くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第075回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
昭和五十年三月二十八日(金曜日)
   午後一時七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事
                稲嶺 一郎君
                鈴木美枝子君
                相沢 武彦君
    委 員
                今泉 正二君
                佐藤 信二君
                柴立 芳文君
                高橋雄之助君
                亘  四郎君
                川村 清一君
                戸叶  武君
                二宮 文造君
                小笠原貞子君
                立木  洋君
                藤井 恒男君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖繩開発庁長
       官)       植木 光教君
   政府委員
       防衛施設庁施設
       部長       銅崎 富司君
       沖繩開発庁総務
       局長       山田  滋君
       沖繩開発庁振興
       局長       井上 幸夫君
       外務政務次官   羽田野忠文君
       外務省欧亜局長  橘  正忠君
       水産庁長官    内村 良英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       北方対策本部審
       議官       田中 金次君
       防衛庁防衛局運
       用課長      友藤 一隆君
       防衛庁経理局施
       設課長      小谷  久君
       農林省農蚕園芸
       局果樹花き課長  北野 茂夫君
       通商産業省貿易
       局農水産課長   瀧   巖君
       通商産業省産業
       政策局沖繩国際
       海洋博覧会管理
       官        増山 孝明君
       運輸省航空局飛
       行場部長     梶原  清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (北方領土及び安全操業問題に関する件)
 (沖繩国際海洋博覧会開催に伴う諸問題に関す
 る件)
 (沖繩における航空機騒音問題等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○川村清一君 本日は、先般所信表明をされました外務大臣並びに総理府総務長官にいろいろ御質問を申し上げたいと、かように思っておったわけでありますが、外務大臣がおいでにならないということでそれはできませんので、総理府総務長官を中心に質問申し上げたいと存じます。
 それから、委員長にちょっと委員として申し上げたいのですが、所信表明をされた大臣は、当然その次にはその所信表明に対していろいろ質疑を受けるわけでありまして、これはどこの委員会においてもそういう慣行でございます。しかるに、所信表明演説をしておいて、この委員会に外務大臣が出られないということは、はなはだ遺憾でございますので、いろんな御事情があって出れないことはこれは了解するわけでありますが、この次の委員会にはぜひ外務大臣に出席されるように、委員長の方から特に要求をされていただきたいということを申し上げておきます。
 総理府総務長官の所管は、沖繩の問題と北方に関する問題が二つあるわけでございますが、沖繩に関する問題につきましては、後ほど各委員からいろいろ御質問もあることと思いますので、私は北方の方の問題を中心にしてお尋ねをしたいと思います。
 そこで、事務的なものが中心になるわけでございますが、先般の委員会で昭和五十年度の北方関係予算というものを御説明をいただいたわけでありますけれども、これを中心にしてお尋ねしますが、申し上げるまでもなく、この北方関係予算というのは総理府の対策本部が所管でございますが、その予算は二つに分けられておりまして、一つは北方対策本部においていろいろ行政をされる場合に使う経費、それから北方領土対策協会、いわゆるわれわれ北対協と言っていますが、北対協がいろんな事業をやるについて必要な経費、これはまさに補助予算、補助金でございますが、この二つの経費から成り立っておるわけです。
 そこで、まず第一に北方対策本部の予算についてお尋ねしますが、私はこの北方対策本部というものが設置される法律を審議するときからこの点はいろいろ申し上げておるんですが、いまなお疑問点が晴れないんです。かなり事務的なことをお尋ねしますが、この北方対策本部には職員が何人いらっしゃるんですか。
#4
○説明員(田中金次君) 北方対策本部の職員は審議官以下七名でございます。なお併任の参事官が一人おりまして、それを加えますと八名となります。
#5
○川村清一君 そうしますと、この書類を見ますというと、本部の経費としてまず人件費等二千五百二十七万円、一般事務費が五百三十万円、計で三千五十七万円というものが決まっておるわけなんです。人件費二千五百二十七万円というのは、いま御説明のあった審議官以下七名の人件費でございますか。
#6
○説明員(田中金次君) そのとおりでございます。
#7
○川村清一君 そこで、その北方対策本部というものはどういうような事業をやるのかと言いますと、北方地域総合実態調査、この予算が百五十四万円、北方領土問題解説資料作成頒布等、この事業で大体五百三十五万円、それから北方問題説明会、この事業で四十五万円、計七百三十四万円、これは間違いありませんか。
#8
○説明員(田中金次君) 北方対策本部が、俗に言います事業費的に計上いたしております予算は先生おっしゃるとおりでございます。
#9
○川村清一君 私が申し上げるまでもなく、この法律をいろいろ審議したその中には、北方対策本部のやる事業というものがずっと幾つも並べられておるわけですね。ところが北方対策本部自体がちっとも仕事をしない。どうしても私が納得いかない点はここなんです。いま申し上げますよ。事業費が大体七百三十四万円、この事業を行うのに審議官以下七名の職員がおって、その職員の人件費が二千五百二十七万円、一般事務費が五百三十万円。結局人件費、事務費でもって三千五十七万円、これだけの人件費、事務費を使ってどれだけの仕事をするかというと、わずか七百三十四万円の仕事しかしない。この辺はどういうふうに御説明されますか。これはだれが見たって変でしょう、ここだけ見たら。それをよくわかるように御説明してください。
#10
○説明員(田中金次君) 先生御承知のとおり、北方対策本部の所掌事務につきましては、総理府設置法の十六条の二に規定がございます。先ほどお話がございました北方対策本部といたしましてどういう業務をやっておるかと申しますと、第一に、各省庁の連絡調整といいますか、北方領土問題に関する事務の連絡ということもございます。さらには、北方領土問題対策協会の監督という業務もございます。あるいは事実上の問題といたしまして、地元の北海道さらには根室市等、いわゆる地元関係団体、その方たちとの連絡あるいは地元の政府側の窓口としての対策本部の業務、こういったこと、さらに加えまして、世論啓発、調査研究というような業務が北方対策本部の業務になっておるわけでございます。先生御指摘の、ここに予算でございます北方地域総合実態調査、資料作成頒布、北方問題説明会というのは、そういった事業を行います上で予算を必要とするものについてのみ計上されておりまして、他のいわゆる企画的な業務については予算を伴わないという業務もあるわけでございまして、そういった業務に従事いたしておるということでございます。御了承いただきます。
#11
○川村清一君 いずれにしても、いまあなたがおっしゃったようなことはこれは事務費ですね。事業費は七百三十四万円、事務費は五百三十万円。五百二十万円のお金を使うのに人件費が二千五百二十七万円、首をかしげていらっしゃるけれどもだね。そこで、それならばその事務が忙しいですか。端的に言って、あなたの方の事務は忙しいですか。
#12
○説明員(田中金次君) 相当な仕事量がございます。
#13
○川村清一君 それで、今年度は三億七千九百万円、約二億八千万円の予算なんです。その予算の大方は一体どうやってどこが主力になってこれを執行していくかというと、大方は例の北方領土問題対策協会――北対協、北対協のしかも東京事務所の方へこれが行って、北対協が中心になって事業をやっているわけでしょう。その事業の監督とか指導とか、こういうことはもちろん北対本部がやるわけです。これはよく知っているわけですがね。ですから、どうも私はわからないのは、それじゃいま連絡調整だとか窓口だとか、そういったような仕事を北対本部がやるということはわかりますが、特にこの地域総合実態調査だとか、問題解説資料を作成してそれを頒布するとか、北方問題説明会だとかということは、あなたの方でやらなくても、北対協でもやる気になればやれるわけでしょう。特にあなたの方でやらなければならないですか、これは。やった成果ですね。この役所はきのうきょう始まったものじゃなくて、これができたのはたしか四十六年でしたか、北対本部ができたのは。
#14
○説明員(田中金次君) 四十四年でございます。
#15
○川村清一君 四十四年ですね。四十四年から見るというと、これしかないわけだ、これ。四十四年から今日までこの事業をやってきて、どういう成果が上がってるんですか。それでそのつくったものなんかあるんですか。
#16
○説明員(田中金次君) ただいま四十四年と申しましたが、私ちょっと錯覚しまして、当本部ができましたのが四十七年でございます。訂正さしていただきます。
 御指摘の点でございますが、たとえば北方問題説明会を例にとってお話し申し上げますと、私どもと北方対策協会、いわゆる北対協との事務の分担でございますが、北対協の方におきましては、主体といたしまして民間の運動という形において精力的な活動をいたしていただいております。したがいまして、私どもといたしましては、政府内あるいは各地方公共団体に対します連絡ということに重点を置いて考えておるわけでございます。
 そこで、北方問題説明会を例にとりますと、各都道府県で行われます各種会議、そういったものに私どもの方から北方領土問題に対しての説明を行うということをやっております。さらには、各都道府県が傘下の地方公共団体を集めまして会議を持ちます際に、北方問題の説明をさせていただいておるということで、北方領土問題に対する地方公共団体の一層の御理解をいただくための運動を当本部がやっておるというのが一例でございますが、そういった形で当本部が活動をいたしておるということを申し上げたいと思います。
#17
○川村清一君 いずれにしてもこの事業はもうほとんど北対協がやっておって、対策本部というのはみずからは大した仕事をするんでなくて、この北対協が十分仕事ができるような、そういう何といいますか、いろいろ指導したり監督したり、または激励したりといったようなことの仕事ですね。で、どうしてもわからないのは、その仕事の内容はわかりますが、主たる仕事が北対協でやっておる、北対協のそれじゃ職員というのは、東京の北対協の事務所、あそこに職員何人おりますか。
#18
○説明員(田中金次君) ここに計上してございます補助金の中に含まれておる人数は七名でございます。うち五名が東京におりまして、二名は札幌に駐在しております。
#19
○川村清一君 そこで、仕事をやっておる北対協には全部で七名、そして東京は五人、二人だけ札幌に行ってると、いずれにしても七名、その七名が二億八千万のうちの大方の事業をやっておる。ところが、この対策本部というのは、いまあなたが御説明されておるように、まあ中へ入ってよく見たわけじゃないんですからどれほど忙しいのかわからないけれども、これだけの仕事を、金にすればわずか七百三十四万円の事業費、事務費で五百三十万、このぐらいの予算を執行するのに人件費を二千五百二十七万円も使って、結局対策本部の方にお役人が七人いるわけですよ。それから、大方の仕事をやる北対協の方にも七人しかいないわけですよ。その辺が何としてもすとんとわからないんだね。もっとわかるように説明してくださいよ。本当におかしい。
#20
○説明員(田中金次君) 北方対策本部の職員七名でございますが、審議官を除きまして六名、その六名を二つの系列に分けております。各三名ずつになりますが、一つの系列におきましては各地方公共団体との連絡、さらに北方対策本部が独自に行います啓発資料の作成等の業務に従事いたしておるわけでございます。他の一つの係におきましては、北方対策本部並びに北対協の予算の執行、さらには北対協を通じます活動の監督、融資事業の監督、こういうような業務を担当いたしておるわけでございます。
#21
○川村清一君 ですからその辺はわからないですよ。――まあいいですわ。どうもこれは本当にお忙しいんだろうと思うけれども、その忙しいということが、やっぱりなるほどそのくらいの人数が必要なんだなと、そのくらいの人件費は必要なんだなということが、私らがこの予算を審議してよく了解できるような御答弁なければ、どうもわからないんですよ。その辺はきちっと説明してくれなければ。――まあいいですわ。
 そこで、もう一回こういうようなことと関連してお聞きしますが、この北対協の補助金が総額で二億四千万あるわけですね。それのうち、事務費というのが四千六百三十六万ある。この四千六百三十六万の事務費のうちの人件費は幾らですか。
#22
○説明員(田中金次君) 四千六百三十六万三千円のうち人件費は三千四百四十一万円でございます。
#23
○川村清一君 それから事業費が一億九千三百万ということになっておりますが、これをずっと見ていって、特にことし多くなっておる費目はテレビ放送料、これが昨年の千八百八十二万円から五千八百二十万円に、団体助成というのが九百三十七万円から一千二百万円に目立って上がっておりますが、この費目をちょっと説明してください。
#24
○国務大臣(植木光教君) 先ほど来、いろいろ対策本部のことについて御質問ございますが、実は私もこの予算の内容を見、また大蔵省との折衝の間に川村委員と同じような疑問を持って事務担当者に質問をしたことがございます。先ほど来いろいろ申し述べております中で非常に大きな柱となっておりますのは、いろいろな企画をいたしますとか、調整をしますとか、また、各都道府県に対しましてそれぞれ主管課を定めていただいておりますので、そこに対しまして連絡をしますとか、それに要する資料をつくりますとかというような仕事をしておりますとともに、北対協に対しまして、やはり非常に大きな指導と助言をしているわけでございます。この運動自身がやはり官製のものであってはなりませんで、国民の盛り上がる世論と力によって解決をすべきものであると、そういう考え方からこの北対協に対しまして事業予算をつけているというのが実情でございます。
 ちなみに、実はいま総理府内で困っております一つの問題として、青少年対策本部というのがございます。この青少年対策本部は、御承知のように「青年の船」を出しましたり、あるいは海外派遣をいたしましたり、国際交流いろいろやっているわけでございますが、これらの事業をいろいろ民間の青少年団体に協力を求めてはいるわけでございますけれども、事業そのものを青少年対策本部が行っておりますために、企画であるとか調整であるとかいうような非常に大切な基本的な仕事がお留守になっておりまして、五十年度予算ではむしろこういう事業部門を受け持つものは何か特殊法人がよいのではないかということで折衝をいたしましたが、御承知のように、いま新しい機構をつくることについて問題がございますので、実現をいたしませんでしたが、要するに企画、調整、指導的な役割りを果たすものがこの領対本部でございますので、したがって、事業予算はこういう形で補助金となって出ているということについて御理解をいただきたいと思うのでございます。
 それから、いまお話がございましたその二つの、テレビ放送料と団体助成が多くなっていると、こういうお説でございます。これは実は今度の大きな新規の柱とも言うべきものでございまして、国民の世論が盛り上がりますためには、いままで北対協でやっていただいておりました啓蒙宣伝の諸事業は諸事業としてやるにいたしましても、これでは不十分でございます。北方領土問題というものが北海道の問題のようになっているということは、これはもうおかしい姿でございますので、したがって、対前年比三八・二%増の予算を計上をいたしまして、その中で、テレビスポットというのはいままでやっておりますけれども、今度は家庭の茶の間に入る広報といたしまして、テレビ番組放送を行うことといたしまして、国民一人一人の方に直接家庭の中においてこの問題を認識をしていただく、そしてそれぞれの家庭から北方領土問題解決への声が大きく盛り上がってくると、これをねらいとしたのでございます。もう一つの団体助成でございますが、これは関係諸団体がたくさんございまして、最近では各都道府県にもそれぞれいろいろな団体がこの問題に取り組んでくださるという姿になってまいりました。この団体の活動をより活発にし、効果を上げるようにいたしますためのいろいろなことをやるわけでございますが、特に今回は連携を一層密にいたしますために、地方推進員というのを設置することにしたのでございまして、各都道府県の中に北方協会が委嘱をいたします地方推進員を置きまして、その地方推進員の方が中心になっていただいて各諸団体の北方領土問題に関する取りまとめをやっていただく、そして運動推進のための中心的な役割りをやっていただこうということで、新しくこういう柱を立てたのでございまして、この点について御理解と御協力をお願いをいたしたいと存じます。
#25
○川村清一君 ただいまの御答弁に関連して一、二お尋ねしますが、かつて山中さんが総理府長官をなされておったときに、私はいま長官が言われたと全く同じようなことで、北海道だけが一生懸命になったってしょうがないじゃないか、それで各都道府県へ行ってみても、どこへ行って話をすればこの問題が通ずるのか、窓口もさっぱりないじゃないか、したがいまして、各都道府県、自治体の方に働きかけて、各県庁内に窓口をひとつ設置していただくように骨を折ってもらいたいと、こういうことを言いましたら、なかなかいいアイデアだ、早速そうやりましょうという御返答があったわけです。そこで、いまそういうことが完全にできたのかどうか。この問題はやるとすればお金かかるわけですね。北海道はたしか昭和四十九年度では一億一千五百万ほど道単でもってお金を出してやっているわけです。北海道は一億以上の金を出した。まさか各都道府県にもそんなに出せと言ってもとても出せるものじゃありませんが、各府県とも予算を持ってこれらの仕事に協力されているのかどうか、これを一つ聞きたいことと、もう一つ、これは大事なことでぜひはっきりしておいていただきたいのは、各団体の助成ですが、この団体というのは、まさかこの国会の前あたりをわんわん北方領土返還と叫んで歩いているあの右翼団体、ああいうものには出ていないとは思いますが、まるで北方領土返還運動は右翼の運動みたいなように受け取られるようなことになったら、全然マイナスですからね、この辺はまさかないと思いますが、これはひとつはっきりここで御答弁いただきたいと思います。
#26
○国務大臣(植木光教君) いま最初にお話がございました各都道府県に窓口を持つべきであるというこの先生のアイデアは、本部といたしましては直ちに四十七年の九月二十五日付をもちまして各地方自治団体と知事さん方にお願いをいたしまして、全都道府県め主として広報課でございますけれども、これが主管課になってくださっております。この主管課の方々のお集まりが、特に広報関係が多うございますから、広報関係の会議が東京で行われますときには全員お集まりでございますので、その際に北方領土問題についてもその機会を利用いたしまして十分いろいろなことをお願いをいたしますとともに、常時連絡を密にしておりまして、各地方自治団体の広報紙等におきましても、こちらが流しました資料を載せていただいて、それによって全国的な認識を深めるための御協力をいただいているのでございます。それから、それに対し金を出しているかということでございますが、残念ながらそれは出しておりません。ただ、北海道に対しましては、特別に交付税の中で、この北方領土問題のための諸経費が支出されておりますので、これは自治省で見ておる次第でございます。
 それから、第二番目の団体に対する助成でございますけれども、これは、私どもがいま御協力をいただいておりますのは、各地の商工会議所でありますとか、あるいは婦人団体でありますとか、青年団体でありますとかいうような、それぞれりっぱなお仕事をしておられる団体ばかりでございまして、これらの方々が協力をしている。お説のような特定の団体に対しましては、一切私どもは関係をいたしておりません。それはもうはっきりと申し上げておきます。
#27
○川村清一君 次に、北対協の札幌事務所の運営についてお尋ねをしますが、札幌事務所がどういう事業をやってどういう経過でどうなったかということは、私がここで言うまでもなく十分御承知でしょう。特に植木長官は北海道にいらした方ですから、十分御認識いただいておりますので説明は省略いたしますが、いろんな経過を経て現在貸付金として貸付業務をやっている資金計画は四億円でございます。四億円の枠内でもって旧島民の引き揚げ者の援護措置として貸付業務をやっておるわけでありますが、もうこれは、そのものができるときから、それからまあこの委員会に籍を初めから置いておりますから何回申し上げておるかわからないんですが、いまだに私の申し上げておることが実現されない。それはどういうことかというと、これも人件費に関係してくるわけでございますけれども、札幌事務所の五十年度の資金計画を見ますと、一般管理費が六千三百三十七万六千円、そのうち役職員の給与が五千三百五十二万四千円、四億の資金計画で貸付業務をやっておる。それでこの仕事をするのに人件費が五千三百五十二万円もかかる。この人件費が東京事務所と同じようにいわゆる国の負担で、国庫からこれが支出されるなら私は話がわかるわけであります。そうすべきだということを何回もこれはもう申し上げておるにもかかわらず、今日なおいわゆる十億の国債の利子でもって運用されたその時代、最初のときからちっとも変わっておらない。そうしてこの人件費というものはどんどん増高していくわけですね。非常にこれは不合理なんだ。長官、これはそう思われませんか。総理府の対策本部の指導の中にあって、そして北方領土問題対策協会というものが設立された、法律によって。主たる事務所は東京に置く、従たる事務所は札幌に置く。主たる事務所の仕事はいま私が質問しておるような、またそれに対していろいろ御説明されたような仕事をなさっておる。従たる事務所の札幌事務所は旧島民に対する援護対策として金の貸付事務、いわゆる金融機関みたいです、こういう仕事をされておると。ところが幹が一本で全く同じ。同格の法人でございますね。片方の人件費は国が出す、片方の人件費はいわゆる交付国債十億円の利子の中でそれを食っていく、最初からそれを言っている。ところがこの人件費がだんだんふくれていくと。ふくれていったらばこれは貸し付けするいわゆる資金の方に影響してくるわけですね。いまは国の配慮、山中長官なんかが非常にがんばっていただいて十億は現金化した、それだから有利の、利子が上がるような運用をやっておる、長期資金も借りなければならない、長期資金借りて四億の資金をつくった、そしたら長期資金を借りた分の利子については利子補給ということで国が出していただいている。これは山中長官の決断によってできたことですが、大蔵省もよく協力したと思って感心しているわけですが、そこはやっておる。しかし、今後そのまま人件費がどんどんふえていったら、ついには元金の方をこれは食っていきますよ。元金を食っていったら、この目的は旧島民で引き揚げ者の援護措置としてやっているんですから、事業そのものを今度は縮小していかなければならないということになってくるわけです。これ何とかなりませんか、これは全く不合理ですよ。東京の事務所で働いている職員の給与は国が出す、札幌で働いている職員の給与はその元金が生んだ果実でもって食っていけと、これはおかしいでしょう。ですから、ことしはこうなりましたが、来年あたりでどうですか、植木長官は北海道にうんとおってよくこの間の事情を御承知されているんですから、来年あたりこれをひとつ変えて、札幌事務所で働いている職員の給与も東京と同じように国が見るというかっこうにしてもらえませんか、どうですか、ひとつお考えを聞かしてくださいよ。
#28
○国務大臣(植木光教君) お説のとおりでございまして、五十年度の職員の給与は四千六百十五万三千円という予算を計上をいたしております。そこでこの貸付業務の管理費につきましては、仰せのように基金十億円の運用によって賄うことになっておりますが、ことしは純利益金が二百五十七万六千円出るということになっているのでございます。それで私は五十年度からもうすでに協会の事業運営に支障を来すことがないように措置をすべきであるというふうにも考えたんでございますけれども、今年度はただいま申し上げましたように利益金がまだ出ると、少しでございますけれども出るという状況でございますので、この人件費、事務費等の増高による運用難というようなことが起こりましたならば大変なことでございますから、五十一年度におきましては、お説のように、根本的にもう一度この貸付業務そのものの洗い直しをいたしまして、管理費につきましてもそうでございますけれども、協会の運営そのものが円滑にまいりますように措置するという決意でございます。
#29
○川村清一君 その決意に対しましては率直に敬意を表しますので、ぜひそういう方向に向かっていくように長官の御努力を期待いたします。
 そこで、そこまで決意されたのならもう一点申し上げたいんですが、これは十億の交付国債から始まってきたわけで、利子運用の過程においては最初六千万円です。六千万円から始まっていって、六千万のうち最初のころは三千万近く管理費で取られるわけですから、そうすると三千万円しか動かない。これがだんだんふえていったわけです。それで三十六年に福田さんが大蔵大臣のときにこの国債が現金化されたわけです。それでもっと有利に運用できるような方法をとっていったということと、先ほど申し上げましたように長期資金を金融機関から借りて、その借りた分の利子は国が利子補給してくれたというようなことで、現在四億というものを回せるようになってきているわけです。それじゃ四億で十分かというとそうではないわけです。これはぼくの調べたところによると、四億という枠があるからそれしか資金需要があっても、貸付需要があっても貸すわけにいかないわけです。しかし、どのぐらい借りたいという希望があるかというと、これは相当あるらしいんです。ちょっとアンケートをとって調べたところによればもう二十億以上あるというようなこと等も聞いておるわけです。したがいまして、何とか資金枠をもっとふやすということにひとつ努力してもらえないかということが一点、それからこれも二、三年前に業務方法書を変更いたしまして、一件の貸付限度額というものをふやしていった。ふやしていったけれども、この二、三年間のうちにもう日本の経済は大変動いたしたわけですね。そしてインフレ物価高というようなことで、そのとき改正しました限度額ではもうどうしようもない。たとえば生活資金の方で、これは一例ですが、住宅資金の増改築の場合、限度額は一件五十万です。新築する場合には二百十万、これは限度額です。五十万ぐらいのお金を借りてとても増改築なんということはできないわけです。そのほかいろんな生業資金もあるわけですが、漁業にしても農業にしても生業資金を借りる場合の限度額があって、とうていもういまの実態に合っておらないということを御認識されまして、来年のこの施策の中に、予算編成の場合においてはいま申し上げたようなことも十分考えてこれを改善される気持ちがないかどうか、もう一歩突き進んで御答弁をいただきたい。
#30
○国務大臣(植木光教君) この貸付枠につきましては、地元から御要望が来ております。今後も、貸し付けを真に必要とせられる方々に対してはそれが受けられますように努力をいたしたいと存じます。ただ、真に貸し付けを希望しておられる方々の実態が十分に掌握されていないという点がございますので、この点につきましては、ひとつはっきりと掌握ができますように、いま努力をするよう指示をしているところでございます。したがいまして、貸付枠の増額、それからさらにいまお話ございましたように限度額でございますけれども、これは私は増額する必要があると存じます。たとえば、いま一人当たり二百十万円以内というお話が出ましたが、住宅金融公庫の場合はこれは二百五十万円まで出しておるわけでございますから少なくともそれまでにはそろえるべきであろうと思いますし、いろいろな対象によりまして枠が違うわけでございますが、こういう経済情勢のもとでございますから、これの枠の増額と貸付限度額の引き上げというものはやらなければならないことであるというふうに考えております。
#31
○川村清一君 ぜひひとつ、それが実現されますように御努力を願いたいと思います。
 時間がもうなくなりましたので、問題を今度は漁業問題に変えて、水産庁長官にお尋ねしたいと思います。
 最初に、長官、先般訪ソされまして、懸案の問題解消のために大変御努力をいただいたことを心から敬意を表したいと思います。
 そこで、早速ですが、ソ連漁船団が日本の沿岸に参りまして、沿岸漁民にいろんな被害を与えておる、それらを解決するために向こうと話し合ったわけですが、どういうような話になったのか。特に、十一月の段階で日ソ両国の専門委員がいろいろ話し合った結果、一応の覚書に合意しておりますが、あの覚書を具体化していかなければなりませんが、それらの問題等についてもどうなっているのか、それからそれは一体いつごろに協定ができるようなことになっておるのか。そういったような見通し等についても、この際ひとつ簡潔で結構ですから御報告いただきたいと思います。
#32
○政府委員(内村良英君) ソ連漁船のわが国の近海における操業のトラブルにつきましては、私、モスコーに参りまして、イシコフ漁業大臣に対し、わが国の被害状況を説明したわけでございます。特に、本年北海道の襟裳岬の西のあの噴火湾の海域における操業は全く乱暴なものであって、たとえ公海漁業であっても、そこにある沿岸漁民の漁具に被害を与えるということは漁師の仁義に反するというような言葉を使いまして、イシコフ漁業大臣に抗議をしたわけでございます。それに対してイシコフは、公海漁業であるということを言い、さらに、自分としては現場の船団に対して、日本の法律に違反してはいかぬということをしばしば指示していたんだということを申しまして、まあ遺憾であるとか申しわけないというような言葉は向こうは使わなかったわけでございます。しかし、私は実態をよく説明いたしましたところ、向こうも、とにかくこういった操業上のトラブルは日ソ間の友好上もよくないから、直ちにかねてお話のあった操業協定の交渉をやろうじゃないかという話になったわけでございます。そこで、三月の初めに日本案をすでにソ連側に出してあったわけでございますので、その日本案に基づいてそれじゃ審議に入ろうということで、私が参りました翌日、直ちにその条約の審議が始まったわけでございます。
 そこで、日本の出しております条約は、十四条に附属書が四つついている条約でございまして、内容は、非常に簡単に申し上げますと、次のようなものでございます。
 まず最初に、適用水域でございますけれども、これはわが国の地先沖合いの公海水域とするということで、当分の間は日本の東部太平洋沿岸に限り適用するということになっております。
 それから、紛争の未然防止のための漁船の標識等の問題、漁船の信号、漁具の標識、さらに操業中にどういう信号を上げるかというようなこと。それから操業規則といたしまして、同一漁場における既操業船の優先原則の確立、すなわち、すでにそこで漁業が営まれている場合には後から来た者が遠慮しなければならない。それから、トロール漁船等の操業時における漁具漁船間の距離の問題すなわち、日本の漁業をやっている場合には、たとえば千メートル離れてやらなければならないというようなことでございますが、そういった場合。それから、事故のあった場合の相互確認のための加害船の停船義務、情報の交換、要するにわが国の定置漁業はどういうふうに配置されている、ソ連の操業はどうなるかということの情報の事前通知。それからさらに、紛争処理の手続といたしまして、両国政府が任命する二名の委員で構成する委員会を東京とモスコーで設置いたしまして、損害賠償請求の事前審査をそこでやる。これは基本的には民法上の問題でございますので、加害者に対して被害者が要求すべき問題でございますが、こういう国際的な問題でもございますし、相手が共産国ということもございますので、まず政府間の委員会をつくりまして、そこでいろいろ審査をした後に当事者に対して和解の仲介をやるという委員会をつくるということで、いままでよりも被害処理をそういう形で迅速にやっていくと。これはソ連がアメリカ及びノルウェーとやっている方式でございますが、そういうことでやろうという条約案の審議が直ちに始まったわけでございます。
 そこで、審議はかなり順調に進んでおりますけれども、やはり条約でございますし、若干の法律論もございます。特に民法上の問題とも関係がございますので、ソ連の民法の考え方と日本の民法の考え方と若干違った点もございますので、現在鋭意折衝中でございます。すでに条文十四条及び附属書については一応審査を終わりまして、問題点が三、四ございますのでそれにしぼって議論しているという段階でございます。
 そこで、私どもといたしましては、大体四月中には結論が出るようにしたいということで努力しております。と申しますのは、条約でございますから、それぞれの国の外務省条約局の審査が必要になるわけでございまして、そういった手続上の問題もあって、四月中には何とかこの協定を結びたいというふうに考えております。
#33
○川村清一君 大変御苦労されまして敬意を表しますが、そこで、いまのこの国連海洋法会議の後には領海十二海里を宣言するということを農林大臣もはっきり申されておりますが、十二海里が宣言されますというと、この問題は大体七割方は解決すると思いますが、しかし全部は解決されない。と申しますのは、特に北海道あたりは多いんですが、漁業協同組合が管理する共同漁業権というものは、うんと大きいやつになりますと三万メーターぐらい沖出ししておりますので、十二海里行ってもその共同漁業権がまだ存在しますから、そこに日本の漁船がやっぱり操業していますから起きてきますが、その場合、領海十二海里を設定しても、その外でそういう紛争が起きた場合にも、いま長官が申されましたように、条約ができるとこの条約の中でいろいろ紛争の処理ということとか、そういう問題が起きないように、両国とも気をつけるとかといったようなことがなされるんですかどうですか。
#34
○政府委員(内村良英君) 十二海里の領海が宣言されました場合には、ソ連漁船はわが国の領海十二海里の中では操業しなくなるわけでございます。したがって、その中のトラブルはなくなります。この操業協定も、その領海の中については適用がないわけでございます。そこで、先生のただいま御指摘のございました十二海里の外についてこの操業協定が働くということになるわけでございます。したがいまして、私どもは、ただいま御指摘がございましたように、領海十二海里で七割は片づくと。そうするとあとの三割について、こういうことでやっていけば従来よりも紛争が減るだろう。もちろん、私どもといたしましても、絶無になるとは思っておりません。しかし、これによってかなり状態がよくなるということは言えると思います。
#35
○川村清一君 わかりました。
 それじゃもう一点、別なことですが、これも前にお尋ねしておるのですが、どうも水産庁の腹の中がようわかりませんので、ひとつはっきりきょうは聞きたいのですが、いわゆる北方領土が返還されてくれば問題はないんですが、いまだにソ連の領土ということになっておりますので――向こう側の見解ですよ。そして、領海十二海里ということを向こうの方はずっと前から決めておるわけですから、そうすると、領海十二海里に入って行くとわが方の漁船は全部拿捕されておる。現在なおこの拿捕の問題は続いておるわけですね。そこで、今日まで一体拿捕漁船が何隻あったものか、拿捕された人員が幾らあったものであるか、大変な数字で、それはいいです。後から資料でもいただくとわかるのですが、その拿捕された乗組員に対する救済措置というもの、これはすでに対韓国との問題の中では、李承晩ラインの中で拿捕された方々に対する処置というものはかって全部なされておるわけですね。対中国の問題もなされておるわけです。ところが、北方の方で拿捕された乗組員に対する救済措置というものはなされていない。これを北方の漁民の方がいろいろ陳情する。それを代弁して私もこの委員会で何回も申し上げている。ところが、水産庁の方はその実態を調査しなきゃわからぬ、実態を調査した後においてそれに対応して処置をとる、こういう御答弁。それじゃ早く実態を調査してくれということで、しからばやるということで四十五年から、四十五、四十六、四十七、四十八、四十九年と、五年間実態を調査されてきたわけです。五年間調査されたんだからもうわかっただろう。この五年間の調査の資料に基づいて五十年度において何かそういう処置がなされるかと思ったら、五十年度もまた調査するんだと言って幾らか予算つけられて調査をすると、一体調査はいつ終わるのですか。私に言わせれば、どうも調査だ調査だと逃げているのじゃないかと思う。調査は一体幾ら予算をつけて――農林省の予算見てもちょっと幾らの予算なのかわからないのでいまお聞きするのですが、毎年その調査の予算を幾らつけられて、どういう調査をされて、いつになればその調査が終わる見込みなのか、これをきょうこの場ではっきりひとつ御説明願いたいと思うのです。
#36
○政府委員(内村良英君) まず最初に、確かに先生御指摘のとおり四十五年から調査しております。そこで、予算がどうか、調査項目がどうかということでございますが、これを一々申し上げておりますと非常に時間がかかりますから、資料ございますので、後刻資料としてこれを提出させていただきたいと思います。
 そこで、五十年度の予算は五十三万六千円を要求しております。あと、四十五年からの予算額もこの表に全部書いてございます。四十九年は六十二万五千円でございます。こういうことを調査したというのが全部書いてございまして、五十年度におきましては、拿捕当時の拿捕漁船の船主につきましては、その船主の経営状態、それから乗組員については生活状態等も調査し、さらに拿捕の抑留状況、帰還状況及び拿捕の影響、特に船主と乗組員につきましてそういった実態調査を聞き取り調査でやろうというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、一体いつまで、もう五年もやってさらにまた調査でじゃないかというお話でございますが、私どもの方といたしましては、御案内のように、拿捕漁船にかかる船主及び乗組員に対する国内措置としては、御案内のように見舞い金または特別交付金の交付とか、あるいは漁船特別保険金、特殊保険金及び漁船乗組員の給与保険金等の救済制度をとっておるわけでございますが、こういった制度の今後の充実に対する資料にするということと、さらに、補償自体につきましては、御案内のように、わが国は拿捕による物的人的損害をソ連に対して請求権を留保しているということもございますので、私ども非常に拿捕された船主、特に乗組員の方の苦労はよくわかるわけでございまして、私どもといたしましても、なるべく早くこの問題片づけなければならぬという認識は、先生の御認識を持っているわけでございますけれども、わが国が、ソ連に対しては請求権を留保しているというような事情もございますので、今後の日ソ交渉の推移を見ながら対策をとるべき問題だというふうに考えているわけでございます。
#37
○川村清一君 毎回そういうような御答弁をされておるのではなはだ残念なんですよ。それから、実際拿捕された方々は、韓国や中国に拿捕されたのはさっさと片づくけれども、ソ連に拿捕されたものはいつまでたってもさっぱりやってくれない。それで、私たちがこういう委員会で質問すると、いや調査中だ調査中だ。しかも、調査費幾らだと言ったら予算が五十三万というようなことで、五十三万の予算で一体何を調査するんですか。仮りに水産庁の役人が一人根室あたりに行って調査して、一回行ったら五十三万円ぐらいなくなっちゃうじゃありませんか、こんなもの、五十三万ぐらいの予算つけて調査していますなんて言えますか、日本国政府の水産庁ともあるものが。こんなもの何もやっていないと同じですよ。ですから、毎年毎年、何年たったっても解決しないじゃないかと私は思うのです。その拿捕された漁民の方々がどんなに苦労されているかという身になって、長官ひとつ十分考えてください。来年もまた質問しますから、同じようなことにならないように、繰り返しにならないようにお願い申し上げたいと存じます。私もこれで三、四回同じようなことをやっているものですから。
 最後に総務長官にお願いしますが、きょう時間がありませんから議論をしませんが、北方地域旧漁業権の問題です。これはなかなかむずかしいので、十分水産庁や何かからもお聞きになって、長官ひとつよく勉強しておいてくださいませんか。これで一回ぜひ議論したい、私これも三、四回やっているんですが、とにかく昭和二十一年の一月二十九日のマッカーサーの覚書によって、行政権は分離されたということで、漁業権は消滅してしまったんだということで、日本の漁業法が改正されたときにおいて、旧漁業権の補償というものが何らなされないままにきたわけです。北方に住んでおって、北方の島でもって漁業をやっておった方々が大損害を受けているわけですね。この問題をぜひひとつ前向きの姿勢で勉強しておいてくださいませんか。
 それから、お隣の事務官の方にこの次聞きますが、きょう時間がありませんが、外務省予算でもって、北方領土復帰期成同盟というようなものに外務省が補助金出していますね。それは全くの民間団体ですね。これもいろんな事業をやっています。期成同盟のこの事業と、いわゆる北対協の事業と、これも印刷されたものだけ見ると何か同じようなことになっている。それならこれいっそのこと一つにしてやった方が非常に効率的ではないかと思われるので、こういう点についても、後ほどまたいろいろ御説明いただきたいと思いますので、ひとつ御用意を願いたいと思います。私、時間が過ぎましたのでこれで終わります。
#38
○委員長(古賀雷四郎君) 羽田野外務政務次官から発言を求められておりますので、発言を許します。羽田野外務政務次官
#39
○政府委員(羽田野忠文君) 本日の当委員会に外務大臣が出席すべきところでございますが、現在衆議院の内閣委員会で法案の審議をいたしております。外務大臣そちらの方に出席いたしております。政務次官の出席でお許しいただきたいと思います。
#40
○相沢武彦君 最初に、先日予算委員会で積み残しました問題から、外務政務次官にお尋ねしてまいりたいと思います。
 宮澤外務大臣が訪ソをされて帰国された後、ブレジネフ書記長から三木総理に親書が届けられておりますが、その中に平和条約交渉を継続しながら善隣協力条約について討議をしたい、こういう提案がソ連政府から来ているわけでございますが、どうも私ども勘ぐるところ、ソ連政府は領土問題についてはできるだけ避けたい、また話し合いもずっと先に延ばしたい、こういうねらいがあって、善隣協力条約というものを今後積極的に話し合いを続けて、平和条約交渉継続の中のいわゆる領土問題の解決はできるだけ避けようというねらいがあるんじゃないか、このように思われるわけでございますが、この善隣協力条約に対するわが国の対応の仕方、これについてはどのように考えていますか。
#41
○政府委員(羽田野忠文君) 相沢委員御指摘のような申し入れがあったことは事実でございます。しかしながら、現在私どもが考えておりますことは、日ソ双方で解決せなければならない最も重大な課題は、戦後の未解決の問題でございます領土問題これを解決して平和条約を締結する、これが基本でございます。したがって、政府といたしましては、平和条約を締結する前に、領土問題を事実上たな上げをして善隣協力条約を結ぶというような話し合いに応ずる考えは全くございません。ブレジネフ書記長からの親書に対しまして、三木総理大臣が在京のソ連大使にも、いま私が申し上げたことをはっきりお伝えしているという事情でございます。
#42
○相沢武彦君 そうしますと、今後ソ連政府から具体的な内容を提示して提案があったとしても、わが国は領土問題を解決して平和条約の締結をしない間は善隣協力条約の具体案を討議する土俵には上らない、拒絶をする、こういう決心でいると、このようにとってよろしいわけですね。
#43
○政府委員(羽田野忠文君) わが国とソ連の間にはこの領土問題だけでなくして、ほかのいろんな解決せなきゃならない懸案の問題がございます。領土問題を含めてこういう問題を一緒に討議していくということは可能でございますけれども、領土問題が解決せなくて、そのほかの問題だけおよそ話ができたから善隣協力条約を結ぼうというようなことになっても、領土問題が解決せない限り、そのほかの問題だけで条約を結ぶということは考えておりません。
#44
○相沢武彦君 三月二十四日の予算委員会で宮澤外務大臣が、本年度中早い機会、グロムイコ氏がこられる前に根室の現地へ赴くということを意思発表されたわけですが、その後具体的な日程の作成には外務省としては着手をされているんですか。日程が決まっているならばここで発表していただきたい。
#45
○政府委員(羽田野忠文君) 宮澤外務大臣が根室の現地においでになるという希望は前から持っておられます。この前、外務大臣が訪ソする前に総務長官が現地においでになりました。このときに時間的な余裕がございますれば、外務大臣にも見ていただきたかったわけでございますが、いろんな訪ソの準備などございまして外務大臣がおいでになれませんので、私が総務長官と一緒に現地に行っていろんな状況も拝見し、事情もお伺いしたわけでございます。外務大臣は、現在でも根室に行って直接現地を見、また皆様の意見を聞きたいということを念願しておりますが、内政外交の日程が非常に詰まっております。したがいまして、根室にいつ行けるかということについてのまだ日時を申し上げるような詰めができておりません。おそらくこの日程が組み得る最も早い時期に行きたいという希望を持っていることは間違いございません。
#46
○相沢武彦君 どうもこれまでたびたびこういう要請なりまた御質問申し上げて、希望的な意思としては現地へ行くということは御答弁を得たわけですけれども、一回も実現していないですね。まあ訪米計画もありますので、それともにらみ合わせなければならないと思います。報道では、国会終了後に予定されるのではないかというような情報も出ておるわけですが、訪米前には必ず行けますか。思い切って行くのだったら、国会開会中だって一日あれば行けるわけですから、やる意思がなければ結局いつまでも延びちゃうし、やる意思があればすぐできるわけですよ、どうですか。
#47
○政府委員(羽田野忠文君) 外務大臣が現地にお伺いするという意思があることは明確でございます。その時期が、訪米前に行けるかあるいはこの国会開会中に行けるかという点について、いま外務大臣の日程について申し上げることまで具体化いたしておりませんので、この程度で御了承いただきたいと思います。
#48
○相沢武彦君 意思はあったのだけれどもとうとう行けなかったという、毎度繰り返しにならぬようにしていただきたいと思うのですよ。これは地元の北海道新聞ですが、五段抜きですわ。「外相初の根室視察通常国会の終了後にも 北方領土で声聞く」と、こうありまして、北海道はもういま五百三十万の道民ですわ。有権者どのくらいあるかわかりませんけれども、宮澤外務大臣は参議院全国区じゃありませんけれども、まあ選挙区じゃないけれども、もしか全国区だったら、行かなかったら落選ですよ、これだけ約束して発表されているのですからね。また、いわゆる日本の政府、外務省、国会議員というものに対する信頼度にかかわりますからね。ぜひ、いままでの繰り返しのように、意思はあったけれども行けなかったで終わらないように、それこそいつ解散、総選挙があるかわからない、こういう政治情勢なんですし、国会開会中にぜひ一日日程をとって行かれるように強く要望いたします。
#49
○政府委員(羽田野忠文君) 先生の御意思をよく大臣にお伝えをいたしまして、できるだけ実現をするように努力をいたします。
#50
○相沢武彦君 北方海域における日本漁船の拿捕問題についてでございますけれども、これについては外務省としても大変解決に腐心をされているところだと思うのです。宮澤外務大臣が訪ソされました後拿捕漁民等全員釈放されて帰ってきております。しかし、今後領海十二海里を日本が宣言した場合の北方海域における安全操業問題というものは非常に難関を予測されると思うのですが、外務大臣としてこの北方海域の安全操業についてどういう対策と見通しを持っておられるか。
#51
○政府委員(羽田野忠文君) この北方海域における安全操業の問題は、先生御指摘のように、非常に重要な問題でございますし、実際に現地の漁民の方は非常な御苦労をなさっておる事実も十分承知いたしております。したがいまして、この安全操業については、外務省の方も農林省とも協力しまして最大の努力をいたしているわけでございます。今度領海が、海洋法会議で、日本がいままで言っていた三海里から十二海里ということが大勢になった、これによって北方海域の安全操業について影響があるかどうかという、まず第一の点でございますが、この点は、北方海域の安全操業は大体基本が日ソ間のいま懸案になっております、日本が主張している北方領土四島、この周辺の海域について領土問題が解決するまでの間の暫定的な安全操業についての両国間の話し合いということでございますので、直接には領海が三海里の主張が十二海里になったということで影響することはございません。しかし事実上、安全操業の面で非常に困難な問題があるということは事実でございます。したがいまして、この点については今後とも外務省も漁民の方が御困難を生じないように最大の努力をしていくというつもりでございます。
#52
○相沢武彦君 水産庁の方では、その点どのような見通しを持っておられますか。
#53
○政府委員(内村良英君) 北方安全操業の問題につきましては、ただいま外務政務次官から御答弁があったとおりだと私どもも思っております。ただ、その十二海里の問題について、水産の立場から一つ問題がございますのは、現在、組合によりましては、ソ連の三海里の外でとらしてもらっているところが若干あるわけでございます。そこが十二海里になりまして、ダブるわけでございますから、真ん中で線を引くということになりますと、その辺に若干問題があるという問題が漁業上はございます。
#54
○相沢武彦君 そうすると、現在操業しているよりも条件が悪くなるという関係の組合も出てくるわけですね、漁業関係者も出てくるわけです。そういった点、今後この拿捕の問題が起こるんじゃないかと非常に私たち心配をするわけです。この点は外務省、水産庁、総理府、しっかりと打ち合わせしながら、また現地関係者とよくお話し合いになって、不幸な事態が今後も続発しないような適切な指導、また救済措置等をとられるようにお願いしておきたいと思います。
 先ほど川村委員も御指摘のありました、いわゆる今日までの拿捕漁民に対する補償措置の問題で私もお尋ねをしていきたいと思いますが、ことしは五カ年間の実態調査の補足調査として五十三万六千円を計上されましたが、補足調査というのは今年度で完全に終了するのですか。
#55
○政府委員(内村良英君) 今年度の補足調査の状況を見て、これは来年度の予算要求のときに考えるべきことだと思います。
#56
○相沢武彦君 ことしの補足調査というのは非常に少ない予算なんですね。私は五カ年間かけての実態調査がほぼ九九・九%ぐらい済んで、ほんのあとわずか調査の補足をすれば完全な資料ができ上がる、そのためにこれだけのわずかな補足調査の費用で間に合ったのだと、こう解釈をしているんですが、その点何だか、五十年度の予算はわずかで若干しか補足調査ができなかったので、今後また何年間も続けなければならないということをおっしゃるのですか。
#57
○政府委員(内村良英君) 私も事柄の性格上、そういつまでも調査をすべき事項ではないと思います。ただ、現に拿捕が継続しておりますし、そういうような面もございますので、本年は先ほど御答弁申し上げましたような補足調査をやって、五十一年以降の問題につきましては、やはり状況を見て考えるべきだと思いますが、私はそういつまでもこういった調査をだらだらと続けるべき性質の問題ではないというふうに考えております。
#58
○相沢武彦君 ともかくもう戦後三十年ですよ。この間拿捕、抑留、そして釈放と、こういうことが繰り返されてきたわけです。それで、この領土解決の問題にしても、それはもう一日も早く解決していただきたい、こういう悲願でございますけれども、やはりそう簡単に、相手のあることですから片づく問題でもないだろうという見通しもあるし、一つには安全操業問題は、これは暫定措置としてしっかりしてほしいということと、もう一つは拿捕、抑留による被害補償の措置、これはやっぱり一遍ある時点で線を引いて、いままでの分に対しては一遍国が補償措置をする、その後のことはまた考えると、こういう時期にきているということはしょっちゅう言われているわけですよ。そこでお尋ねしますが、すでに与党内部では現地関係者からの算定では百十二億円という数字がはじき出されておりますが、これぐらいの予算を次の補正予算のときに計上するようにしてはどうかということが決定をしている、政府との今度は交渉と、こういうことになっているといま仄聞しているわけでございますけれども、水産庁としては、どの辺まで決心されているのですか。
#59
○政府委員(内村良英君) これは非常に高度の政策的な事項でございますので、あるいは私から答弁することが適当な問題かどうかわかりませんが、私どもも自民党の中でそういったことが検討されているということは承知しております。そこで、水産庁といたしましては、今後補正予算その他でそういった問題を政策的な事項として取り上げるべきであるということが決定されれば、もちろんそれに従ってしかるべき行政上の措置はとらなければならないというふうに考えております。
#60
○相沢武彦君 外務省の方は、このように一遍時点をきめて、そこで打ち切って、その間の補償をやるという考え方についていかがですか。何か差しさわりがございますか、外交交渉上。
#61
○政府委員(羽田野忠文君) この操業に基づくいろんな損害の問題でございますが、これが実際は被害者、加害者との請求権の関係は、これは国家対国家の関係でないわけでございます。それで、非常にむずかしい問題でございますが、ただ、両方が話し合ってもなかなか片づくような状態でございませんので、国が中に入ってその問題の解決方法についての協定をして早期に解決するような努力をしてやりたいということで、いまそういう話し合いも進めておる状態でございます。そういう対ソ連と日本との関係の解決と、もう一つは、それじゃそれが片づかない間に実際に漁民が非常に損害をこうむって困っておる、これをどうするかという問題と両方あると思いますが、対ソ連の関係は、やはりその処理協定をつくって早く処理してやると、こういうことを進めるべきだというふうに考えております。
#62
○相沢武彦君 日中、日韓の場合の方式にならってやるべきだという声も強いわけですけれども、担当の総務長官としてはこの点どのように努力されていますか。
#63
○国務大臣(植木光教君) 自由民主党内で御指摘のようにいろいろ協議をせられまして、一つの解決案ができつつあるということは私も承知いたしておりますし、また現地に参りまして、被害漁民の方々、あるいは船主の方々とお会いをいたしましたときに、羽田野外務政務次官とともにその点についての御要望も承ったところでございます。いまお話のように、請求権を留保しているという姿でございまして、これは韓国や中国とは違った外交関係にあるということで御理解はいただけると思うのでございますが、いずれにしましても被害を受けられた方々に対する補償問題というものはきわめて切実なものでございますので、そういう認識のもとに農林大臣、外務大臣等とも相談をし、党ともよく協議をいたしまして、できるだけ期待に沿えるように努力をいたしたいと考えているのでございますが、事まことにいろいろな問題が複雑微妙なものもございますので、しばらく時間をおかしいただきたいと存ずるのでございます。
#64
○相沢武彦君 拿捕漁船の損害あるいは乗組員の給与の補償等については、現在いろいろ措置をされているわけでありますが、たとえば漁船保険特殊保険金とか、あるいは乗組員に対しては漁船乗組員給与保険金の支払いも行われてはおりますけれども、これはやっぱり微々たるもので、相当被害を受けた人たちは立ち上がるのは大変だという状況でございまして、いろいろ実態を調べますと悲惨な状態であります。しかもまた、国からの見舞い金にしましても一万円出されただけで、その後全然増額されていない、こういうお粗末な状態でありますので、ぜひとも長官御努力されまして、ぜひ次の補正予算の時期にこの問題は解決され、処理できますように強く要望いたしておきたいと思います。
 次に総理府関係でお尋ねをいたしますが、北方領土問題の解決には、先日もお話ししましたように、積極的な外交政策、強力な外交交渉、これが必要なことは当然でございますが、同時にそれを支える国民世論の結集というものが非常に大切であると思うわけでございます。そして、その国民世論の結集につきましてはいろいろな方法があると思いますが、ぜひとも結集のためにすべての国民に次のことだけは徹底できなければいけないと思うんです。
 私考えますのに、一つには、日本固有の領土である北方領土についての正しい認識を持たせるということ。二つ目には、領土の帰属はあくまで平和条約以外にないということを認識させる。三つ目には、正当な領土の権利については正々堂々と主張すべきであるということを国民に強く意識づけるということ。四つ目には、領土問題は一地域の問題ではなくて全国民的な問題であるということを認識させる。少なくとも以上の四項目を全国民に周知浸透をさせなければ国民世論の結集の、盛り上がりにはならないと思うわけであります。総務長官もこの点については御同感であろうと思うんですけれども、五十年度予算の上に以上のことをどういうように反映させようとなさっているのか、予算上でそういう意向に基づいて主張されているならば御説明いただきたい。
#65
○国務大臣(植木光教君) ただいま相沢委員が御指摘になりましたとおりでございまして、この領土問題は国民的な課題でございます。言うまでもなく、外交交渉によりましてその成果を上げることができるわけでありますが、その支えとなりますのは国民の世論でございます。しかも、この間、予算委員会において御指摘になっておりましたように、もう青少年を含めて徹底的した認識を持つということが大事であると考えているのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、いま御指摘になりましたような諸点、すべて同感でございますので、これらを国民の中に周知徹底してまいります。沖繩の場合には、沖繩県民百万の同胞がおられまして、その強い声を叫ばれたわけでございます。したがって、これに呼応して本土復帰が成ったという経過がございますが、北方領土には、わが同胞は一人もいないという現状でございますから、非常に大きなハンディキャップがあるわけでございます。その意味におきましても、いま仰せのような啓発が大切であると思うのでございます。
 そこで、五十年度予算におきましては特にその点に留意をいたしまして、従来、いろいろな活動を行ってまいりました、印刷物の発行でありますとか、講演会とか、研修会あるいは署名運動、キャラバン隊の派遣等々でございますが、先ほども申し上げましたが、今回は、所要経費といたしまして前年度比三八・二%増の一億六千七十余万円の予算を計上いたしまして、特に従来行ってまいりました啓発運動とともに、家庭の茶の間に入る運動といたしましてテレビ放送番組を組むことにしたのでございまして、これによりまして一人一人の方々に直接家庭の中でそのことを認識していただき、それがやがて大きく社会に、そして全国家的な規模で運動として広がっていくようにということを念願をいたしているわけでございます。
 第二番目には、関係団体がいろいろ御活躍を下さっておりますが、全国の四十七都道府県にそれぞれ地方推進員を置くことによりまして、団体間の調整を図っていただき、運動推進のために御努力をいただくということで新しい制度を設けることになったのでございます。また、私どもとしましては、海洋博覧会が沖繩県で開かれるわけでございますが、この機会は本土から多くの人々が行かれるとともに、全世界からも多くの人々が来られるわけでございますから、海洋博覧会場におきましても啓発運動を行おうというようなことも考えているのでございます。さらにまた、学校教育の中においてこれが取り上げられますように、すでにそれぞれ各級学校の中で教科書におきまして採用されておりますけれども、しかし、まだまだ不十分でございます。この教科書をもっと充実したものにしていただくように、文部省を通しましてお願いをいたしておりますとともに、学校教育の場において、児童生徒に対しまして教職員の方々がこの問題を取り上げていただくようにというようなことなどもお願いをしているのでございまして、相沢委員御指摘のとおり、私どもは今後も努力を続けてまいりたいと存じます。
  〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕
#66
○相沢武彦君 いま総務長官おっしゃいましたように、啓蒙宣伝費の場合は確かに前年度に比べまして三八・二%、高い伸び率を示しているわけでございますけれども、いわゆる全国民的な課題、この北方領土返還という立場に立って考えますと、まだまだこの北方対策費の予算は足りないと思うのです。特に本年度は戦後三十周年、一つの歴史の区切りでありますし、沖繩返還の後は今度は北方領土だと、こういうかけ声はあるのですが、やっぱりこれに取り組む政府の姿勢の一つとして、予算づけは政府のやる気のバロメーターにもなるわけでありますので、まだまだ遠慮した予算じゃないか、このように私は思うわけでございます。長官も非常に御努力をされているところは十分評価いたしますが、さらに、北方領土問題に取り組む政府の意欲というものを国民にアピールすべきだと思いますし、その点で、一層今後ももっと必要なところに予算を取ってがんばられるように督励をいたしたいと思うわけでございます。
 さてその次に、今年度予算の中の利子補給費一千九百二十二万四千円が計上されておるわけでございますが、これで四十九年度と同規模の貸付業務ができるということでありますが、私どもに言わせると、毎年のように、十億円の基金をもとにしたいわゆる旧居住者に対する貸付業務、この融資枠の拡大をしてほしい、こういう要望が強かったにもかかわらず、たしか、金額の上ではふえておりますけれども、業務内容としては昨年度と同じ規模の貸付業務しかできない、それにとどまってしまったという点、非常に残念でございます。二十六日に北方対策協会から「五十年度貸付事業計画案」というものをいただきまして、拝見いたしました。特に事業資金の関係は、今年度の予想としては百十六件、事業資金関係では六〇%を占めるぐらい要望があるだろう、こういう予想を立てて計上をされております。また、先ほどもお話ございましたけれども、住宅資金関係では、生活資金の中の全体の四三%。また事業資金の方に戻りますが、経営資金として、漁業関係ですが、これは百六十件、非常に件数が多い割合には金額的には少ないわけでございますけれども、かなり関係者が苦労しながら、どうやって効率を上げるかということで腐心をされてつくられた事業計画だと、このように私は思いました。特に、今年度は概算要求として融資枠四億四千万、これが確保できれば相当前年度に比べてもっと前進した貸し付け計画ができたであろうにと、このように関係者に御同情しているわけでございますけれども、この点、総理府としてはどのような見解に基づいて今年度こういう予算にとどまってしまったんですか。
#67
○国務大臣(植木光教君) お説のとおり、四億四千万の要求をいたしましたのに対しまして、四億という枠が設定せられたわけでございますが、これは先ほども御答弁申し上げましたが、実はその増枠の要請があります反面、本当に貸し付けを要求しておられる人々がどれだけであるかという実態の把握が不十分な点がございまして、そこでいまこの実態の把握に努めているわけでございますが、私どもといたしましては、十分だとは思いませんけれども、地元の方々のいろいろな御要請というものを勘案をいたしまして、五十年度はこの枠で消化できるのではないかというような考え方でここに落ちついたというような状況でございます。しかし、その後現地に参りましても、やはりこの増枠の問題と貸付限度額の引き上げの問題というものが非常に強い要請でございましたので、私といたしましては、今後これを増額し、引き上げるという点について最大の努力を図ってまいろうと考えております。
  〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕
#68
○相沢武彦君 今年度はこれでやむを得ないとしまして、五十一年度には、ぜも管理費だけは十億円の基金の利子と別個に予算を計上できるようにすべきだと思いますので、この点の見通しについてもう一回答弁してください。
#69
○国務大臣(植木光教君) 先ほども申し上げましたけれども、今年度は、一応、わずかではございますが利益金が計上される見通しでございますが、人件費、物件費ともに高騰をしているときであり、管理費のために融資の運用というものが支障を来すというようなことでありましたら大変なことでございますから、五十一年度におきましては、必ずこれを改善をいたしますための措置をやる決意でございますから、御協力をお願いをいたしたいと存じます。
#70
○相沢武彦君 北海道の場合は北方領土に最も近い、関係も深い、そういう都道府県でございますので、当然と言えば当然でございますが、北方領土対策費というものを非常に計上しているわけでございます。今年度の道の北方領土対策費あるいは直接関係ございます根室市の北方領土対策費はどれぐらい計上されているか掌握されておりますか。
#71
○国務大臣(植木光教君) 四十九年度では約一億余りであるというふうに承知いたしておりますが、政府といたしましては、交付税で一億円見ております。五十年度につきましては、いま予算の御審議をいただいている最中でございますので、改めて地元に余り御負担をかけないように配慮方をすでに自治省に対しまして要請をいたしております。また、道及び自治省に対しましては、地元の根室市も非常にこの問題について負担をしておられるわけでありますから、この点についても特に配慮をしてほしいということを申し入れをいたしております。
#72
○相沢武彦君 国からの交付金については、いま総務長官申されたとおりでございますけれども、道自体で対策費として計上している金額も相当なものに今年度もなっているわけでございます。きのう確めましたところ、総額で今年度は四千九百二万八千円を計上しているように思います。また、根室市の場合は、人件費その他交際費等は省きまして、実質的な北方領土対策費だけでも、非常に財政困難にもかかわらず一千万円の予算を計上してやっております。特に、国からの補助金でできました「望郷の家」の管理費なんですが、これは非常に負担になっているようでございます。本年度の計画では四百九十万円を「望郷の家」の管理費として計上しているわけでございますけれども、昨年修理等もあったようで非常に負担になっているらしいですが、国の方も御努力いただいていろいろ配慮はされておりますが、この「望郷の家」の管理費だけでも、今年度から国の補助金でぜひ見ていただけるように御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(植木光教君) 納沙布岬にあります「望郷の家」には、全国各地から多くの人々が訪れられまして、北方領土の認識を深めておられるわけでございます。また、元島民の心のよりどころでもございます。したがって、四十六年度に小型自動車振興会等が助成をいたしましてこれをつくったわけでございまして、千島歯舞諸島居住者連盟が建設をしたということはもう御承知のとおりでございます。この維持管理費については、根室市も助成金を四十九年度百三十二万円出しておられると伺っておるのでございますが、この家が建てられました経緯や運営状況等から見まして、ただいまのところ補助金を出すということは考えておりませんけれども、ひとつ検討をさしていただきたいと存じます。
#74
○相沢武彦君 よく現地の予算書等の中身も検討されまして、この分は国で当然負担をすべき内容の経費であるというのがまだ残っておりますので、その面についてはぜひ国の補助でできますように、今後御検討を進めていただきたいと思います。
 植木総務長官は北海道の選出ではございませんけれども、北海道とは非常に御縁が深いと聞いておりますが、どういったところで御縁が深いんでございますか。
#75
○国務大臣(植木光教君) 私は、大学を出ましてNHKにおりましたんでありますが、北海道選出の町村代議士の秘書になりまして、その御縁をもちまして六年間議員秘書をやりまして、あと知事になられましてから三年間北海道知事室長として北海道民の方々と大変親しくさしていただき、また全道くまなく視察をさしていただいたというようなことでございまして、私にとりましては第二のふるさとでございます。
#76
○相沢武彦君 そういうわけで大変北海道はお詳しいというお話でございますが、マスコミ情報によりますと、北海道の中でも最も詳しい地域は札幌のかの有名な薄野であるというようなことも聞いておるわけでございますが、それはそれでけっこうなことでございますが、現地の人たちは、歴代の総務長官の中でも最もよく北海道、特に北方領土については関心も深く、御熱心にやっていただける総務長官と、このように期待をいたしておりますので、ぜひとも期待にこたえてがんばっていただきたいと思うわけでございます。
 全国的にこの北方領土返還問題の啓蒙を促進させる一つの方法といたしまして、私御提案を申し上げるわけでございますが、各県にたとえば交通安全対策室というのがあるように、北方領土復帰促進対策室というようなものが意欲のある県からでも徐々に設けられるようにしてはどうかと、なっていただきたいと、こう思うわけでございます。日本固有の領土である北方領土の返還を望む民族の声の結集を図っていくために、総理府の北方対策本部と各県の行政の一元化を図るというような目的で、こういった機関が置かれるのはまことに結構なことではないかと思いますが、これについての御所見を。
#77
○国務大臣(植木光教君) 大変貴重な御提言をいただいたわけでございますが、実は、各府県にお願いを申し上げまして、北方領土問題の主管課をそれぞれ決めていただいておりまして、主に広報課がこれに当たっていただいているのでございます。常時連絡をとりますとともに、東京におきましても主管課長会議を行いましていろいろお願いをしているところでございますが、仰せのように、全国的な規模でもっと大きく広がりを見なければならない問題でございます。先ほど申し上げましたように、地方推進員制度というものも設けましたので、さらに各都道府県に御協力をいただきますように積極的に働きかけてまいりたいと存じます。
 各都道府県に対策室そのものを設けるということにつきましては、これはそれぞれの地方自治団体の御事情もあろうかと存じますので、いまの段階では、とりあえず、それぞれの府県の主管課が対策室と同じような機能を発揮してくださいますように精力的に働きかけてまいります。
#78
○相沢武彦君 一方、領土復帰の運動は官製主導型だけじゃならない、国民の中から盛り上がる復帰運動と合致して初めて大きな盛り上がりなり力があると、このようにも思うわけでございます。そこで将来、交通安全対策協会がありますように、いわゆる各県に民間の立場での北方領土復帰促進対策協会というような組織体もできてきて、県民運動にそれが発展していく、こうして行政の縦の線と民間の縦の線、これがお互いに全国規模ででき上がって、今度は横の連携をとり合う、官民一体となってこの復帰運動の盛り上がりを図っていくというようにぜひとも私たちはしてまいりたいと、このように考えておりますので、この点についても一層の御努力を願いたいと思います。
 以上、提言申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#79
○立木洋君 海水博も大分近づいてまいりまして、いろいろと輸送の面でも準備が進んでおるかのように伺っておるわけですが、きょうはそのうちの一つの伊江島空港の問題についてお尋ねしたいと思うんです。この伊江島空港のつくられる経緯とその問題点、いま残されておるという問題点について、通産省のほうから最初にお答えいただきたいと思います。
#80
○説明員(増山孝明君) 伊江島空港の建設の経緯につきまして御説明いたしますと、沖繩海洋博覧会が計画されました四十七年以来、多数の観客をいかに本土から沖繩に運ぶかということを、関係省庁間と十分に議論いたしまして、また沖繩県とも協議いたしまして、那覇港を大幅に整備するとともに、海上周辺にもひとつ小型ではありますが飛行場を整備する必要があるという結論に達しまして、この観点から伊江島の空港を建設するというふうに決定をいたしまして、昭和四十七年十月に開催されました沖繩海洋博関係閣僚協議会におきまして、ほかの公共事業とともに関連公共事業の一つとして伊江島空港を掲げまして、以後建設が進められていると、こういう状況になっております。
#81
○立木洋君 いま残されている問題点というのはどういう問題があるでしょうか、その伊江島空港の問題に関して。
#82
○説明員(増山孝明君) 伊江島は、現在その周辺に米軍が演習をしておりますので、これとの調整をどうするかという問題がございます。この件につきましては、防衛施設庁を中心といたしまして日米合同の作業部会で、いかにこの間の調整を行うかということにつきまして議論を進めていると、そういう段階になっているわけでございます。
#83
○立木洋君 運輸省にお尋ねしたいんですけれども、当初、人を輸送する――伊江島空港の実情の問題ですが、現在の状態では当初予想されておった状態、満足できる輸送計画になるのかどうか、またどういう問題点があるのか、その点ちょっとお聞きしたい。
#84
○説明員(梶原清君) 御案内のとおりに、伊江島空港は沖繩海洋博関連の公共事業として建設されるものでございまして、この七月二十日に供用開始を予定いたしております。滑走路は御案内のとおり千五百メートルのものを予定しておるわけでございます。ここの飛行場につきましては、先ほどお話がございましたように、近くに米軍の射爆場がございますので、それとの関連におきまして、二時間半共用をするということになるわけでございまして、私どもとしましては、その間に二、三便程度運航をいたしまして輸送需要にこたえたい、かように考えているわけでございます。
#85
○立木洋君 沖繩の海洋博では、計画によってお聞きしますと、六カ月間に百八十三万人参加さしたいというふうな計画に聞いておるわけですが、当初運輸省の方では、この伊江島空港については五時間ぐらいの時間帯に六便ぐらい出したいというふうな計画のようでしたけれども、現在のところでは二時間半に二、三便。ここは飛行場の距離が、つまり大型の飛行機が到着できませんから、結局YS11ですか、そうすると乗員が六十名、二便だったら百二十名、結局三便にしても百八十名、六カ月間に二万から三万ぐらいというふうな状態ですが、こういう状態でも当初の計画されておった状態から見て都合がいいというふうにいまでも考えておられるわけですか。
#86
○説明員(梶原清君) 本土と沖繩との関係につきましては、航空機の輸送というのが主体になろうかと思います。沖繩島内におきましては、陸上あるいは海上の輸送が本体でありますから、そしてこの伊江空港を利用いたしまして、海洋博覧会場に近い伊江空港を利用しまして観客の利便に供するという要請もございますので、現在のところ二時間半で先ほど申しましたように二、三便程度確保したい。当初、御指摘のように五時間ぐらいの運用をいたしたいという希望を持っておりましたが、いろいろ関係機関との折衝の結果、いまのような状態になっておるわけでございます。
#87
○立木洋君 この伊江空港へ乗り入れる民間航空会社の方はそれで満足しておられるのか、あるいは難色を示しておるのか、難色を示しておるとしたらその原因はどういう原因なのか、お答えいただきたいと思います。
#88
○説明員(梶原清君) 現在伊江島空港につきましての運航計画でございますが、YS11型機を使用いたしております全日空、南西航空、東亜国内、この三社に対しまして運航の検討を指示しておるところでございまして、これらの各社におきましては、海洋博覧会期間中の輸送需要の予測も行い、同空港の運用条件に合致しますような路線決定等の計画を目下急いでやっているところでございます
#89
○立木洋君 新聞報道では、民間航空会社は難色を示しているというふうに報道されていますが、そういうことはなかったわけですか。
#90
○説明員(梶原清君) 飛行場といたしまして運営をいたします場合に、私どもとしましてはさらに長い時間の運用時間を通常必要としておるわけでございますが、二時間半という運用につきましては、まあ万やむを得ないというふうに考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、二、三便程度の輸送をいたしますには一応これで賄えるものではないかと、かように考えておるわけでございます。
#91
○立木洋君 当初計画されておったよりも大分後退せざるを得ないような状態になっておる。結局二時間半という時間帯で民間航空会社も、新聞報道では、いろいろと難色を示しているという報道もあるわけで、問題はこれだけではなくして、こういう民間航空地をつくった隣り合わせにいわゆる米軍の空対地の射爆撃場がある、これは私は重大なことだと思うのです。外国にもそういうような射爆撃場の隣り合わせに民間航空があるようなところがほかにあるのでしょうか。
#92
○説明員(梶原清君) 現在までのところ、そのような飛行場につきましては、私どもよく存じておりません。
#93
○立木洋君 私も調べてみましたけれども、そういうところはないのです。それは存じておらないのではなくて、ないというのが私は正確だと思います。つまり、そういう射爆場の隣に民間航空をつくるということはきわめて危険性があるということだと思う。こういうつまり隣り合わせに民間航空地を設置するということがどれほど危険性があるのか、その危険性に対して防衛庁あるいは運輸省の方としてはどのようなお考えであり、どういう対策をとられておるのか、御答弁いただきたいと思います。
#94
○説明員(梶原清君) 伊江島空港は、先生御指摘のとおり、その近くで米空軍の射爆撃訓練が行われておるわけでございますが、訓練の行われております区域は飛行場から三キロ離れたところでございまして、誤爆等による危険はないのではないか、かように考えておるわけでございます。
 それと飛行場の航空機の運航による安全性でございますが、先ほども申し上げましたとおりに、空港の運用が射爆撃訓練の行われていない時間帯にだけ行われること、それから管制技術上におきましても、空港管制所と各関係機関との間に密接に連絡体制、具体的に申しますならば、伊江島の射爆撃訓練指揮官と私どもの空港管制所との間に直通電話を設けておりまして、その連絡を密にする体制ができておるわけでございまして、その安全性は十分確保できるものと確信をいたしております。
#95
○立木洋君 それはあなたの立場では安全が確保されていると言わないと都合が悪いと思うのですけれども、三キロというのはきわめて短い距離ですよ。そしてこの運輸省の航空局長から沖繩県の知事にあてた文書の中でも、海洋博覧会期間中に毎日二時間半、つまり午前十時四十五分から十三時十五分の二時間半というふうに指定されているわけですね、しかも、いま直通電話が設置されていると言いましたが、機械というのは故障が起こることもあります。さらには、いままでいろいろ調べてみますと、沖繩においてだけでも米空軍の事故というのは大分あるわけです。これは四十七年二月六日、四月十六日那覇で墜落事故もあり、八月二日には北部での墜落があり、九月七日には那覇で着陸ミスがあり、十月二十二日沖繩近海での空中衝突もあり、十月十三日には艦載機墜落という事故も起こっているわけです。こういうふうな事故が全く起こらないという保証がないわけです。しかも、そういうところに隣り合わせに民間航空が設置される、これは余りにも私は危険性が大きいし、またこういう計画の立て方というのはきわめてやはりずさんな計画の立て方ではないかというふうに考えるわけですが、その点についてはどのようにお考えになっておられるのか、長官の方から御答弁いただきたいと思います。
#96
○国務大臣(植木光教君) 伊江島の空港問題につきましては、私が一月に視察をいたしましたときに、直接村長さんを初め関係者の方々からも、また知事さんからもお話がございまして、民間利用について努力をして欲しいという御要請でございました。私も帰りまして、直ちに運輸省や防衛庁に対しまして強い要請をしたのでございます。日米合同委員会におきまして、海洋博期間中二時間半というふうになりましたことにつきましては、開発庁といたしましては遺憾でございまして、しかし、そういうふうに決まりました以上、やむを得ないことであるというふうに考えているのでございますが、海洋博が終わりましてから後の民間利用につきましては、新しい視点からさらに民間利用に支障がございませんように、関係省庁とも協議をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#97
○立木洋君 事故が起こってからでは遅いわけでして、長官も一月においでになったときに、いろいろと強い要望が地元から出されておるということも新聞報道を通じて私も理解しておるわけですけれども、少なくとも、まず海洋博期間中は演習を中止してもらう、朝六時から晩の十一時まで、この期間中米軍としては射爆撃場の演習をやっているわけです。そのうちのきわめて二時間半という区切られた時間内に民間航空機が着陸する、そしてそれを人の輸送に充てられておる、これはもうきわめて危険な状態だと思うんです。これはどうしても、あるいは外務省、防衛庁等とも御相談いただいて、ぜひともそういうふうに努力をしていただきたい、もう一度、そういうことをぜひともお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(植木光教君) 関係省庁と協議をいたします。
#99
○立木洋君 外務次官の方もいかがでしょうか、御検討を。
#100
○政府委員(羽田野忠文君) いま総務長官初め関係者の御説明ございましたように、海洋博の開催期間中はこの伊江島の民間空港を二時間半安全に使うという日米合同委員会の特別作業部会の合意が成り立っておりますので、この時間帯におきましては、米軍の伊江島の補助飛行場における訓練は停止をするというふうになっております。したがいまして、私、安全性については大体確保されたというふうに考えておるわけでございます。
#101
○立木洋君 いま外務次官がそのように言われましたけれども、私は先ほど来申し述べておるので繰り返しませんけれども、防衛庁の長官が米軍と折衝して二時間半を分離するということになったと、しかし、いまの時点で考えてみて、やはり防衛庁とももう一度よく相談していただき、どうしても射爆演習をこの期間は中止していただく、これは国際的な海洋博ですから、外国の人たちも来るわけですし、こういうところに日本で重大な事故がもし起こったとなれば、これは日本の責任としても大変だし、外交上も重大な問題に発展し得る可能性もあるわけですから、少なくともこの席において努力をするという御答弁をいただかないと、私は引き下がるわけにはいかぬわけですが、もう一度その点念のために。
#102
○政府委員(羽田野忠文君) 先生の御指摘のように、これは何十人という人間を輸送する飛行機の発着でございます。この安全性の確保ということについては、より以上の慎重さということが必要でございます。したがいまして、外務省といたしましても、総理府あるいは運輸省、防衛庁とも緊密な連絡をとりまして、安全性確保ということについて、今後とも一段の努力をするつもりでございます。
#103
○立木洋君 大いに努力をしていただくということを重ねて要望しまして、この民間空港の跡地の利用の問題ですけれども、これについては、何か新聞などでは、大分防衛庁の方々があそこの現地を視察されているというふうな報道も新聞にありまして、自衛隊があそこに後乗り込んでくるのではないかというふうなことがあるようでありますけれども、防衛庁の方としては、それは絶対にないというふうに申し述べることができるかどうか、その時点にならないとわからないと言われるのか、その点明確にしておいていただきたいと思うのですが。
#104
○説明員(小谷久君) 射爆場は自衛隊にとって必要な施設ではございますが、伊江島に設置する計画は持っておりません。
#105
○政府委員(井上幸夫君) 伊江島空港は、御承知のように県営空港といたしまして沖繩開発庁予算で補助金として建設費を補助しております。したがいまして、管理者は沖繩県知事でございまして、沖繩県知事が管理し、沖繩開発庁の予算で運輸省が実行されてつくられた飛行場でございまして、それがただいまの時点で防衛庁が使用するということは私ども考えておりません。
#106
○立木洋君 それは第三種ですから、私もそういうことは知っておりますけれども、念のために私はお聞きしたわけです。この跡地をやはり平和的に利用するということは、もちろん沖繩県とも御相談していただかなければならないわけですけれども、やはり十三億ですか、の予算を投じてつくられた民間空港が、十分に今後とも平和的に利用されて、そして沖繩の開発のために役立つというためには、少なくともこの射爆場を撤去するということが私は最も妥当なやり方だと思うのですけれども、その点、長官いかがでしょうか。
#107
○国務大臣(植木光教君) 射爆場がないのが望ましいということは、もう私も共通の思いでございます。私どもといたしましては、県民の立場に立ちまして、関係省庁に県民の声を伝えるというのが役目であろうと思うのでございまして、今後そういう努力は続けてまいります。いろいろ困難な事情があるということは御承知のとおりでございます。努力を続けてまいります。
#108
○立木洋君 海洋博期間中の演習の中止の問題と安全の確保、それからその後の跡地の平和利用について、射爆場の撤去という問題についても、重ねて御努力をお願いしたいということを申し上げておきたいと思うのです。
 問題は変わりますけれども、伊江島の上空は米軍の管制下にあるわけで、ことしに入ってから伊江島上空を自衛隊機が何回か旋回しておるというふうなニュースがあるわけですが、それが事実なのかどうなのか、また、そういうことを行っているとしたらどういう目的なのか、お伺いしたいと思うのです。
#109
○説明員(友藤一隆君) お答えいたします。
 自衛隊の航空機の伊江島周辺の飛行につきましては、ことしに入りまして海上自衛隊のP2Jが、これはパイロットの地形慣熟訓練ということで、あの周辺を二回ばかり飛行をいたしております。またそのほか、これは災害派遣等がございまして、ことしに入りましてからこれも二回ばかり陸上自衛隊のヘリコプターが救難活動その他で飛行をいたしておる実績がございます。それから航空自衛隊の航空機につきましては、この周辺では飛行をいたしておりません。
 以上でございます。
#110
○立木洋君 もう一つ、私は二月の十日に沖繩の米軍基地の視察に行ったわけですが、そのときに私の秘書が写した写真があるわけですが、自衛隊機が嘉手納米軍基地内にタッチ・アンド・ゴーの訓練をしておるという実地を写真で撮ってきました。嘉手納の米軍基地というのは共同使用になっておりませんし、共同使用になっていないところに自衛隊機が入ってこういう状態が行われておるというのは私はきわめて不思議な現象だと思うんです。これが米軍側と何らかの取り決めが行われた結果やられたことなのかどうなのか、その点についてはいかがでしょうか。
#111
○説明員(友藤一隆君) 私どもで調べました結果では、嘉手納の上空、あるいは嘉手納飛行場の利用、こういったものにつきまして、陸海空の各自衛隊の航空機とも実績がないという報告が上がってきておりますので、そういう写真その他がどういう事情のものなのか、この段階でちょっとわかりかねます。
#112
○立木洋君 現に私たちが行って写真を撮っているからごらんになっていただけばわかるわけで、こういう状態です。やはり地位協定できちっときめられておる、そういうことが守られないで、米軍の基地を自衛隊が使用する、これは米軍と自衛隊が一体になって、いわゆるなれ合いの形でこういう状態が進行しておるというふうに見られても仕方がない現象じゃないかと思うんです。この点については十分にもう一度調査していただいてお答えいただきたいと思うんです。写真はこちらにありますからお渡ししますけれども。
#113
○説明員(友藤一隆君) 実情調査をいたしたいと思います。
 なお、現在たてまえとしてと申しますか、実績といたしまして、嘉手納の空港あるいはその上空は防衛庁といたしましては使用するような計画もございませんし、実績もないということで私ども承知をいたしております。念のためにつけ加えておきます。
#114
○立木洋君 先ほど来お願いしました、要請しました件、特に伊江島空港の件については重ねて御努力をお願いしたいと申し上げて、私の質問を終わります。
#115
○小笠原貞子君 まず初めにパインの問題でお伺いしたいと思います。
 たびたび県からも要請団が見えますし、また私ども調査いたしましても、実に深刻な状態になっているわけです。四十九年度分の百二十万ケースというものについてはほぼ何とか解決できるという見通しが立った。しかし、もうすぐ五十年度分ということでまた心配がたまってくるというような状態の中で、今年度五十年度分の生産見通しなどもどういうふうに見積もっていらっしゃるのか、そしてまた、現地の方ではもう五十年考えればとてもやっていけない。いろいろ金融面での融資をしてほしいとか、また借りているものについての返済だとか、金利だとかいうものについての措置を緩和してほしいというような具体的な要求というのも、陳情も出されているわけなので、その点五十年度どういうふうに見通していらっしゃるか、金融面でのいろいろな考えられる援助の要請についてどういうふうに御検討いただけるのか、まず最初にお答えをいただきたいと思います。
#116
○説明員(北野茂夫君) お答えいたします。
 ただいま先生の御発言のありましたように、最近沖繩におきますパインの問題は非常に深刻なものがございますが、五十年度の生産見込みにつきましては、ほぼ生換算で約八万トン程度の生産が見込まれておりまして、その程度の生産がありますと、従来沖繩におきましては生の九八%程度がかん詰めになっておりまして、約百七、八十万ケースの生産が期待されるわけでございますけれども、御承知のようなパインかん詰めの消費の極端な減退ということがございますので、私たちといたしましてはでき得る限りこれを新規用途を開拓いたしまして、かん詰めの生産量をできれば抑制したい、そのためには生食の需要を大いにふやすとか、あるいはその他ジュース等の用途も考えるとか、あるいは製品であるかん詰めの消費拡大のためのいろいろの措置をする、そういうようなことをしているわけでございますけれども、まず問題といたしまして、いろいろと滞貨の問題あるいはそれに伴う融資の問題ということが考えられるわけでございますが、五十年産につきましてはそのような滞貨が生じないようにする、需給のバランスをとった生産あるいは消費をする、そういうようなことが第一義的に重要なことでございますので、滞貨の起きないようにする。そのためには、御承知のように先般来いろいろやっておりますけれども、冷凍パイン等によるかん詰めの生産を引き続き抑制するための措置をとる。それにつきましては、四月一日から関税の引き上げとか、あるいは冷凍パインの原料表示であるとか、あるいはJASの受検を励行させるとか、そういうようなことをいろいろやる一方で、さらにパインかんの消費拡大、そういうことを進めていくということで、五十年産につきましてはでき得る限り需給のバランスを図って、滞貨とか、あるいはそれに伴う措置を必要としないようにまずやっていきたい、そういうように考えております。
 なお、グローバルの輸入の量等につきましては、今後の生産の状況あるいは消費の状況、そういうものをいろいろ勘案いたしまして慎重に検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
#117
○小笠原貞子君 まあ、いろいろ宣伝してたくさん食べてもらって滞貨をなくすというようなこと、当然のことだと思いますけれども、そんなに簡単にその宣伝が行き届いてぱっと滞貨がなくなるというようなことも、ちょっと見通しがなかなか大変じゃないかと思うわけです。一生懸命やってくださると思いますけれどもね。
 それで、先ほど言いました金融の問題だけれども、結局四十九年度百二十万ケースというのも、現金で入ってくるかというようなことをちょっと伺ってみると、九十六万ケースのうちの二分の一の四十八万ケースが六月に現金で入ると、いままでは現金だったけれども、今度その残りについては手形決済、半分は手形決済になるというようなことになるわけですね。そうすると、具体的にパッカーの方たちというのは、そういうのでお金が入ってこないと、今年度また操業するというようなことで、金繰りというのもまた非常に頭が痛いわけですね。まあおたくがいますぐお答えにはなれないかもしれないけれども、金融を何とか援助してほしい、やっぱり具体的に非常に深刻な問題だと思うんですね。だからそういう金融面の陳情なんかについて検討されていたのかどうか、もし全然検討されてないと、これはパインというのはミカンなんかとまた別だからというようなことで検討されていないのか、検討をされているのか、いるとすればどういうふうに検討されているのか、その間の事情ちょっと伺わせていただけませんか。
#118
○説明員(北野茂夫君) お答えいたします。
 昨年の夏以来、パインかんの問題が非常に大きくなって以来、いろいろと生産あるいは金融その他の問題について検討してまいりまして、すでに昨年の秋から現在までにおきまして、沖繩の開発公庫、商工中金、農林中金その他のところから約十億円余りの融資がすでに行われているわけでございます。御承知のように、沖繩に現在百二十万ケースの滞貨がございまして、それの処理につきましては、九十八万ケースにつきまして、ただいま先生のお話のありましたような形において処理することになっておりますけれども、一部現金、一部は手形等において七月までに入金することになっておりますが、それに際しましてなお不足する分につきましては当然融資等の問題も起こっておりますし、要求もあると思いますけれども、すでにそういう話のあるものにつきましては、どういう需要でどのぐらいの金が要ると、そういうことにつきまして細部の資料を作成するように検討を県並びに加工業者に対してこちらは要請しております。
#119
○小笠原貞子君 融資していただいて借りるということも大事だけれども、借りたものについての期限の延長だとか、融資の分の利息の関係だとかというものについて、何とかこの際考えてほしいというのが陳情の要請でございますので、いろいろ御検討いただいているかとも思いますけれども、再度その要請にこたえるように真剣に考えてほしいと思うんです。改めて言うまでもありませんけれども、ずっと沖繩が大変な苦労をなさっていらっしゃる、その中で農民の苦労というものもまた大変なものですし、パインというものを考えれば、普通の野菜なんかはちょっとできないようなああいう土壌の中でパインがつくられるというようなことですし、県での特産物であるというようなもろもろのことを考えていただいたなら、もうほかよりも本当にここの特別委員会があるように特別の措置がなければ、沖繩の農民の方たちも大変なことになると思うんです。そういう意味でぜひ真剣に御検討いただいて、何とか生かしていく道を考えていただきたいとお願いをしたいと思うわけです。
 もう一つ、いろいろ御配慮いただいていると思いますけれども、これは通産省でしょうか、外貨割り当て出していらしゃいますけれども、五十年産の外貨割り当ては一体どういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#120
○説明員(瀧巖君) ただいま農林省の方から御説明がございましたように、現在の需要の見通しにつきましては非常にむずかしい、いろいろ厳しい事情があると存じますけれども、さらに今後の沖繩の生産の動向というようなものも考えまして、十分に農林省、沖繩県の御当局とも御相談申し上げて、そういった厳しい情勢を念頭におきながら、この割り当てというものを考えていきたいというふうに考えております。
#121
○小笠原貞子君 もし去年並みの外貨割り当てになりますと、百四十万ケース分くらいのまた滞貨のおそれがあるというようなことで、もうここで抑えていただくというのがまた非常に大きな役割りを果たしますので、はっきりと去年よりもぐっと抑えますといういい返事欲しいんですけれども、そこまであなたの責任で言えないとするならば、こういう事態だからもう極力抑えるという方針を貫いて御検討いただきたいと思いますけれども、そういう立場でやっていただけますでしょうね。
#122
○説明員(瀧巖君) ただいま小笠原先生御指摘のような事情も十分考えまして、関係省庁と十分検討してまいりたいと思います。
#123
○小笠原貞子君 じゃあ、しっかりどうぞよろしくお願いします。
 それで、農林省の方ですか、濃縮ジュースの工場つくりたいという要求が出されているわけなんですね。生で食べられるというようなことも限界がございますし、やはり現地でジュースの工場つくる、一つもないんだそうですね、現地には。そうすると濃縮ジュース工場つくるということはこれからの消費の面でも非常に大きな役割りを果たすと、私ぜひこれはつくってあげて欲しいと思うんです。それについてどういうふうに考えていただけるか。年間一万二千トンですかの生産能力がある、けれども、そのうちの三級の悪いのを使ってジュースをつくる。いろいろのことで一億くらいのお金かかるというようなことも伺いましたけれども、私は、将来のこともございますし、その濃縮ジュースの工場建設について何らかの援助をしていただくということをぜひ考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#124
○説明員(北野茂夫君) 先ほども申し上げましたように、沖繩のパインというのが従来九八%がかん詰めに使用されていたわけでございますが、かん詰めの状況がただいままで申し上げましたようなことになっておりますので、新規の用途を開拓するということが非常に重要であり必要なことになってくるわけでございますが、ただいま先生のお話しのありましたジュース需要の開拓ということは非常に沖繩のパイン問題解決の手段としては有効な方法であるというふうに私たちも考えております。
 それで工場の件につきましては、現在八重山に一部搾汁等をやっている小規模のものがあるわけでございますけれども、本島にはかん詰め関係ばかりでそういうものはないようでございますが、現在パインジュースというのは、オレンジのジュースと同様にわが国ではIQ品目でございまして、ホテル用以外には輸入が全くされておりませんので、恐らく品質のよいものをつくれば相当の需要があるということは十分考えられますので、現在ジュース工場の規模なりあるいは運営の基本的な問題等につきまして、沖繩の県並びに現地の加工業者等にその細部の内容について十分に詰めるように依頼しておりまして、その成案ができ次第、私たちとしましても十分に検討いたしまして、いろいろ措置する考えでございます。何分予算を伴うことでございますので、この場におきまして助成につきまして明確に申し上げることは困難でございますけれども、真剣に前向きに検討したいと、そのように申し上げておきます。
#125
○小笠原貞子君 その大体の案というのが煮詰まるのは、いつごろをめどにしていらっしゃいますでしょうか。
#126
○説明員(北野茂夫君) 私たちといたしましては、五十年産のパインにつきましてかん詰めに回る分を少しでもジュースの方によけい回したいという気もございますので、まさに焦眉の急という思いをいたしているわけでございますけれども、現地の方では関係する人も多いし、いろいろ問題がございまして、その細部の計画が、真剣にやっているようでございますけれども、短期間になかなかまとまらないような情勢というようなことでございまして、一日に二、三回の電話を入れまして、その進捗状況を催促し、提出を急がせているわけでございます。
#127
○小笠原貞子君 せっかく前向きに検討なさるおつもりでもさっぱり足が進まないということでは困りまするし、ぜひ早目に、五十年産に間に合えるようなことができれば一番いいんですけれども、ぜひそういうふうに早めて御検討いただきたいと思います。
 それじゃ次に、時間もございませんので、海洋博の跡利用の問題でお伺いしたいと思います。まだ海洋博始まらないうちに跡利用の問題というのはちょっと気が早いかと思いますけれども、いまでももう遅過がると思うんです。この跡利用については、長官、一月に閣議でいろいろお話しになっておりましたけれども、一体この跡利用というのをなぜどこも受けたがらないで、あっちだこっちだというようなことになっているのか。大阪の万博の場合でしたら黒字だったけれども、今度はどうも赤字らしいということで、結局もういや通産省だ、いや開発庁だ、あっちだこっちだ、大蔵省も出てくるんですか、ということでは本当に大変だと思うんですね。なぜ主務官庁はっきりできないのか、当然どこがやるべきだというふうなお考えもあろうと思いますが、その点いかがでございますか。
#128
○国務大臣(植木光教君) 海洋博の跡利用につきましては、私はもう海洋博覧会が開かれる前に決定すべきであるということを主張をしているのでございまして、これは閣議の席でも発言をしたところでございますし、関係省庁に対しましても、数回にわたりまして私は繰り返しこのことを述べてきているところであります。また、開発庁内におきましてもそのための努力を怠っているというようなことはございません。御承知かと思いますが、現在は通産省を中心といたしまして検討が進められているわけであります。海洋博各省庁連絡会議というのがございまして、ここで行われているわけでございますが、これは跡地というものが沖繩県の振興開発に寄与するものでなければならないということを前提といたしまして、私どもは関係各省が相協力して精力的に努力しなければならないと思うのでございます。
 そこで、一体そういうような主張をしたり、考えを持っているといってもどうなっているんだということであろうかと思いますが、五十年度予算案の中に通産省所管で海洋博後処理関係調査費というのがついているのでございます。通産省には海洋博後処理問題懇談会というのを設けまして、そこで検討を行うという考え方も通産省が持っているというような事情がございます。私といたしましては、現在の段階では速やかに政府に設けられております海洋博関係閣僚協議会と海洋博推進対策本部、この二つにおいても検討をいたしまして、速やかに各省庁間で県と十分連絡をとりながらこの問題の処理に当たるべきではなかろうかという考え方なのでございまして、いまお話しがありましたように、どの省も、あっちだこっちだと言って押し合いっこしているというような印象が国民、特に沖繩県の方々に与えられているとしますならば、これはもう本当に重要なことでございますので、私といたしましては、いま申し述べましたように速やかにこの処理をいたしたい。ただ、一つ問題がございますのは、県案がまだ正式に来ていないのでございまして、これは大いに督促をいたしております。伝えられる県案の中にもちょっと問題がある面がございますが、いずれにしても基本的な姿勢といたしましてはただいまそのような考えでおるわけでございます。
#129
○小笠原貞子君 決してうわさではなくて、実際にもこれちょっとお荷物ですね、いまこの跡地の問題というのは。だからやっぱりあっちこっちと言わざるを得ないような中でこういうことが出てくるんだろうと思うんですよ。もう現地なんかでも新聞にもどんどん出されていますし、まあお荷物だからといってそのままほっぽり出されたらもう沖繩にとっては大変な問題になりますので、ぜひいま長官おっしゃったように、責任をもって推進していただきたい、後もう何だかんだといってしりすぼみになって、苦労をまた沖繩県なんかにかけるということのないようにしていただきたいということです。
 それからもう一つは、またこれも現地で出てきて新聞で見たんですけれども、方々でやられております第三セクター方式ですね、これは一時ちょっとやめるということになったのが、もうこれ後処理がどっちにも行き場所がなくなって、結局第三セクターでいくよりしようがないじゃないかというようなことで、相当大きくまたこれが浮かび上がって第三セクター方式というものが出てきているわけなんですけれども、この第三セクター方式というのにはいろいろ問題があると思うわけなんですが、その問題についてのお考えはどうなのか、第三セクター方式というものを全然考えていないとおっしゃるのか、それとも一つの問題として考えるとおっしゃるのか。
 それから、時間がないから続けてお伺いしますけれども、先ほど言われましたように関係閣僚会議だとか推進対策本部ですか、そこでお考えになるときに、県の方も県案が出されている中で相当まとまって出てくると思いますけれども、あくまでも県の意向を尊重していただくという形をとっていただけるか、県の意向を尊重するということをはっきりさせていただくことと、第三セクター方式というものについてどう考えていらっしゃるかということ、二つお答えいただいて時間だから終わらしていただきますが、どうぞよろしくお答えください。
#130
○政府委員(井上幸夫君) 海洋博の跡地利用をいかなる人格が主体となってやるかというお尋ねだと思いますけれども、これは跡地利用の形が具体的に決まってまいりまして、それにかかわり合っていかなる人格の者が管理をするかというふうに考えるべきでございまして、ただいまのところ第三セクターがいいとか何が悪とかというふうに私どもの方は考えておりません。そういう意味では、管理主体は白紙でございますけれども、かつて提起されたような第三セクターという考え方は少し現実的ではないのではないかというふうに思っております。
 それから県の考え方でございますけれども、私ども先ほど長官が申し上げましたように、ただいまのところ県の正式の案というのを受け取っておりませんけれども、新聞報道あるいは内々に伝えられている意向といたしましては、特殊法人をつくって管理しようという考え方で、これはこれでいろいろ問題がございます。やはりあの土地を利用いたしますものがだれであるかということによって考え方も変わるべき問題でございますので、これにつきましても、ただいまのところ明確にどういたしますということを申し上げる状況にはないと思います。
#131
○小笠原貞子君 すみません、ちょっと、もう一問だけ、いいですか。もう一度確認したいのですけれども、確かに特殊法人にしてほしいという意向もありますし、また第三セクターの方式というものも考えられるわけなんです。私はその形式がどうだというのではなくて、どっちが本当の県民のためになり、県の本当の振興発展のためになるかということから御判断をいただきたいと思うわけなんですね。そうすると、いままでの第三セクター方式だと、非常に大資本が財力に物を言わせて入ってくるというような危険もいままでの例ですと考えなければならない問題だし、またその市町村、県だとかというところに非常に大きな財政負担というものもかぶってくるというような点も心配なんです。だからそういういままでの第三セクターが持っていた、非常に私が心配するような点がここでまた起きますと、せっかくたくさんのお金をかけてこの海洋博だと大宣伝したはいいけれども、後に残るものは一体何なんだと、そこで土建業者だとか大きな資本はもうかったけれども残されたものはこういうものだったというようなことでは、もうすべてこれは水のあわになってしまう。だからそういうことではなくて、特殊法人でというようなことも、やっぱり本当の県民の、県の振興発展のためにという形でそういうものがつくられればいいということから出てきている発想だと思うわけなんですね。そういうことから、私が心配するような第三セクター方式というものがもしも浮上してきて、もう財政的な面からこれでなきゃやれないのだという、財政面からだけ見られてやられるというようなことがあってはならないと思って、いま非常に早いようなことですけれども、ここではっきり考えを伺わせていただきたいと思ったわけなんで、長官の方からそれについてのお考えを伺わせていただきたいと思います。
#132
○国務大臣(植木光教君) 跡地利用はこれからの早急に解決すべき問題でございますが、第三セクター方式という考えは私は持っておりません。
#133
○喜屋武眞榮君 私、初めに植木開発庁長官にお伺いしたい。お聞きしたい。
 率直な御意思をお聞きしたいのは、沖繩担当長官として、去る一月の十何日でしたか、四日間ですか、三泊四日で沖繩視察をしていただいたわけです。その結論としてどういうことを強くお感じになって帰られておるか、このことをまずお聞きしたい。
#134
○国務大臣(植木光教君) 仰せのとおり、一月に沖繩県を訪問をいたしました。視察をいたしました。残念ながら離島に参る機会を得ませんでしたので、国会が終わりましたならば速やかな機会に離島に参りたいと考えておりますが、私が強く感じましたことば、何と申しましても、戦後長い間苦悩に満ちた歴史の中で県民の方々が非常な苦痛を体験をしてこられた。また、本土と比べまして社会的にも経済的にも、さらに教育の面におきましても、社会福祉の面におきましても、いろいろな面において余りにも格差が大きいということでございました。したがいまして、県民福祉の向上を図り、民生の向上のためにさらに努力をいたしまして、本土との格差の是正をしなければならないというのが私の一番大きな所見であり、そしてまた、これに対しましてあらゆる努力をただいま払っているところでございます。海洋博覧会関連事業等もございまして、沖繩振興開発事業というものは進んではおりますが、しかし、さらにさらに力を入れなければならないということでございます。日本経済全体が非常に困難な状況の中にありますけれども、その歴史的、地理的、社会的な特別の条件下にある沖繩県でございますので、そういう困難な経済財政事情の中にありましても、沖繩県については特別の配慮をすべきだと思うのでございまして、美しい自然、そしてまたすばらしい文化を守りながら同時にまた生きがいがあり、働きがいのある沖繩、すなわち、静かな中にも躍動する沖繩県づくりというものが肝要であるということを強く感じておるのでございまして、さらに努力を続けてまいりたいと存じます。
#135
○喜屋武眞榮君 いま沖繩をごらんになってのその基本的なとらえ方、正しく把握していらっしゃると私は理解いたします。これではいけないと、こうお感じになったところはありませんでしたか。
#136
○国務大臣(植木光教君) 沖繩県民の方々がいろいろな不安を持っておられます。その不安につきまして、私は五つの不安を挙げたわけでございますけれども、すなわち、この自然と文化が守られていくかという不安であり、また医療についての不安であり、雇用についての不安でありますし、物価問題についての不安でありますし、さらに離島生活をこれ以上続けていけるかという不安がございます。これを私は五つの不安として、その解消に努めるということをお約束をしたわけでありますが、ほかにも申すまでもなく非常に大きな基地を抱えておられるという特別な条件下にある沖繩県の方々でございますので、この基地の整理統合につきましてはさらに努力を続けていかなければならないということで、ただいま申し上げました諸点につきましては、閣議におきましても、また随時いろいろな問題が起こりますたびごとに、あるいは予想されますたびごとに関係大臣に対し、省庁に対しまして協力方を強く要請をしておるところでございます。
#137
○喜屋武眞榮君 沖繩のとらえ方に、基地の中の沖繩あるいは聞きしにまさる沖繩ということがよくいわれるのでありまするが、わずか三泊四日の短い期間での御滞在では、三十年近いこのアメリカ支配からこびりついたもろもろのひずみをすべて正しく受けとめていただくことは無理なことかと思っております。それで私は、ただいま述べられた長官のお話の中での具体的な問題につきましては、きょうはこの場ではお尋ねしないことにいたしまして、述べられなかった中で特に沖繩にのみ強烈な障害となって起こりつつある問題について私はこれから論を進めてまいりたいと思います。
 それは何かと申しますと、公害の問題、これは企業公害、産業公害、いろんな立場から数年来わが国の重大な問題であろうと思いますが、私はきょうここで特にお聞きしたいことは、公害の中の爆音公害に問題をしぼってただしたいと思っております。
 まず、その爆音公害に入る前にお尋ねしたいことは、人間の生活に障害のない、支障のない正常な音というのは何ホン以下であろうか、こういうことをまずお聞きしたいと思います。
#138
○政府委員(銅崎富司君) 専門家でありませんので、的確なお答えができるかどうかわかりませんが、私どもいろんな騒音被害について、一応生活できる限度と申しますか、ということは上限かと思いますけれども、やはり七〇ホンから七五、七五程度までに――たとえば九〇ホン以上あればそれを七五まで下げる、そういうことを目標にいたしておるわけでございます。
#139
○喜屋武眞榮君 私の知る限りにおいても大体七〇ホン以上は人間の生活に、あるいは動物の生活も含めて、異常性があらわれてくる。この七〇ホン以下が限度だと私も理解いたしております。そうしますと、爆音といいますといわゆる飛行場、空港における飛行機の爆音等、人間関係からしますとその住まっておる、非常に大きなとらえ方でありますけれども、お聞きしたいことは、外国で空港とその都心までの距離が大体どれぐらいになっておるかおわかりでしたらお聞きしたい。
#140
○説明員(梶原清君) 各空港によりまして大分差等がございますが、通常十キロから一番長いところで六十キロ程度ではないかと考えます。
#141
○喜屋武眞榮君 いまのお答えは実際の調査の上に基づいた御答弁ですか、あるいはあなたの御推測ですか。
#142
○説明員(梶原清君) 世界各国の空港を全部把握してのことでございませんが、飛行場の設置計画をいたします場合に、余り都市と離れますと飛行場機能というものが落ちるわけでございます。利用度の効率といいましょうか、お客さんとの関係におきまして便が悪くなりますので、大体最大限六十キロ程度というふうに思います。市内にある空港もございますので、先ほどのようなお答えをさしていただいたわけでございます。
 なお、先ほど御質問がありましたことに関連いたしましてお答えをさしていただきたいわけでございますが、飛行場の騒音につきましては、一昨年の十二月に環境庁から航空機騒音にかかる環境基準というのが告示でもちまして公にされております。それによりますと、もっぱら住居の用に供される地域はWECPNLで七十以下、それ以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域につきましてはWECPNL七十五以下にしなさい、こういうことになっておりまして、それぞれの空港につきまして達成期間というものが示されております。那覇空港につきましては、十年以内に先ほど申しました七十なり七十五という目標を達成するように努力をするように現状を考えておるわけでございます。
#143
○喜屋武眞榮君 質問の焦点に触れる前に、先ほど国際的に外国の空港と都心までの間の距離を尋ねましたが、次にお聞きしたいことは、日本各県、都道府県の空港とその都心の距離がどういう状態になっているかお聞きしたいと思います。
#144
○説明員(梶原清君) 羽田の飛行場は市内にございます。現在建設途上にございます新東京国際空港は約六十キロ離れております。大阪国際空港は大阪市内から自動車で約二十分から三十分の距離にあるわけでございます。最近拡張整備をいたしております九州地区におきます飛行場について申しますならば、大分が国東半島の先にございますので、これが約三十五キロから四十キロ離れております。宮崎は市内にございます。鹿児島はたしか十三塚原というところにございまして、自動車で四十分か五十分かかるところにあろうかと思います。そういったように市内にありますところと、約六十キロほど離れたところとまちまちでございます。私どもといたしましては、最近の飛行機というのがプロペラ機でなくてジェット化をいたしております。当然飛行場の機能という面からだけでなくて、環境保全、地域社会との調和ということを考えなければならないわけでございますので、拡張に際しまして、どちらかと言えば都心から離れていく傾向にあろうかと思います。その例が九州の各県に見られるわけでございます。
#145
○喜屋武眞榮君 沖繩における状況をどのように理解していますか。
#146
○説明員(梶原清君) 沖繩につきましては、現在ございます飛行場につきまして騒音対策を十分いたしまして、環境基準を達成するように努力をいたしたい、かように考えておるわけでございますが、民間航空機の発着回数も復帰後増加をしてまいっております。したがいまして、騒音もトップになっておるわけでございますが、さしむき本年度から予備調査を行いまして、来年度早々に本格的な騒音調査をいたしたいと、かように考えております。また五十年度には、いわゆる航空機騒音防止法に基づきまして、特定空港に指定をいたしまして、民家の防音工事、とりあえず学校等の防音工事の助成、共同施設の整備等をやっていくように現在考えておるところでございます。
#147
○喜屋武眞榮君 私が以上の点を前置きにお聞きしますのは、私も私なりに調査をいたしてきておりますので、結論は沖繩の爆音公害は世界にも類例のない異常な実態であるということをまず前提にしなければ話は始まらぬということなんです。それは先ほど大体を話されましたが、たとえばモスコーの場合四十キロ、スウェーデンの場合四十五キロ、チェコスロバキアが二十キロ、オーストリアが二十三キロ、ボンが二十五、スペインが六、ポルトガルが五、ニューヨークが十五、メキシコが十二、ロサンゼルスが三十キロ、ホノルルが十八キロ、これは私が歩いてきた、視察してきた飛行場の実態でありますが、こういうことで大体アバウトで言いますと二十キロから三十キロの都心と離れがあるんですね。本土の場合にもここに各県の実態調査が出ておるわけですが、これを見ましても大体いまおっしゃるような数字が、県別の長短の差はありますが、これはあなたは距離でおっしゃったり時間でおっしゃったり渾然しておりましたが、距離で出ておりまするが、この各都道府県の空港の距離をとらえましても、沖繩の空港のあり方はまさに世界にも類例のない異常な状態であるということをまず前提に強く申し上げておきたいんです。
 それでは、対策の一面はちらほら話されましたが、そのような爆音を政府の責任において実態を調査されたことがありますかどうか。
#148
○政府委員(銅崎富司君) 私のほうは米軍の飛行場について調査をいたしたわけでございますが、まず嘉手納飛行場におきましては、離着陸回数にいたしまして、四十七年度月平均で約一万一千回になっております。四十八年度が月平均で約九千九百回、四十九年度同様に九千九百回でございます。それから最近におきます騒音の強度及び頻度は一日平均で百ホン以上が約十回、九十から九十九ホンの間が約七十六回でございます。普天間飛行場におきましては、離着陸回数は過去三カ年、四十七、四十八、四十九それぞれ月平均で約四千六百回、最近における騒音の強度、頻度は一日平均で九十九から百ホンの間が約十六回、こういう結果を得ております。
#149
○喜屋武眞榮君 回数もそうなんですが、ここには嘉手納飛行場の嘉手納村と北谷村、両村でまめに記録したデータが出ておりますが、大体いまおっしゃったのに一致するわけですが、しかも、これには百十ホン以上、いわゆる基準ホンの二倍近い百十ホン以上が月別に出ておりますが、四十八年の四月に四百九十五回という数字、そして五月、六月とこう月別に一カ年間のデータが出ております。北谷におきましても。これを見ましても、これはもう大変な人間の住む生活環境ではないということがはっきりいたすわけなんですが、これは嘉手納の場合。
 次に那覇飛行場の場合も復帰後、特にベトナム戦終了後激しくなっておるということを私はこの前その関係者から聞いてきたわけなんです。一体これは何を意味するかということにもつながるわけですが、それはきょうは論ずる時間がありませんので、那覇空港の場合もこのように三月二十三日付の新聞で出ておりますが、もうたまったものじゃない。那覇空港の場合にも四十八年の測定値では、具志という字が八十五ホン、瀬長という字が九十五ホン、西原が八十五、これが第一回の測定。それから二回目の去年の十月一日に具志という字が、激しくなってもうがまんならない。しかも、ジェットエンジンの調整音が、炸裂音が、その字を通り越して那覇市内にまでその音が届くぐらいにこの調整音が激しくなっておる。那覇飛行場はこういう状態にいわゆる音で侵食されつつある。
 それから普天間飛行場、ごく最近から非常に爆音が激しくなり、近く議会で決議して陳情に来るはずでありますが、いわゆる滑走路の短いせいもあるかもしれませんが、町の真ん中にある飛行場でありますが、その離陸の際にはもう民家すれすれに、屋敷の樹木もふるえる、それほど低空で離陸していくという、こういう実情を私は聞いてまいりまして、驚いたわけであります。
 それから伊江島の場合にも、先ほども安全性の確保の問題がありましたが、爆音の面からも問題がある。射爆場もさらに問題でありますが。ということは、沖繩の場合には特に民間空港においてももう那覇のような状態になりつつある。さらに米軍の基地空港。このような状態に置かれておるということは、すなわち、沖繩の場合には飛行場と民間の住宅、あるいは都心との距離が近いというよりも、むしろ町の中に飛行場がある、滑走路がある。こういう状態の中で今日まで幾多の事故も起こっておることは御存じのとおりであります。さらに今日では、その事故に対する不安もさることながら、この音に悩まされておるという実態を、最近私は特に激しくなっているということを聞きましてこの問題を取り上げたわけであります。その爆音による公害がどのようにあらわれておるかということについて調査されたことがありますかどうか、お聞きしたい。
#150
○政府委員(銅崎富司君) 直接調査をいたしたことはまだございませんが、たとえば屋良小学校におきまして、爆音が児童にどういう影響を与えるかということを調べました。いろいろ目がかすむとか、頭が痛くなるとか、耳にいろんな障害があるとか、そういう細かいデータをいただきまして、私どもといたしましても、爆音とどういう関係にあるかというのを、そのデータをもとにしていろいろ研究してみたことはございます。
#151
○喜屋武眞榮君 このような粘り強い何年来の訴えに対しても、なおかつみずから調査したことがないという、この前向きではなく後ろ向きの消極的な態度が、強ければ強いほど、それだけ県民に被害が強くなってくるわけであります。いまさら申し上げるまでもありません。この爆音騒音からくる公害がどのような形であらわれているかということを調査して、いまからでも遅くはない、私は強く要請します。調査の結果はこうであった、被害もこうであったと、こういうことを自信を持って答えてもらいたい。
 私が調査したところによりますと、まずどのような爆音公害が発生しておるか、これは主なるものであります。実際に読むとこれは時間がかかりますので。まず病院における診療、あるいは入院患者の療養、もうかきむしられるような心身の不安感、治る病気もますます悪くなるばかりである。この病人の病院における診察あるいは療養に大変なショックを与えておる。第二点は、学校での授業、これは申すまでもありません。教育は最も大事にしなければいけない。それを爆音によって破壊し尽くして何十年来、学校での授業。それから家庭での保育、赤ちゃんが寝つかれない、ショックを受けて泣き出す。次には、農家における家畜の経営。いわゆる鶏の産卵率が減る、豚の産率が低下する、このように農家の家畜の経営にも重大な被害があらわれておる。それだけではない。テレビの障害、ラジオの音波、それから家庭、職場での電話のやりとりも十分できない状態。このような状態にまで沖繩県民を封じ込めておいて、なおかつまだ実際に調べたことがないとは何事かと言いたいのです。それで国に政治があるのか、政府に行政があるのかと言いたいくらいなんです。いまからでも遅くありません。ぜひこの実態を政府の責任において調査してもらいたい。お約束できますか。
#152
○説明員(梶原清君) 那覇空港は御案内のとおり第二種空港でございまして、国が設置管理をすることになっておるわけでございます。先ほどもお答えを申し上げましたように、五十年度、四月に入りましたら、できるだけ速やかに本格的な騒音調査をいたしまして、その実態を把握をいたしたい、かように考えております。そして、私ども空港の騒音問題というものにつきましては、先生御指摘のとおり、非常に大きな社会問題になっておるわけでございます。周辺の皆様方に御迷惑をかけておるわけでございます。昭和四十二年にいわゆる航空機騒音防止法というものを制定をしていただきまして、当初三億の予算をちょうだいいたしましたが、来年度は今国会で御審議いただいております予算の中におきまして、航空機騒音対策事業費は二百三十四億を計上さしていただいておるわけでございます。そのうち那覇空港につきましては、学校等の防音工事の助成、共同利用施設の整備で約二億何がしの予算を予定をさしていただいておるわけでございます。騒音対策といたしましては、何はともあれ発生源対策、器材の改良とか運航方法の改良をいたしまして発生源対策をやる、それから防音林なり緩衝緑地を設けるような空港構造の改良というものも空港によりましてはとってまいりたい。それから先ほど申しました補償等による空港周辺対策も積極的にやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。空港周辺の皆様方におかけしております迷惑を十分私どもよくわかっておりますので、騒音対策につきましては積極的に努力をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#153
○喜屋武眞榮君 いま予算が二百三十四億とおっしゃったね。
 私が最初に植木開発庁長官の感想を求めたのは、あるいは御滞在中アメリカも遠慮して飛行機を飛ばさなかったかもしれませんが、初めて沖繩に行く方なれば、だれでも胸えぐられる思いで、感じで嘉手納周辺をお通りになる場合に感ずるのは、これもどなたでもショック的に受けとめてもらっておるわけなんですが、そのやかましさを語られなかったのは本当の沖繩を知っておられないという一つの事例にもなると思うのですが、まあ抜本的には基地の撤去が望ましいわけでありまするが、百歩譲って、そういうことがいきなりできないとしましても、この防音対策はこれも他県とも違う異常な状態であるということ。町の中に空港がある、そうして日夜、しかも何十年来悩まされてきているという、このことを黙視するようではどんなことがあっても我慢ならない。ところで、遅まきながら防音施設として十分配慮していきたいということはおっしゃったわけでありますが、この場合に、言うはやすくして、実際問題としてまた気になりますことは、公共施設優先ということもある程度理解できないわけはありません。学校ほか公共施設の防音装置、ところが、沖繩の場合には学校も民家も同じ位置にあって、同じ爆音の被害を受けておる。そして一日の生活からすると、二十四時間の子供たちの生活は八時間が学校としても、あとの十六時間は家庭を中心とする環境で生活しておるわけでありますので、この一般民家の防音対策まで十分配慮しなければ救われないということになるわけでありますが、その公共施設と一般民家、たとえば那覇にしてもこれは都心までは三キロ足らずである。嘉手納なんか道一つ隔てて、五十メーター足らずに接近しておる。しかもその離陸は村民の頭上をいつもすれすれに飛んでいく。普天間においてもしかりなんです。百メーターも離れていない。実情はさっき申し上げたとおり。そうすると学校は防音施設されたとしても、一般民家はどうなるのであるか、そのことについてもう一遍はっきりしたお答えをお聞きしたい。
#154
○政府委員(銅崎富司君) まず騒音対策といたしまして、現在施設庁におきましてとっておりますのは、先生もいまお話がございました学校で嘉手納、普天間を合わせまして十八件、二十一億四千万でございます。幼稚園が三件で六千五百万円、公民館が四件で一億七千八百万円、学習等供用施設が十三件で二億一千三百万円、図書館が一件で四百万円、合計しまして三十九件、二十六億四千万円のいろいろな防音施設を助成しておるわけでございますが、昨年の六月に防衛施設周辺の生活環境整備法が成立いたしまして、この中で新規施策といたしまして、ただいまお話のありました個人住宅の防音工事の助成ができるということでございますので、私どもとしては四十九年度から実施できる体制をとっておりますので、関係の地方公共団体の協力を得まして、五十年度からは個人住宅の防音工事について助成をしていきたい、こういうふうに考えております。
#155
○喜屋武眞榮君 時間もないようでありますので最後にお尋ねしたいのですが、次にこの那覇飛行場の民移管について、これは復帰の際の目玉商品であったことはもういまさら論ずるまでもない。それが今日まで尾を引いて、いまだに完全移管されておらない。それが例のP3の移転の問題とも関係があるわけで、P3はいつまでにどこに撤去されるのであるか、そうして那覇空港が完全に民移管が約束どおり実現するのがいつの日であるか、そのことをお聞きしたい。
#156
○政府委員(銅崎富司君) 現在でき上がりました一部のものについて、移転の準備が始まっておると聞いておりますが、五月の初めにP3が嘉手納飛行場の方に移駐すると、それから五月いっぱいでたとえば整備ショップその他関連の施設も嘉手納の方に移転するというふうに聞いております。
#157
○喜屋武眞榮君 そうすると遅くとも六月以降は完全民移管可能であるということですね。そこで気になりますのは、この撤去というもののとらえ方ですが、県民の立場からすると、撤去というのは沖繩県から外に持っていくことを撤去というのであって、那覇から北谷村に、嘉手納に移すこと、これは移動であって撤去とは考えたくない。ここにも問題があるからこそ、北谷村民も嘉手納村民もP3の移駐を反対していることも御存じのとおりでありますが、そういう基本的な考え方に対する問題もあるわけでありますが、このことも一応私の方から強い不満を申し上げて、沖繩からとってのけることが撤去であって、沖繩内のこの部署からあの部署に移すことはこれは移動であって撤去ではない。そうするとここでは喜ぶが向こうでは、今度は受け入れる側としては大変だ、こういうことがいまの実情であるわけなんです。このことも私は強い不満を申し上げたい。
 次に気になりますことは、なぜあえて完全に民移管されますかと聞きますのは、航空自衛隊がその後また共用するのではないかということも伝えられております。このことについてはっきりと、運輸大臣と防衛庁長官との十分なる取り決めが必要であると思うんですが、自衛隊がそこを共用するということになると、いまのアメリカが使っているのと実質的には同じ危険、上安全性の確保という面からはこれは何ら前進しないということになりますが、そのことについてはどうなっておりますか、またどうなりますか。どのように考えておられるのか。
#158
○政府委員(銅崎富司君) 私の方から申し上げるのは適当かどうかわかりませんが、防衛庁の担当がきておりませんので、便宜私から申し上げますが、私の聞いておるところでは、まあ現在すでに航空自衛隊の航空機が復帰のときからおるわけでございますが、その状況はそのままふえずに今後とも続いていくというふうに聞いております。ただ、P3の移転しました跡をどういうふうに使うかというのは、現在運輸省の方といろいろ調整をして、その後の使用の方向を決めていっているところだというふうに承知いたしております。
#159
○説明員(梶原清君) P3地区の跡地利用につきましては、当面、海洋博時の旅客輸送問題もございますので、私どもといたしましては、民間航空が優先的に使用できますように、関係各機関と目下鋭意協議中でございます。
#160
○喜屋武眞榮君 それじゃこれで終わりますが、最後に開発庁長官、いまのような重大な問題が一応めどがついて日取りも決まったようなものでありまするが、その後どうなるかということが運輸省と防衛庁との間に問題が残っておる。そのことをひとつ沖繩担当長官として証人となって見守っていただいて、県民の要求が入れられるように見守っていただきたい。そのことに対して長官の御見解をお聞きしまして質問を終わりたいと思います。
#161
○国務大臣(植木光教君) P3の跡地の問題につきましては、海洋博覧会についてはいま運輸省からお答えがあったとおりでございます。その後も引き続き民間利用であってほしいということを私の方から運輸大臣に申し入れておりまして、運輸大臣としてもそういう方向で努力をしつつあるということを中間的に伺っております。今後もその要請を続けてまいりたいと存じます。
#162
○委員長(古賀雷四郎君) 長時間御苦労さまでした。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト