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1975/03/05 第77回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第10号
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1975/03/05 第77回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第077回国会 本会議 第10号

#1
第077回国会 本会議 第10号
昭和五十一年三月五日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第九号
  昭和五十一年三月五日
    午後一時開議
 第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
    …………………………………
  一 公衆電気通信法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時十五分開議
#2
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
#3
○議長(前尾繁三郎君) 日程第一、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事竹中修一君。
    〔竹中修一君登壇〕
#4
○竹中修一君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につき、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、昭和五十年度における公務員給与の改善傾向の分析結果に基づき、恩給年額を増額するほか、普通恩給等の最低保障の改善、扶助料の改善、扶養加給の増額等の措置を、昭和五十一年七月一日から実施しようとするものであります。
 本案は、二月十六日本委員会に付託、三月二日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審査を行い、三月四日質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同提案により、国家公務員給与へのスライドの制度化、恩給の改定時期の繰り上げ等、五項目にわたる附帯決議が全会一致をもって付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#7
○議長(前尾繁三郎君) 内閣提出、公衆電気通信法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。郵政大臣村上勇君。
    〔国務大臣村上勇君登壇〕
#8
○国務大臣(村上勇君) 公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、日本電信電話公社の経営状況にかんがみまして、その財政基盤の確立を図るため、電報電話料金を改定すること等を内容とするものであります。
 日本電信電話公社は、発足以来数次にわたる五カ年計画を実施し、加入電話の増設を重点に電信電話サービスの拡充、改善を図ってまいりましたが、この間、技術革新の成果を生かすとともに経営の合理化により電報電話料金を極力据え置いてまいりました。
 しかしながら、近年における人件費の大幅な上昇等により、日本電信電話公社の経営状況は急速に悪化し、昭和四十九年度決算におきましては約一千七百五十億円の欠損金を計上するに至り、五十年度におきましても欠損金は三千億円を超えるものと見込まれ、今後一層の経営努力を期待するとしても、五十一年度から五十三年度までの三年間の収支を見通しますと、さらに大幅な欠損の生ずることが予測されるところであり、このまま放置すればきわめて憂慮すべき事態に立ち至るものと考えられます。
 このような状況から、このたび電信電話事業財政の健全化を図るため、公衆電気通信法を改正して電報電話料金を改定することといたしたものであります。
 改正案の主な内容は、
 第一に、通常電報料について、基本料は二十五字まで百五十円を三百円に、累加料は五字までごとに二十円を四十円に改めることとしております。
 第二に、電話使用料について、度数料金局に収容されている加入電話の場合は二倍に、定額料金局に収容されている加入電話の場合は一・五倍にそれぞれ改めることとしております。
 なお、昭和五十一年度中は、暫定的に電話使用料の改定幅を平年度の二分の一にとどめることとしております。
 第三に、加入電話から行う自動通話の度数料について、七円を十円に改め、また、これに準じて手動通話の通話料を改めることとしております。
 第四に、設備料について、一加入電話ごとに、単独電話は五万円を八万円に改め、その他は電話の種類に応じ単独電話に準じて改めることとしております。
 第五に、公衆電話料について、おおむね加入電話からの通話料と同額に改めることといたしております。
 以上のほか、電報電話業務の合理化を図る等のため、報道電報、報道無線電報、至急電報及び予約通話の廃止、国際通話料滞納者に対する措置の強化、その他所要の規定の整備を図ることとしております。
 なお、この法律案の施行期日は、昭和五十一年六月一日からといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#9
○議長(前尾繁三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。阿部未喜男君。
    〔阿部未喜男君登壇〕
#10
○阿部未喜男君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました公衆電気通信法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係閣僚に対して質問を行い、問題の解明を図りたいと思うものであります。(拍手)
 まず、政府の公共料金に対する基本的考え方についてお伺いいたします。
 総理は、過般の施政方針の中で所信を表明し、今年の最大緊急課題は、不況を克服して適正な安定路線への転換を図るべきであるとし、インフレなき経済発展を図らなければならないと述べられました。
 しかるに、その舌の根も乾かないうちに、続々と公共料金の値上げを計画し、電報電話料金を初め、国鉄運賃、国立大学の授業料、NHK受信料など、国民生活に深いかかわり合いのある公共料金の大幅な引き上げを強行しようとしております。まさに国民に対する背信行為と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 言うまでもなく、公共料金の引き上げは、政府自身物価の上昇を主導するものであり、諸物価の高騰を誘発することは、火を見るよりも明らかであると言わなければなりません。政府は、公共料金の抑制という従来のスローガンをかなぐり捨てて、再び高物価、インフレの深い谷間に国民経済を落とし込もうとするのでありましょうか。公共料金に対する総理の基本的な考え方を承りたいのであります。
 次に、電電公社経営委員の任命について、総理の考えをただしたいと思います。
 申すまでもなく、電電公社経営委員会は、公社業務の運営に関する重要事項を決定する公社内の最高の機関であります。委員五名をもって、さらに総裁並びに副総裁を特別委員として構成をされておりますが、この五名の委員の中の一人に、ロッキード事件の黒い霧の中心的人物と目され、全国民から深い疑惑の目をもって見られておる、かの小佐野賢治氏がおるのでございます。
 小佐野賢治氏は、田中金脈内閣当時に、本院における全野党の反対を押し切って、自民党多数の力を頼んで強行採決を行い、ついに電電公社経営委員に任命をした経緯があります。
 クリーンを自称する三木総理、あなたは、ロッキード事件の黒幕として全国民の疑惑の中にある小佐野賢治氏を、このまま電電公社経営委員の席にとどめるお考えでございますか。かかる経営委員の手による料金の値上げが、国民大衆の合意を得るものとは思われません。小佐野賢治氏を直ちに罷免するかどうか、確たる御答弁をいただきたいのでございます。(拍手)
 次に、このたびの電報電話料金の値上げは、その理由がきわめて薄弱であり、国民ひとしく納得できないものであります。
 電電公社は、今後の事業収支の見通しを試算して、五十三年度までの三年間で一兆七千二百億円の赤字、これに四十九年度、五十年度の赤字四千九百億円を加え、赤字の合計額は二兆二千百億円になると見込み、さらに改良費三千億円を加えて二兆五千百億円を料金改定必要額と推計しております。しかし、利用者である国民は、料金を負担させられる国民は、公社経営の実態について全然知らされていないのであります。
 電信電話の仕事は国民のために存在するものです。しからば、電信電話事業の運営に広く国民の理解と協力を得るため、公社運営の実態と公社経理の内容を国民の前に明らかにすべきであると思うが、この点について政府のお考えを承りたいのであります。(拍手)
 次に、経済企画庁長官に伺いますが、電電公社赤字の原因は一体何に起因するものでありましょうか。これは政府の経済見通しの破綻によるものであると断ぜざるを得ないのであります。
 政府の新経済発展計画を基礎とした電電公社の第五次五カ年計画、すなわち電電公社の長期計画の策定が、設備の拡張、新製品の開発等を急ぎ、企業を急速に成長させるための企業環境をつくり出そうとしたからでございます。かくのごとく赤字の原因を惹起した政府の責任をどうお考えでしょうか、長官の考えを承りたいのでございます。
 続いて、郵政大臣に伺いますが、電電公社の料金改定案は、五十一年度から五十三年度の三カ年間を試算しているようでありますけれども、五十二年度をもって終了する第五次五カ年計画との間にずれを生じ、第五次五カ年計画を修正しなければならないことになると思いますが、この点について郵政大臣はどのように把握をされておるか、承りたいのでございます。
 さらに、最も悪質と言うべきことは、この法律案が、電話基本料について、二段階の値上げを一回の法律改正で処理しょうとしておることであります。目まぐるしい経済の変動は、ことし一年の経済見通しさえ困難でありますのに、来年の値上げを今回の改正法で決めておこうとするやり方は、まさに国民を愚弄するものであり、議会制民主主義に対する行政府の挑戦であり、断じて許すことができないのであります。(拍手)もし、来年度に至ってどうしても値上げをしなければならない事態が到来するならば、来年の国会に改めて値上げの法案を提出すべきであり、なりふり構わずに、もうかるときにもうけておこうというこのやり方こそ、小佐野式商法とでも言うべきものではないでしょうか。政府当局に強く反省を求め、かかる無謀な法改正を撤回されるよう要求します。郵政大臣に撤回の意思ありや、御答弁を求めます。(拍手)
 電電公社は、赤字の原因が住宅用電話の普及のためだと宣伝をしておりますけれども、言語道断と言わなければなりません。電話は今日国民生活に欠くことのできない生活必需品となっております。それだけに電電公社は、公共企業体としての役割りを再認識し、ナショナルミニマムとしての事業使命に立ち返るべきであると思うのであります。専用料金やデータ通信関係料金等、企業向けの料金を割安にしておきながら、赤字の原因を住宅用電話に転嫁するがごとき宣伝は、許すことができないのであります。
 とりわけ総理は、かねてから社会的不公正の是正を口にされてきましたが、老人、心身障害者、母子世帯、生活保護世帯等の経済的、社会的に弱い立場の人々の生活の安定と福祉の向上を図るため、電気通信事業において福祉的な政策料金制度をおとりになる考えはないのか、お伺いしたいのであります。
 また、わが党は、従来から老人福祉電話の増設、拡充を強く主張してきたところでありますが、政府は、この老人福祉電話についてどのように推進するお考えか、老人福祉電話の料金減免等の措置をあわせて御答弁を願いたいと思います。
 次に、料金体系全般について伺いますが、今回の値上げ案は、料金体系の合理化及び制度の改善策について何ら見るべきものがなく、ただ安易に料金値上げによって経営収支のつじつまを合わせようとする露骨な姿勢がうかがえるのでございます。
 すなわち、電電公社は、一昨年、住宅用電話に対する定額通話料制度を打ち出し、通話をしなくとも料金だけは徴収するという不合理な提案を行いましたけれども、厳しい社会の不評を受けて、定額通話料制度は姿を消しましたが、今回はそれにかわって、基本料と設備料の大幅な引き上げが提案されてまいりました。
 すでに述べたとおり、電話は今日国民生活の必需品であります。したがって、すべての家庭に普及するよう努めるべきであると思いますが、基本料が二倍に引き上げられると、通話の有無にかかわらず、最低、従来の二倍の負担を強いられることになります。かくては、電話料負担の増大のゆえに、電話が欲しくとも電話をつけることのできない家庭がふえていくことになりましょう。しかも、基本料を二倍に引き上げなければならないという根拠は全く見当たらないのでありまして、これはさきの定額通話料制度の発想と軌を一にするものであります。
 郵政大臣、定額通話料制度と基本料の引き上げとの間にどれだけの相違があるのか、その所見をお伺いしたいのであります。
 あわせて、先年、電電公社が提起した遠距離通話料の引き下げはどうなったかを伺いたいと思います。
 遠距離通話料は、コストの面から見ても、また、世界各国の料金体系から見ましても、わが国の場合、割高となっていることは否定ができません。これを引き下げるなど、料金体系の合理化に着手をしなかった理由は一体何でしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
 また、設備料の大幅な引き上げについては、全く理解に苦しむところであります。
 設備料は、昭和四十六年、単独電話三万円を五万円に引き上げました。したがって、四十七年、拡充法改正案審議の際に、第五次五カ年計画中、すなわち五十二年度までは値上げを行わないと断言をしておったところであります。にもかかわらず、今回、突如として五万円を八万円に引き上げようとしておるのであります。
 そもそも設備料の性格については、これまでの国会審議の過程において明らかにされたごとく、新規加入に際して架設費用の一部を負担するものであるということになっておりますが、このように、設備料は建設資金の不足を補うものとされてきましたけれども、一方では、同じ目的のために、加入者に債券の引き受けを強制し、しかも、この加入者債券引き受けの法律の有効期間を十年間延長してまで建設資金の充実を図った経緯にかんがみ、今回さらに設備料の引き上げを行うことは、二重の負担を強要するもので、とうてい納得することのできぬところであります。
 特に申し上げたいことは、これらの設備投資的経費は、財政投融資等の政府出資や内部留保から捻出されるのが至当であると考えるが、財政担当の大蔵大臣の見解を承りたいと思います。
 また、このように電話の加入に際して高い設備料と多額の債券を引き受けなければならないことは、国民の電話需要を抑制し、国民生活向上に逆行する結果を招くと思われるが、政府の見解をお聞きしたいところであります。
 続いて、専用料金についてお尋ねします。
 電電公社は、昨年七月、遠距離の専用料金を大幅に引き下げました。その上、今回の料金改定に当たっても専用料金には手をつけないと聞き及びますが、このような大企業奉仕の姿勢で、一方では住宅用の通話料の大幅な引き上げを行うということが、国民の電信電話を預かる電電公社の姿勢であっていいのでしょうか。なぜ専用料金を改定しないのか、郵政大臣の所見を明らかにしてください。
 なお、専用料金については、今回の改正案では、これを認可料金にしようとしておるようでありますが、専用料金は公衆電気通信役務の一つとして、その料金は最高限度額を法定しているところであります。安易にこれを認可料金とすることは許すことができません。
 また、新聞等の報道によれば、自民党は、料金法定主義の廃止などを重要な検討課題として取り組むと伝えられ、米澤電電公社総裁も、料金制度についても国会審議によらない大臣認可制に改めたいと語ったと言われますが、一体その真意がどうであったのか、この際、政府の見解を明確にお答え願いたいのであります。
 最後に、電報制度について伺います。
 電話の自動即時化、加入電信、データ通信等、他の近代的通信手段の普及発展に伴い、電報の果たす役割りは量的にも質的にも大きく変化をしてまいりました。また、電報事業の収支状況は年を追って悪化し、五十年度収支率八五〇%となっておるようであります。
 そこで、今回、一般電報を二倍、慶弔電報については三倍に引き上げようとしておるようでありますが、これは結果的には電報利用を抑制することにならないでしょうか。私は、この際、一般電報についてはむしろ現行料金のままとして、ナショナルミニマムの手段に供することが望ましいと思うが、郵政大臣のお考えを承りたいのであります。
 以上、各項にわたり政府の考えをただしてまいりましたが、本法案は余りにも経営本位に走り、物価の動向や国民の家計への配慮を欠いたものであると言わなければなりません。とうてい国民大衆の合意を得ることのできるものではありません。したがって、政府は、いさぎよく本法案を撤回されるよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(三木武夫君) 阿部君にお答えをいたします。
 私に対する質問は三問ございまして、公共料金に対する基本的な考え方でございますが、公共料金については、さきの物価狂乱を収束するに当たり、非常の措置として厳にその引き上げを抑制してきたところでありますが、本来、公共料金は受益者にある程度の御負担を願うというのが原則でございますが、余り物価政策という点から長期に抑制し続けますと、一遍に上げなければならぬような状態に陥りますので、そこで、企業の経営の合理化を進めていく一方、料金については、物価の安定を阻害しない範囲内で適正な水準に改定する必要があると考えておる次第でございます。
 第二には、小佐野賢治君の経営委員任命についてのお尋ねでございますが、情報化時代に電信電話事業も幅広い利用を図る必要がありまして、そういう点から、国民生活に関係の深い交通とか観光事業に小佐野君は多年深い経験を持っておりますので、経営委員として適当であると考えて任命をいたしました。
 ロッキード事件について、国会を初め関係当局において調査を進められている段階であって、小佐野君が国会に証人として喚問されたということをもって直ちに、阿部君の申されるように、経営委員を罷免すべきであるとは考えておりません。もう少し事態の推移を見守ってまいりたいと考えております。
 第三には、電気通信事業において、やはり所得の低い人たちに対して、福祉の料金を考えるべきではないかというお話でございました。ことに、老人の福祉電話等について、いろいろ御質問がございました。電話料金のような公共料金については、受益者に御負担を願うという原則にのっとって、利用される人が相応の費用を負担していただきたいと考えております。老人などの社会的に弱い立場にある方々に対する配慮は、電話料金でするのではなくして、社会保障の分野において、所得保障の充実などによって今後十分に努力をしてまいりたいと考えておりますから、老人の福祉電話の料金について、直接、減免措置を講ずる考えは持っておりません。
 お答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#12
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、電電公社の投資的な資金、すなわち、設備資金等については財政資金を投入すべきでないかというお尋ねでございます。
 仰せのとおり、ただいままで電電公社は、内部資金留保でございますとか、あるいは、みずからの借入金をもって投資的な資金を賄ってまいったわけでございます。電電公社は、内外の資本市場に大変大きな信用を持っておりまして、みずからの信用力で資金を調達する能力があるわけでございまして、いままで財政資金を特に投入しなければ資金の調達が困難であるという事態には逢着したことがなかったわけでございます。私は当面それで差し支えないのではないかと思っております。しかし、これは何も財政資金を電電公社には投入してはならないと考えておるわけではないことを御了解いただきたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#13
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、電電公社の赤字になった原因はなぜか、また経済政策破綻の結果ではあるまいか、さらに、そういう状態を招来した責任をどういうふうにとるか、こういうようなお尋ねでございます。
 電電公社が赤字になりましたのは、確かに、高度成長体制の中で電電公社の投資が大いに進み、その結果、住宅用電話なんかが相当高度に普及してきたわけであります。これは収入から言いますると、かなりこの増加要因を低めるという結果になるわけです。他方、物価は上がる、また特に賃金が相当の大幅な拡大をする、そういうようなことで赤字になってきておるわけでございまして、阿部さんは、経済政策破綻の結果だ、こういうふうにおっしゃっておられますが、経済政策と言えば、これは石油ショックで大変な重大な影響を受けたわけであります。その結果、高度成長政策から、好むと好まざるとにかかわらず、これは適正成長路線へ転換をしなければならぬ。そういう中において、電電公社も、それなりの影響を受けることは事実でございまするけれども、日本経済が破綻したんだというふうには考えておりません。重大な影響を受けたんだけれども、それからの脱出、切り抜けば可能である、かように考えております。
 今後、こういう世界情勢、わが国の経済をめぐる環境の変化に即応いたしまして、国全体の経済政策の姿勢も変えなければならぬ、そういう中で電電公社も適正な成長体制をとらなければならぬ、そして国民の御期待にこたえるような運営に移らなければならぬ、そういうふうに考えますが、そのような方向で、政府といたしましては電電公社の指導に当たってまいりたい、かように考えます。(拍手)
    〔国務大臣村上勇君登壇〕
#14
○国務大臣(村上勇君) 阿部議員の御質問にお答えいたします。
 まず、公社経営の実態を明らかにせよとの御指摘でありますが、公社の経営状態は、るる説明申し上げましたとおりでございまして、その経営改善のために料金改定をお願いいたしておる次第であります。御指摘の点につきましては、今後の御審議の過程で十分説明し、御理解をいただくよう努力してまいりたいと考えております。
 また、第五次五カ年計画との関係につきましては、今回の三カ年の計画の中で、政府が現在策定中の新経済五カ年計画との整合を図って、一部見直しを行っているものであります。
 次に、電話の基本料の二段階の改定に関する御質問でありますが、電信電話事業は、長期にわたって継続的、計画的に運営されるべき性格のものであります。事業収入はその基礎となるものでありまして、電報電話料金の改定案の策定に当たりましては、五十一年度から五十三年度までの収支を基礎として、この三年間の見通しに立って赤字を解消し電電公社の経営の安定を図るため、総額二兆五千百億円を料金改定により措置しようとするものであります。
 次は、赤字の原因についての御質問についてでありますが、公社財政の赤字の原因は、四十八年以降の急激な物価上昇、大幅なベースアップ等による支出の増加、最近における収入の伸び悩み等によるものであります。
 また、住宅用電話の普及、充実に関しましては、今日、国民生活に不可欠のものである点にかんがみまして、今後とも一層の努力を重ねてまいりたいと思います。
 老人福祉電話の電話料金の減免及びその増設、拡充についてどう考えるかとの御質問でありますが、電話料金のような公共料金につきましては、受益者負担の原則にのっとり、利用者が相応の費用を負担すべきものと考えており、現在のところ、老人福祉電話の電話料金について、直接減免措置を講ずることは考えておりません。
 しかしながら、老人福祉電話等の増設、拡充につきましては、従来、その設置費の一部について国庫補助が行われており、老人福祉電話の普及に貢献しているところでありますので、今後とも関係機関と緊密に連絡をとりながら、普及のための努力を続けたいと思っております。
 次に、定額通話料制度と基本料の引き上げにどれだけの相違があるかとの御質問でございますが、定額通話料につきましては、その制度が複雑であり、また低利用者にとっては酷である等の批判がありましたため、これを今回は取りやめ、基本料の引き上げにより、利用者の方々に、応分、かつ、できるだけ公平な負担をお願いすることとしたものであります。
 また、遠距離通話料を引き下げない理由でございますが、これを実施するためには、基本料及び通話料の改定幅をさらに大きくする必要があり、急激な料金の負担変動を避ける見地から、今回は見送ることとした次第であります。
 次に、設備料についてでありますが、今回の改定は、現行設備料を定めた四十六年当時と比べますと、消費者物価指数、卸売物価指数とも約一・六倍になっていますことを勘案いたしまして、相応の改定をしようとするものであります。なお、設備料は電話設備の設置のため必要な資金の一部に充当するものでありますから、たとえば、政府出資というような形でなく、受益者に負担していただくことが適当であると考えております。
 専用料金につきましては、昨年七月、料金体系等の是正を中心とする改正を行ったところでありますが、専用サービスの多種多様化に伴い、新しいサービス態様に即応する料金体系を検討するためには時日を要することと、昨年の改定実施後、間もないこと等の点から、いますぐ料金改定を行うことは困難であると考えております。
 また、専用回線の料金の限度額の法定を廃止することにつきましては、近年、専用サービスが通話以外にファクシミリ電送、データ伝送等、多様な目的に利用され、その種類も多種多様と化しており、今後とも新しいサービスが増加していく傾向にありまして、通話料を基準としてその限度額を設定することが、専用サービスの実情にそぐわなくなってきたために、その規定を削除しようとするものであります。
 なお、料金の法定制を認可制に移行させることにつきましては、政府として、いま直ちに実施することは考えておりませんが、将来、慎重に検討すべきものと考えております。
 今後の電報のあり方についてでありますが、電報の利用はここ十年で半減いたしており、今後とも通数は減少の傾向にあります。電電公社におきましては、電報利用の変化に対応して、より合理的な運営が図られるよう各種の施策を実施してまいったところでありますが、今後とも将来を展望しながら合理化施策の推進が図られるよう検討しており、通数は減少の傾向にあります。電電公社におきましては、電報利用の変化に対応して、より合理的な運営が図られるよう各種の施策を実施してまいったところでありますが、今後とも将来を展望しながら、合理化施策の推進が図られるよう検討を進める所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(前尾繁三郎君) 平田藤吉君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔平田藤吉君登壇〕
#16
○平田藤吉君 私は、日本共産党・革新共同を代表し、ただいま説明のありました電報電話料金の大幅値上げを目的とする公衆電気通信法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 本法案は、電報料金を二倍から三倍に、電話の基本料金を二倍に、度数料を七円から十円に、そして設備料を五万円から八万円にするなど、いずれも大幅な値上げ案であります。国鉄運賃の値上げなど一連の公共料金の引き上げと重なり合って、不況とインフレで苦しんでいる国民の生活を一層圧迫するものであります。
 今日、日本の政治の上で避けて通ることのできない問題はロッキード問題であります。この問題の疑惑をそのままにして、値上げだけを進めようとする三木内閣の姿勢は、いまや国民の厳しい批判を受けているのであります。(拍手)
 三木総理は、きのうの本会議で、ロッキード問題に関して、アメリカ政府がその資料の公表について条件をつけた場合は公表できないこともあり得ることを示唆したが、これは、本院が全会一致で政府高官名を含む一切の未公開資料の提供を本院に行う旨の決議に反し、また、全資料の公開が原則であると述べてきた総理の姿勢とも全く相反するものと言わなければなりません。(拍手)
 この際、国民にかわって端的にお尋ねいたします。
 総理が国民の期待にこたえて、真に徹底的に真相解明を行う決意であるなら、アメリカ政府に対し、政府高官名などの発表について条件をつけることをやめるよう申し入れるべきではないかと考えます。(拍手)三木総理の責任ある答弁を求めます。
 さて、電話料金の値上げ問題について政府の見解を伺います。
 今日、電話は、住宅では二軒に一軒以上が加入し、農山漁村でもその普及が強く求められ、寝たきり老人や障害者世帯に対する福祉対策の手段としても活用されるなど、今日の国民生活にとって不可欠のものであります。
 今回の値上げは、国民の負担を増大させ、実質的に国民からこれらの通信手段を奪うに等しいもので、断じて認めることはできません。
 まず第一に指摘しなければならないのは、値上げの理由についてであります。
 政府と電電公社は、今回の電話料金の大幅値上げの理由として、このままでは五十三年度までに二兆二千億円もの赤字が出ると言い、この赤字の原因は収入の低い一般住宅用電話がふえたからだと説明していますが、それはとんでもないごまかしであります。
 もともと電話の設備は、一日のうちで電話が集中したときに対応できるようにつくられております。公社の統計によると、全国的に集中する時間は午前九時からの二時間であります。その通話の九〇%が企業用電話によるものであります。住宅用電話の利用はこの二時間以外が圧倒的に多いのでありますから、したがって、住宅用電話がふえることは、設備の平均稼働率を高めることになるのであります。このように同じ設備で増収が図られるのですから、決して住宅用電話が赤字の原因になるわけがありません。(拍手)
 反対に大企業に対する出血サービスこそ赤字の原因なのであります。たとえばテレックスやデータ通信などは、四十九年度決算で三百五十四億円もの赤字を出しています。データ通信設備サービスは加入一社当たり月に百六十万円もの出血サービス、テレックスも一社当たり四万円の出血サービスになっております。この専用線、テレックス、データ通信などの料金こそ適切に改めるべきものであります。
 さらに設備料の問題もあります。たとえば大企業の使うビル電話の設備費用は十七万円もかかっているのに、設備料はたった二万五千円しか取っておりません。公衆データ通信は二十万円もかかるのに五万円、特定回線は八十四万円であるのに四万円、さらにテレックスは九十四万円もかかるのに五万円しか負担させていないのであります。
 さらに料金体系についても、昨年七月には専用線の料金を一層大企業優先に変え、たとえば東京−大阪間で月に四十三万七千円だったものを三十万円に引き下げ、これによって、全国銀行協会が使っているデータシステムなどは、年間一億円以上も値下げになっているのであります。まさに不公平そのものと言わなければなりません。
 赤字の解消を値上げの理由とするならば、大企業の設備料や料金を適正にするのが当然だと考えます。大臣にその決意があるかどうかお聞きいたします。
 次に、公社の設備投資の問題について伺います。
 公社は、五十一年から三年間に五兆四千三百億円という膨大な設備投資を計画しています。そのうちの四兆五千九百億円は一般電話増設のためのものだと主張していますが、これは全くのごまかしと言わなければなりません。二兆数千億円で十分に間に合うはずであります。なぜなら、四十八年度から三年間には、九百五十万台増設に三兆八百億円かかったと言っているわけです。今後三年間の計画では、それより百四十万台も少ないのに一兆五千億円もよけいにかかるなどというのは、全く不当だからであります。それは、データ通信、画像通信、テレックスやビル電話、自動車電話、会議電話などと、それらを結ぶ電子交換機の大量導入などの基礎設備を二兆円以上もふくらませた膨大な投資が隠されているからであります。このような大企業本位の設備投資のあり方は、断じて認められません。(拍手)
 しかも、この膨大な設備投資を強行するために、一般電話料金の引き上げとあわせて、三年間で三兆円もの借り入れをふやそうとしています。すでに四十九年度の金利払いが一日七億円にもなっていますが、このやり方を続けるなら、三年後には一日十二億円を超え、再び電話料金の大幅値上げを招くことは必至であります。このような無謀な計画を根本から改めなければなりません。
 金のかかる企業用通信設備を抑え、投資規模を適正化し、企業に適正な負担を課し、建設投資は国民の要求を優先させ、借入金の抑制を行うべきです。この点について政府の見解を明らかにしていただきたい。
 第三に、不当な減価償却制度を改める問題であります。
 公社は、向こう三年間で二兆八千六百億円もの償却費を見込み、これで投資財源の半分以上を確保しようというのであります。そのために、設備の耐用年数を昭和二十八年当時の半分、十三年半に縮め、その上わずか四年で五〇%の償却を可能にする定率法を採用しているのであります。その結果、赤字決算になった四十九年度の減価償却費は六千四百八十三億円で、事業支出に占める割合は実に三二%になっています。こういうやり方では大赤字になるのは当然であります。
 もしこの定率法を改め定額法をとるならば、四十九年度の場合には三千二百億円以上も支出を減らすことができ、その結果、千四百億円以上の黒字を生むことができたはずであります。公社が電話の完全充足が近いことを叫んでいる今日、定額法にしたからといって何の支障も与えないのであります。したがって、減価償却制度を定額法に改め、耐用年数も適正にすべきだと考えますが、大臣はこのような改正を行う意思があるかどうか、明確な答弁を求めます。(拍手)
 そこで、この際お尋ねいたしますが、国会審議を保障するためには、当然、審議に必要な資料を提供すべきであります。ところが、公社に対してわが党が再三要求した資料、たとえば予算参考書と付属資料、トラフィック調書、資材物品契約調書、局状便覧、統計年報、在日米軍とのサービス基本契約協定など、審議に不可欠な基本的資料すらいまだに提出していないのであります。資材の購入単価や製造原価なども一切を公表すべきであります。これらを隠すことは、結局は、国民収奪、大企業奉仕の実態を国民の目から隠そうとするもの以外の何物でもありません。政府は、責任を持ってこれらの資料を提出させ、公社の秘密主義経営を改めるべきだと考えるが、責任ある態度を明らかにしていただきたい。
 以上、本法案の幾つかの重要な問題点について指摘してきたが、政府が真に国民の利益に立つならば、次のことを緊急に実施すべきであります。
 その第一は、データ通信、テレックス、専用線などの大企業に安い料金体系を適正に改め、出血サービスをやめることであります。
 第二に、大企業に不当に安い設備料を適正化することであります。
 第三に、設備投資計画は一般電話などを優先させること、大企業へのサービス提供を抑制し、投資規模を大幅に圧縮し、借入金の増大を抑えることです。
 第四に、高度成長型の減価償却制度を改め、適正化することです。
 これらを実行するならば、赤字を抑え、一般電話や電報などの料金値上げをせずに済むのであります。しかも、これらはいずれも大臣の認可事項で、政府がやる気になれば実行可能なものであります。
 私は、このような措置を行うことを要求し、重ねて本法案に断固反対し、政府にその意思があるかどうか、明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 最後に、電電公社の経営委員である小佐野賢治氏の問題について質問します。
 電信電話は、今日国民の不可欠な通信手段であり、公社の経営は、当然公正を旨としなければなりません。ところが、公社の最高幹部の一人として、小佐野賢治氏が政府の任命と国会の承認によって経営委員に加わっています。小佐野氏は、人も知る政界の黒幕と言われ、黒い疑惑に包まれている人物であります。(拍手)年間四兆円以上の金を動かす公社の経営を任せるには全くふさわしくない人物であり、わが党は同氏の任命にこれまで一貫して反対してきました。
 現在、この小佐野氏はロッキード疑獄事件の中心人物として、十六日の証人喚問以来、国民の疑惑が日増しに強まっているのであります。この国民の疑惑に総理はどうこたえるのか。村上郵政大臣は、疑惑が持たれたからといって直ちに不適当とは言えないなどと言っているが、こんなことで国民のだれが納得すると考えるのか。まして二月十二日の経営委員会には理由もなく無届け欠席するような人物を、いまでも政府は経営委員として適任と考えているのかどうか。当然罷免すべきだと考えるが、総理並びに郵政大臣の明確な答弁を要求して私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(三木武夫君) 平田君にお答えをいたします。
 最初に、ロッキード問題に対する私の決意、資料公開に対する方針をお尋ねでございました。
 ロッキード問題に対しましては、しばしば申し上げておりますように、臭い物にふたをするようなことはしない、徹底的に真相を究明するというのが私の変わらざる決意であることを申し上げておきます。
 第二の資料公開の問題は、平田君も御承知のとおり、予算委員会で私がしばしば申し上げておりますとおりに、外交のルートを通じて正式にアメリカから提供された資料については、先方側から条件のついてない限りはすべて公開をいたすという方針でございます。
 それから次には、電信電話料金の値上げ問題に絡んで、そして電電公社の経営が悪化したのは原因は何かというような意味のお尋ねでございましたが、平田君も御承知のとおり、最近における物価の値上がり、それから来る物件費の急騰、人件費の増加、一方において景気は停滞をいたしましたから、収入の落ち込みなどによって大幅な赤字を計上するに至ったわけでございます。
 現在三千万に及ぶ加入者を擁する電話事業というものを良好な状態で維持するためには、いつまでもこの赤字経営を続けていくということは、これは好ましくない、そういうことで電信電話料金も、合理的な水準において御利用を願う方々の御負担を願いたいというのが今度の値上げ法案を提出した理由でございます。
 小佐野君の問題については、先ほど阿部君にお答えをいたしましたごとく、いまこれを罷免するということは適当だとは考えておりません。いま少し事態の推移を見守りたいというのが政府の考え方でございます。(拍手)
    〔国務大臣村上勇君登壇〕
#18
○国務大臣(村上勇君) 平田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、電話の住宅用と事務用の負担の不公平を改めるべきではないかとの御意見につきましては、住宅用電話は従来から事務用に比し優遇してまいったところであり、今後も同じように扱ってまいりたいと考えております。公社の赤字は、経済情勢の変化に伴う物価の高騰や人件費の大幅な上昇、景気の停滞に伴う収入の伸び悩み等が大きな原因でありまして、料金の改定による負担につきましては、事務用ばかりでなく、住宅用にあっても応分の負担をお願いしたいと考えております。
 次に、設備投資計画につきましては、三カ年で約五兆円の投資を予定いたしておりますが、これは七百七十万の電話の新規増設、約三千万に及ぶ既設の加入電話の改良維持、防災計画、加入区域の拡大等、サービス向上のための施策、さらに情報化社会に対応した多様なサービスの提供のため必要なものと考えております。
 次に、借入金等の外部資金によって建設投資を行うことについて考えを改めるべきではないかとの御指摘の点につきましては、電電公社の建設計画は、加入電話を初めとする国民に対する多様なサービスにこたえていくために、必要最小限度の建設投資を織り込んだものであり、このための資金の一部として、電信電話債券等の外部資金に依存するのもやむを得ないものと考えております。
 なお、今回の料金改定によって、自己資本の比率を高め、金利負担を少なくすることができることとなりますので、経営の健全な運営に資するものと考えております。
 次に、減価償却費に関する御質問につきましては、四十九年度における電電公社の固定資産に対する減価償却費の比率は一三・一%でありますが、これは全産業の一二・三%、あるいは製造業の一五・六%に比べ妥当なものであると考えております。
 なお、償却方法を定率法としているのは、電気通信事業がきわめて技術革新性の強いものであり、将来の陳腐化また不適応化の度合いがはなはだしい等の点を考慮しているからでありまして、事業の健全な運営にとって必要なことであると考えております。
 次に、御指摘のありました資料の提供のことにつきましては、事情を調べてみたいと思いますが、資料によっては、利用者である相手方の了承を必要とするもの、あるいは前提となる条件が確立できないなどの理由から、作成困難なものがあろうかと存じますが、今後十分検討いたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
 なお、最後に、小佐野賢治氏の電信電話公社経営委員に関する御質問でございますが、同氏の問題につきましては、先ほどの総理大臣の答弁と全く同意見であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○副議長(秋田大助君) 林孝矩君。
    〔林孝矩君登壇〕
#20
○林孝矩君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま政府より提案されました公衆電気通信法の一部を改正する法律案について、総理並びに郵政大臣に質問いたします。
 本法案は、郵便料金に続く政府の公共料金値上げの第二弾として、国民が非常に重大な関心を持っている法案であります。
 それは、公共料金の画一的な値上げが諸物価の高騰を誘引することは必至であり、インフレ再燃のおそれがきわめて強い中で、不況に苦しむ国民生活をますます窮地に追い込むことになるからであります。
 一月二十七日、総理府統計局が発表した二月の消費者物価の上昇率は、対前年同月比で東京区部において一〇・七%になり、政府が国民に約束してきた三月の消費者物価対前年比一けたの公約は、すでに絶望的であるとされております。
 この現状をもたらした原因は、一応、昨年末からの異常気象による野菜類の続騰とされておりますが、それのみではなく、昨年の消費者米価値上げが影響していると見るべきであります。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 政府は五十一年度の経済見通しで物価上昇率を八八%としていますが、どのような根拠があって八・八%の上昇率に抑えることが可能なのかということであります。
 五十一年度は、ただいま提案された電話電報料金の値上げを初め、国鉄運賃五〇%、NHK受信料約五〇%、その他、国立大学授業料約二・七倍、さらに四月早々に申請予定の電力料金値上げなど、公共料金の値上げが軒並みに予定され、それに通産省が指導する新価格体系の形成、こうした値上げラッシュは、物価狂騰が最も激しかった四十九年度に、国鉄、私鉄、タクシー、電気、ガス等の公共料金が相次いで値上げされた当時と、全く酷似しているからであります。むしろ、値上げ幅や実施される公共料金の種類は、四十九年度をはるかに上回っているのであります。
 しかも、公債の大量発行、金融緩和と大企業優先の景気対策とによる過剰流動性、第一次産品の輸入価格の上昇、製品価格の引き上げなど、物価高騰に結びつく要因が山積していると言うべきであります。
 総理は、こうした状況を考えても、なおかつ政府の消費者物価上昇率八・八%の実現は可能であると考えられておるのか、五十年度の物価公約がすでに破綻した現状と照らし合わせ、明確な答弁を伺いたいと思うのであります。
 さらに、公共料金支出が低所得者層になればなるほど家計に占める割合が高くなることが明らかになっております。
 たとえば四十九年度の勤労者世帯五分位階層別で見ると、第一分位、すなわち最も低い所得層では、公共料金支出が家計に占める割合は一五%にも及んでおります。したがって、五十一年度に主なものだけでも十数種類ある公共料金の値上げラッシュは、家計の中で公共料金負担比率がきわめて高い低所得者層に多大な影響を及ぼすものと思われます。こうしたことは総理はすでに御承知と思いますが、低所得者層に及ぼす影響を緩和するための対策を持っておられるのかどうか。それとも、所得格差や税の不公正が問題になっている今日、所得の低い人に対する何らの配慮もなしに公共料金の一斉値上げを強行しようとする考えなのか、お伺いしたい。
 次に、わが国は情報化の進展が急速に進み、郵便事業はすでに百年を経過し、NHKの開局も昨年五十周年を迎えるに至っております。しかし、その反面、情報過多が社会的に問題になり、プライバシーの保護が重視されるなど、情報化社会の進展の功罪が改めて問われております。さらにまた、電話、電報、郵便、テレックス等の通信事業の需給関係も、ここ数年大きく変化しているのであります。
 こうした社会変化に対し、さきの六十三国会のころから、情報の社会的位置づけや定義を明確化するため、国会や国民各層の間から、現在及び将来の情報化社会に指針を示すべきだとの要求が出ているのであります。特に、情報化社会の進展に伴う、プライバシーの保護と基本的人権の保障、情報の国民生活への優先的利用、情報の民主的管理、情報格差の是正など、原則の確立はいまや緊要な問題となっております。
 しかしながら、これに対し政府は何一つこたえていないばかりか、六十五国会では、公共的な目的をもってつくられた公衆電気通信網を一部の大企業の要求に応じて開放するとともに、そのツケとして電話料金の不当な値上げを国民に押しつけるなど、国民の犠牲の上に立った情報の大企業優遇措置を行ったのであります。
 今回の電話電報料金の大幅値上げは、かつての高度成長型経済政策に追随してつくられた電電公社の第五次五カ年計画を遂行するためのものにほかなりません。今後の日本経済の中で、なお高度成長型の投資計画の遂行が必要なものなのかどうか、大いに疑問を抱かざるを得ないのであります。
 このほかにも課題は数多くありますが、政府は、情報化社会の進展に対応する基本政策も基本的理念もないまま、事業収支の改善にのみ目を奪われて、多大な負担を国民に課そうとしていることは納得できないのであります。
 政府は、情報化社会に対応した基本政策をまず国民の前に提示することが先決であると考えますが、その用意があるのか、総理並びに郵政大臣の御所見を賜りたいのであります。
 続いて、郵政大臣に対し何点かの質問をいたします。
 その第一は、電電公社の事業計画の規模が現在並びに今後の経済事情に適応したものと考えているのかということであります。
 電電公社は、四十八年度を初年度とする第五次五カ年計画を策定して、その事業費の総額は七兆円という膨大な投資が予定されています。しかし、いわゆる石油ショックを契機にわが国の経済が変化をしてきた以上、公社の五カ年計画の見直しが必要となることは当然であると考えられます。にもかかわらず、公社は五カ年計画の根本的な見直しを行おうともせず、その投資による借入金の穴埋めとして、電話電報料金の大幅値上げを画策し、国民に大きな負担を課そうとしているのであります。
 さらに、電電公社は、事業計画を推進するため、五十一年から五十三年までに五兆四千三百億円の投資を必要とするとしていますが、これは四十八年から五十年までの投資額三兆七千六百億円と比較しても明らかなように、過大な投資であると言わざるを得ません。
 したがって、事業計画を根本的に策定し直すべきであり、いたずらに電話電報料金の値上げを図るべきでないと考えますが、この点について大臣の明確なる答弁を求めるものであります。(拍手)
 質問の第二点は、事業別収支の問題であります。
 公社は、事業収支の悪化の原因が、人件費や物件費の高騰とともに、住宅電話にあるように宣伝をしておりますが、これは全くためにする論議と言わざるを得ないのであります。
 すなわち、加入数が増加すれば、一加入当たりの電話収入がある程度低下することは当然であり、こうした現象は、アメリカを初めいずれの国でも起きていることであります。確かに住宅電話は、事務用電話に比べて利用度が低いことは事実としても、通信費を必要経費として認められている事務用電話と同次元で論ずるべきではなく、また事務用電話が景気によって左右されるのに比べ、住宅用電話の利用は比較的安定しており、事業収入の安定のためにも、住宅用電話は優遇されてしかるべきであります。
 さらに、住宅用電話は、事務用電話からの受信面において、総収入に大きく貢献していることも考慮されるべきであります。
 また、四十九年に公社が発表した事業別収支状況に明らかなように、電話以外の事業がすべて赤字であり、特に企業優遇の料金制度がとられているデータ通信、テレックス等の事業は、収入に対する赤字額比率が高いことを見逃しにできないのであります。
 したがって、直接国民生活に影響を与える住宅用電話料金は抑制し、事業活動に供される通信料金の是正に努め、公社全体の収支改善を図ることが公社としてとるべき責任ある態度であると思いますが、大臣はこの点をどのように考えておられるか、御所見を伺いたいのであります。(拍手)
 また、電報料金の大幅値上げは、電電公社の事業全体の立場からの論拠が薄く、収支均衡にのみ目を奪われた経営姿勢が貫かれています。電話等との共通通信分野の調整、配達制度のあり方など電報事業の全体の改善を図るとともに、定文電報の増加など、サービス向上に努めることが事業改善にとって不可欠であると思いますが、この点もあわせて大臣の答弁を求めるものであります。
 第三に、公社の事業体質についてであります。
 公社の固定資産はここ数年急激に膨張しておりますが、それに比例して、支出に占める減価償却費の割合も増大し、五十一年度を例にとると、その比率は実に三〇%以上に達しております。同系事業の国際電電が一七%、その他、国鉄が一一%、電力一七%、ガス一三%であることから、公社の減価償却費がいかに過大であるか明らかであり、また、耐用年数を過ぎた設備が何年も稼働して利益を上げ、さらには、撤去した設備に手を加えて地方で再利用されているという事実も指摘されております。ちなみに、この比率を国際電電並みにするとしますと、約五千億円もの支出が減額されることになり、これは今回の料金値上げによる増収分に匹敵するのであります。
 このようにして見ますと、公社の赤字は、極端に表現すれば、つくられた赤字とさえ言えましょう。大臣はどのように考えておられるか、明確な答弁を求めるものであります。
 さらに、公社の体質改善に関連して言及しますが、現在、ロッキード献金問題で重大なる疑惑を国民に与えている小佐野賢治氏が、電電公社の経営委員として総理から任命されていることに関して、先ほど総理は、小佐野氏が証人喚問されたからといって罷免すべきではない、そのような答弁をされました。しかし、小佐野氏は、ロッキード献金問題が起こって以来、この電電公社の経営委員会を欠席しております。この事実を総理は御存じなのかどうか。また、重大な経営委員会を欠席する、出席しないということに対して、経営委員としての適格理由を総理はどのように考えられておるのか。また、国権の最高機関である国会で行われている証人喚問に対して、このような程度の認識しか持っていないという総理の考え方を私は疑います。総理は、では一体、小佐野氏にどのような罷免環境が生まれたときに小佐野氏を罷免すると決断を下されるのか、その点について総理の明確なる答弁を求めます。
 国民の目から見て、こうした疑惑を抱かせている人物が公社の経営に重大なる影響を与え得る地位にいることは、国民の公社としての立場から見て適格と言えるかどうか、明白であります。総理の見解を賜りたい。
 最後に、来年度の公社予算は、その事業規模と内容において、今後予測されているわが国の経済成長率に適応しないばかりか、国民のための通信制度としての使命から大きく逸脱したものと言わなければなりません。また現在の赤字は、過大な投資や他に比類のない減価償却費の計上など、公社自身の放漫経営によって生じたものであり、さらにまた、データ通信やファクシミリなど、大企業のための投資を増大し、一方では専用料金などによって破格の料金割引を行い、収入の低下をみずから招いた結果であると言えます。そうしたツケを大幅な電話電報料金の値上げによって国民にしりぬぐいをさせることは、絶対に許されるべきではありません。
 政府は、本法案の速やかなる撤回と、電電公社の来年度予算を抜本的に改めるべきであることを強く要求して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣三木武夫君登壇〕
#21
○内閣総理大臣(三木武夫君) 林君にお答えをいたします。
 最初に、消費者物価の年度平均上昇率を今年の三月に一けた台にするという政府の政策目標はすでに破綻したではないかという御批判でございますが、政府はそうは考えていないのであります。三月末に全国平均一けた台にいたすべく最後の努力をいたしておるわけで、いま破綻をしたとは考えておりません。
 また、五十一年度の消費者物価の上昇率八・八%というものにつきましては、今後消費者物価をこの程度の水準にとどめるために、政府は十分努力をいたす所存でございます。
 公共料金などのお話もございましたけれども、そういう物価の見通しの中には、全体として、公共料金の値上げという問題についても、総合的に考慮いたしまして織り込んであるわけでございます。これによって消費者物価の目標が狂うということではございません。
 なるほど林君の御指摘のように、東京の消費者物価は二月水準が一〇・七%という高い水準でありましたが、これは野菜の大幅な値上がりによる特殊な要因が大きいと見ておるわけであります。今後物価の高騰を再燃させないような政策運営をいたしますならば、五十一年度の年平均上昇率八八%に維持していくという程度に抑えていくということは、やはり可能であると考えておるわけでございます。
 それから、低所得者に対する公共料金というものは、いろいろ特別の料金制度を設置したらどうかという御指摘でございましたが、料金の種類によっては、可能な範囲にそういう配慮もいたしておるわけでございますが、一般的に言って、対象者を特定して特別の処置をとるということは技術的に困難であります。したがって、公共料金でそういう配慮をするよりかは、社会保障制度の中でそういう低所得階層の生活の安定のために努力するということが、政策の方向としては私は妥当であると考えて、そういう面について努力をいたしておるわけでございます。
 次には、情報化時代においてのいろいろな問題というもの、プライバシーの問題などを御指摘になって、こういう問題に対して政府はいろいろな方針を持っておるのかというお話でございます。
 情報化の進展というものは、社会一般にとって非常な便益をもたらしておる一面において、確かに林君の御指摘のような弊害の面も伴うことは御指摘のとおりだと思います。プライバシーの問題などもその一つでございますが、こういういろいろな問題点があることは事実でございますので、こういう問題点に対しては、今後十分検討をしてまいる所存でございます。
 さらに、小佐野君の問題、各党ともこれは提起されました。私は、林君お聞きのとおり、各党の御質問にお答えをしたとおり、現在は事態の推移を見守っておるというのが現状でございます。
 その他の問題はお答えしたとおりでございます。(拍手)
    〔国務大臣村上勇君登壇〕
#22
○国務大臣(村上勇君) 林議員の御質問にお答えいたします。
 ただいま、情報化社会の進展に伴うプライバシーの問題については、総理からお答えがありましたので、重複を避けます。
 第五次五カ年計画の見直しをすれば料金改定を行わずに済むのではないかとの御趣旨の御指摘でありますが、今回の料金改定案の策定に当たりましては、当然のこととして第五次五カ年計画の見直しを行っておりまして、五十一年度から五十三年度の間の収支計画及び投資計画は、その結果を織り込んだものであります。
 すなわち、五カ年計画の最後の二カ年間につきましては、テレビ電話など時期尚早なサービスは削減しているところでありまして、この収支計画及び投資計画は、政府の新しい経済計画との整合が図られているものであります。
 次に、電電公社の赤字の原因について御指摘がありましたが、赤字の原因といたしましては、住宅用電話の増加ばかりとは言えず、近来の人件費や物価の高騰など、もろもろの理由があるのは事実であります。
 電電公社は企業用通信を優遇しているのではないかとの御指摘がありましたが、従来とも、電話の基本料につきましては、事務用電話に比べて住宅用電話を優遇しているところでありまして、今回の改定におきましてもこの考えを踏襲しているところであります。
 また、電報制度の改善につきましては、種々意を尽くしているところでありますが、今後とも、事業全体の合理化、省力化に格段の努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、電電公社の減価償却費は過大ではないかという御指摘でありますが、四十九年度における電電公社の固定資産に対する減価償却費の比率は一三・一%でありますが、これは、全産業の一二・三%、あるいは製造業の一五・六%に比べて妥当なものであると考えております。
 また、償却方法を定率法としているのは、電気通信設備がきわめて技術革新性の強いものであり、将来の陳腐化、不適応化の度合いがはなはだしい等々のことを考慮しているからでありまして、このようなことで、決して償却がはなはだしいということにはなっておらないと思います。
 ありがとうございました。
#23
○副議長(秋田大助君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#24
○副議長(秋田大助君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  三木 武夫君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
        郵 政 大 臣 村上  勇君
        国 務 大 臣 植木 光教君
        国 務 大 臣 福田 赳夫君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      味村  治君
        郵政大臣官房長 佐藤 昭一君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  松井 清武君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  佐野 芳男君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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