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1975/03/04 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 社会労働委員会 第3号
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1975/03/04 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第077回国会 社会労働委員会 第3号
昭和五十一年三月四日(木曜日)
   午前十時開議
 出席委員
   委員長 熊谷 義雄君
   理事 住  栄作君 理事 竹内 黎一君
   理事 戸井田三郎君 理事 山下 徳夫君
   理事 技村 要作君 理事 村山 富市君
   理事 石母田 達君
      伊東 正義君    大野  明君
      大橋 武夫君    加藤 紘一君
      瓦   力君    小林 正巳君
      田川 誠一君    高橋 千寿君
      中山 正暉君    野原 正勝君
      羽生田 進君    橋本龍太郎君
      粟山 ひで君    山口 敏夫君
      金子 みつ君    川俣健二郎君
      島本 虎三君    田口 一男君
      森井 忠良君    田中美智子君
      寺前  巖君    大橋 敏雄君
      岡本 富夫君    和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 田中 正巳君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 宮嶋  剛君
        厚生省公衆衛生
        局長      佐分利輝彦君
        厚生省医務局長 石丸 隆治君
        厚生省薬務局長 上村  一君
        厚生省社会局長 翁 久次郎君
        厚生省児童家庭
        局長      石野 清治君
        厚生省保険局長 八木 哲夫君
        厚生省年金局長 曾根田郁夫君
        厚生省援護局長 山高 章夫君
        社会保険庁年金
        保険部長    河野 共之君
 委員外の出席者
        造幣局東京支局
        総務課長    平北 直巳君
        印刷局総務部長 甲斐 秀雄君
        文部省大学局医
        学教育課長   齋藤 諦淳君
        文部省体育局学
        校給食課長   加戸 守行君
        郵政省人事局保
        健課長     坂東 定矩君
        消防庁安全救急
        課長      矢筈野義郎君
        日本専売公社管
        理調整本部職員
        部厚生課長   安藤  治君
        日本国有鉄道職
        員局保健課長  石井  敬君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
三月三日
 建設労働者の雇用の改善等に関する法律案(内
 閣提出第二五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第二三号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○熊谷委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住栄作君。
#3
○住委員 大臣、先般の委員会で厚生行政の基本問題について六項目ほどお挙げになりまして、明年度厚生行政を積極的に進めていこう、こういう強い信念のほどを承りました。
 私は、その中で大臣が第三番目に言っておられます、国民の健康をどう確保するか、この問題について少し承ってみたいと思うのでございます。特に医療供給体制の問題として、現実問題としてなかなかむずかしい問題が多いと思うのでございますが、特に急病患者とかあるいはまた事故による重傷患者の処置の問題、つまり、救急医療の問題でございますが、たとえばお医者さんがいないとかお医者さんがいても診てもらえない、こういうようなことで病院をへめぐりまして、あげくの果てには死に至るというようなケースも報ぜられておるわけでございます。そしてそれがまた大きな社会問題にもなっている、こういうことでございます。
 私は、そういう救急医療体制の整備が、やはり国民の健康確保の観点から本当にもう緊急な重要な問題だと思うのでございますが、そういう救急医療対策の現状がどうなっているかということをまず概括的に承っておきたいと思います。
#4
○石丸政府委員 ただいま御指摘のように、この救急医療体制が必ずしも十分機能を果たしていないというようなことで、いわゆるたらい回し事件あるいはそれによる犠牲者の発生、そういったことについて非常に心配しておるところでございます。
 それで、現行の救急医療対策の現状について申し上げてみますと、大きく分けまして二つに分かれるのではないかと考えております。
 まず第一は、いわゆる外科系の外傷患者に対しますいわゆる救急医療の問題と、それから最近問題になっております内科系のいわゆる急病患者の救急医療、この二つに大きく分かれるのではないかと考えておりますが、わが国のこの救急医療体制というものは、いわゆる自動車の発達に伴いまして、昭和四十二年度ごろから交通外傷が非常にふえてまいったわけでございまして、このような交通事故等に伴います外科系の外傷の救急医療対策といたしまして、救急告示医療施設というものが設置されたわけでございます。さらに、これらの救急告示医療施設のうち、脳神経外科等の高度の機能を有するものといたしまして、救急医療センターの整備を進めてまいったところでございまして、昭和五十年十月現在の数字でございますが、救急告示施設といたしましては四千七百四十一ヵ所が指定されており、また、これは五十一年三月末現在の数字でございますが、救急医療センターとして二百十四施設が指定されておるところでございます。
 こういった外科系の救急医療に対しまして、内科、小児科のいわゆる急病患者対策というものが最近必要になってまいったわけです。この救急医療の中におきまして、交通外傷等の外科系の占める割合が漸次減少しておるところでございますが、最近、内科、小児科系の急病患者が増加いたしておりまして、こういった内科系の急病患者対策といたしまして、昭和四十九年度より人口十万以上の都市に休日夜間急患センターの設置を進めておるところでございます。さらに、そのほかの地域におきましては、医師会等の協力を得まして、いわゆる当番医制の普及に努めてまいったところでございまして、五十一年三月末現在の数字で申し上げますと、休日夜間急患センターが百四十三ヵ所、それから当番医制を実施いたしております市町村が、これは五十年十月現在の数字でございますが、千二百五十五ヵ所、このようになっておるところでございまして、一応当番医制度なりあるいは休日夜間急患センターによってカバーされている人口が、全人口の七八%というような状態になっておるところでございます。
#5
○住委員 そこで、その救急告示施設のことについてまずお伺いしたいのでございますが、この告示施設の制度が三十九年にでき上がっておりますが、その後の告示病院なり告示診療所の数を見ますと、いただいた資料によれば、四十七年、四十八年と四千数百の数になっております。ところが、四十七年以来その数字がほとんど変わっていない。むしろ減少傾向にあるのではないかと思うのでございます。
 そこで私は、このことについて二、三尋ねてみたいと思うのですが、四千七百ぐらいの数字でございますが、いまおっしゃいましたような考え方からして、大体トータルにおいて、まあこれくらいの数字であればまずまず効果が期待できるのだというふうにお考えになっておられるのかどうかということをまずお尋ねしたい。
#6
○石丸政府委員 救急告示施設の指定数でございますが、制度発足以来十四年を経過いたして、制度といたしましてはおおむね定着しているものと考えております。
 どのくらいの数があればいいかということでございますが、これはできるだけ多くあればその方がいいわけでございまして、われわれといたしましては、今後ともこの救急告示施設の数の増加については努力いたしてまいりたいと考えておるところでございます。
 最近この数が減少しているではないかという御指摘でございますが、ただいま先生御指摘のような数字の実態になっておるわけでございます。昭和五十年十月現在におきまして告示施設数が四千七百四十一ヵ所でございまして、これを四十九年四月の数に比較いたしますと、二十六ヵ所も減少を示しておるところでございます。ただ、この二十六ヵ所の減少でございますが、その内容を調べてみますと、診療所が四十二ヵ所の減少になっておりまして、病院が十六ヵ所増加をしている、かような結果を示しておるところでございます。したがいまして、数としては確かに先生御指摘のように二十六ヵ所の減少をしておりますが、機能面から見ますと、大体もう安定しているのではないかというふうに考えておるところでございます。
 なお、このような辞退が起きておりますその理由を調べてみますと、やはり直接診療に従事する医師、看護婦の不足ということがその辞退の主な原因になっておるようでございます。
#7
○住委員 私はいろいろ聞くのでございますが、どうも先ほどもおっしゃいましたように自動車事故が減った。これは一つは、保険外診療でもあったし、そういうようなことでまあまあであったけれども、このごろそういうことでなくなって、どうも告示施設というのは余り好ましくない、病院側にとってあるいは診療所側にとって好ましくないのだ、そういうようなことから返上したということをよく聞くのでございますが、返上したのはたとえば昨年どれくらいあったのか。それでその場合に、先ほどのように病院の場合は十六ヵ所もふえておるわけでございますから、ふえておるところもあるわけです。差し引きネット増はかなりあるんじゃないかという気もするのですが、一体返上したのはどういうことか。いまおっしゃいましたように医師の不足、看護婦の不足ということもあると思うのですが、やはりどうも採算上余りよくない、こういうようなことがあるのじゃないか。それからまた、今度新しく告示施設になろう、これは自発的な申し出によるわけでございますが、そこを厚生省として相当指導して告示病院をふやしておられるのかどうか、そういうようなことについてお伺いしたい。
#8
○石丸政府委員 ただいま救急告示施設の辞退の理由を申し上げたわけでございますが、一応われわれの調査に基づきます理由は、ただいま御答弁申し上げたような理由でございます。ただ、ただいま先生御指摘のような問題もあろうかと思います。従来、交通外傷を主といたしましてこの救急告示施設が指定されていた時代におきましては、その診療はおおむね自賠責に基づきまして保険診療点数とは無関係な医療費の支払いが行われておったわけでございますが、これが交通外傷等が減少いたしまして内科系の疾患が増加してまいりますと、内科系の疾患についてはほとんどが保険診療で賄われるというような実態がございまして、そういったこともこの辞退の理由になっているということも考えられないことはないわけでございます。
 いずれにいたしましても、われわれといたしましては、やはりこの救急医療というものが非常に必要でございますので、今後ともこの告示病院についてのその増加に努力してまいりたいところでございまして、先日、全国の衛生部長会議を開きまして、救急告示施設の受理等につきましてなお今後十分なる指導を行うよう、特に自治体病院につきましては積極的にこの救急医療施設として参加するよう指導方をお願いいたしたところでございます。
#9
○住委員 告示施設は、制度のたてまえからいうと、自発的にそういう施設をやるという申し出によるということになっておりますけれども、やはり一つは、物的あるいは実際の指導、援助、そういうことをしていかなければ、これからこの告示施設を必要な水準において確保するということは非常に困難になってくるのじゃないか、そういうことでこれは厚生省において十分考えてもらいたい。それと同時に、やはり資料によりますと、この告示施設は県によってかなり厚薄の差があるのじゃないか。非常に整備されている県があるかと思えば、悪い県もある、そういう地域的なアンバランスがこの告示施設にやはりあるような気がするわけでございます。そういうことについても、その原因がどこにあるか、その原因を究明して、それに対する対策を講じながらやはり厚生省において理想的な姿を描かれて、その線に持っていくように強力な指導をしていかなければ、この告示施設の制度について大変禍根を残すことになるのじゃなかろうかと私は思っておるのでございますが、どうですか。
#10
○石丸政府委員 この救急告示医療施設の全国的なマクロの数字につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、大体安定した数字を示しておるのではないかというふうに考えておりますが、やはり現実問題として、いわゆる患者のたらい回し事件等が発生している、こういう現状を見ますと、地域的なアンバランスが非常に大きいのではないかというふうに考えておるところでございまして、そういった点につきましては、なお今後十分なる指導を行ってまいりたいと考えております。
 なお、そういった国民に必要な医療を提供するという立場に立ちました場合には、この救急医療だけの問題ではございませんで、あらゆる医療がやはりそういった対象になると思うわけでございまして、そういう意味におきましては、今後のもっと大きな意味におきましての地域医療計画の策定、そういった点でさらに強力に指導してまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○住委員 いま局長は、都道府県立あたりの病院について告示施設になっていただくように主管部長会議等において強く指示した、こうおっしゃいましたが、これもまた都道府県立の病院総数に対する救急告示施設、告示病院の割合というものは非常に低い。いただいた資料によりますと三六%、三分の一ぐらいしか告示施設になっていない。たとえば市町村立が五割近くとかあるいは日赤が七七%台だとか、そういう数字に比べてみますと、やはり都道府県の中心になる病院がどうして告示施設にならないのだ、これは非常に疑問に思うわけでございますが、これは一体どういうことなんですか。
#12
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘のような事態になっておるわけでございまして、国立病院のいわゆる救急医療施設としての参加率というものに比べますと、都道府県立の指定されている率が非常に低いわけでございます。その理由等いろいろあろうかと思うわけでございますけれども、やはり一番大きな問題は、先ほど申し上げましたように、マンパワーの不足というところが一番大きいのではないかと思っております。それと、先ほど先生御指摘のように、救急医療というものが、現在の社会保険のあの医療から申し上げますと、ある意味においては不採算の部門になろうかと考えるところでございます。こういった事態に対しまして、従来から自治体病院の救急部門等につきましては助成を行ってまいったところでございますが、来年度予算におきましては、さらに自治体病院の救急部門、これは従来ランクづけで申し上げますと、救急施設のAランクの施設のみこの助成の対象にいたしておったところでございますが、五十一年度予算案におきましては、救急のBランクまでこれを拡大いたしたいというふうに考えておるところでございまして、今後、この自治体病院の救急部門に対しまして経済的な助成を行う等、いろいろな方策を通じましてさらに自治体病院が救急医療に参加するよう努力いたしたいと考えております。
#13
○住委員 私は、いまの説明必ずしも納得できないんですよね。もっと財政的に苦しい市町村の割合が非常に高いんですね。ところが、県立病院というのは三分の一ぐらいしかなっていない。しかも、それはもう場合によっては地域医療の中核にもならぬといかぬような病院である。そういうようなところが――いまおっしゃったようなマンパワーの問題だとか採算の問題だとかいうのは、それはもう市町村立であろうと日赤であろうと済生会、その他であろうとみんな同じだと思うのです。これはやはり府県の救急医療に対する取り組み方に少しどこか欠陥があるんじゃないか、こういうように思うのです。特に救急医療を中心になってやってもらわぬといかぬ都道府県がこういうようなことであっては大変寒心にたえない、こう思うのです。ですから、この点私は、いまのような答弁ではちょっと不満であって、何か厚生省の方で、そこはもう少し積極的にやってもらわぬといかぬと思うのです。
#14
○石丸政府委員 確かに、先生御指摘のように、自治体病院、特に都道府県立病院は、その地域の中核的な医療機関として大きな役割りを果たしておるところでございますし、また、そういったいわゆる公立病院といたしまして、一般の医療機関がなかなか実施しがたい特殊な救急医療といったような公的使命を果たす義務があるはずでございまして、今後、そういった点につきましては、われわれといたしましても、都道府県を督励いたしまして、この都道府県立病院が救急医療に参画するようさらに強力に指導してまいりたいと考えております。
#15
○住委員 それから、同じく救急医療センターですね。これは五十一年の三月末で二百十四ヵ所にする。それで、この点について、このセンターが当初期待した機能を果たしておるのかどうか、それから、これから、つまり将来に向かってこの制度というものをもっと広げていこうとされておるのかどうか、そこらあたりをお伺いしたい。
#16
○石丸政府委員 いわゆる救急医療センターの問題でございますが、このセンターにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、脳神経外科の専門的な治療を実施するということで、救急告示のうちでも特に高い機能を持った施設の充実に努力してまいったところでございます。
 ただ、この脳神経外科の専門医というものの数が、現在わが国では非常に不足しておるところでございまして、こういった専門医の教育、いわゆる卒後教育につきましてわれわれ現在努力しておるところでございますが、何しろ医師のそういった専門的教育というものは時間を食うところでございまして、必ずしも当初われわれが期待したような脳神経外科医等の専門医の確保が十分いかない、かような状況になっておるところでございます。
 それで、今後の問題でございますが、従来、救急告示医療施設と救急医療センターという、こういう二つの段階で改正を考えておったわけでございます。ただ、最近に至りまして、国民のいわゆる年齢構成等が非常に変わってまいりまして、疾病構造も変化いたしておりまして、いわゆる脳卒中と申し上げましょうか、脳内出血あるいは脳梗塞、心梗塞、そういった内科系の老人性疾患がふえておるところでございまして、そういう新しい疾病構造の変化に対しまして、救命救急センターというものを来年度予算でもお願い申し上げておるところでございまして、今後の問題といたしましては、そこのバランスをどういうふうにとるかという点につきましては、今後さらに検討を続けてまいりたいと考えております。
#17
○住委員 いまおっしゃったように、救急医療センター、特に脳神経外科を中心とするそういうセンターは、これからまた需要もふえてくる。来年度からおやりになろうとする救命救急センター、こういうこととの連関をどうやっていくか、これは非常に大きな問題だろうと思いますが、そこらあたりの点については、後ほどまた触れてみたいと思います。
 次に、休日夜間の診療体制の問題でございます。現在、急患センターと当番医制度の二頭立てでおやりになっておられますが、一つは急患センター、これは先ほど御説明ございましたように、本年度で百四十三カ所になる。来年度三十ヵ所の予定だと聞いておるのでございます。そしてこれは十万以上の都市にこういうセンターを設ける。そういうことから考えてみますと、まだ五十七ヵ所ほど残るわけです。十万以上の都市に設置するとすれば、まだまだ残っておる。来年度のペースで三十ヵ所ぐらいずっということを考えてみますと、当初の計画が完了するのは五十三年度いっぱいになってしまう。私は、大変悠長な話じゃないかと思うのですが、この点は、来年度の個所は決まっておってどうしようもないのでございますが、こういうものはやはり少々無理をしてもできるだけ整備をしていかないといかぬと思うのでございますが、そういう点に関連して、どのようにお考えになっておられるのか。
#18
○石丸政府委員 確かに最近、内科系の急病患者が増加しておりまして、特に最近の核家族化等の現象に伴いまして、夜間におきます小児科の急病患者の取り扱いということが非常に大きな問題になってきておるところでございます。そういった意味から、この休日夜間急患センターの設置に今後とも努力してまいりたいと考えておるところでございます。
 実は、この休日夜間急患センターの設置につきまして、五十二年度あたりで十万以上の都市については完成するような計画があったわけでございますが、いろいろな事情でスローダウンせざるを得なくなったところでございまして、なお五十二年度以降の予算につきましては、このペースを早めるよう努力いたしたいと考えております。しかし、この休日夜間急患センターができるまでの間、とりあえず地区医師会等の協力を得まして、いわゆる当番医制の確立になお努力してまいりたいと考えております。
#19
○住委員 私が特にこのことをがんばってもらいたいと言うのは、週休二日制というものがどんどん普及していきます。医療機関においても週休二日制というものは早晩とらざるを得ない。ほかでどんどん週休二日制が進んでいくのに、医療機関で週六日制、こういうようなことは許されない。マンパワーの確保というようなことから見ても、私は、当然なことだろうと思うのです。そうしますと、大体昼間というのは、一週間でお医者に診てもらうのは、普通の状態でいけば、たった四十時間、一週間のうち四分の一以下の時間にしかならぬわけですね。そうなってくると、休日夜間の診療体制をどうするか、これはもうとにかく週休二日制になってから考えては始まらぬのであって、当然、早晩週休二日制が普及するという前提でこの休日夜間体制というものを本当に強化していかなければ、やはり国民の医療というものは確保できない、こう思っておるのです。ですから、特に私は、ペースが遅いということは、そういうように、もう五十三年ぐらいになると週休二日制というのはかなり進んでしまう、そういうことを考えるからこれを申し上げておるわけでございまして、そこらあたり本当に当番医制度の問題、このセンターの問題、こういうものの有機的な関連、こういうことをやはり真剣に取り組んでもらいたいと思うのです。
 それから、消防庁に来ていただいておりますが、消防庁では昭和五十年度から救急ドクター制度を導入されておられます。これは私、十万以下の都市にそういう制度を導入されたと聞いておるのでございますが、五十年度の状況あるいは五十
 一年度の個所数、そうしてまた五十年度の実績、こういうような点についてお伺いしたいと思います。
#20
○矢筈野説明員 特に休日夜間時における医療機関の受け入れの問題は、救急業務で非常に大事なことでございますので、五十年度に実は月額五十万円、市町村の医師会と市町村と契約いたしまして、輪番制等をもちましてお医者さんに待機していただくという制度を発足させたわけでございます。したがいまして、月額五十万の半年分、八十団体の八千万を五十年度予算で計上いたしましたが、準備の期間に相当時間を要しまして、医師会との折衝その他内部的な問題、いろいろございまして、予定どおり進捗いたしませんで、現在までに十七団体が実は実施することになっております。したがいまして、来年度は何としてももう少し拡大したいということで、二十二団体の一年分と四十団体の半年分八千四百万を実は予算案で計上いたしております。
 なぜ八十団体予定いたしておりましたのが十七団体に終わったかということを反省いたしたわけでございますが、医師会等と私ども事前によく折衝したわけでございますが、末端の医師会に徹底しなかったうらみもありますし、それから地方公共団体の方で、財政的な問題で三分の二の裏負担にどういうふうに対処するかという問題がございまして、特交で実はその八割を見るという措置をしたところでございますけれども、その辺の徹底を欠いたといったようなうらみもございまして、本年度はどうしても、そういう点の反省を踏まえまして徹底をいたしたい。特に休日夜間という問題についての充足を図ってまいる所存でございます。
#21
○住委員 厚生省が十万以上の都市でセンターをつくられた。それから主として搬送をおやりになる消防庁において救急ドクター制度をつくられた。いずれにしても、救急医療の体制から見れば、私は非常にいい制度だと思う。特に十万以下の都市ということの穴を埋めていただいたということも、これは先ほど申し上げましたような趣旨からいけば、非常にありがたい制度だと思うのでございますが、そこらあたり、ひとつ厚生省と消防庁、そこは協力してやらなければ、特にまあ消防庁でも医師会に対していろいろ威力があると思うのですが、厚生省の方もそれ以上に威力もあると思うのですが、私、心配なのは、厚生省、消防庁のチームプレー、そこらあたりがうまくいっておるのかどうか。そしてこの制度はうんと伸ばしてもらいたいと思うのです。私は、どこに予算がついたっていいと思うのですが、いずれにしても、そのチームプレーが確保されているかどうかということが非常に心配になるわけでございますが、これはひとつ、厚生省と消防庁の両方から御所見を伺っておきたいと思うのです。
#22
○石丸政府委員 わが国の救急医療対策でございますが、ただいま先生御質問のように、搬送部門につきましては消防関係でこれをお願いいたして、それから受け入れ医療機関の方を厚生省が所管をしている、さような状況になっておるところでございまして、従来からわれわれといたしましても、消防の方とも十分連絡をとりまして、そごのないよう努力いたしておるところでございます。ただ、従来のいろんな事例、いわゆるたらい回し事件等、そういった事例をよく見てみますと、消防関係のいわゆる搬送関係の方と、これを受け入れる医療機関側との連絡、このいわゆる情報システムと申し上げましょうか、そのインフォメーションシステムが必ずしも十分作用していないというような点もあるようでございまして、従来もそういった点につきましては、両省相協力いたしましていろいろ対策を講じておったところでございますが、今後さらにそういった点につきましては、われわれの方からも積極的にまた消防庁の方にお願い申し上げたいと考えておるところでございます。
 特に、この救急ドクター制度につきましては、地元におきますいわゆる搬送機関と地元医師会とのいろいろな問題でございますが、やはり地域医療対策の一環といたしまして、そういった地域におきますいろいろな行政機関と医師会等関係機関との連絡機構につきまして、われわれの方といたしまして今後整備をしてまいりたいと考えております。
#23
○矢筈野説明員 厚生省の担当部局と私どもの方では、問題点の検討その他密接な連絡を従前もとっておりましたが、今後さらにそういう調整を図ってまいる所存でございます。
 なお、第一線におきます消防機関と医療機関との連携の強化、特に情報の正確なる把握というものが救急に対する第一のポイントでございますので、そういう点については強く指導をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#24
○住委員 本当に私は救急医療体制の緊急整備を考える者として、これは消防庁の救急ドクター制度もうんと伸ばしてもらわなければいかぬ、それから救急センターあるいは当番医制度、これが本当に機能的に運営されるように願うものでございますが、ひとつそこは十分連絡をとっていただいて、うまく機能するようにやっていただきたいと思うわけでございます。
 それから、休日夜間急患センターの問題ですけれども、どうもその実情を聞きますと、たとえば休日の場合、このセンターが昼ごろから夕方までだ、終夜運転するセンターというのはほんのわずかなんだ、こういうように聞いておるのです。実際そこらあたりどうなっておるのかということと、やはり終夜連続、これが私は理想だと思うのですが、そこへ持っていくためにいろいろ努力もされておる、これも私は認めるわけでございますが、なかなかその努力の割りに実績が上がっていないのじゃないか、やはりそういう点もどういうところに原因があるのか、こういうことをちょっとはっきりさせてもらいたいと思います。
#25
○石丸政府委員 休日夜間急患センターと一口に申し上げましたが、実態は休日急患センターと夜間急患センターという実態になっているのが、先生御指摘のとおりだというふうに考えておるところでございまして、休日急患センターの方につきましては、相当現在整備が進んでおるところでございますが、夜間の問題、特に夜間のうちの深夜の問題につきましては、やはり医者のみでなく、いわゆる看護婦さん等のパラメディカルワーカーの問題等がございまして、特に深夜の急患対策というものが必ずしも十分行われていないところでございます。ただ、いろいろ統計等を見てみますと、先ほど申し上げましたように、核家族化の現象が起きておりまして、子供が夜間発熱をしたときなど、必ずしも医療を必要としないような事例につきましても、やはり現在若い母親が非常にあわててこれを連れてくるというような事例も多いところでございまして、そういった事例に対しまして適切な指導が行えるよう、今後の問題でございますけれども、五十一年度予算におきまして新規にこういった夜間急患センターにテレホンサービスを設置するようお願い申し上げておるところでございまして、そういったふうに新しいいろいろな社会事象に対応しながらだんだんこういった施設の整備を実施してまいりたいと考えております。
#26
○住委員 次に、たらい回し事件について少し伺ってみたいと思うのですが、先ほど申し上げましたように、もう病院をぐるぐるぐるぐる回される。二十ヵ所も二十五ヵ所も回される。現に千葉で訴訟問題等も起きておることは御承知のとおりだと思うのです。急患の搬送体制というもの、これは消防法によって義務化されておる。そして搬送体制というのはかなり整備しておると思うのですが、いま局長は軽いものについては何も煩わす必要がないのじゃないかというようなこともおっしゃいましたが、私は、搬送機関としては呼び出しがあれば行って送らないといかぬ、こういうことだと思うのです。ところが、搬送機関の方は送っても病院で拒否される。そこで、たらい回しという現象が起きてくる。
 これは消防庁にちょっとお伺いしたいのですが、搬送して拒否される理由、それは何か統計がございますか。あるとすればどういう事例が多いのか。
#27
○矢筈野説明員 まず先生おっしゃいます、いわゆるたらい回しでございますけれども、私どもの方では、一回病院に行きまして拒否されて次に第二の病院に行く、いわゆる転送をたらい回しというふうに考えまして、転送の実態を調べてみたわけでございますが、四十九年中で実は百三十六万人を搬送いたしておりますけれども、そのうちの統計上芳しくないというのを除きまして、正確にとれる八六・二%の百十七万人を対象にいたしまして転送の実態はどうであろうかということを全国的に集計してみたわけでございますが、一回で終わっておるのが九五・二%、したがいまして、いわゆる先生おっしゃいますたらい回しは四・八%の五万六千六百七十六人に相当いたしております。そのうち一回ないし三回というのが大部分でございまして、四・五%を占めております。その内訳でございますが、お医者さんがいないとかあるいは専門医が不在だ、あるいはベッドが満床だとかその他でございまして、その内訳は目下詳しく調査中でございます。追って統計上明るくなると思います。
#28
○住委員 もう一つ、消防庁にお伺いしたいと思うのですが、たとえば当番医なり救急センターへ患者を送る、そこで第一次の手当てをして、そしてさらに本格的な後方病院に送る、そういう転送は消防庁はされておられますか。それとも、それは病院というかセンターなり当番医に任せておいて消防庁は関知しない、こういうことになっておるのですか。そこらあたりをちょっとお伺いします。
#29
○矢筈野説明員 搬送先のお医者さんの指示に従いまして、その選定に従うことにしております。
#30
○住委員 そうしますと、お医者さんが、この患者は応急手当てをしてほかの病院へ送ってくれ、こう言う場合は転送されておる、こういうように理解してよろしゃうございますか。それをお伺いして、あと結構でございますから。
#31
○矢筈野説明員 さようでございます。
#32
○住委員 どうも消防庁ありがとうございました。
 そこで私は、これはいろんな問題があると思うのでございますが、まだ専門医がいないとかベッドがないというようなことであれば、これはそういう理由自体どうすることもできないと思うのです。そこで、やはり搬送機関と医療機関との連携、こういうことが非常に問題になってくると思うのですが、そこらあたりは実際上どうなっておるのか。うまくいっておるのかどうなのか。たとえばそういう急患センターなり当番医に対する指導だとかいうことについてどのような方策が講ぜられておるのか、お伺いしたいと思います。
#33
○石丸政府委員 たらい回しと言われるものも、ただいま消防庁の方からその数字等について御報告があったわけでございますが、従来のたらい回しとはその実態がちょっと異なっておるのではないか。それは最近、新聞紙上等に報ぜられているたらい回しの事例を、われわれ事例的に調査いたしてみますと、やはりまず消防の方から電話で連絡がございまして、その電話に基づいて専門医がいるとかいないとかという返事をいたしまして次の医療機関に行っておるという、こういう事例が多いようでございまして、従来のように患者そのものを動かすという事例はだんだん減少しておるようでございます。しかし、いずれにいたしましても、情報連絡がうまくいっておりますと、そういったとき最も迅速な、最も適切な救急医療が実施できる、かような状況になろうかと思うわけでございまして、今後さらに搬送機関との間のそういった情報のシステムにつきましては努力いたしたいと思います。
 受け入れ側の医療機関あるいは医師に対する教育でございますが、これは一般的に申し上げますと、医師には応招義務があるわけでございまして、そういった点でこれは当然医師としての義務と考えておるところでございまして、厚生省といたしまして特にこの救急の受け入れの義務等について個々の医療機関についての指導は現在行っておりませんけれども、やはり都道府県あるいは都道府県の保健所等を通じまして、さらに今後そういった――特に当初におきます患者に対する応対、これが非常に大きく患者に作用するようでございますし、そういった点につきましては、さらに今後努力してまいりたいと考えております。
#34
○住委員 先ほどテレホンサービスのことをおっしゃいましたが、これはどういうような仕組みにしようとお考えなんですか。
#35
○石丸政府委員 先ほど来申し上げております夜間急患センターに電話当番を設置しておきまして、これは二十四時間で設置いたしたいと考えておりますが、患者から連絡があればそれに対して適切な救急措置を指示したり、あるいは医療機関のあっせん等を行いたいと考えておるところでございます。
 先ほど私、御答弁申し上げた中で、あるいは誤解があってはいかぬと思うわけでございますが、やはり母親といたしましては、子供が発熱したときは非常に重要に考えて連れてくるわけでございまして、結果論として軽症であったというような事例が多いわけでございます。その点、結果論で御答弁申し上げたわけでございますが、ただ、そういった事例の場合、特に寒い夜間等におきまして子供を夜間急患センターに連れてくるよりは、適切な応急処置をして寝かしておいた方が患者のためにもいいような事例もあるわけでございまして、そういったことに対しまして、このテレホンサービスを十分今後活用してまいりたいと考えております。
#36
○住委員 私は、テレホンサービスは非常にいいと思うのですが、そこへ終夜当直させる、この当直者がお医者さんというか、特に知識がないと、下手やると何のための急患センターかということにもなりかねない。そしてまた、それが丁寧に行われるならば、急患センターに対する信用も高まってくる。せっかくそうした急患センターへ来たら、お医者さんがちょっとぐあいが悪いとかなんとかかんとか言ってほかの病院へやる。こういうようなこともちょっと心配されるんですね。だから、テレホンサービス、これは非常にいいが、その場合に医学知識を十分持っておられる人を置くのかどうか。これは患者に対して信頼がないといかぬ。そしてまた、そういう事態に対して、本当に必要だったら急患センターへいらっしゃいと、こういう体制を整えぬといかぬ。ところが、先ほど申し上げましたように、急患センターというのは、休日の場合、昼から夕方ごろまでだし、終夜運転しておるのはほとんどない。こういうような体制では、テレホンサービスは十分いいと思うのですが、その運用を間違うと大変なことになる。一体だれを当直に置かれるのですか。
#37
○石丸政府委員 先生御指摘のような点、十分注意いたしたいと思いますが、理想的には医師が応待に当たるのが一番いいと思いますが、現実問題として医師にそういうことを期待するのはほとんど不可能に近いのではないかと考えております。ただ、ベテランの看護婦さん等が特に十分医師との連絡が可能なような体制を整えておきまして、必要あれば医師の指示を受けて応待をするような体制の整備も必要ではなかろうかと考えております。
#38
○住委員 まあいろいろあるわけでございますが、やはり医療確保、特に緊急医療体制の整備が非常に大事なことだと私は思うのです。現実にたらい回し事件が起きておる。あげくの果てに大事な、貴重な生命を失うというようなことになるわけです。
 先ほど来、いろいろお伺いしたのでございますが、現在の搬送体制は、もうほとんどの市町村に義務づけられておる。ところが、受ける医療体制は、いろいろな対策が講じられておるということは、先ほど来の御説明によってわかったのでございますが、一つは、そういう制度が本当に必要なところに設置されておるのかどうかという地域的な分布のことも非常に問題であると思うのです。いずれにいたしましても、受け入れ体制というものが十分体系化されているものになっているかどうかということについて若干の疑念を持っておるわけです。しかし現実問題として、それは避けて通れないわけですから、結局、医療機関と搬送機関の連絡体制というものをどうやって確保していくか、医療機関について当直体制はどうなっておるか、当直体制の中身として、お医者さんがどういう人がおるか、あるいはベッドがどうなっておるかというようなことをやはり搬送機関に連絡しておく、そういうことを中心にした搬送機関と医療機関との緊密な体制を至急とる必要があるのじゃないかということが第一点です。
 それから第二点として、やはりベッドがあいていない、受け入れることができない、これは物理的な問題ですからどうしようもないことですが、しかし、それにしても、受け入れた患者の第一次的な治療、応急措置というものはそこで、受け入れ先ですべきだ。よく診てあげる、そういうような体制ですね。それから先ほど消防庁も言われたように、それから完備した病院あるいは後方病院ですか第二次病院、そういったところへ送るということを消防庁はやるというわけですから、そこは親切にする、きめの細かい対策をとることができると思うのですが、そういうようなことを考えていく必要があるのじゃないか。
 それからまた、第三番目の問題として、一番目の問題と関連するのですが、医療機関相互の連携体制ですね。これは、ある病院では外科の専門医がおる、別な病院では内科あるいは小児科の専門医がおる、そういうような医療機関同士の連携体制もどうしてもとっておかぬといかぬ。そこらあたりがてんでんばらばらに動きますと、救急医療体制受け入れ側として非常に問題を残す、いろいろな非難も受ける。こういうようなことについて大臣、どういうようにお考えになっておられるかお伺いしたいと思います。
#39
○田中国務大臣 いま住先生から、救急医療の問題についていろいろ御質疑があり、また、具体的な御提案等もございました。実は私も、救急医療のあり方について非常に案じておるわけでございまして、五十一年度予算で救命救急センターあるいは自治体病院Bに対する助成、テレホンサービス等の施策をやるように狂奔してまいりましたが、しかし、ここまできますと、これで一体十分であろうかということが実は自省されてならないわけでございます。決してこれでこの問題は解決しないというふうに私は現在考えているわけでございまして、何としても救急体制の整備、そして国民の不安を除去するというふうなことについてやらなければならないというふうに考えております。私は、ある意味では現在の厚生行政の中の非常なウィークポイントであるというふうにみずから考えているわけでございまして、したがいまして、これについては早急にひとつ改善策を講じなければなるまいというふうに考えているわけでございます。
 いろいろな問題点がある。いま先生が具体的に御指摘になった点も重要な問題点だろうと私は思います。もっと幅広く医者のいわゆる卒後教育といったような問題もあろうと思います。現在余りにもストレート方式というものになってしまいまして、ローテート方式をもう少し取り入れるべきでなかろうか、あるいは制度の上でいろいろと結びつきが悪い、あるいはこれについての積極性を生み出すような刺激策が足りない、そのほかにやはり医師そのもののこれに対する対応策というものについてのいろいろな啓蒙も必要だろうというふうにあれやこれや考えているわけでありまして、何としてもこれはひとつ早急に改善をしなければならないものだというふうにかねがね考えておりまして、その後最近、やはりこうした問題についての具体的な事例が新聞等にいろいろ出るものでございますから、私としては、非常に責任を痛感いたしているわけでございます。したがいまして、先日、私は事務次官に命じまして、何とか救急医療体制というものを、このままではどうにも責任が果たせない、どうしたらいいかということをいろいろ相談をいたしまして、とりあえず関係専門家に招集を願いまして、この問題についての私的懇談会というものでもつくって、各方面の知識を集め、あるいはまた積極性をもう少し促すというようなことをやろうではないか、厚生省だけでがんばってもある程度の限度もあろう、そこで、厚生省もやらなければならぬが、外部の方々のお知恵も拝借し、また外部の人たちの啓蒙もやろうじゃないかというふうに考えまして、今日、厚生省でそうした懇談会を設置をいたすべく、ただいま鋭意事務当局でその委員の委嘱を急いでいるところでございまして、できれば私は五十二年度予算策定にこれを間に合わせたいというふうに考え、私としては、厚生行政の中において最も急がなければならない一つの問題は救急医療にあるということを考え、非常に心配をいたし、ともかくこういったようなことであれやこれやの点を模索いたし、また、その中から具体的な献策を実行に移すように努力をいたさなければならないというふうに思っていたやさきでございまして、先生からのいろいろな御指摘、まことに時宜を得た御指摘だったと私は思います。そうしたことをめぐりまして、あれやこれや皆さんの、また社会労働委員会の皆さんのお知恵を拝借いたしまして、救急医療の充実については最善の努力を払わなければならないというふうに思っている次第であります。
#40
○住委員 いま大臣から非常に積極的な御発言をいただきました。そういう懇談会と申しますか協議会、これもぜひ早急につくっていただいて、ひとつ抜本的な見直しをやっていただきたい。一日もゆるがせにできない大事な問題であろうと思いますので、最後にそれをお願いしておきまして、五十二年度予算にはぜひりっぱな救急医療体制をつくり上げてほしいものだ。私どもも応援するのにやぶさかではございません。ぜひお願いいたしまして質問を終わります。
#41
○熊谷委員長 次に田口一男君。
#42
○田口委員 きょうはひとつ、国民の健康管理といいますか、健康保持という立場から栄養の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 これはまず大臣に、あとの時間の関係があるようですから、そういう関係で先にお聞きしたいのですが、ことしの一月二十五日、栄養新報という栄養士さんに関係する業界紙といいますか新聞が出ておるのですが、その中に鳥取大学のお医者さんが山陰地方の状況を調べた結果、かっけというものが大変続発をしておる、こういう内容の新聞発表を行っております。これは大臣も御存じだと思うのですが、かっけなんという病気は、昭和の初年、私どもよく経験したもので、お医者さんに行くと、ひざ頭をポンポンとたたかれて、かっけだと言われれば、玄米食を食ったり、ぬかを食ったりというような経験をお互いしておるのですが、戦後はいろいろな努力のかいがあって、かっけという病気はもうこの世から根絶したのではないか、こういうふうに思っておったのですが、この島雄という先生ですか、この方の調査によって、かっけ症状が続発をしておる、こういう新聞の記事、こういう研究結果については御承知をいただいておると思います。
 この内容をいろいろと読んでみますと、やはり一面では、食べ物が豊富になったということがある反面、その食べ物の内容が単一主義といいますか、そういうことでインスタント食品、こういつたものがどんどん出てくることも一つの原因ではないかというふうに言われておるわけであります。こういったことから、この問題があったからというのじゃありませんが、たとえば厚生省で毎年調査をしていらっしゃいます国民の栄養調査、この内容を見ましても、国民の有病率が昭和三十年から年々高くなってきておる。昭和四十八年の資料で見ますと、総数が一二七・七といっておるのですが、そのうちの栄養に関係する分だけをごく限って取り出してみましても、内分泌栄養及び代謝の疾患という項では、昭和三十年には〇・七であったものが昭和四十八年には三・三というふうに約五倍近く伸びてきている。こういった状況から見て、この国民の栄養問題について、ここでよく原点という言葉を使いますけれども、原点に立ち返って見直す時期に来ておるのではないかと私は思うのですが、この国民の栄養問題の現状にかんがみてどういうふうに改善をしていくのか、こういう点についての御所見をまずお伺いをした.いと思います。
#43
○佐分利政府委員 国民の栄養改善につきましては、厚生省はかねてから非常に力を入れておりまして、公衆衛生局にも栄養課という課が置いてございますし、また、法律に基づく栄養審議会というりっぱな審議会も置かれております。
 それで、基本政策といたしましては、五年ごとに国民の栄養所要量の標準を定めまして、それに基づいて各都道府県、また第一線の保健所、市町村の食生活改善の地区組織、そういったものの総力を挙げて栄養改善に努力をしているところでございます。
 たとえば具体的に申し上げますと、日本の国民の一人一日当たりの栄養所要量は二千百五十カロリーとなっておりますが、この基準を追い抜きましたのは昭和三十九年でございまして、最近はかなりそれを上回っております。たとえば四十八年の国民栄養調査で申しますと、二千二百七十カロリーでございまして、マクロで見ますと、日本もすでに栄養過剰の状態になってまいりまして、肥満児とかあるいは中高年層の肥満、糖尿病、高血圧、こういったものがむしろ心配されるような状態になってまいりました。また、その内容を見ましても、確かにたん白とか脂肪といったものは、十グラムから十五グラム標準量よりも多く摂取するようになってまいりましたけれども、一方においてはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、それにカルシウム、こういったものが一五%から三〇%基準量に満たないという状況が判明いたしております。
 このような観点から、私どもは、一面においては先ほど申し上げました肥満児の問題あるいは中高年層の代謝障害に基づく各種の成人病に対する栄養学的な側面からの指導を行うと同時に、一方においては、先ほど申し上げましたような微量栄養素の少ない最近の傾向にかんがみまして、その点の栄養改善、また地域別に見ますと、まだ一部の地域には栄養量の少ないところもございますので、そういった地域の栄養改善といったところに力を注いでいるところでございます。
#44
○田口委員 努力をしてみるということは、いまのお答えの限りでは私も理解をいたしました。
 そこで、そういった行政の努力がただ厚生省だけで、所要栄養量というのですか、そういったものを指示したり、いろいろ調査をし研究してみることだけでは十分じゃないと私は思うのです。
 そこで、具体的な問題にひとつ入りますけれども、これも御存じのようにいろんないきさつがあって、今年四月から学校給食に米飯を導入をする、こういうことになったことは御承知だと思うのですが、この米と、今日まで学校給食に用いておるパンと単純に比較をするという意味ではないのですけれども、やはり米飯を導入をした場合に、いま局長がおっしゃった必要な栄養量というものを確保するということが、パンを中心にした学校給食に比較をして相当勘考しなければならないだろう、こういった点について、文部省の方からもお答えをいただきたいのですが、いわゆるパンと米飯との栄養の比較という問題で、一体必要な栄養をどう確保しようとしているのか、その考え方についてそれぞれお示しをいただきたいと思います。
#45
○佐分利政府委員 学校給食におけるパン食と米食の問題でございますが、結論から申しますと大差はございません。ただ、詳しく申し上げますと、たとえば純粋な白米というような点については、先ほど御指摘のございましたかっけ様症候群が発生するとかいった問題がございますが、これは胚芽米とか五分づき米だとかあるいは麦をまぜるとかいったいろんな方法があるわけでございます。また、さらに両方の成分を調べてみますと、それぞれ一長一短があるわけでございまして、米食すなわち栄養障害に結びつく、ハン食よりも栄養価において劣るといったものではないと考えております。
#46
○加戸説明員 米飯給食とパン給食の栄養の問題でございますが、ただいま厚生省の方からお答えもございましたように、米と麦自体では格差はございませんけれども、現在、学校給食用に使用いたしております小麦粉につきましては、たとえば脱脂粉乳を四%混入するとか、あるいはビタミンA、B1、B2の強化を行うといったような措置をとっておりまして、そういった副資材との関係におきましては、単純に精白米を使用するといたしますと栄養の格差が若干出てまいるわけでございます。
 そういった観点で、今回の米飯給食の導入に当たりましては、この栄養格差をおかずで補うという観点から、約十円弱のおかず代の補強をする、そういった観点で、政府が売り渡します米穀につきまして三五%引きの措置を農林省の方で講じていただきまして、その結果として格差分を、おかずにおきまして栄養補てんに充てるという考え方で米飯給食を実施する考え方でございます。
 なお、その場合におきましても、ビタミンB1につきましては、おかずでパンに対します格差を補強するということはきわめてむずかしゅうございますので、強化米の使用その他の措置という形で指導したいと考えておる段階でございます。
#47
○田口委員 パンと米を比較をすれば大差がない、これは確かにそうだろうと思うのです、もとは米と麦ですから。しかし、いまお話があったように、おかずで補っていく、こういうことができるでしょうし、それからパンの場合には、いまの学校給食の現場を見た場合に、製パン業者がパンをつくって、そのまま持ってくる。ところが、米飯給食の場合には炊かなければならぬですね、炊飯。私は二、三の給食現場を見て回ったのですが、十人、二十人、五十人程度の御飯を炊くようなかまならばあるようでありますけれども、一遍に七百五十食とか千食とか二千食といったような大量の炊飯ということになると、いまの学校給食の現場ではまず不可能であります。
 こういう状態から一体、強化米とかいろいろなことを言われましたけれども、炊飯施設というものについて、学校ごとに備えつけるのか、または集団給食センターというものがありますけれども、そういったところに大きなかまを備えつけるようにしていくのか。こういった考え方は新聞で二、三出ておったようですが、文部省としてはどういう指導をやろうと思っていますか。
#48
○加戸説明員 お答えいたします。
 米飯給食の実施に当たりましては、円滑な導入を図るということを基本原則といたしまして、とりあえず現在の考え方といたしましては、学校で施設設備を整えて、あるいは共同調理場で施設設備を整えていただいて炊いていただく方式と、それから炊飯を外部に委託しまして、委託した炊飯の形式で米飯を使用する場合と、それから学校自体で炊飯施設設備を整えなくても、既存の設備を使って利用できますアルファ化米という、簡単な、炊き上げて乾燥させました米を処理するというような方式と、この三通りにつきまして現在いずれを選ぶかは市町村の自由ということで指導を申し上げている段階でございます。そのうち学校あるいは共同調理場におきまして炊飯の施設設備を整えるために、五十一年度の予算におきましては全国で九百六十六ヵ所、五億八千万円の予算を一応計上してこれに対応しようと考えている段階でございます。
#49
○田口委員 そこで、初めの話に戻るのですが、そういった指導方針で米飯給食をやろう、こうなってくる場合に、その栄養管理ですね。いまでもやっておると思うのですが、やっていないとは言いませんけれども、集団給食をやる場合に、今度は米だ、それを委託をしたり、その学校で炊いたり、しかも、さっき申し上げたように、おかずで相当補っていかなければならぬ、こうなってまいりますと、栄養管理ということが従来にも増して必要になってくる。こういう観点から言いまして、学校栄養士、学校に配置されておるいわゆる栄養職員の配置基準といいますか、これは一体、文部省の方ではどう考えているのですか。
#50
○加戸説明員 学校におきます栄養士の配置問題につきましては、実は昭和四十一年から七ヵ年計画をもちまして、児童生徒数五千人につき一人の栄養士という考え方で補助金を出しまして、設置奨励を勧めてきたわけでございまして、その七ヵ年計画が終了しました後に第二次七ヵ年計画といたしまして、昭和四十八年から児童生徒数二千五百人に一人の栄養士ということを目標にスタートしたわけでございますが、四十九年におきまして市町村の学校栄養職員を県費負担給の職員に切りかえる、そして学校栄養職員という形で法制上の位置づけをするという制度改正と、学校教職員の標準定数法の中におきまして、五ヵ年計画という形で途中修正をいたしまして、二千五百人について一人、あるいは共同調理場の場合でございますと、五千人以上の場合には二人という形で栄養士の設置基準を定めまして、五ヵ年計画をもってこれを充足するという考え方で、昭和五十一年度はその第三年次に当たって年次計画が進行中という、こういう段階でございます。
#51
○田口委員 そこで、今度は局長にちょっとお尋ねしたいのですけれども、いま文部省が四十八年から始まった第二次計画で二千五百人に一人、それから五千人以上が二人、これは栄養改善法の第九条の二に大体基準をいっていますね。集団給食施設における栄養管理について、いわゆる特定多数人の場合に、一回百食以上の場合には栄養士を設置――これは努力「努めなければならない。」ですから、置かなければならぬということじゃない。栄養士の設置に努められたい。さらに三百食以上の場合は、一人は管理栄養士だというのですから、常識的に解釈して二人は栄養士が要る、こういうふうに思うのですが、この栄養改善法の考え方からいって、いまの学校給食の場合に、メニューが単一、簡単だからということもあるのですが、果たして二千五百人に一人、五千人以上二人ということで十分な学童生徒の栄養管理というものができるだろうか、そういう点を栄養行政の立場からどうお考えなのか、率直に述べていただきたいと思います。
#52
○佐分利政府委員 現在、栄養士が毎年一万六千人強資格が与えられているわけでございまして、すでに二十三万人強になっておろうかと思うのでございます。しかし、地域的に見ますと、やはり栄養士を確保しがたい地域がございます。そういったマンパワーの問題が一つ。それから次には、やはり行政、財政上の問題があろうかと思うのでございます。
 そこで、文部省の御計画は、やはり長期計画の第一期計画のようなものであろうと考えます。私どもが栄養改善法第九条の二の基準に照らして学校の栄養士の充足率を計算してみますと、四十九年では三四・三%という充足率になります。しかし、十年前に比べますと倍になっているわけでございまして、かなり大幅な改善がされていると考える次第でございます。
#53
○田口委員 文部省を責めるのじゃないのですが、かなり改善したと局長は遠慮しいしい言っていると思うのですが、私が調べたところでは、いまでもまだ一回七千五百から八千食に一人というようなところもある。これは給食センターなんですけれども、そういうところがあるのですから、いかにメニューが簡単、単一化されておったとしても、この発育盛り、伸び盛りの子供の栄養の管理をするという観点に立てば、この充足率、これは十分じゃないんじゃないか。
 さらに米飯を導入するということから、いま父兄の間でいろいろと心配、これは杞憂に終わればいいと思うのですが、委託なんかをする、そうするとパック入りの米飯給食になるんじゃないかという不安もあるわけです。ことしの一月二十九日に東京都の消費者センターにそういった父兄が集まって、米飯給食に移行するに当たってのいろいろな問題点を話し合っておるのです。いろいろな問題がありますけれども、栄養の観点から見た場合に、パック入りの米飯なんかを入れれば、調理人や栄養士が中を確認できぬわけですね、そのまま持ってきて温めて出すわけですから。さらにまた、ビニールパックなんかが高熱で溶けて、食事の中に有害な影響を与えるんじゃないか、こういう心配をしております。こういう心配に対して文部省は、米飯給食になったにしても、こういう不安の的であるパック入り米飯給食というようなものは認めるのか認めないのか。ある一部の府県では使用したいというふうなことを漏らしておるところもあるようですが、まず文部省としてはどういうお考えなんですか。
#54
○加戸説明員 先ほど申し上げました政府で三五%引きをして供給いたします米をパック米飯に提供する考えは現時点ではございません。自校炊飯あるいは炊飯委託、アルファ化米利用の三原則ということを申し上げたわけでございます。しかしながら、それ以外に、通常の米穀を使用いたしましてパック米飯が業者によって学校側に納入されるという例は若干地域的にもあろうかと思います。こういった問題につきましては、もちろん学校給食におきます米飯の主流であってはならないことはもちろんでございますが、そういったパック米飯を使わざるを得ない地域的実情あるいは労働体制等も、あるいは学校行事との関係も若干あろうかと思いますので、そういったことにつきましては、パック米飯がそういう行事食的な形態において利用されることについて、これを現時点ではいい悪いという判断を特に都道府県に対して指導する考えはございません。
#55
○田口委員 パック入りの米飯は三五%引きの米でないから高くつく、これはもちろんそうだと思うのですが、そこでひとつぴしっとした態度をいま出してもらいたい。いままでも学校給食で、特に去年あたりいろんな添加物の問題で父兄が心配をいたしました。今度パック入りなんかをもしやるとすれば、地方によって要らざる不安というものをかもし出すし、これは食品衛生という面からも厳重に監視をしなければならぬと思うのですが、私が恐れるのは、そういったパック入りでもう何もかも済んでしまうとなると、これは初め言ったかっけの問題じゃないのですが、インスタントラーメン、そういったものの奨励とは言いませんけれども、いま市販されておるのですから、学校でもこういうものを食べているんだから、うちへ帰ってもこれであたりまえだという空気が蔓延をしてしまって、国民の栄養上むしろマイナスの面が出てきやしないかと思うのです。そういう観点から、疑わしきは使用せずという立場で、そういうものは絶対に学校給食には認めない、こういう立場がとれないものかどうか。
#56
○加戸説明員 先ほど申し上げましたように、パック米飯が使われます実態と申しますのは、学校及びセンターにおきます勤務体制あるいはその調理の体制と、もう一つは、そういった行事的な場合におきまして子供たちにお赤飯であるとかあるいは五目御飯であるとか、そういったものをパックの形態で供給するというのが若干見られる事例でございまして、それは当該地域の実情によりそういう判断を下して使用されているものと考えられるわけでございますので、それをしもあえて一律にパックはすべてだめであるという考え方で文部省として指導するということは、なかなかむずかしいものがあろうかと思います。
 と申しますのは、それを禁止する理由といたしましては、教育的な見地から好ましくないという考え方をとるといたしますと、現在市販され、あるいは家庭でもそういうものを使われている事例もあるわけでございますので、学校であるからそれがいけないという理由づけをするということがなかなかむずかしい問題があろうかと思います。ただ、このような形態が本来の学校給食の形態でもございませんし、それが好ましいとは私どもも考えていないわけでございまして、年間数回そういったものをやむを得ず使う、あるいは子供たちがそれを喜ぶという事例もあるという点をコメントさせていただきたいと思います。
#57
○田口委員 私は、パックにこだわるつもりはないのですけれども、やはり栄養という観点からいくと、これは厚生省は本職ですから言わずもがなと思うのですが、そういうパックなんかを使用しておって、それが市販をされておるから、学校給食にパック入りはだめだという規制の根拠がない、それはそうだろうと思うのですけれども、そのことによって父兄が心配をしておる。結局、健康保持というものは、栄養という観点から見た場合に、不健康な状態に追いやられた後での医療の面からの栄養ということよりも、むしろそうならないような健康保持のための予防栄養といいますか、こういう立場が貫かれるのが、私は、一番初めに公衆衛生局長おっしゃった栄養改善の根本だと思うのです。悪くなってから、うまいものを食いなさい、滋養のあるものを食べなさいというより、病気にならないようにふだんから栄養のあるものを食べるように指導していく、これが栄養の私は一番中心だと思うのです。その立場に立てば、いま父兄が心配をしておる、それはいま使っておるパックがどういうものか知りませんけれども、これはやっぱり教育の面からも私はぴしゃっとやめろ、こういう毅然たる態度が必要なんじゃないか、こう思いますので、重ねてひとつお伺いいたします。
#58
○加戸説明員 率直に申し上げまして、いまのパックの安全性問題につきましては、文部省としてはそれに関します判断能力はないわけでございまして、厚生省の御見解を信頼するしかない。そういった点で、これが衛生上有害である、あるいは人体に不健康であるというような考え方が出なければ、文部省独自での判断はむずかしいという感じがする、それが一つでございまして、第二点目の、栄養問題として確かに先生御指摘のとおりでございまして、既存の食品を使うということは、ある意味では学校側における栄養管理の責任を放棄する結果になる、そういった問題があるわけでございまして、現実にそれを使用いたします場合につきましても、その成分内容あるいは栄養構成といった点につきましても、十分学校側でチェックの上で、当日の学校給食として適切なものと認めて使用しているというぐあいに理解をしているわけでございますが、先生の御指摘もございますので、十分そういった点についての配慮をするように、なお指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#59
○田口委員 そこでもう一遍、学校給食の問題に関連して、これは後で局長からもお答えいただきたいと思うのですが、栄養過剰といいますか、さっきお答えがありましたけれども、大変栄養がいびつな状態になってきておる。そうしますと、学校給食そのものも、ただ昼を食べさせたらいいのだ、核家族がふえて弁当を持ってこれぬというふうなことだけではないと思うんですね、教育の観点からしましたら。そうなってまいりますと、学校教育の中で栄養という問題をもっと真剣に取り上げる必要があるのじゃないか。
 現場の栄養士さんに聞いてみますと、管理栄養士、学校栄養士が児童生徒に栄養の話をしようと思うと、教員としての資格がありませんから、その担当の教員が並立といいますか、その教室のどこかに座ってもらっておって、そこで栄養の話をしなければならぬ。侍立というのですか、並立して栄養の話をしなければならぬ。それは私は仕方がないと思う、いま学校栄養士に栄養の授業ができるような資格を与えよということは、すぐにはできませんから。ところが、学校側から見れば、時間がもったいない――もったいないという言い方はちょっと語弊がありますけれども、そういう状態でなかなか並立して栄養の話ができにくい。そこへもってきて、私は、その言葉はなるほどなと思ったのですが、きょうの新聞を見ますと、教育課程審議会で、これはおたくの方の直接の所管ではないと思うのですけれども、中学校あたりで体育保健の時間を減らす、従来一週間に三・五時間のものを結局三時間に切り捨てている、それで、いまの詰め込み教育を解消するのだと言いながら、今日体力の低下が憂えられておるにもかかわらず、体育保健の授業というものを減少させる傾向にあるという新聞記事が載っておったのですが、あははんと思ったのですけれども、そういうところから児童生徒に対して栄養の話をしようと学校栄養士が積極的に望んでも、学校側ではそれを好ましくないとして結局、あからさまに拒否はせぬでしょうが、何のかんのと言ってできない。これはつまるところ、この新聞に載っておるように、教員の配置が少ないということに私は原因すると思う。
 こういう点で、私はさっき申し上げた公衆衛生局長の御見解として、どうでしょうね、管理栄養士という職名もあるのですから、これが週に一時間なり何なり、今日の栄養のこういう問題が起きておることからも、大事な栄養の問題から、積極的に栄養士が授業を望む、それを学校側が積極的に受け入れる、こういう体制がつくれないものかどうか。体育保健の先生をふやすということも一つでしょうし、栄養士にそういったことを単独で授業させるということも一つでしょうし、この辺のところ、どうでしょう。
#60
○佐分利政府委員 管理栄養士にいたしましても栄養士にいたしましても、純粋な栄養問題については専門家でございますが、学校教育という点では専門家ではないわけであります。そういった関係から、管理栄養士にも栄養士にも、児童生徒に教育をするという機会が与えられないものと思います。たとえば学校医という制度がございますが、この医師も児童生徒に保健教育をする機会を与えられておりません。それは同じ理由でございます。ただ、一方において養護教員という制度が確立しておりまして、そういったいわゆる教育の有資格者がそういった面についても教育を担当するということになっているのではないかと思います。
 なお、この問題は私ども素人でございますので、文部省の方から答えていただきたいと考えております。
    〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
#61
○加戸説明員 学校給食の教育的な取り扱いにつきましては、教育課程の中でも学習指導の一分野といたしまして給食指導をする。その給食指導の内容としましては、好ましい人間関係の育成あるいは栄養に関する正しい知識を持たせる、そういった内容のものもございます。一般的に申しましても、教育といいましても、教科のように一つの組織立った、特定の目的をもって実施される活動もございますけれども、給食指導の場合は、どちらかといいますと、むしろ伸び伸びとした人間関係をつくる、栄養に対しての理解を持たせる、そういった点ではある程度自主的な領域でございます。そういう意味で、教室の担任の先生がもちろん栄養に関する知識を教えることも必要でございましょうけれども、私どもの給食指導のあり方といたしましては、自分がつくった献立、それにつきまして、学校栄養士がそれぞれクラスを回り味を聞き、あるいは栄養に関しての説明をするというのを、その時間帯で行っていただくということが好ましいと考えておりますし、それを直接教壇に立って教えるというような意味ではなくて、学校の栄養職員がクラスを回り、栄養に関する知識を普及させるのを手助けする、そういうような立場に立っての御協力を願いたいと思っておるわけでございますし、各種講習会等の機会を通じましても、児童生徒との密接な連携という観点での立場から、いろいろな御指導を申し上げている段階でございます。
#62
○田口委員 集団給食は学校ばかりではなくて、いろいろな社会福祉施設もそうなんですが、たとえば保育所であるとか老人ホームであるとか、そういった社会福祉施設における栄養士の配置状況というものはどうなっておりますか、基準は。
#63
○石野政府委員 社会福祉施設入所者に対します処遇の中で特に給食、これは非常に大事な問題でございますので、できるだけたくさん置いておきたいという形でいままでやってまいりましたけれども、御存じのとおり現在栄養改善法というのがございまして、そこで一日に二百五十食以上を給食する施設については栄養士を配置するように努めなければならぬ、こういう条件がございます。そういう条件を満たしますために、現在原則といたしましては、八十一名以上の収容施設、これには全部栄養士を配置するという形で措置費に算入いたしております。ただ、その中でも特に、たとえば虚弱児施設でございますとか、それから精薄者の援護施設あるいは乳児院、こういう特殊なものがございますので、たとえば精薄者施設につきましては七十名以上、それから虚弱児施設につきましては五十名以上、それから乳児院につきましては全施設について栄養士を配置する、こういう形で実はやっておるわけでございます。
#64
○田口委員 そうすると、栄養改善法にのっとって整備をされつつあると言うのですが、大体保育所に限って言いますと、百人いまのところはおるわけですね。そういう小規模といいますか、栄養改善法でいう基準以下の保育所、こういうところに対する栄養指導というのは、集中的にどこかでやっておるのですか。
#65
○石野政府委員 保育所につきましては、これは実は一食だけでございますので、特に三歳以上児につきましては、お母さん方がつくったお弁当を持ってきて保育所の方では副食を提供する。三歳未満児以下につきましては、主食と副食両方をお昼に提供する、こういうふうになっておるわけでございます。したがいまして、その保育所につきましては、予算上も栄養士を配置いたしておりません。
 そこで、いまの御指摘の点でございますけれども、現在市町村それから福祉事務所、さらには保健所に保健婦さん全体で約千四百人ぐらいおられると思いますけれども、その方に実は御協力を願いまして、それで週に一遍とかあるいは週何回という形で御指導願っている、こういう状況でございます。
#66
○田口委員 栄養問題の最後になるのですが、いまいろいろと私も申し上げましたように、こういう山陰地方の問題が起こったからというのではないのですが、厚生省の中に栄養課という一課を設ける。それぐらい国民の栄養を重要視しておるし、またしなければならぬ。そうなってくると、第一線で、それぞれ職場は違うと思うのですが、働いてみえる栄養士の方の任務は重大である。これは当然のことなんですが、そういう意味で特に国立の機関に限って申し上げますが、一体、栄養士の身分というものが、いま私が申し上げたような意味合いから十分処遇されておるかどうか。この辺を考えますと、多々ますます弁ずじゃないのですけれども、少し手抜かりがあるんじゃないかと思うのです。
 たとえば、やや具体的な問題になりますけれども、栄養士の皆さんの国の職員の場合に、給料表が医療職(二)表というふうになっておるようですけれども、昭和四十八年の改正で特一等級というものを新設して、従来三等級どまりであった栄養士については二等級にまで昇格をしてもいい、こういうふうにやや改善された跡は認めます。ところが昭和五十年の改正で、特一等級というものだけでは不十分ということから、さらに特二等級というものを新設したようでありますけれども、この特二等級というものには栄養職員が果たして昇格できるのかどうか。医療職(二)表はいろんな職種が入っておりますから、栄養士だけというわけにはまいらぬと思うんですけれども、いま特二等級にどういう職種が該当するのか。この栄養士について言うならば、特二等級というものには昇格できる道が開かれておるのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
#67
○石丸政府委員 昭和五十年十一月の給与法改正におきまして、ただいま先生御指摘のような改正が行われたわけでございます。この医療職(二)の特二等級の適用でございますが、薬剤課長、診療放射線技師長及び臨床検査技師長でございまして、大施設に勤務いたしまして特に困難な業務に従事している者についてこれが適用される、かようになっておるところでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、栄養士についても相当大きな責務があるわけでございまして、この栄養士につきましても、これに準じて取り扱うよう現在人事院と相談をしておるところでございまして、なお、この実現には今後とも努力してまいりたいと思っております。
#68
○田口委員 いろんな職種が入っておる給料表ですから、あれもこれもということになるとは思いますけれども、いまお答えのあったように、そういう昇格の道をぜひともかなえるように急いで検討していただきたいと思います。
 そこで最後に、栄養問題これで終わりますけれども、視力障害、全盲の方を中心に二、三お尋ねいたします。
 現在、視覚障害の方が全国で二十五万人程度みえるという話でありますけれども、この職業の問題などに絡んで各府県に一つずつ設置されておる点字図書館の運営についてお尋ねをしたいのです。
 先般、ある点字図書館に参りましたら、二、三年前の点字図書は、たとえばこの本でいえばこういうようにしっかりとじられておるけれども、最近の点字図書は仮とじの状態になっておるというんですね。これは予算の関係でしょうけれども、そういう仮とじの状態になっておる点字図書が多く出たものですから、回しておるうちに仮とじがはずれてしまう。そこで、何とかそういう仮とじの状態でなくて、従来と同じようなしっかりしたとじ込みの点字図書というものをひとつ出してもらいたい、こういう要望が強く出ておるのですが、一体、点字図書に対する今日までの――あれは特殊な印刷物ですから、どこにもあるというものじゃありませんが、厚生省としてはどういった指導と申しますか、または予算措置、こういったものをやってきておるのか、その状況はどうなんでしょう。
#69
○翁政府委員 御質問のとおり、現在全国に六十三ヵ所の点字図書館がございます。これに対しまして、五十一年度で申し上げますと約四億六千万の補助を出しております。これは主として人件費並びに運営管理費が中身になっているわけでございます。
 ただ、御指摘のように図書の中で特に点字図書になりますと、翻訳して点字にいたしますので、点字の本そのものがきわめて分厚くなるわけでございます。それからもう一つは、点字図書の性格上、一人の人が読むのでなくて多くの人がごらんになるというケースが多うございます。したがいまして、その取り扱い上、破損の状況が非常に進行しやすいという点があるわけでございます。厚生省といたしましては、できるだけ多くの本を点字に翻訳することをいたしたいということと、できるだけ数多くの人に見ていただきたい、この二つの要素を考えておるわけでございますけれども、いま御指摘がございましたように、現在の補助の中身が主として人件費並びに運営費でありますために、本の保存、管理というところにつきましては、なお問題があろうかと思います。この点につきましては、今後いまの御趣旨の点も踏まえて指導を進めていかなければならないというように考えておるわけでございます。
#70
○田口委員 そういう実態をつかんでいらっしゃるのでしたら、点字図書を使用する方の不便を緩和をするために、さらに努力をしてもらいたいと思います。
 さらに、この点字図書なんかを読む人は、点字を判読しなければならぬのですから、ごく限られた視力障害者の方になる。そこで、聞いてみますと、最近は録音によって、テープレコーダーによって耳から直接聞く、こういうことが普及をしておるようでありますし、また、相当テープレコーダーが出回っておる。ところが、テープレコーダーというものは、東京なら東京で一カ所で録音をして、いま言った六十三カ所の点字図書館に、全国にまくというのではなくて、それぞれの点字図書館でも奉仕員なんかの協力を得て録音をする、こういうことが多くやられておると思うのですが、私が見ました点字図書館では、古いものですから、いわゆる録音室というふうな設備はないわけです。たまたま見ますと「身体障害者更正援護施設の設備及び運営基準について」というもの、厚生省で出しておりますけれども、この「第三章点字図書館の項を見ますと、これは昭和三十二年ですか、もう一昔前ですから「テープレコーダー」」という項はありますけれども、「施設に必要な設備」の項にはこの録音室なんというものは載っていない。こういうことで、ひとつこの設備基準、運営基準について、やはり現状にマッチをしたような基準に早急に変えていただくと同時に、やはり変えただけでは実行できませんから、それに必要な財政措置、こういったことも強力にやっていく必要があるのじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
#71
○翁政府委員 御指摘のとおりでございまして、現在、国では、日本点字図書館と大阪のライトハウスに対しまして、ただいま御指摘の録音テープの作成を委託しているわけでございます、年額約千六百万でございますけれども。ただ、現在の施設の基準が、お示しのとおり点字図書を中心にしているわけでございます。しかし、いまや録音テープも全国で約三千本になろうとしております。それになお、善意でさらに録音テープをつくられるところもございますので、基準ではそうなっておりますけれども、局長通知等でできるだけそういった新しい時代に即応するような配慮はいたしておりますけれども、何と申しましても、こういう新しい時代の移り変わりが激しうございますので、時期を見ていまお示しのような方向に持ってまいりたいというように私どもも考えている次第でございます。
#72
○田口委員 最後に、こういった視覚障害の方々の生活の状況なんですが、厚生省で発表しました生活保護を受けていらっしゃる方の割合を見ると、昭和四十五年の調査でございますが、一般世帯の場合には一・二九%であるけれども、身体障害者の方の場合には六・六%、そのうちで視覚障害の方は一〇・六%ということで一番高いんですね。今日就職という問題について、一般の健康な方でも今日の不況の問題でむずかしいのですが、そういう状態でなおかつこういう身体障害者の方々の雇用という問題は重視をしなければならぬ。といって、視覚障害の場合には、従来からやられておるあんま、はり、マッサージ程度しかないわけであります。ところが、私もその点字図書館でいろいろと話をしておりますと、最近これは厚生省の方でも、試験的かどうか、やられておるそうなんですが、カナタイプというものを全盲の方に教えて、速記の状態、まあここで速記していらっしゃいますけれども、それをカナタイプに打ち込んで、それをまた翻訳する、こういうふうなことまで開発をされておるようであります。それを聞いて視覚障害の方、あんま、はり、マッサージもどうも自分は向かない、こういった新しい職業があるのならば、ひとつカナタイプを覚えて新しい職業を開拓したいという意欲に燃えておるわけですね。しかしいかんせん、これはどこにでもあるというふうなことでありませんから、こういったカナタイプの教習所といいますか、もう少し欲を言えば、少なくとも県庁所在地ぐらいに設置をすべきだと思うし、このカナタイプそのものを生活用具として指定をするということも必要なんじゃないかと思うのですが、その辺どうでしょう。
#73
○翁政府委員 ただいまお示しのように、盲人の方の新しい職業として開拓しなければならない点は多々あろうかと思います。ただ、きわめて限られておりますけれども、その中の一つにいまお示しのカナタイプがございます。日本盲人カナタイプ協会に年間三百人のカナタイプの指導員の養成の委託費を出しておるわけでございますが、それ以外に、いまお話がございましたように、このカナタイプを日常生活用具として指定するということにつきましては、実は限られた範囲でございますけれども、五十一年度の予算の中にカナタイプも日常生活用具の中に取り入れるということで配慮しているわけでございます。ただ、額もきわめて少のうございますので、今後この点については、ますます拡大、普及をするようにいたしたいと考えております。
#74
○田口委員 全盲の方、いわゆる視力障害の方に対する施策は、いまお聞きした限りでは相当前向きに取り組んでいられるということは評価できると思うのですが、点字図書の問題にしろ、さらに録音室の問題にしろ、鋭意努力をしていただきますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#75
○竹内(黎)委員長代理 次に、金子みつ君。
#76
○金子(み)委員 私は、きょうは先般、厚生大臣がこの社労の委員会で御披瀝なさいました所信表明でございますが、この所信表明の中から幾つか、ちょっと理解しにくい、私自身わからない点もございますし、あるいはどのような具体的な御計画や政策をお持ちになっていらっしゃるのかということなどを承りたいと思いまして、そういう観点で主としてお尋ねをさせていただきたいと思います。したがいまして、大変広範囲にわたりますけれども、ここで一つ一つ取り上げました事項について深く論議を進めるという形ではございませんで、厚生省の五十一年度予算に関係する今度の政策の中身についてわからせていただきたい、そういう趣旨で質問さしていただきたいと思います。
 まず、順序があるわけでございますが、この所信表明を拝見しておりますと、厚生省の行政は国民生活に密着したものであるというふうに表現していらっしゃいまして、従来自然増収のうちからその行政の内容、たとえば社会保障とか社会福祉とか生活環境の整備などというものに対する配分は進めてきておられましたというのですが、大変不況になったというようなことで、今後はそれも十分には期待することが困難だろう。
    〔竹内(黎)委員長代理退席、住委員長代理着席〕
そこで、いろいろと計画をなさるのだと思いますが、その結果、ここにお考えとして一つ出てきておりますことは、制度の充実に見合った国民の適正な負担を求めていくことが必要だ、こういうふうにおっしゃっていらっしゃる。
 私がお尋ねしたいのは、厚生省の行政は、国民生活に密着どころじゃない、国民生活そのものの行政だというふうに理解しておりますが、そのことを進めていくのにいろいろな制度があるわけです。その制度の充実に見合った国民の適正な負担を求めていくということなんですが、それはどういうものを指しておっしゃっていらっしゃるのか、たとえばどういうものがあるかというふうなことをお示しいただきたいと思います。
#77
○田中国務大臣 社会保障の充実強化のためには、公的負担が必要であるということは申すまでもないところでございます。平たく言うと、予算が要るということだろうと思います。そこで、それなしには幾ら努力してもできないということは事実でございますが、いま申しましたように、また先生読み上げていただいたように、経済がいわゆるさま変わりをいたしまして減速経済下に入ってまいりました。従来のような一般会計から社会保障費を計上することによって充実強化をするという、そうした従来の一本調子なやり方ではなかなか期待ができなくなってきたということは事実だろうと思います。かような意味で、やはり社会保障の充実には、国民の負担というものを求めなければやっていけない。国民の負担といいましても、実は幾通りかあろうと思いますが、大きく言いますると、租税収入でやるか、保険料収入でやるか、いろいろあると思いますが、いずれにしても国民の負担が要るということであります。なお、その背後にやはり租税負担ということについても期待をいたしまするが、これについては多目的な財政需要にこたえる租税でございますので、私どもとしては、本来社会保障充実のために端的に役に立つ財源といたしまして保険料収入というものも、この際期待をしなければなるまいというふうに考えているわけでありまして、諸外国の例等を見ましても、やはりそうした社会保障の充実の過程にはまた国民負担の向上といいますか、負担が多くなっていったというプロセスもあることでございますので、私どもといたしましては、いずれにいたしましても、やはり国民の負担をお願いしなければなるまいというふうに考えているわけであります。
#78
○金子(み)委員 いまのお話は一応わかるわけでありますが、そうでございますと、いま保険料収入に頼るということが主体だというふうにお話しになりましたが、たとえばいま一番国民が関心を持っております健康保険、自分の健康の問題というようなことがありますが、この医療保険の問題を仮に例にとってみます。というのは、今度の健康保険法の改正案の中で国民が負担する一部負担というのがかなり出てきておりますから、たとえばそれを例にとらせていただきますと、申し上げるまでもありませんけれども、今度の改定で国民が一部負担を余儀なくされるというその内容が、私の考えでは、いかにも急激な負担の増だというふうに考えられるわけでございます。たとえば初診料あるいは入院料が三倍になるというような問題もございますし、あるいはまた高額医療費の一部負担がかなり高くまで引き上げられるとか、あるいは保険料の上限下限が引き上げられていくとかいうふうに、端から引き上げられていくように思うわけですね。私は、引き上げられることが絶対にいけないという意味ではないのですけれども、その負担をするという場合には、負担ということと、それから給付あるいは給付の水準とか給付のあり方とかというものはパラレルに考えなければならない問題だというふうに思うわけです。ですから、もし負担増をどうしてもお求めになるのでありましたならば、負担増をすることによってどういうようなメリットがあるのか、それぞれの国民の負担をしたことに対するメリットがあるのかどうかということをはっきりと示していただく必要があるのではないでしょうか。国民がそれを理解することでなければ私は納得ができないのじゃないかというふうに思われるわけです。
 今度の改正案につきましては、新聞等の評論でも、あるいは関係の雑誌などの評論でも、あるいはまた社会保障制度審議会の答申の中にも同じような趣旨のことがうたわれているわけでございますが、そのことは、今回の引き上げの目的が何かはっきりと、これを引き上げればこうなるああなるということが見せられておりませんために、やはり今回の引き上げは前回のときと同じように赤字財政で困っている政管健保の財政政策だというふうに見られてもやむを得ないのじゃないかというふうに考えるわけですが、その辺の御見解はいかがなものなんでございましょう。
#79
○八木政府委員 健康保険の今国会に御審議をお願いしておる内容でありますけれども、先ほど先生御案内のように、健康保険制度につきましては、四十八年度の改正におきましてかなり画期的な改正が行われたわけでございまして、家族療養費の給付率の引き上げなり、あるいは健康保険制度の健全な維持発展を図るという見地から、従来の赤字のたな上げなり、あるいは定率の国庫補助というような改正が行われたわけでございます。しかし四十八年の改正以降、最近におきます非常に大きな経済事情あるいは経済情勢の変動というものがあったわけでございまして、国民の健康を確保する意味の医療保険制度におきましても、最近の著しい経済事情の変動というものに対します対応策を考えるということは、健康保険制度の健全な維持発展を図るという見地から考えますと、どうしても必要な問題ではないかというふうに考えておる次第でございます。しかし、最近の経済情勢等を考えました場合に、できるだけ被保険者なりあるいは患者の方の負担を最小限度にとどめるというような考え方から、ただいま御指摘ございました一部負担金の問題等にいたしましても、昭和四十二年以来この一部負担金の額というのは固定化されておるわけでありますが、その後の経済指標の変動、たとえば医療費の伸びでございますとか、あるいは標準報酬の伸び、あるいは可処分所得の伸び等を考えました場合に、大体三倍程度以上にその後の経済指標が伸びておる、そういうようなことから考えましても、医療保険制度の健全な発展を図るという意味から、少なくとも従来からございます問題につきましての経済指標の伸びに応じます程度の御負担というのは、健康保険制度の健全な発展、維持を図るという見地から考えますと、国民の、あるいは被保険者の皆さんの御納得も、この程度でございますれば得るのではないかというようなことで、今回の改正案におきましては、最近の経済変動に基づきます最小限度の、しかもスライド的な改定ということを基礎にいたしておる次第でございます。
 なお、経済変動に伴いますスライド的な改正の内容ということから、ただいま申し上げました一部負担の問題なり、あるいは高額療養費の問題なりあるいは標準報酬の上下限の問題というように最小限度の手直しなり、あるいは見直しが必要な部分についての改正が主でございます。
 なお、給付改善の面におきましても、そういうような見地から、現金給付の面におきまして、分娩費、埋葬料等の改定というものも考えておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、医療保険制度、健康保険制度の健全な発展を図るという意味から御提案申し上げておりますような改定というのは、最小限度のスライド的な内容であるというふうに御理解賜わりたいと思う次第でございます。
#80
○金子(み)委員 経済変動に伴うスライド的な改正だということはわからないことはありませんけれども、これが最小限度というのはちょっとわからないですね。それにもし、スライド的な意味合いを持っておるのだとすれば、入院の期間を一ヵ月から六ヵ月に延ばしたのはどういうわけですか。これはスライドには関係ないですね。そういう問題が一つありますね。
 それから、きょうはその問題の審議を深めるつもりもございませんけれども、さらにもう一つ問題があると考えられますのは、これは保険外負担ですけれども、ずっと前から問題になっております入院した場合のベッドの差額徴収、それから付添看護料、これらは保険外のものではありますけれども、患者の負担という点ではちっとも変わらない。だから、国が医療行政を行っていかれるその中には、この問題は当然含まれてくることになると思うのですけれども、保険の問題とそれから保険外の負担というふうになりますと、患者の負担は非常に大きくなります。この保険外の負担がものすごく大きいものですから、そのために一家が破滅するというような人たちだってないことではない。それだけでも大変なところに持ってきて、今度の急激な大型な引き上げというのが合わさりますと、果たしてこれが国民の適正な負担と言えるのかどうかというところに非常に大きな疑問を感ずるわけですが、いま一度、保険外負担との関連においてこの問題に対する考え方をお示しいただきたいと思います。
#81
○八木政府委員 ただいま御指摘ございました保険外の負担の問題でございますが、国民の健康を確保する意味から医療保険制度というものがあるわけでございまして、医療保険制度をフルに活用していただく。したがいまして、保険外の負担があるということによりまして国民の医療の機会が妨げられるということがあってはならないことであるというふうに私どもは考えておる次第でございます。
 ただ御指摘のように、室料の問題なりあるいは付き添い等の問題が御指摘あったわけでございますが、室料の問題等につきましても、従来から私どもは室料の差額のために医療の機会が妨げられることがあってはならないというような考え方から、ただ一方では特別室等のニードもあるわけでございますので、そういうような観点から考えまして、入院室料の差額徴収の問題につきましては、医療機関に対します指導を、特別室の要件等につきましても一定の基準を設けまして、具体的には二〇%、特に国立病院については一〇%というような基準を設けまして指導の徹底を図っておる次第でございます。
 最近の実績で申しますと、一挙にはなかなかいかない点もございますけれども、四十九年の六月に比べまして、四十九年の六月が一九・二%というような数字でございますが、昨年の七月では一八・三%ということで、逐次減少はしているような実績もあるわけでございまして、私どもといたしましては、さらに一層指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 さらに御指摘ございました付添看護の問題につきましても、基準看護の病院におきましては、付添看護を置かないというたてまえでございますが、この指導をさらに徹底いたしますとともに、基準看護でございませんで付き添いが必要とするという場合につきましても、昨年の五月に付添看護の関係の看護料につきまして引き上げを行ったというようなこともございますし、実態を十分考えまして、今後ともその改善に努力を払ってまいりたいという覚悟でございます。
#82
○金子(み)委員 そういうふうにおっしゃいますけれども、部屋代差額徴収のことや、あるいは付添看護料が非常に高い、その負担にたえられなくて医療がまともに受けられないという人たちがあるんですよ。
    〔住委員長代理退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
そのことがじゃまをしているとは思わないとおっしゃいましたけれども、実態はあるのです。きょうはその問題を細かくお尋ねしている時間はございませんので、また別の機会にと思っておりますけれども、それは厚生省はもう少しお調べいただいた方がいいと思います。知りたくないでしょうし、あると思いたくないからだと思いますけれども、しかし、実態はあるということは私は率直に認めて、そしてそれに対する対処をなさらなければいけないというふうに思います。
 医務局長来ていらっしゃいますので、一言関連事項なんですけれども、制度審からの答申の中にも出ておりますが、「差額ベッド、付添看護料等にかかる患者負担の現状が長期療養者の生活を破たんさせていることは、医療保険の最大の目的に」違反するものだ、何らかの方法によってこれを解決させるべきだというふうに言っておりますが、これについて、何らかの方法によって解決するということを保険局と医務局とでは話し合いをなさって、そして早急に何か方針を立てていただけるでしょうか。
#83
○石丸政府委員 この差額というものは、一つの基準といたしましては、そこに保険診療がありまして、それとの問題でこの差額ということが論ぜられるわけでございます。いずれにいたしましても、患者負担を軽減するという、しかも、その軽減された差額の中においてりっぱな医療が行われるということが必要ではないかと考えておるところでございまして、そういった意味合いにおきまして、この医療費改定の際に少なくとも実態として差額が生じないような医療費の設定への努力ということにつきまして、保険局の方ともいろいろ御相談をしながらわれわれといたしましてはその目的達成に努力いたしておるところでございます。
#84
○金子(み)委員 その問題はまた別の機会に譲ることにいたしまして、次に、年金の関係で少しお尋ねしたいことがございます。
 年金の関係でお尋ねしたいのは、特に遺族年金の問題なんです。遺族年金の問題は、昨年ILOの百二号条約を批准する審議が外務委員会でございましたときにも、これは項目の一つでございましたから取り上げられて問題になったということがございますのを御記憶にあると思うのですけれども、この遺族年金については現在日本は五〇%でございますね。本人が受けるべき年金の五〇%を残っている遺族、端的に言えば妻というふうに考えていいかと思いますけれども、受け取るということになっておりますが、これが非常に低いということはそのときにも問題になったわけですね。それで、世界の国々に比べても、たとえば西ドイツは一〇〇%になっているとか、あるいは八〇%の国もある。五〇という国はおよそ見つからない。非常に低いじゃないか。半分という理屈が成立しなかったのは私も記憶しています。なぜ二分の一でいいかという理由はなかったわけです。だから、理由もない五〇%をいつまでも置いておくというのは実におかしいことだし、二人で生活していたのが片方が亡くなって一人だけになったからといって生活費が半分に減るということはあり得ないことでございますから、そういう点から考えても、五〇%というのは日本の世界における位置から考えたら非常におかしい。だから、これはどうしても引き上げなければならないというのがあのときのお考えでございました。
 それで、私ども伺いますと、厚生大臣はそのことを非常に考えてくださって、七〇%の要求を大蔵省にしてくださったということも伺っております。私どもは、七〇%は第一段階としては非常に結構だと思いました。将来は一〇〇に持っていかなければいけないと思いますが、一応七〇まで引き上げていただくことができれば非常に有効だと思っていたのですが、結果は七〇にならないで五〇そのままで、あとは寡婦加算というものでごまかされてしまったという感じがいたします。それで非常に残念だったと思うのですが、これは制度審でも答申の中にも出ておりますように、寡婦加算なんというのは全然意味がないんですね。問題にならない。寡婦加算なんかをしていただくよりは比率を引き上げてもらった方がいい。もとの比率を引き上げてもらった方がいい。たとえば七〇ができなくても六〇でもよかった、五五でもよかったと私は思います。それがなぜできなかったのかということは、非常に残念だったのですが、御苦労していただきました大臣から御説明いただければありがたいと思います。
#85
○田中国務大臣 遺族年金の給付率を引き上げたい、私も心底からそう思っておりました。五〇%は今日の世の中では私は不適当だと思っております。したがいまして、私も努力するということで答弁をいたしました。一定の条件をつけましたが、七割給付してくれということで要求をいたしました。
 これは予算折衝の過程におきましていろいろな議論が出てまいりました。一つには、日本の厚生年金の遺族年金の給付の条件というものが、実は他の諸外国に比較をいたしましてきわめて簡単にできる。つまり、諸外国では五年ぐらいの保険期間を満たさなければ遺族年金の給付が始まらない。日本ではたしか六ヵ月だといったような議論も出てまいりました。いろいろあります。そのほか、ここは社会労働委員会だから私、率直に言いますが、率直に申しまして、恩給との関連も出てまいりまして、私は、これについてはいささか所説がございますが、しかし、いずれにしてもそうしたことと非常な財源難といったような背景もございまして、悪戦苦闘をいたしましていろいろやったのですが、結局、定率七割ということは実現を見ませんでした。
 そこで、私が本当に予算要求をした趣旨は、百二号という国際条約との関連ではなかったわけです。私は、日本における寡婦がこういう社会情勢で果たして夫の老齢年金の半分でいいだろうか、食べていかれるのだろうかということを本当に心配したものですから、そういった国際条約との関連などということは、率直に言いますと副次的な問題でございますが、そういうわけで要求をいたしましたが、結局、七割給付は実現はできませんで、加算制度というものでどうだということになりまして、私も率直な話、ぞっといたしませんでした。しかし、最後にはゼロ敗をいたすよりも、この程度でもひとつ今回は実現をする方が得策であろうということで、いろいろ折衝の結果、五千円、三千円、二千円という寡婦加算制度というのが実現をいたしたわけであります。
 私は、これで満足をいたしたり、これでこの問題を終結しようなどという考えは、決してただいま持っておりません。何らかの形で何とか定率をまたひとつ実現をいたしたいものだというのが今日の私の心境でございます。しかし、寡婦加算制度によって百二号条約との関連がどうなるなどといういろいろな議論がございますが、私は、この議論に首を突っ込みたいという気持ちは、ただいま余り持っておりません。
#86
○金子(み)委員 よくわかりました。確かに五〇%では暮らせないわけですね。いま最低が平均で四万円のその半分だから二万三千円ぐらいしかありませんね。ですから、それではとても暮らせるものじゃない。それが今度は二千円ついたといたしましても大したことないですね。そういうことから、いまの大臣の基本的な考え方から出発して今回できなかったことは大変残念だったと思います。私は、一生懸命にやっていただいた上からも大変残念だったと思うわけですが、この点は次の年度にはぜひ獲得していただきたい。一年間もがまんすることは大変なことだと思うのですけれども、しかし、ここまで来ておりますと、五十二年度の予算では必ずこれを獲得していただくだけの決意をお持ちいただけるでしょうか。
#87
○田中国務大臣 五十二年度これを必ず実現する、こういうふうに申し上げますとまた問題を起こしますので、私としては、少なくともこの問題についてはこれで終わりだ、もう遺族年金の支給の向上というものについてこれで満足で、これ以上の努力はしないのだということは考えておりませんということを申し上げます。いろいろな点について、委員各位の建設的な御意見を寄せていただきたいし、また、社会的なキャンペーンもしていただきたい。特に委員各位に、私自身もいろいろ言いますが、一体このような制度というものが恩給制度にそのままはね返らなければならないものであろうかどうかということについても、いろいろと掘り下げた議論をしていただきたい、率直に言ってそう思っております。
#88
○金子(み)委員 わかりました。
 所信表明の中に載っておらなかったのですけれども、最近、いろいろな事故で両親が一遍に亡くなって子供だけが残るという状態が非常にふえてきていると思うのですが、子供だけが残った場合にはどういうふうにしてあげたらいいだろうというふうに考えていらっしゃるかということを、もしいまございましたら聞かせていただきたいし、もし詰まったものがございませんでしたら、今度この法律の御審議のときに御返事をいただけばいいと思っております。
#89
○曾根田政府委員 両親を一遍に失って遺児が残されたという場合に、厚生年金では遺族年金、国民年金では遺児年金という制度がございまして、今回の改正案におきまして相応の改善は図られたわけでありますけれども、いずれにしても、先ほど大臣が申し上げましたように、遺族年金の水準を今後どうするか、そういう基本的な問題があるわけでございますので、なお今後とも十分検討してまいりたいと考えております。
#90
○金子(み)委員 いまの問題はまた別の機会にお尋ねしたいと思います。
 次に、局長お見えになっていませんので、第二をちょっと後にいたしまして、第三という項目の中から伺わせていただきたいと思います。
 国民医療の問題になるわけですが、医療保険の問題は、先ほど御説明いただきましたからそれを省きまして、ここで取り上げてお尋ねしたいと思っておりますのは、きょうの質疑の最初に、住議員のときに審議が行われていた問題なんですが、今度の予算で新しく救命救急センターができましたですね。このことで医務局にお願いするわけですが、この救命救急センターの運営と活動につきまして、従来指定救急病院というのがございますね、その指定救急病院などとの関連がどういうふうになっているのかということと、そしてこれができたことによって、けさも問題になっておりましたが、患者のたらい回しという問題が解決できるのかどうか、そういうお見通しがあるのかどうかということを教えていただきたいと思います。
#91
○石丸政府委員 この救急医療体制でございますが、従来交通災害、交通外傷を対象としてわが国の救急医療体制というものが出発いたしたわけでございます。ただ、最近に至りまして内科系の急病患者が増加してまいった、こういう新しい事態に対応いたしまして、休日夜間急患センターの設置を最近になって実施をしている、かような状態でございます。
 それで、昭和五十一年度新たに予定いたしております救命救急センターと、これら従来の救急医療体制との関係でございますが、これは従来、第一次救急医療体制といたしまして救急告示医療施設あるいは休日夜間急患センターを設置いたしておったわけでございますけれども、やはりそうしたファーストエードと申しましょうか、第一次救急で処理できないような重症な患者の問題もあるわけでございまして、そういった第一次救急医療機関で処置できない患者に十分な医療を行うために後方病院としての使命を持った、あるいは第二次救急医療機関としての使命を持ちました救命救急センターというものの設置を考えたわけでございます。
 ただ、救命救急センターは、ただいま申し上げましたように、第二次救急医療の責務を有すると同時に、最近わが国におきまして人口の老齢化が起きているわけでございまして、この老齢化現象に伴いましてわが国の国民の疾病構造も変化いたしておるわけでございます。脳血管障害あるいは心疾患、そういった新たな致命的な老人病が増加しておるわけでございまして、そういった新しい疾病に対しましては、ある意味においては第一次救急を担当させたいというふうにも考えておるところでございます。
 それで、この救命救急センターが設置できれば、従来のたらい回しが全部解決がつくかという問題でございますが、五十一年度予算におきましては、救命救急センターは全国でまだ四ヵ所の設置を考えておるのみで、しかも、これはモデル的に設置をいたしたいということでございまして、今後、モデル的に設置いたしました救命救急センターをさらに改良いたしまして、これが全国に設置できる事態になれば、従来のいわゆる第一次救急医療体系の中におけるたらい回しというものがずいぶん解決できるのではないかと思っておりますが、来年度予算におきます救命救急センターの設置のみですべてが片づくというものではないわけでございまして、さらに今後これらの全国的な設置につきましては努力をしてまいりたいと考えております。
#92
○金子(み)委員 急患のたらい回し防止の抜本策として、厚生省がプロジェクトチームを編成なさる、こういうのを私は読んだのですが、そういうことがおありになりますか。
#93
○田中国務大臣 午前中にも御答弁申し上げたわけでございますが、現在までいろいろなことをやってまいりました。しかし、救急医療についてはどうも私、不十分で申しわけないという気持ちが十分あるものでございますが、これについては、厚生省だけの知識と努力だけでいくものであろうかどうか、もう少し広い視野でこの問題を掘り下げる必要があり、また、社会的にも協力体制をもう少し濃厚にしなければならないと考えましたものですから、過日事務次官に命じまして、これについての関係専門の各位のお知恵を拝借し、また、この人たちの努力にまつべく、私的諮問機関でございますが、そうした懇談会をつくるようにということで、現在委員の委嘱について懸命の努力を払っているわけでございまして、できるだけ早くこれを発足いたしたいというふうに考えていることは事実でございます。
#94
○金子(み)委員 できるだけ早くしていただきたい、一日も早くというふうな気がするわけです。私が拝見しました資料では、五十二年度予算でというふうに書いてあるのですけれども、いまおっしゃったように、私的諮問機関で、余りお金はかかりませんね、いまの段階では。だから、五十一年度にすぐ着手していただきたいというふうに思いますが、それは御無理ですか。
#95
○田中国務大臣 予算面のことは心配がございません。先生おっしゃるように、お金のそうかかる懇談会ではございません。五十二年と書いてあるのは、五十二年度の施策にこれが具体的に反映をし、実現をするようにという気持ちで私、考えているわけでありまして、恐らくそういう趣旨だろうと思います。そのペーパーを見ておりませんけれども、私の趣旨はそういうことでございます。
#96
○金子(み)委員 官庁速報ですから、今度ごらんになっておいてください。
 それでは、その次に移ります。
 同じく医務局の関係で看護婦問題ですけれども、看護婦の問題はいろいろと問題が多いものでございますから、ここで短い時間で言うことは大変無理だと思います。そこで、一言だけ聞かせていただきたい問題があります。
 それは何かと申しますと、すでに御承知だと思いますが、昭和二十三年につくられた現在の保健婦助産婦看護婦法は、あのときは清水の舞台から飛びおりるような気持ちでつくった法律だったということになっておりますが、今日社会情勢と合わなくなったわけですね。そこで、これを基本的に変えなければならないということになってきております。社団法人の日本看護協会でも昨年の総会で決議をいたしておりますし、ことしの総会でもその具体策を練るだろうと思っておりますが、要するに、いまの制度では看護婦の中に二種類つくってある、こういう問題ですね。看護婦と准看護婦があるという問題で、准看護婦制度は廃止する方向へ行くべきだという大方の意見が固まりかけてきておりますし、厚生省の中におありになる看護制度改善検討会でも、この問題はもう無理じゃないかということをおっしゃっていらっしゃるようでございますが、いろいろな関係で厚生省の御意見を直接承ったことがまだございません。
 それで、議論をするつもりじゃありませんが、お考えとして准看護婦制度を廃止する方向で臨んでいらっしゃるかどうか。現状から言えば中卒というのはほとんどございませんね、中卒の女子は九二%高校へ進学しておりますから。そうすると、中卒を対象とする准看護婦制度というものは全然社会的条件に合わなくなってきている。高卒を対象にした准看というものをつくって果たして意味があるかどうかというような問題があると思いますが、この制度をどうなさるかということについてのお考えを一言だけお聞かせ願えれば、看護問題は終わりたいと思います。
#97
○石丸政府委員 看護制度の歴史的発展過程について私からとやかく申す必要はないと思いますが、いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘の准看制度というものは、いろいろな立場の人がいろいろな思惑でこれを出発させ、また、その発展の過程の中でいろいろな思惑のもとにこの制度を動かしてきた、こういう事実があろうかと思うわけでございます。その結果が現在のような状態になっておるわけでございます。ただ、片一方におきまして医療技術が非常に進歩してまいっておるところでございまして、これらの医療技術の進歩に対応するための高度の技術を持った看護婦の養成、それと同時に、ただいま先生御指摘のように、高学歴社会という一つの社会情勢の変動が起きておるわけでございまして、こういう社会情勢の変動に対応する看護婦養成問題、そういったことを含めまして考えてみました場合に、一つの変換期に来ていることは事実だと思っております。そういう意味においては、総論的な方向として、ただいま先生御指摘のような方向に動きつつあるというふうに考えておるわけでございますが、ただ、各論的な問題といたしまして、その目標に到達するプロセスという問題について考えてみますと、まだ必ずしも十分機が熟していないのではないかというふうにも考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、准看護婦問題を含めまして看護婦制度をどうするかということは、わが国の医療全般にかかわる大きな、きわめて重要な問題でございますので、その改正問題については十分慎重に対処してまいりたいと思っておるところでございます。
#98
○金子(み)委員 いまの問題はまた別の機会にさせていただきますから、これで看護問題は終わります。
 次に、児童家庭局長にお尋ねしたいことが一つ、二つございます。その一つは、保育対策でございます。
 厚生省の御計画では、昭和四十六年に出発した社会福祉施設緊急整備五ヵ年計画は五十年には終わるわけですね。五十年になったときには必要とする子供たちが保育所に入ることができる、問題は一応の解決が見られるのだということで出発なさったというふうに承っておるのですけれども、いま五十年になってその時期が来たのですが、実態はどうなっているのかということです。確かにそのようになったのか、それは思惑が違ったり、あるいは情勢が変わって、状態としてはこんなふうに違ってしまったのだというようなことがおありになるのか、その辺をちょっと聞かせていただきたい。もしそうだとすればどうなさるおつもりかという……。
#99
○石野政府委員 先生御案内のとおり、四十六年から出発しました五ヵ年計画は、昭和四十二年に行いました実態調査を踏まえて、そして五十年度末には何万人の要保育児童がいるであろうか、こういう推計をいたしまして、実は百六十二万という推計をいたしたわけでございます。したがいまして、その五ヵ年計画の方も百六十二万人を収容する計画にいたしたわけでございますけれども、実態は五十年度の四月には百六十七万人という形で、一応予定よりも五万人ぐらい多く、しかも一年早く実現いたしたわけでございます。
 ところが御案内のとおり、当時の情勢分析とその後の変動がございまして、特に働く婦人の増加という問題あるいは核家族化の進行の問題、そういうものが非常に進展してまいりまして、実際いま私ども、この数字について明確な数字は押さえておりませんけれども、恐らく現時点では二百万人を超すのではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。したがいまして、私の方は、五十一年度に予算を取りまして要保育児童の実態調査を行い、さらに五十一年度から始まる五ヵ年計画の中にそれを埋め込みまして、そして五十五年度には何とか要保育児童を全部収容できるようにというふうに実は考えておるわけでございます。
#100
○金子(み)委員 その問題はおいておきます。
 その次に、同じ保育の問題ですけれども、お聞き及びだと思いますけれども、地方自治体が経済的に大変逼迫しておりますね。いま危機になっていますが、その中の大きな要素が自治体のいわゆる持ち出し、超過負担という問題でございます。全国知事会が調査いたしましたのでは、昨年の十二月ですが、六千三百六十億超過負担があるそうです。この中で一番大きいのは保育所の超過負担なんですね。保育所に関する措置費で千三百八十億円が超過負担になっているというのですが、この超過負担は全国的な実態なんですけれども、なぜこういうことになっているのかということについては、いろいろな意見が出ておりますけれども、その中で最大公約数と申しますか、それは国の保育単価の低さ、基準の低さが原因でこういうふうになるのだというふうに言われているのですが、これを改善する御予定がおありになるかどうか、今度の予算の中では基準を改めるための予算が組まれておりますのでしょうか。
#101
○石野政府委員 超過負担の定義は非常にむずかしいわけでございますけれども、六団体の方でとらえた超過負担の中身が私どもよく理解できない面がございます。実は、その内容について詳細を求めているわけでございますけれども、拒否されておりまして内容分析ができないわけでございますけれども、私どもが考えております超過負担というのは、保育所について申し上げますと、実は四十九年度に厚生省、自治省、大蔵省、三省で合同調査をいたしまして、そこで四十八年度の保育所の運営費の実態を見ますと、確かに改善すべき点があるという形で、たとえば施設長の問題それから調理員の格づけの問題あるいは庁費その他の補修費の問題、そういう問題につきまして、本来ならば五十年度、五十一年度の両年度で改善する予定でございましたけれども、特に今年度につきましては、補正予算を組みまして、そして二年計画でやりますものを五十年度でやってしまった、こういうふうになっておるわけでございます。しかし、それはあくまでも現在の最低基準というものを前提といたしておりますので、あるいは先生のおっしゃったように、それを改正して、それを前提としてさらに改善できないかということにつきましては慎重な検討が必要であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
#102
○金子(み)委員 それじゃ、いま一つお尋ねしたいのですが、昨年だと思いましたが、文部省が所管しておられる幼稚園と厚生省が所管しておられる保育所との間の結びつきが非常に悪くていろいろ問題が起こっている、これで行政管理庁から勧告が出ておりますね。その勧告の中身もずいぶん事細かに具体的に出ているわけでございますけれども、この勧告に対して厚生省は回答をお出しになっていらっしゃいますね。それを拝見させていただいたのですが、非常に抽象的な回答でちょっとつかみどころがないのですが、その中で一つだけ、これはどういうことを意味していらっしゃるのかなということを知りたいところがあるのですが、それは回答の中の「保育所の運営に関する問題について」のところで「昭和五十一年度においては、本省に監査指導室を新たに設置し、指導監査体制を強化することとしております」。こういうふうに回答していらっしゃるのですが、これはどういう意味でございますか。保育所の勧告の中にありました規定どおりしていないとか基準どおりしていないとかいうことの指導監査なんでございますか、どういう意味なんでございますか。
#103
○石野政府委員 実はこれは、全部にまたがる問題でございますけれども、特に行政管理庁の方で指摘しておりますのは、入所措置の運用の適正化ということを言っております。これは確かに各市町村長に任せておりますので、その運用につきましては非常にばらばらな点がございます。そういうことにつきまして、さらに厳正な運用をしてもらいたいということに対します回答の一つの中身といたしまして、そういうものによってやっていきたい。
 それから、先生おっしゃるように、やはり施設の基準の問題、それについても最低基準を守ってないのもございますので、そういうものを守らせていきたい。そういうふうなことを全部含めて考えておるわけでございます。
#104
○金子(み)委員 ありがとうございました。
 いま一つは、これはちょっと緊急に、問題だと思ったものですから、きょう取り上げさせていただいてお考えだけを聞かせていただきたいのですが、この所信表明の中に「特別養護老人ホーム、心身障害児(者)施設及び保育所等を中心に計画的に整備を進めるとともに、施設入所者の処遇改善を図る」こういうところがございます。このところでお尋ねしたいと思っておりますことは、特に心身障害児の施設の問題なんですけれども、これは民間もありますし、国公営もあるわけでございますが、民間の問題だけを、時間の関係もございますので取り上げさせていただきたいと思いますが、民間の重症心身障害児の施設というのは、いま非常に経済的ピンチで運営ができなくなるような状態になっているということを御承知かどうかと思うのでございますけれども、たとえば例を一番手っ取り早くいつも挙げられておりますが、近くにございますので、島田療育園の例を挙げさせていただきますと、現在いろいろな措置をしていただいているけれども、前の厚生大臣が一対一とおっしゃったその数字を守りたくても守れなくて、一・二一対一、それが一・二八になって、そのうち一・三になる、こういうような状態になって、中身としては入所者の処遇改善にはならなくなって、だんだん悪くなっていくという状態です。ところが、施設側は収入をふやしたいために子供の数をふやそうとしているわけですね、入所児の数を大体三十名ぐらいふやそうと計画しているようです。子供を三十名ふやせばそれだけ働く人が、介護者が必要になるわけですが、介護者の方は減っていくばかりなんです。そして今度もし三十名入れば一・三以上に比率は悪くなるというふうに考えられますね。そういたしますと、現在でも腰痛症なんかを半分起こしているような施設ですし、やめていく人というのが非常にふえますので一層労働条件は悪くなるし、子供に対する介護は低下するというような状態になっていこうとしている現在なんでございます。
 この問題は、揺るがせにできない問題だと思うわけですが、東京都の援助も受けるように努力をしていまして、先般、東京都に援助を受けに行きまして、東京都は子供一人当たり三万円増額してくれたのです。これは非常にありがたかったと思うのですけれども、施設側はその三万円を、子供一人当たり三万円上積みしてくれたのですが、それは赤字対策で使ってしまおうとしているわけです。これでは何の足しにもならない、せっかく努力をして持ってきても何にもならないわけなんです。
 問題は、医療費のアップがことしございませんね。この施設は、医療施設と福祉施設と兼ね備えていますから、医療費と指導費とはリンクしているわけですね。ですから、医療費が上がれば指導費も上がってくるということで息がつけるわけなんですが、その医療費が今度上がりませんでしたね、三月までに上がりませんね。そういたしますと、仮に医療費が四月に上がったと仮定いたしまして、これはさかのぼっておやりになるのかどうかですね。そういうことによってこの施設が少し潤っていくのか。職員の賃金もアップできて――いまずっと去年から職員の賃金アップはとまっているわけです。そうして子供たちを安全に介護することができるようになれるのかどうか、その辺のお考えが実は伺いたいと思うわけなんでございます。その点をどういうふうに考えていらっしゃるのか実は知りたいわけなんでございますが、この施設は、もちろん東京都の子供だけじゃありませんで、神奈川県の子供もそのほか十県ぐらいの子供もいるわけです。ですから、各県から応援をさせるということは、一昨年の緊急体制のときにとってもらいました。それ以後、そのことは続いております。ですから、そのことはできているんですけれども、基本的に国からの援助が非常に問題になっているわけなんですが、その辺をどうお考えになるのか、一言聞かせていただきたい。
#105
○石野政府委員 これは重症施設全体の問題だと思いますけれども、御案内のとおり、医療機関であり、同時に、半面福祉施設、こういうことでございまして、大半は医療費、そして福祉的な面に向けまして重症児指導費を出しているわけでございます。これは一般の病院が同じように医療費で非常に苦しんでいるわけでございますけれども、この島田の問題につきましても、同じようにやはり医療費を一日も早く上げてもらいたいというのが本音でございます。しかしこれは、仮に三月できませんと、四月以降になるわけでございますけれども、さかのぼって運営費を出す、こういうわけにはまいりませんで、これは一般の病院も同じように上がった時点から経営していく、したがいまして、こういう施設というのは、やはり単年度計算じゃなくて、一年半なりあるいは場合によっては二年という長いタームで経営というものを考えていかなければならない。民間施設三十ございますけれども、三十の民間施設の大半は、そういう全体の運営計画を立てまして、たとえば給与の決め方あるいはボーナスの出し方、そういうものについてもいろいろ工夫をしているわけでございます。
 したがいまして、島田の例を挙げられましたけれども、島田について特に、あるいはそれに類したものについて重症児指導費をさらに年度にさかのぼってやるというふうな考え方は、私は全く持っておりません。そういうことで医療費の上がることを期待し、同時に、医療費を上げた場合には、直ちに重症児指導費を上げて、そして経営を安定させていきたいというふうに実は考えているわけでございます。
#106
○金子(み)委員 時間もありませんのであれですが、それでは五十年度は何もできない、こういうことですね。
#107
○石野政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#108
○金子(み)委員 この問題は、大変に深い意味がございますから、また別の機会に十分審議させていたださたいと思いますが、五十年度はほっておくのだというのは、ちょっといただけないんですけれども、しかし、それを議論していると時間がありませんから、いずれあれにいたしましょう。
 最後でございますが、時間も大変に切迫いたしましたけれども、援護局長お見えになっていらっしゃいますか。――援護局長にお尋ねしたいのは、実は、大臣の所信表明の中には載っていないんですけれども、関連のことで御意見を承りたいと思うことがございます。
 それは戦争のときに原子爆弾が落ちました長崎、広島、その原爆被災者のためにいろいろと施策が進められておりますね。これはこれでわかるわけなんでございますが、原爆被爆者の問題だけでなくて、戦争のときに戦場へ出かけていかなくて、内地におって、そして空襲に遭って――本土空襲なんかございましたね。この本土空襲に遭って被災をされた方たち、こういう方々に対しては何もいまないわけですね。身障になられた方に対しては、一般身障者としての取り扱いしかないわけでございますけれども、このことは原因が、たとえば自分でけがをしたとかあるいは病気になった、その結果、身障になったというのではなくて、不可抗力の戦争の結果です。しかも、その戦争はやはり国の責任であったというふうに考えますから、この人たちに対する取り扱いが何もない、一般の身障者扱いになっているということは非常に冷たいと思うのです。これはやはり国の責任として、この人たちにもほかの原爆被爆者の方々にとられていらっしゃるような取り扱いができないものかどうか、ぜひしていただきたいと思います。そういう方たちがずいぶん大ぜいいらっしゃいます。しかし、何も受けておられないので、その辺は非常に不平等だ、不公平だというふうに私は考えられると思うのです。何も好んでそういう被災をしたのじゃなくて、別に国の命令を受けたわけではありませんけれども、しかし、空襲でやられた方たちということなので、その辺のお考えはいかがでございましょう。
#109
○山高政府委員 ただいまのお話で、いわば軍人軍属とかそういう方々と一般の戦災で傷つかれた方との間の取り扱いが不平等じゃないかというお話しでございますが、現在、援護法等で処遇して差し上げておりますのは、先生の御指摘のような旧陸海軍の軍人軍属であるとか、あるいは旧国家総動員法によって動員された方々とか、あるいはまた旧防空法の規定によって従事命令を出されて、それで戦傷なり戦没された方でございますが、こういう方々に対して現在処遇して差し上げているというのは、いずれも国との間に一定の身分関係がある、そういう方々について、国はそういう方々を使って国の公務をやっていただいたのだ、いわば使用者としての立場で、労災であるとか公務災害と同じような立場で処遇して差し上げてあるのでございまして、必ずしも不平等というわけにはまいらないのではないかと思っております。
#110
○金子(み)委員 それなら、この問題はずいぶん前からもたびたび論議されていたと思いますけれども、いまおっしゃったようないろいろな法律に基づいて、国の命令を受けて何かの職についていたという人たちのためを考えていらっしゃるというのはわかるわけですけれども、それでしたらあのときに、その後最近、長崎の医大の学生それから病院の職員それから看護学校の学生、こういう人たちが別に国から何の命令も受けて用務についていたわけではない、病院職員としてあるいは大学の学生として日常の業務についていたわけですね、それで被災された人たちについては追加されたはずでございますね。そうするとこの人たちは、いまの御答弁によりますと、国の特別な命令を受けていない人でございますから、この人たちが追加されるのであるならば、いま私が申し上げた一般の人たちも何らかの方法で措置ができてもいいのじゃないか。もし現在ある法律で無理だとすれば、新しく法律をつくるなりなんなりして、そしてこの方たちのためにも救済の手を差し伸べるべきではないかというふうに考えているわけなんです。その辺いかがですか。
#111
○山高政府委員 ただいま御指摘の旧長崎医大の学生であるとか、あるいは看護婦養成所の学生の方々の問題でございますが、こういう方々は、実は被災されたときに何もしていなかったのではございませんで、旧防空法の六条の規定に基づきまして防空に従事すべきであるという従事令書の交付を受けて、そして身分上の拘束を受けて国の公務であります公共の防空業務に従事していたということでございまして、そういう立場から援護法の適用を四十九年にしていただいたわけでございます。
#112
○金子(み)委員 それをいま議論するつもりはないのですけれども、そういうふうに後から理屈をつけたわけでしょう、その人たちについては。ですから、そういうことがあるなしにかかわらず、基本的な考え方として、戦争で、本土空襲で被災された方たちに対して、国は何もする必要はないと考えていらっしゃるのか、何らかして差し上げなければならないという気持ちを持っていらっしゃるかどうかを伺いたかったわけなんで、これはもう最後になりますので、大臣から御答弁をいただきたいと思っております。
 時間の関係がございまして、大変に中身の充実しないあれになりましたけれども、結局は、この所信表明を拝見いたしておりましても、最初に申し上げましたように、厚生省の行政というのは、国民生活に密着しているどころではなくて、国民生活そのものを行政としてお扱いになっているわけでありますから、国民生活が本当に安定し、安心した生活ができるということを目標に進めていっていただいているはずだと思います。ですから、そういうことから考えれば、この厚生行政だけでなく、そのほかの他の省の行政も同じことなのかと思いますけれども、ことに厚生行政の場合に強く感じますのは、受益者負担という原則を余りにも貫き過ぎていらっしゃるような感じがするわけです。
 三木総理も、こういう時代には福祉が切り捨てられてもやむを得ないのだということを発言なさって問題になっておりましたけれども、今度の行き方で行きますと、国民は負担だけではまさしく高負担になっていきます。負担だけは高くなりますけれども、福祉の方は切り下げられている。負担が高くなったのに見合った福祉というものは与えられていない。低福祉だというふうにみんな一般的に考えられておりますし、私もそう思うわけでありますが、そこら辺は大変に遺憾だと思うわけです。
 それで、そこら辺の問題について厚生省ではどういうお考えをお持ちになっていらっしゃるか、いま一度大臣から、いまの戦争の問題とあわせて御答弁いただいて終わりたいと思います。
#113
○田中国務大臣 前段の一般戦災者、特にこの一般戦災者にもいろいろなものがございまして、たとえば家財を失ったというようなものについては、すでにリカバリーができておる人も多いものですから、これについて私ども援護の手を差し伸べるということはただいま絶対に考えておりません。傷疾を受けた人については、前の大臣も答弁しておったようですし、私も答弁したかと思いますが、一般的な身体障害者の調査の結果を見て研究をいたしたいということでございまして、そのような調査をいたそうというふうに思っておりましたが、何か知りませんけれども、とんでもない反対者が厚生省に参りまして、この調査をしきりに妨害いたしたという事案がありまして、うまくいっておらないのはまことに残念でございますが、そうしたことを踏まえて今後研究はいたしたい、こう思っております。
 なお、一般論の今後の社会保障のあり方でございますが、経済の様相が一変をいたしまして、いわゆる減速経済下に入った場合における社会保障のあり方については、いろいろと今後検討をし、また知恵もしぼらにゃなるまい、かように思っております。
 私の知る限りにおいては、こういう経済下になったら福祉は切り捨ててもいいのだということを総理がおっしゃったということは、私は寡聞にして聞いておりませんですが、よく調べてみたいと思います。また、そういうわけでこういう経済、財政下における社会保障のあり方については、いろいろとお互いに考えていかなければなるまいと思っておりますが、やはり経済の動向いかんにかかわらず福祉は向上しなければなるまいというふうに基本的に思っているわけであります。
 したがいまして、国民の負担というものについても、これは従来と違った形でお互いに受けとめていかなければなりますまいと思いますが、余りにも性急にそのような道を求めていくということも、やはりわれわれとしては考えていかなければならない。国民のコンセンサスを求めつつ、そういったようなことについての財源手当てを今後するようにお互いにこれは検討もいたし、また、国民の同意と理解を求めていかなければなるまい、いままでのようなやり方ではとうていやっていけないものだろうというふうには私は思っておりますが、そうしたことについて、もっともっと苦心と努力が必要だというふうに思っております。
#114
○竹内(黎)委員長代理 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
#115
○熊谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。厚生大臣田中正巳君。
#116
○田中国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各般にわたる援護の措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、これらの支給額の引き上げ、支給範囲の拡大、新たな特別給付金の支給等を行うことにより援護措置の一層の改善を図ることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。
 以下、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正でありまして、障害年金、扶養親族加給、遺族年金及び遺族給与金の額を恩給法に準じて昭和五十一年七月から増額するほか、障害年金受給者が死亡した場合にその遺族に支給される遺族年金等の支給範囲を拡大し、また、夫及び再婚解消妻等に支給される遺族年金等の支給要件を緩和し、遺族一時金の支給範囲を拡大することといたしております。第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正でありまして、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を遺族年金の増額に準じて引き上げることといたしております。
 第三は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、戦傷病者等の妻として受給した特別給付金の国債の最終償還を終えた時点で、当該戦傷病者等の死亡により戦没者等の妻となっている者に特別給付金を支給することといたしております。
 第四は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部改正でありまして、特別弔慰金として交付された国債の償還金について、その支払いの特例を定めることといたしております。
 第五は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、特別給付金として交付された国債の最終償還を終えた戦傷病者等の妻に改めて特別給付金を額面三十万円十年償還の国債で支給することとし、また、満州事変中の戦傷病者等の妻にも特別給付金を支給する等の改善を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#117
○熊谷委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#118
○熊谷委員長 厚生関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。村山富市君。
#119
○村山(富)委員 私は問題をしぼって、救急病院について若干お尋ねをしたいと思うのですが、これはきょう午前中からそれぞれの委員から御質問もございました。したがって、若干角度を変えて、救急病院に取り組む基本的な姿勢、考え方について若干話しておきたいと思うのです。
 これは午前中からの質疑の中でございましたように、依然としてたらい回しが後を絶たないという現実はお互いに認めざるを得ないと思うのであります。そこで、このたらい回しの問題については先ほどもお話がありましたけれども、ついに告訴事件にまで発展する、こういう事態になってまいりました。
 この告訴事件の中身を見てみますと、事故が発生したのは午後の十時十分ごろです。そして、その救急車が到着したのが十時十八分。ですから救急車は比較的早く行っているわけです。病院に収容されたのは翌日の午前零時二十分ですから、したがって約その間に二時間と十九分ぐらいかかっておるわけです。しかも死亡したのが午前八時ですね。その間に二十五回、病院で拒否されているわけですね。しかも、その病院の問い合わせに二十八回電話をかけているわけですよ。その死因は頭部の内出血ということになっておりますから、もしこういう事態が起こらずに速やかな治療がなされておればこの人は助かったかもしれない。これは明らかにたらい回しによって死亡事故になったということが言えるのではないかと思います。
 これは私がいまからくどくど申し上げるまでもなく、この事件の経緯というものは十分御承知だと思いますが、この事件について大臣はどういうふうにお感じになっておりますか。その大臣の考えを聞きたいと思うのです。
#120
○田中国務大臣 あの事件、私は訴訟提起前にすでに新聞で見まして、まことに遺憾な事件であるというふうに思いまして、午前中にるる御答弁申し上げましたように、救急医療につきましてはもっと力を入れて、的確に行われるようにしなければいけないというふうに決意を固めた次第であります。
#121
○村山(富)委員 遺憾な事件であったということだけでは済まされないのではないかと思うのですね。私は、後で若干触れますけれども、少なくとも厚生大臣は国民の命と健康についてはもっと責任を持つという姿勢がなくちゃならぬと思うのです。ですからそういう意味からしますと、本当に緊張した意味で責任を痛感しました、こういう答弁を私は期待しているのですが、どうですか。
#122
○田中国務大臣 大変残念な事件でございまして、何とかこのような事件をなくさせなければならないというふうに、まじめに受けとめているわけであります。
#123
○村山(富)委員 これは訴訟になっておりますから、大臣も答弁は慎重にならざるを得ないと思うのだけれども、いつかも私はこの委員会で、いまの救急医療の体制がどうなっているかという質問をいたしました。そのときに局長の方からこういう答弁があったわけですね。これは間違いがあったら訂正してください。
 国立の場合には施設が六百十六、救急告示病院が百、率は一六・二%。それから結核と精神病院等を除けば百三十一の中に九十五の告示病院、七二・五%。それから自治体病院が千七百、うち告示病院が四百五十三、二六・六%。それから公的病院が四百八十六、告示病院が二百五十四、率は五二・三%。それから私的医療機関が三万四千七百九十八の、告示病院が三千九百四十六、率は一一・三%、こうなっておるようでありますが、これは間違いありませんか。
#124
○石丸政府委員 この救急告示の実態は時とともに変化いたしておるわけでありますが、その当時御答弁申し上げた数字はその当時の実態をあらわしておるものと思っております。
#125
○村山(富)委員 間違いないですね。
#126
○石丸政府委員 はい。
#127
○村山(富)委員 いま厚生省がやっておりますのは、例の省令による告示病院と、それから休日夜間の救急センター、それに今度の予算では救命救急センターというものをつくる、こういう構想になっておるわけですね。いま申し上げました告示病院の数から見ますと、これは地域的な問題もありますし、あるいは偏在しておるという問題もあるかもしれません。しかし、数の絶対数が足りないということよりも、もっと違った意味でたらい回しがなされる原因があるのではないかと思うのですけれども、たらい回しが依然として絶たないその最大の理由はどこにあるとお考えですか。
#128
○石丸政府委員 いわゆる救急医療機関におきますたらい回しが起きる原因でございますが、これはいろいろな見方があろうかと思いますが、一応われわれの握っております統計数字によりますと、やはり一番大きな理由といたしましては、患者の搬送された時点におきまして、その医療機関に専門医が不在であったという点と、それからその収容すべきベッドが満床であった、この二つが大きな理由として挙げられておるところでございます。
#129
○村山(富)委員 この消防法を受けた厚生省令を見ますと、告示病院になるためには知事に医療機関が申し立てをする、そして知事が告示をするわけですね。その省令に書いてある告示病院の要件というものがあるわけですね。それを見ますと、「消防法第二条第九項に規定する救急隊により搬送される傷病者に関する医療を担当する医療機関は、次の基準に該当する病院又は診療所であって、その開設者から都道府県知事に対して救急業務に関し協力する旨の申出のあったものとする。ただし、疾病又は負傷の程度が軽易であると診断された傷病者及びただちに応急的な診療を受ける必要があると認められた傷病者に関する医療を担当する医療機関は、病院又は診療所とする。」こうなっておりまして、次に四つばかり要件が書いてあるのです。この要件を具備していなければ告示病院ではない、こういうことになるわけです。したがって、この告示病院を知事が告示をする場合には、申し立てのあった医療機関を地方自治体は調査をして、そして告示をされるような手続をとっておりますか。
#130
○石丸政府委員 ただいま先生のおっしゃったとおりでございまして、告示に当たりましては、一定の施設基準等の整備の行われているものにつきまして告示を実施いたしております。
#131
○村山(富)委員 そうしますと、この省令の中には、「事故による傷病者に関する医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること。」「手術室、麻酔器、エツクス線装置、輸血及び輸液のための設備その他前号の医療を行なうために必要な施設及び設備を有すること。」全部読んでみますが、「救急隊による傷病者の搬送に容易な場所に所在し、かつ、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること。」四として「事故による傷病者のための専用病床その他救急隊によって搬入される傷病者のために優先的に使用される病床を有すること。」こういう規定があるわけです。この規定を具備しておらなければ告示病院になれないわけですから、したがって、これだけのものがちゃんと完備されておればたらい回しなんか起こらないんじゃないか。どうですか、その点は。
#132
○石丸政府委員 ただいま先生御指摘の告示基準の一の問題でございますが、先生お読みになりましたように、「事故による傷病者に関する医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事している」この項目について申し上げますと、必ず地域のすべての施設が常時そういう状態ということでは、それが最も望ましい姿だとは思いますが、そうなりますと多くのいわゆる告示施設が該当しなくなるわけでございまして、そういう実態等もございますので、地域の実情に応じまして、施設間で輪番制を採用することによって相当の知識を有する医師が診療に従事できるという状態、これは輪番制である時点においてできる、そういうものをやり救急告示の対象として指定をいたしておる、これが実情でございます。
#133
○村山(富)委員 いや、単に第一項だけでなくて、四項あるわけですね。医師が常時従事できることということが一つと、それから手術に必要な機械器具がそろっているということ、同時に搬入に適した設備構造であること、四つ目には言うならばベッドがちゃんと用意されていること、こういう四つの項目があるわけでしょう。ですから、この四つの項目を省令どおりに告示病院が完備しておればたらい回しは起こらないんじゃないか、こう聞いているわけです。
#134
○石丸政府委員 先生御指摘のように、ただいま告示の基準の一の要件について申し上げたわけでございますが、この告示基準のうちの二番から四番までの基準につきましてはまさに物的な条件でございまして、この告示の時点におきましてはそういった条件が具備されているということが必要かと思います。
#135
○村山(富)委員 なぜたらい回しが行われるのですかと聞きましたら、たとえば医師が不在であるとか、あるいは満床であるとか、こういう理由が多いわけでしょう。したがって、省令がそのとおりに守られておればたらい回しは起こらないんじゃないですか、こう聞いておるわけですが、どうですかその点は。
#136
○石丸政府委員 そういった施設が絶えずあることが条件でございますが、たまたまそういったベッドが患者によって占有されている、そういう状況もあるわけでございます。さらに、この告示基準一の条件でございますけれども、常時そういった知識を有する医師が診療に従事するという点につきまして、先ほど御説明申し上げましたように、地域の実情に応じまして、施設間で輪番制等でそういった対応できる体制がとられている場合にはこれを告示している、かような実態になっておるところでございます。
#137
○村山(富)委員 第一項の解釈でなくて現実の問題として、この省令でいわれている四つの条項が告示病院にきちっとなっておればたらい回しなんかは起こらないんじゃないですか、こう聞いているわけですから、それをもう一遍御答弁願うということ。
 それからもう一つは、こういうことも書いてあるわけでしょう。たとえば、「救急病院又は救急診療所が前条各号に該当しなくなったとき、又は前条の申出が撤回されたときも、同様とする。」ですから告示病院を取り消すわけでしょう。この規定から申し上げますと、知事は単に、申し立てがあって告示病院に告示をするだけではなくて、もちろん告示病院の要件に合っているかどうかという調査をされるでしょう。そして告示病院として協力していただいている、その過程においてもやはり調査をして、実態を把握しておくということが必要じゃないんですか、その点どうですか。
#138
○石丸政府委員 確かに告示基準の諸条件が完全に満足されているものなら、先生御指摘のようなたらい回しの事件というような事態は発生しないと思います。ただ、この告示に際しまして、告示の際の施設基準に合致するか否かにつきましては都道府県が十分監視の上この告示を行っておるところでございまして、さらに告示後におきましても、毎年の医療監視に当たりましてこの告示後の要件に適合するか否かのチェックについても実施いたしておるところでございまして、その要件に欠けるような場合につきましては、十分その条件に合致するよう指導を実施しておるところでございます。
#139
○村山(富)委員 そんなきれいごとな答弁をしなさんなよ。あなたさっき言ったじゃないですか。この省令に決められておる基準が、ちゃんと要件が備わっておればたらい回しは起こらないと思います。起こるのはそれがないから起こるのでしょう。告示をするときに知事は調査するかもしれない。しかし、常時把握するということはどこの県だってやっていませんよ。どうですかその点は。あなた、自信を持って言えますか。
#140
○石丸政府委員 常時チェックは行っていないわけでございますが、各都道府県並びにその傘下の保健所に医療監視員がおるわけでございまして、ある程度の間隔を置きまして病院等の医療監視を実施いたしております。そういった際に、やはりこの告示の要件に合致するか否かにつきましても医療監視員のチェックを実施いたしております。
#141
○村山(富)委員 あなた、理屈が合わぬじゃないですか。こういう要件が備わっている告示病院が少ないからですね。したがってたらい回しが起こる。常時把握をしておればこんなことにならぬじゃないですか。では一体、知事が必要に応じて調査をして実態を把握しているという、その把握をあなたの方で報告を求めたことがありますか。
#142
○石丸政府委員 この医療監視の個々の医療機関の実態につきましては報告を受けておりません。
#143
○村山(富)委員 報告も受けてなくて、どうして各県の知事が必要に応じて実態を把握するための調査をやっているということが言えるのですか。
#144
○石丸政府委員 その監視の結果については、ただいま申し上げましたようにわれわれ実態を把握いたしておりませんが、一応保健所月報等におきまして、保健所の医療監視員が医療機関の医療監視を行った回数等につきましての報告は受けております。
#145
○村山(富)委員 それじゃ、後でその受けた報告の内容について資料で出してください。
 それから、私は、やはり厚生省がそういう心がけでおるから実際にはなかなか問題が解決しないと思うのです。これは知事が告示病院に対して実態を調査して、そしてあなたの病院はこの要件に欠けるから告示病院を取り消します、こういう処置をとったら、いまの状況の中では告示病院というのはほとんどなくなりますよ。そう思いませんか。
#146
○石丸政府委員 この告示基準を厳格に実施すれば、ただいま先生御指摘のように、現在のいわゆる救急告示医療施設というものが非常に減少すると考えております。
#147
○村山(富)委員 それじゃあなた、知事が調査してちゃんと実態を把握していると言うのと全然違うじゃないですか。いまの制度の中で、この告示病院の要件というものを厳密に調査をして基準に照らしたら、局長も認められておりますように、告示病院というのはぐっと減少します。それでは困る。だから、言うならば当たらずさわらず、もうお手上げ、こういう実態にいまあるんではないかということをお互いに率直に認め合った方がいいと思うのです。それをそのままにしておくから、救急センターをつくってみてもたらい回しの問題は解決しないのですよ。いま厚生省が救急医療に対してやっている対策というものは全部後追いなんです。ですからできない。
 基本的には、この救急医療というものは、何回も言いましたけれども、やはり不採算医療だ。いまの診療報酬では採算に合わぬ。常時空きベッドを用意しておって医者が待ち構えておる。来なければもうパアになるわけですから、そういう意味では大変むだも多い。どこから考えたってこれは不採算医療ですから、不採算医療ということを前提にして、なおかついろいろな医療機関に対して協力を求めるとするならば、やはりその不採算を償うだけの処置を厚生省が講じなければ完備しないのじゃないですか。どうですか、その点は。
#148
○石丸政府委員 これは保険医療の基本に触れる問題だとは思いますが、ただいま先生御指摘のように、現在の保険診療報酬というものが出来高払い制度をとっておるわけでございまして、救急医療のためにはある程度の空きベッドを確保しておく、こういう事態でございますので、その部分につきましては、現在の出来高払い制度における保険診療点数にはなじまない、かように考えております。
#149
○村山(富)委員 後でまた若干触れますけれども、いままでの質疑の中で明らかになりましたように、救急医療に対する厚生省の省令というものは、現実の実態から見ますとある意味ではもう死文化しているのですよ。それをやはり率直に検討し直すという態度がなければ私はいかぬと思うのです。
 そこで、次に問題をあれしますけれども、文部省の方、見えていますか。――国立の大学病院はいま幾つありますか。幾つありまして、救急告示病院になっている病院が幾つありますか。これは文部省。それから大蔵省、見えていますね。それから郵政省、国鉄、それぞれ所管の関係の方から、病院数と、告示病院になっているかどうかという報告をしてもらいたいと思うのです。
#150
○齋藤説明員 国立大学病院の本院の数は二十七ございますが、告示病院になっているのは一病院のみでございまして、これは東大病院でございます。
#151
○甲斐説明員 印刷局の所掌する病院は、東京病院、小田原病院、静岡病院と三つございますが、そのうち東京病院が救急の指定を受けております。
#152
○平北説明員 造幣局につきましては、東京、大阪、広島にそれぞれ一つずつ、合計三つ病院がございますが、救急病院の指定を受けておるものはございません。
#153
○安藤説明員 専売公社は、東京並びに京都の二病院でございますが、救急病院の指定を受けておりません。
#154
○坂東説明員 郵政省所管の病院につきましては十七病院ございまして、救急病院の指定を受けておるものはございません。
#155
○石井説明員 国鉄は全国に三十八の鉄道病院がございますけれども、告示を受けておるものはございません。
#156
○村山(富)委員 警察は来てないですね。
 いま報告を求めてみますと、わずかに国立関係が一つ、それから印刷関係が一つ、あとはゼロ、こういうことになっているわけですね。こういう関係の医療機関というのは、救急告示病院になることに対しては何か問題があって、なかなかなれないというような理由があってこういう状況になっておるのですか、どうですか。それぞれお答えください。
#157
○甲斐説明員 先ほど、三つの病院のうち東京病院については救急指定を受けておると申し上げましたが、残る二つのうち、たとえば静岡病院につきましては、これは何分病院としての規模が非常に小さいものでありまして、かつ印刷局の静岡工場の構内にございまして、そういう点で夜間といえども一般に開放するということが非常に困難である。医療の体制が、詳しく申し上げますと、院長一人、医師一名という程度のものでございますので、これは必ずしも指定を受けることが適当ではないと考えております。
 残る小田原病院につきましては、これは指定こそ受けておりませんけれども、私、出てくる前にちょっと聞きましたら、現に救急車で緊急に運ばれている患者が先月三、四件あったということでございます。まあ、近隣周辺地区に他の総合病院もあるというような条件はございますが、小田原病院自体が救急病院の指定を受けることにつきましても、なお関係官庁とも協議をしまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。
#158
○平北説明員 造幣局につきましてもただいまの印刷局の場合とよく似ておりまして、規模等から考えまして救急病院の指定を受けるのはやや無理かと考えております。
#159
○安藤説明員 私どもの方も職域病院ということで、一つには一般の保険の患者の方の扱いができないと申しますか、そういうことがありますので、救急病院という場合も非常に利用しにくかろうという点がございますのと、実際上は、当直医を置いておりますので、実際に患者の方がお見えになればその場合にはお受けするという体制はございますけれども、たまたま東京、京都両病院とも非常に至近距離に大きな救急病院がございまして、実際にはそういう形はとっておりますけれども、実態上そういう実例は出てきてないという形になっております。
#160
○齋藤説明員 大学病院の場合には、当然診療機関がありますけれども、ほかに教育的機能も持っておりますし、それからもう一つは研究的機能も持っております。文部省としては、診療機関としては特に税金で賄われておる病院であるから当然指定を受けるべきである、こういうように指導しておりますけれども、大学の場合には、研究的な要素が救急医療には少ないために大学の先生方は非常に消極的でございます。このために、再三指導しておるわけでございますけれども、なかなか指定を受けない、こういう状況になっております。
 なお、大学病院側で言いますには、大学病院が救急の指定を受けますと一次的な患者が非常にたくさん見えまして、そのために研究的な機能なりあるいは通常の教育的な機能が阻害される。そこで、ぜひ地元で十分そういう体制を整えていただければ、その一環として大学病院も救急の後方的な病院として機能を発揮したい、こういうように申しておるわけでございます。
 なお、たとえば沖繩県における琉球大学の保健部の病院でありますとか、あるいは大阪大学における医学部の本院でありますとか、こういうところは、救急の指定は受けておりませんけれども、地域の診療体制とうまくいっておりまして、非常に高次の専門的な救急患者を三次的あるいは四次的にそういうところで受け入れておる、こういうことになっております。
#161
○坂東説明員 郵政省所管の病院につきましても大体他の職域病院と同じような傾向でございますが、逓信病院は職員及び家族の健康を保持するための機関として設置されておるものでございまして、実態といたしまして年間約二百三十万人に及ぶ患者の診療を行っております関係上、施設面あるいは要員の面において非常に窮屈でございまして、救急病院の指定を受けることが非常に困難でございますが、実態といたしましては、救急でやむを得ない場合には救急患者の取り扱いをいたしておりまして、ちょっと私どもが持っておる数字で東京と横浜の両病院で見ましても、一年間に約千四百名ぐらいの実際上の救急患者を受け入れております。
#162
○石井説明員 国鉄におきましてもただいまの郵政省ときわめて類似した状況にございまして、鉄道病院は厚生福祉施設の一環として職員及び家族の健康診断をやっておるというようなことでありまして、要員と施設の面からやはりなかなか救急指定は困難だろうというふうに考えております。ただ、やはり病院が駅のそばにあることが多うございますので、当然、緊急やむを得ない患者、そういうものは運び込まれておりまして、それに対しては適切に処置をしておるというのが実態でございます。
#163
○村山(富)委員 いまそれぞれ理由を聞きましたけれども、規模が小さくて、たとえば構内にあるとか、したがって一般の人が利用しにくいとかいうふうな理由があるものもあると思いますね。しかし、そのほかの理由は私は余り理由にならないと思うのですよ。ただ、さっきから質疑やっていますように、どこの医療機関だって十分に余裕があってやっていることじゃないのです。現に来れば断れないから扱います、こう言っているわけですから、したがって、告示病院になれない理由というのはないわけですね。そういう意味からしますと、きわめて消極的であると言わざるを得ないと思うのです。
 そこで、これは厚生省にお尋ねしますけれども、厚生省はこういう三公社五現業等あるいは大学病院等に、救急医療に対して協力要請か何かしたことありますか。
#164
○石丸政府委員 大学病院あるいは三公社五現業の病院、それぞれ先ほど御説明がございましたように、普通の医療機関以外の目的を持っているということで、従来そういった点については余り積極的に働きかけていないということでございます。ただ、大学病院につきましては、これは講座制等非常にむずかしい問題もあろうかと思いますが、やはりそこで教育を受けた医者が外に出てこういう救急医療に従事するわけでございますので、大学病院においてそういった救急医療が実施されるということが、将来そこの卒業生が社会に出まして救急医療に従事するということに非常に大きなプラスになると思いますので、この救命救急センターの設置を契機といたしまして、大学病院における救急医療の講座等について今後働きかけたい、かように考えておる段階でございます。
#165
○村山(富)委員 やはり、いま聞きますと、いままで余り積極的な協力要請をしていないわけですね。これだけ皆さんがお困りになって社会問題になっておるのに、せめて国に関係のある公の医療機関に対して協力要請をするぐらいのやはり積極性がなければ問題は解決しませんよ。ちょっとさっき聞いていましたら、たとえば郵政省の病院とかあるいは国鉄の病院なんかは職員や家族を中心にしている。こういうお話がございましたけれども、たとえば職場の中で何か事故があった、そして救急を要するという場合にはもちろん扱われる。しかし、一遍家に帰って、住居でそういう問題が起これば一般の告示病院に世話になるわけですから、これはやはりお互いに協力してもらわなければならぬのじゃないかと思うんですよ。そういう考え方で、うちの病院は国鉄の職員の病院だから、こういう観念でおるといまの要請に対応し切れぬのではないかと思いますから、そういう点はひとつ検討し直していただいて、積極的に救急医療に対して協力するような姿勢をとってもらいたいと思うのです。
 大臣、いまこういう大学病院やらあるいは三公社五現業で持っている、言うならば公の医療機関の救急医療の扱いに対してどう思いますか。
#166
○田中国務大臣 救急医療が円滑にいっていないということについては、いろいろな理由がたくさんあるわけでございまして、そうしたことを全般的にひとつ見直そうということでございますので、そうした全般的に見直し、改善をするというものの中の一環として、いま先生の御指摘になった公的医療機関についても救急業務に従事していただくということも当然入るものではなかろうかというふうに思って、今後の行政努力の課題の一つにいたしたいというふうに思います。
#167
○村山(富)委員 もう余り時間もかけませんけれども、いま文部省やら三公社五現業の方から若干のお話を聞いたわけですが、厚生省の方からそういう要請があれば――要請があればではなくて、あってもなくても、いまの実態を十分お考えいただいて、救急医療に対する扱いについてはそれぞれの関係の部内において検討して、何らかの方途を見出すというようなお考えがありますか。全部の方から言ってください。
#168
○齋藤説明員 この問題については各地域でいろんな問題になっておりますので、従来も病院長会議とかあるいは事務部長会議で再三私どもは申しておりましたが、なかなか実行に移されない。大学の先生でございますので、文部省から指導したからといって直ちにこれに応じてくれないという面がございますが、それぞれの先生方がその気になっていただかなければならない、こういう点がございます。そこで昭和四十九年度から大学病院運営改善調査会、ここで特に救急問題をとらえまして、なぜ大学病院が救急問題に消極的であるか、今後教育なり研究なりあるいは高次の診療機関として、高度な水準の診療機関としてどのように救急に加担すべきであるか、こういう問題を目下検討中でございます。こういう研究会等におきましても厚生省と連携をとりながら、大学病院がぜひそういうように動くようにしていきたいと考えておる次第でございます。
#169
○甲斐説明員 先ほども申し上げましたように、病院によりまして病院の規模、つまり医師や看護婦やベッド数などに差異がございまして一律にはいかないと思いますけれども、なお引き続き御協議申し上げて検討してまいりたいと思っております。
#170
○平北説明員 造幣局につきましても、厚生省等の御指導のもとに御協議しまして検討いたしたいと思います。
#171
○安藤説明員 私どもも、先ほどの方々のお話を伺いまして、研究をさしていただきたいと思っております。先ほどちょっと申し上げましたように、私どもの非常に至近距離に両方とも大きな救急病院がございますので、そういうところとも十分相談しました上でやっていきたいと思います。
#172
○坂東説明員 郵政省といたしましても、救急医療の問題につきましては確かに先生のおっしゃるとおりのことと考えておるわけでございますが、実際面を考えてみますと、施設面、ことに要員面に関しましても非常に困難な問題もございます。また保険医療というような面につきましても、郵政省の逓信病院は郵政省共済組合と電電公社の共済組合だけしか扱っておらないというような関係もございまして、直ちに救急指定を受けるということは非常に困難な問題があるとは考えておりますが、やはり他の職域病院等の実態なども考えまして、今後十分研究していきたいと考えております。
#173
○石井説明員 ただいまの郵政省のお話とうちも全く事情が似ておりまして、救急指定の先ほど先生の申された四条件を満たすための施設と要員というのは非常に窮屈でございます。しかも地方にはかなり小さな病院もございまして、すべてをというわけにまいりません。大きな病院もございますけれども、それにしても要員関係が非常に苦慮しておる状況でございます。直ちにというわけにまいりませんけれども、十分研究をさしていただきたいというふうに思っております。
#174
○村山(富)委員 これはちょっとぼくわからぬから聞くのですけれども、こういう大学病院やら三公社五現業の病院というものは、医療行政の中で厚生省との連関というのはもう全然ないんですか。どうですか、これは。
#175
○石丸政府委員 大学病院は別といたしまして、三公社五現業はたしか職域病院として、閉鎖的な病院だというふうに理解いたしておるわけでございます。ただ、いわゆる医療機関としての施設基準とかあるいは運営のやり方、そういったことにつきましては一般の医療機関と同様の指導、監査を受けるわけでございますが、そういったいわゆる取り扱う患者等につきましては一般の医療機関とは別個の取り扱いになっておるというふうに理解いたしております。
#176
○村山(富)委員 いずれにいたしましても、冒頭に申し上げましたように、比較的搬送車はすぐ応じられるわけですよ。そういう体制になっていると思うのですね、午前中も話がありましたけれども。だけれども、搬送をして医者の手にかかるまでに時間がかかる。そのことによってとうとい命がなくなっていく、こういう状況になっているわけですから、これからはひとつ遅まきながら積極的に協議を尽くして、そして十分協力体制をつくる、こういう努力をすべきではないかと思いますから、やってもらいたいと思うのです。
 そこで次にお尋ねしますが、いままでの経験を踏まえて、五十一年度予算を見ますと、夜間救急医療機関に対しては、特に自治体病院についてA、B、Cのランクをつくって、五十年度まではAだけしか運営費の補助を出しておらなかったけれども、今回はBまで拡大した、こういうお話でございましたね。そのBまで拡大をした要件というのは、どういうものが該当するわけですか。
#177
○石丸政府委員 このA、B、Cのランクづけの算定基準でございますが、この算定基準A、B、C、三つに分類いたしておりまして、Aが十二点以上、Bが七から十二点未満、それからCが七点未満ということになっておりまして、それぞれの評価につきまして、たとえば診療体制で当直医師の数、看護婦の数とか、あるいはオンコールと申し上げましょうか、電話をかければすぐ来れるような体制の医師、看護婦が幾らとか、あるいは救急専用にいわゆる空きベッドとして確保している病床の数とか、それから先ほど先生御指摘の救急告示病院としての基準をどのくらい満たしているかとか、そういったことをすべて点数であらわしまして、ただいま申し上げましたように七点未満と、七点から十二点までと、十二点以上、この三つのランクで区分いたしておるわけでございますが、大体自治体病院について申し上げますと、Bまで助成の対象とすることによりまして大部分の自治体病院の救急部門がこの助成の対象になるというふうに考えております。
#178
○村山(富)委員 いつかもお話し申し上げましたように、いまの説明を聞きますと、比較的条件の完備しているところに対して運営費を補助する、こういうかっこうですね。
#179
○石丸政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、現にその活躍をしていることに対する助成というかっこうをとっております。
#180
○村山(富)委員 そこにも私は問題があると思うんですよね。現に要件が完備されて、いつでも対応できるという病院に運営費を出すと言えば、そうでない病院はもう運営費ももらえない。だから結局これは閉鎖する以外にないというのでやめる、扱わない、患者が来ても断る、こういうことになるんじゃないですかね。ですから、積極的に救急患者に対応できるような受けざらを整備させるという意味からしますと、必要に応じて必要な個所には、その要件がなければ要件が整備できるように補助していくということの方がむしろ必要じゃないかというふうに思うのですが、その点はどうですか。
#181
○石丸政府委員 救急施設につきまして二つの面があろうかと思うわけでございます。ただいま先生御指摘のように、その施設整備の面と、整備された施設の運営の面と、この二つに分けて考えたらいかがかと思うわけでございまして、救急受け入れの体制を整える施設整備につきましては、ただいま先生御指摘のようにわれわれといたしましてもいろいろな方策を講じまして、たとえば起債とかいろいろな方策を講じまして、その施設の整備に今後とも努力してまいりたいと思います。ただ従来、運営面について申し上げますと、先ほど御答弁申し上げましたように現にその任務を果たしているということを基準に助成をいたしておりますが、今後の問題として検討させていただきたいと思います。
#182
○村山(富)委員 そうしますと、その施設整備の面にはどういう補助をしているわけですか。
#183
○石丸政府委員 すべて起債で現在賄っております。
#184
○村山(富)委員 そうすると補助はないわけでしょう。ですから私はやはり、午前中も話がございましたように、せめて自治体病院ぐらいは――これは消防法で搬送車については義務づけられておるわけですよ、自治体は。ですからそれは完全にやるわけですよ。ところが受けざらの自治体病院は、単にもうあるだけの話であって、義務はないんですね。そんなかっこうですから片手落ちになる。これはやはりある意味からしますと車の両輪であって、早く搬送して医療機関に送る、医療機関はいつでも診察できるようにする、診療できるようにする、こういう体制をつくっておくことが最も必要ではないかということからしますと、単に起債だけで見ていますというのではなくて、積極的な施設の整備に厚生省も取り組んでいく、こういうぐらいの気構えがなければこれはなかなかできないんではないかと思いますが、その点は今後どういうふうにお考えですか。
#185
○石丸政府委員 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、今後の救急医療体制を完全に整備するというために基本的に根本的に考え直そうということで、検討委員会等も設けることにしておるところでございまして、その審議の過程等を通じまして、できるだけ今後その救急医療体制が完備するよう努力いたしてまいりたいと思っております。
#186
○村山(富)委員 午前中も大臣から私的諮問機関をつくって云々というお話がございましたけれども、これはやはり名前のごとく救急なんですよ。問題は急ぐんですよ。きょうまた起こるかもしれませんよ。あすまた起こるかもしれないんですよ。そういう問題ですから、これから委員会を、何か諮問機関をつくってやってもらいますという、長期の計画を立てることはここでいいですよ。やってくださいよ。だけれども、当面手を打てばできることがあるわけですよ。こうすればこの問題は解消するということがあるわけですよ。これはもう待てないわけですから、したがって、そういう点はもっと積極的に考えていくというぐらいの態度があっていいんではないかと思うのですが、大臣どうですか。
#187
○田中国務大臣 おっしゃることはごもっともであります。したがいまして、いま直ちに手を打ってこれがうまくいくようなものがあれば、それは全般的な問題でなくて部分的にでもよくなるものがあれば、直ちにこれについては着手をいたすべきものだ。したがって、私どもは決して懇談会を設けてこれにすべてをゆだねるというつもりはございません。自分の役所でできることについては考究をいたし、手を打つべきものは打っていくことがなければいかぬ、かように思っております。しかし根本的には、やはりそういったような今後のあり方については懇談会にまつところもあるというふうに思っております。
#188
○村山(富)委員 ある意味ではこれは大変大きな問題ですから、したがって、全国的な医療機関の配置なり、あるいは救急医療に対してどういう対応の仕方をするために計画を立てるかといったような問題については、それは十分御審議を願いたいと思うのですね。だけれども、いま直ちにこうすればこの問題は解消するという問題はあるわけでしょう。特に私が冒頭に申し上げましたように、省令もあるわけですよ。省令の中には告示病院の要件があるわけですよ。その要件が完全に生かされておらないというところにやはり一つの問題があるわけですから、したがって、そういう点は現状の制度の中で、現状の法規の中できちっとすればできる面があるわけですよ。それは言葉で言うほど簡単でないかもしれません。それは厳密に言えば、さっきもお話がございましたけれども、ほとんどの病院が告示病院を返上するといったような事態が起こるかもしれませんよ。しかし、そこまで踏み込んで、そして厚生省が積極的に考えていく、こういう姿勢がなければ私はこの問題は解消しないのではないかというふうに思うのですが、どうですか。
#189
○石丸政府委員 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、基本的な問題につきましてはまたいろいろ各方面からの御意見を聞きまして、体制の整備に当たってまいりたいと思います。さらに、緊急に処置し得る問題もあるわけでございまして、その一つとしては、ただいま先生御指摘のような指定のための基準の省令、こういったことにつきましてもさらに検討してまいりたいと思います。それともう一つ、けさほど来お話し申し上げておりますように、搬送部分とその受け入れる医療機関の、この両者の間の情報の交換というようなことにつきましては早急に手を打ってまいりたいと考えております。
#190
○村山(富)委員 もうこれはくどく申し上げませんけれども、告示病院というのは、救急医療というのは、やはりこれはいまの診療報酬から考えても不採算ですよ。ですから強要されないわけですよ。強要してやってもらうためにはその裏づけをしてやる必要がある。これがなければ私は救急医療体制というものはうまくいかぬのではないかと思いますよ。したがって、そういう点はやはり積極的に考えて検討を加えて、そして本当に厚生省が必要な救急医療に対して受けざらを整備するという決意があるならそこまで踏み込んで、財政的にもやはり考えていく、何らかの制度改正をやっていく、こういう気構えがなければこの問題は私は解決しないのではないかと思うのです。ですから、そういう点はもう審議会にまつまでもなくて、もっと積極的に、厚生省自体としてやろうと思えばやれることがあるわけですから、そういう点はもっと積極的にやってもらいたいということを要望しておきます。
 それから、いまお話がございました搬送する消防署なら消防署と告示病院というのは、常時連携ができるような仕組みになっておるわけですか。
#191
○石丸政府委員 この両者の間は、それぞれの地域においてできるだけ連絡を密にするよう努力いたしておるところでございまして、現にそういった方向でいろいろ連絡はとっておるところでございます。さらに今後の問題といたしましては、地域全体として見ました場合に、その地域内における病院相互間の問題等もあるわけでございまして、そういった意味におきまして、各地域ごとの救急医療体制というものについての自治体におけるそういった協議会についても、来年度予算におきましてはそれを助成するような方向で予算の要求も出しておるところでございます。
#192
○村山(富)委員 千葉県のこの事故から見ますと、もう少し、たとえば事故があった、すぐ救急車の要望があったというんで消防署から行きますね。その行く前に、消防署なら消防署の方で、報告があった場合に、事故の通知があった場合に、ああ、これはどういう事故だということが大体わかるわけですから、したがって、医療機関に連絡をとって、こういう事故があっていまからこういう患者が行きますが……という連絡をしておいて、そして救急車の方にどこの病院に行けと、こういう連携プレーがうまくきちっとできておれば、こんなことはある意味では防げるんではないかという意味で私は聞いているわけです。それは全国的に――まあ全国的というのは無理ですけれども、特徴的にもしそういう事例でこういう事例があります、こういうところが欠けていますというようなことがあれば説明してくれませんか。
#193
○石丸政府委員 国として現在実験段階のところもあるわけでございまして、たとえば三浦半島におきましてはコンピューターを利用いたしましてそういった情報交換等も行っておるところでございます。さらに、それぞれの地域の実情に応じましてそれぞれ努力をいたしておるところでございますが、やはり地域的にそういった連絡が必ずしも十分行われていない、そういった地域もあるわけでありまして、先生御指摘のような千葉のような事例も発生いたしたと考えておるところでございまして、今後さらにそういった情報システムの充実につきましては努力を重ねてまいりたいと思っております。
#194
○村山(富)委員 たとえば消防署なんかは、いつ火事があるかわからない、いつ災害の起こるかわからない、そういう起こるであろうことを想定しながら待機しておるわけですね。備えておるわけですよ。やはりそれと同じような考え方で救急医療というものは考える必要があるんではないか。さっきも申しましたように、医者も待っている、ベッドもあけて待っている。だけれども患者はないかもしれない。しかし来るかもしれませんよ。あった場合にはすぐ役立つわけですから、そういう意味で私は、それくらいの考え方でこれからの受けざらというものを整備していく必要があるんではないかと思うのであります。
 そこで最後に、これは大臣にお尋ねしたいと思うのですけれども、さっきもちょっと触れましたけれども、消防法で消防署は救急患者等の事故が発生した場合に搬送する義務が課せられているわけです。ですから、ほとんどの市町村がもう救急車の配置については体制ができていると言っていいと思うのです。ところが受けざらの方は、さっき申しましたように、単に消防法を受けて省令があるだけですよ。ですから、厳密に言えば義務も責任も余りない、医療機関はこういうかっこうになっているんではないかと思うのです。ですから、ある意味からしますと、それぞれの医療機関の善意に期待するというような仕組みになっているんですよ。ここにやはり基本的な若干の法制上の不備もあるんではないか。運用上の不備もたくさんありますよ。しかし、基本的に救急医療に対する法制上の不備もあるんではないかというように私は思うのです。ですからそういう点はもう一遍検討し直して、搬送するものに義務があって受けざらの方に何もないというんでは、これはやはり片手落ちな感じがするわけですから、そういう点はもう少し整備をする必要があるんではないかと思いますが、大臣どうですか。
#195
○田中国務大臣 先生御存じのとおり、医療機関には医療法による応招義務というのが一般的に網をかぶせられているわけでございます。しかし、正当な理由という場合にこれを免責されるわけでありますが、その正当な理由というものについていろいろ疑義がございます。実態上のこうしたものについて受け入れるような省令的な措置というものも必要であろうと思いますし、また法制的にもいろいろ整備をいたさなければならないというふうに考えております。何よりこの問題は重要な問題だと私は思っております。
 率直に申しまして、私は救急医療について非常に疑念を実は去年あたりから持っておったわけで、これでいいのかということで考えておったのですが、当時、救命救急センターをつくることに狂奔をいたしておりまして、その他若干の手直しをいたすことをいろいろやっておったのですが、これでいいのだろうか、こう思っておりましたが、やはり今日の時点になると、あのような施策だけでは不十分である。もう少し本格的に腰を据えてこの問題に取りかかろうということでいまやっているわけでございますので、どうぞ御協力を願いたいと思います。
#196
○村山(富)委員 そもそもいまの日本の医療体制というのが自由開業制を主体にしている。しかも、国立も自治体病院も独立採算制が強要されておる。こういう実態の中で救急医療といったような、さっきから何回も言いますけれども、不採算部門を押しつけることにはやはり相当無理があるわけですよ、実際のところ。ですから省令も死文化する状況になっているわけですよ。やはりそこらを基本的に踏まえて、いまの日本の医療制度の中では救急医療は大変なじみにくいということを承知の上で、なおかつやはり救急医療体制を整備する必要があるということを前提に踏まえて積極的な対策を考えていかないと、この問題の解決はできないのではないかというふうに思いますから、その点を最後に申し上げて、厚生省のいままでの努力は認めますけれども、今後もなお一層積極的に緊急事態に対応できる医療体制というものを検討してもらいたいということを強く要望して、私の質問を終わります。
#197
○熊谷委員長 次に、田中美智子君。
#198
○田中(美)委員 時間に制限がありますので、簡潔にお答え願いたいと思います。
 まず最初に、二月の十三日に原爆被爆者の援護法が閣議決定したというふうに聞きましたが、そうでしょうか。
#199
○翁政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#200
○田中(美)委員 健保、年金も二月十三日に閣議決定したというふうに聞きましたが、そのとおりでしょうか。
#201
○翁政府委員 私、ちょっと所管が違いますので……。多分そのとおりだと思います。
#202
○田中国務大臣 この種の厚生省の予算関係法案はほとんど二月十三日に閣議決定したものが多いようですから、間違いがないだろうと思います。
#203
○田中(美)委員 健保、年金は二月十六、十七日と国会に提出されているわけですけれども、なぜ原爆被爆者の援護法だけがまだ提出されていないのでしょうか。
#204
○田中国務大臣 いま率直に言うと、私、知りませんでした。内閣の方の事務的な手続で、一両日中に国会に提出をするということだそうでありまして、印刷等のきわめて技術的な問題だと聞いております。
#205
○田中(美)委員 印刷とか技術的なことということは、援護法のことだけで考えればそういうふうな理由をつけられるかもしれませんけれども、健保、年金にも印刷的なものというのはあったわけです。この方がむしろ量からすれば多いわけですね。その、量からすれば多い方が先に出て、そうでない方がまだ出てこないということは、非常に被爆者に対して、厚生省は原爆問題を過小評価しているのではないかという疑惑を持たせるわけです。この当事者というのは非常に必死で、いつ出るか出るかと待っているわけですからね。一日といっても、朝出るか、夕方出るかということぐらいにして待っているわけです。それが、国民から見れば改悪されるのではないかという方の問題の方がさっさと国会に出て、この援護法の方が後から出てくるというのは、印刷の問題というのはこじつけであって、何かその裏にあるのではないかという疑いを被爆者に持たせているわけです。その点、大臣どう思われますか。
#206
○田中国務大臣 実は私もずいぶん厚生省のことに目を光らせていろいろやっているのですが、この件についてはいま先生に御指摘を受けるまで存じませんでした。申しわけないと思いますが。よく事情を調べてみたいと思いますが、私どもとしては故意におくらせるようなことは考えておりません。
#207
○田中(美)委員 それではもう大至急――一両日ということはあしたかあさってということですね。――じゃあ、あしたかあさって必ず、大至急提出するようにお願いいたします。
 それでは次に、大臣にお聞きいたしますが、これは毎日新聞の一月一日、お正月の新聞です。これに、老人医療の無料化、これが有料化されるということ、あれはお芝居であったというようなことが新聞にはいろいろ書かれたりしておりますけれども、この新聞にこういうことが書いてあります。「大蔵省はあっさり引っ込めた。しかし「年度明けから一部有料化の是非を厚生省と検討する」という一札を取った。大蔵省主計局のある幹部は「五十二年度に有料化できる“地ならし”になった」と評価している。」と書かれているわけです。厚生大臣は一札を大蔵省に取られたのでしょうか。
#208
○田中国務大臣 結論から言えば、大蔵省に対しまして何のオブリゲーションも私どもは負っておりません。いきさつは、向こうが、主計の方が予算の当初内示でもってあのようなことを言ってまいりました。私どもとしては、あのような姿でああいうものが出てくることは絶対反対でございまして、したがいまして強く反対を唱えておりました。ところがこれが次第に国民の間にも非常な関心を呼び、反対の世論が強くなってまいりました。厚生大臣の頭を飛び越えまして、総理大臣が非常に心配をなさいまして当時大蔵事務次官を呼びまして、このことはやめろということを指示をいたしたもののようでございまして、このことについては、内閣官房長官から私に事後において連絡がございました。そういったようなこともあったのだろうと思うのですが、これを引っ込めるときに私どものところへ何かいろいろなことを言うのじゃないかと思って、私も身構えておりまして、変なことを言ったら私も言い返してやろう、こう思っておったのですが、何のお話もなしに、これはやめたよということになりましたものですから、したがいまして、何の約束も、一札はもちろんのこと、ございません。したがって、ただいまのところフリーハンドを持っているわけであります。大蔵省の人がどういうふうに理解をいたしたかは、私はそれは知ったことじゃございません。
#209
○田中(美)委員 では、厚生大臣が一札取られていないということで、その点だけちょっと安心したわけですけれども。
 大蔵省の言っていることの中に、国保の赤字の悪化というのは、老人無料化によって赤になったのが原因だというようなことを言っていますけれども、そういう点はあるでしょうか。
#210
○田中国務大臣 私は、そのことは無料化の前に――私よく言うのですが、もともと医療費のよけいかかる老人を国保の中へ入れ込んでおって、たとえ臨調などという助成の方法はとっていましても、この仕組みというものの方が実は問題だ。それの方が先の問題であって、それに老人医療の無料化がかかったものですからさらに加速されたというふうに考えるのが正しいのじゃないか。したがって、その議論というのは、一部正しくて一部は本末転倒しているというふうに私は思っております。
#211
○田中(美)委員 一部正しいと言われることは、やはり国保を赤字にしているのでしょうか。
#212
○田中国務大臣 国保の中に多くの老人を被保険者として取り込んでおるというところに一つの問題がある。したがって、老人の医療というものは、無反省に老人を国保の中へ入れ込んで、被保険者の中へ入れ込んでおる。若いときにはそれぞれの管掌の健康保険等におって、年をとって無業になると国保の中に入れ込むという、このいままでのいきさつというものについて、やり方というものについてわれわれは反省し検討しなければならない。そういう意味で一部正しいと、こう申し上げたわけであります。
#213
○田中(美)委員 そうしますと、老人の無料化というものが問題なんではなくて、老人をどこに入れるかというところに問題があるというふうに大臣は考えていらっしゃるわけですね。
#214
○田中国務大臣 基本的にはそのとおりでございます。
#215
○田中(美)委員 おたくの出されました「老人医療費支給制度の正しい理解のために」という、老人保健課から出された資料があります。この中には、「真の原因は、医療費の改訂や高額療養費支給制度の実施によるものである」というふうに書かれておりますけれども、これだけでしょうか。
#216
○翁政府委員 いま御指摘がございましたのはやはり問題となりましたものの中の一つの要素でございまして、この問題がいろいろな角度で検討されるべきものであるということは間違いないと思います。
#217
○田中(美)委員 ほかの健康保険もそうですけれども、私はむしろ独占薬価の問題というものが――いま企業がいかに悪どいことをしているかということは、ロッキード問題、丸紅の商法というのは氷山の一角でありまして、大きな独占薬価が健康保険に寄生して、それを食い物にしているという点が大きな問題だというふうに思います。そういう点で、これが、老人医療の無料化の問題だけでなくて、赤字になっている大きな原因の一つだと思うのですけれども、おたくの中にそれが出ておりませんので、もう少しその点を研究して、なぜ健康保険が赤字になるのかということの本質をとらえていただきたい。そうしませんと、大蔵省と厚生省は別の国のところでなくて同じ日本の政府ですね、その中で老人医療の無料化がまるで健康保険を赤字にしているような、こういう宣伝をされたのでは、お年寄りの心を非常に傷つけるだけでなくて、科学的に言っても正しくないと思います。ぜひ独占薬価の問題を研究していただきたいわけですけれども、現在のところ、大臣は薬の問題をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#218
○田中国務大臣 薬価については、実はいろいろとむずかしい問題が介在をしているわけであります。現在の薬価基準の形成の仕方というものについてもいろいろ議論がございまして、いま中医協でその改善方を協議をいたしているところでございます。
 また、薬につきましては、独占と言いまするけれども、事実はむしろいまのところは競争が激しいためにその方面からの問題がいろいろと出てきておりまして、よく言われるぞろぞろメーカーなどという問題も、私どもとしては薬務行政として大いに警戒をしなければなりません。したがって独占ばかりではございません。競争の激しいことによって値くずれをしたり不良薬品が出回ることもございますが、私は少なくとも、薬によって医療が賄われるとか、あるいはお医者さんが薬の値幅によって収入を立てるなどという医療保険というものはなくさなければならないというふうに思って、その方向の努力はいたしたいと思います。
#219
○田中(美)委員 現実には、患者の立場からしますと、馬に食わせるほどの薬をもらうのだ。病院からもらった薬を全部まじめに飲んだ者が薬害を非常に受けている。非常に深刻な薬害を受けた人は表に出てきておりますけれども、そうではなくて、発疹ができたとか顔にどうかなったということで、薬をやめれば一応自覚症状としては治ってしまったのでほうって、そのまま表には出ないわけですので、ぜひこの点にメスを入れるように大臣にお願いしたいと思います。そういうものが老人の無料化に対する一つの批判になって出てくるようなことには絶対にならないように、厚生省が正しい姿勢をきっちりと持っていただきたい。これを要求したいと思います。
 それから、先ほど一番最初に私は原爆被爆者の援護法と申し上げましたが、これはちょっと間違いましたので訂正させていただきます。原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案でしたので、お願いたします。
#220
○田中国務大臣 実はさっき私が戸惑ったのは、援護法と言ったものですからびっくりしましたので物が言えなかったのでございまして、特別措置法のことならば確かにその時点で閣議決定したはずでございます。
#221
○田中(美)委員 いま福祉の問題を言うときに、大蔵省は何かというとすぐ財政政策から物を言うわけですね。これは根本的に非常に間違っていると思います。確かに財政を全く無視した福祉政策というのはないわけですけれども、財政から何でもやっていくという考え方をするのは福祉の考えを無視していると私は思うのですね。考え方が違っていると思います。
 これは私が厚生省の企画室からいただいた資料ですけれども、社会保障費の一般会計予算に占める割合を一九六〇年、といいますとちょうど安保のときですけれども、高度成長政策が始まり出したときですね。所得倍増ということが言われ始めたときです。ここからずっと比率を見ますと、戦後、日本の社会保障は全くゼロから出発したと言ってもいいくらいですから、最初は非常に低かった。これが少しずつ上がってきまして、大体三十九年ごろ、四十年に一四%台に上がってきているわけですね。このころは高度成長政策がますます進んで、一般の社会では景気がいい、失業者もないというふうな言い方をしていたときですけれども、このときの社会保障の関係費はほとんどずっと横ばいで、一四%というのは四十八年まで来ているのですね。おたくからいただいた資料です。この間、八年、九年というものは社会保障関係費は一般会計に占める率としてほとんど上がってきていないわけです。四十八年に福祉元年というふうに自民党政府は言われたわけですね。三木さんなんかも福祉元年というふうに言われたわけです。ここから国民の福祉に対する期待というものが大きくなりまして、ほんのわずか上がってきているわけです。このわずか三年間でもう見直しということはどう考えても、政府はこれだけ高度成長政策で予算があったときに何の手も打たないでおいて、いまここで見直しというようなことは非常におかしいと思うのですけれども、大臣はそれをどうお考えになりますか。
#222
○田中国務大臣 過去における社会保障の施策は、私は四十年代はかなり努力したつもりでございます。しかし、一般会計の財政規模も非常にふくれた時代ですから、実は分母が大きかったものですからなかなか伸びなかったのだろうと思います。四十八年ごろから、非常に皆さんの御援助をいただいて一般会計の中に占める社会保障費の率がふえてきたことは事実であります。そして四十九年、五十年というのは何とかいけたのであります。ところが、大体五十年度予算を組むときに若干経済の見通しを間違ったといって、後で予算委員会等でしかられましたのですが、実はこのころから経済の様相はさま変わりをいたしました。いわゆる減速経済、低成長経済になったことは事実であります。しかし、こうした経済の状況というものは今後ともある程度、あの当時のような高度成長経済、そしてそれに伴う自然増収というものが余り期待ができない。それのみに頼っておったのでは社会保障の充実は困難である。そういう事態を踏まえても、経済や財政の状況がどうあろうとも、私は社会保障は向上させなければならぬとかたく思っているものですから、したがって、そういう意味では、ここでひとついろいろやり方を考えてみなければならぬ一面があるのではなかろうかと思っていることだけは事実であります。
 しかし、さればといって、経済見直し論や何かに悪乗りをされていろいろとチェックをされることについては、私は限りない憤りを感ずるものです。したがって、いままでの惰性の上に伸ばそうということは、これは言ってもだめですから、やり方についてはいろいろ努力もいたし、また工夫もし、直しますが、しかし、見直し論がすなわち後退論であったり、あるいはそういったようなまじめな考え方に悪乗りをするようなことについては、私は絶対に反対であります。
#223
○田中(美)委員 現大臣のお気持ちはよくわかりましたけれども、連帯責任があるわけですね。ですから田中さん、あなただけが、自分は憤りを感ずる、後退は絶対許されないということは非常に心強いお言葉ですけれども、言葉だけでは……。実際にいま押されてきているのは福祉見直しで、いろいろな面でこれは国民からの結果的な収奪が始まっているわけですね。これに対して憤りを感ずるなら、もう体を張ってがんばっていただきたいわけです。
 それで、いろいろなことは言っておりませんので、きょうは老人の医療の有料化を私は非常に心配しているわけです。いま懇談会がつくられて、きょうやられるそうですね。そういう点もありますので、それはお聞きしなくてもお答えはわかっておりますのでお聞きしませんが、総合的に老人の保健、医療の問題をやるのだ、これは有料化の検討でないというふうにあなた方はおっしゃっていらっしゃるようですけれども、国民はそれに対して、有料化の相談をするのではないかという疑問を持っているわけです。これは推測的な疑問ですので、いまここでとやかく論議しても平行線になることですから、そうならないように、大臣が国民の疑惑を解くような行動をとっていただきたいわけです。そのためにもう一度、老人医療の無料化を有料化にしていこうという動きがあるのではないかという疑いを国民が持っていますので、無料化に対する大臣の考え方を簡潔に最後にお答え願いたいと思います。
#224
○田中国務大臣 老人懇というのは、有料化を前提にしこれを裏づけるための理論づけをするためのものでは絶対にない。そんなことなら私はつくりません。しかし、もっと幅の広い考察というものが必要であろうというふうに思っておりまして、そういうことをめぐって、医療給付のあり方までいろいろ検討してもらおう。あるいは社会福祉施設のあり方についても、たとえば、私がよく言いますように、現在の特別養護老人ホーム、あれがあのままでいいのか、もっとあれについては医療面を加味した方がいいのではないかというふうに私個人は考えております。そうしたことによってあれやこれやの施策が改善できるだろうというふうに思っておりますので、そうしたことをいろいろ幅広く相談をいたしたい。的を決めて、それを理由づけるようなための懇談会でないことだけは事実でございます。
#225
○田中(美)委員 懇談会のことを質問しているのではないのです。大臣の無料化に対する考え方を簡潔に、一言で結構です、おっしゃってください。
#226
○田中国務大臣 私はこの問題についていま白紙でございます。大蔵省がああいうことを申しましたが、私は、あの時点にああいう理由からやることについては反対でございます。しからば、私が未来永劫に無料化をこのままで続けていくのかというふうに聞かれれば、そうでございますというふうに一概には申し上げられない。制度の仕組みをいろいろと変えて改善を加えて、何とか老人の医療面における福祉というものも充実していきたいというふうに考えておることは事実ですが、未来永劫にいまの制度を改善しないのかというと、そうとは言い切れないと思いますので、いましばらく検討をさせていただきたいというふうに思います。
#227
○田中(美)委員 いまの大臣のお言葉は、私はやはり後退だというふうに聞こえるのですね。なぜかといいますと、よく聞いていてください、三年前に老人医療の無料化というものは国が踏み切ったわけですね。踏み切ったということは、無料化がいいことであるという観点で踏み切ったわけですね。未来永劫といっても、自民党の政治がいつまで続くかわかりませんので、未来永劫のことを言っておりません。
    〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
少なくともこの何年かの話をしているわけです。踏み切ったということは、三年前にいいということで踏み切ったわけです。それが三年後のいま、フリーだ、白紙だ。自分たちがやったこの制度を、いいとも言えないし悪いとも言えない。未来永劫には変えるかもわからないという言い方は、やはり微妙な後退の姿勢があるのじゃないですか。
#228
○田中国務大臣 御批判はいろいろでございますが、国会におきましても、老人医療無料化について積極、消極の両方の議論があったことは事実であります。そうしたいろいろな議論を踏まえまして私どもとしては考えていきたいというふうに思っているわけでありまして、決して有料化に落ち込ませるためにいろいろ考えているわけではございません。
#229
○田中(美)委員 いろいろな意見があると言うけれども、それでは、いままではそれでいっていたけれども、いまいろいろな意見があるから考えてみようということになったということですね。一言で。
#230
○田中国務大臣 そのとおりでございます。
#231
○田中(美)委員 ということは、やはり大臣の考え方の中においてもわずかな後退がある。気持ちの上であるということで、大蔵省の言うことに対して非常にふんまんやる方ないようなお言葉でしたけれども、やはりそのように感じられないわけです。
 私が大臣に対して非常に疑いを持ちましたのは、五十年度版の厚生白書です。この間いただいたものです。これをざっと見てみますと、百二十七ページに、「例えば、医療への参加意識を促す意味である程度の一部負担を設けることも一考に値しよう。現在の老人医療費支給制度が設けられた当時と比較して、」――三年前ですね、三年前と比較して、「老齢福祉年金等年金の水準もある程度上昇していることなども考慮に入れて再検討してよいであろう。」と書いてあるわけです。いま無料化しているのを再検討するということは、有料化はどうだろうかということではないですか。ちゃんとこういうふうに、あなた、厚生白書に書いているじゃないですか。
#232
○翁政府委員 厚生白書の件でございますけれども、ただいま御指摘になりました点は、老人医療を含めた老人福祉施策というものを総合的に展開していかなければならないというのが大前提にあるわけでございます。そして、老人医療費の公費負担制度が発足した後、いわゆる福祉年金の上昇、また老人に対する各種施設の拡充、こういったものがある中で、現在行っております老人医療費の公費負担制度のあり方というものを総合的な老人福祉の中で見直すということを申しているのでございまして、そこにも書いてございますように、一考に値するということで、詭弁ではございませんが、決してそうするというようには言い切っていないわけでございます。
#233
○田中(美)委員 それはあたりまえですよ。そうすると言っていれば、いま大臣と話し合ったことは何にも要らないのです。そうすると言っていないけれども、そうするという姿勢が出ているから、老人懇に対して――こういうことを言い出してから急に老人懇ができるわけでしょう。これはもう老人医療を無料化する前から本当ならあなた方がおっしゃるような老人懇というのがあっていいわけです。それが、有料化が出てきた途端に老人懇ができるから国民は疑うのですよ。そして、大蔵省が突然言ってきたので、全く知りませんでした、絶対反対と言ったのです、こういうふうに言って、三木さんのツルの一声でこれがばっと引っ込められた。それで厚生大臣ががんばったというふうな印象を与えていらっしゃいますけれども、大蔵省が言う前に、厚生省の方が先に再検討してよいであろうと言っている。こういう言い方をすれば、大蔵省の方は厚生省より確かに福祉に対しての考え方はおくれていますから、悪乗りどころか、もうこれはいいという形で切ってくるのは当然じゃないですか。だから、大蔵省をこういうふうにさせた要因が厚生省にあるのじゃないかということを私は言っているのです。何もおたくが有料化すると言ったなんて私言っていません。そういう点で大臣に質問しているわけです。どう思いますか、この白書の問題。
#234
○田中国務大臣 老人医療の無料化につきましては、世間にはいろいろな御議論があったことは先生も御存じであろうと思います。ためにするような反対論といいますか、悪評論というものも実際はあったわけでありまして、その中にはまたまじめなものもあったろうと思います。いずれにしても、老人医療の全面的な無料化というものについては世間にいろいろな御批判や御意見があるものでございますから、そういう意見を受けて、厚生白書を執筆した者はこういうふうに書いたのだろうと思います。このことは決して、老人医療を有料化にすることが唯一の解決の道である、ただそれだけが解決の道であるというふうに考えているものではございません。
#235
○田中(美)委員 執筆した者が書いたのであろうというふうにいま大臣は言われましたけれども、国民は、これは大臣の意思で書かれているというふうに思っているのですよ。ですから、もし、大臣の意思ではなくて執筆した者が書いたのであろうと言うのでしたら、これは大臣の力で訂正していただきたいですね。
#236
○田中国務大臣 その点、ちょっと取り消さしていただきます。厚生白書は確かに私の責任において出版いたしたものでございますから、すべてが私の責任でございます。ただ、ここで事実関係を率直に申し上げ過ぎたということでございますので、その点はあしからず御了承願いたいと思います。
#237
○田中(美)委員 大臣は有料化に反対のようなお言葉をおっしゃいますけれども、厚生白書のここのところは誤解を招きますので訂正してもらえませんか。
#238
○田中国務大臣 このことについていろいろと世間に議論があるものですから、その議論を踏まえて書いたものでございまして、したがって、その議論を没却してわれわれが立論をするわけにはいきませんので、したがって、こういうコメントについては一応それはそれなりに評価をしていただきたい。政策を持っていく方向については今後慎重に考慮、検討をいたし、結論を得たいと思います。
#239
○田中(美)委員 先ほど言いました、おたくの老人保健課から出されたものですね、これでも、「老人は健康上の不安をもっている。」というので、トップがやはり「健康」ですね。男五五%、女五九%、こういうふうな形でおたくのあれでも出ていますし、老人はむやみに受診しているのではないかという意見がいまいろいろあるのに対してきちっと数字を出していられるわけですね。そうならば、おたくの調査した資料というのは国民は信頼しているわけですので、これを徹底的に白書の中にも入れ、こうではないということをやるべきだというふうに思うのですね。大蔵省から金を取るときだけはこうやってやるけれども、国民に対してはそういう間違ったあれが出ているのは知らぬ顔をしているという態度では、大蔵省のこういう言い方に対して激怒をなさった厚生大臣としては多少弱いというふうに思うのです。これでもう結構ですから、大臣の決意だけもう一度聞かしていただいて次に移りたいと思います。
#240
○田中国務大臣 決意は、私はこの問題について総合的なよい結論を得るようにいろいろと努力をいたします、こういうことでございます。実態の把握は十分し、その実態の把握の上に立って判断をいたします。
#241
○田中(美)委員 これは新聞の記事なんですけれども、昨年十二月十八日の朝日新聞に「厳しい老後を商売のタネ」という形で、「ポックリ寺ツアー大当たり」というふうな記事が出ているのですね。これを見てみますと、この業者は、「老人にしてみりゃ安楽往生が夢ですよ。私たちはそれをお手伝いしているわけで、みなさんから喜ばれてます」こういう、旅行社みたいに、奈良にあるポックリ寺へ。ぽっくり死ぬということですね。病気になって医者にかからないで、金を使わないでぽっくり死ぬというので、業者がお年寄りの団体をつくって商売をしているということなんですね。こういうことで安楽往生のお手伝いをしているんだ、こう言うのですね。それから、これに対してお寺の方は、ことしになってもう八万人も来ていると言っている。ということは、いかにお年寄りが病気になるのを恐れているか。ということは、決してこのポックリ寺というのは死ぬことを恐れているということではなくて、病気になって寝込むことを恐れているのですね。死ぬことを恐れているんじゃないんですね。いかに病気を恐れているか。おたくの方の調査で見ても健康の心配というのが一番出ているのとそっくりです。
 それからもう一つ、これは朝日新聞ですけれども、一週間ぐらい前だったと思います。名古屋に興正寺というお寺があるのですね。これは昔安産の仏様というのですか、それがいつの間にかポックリ寺になっているのです。これに対してここのお寺の長老が、この中に書いているわけですけれども、「ポックリ死ぬよう願いに来るというのも時代の不安の現れでしょうか」ということを言っているわけです。いかにいまのお年寄りが病気を恐れているかということです。それは病気で自分が肉体的につらい思いをしたくないという気持ちもあるでしょうが、これは若者にだってあるわけで、す。病気というのはこわいわけですね。しかし、結局お金がかかり、家族に迷惑がかかる。いまのように無料化になっていても実際には差額ベッドがあり、付添料がありということで恐れているわけです。ですから、その上にこれがもし有料化でもされようものならこの不安はますますひどくなって、こういうポックリ寺にお年寄りが参るということがますますふえるという状態です。それで、ここでは一回参っただけでは御利益がないというので、月に一回、七ヵ月続けると初めてあるんだそうです。それが一回病気しますとパァになりますでしょう。またもとの振り出しに戻って七ヵ月連続して行くというので、最近はもう押すな押すなで、このお寺には露店が二百五十軒も立っているんですね。そうしていろいろな物が売り出されて、もういっぱい来ているわけです。
 それで、こういう状態に対して、日本福祉大学の名誉教授でいま八十一歳ぐらいの、日本に初めて社会事業を持ってこられたという先生ですけれども、浅賀ふさ先生という方が、ポックリ寺とは何とひどいことだろう、そしてこれは人間の使い捨ての社会の現象である。こんな現象が出ているというのは外国人に聞かせたら恥ずかしい。これをまた商売に利用していく、これはまあ資本主義だからもうかるものは何でもやるというのでしょうが、こういう状態が出ているのは恥ずかしい。これはもう厚生省の責任なんだということを浅賀ふさ先生ははっきりと言っている。これは、朝日新聞に出ておりましたので、私がきのう電話で伺いましたら、こんな現象が出ているということは自分は外国に対して恥ずかしい。そして、お寺さんというものがその時代の人の心というものをそこに反映していくと言う。安産からいまはポックリ寺にと、お寺も中身が変わってきている。これからあっちこっちにポックリ寺ができていくんじゃないかということを言っているわけですね。
 それで、私はこれをどうしてくれと言うわけではありませんけれども、こういう意味で、お年寄りの医療の問題については厚生大臣が全力を挙げてがんばっていただきたいというふうに思います。私は、今度の予算が、日本の戦争犯罪人である右翼、そういうものと政府・自民党の高官がつながって国の予算を食い荒らしている、こういう状態の中で福祉が後退するということは、これは許されないことですよ。(発言する者あり)これはもう国民がみんな、疑いどころか一〇〇%信じている問題です。こういう意味で、もし大臣が本当に、大蔵省のこういうやり方というもの、こういう考え方が周りからやってきて厚生省を追い詰めていくというようなことに対して、あなたがおっしゃるように憤りを感ずるというお気持ちなら、大臣の席をけっていただきたい。厚生省をこんなふうにするような内閣ではということで、けっていただくというふうな強い姿勢を持ってこそ、初めて厚生大臣に対する国民の信頼がわくんだというふうに私は思います。国家予算にしても、防衛費については防衛庁は一兆三千億円しか要求していないのに二千億円も大蔵省は上乗せしている。こういうことに対してもう少し厚生大臣が、なぜ福祉を削るんだという形でがんばっていただきたいし、それが通らないときには大臣をけるぐらいの形でがんばっていただきたいというふうに思います。あなたがピーナツと関係がないならば、それぐらいの闘いはやっていただいてこそ初めていま自民党にかかっている大きな疑いも、自民党の中には多少ましな人もいるんだということを知ってもらうことになれるんじゃないですか。ぜひそれをお願いしたいと思います。(発言する者あり)
 次の質問に移りますが、次は電話料金の問題です。今度電話料金が、基本料金が九百円から千三百五十円に、通話が七円から十円というふうに値上げをされるわけです。(発言する者あり)――不規則発言をとめていただきたいと思います。(「演説をするから」と呼ぶ者あり)演説ではないのです。ロッキードの問題というのはただごとではないのですよ、予算に対して。これほど大事な問題を不規則発言で茶化すということはロッキード問題をもみ消す仲間でしょう。いまの名前はっきりしておきますからね。後からお名前をはっきりお聞きしますからね。これほど国民は怒っているときなんです。厚生予算を切っているということは軍備に食われているんじゃないか。軍備だけではない、賄賂で食ったんじゃないかというのが国民の怒りですよ。いま障害者のことを言っている。(発言する者あり)委員長、私の質問を妨害しないでください。
#242
○竹内(黎)委員長代理 静粛に願います。
#243
○田中(美)委員 委員長、しっかりしてください。不規則発言をさせないでください。速記をとめてください。正しいところで論議をするべきじゃないですか。
#244
○竹内(黎)委員長代理 静粛にしてください。
#245
○田中(美)委員 いま私の発言時間です。静粛にしてくださいと申し上げても言うことを聞かないときはどうするんですか。退席を命じてください。
#246
○竹内(黎)委員長代理 質疑を続けてください。(「済みませんでした」と呼ぶ者あり)
#247
○田中(美)委員 よろしい。
 それでは次に電話料金の問題にいきます。今度基本料金が千三百五十円になり、通話が七円から十円になる。これは障害者にとっていかに大変な問題であるかということを大臣は御存じでしょうか。これはことし朝日新聞に投書されたものです。一月に出された、豊田市に住んでいる近藤礼子さんという三十七歳の重度障害者です。短いので、この方の投書を読んでみます。
  私は物価高のあらしの中で、かろうじて生きている重度身体障害者です。そんな私の上に、またもや公共料金値上げという重荷がふりかかってきました。郵便料金値上げはすでに決定され、次は電話料金値上げが予定されています。
  外へ出たくても出られない在宅重度身障者にとって、郵便、電話の二つは、社会参加の大切な手段なのです。社会参加の大切な手段というところをよくお聞きください。
  とくに電話は生命にもつながる大切なものなのです。食費をけずり、衣服費をけずり、電話代にまわしている障害者がいることを、政治家のみなさんは知っていらっしゃるでしょうか。
  人間はより自由に、より豊かに、より幸せに生きていくことを求め続けてきました。その結果、ずいぶん便利なものができてきました。でも、重度脳性マヒの私が社会参加のために利用できるのは、電話しかありません。それはまた、私のたったひとつの「自由」なのです。かけがえのない「自由」なのです。
  政治家のみなさん、電話料金の値上げで、私の小さな「自由」を奪わないでください。これ以上私を社会から遠ざけないでください。これで終わりです。
 私はこの投書を読みまして本当に泣きましたよ。自分で外に出歩くことができない、言語障害もあるこの人たちが、ろれつの回らない口で電話で仲間と話し、電話でいろいろな人と話をしている。それが彼らの社会生活。それしか社会生活がないんですね。今度の電話料金の大幅な引き上げ、これがけしからぬという問題は、これはまたそちらの方で話していただくとして、もしこれが本当に上がるならば、何とかしてこういう人たちがせめて電話だけは自由に使えるように厚生省が考えていただきたいというふうに私は思うのです。いま福祉電話の台数は、今度千三百台増加されて七千五百台になるわけですね。必ずしもこの福祉電話だけではないのですけれども、せめてこの福祉電話だけでも厚生省から補助金をつけていただきたいというのが私の願いですけれども、大臣はこれはどうお考えになりますか。
#248
○翁政府委員 ただいまの具体的な例示を挙げての御質問でございますが、確かにそういった個々の問題について胸を痛められることはよく承知するわけでございます。ただ私ども、身体障害の方々に対する国の責務というものを、まず第一義的には所得保障と申しますか、生活がまずやっていけるようにしていく。そのためには生活保護のアップであるとか、あるいは障害福祉年金あるいは一般的な障害年金、こういうものを逐年改善することによって、その方々の生活の内容の改善ということをまず第一義的に考える。それからまた、そういう人々が、いまお示しがありましたように単身で、しかも外部との連絡がとれないということに着目をいたしまして、昨年から身障者のために福祉電話の設置を始めたわけでございます。私どもはやはりまだ不十分な設置の面をまず第一義的に進めていく。さらに、所得保障と申しますか、あるいは医療保障というもの、国、特に厚生省としてはその面に重点を置くことによって、その方々の持っている障害の克服に少しでもお手伝いができるようにしていくというのが私どもの考え方でございます。したがいまして、いま直ちに通話料の一部を補助するということまで至らないのが現状でございます。
#249
○田中(美)委員 人間は、人間であって豚ではないのです。家の中に閉じ込めて、最低食べるだけのえさを与えて、そして動くこともできない、人と話すこともできない、ただ死んだら困るからときどき電話をしてそれを確認する。少しオーバーな言い方ですけれども、そんな生き方でおくならば、これは豚よりもひどいですよ。人間というのは、そこで人間らしい生活というのがなければならないわけです。ですから、死なない程度に物を食べさせ、あと人間らしい文化生活も何もできないということでは、私は福祉政策だなどということは言えない、人間の社会ではないというふうに思うのですね。福祉電話があるということは、一体この福祉電話とは何か。生活保護をもらって、福祉電話をもらっても、この電話料金が高くなれば結局は宝の持ちぐされですね。まさに政府は、電話が豚に真珠という考えでいらっしゃるのか。実際にこの電話が使えないならば、これはネコに小判ということになるわけです。もう少し電話が使えるようにする。そのためには補助金が要る。この電話台数をふやすのと同時に並行していかなければ、電話だけふやしたけれども、この電話は料金が高くて全然使えないのだということでは全く心が入っていない。そういう意味で私はこれに対してちょっと計算してみたわけです。基本料金でも通話料金でも度数料金でもいいです。これは私はいまの財政を考えまして、全額補助してくれ、ここまでは言っていません。せめて一ヵ月千円の補助金をつけてもらえば、それ以上かかったものは自分がやるのだ。せめて千円していただければ、基本料金というのが、これでも足りませんけれども一応安くなるじゃないか。千円したとしても、七千五百台ですから、ちょうど九千万円になるのです。九千万円ぐらいのお金というのがどうして出ないのですか。
#250
○翁政府委員 いま御指摘の点だけに着目いたしますと、確かにその額が出ないということには疑問をお感じになるのはよくわかるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、国の施策、それからまたそれぞれ都道府県なり自治体がやっていただきたい面、さらにその地域の活動に期待する面と、それぞれの分担に応じた全体としての福祉の向上というものを図っていかなければならないであろう。私どもは、やはり国としては、先ほど申し上げましたように、所得保障、医療保障、さらに福祉サービスについての方向づけというように持っていってしかるべきであろうと思っております。したがいまして、繰り返しになりますけれども、福祉電話のあり方については、その設置をまず促進していく。そこに地域の市町村なりあるいは都道府県のさらにある程度の援助というものがあればそれにこしたことはないという考え方でこの施策を進めている次第でございます。
#251
○田中(美)委員 そんな抽象的なことを言えば幾らだって逃げられるのですよ。こっちもあるのだ、こっちもあるのだということです。電話の設置と同時に、それに対して補助金をしなければ、さっき言ったように使えないじゃないか。わずか九千万円でできるのになぜしないのかというのが私の主張です。
 けさの、三月四日の朝日新聞に出ておりましたが、東京国税局の児玉譽士夫の起訴の問題が出ておりました。これは四十七年度分だけですよ。あと四十八、四十九と、こうあるわけです。それも児玉譽士夫一人ですよ。小佐野も出ておりませんし、まだほかにいっぱい脱税があると思うのですけれども、この児玉譽士夫一人ですね。四十七年度一年間で十一億七千四百二十万円を受け取ったことになっている。これが脱税になっているらしいというのが新聞に出ているわけです。これに対する追徴額は、重加算税などを含めますと約十三億四千万円というものを児玉譽士夫から取ることができるわけです。これはこれから進むことですね。そうすると、たった一人の人のたった一年間の脱税ですよ。これが十三億四千万円入るわけですね。この電話のお金はわずか九千万ですよ。一億としたってこれの十三分の一じゃありませんか。児玉譽士夫の脱税の四十七年度分の払いのわずか十三分の一で福祉電話に補助金がつけられるんじゃないですか。それじゃ、これを取り上げたらすぐやっていただきたい。児玉がこれを払ったらすぐ福祉電話に補助金をつけていただきたいと私は思いますけれども、その点、大臣から一言お答えいただいて、時間ですので質問を終わりたいと思います。
#252
○田中国務大臣 脱税事犯については、これは別な観点から政府としては厳重にとり進めるようにいたすというふうに私は聞いております。
 福祉電話の通話料につきましては、これについてはいろいろ御議論があります。心情的にこれを補助してやりたいという先生のお気持ちもわかりますが、私どもといたしましては、通話料につきましてはなおかなりのところで実態的には地方公共団体が助成をしているようでございますので、したがって、ただいま私としては、通話料の助成というものを、補助というものを国庫においてやることについてはまだ踏み切れないというのが実情であります。技術上の問題もいろいろあると聞いております。たとえば、この電話をだれが使ったかということについていろいろ議論もあるということも聞いておりますが、そんなささいなことは別といたしまして、通話料について国が補助するということについてはなおもう少し考えさせていただきたいというふうに思います。
#253
○田中(美)委員 こうした脱税がこれから摘発されましたら、一応国にこれだけの金が入るわけですから、大臣はしっかり腹を据えて、その金を福祉関係の方に回すように、そしてこの電話料金の方の補助金の問題、大臣はまだ踏み切れないとおっしゃっていらっしゃるし、これから考えるとおっしゃっていますので、ぜひこれが取り上げられるまでに十分に考えて決意していただきたい、これをお願いして質問を終わりたいと思います。
#254
○竹内(黎)委員長代理 次に、石母田達君。
#255
○石母田委員 私は、きょうきわめて時間が短いので、答えも簡単にしていただいて、二つの問題について聞きたいと思います。
 一つは、福祉予算における児童手当の問題と、それからもう一つは、この問題になった、児玉の病院前でのUターン救急車の利用の問題について、二つの点についてお伺いしたいと思います。
 最初の児童手当の問題でございますけれども、厚生大臣も御承知のように、ある新聞などでは、難病対策の見直しとともに今回児童手当が据え置きであるということは、恐らく全面的な廃止も含む見直しを考える、そのための調査も行われるのじゃないか。そしてこれは福祉後退というような内容として報道されております。また、今度の参議院におきましても、老人医療費無料化とともにこの問題が取り上げられまして、三木首相も、児童手当の据え置きとか調査は全面廃止を前提としたものではない、こういう答弁をしているのも御存じのとおりだと思います。
 そこで、児童手当が据え置きにされるということについて、主な理由はどこにあるか、お伺いしたいと思います。
#256
○石野政府委員 児童手当制度につきましては、先生御案内のとおり各方面からいろんな御意見がございます。中にはこれを廃止すべきだという方、あるいはさらには逆にもっと拡大すべきだ、いろんな意見がございまして、そういう各層の意見というものをやはり的確に把握して将来の方向を決めなければいかぬという大前提をとったわけでございます。かたがた、来年度の、五十一年度の予算編成に当たりましては、非常に財政の緊迫したときでもございましたし、この児童手当の額の引き上げについて試算をいたしますと、現在五千円でございますけれども、これを仮に千円を引き上げますと国庫負担で約百四十二億という金額も必要だ。さらに、これよりも優先するであろう社会的に弱い立場の人々、たとえば精薄とか身障とか、そういうものに対する予算の配分というようなものをいろいろ考えまして、実はこれを引き上げなかった、こういうことでございます。
#257
○石母田委員 そうすると、端的に言って、財源難といわゆる予算の配分の上の問題と、それからいろいろなこの制度に関する、廃止論も含むいろんな検討もある、この両方があるということですが、それは主たる理由はどちらですか。
#258
○石野政府委員 一番基本的には、児童手当制度を今後どう進めていくかということが根っこにあるわけでございますが、それとあわせていま申し上げましたように財源の問題もこれあり、こういうことでございます。
#259
○石母田委員 非常に重要な発言をされているわけですけれども、この廃止論は言うまでもなく関西経協などがここではっきり言っておりますが、児童手当制度については「目的が不明確である。」したがって、「児童扶養の公的援助は、総花的に行なわれている現状を改め、たとえば障害児をもつ家庭や母子家庭など生活困窮度の大きい層をもっぱら対象とすべきである。」とか、「なお、児童手当制度における使用者の費用負担は根拠がない。」というような、かなり抜本的な改革、改定を望んでいる。その他また、特に事業主の中からも全面的な廃止というような点、いろいろ出ておりますけれども、こういう問題が一つの理由の中に入っているということになりますと、厚生省としてはそういうことがあり得るということを考えていまの調査をやろうとしているのですか。
#260
○石野政府委員 児童手当制度を廃止するということを実は考えているわけではございませんで、まあ、発足いたしまして四年たったわけでございますけれども、これを発展させるには一体どういうふうに考えていったらいいのか、国民的なコンセンサスも必要であるという観点から実は調査をいたすわけでございます。したがいまして、その調査の結果を見ないとわかりませんけれども、現在のところ、私の方は廃止をするという考えに立って調査をしているものじゃないと、はっきり申し上げたいと思います。
#261
○石母田委員 発展させるということは、一昨年の四月十一日の社労委で齋藤前々厚生大臣はこう言っているわけです。つまり、四十九年度で段階別が終わるから、児童手当制度というものが中身は別として一応完成する。五十年度以降に本格的に改革を図っていくときが来ると思うわけであるということで、諸外国では第二子というのが普通の例であるので、そういう問題についても五十年度以降において実行していく、そういうふうに考えておるわけでありますと、こういう答弁をしているわけです。したがって、その発展というのは当然これの拡充、改善ということを前提にしたものであるというふうに考えていいですか。
#262
○石野政府委員 現在の児童手当制度は、一応多子家庭に対する養育費の援助という形で割り切っておるわけでございますが、これを二子、一子まで拡大するということになりますと、これは児童手当制度を公的な給付として、家族給付にかわるものとして発足させなければならない、こういう基本的な問題があるわけでございます。したがいまして、今後の発展の方向としてはいろんな方向が考えられますけれども、一つは、多子家庭を重視した考え方でいきますと、現在の養育費、つまりいまの五千円でございますが、五千円を上げていくという問題、それからさらに、いま申し上げましたように、基本的に児童手当制度をいわば推進し、拡大しまして、家族給付にかわるものとして支給することになりますと、これはもう相当大幅な改善、こういうふうになるわけでございます。いずれの方向にしますか、これはやはり財源負担との絡みもございますし、各方面のコンセンサスを得られませんとなかなか発展できませんので、そういう意味で実は検討いたしたいということでございます。
#263
○石母田委員 ここに、あなたの方からいただいた資料に、今度児童手当制度の調査をやる。二千五百万というと、私は調査の費用としてはかなり大がかりなものだと思うのですが、この中に、児童手当制度の効果――制度の改善の方向、これはわかるのだけれども、効果と役割りというようなのを含めてこれを調査するというふうに書いてありますが、意識調査と書いてありますが、特に一般国民、事業主、有識者というふうになっているけれども、もらっている人がどういうふうに考えているかという問題になると、この人たちの意思がやはり非常に重要だと思うけれども、これを反映する手段は何かとっておるわけですか。
#264
○石野政府委員 当然、この一般の対象者の中には受給者も含めた形になるわけでございます。したがって、受給者の考え方、それから実隊上受給してない一般の国民の方々の考え方も両方わかってくる、こういうことでございます。
#265
○石母田委員 そうすると、厚生省に学識経験者等で構成する懇談会を設けるというこの構成にも、そうしたものを反映する何か考えていますか。
#266
○石野政府委員 この学識経験者のいわば懇談会と申しますのは、調査をどういう項目にすべきなのか、どういう方法でやるべきか、いろいろ議論がありますので、数名の特に学者の御意見をお聞きしたい、こういう考え方で実は整理をいたしておるわけでございます。
#267
○石母田委員 大臣にこの点、特に児童手当についてそういう全面的な廃止論を含む後退的見直し、これの意見がかなり出ているという中で、そういうことを懸念する人たちが非常に多いわけですから、いま言った調査の目的、調査の方法などについても十分に受給者の人々の意思が反映するように、またそれが、先ほどから政府が言明しているような形での制度の改善の方向で検討されることを心から要望したいと思いますが、大臣、どうですか。
#268
○田中国務大臣 児童手当制度がわが国において正しい方向に改善されるように、そのような方向でいろいろと具体的な施策を模索するよう、この懇談会ですかを組成し、また運営をいたす所存でございます。
#269
○石母田委員 もう一つ、こういうことを前提にして今度は改正しなかった、つまり手当を増額しなかったのですか。
#270
○石野政府委員 先ほどから申し上げていますように、この金額を引き上げるにつきましてはその方向を見定めてやらないといけないという大前提がありましたのと、財源問題、こういうことでございます。
#271
○石母田委員 もう一つ、この婦人の新聞に、今度鹿児島県で生まれた五つ子の人がこの所得制限にひっかかるのじゃないかということで、どうかというような心配をしたものがありますけれども、これは結局、NHKの山下さんですか、この方は、いまの所得制限でもらえるのですか。その根拠をひとつ言ってください。
#272
○石野政府委員 現在の所得制限につきましては、扶養親族等五人の場合でいきますと、昭和五十年度の収入限度額は四百十五万となっておりまして、五十一年度は四百六十四万になるわけでございますが、山下さんの場合はこれをかなり下回っておりますのでもらえると、こういうふうになるわけでございます。
#273
○石母田委員 所得が少なかったからもらえるということになるそうですが、かすかすだそうな話も聞いております。その点で、所得制限の問題については、これは現在のを据え置きにすれば大体七・六%ぐらいの人たちが外れちゃうという不安があるわけですが、これは引き上げについてはどういうふうになっていますか。
#274
○石野政府委員 これは当然、現在もらっている方がもらえなくなるというのは非常に問題でございますので、いま九二・五%の支給率でございますが、これを確保するように現在の限度額というものをさらに改めていく、こういうことでございます。
#275
○石母田委員 それでは二つ目の問題ですが、これはいま世上を沸かしております児玉譽士夫の病状の問題でいろいろ問題があるわけですが、先ごろこの児玉譽士夫が救急車で女子医大の病院にかけつけた。それでやってきて、はいれないでUターンしてまた帰った、こういうことがあるわけです。
    〔竹内(黎)委員長代理退席、戸井田委員長代理着席〕
したがって、この問題は、わが党の赤旗機関紙も、また医者の方の一部も言っているように、前々から脳血栓とか幻覚症状があらわれるという重症ならば、なぜ入院しないんだろうかという当然の常識的な疑問が新聞などに報道されたということとも関連してますますこの疑惑を深めている問題であります。
 その点で私、これを搬送した消防庁の方が来られていると思うのでお伺いしたいのですけれども、児玉譽士夫が玄関まで行って帰ってきたという理由は何ですか。時間がありませんので簡単にお答えください。
#276
○矢筈野説明員 同乗しております喜多村というお医者さんが、最初から自宅から一緒についてこられたわけでございますが、病院の入り口まで参りましたところ、報道陣その他群衆多数がいるということでなかなか病院へ収容できない、こういう状況でございました。したがいまして、警察官に要請いたしまして、整理をしてほしい。しかしなかなかうまく整理もできない、そういう状況でございまして、病院の保安員の誘導等によって何とか収容したいということで努力しましたけれども、それも功を奏せず、そこで喜多村先生は、このままではとても無理だから、警察官の警護でなければ搬出できないから牛込の警察署へ行ってくれ、こういうことでございました。そういう方向で行こうとしましたけれども、なかなかそれも進行できない。そこで、これではとても危ない、したがって自宅へ引き返してくれ、こういうお医者の指示に従いまして救急隊は自宅へUターンした、こういう結果でございます。
#277
○石母田委員 それでは、これは喜多村医師の指示によるものだ。そしてあなたの救急車を呼んだのも、この新聞報道によると喜多村医師だというふうになっておりますけれども、その点はどうですか。
#278
○矢筈野説明員 そのとおりでございます。
#279
○石母田委員 そうしますと、混雑していたので、はいれなかったということで、病状がその間に治って必要がなくなったのか、それともまた入院しなければならない病状であるのかどうか。これは厚生省がつかんでいるか、あなたの方がつかんでいるか。消防庁の方はどうなんです。
#280
○矢筈野説明員 その辺は私どもはよくわかりませんけれども、救急隊の隊長が帰ってきてから記者会見をやっておりますから、その内容によって私どもは判断せざるを得ない、こう思いますが、これはこのまま読み上げますか。
#281
○石母田委員 いや、時間がないから……。
 じゃ、その後またもう一回入れてくれという要請があったのかどうか。
#282
○矢筈野説明員 いままでのところありません。
#283
○石母田委員 いまの読もうとしているのは相当長いものですか。
#284
○矢筈野説明員 簡単です。
#285
○石母田委員 それじゃ簡単に読んでください。
#286
○矢筈野説明員 読み上げます。これは隊長の記者会見のときに発表した見解でございます。「到着時、二階踊り場までストレッチャーを運んだ。踊り場まで家人二人が児玉氏を抱きかかえてきた。踊り場から玄関までは十メートルぐらいだった。児玉氏はパジャマ姿であった。救急車の中では時折うなずく程度で全く無言であった。同乗の奥さんがしっかりしてくださいと言っていた。先生は、」――先生というのは喜多村先生です。「心配しなくてもよいと言っていたようだが、そのほかは小声でわからなかった。酸素呼吸器もありますよとこう救急隊員が言ったら、必要なときには指示をするとのことであった。先生は車中で聴診器を当てていたが、自宅に引き返すようにとの指示以外は何も指示はなかった。自宅引き揚げ後は、一階応接間に布団が敷いてあったのでそれに運んだ。車中での状態から、児玉氏はよい状態とは思えないし、悪いとも判断ができない。精神上疲れがあるように思われた。」以上でございます。
#287
○石母田委員 そうすると、当日の、いまの同じ深川敏明消防司令補の記者会見の報道の中に、そのとき病状が目立って悪いということはなかった、それから車中児玉は意識不明ではなく、いままでの経験からして容体はいいとは言えないが、ひどく悪いという感じもしなかったというふうに報道されている部分はどうなんですか。
#288
○矢筈野説明員 その点については私どもは定かでございませんが、この会見記では、車中での状態から児玉氏はよい状態とは思えないし、悪いとも判断ができない、こう言っています。
#289
○石母田委員 そうすると、常識的に、あなたたちが救急を運ぶ場合に、こうした病人が一たん医者からの要請で行って、医者の指示で帰ったということは、入院する必要があるならばほかの病院もあるわけですよ。第一自分の脳神経センターの所長さんでしょう。自分の病院のところで準備しておくのはあたりまえですね。はいれなかった、そしてまた必要ならば後でその状況の変化を見て入れるとか、そこがだめだったらよそへ入れるとかいうのが普通の常識的な処置ではないですか。こういうことはきわめて異例だというふうに思いませんか。それとも、病院に入れる必要のない病状である、こういう場合じゃないですか。あなたはどう思いますか。
#290
○矢筈野説明員 私どもは、そういう場合にはお医者さんの指示に従って救急隊員が搬送業務に従事しておるというふうに判断しておりますので、病状については専門家でございませんので何ともわかりかねます。
#291
○石母田委員 私が聞いているのは、医者の指示が変だと思いませんか。救急病で入れるんだと呼んでおいて、それで混雑だから帰った。普通だったら、そういう重症患者ならばよそへ持っていくか、あるいはときを見て、そういうものを排除と言うと悪いけれども、なくなった時期にまた入れる、こういうのが普通じゃないですか、どうです。
#292
○矢筈野説明員 普通だと思います。
#293
○石母田委員 そうでしょう。そうすると、普通だということは、こういう医者の指示はきわめておかしい、そういうふうに思いませんか。
#294
○矢筈野説明員 お医者はできるだけ収容する努力をなさったけれども、とても収容できる状態ではない、かえって危険であるから、自宅の方が安全であるという判断に基づいて自宅に引き返してくれという指示があったというふうに解しております。
#295
○石母田委員 いま言われたように、当然、医者の指示ならば、入れるべき必要があるならばもう一遍入院させるという努力をすべきですね。ところがしてないんだ。もうこれで終わっちゃっているんだ。ということは逆に、児玉が果たして入院の必要ある病状にあるかどうか。逆に言えば、脳血栓のおそれがあって、幻覚症状があるという重症であるかどうかということさえ疑念を抱かせるし、また、あなた自身も普通ではないと言われるように、この喜多村医師の指示というのはきわめて異例な処置なんです。常識では理解ができない処置なんです。大臣、聞いていてどう思いますか。
#296
○田中国務大臣 突然の御質問であり、私も新聞で存じ上げているだけでございまして、的確な判断はできません。しかし、この人の病状については、この喜多村医師のみならず、衆議院から派遣された医師が再三にわたって診断をいたしておりますから、そうした各方面の医師の専門的な所見を聞く以外に、私どもとしては軽々に判断ができないものじゃないかというふうに思います。
#297
○石母田委員 大臣、けさから救急医療の問題でやっているのです。救急医療の問題の中で、軽症であるのにさっき言ったお母さんたち、そういうような問題で救急車を利用するということが救急医療の中である。そのためにさっき言ったテレホンサービスなんということも考えているということでしょう。これなんていうのは典型的でしょう。行って、混雑だけで帰ってきた、そのままになっちゃっているわけだから。だれが考えたって、重症ならもう一回入れる努力をするとか転送するとかいう、さっきのたらい回しの話が出てくるのだ。そうでしょう。そういう点で、いままでけさから言っている救急医療の取り扱う範疇としては、これはきわめて異例なおかしなことじゃないですか。それとも病状が治っているかどうかだね。入れる必要がなくなったから救急車を利用しなかった。あるいはもっと悪意に解釈すれば、救急車を利用して茶番劇をして、入院劇をやってみせたということも言えるのですよ。もしそういう事態だったら、これは悪用じゃないですか。一般的に言わないで、この問題について大臣どう思う。医務局長でもいい、どう思いますか。
#298
○石丸政府委員 どうも、この事例については私も実情をよく存じておりませんのでお答えにくいのでありますが、一般的な線でお答え申し上げますと……(石母田委員「一般的でなく具体的にやってください」と呼ぶ)先生御指摘のように、入院治療を必要とする患者の収容につきましては、あらゆる努力を払って入院治療を行うということが常識だというふうに考えられます。ただ、先生御指摘のようないろんな理由のほかにまた一つの問題といたしましては、やはり医師が必要と認めた場合におきましても、その患者自身あるいは患者の家族が入院を希望するか否かという点も一つのその判断の基礎になろうかと思うわけでございまして、そういった理由等につきまして私も具体的に存じておりませんので、ちょっとこの事例につきましてお答えすることはできかねると考えております。
#299
○石母田委員 これだけの天下の大事件を、厚生省の医務局長、救急医療の責任者がそれを具体的に調べてないのじゃ、これは非常に問題だ。だから、こういう問題の考え方は、さっき言ったように、利用して入院劇をやったのか、あるいは病状が入院する必要がないのか、こういう問題できわめて重要な問題ですから、ぜひ調査してもらいたい。それから、私はこういう点で喜多村医師や、こういう病状の判断について、きょうの答弁を聞いてもますます疑惑を大きくせざるを得ない。そういう点で、これは保留して、いずれまた時期を見て質問したい。きょうは時間がないのでこれで終わります。
 最後に、では大臣、その点調査してやってください。
#300
○田中国務大臣 個々の病人の病状について厚生省が調査をいたすことについては、(石母田委員「そうじゃない、厚生省が救急医療のこういう……」と呼ぶ)私どもとしてはできないと思いますが、救急医療のあり方等の関連においては普通のケースではないというふうに思います。なぜかなれば、入院をしようというものを大ぜいの人間が妨害するということ自体が、結果において、意図があったかどうか知りませんが、入院できないという姿になっておったということ自体がイレギュラーだ、異常だというふうに思いますし、それをまた戻して、どこにも入れずにおうちへ帰ったということについても、何かしら普通じゃないような感じがいたすわけであります。
#301
○石母田委員 それで調査するのか。
#302
○田中国務大臣 ですから、その経緯については調べてみます。しかし、病状そのものについては、私どもとしてはこれを調べる権限はないだろうと思います。主治医についてこれの判断をわれわれとしては聴取する以外にないのじゃないかと思います。
#303
○石母田委員 国民が非常に疑惑を持っているのですから、十分調査してください。終わります。
#304
○戸井田委員長代理 寺前君。
#305
○寺前委員 十数分質問時間があるようですから、えらい詰めた時間を言うようでございますが、幾つかの私のところに要請書が来ている問題について披露をして、大臣なり所管の担当者からこれに対する御説明をいただいたらありがたい、こう思います。
 一つの私のところに来ている手紙は、東京都武蔵野市に住んでおられる、生活保護を受けておられた藤田さんという女の方からなんです。
 幼少のころから心臓が悪く、昭和四十五年九月、国立中野療養所に入院し手術を受けました。そして一度退院したが、再び病状が悪くなり、昭和四十六年四月再入院したが、入院が長引いたため、同年九月で住宅費は打ち切りとなってしまい、アパートを出ざるを得ない状況に追い詰められました。その後退院したが、帰るところもなし、近所の人の協力で西久保にある家の物置きに住むようになりました。このため本人は精神障害を併発し、現在、再々入院ということになってきた、こういう事情。
 よく聞いてみたら、結局のところ、生活保護受給者の入院患者の住宅費は六ヵ月で打ち切られてしまうということのようなんですね。私は、現実的じゃないんじゃないだろうか、これは改正する必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょう。
#306
○翁政府委員 具体的な例でお答え申し上げます。
 三十三年から、入院患者で単身の方で住宅に帰られるような症状である方については三ヵ月の間、その不在の住宅の住宅費を出すことにいたしました。四十年からこれを六ヵ月に延長いたしました。六ヵ月に延長いたしましたのは、六ヵ月以上超えた入院患者の方は、結核あるいはその他長期療養が非常に多いものでございますから、ただいまその基準になっておるわけでございます。
 したがいまして、今後の課題といたしまして、こういった六ヵ月の期間をどのように処理するかということになろうかと思います。現在におきましては、六ヵ月で退院なさるような方については、できるだけ新しい住宅のあっせんあるいは敷金等についての保護費の支給、それからまた、直ちに帰れない人についての荷物の預かりというような措置を講じておりますけれども、もうあと数ヵ月で、二、三ヵ月で入院が終わるような方については、特別基準というようなことで私どもに協議をしてもらうような措置をとりたい、こういうように考えております。
#307
○寺前委員 二、三ヵ月の範囲だったら、お話をさせていただいたら手を打ちましょう、わかりやすく言えばこういうことですね。しかし二、三ヵ月かどうかということ、まあ、あとはまた二、三ヵ月を運用で考えてもらえるということで、現実的にお役に立つように相談に乗りますというふうに発展して理解してよろしゅうございますでしょうか。
#308
○翁政府委員 ほとんど多くの例が、六ヵ月を超えますと二年ないし三年ぐらいの長期療養になるものでございますので、生活保護のたてまえといたしましては一応現在のところ二、三ヵ月を限度といたしたいというように考えております。
#309
○寺前委員 そうすると、限度を決められてしまったらあとやっぱり同じことなんですな。三ヵ月を六ヵ月にしたのも、考慮しなければならぬなと思ってやったんでしょう。六ヵ月を二、三ヵ月ならまた協議しましょうとなったって、また同じことが起こるんじゃないでしょうか。ですから、やはり現実を見てお役に立つように検討をしていくということを考えられることが適切なんじゃないだろうか。あえてもう一度申し上げたいと思います。
#310
○翁政府委員 おっしゃる御趣旨はよくわかるわけでございます。生活保護の運用といたしまして、ただいまお示しになったことも踏まえて検討はいたしたいと思いますけれども、ただいま私どもの判断といたしましては、大体先ほど申し上げたような判断を持っているわけでございまして、なお実態に即した検討は進めたいと思います。
#311
○寺前委員 ではその件はもうそれで終わります。
 次に、この間、春闘共闘委員会、というのですか、の方々と、それからまた別個に全日本国立医療労働組合の方々、また別個に看護協会の方々、それぞれの方々から、准看制度を廃止して看護制度を一本化されたいという要望を受けました。これは非常に重要な問題提起だと思いますので、せっかくですからここで要望を読んでみたいと思います。
 国民の医療・健康の守り手として重大な役割をになっている看護婦の教育、資格制度について、医学・医療の進歩に対応して考えるとき少くとも高校卒を基礎学歴として三年以上の教育を必要とすることは有識者の広く認めるところです。
 ところが、今日のわが国における看護婦制度は、高卒三年教育の看護婦と中卒二年教育の准看護婦という二重構造がとられ、就業者数についてみれば昭和四十八年末の有資格看護者三十五万五千人のうち五十五%近くを准看護婦が占める状態となっています。
 この准看護婦制度は、看護婦不足解消のためと称して昭和二十六年から進められてきたものですが、制度のもつ数多くの矛盾から准看護婦の在職年数は看護婦の二分の一にすぎず、とくに二十五歳をこえると急激に離職率が高くなっていて、定着した看護力確保の役割を果していません。
 また、高校進学率の向上など社会情勢の変化のなかで中学卒を対象とする准看護婦制度の基盤はすでに失われ、現実にも准看護婦養成の半数近くが高校卒業者で占められるという状況を生じています。
 厚生大臣の諮問機関である看護制度改善検討会が昭和四十八年十月に「中卒を基礎学歴とする准看制度の在続には無理がある」旨の答申をおこなっていることも、准看護婦制度の廃止が、今日の日本の上医療のために必要であることをあらわしたものです。
 私どもは、直ちに准看護婦制度を廃止するとともに、看護婦制度を一本化するように次のことを願いたいということで、若干団体によって御意見は違いますけれども、速やかにその移行措置その他の問題も明らかにされたいということを申し入れてきておられます。
 いかがなことになっているのでしょうか。
#312
○石丸政府委員 看護婦制度の問題についきましては、ただいま先生御指摘のような准看といわれる高等看護婦との問題があるわけでございまして、いずれにいたしましても、この長い歴史の中におきまして、いろんな思惑でこういった制度ができ上がってまいったわけでございます。ただいま先生お読みになりました文書にもございましたように、最近高学歴化社会というような事象になってまいりまして、現実問題として中卒のそういった希望者が非常に減少してきておるということも一つの事実でございます。また、同じ職場においてそういった階級が存在するということも一つの事実でございまして、そういったいろんなことを踏まえまして、一つの方向として、総論的な方向といたしましては看護制度の一体化という方向に現在動いているというふうに理解いたしておるところでございます。しかしながら、この准看問題を含めまして、看護婦制度のあり方というものが非常に深くわが国の医療全般にかかわる重要な問題でございまして、特に最近、と申し上げるよりも、これはもう相当長い期間そうでございますけれども、わが国の医療の中におきまして看護力の不足ということが大きな問題になっていることでございまして、当面この看護力の確保ということを緊急の問題といたしまして需給計画を立てておるところでございます。しかし、そういった一つの時代の流れというものもあるわけでございますので、この需給計画との関連を考慮しながら、各界各層の要望、意見、特に先生も御指摘になりましたように、目的達成に至るプロセスにおきましてはそれぞれの団体において若干ニュアンスの違うところもあるわけでございますが、そういった要望、意見等も十分参酌しながら今後この問題に対処してまいりたいと考えております。
#313
○寺前委員 大臣にお聞きしたいのですが、大臣が御諮問なさって、四十八年にそういう答申が出た、それを今後検討するではちょっとひど過ぎるんじゃないだろうか、私はそう思うのです。ですから、いつまでにこれに対する態度をお出しになるつもりなのか。一般社会的な常識から言ったら、一定の期間活動しておられた方々に講習を受けさせて、国家試験で資格を一本化する道と、看護婦養成の機関をどう強化さしていくかという問題と、こうやって総合的に考えたらいいと思う。経過措置というのは普通考えるならば、一定の方々に対して講習で国家試験をという道によって一本化の方向を具体的に打ち出していくというのは、常識的に見ると考えられる道じゃないかと思うのです。いずれにしても、四十八年に出て、いまだにこれに対して今後検討しますでは済まないのじゃないでしょうか。私は、いつまでにどういう態度でやっていきたいというふうに考えておられるのかを大臣にお聞きしたいと思う。
#314
○田中国務大臣 いまの看護婦制度、なかんずく准看護婦制度については、養成の基盤がすでに変わってしまったということも、これは先生おっしゃるとおりでございます。しかし、この問題については、一定の方向を傾向論は見出しつつも、これに至る経過について、あるいは経過措置あるいはその間における他の政策要請との間にいろいろな問題があります。また、関係当事者の間にも微妙に意見の食い違いがあります。また、看護婦そのものをめぐっての政策要請にも、極端に言うと二律背反的な問題もいろいろあるわけでありまして、この間にあって厚生省といたしましては、看護婦制度の改善というものはこれを進めなければならぬと思いつつも、今日まで結論を得ないでいるわけであります。しかし、私としては、できるだけ早くこの問題の方向づけをやらなければならぬものというふうに課題意識は持っておりますが、しかし、ただいまいつまでにこれを実行するということを申し上げ得る段階には残念ながら至っておらないというのが真実でございます。
#315
○寺前委員 それでは大臣に、私、もっと率直に聞きたい。
 この一年間の間には少なくとももう結論づけるようなことをしなければならないというふうに思っておられるのかどうか。きのうきょうの話じゃないから、その点をひとつ御回答いただきたい。これが一つです。
 それからもう一つ、時間の関係がございますので、もう一つだけお聞きしたいと思うのは、中医協で二月二十五日に起こっている問題です。私は詳細は知りません。だけれども、歯科差額料金問題をめぐって問題になっているというふうに報道を通じて理解をしております。そこで、この問題の焦点はどこにあるのか、率直にお答えをいただきたいと思います。
#316
○田中国務大臣 第一番目の看護婦制度については、できるだけ速やかに解決の方途を見出すよう努力をいたすということでございまして、期限を切ってどうのこうのということには、私としてはただいま申し上げ得るような情勢にはございません。
 中医協の二月二十五日の問題、これにつきましては、先生おっしゃるとおり歯科差額徴収問題につきまして、当時三回、実は中医協歯科部会でいろいろ検討をいたしておったわけでございますが――五回やっておったわけでございますが、こうしたことについてだんだんと実はこれに対する対策というものがまとまりかけておったわけでございますが、その際に、同じ二号側委員ではございますが、医師会の方、お医者さんの方からこれについて違った意見が出てきたということでございまして、今日これをどう調整するかというのが中医協歯科部会に与えられた課題となっているわけであります。
 なお、これにつきましては、差額徴収問題そのものについての物の考え方についてもかなり微妙な違いがございますが、なおそれについての歯科部会の運営、そしてそれが中医協の答申に与える影響につきましてのコメントがございまして、これについては、理論上の問題ではございません、別な問題が出てまいりまして、これに議論がかなり集中をいたしまして、当日はとうとう結論を得られなかったというのが当日の状況だったというふうに私は存じております。
#317
○寺前委員 そうすると、報道を見ておりますと、このために、多くのお医者さんは診療報酬を引き上げてもらいたい、改善してもらいたい、いろいろ問題が出されております。しかし、診療報酬の改定を延ばさざるを得なくなったという結果が報道されております。この問題は、大臣としてどこをどうすれば解決して動くというふうにお考えになっているのか、現状は解決する段階に来ているのか、この二点についてお伺いいたします。
#318
○田中国務大臣 基本的に、今回の中医協は歯科部会の結論と答申とは同時解決であるという取り決めが実はございます。したがいまして、現状のままですと、歯科部会の結論というものを出さなければ医療費の改定はできないということになっているわけでございます。したがいまして、いま第一の問題である歯科部会の動きによって中医協の進行がおくれたという問題についてもいろいろ議論がございますが、これについて当事者の間の理解と御納得をいただくという一つの仕事と、いま一つは、差額問題というものをどう考えるかということについて新しい意見が一般のお医者の方から、医師会の方から出てまいりましたから、これをいままでの作業の中間過程における歯科部会の意見の方向とどう調整するか、どうかみ合わせて結論を得るか。これは今日以降、たしかあした歯科部会も中医協も開かれますので、こうしたところで関係当事者の間でいろいろと精力的に根回しをし調整をしてもらうようにいたさなければなるまい。ただ、この内容について厚生省自身があれこれ立ち入って申すことは、中医協と厚生省とのたてまえ上、これは余り立ち入ったころはできないとしうことが仕組みでございますから、私どもとしてはそうしたことについて内面的にいろいろと関係委員の方々にお願いをいたしまして、速やかな調整、そして速やかな意見の一致を見るようにいたさなければなるまいと思って、非常にいま心配をいたしております。(寺前委員「めど」と呼ぶ)これはもう私があれこれめどを申すことは越権至極でございまして、中医協というものはもともと厚生大臣の職権を拘束するためにできたような機関でございますから、したがいまして、私がここでめどを申し上げるわけにはいきませんが、何分にも医療費はこれを速やかに改定しなければならぬというところへ来ておりますので、私としてはできるだけ早くやってくれということをお願いし、できるだけ早く結論を得るようにしなければなるまいと思っております。そう長い時間はかかるまいと思っていますが、これはあくまでも私の個人的希望であります。
#319
○寺前委員 お約束の時間が参りましたので、後また引き続いて別の機会にしたいと思います。終わります。
#320
○戸井田委員長代理 岡本富夫君。
#321
○岡本委員 私は、昨年の十一月の二十日に本委員会におきまして、われわれ国民にとって大切な健康に必要な薬の副作用問題を取り上げまして、その欠陥の指摘をしておきました。特にモニター制度を中心にいたしまして制度欠陥を指摘しておきました。また改善の要望をいたしておきました。それに対して厚生大臣は、モニター制度については、的確にこれがやられているかどうかについてはいささか疑念があるというような御答弁で、今後モニター制度については迅速に有効な措置をとることに努力するというお約束をされたわけであります。したがいまして、私は、その後どういうような具体的な措置をとられたのか、これをひとつお聞きをしておきたいと思います。
#322
○上村政府委員 昨年の十一月二十日のこの委員会で、副作用情報の収集等について御指摘を受けたわけでございます。その後引き続いて五十一年度の予算折衝がございまして、私ども、薬務行政上の重要事項として医薬品の安全対策に積極的に取り組んだつもりでございます。いま御審議いただいております五十一年度の予算案では新しく、特定副作用につきましてその発生頻度を調査するという経費が認められております。それから、医薬品の開発等の研究費、これは医薬品の開発とそれから安全性の研究、二つにまたがる研究費でございますが、この研究費につきまして相当大幅な増額がなされております。さらに、これは五十年度予算からの継続でございますけれども、国立衛生試験所に食品なり医薬品の安全性を研究する施設を整備するという経費が計上されまして、こういったもの、施設整備費まで含めますと、五十年度の予算がこの医薬品の安全に関しまして八億九千万円でございましたのが、二十億七千七百万円というふうに伸びておるわけでございます。これによりまして、引き続き医薬品の安全対策というものを推し進めてまいりたいと考えております。
#323
○岡本委員 そこで私、この安全対策について、特にこの前は副作用のモニター制度の指定病院、これがその当時、そのときに御答弁いただいたのが二百六十四ヵ所だったと思うのです。この指定病院をもっとふやさなければならぬだろうと私は思うのです。なぜかならば、もう御承知のように、この前も私指摘しておきましたが、五十年度で医療品の生産額二兆円、相当な大きなことになっておりますね。二十年前の八十倍になっておる。さらにどんどんどんどん出てくるわけです。しかもあなた、今度この予算の中で開発、薬屋の方に補助するようなことになりますと、さらに今度は新しい品種が出てくる、こういうことですから、私は、このモニター制度をもっとしっかりせなけりゃならぬのではないか、こういうふうに思うのですが、その点についていかがですか。
#324
○上村政府委員 いまお話の中にございました医薬品等の開発研究費、これはメーカーに対する助成のごときものであるかのごとくお話しになったわけでございますが、これは採算が合わないような医薬品について、たとえばワクチン等でございますが、これについての研究開発でございます。このほかに安全性の研究もその中に入っておるということでございまして、メーカーに出すようなお金ではございません。
 それから、モニター制度の拡大でございますが、前回も申し上げましたように、現在、国立病院、大学病院、公立病院、合計いたしまして二百六十四あるわけでございます。この二百六十四の施設に勤務するお医者さんの数が約二万八千人と見込んでおりますから、必ずしも現在のモニター制度の規模が小さいとは考えないわけでございますが、今後とも参加を希望する総合病院等を対象に順次追加拡大をしてまいりたい。同時に、前回もお話しになりましたように、モニター病院の二万八千のお医者さんの中で、その病院がモニター病院であることを知らない者もあるというふうな御指摘でございましたので、そういったことについての周知も図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#325
○岡本委員 今後、総合病院等は、民間病院もそのモニター制度の指定病院に指定していく、こういうことなんですね。
#326
○上村政府委員 現在は大学病院、それから国立病院、公立病院でございますが、こういった医薬品の副作用を提供することについて積極的な関心を持っていただくということが大事でございますので、そういった関心を持っておられるような総合病院につきましては、その経営主体が何であるかを問わずモニター病院に入っていただくというふうに考えておるわけでございます。
#327
○岡本委員 こういった副作用のモニターを指定した場合、そういう報告が来ればそれに対して交付金といいますか、何らかのやはり利益をもたらせるようなあれがなければ――私は実際に病院に行きまして事務長あたりにも聞きましても、指定されただけで何もないんですからね。しなくてもいいんです。ちょうど役所みたいで、してもしなくてもいい。それは言い過ぎですけれども、やはり何らかのメリットがなければこれは推進できないと私は思うんです。大臣、この点、この前あなたも張り切って答弁いただいたのですが、将来そういった問題について、政治的な問題ですから局長ではちょっと無理だと思いますが、あなたの専門的な御意見で前向きの答弁を一つだけいただきたい、こういうように思うのです。
#328
○上村政府委員 まず、モニター病院になっていただきました場合には、報告されましたものにつきまして若干の謝金はお出ししております。問題は、こういった医薬品の副作用というものについて、役所側からのおかしな話でございますけれども、こういうことを把握されたお医者さんというのはできる限り御連絡いただきたいという気持ちを持っておるわけでございます。同時に、そういった情報を提供された方には、むしろ金銭的なものよりも、そうやって把握された副作用情報というものを迅速にフィードバックすることが、そういった情報提供者に対するわれわれの最大の報いになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#329
○岡本委員 それはちょっと実態と違う。この前阪大の臨床薬理研究会で調査してきた、そういったモニター制度の実態を調べても、そんなこと全然知らなかった。ということは、やはりそれによって何らかのメリットがあれば、事務長からでもあるいはまた部の部長の方からいろいろあれがあると思うんですよ。皆予算がなくて困っておるんですから、そういうような少し奨励をしなければ。ただフィードバックしただけで、名前が出ただけで、あるいはまた名前も出てこないんですよ、だれが見つけたとかかれが見つけたとか。これはあなたがおっしゃったのとはその実態が違う。医師は人の健康を守らなければならぬということで、医は仁術だということでありますけれども、最近はなかなかそうでない。忙しいし、とてもそこまで手が伸びないというのが現状なんです。したがって、少しでも研究費とかいろんなものに、その方面に手が伸びなければ、こういった本当に大事な副作用の、自分が使って本当に副作用が出たということの実態が出てこない。厚生大臣、局長では気の毒ですから、ひとつあなたが大臣のときにやっておいたらどうですか。
#330
○田中国務大臣 この前、岡本先生からモニター制度について、モニター病院の職員がこれを知らないなどというようなことがございました。これは大変だ、こういうふうに思いまして、そうしたことのないように周知徹底するようにということを薬務局に依頼をしておったわけでございます。その結果、大分綿密にいろいろとやっておるようでございまして、かなり前進をしたんじゃないかと思いますが、先生おっしゃるようにモニターの務めを果たした者に金銭的なお礼をしたらどうだろうということについては、私はただいまのところまだそこまでやる気にはならぬわけであります。
#331
○岡本委員 それでは、あなたはこの前お答えになった中でも、現代の薬というものは副作用があるくらいの力があるから殺されるのですから、やはり副作用がどれもなければおかしいくらいですからね。それも、それによって亡くなった人、命を落とした人の実例がある。これを一つ申し上げますよ。これも阪大の臨床薬理研究会の調査ですが、アスピリン過敏症の患者に対してインドメタシン、これは昭和四十九年に副作用による死亡事故を起こしておりますが、これを使ってはいけないということをはっきり知っておるお医者さん、この医者は、インドメタシンを使ったことのある百六名中で三十一名しか知らなかった。あいまいな人が二十五名。知っている人が三十一名ですから二九・二%。それからあいまいな人、こんなのあったのかな、副作用があるのか、またそういった死亡事故があったのかなというあいまいな人が二十五名で二四・五%。知らなかった人、これは四十六名、四三・四%。こういう多くの医師が副作用をはっきり知らなかったということなんです。これはちょっと問題でしょう。
    〔戸井田委員長代理退席、竹内(黎)委員長代理着席〕
しかも、四十九年に死亡事故を起こしたインドメタシンというのは解熱鎮静剤なんですね。これは四十八年度以前に十三回の報告を受けておるのです。また、四十九年度には死亡報告が四件出ておる。死亡事故があったと、このように報告がなされたけれども、毎年同じような副作用が報告されておる、こういうものがあるわけですよね。それがはっきりしてない。
 こういうことを考えますと、私はきょう一つ一つ取り上げるわけにいかないのですけれども、現実にいっぱいあるのですよね。特にお年寄りあるいは子供に。この前も言ったように、私、お医者さんから薬もらっても全部飲まないのですよ。厚生大臣、全部お飲みになりますか。机の引き出し、あけてください、大分入っていますよ。大事な人の命が薬害によって冒されてまた入院している。この前も事例を申しましたけれども、これに対して厚生省、本当に英断をもって取り組まなければならぬ。早くやらなければならぬ。したがって、どうすれば副作用がはっきり報告され、それからどのようにしたら的確にフィードバックできるか、こういうことについて、もっと真剣になっていただいておるかと私思ったのですよ。この副作用問題について取り上げたのは、私、議事録見たらいままでなかった。ですから、これをひとつ改革をしていただきたいと思うのですよね。あらゆる手段を講じていただきたい、こう思うのです。そういうことを考えますと、このモニターで副作用を報告してきたというような人に対してはやはり若干報償するとかいうことが私は大事だと思うのですよ。厚生省は、私この前も言いましたように、薬のメーカーの代理店ではないのですから、むしろそれを監督していかなければならぬ立場なんですから、そういうことをやってくれる人に対してはやはり若干予算をつけていくというぐらいの英断が私は必要だと思うのです。前向きの御答弁をひとつ厚生大臣、どうですか。このくらいのことだったら大蔵省も、なるほどそうだ。彼らも飲んでおるからね、決して反対はしないと思うのですよ。いかがですか。
#332
○上村政府委員 モニター病院から報告のありました場合につきましては全然謝金を出してないわけではございませんで、手数料的な意味でお礼を差し上げておりますが、金額としてそれほど大きな額じゃございません。
 問題は、いまお話しになりましたように、阪大病院でもモニターであることを知らなかった者がいる、前回お話しになったわけでございます。いま、今月中に各モニター病院の全部のお医者さんあて、副作用のモニター制度について御協力くださいという趣旨のパンフレットをモニター病院の二万八千のお医者に全部配る予定でございます。近く印刷に入る。
 それから大事なことは、いま医薬品についての副作用の情報を知らないお医者さんがあるというふうなお話でございました。これについては、どうしても医師なり薬剤師の方に、副作用が把握された医薬品について情報をできる限り大量に提供することが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。例年、モニター病院には協力の依頼等をやっておりますが、同時に、医薬品の副作用情報というのを隔月に出しておりますし、それからことしの三月、いま申し上げましたようなPR用のパンフレットを作成して、モニター病院としての役割りというものを果たしてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。
 同時に、情報自身はメーカーがやる場合もございますし、それから厚生省ではこういった医薬品の副作用情報というものを二ヵ月に一回約十万出しておるわけでございます。それから三ヵ月に一回、日本医師会の協力なんかを得まして、厚生省の副作用情報伝達制度というのを発足さしておりまして、これはことしの一月の医師会雑誌でございますけれども、医師会雑誌にも織り込みまして、厚生省の医薬品情報というものをすべてのお医者さんの目につくような形で配るように努力をしておるわけでございます。こういった情報を一回について約十五万ぐらい出すようなことを重ねておるわけでございますが、こういった医薬品の副作用の問題というものは最近とみに人々の関心の高い問題でございますから、私どもももっと積極的に取り組む覚悟でございます。
#333
○岡本委員 これは積極的に取り組んでいただきたいのです。
 同時にもう一つ、先般ちょっと気にかかることをあなたから御答弁いただいた。モニター病院から報告がありました薬害の症例につきましては、すべて中央薬事審議会の中にございます副作用調査会、ここで専門的な評価、検討を加えておる。私、調査しまして、報告と比べて今度フィードバックしたのが非常に少ない。というのは、ここで相当削られておるのではないか。これよりも、ここで各所から報告してきたやつを全部出す、こんなところで手を加えずに。そうすると、薬害がある、こういうことで言われるメーカーはそれに対して今度また新しい反論を出してくるでしょう。そういった公開の場で広く検討をしてもらうということにしますと、この副作用問題というものは各医療関係の皆さんがもっと認識をしてくる。そうでないと、この中央薬事審議会の副作用調査会、何人いらっしゃるか知らぬけれども、そこでちょこちょこっと――ちょこちょこっと言ってはおかしいけれども、専門的なと言いますけれども、こういうことが専門的にわかるようなことであればモニター制度も何も要らない。そこで全部審議して、そしてこの薬はもう大丈夫です、これはこういう副作用ですと、全部できるはずです。そんな力はないはずです。これは私、調べました。したがって、公開の場でどんどんPRし、あるいはやっていくということになれば、もっと広くみんなが認識をしてくるのではないか。それでなければ、捨てる薬が多くて、そしてまた健康保険を値上げしてくれと盛んに騒がなければならぬのでしょう。こういった問題はやはりはっきりしておく必要があると私は思うのですよ。大臣、どうですか。これは局長ではちょっと無理ですよ。
#334
○上村政府委員 まず、モニター病院その他のところから入ってまいりました副作用の情報というものを薬事審議会の副作用調査会に諮り、さらに安全対策特別部会で検討いたしますのは、情報を分析をして、これは周知させる必要があるかどうかという評価を加えなければ、いろいろな情報があるわけでございまして、したがってこういった作業はどうしても必要である。
 それで、いまお話しになりましたように、そういうことが薬事審議会でできるのならば情報を取らなくていいじゃないかというお話でございますが、それは話が全然違うわけでございます。話が違うと申しますのは、情報というものは、広い網を張って、そこから手に入れなければ入ってこない。しかし、その情報というのを医薬品の副作用として評価するかどうかというのは専門家の意見を待たなければならない。それが中央薬事審議会の副作用調査会であるわけでございます。そうして、そういったもので評価を受けたものにつきまして、さっき申し上げましたような情報として相当数、公にしておるわけでございます。これはオープンになったものとお考えになっていただいていいと思うのです。同時に、モニター病院から報告になりましたすべての事例につきまして、これは評価を加えない形で、たとえば医薬品の名前を書き、報告件数を書き、副作用を書いたものを取りまとめまして、これもやはりこういった副作用情報の中で各お医者さんの目にとまるような形で公にしておるわけでございます。したがって、評価を受けたものは評価を受けたものとして伝達をし、それから来たものは来たものとして、評価をしない形で公にしておるというふうにお考えになっていただいて結構だと思います。
#335
○岡本委員 どうも私、この間御答弁いただいた中で、これは局長さんの答弁ですけれども、いわゆる薬害といわれるものの実態につきましては不明でございます。ただわかっているのは訴訟された分だけです、というような御答弁だった。それで、副作用調査会ですか、ここですべての分を、評価するに当たって全部実験しているわけですか。その薬はこういう副作用がありました、そうですがといってだれかに飲ますのですか。人体試験はできないからやっていないと私は思うのです。評価するのが大体おかしいのです。だから、出てきたもの全部をはっきり出していく。そうすると、その薬をつくっているところのメーカーの方は、これは大変だというわけでまたいろいろと反応をしていくということによってさらに安全性が進むんではないか、こういうように考えるのですが、もう一度ひとつ。
#336
○上村政府委員 まあ、出ましたものにつきまして、副作用情報として私どもに報告になったものについて、これはその薬を飲んだことによってこういう症状があったという形で報告を受けるわけでございますから、いろいろな因果関係がその間に入ってまいると思うわけでございます。それを生の形で、この医薬品はこういうことがあった、あの医薬品はこういうことがあったということになりますと、かえって医薬品の使用上いろいろな支障を来すのではないかというふうに考えるわけでございます。どうしても専門家による評価ということを、報告されましたデータをもとに行うことが医薬品の正しい使い方を進めていく上で肝要なことではないかというふうに考えるわけでございます。
 それから同時に、いわゆる薬害によって被害を受けている人はどのくらいかというふうなお話がございましたときに、前回、不明と申し上げたわけでございますが、これはなかなかつかめない。今回新規に計上いたしました特定副作用の頻度調査というのは、ある医薬品について外国なりあるいは日本でたまたま重い症状が一つなり二つあったという報告を受けましたときに、その薬が一方で有効であるということであるならばそれを直ちに抑えてしまうわけにもいきませんので、そういった副作用が報告されたときに、幾つかの病院で相当数の症例についてその薬が投与された結果、どういうことがあったかということを迅速に調べたいというのがねらいでございます。この予算を活用することによって、ある医薬品による報告された副作用と同じような副作用がどの程度あるかということは、ある程度把握し得ることになるものであろうというふうに期待しておるわけでございます。
#337
○岡本委員 こればかりやっていてもあれですが、先ほど私、事例をお話ししましたように、インドメタシンですか、これでもこんなに何遍も報告されておるのに知らなかったとか、あるいはまた死亡事故が起こっているということの事例を申し上げたわけです。ですから私は、いままでの状態でそれで全部完全だということじゃないと思うのですよ。事実、私たちが毎日日常生活をする上におきまして、医者からもらった薬を本当に全部飲まないですよ。そこらはやはりみんな不信を起こしているわけですよ。それを私はやはりもっと強力なものに――厚生省しか、ほかの省ではできないのです。薬のぐあい悪いのを建設省に持っていったり運輸省に持っていくわけにはいかない。もっとかちっとしたやり方を厚生省でしなければならないと私は思うのですよ。私は、どうせい、こうせいと言うことは、全部が全部まだ調べておりませんからあれですけれども、たとえ一つからでもやっていくと、そこから問題は解決していくだろうと思うのですよ。大臣はもう一つ英断をもって、そういった問題、それから先ほど、報告した人にはわずかな補助金を出していますと言いますけれども、これは少ないかもわからないし、薬のぐあい悪いのをもっと広く周知徹底できるような、そして事故を防ぐ、国民の健康を守る、こういうところから出発をしていただくように、強い決意をひとつお伺いしたいと思うのです。
#338
○田中国務大臣 医薬品の安全性、特に副作用の除去につきましては、先生からさきに御指摘もございまして、それを受けて薬務局でもいろいろやっている由でございますが、しかし、本件の重要性にかんがみ、その目的が的確に遂行できるように、さらにひとつ掘り下げた努力をいたしたい、かように考えます。
#339
○岡本委員 では、これは期待しておきまして、まだ私たちこれから調査いたしましてまた要望することは要望いたしますので、このくらいにしておきます。
 次は医師介輔の問題です。これは沖繩とか奄美大島に限られた問題でございますけれども、沖繩の医師介輔、それから奄美大島の医師介輔、ともに琉球政府法令によるところの行政主席の医師介輔免許証、これを取得をしておった。それにもかかわらず、奄美大島の医師介輔は二年で打ち切られた。沖繩の医師介輔はまだ身分保障として取り扱っていただいておるということで差がついておる。これはどういうわけなんですか。
#340
○石丸政府委員 奄美群島の医師介輔につきましては、昭和二十八年十二月二十五日復帰の際、二年間を限りまして従前の業務の継続を認めております。それから沖繩の医介輔につきましては、昭和四十七年五月十五日復帰の際、その後も一定の地域を限りまして従前の業務の継続を認めておるところでございまして、その点につきましてはただいま先生御質問のとおりでございます。このような、両者の間に異なった取り扱いをしておるその理由でございますが、その理由は二つあろうかと思っております。
 一つは、奄美群島の医介輔の実績でございますが、この介輔が認められまして本土に復帰するまでの間、二年間であったわけでございます。すなわち、その実績は二年間でございました。沖繩の医介輔につきましては、その制度ができまして復帰までに二十四年にわたりまして当該業務に従事してきた。そういう一つの実際の業務に従事してきた経験の違いということが大きな原因ではないか。
 それから第二の原因といたしまして考えられることは、沖繩の医介輔の復帰時におきます平均年齢が非常に高かったことでございます。すなわち、非常に長い間実務に従事しておった関係上、復帰の際の沖繩の医介輔の平均年齢が六十二歳でございます。これに対しまして奄美群島の方は、非常に早く復帰いたしました関係上、その平均年齢が三十七歳。こういうふうに、復帰後の転職ということを考えました場合に、この年齢差というものもあるというようなことでそういった取り扱いの差が生じたと思うわけでございますが、その他の点につきましては両者の間に特別の差別はなかったというふうに理解いたしております。
#341
○岡本委員 沖繩の医師介輔は従事している期間が非常に長い、これは復帰してなかったからでしょう。それから奄美は少ないというのは早く復帰したからです。しかも当時の、二十八年の十二月二十四日ですか、この政令で二年として決めてしまった。これは本人たちが、医師介輔の皆さん方が短い期間しかしなかったのではなくして、そういった特殊な事情によって従事する期間が二十年ばかり少ないだけのことでしょう。こういった特殊な事情じゃないんですか。私は、医師介輔の皆さんに一人ずつ聞いてみますと、いままでこういった僻地の、実際医師がいないところにおいて一生懸念に皆さんの健康のために尽くしてきたと思うのです。この復帰に当たってはやはり同じような取り扱いをしてもらいたい。これはその心情は、またおっしゃることは間違いないと私は思うんですよ。
 そこで、この人たちが実は、齋藤厚生大臣のころですか、昭和四十八年ごろ、わざわざ陳情にお見えになっているわけですね。
    〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕
そのときに参議院の内田議員が立ち会い、それから地元の何人かの選出の方が一緒に、二階堂官房長官やあるいはまた橋本幹事長、厚生事務次官、こういう方々にも会って、そして陳情を申し上げているわけですが、そのときに齋藤厚生大臣は十分検討いたしますということで、非常に喜んで、希望を持ってお帰りになったそうです。その後、厚生省からは何の連絡もない。こういうようなことなんですね。これはまあ、前齋藤厚生大臣も、故齋藤さんと生きている人と二人いらっしゃるわけですけれども、天下の厚生大臣がこうしたお答えをなさっているのですね。ですから、田中厚生大臣はこれはお初めてかもわかりませんが、特別にひとつ御検討をしていただきたい、こういうように思うのですが、この辺、どうですか。
#342
○田中国務大臣 いま医務局長が御答弁申し上げましたとおり、奄美の場合と沖繩の場合では客観情勢が大分違うようでございます。したがいまして、いまさら、いまここで、従来奄美でやっていた医介輔の実績を持っている者を今日現在また介輔としてこれを認めるということは、実際問題として困難だというふうに私は思います。事実また、承るところによりますと、かつて奄美において医介輔であった方々はそれぞれ現在転職をなさっておるようでございまして、今日この方々をまた医介輔として医業に従事せしめるということについては、私は適当ではないというふうに思います。
#343
○岡本委員 その当時にそういうような答弁をなさっておりまして、そのうち保健所に三名勤務したとか、あるいは町村の職員に二名、薬店に二名、つむぎ業に二名、農業九名、村会議員二名、死亡者四名、不明が二名、こういうような答弁があるようにこの議事録を見ますとなっておりますけれども、この保健所勤務の方は、これはこの方々の努力によって検査技師の資格を取得し、採用された。しかし医師介輔の資格が二年で打ち切られた。そのために、その当時投資した器械だとかいろいろなものですね、そういった借金の返済に追われて今日まで至っておる。しかも中年採用ですから、非常に給料も少ない、こういうことですね。それから、皆々一つずつ申し上げるわけにいきませんけれども、村会議員に二名就職された、これは給料は何ぼですか。調べてありますか。一遍あなたの方、給料を調べてください。月にわずか二万円。田舎の村会議員というのはそんなものですわね。これで、就職したからいいんだ、これは余りにも……。当時、沖繩もそうですし、また奄美大島も同じように米軍の指揮下に入りまして、占領されて、苦労されておったわけですよ。しかも人数としたら知れておる、わずかだからいいわということではならないと私は思うのです。しかもまた、非常に医師が少ない。こうした人たちは相当の経験もあるわけですし、お年も相当いっております。沖繩の皆さんと決して年は変わらないぐらいになっておる。当時はまだ若かったですけれども、二十年たちましたから。
 これについてどうしようもないなんて言うのはおかしいと思うのです。なぜかといいますと、政令さえ変えたらしまいなんです、これは。奄美群島の復帰に伴う厚生省関係法律の適用の経過措置に関する政令ですよ。これは厚生省令で変わる、閣議でひとつ相談していただければ。法律問題と違うのです。そうして、この方々は皆が皆というわけにいかないと思うのです。もうお亡くなりになった方や半身不随で動けない方、いろいろな人がいますからね。そこでもう一度試験をするとか、あるいはいろいろ検討もし、しかも奄美大島の医師会の皆さんも推薦しておる。私のところへは鹿児島県の県会議長の陳情も来ておるわけですよ。私は再検討してあげる必要があると思うのです。適格でない人は仕方がないと私は思うのです。あなたたちは一つも見なくて、それで一律に首切り、こういうことではどうもぐあいが悪いではないか。しかも、この方々がまた活用できれば、ああいった僻地の皆さんの健康を保持することができるのではないか、こういうようにも考えられるのです。
 だから、厚生大臣ひとつどうですか、もう一度再検討を。前の厚生大臣は検討すると約束されておるのです。あなたの方はもうだめだと言うのだったら、前の厚生大臣よりちょっと落ちる。落ちると言うとおかしいけれども、落ちないまでも向こうが進んでいる。実力があると思ってあなたに特にお願いをしておるのです。
#344
○田中国務大臣 医介輔制度というのは、本来医療制度においては決して望ましい制度ではございません。経過的な措置として、また一部の地方において、独特な事情によって認められているものでございます。この制度が二十八年にやられたその直後なら、私もいろいろとまた議論もあったかと思いますが、自来もう二十数年たっておる今日、これをさらに抱き起こすということについては、私は厚生大臣としていかがなものであろうかというふうに思いまして、これについてどうも前向きの答弁をする気には私としてはなりません。
#345
○岡本委員 そうしますと、前厚生大臣の、齋藤厚生大臣の言を取り消しますか。そういうことになっては私はまずいと思うのですが。
#346
○田中国務大臣 齋藤さんがやるというふうに申したわけではございません。検討をするというふうに申したというふうに聞いております。検討した結果、医務局でもいまさっき医務局長が答弁をしたような諸般の角度からの検討の結果、私がいま個人的には何か大変むごいように聞こえるようでございますが、そうした結論を私どもはただいま持っているということでございます。
#347
○岡本委員 これはいま、昭和五十一年に改めて言うておるものじゃないのです。いまになってと、こういうことをおっしゃいますけれども、ずっと経過を見ますと、昭和三十一年にも、四十八年、その間にもたびたびお願いもし、陳情も申し上げておることなんです。いまになってという言葉は当たらない。沖繩の医師介輔の皆さんはそうでない。同じように復帰後二年で首切られておるというのであればこれは納得できる。しかし、沖繩の方はそのままにして、いろいろと検討して、そして仕事は医療、これはお医者さんと同じようなことはできませんけれども、非常に制約された中でしか仕事ができませんけれども、やっておるわけですよ。それなのに奄美大島の皆さんはできない。私は、同じ日本国民だと思うのです。同じように占領されて、同じ苦しい目に遭った。そうしていまになってこういった差をつけられるということはまことにけしからぬと私は思うのです。厚生大臣はどうしても絶対できないという決意をしておるのか、それとももう一度再検討しようという決意をしておるのか、もう一度ひとつ。
#348
○田中国務大臣 私もこの前沖繩に行きまして、医介輔の仕事のやりぶりを見てまいりました。ここで奄美の方々、決していまにわかに言ったわけではないということは事実だろうと思います。しかし、今日時点を踏まえてみれば、この方々をさらに医介輔として抱き起こすということは適当でない。私が何か検討するというふうな話をしまするとますます事態は混乱をいたしますので、私としては正直に、はっきりこの際、これは考えておりませんと申し上げた方が、この種の人々の今後の生活にもかえって私としては安定度を増すものというふうに思いますので、さよう申し上げさせていただきます。
#349
○岡本委員 私はそれは余りにもひどいと思うのです。しかもその当時、これは占領というような非常ないろいろなことがあったわけですが、二年で首切ってしまったというようなことで、生活の問題も非常に困っておるわけです。そういう者に対してどういうような補償を考えていくか、そういった面でやはり検討も私は必要だと思うのです。全然だめだ、こういうように打ち切るということは、憲法に保障されているところの基本的人権から見ましても、やはりこの人たちの一つの権利といいますか、そういった問題を抹消してしまう、切り捨てごめんだというようなことでは、これは厚生省じゃないですよ。厚生省というのは人を救うところなんです。その人たちがたとえ少しでも、またこんなに医師の少ないとき、医者が足らぬというので一生懸命に学校をつくったりいろいろなことをやっておるわけでしょう、そういうようなときにおいて、これを活用すると言うたら悪いけれども、活用できれば、たとえ少しでもこの付近の人たちの健康の増進にもなるのではないか。こういう面をもう一度再検討をお願いしたい。これは田中厚生大臣が、私がおる間は絶対せぬというのだったらまた内閣がかわるまで待たなければ仕方がないかもわかりませんけれども、早く倒閣をしなければいかぬことになってくる。
#350
○田中国務大臣 私どもとしては、国民の福祉を考えることも厚生省の仕事でありますが、国民の健康、生命を守ることも厚生省の大事な仕事でございます。したがって、医療、医業に従事する者は、正規な医師の免許証を持った者が従事するのが最も望ましい姿でございます。かようなわけで、私はるる申し上げておるとおり、奄美について今日この方々を医介輔として抱き起こすつもりはございません。いろいろなその他のお話がございましたが、それらについてはまたいろいろと話し合いをしてみたいと思いますが、医介輔として医業に従事させることについては、私はただいまのところ考えておりません。
#351
○岡本委員 そうすると、そういった医師介輔が医療に従事するということは、もう国民の健康から見てよくないというようにとれるあなたの発言だ。それならば沖繩の人たちはどうするのですか。そういう医介輔というような、正規の免許も持っていないものは、これは国民の健康に思わしくないからそういうものに従事するのはおかしいと言うのであれば、それなら沖繩はどうなるのですか。
#352
○田中国務大臣 これは経過措置として今日やむを得ずとっている制度でありまして、決してこれが望ましい姿であったり、あるいは今後このようなものをさらに養成をするというつもりはないし、またそうすべきでないという意味で申し上げたわけでございます。誤解のないようにお願いをいたしたい。
#353
○岡本委員 最後に、そうしますと、沖繩がそうであれば、奄美もやはりもう一度ひとつ強く検討の要望を、いやだと言うてもしておきたい。私はそのままとは言わないのですよね。ただ一人一人検討をして、この人なら大丈夫、しかも従事する本島の範囲が知れているのですね。看護婦も足らぬ、あるいはいろいろなものが足らぬというときに、少しでも使えれば国の財産ではないか、こういうようにも考えられるわけですから、ひとつ最後にもう一度それだけを要求しておきまして、また次の機会にお願いをしたいと思っております。
#354
○熊谷委員長 次は、大橋敏雄君。
#355
○大橋(敏)委員 私で最後でございます。
 先日、二月の十三日、この委員会におきまして厚生大臣が所信表明をなさいました。これに対して若干質問をしたいと思います。
 今国会の国民の最大の関心は何かと言えば、今日はロッキードのいわゆる献金問題で、そちらの方に目は向いておりますけれども、本来ならば今国会で年金制度の大きな大改革がなされるであろう、これが多くの国民の期待であったと思うのであります。いまさら私がここで申し上げるまでもないのですけれども、三木総理も、また厚生大臣あなたも、そしてこの年金制度を審議している諸審議会それらも、いろいろと五十一年度に抜本的な改革がなされるであろうという示唆をしてきております。われわれ公明党も、昨年の十一月五日、ナショナルミニマムを保障する年金の確保を目指して国民基本年金法大綱というものを提言として発表いたしました。その私たちの発表のしばらく後で、厚生大臣も、昨年の十一月中旬だったと思いますけれども、基礎年金の構想を発表なさいましたですね。また一昨年、昨年から繰り返して社会保障制度審議会や国民年金審議会が、福祉年金については生活保障的な水準まで引き上げることの必要性と、そのための工夫をこらし云々ということを数回にわたって提言をいたしてきました。そして年金制度の将来構想の早急なる策定と具体化を政府に要望してきていたわけです。三木総理も、昨年一月の所信表明演説以来、繰り返して年金制度の根本的な見直しをして五十一年度から実施したい、こういうふうに言ってきておりました。
 ただいま申し上げましたことは、国民に対して五十一年度から、五十一年度こそは年金制度を根本的に見直します、抜本的な改善をいたします、このように約束をしたことであろう、あるいは予告をしたものだ、私はこう感ずるわけでございますが、もうすでに案としてまとまっております年金制度の中身を見てまいりますと、ずいぶんとこれまで言われてきたそうしたものとこの内容とは大きな開きがある、私はこう思うのであります。
 したがいまして、きょうはその法案自体の中身については、その法案が具体的に委員会にかかりましたときに徹底的に審議するといたしましても、言うならば公約違反的な法案がのうのうと出てきている今日、私は、ここで厚生大臣が国民に対してある種の陳謝らしきものがない限りは、この法案に素直に取り組めない気持ちでならないわけであります。こういう私の気持ちを察せられて勇気ある発言をお求めいたします。
#356
○田中国務大臣 年金制度につきましては、就任直後に、昭和五十三年に予定されている財政再計算時を二年繰り上げて昭和五十一年に実施をいたしたいというふうに御答弁を申し上げておったわけであります。その内容について当初私自身、財政方式まで手を触れた改善をできないものかどうかということを考えておったことは事実でございます。しかし、いろいろやってみますると、なかなかいろいろな方面についていろいろな御意見もあり、また、いろいろと関係するところも多いものでございますから、したがって、そうしたいわゆる年金の統合なりあるいは年金の財政方式そのものについて基本的に手を染めたといいますか、手を加えた改善というものは、残念ながら間に合いませんでございました。したがいまして、もしそういうふうな受け取られ方をしているとすれば、私は、大変恐縮に存じまして、申しわけないと思います、このことは率直に。
 なぜかなれば、私が当時思っていた措置ともいささかおくれているというのが実態でございますから、したがって、このことは私は隠し立てをいたしません。しかし、五十一年に財政再計算時を繰り上げてやるということまでほごにするということは、これは大変なことでございますので、事務当局を督励し、また社保審、国年審等のいろいろな御審議も踏まえまして、ただいま御審議を願っておる法案の形になったわけであります。
 しからば、この法案についての評価というものについて、いろいろあるだろうと思いますが、単なる従来の手法の手直し、標準年金額の引き上げ等に終わっているかというと、必ずしもそうではございません。従来のこの財政再計算時における改善と比較をいたしてみるとよくおわかりだと思いますが、いろいろのな点について、個々のアイテムではございますが、かなり思い切った手直しはしております。しかし、このことはさればと言って、年金の抜本的改正だと評価するのにはおこがましいというふうに、私は率直に申し上げた方がよかろうと思います。したがいまして、かなり苦心をした法案ではございますが、なお、抜本的改正と評価することは私としてもできません。したがって、その方は今後ひとつまた鋭意詰めて、できるだけ早く皆さんの御審議を仰ぎたいし、また、その過程において皆さんのいろいろな御意見も吸収をしていきたいというのが、私の率直な考え方でございます。
#357
○大橋(敏)委員 素直に、自分の気持ちどおりにこの法案ができなかった、抜本的な改革とはとても言えない、こうお認めになったので、私も、これについてはとやかくは言いませんが、国民の五十一年度年金制度改革に対する期待と関心は、大変なものでありました。そういう意味において今後真剣な取り組みをなさらないと、まじめなあなたのいままでの行政姿勢に対しても大変な不信感が出てくると思います。また、あなたの古傷にさわるわけではございませんが、ただ、自分の気持ちどおりにならなくて申しわけないというような簡単なものでないということのために、私は、もう一回、去年の二月に行いました予算委員会でのあなたの発言の一部分だけをここで取り上げておきます。「いま申すような月額二万円程度の福祉年金を給付するための財政的手法としては、いろいろのものが考えられて、今日私どものところでもいろいろと検討中でございます」このときには検討中だとおっしゃっていますね。ところが、その次に「総理もおっしゃいましたが、月額二万円程度の福祉年金を支給いたしたいということを申しておりましたものですから、これは公約でございますから、何としても財源を見つけてこれを実行いたさなければならないというかたい決意のもとに、あれやこれやの手法を駆使いたしまして、その実現をはかるべくいろいろと努力をいたして、検討をいたしております。」これは総理の公約だし、当然私だってその気持ちでがんばっていますよ、絶対に実現できるようにいたしましょうという内容になっていますね。また、その次に「二万円の方は、私は必ず実施をいたしたいというふうに思っております。」こういうふうにお約束をなさったわけでございますが、今度の予算措置の内容を見ますと、福祉年金は二万円どころか一万三千五百円でございます。先ほどおっしゃったように、三木総理も、そしてそれを受けて立つ厚生大臣も、抜本的な根本的な見直し、改革はやれなかったという、はっきり言えば公約を破った結果が出たということであります。これは先ほどお認めになりましたので、後の判断と処置は国民の方がいたすと思います。
 それから次に、具体的に申し上げますと、今回の法案では厚生年金で言えば標準報酬の上限の引き上げ、二十万から三十二万になっておるわけですが、それに加えて保険料を千分の十八も大幅に引き上げようとなさっておりますが、政府は国民に負担を求める前に、不合理な不公平な税制改正等を改めた後にこういう問題は手をつけるべきであるということも指摘しておきます。
 同時に、財政方式の問題についてでございますが、これもわれわれは賦課方式を導入してはどうかとかねてから主張してきましたし、指摘をしてきました。それに対して厚生大臣は、きわめて前向きの御答弁をなさっております。これは去年の四月十六日の当委員会での御答弁です。厚生大臣は「私ども、賦課方式という方式については否定をいたしておりません。今後の年金の財政方式としては大いに検討に値するというふうに申していますが、私の気持ちはもうちょっと強いので、検討どころか、今後はこれを導入するような方向で考えるべき方式だというふうに考えております。」これにもはっきり、今国会にかどうか知りませんけれども、財政方式はいわゆる賦課方式を導入するとおっしゃっているわけですね。
 時間がありませんから、ぼくの方から一方的に言っておきますが、今回の厚生年金法の改正案によりますと、平準保険料は幾らなのかということと、それに対する何%の修正で千分の九十四になったのか、これをお尋ねしたい。
#358
○田中国務大臣 最後の平準保険料の計算は、数字にわたりますから保険局長から答弁をしていただきます。
 いろいろ御意見がございました。私としては、年金の財政方式をこの際基本的に改めたいというふうに当時考えておりましたが、ただいまでもそのように思っておりまして努力をいたしております。こうした問題の一環として、実は福祉年金がらみの問題が出てきているわけでありまして、したがって、年金の財政方式の改定がおくれているために、また先生方からおしかりを受けるようないろいろな問題が出てきているのを私としては大変申しわけなく思っているわけであります。一般会計方式による福祉年金というものに限度があるということから、財政論議をめぐってあなたといろいろ論議をした最後のところの答弁に私の言葉が足りなかった、つまり、もし財政方式を改める場合には、というふうに用心深く言っておくべきところを、当然のことと思いまして、その点意見に巻き込まれまして議論をしてしまったのが、私、悔やまれてならないということでございます。
 次に、賦課方式の論議でございますが、これにつきましては、私は、いまでも賦課方式をどういう形かで取り上げていきたいと思っております。ただ、あの節にもいろいろ答弁しているように、賦課方式をいついかなる形で、どういうプロセスでどの部分に導入するかということについては問題であるということを言っておりましたが、いまでもその考え方は変わりがございません。したがいまして、いろいろ御批判があろうかと思いますが、昨年私が新聞等にコメントをいたしました基礎年金構想というものも、これは基礎部分については賦課方式を導入しているわけでありまして、賦課方式についての私の積極的な意図はこの辺でおくみ取り願いたい。私どもとしては、賦課方式についてあのように申しておっていまは一顧だにしないということでは決してございません。具体的に賦課方式を取り入れた私の構想を世に問うているわけでございますので、その辺について今後いろいろと御協力あるいは御意見を寄せていただきたいと思いますし、私も、あのような式がいいかどうかは別ですけれども、ともかくああいったような財政の基本的なあり方についての検討、やり直し、見直しを含めた年金制度の改善はぜひ速やかにこれを実現いたしたいものだと思って、あれこれせっかく努力中でございます。
#359
○曾根田政府委員 今回の改正に伴います平準保険料率は、数理計算の結果千分の百五十でございまして、実際に法律上予定しております保険料率は、男、女、坑内夫平均いたしますと千分の九十一でございますから、平準保険料率に対する割合は六〇・六%でございまして、この率は、四十八年改正時における率が六四%でございましたので、四十八年改正時よりは修正積み立ての度合い、賦課方式への傾斜の度合いをより強くしたということでございます。
#360
○大橋(敏)委員 それはそうはいかぬ。四十八年は平準保険料千分の百十三を、法案では千分の七十九となっておったのを修正されて、千分の七十六になったわけですね。それから見てまいりますと、三割弱程度の修正ですが、今回千分の九十四となさったのも、これはいわゆる賦課方式を導入していく云々と言われるほどの内容じゃないですね。ですから、結果的には厚生大臣がおっしゃっていたような財政方式が、まだまだお気持ちのような導入の方向にまで進んでいない何よりの証拠です。これはきょうは時間がありませんから、法案の審議のときにこの問題は徹底的に詰めます。
#361
○田中国務大臣 ただいまの法案につきましては、そのような財政方式の改善を予定した法案ではございません。
#362
○大橋(敏)委員 いまはそうだよ。だけれども、局長はその方向に近づけたと言ったからそう言ったんだ。
#363
○田中国務大臣 でありますから、現在修正率が高いものでございますから、したがって、そのような方向であるというふうに年金局長は申したのでありましょうが、結論的にはいまの修正積み立て方式を基盤にしたいわゆる平準保険料の考え方、それに対する修正率というものであるということでございます。
#364
○大橋(敏)委員 実は時間がないので次の問題に移ります。
 これも去年の二月に――厚生大臣いいですか。去年の二月の委員会で取り上げた社会的不公正是正という立場からの集中審議のときの質問で、夜間看護手当を例に引いて、看護婦さんに格差がつくではないか、たとえば夜間看護手当は千円から千四百円に四百円の引き上げをなされるけれども、国立関係の方々については予算措置ができる、しかし、自治体病院とか公的病院の方は、いまの赤字経営ではこれを補てんするだけの力はない、一体これについてどうしてくれるのか、こういう質問をしましたら、最終的にあなたがお答えになったのは、要するに診療報酬改定以外にない、だからそれまで、簡単に言えば、各病院で立てかえておいてくれ、それはちゃんと見るというような趣旨の答弁をなさっております。
 時間があればゆっくり読んでもいいのですけれども、そういうことなんですけれども、あれからもう一年たちました。まだ何の手当ても受けておりません。これについての手当て、財政措置は一体どうしてくれるのかということです。
#365
○田中国務大臣 あの節に申し上げましたのは、公的医療機関については予算措置ができるが、一般の私的な医療機関ではそういう措置ができない、したがって、普通の診療報酬によって当分やっていただきたい、しかし、この次の診療報酬改定のときには考えざるを得まいというふうな答弁をいたしたはずでございます。いま診療報酬改定については、中医協の審議があれやこれやでおくれておりますが、私どもとしては近く諮問をいたしたいというふうに思っております。実は数日前に諮問をするつもりでしたが、御案内の事情でおくれました。この諮問案の内容には、先生にいまお答えをしたような趣旨の改定を私どもとしては織り込みたいというふうに思って、案を持っておりますが、ただいま発表する段階ではございません。
#366
○大橋(敏)委員 最後に、では具体的にお尋ねしますが、特二類の基準看護は患者が二・五人に一人、そうですね。そうしてまいりますと、看護婦さん一人が一回夜間看護をしたと仮定しますと、昭和五十年四月から四百円の引き上げですので百六十円になりますね。それから五十一年度の引き上げを見ますと千四百円から千七百円の案になっております。ですから、これでいきますと百二十円になります。合計いたしますと特二類看護で二百八十円になりますね。この予算措置が必要なんですけれども、これに対していま厚生大臣は案を持っているとおっしゃったのでしょうかどうかということです。
#367
○田中国務大臣 そのような精細な計算の上に立つということを断言できませんが、とにかく看護婦の夜間勤務に対応した診療報酬の改定は考えておるということでございます。
#368
○大橋(敏)委員 精細な内容、確かに御承知でないでしょうけれども、現実問題として計算していけばそこに行くわけです。特二類あるいは一類あるいは一般の看護についても、夜間看護手当引き上げについてそういう計算をなされていくわけです。ですから、いま言ったように特二類の場合では二百八十円というものの計算が基準になっていくわけですから、それに対する予算措置が必要なんです。同時に、厚生大臣は、いずれは診療報酬改定で見るので、それまでは何とか各病院で立てかえてほしいという趣旨の発言があっておりますので、昭和五十年四月から今日までの分についても、これは遡及してくださるのかどうなのかという問題がかなり深刻な受けとめ方をされております。
#369
○田中国務大臣 私は、その間立てかえてくれということは申しておりません。その間は一般の診療報酬で何とか泳いでがまんをしていただきたい、次の診療報酬改定では何とかせねばなるまい、こういうふうに申し上げているつもりでございまして、これを遡及させるということは、診療報酬のたてまえ上私はできないものというふうに言わざるを得ないと思います。
#370
○大橋(敏)委員 そうではないですよ。これはあなたが答えた会議録ですよ。「敷衍いたすものと思いますが、これについては、とりあえず病院経営の中でやっていただきまして、後ほど診療報酬の改定で、これをリカバリーするという以外に方法はなかろうと思います。」こうおっしゃっています。それに対してさらに私が「国の医療費体系の中で、何とかしてここは切り抜けられるだけの助成措置をしていただきたい。いかがですか。」ということに対して、さらに「これのリカバリーについては、今後さらに金額が上がってくるに従って考えねばなりませんが、基本的に、この種の問題は診療報酬でカバーするのが通例でございますので、そういったような方向で解決をしたいというふうに思っております。」そこで私はさらに、じゃこの前段階の診療報酬改定になるまでに何とかしてくれないかという意味のことを言っておりましたら、「目下のところ、さようなことについての措置は考えておりません。」ということの後で、また、先ほど言ったような内容で答えていらっしゃるわけですよ。ですから、これはいま言うように、遡及しなくても先ほど言った計算の中身が補てんされるだけ、あなたがおっしゃるリカバリーされるだけの診療報酬の改定の内容になるように指導すべきだということをつけ加えておきます。
 それから、もう時間がありませんが、最後に一言。五十一年二月十二日の病院新聞に出ていたことですけれども、救急医療施設に対する補助金について、公的病院の場合はAが六百十万円、Bは二百七十万円、これに対して自治体病院の場合はAが四百六十万円、Bが二百万円と大変な格差をつけていらっしゃるわけですが、この前の御答弁のときに、公的病院と自治体病院の格差をなくするという約束をなさったはずでございます。このぐらいの金額をなぜ約束どおり是正できなかったのかという理由。
 もう一つ、一緒に聞きます。がん診療施設に対する助成措置について、公的病院には二百七十万円出すことになっておりますけれども、この種の診療は自治体には期待しないということなのか、もし自治体病院においてもがん等の特殊診療部門の診療を期待するとすれば、これに対する助成は当然考えるべきだ、また、この枠を拡大して不採算医療である小児センター、リハビリテーションセンター等の特殊医療等にも広げるべきである。ぜひこれは実現してもらいたい。この二つをつけ加えて最後の答弁をお願いいたします。
#371
○田中国務大臣 第一の問題につきましては、私は、診療報酬を改定するときでなければこの問題の解決はできないということを申し上げたわけでありまして、いま中医協に諮問する案については、そうしたことを踏まえてやっておりますが、しかし、夜間診療に関する診療報酬の引き上げということにくくられるだろうと思いますから、そうしたことについての精細な計算については、私はいま答弁を差し控えたいと思います。
 第二、第三の問題については、実は医務局所管でございまして、突然の御質問でございまして、医務局の者がおりませんので、的確な答弁ができないのですが、実は公私の病院について補助率が違っているということについての御指摘でなかったかと思いますが、四分の一ダウンしているということであったと思います。私も、それを受けましていろいろと苦心をいたしました。大蔵省は、親元があるとないのとは違うのだという議論をいろいろやっていますし、特別交付税でこれを見ているのだという議論もありました。予算要求を私は正直にやりました。しかし、そうしたような議論がございまして、予算査定の過程で残念ながら四分の四というわけにはいかなかったというのが現実の姿だろうと思います。
 その他の問題については、いま医務局がおりませんので、次の機会に答弁をさせていただきたいと思います。
#372
○大橋(敏)委員 じゃ、次の機会にこれを掘り下げて聞きます。
 終わります。
#373
○熊谷委員長 次回は、来る九日火曜日午前九時三十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時散会
ソース: 国立国会図書館
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