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1947/09/23 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第17号
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1947/09/23 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 農林委員会 第17号

#1
第001回国会 農林委員会 第17号
  付託事件
○農地調整法の改正に關する陳情(第
 一號)
○物價是正及び肥料、作業衣、ゴム底
 足袋配給に關する陳情(第十號)
○農業保險法の改正に關する陳情(第
 十三號)
○農業復興運動に關する陳情(第十四
 號)
○水利組合費賦課に關する陳情(第二
 十二號)
○食料品配給公團法案(内閣送付)
○油糧配給公團法案(内閣送付)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第四十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第五十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第六十一號)
○薪炭生産のあい路打開に關する陳情
 (第六十二號)
○茶業振興に關する陳情(第六十三
 號)
○農業用電力料金の引下げ及び換地處
 分徑費の全額國庫助成等に關する陳
 情(第六十七號)
○東北及び新潟地方の特殊事情に立脚
 せる食糧供出對策改善に關する陳情
 (第六十八號)
○農林省所管の治山治水事業の一部移
 管反對する陳情(第七十號)
○農地委員會の徑費を全額國庫負擔と
 することに關する陳情(第七十三
 號)
○林道飯田、赤石線開設に關する請願
 (第十七號)
○主食需給計畫の根本的改革に關する
 陳情(第七十四號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第七十七號)
○農業會の農業技術者給與を國庫負擔
 とすることに關する陳情(第八十
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第八十四號)
○愛知縣豐川沿岸農業水利事業經費を
 國庫負擔とすることに關する陳情
 (第八十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第九十一號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百九號)
○蠶繭の増産に關する陳情(第百十五
 號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百十九號)
○飼料配給公團法案(内閣送付)
○農業協同組合法案(内閣送付)
○農業協同組合法の制定に伴う農業團
 體の整備等に關する法律案(内閣送
 付)
○函館營林局の管轄區域變更に關する
 請願(第五十四號)
○藥用人參試驗場に關する陳情(第六
 十六號)
○米價改訂に關する陳情(第百二十八
 號)
○民有林野制度の確立に關する陳情
 (第百三十號)
○養蠶協同組合法の制定に關する陳情
 (第百三十一號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百三十三號)
○開拓者資金融通に關する陳情(第百
 三十八號)
○米穀供出に對する報奬制度の廢止竝
 びに肥料の配給に關する陳情(第百
 四十九號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百五十號)
○遅配主食の價格に關する陳情(第百
 五十二號)
○岩手縣下の三農業用水改良事業を國
 營とすることに關する請願(第八十
 八號)
○福島縣安達郡大山村内の開墾事業を
 中止することに關する請願(第九十
 五號)
○北海道てん菜糖業の保護政策確立に
 關する請願(第百二號)
○薪炭の價格に關する陳情(第百六十
 二號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百六十三號)
○食料品配給公團法に關する陳情(第
 百七十六號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第百八十七號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百八十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第百九十二號)
○市營競馬の施行に關する陳情(第二
 百二號)
○北海道開拓事業に關する陳情(第二
 百七號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百九號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百十三號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十號)
○未墾地の開拓事業に關する陳情(第
 二百二十二號)
○群馬縣古馬牧村外三ヶ村のかん漑用
 水路に關する請願(第百二十一號)
○蒜山演習地の返還竝びに開拓計畫變
 更に關する請願(第百三十五號)
○食糧配給確保に關する陳情(第二百
 二十六號)
○林業振興對策に關する陳情(第二百
 二十七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百二十八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百三十一號)
○水利組合法の改正及び水利事業費國
 庫補助に關する陳情(第二百三十二
 號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百三十五
 號)
○米麥需給計畫の根本方針に關する陳
 情(第二百三十六號)
○農業保險法制定に關する陳情(第二
 百四十四號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百四十五號)
○岩手山ろく國營開發事業に關する陳
 情(第二百四十八號)
○薪炭需給調節特別會計法を改正する
 法律案(内閣送付)
○未利用地耕作利用臨時措置法案(内
 閣送付)
○青果物の統制撤廢に關する請願(第
 百七十六號)
○開拓對策に關する請願(第百七十七
 號)
○雇軍馬補充部十勝支部用地内山林拂
 下げに關する請願(第百八十三號)
○十勝種馬育成所用地開放に關する請
 願(第百八十五號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百六十二號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百六十七
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第二百六十八號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百七十一
 號)
○自作農創設特別措置法及び同法附属
 法規の一部を改正することに關する
 陳情(第二百八十號)
○勤勞大衆の食糧危機突破對策に關す
 る陳情(第二百八十二號)
○日本競馬會に關する陳情(第二百八
 十三號)
○農村指導農場開設に關する陳情(第
 二百九十四號)
○昭和二十二年度産米價格竝びに供出
 に關する陳情(第二百九十五號)
○農作物の「榮養週期栽培法」の普及
 實施に關する陳情(第二百九十九
 號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百號)
○農地開發營團の行う農地開發事業を
 政府において引き繼いだ場合の措置
 に關する法律案(内閣提出)
○臨時農業生産調整法案(内閣送付)
○重要肥料統制法等を廢止する法律案
 (内閣送付)
○小阪部川貯水池改良事業を國營とす
 ることに關する請願(第二百七號)
○旭川合同用水工事促進等に關する請
 願(第二百九號)
○農地改革促進に關する請願(第二百
 十三號)
○東京都内の食糧配給に關する陳情
 (第三百七號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十三號)
○種卵及びひなの價格撤廢竝びに養鷄
 用飼料増配に關する陳情(第三百十
 八號)
○農業會の農業技術者給與國庫補助に
 關する陳情(第三百十九號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月二十三日(火曜日)
   午前十時三十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○農業協同組合法案
○農業協同組合法の制定に伴う農業團
 體の整理等に關する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今から委員會を開會いたします。本日は農業協同組合法案及び農業協同組合法の制定に伴う農業團體の整理等に關する法律案、この二件を議題にいたしまして、前囘に引續いて質疑を繼續いたしたいと思います。
 尚最初にお断り、又御諒承を得て置きたいのは、政府委員の農政局長がGHQの方に行つておりますので、代りに小倉農政課長が出席しておりますのでありますが、政府委員でございませんので、説明員として御質疑に對して答辯することについて豫め御了承を得ておきたいと思います。どうぞ御了承を願います。
#3
○委員長(楠見義男君) それではこれから質疑を繼續いたします。
#4
○藤野繁雄君 定款例を見ますると、普通の場合においては目的が書いてあるのでありますが、今囘の定款例に目的が書いてないのはいかなる理由であるか、お尋ねしたいと思うのであります。
 それから定款例の第七條の第二項によりますというと、團體は準組合員となることができると書いてあるのでありますが、農業協同組合法案の第十二條の第一項の第二號の「者」というのは、これは自然人及び法人でありますから、法人も正會員になることができると考えておるのでありますが、それが、團體は準組合員であると書いてあるのは、どういうふうな理由であるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
 それから若し任意團體であれば、これは準組合員として加入して差支えないと思うのであります。併しながら先刻も申上げたように、法人は正組合員として加入すべきものである。又任意團體は法第十條の第三項によつて員外利用者とすべきものであつて、準組合員とすべきものでないじやないか、こう考えるのであります。これに對する御説明を願いたいと思うのであります。
 定款例の第二十八條によりまするというと、持分の算定の際に特別積立金に對する持分の算定の方法はあるのでありますが、三に「その他の財産」と書いてあつて、準備金に對する持分の算定の方法がないのであるが、準備金に對する持分の算定は、第二十八條の第三號の「その他の財産」に入れるのであるかどうであるか、これもお尋ねしたいと思うのであります。
 それから第三十四條に「役員の任期は二年とし」、こう書いてあるのであります。これはこの前もお尋ねしたのでありますが、法律では一年と書いてあるのを、準據定款で二年とするのであつたらば、法律第三十一條もやはり二年と訂正すべきものではないか、法律では一年、特別の場合は二年と書いて置きながら、準據定款で初めから二年と書いて置くのであつたらば、やはり法律もそう初めから訂正すべきものじやないか、こう考えるのであります。
 それから三十七條に「總會は正組合員の何分の一以上」と書いてあるのでありますが、これは何分の一か、見當が立つておるのであつたらばお示しを願いたいと思うのであります。
 法律の第十條の第一項第一號によつて見まするというと、「資金の貸付」と書いてあるのであります。同條の第六項には「手形を割引き」と書いてあるのであります。又最後に「保證」ということが書いてあるのであります。四十四條の總會の決議事項の第一項の第六號には「手形の割引」とだけ書いてあつて、貸付ということは書いてないのであります。これは手形の割引の外に貸付及び債務補償の限度も規定すべきものじやないか、こう考えるのであります。これは正誤表が附くのじやないかと思いますが……。
 それから第五十二條の第二項の終いから二行目の「割合に應じてこれをし」というのは、こういうふうな言葉があるのであるかどうかお尋ねしたいと思うのであります。
#5
○説明員(小倉武一君) お答えします。第一の目的でございますが、成る程定款には目的が書いてございません。これは法律で以て必要的記載事項というふうになつておらないからであります。法律ではなぜ目的を必要的記載事項としておらないかと申しますと、この協同組合の法律の趣旨は第一條で謳つてありますし、それから目的に關聯しましては第六條に謳つてありますので、定款で更に目的を書くという必要がないというふうに認めたものですから、事業だけを必要的記載事項にしたのであります。
 それから次は團體の組合員のことにつきましてのお尋ねでございましたが、この法律の第十二條にありますように、この第一項はこれは普通の單位組合、第二項は連合會等に關する規定でありまして、この普通の組合、單位組合につきましては、これは正組合員は個人たる農民に限つておるわけであります。それから第二號におきまして團體で以て組合員になり得るものをも含むというふうに解釋しておるのであります。と申しますのは、十二條の第一項第二號の一番最後の「相當とするもの」、この「もの」は個人、それから法人、法人以外の團體も含むというふうに解釋いたしておるのであります。この十二條の第一項二號で以て組合員又は團體は准組合員ということになるのであります。法人であつても、任意團體であつてもさようになるように解釋いたしております。
 それから準備金についての持分のお尋ねでございましたが、これはお尋ねの通り、「その他の財産」という中に準備金が入つておるというふうに解釋いたしております。
 それから理事の任期についてのお尋ねでありますが、理事の任期は法律では原則を一年としまして、特別の場合は二年ということになつておりますが、定款ではこれをいろいろこの組合は各種の事業をやる組合でありますからして、法律で認める最高の二年というのが妥當であろうというので、定款ではさようにいたしたのであります。
 それから模範定款例としてお示ししました三十七條の、普通の總會の定足數についてのお尋ねでありますが、何分の一というて具體的な數字は書いてないのでありますが、これは組合の實情に應じまして、組合の組合員が非常に多いとか、或いは組合の地域が非常に廣いというような場合には、餘り大きな數字を期待することも困難であるというふうなこともありますので、具體的なことは避けたのであります。例えば三分の一でありますとか、或いは四分の一、少くとも五分の一ぐらいまでは……場合によつては五分の一にもなると思いますけれども、三分の一乃至五分の一というふうな工合に具體的に決めたらいかがかと存じておるのであります。
 それから貸付につきましても、貸付金額の最高限度につきましてのことが、定款の必要的記載事項と申しますか、總會の議決事項になつておらないのであります。これは御指摘の通り、手形の割引などについても總會の議決に付さなければならないということになつておりますから、貸付につきましてはなつておらないのであります。債務補償の限度についても同じようであります。貸付は小さな組合でもありますが、手形の方は聯合會に限つておりまして、金額も相當大きくなると考えまして、總會の議決に付さなければならないということを法律ではつきりいたしたわけでありますけれども、貸付などにつきましてはこれは定款か或いは規約……今度示しました定款例にも書いてございません。もうこれは規約で定めるという考えになつておるのであります。運用上定款か或いは規約で以て貸付の限度或いは債務補償の限度を定めるのが順當であろうと考えるのであります。
 それからもう一つ最後に、五十二條の第二項でしたかに「拂い込んだ出資額の割合に應じてこれをし」、こういう用法があるかどうかという趣旨のお尋ねでありますけれども、項目にいたしたものですから、かようなことになつた次第でありまして、こういう方法もあるだろうと思つております。餘り碎け過ぎておるかも知れませんが、意味はお分りになろうかと思います。
#6
○藤野繁雄君 準備金のことでありますが、持分の組合財産からいえば、準備金は出資金に次いで組合の主たる財産であると信ずるのであります。その主たる財産を持分に算定せずして、特別積立金を持分に算定するという理由はどこにあるのであるか。
 それから團體の加入の問題でありますが、第十二條によつて見まするというと、「農業協同組合の組合員たる資格を有する者は、左に揚げる者で定款で定めるものとする。一、農民、二、前號に揚げる者の外、農業協同組合の地域内に住所を有する者で當該組合の施設を利用することを相當とするもの」、こういうふうに書いてあれば、この「もの」というのは自然人及び法人であつて、任意團體ではないと解すべきものと私は信ずるのであります。それで十二條の第一項の第二號からすれば、組合員というものは農民であるか、或いは二號で「相當とする」ところの法人であるか、この二つ以外にはないと信ずるのであります。それから任意の團體であるといたしましたならば、さつきも申し上げましたように、准組合員じやなくて、員外利用者としてこれを取扱うのが本當じやないかと考えるのでありますが、もう一度これに對する御説明をお願いしたいと思うのであります。それから今度は、これは新らたなことですが、定款例の第三十一條によりまするというと、「理事は組合長一人を互選するものとする。但し正組合員以外の者から選出した理事は組合長となることができない」、こう書いてありますが、法律では一定の限度において、正組合員以外から理事を擧げることができると規定しておるのでありますから、その範圍内において當選したところの理事であつたならば、正組合員以外の者と雖も組合長たる資格があると信ずるのであります。又そういうふうにした方が組合運營上適當の場合があると信ずるのである。のにも拘らず、正組合員でなくては組合長となることができないという理由はどこにあるか、お尋ねしたいと思うのであります。
#7
○説明員(小倉武一君) 持分についてのお尋ねでありますが、準備金と申しますのは、これは法律上當然に或る費途の填補に充てるためにしなければならんものでありまして、これが組合の財産上最も基本的な重要な財産であるということは、出資金と共に御指摘の通りでございます。從つて又そういう意味合におきまして、普通の脱退の場合には拂戻さないというふうな意味におきましても、普通の持分の計算とはいたさないで、解散の時だけするという趣旨にいたしておりますので、この點は大體現在の農業會の會則例なども参照してさようにいたしておるのであります。
 それから團體組合員についてのお尋ねでございますが、これは任意團體が組合に加入できるかどうかという疑點は、まあむずかしいと問題にもなりますけれども、最近のいろいろの法令などを……いろいろと申しましても澤山例は知りませんけれども、そういう任意團體も組合員になれるというふうに最近はなつておりますので、「もの」というのが假名で書いてございますし、任意團體も入るという趣旨にこれはいたしておるのであります。法人でも勿論入れます。この農民という定義を個人にいたしました結果、農業をやつておる法人でありましても、これは二號になるわけです。從つて農業をやつておる會社でありましても、准組合員としてでなければ入れないということになるわけであります。それから又農村の部落などにあります農事實行組合というものも、任意團體としてならば加入できるというふうにいたしておるのであります。
 それから定款例の三十一條につきまして、正組合員たる者だけに理事長の資格を限つたという趣旨でございますが、これは勿論御指摘の通り、法律では要するに正組合員でない組合員即ち準組合員、或いは組合員でない者でも組合長になることは勿論できるのであります。從つてこの但書のような規定を置かない定款も勿論合法的な立派なものでありますけれども、この法律で四分の三までは正組合員でなければならないという趣旨も多少組みまして、一應お示ししたこの定款例では、組合長を正組合員とするということに限つて見るというふうな例にいたしたのでありまして、これは強いて強い意味を持つておるのではありません。
#8
○藤野繁雄君 今一つ、さつきの定款例の第三十七條の、何分の一と、こう書いてあるのは、澤山の組合員がある場合においては出席が困るから三分の一乃至五分の一でも差支えないということであつたのでありますが、そういうふうなことで決議をするということは却つて面白くない結果を來すのであつて、いかなる場合と雖も半數以上の者が出席しなければいけないのだ、若し半數以上の者が出席するのに本人が出席することができないのであつたならば、委任の一人ということを二人或いは三人と委任を増した方がいいのではなかろうか、こう考えるのでありますが、總會の出席の割合を少くした方がよいか、委任を多くした方がよいか、これに對するお考えを伺いたいと思います。
#9
○説明員(小倉武一君) 總會の定足數を如何樣にするかということは、法律では特別決議の以外は出席者につきましての制限は別段いたしておりません。從つて論理上は二人以上出席すれば總會が成立つということになるのです。併し法律でさようになつておるものといたしましても、普通の決議をいたす場合も成るべく澤山の組合員が出て相談するということが望ましいのでありますから、定款例に何分の一以上が出席しなければならないということを書いた次第であります。この點につきましては、組合の大きさという點が非常に關係いたしますので、例えば部落等の小さな協同組合におきましては特別決議と同じように二分の一以上出席しなければならないというように書いた方がよい場合が多いのだろうと思います。併し郡とか或いは連合會というふうになりますと、さような特別決議というのと同じような定足數を要求することは實情に合わないことになりますので、むしろこういう規定は定款から落すか、置くにしても普通の總會を開く場合にさほどの支障を生じないという程度の規定に現わす方がよかろうと存じております。
#10
○島村軍次君 農業團體の整理に關する問題は極めて重要な問題と考えるのでありますが、實際の問題といたしまして、單位の協同組合ができて、財産のそれぞれの措置が講じられた、府縣の連合會ができた、そうして全國的の連合会がその後にできるということになりますが、財産の處分について今までの農業會の系統組織から申しますと、全國的のものの財産状態がはつきり決りませんと、その單位組合における財産の處分問題もはつきりして來ないのじやないか、一旦二ケ月以内でしたか、清算の豫定を立てましても、それが後に變つて來るということがあり得るのじやないかと思いますが、そういう場合にその措置をどうすべきか。
 それから金融再建整備法ですか、この規定であつたか、よく覺えておりませんが、とにかく資産の解散の手續をやつて、それぞれ清算事務に入つて來た、そうして財産は評價基準によつて、又單位組合において舊勘定の非常に多い場合には、政府の保證を受けた農業會が澤山できると思います。そういう場合において今度その財産を新らしい協同組合へ引き繼ぐ、その場合におきまして資産の勘定が、評價というものが帳簿價額によらずして時價によつたということになりますと、その結果は分り易く申上げれば、一旦政府の保證を受けたような貧弱な組合が、協同組合へ、財産を引繼ぐ途端に剩餘金がうんと出るという結果が或いはできるかも知れん。それに對しては立法の當時はどうお考えになりましたか、そういう場合に對する措置。
 それから只今お配りになりましたので、十分拜見をする餘裕がないので、或いはこの規定にあるのかも知れませんが、今囘の整理に關する法律には施行という言葉が澤山使つてあります。本日お示しになりました施行令という要綱でありますが、大體これで盡きておつて、從前ありましたような施行規則等細かい手續上の問題は別に定められる豫定があるかどうか、この點を一應伺つて置きたいと思います。
#11
○説明員(小倉武一君) 後の方から便宜お答えいたします。政令のお尋ねでありますが、協同組合法の方には政令或いは施行規則で以て定むべきものは殆とございません。強いて擧げるとすれば、行政廳という言葉が出ておるのでありますが、あの行政廳は何を意味するかということを政令で書くということにならうかと思います。大體その點は府縣單位ぐらいの連合會以上のものは農林大臣、それ以下のものは地方長官というふうに考えております。
 それから協同組合についての施行規則でありますが、若し書くとすれば、恐らく縣令で以て許可、認可をする場合に手續はどうするか、市町村役場を通すか、或いは書式を示すというようなことで必要であれば書きますけれども、それも強いて心ずそういうものが必要であるというふうには考えておりません。從つて協同組合自體の方には殆と政令或いは施行令というものが必要でないわけであります。ところが、農業團體の整理に關する法律の方につきましては政令、施行令が若干ございます。この點は先程お配りしましたものによつて大體要項が盡きておるのであります。
 尚若干細かくなりますけれども、これ以外尚政令につきまして施行規則というようなものは成るべく必要がないようにいたしたいと思つております。
 第三の資産の引繼ぎにつきましての、國から補償を受けたようなものが、評價の仕方によりましては、協同組合に讓ることによつて評價益が出るといいますか、特別の利益を生ずるというような虞れは御指摘の通りございますが、只今お配りしました要項にもありますように、資産の評價、協同組合に財産を分けるとか、或いは引繼ぐという場合の評價は、再建整備の場合と同じような評價基準によつてやりたいというふうに考えておりますので、左程の不合理な點は生じないじやないかというふうに考えております。
 次は上級團體の財産状態がすぐに分るという段階にならなければ、下の方の農業會の財産の處分といいますか、處置がはつきりうまく行かないではないかという點につきましては、成る程上級團體が解散して、その持分を貰いまして、そうしてはつきりと下級團體の財産になるわけでありますけれども、下級團體は上級團體の存續しておる間は、それに對する持分を御承知の通り持つておるわけであります。この持分を如何樣に評價するかということによつて問題が解決すると申しますか、問題を處置せざるを得ないわけであります。勿論この持分をいかに評價するということが困難なのでありますけれども、上級團體が存續しておる間は、止むを得ずやはり持分というものを財産の評價といたしまして計算する、從つてそれを讓渡する、或いは又分割するというような場合にも、その評價という方法によつてやり得るように考えております。
#12
○島村軍次君 只今の問題に關聯をして更に二つの問題が考えられると思います。
 資産評價は金融機關の再建整備法によつてやるように施行令を決められるということでありますが、併しこの評價基準というものは、本法の中には必ずしも帳簿價額によるということもありませんし、事實問題としては、評價基準というものの算定方法には相當疑義が生じて來るのじやないかと豫想されると思います。そういう場合には、只今お話になつたようなことになりますと、非常に窮屈なものになるということが豫想されると思うのであります。勿論監督上の立場からいえば、そういうことも考えられると思うのでありますけれども、一面におきましては、事實問題として、退職者が非常に澤山出る、そうしてそれに對する退職給與金を支給せねばならんというような場合におきましては、これは確かにどこかの規定で「認可を經れば」ということがあつたと思うのでありますが、そういうことも豫想し得ると思う。從いまして退職給與金のみならず、その他必要なる經費を非常に貧弱なもので支出するというような場合におきましては、そういう措置をなし得ることを前提として考えていいかどうかという問題を重ねてお尋ねして見たいと思います。
#13
○説明員(小倉武一君) この資産の評價と申しまして、言葉が足りなかつたのでありますが、農業會の財産の處分につきましては、一つは、新らしい協同組合の基礎を固めるようにしたいということと、もう一つは、農業會の會員の財産權を成るべく保護すること、殊に最後まで農業會の會員となつて、協同組合に入らない人のために持分の拂戻しを成るべく公正に確保するという二つの點が重要だろうと思ふのであります。從つて資産の評價と申しました場合の評價は、これは農業會が協同組合に財産を分けるという場合の評價でありまして、一般の處分で、他の團體或いは會社に出資をするとか、或いは又最後に清算をするという場合の處分の價格というものは、これは一般の公定價格のあるものについては公定價格、その他のものについては時價ということになるのでありますが、要するに時價ということになるように考えております。
#14
○島村軍次君 そうしますと、再建整備法によつて國家の補償を受けるような場合においては、今の御答辯では、財産處分については時價によらないというふうに解釋できる、その他の場合はできん、こういうふうに解するのでありますか、或いは只今の説明は、資産という言葉が足らなかつたという御説明であつたのでありますが、その點をもう一囘はつきり一つお伺いいたします。
#15
○説明員(小倉武一君) この資産の評價につきまして、金融機關再建整備法によつて定まつております評價基準によると申上げましたのは、農業會が協同組合に財産を讓る場合の基準にするという意味でございまして、その他の場合の處分ということが農業會に認められますならば、これは今申上げました評價基準による、少くともこの法律で以で制限するというつもりはないのであります。さような趣旨で申上げたのであります。
#16
○岡村文四郎君 農業團體の整理等に關することでお伺いしたいと思います。財産を處分する時分に府縣團體以上は、農林大臣の許可を受けてやるということになつておりますが、これは九州の端くれ、北海道の端くれでは非常に日數がかかつて、その許可を受けるのに非常に不便でもあり、殊に農林大臣に許可をお願いいたしましても、處分する財産の實情が十分にお分りにならないので早速認可するということに相成らんと思いますが、知事にこれを任せて貰えば大變都合よくスムースに圓滿に行くのじやないかと思います。併しそうするには何か出さなければならんでしようが、そういうお考えはないかどうか。
 それから農業會の財産、これは都道府縣も市町村も同じでありますが、財産がここに百萬圓、赤字が百萬圓ある、そうなると合せて二百萬圓、できた新らしい農業會が引受けられない、こういうことになると、どういう處分をすることになりますか。一例を擧げますと、北海道農業組合がこの間私歸つておりましたときに、従業員組合の方からいろいろな解散に對する要求が出ておりました。それを解散して見るというと大體一億圓あります。そこでそんなものは出さんと言つて來ましたが、これは現在の國家の補償を受けようとしておつたのですが、これを受けることをやめで、二千二百萬圓ばかりの赤字で行けるからそれは受けん方がいいのだというので、國家の補償を受けないことにしました。そうしますと、出資と財産と赤字を入れると、これは持分は算定して今の組合員に殘つたものがありましようが、出資は勿論なくなつたのだから話にならないが、一體引受けられるのかどうか、これを心配しておるのであります。そういうことは北海道に限らず他にもあると思いますが、そういう場合には、どんなことを考えたらいいか。どんどん賣るわけには行きませんし、後からできたものも引受けられないということになると、今後そういうことを考えて置かなければならんと思います。全國に非常にそういうようなものができた時分に駄目になると思いますが、一應お智慧を御拜借いたしたいと思います。
#17
○説明員(小倉武一君) 非常に具體的なお話でありまして、特にどうこうした方がいいというような御參考になるような御意見を申し上げることができないのは甚だ殘念でありますけれども、要するに農業會の財産状態によりまして、後にできた協同組合が引受けかねるというような場合であります。そういう場合におきましては、新らしい農業協同組合は農業會の資産と債務とを合せて分けて貰うと申しますか、この法律で言つております分割という方法で以て、プラスもマイナスも同じ割合で以て引受けるということは、なかなか困難な場合があろうかと思います。併し農業會の施設につきましては、どうしても新らしい協同組合で以て必要だ、それを建設することも容易でないというような施設につきましては、何と申しても協同組合に讓るということが妥當のように考えられますので、そういう場合には、農人會に適當な代價を拂いまして、そうして買取るというふうな方法も、場合によつては講ぜざるを得ないような考えます。ただそういう場合以外に、先程の例のような赤字が相當ある農業會におきましても、できた協同組合と農業會との關係が非常に密接、というと語弊がございますが、大體農業會のメンバーが殆ど大部分新らしい協同組合のメンバーになつているというような場合には、農業會の持分としてそれを解散して清算するということも、又それを新らしい協同組合へ持つて來るということも、組合或いは會員の側から見れば、そう損得の問題でもないように思いますので、全然新らしい協同組合の出發の基礎にできないような不良財産状態であるならば格別、そうでなければ、相當赤字があつても組合に引繼ぐということも考えられるように思います。
 尚この資産の分割ということにつきまして具體的にどうするかということにつきましては、最近私共或いは關係の團體の方にもお願いましまして、具體的に農業會に當りまして、一體分割はどういうように具體的に行われたらいいかということを事例的に研究をいたしておりますから、そういう結果でも分れば、もつと我々も今後整理立案するというような場合、或いは具體的に農業會の財産の處分というようなことについてのお智慧を貸すということも或いはできるかと存じております。
 認可は、これは先程お話した通りのことに相成つておりまして、今その範圍で省令で以てやつておりますけれども、段々形が決まつて行きまして、こういうものは大體地方でやつてよろしいというような目安がつきますれば、段々と地方廳に任して行く、この法律が施行になるような時分には、大體どの程度地方に任す、どの程度中央でやらなければならんということが分ると思いますから、その範囲でこの法律の運用を考えて行きたいと思います。
#18
○北村一男君 今お配り頂きました施行令要綱の第四號に、資産の讓渡について、新らしい協同組合が全國農業會に對し協議を求める場合には、全國を區域とする農業協同組合聯合會とするということがある。この條項によりますと、全國を區域とする聯合會のできることを當局としてはお認めになつていると解釋してよろしうございましようかどうですか、その點について御所見を承りたいと存じます。
#19
○政府委員(井上良次君) それは當然認めなければならんと考えております。
#20
○岡村文四郎君 協同組合員の資格のことですが、正會員と准組合員となつております。そこではつきり例を擧げて申上げますと、岡村文四郎は家にさえおれば百姓をやつているが、十四五年、掴まえられてやくざ商賣人になつていて、今鍬は取つておりません。そこで岡村文四郎をどう見るか、これは准組合員なのか正會員なのが、自分でちよつと分らないのですが、一體どういうようになるのですか。こういう場合にはどういうことにしたらいいか。私は村へ歸つても、お前は百姓をやつていないから全然正會員じやない、そこのところどうなのか、お教え願いたいと思います。
#21
○説明員(小倉武一君) みずから農業を營むというのを如何樣に解釋するかでありますが、みずからというのは必ずしも自分で鍬を取るということじやありませんので、經營を自分でやる、鍬を取らなくても、經營の指揮監督ということを完全に自分がやるということであるならば、みずからやるというように解釋できようかと思います。尚今のようにそういう解釋をいたしましても、或いは定款で相當具體的に書きましても、農民であるとかないとか、正組合員であるとか、准組合員であるとかいうような點が、加入の時なり、その後必ず問題になると思いますので、そういう問題が起きた場合には理事會で決めるとか、そういうような規定を定款で置いて運用して行つた方がよかろうと存じております。
#22
○藤野繁雄君 農業團體の整理等に關する法律案の第一條の第四項でありますが、「行政廳は、必要があると認めたときには、――解散を命ずることができる、」こういうふうに書いてあるのでありますから、具體的に若し豫定があつたらば、必要あると認めたるときというものは、どういうふうな場合を豫想しておられるか、その豫想しておられるところの事項をお示しをお願いしたいと思うのであります。
 それから同條の第九項によれば、「主務大臣は何々に關し責任がある、」こう書いてあるのでありますが、こういう言葉は書かなくても主務大臣は責任があるのであつて、特に主務大臣が責任があると書かれたところの理由はいかなる點にあるのであるか。
 第五條の第一項によつてみまするというと「財産の分割」と書いてあります。第六條の第一項によつてみまするというと「資産の讓渡」と書いてあるのであります。財産と資産はどれだけの差があるのであるか、書き分けたところの理由を説明をお願いしたいと思うのであります。又七條にも「資産」と書いてあるのであります。五、六、七と條文が三條竝んで、最初には、財産、次には資産、次にも資産、こう書いてあるのでありますが、この區別をお願いしたいと思うのであります。
 それから第八條の第三項の「會員の三分の二以上」と書いてあるのは、實際の出席であるか、委任状を含めたのであるか。私は委任状を含めたものと解しておるのでありますが、それで差支えないかどうか。
 第九條の「事業報告書及び財産目録」というものは、總會の日から大體どのくらい前のものを作らなくちやできないのであるか。前の年度の事業報告書及び財産目録でいいのであるかどうか。三分の二以上出席しなかつたならば、繰り返し繰り返し何囘でも總會を開かなくちやできないのでありますから、その總會を開く毎に事業報告書及び財産目録を作つて監事に提出して、總會の承認を經なければできないのかどうか。又そこに財産目録と書いてあつて貸借對照表と書いてないのは、すべての財産の棚下しをやつて、正確なるところの財産目録を作らなくちやできないのであるかどうか。若しそういうことであるならば、或る程度不可能の状態になりはしないかと存ずるのでありますが、この點いかがであるかお尋ねしたいと思うのであります。
#23
○説明員(小倉武一君) 第一條の第四項におきまして、行政廳が必要なるときは農業會等に解散を命ずることができる、という規定の趣旨でありますが、これはいかなる場合にやるかと申上げますというと、只今考えておりますところは、協同組合ができまして、立派に事業をやつておる、從つて農業會はもう解散してもいい、八ヶ月はまだ過ぎておりませんけれども、農業會をすつかり解散してもよろしいというような場合になつた點を考えておるのでありますと申しますのは、この八ヶ月と申しますのは、考えようによつては短く、又考えようによつては、最近のいろいろの機關の閉鎖などを考えて見ますというと、長いようにも考えられますので、八ヶ月を認めてあるからといつて、いかなる農業會も八ヶ月一杯存續する趣旨ではないということを現したのであります。
 それから次は第一條の最後の項に、主務大臣は責任があるものとすると規定がございますが、これは農業團體の整理等に關する法律案におきまして、農業團體の解散、或いは清算ということが最も重要な點でありますると共に、又今度の協同組合法の趣旨からいたしますというと、農業會を解散いたしまして、協同組合の自主的な設立を待つということが、差當りの目標でございますので、特にその點をはつきりいたしまして、農業會の解散につきましては、農業團體の解散及び清算につきましての大臣の責任をはつきりするという趣旨を書いたのでありまして、これも御質問の通り書かなくても當然こういうことであるのであります。
 それから財産の意味のお尋ねでございましたが、第五條、第六條等につきまして、財産或いは資産という言葉を使つておるのでありまするが、第五條の財産といいました中には、債務を含んでおるのであります。積極財産と消極財産の一緒になつた財産、從つて第六條の資産というのは、消極的の財産を含まない積極財産の意味であります。第七條の資産についても同じであります。
 それから第八條でありますが、三分の二の會員という中には委任状を持つておる者はないかという御質問でございますが、これはお尋ねの通り委任状を持つて來た人も出席者とみなされるわけであります。
 次は財産目録の九條に關係いたしまして、この財産目録は何時の財産目録だということでございますが、これは成るべく最近の財産目録ということにいたしておるのでございまして、必ずしも一番近い事業年度の財産目録ということじやなくて、成るべく總會の時期に近い財産目録、併しながら棚下しをするということまでやる必要は私共ないように考えております。
 それから招集も、何囘も招集しなければならんときは、その度毎に財産目録を出さなければならんということでございましたが、これは招集をいたしましても、この三分の二に達していなければ、總會は開かないのでありますから、かような必要はないのであります。さようなふうに解しております。
#24
○北村一男君 この前この農業協同組合の施行に當つては、農林大臣は萬全の態勢を整えておる、かように仰せられました。ところで農政局長に、萬全の態勢というものは、一體どういう態勢を整えておられるか、こういうことを質問いたしましたところが、課を一つ設けるつもりであると、大分大臣の御答辯よりも規模が少さくなつたように考えます。果してそういう課をすでにお設けになつたのか、その課でどういうことを扱われるのか、その課の名前はどんなふうな名前か御説明頂きたい。
#25
○政府委員(井上良次君) 農業組合の結成及びその育成に對して本省といたしましては萬全の對策を立てておるというのは、今お話の通り、本體本省の中に協同組合課という一課を設けまして、そうして當面の協同組合結成に必要なる具體的な指導啓蒙、それから將來への啓發等もやつて行きたい、こう考えております。
#26
○北村一男君 すでにそれはお設けになつたのでありますか、それともこれからお設けになるのでありますか。
#27
○政府委員(井上良次君) これから設けます。
#28
○佐々木鹿藏君 縣單位の農業會が、運營上必要に迫られて他の國體に出資しても差支ないか。
 それともう一つは、現在動産、不動産は動かしてならんという指令が出ておるが、これは縣の事情によつて動かささねばならんということがある場合は、どういう方法をとつて動かすのか。これを具體的に申しますと、食糧その他木材等を輸送するに際して、協同輸送、運送協同組合というようなものを作ろうか、或いは會社にするかという議が廣島縣においては進められて、近くその發足を見ようとしておるのであります。そういうときに出資をして差支えないか。或いは持つておる自動車その他を、その團體或いは會社に投資することが差支えないかということについて説明を願いたいと思います。
#29
○政府委員(井上良次君) 現在の農業會が解散を控えて實際農業會自身の運營に困る關係から、他の事業團體等に出資又は關係を持つことがどうかということでありますが、大體それは原則として困ると政府は考えております。すでに農業會の資産處分については一應禁止をいたしております。ただ組合の現實の運營だけの處分行爲については許しておりますけれども、資産その他の基本的財産の移動については一應禁止をしておるのでございますから、從つてそういう方向に動くということは、實際上原則的にも、實際的にも差控えて貰いたいと存じております。
#30
○佐々木鹿藏君 先程課長から説明がありましたが、いろいろの人と集つて研究した後において、その縣知事又は大臣において許可すべきものは許可するということでありますが、それはなかなか長いことであつて間に合わないから、農業會の運營上、私共の考えておることを急にやることこそ、緊急對策、いわゆる食糧を重點的に輸送するとかいうことについて非常に貢獻をするというようなことを考えておるのでありますが、さような問題をこれからそろそろ研究して許可するとかいうことになると非常に支障が來ると思うのでありますが、それをもう一度農林省においては考え直されちやどうか、こう考えますが、どうですか。次官の答辯を願います。
#31
○政府委員(井上良次君) 實際の問題に關聯いたしましての御質問でありますが、大體そういう場合はやはり新らしい協同組合が結成されまして、その新らしい協同組合の一つの事業としてやるという場合なら政府は一應考えてもいいと思いますけれども、併し現在の農業組合の資産を以て或いはそれに出資し、所有しておる動産をそれに出資するというようなことはちよつと困るのではないかと思います。
#32
○佐々木鹿藏君 現在の農業會がやがては協同組合に代るものと私は思つておりますが、それを今投資、或いは物を出資に代えて出したからというても、何ら内容においては變らんと考えます。さようなことをただ机上論において、これはいかん、あれはいかんということでは、現下の食糧事情の逼迫しておる際非常に困ることになるのであります。そこでさような、いずれ協同組合の資産になるべきものを、一應農業會の名前において投資をするだけであつて、實體においては變らん、こういうものこそ早く取上げて進めるということこそ、現在の日本の再建に貢獻すると考えますが、もう一度次官の御所見を願います。
#33
○政府委員(井上良次君) 實際その事業を行わおうとする農業會の資産の内客がどうなつておるか、本當にそこでは辻褄が合うところの決算ができるかどうかという見通しが大體つけられませんというと、例えていいますというと、解散を控えていろいろな噂が飛んでおりますときに、特に世の疑惑を招き、又將來そこの地元において組合員となる者がその整理においていろいろなことがあつたために、却つてお困りになるというようなことでは困りますので、從つて政府としては現下の農業會の資産の處分については、一應先ずこういう通達を出しておるわけであります。從つて今御説のように、その農業會が非常に健全で、而も將來こういうものを置いてある方が、新らしい協同組合ができても、その組合のためにも非常に利益になる、こういうことが明確になつております分は、これは又別に考えたらよいと思います。
#34
○佐々木鹿藏君 そうしますと、その内容を示して、農林省において健全なりと認められたら許可して差支えないということですか。
#35
○政府委員(井上良次君) それは今お話を申上げました通り、内容をよく檢討した上で處置をしたいと思います。
#36
○木下源吾君 連合會の性格についてですが、ここには連合會が單位協同組合を指導連結するとこう書いてあるのですが、何か指導機關を作るとか、どういうものを連合會で作つて置くのか、連結というのはどういう意味か、連絡機關であるのか、統制の機關であるのか。
#37
○北村一男君 それは字句の訂正が來ておる。「結」でなくて「絡」です。
#38
○佐々木鹿藏君 ああそうですか。それにしても統制機關であるか、協議機關であるか。要するに連合會の規約があればよく分りますけれども、ないから分らないからお伺いします。
 それから地域の問題で、例えば一縣に連合會が幾つできてもいいようにも考えられるのですが、そういうこともあり得ると思うが、この點はどうか。
 尚連合會は金融機關に對してつまり信用の貸與をし得るような資産を持ち得るのかどうか。
 そこで農業組合法の制定に伴う農業團體の整理等に關する法律案の第三條の中に「農業協同組合又は農業協同組合連合會に、その施設を利用させることができる」と書いてあるのですが、この施設という意味は何か協同生産に對する施設のようにも見られる。ここでは生産事業を連合會が行い得るというような、そういう意味合が汲取れるのですが、これはどういうような施設をいうのか。以上一つ御答辯願います。
#39
○説明員(小倉武一君) 連合會の性格でございますが、指導連絡と申しますのは、連合會におきましては指導連絡を兼ねて行うとか、或いは指導育成するということが事業としてできることでありまして、統制をするということではございません。連合會の會員である協同組合を指導育成するということであります。
 それから區域でございますが、これは御質問のごとく、連合會におきましても、法律上は別段一府縣に一連合會と限つてはございません。又信用事業を行う連合會にしろ、そうでないものにしろ勿論相當の財産を持つということは當然許されるわけであります。
 この第三條の「施設の利用というふうに書いてございますのは、これはただ利用施設というふうに限つておる趣旨ではございません。現在の農業會ならば、事業といたしても左程支障ないでありましようけれども、農業會が戦時中にやつておりました統制的な機構で以て、協同組合の統制をしてはいけないという趣旨を以ちまして、ただ施設を利用するというふうにした方が誤解が起らないだろうという意味で、さよういたしたのであります。大體は利用できるというように解決いたして現在のところそう間違いはなかろうと思つております。
#40
○羽生三七君 細かい問題ですが、第九條の「農業に從事する個人をいう」、この場合に定款の附則の規定には被選擧權の場合は年齢を制限してありますが、これは年齢の制限はないのでありますか。
 それから第十條の第十二項に關係のあることでありますが、組合員になれる資格を持つておるというのでありますが、家族で農業に從事し得る者が、若し員外利用をするというような場合には、これは准組合員を指しておる員外利用になるのか、或いは又別に普通の組合員と同等の資格を認められるのか、利用の場合であります。これをちよつとお伺いいたします。
#41
○説明員(小倉武一君) 選擧權につきましては法律でもお示しになりました定款で制限はいたしておりません。と申しますのは、農業を營む、或いは從事するという程度が前堤となつております。從つて制限はいたしておりません。
#42
○羽生三七君 常識的に考えてよろしいわけですね。被選擧權でない場合組合員の資格は……。
#43
○説明員(小倉武一君) 組合員の資格の場合は、定款でお決めになる場合は差支えございません。併しお決めにならない場合には具體的にどうするかというようなことは、やはり自分で選擧權を行使したり、或いは總會で議決に参加するというような程度の能力を持つておらなければならんというふうに考えております。
 最後の家族の利用でございますが、普通の組合の利用ならば、何と申しますか、組合員たる世帶主の名で大體組合の事業を利用できるというふうに考えてよかろうと思います。ただ家族の子供の名前で組合を利用するという場合には、員外利用ということになろうかと思います。勿論農業に全然從事しなくても、准組合員として入れば、員外利用でなく、組合員として利用ができるわけであります。
#44
○木下源吾君 連合會の定款の準則というようなものを作る御意思があるかどうか。というのは、只今の指導の問題ですが、指導育成のことは、定款に育成の機關を何か附けて置かんと、連合會が金融の面を以て、個々の組合を支配するというような面が強く出る虞れがあると思う。指導育成するという先程の御答辯でありますが、どういう程度で一體指導育成するのか、これが定款の準則ができれば目的がはつきりすると思うのであります。元來連合會は從來連絡機關が重點であるべきものが、統制の機關になつた。私は協同組合は單位協同組合の連合會ができ上がらなければならんと考えておりますが、その點が明確でないので、定款の準則を出すことがいいと考えるのですが、その點について一つ御答辯を……。
#45
○政府委員(井上良次君) 連合會の問題でございますが、これは當然今御質問のように、定款に關する準則というものを一應作りましてやりたいと考えております。
#46
○佐々木鹿藏君 先程のことに關聯しておりますが、細かくなりますが、協同組合ができるまで農業會の持つておる施設を、暫定處置として新らしくできる團體へ貸すことは差支えないかということです。
#47
○説明員(小倉武一君) 貸す場合も同じように許可制度、認可制度にやつておりまして、具體的の必要に應じて、殊に短期間で必要あれば、認可することができることになつております。
#48
○佐々木鹿藏君 それはやはり主務大臣に申請するんですか。
#49
○説明員(小倉武一君) 縣農業會の場合はそうでございます。
#50
○委員長(楠見義男君) それでは本日はこれで散會いたしたいと思いますが、協同組合關係については本日は終了いたしまして、この後で北海道の水害調査のために出張されました木下さんと岡村さんから、詳しい書類は後程御希望によつて御覧になれますが、極く簡單に概要だけこの際御報告を承りたいと思います。暫くお止まり願いたいと思います。
#51
○木下源吾君 先般御同意を得まして、北海道の水害調査に岡村君と二人で参りました。豫定のように今月四日に出發いたしまして、十日間に互る日數を調査に要したわけであります。
 北海道の水害は中央から遠隔な地位にありますために、非常に感じが稀薄でありますが、實際においては想像以上の被害を受けております。明治四十三年の大水害から未だ曾つてなかつたというひどい状態でありまして、八月の十五日、十六日竝びに二十五日、二十六日の二囘に互つて同一個所ではなくて、前には穀倉である中央部であります。次には根室、釧路地方が相當やられました。更に今囘の颱風で今まで被害がなかつた苫小牧、室蘭というような道南地方が今度又やられまして、この損害の額、これは今日では御案内の通り何の價格を基礎にして表わせばよいか分りませんけれども、とにもかくにも一般に言われている額で言うならば二十億以上に上つておるのでございます。
 橋梁、道路、農作物、或物いは全然荒廢に歸した農耕地等被害が甚大でございまするので、我々調査に當りましても各市町村について綿密な調査をいたしまして、いずれも政府に對して復舊に對する全額の御援助を願いたいということを要望して置きました。皆が自主的に部落總出で勤勞奉仕をやつておりますが、資材がなくてできないのと、更に財力がないために思うようにできない。自主的にどんどんやつておりますが、資金の問題と資材の問題について一つ皆さんに是非御依頼したい、こういう被害者の希望でございます。資金については一部前渡しをお願いしたい。自治體が直接やりますので……。それから資材はこれは枠を決定いたしましたならば、できるだけ早く現地に來るように御配慮を願いたい。これが差當つての墾請でございました。
 尚根本的の治山治水の問題については北海道の石狩川のごときは日本の一番大きい川になつております。これらの治水が殆と大部分自然のままに放置されておるし、その他砂防の問題等についてもこれは内地と同樣であります。今日北海道の日本における經濟的地位の重要性に鑑みて各位の御援助を飽くまで墾請したいと我々も考えております。道民の切なる希望でございますので、何卒今後水害等の問題に關する場合においては北海道についての面も十分御留意を願いたいと存ずる次第であります。
 詳細については書面を以て委員長の手許に提出してございますが、實はプリントにして皆さんに御配布申上げるのが妥當だと考えておりますが、なにせ今日までの各地の被害状況のプリントだけでも相當の手數と紙類がかかるということを考えまして、我々被害の實情を審さに視察した者から見れば資材の貴重なることを身を以て體驗したようなわけであります。希くは必要或いは疑問等がございます場合等においてのみ一つ委員長に提出いたしておりまする書類を御檢討願いたいと考える次第であります。
 以上簡單ですが、御報告申上げますが、最後に我々北村君と二人で、この前の水害状況視察の途次一關附近で水害の難に遭いましたが、今囘も又同所において遭難いたしました。通信の杜絶、連絡等ないために一時は全く絶望の状態でありましたが、幸い信越線の開通を機會にこちらをさ迷つて來たような次第でございます。
 以上簡單でありますが、御報告を申上げた次第でございます。
#52
○委員長(楠見義男君) それではこれで散會いたします。
   午後零時六分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           木下 源吾君
   委員
           羽生 三七君
           北村 一男君
           平沼彌太郎君
           小杉 繁安君
           佐々木鹿藏君
           石川 準吉君
           宇都宮 登君
           岡村文四郎君
           島村 軍次君
           徳川 宗敬君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
  説明員
   農林事務官
   (農政局農政課
   長)      小倉 武一君
ソース: 国立国会図書館
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