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1975/03/04 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第9号
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1975/03/04 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第9号

#1
第077回国会 本会議 第9号
昭和五十一年三月四日(木曜日)
    ―――――――――――――
  昭和五十一年三月四日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明及び質疑
    午後一時十一分開議
#2
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明
#3
○議長(前尾繁三郎君) 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣福田一君。
    〔国務大臣福田一君登壇〕
#4
○国務大臣(福田一君) 地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢の推移にかんがみ、明年度の地方財政においては、国と同一の基調のもとに、地域住民の生活の安定と福祉の充実を図るとともに、景気の回復を促進するための諸施策を講ずることが必要であり、一方、歳入面では従来のような大幅な税の自然増収を期待することは困難であります。このような状況にかんがみ、地方行財政の一層の改善合理化に徹するとともに、地方財源の確保に特段の配慮を加える必要があります。
 明年度の地方税制の改正に当たりましては、住民負担の現状と、このような地方財政の実情とにかんがみ、地方税負担の軽減合理化に意を用いる一方、その適正化と地方税源の充実強化を図ることといたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 第一に、地方税法の改正であります。
 まず、住民負担の軽減合理化を図るため、事業税における事業主控除額の引き上げ、個人住民税における障害者、老年者等の非課税範囲の拡大、住民税及び事業税における白色申告者の専従者控除限度額の引き上げ、不動産取得税における新築住宅控除額の引き上げガス税の税率の引き下げ等の措置を行うことといたしております。
 次に、地方税負担の適正化と地方税源の充実を図る見地から、長期にわたって税率が定額で据え置かれているものについて見直しを行い、住民税均等割の税率をおおむね三倍程度、自動車税及び軽自動車税の税率を、一般乗り合い用バスを除き、自家用車についてはおおむね三〇%程度、営業用車についてはおおむね一五%程度、軽油引取税の税率を三〇%、それぞれ引き上げることといたしております。
 なお、この場合、住民税の均等割につきましては、低所得者に対しては課税しないこととする措置を講じております。
 また、不動産取得税、固定資産税等における非課税等の特別措置のうち、三十二項目について整理を行うほか、事業所税につきまして、課税団体の人口基準を三十万に引き下げることといたしております。
 次に、固定資産税につきましては、宅地等について、評価がえに伴う税負担を調整するための所要の措置を講じ、一般農地についても、段階的な調整措置を講じながら課税の適正化を図るとともに、三大都市圏のC農地及びその他の市街化区域農地に対する課税については、引き続き検討する等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、地方道路譲与税法の改正でありますが、地方道路税の税率の引き上げ等に伴い、地方道路譲与税の五分の一の額を新たに市町村に対して譲与する措置を講ずることといたしております。
 第三に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正でありますが、日本国有鉄道に係る市町村納付金について、特別措置の適用期限を二年延長することとしております。
 以上の改正により、明年度におきましては、給与所得控除の平年度化に伴う個人住民税の減税を含めて二千三百六十七億円の減税を行う一方、自動車関係諸税の税率の引き上げ等により二千百四十六億円の増収が見込まれますので、差し引き二百二十一億円の減収となります。そのほか、地方道路譲与税等におきまして三百八十七億円の増収が見込まれます。
 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(前尾繁三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。小川省吾君。
    〔小川省吾君登壇〕
#6
○小川省吾君 ただいま提案をされました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表いたしまして、三木総理並びに関係閣僚に御質問を申し上げます。
 地方財政は、打ち続くつくられたインフレと不況にさいなまれ、さらに加えて、政府の中央集権的な地方財政政策によって、破局的な深刻な財政危機に直面をしております。いまにして抜本的な対策を確立しない限り、地方自治は名目のみの自治に終わってしまい、底なしの泥沼の底に沈んでいってしまうのではないかと思います。
 そこで、まず三木総理にお尋ねをいたします。
 第一に、五十一年度の税法改正を提案するに当たり、黒いロッキードは、政治への不信とともに、国民の納税意欲に大きな影を落としているわけであります。いままさに確定申告のさなかにあるわけでございますけれども、中小零細商工業者や、あるいは源泉徴収の勤労者や、そしてまた国民の大多数が、いまほど反税、厭税の意識を強めているときはないと思うのであります。そしてまた国税、地方税に従事をしておる税務関係職員は、このことで深刻に頭を痛めておるわけであります。ロッキード問題を脱税問題だけでよもや収束させるとは思わないし、また、させてはならないわけでありますが、この際、総理にお伺いをいたしたいと思うのであります。
 前回の本会議の中で、決議を受けて三木総理は決意を表明いたしました。しかし、私どもは、何か総理の決意のトーンがダウンをしてきているのではないかと懸念をいたしておるわけであります。そしてまた、昨日来の外電の報ずるところによりますと、証券取引委員会のヒルズ委員長は、証券取引委員会はいろいろの意味で外国政府に協力をしてきたけれども、しかし、この際、今後も協力をしていくけれども、証券取引委員会が司法省や司法当局に約束しているような条件を外国政府に取りつけていくことが条件だというふうなことを言明しているわけであります。そういう意味では、国民は、三木総理が提供を受けた資料を政府高官名を含めて全面的に公表していくという決意について疑念を持つわけでありますが、このことが納税意欲に大きく影響をしてまいると思うわけであります。そういう意味で、提供を受けた資料は、政府高官名を含めて全資料を公開していかない限り、納税意欲は旧に復しないと思うわけであります。(拍手)そういう意味で、総理の重ねての決意と、ロッキード問題と国民の納税意欲について当然一言あってしかるべきだと思うわけでありますけれども、総理の所信を求めたいと思うのであります。(拍手)
 第二に、ますます形骸化をしていく地方自治、地方行財政を将来に向けてどういうように保障をしていくのか。総理は、就任以来しばしば、地方財政については見直しをします、洗い直しをしますというふうに言明をいたしてきたところであります。しかし、昨年の年末までは、七十六臨時国会までは、五十二年度から地方財政は見直しますということを言ってきておりましたけれども、最近に至っては、どうも五十三年度からというふうなことを言い始めているようでございますが、何といっても地方財政の見直しには、行政事務の再配分と税源の再配分が不可欠であることは言を待たないところであります。国対地方の税源は、現行の七対三を少なくとも五対五に再配分をする方向に持っていくべきであります。総理の見解はどうか、お尋ねをいたすところであります。
 第三点として伺いたいのは、最近、自治体の幹部に会うとよく話が出るのでありますが、公立校の授業料や手数料、使用料の値上げ、あるいはまた職員の賃金の切り下げ等をしないと起債が許可にならないという話が出るのであります。自治省が起債許可のてこにどうも利用しているのではないかというふうに思っているわけであります。地方自治の尊重を公約する三木内閣のもとにおける自治省の指導としては、何としても理解に苦しむところでありますし、地方自治の尊重でありますどころか、自治への挑戦であり破壊であると思うわけであります。根本的には起債の許可制も当然やめるべきであるということは、私どもが長い間主張をいたしてきたわけであります。
 このような自治省の自治体指導について、当然これは改めていくべきでありますけれども、総理はこの点についてどのように考えるか、総理の見解を伺うところであります。
 次に、大平大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 地方財政が国家財政と不可分の関係にあることは当然でありますけれども、引き続く国債の多発下における地方財政の将来の問題でありますが、地方債の増発ばかりが能ではないはずだというふうに私どもは当然思っているわけであります。今後の国家財政のもとにおいての地方財政の中での地方税の展望について大蔵大臣はどう考えるか、伺いたいと思うのであります。
 そしてまた、地方自治体の特に知事会等では、社会福祉財源としての目的税として社会福祉譲与税を創設すべきであるという主張がかなり強いわけでありますけれども、大蔵大臣の見解はどうか、お尋ねをいたすところでございます。
 次いで、農林大臣に一言だけお尋ねをいたしたいのでありますが、今回の法改正で、一般農地の固定資産税が増税をされているわけであります。農業外収入に依存をしている農民の生活は、まさに苦境に立っていくばかりでございます。
 この原案に至るまでの経過の中で、どうも農林省のアクションが、農林省の農地課税の増額についてやめるべきであるというような主張が弱きに過ぎたのではないかと思っております。地方財源の確保ということに押しまくられて、日本農業と農業者の保護のアクションがどうも手抜きになったのではないかと心配をしているわけでありますが、この点についてはいかがなのか。
 また、今後地方税における農地課税について、私どもは、農用に供している限り、都市周辺の農地であろうとも当然農地課税で、収益還元方式の課税でいくべきであるというふうに思っているわけでありますけれども、農林大臣は、今後、地方税の中における農地課税についてどう取り組んでいくのか、お伺いをいたすところであります。
 最後に、担当大臣である福田自治大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 三千三百の自治体の期待と、そしてまた、国家公務員以下の五十年度給与改定に押し込められた全地方公務員の恨みを込めてお伺いをしていくので、前向きの答弁をぜひしていただきたいと思っております。(拍手)
 地方自治は民主主義のとりでと言われております。その意味で、全国の自治体の福田さんに対する期待は大きく強いわけであります。が、どうもなかなか期待にこたえてくれないではないかというような声が、最近では大きくなりつつあるわけであります。地方財政危機の打開にこそタカ派の本領を発揮してほしいという声が沸き起こっているわけであります。
 そこで伺いますが、第一に税法の改正でありますけれども、税制調査会の答申がない限り改正には踏み切れないのかどうかということであります。
 地方行政委員会の審議の中で、どれほど強く、どれほど大きく取り上げられ、しかも附帯決議の中で決議をされたような条項にあっても、税調の答申がなければ税法の改正に踏み切らないということは、これはおかしいと思うわけであります。そしてまた、特に地方六団体と言われる知事会や市長会、議長会等の強い決議や要請等があろうとも、税調の結論がなければ法改正には踏み切れたいというのは、どうもそんなばかな話はないと思うのでありますが、いかがでございますか。
 いまこの点に関連をするわけでありますけれども、法人事業税の外形標準課税の問題であります。委員会であれほど強く取り上げられ、知事会を初め全国の地方六団体の中でも強い声が上がっているわけでありますが、税調の中で時期尚早だということになるとすれば取り上げられない。このことは、自治省がやる気になればそんなことはないはずだと思うわけであります。
 これだけ自治体が財政に苦しんでいるときこそ、この導入に踏み切れないのは何ゆえなのか、なぜ外形標準課税に踏み切れないのか。何千人あるいは何万人と従業員を雇用している企業にあっても均等割の税額だけだというばかな話はないというふうに思うわけであります。大臣の見解をお伺いをいたすところであります。(拍手)
 第三点といたしまして、懸案だった事業所税が昨年の改正でようやく日の目を見ました。審議の中で特に強い主張のあった課税団体について、今度人口基準を五十万から三十万に下げるわけであります。
 しかし、私どもの主張というのは、課税団体というのはその自治体の条例に任せるべきであるという主張だったはずであります。都市的環境を持っている自治体の条例に任せればよいのではないかというふうに私どもは思っているわけであります。百歩譲ったとしても、少なくとも三十万人の人口基準に加えて、少なくとも県庁所在地の都市を含めるべきではないかというふうに思っております。
 県庁所在地は、企業や金融機関等の支店や、あるいは各種団体等の本店や事務所等が集中をし、そしてまた、諸団体の会議が集中して開催をされるわけであります。県都なるがゆえの支出が実は思った以上に多いのは、議員の諸君が御承知のとおりであります。たしか福井市を含めて三十万以下の県都は二十市を超えるはずであります。県庁所在地都市は事業所税の課税団体に当然含めるべきだと強く主張をするものでありますが、大臣の見解はいかがか、お尋ねをいたすところであります。
 第四点として自動車関係税についてお伺いをいたします。
 地方道路目的財源としての関係税の引き上げについて一応理解をいたすところでありますが、いまや生活の一部と化した自動車税の引き上げについては、納得をいたしかねる点があるわけであります。
 これらの中で、公害源としての排ガス規制基準合格車について税率を据え置きにした点は評価をするところでありますが、たしか次の排ガス基準は五十三年度規制のはずであります。五十三年度規制についても、このような据え置きの措置をとられるのかどうかという点がまず一つであります。
 そしてまた、この自動車関係税に関連をしてお尋ねをしてまいるわけでございますけれども、特に、中央でも地方自治体でもそうでありますけれども、官庁、自治体はかなりの公用車を抱えているわけであります。しかし、ながめてみますると、大部分は二千cc以上の車が置かれているわけであります。私どもの経験に徴してみても、そしてまた、現在のメカといいますか、いわゆる機械工学技術の水準から言っても、あるいはまた購入価格や燃料消費量の面からながめてみましても、あるいは官公庁の公用車を使用しての出張の度合い等をながめてみましても、二千cc以上の車でなければならぬというようなことは、すべて必要としているわけではないというふうに思っています。そういう意味では、千六百cc以下の車であっても、十分に用を足せるというふうに思っているわけであります。職員の給与から、あるいは事務用消耗品に至るまで、諸事節約を説いている自治省が、このことについて一言も触れないというのはおかしいと思うわけであります。当然、財政窮迫の折から、自治体に対して、これらの点について、必ずしも二千cc以上の車を必要とする場合ばかりではないのではないかという指導があってしかるべきだというふうに思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
 第六点として法定外普通税についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 各自治体は、財源確保のために法定外普通税に着目をして、課税対象の選択に意を用いているところであります。自治省も原則としては認めていくような意向にあることを承知をいたしておるわけでありますが、熱海のマンション税については一応承知をいたしておりますけれども、現在時点において、どのような法定外普通税を認めてきているのか、お尋ねをしたいと思うのであります。
 そしてまた、このことに関連をして、法人の外形標準課税を条例で取り上げたり、あるいはまた事業所税を法定外普通税ということで取り上げていくような場合について、自治省は当然協議に応じていくべきでありますし、指導をしていくべきだと思いますけれども、この点についてはいかがなのか、お伺いをいたすところであります。
 最後に、今回の法改正で電気税の非課税について幾つかの点を落としているわけでありますが、まだまだかなりの非課税の品目が残っているわけであります。しかし、いま自治体では、大牟田市の電気税訴訟に見られるように、各自治体において電気税の非課税品目の問題が大きく取り上げられているところであります。私ども社会党では、少なくとも二、三年の経過措置を置いてこの非課税措置を全廃をしていくべきだというふうに思っているわけであります。
 また、租税特別措置法によるところの特別措置の地方税へのはね返りといいますか、影響を完全に遮断をいたすべきだというふうに思っています。いまこそその絶好の機会であるはずであります。この二点についてのお考えはどうなのか。
 以上、福田自治大臣に対しまして、地方財政の危機を打開をしていくような決意を込めた答弁を求めて、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(三木武夫君) 小川君の御質問にお答えをいたします。
 最初にロッキード問題に対する私の決意についてでありますが、三木総理が最近その決意がトーンダウンしたのではないかという御懸念でございますが、私は、これだけの国民的疑惑に包まれたロッキード問題を、臭い物にふたをするということで日本の民主政治というものが健全に発展していくとは思わないのです。したがって、これはもう徹底的に真相を究明して、国民の前にこの疑惑を明らかにしなければ、日本の民主政治は将来取り返しのつかない致命傷を負うというのが私のかたい決意であります。(拍手)したがって、私の決意は日に強くなりこそすれ、トーンダウンすることは絶対にないということを明らかにいたしておきます。(拍手)
 アメリカから提供される資料につきましても、提供される先方が条件をつけてくれば別でありますが、条件がついてない限り一切の資料は公開するということを明らかにいたします。(発言する者あり)そのことは、私が条件のついてない限り公開するということは、しばしば予算委員会においても私が述べておるところでございまして、何にもトーンダウンしたというわけではないのでございます。
 それから税法違反について、これは小川君の言われるとおり、税法に対しての徴税が厳正でなければ、納税者の意識に非常な悪影響を及ぼすということは、小川君の御指摘のとおりでございます。したがって、所得税法の違反については、たとえば児玉譽士夫に対しては、二月の二十四日強制調査に入って、その後も関係会社を初め関係者に対して多数の調査員を動員して、ただいま事態の解明に努力しておることは御承知のとおり。速やかに問題を解明して厳正な処置をとるということを明らかにいたしておきます。そのことが、納税者の国民に対してそういう政府の態度を御理解を願うことが必要であると思いますので、その点を明らかにいたしておく次第でございます。
 第二の点は、地方財政というもの、これを見直す必要があるということですが、これは私もいつも述べておるとおりでございまして、今日の地方行政、地方財政、ともに高度経済成長期における伸びに従って膨張してきたわけでございまして、これから経済が安定した適正成長の路線に変わるわけでありますから、これに即応して地方行政も地方財政のあり方も見直さなければならぬわけでございます。
 そういうので、今後行政、財政の両面にわたって、政府も見直しをいたしておりますが、何分にも今日の経済が非常に変動期でありますから、なかなか的確な見通しを早急につけることは困難もございますので、多少の時間は、これはいただかなければなりませんが、地方制度調査会、税制調査会等の意見も徴して、地方行政、地方財政のあり方に対しては、政府は全面的な検討をいたす決意でございます。
 第三には、政府は、料金であるとか、あるいはまた使用料、手数料、こういうようなものの値上げで、賃金引き下げを指導しておるのではないかという御指摘でございますが、政府は、起債の許可をするについて、そういうふうな手数料であるとか使用料の値上げをてこにして、そして賃金の抑制を図っていく、そういう指導は一切いたしておりません。
 政府は、地方財政計画の策定どおりに、地方財政の運営が支障を来さないようにする処置をいままでとってまいっておるわけでございます。どうか、地方団体においても、地方財政の体質改善に、みずからも一層努力されるよう期待するものでございます。
 お答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#8
○国務大臣(大平正芳君) 私に対しましては、地方税の強化、社会福祉譲与税構想についてどう思うかという御質疑でございました。
 御承知のように、地方税収入は、今日すでに国税七に対しまして三の割合にまで達しております。交付税、譲与税を加えますと、これが五対五にまでなっておるのでありまして、決して少なしとしないと思うのであります。なるほど、税収が思うに任せない状況でありますことは御指摘のとおりでございますが、これは経済活動が不振だからでございまして、地方税制度のせいではないと思います。
 また、今日地方税の収入が地方的に相当偏在いたしておりますので、これを強化すると地方的な偏在、落差がさらに大きくなるというようなこともございますので、お説の地方税の強化につきましては、なお慎重に検討を要する課題であると心得ております。
 社会福祉譲与税構想でございますが、全国知事会からもこういう構想が出ておりますことも承知いたしておりますけれども、いま申しましたような、地方税制度の強化に対しましてにわかに賛成できないような趣旨から申しましても、また、中央、地方を通ずる行政事務の配分との関連におきましても、この問題も直ちに賛成するわけにはまいりませんで、いろいろな角度から、なお慎重に検討すべき課題であると心得ております。(拍手)
    〔国務大臣安倍晋太郎君登壇〕
#9
○国務大臣(安倍晋太郎君) お答えいたします。
 第一の農政についての基本姿勢の問題でございますが、これは総理が施政方針で述べましたように、農業の振興なくして日本経済の繁栄はないと考えております。したがって、高度経済成長の過程で農業にもいろいろと問題が生じてきておりますが、活力ある農業と、これを担う農業者の育成という観点に立って、各般にわたる総合的な政策を講ずべく、全力を傾注してまいる決意であります。
 また、お尋ねの一般農地の固定資産税の問題につきましては、第一に、すでに昭和三十九年以来相当長期間税額が据え置かれ、その間、農業所得も増加をしておること、第二に、宅地等の税額との不均衡が拡大してきておること等から、農地の税額を据え置くことは必ずしも適当でないと考えられる面がありますが、一方、農業経営、農産物価格に及ぼす影響等を考えれば、その引き上げ幅等につきましては、慎重に対処する必要がありますので、このような基本的な考え方に立って自治省と強力に折衝をしてきたところでございますし、今後ともそういう方向で努力を続けてまいりたいと考えております。
    〔国務大臣福田一君登壇〕
#10
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 政治の大きな目的の一つが国民生活の充実にあり、私としては、国民生活と直結している地方自治の振興につきましては、ただいま小川さんから御指摘がありましたとおり、今後大いに努力をいたさなければならないとかたく覚悟をしておる所存でございます。
 そこで、八項目について御質問がございましたので、以下、順にお答えをいたしたいと思うのでございますが、地方税制の改正に国会や知事会等の要請がある場合でも、税制調査会の答申がない限りこの改正に踏み切れないかということでございますが、これはもうすでに御案内のように、税制の改正につきましては、総理大臣の諮問機関である税制調査会に審議をお願いして、そしてこれを行っておるところでございまして、この税制調査会には地方自治体の専門家も入っておりますし、また政府側から資料を提出いたします場合には、国会においていろいろ出された意見は、全部これを出しておるわけでございますので、この点をひとつ御理解を賜りたいと思うのであります。
 それから、法人事業税の外形標準課税の導入については、国会や知事会等の要請があったにもかかわらず実現されていないのはどういうことか、こういうことでございますが、これも小川さんはおわかりと思いますけれども、事業税における外形標準課税の導入につきましては、政府は、昨年の税制調査会に対して、その対象を特定の業種等に限定することがいいか悪いか、売上金額とか総資本とか付加価値等の各種基準の外形標準としての適否の問題税率の定め方、こういうようなことについて検討をお願いしたのでありますが、まだ結論を得るに至っておりませんでした。まあこれは、時期尚早であるとか、将来の税制の姿との関連をも考慮して考えるべきであると言われておるのでございます。
 また、事業税につきましては、これは収益活動を行っている事実に担税力を見出して課税する税でありまして、地方団体の提供する行政サービスに対して必要な経費を分担するという性格を持つ税であると考えられます。したがって、その課税標準については、所得のみでなく、事業の規模ないし活動量を的確に測定することのできる外形標準を用いることが適切であるとのお考えについては、私も異議はございません。そこで、この趣旨を踏まえまして、今後とも、税制調査会等の審議を煩わしながら、検討を続けてまいる所存でございます。
 次に、事業所税を課税するかどうかは自治体の条例に任せるべきであるということでございますが、これにつきましても、実は税制調査会におきましては、今度は人口三十万くらいまではよかろうというお話でございましたが、そこで、その意味で今度改正案を出しておるのでございますが、小川さんは、県庁所在地まで課税団体にしてはどうか、こういうことでございますけれども、県庁所在地には人口十万ないし二十万の都市もございまして、人口、企業の集中の状況とか、都市環境の整備の緊要性、こういうようなことを考えますと、いま直ちに事業所税の課税団体に適するとは考えられませんけれども、今後もひとつ検討をさしていただきます。
 それから、排ガス規制適合車に対する優遇措置はどうかということでございますが、低公害車に対しましては、未対策車に比して販売価格とか燃料費等が割高となっておりますので、今回、五十一年と五十二年につきましては、二年間に限って税制上の優遇措置を講じたのでございます。ところが、五十三年度の規制適合車につきましては、規制基準そのものがまだ決まっておりません。したがって、これが市販される段階において、その販売価格や燃費等の状況を見定めて検討をなすべきものであると考えておるわけでございます。
 次に、地方団体に対して、諸事節約をしておる時代であるから、ひとつ公用車については千四百ccまたは千六百ccクラスの小型車で十分と考えるがどうかという御指摘でございますが、私はこれは一つのりっぱな見識であると存じております。しかし、こういうことにつきましては、それぞれの自治体が自分で自主的に対処していただくことが正しいのではないかと考えておるのでございまして、小川さんのおっしゃるようになれば、一つのいい結果が生まれると考えております。
 それから、これまで法定外普通税としてはどのようなものを認めておるかという御指摘でございますが、まず県税といたしましては、沖繩県が課する石油価格調整税、市町村税といたしましては、商品切手発行税、砂利採取税、広告税、林産物移出税、犬税、文化観光施設税があり、課税団体は四十六団体でございます。
 なお、先ほどは熱海市が別荘等所有税を設けることになったがという御指摘でありまして、われわれとしては、これは適当であると思って今回認可をいたしたのでございます。
 なお、事業所税の課税団体の範囲につきまして、今度の地方税法の改正案では三十万ということにいたしましたが、これを法定外普通税として認めるべきかどうかということにつきましては、昨年の税制調査会の答申でも、この税の性格から見て課税団体の範囲を今後さらに拡大することについては慎重に対処すべきであるという答申がございますので、この趣旨を体してまいりたいと考えておるところであります。
 その次に、法人事業税について条例で外形基準を導入することにした場合、自治省はどのように指導するかという意味の御質問があったと思いますけれども、これは、いささか詳しくなりますけれども、地方税法の第七十二条の十九におきましては、事業税の性格にかんがみまして、都道府県は事業の状況に応じ、資本金額、売上金額、従業員数等のいわゆる外形標準を課税標準として用いることができるものとされております。
 しかし、一般には、この特例規定により事業税の課税標準に外形標準を導入いたしますにつきましては、対象業種の選定をどうするかという問題がまずあります。それから所得課税との均衡をどうするかという問題があります。また、課税標準の捕捉をどうするかという問題があり、さらに、二つ以上の地方団体に事務所や事業所を設けて事業を行っておる法人についてはいかがにするかという問題もございますので、したがって、これらの面を考慮しつつ適切な指導を行いたいと思っております。
 最後に、産業用電気の非課税措置の問題でございますけれども、これはもう従来の御指摘のように、いつも問題になっておりますけれども、現行の基準を見直して非課税品目を整理合理化すべきであるという意見と、消費税である電気税の課税に当たっては、原料課税を排除する見地から現行の基準を維持すべきであるという意見の対立がございます。
 しかしながら、われわれといたしましては、今後これを順次整理をいたしてまいるつもりでございまして、五十年度におきましては二十四品目、また明五十一年度においては引き続き八品目について廃止することにいたしておるわけでございます。(拍手)
#11
○議長(前尾繁三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#12
○議長(前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  三木 武夫君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        農 林 大 臣 安倍晋太郎君
        自 治 大 臣 福田  一君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      茂串  俊君
ソース: 国立国会図書館
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