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1975/03/29 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 大蔵委員会 第4号
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1975/03/29 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第077回国会 大蔵委員会 第4号
昭和五十一年三月二十九日(月曜日)
    午前十一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 田中 六助君
   理事 塩川正十郎君 理事 村岡 兼造君
   理事 森  美秀君 理事 山下 元利君
   理事 山本 幸雄君 理事 佐藤 観樹君
   理事 山田 耻目君 理事 増本 一彦君
      大石 千八君    金子 一平君
      鴨田 宗一君    瓦   力君
      木野 晴夫君    小泉純一郎君
      齋藤 邦吉君    塩谷 一夫君
      野田  毅君    林  大幹君
      原田  憲君    坊  秀男君
      宮崎 茂一君    毛利 松平君
      保岡 興治君    山中 貞則君
      高沢 寅男君    広瀬 秀吉君
      松浦 利尚君    村山 喜一君
      山中 吾郎君    荒木  宏君
      小林 政子君    坂口  力君
      広沢 直樹君    竹本 孫一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  唐沢俊二郎君
        大蔵省主税局長 大倉 眞隆君
        大蔵省関税局長 後藤 達太君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月四日
 辞任         補欠選任
  横路 孝弘君     多賀谷真稔君
同日
 辞任         補欠選任
  多賀谷真稔君     横路 孝弘君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  大石 千八君     瀬戸山三男君
  瓦   力君     大野 市郎君
  毛利 松平君     谷垣 專一君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 市郎君     瓦   力君
  瀬戸山三男君     大石 千八君
  谷垣 專一君     毛利 松平君
    ―――――――――――――
三月二十五日
 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五六号)
同月四日
 揮発油税等の引上げ反対に関する請願(林義郎
 君紹介)(第七〇八号)
同月五日
 揮発油税等の引上げ反対に関する請願(渡海元
 三郎君紹介)(第九四四号)
 付加価値税創設反対に関する請願外二件(加藤
 清政君紹介)(第九四五号)
同月九日
 税制改正等に関する請願(荒木宏君紹介)(第
 一二五六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一二五七号)
 付加価値税新設反対に関する請願(中島武敏君
 紹介)(第一二五八号)
 同(東中光雄君紹介)(第一二五九号)
 税制改正に関する請願(青柳盛雄君紹介)(第
 一二六〇号)
 同(有島重武君紹介)(第一二六一号)
 同(金子満広君紹介)(第一二六二号)
 同(中島武敏君紹介)(第一二六三号)
 同(野間友一君紹介)(第一二六四号)
 同(松本善明君紹介)(第一二六五号)
 同(米原昶君紹介)(第一二六六号)
同月十一日
 税制改正に関する請願(中島武敏君紹介)(第
 一三三二号)
 同(米原昶君紹介)(第一三三三号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第一三八〇号)
 同(中島武敏君紹介)(第一三八一号)
 同(野間友一君紹介)(第一三八二号)
 同(広沢直樹君紹介)(第一三八三号)
 同外一件(瀬野栄次郎君紹介)(第一四四〇
 号)
 同(中島武敏君紹介)(第一四四一号)
 付加価値税新設反対に関する請願(広沢直樹君
 紹介)(第一三七九号)
 税制改正等に関する請願(野間友一君紹介)(
 第一四三八号)
 同(東中光雄君紹介)(第一四三九号)
同月十八日
 税制改正等に関する請願(野間友一君紹介)(
 第一五五六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一五五七号)
 税制改正に関する請願(大久保直彦君紹介)(
 第一五五八号)
 同(中島武敏君紹介)(第一五五九号)
 同(大久保直彦君紹介)(第一六一二号)
 同(大野潔君紹介)(第一六一三号)
 同(中島武敏君紹介)(第一六五一号)
 同(林百郎君紹介)(第一六五二号)
同月十九日
 税制改正に関する請願(林百郎君紹介)(第一
 七七〇号)
同月二十五日
 税制改正に関する請願(林百郎君紹介)(第一
 九二三号)
 同(林百郎君紹介)(第一九七二号)
 同(山田太郎君紹介)(第一九七三号)
 所得税の減税等に関する請願(内海清君紹介)
 (第一九二四号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第一九二五号)
 同(小宮武喜君紹介)(第一九二六号)
 同(佐々木良作君紹介)(第一九二七号)
 同(竹本孫一君紹介)(第一九二八号)
 同(和田耕作君紹介)(第一九二九号)
 同(渡辺武三君紹介)(第一九三〇号)
 同(折小野良一君紹介)(第一九七四号)
 同(河村勝君紹介)(第一九七五号)
 同(竹本孫一君紹介)(第一九七六号)
 同(塚本三郎君紹介)(第一九七七号)
 同(宮田早苗君紹介)(第一九七八号)
 同(渡辺武三君紹介)(第一九七九号)
 同(和田耕作君紹介)(第一九八〇号)
 税制改正等に関する請願外一件(近江巳記夫君
 紹介)(第一九七一号)
同月二十七日
 所得税の減税等に関する請願(池田禎治君紹
 介)(第二〇三四号)
 同(受田新吉君紹介)(第二〇三五号)
 同(内海清君紹介)(第二〇三六号)
 同(春日一幸君紹介)(第二〇三七号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第二〇三八号)
 同(竹本孫一君紹介)(第二〇三九号)
 同(宮田早苗君紹介)(第二〇四〇号)
 同(金子みつ君紹介)(第二一四三号)
 税制改正に関する請願(青柳盛雄君紹介)
(第二
 〇四一号)
 同(荒木宏君紹介)(第二〇四二号)
 同(諫山博君紹介)(第二〇四三号)
 同(石母田達君紹介)(第二〇四四号)
 同(梅田勝君紹介)(第二〇四五号)
 同(浦井洋君紹介)(第二〇四六号)
 同(金子満広君紹介)(第二〇四七号)
 同(神崎敏雄君紹介)(第二〇四八号)
 同(木下元二君紹介)(第二〇四九号)
 同(栗田翠君紹介)(第二〇五〇号)
 同(小林政子君紹介)(第二〇五一号)
 同(紺野与次郎君紹介)(第二〇五二号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第二〇五三号)
 同(庄司幸助君紹介)(第二〇五四号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第二〇五五号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二〇五六号)
 同(田代文久君紹介)(第二〇五七号)
 同(田中美智子君紹介)(第二〇五八号)
 同(多田光雄君紹介)(第二〇五九号)
 同(津金佑近君紹介)(第二〇六〇号)
 同(津川武一君紹介)(第二〇六一号)
 同(寺前巖君紹介)(第二〇六二号)
 同(土橋一吉君紹介)(第二〇六三号)
 同(中川利三郎君紹介)(第二〇六四号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二〇六五号)
 同(中島武敏君紹介)(第二〇六六号)
 同(野間友一君紹介)(第二〇六七号)
 同外一件(林百郎君紹介)(第二〇六八号)
 同(東中光雄君紹介)(第二〇六九号)
 同(平田藤吉君紹介)(第二〇七〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第二〇七一号)
 同(正森成二君紹介)(第二〇七二号)
 同(増本一彦君紹介)(第二〇七三号)
 同(松本善明君紹介)(第二〇七四号)
 同(三浦久君紹介)(第二〇七五号)
 同(三谷秀治君紹介)(第二〇七六号)
 同(村上弘君紹介)(第二〇七七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二〇七八号)
 同(米原昶君紹介)(第二〇七九号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第二一二〇号)
 付加価値税新設反対に関する請願(田代文久君
 紹介)(第二一一八号)
 同(三谷秀治君紹介)(第二一一九号)
 税制改正等に関する請願(荒木宏君紹介)(第
 二一二一号)
 同(諫山博君紹介)(第二一二二号)
 同(梅田勝君紹介)(第二一二三号)
 同(浦井洋君紹介)(第二一二四号)
 同(神崎敏雄君紹介)(第二一二五号)
 同(木下元二君紹介)(第二一二六号)
 同(栗田翠君紹介)(第二一二七号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第二一二八号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二一二九号)
 同(田代文久君紹介)(第二一三〇号)
 同(田中美智子君紹介)(第二一三一号)
 同(多田光雄君紹介)(第二一三二号)
 同(津川武一君紹介)(第二一三三号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一三四号)
 同(野間友一君紹介)(第二一三五号)
 同(林百郎君紹介)(第二一三六号)
 同(東中光雄君紹介)(第二一三七号)
 同(正森成二君紹介)(第二一三八号)
 同(三浦久君紹介)(第二一三九号)
 同(三谷秀治君紹介)(第二一四〇号)
 同(村上弘君紹介)(第二一四一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二一四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三四号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を求めます。大平大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○大平国務大臣 ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における内外の経済情勢の変化に対応するため、関税率等について所要の改正を行おうとするものでございます。
 以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、最近における銅市況の著しい低迷、国内産銅業界の深刻な状況等を考慮して、銅の無税点を引き上げることといたしております。
 第二に、関税負担の適正化及び通関手続の簡素化を図るため、製本機械、カフェイン等十品目について、関税率を引き下げることといたしております。なお、木炭につきましては、関税割り当て制度を廃止することといたしております。
 第三に、トウモロコシにつきまして、国産芋でん粉の需要を確保しつつでん粉の需給の安定を図るため、コーンスターチ製造用トウモロコシの一次税率を無税とするとともに、二次税率を引き上げることといたしております。
 第四に、昭和五十一年三月三十一日に適用期限の到来する八百六品目の暫定税率及び関税の減免還付制度について、その適用期限を一年間延長することといたしております。
 以上、関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○田中委員長 本案につきましては質疑及び討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#8
○田中委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時一分開議
#9
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を求めます。大平大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#10
○大平国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、最近における厳しい財政事情等に顧み、租税特別措置について、その全面的な見直しを行い企業関係税制を中心に大幅な整理合理化を推進するとともに、自動車関係諸税の税率を引き上げることとするほか、所要の措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 まず、租税特別措置について整理合理化を行うことといたしております。
 その第一は、既存の特別措置の廃止であります。
 すなわち、長期外貨建て債権等を有する場合の課税の特例制度、新技術企業化用機械設備等の特別償却制度等十一の制度を廃止することといたしております。
 第二は、税額控除制度及び所得控除制度の控除率の引き下げ等であります。
 すなわち、増加試験研究費の税額控除制度について、五〇%の割り増し控除率を廃止するとともに、二五%の控除率を二〇%に引き下げ、技術等海外取引に係る所得の特別控除制度について、控除率を工業所有権等に係るものにあっては七〇%から五五%に引き下げる等の縮減合理化を行うことといたしております。
 第三は、各種の特別償却制度の償却割合の引き下げ等であります。
 すなわち、特定設備等の特別償却制度について、償却割合が三分の一のものは四分の一に、四分の一のものは五分の一にそれぞれ引き下げ、特定備蓄施設等の割り増し償却制度について、倉庫等の割り増し率を五割から四割に引き下げる等の縮減合理化を行うことといたしております。
 第四は、各種の準備金制度の積立率の引き下げ等であります。
 すなわち、価格変動準備金について、積立率を通常のたな卸し資産にあっては三%から二・七%に引き下げ、公害防止準備金について、積立率を〇・三%から〇・一五%に引き下げる等の縮減合理化を行うことといたしております。
 第五は、登録免許税の減免措置の縮減合理化であります。
 すなわち、電源開発株式会社が受ける登記に対する登録免許税の免税措置を廃止して税率軽減措置とする等その縮減を行うとともに、適用期限のない措置について適用期限を設ける等の措置を講ずることといたしております。
 第六は、交際費課税の強化であります。
 すなわち、損金算入限度額の計算の基礎となる資本等の金額の一定割合を千分の一から千分の〇・五に引き下げるとともに、損金不算入割合を七五%から八〇%に引き上げることといたしております。
 なお、企業破産等に係る退職勤労者が弁済を受ける未払い賃金に対する課税の特例制度を創設し、特定市街化区域農地等の譲渡所得に係る税率を改め、さらに中小企業の貸倒引当金の特例制度等期限の到来する措置について、実情に応じその適用期限を延長する等、中小企業関係、農林漁業関係、土地住宅関係等の租税特別措置について、それぞれ所要の改正を行うことといたしております。
 次に、自動車関係諸税について、その税率の引き上げを行うことといたしております。
 すなわち、自動車に係る税負担の現状等に顧み、資源の節約、環境の保全、道路財源の充実等の観点から、二年間の暫定措置として、揮発油税について、その税率を一キロリットルにつき二万九千二百円を三万六千五百円に、地方道路税について、同じく五千三百円を六千六百円に、それぞれ二五%程度引き上げ、また、自動車重量税について、その税率を営業用自動車は一二・五%程度、自家用自動車は二五%程度、それぞれ引き上げることといたしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
#11
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#12
○田中委員長 この際、一言申し上げます。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、十分なる審議を尽くすことができませんので、以後委員会において、税制に関する十分な審議を行いたいと存じます。
 なお、今後法律案の審議は原則として十分審議を尽くし、万全を期したいと存じます。
    ―――――――――――――
#13
○田中委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。
#14
○野田(毅)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の意を表明するものであります。
 本法律案は、現行の租税特別措置について全面的な見直しを行い、企業関係税制を中心に大幅な整理合理化を推進するとともに、自動車関係諸税についてその税率の引き上げを行うことを主な内容とするものであります。
 まず租税特別措置の整理合理化の点であります。
 租税特別措置は、その役割りである政策目的の実現という面に着目した場合、そのすべてが不公正として非難さるべきものでないことは言うまでもありませんが、税負担の公平を犠牲にしているものであることも事実であります。この意味からして、個々の政策目的と税制の基本的原則との調和を図るという見地に立って、既得権化や慢性化の排除に努めるとともに、社会、経済情勢の推移に応じて随時弾力的な改廃を行う必要があるものであり、このことは当委員会においても従来からしばしば指摘されてきたところであります。特に、わが国の経済が高度成長から安定成長へ転換したこと、社会的不公正の是正が時代の強い要請であることからしましても、既存の特別措置について負担の公平の側面は従来以上に重視される必要があります。今回の本法律案による特別措置の整理合理化は、こうした観点に立って全面的な見直しを行った結果であり、まことに時宜を得た適切な措置であると考えます。またその内容も、廃止十一項目、縮減五十八項目に上っており、しかも企業関係については、現在ある九十八項目のうち五十九項目と六割にも達するものであり、政府がこの問題に真剣に取り組んだ態度に、深い敬意を表するものであります。
 次に、自動車関係諸税の税率の引き上げでありますが、この点につきましては、昭和五十年度に引き続き五十一年度におきましても、国、地方を通じて非常な財源難にあり、所得税の減税を見送らざるを得ないばかりか、多額の公債発行を余儀なくされるという厳しい財政事情を考えました場合、景気対策との整合性を保ちつつ、できる限り租税収入の確保を図るべきことは当然であり、現在の自動車関係諸税の負担水準から見て、この程度の引き上げはやむを得ないところと考えます。なお、揮発油税、地方道路税の税率改正については七月から実施することとし、また自動車重量税については営業用自動車の引き上げ幅を一般の二分の一程度にとどめるなどの措置が講ぜられていますが、これらはきわめてきめの細かい配慮と言えるものであります。
 そのほか、中小企業関係、農林漁業関係、土地住宅関係等につきまして軽減措置の適用を延長するなど実情に応じた所要の改正が行われることとなっていますことは、いずれも当を得た措置と認められます。
 最後に一言申し述べます。
 本法律案は、いわゆる日切れ法案として年度内成立がぜひとも必要とされるものでありますため、諸般の事情からその審議に十分な日時を費やし得なかったのでありますが、特に今回は、例年と異なり、本法律案が唯一の租税法案であることからしても、まことに遺憾とするところであります。その意味において、近い機会に税制についての掘り下げた審議が行われることを期待するものであります。
 以上申し述べました理由により、本法律案に賛成する態度を表明して私の討論を終わります。(拍手)
#15
○田中委員長 佐藤観樹君。
#16
○佐藤(観)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして反対の立場を明らかにいたしたいと思います。
 まず冒頭、今国会がロッキード汚職事件に端を発し、その後の三木内閣の真相究明に対する積極的な姿勢が見られないどころか、逆にアメリカ政府と捜査取り決めを結び、いわゆる政府高官名を国民の前に明らかにしない行動をとっているのであります。そのため国会が空転し、国民生活に大変関連の深い当大蔵委員会の実質審議ができない状態になっていることをまことに遺憾に存ずる次第でございます。政府は速やかに国会正常化の政治情勢をつくるよう事態打開のためにすべての政治姿勢を明らかにすべきであります。
 さて、政府は、今回の改正において税制の公平化をうたいながら、その改正内容は全くそのうたい文句に反しておると言わざるを得ない実態であります。
 まず第一に、今回の改正において所得税減税が見送られたことに強い不満と疑問を感ずるのであります。
 政府は、財政事情窮迫のため減税の余地はないとして所得税減税をしないこととしておりますが、このことは国民にとってはなはだ疑問を感ぜざるを得ないところであります。現在のインフレと不況の進行下において減税がないということは、実質的には増税を意味するのであります。ちなみに試算いたしますと、夫婦と子供二人の標準世帯におきまして、昨年並みの一三%の賃金アップがあれば、年収二百万円のサラリーマンの課税額は住民税を含めまして、二万一千四百七十円から四万二千七百円へと実に倍増するという恐るべき増税となるのであります。加うるに、インフレは物価上昇を通じて実質所得を減少させますので、庶民大衆にとりましては二重に収奪される結果となります。春闘の世論調査や新聞の投書欄でも、減税を求める声は非常に強いものがありますし、財界ですら不況脱出のために実質所得をふやす減税を主張しているのであります。国民大衆にとりましては、財政事情の窮迫も不況もインフレも、自分たちの招いたものではありません。これはひとえに政府与党の政策の失敗によるものであります。その失策の結果のしわ寄せをすべて零細庶民にかぶせようとするのが今回の税制改正の基本的な態度であると断ぜざるを得ないのであります。このことは、十分理由のある物価調整減税をさえ財政事情の困難を理由に見送った政府が、一方においては、企業のもうけ過ぎに対する会社臨時特別税を廃止して、四十九年度実績で千八百億円余りもある財源を無視しようとしていることを考えるとき一層はっきりしてくるのであります。大企業には減税、庶民には増税というのが政府の政策と言わざるを得ません。
 政府は、また、不況対策を唱えて景気の振興に努めておる旨申しておりますが、この面においても減税による景気刺激効果を不当に過小評価して、しゃにむに減税を避けようとしております。政府の理由とするところは、減税を実施しても貯蓄に回ってしまって消費には回らないから、減税は景気対策にならないということにあります。しかし、これは非常に国民を侮辱した言い方であります。だれが好きこのんで消費を控えましょうか。皆これは政府の招いた不況によるショックから、やむを得ずとっているのであります。好況時には消費は十分になされたのであります。また、社会福祉の不十分さに備えて貯蓄に向かわざるを得ないのであります。さらには、住宅対策の貧困さから、将来の住宅の確保に、高騰した地価を横目ににらみながら、絶望的になる心を励ましながら貯蓄に励んでいるのであります。もし住宅に不安がなく、福祉制度が充実しており、景気の将来に不安がないとすれば、だれが好きこのんで消費を控え、貯蓄に走りましょうか。現にアメリカは一九七五年に二百二十八億ドル、西ドイツは百三十七億マルクの大幅減税を行い、この個人消費の回復によって不況を脱出したのであります。このように見てまいりますと、政府は、みずからまいた種を国民に刈り取らせようとしていると断ぜざるを得ません。
 このように、いかなる点から見ましても、所得税減税は見送られるべきでないのであって、所得税減税の見送りを前提としてなされた今回の税制改正の基本的態度に反対するものであります。
 第二に、まだまだ課税負担の公平が図られていない、つまり、特別措置の改廃が不徹底という点から今回の税制改正に反対するものであります。
 政府は、今回の租税特別措置法の一部改正は、課税負担の公平の実現のために、企業税制を中心に全面的に見直したとしておりますが、その実態は一層の不公平の激化と言って過言でないのであります。先ほども述べましたように、減税すべき庶民からは実質的に増徴し、もうけ過ぎ企業に対しては会社臨時特別税を廃止し、それにかえて、初年度百五十億円、平年度においてさえ一千百五十億円の増収にすぎない程度の改正をしているものであり、この面における差し引き勘定でさえ、すでに七百億円近い企業に対する減税になっているのであります。政府は、会社臨時特別税は臨時のものであり、期限が到来すれば当然に廃止すべきであるとしておりますが、国民大衆に対する恒常化しました減税は中止されなければならないといった現状において、果たしてもうけ過ぎ企業に対しまして臨時に特別税を徴収することが許されないものでしょうか。もし臨時ということならば、法人税法本法に累進税率を導入するなどの、より根本的な税負担の公平を図るべきであり、租税特別措置も期限が到来しているものは幾らでもあるのですから、もっと徹底して廃止することこそ政府のとるべき態度であります。
 また、所得税面におきましても、利子所得の分離課税制度は依然として放置されたままであります。現在のように、インフレと不況により富の偏在が顕著になってきているときには、この利子所得の分離課税制度は一層貧富の格差を拡大するものであります。そのほかにも、配当控除制度による課税最低限における配当所得者のはなはだしい有利さ、株式の売買利益に対する非課税など、所得税法それ自体における課税負担の不公平が是正されずにいることを考えますと、政府の言う税負担の不公平の是正はまことに空虚なものと言わざるを得ません。
 さらに、個人の土地譲渡所得課税も長期譲渡所得に対して一段と強化を図るべきですし、法人の支払い配当軽課制度は、当初の目的である法人の自己資本の充実に何ら貢献していない実態から、全廃すべきであります。交際費課税の強化も若干は図られたもののまだ不十分ですし、各種の準備金の廃止も一まだ不徹底であります。
 また自動車関係諸税の引き上げを見ましても、いまや生活必需品化したマイカーに対し増税を厳しくし、運輸業者の大型トラック等に緩くしようとしており、ここでも不公平な改正が行われております。
 以上のように、今回の租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては反対するものであります。
 わが党といたしましては、以上のような税負担の不公平を是正すべく、一兆円減税等を盛り込んだ昭和五十一年分の所得税の臨時特例に関する法律案、そしてその財源となるべき土地増価税の創設、長年われわれが主張してきました通勤費、夜勤手当の非課税、労働組合費控除の創設、退職金の退職所得控除額の大幅引き上げ等を含んだ所得税法の一部改正、有価証券の取引に対する数々の優遇措置を縮小した有価証券取引税の一部改正、大企業に対して負担能力に応じた課税を行うための超過累進税率の採用や受取配当の益金不算入制度の廃止、法人の貸倒引当金の繰入限度の縮小などを盛り込んだ法人税法の一部改正、そして最後に、租税特別措置法について政府改正案の不徹底な部分をさらに改正するため、利子配当課税、個人の土地譲渡所得課税、法人の支払い配当軽課制度、交際費課税、各種の準備金制度等にも鋭く改廃のメスを入れ、課税の負担の公平化を目指し、あわせて会社臨時特別税法の二年間の延長により、もうけ過ぎの大企業に対しても適切な課税を求める法案を用意しております。
 しかし、冒頭述べましたように、現在の政治情勢は、このような重要問題を長期展望に立って静かに論議するような環境になっておりませんので、国会正常化の暁に改めて提案することを申し述べておきます。
 以上をもって政府提案の租税特別措置法の一部改正案に反対の討論を終わります。(拍手)
#17
○田中委員長 増本一彦君。
#18
○増本委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題になりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、反対の立場を表明して討論をいたします。
 まず、今日異常な事態のもとで異常な審議をするようになったことは、挙げて、国民の政府高官名を含む一切の資料の公表を求める世論に挑戦をし、ロッキード問題に関する国会決議をじゅうりんする政府の責任であります。わが党は、この政府の重大な責任を厳しく糾弾するものであります。
 さて、本改正案について論及をいたします。
 まず第一に、未曽有の不況、インフレと財政危機をもたらした高度経済成長政策の主要な柱が、大企業、高額所得者に対する数多くの特権的減免税であったことを指摘しなければなりません。貸倒引当金、退職給与引当金を初め数々の引当金、準備金や特別償却、割り増し償却、利子配当の分離課税など、諸国にその例を見ない大企業、高額所得者に対する税制上の優遇措置こそ、金融財政上の諸措置とともに、自民党政府の国民犠牲、大企業本位の高度成長政策の仕組みそのものであります。
 減価償却を例にとってみましても、全製造業でアメリカの一・五倍、イギリスの二倍という異常に高い償却率が西欧諸国よりはるかに速い速度で設備投資を進め、他方、資本金百億円以上の大企業の方が資本金一億円以下の中小企業より実際の税負担率が低いという逆累進の不公正税制をもたらしているのであります。
 わが党は、かねてからこのことを強く指摘し、大企業、高額所得者に対する特権的減免税の改廃と不公正税制の是正を要求してまいりました。
 本年一月、総理府発行に係る「世論調査」で紹介された国民の税制意識調査を見ましても、現行の税制が公正であると答えたものはわずか四%にすぎず、逆に不公正であるとするものが五五%と過半数を超えておりますが、いまや大企業に対する特権的減免税の改廃、不公正税制の是正は国民の声であります。
 しかるに、自民党政府は、従来からこの国民の声を無視し、見直しと称しつつ、この不当な特権的減免税を延長し、拡充してきたのであります。
 第二に、政府の本改正案は、この従来の反国民的態度を継承するものであります。
 すなわち、一つに、大企業優遇措置を拡大延長している点であります。特に、特定機械の初年度四分の一の特別償却の対象に、将来の技術水準の高度化を図るものとして、高精度の工作機械を加えたほか、海外投資等損失準備金に経済協力推進のための特定大型プロジェクトを加えているのであります。政府は、来年度税制改正を増税も減税もしない景気中立型を志向するように装いながら、不当にも勤労者の所得税減税を見送りながら、海外投資と輸出拡大という大企業中心の景気対策を金融政策のみならず税制にも導入して、大型プロジェクトによる海外進出を保護するなどの理由は全く存在しないと言わなくてはなりません。
 二つ目に、大企業、高額所得者の優遇措置の手直しが見せかけにすぎない点であります。政府すら、公害防止のための支出と結びつかず利益留保的な準備金と認めている公害防止準備金は、単なる積立率の若干の引き下げに終わり、財界の主張に屈したものと評さなくてはなりません。増加試験研究費の税額控除も、試験研究費を全額損金算入した上で、なお税額控除を認めるものであって、控除率を引き下げての延長も絶対に認めるわけにはまいりません。電力会社の渇水準備金、保険会社の異常危険準備金、大商社等の違約損失補償準備金や電算機買い戻し準備金などには全く手をつけずに、その他の準備金、特別償却、割り増し償却などの若干の手直しも、優遇措置の改廃と言うには全くほど遠いものであります。
 第三に、今回の政府案の目玉商品とも言うべき交際費課税の特例についてもまだまだ不十分であると言わなくてはなりません。損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額には資本積立金も加わっているのでありますから、不算入割合を七五%から八〇%に引き上げてもなお、株式の時価発行を行って多額のプレミアムを獲得してきた大企業に有利なことは言うまでもありません。これは、わが党の主張するように百分の百に改めるべきであります。
 第四に、自動車関係諸税の税率引き上げも、排ガス規制の強化やメーカーの責任追及は全く放置したままで、大衆課税の強化の方向を一層図ろうとするものであります。また、本法の税率をそのままにして、暫定税率のみを安易にいじくるのみであって、末端消費者への転嫁を認め、何の物価対策もないことも政府の重大な怠慢であります。自動車重量税を依然として目的財源として、高速道路、産業道路財源として国民に負担の強化を求めることも、国民生活基盤整備の非常な立ちおくれの現状から見て、きわめて重大な問題であります。
 なお、中小企業、漁業、勤労者に関連する一定の改良措置がとられていますが、これはすべて当然のことであります。
 以上のとおり、政府案は、国民が要求する大企業、高額所得者に対する特権的減免税の廃止とは大きな隔たりのあるものと言わなくてはなりません。
 今日の財政危機打開の道は、わが党が主張しますように、貸倒引当金、退職給与引当金など、法人税法所定の引当金を実態に合わせて圧縮するほか、配当の軽課や受取配当益金不算入をやめるとともに、世界でも例を見ない大企業向けの各種準備金、特別償却、割り増し償却、税額控除などの諸措置を改廃し、大資産家向けの利子、配当所得の分離課税をやめて総合課税にし、給与所得控除の青天井もやめること、さらに大企業の内部留保などに対する臨時非課税積立金増加税の創設等、所要の措置を講ずる以外にありません。
 今日の財政危機を国民の犠牲によって切り抜け、一層不公正を拡大しようとする政府案には反対の態度を明らかにして、討論を終わります。(拍手)
#19
○田中委員長 広沢直樹君。
#20
○広沢委員 私は公明党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、若干の意見を申し述べつつ、反対の討論を行うものであります。
 まず、わが国の歳入不足の現状は、政府が五十
 一年度予算案で赤字国債三兆七千五百億円を含み、七兆二千七百五十億円の国債発行を予定していることや、大蔵省が発表した財政収支試算によると、このままの状態で進行するならば、五十五年度まで赤字国債の発行が避け得られないことなどに明らかなように、きわめて深刻かつ巨額なものであります。
 このような深刻な事態に直面して、当委員会が歳入の確保、社会的公正を図るための不公平税制の是正、景気対策と税制改正の関連など、税制度の抜本的な改革のために、本法案のみならず、本法の所得税、法人税につきましてもあわせて慎重にして十分な審議を行うことは、国民に対する責務であったはずであります。わが党は、本法案の慎重審議はもとより、税制改正案の提案を意図し検討していたところであります。
 しかるに、本法案に対する審議が今日まで大幅におくれ、年度末ぎりぎりの異常な状態に至ったことは、はなはだ遺憾であります。本法案が十分に審議できない状態に至らしめた最大の原因は、言うまでもなく、わが国の民主政治の根幹に触れるロッキード事件に対処する三木内閣の後ろ向きの姿勢によるものであり、挙げて政府の重大責任と言わざるを得ないのであります。
 しかしながら、わが党は、今日の経済危機下において、本法案が期限切れとなって生ずる混乱、さらに中小企業、農林漁業関係の特例処置が見送られ、最も緊要な中小企業、農林漁業対策上好ましからざる影響を与えるばかりでなく、本法案改正の趣旨である企業優遇税制の改正が、逆に企業の利得を促進し、不公平の上にさらに不公平を拡大する結果を招きかねないなど、多くのひずみを生ずるおそれがあることを勘案し、後日、税制全般について十分日程をとって徹底審議を行い、今後の税制改正に反映させることが当委員会において確認されましたので、あえてここに討論のみを行うものであります。
 本法案の内容につきましては、大蔵大臣が財政演説でみずから述べておられる高い評価とは全く逆で、きわめて糊塗的なものであります。
 すなわち、政府は、今日の財政、経済情勢に対処して、税制の根本的洗い直しを公約したにもかかわらず、その改正項目の対象としたものは百九十六項目のうち、廃止及び縮小を含めてわずか六十九項目であり、また租税特別措置全体の減収額に比べると、五十一年度分改正の税収額は、初年度百五十億円にすぎないことから見ましても明らかであります。
 したがって、政府が当面する財政事情と今後の状況を勘案するならば、かねてよりわが党が主張し続けてきました交際費課税の強化、大企業を優遇する各種準備金制度や税額控除、特別償却制度などについては徹底的な洗い直しをすることを初め、今回の対象にならなかった所得税の利子、配当所得者に対する課税の特例を廃止し、総合課税とすることが緊要であったはずであります。にもかかわらず、こういった措置がほんの一部の改正、手直し程度にすぎず、とうてい容認できないわけであります。
 加えて、会社臨時特別税の廃止は、その立法の趣旨、課税状況、税収額等から見ましても、大銀行など大企業に対する実質的減税措置であると言わざるを得ません。
 また、法人税本法の中の金融機関に対する貸倒引当金など、各種引当金、配当軽課、法人の受取配当の益金不算入制度なども、その実態が大企業優遇となっていることは明らかな事実であり、当然廃止及び縮小の方向で見直す必要があるにもかかわらず、政府は、法人税本法の問題であるからと、その是正を回避し、全く手をつけようとしないで、従来の高度経済体制の大企業擁護をそのまま温存するものであり、きわめて遺憾であります。
 さらに政府は、自動車関係税の税率引き上げを初め、五十一年度税制改正においては、不況、物価高のもとで苦悩にあえぐ国民生活の実情や、景気対策から考えて一石二鳥とも言うべき最も効果的な所得税の減税を見送り実質的増税を図るなど、大衆課税の強化を図っております。
 これら政府の税制改正に対する姿勢は、一貫して大企業や金持ちを優遇する不公平税制には根本的なメスを入れず、逆に所得税減税の見送りなど大衆課税を強化し、社会的不公正を拡大するばかりか、直面する深刻な歳入不足に対しても政策や手段を何一つ明示していないものと言わなければなりません。
 このような租税特別措置法の一部を改正する法律案は断じて容認するわけにはいかないのであります。このことは後日質疑を通して明らかにすることとし、以上をもって私の反対討論を終了いたします。(拍手)
#21
○田中委員長 竹本孫一君。
#22
○竹本委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま提案されております租税特別措置法の一部改正法律案に次の三点から反対の討論をいたします。
 第一は、租税民主主義の貫徹に関する問題であります。
 イギリスにおいては、代表がなければ租税なしということわざがあるそうでございますけれども、言うまでもありませんが、租税負担を国民の了解を得てやるということが議会政治の起こりであります。そういう意味において予算や税法の審議というものは民主主義の議会のもとにおいては最重要の課題である、かように考えております。しかるに今度の国会におきましては、予算は暫定予算、そしてまた法案については日切れ法案の名のもとにほとんど審議を行わないで討論、採決ということになりまして、まことにこれは遺憾のきわみでありまして、強くその点を指摘しておきたいと思います。
 民社党は、ロッキード問題につきましても、すでに御承知のようにロッキード問題はロッキード問題として、そしてまた予算は予算として並行的に審議すべきものであるという立場をとっております。もちろんロッキード問題を予算審議の名に隠れてごまかすことは許されませんので、特別委員会にかける前に政府が具体的に誠意のある対応を示さなければならぬということが条件になっておりました。この点について政府の対応が非常に不徹底でありましたために、ついに今日までのような大きな矛盾を生んでしまったわけであります。その点は非常に遺憾でございまして、他の同僚の諸君から御指摘のありましたとおりであります。
 しかし、いずれにいたしましても、この税法の審議という議会あるいは議会人に課せられた最重要の課題が全然審議抜きの採決あるいは処理ということは異例中の異例でございまして、後でまた十分審議するというお約束も委員長からいただいておりますけれども、それにいたしましても今回の事態は余りにも異例である。全くこれは租税特別措置法の特別措置であって、特別審議はないと言わなければならない、非常に残念に思う点であります。
 第二は、租税特別措置の項目を、非常に数は相当大きく整理をされる、百九十六項目の中で六十九項目の整理をする、法人税に関しましては九十八のうち五十九項目を整理して六〇%以上の問題に取り組んだということでございますけれども、確かにこの点は当局の御努力を一応評価しなければならぬと思っております。
 しかしながら、同時に考えてみれば、それほど二百に及ぶこうした特別措置の項目があるということ自体に問題があろうと思うのであります。一つは項目が多過ぎる、きめが細か過ぎるという点であります。一つは特別措置を認めたものは廃止すべき段階が来ても既得権化してそれが残されておるということであります。もう一つは、先ほど来御指摘のありますように、この特別措置が大資本その他富裕階級に非常に有利になっておって、それがために社会的な不公正というものはむしろ拡大されておるという点でございまして、この点は改めて特別措置あるいは税制全体を論議する場合においては十分検討を加えなければならぬと思っております。
 第三番目は、産業政策、経済政策との関連において一体租税の任務というものはどんなものであるかということについての反省が必要ではないかと思うのであります。
 今日、景気が正月以来、一般に言われているように少し上向きになってまいりまして、底離れがやや認められるに至ったことは御同慶でありますが、しかし、今度の自動車課税の問題でございますけれども、先ほどの大臣の説明を聞いておると自動車に係る税負担の現状にかんがみと言われるので、軽くするというのかと思ったら重くするということでありまして、これははなはだ遺憾であります。
 と申しますのは、第一は先ほど来御指摘のありましたような大衆課税、大衆負担ということであります。自動車の税金が多過ぎて、大体五年たてば新しく税金だけで一台買えるというようなこともよく指摘されておりますし、特に今日は通勤の場合にマイカーは一つの必需品になっておりまして、課税最低限以下の所得の人でさえもマイカーを持っておる。それには今度は税金が引き上げられる。こういうような大衆課税の矛盾というものが大きくなる点を非常に憂慮するものであります。
 この大衆課税の問題のほかに、もう一つ重要な点は産業経済政策の立場からであります。と申しますのは、この景気の回復を何が支えておるかと言えば、いわゆる個人消費もまだ非常に微力でございまして、一番大きな力は御承知のように輸出であります。輸出は何か。アメリカに対する輸出がいまは中心になっておるでしょうが、その輸出のまた中心は何かと言えば、大体御承知のように鉄鋼の百億ドルと自動車の輸出六十億ドルが中心の担い手であります。アメリカの景気、アメリカの景気といいますけれども、アメリカにおきましても今回は、従来は大体個人の消費とそれから住宅投資ということで景気を盛り上げておるのでございますけれども、今日の状況ではアメリカも住宅投資は全然進んでおりません。年率二百三十万戸ぐらいのものがいまは百二十二万戸ぐらいで、大体半分になっておる。そういうことで、これは住宅投資ということでないものだから、主として個人消費に期待をしなければならぬということになりますが、その個人消費の面でアメリカの輸入の実態を少し考えてみなければならぬのではないか。
 と申しますのは、日本の経済政策あるいは財政政策、租税政策には基本的な重点戦略というものが余りないのではないかということを心配するから指摘するわけでございますが、アメリカは輸入がことしは大体一二%ぐらいふえるであろうと言われておる。ところが日本のアメリカに対する輸出はことしは大体一〇%であろうというのが常識であります。いま政府は幾らに見ておられるかまた改めて論議をしますけれども、大体一〇%である。アメリカが一二%輸入をふやすのに、日本の輸出が一〇%しか伸びないというのはどういうわけだ。これは御承知のように繊維産業その他の部門において東南アジアの進出が非常に厳しくて、たとえば衣類で見ますと数年の間に五九%まで東南アジアのシェアがふえてまいりまして、ラジオにおきましてもこの間までは三四%のものが最近は四三%になっておる。テレビは、この間まで一七%のシェアしか持つことのできなかった香港、台湾あるいは韓国、そういうところがいま五二%占めておる。すなわち、もう半分あるいは半分以上というものをそういう産業部門において、言葉をかえて言えば従来日本が強みとしておったチープレーバーを中心とする部面においては、みんなこうした香港や台湾や韓国に追い上げられておる、日本のシェアがぐっと減っているのです。だから日本の輸出が、一般に一二%ふえるはずなのに一〇%しかふえない、こういうことになっておりますので、日本の将来の世界市場に臨む経済戦略ということから考えれば、日本はこれから何を中心に置いて、どこに重点を置いて世界市場に乗り出していくかということについての基本戦略がなければならぬ。それは私が先ほど申しました鉄鋼と自動車が中心である。その自動車に今日税金をさらにふやして、一体自動車産業にいかなる役割りを持たせようとするのか、その点が非常に疑問でございまして、私は、ただ税は取ればよろしいというのは大蔵当局の狭い考え方であって、税をかける場合にも常に世界市場を見渡しての大きな基本戦略、経済政策と産業政策が貫かれていなければならぬと思いますけれども、そういう点においてわが国の税制には遺憾な点が非常に多い。この点も指摘してまいりたいと思います。
 以上、三点の理由によりまして、遺憾ながら特別措置法の改正案には反対である。討論を終わります。(拍手)
#23
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#24
○田中委員長 これより採決に入ります。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#27
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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