静かなものであり、また安全なものであるかということも、乗ってもらいまして私が積極的に説明した等が、私の主な一〇一一の販売のための協力でございました。
    〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
#1406
○永末委員 いわば周辺の状況に対してあなたは努力をされたという程度ですね。契約の中心、そのものついて努力をされたのじゃございませんね。
#1407
○大久保証人 御説のとおりでございます。契約の当事者は全日空とロッキード社の間に契約が結ばれております。
#1408
○永末委員 あなたが書き、またあなたが勧められたこの怪しげな領収証について質問をいたしますが、伊藤社長室長が署名をいたしましたときに、あなたは伊藤社長室長の部屋まで上ってそれを書くことを慫慂されたと言われております。さて、伊藤社長室長がそのことのタイプを命ぜられておるときに、あなたはどこにおられたのですか。
#1409
○大久保証人 通常あそこの社長室長のところへ参りますときには、あの横に小さな応接セットがございますので、そこへ座って雑談をしているのが、通常の私のあそこへ行ったときの態度であるといいますか、そういうやり方でございます。
#1410
○永末委員 あなたが四回にわたって十五階へ上って、そうしてそのことを依頼をして、そのペーパーができ、伊藤宏氏がこれに署名をされてあなたに渡されるまで待っておったのですか。
#1411
○大久保証人 私が参りましたときは、過半数の場合、待っておったように記憶しております。
#1412
○永末委員 記憶というのはいろんなことがありますがね、大久保さん。過半数とか了解しているということは、ならぬわけであって。そうでしょう。四回もやられて、しかもその一つ一つについて記憶は定かでないと言われますが、過半数はそこにおった、と。だから、言われて、あなたは六階へ帰られて、伊藤宏氏がまたエレベーターに乗って降りてきてそれをあなたに渡されたこともあるのですね。
#1413
○大久保証人 そういうことは先ほど申し上げたとおりございませんです。
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
#1414
○永末委員 それでは全部十五階で渡されたのですか。
#1415
○大久保証人 そのように記憶いたしております。
#1416
○永末委員 そのサインペーパーをクラッター氏にはどうやって渡されたのですか。
#1417
○大久保証人 必ずクラッターは私の方へ呼びつけて、私、手渡しました。
#1418
○永末委員 この前の証言と違うところは、最初クラッター氏の申し込みがあり、これが実行せられるまでの間に、この前は、時間的余裕がなかったということで出発をいたしました。しかしいまや、きわめて長い時間がある。こういうことは、その間にやはり共同謀議が行われておるということを国民の前にあなたは自白をされていることになりますね。私どもはそう見ざるを得ない。つくられたんだ。すなおに流れたのではなくて、これはつくられたシーンである、このように思います。
 後は河村議員に移します。
#1419
○河村委員 一つだけちょっと聞きます。
 前回の証言の際にあなたは、一九六九年のクラッター氏から豊田氏にあてた手紙によって一機当たり六万七千五百ドルの値引き。これについてあなたは四十四年の六月、六九年六月に本部長になったから、その事実はすでに成立した以後だったということをおっしゃいましたね。それでそのときに、これは開発になかなか金がかかるからそのためであろうということも言いました。そうですね。ところが、その後あなたは現実にこの内容を見られた。ところが、この手紙の一つの条件は、将来の顧客に対してより魅力的な値段をつけるために値引きをする。これは条件ですね。そうですね。実際には条件が成就していなかった。そうすると、ロッキード側のこれは条件の不履行ですね。条件の不履行であれば当然これは修正さるべきものだと思うけれども、なぜそれは修正の要求をされなかったか、私はそれを聞きます。
#1420
○大久保証人 先般先生から確かにそのようにお話がございまして、私も同感でございましたのでそのように申し上げましたが、実はよく考えてみますと、あの当時は具体的にまだロッキード社から全日空にはオファーが出ておらない時点でございましたので、あの文言がまるまるうそだとは考えられないと存じます。あれだけ引いた分だけはまだ正式のオファーが出ないうちはオファー値をそれだけ引き得るということも言えたかと存じます。
#1421
○河村委員 ちょっと一つだけ……。
 それならば一九七三年以降実際に払う段になって、実際に飛行機が売れて払う段階になって当然値引きを要求しなければ、これはあれでしょう、むしろ背任的な行為になるのだと思いますが、そうではありませんか。
#1422
○大久保証人 全日空に対する実際の売り込みの当事者は、全日空の当事者とロッキードの当事者、すなわち恐らくその場に当たったのはエリオット氏だと存じますが、これがダイレクトにやっておりますので、私どもはそれに対する介入の余地はございませんでした。
#1423
○河村委員 時間がないから終わります。
#1424
○荒舩委員長 これにて永末君、河村君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして大久保証人に対する尋問は一応終了いたしました。
 大久保証人には御苦労さまでございました。しばらく控え室でお待ちを願います。
    ―――――――――――――
#1425
○荒舩委員長 この際、お諮りいたします。
 児玉譽士夫君及び福田太郎君の本日の不出頭の件につきましては、先ほど理事が協議いたしましたとおり、やむを得ないものとしてこれを認めるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#1426
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、児玉譽士夫君、福田太郎君につきましては、今後の病状の推移を見て、速やかに、本人の同意を得て、臨床尋問を行う等、その取り扱いを理事会において協議することといたします。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#1427
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 また、カール・コーチャン君及び片山シグ君の両君につきましては、証人として出頭することに関して、重ねて米国政府の了承及び本人の同意を得るよう、外務省より諸般の手続を行い、速やかに出頭できるように取り計らいたいと存じます。
 その日時等につきましては、理事会において協議することといたします。
    ―――――――――――――
#1428
○荒舩委員長 理事の協議に入ります。
 理事の諸君はこの席まで御参集を願い、なお本日の証人喚問についての御協議を願います。
 暫時速記をとめます。
    〔速記中止〕
#1429
○荒舩委員長 速記を始めて。
 お諮りいたします。
 理事の協議により、先ほど証言を求めました大庭証人と若狭証人を同席せしめ、重ねて証言を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#1430
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定をいたしました。
 それでは、先ほど理事会で決定を見ましたとおり、自由民主党十分、社会党二十分、共産党、公明党、民社党十分ずつの発言を、理事会で決定したとおりに行います。御異議ないものと認めまして、さよう決定をいたします。
 それでは、大庭証人と若狭証人の入室を求めます。
 まず、委員長から、ちょっと誤解がある点をただしたいと思いますが、先ほど、大庭証人、あなたは先ほどの証言で鈴木明良の紹介人に原田憲議員の名前を出されましたが、何か証拠があって発言をされたのでありますか。
#1431
○大庭証人 お答えいたします。
 別に現在証拠物件は持っていませんです。
#1432
○荒舩委員長 証拠はありませんか。
#1433
○大庭証人 現在持っていません。
#1434
○荒舩委員長 ただいま伺いました、証拠がないのにやたらに代議士の名前を出されることは誤解を生じます。(発言する者多し)しかも、それは政治生命に関する重大な問題であります。どうぞ明快なひとつ発言を願います。(発言する者多し)――どうぞお発言願います。――どうぞお発言願います。
#1435
○大庭証人 お答えいたします。
 私、先ほど証言台から終わりまして、体が悪くて夕方まで寝ておりましたが、その間に会社へ長谷村の方から連絡がありまして、私が申しました大石代議士と原田代議士の発言につきまして後日確かめたところが、大石代議士の方は私に紹介をしたということでありましたけれども、原田代議士の方は覚えがないということであったという報告を私にしたということで、私がそれにつきまして覚えていなかったわけでありまして、原田代議士については、私に紹介しましたそれは、何と申しますか、原田代議士の知らない名刺であったのじゃないかと存ずるわけで、ここに改めてその担当でありました長谷村の言葉をここにお伝えしまして、私の証言の訂正をいたしたいと存じます。
#1436
○荒舩委員長 名刺があったとかないとかということは、それはにせの名刺であるかないかということはどういうことですか。
#1437
○大庭証人 名刺は誤りの名刺でなかったんかと存じます。
#1438
○荒舩委員長 よくはっきりそれでいたしました。
 発言の申し出がありますので、申し出の時間、お約束どおり発言を許します。松永光君。
#1439
○松永委員 大庭証人と若狭証人との間には、大きな食い違いが証言の中にあるわけです。
 一番のポイントは、大庭前社長さんがおやめになって、若狭新社長さんが就任された際、大庭証人の方から若狭証人に対して、ダグラス社との間にオプションをしたから、三井物産と相談して処理してもらいたいという趣旨の口頭による引き継ぎを若狭さんにしたかどうかという点なんでございます。
 その点については、大庭さんは――若狭さん、ちょっと聞いてください。大庭証人はこういうふうに言っておられるのですが、五月二十九日の六時ごろ、頭に残っていたのは、すなわち大庭さんが自分の頭に残っていたのは、ダグラス社との間にDC10についてのオプションをしたことであった、このことが一番の懸念であったので、そこで、若狭さん、あなたに対して、オプションをしたから三井物産と相談して善処してもらいたいということをあなたに口頭で言って、そして退社をされたというふうに大庭証人ははっきり言っておられます。その点どうですか。あなたはその点の記憶をはっきり言ってください。
#1440
○若狭証人 大庭前社長からそのようなお話を承った事実は全くございません。
#1441
○松永委員 大庭さんにお尋ねいたしますが、あなたの先ほどの証言によりますと、ダグラス社の東京駐在員のどなたかがあなたのところに何か書類を持ってこられて、それにあなたがサインしてダグラス社の方に渡した、こういう趣旨の証言でございましたが、そのとおりでございますか。すなわち、この書類の交換などはなかったのだというふうに申されましたが、そのとおりでございますか。
#1442
○大庭証人 証言のとおりであります。
#1443
○松永委員 そうすると、大庭さんにお尋ねいたしますが、全日空の方には、すなわちあなたの方には、その関係の書類は残っていない、ただあなたがダグラス社の東京駐在員に対してサインをして書類を渡しただけで、別に書類の交換をしたわけじゃないからあなたの方には書類は残ってない、また、サインした書類のコピーしたようなものも書類としてはあなたの方には残ってない、こういうふうに伺ってよろしいのですか。
#1444
○大庭証人 コピーは残っていなかったと思います。
#1445
○松永委員 そうすると、もう一つ大庭さんにお尋ねしたいのですが、あなたの発言として新聞に出たところによりますと、書類を交換し、サインした書類の複写が社に残っているはずだというふうな趣旨のことを新聞記者の人にお話しになって、そのことが新聞に載っているのがあったのでございますが、その新聞の記事は、じゃ正しくないわけですね。いまおっしゃったことが正しいんですね。
#1446
○大庭証人 お答えいたしますが、その件につきましては、コピーをしたとすれば机の引き出しに残っているということを申し上げたわけで、いま私が証言いたしました、コピーはなかったと私は思います。
#1447
○松永委員 重ねて若狭さんにお尋ねいたします。
 書類はなかったようです。交換した書類はなかったようです。それから、書類にサインをして、そのサインした書類のコピーもなかったようですけれども、大庭さんが社長をやめられて退社されるに当たって、日にちも時間もおっしゃっているんですよ、五月二十九日の六時ごろというふうにね。そのときに、自分の頭に残っておった一番の大きな懸念がこのDC10についてのダグラス社との間のオプションの問題であったからあなたに引き継いだ、そして三井物産と相談して善処してくれ、こう引き継いだというふうにこの大庭さんはっきりおっしゃるわけでして、くどいようですけれども、もう一回ひとつ、日ごろも時間も言いましたからね、お答え願いたい。
#1448
○若狭証人 当時の、もう五年前の記憶でございますので明確ではございませんけれども、実は大庭社長がおやめになるということは、突然私に大庭さんから告げられたわけでございます。そういう状態でございまして、そのときに同席いたしましたのは私と先日証言いたしました渡辺副社長の二人でございまして、私一人で大庭社長のお話を承ったという事実はございません。また、先ほどからお答えいたしましておりますように、ダグラス社との間のオプション契約をしたからよろしくというお話を聞いた記憶は全くございません。
#1449
○松永委員 大庭証人にお尋ねいたします。
 あなたもけさほど証言をされましたように、昭和四十五年の一月九日に新機種選定準備委員会が発足いたしまして、そして二月の九日から二月二十一日にかけてアメリカに調査団を派遣して、二月二十一日か二十二日に調査団が帰ってこられた。そしてその調査団の報告に基づいていろいろ調査報告書が出されて検討されたと思うのですが、資料によりますと、調査団が帰ってこられてから、三月四日から四月二十二日にかけて五回ぐらい総括部会が開かれ、五月十九日の日に新機種選定準備委員会の第二回目の本委員会が持たれておる。これが四十五年一月以降五月の中旬までの出来事のようでございますが、そういうふうなわけで、まだその選考の最中、いや選考の緒についただけの段階でオプションをするというのはちょっと考えられない、それから、DC10という飛行機はまだその時点では地上に存在していなかった、だからオプションをなさるはずはない、というふうに若狭さんはおっしゃっているわけなんです。その点いかがですか。
#1450
○大庭証人 ジェットの旅客機は、DC8あるいはボーイングの707ができるころから、飛行機というものは、先方のメーカーの方の仕様書ができますと、先物買いと申しますか、できないものを大体その仕様書によって購入をしていくということが通例になっているわけであります。したがいまして、その後の飛行機というものは、手に入れようとする日限を定めますと、契約前に製造番号を押さえておかないとどうしても希望する日限に入らない。したがいまして、先ほど証言いたしましたとおりに、たとえばダグラスの飛行機を手に入れようとした場合には、事業計画から申しまして四十七年の初めにはどうしても飛行機を手に入れておかないと事業計画は成り立たないという結果が出てくるわけでありまして、したがいまして、その飛行機を手に入れるためには、製造番号をいつ押さえるかが、これは問題点であります。したがいまして、私は私の独断で押さえたのでありますけれども、それは、結論的に言いますと私が全部をリードし、責任を持っていっていたわけであります。したがいまして、私が発注をするということから考えますと、そのときに押さえておかないと、幾ら発注をしても適当な希望する日限に飛行機は手に入らないという結果が生じるわけでありまして、これは単独でも社長としてはどうしても責任上押さえざるを得なかったということでございます。
#1451
○松永委員 時間がありませんので、これで質問を終わります。
#1452
○荒舩委員長 これにて松永君の発言は終了いたしました。
 稲葉誠一君。
#1453
○稲葉(誠)委員 きょうの全日空のこの問題では、機種の選定をめぐりまして国民が非常に注視をしているわけなんですが、お二人の証言が大きな点で全く食い違っております。そのことのためにかえって疑惑は非常に深まっておりますし、同時に、大庭さんがおやめになられた原因になっておる三千億ですか、その融資依頼の問題について、それが仕組まれた芝居ではないか、大庭さんを追い落とすための何か工作がそこにあったのではないかという疑いが多分に持たれるわけでありますから、大庭さんが言われるように、長谷村さんですか、そしてその他の名前の出た二人の政治家あるいは鈴木何がしというものを将来ここで喚問をして徹底的に国民の前に真相を明らかにしていただきたい。そのことが一番大きな問題であるというふうに私は考えるわけでございます。
 そしてお二人の違いの中で一つの点は、常務会で大庭さんは常々ダグラスのことについてお話をしておられたから、若狭さんや渡辺さんもあなたの意向、大庭さんの意向というものは十分わかっていたはずだ、こういうふうにいまあなたはおっしゃるわけですね。そうですね。それでよろしゅうございましょうか。
#1454
○大庭証人 私はそう思います。
#1455
○稲葉(誠)委員 大庭さん、それに対して若狭さんは、そういうようなことは夢にも思わない、とても考えられないことだ、こういうふうに言って、常務会でそういう話は全然出なかったというふうに言われるのですがね。若狭さん、そうでしたね。違いますか。どうですか、若狭さん。いま私が話したとおりですか。
#1456
○若狭証人 先ほども申し上げましたとおり、機種選考はその緒についたばかりの段階でございます。したがいまして、常務会でそういうような御発言が出たということは全く記憶いたしておりません。
#1457
○稲葉(誠)委員 大庭さん、いまお話をお聞きになったでしょう。常務会でそういう話は全く出なかった、出なかったとは言わないけれども、記憶にないと言うのだから、多少そこのところ逃げておりますけれども、そういうことをお聞きになりまして、大庭さんどういうふうにお考えになられるでしょうか。
#1458
○大庭証人 私は、どうお考えになりますかとおっしゃられても困るのでありまして、私はそう思っていましたということでございます。
#1459
○稲葉(誠)委員 そうすると、大庭さんはいまでも天地神明に誓って、あなたがきょうここでおっしゃったことは正しい、こういうふうにみんなの前で、国民の前でお誓いができますか。
#1460
○大庭証人 私は証言をいたしたのであります。
#1461
○稲葉(誠)委員 もう一つの話は、いま前の方も言われました五月二十九日のことです。夜の六時ごろにあなたが腹を決めたときの状況ですね。若狭、渡辺さんに、後に残すものはないかというふうに考えた、まあ、あなたそのときに混乱されておられた、こういうわけですけれども、オプションしただけだから三井に打ち合わせをして始末をしてくれ、善処をしてくれという意味ですかね、そういうことを申して退社をした、というふうなことを言われておられるわけですね。そういうふうに承ってよろしいでしょうか。
#1462
○大庭証人 証言のときに申し上げましたとおりに、私がオプションをしたのは私の考え、独断でやっていたわけであります。したがいまして、引き継ぎというものにつきましては、後に残った者が全部承知している分野が多いわけでございます。ただ、私、独断でやっていたものはそれだけでありましたから、それだけを三井物産に十分話をして善処していただきたい。善処していただきたいということは、そこからダグラスなりロッキードなりのなには白紙還元に変えるわけだと存じます。また、引き継ぐとすれば若狭君の考えにおいて引き継ぐわけで、そこで切れるわけだと存じますが、私はそう申したわけでございます。
#1463
○稲葉(誠)委員 大庭さん、あなたとしては恐らく一生に一度の事件だ、私はこう思うのです。ですから、あなたの記憶というのは、そのときのことは非常に、一生に一度のことだから、よく覚えておられるに違いないと私は思うわけです。これはだれが見てもそういうふうに思うと思うのですが、そうすると、若狭さんと渡辺さんにいま言ったようなことでお話をしたことは、これまたきょう証言したとおりで間違いはございませんね。
#1464
○大庭証人 間違いがありません。
#1465
○稲葉(誠)委員 若狭さん、いまおっしゃったようなことなんで、三井物産に後から来てもらって話をしたとか、渡辺さんが何か、ちょっとそこのところはっきりしませんけれども、どうこうしたということでオプション――オプションというもののいろいろな内容はありますよ。これは法律的な拘束力がある場合もあるし、ない場合もあるし、いろいろありますけれども、いまああいうふうに大庭さんは――私は一生に一度のことだと思うのですよ。大庭さんとしては恨み骨髄に達していることだ、こういうふうに思うわけですから、その記憶というものは、私は大庭さんの方が正しいというかコレクトだと思うのですよ。だからあなたは、そういう事実は絶対にないというふうに言い切るのか、いや記憶がないと言うのか、あるいはまたもう一遍よく考えてみたいと言うのか、そこら辺のところは、あなたどうなんでしょうか。
#1466
○若狭証人 私にももちろん、一切そういう記憶はございません。また、この前同席いたしました渡辺君に記憶のないことも、あのときお聞きになったとおりでございます。そういう事実は絶対にございません。
#1467
○稲葉(誠)委員 それではお二人にお聞きしますけれども、どうしてそういう重要な点がお二人の間で食い違うのでしょうか。この点については、これは無理な質問かもわからぬけれども、どうしてそういうふうに食い違うのでしょうかね。何か特別な理由があるのでしょうか。どうなんですか。――私の質問の意味がわかりますか。どうしてそういうふうに食い違うのでしょうかね。そう言われても困る……。それは困るかもわからないね。
 それではお聞きいたしますけれども、大庭さんは日本航空から来られた方であって、技術屋系統の出身の方ですね。そのとおり間違いございませんね。
#1468
○大庭証人 おっしゃるとおりでございます。
#1469
○稲葉(誠)委員 あなたがダグラスをいいというふうにお考えになった根拠を簡単にお話し願いたいと思うのです。ずいぶん長い間、日航時代から研究してこられたというのでしょう。どういうことからダグラスが一番いいというふうにあなたはお考えになったのでしょうか、簡単でいいですけれども。
#1470
○大庭証人 それでは簡略に申しますが、機種選定というものはいろいろむずかしいものがあるわけであります。しかも、いろいろお聞きになったとおりに、将来社運を傾けるようなものが起きないとも限らないわけであります。そして、長くなりますが、私は、先ほど申しましたジェットのDC8、ボーイングが出しました707というものを、これはできないうちに選ばなければいけない立場に立っていたわけであります。そのときになぜダグラスの8を日本航空は選んだかというと、ボーイングが初めて民間機を製作したのが707であります。したがいまして、そこには、私たちがなじんでいますダグラスのいわゆる民間機としての安全性とか、整備のしやすさとか、あるいは交換部品のしやすさとか、そういうものについて、どうしても結論的にボーイングよりもダグラスの方がベターであるという結果、DC8を選んだのであります。その結果は御承知のとおりであります。
 また、次の機種として、コンベアとボーイングの多分720であったのではないかと思いますが、両者を国内に入れるために、どちらを選ぶかということであったわけであります。ボーイングの方ではもうすでに707に手なずけて次の段階に来ておったわけでありますが、コンベアの方は最初の民間機でございます。しかし、そのときにコンベアの会社が相当左前になりまして、GEという会社がそこに乗り出して、GEの会社になっていたわけでありますが、技術的に相当性能がいい、また電気的に今後相当改良されるという希望で私はコンベアを選んだわけでありますが、御承知のように、これは私の大失敗であったわけであります。これは十機前後つくりまして、後の機材が出なくなった。これにつきましては、日航の整備力があったからこそこれを手なずけて、それを完全な運航に持っていったわけです。そういう苦い経験を持っているわけであります。
 したがいまして、私が全日空に移りまして、国内機、YSのかわりに何を使うかという段階に立ち至りまして、ダグラスのDC9とボーイングの737というものをどちらを選ぶかという段階に立ち至ったわけでありますが、性能的にはどちらも大体同じようなものでありましたが、ダグラスはそのときに左前になって、いわゆる御承知のようにマクダネルが進出してきたわけでありまして、そういう状態の不安定さというものを私は配慮しまして、737を選ばして、四十五年の初めに手に入れるようにしたわけであります。したがいまして、総体的に調査いたしました結果では、性能的に恐らく、そのときの状態からいくとロッキードの方が性能的にはすぐれていたと私は思っています。しかしながら、総合的にどちらを選ぶかという段階になりますと、御承知のようにロッキードは最初の民間機でございます。軍用機ばかりをつくって、性能では恐らく民間機よりもすぐれた性能を持っている、また新しい、民間機にないものを備えているということも事実でありましたけれども、果たしてこれが安全性あるいはメンテナンスのよさというものから比較対照いたしますと、性能とどちらがいいか。私はむしろ性能よりも安全性であり、メンテナンスのしやすい機材というもの、あるいは今後補給というものを十分考えていっているDC10の方というものがむしろベターでないかと考えていたわけです。そこへもってきて、先ほど御説明したようにロッキードはどうやら左前になってきていますし、それの補助として、いわゆるアメリカのエンジンを使う立場にありながら、イギリスのロールス・ロイスを選んだ、そこにいわゆる経営的な困難さというものはいずれはあらわれてくるのではないか、これを選んで果たして将来全日空として持っていけるかどうか。また、その性能のいいだけメンテナンスというものは困難であります。したがいまして、そのときの全日空の整備力からいって、果たしてこれで十分に持っていけるかどうかというものを考えますと、どうしても私はダグラスを選ばざるを得なかった。しかもダグラスを選んでおけば、メンテナンスについては日航の援助がもらえるという私には一つの望みがあったものですから、四十七年度というものにポイントを置いていくと、どうしてもそのときダグラスにせざるを得なかったと申すのが現状でございます。
#1471
○稲葉(誠)委員 若狭さん、いま大庭さんが言われましたね。そのことについてあなたはどういうふうにお考えでしょうか。あるいは反論することがございましたらば、やはりあなたにも機会を与えないといけませんから、そうしていただきたいと思います。
#1472
○若狭証人 社内に機種選定準備委員会ができたばかりの段階でございますし、まだダグラスもロッキードも全く机上のプランの段階でございます。したがいまして、会社としてどれにするかという決定する段階では全くございません。そのように考えております。
#1473
○稲葉(誠)委員 いまのお話の中の整備力の問題。全日空の場合は整備力がどうしても足りないとか、その後の維持の問題から考えて、そこで大きな問題があった、こういうふうに言われるわけでしょう。私は専門家でないからよくわかりませんけれどもね。そういう点についての考え方をお聞きしたがったのですが、あなたとしても十分言われなかったからあれですが……。
 そこで、大庭さんがおやめになった理由が、何か一つは会社内の不統一ですね。それからさっきの念書の問題がありましたね。そうすると、会社内の不統一ということについて大庭さんいろいろ説明されたのですが、それは一つは、若狭さんは法学部関係で運輸官僚というか、あなたは理工学部を出られた技術屋さんですね。同時にそれから日本航空の出身ですね。あなたの方は全日空生え抜きだ。生え抜きというか、天下りだから生え抜きかどうかは別として、生え抜きだとして、全日空の中には日本航空とそれからアンチ日本航空というそういう二つの対立があった。こういうふうなことも含めて、会社内の不統一ということがあってあなたはおやめになったのじゃないか。それから仕組まれた芝居もあっておやめになった。こう思うのですが、会社内の不統一ということをもう少し大庭さんから御説明を願って、そしてあとは若狭さんの方からまたお聞きしたいと思うのです。おやめになった理由をひとつ……。
#1474
○大庭証人 会社内の不統一と申しましても、その不統一を何らか私の努力によって、いわゆるアンチ……(稲葉(誠)委員「不統一の内容」と呼ぶ)アンチ日本航空という考え方をなくして、いわゆる航空界は一本のエンジニアリングで進んでいくようにするのが私の望みであったわけであります。したがいまして、その方向へ進めてきたわけであります。したがいまして、技術陣容はその方向へ進んできたと思いますが、どうしてもそれに対しては人事権とかいうものを持っていないと、十分ないわゆる社長としての企画が進んでいかないわけであります。そういう面におきまして、いろいろ私としましては三年間苦労はいたしましたが、何とかして私を推薦していただいた松尾さんの意思に沿うべく私は夢中で努力していたというのが私のなにでありました。いろいろ社内の不和というのがありますが、その点につきましてあからさまに申されいと申しましても、私はちょっとここで言いづらいと思います。
#1475
○稲葉(誠)委員 いまの話を若狭さんお聞きになりまして、これは会社の内部の話を国民の前に公開するというのも、あなたたちいろいろあるかもわかりませんけれども、あそこまで大庭さんがしっかり、はっきり言われておるわけですから、これは、片一方だけ聞いて片一方だけ聞かないというのはあれですから、あなたのお話もお聞きして、それで終わりにしたいと思うのですが、結局話は非常に食い違っておるわけでしょう。そうすると、どちらかが偽証されておる。いいですか。どちらかが偽証されておるということになるわけですから、われわれとしてはきょうの議事録をちゃんと拝見して、どちらが一体偽証なんだろうか。委員長、宣誓をしておるわけですから、どちらが偽証なんだろうかということは本委員会なり何なりで――本委員会にしましょう。本委員会で徹底的に追及をせざるを得ないということを私は最後に申し上げて、あなたのお話を聞いて終わりにしたいと思います。
#1476
○若狭証人 大庭さんは私の先輩でございます。運輸省の先輩でございます。(稲葉(誠)委員「学校が違うだろう」と呼ぶ)もちろん大庭さんは技術系統でございます。私は事務系統でございますが、いずれも運輸省の同じかまの飯を食った仲でございます。したがいまして、その間に意思の疎通のとやかくという問題は私は決してなかったと思います。ただ、いま申し上げましたDC10の問題につきまして、オプション契約があった、それをよろしくということは、私は全く聞いた事実はございません。ただ、私は、大庭さんは私たちの先輩でございますし、また、全日空の整備力の強化のために大変な努力をなさったということについて常に感謝いたしております。そういう関係でございますので、そのために社内の不和があったとか、あるいはそのために社長をおやめにならなければいけなかったというふうには、私は感じておりません。
#1477
○荒舩委員長 これにて稲葉君の発言は終了いたしました。
 次に三浦久君。
#1478
○三浦委員 大庭さんにお尋ねいたします。
 大庭さんは、オプション契約というのはどういうものだと思っていらっしゃいますか。
#1479
○大庭証人 オプション契約というものは、ある日限を切りまして、製造番号を押さえるということをオプション契約だと私は存じています。
#1480
○三浦委員 大庭さんは終始一貫、オプション契約についてはいまのようにお答えになっていられるわけですけれども、それで若狭証人にお尋ねしますけれども、あなたはオプション契約というものはどういうものだと考えておられますか。
#1481
○若狭証人 オプション契約にもいろいろなものがございまして、具体的に証拠金を出した契約という場合もございます。ただ、いま大庭証人がおっしゃいましたような製造番号を押さえておく、そして適当な時期までにもし発注がなければ効力を失うという契約も当然ございます。
#1482
○三浦委員 あなたは今度の審議の中で、オプション契約についてどのような答弁をいたしておりますか。オプション契約についての内容が変わってますけれども、どういうように答弁されたか、記憶ありますか。
#1483
○若狭証人 私は一貫して同じ答弁をいたしていると思います。
#1484
○三浦委員 あなたは、きょうの委員長の質問でもそうです。前回の証言でもそうですけれども、オプション契約というのは非常に重いものなんだということを強調されておる。それからまた、今度私の質問に対しては、別に義務を伴うものではありません、だからあったかなかったかは余り大きな問題ではないんです、こう言われているのですね。あなたはくるくるくるくる変わっているのですよ。そして前回はどういうふうにおっしゃっているかといいますと、「オプション契約というのは正式の契約を結んでやるものでございまして、単なるサインで終わるものではございません」「そういう事実があったのかなかったのか、あったならばわれわれは損害賠償の責任に応じなければいけない。」、それで三井物産に確かめたのだ、こういうことまで言っておられるのです。
 こういうように、オプション契約についてくるくるくるくる内容が変わるのはどういうわけなんですか。
#1485
○若狭証人 ただいま申しましたように、オプション契約には、正式に契約を結び証拠金を出すという契約も当然あるということを申し上げたわけでございます。
 それからもう一つの問題は、いま申しましたような法律的な義務はない、あるいは道義的な責任もないというような問題がございましても、一つの社の代表者が特定のメーカーに対してオプションを行うということのやはり経済的な、あるいは政治的な社会的な意味というものがあることは確かでございます。したがいまして、法律的責任あるいは道義的な責任というものは別といたしまして、具体的な問題として処理しなければならない問題があったであろうというふうに私は考えたわけでございます。
#1486
○三浦委員 この審議の中で問題になっているオプションというのは、製造番号を押さえておく、そういうオプションなんですよ。それが一貫して議論になっている。オプションの説明についても、たとえば同僚の議員が言っておりますけれども、いわゆる製造ナンバーを二、三機押さえられたという事実がありますか。――そういうようにいわゆるオプション契約、製造ナンバーを押さえるというオプション契約というものが、前回の証言から今度の証言に至るまで一貫してそのことが問題になっているのであって、そのときそのときであなたがオプション契約の内容を使い分けられるというような状況にはないのです。なぜあなたが勝手に、自分が言いたいほうだいにくるくるくるくるオプション契約の内容を変えられるのですか。非常におかしいですね。どうですか。
#1487
○若狭証人 オプション契約の内容は私は全く関知いたしておりませんので、したがいまして、それがどういうものであったかということについての内容については、私が知っているわけはございません。したがいまして、一般的な航空界の常識としてのオプション契約の中には、正式の契約を結んで証拠金を出すものもありますし、先ほどから申しておられますような、単に、単純に製造番号を押さえただけというものもあったでありましょうけれども、私はオプション契約といういま言われているものの内容については全く知らされておりませんので、わからないわけでございます。
#1488
○三浦委員 わからないのになぜじゃその内容についてお話しになるのですか。大庭さんを攻撃するときには、正式な契約を結ばなければならない非常に重大な問題なんだ、それを大庭氏が取締役会にも諮らないで勝手にやった、そういうことであなたは大庭さんを責めておられるのですよ。そうしてきょうは、私から問われると、いや、それは法律的な意味がない、大したものでありませんからちょっと確かめただけなんですよ、そういうふうに変えられているのですね。もしか、内容がわからないというのであれば、そういう答弁は出てこないじゃありませんか。どうしてそういうふうにくるくるくるくる変わるのですか。もう一回説明してください。
#1489
○若狭証人 内容が不明でございましたから、いろいろな場合があるということを申し上げただけでございます。
#1490
○三浦委員 これは全く詭弁であります。委員長も御承知のとおり、ここのオプションというのは、その場その場で変わっているオプション契約が問題になっているのじゃないのですよ。大庭さん自身が結んだオプション契約というものが問題になっているのだから、あなたが損害賠償を伴うオプション契約だというふうにそれを判断したならば、それで一貫して通さなければならないし、法的義務のないオプション契約だというのであれば、それで一貫して通さなければならないものじゃありませんか。それをあなたが答弁の都度変えられるというのはどういうわけなんですか、それは。
#1491
○若狭証人 損害賠償を伴うようなそういうオプション契約もございますから、そういうものであるかどうかを確かめたということを申し上げたわけでございます。
 それから、いまのお話のような製造番号を押さえるだけと申しましても、それは法律的には問題はありません。政治的にも問題ない。あるいは道義的にも問題ないかもしれませんけれども、会社といたしましては、社内的にも準備委員会が発足した直後のことでございますから、そういうような状態にすることについてはやはり私は問題があったろうというふうに率直に考えているわけでございます。
#1492
○三浦委員 これはおかしいですね。法律的な義務のあるオプションかどうかを確かめた、そういうことじゃないでしょう。あなたたちは法律的な義務がない、だからオプションはないのだ、こういうふうに主張されているじゃありませんか。
 時間がありませんから次に移りますけれども、大庭さんにお伺いしますが、あなたは昭和四十七年の初めに大型機を導入する、そういう計画を立てられて、そうして四十五年の三月ごろまでには機種を選定しておかなければならないというふうにお考えになったわけですね。
#1493
○大庭証人 そのとおりであります。
#1494
○三浦委員 若狭証人にお尋ねしますが、その点いかがですか。
#1495
○若狭証人 もちろん一応の計画は四十七年四月でございますけれども、その後の大型機の就航状況その他を検討しなければいけませんし、また需要の動向も見定めなければいけませんので、四十七年四月は私は非常に困難であるというふうに当時から考えておりました。
#1496
○三浦委員 若狭証人にお尋ねしますけれども、新機種選定準備委員会を昭和四十五年の一月に発足をさせたとき、あなたは新機種の決定というのはいつごろにしたいというふうにお考えになっておられたのですか。
#1497
○若狭証人 もちろんできるだけ早く結論が出ればいいわけでございますけれども、具体的に検討の対象となる機種の具体的な内容がいろいろな点で明確になったときに決定すればいいというふうに考えておりました。
#1498
○三浦委員 ここに昭和四十五年の二月十一日の業界紙「ウイング」がありますが、ここであなたは記者のインタビューに答えて――このインタビューというのは、いわゆる第一次調査団としてアメリカにあなたが行かれる前に記者にインタビューしているわけです。ここで、三月初めごろにはいわゆる決断を下す予定だ、こういうふうにおっしゃっているのです。これはあなた、間違いありませんか。
#1499
○若狭証人 ただいま記憶いたしておりません。
#1500
○三浦委員 あなたはこの前、野間議員の質問に答えて、その報道は誤報でありますとはっきり述べておられるのですよ。野間議員の質問に対して、この「ウイング」の記事は誤報であります。四十五年三月に新機種を決定するように決断したい、そういう記事は誤報でありますと言っていますよ。記憶ありませんか。
#1501
○若狭証人 そういう記憶はございません。
#1502
○荒舩委員長 時間を詰めてください。
#1503
○三浦委員 これはあなた自身が昭和四十五年二月十一日に述べたことと、いま大庭さんが証言されていること、昭和四十五年三月までに新機種を決定したいということ、このこととは一致するわけですね。そうすると、あなた自身が虚偽の陳述をしているということになるわけです。
 終わります。
#1504
○荒舩委員長 これにて三浦君の発言は終了いたしました。
 次に坂井弘一君。
#1505
○坂井委員 大庭さんは、五月二十九日にいよいよ意を決せられまして全日空を引かれる、その際に、若狭さんに対して、オプションのことが大変気にかかるからそのことについてはきちんと話をした、ところが若狭さんは全然聞いていない、これはもう全くの真正面からの食い違いであります。これはだれしもが納得できるものではございませんし、ましてや国民がこの姿を見まして、これは何らかの政治的な圧力がかかっているのであろう、こういう疑いを、不信を私はさらに大きくしておる、こう思うわけでございます。
 そこで、最初に若狭さんにお尋ねをいたしますが、いま申しました、大庭さんが五月二十九日の、それも午後六時ごろあなたにお会いになった。その際、あなたは渡辺専務と二人で大庭さんに会われた、こういうことであります。その場所はどこですか、まずお伺いしたい。
#1506
○若狭証人 社長室でございます。
#1507
○坂井委員 六時から何分ぐらいお話しになりましたか。
#1508
○若狭証人 恐らく二十分ぐらいではなかったかと思います。
#1509
○坂井委員 その日の天候はいかがでしたか。
#1510
○若狭証人 明確に覚えておりません。
#1511
○坂井委員 何か飲み物があったと思いますが、お茶ですか、ジュースですか、何でしょう。
#1512
○若狭証人 明確に覚えておりません。
#1513
○坂井委員 では大庭さんにお尋ねします。
 あなたは五月の二十九日夕方六時から、この際会われた方は若狭さんと渡辺専務、ほかにどなたかいらっしゃいますか。
#1514
○大庭証人 最後に会社のことの話し合いはお二人でございました。
#1515
○坂井委員 先ほど若狭証人は渡辺専務も同席をしたということでございますが、渡辺専務はその席には同席していないとここで証言できますか。
#1516
○大庭証人 お二人と申したのは、若狭君と渡辺君と二人だったと思います。
#1517
○坂井委員 あなたの秘書は同席をしておりませんか。
#1518
○大庭証人 私はよく覚えていませんが、同席はしていなかったように思います。
#1519
○坂井委員 あなたがその席で若狭さんに、オプションのことはひとつよろしく頼む、一番気になったことですね、ですから、かたがた念を押してそれを頼んだ、こういうことでございますが、その際、若狭さんはどう答えられましたか。
#1520
○大庭証人 私は一等気になっていた、私個人でオプションをしていたわけでありますから、それは対外的に影響を及ぼすものでございますから、若狭君に、ひとつこの件についてはよろしく頼むと言い置いて退社したと思います。
#1521
○坂井委員 さらに念を押します。若狭さんは絶対聞いてないと証言できますか。
#1522
○若狭証人 私は聞いておりません。
#1523
○坂井委員 では若狭さんにお尋ねします。
 先ほど大庭さんは、このオプション契約の中にターゲットデーが入っておった、日にちは忘れた、こういうことでございます。一般的にターゲットデー、つまり正式契約の日が入っておった場合、それは契約の相手先でありますところのダグラス社から、契約の日が来れば当然全日空に問い合わせがあると思いますが、若狭さんはそのことについてどうお考えになりますか。
#1524
○若狭証人 そういうオプション契約があったということを私は存じませんし、そういう問い合わせがあったという事実はございません。
#1525
○坂井委員 では重ねて大庭さんにお尋ねします。
 ターゲットデーは確かに入っておった。そういたしますと、ターゲットデー、つまり正式契約の日が来ますと全日空には必ずダグラス社から問い合わせが来ると、あなたはそうお考えになりますか。
#1526
○大庭証人 来ると思います。ただし、申し上げますが、私はそういうように申して退社したわけでありまして、過日の若狭君の発言を聞きますと、三井物産にいろいろ御質問なさったそうでございますので、そのときに私はすべてが切れたんでないかと思われる節もあるわけでございます。
#1527
○坂井委員 それでは話をもう一度最初に戻します。
 最初、社長室で三井物産のだれかが来て、そうしてダグラス社の東京駐在の相手先の方と大庭さんがここでオプション契約、これをサインするわけでありますけれども、その際、全日空側としてどなたかそのあなたのサインに立ち会われましたか。
#1528
○大庭証人 私が単独でやったと思います。
#1529
○坂井委員 あなたの秘書であります長谷村さんは同席いたしませんか。
#1530
○大庭証人 長谷村は私の秘書ではありません。したがいまして、先ほどの質問に出ました融資の問題に特命で長谷村に命じていたわけでありまして、長谷村は私の秘書ではありません。
#1531
○坂井委員 あなたの証言によれば、確かな日は忘れた、こういうことでございますが、あなたの社長室でこのオプション契約を結ぶまでに、当然事前交渉が相手側、ダグラス社となければならぬと思いますが、その交渉にどなたかを充てられましたか。
#1532
○大庭証人 そういうものは私自身でやっていたわけでありますから、だれも立ち会っていないと思います。
#1533
○坂井委員 ダグラス社側の代表は、このオプション契約にサインしましたか、あるいは印鑑を押しましたか。
#1534
○大庭証人 私の記憶では、私がサインをしたと先ほど証言しましたように、多分それは代理店の方でなかったかと存ずるわけで、本社へ送るために私のサインがほしいということでサインしたと存じているわけであります。
#1535
○坂井委員 そうしますと、社長室のロッカーにも一通を入れたということをあなたは前にお述べになっておったようでございますけれども、それはそうではない。つくったのは一通だ、相手側に渡した、相手側のサインはない、サインのあるのはあなただけだ、こういうことでございますか。
#1536
○大庭証人 先ほど証言したとおりでありまして、サインしたのは一通だと思います。ただ新聞社の問題は、聞かれたときに、もしコピーをしたんであったならば私の机のファイルの中にあったはずだと申し上げたわけで、私の記憶では私がサインしたものを先方が持ち帰ったと存じています。
#1537
○坂井委員 では問題をかえます。
 若狭証人にお尋ねしますけれども、トライスターを二十一機、仮発注から正式発注、取得に至るわけでございますけれども、最初の六機、つまりJA八五〇一からJA八五〇七番まで、この六機につきましてオプション契約を結んだ日にちはいつですか。
#1538
○若狭証人 先ほど御説明申し上げましたように、オプション契約というものはこの場合にはございませんで、昭和四十七年十月三十一日に、正式契約を締結するいわゆるファームオーダーという交渉を、ロッキード会社との間に開始したわけでございます。
#1539
○坂井委員 大庭証人にお尋ねいたします。
 仮発注が四十七年の十月の三十日であります。いま若狭証人の証言によれば、オプション契約はなかったということであります。これが正式契約が四十八年の一月の十二日。これは一号機であります。取得が四十八年の十二月の十八日。この間一年と二カ月間であります。オプション契約なしで一年二カ月の間にすでにこの航空機を取得する、こういうことは可能でしょうか。
#1540
○大庭証人 午前中の御説明の中に申し上げたと存ずるわけでありますが、製作会社というものはその飛行機の製作番号に会社自身が特別に持っている番号があるわけでありまして、したがいまして、その番号を利用したとすれば早く取得できると思います。(「医者を呼べ、だめだ、無理はよせ」と呼ぶ者あり)
#1541
○荒舩委員長 坂井君、もうすでに時間が超過しておりますが……。
#1542
○坂井委員 大変お疲れのようでございますから、一言だけ申しまして私は終わりますけれども、いま証言をいただきながら私はこう思います。すでにロッキード社のこのトライスターにつきましては、全日空にいつでも仮発注ができる体制にあったということ、したがってオプション契約を結ぶ必要はさらさらなかったということ、こういうことが事前に決まっておった。したがって、十月の三十日ぎりぎりに、DC10とトライスターが争って決まらなかった、当日に決まった、ということはこれはきわめて信憑性がない。これでは説明はとうていつかないと思います。したがって、最初からトライスターの導入ということをあらかじめ決めて、すでに着々とその準備が始まり、進んでおった、こう言わざるを得ないということを一言申し上げまして、終わります。
#1543
○荒舩委員長 これにて坂井君の発言は終了いたしました。
 次に河村勝君。
#1544
○河村委員 大庭証人大分お疲れのようですから、なるべく返事をしないで済むように簡潔にやります。
 この証人お二人の食い違いというものは――大庭証人には一言言えばいいようにしますから、イエスかノーかだけ……。
 このお二人の証人の発言の食い違いというのは、これは双方ともに決め手といいますか物的証拠がありませんから、ここで幾らやってもこれは結論が出ないものであります。大庭証人は、このオプションを決定したことについて社内にはだれにも話さなかったかもしれない、こう言っておられる。同時に物的な証拠がない、契約書がない。だからあとは引き継ぎのときの実際に引き継がれるかどうかしか残らないわけであります。それに対して、さっきからお二人に対して質問があります。これを最終的に確認をいたします。
 大庭さんは引き継ぎを確かにされたとそうおっしゃっているわけですね。
#1545
○大庭証人 そうであります。
#1546
○荒舩委員長 立たないで、そのまま。
#1547
○河村委員 若狭さんは引き継ぎを受けてないとおっしゃっている。
#1548
○若狭証人 私は、先ほどから何回も申し上げておりますように、大庭社長からそのような引き継ぎを受けた記憶は全くございません。ただ、前社長と私がいまここでこういうようなお話をしなければならないということはまことに残念でございますけれども、当時の状況を申し上げますと、その午後までは大庭さんがおやめになるということは私たちも全く知らなかったことでございます。私が大庭さんの部屋に呼ばれて、私と渡辺君が呼ばれて初めて大庭さんからおやめになるということを聞かされたというような状態でございまして、大庭さん自体も大変私は混乱しておられただろうと思います。そういう意味におきまして、私はここであったとかなかったとかいうことを争うのは全く残念で申しわけありませんけれども、しかし、物事は明白にしておかなければいけませんので、先輩に対して申しわけないと思いますけれども、そういう引き継ぎはなかったということを明確にしておきたいと思います。
#1549
○河村委員 そこで、引き継ぎがあったかなかったかということは、事実関係には私は直接関係がないと思う。この場合、大庭さんがやられた、大庭さんの言葉で言えばオプション、このオプションがやられたことが、それが適当であったかどうかということは、これはお互いにいろいろ議論があるかもしれないけれども、しかし、実際大庭さんがサインをして、それでダグラス社に渡した。その行為によって現実に飛行機の製造番号が押さえられて、それで何機かが全日空用につくられつつある。同時に、それはダグラス社からも若狭さんにその後連絡があったということまでは若狭さんも承知しておられる。そうすれば、オプションがいいか悪いかと――いまは食い違いのことだけに限定して議論をすれば、大庭さんが決めて実行されたことによって、そうした一般的に言うオプションに基づく事実が発生している。そこまでは若狭さん、認められるわけですね。
#1550
○若狭証人 いま先生のおっしゃるとおりでございます。
#1551
○河村委員 実際この問題は若狭さんは否定しておられるけれども、大庭さんはダグラス社と直接オプションをやられたと言っている。三井物産は現実にこれに関与しておって、三井物産はそれに従って製造番号を押さえたりして、結局後ではそれは売れなくなったために他国に売るためのあっせんを責任上やっている。そういうこともあるわけですね。ですから、あったことはこれは間違いがない。ただ、それは若狭さんは知らなかったかどうか一応別にいたしまして、三井物産とその後話されてそれによってこのオプションは消えた。これも間違いないところだと思う。でありますから、事の当否は別にして、事実関係としては確かにあった。お互いに知っていたか、連絡があったかどうかということは、これはわからないけれども、しかし、事実関係に余り関係がないんじゃないか、私はそう思います。でありますから、要は一回確かに――若狭さんがそこに道義的、法律的に責任がない。それもそうでしょう。だけれども、しかし、そういう事実があって、それでその後にトライスターに変わったという事実もまたあるわけですね。ですから、結局はこうした事実を前提にした上で、その後トライスターが選定された過程において何か外部から圧力があって、それで適正に決められるべき機種の選定が曲げられたかどうか、そこのところに最後の問題が帰結するのでしょう。
 そういうことじゃありませんか。いかがですか、若狭さん。
#1552
○若狭証人 いま先生のおっしゃるとおりであると思います。この点につきましては、私は、私の意見だけではなしに機種選定について、先輩である大庭証人の意見も聞いていただいた方が、大変おこがましい話でございますけれども御参考になるのではないかというふうに考えております。
#1553
○河村委員 いま私は両証人の食い違いだけについてここでは論及するつもりですから、それからあとの問題については、先ほどの証言についていろいろ私も疑問の点を申し述べました。それをここで繰り返そうとは思いません。でありますから、一つの事実があって、いずれにせよそれが消えて、新しくトライスターが選定されたという過程の疑問についてはなお今後の問題に残しまして、そこまで私は申し上げて、これで私の質問は終わります。
#1554
○荒舩委員長 これにて河村君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして、大庭証人及び若狭証人に対する尋問は終了いたしました。
 御両人にはお引き取りを願って結構でございます。遅くまで御苦労さまでございました。
 以上をもちまして、証人に関する議事は終了いたしました。
 次回は、明二日午前九時三十分理事会、午前十時より委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後十一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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