くにさくロゴ
1975/03/05 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 運輸委員会 第4号
姉妹サイト
 
1975/03/05 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 運輸委員会 第4号

#1
第077回国会 運輸委員会 第4号
昭和五十一年三月五日(金曜日)
    午後四時三分開議
 出席委員
   委員長 中川 一郎君
  理事 江藤 隆美君 理事 小此木彦三郎君
   理事 加藤 六月君 理事 西銘 順治君
   理事 増岡 博之君 理事 斉藤 正男君
   理事 三浦  久君
      佐藤 文生君    田村  元君
      徳安 實藏君    中村 寅太君
      宮崎 茂一君    渡辺美智雄君
      太田 一夫君    久保 三郎君
      兒玉 末男君    梅田  勝君
      紺野与次郎君    石田幸四郎君
      松本 忠助君    河村  勝君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
 出席政府委員
        運輸省海運局長 後藤 茂也君
        運輸省船舶局長 内田  守君
        運輸省船員局長 高橋 全吉君
        運輸省鉄道監督
        局長      住田 正二君
        運輸省航空局長 中村 大造君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道副
        総裁      天坂 昌司君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月四日
 辞任         補欠選任
  河村  勝君     池田 禎治君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 禎治吾     河村  勝君
    ―――――――――――――
三月三日
 海洋汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三三号)
同月四日
 国鉄旅客運賃の値上げ反対等に関する請願外一
 件(紺野与次郎君紹介)(第七五九号)
 国鉄運賃の値上げ反対等に関する請願(島田琢
 郎君紹介)(第七九一号)
 同(美濃政市君紹介)(第七九二号)
 山陰本線等の輸送力増強に関する請願(松本忠
 助君紹介)(第七九三号)
 同(渡部一郎君紹介)(第七九四号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第八五四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関
 する件等(運輸行政の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○中川委員長 これより会議を開きます。
 この際、日本国有鉄道総裁及び副総裁から発言を求められておりますので、順次これを許します。高本日本国有鉄道総裁。
#3
○高木説明員 このたび日本国有鉄道の総裁を拝命いたしました高木文雄でございます。
 長い間大蔵省でおります際には先生方にいろいろお世話になっておったわけでございますが、国鉄のことは全く素人でございますので十分行き届きますかどうか、大変危惧をいたしております。しかしながら、御命令をお受けしました以上は、この難局でございますので、職員一同と一体となりまして一生懸命努力をいたします。先生方にもよろしく御指導を賜りますよう、この高い席からでございますが、お願いをいたす次第でございます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
#4
○中川委員長 天坂日本国有鉄道副総裁。
#5
○天坂説明員 本日副総裁を拝命いたしました天坂でございます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○中川委員長 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。河村勝君。
#7
○河村委員 運輸大臣の所信表明演説について二、三点お尋ねをいたします。
 初めに国鉄関係でありますが、国鉄再建問題はいずれ提案されるでありましょうから、そのときに改めて質問をさせていただきますが、とりあえず物の考え方についてお尋ねをしておきたいと思います。
 この日本国有鉄道再建対策要綱という五十年十二月三十一日の閣議了解によりますと、国鉄財政の再建は昭和五十一年度及び昭和五十二年度の二年間で収支の均衡の回復を図るということになっています。それで、ことし名目五〇%の運賃値上げの申請をされているわけであります。そうすると五十二年、明年で収支を均衡するためには、明年度は何%の運賃値上げを予定していますか。
#8
○木村国務大臣 二年という非常に短い期間で自立経営に持っていきたいというのが、いまお話しの閣議了解をとりました基本的な考え方でございます。従来は十年計画ということで二回にわたって計画を組んだわけでございますが、いずれも翌年あるいは翌々年ぐらいで計画の達成が不可能だということにならざるを得なかったということを反省いたしまして、長期にわたりますと経済事情の変動あるいはその他いろいろな変化がありましてなかなか計画どおりいかない、ことに、ますます国鉄の財政は逼迫いたしているので、今回は、短期間で収支の改善ができ、自立経営ができるようにということが骨子でございます。
 そこで、その再建の基本的な考え方は、運賃改定と、政府の助成と、国鉄内部のいろいろな経営の合理化なり近代化なりという従来のパターンは同じでございますが、ただ、政府も、過去債務等についてもたな上げ等の一層強力な措置をとっております。
 そこで、運賃改定でございますが、従来は適時適切な改定がなかなかできなかったということと、また、そのゆえに他の公共料金に比べましても非常に低位にあるという状況を勘案いたしまして、二年間で自立経営するために必要な運賃改定、つまり、利用者の負担における経営の改善という点でどの程度がよかろうかということを考えたわけでございます。そのままそっくり運賃改定で増収を図るということでございますと、ことし五十一年度名目五〇%――ことし一〇〇%にすればもうそれでいいのでございますが、そういう飛躍的なことはいろいろ影響がございますので五〇%と抑えたわけでございます。
 それで、第二年目を同じ考え方でいきますとやはり五〇%程度の運賃改定が必要でございますけれども、五十二年度の予算編成の時点までの間に今後の経済の動向がどういうふうになっていくか、あるいは国鉄の合理化がさらに具体的に詰めてみてどういうふうになるか、あるいは運賃収入以外に資産再評価の積立金を崩してこれに充てるか、いろいろなことが予想できますので、五十二年度の予算編成時期までにそういういろいろな状況を勘案いたしまして、五十二年度の運賃改定の幅はその時点で決めたい、かように現在は考えておるわけでございます。
#9
○河村委員 収支均衡というためには、経済動向がそう急に変わるわけではありませんし、それから、合理化が一年でそんなに効果が上がるものでもありません。だから、計数上の整理で資産再評価をするとかなんとかいうのは別の問題であります。そうすると、いま考えているような国の助成というものを前提とすれば、やはり五〇%の値上げということで試算をしているということですね。
#10
○木村国務大臣 そういう行き方で、二年間で自立経営も図り得るというのも一つの構想にはありますが、もうそれに決めておるわけではございません。
#11
○河村委員 あなたは、所信表明演説の中で、「国鉄が、現在の状況を打破して、わが国の総合交通体系において、その果たすべき役割を遂行し、」と言っていますね。総合交通体系の中での役割りということを言っているわけです。それと、ここでは言えないであろうけれども、ことし五〇%上げる、来年も大体五〇%を予定しておる。そういうことになると、総合交通体系との関係は一体どういうことになるのか。仮に五〇%、五〇%でなくても、似たようなことになれば、他の交通機関とのバランスというものはまるっきり崩れます。運賃の適正なバランスというものが総合交通体系の中の一番大きな要素なんです。でありますから、もし仮にそういう値上げをすれば、ことしでも実際に名目と実質との差がこのくらいで済むかどうかも多少疑問がある。明年度になれば、仮にもう一遍五〇%上げるというようなことになれば、貨物輸送なんというものはほとんど消えてしまうであろうという問題もあります。
 これは一体どうやって総合交通体系の中でバランスをとるつもりですか。
#12
○木村国務大臣 いまお話しのように、たとえば仮に五十二年度で貨物も旅客も同じように五〇%というふうに考えますというと、特に貨物の面におきましては、すでにもうシェアも一四%くらいに下がっており、それから、過去の運賃改定の時点におきましても逸走率がなかなかもとに戻っていないというような状況から考えますと、河村委員のお話しのように貨物にはかなり影響が出てくると思いますが、その点も総合交通という観点においても十分に考えていかなければなりません。したがって、先ほど申し上げましたように、五十二年度の予算編成時に運賃改定の幅を最終的にどうするかというときにはそういうこともやはり十分考慮しなければならない、このように思っております。
#13
○河村委員 いまあなたは貨物のことだけに触れましたけれども、旅客にしたところが、一〇〇%二年間で上がるということになれば、私鉄や何かとの比較で、旅客でもべらぼうな差になりますね。バランスをとるためには運賃を私鉄やトラックまで国鉄並みに上げてしまうか、そうでなければ公租公課を国鉄以外のところを重くしてバランスをとるか、どっちかしかないわけですね。いずれにしても、そういうようなかっこうで、もし予想されておるような形になれば、それは総合交通体系というものは完全に崩壊せざるを得ないと私は思います。あなたは来年のことはわからぬとおっしゃるのだから、きょうはこれ以上言ってもしようがないでしょう。だから、これは意見としてだけ申し上げておきましょう。
 もう一つ、政府の姿勢にかかわることを一つだけ伺っておきます。それは赤字ローカル線問題についてですが、この対策要綱では、「国の積極的な支援のもとに、」ということは書いてあるけれども、「国鉄の責任においてその取扱を検討する」ということになっておりますね。赤字ローカル線というのは、御承知のように、国鉄が企業として必要があってつくったものは一つもないですね。全部国の要請あるいは政治の要請によってつくられているものばかりですね。それをどう扱うかということは、責任を負うべきものは政治であり、政府であるはずですね。国鉄というのは商売をやっておるのですから、地元と折衝するといったって商売上の折衝しかできない。だからこそ、こういうものこそ政府が責任を負い、政府の責任においてやるべきものでしょう。これだけ崩壊したことの原因の中には、政府や政治が押しつけてやらせたものがたくさんあるはずだ。そういうものをこの段階になってまだ国鉄の責任においてやらせて、政府は横から応援するのだということは政府の態度としてとるべからざることだと私は思うのですけれども、どうですか。
#14
○木村国務大臣 国鉄線は全部国家の要望に従って建設し、運営しておるわけでございますが、特にその中で地方交通線が非常な赤字を出しておる。この対策につきましてはいろいろ方法があるわけでございますが、もちろんそれに対して政府は大いに応援をするというのがこの方針の基本的な考え方であります。
 そこで、言います国鉄の責任においてやるという意味は、たくさんあります赤字のひどい地方路線をどういうふうにするか、いろいろ考えられる方法があるわけでございますが、それらの方法をどう選択していくかというふうなことは国鉄自身が考える。もちろん政府も相談には乗りますけれども、たとえば廃止すべきであるとか、あるいは私鉄に払い下げるとか、地方公共団体に引き受けさせるとか、そういう方法の選択等については、運営をやっております国有鉄道が責任を持って考える。そして、その結果、たとえば私鉄に譲るとか、地方公共団体に引き受けさすとかいうふうなことになってまいりますと、それに必要ないろいろな措置については政府も十分応援するという意味で、国鉄の責任において処理するということなのでございまして、政府は協力も何も全然しないのだということでないことは御承知のとおりでございます。
#15
○河村委員 私は初めから協力も何もしないということを言ったわけではないのです。責任の所在を言っておるのですよ。あなたの前段の話はわかります。廃止すべきか、地方に委譲すべきか、どれを選択すべきか、それは国鉄にやらせる、それは結構でしょう。そこまでいったら、それで方向が決まったら、後は政府が責任を持って実行する、そうこなければつじつまが合わないのじゃないですか。そこのところも結局国鉄にやらせて、政府は応援をいたしますというのじゃ責任回避ですね。そうは思いませんか。
#16
○木村国務大臣 国鉄が処理について一つの方針を出しまして、国鉄がその方針に従ってそれを実現するのには責任を持ってやってもらう、それに政府が協力し、援助していくという方がこの処理に当たってはよりベターではないかというふうに考えておるわけでございます。
#17
○河村委員 全然ベターではないですよ。いままで国鉄がやっておるからできない。だからこそ、フランスとかイギリスなどでは、こういう在来線を廃止するとかなんとかいう場合は全部国が決め、国の責任においてやっておるのですよ。それでなければこんなものは絵にかいたもちになって、できやしません。どうもあなたの考え方はすべて、本当に割り切って、政府が責任を持ってこの再建計画を進めていこうという態度は見えない。国鉄に合理化その他の注文をつけるのは結構でしょう。それは国鉄のやるべきことですからね。だけれども、そのかわりに政府がやらなければできないことは政府が責任を負うというのが今回とるべき方法ですよね。きょうはまず、本当に出てくる前の考え方を聞くためにお尋ねしたのですからこの程度でやめておきますが、そこのところをもう一遍頭をクールにして出直さないとだめだということを警告しておきます。国鉄問題はそれでやめます。
 次に、東京国際空港の問題についてお尋ねをいたしますが、今度の所信表明演説の中で感じますことは、ここまで伸びてきた羽田の空港があれだけ過密になってどうしようもないという時期にあなたがことしの方針を示すわけですから、もうちょっとしっかりした中身があるものと期待しておりました。ところが、ここに書いてあるのは、「新東京国際空港につきましては、すでに当初の計画から四年以上経過し、」となっているが、四年というのはおかしいのじゃないですか。五年でしょう。あと半月くらいで五年でしょう。どうですか。
#18
○木村国務大臣 最初の目標が四十六年でございますので、おっしゃるように年度末になってくれば五年ということになるわけでございます。
#19
○河村委員 一番最初に行われたのは四十六年四月開港の告示ですよ。五年にあともう何日あるのですか。それをこういうところでごまかそうという魂胆、五年ではどうも長いから一年値切ろうという、そういう見えすいたことをやるのははなはだよろしくない。
 あなたは知らないで読んだかもしらぬが、航空局長、一体なぜ「四年」と書いたのか。
#20
○中村(大)政府委員 この方針を起案いたしました当時は確かに四年何カ月ということでございましたので、別に他意があって短く書いたというつもりは毛頭ございません。
#21
○河村委員 五年となるとひどく長い感じがするというので、あと何日かあるから四年ほどにしておけという、そういうへっぴり腰ではこの仕事は成就しない。だから、後も悪いでしょう。「当初の計画から四年以上経過し、最も憂慮にたえない」となっていて、これはあたりまえだけれども、「私は、現時点に立って開港の障害となっている問題につきまして、早急にこれを解決して、一刻も早く開港を達成すべく全力を挙げる所存であります。」と言っているが、去年と一つも変わらないじゃないですか。ここには何にも決意のほどがあらわれていないのです。一体いつ開港する決意で臨んでいるのですか。
#22
○木村国務大臣 これをその所信表明の中で書きますと相当詳細に長くなるわけでございますが、それでは、せっかくの機会でございますから、現状並びに今後の開港の見通し等について少し詳しく申し上げたいと思います。
 現在、開港までにネックになっておりますのは、航空機の使う油の燃料輸送の措置がまだ完成の見通しが立っていないということと、滑走路の延長上に飛行機が上昇しますときに支障になります反対妨害鉄塔がありますので、これを除去しなければならないということ、この二点であります。飛行場内は大体完成をしておりまして、飛行には支障のないところまでいっております。
 そこで、油の燃料輸送の問題でございますが、これも御承知のとおりでありますが、千葉からパイプラインで本格的に供給するというのには当初から時間がかかることはわかっておりましたので、三年間を期して暫定的に、鹿島港とそれから千葉港から鉄道輸送によりまして飛行場のすぐそばの土屋というところまで運んでくる。それで、土屋というところからは暫定パイプラインを飛行場内に設置いたしましてパイプで輸送するという計画を進めてまいりました。そこで、一番問題になりましたのは、鹿島港にタンカーで持ってきましてこれを中継する貯蔵タンクでございます。この建設につきまして地元の反対等がございまして、その話し合い等に非常に時間がかかっておりました。私が大臣に就任いたしましてからも、もっぱらこの問題の解決のために茨城県の協力を得、また、地元の説得等をいたしまして公団を指導しながらやってまいりまして、ようやく地元もこれを条件つきで認めるというところまでこぎつけたわけでございます。いま最終的な詰めをやっておりますので、恐らくもう一カ月内外のうちに解決をすると考えておるわけでございます。
 それから、妨害鉄塔の除去があるわけでございまして、これも、燃料輸送の問題の目鼻がつきますとこの除去に着手しなければなりません。
 この二つの問題が解決をいたしますと、あと完成検査等いろいろな細かい手順はありますけれども、まずテストフライトができるということになりますので、そういう手順を今後できるだけ早く詰めまして、少なくともことしじゅうにはテストフライトからスタートをして開港へと持っていくように最後の努力を注ぎたい、かように考えておるわけでございます。
#23
○河村委員 少なくともことしじゅうには開港したいということですね。
#24
○木村国務大臣 そういう強い希望を持って現在努力をいたしております。
#25
○河村委員 あなたが言う場合には、「強い決意」と言うならわかるけれども、「希望」というのはよその人が言うことです。一体どっちですか。
#26
○木村国務大臣 決意を持って、また希望を持ってやっております。
#27
○河村委員 この成田問題というのは歴史が古いので、いまから蒸し返すつもりはありませんけれども、それは最初富里に決めておったのを反対があるからといって成田に持ってきた、そこのところに根本原因があるので、要するに反対すれば移るのだという例をつくればどこに持っていったって反対するのはあたりまえであって、根本は政府の無策によるところであることは明白である。そういう意味で私どもは非常に強い批判を持っているけれども、しかし、現実に羽田が過密であり、これだけ国民の税金を使って資本投下をしてここまできたものを遊ばしておくのは、いまの段階ではなお罪悪だ。だから、一日も早く開港すべしというのがわれわれの意見であります。
 だからお尋ねをするのだけれども、この滑走路南端にあります妨害鉄塔二本ですか、これの撤去の段取りというものはいま一体どの程度まで進んでいて、どういう手順でこれをやるつもりですか。
#28
○中村(大)政府委員 撤去の手順といたしましては、まず、この鉄塔を設置した者に対して撤去の要求を正式にいたすところから始まろうと思います。もしそれに応じない場合には所要の法的手続を講ずるわけでございまして、そういうすべての方法について関係方面ともいろいろ協議をして検討いたしておるということでございます。
 具体的には、撤去の手順の前に、大臣から御説明申し上げましたように、燃料輸送の方法について、まずこの確実な実現を見るということが先決でございまして、しかる後に鉄塔の除去についての手続を進めてまいりたいと思っております。
#29
○河村委員 いままでの経緯を見ても、おとなしく鉄塔撤去に応ずるはずはありませんね。ですから、仮定ではなくて、実際にどうやって法的な撤去手段を講ずるかという段階になるはずですね。それは撤去のための仮処分でしょう。それには、仮処分のためには緊急性の立証がなければならない。開港予定日が決まらないでは緊急性というものは証明できないですね。だから、十二月いっぱいにやるのは希望だなんて言ったのじゃ仮処分ができないでしょう。どうするのですか。
#30
○中村(大)政府委員 先ほど申し上げましたように、まず、燃料輸送についての確実な方法を確立するということであろうと思います。しかる後に開港予定というものがそこから具体的に起算されることになりますので、そこで鉄塔除去の緊急性というものが具体的に発生してくるということに相なるかと思います。
#31
○河村委員 そういうことですね。ですから、とりあえず暫定輸送の鹿島からのルートがいつまでにできるかということが当面の問題であるということはわかりました。
 さっき大臣は一カ月以内ぐらいに片づくであろうと言っていましたね。いまいろいろな話をしておられるようであるが、問題は二つありますね。一つは首都圏整備法に関する問題で、それからもう一つは消防法に基づく地元の議会の承認で、二つあるわけですね。これはどういうふうに進行していますか。
#32
○中村(大)政府委員 先生の御指摘の点と、それから鹿島、神栖等の地元の町からいわゆる安全対策等についていろいろな要望がございまして、それをどのように国として受けとめるかということとは先生の御指摘の消防法の許可ないしは首都圏整備法の承認ということとが相関連するわけでございますので、そういう点について、できるだけ早い機会にそういう問題について解決をしたい、と、大臣はこういうふうに申し上げたと思います。
#33
○河村委員 ですから、具体的な最後の条件の問題は一応後にしましょう。法律問題とは別の地元のいろいろな条件がいろいろとあるようですが、それは後に残して、この首都圏整備法の関係と消防法の関係ですね。この辺はどこまで話がまとまっているのか、その点はどうですか、聞かせてください。
#34
○中村(大)政府委員 これは具体的に鹿島港において中継基地をどのように整備するかという、その方法と関連いたすわけでございまして、どのように具体的にその方法をとるかということを現在詰めておるわけで、したがって、その方法が確立いたしますと、それに従っていわゆる首都圏整備法なり消防法の手続が始まる、こういうことだと思います。
#35
○河村委員 何かよくわからないような答弁だけれども、結局それじゃ法律外の付帯条件ができる、できないによってこの法律問題も片づく、それがまとまれば片づく、こういうことなんですか。
#36
○中村(大)政府委員 地元対策等の付帯条件とあわせまして、具体的に鹿島港にどのようなかっこうで――具体的に言えばいわゆる貯蔵タンクでございますけれども、その中継方法を、現在ある施設との関連でどのようなかっこうでこれを活用していくかという具体的な方法について現在最後の詰めをいたしておりますので、その方法が確立いたしますれば、その後で手続として消防法なり首都圏整備法の手続が始まる、こういうことであります。
#37
○河村委員 前段の方はわかりました。タンク三基をつけるわけですね。それについての取り扱いの問題ですね。それと違うのですか。
#38
○中村(大)政府委員 そのタンク三基をつくるということも含めまして、それはいわば鹿島港における石油の燃料の中継のための必要な施設になるわけでございます。したがって、それをどのようなかっこうでその方法を講ずるかということを最終的にいま決めようということでございます。いずれにしても、そのための所要の手続というものは消防法の許可なりあるいは首都圏整備法の承認というものがかかってくるわけでございますけれども、その場合に、具体的に先生の御指摘のようなタンク三基をつくるということになるのか、要するにその辺をいま具体的な方法を詰めておるということでございます。
#39
○河村委員 何かもうろうとしていてよくわからないのですけれども、いろいろな付帯条件がついていると言うが、これは私は新聞で聞いているので、私の聞いているのは正確かどうか知りませんが、神栖町に鉄道を乗り入れろとか、あるいは鹿島港を商業港にしろとか、何かかなり大きな条件が提示されているというふうに聞いていますが、もし事実であれば、そういうものが短時日に解決をするのですか。
#40
○木村国務大臣 その問題につきましては、茨城県の方で、鹿島、神栖等からのそういういろいろな要望事項についていま一応検討をしてもらっております。詳細な内容等も県でいろいろ検討しておりますので、その後運輸省としても今度は県と十分相談することになろうと思いますが、できるだけ県の方でこれをうまくまとめていただきまして――もちろんその間運輸省としても連絡を密接にいたしますが、いまそういう段階にあるわけでございます。
#41
○河村委員 それじゃとても一カ月以内にまとまるとは思えませんね。
 それから、もう一つ大きな条件があるはずですね。暫定輸送三年とさっきあなたはおっしゃったが、すると、暫定輸送三年というのは、これは地元とはっきり約束をするということが条件ですか。
#42
○木村国務大臣 そのとおりでございまして、その約束の方法が、昨年、開港後三年以内に本格的な輸送に切りかえるという閣議決定をいたしまして、政府の決心を明確にいたしまして、地元と約束をしたということでございます。
#43
○河村委員 そうすると、千葉から本格的にパイプラインを成田まで引っ張る、これを三年でやるという自信がおありですか。
#44
○木村国務大臣 どうしてもそうしなければならないという決意を持って進めます。
#45
○河村委員 大体見当はわかりました。
 あと、アクセスの問題ですけれども、これは一体どうなっておるのですか。成田の新幹線、これはもう放棄したわけですか。
#46
○木村国務大臣 アクセスの問題が次に出てくる大きな問題であることは十分承知をいたしております。その中で、国鉄の新幹線は実施計画がもうすでに大分前に決まりまして、現在、いまの国鉄成田駅の近くまではいろいろと調査等も進めておるわけでございますが、東京都の範囲におきまして地元となかなか話し合いがつかないということで、現在はかどっておらないということが率直な実情でございます。しかし、首都高速、あるいは京葉、あるいは東関東自動車道というふうな道路もできておりますし、京成電車はすでに空港の地下にターミナルをつくっておりますし、いまそういうふうな他の輸送力で――今後成田の利用が相当ふえるというふうに考えておりますけれども、当座はそれで賄い得るようにしなければいけませんし、また、それでしのいでいきまして、新幹線建設は決して放棄をしておるわけではございません。何せ、地元との話し合いがなかなか進まぬものですから停滞をいたしておりますけれども、これもやる決意でございます。
#47
○河村委員 東関東自動車道から京葉を通って首都高速道路に入るというルートで、通常何時間で東京都心まで入れますか。
#48
○木村国務大臣 私も一遍そのコースで通ったことがありますが、時間帯によって違いますけれども、一時間半から二時間近くかかるが、すいているときはもっと速いと思います。
#49
○河村委員 京成電車の上野−成田間は何時間ですか。
#50
○中村(大)政府委員 一時間でございます。
#51
○河村委員 非常に心細い輸送力ですね。だんだん航空機が速くなってくるに従って、空港に着いてから東京に入る方がよっぽど時間がかかるというようなことに相なる危険性が多分にある。
 それで、乗客も乗客であるけれども、そうなりますと、乗務員の東京のホテルその他との連絡とかあるいは羽田との連絡とか、あるいは国内線への乗りかえ客が羽田に行くこととか、こういう問題について、新幹線で短時間でつなければまだ可能だけれども、こういうアクセスの問題が十分に解決しないままで開港していくと、羽田との乗りかえとか、乗務員の引き継ぎというか、乗務のための輸送とか、こういうものに相当大きな支障が出るだろうと私は思う。それをいまからどう考えていくか、これを考えておかないと、さしずめその辺に問題ができると思うが、どう考えておりますか。
#52
○中村(大)政府委員 御指摘のように、このアクセスの問題、騒音対策、その他、先ほど申し上げました大きな二つの点のほかにいろいろ解決しなければならない問題があるわけでございますが、アクセス対策については、きわめて残念ではございますけれども、開港当時は現在の施設の活用ということでこれを賄う以外にはやはりないのではないかというふうに思います。
 国内線との連絡方法をどうするかということでございますけれども、これについては、成田空港をどのように活用するかという、使用方法との具体的な関連がございますので、この点は開港までに具体的に検討して決定し得ると思っております。
#53
○河村委員 開港までにと言うけれども、少なくともことしじゅうに開港したいということであれば、今度は五年を四年にとごまかしたりするわけにはいかないのであって、もう何カ月しか残っていないわけであります。いまからはっきりしたプランがなければ間に合いはしないでしょう。とにかく、開港するのに精いっぱいでほかのことは何も考えられませんというようなことでは、国際旅客に対する多大な迷惑になるわけですね。
 同時に、国際航空会社のことで、日本の場合には何とかなるかもしらぬけれども、外国の飛行機会社の乗務員なんというものはたちどころにえらい迷惑をこうむるわけだが、その辺を一体どう考えるのですか。STOLで運搬するというような方法もあるでしょうし、いろいろなことがあると思うけれども、一体その辺をどう考えるのか。いま腹案がないというのは無責任だと私は思うけれども、いかがですか。
#54
○中村(大)政府委員 いろいろ検討はいたしておるわけでございますけれども、いずれにしても、端的に申し上げますと、暫定輸送の方法についての見通しが立ちませんと具体的な開港の見通しが立たないわけでございますが、逆に言いますと、大臣が先ほど申し上げましたように、ここ一、二カ月の間に暫定輸送についての確たる方針が確定いたす予定でございます。そういたしますれば、一方で鉄塔の除去ということがあるわけでございますけれども、現在までいろいろ検討をいたしておりますわれわれの検討内容を至急詰めまして、先生の御指摘のような問題は解決していきたいと思います。
#55
○河村委員 伺っておりますと、とにかく当面の障害を除くのに精いっぱいで、開港してから満足のいくようないろいろな条件をつくるということには本当に頭が回らぬようですけれども、しかし、もうそう言ってはいられないでしょう。前々から運輸省の取り組み方というものが公団任せであって、これだけの大問題に本気で政府が取り組む姿勢がない。だからこんなに五年も延びるというような結果になっておる。これだけの国家的事業なのだから、運輸省はもちろんのこと政府自身が責任を持ってやるような体制をつくらなければならぬということを私は繰り返し言ってきたはずです。残念ながらなかなかそういう体制ができないのは大変遺憾でありますけれども、とにかくもう目前に控えているわけですから、もっと真剣に取り組むことを要望しておきます。
 時間も余りありませんが、あと海運、造船の不況対策ですね。この不況状態をどうするかということについて少しお尋ねをいたします。
 世界景気の後退で海運需要自体がうんと減ってきたということと同時に際立って目立つのは石油消費の後退で、そのためにタンカーの過剰状態が生じた。同時に、どんどんふえるだろうと思ってすでに船も既定の計画でどんどんできつつあるというようなところで、この海運、造船の不況というものが絡んで、両方とも急速にひどくなっているわけですね。
 そこで、この不況の状態というものを一体どういうふうに見ておるか。また、これからの近き将来の見通しについて大臣はどういうふうに考えておりますか。
#56
○木村国務大臣 御指摘のように、最近の経済不況とそれから油の価格の高騰が海運、造船に非常に大きな影響を与えておるわけでございまして、これから先、景気は徐々に回復線に向かってはおりますが、過去のかつてありましたような急速な回復は考えられません。したがって、きわめて徐々に景気はこれから回復してくるということをまず念頭に置かなければなりません。
 そういうふうなことで、造船所につきましても、当面まだ手持ちの工事量を持ってやっておるわけでございますけれども、もうすでに一部キャンセルが出てくるとか、あるいは計画の変更等契約の変更がいろいろと出てきてまいっております。四十九年度を中心にして考えますと、大手の造船会社の方は五十一年で六〇%、五十二年は四〇%ぐらいに減ってくるのではないか、それから中小造船はまあまあ五十一年度ぐらいまでは何とか持ちこたえ、五十二年度まで行き得るかというふうな、現状維持ができるかというふうなことでございまして、それから先の対策等につきましては、現在、海運造船合理化審議会に諮問をいたしまして、恐らくこの三月末ぐらいには一応の結論を出してもらえると思いますので、その答申を中心に今後の具対策を詰めてまいりたいと思っております。
 同時に、海運輸送の方も油の影響等でだんだん減ってきておりまして、油の輸送がだんだん減ってきておりますので、船員の対策として、その他のプラントの輸送でありますとか、あるいは液化燃料の輸送でありますとか、そういうふうな切りかえも指導してまいらなければならないと思っております。
 これらの細かい当面の方策につきましては事務当局の方から御説明申し上げますが、いずれにいたしましても、海運造船は、今後は、そう急速な、かつてのような夢はとても考えられない。じみちに、現在受けておりますところの影響の被害を最小限度にとめるように努力しながら今後の対策に備えていくように造船業者あるいは海運業者を指導しなければなりませんし、業者自体もそういう見通しのもとに十分対策を講ずるようにしてもらわなければいけないと思っております。
#57
○河村委員 造船について言いますと、大手は五十一年度いっぱいは手持ちはもちろんありますね。ですから、輸銀資金等の確保というようなことはやっておられるようだから、私も一応それでいいのだろうと思う。だけれども、中小造船業と下請、それから中小の関連という、こういうところはいま五十一年度いっぱいはいいというような見通しを大臣は述べられたが、実際はそうではなくて、もうすでに操業度が相当下がって一時帰休等がふえている状態だと私は思っているけれども、その辺は認識が違うようですが、そういうふうに楽観していていいのでしょうか。
#58
○内田政府委員 造船所の手持ち工事そのものは、むしろ五十一年度は大手よりも中小の方が工事量を持っておるわけでございます。いま先生が御指摘になりました下請と申しますのは大手の造船業の下請業がほとんどだと思いますが、大手といたしましては、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、五十一年度からさらに五十二年度あたりになりますと、これは大手、中手を問わずにだんだん厳しくなってくる。そういう何らかの縮小バランスに到達するために、合理化とか、そういう問題について、現在ある程度そういう方向に進んでおる。そういう面が大手の下請の整理の問題として現在少しあらわれてきているというのが実情だろうと思います。
#59
○河村委員 いま、雇用保険法に基づく雇用調整給付金の対象業種に指定されているのは、造船業そのものはなっていませんね。いまなっているのは何と何ですか。
#60
○内田政府委員 造船業そのものは、いま申しましたように、現在は手持ち工事量そのものは何とかやっていけるが、ただ、御指摘がありましたような下請等の整理がございますので、現在雇用調整給付金制度の指定業種になっておりますのは、まず、造船下請業のほとんどでございます。具体的に申しますと、船体ブロック製造業であるとか、あるいは造船下請の塗装業、足場業、仕上げ業、配管業、電装業等でございます。それからまた造船関連工業といたしまして、化学機械あるいはそれらの関連する装置製造業等十二業種が指定されておるわけでございます。
#61
○河村委員 当面は大体そのくらいのところで業種を追加しなくてもやれると、そういうふうに考えていますか。
#62
○内田政府委員 現在、ただいまはそういう状況でございますけれども、先ほど申しましたように、特に来年度あたりから相当厳しい状況になってくると考えておりますので、一つは、先ほど御説明いたしましたように、現在海運造船合理化審議会で長期の見通しの御審議をお願いしているところでございまして、それらの御答申を得て、長期的な対策の中でいま申し上げました雇用問題について一歩進めることが必要になろうかと思います。
 それから、また、その御答申とは別に、造船業のこれからの状況を見まして、必要な措置につきましては関係省庁とも協議して進めていきたい、こういうふうに考えております。
#63
○河村委員 海運関係で伺っておきたいのですが、現状ではまだいままで発注した船ができつつありますから船腹量は動いているのでしょうけれども、船腹の需給関係ですが、過剰のトン数というのは今年度で大体どのくらいと見ていますか。タンカーに限ってでいいです。
#64
○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。
 まず、タンカーの世界全体の傾向でございますが、いろいろな調査がございますが、ただいま、ことしの二月の調査機関の調査で約四千七百万重量トンのタンカーが世界で係船されておるという資料がございます。大ざっぱに計算をいたしますと、この係船量四千七百万重量トンは世界の総タンカー船腹の約一七%に当たります。このほかに、きわめてデータをつかまえにくいのでございますけれども、現在走っておりますタンカーは従来のスピードに比べまして相当にスピードを落として運航しておる例が多いようでございまして、この、従来よりもスピードを落としていることによって船腹を調整する機能がどの程度に果たされているかについては議論がございます。一説には大体それで世界的には四千万トンくらいあるのではないかということは言われております。
 これを申しますと、係船されておりますものが四千七百万トン、スピードが落ちているとか、その他沖待ちの期間がいままでよりも長くなっているというようなことでまた四千万トン、比率にいたしまして三割弱のタンカーが世界的にはただいまのところ余剰状態であるというふうに考えられます。
#65
○河村委員 日本の場合、現在係船をしているのは何トンぐらいですか。
#66
○後藤(茂)政府委員 網羅的にきちっとした計数を把握できておりませんが、日本の六中核体が保有し、または外国から用船しておりまして、本来ならば運航するべき性格のタンカーのうち、現在日本の近海あるいは外国で係船をされておりますものは大体二百九十万重量トンでございまして、それは六中核体全体が持っております運航すべきもののトン数が三千三百万重量トン。したがいまして、約八%程度が係船されておるということになっております。
#67
○河村委員 世界レベルに比べると日本の場合は係船が非常に少ないわけですね。半分以下ですね。その原因として、日本の場合は、いま係船をしても船員給与がさっぱり節減にならない、だからやりにくいというようなことが一般に言われていますけれども、その点はどういうふうになっておりますか。
#68
○高橋(全)政府委員 御指摘の係船といいますと、一つには、船舶安全法上の手続をしまして船舶検査証書を返還する場合がございます。これをわれわれは法的には係船と言っております。この場合には、全部船員をおろしまして、保安要員としてわずかの人間を乗せておくということでございますが、そのほかに、荷主が見つからないので長期停船をしておる、大体これは三カ月とか六カ月とかいう場合ですと別に船舶検査証書を返還いたしませんから通常の船員が乗っておる、こういうことでございます。したがいまして、船舶航行時のいろいろの手当というものはもちろん支給されないかもしれませんけれども、一般の基本給その他通常の給料は支給される、こういうことになろうかと思います。
#69
○河村委員 そこで、雇用保険法であれば雇用調整給付金制度がありますが、しかし、船員保険法にはありませんね。これは一体どう考えるのか。この不況状態というのはかなり続くと思う。したがって、係船ということを可能にする条件というものをつくっていかなければならない。その辺、船員保険法で雇用保険法に基づく調整給付金と同じものが一体できるのかできないのか。それが私にはよくわからないのだけれども、代用すべきものがあるのかないのか、あるとすればそれはどういうふうにやっておるのか、それを聞かせてほしい。
#70
○高橋(全)政府委員 いま御指摘の雇用保険法は陸上の労働者に適用されまして、これは船員には適用されておりません。これは法の六条の三号に規定されております。
 しからば、船員に対してはこういう制度がないのかといういまの御質問でございますが、実は、船員保険で適用できるように運輸省と社会保険庁との覚書がございますが、それで、その前提となりますのが、陸上でもやっておりますけれども、労使の書面による協定が必要なんでございます。したがって、陸上におきましてもそういう書面を出させまして、それでどの範囲を休業員として認めるかということですが、特に、船員の場合には予備員制度というのがございます。したがいまして、この休業員と予備員とはどこで区分したらいいかというような問題が起こります。それから、これは船員保険の福祉施設費というところから支出しようということで相談はできておるわけでございますが、いま申し上げましたように、前提となります労使の協定がない限り適用できない、こういうことでございます。
#71
○河村委員 そうすると、労使の協定さえあれば、給付の内容と給付期間の七十五日も全く変わらずにやれると理解してよろしいのか。
#72
○高橋(全)政府委員 運輸省と社会保険庁との覚書でそういうふうになっております。
#73
○河村委員 時間ですから最後に一つだけ伺いますが、昨年の十月にロンドンで民間のタンカー業界の会議があって、そこでいろいろなタンカー不況対策についての議論がありましたね。その中で専用バラストタンクをつくるということが一つの問題になっています。これは海洋汚染問題からスタートをしたもので、不況対策でできたものではありませんけれども、これを積極的に在来船にも義務づけるということによって、どうせ海洋汚染問題解決にはやるべきものですから、これを機会にこれを解決するという方法があろうかと思う。しかし、これをやろうとすれば相当な負担がかかりますから国が応援をしなければできないと思うけれども、この点は一体どういうふうに考えておられるか、それを最後に伺いたい。
#74
○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘の専用バラストタンクを現在すでにできておりますタンカーに設置することによりまして、もちろん環境問題の改善ということをねらいつつ、その波及的な効果として全体としての船腹調整的な効果をねらうということは一つの名案であり、真剣にその具体策を探究すべきであると私どもは思っております。
 ただ、この案につきましては、世界のいろいろな形のタンカー船主と、また、それが石油屋さんとの間に結んでおりますそれぞれの契約の態様といったようなものにつきまして、実際に長期の契約を結んでレートを決めて、それで動いておりますタンカーを後になってから収容力を減らすわけでございますから、その改造に伴う経費の支出はともかく、そのことによります損失の負担をどのように帰属させるかというようなことにつきましてきわめて複雑なる利害の対立がございます。
 実は、日本の国内におきましても、そのことについては必ずしも関係者が全員一致してこれを支持し、推進するという空気ではございません。ただ、しかし、これはいろいろな利害調整の必要がございますけれども、私どもといたしましては、仮に世界的にそれが実現した場合の効果というものを念頭に置きまして、極力そういったような方向で議論を整理し、統一的な考え方というものをまとめるように努力すべきであろうと思っております。
#75
○河村委員 終わります。
#76
○中川委員長 次回は、来る九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト