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1975/03/02 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第21号
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1975/03/02 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 予算委員会 第21号

#1
第077回国会 予算委員会 第21号
昭和五十一年三月二日(火曜日)
    午後一時十九分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 井原 岸高君 理事 小山 長規君
   理事 塩谷 一夫君 理事 正示啓次郎君
   理事 山村新治郎君 理事 小林  進君
   理事 楢崎弥之助君 理事 松本 善明君
   理事 山田 太郎君
      伊東 正義君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    江崎 真澄君
      小澤 太郎君    大石 千八君
      大野 市郎君    奥野 誠亮君
      北澤 直吉君    倉成  正君
      黒金 泰美君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    瀬戸山三男君
      田中 龍夫君    谷垣 專一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    藤井 勝志君
      前田 正男君    松永  光君
      森山 欽司君    渡部 恒三君
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    石野 久男君
      佐藤 観樹君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    安井 吉典君
      湯山  勇君    横路 孝弘君
      田代 文久君    寺前  巖君
      林  百郎君    沖本 泰幸君
      坂口  力君    小平  忠君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      福田 赳夫君
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        外 務 大 臣 宮澤 喜一君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        厚 生 大 臣 田中 正巳君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       福田  一君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      植木 光教君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      松澤 雄藏君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      佐々木義武君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長代理   橋本 徳男君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 吉野 秀雄君
        警察庁刑事局長 土金 賢三君
        警察庁刑事局保
        安部長     吉田 六郎君
        警察庁警備局長 三井  脩君
        行政管理庁行政
        監察局長    鈴木  博君
        経済企画庁調整
        局長      青木 慎三君
        科学技術庁計画
        局長      安尾  俊君
        科学技術庁研究
        調整局長    大澤 弘之君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 野津  聖君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      堀川 春彦君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        外務省アメリカ
        局長      山崎 敏夫君
        外務省経済局長 本野 盛幸君
        外務省条約局長 中島敏次郎君
        大蔵省主計局長 吉瀬 維哉君
        大蔵省証券局長 岩瀬 義郎君
        大蔵省銀行局長 田辺 博通君
        大蔵省国際金融
        局長      藤岡眞佐夫君
        国税庁長官   中橋敬次郎君
        国税庁次長   横井 正美君
        厚生大臣官房長 宮嶋  剛君
        厚生省公衆衛生
        局長      佐分利輝彦君
        厚生省環境衛生
        局長      松浦十四郎君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部長 山下 眞臣君
        厚生省薬務局長 上村  一君
        通商産業省貿易
        局長      岸田 文武君
        通商産業省立地
        公害局長    宮本 四郎君
        通商産業省基礎
        産業局長    矢野俊比古君
        通商産業省機械
        情報産業局長  熊谷 善二君
        運輸省航空局長 中村 大造君
        労働省労働基準
        局長      藤繩 正勝君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     渡部 恒三君
  櫻内 義雄君     大石 千八君
  松永  光君     細田 吉藏君
  堀  昌雄君     佐藤 観樹君
  正森 成二君     寺前  巖君
  三浦  久君     田代 文久君
  正木 良明君     沖本 泰幸君
  矢野 絢也君     坂口  力君
  河村  勝君     和田 耕作君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 千八君     櫻内 義雄君
  細田 吉藏君     松永  光君
  渡部 恒三君     江崎 真澄君
  佐藤 観樹君     横路 孝弘君
  沖本 泰幸君     正木 良明君
  坂口  力君     矢野 絢也君
  和田 耕作君     河村  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  横路 孝弘君     堀  昌雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十一年度一般会計予算
 昭和五十一年度特別会計予算
 昭和五十一年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算、昭和五十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。坂口力君。
#3
○坂口委員 多方面についての質問を関係大臣にお願いをしたいと思いますが、まず最初に、ロッキード関係の質問を短時間行わせていただきまして、後、公害、廃棄物等の問題に入っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、副総理にお願いをしたいと思いますが、昨日、第二回の証人喚問がございました。深刻な対立等の現象もあらわれたわけでありますが、国民の疑惑はますます深まるばかりであります。副総理は、昨日までの証人喚問をどのように評価し、どのようにお受けとめになっておいでになりますか、お聞きをしたいと思います。
#4
○福田(赳)国務大臣 私もきのうの証人喚問の一部につきましては、テレビで見、あとはけさの朝刊で拾い読みをいたしたわけです。
    〔委員長退席、井原委員長代理着席〕
私は、この問題は国民全体に大変な政治に対する疑惑を投げかけた、同時に、国際社会において日本に対する見方というものに、非常に動揺を生じたという両面の問題があると思うのであります。そういう事態に対処いたしまして、とにかく一刻も早く事態を解明する、これを急がなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、昨日の証人の段階では、まだそういう解明だとかそういう事態には立ち至っていない。政府におきましては、あるいは検察庁、警察庁あるいは国税庁、事態の究明を急いでおりまするけれども、きのうの証人喚問段階で一線を画して事態の究明が進んだというふうな感じはいたしておりませんです。
#5
○坂口委員 副総理も昨日の証人喚問では事態が進展したとは受けとめられないという発言でございますが、先日、三木総理は、米国からの資料は条件づきで公表をするというような意味の御発言をなすっているわけであります。私は、米国からの資料というのは無条件で公表をすべきだというふうに考えていますが、この条件づきの問題について副総理はどのようにお考えになりますか。あわせて外務大臣にもこの件につきましては、御意見を承りたいと思います。
#6
○福田(赳)国務大臣 総理は、アメリカから提供された資料につきましては、公開を原則とする、こう申しておるのです。公開が原則ではありまするけれども、アメリカから何か条件がつくかもしれぬ、そういう際には条件を尊重しなければならぬ、こういうふうに申し上げているので、これは私はごもっともな、妥当な意見である、そういうふうに考えております。
#7
○宮澤国務大臣 ただいま副総理の言われましたように私も存じております。
#8
○坂口委員 重ねてお伺いしますが、この条件というのはどういうふうなものであるというふうに副総理は現在のところお考えになっておりますか。
#9
○福田(赳)国務大臣 条件というのは、そもそもついてくるのか、ついてこないのか、これも予断を許さないわけでありますが、たとえばアメリカ側から、この資料はほんの捜査の参考のための資料でございます。したがって、この扱いについては公表などにつきまして慎重を期せられたいというようなことがあるかもしれない。これは本当に私の空想でございますが、そういう際には、そういう条件につきましても慎重に考えていくべき性質のものであろう、こういうふうに考えます。
#10
○坂口委員 先ほども申しましたとおり、この米国からの資料は、これは当然無条件で公表すべきものだと思うわけであります。しかし、このことはかなり意見の隔たりもあるようでありますので先に移らせていただきます。
 外務大臣に再度お願いをいたしますが、フォード大統領は多国籍企業の活動を規制する立法というものを考慮するということを発言をしてお見えになります。また、三木総理は早速これに賛意を表明されましたし、また、キッシンジャー国務長官は二月の二十二日に、多国籍企業による贈収賄を不法化する国際協定を起草する用意がある、このように述べているわけでありますが、このアメリカ側の動きに対しまして外務大臣はどのようにお考えになっておりますか。
#11
○宮澤国務大臣 最近におきまして、ただいま御指摘のようにアメリカ側の首脳部の発言がございまして、総理大臣も書簡においてその方向に賛成の旨を述べられたわけでございますが、同時に、御承知のようにこの問題につきましては、すでにOECDにおきましてかなり長いこと検討が重ねられておりまして、わが国も加わりまして多国籍企業に対する指針と申しますか、ガイドラインというようなものを目下起草中でございます。それから国連におきましても一昨年の末から委員会が設けられまして、ここでは行動綱領と申しますか、コード・オブ・コンダクトというものをただいま委員会で検討しつつございます。したがいまして、二国間のみならず、そのような多国間の場におきましてかなり具体的に作業が進んでおりますので、わが国もそれに積極的に貢献をいたすべきものと考えておるわけでございます。
#12
○坂口委員 現在ガイドラインを起草中であるというお話でございますが、一番重点的にと申しますか、この起草の中でどういう点を一番重点的にお考えになっておりますか、もう少し具体的にお答えをいただきたいと思います。
#13
○宮澤国務大臣 一方でOECDにおきますガイドラインの考え方の中には、そもそも資本の移動の自由化を決定したのが御承知のようにOECDであったわけでございまして、ここから多国籍企業の活動がいわば奨励をされたことになったわけでございますけれども、その後御承知のような問題が出てまいっておりますので、多国籍企業の行動によりまして、受入国に不測の経済上あるいは政治上ということもあり得るわけで、そのようなことがないようにという点が一つ。それから国連におきまして考えられておりますいわゆるコード・オブ・コンダクトでございますが、行動指針といったようなものは似たような考え方でございますが、多国籍企業が相手国の政治、経済に不測の迷惑あるいは影響を与えるということとともに、最近問題になっておりますような多国籍企業間の競争によりまして、正常でないいろいろな事態が起こりつつあるやに見受けられる。そのようなことを一国あるいは二国だけの協定をもってしましては、よその国の多国籍企業を制約することができませんので、国際的規模において行動のための指針あるいはガイドラインというようなものを多国間で取りまとめるべきだというのが作業の重点になってまいろうと考えます。
#14
○坂口委員 再度副総理にお伺いをいたしますが、このフォード大統領の多国籍企業活動の規制についての発言に対しましてどのようにお考えになっているか、また、多国籍企業の活動を規制しなければならないそのお考えの中心点、どのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたい。
#15
○福田(赳)国務大臣 私は、今回のロッキード問題は、ロッキード問題それ自体の事件的処理、それはもとより大事でございまするけれども、それと同時に、こういう事態が明るみに出ようとしておる、まあ出ないかもしれませんけれども、こういう問題が起きてきておるわけです。そういう機会に、この問題が示唆するいろいろの問題があろうと思うのです。そういう問題の処理を急ぐ、そのきっかけとするということもまた大事である、こういうふうに思うのです。
 そういうことで、幸いに、いま外務大臣からお話がありましたが、多国籍企業問題、これが国際政治の舞台で論議をされておる。大変私は結構なことだ。これをわが国といたしましても積極的に参加、推進をする、こういう姿勢を打ち出すべきである、こういうふうに考えております。
 それから、その際にこの多国籍企業というものが、相手国といいますか、そういう国々の政治、社会、経済、そういうことに対して御迷惑をかけないということが一つの大きな重点にならなければならぬだろう、私はこういうふうに考えます。
#16
○坂口委員 一つの具体的な問題に入らせていただきますが、ロッキード社とそれから児玉との間のコンサルタント契約、これは独禁法の第六条の国際契約として公取委員会に届け出るべきものではないか、こう思うわけでありますが、これは通産大臣でございますか。
#17
○橋本(徳)政府委員 いまの件につきましては、個人でございましても、それが事業者と認められるというときにはもちろん法律によって提出の義務がございます。
#18
○坂口委員 えらい御答弁簡単なものですからよくわかりかねますが、そういたしますと、事業者として認められるから、この場合には公取委員会に届け出なければならぬ、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#19
○橋本(徳)政府委員 それは事業者であるか、実質的に雇用契約的なものであるかというのは、ちょっと調べてみないとわからないと思うのでございます。ただ、形式的には、事業者という場合には届け出なければなりません。
 ただ、そこでちょっと御説明申し上げておきたいのは、現在公正取引委員会としてその国際契約の報告をとっておりますのは、その目的、すなわち、主としてこの法律の目的から見まして、たとえば国際カルテルだとか、あるいは拘束的な条件を、大企業が日本の小さい企業に対して拘束的な条件をつけてはいないだろうかといったようなことからする状態を調べるための契約でございますので、法人を中心にしてとっておりまして、個人につきましては特別の催促をしてないのが実態でございます。ただ形式的には提出すべきだという形にはなっております。
#20
○坂口委員 公取委員会としては一応検討するというような御返事でございますが、これはどうしても提出をしなければならぬと思うわけであります。御承知のように、独禁法の第六条の第二項には、「事業者は、国際的協定又は国際的契約をしたときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、当該協定又は契約の成立の日から三十日以内に、当該協定又は契約の写を添附して、その旨を公正取引委員会に届け出なければならない。」こうなっておるわけです。で、この第三項に除外規定というのがございますけれども、しかし、届け出義務がこれによってなくなると判断するのはこれはおかしいんじゃないでしょうか。また、独占禁止法上のいわゆる事業者に児玉が該当しないというのも、これは非常におかしな話だと思います。いかがですか。
#21
○橋本(徳)政府委員 私も絶対これについて督促をすべきでないとは申していないのでございます。ただ、従来は個人につきましてはとっておりませんし、督促をしていない。その趣旨は何かということの点から見ておるわけでございます。したがいまして、今度もしこれを、どうしても督促状を出させなければならないということになりますと、形はおっしゃるとおりでございますが、何が目的かということになりますと、結局ロッキードが児玉に対して不当な拘束をしているのではないかといったようなことを調べるということで、ぼくはかえっていまの情勢におきましては、逆のことを何かわれわれが調べるんだという結果になりはしないかという配慮もございます。しかし、私たちは別にそれにこだわっておるわけではございません。従来個人についてとってないものを、特別これでとる必要があるかどうかという点で、独禁法の面から見ますれば、その必要性は薄いのではないかという感じを持っておるわけでございます。
#22
○坂口委員 この文理上からいきますと、児玉とロッキード社のコンサルタント契約が届け出義務を免れるということは、絶対これは言えないと思うわけであります。現在進行中の問題でありますので、結論をお聞きすることは非常に無理かと思いますが、これが独占禁止法第六条のもしも違反であるということになれば、罰則規定もあるわけであります。これからの経緯の中で当然これに違反をしているという結論が出る可能性もあるわけですね。最後にもう一度だけお伺いしておきます。
#23
○橋本(徳)政府委員 形式的にはおっしゃるとおりでございます。
#24
○坂口委員 形式的にはという余分な言葉がつくものですから、よけいややこしくなるわけでありまして、はっきり言っていただければ、おっしゃるとおり、こういうことだろうと思います。
#25
○橋本(徳)政府委員 形式的は余分かもしれません。ただ先ほど御説明いたしましたように、個人についてはこれはとってない。要するに、これは法人だけでも数千件毎年あるものです。また、それで目的が十分達成されるということからとってないわけでございます。したがいまして、特定の個人だけを今度新たに出せと言って出さなかったという過去の経緯を追及するということは、ほかとのバランスが失しますので、形式的と、こう申しておるわけでございます。
#26
○坂口委員 とってないとおっしゃるのは、それは法律上とらなくてもいいという意味ではなしに、いわゆる公取の実際の実務上の人数等の面からいってそこまで手が回らない。本当はしなければならないのだけれども、そこまでようしてない、こういうふうな意味でございますか。
#27
○橋本(徳)政府委員 そういう点が多分にございます。また、事実問題として、個人とそれから大企業との関係におきましては、比較的従来からもそういう問題の発生が少なかったためでございます。
#28
○坂口委員 わかりました。法律的にはやはり当然そうすべきだというふうに結論づけられたというふうに理解をいたします。
 もう一度福田副総理にお願いをしたいと思いますが、フォード大統領及び三木総理の多国籍企業活動規制立法の考え方というのは、今回のロッキード事件のようなことをなからしめようとの趣旨から出ていることは当然でありますし、先ほどまた副総理もそのようにお考えを御披露なすったわけであります。
 この事件の中で児玉とロッキード社との間のコンサルタント契約というのは、いわゆる契約自由の原則によって結ばれたものではあろうと思いますが、しかし、こういうふうな契約は全く放任をされていいものではないと思うわけであります。特に児玉のコンサルタント契約の中でも、改定第四号の第四項にPXLに関する部分がございますが、この部分は、御承知のように、PXL五十機以上、これを契約をすれば、合計二十五億円を受け取る、こういう内容のことが中に書かれているわけであります。これは政府に対する工作を前提とした支払い契約ではないかと思うわけであります。いわば贈収賄の上に成立した契約とも言えると思うわけであります。このような契約をこのままで見逃していいのかどうか、この点を私は副総理にお伺いをしたいと思う。
 それからまとめて申し上げますが、もう一点は、フォード構想にいたしましてもあるいはまた三木構想にいたしましても、それは将来の計画であります。民主主義の基本にも触れました今度の事件でありますし、政府は現在の法制の中でも全力を挙げて対処をすべきである、この点についての意見もあわせてひとつお願いをしたいと思います。
#29
○福田(赳)国務大臣 まず児玉のコンサルタント契約、これがどういう性格のものであり、またどういう不都合があるかというお尋ねですが、それがいま政府当局がいろいろ解明に取り組んでおる問題の周辺の問題でもあるわけなんです。まあ一局面だけとらえてどうこうと、こう言うわけにもまいりませんが、事態の全貌を明らかにしなければこの問題の性格の解明ということにはならぬだろうと思いますが、その解明をいま急いでおる、こういう段階でございます。
 第二の、この事態の究明、これは徹底的にやるべきじゃないか、こういうお話ですが、まさに私はそのとおりだと思います。国民からもまた世界からも非常に疑惑の目を持って見られておる本件でございますので、政府は全力を挙げて解明を急ぐという方針で立ち臨んでおるというふうに御理解願います。
#30
○坂口委員 最後に、外務大臣にもう一つお聞きをしておきたいと思いますが、諸外国と友好関係を結んでいきますためには、このような事件は悲しむべきことであります。これを外務大臣として外交上どのような処置を今後とっていかれようとしているのかということ。
 それからもう一つは、外務大臣は、この捜査手続と公表との関係について前回少しコメントをされたというふうに記憶をいたしておりますが、その真意というものはどうかということを、つけ加えてひとつお願いをしたいと思います。
#31
○宮澤国務大臣 このような多くの疑惑をわが国において生んでおりますので、国内におきましてそれに対処する調査、捜査が行われておりますことは御承知のとおりでございますが、同時に、関係資料があると思われます米国からもできるだけの資料を、関係あるものはすべて提示を受けたいと政府は考えておりまして、外交交渉をすでにいたしておりますが、過般両院の御決議並びに総理の親書となってそれがあらわれております。アメリカ側としても基本的にこれには協力をしようということでいろいろ検討しておるように存じておりますので、やはり事態の解明ということが最も大切ではないかと考えております。
 なお、この資料の扱い方につきましては、先ほど副総理からお答えがあり、先般総理も言われましたように、基本的には公開を原則とすると、あるべきものと考えております。
#32
○坂口委員 時間の都合上ロッキードの問題、この辺にさせていただきますが、先ほど公取委員会の方からの答弁もありましたけれども、この独禁法の適用につきましてもまことに消極的でありますし、また、関係省庁の適応も決して迅速であるとは言いがたいものがあるわけであります。政府として積極的にこの問題に取り組まれることを要望いたしまして、次の問題に移らせていただきます。副総理とそれから外務大臣はこれだけでございますので……。
 次に、公害関係の問題に入らせていただきますが、去る二月の二日、わが党の渡部一郎議員の質問に対しまして、三木総理の答弁がございました。この渡部一郎議員の質問は、食品添加物を初めとした各種の研究及び研究機関の充実を図るべきだという質問に対しまして、総理は、研究及び研究所の設立を進める、さらに外国における研究調査発表等においても国際協力を進めて安全性を確保する、こういうふうに約束をしておみえになるわけであります。きょうは総理はお見えになりませんが、厚生大臣、労働大臣、この総理のお考えと同じかどうか、まずお二人から伺っておきたいと思います。
#33
○田中国務大臣 食品、薬品の毒性の検査等についてはこれをさらに強力に推し進めるべきだということについては、総理の考え方と全く一致しております。
#34
○長谷川国務大臣 総理と同じ意見です。
#35
○坂口委員 この塩ビモノマーに関しましては、わが国だけではなしに諸外国の幾つかの研究あるいは調査の報告がございます。米国の論文、調査報告が一つここにございますが、あるいは各大臣のお手元にもすでにあろうかと思いますが、この塩ビモノマーに暴露された従業員、いわゆる塩ビを製造している企業の従業員ですね、その従業員、中でも男性がそこで暴露をされますと、男性の染色体が壊されまして、その奥さんから生まれ出る子供、出生に悪影響を及ぼす、こういう論文があるわけであります。厚生大臣は、このことを御存じでございますか。
#36
○田中国務大臣 そのことはわが省の専門技官から聞いて知っておりますが、詳しいことについては私は専門外ですから、よく存じません。
#37
○坂口委員 この塩ビモノマー製造工場で働いていてそこで暴露をされて、そして染色体の異常を来した、できた子供が奇形児であるとか、あるいはまた早流産をしてしまうというようなことが、ほかの一般の人に比べて非常に多いという疫学的な調査もあるわけであります。いままで労災ということになりますと、その企業で働いてお見えになった方が何らかの災害を受けられた場合に労災の適用ということはあるわけでありますが、そこに勤めてお見えになる方の子供に影響が及ぶというようなときには、これは労災との関係はどうなりますか。
#38
○藤繩政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のような情報を私どもも得ておりまして、国内におきましても従来から塩ビモノマーの問題については専門家会議を持っておりますので、その辺は私どももなお専門機関で検討させたいと思いますが、いま御質問の労災の問題でございますが、労災保険は御承知のように被災労働者の稼得能力、労働能力の喪失についてこれを補てんしようというのがたてまえでございまして、あらゆる損害を賠償するということとはおのずから若干の差異があるわけでございます。そういうことから関連いたしまして、被災労働者が女子であり、そして業務との因果関係によっていまのような問題が起こって療養が必要であるということであれば、これはその療養に関する労災補償の対象になりますけれども、一般に男性に問題があってその奥さんの方にそういう問題があるということは、これは大変残念なことでありますが、労災保険上の補償というものについては現在の段階では対象にはならないというふうに考えております。
#39
○坂口委員 そういたしますと、現実問題といたしましては、アメリカでこのような報告があるわけでありますから、これは日本でもないとは言いがたい。むしろ向こうの広範な研究結果からいたしますと、日本でもあるのではないか、私はこう思わざるを得ないわけでありますが、もしそのような例がありましたときに、それではそういう奇形のお子さんが生まれたということになれば、これはそういたしますとどういう角度から補償をしていく、どこにそれでは責任を持っていくのか、その解決はどうなりますか。先ほど労災ではそれは認めがたいというふうにおっしゃるのであれば、それはどういうふうになりますか。それが一つ。
 それからあわせてもう一つ言っておきますが、こういう外国の文献があるということを厚生大臣もお聞きになっているわけでありますが、それでは日本においてこういうふうなことがあるかないかということの調査というものが現在できているか、あるいはまた現在経過中であれ、あるかどうかということをあわせてお聞きしておきます。
#40
○田中国務大臣 さっき申し上げましたとおり、先生のおっしゃるのは一九七五年十一月号ランセット報告に出ているそれだろうと思うのであります。この文献を私どもは私の役所では見て知っておりますが、これについての調査はわが国においては実施していないとのことでございます。
#41
○坂口委員 労働大臣の方、何かございますか。労災の方、補償の方に限っての話はどなたか。労働者にかかわるあれですから。
#42
○藤繩政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたが、労災保険の対象には現段階の考え方ではならないと思います。そこで、私どもの方から申し上げるのが適当かどうか問題がございますけれども、たとえば原爆被爆者というようなものについては特別立法というようなものもあり得るわけでございますし、そこまでいきませんで、一般的な損害賠償ということは当然民事上の請求ということがあり得るわけであります。それはそれでまた必要があればそれぞれの観点から対策を講じなければならないというふうに思うわけでございます。
#43
○坂口委員 この後もう一つ、塩ビとよく似たクロロプレンの問題を取り上げますが、あわせて結論づけた私の意見も言いたいと思うわけでありますけれども、結局アメリカあたりからこういうふうなデータが出され、それをよく御存じだけれども、それは厚生省あるいは労働省の奥の方にしまってあって、それに対して何ら手が打たれていかないというところに問題があると思うわけであります。いま申しましたようなことは、たとえば原子力発電所等で働く人たちに万が一事故が起こって、そして染色体に異常があるというようなことが起こりましたときにも、やはり同じようにその子孫には影響が出てくるのであります。こういうふうな労働災害上の問題として、外部――頭にけがをしたとか、手をけがしたとか、あるいは足を切断したということとは別に、体の内部における障害というものもたくさんあるわけです。こういうふうな問題が起こったときにどうするかというときに、そのことについては、やはりこれだけいろいろ職場が多様化しているわけでありますから、すでに何らかのその煮詰めというものが労働省内でもなされてしかるべきだと思うわけです。その点、またそんなことが起こったときにというようなことではこれはまことに対応が遅いと言わざるを得ない。
 あわせて、次のクロロプレンの問題に移っていきたい。これはアメリカとは逆に、今度はソ連からのデータといたしまして、一九七二年にクロロプレンという物質を製造している工場で働いている従業員に肺がん及び皮膚がんが多発しているというニュースが入りました。もう少しこれを具体的に申しますと、ソ連のアルメニア共和国エレバン地方の産業労働者に対する大規模な疫学調査でありまして、一九五六年から一九七〇年にかけまして、二十五歳以上の二万四千九百八十九人の人々を調査しましたが、そのうち百三十七例の皮膚がんが発見された。また肺がんにつきましては、一万九千九百七十九人の工場従業員に対しまして、その中で八十七例が発見をされた。この人たちの中で、クロロプレンまたはその誘導体に長らくさらされている人たちの発生率というのが他の地域に比べて非常に高いというデータがここに得られたわけです。
 このデータを労働省の方、お持ちでございますか。
#44
○藤繩政府委員 お答え申し上げます。
 いまお挙げになりました情報については私どもも承知をいたしております。ただ、問題のソ連の文献につきましては、アメリカのデュポン社その他各方面の関係者から若干分析に問題があるのじゃないかということで、なお疑問が呈せられておるわけでございます。
 しかし、私どもはこの情報がございましたので、五十年の二月にこれは大変なことではないかというふうに考えまして、いまわが国でクロロプレンを製造しております三つの会社に対しまして、情報の収集と交換、あるいは作業環境実態の把握及び環境改善の推進、特殊健康診断の実施、退職者の追跡調査、こういうようなものを指示してやらしております。それから皮膚炎等の被災がありました者については労災補償をそれぞれ行っております。
 なお、今後ともこの問題については十分関心を持って措置したいと思いますし、職業がん全体につきまして私どもは専門家会議を設けて、先般問題になりました六価クロムを初めといたしまして、塩化ビニールあるいはこういう新しい物質による職業がん等の発生に対してはできるだけ情報を早期に把握し、有効な手が打てるような努力をさらにやってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#45
○坂口委員 通産大臣にお伺いいたしますが、このクロロプレンの製造及びクロロプレンを原料とした加工工場、この辺に働いておいでになります皆さん方の粗々の人数というのはどのぐらいなのか、またどういう製品にこれが使われているかということにつきまして、お持ちのデータをひとつ示していただきたいと思います。
#46
○矢野政府委員 お答えいたします。
 クロロプレンの現在の生産量でございますが、最近のを申し上げますと、昭和四十八年で五万七千五百九十五トンでございます。四十九年は六万三千九百三十三トン、五十年は、十月までのデータで恐縮でございますが、五万七千三百六十五トンという生産でございまして、大体五万八千トン程度が年間の生産量でございます。
 それからメーカーにつきましては、先ほど労働省当局の三工場とございました電気化学の青海工場、それから昭和ネオプレンの川崎工場、東洋曹達の南陽工場でございまして、それぞれ生産能力といたしましては電気化学が四万二千トン、それから昭和ネオプレンが二万トン、東洋曹達が一万二千トン、計七万四千トンという状況でございます。
 それからこれの主な用途でございますが、非常に多岐にわたっておりまして、ゴム工業向けが非常に多いわけでございます。大体自動車のタイヤ、チューブ。それから工業用品、これも中が非常に多岐に分かれましてパッキング、ゴムばん、防振ゴム、ゴムロール、ライニングというようなもの、あるいはゴムホース、ゴムベルト、ゴム引き布、履物用ゴムのり、運動用具といったように非常に分かれております。それから大きい項目といたしましては、その他電纜、電線でございます。それから接着剤というようなところで、その他紙加工、繊維処理とか建築資材といったことに非常に用途が分かれておるわけでございます。いわゆるこういった用途で、加工業者でございますが、電線ケーブルにつきましては四十三企業を把握しております。それから主要企業といたしまして、住友電気工業とか日立電線等ございます。それから接着剤につきましては、百三企業でございます。以下工業用ゴム製品では百六十二企業ということでございますが、従業員につきましては、私どもの方で聞き取り調査でございますが、電気化学工業につきましてこの十二月末で二百六十二名、それから昭和ネオプレンこれが二百八十八名、東洋曹達におきましては百三十六名、こういう数字でございます。
 以上でございます。
#47
○坂口委員 生産それ自体に携わってお見えになります方の人数はそんなに多くはございませんが、この加工等の仕事の方を含めますとかなりな人数に上るはずであります。いま御説明になりましたのはその一部、非常に細かい分もありますので、それは皆さん方の方もちょっと計算ができにくいのではないかと思います。
 このように、先ほどのお話ではアメリカの方からのニュースによると、何か疑わしい面もあるというような発言でございましたが、疑わしければ疑わしいほど、このクロロプレンの製造をしている工場の従業員の皆さんにどうしていったらいいか。あるいはまたそこをおやめになった方の健康調査等についても、これはやはり気を配っていかれるのがしかるべき問題だと思うわけであります。その点、これは工場内の労働衛生の問題は労働省でありますし、それからそれが周囲の環境に及ぶということになってまいりますと、これは環境庁の問題にもなってきますし、また周辺の住民の健康にかかわってくるということになれば、これは厚生省の関係になってくるだろうと思うのです。
 こういうふうなデータをお持ちであるということは先ほどお聞きをしましたが、これについても労働省内では若干のこの工場に対する指導はしたという話でありますが、その工場の中の一つに、新潟県に一つ工場がございます。この新潟県にあります電気化学工業株式会社、ここにお邪魔をいたしましていろいろ聞きましたが、やはりそういった労働省管轄の方からの詳しい指導というものは受けていない、こういうことでございました。この工場自身は自分たちで、そういうニュースも聞くのでそういうデータは一体どこにあるんだろうか、かなり一生懸命探しもしてお見えになるわけです。しかし、一工場ではなかなかそのデータも得られない。どうしていいかわからないので、自主的に自分たちで、そこに働く特に重合がま等の人については二五ppm以下でこれはやったらどうかというようなことで、自主的に規制をしてやっておるというような状態です。具体的にその辺に対する手も何も打たれていないというふうに思うわけです。
 先ほどの塩ビの問題もしかりでございますが、このクロロプレンの問題も、外国からこういうふうなデータが入ってきたわけであります。最初に労働大臣及び厚生大臣に確認をいたしましたとおり、三木総理も、日本の国だけですべての研究というものができるわけではないんだから、諸外国のデータというものは尊重をして、そしてそれに勉強すべきものはしていくんだというふうに言ってお見えになるし、皆さんもそのとおりだと言ってお見えになるわけです。こういうふうな外国から新しいデータが入ってきたときに、こういうふうなデータが来ましたといって机の引き出しに入れていくだけでは、これは何にもならぬわけです。それが大学の先生であるならば、まだ研究の材料にするということもございましょう。しかし、労働省やあるいは環境庁やあるいはまた厚生省は、そういうものを、ああそうでございますか、新しいものですなと言って引き出しに入れておいたんでは何も進展もしていかないし、もしもそれが本当に体にどんどんと害を与えていくものであれば、そこに多くの犠牲者が出てくるわけであります。ここに私は、もっと迅速な手の打ち方というものがあってしかるべきだと思うわけであります。
 いままで、そういたしますと、労働省がお調べになりました範囲内では、そういうクロロプレンの工場では何ら被害も出ていない、こういうことでございますか。
#48
○藤繩政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、ソ連の情報についてはいろいろな議論もございますけれども、しかし私どもは五十年の二月にこの情報をキャッチいたしまして、これはやはり警告を発すべきだということで、製造三社に対して、先ほども申し上げましたような情報の収集とか作業環境の把握とか特殊健康診断の実施、あるいは退職者の追跡調査というようなことをやったわけでございまして、その後健康診断の結果では、現在のところ有所見というような者は見つかっておりませんけれども、なお十分私どもとしては今後も警戒をしてまいりたいということでございまして、具体的には、指示をいたしまして一年たちました本年一月にも、関係事業場に対して作業環境の改善、健康診断の実施等について監督指導を行ったわけでございまして、そういった点では今後も十分配意してまいりたいというふうに思っております。
#49
○坂口委員 健康診断をしたということでございますので、若干細かく立ち入りますが、お聞きをしておきたいと思います。
 それは、このクロロプレンという物質を取り扱っている従業員の人たちに対して、これに特有の健康診断をなすったんでしょうか。そして、そこから退職をなすった方もあわせてなすって、何もその結果は出なかったんでしょうか。
#50
○藤繩政府委員 私どもの方の指示に従いまして健康診断が行われております。
 まず御指摘のように職業がんというものがあってはならないということで、皮膚がんあるいは肺がんを一応考えまして、皮膚の湿疹とか、あるいは肺がんにつきましては胸部のエックス線直接撮影というようなこともそれぞれやっております。その結果、一応有所見者としてはなかったということでございます。
 なお、一般健康診断もそれぞれ五十年中に行われておりまして、この結果は、非常に軽微ないまのがん関係ではない若干の要治療、要観察等は出ておりますけれども、私どもとしては今後もこういうことは厳重にやらしたい。特に、いま最後に御指摘のありました退職者の把握ということは、私どももこれを求めておりますので、今後も退職者もあわせて漏れのないように十分警戒をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#51
○坂口委員 私どもがこの問題に注目をいたしましたのは、これからこのクロロプレンという物質が文化の発展につれましてさらにより多く使われる傾向があるということもございます。で、ソ連のデータを見ましたときに、かなり信頼の置けるデータであり、そしてかなりな高率に発生をしているということから、果たしてこういうふうなことはないであろうかということに着目をしたわけであります。
 三カ所ほど大きい工場がございますが、特にこの新潟県の青海町に目をつけましたのは、ここは、この青海町にこの工場以外ほとんど大きな工場はない、したがってこのクロロプレン等の影響を見るのには非常に見やすい場所であるという意味から、この新潟県におきます青海町を選んで実はわれわれ公明党のプロジェクトチームが調査をしたわけであります。そういたしますと、昭和四十八年から五十年の三年の間に、この青海町におきます肺がんの死亡者は十名あるわけであります。いままで、四十七年までは、毎年一人あるかゼロかでずっと来たわけでありますが、四十八年にこれが四人にふえて、四十九年、五十年と、三人、三人とずっとふえてきているわけであります。この青海町の人口は約一万二千人でございまして、これだけの人口の中でこれだけの肺がんの発生率があるということは、皆さん方のお手元にも配ってございますが、このグラフにございますとおり人口十万対で見ました場合に、普通の肺がんの発生率は人口十万対十七くらいでございます。御承知のとおり、それがこの青海町の四十八年には三十二になっているわけです。それから四十九年、五十年、まあ五十年はまだ正式の人口統計等が出ておりませんので私どもの独自の調査をいたしましたものを見ますると、少なくともその中に肺がん死亡者が三名あることだけは確実であります。それ以上かもしれませんが、いま私どもの知っております限りにおいて三名ございます。そういたしますと、これで四十八、四十九、五十年と三年連続をして非常に高値を示しているということであります。これは偶然に三年間肺がん患者が続いたとは考えにくいわけであります。それが一つ。
 それからもう一つは、この青海工場においてクロロプレンの大量生産が開始されましたのが三十七年からでございますから、十一年目からこの肺がん死亡者が急激にふえているということであります。カーバイトでありますとか、ほかのものの生産はずっと前から続いていたわけでありますから、ほかのものによる影響ならばもう少し早くに出てもいいと私は思うわけです。そこに一つの問題点がございます。
 それから、この青海町は田舎だから恐らくお年寄りが多くて、そしてお年寄りが多いから肺がん患者もふえてきたんじゃないか、こう思われるだろうと思いますが、あにはからんやこの青海町はやはりこの大きな企業を抱えているだけございまして、存外に若い人が多いわけであります。新潟県と比較をいたしましても、新潟県で六十五歳以上の人は八・一%、十五歳から六十四歳までのいわゆる働く年齢の人たちが六七・七%になっております。それがこの青海町は六十五歳以上の人が新潟県の八・一%に対しましてこちらは六・四%でございます。そしてこの十五歳から六十四歳の人が六九・七%、こういうふうな人口構成になっておりまして、特に年齢が非常に高いからそれによって発がん状態も多いのではないかというようなことは、私はこれは除外ができると思うわけです。私がいま申しましたこの人口十万対の数字は、いわゆる年齢補正というものはいたしてございません。しかしながら、この年齢構成を見ましたときに、これによって大きく変わるものではないと思うわけです。このデータを見ましたときに、私どもはこのクロロプレンがこの地域の肺がん発生率を非常に高めているということに直接イコールに結ばれているとは断定はいたしません。しかしながら、最も重要な考えなければならないものであるということは、このデータからも私は判明をすると思います。この辺のデータは厚生省の方にはいかがでございますか、新潟県から来ておりませんか。
#52
○佐分利政府委員 厚生省で実態調査をしたものはございませんが、外国の文献等はよく検討しているつもりでございます。
#53
○坂口委員 いま私申しましたいろいろの結果がございます。専門家としてお考えいただきましたときに、私が先ほど申しましたことに対してどう評価されますか。専門家としてひとつお答えいただきます。
#54
○佐分利政府委員 一応ただいま御指摘がございましたように、この問題はよく精密調査をしてみる必要がある問題ではないかと考える次第でございます。
#55
○坂口委員 私がここで使用いたしております統計は、これは死亡統計であります。ほかのものは一切使用いたしておりません。ごまかしようのない公表されました死亡統計であります。死亡統計上こう出ているわけでありますから、この数字は動かしがたいものです。皆さんがお調べになって、これは皆さん方のデータを私の方はもらってきて統計上調べたわけでありますから、これは動かしがたい数字であります。だから検討の余地はもはやないわけであります。その点を踏まえてもう一度御答弁をお願いします。
#56
○佐分利政府委員 やはりいろんな要因が複雑に絡んでまいりますので、さらに精密に調査をいたしまして分析をする必要があろうかと思います。
#57
○坂口委員 いろいろの条件が絡むことは私も心得ております。したがいまして、私もイコールそうだといま断定をしているわけではありません。しかし、ソ連においてこういうふうなデータがあり、そして日本において最もこれがあらわれやすい場所を選んで調べまして、なおかつこういう結果が出てきたわけでありますから、ここにはクロロプレンによる肺がん発生率に対する大きな疑惑がある、非常に重要視せざるを得ないというのが、私ども公明党のプロジェクトチームの結論であります。これは医学的にもこのデータは私は出しても差し支えのないものである、こういうふうに考えているわけであります。
 過去三年間にこの電気化学工業に働いてお見えになりましておやめになりました方を当たりまして私どもの聞きました範囲内におきましては、この中に元電気化学工業にお勤めになっておりました方が二名、下請の労働者としてそこにお見えになりました方が一名、約三名含まれているというふうに私どもは理解をいたしております。私どもの調査、もう少し徹底的にやりましたらあるいはふえるかもしれませんが、私どものいままで得ましたデータでは少なくともこれだけの人はいるという結果も得ているわけであります。先ほどお話がございましたとおり、現在このクロロプレン、実際に働いてお見えになります方が二百六十名前後。下請の方を入れまして三百名足らずと思います。いままでの中におやめになった方もございましょうし、非常に数字の取り方はむずかしゅうございますが、一応五百名なら五百名と仮定いたしましょう。その中でこの三年間に三名の肺がん発生率が出たということは、これはやはりパーセントといたしましては、ソ連のパーセントとイコールかあるいは上回る数字になるわけであります。したがいまして、もし皆さん方がこういうふうなデータを手に入れました場合に、これはいろいろ問題があるからというてこれをしまっておくのではなしに、このことについては日本では実際にどうであろうか、早急にやはり調査をされて私はしかるべき問題だと思います。それはアメリカから、それはぐあいが悪い、あるいはちょっとおかしいというような話もある。ぐあいが悪いという方の話を中心にして何もおやりにならぬというのは、私はどうしたことかと思う。
 労働大臣大分うなずいてお見えになりますので、労働大臣、この辺でひとつ何か御発言をお願いします。
#58
○長谷川国務大臣 坂口先生がそういう現場まで調査の上での立論、非常に傾聴に値すると思っております。
 そこで、私の方もこれは投げやりにしているのではございませんで、先ほど局長が答弁しましたように、ソ連でそういう論文が出た後、早速七四年に情報の収集とか作業環境の実態の把握とか、あるいはまた特殊健康診断とか追跡調査等をやってきたわけであります。
 なおいまの問題につきましては、クロロプレンの吸入毒性研究、これはオランダで実施しているということも聞いておりますので、私の方はそういう問題を改めてオランダあたりに照会し、職業がん対策専門家会議に依頼してそういう情報の収集等をやる、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても、働く諸君の健康の問題でございますから、環境の整備並びにそれに従事している方々の健康診断、こういうことを奨励しながら、予防とその後の対策には万全を期してまいりたい、こう思っております。
#59
○坂口委員 先ほども申しましたとおり、私どもが調査をいたしましたのはほんの二、三日の調査でありまして、多くの時間を要したわけではございません。しかし、私どもが二、三日をかけて調査をいたしました結果だけでも、これだけのものが出てくるわけであります。少なくとも、断定はできないが大きく疑わざるを得ないという結果が出てくるわけであります。だから、皆さん方にももしもおやりになる気がありましたなら、これはもうすでに出ている統計の調査をすればいいだけでありますから、幾らもできることであります。ただ、する気がないという一語に尽きると私は思う。この点は今後の問題にもございます。いろいろこれからの新しい問題も出てまいりましょう。そのときにいままでのような対応の仕方を続けていられたのでは、これは困るわけであります。これは国民が納得しないことであります。
 ですから、これは厚生省も、それから労働省はもちろんのこと、環境庁の方も、こういう問題が出てさましたら、こういうデータを互いに公開し合って、そして早急にこういう問題はどう手を打つかということをやはり検討してもらわなければならぬ。いま厚生省は厚生省で持ち、労働省は労働省で持ち、環境庁は環境庁で持って別々に机の引き出しに入れた形じゃこれはどうにもならぬわけです。その辺を強く要望しておきます。そして、今後こういうふうな問題が出ましたら、これは早急に手を打ってもらわなければならぬ。厚生大臣、決意のほどをひとつ伺いたいと思います。
#60
○田中国務大臣 一般的にこの種の文献がございます場合には、できる限りわが国においてこれを精査するように努力をいたしたいと思います。
 なお、クロロプレンにつきましては、いま先生の方の御指摘もいろいろございましたので、関係省庁と協力のもとにさらに精細な調査をいたしたい、かように考えます。
#61
○坂口委員 いま厚生大臣からさらに調査をしたいという御発言がございましたが、初めに申しましたこの塩ビの流死産あるいは奇形児に対する問題、それからクロロプレンに対する問題、これは従業員及び地域の住民に対しても、健康調査等を含めてひとつぜひおやりをいただきたいと思うわけであります。
 と申しますのは、この青海町に隣接いたしております糸魚川市という市がございますが、三方数千名の市でございます。この市におきましても、全国平均あるいは県平均に比べますとかなり高くなってきている。この工場の影響を受けているのではないかというような傾向も出ているわけであります。したがいまして、その周辺の結果につきましてはぜひひとつ早急に調査をしていただきたい。
 いま厚生大臣からお言葉がございましたので、ひとつ環境庁長官も環境測定を、そして労働大臣も労働者を中心にやるという御決意をぜひ伺いたいと思います。
#62
○小沢国務大臣 先生もお行きになりましたからあるいは御存じだと思いますが、糸魚川市で富山大学に委託調査をいたしまして、工場周辺の環境中の濃度調査というものを行ったわけでございます。その結果によりますと、環境濃度は最高〇・〇三七ppmということになっておりますので、この数値は環境濃度としては実はほとんど問題になる数字ではないわけであります。たとえば、日本産業衛生学会許容濃度等に関する委員会の勧告による抑制濃度、これが二五ppmでありますから、これと比較しますと約六百分の一という程度でございます。そうではございますが、クロロプレンの吸入の毒性あるいは刺激による目の痛み、皮膚その他いろいろな問題があることは大体文献等でわかっておるわけでございますので、なお、毒性の検査が厚生省で十分行われまして、その結果によってなお精査をする必要があれば、われわれとしては当然環境の濃度調査をやって、その結果で健康調査を必要があればやらなければいかぬと考えますけれども、現在のところはまだ未知の分野が非常に多うございますので、先ほど厚生大臣がおっしゃいましたように、ひとつ各省十分連絡をとってこの毒性等についての研究を急ぐということにいたしたいと思います。
#63
○長谷川国務大臣 先ほどお答え申し上げましたが、労働省としては多少はやっておるつもりでありますが、さらに各関係庁と連絡をとりながら推進して研究してまいりたい、こう思っております。
#64
○坂口委員 ぜひひとつお願いをしたいと思うのです。何度か申しますが、こういうふうな新しい問題でありますから、企業にそれを全部やれと言っても、これは無理な問題であります。こういう新しい問題は企業にわからないわけでありますから、そういうデータはなかなか各企業には手に入らない。したがって皆さん方の方でそういうデータがあれば、早速その企業等には示して、積極的に企業にも行政指導をし、皆さん方もその対応をしていってもらわないと解決のつかない問題であります。そのことを重ねて申し上げまして、時間が大分進んでまいりましたので、次の問題に移らせていただきます。労働大臣、ありがとうございました。
 続きまして、廃棄物処理等の問題に移りたいと思いますが、その前に、通商産業省編の「産業構造の長期ビジョン」というのが出ております。これは通産大臣御承知のことと思いますが、この発刊に当たって河本大臣が言葉を書いてお見えになりますので、これは御存じだと思う。この中で大臣は「本報告に盛られている方向に沿って、政策立案を行ってまいる所存であります」、こう述べてお見えになります。したがいまして、ここに盛られた内容につきましては、今後の十年間の日本経済の行方についての一つの指針というふうに通産大臣もお考えになっているのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#65
○河本国務大臣 そのとおりでございます。
#66
○坂口委員 この中で、詳しいことは申し上げる時間がございませんが、GNPの成長率は七%から、そして五十年度後半は六・五%というふうに見積もっているわけでありますが、この六、七%の経済成長率でいくと仮定いたしましても、十年先、昭和六十一年には、現在の経済規模のこれだけの成長率でいくと、大体いまを一〇〇といたしますと二〇〇くらいな数字になるだろうと思います。倍くらいになるだろうと思います、そのくらいの成長率で。そういうふうな経済成長の中で今後推移すると仮定いたしまして、そこでそれじゃその中から生まれてくる公害、それからこの産業廃棄物等をどのように解決していくか。経済成長につきましては、インフレとかあるいはまた雇用不安でありますとか不況でありますとかいうようなことからこの経済成長というものが決められていく傾向がございますけれども、もう一つ、この公害あるいは廃棄物等の問題が大きくかかわっているわけであります。この解決なしに経済成長はあり得ないと言っても、これはもう言い過ぎではないと思う。いわゆる動脈産業が今後発展をしていきますためには、それに見合うべき静脈産業が発展をしていかなければならない、これはもう私が申し上げるまでもないと思います。
 そこで、それじゃ現在の状態が環境基準にどれだけ合格しているかと言いますと、現在決めました基準にいたしましても、たとえばSO2にいたしましてもNO2にいたしましても五四%とか九八%とかという不合格を出している。それから川にいたしましても海にいたしましても七、八〇%の不合格率を出している。現在ですらこのような状態が続いているわけであります。
 そして、この中を見せていただきますと、これからのいわゆる企業の立地はできるだけ各地域地域に移転をしていく、地方に移転をしていくということが書いてありますが、しかし、いまあります工場を地方にそうたくさん移転していくことは現実上不可能である。と申しますのは、まだいまからどんどんふえてくる企業は地方に行くかもしれません。しかし、それに加えて、いまありますものも地方へという分散は、正直申しましてそう簡単にいくものではないことは大臣自身よく御存じだと思うわけであります。そういたしますと、たとえばこの太平洋ベルト地帯に集まりました企業群は、なおかつこの十年間も、現在あるいは横ばいといたしましても存在すると思わざるを得ないわけであります。そういたしますと、現在の空気、水、こういったところの汚れというものをどう解決していくか、これはもう大きな問題であります。
 先ほど海の問題も若干触れましたが、海の問題で申しますと、たとえば東京湾にいたしましても伊勢湾にいたしましてもかなり汚れているわけであります。たとえば東京湾におきましても、千葉県寄りにおきましてCODを見てみますと、大体四〇%から四八%不合格であります。神奈川県寄りになりますと約五〇%から六〇%ぐらいが不合格であります。また伊勢湾の方を見ましても、愛知県寄りで見ましても約四〇%ぐらいが不合格。いずれもCODで見ております。三重県の側で伊勢湾を見てみますと、A地域では九一%が不合格という数字が出ております。しかも、その中に大腸菌というようなものもかなり出ておりますし、油もまじっている。PHも六割から八割が不合格。こういうふうな数字が出ているわけであります。先年、瀬戸内海につきましては環境保全臨時措置法ができまして、一部総量規制を導入をして、そうして早急に瀬戸内海をされいにしていくということが議員立法ででき上がったわけであります。こういうふうないままでの経緯もございますが、これは瀬戸内海だけに限らず、東京湾にいたしましても伊勢湾にいたしましても、あるいは一部大阪湾も入るかと思いますが、それぞれの条件の違いはございますけれども、やはりそういうふうな法律等を拡大をしていってぜひ海をされいにしていかなければならぬ、こう考えます。
 これは、立地条件等の問題それから今後の廃棄物に対する考え方につきましては、河本通産大臣にひとつ大ざっぱなお考えをお伺いします。
 伊勢湾等の問題につきましては、環境庁長官からひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
#67
○河本国務大臣 産業廃棄物の問題は、これからの最大の課題だと思います。そこで先般、民間の財団法人でございますがクリーン・ジャパン・センターというものができまして、政府もそれに対して積極的に援助していく、こういうことでいま取り組んでおるわけでございます。特に大型の電気製品とか、それから自動車、こういうものの廃棄物、これは非常に激増していくと思います。
 そういうことで廃棄物の処理と、それから再生利用、資源の再利用、こういう形で問題をとらえていきたい、かように考えております。
#68
○小沢国務大臣 東京湾、伊勢湾等の閉鎖性水域につきまして、瀬戸内海なんかと同じように、これは私どもとして当然いろいろな対策を強化していかなければいかぬわけでございます。先ほどいろいろCOD、BODについての数字を挙げられましたが、実はこの水質の汚染につきまして私どもは健康項目と生活項目に分けまして、健康項目というのは、たとえば重金属類とか直接人体に被害を及ぼすようなものでございますが、これはおかげさまで非常によくなってきているわけでございます。COD、BODについては確かに東京湾、伊勢湾、まだ汚れは相当あります。COD、BODの面から見ますとまだまだ合格点よりちょっといいぐらいで、これは完全とは言えないわけでございますが、両方考えました場合に、やはり下水の普及というものを徹底的にやらなければ、どうにもCOD、BODの改善というものはよくなっていかないのではないだろうか。御承知のように瀬戸内海の臨時保全法では三年間にCOD、BODを二分の一カットするということを決めまして、各県にお願いをし、各県からそれぞれのいろいろな規制値をさらに低めてやっていただいております。したがって、先生のおっしゃるように、瀬戸内海のような特別立法等を東京湾、伊勢湾についてもやはり考えていくべきじゃないかという御意見は私も十分わかります。ただ、瀬戸内海につきましては非常に先行しておったものですからいろいろな調査が行き届いております。それにもかかわらずまだ赤潮が発生したり、いろいろな問題があるわけでございますので、瀬戸内海の経過をもう少し見ましたり、あるいは瀬戸内海で例の環境保全計画というものをいま鋭意つくるべく努力をしているわけでございますが、そういうような成果を見ることが第一と、それからもう一つは、今年度、御承知のようにこの予算委員会で審議をお願いいたしておりますように、伊勢湾につきまして赤潮の調査、それから総量規制を導入する際の基礎的な条件をつくり上げる調査、相当額を計上して予算審議をお願いいたしておるわけでございます。そういう意味で、それらの基礎的な調査にどうしても最小限二年かかる。恐らく二、三年要すると思うのですが、それらの調査をやりました上で、先生のおっしゃるような方向で行政なり立法なり必要な措置をひとつ何とか考えていきたい、かように考えております。
#69
○坂口委員 そういたしますと、現在までは瀬戸内海等に注目をしていたので、閉鎖性水域としての東京湾あるいは伊勢湾についてはいままで十分な調査がなかった、しかし、伊勢湾等についてはもうすでにことしから調査の予算もついているので、これらの調査を重ねていって、その結果を踏まえて将来立法化の方向に向けていく、こういうふうにお答えいただいたと理解してよろしゅうございますか。
#70
○小沢国務大臣 先生のお考え方に沿って、この調査の結果をもってひとつ将来行政上の措置で十分いけるか、あるいは立法が必要か、これを含めて、いずれにしても瀬戸内海のような伊勢湾の水域の浄化のための具体的な方針というものを決めていきたい 何とか、おっしゃるような、御趣旨に沿うように私どももこの方針を決めていきたい、かように考えておるわけでございます。
#71
○坂口委員 時間が少なくなりましたので、大蔵大臣に一言だけここでお願いをしておきたいと思いますが、いずれにいたしましても、この「産業構造の長期ビジョン」の中にも書いてございますが、これから六十年までの間にいまの公害をさらに少なくして、しかも六%ないし七%の経済成長をしていくためには、十四兆円からの公害防止のための費用が要る、こういうことを言っているわけです。私もその数字がどうかわかりませんが、しかしそれは十分要るだろう、こう思うわけです。PPPの原則に従って、各企業等には積極的に公害防止をやれ、これは当然そうだろうと思います。しかし、すべてを企業に任せきりというわけにもいかない。で、国の方も、アメリカあたりでも、ことしはフォード大統領がかなり積極的な意見を出して、二十二億ドルでございますか、公害防止のためのかなりな金を出したというニュースが出ております。いままで全くなかったとは申しません。いままでもある程度の公害防止の費用は出されておりますが、今後経済成長が進めば進むほど、この公害というものが大きなネックになってくることは事実でありますので、ひとつその辺のところは大蔵大臣としても積極的に公害防止のために努めていただきたい。御意見を伺っておきたいと思います。
#72
○大平国務大臣 民間の公害防止施設につきましては、おっしゃるようにPPPの原則で、原因者負担でまいることが原則でございましょうけれども、これに対しましては、公害防止事業団でございますとか、開銀でございますとか、そういう機関を通じての融資でお手伝いをしてまいるということでまいりたいと思います。
 それから先ほどお話がございましたごみでございますとか屎尿でございますとか、いろいろな環境保全施設の場合でございますが、これにつきましては、従来すでにもう助成の道を開いているわけでございますから、さらにこの充実に今後も努めてまいらなければならぬと思っております。
#73
○坂口委員 時間がなくなりましたので、最後にもう一つだけはしょって質問をさしていただきたいと思いますが、各市町村は廃棄物処理に一生懸命取り組んでいるわけであります。ただ、一般廃棄物だけではなしに、市町村の廃棄物処理の中には、企業から出ます産業廃棄物もかなりたくさん含まれている。この処理に実は追われているわけでありますが、各地域によりまして、いま非常に積極的に取り組んでいる市町村もあります。特に、これは厚生省の方もよく御存じの愛知県の豊橋市あるいは広島市というようなところは積極的にこの廃棄物処理に取り組んでお見えになるわけです。私、こういった市にお邪魔をいたしまして、どういうふうな問題があるかをいろいろ聞いてまいりましたが、やはり廃棄物の処理を大々的にやっていこうと思うとかなりな金がかかるわけであります。これがなかなか一つの市ではやりにくい。しかしいま豊橋市が進めてお見えになります豊橋市都市農村環境整備結合実験事業計画、長い名前でございますが、いわゆるユーレックス計画というふうに呼ばれておりますけれども、これは廃棄物等をひとつきちっと堆肥化して、そして農業にも使っていこう、そして分別をして、再利用をするものはしていこう、こういうふうな形になっているわけであります。そういうふうな意味で、この計画というものは評価すべきものだというふうに思うわけであります。ところが、これはさっき申しましたとおり、財政的に非常に困難がある。その困難を打ち破って豊橋市はことしから軌道に乗せるということでございます。
 そこで、私はお願いをしたいのは、こういった事業を一つのパイロット事業というような形にして積極的にやろうという市あるいは都道府県に対しては、積極的に各省庁の枠を越えた協力の中でひとつ取り組んでいただきたいと思うわけであります。豊橋市の場合なんかでも、いろいろの問題に突き当たっております。たとえば人ぷん等を整理をし、それと家畜のふん尿を同じにしようと思いましても、これは補助金の関係で一緒にできない。別々にやらなければならない、こういう問題がある。いろいろ各省庁の補助金の枠が違うものですから、向こうは同じにひとつ廃棄物を片づけようと思いましてもなかなか一緒にならぬ、こういう問題があります。これらの点の枠を外して、ひとつ何とかこれはパイロット事業としてこういう問題を積極的に進めてもらいたい。こう思うわけですが、これは厚生大臣とそれから大蔵大臣にひとつお願いしたいと思います。
#74
○田中国務大臣 先生、お挙げになりました豊橋市におけるごみ処理パイロット事業ですが、分別処理と再生利用ということは、私はシステムとしては結構だと思いますが、しかし何分にもいままでの制度とは違ったやり方でございます。したがいまして、これについては、地元と厚生省との間にいろいろ助成の範囲あるいはアマウントにつきましていろいろとまだ詰めをやっている段階でございます。大まかに申しまして、処理の方法としてはきわめて理想的なものでありますが、これを一体どの程度までに財政的に助成をできるか、また、これをすべてにやったならばどんな財政負担になるか等々いろいろ問題がございまして、いま豊橋市のおっしゃっているような助成に直ちに踏み切るわけにはいくまいと思いますが、システムとしては結構でございますので、何とかその方向に努力をいたすことについてはやぶさかではございません。いろいろと今後検討しなければならない多くの問題を示唆しているものというふうに思っております。
#75
○大平国務大臣 厚生省とよく協議して対処いたします。
#76
○坂口委員 最後に、豊橋に行きましたときに、一般ごみ処理のコンポストと言っておりますが、最終的にこういうふうな段階であります。これはいわゆる有機肥料としてこれが使用できる。こういうふうなことで、いままでの化学肥料でございますといろいろの弊害がございましたけれども、こういった形になってしまえば化学肥料としての心配もない、また地力も上がっていく。一挙両得ということで、こういうふうなものができております。
 それから先ほど申しおくれましたが、いわゆるクロロプレンの実物は、これがクロロプレンでございます。
 最後におみやげを差し上げまして終わりにさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、廃棄物の問題は、これは大きな問題でありますし、それから最後にもう一言だけ言っておきたいと思いますが、この産業廃棄物等で働かれる皆さん方、この方々の社会的地位というものも向上させていかなければならない。ただこういった捨てたものを処理する人たちだという、そういう考え方でこの問題に対処していってはならないと思うわけであります。捨てるのではなしに、廃棄物は日本の将来における最大の資源であるという考え方で、リサイクルの立場でこの問題に取り組んでいかなければならないと思うわけであります。そういう態度の中で、そこで働かれる皆さん方に対しましてもひとつ温かい手を差し伸べていかれることをお願いをしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#77
○井原委員長代理 これにて坂口君の質疑は終了いたしました。
 次に佐藤観樹君。
#78
○佐藤(観)委員 大平さん、きのうはテレビ、ごらんになりましたか。
#79
○大平国務大臣 ほとんど見るひまがなかったのです。
#80
○佐藤(観)委員 ほとんどごらんになってない。じゃ、けさの新聞で大体、大臣、お忙しいからそう細かには見れないと思いますけれども、第二次喚問につきましてかなり大きく新聞は報じているわけですけれども、大ざっぱな話ですけれども、きのうの二次喚問、あるいはそれを新聞で見られて大臣の率直な感想はいかがでございますか。責任とかなんとかいうことじゃなくて、感想はいかがでございますか。
#81
○大平国務大臣 国会におかれても鋭意真相の究明に当たられておるということでございますが、なおこれからまだ国会において究明すべきことが大変たくさんあるのではないかという印象を率直に受けましたが、政府の方でも御承知のように、関係各省庁の間で事実の究明に当たっておりますので、政府は政府として鋭意努力しなければなるまい、そういう感じでございます。
#82
○佐藤(観)委員 私のお伺いしたのは、もっとざっくばらんに人間的と申しますか、そういった感想をちょっとお伺いをしたかったのです。
 少し話を進めますけれども、大蔵大臣という非常に重要な地位、しかも三木内閣を支える主要閣僚として、今度のこのロッキード事件について一体どういうふうに感じていらっしゃるのだろうか。特に私も、実はこの前の日曜日に街頭演説をやってきたのですけれども、私も大平さんと同じように余り演説はうまい方じゃないのですが、この前の日曜日は雨でしたけれども、とにかく人が出てくるのですね。われわれ街頭演説をやっても人が出てきて、いろいろ声をかけてくれるというのはそうないわけですね。ところが、雨の中でも出てきて、とにかく今度はうやむやにしないでもらいたい、こういう声が非常に強いので、私も東京都内では演説をしておりましたけれども、実は国民の今度のことに対する不満というものをはだでつくづく感じているわけであります。
 で、ここに読売新聞に来た投書が出ているのですが、新潟市の喫茶店を経営していらっしゃる清水信隆さん、二十八才の御意見でありますけれども、「捜査線上に浮かんだ金の額など、話が大きすぎて、腹を立てるというより、あきれ返る感じ。ぼくらの生活とはかけ離れすぎているからね。それにしても田中金脈といい、今度といい、こういった腐敗を生みやすい政治風土だけに、予算など、あと回しにしてでも、徹底的な究明を望みたい。捜査当局にどれだけの力があるかも見守っている」、こういうような投書が来ているわけです。何もこれは一つに限りませんけれども、非常に今度のことについては国民は怒りを持って見ていると思うのでありますが、主要閣僚として大平大蔵大臣の今度の事件に対するとらえ方、認識、それはいかがなものでございますか。
#83
○大平国務大臣 この事件が報道されましてから、国民の本件に関する関心が空前とも言える異常な状況であることは、私もよく感知することができます。それだからというわけじゃございませんけれども、本来どういう事件が起こりましても、政府はその職責上、事態を解明いたしまして、法の命ずるところで処置してまいらなければならぬわけでございますけれども、尋常一様の事件と違いまして、これだけの異常な関心を呼んでおるという事実を念願に置いて、政府としては異常な周到さで真剣に対処しないと、これはゆゆしいことになるのではないかということをしみじみ感じております。
#84
○佐藤(観)委員 もう少し具体的にお伺いしますが、じゃ一体今度の――真相は実はまだはっきりしないわけでありますけれども、いずれにしろ、そこに何らか金が動き、政治的な力が動いたかどうかは別といたしましても、全日空の飛行機がトライスターになっている事実、あるいは自衛隊の対潜哨戒機がP3Cにほぼ決まりかけていたという状況、こういったようなことを考えますと、途中のことはさておいても、やはりいま私たちの方も追及をしているところでありますけれども、真相はさておいても、そういうように一つの結果はそういうところに来ていることは事実なわけですね。そこで私は、こういったようなことが起こった背景あるいは原因あるいは日本の政治的な風土、これは大蔵大臣として主要閣僚としてどういうふうに考えていらっしゃるか、その点はいかがでございますか。
#85
○大平国務大臣 過去におきましてもいろいろな事件がありましたし、また国際的な関連を持った事件、今日のような問題に見るのと同類の事件もあったわけでございますから、今日初めて起こった事件ではないと私は思います。しかし、この実体を究明しなければわかりませんけれども、この事件の規模から申しまして、また事案の性質からいたしまして、よほど克明に解明して処置を誤ることがないように処置しておかないと、先ほど申しましたように、後世に悔いを残すことになるおそれが十分考えられると思うほどの重みを持った案件であると私は思います。
#86
○佐藤(観)委員 私がお伺いしたのは、大臣のその認識はわかりました。大臣もいまいみじくも、この事件は今日初めて起こったような事件ではないということを言われたわけですね。その認識というのは非常に重要なことなんで、じゃなぜこういう事件がたびたび起こるのか。このことが非常に重要なことだと思うのですね。野党もだらしないと言えばそれまでかもしれませんが、戦後三十年ほとんど自民党が政権をとってきたわけでありますから、その中でたびたびこういった事件が起こった。大臣のお言葉をいまそのまま言えば、今日初めて起こったような事件ではないという認識は、やはり今日まで政権を担当してきた自民党の中の基本的な問題なのではないだろうか。その原因というのは一体何なのか。そのことについてはいかがお考えでございますか。
#87
○大平国務大臣 佐藤さんの御質問に正確に答えるには、やはり実体が明らかになって、それを背負ってお答えしなければならぬと思うのであります。けれども、仰せのように、自由民主党が天下を預かりまして以後におきましても、この種の事件が何回か起こってまいっておりますことは事実でございます。これは、権力の行使ということに関連いたしましてそういうことが起こりやすい条件が権力の周辺にあることでございますので、権力の行使、運用に当たりましては、よほど戒めてかからなければならぬことを、いずれの案件も物語っておるものと思うのでありまして、今日の事件がどのような全貌を持ったものか私はいまわかりませんけれども、いずれにいたしましても、権力との関連において解明すべきは解明して、将来の戒めの指針にしなければならぬことは当然と思います。
#88
○佐藤(観)委員 私は、いま大臣が言われたその権力の行使という言葉は余り適切じゃなくて、むしろやはり地位の利用というふうに私は言った方がいいんじゃないかと思うのですが、じゃもう少し詳しくお伺いしますけれども、土曜日にわが党の稲葉議員の方から福田副総理に、今度の事件について一体どういうふうに考えられるかということについてお伺いをしました。確かにいま大臣が言われますように、事の推移はまだ微細にわたってははっきりしないことは私も認識をしているわけであります。したがって、きのう第二次の喚問をしたわけでありますけれども、しかし、とにかくすでに捜査に入り児玉譽士夫署名の四十七枚の領収証がはっきりと現認をされている。こういうような事態を踏まえて、それから先ほど私が言ったように、トライスターの問題にいたしましても、あるいはPXLの問題にいたしましても国産化の方針がだんだん変わっていくということ、こういったような状況をとらえて見て、かなり、細かい点はさておいても、このロッキード汚職事件というのはやはりそれなりに、デテールは別といたしましても、ほぼやはりあったというとらえ方をしなければいかぬと私は思うのです。それに立って、この前土曜日に福田副総理は、この問題というのは、金が政治を支配する、金で政治が支配される風潮を深く反省をしなければいけないのだ、そういう風潮を醸し出した責任というのは政治に大きな責任があるのだ、政治家、特に長いこと政権をとってきた自民党は心から反省するよい機会である、こういう答弁を言われているわけですね。あなたもここにいらしたわけですから。この認識について大平大蔵大臣としてはどういうふうに思いますか。
#89
○大平国務大臣 福田副総理の御見解は御見解として拝聴いたしました。私は、本件につきまして先ほども申しましたように、国会も解明に手を染めておるわけでございますし、政府の捜査当局も鋭意実態の究明に当たっておるわけでございますから、いま私どもがなすべき最大の任務は、まずこれを解明していくということ、そしてそれを公正に法に照らして処断していくということだと思うのでございまして、そのことのためにいま全力を尽くすことがわれわれの任務であろうと思うのでありまして、政治に対する考え方というものは、あなたとやりとりをすることも無意味ではないと思いますけれども、こういう時期でございますから、そういうやりとりはえてして誤解を招きやすいので、遠慮させていただきます。
#90
○佐藤(観)委員 私は何も、誤解を招かないように慎重に答弁をしていただければいいので、いま大平さんが答弁をされたことは事の処し方、今度の問題をどう処理するか、そのことはいま大臣が言われたとおりだと思うのです。しかし、大臣もまさに御自分の答弁の中に言われたように、こういったような種類の問題は今日初めて起こったことではないのだ、これはやはり長いこと政権についてくれば、大臣のお言葉をそのまま使えば、権力を行使する側にあったから非常に起こりやすい事件であったという趣旨を言われているわけですね。したがって、なぜこういったことが、今日初めて起こった事件ではないということになるかというと、福田副総理は、現在の政治が非常に金によって左右されるのだ、だからそこに原因があるので、それは挙げて政治の責任であり、そしてその大きなる責任は政権をとっていた自民党の側にもあって、これは反省するよい機会だ、こういう認識に立たれているわけですね。ですから、事の処し方の問題ではなくて、いま大平さんも言われたように、戦後三十年の中でもこういった疑獄事件、汚職事件というのが何度も起こっている。しかも、それは自民党政権の中でほとんど起こっているわけですね。これはなぜなのか。この背後にある日本の政治風土、福田さんはそれは金が政治を支配するからという原因に見つけているわけですね。そういう認識は大平さんにはございませんか。
#91
○大平国務大臣 政治と金との関係に対するお尋ねだと思うのでございます。私は政治家というのは金が全然なくて政治はできないと思うのです。問題は、その金の調達とその使用についてちゃんとした節度がなければならぬと思うのであります。そのことについては、与党といわず野党といわず政治家と名のつく者はみんな真剣にみずからを律して考えられておることと思うのであります。その節度を踏み外した場合にそれが問題になるわけでございまして、私はほとんど多くの政治家に間違いがあるとは思いません。あるいは万一間違いがありとすれば、そういう節度を誤った者に罪があるのではないかと思うのでありますが、この解明はやはり真相の究明をもって正さなければならぬことだと思います。
#92
○佐藤(観)委員 どうも少しすれ違うのですが、もう一つだけお伺いしておきますが、福田副総理は土曜日のわが党の質問に答えて、いまのような金権的な政治、金で政治が動かされる、こういう事態になっているのは、四十七年のときの総裁選挙から一段と高進をしたのだ、これが一段と、この総裁選挙が区切りとなってその傾向が非常に進んだのだということを言われておるわけですね。反省をされておるわけですね。あなたもここでお聞きになっていたと思いますけれども、あなたも四十七年のときには総裁選挙に出られた。いまこういう事件が起こって、福田副総理はそのような認識を持っていらっしゃるわけですけれども、総裁選挙に関してですね。あなたはやはり総裁選挙に出られた一人として、今度の事件を踏まえてどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#93
○大平国務大臣 私は、金が政治を支配する、あるいは総裁選挙を金が支配したとは考えておりません。いま申しましたように、各政治家が金を取り扱う場合に、節度を持って処理すべく各自はそれぞれ真剣に検討しておると思うのでございます。昔もいまも私はそうだと確信をするわけでございます。私自身、公私の生活におきまして、乏しいながらそのことについては常に自分を戒めておるつもりでございます。
#94
○佐藤(観)委員 もう少し福田副総理の発言について大平さんに対照的にお伺いをしたいのでありますけれども、私も自民党に籍を置くものではないわけですから、総裁選挙のあり方まで立ち入って話をお伺いをする必要もないので、少し話を前に進めます。
 もう一つ、主要閣僚、有力閣僚としてお伺いをしたいのは、いま最大の焦点というのは、アメリカがいかなる形で、コーチャン前副会長が政府高官にお金を渡したと証言をしておるわけでありますけれども、その渡された氏名というのをどのような形で公表するか。アメリカが発表するかあるいはアメリカが日本に資料をくれるかということが最大の問題になっておるわけですね。そのことについて、これはきのうのニューズウイークの記事でございますけれども、アメリカの持っておる資料というのは非常に確証が高いのだ、単なる憶測とかうわさとかいうことではなく、資料が全部で段ボール箱八十ある中に、外国政府高官の氏名というのは何と二十一箱あるのだ、段ボール箱二十一箱資料があるのだ、二十万ページ資料があるうちの五万ページが外国政府高官の氏名が書かれているのだ、それにはかなり証拠がついておるのだということを昨日のニューズウイークの国際版でありますが、報道しているわけですね。したがって、この問題というのは、ニューズウイークの報道が正しいかどうかはいずれ何らかの機会にわかるわけでありますけれども、そのことはさておいても、やはり政治の姿勢として、特に三木内閣として、首相自身、日本政治の名誉にかけても事の真相を究明すると言われているわけですから、この資料というものがやはり国民の前にはっきり公表されることが今度の事件の本質を明らかにするし、日本の政治の前進のために非常に必要だと私は思うわけですけれども、主要閣僚として大平さんはいかにお考えでございますか。
#95
○大平国務大臣 そのことは、すでに総理大臣御自身から国会を通じて明らかにされておるわけでございまして、氏名を含めて全資料をアメリカ政府筋から提示を受けたいということ、そしてそれは原則として公表すると言明されておりますので、私はさように信じております。
#96
○佐藤(観)委員 それと、もう一点大蔵大臣にお伺いをしておきたいのは、私きょうは本当は税の関係の話をロッキードに関係してお伺いするのですが、一点だけ支出関係について、今度の問題に関連をしてお伺いをしておきたいのです。
 防衛関係費の中で、今度は航空機の購入費というのが千百七億円組まれているわけです。そのうち予算書に出てくるのは、対潜哨戒機、現在ある対潜哨戒機ですね、それから対潜のヘリコプター等の航空機二十三機ということで、これが千百七億円というふうに予算書に出ているわけですが、主計局長、この中で一体、いわゆるいま問題になっているPXL、次期対潜哨戒機ではなく、今度買う予定にしている対潜哨戒機は何機あって、幾らの予算になっていますか。
#97
○吉瀬政府委員 お尋ねの趣旨が、PXLということではなくて、対潜哨戒機がどのくらいということですか。――手元の資料では現在のところ、四十二年度から四十五年度までにP2Jが六十一機入ってございましたけれども、五十一年度予算にはちょっと手元の資料では対潜哨戒機は入ってないようでございます。
#98
○佐藤(観)委員 六機入っているのじゃないですか。ちょっと至急調べてください。
#99
○吉瀬政府委員 いますぐ問い合わせまして、御返事申し上げたいと思います。
#100
○佐藤(観)委員 それではそれがつくまでに、ちょっと話を先に進めさしていただきたいと思います。
 今度のロッキード事件で国民が非常に怒りを感じているのは、しかもいま納税時期でありまして、こんなことなら税金を納めないという投書が幾らでもきておるわけですね。これは国民の一人として私も、非常に細かいものまで申告して、当然のことでありますけれども、納めておる者としては非常に頭にきている。特に、毎日新聞の投書には、これは山口県下関の主婦でありますけれども、「事件について、どんな抗議行動がとれるか主人と相談した。デモに参加したくても、近くでは予定がない。それで固定資産税(第四期分)を支払わないことにした。児玉の脱税が時効になる日(三月十三日)まで断じて払わないつもり。市役所の納税課に電話で宣言したら、係の人はビックリしていた。延滞料は取られるだろうが、東京にデモに行くよりは安上がり」。栃木県黒磯市の中年の中小企業の経営者の方は、「不景気なので車を三台売って税金を納めた。それなのにこの事件だ。これからは税金も払いたくない」、こういうような投書が、まだこれは代表的なものだけでありますけれども、来ているわけですね。今度の事件の本質は、トライスターの問題もありましょうけれども、次期対潜哨戒機オライオンを売り込む、そのために、大臣御存じと思いますけれども、児玉とロッキードとの間に結んだ四十八年の七月の二十七日付の契約書には、大臣御存じだと思いますが、一機自衛隊に対潜哨戒機P3Cオライオンを売り込みますと、五千万円の手数料が児玉譽士夫の手に入るという契約書が出てきたわけです。五十機売れば二十五億円。私の知る限り、またこの道の専門家に言わせますと、大体自衛隊はこれを百機買うそうでありますから、国民の税金で一兆円。百機ですから、一機約百億円として一兆円かかるわけですね。一兆円自衛隊が飛行機を買いますと、児玉譽士夫の手には五十億円の手数料と称するお金が契約によって自動的に振り込まれることになるわけですね。何のことはない、国民は税金を一生懸命納めるけれども、自衛隊が飛行機を買うと、その納めた税金の一部が児玉譽士夫のところに契約によって自動的にぴんはねをされる。これが今度の問題の最も大きな問題だと私は思うのですね。こういうことになりますね。大臣、こういう認識、いいですね。
#101
○大平国務大臣 もし契約がそのとおり事実契約されており、そして自衛隊におかれてP3Cがそのとおり購入されたとすれば、おっしゃるとおりになると思います。
#102
○佐藤(観)委員 そこが本当に、私はいまちょっと投書を例に挙げましたけれども、国民には全く頭にくる問題だと思うのですね。いま現場で働いている五万二千の税務署の職員の方も、本当に大変な精神的な圧迫だと思うのですね。こういう国民、納税者の厭税気分というのですか、税を納めたくないという気分、ばかにしているという気分、これは私は現場の徴税に当たる職員の方々にとっては、大変な精神的重圧だと思うのです。今度のこの事件について、最終的には大蔵大臣が徴税の最高責任者であるわけでありますし、現場の責任者としては国税庁の長官になるわけでありますが、こういった国民の税に対する怒りですね、こんなことなら税金を納めたくない、こういう怒りの声というのは、大臣としてはいかにお考えになりますか。いかにとらえていらっしゃいますか。大臣と国税庁の長官に気持ちをお伺いしたいと思います。
#103
○大平国務大臣 国がよって立つ基本は納税が適確に行われることでございまして、これが崩れますと、国の存立が危ういわけでございまして、私どもそのために国民にそういったお気持ちが一抹もあってはならない、そういうことを残してはならないわけでございますので、本件ばかりでなく、どの案件につきましても真剣に取り組まなければなりませんけれども、いま提示されておるロッキード問題につきましても、厳しい態度で国民の期待にこたえて追及してまいるつもりでございます。
#104
○中橋政府委員 国の予算を支えておりますものが大部分税金でございますし、その税金を納めてもらうのが個々の納税者でございます。納税者が正しく申告をし、正しく納税をしてもらって初めて国の仕事は十分できるわけでございます。そういう意味におきまして、私は常々納税者にその事態を理解してもらうべくいろいろお願いをしておるわけでございます。
 そういう観点から言いまして、今回のような事件が不幸にもそういう納税者の正しい納税意欲を阻害するということがあってはならないわけでございまして、そういうことは十分私どもも肝に銘じつつ本件も処理いたしたいというふうに思っておりますし、あわせまして個々の納税者の方々のお気持ちは十分わかりますけれども、やはり一人一人の方の正しい申告あるいは納税の積み上げが国の予算を成り立たせるということも十分御理解をしていただきたいと思うのであります。
#105
○佐藤(観)委員 中橋さんは、どうせ大臣と中橋さんと横井さんのずっと答弁になりますから、時間がむだでございますから、こっちへ来てください。
 長官は当然そういうふうに言わなければいかないわけであります。しかし、国民の側にしてみますと、本当に中小企業にとってみまして、いま納税時期で大変あくせく金繰りもつけながら納めていく。それについてもこのロッキード事件でちゃんとした公平な適正な課税がされなければ、納税者の方に納税者の方にと言っても、一方では大口の方は穴があいておるということじゃこれはならぬと思うのです。
 そこで、もう一度お伺いしますけれども、本当に今度の児玉譽士夫あるいは丸紅そ他のいわゆるロッキード事件の関係者について国民の納得のいくような徴税ができるんだ、適正かつ公平な徴税ができる、こういう自信はおありでございますか。
#106
○中橋政府委員 ただいまお示しのようなことを念頭に置きまして、第一線当局ともども全体としてその事態の解明に努力をしておるところでございます。
#107
○佐藤(観)委員 そこで、徴税庁としての税金を取るという立場――取ると言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、徴収をするというのが正確かもしれませんが、その立場として今度のこのロッキード事件についての税金の徴収の問題というのは非常に大きなウエートを占めている。しかも、捜査についても国税庁の役割りというのは非常に大きいのだと私は思うのですね。そこで、国税庁のその基本的な考え方として、国税庁は国税庁で今度の問題というのはとにかく児玉が脱税をしたと言われる額だけ取ればいいんだ、税金さえ取ればいいんだ、こういう態度なのか。かつて暴力団がばくちのテラ銭やあるいはゆすりで得た金でも国税庁として税金を取るということで、その行為自体についてはもちろん国税庁の責任ではありませんけれども、そういったものでもとにかくもうけだから、所得だから税金を取ればいいという考えの税の執行をやったことがあるわけでありますけれども、そういうふうにとにかく児玉に対してもその他についても、国税庁としては単に脱税額の捕捉をすればいいのか。あるいはいま世論にあるように、一体児玉からいわゆる政府高官まで行ったというふうに――コーチャン氏の証言は、後で詳しく紹介をいたしますけれども、言っているわけですから、これは単に児玉譽士夫にだけ税金を取ればいいという問題ではないと私は思うわけです。その辺のところ、国税庁としての今度の問題の取り組み方の基本的な姿勢、方針というのはどうなっていますか。
#108
○中橋政府委員 所得税は、所得の帰属者にその所得額に応じて納税を求めるものでございます。したがいまして、今回の事件も、だれが幾ばくの取得をしたかということをできるだけ解明した上での課税を行わなければならないというふうに考えております。
#109
○佐藤(観)委員 いや、ですから、だれが幾ばくの所得を得たか、その所得を得た人が課税されるのは私もわかるわけです。その場合に、いま問題になっているのは児玉譽士夫の四十七枚の領収証が正当だという、まさにそれはあったのだということで捜査に入られたのだ、査察に入られたのだと私は思うわけです。ところが、片方ではアメリカの海の向こうでは、コーチャン証言によって、児玉氏を通して日本の政府高官に金がまかれたのだ、こういう証言になっているわけです。後でもう少し詳しく詰めますが、簡単に言いますとそういうことになっているわけですね。ということは、最終の所得を得た人というのは、児玉氏が幾ら得たかわからない。最終的にはその政府高官のところにお金が行っているわけですから、国税庁としてはその政府高官をぴったりとつかまえて、そこに課税をしなければいかないのじゃないですか。それがあなたの言う正しい課税の仕方、いわゆる所得を得た者に課税をするということになるのじゃないですか。捜査、査察なりあるいは今後の調査を進めるに当たって、そういう方針になるのじゃないですか。そうでしょう。
#110
○中橋政府委員 私が申し上げました所得者といいますのは真実の所得者の意味で申し上げたわけでございますから、いまお話しのようなだれが幾ばくの所得を得たかということを解明しなければならないわけでございます。
#111
○佐藤(観)委員 私、中橋長官はいま非常に重要な責任があると思うのです。きょうの私の質問の主題は実はそこにあるわけで、まさに長官としては非常に重要な、大変な責任がかぶせられていると私は思うのです。これは単なる脱税事件だけではなくて、そのことがはっきりしますと、これは贈収賄事件に発展をしていく事件なわけですね。その意味では、いま長官が言われましたように真実の所得者に課税をする、それが捜し出せるかどうかというのは、まさに国税庁の捜査のやり方あるいは力にかかっていると思うのです。そういった意味では大変な重大な責任が国税庁にはかかっていると私は思いますけれども、ひとつ大平大蔵大臣、このことの、真実の所得者に課税をする、これは非常に重要なことだし、非常に大変なことなわけですが、そのことはわが国の国税庁の能力をもってすれば十分できるという自信がございますか。
#112
○大平国務大臣 真実の所得の帰属者を突きとめて、そこから適正に課税をするということでなければならぬことはわれわれの本務でございます。それにこたえられる十分の体制と能力を持っておるかということでございますが、私はわが国の国税庁を頂点とする徴税機構は御期待にこたえ得る力を持っておると思います。
#113
○佐藤(観)委員 私も税務署の職員の方とのつながり、つき合いが非常に大きいので、税務署の職員の方の個々の能力あるいは日本の国税庁を中心とする徴税能力というのは非常に能力的に高いものだと評価しているわけです。これは何もお世辞じゃなくて、本当に大したものだと思っておるわけですね。ところが残念ながら、上の方の方針である程度適当にとかいうことになってしまっては、これはまさに日本の徴税機関としての国税庁の今後の活動と申しますか責任というのは、私がちょっと先ほど新聞を御紹介しましたように、本当に国民から見放されることになってしまうと思うのです。
 そこで、私はもう少しこれから詰めていきますけれども、真実の所得者に課税をする、この追及をあくまで続けていただきたいと思うのです。
    〔井原委員長代理退席、正示委員長代理着席〕
 それで、次の質問に移る前に、ちょっと主計局長いかがですか。私がなぜあえてお伺いしたかというと、私が聞いていたのは五十一年度は六機と聞いていたのですが、先ほどちょっと防衛庁の方から資料をいただきましたら五十一年度は八機という数字になっているので、どちらが正しくて、一体それは幾らかということだけちょっと教えてください。
#114
○吉瀬政府委員 新規分がたしかおっしゃるとおり六機ございまして、そのほかに継続分として八機あるわけでございます。それで、五十一年度予算の当年度の歳出額が新規分は六億九千百万円でございます。後年度負担が百五十八億。合わせまして百六十五億で、一機当たりの単価は二十七億五千五百万になっております。継続分でございますが、八機でございまして、そして当年度歳出額が百三十九億でございます。
#115
○佐藤(観)委員 そこで、いまの対潜哨戒機はP2Jですね。よろしいですね。これはどこ製ですか。
#116
○吉瀬政府委員 川崎重工でございます。
#117
○佐藤(観)委員 いや、それは川崎重工がライセンスを得てつくっていますけれども、本体のそもそもの設計と申しますか、これはどこ製ですか。
#118
○吉瀬政府委員 本体の設計はロッキード社でございます。
#119
○佐藤(観)委員 まあ私の質問の聞き方が悪かったと思うのですけれども、これはいまちょっと資料があるかどうかわかりませんが、いつから入っていますか。P2Jは一番最初はいつからですか。
#120
○吉瀬政府委員 四十二年からでございます。
#121
○佐藤(観)委員 この問題は余り詰めていると私も時間がなくなるので、余り専門でもありませんので……。私のいただいた資料で四十一年改造型となっているのですが、そのことはいまさておきまして、これだけとにかく対潜哨戒機についていろいろの疑惑が出、そして国民は先ほど申しましたように、もう税金なんて納めたくない、そんなことに金使われるならということで大変な厭税気分もあるし、私はここで一つの提案をしたいわけです。
 と申しますのは、私たちはそもそもいまの自衛隊自体が違憲だ、必要ないという見解に立っているわけでありますから、本来なら国防費、全部削るべきだと思うわけでありますが、そのことはいま、どうせ予算の組みかえのときにまた問題になりますので、その大枠の話は別といたしまして、やはりこの際、政治の姿勢を正すために、P3Cではございませんが、P2Jですが、やはり同じようにロッキード製であり、今期五十一年度に組まれております百六十五億三千四百万円、これを削る。かつてのシーメンス事件のときには国防費を当時四千円ですか、これを三千円に削るということで山本権兵衛内閣は崩壊をしたという経緯があるわけでありますけれども、内閣の崩壊のことは別おいて、やはり国民にしっかりと姿勢を正すためにこのP2J、百六十五億三千四百万円、これを削るという考えはございませんか、そういう姿勢はありませんか。
#122
○大平国務大臣 不正は究明し正さなければならぬわけでございますが、政府が予算といたしまして厳選の上国会に御審議を求めておる計画につきましては、これをいま変える所存はございません。
#123
○佐藤(観)委員 と申しますのは、児玉氏がロッキードと契約を結んだのが四十四年の一月十五日が基本契約になっているわけであります。そうなりますと、このP2Jについては四十一年から改造型が入っていたと思うのですが、果たしてその辺の関係はなかったのかどうなのか。またまた私は若干の疑問を個人的には持つわけであります。そういった意味では一つの姿勢を正すという意味で一つの私なりの提案をしたわけでありますが、そういう御答弁でございますので、少し先に進ましていただきたいと思います。
 税の話、徴税の話に戻りますが、いま国民の中で、率直に言って国税庁あるいは検察、警察、警視庁に期待をする気持ちというのはかなり私は大きいと思うのです。特に、私は今度の問題というのは金の動きということを追及する面におきましては大変国税庁の役目が多いということは先ほど申し上げたわけでありますが、いかんせん素人から見ますと、どうも捜査に入るのが、査察に入るのが遅かったのではないだろうか。あるいは中橋さんも見ていらっしゃると思いますが、二月の二十四日の朝日新聞には、写真入りで児玉氏−当時はまだ児玉氏であります。児玉氏のうちから焼かれたいろいろな書類、金銭出納帳あるいはどこの会社に幾ら払った、そういったかなり重要と思われる資料が焼かれて、そしてそれがごみ箱の中に突っ込まれたという記事が、これは写真入りで出ているわけですね。恐らくごらんになっていると思いますけれども、こういうのを見ますと、あるいは大変失礼な話でありますけれども、私たちの耳にも二十三日の夜にはもうどことどことどこに捜査が入るぞというのが全部入っていたわけですね。もう本当にかねと太鼓を鳴らして二十四日の九時に大人数が入っていっていたという、そういう感が免れないのです。
 こういったことを考えますと、それは確かに非常に大きく発展をする事件であろうから、それなりの構えをもっていかなければ大変だという、その方針はわかりますけれども、外から見てみますと、捜査に入った時点が非常に遅くはないか。皆さん方の御専門に言わせれば、大抵内偵を六カ月くらいするのだから、それに比べれば大変早いと言われるかもしれませんが、具体的にお伺いをすれば、それならばなぜ児玉のうちにもつと早く所得税法なり法人税法の質問検査権を発動しなかったのか。これは恐らく書面でしたということを言われると思うのですが、国民から見ますと、とにかくほとんど中小企業の方々は税務署に入られている――入られていると言うと皆さん方は余り気持ちよくないかもしれませんが、調査されている経験は中小企業の方々は必ずいままで一度はあると思うのです。それと比べてみますと、今度の場合には何か国民の目から見ますと非常に寛大というか甘いというか、そういう気がしてならぬのです。その辺はどうなんですか。
#124
○中橋政府委員 今回の事件で、査察に入りましたのを従来の経験から申しますと、申すまでもなく、いま佐藤委員御指摘のとおり非常に異例な短期間で査察に切りかえたというふうに私は思います。従来でございますれば、普通の査察事件を扱いますとやはり相当な期間内偵ということがありまして、いろいろな情報を集め、またそれを裏づける資料を集めまして、それを疎明資料といたしまして捜索令状等をもらうわけでございます。今回の事件は、そういう観点から申しますと全くオープンに二月四日以後事態が発展をしてまいりまして、かねや太鼓ということば実は私どもは一番査察として扱うには避けなければならない事態でございましたけれども、特にそういった発端でございましたので、報道も非常に大きく取り上げられましたし、どこに普通の税務調査が行われるであろうか、あるいはいつ査察に切りかえるであろうか、その場合にはどういうところに行くであろうか、あしたもう査察を始めるのですか、というようなことが盛んにわれわれのところにも問い合わせがありましたし、およそそれらしいところの現場につきまして、かなりのいわば予知するような事態として相当の報道機関の人たちが前々からいたというような事態もございまして、私どもといたしますれば、これはもう当然秘匿したままに仕事を進め、また査察事件に踏み切るのが常道であると思いますけれども、そういった異常な事態でありましたということを御了解願いたいのでございます。
 おそきに失したということは、やはり私どもは、あのときの外交チャンネル等から得ました資料の分析とか、あるいはそれを裏づけるもの、特に私どもは、やはり何といいましても資金の流れというものを十分解明しなければならないというところから、非常に短期間でございましたけれども、その方面の努力もいたしました末に踏み切ったような次第でございまして、私どもは、おそきに失したということば本件についてはなかったのじゃないかというふうに考えております。
#125
○佐藤(観)委員 もう少し具体的にお伺いしますと、いま私が例を挙げましたように、二十四日の朝日新聞には、資料を児玉邸で焼いてごみ箱に捨てたという記事が出ているわけですね。こういったようなことを思うと、いま中橋長官も言われましたように、二月の四日以来あれだけ大々的になっているわけですから、そういったような資料が焼かれるという前に、なぜ児玉邸に所得税法、法人税法の言うところの質問検査権というのを使って調査に行かなかったのか。これは恐らく質問書を送りましたということになると思いますが、普通のわれわれが接する中小企業の方々の場合には、質問調査書なんて行かないのですね。知らぬうちに税務署の方が見えるということでやるわけですね。それに比べてみますと、片方であれだけ新聞に四日以来大々的に出れば、その道の人ならば、どの資料を破ってどの資料を捨ててしまえばどうなるかということはわかると私は思うのです。その点はいかがなんですか。
#126
○中橋政府委員 普通の所得税法なり法人税法の調査で、いまおっしゃいましたようにその事業所に臨んで帳簿、書類を検査するということはもちろんやります。それは、やはり普通の場合には、事業者なり事業をやっております法人を相手にいたしますときには、必ずそれに伴いますところの原始資料とか帳簿がそこにあるはずでございますから、真っ先にそこに取りかかるというのも一つの調査上のテクニックとしてやるわけでございますが、通常の個人に対する所得税の調査というのは、そこに入っていくということがその場合何をおいても必要なのかどうかという問題がございます。むしろ私どもは、そういうことに関します契約書あるいは仮領収証の写し等は外交チャンネル等でもって一応手に入ったわけでございますから、むしろそれの裏づけとなりますところの周辺についての調査というのに力点を置いたのは事実でございます。したがいまして、所得税法に基づきますところの質問検査権によりまして、調査はすでにそのときまでにやっておったわけでございますし、また、関連の法人につきましては、法人税法に基づきますところの質問検査権をやっておったわけでございます。
#127
○佐藤(観)委員 児玉の場合に、それは確かに中橋流のやり方かもしれないけれども、私三度目に言うのですが、とにかく現実に朝日新聞に報道されたようにかなり資料が、どのくらい焼かれたのかわかりませんが、焼かれたというようなことが出ること自体、私はまずいと思うのです。国民に与える影響からいっても、これは税務当局の行動として私は非常にまずいことだと思うのです。
 もう一つ、具体的にお伺いしますが、これは答えられないと言うかもしれませんが、一体、東京国税局の直税部の資料調査第一課、これが児玉、当時まだ氏ですが、に対して質問書を送ったのはいつですか。
#128
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 はっきり記憶いたしておりませんが、二月九日か十日であったと記憶いたしております。
#129
○佐藤(観)委員 これにつきましては、先ほど言った焼かれた資料の中に答弁の原稿の痕跡というか、そういったようなものが出てきて、いま申しました東京国税局への回答書が出ている。書いた痕跡が出てきたということが報道されているわけですが、それでは二月の九日か十日、いずれにしても二月四日にこのことが報道されて、その行動が、具体的に児玉家に対しては一番最初の国税庁としてのあるいは東京国税局としての行動になるわけですか。
#130
○横井政府委員 先日の当委員会におきまして横路先生の御質問にお答え申し上げたのでございますが、ロッキード問題が発生いたしまして以来、私ども早速所得税法に基づきます任意調査に入ったわけでございます。その段階におきまして、児玉の関係会社、個人につきましていろいろ調査を進めております。
 もう少し具体的に申しますと、ただいまの質問状を出しますほか、児玉の秘書について質問を行う、あるいはまた、児玉の関連銀行について預金調査を行うというふうなことをいたしております。銀行調査は約二十行について行っておるという状況でございます。
#131
○佐藤(観)委員 どうしても私理解できないのは、二月四日に報道されてから少しその間に日にちがあるということ、それから中橋長官もお答えになりましたけれども、まず周りから調査していくんだというやり方をとられて、直接的に児玉宅へおたくの方から行かれたのは、いま申しましたように若干日にちの間があるわけですね。一般の調査ということならば入れるわけです。査察じゃないわけですから入れるわけですから、なぜそれをやらなかったかというのがどうも私には腑に落ちないわけです。その点もう一回答えてください。
#132
○中橋政府委員 所得の解明につきましては両面ございまして、いわゆる損益から推していきますのと、財産から推していくのと両面あるわけでございます。それでこの場合、損益面で申せば、いわば外交チャンネルで入手いたしました一つの資料があるわけでございます。それのもちろん確認とか、そういうことについての資金の行方というのを、本人ないしその関係者から聞くということももちろん大切だと思いますが、もう一面としましての、財産形成がそのうらはらとなって一体どういうふうに進んでいっておるのかというのが、実はこの場合非常に重要な問題であると私は思っております。それで先ほど次長からも御説明しましたように、もっぱら金融機関に相当の力を注ぎまして、そういう面についての解明も急いだわけでございます。
#133
○佐藤(観)委員 その損益面、財産形成の面からというのはわかるのです。わかるのですが、問題は、これだけ外から大々的に報道されたら、どんな素人が考えても、必要書類はとにかく抹消しよう、証拠隠滅を図ろうと思うのは、皆さん方調査の御専門だが、そんなことはわれわれ素人でも当然思うわけですよ。それは確かに中橋さんが言われるように、外から固めていこうと言われるのも一つのやり方でしょうけれども、もう国民の中にこれだけとにかく知られたことになりますと、査察はまた話は別といたしまして、どうして早く中に入らないんだろうかと、これはどうしても思うわけです。外から固められる、もちろんこれも大事でしょう。しかし、なぜ中に入るについて若干時間の余裕があったのか、このことがやはりわれわれにしてみますと、中小企業の方々とつき合い、税務署の方々とつき合い、そういうことをいろいろ聞いてみますと、普通の場合には内偵もやっているでしょうけれども、必ずしもそうじゃない。今日はと、すっと来られる場合も幾らでもあるわけです。そういうようなことを見ますと、どう見ても、確かにちょっと大きな事件になりそうだから皆さん方も構えられるのはわかるけれども、一般の中小企業の方々の調査とは少しこれはおかしいな、甘いのじゃないかなというふうにわれわれは思ってしまうわけですね。もう一回だけそれを答えていただいて、先に行きます。
#134
○横井政府委員 私からお答えさせていただきます。
 一つには、アメリカからの情報が参りますのが若干おくれたということがございます。もちろん新聞報道は早速分析をいたしましたけれども、どのような資料があるのかということも当初はわかりませんでした。したがいまして、直ちに調査に入れる状況でもなかったということがございます。
 それから第二に、児玉が不在であるというふうな状況もあったわけでございます。
 それから第三に、私どもには過去に児玉を調査いたしました際のいろいろの資料等もございますので、それらを整理分析し、また外部から預金等を押さえてまいるということが調査の常道であり、有力な方法であるというふうなこと等を考えまして、若干直接の調査はおくれたということでございます。しかしながら、先ほども申しましたように、秘書等を通ずる調査等によりまして、私ども具体的なことは申し上げかねるのでございますが、十分な疎明資料を得まして令状をいただいたということでございます。
 なお、先ほどの日付でございますが、二月十二日でございますので、訂正させていただきます。
#135
○佐藤(観)委員 このことについては、初動捜査というのですか初動調査が本当によかったかどうかというのは最後の結論で決することだと思いますから、これ以上別に申しません。
 もう一つ私が不思議に思うのは、丸紅についての脱税の問題です。これは警視庁が外為法違反ということで丸紅に捜査に入った。そうなってきますと、あのコーチャン証言を見ますと、とにかく丸紅に対して合計六億円が行ったということになっているわけで、そのことが外為法違反ということで警視庁が捜査に入っているわけですから、当然この六億円について税法上は一体どういう問題になるのだろうかということになってくるだろうと思うのですね。たしか横路委員の質問の回答だと思いましたけれども、丸紅に対しては一月十九日から、すなわちこの事件が起こる前から調査に入っている。ところが、警視庁の捜査が入ったことによって、新聞報道でありますから確認は恐らくしても皆さん方言わないかもしれませんが、四トントラック何台分という膨大な資料が丸紅から警視庁に行っているわけですね。そうなってきますと、一月十九日から入った皆さん方の法人税法上の調査あるいは伊藤なり大久保なりの所得税法上の調査、これについては恐らく一とんざしているのだと私は常識的に思うわけですね。そうなりますと、警視庁で押収していった資料をもとに皆さん方が所得税法なり法人税法の調査をするというわけにいかないわけですから、この辺のことはなかなか言いにくい問題かもしれませんが、一体丸紅に対しての税法上の問題というのはどういうふうに考えていらっしゃるのか、その点についてお伺いしておきます。
#136
○中橋政府委員 丸紅株式会社につきましては、御指摘のように本年の一月十九日から普通の調査を始めたわけでございますけれども、その始まりました直後にこういった事態がわかりましたので、そういう観点も加味して、ずっと法人税法に基づきますところの質問検査を行っておるわけでございます。まだそういう普通の調査を行っておりまして、果たしてそれが国税犯則取締法の発動を要するかどうかということは今後の経緯を待たなければなりませんけれども、言われておりますところの一点は、大久保、伊藤を介しまして金品の授受が行われて、それがどこかに行ったということが言われておりますから、一つにはその点は会社そのものと一体どういう関連があるかという観点でもちろん調べてみなければならないと思います。それから、問題の航空機の代理店としての手数料収入が一体適正に計上せられておるかどうかという問題ももちろん調査しなければなりません。そういう観点で、警視庁の捜査が入りましたけれども、それによって資料が持っていかれてない部分につきましては、なお今日も調査を続けておるわけでございますし、もっぱらいまのところは児玉の所得税法違反というものに日にちの関係もございまするから主力を注いでおるわけでございますけれども、今後とも丸紅株式会社なり大久保、伊藤の所得税の問題につきましても調査を進展いたすつもりでございます。
#137
○佐藤(観)委員 そこで、今度の事件の解明に、一体ロッキード社の経理はどうなっているんだろうか、向こうのコーチャン証言によるところの丸紅なりあるいは児玉を通して払ったと言われる資金、これは一体ロッキード社の中でどういう経理になって、どういう項目になっているんだろうかということは、これはわが国のその関連するところを調査する上において私は非常に重要なことだと思うのです。
 そこで、簡単に申しますと、日米租税条約と言うのですか、とにかく長ったらしい名前で、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約というのがございますね、これが今度非常に有効な条約ではないかと私は思うのです。私もずっと見てみたのですが、この二十六条というので、アメリカの国税庁、向こうでは内国歳入庁というふうに言っておりますけれども、これから資料を取ることができるのじゃないかと私は思うのですが、その二十六条を簡単に説明していただいて、一体そのことについて国税庁としていつ、どのような処置を、だれの税務調査をアメリカ側に依頼したか、この点についてお伺いをいたします。
#138
○中橋政府委員 ただいま佐藤委員御指摘のように、いわゆる日米租税条約第二十六条によりまして、両締約国の権限のある当局、わが国におきましては国税庁でございますし、アメリカにおきましては御指摘のように内国歳入庁でございますが、その当局は、この条約の対象である租税、この場合には、わが国の税で申せば所得税または法人税でございますが、そういう「租税に関する詐偽若しくは脱税の防止に必要な情報を交換するものとする。」という規定がございます。もちろんそういうことで得ました資料は他の者には開示してはならないという規定もございますけれども、そういう規定がございまするので、この事件が起こりましたことを契機といたしまして、去る二月の九日に、必要な資料を提供してもらうようにアメリカの内国歳入庁にお願いをしてございます。
#139
○佐藤(観)委員 二月の九日ですね。それで、それはロッキード社自体の経理はもちろんだと思いますが、当然この問題はコーチャン氏個人あるいはクラッター氏個人の税の申告がどういうふうにされているかということを調べていかないと全体の姿は私はつかむことができないのだと思うのですね。一体アメリカに対してどういう、つまりだれとだれとだれあるいはどこの会社ということになるかと思いますが、税務調査の依頼をされたのですか。その手続は外務省を通してこういうものをやるのですか。
#140
○中橋政府委員 何を具体的に依頼したかということは、調査上の問題でございますので、差し控えさせていただきたいと思いますが、尋ねました大要は、今回われわれがわが国におきますところの課税の問題を処理するにつきまして、アメリカにおきましてどういうふうな処理が行われておるかということについての情報を得ようとするものでございます。それで、これは先ほど申しましたように、両国の権限ある当局でございまするかか、両徴税当局が直接に行うことでございます。
#141
○佐藤(観)委員 どうして最後のところをわざわざつけ加えたかちょっとよくわからぬのですが、そうしますと、簡単に申しますと、いままでに日米の租税条約、これに基づいて情報の提供を受けたことがありますか。
#142
○中橋政府委員 これまでの例でも、相互にそういった例はございます。
#143
○佐藤(観)委員 そこで、私この条約で若干ひっかかるのは、二十六条の第二項目に「(1)の規定は、いかなる場合にも、一方の締約国に対し、次のことを行なう義務を課するものと解してはならない。」ということで、(a)項には、簡単に申しますと「締約国の法令又はその行政上の慣行に抵触する行政上の措置をとること。」(b)項として「行政の通常の運営において入手することができない資料を提供すること。」これは、たとえば行政が何かを盗んで持ってくる資料を提供するというようなことだと思うのです。(c)項が非常に問題だと思うのですが、「営業上、事業上、産業上、商業上若しくは職業上の秘密若しくは取引の過程を明らかにするような情報又は公開することが公の秩序に反するような情報を提供すること。」こういう項目があるわけですね。今度の場合には、このことには問題なくアメリカ側は情報を提供してくる、こういうふうに御理解なさっていますか。
#144
○中橋政府委員 たとえば、いまお示しの二十六条二項の(b)項等において「通常の運営において入手することができない資料」というような場合には、向こうから非常に古い年代の資料を要求されましたときに、保存年限を過ぎておるということか、あるいは私どもの方で、もう調査権限のない年代であればお断りするというようなことは過去においてもございました。いまお示しのように、(a)項、(b)項、(c)項によりまして、アメリカの内国歳入庁が私どもの要求についてどれだけの内容のものを答えてくれるかということは予測がつきませんが、大体従来でございますと、こういう条項でお互いに制限をしたということは、先ほどのような新たに非常に努力をしなければ得られないような資料について、この年分はお断りをするというようなことがあった記憶はございます。古い年分のことでございますので、私どもの方で調査権限がないというようなことでお断りをしたような記憶はございます。
#145
○佐藤(観)委員 今度の事件そのものは、まさに第二項の(c)に相当するような非常に微妙なことですから、私は非常に重要なことだと思うのですね。第三項に、「情報の交換は、通常の業務として又は特定の事案に係る要請によって行なうものとする。」ということで、二月九日にやられたということでありますから、それは了といたしますが、一体この条約というのはいつから発効したのですか。−すぐ後ろに「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の効力発生の日」という告示があって、「昭和四十七年七月九日に効力を生ずる。」とあるわけですね。三十二ページです。昭和四十七年七月九日、これは今度の事件に非常に有効だと思うのです。と申しますのは、七月の九日でありますから、児玉に対する領収証が切られている非常に頻繁な年四十七年、しかも七月の九日以降といいますと、非常にこの回数がふえているときでありますから、これは私は非常に有効な条約だと思うのです。
 それで、大分時間が迫りましたから本論にいきますけれども、私がなぜこの条約をわざわざ出したかといいますと、ロッキード社で一体この経理がどういうふうにされたかということについて、時間がありませんから私の方から読みますけれども、まずコーチャン証言によりますれば、帳簿上どういう処理になったかといいますと、フィンドレー氏は「L一〇一一トライスター販売計画関連手数料経費として記載されました。」というふうに述べているわけですね。会計責任者が述べているわけです。それでその後ちょっと長いのですが、非常に重要なところなんです。
 チャーチ このような関係は水曜日の公聴会で
 は秘密関係と述べられたが、日本の極右政治活
 動に対する児玉氏の積極的な役割を考えた場
 合、米国務省に報告されるべきだと思うが、い
 ままで実際に報告されたことがあるか。
 コーチャン 私の知っている限りではないと思
 います。各国のコンサルタントの名を明かすこ
 とは、ロッキード社の一般慣行としてはやって
 いない。ときには名を明かすこともあるが、明
 かさないこともある。
 チャーチ 連邦国税庁に明らかにしたことがあ
 るか。
 コーチャン はい。私の記憶では、児玉氏への
 支払いは税金上の問題から申告してある。
 チャーチ すると、法人所得税の控除の関連
 で、児玉という名が出てきたのだね。
 コーチャン そうです。
 チャーチ 通常の法人所得税還付請求を提出す
 る場合のやり方として……。
 コーチャン はい。
 チャーチ その還付請求には児玉氏と結んだ取
 り決めの詳細を明記する必要はなかったかね。
 コーチャン 私の記憶するところでは……。
 チャーチ 支出額を取り出して必要経費として
 まとめ、控除するという仕組みだね。その次が非常に重要な発言なんです。
 コーチャン そうですか、私の記憶では、それ
 らはすべて国税庁の会計監査を受けます。つま
 り国税庁は領収証を全部調べ、わが社の人間が
 金を支払った個々人が一体どのような仕事をし
 たのか説明したはずです。こう書いてあるわけですね。
 チャーチ 国税庁は本小委員会がいままで明ら
 かにしてきたすべての情報に関して報告を受
 け、その上で七百万ドルが正当な控除対象と認
 めたというのかね。
 コーチャン 七百万ドルすべてについてそうな
 ったわけではないと思います。初期のころ、つ
 まり議長とパーシー議員に説明したようにL一
 〇一一トライスター売り込み計画については、
 経費は一つにまとめられており、税の面では、
 もうそろそろ、来年あたりに監査を受けること
 になると思います。
 チャーチ われわれがここで明らかにした諸点
 を考えた場合、国税庁はこれらの経費が法人所
 得税申告の際にどう取り扱われているか詳細に
 調べる必要がある。こういう証言になっているわけですね。したがって、私は、このコーチャン証言を信じる限りは、単に連邦国税庁はやみくもに七百万ドル、ロッキードが支出をしたから、ああそれは先ほど申しましたように一〇一一の売り込みの経費として認めましょう、何しろ額が大きいですから私はそんなに簡単なものではないと思うのです。皆さん方もそうだと思いますけれども、私が申告する、そしてこれは実はBさんを通してCさんに上げたんだということになりますと、皆さん方はCさんまで調査に行きますね。行くでしょう。
#146
○中橋政府委員 わが国の税金の問題としまして、ある会社で損金という主張をいたしますためには、それの事業関連ということを証明するような、たとえば契約書でございますとか、相手方の受取でございますとか、あるいは現実に相手方が受け取ったということを確認しましたり、何らかの心証を得ることが必要でございます。
 それから、先ほどの日米租税条約はちょっと正確な年限はわかりませんけれども、私の記憶では、第一次にできましたのは昭和二十年代の一番最後のころでございまして、いまお示しの点はその後に改定をされました年でございます。
#147
○佐藤(観)委員 したがって、いま申しましたように、Cさんまで調査に行って初めて、これは私が冒頭にお伺いしましたように、正当な、正しい所得者に課税をするということになると思うのです。したがって、私はこの条約を使って――丸紅から政府高官に流れたという証言はたくさんあるし、あるいは児玉から政府高官に流れたという証言は幾らでもあるわけですが、もういま時間がないから読み上げませんけれども、この条約を使って本当にわが国の国税庁が調査をするならば、いま申しましたように、ロッキード社の経理あるいはコーチャン氏の経理その他を洗っていくことによって最終的な、その資金が行ったという政府高官まで突きとめることは可能だし、三木親書で向こうが高官名を発表するの発表しないのという以前に、この条約に基づいて――私の読んだ限り、連邦国税庁は、何人だか知りませんが政府高官の名前は十分知っていて、経費として認めたんだと私は思うのであります。私はだから、なぜ先ほどそのことをお伺いしたかと申しますと、正しい所得者に課税するというならば、単に児玉なり丸紅に課税するというのじゃなくて、アメリカとの連携を密にしながら、私は事の解明にかなり有力だと思うわけですが、いかがでございますか。
#148
○中橋政府委員 アメリカ内国歳入庁から、先ほど私どもが依頼しましたことについてどのような回答が来るか、これからのことでございますが、いまお示しのような小委員会におきますところのやりとりをいま私どもわが国の税務で考えてみまして、確かにその点では、いわゆる企業の事業関連経費であるかどうかというところが一つ非常に大きな問題であるというふうに思います。しかもそれが事業関連経費であり、また第三者、たまたまこの場合には海の向こうの日本の者が受け取ったという何かの証憑を恐らくアメリカの税務当局としては要求するのではないかというふうに思いますけれども、そういうことについての資料というものは、私どもも今後どのような形で得られるか、待っておるところでございます。
#149
○佐藤(観)委員 それは、いつごろまでに欲しいというような日にちの制限をつけて請求するものなんですか、そういう制限は全然ないのですか。
#150
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 できるだけ早くということでお願いをしてございますが、この催促もいたしたいと、かように考えております。
 なお、いまお読み上げいただきました文書からもうかがわれますように、アメリカ内国歳入庁におきまして過去においてどの程度調べておるのか、今後調べるところもあるのではないか、こういうところもございますので、私どもとしてはできるだけ早く、かつ詳細に入手いたしたいと、かように思っております。
#151
○佐藤(観)委員 もう一点。スイスに対しましては、スイスとの条約に基づいて、わが国の国税庁として何らかの依頼、情報の提供を要求されましたか。
#152
○横井政府委員 お答え申し上げます。
 まだいたしておりません。
#153
○佐藤(観)委員 これはもう皆さん方御存じだと思うのですが、今度の児玉への資金が、スイスのロッキードの子会社であるところのロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGから二万ドルが支払われているというコーチャン証言があるわけですね。スイスの子会社というものが今度いかに重要な役割りを果たしたかというのは、ほかの証言でいろいろあるわけですけれども、そういったことから見ますと、まだまだスイスに対してもやはり何らか情報の提供をとる必要があると私は思うのです。
 時間がありませんのでお伺いしておきますが、ただし、スイスに対しては、この条約に脱税という項目がないのですね。二重課税の回避という項目はあるけれども、脱税という項目はないのですね。そうすると、これはスイスに要求しても、今度のロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGの経理関係については、資料はとれないということになるのですか。それは条約上の不備ということになるのですか。改正しなければいかぬということになりますか。
#154
○横井政府委員 御指摘のとおりでございまして、このアメリカとの間の租税条約の二十六条に該当するものはないわけでございます。
#155
○佐藤(観)委員 ということは、ロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGを調べるに当たって、スイスから情報提供されるということは、向こうがよほど好意的であれば話は別だけれども、条約に基づいてということはできないということになるわけですか。
#156
○横井政府委員 御指摘のようになりますので、他の手段をとりましてできるだけ調査いたしたいと、かように考えております。
#157
○佐藤(観)委員 時間が来ましたので、最後に大平さんにお伺いをしておきますが、いま私がずっと追及してきましたように、今度のことというのはきわめて国際的な事件でありますから、この租税条約を使って相手からの情報の提供を求めるというのは非常に重要な意味を持ってくると思うのであります。そして、私が冒頭にお伺いをしましたように、今度の問題は単に児玉から税を取ればいいんだという問題じゃなくて、全く本当に最後にピーナツを食べたのはだれかということで、そこに贈収賄の事件なりあるいは課税の問題というのが発効してくるのだと私は思うのであります。その点について最後までやられる決意をひとつお示しいただきたいと思うのであります。
#158
○大平国務大臣 仰せのとおり、最終の所得の帰属を突きとめるべく最善を尽くしたいと思います。
#159
○佐藤(観)委員 時間が来ましたが、最後に銀行局と大臣にお伺いしておきたいのであります。
 今度の事件では架名預金あるいは無記名預金、これが児玉の脱税の手に使われた。このことは何も児玉に限らず、だれでもやっているわけで、わが党の堀委員が昭和四十二年からこの問題をずっとやっていることは、福田副総理もあるいは大平さんも御存じだと思うのです。ここで改めてやはり無記名預金、架名預金というものは考え直してみる必要があるのじゃないか。このように脱税の温床として使われていることには、私は非常に問題があると思うのです。
 それで、もう時間がありませんので結論だけ言いますと、ずいぶん銀行局としても通達なり出して、いまなお銀行に行きますと、本人の名前で預金してくださいというのが張ってあるわけです。ところが、細かに詰めませんが、余り効果がないのですね。そこで私は、具体的に詳しく後でまた大蔵委員会等でやりますけれども、架名預金なり無記名預金というのはもうすでに積極的に、なければいかぬという理由がなくなっていると思うのです。もちろん法律改正が必要でありますが、これを禁止して、もし調査の際にそういった種類のものがある場合には国家が没収をする、このくらいの手段を講じないと、私はこれはなくならぬと思うのです。この点について、いかがでございますか。
#160
○田辺政府委員 先生の御提案は非常にドラスチックな方法だと思いますが、架空名義につきましては、これは従来からの指導もございまして、先生も御承知だと思いますが、銀行自体はそれを受け入れないということにしておりまして、実際にそれをどうやって励行するかということにつきましては、やはり預金者の方の協力といいますか理解というものが必要でございますので、その旨のキャンペーンといいますか、理解を深めていくことが必要だろうと思います。
 無記名定期につきましては、昭和二十年代に始まったものでございまして、これはそれなりの意義もあったと思います。現在もあると思いますけれども、これをどういうぐあいにするかということは慎重に考慮したいと思っております。
#161
○佐藤(観)委員 時間が来ましたからやめますが、昭和四十二年から銀行協会を通してずっとやっているんですね。通達なりあるいはビラを張ったりしてやっているわけです。それでもなおかつ全然これはおさまらぬ。しかも、銀行局長が言うように、あなたは一番知っていると思いますが、これは預金者云々じゃなくて、銀行側がこれは架名預金にしておいた方が税法上いいですよということを言っていることをわれわれは知っているわけですから、そういう衣は抜きにして、やはり本当に銀行行政を考えるならば、この際は、ドラスチックかもしれませんが、私はきわめて建設的な意見だと思うので、ひとつ大臣にもお考えをいただいて、これはもう少し話を詰めなければいかぬのですが、時間がなくなりましたから詰めませんけれども、私の質問を終わります。
#162
○正示委員長代理 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。
 和田耕作君。
#163
○和田(耕)委員 総務長官にお願いしたのですけれども、結構でございますから、どうぞひとつお引き取りいただきたいと思います。
 ロッキード問題も非常に重要なことでございまして、私どもも一生懸命にやろうと思っておりますが、これと並んで、以下私が申し上げる問題についても副総理以下大蔵大臣もよくひとつ御検討をいただきたいと思っております。
 それは、わが国の科学技術の研究の問題について、国立の研究所の果たす役割りが非常に大きいと思うのですけれども、果たして国立の各般の研究機関が国民の期待にこたえておるかどうか、こういう問題について、きょうは総論的なお伺いをしたいと思っております。
 まず第一にお伺いしたいのですけれども、いままでの日本の高度経済成長の時代では、主として日本の産業発展の動力になったのは、外国の技術を輸入した、これを中心にして大きな発展をしてきた、経済成長をしてきたわけでございますけれども、これがストップして、大きな国民生活へのひずみを見せておる。ここで国民生活と経済発展との調整を図らなければならないという段階に来ているわけでございまして、このようなときの科学技術の研究というのは、外国からの知識なり経験をそのまま借用するというわけにはいかないわけだと思います。したがって、日本の特殊な状態に応じて日本自身の研究を強化していくということが必要なわけだと考えるわけでございます。そういうふうな面から見て、果たして日本の国立の研究機関が生き生きとした、そして情熱を持った研究をやる体制にあるのかどうか、この問題について、まず科学技術庁長官から御所見をお伺いしたいと思います。
#164
○佐々木国務大臣 ただいまのお話のように、日本の科学技術の過去を振り返ってみますと、どちらかと申しますと、自分で基礎研究からずっと積み上げまして応用、企業というところまで自力でやったという経歴よりは、むしろ海外から完成したものを輸入してというケースの方が多かったのじゃなかろうか。その形態が戦後是正されたかといいますと、物によってはずいぶん日本独自で進めつつはございましたが、必ずしも全部が自力でというかっこうにはもちろんなってないことは御承知のとおりでございます。
 そういう一般的な日本の科学技術の傾向、体系と申しますか、そういう点を基礎にして、バックにして考えますと、いまの国立研究機関のあり方というものがおっしゃるように生き生きとしたビビッドなものかといいますと、私は必ずしもそうは言えないというふうに考えております。
#165
○和田(耕)委員 行政管理庁長官にお伺いしたいのですけれども、いままで何らかの形で国立の研究機関の運営、その成果の状況等について、行政査察という意味でもチェックなさったことがおありになるかどうか、お伺いしたい。
#166
○松澤国務大臣 国立の試験研究機関というようなものの監察的な面は、確か昭和三十八年に一度だけ監察を実施したようなことに相なっておりますが、その後はちっともやっていないという状態であります。しかも、国立試験研究機関の運営等の問題については、まず科学技術庁等の所管しておる問題の対策等が真剣に検討されるものと存じますので、今後はそれらの対策というふうなものを十分に見きわめた上に立って監察の要否というものをぜひ研究をしてみたい、かように考えておるような次第でございます。
#167
○和田(耕)委員 日本の国費として出しておるお金でも、約七千億円という膨大なお金が科学技術の研究関係に使われておる、こう聞いておるわけでございますけれども、これについていろいろ重大な疑問が出されておると思います。たとえば二月二十一日の読売新聞の社説――読売新聞の社説はこの一週間ほど前にも同じような問題を指摘しておるのでございますけれども、この社説で、長いからここで読み上げることはいたしませんが、ここで主として問題にしている点は、日本の科学技術会議の運営がきわめてスローであるということと、そして急ぐ研究課題の取り上げ方についての熱意がきわめて乏しいということと、各省にまたがる研究機関を果たして調整できておるかという問題について非常に悲観的な、否定的な見方で、きわめて厳しい評価をしておるわけでございます。たとえば、「科学技術庁は、国民の不安、悩み、苦しみを感じているのだろうか。無責任というより、国民への背信的な行為である。」という形で、つまり科学技術庁というよりも、日本の科学研究機関、国立研究機関の現状に対して非常に厳しい評価をなさっておられるんですね。これはもっと具体的に後から申し上げる個所もありますけれども、つまりこういうふうな問題でございますし、これは単に読売新聞の社説だけではないんです。私が知っている限り、この研究関係に詳しい人は大体同じような感じを持っておるわけでございまして、日本のような資源の乏しい国で、いろいろと頭で工夫してやっていかなければならない国で、この科学技術の研究、それを担当しておる方々が、もし指摘されるように、つまり生き生きとしたそして希望を持った研究状態にない、みんなてんでんばらばらで自分自身の研究、そして博士さんになるというような、そういうふうなばらばらの状態であるとすれば、これは私はゆゆしい状態ではないかと思うのです。そういう問題は、ひとつ行政管理庁もそういう問題として一度根本的に見直してみるということが必要ではないかと思います。また大蔵大臣は、毎年の予算の申請のときにも、この問題をもっと立ち入ってチェックしてみる必要がありはしないか、必要な金を出し惜しんでおったり、必要でない金を出しておったり、そういうことがありはしないかということをもっともっと研究していただきたいと思うわけでございます。いかがでしょう。
#168
○大平国務大臣 仰せのとおりと存じております。
#169
○松澤国務大臣 やはりただいまのお話のような状態がございますので、仰せのとおり検討してみたいという気持ちを持っております。
#170
○和田(耕)委員 そこで、佐々木長官は長年この調査研究の機関におられたと聞いておりますので、恐らくこの問題の焦点は非常によく御承知でおられると思います。思いますけれども、長年こういうふうな体制になった状態を一朝一夕に直すということは非常に困難だと思います。これはひとつ総理以下の科学技術会議、総理も福田さんも大平さんも、皆その重要なメンバーでございますので、この問題はひとつそういう目で点検をして、そして必要なところに金を惜しまないように、しかも出した金が効果的に行われるように、そういう頭で見ることだけでも非常に違ってくると思うのです。そういう問題をひとつぜひともお願いをしておきたいと思います。
 そこで佐々木長官にお伺いしたいのですけれども、この読売新聞の、論説委員の石井君だと思いますが、こういう疑問を持っておるんですね。いまのこの五十一年の二月十九日に出されました科学技術会議の意見書、「国民生活に密着した研究開発目標」に関する意見、これは非常にりっぱな意見だと、これはたしか朝日新聞の論説でもその他の新聞でも、項目自体の指摘についてはかなり評価をしておるようでございますけれども、特に読売新聞の社説が問題にしておるのは、この項目の指摘だけだともう四、五年前に要点は出されておる、しかもこの一年前にはこれとほとんど同じようなことを担当部会で出しておる、にもかかわらず、これを一年余りかかって正規の答申にするという、つまり事務運びの緩漫さ、そういうところを熱意のなさというふうに見ているわけですね。これはいかがでしょうか。科学技術庁として、そういう評価に対してどのようなお考えを持っておられるでしょうか。
#171
○佐々木国務大臣 おっしゃるように、ただいまの科学技術会議は日本の科学技術に対する最高の機関でございまして、総理みずからが主宰しておるわけですが、その審議内容、立案内容と申しますか、いま御指摘ございましたように、いわば非常に総合的な基礎的な、しかも網羅的な行き方でございまして、総論を主要な問題に関して提示するという段階にとどまっておりまして、それを実際にブレークダウンして各研究機関等がそれぞれのテーマに従ってチームをつくって、システマチックにそれをどんどん進めていっているかと申しますと、必ずしも実はそうなっておらぬわけで、しからばそうするにはどうしたらよろしいかという点が一番肝要な点じゃなかろうかと思います。いろいろこういうやり方の方がいいんじゃないかとかということを考えておりますけれども、しかし全部が御指摘のように、ただ総論をつくってそれで終わりかと申しますと、そうじゃございませんで、ものによりましてはその中の幾つかは具体的にどんどん進みつつあるものもございます。
#172
○和田(耕)委員 たとえば、この社説で問題にしておるのは、一つは国民生活に密着した問題として、四十六年の答申からつまり五年たって、すでに五年になるにもかかわらず部会報告から意見決定までに一年余りも費やしておる、科学技術会議というのはということで、先ほどの厳しい評価をした後で、この意見書の中に救急医療の問題についての非常に重要な提案があるのですね、この医療の提案というものに対して果たしてどういう具体的な措置をお打ちになったのかという問題を提起しているのですね。それが必要だということを一年後に言っているだけで、こういうものについて、これを具体化していく何らの努力の跡が見られないではないかという指摘をしておるのです。これは無論科学技術庁だけではできないことです。主として厚生省の関係でもあるし、あるいは厚生省でもできない、他の通産省、労働省なんかも関係があることだと思いますけれども、こういうことを具体化していく努力が見られてない、こう見ているわけですね。この点は、具体的な問題について科学技術庁はどのように考え、あるいは厚生省はどのようにお考えになっておられるのか、これをお伺いしたい。
#173
○佐々木国務大臣 大変広範な問題でございまして、そのものずばりの回答になるかどうか存じ上げませんけれども、科学技術庁でただいま各省の研究機関等をどういうふうにしてチェックと申しますか、あるいはシステマチックに動員すると申しますか、方途ありやという点を考えますと、そのこと自体また科学技術会議の結論を具体化する一つの道でもございますので、それに結びつけながら御説明申し上げたいと存じますが、幾つかの種類がございまして、大きく分けますと二つに分かれます。
 一つは見積もり方針の調整。予算に関連する事項が主でありますが、何と申しましても予算の際にその調整がとれれば一番具体的に進むわけでございますので、一つは見積もり方針の調整ということで、科学技術会議等で出されました問題の中で大きな問題を取り上げまして、そしてその問題を国の重要な研究の基本方針として各省に示します。各省はそれに従いまして特別研究なりあるいは経常研究なりをその線に沿うて整理いたしまして、そして大蔵省にこれを提出するという行き方で一つの大きい縛りと申しますかができております。それから特殊部門として、宇宙開発のようなのは、これはもう方針じゃなくて見積もりそのものの調整をいたします。それから原子力のように自分で予算を一括計上いたしまして、そして各省に配分するなりという徹底した強い予算措置をとり得るところは非常に強力に進めるわけでございますけれども、そういう行き方が一つと、それからもう一つは、特別研究促進調整費と称しまして、各省間にまたがっているような総合研究とかあるいは緊急に年度の途中で至急やらなければいかぬというような研究に対して、これを推進する意味で特別研究促進調整費というのがございます。これを活用いたしまして、いま申しました研究の重複あるいは足らぬところを補うというふうなそういう措置を講じながら、できる限り科学技術会議等で提起いたしました諸問題の具現化に努力してございますけれども、いま申しましたような原子力とか宇宙とかいう特殊の問題は別にして、一般的には見積もり方針の調整というその方針を示して、それに大体各省の研究機関が該当する部分を摘出して、そして重点的に進めていく、こういうだけのと言っちゃ語弊がありますけれども、いわば大変進め方としてはドラスチックでない行き方しかとれない現状でございますので、お説のように、あるいはいまの緊迫した状況からしてそういう行き方はいかぬじゃないかというおしかりも出てくるのじゃなかろうかと思いますが、今後だんだん改善していくことといたしまして、現状はそういうことでございます。
#174
○和田(耕)委員 厚生大臣からいまのこの問題についての対処の仕方をお伺いしたいと思います。
#175
○佐分利政府委員 ただいま具体的に御指摘のございましたたとえば救急医療の研究でございますが、厚生省としては従来から力を入れているところでございまして、たとえば明年度医療情報システム開発研究三億八千四百万円計上いたしておりますし、また末端の医療機関で使います各種ME機器については、新医療技術開発研究補助金五千万円、さらに官房の方に医療研究助成補助金がやはり約五千五百万円、さらに国立病院療養所の方におきましても、国立病院療養所で研究をいたします予算を二、三億盛っておりまして、こういった研究費も年々かなり大幅な増額を図っているところでございます。
#176
○和田(耕)委員 研究費あるいは設備を少しつくるということではなくて、ここで指摘している問題は、いままでは救急医療ということであればつまり交通事故とか産業災害とかいうことが中心だったのだけれども、このごろは内部疾患ですね、緊急のたとえば神経関係とかあるいは心臓とかそういうふうなものが非常にふえて、むしろ交通災害よりは多いという問題がある。そしてこういうものを運ぶ運び方、そしてまた運んでおる途中の診療の仕方、あるいはその他の電気施設、情報関係を動員しなければならないといういろいろな開発が行われておる。そういう研究を積み重ねることなしには救急医療の内容的な措置ができない。つまり、それをやるために科学技術会議は重要な項目の一つとしてここに提起をしているわけですね。しかし、これはもうすでに二、三年前からこの問題は提起しておるし、はっきりと具体的な項目になったのはもう一年前になる、こういうことですね。こういうことですから、厚生省が従来からやっておるような状態にお金を少し継ぎ足して設備をふやしてということではなくて、内容的な研究が必要な項目として特にこの科学技術会議が取り上げておるわけですね。こういう新しい状態に適応した対策のための研究のグループをどうつくるのかという問題とも関係することなんです。そういうことを新しく手がけないで、それでそれはそれとしてほって、厚生省は厚生省で従来のような手当てしかしてないという実情ではないかと思うのですけれども、それで果たして内容の変わっておる救急医療の問題にこたえ得るのかどうか、こういう問題ですね。こういう問題について、研究という場面であれば厚生省だけの問題じゃないのですから、科学技術庁には特別な推進のお金があるわけで、そういうものを出して関係の各省に集まってもらって、そして新しい技術の開発をするあるいはそういう口火を切る、そういうふうなことが必要ではないかと私は思うんですね、いかがでしょう。
#177
○佐々木国務大臣 お説のとおりでございまして、先般二週間ほど前に総理が主宰いたしまして開きました科学技術会議でも、いまお話しの問題が大変委員の皆様から提案がございまして、ただいま、要すれば法律等をつくりたいと思いまして研究中でございますけれども、それはお話しのようにナショナルプロジェクトあるいはそれに類似する研究テーマで、それを進めていくのに一々研究機関を創設するというふうな行き方でなしに、あるリーダーに研究費を渡して、そしてチームをつくって、それでそのチームには各省あるいは民間からも参加し、学界も参加してそしてそのプロジェクトを結論づけていく。それを各省はそれぞれ実施するなら実施に移していくというふうなそういうビビッドな行き方を今後はとるべきじゃないかという提案がございまして、大変時宜に適した提案だと私思っております。いままでのようにすぐ研究機関をつくらなければいかぬ、あるいは各省は自分の従来のコース以外には進まぬということで、全体的な調和をとりながら進むというのはなかなか無理な状況でございましたので、むしろそういうふうな新しい進め方というものをとっていきますと、お説のように科学技術会議で提起したテーマをどうして進めていくかという進め方の一つの指針としてはいい考え方じゃなかろうかというので、いませっかく研究中でございます。
#178
○和田(耕)委員 それと同じような性格のもので、いま労働組合の関係、産業、企業の関係で非常に要望されておる問題が一つあるのです。それは化学物質と言われるもの、たとえば塩ビモノマーとかあるいはたくさん、いろいろ問題になる人体に有害である化学物質があるわけですけれども、これがある日突然に、これは有害だからということで生産をとめろあるいは販売をとめろという問題が出てくる。そしてまた、化学関係の労働者の諸君は自分自身が、たとえば塩ビであれば塩ビの毒にかかって、そして治らない病気にかかっていくというような問題もある。日本の化学労働者は約百万に近い人たちがおるわけですけれども、労働者は労働者で不安に思う。あるいは企業者は企業者で、突然この問題があるからといってとめられるとこれまた困ってしまう。日本の塩ビというのは、塩ビモノマーの生産関係のものはアメリカに次いで世界の第二位だとも言われておるのに、これらの問題についての研究が非常におくれておる、こう言われておるんですね。非常におくれておるということでございまして、このような研究についてひとつ国が特別の配慮をしていただけないかという問題をもう二年ほど前から非常に痛切にあれしておるのです。そしてこの関係者ば世界じゅうの研究機関を回って、そしてどうしたらいいかを検討しておる。にもかかわらず、日本の政府としてこういう問題を迅速に取り上げて対処するという、足が非常に遅いという問題があると思います。そういう問題について、たとえば化学物質の安全確保に対する一つの総合的な研究を、いま申し上げたような例と同じような形で科学技術庁が取り上げる、そして各省がこれに協力をする。研究の場面で、そして必要な対策の場面で協力するということが必要だと思うのですけれども、いかがでしょう、この問題は。
#179
○佐々木国務大臣 そういう希望が請願あるいは具体的な立案といたしまして、私どもにいろいろ申し入れのあることは承知してございます。ただ、一足飛びにそういう総合研究所のようなものをつくったらよろしいか、また、つくって実際に機能が発揮できるかどうかという点等考慮していきますと、和田さんも御承知のように、たくさん化学物質があるわけでございまして、それがそれぞれの商品等に出る場合には、それらの所管官庁の許認可が必要なわけで、許認可に際しましては、当然いままでのようにただ技術的に商品として経済的に成り立てばというのじゃなくて、あくまでもテクノロジー・アセスメントと申しますか、それの評価、マイナス面等の吟味も十分にして、そしてその上で許認可をするわけでございますから、当該物資に対しましては、それを所管している官庁が一番責任も持っておるわけですし、研究も進めているわけだ。したがって、各それぞれの所管官庁が内容を充実していくのが一番よろしいんじゃなかろうかという当面の意見でございます。ただ、全般的な一つの尺度とかあるいはテクノロジー・アセスメントの方法論とか、全般的にまたがるような標準的な尺度的な問題等は、これはどこかでまとめてやるのも一つの考え方かもしれないということも考えられます。
 いずれにいたしましても、現状が不十分なるがゆえにいろんな問題が起きておるに違いないのでありまして、しかもまた従来の行き方と違って新しい環境問題とか、あるいはいまお話にありました人間に対する被害の問題とかいろいろあるわけですから、とりあえずは各省の連絡会議のようなものをつくって、実情把握と同時に、そういういわば共通の広場があるかどうか、あるいは各省のそういう機能を強化するのはどうしたらよろしいか。お話しのように、その結論が総合研究所をつくるという結論になればそれにならなければいかぬでしょうし、そういう意味で、とりあえずは連絡会議のようなものをつくりまして、そしてお互いに実情把握から始まってはどうだろうと、こういういま段階でございますけれども……。
#180
○和田(耕)委員 よく理解ができますが、そこで一つお願いがありますのは、各関係官庁の連絡会議ということで、この予算にも確か百十六万円でしたか、私は千百六十万円かと思ったら百十六万円というお金でちょっとびっくりしておるのですけれども、つける方もつける方だし、もらう方ももらう方だという、私はそう思ったのですけれども、これでは、つまり十回くらい昼飯の弁当を伴った会議をするくらいのものの費用なんですね。そういうものでなくて、これはひとつ、つまりもっと一緒になって、問題になっているところに一緒に出かけていく、あるいはその旅費をつけるとか、あるいは共同である試験研究をするための計画をするとかというようなことくらいは、役所の連絡機関であってもおやりにならないと、全くいままでのようなおざなりのものにすぎなくなるわけですね。この予算は百十六万円ですけれども、そういうお金に使える金はまた別途にあると思いますから、この問題を何とか、私先ほどから申し上げているように、実際上各省が連絡して、そして力を出し合って新しいものを生み出していくという意欲を持って、この問題の運用にぜひとも当たっていただきたい。
 そしてそれと同時に、関係の方々はやはりお役所仕事ではだめなんで、自分たちが入っていって絶えず刺激をしないととてもだめじゃないかという強い不安を持っておるんです。したがって、これは科学技術庁長官の私的な機関でもいいと思うんですが、私は正式なものになれば一番いいと思う。それがすぐできなければ、たとえば関係のメーカーとか労働組合とか、あるいは現に患者になった人たちとか、そういう方々を、各省連絡会議とうらはらの形でそういうものを組織して、そして刺激し合って進めていくということが必要ではないかと思うんですけれども、この点いかがでしょう。
#181
○佐々木国務大臣 各省連絡会議はもう発足いたしますので、その際の一つの問題点としてそういう審議会のようなものを今後つくって、その場で、各省だけじゃなしに、もっと広範な視野から各般の人たちに御参加いただいてこの問題を進めるという結論も出てくると思います。そうすれば、そういう方向に問題を向け、それからまただんだん審議会の結論としていろいろ問題が発生してまいりますれば、それに応じて処置するというふうな進め方の方が、私は地についたやり方ではなかろうかと思いますので、とりあえずは連絡会議でとにかく発足させたいというふうに考えております。
#182
○和田(耕)委員 ひとつぜひとも、せっかく衆知を集めて日本の最高頭脳の方々が集まってつくった……この化学物質の問題もそういう提案があるんですね、この意見書の中には。重要なものとしてあれがあるんです。そういうものを具体的に生かして使うということをぜひとも考えていただかないと、先ほど読売新聞の論説が代表しているような非常に強い不満があるわけでございますから、ぜひともそのことをお願いしておきたいと思います。
 それから通産省の方お見えになっておりますか。――結構です。通産省の工業技術院の問題についてお伺いしようと思ったんですけれども、これはしかし大事なことですからここで指摘だけをしておきます。
 工業技術院というのは、日本の産業の試験研究機関としては一番中心の機関で、二千六百人もの人がおるというところなんですから、これがつまり研究機関の内容として非常に熱心に皆大体やっておられるようですけれども、一人一人は熱心でも自分の好みの研究をやるということが中心であって、行政目的とマッチしてないという評価が非常にたくさんあるんです。こういう問題もありますから、行政管理庁長官、こういう問題をひとつぜひともチェックをしてみていただきたいと思います。きょう私、通産大臣をお願いしたと思っておったんですけれども来ていらっしゃらないので、この問題は後の機会にしたいと思います。
 厚生大臣にお伺いしたいと思いますが、難病の問題でございますね。せんだって私もいろいろと協力をして、ベーチェットを中心とした難病の映画ができたんです。「太陽は泣かない」という非常にりっぱな映画ができまして、その試写会には皇太子殿下並びに同妃殿下もおいでなすって大変感激しておられた映画でございますけれども、この難病の人たちも、これは自分の力でそういう何千万円かの金を集めて、そしてそういうことをやっておられるのです。こういうことで、難病の問題についてひとつ政府としてどういうふうな対策をしておるだろうと思ってこの間から調べておるんですけれども、厚生大臣、この難病の問題についてどういうふうな対策を現在なさっておられるのか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
#183
○田中国務大臣 難病対策の医学的な内容については政府委員から答弁させますが、大まかに申しまして、いわゆる調査研究と治療研究という二つの分野に分かれておりまして、調査研究は文字どおり調査研究をいたすわけでありまして、治療研究は、この上に調査目的を含めて治療費の公費負担をやっているというふうな内容で、昭和四十七年以降現在までに四十疾患を調査研究の対象としているというふうに聞いております。
#184
○和田(耕)委員 昭和四十七年から特定疾患対策室というようなものをつくりまして、そして現在の公衆衛生局の難病対策課という形でこれを処理しておるようでございまして、確かに四十七年から四十八年、四十九年、五十年、五十一年と、たとえば四十七年には二億二千万円の予算、四十八年には五億三千万円の予算、四十九年には七億三千万円の予算、五十年には八億八千万、そして今年度の五十一年度には九億八千万というふうに次第にかなりお金を使ったことをやっておると思います。そしてまた、この患者についての医療を無料にする等の手段もいろいろと講じておると思いますけれども、しかし、私、これは中身が問題だと思うのは、たとえば八億八千万というお金をどのように使っておるかというふうに聞いてみますと――これはどのように使っているかちょっとお答えいただきましょうか。
#185
○佐分利政府委員 御質問は、難病対策の中の特に調査研究費に対する御質問でございますけれども、五十年度におきましてはその八億八千万を使いまして、四十の病気を指定いたしまして、四十の研究班を編成いたしまして調査研究を進めているところでございます。
#186
○和田(耕)委員 確かにそうなっておりますけれども、実際はこの四十の研究班、これは確かにそうですけれども、それに参加しておるお医者さんが約七吾人、そしてそれの補助者の人が約三百人近い、つまり一千人くらいの関係のお医者さんに対して金をただばらまいているだけじゃないんですか。
#187
○佐分利政府委員 難病対策を推進するために公衆衛生局に特定疾患対策懇談会が設けられておりまして、そこで研究課題の選考、研究計画の決定、研究担当者の決定、研究費の額の決定ということをいたしております。また、これは本年度からでございますが、評価調整部会をこの懇談会に設けまして、すでに四十七年から始めている研究も二十疾患あるわけでございますから、その再評価を現在進めているところでございます。
#188
○和田(耕)委員 たとえば、いままで四年間でございますけれども、これは八億八千万あるいは九億八千万という金はかなりのお金だと思いますが、これが出されてどのように使われておるのかということを点検なさったことがございますか。
#189
○佐分利政府委員 その点につきましては、当然法的規制もございます補助金でございますから、毎年度厳重に内容を監査いたしております。
#190
○和田(耕)委員 監査はどなたがやっておるのですか。
#191
○佐分利政府委員 まず、一義的には厚生省の担当官がいたします。また最終的には会計検査院が行っております。
#192
○和田(耕)委員 会計検査院が内容的にどう使われておるかということが監査できますか。あるいは厚生省の査察官が内容的に有効に使われておるかどうかということが監査できますか。
#193
○佐分利政府委員 その点は二つの側面があろうと思います。一つは、業績がいかに上がっているかという面であろうと思います。もう一つは、予算が正しく法令の定めるところに従って使われているかどうかということであろうと思います。この両面について私どもは十分に監査をしているつもりでございます。
#194
○和田(耕)委員 その今年からおつくりになる評価委員会というのは、どういうお仕事をなさるんですか。
#195
○佐分利政府委員 すでに三年以上調査研究をいたしております疾患が二十疾患ございますので、こういった研究の一つのメルクマールは一期三年であります。そういうふうな従来からの医学研究の慣習もございますので、それに従って、この三年間の研究の成果を厳しくチェックいたしまして、残すものは残す、また整理するものは整理する、改善すべきところは改善するということを検討しておるところでございます。
#196
○和田(耕)委員 この三年間の経過を見ますと、四十七年の発足のときには、難病というものの定義そのものも非常に不明確な点があると思いますけれども、約八つの病名を難病として、そして四十八年には約二十にふえている。四十九年には三十にふえている。五十年にはこれが四十にふえて、現在は四十三ぐらいあるようですけれども、こうして難病の数はどんどんふやして指定しておるわけで、非常に成果が上がっているようですけれども、しかし中身のチェックが、一つの、たとえばベーチェットあるいはスモン、あるいは重症筋無力症といったようなものをいろいろ見てみましても、研究は関連した研究でなければならない。いろいろな協力した研究体制をつくらなければならないのに、確かに各班をつくってはおりますけれども、ほとんど内容的にはお医者さん任せだというふうに私は聞いておるわけです。公衆衛生局長さんは、内容的にいろいろ点検しておる。そうされておれば結構ですけれども、私は、どうもこういう問題については、当然おれが専門家だという人に対していろいろと口出しすることはできないでしょう。できないから、やはり関係のお医者さんが集まって協力的な組織をつくるということをやらないと、なかなかチェックできないと思うんですね、この内容については。またこれについては、いろいろ考えてみればお医者さん以外の人たちも関係する人が多いと思うのです。つまり、こういうところにも単に難病というのが非常にむずかしい、これにかかっている人は大変な苦労をなさっておられるわけです。そしてこれに関係している人も何万、何十万という人にもなると思うのですけれども、この問題をもっと生き生きと取り上げる、という意味は、内容にわたって効果のあるように取り上げるという意味なんですね。私は、お金を配っているだけではないと思いますけれども、この辺で新しい、原因のわからない、治療方法のはっきり確定していない病気に対しても、それぞれの一つの課題を持った研究班をつくっていかないと、単にこれは研究補助的な、お金をばらまくような結果にしかならないのではないか、実際問題として。そういう点を非常に恐れるのですね。それが意味がないと申し上げておるわけではないのです。ただ、急いでその原因を確かめて治療法をつくらなければならないという時期ですから、この問題に対してもっと意欲的に、もっと計画して総合的に取り組んでいく努力が必要ではないのかということをお伺いしておるわけです。
#197
○田中国務大臣 難病対策につきましては、私も大臣に就任以来いろいろと素人なりに疑問を持っております。疾患名だけふやすことばかりが能ではないだろうということを事務当局ともいろいろ相談をいたしまして、今日ではいままでのような縦断的研究を横断的にグループ別にこれを研究するような体制に切りかえつつあるというふうに聞いておりまして、私もその方向がよろしいだろうと思っておるわけであります。
 なお、これの成果につきましては、これはもともと難病というので、原因不明、治療方法不明の、しかも長い間世界の医者がリサーチをいたしてできなかったこの問題でございますから、したがってそうにわかにこれの具体的な成果というものが出るものではないだろうと私も思います。それにしてもこれだけのやはり国民の期待を受けてやる研究でございますので、どのようになっているか、常日ごろ私としても関心を持っているところでございますが、全国的な患者の実態の把握ができているというようなことやあるいは診断についての手引きというものが逐年非常に向上をしているなどということ、また先生非常に御関心の深いベーチェットについてもいろいろ副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤等々のそういう方向についての具体的な成果があるものと思いまして、私も少し長い目で見てやってみようかと思います。それにしても十分注意をいたし、今後成果の上がるようにいろいろ努力をしなければならないというふうに考えているところでございます。
#198
○和田(耕)委員 ぜひひとつその内容的な問題をお願いをしたいと思います。こういうものが成果を上げていくということが日本の科学者が国民から信頼される一番大きな問題の一つだと思うのです。
 これで見ますと、いま各研究班の責任者になっている先生は、ほとんど日本の全部の医学関係の教授ですね。ほとんどない学校はないくらいに分かれているのですね。こういうところを見ましても、バランスをとって、そして各医学部の先生に研究補助をしておるという形に見えるのですね、邪推をすれば。邪推かどうかちょっとわからぬけれども、つまりそういうようなおざなりの研究体制では、生まれるものも生まれてこないということになりはしないか。むしろこういうことよりは、あるいは最も適当な人に相当な金をつけ、そして研究費をつけ、実験費をつけ、そして成果を上げていくということをやる必要がある。大体科学技術庁なんかも行政管理庁なんかも、こういう問題が相当、十億の金が使われておるのですから、本当に生きて使われておるかどうかをもっと内容的に点検する必要があると思うのです。厚生大臣にまずくやっているとは申し上げておりませんよ。おりませんけれども、いままでの日本の研究機関、そして研究者に対する補助、非常におざなりだということを、そうかなということをちょっと頭に置いていただくだけでも非常に大きく違うと思います。この点、ひとつぜひともお願いしたいと思うのです。
 それから、こういう問題で難病関係の人の苦しんでおるのは、実際的には補助は、たとえば健康保険にあれしたりあるいは労災にかかったり、いろいろな形でカバーされているのですけれども、難病にかかっている人の生活苦問題をどのように見るかということも、これはひとつそういう総合的ないろいろな対策機関でぜひとも検討していただきたいと思うのですね。そういうふうにひとつ生き生きとしたことをやっていただかないと、いまの状態じゃ日本もだめになるのではないかと私は思うのですよ、本当に。日本のようなところでこういう研究機関、特に国立の研究機関が中身のある研究をするという体制になれば、私は日本は大丈夫だと思うのですけれども、これがこういう
  これは内容をよく知らないでぼろくそに言うのはおかしいのですけれども、読売新聞の社説が評価しているような、私はこれはこういうものを考えている人の一般的な評価だと思うのです。こういう評価をそのままにすれば日本はおかしくなってしまうというふうに考えますので、ぜひともひとつお考えをいただきたいと思います。
 それから、これは副総理と大蔵大臣と科学技術庁長官と厚生大臣とにお伺いしたいのですけれども、たとえば原子力の問題で、「むつ」が海上に出たままで漂流を始めるという問題が起こりましたですね。あのときに国民のいろいろな反対する運動もありました。そして「むつ」の問題を今後どうするかというような問題もあったのですけれども、あるいはまた原子力発電所の問題でもいま大変困難をしておるわけですね。これは原子力でなくても普通の発電所でも、あの汚染の問題とかいろいろなことで地域住民の反対を受けて苦労をしておるということがあると思うのですね。そしてこれはたとえば飛行場の問題なんかでも、成田でもあるいは大阪の飛行場でもいろいろもう、新幹線もそうだ、あるいは食品添加物等の問題もそうだし、薬品関係もそうだ、つまりこういう関係がすべて住民の、それで被害を受ける代表の人たちから抵抗を受けて、これが立ち往生しておるという状態があるのですね。しかも、立ち往生しておる問題が将来の日本の国民にとって必要でないものであればそれでいいのです。しかし、非常に必要なものばかりでしょう。原子力がそうだし、電力がそうだし、薬品がそうだし、飛行場がそうだし、新幹線がそうだ、こういう将来の日本の国民の生活にとって非常に重要なものであるけれども、しかしこれが住民のいろいろな抵抗に遭って立ち往生している。重要な計画が紙上のプランとしてはできても、それが実行されていないというのが現在の状態ですね。こういう状態を、これは特に副総理、大蔵大臣、科学技術庁長官、そして厚生大臣もどういうふうにこの問題に対処して打開したらいいとお考えになっておられるのか、これはひとつぜひとも御意見をお伺いしたいと思うのです。
#199
○福田(赳)国務大臣 ただいま御指摘の原子力船「むつ」その他の諸問題ですね、お話を承っておりまして感想を申し上げますと、とにかく政治の中で一番大事な問題は、人の生命、身体、これを大事にすることである、こういうことには違いありません。これは本当にそういうことを旨として政治に取り組まなければなりませんと思いますが、政府がいま大事な原子力行政の問題、そういうものを推進しなければならぬ、そういう際に国民に対する理解、納得、そういう活動が少し足らないところがあるのではないか。しかも説得、また理解を求める活動というものは敏速果敢にやらなければならぬ、そういうところにおいてずいぶん手抜かりがあるのではないか、こういう感じがいたすわけであります。
 とにかくいま御指摘の諸問題、わが国のこれからも大変大事な問題でありますので、いろいろお話がありますが、一々ごもっともと思うのです。そういう方向で果敢に対処してまいりたい、かように考えております。
#200
○大平国務大臣 いわゆる成長経済が一面において多くの環境問題をもたらしまして、仰せのようないろいろな問題を招来いたしておりますことは御指摘のとおりであります。これは、これからの経済社会の運営に当たりまして、われわれがこういったもろもろの問題を念頭に置いた健全な運営をやってまいることが基本でなければならぬと思いますが、同時に、いま出てまいりましたもろもろのデメリットにつきましても、政府が真剣に対処して、いま副総理が仰せになりましたように、国民の理解を極力求めてまいるという政府の主体的な熱意と姿勢というものが確立されることが一番大事だと思うのでございまして、そういう方向で最善を尽くさなければいかぬと思います。
#201
○田中国務大臣 ただいま和田先生のおっしゃっていることを、私、厚生行政を預かっていて常日ごろ実は心配もいたし、今後の政策推進の一つの重要な課題だと思っております。いま副総理がおっしゃったように、こうした問題についての国民の理解を得るための説得、これを十分やらなければなりません。特にこのごろでは、国民の権利意識は非常に強いわけでございまして――これは日本だけではございません。アメリカ等においてもこうした傾向が非常に強いということを、きのうもアメリカの政府高官が来て私に申しておりまして、非常な今後の問題点だろうと思うのであります。
 また、一般的に申しまして、やはりわれわれの立場としては、科学的な安全性というものをあくまでも確保しなければならぬということだろうと思いますが、しかし、予防接種事故等に見られるように、マクロの利益のためにどうしても一部に犠牲が出る場合、そうしたことが社会的にやむを得ない場合に対しては、こうしたものに対するコンペンセーションというものを十分考えるといったようなことも今後やっていかなければなるまい。いま、あれやこれやの問題を今後解きほぐしていかなければならぬ瀬戸際にあるというふうに思っております。
#202
○佐々木国務大臣 安全性などに関する住民の皆様の御理解あるいは御協力という点はもちろんでございますけれども、いまお話しの点は、むしろ従来の三権分立にはない一つの勢力と申しますか、住民パワーというふうな、問題を進める上におきまして、どうしてこの人たちの御理解を得て問題を進めていくかというのは、私はいまの日本としては非常に大きい問題だと思います。
 そういう問題に対して総合的に国あるいは政党として対策を考えていっているところがあるかと申しますと、これは実はないわけでございまして、私どもの例から申しましても、すぐ立法、司法で許認可取り消し、行政処分取り消しの訴えというようなもの、あるいは行政系統で、県会あるいは市会、市長等が仮にいいとしても、そのままいけるかというとそうはいかない。あるいは国会では、そういう問題の一つの安全問題等に対する各党からの反撃と申しますか……。ですから、ことごとく国を挙げてどうしてもやらなければならぬと思っておっても、なかなかむずかしい面が出てきまして、こういう点に対して一体国としてどう将来取っ組んでいったらよろしいかという問題は、やはり私は真剣に考えるべき問題だと思います。自分で体験しているがゆえに、非常に問題の深刻さがわかっているのかもしれませんけれども、御指摘の点は大変むずかしい問題ですけれども、ぜひひとつ国のためには解決をしなければならぬ問題だと思いますので、一生懸命勉強してみたいと思います。
#203
○和田(耕)委員 私も同じような考えを持ちますけれども、しかしこの問題は、もうすぐれて日本の科学技術の判断に対して国民が信頼するかどうかという問題だと思うのですね。やはり科学技術の一つの結論に対して国民が信頼しないか信頼するか、そこのところがポイントだと思うのですね。だから信頼できるような科学技術の一つの集約点というものをつくり出していくということが一番大事な問題だと思うのですね。あの原子力の問題でも、あるいは食品添加物の問題でも、あるいは電力公害等の問題でも、こういうものが、経済成長だけじゃいけないのだ、国民の生活には大事な問題だということを問題を指摘する段階であれば、住民運動で、悪く言ったらわけのわからぬ者がわいわい言って、それがいろいろなものの決定をおくらせていく、できなくするということも必要な時期があるんですね。この問題の重要性を国民がよくわかるようになるためには、かなり無理でもそういうふうな運動が大きな役割りを持つ時期があると思いますけれども、しかし現代の日本の状態は、そういう状態はもうすでに過ぎ去りつつある。やはり現在では正しい科学技術の判断というものをつくり上げて、その判断によってこれらのものを決めていくような状態に持っていかないと、私はにっちもさっちもいかなくなるのではないかという感じがするのです。おととしヨーロッパに行きまして、ドイツのある有名な製薬会社の副社長さんと会う機会があって、非常に印象に残っているのですけれども、日本でも薬の問題についての反対運動なりいろいろな問題があると聞いております。しかし和田さん、余りこの問題だけで一般の人が反対するからできないということにすれば、新薬の発見はできなくなりますよ、ということを言っておられたことがあるのです。これは非常に大事なことだと私は思うのですね。
 そういう問題がありますので、もうすでに日本でも、たとえば原子力の問題でも、あるいは薬の問題でも、あるいは電気の問題でも、あるいはその他のいろいろ問題になっている問題すべてが、今後の日本の国民にとっては非常に重要な品物ばかりです。しかもそれがストップしておるという状態です。一番大きな理由は、国民からの反対運動によって阻止されておるということがあるんです。何とかしてこの問題について科学技術というものを中心にして国民自身が判断できるような状態をつくっていくことなしには、これはまさに打開できないと思うのです。そういう時期であればあるほど、科学技術というものが眠っているような、あるいは自分勝手に研究しているような状態を放置して、国民がそういうものを信頼しない状態を放置するということが一番いけないことだと私は思うのですね。この問題については、行政の衝に立つ皆さん方も本気になってひとつ取り組んでいただきたいと私は思うのです。そして国民が信頼するような科学技術をつくり上げて、これでもって判断をしていく。仮にそれが間違っておったとしても、これはしようがないことです。それは国民は納得するでしょう。そういうふうなことをぜひともひとつ強く考えて、この科学技術の問題をいまのままでいいのか、いけないのだということを強くひとつそういう問題意識を持っておっていただきたいと思うのです。
 私、きょうは総論的な御質問をしておりますけれども、重立った国立研究機関の問題は、今後私なりにひとつ勉強しながら提起していきたいと思っております。
 科学技術の問題については終わりますので、佐々木長官以下、厚生大臣も結構でございます。
 いまの経済問題につきまして二、三お伺いをしたいと思いますけれども、福田さん、いまの経済状態は果たして今年中にまともだと思われる状態になるんでしょうか、ちょっとお伺いしたいのであります。
#204
○福田(赳)国務大臣 和田さん、経済の動きですね、ことに景気と雇用、そういうことを大変心配されておるのです。私はそれに対しまして、五十年度は下半期、特に十月−十二月期のこの傾向がまあ横ばいというか停滞状態になった、そういう意味でおくれが出てきておるけれども、いわゆる第四次対策の影響、これは少しずれて一−三月には出てくる、こういうことを申してきておるわけですが、いま公共事業の契約の状態なんかは非常に順調に進捗いたしておりまして、政府予算のごときは契約率九八%ぐらいいきそうであります。それを目指していま努力をいたしております。
 それから、貿易の状態が、これもかなり見通しがいいのです。十二月ごろから上昇過程に転じまして、きょう実は発表になるわけですが、二月の輸出信用状のごときは前年比二二%の増加になる。こういう状態で、輸出信用状がそうだということは、四、五月に実際の輸出になってそれがあらわれてくる。こういう状態でありまして、まあこの一−三月は、昨年の十−十二月期に比べてかなりいい結果になってきておる。生産も十二月末からずっとふえるようになってきております。
 それを受けて、五十一年度、四月から先の一年度はどうなるかというと、輸出は堅実に伸びていく、私はこういうように見ております。同時に、ただいま御審議を願っておる予算、これも景気対策ということを考慮いたしましてかなり増額をいたし、特に公共事業費なんか五十年度、四十九年度、かなりこれは抑え込んだのですが、今度は物財の費消が公共事業費でも前年比実質八%はふくれるというような盛り込み方をいたしておる。それが予算の成立とともに実行されるわけでありますから、この輸出と公共事業、これが牽引力となって着実に五十一年度の経済というものは景気上昇過程に入っていく、こういうふうに見ておるのです。
 まあ実質五%ないし六%成長だということを申し上げておりますが、そのような経済情勢が必ず実現される、それに伴いまして雇用の問題、これなんかもかなりの改善を見る、こういうふうに確信をいたしております。
#205
○和田(耕)委員 昨年いろいろ問題がありました地方自治体の財政困難という問題は、景気浮揚という面から見て解決されていくかどうか、その問題についての見通しをお伺いしたい。
#206
○大平国務大臣 景気の見通しにつきましては、いま副総理からお話がございましたが、これがどのように中央、地方の歳入に影響してまいりますか、相当の時間的なずれがございますので、五十一年度にどれだけ期待できるかということは必ずしも定かでございません。けれども、私どもがいま御審議を願っておる中央の予算並びに地方財政計面というものをただいまのところ変えなければならぬというものではないと私は思うのでございまして、これは着実に遂行可能であると考えております。
#207
○和田(耕)委員 個人消費の問題はいま副総理もお述べにならなかったのですけれども、やはり五〇%以上の力を持っておるものですから、何かの形でこれは刺激をしていく必要があるが、しかし不自然な形ではしたくないというのは副総理も前に言っておられるのですけれども、しかし、減税はやらない、あるいは賃金が一〇%以下、それもかなり低目になると、これはちょっとぐあい悪いんじゃないか、そういうふうに見るエコノミストもかなりふえてきたように思うのです。減税もやらないとなると、やはりこの賃金の引き上げというのは、一二、三%ぐらいには少なくともなる必要があると私は思うのですけれども、率直に言っていかがでしょうかね。
#208
○福田(赳)国務大臣 消費は沈滞沈滞というような声を聞きますけれども、沈滞という言葉は私は妥当じゃないと思うのです。まあ非常に活発に伸びているという状態じゃございませんけれども、着実には伸びている、こういうふうに見ております。最近のデパートの売り上げなんというのも相当のものでございまして、これはびっくりするような店もあるくらいでございます。五十年度、本年度は大体実質で五%ぐらいは伸びておるのじゃないか。経済成長全体としますと実質二%強というふうに見ておりますが、その中でとにかくまあ五%伸びる。つまり、世界経済不況の中でわが国だけがプラス成長、わずかでありまするけれども、二%成長を実現しそうだというゆえんのものは何だというと、個人消費がもう最大、圧倒的なウエートを占めておるわけであります。そういうことでございますが、この勢いは五十一年度におきましても持続する、こういうふうに見ております。これはまあしばしば申し上げておるところでございます。
 ですから、私は、ここで何か人為的な刺激、手段ということはいかがか、こういうふうに思うのです。経済が活況を呈し、そして自然に伸びていくということは、私はこれは非常に歓迎しておるわけなんでありまするけれども、ここでまた景気対策のため減税をいたしましょうとか、そういうようなことで人為的に消費を刺激する、こういうことまではどうも踏ん切りはできないし、また、それは妥当ではない、私はこういうふうに考えているのです。景気も持ち直り、これはもう決定的にそういう方向に行くだろうと思いますが、それにつれまして個人消費が伸びていくということは、私は大変結構な姿ではあるまいか、そういうふうに考えております。
#209
○和田(耕)委員 賃金の問題は政府がとやかく言う問題ではないと思いますけれども、やはり政府の見方というものは非常に重要な要素になるわけで、去年の一三・一%というのが景気を見通しのつかないぐらいにおかしくした一つの要素であることは間違いないので、やはり今度の春闘では一二%あるいは一三%、少なくともそれぐらいのものは平均して出るようにならないと、せっかく上がり始めたこの景気に水をかけるようなことになりはしないかと、私はそういうような感じがしてならないのです。まあ、あんまり低く抑え、抑えなんということは言わないようにひとつしていただきたいと思うのですが、この問題は一つの心理的な要素として重要な要素だと思うからでございます。
 それから、今度のロッキードの問題を見てみましても、つまり過当競争という問題をやはりいろいろと考えてみなければならないのではないかと思うのです。これは経済指導の立場からいっても、もうここまで来た日本の経済に対する基本的な政策としては、競争条件をつくり出していくというこの考え方が余り中心になると誤ってくるのじゃないかという感じが私はするのです。やはり適正な競争ぐらいのところで、不当な競争というものは抑えていくというような形にしないといけないのではないか。ただ単にいまのロッキード的な――これは民間同士のことですから、民間の会社の社長さんというのは自分のサラリーの三倍ぐらいはいろいろなところで、外で非合法にもらう、その金の収入だということを言う人がおるのですけれども、そういうふうに競争条件が余りにも過当になるということは考え物だと思うのです。いかがでしょう、感じとして。
#210
○福田(赳)国務大臣 自由経済メカニズムは非常に貴重なものだと思うのです。これに対立する行き方というのはやはり管理統制ということですが、この膨大な日本経済、これを管理統制体制でやっていくわけにはいかない。やはり自由経済メカニズムを巧みに運営していくということだろうと思いますが、自由競争が勢い余ってまたいろいろな弊害を醸し出すという点につきましては、御指摘のとおりの問題があると思うのです。ことに対外競争なんかは、余り自由競争ということが行き過ぎますと、国益といたしましても非常に不利な立場の経済条件に甘んじなければならぬということになりますので、その辺は、自由経済メカニズムを巧みに利用しながら、しかも過当競争の弊害を除去するということに心がけながら、両面の調和のもとに巧みな運営というものが必要じゃなかろうか、そういうように考えます。そういう方向でこの上とも努力をしてまいりたい、かように存じます。
#211
○和田(耕)委員 たとえば、いまロッキードの会社が日本の方へ出張ってきて、いろいろなよけいなことをしている。賄賂を贈るとか、いろいろなことで日本の社会を揺るがしているわけですけれども、では、日本の商社が韓国へ行って、あるいは台湾その他の後進諸国へ行ってそういうふうなことをしていないということの保証は一つもないですね。これはいかがでしょう。
#212
○福田(赳)国務大臣 とにかくロッキードの問題というのは、アメリカの飛行機製造会社の過当競争の結果こういうような問題が出てくる、そういう実態かと思うのです。わが国の企業、これも海外に対しまして、輸出でありますとか投資でありますとか、ずいぶん努力をしておる、そういうことかと思います。ですから、そういう際に余りにも過当競争が過ぎますと、わが国自体としてもそれだけ安売りをしなければならぬとか、経済条件が悪いところで甘んじなければならぬということもありまするが、同時に、この方途を誤りますとよその国にも御迷惑を及ぼすということになりますので、企業の対外接触、そういうことにつきましてはよほどこういう機会に、その姿勢をどうするかというような問題も含めまして考え直さなければならぬだろう。いわゆる多国籍企業の問題などにつきましては、いまもうすでに、そういうことのあり得ることを予見されまして、あるいはOECDの場で、あるいは国連の場で検討が始まっているのです。わが国といたしましても積極的にこれに参加いたしまして、そしていいルールができるということに貢献してまいりたい、かように存じます。
#213
○和田(耕)委員 これは自由な社会の墓掘り人だという一つの心配をアメリカのチャーチ委員長なども持っておられるようですけれども、日本の今後の問題としてもこの問題は徹底してやらなければしようがない。やるとしても、自由競争というものは何でもいいものだ、そういう経済政策というのは結局自由のメカニズムを復活すればいいのだというふうに考えると、私は何もかもうまくいかないという感じがするのです。やはりほどほどにといいますか、公共的なあるいは国民生活の向上の面からこの問題は考えていく必要があるのではないか。これは例の独占禁止法の問題についても同じことだと私は思うのですけれども、ロッキード問題の帰趨がどうなるかはっきりしません。大きなことになるかもわかりませんけれども、どういうことになるにしても、経済指導という問題をぜひともひとつ考えていただきたいと思います。
 これで終わります。
#214
○正示委員長代理 これにて和田君の質疑は終了いたしました。
 横路孝弘君。
#215
○横路委員 私は、きょうはロッキード事件に関して、特に昨日行われました証言、その中でも全日空の若狭証人と大庭証人の証言の内容が非常に食い違いを見せたわけでありますけれども、幾つかの点について、若狭証人の証言が虚偽ではないかという点について、これは事実の問題でありますからお尋ねをしていきたいと思うのでありますが、その前に若干お尋ねをしたいのは、本日、北海道の札幌市におきまして道庁が爆破されまして、たくさんのけが人を出したということであります。亡くなられた方には心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、多数の負傷者にはお見舞いを申し上げたいと思うのでありますけれども、まずこの事件について国家公安委員長の方から概略御報告をいただきたいと思います。
#216
○福田(一)国務大臣 本日、午前九時二分ごろ、北海道庁本館一階において爆破事件が発生しました。事件の概要については政府委員をして答弁をさせますが、目下北海道警察において鋭意捜査を進めているところであります。
 一昨年、昨年にかけて続発した一連の企業爆破事件については、国民各位の協力のもと、警察の強力な捜査により犯人八人を検挙し解決を見たところでありますが、その後においても爆破事件が後を絶たず、本日の事件を含め、死者八人、負傷者百三十六人という多数の犠牲者を見ていることはまことに憂慮にたえないところであります。
 暴力が民主主義と相入れないものであることは周知のところであり、まして爆発物を使用して善良な市民に被害を与え、社会不安を引き起こすがごとき行為は民主主義に対する重大な挑戦であり、断じて許されるべきものではないと考えております。
 警察は、この種事件の未然防止に万全を期するため、過去の事例についての具体的検討を行うなどして警戒警備の強化を図るとともに、関係省庁の協力を得て、毒物及び劇物取締法施行令の一部改正を行うなどして爆発物の原材料についての規制を強化し、さらには、時限装置つき手製爆弾にトラベルウオッチの使用例が多いところから、トラベルウオッチに刻印することを要請するなど、総力を挙げて諸対策を推進し、爆破事件の未然防止に努めているところであります。
 また、すでに発生した一連の爆弾事件については、全力を挙げて強力な捜査を推進し、広く国民各位の御協力をいただき、一日も早く犯人を検挙して事案の早期解決を図るべく努力しているところであります。
 詳しい内容は政府委員から……。
#217
○三井政府委員 本日、すなわち三月二日午前九時二分ごろ、札幌市の中心街にあります北海道庁本庁舎一階ロビー一号エレベーター前付近におきまして、ここにセットされておったと思われます爆発物が大きな爆発音とともに爆発をいたしまして、同一階ロビー等におりました二名が死亡し、八十四人が重軽傷を負ったわけでございます。八十四人という数は午後五時現在の数字でございますので、今後またふえる可能性がございます。同時に、物的被害といたしまして、道庁の窓ガラス、壁、天井等が破壊されたのであります。ちょうどこの時間は道庁職員の登庁のピーク時、ラッシュ時でございました。亡くなられたお二人の方はいずれも道庁に勤務いたします一人は溝井是徳さん、五十歳、一人は五十嵐怜子さん四十五歳の方でございます。
 この爆発音で、道警本部は隣接をいたしておりますので、直ちにこの事件の発生を認知をいたしまして、午前九時六分に緊急配備を発令し、かつ警察官を現場に急派いたしまして、付近一帯の交通規制、負傷者の救護、そしてまた現場の鑑識活動等、現場を中心とした初動措置をただいま講じておるところでございます。本件につきましては、北海道警察本部におきましては、本部長を長とするこの事件に対する特別捜査本部を設置し、六百名の要員をこれに従事せしめて、早期検挙を期して捜査を開始したところでございます。
 なお、つけ加えて申しますと、昨年七月十九日に、この道庁に隣接いたします道警本部の三階廊下に爆発物が仕掛けられまして、この日はちょうど土曜日の退庁時間、午後二時ちょっと前でありますが、たまたま警察職員のみしかおりませんでしたが、五名が重軽傷を負っておるわけでございます。
 本件とこの事件とが大変類似した点もあるわけでありまして、本日の事件につきましては、事件発生後の午後零時四十分ごろ、本件は自分たちがやったんだと称する連絡があり、通告文と見られるテープを打ったものが出ておりますが、これによりますと、道警本部爆破事件と同じように東アジア反日武装戦線を名のり、アイヌ問題に絡んで爆破をしたのだ、こういう趣旨が読み取れるわけでありまして、警察といたしましては、一刻も早くこの事件を検挙することが、同時に同種事件の続発を防止することになるわけであります。そういう意味におきまして、捜査に力点を置いておりますが、同時にまた、類似事案の発生を防止するために、関係の皆さん方の御協力を得ながら、あるいはアパートローラー作戦等事件防止のために鋭意努力中でございます。
 以上でございます。
#218
○横路委員 いまもお答えがありましたけれども、昨年の七月十九日に今回の爆破事件のありました隣の道警本部で、これは警察の本部にまさに爆弾が仕掛けられるという事件が発生して、これはまだ半年たっても未解決なわけですね。一体、こっちの方の捜査は現在どういうような状況になっているのか、報告を受けているのか受けておらないのか、お答えをいただきたいと思います。
#219
○三井政府委員 昨年の道警本部爆破事件につきましては、本件につきましても直ちに特捜本部を設置いたしまして、当初約五百名、捜査の進展とともに順次要員は他に転用いたしておりますが、現在九十四名の要員をもって引き続き継続捜査をしておるところでございます。ただいま申しましたように、この事件につきましても、東アジア反日武装戦線という名によるわれわれがこの事件をやったのだという通告文が参っておりまして、この捜査の方針といたしましては、何よりも現場の中から事件の端緒をつかむということから、さらに本件犯行に及ぶ可能性のあるいろいろの諸情報を検討し、捜査の重点をしぼるべく努力中でございますが、現場を中心といたしました各種捜査はほぼ終わりまして、ここで使われました爆弾の種類並びに形状その他は一応復元することに成功をいたしました。申すまでもなくこれは時限爆弾でありまして、農薬等を材料とする爆薬が使われておるというようなものでございまして、今後は、こういう物的なものを基礎として人的な関係の捜査に重点が指向されて、目下鋭意継続捜査しておるという段階で、この状況は逐一道警本部から報告を受けておるところでございます。
#220
○横路委員 いま、時限爆弾が復元されたというお話ですが、これは道警本部爆破のときと大体同じようなものが使われているわけですか。
#221
○三井政府委員 復元に成功いたしましたのは道警の爆破事件の爆弾でございますが、ただいま、本日の事件につきましては現場で鋭意資料を集め、これを検討するという段階でありますので、時限爆弾であろうということはわかりますが、爆薬の種類並びに形状等はまだ判明いたしておりません。しかしながら、威力の程度等から見まして、道警本部爆破事件とは格段に威力の大きい大きな爆弾が使われたものというふうに考えております。ただ、過去に起こりました三菱重工前での爆弾は大変規模の大きいものでありましたけれども、あの程度には至りませんけれども、かなり強力なものというようにただいまの段階では考えておるところでございまして、時限爆弾に使われました時限装置の種類、トラベルウオッチのメーカーだとか、それから爆薬の種類、農薬とすればどういうものであるかというのはこれからの分析、検討でございまして、ただいまその材料を収集中というところでございます。
#222
○横路委員 その東アジア反日武装戦線ですか、それを名のる通告というのは一体どこにあったのですか。
#223
○三井政府委員 まず東アジア反日武装戦線と申しますのは、三菱重工を中心といたしましたいわゆる連続企業爆破事件を敢行したグループがこの名前を名のっておったわけであります。ただ、初めのうちは「狼」グループであるとかあるいは「さそり」グループであるとか、いろいろ名前を名のっておりましたが、最後の段階ではそういうものをつけないで、単に東アジア反日武装戦線、こう言っておりますので、いろいろに分かれておりました「狼」とか「大地の牙」とか「さそり」とかといったものが連合したと申しますか、一体化しておったというふうに考えるわけでありますが、その段階では、昨年の五月十九日に被疑者の八人はすべて検挙いたしました。ただ、残念ながらあと二名、「さそり」グループに属しておりました桐島、宇賀神という二人が目下指名手配中でございます。
 今回の北海道におけるこの爆破事件は、前回の道警本部の爆破事件と大変共通しておる点がありますので、ほぼ同一グループか、あるいは前のグループのやり方を報道その他によって十分知った上で完全に模倣したか、こういう裏ということも考えられますので、単純に同一グループと即断するわけにまいらないと思いますが、これがやはり同じく東アジア反日武装戦線と名のっておるわけでございます。しかしながら、私たちがいままで捜査して到達いたしました判断では、三菱重工等を中心として行いましたあの連続企業爆破事件の犯人グループである東アジア反日武装戦線とは別のものというように考えております。ただ、この東アジア反日武装戦線は爆弾教本の「腹腹時計」というのをいわば地下出版といいますか当時出版をいたしましたので、それによりますと、われわれのやり方あるいは主義、主張に共鳴する者はどんどん参加してきてもらいたい、これは拒まない、こういう言い方をしていわば門戸を広げておる、こういうことでありますので、連続企業爆破事件の犯人グループとは全然別のものでありますけれども、後からこれに参加したつもりでその名前を名のっておるというのが今回の犯人グループではなかろうか、また昨年の道警本部の犯人グループではなかろうかというように思うわけでありますが、この通告文は、新聞社等に電話がありまして、地下鉄のどこどこの駅のコインロッカーの何番目を見ろ、こういう式で通告がございました。あけてみますと、そこにテープライターでテープにかたかなでタイプ式にタイプしたものを紙に張りつけておる通告文というものが発見されたわけでありまして、こういう通告の仕方並びに通告文の作成の仕方並びに置いてある場所というのは、道警本部事件と今回の道庁事件と手口としては全く同じ手口であるというように考えられるわけでありますが、先ほど申しましたように、それだけにとらわれて同一グループということに判断してもならないということで、ただいま考えておる段階でございます。
#224
○横路委員 ですから、物的証拠は結構あるわけですね。ただ、いずれにしても、道警事件の方も半年捜査してまあ手がかりもつかめないという状況のようでありますが、ともかく今回のようなことは二度と起きないようにぜひ犯人の検挙には全力を挙げてもらいたいと思うのであります。
 法務省の方も、何かこれ検察庁、札幌の地検の方からでも御報告がありますか、法務大臣いかがでしょうか。
#225
○安原政府委員 法務省におきましても、けさほど事件発生とともに札幌地検から報告がございましたが、大体犯人の推定といたしましては、いま三井警備局長のおっしゃられたようなことの報告がございました。
#226
○横路委員 一日も早い解決を心から期待をしております。
 それでは、ロッキード問題の質問に入りたいと思います。
 まず初めは、昨日の若狭証人の証言でオプションの問題が非常に大きな問題になったわけですが、その中で、昭和四十五年二月に調査団が行ったときにまだ設計の段階であったという証言があって、したがってオプションなどするはずがない、こう彼は主張したわけでありますが、ダグラスDC10とロッキード一〇一一についていろいろとお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 まず最初、この二つの飛行機が就航した、実際のエアラインに入った日にちはいつでしょうか。
#227
○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。
 ロッキード一〇一一が初めて定期運航を開始いたしましたときは四十七年の四月二十六日、それからDC10−10でございますが、これは四十六年の八月五日というふうに承知いたしております。
#228
○横路委員 型式証明はいつ出ましたか。
#229
○中村(大)政府委員 型式証明は、一〇一一が四十七年の四月十五日、DC10が四十六年の七月二十九日というふうに承知いたしております。
#230
○横路委員 だんだん時間がよみがえっていきますけれども、それではDC10、L一〇一一の飛行機の初飛行はいつでしょうか。
#231
○中村(大)政府委員 初飛行は、一〇一一が四十五年十一月十六日、DC10が四十五年の八月二十九日というふうに承知いたしております。
#232
○横路委員 御答弁のとおりでありまして、ダグラスDC10は四十五年の八月ですね。カリフォルニアのロングビーチからエドワーズ空軍基地へ三時間半くらいの飛行を行ったのが初めてでありますし、トライスターの方はパームデールの砂漠の上で飛行を行ったというのが初飛行であります。
 それではロールアウトしたのはいつでしょうか。
#233
○中村(大)政府委員 私どものデータによりますと、一〇一一が四十五年九月一日、DC10が四十五年七月二十三日というふうに承知いたしております。
#234
○横路委員 私の調査と全く同じであります。つまり、工場から出たのが、ダグラスのDC10の方が四十五年七月二十三日、L一〇一一の方が四十五年の九月一日であります。
 それでは、これらの飛行機の組み立てを開始をしたのはいつでしょうか。
#235
○中村(大)政府委員 この点の正確な日時につきましては、実は私どもが現在持っております資料が正確かどうか存じませんけれども、一応私どもでいわゆる機体の製造を開始いたしました日時として承知いたしていますのは、一〇一一が四十四年の三月、それからDC10が四十四年の一月というふうにわれわれの資料では承知いたしております。
#236
○横路委員 機体の製造ですね、それは。組み立ては、私たちの調査によりますと、DC10が四十四年の六月でありまして、カリフォルニアのサンタモニカ工場で組み立ての開始が行われておりますし、一〇一一の方はちょっとおくれておりまして四十四年の秋ぐらい、七月に初めて格納庫の着工が始まったというようになっておるようであります。そうすると、設計というのはこれは前の段階でありますから、設計の完了したのは大体いつごろになるでしょうか。
#237
○中村(大)政府委員 正確な資料がございませんけれども、大体それから一年ぐらい前ということに相なろうかと思います。
#238
○横路委員 ここに「世界のジェットライナー トライスター」という本があるのですけれども、この「トライスター」という本の中に丸紅の輸送機械部の前のこのトライスター問題のときの航空機課長をやった坂篁一という人がいろいろと販売の思い出というのを書いているのですが、これによると、昭和四十二年にロッキードは新時代の無公害大型ジェット機L一〇一一の設計を完了した、そして最重要プロジェクトとしてゴーというサインがかかったので、丸紅は直ちにこれに対応してL一〇一一のプロジェクトチームを東京本社に組織をしたということになっているわけです。そうすると、大体実際にエアラインに就航したときから、ずっと時間を追ってくると、少なくとも昭和四十五年の二月という段階は、いまの時期で言いますと初飛行の半年ほど前ということになるわけですね。そうすると初飛行の半年前でまだ設計の段階だったということにはならないのじゃないかと思うのです。別にこれは若狭証人の証言を皆さんの方にどうだということを求めるということではなくて、いまの経過から言うと、四十五年の二月という段階はもう設計は終わっていたということは間違いがないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#239
○中村(大)政府委員 四十五年の二月は、いずれも設計が終わって、機体の製造が開始されておったというふうに承知いたします。
#240
○横路委員 これは後は委員会の問題になるわけですけれども、きのうの証言で若狭証人は、四十五年二月に調査団が行ったときはまだ設計の段階だった、したがって、その当時にオプションなどするはずがないということを主張したわけでありますけれども、いまの事実関係の中で、この点の証言が虚偽であるということは明らかではないかというように私は考えるわけであります。
 もう一点、確認をいたしたいと思います。
 全日空の有価証券報告書でありますが、大蔵省の方にお尋ねをしたいのでありますが、手元にございますか。ありますね。
#241
○岩瀬政府委員 用意してまいっております。
#242
○横路委員 この有価証券報告書は昭和四十五年四月一日から四十六年三月三十一日までの第二十一期の事業年度についての有価証券報告書です。この有価証券報告書の中の「監査報告書」というところをちょっとお読みください。三十五ページであります。この「監査報告書」の中にこういう付記事項があります。「会社は、剰余金計算書脚注(3)に示してあるとおり、」これは後でお話をいたしますが、「前期にひき続いて、幹線用ボーイング727−100型機全機について、通常の償却のほかに四億六千七百二十六万三千円(税法許容限度額)の償却を行ない、これを繰越利益剰余金減少高に計上した。これは、会社が近く幹線にはエアーバス等大型機の就航を計画し、他方、ローカル線においてボーイング737型機への転換を図っており、この結果ボーイング727−100型機の退役が促進されるので、同型機の機能的減価が顕著になった現況に対処して実施されているものである。」こういう説明がありまして、その注のところには、「幹線用ボーイング727−100型機(七機所有)は、空港の混雑緩和の航空政策と最近の航空機の技術革新に伴い、近くエアーバス等大型機の就航を控え、機能的減価が顕著になっているので、その現況に徴して税法許容限度額を当期特別に償却した。」こういうことで、四億六千七百二十六万円の償却を行っているわけでありますけれども、これの法律的な根拠は一体何でしょうか。
#243
○岩瀬政府委員 お答えいたします。
 先生御高承のとおり、有価証券報告書のたてまえを申し上げますと、これは結局投資家の保護のために、投資家に会社の発表できる状況を一応知らせるというたてまえでございます。したがいまして、ここに出てまいります項目は、いずれも結果並びに考えられる現在の状況というものを説明しているわけでございますので、この項目につきましては、償却等は税法に従って償却を行うということでございまして、私ども、いわゆる大蔵省証券局として承知いたしておりますのは、現実にこの結果翌期にどういう経理の内容になっておるか、会社の状況が変わっておるかということを見て、それに誤りがなければ特に指摘をしないというたてまえになっております。
 したがいまして、お答えでございますが、先になって恐縮でございますけれども、この有価証券報告書に出てまいります飛行機の関係につきましては、有価証券報告書の中に「設備の状況」というところがございまして、その「設備の状況」の中に、改めて新しい機種が採用されれば、それが、いわゆる頭金が払われれば建設仮勘定というところに初めて登場してくる。したがいまして、ロッキードの飛行機がいつ全日空の会社に入ってきたかということは、その建設仮勘定に登場したときに初めて有価証券報告書によってわれわれが知るというたてまえになるわけでございます。
#244
○横路委員 そんな、ロッキードが入ったとか入らぬとかというようなことを聞いているんじゃなくて、ここで書いてあることの内容を法律的に言うと、どこの根拠に基づいてこういう処理なんだ、それをこの有価証券報告書には書いてあるのですよという、その説明を皆さん方に求めているだけなんです。
#245
○岩瀬政府委員 お答えいたします。
 これは「機能的減価が顕著になっているので、その現況に徴して税法許容限度額を当期特別に償却した。」ということでございます。
#246
○横路委員 ですから、それはそこに書いてあるとおりなんでありまして、その根拠は一体どういうことで、どんなことでこの金額になるのかということなんです、お尋ねしたいのは。皆さん方に、どういう措置が現実的にとられたのかというようなことをお聞きしているんじゃなくて、この有価証券報告書の中の「監査報告書」と「剰余金計算書」の中に書かれていることについて、税法上はどういう根拠に基づいてこういうことになるのかということをお尋ねをしているだけなんであります。
#247
○岩瀬政府委員 冒頭に御説明いたしましたように、証券局が承知いたしておりますのは、その内容が、記載した事実に誤りなければということでございますので、その税法に基づいたということについてもし誤りがあるとすれば、それは国税局の調査によってわかるわけでございます。
#248
○横路委員 私は、まだ誤りであるとかなんとかということも一言も言っていないのですよ。証券局の方は有価証券報告書というものを受け取るだけだというならば、じゃ、国税関係の方で、この辺は一体どういうことになって、どういうことでこういうことになるのか、お答えをいただきたいと思います。
#249
○中橋政府委員 一つ考えられますのは、航空機については、ある条件のもとに特別償却が許されております。それは、三年間だけの繰り越しが許されておりますから、その許容された繰越額を償却として計上した場合が一つ考えられます。それからもう一つは、いまお示しの文言を見てみますと、経済的に陳腐化しました場合には、陳腐化償却ということを特別の場合認める規定がございますから、あるいはその承認を受けまして、そういうことを計上いたしたものかというふうに考えられます。しかし、実態については、私どもはまだ当たっておりませんのでわかりません。
#250
○横路委員 じゃ、これどういうことなのか、その税法上の根拠と、それから実際に全日空の方でどういうような処理をしたのか、これについて御調査をして報告をお願いできますか。大蔵大臣、いかがでしょうか。
#251
○大平国務大臣 調査して御報告します。
#252
○横路委員 回答が出ていないうちに立証趣旨を先に言うというのはおかしいのでありますけれども、つまり何を証明したかったかというと、これは四十六年の三月三十一日、四十五年から四十六年にかけての決算なんであります。若狭証人の証言によれば、ともかく四十五年ごろからもうエアバス導入というのはあきらめておった、四十六年度もあきらめたんだという話が再三にわたってあるわけであります。ところが税法上の関係では、エアバスを導入するということにおいて特別償却を行っているわけですよ、全日空自身が。これは事実の内容をきちんと確定しなければいけないと思うのでありますけれども、それは調査していただくことにして、そうすると、こういう償却が一体正しいのかどうか。租税特別措置によりますと、合理化として認められている償却があるわけですね。つまり、727−100という飛行機は、ここにもありますけれども、空港の混雑緩和というような状況の中でもうリタイアする、そしてそのかわり新しいのを入れるんだ、だからこれはある意味での合理化になるわけですね。したがって、特別償却をということで、そういう償却措置をしているのではないか。そうするならば、若狭証人の証言というのは、これは全日空の有価証券報告書、全日空が責任を持って出したものでありますから、まさに社長自身、片一方税金の点ではエアバスを早く入れるからいわば特別償却を認めろという形で、一方国会ではそうではないという非常に矛盾をしたことを主張していることになるわけでありまして、これはひとつ大蔵大臣、そういう非常に重要な問題でありますだけに、徹底して御調査をお願いしたい。もう一度御確認をいたしたいと思います。
#253
○大平国務大臣 調査をいたしまして、御報告します。
#254
○横路委員 もう一つお尋ねをしたいのでありますが、これはエアバスの導入に絡む問題で、四十七年度エアバス導入という、この全日空の方針を運輸省が知ったのはいつなんですか。
#255
○中村(大)政府委員 全日空が四十五年度に今後の五カ年計画というものをまとめまして、これは四十五年の十二月だったと思いますけれども、それによりまして四十七年に大型ジェットを入れる、こういうふうな計画がその五カ年計画の中に記載してあったということで、したがって運輸省としては、そのころにそういう計画があることを一応承知しておったということだと思います。
#256
○横路委員 いや、全日空はまず昭和四十三年に、四十四年から四十六年までの三カ年計画を立てているのですよ。それから、四十四年になって、四十五年から四十七年への三カ年計画、そして四十七年が全日空の二十周年というのですか、計画をきちんとこの段階からもう立てているのですよ。これは皆さん方知らぬことないでしょう。
#257
○中村(大)政府委員 これは恐らく四十四年の十二月に、全日空が、四十四年の回顧と将来の計画ということで、広報課がまとめて発表したものについての御質問かと思いますけれども、全日空が四十七年には創立二十周年を迎えるということで、非常に積極的な姿勢をそのとき打ち出しておるわけでございます。その中に、この大型ジェットというものを計画いたしておるわけでございますけれども、ただ、これは確定を急いでおるということで、まだこの段階ではそういうものは確定していない。ただ、そういう計画が全日空の中にあったということは事実であろうと思います。
#258
○横路委員 運輸省が知ったのが四十五年の十二月なんというようなことは、国会のいろいろな議事録を見たってそんなことにはなりっこないですよ。もう四十四年の段階ではエアバスの話が出ていますよ。だから運輸大臣、これはぜひ、この前も要求をしたのでありますけれども、エアバス導入のいろいろな経過ですね。つまり、このロッキード問題の真相を明らかにするためには、私たちも一生懸命やっていますけれども、政府としてもできる点があるのですよ。それは何かというと、運輸省は、この間エアバス導入に絡んで一体どういう行政指導をしてきたのか、どういう形で日本航空、全日空、東亜国内の方が対応してきたのかというような絡みを調べれば、明らかになる問題というのはたくさんあるのですよ。それを、エアバス導入を運輸省が初めて知ったのは四十五年の十二月だなんていう、こんなばかなことはないですよ。だから運輸大臣、この前も要求したけれども、あなたの方でその経過をきちんとまとめてくださいよ。全日空は選定委員会でどういう検討をしたのか、日本航空はどういう調査をしたのか、東亜国内はどういう要求を持ってきたのか、あるいは東亜国内という形に合併されていった過程はどうなのか。その辺のところを運輸大臣に、もうちょっときちんと調査してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#259
○木村国務大臣 四十五年ごろ以降のいま御質問の推移については一応調べておるわけでございますが、四十五年以前にどういうふうな経過をたどっておるかということはまだ十分にわかっていないわけでございまして、その点さらに一層よく調べてみたいと思います。
#260
○横路委員 次に、きのう出てきた点でありますけれども、機種の統一という問題で、これは国会での答弁としても、運輸省としては機種の統一が望ましいというような当時の内村航空局長の発言がございますけれども、この機種の統一については運輸省としてどういう方針をもって臨まれたのか。この辺の経過についてちょっとお答えをいただきたいと思います。
#261
○木村国務大臣 時間的な経過につきましては政府委員からお答え申し上げますが、四十五年の閣議了解、それから四十七年の大臣通達を受けまして、大型機の導入を日本の航空事情から考えてやるべきであるという方針のもとで、一応運輸省といたしましては、同一路線上における公正な競争ということで、大型機にいたしましても同一機種が望ましいという趣旨の指導はいたしておるわけでございますけれども、それぞれ機種によりまして会社の好みもあることでございますし、キャパシティーも多少の違いがあるわけでございます。それから路線ごとにふさわしい機種はどうであるかというようないろいろな問題がございますので、これを強制するとかそういうことは好ましくない、しかし公正な競争のためにはできるだけ同一機種が望ましいという指導をしてまいったわけでございます。
#262
○横路委員 事務レベル、それでよろしいのでしょうか。
#263
○中村(大)政府委員 機種の統一問題は、エアバス導入ということのみでなく、いわゆるジェット化の当時からできる限り機種を統一した方がいいのではないかということで、これは折に触れてそのような指導をしてきたわけでございます。したがいまして、このエアバス導入問題が具体化してまいりましたときにおいても、運輸省としてはできる限りその機種統一が望ましいという気持ちはあったわけでございますけれども、その後、日航と全日空というもののエアバスを投入する路線の性格というものも心ずしも同一ではないということもございまして、したがって、必ずしもこの統一ということにこだわらないで、しかし両社でこれはよく相談をして決めなさい、こういうふうな指導方針になってきたわけでございます。
#264
○横路委員 運輸省関係がちょっと質問が長くなりますので、その前に警察に一点だけお尋ねして公安委員長は結構です。
 お尋ねしたいのは、昨日のあの大庭証人の証言の中で、いわゆるM資金と言われる融資導入の問題が証言で出てきたわけでありますけれども、そのときこの話を持ってきた男が、鈴木という男ですけれども、いま東京拘置所に勾留中だということで、警察の取り調べも何回か受けているようでありますけれども、この全日空についての資金の導入ということについて警察としてお調べになったことがあるのかないのか、それだけちょっと確認をいたしたいと思うのであります。
#265
○土金政府委員 お答え申し上げます。
 お尋ねの件につきましては、警視庁におきまして、昭和四十四年十月に全日空株式会社常勤顧問長谷村資氏から、全日空社長名の三千億円の融資あっせん依頼書などが鈴木明良を通じて人手に渡っているので回収したいがどうしたらよいか、こういう相談を受けましたが、刑事事件として取り扱うことはむずかしい状況であったため、当事者の話し合いで解決するよう指導したことがあるようであります。しかし、事件処理をするに至らなかったために、相談を受けた具体的内容など、詳しいことはわかっておりません。
#266
○横路委員 その相談に乗ってどういう指導をしたのですか。
#267
○土金政府委員 つまり、この事案が刑事事件になるかどうかという点について一応調査をしたようでありますが、もちろんそれが刑事事件等になる場合には、警視庁としても当然捜査など必要な措置をとるべきであったわけでございますが、当時調べた範囲では刑事事件として取り扱うことはむずかしい状況であった、こういうことでございます。したがって、そういう事件処理にするに至らなかったために、そういった具体的な内容については現在資料が残っておらない、こういうことでございます。
#268
○横路委員 その相談に乗ったのは、大体この辺にあるようだとか、皆さんの方も、そういういわば総会屋と言うのですか、こういうような情報、企業犯罪の関係を担当されているセクションもあるようでありますから、どの辺にこういうものがあるというような、何かアドバイスでも与えたりされたわけですか。
#269
○土金政府委員 この相談を受理したところは、警視庁の捜査二課の聴訴係でそういう相談を受けて、そういう話になった、こういうことだそうでございます。
#270
○横路委員 警察関係は結構です。
 法務大臣、ちょっと残っておってください。
 それで、先ほどの質問に戻るわけですけれども、そういう皆さんの願望というだけじゃなくて、具体的に運輸省として航空会社に対して機種の統一とか、それからいつごろ導入するかという導入時期の問題とか、これはやはり話し合いをする機会もあるでしょうし、たとえば施設の関係は、こういう状況で五カ年計画が進んでいる、したがってまだこの辺までは無理だとか、このくらいになればいいとかいうような具体的な話し合いというのは、やはり航空局において行っているのじゃないでしょうか。違いますか。
#271
○中村(大)政府委員 折に触れて必要な行政指導はしたということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、この機種統一につきましては、ジェット機導入のころからできる限り機種統一が望ましいという行政指導は折に触れてやってきたけれども、途中から、必ずしも機種統一ということにこだわらないで、しかし両社でよく相談するようにというふうに変わってきたわけでございまして、この点については当時の国会における答弁でもそのような答弁をいたしておるというふうに承知いたします。
#272
○横路委員 その導入のころからというのはいつごろのことですか。
#273
○中村(大)政府委員 四十六年から七年にかけては、必ずしもこの機種統一ということにそう強くこだわらないという考え方に運輸省としてはなっておったように承知いたします。
#274
○横路委員 そうすると、その導入のころというのはその以前だから、四十五年とか四十四年の段階でしょう。
#275
○中村(大)政府委員 それは機種統一が望ましいという、そういう考えをもって、折に触れてそのような考え方を示しておったということでございまして、必ずしもそれを事業者に強制するというふうな方針ではなかったというふうに思います。
#276
○横路委員 その時期の問題ですが、いま四十六、四十七年ぐらいはもう機種統一をあきらめたというわけですから、私の方で聞いているのは、強力に指導したとかしないとかでなくて、そういう一応方針で皆さんの方が指導されたのは、だから四十四、五年ぐらいの話なんでしょうと、こういうことです。
#277
○中村(大)政府委員 これは私どもには明確な資料が残っていないわけでございます。ただ、四十四年ころにはそういうふうな機種統一が望ましいというふうな意思表示をしたというふうなことも聞いておるわけでございますけれども、これもしかし明確な資料として残っていないのでございます。
#278
○横路委員 そうするとあなたはさっき、全日空のエアバス導入という方針を運輸省が知ったのはいつかという一番最初の質問に対して、四十五年十二月の五カ年計画だと、こういうお答えとはまるきり矛盾するわけですよ。要するにその調査が不十分だから、局長さん自身の中にもまだ整理されてないのですよ。私はあなたが悪意だとは決して思いませんよ。思わぬけれども、ともかく矛盾しているでしょう。最初の答弁といまの答弁は完全に矛盾しているわけですよ。つまり運輸省はもう四十四年ぐらいから、そういう意味では機種統一の指導をしてきたわけでしょう。機種統一の指導をしたというのは何かというと、もうエアバス導入というのは前提になっているわけですよ。運輸大臣そうでしょう。大臣どうですか。
#279
○木村国務大臣 当時から、エアバスを導入するか、エアバスでない大型のジェット機を入れるか、その辺は私は必ずしもまだ明確でない、どちらにするか、これは日本航空、それから全日空ともいろいろ事情も違うようでございますが、そのころから、日本の将来の航空事情から大型機が有利であるということで、いろいろ研究をしてきてまいっておるというふうに私も聞いておるわけでございます。
#280
○横路委員 したがって、その四十四年ごろから機種統一の話があったという、資料はちゃんと残ってないけれども、そのように聞いているといういまの局長の御答弁は、きのうの大庭証人の証言と全く一致をするものであります。
 そこで、私、もう一つお尋ねをしたいのは、四十七年の七月一日に大臣の通達が出ていますね。「航空企業の運営体制について」、この中の2の「輸送力の調整」というところの(4)「国内幹線への大型ジェット機の投入は、昭和四十九年度以降これを認めるものとする。」、この「これを認めるものとする。」というのはどういう意味なんですか。
#281
○木村国務大臣 その前にさかのぼりまして、四十五年の閣議了解でもって、将来は大型化するということを一応方針を決めておりまして、それを受けましてこの大臣通達が出てきたわけでございますが、たびたび申し上げておりますように、大型化するためには約一年半前からその準備をしなければならないというふうなことから、航空局の方でもいろいろ検討してまいりまして、大体四十九年までは無理ではなかろうかということで、四十九年度以降において国内幹線への大型機の導入はこれを認めるという趣旨になっておるわけでございます。念のために申し上げますというと、全日空は四十七年の十月に大型機を導入するための機種決定をしたという報告を運輸省が受けておりますし、そういう点から考えましても、早くて四十九年度以降でないと実現できないであろうというふうなことも勘案して、こういうふうな時点をとらえたものと思っております。
#282
○横路委員 この前の集中審議のときの皆さんの答弁は違ったはずであります。あのときは、ともかく事前には全く相談も何もなかったということですね。十月三十日に決められてから報告に来ただけだ、こういう答弁だったわけですよ。日本航空の場合は半官半民ですから、事業計画そのほかについては、法律に基づいてともかく運輸省に届け出になっているわけでしょう。だけれども、全日空は全くの民間会社だということで、いつエアバスを入れるか、その機種をどうするかということは行政とは関係がない、こういう答弁だったわけです。ところが、これを見ると「国内幹線への大型ジェット機の投入は、昭和四十九年度以降これを認めるものとする。」ということになっているわけですよ。つまり完全にこれは運輸省サイドでリードしてやっていることでしょう。だから「これを認めるものとする。」ということの意味は一体、この前の答弁と違うからどういう意味なんですかと、こうお尋ねをしているわけです。
#283
○木村国務大臣 これは国内線、ことに幹線で競争しております日本航空と全日空とが公正な競争をやらなければいけないわけでございますから、そういう観点から、大型のジェット機も両社が大体同時に国内線には導入できることということを前提で運輸省としては考えておったわけでございますので、前々から申し上げましたように、全日空の方が四十七年導入を目途として最初準備を進めたのでございますけれども、四十八年に延期し、さらにそれを四十九年に延期をして、日本航空との間で、四十九年度には両社とも導入する大体の合意ができたというふうなことが背景にあって、それを背景にしてこういった方針を打ち出したということになるわけでございます。
#284
○横路委員 「これを認める」というのはどういうことかというわけですよ。つまり、皆さん方の方の別にこれは何か認可事項ではないわけでしょう。これはどうなんですか。
#285
○木村国務大臣 路線によって航空機の種類、キォパシティーが違いますと、事業計画の変更の認可事項になるわけでございます。
#286
○横路委員 全日空が飛行機を購入してくるときは、もちろんそれは型式証明や何か運輸省として行政サイドで介入することはありますよ。ただ、ジェット機の投入の時期をいつにするかということは、別に運輸省の認可事項ではないでしょう。
#287
○中村(大)政府委員 全日空の場合には、そういうものは認可事項になっておりません。
#288
○横路委員 そこで、いまこういう質問をしている意味は後でわかっていただけると思うのでありますが、ちょっとお尋ねをしますが、いま全日空は、この問題が起きてから若干方針が変わっているようでありますが、この問題が起きる前は一体、何機トライスターを購入する予定だったのですか。
#289
○中村(大)政府委員 全日空はトライスターは、これは四十七年度当時作成いたしました五カ年計画、これによりますと、五十一年度までに二十一機を購入するというふうな計画を立てておったようでございます。
#290
○横路委員 いまトライスターが入っている路線はどういう路線ですか。
#291
○中村(大)政府委員 現在トライスターの入っております路線は、幹線と、あとは羽田と鹿児島間、羽田と熊本、羽田と長崎でございます。
#292
○横路委員 このトライスターの必要離陸滑走路というのは二千四百九十メートルなんですよ。それで鹿児島空港は二千五百メートルなわけです。ぎりぎりでかなり無理をして入れている。一体国内で使うとしてこの二十一機も必要なのかどうなのか。私は、航空需要の現在における予測からいって、この二十一機国内線で使うというのは、どう計算してみても、一体どこの路線に使うのかはっきりしないのでありますけれども、運輸省としてはどのようにお考えになっていますか。
#293
○中村(大)政府委員 お答えいたします前に、先ほど私、重大な間違いを犯しまして、現在全日空がトライスターを投入しております路線は、幹線のほかは東京−鹿児島、東京−熊本で、まだ長崎には投入いたしておりません。
 それから、現在十四機が就航いたしておるわけでございますけれども、大体二機が予備機ということで、実質十二機稼働ということでございますから、現在の投入路線ということに関しましては、ほぼ現在の便数というものは適合しておるのではないかというふうに考えます。
#294
○横路委員 だから、それ以上あと買うやつはどうなるんですか。
#295
○中村(大)政府委員 これは今後、やはり現在ございます727または737、あるいはそういうもののリタイアに伴いまして転換をするという計画がございますし、それからもう一つは、これはいまだ実現いたしておりませんけれども、大阪空港にエアバスを導入したい、こういう計画もあるわけでございまして、そういうものを総合いたしまして、現在の計画機数というものは必ずしも過大ではないのではないかというふうに思います。
#296
○横路委員 いまの飛行場の現状やその旅客数の推移から言うと、いまで大体あれでしょう。それだってまだ乗客率というのですか、割合から言うとなかなか厳しいと言われている中で、いま十四機−二十一機ということになるとあと七機買ってくるわけですね。一体どこに入れるつもりなのか。これはやはり現在のところはまだちょっと見通しが立っていないんじゃないですか。
#297
○中村(大)政府委員 まあ今後いろいろ計画をしておる路線もあるわけでございますけれども、一般論といたしまして、たとえば羽田の空港にいたしましても非常に発着回数が制限されておるわけでございますので、将来この輸送力を増強していこうということになりますと、どうしてもこれは増便によって賄うということができませんので、やはり大型化ということは傾向として認めざるを得ないのではないかというふうに思います。
 それから、最近のいわゆる利用率は、確かに五十年度は一時相当落ち込みましたけれども、これも徐々に回復傾向にございますので、必ずしも現在の輸送力が非常に過大であるというふうには一概に言えないと思います。
#298
○横路委員 いま過大であるとかないとかということじゃなくて、具体的な計画として、あと七機持ってくるものをどういうぐあいに使うのかということは、きちんとした計画ができているわけじゃないでしょうと言うわけですよ。違いますか。今度来るものはどこにどういうぐあいにする、まだそこまでは詰まってないはずです、七機全部について。違いますか。
#299
○中村(大)政府委員 現在契約の済んでおりますものが十八機で、そのうちすでに引き取り済みのものが十六機でございます。あとの三機はまだ正式の契約をいたしていないわけでございまして、したがって、さしあたり近い将来入ってまいります機材としては二機ということに相なろうかと思います。具体的にどの路線にどのように投入するかということについては、まだ全日空からその説明を聴取いたしておりません。
#300
○横路委員 なぜ私がこういう質問をするかというと、この間二月十六日に全日空の若狭証人が私の質問に答えて――私の質問は、小佐野賢治氏とは年に何回ぐらい会う関係ですか、こういう質問をして、それに対して証人の証言としてこういうお答えがあるわけです。「一回か二回いろいろなことでお会いする機会はございます。端的に申しますと、航空界のいろいろな問題等もございます。たとえば日本航空あるいは東亜航空、全日空の三社関係の問題もあるでしょうし、あるいは就職のあっせんであるとか、あるいは私の方がマニラでホテルを現在建設中でございますけれども、それが小佐野さんが関係しておられるシェラトンの系列へ入ることになっておりますので、そういう関係のお話し合いは何回かやっているはずでございます。」という答弁があるのです。いま全日空はマニラに対して路線を持っていないでしょう。路線を持ってないところに何でこんなホテルを建てるのでしょうか。この辺のところは御存じでしょうか。
#301
○中村(大)政府委員 全日空は国際線の定期は持っておりませんけれども、国際近距離のチャーター便を運航いたしておりますので、マニラにはそのようなチャーター便が運航しておる、こういうことでございます。
#302
○横路委員 そのチャーター便のために小佐野さんの系列に入るホテルを建設中ということですか。路線を持っているのなら、そこにホテルを建てようということはあるいは考えるかもしれません。ところが、定期航空路を持ってなくて、チャーター便でそれはときどきは行くでしょうけれども、その程度でマニラにホテルを建設というのは、どうも話が筋としてよくわからないわけでありますが、皆さんにはこれはよくおわかりのことなんでしょうか。
#303
○木村国務大臣 わが国の航空事業のあり方の方針の中で、国際線は定期は日本航空、それから国内線は日本航空と全日空が主として幹線をやるというふうな方針ができておりますが、その中で、国際の近距離はチャーターの形で全日空にこれを認めようという方針になっておるわけでございます。詳しい実績は手元にありませんが、事務当局が持っておるかと思いますが、かなりそういう実績もあるようでございます。恐らくそういうふうなことで、自分の会社がチャーター機の飛ぶマニラとかあるいは香港のところへホテルを建てたらいいんではないかというふうな構想から出ておるのではないかと私も想像いたしておるわけでございます。
#304
○横路委員 どうも飛行機の機数と言い、それから七月一日の大臣通達、本来これを認めるとか認めないというような趣旨でないことについてわざわざ認めるなどという通達を出した、この経過についてはこの間も若干皆さんからお話を伺ったところでありますけれども、そういうことと言い、マニラに全日空が小佐野氏の系列下のホテルを建てていることと言い、どうもこの辺の内容がよくわからぬわけであります。
 問題は、いま問題になっておりますのは、この直後の四十七年十月の機種決定に絡む問題でありまして、私は、四十六年の事故以降一度エアバス導入という話が消えて、それが四十七年になぜ浮上してきたのか。そして、こういうような絡みの中で決められていった経過について、これは初めに要求したように運輸省の方で調べていただくと同時に、今回のこの問題について全日空の方に御調査をいただいて、マニラに建設をするということは、いまホテルを建てているという現在進行形の御答弁でありますけれども、一体いつから計画されて、現在どういうような状況なのかということを運輸省の方で調べていただきたい。それから、その内容を明らかにするために、大蔵省の方には、これについての融資の関係についてどういうことになっているのか、いつごろ申請というのがあって、どういう形で、どんな内容で認められているのか。これを御調査いただいて御報告をいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#305
○木村国務大臣 調査いたしまして、御報告申し上げます。
#306
○大平国務大臣 承知いたしました。
#307
○横路委員 この辺の時期が航空界が非常に動いた時期であります。この間もこの委員会で議論されました日本航空の大韓航空に対するリースも、リースの開始時期は四十七年七月十二日、四十七年七月三十一日、四十七年十一月十五日という、まさに新しく田中総理大臣が出発をして、そして十月三十日に決められるその過程の中で、大韓航空に対するリースが、しかもこれ、事前から十分予定されていたというよりはやや突然の話として出てきて、機材の変更を皆さん方の方で認めておられるわけでございまして、四十七年のこういう動きについてはやはり徹底的に明らかにしなければいけないというように思うわけであります。
 そこで、時間がなくなりましたので、もう一つ運輸省の方に、この間お尋ねをいたしました四十七年七月の箱根会談に、あのときは貿易の不均衡を是正をするということだったけれども、一体運輸省としてはどういうような話を提出をしたのか。この間は箱根会談直後の佐々木運輸大臣の閣議後の発言についてお尋ねをしたわけですけれども、この経過についておわかりでしたら、御報告をいただいておきたいと思います。
#308
○木村国務大臣 前回そういう御質問がございましたので調べてみたのでございますが、まず箱根会談に運輸省からだれか出席しておるか、大臣あるいは担当の者が出席しておるかという御質問でございましたが、外務省にも連絡をとりまして調べましたし、運輸省の方でも調べてみましたが、大臣も出席しておりませんし、担当の者も出席をしていないということが明瞭になったわけでございます。
 それから、当時の佐々木運輸大臣が四十七年の七月二十九日のある新聞に大臣談といたしまして、アメリカの要求しておるエアバスの購入に当たっては政府の資金援助が必要と思われる、予算措置を考えなければいけないのではないか、箱根会談の前に運輸省の提出した資料では十機購入することになっておる、と語ったというふうに出ておる記事を御指摘になったと思いますけれども、これについて調べましたところ、当時、御承知のように日米間の貿易不均衡を直すために外務省中心で各省それぞれその検討をいたしておったわけでございます。そこで、運輸省といたしましては、これに役立つものはやはり航空機の輸入ということになるわけでございます。そこで、米国から大型ジェット機を含む航空機の輸入についてどの程度の額になるかいろいろと検討をいたしておったわけでございます。そのために日本航空なりあるいは全日空からどういう計画をそれぞれの会社が持っておるかということをヒヤリングを行った経緯がございます。航空会社の方では、先ほどの方針にもありますように四十九年度から大型ジェット機の導入をする予定で、その機数について需要の予測等を勘案しておったときでございますので、それをヒヤリングしたのでございますが、まだ輸送需要の予測でございますので、導入すべき機数についても、全日空あるいは日本航空が、たとえば六機と四機とか、四機ないし六機と五機とか、いろいろそういう予想をしておったということがヒヤリングで把握できましたので、大体両方合わせて十機ぐらいは購入できるであろうということを前提で当時の運輸大臣が発言をしたものであると、こういうふうに思われるわけでございます。
 それから、政府の補助の問題につきましては、緊急輸入の場合には従前の米国輸銀等の金融条件と同程度の条件であるべきだというふうな検討も行われておりまして、金利が違うわけでございますので、そういう金利の差額等について政府の援助が必要ではないかというふうな意味でそういう発言をした、こういうふうに考えられるわけでございます。
#309
○横路委員 いや本当に議論をしておって、いまのお話ですと、全日空、日本航空からエアバス導入についてやはりヒヤリングを受けて、そして日米会談のときに運輸省側の考えとしては十機という考え方を、外務省の方か通産省かわかりませんけれども、そのとき出席した官庁にちゃんと伝えているわけでしょう。この間の集中審議のときですと、運輸省はもう全く関係ございません、十月三十日に決められたときに報告を受けて、ああそうですかという話を聞きましたという答弁なんですからね。これは宣誓してやっておれば皆さん方はもう偽証だらけですよ。だから、これは故意にうそをついているのか、あるいは勉強不十分でそういう答弁になっているのかわかりませんけれども、ともかく十機ということでこの四十七年の七月段階のそういう皆さん方の作業、これが四十七年の十月の機種決定のときの全日空六機、日本航空四機という数字とぴったりこう合うわけでありまして、いまの答弁を聞いてもますますやはり政治サイドのいろいろなものが、全く日本航空と全日空が自主的に話をしたというようなものじゃなくて、やはりそこにはいろいろな政治的なものが対米関係を含めてあったというふうに、これは断定せざるを得ないわけです。
 そこで、せっかくお待ちでありますからちょっと国税庁の方にお尋ねをしますが、もう三月に入りまして、調査をいま進めておられるだろうと思うのでありますけれども、この児玉の脱税額は大体いままでの調査ではどのくらいになるのか。それに伴ういわば重加算税や延滞税含んで追徴金はどのくらいになるのか。まあいまのところで予測の話になって申しわけないのでありますけれども、感触をひとつお伝え願いたいと思うのであります。
#310
○中橋政府委員 目下鋭意検討中でございますので、その数字は申し上げかねます。
#311
○横路委員 問題は、私がお尋ねしたいのは刑事告発との関係なんです。つまり税額の更正決定をして追徴金を取るという、そういう皆さんの方で決定される金額と、この刑事告発の場合はまた立証の関係のいろいろなむずかしさというのが、その絡みの中であるわけですね。これは皆さんのいままでの捜査の中では大体一緒になりそうですか。その辺のところで違いが出てきそうですか。
#312
○中橋政府委員 実はまだその辺までの検討は進んでおりません。
#313
○横路委員 全然検討してないんですか。もうそんなに日にちありませんよ、どうですか。
#314
○中橋政府委員 まだ、そこまでのつき合わせの段階に至っておりません。
#315
○横路委員 では若干手続をお尋ねしたいのでありますけれども、児玉から先にもしお金がどこかに行っているということになりますと、先に行ったお金は対象にはならないでしょう。
#316
○中橋政府委員 そういう場合にも、一たん入りましたところで所得となる場合と、それから収入しましたところで経費となって、その経費の支出先におきまして所得となる場合と、二様あると思います。
#317
○横路委員 またそんなことをやっていると賄賂も経費みたいな話になりますからやめますけれども、行く先がわからない場合に、行ったかどうかわからない場合に、一応皆さん方が立件された容疑事実についてたとえば認定をしたとしますね、認定をした場合には、後の手続はどういうことになるのですか。
#318
○中橋政府委員 一たん入りましたところから先に出たという心証がある場合におきましても、その場合には一たん入りましたところで所得を構成しないわけでございますから、そこではそのものを引いたところが第一段階における所得になるわけでございまして、その支出された先においてまたそこで所得問題が検討をされなければならないことになるわけでございます。
 それから、支出されたかどうかということが非常にわからない、いわゆる使途不明という場合がございます。そういう場合には、その使途不明というものは支出されたという心証を得ないわけでございますので、その場合には第一次段階において所得となるという場合がございます。
 いずれも一般的な問題としてお答えいたします。
#319
○横路委員 その場合に、もしそういう決定をしますね、決定した場合は後は通常の不服手続の方に移行してしまうわけですか。皆さんの方で、たとえば児玉の領収証を一応所得として、そしてこれに対して更正決定して追徴金なんか含めてやるとしますね。これに対して不服があれば不服申し立てをして、その場合の立証責任はどっち側になるのですか。これは申し立て側になるのでしょう。
#320
○中橋政府委員 その場合に、課税を受けました方で不服がございますれば不服手続に移行するわけでございます。
#321
○横路委員 不服手続に移行した場合は、立証責任は皆さんの方ではなくて申し立て側にあるわけですね。
#322
○中橋政府委員 その場合には、必ずしも不服申し立て側に立証の責めがあるというわけでもございませんで、両者でいろいろ証拠に当たるものを出し合うわけでございます。
#323
○横路委員 問題は――ちょっとその前に法務大臣に聞いておきましょうか。この児玉に対する事実についての捜査は国民がかなり期待をしておるわけでありますけれども、かなり進んでおりますか。それともかなりむずかしいような状況になっているのか。どんな御報告を受けていますか。
#324
○安原政府委員 御案内のとおり、今月の二十四日に東京地検は児玉譽士夫の約九億五千万円にわたる脱税、所得税法違反ということで捜索を開始いたしまして、現在関係人二十数名を取り調べ、証拠物件の点検を行っております。捜査が順調に進行しておるかということでございますが、問題は時効が迫っておることと同時に、御案内のとおり児玉譽士夫が病気で、取り調べに応ずる健康状態かどうかということが非常にむずかしい状態であるという意味において、決して容易な捜査であるとは言えないと思います。しかしながら、何とか時効の完成ということのないように鋭意捜査を進めておりまして、そういう意味におきまして困難ながらできるだけの努力を進めておるということでございます。
#325
○横路委員 刑事告発ということになりますと、これはなかなかむずかしい点も出てくるわけですね。ただ、その簡単だと言うとちょっと言葉があれなので、説明がちょっとしづらいのでありますけれども、一応認定をしてしまって、後は向こう側に任せるという、児玉の方に、一体金はどこへ行ったのかということを説明させるという方法もないわけじゃないのです。ただ、それをやると、児玉のところでとどまってしまって先に全然行かないという危険性がありますので、その辺のところを皆さんの方は十分お考えだと思いますけれども、ともかくあそこでとまらずに先に行くという方向での捜査というのをぜひ追及していただきたいと思います。稻葉法務大臣、その点について御確認をいただきたい。
#326
○稻葉国務大臣 事態の真相をあくまでも追及する構えでありますから、おっしゃったようなことも含めてあらゆる材料を集めて全力を注いで事態の究明をする、こういうことでございます。
#327
○横路委員 もう時間がなくなりましたので、最後に一言だけ。
 これはさっきも佐藤委員からお話が出ましたけれども、こういう脱税を銀行が無記名あるいは架空名義ということで、何か実質的な指導をしている側面というのがあるわけです。今回北海道拓銀の築地支店ですか、皆さん方調査をされたようでありますけれども、この辺の銀行の現在のあり方、これはまあ皆さん方自身の姿勢にもかかわってくることなのですけれども、やはり改めていくという方向で検討してもらいたいということと、今回の、こういういわば架空名義のものなどがこの築地支店から発見されたようでありますので、一体その辺のところについて、監督する立場にある大蔵省としてはその辺どうお考えになっておるのか、最後にひとつ大臣と担当者からお答えをいただきたいと思います。
#328
○田辺政府委員 架空名義預金につきましては、銀行としてはこれを受け入れないという態度を決めておるわけでございまして、問題は要するに、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、預金者の方の理解と協力がやっぱりどうしても必要でございます。それで、現在国税庁の調査を受けた結果につきましては私は存じておりませんけれども、銀行側が架空であるということを知りながら、それをたとえば勧めたとか、そういうようなことがありますれば、これは厳に指導してまいらなければならないと思います。一般論といたしましては、先ほども申しましたとおり預金する方も受ける方ももちろんでございますけれども、架空名義は問題だということをもっと浸透させることだと思っております。
#329
○横路委員 ともかく新聞の報道によりますと、児玉譽士夫のそういう関係の担当者が拓銀の築地支店の支店長であったというように報道されているわけですね。そうしてそこに他人名義のものを含めていろいろあったということでありますから、これは銀行が全く知らないとは言えないのではないでしょうか。したがって、いまの調査を待たなければ、捜査を待たなければいけないだろうと思うのでありますけれども、いま御答弁になったような、知っておりながらやったという事実が明らかになった場合には、銀行に対しても、きちんと皆さんの方で、監督する立場にある大蔵省としてのやはり指導、監督なり責任というものを明確にしなければならないと思うのでありますが、その点は大蔵大臣から御答弁をいただきまして終わりにしたいと思います。
#330
○大平国務大臣 関係銀行に対しましていま調査を進めておりますけれども、ただいままでの報告で、その調査に特に支障を来しておるという報告にはまだ接しておりません。そしていまの架空名義の問題、無記名問題、確かに銀行行政上われわれの重大な関心事でございますので、その調査と切り離してでも銀行行政の問題として慎重に検討していくべきものと考えております。
#331
○横路委員 終わります。
#332
○正示委員長代理 これにて横路君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明三日午前十時より開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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