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1975/01/26 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第3号
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1975/01/26 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第3号

#1
第077回国会 本会議 第3号
昭和五十一年一月二十六日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  昭和五十一年一月二十六日
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時十四分開議
#2
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
#3
○議長(前尾繁三郎君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。成田知巳君。
    〔成田知巳君登壇〕
#4
○成田知巳君 私は、日本社会党を代表いたしまして、総理の施政方針演説に対し、変革の時代と言われている今日、日本の内外政策はどうあるべきかにつき、われわれの立場を明らかにしながら質問いたしたいと存じます。(拍手)
 三木内閣誕生以来、われわれは一貫して早期解散を主張してまいりましたし、総理自身も何回か解散に踏み切ろうとなされたはずですが、自民党内派閥の思惑に縛られ、解散できず今日に至っております。果たして、三木総理の意志で、総理の手で解散ができるのかどうか疑わしいとさえ言われておることは、総理御承知だと思います。
 五十一年度予算案に見られる三木内閣の諸政策は、経済危機の克服どころか、これを激化させ、インフレと不況の犠牲を一方的に勤労国民に押しつけるものであります。総理が施政演説で、今国会の最重要テーマである空前の赤字公債の発行、国鉄運賃を初め公共料金の大幅一斉値上げに一言も触れていないことは、まさに問題の回避であり、予算案の持つ反国民的性格をみずから証明するものであります。(拍手)
 したがって、総理は国会審議を通し、国民のための思い切った予算修正に応ずる用意のあることを明らかにすべきであり、でなければ、早期に解散、総選挙を行って自民党政策に対する国民の信を問うことが国民主権下の議会のあり方だと考えますが、総理の決意を承りたいと存じます。(拍手)
 いま、国民の皆さんが政治に求めておられる第一の問題は、インフレのない均衡のとれた経済、不況を克服しあすへの希望を持てる日本経済をつくり上げることにあると思います。
 そのためには、高度経済成長政策のもたらしたもろもろの社会的、経済的不均衡と不公正、すなわち、インフレによる国民生活の切り下げ、不況による雇用の悪化と中小企業の倒産、公害と環境の破壊、過密と過疎、地場産業や農漁業の衰退、教育の荒廃、社会福祉の著しい立ちおくれなど、いわゆる現代的貧困を根本的に解決しなければなりません。(拍手)
 これが、国民が総理の施政方針演説に期待した点であったと思います。ところが、総理演説はまたまた抽象的言葉の羅列に終わり、国民の期待を裏切ったことはまことに遺憾だと言わなければなりません。(拍手)
 まず、物価問題についてお尋ねいたします。
 政府・自民党は、景気対策こそ今日の至上命令だといたしまして、公債依存度実に二九・九%という赤字予算案を編成いたしましたが、果たして物価は本当に鎮静し、先行き高騰のおそれなしと総理は考えていらっしゃるのでしょうか。
 某銀行の調査によれば、主婦が買い物をされるとき、値段が千円安ければ三十分ぐらいの距離は平気で歩き、五十円でも安ければ十分ぐらいは歩くことを少しもいとわないと言われているように、全国の主婦は物価高の中で生活防衛のために必死の努力を続けておられるのであります。
 この自衛の努力をあざ笑うかのように、政府は、国鉄再建のための具体案は何ら示さないで、たとえば大企業のための運賃体系、設備投資はそのままにして、二年連続運賃五〇%の値上げや電信電話料金、大学授業料、公立高等学校授業料の基準や社会保険料の一斉引き上げなどをなりふり構わず強行し、他方、赤字国債を大量に発行いたしまして、狂乱物価への引き金としようとしておるのであります。
 社会党は、緊急のインフレ対策といたしまして、公共料金値上げは当分凍結し、日銀政策委員会の強化、物価に関する各種審議会に労働、婦人、農民、消費者団体代表の委員を増員して、その民主化を図ることを主張いたします。特に、独占禁止法を改正して大企業の横暴を抑えることは、急務中の急務だと言わなければなりません。(拍手)
 昨年の国会で独禁法改正案が流産した経緯ほど、自由民主党と財界の癒着の深さを国民の前に暴露したものはないと思います。(拍手)
 総理は、独禁法改正案は関係者の納得のいく形で再提案すると言われておりますが、そのねらいが、公取委員長を政府の自由な任免下に置き、公取委員会の企業分割命令権を剥奪するところにあるとするならば、それは独禁法体系を根本的に否定し、公取委員会を政府及び財界の忠実な侍女に仕立て上げようとするものだと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)独禁法改正案をいつ国会に提案されるのか、その改正の主な点は何であるかを明らかにしていただきたいと存じます。
 総理は、今日まで繰り返し税財政の根本的な洗い直しを公約されてきたにもかからわず、またまた不公正な税構造には手をつけないまま、三兆七千五百億円の赤字公債を発行しようといたしております。国民は、このような政府の安易かつ無責任な財政方針に大きな不安と疑問を抱いておるのであります。総理は、一体いつまでかかる借金財政を続けようとされておるのか、公債の市中消化の方法はどうなのか、具体的な償還計画とともにまず国民の前に明らかにする責任があると考えるものであります。(拍手)
 言うまでもなく、国債は政府の借金であり、そのツケは長い世代にわたり国民に回ってくるのであります。現に五十一年度は所得税の調整減税さえ見送られました。実質的増税であります。住民税均等割りの三倍引き上げ、大幅な自動車税の増徴が行われようとしております。中小企業に対しては付加価値税、農民に対しては一般農地の固定資産税の大幅引き上げを近く行おうとしておるではありませんか。
 政府は、不況による税収不足と景気対策を赤字公債発行の理由といたしておりますが、税収は不足しておるのではございません。政府は取れるところから税金を取っていない、取るべきところから取ろうとしておらないということであります。(拍手)
 防衛費、公安調査庁費などの徹底的洗い直しを行うとともに、勤労者の税負担を軽くし、不況の原因となっている停滞した個人消費支出の増加を図るため、四人家族年収二百九十一万円まで無税とすることを主張するものであります。(拍手)
 法人税に超過累進税率を採用し、あの二兆円に達する交際費の課税を強化し、大企業優遇の租税特別措置の思い切った改廃を行うべきであります。
 土地の含み益に課税すべきであります。全国市街地の地価は、昭和三十年当時の実に二十八倍に達し、国民総生産の伸び十七倍を大きく上回っております。この土地の評価益は、農地は対象にせず、また、評価益が法人で五千万円、個人で三千万円以下は課税しないとしても、実に百兆円に上るのであります。その一五%を再評価税とし、五年分割で徴収すれば、年三兆円であり、これらの措置で赤字国債は発行しないで必要財源を賄うことができるということを明らかにするものであります。(拍手)
 政府はこの赤字国債を財源にして公共事業を拡大し、輸出や民間設備投資をふやして景気浮揚を図るのだと宣伝していますが、高速道路をつくれば自動車の需要がふえ、これを受けて自動車産業の設備投資が活発になるというその考え方は、高度経済成長時代の神話にしかすぎないことを知るべきであります。(拍手)
 資源、環境、立地の制約で高度経済成長が不可能となった今日、産業基盤整備のために公共投資を拡充することは、鉄、セメントなどの価格の高騰を招き、インフレを再燃させるだけであって、喜ぶのはこれらの大企業、迷惑するのは額に汗して働く勤労国民だと言わなければなりません。(拍手)
 予算編成に当たり、財界が自由民主党の銀行借金百億円の半額肩がわりを政治献金の形で引き受けたことが、金融面あるいは財政面での財界への一層のてこ入れの原因になったと伝えられておりますが、理由なしとしないと言わなければなりません。(拍手)
 大企業優先の経済成長第一主義は、保守政党と財界、経済官庁の癒着を強め、日本株式会社と言われる日本独得の政・産・官複合体制をつくり上げております。五十一年度予算案は、ますますこの日本株式会社を肥大さすものであり、社会的不公正是正を唱えてきた三木総理の公約の完全なる破綻を示すものでございます。(拍手)
 三木総理は、政治への信頼とか清潔な選挙を口にする前に、まず自由民主党と財界とのこの癒着を断ち切るべきだと考えるものであります。特に、憲法と財政法に違反した公共事業費の予備費まで計上したことは、明らかに財政民主主義の原則を破るものであります。総理の見解はいかがでしょうか。良心に恥じない御答弁をお願いしたいと存じます。(拍手)
 われわれは、経済成長は国民のためのものであるとの立場に立って、国民生活中心、国民福祉中心の均衡のとれた経済運営を進めることを強く主張いたします。
 不況の克服も、金融と財政資金を大企業のための産業基盤整備に充てるのではなくして、公営住宅、学校、保育所、上下水道、公的医療施設など、国民生活の基盤整備に思い切って振り向け、これによって育成される社会開発関連産業が経済成長の原動力になるという福祉型成長パターンに転換すべきときだと考えるものであります。(拍手)
 具体的には、社会福祉の拡充を経済成長の結果と考えるのではなく、社会保障制度の拡充こそ経済成長の前提であると位置づけ、たとえば年金についても、福祉年金こそが本来の所得保障だと考えまして、月四万円とし、賦課方式を全面的に採用して、厚生年金は標準給付月十万円、国民年金も夫婦十万円を支給すべきであります。一度しかないこの人生で、たとえコネはなくとも、権力や地位はなくとも、まじめにこつこつ働いておれば老後は人間らしい生活が保障されるという世の中をつくり上げることこそ、最大の政治課題だと考えるものであります。(拍手)
 総理は、生涯設計計画を提唱されていますが、言うまでもなく、福祉社会の建設には国の積極的な政策介入が絶対に必要であります。したがって、個人の意思と努力を第一義とする一世紀前の自由競争中心型では、福祉社会の建設はとうてい不可能であります。
 独禁法の改正すら、自民党、財界の圧力を受けて後退に後退を続けている総理の手で、果たして生涯設計計画が実現できるでしょうか。しょせんは各論のない総論に終わり、またまた国民に幻想を与えることになることは、余りにも明らかだと言わなければなりません。(拍手)
 均衡のとれた経済成長を図るため、農業、漁業を日本経済の基幹産業として位置づけ、農用地の拡大、主要食糧、飼料の備蓄制の確立、公害から漁場を守り、とる漁業から育てる漁業への転換に思い切って国家資金を投入し、食糧の自給率向上を図らなければなりません。(拍手)
 食糧の安全保障とともに、日本経済の自立と安定のためにエネルギーの安全保障を確立すべきであり、石炭産業国有化による生産力の拡大、電力会社の一元化、石油の輸入、開発、精製について民主的コントロールを強化すべきであります。
 深刻な不況は、雇用問題と中小企業の破産、倒産を引き起こしております。総理が施政方針演説で失業対策について一言も触れていないのは、深刻な雇用問題に対する認識の欠如と対策のなさを示すものであり、まことに遺憾だと言わなければなりません。(拍手)全国一律最低賃金制度の確立、雇用及び失業対策緊急措置法の制定、失業給付金の六カ月延長、労働時間の短縮、週休完全二日制の実施を図り、中小企業対策としては、中小企業分野への大企業の進出を規制し、中小企業への官公需の受注率を大幅に引き上げ、政府資金の融資枠の拡大を図るべきであります。
 政府の経済政策の失敗は地方財政を危機的状況に陥れております。全行政の七割を担当しながら、歳入は三割という不公正な国と地方の財源配分を少なくとも五対五に改め、企業の社会的負担の強化、超過負担の廃止、国の委任事務の整理を断行し、自主的で責任ある地方自治を確立すべきであります。
 不況からの脱出のために、日本社会党は、政府の方針とは逆に、個人消費支出の拡大をその柱とすべきことを強調するものであります。(拍手)
 政府は、昨年度経済成長を四・三%、個人消費の伸びを一八・四%と見込みましたが、労働者の賃上げを二二・一%に、生産者米価は一四四%に抑えたために、個人消費支出は予想以上に停滞し、そのことが今日の不況を深刻化した最大の原因であることは、総理も御承知のはずであります。(拍手)
 現に、景気回復の足取りは重く、五十年下期は実質ゼロ成長だと言われておるのも、個人消費支出の伸び悩みによるものであります。だとすれば、賃上げゼロが一けたなどという、自分で自分の首を締めるような財界筋の日本式所得政策に強く反省を求め、政府としても、総資本の立場に立った賢明な政策として、実質賃金と米価の適正な引き上げを景気政策の柱とすべきだと思います。(拍手)
 以上述べましたことは、日本経済を不況から脱出させ、均衡のとれた成長の軌道に乗せる道であります。このわれわれの主張を取り入れて予算の修正を積極的に行い、国民の期待にこたえるのが、真の「対話と協調」の政治だと思いますが、総理の見解を伺いたいと存じます。(拍手)
 総理は、日本経済の直面している事態の重大性を指摘されましたが、その困難な局面を打開するために政府・自民党の選んだ道が、相変わらず国民に背を向けた大企業奉仕のそれであることは、以上申し上げた五十一年度予算案が雄弁に物語っております。
 悪政のあるところ必ず反抗があると言われていますが、自民党政策に対する勤労国民の批判と反撃はますます強まりつつあります。政府・自民党はこのことをよく承知しています。自民党政治が強権と反動の政治へ傾斜を強めているのもそのためだと思います。
 憲法改正が自民党政綱に明記されたこと、財政困難、福祉切り捨てを言いながら、一兆五千億円を超える自衛隊予算が計上されたこと、国民生活のすみずみまで規制する刑法の全面的改悪、小選挙区制の実施、天皇及び総理の靖国神社参拝、教師の主任制度化とスト権ストに対する政府の対応ぶりにそのことは露骨にあらわれております。(拍手)
 主任制度の省令化と時を同じゅうして、文部大臣は助け合い教育を提唱されましたが、現在、どの教育現場でも、まとめ役としての主任の選任は、助け合いの形で自発的に行われておるのであります。それを上からの命令で制度として中間管理職を置くことは、助け合い教育をみずから否定する論理の矛盾を犯すものであり、政府の真のねらいは教育への権力介入にありと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 全国の教育長会議で指摘されたごとく、無用の混乱を教育の場に持ち込む主任制度化はこの際見送ることが、総理の言う教育を政争圏外の静かなところに置くゆえんだと考えます。総理の見解を明らかにしていただきたいと存じます。(拍手)
 今日、教育を荒廃させておる元凶は、競争第一主義、受験競争の激化であり、その受験地獄を生んだものは大学格差であり、大学格差は、学歴主義と結びついた能力主義の産物であることは言うまでもありません。したがって、真の教育改革は、単に助け合いをお説教したり、入試制度の技術的改善のみではとうてい不可能であります。企業の側の指定校制度をやめさせ、政府、自治体が率先して学歴主義を一掃することはもちろんのこと、問題の根本的解決のためには、すべての青年に権利としての高校教育を保障し、進んで各都道府県の大学を地域に根をおろした格差のない充実した総合大学にしていかなければなりません。
 総理の言う生き生きした創造的な人間を育成するためには、憲法と教育基本法に基づいて、国の責任で教育環境と諸条件を整備するとともに、教師の教育活動の自由と自主性を確立することを最優先課題として取り上げるべきだと思うが、総理の見解を承りたいと存じます。(拍手)
 政府は、三公社五現業のスト権問題について、閣僚協のもとに新しい専門懇談会を設けようとしておりますが、これはスト権問題の結論をさらに引き延ばそうとする以外の何物でもございません。
 公労協労働者からスト権を奪っておる公労法が憲法二十八条に違反した違憲の法律であるととは、学者の意見を待つまでもなく、法律制定の際に、総理が総裁をしておられた国協党の代表者が、この議場で、このような屈辱的法律が廃止される日の来ることを切望すると発言しておられることで明らかだと言わなければなりません。(拍手)
 政府は、法律を守れと労働者にお説教する前に、政府みずから憲法を守り、労働者にスト権を認めるべきであります。(拍手)そもそも、法律がその実効性を持つためには、国民全体の確信に満ちた法意識に支えられていなければなりません。
 公労法は、制定の当初から、占領下という異常な事態のもとでつくられた憲法違反の法律、少なくともそのおそれ十分にありと指摘されてきた法律であります。このような法律を盾にして、憲法の保障するスト権を否認し、問題を労働政策、いや治安対策として処理しようとする政府のやり方は、かつて治安維持法という法律の名において国民を弾圧したと同じように、公労法という法律をよりどころに労働者を弾圧しようとする、まさにむき出しの権力行使だと言わなければなりません。(拍手)
 ストと処分の悪循環を断つと公約されたのは総理自身であります。総理が好んで口にされるランブイエ会議参加の先進諸国のほとんどが、経営形態とは関係なくスト権を認めておるではありませんか。
 この労働者の基本的権利を尊重し、スト権を付与する方向を明らかにすることがストと処分の悪循環を断つゆえんであり、対話と協調を説く総理に課せられた緊急の任務だと思います。総理の率直な見解を承りたいと存じます。
 次に、外交と安全保障政策に移りたいと存じます。
 インドシナにおける民族解放の戦いの全面的勝利という歴史的転換期に直面し、これまでの保守党政権の外交、防衛政策は根本的再検討を迫られておるのであります。
 日本の保守党指導者が、日米安保条約のもとでアメリカのベトナム侵略戦争に協力してきたことは、明らかな事実であります。しかるに、それらの人たちの口から、ベトナム戦争加担についての反省の言葉を一度も聞かされたことはございません。
 総理もその例外ではございません。総理は、フォード大統領との間で、アメリカがアジア地域でこれまで果たしてきた建設的役割りを再確認するとうたわれましたが、この建設的役割りとは一体何を指しているのでしょうか。インドシナでのあの汚い戦争で、民族解放運動を根こそぎつぶそうとしたのはアメリカではなかったでしょうか。(拍手)
 朝鮮問題で、総理は韓国条項を再確認しています。これは北ベトナムの脅威を宣伝し、南ベトナムかいらい政権を打ち立て、侵略戦争を行ったアメリカのアジア戦略の朝鮮版以外の何物でもないのであります。(拍手)
 また、非核三原則については、公式文書に一言も触れられておりません。それどころか、アメリカの核抑止力は日本の安全に重要な寄与を行うものであるとの確認さえされております。このことは、核絶対否定の国会決議に反し、非核三原則を守り抜くという国民の悲願を踏みにじるものだと言わなければなりません。(拍手)
 核拡散防止条約批准が昨年不成立となったのも、非核三原則に反して、自由民主党がアメリカの核持ち込み自由化につながるような六項目条件を決定し、安保条約の核安保化をねらったことが国民の反撃を受けたためであることは、総理も御承知のはずだと思います。
 以上の諸点に関する総理の反省を含めた率直な見解を求めるものでございます。
 日本社会党は、非同盟、中立、核否定の立場に立って、次の諸政策の推進を主張いたします。
 その第一は、日米安保条約であります。
 それが冷戦外交の産物として、アジアの緊張を高め、紛争を拡大する役割りを果たしてきたことは、ベトナム戦争の経緯が示すとおりであります。アジアの平和と日米両国の真の友好関係を打ち立てるためにも、軍事同盟である安保条約は、一日も早くこれを解消し、相互対等な日米友好条約に切りかえることを主張するものであります。(拍手)
 第二は、日中平和友好条約の即時締結であります。
 総理は、昨年、日中共同声明をさらに進め、年内に日中平和友好条約を締結することを明らかにされましたが、ついにこの公約を果たすことはできなかったのであります。総理が公約のとおり決断しておられるならば、周恩来総理の存命中に条約は締結されていたはずであり、返す返すも残念だと言わなければなりません。
 伝えられるように、中国側の出方待ちというような消極的な態度ではなくして、総理言明のごとく、共同声明をさらに進め、後退することなく、平和友好条約を一日も早く締結するための行動を直ちに起こすことを強く要請するものであります。(拍手)
 その第三は、日ソ平和条約の締結であります。
 先般の日ソ定期協議で領土問題は前進を見なかったと言われておりますが、北方領土問題を今後の平和条約交渉の議題とすると共同声明に明記することができなかったことは、まさに事実上の後退だと言わなければなりません。
 全千島が日本固有の領土であるとの立場に立って、日ソ共同宣言に基づき、歯舞、色丹の返還を実現し、日米安保条約を解消して日ソ友好関係を増進する中で、択捉、国後を含む全千島の返還を実現することを確認して平和条約を締結するという基本方針で粘り強く運動を展開すべきだと考えます。(拍手)
 その第四は、隣国朝鮮に対する平和外交の展開であります。
 昨年の国連総会におきまして、朝鮮民主主義人民共和国支持の決議が可決されたことは、今日までの日本外交の決定的な立ちおくれを示したものであります。
 朝鮮の現状を固定化するアメリカの政策と一体となって、朴政権に政治的、経済的てこ入れをすることをやめて、朝鮮民主主義人民共和国との交流の窓口を広げ、朝鮮の自主的、平和的統一に寄与すべきだと主張するのであります。(拍手)
 次に強調しておきたいことは、第三世界外交の推進であります。
 非同盟、中立の旗を掲げた第三世界諸国の結束は、今日までの大国中心の国際政治の流れを大きく変えつつあります。資源確保という狭い視野からではなく、民族の独立、世界の富の公平な配分、経済自立の達成という第三世界の主張を受けとめまして、新国際秩序建設のため積極的に努力すべきであります。この非同盟、中立の外交政策の展開こそ、ベトナム以後、日本外交の進むべき道であり、日本がアジアにおいて、否、世界の中で自主的、平和的発展を遂げる唯一の道だと考えるが、総理の見解を明らかにしていただきたいと存じます。(拍手)
 御承知のように、政府が最近行いました自衛隊と防衛問題に関する世論調査は、その問題の立て方に多くの操作が行われているにもかかわらず、防衛予算については、現状維持と削減すべしという意見、合わせて六三%に達しておるのであります。
 また、最近、某新聞社の行った世論調査で、「戦後三十年、日本が平和に過ごせたのは何が原因か」、この問いに対し、一位は「敗戦の体験」、二位は「憲法第九条があったから」、そうして「日米安保条約」を理由とするものは三位、「自衛隊があったから」というものは実に最下位の十五位であり、一位、二位の合計は、三位、十五位の計の二倍を超えておるのであります。また、「今後平和を維持するにはどんなことが必要か」、この問いに対し、一位は「平和憲法の擁護」、二位が「平和教育と平和運動の推進」、この両者の計は、「安保の維持強化」と「自衛隊増強」の両者計の実に四倍近くに達しておるのであります。(拍手)
 このことは、憲法の非武装中立の道を進めごとこそ日本の平和と安全の道であるというわれわれの主張が定着しつつあることを示すものであります。(拍手)
 もちろん、われわれは理想の旗は高く掲げ、政策は現実に即して着実に前進させていきます。非同盟、中立の外交政策を強力に推進し、日本周辺においても、この日本国内においても、戦争の火種をなくしながら、安保条約をやめて日米友好条約を締結するとともに、自衛隊は、社会党を中心とする国民連合政権の安定度、自衛隊の掌握度を考慮しながら、特に国民の合意、すなわち、世論の支持のもとにこれを漸次解消し、平和国土建設隊と国民警察隊を創設しようとするものであります。これほど民主的で現実的な平和と安全保障の政策はないと断言しなければなりません。(拍手)
 以上の社会党の諸政策は、一言で言えば、平和憲法の精神の推進であり、その具体化であります。
 すでに自由民主党は政綱に憲法改正を掲げています。言葉は改正でありますが、それが憲法の平和主義と民主主義、基本的人権に挑戦する改悪であり、日本を再び暗い谷間に突き落とすものであり、「二十一世紀への挑戦」どころか、旧帝国憲法への逆行、十九世紀への逆行以外の何物でもないと言わなければなりません。(拍手)
 総理、もししからずとお考えならば、その根拠を本議場を通して具体的に国民の前に明らかにしていただきたいと存じます。
 この自由民主党の憲法改悪の路線を許すのか、それとも、憲法擁護のわれわれの路線をより強力に推進していくのか、この選択こそが今後の日本の政治の方向を決定するかぎだと言わなければなりません。(拍手)
 日本社会党は、国民の皆さん方の声に謙虚に耳を傾け、流した汗の報われる政治の実現のために全力を尽くす決意であることを明らかにして、私の質問を終わる次第でございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#5
○内閣総理大臣(三木武夫君) 成田君の御質問、拝聴をいたしました。その中には幾多の参考にすべき点もございますので、それは感謝をいたしますが、しかし、私は、質問を拝聴しながら、何か根本的な理念といいますか、問題解決の方程式に非常に根本的な違いがあるということを強く感じたわけでございます。恐らくこれは一つのイデオロギーの違いから出発するものだと思いますが、この点については、成田君の御質問に答える場合に私は触れてみたいと思うのでございます。
 しかし、とにかく、今日は日本として未曾有の難局であるし、また、自民党のための日本でもなければ、社会党のための日本でもない、国民のための日本でありますから、国民的な立場に立ってもっと歩み寄りができないのかということが率直な感想であったということは申し上げておきたいのであります。(拍手)
 成田君は、質問の第一として、施政方針の演説の中で私が赤字国債とか公共料金の値上げに触れていなかったのは反国民主義であるという非常に大きな言葉をお使いになりましたけれども、成田君に御承知を願いたいのは、施政方針演説というものは、もう総論から各論すべて私がやるというのではなくして、大蔵大臣、経企庁長官、外務大臣、各大臣が述べておる財政、経済、外交という演説が四位一体をなすものである。私一人が全部に触れるものではないわけでございますから、この点は、特に故意にそういう問題を私が落としたわけではないわけでございます。
 それから予算の根本的修正というお話でございましたが、現時点では最善を尽くした予算でありますので、今後十分に御審議を願いたいと思うわけでございます。
 また、解散の問題については、いろいろ御親切な御配慮を感謝いたします。けれども、解散は当然に十二月までに行って、すべての国民の審判を私は受けたいと考えておる次第でございます。
 それから次には、日本経済をインフレのない適正成長の軌道に乗せなければならぬ、そのために社会的、経済的不均衡を是正しなければならぬ、これは私も同じであります。ただ、しかし、高度経済成長によって日本国民の消費、所得の水準が大幅に向上して、そうして雇用の機会が増大をしたわけでございますから、一切高度経済成長が悪かったという、そういう考え方には私は同意をしないのであります。しかし、一方において、環境問題とか、社会保障とか住宅その他の社会資本と言われておるものの立ちおくれは、これは確かに御指摘のとおりでございます。したがって、今後はこういうものに対してのバランスを取り戻していかなければならぬ。その方法論については、成田君との違いはございましょうけれども、そういう不均衡を是正していくために努力をしなければならぬということは、私も同感でございます。しかし、その基本になるものは、物価を安定さすこと、完全雇用を確保すること、国民生活の安定向上を図るということが基本であることは申すまでもありません。
 また、次の御質問は、公債の依存度二九・九%、こういう赤字予算を編成して、また他方、国鉄運賃を初め公共料金の大幅の値上げが狂乱物価を再現するのではないか、公共料金の値上げは凍結せよというお話でございます。
 公債発行というものは、それ自体インフレになるものではないことは私が申すまでもない。現在のような民間の投資活動が沈滞しているときには、むしろ公債を発行して、そしていままで貯蓄しておる国民の貯蓄を吸収して、これを財政的な支出に向けることが必要であります。現に、金融面での預金の伸びも順調でありますから、公債の市中消化は可能であります。こういうことから考えてみて、この機会に公債を発行して景気の浮揚を図るということが、これがインフレになるとは考えておりません。
 また物価も、五十一年度の経済見通しでは、海外の物価の動向、国内の生産動向などを勘案して、消費者物価の年度内の上昇率を八%と政府は見積もっておるわけであります。予算関連の公共料金、国鉄、電電等の値上げの消費者物価へのはね返り、約一%と計算をしておるわけであります。それもこの八%の中に吸収ができるという考え方に基づいておるものでございます。だから、このことによって狂乱物価が再現するということは、絶対にありません。この点は申し上げておきます。
 また、公共料金を凍結せよという成田君のお話ですけれども、どうも公共料金というものを今日まで凍結をしたために、非常に公共企業体の――凍結というよりかは、公共料金を上げるときに上げないで、そしてずっと無理をしてきたことが、公共企業体の経営というものを非常に深刻な状態に陥れておるわけであります。だから、公共料金というものは、時に小刻みに上げなければいけぬものである。それを凍結しておいたならば、次に上げるときには、一遍に急激に値上げをしなければならぬので、この点は、将来私は考えていかなければならぬ点だと思うわけでございます。
 また、この凍結せよということは、成田君のお考えの中に、まあ公共料金などはできるだけ国民全体の負担にしていく方がいいのだというお考えがあるとするならば、私は賛成できない。やはり公共事業というものは、利用する人としない人があるのですから、汽車でも、汽車に乗る人と乗らない人があるのですから、乗る人に適正な運賃を支払ってもらうということが、私は公平だと思うのですよ。それを全部利用しない国民にも負担をしてもらうということは、公平だとは思わない。これが一点。
 もう一つは、そういう形の経営というものをやれば、もう採算ということを経営者は頭に入れなくていいわけですから、そうなってくると、経営者の責任というものが明確にならぬですね。やはり利用者も適切な料金を払って、それによって事業を経営していくということでないと、経営者の責任というものは確立しない。だから私は、独立採算制と申しますか、やはり利用者が公共料金は負担をするという制度の方がより合理的だと思うわけでございます。
 次に、独禁法の問題にお触れになりました。独禁法はただいま調整をしておるわけです。調整というのは、こういう点があるわけです。一方においては、公取委員会が強大な権限を持つということに対する不安と危惧の念がある。一方においては、公取が政府の隷属下に置かれるのではないか、そうなれば目的は達成できぬという不安と危惧がある。これを調整して、関係者が納得のいくような形で独禁法の改正を提案したいといま調整をいたしておるわけでございまして、この調整が済み次第、国会に提出をしたいと考えております。
 それから、赤字国債を発行することは安易かつ無責任であるというおしかりでございますが、しかし、今日は不況を一日も早く克服するということが国民的願望である。こういう状態が続けば、雇用というものもこれは確保されないわけですから、働いておる人も非常に不安になる。そこへもってきて、今日では、個人の消費といっても、非常に最近は消費のパターンが堅実になって、むやみな個人消費というものが景気の牽引力にならない。また設備投資も、設備は余っておるような状態ですからして、高度経済成長期のような設備投資というものは、経済の大きな引っ張る力にならぬ。そうかといって、不況でありますから、税収は非常にふえてこない、財源はない。こういう場合には、どうしてもこの際特例公債を発行して、そして今日の当面の事態に対処するということは必要である、こういうために特別の処置をとったのでありまして、そういう状態は、一日も早く財政が、普通の、特例の公債発行をしなくてもいいような財政に復帰するようにいたしたいと願っておるわけでございます。
 この特例公債については、もうしばしば申し上げておりますように、これは昭和六十一年までに全額を償還して、借りかえは行わない。その減債のために、財源としては、百分の一・六の定率繰り入れを行うほか、特例公債の償還までの間は剰余金を全額繰り入れることにするとか、必要に応じて予算の繰り入れを行う等を考えまして、この特例公債の償還については支障のないように十分配慮したいと考えております。
 また、特例公債の消化に当たっては、市中消化の原則というものを堅持して、そしてときどきの金融情勢を十分に配慮して、円滑にこれが消化していけるように努力をしたいと思っております。
 それから、税制の改正というものをいろいろお取り上げになりまして、そしていろいろと成田君自身の御提案がございました。これに対してお答えをしたいと思います。
 税制面の公平を確保しなければならぬことは、私どももそのように考えまして、五十一年度の税制改革は十分に配慮をいたしました。交際費の課税を強化したほか、租税特別措置についても全面的な見直しを行って、企業関係税制を中心として相当な整理合理化を行おうとしております。廃止をいたしましたのが十一項目、それから縮減合理化は五十八項目にわたっております。
 そこで、成田君の御指摘の勤労者の税負担の軽減の問題については、毎年減税をしてきて、日本の課税最低限百八十三万円というのは、最近アメリカが減税してこれと同じぐらいの率になりましたが、もう世界ではこれは一番最高の課税最低限でありまして、勤労者に対して日本の税が重いとは思わないわけでございます。
 ただ、成田君の考え方の中に賃金問題を含まれるとするならば、これはやはり当事者で賃金問題は国民経済的な視野から決めていただかなければ、賃金の決定に政府は介入をしないというのが方針でございます。
 それからまた、法人税の累進課税ということを言われましたが、この累進課税という税金は、結局、所得とか財産、最終的にその人の手に入るときに適用する税に累進課税をするのであって、法人税のような、生産規模などが非常に多種多様である、そしてこういう法人税を対象にして累進課税というものは、なかなか基本的に税としてなじまない。先進工業国でこの税をやっておる国はどこにもないわけであります。なじまない。
 それから、土地の再評価ということでございましたが、これは、ちょっと考えればそういうことは考えられましょうが、しかし、これはまだ実際に現実に利益が上がってないわけですから、何も現実に金が入ってきたり利益を得たというわけではないわけですから、実現をしてない利益でありますから、これに対して税金をいまかけるということは、いろいろな問題を引き起こしますから、にわかに賛成をいたすわけにはいかぬということでございます。
 それから次には、赤字公債を財源として産業基盤の整備を図ろうということは、これは高度経済成長の夢を追うものであり、大企業優先の政策であるという御非難がございましたが、われわれは高度経済成長が、再び日本にそういう時代が来るとは思ってないのですよ。資源から見ても、環境という問題からしても、労働力からいっても、そういう夢は、もう追おうとは考えていないし、したがって、適正成長の経済路線に切りかえようと努力をしておるわけで、夢を追う考えは全然ございません。
 また、成田君の御質問には、大企業、大企業とこう、いかにも、大企業がまあ悪とはおっしゃいませんけれども、大企業というものに対して非常に強く批判をされるのでありますが、これはそれなら、そんなに言って大企業をつぶしてしまったならば、雇用というものは一体どうして成り立つのでしょう。雇用問題を考えてみたときに、余りにこう大企業というものに対して――まあ大企業というものがやっぱりやっていけるようにしなければならぬし、また、日本の企業というものが、大企業といっても、中小企業にしても大企業の下請をしたり、お互いに相互の依存関係というものが密接に依存関係を持っておりますから、したがって、大企業というものがいかにも悪くて、中小企業だけがいいんだという、そういう考え方は余りにも現実を単純に見過ぎておるものであって、少し方程式というものが余りにも単純過ぎるということで、私は、そういう大企業優先、優先と何でも言われることに対しては、賛同をいたしかねるわけでございます。
 また、いま私が、大企業をつぶしてしまってもいいということは成田さんは言われない、しかし、話を聞いておったら、非常に大企業に対しては、いかにも大企業というものがいろいろと、大企業がやっておることは弊害の多いことが多いというような、そういう御意向が含まれておったと思います。そういうふうでは、現実の日本の経済の仕組みはそのようなものではないということを私は申し上げておきたいのでございます。(拍手)
 それから次に、今回の公債発行によって得た財源を、もっとやはり生活関連のいろんな公共事業に配分すべきだというお話でございましたが、われわれも今回の事業別の配分に際しては、住宅とか生活環境施設のほか、国民生活の基盤となる国土保全事業とか農業基盤の整備事業とか、そういうものに重点的に予算を配分いたしますとともに、将来、安定成長の基盤となる道路とか港湾などについても配慮をいたしたのでありまして、産業基盤整備の公共事業を中心にして拡大したというよりかは、やはりバランスのとれた、安定した経済成長を、適正な経済成長を図りたいという考え方のもとに予算を配分したものでございます。
 また、政府が公共事業に対して予備費というものを設けたことが憲法、財政法上に違反するのではないかというような御指摘があったと思いますが、われわれは、今回の公共事業予備費の設置は、これは法律上政府に授権されておるわけですね、予備費の使用というものが。その授権されておる予備費の使用について、政府が自分で、みずから使途を制約しようとするものであって、予備費の中で公共事業等に限定したということは、自分がみずから使用を限定したものであって、憲法や財政法の違反とは考えないわけでございます。
 それから、いま私は、国民生活の基盤整備に力を入れたというのは、数字的に申せば、投入国費の伸びの中で見ますと、住宅には二三・三%、下水道とか環境衛生施設とか公園とかいう生活環境の施設に対しては三一・二%と、一般公共事業の伸び率が一九・七%の中にあって相当生活関連の基盤整備には力を入れたということが、この数字でもわかると思うわけでございます。
 それからまた次には、社会福祉の問題について、成田君は、社会福祉は経済成長の前提であるというお話でございましたが、私は、この前提というか、大きな要素としてこれはとらえておるもので、施政方針演説でも、教育とか、科学技術とか、あるいは繁栄の基盤整備とかいうものと同じように大きな要素であるとしてとらえておるわけでございます。国民の福祉を推進するということは、これからの大きな政治の目標であることは、これはもう成田君の言われるとおりでございます。
 私の言う生涯の福祉計画についても、いろいろの御批判がございました。
 とにかくことしは福祉政策に対しては、政府は非常に気を配ってきたわけです。社会保障関係費に対しても、前年比二二・四%ふやして、そして、やはり国民の福祉政策というものには、今回の予算編成の中においても配意をいたしたわけでございますが、これは当面の福祉政策で、将来のビジョンをわれわれは持たなければならぬ。それにはどういう福祉社会の建設をすべきであるか、福祉社会の建設が政治の大きな目標であることは、これはだれも異存がない。
 それに対して、私はこういうことを考えておる。福祉というものを、単に老後という生涯の一期間をとらえないで、もう生まれてから死ぬまでの全生涯を通じて、そしてそれも総合的にとらえる。だから、老後とか、教育とか、あるいはまた住宅であるとか、あるいはまた就職であるとか、あるいはまた医療であるとか、こういう、老後なら老後というのでなくして、全生涯を、しかも総合的に福祉というものをとえらていきたい。しかも、それは外国の模倣ではなくして、日本の国情や日本の風土に合ったような一つの福祉社会を建設をしたい。しかもそれは、福祉政策というものは、全部、国とか公共団体、地方の公共団体から福祉は与えるというものではなくして、ある、成田君も言うような、最小限度の保障は、ナショナルミニマムというものはあるけれども、それ以上は個人の努力次第で、そしていろいろ公平に与えられた機会というものに対して、そしてその機会というものを享受して、そして努力次第で向上のできるという、何かこう自助的な努力と、あるいはお互いに助け合うという相互扶助の精神というものを組み合わせたような、こういう福祉政策を考えておるわけでございまして、これを今年度は調査費もつけて、政府の機能をこれは動員をして、そして、いまは言われるとおり総論でありますが、これを各論にわたって一つの案としてつくり上げたいと考えておるわけでございまして、これを何か幻想と何で言うのでしょうか。こういうふうに考え方の方向を明らかにして、これを具体的な案をつくるのだということが、何で幻想でしょうか。やはり政治というものは、理想と現実を踏まえて常に追求していくというものが政治の姿ではないでしょうか。成田君も、いろいろな御批判ではなくして、こういう福祉社会をつくるということについて、社会党は社会党の立場で今後御協力を願いたいと思うわけでございます。
 それから次には、エネルギーの問題、これは大問題であります。
 エネルギーに対しては、御承知のように日本はエネルギーの八〇%を石油に依存しておるわけですから、しかも九九・八%も外国から石油を輸入しているのですから、エネルギー問題というものは非常に大きな問題を抱えておるわけで、どうしてもやはり石油というものに依存をせざるを得ない。節約をするにしても、急激に石油の依存を減らすわけにはいかない。そうなってくると、次の新しいエネルギーが開発されるまでの間は、原子力発電というものが大きな役割りを持つわけでございます。政府も、安全の確保というものに対しては、全責任を持って安全の確保を図りたいということで、いろいろとこの問題については政府が努力しておることは御承知のとおり。だから、どうか地域の方々もイデオロギーを超えて、そして御協力を願いたい。これは野党の諸君も、やはり原子力発電というものは、ある時期には大きな役割りを持つわけですから、党派を超えて協力するものは協力してもらいたいと思うわけでございます。
 また次には、新しいエネルギーの開発のために努力をしなければならぬことは、これは申すまでもない。したがって、今年度は、やはり核融合の開発というものに対しても相当予算を増額したことは、御承知のとおりでございます。
 それから、施政方針演説で失業対策に触れてないではないかということでございました。
 やはり何としても景気を浮揚さして雇用を確保するということは、これは大前提である。そのために、政府は、今年度の予算についても、いろいろそういう点を念頭に置いて予算編成をしておることは御承知のとおりであります。しかし、不幸にして失業した人に対しては、失業給付金の面でも財源的な措置を講ずることにいたしますし、また、失業を未然に防ぐために、雇用調整給付金制度というものも、これはやはり財源を今後確保してまいります。
 また、就職のむずかしい高年齢者、身体障害者などに対しての雇用を促進するために、法律改正も行いたいと思っております。
 また、企業倒産で賃金不払いの人に対しては、国が事業主にかわって立てかえ払いの行えるような制度も創設をしたい、そのための法案も提出したいと考えておるわけでございます。
 それから中小企業に対しては、これは日本の企業数の九九・四%も占めて、就業人員は七八%を占め、生産も五〇%を占めるのですから、中小企業の安定なくして国民経済の安定はない。政府は、そういう意味から、中小企業に対しての貸付規模の拡大、下請中小企業対策、あるいはまた中小企業の近代化、高度化というものに対して、今年度の予算においても特に配慮をいたしたわけでございます。
 また、地方自治に対しては、成田君もいろいろ御指摘になりました。
 どうしても国民生活の向上のためには、地方行政の果たす役割りというものを非常に重視しなければならない。そういうために、政府は、地方財政の非常に困難な状態を考慮して、明年度は地方交付税や地方債について特別の処置を講ずることにして、地方財政の運用には支障を来さないような配慮をいたしておる次第でございます。しかし、地方団体も、これは高度経済成長のような安易な時代は終わったのですから、自主的な努力を期待して、非常に責任のある、自主的であっても同時に責任のある、今後の地方経済、地方の行政の合理的な運営というものを、われわれは期待してやまぬものでございます。
 さらに、教育というものについてお触れになりましたが、教育の主任制度というものに対していろいろと、これは教育の権力的支配であるという大きな言葉を使ってお考えになりました。
 教育の主任制度というものは、やはりねらいは、権力的な支配などねらっているのではないのですよ。これはやはり教育内容を向上したいためにこういう一つの制度を設けたのであって、これで教育を権力的に支配などということは考えてない。だから、私は常に言っておるのは、教育というものを政治の争いの場から中立の場に置きたいということを願っておるわけでございますから、私の内閣で教育の権力的支配を強化するなどという考えが出るわけはないわけでございます。またやはり、そういうことを通じて私が願っておるのは、よい日本人、よい世界人というもの、学校教育を通じて、そういう素地をつくってもらいたいということを願っておるので、教育を権力的に支配しようという考え方は、私はもう全然そういう考えは持ってないことを明らかにしておきます。
 また、高等学校の教育は、これは普及をしてまいりまして、実際、全員が高等学校に入学したと言ってもいい。九二%という普及率でございますから、これは全員入学と言ってもいいと思います。
 また、大学の有名校との格差を是正するために地方大学を整備せよという考え方には、私も賛成であります。地方大学を整備して、日本には有名校が一つか二つだというふうな、そのことが入学試験というものに対していろいろな弊害を呼んでおるという事態は、これはやはり非常な弊害を呼んでおりますから、できるだけ地方の大学を充実して、中央へ出てこなくてもいいような状態に置くことが必要だと思います。
 さらに、外交について、いろいろお述べになりました。
 一つは、日米安保条約を解消して日米友好条約の締結という、そういう考え方は持っておりません。日米安保条約を堅持してまいりたいと思います。
 また、日中共同声明に基づいて日中の平和友好条約を早く締結せよ。これは、われわれも同じように考えております。
 また、日ソ平和条約の締結。これは、領土問題を解決して日ソの平和条約を締結したい。
 朴政権との癒着をやめて、朝鮮人民共和国との交流を拡大せよということでございました。
 われわれは、朴政権との間に癒着などしておるわけはないので、外交に癒着というものはないのですよ。癒着というものはない、外交に。そういうことでありますから、韓国の健全な発展あるいは安定というものを願っておるわけで、癒着ということではない。北朝鮮との間には、できるだけ交流を積み上げていきたいと考えております。
 また最後に、第三世界外交の推進ということでございました。
 われわれは第三世界という言葉は使ってないのですが、これが発展途上国という意味ならば、発展途上国の発展は世界の繁栄の基礎でありますから、発展途上国の安定と発展のためには、今後も努力をしてまいる次第でございます。
 それから成田君は、社会党の言う非武装中立の道が日本の平和と安全を保障してきたというようなお話でございました。
 私どもは根本的に考え方が違うわけでございます。私は施政方針演説においても述べましたごとく、日本の安全を守るということは、大きな国の責任でございますが、そのためには、一つには国民の抵抗の意思といいますか、自衛隊というものがそれであらわれておるわけですが、現実には、堅実な国内体制、また第三には平和外交、また第四には集団的安全保障、すなわち日米安保条約、これを維持する。この私のあげた四つというものが、やはり日本の安全を保障するための大きな基本になると私は考えておるわけでございまして、こういう考え方で日本の安全を今日まで図ってきたがために、日本の平和と安全が保障されたのであって、社会党の言われるような非武装中立の道を日本が歩かなかったから、今日の日本の平和と安全があるのだということを申し上げておきたいと思います。(拍手)
 それから、憲法の問題について最後にお触れになりました。
 社会党は憲法を守り、自民党は憲法を改悪しようとしておる、こんな考え方は、憲法を改悪しようなどという考え方は自民党はありません。憲法の成立にはいろいろないきさつがあったことは、これは国民みんな知っておる。しかしながら、憲法の精神である自由、民主、平和、人権、この諸原則は国民に支持されて、国民の総意が定着しておるわけでございます。したがって、こういう原則というものは曲げてはいけないわけで、だから、将来、改憲問題というものは国民の総意によって決定さるべきものであって、総意によらずして憲法の改正はできるものでもないし、改正されるものではない。自民党が憲法の改悪を考えておるなどということは、これだけの日本の政治に対して責任を持っておる自民党が、そういうことを考えるわけはないわけでございます。しかし、政党が憲法を常に検討するということは、政党の自由であります。したがって、自民党が、この国民の間に支持されておるような諸原則を改悪しようなどという考え方のないことは明らかにしておきたいと思います。
 以上、お答えをいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(前尾繁三郎君) 石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
#7
○石田博英君 私は、自由民主党を代表して、総理の施政方針演説に対し、若干の質問を行うことといたします。
 一昨年暮れに成立いたしました三木内閣は、三つの使命を持って出発したのであります。
 まず第一は政治に対する国民の信頼を回復するということ、第二は物価の鎮静、そして第三は社会的公正の確保ということでありました。そして国民もまた、このことによって三木内閣に大きな期待を抱いたのであります。
 そのうちの第一の政治に対する信頼の回復については、前通常国会で公職選挙法の改正、政治資金規正法の改正を行ったのであります。これは歴代内閣が意図しながらなし得なかったものであり、大きな前進であると言うことができるのであります。
 第二の物価の鎮静についてでありますが、不況の中の物価高騰といういわゆるスタグフレーションは、日本だけのものではなく世界的な現象ではありますが、特に一昨々年度から昨年度にかけてのわが国の物価の上昇は、狂乱物価と言われるほど異常なものでありました。三木内閣は、これを鎮静させるという非常な難事に取り組んで、所期の目的を達成し、この点においても国民の期待に沿うことができたものと評価をすることができるのであります。(拍手)したがって、三つのうち二つの使命は達成されつつあることを私どもは確信をいたします。どうかこの成果を踏まえて、さらに努力を続けていただきたいと存じます。
 第三の社会的公正の確保は、三木内閣のこれからの課題であります。日本経済が新しい段階に入って、限られた国土と資源の中で、従来の高度成長から安定成長へと路線の変更を余儀なくされつつあります。その結果、国民のパイの分け前が小さくなることになります。これについては国民に理解をしてもらわなければなりません。また、当面する財政の運営のために所得減税も見合わせ、公共料金等の値上げについても国民の協力を得なければならないのであります。そのためには、経済が公正に運営され、経済の発展が国民の福祉の向上につながるという信頼の確保が必要となるのであります。勤労による所得と勤労によらざる所得とは区別さるべきであります。少なくとも勤労によらない売り惜しみ、買いだめ等による膨大な利得は許すべきでなく、公共の投資や経済の繁栄によって生じた土地の値上がり等の所得は社会に還元さるべきであります。また、最近、企業性悪説とも言うべき風潮があります。これは公害に対する配慮の欠如、石油ショック当時における一部企業の不当な行為が原因であって、これらについては企業自体の深刻な反省が必要でありますが、同時に、企業経営の安定なくして、不況の克服も、また雇用の増加もあり得ないことを知らなければなりません。この両面を正しく見詰めた社会的公正を確保するための諸般の措置こそ、健全な自由主義経済を守るゆえんであると信じますが、税制並びに独占禁止法の改正について、二年目を迎えた三木内閣はいかなる態度と決意を持って臨まれるか、説明は不要でございますから、ずばり御所信を承りたいのであります。
 また、これが国民の理解を得て効果を上げるためにも、公正取引委員会の性格、機能、権限について検討を必要とすると考えますが、あわせてお考えをお伺いいたします。
 次に、外交問題についてでありますが、外交政策の基本的目標というものは、言うまでもなく平和を維持することであります。平和は善意を基調として初めて達成されるものであり、不信や猜疑や、ましてや憎悪からは生まれてくるものではありません。そして、国際的な交流と協力を通じて、わが国の安全と国民生活の向上を図っていかなければなりません。
 今日、平和を乱す原因は、第一に、イデオロギーと体制の違いによる国家間の相互不信であります。第二は、開発途上国の貧困と、それによる政情の不安、そして第三は、依然として消えない軍備の拡張競争であると考えます。かかる認識に基づき、わが国は、国際間における不信感の解消、相互理解の増進に努めるとともに、さらに進んで国際紛争の原因を除去し、平和を創造すべきものであります。
 三木総理は、昨年十一月に開催されたランブイエの先進国首脳会議に出席されました。この画期的な会議では、当面する貿易の拡大、通貨の安定等の国際間の諸問題を共通の責任において対処するという基本的方針を確立し、さらに三木総理は、南北問題の重要性を訴え、開発途上国に対する協力の姿勢を打ち出し、これらをランブイエ宣言の発表にまで主導されたことは高く評価されるべきであります。(拍手)この南北問題こそ、今日における最大の外交課題であります。なぜならば、開発途上国の貧困の克服こそ、世界平和の大きな基礎固めであるからであります。
 わが国は、資源、貿易、投資の面で開発途上国に大きく依存しており、これら諸国との協力なくして、わが国の繁栄もまたありません。わが国の地理的条件から見て、その中で東南アジアが一番重要と考えます。インドシナ情勢の最近の変化を踏まえ、東南アジア、特にASEAN諸国との一層の友好増進を図るべきであります。ASEAN主脳会議に総理の出席を求めるとの報道がありますが、かくのごとく東南アジア諸国はわが国に大きな期待を持っているのであります。わが国としては、これにこたえ、これらの諸国に対し、最大限の配慮と努力をもって実効ある積極的援助を進めていくべきであります。これがわが国のアジア外交の基本であると思いますが、総理の御見解をお伺いいたしたいのであります。
 また一方、アメリカ、ソ連、中国との関係が重要であることは言うまでもありません。わが国は、日米協調を基軸とし、ソ連並びに中国との友好増進を図るべきものと考えますが、特に日ソ、日中の問題について御見解をお伺いいたします。
 まず、日ソ関係についてでありますが、本年初頭にグロムイコ外相が来日し、総理及び外相と会談をいたしました。平和条約締結の最大の難問題である北方領土問題については、具体的な進展は見られませんでしたが、継続の議題とすることに意見が一致し、本年じゅうに宮澤外相が訪ソして交渉を進めることになったことは一応の前進であります。領土問題を解決をするためにも、一方においては補完関係にある日ソ両国の経済協力、特にシベリア開発等を通じて一層の友好、親善を図っていくことが望ましいと考えるのであります。
 もう一つは、不幸な誤解や紛争が生ずることをできるだけ避けなければならないということであります。そういう意味で問題となるのは、日本近海におけるソ連船の行動であります。先般日ソ漁業協定が締結され、専門家会議が開催される運びでありますが、協定の完全実施を期待すると同時に、ソ連側の自制を強く望むものであります。ただ、これに関連して、領海十二海里宣言の問題がございます。この宣言をすることによって、日本近海の操業に付随する紛争の約八〇%は解消されると承っております。したがって、現在損害を受けている漁民を守るためにも、できるだけ早い時期に領海十二海里宣言をなすべきであると思いますが、この点についての御所見をお伺いをいたしたいのであります。
 次に、日中問題についてであります。
 三木総理は、日中正常化の当初からの推進者でありました。総理はみずから中国を訪問し、田中内閣成立に当たっては、日中の正常化問題を外交政策の中心に据えることに主導的役割りを果たしたのであります。したがって、日中正常化は総理の悲願とも言うべきものであり、われわれとしても、両国の友好、親善を考える上からも、できるだけ早い時期に平和条約の締結がされることを望むものであります。ただ、この条約締結の最大の問題となっているいわゆる覇権問題について、いままでの交渉の経緯と政府の御見解をこの機会に明らかにしていただきたいのでございます。
 また、新聞によれば、欧米諸国の一部で、不況を克服するために、開発途上国に対する武器の輸出を積極的に行っているということであります。わが国の一部にも、武器輸出禁止の緩和を求める向きもあるやに伝えられておりますが、少なくとも殺傷兵器の輸出については、他国民の血液で自国の不況克服をあがなうものと言うべきでありまして、この機会にこの問題に対する政府の見解を明らかにしていただきたいのであります。
 次に、核拡散防止条約並びに日韓大陸棚協定の批准についてお尋ねをいたします。
 特に、核拡散防止条約は、議会においても非核三原則が決議されたものであります。そして両者とも調印されて以来相当の日時を経過しているため、対外的に無用の誤解を与える危惧なしとしません。本国会における早期の批准を望むものでありますが、総理の御決意を伺いたいのでございます。
 次に、経済、財政並びに雇用問題についてお尋ねをいたします。
 現在の不況は、物価鎮静のための総需要抑制策を中心とする諸施策の影響にもよりますが、基本的には石油ショックを契機とする世界経済の大きな変動によるものであります。政府は、昨年六月以来、不況克服のため数次にわたり対策を講じてまいりましたが、残念ながらまだその効果は十分でありません。現在の不況は依然として深刻なものであり、完全失業者数は約百万、その数は全雇用労働者の約二%に当たります。この数字は先進各国の現状に比較して少ないと言えましょう。しかし、企業の稼動率は七〇ないし七五%、それにもかかわらず、失業率が二%以下にとどまっているのは、わが国の終身雇用制度によるものであります。現在の不況がこれ以上続くと、企業はこの負担に耐えられずに、さらに失業者は激増し、ひいては社会不安を生ずるおそれがあります。したがって、総理の認識どおり、不況克服は三木内閣の当面する最大の使命であると思うのであります。そのような見地から、来年度予算案は不況克服を最大の目標として編成され、その柱は公共事業と貿易の振興にあります。現在、国民の最も知りたいということは、昨年の補正予算と五十一年度の予算案に盛り込められた不況対策が、いついかなる効果をあらわすかということであります。アメリカ、ヨーロッパの景気動向ともにらみ合わせて、明確な景気回復の見通しを明らかにされたいのであります。
 不況対策を主目的として昨年成立した補正予算の実施がおくれがちであるという声を耳にいたします。来年度予算についても、早期成立を期するはもちろんでありますが、この予算がせっかく不況克服を盛り込んで成立をしても、その実施が行政の怠慢によって遅延したのでは、効果が薄いのであります。この点について、総理の格段の配慮を要望するものであります。
 また、補正予算において二兆三千億、来年度予算においても巨額な赤字公債が発行されるのでありますが、元来、赤字公債の発行は避けなければならないのは当然であります。しかし、現下の不況、財政事情からやむを得ないものと了承するものでありますが、しかしながら、五十二年度以降もなお赤字公債を必要とするのか、また、これらの公債をいかにして償還をするのか。これは成田君に対する答弁にございましたから、繰り返してはお答えをいただかなくとも結構でございますが、少なくとも来年度以降も赤字公債を必要とするのかどうかということについてのお見通しを承っておきたいのでございます。
 次に、国鉄の再建と電電公社の経営の健全化、あわせて公労協のスト権の問題についてお尋ねをいたします。
 国鉄は、四十九年度実績を見ると、通常営業収入は一兆六千億円、これに対し営業経費は二兆二千億円、負債総額は五兆五千億円、まことにもって憂うべき実情にあり、民間企業であれば、すでに完全な破産状態であると言わなければなりません。結局その赤字は国民の税金で負担することになるのであります。本来国民生活の安定と向上に向けらるべき税金が、国鉄の赤字補充のために巨額に使われるということは、国民にとってまことに迷惑なことでございます。
 政府は、二兆五千億円をたな上げし、その利子を一般会計で負担し、国鉄当局も運賃値上げを含む具体策を検討中であります。しかし、このような異常な事態のもとで国鉄再建を図るためには、文字どおり労使一体となって国民の負託にこたえるという決意が必要であります。
 電電公社の経営の健全化についても基本的には同様であります。電電公社は昭和四十八年度までは黒字経営を維持してきたのであって、この際、労使協力して、第二の国鉄に陥らないよう、早急に対策を講ずべきものと考えます。
 労使協力の前提として公労協はいわゆるスト権の問題を取り上げております。労働の基本権は尊重しなければならぬことは言うまでもありません。しかし、これも公共の利益の前にある程度の制限が行われるのはやむを得ないことであります。そしてまた、これが現状であります。その場合、代償措置が必要であり、それは公労委の仲裁裁定の実施であります。これによって、三公社五現業の労働条件は、民間に比べて決して遜色がないはずであります。
 私は、昭和三十三年には仲裁裁定の完全実施の慣行を確立し、昭和四十年にはILO八十七号条約批准を行った当時の労働大臣であります。公労協の労働者諸君の権利について、いささかの努力をしたつもりであります。
 スト権の問題は、公共企業体を再建し、国民に迷惑をかけないために、いかにしてよき労使の慣行を確立するかということにつながる問題であります。政府は、昨年末、この問題について見解を発表しましたが、重ねて、国鉄の再建と、国民に迷惑をかけない最善の方法をできるだけ速やかに見出すことを期待いたします。
 しかし、このことと、法律に禁ぜられておる争議行為をするということとは、全く別個の問題であります。(拍手)公共企業体のスト権の問題は、公労法の改廃の問題であります。法律の改正を論議する前提は、法律を守るということであります。(拍手)気に入らない法律は守らなくてもよいという考えで法改正を論議するのはナンセンスであります。また、法改正は国民を代表する国会において審議、決定するものであって、ストライキによって決定するものではありません。(拍手)公労協にスト権を与えるべきだと考えられる政党は、なぜ、法律改正案を国会に提出なさらないのですか。そうして、国会の論議にゆだねられないのですか。(拍手)この点を私ははなはだ不可解に思う次第であります。
 したがって、政府は、このけじめを明確にし、法秩序の維持に努めるべきであり、公労協の諸君もまた、法治国家の国民としての責任と義務を分担すべきであると考えるのでございます。(拍手)
 今日のわが国の社会保障の中で最もおくれているのは、老後の保障であると考えます。
 総理は、この問題を含め、さらに広い角度から、国民の一人一人がその一生を通じ、生きがいを追求しながら、安心して生活できる社会的仕組みを国民経済の裏づけのもとに実現するという観点から、いわゆるライフサイクル計画というものを発表されました。いま、成田君の質問に対して詳しいお答えがございましたが、わが自由民主党としても、特別の調査会を設置して鋭意検討中でございます。この計画が一日も早く実を結ぶように切望をする次第でございます。
 教育を初め、中小企業、農林漁業、特に食糧の自給度を高める問題等、お尋ねしたいことが多々ございますが、同僚議員の予算委員会における質疑にこれを譲ります。
 特に、この機会にただ一つ触れておきたいことがございますが、それは、海洋博後の沖繩の問題でございます。
 沖繩の海洋博は、復帰後の沖繩県民の福祉と生活の向上を願って計画されたものでありましたが、閉会後もこの善意が実を結ぶように要望し、今後の見通しと対策をお伺いをいたしたいのであります。
 最後に申し上げたいことは、全世界の人類が、核戦争の脅威、環境汚染等のすでに論議されている問題のほかに、人口の爆発的急増、これに伴う食糧の不足、さらに石油ショックを契機とした資源の枯渇等、人類全体の生存にかかわるいわゆる人類史的課題が顕在化しつつあります。これは日本一国で処理される問題でなく、ましてや党派やイデオロギーで解決される問題でもありません。全人類が自覚し、英知を結集し、世界的規模において取り組まなければならない問題であります。
 そのときに当たって、国会の論議は余りにも当面の問題に終始し、その運営もまた過去の慣例にとらわれ、きわめて非能率なことを議会人の一人として深く反省をするものでございます。(拍手)
 総理もまた、二十一世紀に挑戦すると施政方針演説で述べられ、五十一年度予算にも、未来の熱エネルギーの開発あるいはわが国の食糧自給度の向上等について相当の予算を計上しておりますが、この顕在化しつつある人類史的課題に対して、積極かつ具体的な政策の展開を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#8
○内閣総理大臣(三木武夫君) 石田君にお答えをいたします前に、成田君の御質問の中で、何分にも成田君の質問は何十項目にわたっておりましたので、お答え漏れがございましたので、この際、お答えをいたします。
 一つは農業問題でございますが、食糧というものは、大変に国民の生存の基盤をなすものです。そのために、農業問題というものは大問題であって、政府も、農業の生産基盤の整備、あるいは生産対策というものの強化、できるだけ自給度を高めてまいりたいという政策をとってまいりたいと思います。
 しかし、成田君も食糧の自給自足というようなことはお考えになっていないことは当然でございましょうが、どうしても日本は海外の輸入によらなければならぬ相当な部分がありますから、輸入食糧の安定的確保ということも、食糧政策の一つの柱でございます。そういうように、自給度を高めながら、輸入食糧の安定的輸入も確保しながら、食糧問題に万遺憾なきを期してまいりたいと思います。
 個人消費の問題でございますが、これは最近の消費が、より物を大事にしようという国民の風潮が非常に高まってまいりまして、むやみな大量消費というような時代ではなくなりましたけれども、政府は昭和五十一年度一四%の個人消費の伸びを経済見通しの中に計上しておるわけで、将来の見通し等が明るくなってくれば、個人消費も堅実な伸びを示すものだと考えておるわけでございます。消費者減税と申しますか、そういうことについては、先ほど税の問題で触れましたように、今回はいたさなかったわけでございます。
 それから、公労法の問題については、いま石田君もお触れになりましたけれども、やはり公労協というものが、いまの労働基本権の問題に関連して、現在の労働法規というものに不満を持っていられるわけで、それは占領時代のいろいろないきさつから、非常にこれは悪法であるというようなお考えのようでありますが、しかし、お互いの社会秩序を維持するためには、この法律は悪いと思う者は守らなくてもいいんだということでは社会秩序は維持できぬわけでございますから、悪いとするならば、その法律は改正されなければならぬ、改正されるまでの間はその法律を守るということでなければ、 これはやはり、違法ストはやる、違法ストはやるけれども、処分だけは御免こうむりたい、そんなことが通用するならば、法治国家の一つの秩序というものは維持できないわけであります。(拍手)だから、どうしても政府もこの問題については真剣に検討いたしたいと思っておりますが、とにかくこの問題は、やはり現在の法規を守るということで公労協がこの問題と取り組まれるということが、ストと処分の悪循環を断ち切る大前提であるということを、ひとつ公労協に対しても申し上げておきたいのでございます。
 それから、石田君の御質問に対してお答えをいたしますが、非常にいろいろと示唆に富む御質問をいただいて、啓発される面が多かったことを石田君に感謝をいたします。
 税制面でいろいろ具体的な提案をなさりながら、税制面における公平の確保というものを非常に強調されましたが、これはもっともなことでありまして、高度経済成長期と違って、今後は適正成長期における政治は、できるだけ公平ということが政治の中で一番必要な要素になってくるわけでございまして、その中においても、税制というものは直接国民に対して影響するところが多いわけでございますから、今回の場合も、租税特別措置法などに対しては全面的に見直しを行いましたが、今後とも税制の公平な確保に対しては、努力をいたす考えでございます。
 独禁法の改正の問題、いろいろお触れになりましたが、石田君の御指摘になったようないろいろな問題を含んでおりますが、そういう問題も含めて、関係者の納得のいくような改正案を提案したいと思うわけでございます。
 それから次には、東南アジアの問題というものに対して、大変にこれはわが国にとって重要であるという御指摘でございましたが、私も、やはりこの日本の平和と安定のためには、アジア・太平洋の平和と安定というものが大前提になる、したがって、東南アジアの動向というものに対しては非常な関心を持つものでございます。二月末に予定されているASEAN首脳会議、これはやはり東南アジア諸国が非常に自主的に対処しよう、よその国を頼るというよりかは、みずからの体制を強化しなければならぬという見地から、東南アジア諸国の首脳が寄って、そして、いろいろと相談をしようということだと思いますから、こういう東南アジア諸国の力強い動向というものに対しては、できるだけわれわれもその動きというものを助長すると同時に、あらゆる機会にこれらの諸国との意思の疎通を図りて、日本のできることならば、できるだけ積極的に協力を行って、東南アジア諸国との間に共存共栄の関係を固めるように努力をしたい。そういう意味において、ASEAN首脳会議の動向は非常に注目をしておるところでございます。
 それから、日ソ関係でございますが、ソ連との間にも近隣の友好関係を増進したいというのがわが国の外交方針でございますから、ソ連との間の友好関係の増進にも今後努力をしてまいりたいと考えております。そのために、一つの大きな懸案になっておる領土問題これはグロムイコ外相が来日をされましたけれども、まだ、やはり進展はございませんでした。今後とも粘り強く外交交渉を続けていく考えでございます。経済協力の面では相当進展があるわけであります。シベリア開発の協力等も含めて、相互の共通の利益、互恵平等の原則、こういうものが貫かれる限り、今後とも推進をしてまいりたいと思います。
 また、ソ連の漁船の操業問題がいろいろと日ソ間の紛争の種になっておりますが、これは日ソ漁業操業協定の中で決められておる紛争処理委員会も近く発足することになっておりますので、こういう一つの処理委員会なども通じて、また、ソ連の漁船にも自粛を求めて、日ソ間で漁業問題のいろいろな紛争ができるだけ起こらないような努力をしたいと思うわけでございます。
 また、領海十二海里の問題についてお触れになりましたが、われわれとしても、政府としては現在三海里の領海を十二海里にしたいと考えております。しかし、この問題は、石田君御承知のように、やがて開かれる海洋法会議、国連との関連における海洋法会議でいろいろと領海問題が議論をされることになっておるわけで、海洋法会議の議長よりも、各国が海洋法会議でいろいろ取り決めができる前に一方的措置を講ずるようなことは、海洋法の秩序の成立を妨げるから、ひとつ自重してもらいたいという手紙も受けておるわけでございます。また、その海洋法会議では、石田君御承知のように、二百海里水域の設定の問題もございますし、また、国際海峡の通航権の問題もございまして、いろいろ問題をはらんでおるわけでございまして、各国ともできるだけこの海洋法会議でこれらの諸問題を解決したいという動きが起こっておりますので、やはりこの会議の結果を見て具体的な処置はとることが適当だと考えております。しかし、日本の領海を十二海里に広げるということは、政府の方針としてそのようにしたいと考えておる次第でございます。
 それから、日中関係については、御承知のように、日中国交正常化以来、共同声明で約束した四つの実務協定というものはもうみな締結されて、日中関係というものは着実に進展をしております。ただ、残るは日中の平和友好条約の締結ばかりでございますが、これが覇権反対という問題は、両国の相互理解を深めなければならぬわけでございまして、日本は、この覇権反対ということは、まあ世界のいずれの国でも、いずれの地域でも、これはやはり覇権に反対する、覇権反対は普遍的な平和原則であるというのが日本の考え方でございます。こういうことで日中両国の了解がされるならば、私は、平和条約の締結に大きな障害はないと思っております。
 それから、武器の輸出禁止の緩和を求める動きがあるがどうかというお話でございましたが、わが国は、従来より武器輸出の三原則を設定して、武器の輸出についてはきわめて慎重な態度をとっておるわけでございます。政府としても、今後ともこの方針を変更する意図は持っておりません。
 また、核拡散防止条約の批准の問題にお触れになりましたが、先般の施政方針演説にも申しましたごとく、六年前にこの条約は調印をしたのでございまして、日本が、非核三原則も持っておりますし、この条約をいつまでも批准をしないということに対しては、国際的にもなかなか説明をしにくい状態であります。日本は、この条約を批准することによって、平和国家として道義的な力を持つわけですから、そういう面から世界の平和に貢献をすることが適当だと思いますので、この国会で御承認を得たいと考えております。
 日韓大陸棚協定の批准につきましても、これは政府が責任をもって調印したものでございますし、日韓共通の利益を推進するという意味からも、日韓の大陸棚協定をできるだけ早い機会に発効させたいと考えておりますから、この国会において承認を得られるよう希望するものであります。
 それから、景気回復に対する見通しを明らかにせよというお話でございましたが、御承知のように、第四次不況対策で八千億円の公共事業費を組んだわけです。住宅などを入れると二兆円ぐらいの事業追加をやったわけです。これはしかし、地方財政の措置などもありまして、四次不況対策が一月から三月までにずれ込んだ場所が相当にあるわけです。しかし、この一月から三月の間にはほとんど全部消化をされるであろうという見通しでありまして、このことも景気浮揚には相当に役立つ。その上にもってきて、公共事業費三兆五千億円を今回の予算には計上してありますし、予備費の千五百億などもございますし、まあ公共事業費は二一%伸ばしたわけでございまして、これが景気浮揚に対しては大きな役割りを果たすものと考えます。
 しかも、予算の執行については、石田君が御指摘になりましたように、おくれないように、できるだけ早くこの予算が執行できるような配慮をいたしたいと思っておりますから、したがってわれわれは、その政府の見通しのごとく、年度を通じて実質経済成長率五ないし六%程度の成長率は確保できるものだというふうに、景気の回復の見通しとしてはそのように考えておるわけでございます。
 それから、また昭和五十二年度にもやはり赤字公債を発行することになるかというお話でございましたが、いまの状態では、発行しなければならぬような状態に昭和五十二年度はなると私は思うのです。しかし、できるだけその公債の発行の幅を圧縮したいとは思っておりますが、五十二年においても発行しなければならないような状態であるというふうに考えておるわけでございます。
 それから、国鉄とか電電の経営の再建のためには労使一体でなければならぬという御指摘は、石田君の言われるとおりでございまして、国鉄にしても、これだけ過去累積の赤字、非常に大きな累積の赤字を抱えてこの困難な国鉄を再建していくためには、労使が一体になって国鉄を再建する、昔の名誉と伝統のあった国鉄にもう一遍よみがえるということが必要でございまして、石田君の御指摘のとおりでございます。今後は、そういう意味において政府も、労使が一体となって国鉄の再建に当たるように努力をしていきたいと思っております。これはまた国民の期待でもあると思います。
 また、生涯の福祉計画については、石田君御指摘のように、自民党の間でも、船田長老を、会長をわずらわしていま検討いたしておる最中でございまして、私は、本気でこの問題と取り組んで、日本の将来の一つの福祉社会の建設というものに対して、先ほど申し述べておったような理念というもののもとに日本の福祉社会を建設したいという、非常な熱意を持っておることを申し上げておきたいと思います。
 また、沖繩の海洋博の問題についてでございますが、海洋博は、三十数カ国も参加を得て、成功裏に終わっておる。少し入場者が少なかったとは申しますけれども、しかしながら、たくさんの、何百万の人たちが沖繩を訪れて、本土の人たちと沖繩の人たちとが心が触れ合ったという点では、非常にやはり効果がありましたし、また、道路とか港湾とか空港、水道などの社会資本の開発というものも促進をされて、沖繩が将来発展をしていく一つの出発点になり得たと思います。そういう意味において、海洋博は、私は成功であったと見ておるわけでございます。しかしながら、海洋博が終わりであってはいけないのであって、沖繩の振興開発のこれはスタートであるというような見地から、沖繩の開発というものに対しては、今後積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、石田君は、やはり政治はもう少し長期的な展望を持ってやらなければならぬというお話でございましたが、全く同感でありまして、そんなにそのときそのときではなくして、これはお互いに永い悠久な日本民族に対して責任を持っておるわけでございますから、今日の政策が明日の長期展望につながるものでなければ相済まぬわけであります。責任を果たせないわけでございますから、われわれはそういう長期展望を踏まえて、しかも国会が、石田君御指摘のように、いろいろと改革を加えなければならぬということを御指摘になりましたが、これはまさに国民の声でもあるわけでございますから、どうか石田君の言われますように、日本の議会制民主主義というものが、長期展望に立った、日本の将来に対して大きな貢献が与えられるような議会制民主主義になってもらいたいと心から願うものでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(前尾繁三郎君) 山口鶴男君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔山口鶴男君登壇〕
#10
○山口鶴男君 私は、日本社会党を代表し、不況とインフレに苦しむ国民の怒りの声を代弁し、「社会的不公正の是正」「対話と協調」を金看板に総理に就任したにかかわらず、在職わずか一年、全く国民の信を失い、いまや有言不実行の代名詞となった三木総理及び関係閣僚に対し、昨年の施政方針演説と今回の施政方針演説との相違点を指摘しつつ質問を行います。(拍手)
 三木総理、あなたは演説の最後を「国民への訴え」で結びましたが、国民は、言葉だけでない公約の実行を、総理への訴えとして強く望んでいる。このことを認識していただきたい。(拍手)その認識の上に、率直な答弁をいただきたいのであります。
 三木総理は、昨年、「生活中心、福祉重視の質的充実の時代へ転換するためには、地方行政の果たす役割りは一層大きなものとなる」と国民福祉の向上に果たす地方自治体の役割りを強調し、「地方行財政のあり方について全面的に見直す必要がある」と述べたことを、よもやお忘れではないでありましよう。
 しかるに、戦後三十年の地方自治の歴史において、かつてない未曾有の危機に直面し、住民福祉の向上どころか、現状の水準の維持すら全く困難な状況に追い込まれている地方財政の実態を見るにつけ、総理は昨年の所信を全く忘却したと言わざるを得ません。
 現に、本年は、「地方行財政の健全化を図ることが不可欠であり、地方の自主的努力を期待する」と述べただけであります。明らかに政府の責任を回避し、自治体に責任を転嫁しているものであって、断じて許すことはできません。(拍手)
 今日、住宅、保育所、学校、生活道路、公園、上下水道など、住民生活に不可欠な生活環境の施設整備費が、インフレによってウナギ登りに膨張する一方、肝心の地方税収入が深刻な不況によって急激に落ち込んでしまっている以上、自治体が財政危機に見舞われることは、むしろ当然と言わなければなりません。
 問題は、財政危機の中で、限られた自主財源の中で、だれが最も福祉を大切にし、その向上に努力してきたかであります。もちろん、それは政府でもなければ自民党でもありません。ほかならぬ住民に支えられた革新自治体であったのであります。(拍手)
 革新自治体は、憲法を暮らしの中に生かすことを行政の基本とし、政府の法律万能の締めつけの中で権限なき行政にいどみ、児童手当や敬老福祉年金制度などを創設し、福祉先取り行政を進めました。住民のシビルミニマムの確立を目指し、難病対策、無認可保育所への助成、ゼロ歳児と老人医療の無料化、重度心身障害者や寝たきり老人専用の浴場の建設、妊産婦の無料健康診断、お年寄りの市電、市バスの無料化、ちびっ子広場の確保など、枚挙にいとまがないほどの福祉行政を断行いたしました。その結果、児童手当の制度化、老人医療の無料化のように、やっと国に重い腰を上げさせたことなどは、国の行政の貧困を象徴する出来事でありましょう。(拍手)
 さらに、革新自治体が財政危機の深刻化する中で、自民党政府の大企業優遇の税制に鋭くメスを入れ、その転換を迫ったことであります。
 東京都や横浜市で実施された法人事業税、法人住民税の大企業に対する超過課税は、全国的に燎原の火のごとく拡大し、一部の保守自治体でさえ追随せざるを得なくなっているではありませんか。
 こうしたことに加え、革新自治体は、大阪摂津市の保育所設置国庫負担金訴訟や北海道釧路市の工場誘致条例の改定など、政府に対する制度改革の要求を強める一方、車いすの歩ける町づくりのように、都市建設システムの改革を進めようとしているのであります。
 かかる先取り福祉に対し、福祉見直しのキャンペーンを張り、革新自治体の成果を、かつての佐藤内閣のように、たとえ渋々ではあっても国政に取り入れるならまだしも、あえてこれを切り捨てようとしているのは、かつて佐藤内閣を官僚政治として批判した三木総理、あなたを首班とする三木内閣ではありませんか。(拍手)この厳然たる事実に対し、三木総理、いかに考えておられるか。総理の猛省を促し、答弁を求めます。
 次に、地方財政の危機が地方自治体の財政運営をいかに困難にしているかを明らかにし、政府の考えをただしたいと存じます。
 国及び地方自治体の昭和五十年末の公共事業の進捗状況は、前年度に比べ、国では一五%程度伸びているものの、地方自治体のそれは逆に一〇%程度落ち込んでいるのであります。
 さらに、問題は単独事業であって、都道府県の場合、昭和五十年度予算計上額ですら、前年に比べ一〇%以上落ち込んでいるのであります。国の公共事業の受けざらとしての地方財政の状況が、政府の第四次不況対策はもとより、単独事業の実施を困難にし、生活に重大な影響を与え、また自治体の単独事業に頼る中小零細企業にいかに打撃を与えているか知るべきであります。
 こうした状況に立ち至ることは、昨年の補正予算における地方財政対策の不備によって、十分予測し得たはずであります。政府が声を大にして不況対策を叫び、予算を計上しても、その裏づけとなる地方財政に十分な措置を講ずることなしには、むなしい荒野の叫びにしかならないのであります。(拍手)
 それにつけても想起されるのは西ドイツの例であります。昨年の西ドイツの不況対策は、連邦予算を思い切って地方財政につぎ込むという画期的なものであったと言われます。国民生活関連の社会資本のストックが、わが国と比較にならぬほど高い西ドイツにおいてすら、あえて地方財政対策を強化している事実を率直に学ぶべきではありませんか。三木総理は、演説の中で三カ所にわたりまして、ランブイエ会議の成果と精神をうたい上げております。西ドイツのシュミット首相と一体何をランブイエで話し合われたのですか。
 ところで、昭和五十年度の一般会計予算は二十一兆二千八百八十八億円、ツイニハサン予算と呼ばれ、事実そのとおりとなりました。昭和五十一年度一般会計予算案は二十四兆二千九百六十億円、私はこれをフヨーニクローあとはゼロと読むことにいたしております。心は大企業中心の景気対策、景気浮揚に苦労はしても、国民には増税と赤字国債、公共料金値上げを押しつけ、住民のための地方財政対策、中小企業対策、福祉対策は全く軽視しているからであり、国民から見ればゼロ、いなむしろマイナスでさえあるからであります。(拍手)
 赤字国債と多額な地方債発行による大規模公共事業中心の予算に対し、すでに地方自治体の間に国の公共事業を敬遠する動きが顕著となっています。かつて国庫補助金の獲得に狂奔していたこれまでの例からすれば、まさにさま変わりの感がありますが、笛吹けども踊らぬ地方財政の現状に対し、政府はどのように認識していますか。総理、大蔵、自治、各大臣の答弁を求めます。(拍手)
 次に、私は、今回の地方財政対策について、これまでの措置と今回の措置とを比較しつつ質問をいたします。
 戦後、地方財政が深刻な赤字に見舞われた時期は、昭和三十年前後の不況期と昭和四十年不況期との二つがあり、高度成長が破綻し、総需要抑制を契機とする不況とインフレ下の今日の事態は、三度目のものであり、かつ最も深刻な危機と言うべきであります。第一期における政府の措置は地方財政再建特別措置法の制定であり、地方への干渉でありました。第二期の政府の措置で特徴的なことは、昭和四十一年において地方交付税率を二九・五%から三二%に引き上げ、臨時特例交付金四百十四億円の交付及び一千二百億円の特別事業債の発行の三つの対策を講じたことであります。過去二回の政府の措置は、赤字再建法の制定と交付税率の引き上げによって特徴づけることができるわけでありますが、特に昭和四十一年度の対策は注目すべきものであり、昭和五十一年度においても、これを当然最低として踏襲し、その上に立って、量的にも質的にも比較にならない現下の危機の実態に即した対策を講ずべきことは言うまでもありません。(拍手)
 しかるに、今回の対策は、かかる実績を踏襲するどころか、すべてを借金によって措置するという前代未聞の無策に終始したのであります。地方六団体はもとより、総理の諮問機関である地方制度調査会が意見として強く求めた地方交付税率の引き上げは全く行わず、臨時特例交付金はわずか五百五十九億円でお茶を濁し、一兆三千百四十一億円の交付税特別会計借り入れ、一兆二千五百億円の地方債増発によって、二兆六千二百億円の財源不足を穴埋めしたのであります。これらの結果、地方財政は昭和五十年度末において約二十兆円の借金を抱えることになり、五十二年度以降の多大な償還は、地方財政の弾力性を全く奪うことになるのであります。
 総理並びに大蔵、自治両大臣に伺いたい。地方財政危機の原因が政府の経済政策の失敗と制度の改革を怠ってきたことによる以上、昭和四十一年度の措置は最低のものと考えますが、いかがですか。さらに、多大な借金をしょわされた地方財政の昭和五十二年以降の健全化の方策について、具体的かつ納得いく答弁を要求する次第であります。
 そもそも、地方財政がかかる状況に立ち至ったのは、国が安易な公債発行に依存したためであります。まさに国債を抱いた財政から、国債に抱かれた予算へと変質したことによって、国税三税にリンクする地方交付税の相対的減少を来すことになった事実こそ、今日の地方財政危機の最大の元凶と言わなければなりません。(拍手)
 わが党は、赤字国債発行をやめ、国民福祉の向上と地方財政の充実を図るためにも、悪名高い租税特別措置の大胆な整理と大法人の課税強化、土地増加益税を創設するなど、五兆円以上に上る税源の強化を図るとともに、国民消費支出の増大による真の景気対策を進めるためにも、勤労大衆の国税、地方税の大幅減税を行うことを要求してまいりました。地方交付税率を実質四三%にする具体的提案を行ってまいりました。すなわち、現行税率を三五%に引き上げるとともに、自治体の生活関連事業の充実などを図るため、国税三税の八%をもって第二交付税を創設するよう提案してきたのであります。
 事実、今回の借り入れ分を加えた交付税総額を税率に換算するならば約四三%に相当しており、わが党の主張の正しさを政府みずからが証明するという皮肉な結果となっているではありませんか。(拍手)この際、交付税率の引き上げと配分の民主化を断行すべきであります。また起債の自由化に踏み切るべきであります。政府の答弁を求めます。
 さらに、長年の懸案であり地方財政を苦しめてきた超過負担について伺います。
 近年、革新自治体初め地方自治体の要求によって、学校、保育所などの単価差の改善は若干実現されたものの、いまだきわめて不十分であります。措置費、施設費、人件費、事務費などの超過負担は、昭和四十九年度一年間だけで六千三百六十億円、用地費などを含めるならば、約一兆一千億円もの膨大な超過負担の存在を報告している地方自治体の調査に、政府は目をつぶるのでありますか。不当な財政負担を強いる態度を改めること、数量差、対象差を完全に解消することこそ地方行財政見直しの出発点であることを強調し、政府の猛省を促して答弁を求める次第であります。(拍手)
 そこで、三木総理、その国の福祉は町中で見かける障害者やお年寄りの数で決まるという言葉を御存じでありますか。わが国でも、心身障害を持つ人々やお年寄り、妊産婦、難病など、何らかの意味でハンディキャップを持つ国民の数は十数%を下らないと見られております。これらの人々が安心して町に出られ、一人で、また車いすなどで旅することができる、こうした都市づくり、国鉄を初めとする交通機関の整備を進める考えはありませんか。障害を持つ人々にとって、十センチの階段の段差は城壁のように思われますし、車いすで利用できるトイレのないことは、外出を妨げる障害となっております。
 都市計画法、建築基準法、道路法や道路構造令などの改正を含めて、お年寄りや障害者が安心して町に出られる都市づくりに着手すべきであります。現在、国が指定した身体障害者福祉モデル都市、補助金わずか一千万円、こんなものではだめであります。東京町田市などの先進的実践に素直に学ぶべきでありましょう。
 三木総理、福祉先取りに対する攻撃は、やるべきでありません。総理の反省と決意を求める次第であります。(拍手)
 経済閣僚会議座長の福田長官に伺います。
 福田長官は、昨年十月の物価動向を見て、これで五十一年三月の物価一けたは実現できると、大いに胸を張ったと言われます。昭和五十一年度の経済見通しによれば、昭和五十一年三月の消費者物価指数は前年同月比九・九%の上昇、五十二年三月のそれは八%の上昇、五十一年度平均上昇率は八・八%と見込まれています。経済演説でもその点を強調されましたが、この目標は達成できますか。予算案には、新物価体系の名のもとに、国鉄運賃の五〇%引き上げ、電報電話料金の約二倍引き上げ、大学授業料の引き上げなどがメジロ押しに並んでおり、予算計上以外でも、消費者米価を初め公共料金の値上げが想定されます。これらの影響が二%程度でおさまることは、まず不可能と考えますが、確信がありますか、明確な答弁をいただきたいと思います。
 ところが、国民は、仮にこの数字が万が一にも達成されたとしても、絶対に喜ぶ気にはなれないのであります。それは、五十年三月の前年同月比は一四・三%の上昇、四十九年三月のそれは、福田長官みずからが狂乱物価と名づけたように、二四・〇%の上昇を記録しております。五十一年三月の九・九%が達成されたとしても、三カ年間に物価は五〇%も上昇したことになるからであります。
 特に、私がここで問題にしたいのは、これらの政府の統計は、国民生活実感から全く乖離しており、国民を欺瞞するものではないかという点であります。(拍手)
 かつて土光経団連会長は、五十年五月の東京都内の消費者物価指数が四月に比べて一%上昇したとき、これでは年間二けたの上昇率になること、その主因はカビ防止剤騒ぎで輸入が激減したレモンにあると聞き、レモンなど食べなくても死ぬわけではない、あんなものが品目に入っているのかと怒ったと言われます。
 四十九年四月、同じ東京都内の指数が三・五%急騰したとき、時の田中総理は、メロンの値上がりが原因の一つと聞いて、なぜそんなぜいたく品が入っているのか、けしからぬと激怒、統計のつくり直しを命じたところ、メロンと言っても高級品ではなく、大衆的なプリンスメロンであったことが判明し、大方の失笑を買ったと報道されているのであります。(拍手)
 ところで、わが国の場合四百二十八品目、アメリカ二百七十四、ヨーロッパでは平均して二百となっていますが、多ければよいというのではなく、国民生活の実態を正しく反映する重要な品目を指定することが重要なのであります。
 特にわが国の場合、昭和二十二年百五十二品目から出発し、改正の都度増加し、三十五年二百七十、四十年三百八十四、四十五年四百二十八と異常な増加率を示しました。品目とウエートとを変更した場合、前後の指数にそごの出ることは当然で、四十五年改正による新指数の最初の発表が翌年の九月となったため、四十六年九月分についてのみ新旧二つの指数が発表されたのであります。これによると、新指数は四十五年を一〇〇として一〇八・六となり、旧指数一一〇・四と比較して一・八%も低いという結果が出ているのであります。当時政府は、苦しい言いわけをしたわけでありますが、問題は、五年に一度の変更のたびに、新指数は必ず旧指数よりも低い値が出るところに注目をしなければならないのであります。アメリカの場合、六十年間に三回の変更がなされただけであります。わが国の場合は五年ごとに指数を下げるための変更がなされているのであります。
 その上、ウエートの比較的高い季節野菜の値動きが物価指数を大きく左右することに注目した政府は、季節的野菜の奨励金を支出し、人為的な操作さえいたしておることは注目をしなければなりません。
 ラスパイレス指数という計算方式を盛んに宣伝しているのでありますが、国家公務員と市町村の地方公務員との学歴、経験年数、職制が同一であるという乱暴な仮定の上に立って計算をしたものが国民の不信感を買っている。その同じラスパイレス指数を根拠として、財界首脳や政府首脳の意向におびえながら、変更に次ぐ変更を積み重ね、その上、人為的な操作までなされている消費者物価指数を信頼せよということ自体、全く無理な注文と言わなければなりません。(拍手)
 特に強調したいのは、労働者の賃上げ闘争の際、賃金抑制のガイドライン、実質的な所得政策の有力な武器としてこれが活用されていることであります。また、農民の要求する生産者米価、乳価、繭価など、農畜産物の価格抑制の重要な手段となっていることであります。
 しかも政府は、これらのからくりを国民の目から覆うために、政府の諮問機関である統計審議会の委員の構成は学識経験者、各省担当者、利用者の代表となっているにかかわらず、利用者の代表は日銀、経団連の代表のみで、総評など労働者代表、消団連、主婦連など消費者の代表を完全に締め出しているのであります。
 三木総理、労働者や農民、消費者の意見を封殺し、政府当局と財界の代表によって構成された密室の中で、国民生活に重大な影響ある物価指数が作成されている現在の状況をよいといたしますか。国民各層の代表を審議会のメンバーに加える意思がありますか。もし、なしとするならば、三木内閣は財界にのみ奉仕し、国民に犠牲を強いる内閣と言わなければなりません。(拍手)総理の明確な答弁を求める次第であります。
 さらに、昭和五十年の基準改定が進行しつつあります。ことしの秋、新指数発表の際は、前後の旧指数、新指数をすべて公開し、品目、ウエートの変更があるならば、その理由を国民の前に明らかにしていただきたい。このことを福田長官に要求し、答弁を求めます。
 海洋博後の沖繩問題について質問いたします。
 海洋博後の沖繩経済は、本土に数倍する失業者、深刻なインフレと中小企業の倒産にあえいでいます。緊急の失業対策と中小企業に対する緊急措置を講ずるとともに、沖繩振興計画の根本的見直しが必要であります。
 また、沖繩県民の基地撤去の願いを踏みにじり、米軍及び自衛隊の基地獲得のため強行した、憲法上疑義ある公用地等の暫定使用法は来年五月期限切れとなりますが、沖繩県民の要求に沿って廃止すべきであります。総理の答弁を求める次第であります。
 三木総理、あなたは演説で特に国会運営に触れ、国会は良識の府として、重要なる国政審議の場として機能を発揮することを要求し、審議拒否を批判し、国会運営について工夫と改善を求めるなど、国会のあり方を批判し、これに干渉する態度を示されたのであります。
 われわれは、国民の批判には謙虚に耳を傾けるつもりであります。それが議会制民主政治を確立する道だと信ずるからであります。しかし、行政府の長である総理が、政府の意のままにならぬからといって、国権の最高機関たる国会がみずからの意思によって決定すべき国会運営を批判し、これに干渉するがごときことは、絶対に許すことはできません。この発言は前代未聞のファッショ的暴言と糾断をしなければならないのであります。三木総理、国会におけるこの部分の発言は、陳謝の上、取り消されることを強く要求いたします。(拍手)
 さらに、報道によれば、総理は、一、定例日の再検討、二、参議院の予備審査、三、常会の召集を一月に改める、四、常会の会期延長を特別会、臨時会並みに二回とするなど、具体的改革に意欲を燃やしていると報道されております。
 国会法は昭和二十二年四月、憲法の施行を前に制定されまして以来、昭和三十年、三十三年と二回にわたり重要な改正がなされました。いずれも議院運営委員会が審議を重ね、全会一致でまとまった案件のみを取り上げて改正を行っておるのであります。会期延長を常会は一回、特別会、臨時会は二回に制限する規定は、三十三年、衆参両院いずれも全会一致で改正案が成立しているのであって、国会運営の基本的ルールを総理が勝手な都合によって変更したいと一方的に発言することは、まことに不謹慎きわまりないと言わなければなりません。(拍手)
 また、常会の召集日を一月とする問題であります。これに関して言えば、国会法第二条にいう「十二月中に召集するのを常例とする。」を厳守しているのは国会であります。財政法第二十七条の、予算は十二月中に提出するのを常例とする。」を無視してきたのは政府ではありませんか。国会法並びに財政法を一月に改めることによって問題を解決しようという態度は、政府の怠慢をたな上げし、そのしりぬぐいを国会法改正に求めようとすることであり、これまた不誠意きわまる暴挙と言わざるを得ないのであります。(拍手)
 また、これまでの国会の先例、慣例に対し、政府・与党の都合のみを考え、これが変革を一方的に押しつけようとすることについては、「対話と協調」いずくにありや、憤激を覚えざるを得ないのであります。
 三木総理、あなたの言う「対話と協調」は、第七十六臨時国会での相次ぐ強行採決によって、スト権ストの際の不当な政府声明によって、さらに、教育を政争圏外に置くと言いながら、主任制度を強行することなどによって消し飛んでしまいました。せめて一片の良心があるならば、言語道断、不謹慎きわまるこの発言を取り消し、国会法改正は全会一致を見たものでなければ取り上げないという従来のルールを尊重し、厳守することを総裁として誓うべきであります。
 最後に、重要法案の提出時期を中心に三木総理に伺います。
 今回の施政方針演説で、総理は、関係者の納得いく形で再度独禁法改正案を提出すると述べました。伺いましょう。関係者とは自民党ですか、財界ですか。もし消費者である国民大衆であるとするならば、その納得する内容は、少なくとも衆議院で全会一致修正可決したものをそのまま再提出することでなければなりません。(拍手)
 さらに、問題は提出の時期であります。昨年、井出長官は、三月中旬提出すると言明したにかかわらず、結果は四月二十五日となったのであります。今回は、このような不誠意は断じて許すことはできません。衆議院を通過したものをそのまま政府提出とするのであるならば、直ちに提出も可能なはずであります。物価高にあえぐ消費者、大企業の圧迫に泣いている中小企業者の注目の的である独禁法改正案を、少なくとも一月中に提出すべきであります。総理の明快な答弁を求めます。(拍手)
 第二は、公職選挙法改正案、参議院の定数是正の問題であります。
 第七十五国会で衆議院の定数是正は実現をいたしました。しかし、参議院地方区のそれは未解決に終わったのであります。しかし、審議の過程で三木総理は、次期通常国会で参議院の定数是正は実現すると約されたのであります。次期通常国会は、すなわちこの第七十七通常国会であります。
 ところが、どういうことですか、昨年の場合ははっきりと明記されていたにもかかわらず、内閣提出予定法案件名調べには、検討中をも含めて、公職選挙法改正案は影も形もないではありませんか。まさにこれは公約の違反であります。参議院の定数是正をいつ、いかなる内容で処置するか、提出法案に加えるか、明確な答弁を求める次第であります。(拍手)
 第三は、昭和四十九年地方行政委員会で全会一致の決議がなされ、昨年の国会で、三木総理、井出長官の言明にもかかわらず、ついに提出されなかった地方自治法改正案、地方事務官制度廃止の問題であります。
 地方行財政の根本的見直しを強調されながら、地方自治法施行以来、「当分の間」が二十八年間まかり通っているという不合理を放置し、何で見直しを言う資格がありますか。言多くして実行なしの典型と言わなければなりません。自治法改正案を早期に提出されることを強く要求をいたします。(拍手)
 三木総理、昨年の第七十五国会ほど、率直に言うならば、三木内閣になってからほど、公約した重要法案の提出がおくれたことは私の記憶にありません。あえてこの点を指摘し、それなるがゆえに法律案の提出の時期にあえて触れ、答弁を求めた次第であります。
 国民が理解する明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(三木武夫君) 山口君にお答えをいたします。
 いろいろ公約について最初にお話がございましたが、私は、公約というものは、一遍に改革はできませんから、多少の時間的順序を置かなければならぬが、最も公約に忠実な内閣であるということを私は申し上げておきたいと思います。(拍手)
 それから、地方財政について、政府の経済政策の失敗等いろいろお話しになりましたが、国も地方も、高度経済成長の波に乗って、相当大幅な伸びをしたことは事実ですね。そこへ持ってきて、経済の不況によって税収入が大幅に落ち込んで、国も地方自治体もやはり非常な財政的な困難に陥ったわけです。その経済の激変というものは、石油危機というものが大きな要因であったことは、だれもこれは否定することはできないわけでございます。
 こういう大きな経済変動が、激動があったので、これを何とかして、物価を安定しながら適正な経済成長の路線に乗せるべく一生懸命に政府が努力をしておるので、経済政策が失敗したからこうなったのだという、そういう評価には承服はできません。まあしかし、いま山口君の言われるように、一体どちらに責任があるのかという責任の追及をし合っても問題は建設的に前進をしませんから、まあ国も苦しいけれども地方自治体も苦しいわけでありますが、今後とも、中央、地方というものが対立関係にあるというよりかは、一緒になって話し合って、この財政的な危機を乗り切っていきたいと考えております。
 それから、福祉政策について、地方の革新自治体というものに対して、福祉政策を革新自治体が先取りしておるのを、これを攻撃するのはけしからぬではないかというお話でございましたが、攻撃する考えはないわけで、やはり地方も国も福祉の充実に努めることは必要でありますが、地方の団体がその施策を実施するに当たっては、一時的なものではだめですから、長期的な視野から、安定して継続的に責任が持てるような財政の見通しを持って行うことは必要である。そうでなければ、福祉政策というのが、時々にやったりやめたりするわけにはいかないわけですから、どうしてもそれだけの、安定して継続的にやることに対して責任が持てるというような政策の選択をしなければならぬ。そうでなければ、現在各地の各革新都市の中においても、この問題で幾多の教訓が生まれておることは、山口君も御承知のとおりでございます。そういうことで、これを何も私どもは、福祉政策を充実することを非難する考え方はない、そのやり方に対して非常に自治的な責任を持つやり方でなければならぬと申しておるわけでございます。
 また、身体障害者の福祉対策につきましては、五十一年度の予算においても、できる限りの配慮をいたしたわけでございます。身体障害者の生活権の拡大であるとか、身体障害者のリハビリテーション等の援護施設の整備とか、いろんな点において特に配慮をいたしたわけでございます。詳細は、これは申し上げる機会があろうと思います。
 それから、物価問題等については、福田副総理からお話をいたします。
 地方財政の問題については、福田自治大臣からお答えをいたします。
 それから、海洋博の問題について、海洋博の後の沖繩というものに対しての発展には、今後とも政府が積極的に取り組んでいきたいと思います。
 その中で、お触れになりました防衛施設の用地の一部、現在の公用地の暫定使用法が昭和五十二年の五月十四日で期限が満了するので、後はどうするかというお話でございましたが、その大部分は引き続き使用を継続する必要があるので、現在、土地の所有者との合意による賃貸借契約に改めるべく努めておりますほか、また、基地の一部を集約整理する等、今後の対応策については現在検討を進めているところでございます。
 それから、私は、議会制民主政治というものに対して健全な発展を議会人として願っておる、私が一番長いのですから。そういう点で、健全な議会制民主主義の発展を願っておることは、これはもう人後に落ちないわけであります。そういう点で、どうか議会制民主主義というものが健全に発達してもらいたいと、私は本当に願っているわけです。だから、議会のあり方に対して、私が関心を持つことは当然のことでございます。それを国権の最高機関に対して干渉するなどという意図はないのです。私は、この国会で一番長い議会人ですから、その議会人が国会のあり方に対して関心を持たぬわけはないので、それで国権の最高機関に干渉などする気はない。そういうことでありますから、どうかこの議会政治が健全に発展してもらいたいという私の熱意から出た言葉である、こういうふうに御理解を願いたいのでございます。(拍手)
 それから、国会法の改正、これは山口君の言われるように、国会で御審議を願わなければならぬのでありまして、それはやはり全会一致でルールが決まることが望ましいし、決まったルールに従うことは、これは言うまでもないことでございます。ルールを守れということは、私は非常に強く言っておるわけでございますから、議会政治の運営についても当然のことでございます。
 それから、独禁法の改正案については、ただいま調整中でございますから、この時期も、何月何日に提出するということを申し上げることはできません。やはりこれは調整が済み次第提出をいたします。
 また、参議院の地方区の定数是正の問題については、これはやはり衆議院の定数是正の場合も、衆議院の公選法の特別委員会の小委員会などができて、各党の意見が一致したですね。そういうことを基礎にして政府がああいう公選法の改正案を提出をしたわけでございまして、参議院においても、政府が出す前に各党の意見が調整されることが必要である。これはやはり参議院としては、院の構成にきわめて重大な影響を持つわけでございますから、そういうことで、私は河野議長にも言っておるわけですが、できるだけ各党の意見を調整して、そして私が申したように、できるだけ早い機会に結論を出したいという考え方は、これはいまも変わりはないわけです。そのように考えておるわけでございます。
 地方事務官の制度は、あるいはまた地方自治法の改正については、今国会へ提出を目途として、現在関係省庁間で調整を行っておるところでございます。これは、山口君も何日に日にちを切れということでございましたが、日にちを切る以上は、その約束を守らなければなりませんので、政府は日にちを切るというわけにはいかないわけで、できるだけ早くということが、私はこれが正直でその方がいい。余りいま日にちが決まっていないのにここに申し上げることは、無責任になると思うので申し上げません。できるだけ早く提出をしたいという考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#12
○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、政府の地方財政対策が地方側においてどのように受け取られておるかということについての御質疑でございました。
 五十年度の補正予算は、すでに御承認を得まして、実行に移したわけでございますが、これは、一般会計の負担と、それから交付税特会に対する資金運用部の貸し付けと、それから地方債対策と、この三本から成り立っておりますことは御案内のとおりでございまして、同じ手法をもちまして、これから御審議をいただく五十一年度の地方財政対策もでき上がっておるわけでございます。
 それで、この対策につきましては、中央も大変な財政困難なときでございますが、地方側におきましても、中央の苦心のあるところにつきましては、それなりの評価をいただいておるのではないかと考えております。
 それから第二の、地方財政健全化の方法についてのお尋ねでございました。
 財政健全化の道に奇策はないわけでございまして、まず、地方におきましても、中央と相呼応いたしまして、財政の体質の改善、合理化に努めていただかなければならぬと思いまするが、御案内のように、これから当分、相当長期にわたって低成長の経済が続くわけでございまするので、そういう覚悟の上で、節度のある財政の運営を図ってまいらなければならないと思います。それで、経済の回復と相まちまして、歳入の適正な確保を図りまして、地方の財政の健全化を図ってまいらなければなりませんけれども、それには相当の時間がかかるのではないかと考えております。したがいまして、いまこういう過渡期にございますので、山口さんが御提案になられましたような、交付税率の引き上げその他根本的な制度の改変というものに手を染めるべき時期としては、いま私は適切でないと考えておるわけでございます。(拍手)
    〔国務大臣福田一君登壇〕
#13
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 ただいま総理並びに大蔵大臣から御説明がありましたので、それを補足する意味でお答えをするのでございますけれども、昭和五十一年度の地方財政計画を、なぜ昭和四十一年度のようなやり方をしなかったのか、こういう御質問があったわけでございます。
 これは御案内のように、総理もおっしゃいましたが、石油ショックによりまして、日本経済の基調に大きな変化が来ると同時に、地方財政にも大きな変化があらわれてまいったわけでございまして、そういうような状況下でありまして、四十一年のときには国も相当の財源を持つことができたのでありますが、今回は国も非常な財源不足になっております。そういうことでございましたので、今回はこの地方交付税の増額と特例地方債の発行で賄うということにいたしたわけでございます。
 その次に、公共事業の消化が円滑に進んでいないじゃないか、これはどういうふうに考えておるか、こういうことでございます。
 しかし、私たち地方財政計画を組みましたときには、公共事業の裏負担につきましては、地方交付税とか地方債によって大体の計画を組んでおったのでございまして、五十年度の第二・四半期までの例をとってみますというと、四十九年度より約七%よけいに仕事が行われておるわけでございます。また、昨年末の補正予算を組みましたときの公共事業費の裏負担につきましても、これは約二千億円と見られるのでございますけれども、これにつきましても十分な手当てをいたしておりますので、この仕事は十分にできるものと思っております。
 ただし、いま御指摘がありましたように、単独事業というものが余り伸びなかったのが景気浮揚に大きく影響しておるのではないかというお説は私もよくわかるのでございまして、その意味ではわれわれも十分考えなければならない面があると存じておるのでございます。
 なお、地方財政がこのようにどんどん借金が増加して、もうすでに二十兆円もの債務を負うに至っておるのであるが、この健全化はどういうふうにして図っていくかというお話でございます。が、まあ補正予算のときに組みました借金といいますか債務、並びに五十一年のこの債務等につきましては、もうすでに山口さんは専門家であるからおわかりになっておられると思うことでありますけれども、五十二年あるいは五十三年になったときに、いよいよ返還の時期が来たときに地方が非常に困っておるという場合には、大蔵省は十分に考えて地方に負担をかけないようにする、こういうことを私と大蔵大臣との間でお話をつけておるようなわけでございまして、私は、決してそう地方に無理なことを強いるような考えもないし、また地方がうまくいかないで政治がうまくいく道理がないのでありますから、この点は十分に注意をしてまいりたいと思っておるのであります。
 それから、交付税率の引き上げをしなかったことについて、社会党の方では、交付税率を三%上げて三五%にして、第二交付税を八%つくれば四三%になる、ところが今度政府がやった五十一年度の施策を見るというと、ちょうどわれわれの施策と一致しておるじゃないか、こういう御指摘があったわけでございますが、実は、われわれはそれより以上にいたしたわけでございます。一兆二千五百億円の地方債のうちで二千億円というのは、債務――借金もまた返還の金利等も、全部国がめんどうを見るということになっておるのでございまして、それを入れるというと、四四・五%になるわけでございまして、十分に地方のためにわれわれは努力をいたしておるのでございます。
 したがいまして、今度私は予算ができましてからいろいろ地方のお方に会うのでございますが、なかなか政府はよくやった、こういうお話は聞いておりますけれども、(拍手)大変けしからぬなどというお話は余り聞いておらないので、そういうことを言うと、革新自治体のお方でも、私、ほめていただいた方もあるわけでございますから、この点はひとつ御理解を願いたいと思うのでございます。
 なお、地方税をもう少しまけたらどうなんだというお話でありますけれども、まければやはりそれだけ公債がふえるわけでございます。地方債がふえるわけでございまして、これはやはり将来の負担が増加するということになります。
 ただし、私は、山口さんが指摘されました中には、やはりわれわれとしても十分に考慮をしていかなければならない、地方自治体のために考えていかなければならない面もあると思いますので、これらの点は十分参考にいたしまして、今後の施策の運営に当たりたいと思う次第であります。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#14
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、三月末の消費者物価につきましては、一けたでこれが目標どおりいけるか、こういう御質問でございますが、これは不測の事態のない限りさように相なる見通しでございます。つまり、消費者物価は非常な安定基調でありまして、十月には一けたにもうなっておるのです。十一月になりますと、それが八・一%というふうになっておるのです。十二月は、これはまだ全国はわかりませんが、東京区部だけでいって八%になっておる。これを全国に換算しますと、七%ちょっと出た、こういうところに来ておるわけなんです。ですから、このままずっといきますれば、三月末にはかなりいい成績が出てくるのではないかと思うのです。
 ところが、問題がありますのは、十二月の消費者価格が発表になった以後、あるいはたばこにつきまして、あるいは酒につきまして、あるいは郵便料金につきまして、公共料金の引き上げがあるのです。これがちょっと重荷かと思うのでありまするが、それにいたしましても、不測の事態のない限りにおきましては一けたの目標は実現できる、かように御理解願います。
 次に、五十一年度はどういうふうに考えるかと、こういうお話でございますが、これはお話もありましたように、大体年間上昇率を八%と見ております。これも今日のこの消費者物価安定基調からいきますれば、かなり低いところへ目標を定め得るのです。ところがこれも公共料金の問題がある。公共料金、これをほっておくわけにはいかないことは御理解できると思うのですが、これを始末しなければならぬ。そういうこともありまして、まあ八%をもって満足しなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、この目標は達成可能である、また実現をぜひいたしたい、かように考えております。
 しからば、五十一年度の公共料金、公共料金と言うが、どのくらい響くのか、こういうようなお話でございますが、まず国鉄、電信電話など全部入れまして、予算関係で一%くらい響くだろう。その他あるいは電力の問題があるかもしれない、あるいは地方公共料金というような問題があるかもしらぬ。そういうようなものを全部ひっくるめましても、大体二%強程度のところにおさめていきたい、こういうふうに考えておるのです。
 消費者物価の目標は、何もこの公共料金何%というのをずうっと積み上げて見ておるわけじゃございませんけれども、一応五十年度におきましては、公共料金は二・七%くらい物価押し上げの要素をなしたと見ておるのです。それを二%強ぐらいな程度におさめたい、こういう考え方でございます。
 次に、消費者物価指数はどうも生活実感にそぐわない、また、どうも信用できないというようなお話でございますが、これは山口さん、そういう御批判、見方は当たらないと思うのです。これは国際的にも広く認められました方式で、かなり権威のある指標になっておるわけでございます。それも生活実感にそぐうようにというので、五年ごとにその内容の洗い直しをいたしておる、こういうことまでいたしておるわけなんです。
 その五年目、つまり四十五年基準を改定することになったわけでございますが、その作業がことしの秋ごろ現実化されるわけです。その際に一切りかえに伴う旧基準と新基準の間の説明を、これを疑惑を持たれないようにしなければならぬだろう、こういうお話でございますが、それはそのとおり。これは隠し種も何もあるわけじゃございませんから、ざっくばらんに国民に申し上げまして、疑惑は持たれないというふうにぜひいたしたい、かように考えております。(拍手)
#15
○三塚博君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明二十七日午後二時より本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#16
○副議長(秋田大助君) 三塚博君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  三木 武夫君
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        外 務 大 臣 宮澤 喜一君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        文 部 大 臣 永井 道雄君
        厚 生 大 臣 田中 正巳君
        農 林 大 臣 安倍晋太郎君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 木村 睦男君
        郵 政 大 臣 村上  勇君
        労 働 大 臣 長谷川 峻君
        建 設 大 臣 竹下  登君
        自 治 大 臣 福田  一君
        国 務 大 臣 井出一太郎君
        国 務 大 臣 植木 光教君
        国 務 大 臣 小沢 辰男君
        国 務 大 臣 金丸  信君
        国 務 大 臣 佐々木義武君
        国 務 大 臣 坂田 道太君
        国 務 大 臣 福田 赳夫君
        国 務 大 臣 松澤 雄藏君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
        防衛施設庁施設
        部長      銅崎 富司君
        外務省アジア局
        長       中江 要介君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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