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1975/08/18 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 建設委員会建築防災対策小委員会 第2号
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1975/08/18 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 建設委員会建築防災対策小委員会 第2号

#1
第077回国会 建設委員会建築防災対策小委員会 第2号
昭和五十一年八月十八日(水曜日)
    午後一時十六分開議
 出席小委員
   小委員長 梶山 静六君
      内海 英男君    田中  覚君
      井上 普方君    佐野 憲治君
      浦井  洋君    北側 義一君
      渡辺 武三君
 小委員外の出席者
        建設省住宅局長 山岡 一男君
        建設省住宅局参
        事官      救仁郷 斉君
        建設委員会調査
        室長      曾田  忠君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建築防災対策に関する件(既存不適格の特殊建
 築物等に対する建築基準法の防災規定の遡及適
 用に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○梶山小委員長 これより建築防災対策小委員会を開会いたします。
 建築防災対策に関する件について調査を進めます。
 まず、既存不適格の特殊建築物等に対する建築基準法の防災規定の遡及適用について、住宅局長から説明を聴取いたします。山岡住宅局長。
#3
○山岡説明員 ただいま議題となりました件の審議経過とその問題点等について御説明申し上げたいと思います。
 政府といたしましては、大阪千日デパートビル、熊本大洋デパート等の災害にかんがみまして、建築審議会の「既存の百貨店等に対して防災上必要な防火避難施設の設置を義務づけることについて」に関します答申に基づきまして、昭和四十九年三月、既存不適格の特殊建築物等に対する建築基準法の防災規定の遡及適用に関する措置を含みます建築基準法の一部を改正する法律案を第七十二国会に提案いたしました。
 改正法案のうち、遡及適用に関する措置の概要は次のとおりでございます。
 すなわち、遡及適用の対象となる特殊建築物等の範囲につきましては、百貨店、スーパー、病院、ホテル、旅館、劇場、キャバレー、雑居ビル、地下街等の建築物のうち、一定規模以上のものに限ることを考えておりまして、その数は全国で約二千二百棟と推定されておりました。
 遡及適用に関します規定につきましては、改正法律案では、避難階段、防火区画、非常用の照明装置及び非常用の進入口の四種に限定しておりましたが、この措置は既存の建築物への適用であることを考慮いたしまして、具体化する政令におきましては、これをさらに限定をいたしまして、財産保護の観点からの規定は適用しないこととし、人命の安全を図るための規定、すなわち百貨店、病院、ホテル等の特殊建築物につきましては、特別避難階段、竪穴区画、非常用の進入口、非常用の照明装置、地下街につきましては、地下道の内装制限、地下道の階段への歩行距離、地下道の末端の階段幅、地下道の排煙設備、地下道の非常用の照明装置、地下街の店舗と地下道との防火区画に限ることといたしておりました。
 この措置が、既存の建築物に対しまして改修工事を義務づけることとなるものでございますので、建築物の敷地、構造等に関してやむを得ない特別な事情があるときには、代替措置によることができることといたしておりました。
 さらに、この措置が、現に利用に供している建築物に対する改修工事を義務づけるものでございますので、建築物の種類に応じまして三年または五年の猶予期間を設けるとともに、遡及適用に伴う改修工事はおおむね二千数百億円と推定されますが、改修工事の円滑な実施を推進するため、金融、財政、税制上の特別の助成措置を講ずることといたしておりました。なお、金融上の措置といたしましては、日本開発銀行、中小企業金融公庫等の政府関係金融機関からの所要の融資を考えておりました。
 以上がその概要でございますが、その後、建設委員会におきまして審議が、お手元に資料が行っておると思いますけれども、参考人の意見聴取を含め六回、現地視察が五回、理事懇談会が関係業界からの陳情聴取二回を含め八回行われまして、遡及適用に関する慎重な調査、審議が行われましたが、遡及適用に関しては、まだ問題点の十分な解明がなされないということでございまして、先般の通常国会におきまして、改正法案中遡及適用に関する措置にかかわる部分は削除されますとともに、当小委員会において、この問題の解明のための調査、審議が行われることとなりました。
 これまでの審議の過程は以上のとおりでございます。
 そのいままでの審議の過程におきまして特に御指摘がございました主たる問題点と、それに対する考え方等につきまして御説明申し上げたいと思います。
 一つは、防災改修に要する費用とそれに対する助成の問題でございます。防災改修の義務づけが既存の建築物に対する義務づけであり、それに要する費用も多大であるので、関係者の費用負担の軽減を図るためできる限り助成措置を講ずるべきであるという指摘がありましたが、これにつきましては、先ほど申し上げました国庫助成、政府関係機関の融資、税負担の軽減、代替措置の積極的活用等によりまして、関係者の費用負担の軽減を図ることを考えておるわけでございます。
 二番目に、代替措置につきまして問題がございまして、防災改修の義務づけが現に利用に供している建築物に対する義務づけであるので、代替措置の積極的な活用を図るべきであるという御指摘がございました。これについては、ケース・バイ・ケースにより、機能上有効なものについては積極的に認めていくことを考えております。
 第三点といたしまして、遡及適用の対象となる規定が問題となりました。
 スプリンクラーと今回遡及適用しようとする防火避難施設との関係が一つでございます。スプリンクラーの設置は防災上きわめて有効な措置でございまして、消防法によるスプリンクラーを設置すれば、竪穴区画その他の防火避難施設は不要ではないかという御指摘がございました。これにつきましては、スプリンクラーの設置が防災上きわめて有効な措置であることは言うまでもないところでありますが、スプリンクラーは、建築物の火災発生のおそれのある各部分のすべてについて設置が義務づけられておらず、また、燻焼、電気火災等については、スプリンクラー設備では万全でない場合がございます。したがいまして、スプリンクラーの設置とともに、必要最小限度の避難施設の設置が不可欠であると考えております。
 政令改正と遡及適用の対象となる規定についての問題がございました。防災改修の義務づけが既存の建築物に対する義務づけであり、今後政令改正により遡及適用の対象となる規定が追加または改正し得るという点には問題があるのではないかという指摘がございました。これにつきましては、確かに提出いたしました法案ではそのようになっておりましたが、その後の検討の中におきまして、そういう点につきましては、われわれも、遡及適用の対象となる規定をこの法律施行の際、現にその効力を有する規定に限定すべきではないかと考えておる次第でございます。
 四番目に、技術的問題点がございました。
 その第一は、煙感知器の非火災報対策でございます。遡及適用によりまして防災改修を強制的に義務づける以上、その基準は技術的に問題のないものでなければならないにもかかわらず、煙感知器の非火災報という問題が現に生じているという御指摘がございました。これにつきましては、現在、学識経験者、関係業界及び関係省庁でもって煙感知器非火災報対策研究会を設置いたしまして、非火災報の実態調査、分析を行っております。なるべく早い機会に結論を得たいと思っております。
 技術的問題の第二点は、既設の防火シャッターの改修の問題でございます。既設の防火シャッターを遮煙性能を有する防火シャッターに改修することは技術的に困難ではないかという御指摘がございました。既設の防火シャッターをそのまま活用いたしまして、改修することにより防煙性を持たせるという点につきましては、すでに実用に供された改修方法も数例ございますが、さらに性能が確実に確保でき、施行が容易な方法を開発すべく検討を進めておる次第でございます。
 技術的問題点の第三点といたしまして、道路内制限等の緩和の問題がございました。防災改修工事により、従来認められていた既存不適格建築物に対する適用除外の措置が認められなくなったり、また、道路内建築制限等に違反することとなり、防災改修工事が現実的に困難であるというふうな指摘があったわけでございます。これにつきましては、この措置が既存の建築物に対する制限であり、かつ、人命の安全を図るため必要最低限度の措置であるということでございますので、防災改修により建築物が道路内制限等に抵触することとなる場合における所要の緩和措置を設けることにつきましては、ぜひとも必要であろうというふうに現在考えております。
 なお、現在建築基準法からこれらの規定が外されたことを機会に、ただいままでの審議の経過等を踏まえまして、私どもも案の検討を内部的にいたしておりますが、早い機会に当委員会で立案の方向の骨子等がお示しいただければ幸いだと考えておる次第でございます。
 以上をもちまして、審議経過と問題点の概要等について御報告申し上げました。
#4
○梶山小委員長 以上で説明は終わりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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