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1975/04/28 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 逓信委員会 第5号
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1975/04/28 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 逓信委員会 第5号

#1
第077回国会 逓信委員会 第5号
昭和五十一年四月二十八日(水曜日)
    午前十一時三十六分開議
 出席委員
   委員長 伊藤宗一郎君
   理事 愛野興一郎君 理事 加藤常太郎君
  理事 志賀  節君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 阿部未喜男君 理事 古川 喜一君
   理事 平田 藤吉君
      金子 岩三君    高橋 千寿君
      地崎宇三郎君    坪川 信三君
      廣瀬 正雄君    水野  清君
      金丸 徳重君    久保  等君
      下平 正一君    土橋 一吉君
      田中 昭二君    池田 禎治君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政政務次官  羽田  孜君
        郵政大臣官房長 佐藤 昭一君
        郵政省電波監理
        局長      石川 晃夫君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    藤根井和夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   藤島 克己君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   野村 忠夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   坂本 朝一君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     山本  博君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     川原 正人君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     中塚 昌胤君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     橋本 忠正君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   堀場 仁徳君
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 小佐野日本電信電話公社経営委員の罷免に関す
 る請願(平田藤吉君紹介)(第三七八三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。
 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため参考人に御出席願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選及び出頭日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#5
○伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。志賀節君。
#6
○志賀委員 ロッキード事件に端を発して国会が混迷をいたしましてから、このNHKの本予算の審議並びに成立について、まことに長きにわたって多くの方々の御心配はその極に達したわけでございまして、本日、晴れてこのような審議の機会を得られましたことを、私はまことに欣快に思うものでございます。
 私は、このロッキード事件に関しまして、いささか所感の一端を述べさせていただきたいと思うのであります。
 このロッキード事件のよって来たるところは、野党の諸君によれば、自民党の大企業との癒着によるということでございます。このことは速記の方々もしかとお書きとめだと思いますので、実はこのことが後世の史家のひんしゅくを買うことにならなければまことによろしいと思っておるのでありますが、実は私はこのことは必ずしもそういう見方をしておらない。私はこの問題は実はいま日本じゅうが一つの構造、別の言葉で申しますと、甘えの構造の中に陥っておると思うのであります。たとえば昨年の十月十四日以降はその弊は断たれたのでありますが、選挙区の各位からの、たび重なる寄付、そういったたぐいのものの強要が各選挙区であるやに私は承っておるわけでございます。これは一種の甘えでございます。この甘えを満たすためには当然国会議員もまたどこかに甘えていかなければならない。そういうような甘えが甘えを呼んで一つの疑獄につながったという考え方を私は持っておるわけであります。日本それ自体がまた一つの甘えの構造となって世界じゅうの資源の中におけるシェア、これも甘ったれてよけいなシェアまでのさばっていった。こういう日本全体がこの甘えの構造に陥ったことが今日のロッキード疑獄の淵源ではないかと考えておるわけでございます。
 私自身、実は昭和四十七年の年末の総選挙によりまして当選をさせていただきました者でございますから、言ってみればこのロッキード疑獄事件とは全くかかわり合いのないことは改めて申し上げるまでもございません。しかしながら、私は、こういう政界に刷新と新風を吹き送ることをもって使命として選挙区の方々からお送りをいただいたという自覚がございますから、その私が籍を置いた自民党あるいは政界において、このようなロッキード事件が他国において発覚をする以前に、党の体質改善あるいは政界の刷新というものに、みずから奏功させるだけの努力を払っておらなかったことに深い反省と、そしてまた私はみずから恥ずるところがあるわけでございます。そういうことであればあるだけに、私は今日までのこの国会の混迷を見てまいりますと、みずからをシロとして、みずからは何のかかわり合いもないこととして、国会の審議をいたずらに延引させるとかあるいはじんぜん時をむなしゅうさせることを恬としてはばからないというこのあり方には、私は深い憤りを持つものでございます。
 こういうようなことを私が考える場合に、もう一つ皆様方に申し上げておきたいことは、いままで、その甘えの構造と申しましたこの甘えでありますが、労働組合にしてもあるいはその他の生産者各位にいたしましても、それはもう人間は欲望の動物でございますから、少しでもお給料お給金の高いことは、これは好ましいと思う。それはしかし、経済の成長率ないし生産性を上回る無謀な要求である限りにおいては、特に低成長の時代においては、これがさまざま、物価その他のコストプッシュにつながるということは、これは申し上げるまでもないと思うのでございます。それを、もし成長の時代であるならば、これが購買力を増し、そしてまた拡大再生産につながる賃上げとしてある程度これも許すことができると思うのでありますけれども、しかし、低成長になればなっただけにこの問題は大きな疑問点が残るわけでございます。にもかかわらず、そういう賃上げないし生産性がそれほど上がってない業種であっても、それに対してのいわば無謀な要求を、代議士であるからといってこれを悪乗りをして進めるようなことがあっては、これは民主主義の終えんにつながるのではないかという深い危惧を私は持っておるのでございます。
 私は、かつて新聞紙上にこのロッキード事件をめぐってみそくそ論議をいたしまして、いささか物議を醸したのでございますが、私が申し上げているみそとくそというのは、被疑者とかシロとかを意味しているのではなくて、みずからその甘えの構造を断ち切ってやっていこうというそういう政治姿勢を持つものを私はみそと言い、しからざるものをくそと言いたいわけでございます。こういうことを私は皆様方に御理解をいただきたいのでございます。
 そこで私は、今日のこのNHKの本予算の審議に関しましても、特に申し上げたいことは、ここまで受信料の値上げというものを含みとしてのこの予算が組まれなければならなくなったその裏には、私自身今後いろいろと伺いたいと思っておりますNHKそれ自体の経営に対する御努力のいささか至らない点もあろうと思いますが、同時にその反面、いままでの賃金の値上げに悪乗りをしてきた結果が国民多数のこの受信料値上げ、こういうことで御迷惑をかけることにもつながっていはすまいかという深い反省をもまた申し上げたいのでございます。私は、このような二つの面を踏んまえなければ、この審議が本当に実のあるものとならないと思うのでございます。
 そこで、私は、まず申し上げたいことは、この長い空転の国会の結果、今日まで逓信委員会のこのNHK本予算の審議が延引してまいったわけでございますけれども、このことによって一体NHKは、暫定予算を組まなければならなかったわけでありますが、この暫定予算を組んだことによって、いかほどの損害と申しますか、収入減と申しますか、こういうものをこうむらなければならなかったか、その点について伺いたいと思います。この四月いっぱいの暫定予算もさることながら、五月は当然物理的にもう暫定予算あるいは暫定の補正を組まなければならない、こういう事態でございますから、この点を私はまず承りたいのでございます。
#7
○小野参考人 お答え申し上げます。
 本予算の御承認がおくれまして、暫定予算を組まなければならないことは非常に残念でございますけれども、現在四月いっぱいの暫定予算を組んでおります。しかし、現下の情勢から申しますと、四月いっぱいに本予算の御承認を受ける見通しもございません。したがいまして、五月の国会の会期ぎりぎりいっぱいまでの暫定予算を用意しておる次第でございます。
 これによります減収は、大体受信料は月割りで計算をいたしておりますので、月額六十億でございます。四月、五月、二カ月になりますと百二十億円の、当初見込みよりも収入が少なくなる、こういう結果に相なるわけでございます。
#8
○志賀委員 この暫定予算の実施に伴いまして、NHKは当然、放送法の第七条でございますか、日本全域にわたって放送をあまねく施すことをしなければならないわけでございまして、その難視聴地域の解消ということにブレーキがかかったのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでございましょう。
#9
○小野参考人 御案内のとおり、暫定予算のもとにおきましては、新規の建設工事を行うわけにはまいりません。前年度におきまして御承認を受けました建設工程の継続分、残工事分だけしかできません。その意味におきましては、五十一年度本予算におきましては、かなり前年度よりも上回る置局、共聴の難視聴解消の努力を盛り込んでございますけれども、これは四月、五月は着手するわけにはまいりません。本予算の成立を待って初めて着手できるわけでございますので、この暫定予算下に関します限りは、そういったNHKの法律第七条によります全国普及の義務を尽くすための計画も、これを実施が大幅に非常に制約をされるということに相なるわけでございます。
#10
○志賀委員 まことにお話を承れば承るほど、この国会の空転のもたらした罪深さと申しますか、国民各位に対しての申しわけなさが込み上げてくるわけでございます。
 先ほど会長から御答弁をいただきました、その減収に伴いまして、いままで、値上げをいたしましたことによって、おおむね向こう三年間というものはこの線でいけるめどが立っておったわけでございますが、この点が今度は狂うような事態に相なるのではなかろうか。狂ったとすれば、それをどのようにして調整ができるのか、不可能なのか。不可能な場合にはいかなる方策をおとりになるか、承らしていただきたいと存じます。
#11
○小野参考人 暫定予算の関係で百二十億円の減収を来すことは明確でございます。それではそれがどのように今後の計画に影響をもたらすかでございますけれども、現在のNHK受信料改定の基礎作業は、将来、向こう三年間はこの料金によって財政的には安定してやっていけるという計画のものでございました。それが百二十億の穴があいたわけでございます。三年間の安定経営を目指しておりますので、初年度の五十一年度につきましては、百二十億ではまだ、事業計画を縮小しなければならない、こういうような結果は生じてまいりません。五十一年度におきましては百七十九億の残余が出るような計算になっております。それが五十二年度、五十三年度において一応とんとんのゼロになるという仕組みでございますので、いまの百二十億円は恐らく――将来三年、五十三年度末までには値上げの必要がない、こういう計算でございますけれども、われわれといたしましてはいろいろな努力をしなければなりません。しかしながら、この支出予算も決して甘いものではございません。新規計画等も非常に制約をし、極限まで合理化の努力をしたその計算の上に立てた支出予算でございますので、もう努力いたしましてもこの支出予算の切り詰めでこの穴埋めをすることは不可能でございます。そうしてみれば、そこにやはり三年後には、百七十九億それずばりとは申しませんけれども、相当な穴があきます。これはあるいは、当初三年間は値上げしないと言っておった第三年度目におきましてはあるいは受信料の改定が必要になるのか、あるいはそれはいろいろな客観情勢にかんがみまして、できるだけ値上げの時期は延ばす努力をして、借入金、借金等で補てんをするのか、そういう結果に相なろうかと思います。
#12
○志賀委員 次に、NHKの経営の末端の状態でございますが、これはNHKと競合関係にある民放からよく聞く話でありますから、これは一方的に耳を傾けていいとも私は思いませんが、やはりこれを聞き流すわけにもいかない話だと思っておることがございます。それは、NHKの取材陣が民放と比べれば非常に膨大な陣容を擁したり、あるいはふんだんなお金を使ったりしておる。それでもって、なるほどその取材陣を整備していることは結構であるけれども、一方においては共同からのニュースもお買いになっておられる。大変卑俗なたとえで恐縮でありますが、高いお金を出しておいしい物を食べられるのは理の当然で、なるべくお金をかけないでおいしい物を食べるというのが庶民の家庭の主婦のやっておる姿でございます。同様なことが民放の人たちにも言えるわけであります。ふんだんにお金を使ってあの程度の正確さというのは当然じゃないか、そういうような声がございます。また、ドラマその他娯楽物に関しましても同じようなことが言われるわけでございます。こういう点に関してのむだ遣いと申しますか、これを切り詰められるようなことはないのかどうか、あるいはそういうお考えがあるのかないのか、その辺も承らしていただきたいと存じます。
#13
○小野参考人 国民の負託によって立っておるNHKでございますので、むだがあっては絶対にいけないと思います。その関係の努力はここ毎年努力をいたしてまいっております。あるいは民放さんのお立場から言えばそういう御批判もございましょう。これは、両者の事業運営の状態が違っておる面もございます。たとえば、民放さんの場合におきましては全部を自己取材あるいは自己編成するのではなくして、あるいは中央からの番組を中継をする、あるいは新聞社からのニュースの種をもらう幅がNHKよりも多うございます。そういうような関係から言えば、今日民主主義国家のもとにおきまして国民生活に十分な情報を提供する高い使命を持ったNHKといたしましては、むだはいけませんけれども、必要な人員配置はやらなければならないと思いますし、また給与水準等につきましても、これは適正な水準を目途にいたしておりますけれども、この数年間の経緯を見ますと、同業の新聞なりあるいは放送関係、民放の関係からいきますとかなり下回っておりまして、かなり格差ができておるような実情でございまして、この点については運営の万全をおろそかにし、むだ遣いを平然とやるような気持ちは毛頭ございません。むしろ非常に切り詰めて努力をし、合理化もいたしておりますので、ただいまのような御批判もございましょうけれども、他面においてはNHKは、もうすでに耐用年数を過ぎた機材も使っております。ために、民放の画面よりもNHKの画面が劣ると、こういった苦情、御批判も受けておるような次第でございます。将来ともむだ遣いの点については十分な配意をいたしまして、御批判を受けることのないように努めていくべき義務がNHKにはあると考えております。
#14
○志賀委員 細かいことで恐縮でありますが、具体的に民放の人から私が聞いておりますことは、たとえば取材にいきまして昼をとるときの、その弁当の豪華版ぶりとか、あるいはまたこの国会あたりで遊よくをしておる自動車の、NHKの社旗を掲げた、他の新聞社等々と比べた場合の数の圧倒的な多さであるとか、こういうことを一つのめどに言っておるわけでございますので、この辺もひとつお含みおきをちょうだいしたいと存じます。
 私は、それで大して大きな節約につながる話ではございませんがぜひ私の考え方もお取り上げいただきたいと考えておりますことは、やはり戦後の風潮は、ややともすればイージーゴーイングに流れておりまして、外国映画を放映する場合に、言葉の吹きかえのないものは不評判であるということを聞いております。やはり吹きかえた方が人気がある。しかし、これは一面において遊惰の民をつくることに相なりまして、むしろ中学校、高校あるいは大学の連中、こういう年配の連中は、外国語を直接勉強し得る、そういうありがたい機会でもございますからして、私は、この吹きかえばしないでやる番組を週に一度とか、あるいは週に二度がいいかよくわかりませんが、これも承るところによると、それだけ費用がかからないで、むしろ番組が安く編成される、こういうことにもつながるわけでございますし、いわば一石二鳥。ないし、私は一石三鳥であると思いますのは、ラジオの時代には、耳の遠い人あるいは全く聞こえない人は暗黒の世界であったのでありますが、テレビが出てきたことによって、せめて目が見える人は耳が遠くとも一つの娯楽を享受できる立場にある。その方たちが、しかしまだ満たされてないものは、言葉が伝わらない、そういう伝達手段がそこで断ち切られておることによるわけでございます。したがいまして、あの吹きかえのない映画というものは当然字幕が出るわけでございますから、そういう面で非常に福祉にもつながるのではないか。さすれば一石三鳥になるのではないか。しかも、公共の福祉にのっとるNHKでありますから、不評判なものであっても、迎合よりはむしろそういうところから先駆けておやりになることが、NHKの使命としてはまことにそぐわしいのではないかと考えておるわけでございます。私は、そのようなことをぜひお取り上げいただきたいということをひとつお願いを申し上げたいと思うのでございます。
 そこでただいま申し上げました最後のことに関連して承らしていただきたいのは、NHKが福祉に対してはどういうような姿勢を持っておられるかを承らしていただきたいし、また具体的な事例等もあれば、このことに関連してお聞かせをいただきたいと存ずるのでございます。
#15
○坂本参考人 お答えいたします。
 番組を通じまして、やはり福祉につきましては、NHKとしては格段の努力をいたしておりまして、いま先生が一、二具体的例を示せということでございますけれども、テレビについては、教育テレビでテレビ「ろう学校」という耳の不自由なお子様方の教育に役立てる時間を設けております。それから、やはり言葉の不自由な方の「ことばの治療教室」その他学校放送でやはり言葉、耳の御不自由な方々に御利用いただく教科を組んでおります。それから、耳の御不自由な方々のみならず、全体の福祉ということで「福祉の時代」という番組を教育テレビで放送いたしております。それから、ラジオでは精神薄弱児のためにという意味合いの番組を放送いたしておりますし、それから盲人の時間、目の御不自由な方々の時間、その他御老人のための「お達者ですか」とか、「老後をたのしく」とかいう番組を編成いたしておる次第でございます。
#16
○志賀委員 ただいまの会長、坂本さんのお話で、NHKの姿勢が大分よくわかってまいりました。そこで、ちょうど大臣もお見えでございますので、政治に関連しての質問をさせていただきたいと存じます。
 ここのところ、NHKが非常に大きくいろいろと取り上げられております。御承知のとおり、五月号の文藝春秋にもNHKは大きく取り上げられております。また、先ごろの三月十二日号の朝日ジャーナルにも取り上げられておることは御承知のとおりでございます。また、数日前の朝日新聞の第一面にも大きく取り上げられました。特に一番近い時点、数日前の朝日がこれを取り上げましたことの一つのポイントは、政治的な偏向があるのではないかということについて与野党内における議論沸騰しておる事情、状態を報道されました。
 私は、自民党の一代議士としてこの機会に承らしていただきたいのは、私は直接聞いたわけではございませんが、ロッキード事件の疑惑の人というようなことで、社会新報、これに次いで赤旗に取り上げられた人名がNHK放送で放送されたやに聞くわけでございます。こういうことをやりますと、実は自民党からも自由民主という党機関紙がございます。あるいはまた民社党にも公明党にもそれぞれございます。こういう機関紙に報道されたこの種のことは報道しなければならないことに相なるわけでございます。しかも、報道されたことによって、かえってその人が要らざる疑惑を招く結果になったり、それからまた、その人がそのことによってひいては政治生命を失うようなことになれば、これはゆゆしきことと言わなければならないと思うのでございます。
 こういうことについて果たしてNHKはチェック機関がないのかどうか、現場の人がそういうことをやってしまったら、その上の人はそれを見逃してしまっていいようなことになっておるのか、その辺私はまことに寒心にたえませんので、どういう事情になっておるのかを明らかにしていただきまして、もしそのことがまことに遺憾なことであるということならば、今後に対してどのような対策をお立ていただいておるかについて御説明をいただきたいのでございます。
#17
○小野参考人 決して現場任せではございません。これはチェック機関はございます。最高の責任は放送総局長もおりますし、その上には、編集権の所在としては会長に帰属しております。重要な問題については、すべてそういう連絡すべき筋合いになっております。一応日常の番組の関係について、一々会長が事前に、しかもニュースのような問題につきましては、事前にそれをチェックするようなことは不可能でございます。そこには責任責任がございまして、編集長というものを置いております。そこには副編集長もおりますし、また政治部は取材に当たり、整理部が何を出し、何を出すべきでないかのいろいろ判断をいたすわけでございます。
 そういうことでございますので、万全は期しておるつもりでございますけれども、他から言われるのでなく、私自身も判断いたしまして、そういった関係は、NHKの放送の影響がきわめて大きいというような点と、NHKの使命が非常に高いということにかんがみまして、不偏不党、厳正公正の立場においてこれを処理していく配意が常になくちゃなりません。また、その意思が末端まで透徹しなければならないと思いますので、そういった要請にこたえますために、理事を陣頭に立てまして、これを中心に、あるいは報道、解説、考査、これを一体として、いろいろ基本的な方針なりそういったものについて常に合議をして、その合議の結果が浸透するような配意をいたすことにいたしております。また、編集長の下には副編集長というものがおりますけれども、現在一名で、欠員になっておりますが、これも補充しなければなりません。先般一名補充をいたしました。
 そういうことで、適正な措置を講じていく、自主的な判断によるそういった措置を徹底することを痛感いたしておりますので、そのような措置は現にとり、また今後も常にそういった面を配意しなければならないものと考えております。
#18
○志賀委員 この問題は大変ゆゆしい問題でございますから、大臣からも、監督官庁の大臣として御答弁を賜りたいと存じます。
#19
○村上国務大臣 NHKは、その言論報道機関としての性格に基づきまして、業務の運営が自主的に行われるように保障されているところでありますので、NHKは放送の不偏不党を堅持するように不断の努力を傾けるべきものと考えております。
#20
○志賀委員 先ほども申し上げました文藝春秋の五月号でございますが、この中に「悩める巨人・NHKの内幕」と題しまして、比較的長い論文が載っております。この中に、経営委員のことに関して若干触れているところがございます。私は、経営委員は野党からいろいろ論議があることを承知しておりますけれども、特にそういうことであるだけに、こういう書かれ方は好ましくないと考えておるところがございます。それは、経営委員の候補のリストアップはどういうところでなされるのだろうかという質問が文勢春秋から各省庁になされた、それがずっと回って、そして最後のところに来て何か輪を書いてしまった。あっちに聞いてこっちに聞いて結局もとに戻ってしまったということがここに書かれてございます。私は、こういう責任の所在がはっきりしておらないということがまことに遺憾だと存じますので、ここには大臣の官房秘書課も出てまいりますので、このことがどこがどういうふうになっておるのか、御答弁を賜りたいと存じます。
#21
○佐藤(昭)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、経営委員の任命につきましては放送法十六条にございますように、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するということになっております。また、その事務的な手続につきましては、総理府の人事課で事務的な手続を行う、こういうことになっております。
#22
○志賀委員 最後に、私は大臣に質問をさせていただきます。
 この昭和五十一年度収支予算等に付した郵政大臣の御意見の趣旨について承らしていただきたいと存じます。
 なお、NHKの今回の受信料の改定について郵政大臣はどのような御見解、お考えを持っておられるかについて御意見を承らしていただきたいと存じます。
#23
○村上国務大臣 前段につきましては、NHKは昭和五十一年度の収支予算におきまして受信料の月額を普通契約については三百十五円から四百二十円に、カラー契約につきましては四百六十五円から七百十円に、それぞれ改定することとしておりますが、これは最近のNHKの経営状態及び将来の経営の見通しから見ましてやむを得ない措置であると考えられ、また事業計画におきましては放送の難視聴解消に努めるなど、公共放送としての使命を果たすこととしているものと認められますので、昭和五十一年度収支予算等は全体としておおむね適当であると判断いたしまして、その旨を意見を付したのであります。
 なお、五十一年度の事業運営に当たって留意すべき事項といたしましては、経営の効率化をさらに徹底すべきである旨及びテレビジョン放送の難視聴解消につきましてさらに効率的に促進すべきものである旨を付記するとともに、国民の負託にこたえる事業運営のあり方について今後さらに検討を行うように要望いたした次第であります。
 なお、NHKの受信料の改定につきましてはどう考えておるかという御意見でありますが、NHKの受信料の月額は、放送法第三十七条の規定によりまして、NHKが作成した収支予算を国会が承認することによって決まることとされておりますが、NHKの昭和五十一年度収支予算によりますれば、受信料の月額につきましては先ほど申し上げましたようなことになっております。
 NHKは昭和四十三年以来、八年間にわたって受信料を据え置いてきましたが、テレビ受像機の普及により受信契約者数が伸び悩んでいるのに対し、諸経費の増加が避けられない等の事情によりまして、やむを得ず受信料の月額を改定しようとするものでありまして、NHKが今後とも公共放送としての使命を果たしていく上で必要な措置であると考えた次第であります。
#24
○志賀委員 最後に、これは私からの要望でございます。
 先ほど小野会長からお話がありましたように、暫定を組まざるを得なかった結果、難視聴解消もまた先に繰り越さざるを得ない状況でございます。しかしながら、これは国会でも毎年附帯決議として難視聴解消はうたわれておるわけでございますから、その解消のために特段の御努力、御尽力を心から要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#25
○伊藤委員長 次回は、来る六日木曜日午前十時理事会、同十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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