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1975/03/02 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 運輸委員会 第2号
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1975/03/02 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 運輸委員会 第2号

#1
第077回国会 運輸委員会 第2号
昭和五十一年三月二日(火曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 中川 一郎君
  理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君
   理事 西銘 順治君 理事 金瀬 俊雄君
   理事 斉藤 正男君 理事 三浦  久君
      木部 佳昭君    佐藤 孝行君
      關谷 勝利君    徳安 實藏君
      中村 寅太君    丹羽喬四郎君
      三原 朝雄君    宮崎 茂一君
      渡辺美智雄君    太田 一夫君
      久保 三郎君    坂本 恭一君
      梅田  勝君    紺野与次郎君
      松本 忠助君    河村  勝君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 出席政府委員
        運輸政務次官  佐藤 守良君
        運輸大臣官房長 山上 孝史君
        運輸大臣官房審
        議官      中村 四郎君
        運輸省船舶局長 内田  守君
        運輸省港湾局長 竹内 良夫君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
        運輸省航空局長 中村 大造君
        運輸省航空局次
        長       松本  操君
        海上保安庁長官 薗村 泰彦君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道副
        総裁      井上 邦之君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十四日
 辞任         補欠選任
  石田幸四郎君     矢野 絢也君
  河村  勝君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     石田幸四郎君
  小平  忠君     河村  勝君
同月十六日
 辞任         補欠選任
  河村  勝君     小平  忠君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  小平  忠君     河村  勝君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  河村  勝君     池田 禎治君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 禎治君     河村  勝君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  石田幸四郎君     矢野 絢也君
  河村  勝君     小平  忠君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     石田幸四郎君
  小平  忠君     河村  勝君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  久保 三郎君     阿部 助哉君
同日
 辞任         補欠選任
  阿部 助哉君     久保 三郎君
    ―――――――――――――
二月二十三日
 国鉄旅客運賃の値上げ反対等に関する請願(三
 浦久君外一名紹介)(第六一九号)
 国鉄運賃の値上げ反対に関する請願(中島武敏
 君紹介)(第六二〇号)
は委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関
 する件等(運輸行政の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○中川委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。
 この際、運輸大臣から運輸行政の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。木村運輸大臣。
#3
○木村国務大臣 第七十七回国会に当たりまして、当面の運輸行政の諸問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御理解と御支援をお願いいたしたいと思います。
 私は、運輸大臣に就任以来運輸行政の遂行に全力を傾けてまいりましたが、本年もさらに心を新たにして一層の努力をいたす所存でありますので、よろしくお願いをいたします。
 わが国経済は、石油危機以来今日までその活動の停滞が続いておりますが、資源、環境等内外の制約要因を考えると、今後は成長中心から国民生活の充実を目指した安定成長路線へと移行していくことが必要となっております。国民生活と経済活動の基盤である運輸交通の分野におきましても、不況の影響を受け、輸送需要の停滞が見られる一方、公害、環境問題の解決が急がれております。また、このような情勢と諸経費の高騰等を背景として運輸事業の経営は一段と悪化が進んでおり、その健全化が緊急な課題となっております。
 私は、このような状況のもとにあって、当面次の諸点に重点を置いて運輸行政の遂行に努め、国民の期待にこたえていきたいと考えております。
 まず、第一に、日本国有鉄道の再建であります。
 近年国鉄財政は急激に悪化し、破局的とも言える状況に立ち至っておりますことはまことに憂慮すべきところでありますが、これと同時に、国鉄の経営そのものに対して国民からの厳しい御批判のあることにつきましても深く留意する必要があると考えております。
 国鉄が現在の状況を打破して、わが国の総合交通体系においてその果たすべき役割りを遂行し、国民の要望するサービスの提供と安全な輸送を確保するためには、この際抜本的な国鉄の再建を図る必要があると考えます。
 国鉄再建の基本は、まずもって国鉄自身が、厳しい姿勢のもとに国民に対して責任のある経営体制を確立することであります。このためには、労使関係を速やかに正常化することはもとより、責任ある業務遂行体制と厳正な職場規律を確立するとともに、組織、人事制度の抜本的改革を行うことが必要であり、これらについて国鉄が血のにじむような経営努力を重ねることによって初めて国民の理解が得られるものと考えます。
 さらに、国鉄の財政問題につきましては、これまでの再建計画が破綻した経験を生かし、過去債務の一部のたな上げと運賃改定とを行うことにより、昭和五十一年度及び五十二年度の二年間で収支の均衡の回復を図り、自後の赤字の発生要因を極力除去しつつ健全経営を維持していくことを基本方針といたしております。このため、過去債務のうち累積赤字相当額の一部である二兆五千四百四億円に相当する債務について国が利子補給を行うとともに、償還額を無利子で貸し付ける等の抜本的な助成措置を講じて健全経営の基盤をつくる一方、運賃水準の適正化による利用者負担の増額を国民各位にお願いしたいと考えております。
 このようにして収支の均衡を回復するための措置が講ぜられたとしても、真に国鉄の再建を図るためには将来にわたって健全な経営を維持していかなければならず、そのためにはとりわけ要員の合理化、赤字ローカル線、貨物輸送などについての経営合理化、近代化、設備投資の効率化等について従来以上に徹底した国鉄の努力を求めてまいることといたしております。
 国鉄は、国内交通体系の中核としてなお重要な役割りを担うべきものであり、その責任は重大であります。今後国鉄の再建を推進するに当たり、以上のような認識のものとに強い決意をもって対処する考えであり、今国会に国鉄再建のための所要の法案を提出いたしておりますので、よろしく御協力を賜りたいと存ずる次第であります。
 第二に、国民生活の安定向上のための輸送力の確保の問題であります。
 過疎地帯を初め、地方における国民の日常生活に必要な輸送サービスを確保するため、経営が困難となっておる中小民鉄、地方バス路線、離島航路及び離島航空路に対し助成を特段に強化すべく、予算措置にも努力をいたしてまいりました。地方港湾、離島港湾等の施設整備につきましてもその推進を図る所存であります。
 また、大都市における交通対策といたしましては、都市高速鉄道の整備、大規模な宅地開発と一体となった鉄道建設の推進等を図るとともに、バス輸送については、関係省庁と協議しつつ、路線網の再編成、新住宅地バス路線の整備、専用レーン等の増設により輸送サービスの改善を図り、大都市交通機関の充実に努めてまいります。
 さらに、国鉄在来線につきましては、安全対策、近代化、合理化対策に重点を置いて整備を促進してまいります。
 国民生活の安定と向上に資するためには生活物資の価格の安定が必要でありますが、このための物流対策といたしましては、自動車ターミナル、国内流通拠点港湾等物流拠点施設の整備、都市内物流の合理化を推進するとともに、わが国経済の基盤となっておる貿易物資の安定輸送を確保するため、外航船舶の建造、外貿港湾の整備を引き続き推進してまいります。
 第三に、運輸行政を預かる責任者として、交通安全の確保こそあらゆる運輸サービスの基本として最も重要な課題の一つであると考えております。
 幸いにも昨年は大量の人身事故を伴ういわゆる大事故の発生は見られず、また、交通事故の死傷者数も減少傾向を維持しておりますことは関係者の一団となった努力のたまものと考えております。今後とも、人命の尊重が何ものにも優先するとの認識のもとに、交通従事者の自覚と知識、技能の向上、安全管理体制の充実、交通環境の整備、交通関係法令の整備等の施策を長期的視野に立って総合的に推進してまいります。
 海上交通安全対策といたしましては、従前からの諸対策に加え、東京湾等、特に船舶交通がふくそうする海域について強制水先制度の計画的導入を行うほか、海上安全船員教育審議会において海上交通安全法の見直しを図っておるところであります。
 さらに、海上防災に関しましては、流出油防除資機材の整備、消防船の増強等を推進するとともに、海上における危険物の流出、火災等による被害を防止するため海洋汚染防止法の改正案を提出いたしております。
 陸上交通事故につきましても関係省庁と協力して諸対策を強力に推進してまいりますが、昭和五十一年度以降引き続き踏切道の計画的改良を推進するため、踏切道改良促進法の改正案を提出いたしております。
 また、交通事故の被害者及び遺族の方々の救済につきましては、交通遺児貸付金の引き上げ等、一段とその充実を図ってまいる所在であります。
 次に、航空交通の安全対策につきましては、航空保安施設、航空管制施設等の整備、拡充を推進してまいります。
 さらに、現在、交通安全対策基本法に基づき、昭和五十一年度を初年度とする第二次交通安全基本計画の策定が関係省庁の協力のもとに進められており、運輸省といたしましても積極的にその策定に取り組んでおるところであります。
 なお、広く国土及び国民の生命、財産を災害から防護するため、昭和五十一年度を初年度とする新海岸事業五カ年計画を策定して高潮、津波対策等を強化するほか、異常気象の監視体制の整備、地震、火山噴火予知計画の推進等自然災害防止のための施策を推進してまいりたいと考えております。
 第四に、交通公害の防止についてでございます。
 交通機関の質的、量的拡大が環境汚染という形で自然界に影響を及ぼしたり、近接する人々の生活を阻害するという状況が生じてきており、また、その態様も複雑化、深刻化してきております。私は、国民生活の安定と向上に資するためには、交通機関のもたらす利便を促進すると同時に、交通機関が与える環境への影響についても十分な配慮を払う必要があると考え、次のような施策を講ずることにより交通公害の防止に積極的に取り組んでまいる決意であります。
 まず、航空機騒音対策については、空港周辺の民家等の防音工事、移転補償等の環境対策をさらに拡充するとともに、空港周辺地区の計画的整備を行う必要のある空港、すなわち周辺整備空港として福岡空港を指定し、すでに指定済みの大阪国際空港とともにその周辺の計画的な環境対策を進めてまいります。
 新幹線鉄道による騒音対策については、昨年七月環境基準が告示されておりますが、この基準の達成のため、音源対策のための技術開発を総合的、計画的に推進するとともに、住居の防音工事、移転等の障害防止対策の拡充強化を図る所存であります。
 海洋汚染対策につきましては、その対策の重要性にかんがみ、巡視船艇の拡充等監視取り締まり体制の強化、海洋環境保全のための作業船の建造、港湾における廃棄物処理施設の整備等、海洋における環境保全対策の一層の推進を図ってまいります。また、タンカーによる油濁被害の救済制度を確立するため、前回の国会において御審議いただきました油濁損害賠償保障法を適切に施行、運用してまいります。
 自動車公害対策につきましては、五十一年度排出ガス規制を初めとする排出ガス及び騒音に対する排出規制の推進に積極的に取り組むとともに、なお今後も新技術の開発に努めるほか、自動車審査体制等の充実に努めてまいります。
 第五には、輸送施設の長期的整備についてでございます。
 現在、新しい経済計画、国土総合開発計画等が策定中でありますが、国民生活の充実の基盤となる鉄道、港湾、空港等の運輸関係基盤施設の整備につきましては、環境対策等に配慮しつつ、計画的に実施してまいる所存であります。新幹線等国鉄輸送力の整備充実を初め、昭和五十一年度を初年度とする新港湾整備五カ年計画、新空港整備五カ年計画等を策定いたしますとともに、新港湾整備五カ年計画策定のため、港湾整備緊急措置法の改正案を提出いたす所存であります。
 次に、新東京国際空港につきましては、すでに当初の計画から四年以上経過し、最も憂慮にたえないところであります。私は、現時点に立って開港の障害となっている問題につきまして、早急にこれを解決して、一刻も早く開港を達成すべく全力を挙げる所存であります。
 また、関西国際空港につきましては、環境条件等の調査を行うとともに、地域社会の理解と協力を得るよう努力を傾注したいと考えております。
 最後に、今日の世界的不況の影響を受けておる海運、造船の不況問題につきましては今後適宜必要な措置を講じてまいりたいと考えておりますが、特に、造船につきましては、国際的水準並みの延べ払い条件で船舶輸出を行うために必要な財政資金を確保することといたしたほか、その将来の長期的対策について検討を進めることとしております。
 また、最近の船員雇用をめぐる厳しい情勢に対処するため、船員雇用対策基本計画を策定するとともに、船員職業安定業務の充実強化を図る所存であります。
 このほか、運輸省が所管いたしております観光行政の推進や海外技術協力につきましても、それぞれ国民生活にとって、あるいは外国との関係にとって重要であることにかんがみ、その充実を図ってまいる考えであります。
 以上、運輸行政の当面の施策につきまして申し述べましたが、これらは申すまでもなく委員各位の御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。
 この機会に、なお一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
#4
○中川委員長 次に、昭和五十一年度運輸省及び日本国有鉄道の予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。佐藤運輸政務次官。
#5
○佐藤(守)政府委員 昭和五十一年度予算の大綱の説明に入る前に、委員長のお許しを得まして一言ごあいさつを申し上げます。
 私は、このたび運輸政務次官を拝命いたしました佐藤守良でございます。
 先ほど運輸大臣が所信表明の中に申し上げましたように、運輸行政におきましては、国鉄の再建など非常にむずかしい大切な問題がたくさんございます。至って微力でございますが、委員長を初め各先生方の御指導、御鞭撻、御後援を得まして職責を全うしたいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。(拍手)
 では、昭和五十一年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、予算の規模について申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十一億七千九百七十七万一千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分五百九十六億八千二百七十万四千円を含み九千百四億七千五百十四万六千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと一千六百二十九億六千九百万円余の増加、比率で申し上げますと、二一・八%の増加となっております。
 次に、特別会計の歳入歳出予算額について申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆八十三億六千二百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千五十億七千八百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額二百三億五百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額一千十六億一千二百万円余をそれぞれ計上いたしております。
 また、昭和五十一年度財政投融資計画中には、当省関係の公社、公団分として一兆一千九百六十三億円が予定されております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず、第一に、極度に財政状態が悪化しつつある日本国有鉄道について新たな再建対策を樹立することといたしましたが、この点につきましては、後ほど国鉄予算の御説明をいたします際にあわせて御説明させていただきたいと存じます。
 第二といたしましては、国民生活の充実の基盤となる運輸関係社会資本の計画的整備並びに国土の保全を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について五十一年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定し、事業を推進するとともに、東北、上越両新幹線を初めとする鉄道網の整備を進めることといたしております。
 第三に、空港等の騒音、自動車の排出ガス、流出油による海上災害等を防除することにより環境の保全に努めてまいる所存であります。特に、空港環境対策として、民家の防音工事に対する助成の充実を図るほか、新たに福岡空港周辺整備機構を設立して同空港における計画的な周辺環境対策を進めることとし、また、海上災害の防止については、巡視船艇、航空機、消防船、オイルフェンス展張船等を整備するとともに、万一災害が発生した場合については、その初期段階において効果的な防災活動を行うことができるよう組織、機材の強化を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、集中豪雨、地震等の自然災害の防止のため、気象レーダー、地域気象観測網及び地震観測網を引き続き整備してまいりたいと考えております。
 第四に、経営困難に直面している地方バス、中小民鉄、離島航路等の公共輸送機関について、その経営改善努力と相まって国が関係地方公共団体と協力して助成を行うことにより、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、充実に努めてまいりたいと考えております。
 第五に、世界的な不況に直面している造船業対策として、国際的水準並みの延べ払い条件で船舶輸出を行うのに必要な財政資金を確保することといたしております。
 次に、日本国有鉄道について申し上げます。
 国鉄の財政状態は、昭和五十年度末において累積赤字約三兆一千億円、長期債務約六兆八千億円が見込まれるなど極度に悪化してきており、現行の再建計画との乖離も著しくなっております。国鉄が現在の状況を打破して、わが国の総合交通体系において、その果たすべき役割を遂行し、国民の要望するサービスを提供するためには、この際抜本的にその再建を図る必要があります。
 国鉄再建を達成するための基本は、国鉄自身が安易な経営に陥ることのないよう合理化の徹底その他につき厳しい姿勢のもとに国民に対して責任ある経営体制を確立することであります。国鉄の財政再建のためには、昭和五十一年度及び昭和五十二年度の二カ年間で収支の均衡を図り、以後健全経営を維持することを目標とする新しい再建対策を策定し、国鉄が独立採算性を指向した自立経営を行うことができるよう措置しております。
 その具体策といたしましては、まず、収支の均衡の回復のために、国鉄の過去債務のうち、累積赤字相当額の一部である二兆五千四百四億円に相当する債務について、国は二十年、元利等償還ベースによる利子補給を行うとともに、償還額を無利子で貸し付けることにより健全経営の基盤を整備する一方、当面昭和五十一年度において名目約五〇%の運賃改定を行い、実収約三七%の増収を確保することといたしております。
 このようにして収支の均衡を回復するための措置が講ぜられたとしても、真に国鉄の再建を図るためには将来にわたって健全な経営を維持していかなければならず、そのためには、とりわけ経営の合理化、設備投資の効率化などにつきまして従来以上に徹底した国鉄の努力が不可欠であると考えております。
 以上のような前提のもとに昭和五十一年度の予算を編成いたしました次第であります。
 以下、各勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定におきましては、工事費補助金九百七十六億円、地方交通線特別交付金百七十二億円の受け入れを含め、収入支出予算二兆七千七十四億円を計上しております。資本勘定におきましては、資産充当百億円、財政融資九千四百三十六億円を含め、収入支出予算一兆三千五百八十四億円を計上しております。工事勘定におきましては、収入支出予算八千三百七十一億円を計上いたしまして、安全対策の強化、大都市通勤通学輸送の改善、公害対策の充実、諸設備の近代化、合理化、東北新幹線の建設等を推進してまいりたいと考えております。
 また、国鉄の経営圧迫要因を除去し、健全経営の基盤をつくるため、国鉄の長期債務のうち、累積赤字相当額の一部について国が利子補給を行うとともに、償還額を無利子で貸し付けることとし、これらの経理を明確に行うため特定債務整理特別勘定を新設し、収入支出予算二千四百四十一億円を計上いたしました。
 さらに、一般会計に日本国有鉄道合理化促進特別交付金五億円を計上いたしまして、国鉄の合理化施策の促進を図ることといたしております。
 運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十一年度運輸省予算の説明及び昭和五十一年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。
 以上をもちまして昭和五十一年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#6
○中川委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。宮崎茂一君。
#7
○宮崎委員 ただいま大臣から所信表明の演説がございましたが、その順に従いまして、若干の点について私は御質疑を申し上げたいと思う次第でございます。
 まず、当面いたします運輸行政の中で一番大きな問題は国鉄問題だろうと私は思っております。運賃の問題あるいは国鉄財政再建の問題等があるわけでございまして、大臣も、「国鉄再建の基本は、まずもって国鉄自身が、厳しい姿勢のもとに国民に対して責任のある経営体制を確立することであります。」と言っておられますし、また、国鉄が血のにじむような経営努力を重ねるということが中心になるということを言っておられますが、まことにそのとおりだと私は思っておるわけでございます。
 しかしながら、ただいま国鉄の総裁は欠員でございまして、このような努力は国鉄自体がやらなければならない努力でございますから、その最高責任者である国鉄総裁は実行力のある人を早く決めていただきたいと思うわけでございますが、この点につきまして、いつごろ決めるのかを含めまして、大臣の所信を、所懐をお聞かせ願いたいと思う次第でございます。
#8
○木村国務大臣 所信表明の中で申し上げましたように、国鉄はかつてない大変な経営上の危機に陥っておるところでございます。再建につきましてはいろいろと国会の皆さんの御協力も得まして、この国会に関連の法案を提出いたし、御審議をいただくことになっておるわけでございますが、この法案並びに御審議を通しまして、今後短期間に自立経営ができるように国鉄の財政の立て直しを図ろう、と、かように決意をいたしておるところでございます。
 先般辞表を出されました藤井総裁は、この法案あるいは再建の計画の策定につきましては非常に精力的に努力をされてきたわけでございますが、昨年の暮れごろから健康を害されてしばしば私に辞意を漏らしておられたわけでございますが、私は、思いとどまって今後の再建の実施計画の遂行に全力を挙げていただくように極力お願いしておったのでございますが、非常に辞意が固く、おとめすることもとうていむずかしいという判断をいたしまして先般辞表をお預かりしたわけでございますが、これからの非常にむずかしい国鉄を背負って、労使一体となって再建を図らなければならない国鉄の最高責任者として最も適任である人を人選すべく、政府部内におきまして現在鋭意その選考を進めておるところでございまして、できるだけ早く新総裁を決定いたしたい、と、かように考えておる次第でございます。
#9
○宮崎委員 大臣の言葉どおり、りっぱな方を一日も早く決めていただきたいと要望をいたす次第でございます。
 次に、国鉄財政の問題でございますが、御承知のように、国鉄はもう倒産しかかっているとか、あるいはもう財政的にどうにもならぬというふうに言われております。財政十カ年計画でございますか、この前の前の国会でございましたか、昭和四十八年から新しい財政再建の計画ができ上がったわけでございますが、それが二年ぐらいでございますか、二年半でございますか、このような事態に立ち至りまして、抜本的な財政再建の計画をしなければならない、改定せざるを得ないということになったわけでございますが、この間どういうわけで十カ年計画が破綻を来したのか、これは鉄監局長でもよろしゅうございますが、御説明願いたいと思うわけでございます。
#10
○木村国務大臣 昭和四十八年に第二回目の再建の十カ年計画を策定いたしたのでございますが、当時はまだ景気の上昇が非常に続いておった時点を前提にいたしてその計画をつくったわけでございます。その後、経済状況の変化等によりまして輸送の需要等も計画より落ちてまいりました。さらに人件費の高騰あるいは諸経費の高騰等が計画よりもずっと上がってまいりました。一方、収入を賄いますところの運賃につきましては、十カ年の間に四回にわたって運賃改正をやりながら増収を図っていく計画でおったのでございますけれども、第一回目の運賃改定も予定より一年半おくれて実施せざるを得なくなった。そういうふうないろいろな状況が重なりまして、この十カ年計画が早くも破綻の状況になってきたわけでございます。
 そういう事情の上に立ちまして、その後の国鉄の経営の逼迫等をも考えますときに、今回はさらに一層できるだけ短期に自立経営ができるような計画をつくらなければとてもだめであるというふうに考えまして、政府といたしましても、いままでの債務のたな上げ等、かなり思い切ったいろいろな工夫をこらして今回の再建計画をつくったような次第でございます。
#11
○宮崎委員 いままでの失敗にかんがみて、いろいろな情勢の変化もあったわけでございますから、これからまたつくり直すということでございまして、そして、また、先ほど、これに関しますところの法律案を今国会に出したいというお話でございますが、その、今回の財政再建の概要ですね。先ほどは大幅な赤字のたな上げとかいうことを言われておりますし、また、運賃を五〇%ぐらい上げるという話もございましたし、あるいはまた運賃法定主義を廃止するというようなことも言われておりますが、今回の大ざっぱな骨子と申しますか、それについて二、三点簡単に説明をしていただきたいと思います。
#12
○木村国務大臣 今回御審議をいただくことになっております法案を中心にいたしまして、再建の要点だけ簡単に申し上げますと、まず、第一に、いままでの約三兆に及びます十年間の累積の赤字を背負っておったのではとうてい再建はできないという観点から、この三兆円になんなんとするところの累積赤字を一応政府が肩がわりをしようということが一つの大きな再建の方策であるわけでございます。
 同時に、収入のもとでございますところの国鉄運賃が過去におきましても適時適切に行われていなかったということ等も考えまして、今回は短期間に運賃収入も増収を図って再建を図りたいということで、大体五十一年度におきましては五割の運賃改定、実収で三六、七%になろうと思いますが、かなり大幅の運賃改定をいたしまして、この面では旅客に御負担を願う。
 それから、国鉄の厳しい経営の合理化等につきましても、思い切った方策を国鉄において立てていく。要員の合理化はもとよりでございますが、赤字の大きな原因になっております貨物輸送等につきましても、今日までもいろいろと合理化、近代化を図ってきておりますが、さらに一層これを進めてまいる。
 なお、現在、国鉄線のうちほとんどが収支の面から言いますと赤字が出ておるわけでございます。特に、その中で、いわゆる地方交通路線とも言うべきものにつきましては赤字の出る収支の差が非常に大きいわけでございまして、これらの地方交通線につきましては、今後、この処理につきましてはいろいろな角度から検討をいたし、この地方交通線の処理の具体的な方策を立てるわけでございますが、さしあたってこの赤字路線の補助という形で百七十二億の補助金を交付する。
 まだほかにもいろいろございますが、政府もこの際思い切ってそういった助成をする、また、利用者にも負担を願う、国鉄自体は思い切った経営の合理化をやるという、この三つの柱のもとにただいまの再建計画を立てておる次第でございます。
#13
○宮崎委員 国も思い切った財政の援助をするということでございますが、細かい話でございますけれども、累積赤字の三兆一千億はどうして全部たな上げしないのですか。何か、端数五千六百億ぐらい引いたものをやるということでございますが、これは三兆一千億というような累積赤字を全部やったらどうかというふうに私は思うわけでございますが、この点は何か根拠があるわけでございますか。
#14
○住田政府委員 国鉄の五十年度未までの累積赤字は、いまお話がございましたように三兆一千億でございます。ただ、企業の場合に赤字といいますのは、赤字から資本金とか積立金というものを引いた残りが実質的な赤字になるわけでございまして、国鉄の場合には一兆七千億程度の資本金、積立金を現在持っておるわけでございます。したがいまして、実質的な赤字というのは一兆三千億ないし四千億程度のものになるわけでございます。
 今回、再建に当たりまして、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、過去の累積赤字を背負っては健全な経営を維持できないだろうということで過去の累積赤字の解消策をとったわけでございますが、この場合に三兆一千億全部を対象にするか、あるいは実質的な赤字である一兆三千ないし四千億を対象にするか、いろいろな考え方があるわけでございますが、国鉄の場合には一兆一千二百億円の再評価積立金というものを持っているわけでございます。これは昭和三十一年に国鉄が持っております特定施設について評価した際に生じました積立金であるわけでございますが、これと累積赤字との関連性もございますので、国鉄の資本金のうち再評価積立金の半分である五千六百億円を取り崩して、その残りの二兆五千四百億円をたな上げの対象にする、それによって累積赤字を解消するということにいたしたわけでございまして、それによりましてもなお一兆円以上の資本金が残るということになるわけでございます。
#15
○宮崎委員 私もよく理解できない点もございます。しかし、それは数字の問題だろうと思います。なるべく多い方がいいのじゃないかとも考えておりますものですから申し上げたわけでございます。
 それから、大臣は二カ年で収支均衡するようにしたいとおっしゃったわけでございます。そのためには五〇%ずつ上げなければならぬ。最近いろいろな物価が値上がりいたしております。消費者団体の方では上げ幅が大きいのじゃないかというような議論も聞くわけでございますが、その二カ年と五〇%というのは関連をしているのだろうと思います。これを三年くらいにして、たとえば三〇%ということは考えられないものですか。その点についてはどういうふうにお考えになっておられるか。また、五〇%上げるとすれば相当消費者物価にも影響があると思うわけでございますが、その点についてお考えをお述べ願いたいと思います。
#16
○木村国務大臣 短期に自立経営ができるようにいたそうという基本的な考えのもとにいろいろと再建の方法を考えたわけでございますが、先ほども触れましたように、鉄道事業でございますので、どうしても収入の道は運賃収入に頼らなければならない。国鉄の運賃を他の物価等と比較してみますと、現在非常に低位に置かれておるわけでございますので、他の料金並みにはやはり旅客の人に負担を願いたいということで考えたわけでございまして、運賃だけに頼るといたしますと、健全な交通事業として自立経営ができるためにはいまの国鉄の運賃を大体倍にしなければならないという数字になるわけでございますが、一遍にそういうことはできません。そこで、五十一年度におきましてはその半分の五〇%の運賃改定をいたして、これを利用者の負担として収入の道を図ろうということでございます。
 しからば、二年目にどうしても五〇%の運賃改定をしなければならないかという問題でございますが、全部を運賃だけに頼るということになりますとそういう数字になりますが、これは五十二年度の予算編成をいたす間まだ時間もございますし、その間景気の動向等も勘案をいたさなければなりませんし、また、できる限り運賃以外の方法で収支のバランスがとれる方法で、たとえば現在いろいろ計画をいたしております合理化等で経費の節約もさらに詰めてまいりたいと思っておりますし、なお、再評価の積立金等の取り崩しというふうな方法もあるわけでございますので、第二年目に当たります五十二年度におきましては、全部を運賃に頼るかどうかという問題は現在まだ決定をいたしていないのでございますが、収支の面から言いますと、それに相当するだけの赤字がまだ残るということになるわけでございます。
 そこで、もう一点の御質問の、大幅の運賃値上げということは物価に非常に影響があるが、その点はどうかということでございますが、この点につきましても物価担当の経済企画庁とずいぶん検討をしてまいりました。いろいろな検討の仕方がございますが、大体、国鉄運賃につきましては、一割運賃改定をいたしますと物価には〇・一%ぐらいの影響があるというふうにわれわれは踏んでおるわけでございます。むろん心理的あるいはその他の要因もありますから、そのとおりに物価に反映するとは断言できませんが、いろいろな観点から考えてその程度の影響があるということで考えておりますので、五〇%の運賃改定は物価には〇・五%ぐらいの寄与率になるであろうというふうに考えて五〇%という値上げを決めたわけでございます。
#17
○宮崎委員 国鉄全体で貨物も旅客も平均して五〇%という話だろうと思いますが、実際、いままでに大体貨物の方がうんと赤字が多いのだ、旅客の方は余りそう赤字じゃないのだということを私は聞いているわけでございます。したがいまして、この旅客、貨物を別々な比率によって上げるというようなことはできないか。と申しますのは、国内の貨物輸送というものを考えてみますと、国鉄の貨物輸送の全体に占める比率はどんどん低下してまいっておりまして、確か一四、五%ぐらいになっているのじゃないかと思いますが、将来を見通してそういう貨物の輸送量を考えて、国内の貨物輸送体系というものを考えてみますと、経済合理性にかなった運賃と申しますか、そういうものをやらなければやはり無理な輸送が行われるのではないかと思うわけでございます。つまり、原価以下に安い運賃で貨物を運ぶということになりますとほかの運送機関にも影響がある。たとえて言いますと、海運の方に落ちる荷物が海運に落ちないということにもなりましょうし、やはり原価の合理性をある程度貫いた方がいいのじゃないかという考え方を私は持っているわけでございます。
 そこで、貨物につきましてはいままでも非常な赤字が出ている、旅客の方はそうでもないのだというようなことで私は聞いておりますので、その辺のことを別々にやられるような考え方あるいはまた御検討をされるような計画はないのかどうか。これは一律に貨物、旅客を一緒にやるということなのか。貨物の方で増収を図ってまいりますと旅客運賃の方が大分楽になるということもございますし、そういうことに対する御所見はいかがなものでございますか。
#18
○木村国務大臣 御承知のように、総合原価主義を従来ずっととってまいっております関係上、一応旅客と貨物とを一緒にして運賃値上げの幅ということで今日までまいっております。もっとも、その間には多少の差異はもちろんあるわけでございます。御指摘のように、営業係数等から言いましても確かに貨物が収支のアンバランスが非常にひどい。したがって、その点から言いますと貨物運賃をもっともっと思い切って上げて、その分は旅客運賃の値上げには多少低く影響さすということも一つの考え方だと思うのですが、ただ、貨物全体の運賃収入が非常に少ないという点から、少々貨物で上げましても収支の改善にはウエートが非常に低い。それから、いま御指摘のように、国鉄の貨物輸送のシェアが三〇%から現在ではもう一四%ぐらいまで下がっておる。それだけ陸上貨物輸送構造というものが変化しておるのに対して、いままでそれに十分対応できなかったというふうな状況を踏まえて考えてみますと、貨物運賃の値上げにはある非常に限られた限界がやはりあるのではないか。こういうふうに私たちは考えておるわけでございます。
 したがって、貨物、旅客を俄然と分けまして、それぞれ収支の採算がとれるように上げるとすれば、貨物運賃を物すごく上げなければならない。そうなりますと、さらでだに国鉄に対する貨物需要が減っております現在の輸送のパターンを考えますときに、壊滅的な打撃を受けてしまい、貨物はもう全廃しなければならぬというふうなところまでいく危険性も多分にあるわけでございまして、そういうふうな現状を勘案しながら旅客、貨物の運賃改定を今後とも考えていかなければなりませんので、五十一年度におきましては一応大体両方とも五〇%に近い改定にいたしておりますが、その後におきましては貨物は固定費用を賄うというところがもう精いっぱいである。ここで五〇%上げますとだんだんそれにも近づいてくるであろうというふうに考えられるわけでありまして、将来の構想としましてはそういう点は十分考えるわけでございますが、現状では何せ全体の赤字が非常に多いわけでございますので旅客に頼らざるを得ないということもございまして、両方で五〇%の運賃改定というふうに考えたわけでございます。
#19
○宮崎委員 運賃問題はお話のように非常に長期を見通して、ことしだけでなくて、またこれからも貨物輸送あるいは旅客輸送の面で、国内輸送全般を見渡して構造変化というものはあるわけでございますので、どうぞ私の意見も検討をしていただきたいというふうに要望をする次第であります。
 次に、国鉄が財政的に非常に困っているというような状態でございますから、これは純粋に企業という形で考えますと、これ以上もう手を広げないとか、あるいはまた一個の企業で考えますと、うんと赤字のところは切り捨てていくというのが企業の独立採算性を一〇〇%見た場合の考え方ではないかと私は思うわけでございます。そのほかに国鉄は公共性というものがありますから一概にそういう議論もできないわけでございますけれども、したがいまして、この新しい投資というものは国鉄の現在の財政状況下ではよほど注意しながらやらなければならぬと思うわけです。
 新しい建設に、大きなものとして新幹線がございます。上越、東北の両新幹線、そしてまた地方ローカル線という、こういう二つの種類があるわけでございますが、新幹線の方は将来もうかるんだということで、いま投資していけばそれが借金まで返せるのだということであれば、それでそれなりの理屈が立つと思うわけでございます。国鉄財政を助けるためにやるんだというような理屈が立つのだろうと思いますが、ローカル線の方は初めから赤字だということでございまして、こういう初めから赤字のローカル線を今後どうしていくかということは非常に大きな問題ではないかと思うわけでございますが、ついでに、上越新幹線、東北新幹線がペイするのかペイしないのかという問題と、あるいはまた長期的な話でございますけれども、その後に予定されております東北新幹線の延長、北陸新幹線あるいはまた九州新幹線等については採算的に見ていまからどんな予想をされておるか。そのことについて承りたい。
#20
○住田政府委員 先ほど大臣から申し上げましたように、今回の国鉄の財政再建の基本的な考え方は、まず収支の均衡をとるということが第一でありまして、収支の均衡をとった後はいかにして健全経営を維持するかということになるわけでございます。
 健全経営の一つとして合理化等の問題があるわけでございますが、同時に、今後行われます投資が効率的なものでなければいかぬ。新しい投資によって赤字原因をつくっていくということであっては、せっかく再建をいたしましても将来また財政の悪化を来たすことになるわけでございまして、今後は、いま宮崎先生からお話がありましたように、投資については十分採算がとれる効率的な投資ということに重点を置いてやっていきたいと考えているわけでございます。
 まず、新幹線の話でございますが、東北新幹線あるいは上越新幹線は、現在の東北線あるいは上越線の複々線化というような意味があるわけでございまして、東北新幹線あるいは上越新幹線の現状では、東海道の新幹線をつくったときと同じような非常にふくそうしたような状況にあるわけでございまして、したがいましてお客さんが非常に多いということで、東北新幹線、上越新幹線をつくりました場合には、最近工事費が上がっておりますので若干期間が延びておると思いますけれども、恐らくは十年以内で十分収支の均衡がとれる路線であるというように考えております。
 将来つくります新幹線につきましては、基本計画等を定めました段階と現在では工事費等につきましてかなり変わっておりますので、採算の見通しはかなり変わってきておると思いますが、北陸新幹線のように採算的に見て余り心配のないものから、余り名前を挙げますと問題が起きますので差し控えさせていただきたいと思いますが、採算的に見てかなり無理な路線もあろうかと思いますが、今後の新幹線をどうするかということにつきましては、現在検討中の全国総合計画の中で再検討をされるということになると思いますので、その際には、先ほど申し上げました投資の効率性ということをよく考えまして今後の新幹線計画を決めていきたいと考えておるわけでございます。
#21
○宮崎委員 ローカル線、新幹線の新しい建設につきましては、そういった点を十分考えてやっていただきたいと思うわけでございます。
 次に、余り時間もないようでございますので急ぎますが、大臣は輸送力の確保ということを言っておられますが、私は、輸送力の確保の中で一番大きな問題は大都市の通勤対策だと思うのです。大都市は、御存じのように大量輸送でございますから鉄道輸送が適しているというふうに言われているわけでございます。地下鉄とか、そういったものですね。これは全般的でよろしゅうございますから、大都市のこういう通勤輸送に対して今後どうするというようなことを、お考え方をお述べいただきたいと思います。
#22
○木村国務大臣 大都市の通勤等を中心にいたしました交通対策というものは、なかなかむずかしい複雑な要素をたくさん持っておるわけでございますけれども、何といいましても、大量の、しかもわりに高速な交通機関が第一だと思います。そういう意味からいきますと、やはり高速鉄道、つまり地下鉄でございますが、これが将来大都市の交通を担う一番大きな役割りを果たすべきであるし、続きましては路面を走りますバス輸送と、それからさらに長大都市になりますと、東京に見られますような山手線とか、ああいった国鉄による役割り、この三者を大都市の実情に応じてうまく調整して総合的に交通整備をやっていかなければなりません。従来とも、御承知のように地下鉄等につきましては多額の建設費がかかりますので、利子補給、融資その他の面で政府も非常にいろいとろめんどうを見ておるわけでございますが、また、バスにつきましては、路面交通として非常に優位性を問題にされておりますので、バスレーン等も今後さらに交通警察関係と連絡をとりながら充実をしてまいり、道路交通におきます大量輸送機関がうまくその機能を発揮するように持っていかなければならないと思います。なお、国鉄の一つの大きな使命として、長大都市の輸送機関としては、さらに今後安全で正確に運行できるようにさらに一層の努力も必要でございます。
 この三本の交通機関によりまして、その都市の実情に合うように調整をしてまいるということで、今後ともいろいろな施策を講じてまいりたいと思っております。
#23
○宮崎委員 大臣の所信表明の第三の問題は交通安全確保の問題でございますが、これは申すまでもなく運輸行政の一番大きな柱だと思いますが、今回特に海洋汚染防止法の改正をするということが出ておりますし、また、この前石油コンビナートの災害がございましたが、それとの関連で、簡単でよろしゅうございますから、海洋におきますところの交通安全対策として、石油火災、石油コンビナート等の災害の防止について、海上保安庁長官から簡単に方針をお述べいただきたいと思います。
#24
○薗村政府委員 先生からただいまお話がございましたように、海上における交通安全の確保、災害の防止ということは大変大事なことでございますが、遺憾ながら、一昨年の末ごろに水島におきまして三菱石油の大量流出油の事故がございました。また、同じころに東京湾において第十雄洋丸の衝突、火災、炎上という事故がございました。そこで、その大量の油の流出、それから海上火災ということが大変大災害を及ぼすという事例に遭遇いたしました。
 石油のコンビナート等の災害の対策につきましては、前回の国会で御審議を得まして、石油コンビナート等災害防止法というものが法律として成立を見ましたことは御承知のとおりでございます。そこで、その際、衆参両院の御審議を仰ぎます中で附帯決議がございました。陸上のコンビナート等の災害対策はこういう法律に基づいて整備強化が図られるのであるけれども、海上の防災に関する立法措置を講じて、石油コンビナート等災害防止法と相まって、陸上、海上を通ずる総合的、一体的な対策を確立する必要があるのではないかという附帯決議をいただきましたことは御承知のとおりでございます。
 そこで、私どもといたしましては、そういった要請にかんがみまして、従来の海洋汚染防止法の対象であります油のほかに、引火性の危険物、たとえばガソリンでありますとかLPG、LNG、軽油といったような危険物の排出と、それからさらにそれに火がついた場合の海上火災の災害対策というものを一体として考えて、海洋汚染防止法の改正ということで今国会に御審議を煩わしたいと思っているところでございます。
#25
○宮崎委員 次は、輸送施設の長期的整備の問題でございますが、新しい経済計画が策定されまして、そしてまた国土総合開発計画もこれから策定されるわけでございますが、運輸省におきましては、鉄道、港湾、空港というようなものが長期計画になります。鉄道につきましては先ほどお伺いいたしましたが、港湾と空港がおのおの五十一年度から五カ年計画が発足するわけでございますので、この点につきましてお伺いを申し上げたいと思うのでございます。
 国土政策との関連でございますが、今回の五カ年計画はどういうような基本的な考え方でやっておられるのかという点と、そしてまたその投資規模あるいはまた五カ年計画の基本的な方針、こういう三点について、これから実施されるわけでございますから、五カ年計画の方針を承りたいと思うわけでございます。港湾局長でいいです。
#26
○竹内(良)政府委員 港湾の貨物量を一つ考えてみましても、いま低成長とはいいながら、たとえば五、六%の経済成長がありますと、昭和五十五年には、いまから五年後には約三十七、八億トンの貨物を扱わなければいけない。現在二十八、九億トンの貨物量でございますけれども、現在の経済規模が大きいわけでございますので、低成長とはいいながら、そのような貨物の輸送が多くなっていくわけでございます。また一方石油ショック等の問題もございまして、輸送にも省エネルギーというような要請がございます。海運とタイアップいたしましてそのような拠点の港をつくっていくという点が一つの非常に重要な問題であると思います。
 また、現在、社会的には、たとえば人々のUターン現象とかあるいはJターン現象というように、過密地域から過疎地域の方に――過疎地域といいましょうか、田舎の方に人がバックいたしまして定着するというような傾向も見えるわけでございまして、その地域におきましてその基盤をつくりまして受け入れるというような政策が非常に大事なことであろうと考えております。
 また、いろいろな交通施設あるいは港湾そのものを見ましても、安全であるとか、あるいは環境そのものを考えていくということも現在の非常に大きな課題でございます。
 以上、物流の合理化を対象とするということ、そのための輸出入外貿港湾あるいは内貿、国内の輸送拠点港湾をつくるということが第一点、第二点には、地域の産業や物流の拠点をつくって、その地域の発展の基盤をつくっていくことが第二点、第三点には安全を図り、第四点には環境を図っていく、こういうような基本方針のもとに今回五カ年計画をつくりたいと考えている次第でございます。
 昭和五十一年度から五十五年度の五年間に、総投資額は現在三兆一千億円を予定して整備の計画を今後つくっていきたいというように考えている次第でございます。
#27
○宮崎委員 その五カ年計画でございますが、各港ごとの五カ年計画というものはでき上がっているのですか。まだですか。
#28
○竹内(良)政府委員 一つ一つの港湾の大まかなところの概算的な考え方はございますが、まだ今後大きくこの港湾整備緊急措置法の改定につきまして御審議を願うわけでございますが、その大きな方針について十分御審議をいただきまして、並行いたしながら、一つ一つの港に関しましては、これは管理者が地方公共団体でございまして、地方公共団体の管理者の計画に基づきながらそれをまとめ上げていくというつもりでございます。
 したがいまして、今後一つ一つの港につきまして管理者とタイアップしながら計画を進めていくということで、現在はまだ確実には決まっていない次第でございます。
#29
○宮崎委員 いまも港湾管理者の問題が出ましたが、港湾管理者の財政は非常に逼迫していると思うわけでございます。大都市においては非常に逼迫していると聞いているわけでございますが、そういった財政問題がどういうふうになるか、お見通しでも結構ですが、お述べいただきたいと思います。
#30
○竹内(良)政府委員 先生がおっしゃるように財政問題は大変むずかしゅうございますけれども、やはり、先ほど申し上げましたように、一つ一つの港はその管理者が中心になってつくっていく。したがいまして、国といたしましても極力助成を大きく考えたいとは思いますけれども、管理者といたしましても当然の負担を考えてもらわなければいかぬという姿勢でやっております。
 なお、管理者財政につきましては、たとえば入港料の問題であるとか、あるいは環境の負担金の制度をせんだっての港湾法改正の際に御審議いただいて決めていただいたわけでございますが、そういった環境負担金の問題、あるいは施設の使用料の値上げと申しましょうか、そういう点につきまして管理者に十分考えていただきたいというように考えております。
 なお、昭和五十一年度の事業の実施に関しましては、現在自治省の方で管理者の負担金を――すなわち国庫で補助をいたしますと、その裏負担と俗に申しておりますが、裏負担の財源に関しましては、約九五%の地方債と申しましょうか、それをやろうということと私ども承っている次第でございます。
#31
○宮崎委員 次に、空港の五カ年計画について承りたいと思いますが、空港も五十一年度から五カ年計画がスタートするわけでございまして、総額九千二百億と聞いておりますが、これの重点事項と申しますか、主な方針を航空局長から説明を願います。
#32
○中村(大)政府委員 五十一年度から発足を予定いたしております第三次の五カ年計画は、先生の御指摘のように総事業費九千二百億というふうに考えているわけでございます。この第三次の五カ年計画は、第二次の五カ年計画の実施状況を勘案いたしまして、いわゆる航空を取り巻く環境の非常な変化と、それから今後の輸送の需要の動向等を勘案いたしまして投資の中身を決めていくわけでございます。
 御承知のように、特に航空を取り巻く環境、公害、騒音は非常に深刻な問題になり、かつ、第二次五カ年計画の実績を見ましても、騒音対策については当初の予定をはるかにオーバーする実績を示しておるわけでございますので、当然のことながら、第三次の五カ年計画については、まず、空港とその周辺との調和といいますか、こういうものに最重点を置いて資金の配分をしなければならないというふうに考えております。
 それから、次は、やはり何よりも安全対策でございまして、これは第二次五カ年計画においてもほぼ予定どおりの進捗をいたしており、事業の実施も大体予定どおり進めてきておるわけでございますので、それを第三次五カ年計画においては完成させていくということであろうと思います。
 それから、もう一つは、これは航空の使命の達成ということから考えまして、いわゆる国際空港の建設というものと、それから将来の需要の実態というものとあわせまして地方の空港をどのように整備していくかということでございますが、いずれにいたしましてもこの九千二百億という資金量は、量的に考えますと第二次五カ年計画の資金量の約一・六倍ということでございますけれども、できる限りこの資金は重点的に投資効果を考えまして配分をいたしていきたいというふうに考えております。
#33
○宮崎委員 国際空港の話でございますが、いつもこれは当委員会の議題になるわけでございます。新東京国際空港でございますが、この前もテレビで盛んにやっておりました。私は、これは四十六、七年ごろにはもう開港になるというふうに思っていたわけでございますが、最近は鉄塔を捜索か何かしたということがテレビに出ましたが、もうあれだけの施設をつくっているわけなんですが、いま一番妨害になっているものは何なのか。なるべく早くやらなければならないと私は思っております。
 また、これに加えまして、最近ニュースで羽田の沖に移転するのだというようなこともちらっと聞いたわけでございますが、その辺はいかがでございますか。新東京の開港見込みと申しますか、それと、一番隘路になっているものは何なのか。この前から一坪運動というようなこともございましたが、そういったものが隘路になっているのかどうか。その隘路は早く打開しなければ大変なことになると思うわけでございます。それに関連してこの前テレビでちらっと羽田沖の移転の問題が出ましたから、これにつきまして御存じのことがございましたら御説明願いたいと思います。
#34
○木村国務大臣 成田の新空港は御指摘のように四十六年を開港目途にいたしておりますので、すでに五年近く経過をいたしております。一期工事と二期工事とございまして、一期工事が完成すれば使用ができるということでございまして、現在努力をいたしております。飛行場内は大体完成に近いわけでございまして、いつでも使える状況になっております。
 問題は、飛行機の使用いたします燃料の輸送が確保できるかどうかということが一つございます。これもすでにお聞き及びと思いますが、本格的には千葉からパイプで輸送する計画がございますが、それが間に合いませんので、三カ年間を限って暫定といたしまして鹿島と千葉の両地区から鉄道輸送をいたしまして、空港に近い土屋というところまで持ってきて、そこから暫定パイプで飛行場内のタンクに輸送するという計画を進めてまいっております。
 一番問題は鹿島港で、船から、タンクから来ました油を貯蔵して輸送するという関係で、地元関係町の了解がなかなか得られなくてかなり時間を食ったわけでございますが、最近は地元の町におきましてもこれに賛成をしてくれまして、現在具体的ないろいろな詰めをいたしております。したがって、これはもう解決の見通しが立って、最終的にその詰めをやっております。
 もう一つの障害は、飛行線上に妨害鉄塔が二基あるわけでございまして、これを撤去しなければ安全な飛行ができないわけでございます。この鉄塔の除去があるわけでございます。油の輸送の見通しをきちんとできるだけ早く立てると同時に、鉄塔の除去に取りかかって、この二つがクリアされれば開港ができるということになっておりますので、ただいまのところ鋭意空港公団を指導しながら、地元であります茨城県あるいは地元の関係町村と協議を進めながら、一日も早い開港を目指して努力をいたしておるということが状況でございます。
 なお、これに関連しまして、羽田空港をもっともっと海側に拡張すれば、あそこで使えるではないかという御意見もときどき出ておりますし、また、かつて運輸省がコンサルタントに羽田空港の拡張についてもいろいろ調査を依頼し、その調査の結果の資料も手に持っておるわけでございますが、現在の羽田では年間回数十七万回くらいが限度でございまして、いかにこれを拡張いたしましても二十万ちょっと超える程度の能力しかございません。国際、国内と合わせまして三十万回以上の能力がありませんと今後の処理ができないわけでございますので、羽田を少しくらい拡張いたしましてもとてもそれを賄うことはできませんし、なお、仮に羽田の空港だけはそれだけの能力ができるといたしましても上空の飛行区域の問題で、西にコンビナート地区がありますし、また、西北にかけてずっと家屋の密集地帯がございますので、そういう点から申しましても、羽田を単に拡張しても、国際、国内両方に今後の輸送需要にこたえるような設備をやり、また飛行可能にすることは不可能と断定をいたしておるわけでございます。
#35
○宮崎委員 わかりました。新東京国際空港につきましては、その隘路を打開して一日も早く開港できるように、強力に御指導を願いたいと思うわけでございます。
 次に、関西空港でございますが、これはまだ計画調査の段階でなかなかはかどらないと聞いておるわけでございます。伊丹の空港がああいったことになっておりますので、こちらの方も地元との折衝と申しますか、調査といいますか、そういったことにつきまして強力にお進め願いたい。これは要望だけしておきます。
 最後に、こういった海運不況でございますので、国内の造船所が仕事がなくて非常に困っているようでございますが、大臣の所信表明の中にも、造船工業に対しては強力な手を打つというふうに書いてございますが、御存じの限り、造船の現況と、そして対策をどうするのだということを簡単に御説明願いたいと思います。
#36
○内田政府委員 御指摘のとおり、いま造船業はこれからますます不況という状況に入っておるわけであります。たとえば大手の造船所では、現在までのところ、来年度は工事量で約六〇%ぐらいで、再来年度に入ると恐らく四〇%ぐらいになるだろうということでございます。それから中小の造船所につきましては、さしあたりは一応の工事量というものは持っておるわけでございますけれども、再来年以降は大手と同様相当厳しい状況になるという見通しでございます。
 そこで、当面さしあたりといたしましては、先ほど大臣から御説明がございましたように、輸出入銀行の延べ払いに対する資金枠の確保というようなことを初めといたしまして金融面での措置、それから雇用保険法による雇用調整給付金の制度の適用等、さしあたりの対策はとっておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この不況というものは相当長期になるということでございまして、現在海運造船合理化審議会で長期需要の見通しをせっかくやっていただいているところでございます。
 この御答申が近く得られるということでございまして、この結果をいただきまして、長期的にかつ構造的に日本の造船業全体の問題につきまして一つの対策を樹立し、金融面あるいは雇用面等についての抜本的な対策が必要かというふうに考えておるわけでございます。
#37
○宮崎委員 では、造船につきましては万全の対策を講ぜられるようにお願いをいたしまして、私の質問をこれで終わります。
#38
○中川委員長 次回は、明三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
    正午散会
ソース: 国立国会図書館
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