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1975/05/11 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 農林水産委員会 第8号
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1975/05/11 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第077回国会 農林水産委員会 第8号
昭和五十一年五月十一日(火曜日)
   午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 湊  徹郎君
   理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君
   理事 島田 安夫君 理事 菅波  茂君
   理事 山崎平八郎君 理事 井上  泉君
   理事 角屋堅次郎君 理事 中川利三郎君
      足立 篤郎君    上田 茂行君
      江藤 隆美君    加藤 紘一君
      金子 岩三君    吉川 久衛君
      佐々木秀世君    染谷  誠君
      丹羽 兵助君    藤本 孝雄君
      森下 元晴君    柴田 健治君
      島田 琢郎君    竹内  猛君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      馬場  昇君    美濃 政市君
      諫山  博君    津川 武一君
      瀬野栄次郎君    稲富 稜人君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 安倍晋太郎君
 出席政府委員
        農林大臣官房長 森  整治君
        農林省農林経済
        局長      吉岡  裕君
        農林省構造改善
        局長      岡安  誠君
        農林省食品流通
        局長      今村 宣夫君
 委員外の出席者
        厚生省年金局企
        画課長     持永 和見君
        労働省労働基準
        局監督課長   倉橋 義定君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
五月十日
 昭和五十一年産米の事前売渡限度数量の増枠に
 関する請願(芳賀貢君紹介)(第四三〇一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二一号)
 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第四九号)
 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五〇号)
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
     ――――◇―――――
#2
○湊委員長 これより会議を開きます。
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。安倍農林大臣。
    ―――――――――――――
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案
 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改
  正する法律案
 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
  共済組合からの年金の額の改定に関する法律
  等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○安倍国務大臣 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農業者年金制度は、農業者の経営移譲及び老齢について必要な年金の給付を行うことによって、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するとともに、農業者の老後生活の安定と福祉の向上に資することを目的として、昭和四十六年一月に発足したものであります。
 本制度につきましては、昭和四十九年度に年金給付水準の引き上げ等を内容とする制度の改善充実が図られたところでありますが、その後における農業をめぐる諸情勢に変化が見られること、厚生年金保険、国民年金等の公的年金制度において制度の改善充実が図られようとしていること等にかんがみ、年金給付水準の引き上げ等を中心に、速やかに制度の改善充実を図る必要が生じておりますので、今回、本制度の改正を行うこととし、この法律案を提出いたした次第であります。
 次にこの法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、年金額の引き上げであります。経営移譲年金及び農業者老齢年金の年金額につきましては、前回の制度改正以後における農業所得の推移と厚生年金及び国民年金における給付水準の改善の状況を総合的に勘案して、現行の一・四八倍に引き上げることとし、これにより農業者年金制度がねらいとする政策的効果を上げ得るようにいたしております。
 第二に、保険料の額の改定であります。今回、年金額の引き上げを行うこと等に伴いまして、年金財政の収支の均衡を確保するためには、保険料の額についても相当な引き上げが必要となるのでありますが、農業者の負担能力等を勘案いたしまして急激な負担の増高を緩和することとし、昭和五十二年一月から十二月までの保険料の額は、給付水準の引き上げ率と同率の引き上げとし、以後段階的に引き上げることといたしております。
 第三に、農業後継者に対する措置であります。その第一点は、農業後継者の育成確保を図り、後継者に対する経営移譲の促進に資する見地から、今後における農業生産の中核的担い手となることが期待される特定の後継者につきましては、保険料を三割程度軽減することとし、その軽減については、これらの加入後継者に係るいわゆる拠出時の国庫補助の割合を引き上げることといたしております。
 後継者に対する措置の第二点といたしましては、適期における後継者への経営移譲がより円滑に行われるよう、経営移譲年金の支給要件である経営移譲の方法として後継者に対する使用収益権の設定による方法を認めることとし、経営移譲に係る支給要件の改善を図ることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 次に、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 現行農業災害補償制度につきましては、制度創設以来すでに三十年近くの歳月を経過しておりますが、その間に、この制度が災害対策として農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。
 しかしながら、農業災害補償制度の基盤となっている農業及び農村社会の実情は、近年、大きく変貌してまいっておりまして、これらに対応した制度の改善が各方面から強く要請されているのであります。政府におきましてもこれらの情勢にかんがみ、農業及び農業共済に関する学識経験者の意見を徴重に検討してまいりましたが、その結果、補償内容の充実と合理化を図ること、農業共済団体及び農業共済基金の運営の改善を図ることを旨として、農業災害補償制度の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず第一は、農作物共済の充実と合理化であります。
 その一は、補償水準の引上げでありまして、農作物共済の単位当たり共済金額は、従来、米麦の価格の九割を限度として定めていましたが、この限度を米麦の価格まで引き上げることとし、実損てん補割合の引き上げを図ることといたしております。
 その二は、引受方式の改善に関するものでありまして、現行の農作物共済には、耕地ごとに三割以上の被害があった場合に共済金を支払う一筆単位引受方式と農家ごとに二割以上の被害があった場合に共済金を支払う農家単位引受方式とがございますが、最近における被害の発生態様の変化等に対応して補償の合理化を図るため、これらの引受方式のほか、農家ごとに増収量と減収量を相殺して一割以上の被害があった場合に共済金を支払う農家単位引受方式を採用することができる道を開くことといたしております。
 その三は、水稲病害虫防除に関する共済金支払の特例の新設であります。
 近年における水稲の被害の発生態様の変化等にかんがみ、共同防除体制が確立した地域において病虫害が異常に発生した場合に、病害虫防除を共同して行ったときは、当分の間、その防除に要した費用のうち一定額を共済金として支払うことといたしております。
 第二は、蚕繭共済の充実であります。
 最近における養蚕経営の変化、養蚕技術の進歩、被害の発生態様の変化等に対応して、補償の充実を図るため、共済事故の拡大、補償限度の引き上げ、蚕期区分の導入等の措置を講ずることといたしております。
 第三ば、家畜共済の改善であります。
 近年における食糧需給の動向に対応して、生産の伸長の著しい肉豚を家畜共済の共済目的に加えることといたしますとともに、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみ、農家負担の軽減による加入の促進を図るため、牛及び種豚に係る共済掛金の国庫負担を大幅に引き上げるとともに肉豚についても共済掛金の国庫負担をすることといたしております。
 第四は、果樹共済の合理化であります。
 現行制度ば、気象上の原因による災害、病虫害等のすべての災害による果実の減収を共済事故としており、その選択を認めないこととなっておりますが、新たに果樹栽培経営の必要性に見合った共済事故の選択ができることとし、加入の促進を図ることといたしております。
 最後に、農業共済基金の業務範囲の拡大であります。
 現行の農業共済基金の業務は、保険金及び共済金の支払に必要な資金の貸し付け等に限られておりますが、農業災害補償事業の健全な運営に資するため、従来の業務に支障のない範囲内で、保険事業又は共済事業の円滑な実施のために必要な資金の貸し付け等の業務を追加することといたしております。
 なお、以上のほか、農業共済団体の組織運営の改善、家畜共済に係る組合等の手持責任の強化等所要の改善整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案を提出する理由及びその主要な内容であります。
 次に、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 野菜生産出荷安定法は、指定野菜について、野菜指定産地生産出荷近代化計画の制度、その価格の著しい低落に対処する野菜生産出荷安定資金協会の制度等を定め、その生産及び出荷の安定を図り、もって野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的として昭和四十一年に制定されました。本法に基づく野菜生産出荷安定制度については、年々その対象野菜、対象地域等の拡大、価格補てん事業の内容充実等を行ってきたところであります。
 しかしながら、野菜の消費の多様化及び平準化、流通の広域化の進展等最近における野菜に関する諸事情の変化に対応して、野菜の供給の安定を図ることが急務となっておりますので、制度の対象となる消費地域の拡大及び野菜供給安定対策の実施体制の整備等を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、指定消費地域の要件の改正であります。従来、指定消費地域は、人口の集中の著しい大都市及びその周辺の地域に限られておりましたが、これを、今回、野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市及びその周辺の地域に改めることといたしております。これにより、価格補てん事業の対象となる出荷先である消費地域を拡大し、当該地域における野菜の供給の安定を図ろうとするものであります。
 第二は、野菜供給安定基金の設備であります。本基金は、野菜生産出荷安定資金協会と昭和四十七年以降消費地域において需給の不均衡に直接対処する事業を行ってきた財団法人野菜価格安定基金の機能を統合した上、新たな業務をも行うこととして設けられるものでありまして、野菜の生産、流通及び消費について学識経験を有する者の発意により設立される法人としております。
 本基金は、既存の二法人が行ってきた指定野菜の価格補てんの業務、野菜の買入れ、保管及び売り渡しの業務、野菜の保管施設の設置及び管理の業務等に加えて、新たに、指定野菜及びこれに準ずる重要な野菜を対象として都道府県の法人が行う価格補てん事業に対する助成の業務等を行うことといたしております。
 本基金の行う指定野菜の価格補てん事業につきましては、本基金の登録を受けた出荷団体を通じて生産者補給金を交付することといたしております。
 また、本基金に評議員会を設けてその運営に関する重要事項を審議させることとする等の規定を設けております。
 このほか、野菜供給安定基金の設立に伴い、野菜生産出荷定安資金協会及び財団法人野菜価格安定基金はその一切の権利義務を新基金に承継して解散することとする等所要の規定を整備しております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農林漁業団体職員共済組合制度は、農林漁業団体職員の福利厚生の向上を図り、農林漁業団体の円滑な運営に資するための制度として実施され、その給付内容も逐次改善を見てまいりました。
 今回の改正は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度の改善に準じて、既裁定年金の額の引上げ、最低保障額の引上げ等により給付水準の引き上げを行うとともに、障害給付及び遺族給付につきまして各種の改善措置を講じようとするものであります。
 まず、既裁定年金の額の引上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を昭和五十一年七月分以後、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げることにより年金額の引き上げを行おうとするものでありますが、本年度は特にいわゆる上薄下厚方式により年金額の低い者に有利な改定を行うことを内容としております。なお、この措置とあわせて、退職年金等の最低保障額の引き上げを行っております。
 次に、障害給付の改善措置であります。これは、職務によらない障害年金及び障害一時金に係る受給資格期間につき、新たに他の公的年金制度の加入期間を通算することとするほか、障害年金の廃疾認定日の繰り上げを行おうとするものであります。
 第三に、遺族給付の改善措置であります。これは、職務によらない遺族年金の受給資格期間につき障害給付の場合と同様、新たに他の公的年金制度の加入期間の通算措置を講ずるとともに、寡婦加算制度を創設し、老齢または子のある寡婦に係る遺族年金に一定額を加算することとするほか、従来からの扶養加算の額について増額しようとするものであります。また、通算遺族年金制度を創設し、通算退職年金の受給権者が死亡した場合には、その遺族に通算遺族年金を支給することといたしております。
 最後に、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の上下限の引き上げを行うこととしたしております。
 その他、恩給制度及び国家公務員共済組合制度等の改善に準じ、所要の改善措置を講ずることといたしております。
 なお、実施の時期につきましては、一部の規定を除き、昭和五十一年七月一日及び同年八月一日といたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#4
○湊委員長 引き続き、各案について順次補足説明を聴取いたします。岡安構造改善局長。
#5
○岡安政府委員 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 第一に年金額の引き上げであります。
 まず、経営移譲年金の額につきましては、保険料納付済み期間一月につき、現行は六十歳から六十四歳までが千七百六十円、六十五歳以後は百七十六円でありますが、これをそれぞれ、二千六百円及び二百六十円といずれも現行の一・四八倍に引き上げております。
 これにより、六十歳から六十四歳までの間に支給される経営移譲年金の額は、二十八年加入者に例をとれば月額四万九千二百八十円から月額七万二千八百円に引き上げられます。また、本年から支給が開始されます五年加入者の場合には月額一万七千六百円から月額二万六千円に引き上げられることとなります。
 次に農業者老齢年金の額につきましても、保険料納付済み期間一月につき、現行は四百四十円でありますが、これも経営移譲年金と同様現行の一・四八倍とし、六百五十円とすることといたしております。
 第二に保険料の額の改定であります。昭和五十二年一月から十二月までの保険料の額につきましては、すでに提案理由において申し述べましたように、現行の保険料の額に年金給付水準の引き上げ率と同率の一・四八倍を乗じた二千四百五十円とし、以後、昭和五十三年一月から十二月までの保険料の額につきましては、一月につき二千八百七十円、昭和五十四年一月以後の保険料の額につきましては、一月につき三千二百九十円とすることといたしております。
 第三に農業後継者に対する措置であります。
 その第一点は、農業後継者の育成を図る見地からの保険料の軽減措置でありますが、この軽減措置は、三十五歳未満の者であって一定の要件に適合するものに適用することといたしております。軽減された保険料の額は昭和五十二年一月から十二月までの保険料の額につきましては、一月につき千七百五十円、昭和五十三年一月から十二月までの保険料の額につきましては、一月につき二千五十円、昭和五十四年一月以後の保険料の額につきましては、一月につき二千三百五十円とすることといたしております。
 なお、軽減された保険料につきましては、拠出時の国庫補助の割合を引き上げることとし、一般の保険料に係る国庫補助が十分の三であるのに対し、本措置により軽減された保険料に係る国庫補助につきましては、十分の五とすることといたしております。
 農業後継者に対する措置の第二点は、後継者に対する経営移譲の要件の改正でありますが、提案理由におきましても申し上げましたように、後継者に対する経営移譲の要件として所有権の移転による方法のほか、使用収益権の設定による方法を認めることにより経営移譲の円滑化を図ろうとするものであります。
 なお、本措置とあわせて支給停止に関する規定の整備も行うことといたしております。
 このほか、失跡宣告を受けた者に対する措置、年金額の端数処理に関する措置等所要の措置を講ずることといたしております。
 最後に、この制度改正の実施時期は、昭和五十二年一月一日からといたしております。
 以上をもちまして農業者年金基金法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終ります。
#6
○湊委員長 吉岡農林経済局長。
#7
○吉岡(裕)政府委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 まず第一に、農作物共済の充実と合理化に資するための措置について御説明申し上げます。
 その一は、補償水準の引き上げに関するものであります。
 現行の農作物共済において、災害を受けた際に支払われる共済金の額は、一筆単位引受方式にあっては、各耕地ごとに、基準収穫量の三割以上の減収があった場合に、また昭和四十七年に導入されたいわゆる半相殺の農家単位引受方式にあっては、農家ごとに、被害のあった耕地の減収量の合計がその農家の総基準収穫量の二割を超える場合に、それぞれその超えた数量に単位当たり共済金額を乗じて算出することとなっております。この場合の単位当たり共済金額は、米麦の価格の九割を限度として主務大臣が定めた金額のうちから選択することとなっております。
 改正案では、この場合の単位当たり共済金額の限度を米麦の価格の十割まで引き上げることといたしました。この結果、全損の場合の実損てん補割合は、最高の単位当たり共済金額を選択した場合、一筆単位引受方式では七割、いわゆる半相殺の農家単位引受方式では八割、次に述べます新しい方式の農家単位引受方式では九割となり、従来に比し相当程度補てん内容を充実し得るものと考えております。
 その二は、引受方式の改善に関するものであります。
 現行の引受方式は、一筆単位引受方式といわゆる半相殺の農家単位引受方式であり、そのいずれかを組合等が選択することになっておりますが、災害を受けた農家の所得を合理的に補てんするという本制度の目的に照らし、大きな災害に対し経済効用を十分に発揮する共済金の支払い方式として、新たに、農家単位で増収分と減収分とを相殺するいわゆる全相殺の農家単位引受方式を導入することといたしました。すなわち、近年普及が進みつつあるカントリーエレベーター等の施設を利用する等により農家ごとの収穫量を適正に把握できる地域においては、組合等の申請に基づき、農林大臣が地域を指定し、農家ごとの総基準収穫量から総収穫量を差し引いて得た数量が総基準収穫量の一割を超える場合に共済金を支払うことといたしております。
 なお、農家経営の安定及び制度の効率化を図る見地から、農家単位引受方式がより多くの組合等に導入されるとともに、この方式による共済事業が円滑に実施できるよう、本方式を導入した組合等の地域内の収穫皆無耕地については、農家単位引受方式によっては共済金が支払われないような場合であっても、当分の間、その耕地ごとに共済金を支払うことといたしました。
 その三は、水稲病虫害に対する損害防止給付に関する特例の新設であります。
 現行の農作物共済は、災害発生に伴う農作物の収穫量の減少について共済金を支払う方式をとっております。しかしながら、近年における水稲の被害発生態様を見ますと、耕種技術の改良、風水害の減少により、その被害量は全体としてかなり減少しているものの、病虫害による損害は相対的に増大する傾向にあること等にかんがみ、従来から、本制度における病虫害防止機能を拡充強化すべきである旨の強い要請があったのであります。このため、今回、共同防除体制が整備された地域において、病虫害が異常に発生し、組合員等がその病害虫の防除を共同して行ったときば、当分の間、その防除に要した農薬費、動力燃料費につき一定の限度で共済金を支払うことといたしました。
 このほか、農作物共済につきましては、水稲に係る病虫害の事故除外、いわゆる全相殺の農家単位引受方式及び水稲病虫害損害防止給付を農林大臣の指定する地域で行うこととしたことに伴い、組合等の区域内にこれらの地域が存する場合には、それにより区分される危険の程度に応じて共済掛金率等を定めるとともに、保険関係及び再保険関係もこの区分ごとに成立することといたしました。
 第二に、蚕繭共済の充実に資するための措置について御説明申し上げます。
 その一は、共済事故の拡充に関するものであります。
 近年、東北地方等の豪雪地帯を中心に、冬季間に桑の樹皮等が野鼠による食害を受け、その結果、桑葉が減収するといった被害が発生しておりますので、新たに、共済事故として桑葉の獣害による減収を加えることといたしました。
 なお、この共済事故は、現行の共済責任期間の始期である桑の発芽期より前の冬期間に多く発生いたしますので、この共済事故を選択する地域においては、共済責任期間の始期を前年の桑の落葉期まで早めることといたしました。
 その二は、蚕期区分の導入に関するものであります。
 近年、養蚕施設の効率的利用、労力の平準化を図る等のため、多回育養蚕が普及し、かつ、それが定着している地域がございますが、そのような地域におきましては、その経営実態に即応して共済目的に蚕期区分を設け、その区分ごとに共済金の支払い額を決定することといたしました。
 その三は、補償水準の引き上げに関するものであります。
 現行の蚕繭共済における単位当たり共済金額は、繭の価格の六割を標準として主務大臣の定める金額のうちから選択することとされておりますが、他の農業共済事業との均衡を考慮して、これを繭の価格の七割まで引き上げて、補償の充実を図ることといたしました。
 第三に、家畜共済の改善に関する措置について御説明申し上げます。
 その一は、共済目的の拡大であります。現行の家畜共済では、牛、馬及び種豚が共済目的となっておりますが、食肉資源に占める肉豚の重要性が高まりつつあること、肉豚の飼養形態が零細副業から多頭飼育へ変化したこと等にかんがみ、今回、家畜共済の共済目的に肉豚を加えるとともに、その共済事故を死亡とすることといたしました。なお、肉豚につきましては、従来の乳牛の雌、肉用牛、一般馬及び種豚と同様に包括共済対象家畜とし、加入農家が飼養する肉豚はすべて家畜共済に付されることといたしておりますが、飼養頭数が多数に及ぶ上、その飼養期間も短期間であること等にかんがみ、飼養区分ごとに引き受けと損害評価を行うよう諸規定を設け、その適正かつ効率的な運営を期しております。
 その二は、共済掛金の国庫負担の改善であります。
 現行の家畜共済の共済掛金国庫負担は、牛は、包括共済の場合原則五分の二とし、特に、飼養規模が、乳牛の雌に関しては三頭以上四十九頭以下の者、肉用牛に関しては三十九頭以下の者に対して二分の一とし、主として自給飼料によらないで乳牛の雌を飼養する者に対して三分の一とし、また、個別共済の場合五分の二としており、種豚は、三分の一を国庫が負担しております。
 以上述べました現行の共済掛金の国庫負担方式は、昭和四十六年における制度改正により定められたものでありますが、畜産振興の重要性及び最近における畜産経営の実態にかんがみ、今回、共済掛金の国庫負担を牛については二分の一、種豚については五分の二に引き上げるとともに、肉豚についても三分の一の国庫負担を行うことにより、農家負担の軽減による加入の促進を図り、畜産経営の安定に寄与することとした次第であります。
 その三は、組合等の共済責任の拡充であります。
 現行の家畜共済では、末端の共済事業を行う組合等は特別の事由のある場合を除き、その総共済金額のすべてを農業共済組合連合会の保険に付し、連合会は、これを県ごとに取りまとめた上、そのうちの一定部分を保留して、残りの部分を政府の再保険に付することになっておりますが、組合の区域の広域化に伴い家畜共済についても一般的に共済責任の一部を組合等に保有させる条件が整ってきたこと等にかんがみ、改正法案では共済責任のうち原則としてその一割を組合等において保留して、その残りの部分を連合会の保険及び政府の再保険に付することといたしました。この結果、農家の負担する掛金の一部が組合等に保留され、組合等の責任ある業務執行が期待されるところであります。
 第四に、果樹共済の合理化に関する措置について御説明申し上げます。
 現行制度においては、気象上の原因による災害、病虫害等のすべての災害による果実の減収を共済事故とし、加入者が共済事故を選択することは認めないこととなっておりますが、最近における果樹栽培技術の向上、果樹経営の実態等にかんがみ、果樹の栽培条件が一定基準に達した農家につきましては、たとえば病虫害といったその経営から見て必要性の少ない事故を共済事故から除外する旨組合等に対し申し出をすることができることとし、これに伴う掛金率の低下により、加入の促進を図ることといたしました。
 第五に、農業共済基金の業務及び組織の整備強化に関する措置について御説明申し上げます。
 まず、農業共済基金の業務範囲の拡充に関するものであります。
 現行の農業共済基金の業務は、農業共済組合連合会または組合等が保険金または共済金の支払いに不足を生じたときに資金の貸し付けまたは債務の保証を行うことに限られておりますが、近年における災害発生態様の変化により会員等の事業収支が改善され、農業共済基金の資金事情が好転していること等にかんがみ、今回、新たに従来の業務に支障のない範囲内において、会員等が保険事業または共済事業を円滑に執行するために必要とする資金について貸し付けまたは債務の保証の業務ができることといたしました。
 また、農業共済基金の組織につきましてもその事業執行体制を強化するとともに、運営委員会の構成等についての規定を整備することといたしました。
 以上のほか、農業共済団体の組織及び運営に関する規定を整備することとし、前述の組合等の区域の一部における事業実施に関する規定のほか、農業共済団体の自主的判断により、特定の場合に役員及び総代の選挙を省略できること等事業運営の円滑な推進を図るための改正をあわせて行うことといたしました。
 最後に、この制度改正の実施時期でありますが、準備期間等を考慮いたしまして、原則として昭和五十二年度からといたしております。
 以上をもちまして提案理由の補足説明を終わります。
#8
○湊委員長 次に、今村食品流通局長。
#9
○今村(宣)政府委員 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 第一は、指定消費地域の要件の改正であります。従来人口集中の著しい大都市及びその周辺の地域で政令で定めるものとされておりました指定消費地域を、野菜の消費上重要であり、かつ、相当の人口を有する都市及びその周辺の地域で政令で定めるものと改めることとし、相当規模の地方都市についても指定することができることといたします。
 第二は、野菜供給安定基金についてであります。
 野菜供給安定基金は、次の業務を行うこととしております。
 その一は、指定消費地域における指定野菜の価格の著しい低落があった場合において、基金の登録を受けた出荷団体を通ずる生産者補給金の交付を行うことであります。
 なお、この登録を受ける資格を有する出荷団体は、従来の野菜生産出荷安定資金協会の会員たる資格と同じく、指定野菜を野菜指定産地から指定消費地域に出荷する農業協同組合連合会等としております。
 その二は、指定消費地域における一定の指定野菜の安定的な供給を図るためのその買い入れ、保管及び売り渡しを行うことであります。すなわち、タマネギ等をあらかじめ買い入れておき、価格高騰時に売り渡すものであります。
 その三は、指定消費地域における野菜の安定的な供給を図るための保管施設、すなわち大規模低温貯蔵庫の設置及び管理を行うことであります。
 その四は、都道府県の公益法人が指定野菜及びこれに準ずる重要な野菜の安定的な供給を図るために行う価格補てんの事業で一定の要件を満たすものについての助成を行うことであります。
 そのほか、野菜の安定的な供給を図るため必要な業務等を行い得ることとしております。
 以下、業務に関する事項以外の野菜供給安定基金の概要を御説明申し上げます。
 設立につきましては、野菜供給安定基金は、野菜の生産、流通及び消費について学識経験を有する者七人以上が発起人となり、定款及び事業計画を農林大臣に提出して、設立の認可を申請し、所定の手続を経て成立することといたしております。
 管理に関しましては、野菜供給安定基金の役員の定数、任免等について定めるとともに、その運営に関する重要事項を審議する機関としての評議員会を置き、生産者と消費者の意向を調和して適正な運営を確保することとしております。
 このほか、財務及び会計に関する事項等を規定しております。
 第三は、野菜生産出荷安定資金協会及び財団法人野菜価格安定基金から野菜供給安定基金への権利義務の引き継ぎ等についてであります。
 野菜生産出荷安定資金協会及び昭和四十七年八月十六日に設立された財団法人野菜価格安定基金の一切の権利及び義務は、野菜供給安定基金の成立のときにおいて同基金に承継されるものとし、そのときにおいて、既存の二団体は解散することといたしております。
 このほか、施行期日に関する規定その他所要の規定を整備することといたしております。
 以上をもちまして、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
#10
○湊委員長 次に、吉岡農林経済局長。
#11
○吉岡(裕)政府委員 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
 まず第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、昭和四十九年度以前に給付事由が生じた退職年金、減額退職年金、障害年金、遺族年金及び通算退職年金につきまして、その年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として、七・九から一一・五%までの率で引き上げることにより年金額を引き上げることといたしております。なお、その改定時期につきましては、毎年度繰り上げてきており、本年度は、昭和五十一年七月といたしております。
 第二は、最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金につきまして、その年金額の水準が厚生年金保険の水準を下回ることのないよう、最低保障額の引き上げを行おうとするものであります。たとえば、退職年金につきましては、四十二万千二百円から五十五万二千円に引き上げることといたしております。
 第三は、退職年金等の算定方法の改善であります。これは、退職年金等の算定方法のうち通算退職年金の額の算定方式に準ずる算定方式中の定額部分を年額三十三万九千六百円から三十九万六千円に引き上げるとともに、その定額部分に係る加算期間を十年から十五年に延長することといたしております。
 第四は、職務によらない障害年金及び遺族年金等の受給資格の緩和であります。従来、職務による障害年金及び遺族年金を除き、受給資格期間は、組合員期間が一年以上としておりましたが、今回、組合員期間と他の公的年金制度の加入期間とを合算した期間が一年以上といたしております。第五は、障害年金の廃疾認定日の繰り上げであります。これは、健康保険制度による療養の給付等を受けている者等に対する障害年金の廃疾認定日を、当該療養の給付等の開始後三年を経過したときから一年六月を経過したときに繰り上げることといたしております。
 第六は、遺族年金に係る寡婦加算制度の創設及び扶養加算の増額であります。まず寡婦加算の額につきましては、遺族である子の数等に応じ二万四千円から六万円までの額を加算することといたしております。また扶養加算の額は、遺族である子一人当たり九千六百円から二万四千円に増額することといたしております。
 第七は、通算遺族年金制度の創設であります。従来通算退職年金の受給権者が死亡した場合には、その遺族に死亡一時金が支給されるのみで、退職年金の受給権者が死亡した場合その遺族に遺族年金が支給されるのに比較して不均衡があったわけでありますが、今回これを是正しようとするものであります。なお、通算遺族年金の額は、通算退職年金の額の二分の一に相当する額といたしております。
 第八は、掛金及び給付の額の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。すなわち、標準給与の月額の下限につきましては五万二千円から五万八千円に引き上げるとともに、上限につきましては三十一万円から三十四万円に引き上げることといたしております。
 第九は、老齢者等の退職年金等の割り増し措置の改善であります。これは、七十歳以上八十歳夫満の老齢者等に支給する退職年金、障害年金及び遺族年金につきましては、その額の算定の基礎となった旧法組合員期間のうち二十年を超える年数につき、さらに五年を限度としてその超える年数に応じて割り増しを行うことといたしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行っております。
 以上であります。
#12
○湊委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。
#13
○湊委員長 ただいま趣旨の説明を聴取いたしました四法案中、農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以降における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上の両案について審査を進めます。
 両案に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
#14
○野坂委員 委員長からお示しのありました農業者年金基金法の一部改正、農林年金法の一部改正の二法案について質疑に入りたいと思います。
 まず、農業者年金基金法の一部改正について局長にお尋ねをいたします。
 いま大臣から提案理由の説明がございましたとおり、本年金基金法は政策年金として昭和四十五年の五月に成立をいたしました。そして四十六年一月一日から業務は開始をされたのでありますが、政府は法律制定当初この加入者を約二百万人と予定しておりました。したがって、当初予算に計上されましたのは百八十五万人、四十九年度以降は百六十五万人を計上してまいられたわけであります。しかし、五十年の三月末の現状というのは、加入者は百十五万四千三百三十六名、こういうことになっております。前国会にもこの問題を取り上げまして局長にこのことをただしますと、PRが不足をしておった、したがってしっかりやるというふうに御答弁をいただいたのでありますが、五年してもこのように当初予定をしておったよりもはるかに下回る。農家戸数四百八十万に対して百十五万人というのは余りにも少な過ぎるのではなかろうか、こういうふうに思います。したがって、PRが不足しておったと言われましたが、五年やってもできないわけでありますから、ほかに原因があると私は思うのであります。それは何なのか明らかにしてもらいたいと思います。
#15
○岡安政府委員 先生御指摘のとおり現在の農業者年金の被保険者の数は百十五万人でございます。これは加入予定者数百六十五万人を下回っておるわけでございますし、特に若年の加入者が少ないわけでございます。これはいろいろ理由があると思いますし、先生御指摘のとおり従来のPRが必ずしも十分でなかったということ、これは私どもも反省しなければならないと思っておりますが、その第一の理由は、いままでは制度開始以来まだ給付が開始されていなかったということ、これが相当大きな理由ではあるまいかと考えております。これも五年たちまして、ことしの一月以降六十歳に達した加入者につきましては経営移譲ができるということになりまして、ことしの五月には第一回の経営移譲年金の交付ということになっておるのでございまして、今後さらに私どもも努力をいたしますが、おいおい加入者も増加していくのではなかろうかと思っております。
 また、私ども、今回の制度改正におきましても後継者への使用収益権の設定による経営移譲を的確な経営移譲の要件とするようなことを考えておりますので、経営移譲の円滑な促進がさらに図られるであろうと思っております。したがって、今後とも農業者の要望を聞きながらこの制度をより魅力のあるものにするように努力をしてまいりたい、かように考えております。
#16
○野坂委員 いままでは給付の開始ができなかったために入らなかったのではなかろうか、あるいは魅力があるものにするという御答弁であります。しかし、私は今日の農業者年金の姿を見て将来に不安を覚えます。といいますのは、いま局長からお話がございましたように、この百十五万人というものの総体数からながめて、四十歳以上の加入者というのは八五%、四十五歳以上の加入者の場合は六五%、ほとんど高齢者によって占められておるという今日の実態であります。したがって、他の年金は修正積み立てであるけれども、これは完全積み立てであるというような考え方に立たざるを得ないというかっこうになってくるのではなかろうかとさえ心配をしております。したがって、後継者のいわゆる学割方式というものを採用するならば大きく加入者はふえるであろう、こういうことであります。
 今日のこの加入者から見て、すそ野を広げていかなければならない、いわゆる若年の皆さんに入ってもらわなければならぬ、こういうふうにお考えなのかということが一つ。それからいま私が言いました四十歳以上八五%ということであれば、十年後を想定をしてどういう数字が出ますか、ちょっとあなたに聞いてみたい。
#17
○岡安政府委員 現在におきます農業者年金の加入者の構成につきましては、先生御指摘のとおり、五十年三月末の加入実績から見ますと、四十歳以上のものが全体の八三・五%ということになっております。このように高年齢層が非常に多いという理由を考えてみますと、一つはやはり現在の農業者自体の年齢構成がやはり高齢に片寄っているということ、これはそれを反映していることだというふうに考えますが、二番目は、やはり年金受給までにまだ期間のあります若年齢層につきましては年金に対する関心がどうしても低くなる。そこで他の公的年金よりも高齢者の割合が高くなるということになっているというふうに考えるわけでございます。これらの対策につきましては、先生御指摘のとり、今回の改正におきましてもいわゆる特定の後継者につきましては保険料の負担の軽減を図る措置を講じておりますので、これらをてこといたしまして、私どもは今後さらに特に若年齢層のこの年金加入を促進してまいりたいというふうに考えております。
 いま御質問の、今後十年後において大体どうなるかということの御質問でございますが、加入者の想定につきましては、いま資料をちょっと整理をいたしますので、後刻お答えをいたします。
#18
○野坂委員 すそ野を広げていくという考え方、どうですか。
#19
○岡安政府委員 失礼いたしました。今後の年金の加入者、これは財政の再計算その他の推測値でございますけれども、私どもは大体昭和六十年ごろにおきましては、この農業者年金の加入者は百四十五万人程度というふうに考えております。これはピークではございませんで、現在百十五万人でございますけれども、これをさらに加入の増加をいたしまして、昭和五十二年ごろにはピークで、大体百六十五万人程度に持っていきたい。それから私どもの予測といたしましても、農業者全体が大体減少傾向に向かいますので、自然的にこの年金加入者も漸次減りまして、十年後は大体百四十五万人程度というふうに推測いたしておるわけでございます。
#20
○野坂委員 積極的に後継者対策等行って加入者をふやしていく、こういう考え方を確認をしておきますが、それではその問題について、せっかくでありますから入ります。
 この後継者対策については確かに学割といいますか、割引があります。軽減措置がある。しかしいまは百十五万人では少ない。五十二年に向けては百六十五万人にし、六十年にもさらに伸ばしていくという考え方を披瀝をされたわけでありますが、この後継者の割引軽減措置というものについては四つの条件がついておりますね。一項と四項の問題についてはまあ考えられるとして、農業経営主と後継者とがともに農業者年金に加入しておらなければならぬ、おやじが経営者であって任意で加入しておるということが絶対だということですね。あるいは農業経営規模が一定以上だ。この一定以上ということが私はよく理解できません。当然加入は五十アール、任意加入は三十アール、これが農業者年金の加入資格だ。それなのに、すそ野を広げる、後継者を入れる、若い人たちを入れるということを言いながら、ここで門を閉めるんじゃないですか。こういう条件の理由ですね。一定規模というのは一体幾らを指すのか、それからなぜそういうふうに門を閉じるのか、あなたの答えには矛盾があるじゃないですかということです。
#21
○岡安政府委員 私どもも、この年金が将来先細りになるといいますか、本来ならば年金制度においてはすそ野が広がれば広がるほどいい状態になるわけでございますが、残念ながら農業者年金につきましてはすそ野が狭まることが予測されるということで、私どもはその狭まることを極力防止する意味で、後継者の確保、その加入促進ということを考えておりまして、今回も後継者に対します保険料の軽減措置を考えておりますが、ただ、後継者であればだれでも入ってよろしいというわけにもやはりまいらない。と申しますのは、今回の特定後継者に対します保険料の軽減措置はもっぱら農政上の目的から、将来農業生産の中核的担い手となる後継者を育成確保するという考え方で私どもはこの措置を考えているのでございます。したがって、やはり私どもは、その年齢が三十五歳未満であることのほかに、農業経営主と後継者がともに年金に加入していることと、さらにはやはり経営の耕地面積が一定規模あるような、将来とも日本の農業生産の中核的担い手になるような、そういう素地のある、そういう要件を備えた後継者に対しましてこの軽減措置を構じたいと思っておりますので、私どもは三十五歳未満という年齢要件だけでこの軽減措置を講ずることは適当ではないというふうに考えております。
#22
○野坂委員 一定規模というのがわかりませんね。言われませんね。いままでは面積で言うのでしょう。当然加入と任意加入は五十アールと三十アールでしょう。五十アールということになれば当然権利があるんじゃないですか。どうです、それは。
#23
○岡安政府委員 現在の当然加入並びに任意加入のそれぞれの下限面積は、内地の場合御指摘のとおり当然加入は五十アールであり、任意加入は三十アールでございますけれども、この特定の後継者の場合におきます要件としての経営耕地面積は、大体やはり都道府県におきます農業者の平均耕地面積というものを頭に置きまして、各県ごとに決めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#24
○野坂委員 だれが決めるのです。
#25
○岡安政府委員 これは政令で決めたというふうに思っております。
#26
○野坂委員 そうすると、たとえば実例を挙げると、私は幼少のときから親がありません。四歳や五歳のときからありませんが、そのころから戸主であります。農業をやっておる。そうしますと、二町歩たとえばつくっておる。成長して二十歳になりました。これから入ります。そうすると二十歳代でこの二十三条一項三号なら経営主です。三十五歳にはなっていないはずなんです。学割はない。これでは矛盾があるじゃないですか。一定規模以上だし、経営主だし。そうすると、学割という関係はどうなるのです。
#27
○岡安政府委員 これはきわめて形式的な話で恐縮でございますけれども、親がない子供が成年等に達しまして農業者年金に入るという場合には、もう後継者ではなくて、当該経営の経営主として入るわけでございますので、これは今回の特定後継者に対する優遇措置はない。私どもはやはりその経営主がおりまして、その後継者を確保するという農政上の目的で優遇措置を講ずるわけでございますので、親が加入しておいて、それから子供がさらに入るという場合にこれを優遇し、促進をするというように考えております。
#28
○野坂委員 理屈だと思いますね、局長がおっしゃるのも。しかし、三十五歳未満という大前提でできるだけ入ってもらいたい、すそ野も広げてもらいたいと。三木総理が本会議で、本年度はいわゆる弱い者の方向に照準を当てて政治をするとおっしゃった。経営主だから親がなければ後継者になれぬ、だからあなたは経営主として当然加入で学割りなしで入れ、こういうのは考え方として私は問題があるのではないかと思いますね。さらに、経営主で当然加入しておって、息子さんが任意加入でなければそれは資格がない、おやじは五十アール持っておった、しかしその五十アールは持っておったけれども、PR不足と余り魅力がない。現実に魅力がないことを数字があらわしておるわけです。だから入れなかったが、息子は入ったらどうかというかっこうの場合も、当然加入していないからこの恩典に浴することができない、こういうことなんですね。そしてあなたは前提として、これから若い者をできるだけ入れて、すそ野を広くして、そして保険料というものもある程度下げていこうという示唆のあるお答えをいただいております。それなのにこういう何もかにも制限をつけて、親のない子は三十五歳でも経営主で、後継者ではないと言う。それは理屈ではありましょうけれども、そのことばやはり魅力ある、あるいは弱い者に照準を当てるという三木内閣の性格とはおおよそ離れて、まことに画一的な、事務的な方式としか考えられないが、あなたはこれを変更するという考え方にはお立ちになりませんか。どうです。
#29
○岡安政府委員 確かに農業者年金の加入をふやす、それから所得の少ない方たちの保険料を軽減をするという観点だけから考えますれば、おっしゃるような御意見もあろうかと思いますけれども、そういたしますと、農業者年金制度もやはり年金でございますので、特定の者に加入を容易にするという制度を導入するためには、ほかの国民年金とか厚生年金というような年金の制度のあり方と非常に関係ができてくるわけでございます。今回、私どもが特定の後継者につきまして保険料の負担を軽減し、その反対給付といいますか、その裏側としまして国庫負担をふやしております。それはもっぱらやはり農政上の目的ということで、これはほかの年金制度とは違うんだということで私どもは政府部内の意見を統一し、また改正をお願いいたしておるわけでございます。したがって、私どもは、一面この制度が農業者年金の加入者をふやし、すそ野が減ることを防止することに大いに役立つというふうに考えますけれども、本質はやはり農政の目的に沿った制度であるというふうに考えておりますので、おのずからこの特定後継者につきましては要件というものを課さざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。
#30
○野坂委員 私は反対ですね。そういう門戸を閉ざし要件をつける。しかし三十五歳以下はいま入っておる人たちもそういう点については十分配慮すべきだ、私はそう思います。時間がありませんから、いずれ大臣があすお出ましになればさらに問題を詰めていきたいと思います。
 それから、あなたはこれはいわゆる政策年金だ、だから他の年金とは違うんだ、だから国庫補助も多い、四六%もつけたんだ、こうおっしゃっております。しかし保険料を掛ける側から言いますと、平準保険料というものは一体どうなのかということを考えてみなければならぬと思うのであります。そこで、いまあなたがおっしゃった国民年金というのは、平準保険料は現在五千四十円ですね。五十二年の四月一日からは二千二百円、五十三年の四月一日からは二千五百円保険料を払うんですよ。いわゆる数理保険料です。そうすると国民年金の保険料は、半額以下ですね。厚年はどうです。男は千分の百五十五が千分の九十四になって、本人が支払うのはその半額ということになる。女性の場合は千分の百二十五が千分の七十六で同じく本人負担は二分の一ということになります。いいですか。あなたがおっしゃっておるこの農業者年金基金は平準保険料は三千百七十六円です。御存じですね。この案によれば五十二年一月から十二月は二千四百五十円、五十三年の一月から十二月までは二千八百七十円、五十四年一月以降は三千二百九十円で、平準保険料を上回る。そしてこれを進めることによっていわゆる全額、農家が保険をやるというかっこうになってくるわけです。これは保険料が高いんですよ、平準保険料から他の保険料に比べると。だから魅力がないんです。だから入らないんです。ここに農業者年金基金の加入率低下の大きな原因を持っておる、私はそう指摘をせざるを得ません。あなたはどうお考えです。
#31
○岡安政府委員 確かに先生のおっしゃるような保険料計算になっておりますし、そういう計算を基礎にいたしまして今回私どもは五十二年いっぱいの保険料、それから五十三年いっぱいの保険料、五十四年以降というふうに三段階にこれを区分いたしまして、一挙に農民の保険料負担が上がることを緩和いたしているわけでございます。ただ、この金額だけで比べれば確かに国民年金の一人分の支払い額と農業者年金の一人分の支払い額は農業者年金の方が多いわけでございますけれども、国民年金の場合にはこれは六十五歳から支給というようなことにもなっておりますし、経営移譲すれば六十歳から六十五歳までは経営移譲年金が出る。なお、この経営移譲年金の水準は厚年とほぼ同じような水準ということで、国民年金の水準をはるかに上回る水準の年金が交付できるように、そういうふうに設計をいたしているわけでございます。六十五歳以降におきましても、国民年金に加えて老齢年金並びに経営移譲者につきましては経営移譲年金についての十分の一が加算されるということで非常に優遇された内容になっておるということ、これがやはり保険料が高いことになる結果だろうと思います。しかし私どもは、やはりこの農業者年金が御指摘のとおり高齢者の加入が多く、それから設計におきましても、将来すそ野が減ってくるということから、ややともすれば保険料が高くなることを考えまして、私どもは、先ほど先生の御指摘のとおり、国庫負担につきましても、現在四十二・九%の国庫負担でございますが、これもすでにほかの年金制度に比べますと相当大幅な国庫負担をしているつもりでございますが、今回は後継者に対する軽減措置も加えましたので、四十六%という国庫負担にいたしております。その点も十分配慮をいたしておるつもりでございます。
#32
○野坂委員 厚生年金の国庫補助が二〇で、あるいは国年が三二で、こちらは四六だから高いんだ、そんなのは一つも理屈にならぬですよ。農民側に立ってみて、いわゆる数理保険料というか平準保険料から見れば非常に高い。だから魅力がないのですよ。みんなに聞いてごらんなさい。あなたは机に座って総境をしているだけですからわからぬのです。もっと歩かぬとだめですね。これは変革を要するということを指摘して、またあしたやります。
 あなたはいまこれは政策年金だとおっしゃった。経営移譲すればいいのじゃないかということです。これは政策です。あなたのおっしゃるのは、やめて子供に譲れということなのです。いまの提案理由の説明は、「農業者の老後生活の安定と福祉の向上に資することを目的」としたものだ、こう言って大臣はたったいま説明しました。そして、当時この農業者年金基金というものができ上がったときには佐藤総理は何と言いました。農民にも恩給ということを言いました。それがこのできた発足なのです。だから、年寄りを大事にしなければならぬ、老齢年金を中心に進めるんだ、こういう成立当初の発想であったわけです。政策年金で経営移譲を促進するなら、国の政策に従って進めろ、こういうことなのですから、もっと国は、四六%なんて言わないで、政策に合うためには思い切った大胆な措置をするというのが政策年金として当然ではないか。私をして言わしむれば、経営移譲年金が中心であるならば、全額国庫負担である、この程度の、離農年金と同じような措置をとったらいい、そう思うのであります。その点についてはどうお考えですか。老齢年金を重視しなければならぬ、それが農民にも恩給をという思想なのです。そういうことを私は言いたいのです。どうです。
#33
○岡安政府委員 老齢年金を重視すべきであるという御意見でございますが、もちろんこの農業者年金制度は、農業者の老後保障というものも重要な目的の一つにいたしておりますが、やはりこれはあわせて農政上の要請である、経営移譲の促進とか農業経営の近代化及び農地保有の合理化というものも目的にいたしておるわけでございます。老後の保障だけを目的とするということになりますと、農民一般は国民年金によって老後の保障をするということになっておりますので、農業者にとっては特別にさらに農業者年金という上乗せをする理由が非常に薄くなるわけでございます。そこで私どもは、やはり農業者につきましては、一般の老後保障のほかに農政上の目的があるということを理由にいたしましてこの年金を仕組んだわけでございますので、老齢年金を重点にし、それにウエートを置いたそういう制度を仕組むということはいかがかというふうに思うわけでございます。もちろん私どもは老齢年金の充実等につきましては、国民年金と合わせればその合計額がほぼ経営移譲年金ないし厚生年金並みになるように、そういう配慮はしておりますし、今後ともそういうことは考えてまいりたいというふうに思っております。
#34
○野坂委員 老齢年金も考えておるけれども経営移譲年金というものを中心に考えるのだというお説であります。それでは、全体の移譲年金を受給する者の割合は、財政の計算の場合、何割考えておるのですか。
#35
○岡安政府委員 財政計算上の私どもの予定といたしましては、六十歳までに経営移譲をする人間は大体全体の二五%、それから六十歳から六十四歳までの期間におきましてはほぼ四〇%の方々が経営移譲をするというふうに想定をいたしまして計算をいたしております。
#36
○野坂委員 それだったら、全体を一〇〇とすれば六十歳までは二五%で、六十四歳まで四十%ということになれば、大半の六〇%の諸君たちはみんな老齢年金をもらうということになるのですよ。そうじゃないですか。
#37
○岡安政府委員 ちょっと言葉が足りなくて申しわけないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、六十歳までに二五%、六十から六十四歳までに四〇%ということで計算をいたしておりますが、これは年金制度が発足するときにいたしました厚生省調査でございますけれども、アンケート調査がございましたので、それをもととしてそういう推定をいたしたわけでございますが、この制度が発足し、現に年金を支給するということになれば、さらにこの経営移譲というものは促進をされる。したがって、今後、ことしの一月から開始されます経営移譲年金の交付、それらの状況等を見まして私どもはこの数字は変わってくるものというふうに考えております。したがって、経営移譲をしないで老齢年金だけをもらう方々の割合というものは、だんだん減少するものというふうに考えております。
#38
○野坂委員 それは違うのです。私が言ったように、農業経営の近代化と農地保有の合理化に寄与して老後の保障云々ということで、この前段をとらえて経営移譲年金というものを前に出した。いま財政計算をしますと将来ともに四割なんです。そうしなければもたぬということなんです。だから将来に私は不安を覚えると言っておるのです。農業者年金の基金については、将来非常に不安がある。すそ野を広げなければならぬ。広げるためには、なぜそういう三十五歳というようなところでいろいろな特定な条件をつけるのか。そうしなければ弱くなりますよと言っておるのです。そして、財政計算では四割というのが限度だと言って、ちゃんとこれは図式は示されているわけです。だから大半はこれは老齢年金でいくのです。こういうかっこうになっておるわけです、この農業者年金基金は。よく勉強してください。
 具体的に聞きます。経営移譲年金というのは、あなたのお説のとおり、六十歳以上六十五歳未満の給付は大体二十八年。厚年は二十八年勤めれば年金をもらって、いわゆる九万年金になるわけですから、御承知のように七万二千八百円もらうのですね。それから六十五歳以上になると老齢年金をもらうわけですね。これは経営移譲年金というのがいわゆる一割の七千二百八十円になりますね。それから国民年金の付加給付というのは五千六百円になりますね。国民年金の定額給付というのが四万九千四百円、農業者老齢年金が一万八千二百円で、二十八年で経営移譲をもらった七万二千八百円よりも多い八万四百八十円になると説明がしてありますね。そうですか。そのとおりですか。
#39
○岡安政府委員 これは二十八年加入者の場合の計算で、おっしゃるとおりでございます。
#40
○野坂委員 二十八年で、厚年も二十八年年金で、逆算して、定額部分と報酬比例分をやっていますから、そういうことになります、お説のとおりだと思う。ところが、局長さん、八万四百八十円になって七万二千八百円よりも八千円程度高いように見えるけれども、分析をしてみると怪しげなことが出てきますね。この国民年金の定額給付の四万九千四百円というのは、われわれ農業者年金基金よりも十年前に始まっておりますから、三十八年分じゃないですか。二十八年とすれば三万六千四百円になりますよ、そうでしょう。そうすると五千三百二十円も差があるということになるじゃないですか。これは数字の魔術みたいなことを書かれてわれわれをごまかそうとしておりますけれども、問題があると思うのですね。これだったらよけい掛けてみて問題がありすぎる。どういうふうにお直しになりますか。
#41
○岡安政府委員 私どもが農業者年金の給付の水準を検討する場合に経営移譲年金につきましては厚生年金並みということで、それらの水準を勘案いたしますし、六十五歳以降につきまして経営移譲年金は十分の一でございますけれども、老齢年金の額を決定しなければならない。その場合に国民年金の定額給付それから付加給付というものをあわせて頭に入れて、どれだけの水準にしたらいいかということを検討する場合、御指摘のとおり農業者年金について二十八年で計算をし、国民年金の発足はこれより十年早いので、三十八年加入ということで計算をいたしております。
 もちろん現実の給付がこのとおりになるかどうかは、農家の方々が農業者年金にいつ入ったかということが問題であると同時に、国民年金にいつ入ったかということがこの金額を決定するわけですから、このとおりいかない場合もあるかと思います。したがってこれはインチキではないかという御指摘につきましては、水準等の決定の場合のモデル計算でございますので、これを早急に変えるということは考えておりませんけれども、おいおい農業者年金の給付も始まり、それからまた六十五歳以上の、これは五年後になりますけれども老齢年金の給付も始まるという段階になりましたならば、どういうモデルによって水準を決定したらいいかはまたさらに検討はしてみたいと思います。
#42
○野坂委員 モデル計算だから私は問題にしているのです。こういうぐあいになるのです。五年後にすれば変わるんだろうというような安易なことで局長逃げられませんね。私は先ほど何回も言いましたように、農民には恩給をと、年が寄ればよくなるということ、今度は農林年金を提案されますが、八十歳以上は付加をする、七十歳以上は付加をする、こういう法案がちゃんと出ているわけですね。それを、遅くなれば安くなるようなかっこうでは、しかも合わないから国民年金の三十八年分をとって合わせるというようなことでは、これはやはり問題があるんじゃないですか。
 私は意見として申し上げましたならば、たとえば農業者老齢年金のところにやって、八万円が限度ならば、この一万八千二百円というものは二万六千円にしなければ合わない、そういうぐあいに変更していかなければこの農業者年金基金は前進発展していかない、こういうことになるのですと私はあなたに提言をしておるわけです。参考にして検討できますか。
#43
○岡安政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり現実に老齢年金の給付が始まりますのはこれから五年後でございますので、そのときまでにはひとつ検討させていただきたいと思っております。
#44
○野坂委員 後継者年金というのは検討してもらわなければなりませんが、この農業者年金基金というのはなぜ遺族年金がないのですか。
#45
○岡安政府委員 遺族年金を設けるかどうかという目的でございますけれども、これは年金加入者が死亡した場合遺族の生活の保障といいますか、そういう目的で遺族年金があるわけでございます。そういうように一般的に生活保障の面につきましては農業者については国民年金に入るのがたてまえでございまして、国民年金には母子年金とか寡婦年金とか、いろいろ遺族に対する措置がすでにあるわけでございます。それで毎回申し上げますけれども、農業者年金はそういう国民年金に付加しまして農政上の目的で設けられた年金でございますので、この農業者年金にも国民年金とあわせて、国民年金の受給者であるたとえば農家の御主人が亡くなられて寡婦が遺族である場合には、国民年金に入っている場合には国民年金の受給者でもあり寡婦年金ももらえる、それに加えて農業者年金からもまた遺族年金があった方がいいのかどうかということ、これはやはり年金制度全般の関係もあることでございますので、確かに問題点と思っておりますけれども、これは将来の研究課題であるというふうに私どもは考えております。
#46
○野坂委員 将来の課題であるということでありますが、大体厚生年金でも共済年金でも奥さんはだんなさんと関係ないはずですね。たとえば岡安局長は農林省のために、農業のために努力しておる、奥さんは家で台所をやっておる。別に奥さんは国の農政に対して寄与しておるわけではない。しかしあなたが亡くなりますと遺族年金はもらえる、こういうことになりますね、別に貢献をしてなくても。農業者年金基金の場合は奥さんも一生懸命で農業の発展のために、家計を守るために努力しておる。おやじが死んだ、しかも農業者年金に奥さんは入れない、こういう経営主でなければ入れぬというジンクスがある。そういう点から考えると、私は、これからの農業者年金基金、農業の発展を考える場合、あるいは農地が零細化しないためにも、これは重要な問題であると思うのです。言うなればそういう現在の方式というものは農民べっ視、農業べっ視、こういう思想にさえつながりますよ。だからもう一つ、後継者対策というならば後継者の奥さんも入らせるような道を開いて、農業全体の発展に年金で引っ張る、こういう政策的年金であるならば、その程度の配慮をしなければならないと思いますが、あなたはどうお考えですかということです。
#47
○岡安政府委員 遺族年金につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり少し研究をさせていただきたいと思っておりますが、後継者の配偶者について加入を認めたらどうかという御指摘でございますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございます。一般的にこれを理解をいたしますと、農業従事者一般について農業者年金の加入を認めたらどうかという議論にまでなるわけでございます。農業者年金は、これも御説明申し上げておりますとおり経営主一人に限って加入を認めまして、その後継者も将来その経営主から経営を移譲される見通しのある一人に限ってこれも特別に任意加入を認めているという制度でございますので、その範囲を後継者の配偶者にまで広げるということは従事者一般にまで広げるということで、これは農業者年金の現行の制度とは大変違った性格の年金に移行することになるもので、もちろん私どもといたしまして後継者の確保あわせて後継者の配偶者の優遇というものもいろいろな面で検討しなければならぬと思いますけれども、この農業者年金制度で対処するかどうか、これは非常に大きな問題なので、これもひとつ将来の検討課題にさせていただきたいと思っております。
#48
○野坂委員 検討ということばやるということの方に理解をしておきますから、もし文句があれば言ってください。
 それから掛け捨て排除の問題について最後にお伺いします。
 簡単に言いますと、年金を一遍でも受給したらそれで終わり、こういうことになっておりますね。年金を受給する前の年ぐらいに死んだら、六十万円程度の死亡一時金がもらえる、こういうことになっておりますね。できるならば年金の受給前に死ねということになりますね、これは。たった一遍でももらったらパアだということになれば、銭で計算をすればそういうことになります。だから掛け捨てということになりますね。これでは老齢年金の場合は六十五歳ぐらいからもらうわけですから、あるいは移譲年金でも六十歳からもらうわけですから、やはりこれは問題がある。だからできるだけ魅力あるものにして、掛け捨てがないようにして、安くて給付金が多くて農業が発展をする、こういう意味を持たなければ、農業者年金基金というものは発展しないし、その方向が望ましいと私は思います。そういう点については御配意をお願いをしたい、やるべきだ、こういうふうに考えますが、局長としてはどうお考えです。
#49
○岡安政府委員 確かに六十歳を過ぎまして経営移譲をして短期間の経営移譲年金の給付を受けて死亡されたという場合には、総額としましての農業者年金の給付は少ないことがあり得るわけでございます。これは、しかし、私どもとしまして配慮をするかどうかということは、十分検討をいたしておりましたけれども、本来やはり年金というものはその目的を達成すればそれで終了ということになっておりまして、経営移譲年金につきましては六十歳以降経営移譲の要件を満たした場合に六十四歳まで、さらに死亡するまでの給付が終わればこれで目的達成でございます。あと残りますのは、総額で損か得かという問題ではなくて、先ほど御指摘のように残された方々、要するに遺族に対してまで何らかやはり年金の恩恵を与える必要があるかどうかという別個の問題ではあろうということで、もし御指摘のような短期間の受給を受けて死亡された方に対する措置ということが考えられるならば、これはやはり掛け捨て防止の観点ではなくて、もし処理をするならば、遺族年金を創設するという方向で処理するのが正当なといいますか、本式の考え方であろうということになっております。
 遺族年金のことにつきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますので、この問題につきましてはそういう方向で検討させていただきたいと思っております。
#50
○野坂委員 掛け捨て排除の方向については、遺族年金創設等々相あわせて早急に検討し、善処をしてもらうように要望しておきます。
 私の時間がございませんので、後はあす、またいまの問題点を掘り起こしながら大臣とあなたに質疑をいたしたいと思います。
 次は農林年金に入ります。
 農林年金の改正についていま大臣から説明がありましたように、他の共済組合制度の改正に準じて既裁定年金の引き上げとかあるいは最低保障額の引き上げとか通算退職年金の引き上げ、障害年金、遺族年金の通算制度の創設、こういうことがやられておるわけであります。しかし、われわれが期待をする抜本的なものではなしに、いわゆる横目で共済年金制度等にらんで、まず私から言うならば微調整の域を脱していないということが言い得ると思うのであります。
 あと、あすもやらしていただきまずから、政策的な問題はまたあす大臣のおる前であなたと論争をするといたしまして、事務的な問題をとりあえず聞いておきます。
 遺族年金なり障害年金の通算措置が改正法案の一つの柱になっておりますが、その施行月日が不明確でありますが、何月何日に、これは一年以内、政令でと書いてありますが、あなたの考え方としてはいつやるか。すでに掛金等が四月一日から引き上げられておりますから、千分の九十六が千分の九十八になっておる。そういう状態からきわめて組合員は不満がある。その点についてはどうお考えです。
#51
○吉岡(裕)政府委員 施行月日は政令で定めることになっておりまして、公布の日から一年以内ということになっておるわけでございますが、これは各年金ともいろいろ連絡をとり合うという必要もございまして、そういう準備を整えながら、私どもといたしましては来年の一月一日施行ということを目標にこれから準備を進めるつもりでございます。
#52
○野坂委員 一応の考え方はわかりますが、もっとわれわれは早くしてもらわなければならぬと思っております。
 それから既裁定年金の設定方法ですね。従来の一律改定から上薄下厚といいますか、たしか七・八五から一一・五でしたか、これを基準にしてそういうことになっております。その根拠、七・八五から一一・五にした改定率の根拠を明らかにしてもらいたいし、またこの改定率は非常にむずかしいですね。これを見せてもらいますと、率も額もついておる、非常にめんどうくさいわけですが、なぜこういうふうになっておるのか、お尋ねをしたいと思います。
#53
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のように、農林年金の基礎になっております平均標準給与表というものがございますが、これは国家公務員の給与改定の率にならいまして毎年改正をしてきておるというのがこのところ大体定着をした方式になってきておるわけでございます。従来の方式は平均の上昇率を一本で使ってきておりましたが、やはり国家公務員給与の改正の中身を見ますと、俸給の低い人には高く、それから高い人には低く、いわゆる上薄下厚方式のベースアップ率がとられてきておるわけでございます。
 したがいまして、農林年金の既裁定年金者などにつきましても、やはり年金額の低い人により配慮をした率の適用をすべきではないかというふうな意見もかねがねございましたし、そういうことで今回、やはり低額年金者それから同じ俸給表の区切りの中ではなるべく低い方のところにアップ率が高くかかるようにというふうな考え方をとりまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、平均としては一〇・七%でございますが、七・八五%から一一・五%までの率でいわゆる上薄下厚方式をとったということでございます。
 この率の改定方式としまして、平均標準給与の年額区分に従いまして率と定額を足すということでやや複雑な改正法になっておりますが、この趣旨は先ほど私が申し上げましたように、同じ標準給与の区切りの中でもより低い人に高い率を適用させますためには、定額部分を足した方がその目的が達成されるということでそういう改正方法をとったわけでございます。
#54
○野坂委員 これをやりますと私の時間が来てしまいますので、またゆっくりやらなければならぬのですが、これは本当は率に直せるのですね。しかしこれはつまみという感じなんです。いままでは、局長がお話しになったように一律改定方式がとられて、四十八年、四十九年、五十年は、二三・四、一五・三、二九・三というふうに一律改定で上の方はよかった。だから、問題が出たから下の方の底上げをしなければならぬから一一・五等も上げてきた。こういう御意見で、そのとおりですが、今後もやはり底上げということは必要だ、この方式を農林省としては農林年金については考えていく。いつも厚生年金やその他の公的年金の方にばっかり合わせるだけで抜本的な農林年金の思想というものは皆無の状況でありますから、参考にしてもその方向が望ましいのではないか、こう思いますが、そうですか。
#55
○吉岡(裕)政府委員 今回の改正方法は、実は共済年金共通に同じような方法をとりましたわけで、農林年金だけの方法ではないわけでございますが、今後ともこの国家公務員の給与の改定に準じまして農林年金の平均標準給与表を改正していくという方向はとってまいりたいと思いますが、そういう際に、今回とりました方式は一つの先例というふうになろうかというふうには考えております。
#56
○野坂委員 国家公務員の共済年金その他を横目でにらんでやるのが一つの方法であろう。農林年金の将来の展望からして、局長は農林年金の改定方式はどうあるべきだとお考えですか。
#57
○吉岡(裕)政府委員 従来この国家公務員給与表のアップ率にならって年金の額を改定するという方式はほぼ定着したように考えておりますので、全体の方向としてはその方向でまいりたい。ただ、具体的な上薄下厚方式等を含めた問題につきまして、これはやはりほかの年金とのいろいろな関係もございますし、その辺も十分勘案をした上で今後慎重に検討していきたいというふうに思うわけでございます。
#58
○野坂委員 あなたの答弁は役人的答弁でして、大胆さと抜本的な農林年金を引っ張っていくという姿勢に欠けておりますが、あす、この問題についてはさらにお話をしていきたいと思います。
 問題は、いま議論をしておりますのは、農業団体に勤務する諸君たちの給与が非常に安いということを言いあらわしておるのであります。
 労働省おいででしょうか。せっかくおいでになっておりますからお尋ねをいたしますが、この給与の問題に関連をして、農協職員というのは全体的に給与が非常に安いわけでありますが、わが鳥取県におきまして非常に問題が出ております。去年の秋からことしの春にかけて問題になっておる点を二、三申し上げますが、一つは時間外手当の問題です。
 たとえば通勤手当とかそういうものは除外になりますが、職務手当というようなものもそれは基準内の賃金で当然時間外手当に入らなければならぬ。そして、夏の時間は大体実働八時間、冬は七時間三十分、こういうことになっております。そういうような点については、夏の場合は大体一カ月百八十三時間、冬の場合は百七十時間ということになっておりますが、当局は一律に二百時間というものを基準にして算定をしておる。あるいはたな卸しをやると間違っておった、間違っておったのは職員が悪い、だからその時間外は君たちの責任でやれというようなかっこうで払わない、こういう事態もあります。安い上にそういうことをやっておるとたまらない。産休についても育児の授乳の時間等についても、それはなかなか認めがたい、それは有給休暇等でやれ。有給休暇等も要求をすればその要求にできるだけ合わせて与えなければならぬ、しかしどうしても支障があればということが前提になっておるわけですが、なるべくその方向が望ましいわけですけれども、そういう点についてまとまっていないというか、否定をされておるという状況があって、非常に問題化しております。あるいは争議期間中といいますか争議に入る。出張拒否の闘争をする。そうすると、東京に行け、どこに出張してこいと出張命令が出る。いまできぬと言って、普通の業務について命令どおりをやっていく。その期間は勤務をしておる。そうするとそのときはいいのですけれども、後で給料のときに出張拒否をしたということでいわゆる賃金カットというものが出てくる、こういうことがあるわけです。それは労働基準法に違反をしておる点ばかりだ、私たちはこの基準法を読んでみてそう思うのです。それについて労働省のあるいは監督局のあるいは監督課の指導が不十分だ。しかも、そういう非常に明確なことが議論の対象になり、あるいは混乱が起きるということになると、農協運動の発展なり農業の発展ということにつながらない。これらの問題は早急に解決しなければならない、こういうふうに思っておるわけですが、それらの点について労働省はどう考えますか。実態は私が言っておるとおりなのですが、法律違反という点については直ちに是正をさせてもらわなければならぬと思いますが、その点どうですか。
#59
○倉橋説明員 ただいま先生から御指摘のありました農協職員の労働基準法をめぐる問題でございますが、私どもたとえば鳥取県内におきます農協関係事業所を三十ほど監督をいたしたわけでございます。昨年度の監督実績から見てまいりますと、これらの団体の多くに労働基準法違反が多かれ少なかれといいますか、相当数あったということを見受けております。したがいまして、今後ともこれらの団体、事業所に対しましての監督指導を徹底してまいりたいと思っております。
 いま具体的に御指摘のありました職務手当の時間外手当の算定基礎でございますが、御承知のように労働基準法及び施行規則におきまして、その算定基礎としての賃金というのは明確にしております。したがいまして、職務手当という名称によりまして支給される場合につきまして、管理監督者でない者に職務手当が支給されれば、当然これらの者が超過勤務をした場合につきましては算定基礎に算入しなければならないのは当然でございます。
 また所定内労働時間につきましても、月給制のものでありましたら年間の所定労働時間をもって平均給与額を、賃金額を出すということも法律及び規則で明定しているわけでございます。
 それから、産休につきまして年休で消化するということは不合理でございまして、法律上産休を与えるということが明記してあります。もちろんこれの有給、無給につきましては労使の問題でございますが、少なくとも年休以外の休暇という形で与えなければならないことが義務づけてあるわけでございます。
 また、争議行為に関連いたしまして出張拒否があった、その場合、出張拒否をして通常の勤務についておるにかかわらず賃金カットをしたという事例でございますが、これは具体的に労務の提供をした部分について賃金を払わなかったのか、制裁によって払わなかったかどうか、一概には一般的には判断できませんが、制裁を行う場合につきましても所定の就業規則に明定し、また一定の制裁限度というのが設けられておりまして、具体的にその法律条項等に抵触した制裁措置、減給措置を講ずることは違法になるわけでございます。
 今後ともこれらの御指摘にありました具体的事案につきましては、現地の監督機関をして事実を見きわめまして、違反事実がありますればそれを是正するように厳重なる措置をいたしてまいりたいと思っております。
#60
○野坂委員 前段の方はよくわかりましたが、たとえば出張の場合は東京に行けと言うのでしょう。四日ぐらい行かなければならぬ。その間は闘争中ですからそれができません。だから一般業務について、たとえば農林省からの調査依頼等の業務についてそれに上司は判を押しておる、したがって普通の労働を受認をしておるわけですね。だからそういうものについては、労働に対する報酬というかっこうで、当然労働基準法には支払わなければならぬと明記してありますね。だから、それを制裁でやるということは本質と異なっておるものだ、こういうふうに私は思います。その点どうですか。
#61
○倉橋説明員 現在行っている具体的事案につきましては、まだ正確に把握しておりませんが、一般論といたしまして、争議行為の手段として出張拒否をした。それについて就業規則上の制裁ができるかどうかにつきましては、労組法上の問題があろうと思いますが、争議行為を別にいたしまして、上司命令に反して出張を拒否した、しかし通常の労務を提供していたという場合につきまして、使用者が通常の業務についてそれを容認をしている以上、労務の提供が労働者にあるわけでございますから、当然賃金の支払い義務が全額についてあるわけでございます。それを怠れば賃金の全額支払い義務違反になるわけでございます。
 ただ、制裁を科するということがまた一方認められてございまして、先ほど申し上げましたように、就業規則上その制裁措置を明定している以上、それに基づいて減額ということは可能でございます。本件の場合、労務の提供として賃金をカットしたのか制裁措置としてカットしたかわかりませんが、仮に制裁措置をする場合につきましても、一定の限度額を設けておりまして、その点限度額を超えて行っていた場合、または制裁上の措置以外として行った場合につきましては法違反の疑いが出るということでございます。
#62
○野坂委員 きょうは時間がありませんので、もっと詳しくあなたと議論する必要があろうと思いますが、よく調査をしていただきまして、そういう後の部分の制裁問題についての規定はありませんから、前段の分でいままで御答弁になったのを十分配慮して、直ちに労使の正常化に入るように勧告をしてもらいたいということをお願いをしておきます。
 またあす若干聞くかもしれません。時間が参りましてこれ以上質問をすることはできないわけでありますが、ちょっとだけ局長にお尋ねをしておきます。
 財政問題についてあす議論をさしていただきますが、この整理資源率というのが今回は六一・三一になっておりますね。前回は三二・二〇だったですね。これは非常に財政が脆弱であるということをあらわしております。その証拠には、所要財源率が九九・五二から一三三・五九に変わっておる、こういう基盤が弱い農林年金について今後の財政措置はどうすべきか。言うならば国が見るか事業主が見るか、どういうかっこうでこの基盤を強化をするか。そうして完全積み立てから修正積み立てに変わってきた。それはやはり国が見るという前提で過去勤務債務等はそういう整理資源としてあらわれてくるわけでありますから、その点についてはやはり国が十分配慮しなければならぬ、こういうふうに私は考えておりますが、どうお考えでございますか。
#63
○吉岡(裕)政府委員 今回の財政再計算に当たりまして、ただいま先生がお話しになりましたような整理資源率が現在の平準保険料方式を続けていくという前提に立ちますと、そのような数字になるわけでございます。それに対しまして、今回講じられております措置は、お話のございましたような修正積み立て方式というふうなものを導入をいたしたわけでございますが、この修正積み立て方式と申しますのは、私どもの考えておりますところでは、いわゆる賦課方式ではなくてやはり積み立て方式である。それの修正をされたものであるということでございまして、ほかの共済の例にもあるわけでございます。
 ただ、今後この財政方式をどうしていくかということにつきましては、御承知のように農林年金の場合には五年ごとに財政の再計算をいたすことになっております。したがいまして、将来のその時点においていろいろな状況の変化あるいは年金の内容の変化等を見まして再計算をいたさなければならないわけでございますが、先生のおっしゃいました、事業者がこれを負担してはどうかという点につきましては、農業団体等の中にはもちろん実質的に一部持っておるというふうな例もあるようでございますけれども、一方では非常に経営の内容が悪いというふうなものもたくさんあるわけでございまして、これを折半方式から事業者の負担にしていくということにつきましては、やはり全体的に相当な問題があろうというふうに思うわけでございます。
 また、国庫負担を増加させるという点につきましては、御承知のように厚生年金並みにしたらどうかというふうなお話もあるわけでございますが、厚生年金と農林年金との内容の違いというふうなこと、それからほかの年金との均衡といったようなところからやはり一八%の国庫補助率を引き上げるというわけにはまいらなかったわけでありますが、結果的には財源の調整のための補助金はふえてきておりますし、実質一九・七七%というふうな補助率にもなっているわけでございまして、私どもといたしましては、このような国庫負担の充実について今後努力をしていきたいというふうに考えるわけでございます。
#64
○野坂委員 いま御答弁の中で、事業者負担にしたらどうかというふうに私が言っておるということですが、そういうことは考えていないのです。国の補助率を高めなさいということなんです。ただ、この財政基盤が弱い農林年金がどうしたら強化できるか。それには、方法としてはそうです、あなたがおっしゃるように、事業者団体の方は弱いから、国でいくべきだということにしかなりません。しかも、厚生年金と、当初一五%で発足しておるのですね。そして、片や二〇%になって、これはその後に一八%になっておるわけです。そうですね、補助率は。だから、そういうかっこうでこれからだんだんいきますと、この一三・五九だけれども、やはり農協の、あるいは農林団体の職員というものは給料が安いから、千分の九十八が限度だ、この前あなたの前の、いまの水産庁長官の内村さんは、私にこう答えておるのです。当時、千分の九十六というのは余りにも過酷ではないですかという質問については、これが限度だと思っております、こういう御答弁もいただいておるわけですよ。今度は千分の九十八になった。しかし、一三三の所要財源率というものが考えられるということになれば、勢い国の補助率というものを引き上げていかなければ、いつも横目だけで見て全く自主性なき農林年金ということであれば、なぜ三十四年に厚生年金から出て出発したかということは、もっと厚生年金よりもよくならなければならぬ、こういう発想があったことは間違いありません。それはいろいろ政策的に、農協の職員によりりっぱな人材を、そしてより待遇の改善を、こういうかっこうで農業を引き上げよう、こういう考え方があったことには、これにも書いてあるとおり間違いないところでありますから、そういう面での国庫補助率の引き上げというものを本気で考えていく段階に来ておるということだけを申し上げて、ちょうど時間となりましたので、あす残された諸問題についてさらに質疑を進めさせていただきますように委員長にお願いを申し上げて、きょうはこれで一応の質問は終わらせていただきます。(拍手)
#65
○湊委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十二分開議
#66
○湊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中川利三郎君。
#67
○中川(利)委員 農林年金についてお聞きしたいわけでありますが、今回修正積立方式という新しいかっこうで掛金計算その他をやったわけでありますが、それでさえも千分の二の負担増が新たにかかるという結果が出ておるわけであります。それに対してことしはともかくといたしまして、これからますます受給者がふえる、あるいはインフレその他によりますところの給付金を前向きに改善していかなければならない、こういう問題を抱えているとするならば、今後ますます負担増が大きい問題になってくると思うのです。
 私、せんだって秋田の地元へ帰りまして、農協へ寄ってきたわけでありますが、こう言っているのです。非常に善意的な声でありますが、今回の〇・二、これは何とかがまんしましょう、しかし今後を考えるならば全く頭が痛くて困っちゃう、こういうことを言っているわけであります。つまり、この事態を解決するためには、国庫負担率をふやさなければならない、それ以外負担軽減の措置はできないのじゃないかと思うわけですが、しかし、今回のこの法案を見ますと、そういう点が全く考慮されておらない、こういうことに対してまず一点、簡単に局長からひとつ御見解をお示しいただきたいと思うのです。
#68
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のように、昭和四十九年度末をもちまして財政の再計算をいたしたわけでございますが、その際に農林年金に対します国庫補助のあり方についていろいろ検討を加えたわけでございます。再計算の結果は、御承知のように財源率が大幅に増加をするということが見込まれましたので、五十一年度の予算編成に際しまして、掛金率でありますとかあるいは財政方式のあり方といったようなことを総合的にいろいろな角度から検討を加えたわけでございますが、他の公的年金の制度全体とのバランスの問題その他の問題がございまして、補助率自体は今回現行水準に据え置くということといたしたわけでございます。
 御承知のように五年ごとに財政の再計算はいたすことになっておりますので、今後この農林年金の財政問題につきましては、関係各省との協議そのほかあらゆる角度から検討を重ねてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#69
○中川(利)委員 そうすると、国庫補助率をふやさない、そういうかっこうでは組合員の負担が今後ますます増大するということが目に見えているわけでありますが、もしも国庫補助率をふやさないとするならば、たとえば賦課方式をとってやらなければならないということも一つの方法として前々から論議されておったわけでありますが、これに対してはどういうふうに考えているのですか。
#70
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のように、年金の財政方式には大きく分けて二つの方式があると言われておりまして、一つが積立方式でありまして、一つがいまお話しの賦課方式ということでございます。現在、農林年金について行われておる方式は積立方式なわけでございますが、積立方式と申しますのは、現在の組合員が将来受給権者になった場合の給付に必要な財源を事前に積み立てる、こういう方式でございまして、この点、物価上昇その他によって積立金が次第に減価をするのではないかという問題点が指摘されますが、同時に反面、後代への負担が原則として転嫁をされない。したがって、世代間の負担が非常に平準化しておるという利点があるというふうに言われておるわけでございます。
 そこで、もう一方の、ただいま御提案の賦課方式という方式でございますが、これは現在の年金の受給者に対する給付に必要な財源を現在の組合員が拠出する、こういう方式になっておるわけでございまして、組合員に対して年金の受給権者が少ない状況に現在農林年金の場合にはあるわけでございますが、これをいわゆる未成熟というふうに申しておるわけでございますが、そういう状況のもとで考えてみますと、当面は確かに掛金の軽減を図ることができるわけでございますけれども、今後の問題として考えてみますと、組合員の総数の伸び率が鈍化をするということが予想をされますし、また一方、年金の受給権者はふえていくということが考えられるわけでございまして、こういったような点を考慮しますと、将来の組合員の掛金率の負担というものが、賦課方式をとりました際は相当過重なものになることが予想されるというふうに、世代によって非常に負担の均衡を欠くというふうな問題が賦課方式の問題点として指摘をされておるわけでございます。
 したがいまして、現行では農林年金制度は、他の共済制度と同様に積立方式というものを採用しておるわけでございますが、今後、将来にわたってどういう財政方式をとっていくことが適当であるかということを考えていきます際に、いま私どもとして考慮しなければならない点といたしましては、まず長期的な視点に立ちまして、急激な組合員の掛金負担の増加を避けるということが一点、それから世代間の負担の均衡というものをやはり図っていく必要があるであろうということが第二点、第三点といたしましては、そういうことを考慮しながら年金財政の健全な運営を行っていくというふうなことを総合的に考えていく必要があるというふうに考えておるわけでございまして、この辺、いろいろ関係方面の御意見も十分にお聞きしながら今後慎重に検討すべき問題であろうというふうに思っておるわけでございます。
#71
○中川(利)委員 修正積立方式でも負担増は避けられない、おまけに国庫負担、補助率はふやさない、賦課方式はやらない、そうするとどこに何とするのかという問題が起こるわけでありますが、どこからかの金を回す以外にないわけであります。でなければ農林漁業団体職員が負担せよ、こういうかっこうになるわけでありますが、たとえば農協と農林漁業団体職員の負担割合なんかを見ましても、そういう状況の中で五、五の負担割合になっていますけれども、それすらも大変困難な農協がたくさんあるわけであります。したがって、私は団体の負担割合をふやして実際の農林漁業団体職員の掛金を減らしていく、その場合にその団体の経営自体を勘案して負担困難な団体に対しては国が助成していく、こういうかっこうくらいはとらなければ、まるまるその分しわ寄せを全部農林漁業団体職員にかぶせるというかっこうになるわけでありますので、そういう点についての御検討はどうなっているのか、この辺をお伺いしたいと思います。
#72
○吉岡(裕)政府委員 先生御承知のように、現在事業主の負担というのは組合員との折半という考え方で半々ということになっておるわけでございますが、この制度は農林年金独特と申しますよりも、健康保険を含めまして社会保険全般に共通をしてこういう考え方がとられておるわけでございます。そこで、いま御指摘のように、農林漁業団体の経営内容というものも一律ではございませんので、農林漁業団体が事業者負担として持つというふうな問題について早急な結論を出すことは非常にむずかしかろうというふうに私どもは思っておるわけでございます。ただ、本年の予算編成において、農協の全国中央会が行います相互扶助事業というものが従来行われてきておったわけでございますが、それを全中としまして大いに拡充をしていくという考え方がございまして、これに対して一億五千万の国庫補助をいたすことにいたしたわけでございますが、全中といたしましては、この拡充の機会に全体として相互扶助事業の一環として年金に対する援助ということも考えておるようでございます。したがいまして、そういう援助の要素も含めまして、財政計算といたしましては掛金率が九八・九ぐらいになりますものを、そういう全中の援助というふうなものを考えてこの引き上げにとどまったというふうな経緯があるわけでございます。私どもとしては、今後こうした動きに対しましては積極的に対応をしていくように努力をしていきたいというふうに思っておるわけでございます。
#73
○中川(利)委員 全中に対する一億五千万の援助は、あるいはこれまでの援助の中でもっと上がるべきところが〇・二にとまった、こういう言い方なわけですね。私がお聞きしておるのは、そのことはそのことなりにわかるわけでありますけれども、たとえば私のところの秋田市の農協では、組合員に対する迷惑をこれ以上かけてはいけないということで六、四になっておるのです。大館の農協では七、三になっておるのですね。そういうかっこうで皆さんが苦しい財政をやりくりしながら必死の努力をしておるという経過があるわけでありまして、五、五がたてまえだからそれでいいじゃないかと言えばそれまででありますけれども、そういう組合員の立場を考えた形での施策が進められておるという状況があるとするならば、それに見合うような何かの手だてを尽くしていく。当然これもやらなければ、全部何もかにもやらないということになっているのですね。そういうことでいいのかどうか、いま一度簡単に御返答をいただきたいと思うのです。
#74
○吉岡(裕)政府委員 共済年金制度は、御承知のとおり事業者と組合員との一つの相互扶助の組織でございまして、これの結果、労務管理面に対しても非常にいい影響があるということででき上がっているわけでございます。したがいまして、やはり基本的には事業者と組合員というものがこの制度に対して平等に維持をしていくための貢献をするというのが今日の考え方であろうと思うわけでございますが、先ほども申し上げましたように、年金財政のあり方全体につきましては今後とも健全な運営を目指しまして慎重な検討を続けてまいりたいというふうに考えます。
#75
○中川(利)委員 今後とも健全な運営を云々ということを言いますけれども、何もあなた方やるべきことをやらないで、今回でも全部しりぬぐいが下の方にかかってくる、こういうことが実態だと思うのですね。
 そこでお聞きしたいのは、そうすると一体あなた方、国会の附帯決議をどう考えるのかということですね。たとえばここで昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議、こういうものがこの前のときに出ておるわけです。これを見ますと国会の附帯決議として出されておることは、「年金財政の健全化を図るため、給付に要する費用に対する国の補助率の百分の二十以上への引上げ、財源調整費補助及び事務費の増額に努めること。」ばんとこういうことを書いているのですね。それから次には「賦課方式の採用を含め農林年金の財政方式のあり方について検討を加えること。」その次にいま言ったことと関係あることを述べますと「掛金の負担割合については、組合員の負担軽減の方向で改善措置を検討すること。」、こういうことが国会の附帯決議で出ておるのですね。そうすると、あなた方はいままでこの附帯決議の実行のためにどんな努力をしたのか、ひとつそれを言ってください。何もやってないのか、どういう努力をしたか、その経過をお話ししていただきたいと思います。もともと国会の附帯決議に対して何と心得るかということも含めてお聞きしたいと思うのです。
#76
○吉岡(裕)政府委員 ただいまお話のございました国会の附帯決議につきましては、今回の予算編成、法案の作成に当たりまして私どもも十分検討をさせていただいたわけでございます。この附帯決議の中でいろいろ旧法年金についての格差是正のための一層の努力でございますとか、既裁定年金のベースアップの話でございますとかございますがそれぞれについて私どもとしてはいろいろな角度からの検討をいたしまして、できるだけ御趣旨を生かすように努力をしたつもりでございます。ただ残念ながら完全に御趣旨を達成するというところまではまいっておらない点が多々あることは残念でございますが、この点全体的な制度のあり方とも絡む問題でございますので、今後さらに検討を続けていきたいというふうに思っておるわけでございます。
 先ほどお話のございました掛金補助に対しまして、都道府県その他公的な財政援助の導入に努めることというような附帯決議があったわけでございますが、この点、関係省とも私ども十分に折衝を重ねましたけれども、今日のような財政事情、また地方財政事情等のために、今回協議を調えることができなかったわけでございます。まあそれにかわるものというわけではございませんが、先ほど申し上げましたような農業団体の行う職員の相互扶助事業についての助成といったようなことを考えたつもりでございます。
 なお、農林年金財政のあり方につきましては、先ほど申し上げましたような修正積立方式の採用というふうなことで、今回の再計算の結果を踏まえた当面の財政方式の採用を行ったというふうなことでございます。
 その他、一つ一つは申し上げませんけれども、私どもとしては最大限の検討をさせていただいたつもりでございます。
#77
○中川(利)委員 国会決議がここにはっきり明文化されて、この方向に努力することと、政府が指導しなければならないわけでありますけれども、あなたのお話を聞きますと、何も努力の跡が、失礼でありますけれどもこの文言で見る限りにおいては一つも達成されておらない。一つもこれが前向きな実施の手がかりさえも実態としてはここではうかがえない。これがこういう状況だということについては、私は今後、委員長にも私申し上げたいわけでありますが、附帯決議をこのようなかっこうでやられるということについては、全く検討した形跡がこの文言で見る限りはないわけでありますので、ひとつ国会の権威のためにも改めてこの問題をいろいろ御検討いただきたいと思うのであります。
 それから、あなたにお伺いしますけれども、そうしますと、今後、修正積立方式を採用したけれども、先ほど申しましたように負担率はふえ続け、さらに今後ますますふえるということは明らかなわけですね。組合員総数に対して受給者が今後どんどんふえていく傾向にあるということをあなたはおっしゃっているわけですから、なおさらそうなりますね。そうすると、政府はどう対処するのか。国会決議を生かす方向から見るならば、その対策を具体的にここへ示していただかなければなりません。どういう具体的な手だてをもってこういうものを生かす方向にがんばるのか、そういうものの道筋をあなたはお考えになっていらっしゃるのかどうか。たとえば賦課方式の問題にしても、私がお伺いしたところによれば、こういう問題が提起されているにかかわらず、あなたの方では計算さえしてないと言うのですよね。そうなればどのぐらいの財源でどうなるかということも計算も全くしておらないということを聞いているのですが、その事実の有無も含めてお話しいただきたいと思います。委員長からもひとつ返事を……。
#78
○吉岡(裕)政府委員 附帯決議につきまして一言申し上げますが、先ほど御説明は申し上げませんでしたけれども、附帯決議についております「国家公務員共済組合等他制度との均衡ならびに低額年金受給者の多い本制度の特殊性を考慮しつつ、適切な措置を講ずること。」というふうな点につきましては、国家公務員共済制度と横並びの制度改正を行っておりますし、また低額年金受給者を配慮した各種の措置をこの法案の中に含めておるわけでございます。
 また、最低保障額の是正でございますとか、幾つかのこの附帯決議の御趣旨に従った改正を私どもとしては含めておるつもりでございまして、今後とも私どもといたしましては附帯決議の御趣旨を最大限に生かすように努力をしてまいる所存でございます。
 なお、ただいまお話のございました賦課方式について計算をしていないではないかというお話でございますが、これは単年度についての計算はある程度できるといたしましても、全体の計算というものはなかなか困難でございまして、私どもといたしましては現状の財政方式のもとで今回考えましたような再計算をいたしたわけでございます。
#79
○中川(利)委員 それでは次へ進みまして、農林年金の積立金ですね。この使い道に関しまして、特に福祉に対する貸付制度の問題でお聞きするわけでありますが、財務会計の省令によりますと、総資産額の二〇%まではそういう面で貸し付けすることができる、こういうことになっておりますけれども、皆さんのこの農林年金の積立金の運用状況を拝見いたしますと、わずか一〇%しかこのための貸し出し、このための支出は出ておらないわけであります。構成比で見ますと投資有価証券、株ですな、これは、これが七割以上ですね。あるいは不動産だとかその他信託だとかありますけれども、最大のものが投資有価証券。そうして一番大事な、肝心の皆さんに対する福祉面での積立金の使途は一〇%そこそこだ。この点を私、秋田の農協の皆さんにお話ししたら、とんでもない話だ、けしからぬ、そういう金があるならばというような話がありましたが、これはこれなりに、皆さんがここからその差益金を出してこれに充当しているのだという使用目的を、私わからないわけではないのですが、しかし、組合員からするならば、そのような実感をもって受けとめているということも十分ひとつ御承知おきいただきたいわけであります。特にそういう福祉面での貸し付けがふえない理由の一つは、やはり貸付項目ごとの限度額を皆さんがぐっと頭から抑えておる、こういうところにも問題があると言われているわけであります。
 たとえば住宅貸し付けでありますが、現行は五百万円ですね。いま住宅を建てるに五百万円では、まるまる皆さんのところの分で建てるわけにはいかないわけですけれども、なかなか建たないわけですね。したがってこれを八百万円にせい、こういう要求があるわけでありますが、これぐらいなら私はできるだろうと思うのです。ところが皆さんは五百万円が限度だと言うけれども、実態を見ますと、秋田市なんか見ますと、限度が五百万になっているにかかわらず二百万円が限度になっておるのですな。そうすると、ますますおかしいことになるのだな、あれば。そういうことでは、その組合の実態の中で限度額が二百万円になっておったり、そういう法律の基準の中までいかないというところが大多数ですね。そうなりますと、今度住宅を建てるといったって、二百万円じゃ建たないわけですから、だから皆さんのそういう限度額自体の、これは限度の最高額という意味でしょうから二百万円を秋田の場合は最高にしたかと思いますけれども、そういう最低の、いまの今日の常識で家を建てるという場合の限界から見ますと、一つは五百万そのものも問題ありますけれども、これは八百万円にしろというのが皆さんの声ですけれども、秋田のように二百万円が限度額だなんということはますますもって私は理解しにくい問題だと思うのですが、この辺のことをどのようにお考えになっているのかお伺いしたいと思うのです。
#80
○吉岡(裕)政府委員 福祉貸し付けでございますが、これは昭和四十年に開始をされまして年々非常にふえておりまして、現在、四十九年度末の貸付実績が三百六十四億円それから貸付残高二百二十六億円ということでございまして、この資産総額に対します貸付残高の割合は先生ただいま御指摘のとおり一〇%弱、八・七%というふうなことになっております。
 私ども、この福祉貸し付けの運営といたしまして、現在までのところ予算額が不足をいたしまして組合員の要望にこたえられなかったというような事態は発生をしていないというふうに思っておるわけでございまして、今後とも福祉貸し付けについてはできるだけ組合員の要望に沿うように、資金需要とかあるいは資金繰りなどを勘案しながら年金当局を指導してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 確かにただいま御指摘のような貸付限度というものは設けておりまして、これは組合員の要望でございますとか、あるいは他の共済制度の実態といったようなものも考慮しながら貸付限度というものを設定をしておりまして、ただいま御指摘の住宅貸し付けというのは、五十年十月に三百万円から五百万円に最高を改めたということでございます。私どもはこの限度額あるいは利率といったような貸付条件は、私学共済あたりよりは若干有利ではないかというふうに思っておるわけでございますが、その貸付限度額について地域的に制限をしておるというふうなことはないと承知をいたしております。あるいは人によりまして、勤めました年限との関係というふうなものは個別に考慮をされるようでございますので、あるいは人によってはそういうものがあるかもしれませんが、地域的にそういう限度を決めておるというふうなことはないというふうに承知をいたしております。
#81
○中川(利)委員 いま住宅に対する福祉貸し付けの問題をお話ししたが、ついででありますから申し上げますと、たとえばそのほかにも新築と増築の重複貸し付けですね、これはいま認められておらないわけですね。しかし最近の傾向を見ますと、家族数や資金量や返済能力などの関係で、初めは小規模なものを建てて必要に応じて建て増しをするということは一般的に行われておるわけでありますが、現行ではこのようなやり方が認められておらないけれども、貸付限度額の枠の中であればそれを認めてほしいというのが組合員の声であるわけであります。
 同時に償還についても、現行の償還は元金の均等償還しか認められておらないけれども、元金逓増一時金併用ですね、そういうものを、何とか方法そのものを選択できるように改善できないか。同じこういうかっこうのものでも、国共、地共その他ではやっていますわね。こういうことを見ますならば、当然これはやっていいんじゃないかと思うわけであります。
 さらに、死んだときだとか退職したとき、これをすぐいままで借りたやつを皆払えというのですね。そういうことも実態にそぐわないものでありますから、やはり希望によっては一定期間の分割償還を認めるべきだ、こういう点もどうかということを私はお聞きしたいわけです。
 これについて、もう一つつけ加えるならば、組合員同士が、Aという組合員が融資を受けた。その場合に同じ組合員のBが保証人になった。そうすると、Bが今度自分が必要とするときは自分は借りられないというのですね。そういう問題が私の地域ではあるようであります。そうすると、これは全く筋違いのものであって、普通はAの場合Bが保証人になれば、BがやるときはAが保証人になるというかっこうでどっちもいいわけでありますが、これはそういうこともないようでありまして、こういう点の改善も当然やるべきじゃないかと思いますが、この点についてあわせてお聞きしたいと思うわけであります。
#82
○吉岡(裕)政府委員 ただいま御指摘のございました具体的な種々な問題につきましては、ひとつ私どもとしても十分これから検討をさしていただきたいと思うわけでございますが、その中の一つ、やめました際に一括償還をさせるのはひどいではないかというお話があったわけでございますが、これは各年金共通の問題でございますが、本人がその組織から離れてしまった場合に、どうやって債権を確保するか、あるいは申し込みの手続等をどの機関がどう扱ってやるかというふうないろいろ問題がございまして、これもやはり一つの金融制度でございますので、なかなか全国に散らばる可能性のある退職者につきまして福祉貸し付けを継続をしていくという点については種々むずかしい問題があるわけでございます。
 その他の問題につきましては、私どもとしては今後検討をさしていただきたいと思います。
#83
○中川(利)委員 いまの退職、死亡の際ですが、まあ団体の方ではどうせ退職金があるからそれから全部引けば、そのときは全部ごっそり引いてしまうんだ、こういうかっこうで処理されているわけですね。しかし、これもまあいろいろ検討していただくということですから私はいいことだと思いますけれども、実態から見ますといろんな無理があるようなことでもありますので、重ねて前向きの御検討をひとつしていただきたいと思うわけです。
 それから育英資金の貸付制度についてでありますが、おたくの方のいまのやり方、指導しているやり方を見ますと、大学育英資金の問題については月一万円で年間十二万円なんですね。これの四年間を貸し付ける。短大はやはり月一万円の二年間、こういうことになっていますね。ところが、いま大学四年ですから四十八万円四年間で貸せばわれわれはもう育英制度をりっぱに生かしているんだ、こういう皆さんの言い方、見方でありますけれども、いまごろ月一万円、四年間で四十八万円貸して育英資金だなんというのはこれはまさに実態に即さない。ましておたくは膨大な金を――農林省が持っているわけじゃないですが、大変な金を余裕金なり何なり持っていらっしゃるわけですから、まあ農民の実態から言えば、株をたくさん持っているなんというようなことは、そういう金があるならばという、感覚としては私は尊重したいと思いますので、やはりなるべくそれにこたえる。二割大体使えるものをおたくの福祉の方の関係では一割しか使っていないというのですからね。ですから、そういう部分をもっと手直しをしていくということ。これは何と考えても非常に無理があるような、機械的なというか、もうすでに古くなっている考え方でありまして、この点もひとつ十分な御検討をいただかなければならない、こういうふうに考えているわけでありまして、この点についてはいかがでしょうか。
#84
○吉岡(裕)政府委員 資産全体の運用として株式等を持っておるというお話は、先生すでに御承知のとおり、年金財政としてなるべくたくさんの利差益というものを生みますことが掛金を引き下げる非常に重要な要素でございますので、安全確実を旨としながらも、やはりできるだけ有利に積立金というものを運用していくということが一つの考え方になっておるわけでございまして、その点はひとつ御了解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 育英資金でございますが、農林年金の場合、確かに大学生四十八万円ということになっておりますが、たとえば国共済で、これは農林省の共済をとってみますと、四十五万二千円、それから私学共済の場合には最高三十万というふうなことになっておりまして、まあこういうものには一応社会的な一つの横並びの標準というふうなものがあろうかと思いますが、農林年金としてはかなり勉強をいたして決めておるというふうに思うわけでございます。なお、そういう横並びの問題その他も考えながら、この農民の要求というものに対しましてはいろいろな角度から私どもとしては検討は今後とも続けていく必要があろうかと思っております。
#85
○中川(利)委員 まあ今後とも検討を続けるということですけれども、何か、ただ通り一遍の言葉のような感じがするわけです。あなた、横並び横並びと言う。ほかの共済との関係なんかもおっしゃっているつもりだと思いますが、そういうことを言うならば、先ほど申し上げましたように、あの償還についてもほかの同じ性質の共済組合みたいなものは、償還についてはいろんな、分割してやるとか、元金の逓増一時金併用だとか、いろいろなやり方でやっているところがあるわけです。ここだけがないという状況が一つ問題だと思うのですけれども、またその都度申し出るとかいうような非常に複雑な仕組みになっているわけですが、ですから横並び云々ということももちろん大事なことでありますけれども、いずれ実態が見合わないということと、やはりこの他経理の貸付金が積立金の中で二〇%までの枠が認められているにかかわらず、一〇%しかないということは、もっともっといろいろな面でこれを生かして使う分野があるのだということを証明しているものであります。
 そういうことをりっぱに生かしてこそ、農林年金の趣旨が生かされるのだという趣旨で、私申し上げているわけでございまして、そういう立場から申し上げますと、たとえば災害貸し付けについても同じことが言えるだろうと思うのです。これは現行五十万円の限度額でありますけれども、災害を受けた場合、現行五十万円では一般的に余りにも低額だということは、これはだれしも認めなければならないところだと思うのですね。したがって、これを百万円ぐらいまで何とか借りられるように要求できないか、こういう声がこの年金の職員の中からも大変出ているのでありますけれども、この点についてはどうお考えでありましょうか。
#86
○吉岡(裕)政府委員 また横並びというお話を申し上げて恐縮でございますが、災害貸し付けの場合、農林年金、ただいまお話しのとおり最高五十万円ということになっておりまして、この考え方は標準給与の月額の五カ月分というふうな考え方で、最高五十万ということになっておるわけでございます。
 国共済の、これは農林省でございますが、これは俸給の四カ月分、それから私学共済の場合には標準給与の月額の二カ月分ということになっておりまして、横並びで見ますと、農林年金といたしましてはかなり勉強をしておるというふうに考えておるわけでございます。
 先生御指摘の問題につきましては、今後私どもとしてもいろいろな角度から検討課題にしていく必要はあろうかと思っておりますが、現状は一応そういうことでございます。
#87
○中川(利)委員 横並びの話になりましてあれですが、それならついでにまた言わしていただきますならば、保養所がございますね。いろいろな共済の保養所がございますね。皆さんの保養所、農林年金の保養所、農林省じゃないですよ。これはほかの共済の例に比べて、その人々のレクリエーションだとか休養のための保養所は、数なんか、横並びという次第から見ますならば、果たしてほか並みに皆さんがつくられているのかどうか、ここら辺での数字がありましたならば、ひとつ比較表を出していただきたいと思います。
#88
○吉岡(裕)政府委員 現在農林年金は、組合員の宿泊あるいは会議、研修等の利用に供するために、全国で十三カ所の宿泊施設を設置して運営をいたしておるわけでございます。
 手元にちょっとよその年金の施設の数字を持っておりませんので、御容赦いただきたいと思います。
#89
○中川(利)委員 時間が来たから、あと一つでやめますけれども、ぜひともそういう点で、あなた横並び、横並びということをお好きなようでたくさん申しますだけに、私は比較検討もしていただきたいと思うのです。現に、農林年金がこれだけのたくさんの加入者がおりながら、私の寡聞なところかもしれませんが、わが秋田県にはもちろん保養所も何もありませんし、東北では多分岩手県の花巻温泉じゃないかと思うのですよ。あるいは北海道に一カ所あるかどうかだと思うのですけれども、一番農民の多いところで何もないという、そういう状況が実態ではないかと思うのですね。
 したがいまして、先ほど来繰り返し申し上げましたように、やはりこの金がそういう福祉の面でも十分使える枠を持ちながら、そこまでいっていないという現状を十分深く認識していただきまして、いま申しました横並びという面から見ましても、まさに比較して落ちないようなかっこうで、ひとつ農民の幸せに対して十分検討していただきたいと思うわけです。
 そういう点で、保養所の問題、別に返事をとる必要ありませんけども、そのことを十分申し上げまして、時間が来ましたので私の質問を終わらせていただきます。
#90
○湊委員長 次に、津川武一君。
#91
○津川委員 農業者年金について質問をしますが、その前に構造改善局に、きのう山形県の朝日町で起きた、農林省の事業による災害で、九人亡くなっております。これは大林組の工事、その大林組はことし栃木県で、同じ山形県の農民六人を災害死で亡くならせております。最近では、昨年の暮れに千葉県のゴルフ場建設で、土砂崩れで出かせぎ農民七人が死んでおりますが、非常に重大な事故ばかり起きております。今度の、きのうの山形県朝日町の災害の状況と、その原因についてどう考えておりますか、ひとつ明らかにしてください。
#92
○岡安政府委員 お答えいたします。
 御質問の、国営最上川中流農業水利事業におきまして、昨十日の朝爆発事故が起きまして、この水利事業でもって、現在実施いたしております西部幹線トンネルの一部でございますけれども、第二工区について、本坑二百五十メートルぐらい入った地点で事故が起きたわけでございます。
 この西部幹線トンネルは、四十九年度から事業を実施いたしておりますが、地質の構造上、着工のときからガス漏れが予想されましたので、常に安全対策に留意して仕事をするように注意してきたところでございます。ところが、十日の午前七時過ぎにガス検知器により測定したところ、ガスの濃度が〇・二%であったということで作業を開始したわけでございますが、午前九時五十分に突然ガス爆発が起きたわけでございます。
 これは新聞その他にも報道されておりますけれども、爆発時におきまして九名の作業員が入坑しておりましたので、急遽、関係の機関及び地元の方々の御協力を得まして、救出作業を開始したわけでございますが、ガス濃度が一〇%にもなるということで、救助員が二次災害を起こすおそれもあるということで、救助作業は非常に難航いたしたわけでございますが、昨十日の午後十時になりまして、ようやく九名の方々の遺体を収容することができたということでございます。
 この原因はどうかという御質問でございますけれども、この西部幹線トンネル工事は、最上川から水をとることにいたしておるのでございますけれども、この地帯は非常に特殊な地質の構造を持っておるところを縦断をして施工するということで、先ほど申し上げましたとおりガスの発生が予想されましたので、現地の事業所なり労働基準監督署、警察署、それから施工業者の四者で災害対策協議会を設置いたしまして、安全確保に努めまして、工事の実施を行うというふうにしてきたところでございます。
 ところが、十日の作業開始時におきましてガス濃度を測定し、安全を確認した後に作業を開始したというふうに報告を受けておりますが、にもかかわらず、突然のガス爆発が起ったということでございますので、現在のところ、その原因は明らかになっておりません。私ども、早速関係機関の協力を受けまして、できるだけ早く原因究明を行いたいというふうに思っております。
#93
○津川委員 そこで、これはほうっておけないので一般案件の場合にさらにお尋ねいたすとして、九時に事故が起きて、仏さんが最終に収容されているのが十時。私は、災害に対する対策、必要な施設、工具などなくて作業しているのじゃないか、こんなふうにも思いますので、機会を改めてさらに問題にするといたしまして、この問題で最後には遺族に対して、仏さんになった人に対して万全の対策、特に補償に対して十分な対策を考えると思いますが、その点はいかがでございますか。
#94
○岡安政府委員 おっしゃるとおり、私ども今回の事故によりまして亡くなられた方々に対しまして御冥福をお祈りするわけでございますが、遺族に対します措置につきましては、まず第一義的に大林組が措置をいたすと思いますけれども、おっしゃるとおり万全の対策、手厚い対策をとるよう指導いたしたいと思っております。
#95
○津川委員 続いて、農業者年金法の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
 今回の改正では、他の年金に見られないような国庫負担の増加があり、それなりに評価するにやぶさかではありませんが、同じ農業者でありながら、条件のいい農業者が条件の悪い弱者である農業者の負担において自分の老後生活の金を手にするのであるし、さらに後継者対策の貧困や農地拡大の失敗など、農林省、政府は当然農政で処理しなければならないものを年金ということで切り抜けよう、処理しようとしているものであり、これからわれわれが育てていかねばならぬ日本の年金制度を破壊と混乱に導くものであり、しかもそういう年金の掛金を今回値上げするというのであり、反対せざるを得ません。反対する立場から質問を展開しますが、どうしても農業者の老後の保障体制は確立しなければならないと思う次第でございます。
 そういう二つの立場から質問してみますが、農業者年金法の目的は、第一条で見られるとおり、農地等の買い入れ及び売り渡しの業務を行う、農業経営の近代化及び農地保有の合理化をする、こういう意味のことが書かれてあります。
 そこで、厚生省にまずお尋ねしますが、年金の基本理念は何であるかということです。私たちは、人間が生きていく上において所得の喪失、老齢、廃疾、生計中心者の死亡、失業、そうしたものを救済するのが社会保障制度であり、年金だと思っているわけです。今度の経営移譲年金は、農業者が六十歳から六十五歳未満まで人為的に職なき状態をつくるのではございませんか。年金は、自分から求めて年金をもらわなければならぬような事故をつくるべきものでないと思うのですが、こういう点で年金の基本理念は何であるか、こういう形が年金なのかということを厚生省からまず答えていただきます。
#96
○持永説明員 お尋ねの年金制度の一般的な理念でございますけれども、先生お話しになりましたように、年金制度というのは老齢でございますとか、廃疾でございますとか、死亡でございますとか、そういったような保険事故に対しまして、年金の給付を行うことによって、そういった事故にかかった人たちの生活の安定に寄与するということを一般的には目的としていることになると思います。
 いまお尋ねの経営移譲年金でございますけれども、経営移譲年金の場合には、いわゆる被用者年金で退職年金というのがございますけれども、退職年金というのは退職することによって生計手段を喪失することでございますが、農業者年金の経営移譲年金は、そういった意味で経営移譲というのを一つの生計手段を喪失するというふうなことにみなして、それを保険事故として年金を支給する、こういうふうに私どもとしては理解しております。
#97
○津川委員 そこで、厚生省、経営移譲年金をぼくは問題にしているのではないのです。年金というのは、自分の意思でどうにもならない、そうありたくない、願わしくない状態に追い込まれている、これが年金をもらう事故だと思う。経営移譲は自分からやるわけです。自分の意思で求めている。そういう事故というものを年金の対象にしていいのかということが一つ。もう一つは、農業の構造改善のために年金をやっていいのか。もう一つは、経営規模を拡大する、これが農業者年金の目的だ、こういう年金であっていいのかどうか。農業経営者の若返りのためであると言っている、こういうものが年金であっていいのか。経営の近代化のため、農地の保有合理化のための年金、これが年金の該当対象事故になるのかどうか。この点では、五十一年度の農政の中で農業者年金というカテゴリーをどこで考えているかというと、農地保有合理化の促進の一部として農業者年金というものを農業白書で説明しているのです。だから、こういう農地の拡大、農業者の若返り、農地保有合理化の促進、こういうものは当然農政でやるべきじゃありませんか。これを年金という形をとったところに農業者年金があり、本来の意味の年金制度、社会保障の概念を非常に大きな混乱に陥れ、年金制度を後退させる、非常に問題がある法案じゃないか、こう思うわけであります。この点は、法ができるときも論議になりましたけれども、いまさらにこれを値上げしてくるとなってくると再び論議しなければならないので、厚生省の見解をこの点で端的に伺わしていただきたいと思う。
#98
○持永説明員 農業者年金につきましては、先生も御承知のことと思いますけれども、この法律が施行されました際にいろいろと議論のあったところでございまして、農業政策上のいわゆる農業経営の近代化あるいは農地保有の合理化、そういったものがそういった経営移譲をした人たちの老後の生活の安定と密接に結びついている、こういうところから、そういった農政上の目的をより効果をあらしめるために、年金という形をとりまして老後の生活安定を図ろう、こういう趣旨で設けられたものだというふうに理解しております。
 先ほどお話のありました、経営移譲年金は全く受給者の任意によって年金が出るものじゃないかというお話でございますけれども、経営移譲年金につきましてもう一つ実は年齢の要件がございまして、やはり六十歳から六十四歳という一般的に老齢年金を支給する他の年金制度と同様な要件がついておりますので、そういう意味で、決してこれがすべて受給者の任意によって年金が支給されるということにはなっていないというふうに考えております。
#99
○津川委員 きょうは時間がないのでこれで終わりますが、厚生省、たとえば同じ被保険者でも六十歳から六十五歳未満で経営移譲すると百三十二万円もらえる。経営移譲しないと、同じ保険料を掛けておりながらそういうお金をもらえない。こういう恐ろしい差別、不平等が、同じ年金を掛けた人に出てきている。これが年金の趣旨に合致するのかどうかというので、あした農林大臣とまた論議するので、きょうもう少し時間があってお伺いすればよかったのだけれども、あしたも来ていただいて、農林大臣の前に、こういう年金というのは年金の概念に当てはまるのかということを少し論議してみますから、お願いしまして、きょうはこれで終わります。
#100
○湊委員長 次に、瀬野栄次郎君。
#101
○瀬野委員 農業者年金基金法の一部を改正する法律案並びに農林年金の一部を改正する法律案の二法案について農林省、関係当局に質問いたします。
 農林大臣が参議院の方の審議に出席していられますので、農林大臣に対する質問は明十三月午前中に質問を留保することにいたしまして、事務的な諸点について政府に見解を求めるものであります。
 まず最初に、農業者年金について質問をしてまいりますが、農業者年金加入の実態と状況についてお伺いをいたします。
 本法制定の当初は約二百万人の加入を予定しておったわけですけれども、本年度の予算措置を見ましても、百六十五万人が予定されているにもかかわらず、五十年三月末現在で百十五万四千三百三十六人が被保険者数になっておりまして、かなりの開きがあることは当局も御承知のとおりであります。年齢別の加入者数を見ましても、二十歳から三十九歳までの加入者が全体の一五%、四十歳から五十五歳までが八五%、こういうふうになっておりまして、かりに三十九歳のところで線を引きましても、こういうふうに一五%と八五%というふうに分かれております。そこで農業者年金の将来を見てまいりますと、二十年たったらどうなるかということをずっと推測しましたときに、二十年たちますと年金の受給者になる者が相当数ふえることは、これはもう事実でございまして、結局四十歳以上の八五%というものを現在の二十歳から三十九歳の一五%という方で負担をするということになりますので、相当な負担を強いられる、こういうことが数字的にも当然予測できるわけです。こういったことについては当局は本法提案に当たってどういうふうに将来を見通され、また検討された上で提案なさったのか、冒頭この点を明らかにしていただきたい。
#102
○岡安政府委員 農業者年金の加入状況につきましては、いま先生の御指摘のとおりでございまして、四十九年度末で百十五万八千人ということになっております。われわれの目標はできるだけ早く百六十五万人という域に達したいと思っておりますが、それに対しましては大体七〇%の加入率ということになっております。さらに、将来を考えた場合には、これも先生御指摘のとおり、日本の農業者全体がだんだん減少をしていくということが見通されるものですから、年金の加入者の構成としましては、高齢者が多く若年層が少ないというような状況になっておりまして、この構成につきましても、御指摘のとおり現状では四十歳以上が大体八四%ということになっております。そこで、私どもとしましてはできるだけ若い方々にこの年金に入っていただくということがぜひ必要であるというふうに考えまして、従来からのきめの細かい広報活動を実施してきたつもりでございますけれども、もちろん従来の努力になお欠くるところがあるというふうに考えておりまして、今後さらに一層の努力をいたしたいと思っております。また、そういう若い方々の加入促進を図る意味合いからも、今回御提案を申し上げておりますように、特定の農業後継者に対しましてはその保険料の負担を軽減するというような措置も構じているわけでございまして、そういうような措置とも合わせまして、今後ともできるだけ加入者をふやす努力を続けてまいりたい、かように考えております。
#103
○瀬野委員 局長がいろいろ答弁されたわけですが、そういうことであるから完全積立方式をとらざるを得ないではないか、また、当然こういうことになると、かように私は将来を見通しておるわけですけれども、この点は農林大臣でなければ、局長では無理かとも思いますけれども、明日農林大臣にもさらにこの点は強く私はお伺いする予定でありますが、いま申されたような理由によって将来完全積立方式をとるという方向にいかざるを得ないのではないかと、こういうふうに思っているんですけれども、その点局長はどういうふうにお考えであるか、その点さらにお伺いをしておきます。
#104
○岡安政府委員 御指摘のとおり、農業者年金の加入者につきましては、逆ピラミッドといいますか、先細りという傾向にございますので、私どもといたしましては、各年齢層間におきます負担の公平を期するというようなこと、さらに年金支給の円滑を確保する、財源を確保するというような考え方から、現在完全積立方式ということで財政の計算をいたしまして保険料その他をはじき出しているわけでございます。しかし、御指摘のとおり将来受給者がふえ、加入者がだんだん減るということになりますと、ほかの年金に比べれば、やはり保険料が漸次高くなっていかなければならないというような問題もございます。私どもは、そういうことも考えましてあらかじめ完全積立方式をやっておりますけれども、やはり加入者の負担ということを考えれば今後とも、現在も国庫負担は他の年金制度に比較いたしまして相当高額な負担をしているつもりでございますけれども、今後ともその点につきましては、加入者の負担の増額につきましては十分配慮しながらこの制度の運用に当たってまいりたい、かように考えております。
#105
○瀬野委員 本年度は若年者の加入構成割合が低いというのが最大の問題点と言えるわけでございますが、将来制度運営に大変憂慮していることは局長がいま申されたとおりでございまして、若年層の加入を今後促進を図るということでございますけれども、これがどこまで期待できるか、大変憂慮されるわけであります。当然若年層の加入を促進することには最大の努力をしていただきたい。これはもう当然のことでありますが、従来からこの年金が経営移譲中心の年金できたわけですけれども、それがいいのか、政策中心の年金がいいのかというようなことがいろいろ問題になるわけですけれども、将来のことを思いましたときに、その点はどういうふうに考えておられるのか。もちろん経営移譲をどんどん進めていくということは当然必要でありますが、ここらで、やはり再計算期に当たり、毎年言われておることでありますけれども年金のあり方ということをもう一度考え直してみるという段階じゃないかと、かように思うのですけれども、その点はどういう認識に立って本法を提案されたか、さらにお伺いをしておきます。
#106
○岡安政府委員 この農業者年金制度につきましては、毎回申し上げておりますとおりこの年金の目的は農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資すると同時に、もう一つの目的といたしましては農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するということになっております。
 私どもは、農業者は一般的には国民年金によりまして老後の保障がなされるということにあるにもかかわらず、それに加えまして農業者年金制度を設けましたのは、それに農政的な配慮を加えて、あわせて農民の方々の老後の安定を図るというような趣旨でございますので、この農業者年金の今後の運営に当たりましては私どもといたしまして農政上の目的というものをやはり重視してまいらなければならない、ということはやはり経営移譲ということによります農期経営の近代化、農地保有の合理化に資するということを中心に置きまして私どもは今後ともこと制度の運営に当たってまいりたい、かように考えております。
#107
○瀬野委員 経営移譲中心に今後考えていくということでございますが、後ほどまたいろいろと問題が出てまいりますので逐次お尋ねしてまいります。
 次に年金額の引き上げの問題ですけれども、今回の改正によりまして経営移譲年金及び農業者老齢年金の額を約一・四八倍に引き上げるということで、財政再計算期を待たず行うということでございますけれども、これは二年早目の改正ということになるわけですが、経営移譲年金は現行千七百六十円に対して、改正されますと二千六百円、農業者老齢年金は四百四十円が改正になると六百五十円、ともに一・四八倍ということのようでございますが、細かいことは別にしまして、まず経営移譲年金の引き上げの問題でお尋ねいたします。
 御承知のように年金算定の基礎となる推定農業所得の月額が厚生年金加入者の平均標準報酬月額に達していないことに問題があるわけでございまして、今後さらに農業所得と他産業所得との格差が広がるということになりますと、年金額の格差が一層拡大し、農業者の期待に十分こたえることができない、またはそれが果たして可能であるかということが大変憂慮されるわけです。
 そこで、この農業者年金の場合、推定農業所得の月額を見ますと九万五千円、また厚生年金の方は平均標準報酬月額十三万六千四百円、ここに格差かございます。こういうことを見ましたときに、昭和五十年度の推定農業所得がどういうふうに算定をされたかということが一つの問題点であるわけです。そこで、こういう低い年金では、厚生年金並みの所得保障を言って叫んできたわけでありますけれども、こういった公約もまたそれに対する農業者の期待も裏切ってしまうということになるわけでありまして、まさに魅力のない年金ということが言われるわけであります。推定農業所得九万五千円はこれでも高く見ているというようなことを当局はおっしゃっているようでありますが、高く見たといってもこれぐらいではどうしようもない、これだけの差があるわけですから、やはり農業者年金はもっと検討すべきである、私はかように思うわけです。
 みなみに厚生年金では九万三百九十二円、九万円年金とこれを称しておりますが、これがかりに実現したとして――実現したように言っておりますけれども、ほんの一部の人がもらっておるわけでございまして、これに対してこの農業者年金の方を当てはめてこのような算定方式で計算してみますと、農業者年金は七万二千八百円にしかならぬというような試算が出てくるわけでございます。
 こういったことを見ましても、厚生年金と農業者年金の差は相当開きがあるということはまさにはっきりしておりますが、この点について今回の算定基礎となった昭和五十年度の推定農業所得はどういうふうな算定をされたのか、局長から明らかにしてもらいたいと思います。
#108
○岡安政府委員 農業者年金の給付水準をどう決めるかということはなかなかむずかしい問題でございます。厚生年金等につきましては、これは加入者の給与というものが明らかになりますし、それらをとりますと平均の標準給与というものも出てまいります。そこから、平均標準報酬の約六割を確保するというようなことを考えますればおのずから給付の額が出てまいりますけれども、農業者の場合にはそれをどういうふうにするかということが一つ問題でございます。私どもは、この制度の発足当時国民年金審議会におきまして、この制度を効果あらしめるために農業者年金の給付水準は厚生年金程度の水準とすべきであるというような御答申を得ておりますので、そういうことを考えまして今回一・四八倍というような水準を決めたわけでございます。
 では、厚生年金程度の水準というものはどういうふうに計算するかというと、これもまた非常に問題でございますけれども、私どもは昭和五十年度におきます当然加入被保険者の農業所得を最近における農業所得の実績等から推定をいたしまして、それを基礎にして、まず第一には厚生年金と同じようにその六割を保障するとした場合にどれくらいの金額になるのかというのが一つの基準ということになります。それから二番目は、いま申し上げました農業所得というものをもって厚生年金に加入した場合には大体どれくらいの年金額をもらうことができるかというように計算をしてみるということが二番目の方式でございます。それらを勘案をいたしまして、大体その中ごろというところで一・四八倍というふうにしたわけでございます。
 具体的に数字を申し上げますと、私どもはいろいろ計算をいたしました。大きい数字から小さい数字がございまして、農業所得の月額を大体最低九万六千円、最高十二万一千円ぐらいの算定をいたしておりますが、それは、まず農業者年金に加入している農家の平均農業所得はどれだけであろうかというものをまず置きまして、それからもう一つは当然加入資格規模以上の農家の平均農業所得はどれだけになるだろうかというものを推定いたしますと、推定の仕方にもいろいろございますけれども、先ほど申し上げましたように九万六千円から十二万一千円の幅に出てくる。それらを基礎といたしまして先ほど申し上げました二つの方式に当てはめて大体中ほどぐらいを算定をいたしたというような次第でございます。
#109
○瀬野委員 この推定農業所得の問題はいま局長も言われたようにいろいろ困難性があるわけですけれども、いまの農業の実態を見てみますと、局長も十分御承知のように専業農家というのは一二、三%と少ないわけです。仮に兼業農家の例を見ましても、三百万の農家所得があっても三百万のうち農業所得はおおむね三分の一の百万というのが大体の常識的な見方になっております。こういったことから見ましたときに、この農業所得だけをいわゆる年金額の算定基礎に使用するということはどうかなというふうに、われわれはかねがね疑問を持っているわけです。おかしいではないか、こういうふうに私たちは指摘しているわけですが、当局はその点はどういうふうにお考えですか、ひとつお答えを願いたいと思います。
#110
○岡安政府委員 御指摘のように、年金の給付水準を決める場合に、私どもは、農業所得というものを基礎において算定をいたしておりますが、農家所得というものをとるという考え方もあろうかと思います。ただ、農家所得ということになりますと、農業所得のほかにいろいろな所得が入ってくるわけでございます。そうしますと、混合所得といいますか、そういうようなものを基準にするという意味合い、これは非常に複雑になってくるわけでございます。
 現在、いろいろな年金の制度がございます。特に、報酬というものを基準にいたしまして保険料を決め、給付金額を決めるというのが通例でございますけれども、その場合には、特定の事業所から受ける報酬というようなものを基準にしているのが通例でございまして、それ以外の資産所得、株式その他の所得等を合算するという例は全くございません。だから、全く新しい考え方に立たなければ、農家所得を基準とした保険料なり給付金額の算定ということはできないわけでございまして、せっかくの御指摘ではございますけれども、これは将来の研究課題ではなかろうかというふうに思っております。
#111
○瀬野委員 そこで、昭和四十九年の四月二十四日、当委員会の附帯決議で、「農業者年金についても、厚生年金等と同様所得に応じた給付が行われるよういわゆる所得比例方式等の導入を図ること。」ということで、私たち附帯決議をつけたわけでございますが、「いわゆる所得比例方式等の導入を図る」ということでお伺いしておきます。
 北海道なんかではよく言われることでありますが、もっと掛金を掛けてもいいから、もっと高い年金額をもらいたいというような意見も間々聞くわけであります。ところが、国が農業者の所得に対してランクづけをするというようなことは事実上むずかしい、かようにわれわれも考えております。あなたはAランク、あなたはBランクということは、なかなか大変な問題であろうということは、われわれも想像しておりますが、こういった要望が地域によっては強いし、またこういうふうに国会で附帯決議もつけて、「導入を図ること。」といっておる以上、これらに対して、今回その実現を見なかった理由と、それからどういうふうに検討されたかという経過を明らかにしておいていただきたい。農民の強い要請、陳情もあっておるわけでございますので、その点どういうふうに検討されて、本提案をなさったのか、局長から明らかにしておいていただきたい。
#112
○岡安政府委員 農業者年金制度に、農業経営規模等に応じた所得比例方式ないしは階層制を導入してはどうかという問題は、御指摘のとおり本院の附帯決議等にもあったわけでございますので、私どもは農業者年金制度研究会等におきまして真剣に検討をいたしたわけでございます。
 ところが、この方式の導入につきましては、数点問題がございます。まず第一点は、農業所得というものを把握する点におきまして、給与所得とは非常に違いまして、技術的な困難性というものが非常に多い点でございます。それから二番目には、階層区分をする場合に、その指標とかまたその基準を何にとったらいいのかというような問題。それから三番目には、加入者の階層間の移動がある。所得がふえたり減ったりということがございますけれども、そういうようなものの確認とか記録のような事務処理はだれがやるのかというような問題。それからさらに一番重要なのは、農村社会の実態にこういうことが円滑に対応し得るのだろうか、むしろそれは差別を導入するのだというような意見もあるやに私どもは聞いております。
 そういうような種々の問題がございますので、今回はこの研究会でも結論を得られませんでした。したがって、私どもは、この問題につきましては今後の課題として検討をすると同時に、さらに農業者の意向等を十分見きわめまして慎重に対処をいたしたいと思っております。
#113
○瀬野委員 次に、農業者老齢年金の引き上げ問題でございますけれども、本法の中でもこれが一つの問題点になっておることは御承知のとおりです。すなわち、経営移譲をした人としなかった人の年金額の格差が大変開きがあるという問題でございます。
 ちなみに、経営移譲した人は五百三十万四千円、これは言うまでもなく経営移譲年金と農業者老齢年金がもらえる。経営移譲しなかった人は百五十六万円、農業者老齢年金しかもらえない。その差額というものは三百七十四万四千円ということになります。収じ制度、同じ保険料でこれほど差があるのはまことにひどいわけで、おかしいと言わざるを得ません。パーセントで申しますと、経営移譲した者は約四〇%、経営移譲しなかった人が約六〇%おるわけでございますから、六〇%の人が四〇%の人を見ているという勘定にもなりますし、この経営移譲をしなかった者六〇%の方は農業者老齢年金だけしかもらえない、こういうことになります。
 言うまでもなく、経営移譲した人は純粋な老齢保障年金ということが言えますが、経営移譲しなかった人は経営移譲を前提とする政策年金としての位置づけということになるわけでございまして、先ほど局長からも答弁がありましたように、農業者年金は経営移譲の方に重点がかかっておる、こういう答弁がございましたが、そのとおりだと思うのです。すなわち、構造政策の推進、規模拡大と経営の若返りということに重点が置かれておるということはうなずけるところでございます。こういった背景のもとに、経営移譲した人、しなかった人の差が三百七十四万四千円もある。こういうように差があるということでは、六〇%に該当する経営移譲しなかった人、この方たちの農業者老齢年金の水準を引き上げなければこれは全くかわいそうである、私はかように思う。自分の納めた保険料に五分五厘の運用利回りをプラスしたものしかもらっていないということで、実際に掛けただけをもらうという程度でございます。そうなると、ほかに預金をして利殖をすれば、現在であれば七分くらいにできるわけですから、それよりも低いということになりまして、掛けただけもらえる、しかも利回りも、実際には現在一般では七分くらいとれるのに、五分五厘しかもらえない、一分五厘も少ない、こういったことでは何ら魅力がない。この辺は大変な問題があるし矛盾があるわけです。
 これについては、やはり四十九年四月二十四日に附帯決議もなされて、「農業者老齢年金水準を更に引き上げるよう努めること。」ということで、慎重に検討するという大臣の答弁もいただいておるわけでありますが、そういったことを含めまして、農業者老齢年金の引き上げということについては格段の検討をしてもらいたい、かように思うのですが、当局はどういうように考えておられるか。この点については明日農林大臣にもしかとお伺いし、検討をお願いしたい、かように思っておりますが、局長の立場からこれに対する答弁を承りたい。
#114
○岡安政府委員 確かに農業者の老後の生活を保障するというような立場に立ちますれば、老齢年金の額の引き上げということの必要性を私どもは否定するわけではないわけでございますけれども、毎回私どもが農業者年金制度について申し上げておりますとおり、この年金はきわめて政策的な年金でございます。私どもはやはりこの年金制度によりまして、農業者の老後の生活の安定のみならず、やはり農業経営の近代化、農地保有の合理化を促進したいわけでございます。したがって、やはり経営移譲をされる方々には相当程度優遇といいますか、それらを配慮いたしました年金を差し上げるということにならざるを得ないのがまず第一点でございます。しかし、ではその要件を満たすことは非常に困難かと言えば、年齢要件もございますけれども、それ以外では経営を自分の後継者に譲る、後継者に譲ることができなければ第三者に譲ってもよろしいということにいたしておるのでございまして、そんなにむずかしいことではない、だれでもやろうと思えばできる、そういう要件になっているわけでございますので、私どもはやはり経営移譲の促進ということを重点的に頭に入れましてこの制度を運営してまいりたいと思っておるわけでございます。しかしやはり老齢年金の意味というもの、いろいろ万やむを得ず六十五歳まで経営移譲ができなかった方々もおられるわけでございますので、そういう方々に対しましては、老後の生活の安定のために老齢年金を交付するということが必要でございます。それらも私どもは十分配慮したいと思っておりますが、今回はやはり従来からの経営移譲年金と老齢年金のバランスというものは一応従来どおりに置きまして、それぞれ一・四八倍ずつ水準を引き上げるということにいたしたわけでございます。もちろん今後ともこの農業者老齢年金の額等につきましては、経営移譲年金とあわせまして十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#115
○瀬野委員 局長、いまのその経営移譲をした人としなかった人の格差、これは三百七十四万四千円あるわけですが、実際に同じ制度で同じ保険料を納めながらこのように差があるということは感情としても許せない問題であるし、大変問題だと私は思うのですけれども、あなたはこれに対しては率直にどういうふうに思われますか。これでもやはりやむを得ないとおっしゃるのか、将来どうにかせねばならぬというふうに思われるのか、その点もう一点率直にお伺いしておきます。
#116
○岡安政府委員 老齢年金の額そのものにつきましては、やはり掛け捨て防止その他の観点から常に配慮を加えなければならないと思っておりますけれども、老齢年金を重点に考えてこの農業者年金制度を再編成するという考え方は非常に問題がある。と申しますのは、老後生活の安定といいますか、年齢要件だけで年金がもらえるということ、それを重点に考えた場合には、国民年金のほかに農業者年金を別に設けるという意味合いが非常に希薄になると言わざるを得ないわけでございます。私どもはやはり農民の老後保障は国民年金とあわせて農業者年金でやる。農業者年金制度の必要性は、農民の老後保障のみならず農業経営の近代化並びに農地保有の合理化というものがあるのだ、したがって農業者年金につきましてはやはり経営移譲年金というものを主軸に据えざるを得ないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#117
○瀬野委員 この点については農林大臣にまた明日いろいろお伺いいたしたいと思っておりますが、次に、保険料の問題と国庫助成の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 現行保険料の約一・九倍の引き上げをいろいろ手配しておられますが、改正案においてはこの保険料が農家負担の急激な増高を緩和するために三段階でいろいろ検討しておられますけれども、これをよく見てみますと、結局一銭も取りこぼしのないように完全に全部取ろうということになっておるわけです。ずいぶん緩和されているやに見えますけれども、結局これは政令でいろいろ法定されるわけですが、全部取りこぼしのないようになっております。そうしますと、現行法でいきますと農業者年金の保険料が千六百五十円、それが改正後になりますと二千四百五十円、それに付加年金部分等がありますから加えますと、結局改正後は七千二百五十円、現行は四千八百五十円、差し引きますと二千四百円の増になっております。このほか、配偶者が国民年金の付加年金に加入しておれば四百円が加算されるということで二千八百円ということになりますが、こういった保険料の改定を見ますと大変問題があるわけです。私が先ほどから指摘しましたように、数ある年金の中で完全積み立て方式をとらざるを得なかったということは、いろいろ理由を申されておりますけれども、農業者年金だけが完全積立方式でこれは当然修正積立方式に移行しなければならぬ、こういうことは前から言われておるところです。
 そこで、年金加入者の構成が高齢者に偏在している実情は先ほど申し上げましたが、この方式を崩した場合後代に大きな負担を残す恐れがある、こういうように局長は心配されているようでありますけれども、厚生年金や国民年金等においてもすでに修正積立方式に移行しておりますから、平準保険料に比べ納付保険料が相当下回っている実情であることは、先ほどからの御答弁でも明らかでございます。そこで私は、農業者年金も将来当然完全積立方式から修正積立方式に移行しなければならぬ、かように考えられます。いろいろ国民年金や厚生年金の保険料と対比して見ましても、これはずいぶん矛盾がございます。どの年金においても必要な保険料を取っていないわけでございまして、私たちいろいろ厚生年金、国民年金の場合を見てみたのですが、末端に続く人が将来にわたって多いわけでございまして、それだけ保険料を取らなくても十分財政的措置ができるということになっておりますが、農業者年金の方は、先ほどから指摘しておりますように古い人が多く後に続かないような状態でございます。若い人を今後大いに加入させるとは言うものの、年金をもらう人だけがふえて若年者の年金加入がなかなかふえていかない。だから今回の再計算期に当たってかなり改正が期待されておったのですけれども、先ほどから申し上げておるように結局取れるだけ取っておこうというふうなことになっております。こういったことでは感情的に許せない問題である、かように私は思っております。そういったことから、農業者年金も当然これは修正積立方式に移行すべきであり、また保険料の引き上げ幅について十分検討すべきであるというように思うのですが、当局はどういうように検討して本案を提案されたか、これまた御説明をいただきたいと思うのです。
#118
○岡安政府委員 確かに農業者年金制度は完全積立方式をとっておりまして、この年金以外で完全積み立てというのはほとんどないというふうに思います。ただ、この年金が完全積立方式を堅持いたしておりますのは、先生も御指摘のとおりこの加入者の構成が高齢者に偏位をしているということを考えまして、健全財政の維持、それから後代負担についての配慮ということから、この完全積立方式がとられているわけでございます。ただ、私どもはその結果といいますか、やはり保険料が相当高くなるということは十分意識いたしておるわけでございまして、そのためにほかの年金制度にはない拠出時の国庫負担というものもこの年金独特の国庫補助として採用をいたしておるわけでございます。
 その結果といいますか、総合的な国庫負担率では、従来四二・九%、今回は四六%というように、ほかと比べて非常に手厚い国庫負担をいたしておりますのもこの年金の加入者の構成、それから来る完全積立方式の採用、その結果保険料の増高ということを配慮しての私どもの措置であるというふうに考えております。今後ともこの態度は私どもはぜひ続けてまいりたいと思いますし、また具体的には先生御指摘のとおり、農家負担の急増を緩和するために、三段階に分けてこれを徴収をするという方式もとって、私どもはできるだけの配慮をいたしたつもりでございます。
#119
○瀬野委員 国庫助成の問題についても、今回四三%から四六%ということでございますが、いまいろいろと指摘してまいりましたように、農家負担の能力の限界という状況、さらには本制度が経営移譲の促進という国の政策目標に沿って運営されてきたという経緯から見まして、国庫補助の引き上げということは、これはもう当然のことであります。政府から言ったことでありまして、全部が歓迎されてないわけで、六〇%のいわゆる経営移譲をしない人、こういった方に対しては国がすべてめんどうを見るということが当然である、かようにわれわれはかねがね指摘をいたしておりますが、経営移譲年金について、その全額ないし過半を国が負担すべきである、こういう問題についてはどういうふうに検討されましたか、この国庫負担の問題についてさらにお答えをいただきたい。
#120
○岡安政府委員 国庫負担の点につきましては、先ほど申し上げたわけでございますが、多少詳しく申し上げますと、農業者年金におきましては経営移譲年金の給付に要します費用の三分の一の国庫負担のほかに、さらに保険料の拠出時に十分の三の国庫補助を行っているわけでございます。これが一般の被保険者の場合におきます国庫負担でございますが、そのほかにいわゆる期間短縮者に対します経営移譲年金の加算部分については、さらに二分の一の国庫負担があるということになって、この農業者年金の国庫負担率は、他の公的年金制度より相当高い国庫負担をいたしておるわけでございますが、今回さらに一定の要件に該当いたします後継者の保険料につきましては軽減措置を講ずるということにいたしました。その結果、この特定後継者に対する拠出時の国庫負担率を十分の三から十分の五に引き上げるということにもいたしておりまして、それらを総合いたしますと、国庫負担率は四二・九%から四六%ということになるわけでございます。
 ただ、この農業者年金の国庫助成につきましては、御指摘のような政策的な年金制度であるというようなこともございますので、今後とも十分検討は重ねたいというふうに思っております。
#121
○瀬野委員 この年金額のスライド問題についてお尋ねしておきますけれども、このスライド制については、従来からできるだけ早い時期に実施すべきであるということがしばしば要請されてきたことは御承知のとおりです。厚生年金及び国民年金においては、毎年議員修正によってその実施時期が繰り上げられております。御承知のように施行期日の繰り上げは五十二年一月一日になっておりますが、厚生年金は十一月一日を八月一日に繰り上げる、国民年金は翌年一月一日を前年の九月一日に繰り上げるということで議員修正がなされておりますけれども、この点については明日また大臣にもさらにいろいろお伺いすることにしておりますけれども、検討されて、このように農業者年金についても繰り上げるということについては十分検討の用意はありますか、その点、局長からお答えをいただきたい。
#122
○岡安政府委員 年金額の物価スライドの実施時期でございますけれども、これはお話しのとおり、厚生年金、国民年金につきましては、昭和四十九年と五十年の二カ年間ではございますけれども、それぞれ、厚生年金につきましては十一月実施が八月に、国民年金は翌年一月実施が前年の九月というふうに繰り上げられております。
 ただ、今回提案されております国民年金、厚生年金とも、厚生年金にあっては十一月、国民年金にあっては翌年一月というふうになっておりまして、私どもも国民年金にならいまして翌年一月からの実施ということにいたしておるわけでございます。これはやはり農業者年金が四十六年一月に発足をいたしましたので、私どもとしましては、この物価スライドの実施時期は従来どおり翌年の一月ということにいたしたいと実は考えておる次第でございます。
#123
○瀬野委員 次に、後継者に対する保険料の軽減措置の問題でございますけれども、特定後継者の要件として四つの条件があることは御承知のとおりです。すなわち法律事項としては、後継者の年齢が三十五歳未満であるということ、政令事項としては、農業経営主と後継者とがともに農業者年金に加入していること、三つには、農業経営規模が一定以上であること、四つには、後継者が農業に専従していること、こういったことが法律事項及び政令事項として定められておりますけれども、御承知のように、本軽減措置の導入によりましてどの程度の加入促進の効果が持たれるかということが、これは大変問題があるところでございます。
 私は、特定後継者の要件に経営規模を入れるということの是非についてはいろいろ問題があるというので、まず、先ほど申しました農業経営主と後継者とがともに農業者年金に加入しているということと、三つ目に申しました農業経営規模が一定以上であるということ、こういったいわゆるダブル加入、これは後継者の確保という面から見た場合、後継者のみでも軽減してあげるべきではないか、おやじは入らなくても自分が入ればよいというふうにしていただきたい。
 また、三つ目の経営規模の問題についは加入時に五十アール以上という条件があるわけですが、ぜひひとつ二、三の問題を政令事項から外していただきたい。こうしなければ、せっかくの救済措置であるのに国は冷たいということになるわけで、農政不信がますます起きてまいります。ちなみに、同じ村にダブル加入をした人とまた後継者だけの人がいた場合などは、同じ後継者でずいぶんこれが違ってくるということで、大変これは問題を醸し出すということは当然起きてまいります。こういう点で後継者に対する保険料の軽減措置ということについては、これは十分再検討すべきだというように思っておりますし、明日また、これは大臣にも強くやりたい、かように思っておりますが、この点、どういうふうにお考えであるか、お答えをいただきたい。
#124
○岡安政府委員 今回の改正で特定後継者につきましての保険料の軽減措置をとりました理由は、私どもは将来農業生産の中核的担い手となる後継者の育成確保を図りたいということを主眼といたしましてこういう制度を設けたわけでございます。そうでなければ、後継者ということだけで保険料を軽減するということはほかの年金制度との兼ね合い等からいって非常に困難であったわけでございます。私どもの農政の目的である後継者の育成確保のためにということを理由にして初めてこの制度は可能であったというふうに考えておりますので、この恩恵といいますか、軽減措置の対象となり得る後継者は、年齢が三十五歳であるということと同時に、やはり一定規模以上の農業経営主の後継者であるというように、将来農業生産の中核的担い手になり得るものでなければならないというふうに私どもは考えております。
 それからダブル加入につきましては、後継者というものは経営主があっての後継者でございますので、その経営主は当然加入である場合には年金に入っていただくということが前提になりまして、後継者はそれに合わせて任意加入をするというたてまえでございます。ダブル加入であることによって保険料の負担が大きくなるということも配慮いたしまして軽減措置を講じておる関係から、私どもは、年齢要件のほかに規模要件、二重加入要件というものは必要であろうというふうに考えております。
#125
○瀬野委員 この点については、明日また農林大臣に伺うことにしまして、もう一点農業者年金についてお伺いしておきますが、短期年金受給者に対する掛け捨ての問題ですけれども、これも御承知のように現行制度では、死亡一時金は「保険料納付済期間が三年以上である者が六十五歳に達する日前に死亡した場合」にその遺族に支給されることになっておりますけれども、農業者年金には遺族年金制度はないわけですね。経営移譲年金を受給した者等は適用を除外されております。そこで掛け捨ての事態が発生するわけですが、たとえば二十年間保険料を納付した者が経営移譲年金を受給しないまま死亡した場合には約六十万円の死亡一時金が支給されるけれども、経営移譲年金を、改正後は五万二千円となっておりますが、一カ月でも受給すれば死亡一時金は支給されない。すなわち五十五万円は掛け捨てということになるわけでございます。前回も法律改正の際にいろいろ指摘してこれは問題になったわけでございますが、厚生年金では二分の一出る。国民年金にはない。この農業者年金は厚生年金に準じてつくられたのであるから、当然遺族年金をつくるべきであるというのが私の主張でありますが、この問題は早急に改善を要する問題である、かように思います。掛け捨ての問題があるから救済策を当然考えなければならぬ。そのためには死亡一時金から遺族年金制度の創設ということをやるべきである、かように思うわけです。この点も明日農林大臣にまたいろいろお伺いすることになると思いますけれども、局長は本法案提案に当たってこの点はどういうように検討されたか、ここでひとつ御答弁をいただきたい。
#126
○岡安政府委員 確かに短期間の年金受給者につきましては、受給した年金額が納付した保険料の額を下回る場合が起きるということで、問題がございます。私どもも、これにつきましては農業者年金制度研究会におきまして検討をお願いしたわけでございますが、この研究会におきましては、これらの問題を解決するためには納付した保険料の額との比較においてその差額程度の一時金を支給するということは適当ではない。むしろ検討の方向としては遺族年金の創設により対処すべき筋の問題であるというふうになったわけでございますけれども、遺族年金をこの農業者年金制度に設けるということにつきましては、国民年金制度との関連それから調整、経営移譲の促進効果と遺族に対する措置との関係づけ等基本的な問題について慎重な検討を経る必要があるというふうにこの研究会で結論が出されたわけでございます。したがって私どもとしましては、この問題につきまして今後の課題として十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#127
○瀬野委員 時間があとわずかになってまいりましたので、残余は明日農林大臣に対して質問をすることにいたしますが、あと五分ございますから農林年金について、せっかく局長おいでいただいておりますので、一点だけお伺いしておきます。
 今回、農林年金福祉団の農林年金加入についての要請が出ておるわけです。農林年金対策推進協議会または全国農業協同組合中央会、財団法人農林年金福祉団等からの要請が先般来からありますが、農林年金福祉団の全職員が熱望しておるところであり、農林年金福祉団の職員の農林年金制度への加入実現のために当然所要の制度的整備を図るということであってほしいわけですが、この点については農林省当局はどういうふうにお考えであるか、お答えをいただきたい。
#128
○吉岡(裕)政府委員 農林年金福祉団はただいまお話ございましたように農林年金の組合員でございます農林漁業団体の役職員等の福祉を増進するための事業を行うことによって農林漁業団体の事業の発展に寄与することを目的として設立されたということになっておりまして、農林年金の委託を受けまして宿泊施設などの経営を行うことを主たる業務といたしておるわけでございます。私どもこの農林年金福祉団の設立目的あるいは業務の実態から考えまして、農林年金と非常に密接な関連を有する団体であるというふうには思っておりますが、これを農林年金の対象団体とするかどうかという点につきましては、農林年金の対象団体の基準についての従来のいろいろな経緯がございます点が一つと、それから厚生年金に加入しております他の類似団体との兼ね合いといった問題がございますほかに、基本的にはすでに厚生年金に加入しております団体が農林年金に移行をするという点について、厚生年金制度の側から見ていろいろな問題がございます。そういう諸点を考えまして、なお慎重に検討する必要があろうかと思っております。
#129
○瀬野委員 もう一点お伺いしておきますが、既裁定年金の年金額の引き上げの問題で、会計方式を上薄下厚の傾斜会計にしておられますけれども、この理由を簡潔に。さらに人事院勧告にかかわらずこの方式でいくのかという問題と、自動スライド制度導入をどう考えておられるか、この点だけ時間の範囲で御答弁いただきたい。
#130
○吉岡(裕)政府委員 既裁定年金の改定につきまして平均標準給与をその算定の基礎に使っておりますが、これは物価、国民の生活水準、双方の変動を総合的に反映しておるということで、従来農林年金において国家公務員の給与改定率を基準として改定するという方式がほぼ定着しておるというふうに私どもとしては考えておるわけでございますが、今回国家公務員給与の俸給表の改定の内容がいわゆる上薄下厚方式をとっておりまして、農林年金についても既裁定年金者について同様なことをとるべきではないかという意見も従来からあったところでありまして、今回低額年金者の給付改善に重点を置くというふうな考え方から、七・八五%から一一・五%までの間で上薄下厚方式によって年金の改定をいたしたということでございます。
 それから、年金の改定を自動スライド制によってやるべきではないかという意見があるわけでございますが、この点は厚生年金が物価スライド制をとっておるわけでございますが、農林年金の場合には、いままで申し上げましたように、物価の変動と同時に国民の生活水準の変動というものを合わせて反映をしておるというふうに考えられます。国家公務員の給与率の改定というものによって実質的に改定を行うという方式が今日定着をしてきておるわけでございまして、その点私どもとしましてはこの方式を今後継続していくということでまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#131
○瀬野委員 残余の問題は明日農林大臣に質問することとして、本日は一応これで終わります。
#132
○湊委員長 次回は、明十二日水曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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